(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-14
(54)【発明の名称】診断セッションに伴う患者の検出、識別、及び検証
(51)【国際特許分類】
G16H 50/20 20180101AFI20230607BHJP
A61B 3/14 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
G16H50/20
A61B3/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567629
(86)(22)【出願日】2021-05-10
(85)【翻訳文提出日】2023-01-05
(86)【国際出願番号】 US2021031585
(87)【国際公開番号】W WO2021226588
(87)【国際公開日】2021-11-11
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516035068
【氏名又は名称】ヴェリリー ライフ サイエンシズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】アトキンソン,イアン
(72)【発明者】
【氏名】クラーマー,ライアン
(72)【発明者】
【氏名】グリク,エリエゼル
(72)【発明者】
【氏名】ストルツ,アーロン ヘイウッド
【テーマコード(参考)】
4C316
5L099
【Fターム(参考)】
4C316AA09
4C316AA10
4C316AB16
4C316FC15
4C316FC28
4C316FY08
4C316FY10
5L099AA04
(57)【要約】
本明細書で紹介されるのは、診断セッション中に生成されたデジタル画像が適切な患者に適切に関連付けられることを確実にするためのアプローチである。これらのアプローチを実施することにより、診断プラットフォームは、診断セッションの前に情報を手動で入力するために必要な時間を最小限にし、かつこの情報の精度を改善することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の眼の第1のデジタル画像を取得することと、
前記患者の前記眼又は前記患者に関連付けられたアイデンティティオブジェクトの第2のデジタル画像を取得することと、
前記第2のデジタル画像に基づいて、前記第1のデジタル画像の起源を示すプロファイルを決定することと、
前記第1のデジタル画像を診断決定のためにインターフェースに送達する前に、前記プロファイルから得られた情報を、前記第1のデジタル画像で符号化されたデータ構造に投入することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のデジタル画像及び前記第2のデジタル画像が、前記眼の網膜によって、かつ網膜カメラのレンズを通して反射された光に基づいて、前記網膜カメラによって生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のデジタル画像が、前記眼の網膜によって、かつ網膜カメラのレンズを通して反射された光に基づいて、前記網膜カメラによって生成され、前記第2のデジタル画像が、前記網膜カメラの前記レンズに近接して位置する二次カメラによって生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プロファイルが、前記第2のデジタル画像から決定された前記眼の特性に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記特性が、前記眼の場所、前記眼の色、又は前記眼の静脈パターンである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記プロファイルから得られた前記情報が、前記患者に関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
命令が記憶された非一時的媒体であって、前記命令が、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
網膜カメラのレンズを通して患者の網膜によって反射された光に基づいて、網膜カメラによって生成された第1のデジタル画像を取得することと、
前記網膜カメラの前記レンズに近接して位置する二次カメラによって生成された第2のデジタル画像を取得することと、
前記第2のデジタル画像を分析して、前記第1のデジタル画像が前記患者の左眼又は右眼を含むかどうかを決定することと、
前記分析に基づいて、前記左眼又は前記右眼を表すものとして前記第1のデジタル画像をラベル付けすることと、
前記第1のデジタル画像が、プロファイルを表すデータ構造に符号化されることを引き起こすことと、を含む動作を行わせる、非一時的媒体。
【請求項8】
前記二次カメラが、前記網膜カメラの前記レンズの対向する側面に沿って円周方向に配置された一対の二次カメラのうちの1つである、請求項7に記載の非一時的媒体。
【請求項9】
前記動作が、
前記一対の二次カメラのうちの別の二次カメラによって生成された第3のデジタル画像を取得することを更に含み、
前記分析が、前記第1のデジタル画像が前記患者の前記左眼又は前記右眼を含むかどうかを決定するための、前記第2のデジタル画像及び前記第3のデジタル画像の分析を伴う、請求項8に記載の非一時的媒体。
【請求項10】
前記第1のデジタル画像が前記患者の前記左眼又は前記右眼を含むかどうかを前記決定することが、前記第2のデジタル画像及び前記第3のデジタル画像において観察可能な顔領域の分析に基づく、請求項9に記載の非一時的媒体。
【請求項11】
前記プロファイルが、前記患者、前記網膜カメラ、又は前記第1のデジタル画像が生成される診断セッションに関連付けられている、請求項7に記載の非一時的媒体。
【請求項12】
網膜カメラのレンズを通して患者の網膜によって反射された光に基づいて、網膜カメラによって生成された第1のデジタル画像を取得することと、
前記患者の前記網膜によって、かつ前記網膜カメラの前記レンズを通して反射された光に基づいて、前記網膜カメラによって生成された第2のデジタル画像を取得することと、
前記第2のデジタル画像を分析して、前記第1のデジタル画像が前記患者の前記左又は右眼を含むかどうかを決定することと、
前記分析に基づいて、前記左又は右眼を表すものとして前記第1のデジタル画像をラベル付けすることと、
前記第1のデジタル画像が、プロファイルを表すデータ構造に符号化されることを引き起こすことと、を含む、方法。
【請求項13】
前記第1のデジタル画像及び前記第2のデジタル画像が、異なる条件下で撮影される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
診断モデルを前記第1のデジタル画像に適用して、前記患者の健康状態を示す出力を生み出すことと、
前記診断モデルによって生み出された前記出力の信頼度が閾値の下にあると決定することと、
前記第1のデジタル画像とは異なる条件下で前記網膜カメラによって前記第2のデジタル画像が生成されることを引き起こすことと、を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記引き起こすことが、
前記第2のデジタル画像が前記第1のデジタル画像とは異なる焦点又は焦点距離を有するように、前記網膜カメラに前記第2のデジタル画像を生成するように命令することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記引き起こすことが、
前記第2のデジタル画像が前記第1のデジタル画像とは異なる色バランスを有するように、前記網膜カメラに前記第2のデジタル画像を生成するように命令することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記引き起こすことが、
前記第2のデジタル画像が前記第1のデジタル画像とは異なる露光を有するように、前記網膜カメラに前記第2のデジタル画像を生成するように命令することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記引き起こすことが、
前記網膜カメラに、前記第1のデジタル画像とは異なる照明条件下で前記第2のデジタル画像を生成するように命令することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のデジタル画像が、前記網膜カメラによって放出される赤外光を使用して生成され、前記第2のデジタル画像が、前記網膜カメラによって放出される可視光を使用して生成される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
命令が記憶された非一時的媒体であって、前記命令が、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
患者に、網膜カメラの近くに眼を置くように命令する通知を生成することと、
前記網膜カメラによって生成された前記眼の第1のデジタル画像を取得することと、
前記第1のデジタル画像を、過去の診断セッションに関連付けられたデジタル画像のデータベースと比較することと、
前記第1のデジタル画像が前記データベース内のエントリと一致すると決定することと、
前記データベース内の前記一致するエントリに関連付けられたプロファイルを識別することと、
前記プロファイルから得られた情報をデータ構造に投入してから、前記データ構造に前記眼の第2のデジタル画像を符号化することと、を含む動作を行わせ、
前記第2のデジタル画像が、前記眼の網膜によって、かつ前記網膜カメラのレンズを通して反射された光に基づいて、前記網膜カメラによって生成される、非一時的媒体。
【請求項21】
前記通知が、前記眼を、前記網膜カメラの前記レンズに近接して位置する二次カメラと位置合わせするように前記患者に命令し、前記第1のデジタル画像が、前記二次カメラによって生成される、請求項20に記載の非一時的媒体。
【請求項22】
前記通知が、前記眼を、前記網膜カメラの前記レンズと位置合わせするように前記患者に命令し、前記第1のデジタル画像が、前記網膜カメラの前記レンズに近接して位置する二次カメラによって生成される、請求項20に記載の非一時的媒体。
【請求項23】
前記プロセッサが、前記網膜カメラ内に収容されている、請求項20に記載の非一時的媒体。
【請求項24】
前記プロセッサが、前記網膜カメラが通信可能に接続されているコンピューティングデバイス内に収容されている、請求項20に記載の非一時的媒体。
【請求項25】
前記比較することが、
(i)前記眼の虹彩の色、及び/又は(ii)前記眼の前記網膜内の血管のパターンを、前記データベース内の各デジタル画像と比較し、それにより、前記一致するエントリを決定する生体認証アルゴリズムを実行することを含む、請求項20に記載の非一時的媒体。
【請求項26】
患者に、網膜カメラのレンズに近接して位置する二次カメラの近くにアイデンティティ文書を置くように命令する通知を生成することと、
前記二次カメラによって生成された前記アイデンティティ文書の第1のデジタル画像を取得することと、
光学文字認識(OCR)アルゴリズムを前記第1のデジタル画像に適用することによって、前記患者に関連する情報を導出することと、
前記患者の眼の第2のデジタル画像で符号化されたデータ構造に、前記第1のデジタル画像から導出された前記情報のうちの少なくともいくつかを投入することと、を含む、方法。
【請求項27】
患者に、網膜カメラのレンズの近くにアイデンティティ文書を置くように命令する通知を生成することと、
前記アイデンティティ文書によって、かつ前記レンズを通して反射された光に基づいて、前記網膜カメラによって生成された前記アイデンティティ文書の第1のデジタル画像を取得することと、
光学文字認識(OCR)アルゴリズムを前記第1のデジタル画像に適用することによって、前記患者に関連する情報を導出することと、
前記患者の眼の第2のデジタル画像で符号化されたデータ構造に、前記第1のデジタル画像から導出された前記情報のうちの少なくともいくつかを投入することと、を含む、方法。
【請求項28】
前記アイデンティティ文書が、運転免許証、パスポート、又は国内IDカードである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記デジタル画像が、前記アイデンティティ文書のカラー写真を表す、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記OCRアルゴリズムが、マトリックスマッチングを用いて、各文字について、候補文字のランク付けされたリストを生み出し、次いで、前記アイデンティティ文書について生み出された前記候補文字のランク付けされたリストに基づいて前記情報を導出するように設計されている、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記OCRアルゴリズムが、特徴抽出を用いて、各文字について、候補文字のランク付けされたリストを生み出し、次いで、前記アイデンティティ文書について生み出された前記候補文字のランク付けされたリストに基づいて前記情報を導出するように設計されている、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記デジタル画像の品質を改善するために前処理アルゴリズムを適用することを更に含み、
前記導出することが、前記適用に応答して行われる、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記前処理アルゴリズムが、前記デジタル画像内のピクセルのスペックル除去、ゾーニング、セグメント化、又は正規化を行う、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
分析のためにデータ検証サービスに前記情報を提供することと、
前記情報が、前記アイデンティティ文書の発行に関与する管轄によって維持された一致するデータとして検証されたかどうかを示す、前記データ検証サービスからの入力を受信することと、を更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記情報が、氏名、住所、及び生年月日を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
患者に、機械可読識別子を網膜カメラに提示するように命令する通知を生成することと、
前記機械可読識別子を検査して、前記患者を識別する情報を得ることと、
前記情報に基づいてデータ構造に投入することと、を含む、方法。
【請求項37】
前記識別子が、クイックレスポンス(QR)コード又はバーコードである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記機械可読識別子が、Bluetooth低エネルギー(BLE)コード、近距離無線通信(NFC)コード、又は無線周波数識別(RFID)コードである、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記機械可読識別子が、前記網膜カメラのマイクロフォンによって検出可能なオーディオコードである、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記投入することが、
前記機械可読識別子内に埋め込まれた機密情報を抽出することと、
前記機密情報を前記データ構造に入力することと、を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記投入することが、
前記情報に基づいて、前記患者に関連付けられたプロファイルを識別することと、
前記プロファイルから機密情報を得ることと、
前記機密情報を前記データ構造に入力することと、を含む、請求項36に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、「Detection、Identification、and Verification of Patients Involved in Diagnostic Sessions」と題され、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年5月8日に出願された米国特許仮出願第63/022,203号の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
様々な実施形態は、診断セッション中に生成されたデジタル画像が適切な患者に適切に関連付けられていることを確実にするためのコンピュータプログラム及び関連付けられたコンピュータ実装技術に関する。
【背景技術】
【0003】
人体の視覚的表現がキャプチャされるプロセスは、「医用画像化」又は「生物学的画像化」と呼ばれる。一般に、医用画像化は、疾患の存在を検出するために、皮膚、骨、又は器官によって隠された内部構造を明らかにしようとする。例えば、人体の解剖学的構造の異なる態様に対応する一連のデジタル画像は、疾患を示す異常をより容易に識別することを可能にし得る。
【0004】
これらのデジタル画像をキャプチャするために、様々な異なる技術を使用し得る。そのような技術の例には、X線、磁気共鳴撮像(magnetic resonance imaging、MRI)、超音波検査若しくは超音波、内視鏡検査、顕微鏡検査、エラストグラフィ、触覚撮像、サーモグラフィ、コンピュータ断層撮影(computed tomography、CT)、蛍光透視、血管造影、マングラモグラフィ、陽電子放出断層撮影(positron emission tomography、PET)、単一光子放出コンピュータ断層撮影(single photon emission computed tomography、SPECT)などが含まれる。
【0005】
これらのデジタル画像の重要性により、これらのデジタル画像が適切な患者の適切な身体部分に関連付けられることが重要である。しかしながら、これは、オペレータが撮像セッション(「診断セッション」とも呼ばれる)をより迅速に完了することを求められ、診断セッション中に生成されたデジタル画像の数が増加し続けるため、ますます困難になっている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】診断プラットフォームが撮像デバイス(本明細書では網膜カメラ)によって生成されたデジタル画像を取得し、所与の病気に対応するコンピュータ支援診断(computer-aided diagnostic、CADx)モデルをデジタル画像に適用し、次いで、CADxモデルによって生み出された出力をレビューのためのインターフェースにポストするシナリオの一例を示す。
【
図2】患者のアイデンティティを検証するために使用することができる情報を提供するためのプロセスの高レベルフロー図を示す。
【
図3】診断プラットフォームを含むネットワーク環境を示す。
【
図4】1つ以上のソースからデータを取得するように構成された診断プラットフォームを含む通信環境の例を示す。
【
図5】網膜カメラによって、それを通して光が収集されるレンズに近接して配置された二次カメラによって生成された別のデジタル画像から生成された情報に基づいて、網膜カメラによって生成されたデジタル画像をラベル付けするためのプロセスのフロー図を示す。
【
図6A】いくつかの実施形態において、一対の二次カメラがどのように、光が通過して網膜カメラによって収集されるレンズの対向する側面に沿って円周方向に配置されているかを示す。
【
図6B】レンズの対向する側面に沿って円周方向に配置された二次カメラによって生成されたデジタル画像の例を含む。
【
図6C】レンズの対向する側面に沿って円周方向に配置された二次カメラによって生成されたデジタル画像の例を含む。
【
図7】二次カメラによって生成されたデジタル画像を過去の診断セッション中に生成されたデジタル画像のデータベースと比較することによって患者を識別するためのプロセスのフロー図を示す。
【
図8】アイデンティティ文書から導出された情報に基づいて患者を識別するためのプロセスのフロー図を示す。
【
図9】アイデンティティ文書(本明細書では運転免許証)から様々なタイプの情報をどのように抽出することができるかを示す。
【
図10】診断セッションの外側の網膜カメラに提示される識別子を使用して患者を識別するためのプロセスのフロー図を示す。
【
図11】異なる条件下で生成されたデジタル画像を検査することによって閉ループ分析を行うためのプロセスのフロー図を示す。
【
図12】本明細書に記載の少なくともいくつかの動作を実装することができる処理システムの例を示すブロック図である。
【0007】
本明細書に記載の技術の様々な特徴は、図面に関連した詳細な説明の検討から、当業者により明らかになるであろう。実施形態は、例として例示され、図面に限定されない。図面は、例示を目的として様々な実施形態を示すが、当業者は、技術の原理から逸脱することなく代替的な実施形態が用いられ得ることを認識するであろう。したがって、特定の実施形態が図面に示されているが、本技術は様々な修正に適している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
撮像は歴史的に、様々な病気を検出するための効果的な手段であった。例えば、放射線撮像は、他の病気の中でも、乳がん及び糖尿病性網膜症の早期検出のための最も効果的な手段であることが示されている。しかしながら、デジタル画像内の特徴を区別することは困難であり得る。例えば、良性成長と悪性成長との間の違いは、人間の眼とほとんど区別できない場合がある。
【0009】
したがって、コンピュータ支援診断技術は、医学のいくつかの領域において臨床作業の日常的な部分になっている。画像解釈の精度を改善するために、診断プラットフォームは、1つ以上のコンピュータ支援診断(CADx)モデルをデジタル画像に適用し得る。
図1は、診断プラットフォームが撮像デバイス(本明細書では網膜カメラ)によって生成されたデジタル画像を取得し、所与の病気に対応するCADxモデルをデジタル画像に適用し、次いで、医療専門家によるレビューのためのインターフェースに、CADxモデルによって生み出された出力をポストするシナリオの一例を示す。場合によっては、出力は、所与の病気に関して提案された診断であるが、他の例では、出力は、診断のレンダリングを容易にすることが意図されている。例えば、出力は、決定された診断プラットフォームが診断的に関連するデジタル画像の部分を視覚的に強調表示し得る。
【0010】
一般に、各CADxモデルは、対応する病気又は疾患(集合的に「医療状態」と呼ばれる)に関する情報を伝達する出力を生み出すためにデジタル画像に適用されるアルゴリズムの集合体を表す。出力は、通常、デジタル画像を解釈する責任を持つ医療専門家による「セカンドオピニオン」とみなされる。したがって、CADxモデルは、デジタル画像の特徴を特徴付ける際の医療専門家の意思決定支援として機能することができる。
【0011】
これらの意思決定支援は、適切な文脈においてのみ有用であるため、各デジタル画像が適切な患者に関連付けられていることを検証することは、診断プロセスの重要な部分である。診断プラットフォームは歴史的に、それらの患者が撮像された診断セッションの前、最中、又は後に手動で入力される情報に基づいて患者のアイデンティティを確認した。
図2は、患者のアイデンティティを検証するために使用することができる情報を提供するためのプロセスの高レベルフロー図を示す。プロセスは、医療におけるデジタル撮像及び通信(Digital Imaging and Communications in Medicine、DICOM)データオブジェクトの文脈で説明されているが、当業者は、プロセスが他のフォーマットにおけるデータ構造に同様に適用可能であることを認識するであろう。
【0012】
最初に、オペレータは、正しい患者が撮像されていることを検証するために、情報を手動で入力する。例えば、オペレータは、診断セッション中に使用される撮像デバイスに、患者の氏名、性別、又は生年月日を入力し得る。撮像されている身体部位、撮像デバイスのモデル、診断セッションの開始時間などの他の情報を、オペレータによって手動で入力することもできる。その後、オペレータは、撮像デバイスを使用してデジタル画像を生成する。診断セッション中に生成されたデジタル画像は、人体の全体ではなく、関心のある1つ以上の生理学的構造を含むことが多い。例えば、網膜カメラは、眼内の網膜、視神経円板、及び血管を描写する網膜画像を生成するように構成され得る。次いで、デジタル画像のピクセルデータだけでなく、オペレータによって手動で入力される情報のうちの少なくともいくつかをも含むDICOMデータオブジェクトを作成することができる。
【0013】
情報を手動で入力するために数分かかるため、撮像デバイスが更に改善されても、診断セッションが行われる速度を改善することが困難であり得る。更に、この情報の手動入力は、頻繁な間違いをもたらす。例えば、1つの身体部分(例えば、左眼)のデジタル画像は、別の身体部分(例えば、右眼)として誤ってラベル付けされる場合があり、又は氏名又は生年月日を入力するときにタイプミスが発生する場合がある。最良の場合、これらの間違いは、画像解釈の効率を低下させる。最悪の場合、これらの間違いは、著しい不可逆的効果を有する。例えば、病気に罹患している患者のデジタル画像が誤ってラベル付けされると、患者は、診断されていない、したがって未治療の状態のままとなり得る。
【0014】
いくつかの臨床環境は、各患者に関連付けられた医学的記録から導出された個人情報が投入されたワークリストを使用するスケジューリングシステムを用いることによって、患者の誤識別を最小限に抑えることを試みてきた。しかし、このアプローチは、いくつかのミス(例えば、タイプミス)の頻度を低減するだけである。他のミスが発生することになる。例えば、撮像デバイスのオペレータは、画像化される身体部品を依然として誤ってラベル付けするか、ワークリストを閲覧するときに間違った患者を選択し得る。
【0015】
したがって、本明細書で紹介されるのは、診断セッション中に生成されたデジタル画像が適切な患者に適切に関連付けられることを確実にするためのいくつかの異なるアプローチである。これらのアプローチを実施することにより、診断プラットフォームは、診断セッションの前に情報を手動で入力するために必要な時間を短縮し、かつこの情報の精度を改善することができる。更に、これらのアプローチを実施することにより、診断プラットフォームは、撮像デバイスに入力及び/又は記憶される必要のある情報の量を制限することによって、セキュリティを改善し得る。例えば、診断プラットフォームが、機密情報が撮像デバイスに入力されることを要求することなく患者のアイデンティティを推測することができる場合、診断プラットフォームは、デジタル画像が安全な場所(例えば、ネットワークを横切って撮像デバイスに接続されたコンピュータサーバ)に記憶されるまで、撮像デバイスによって生成されたデジタル画像を患者情報に関連付けることを控えることができる。このアプローチは、不正エンティティ(「攻撃者」とも呼ばれる)が患者情報にアクセスする能力を抑制する。
【0016】
したがって、診断プラットフォームは、最初に患者の眼の第1のデジタル画像を取得し得る。次いで、診断プラットフォームは、患者の眼又は患者に関連付けられたアイデンティティオブジェクトの第2のデジタル画像を取得することができる。アイデンティティオブジェクトの例には、アイデンティティ文書及び機械可読識別子が含まれる。いくつかの実施形態では、第1のデジタル画像及び第2のデジタル画像は、眼の網膜によって、かつ網膜カメラのレンズを通して反射された光に基づいて、網膜カメラによって生成される。他の実施形態では、第1のデジタル画像は、眼の網膜によって、かつ網膜カメラのレンズを通して反射された光に基づいて網膜カメラによって生成される一方、第2のデジタル画像は、網膜カメラのレンズに近接して位置する二次カメラによって生成される。その後、診断プラットフォームは、第2のデジタル画像に基づいて、第1のデジタル画像の起源を示すプロファイルを決定することができる。プロファイルは、第2のデジタル画像から決定された眼の特性に基づいて決定され得る。特性の例には、眼の位置(例えば、鼻、口、又は他の眼などの別の顔の特徴に関して)、眼の色、又は眼の静脈パターンが含まれる。次いで、診断プラットフォームは、第1のデジタル画像を診断決定のためにインターフェースに送達する前に、プロファイルから得られた情報を、第1のデジタル画像で符号化されたデータ構造に投入することができる。このデータ構造は、適切な診断をレンダリングする際に(例えば、医学的専門家にとって)有用であり得るインターフェース上の患者に関連する情報を投入するために使用され得る。
【0017】
実施形態は、特定の医学的状態、撮像デバイス、コンピュータプログラムなどを参照して説明され得る。しかしながら、特徴が他の医学的状態、撮像デバイス、コンピュータプログラムなどに同様に適用可能であることを当業者は認識するであろう。例えば、実施形態は、診断セッションの過程にわたって網膜のデジタル画像を生成する網膜カメラの文脈で説明され得るが、関連する特徴が、人体の他の解剖学的領域のデジタル画像を生成するように設計された撮像デバイスに同様に適用可能であり得る。
【0018】
更に、実施形態は、例示を目的としてコンピュータ実行可能命令の文脈で説明され得るが、本技術の態様は、ハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェアを介して実装することができる。一例として、実施形態は、診断セッションの前に患者のアイデンティティを検証し、次いで診断セッション中に生成されたデジタル画像が患者にプログラム的に起因することを確実にするためのプロセスを行うために、コンピューティングデバイスをプログラムするために使用され得る命令を有する機械可読媒体を含み得る。
【0019】
用語
本明細書における「一実施形態」又は「1つの実施形態」への言及は、記載されている特定の特徴、機能、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。そのような語句の発生は、必ずしも同じ実施形態を指すものでも、互いに相互に排他的である代替的な実施形態を必ずしも指すものでもない。
【0020】
文脈が明確に別段要求しない限り、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、及び「からなる(comprised of)」という用語は、排他的又は網羅的な意味ではなく包括的な意味で(すなわち、「含むが、これに限定されない」という意味で)解釈されるべきである。「に基づく」という用語はまた、排他的又は網羅的な意味ではなく、包括的な意味で解釈されるべきである。したがって、別段明記しない限り、「に基づく」という用語は、「少なくとも部分的に基づく」を意味することが意図されている。
【0021】
「接続された」、「結合された」という用語、又はそれらの任意の変化形は、直接的又は間接的のいずれかで、2つ以上の要素間の任意の接続又は結合を含むことが意図されている。接続/結合は、物理的、論理的、又はそれらの組み合わせであることができる。例えば、物理的接続を共有しないにもかかわらず、対象は、互いに電気的又は通信可能に結合され得る。
【0022】
「モジュール」という用語は、ソフトウェアコンポーネント、ファームウェアコンポーネント、及び/又はハードウェアコンポーネントを広く指す。モジュールは、典型的には、指定された入力に基づいて出力を生成する機能コンポーネントである。コンピュータプログラムは、1つ以上のモジュールを含み得る。したがって、コンピュータプログラムは、異なるタスクを完了する役割を果たす複数のモジュール、又は全てのタスクを完了する役割を果たす単一のモジュールを含み得る。
【0023】
複数のアイテムのリストを参照して使用される場合、「又は」という語は、以下の解釈の全てを網羅することが意図されている:リスト内のアイテムのうちのいずれか、リスト内のアイテムの全て、及びリスト内のアイテムの任意の組み合わせ。
【0024】
本明細書に記載されるプロセスのうちのいずれかで行われるステップの配列は、例示的である。しかしながら、物理的可能性と反対でない限り、ステップは、様々な配列及び組み合わせで行われ得る。例えば、ステップは、本明細書に記載のプロセスに追加されるか、又はそこから除去することができる。同様に、ステップは、置換又は再順序付けされることができる。したがって、任意のプロセスの説明は、無制限であることが意図されている。
【0025】
診断プラットフォームの概要
図3は、診断プラットフォーム302を含むネットワーク環境300を示している。個人は、インターフェース304を介して診断プラットフォーム302と相互作用することができる。例えば、撮像デバイスのオペレータは、インターフェース304にアクセスして、患者(「対象」とも呼ばれる)が撮像される診断セッションを開始し得る。別の例として、医療専門家は、インターフェース304にアクセスし、撮像デバイスによって生成されたデジタル画像をレビューし、それらのデジタル画像にキャプチャされた人体を診断し得る。更に、医療専門家は、インターフェース304にアクセスし、これらのデジタル画像に適用されたCADxモデル(「診断モデル」とも呼ばれる)によって生み出された出力をレビューし得る。診断モデルは、臨床的又は診断的に関連するピクセルの領域を識別するために、診断セッション中に生成されたデジタル画像に適用され得る。デジタル画像に適用される場合、診断モデルは、対応する患者の健康状態を示す出力を生み出し得る。いくつかの診断モデルは、医療専門家によって検査することができる提案された診断を生み出すのに対し、他の診断モデルは、医療専門家が診断をレンダリングするのを助けることが意図された視覚化コンポーネント(又は単に「視覚化」)を生み出す。「健康状態」という用語は、所与の病気に関する患者の身体的健康を指すことができる。例えば、診断プラットフォームは、糖尿病性網膜症、緑内障などを示すことが知られているデジタル特徴を識別するように設計することができる。
【0026】
図3に示すように、診断プラットフォーム302は、ネットワーク環境300内に存在し得る。したがって、診断プラットフォーム302は、1つ以上のネットワーク306a~bに接続され得る。ネットワーク306a~bは、パーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、ワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(metropolitan area network、MAN)、セルラーネットワーク、インターネットなどを含むことができる。追加的又は代替的に、診断プラットフォーム302は、Bluetooth(登録商標)又は近距離無線通信(Near Field Communication、NFC)などの短距離無線接続技術を介してコンピューティングデバイスに通信可能に結合することができる。
【0027】
インターフェース304は、好ましくは、ウェブブラウザ、デスクトップアプリケーション、モバイルアプリケーション、又はオーバーザトップ(over-the-top、OTT)アプリケーションを介してアクセス可能である。したがって、インターフェース304は、撮像デバイス、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、モバイルワークステーション、携帯電話、ゲームコンソール、ウェアラブル電子デバイス(例えば、時計若しくはフィットネスアクセサリ)、ネットワーク接続(「スマート」)電子デバイス(例えば、テレビ又はホームアシスタントデバイス)、又は仮想/拡張現実システム(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)上で見ることができる。
【0028】
診断プラットフォーム302のいくつかの実施形態は、局所的にホストされる。すなわち、診断プラットフォーム302は、インターフェース304にアクセスするために使用されるコンピューティングデバイス上に存在し得る。例えば、診断プラットフォーム302は、携帯電話で実行されるモバイルアプリケーションとして具体化され得る。別の例として、診断プラットフォーム302は、撮像デバイス上で実行されるデスクトップアプリケーションとして具体化され得る。
【0029】
診断プラットフォーム302の他の実施形態は、例えば、Amazon Web Services(登録商標)、Google Cloud Platform(商標)、又はMicrosoft Azure(登録商標)によって操作されるクラウドコンピューティングサービスによって実行される。そのような実施形態では、診断プラットフォーム302は、1つ以上のコンピュータサーバからなるネットワークアクセス可能なサーバシステム308上に存在し得る。これらのコンピュータサーバは、撮像デバイスによって生成されたデジタル画像、患者情報(例えば、年齢、性別、健康診断など)、撮像デバイス情報(例えば、解像度、予想ファイルサイズなど)、診断モデル、及び他の資産を含むことができる。例えば、プロファイルは、異なる患者に関連付けられたデジタル画像、診断セッション、撮像デバイス、医療施設(例えば、病院、クリニック、光測定オフィス)、医療ネットワークなどを含む。当業者は、この情報もネットワークアクセス可能なサーバシステムと1つ以上のコンピューティングデバイスとの間に分散させられることができることを認識するであろう。
【0030】
図4は、1つ以上のソースからデータを取得するように構成された診断プラットフォーム402を含む通信環境400の例を示す。ここで、診断プラットフォーム402は、網膜カメラ406、ラップトップコンピュータ408、又はネットワークアクセス可能サーバシステム410(集合的に「ネットワークデバイス」と呼ばれる)からデータを受信し得る。例えば、診断プラットフォーム402は、網膜カメラ406からのピクセルデータ及びラップトップコンピュータ408又はネットワークアクセス可能サーバシステム410からの他のデータ(例えば、患者情報、診断モデル、処理動作)を得ることができる。
【0031】
ネットワークデバイスは、1つ以上のネットワーク404a~cを介して診断プラットフォーム402に接続することができる。ネットワーク404a~cは、PAN、LAN、WAN、MAN、セルラーネットワーク、インターネットなどを含むことができる。追加的に、又は代替的に、ネットワークデバイスは、Bluetooth又はNFCなどの短距離無線接続技術を介して互いに通信し得る。例えば、診断プラットフォーム402がネットワークアクセス可能サーバシステム410上に存在する場合、ネットワークアクセス可能サーバシステム410から受信されたデータは、任意のネットワークを横断する必要はない。しかしながら、ネットワークアクセス可能サーバシステム410は、別個のWi-Fi通信チャネルを介して網膜カメラ406及びラップトップコンピュータ408に接続され得る。
【0032】
通信環境400の実施形態は、ネットワークデバイスのサブセットを含み得る。例えば、通信環境400のいくつかの実施形態は、網膜カメラ406から(例えば、DICOMデータオブジェクトの形態で)ピクセルデータを受信し、それが存在するネットワークアクセス可能サーバシステム410からの追加のデータを受信する診断プラットフォーム402を含む。別の例として、通信環境400のいくつかの実施形態は、異なる環境(例えば、異なるクリニック)に位置する一連の網膜カメラからピクセルデータを受信する診断プラットフォーム402を含む。
【0033】
患者を識別、検出、及び確認するための方法論
本明細書で紹介されるのは、患者に関連付けられた個人情報の精度を改善するためのいくつかのアプローチである。歴史的に、個人情報は、患者が撮像される診断セッションの外側でオペレータによって手動で入力されてきた。例えば、個人情報は、撮像デバイス又は撮像デバイスに通信可能に接続された別のコンピューティングデバイスに手動で入力することができる。しかし、このプロセスは、上述のように遅く、間違いを生じる傾向がある。
【0034】
本明細書に記載のアプローチは、撮像デバイスによって生成された各デジタル画像が適切な患者に関連付けられる可能性、並びに個人情報を入力するために必要な時間を減少させる可能性を改善する。したがって、これらのアプローチは、個人情報が指定される開始手順の効率を改善することによって、患者が画像化される速度を高めることを可能にし得る。更に、これらのアプローチは、撮像デバイスに記憶される個人情報の量を制限することによって、セキュリティを改善するのに役立ち得る。簡単にすると、これらのアプローチは、より少ない個人情報を撮像デバイスに格納することを可能にし得る。少なくともいくつかの個人情報を複数の場所(例えば、コンピュータデバイスによって生成されたデジタル画像の分析に関与する、コンピュータサーバなどの、撮像デバイス及び別のコンピューティングデバイス)に格納し得るが、限られた量の個人情報をそれらの場所のうちの1つに格納し得、それによって不正アクセスの潜在的な害を減少させ得る。
【0035】
これらのアプローチは、互いに独立して用いることができることに留意されたい。したがって、単純化の目的でアプローチが別々に説明されているが、当業者は、これらのアプローチ(又は各アプローチの態様)を組み合わせて行うことができることを認識するであろう。更に、これらのアプローチは網膜カメラの文脈で説明されているが、当業者は、アプローチが他の撮像デバイスに同様に適用可能であることを認識するであろう。
【0036】
図5は、それを通して光が収集されるレンズに近接して配置された二次カメラによって生成された別のデジタル画像から生成された情報に基づいて、網膜カメラによって生成されたデジタル画像をラベル付けするためのプロセス500のフロー図を示す。最初に、診断プラットフォームは、レンズを通して収集された光に基づいて網膜カメラによって生成された第1のデジタル画像を取得することができる(ステップ501)。一般に、第1のデジタル画像は、患者を伴う診断セッションの過程で網膜カメラによって生成される網膜の複数のデジタル画像のうちの1つである。
【0037】
診断プラットフォームはまた、二次カメラによって生成された第2のデジタル画像を取得することができる(ステップ502)。
図6A~
図6Cに関して以下で更に説明するように、二次カメラは、網膜カメラのレンズに直ぐ隣接して位置し得、それにより、患者が自身の眼をレンズの近くに置き、二次カメラは、顔の一部分を観察することができる。次いで、診断プラットフォームは、第2のデジタル画像を分析して、第1のデジタル画像が患者の左眼又は右眼を含むかどうかを分析することができる(ステップ503)。例えば、診断プラットフォームは、鼻、口、頬、又は耳などの顔の特徴を検出するように設計されたアルゴリズムを第2のデジタル画像のピクセルデータに適用し得る。別の例として、診断プラットフォームは、眉、眼瞼、涙丘、横交連、内側交連などの配向及び/又は位置に基づいて、どの眼が現在レンズの前に位置するかを推測するように設計されたアルゴリズムを適用し得る。例えば、診断プラットフォームは、上眼瞼及び下眼瞼によって規定された眼の形状に基づいて、左眼又は右眼が第2のデジタル画像に含まれるかどうかを推測することができ、又は診断プラットフォームは、上眼瞼の経路に基づいて、左眼又は右眼が第2のデジタル画像に含まれるかどうかを推定することができる。同様に、診断プラットフォームは、視認可能な虹彩の部分に基づいて、左眼又は右眼が第2のデジタル画像に含まれるかどうかを推定することができる。
【0038】
この分析に基づいて、診断プラットフォームは、左眼又は右眼のいずれかを表すものとして第1のデジタル画像をラベル付けすることができる(ステップ504)。例えば、診断プラットフォームは、左眼ラベル又は右眼ラベルを、医用画像標準(例えば、DICOM)に従ってフォーマットされたデータ構造内のフィールドに自動的に投入することができる。いくつかの実施形態では、このデータ構造は、例えば、診断セッションの管理に関与するオペレータによって、レビューのためにインターフェース上に提示される。追加的又は代替的に、診断プラットフォームは、第1のデジタル画像をプロファイルに記憶し得る(ステップ505)。例えば、プロファイルは、所与の患者に関連付けられた、所与の網膜カメラによって生成された、所与の時間インターバルにわたって生成された、所与の診断セッション中に生成された、所与の医療施設において生成された、所与の医療ネットワークによって生成された、などのデジタル画像を含み得る。したがって、プロファイルは、患者に関連付けられた全てのデジタル画像を含み得る。あるいは、プロファイルは、診断セッション中に生成される全てのデジタル画像を含み得る。そのような実施形態では、各セッション固有のプロファイルは、患者に対応するファイルに関連付けられ得るため、複数の診断セッションにわたってキャプチャされたデジタル画像を容易に比較することができる。
【0039】
図6Aは、いくつかの実施形態において、一対の二次カメラがどのように、光が通過して網膜カメラによって収集されるレンズの対向する側面に沿って円周方向に配置されているかを示す。一般に、二次カメラは、患者が自身の網膜をレンズと位置合わせするときに、眼の周囲の領域が観察可能であるように配置される。したがって、これらの二次カメラは、「瞳孔カメラ」又は「眼カメラ」と称され得る。
【0040】
しかしながら、
図6B~
図6Cに見られるように、他の顔の特徴も、二次カメラによって観察可能であり得る。
図6B~
図6Cは、レンズの対向する側面に沿って円周方向に配置された二次カメラによって生成されたデジタル画像の例を含む。
図5に関して上述したように、これらのデジタル画像は、左眼又は右眼のどちらが現在レンズの前に位置するかを決定するために分析され得る。二次カメラは、それらのカメラによって生成されたデジタル画像が、レンズを通って反射された光に基づいて生成されたデジタル画像とは異なる情報を提供するように選択され得る。例えば、二次カメラは、赤外光又は可視光に感応する画像センサを含み得る。
【0041】
図7は、二次カメラによって生成されたデジタル画像を過去の診断セッション中に生成されたデジタル画像のデータベースと比較することによって患者を識別するためのプロセス700のフロー図を示す。診断セッションの一部として、患者が網膜カメラによって撮像されることを決定すると、患者に自身の眼を二次カメラの近くに置くように命令する通知が生成され得る(ステップ701)。通常、通知は、患者が自身の眼を二次カメラと位置合わせすることを要求する。しかしながら、いくつかの実施形態では、通知は、患者が自身の眼を網膜カメラのレンズと位置合わせすることを要求する。好ましいアプローチは、レンズに対する二次カメラの場所に依存し得る。すなわち、好ましいアプローチは、レンズと位置合わせされたときに、眼が二次カメラによって十分に観察可能であるかどうかに依存し得る。いくつかの実施形態では、通知は、網膜カメラ自体によって生成される。他の実施形態では、別のコンピューティングデバイス上で実行するコンピュータプログラムとして具体化される診断プラットフォームは、通知を生成させる。例えば、ネットワーク接続サーバシステム上に存在する診断プラットフォームは、患者に関連付けられた携帯電話で実行されるモバイルアプリケーションに、通知を提示させ得る。そのようなアプローチは、網膜カメラがオペレータによって管理されない状況において特に望ましい場合がある。
【0042】
その後、診断プラットフォームは、二次カメラによって生成された眼のデジタル画像を取得することができる(ステップ702)。一般に、デジタル画像は、識別の目的で分析することができる、瞳孔及び虹彩を含む眼の色写真である。次いで、診断プラットフォームは、デジタル画像を、過去の診断セッション中に生成されたデジタル画像のデータベースと比較することができる(ステップ703)。上述のように、診断セッションのワークフローは、各診断セッションの外側で二次カメラによって少なくとも1つの眼が撮像されることを必要とし得る。そのようなアプローチは、二次カメラによって生成されたデジタル画像が分析され、カタログされ、保存されるときに、データベースが経時的にコンパイルされ得ることを可能にする。患者に対応するデータベース内の各エントリは、二次カメラによって生成された少なくとも1つのデジタル画像及び患者に関連する個人情報を含み得る。いくつかの実施形態では、診断プラットフォームは、虹彩認識を介した識別を容易にするために、パターン認識技術をデジタル画像に用いる。例えば、診断プラットフォームは、一致するエントリがデータベースに存在するかどうかを決定する際に、虹彩の色及び網膜内の血管のパターンなどの特性を考慮する生体認証アルゴリズムを適用し得る。これらのパターン認識技術は、デジタル画像のデータベースとの比較が一貫した信頼性のある方法で行われることを確実にするのに有用であり得る。
【0043】
場合によっては、診断プラットフォームは、一致するエントリがデータベースに見られないことを決定する。これは、患者が診断セッションを以前に完了したことがない場合に発生する可能性が最も高い。そのようなシナリオでは、患者に関連する個人情報は、網膜カメラのオペレータ又は患者自身によって入力され得る。あるいは、オペレータ又は患者は、デジタル画像に関連付けられるべき既存の個人情報を識別することができ得る。例えば、オペレータは一連の患者記録を閲覧し、患者記録を選択し得、そこから個人情報が抽出され、次いでデジタル画像に関連付けられる。その後、診断プラットフォームは、デジタル画像及び個人情報を含む患者のデータベース内のエントリを作成し得る。
【0044】
他の例では、診断プラットフォームは、デジタル画像がデータベース内のエントリと一致すると決定する(ステップ704)。そのようなシナリオでは、診断プラットフォームは、データベース内の一致するエントリに関連付けられた患者プロファイルを識別し(ステップ705)、次いで、患者プロファイルから得られた個人情報をデータ構造に投入することができる(ステップ706)。一般に、データ構造は、識別の手段として診断セッション中に網膜カメラによって生成されるデジタル画像に付随する。そのようなアプローチは、診断セッション中に網膜カメラによって生成されたデジタル画像が、オペレータ及び患者の代わりに診断プラットフォームによって自動的に提供される個人情報に関連付けられることを可能にする。
【0045】
顔の生体認証は、
図7に関して上述したように、虹彩認識の代わりに、又はそれに加えて使用することができる。したがって、二次カメラは、患者の顔の特徴に基づいて人を識別することができる顔認識システムの一部であり得る。顔認識システムは、二次カメラによって生成されたデジタル画像からの選択された顔の特徴を、データベース内の顔のライブラリと比較することによって機能し得る。顔認識の精度は一般に虹彩認識よりも低いが、その低侵襲性及びリソースインテンシブ性質により、望ましい場合がある。しかしながら、一般的なアプローチはほとんど同じままである。すなわち、診断プラットフォームは、患者の顔の特徴を発見するためにデジタル画像を分析し、次いで、それらの顔の特徴をデータベース内の顔のライブラリと比較することができる。一致するエントリが見つかったと決定すると、診断プラットフォームは、診断セッションに関連付けられたデータ構造に、一致するエントリに対応する患者プロファイルから得られた個人情報を自動的に投入し得る。
【0046】
プロセス700は、二次カメラによって生成されるデジタル画像を使用して行われるものとして説明されているが、当業者は、プロセス700が、網膜カメラの一次カメラによって生成されたデジタル画像を使用して行われ得ることを認識するであろう。例えば、患者は、網膜カメラのレンズの近くに自身の眼を置くように促され得る。次いで、網膜のデジタル画像が、開始プロセスの一部としてキャプチャされ得る。このデジタル画像は、ステップ703~706に関して上述したように患者を識別するために、デジタル画像のデータベースと比較され得る。
【0047】
図8は、アイデンティティ文書から導出された情報に基づいて患者を識別するためのプロセス800のフロー図を示す。アイデンティティ文書の例には、運転免許証、パスポート、国内IDカードなどが含まれる。診断セッションの一部として、患者が網膜カメラによって撮像されることを決定すると、アイデンティティドキュメントを二次カメラの近くに置くように患者に命令する通知が生成され得る(ステップ801)。通常、二次カメラは、それを通して光が網膜カメラによって収集されるレンズの対向する側面に沿って円周方向に配置された一対の二次カメラのうちの1つである。しかしながら、網膜カメラのいくつかの実施形態は、単一の二次カメラのみを有し得る。そのような実施形態では、二次カメラは、レンズに直ぐ隣接して、又はどこか他の位置に位置し得る。更に、網膜カメラのいくつかの実施形態は、いかなる二次カメラも有していなくてもよい。そのような実施形態では、レンズを通して収集された光に基づいて一次カメラによって生成されたデジタル画像が識別目的のために使用され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、通知は、網膜カメラ自体によって生成される。他の実施形態では、別のコンピューティングデバイス上で実行するコンピュータプログラムとして具体化される診断プラットフォームは、通知を生成させる。例えば、ネットワーク接続サーバシステム上に存在する診断プラットフォームは、患者に関連付けられた携帯電話で実行されるモバイルアプリケーションに、通知を提示させ得る。
【0049】
その後、診断プラットフォームは、二次カメラによって生成されたアイデンティティ文書のデジタル画像を取得することができる(ステップ802)。一般に、デジタル画像は、識別の目的で分析することができるアイデンティティ文書のカラー写真である。いくつかの実施形態では、デジタル画像は、
図4に示すように、診断プラットフォームに通信可能に接続された別のコンピューティングデバイス(例えば、携帯電話又はタブレットコンピュータ)によって生成され得る。次いで、診断プラットフォームは、テキスト認識アルゴリズム(「光学文字認識アルゴリズム」又は「OCRアルゴリズム」とも呼ばれる)をデジタル画像に適用することによって、患者に関連する情報を導出することができる(ステップ803)。OCRアルゴリズムは、マトリックスマッチング又は特徴抽出のいずれかを用いて、候補文字のランク付けされたリストを生み出すように設計され得る。マトリックスマッチングは、デジタル画像を、ピクセルごとに記憶されたグリフのライブラリと比較することを伴い、一方、特徴抽出は、グリフを、ライン、閉鎖ループ、ライン方向、及び文字が推測され得るライン交点のような「特徴」に分解することを伴う。したがって、診断プラットフォームは、マトリックスマッチング又は特徴抽出のいずれかを用いて、各文字について、候補文字のランク付けされたリストを生み出し、次いで、アイデンティティ文書について生み出された候補文字のランク付けされたリストに基づいて情報を導出し得る。いくつかの実施形態では、診断プラットフォームは、OCRアルゴリズムに加えて、前処理アルゴリズム又は後処理アルゴリズムを適用する。これらの処理アルゴリズムは、認識が正常に完了することを確実にするのに役立ち得る。これらの処理アルゴリズムは、スペックル除去、ゾーニング、セグメント化、正規化などの技術を用い得る。言い換えれば、これらの処理アルゴリズムは、OCRが完了する前にその品質を画像化するように、デジタル画像内のピクセルのスペックル除去、ゾーニング、セグメント化、又は正規化を行うことができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、アイデンティティ文書から導出された情報は、過去の診断セッションとは無関係である既知の識別のデータベースと比較される。例えば、診断プラットフォームは、この情報をデータ検証サービスに提供して、アイデンティティ文書上の情報が、アイデンティティ文書を発行に関与する管轄によって保持されたデータに一致することを検証することができる。データ検証サービスの例は、運転免許証データ検証(Driver's License Data Verification、DLDV)サービスである。したがって、診断プラットフォームは、データ検証サービスから、情報が、アイデンティティ文書の発行に関与する管轄によって維持された一致するデータとして検証されたかどうかを示す入力を受信し得る。データ構造に、データ検証サービスによる検証後に診断プラットフォームによって情報を投入することができる。追加的又は代替的に、診断プラットフォームは、データ検証サービスから得られた情報をデータ構造に投入し得る。データ検証サービスの別の例は、顔IDである。このシナリオでは、診断プラットフォームは、アイデンティティ文書から顔の画像を抽出し、次いで、画像をデータ検証サービスに提供し得る。画像を顔画像のデータベースと比較することにより、データ検証サービスは、患者のアイデンティティを認証することができる。
【0051】
図9は、アイデンティティ文書900(本明細書では運転免許証)から様々なタイプの情報をどのように抽出することができるかを示す。アイデンティティ文書900のデジタル画像を分析することにより、診断プラットフォームは、患者の名前902、住所904、及び生年月日906を確立することができ得る。更に、診断プラットフォームは、物理情報908及び文書情報910を得ること及び/又は推測することができ得る。物理情報908の例には、性別、身長、体重、髪色、及び眼の色が含まれ、文書情報910の例には、文書識別子、有効期限、及び発行日が含まれる。
【0052】
診断プラットフォームは、アイデンティティ文書から得られた情報のうちの少なくともいくつかをデータ構造に投入し得る(ステップ804)。一般に、データ構造は、識別の手段として診断セッション中に網膜カメラによって生成されるデジタル画像に付随する。したがって、診断プラットフォームは、患者の眼のデジタル画像で符号化されたデータ構造に、アイデンティティ文書のデジタル画像から得られた情報のうちの少なくともいくつかを投入し得る。あるいは、診断プラットフォームは、情報を使用して患者プロファイルを識別し、次いで、患者プロファイルから得られた情報をデータ構造に投入し得る。
【0053】
図10は、診断セッションの外側の網膜カメラに提示される機械可読識別子(又は単に「識別子」)を使用して患者を識別するためのプロセス1000のフロー図を示す。ここで、プロセス1000は、携帯電話又はウェアラブル電子デバイスなどの、患者に関連付けられたコンピューティングデバイス上で閲覧可能なクイックレスポンス(Quick Response、QR)コードの文脈で説明される。しかしながら、プロセス1000は、Bluetooth低エネルギー(Bluetooth Low Energy、BLE)信号(「BLEコード」とも呼ばれる)、NFC信号(「NFCコード」とも呼ばれる)、無線周波数識別(radio frequency identification、RFID)信号(「RFIDコード」とも呼ばれる)、可聴トーン(「可聴コード」又は「オーディオコード」とも呼ばれる)、バーコードなどの他の識別子に同様に適用可能である。したがって、「機械可読識別子」という用語は、網膜カメラによって観察することができる視覚的コードのみならず、コンピューティングデバイスによって聴覚的又は電子的に放出されるときに網膜カメラによって「読み取る」ことができる可聴コードを指すために使用され得る。
【0054】
図10のプロセス1000は、いくつかの点で
図7~
図8のプロセス700、800と同様である。最初に、患者に、QRコードを網膜カメラの二次カメラの近くに置くように命令する通知が生成される(ステップ1001)。いくつかの実施形態では、通知は、網膜カメラ自体によって生成され、他の実施形態では、通知は、患者に関連付けられたコンピューティングデバイスによって生成される。例えば、患者に関連付けられた携帯電話で実行されるモバイルアプリケーションは、携帯電話(したがって患者)が網膜カメラの指定された近接内にあるという決定に応答して通知を生成するように構成され得る。別の例として、患者に関連付けられた携帯電話で実行されるモバイルアプリケーションは、診断セッションの開始時間に達したという決定に応答して通知を生成するように構成され得る。
【0055】
次いで、網膜カメラは、QRコードを検査して、中に埋め込まれた情報を得ることができる(ステップ1002)。QRコードは、データ構造に投入するために使用され得る患者又は診断セッションに関する敏感な情報を含み得る。あるいは、QRコードは、例えば、ネットワークアクセス可能な記憶システム上に維持された患者プロファイルから敏感な情報を検索するために使用することができる非敏感情報を含み得る。アプローチに関係なく、内部に埋め込まれた情報を使用して、患者の代わりにデータ構造に自動的に投入することができる(ステップ1003)。一般に、データ構造は、識別の手段として診断セッション中に網膜カメラによって生成されるデジタル画像に付随する。
【0056】
当業者は、非視覚的識別子が網膜カメラに提示される場合、プロセス1000が異なることを認識するであろう。例えば、網膜カメラは、識別の目的のための入力として、指紋などの非画像化生体認証を受信することができ得る。別の例として、患者に関連付けられたコンピューティングデバイスは、診断セッションを登録するために、BLEコード、NFCコード、RFIDコード、又はオーディオコードを発するように命令され得る。そのような場合、網膜カメラは、必ずしも二次カメラを有する必要はない。代わりに、網膜カメラは、これらのブロードキャストされたコードを検出するための適切な受信機を有し得る。したがって、網膜カメラは、互換性のある通信モジュール(例えば、無線通信回路)及びBLEコード、NFCコード、又はRFIDコードを検出するためのコンピュータプログラムを含むことができる。同様に、網膜カメラは、オーディオコードを検出するためのマイクロフォンを含むことができる。
【0057】
図11は、異なる条件下で生成されたデジタル画像を検査することによって閉ループ分析を行うためのプロセス1100のフロー図を示す。最初に、診断プラットフォームは、レンズを通して収集された光に基づいて網膜カメラによって生成された第1のデジタル画像を取得することができる(ステップ1101)。上述のように、この光は、診断セッション中に患者の網膜によって反射された光を表し得る。
【0058】
次いで、診断プラットフォームは、診断モデルを第1のデジタル画像に適用して、患者の健康状態を示す出力を生み出すことができる(ステップ1102)。診断モデルは、第1のデジタル画像のピクセルコンテンツを考慮するため、出力は、出力の信頼性を示すメトリックを伴い得る。メトリックは、診断プラットフォームが出力に有する信頼度を表す。メトリックは通常、第1のデジタル画像と、訓練目的のために診断モデルに提供されたデジタル画像との間の類似度に関連している。高レベルでは、第1のデジタル画像が訓練目的に使用されるものと同様である場合、診断モデルは、適度に高い信頼度で適切な出力を知り得る。
【0059】
その後、診断プラットフォームは、診断モデルによって生み出された出力における信頼性が閾値の下にあるかどうかを決定することができる。信頼性が閾値を超えると診断プラットフォームが決定した場合、診断セッションを進行させ得る。しかしながら、信頼性が閾値の下にあると診断プラットフォームが判断した場合(ステップ1103)、診断プラットフォームは、網膜カメラに、第1のデジタル画像とは異なる条件下で第2のデジタル画像を生成させ得る(ステップ1104)。例えば、診断プラットフォームは、焦点、焦点距離、色バランス、露光、照明状態、又はそれらの任意の組み合わせを変更するように網膜カメラに命令し得る。一例として、第1のデジタル画像が、網膜カメラによって放出される赤外光を使用して生成される場合、診断プラットフォームは、網膜カメラに可視光を使用して第2のデジタル画像を生成するように命令することができ、又はその逆も同様である。同様に、診断プラットフォームは、第2のデジタル画像が第1のデジタル画像とは異なる焦点、焦点距離、色バランス、又は露光を有するように、第2のデジタル画像を生成するように網膜カメラに命令し得る。
【0060】
次いで、診断プラットフォームは、第2のデジタル画像を単独で又は第1のデジタル画像と組み合わせて分析して、第1のデジタル画像が患者の左眼又は右眼を含むかを決定することができる(ステップ1105)。次いで、診断プラットフォームは、左眼又は右眼を表すものとして第1のデジタル画像をラベル付けすることができる(ステップ1106)。
【0061】
いくつかの実施形態では、診断プラットフォームは、第1のデジタル画像をプロファイルに記憶する(ステップ1107)。例えば、プロファイルが患者に関連付けられている場合、診断プラットフォームは、患者に関連付けられたデジタル画像の時間的記録を形成するように、プロファイルを表すデータ構造内の第1のデジタル画像を符号化し得る。あるいは、プロファイルは、網膜カメラ、診断セッション、網膜カメラが位置する医療施設、網膜カメラを管理する医療ネットワークなどに関連付けられ得る。通常、第1のデジタル画像に対して生み出された出力の信頼性を改善するための手段として第2のデジタル画像が使用されるため、診断プラットフォームは、通常、第2のデジタル画像をプロファイルに記憶することを控え得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、診断プラットフォームは、第2のデジタル画像をプロファイルに記憶する。
【0062】
当業者は、例えば、診断プラットフォームが、網膜カメラによって画像化されている眼が左眼又は右眼であるかどうかの決定において信頼性がない場合、同等のプロセスが行われ得ることを認識するであろう。そのような状況では、診断プラットフォームは、左眼対右眼の決定における信頼性を高める試みにおいて、異なる条件下で、眼の別のデジタル画像を生成することを要求し得る。
【0063】
物理的可能性とは反対でない限り、上記のステップは、様々な配列及び組み合わせで行われ得ることが想定される。例えば、
図11のステップ1103は、いくつかの実施形態では行われない場合がある。そのような実施形態では、診断プラットフォームは、診断モデルによって生み出された出力の信頼性に関係なく、異なる条件下で第2のデジタル画像を生成させ得る。診断プラットフォームは、異なる条件下で生成されたデジタル画像を検査することによって、単に閉ループ分析を行って、インサイトを得ることができる(例えば、どの身体部分が画像化されているか、出力が正しいかどうか)。
【0064】
別の例として、診断プラットフォームは、本明細書に記載のプロセスが行われている間、二次カメラによって生成されたデジタル画像をインターフェース上に表示させ得る。そのようなアクションは、データ構造に正しく投入されたことをオペレータが確認することができるように、オペレータの代わりにデータ構造に自動的に投入することと同時に行われ得る。
【0065】
本明細書に記載のアプローチは、慣例に従わないエコシステム(例えば、非臨床環境)において特に有用であり得る。例えば、網膜カメラが、オペレータを伴わないセルフサービス式のキオスクに位置すると仮定する。そのようなシナリオでは、これらのアプローチは、それらの患者が手動で情報を入力することなく、撮像される各患者のアイデンティティを検証するために使用することができる。例えば、患者は、セルフサービス式のキオスクに単にアプローチし、自身の携帯電話上のQRコードを網膜カメラに提示し、次いで診断セッションを完了することができる。網膜カメラ(又はいくつかの他のコンピューティングデバイス)は、診断セッション中に生成されたデジタル画像を、QRコードに含まれる情報を使用して、患者と関連付けることができる。
【0066】
アプローチはまた、網膜カメラに記憶された個人情報の量が限定されることを可能にし得る。再び、網膜カメラが、オペレータを伴わないセルフサービス式のキオスクに位置するシナリオを考慮する。そのようなシナリオでは、網膜カメラに個人情報を記憶することは、そのアクセス可能性によるセキュリティリスクを表す。この懸念に対処するために、網膜カメラは、診断セッションの一部として生成されたデジタル画像及び基本メタデータのみを収集し得る。次いで、デジタル画像は、基本メタデータを使用して、コンピュータサーバなどの別のコンピューティングデバイス上で患者(及び患者の個人情報)に関連付けることができる。
【0067】
処理システム
図12は、本明細書に記載の少なくともいくつかの動作を実装することができる処理システム1200の例を示すブロック図である。例えば、処理システム1200のいくつかのコンポーネントは、診断プラットフォーム(例えば、
図3の診断プラットフォーム302又は
図4の診断プラットフォーム402)を含むコンピューティングデバイス上にホストされ得る。
【0068】
処理システム1200は、中央処理ユニット(「プロセッサ」とも呼ばれる)1202、メインメモリ1206、不揮発性メモリ1210、ネットワークアダプタ1212、ビデオディスプレイ1218、入力/出力デバイス1220、制御デバイス1222(例えば、キーボード及びポインティングデバイス)、ストレージ媒体1226を含む駆動ユニット1224、及びバス1216に通信可能に接続されている信号生成デバイス1230を含み得る。バス1216は、適切なブリッジ、アダプタ、又はコントローラによって接続された1つ以上の物理バス及び/又はポイントツーポイント接続を表す抽象的概念として示されている。したがって、バス1216は、システムバス、ペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト(Peripheral Component Interconnect、PCI)バス又はPCI-エクスプレスバス、ハイパートランスポート若しくはインダストリ・スタンダード・アーキテクチャ(industry standard architecture、ISA)バス、スモール・コンピュータ・システム・インターフェース(small computer system interface、SCSI)バス、ユニバーサル・シリアル・バス(universal serial bus、USB)、インター集積回路(Inter-Integrated Circuit、I2C)バス、又は米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineer、IEEE)規格1394バス(「ファイヤーワイヤ」とも呼ばれる)を含むことができる。
【0069】
処理システム1200は、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)、携帯電話、ゲームコンソール、音楽プレーヤ、ウェアラブル電子デバイス(例えば、時計若しくはフィットネストラッカ)、ネットワーク接続(「スマート」)デバイス(例えば、テレビ又はホームアシスタントデバイス)、仮想/拡張現実システム(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)、又は処理システム1200によって取得されるアクションを指定する一連の命令(シーケンシャル又はその他)を実行することができる別の電子デバイスのような、類似のコンピュータプロセッサアーキテクチャを共有し得る。
【0070】
メインメモリ1206、不揮発性メモリ1210、及び記憶媒体1226(「機械可読媒体」とも呼ばれる)は、単一の媒体であることが示されているが、「機械可読媒体」及び「記憶媒体」という用語は、1つ以上の命令1228のセットを格納する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、中心化/分散データベース及び/又は関連付けられたキャッシュ及びサーバ)を含むと解されるべきである。「機械可読媒体」及び「記憶媒体」という用語はまた、処理システム1200による実行のための一連の命令を記憶、符号化、又は運ぶことができる任意の媒体を含むものとする。
【0071】
一般に、本開示の実施形態を実施するために実行されるルーチンは、オペレーティングシステム又は特定のアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、又は命令の配列(集合的に「コンピュータプログラム」と呼ばれる)の一部として実装され得る。コンピュータプログラムは、典型的には、コンピューティングデバイス内の様々なメモリ及び記憶デバイス内の様々な時間に設定された1つ以上の命令(例えば、命令1204、1208、1228)を含む。プロセッサ1202によって読み取られかつ実行されると、命令は、処理システム1200に、本開示の様々な態様を伴う要素を実行するための動作を行わせる。
【0072】
更に、実施形態は完全に機能するコンピューティングデバイスの文脈で説明されてきたが、当業者は、様々な実施形態が様々な形態でプログラム製品として分散されることができることを理解するであろう。本開示は、実際に分布に影響を与えるために使用される特定のタイプの機械又はコンピュータ可読媒体に関係なく適用される。
【0073】
機械可読記憶媒体、機械可読媒体、又はコンピュータ可読媒体の更なる例には、揮発性メモリ、不揮発性メモリ1210、フロッピー、及び他のリムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、光学ディスク(例えば、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(compact disc read-only memory、CD-ROM)及びデジタルバーサタイルディスク(Digital Versatile Disc、DVD))などの記録可能型媒体、並びにデジタル及びアナログ通信リンクなどの伝送型媒体が含まれる。
【0074】
ネットワークアダプタ1212は、処理システム1200が、処理システム1200及び外部エンティティによってサポートされる任意の通信プロトコルを介して処理システム1200の外部にあるエンティティとネットワーク1214内のデータを媒介することを可能にする。ネットワークアダプタ1212は、ネットワークアダプタカード、無線ネットワークインターフェースカード、ルータ、アクセスポイント、無線ルータ、スイッチ、多層スイッチ、プロトコルコンバータ、ゲートウェイ、ブリッジ、ブリッジルータ、ハブ、デジタルメディアレシーバ、又はリピータを含むことができる。
【0075】
ネットワークアダプタ1212は、コンピュータネットワーク内のアクセス/プロキシデータの許可を支配及び/又は管理し、異なる機械及び/又はアプリケーション間で様々なレベルの信頼を追跡するファイアウォールを含み得る。ファイアウォールは、特定のセットの機械とアプリケーションとの間、機械と機械との間、及び/又はアプリケーションとアプリケーションとの間(例えば、これらのエンティティ間のトラフィック及びリソース共有の流れを調整するために)に所定のセットのアクセス権を強制することができる、ハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネントの任意の組み合わせを有する任意の数のモジュールであり得る。ファイアウォールは、個人、機械、及び/又はアプリケーションによってオブジェクトのアクセス権及び動作権限を含む許可、並びにその下に許可権がスタンドする状況を詳述するアクセス制御リストへのアクセスを更に管理及び/又は有し得る。
【0076】
本明細書で紹介される技術は、プログラマブル回路(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ)、ソフトウェア及び/又はファームウェア、専用のハードワイヤード(すなわち、非プログラマブル)回路、又はそのような形態の組み合わせによって実装することができる。専用回路は、1つ以上の特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、プログラマブル論理デバイス(programmable logic device、PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)などの形態であることができる。
【0077】
備考
特許請求される主題の様々な実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的で提供されている。網羅的であること、又は特許請求される主題を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。多くの修正及び変形が当業者には明らかであろう。実施形態は、本発明の原理及びその実用的な用途を最良に説明するために選択及び記載され、それによって、関連技術分野の当業者は、特許請求される主題、様々な実施形態、及び企図される特定の用途に適した様々な修正を理解することができる。
【0078】
発明を実施するための形態は、特定の実施形態及び企図される最良のモードを説明するが、本技術は、詳述された詳細な説明がどのように現れるかにかかわらず、多くの方法で実施することができる。実施形態は、それらの実装の詳細においてかなり変化し得るが、依然として本明細書によって包含される。様々な実施形態の特定の特徴又は態様を説明する際に使用される特定の用語は、専門用語が本明細書では、その用語が関連付けられている技術の任意の特定の特性、特徴、又は態様に限定されるように再定義されていることを意味するものと解釈されるべきではない。一般に、以下の特許請求の範囲で使用される用語は、それらの用語が本明細書に明示的に定義されない限り、本明細書に開示される特定の実施形態に技術を限定するものと解釈されるべきではない。したがって、本技術の実際の範囲は、開示された実施形態だけでなく、実施形態を実行又は実施する全ての同等の方法も包含する。
【0079】
本明細書で使用される言語は、主に読みやすさ及び説明目的のために選択されている。主題を描写又は限定するために選択されていない場合がある。したがって、技術の範囲は、この詳細な説明によって限定されるのではなく、むしろ、本明細書に基づく出願で発行するいずれかの特許請求の範囲によって限定されることが意図されている。したがって、様々な実施形態の開示は、以下の特許請求の範囲に記載される技術の範囲の、例示であるが限定ではないことが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の眼の第1のデジタル画像を取得することと、
前記患者の前記眼又は前記患者に関連付けられたアイデンティティオブジェクトの第2のデジタル画像を取得することと、
前記第2のデジタル画像に基づいて、前記第1のデジタル画像の起源を示すプロファイルを決定することと、
前記第1のデジタル画像を診断決定のためにインターフェースに送達する前に、前記プロファイルから得られた情報を、前記第1のデジタル画像で符号化されたデータ構造に投入することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のデジタル画像及び前記第2のデジタル画像が、前記眼の網膜によって、かつ網膜カメラのレンズを通して反射された光に基づいて、前記網膜カメラによって生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のデジタル画像が、前記眼の網膜によって、かつ網膜カメラのレンズを通して反射された光に基づいて、前記網膜カメラによって生成され、前記第2のデジタル画像が、前記網膜カメラの前記レンズに近接して位置する二次カメラによって生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プロファイルが、前記第2のデジタル画像から決定された前記眼の特性に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記特性が、前記眼の場所、前記眼の色、又は前記眼の静脈パターンである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記プロファイルから得られた前記情報が、前記患者に関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
命令が記憶された非一時的媒体であって、前記命令が、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
患者に、網膜カメラの近くに眼を置くように命令する通知を生成することと、
前記網膜カメラによって生成された前記眼の第1のデジタル画像を取得することと、
前記第1のデジタル画像を、過去の診断セッションに関連付けられたデジタル画像のデータベースと比較することと、
前記第1のデジタル画像が前記データベース内のエントリと一致すると決定することと、
前記データベース内の前記一致するエントリに関連付けられたプロファイルを識別することと、
前記プロファイルから得られた情報をデータ構造に投入してから、前記データ構造に前記眼の第2のデジタル画像を符号化することと、を含む動作を行わせ、
前記第2のデジタル画像が、前記眼の網膜によって、かつ前記網膜カメラのレンズを通して反射された光に基づいて、前記網膜カメラによって生成される、非一時的媒体。
【請求項8】
前記通知が、前記眼を、前記網膜カメラの前記レンズに近接して位置する二次カメラと位置合わせするように前記患者に命令し、前記第1のデジタル画像が、前記二次カメラによって生成される、請求項7に記載の非一時的媒体。
【請求項9】
前記通知が、前記眼を、前記網膜カメラの前記レンズと位置合わせするように前記患者に命令し、前記第1のデジタル画像が、前記網膜カメラの前記レンズに近接して位置する二次カメラによって生成される、請求項7に記載の非一時的媒体。
【請求項10】
前記プロセッサが、前記網膜カメラ内に収容されている、請求項7に記載の非一時的媒体。
【請求項11】
前記プロセッサが、前記網膜カメラが通信可能に接続されているコンピューティングデバイス内に収容されている、請求項7に記載の非一時的媒体。
【請求項12】
前記比較することが、
(i)前記眼の虹彩の色、及び/又は(ii)前記眼の前記網膜内の血管のパターンを、前記データベース内の各デジタル画像と比較し、それにより、前記一致するエントリを決定する生体認証アルゴリズムを実行することを含む、請求項7に記載の非一時的媒体。
【請求項13】
患者に、機械可読識別子を網膜カメラに提示するように命令する通知を生成することと、
前記機械可読識別子を検査して、前記患者を識別する情報を得ることと、
前記情報に基づいてデータ構造に投入することと、を含む、方法。
【請求項14】
前記識別子が、クイックレスポンス(QR)コード又はバーコードである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記機械可読識別子が、Bluetooth低エネルギー(BLE)コード、近距離無線通信(NFC)コード、又は無線周波数識別(RFID)コードである、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記機械可読識別子が、前記網膜カメラのマイクロフォンによって検出可能なオーディオコードである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記投入することが、
前記機械可読識別子内に埋め込まれた機密情報を抽出することと、
前記機密情報を前記データ構造に入力することと、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記投入することが、
前記情報に基づいて、前記患者に関連付けられたプロファイルを識別することと、
前記プロファイルから機密情報を得ることと、
前記機密情報を前記データ構造に入力することと、を含む、請求項13に記載の方法。
【国際調査報告】