(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-14
(54)【発明の名称】UV光を用いた感染性医療廃棄物の安全な処分のためのスマート装置および方法
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20230607BHJP
A61L 11/00 20060101ALI20230607BHJP
A61L 2/24 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
A61L2/10
A61L11/00
A61L2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568624
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(85)【翻訳文提出日】2022-12-29
(86)【国際出願番号】 BA2021000003
(87)【国際公開番号】W WO2021226680
(87)【国際公開日】2021-11-18
(32)【優先日】2020-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BA
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522438323
【氏名又は名称】ポンヤヴィッチ, カタリーナ
【氏名又は名称原語表記】PONJAVIC, Katarina
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ポンヤヴィッチ, カタリーナ
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA27
4C058BB06
4C058CC05
4C058CC09
4C058DD01
4C058DD16
4C058EE01
4C058EE24
4C058KK02
(57)【要約】
医療感染性廃棄物の効率的かつ適切な処分は、ヒトの間の感染性疾患および疾患自体の拡散の低減に比例する。本発明の本質は、感染性医療廃棄物が適時に、迅速に、効率的に、簡単に、環境に優しく安全に処分され、不活性都市廃棄物になることである。感染性医療廃棄物の処分のための従来の方法および装置は、感染性医療廃棄物の収集、選別および貯蔵のための長期的な手順を含み、それは二次感染のリスクを増加させる。本発明は、医療感染性廃棄物を収集、選別、および貯蔵するプロセスを省略し、本発明のプロセス全体は、最終生成物が都市の不活性廃棄物である3つの不可分な段階で行われる。本発明では最低量の感染性医療廃棄物であっても適切な方法で直ちに処分されるということを強調するのは、重要である。また、結果として、すべての医療感染性廃棄物に対する最大限の抑制が達成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実行および制御構成要素ならびに基本部品からなり、装置の外側部分は、蓋を開くためのスイッチ(1)、前記蓋を開くためのスイッチ(1)を押した後に開く蓋(2)、または医療感染性廃棄物が本発明に挿入された後の自動シャッタ、状態(未処理廃棄物の量、電池の状態、潜在的なエラー、および動作を示す他のすべてのパラメータ)を示すLCDディスプレイ(3)および最終廃棄物容器(4)からなることを特徴とする、
図1および
図2による医療感染性廃棄物の安全な処分のためのスマート装置であって、前記装置の内側部分は、入口管(5)が配置されているより小さい上側部分と、より大きい下側部分である金属室(6)とからなり、前記金属室(6)は、以下の部分、すなわち、前記入口管(5)と第1消毒室(8)との間の接続部である保護カバーで充填されることになる前記入口管の開口部(7)と、前記第1消毒室(8)と、第1消毒室(9)の開口部であって、前記第1消毒室(8)と細砕/破砕/粉砕システムが位置する室(10)との間の接続部である保護カバーで充填されることになる第1消毒室(9)の開口部とを含み、この室の内側には、細砕/破砕/粉砕機(11)と、第2消毒室(12)と、保護的な蓋で満たされることになる第2消毒室(13)の開口部であって、前記第2消毒室(12)と前記廃棄物用の最終容器(4)との間の接続部である第2消毒室(13)の開口部と、前記金属室の内部全体を満たすことになるUVランプ(14)と、真空装置(15)とがある、医療感染性廃棄物の安全な処分のためのスマート装置。
【請求項2】
有害な紫外線が環境に入るのを防ぐ金属室(6)によって、人間に対する最大の安全性が確実にされることを特徴とする、請求項1に記載の装置を用いた感染性医療廃棄物の安全な処分のための方法。
【請求項3】
紫外線の最も効率的な動作を達成するために、必要な最適条件(例えば、最適な温度、湿度、空気組成など)の生成が、金属室(6)によって達成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置を用いた感染性医療廃棄物の安全な処分のための方法。
【請求項4】
図1および
図2に記載の医療感染性廃棄物が、前記蓋開きスイッチ(1)を押すことによって前記蓋(2)を開いた後に前記入口管(5)に挿入され、それによって前記廃棄物を除去した後に、前記カバー(2)が自動的に閉じることを特徴とする、請求項1に記載の装置を用いた感染性医療廃棄物の安全な処分のための方法。
【請求項5】
図1および
図2によれば、前記廃棄物が前記入口管(5)に挿入され、前記蓋(2)が自動的に閉じられた後、前記廃棄物と前記人とのさらなる接触が防止されることを特徴とする、請求項1に記載の装置を用いた感染性医療廃棄物の安全な処分のための方法であって、前記入口管(5)内の前記廃棄物は、前記入口管の前記開口部(7)を閉じる前記カバー上に落下し、前記廃棄物が前記蓋に落下すると、前記蓋が自動的に開き、前記入口管(5)からの前記廃棄物が前記第1消毒室(8)に滑り込み、前記廃棄物が前記第1消毒室(8)に落下した後、前記入口管の開口部(7)は自動的に閉じる、感染性医療廃棄物の安全な処分のための方法。
【請求項6】
図1および
図2によれば、前記廃棄物が前記第1消毒室(8)内にスライドした後、前記装置内部の前記UVランプ(14)が自動的に点灯され、それによって第1消毒および滅菌段階が実行されることを特徴とする、請求項1に記載の装置を用いた感染性医療廃棄物の安全な処分のための方法であって、さらなる処理のための前記装置内の廃棄物が不十分である場合、前記UVランプ(14)は、新しい感染性廃棄物が挿入されるまで、一定期間後に遮断するようにプログラムされる、感染性医療廃棄物の安全な処分のための方法。
【請求項7】
図1および
図2によれば、紫外線(14)に一定期間さらされた一定量の廃棄物(前記第1滅菌室(8)の容積の約50%~85%)を収集した後、前記廃棄物は、前記細砕/破砕/粉砕システム(10)が前記第1滅菌室(9)の前記開口部を通って配置されている前記室内に消滅することを特徴とする、請求項1に記載の装置を用いた感染性医療廃棄物の安全な処分のための方法。
【請求項8】
図1および
図2によれば、前記廃棄物が前記室(10)内に消滅した後、前記細砕/破砕/粉砕機(11)が始動することを特徴とする、請求項1に記載の装置を用いた感染性医療廃棄物の安全な処分のための方法であって、前記廃棄物は、前記第2消毒室(12)内の前記廃棄物の前記最終消毒のためにUV光の最も効率的なものを達成するために、最適なサイズまで細砕/破砕/粉砕される、感染性医療廃棄物の安全な処分のための方法。
【請求項9】
図1および
図2によれば、前記細砕/破砕/粉砕機(11)の動作中に、前記破砕された廃棄物が、前記細砕/破砕/粉砕室(10)と前記第2消毒室(12)とを接続する開口部を通って前記第2消毒室(12)に徐々に落下することを特徴とする、請求項1に記載の装置を用いた感染性医療廃棄物の安全な処分のための方法。
【請求項10】
図1および
図2によれば、前記第2消毒室(12)内への前記廃棄物の崩壊後、前記廃棄物の前記最終消毒は、UV光(14)によって一定期間行われることを特徴とする、請求項1に記載の装置による感染性医療廃棄物の安全な処分のための方法であって、前記廃棄物がUV光にしばらくさらされた後、前記最終消毒が完了すると、前記廃棄物は前記第2滅菌室(13)の前記開口部を通って前記最終廃棄物容器(4)に落下する、感染性医療廃棄物の安全な処分のための方法。
【請求項11】
図1および
図2によれば、前記第2消毒室(13)の前記開口部を充填する前記蓋は、前記第2消毒室(12)の最下部に位置し、その目的は、前記医療感染性廃棄物が最大限に消毒され滅菌されるように、破砕された感染性医療廃棄物を一定期間前記第2消毒室(12)に保持することである、請求項1に記載の装置による感染性医療廃棄物の安全な処分のための方法であって、この期間が満了した後、前記第2消毒室(13)の前記開口部を満たす前記蓋は自動的に開き、前記粉砕された内部の都市廃棄物は前記開口部を通過して真空プラスチックバッグに入り、前記第2消毒室(12)からのすべての前記破砕された内部都市廃棄物が前記プラスチック真空バッグに入ると、前記第2消毒室(13)の前記開口部を満たす蓋は自動的に閉じられ、前記内部都市廃棄物は真空包装の準備が整う、感染性医療廃棄物の安全な処分のための方法。
【請求項12】
図1および
図2によれば、前記廃棄物が落下する真空バッグが前記最終廃棄物容器(4)内に存在することを特徴とする、請求項1に記載の装置による感染性医療廃棄物の安全な処分のための方法であって、前記真空バッグが最大限まで充填された後、不活性医療廃棄物の真空装置(15)がセンサによって作動され、前記真空バッグは前記最終廃棄物容器(4)に廃棄され、新しい空の真空バッグが満たされた前記真空バッグに取って代わる、感染性医療廃棄物の安全な処分のための方法。
【請求項13】
図1および
図2によれば、前記最終廃棄物容器(4)が都市の不活性廃棄物を含む真空バッグで満たされているとき、前記LCDディスプレイ(3)は、前記最終廃棄物容器(4)が空にされる必要があり、前記不活性都市廃棄物がさらなる処分の準備ができていることを知らせることを特徴とする、請求項1に記載の装置による感染性医療廃棄物の安全な処分のための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療廃棄物の処分のための方法のカテゴリに関し、国際分類(ICP)によれば、B09B 3/0075として分類され、また材料または物体を消毒または滅菌するための装置のカテゴリに関し、国際分類(ICP)によれば、A61L 2202/00として分類される。
【0002】
技術的課題
感染性および潜在的に感染性の廃棄物は、医療廃棄物の最も危険で最大の部分を占める。このような廃棄物は、適時に処理され、適切な方法で安全に処分されなければならない。今日、我々は、環境においてただ1つのウイルスの抑制されない拡散が引き起こす可能性がある大惨事を目にしている。事実は、感染性廃棄物の安全な処分が膨大な金額と人的資源を必要とし、ほとんどの国でこのプロセスは今でも抑制されていないというものである。これには、推定によれば、世界中で約120億用量の薬物が注射によって投与されるという事実が続く。感染した針および注射器の不適切かつ時機を得ない処分は、医療従事者および技術者の間で、感染性廃棄物を選別および収集するプロセス中に、感染した対象に対する意図しない傷害のリスクを高める。感染した針および注射器の不適切かつ時機を得ない処分は、感染の発生に加えて、それらを再使用する可能性を生み出し、危険性がまた、環境にいる病原性微生物の受動的ベクターになることが最も多いげっ歯類、昆虫および他の動物によってもたらされる。
【背景技術】
【0003】
医療廃棄物の現在の処分は、元の場所の医療廃棄物が単純な包装で収集されるように行われる。その包装は、その特性を用いてさらなる選別を容易にするものである。医療廃棄物を選別した後、感染性廃棄物は二次保管場所に搬送される。感染性廃棄物は、様々な消毒および滅菌の手順で前処理される。そのような装置は、感染性廃棄物を、環境にとって危険ではないように十分に滅菌した状態にしなければならず、また装置は潜在的な感染源であってはならない。実際の法律によれば、処理なしの感染性廃棄物の貯蔵は最大8日間続き得る。これらの手順に続いて、感染性廃棄物を破砕するプロセスがあり、このプロセスでは廃棄物の体積を少なくとも75%減少させなければならず、感染性廃棄物を認識不可能にしなければならない。そのような衛生的に無害な廃棄物は、不活性都市廃棄物として処理することができる。既に、紫外線により廃棄物を消毒する装置が市販されているが、これらの装置は、少量の感染性廃棄物には適さないため、大量の医療感染性廃棄物を収集および選別するプロセスの後に主に使用される。このようにすると、感染性廃棄物を収集および貯蔵する長いプロセスは回避されない。これは、感染性廃棄物が発生地で破壊されないことを意味し、その結果、その環境での病原性微生物のさらなる拡散のリスクが著しく増加する。
【発明の概要】
【0004】
この方法および本発明の主な目的は、感染性医療廃棄物用の既存の方法および容器を改善することである。さらに、本方法および本発明の本質は、感染性医療廃棄物が安全に廃棄され、素早く不活性な都市廃棄物に迅速に、効率的に、簡単に、かつ環境に優しい方法で変換されることである。
【0005】
本発明は、医療感染性廃棄物を処分する新しい方法を代表する。最終生成物は不活性な都市廃棄物である。
【0006】
医療感染性廃棄物の処分のための以前の装置に関連して、本発明は、すべての病原性微生物の最大の破壊をもたらす2つの消毒室を含む。本発明の内部の金属室は、環境への紫外線の通過を防止する。このようにすると、本発明を使用することは、ヒトにとって最大限に安全である。金属室はまた、本発明の内部の紫外線の最も効率的な作用を達成するために必要な最適条件(例えば、最適な温度、湿度、空気組成など)の生成を可能にする。2020年2月11日にNCBIで発表されたある科学研究論文によると、米国国立医学図書館-国立衛生研究所は、正確に定められた期間における特定の制御された条件下でのVUV光が、病原性微生物を効果的に死滅させることを、証明している。これらの事実に基づいて、本発明は、以前に証明された有効なUVC光とVUV光との組み合わせを使用する。最適な制御された条件でのこの組み合わせは、感染性医療廃棄物の最も効率的な消毒を可能にする。本発明は、最低量の感染性廃棄物であっても直ちに処理することを可能にするが、これは今まで行われていない。このようにすると、装置の動作は、特定の重量の廃棄物に応じて制限されない。本発明はまた、最終廃棄物容器が満杯になったときにLCDディスプレイを介して通知し、その結果、廃棄物を監視し、既存の感染性廃棄物容器を空にすることを任された看護師および他の技術スタッフは、仕事のその部分から完全に解放される。UV光による消毒は、他の方法および装置と比較して同等にまたはより経済的であり(追加のパラメータに応じて)、またすべての先行的な方法の中で最も環境に優しいものであるということを強調するのは重要である。
【0007】
針などの医療用の鋭利な物体では、医療および技術スタッフの負傷のリスクが最小限に抑えられるか、または存在しない。これは、医療スタッフおよび技術スタッフによる感染したアイテムに対する意図しない傷害に起因し得る感染のリスクも最小限に抑えられることを意味する。医療および技術スタッフの間での刺傷事件後に世界で感染数が増加することを強調することは重要である。これは、様々な種類の疾患に対する追加のワクチン接種の必要性も増加することを意味する。
【0008】
潜在的に感染性の医療物資を再使用するリスクが最小限に抑えられる。これはまた、動物を介した感染症の受動的伝播が防止されることを意味する。
【0009】
この装置および方法は、医療感染性廃棄物を収集し、選別し、貯蔵するプロセスを省略し、すべての公共医療機関の必要なコストを自動的に削減する。本発明および本方法は、医療感染性廃棄物の処分および管理のための政府機関の様々な計画の策定を大いに促進する。これは、本発明が医療感染性廃棄物に対する最大限の抑制を可能にすることを意味する。最後に、医療感染性廃棄物処分システムが、人間および環境の長期的なヘルスケアの不可欠な部分であることを強調するのは重要である。
【0010】
この方法および本発明の重要な利点の1つは、感染からの潜在的な感染への曝露が、発生地での医療感染性廃棄物が直ちに適切に処分され、都市の不活性廃棄物に変換されるという意味で大幅に低減されることである。よりよく理解するために、一例を挙げる。例えば、HIVに罹患している患者を取り上げる。その患者は、歯を治療するために歯科医に来た。その男性は、自分が何らかの伝染病に罹患していることを、医師に意図的または意図せずに伝えない場合がある。医師は、患者に麻酔をかけた後、使用済みの針および注射器を感染性廃棄物用の容器に適切に廃棄する義務がある。このような廃棄物を処分するとき、保護キャップが針に配置されると、自傷事故がよく発生する。これは、感染が広がるときであり、これは、患者が保有しているウイルスに医師が感染する可能性があることを意味する。
【0011】
さらに、そのような感染針および注射器は、処理される前に、より多くの人々の手を通過する。実際の法律によれば、このような未処理廃棄物は最大8日間貯蔵することができる。本発明は、この手順を避け、医師が保護キャップを配置することなく直ちに針および注射器を本発明に挿入し、短期間の後に感染した針を処理し、環境に優しく、都市の不活性廃棄物に変換することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の本質を説明するために、これまで論じてきた方法および本発明を実施するための最良の形態を示す。
【0013】
【
図2】本発明の外部および内部の空間的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の外観を示す。これは、以下の部品、蓋開きスイッチ(1)、蓋(2)、LCDディスプレイ(3)および廃棄物入れ(4)を含む。蓋開きスイッチ(1)は、本発明における医療感染性廃棄物の処分へのアクセスを容易にするために存在する。その目的は、本発明の蓋(2)が、医療感染性廃棄物の挿入時を除いて安全上の理由から常に閉じられなければならないという事実にある。すなわち、蓋開きスイッチ(1)を押すときを除いて、カバー(2)は常に閉じていなければならない。このようにして、医療感染性廃棄物が配置される入口管(5)から蓋(2)によって物理的障壁が設けられる。これは、医療感染性廃棄物自体を抑制するために必要である。開放蓋(2)と感染性医療廃棄物容器(4)との間の空間にセンサによって何らかの障害物が発見された場合、蓋(2)は開放されるか、または空間が完全な閉鎖のために自由になるまで閉鎖が中断される。
【0015】
LCDディスプレイ(3)の必要性は、それが以下の項目、すなわち、第1消毒室(8)内の医療感染性廃棄物の量、本発明の電池の割合、都市不活性廃棄物の量、起こり得るエラー、および他の技術仕様の指標になるからである。
【0016】
最終廃棄物容器(4)の必要性は、この容器が完全に処理された医療感染性廃棄物、すなわち都市の不活性廃棄物を含むことに反映される。容器が都市不活性廃棄物の最大量まで充填されると、センサがこれを通知し、LCDディスプレイ(3)が、都市不活性廃棄物がさらなる処分の準備ができていることを示す。
【0017】
図2は、本発明の内部ならびにスマート装置内の関連する要素の配置を示す。本発明の内部は、以下の部品、入口管(5)、金属室(6)、入口管開口部(7)、第1消毒室(8)、第1消毒室(9)の開口部、細砕/破砕/粉砕システムが位置する室(10)、細砕/破砕/粉砕機(11)、第2消毒室(12)、第2消毒室(13)の開口部、UVランプ(14)および真空装置(15)を含む。
【0018】
入口チューブ(5)は、感染性医療廃棄物の処分場所である。蓋開きスイッチ(1)を押すと、スマート装置上のカバー(2)が自動的に開く。
【0019】
感染性医療廃棄物は、第1消毒室(8)の上部に位置する入口管の開口部(7)を満たす蓋上に落下する装置の入口管(5)に挿入される。一定時間後、スマート装置(2)のカバーは自動的に閉じる。スマート装置上の蓋(2)を閉じた後、数秒後に、蓋が開いて入口チューブの開口部(7)を満たし、挿入された感染性医療廃棄物が第1消毒室(8)内にスライドすることを可能にする。数秒後、入口管の開口部(7)を満たすカバーが自動的に閉じ、これは入口管(5)が空になることを意味する。これにより、医療感染性廃棄物との人々のいかなる二次的な接触、ならびに入口管(5)内の医療感染性廃棄物の蓄積が防止される。
【0020】
金属室(6)の必要性は、それが本発明の近くにいるかもしれない人々のためのUV光に対する保護の主要な形態を表すという事実において明らかである。金属室(6)は、環境への紫外線の通過を防止する。このようにすると、本発明を使用することは、ヒトにとって最大限に安全である。金属室(6)はまた、本発明の内部の紫外線の最も効率的な作用を達成するために必要な最適条件(例えば、最適な温度、湿度、空気組成など)の生成を可能にする。
【0021】
入口管の開口部(7)を充填するカバーは、医療感染性廃棄物と人とのいかなる二次的接触も防止する役割を有する。入口管の開口部(7)を充填するカバーは、設定された時間に自動的に開閉する。
【0022】
第1消毒室(8)は、特定の量または体積まで医療感染性廃棄物を収集する役割を有する。入口管の開口部(7)を満たすカバーを閉じた後、数秒後に、すべてのUVランプ(14)が自動的にオンにされ、消毒の第1段階が始まる。UVランプ(14)は、一定期間点灯した後、自動的に消灯する。この手順は、十分な量または体積の感染性廃棄物が収集されるまで繰り返される。十分な量または体積の感染性廃棄物が収集されると、第1消毒室(9)の開口部を満たす蓋が自動的に開かれ、同時に細砕/破砕/粉砕機(11)が作動される(これらの方法のうちの1つは、感染性廃棄物の種類に応じて使用される)。感染性医療廃棄物は、細砕/破砕/粉砕室(10)に徐々に落下し、そこで感染性廃棄物が最適な意図されたサイズに破砕/粉砕または破砕される。
【0023】
第1消毒室(9)の開口部は、細砕/破砕/粉砕機(11)を作動させるのに十分な感染性医療廃棄物の意図された量または体積を閉位置に保つ役割を有する。第1消毒室(9)の開口部は、第1消毒室(8)の内部に配置されたセンサによって開かれる。特定の量の感染性医療廃棄物が第1消毒室(8)に充填されると、センサは、細砕/破砕/粉砕機(11)を始動させるための条件が満たされたことを報告し、同時に、UVランプ(14)が点灯し、第1消毒室(9)の開口部に収容された蓋が自動的に開く。第1消毒室(9)の開口部を通じて、感染性廃棄物は細砕/破砕/粉砕室(10)の空間に落下する。感染性廃棄物は徐々に細砕/破砕/粉砕機(11)に入り、そこで最終的なUV処理のために準備される。細砕/破砕/粉砕機(11)をオフにした後、第1消毒室(9)の開口部は自動的に閉じる。
【0024】
細砕/破砕/粉砕室(10)は、第1消毒室(8)から感染性医療廃棄物を徐々に受け入れ、細砕・破砕・粉砕機(11)の埋め戻しを防止する役割を有する。
【0025】
細砕/破砕/粉砕機(11)は、感染性廃棄物の種類に応じて、感染性廃棄物を細砕、破砕、粉砕する役割を有する。本来の意図は、感染性医療廃棄物を処理するこれらの方法の1つを適用することであったが、3つの操作すべてを包含するいくつかのシステムの組み合わせであってもよい。電力およびサイズの両方において本発明の要件を満たすそのような機械が市販されている。
【0026】
第2消毒室(12)は、感染性医療廃棄物を、さらなる処分の準備ができている都市内部廃棄物の状態にするタスクを有する。したがって、細断された感染性医療廃棄物は、第2消毒室(12)に徐々に落下する。細砕/破砕/粉砕機(11)を作動させた後、UVランプ(14)が点灯される。細砕/破砕/粉砕機(11)は、自動的に(負荷が停止した後)オフに切り替わり、UVランプ(14)は、感染性医療廃棄物が無害の都市不活性廃棄物になるまでオンのままである。専門家の研究によれば、UVランプ(14)の作用持続時間は、約30分間続くはずである。同時に、プロセスにおけるUV放射の最も効率的な作用を可能にするために、湿度、温度および大気質のためのシステムが起動される。
【0027】
第2消毒室(13)の開口部を充填する蓋は、第2消毒室(12)の最下部に位置し、その目的は、医療感染性廃棄物を消毒するために、粉砕された感染性医療廃棄物を一定期間第2消毒室(12)内に保持することである。滅菌する。この期間が満了した後、第2消毒室(13)の開口を満たす蓋は自動的に開放され、破砕された内部の都市廃棄物は開口部を通過して真空プラスチック袋に入る。第2消毒室(12)からのすべての粉砕された内部都市廃棄物がプラスチック製真空バッグに入ると、第2消毒室(13)の開口部を満たす蓋は自動的に閉じられ、内部都市廃棄物は真空包装の準備が整う。
【0028】
UVランプ(14)は、スマート装置の内部に配置され、金属室(6)に取り付けられ、UV線の最も効率的な作用を可能にするように適切に配置される。紫外線の効率的な作用は、病原性微生物が生存する可能性が一切ないことを意味し、これは、このスマート装置の目的であり、感染性医療廃棄物を人間および環境に無害な状態、または許容可能な不活性都市廃棄物にすることを目的としている。本発明では、波長254nmの紫外線を照射するUVランプ(14)(UVCランプ)と、波長185nmの紫外線を照射するランプ(VUVランプ)とを用いる。
【0029】
真空装置(15)は、内部の都市廃棄物がさらなる処分に適するように内部の都市廃棄物を真空引きする機能を有する。真空引き手順は以下の通りである:UV消毒手順が完了すると、第2消毒室(13)の開口部を満たす蓋が自動的に開かれ、不活性廃棄物が真空バッグに入る。真空バッグが最大限まで充填された後、不活性医療廃棄物真空装置(15)が作動される。真空バッグは最終廃棄物容器(4)内に廃棄され、新しい空の真空バッグがその場所に自動的に配置される。最終廃棄物容器(4)が真空バッグで完全に満たされると、LCDディスプレイ(3)は、最終廃棄物容器(4)を空にする必要があり、不活性廃棄物がさらなる処分の準備ができていることを知らせる。
【0030】
本発明は電気によって動力供給され、本発明の必要な部分を表す、既に発明されたすべての追加の電気部品を強調することが重要である。また、装置の寸法は、市場またはエンドユーザのニーズに合わせて調整される。これは、1日に発生する医療感染性廃棄物の量がより少ないユーザにとっては、感染性廃棄物の量を受け入れるための寸法および能力でより小さな装置が構築され、1日に発生する医療感染性廃棄物の量がより多いユーザにとっては、より大きな装置が構築および製造され得ることを意味する。
【0031】
上記のようにして、本発明は、現在までの既存の発明を超える著しい改善および進歩を含む実用的で安全で有用かつ耐久性のある装置を提供する。本発明および方法の範囲および精神から逸脱することなく、本発明および方法による医療感染性廃棄物の安全な処分のための本方法および包装にいくつかの変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0032】
1 蓋を開くためのスイッチ
2 カバー
3 LCDディスプレイ
4 最終廃棄物容器
5 入口管
6 金属室
7 入口管開口部
8 第1消毒室
9 第1消毒室の開口部
10 細砕/粉砕システムが配置される室
11 細砕/粉砕機
12 第2消毒室
13 第2消毒室の開口部
14 UVランプ
15 真空装置
【国際調査報告】