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特表2023-5250702D撮像システムで一連の光学測定を実施するための方法および構成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-14
(54)【発明の名称】2D撮像システムで一連の光学測定を実施するための方法および構成
(51)【国際特許分類】
   G01M 11/00 20060101AFI20230607BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
G01M11/00 T
G09F9/00 366Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567608
(86)(22)【出願日】2021-04-30
(85)【翻訳文提出日】2022-12-15
(86)【国際出願番号】 EP2021061397
(87)【国際公開番号】W WO2021224126
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】20173221.1
(32)【優先日】2020-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522433041
【氏名又は名称】アドメシー・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ルート・マルティン・ヨーゼフ・ボウテン
【テーマコード(参考)】
2G086
5G435
【Fターム(参考)】
2G086EE10
5G435BB04
5G435BB05
5G435BB12
5G435GG01
5G435KK10
(57)【要約】
本発明は、表示装置が実際の表示デバイスにすでに搭載されていようがなかろうが、作動中の表示装置において一連の光学測定(100)を実施するための方法であって、作動中の表示装置は、発せられた光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを向上した精度で決定するために、同一の2D画像測定の対、または、2D画像測定と組み合わされた同一のスポット測定の対として構成される一連の光学測定の測定の間および/または測定ごとに変化する性能を伴う光学特性を有する、方法に関する。本発明は、本発明の方法による一連の光学測定(100)を実施するための光学測定構成(300)にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連の光学測定(100)の測定の間および/または測定ごとに変化する性能を伴う光学特性を有する作動中の表示装置において、2D撮像システム(301)で前記一連の光学測定(100)を実施するための方法であって、向上した比較可能性が、前記一連の光学測定(100)を実施することで得られる前記光学特性についての測定結果に基づいて決定される前記光学特性についての値について達成され、前記方法が、
- 各々の光学測定について、前記光学特性についての測定結果のそれぞれのセットを得るために、前記一連の光学測定(100)の各々の光学測定を一連の測定として実施するように前記2D撮像システム(301)を構成するステップと、
- それぞれの前記光学測定の前記測定結果のそれぞれのセットの前記測定結果の時間平均化を実施することで、前記一連の光学測定(100)の各々の光学測定について、前記光学特性についてのそれぞれの値を決定するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
各々の光学測定について、前記光学特性についての測定結果のそれぞれのセットを得るために、前記一連の光学測定(100)の各々の光学測定を一連の測定として実施するように前記2D撮像システム(301)を構成するステップは、
- 前記一連の光学測定(100)の各々の光学測定が実施されるそれぞれの時間間隔を合計することで、前記一連の光学測定が実施される全体の時間間隔を決定するステップと、
- 同一の2D画像測定(101a、101b; 102a、102b; 103a、103b)の少なくとも1つの対を含むように前記一連の測定を構成するステップであって、同一の2D画像測定(101a、101b)の第1の対の第1の2D画像測定(101a)が、前記測定結果のセットの第1の測定結果を得るために、第1の種類の第1の光学フィルタを使用して、第1の時間間隔の間に実施され、前記同一の2D画像測定(101a、101b)の第1の対の第2の2D画像測定(101b)が、前記測定結果のセットの第2の測定結果を得るために、前記第1の種類の前記第1の光学フィルタを使用して、第2の時間間隔の間に実施され、前記第1の時間間隔と前記第2の時間間隔とは、重ならず、前記全体の時間間隔の中央に関して鏡面対称とされる、ステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一連の測定は、同一の2D画像測定(102a、102b)の第2の対を含むように構成され、前記同一の2D画像測定(102a、102b)の第2の対の第3の2D画像測定(102a)が、前記測定結果のセットの第3の測定結果を得るために、第2の種類の第2の光学フィルタを使用して、第3の時間間隔の間に実施され、前記同一の2D画像測定(102a、102b)の第2の対の第4の2D画像測定(102b)が、前記測定結果のセットの第4の測定結果を得るために、前記第2の種類の前記第2の光学フィルタを使用して、第4の時間間隔の間に実施され、前記同一の2D画像測定(102a、102b)の第2の対の前記第3の時間間隔と前記第4の時間間隔とは、互いと重ならず、前記同一の2D画像測定(101a、101b)の第1の対の前記第1の時間間隔および前記第2の時間間隔と重ならず、前記同一の2D画像測定の第2の対の前記第3の時間間隔と前記第4の時間間隔とは、前記全体の時間間隔の中央に関して同じく鏡面対称とされる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記一連の測定は、同一の2D画像測定(103a、103b)の第3の対を含むように構成され、前記同一の2D画像測定(103a、103b)の第3の対の第5の2D画像測定(103a)が、前記測定結果のセットの第5の測定結果を得るために、第3の種類の第3の光学フィルタを使用して、第5の時間間隔の間に実施され、前記同一の2D画像測定(103a、103b)の第3の対の第6の2D画像測定(103b)が、前記測定結果のセットの第6の測定結果を得るために、前記第3の種類の前記第3の光学フィルタを使用して、第6の時間間隔の間に実施され、前記同一の2D画像測定(103a、103b)の第3の対の前記第5の時間間隔と前記第6の時間間隔とは、互いと重ならず、前記同一の2D画像測定(101a、101b)の第1の対の前記第1の時間間隔および前記第2の時間間隔、ならびに、前記同一の2D画像測定(102a、102b)の第2の対の前記第3の時間間隔および前記第4の時間間隔と重ならず、前記同一の2D画像測定の第3の対の前記第5の時間間隔と前記第6の時間間隔とは、前記全体の時間間隔の中央に関して同じく鏡面対称とされる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
各々の光学測定について、前記光学特性についての測定結果のそれぞれのセットを得るために、前記一連の光学測定(100)の各々の光学測定を一連の測定として実施するように前記2D撮像システム(301)を構成するステップは、
- 同一のスポット測定(201a、201b; 203a、203b; 205a、205b)の少なくとも1つの対、および第1の2D画像測定(202)を含むように前記一連の測定を構成するステップであって、同一のスポット測定(201a、201b)の第1の対の第1のスポット測定(201a)が、前記測定結果のセットの第1の測定結果を得るために、第1の時間間隔の間に実施され、前記同一のスポット測定(201a、201b)の第1の対の第2のスポット測定(201b)が、前記測定結果のセットの第2の測定結果を得るために、第2の時間間隔の間に実施され、前記第1の2D画像測定(202)は、前記測定結果のセットの第3の測定結果を得るために、第1の種類の第1の光学フィルタを使用して、第3の時間間隔の間に実施され、前記第1の時間間隔と前記第2の時間間隔と前記第3の時間間隔とは重ならず、前記第1の時間間隔と前記第2の時間間隔とは、前記第3の時間間隔の中央に関して鏡面対称とされる、ステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記一連の測定は、同一のスポット測定(203a、203b)の第2の対、および第2の2D画像測定(204)を含むように構成され、前記同一のスポット測定(203a、203b)の第2の対の第3のスポット測定(203a)が、前記測定結果のセットの第4の測定結果を得るために、第4の時間間隔の間に実施され、前記同一のスポット測定(203a、203b)の第2の対の第4のスポット測定(203b)が、前記測定結果のセットの第5の測定結果を得るために、第5の時間間隔の間に実施され、前記第2の2D画像測定(204)は、前記測定結果のセットの第6の測定結果を得るために、第2の種類の第2の光学フィルタを使用して、第6の時間間隔の間に実施され、前記同一のスポット測定(203a、203b)の第2の対の前記第4の時間間隔および前記第5の時間間隔と前記第2の2D画像測定(204)の前記第6の時間間隔とは、それぞれ、互いと重ならず、前記同一のスポット測定(201a、201b)の第1の対の前記第1の時間間隔および前記第2の時間間隔、ならびに前記第1の2D画像測定(202)の前記第3の時間間隔と重ならず、前記第4の時間間隔と前記第5の時間間隔とは、前記第6の時間間隔の中央に関して鏡面対称とされる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記一連の測定は、同一のスポット測定(205a、205b)の第3の対、および第3の2D画像測定(206)を含むように構成され、前記同一のスポット測定(205a、205b)の第3の対の第5のスポット測定(205a)が、前記測定結果のセットの第7の測定結果を得るために、第7の時間間隔の間に実施され、前記同一のスポット測定(205a、205b)の第3の対の第6のスポット測定(205b)が、前記測定結果のセットの第8の測定結果を得るために、第8の時間間隔の間に実施され、前記第3の2D画像測定(206)は、前記測定結果のセットの第9の測定結果を得るために、第3の種類の第3の光学フィルタを使用して、第9の時間間隔の間に実施され、前記同一のスポット測定(205a、205b)の第3の対の前記第7の時間間隔および前記第8の時間間隔と前記第3の2D画像測定(206)の前記第9の時間間隔とは、それぞれ、互いと重ならず、前記同一のスポット測定(201a、201b)の第1の対の前記第1の時間間隔および前記第2の時間間隔、前記第1の2D画像測定(202)の前記第3の時間間隔、前記同一のスポット測定(203a、203b)の第2の対の前記第4の時間間隔および前記第5の時間間隔、ならびに前記第2の2D画像測定(204)の前記第6の時間間隔のいずれとも重ならず、前記第7の時間間隔と前記第8の時間間隔とは、前記第9の時間間隔の中央に関して鏡面対称とされる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記作動中の光学表示装置の前記光学特性は、輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布のうちの1つであり、前記測定結果のそれぞれのセットの前記測定結果の時間平均化を実施することで決定される前記値を使用して、CIE 1931のxy色度図によるxおよびyの色度座標が、0.002未満である向上した精度で、輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布のうちの1つについて決定される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
一連の光学測定(100)の測定の間および/または測定ごとに変化する性能を伴う光学特性を有する作動中の表示装置において前記一連の光学測定(100)を実施するための光学測定構成(300)であって、向上した精度が、前記一連の光学測定を実施することで得られる前記光学特性についての測定結果に基づいて決定される前記光学特性についての値について達成され、前記光学測定構成(300)が、
- 前記作動中の表示装置において一連の光学2D画像測定を実施することを許可するために構成および配置される2D撮像システム(301)と、
- 前記作動中の表示装置において一連の光学スポット測定を実施することを許可するために構成および配置されるスポット測定システム(302)と、
- コンピュータ命令が設けられるメモリユニット(306)を備える処理ユニット(305)であって、前記処理ユニットは、前記作動中の表示装置の前記光学特性についての前記測定結果を前記メモリユニット(306)において受け入れるために、前記2D撮像システム(301)および前記スポット測定システム(302)の少なくとも一方と動作可能に接続され、前記コンピュータ命令は、前記測定結果において実行されるとき、前記測定結果に基づいて、前記向上した精度を伴う前記光学特性についての値を決定するために、請求項1から8のいずれか一項に記載の前記方法の前記ステップを実施する、処理ユニット(305)と、
を備えることを特徴とする光学測定構成(300)。
【請求項10】
前記2D撮像システム(301)は、スポット測定および2D画像測定を、前記作動中の表示装置において同時に実施させることができるように構成および配置されるビームスプリッタ(307)を備える、請求項9に記載の光学測定構成(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動中の表示装置における2D撮像システムで一連の光学測定を実施するための方法に関する。本発明は、さらに、本発明による方法を実施するように構成および配置される2D撮像システムおよび処理装置を備える光学測定構成に関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスでは、ウェアラブルまたは非ウェアラブルのデジタル表示技術が広まっている。表示装置が使用されるところでは、テレビセット、コンピュータモニタ、電話、試験機器、時計といった、ほとんど尽きることのない列挙が思い付く。本発明の状況では、表示装置を備えるあらゆるデバイスが、表示デバイスと解釈され、表示デバイスと称される。表示デバイスに組み込まれる表示装置は、例えば、バックライトと組み合わせられたLCD技術を用いて、製造され得る。代替で、表示装置は、LEDまたはOLEDの技術を使用して製造することができ、表示装置の各々の画素は、単一の光源によって、または、例えば赤色光源、緑色光源、および青色光源の組み合わせといった光源の組み合わせによって、形成される。一般的に、画素は、表示装置の限度まで延びる2D配列で配置される。
【0003】
表示装置は様々な形および大きさを有し得る。一般的に、表示装置は矩形を有するが、表示装置が搭載される表示デバイスの具体的な用途および設計に依存して、表示装置は、時計における用途のための円い形など、異なる形を有することができる。
【0004】
新しい世代の表示デバイスについては、とりわけ、その表示デバイスに使用される表示装置の少なくともいくつかの光学特性の性能が、以前の世代と比較して向上される必要がある。本発明の状況において特に興味のあるこのような光学特性の例は、輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布である。
【0005】
上記のことに基づいて、作動した表示装置の光学特性の試験、具体的には、実際の表示デバイスにすでに搭載されている作動中の表示装置の試験は、非常に重要である。生産ラインの環境において、実際の表示デバイスにすでに搭載されている作動中の表示装置の光学特性を試験することは、一般的に2D撮像システムを使用して行われている。2D撮像システムを伴う、既知の光学測定方法は、カメラと、各々の測定について異なるフィルタとを使用して複数の2D測定を実施するか、または、分光計もしくは比色計による基準スポット測定と、カメラによる2D測定とを実施するかのいずれかで構成されている。
【0006】
2D撮像システムを伴う上記の知られている光学測定方法と関連付けられる問題は、作動中の表示装置の光学特性についての値、特には、限られることはないが、実際の表示デバイスにすでに搭載されている作動中の表示装置の光学特性についての値が、作動中の表示装置の光学特性の性能が測定の間および/または測定ごとに変化する場合に、必要とされる測定精度で決定できないことである。上記の変化は、例えば、制御電流および制御電圧における過渡によって引き起こされ得る。測定の間および/または測定ごとの作動中の表示装置の光学特性の性能における変化の別の原因は、例えば温度勾配であり得る。表示デバイスにすでに搭載されている表示装置の場合、温度勾配は、例えば、電池などの熱を発生させるユニットの表示装置への近接性など、表示デバイスの構造上の性状によるためであり得る。温度勾配の例は、表示装置の温度が、経時的な表示デバイスの使用に依存して、電池によって発生させられる熱の変化のため、時間に伴って変化し得ることである。前述の2D撮像システムを使用して、試験のために表示装置を作動させるように表示デバイスがオンに切り替えられる事象において、表示装置の温度は、平衡に達するまで変化することになる。試験は、このような平衡が確立された後に実施され得る。しかしながら、これは、試験の速さに悪影響があり、そのため生産ラインの処理量に悪影響があり得る待機時間を生じさせる。さらに、平衡に達した後だけ試験が実施される場合であっても、確立された平衡を乱す温度勾配が、電池によって発生させられる熱における変化などのため、測定の間および/または測定ごとになおも発生する可能性がある。
【0007】
上記のことに基づいて、作動中の表示装置の光学特性の性能が測定の間および/または測定ごとに変化するという事実にも拘らず、必要とされる測定精度で素早く決定されるように、表示装置が実際の表示デバイスにすでに搭載されていようがなかろうが、作動中の表示装置の光学特性についての値付けを可能にする、2D撮像システムで光学測定を実施するための方法に対する要求がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一連の光学測定の測定の間および/または測定ごとに変化する性能を伴う光学特性を有する作動中の表示装置において、2D撮像システムで一連の光学測定を実施するための方法であって、技術的に知られている2D撮像システムを伴う光学測定方法と関連付けられる前述の欠点および/または他の欠点のうちの少なくとも1つをあらかじめ阻止するかまたは少なくとも低減する方法を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様は、添付の独立請求項および従属請求項において提示されている。従属請求項からの特徴は、請求項において明示的に提示されているだけでなく、必要に応じて、独立請求項からの特徴と組み合わされてもよい。
【0010】
上記の目的の少なくとも1つは、一連の光学測定の測定の間および/または測定ごとに変化する性能を伴う光学特性を有する作動中の表示装置において、2D撮像システムで一連の光学測定を実施するための方法であって、向上した比較可能性が、一連の光学測定を実施することで得られる光学特性についての測定結果に基づいて決定される光学特性についての値について達成され、方法が、
- 各々の光学測定について、光学特性についての測定結果のそれぞれのセットを得るために、一連の光学測定の各々の光学測定を一連の測定として実施するように2D撮像システムを構成するステップと、
- それぞれの光学測定の測定結果のそれぞれのセットの測定結果の時間平均化を実施することで、一連の光学測定の各々の光学測定について、光学特性についてのそれぞれの値を決定するステップと
を含む方法によって達成される。
【0011】
当業者は、本発明の状況において特に興味のある作動中の表示装置の光学特性が、輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布であることを理解するものである。また、当業者は、2D撮像システムが少なくとも1つのカメラと少なくとも1つの光学フィルタとを備えることを理解するものである。本発明による方法は、作動中の表示装置の光学特性の性能が測定の間および/または測定ごとに変化するという事実にも拘らず、表示装置が実際の表示デバイスにすでに搭載されていようがなかろうが、作動中の表示装置の前述の光学特性について決定される値の向上した比較可能性を可能にする。結果として、興味のある光学特性についての値が決定され得るときの測定精度が向上される。結果的に、作動中の表示装置の光学性能は、より正確に特徴付けられて制御され得る。
【0012】
さらに、本発明による方法を使用することで、表示装置が本発明の方法による測定が行われ得る前にオンに切り替わった後に平衡状態になるまで待機することが、必要ではない。そのため、本発明による方法は、技術的に知られている方法と比較して、作動中の表示装置の光学特性についての値の素早い決定を、向上した精度で可能にもする。そのため、本発明による方法は、インライン試験の速度、つまり、生産ラインにおける作動中の表示装置の光学性能の試験の速度に肯定的な効果を有し、そのため生産ラインの処理量に肯定的な効果を有する。
【0013】
本発明による方法の実施形態では、各々の光学測定について、光学特性についての測定結果のそれぞれのセットを得るために、一連の光学測定の各々の光学測定を一連の測定として実施するように2D撮像システムを構成するステップは、
- 一連の光学測定の各々の光学測定が実施されるそれぞれの時間間隔を合計することで、一連の光学測定が実施される全体の時間間隔を決定するステップと、
- 同一の2D画像測定の少なくとも1つの対を含むように一連の測定を構成するステップであって、同一の2D画像測定の第1の対の第1の2D画像測定が、測定結果のセットの第1の測定結果を得るために、第1の種類の第1の光学フィルタを使用して、第1の時間間隔の間に実施され、同一の2D画像測定の第1の対の第2の2D画像測定が、測定結果のセットの第2の測定結果を得るために、第1の種類の前記第1の光学フィルタを使用して、第2の時間間隔の間に実施され、第1の時間間隔と第2の時間間隔とは、重ならず、全体の時間間隔の中央に関して鏡面対称とされる、ステップと、を含む。
【0014】
第1の時間間隔と第2の時間間隔とを前述の方法で配置することで、同一の2D画像測定の第1の対から得られた測定結果のセットの第1の測定結果および第2の測定結果の向上した比較可能性が、第1の測定結果および第2の測定結果の前述の時間平均化によって達成され得る。時間平均化のおかげで、同一の2D画像測定の第1の対によって得られる第1の測定結果および第2の測定結果への影響であって、同一の2D画像測定の第1の対の測定の間および/または測定ごとに起こる興味のある光学特性の性能における変化によって引き起こされる影響が、低減され得る、または、理想的には排除され得る。同一の2D画像測定の第1の対の測定結果の向上した比較可能性の結果として、興味のある光学特性についての値が第1の測定結果および第2の測定結果に基づいて決定され得るときの測定精度が向上させられ得る。
【0015】
当業者は、2D画像測定の第1の対の測定が、第1の種類の同じ第1の光学フィルタを使用して同一の方法で実施される意味において同一であることを、理解するものである。第1の種類の第1の光学フィルタが任意の適切なRGBフィルタまたはXYZフィルタであり得ることが、明らかとなる。
【0016】
当業者は、同一の2D画像測定の第1の対の第1の2D画像測定および第2の2D画像測定を網羅する前述の測定の一連が、赤色、緑色、青色、またはそれらの色の任意の混合など、任意の所与の色について実施され得ることを、理解するものである。例えば、前述の第1の一連の2D画像測定が作動中の表示装置において実施でき、その表示装置では、作動中の表示装置の発光領域全体に赤色光を発せさせる試験画像が表示される。そのため、第1の種類の第1の光学フィルタについて赤色フィルタを使用して、第1の一連の2D画像測定が、発せされた赤色光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、実施され得る。当業者は、任意の色および/またはパターンを含む任意の適切な試験画像が使用できることを理解するものである。
【0017】
さらに、当業者は、前述の興味のある光学特性、つまり、輝度、カラーポイント、またはスペクトル分布のうちのいずれか1つについて、CIE 1931のxy色度図によるxおよびyの色度座標が、興味のある光学特性についての決定された値に基づいて決定され得ることを、理解するものである。
【0018】
本発明による方法の実施形態では、一連の測定は、同一の2D画像測定の第2の対を含むように構成され、同一の2D画像測定の第2の対の第3の2D画像測定が、測定結果のセットの第3の測定結果を得るために、第2の種類の第2の光学フィルタを使用して、第3の時間間隔の間に実施され、同一の2D画像測定の第2の対の第4の2D画像測定が、測定結果のセットの第4の測定結果を得るために、第2の種類の前記第2の光学フィルタを使用して、第4の時間間隔の間に実施され、同一の2D画像測定の第2の対の第3の時間間隔と第4の時間間隔とは、互いと重ならず、同一の2D画像測定の第1の対の第1の時間間隔および第2の時間間隔と重ならず、同一の2D画像測定の第2の対の第3の時間間隔と第4の時間間隔とは、全体の時間間隔の中央に関して同じく鏡面対称とされる。
【0019】
第3の時間間隔と第4の時間間隔とを前述の方法で配置することで、同一の2D画像測定の第2の対から得られた測定結果のセットの第3の測定結果および第4の測定結果の向上した比較可能性が、第3の測定結果および第4の測定結果の前述の時間平均化によって達成され得る。時間平均化のおかげで、同一の2D画像測定の第2の対によって得られる第3の測定結果および第4の測定結果への影響であって、同一の2D画像測定の第2の対の測定の間および/または測定ごとに起こる興味のある光学特性の性能における変化によって引き起こされる影響が、低減され得る、または、理想的には排除され得る。同一の2D画像測定の第2の対の測定結果の向上した比較可能性の結果として、興味のある光学特性についての値が第3の測定結果および第4の測定結果に基づいて決定され得るときの測定精度が向上させられ得る。
【0020】
当業者は、2D画像測定の第2の対の測定が、第2の種類の同じ第2の光学フィルタを使用して同一の方法で実施される意味において同一であることを、理解するものである。第2の種類の第2の光学フィルタが、第1の光学フィルとして使用されるRGBフィルタまたはXYZフィルタと異なる任意の適切なRGBフィルタまたはXYZフィルタであり得ることが、明らかとなる。
【0021】
当業者は、同一の2D画像測定の第2の対の第3の2D画像測定および第4の2D画像測定を網羅する前述の測定の一連が、赤色、緑色、青色、またはそれらの色の任意の混合など、任意の所与の色について実施され得ることを、理解するものである。例えば、前述の第2の一連の2D画像測定が作動中の表示装置において実施でき、その表示装置では、作動中の表示装置の発光領域全体に緑色光を発せさせる試験画像が表示される。そのため、第2の種類の第2の光学フィルタについて緑色フィルタを使用して、第2の一連の2D画像測定が、発せされた緑色光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、実施され得る。当業者は、任意の色および/またはパターンを含む任意の適切な試験画像が使用できることを理解するものである。
【0022】
さらに、当業者は、前述の興味のある光学特性、つまり、輝度、カラーポイント、またはスペクトル分布のうちのいずれか1つについて、CIE 1931のxy色度図によるxおよびyの色度座標が、興味のある光学特性についての決定された値に基づいて決定され得ることを、理解するものである。
【0023】
本発明による方法の実施形態では、一連の測定は、同一の2D画像測定の第3の対を含むように構成され、同一の2D画像測定の第3の対の第5の2D画像測定が、測定結果のセットの第5の測定結果を得るために、第3の種類の第3の光学フィルタを使用して、第5の時間間隔の間に実施され、同一の2D画像測定の第3の対の第6の2D画像測定が、測定結果のセットの第6の測定結果を得るために、第3の種類の前記第3の光学フィルタを使用して、第6の時間間隔の間に実施され、同一の2D画像測定の第3の対の第5の時間間隔と第6の時間間隔とは、互いと重ならず、同一の2D画像測定の第1の対の第1の時間間隔および第2の時間間隔、ならびに、同一の2D画像測定の第2の対の第3の時間間隔および第4の時間間隔と重ならず、同一の2D画像測定の第3の対の第5の時間間隔と第6の時間間隔とは、全体の時間間隔の中央に関して同じく鏡面対称とされる。
【0024】
第5の時間間隔と第6の時間間隔とを前述の方法で配置することで、同一の2D画像測定の第3の対から得られた測定結果のセットの第5の測定結果および第6の測定結果の向上した比較可能性が、第5の測定結果および第6の測定結果の前述の時間平均化によって達成され得る。時間平均化のおかげで、同一の2D画像測定の第3の対によって得られる第5の測定結果および第6の測定結果への影響であって、同一の2D画像測定の第3の対の測定の間および/または測定ごとに起こる興味のある光学特性の性能における変化によって引き起こされる影響が、低減され得る、または、理想的には排除され得る。同一の2D画像測定の第3の対の測定結果の向上した比較可能性の結果として、興味のある光学特性についての値が第5の測定結果および第6の測定結果に基づいて決定され得るときの測定精度が向上させられ得る。
【0025】
当業者は、2D画像測定の第3の対の測定が、第3の種類の同じ第3の光学フィルタを使用して同一の方法で実施される意味において同一であることを、理解するものである。第3の種類の第3の光学フィルタが、第1の光学フィルとして使用されるRGBフィルタまたはXYZフィルタと、第2の光学フィルとして使用されるRGBフィルタまたはXYZフィルタとの両方と異なる任意の適切なRGBフィルタまたはXYZフィルタであり得ることが、明らかとなる。
【0026】
当業者は、同一の2D画像測定の第3の対の第5の2D画像測定および第6の2D画像測定を網羅する前述の測定の一連が、赤色、緑色、青色、またはそれらの色の任意の混合など、任意の所与の色について実施され得ることを、理解するものである。例えば、前述の第3の一連の2D画像測定が作動中の表示装置において実施でき、その表示装置では、作動中の表示装置の発光領域全体に青色光を発せさせる試験画像が表示される。そのため、第3の種類の第3の光学フィルタについて青色フィルタを使用して、第3の一連の2D画像測定が、発せされた青色光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、実施され得る。当業者は、任意の色および/またはパターンを含む任意の適切な試験画像が使用できることを理解するものである。
【0027】
さらに、当業者は、前述の興味のある光学特性、つまり、輝度、カラーポイント、またはスペクトル分布のうちのいずれか1つについて、CIE 1931のxy色度図によるxおよびyの色度座標が、興味のある光学特性についての決定された値に基づいて決定され得ることを、理解するものである。
【0028】
本発明による方法の実施形態では、各々の光学測定について、光学特性についての測定結果のそれぞれのセットを得るために、一連の光学測定の各々の光学測定を一連の測定として実施するように2D撮像システムを構成するステップは、
- 同一のスポット測定の少なくとも1つの対、および第1の2D画像測定を含むように一連の測定を構成するステップであって、同一のスポット測定の第1の対の第1のスポット測定が、測定結果のセットの第1の測定結果を得るために、第1の時間間隔の間に実施され、同一のスポット測定の第1の対の第2のスポット測定が、測定結果のセットの第2の測定結果を得るために、第2の時間間隔の間に実施され、第1の2D画像測定は、測定結果のセットの第3の測定結果を得るために、第1の種類の第1の光学フィルタを使用して、第3の時間間隔の間に実施され、第1の時間間隔と第2の時間間隔と第3の時間間隔とは重ならず、第1の時間間隔と第2の時間間隔とは、第3の時間間隔の中央に関して鏡面対称とされる、ステップを含む。
【0029】
第1の時間間隔と第2の時間間隔と第3の時間間隔とを前述の方法で配置することで、同一のスポット測定の第1の対から得られた測定結果のセットの第1の測定結果および第2の測定結果の向上した比較可能性が、第1の測定結果および第2の測定結果の前述の時間平均化によって達成され得る。時間平均化のおかげで、同一のスポット測定の第1の対によって得られる第1の測定結果および第2の測定結果への影響であって、同一のスポット測定の第1の対の測定の間および/または測定ごとに起こる興味のある光学特性の性能における変化によって引き起こされる影響が、低減され得る、または、理想的には排除され得る。同一のスポット測定の第1の対の測定結果の向上した比較可能性の結果として、興味のある光学特性についての値が第1の測定結果および第2の測定結果に基づいて決定され得るときの測定精度が向上させられ得る。当業者は、スポット測定の第1の対の測定が、同一の設定を使用して実施される意味において同一であることを、理解するものである。
【0030】
また、前述の時間平均化のおかげで、測定結果のセットの第1の測定結果および第2の測定結果は、第1の2D画像測定が測定結果のセットの第3の測定結果を得るために実施された第3の時間間隔の中央と一致する時間において、事実上は得られている。したがって、測定結果のセットの第1の測定結果、第2の測定結果、および第3の測定結果の比較可能性が向上されている。測定結果のセットの第1の測定結果、第2の測定結果、および第3の測定結果が、事実上は同時に得られており、そのため、作動中の表示装置における同一のスポット測定の第1の対および第1の2D画像測定の測定の間および/または測定ごとに起こる興味のある光学特性の性能における変化によってほとんど影響されず、理想的には影響されないという事実の結果として、興味のある光学特性についての値が、測定結果のセットの第1の測定結果、第2の測定結果、および第3の測定結果に基づいて決定され得るときの測定精度が、向上されている。したがって、本発明による方法は、作動中の表示装置の光学特性についての値の正確な決定を可能にする。
【0031】
当業者は、前述の第1の一連のスポット-2D-スポット測定が、赤色、緑色、青色、またはそれらの色の任意の混合など、任意の所与の色について実施され得ることを、理解するものである。例えば、試験画像が、赤色光を発せさせるように作動中の表示装置の発光領域全体を描画するために、作動中の表示装置において表示され得る。そのため、第1の一連のスポット-2D-スポット測定が、例えば、発せされた赤色光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、実施され得る。当業者は、任意の色および/またはパターンを含む任意の適切な試験画像が使用できることを理解するものである。
【0032】
さらに、当業者は、前述の興味のある光学特性、つまり、輝度、カラーポイント、またはスペクトル分布のうちのいずれか1つについて、CIE 1931のxy色度図によるxおよびyの色度座標が、興味のある光学特性についての決定された値に基づいて決定され得ることを、理解するものである。
【0033】
本発明による方法の実施形態では、一連の測定は、同一のスポット測定の第2の対、および第2の2D画像測定を含むように構成され、同一のスポット測定の第2の対の第3のスポット測定が、測定結果のセットの第4の測定結果を得るために、第4の時間間隔の間に実施され、同一のスポット測定の第2の対の第4のスポット測定が、測定結果のセットの第5の測定結果を得るために、第5の時間間隔の間に実施され、前記第2の2D画像測定は、測定結果のセットの第6の測定結果を得るために、第2の種類の第2の光学フィルタを使用して、第6の時間間隔の間に実施され、同一のスポット測定の第2の対の第4の時間間隔および第5の時間間隔と前記第2の2D画像測定の第6の時間間隔とは、それぞれ、互いと重ならず、同一のスポット測定の第1の対の第1の時間間隔および第2の時間間隔、ならびに第1の2D画像測定の第3の時間間隔と重ならず、第4の時間間隔と第5の時間間隔とは、第6の時間間隔の中央に関して鏡面対称とされる。
【0034】
第4の時間間隔と第5の時間間隔と第6の時間間隔とを前述の方法で配置することで、同一のスポット測定の第2の対から得られた測定結果のセットの第4の測定結果および第5の測定結果の向上した比較可能性が、第4の測定結果および第5の測定結果の前述の時間平均化によって達成され得る。時間平均化のおかげで、同一のスポット測定の第2の対によって得られる第4の測定結果および第5の測定結果への影響であって、同一のスポット測定の第2の対の測定の間および/または測定ごとに起こる興味のある光学特性の性能における変化によって引き起こされる影響が、低減され得る、または、理想的には排除され得る。同一のスポット測定の第2の対の測定結果の向上した比較可能性の結果として、興味のある光学特性についての値が第4の測定結果および第5の測定結果に基づいて決定され得るときの測定精度が向上させられ得る。当業者は、スポット測定の第2の対の測定が、同一の設定を使用して実施される意味において同一であることを、理解するものである。
【0035】
また、前述の時間平均化のおかげで、測定結果のセットの第4の測定結果および第5の測定結果は、第2の2D画像測定が測定結果のセットの第6の測定結果を得るために実施された第6の時間間隔の中央と一致する時間において、事実上は得られている。したがって、測定結果のセットの第4の測定結果、第5の測定結果、および第6の測定結果の比較可能性が向上されている。測定結果のセットの第4の測定結果、第5の測定結果、および第6の測定結果が、事実上は同時に得られており、そのため、作動中の表示装置における同一のスポット測定の第2の対および第2の2D画像測定の測定の間および/または測定ごとに起こる興味のある光学特性の性能における変化によってほとんど影響されず、理想的には影響されないという事実の結果として、興味のある光学特性についての値が、測定結果のセットの第4の測定結果、第5の測定結果、および第6の測定結果に基づいて決定され得るときの測定精度が、向上されている。したがって、本発明による方法は、作動中の表示装置の光学特性についての値の正確な決定を可能にする。
【0036】
当業者は、前述の第2の一連のスポット-2D-スポット測定が、赤色、緑色、青色、またはそれらの色の任意の混合など、任意の所与の色について実施され得ることを、理解するものである。例えば、試験画像が、緑色光を発せさせるように作動中の表示装置の発光領域全体を描画するために、作動中の表示装置において表示され得る。そのため、第2の一連のスポット-2D-スポット測定が、例えば、発せされた緑色光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、実施され得る。当業者は、任意の色および/またはパターンを含む任意の適切な試験画像が使用できることを理解するものである。
【0037】
さらに、当業者は、前述の興味のある光学特性、つまり、輝度、カラーポイント、またはスペクトル分布のうちのいずれか1つについて、CIE 1931のxy色度図によるxおよびyの色度座標が、興味のある光学特性についての決定された値に基づいて決定され得ることを、理解するものである。
【0038】
本発明による方法の実施形態では、一連の測定は、同一のスポット測定の第3の対、および第3の2D画像測定を含むように構成され、同一のスポット測定の第3の対の第5のスポット測定が、測定結果のセットの第7の測定結果を得るために、第7の時間間隔の間に実施され、同一のスポット測定の第3の対の第6のスポット測定が、測定結果のセットの第8の測定結果を得るために、第8の時間間隔の間に実施され、前記第3の2D画像測定は、測定結果のセットの第9の測定結果を得るために、第3の種類の第3の光学フィルタを使用して、第9の時間間隔の間に実施され、同一のスポット測定の第3の対の第7の時間間隔および第8の時間間隔と前記第3の2D画像測定の第9の時間間隔とは、それぞれ、互いと重ならず、同一のスポット測定の第1の対の第1の時間間隔および第2の時間間隔、ならびに前記第1の2D画像測定の第3の時間間隔、同一のスポット測定の第2の対の第4の時間間隔および第5の時間間隔、ならびに前記第2の2D画像測定の第6の時間間隔のいずれとも重ならず、第7の時間間隔と第8の時間間隔とは、第9の時間間隔の中央に関して鏡面対称とされる。
【0039】
第7の時間間隔と第8の時間間隔と第9の時間間隔とを前述の方法で配置することで、同一のスポット測定の第3の対から得られた測定結果のセットの第7の測定結果および第8の測定結果の向上した比較可能性が、第7の測定結果および第8の測定結果の前述の時間平均化によって達成され得る。時間平均化のおかげで、同一のスポット測定の第3の対によって得られる第7の測定結果および第8の測定結果への影響であって、同一のスポット測定の第3の対の測定の間および/または測定ごとに起こる興味のある光学特性の性能における変化によって引き起こされる影響が、低減され得る、または、理想的には排除され得る。同一のスポット測定の第3の対の測定結果の向上した比較可能性の結果として、興味のある光学特性についての値が第7の測定結果および第8の測定結果に基づいて決定され得るときの測定精度が向上させられ得る。当業者は、スポット測定の第3の対の測定が、同一の設定を使用して実施される意味において同一であることを、理解するものである。
【0040】
また、前述の時間平均化のおかげで、測定結果のセットの第7の測定結果および第8の測定結果は、第3の2D画像測定が測定結果のセットの第9の測定結果を得るために実施された第9の時間間隔の中央と一致する時間において、事実上は得られている。したがって、測定結果のセットの第7の測定結果、第8の測定結果、および第9の測定結果の比較可能性が向上されている。測定結果のセットの第7の測定結果、第8の測定結果、および第9の測定結果が、事実上は同時に得られており、そのため、作動中の表示装置における同一のスポット測定の第3の対および第3の2D画像測定の測定の間および/または測定ごとに起こる興味のある光学特性の性能における変化によってほとんど影響されず、理想的には影響されないという事実の結果として、興味のある光学特性についての値が、測定結果のセットの第7の測定結果、第8の測定結果、および第9の測定結果に基づいて決定され得るときの測定精度が、向上されている。したがって、本発明による方法は、作動中の表示装置の光学特性についての値の正確な決定を可能にする。
【0041】
当業者は、前述の第3の一連のスポット-2D-スポット測定が、赤色、緑色、青色、またはそれらの色の任意の混合など、任意の所与の色について実施され得ることを、理解するものである。例えば、試験画像が、青色光を発せさせるように作動中の表示装置の発光領域全体を描画するために、作動中の表示装置において表示され得る。そのため、第3の一連のスポット-2D-スポット測定が、例えば、発せされた青色光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、実施され得る。当業者は、任意の色および/またはパターンを含む任意の適切な試験画像が使用できることを理解するものである。
【0042】
さらに、当業者は、前述の興味のある光学特性、つまり、輝度、カラーポイント、またはスペクトル分布のうちのいずれか1つについて、CIE 1931のxy色度図によるxおよびyの色度座標が、興味のある光学特性についての決定された値に基づいて決定され得ることを、理解するものである。
【0043】
本発明による方法の実施形態では、作動中の光学表示装置の光学特性は、輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布のうちの1つであり、測定結果のそれぞれのセットの測定結果の時間平均化を実施することで決定される値を使用して、CIE 1931のxy色度図によるxおよびyの色度座標が、0.002未満である向上した精度で、輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布のうちの1つについて決定される。
【0044】
当業者は、スペクトル分布における逸脱が波長シフトをもたらすことを、理解するものである。この波長シフトは、CIE 1931のxy色度図によるxおよびyの色度座標へと変換され得る。作動中の表示装置の前述の光学特性のうちの少なくとも1つについてのxおよびyの色度座標が0.002未満の精度で決定されるため、本発明による方法は、人の目が前述の光学特性のいずれか1つにおける逸脱について0.002の感度閾値を有するため、人の目には視認不可能である作動中の表示装置の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布のうちの少なくとも1つにおける逸脱の検出を可能にする。
【0045】
本発明の他の態様は、一連の光学測定の測定の間および/または測定ごとに変化する性能を伴う光学特性を有する作動中の表示装置において一連の光学測定を実施するための光学測定構成であって、向上した精度が、一連の光学測定を実施することで得られる光学特性についての測定結果に基づいて決定される光学特性についての値について達成され、光学測定構成が、
- 作動中の表示装置において一連の光学2D画像測定を実施することを許可するために構成および配置される2D撮像システムと、
- 作動中の表示装置において一連の光学スポット測定を実施することを許可するために構成および配置されるスポット測定システムと、
- コンピュータ命令が設けられるメモリユニットを備える処理ユニットであって、処理ユニットは、作動中の表示装置の光学特性についての測定結果をメモリユニットにおいて受け入れるために、2D撮像システムおよびスポット測定システムの少なくとも一方と動作可能に接続され、コンピュータ命令は、前記測定結果において実行されるとき、前記測定結果に基づいて、向上した精度を伴う光学特性についての値を決定するために、前述の方法のステップを実施する、処理ユニットと
を備える光学測定構成である。
【0046】
この方法では、本発明による光学測定構成は、0.002未満の精度での作動中の表示装置の輝度、カラーポイント、またはスペクトル分布などの興味のある光学特性についてのxおよびyの色度座標の素早い決定を可能にする。そのため、本発明による光学測定構成は、生産ラインの処理量へのインライン光学試験の影響、つまり、実際の表示デバイスにすでに搭載されている作動中の表示装置の光学特性の生産ラインでの試験の影響が低減され得ることを、可能にする。結果として、本発明による光学測定構成は、インライン光学試験を視認可能な選択肢にする。
【0047】
当業者は、2D撮像システムとスポット測定システムとが独立したシステムであり得ることを理解するものであるが、それらシステムは、ADMESYによって提供されるATLASシリーズおよびTitanシリーズなど、1つの組み合わされたシステムに一体化されてもよい。
【0048】
本発明による光学測定構成の実施形態では、2D撮像システムは、スポット測定および2D画像測定を、作動中の表示装置において同時に実施させることができるように構成および配置されるビームスプリッタを備える。
【0049】
この方法では、本発明による光学測定構成は、0.002未満の精度での作動中の表示装置の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布のうちの少なくとも1つなどの興味のある光学特性についてのCIE 1931のxy色度図によるxおよびyの色度座標のさらにより時間効率の良い決定を可能にする。結果として、本発明による光学測定構成は、生産ラインの処理量へのインライン光学試験の影響のさらなる低減を可能にする。
【0050】
本発明のさらなる特徴および利点は、本発明の方法による一連の光学測定の構成の例示の非限定的な実施形態と、本発明の光学測定構成の例示の非限定的な実施形態とを用いた本発明の記載から明らかになる。
【0051】
当業者は、記載されている実施形態が本質的に単なる例示であり、保護の範囲を限定するとしていかなる形でも解釈されることがないことを、理解するものである。当業者は、代替および等価の実施形態が、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、思い付かれ得ること、および、実践するために減縮され得ることを、理解する。
【0052】
添付の図面シートにおける図が参照される。図は、本質的に概略的であり、そのため必ずしも一定の縮尺ではない。さらに、同じ符号は、同じまたは同様の部品を指し示している。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】例えば赤色光といった第1の種類の発せられた光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、同一の2D画像測定の第1の対を使用する、本発明の方法による一連の光学測定の構成の例示の非限定的な第1の実施形態の概略図である。
図2】例えば緑色光といった第2の種類の発せられた光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、図1に示されているような同一の2D画像測定の第1の対に加えて、同一の2D画像測定の第2の対を使用する、本発明の方法による一連の光学測定の構成の例示の非限定的な第2の実施形態の概略図である。
図3】例えば青色光といった第3の種類の発せられた光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、図1に示されているような同一の2D画像測定の第1の対と、図2に示されているような同一の2D画像測定の第2の対とに加えて、同一の2D画像測定の第3の対を使用する、本発明の方法による一連の光学測定の構成の例示の非限定的な第3の実施形態の概略図である。
図4】例えば赤色光といった第1の種類の発せられた光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、同一のスポット測定の第1の対および第1の2D画像測定を使用する、本発明の方法による一連の光学測定の構成の例示の非限定的な第4の実施形態の概略図である。
図5】例えば緑色光といった第2の種類の発せられた光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、図4に示されているような同一のスポット測定の第1の対および第1の2D画像測定に加えて、同一のスポット測定の第2の対および第2の2D画像測定を使用する、本発明の方法による一連の光学測定の構成の例示の非限定的な第5の実施形態の概略図である。
図6】例えば青色光といった第3の種類の発せられた光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、図4に示されているような同一のスポット測定の第1の対および第1の2D画像測定と、図5に示されているような同一のスポット測定の第2の対および第2の2D画像測定とに加えて、同一のスポット測定の第3の対および第3の2D画像測定を使用する、本発明の方法による一連の光学測定の構成の例示の非限定的な第6の実施形態の概略図である。
図7】本発明による光学測定構成の例示の非限定的な第1の実施形態の概略的な上面図である。
図8】本発明による光学測定構成の例示の非限定的な第2の実施形態の概略的な上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、例えば赤色光といった第1の種類の発せられた光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置(図示されていない)の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、同一の2D画像測定101a、101bの第1の対を使用する、本発明の方法による一連の光学測定100の構成の例示の非限定的な第1の実施形態の概略図を示している。
【0055】
本開示の状況における2D撮像システム301は、カメラ304と、少なくとも1つの光学フィルタが提供されているフィルタバンク303とを備える。同一の2D画像測定101a、101bの第1の対を実施するように2D撮像システム302を構成することは、同一の2D画像測定101a、101bの第1の対が実施される全体の時間間隔Ttotalを決定することを含む。図1に示されているように、全体の時間間隔Ttotalは、同一の2D画像測定の第1の対の各々の2D画像測定が実施されるそれぞれの時間間隔TおよびTを合計することで決定され得る。図1は、第1の時間間隔Tと第2の時間間隔Tとが重ならず、全体の時間間隔Ttotalの中央Tcenterに関して鏡面対称とされていることを示している。
【0056】
当業者は、2D画像測定101a、101bの第1の対の測定が、第1の種類の同じ第1の光学フィルタ(図示されていない)を使用して同一の方法で実施される意味において同一であることを、理解するものである。第1の種類の第1の光学フィルタは任意の適切なRGBフィルタまたはXYZフィルタであり得る。同一の2D画像測定101a、101bの第1の対の第1の2D画像測定101aが、測定結果のセットの第1の測定結果Aを得るために、例えば赤色フィルタを、第1の種類の第1の光学フィルタとして使用して実施され得る。その場合、同一の2D画像測定101a、101bの第1の対の第2の2D画像測定101bが、測定結果のセットの第2の測定結果Aを得るために、同じ赤色フィルタを使用して実施される。当業者は、同一の2D画像測定101a、101bの第1の対の第1の2D画像測定101aおよび第2の2D画像測定101bを網羅する前述の測定の一連が、赤色、緑色、青色、またはそれらの色の任意の混合など、任意の所与の色について実施され得ることを、理解するものである。
【0057】
第1の時間間隔Tと第2の時間間隔Tとを図1に示されている方法で配置することで、第1の測定結果Aおよび第2の測定結果Aの時間平均化が、同一の2D画像測定101a、101bの第1の対から得られた測定結果のセットの第1の測定結果Aおよび第2の測定結果Aの向上した比較可能性を得るために使用され得る。前述されているように、時間平均化のおかげで、同一の2D画像測定101a、101bの第1の対の測定の間および/または測定ごとに起こる興味のある光学特性の性能における変化によって引き起こされる第1の測定結果Aおよび第2の測定結果Aへの影響が、低減され得る、または、理想的には排除され得る。同一の2D画像測定101a、101bの第1の対の第1の測定結果Aおよび第2の測定結果Aの向上した比較可能性の結果として、例えば輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布といった興味のある光学特性についての値が第1の測定結果Aおよび第2の測定結果Aに基づいて決定され得るときの測定精度が向上させられ得る。本発明による方法は、CIE 1931のxy色度図によるxおよびyの色度座標を、第1の測定結果Aおよび第2の測定結果Aに基づいて決定された値を使用して、0.002未満である向上した精度で決定することを可能にする。この方法では、本発明による方法は、人の目が前述の光学特性のいずれか1つにおける逸脱について0.002の感度閾値を有するため、人の目には視認不可能である作動中の表示装置の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布のうちの少なくとも1つにおける逸脱の検出を可能にする。
【0058】
図2は、例えば緑色光といった第2の種類の発せられた光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置(図示されていない)の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、図1に示されているような同一の2D画像測定101a、101bの第1の対に加えて、同一の2D画像測定102a、102bの第2の対を使用する、本発明の方法による一連の光学測定100の構成の例示の非限定的な第2の実施形態の概略図を示している。
【0059】
当業者は、2D画像測定102a、102bの第2の対の測定が、第2の種類の同じ第2の光学フィルタを使用して同一の方法で実施される意味において同一であることを、理解するものである。第2の種類の第2の光学フィルタが、第1の光学フィルとして使用されるRGBフィルタまたはXYZフィルタと異なる任意の適切なRGBフィルタまたはXYZフィルタであり得ることが、明らかとなる。
【0060】
同一の2D画像測定102a、102bの第2の対の第3の2D画像測定102aが、測定結果のセットの第3の測定結果Bを得るために、例えば緑色フィルタを、第2の種類の第2の光学フィルタとして使用して実施され得る。その場合、同一の2D画像測定102a、102bの第2の対の第4の2D画像測定102bが、測定結果のセットの第4の測定結果Bを得るために、同じ緑色フィルタを使用して実施される。当業者は、同一の2D画像測定102a、102bの第2の対の第3の2D画像測定102aおよび第4の2D画像測定102bを網羅する前述の測定の一連が、赤色、緑色、青色、またはそれらの色の任意の混合など、任意の所与の色について実施され得ることを、理解するものである。
【0061】
図2に示されているように、同一の2D画像測定102a、102bの第2の対の第3の時間間隔Tと第4の時間間隔Tとは、互いと重ならず、同一の2D画像測定101a、101bの第1の対の第1の時間間隔Tおよび第2の時間間隔Tと重ならない。さらに、同一の2D画像測定102a、102bの第2の対の第3の時間間隔Tと第4の時間間隔Tとは、全体の時間間隔Ttotalの中央Tcenterに関して同じく鏡面対称とされる。
【0062】
第3の時間間隔Tと第4の時間間隔Tとを図2に示されている方法で配置することで、第3の測定結果Bおよび第4の測定結果Bの時間平均化が、同一の2D画像測定102a、102bの第2の対から得られた測定結果のセットの第3の測定結果Bおよび第4の測定結果Bの向上した比較可能性を得るために使用され得る。前述されているように、時間平均化のおかげで、同一の2D画像測定102a、102bの第2の対の測定の間および/または測定ごとに起こる興味のある光学特性の性能における変化によって引き起こされる第3の測定結果Bおよび第4の測定結果Bへの影響が、低減され得る、または、理想的には排除され得る。同一の2D画像測定102a、102bの第2の対の第3の測定結果Bおよび第4の測定結果Bの向上した比較可能性の結果として、例えば輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布といった興味のある光学特性についての値が第3の測定結果Bおよび第4の測定結果Bに基づいて決定され得るときの測定精度が向上させられ得る。本発明による方法は、CIE 1931のxy色度図によるxおよびyの色度座標を、第3の測定結果Bおよび第4の測定結果Bに基づいて決定された値を使用して、0.002未満である向上した精度で決定することを可能にする。この方法では、本発明による方法は、人の目が前述の光学特性のいずれか1つにおける逸脱について0.002の感度閾値を有するため、人の目には視認不可能である作動中の表示装置の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布のうちの少なくとも1つにおける逸脱の検出を可能にする。
【0063】
図3は、例えば青色光といった第3の種類の発せられた光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置(図示されていない)の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、図1に示されているような同一の2D画像測定101a、101bの第1の対と、図2に示されているような同一の2D画像測定102a、102bの第2の対とに加えて、同一の2D画像測定103a、103bの第3の対を使用する、本発明の方法による一連の光学測定100の構成の例示の非限定的な第3の実施形態の概略図を示している。
【0064】
当業者は、2D画像測定103a、103bの第3の対の測定が、第3の種類の同じ第3の光学フィルタを使用して同一の方法で実施される意味において同一であることを、理解するものである。第3の種類の第3の光学フィルタが、第1の光学フィルとして使用されるRGBフィルタまたはXYZフィルタと、第2の光学フィルとして使用されるRGBフィルタまたはXYZフィルタとの両方と異なる任意の適切なRGBフィルタまたはXYZフィルタであり得ることが、明らかとなる。
【0065】
同一の2D画像測定103a、103bの第3の対の第5の2D画像測定103aが、測定結果のセットの第5の測定結果Cを得るために、例えば青色フィルタを、第3の種類の第3の光学フィルタとして使用して実施され得る。その場合、同一の2D画像測定103a、103bの第3の対の第6の2D画像測定103bが、測定結果のセットの第6の測定結果Cを得るために、同じ青色フィルタを使用して実施される。当業者は、同一の2D画像測定103a、103bの第3の対の第5の2D画像測定103aおよび第6の2D画像測定103bを網羅する前述の測定の一連が、赤色、緑色、青色、またはそれらの色の任意の混合など、任意の所与の色について実施され得ることを、理解するものである。
【0066】
図3に示されているように、同一の2D画像測定103a、103bの第3の対の第5の時間間隔Tと第6の時間間隔Tとは、互いと重ならず、同一の2D画像測定101a、101bの第1の対の第1の時間間隔Tおよび第2の時間間隔T、ならびに、同一の2D画像測定102a、102bの第2の対の第3の時間間隔Tおよび第4の時間間隔Tと重ならない。さらに、同一の2D画像測定103a、103bの第3の対の第5の時間間隔Tと第6の時間間隔Tとは、全体の時間間隔Ttotalの中央Tcenterに関して同じく鏡面対称とされる。
【0067】
第5の時間間隔Tと第6の時間間隔Tとを図3に示されている方法で配置することで、第5の測定結果Cおよび第6の測定結果Cの時間平均化が、同一の2D画像測定103a、103bの第3の対から得られた測定結果のセットの第5の測定結果Cおよび第6の測定結果Cの向上した比較可能性を得るために使用され得る。前述されているように、時間平均化のおかげで、同一の2D画像測定103a、103bの第3の対によって得られる第5の測定結果Cおよび第6の測定結果Cへの影響であって、同一の2D画像測定103a、103bの第3の対の測定の間および/または測定ごとに起こる興味のある光学特性の性能における変化によって引き起こされる影響が、低減され得る、または、理想的には排除され得る。同一の2D画像測定103a、103bの第3の対の測定結果の向上した比較可能性の結果として、例えば輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布といった興味のある光学特性についての値が第5の測定結果Cおよび第6の測定結果Cに基づいて決定され得るときの測定精度が向上させられ得る。本発明による方法は、CIE 1931のxy色度図によるxおよびyの色度座標を、第5の測定結果Cおよび第6の測定結果Cに基づいて決定された値を使用して、0.002未満である向上した精度で決定することを可能にする。この方法では、本発明による方法は、人の目が前述の光学特性のいずれか1つにおける逸脱について0.002の感度閾値を有するため、人の目には視認不可能である作動中の表示装置の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布のうちの少なくとも1つにおける逸脱の検出を可能にする。
【0068】
図4は、例えば赤色光といった第1の種類の発せられた光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置(図示されていない)の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、同一のスポット測定201a、201bの第1の対および第1の2D画像測定202を使用する、本発明の方法による一連の光学測定200の構成の例示の非限定的な第4の実施形態の概略図を示している。当業者は、スポット測定201a、201bの第1の対の測定が、同一の設定を使用して実施される意味において同一であることを、理解するものである。
【0069】
同一のスポット測定201a、201bの第1の対の第1のスポット測定201aは、測定結果のセットの第1の測定結果Sを得るために、第1の時間間隔Tの間に実施される。同一のスポット測定201a、201bの第1の対の第2のスポット測定201bは、測定結果のセットの第2の測定結果Sを得るために、第2の時間間隔Tの間に実施される。さらに、第1の2D画像測定202が、測定結果のセットの第3の測定結果Aを得るために、例えば赤色フィルタを、第1の種類の第1の光学フィルタとして使用して、第3の時間間隔Tの間に実施される。
【0070】
当業者は、前述の第1の一連のスポット-2D-スポット測定が、赤色、緑色、青色、またはそれらの色の任意の混合など、任意の所与の色について実施され得ることを、理解するものである。第1の2D画像測定202について赤色フィルタを使用する場合、試験画像(図示されていない)が、作動中の表示装置の発光領域全体に赤色光を発せさせるために、作動中の表示装置(図示されていない)に表示され得る。そのため、第1の一連のスポット-2D-スポット測定が、例えば、発せされた赤色光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、実施され得る。当業者は、任意の色および/またはパターンを含む任意の適切な試験画像が使用できることを理解するものである。
【0071】
図4に示されているように、第1の時間間隔Tと、第2の時間間隔Tと、第3の時間間隔Tとは重ならない。また、第1の時間間隔Tと第2の時間間隔Tとは、第3の時間間隔Tの中央Tcenterに関して鏡面対称とされている。
【0072】
第1の時間間隔Tと第2の時間間隔Tと第3の時間間隔Tとを図4に示された方法で配置することで、測定結果のセットの第1の測定結果Sおよび第2の測定結果Sの向上した比較可能性が、第1の測定結果Sおよび第2の測定結果Sの前述の時間平均化によって達成され得る。時間平均化のおかげで、同一のスポット測定201a、201bの第1の対の測定の間および/または測定ごとに起こる興味のある光学特性の性能における変化によって引き起こされる第1の測定結果Sおよび第2の測定結果Sへの影響が、低減され得る、または、理想的には排除され得る。同一のスポット測定201a、201bの第1の対の測定結果S、Sの向上した比較可能性の結果として、例えば輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布といった興味のある光学特性についての値が第1の測定結果Sおよび第2の測定結果Sに基づいて決定され得るときの測定精度が向上させられ得る。
【0073】
また、前述の時間平均化のおかげで、測定結果のセットの第1の測定結果Sおよび第2の測定結果Sは、第1の2D画像測定202が測定結果のセットの第3の測定結果Aを得るために実施された第3の時間間隔Tの中央Tcenterと一致する時間において、事実上は得られている。したがって、測定結果のセットの第1の測定結果S、第2の測定結果S、および第3の測定結果Aの比較可能性が向上されている。測定結果のセットの第1の測定結果S、第2の測定結果S、および第3の測定結果Aが、事実上は同時に得られており、そのため、作動中の表示装置(図示されていない)における同一のスポット測定201a、201bの第1の対および第1の2D画像測定202の測定の間および/または測定ごとに起こる興味のある光学特性の性能における変化によってほとんど影響されず、理想的には影響されないという事実の結果として、興味のある光学特性についての値が、測定結果のセットの第1の測定結果S、第2の測定結果S、および第3の測定結果Aに基づいて決定され得るときの測定精度が、向上されている。したがって、本発明による方法は、作動中の表示装置の光学特性についての値の正確な決定を可能にする。
【0074】
さらに、本発明による方法は、CIE 1931のxy色度図によるxおよびyの色度座標を、第1の測定結果S、第2の測定結果S、および第3の測定結果Aに基づいて決定された値を使用して、0.002未満である向上した精度で決定することを可能にする。この方法では、本発明による方法は、人の目が前述の光学特性のいずれか1つにおける逸脱について0.002の感度閾値を有するため、人の目には視認不可能である作動中の表示装置の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布のうちの少なくとも1つにおける逸脱の検出を可能にする。
【0075】
図5は、例えば緑色光といった第2の種類の発せられた光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置(図示されていない)の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、図4に示されているような同一のスポット測定201a、201bの第1の対および第1の2D画像測定202に加えて、同一のスポット測定203a、203bの第2の対および第2の2D画像測定204を使用する、本発明の方法による一連の光学測定200の構成の例示の非限定的な第5の実施形態の概略図を示している。当業者は、スポット測定203a、203bの第2の対の測定が、同一の設定を使用して実施される意味において同一であることを、理解するものである。
【0076】
同一のスポット測定203a、203bの第2の対の第3のスポット測定203aは、測定結果のセットの第4の測定結果Sを得るために、第4の時間間隔Tの間に実施される。同一のスポット測定203a、203bの第2の対の第4のスポット測定203bは、測定結果のセットの第5の測定結果Sを得るために、第5の時間間隔Tの間に実施される。さらに、第2の2D画像測定204が、測定結果のセットの第6の測定結果Bを得るために、例えば緑色フィルタを、第2の種類の第2の光学フィルタとして使用して、第6の時間間隔Tの間に実施される。
【0077】
当業者は、前述の第2の一連のスポット-2D-スポット測定が、赤色、緑色、青色、またはそれらの色の任意の混合など、任意の所与の色について実施され得ることを、理解するものである。第2の2D画像測定204について緑色フィルタを使用する場合、試験画像(図示されていない)が、作動中の表示装置の発光領域全体に緑色光を発せさせるために、作動中の表示装置(図示されていない)に表示され得る。そのため、第2の一連のスポット-2D-スポット測定が、例えば、発せされた緑色光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、実施され得る。当業者は、任意の色および/またはパターンを含む任意の適切な試験画像が使用できることを理解するものである。
【0078】
図5に示されているように、同一のスポット測定203a、203bの第2の対の第4の時間間隔Tおよび第5の時間間隔Tと前記第2の2D画像測定204の第6の時間間隔Tとは、それぞれ、互いと重ならず、同一のスポット測定201a、201bの第1の対の第1の時間間隔Tおよび第2の時間間隔T、ならびに第1の2D画像測定202の第3の時間間隔Tと重ならない。さらに、第4の時間間隔Tと第5の時間間隔Tとは、第6の時間間隔Tの中央Tcenterに関して鏡面対称とされている。
【0079】
第4の時間間隔Tと第5の時間間隔Tと第6の時間間隔Tとを図5に示された方法で配置することで、測定結果のセットの第4の測定結果Sおよび第5の測定結果Sの向上した比較可能性が、第4の測定結果Sおよび第5の測定結果Sの前述の時間平均化によって達成され得る。時間平均化のおかげで、同一のスポット測定203a、203bの第2の対の測定の間および/または測定ごとに起こる興味のある光学特性の性能における変化によって引き起こされる第4の測定結果Sおよび第5の測定結果Sへの影響が、低減され得る、または、理想的には排除され得る。同一のスポット測定203a、203bの第2の対の測定結果の向上した比較可能性の結果として、例えば輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布といった興味のある光学特性についての値が第4の測定結果Sおよび第5の測定結果Sに基づいて決定され得るときの測定精度が向上させられ得る。
【0080】
また、前述の時間平均化のおかげで、測定結果のセットの第4の測定結果Sおよび第5の測定結果Sは、第2の2D画像測定が測定結果のセットの第6の測定結果Bを得るために実施された第6の時間間隔Tの中央Tcenterと一致する時間において、事実上は得られている。したがって、測定結果のセットの第4の測定結果S、第5の測定結果S、および第6の測定結果Bの比較可能性が向上されている。測定結果のセットの第4の測定結果S、第5の測定結果S、および第6の測定結果Bが、事実上は同時に得られており、そのため、作動中の表示装置(図示されていない)における同一のスポット測定203a、203bの第2の対および第2の2D画像測定204の測定の間および/または測定ごとに起こる興味のある光学特性の性能における変化によってほとんど影響されず、理想的には影響されないという事実の結果として、興味のある光学特性についての値が、測定結果のセットの第4の測定結果S、第5の測定結果S、および第6の測定結果Bに基づいて決定され得るときの測定精度が、向上されている。したがって、本発明による方法は、作動中の表示装置の光学特性についての値の正確な決定を可能にする。
【0081】
さらに、本発明による方法は、CIE 1931のxy色度図によるxおよびyの色度座標を、第4の測定結果S、第5の測定結果S、および第6の測定結果Bに基づいて決定された値を使用して、0.002未満である向上した精度で決定することを可能にする。この方法では、本発明による方法は、人の目が前述の光学特性のいずれか1つにおける逸脱について0.002の感度閾値を有するため、人の目には視認不可能である作動中の表示装置の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布のうちの少なくとも1つにおける逸脱の検出を可能にする。
【0082】
図6は、例えば青色光といった第3の種類の発せられた光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置(図示されていない)の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、図4に示されているような同一のスポット測定201a、201bの第1の対および第1の2D画像測定202と、図5に示されているような同一のスポット測定203a、203bの第2の対および第2の2D画像測定204とに加えて、同一のスポット測定205a、205bの第3の対および第3の2D画像測定206を使用する、本発明の方法による一連の光学測定200の構成の例示の非限定的な第6の実施形態の概略図を示している。当業者は、スポット測定205a、205bの第3の対の測定が、同一の設定を使用して実施される意味において同一であることを、理解するものである。
【0083】
同一のスポット測定205a、205bの第3の対の第5のスポット測定205aは、測定結果のセットの第7の測定結果Sを得るために、第7の時間間隔Tの間に実施される。同一のスポット測定205a、205bの第3の対の第6のスポット測定205bは、測定結果のセットの第8の測定結果Sを得るために、第8の時間間隔Tの間に実施される。さらに、第3の2D画像測定206が、測定結果のセットの第9の測定結果Cを得るために、例えば青色フィルタを、第3の種類の第3の光学フィルタとして使用して、第9の時間間隔Tの間に実施される。
【0084】
当業者は、前述の第3の一連のスポット-2D-スポット測定が、赤色、緑色、青色、またはそれらの色の任意の混合など、任意の所与の色について実施され得ることを、理解するものである。第3の2D画像測定206について青色フィルタを使用する場合、試験画像(図示されていない)が、作動中の表示装置の発光領域全体に青色光を発せさせるために、作動中の表示装置(図示されていない)に表示され得る。そのため、第3の一連のスポット-2D-スポット測定が、例えば、発せされた青色光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを決定するために、実施され得る。当業者は、任意の色および/またはパターンを含む任意の適切な試験画像が使用できることを理解するものである。
【0085】
図6に示されているように、同一のスポット測定205a、205bの第3の対の第7の時間間隔Tおよび第8の時間間隔Tと第3の2D画像測定206の第9の時間間隔Tとは、それぞれ、互いと重ならず、同一のスポット測定201a、201bの第1の対の第1の時間間隔Tおよび第2の時間間隔T、第1の2D画像測定202の第3の時間間隔T、同一のスポット測定203a、203bの第2の対の第4の時間間隔Tおよび第5の時間間隔T、ならびに第2の2D画像測定204の第6の時間間隔Tのいずれとも重ならない。さらに、第7の時間間隔Tと第8の時間間隔Tとは、第9の時間間隔Tの中央Tcenterに関して鏡面対称とされている。
【0086】
第7の時間間隔Tと第8の時間間隔Tと第9の時間間隔Tとを図6に示された方法で配置することで、測定結果のセットの第7の測定結果Sおよび第8の測定結果Sの向上した比較可能性が、第7の測定結果Sおよび第8の測定結果Sの前述の時間平均化によって達成され得る。時間平均化のおかげで、同一のスポット測定205a、205bの第3の対によって得られる第7の測定結果Sおよび第8の測定結果Sへの影響であって、同一のスポット測定205a、205bの第3の対の測定の間および/または測定ごとに起こる興味のある光学特性の性能における変化によって引き起こされる影響が、低減され得る、または、理想的には排除され得る。同一のスポット測定205a、205bの第3の対の測定結果S、Sの向上した比較可能性の結果として、例えば輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布といった興味のある光学特性についての値が第7の測定結果Sおよび第8の測定結果Sに基づいて決定され得るときの測定精度が向上させられ得る。
【0087】
また、前述の時間平均化のおかげで、測定結果のセットの第7の測定結果Sおよび第8の測定結果Sは、第3の2D画像測定206が測定結果のセットの第9の測定結果Cを得るために実施された第9の時間間隔Tの中央Tcenterと一致する時間において、事実上は得られている。したがって、測定結果のセットの第7の測定結果S、第8の測定結果S、および第9の測定結果Cの比較可能性が向上されている。測定結果のセットの第7の測定結果S、第8の測定結果S、および第9の測定結果Cが、事実上は同時に得られており、そのため、作動中の表示装置(図示されていない)における同一のスポット測定205a、205bの第3の対および第3の2D画像測定206の測定の間および/または測定ごとに起こる興味のある光学特性の性能における変化によってほとんど影響されず、理想的には影響されないという事実の結果として、興味のある光学特性についての値が、測定結果のセットの第7の測定結果S、第8の測定結果S、および第9の測定結果Cに基づいて決定され得るときの測定精度が、向上されている。したがって、本発明による方法は、作動中の表示装置の光学特性についての値の正確な決定を可能にする。
【0088】
さらに、本発明による方法は、CIE 1931のxy色度図によるxおよびyの色度座標を、第7の測定結果S、第8の測定結果S、および第9の測定結果Cに基づいて決定された値を使用して、0.002未満である向上した精度で決定することを可能にする。この方法では、本発明による方法は、人の目が前述の光学特性のいずれか1つにおける逸脱について0.002の感度閾値を有するため、人の目には視認不可能である作動中の表示装置の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布のうちの少なくとも1つにおける逸脱の検出を可能にする。
【0089】
図7は、本発明による光学測定構成300の例示の非限定的な第1の実施形態の概略的な上面図を示している。第1の実施形態によれば、光学測定構成300は、一連の光学測定を、作動中の表示装置(図示されていない)において実施させることができるように構成および配置される2D撮像システム301と、一連の光学スポット測定を、作動中の表示装置において実施させることができるように構成および配置されるスポット測定システム302とを備える。2D撮像システム301は、カメラ304と、例えば赤色フィルタ、緑色フィルタ、および青色フィルタのうちの少なくとも1つといった、少なくとも1つの光学フィルタが設けられるフィルタバンク303とを備える。
【0090】
さらに、光学測定構成300は、コンピュータ命令が設けられるメモリユニット306を備える処理ユニット305を備える。処理ユニット305は、作動中の表示装置の光学特性についてのそれぞれの測定結果をメモリユニット306において受け入れるために、2D撮像システム301およびスポット測定システム302と動作可能に接続されている。コンピュータ命令は、受け入れられた測定結果において実行されるとき、受け入れられた測定結果に基づいて、向上した精度を伴う光学特性についての値を決定するために、本発明による方法のステップを実施する。
【0091】
本発明による光学測定構成300は、0.002未満の精度での作動中の表示装置の輝度、カラーポイント、またはスペクトル分布などの興味のある光学特性についてのCIE 1931のxy色度図によるxおよびyの色度座標の素早い決定を可能にする。そのため、本発明による光学測定構成300は、生産ラインの処理量へのインライン光学試験の影響、つまり、実際の表示デバイスにすでに搭載されている作動中の表示装置の光学特性の生産ラインでの試験の影響が低減され得ることを、可能にする。結果として、本発明による光学測定構成300は、インライン光学試験を視認可能な選択肢にする。
【0092】
当業者は、2D撮像システム301とスポット測定システム302とが独立したシステムであり得ることを理解するものである。しかしながら、2D撮像システム301とスポット測定システム302とは、ADMESYによって提供されるATLASシリーズおよびTitanシリーズのシステムなど、1つの組み合わされたシステムに一体化されてもよい。
【0093】
図8は、本発明による光学測定構成300の例示の非限定的な第2の実施形態の概略的な上面図を示している。2D撮像システム301は、スポット測定および2D画像測定を、作動中の表示装置において同時に実施させることができるように構成および配置されるビームスプリッタ307を備える。この方法では、本発明による光学測定構成300は、0.002未満の精度での作動中の表示装置の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布のうちの少なくとも1つなどの興味のある光学特性についてのCIE 1931のxy色度図によるxおよびyの色度座標のさらにより時間効率の良い決定を可能にする。結果として、本発明による光学測定構成300は、生産ラインの処理量へのインライン光学試験の影響のさらなる低減を可能にする。
【0094】
本発明は、表示装置が実際の表示デバイスにすでに搭載されていようがなかろうが、作動中の表示装置において一連の光学測定100を実施するための方法であって、作動中の表示装置は、発せられた光の輝度、カラーポイント、およびスペクトル分布、ならびに、作動中の表示装置の発光領域全体にわたっての輝度の分布、およびカラーポイントの分布のうちの少なくとも1つを向上した精度で決定するために、同一の2D画像測定の対、または、2D画像測定と組み合わされた同一のスポット測定の対を含む一連の測定として構成される一連の光学測定の測定の間および/または測定ごとに変化する性能を伴う光学特性を有する、方法に関連するとしてまとめることができる。本発明は、本発明の方法による一連の光学測定100を実施するための光学測定構成300にも関する。
【0095】
本発明の範囲が、上記において検討されている例に限定されないことと、それらのいくつのかの修正および改良が、添付の請求項によって定められているような本発明の範囲から逸脱することなく可能であることとは、当業者には明らかとなる。具体的には、本発明の様々な態様の特定の特徴の組み合わせが行われ得る。本発明の態様が、本発明の他の態様と関連して記載された特徴を加えることで、さらに有利に高められてもよい。本発明は、図および記載において詳細に図示および記載されてきたが、このような図示および記載は、図示または例示と見なされるだけであり、制約と見なされることはない。
【0096】
本発明は、開示されている実施形態に限定されない。開示されている実施形態への変形が、図、記載、および添付の請求項の検討から、請求された発明を実施するときに当業者によって理解されてもたらされる可能性がある。請求項において、「備える」という言葉は他のステップまたは要素を排除せず、「1つ(aまたはan)」という不定冠詞は複数を排除しない。特定の方策が相互に異なる従属請求項において提唱されているという単なる事実は、これらの方策の組み合わせが有利になるように使用できないことを指示してるのではない。請求項における符号は、本発明の範囲を限定するとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0097】
100 2D画像測定だけを含む一連の光学測定
101a 同一の2D画像測定の第1の対の第1の2D画像測定
101b 同一の2D画像測定の第1の対の第2の2D画像測定
102a 同一の2D画像測定の第2の対の第3の2D画像測定
102b 同一の2D画像測定の第2の対の第4の2D画像測定
103a 同一の2D画像測定の第3の対の第5の2D画像測定
103b 同一の2D画像測定の第3の対の第6の2D画像測定
200 2D画像測定およびスポット測定を含む一連の光学測定
201a 同一のスポット測定の第1の対の第1のスポット測定
201b 同一のスポット測定の第1の対の第2のスポット測定
202 第1の2D画像測定
203a 同一の2D画像測定の第2の対の第3の2D画像測定
203b 同一の2D画像測定の第2の対の第4の2D画像測定
204 第2の2D画像測定
205a 同一の2D画像測定の第3の対の第5の2D画像測定
205b 同一の2D画像測定の第3の対の第6の2D画像測定
206 第3の2D画像測定
同一の2D画像測定の第1の対の第1の2D画像測定の第1の測定結果
同一の2D画像測定の第1の対の第2の2D画像測定の第2の測定結果
同一の2D画像測定の第2の対の第3の2D画像測定の第3の測定結果
同一の2D画像測定の第2の対の第4の2D画像測定の第4の測定結果
同一の2D画像測定の第2の対の第3の2D画像測定の第3の測定結果
同一の2D画像測定の第2の対の第4の2D画像測定の第4の測定結果
同一のスポット測定の第1の対の第1のスポット測定の第1の測定結果
同一のスポット測定の第1の対の第2のスポット測定の第2の測定結果
A 第1の一連のスポット-2D-スポット測定の第1の2D画像測定の第3の測定結果
同一のスポット測定の第2の対の第3のスポット測定の第4の測定結果
同一のスポット測定の第2の対の第4のスポット測定の第5の測定結果
B 第2の一連のスポット-2D-スポット測定の第2の2D画像測定の第6の測定結果
同一のスポット測定の第3の対の第5のスポット測定の第7の測定結果
同一のスポット測定の第3の対の第6のスポット測定の第8の測定結果
C 第3の一連のスポット-2D-スポット測定の第3の2D画像測定の第9の測定結果
第1の時間間隔
第2の時間間隔
第3の時間間隔
第4の時間間隔
第5の時間間隔
第6の時間間隔
第7の時間間隔
第8の時間間隔
第9の時間間隔
center 時間間隔の中央
total 全体の時間間隔
300 光学測定構成
301 2D撮像システム
302 スポット測定システム
303 フィルタバンク
304 カメラ
305 処理ユニット
306 メモリユニット
307 ビームスプリッタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】