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特表2023-525069フィブリル化ナノセルロース材料の方法、装置、およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-14
(54)【発明の名称】フィブリル化ナノセルロース材料の方法、装置、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   D21H 11/18 20060101AFI20230607BHJP
【FI】
D21H11/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567607
(86)(22)【出願日】2021-05-04
(85)【翻訳文提出日】2022-12-27
(86)【国際出願番号】 IB2021053711
(87)【国際公開番号】W WO2021224778
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】63/019,849
(32)【優先日】2020-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/019,852
(32)【優先日】2020-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/241,050
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522433007
【氏名又は名称】チャン, イウ ウェン
(71)【出願人】
【識別番号】522433018
【氏名又は名称】チェン, ジョージ ダー レン
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チャン, イウ ウェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ジョージ ダー レン
【テーマコード(参考)】
4L055
【Fターム(参考)】
4L055AF09
4L055AF46
4L055BB01
4L055CB11
4L055CB13
4L055EA15
4L055EA16
4L055EA20
4L055FA13
4L055FA14
4L055FA30
4L055GA05
(57)【要約】
フィブリル化ナノセルロース材料の方法、装置、およびシステムは、ナノセルロースをフィブリル化形態において注入して、セルロースパルプの特性を増強することによって、先行技術の欠点を克服する。これらの特性としては、例えば、機械的特性およびバリア特性が挙げられ得る。すなわち、引張り強さ、酸素、二酸化炭素、および油のような液体およびガス不透過性が、実質的に改善され得る。本発明は、強度増強剤、オリゴマー、カルボン酸、可塑剤、抗微生物剤、撥水剤、および/または透明複合材であるという特性を含むフィブリル化セルロース複合材をさらに提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解性材料を生成するための装置であって、前記装置は、
第1の材料を受容するための第1のユニットであって、ここで前記第1のユニットは、前記第1の材料中の繊維のうちの一部を捕捉するための繊維捕捉器を含む第1のユニット;
前記繊維のうちの一部をかみ合わせるための第2のユニット;
第2の材料と前記繊維のうちの一部とをかみ合わせ、前記第2の材料および前記繊維のうちの一部が第3の材料を形成するための第3のユニット;ならびに
前記第3の材料中の水分含有量を低減するための水除去ユニット、
を含む装置。
【請求項2】
前記水除去ユニットの後ろに前記第3の材料を成形するための成形器をさらに含み、ここで前記成形器は、前記第3の材料に熱および圧力を加える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の材料は、パルプ懸濁物を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2の材料は、すり潰し後のフィブリル化セルローススラッシュを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第3のユニットは、前記第2の材料を保持するための容器を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第3のユニットは、加熱要素を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記加熱要素は、前記第2の材料の温度を、少なくとも約40℃に維持するように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記加熱要素は、表面材料が前記第1の材料をかみ合わせるときに、前記第2の材料の温度を、少なくとも約40℃に加温するように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記第3の材料は、引張り強さ、増強したオイルバリア、ガスおよび/もしくは液体不透過性、引張り弾性率、または引張り指数を改善するように適合された化学添加剤を概して含まない、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第3の材料は、
約8000cm-224h-1もしくはこれより小さい酸素透過率
3000g m-224h-1もしくはこれより小さい水蒸気透過率、
約30MPaもしくはこれより大きい乾式引張り強さ、
約4GPaもしくはこれより大きい乾式引張り弾性率、および
約45Nm g-1もしくはこれより大きい乾式引張り指数、
の特性を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第3の材料は、
約5MPaもしくはこれより大きい湿式引張り強さ、
約0.4MPaもしくはこれより大きい湿式引張り弾性率、および
約5Nm g-1もしくはこれより大きい湿式引張り指数、
のさらなる特性を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第3の材料は、1:100または1:50の重量比を有する異なる直径のフィブリル化セルロースを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第3の材料は、約1~10000ナノメートル(nm)の直径を有するフィブリル化セルロースを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記第3の材料は、約0.1~1000マイクロメートル、約10~500マイクロメートル、約1~25マイクロメートル、または約0.2~100マイクロメートルを有するフィブリル化セルロースを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第3の材料は、平らなシートを構成する、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記第3の材料は、食用に適した品目のための容器を構成する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記第3の材料は、フィブリル化混合物を構成する、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記第3の材料は、約0.01~3.0ミリメートル(mm)の厚さを有するフィルムを構成する、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記平らなシートは、0.01mm~10000mmの範囲の長さを含む、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
生分解性材料を生成するための装置であって、前記装置は、
第2の材料をかみ合わせるための第2のユニット;
前記第2の材料を真空状態においてかみ合わせて、第3の材料を形成するための第3のユニット;および
前記第3の材料中の水分含有量を低減するための水除去ユニット、
を含む装置。
【請求項21】
生分解性材料を生成するための方法であって、前記方法は、
第2の材料をかみ合わせる工程;
前記第2の材料を真空状態でかみ合わせて、第3の材料を形成する工程;および
前記第3の材料中の水分含有量を低減する工程、
を包含する方法。
【請求項22】
生分解性材料を生成するための方法であって、前記方法は、
第1の材料を、前記第1の材料中の繊維のうちの一部を捕捉するための繊維捕捉器に受容する工程;
第2の材料をかみ合わせる工程;
前記第2の材料を真空状態でかみ合わせて、第3の材料を形成する工程;および
前記第3の材料中の水分含有量を低減する工程、
を包含する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明の局面は一般に、再生およびリサイクル可能な材料に関する。より詳細には、本発明の実施形態は、消費者向け製品のために作製されたフィブリル化セルロース材料に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
環境の危機、すなわちプラスチック廃棄物汚染に対する懸念の増大は、持続可能なかつ再生可能な材料への広範囲の調査の引き金を引いた。石油由来のポリマーを回避しようと努力するにあたって、天然に存在する生体ポリマー、植物ベースのセルロース繊維は、材料研究業界に代替案を提供する。セルロース繊維は、持続可能な、再生可能な遍在する供給源に起因して、それらの注目が増大しつつあり、より重要なことには、それは、自然界での生分解性が100%である最終製品を提供する。
【0003】
しかし、セルロース繊維に基づく多くの既存の生分解性製品は、その期待に応えられない。例えば、これらのセルロース繊維の製品を製造するコストは、大規模生産のために経済的に行えるとはいえない。さらに、耐水性、耐油性、または非粘着特性の必要性に起因して、セルロース繊維の製品の多くは、これらの特性または効果を達成するために、合成化学組成物に大きく依拠している。例えば、多くの既存の製品は、フルオロカーボンのコーティングが食品または飲料品目と接触する表面に塗布されることを必要とする。さらに、これらのフルオロカーボンベースの化学物質のうちのいくつか(例えば、ペルフルオロオクタン酸(PFOAまたはC8))は、長期間の健康および環境への負の影響を引き起こし得る。
【0004】
さらに、現在の実務は、2層またはより多くの層のフィブリル化セルロース材料を作製していない。むしろ、以前の実務は、セルロースパルプ溶液から1層を生成しようと試みるに過ぎない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
要旨
本発明の実施形態は、フィブリル化形態にあるナノセルロースを注入して、セルロースパルプの特性を増強することによって、先行技術の欠点を克服する。これらの特性としては、例えば、機械的およびバリア特性が挙げられ得、すなわち、引張り強さ、酸素、二酸化炭素、および油のような液体およびガス不透過性が実質的に改善され得る。
【0006】
本発明の別の実施形態は、強度増強剤、オリゴマー、カルボン酸、可塑剤、抗微生物剤、撥水剤、および/または透明複合材であるという特性を作り出すために、フィブリル化セルロースの層または混合物を含むフィブリル化セルロース複合材をさらに提供する。上記複合材はさらに、上記の特性を増強するために化学添加剤を概して含まなくてもよい。さらに別の実施形態において、上記複合材は、基材(例えば、パルプ)および別の層(例えば、フィブリル化セルロース)をさらに含み得る。
【0007】
図面の簡単な説明
当業者は、図面中の要素が、簡潔性および明瞭性のために例証されることから、全ての関係性および選択肢が示されているわけではないことを認識し得る。例えば、商業的に実現可能な実施形態において有用または必要な、一般的であるがよく理解されている要素はしばしば、本開示のこれらの種々の実施形態の図を曖昧にしないように、記載されないこともある。ある特定の行為および/または工程が、特定の出現順序で記載されてもよいし、示されてもよいが、当業者は、順序に関するこのような特定が、実際には必要とされないことを理解し得ることは、さらに認識され得る。本明細書で使用される用語および表現が、具体的意味が本明細書で別段示されている場合を除いて、それらの相当するそれぞれの調査および試験の分野に関して定義され得ることはまた、理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1A~1Dは、1つの実施形態に従うセルロース繊維水性懸濁物の材料を図示する。
【0009】
図2図2は、一実施形態に従うフィブリル化セルロース(3重量%)を有する材料の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
【0010】
図3図3A~3Dは、半加工セルロース繊維の走査型電子顕微鏡(SEM)画像であり、ここでa~bは、Y-セルロース繊維のSEM画像であり、c~dは、一実施形態に従うB-セルロース繊維のSEM画像である。
【0011】
図4図4A~4Dは、機械的にすり潰した半加工繊維のSEM画像であり、ここでa~bは、Y-セルロース繊維であり、c~dは、一実施形態に従うB-セルロース繊維である。
【0012】
図5図5は、フィブリル化セルロースL28b、L29b、L30b、およびYから作製した容器の画像を図示し、一実施形態に従って10日間にわたって油を保持できた。
【0013】
図6A図6Aは、一実施形態に従って約5分間にわたって材料中に沸騰水を入れた食品品目を示す画像である。
【0014】
図6B図6Bは、沸騰水を入れ、マイクロ波の下で一実施形態に従って2分間にわたって800Wで加熱した状態の食品品目を示す画像である。
【0015】
図7図7は、一実施形態に従う食品容器中で使用されるフィブリル化セルロースの構造に関する材料の別のSEM画像である。
【0016】
図8図8は、一実施形態に従って材料を製造するための方法のフロー図である。
【0017】
図9図9は、一実施形態に従うフィルムを示す3枚の画像を図示する。
【0018】
図10A図10A~13は、一実施形態に従う装置を図示する。
図10B図10A~13は、一実施形態に従う装置を図示する。
図11A図10A~13は、一実施形態に従う装置を図示する。
図11B図10A~13は、一実施形態に従う装置を図示する。
図11C図10A~13は、一実施形態に従う装置を図示する。
図11D図10A~13は、一実施形態に従う装置を図示する。
図12A図10A~13は、一実施形態に従う装置を図示する。
図12B図10A~13は、一実施形態に従う装置を図示する。
図13図10A~13は、一実施形態に従う装置を図示する。
【0019】
図14図14A~14Dは、上記実施形態の局面に従って製造される例示的な最終製品を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
実施形態はここで、その一部を形成し、実施され得る具体的な例示的実施形態を例証によって示す添付の図面を参照しながらより完全に記載され得る。これらの図示および例示的な実施形態は、本開示が1またはこれより多くの実施形態の原理の例証であり、図示される実施形態のうちのいずれの1つをも限定するとは意図されない場合もあるという理解とあわせて示され得る。実施形態は、多くの異なる形態において具現化され得、本明細書で示される実施形態に限定されると解釈されるべきではない;むしろ、これらの実施形態は、本開示が十分かつ完全であり得るように提供され、当業者に実施形態の範囲を十分に伝え得る。従って、以下の詳細な説明は、限定の意味に解釈されなくてもよい。
【0021】
本発明の実施形態は、Green Composite MaterialTM(GCMTMなどの材料を含み、これは、いかなる材料をも含まないコア材料として、フィブリル化セルロースを含み得る。1つの実施形態において、上記複合材は、パルプおよびフィブリル化セルロースを含み得る。別の実施形態において、上記複合材は、化学添加剤または薬剤を概して含まなくてもよい。さらに別の実施形態において、上記複合材は、専ら植物繊維に由来し得る。1つの実施形態において、上記化学添加剤または薬剤は、天然のものに基づくかまたは非毒性であり得る。別の実施形態において、上記化学添加剤または薬剤は、実験室によって作製され得る。いくつかの実施形態において、これらの植物繊維は、バガス、タケ、マニラアサ、サイザルアサ、タイマ、アマ、ホップ、ジュート、ケナフ、ヤシ、コイア、トウモロコシ、ワタ、木材、およびこれらの任意の組み合わせに由来し得る。さらに他の実施形態において、上記植物繊維は、予備加工または半加工されたセルロースであり得る。他の実施形態において、フィブリル化セルロースを有するgreen composite materialは、精製プロセス(例えば、高圧ホモジナイザーまたは精製機)を通じて植物繊維を加工することによって得られ得る。さらなる実施形態において、フィブリル化セルロースを有する複合材は、細菌株を介して(セルロース生成微生物なしで)得られ得る。代替の実施形態において、フィブリル化セルロースを有する材料は、海産供給源から得られ得る。
【0022】
1つの実施形態において、上記セルロースの形状およびサイズは、繊維または繊維の組み合わせの原産地およびその作製プロセスに依存し得る。それにもかかわらず、フィブリル化セルロースは、一般に、以下に記載されるような直径および長さを有する。上記フィブリル化セルロースは、1つの実施形態において、約1~5000ナノメートル(nm)の直径を有し得る。さらに別の実施形態において、上記フィブリル化セルロースは、約5~150nmまたは約100~1000nmの直径を有し得る。さらに別の実施形態において、上記フィブリル化セルロースは、約5000~10000nmの直径を有し得る。
【0023】
なおさらなる実施形態において、上記材料は、毒性の化学添加剤または薬剤なしに種々の特性を高めるか、増強するか、または改善する増強された特性を有し得る。別の実施形態において、食品または液体の品目を運ぶために適した種々の特性を有する材料は、概して化学添加剤または薬剤を含まない。例えば、先行技術において示されるように、所望の引張り強さ(乾式または湿式のいずれか)、増強されたオイルバリア、ガスおよび/または液体不透過性を提供する、種々の毒性の化学添加剤または薬剤が、製造プロセスの間に材料に添加されているかまたはそこにコーティングされている。本発明の局面は、種々の毒性の化学添加剤または薬剤を上記材料に添加する代わりに、これらの添加剤または薬剤を概して含まないフィブリル化セルロースを有する複合材を含む。
【0024】
例えば、上記フィブリル化セルロースは、約0.1~1000マイクロメートル、約10~500マイクロメートル、約1~25マイクロメートル、または約0.2~100マイクロメートルの長さを有し得る。いくつかの実施形態において、異なる直径のフィブリル化セルロースを有する材料は、例えば、1:100の重量比を有し得る。別の実施形態において、上記フィブリル化セルロースは、1:50の重量比を有し得る。さらなる実施形態において、混合フィブリル化セルロースを有する材料は、改善された引張り強さ(乾式または湿式のいずれか)、増強されたオイルバリア、ガスおよび/または液体不透過性、ならびにコスト節約のような利点を提供し得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、フィブリル化セルロースを有する材料は、約8000cm-224h-1もしくはこれより小さい酸素透過率の特性を有し得る。別の実施形態において、上記酸素透過率は、約5000cm-224h-1もしくはこれより小さい。さらに別の実施形態において、上記酸素透過率は、約1000cm-224h-1もしくはこれより小さい。
【0026】
さらに、さらにいくつかの実施形態において、上記材料は、約3000g m-224h-1もしくはこれより小さい水蒸気透過率の特性を有し得る。さらに、別の実施形態に関しては、上記水蒸気透過率は、約1500g m-224h-1もしくはこれより小さくてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、材料は、約30MPaもしくはこれより大きい乾式引張り強さの特性を有し得る。別の実施形態において、上記乾式引張り強さは、約70MPaであり得る。さらに別の実施形態において、上記乾式引張り強さは、約100MPaもしくはこれより大きくてもよい。いくつかの実施形態において、上記材料は、約4GPaもしくはこれより大きい乾式引張り弾性率の特性を有し得る。別の実施形態において、上記乾式引張り弾性率は、約6GPaもしくはこれより大きい。
【0028】
いくつかの実施形態において、上記材料は、約45Nm g-1もしくはこれより大きい乾式引張り指数の特性を有し得る。別の実施形態において、上記特性は、約80Nm g-1もしくはこれより大きくてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、上記材料は、約5MPaもしくはこれより大きい湿式引張り強さの特性を有し得る。別の実施形態において、上記湿式引張り強さは、約20MPaもしくはこれより大きくてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、上記材料は、約0.4MPaもしくはこれより大きい湿式引張り弾性率の特性を有し得る。別の実施形態において、上記湿式引張り弾性率は、約1.0MPaもしくはこれより大きくてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、上記材料は、約5Nm g-1もしくはこれより大きい湿式引張り指数の特性を有し得る。別の実施形態において、上記湿式引張り指数は、約20Nm g-1もしくはこれより大きくてもよい。
【0032】
代替の実施形態において、上記材料は、乾式および/または湿式の強度を増強するために接着剤を含み得る。1つの実施形態において、上記接着剤は、ポリマーを含み得る。他の実施形態において、上記接着剤は、金属塩を含み得る。別の実施形態において、上記接着剤は、オリゴマーを含み得る。さらに他の実施形態において、上記接着剤は、カルボン酸を含み得る。さらに代替の実施形態において、上記接着剤は、可塑剤を含み得る。いくつかの実施形態において、本発明においてフィブリル化セルロース 対 上記接着剤の重量比は、約33:1~1:1であり得る。
【0033】
例えば、上記ポリマーは、ポリエステル、ゼラチン、ポリ乳酸、キチン、アルギン酸ナトリウム、熱可塑性デンプン、ポリエチレン、キトサン、キチングルカン、ポリビニルアルコール、またはポリプロピレンを含み得る。1つの実施形態において、上記ポリマーは、本発明の局面の複合材に適用され得る化学添加剤を含み得る。例えば、上記化学添加剤は、材料自体の中に埋め込まれていてもよいし、その上にスプレーまたはコーティングされていてもよい。
【0034】
さらに別の実施形態において、上記接着剤は、金属塩を含み得る。例えば、上記金属塩は、炭酸ジルコニウムカリウム、硫酸アルミニウムカリウム、炭酸カルシウム、およびリン酸カルシウムを含み得る。いくつかの実施形態において、本発明においてフィブリル化セルロース 対 上記接着剤の重量比は、約33:1~1:1であり得る。
【0035】
別の実施形態において、上記接着剤は、オリゴマーを含み得る。1つの例において、上記オリゴマーは、オリゴヌクレオチド、オリゴペプチド、およびポリエチレングリコールを含み得る。いくつかの実施形態において、本発明においてフィブリル化セルロース 対 上記接着剤の重量比は、約33:1~1:1であり得る。
【0036】
さらに他の実施形態において、上記接着剤は、カルボン酸を含み得る。例えば、上記カルボン酸は、クエン酸、アジピン酸、およびグルタル酸を含み得る。いくつかの実施形態において、本発明においてフィブリル化セルロース 対 上記接着剤の重量比は、約33:1~1:1であり得る。
【0037】
実施形態において、上記可塑剤を有する接着剤は、その接着した複合材の脆性およびガス透過性を低減し得る。いくつかの実施形態において、上記可塑剤は、ポリオールを含み得る。1つの実施形態において、上記ポリオールは、グリセロールを含み得る。1つの実施形態において、上記ポリオールは、ソルビトールを含み得る。1つの実施形態において、上記ポリオールは、ペンタエリスリトールを含み得る。いくつかの実施形態において、上記ポリオールは、ポリエチレングリコールを含み得る。いくつかの実施形態において、可塑剤 対 上記複合材 対 接着剤の重量比は、約5:33:1~約1:1:1である。
【0038】
別の実施形態において、上記可塑剤は、分枝状ポリサッカリド、ワックス、脂肪酸、脂肪および油を含み得る。
【0039】
本発明の局面は、ガスおよび/または液体状態の水を通さないように、化学添加剤として撥水剤をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、上記撥水剤は、動物ベースのワックス、動物ベースの油または動物ベースの脂肪を含む。1つの実施形態において、上記撥水剤は、石油由来のワックスまたは石油ベースのワックスを含む。他の実施形態において、上記撥水剤は、植物ベースのワックス、植物ベースの油または植物ベースの脂肪を含む。
【0040】
いくつかの実施形態において、動物ベースの撥水剤は、蜜蝋、シェラックおよび鯨油を含み得る。
【0041】
いくつかの実施形態において、石油ベースのワックス撥水剤は、パラフィンワックス、パラフィン油およびミネラルオイルを含み得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、植物ベースの撥水剤は、カルナウバ蝋、ダイズ油、ヤシ油、ヤシワックス、カルナウバ蝋およびココナツ油を含み得る。
【0043】
いくつかの実施形態において、撥水剤は、炭酸ジルコニウムカリウム、硫酸アルミニウムカリウム、炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウムのような接着剤を含み得る。
【0044】
さらなる実施形態において、上記材料は、フィブリル化セルロースを含み得、必要に応じて、抗微生物剤をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、抗微生物剤は、チャポリフェノールを含み得る。いくつかの実施形態において、抗微生物剤は、ピリチオン塩、パラベン、パラベン塩、四級アンモニウム塩、イミダゾリウム、安息香酸 ソルビン酸、およびソルビン酸カリウムを含み得る。
【0045】
さらに、本発明の別の実施形態は、約300~800nmの波長を有する光の透過を増大させるために、透明複合材を必要に応じてさらに含むフィブリル化セルロースを有する材料を含み得る。いくつかの実施形態において、材料は、分枝状ポリサッカリドを含み得る。いくつかの実施形態において、上記材料 対 透明複合材の重量比は、例えば、約99:1~約1:99の種々の範囲に及び得、これは、必要とされる透明性に依存し得る。
【0046】
いくつかの実施形態において、分枝状ポリサッカリドは、デンプン、デキストラン、キサンタンガム(xantham gum)、およびガラクトマンナンを含み得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、デキストランは、アガロース、プルラン、およびクルダン(curdan)を含み得る。
【0048】
いくつかの局面において、本明細書で開示される材料によって作製される製品の製造が、本明細書で提供され、設計した形状へと、例えば、二次元または三次元のいずれかで容易に形成する。例えば、二次元の例は、平らなシートであり得、ここで上記平らなシートは、最終製品を形成するために分解されるために使用され得る。別の例では、上記材料は、最終製品を形成する準備ができている状態であり得る溶液中に存在し得る。さらに別の実施形態において、三次元の例は、最終製品であり得る。
【0049】
1つの局面において、いくつかの実施形態において、最終製品は、食べられるまたは食用に適した品目のための容器(例えば、図5図7に示されるもの)を含み得る。例えば、本出願に記載されるとおりの材料を具現化する上記最終製品としては、食品容器またはパッケージが挙げられ得る。それを使用して、例示であって限定ではないが、上記食品容器またはパッケージとしては、飛行機または定期航空路の食事用容器、使い捨てカップ、直ぐに食べられる状態にある食品の容器、カプセル、アイスクリームのカートンまたは容器、およびチョコレート容器が挙げられ得る。いくつかの実施形態において、製品は、香辛料をさらに含み得るインスタント食品容器(例えば、インスタントカップ麺、インスタントスープなど)を含み得る。このような例において、本発明の局面を具現化する容器中に含まれる食べられるまたは食用に適した品目を消費者が食べるまたは消費するために、上記容器には、高温(例えば、約100℃)の水または液体がかけられ得る。
【0050】
別の実施形態において、使用され得る製品に関しては、機内食および飲料容器がある。現在、機内食の容器は、軽量、剛性、耐油性などの特性が理由で、種々の形態のプラスチックから作製される。さらに、既存のプラスチック容器には、オーブンを介して熱があてられ得る。加熱は、プラスチック容器から食べられるまたは食用に適した品目へと発がん性物質を放出する場合もある。よって、このような影響は望ましくない。本発明の実施形態は、上記の特性とともに、耐水性、高い耐熱性、耐油性などの特性を、発がん性物質を放出することなく示し得る。
【0051】
別の実施形態において、カプセルの例は、熱い飲料のための機械のカプセルであり得る。例えば、上記カプセルは、コーヒー、茶、ハーブ、または他のドリンクを収容し得る。例えば、上記カプセルは、使い捨てカプセルであり得る。別の例では、上記カプセルは、使い捨てのコーヒーバッグまたはパウチであり得る。このような例では、電気で動く飲料機器が、高温または高圧の水を上記カプセルに堆積または注入して、その結果、飲料作製プロセスが開始し得、コーヒーがカプセルまたはパウチから消費者のカップへと淹れられ得る。上記カプセルまたはパウチは、上記のとおりの1またはこれより多くの特性を有する、生分解性かつ持続可能な材料を含むことから、上記カプセルまたはパウチは、環境に負荷をかけることなく、容易にリサイクルされ得る。
【0052】
1つの実施形態において、上記カプセルは、約500ミクロンの厚さを有する側壁を有し得る。1つの実施形態において、上記カプセルは、約500ミクロンの厚さを有する頂部または蓋を含み得る。さらに別の実施形態において、上記カプセルは、約300ミクロンの底部の厚さを含み得る。なおさらなる実施形態において、上記カプセルは、形成器(以下で考察される)から1回の通過で形成/作製され得、頂部、側壁および底部の厚さは、異なる厚さを有する。
【0053】
いくつかの実施形態において、製品は、流体中の粒子または分子に対して恒久的に、半不透過性の、または軽度に不透過性のいずれにしても、分離するためのフィルタを含み得る。例えば、上記製品は、固液分離、液液分離、または気液分離効果などを有するフェイスマスクまたはフィルター膜を含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態において、製品は、化粧品またはスキンケア用の容器製品、医療用製品、例えば、散剤ケース、パレット、防護ガラス、または医療グレードの使い捨て製品を含み得る。いくつかの実施形態において、製品は、医療用デバイス、自動車、電子デバイス、および建築材料(強化材として)の一部を構成し得る。
【0055】
全体的に、1つの実施形態において、本発明の材料を具現化する容器は、容器、平らなシート、トレイ、プレート、巻き枠、ボード、フィルムの形態にあり得る。このような実施形態において、上記材料の幅または長さは、約0.01mm~10000mmまたはこれより大きな範囲に及び得る。1つの実施形態において、上記幅または長さは、約0.01mm~1000mmの範囲に及び得る。フィルムが薄層フィルムであり得る実施形態において、厚さは、約0.01~3.0mmである。1つの実施形態において、上記厚さは、約0.02~0.20mmであり得る。さらに他の実施形態において、上記製品は、約100:1~約1:100の油 対 水の重量比を含む食品パッケージを構成し得る。
【0056】
別の実施形態において、本発明の局面は、上記の特性を有するフィブリル化セルロースを含む材料を製造、生成、または作製するプロセスを提供し得る。
【実施例
【0057】
実施例1
上記で提供される材料に加えて、本発明の局面は、セルロースフィブリル化のプロセスまたは方法を含み得る。
【0058】
ここで図8を参照すると、フロー図は、一実施形態に従ってこのような材料を作製するための方法を例証し得る。1つの実施形態において、以下で示される実施例は、上記複合材の機械的特性を改善するための毒性の化学添加剤を、概して含まない。例えば、セルロースの厚紙(約3.0重量%)を、A4サイズの紙のような紙片へと破いた。細断した紙片を、パルプ形成器(図8には示されていない)へと投入する。パルプ形成プロセスは、約20分かかる。次に、例えば、精製機802を使用して、上記プロセスを開始し得る。例えば、精製機802は、ホモジナイザー、グラインダー、化学精製チャンバ/バス、機械的および化学的繊維精製デバイスの組み合わせなどであり得る。1つの実施形態において、グラインダーの例では、精製機802は、互いに面した2つの回転研磨盤を含み得る。その2つの回転研磨盤の間の分離または距離は、所望の最終製品に応じて調節され得る。別の実施形態において、表面の溝またはパターンは、所望の最終製品に応じて調節され得る。よって、次いで、パルプ懸濁物806は、精製機へと供給され、必要に応じて約1~10回通過する。他の場合には、パルプ懸濁物806を、精製機(示さず)、例えば、コロイドミル、ダブルディスクグラインダーへと供給して、精製機802に入れる前に、上記セルロースパルプをさらに精製し得る。
【0059】
1つの実施形態において、図1a~1dは、通過回数を増大させたフィブリル化セルロースの状態を示す。例えば、図1aは、サイクルまたは通過が0回であるセルロース繊維水性懸濁物を表し得る。言い換えると、図1aに示されるとおりのパルプ懸濁物806の内容物は、パルプが、本発明の局面の品質および特性を達成するためにフィブリル化物質を形成しない。
【0060】
1つの実施形態において、図1bは、パルプ懸濁物806が精製機802を1回通過した後の精製後材料808を図示し得る。例えば、精製後材料808はここで、フィブリル化セルロース繊維水性懸濁物を含み得る。別の例では、図1cは、精製機802を2回通過または2サイクル通過した後の精製後材料808の画像を図示する。一例では、精製後材料808のフィブリル化セルロース繊維は、図1bに示されるものより細かい。図1dは、3サイクル/通過後の精製後材料808の画像を図示し得る。このような実施形態において、精製後材料808は、図1cにおけるものよりさらに細かいフィブリル化セルロース繊維を含み得る。
【0061】
1つの実施形態において、異なるセルロース出発濃度を、評価および試験した。例えば、精製後材料808は、フィブリル化セルロース繊維および水を含み得、約2.5重量%のセルロース(および97.5%の水)、約3.0重量%のセルロース、約3.6重量%のセルロース、および約4.0重量%のセルロースにおいてフィブリル化セルロースの濃度を試験し、使用した。
【0062】
例えば、不十分な精製は、約2.5重量%のセルロース濃度に関して見出され、その特性を試験しなかった。言い換えると、約2.5重量%を有するフィブリル化セルロース繊維濃度またはさらには通常のパルプ懸濁物溶液は、本発明の局面の特性を達成するために不十分である。約3.0重量%、約3.6重量%、および約4.0重量%を有する精製後材料808でのフィブリル化セルロースを、図5において、それぞれ、L028、L029、およびL030と本明細書で称する。
【0063】
1つの実施形態において、フィブリル化セルロースの種々の特性を試験した。例えば、表1において、機械的、水蒸気およびガス透過性の特性を示す。
【表1】
【0064】
1つの実施形態において、図2は、約3重量%の濃度のフィブリル化セルロースのSEM画像を図示し得る。
【0065】
実施例2
一例では、上記の実施例1において、精製後材料808において得られる直接的なパルプ溶液を使用する代わりに、半加工セルロース繊維を、市場の供給源から得てもよい。よって、半加工セルロース繊維(例えば、約3重量%)を、コロイドミルに供給し、約1分間すり潰す。必要に応じて、フィブリル化セルロース繊維を、精製機802の中でさらに加工し得る。
【0066】
一例では、図3は、1分間のコロイドミル加工後の半加工繊維のSEM画像を図示し得る。例えば、表2は、異なる供給源に由来する異なるフィブリル化セルロースの特性を示す。
【表2】
【0067】
例えば、図3は、a~bは、表2中のY-セルロース繊維のSEM画像であり、c~dは、B-セルロース繊維のSEM画像であるものを図示し得る。
【0068】
別の実施形態において、図4は、1サイクル/通過にわたって機械的にすり潰した後の半加工繊維のSEM画像を示す。例えば、図4a~bは、Y-セルロース繊維のものであり、図4c~dは、B-セルロース繊維のものである。
【0069】
1つの局面において、ミキサー804は、水中のセルロースパルプの混合物を含む、水中のセルロースパルプのパルプの懸濁物806を提供し得る。ここでセルロース 対 水の重量比は、約0.01 対 100である。別の実施形態において、上記重量比は、約0.03 対 0.10であり得る。いくつかの実施形態において、精製機802からの精製後材料808は、精製機802によって再びすり潰されるために使用され得る場合には置いておくことができる。例えば、上記のように、精製後材料808が精製機802を通過する通過回数は、1~100であり得る。別の実施形態において、通過またはサイクルの回数は、1~10にさらに制限されてもよい。
【0070】
別の実施形態において、フィブリル化セルロース 対 水の重量比および/または精製機802を通る通過回数は、最終製品の所望の特性に応じ得る。例えば、最終製品が低い水蒸気透過、および低い酸素透過を要求する場合、精製後材料808は、約0.03~0.04 3~4%(L28b~L30bによって示されるとおり)により近いセルロース 対 水の重量比を有してもよい、および/または通過回数は増大してもよい。さらに別の実施形態において、比較的低い水蒸気透過、および比較的低い酸素透過は、高い貯蔵寿命を示し得るが、比較的高い水蒸気透過および比較的高い酸素透過は、低い貯蔵寿命を示し得る。
【0071】
1つの実施形態において、精製後材料808は、形成器810によって加工され得る。例えば、形成器810は、精製後材料808に基づく中間材料818を、フィブリル化セルロースを有する所望の材料へと生成し得る。例えば、中間材料818は、約0.001 対 99のフィブリル化セルロース 対 液体(例えば、水)の重量比にあり得る。別の実施形態において、上記比は、約0.001~0.10であり得る。1つの実施形態において、形成器810は、メッシュまたは繊維ネットワークを含み得る。例えば、形成器810は、陰圧および/もしくは陽圧またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。1つの実施形態において、形成器810は、圧力を加えて、精製後材料808中のフィブリル化セルロースを液体から分離して、中間材料818を形成し得る。フィブリル化セルロース繊維のフィブリル化した性質に起因して、および精製機802のプロセスを通じて、異なる長さを有する繊維が、図2~4および7における種々のSEM画像によって示されるように、中間材料818を形成し得る。
【0072】
別の実施形態において、基部層812は、中間材料818を形成するために、精製後材料808とともに使用され得る。1つの実施形態において、本発明の局面のGCMは、パルプの基材層(例えば、基部層812)およびフィブリル化セルロース層(例えば、精製後材料808からの)を有する複合材を含み得る。例えば、形成器810は、基部層812をメッシュ、モールド、またはフレームへと供して、中間材料818のための構築物を形成し得る。例えば、基部層812は、最初は、水およびパルプ材料の溶液またはスラッシュの形態にあり得る。上記スラッシュは、タンク中にあってもよく、メッシュもまた、タンクの中にあってもよい。陰圧(例えば、真空)を介して、タンクからの水が除去または低減され得、基部層812がメッシュ上に形成され得る。
【0073】
その後、1つの実施形態において、形成器810は、精製後材料808を基部層812にスプレーまたは適用して、中間材料818を形成するために、噴霧器またはアプリケーターを含み得る。基部層812と精製後材料808との間の繊維のサイズが異なる状態で、精製後材料808は、基部層812に注入される。1つの実施形態において、精製後材料808は、食用に適した品目を運ぶ中間材料818の表面に適用またはスプレーされ得る。例えば、最終製品がボウルであるとすると、精製後材料808は、最終製品の内部表面に適用またはスプレーされ得る。
【0074】
1つの実施形態において、中間材料818は、502または504に示されるように、その外部表面上にメッシュまたは繊維ネットワークのパターンを示し得る。
【0075】
さらに別の実施形態において、形成器810は、自然のプロセスによって乾燥または形成するために、平らな表面上に中間材料818を拡げ得る。
【0076】
別の実施形態において、乾燥器814は、中間材料818を乾燥または湿気を除去するためにさらに提供され得る。1つの実施形態において、乾燥器814は、30℃~200℃の乾燥条件を提供し得る。別の実施形態において、乾燥器814は、加熱した表面(例えば、赤外線加熱)を含み得る。別の実施形態において、マイクロ波加熱または空気加熱が、実施形態の趣旨および範囲から逸脱することなく使用され得る。さらに別の実施形態において、乾燥器814はまた、陰圧および/または陽圧によって補助され得る。
【0077】
実施例3
本発明の局面を具現化し得る最終製品の一例では、セルロースベースのボウルが、先に記載された材料および方法の組み合わせを採用することによって成功裏に製造される。1つの実施形態において、セルロースベースの食品容器の機能性は、この例では、図5に示されるように、容器への代表的な調理油の充填を証明するために使用され得る。この例では、調理油とセルロースベースの食品容器とが、マイクロ波によって、800Wで4分間加熱され得、10日間にわたって観察され得る。これは、図5に示される。このような例証において、図5中の容器は、フィブリル化セルロースL28b、L29b、L30b、およびYから作製される容器を表し得る。1つの実施形態において、図5中の容器の各々は、約10日間にわたって油を保持することが可能であり得る。
【0078】
別の実施形態において、試験の別のセットも、インスタント麺(熱水を添加して調理された後)を、一実施形態に従う複合材を具現化する容器へと充填することによって行った。2日目に観察を記録した。図6Aは、容器(例えば、食品容器)におけるフィブリル化セルロース構造体の例を示す。例えば、図6Aは、沸騰水を満たし、約5分間静置したフィブリル化セルロースの一連の画像を図示する。
【0079】
別の実施形態において、図6Bは、沸騰水を充填し、800Wにおいて約2分間マイクロ波で加熱したフィブリル化セルロースの一連の画像を図示する。
【0080】
図7は、一実施形態に従う図6Aおよび6B中の食品容器におけるフィブリル化セルロースの構造体のSEM画像を示す別の画像である。
【0081】
実施例4
ここで図9a~9cを参照すると、画像は、実施形態の実施例4に従うフィルムを図示する。
【0082】
1つの実施形態において、本発明の局面に従う複合材は、フィブリル化セルロースに基づく透明複合フィルムにあり得る。一例では、上記フィルムは、フィブリル化セルロースおよびプルラン粉末を水の中に溶解して、約1重量%の溶質を含む溶液を別個に生成することによって生成され得る。プルラン粉末溶解において、その粉末は、徐々に添加され得、その溶液は、マイクロ波を介して出力800Wにおいて1分間加熱され得る。1つの実施形態において、このプロセスは、透明な溶液が形成されるまで約4~5回反復し得る。
【0083】
1つの実施形態において、複合フィルムを生成するために、フィブリル化セルロース(例えば、精製後材料808) 対 プルランは、約1:1の比率であり得、例えば、約250gの精製後材料808(例えば、約1%のフィブリル化セルロース)が、約0.5%の溶質を有する溶液を生成するために、約250gのプルラン溶液と混合され得る。次いで、約100gの混合溶液を、疎水性表面、例えば、シリコーン表面上に注ぎ、室温において乾燥するまで静置した。
【0084】
別の実施形態において、フィブリル化セルロース 対 プルランは、2:1の比を有し、250gの精製後材料(例えば、約2%のフィブリル化セルロース)を、約1%の溶質を有する溶液を生成するために、約250gのプルラン溶液と混合し得る。次いで、約100gの混合溶液を、疎水性表面、例えば、シリコーン表面上に注ぎ、50℃および12時間で乾燥するまで静置した。
【0085】
図示されるように、図9a~9cは、フィブリル化セルロース 対 プルランがa.)0:1、b.)1:1、およびc.)2:1の比を有するセルロースベースのフィルムの画像を図示し得る。
【0086】
1つの実施形態において、プルランの添加は、フィルムの表面を滑らかにするためにフィルム形成プロセスを増強し得る。ここで、本明細書中以下でL41bと称されるフィブリル化セルロース(例えば、精製後材料808)から作製されるフィルムは、非常にしわになっている。それに対して、プルランを有する他のフィルムは、より滑らかでかつ一様な表面を提供する。1つの実施形態において、フィブリル化セルロースおよびプルランを有する上記複合材のフィルムは、一様でない表面を概して含まないと思われる。
【0087】
さらに別の実施形態において、透明複合フィルムの機械的特性を以下に示し、ここでフィブリル化セルロースは、L41bと称され、プルランは、Bとして表される。
【0088】
表3 プルランを添加したフィブリル化セルロースフィルムの特性
【表3】
【0089】
実施例5
撥水剤を有するフィブリル化セルロース
【0090】
1つの実施形態において、本発明の局面は、撥水剤を有するフィブリル化セルロースを含み得る。一例では、上記混合物は、セルロースおよび撥水剤の正確な比を含み得、機械的ブレンダーを使用して3分間ブレンドされ得る。上記混合物はさらに、4000mLへと希釈され得、形成器810上に注がれ得る。1つの局面において、形成器810は、25~35%の乾燥状態を有する湿ったプレフォームを生成するために、陰圧および/または陽圧を加え得る。上記混合物の機械的特性およびバリア特性は、表4に示され得る。
【0091】
表4は、異なる撥水剤を有するフィブリル化セルロースフィルムの特性を例証する。
【表4】
【0092】
さらに、上記の実施形態は、図10A~13に示されるデバイスを使用して作製され得る。図10Aにおける単純化したダイアグラムから、1000構成要素が、容器と見做され得る。パルプが装填された後、紙繊維は、パルプを含む水タンクからその真空原理を使用して、1001によって受容され得る。例えば、1001は、繊維捕捉器を含み得る。例えば、繊維ジョイントはメッシュであり得る。なぜなら水タンクの紙繊維は、メッシュ本体の中に留まり得、液体は、メッシュを通過するからである。真空原理は、水タンクの中の水を最初にポンプ輸送して排出し、次いで、真空環境を1001構成要素に厳密に受けさせて、第1の材料を作製することを含む。1つの実施形態において、構成要素1001は、構成要素が上または下に向いて容器1000へと入り、最終製品を形成するように回転され得る。構成要素1001は、いかなる残留する水分も水も液体も抜かれ得るように、再び回転され得る(例えば、180度)。
【0093】
別の実施形態において、構成要素1004は、構成要素1002に接続され得、構成要素1004は、その真空吸引機能を、上下左右に動かし得、構成要素1004は、その構成要素1002とともに設置され得、構成され得る。1つの実施形態において、構成要素1002は、要素1001の上の第1の材料を受容するために使用され得る。図10Aおよび10Bに示されるように、構成要素1002および1004は、第3のユニットまたは水除去デバイスへと動かされ得る。同様に、1つの実施形態において、構成要素1002は、水を除去させるように回転され得る。さらに、構成要素1000、1002、1004、1006、および1008における本発明の配列は、直線状の配列を要求しない。なぜなら構成要素1004は、多数の方向に動き得、1000、1006または1008は、円形、三角形、上、下および他の相対的位置であり得るからである。さらに、構成要素1004は、動かすためにロボットアームまたはデバイスを含み得る。別の実施形態において、構成要素1004は、手動で動かされ得、1006または1008へと、機械的な回転するディスクによって、またはレールの助けを借りて、手動でまたは動力化の助けを借りて(例えば、ロボットアームを用いて)動かされ得る。いくつかの実施形態において、構成要素1004は、個々に、または多数の構成要素1004が使用され得る場合にはまとめて動かされ得る。
【0094】
いくつかの実施形態において、1つの製造プロセス(例えば、1つの製品品目またはモールド装填プロセス)では、第2の材料は、1002および1004を通じて受容され得る。このような実施形態において、第2の材料は、構成要素1002および1004によって、第1の材料へと効果的に添加される。例えば、第2の材料は、第1の材料へと構成要素1006を通してジョイントされ、上記の例におけるように、第1のおよび第2の材料は、第3の材料を形成するためにしっかりと混合される。別の実施形態において、第3の材料は、第1の材料および第2の材料が異なる層を示すことを示し得る。
【0095】
別の実施形態において、多数ステーションの構成が使用される場合、構成要素1000および1001は、第1の材料を受容し得る。構成要素1001および1006は、第2の材料を受容し得る。よって、このような多数ステーションの構成は、2つの異なる製品を製造し得る。構成要素1002および1004は、材料を次のステーションへと動かすにつれて、その2つの異なる製品が、同時または実質的に同時に製造され得る。このような実施形態において、異なる製品を製造するために必要とされる時間は、大きく短縮され、装置のために必要とされる空間は、同様に縮小され得る。
【0096】
いくつかの実施形態において、上記第2の材料を貯蔵する容器またはワークステーションはさらに、熱源または加熱を追加する。例えば、構成要素1002もしくは1004自体、またはさらなる熱源は、第2の材料が第1の材料と混合され得るように、または第2の材料が第1の材料と混合される前に、容器を保持するかまたは約40℃もしくはこれより高く加熱して、最終製品の最良かつ最も効率的な製造を効率的に得る機能を果たし得る。別の実施形態において、熱源は、電気的加熱、スチーム、液体などの手段によって加熱され得る。
【0097】
1つの実施形態において、上記のように、第1のおよび第2の材料が混合された後、構成要素1002および1004は、水を除去するかまたは水を低減する工程を行うために、構成要素1008排水ステーションへと動かされる。例えば、構成要素1002および1004に関して第1のおよび第2の材料を混合した後、第3の材料が、構成要素1006から構成要素1008へと動かされ得る。別の実施形態において、第3の材料は、第3の材料を混合している間、構成要素1002、1004、1006、および1008の混合プロセスの間に真空シールされた状態にある。次いで、陽圧機能または加圧機能が、構成要素1008に対して使用されて、材料を合わせるための空間に装填させる。圧力が増大するにつれて、第3の材料中の水分または水が排除され、1002および1004の本来の陰圧設計が、その合わされた材料をさらにポンプ輸送するか、その合わされた材料の乾燥湿度(dry humidity)を低減させる。いくつかの実施形態において、構成要素1008は回転され得る。
【0098】
最後に、材料を成形ステージへと合わせて、最終製品を作製する。
【0099】
別の実施形態において、第2の材料はまた、図10Bに示されるように、第3の材料の主要本体として直接働き得る。例えば、図10Bにおいて第2の要素を入れた後は、第2の材料は、第1の材料と混合されない。
【0100】
本発明のデバイスは、図11Aに示されるように、自動化デバイスであり得る。すなわち、第1のユニット、第2のユニット、および第3のユニットは、一連の一貫したデバイスである。
【0101】
本発明の別の実施形態において、図11B、11C、および11Dに示されるように、第3の材料は、構成要素の組み合わせと取り外し可能にされかつ分離され得る。
【0102】
さらに、図11A~Dは、構成要素1004が通路によって動かされることを示すが、当業者は、本発明の基本的原理から逸脱することなく構成要素1004を動かす他の方法を容易に使用し得る。上記移動は、同じ平面において移動されるように制限される必要はない。
【0103】
さらに、本発明の実施形態はまた、本発明の装置(構成要素1000、1001、1002、1004、1006、1008などにおけるセンサーを含む)を操作して、パラメーター情報を伝えるためのソフトウェアシステムを含む。上記ソフトウェアシステムはまた、集中型のインターフェースであるか、またはネットワークを介してモバイルデバイス上に示され得るか、いずれにしても、異なるインターフェースを含み得る。さらに図11B~11Dに示されるように、異なる実施形態において、別個の構成要素が、ユニットまたは構成要素の操作と連絡しかつ操作するために、連続または別個のインターフェースおよびソフトウェアを有し得る。上記ソフトウェアシステムはまた、生成プロセスの効率的管理を管理者に提供する通知および警告機能を報告し得る。
【0104】
モールドおよびトランスファーモールドは、いくつかの実施形態において、回転特徴を有する。例えば、構成要素1001(例えば、モールド)は、軸を介して回転またはフリップ能力(flip acapability)を含み得る。成形プロセスの間に、そのモールド表面は、真空または吸収機構を使用して、1000スラリー容器またはバケットへと上昇または下降し得る。一例では、構成要素1001を移動させる構成要素1002はまた、回転機能を含み得る。1つの局面において、構成要素1001は、製品が移動された後に回転され得、水または水分は、真空または重力によって排出され得る。
【0105】
注入工程(grouting):1001および1002が対にされるか、またはジョイントされる場合、一例では、注入腔(pouring cavity)は、構成要素1001の内部にあってもよく、容器1000中の材料を構成要素1001の腔へと供給するためにポンプを使用し、次いで、その中の水は、真空または他の力によって引き抜かれ得るかまたは取り出され得る。いったん第1の材料が完了した後、第2の材料は、構成要素1006を同じように適用することによって完了され得る。一例では、構成要素1000および1006を使用するにあたって、スラリーバケット(例えば、容器1000)は、装置の下または上の任意の位置に設置され得る。
【0106】
図12AおよびBはここで、デバイスの別の実施形態を図示し得る。これはまた、図10A~11Dの拡張である。例えば、ペーパー形成プロセスは、以下を包含し得る:1.パルプ形成システムを通じてボール紙をパルプへと分解する。上記パルプは、上記形成システムに入る前に、上記パルプのために必要とされる他の材料と混合され得る。2.真空力または吸引力を出力として使用して、上記パルプ材料をモールドの表面に付着させ、次いで、モールドの表面上で排出システムを使用して、過剰な水を排出し、その結果、濡れた途中段階の材料(wet embryo material)の薄い層が、そのモールドの表面上に形成される。3.成形後、製品の表面は、多くの水分を必要とする。自然乾燥、熱風、空気圧、モールド加熱および他の方法が、上記材料の残留水分を排出するためにホットプレスを補助するために使用され得る。
【0107】
上記の説明は、以下の成形プロセスを提供する:
【0108】
(A)スラリー成形法-上記成形法は、真空の腔を作製するために、モールドの内部を使用することである。真空作動下で、パルプの繊維は、均一に層化され得、モールドの表面上の成形ネットに付着され得、上記モールド表面は、タンク中でパルプの中へと上に向き、多量の水が、真空吸引によって取り出される。その製品がある一定の厚さに達すると、その製品のモールドは、パルプタンクを離れ、上記モールドの表面上の湿った途中段階のパルプが、脱水される。
【0109】
(B)注入法-上記モールドの表面は、上を向いており、パルプタンクは、モールドの周りに作製され、パルプは、パルプパイプラインによってパルプタンクに接続され、パルプは、製品の厚さに従ってパルプの量を与えられ、そのモールドの内部に作製される。真空の腔の中で、パルプ繊維は、均一に層化され得、真空の作動下でモールドの表面上の成形ネットに付着され得、多量の水が、真空吸引によって取り出され、これは、上記モールドの表面上に湿った途中段階のものを形成する。次いで、上記パルプは、脱水される。
【0110】
(C)逆吸引成形法-モールドの表面は、パルプタンク内へと下を向いており、多量の水が、真空吸引によって取り出される。その製品がある一定の厚さに達すると、その製品のモールドは、パルプタンクを離れ、上記モールドの表面上の湿った途中段階のパルプが、脱水される。
【0111】
1つの局面において、本発明の実施形態は、少なくとも2つの材料を、繊維自体およびフィブリル化セルロースの特徴を通じて、そのプロセスにおける特定の配列を使用して効果的に組み合わせる。2つまたはこれより多くの層が、よりしっかりと合わさるかまたは結合される。
【0112】
一例では、図12AおよびBは、水平の、直線状または実質的に直線状のシステムを図示し、ここで1204、1204’および1204”は、固定ユニットであり得、1202、1202’、および1202”は、移動ユニットであり得、1201、1201’は、モールドまたはメッシュであり、1200は、材料の第1の層であり得る;1206は、第2の材料であり得る;そして1208は、脱水または陽圧構成要素であり得る。この装置の特徴は、水平または直線状のシステム(最終製品の流れの点で)、マルチステーションシステムであり得るか、またはアセンブリライン、および1202または1201は回転され得、1201’はまた、回転され得る。
【0113】
または垂直システムは、図13に記載されるとおりである。垂直システムは、固定ユニットとして1304、モールドとして1301、第1の材料として1300、第2の材料として1306、および脱水、排水、陽圧、熱風、圧縮、加熱、および他の機械のための1308を含む。それらの中で、1301モールドは、回転のために設計され得る。
【0114】
別の実施形態において、図12AおよびBならびに図13のシステムは、部分的に組み合わされ得る。
【0115】
上記の実施形態から、第1の材料の容器1および第2の材料の容器2を形成する方法は、以下の1またはこれより多くの特徴を含み得る:
【0116】
垂直システムでは、同時に2つの成形モールドを完了させようとする場合、回転作動と協同され得る。成形ワークステーションは、射出+吸引または吸引+射出を使用し得る。上記回転作動が使用され得る:1.モールドを回転させるためのモーター駆動機構、2.モールドの垂直の動きは、接続ロッド、ラック、または機械的構造装置を駆動して、回転させる。
【0117】
さらに、本発明は、以下の組み合わせをさらに可能にして、過去に可能でなかったプロセスを達成し得る:
【表5-1】
【表5-2】
【0118】
従って、上記の表は、本発明の装置が、成形ステージの間に多数の(1より多くの)スラリーが装備され得、これは、他の異なる製品要件を満たすために異なる成形プロセスを生じ得ることを示す:
【0119】
厚さのある材料は、2mmまたはこれより大きい製品を仕上げた:
【0120】
形成ステーションが完了した後、1008脱水プロセスへと接続または移動され得る。この装置の脱水装置は、陽圧および圧縮デバイスを装備され、これは、パルプ排出および形成の時間を加速し、厚さのある製品を形成するために有益である。
【0121】
多層トランスファースタッキング成形(multilayer transfer stacking molding)(複合材を含む)
【0122】
直線状トランスファーシステムまたは垂直回転システムの使用は、第1の層の材料および第2の層の材料の接続を同時に完了させ得る。1002および1004トランスファー製品は、2もしくはこれより多くの、または同じ材料を一緒に積み重ねて、厚さのある複合材および薄い複合材を作製するために使用され得る。
【0123】
マルチカラー成形
【0124】
直線状トランスファーシステムまたは垂直回転システムの使用は、マルチカラー材料の成形を同時に完了させ得、異なる色のパルプを用いるブリスタープロセスを1つの製品に対して完了させ得る。
【0125】
染色および成形
【0126】
パルプブリスター成形プロセスにおいて、パルプ染色は、他の色と置き換えられる必要がある。パイプラインを清浄にすることは、非常に時間を浪費する仕事である。別個の成形バケット中にパルプ染料を入れるために、マルチパルプバケットが使用され得る。第1の層の材料が形成された後、それを第2の層の染料へと動かして、上記パルプの表面が、その色に付着されるように、プラスチック染料を吸収させ得、次いで、乾燥プロセスへと移動され得る。このシステムは、パルプ形成システムを清浄にする必要なしに、異なる色の染料を交換する時間を短縮し得る。
【0127】
添加剤の最適化
【0128】
パルプ成形におけるパルプ添加剤のタイミングは、非常に重要である。それは、別個の成形バレルの中に添加および入れられ得る。本発明者らは、それらを添加して、添加剤がパルプ繊維と合わさる能力を増大させるために、適切なタイミングを選択し得る。独立した添加剤がまた、パルプの戻り水が他のシステムの中の添加剤によって汚染される機会をも低減し得、戻り水の質を改善する。
【0129】
多層材料成形
【0130】
これを用いると、第1の層の材料および第2の層の材料の形成プロセスは、同時に完了され得る。トランスファー製品1002および1004は、2もしくはこれより多くの、または同じ材料を一緒に積み重ねて、複合材を作製するために使用され得る。
【0131】
図14Aにおいて、上記容器の要素の特別な特徴は、この使用法を増強し得る。例えば、機内食容器は、軽量で耐久性があり、かつ再加熱可能または加熱可能である必要がある。さらに、民間航空機に搭載されたオーブンまたはスチーマーは、食事を加熱するために使用され得る。また、食事品目は、ソース、スープ、または他の液体もしくは流体を伴っている場合があり、これらの食事品目のうちのいくつかは、温かくまたは熱く給仕される。
【0132】
よって、上記で例証した機械的特性があれば、本発明の局面の要素を具現化する容器はまた、調理場から容器のパッケージを適応させる必要がある。従って、図14Aに示されるように、本発明の局面は、上記容器のための蓋を含み得、上記蓋もまた、本出願において例証される材料から作製される。さらに、上記蓋および上記容器は、容器および食事の安全な持ち運びを可能にするロック機構を含み得る。図14Aに示されるように、その弯曲した端部の終わりにある容器の外側端部における舌部要素は、蓋の端部によって作られた開口部に入り得る。この実施形態において、蓋の端部は、容器に向かって弯曲し得る先端を含み得、従って、容器から離れる代わりに、開口部を作り得る。上記先端は、舌部要素が上記蓋の開口部の上端を係合することを可能にするように、上記容器の弯曲した端部に対して押し込む十分な長さを含み得る。上記材料は、上記で記載される引張り強さを有することから、上記先端および上記弯曲した端部、ならびに上記舌部および上記蓋の上端の係合は、持ち運びおよび加熱/再加熱の間に蓋を無傷のまま維持するほど強い。
【0133】
別の実施形態において、図14Bに示されるように、上記舌部は、上記容器と上記蓋との間の摩擦ばめであるように、上記蓋の端部によってきつい開口部に挿入され得る。
【0134】
さらに別の実施形態において、上記蓋の外側表面および上記容器の底は、補足し合う特徴(complimentary features)を含み得る。例えば、図14Cに示されるように、食事容器は、積み重ね可能である必要がある。下にある蓋からの容器の滑りを防止または軽減するために、上記蓋は、低くなった中央部または陥凹部を含み得、輪郭を持つかまたは窪んだ、弯曲した端部が、その低くなった中央部分と上記蓋の表面とを接続する。同様に、容器の足部は、足部の各々(例えば、4個)が、上記低くなった部分の四隅および上記輪郭を持つ/窪んだ、弯曲した端部とかみ合うように、低くなった中央部分の内側に位置づけられ得る。
【0135】
さらに、上記足部は、図14Dに示されるように、上記容器の底から突出している。1つの実施形態において、上記足部は、積み重ねられた状態において、上記容器と上記蓋との間に空間を作り出すことによって、さらなる空気の流れを作り出すように構成され、その結果、熱またはスチームが、上記容器と上記蓋との間を流れ得る。1つの局面において、このような特徴はさらに、上記容器の湿式引張り強さを維持し得る。
【0136】
全体的に、本発明の局面は、毒性化学物質(例えば、フルオロポリマーおよびその誘導体)が添加される、先行するアプローチの欠点を克服する。本発明の局面はまた、単数または複数の基部層としてパルプを使用する先行するアプローチの欠点を克服する。パルプ繊維がそれらの直径に関して10~50マイクロメートル(μm)範囲にあることは、理解されるべきである。それに対して、本発明の局面は、サイズがより細かい(例えば、1μm未満の範囲にある)。
【0137】
上記の説明は、例証であって限定ではない。実施形態の多くのバリエーションは、本開示を検討すれば、当業者に明らかになり得る。実施形態の範囲は、従って、上記の説明を参照して決定されるのではなく、代わりに係属中の特許請求の範囲とともに、それらの完全な範囲または均等物を参照しながら決定されるべきである。
【0138】
任意の実施形態からの1またはこれより多くの特徴が、開示の範囲から逸脱することなく、任意の他の実施形態の1またはこれより多くの特徴と組み合わされ得る。「1つの、ある(a)」、「1つの、ある(an)」または「上記、この、その(the)」という記載は、具体的に反対に示されなければ、「1またはこれより多い」を意味することが意図される。「および/または」という記載は、具体的に反対に示されなければ、その用語の最も包括的な意味を表すことが意図される。
【0139】
本開示は、多くの異なる形態において具現化され得るが、図面および考察は、本開示が1またはこれより多くの発明の原理の例証であり、いかなる1つの実施形態も例証される実施形態に限定されることが意図されないという理解をして提示される。
【0140】
本開示は、上記の長年望まれていたニーズに対する解決策を提供する。特に、本発明の局面は、セルロース材料の増強された特性を提供するために化学的配合物を使用するという既存の実務に依拠する困難を克服する。
【0141】
上記のシステムおよび方法のさらなる利点および改変は、当業者に容易に想起され得る。
【0142】
従って、本開示は、そのより広い局面において、上記で示され、記載される特定の詳細、代表的なシステムおよび方法、ならびに例証的な例に限定されない。種々の改変およびバリエーションは、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく上記の仕様に対して行われ得、本開示は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入ることを条件として、全てのこのような改変およびバリエーションを網羅することが意図される。
図1a)】
図1b)】
図1c)】
図1d)】
図2
図3a)】
図3b)】
図3c)】
図3d)】
図4a)】
図4b)】
図4c)】
図4d)】
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9a.)】
図9b.)】
図9c.)】
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図13
【国際調査報告】