(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-14
(54)【発明の名称】磁気封鎖装置付きストレージデバイス
(51)【国際特許分類】
A45C 11/00 20060101AFI20230607BHJP
B65D 33/25 20060101ALI20230607BHJP
B65D 30/02 20060101ALI20230607BHJP
【FI】
A45C11/00 X
B65D33/25 D
B65D30/02
A45C11/00 V
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568866
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 EP2021061939
(87)【国際公開番号】W WO2021228667
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】102020206048.7
(32)【優先日】2020-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515160367
【氏名又は名称】フィドロック・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】FIDLOCK GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【氏名又は名称】笹沼 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100187469
【氏名又は名称】藤原 由子
(74)【代理人】
【識別番号】100225026
【氏名又は名称】古後 亜紀
(72)【発明者】
【氏名】フィードラー・ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】シュピントラー・ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ナフタリ・フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】モアレム・イツィック
【テーマコード(参考)】
3B045
3E064
【Fターム(参考)】
3B045AA51
3B045BA26
3B045CA01
3B045CB03
3B045CE06
3B045DA22
3B045DA44
3B045DA45
3B045EA02
3B045EA06
3B045EB05
3B045FC02
3B045IA04
3E064AA01
3E064BA21
3E064BA60
3E064BB03
3E064BC20
3E064EA18
3E064FA01
3E064HM01
3E064HN25
(57)【要約】
【課題】磁気封鎖装置付きストレージデバイスを提供する。
【解決手段】収納装置1は、物品等を保持するための収納体10であって、第1の壁100および第2の壁101を有するものと、収納体10を閉じるための磁気封鎖装置2であって、第1の封鎖部21および第2の封鎖部20を有するものとを有する。第1の封鎖部21は、横方向Xに沿って延びる第1のストリップ体212を有し、第1の壁100の第1の封鎖部104に配置される。第2の封鎖部20は、横方向Xに沿って延びる第2のストリップ体202を有し、第2の壁101の第2の封鎖部105上に配置される。第1の封鎖部21と第2の封鎖部20とは磁気的に引き合う。第1の壁100、第2の壁101、第1のストリップ体212および/または第2のストリップ体202は、少なくとも部分的に、抗菌活性添加剤を含む組成物により製造される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体、気体または物品を保持するための収納体(10)であって、第1の壁(100)および第2の壁(101)を有する収納体(10)と、
収納体(10)を閉じるための磁気封鎖装置(2)であって、第1の封鎖部(21)および第2の封鎖部(20)を有する磁気封鎖装置(2)と、
を備える、ストレージデバイス(1)において、
前記第1の封鎖部(21)が、横方向(X)に沿って延びる第1ストリップ体(212)を有し、当該第1ストリップ体(212)は、第1の壁(100)の第1の封鎖部(104)上に配置され、
前記第2の封鎖部(20)が、横方向(X)に沿って延びる第2ストリップ体(202)を有し、当該第2ストリップ体(202)は、第2の壁(101)の第2の封鎖部(105)上に配置され、
ここで、前記第1の封鎖部(21)および前記第2の封鎖部(20)は、前記収納体(10)が閉じられる封鎖位置において、前記第1の封鎖部(104)および前記第2の封鎖部(105)が互いに静止するように、磁気的に互いに引き合う態様で作用する、前記ストレージデバイス(1)であって、
前記第1の壁(100)、前記第2の壁(101)、前記第1のストリップ体(212)および/または前記第2のストリップ体(202)の全部または一部が、抗菌活性添加剤を含有する組成物により製造されていることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
【請求項2】
請求項1に記載のストレージデバイス(1)であって、前記第1の壁(100)の少なくとも1つの層、前記第2の壁(101)の少なくとも1つの層、前記第1のストリップ体(212)及び/又は前記第2のストリップ体(202)が、抗菌活性添加剤を含む組成物により製造されているか、又は前記抗菌活性添加剤を含む組成物により製造されたコーティングを有することを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
【請求項3】
請求項1または2に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記組成物が、前記抗菌活性添加剤が混和されたポリマー材料またはシリコーン材料を含むことを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記添加剤は、銀材料、亜鉛材料、コバルト材料、カドミウム材料、ニッケル材料、銅材料および/または二酸化チタン材料を含む粒子(特にナノ粒子)を含有することを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記添加剤が、多孔質ガラス粒子と抗菌性金属材料とを含む混合物から製造される抗菌活性ガラス粉末であることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記添加剤が、光に曝されると一重項酸素を発生する少なくとも1つの光触媒を含むことを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記添加剤が、前記組成物中に0.1重量%~20重量%の量だけ含有されていることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記第1の壁(100)及び前記第2の壁(101)がそれぞれ、内層(106)及び外層(107)を有し、前記内層(106)及び/又は前記外層(107)が、抗菌活性添加剤を含有する組成物により製造されるか、又は抗菌活性添加剤を含有する組成物により製造されたコーティングを有することを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
【請求項9】
請求項8に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記第1のストリップ体(212)が、前記第1の壁(100)の前記内層(106)と前記外層(107)との間に封入され、及び/又は、前記第2のストリップ体(202)が前記第2の壁(101)の前記内層(106)と前記外層(107)との間に封入されていることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
【請求項10】
請求項8または9に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記第1の封鎖部(104)は前記第1の壁(100)の前記内層(106)によって形成され、
前記第2の封鎖部(105)は前記第2の壁(101)の前記内層(106)によって形成されることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記封鎖位置において、前記第1の封鎖部(104)および前記第2の封鎖部(105)が、互いに対して密閉状態で静止していることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記第1の壁(100)および/または前記第2の壁(101)がフレキシブルであることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記第1のストリップ体(212)および/または前記第2のストリップ体(202)が、弾性体であることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記第1のストリップ体(212)および/または前記第2のストリップ体(202)は、磁性材料から成形されるか、または個別の磁気要素で形成された磁石配列(23、24)を含むことを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記封鎖装置(2)が、横方向(X)に沿って延びる第3のストリップ体(222)を有する第3の封鎖部(22)を有し、
当該第3のストリップ体(222)は、前記第1の壁(100)上のオフセットされた部分(102)であって、前記第1の封鎖部(104)とは異なる部分に配置され、
前記封鎖位置において、前記第3の封鎖部(22)と前記第1の封鎖部(21)とが、磁気的に互いに引き合うように作用することを特徴とする、ストレージデバイス。
【請求項16】
請求項15に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記封鎖位置において、前記第3のストリップ体(222)と前記第1のストリップ体(212)とは、その表面が互いに向き合うように対向していることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
【請求項17】
請求項15または16に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記封鎖位置において、前記収納体(10)は、オフセットされた部分(102)と、第1の封鎖部(104)と、の間の領域で折り畳まれることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
【請求項18】
液体または物品を保持するための収納体(10)であって、第1の壁(100)および第2の壁(101)を有する収納体(10)と、
前記収納体(10)を閉じるための磁気封鎖装置(2)であって、第1の封鎖部(21)および第2の封鎖部(20)を有する磁気封鎖装置(2)と、
を備える、ストレージデバイス(1)において、
当該ストレージデバイス(1)は、前記第1の封鎖部(21)および前記第2の封鎖部(20)を有し、
前記第1の封鎖部(21)および前記第2の封鎖部(20)は、前記収納体(10)が閉じられる封鎖位置において、前記第1の壁(100)の第1の封鎖部(104)と、前記第2の壁(101)の第2の封鎖部(105)とが、互いに対して静止するように、磁気的に引き合うように作用する、ストレージデバイス(1)であって、
前記第1の壁(100)、前記第2の壁(101)、前記第1の封鎖部(21)および/または前記第2の封鎖部(20)が、全体的にまたは部分的に、抗菌活性添加剤を含有する組成物により製造され、該添加剤が、多孔質ガラス粒子と抗菌金属材料とを含む混合物から製造される、抗菌活性ガラス粉であることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載のストレージデバイスに関する。
【0002】
このようなストレージデバイスは、液体、気体、または物品を保持するための収納体を含んで構成される。ここで、物品の例としては、例えば、携帯電話、タブレットやノートパソコンに装備されるカメラなどの電子物品、あるいは日常生活で用いられる他の物品(例えば、財布やクレジットカードなどの支払手段)が挙げられる。
【0003】
収納体は、第1の壁と第2の壁とを有し、これらの壁の間に、ストレージデバイスに保持されるべき物品を収納することができる。ストレージデバイスは、収納体を封鎖するための磁気封鎖装置を含み、この磁気封鎖装置は、第1の封鎖部と第2の封鎖部とを含む。一実施形態では、第1の封鎖部は横方向に沿って細長く、かつ第1の壁の第1の封鎖部上に配置される第1のストリップ体を有する。第2の封鎖部は、横方向に沿って細長く、かつ第2の壁の第2の封鎖部上に配置される第2のストリップ体を有する。第1の封鎖部と第2の封鎖部は、収納体が閉じられた封鎖位置において、第1の封鎖部と第2の封鎖部とが互いに対して触れ合うように(aneinander anliegen)、磁気的に互いに引き合う態様で作用する。
【0004】
このようなストレージデバイスは、例えば特許文献1により公知となっている。
このようなストレージデバイスは、物品を収納して保護し、とりわけ湿気や汚れ、あるいはその他の外的影響から、物品を保護する役割を果たす。これは、ウォータースポーツのような過酷な環境下だけではなく、例えば仕事場などにおいても、物品を持ち運ぶことを可能にするためである。
また、バッグ型ストレージデバイスに物品を入れて持ち運び、安全に取り扱えるようにしたいという一般的なニーズもある。
【0005】
特許文献2では、携帯電話用のセキュリティバッグが公知となっている。これによれば、電気的シールドが施されているうえに、バッグが銀を担持した材料で製造されているので、抗菌性を有することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第2571391号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開2015/052617号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、液体、気体または物品(特に携帯電話のような電子物品)を、過酷となり得る環境においても、安全な取り扱いで持ち運ぶことができるストレージデバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有するストレージデバイスによって達成される。
【0009】
したがって、第1の壁、第2の壁、第1のストリップ体および/または第2のストリップ体の全部または一部が、抗菌活性添加剤を含有する組成物から作製される。
【0010】
日常生活において、物品の取り扱いを通じての感染症を防ぐために、ウィルスや細菌などの微生物に対する安全性を確保することが必要である。このようなニーズは、特に病院などの微生物が繁殖しやすい環境において見受けられる。
【0011】
このため、ここで提案するストレージデバイスは、少なくとも部分的には、抗菌特性を有する組成物から作製される。特に、ストレージデバイスの第1の壁および/または第2の壁は、抗菌活性添加剤を含有するそのような組成物から(完全に)製造することができ、あるいは抗菌活性添加剤を含有する組成物から製造されるコーティング(それゆえ部分的に上記組成物から製造されると言える。)を備えることができる。さらにまたは代替的に、封鎖装置のストリップ体は、抗菌活性添加剤を含有する組成物により完全にまたは部分的に製造される。ここで「部分的に」とは、ストリップ体が、抗菌活性添加剤を含有する組成物から製造されたコーティングを有する場合である。
【0012】
収納体の少なくとも一部および/または封鎖装置の少なくとも一部が抗菌性を有するため、収納装置は、当該収納装置に収納された物品に対して殺菌効果を有し得る。これはとりわけ、収納体が、壁の内側、すなわち、物品を受け入れる収納体の内部空間に面する壁側(内壁)において抗菌性を有する場合に適用される。
【0013】
付加的にまたは代替的に、ストレージデバイスは、外側表面が抗菌活性を有するとしてもよい。それにより、ストレージデバイスが取り扱われる場合、例えばストレージデバイスがユーザによって把持される場合の、感染リスクを最小化することができる。
【0014】
添加剤を、抗菌活性を有するものとすることにより、当該添加剤によって、微生物の繁殖能力または感染力を低下させることができるか、あるいは微生物を死滅または不活性化することができる。このように、抗菌活性とは、微生物(例えば、細菌またはウィルス)に対向する性質を意味し、斯かる添加物の特性によって、その組成物が殺菌効果を奏することになるということである。
【0015】
上記の組成物は例えば、(その本質的な構成要素において)ポリマー材料またはシリコーン材料からなるとすることができ、これに抗菌活性添加剤が混和される。ここでの組成物は、第1の壁、第2の壁、第1のストリップ体および/または第2のストリップ体を製造するために使用することができるが、ストレージデバイスの構成要素の1つ又は複数におけるコーティングを製造するために使用してもよい。
【0016】
一実施形態では、添加剤は、銀材料、亜鉛材料、コバルト材料、カドミウム材料、ニッケル材料、銅材料、二酸化チタン材料及び/又は有機化合物を含有する粒子(特にナノ粒子)から構成される。特に銀系材料の粒子は、銀イオンを含有または放出することで抗菌効果を発揮することができる。しかしながら、同様にして用いられるものには、亜鉛系の、銅系の、または有機系の抗菌添加剤、より具体的にはフェノール系殺生物剤、第4級アンモニウム化合物(QACまたはQUAT)および殺菌剤(Fungizide)(例えばチアベンダゾール)が挙げられる。
【0017】
一実施形態では、添加剤は、多孔質ガラス粒子と抗菌金属材料(特に金属イオン)を含む混合物で構成される、抗菌活性ガラス粉末の形態として用いることができる。ガラス粉末の形態で用いられるこのような添加剤の例は、DE 10 2016 003 868 A1に記載されている。
【0018】
ガラス粉末の製造は、例えば、DE 10 2016 003 868 A1に記載されているように、以下:
Fe2O3の含有量が0.2重量%未満の条件下で押出成形により連続発泡させたホウケイ酸ガラスからの、微細孔やマクロ孔を有する多孔質ガラス粒子であって、その後、得られたガラスフォーム(Glasschaum)が乾式粉砕により平均粒子径1.0~8.0μmの大きさにまで粉砕されるもの;
アンモニウムイオンを0.1~0.2%含有する色安定剤;および
溶解した金属塩からの抗菌性金属イオンであって、当該金属イオンは、銀イオンおよび/または亜鉛イオンおよび/または銅イオンであり得るもの;
を含む混合物において、300℃~350℃の温度および1~120分の交換時間で部分的なイオン交換が行われることによって、効果的に製造される。
【0019】
例えば0.1重量%~20重量%の量の添加剤を、組成物中に含有させることができる。添加剤材料は、例えばプラスチックマトリックス(特にポリマーマトリックス)、またはシリコーンマトリックス中に埋め込むことができ、例えば粒子の形態で、組成物中に分散させることができる。
【0020】
一実施形態では、添加剤は、光に晒されると一重項酸素を発生する、少なくとも1つの光触媒を含む。光の影響下で(in-situで)生成される一重項酸素および関連する酸化効果は、細菌だけではなく、ウィルス、真菌、バイオフィルムおよび芽胞の効率的な殺傷をもたらす。このように、光触媒に対応する添加剤は、少なくとも抗菌効果を有する。例えば、添加剤としてDyphox (登録商標)を含有させることができ、あるいは添加剤自体がDyphox(登録商標)であることができる。DyphoxはドイツのレーゲンスブルクのTriOptoTec GmbHから販売されており、コーティング剤または添加剤として使用することができる。
【0021】
一実施形態では、第1の壁及び第2の壁はそれぞれ、内層及び外層を有する。ここでの内層及び/又は外層は、例えば抗菌活性添加剤を含有する組成物から製造することができ、あるいは、抗菌活性添加剤を含む組成物からなるコーティングを有するとしてもよい。したがって、第1の壁および第2の壁は、(少なくとも)2つの層で形成され、ここで、第1の壁および第2の壁が2つ以上の層を有するとも考えられ且つ可能である。ここでの内層及び/又は外層は、記載された組成物から製造されるものとしてもよく、従って、抗菌効果を有するとしてもよい。内層が上記の組成物から製造される場合、あるいはそのような組成物でコーティングが形成される場合、特に収納体の内部空間において抗菌活性が提供される。外層が上記の組成物から製造される場合、あるいはそのような組成物でコーティングが形成される場合、抗菌活性は、特にストレージデバイスの外面において提供される。
【0022】
一実施形態では、第1の封鎖部の第1のストリップ体は、第1の壁における内層と外層との間に封入される。さらに付加的にまたは代替的に、第2の封鎖部の第2のストリップ体は、第2の壁における内層と外層との間に封入されていてもよい。しっかりした(massiv)帯状テープとしてデザインすることができるそれぞれのストリップ本体は、したがって、内層と外層との間の中間層に配置され、したがって、層間に封入され、したがって、内層によって内側が覆われ、外層によって外側が覆われている。
【0023】
一実施形態では、第1の封鎖部は第1の壁の内層に対して形成され、第2の封鎖部は第2の壁の内層に対して形成される。したがって、それぞれの壁の封鎖部は、それぞれの壁の内層に対して一体的に成形される。封鎖位置では、それぞれの封鎖部は互いに対して平らな状態で静止し、収納体が外部に対して密閉状態で封鎖されるように、特に湿気が収納体の内部に入り込まないように流体密の状態で、密閉終端を生成する。
【0024】
一実施形態では、第1の壁及び/又は第2の壁は、可撓性である。特に、第1の壁および第2の壁の両方は、柔軟かつしなやかであり、したがって収納体は、液体、気体または物品を保持するためにその形状を適応させることができるように、柔軟でかつ可撓性であるとすることができる。したがって、このような壁を有する故に、収納体は、液体、気体または物品(特に携帯電話などの電子物品または日常生活に用いられる他の物品)が収納される、すなわち保護的に封入することのできる、袋状の形態に設計されている。したがって、このようなストレージデバイスは、特に、液体を保護しながら輸送するのに役立てることができ、特に、水分補給用ブラダーとして設計することができる。このようなストレージデバイスは、同様に、気体の輸送にも適している。
【0025】
一実施形態では、第1のストリップ体および/または第2のストリップ体は、弾性的に
形成されている。ここで、第1のストリップ体および/または第2のストリップ体は、収納体の壁に対して増大した剛性を有するが、同時に、特に横方向に対して垂直な縦方向に曲げることができるように、非常に弾性的である。
【0026】
そのストリップ体を有する封鎖部は、当該封鎖部を介して収納体に(密閉)終端を提供する役割を果たし、それにより収納体が封鎖位置で密封的に封鎖されるようになっている。そのためのストリップ体は、封鎖部上に配置され、それにより封鎖部に作用し、当該封鎖部は、磁気的に互いに引き合う態様で作用し、したがって2つの封鎖部は、ストレージデバイスがその封鎖位置にあるとき、互いに接触して磁気的に保持される。
【0027】
磁気的相互作用を提供するために、第1のストリップ体および/または第2のストリップ体はそれぞれ、磁気材料で(例えば、ストリップ体がプラスチック材料(特にポリマー材料)、またはシリコーン材料で形成されるように)形成されていてもよく、磁性粒子の形態の磁性材料が混和された状態とされてもよい。
【0028】
あるいは、ストリップ本体はそれぞれ個別の磁気要素の磁石配列を保持し、磁石配列の相互作用によってストリップ本体が磁気的に引き合うようにしてもよい。
【0029】
例えば、ストリップ体が永久磁石粒子を有する態様で形成され、したがって永久磁石材料で製造されている点、あるいは、封鎖部の磁石配列がそれぞれ永久磁石の配列で形成されている点で、各封鎖部が永久磁石として機能することが考えられる。
【0030】
しかし、代替的に、一方の封鎖部が永久磁石として作用し、他方の封鎖部が強磁性電機子として作用するとしてもよく、その場合には例えば、強磁性的に作用する封鎖部が強磁性材料(例えば、強磁性粒子が混入されたプラスチック材料)の帯体を有するか、あるいは、離散した強磁性要素を含有しているとしてもよい。
【0031】
封鎖部が離散的な磁気要素の磁石配列を含む場合、当該離散的な磁気要素は例えば横方向に沿って直線的に並んでいてもよく、ここで、当該離散的な磁気要素は例えば横方向に沿って互いに規則的に間隔をあけて配置されるとすることができる。しかしながら、2次元マトリックスを参照して、離散的な磁気素子を行および列をなすように配列することも考えられ、またそのような配列も可能である。
【0032】
一実施形態では、封鎖装置は、(第1の封鎖部と第2の封鎖部とに加えて)横方向に沿って延びた第3のストリップ体を有する第3の封鎖部を備えていてもよく、当該第3の封鎖部は、第1の封鎖部とは異なる位置であって、第1の壁に対してオフセットされた位置に配置されていてもよい。封鎖位置において、第3封鎖部は、例えば、第1の封鎖部と磁気的に互いに引き合うように作用することができ、例えば、封鎖位置にある第1の封鎖部及び第2の封鎖部を収納体に対して定位置に保持する役割を果たすことができる。
【0033】
オフセット部は、横方向に対して垂直な第1の壁に沿って見た場合、特に、第1の封鎖部から間隔を空けて配置される。したがって、第3の封鎖部は、第1の壁上で第1の封鎖部と平行に延在しているが、第1の封鎖部に対して横方向にオフセットされている。
【0034】
封鎖位置では、例えば第3のストリップ体と第1のストリップ体は、表面が互いに向き合った状態で平坦に対向することができる。封鎖部は、第1の封鎖部が第3の封鎖部に対して規定された位置関係で保持されるように、磁気的に互いに引き合う態様で作用する。
【0035】
閉位置において、第3封鎖部に対する第1の封鎖部の保持により、特に収納体は、第3封鎖部が配置されたオフセット部と第1の壁の第1の封鎖部との間の領域において、特に壁が横方向に垂直な断面の延長経路に沿って見て180°折り曲げられることにより、折り畳まれることができる。これにより、収納体の閉位置での気密性を向上させることができる。
【0036】
その目的はまた、物品を収納するためのストレージデバイスであって、第1の壁と第2の壁とを有する収納体と、収納体を閉じるための磁気封鎖装置とを備え、当該磁気封鎖装置は、第1の封鎖部と第2の封鎖部とを有する、ストレージデバイスによって達成される。第1の封鎖部と第2の封鎖部とは、収納体が閉じられる封鎖位置において、第1の壁の第1の封鎖部と第2の壁の第2の封鎖部とが互いに静止するように、磁気的に互いに引き合う態様で作用する。第1の壁、第2の壁、第1の封鎖部および/または第2の封鎖部が、全体的にまたは部分的に、抗菌活性添加剤を含有する組成物から製造され、添加剤が、多孔質ガラス粒子と抗菌金属材料とを含む混合物でできている抗菌活性ガラス粉末である。斯かるストレージデバイスが提供される。
【0037】
それぞれの構成要素を製造する前の初期状態で、ガラス粉末として存在するそのような添加剤は、例えばDE 10 2016 003 868 A1に記載されている。ガラス粉末の製造は、例えば、DE 10 2016 003 868 A1に記載されているように、以下:
Fe2O3の含有量が0.2重量%の条件下で、押出成形により連続的に発泡させたホウケイ酸ガラスからの、微細孔及びマクロ孔を有する多孔質ガラス粒子であって、その後、得られたガラスフォームが乾式粉砕により平均粒子径1.0~8.0μmの大きさにまで粉砕される、多孔質ガラス粒子;
アンモニウムイオンを0.1~0.2%含有する色安定剤;および
溶解した金属塩からの抗菌性金属イオンであって、当該金属イオンは、銀イオンおよび/または亜鉛イオンおよび/または銅イオンであり得る、抗菌性金属イオン;
を含む混合物において、300℃~350℃の温度および1~120分の交換時間で部分的なイオン交換が行われることによってもたらすことが可能である。
【0038】
添加剤は例えば、0.1重量%~20重量%の量だけ組成物中に含有させることができる。添加剤は、例えばプラスチックマトリックス(特にポリマーマトリックス)、またはシリコーンマトリックス中に埋め込むことができ、例えば粒子の形態で組成物中に分散させることができる。
【0039】
このストレージデバイスの利点と、有利な実施形態とに関して、上述したストレージデバイスへの言及も行われる。
【0040】
以下、本発明の基礎となる考え方を、添付図面に示される例示的な実施形態を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】例示的な実施形態に係る、収納体および封鎖装置を備えたストレージデバイスを示す図である。
【
図2】
図1と同様の配置での、ストレージデバイスの分解図である。
【
図3B】ストレージデバイスの、
図3Aの線A-Aに沿った断面図である。
【
図3C】ストレージデバイスの、
図3BにおけるB部の拡大図である。
【
図4】別の例示的な実施形態に係る、収納体及び封鎖装置を備えたストレージデバイスを示す図である。
【
図5】
図4と同様の配置での、ストレージデバイスの分解図である。
【
図6B】ストレージデバイスの、
図6Aの線C-Cに沿った断面図である。
【
図6C】ストレージデバイスの、
図6BにおけるC部の拡大図である。
【
図7】さらに別の例示的な実施形態に係る、収納体及び封鎖装置を備えたストレージデバイスを示す図である。
【
図8】
図7と同様の配置での、ストレージデバイスの分解図である。
【
図9B】は、ストレージデバイスの、
図9Aの線A-Aに沿った断面図である。
【
図9C】は、ストレージデバイスの、
図9BにおけるB部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1から
図3A~3Cまでには、ストレージデバイス1の第1の例示的な実施形態を示している。当該ストレージデバイス1は、壁100,101を有する収納体10を備えている。当該収納体10は、液体、気体、または物品(特に携帯電話などの電子物品または日常生活で用いられる別の物品(例えば財布や支払手段など))を保持するように設計されている。
【0043】
壁100、101は、例えば、横方向Xに沿って互いに間隔を空けて平行に配置された横方向縁部を溶接することにより、また、縦方向Zに沿った下縁部を溶接することにより、互いに接続されている。そして、壁100、101は、閉鎖位置において収納体10の内部用積が密封状態で閉鎖されるように、上縁部の領域において封鎖装置2によって閉鎖されるようになっている。それにより、そこに収納された物品は、外部の影響、特に湿気および汚れから保護されるようになっている。
【0044】
壁100、101は、収納体10が柔軟に変形できるように、特に、収納体10に物品を柔軟な状態で収納できるように、柔軟性を有する設計とされる。
【0045】
図3Cの断面図からも分かるように、各壁100,101は、2つの層106,107によって形成されており、そのうちの内層106は収納体10の内面側を指し、外層107は外面側を指す。
【0046】
封鎖装置2は、3つの封鎖部20、21、22を含む。
【0047】
これらの封鎖部20、21、22のうち、第1の封鎖部21は第1の壁100の封鎖部104上に配置され、第2の封鎖部20は第2の壁101の封鎖部105上に、封鎖部20、21がそれぞれ関連する壁100、101に対して同じ高さで垂直方向Zに沿って延びるように配置される。封鎖部20、21は、ストレージデバイス1の封鎖位置において、関連する壁100、101の内側層106によってそれぞれ形成されている封鎖部104、105が平らな状態となるようにし、密閉状態で互いに対して静止するように、磁気的に引き合う態様で作用する。
【0048】
第3の封鎖部22は、第1の壁100の部分102上に配置されるとともに、第1の壁100の封鎖部104からオフセットされ、
図3Cに示すような断面において封鎖部104から延びる延長経路に沿って見た場合、第1の封鎖部21から横方向にオフセットされて配置されている。
【0049】
封鎖部20、21、22はそれぞれ、横方向Xに沿って細長く形成されることで縦方向Zに対して横方向に延びるストリップ本体202、212、222を有する。
【0050】
封鎖部20、21、22は、磁気的に互いに引き合うように作用するように設計されている。図示された例示的な実施形態では、ストリップ体202、212、222はそれぞれ、磁気的に作用する材料で製造されている。すなわち、ストリップ体202、212、222は、例えば、プラスチック材料またはシリコーン材料で作られており、その中に磁気的に作用する粒子が埋め込まれているという点で、磁気的に作用する材料で製造されている。
【0051】
ストリップ体202、212、222はそれぞれ永久磁石として作用し、その後、
図3Cに示す順序でストリップ体202、212、222が互いに磁気的に引き合うように、互いに異なる極同士が対向するように作用するとしてもよい。あるいは、例えば、第1の封鎖部21のストリップ体212だけが永久磁石として作用し、他のストリップ体202、222は強磁性タイプのものとすることで、対応する封鎖部20、22が磁気電機子として作用するとしてもよい。さらに、例えば、封鎖部20、21において、対応するストリップ体202、212が永久磁石となるように設計し、一方で、第3の封鎖部22のストリップ体222が強磁性体となるように設計してもよい。
【0052】
例えば
図3Cから分かるように、ストリップ体202、212、222はそれぞれ、対応する壁100、101の内層106と外層107の間に封入されている。封鎖部21,22のストリップ体212,222は、第1の壁100の内層106と外層107との間に封入され、一方で、封鎖部20のストリップ体202は、第2の壁101の内層106と外層107との間に封入されている。
【0053】
封鎖部104、105は、壁100、101の内層106によって形成された封鎖部104、105が膜のように機能して互いに静止するように、第1の封鎖部21と第2の封鎖部20とによって互いに平坦な状態で接触するように促され、それにより収納体10を密封状態で封鎖する。封鎖部20、21は、第3の封鎖部22によって規定された位置に保持され、
図3Cを参照すれば分かるように、封鎖部104、105と、封鎖部104、105から横方向にオフセットされた部分102、103と、の間の領域における壁100、101の180度の畳み込み(Faltung)が効果的である。これにより、封鎖位置における封鎖装置2の気密性がさらに向上される。
【0054】
第1の封鎖部21および第2の封鎖部20はそれぞれ、ユーザが把持することのできるハンドル要素200、210を含む。封鎖部20、21に対して作用されることによって、封鎖部20、21はとりわけ、さらなる第3の封鎖部22から解放され、横方向Xおよび縦方向Zに対して垂直に向けられる開口方向Yに沿って互いに離間するように移動することができ、それにより収納体10の内部へのアクセスが可能となる。
【0055】
図示された例示的な実施形態では、ストレージデバイス1の少なくとも一部は、抗菌活性材料により製造されるか、または抗菌活性コーティングを備えている。材料は、例えば銀系、亜鉛系、銅系、コバルト系、カドミウム系の粒子、二酸化チタン系の粒子、または有機化合物系の粒子のような、抗菌活性添加剤を含む組成物で構成される。一実施形態では、抗菌活性材料は、光に晒されると一重項酸素を(in-situで)生成する光触媒を含有する材料である。例えば、抗菌活性材料は、Dyphox(登録商標)を含有する材料である。斯かる材料は、上記のようにストレージデバイスの部品を製造するのに使用することもできるし、あるいは1つ又は複数の部品をコーティングする塗膜を生産するために使用することもできる。
【0056】
例えば、壁100、101は、全体的に又は部分的に、そのような材料から製造されるとしてもよい。例えば、各壁100、101の内側層106及び/又は外側層107は、そのような材料により製造されているとすることができる。例えば、壁100、101のうちの一方または両方の内側層106が抗菌活性添加剤を含有する材料から製造される場合、ストレージデバイス1は、収納体10に収納された物品に対して抗菌効果を発揮する。外側層107が付加的または代替的に抗菌活性添加剤を含有する材料により製造される場合、ストレージデバイス1はその外側表面において抗菌効果を有する。
【0057】
ここでの内層106に用いられる材料と、外層107に用いられる材料とは、同じでも異なっていてもよい。
【0058】
付加的にまたは代替的に、ストリップ体202、212、222は、抗菌活性材料により製造することも可能である。
【0059】
図4から
図6A~
図6Cまでに示す例示的な実施形態では、ストリップ体202、212、222は、全体が磁性材料から製作されているわけではなく、各ストリップ体が、1列の磁石配列23、24、25それぞれの離散的な磁気素子が収容される収容用の開口201、211、221の配列を含む。離散的な磁気素子は、横方向Xに沿って1つずつ横に並び、それにより磁気素子の線形配列(lineares Array)を形成し、封鎖位置において、異なる封鎖部20、21、22の磁石配列23、24、25は、磁気的に互いに引き合うように作用し、結果として封鎖部104、105を介して収納体10を密封的に封鎖する。
【0060】
磁石配列23、24、25の離散的な磁気要素はそれぞれ、例えばネオジム材料などを用いた離散的な永久磁石によって形成することができる。しかしながら、単に1つの磁石配列23、24、25または2つの磁石配列23、24、25にだけ離散的な永久磁石が含まれ、他の(それ以外の)磁石配列23、24、25は離散的な強磁性活性要素を有するとする構成も考えられる。
【0061】
それ以外の構成については、
図4から
図6A~
図6Cまでの例示的な実施形態は、
図1から
図3A~
図3Cまでの例示的な実施形態と機能的に等しく、特に、抗菌活性添加剤を含有する材料を用いてストレージデバイス1の部品を製造することに関しても等しいので、これらの点に関して、先の説明を完全に参照することになる。
【0062】
図7から
図9A~
図9Cまでの例示的な実施形態は、
図4から
図6A~
図6Cまでの例示的実施形態に対応するが、斯かる場合、
図4から
図6A~
図6Cまでの例示的な実施形態に含まれる第3封鎖部22に相当する構成は存在せず、封鎖装置2は、したがって2つだけの封鎖部20、21によって形成されている。そうでなければ、収納装置1は、
図4から
図6A~
図6Cまでの収納装置1と機能的に同等である。
【0063】
なお、本発明の根幹をなす思想は、上述した例示的な実施形態に限定されるものではなく、全く異なる態様で実現することも可能である。
【0064】
特に、ここで述べた材料以外の材料であって、特に抗菌・抗ウィルス効果を有する抗菌活性添加物を含有する材料などを用いることも考えられ、また実現可能であると考えられる。
【符号の説明】
【0065】
1 ストレージデバイス
10 収納体
100,101 壁
102,103 部分
104,105 封鎖部
106 内層
107 外層
2 封鎖装置
20,21,22 封鎖部
200,210 把持要素
201,211,221 収容用開口
202,212,222 ストリップ体
23,24,25 磁石配列
X,Y,Z 方向
【手続補正書】
【提出日】2023-01-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
特に、ここで述べた材料以外の材料であって、特に抗菌・抗ウィルス効果を有する抗菌活性添加物を含有する材料などを用いることも考えられ、また実現可能であると考えられる。
以下、本発明の実施態様を記す。
〔態様1〕液体、気体または物品を保持するための収納体(10)であって、第1の壁(100)および第2の壁(101)を有する収納体(10)と、
収納体(10)を閉じるための磁気封鎖装置(2)であって、第1の封鎖部(21)および第2の封鎖部(20)を有する磁気封鎖装置(2)と、
を備える、ストレージデバイス(1)において、
前記第1の封鎖部(21)が、横方向(X)に沿って延びる第1ストリップ体(212)を有し、当該第1ストリップ体(212)は、第1の壁(100)の第1の封鎖部(104)上に配置され、
前記第2の封鎖部(20)が、横方向(X)に沿って延びる第2ストリップ体(202)を有し、当該第2ストリップ体(202)は、第2の壁(101)の第2の封鎖部(105)上に配置され、
ここで、前記第1の封鎖部(21)および前記第2の封鎖部(20)は、前記収納体(10)が閉じられる封鎖位置において、前記第1の封鎖部(104)および前記第2の封鎖部(105)が互いに静止するように、磁気的に互いに引き合う態様で作用する、前記ストレージデバイス(1)であって、
前記第1の壁(100)、前記第2の壁(101)、前記第1のストリップ体(212)および/または前記第2のストリップ体(202)の全部または一部が、抗菌活性添加剤を含有する組成物により製造されていることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
〔態様2〕態様1に記載のストレージデバイス(1)であって、前記第1の壁(100)の少なくとも1つの層、前記第2の壁(101)の少なくとも1つの層、前記第1のストリップ体(212)及び/又は前記第2のストリップ体(202)が、抗菌活性添加剤を含む組成物により製造されているか、又は前記抗菌活性添加剤を含む組成物により製造されたコーティングを有することを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
〔態様3〕態様1または2に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記組成物が、前記抗菌活性添加剤が混和されたポリマー材料またはシリコーン材料を含むことを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
〔態様4〕態様1から3のいずれか一態様に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記添加剤は、銀材料、亜鉛材料、コバルト材料、カドミウム材料、ニッケル材料、銅材料および/または二酸化チタン材料を含む粒子(特にナノ粒子)を含有することを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
〔態様5〕態様1から4のいずれか一態様に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記添加剤が、多孔質ガラス粒子と抗菌性金属材料とを含む混合物から製造される抗菌活性ガラス粉末であることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
〔態様6〕態様1から5のいずれか一態様に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記添加剤が、光に曝されると一重項酸素を発生する少なくとも1つの光触媒を含むことを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
〔態様7〕態様1から6のいずれか一態様に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記添加剤が、前記組成物中に0.1重量%~20重量%の量だけ含有されていることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
〔態様8〕態様1から7のいずれか一態様に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記第1の壁(100)及び前記第2の壁(101)がそれぞれ、内層(106)及び外層(107)を有し、前記内層(106)及び/又は前記外層(107)が、抗菌活性添加剤を含有する組成物により製造されるか、又は抗菌活性添加剤を含有する組成物により製造されたコーティングを有することを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
〔態様9〕態様8に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記第1のストリップ体(212)が、前記第1の壁(100)の前記内層(106)と
前記外層(107)との間に封入され、及び/又は、前記第2のストリップ体(202)が前記第2の壁(101)の前記内層(106)と前記外層(107)との間に封入されていることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
〔態様10〕態様8または9に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記第1の封鎖部(104)は前記第1の壁(100)の前記内層(106)によって形成され、
前記第2の封鎖部(105)は前記第2の壁(101)の前記内層(106)によって形成されることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
〔態様11〕態様1から10のいずれか一態様に記載のストレージデバイス(1)であって、前記封鎖位置において、前記第1の封鎖部(104)および前記第2の封鎖部(105)が、互いに対して密閉状態で静止していることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
〔態様12〕態様1から11のいずれか一態様に記載のストレージデバイス(1)であって、前記第1の壁(100)および/または前記第2の壁(101)がフレキシブルであることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
〔態様13〕態様1から12のいずれか一態様に記載のストレージデバイス(1)であって、前記第1のストリップ体(212)および/または前記第2のストリップ体(202)が、弾性体であることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
〔態様14〕態様1から13のいずれか一態様に記載のストレージデバイス(1)であって、前記第1のストリップ体(212)および/または前記第2のストリップ体(202)は、磁性材料から成形されるか、または個別の磁気要素で形成された磁石配列(23、24)を含むことを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
〔態様15〕態様1から14のいずれか一態様に記載のストレージデバイス(1)であって、前記封鎖装置(2)が、横方向(X)に沿って延びる第3のストリップ体(222)を有する第3の封鎖部(22)を有し、
当該第3のストリップ体(222)は、前記第1の壁(100)上のオフセットされた部分(102)であって、前記第1の封鎖部(104)とは異なる部分に配置され、
前記封鎖位置において、前記第3の封鎖部(22)と前記第1の封鎖部(21)とが、磁気的に互いに引き合うように作用することを特徴とする、ストレージデバイス。
〔態様16〕態様15に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記封鎖位置において、前記第3のストリップ体(222)と前記第1のストリップ体(212)とは、その表面が互いに向き合うように対向していることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
〔態様17〕態様15または16に記載のストレージデバイス(1)であって、
前記封鎖位置において、前記収納体(10)は、オフセットされた部分(102)と、第1の封鎖部(104)と、の間の領域で折り畳まれることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
〔態様18〕液体または物品を保持するための収納体(10)であって、第1の壁(100)および第2の壁(101)を有する収納体(10)と、
前記収納体(10)を閉じるための磁気封鎖装置(2)であって、第1の封鎖部(21)および第2の封鎖部(20)を有する磁気封鎖装置(2)と、
を備える、ストレージデバイス(1)において、
当該ストレージデバイス(1)は、前記第1の封鎖部(21)および前記第2の封鎖部(20)を有し、
前記第1の封鎖部(21)および前記第2の封鎖部(20)は、前記収納体(10)が閉じられる封鎖位置において、前記第1の壁(100)の第1の封鎖部(104)と、前記第2の壁(101)の第2の封鎖部(105)とが、互いに対して静止するように、磁気的に引き合うように作用する、ストレージデバイス(1)であって、
前記第1の壁(100)、前記第2の壁(101)、前記第1の封鎖部(21)および/または前記第2の封鎖部(20)が、全体的にまたは部分的に、抗菌活性添加剤を含有する組成物により製造され、該添加剤が、多孔質ガラス粒子と抗菌金属材料とを含む混合物から製造される、抗菌活性ガラス粉であることを特徴とする、ストレージデバイス(1)。
【国際調査報告】