(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-15
(54)【発明の名称】多層型活性センサーを使用して試料の溶液特性を測定するための装置、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
G01N 27/28 20060101AFI20230608BHJP
G01N 27/416 20060101ALI20230608BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
G01N27/28 Z
G01N27/416 341M
G01N27/416 353Z
G01N27/28 331Z
C12M1/34 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552502
(86)(22)【出願日】2021-05-13
(85)【翻訳文提出日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 US2021032237
(87)【国際公開番号】W WO2021231718
(87)【国際公開日】2021-11-18
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518038526
【氏名又は名称】アベイルズ メディカル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】ブイエ,クレイトン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ラジャン,ニティン ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ティース,アンドリュー エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ポンテ,エリザベス ボットボル
(72)【発明者】
【氏名】ハーゲット,メイケ
(72)【発明者】
【氏名】クノップメイチャー,オレン エス.
(72)【発明者】
【氏名】ラウファー,マイケル デー.
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029BB01
4B029CC01
4B029FA02
4B029GB02
(57)【要約】
微生物を含む試料の溶液特性を測定するための様々な装置、システム、および方法が開示されている。一実施形態では、センサー装置は、試料を受け取るように構成されたチャンバーキャビティーを包囲するチャンバー側壁を有する試料チャンバーと、試料を基準電極材料に輸送するための輸送要素を含む基準センサーと、活性電極層によって一部が覆われた基板から形成された活性センサーとを備えることが開示されている。活性センサーは、チャンバー側壁に沿って形成された窓開口部において、チャンバー側壁の少なくとも一部に結合され得る。活性センサーは、活性電極層がチャンバーキャビティーに面するように位置決めされ、チャンバーキャビティー内の試料が窓開口部を包囲するチャンバー側壁の少なくとも一部を通して活性電極層と流体接触できるようにすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料チャンバーを含む試料容器であって、前記試料チャンバーが、試料を受承するように構成されたチャンバーキャビティーを包囲するチャンバー側壁からなる、試料容器と、
基準電極材料および芯を含む基準センサーであって、前記試料の少なくとも一部が前記芯によって前記基準電極材料の方向に引き込まれるように前記芯が前記試料チャンバーと流体連通している、基準センサーと、
活性電極層によって一部が覆われた導電性基板から形成される活性センサーであって、同活性センサーが、前記チャンバー側壁に沿って形成された窓開口部において前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合され、前記活性センサーのどの部分も前記チャンバーキャビティー内に延びない、活性センサーと、
を備え、
前記チャンバーキャビティ内の前記試料が前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁の少なくとも一部を介して前記活性電極層と流体接触できるように、前記活性電極層が前記チャンバーキャビティに面し、
前記試料の溶液特性は、前記基準センサーおよび前記活性センサーが電気的にリーダーに結合されている場合に、前記活性センサーと前記基準センサーとの間で測定された電位差に基づいて決定される、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置。
【請求項2】
測定される前記溶液特性が酸化還元電位であり、前記活性電極層が白金層である、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項3】
測定される前記溶液特性はpHであり、前記活性電極層は酸化白金層および酸化タンタル層からなる、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項4】
前記導電性基板はステンレス鋼である、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項5】
前記活性電極層は、約50nm乃至500nmの活性電極層の厚みを有する、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項6】
前記活性センサーは、前記導電性基板と前記活性電極層との間に接着層をさらに備え、前記接着層は、5nm乃至50nmの接着層の厚みを有する、請求項5に記載のセンサー装置。
【請求項7】
前記接着層の厚みと前記活性電極層の厚みとの比は、約1:10乃至1:20である、請求項6に記載のセンサー装置。
【請求項8】
前記接着層はクロム層である、請求項6に記載のセンサー装置。
【請求項9】
前記活性電極層は、少なくとも50nmの活性電極層の厚みを有する、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項10】
前記試料容器が射出成形により形成されている間に、前記活性センサーが前記チャンバー側壁にインサート成形される、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項11】
前記活性センサーは、前記試料容器が射出成形により形成された後に、前記チャンバー側壁にプレス成形される、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項12】
前記チャンバー側壁は、前記窓開口部を包囲するとともに前記チャンバー側壁の外側側面に沿って形成される凹部からなり、前記活性センサーは、前記凹部内の前記チャンバー側壁の少なくとも一部に接着剤を介して接着される、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項13】
前記活性センサーは、活性電極側面と、前記活性電極側面の反対側の導電性基板側面と、複数の側面とを含み、前記側面は、前記チャンバー側壁および接着剤の少なくとも一方によって覆われて、前記側面が前記試料に接触することを防止する、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項14】
前記試料チャンバーは、その一部をポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレンのうちの少なくとも1つで形成されている、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項15】
前記基準電極材料は、前記芯の芯近位端に堆積または他の方法で塗布される、硬化または固化した銀‐塩化銀インクである、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項16】
試料チャンバーを含む試料容器であって、前記試料チャンバーが、試料を受承するように構成されたチャンバーキャビティーを包囲するチャンバー側壁からなる、試料容器と、
基準電極材料および芯を含む基準センサーであって、前記試料の少なくとも一部が前記芯によって前記基準電極材料の方向に引き込まれるように前記芯が前記試料チャンバーと流体連通している、基準センサーと、
活性電極層で部分的に覆われた非導電性プリント回路(PCB)基板で形成された活性センサーであって、前記活性電極層が前記PCB基板を貫通して延びる導電性ビアで前記PCB基板の複数の導電性コンタクトに電気的に結合され、前記活性センサーが前記チャンバー側壁に沿って形成された窓開口部で前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合され、前記活性センサーのどの部分も前記チャンバーキャビティー内に延びず、前記チャンバーキャビティー内の前記試料が前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁の少なくとも一部を通して前記活性電極層と流体接触することができるように、前記活性電極層が前記チャンバーキャビティーに面する、活性センサーと、
を備え、
前記試料の溶液特性は、前記基準センサーおよび前記活性センサーがリーダーに電気的に結合されている場合に、前記活性センサーと前記基準センサーとの間で測定された電位差に基づいて決定される、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置。
【請求項17】
前記PCB基板は、フレキシブルPCB基板である、請求項16に記載のセンサー装置。
【請求項18】
前記PCB基板の一部がポリイミドから形成されている、請求項16に記載のセンサー装置。
【請求項19】
前記PCB基板の一部がFR-4複合材料から形成されている、請求項16に記載のセンサー装置。
【請求項20】
前記導電性ビアが銅から形成されている、請求項16に記載のセンサー装置。
【請求項21】
測定される前記溶液特性が酸化還元電位であり、前記活性電極層が白金層または金層である、請求項16に記載のセンサー装置。
【請求項22】
前記活性電極層は、少なくとも50nmの活性電極層の厚みを有する、請求項16に記載のセンサー装置。
【請求項23】
前記試料容器が射出成形により形成されている間に、前記活性センサーが前記チャンバー側壁にインサート成形される、請求項16に記載のセンサー装置。
【請求項24】
測定される前記溶液特性はpHであり、前記活性電極層は金属酸化物層である、請求項16に記載のセンサー装置。
【請求項25】
前記チャンバー側壁は、前記窓開口部を包囲するとともに前記チャンバー側壁の外側側面に沿って形成される凹部からなり、前記活性センサーは、前記凹部内の前記チャンバー側壁の少なくとも一部に接着剤を介して接着される、請求項16に記載のセンサー装置。
【請求項26】
前記活性センサーは、前記活性電極層によって覆われた活性電極側面と、前記活性電極側面の反対側の、前記導電性コンタクトからなる導電性コンタクト側面と、複数の横側面とからなり、前記横側面が前記試料に接触することを防止するように前記横側面が前記チャンバー側壁および接着剤のうちの少なくとも一方によって覆われている、請求項16に記載のセンサー装置。
【請求項27】
試料チャンバーを含む試料容器であって、前記試料チャンバーが、試料を受承するように構成されたチャンバーキャビティーを包囲するチャンバー側壁からなる、試料容器と、
基準電極材料および芯要素を含む基準センサーであって、前記試料の少なくとも一部が前記芯要素によって前記基準電極材料の方向に引き込まれるように前記芯要素が前記試料チャンバーと流体連通している、基準センサーと、
貫通孔を含む非導電性高分子基板から形成される活性センサーであって、前記高分子基板の一面および前記貫通孔の一端が活性電極層によって覆われ、前記高分子基板の他方の面および前記貫通孔の他端が導電層によって覆われ、前記活性電極層が前記貫通孔の複数の側面を覆う導電性コーティングを介して前記導電層に電気的に結合されている、活性センサーと、
を備え、
前記活性センサーが、前記チャンバー側壁に沿って形成された窓開口部において前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合され、前記活性センサーのいかなる部分も前記チャンバーキャビティー内に延びず、前記活性電極層が、前記チャンバーキャビティー内の試料が前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁の少なくとも一部を介して前記活性電極層と流体接触できるように、前記チャンバーキャビィテーに面し、
前記試料の溶液特性は、前記基準センサーおよび前記活性センサーが電気的にリーダーに結合されている場合に、前記活性センサーと前記基準センサーとの間で測定された電位差に基づいて決定される、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置。
【請求項28】
前記活性電極層は白金層である、請求項27に記載のセンサー装置。
【請求項29】
前記導電層は金層である、請求項27に記載のセンサー装置。
【請求項30】
前記活性電極層は、少なくとも50nmの活性電極層の厚みを有する、請求項27に記載のセンサー装置。
【請求項31】
前記活性センサーは、約100μm乃至6.0mmの幅寸法および約100μm乃至6.0mmの長さ寸法を有する矩形の部品である、請求項27に記載のセンサー装置。
【請求項32】
前記貫通孔は、約10μm乃至100μmの直径を有する、請求項27に記載のセンサー装置。
【請求項33】
前記貫通孔の前記横側面を覆う前記導電性コーティングは、白金のコーティングである、請求項27に記載のセンサー装置。
【請求項34】
前記貫通孔の前記横側面を覆う前記導電性コーティングは、金のコーティングである、請求項27に記載のセンサー装置。
【請求項35】
前記試料容器が射出成形により形成されている間に、前記活性センサーが前記チャンバー側壁にインサート成形される、請求項27に記載のセンサー装置。
【請求項36】
前記活性センサーは、前記試料容器が射出成形により形成された後に、前記チャンバー側壁にプレス成形される、請求項27に記載のセンサー装置。
【請求項37】
前記チャンバー側壁は、前記窓開口部を包囲するとともに前記チャンバー側壁の外側側面に沿って形成される凹部からなり、前記活性センサーは、前記凹部内の前記チャンバー側壁の少なくとも一部に接着剤を介して接着される、請求項27に記載のセンサー装置。
【請求項38】
試料チャンバーを含む試料容器であって、前記試料チャンバーが、試料を受承するように構成されたチャンバーキャビティーを包囲するチャンバー側壁からなる、試料容器と、
基準電極材料および芯要素を含む基準センサーであって、前記試料の少なくとも一部が前記芯要素によって前記基準電極材料の方向に引き込まれるように前記芯要素が前記試料チャンバーと流体連通している、基準センサーと、
活性電極層によって一部が覆われた導電性ダボから形成される活性センサーであって、前記活性センサーが、前記チャンバー側壁に沿って形成された窓開口部において前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合され、前記活性電極層によって覆われた前記導電性ダボの一部が、前記チャンバーキャビティー内の前記試料が前記活性電極層と流体接触できるように、前記チャンバーキャビティー内に延び、前記導電性ダボの前記チャンバーキャビティー内に延びていない端部が前記チャンバー側壁から外に延びる、活性センサーと、
を備え、
前記試料の溶液特性は、前記基準センサーおよび前記活性センサーが電気的にリーダーに結合されている場合に、前記活性センサーと前記基準センサーとの間で測定された電位差に基づいて決定される、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置。
【請求項39】
測定される前記溶液特性が酸化還元電位であり、前記活性電極層が白金層である、請求項38に記載のセンサー装置。
【請求項40】
前記導電性ダボは、その一部がステンレス鋼で形成されている、請求項38に記載のセンサー装置。
【請求項41】
前記試料容器が射出成形により形成されている間に、前記活性センサーが前記チャンバー側壁にインサート成形される、請求項38に記載のセンサー装置。
【請求項42】
前記活性センサーが、前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁の一部に接着している、請求項38に記載のセンサー装置。
【請求項43】
前記導電性ダボは、丸みを帯びた縁部を有する実質的に円柱の形状である、請求項38に記載のセンサー装置。
【請求項44】
前記活性電極層は、少なくとも50nmの活性電極層の厚みを有する、請求項38に記載のセンサー装置。
【請求項45】
導電性基板を酸および塩基処理で洗浄するステップと、
前記導電性基板の片面上に接着層を堆積させるステップと、
前記接着層上に活性電極層を堆積させるステップと、
試料チャンバーのチャンバー側壁に沿って形成される窓開口部を覆う大きさの活性センサーを得るために、前記接着層および前記活性電極層で覆われた前記導電性基板を個片化するステップと、
前記活性センサーを前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合するステップと、
を含み、これにより、前記活性センサーのどの部分も前記試料チャンバー内のチャンバーキャビティー内に延びず、また、前記チャンバーキャビティー内の任意の試料が前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁の少なくとも一部を介して前記活性電極層と流体接触できるように、前記活性電極層が前記チャンバーキャビティーに面する、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置の製造方法。
【請求項46】
前記導電性基板を洗浄するステップが、前記導電性基板を硝酸で処理した後に、前記導電性基板を水酸化アンモニウム、イソプロピルアルコール、またはアセトンで処理するステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記導電性基板を個片化するステップは、前記導電性基板をレーザー切断、金属剪断、熱線切断、ダイカット、スタンピング、または鋸切断するステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記活性センサーを前記試料チャンバーの前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合するステップは、
前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁に沿って形成された凹部内の前記チャンバー側壁の一部に接着剤のビードを塗布するステップと、
前記活性センサーを前記凹部内の前記接着剤のビードに押圧するステップと、
前記接着剤を硬化させるステップと、
をさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記活性センサーを前記試料チャンバーの前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合するステップが、前記試料チャンバーが射出成形によって形成されている間に前記活性センサーを前記チャンバー側壁にインサート成形するステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項50】
前記活性センサーを前記試料チャンバーの前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合するステップは、
前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁の一部を局所的に溶融させるステップと、
前記活性センサーを、前記チャンバー側壁の前記溶融した部分に押圧するステップと、
前記チャンバー側壁の前記溶融した部分を冷却し、前記活性センサーを前記チャンバー側壁に貼付するステップと、
をさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項51】
前記活性電極層を堆積させるステップが、前記活性電極層の厚みが少なくとも50nmになるまで、前記活性電極層を構成する活性電極材料を堆積させるステップを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項52】
測定される前記溶液特性が前記試料の酸化還元電位(ORP)である場合に、前記活性電極材料が白金である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記活性電極層を堆積させるステップが、スパッタ堆積、気化蒸着法、電着、またはインクスクリーンプリントを使用して前記活性電極層を構成する活性電極材料を堆積させるステップを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項54】
前記接着層を堆積させるステップが、スパッタ蒸着を使用して前記接着層を構成する接着材料を堆積させるステップを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記接着層が真空チャンバー内で最初に堆積され、前記活性電極層が続いて前記真空チャンバー内で堆積される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
測定される前記溶液特性が前記試料のpHである場合に、前記活性電極材料が金属酸化物である、請求項51に記載の方法。
【請求項57】
前記金属酸化物が酸化白金であり、前記酸化白金が前記接着層上に堆積された白金層を覆う、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
非導電性プリント回路(PCB)基板を設けるステップと、
前記PCB基板の片面上に活性電極層を堆積させるステップであって、前記活性電極層は、前記堆積ステップの後に、前記PCB基板を通って延びる導電性ビアによって前記PCB基板の複数の導電性コンタクトに電気的に結合される、堆積ステップと、
試料チャンバーのチャンバー側壁に沿って形成された窓開口部を覆う大きさの活性センサーを得るために、前記活性電極層によって覆われた前記PCB基板を個片化するステップであって、前記活性センサーが前記PCB基板を通って延びる少なくとも1つの導電性ビアを含む、個片化ステップと、
前記活性センサーを前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合するステップと、
を含み、これにより、前記活性センサーのどの部分も前記試料チャンバー内のチャンバーキャビティー内に延びず、また、前記チャンバーキャビティー内の任意の試料が前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁の少なくとも一部を介して前記活性電極層と流体接触できるように、前記活性電極層が前記チャンバーキャビティーに面する、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置の製造方法。
【請求項59】
前記活性電極層を堆積させるステップが、スパッタ蒸着、気化蒸着法、および電着を使用して前記活性電極層を構成する活性電極材料を堆積させるステップを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記活性電極層を堆積させるステップが、前記活性電極層の厚みが少なくとも50nmになるまで、前記活性電極層を構成する活性電極材料を堆積させるステップを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
測定される前記溶液特性が前記試料の酸化還元電位(ORP)である場合に、前記活性電極材料が白金または金である、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記導電性コンタクトは、一部が金から形成されている、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記活性センサーを前記試料チャンバーの前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合するステップは、
前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁に沿って形成された凹部内の前記チャンバー側壁の一部に接着剤のビードを塗布するステップと、
前記活性センサーを前記凹部内の前記接着剤のビードに押圧するステップと、
前記接着剤を硬化させるステップと、
をさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項64】
前記活性センサーを前記試料チャンバーの前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合するステップが、前記試料チャンバーが射出成形によって形成されている間に前記活性センサーを前記チャンバー側壁にインサート成形するステップをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項65】
前記活性センサーを前記試料チャンバーの前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合するステップは、
前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁の一部を局所的に溶融させるステップと、
前記活性センサーを、前記チャンバー側壁の前記溶融した部分に押圧するステップと、
前記チャンバー側壁の前記溶融した部分を冷却し、前記活性センサーを前記チャンバー側壁に貼付するステップと、
をさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項66】
複数の貫通孔を有する非導電性高分子基板を設けるステップと、
前記高分子基板の片面上に導電層を堆積させるステップと、
前記高分子基板の別の面上に活性電極層を堆積させるステップであって、前記貫通孔の一端が前記活性電極層によって覆われ、前記貫通孔の他端が前記導電層によって覆われ、前記活性電極層が、前記堆積ステップ後に、前記貫通孔の複数の横側面を覆う導電性コーティングを介して前記導電層と電気的に結合される、堆積ステップと、
試料チャンバーのチャンバー側壁に沿って形成される窓開口部を覆う大きさの活性センサーを得るために、前記活性電極層および前記導電層で覆われた前記高分子基板を個片化するステップであって、前記活性センサーが、前記活性電極層および前記導電層で覆われた少なくとも1つの貫通孔を含んでいる、個片化ステップと、
前記活性センサーを前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合するステップと、を含み、これにより、前記活性センサーのどの部分も前記試料チャンバー内のチャンバーキャビティー内に延びず、また、前記チャンバーキャビティー内の任意の試料が前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁の少なくとも一部を介して前記活性電極層と流体接触できるように、前記活性電極層が前記チャンバーキャビティーに面する、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置の製造方法。
【請求項67】
前記活性電極層を堆積させるステップが、スパッタ蒸着、気化蒸着法、および電着を使用して前記活性電極層を構成する活性電極材料を堆積させるステップを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記活性電極層を堆積させるステップが、前記活性電極層の厚みが少なくとも50nmになるまで、前記活性電極層を構成する活性電極材料を堆積させるステップを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
測定される前記溶液特性が前記試料の酸化還元電位(ORP)である場合に、前記活性電極材料が白金である、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記導電層を堆積させるステップは、前記高分子基板の他方の面上に導電性材料を堆積させるステップを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項71】
前記導電性材料が金である、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記活性センサーを前記試料チャンバーの前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合するステップは、
前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁に沿って形成された凹部内の前記チャンバー側壁の一部に接着剤のビードを塗布するステップと、
前記活性センサーを前記凹部内の前記接着剤のビードに押圧するステップと、
前記接着剤を硬化させるステップと、
をさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項73】
前記活性センサーを前記試料チャンバーの前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合するステップが、前記試料チャンバーが射出成形によって形成されている間に前記活性センサーを前記チャンバー側壁にインサート成形するステップをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項74】
前記活性センサーを前記試料チャンバーの前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合するステップは、
前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁の一部を局所的に溶融させるステップと、
前記活性センサーを、前記チャンバー側壁の前記溶融した部分に押圧するステップと、
前記チャンバー側壁の前記溶融した部分を冷却し、前記活性センサーを前記チャンバー側壁に貼付するステップと、
をさらに含む、請求項66に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、試料の溶液特性を測定するための診断装置に関する。より具体的には、本開示は、多層型活性センサーを使用して試料の溶液特性を測定する装置、システム、および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
病院や介護施設などの医療現場では、抗感染症薬耐性菌や微生物による感染症が大きな課題になっている。例えば、感染症では、感染病原体が血流に放出する化学物質が、危険な全身の炎症反応の他、血管作動性反応を引き起こし、発熱、血圧低下、そして死に至らしめる可能性がある敗血症として周知の生命を脅かす可能性のある合併症を引き起こし得る。このような感染症に直面した場合に、臨床医は抗感染症薬を慎重に、できれば感染症を緩和するために必要なもののみを使用することが好ましい処置である。
【0003】
しかしながら、現在最も頻繁に行われているのは、菌が特定され薬剤感受性が検査されるまでは、幅広い抗感染症薬、多くは複数の薬剤が投与され、治療の妥当性を確認することである。その結果、複数の薬剤耐性感染症が発生する傾向がある。理想的なのは、感染病原体の存在が確認された後、すぐにその感度を検知することである。抗感染症薬に対するこのような感染病原体の罹病性を判定するためには、この感染病原体を含む試料を定量化する必要があり、そのためには、試料の微生物増殖の有無を分析する必要がある。
【0004】
生体試料やその他の種類の試料中の感染因子および病原体を分析するために使用される既存のバイオセンサーは、対象となる試料と流体的に接触または連通している活性検知要素および基準検知要素を含むことが多い。現在の生体外診断用測定装置、特に生体試料や流体試料中の酸化還元電位(ORP)およびpHを検知するための装置は、高性能かつ低コストの両者を考慮した設計になっていないことが多い。さらに、患者試料の交差汚染を防止することが重要であるため、診断測定システムの検知要素は使い捨て可能な消耗品であることが好ましい構成である。そのため、使い捨ての検知要素は、コストおよび製造性が相当重視される。
【0005】
従来のバイオセンサーは、高価なガラス基板やシリコン基板を使用することが多く、その分コストが高く、製造工程も多く必要である。さらに、このようなバイオセンサーの活性検知要素は、生体試料や他の流体試料が、試料との接触を意図していない活性検知の導電部分に不用意に接触すると、誤動作を起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、上記の課題および制限を解決する解決策が必要とされている。このような解決策は、使い捨てであり、製造の費用効果があることが望ましい。しかしながら、このような解決策は、正確な測定が可能であることや、生体適合性の高い材料で形成されることも必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
微生物を含む試料の溶液特性(例えば、ORPまたはpH)を測定するための装置、システム、および方法が開示されている。一実施形態では、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置が開示されている。センサー装置は、試料チャンバーからなる試料容器で構成することができる。試料チャンバーは、試料を受承するように構成されたチャンバーキャビティーを包囲するチャンバー側壁からなる。センサー装置はまた、試料チャンバーと流体連通している基準電極材料および芯からなる基準センサーを備え得る。試料の少なくとも一部は、芯によって基準電極材料の方向に吸い上げられることができる。
【0008】
また、導電性基板の一部を活性電極層で覆ったものから形成される活性センサーで構成することも可能である。活性センサーは、チャンバー側壁に沿って形成された窓開口部において、チャンバー側壁の少なくとも一部に結合され得る。いくつかの実施形態では、活性センサーのどの部分もチャンバーキャビティー内に延びない。窓開口部を包囲するチャンバー側壁の少なくとも一部を介して、チャンバーキャビティー内の試料が活性電極層と流体接触することができるように、活性電極層は、チャンバーキャビティーに面することができる。基準センサーおよび活性センサーをリーダー装置に電気的に接続し、活性センサーと基準センサーとの間で測定される電位差に基づいて、試料の溶液特性を決定することができる。
【0009】
測定される溶液特性は、酸化還元電位とすることができる。測定される溶液特性はpHであってもよい。活性電極層は、酸化白金層(白金層上に形成)および酸化タンタル層のうちの少なくとも一方からなり得る。導電性基板は、ステンレス鋼からなり得る。活性電極層は、約50nm乃至500nmの活性電極層の厚みを有することができる。活性センサーは、導電性基板と活性電極層との間に接着層をさらに含むことができる。接着層は、5nm乃至50nmの厚みを有することができる。接着層の厚みと活性電極層の厚みとの比は、約1:10乃至1:20であり得る。接着層は、クロム層、金層、ニッケル層のいずれであってもよい。
【0010】
活性層は、約400nmの活性電極層の厚みを有することができる。試料容器が射出成形で形成されている間に、活性センサーがチャンバー側壁にインサート成形されることができる。活性センサーは、射出成形で試料容器を成形した後に、チャンバー側壁にプレス成形することができる。チャンバー側壁は、窓開口部を包囲する凹部で構成することができる。凹部は、チャンバー側壁の外側側面に沿って形成することができる。活性センサーは、接着剤を介して凹部内のチャンバー側壁の少なくとも一部に接着することができる。
【0011】
活性センサーは、活性電極側面と、活性電極側面とは反対側の導電性基板側面と、側面とから構成され得る。側面は、チャンバー側壁および接着剤のうちの少なくとも一方によって覆われ、側面が試料に接触するのを防止することができる。試料チャンバーは、その一部をポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレンのうちの少なくとも1つで形成可能である。基準電極材料は、硬化した導電性インクを芯の近位端に蒸着またはその他の方法で塗布したものとすることができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、活性センサーは、電極層によって一部が覆われた非導電性プリント回路(PCB)基板で形成可能である。活性電極層は、PCB基板を貫通して延びる導電性ビアによってPCB基板の導電性コンタクトに電気的に結合することができる。PCB基板は、フレキシブルPCB基板とすることができる。
【0013】
PCB基板は、その一部をポリイミド、FR-4複合材料、銅などで形成可能である。測定される溶液特性は、酸化還元電位とすることができる。活性電極層は、白金層であっても金層であってもよい。活性電極層は、少なくとも50nmの活性電極層を有することができる。特定の実施形態において、活性電極層は、少なくとも400nmの活性電極層の厚みを有することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、活性センサーは、貫通孔を含む非導電性ポリマー基板で形成可能である。高分子基板の片面および貫通孔の一端は、導電層で覆うことができる。活性電極層は、貫通孔の横側面を覆う導電性コーティングを介して導電層と電気的に結合することができる。
【0015】
活性電極層は、白金層であっても金層であってもよい。活性電極層は、少なくとも50nmの活性電極層を有することができる。特定の実施形態において、活性電極層は、少なくとも400nmの活性電極層の厚みを有することができる。
【0016】
活性センサーは、約100μm乃至6.0mmの間の幅寸法および約100μm乃至6.0mmの間の長さ寸法を有する矩形の部品とすることが可能である。貫通孔の直径は、約10μm乃至100μmであり得る。貫通孔の横側面を覆う導電性コーティングは、白金や金などのコーティングを使用することができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、活性センサーは、活性電極層によって一部が覆われた導電性ダボで形成することができる。活性センサーは、チャンバー側壁に沿って形成された窓開口部において、チャンバー側壁の少なくとも一部に結合され得る。導電性ダボの活性電極層で覆われた部分は、チャンバーキャビティー内の試料が活性電極層と流体接触することができるように、チャンバーキャビティー内に延びることができる。導電性ダボのチャンバーキャビティー内に延びない端部は、チャンバー側壁の外側に延びることができる。導電性ダボは、一部をステンレス鋼で形成することができ、実質的に丸みを帯びた縁部を有する円柱として形状を形成することができる。
【0018】
また、試料の溶液特性を測定する方法も開示されている。この方法は、導電性基板を酸および塩基処理で洗浄することと、導電性基板の片面上に接着層を堆積させることと、接着層上に活性電極層を堆積させることとを含み得る。この方法は、試料チャンバーのチャンバー側壁に沿って形成された窓開口部を覆う大きさの活性センサーを得るために、接着層および活性電極層で覆われた導電性基板を個片化することをさらに含み得る。この方法は、活性センサーのどの部分も試料チャンバー内のチャンバーキャビティーに延びず、かつ活性電極層がチャンバーキャビティーに面して、チャンバーキャビティー内の任意の試料が窓開口部を包囲するチャンバー側壁の少なくとも一部を介して活性電極層と流体接触するように、活性センサーをチャンバー側壁の少なくとも一部に結合することをさらに含むことができる。
【0019】
この方法は、導電性基板を硝酸で処理した後に、導電性基板を水酸化アンモニウム、イソプロピルアルコール、またはアセトンで処理することをさらに含むことができる。この方法は、導電性基板をレーザー切断、金属剪断、熱線切断、ダイカット、スタンピング、または鋸切断することをさらに含むことができる。
【0020】
この方法は、窓開口部を包囲するチャンバー側壁に沿って形成された凹部内のチャンバー側壁の一部に接着剤のビードを塗布することをさらに含むことができる。この方法は、活性センサーを凹部内の接着剤のビード上に押し付けることと、接着剤を硬化させることとをさらに含むことができる。
【0021】
この方法は、射出成形によって試料チャンバーを形成する間に、活性センサーをチャンバー側壁にインサート成形することをさらに含むことができる。この方法は、窓開口部を包囲するチャンバー側壁の一部を局所的に溶融することと、活性センサーをチャンバー側壁の溶融した部分に押し付けることと、チャンバー側壁の溶融した部分を冷却して活性センサーをチャンバー側壁に貼付することとをさらに含むことができる。
【0022】
方法は、活性電極層を構成する活性電極材料を、活性電極層の厚みが少なくとも50nmになるまで堆積させることをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、方法は、活性電極層を構成する活性電極材料を、活性電極層の厚みが少なくとも400nmになるまで堆積させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、測定される溶液特性が試料の酸化還元電位(ORP)である場合に、活性電極材料は白金であり得る。活性電極材料は、スパッタ蒸着、気化蒸着法、電着、インクスクリーンプリントなどを使用して堆積させることができる。
【0023】
方法は、スパッタ蒸着を使用して接着層を構成する接着材料を堆積させることをさらに含むことができる。接着層は真空チャンバー内で堆積させ、活性電極層は同じ真空チャンバー内で接着層に続いて堆積させることができる。
【0024】
測定する溶液の特性が試料のpHである場合に、活性電極材料は金属酸化物とすることができる。いくつかの実施形態では、金属酸化物は酸化白金であり得、酸化白金は、接着層上に堆積された白金層を覆うことができる。
【0025】
いくつかの実施形態において、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置を製造する方法は、非導電性プリント回路(PCB)基板を提供することと、PCB基板の片面に活性電極層を堆積させることとを含むことができる。活性電極層は、PCB基板を貫通して延びる導電性ビアによってPCB基板の導電性コンタクトに電気的に結合することができる。この方法は、試料チャンバーのチャンバー側壁に沿って形成された窓開口部を覆う大きさの活性センサーを得るために、活性電極層で覆われたPCB基板を個片化することをさらに含み得る。活性センサーは、PCB基板を貫通して延びる少なくとも1つの導電性ビアを含むことができる。この方法は、活性センサーのどの部分も試料チャンバー内のチャンバーキャビティーに延びず、活性電極層がチャンバーキャビティーに面し、チャンバーキャビティー内の任意の試料が窓開口部を包囲するチャンバー側壁の少なくとも一部を介して活性電極層と流体接触するように、活性センサーをチャンバー側壁の少なくとも一部に結合することをさらに含むことができる。
【0026】
方法は、スパッタ蒸着、気化蒸着法、および電着を使用して、活性電極層を構成する活性電極材料を堆積させることをさらに含むことができる。活性電極材料は、活性電極層の厚みが少なくとも50nmになるまで堆積させることができる。特定の実施形態では、活性電極材料は、活性電極層の厚みが少なくとも400nmになるまで堆積させることができる。測定する溶液特性が試料の酸化還元電位(ORP)である場合に、活性電極材料は白金または金とすることができる。導電性コンタクトを一部金で形成することができる。
【0027】
いくつかの実施形態において、センサー装置を製造する別の方法は、複数の貫通孔を含む非導電性高分子基板を設けることと、高分子基板の片面上に導電層を堆積させることとを含むことができる。この方法は、高分子基板の他方の面上に活性電極層を堆積させることをさらに含むことができる。各貫通孔の一端は活性電極層で覆われ、各貫通孔の他端は導電層で覆われ得る。活性電極層は、堆積ステップの後に、貫通孔の横側面を覆う導電性コーティングを介して導電層と電気的に結合させることができる。この方法は、試料チャンバーのチャンバー側壁に沿って形成された窓開口部を覆う大きさの活性センサーを得るために、活性電極層および導電層で覆われたポリマー基板を個片化することをさらに含むことができる。活性センサーは、活性電極層および導電層で覆われた少なくとも1つの貫通孔を含むことができる。
【0028】
この方法は、活性センサーのどの部分も試料チャンバー内のチャンバーキャビティーに延びず、活性電極層がチャンバーキャビティーに面し、チャンバーキャビティー内の任意の試料が窓開口部を包囲するチャンバー側壁の少なくとも一部を介して活性電極層と流体接触するように、活性センサーをチャンバー側壁の少なくとも一部に結合することをさらに含むことができる。導電層を堆積させることは、高分子基板の他方の面に導電性材料を堆積させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、導電性材料は、金であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1A】
図1Aは、試料の溶液特性を測定するための、一実施形態によるセンサー装置を示す正面図である。
【
図1B】
図1Bは、センサー装置の一部を示す側面断面図である。
【
図1C】
図1Cは、センサー装置のチャンバー側壁に接着された、センサー装置の活性センサーを示す拡大斜視図である。
【
図1D】
図1Dは、試料充填型センサー装置を示す断面図である。
【
図2】
図2は、センサー装置のチャンバー側壁にインサート成形された、一実施形態によるセンサー装置の活性センサーを示す図である。
【
図3A】
図3Aは、活性電極層で覆われた活性センサーの側面を示す頂面平面図であり、白黒画像である。活性センサーは、この画像ではチャンバー側壁の一部にモールド成形されている。
【
図3B】
図3Bは、
図3Aに示した活性センサーの反対側を示す白黒画像である。活性センサーは、この画像ではチャンバー側壁の一部にモールド成形されている。
【
図4A】
図4Aは、一実施形態による活性センサーを示す斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、ORPの測定に使用される一実施形態による活性センサーを示す側面図である。
【
図4C】
図4Cは、pHの測定に使用される別例による活性センサーを示す側面図である。
【
図4D】
図4Dは、pHの測定に使用される別例による活性センサーを示す側面図である。
【
図5A】
図5Aは、PCB基板を使用して形成された別例による活性センサーを示す側面図である。
【
図5B】
図5Bは、複数の個別の活性センサーに個片化可能な、活性電極層で覆われた1枚のPCB基板を示す図である。
【
図6A】
図6Aは、3つの個別の活性電極からなる活性センサーを示す白黒画像である。
【
図6C】
図6Cは、複数の個別の活性センサーに個片化可能な、1枚のPCB基板を示す白黒画像である。
【
図7】
図7は、貫通孔を含む非導電性高分子基板を、活性電極層および導電性コンタクト層で覆って形成した、さらなる別例による活性センサーを示す図である。
【
図8A】
図8Aおよび
図8Bは、活性センサーの2つの異なる実施形態を示す側面断面図である。
【
図8B】
図8Aおよび
図8Bは、活性センサーの2つの異なる実施形態を示す側面断面図である。
【
図9】
図9は、大型の非導電性プラスチックシートや大型のPCB基板を、複数の活性センサーに個片化することができることを示す図である。
【
図10】
図10は、導電性ダボから形成される活性センサーからなる、別例によるセンサー装置を示す側面図である。
【
図11】
図11は,大腸菌を含む3つの試料の酸化還元電位(ORP)の経時的変化を3種類のセンサーを使用して測定したグラフである。
【
図12】
図12は、本明細書で開示するセンサー装置を使用して、異なる開始濃度の大腸菌を含む4つの試料のpHの経時的変化を測定したグラフである。
【
図13A】
図13Aは、センサー装置を受承するとともにセンサー装置内の試料の溶液特性を測定するように構成されたリーダー装置を示す斜視図である。
【
図13B】
図13Bは、リーダー装置内に位置決めされた試料充填センサー装置を備えたリーダー装置を示す部分断面図である。
【
図13C】
図13Cは、リーダーハウジングを取り外した状態のリーダー装置の一部を示す斜視図である。
【
図13D】
図13Dは、リーダー装置のガスノズルがセンサー装置の底部に接続され、センサー装置内の試料を曝気させる態様を示す拡大図である。
【
図14】
図14は、試料の溶液特性を測定するための、一実施形態によるセンサー装置の製造方法を示す図である。
【
図15】
図15は、試料の溶液特性を測定するための、別例によるセンサー装置の製造方法を示す図である。
【
図16】
図16は、試料の溶液特性を測定するための、さらなる別例によるセンサー装置の製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書に記載された装置、システム、および方法の態様は、添付の図面と併せて読むと、詳細な説明から最もよく理解される。一般的な慣行に従って、図面の様々な要素は実寸大ではないことを強調する。特定の要素の寸法は、明確にするために拡大または縮小されており、すべての要素がすべての図面で表示またはラベル付けされているわけではない。図面は、説明のためにのみ示されたものであり、特許請求の範囲を示されたものに定義または限定することを意図するものではない。
【0031】
図1A乃至1Dは、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置100の実施形態を示す図である。いくつかの実施形態では、測定される溶液特性は、試料の酸化還元電位(ORP)であり得る。他の実施形態では、測定される溶液特性は、試料のpHであり得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、試料は、患者または被験者から得ることができる。他の実施形態では、試料は、生体試料、環境試料、または食品試料とすることができる。
【0033】
試料が患者または被験者から得られる場合に、試料は、患者または被験者の体液および患者または被験者から得られたスワブのうちの少なくとも一方を含むことができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、患者または被験者は、ヒトの患者または被験者であり得る。他の実施形態では、患者または被験者は、非ヒトの動物の患者または被験者であり得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、体液は、血液、尿、血清、血漿、唾液、痰、精液、母乳、関節滑液、脳脊髄液などの髄液、創傷物質、粘液、便に伴う流体、膣分泌物、滑液、胸水、腹膜液、心嚢液、羊水、またはこれらの組み合わせから構成され得る。
【0036】
これらおよび他の実施形態において、患者または被験者から得られたスワブは、創傷スワブ、直腸スワブ、膣スワブ、上述したスワブの再懸濁した事例、またはそれらの組み合わせから構成され得る。
【0037】
このようなすべての実施形態において、試料は、複数の微生物または感染病原体を含むことができる。本明細書に開示される装置、システム、および方法は、微生物の定量化手順または抗生物質感受性試験(AST)手順の一部として、微生物の増殖またはその欠如について試料を評価するために使用することができる。
【0038】
特定の実施形態では、試料は、患者または被験者から得られた試料、生体試料、環境試料、および食品試料のうちの少なくとも1つに由来する細菌培養物を含むか、またはそれを指すことができる。例えば、試料は、患者または被験者から得られた体液またはスワブに由来する細菌培養物または再懸濁細菌培養物を含むか、またはそれを指すことができる。より具体的な例として、試料は、微生物の増殖について陽性と判定された患者または被験者から得られた体液またはスワブに由来する細菌培養物または再懸濁細菌培養物を含むことができる。
【0039】
より具体的には、試料は、微生物の増殖について陽性と判定された患者または被験者から得られた血液に由来する細菌培養物を含むことができる。いくつかの実施形態では、試料は、陽性血液培養であるか、またはそれを示すことができる。本開示の目的のために、陽性血液培養は、細菌増殖について陽性と判定された患者または被験者から採取された血液に由来する細菌培養であり得る。例えば、患者が敗血症の症状(高熱、悪寒など)を示し、患者から血液(例えば、5mL乃至10mL)を採取し、細菌増殖培地(例えば、30mL乃至40mLの増殖培地)を含む市販の血液培養コンテナまたは容器に移し替えることが可能である。その後、血液培養用コンテナまたは容器で35°Cプラスマイナス2°Cで培養し、細菌を増殖させることができる。患者の血液が細菌で汚染されていると、その細菌がコンテナまたは容器内で繁殖する。血液培養システムまたは装置を続いて使用して、細菌の増殖を監視し(例えば、コンテナまたは容器内における細菌のCO2産生を監視することによる)、システムまたは装置は、臨界CO2閾値を満たした場合に、細菌増殖に対して試料を「陽性」として判定することができる。病原体の種類および増殖速度にもよるが、血液培養は7時間から3日の間に陽性になる。このような「陽性血液培養」は、本明細書に開示された装置、システム、および方法のいずれかを使用するなど、さらに下流の検査に使用することができる。
【0040】
追加の実施形態では、試料は、小川、川、湖、海、汚染現場、検疫区域、緊急区域、またはそれらの組み合わせから得られた環境試料を含むことができる。他の実施形態では、試料は、食品調理施設、食堂、廃棄物施設、またはそれらの組み合わせから得られた食品試料を含むことができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、センサー装置100の試料容器104に導入される前に、水性増殖培地を試料に添加することができる。他の実施形態では、水性増殖培地は、試料が試料容器104に射出、送達、注入、または他の方法で導入されると、試料に添加され得る。
【0042】
一実施形態では、水性増殖培地は、グルコース添加ミューラーヒントンブロス(MHG)とすることができる。他の実施形態では、水性増殖培地は、バクトトリプトン、トリプシン大豆消化物、酵母エキス、牛肉エキス、カチオン調整ミューラーヒントンブロス(CAMHB)、デンプン、カゼインの酸加水分解物、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、血液または溶血馬血清(LHB)を含む溶血、CAMHB-LHB、ブドウ糖または他の炭水化物、またはこれらの組み合わせを含む溶液とすることができる。
【0043】
本明細書に開示された装置、方法、およびシステムを使用して評価することができる微生物または感染病原体は、細菌および真菌を含む任意の代謝を行う単細胞または多細胞生物であり得る。特定の実施形態では、微生物または感染病原体は、アシネトバクター、アセトバクター、アクチノマイセス、アエロコッカス、アエロモナス、アグロバクテリウム、アナプラズマ、アゾリゾビウム、アゾトバクター、バチルス、バクテリオデス、バルトネラ、ボルデセラ、ボレリア、ブルセラ、ブルクホルダ、カンピロバクター、クラミジア、クラミドフィラ、シトロバクター、クロストリジウム、コリネバクテリウム、コクシエラ、エールリヒア、エンテロバクター、エンテロコッカス、エシェリキア、フランシセラ、フソバクテリウム、ガードネラ、ヘモフィルス、ヘリコバクター、クレブシエラ、ラクトバシラス、レジオネラ、リステリア、メタノバクテリウム、ミクロバクテリウム、ミクロコッカス、モルガネラ、モラクセラ、マイコバクテリウム、マイコプラズマ、ナイセリア、パンドレア、パスツレラ、ペプトストレプトコックス、ポルフィロモナス、プレボテラ、プロテウス、プロビデンシア、シュウドモナス、ラルストニア、ラオウルテラ、リゾビウム、リケッチア、ロカリマエア、ロチア、サルモネラ、セラチア、シェワネラ、シゲラ、スピリルム、スタフィロコッカス、ストレノトロフォモナス、ストレプトコッカス、ストレプトミセス、トレポネマ、ビブリオ、ボルバキア、エルシニア、またはそれらの組み合わせを含む細菌であり得るが、これらに限定されるものではない。他の実施形態では、微生物または感染病原体は、カンジダ属またはクリプトコッカス属またはカビから選択される1つ以上の真菌であり得る。
【0044】
本明細書に開示された方法およびシステムを使用して評価することができる他の特定の細菌は、黄色ブドウ球菌、スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌種(表皮ブドウ球菌、溶血性ブドウ球菌、ヒトブドウ球菌、頭ブドウ球菌、未分化を含むが、これらに限定されるものではない)、エンテロコッカス・フェカリス、エンテロコッカス・フェシウム(エンテロコッカス・フェシウムおよびその他のエンテロコッカス種、未分化を含むが、これらに限定されるものではない、エンテロコッカス・フェカリスを除く)、肺炎球菌、化膿連鎖球菌、ストレプトコッカス・アガラクチア、連鎖球菌種(ストレプトコッカス‐ミチス、化膿連鎖球菌、ガロリティカス連鎖球菌、ストレプトコッカス‐アガラクティエ、肺炎球菌、未分化を含むが、これらに限定されるものではない)、緑膿菌、アシネトバクター・バウマンニ、クレブシエラ属(クレブシエラ‐ニューモニエ、クレブシエラ‐オキシトカ、未分化を含むが、これらに限定されるものではない)、大腸菌、エンテロバクター属菌(エンテロバクター・クロアカエ、エンテロバクター・アエロゲネス、未分化を含むが、これらに限定されるものではない)、プロテウス属(プロテウス-ミラビリス、プロテウス‐ブルガリス、未分化を含むがこれらに限定されるものではない)、シトロバクター属(シトロバクター‐フロインディイ、シトロバクター・コセリ、未分化を含むがこれらに限定されるものではない)、セラチア・マルセッセンス、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・グラブラタ、カンジダ・トロピカリスを含み得る。
【0045】
評価され得る他のより具体的な細菌は、とりわけアシネトバクター・バウマンニ、アクチノバチルス属、放線菌、アクチノマイセス属菌(アクチノマイセス・イスラレイ、およびアクチノマイセス・ネスランディを含むがこれらに限定されるものではない)、アエロモナス属菌(アエロモナス・ヒドロフィラ、アエロモナス・ベロニー・バイオバール・ソブリア(アエロモナス・ソブリア)、およびアエロモナス・カビエを含むがこれらに限定されるものではない)、アナプラズマ・ファゴシトフィルム、アルカリゲネス・シロシダンズ、アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス、バチルス属菌(バチルス・アンスラシス、バチルス・セレウス、バチルス・サブチルス、バチルス・スリンジェンシス、およびバチルス・ステアロサーモフィラスを含むが、これらに限定されるものではない)、バクテロイデス属菌(バクテロイデス・フラギリスを含むがこれに限らない)、バルトネラ属菌(バルトネラ・バチリフォルミス、およびバルトネラ・ヘンゼライを含むがこれらに限定されるものではない)、ビフィドバクテリウム属菌、ボルデテラ属菌(百日咳菌、パラ百日咳菌、およびボルデテラ・ブロンキセプチカを含むがこれらに限定されるものではない)、ボレリア属菌(ボレリア・リカレントリス、およびボレリア・ブルグドルフェリを含むがこれらに限定されるものではない)、ブルセラ属菌(ブルセラ・アボルタス、ブルセラ・カニス、ブルセラ・メリンテンシス、およびブルセラ・スイスを含むがこれらに限定されるものではない)、ブルクホルデリア属菌(ブルクホルデリア・シュードマレイおよびブルクホルデリア・セパシアを含むがこれらに限定されるものではない)、カンピロバクター属菌(カンピロバクター・ジェジュニ、カンピロバクター・コリ、カンピロバクター・ラリ、およびカンピロバクター・フィタスを含むが、これらに限定されるものではない)、カプノサイトファーガ属、カルディオバクテリウム・ホミニス、クラミジア・トラコマティス、クラミドフィラ・ニューモニエ、クラミドフィラ・プシタシ、シトロバクター属、コクシエラ・バーネティ、コリネバクテリウム属菌(コリネバクテリウム・ジフテリア、コリネバクテリウム・ジェイケウム、およびコリネバクテリウムを含むがこれらに限定されるものではない)、クロストリジウム属菌(クロストリジウム・パーフリンゲンス、クロストリジウム・ディフィシレ、クロストリジウム・ボツリナム、およびクロストリジウム・テタニを含むがこれに限定されるものではない)、エイケネラ・コロボデンズ、エンテロバクター属菌(エンテロバクターアエロゲネス、エンテロバクター‐アグロメランス、エンテロバクター‐クロアカエ、および大腸菌(日和見大腸菌を含むがこれに限定されるものではない。また、日和見大腸菌は、腸毒素原性大腸菌、腸管侵襲性大腸菌、腸管出血性大腸菌、腸膠原性大腸菌、および尿路病原性大腸菌を含むが、これらに限定されるものではない)を含むが、これらに限定されるものではない)、エンテロコッカス属菌(エンテロコッカス・フェカリスおよびエンテロコッカス・フェシウムを含むが、これらに限定されるものではない)、エールリヒア属菌(エールリヒア・シャフェンシアおよびエールリヒア・カニスを含むが、これらに限定されるものではない)、豚丹毒菌、真正細菌属、野兎病菌、フゾバクテリウムヌクレアーツム、ガードネレラ‐バジナリス、ゲメラ・モルビロルム、ヘモフィルス属菌(ヘモフィルス・インフルエンザ、ヘモフィルス・ドゥクレイ、ヘモフィルス・アエジプト、ヘモフィルス・パラインフルエンザ、ヘモフィルス・ヘモリティカス、およびヘモフィルス・パラヘモリティカスを含むが、これらに限定されるものではない)、ヘリコバクター属菌(ヘリコバクター・ピロリ、ヘリコバクター・シネディ、およびヘリコバクター・フェネリエを含むが、これらに限定されるものではない)、キンゲラ・キングイ、クレブシエラ属菌(クレブシエラ・ニューモニエ、クレブシエラ・グラニュロマティス、およびクレブシエラ・オキシトカを含むが、これらに限定されるものではない)、ラクトバシラス属菌、リステリア・モノサイトゲネス、レプトスピラ・インターロガンス、レジオネラ・ニューモフィラ、レプトスピラ・インターロガンス、ペプトストレプトコッカス属、モラクセラカタラーリス、モルガネラ属、モビルンカス属、マイクロコッカス属、マイコバクテリウム属菌(マイコバクテリウム・レプラ、マイコバクテリウム・ツベルクローシス、マイコバクテリウム・イントラセルラー、マイコバクテリウム・アビウム、マイコバクテリウム・ボビス、およびマイコバクテリウム・マリナムを含むが、これらに限定されるものではない)、マイコプラスム属菌(肺炎マイコプラズマ、マイコプラズマ・ホミニス、およびマイコプラズマ・ジェニタリウムを含むが、これらに限定されるものではない)、ノカルジア属菌(ノカルジア・アステロイデス、ノカルジア・シリアシゲオルギカ、およびノカルジア・ブラジリエンシスを含むが、これらに限定されるものではない)、ナイセリア属菌(ナイセリア・ゴノローエ、およびナイセリア・メニンギチディスを含むが、これらに限定されるものではない)、パスツレラ・ムルトシダ、プレシオモナス・シゲロイデス、プレボテラ属菌、ポルフィロモナス属菌、プレボテラ・メラニノゲニカ、プロテウス属菌(プロテウス・ブルガリスおよびプロテウス・ミラビリスを含むが、これらに限定されるものではない。)、プロビデンシア属(プロビデンシア・アルカリファシエンス、プロビデンシア・レットゲリ、およびプロビデンシア・スチュアルティを含むが、これらに限定されるものではない)、緑膿菌、プロピオニバクテリウム・アクネス、ロドコッカス・エクイ、リケッチア属菌(リケッチア・リケッチイ、リケッチア・アカリ、およびリケッチア・プロワゼキ、オリエンチア・ツツガムシ(旧:リケッチア・ツツガムシ)、およびリケッチア・タイファイを含むが、これらに限定されるものではない)、ロドコッカス属菌、ステノトロフォモナス・マルトフィリア、サルモネラ属菌(サルモネラ・エンテリカ、サルモネラ・タイフィ、サルモネラ・パラティフィ、サルモネラ・エンテリティディス、サルモネラ・コレラスイス、およびサルモネラ・チフィムリウムを含むが、これらに限定されるものではない)、セラチア属菌(セラチア・マルセサンスおよびセラチア・リキファシエンスが含まれるが、これらに限定されるものではない)、赤痢菌属(志賀赤痢菌、フレクスナー赤痢菌、ボイド赤痢菌、およびソンネ赤痢菌を含むが、これらに限定されるものではない)、ブドウ球菌属(黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、溶血ブドウ球菌、および腐敗ブドウ球菌を含むが、これらに限定されるものではない)、連鎖状球菌属(肺炎球菌(例えば、クロラムフェニコール耐性血清型4型肺炎球菌、スペクチノマイシン耐性血清型 6B肺炎連鎖球菌、ストレプトマイシン耐性血清型9V肺炎連鎖球菌、エリスロマイシン耐性血清型14肺炎連鎖球菌、オプトチン耐性血清型14肺炎連鎖球菌、リファンピシン耐性血清型18C肺炎連鎖球菌、テトラサイクリン耐性血清型19F肺炎連鎖球菌、ペニシリン耐性の血清型19F肺炎連鎖球菌、およびトリメトプリム耐性の血清型23F肺炎連鎖球菌、クロラムフェニコール耐性血清型4肺炎連鎖球菌、スペクチノマイシン耐性血清型6B肺炎連鎖球菌、ストレプトマイシン耐性血清型9V肺炎連鎖球菌、オプトシン耐性血清型14肺炎球菌、リファンピシン耐性血清型18C肺炎連鎖球菌、ペニシリン耐性血清型19F肺炎連鎖球菌、またはトリメトプリム耐性血清型23F肺炎連鎖球菌)、ストレプトコッカス・アガラクチア、ミュータンスレンサ球菌、化膿性連鎖球菌、A群レンサ球菌、化膿性連鎖球菌、B群レンサ球菌、トレプトコッカス‐アガラクティエ、C群レンサ球菌、ストレプトコッカス・アンギノサス、ストレプトコッカス・エキシミリス、D群レンサ球菌、ストレプトコッカス・ボビス、F群レンサ球菌、ストレプトコッカス・アンギノサス、およびG群レンサ球菌を含むが、これらに限定されるものではない)、スピリルム・ミナス、ストレプトバシラス・モニリフォルミ、トレポネマ属菌(トレポネマ・カラテウム、トレポネマ・ペテヌエ、トレポネマ・パリダム、およびトレポネマ・エンデミカムを含むが、これらに限定されるものではない)、トロフェリマ・ウィッペリ、ウレアプラズマ・ウレアリティカム、ベイロネラ属菌、ビブリオ属菌(ビブリオ・コレラ、ビブリオパラヘモリティカス、ビブリオ・バルニフィカス、ビブリオ・パラヘモリティカス、ビブリオ・バルニフィカス、ビブリオ・アルギノリティカス、ビブリオ・ミミカス、ビブリオ・ホリサエ、ビブリオ・フルビアリス、ビブリオ・メチニコビ、ビブリオ・ダムセラ、およびビブリオ・ファーニシーを含むが、これらに限定されるものではない)、エルシニア属菌(エルシニア・エンテロコリチカ、エルシニア・ペスティス、およびエルシニア・シュード・ツベルクローシスを含むが、これらに限定されるものではない)、およびキサントモナス・マルトフィリアを含み得る。
【0046】
さらに、本明細書に開示された方法およびシステムを使用して評価することができる他の微生物または感染病原体は、カンジダ属菌(カンジダ・アルビカンス、カンジダ・グラブラタ、カンジダ・トロピカリス、カンジダ・パラプシローシス、およびカンジダ・クルセイを含むがこれらに限定されるものではない)、アスペルギルス属(アスペルギルス・フミガトス、アスペルギルス・フラバス、およびアスペルギルス・クラバトスを含むが、これらに限定されるものではない)、クリプトコッカス属菌(クリプトコッカス・ネオフォルマンス、クリプトコッカス・ガッティ、クリプトコッカス・ラウレンティ、およびクリプトコッカス・アルビダスを含むが、これらに限定されるものではない)、フザリウム属菌(フザリウム・オキスポルム、フザリウム・ソラニ、フザリウム・バーチキリオイデス、およびフザリウム・プロリフェラータムを含むが、これらに限定されるものではない)、リゾプス‐オリーゼ、ペニシリウム・マルネッフェイ、コクシジオデス・インミティス、およびブラストミセス・デルマティティディスを含むがこれらに限定されない真菌またはカビを含むことができる。
【0047】
図1Aは、試料の溶液特性を測定するための、一実施形態によるセンサー装置100を示す正面図である。センサー装置100は、試料チャンバー108を含む試料容器104と、容器キャップ116(例えば、
図1D参照)の一部として形成された基準センサー122と、試料チャンバー108の少なくとも一部に結合された活性センサー106とを備えることが可能である。容器キャップ116は、試料容器104に取り外し可能または着脱可能に結合または固定することができる(例えば、試料容器104の頂部に螺合または押圧する)。
【0048】
試料容器104は、その一部を不活性材料または非導電性材料で形成することができる。いくつかの実施形態では、試料容器104は、高分子材料、セラミック材料もしくはガラス、またはそれらの組み合わせで形成され得るか、またはその一部が形成され得る。より具体的な例として、試料容器104は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、またはそれらの組み合わせから形成され、またはその一部が形成されることが可能である
【0049】
図1Bは、センサー装置100の一部を示す側面断面図である。
図1Bは、試料チャンバー108が、試料を受承するように構成されたチャンバーキャビティー109を包囲するチャンバー側壁112からなり得ることを示す。活性センサー106は、試料容器104のチャンバー側壁112に貼付、接着、またはその他の方法で結合させることができる。図示しない他の実施形態では、活性センサー106は、試料容器104の底部に結合されるか、あるいは底部に沿って位置決めされることができる。
【0050】
活性センサー106は、チャンバー側壁112に沿って形成された窓開口部114において、チャンバー側壁112の少なくとも一部に結合され得る。チャンバー側壁112は、窓開口部114を包囲する凹部134を含み得る。凹部134は、チャンバー側壁112の外側側面に沿って形成され得る。
【0051】
活性センサー106の配置に関して、活性センサー106は、
図1Cに示すように、活性センサー106のいかなる部分もチャンバーキャビティー109内に延びないように構成することができる。
【0052】
以下より詳細に説明するように、活性センサー106は、活性電極層132によって部分的に覆われた導電性基板で形成可能である。活性センサー106の活性電極層132は、チャンバーキャビティー109内の試料が窓開口部114を包囲するチャンバー側壁112の少なくとも一部を通して活性電極層132と流体接触するように、チャンバーキャビティー109に面することが可能である。
【0053】
図1Cは、チャンバー側壁112に接着された活性センサー106を示す接写斜視図である。
図1Cに示す実施形態では、活性センサー106は、チャンバー側壁112の凹部134に接着されている。活性センサー106の活性電極層132の少なくとも一部は、窓開口部114を覆う活性電極層132のこの部分が試料チャンバー108のチャンバーキャビティー109と流体連通するよう位置決めされるように、チャンバー側壁112に沿って形成される窓開口部114を覆うことができる。試料チャンバー108が試料で満たされると、試料は、窓開口部114を覆う活性電極層132の部分と流体接触することができる。
【0054】
図1Cはまた、活性センサー106が、接着剤138によってその側面が覆われ得ることを示す。活性センサー106は複数の層から構成され得るため、接着剤138は、活性センサー106の特定の層を流体試料との望ましくない接触から保護することができる。接着剤138は、流体試料が活性センサー106の横側面136に接触することを防止するための障壁として機能することができる。図には示されていないが本開示によって企図される他の実施形態では、チャンバー側壁112の凹部134は、活性センサー106が凹部134内にきつく嵌入し、凹部134の壁部が活性センサー106の横側面136に隣接または結合するような大きさに形成することができる。これにより、活性電極層132の露出部分のみを流体試料に確実に接触させることができ、これにより、流体試料の溶液特性をより正確に測定することができる。
【0055】
活性センサー106を試料チャンバー108に接着するために、接着剤138のビードを凹部134の内側棚部140および/または側縁142に塗布することができ、その後、活性センサー106をピックアンドプレース機のエンドエフェクターで凹部134に押し込むことができる。活性センサー106は、活性センサー106の外部に面する表面がチャンバー側壁112の外部表面と同一平面になるまで、凹部134の中に押し込まれるかまたは他の方法で付勢されることができる。
【0056】
接着剤138をその後硬化させて、活性センサー106を所定の位置に固定することができる。いくつかの実施形態では、接着剤138は、医療グレードの紫外線硬化型接着剤とすることができる。例えば、接着剤138は、ダイマックス(登録商標)1405M-T-UR-SC接着剤(波長約405nmのLED光を使用して硬化可能)とすることができる。他の実施形態では、接着剤138は、任意の低脱ガス医療グレードの接着剤とすることができる。
【0057】
上述したように、活性センサー106は、活性電極層132によって一部が覆われた導電性基板で形成することができる。活性センサー106は、活性電極層132がチャンバーキャビティー109に面するように位置決めされ、チャンバーキャビティー109内の試料が窓開口部114を包囲するチャンバー側壁112の少なくとも一部を通して活性電極層132と流体接触することができるようにすることができる。この実施形態では、活性センサー106(活性電極層132を含む)は、チャンバー側壁112の内側に面した側またはキャビティーに面した側から半径方向外側に位置決めされ、活性センサー106の横側面136は流体試料に曝されない。
【0058】
いくつかの実施形態では、測定または監視される溶液特性は、試料のpHであり得る。測定または監視される溶液特性がpHである場合に、活性電極層132はpHに感受性の高い材料であり得る。例えば、pHに感受性の高い材料は、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化チタン(TiO2)、酸化タンタル/五酸化タンタル(Ta2O5)、二酸化ハフニウム(HfO2)、二酸化イリジウム(IrO2)、二酸化ルテニウム(RuO2)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)のうちのいずれか、またはその組み合わせであるか、これらを含み得る。
【0059】
これらおよび他の実施形態において、測定または監視される溶液特性は、試料の酸化還元電位(ORP)とすることができる。測定または監視される溶液特性が試料のORPである場合に、活性電極層132は酸化還元に感受性の高い材料とすることができる。例えば、酸化還元に感受性の高い材料は、白金(Pt)、金(Au)、酸化還元に感受性の高い金属酸化物、またはそれらの組み合わせのうちのいずれかであるか、またはそれらからなることができる。より具体的には、酸化還元に感受性の高い材料は、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化チタン(TiO2)、五酸化タンタル(Ta2O5)、二酸化ハフニウム(HfO2)、二酸化イリジウム(IrO2)、二酸化ルテニウム(RuO2)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)のうちのいずれか、またはその組み合わせであるか、これらを含み得る。活性センサー106の形成についての詳細は後述する。
【0060】
図示されていないが、センサー装置100は、試料のpHおよびORPの両者が同時に測定されるように設計され得ることが本開示によって企図される。例えば、センサー装置100の試料チャンバー108は、試料チャンバー108のチャンバー側壁112に沿って形成された複数の窓開口部114を含み得る。これらの窓開口部114のそれぞれは、続いて異なる活性センサー106によって覆われ得る(例えば、1つの窓開口部114は、酸化還元に感受性の高い材料から形成される活性電極層132を有する活性センサー106によって覆われ得、別の窓開口部114は、pHに感受性の高い材料から形成される活性電極層132を有する活性センサー106によって覆われ得る)。
【0061】
センサー装置100は、装置の高さを有することができる。いくつかの実施形態では、装置の高さは、約20.0mm乃至約50.0mmとすることができる。いくつかの実施形態では、装置の高さは、約25.0mm乃至約35.0mmとすることができる。例えば、装置の高さは約31.3mmとすることができる。
【0062】
図1Dは、基準センサー122が容器キャップ116の一部として形成され得ることを例示している。基準センサー122は、基準導管キャビティー120(例えば、
図1B参照)を含んでなる基準導管118を備え得る。基準導管キャビティー120は、基準導管キャビティー120の互いに反対側の両端部に第1および第2の開口部を有することができる。基準導管118は、試料チャンバー108のチャンバーキャビティー109内に延びるように構成された長尺状をなすチャネルまたは通路とすることができる。
【0063】
基準センサー122は、チャンバーキャビティー109と流体連通する基準電極材料149および芯要素150をさらに備えることができる。基準導管キャビティー120は、芯要素150を収容することができる。試料の少なくとも一部は、芯要素150によって基準電極材料149の方向に吸い上げられ得る。
【0064】
基準導管118は、基準導管キャビティー120の体積が基準導管近位端126から基準導管遠位端128まで先端ほど細くなるかまたは狭小になるように、先端ほど細くなるようにすることができる(例えば、
図1Bを参照)。芯要素150の形状は、基準導管キャビティー120の形状に一致させるか、または対応させることができる。芯要素150の形状は、芯近位端152から芯遠位端154まで先端ほど細くなるまたは狭まるように構成することができる。
【0065】
芯要素150は、基準導管キャビティー120の長さを通って延びることができる。いくつかの実施形態では、芯要素150は、基準導管キャビティー120内の空間のすべてを埋め尽くすか、または占有することができる。他の実施形態では、芯要素150は、基準導管キャビティー120内の空間を部分的に埋め尽くすか、または部分的に占有することができる。
【0066】
芯要素150の少なくとも一部は、試料チャンバー108が試料で満たされたときに、試料チャンバー108内の試料の少なくとも一部が芯遠位端154の少なくとも一部によって芯近位端152の方向に吸い上げられ、吸収され、またはその他の方法で吸引されるように、試料チャンバー108のチャンバーキャビティー109と流体連通することが可能である。芯要素150は、毛細管現象によって基準電極材料149に向かって流体試料を吸い上げる高分子材料で形成することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、芯遠位端154の少なくとも一部は、芯遠位端154が試料チャンバー108のチャンバーキャビティー109内に突出または延びるように基準導管の第2の開口部を越えて延びることが可能である。これらの実施形態において、芯遠位端154は、試料チャンバー108が試料によって満たされるときに、試料中に延びるかまたは突出することができる。
【0068】
他の実施形態では、芯遠位端154は、芯遠位端154が試料チャンバー108のチャンバーキャビティー109内に突出または延びないように、基準導管の第2の開口部の近位側または上に位置決めされる。これらの実施形態において、芯遠位端154は依然として試料チャンバー108と流体連通することができ、流体試料は依然として、毛細管現象によって基準導管118内に吸い込まれることによって、または試料容器104を揺動させることによって、芯遠位端154に到達または接触することができる。
【0069】
上述したように、芯要素150は、その一部を多孔質材料で形成することができる。芯要素150は、15μm乃至約150μm(例えば、約50μm)の大きさの孔からなる材料で一部を形成することができる。いくつかの実施形態では、芯要素150は、一部を高分子材料で形成することができる。より具体的な例として、芯要素150は、15μm乃至約150μmの大きさの孔からなる多孔質高分子材料で一部を形成することができる。一実施形態では、芯要素150は、一部を高密度ポリエチレン(HDPE)で形成することができる。例えば、芯要素150は、約50μmの大きさの孔を有するHDPEで一部を形成することができる。他の実施形態では、芯要素150は、その一部を天然繊維で形成することができる。例えば、芯要素150は、その一部をセルロース繊維、パルプ、紙、綿、またはそれらの組み合わせで形成することができる。
【0070】
また、芯要素150は、芯要素150の少なくとも一表面が界面活性剤によって覆われるように、界面活性剤によって処理することができる。いくつかの実施形態では、芯要素150は、基準導管キャビティー120に導入される前に、界面活性剤によって飽和させるか、または界面活性剤を含む溶液に浸漬させることができる。界面活性剤は、芯要素150の親水性を高めるように(すなわち、芯要素150の実質的に疎水性の表面をより親水性にするように)構成されることが可能である。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、フッ素系界面活性剤とすることができる。他の実施形態では、界面活性剤は、1つ以上のポロクサマーなどの非イオン性界面活性剤とすることができる。より具体的な例として、界面活性剤は、Pluronic(登録商標)F-68からなることができる。
【0071】
一実施形態では、基準導管118は、略円錐状または円錐台状に形成され、同様に略円錐状または円錐台状に形成される基準導管キャビティー120を有する。他の実施形態では、基準導管118は、多角形状の底部を有する長尺状をなすピラミッドとして実質的に形状を形成され得る。例えば、基準導管118は、長尺状をなす三角錐、四角錐、または五角錐として実質的に形成することができる。追加の実施形態において、基準導管118は、略円筒形状の基準導管キャビティー120を有する円筒として実質的に形成され得る。これらの実施形態において、基準導管118は、先端ほど細くなる基準導管遠位端128を有し得る(例えば、
図1Bを参照)。
【0072】
図1Dに示すように、芯要素150の少なくとも一部は、試料チャンバー108内の試料と流体接触することができる。試料の少なくとも一部は、芯要素150によって芯近位端152の方向に吸い上げられることができる。基準電極材料149は、芯近位端152に配置され得る。
図1Dはまた、活性電極層132の少なくとも一部が、試料チャンバー108内の試料と流体接触し得ることを図示している。芯要素150が試料を引き寄せたり、吸い上げたりすると、試料は基準電極材料149に到達し、試料内の電荷担体は基準センサー122の基準電極材料149と活性センサー106の活性電極層132との間に電気的接続を確立することができる。基準センサー122および活性センサー106の両者がリーダー装置190に電気的に結合されている場合に、リーダー装置190は、試料の溶液特性を測定するために使用することができる。
【0073】
試料の溶液特性は、基準センサー122および活性センサー106がリーダー装置190に電気的に結合されている場合に、活性センサー106と基準センサー122との間で測定される電位差に基づいて、決定することができる。例えば、基準センサー122は、基準電極材料149および活性電極層132の両者が試料チャンバー108内の試料と流体接触しているときに、活性センサー106と比較して安定した半電池電位を提供することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、基準電極材料149は、芯近位端152上に塗布または吐出された導電性インクとすることができる。芯近位端152上に塗布または吐出された導電性インクは、硬化させることにより固めることができる。より具体的には、導電性インクは、銀-塩化銀(Ag-AgCl)インクとすることができる。
【0075】
基準電極材料149の少なくとも一部は、芯要素150に結合され得る。例えば、基準電極材料149は、芯近位端152に配置された硬化した塊とすることができる。特定の実施形態では、基準電極材料149は、容器キャップ116の中央に配置され得る。いくつかの実施形態において、基準電極材料149の少なくとも一部は、容器キャップ116を越えて突出または延びることができる。
【0076】
本明細書に開示される芯要素150の1つの利点は、芯要素150が試料を吸い上げ、試料が芯要素150の孔を通って毛細管現象により基準電極材料149に向かって前進することができることにある。例えば、液体試料は、基準電極材料149と流体接触する芯近位端152に吸い上げられ得る。基準電極材料149が銀-塩化銀(Ag-AgCl)などの材料で形成されている場合に、芯要素150は、これが無ければ試料チャンバー108内の試料に自由に拡散する銀イオン(Ag+)に対する障壁または障害として機能することができる。このような銀イオンは、試料中の微生物や感染病原体の増殖に有害であったり、その他の影響を及ぼし得る。芯要素150は、有害な銀イオンの試料への拡散を減速させるか、または停止させることによって、銀イオンに対する障壁または障害として作用することができる。本明細書に開示される寸法および形状を有する芯要素150は、このような有害なイオンの拡散を減速させるかまたは停止させることに有効である。
【0077】
基準センサー122が容器キャップ116として実装される場合に、容器キャップ116は、キャップ幅(または直径)およびキャップ高さによって形成されるような寸法を有し得る。いくつかの実施形態では、キャップの幅は、約10.0mm乃至約20.0mmとすることができる。例えば、キャップの幅は約15.7mmとすることができる。いくつかの実施形態では、キャップの高さは、約5.0mm乃至約20.0mmとすることができる。例えば、キャップの高さは約10.5mmとすることができる。容器キャップ116が試料容器104に固定、貼付、またはその他の方法で結合されたときに、センサー装置100は、試料容器104の底部から容器キャップ116のキャップ頂部130まで測定した装置の高さを有することができる。
【0078】
芯要素150は、芯近位端142から芯遠位端まで測定されるような芯の高さを有することができる。いくつかの実施形態では、芯の高さは、約10.0mm乃至約20.0mmとすることができる。より具体的には、芯の高さは、約14.0mm乃至約15.0mmとすることができる。例えば、芯の高さは、約14.8mmとすることができる。
【0079】
図1Dに示すように、基準電極材料149は、少なくとも部分的に、芯要素150の上の容器キャップ116の中央のディボット、窪み、または凹部領域内に位置決めまたは配置されることができる。基準センサー122が硬化した導電性インクまたは溶液(例えば、Ag-AgClインク)である場合に、ディボット、窪み、または凹部領域は、硬化させる液体インクまたは溶液のための受容空間として機能することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、基準電極材料149は、基準電極の高さおよび基準電極の幅を有し得る。基準電極の高さは、約0.2mm乃至1.0mmとすることができる。例えば、基準電極の高さは、約0.4mmとすることができる。基準電極の幅は、約2.0mm乃至約5.0mmとすることができる。例えば、基準電極の幅は、約3.0mmとすることができる。本明細書に開示される基準センサー122の1つの利点は、基準センサー122が、最大10時間の試験または作動の間、安定した基準電極として機能するかまたは安定した基準電位を提供することができることにある。
【0081】
図1Dはまた、センサー装置100が、試料チャンバー108の底部側に沿って形成された曝気ポート160を備え得ることを示す。図示しない他の実施形態では、曝気ポート160は、試料チャンバー108のチャンバー側壁112に沿って形成され得る。
【0082】
曝気ポート160は、第1の空気透過性膜によって覆われ得る。曝気ポート160および第1の空気透過性膜は、ガス162が試料チャンバー108に入ることができるように構成され得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、ガス162は、周囲空気(例えば、実験室、臨床環境、または試験施設内の空気)とすることができる。他の実施形態では、ガス162は、加圧された酸素、二酸化炭素、窒素、およびアルゴンの組み合わせからなる。試料を曝気することで、試料チャンバー108内に酸素が豊富な環境を提供することにより、試料内の微生物集団の増殖を加速させることができる。
【0084】
図示しない代替的実施形態では、曝気ポート160は、容器キャップ116のキャップ頂部130に沿って形成することができ、ガス162は、試料容器104の頂部から試料チャンバー108にポンプで送り込むことができる。
【0085】
ガス162(例えば、周囲空気)は、リーダー装置190内に一体的に組み込まれたマイクロポンプまたは他のポンプ型装置によって、試料チャンバー108内に送り込むことができる。ガス162(例えば、周囲空気)は、約1.0乃至10.0mL/分の一定の流量で、曝気ポート160および第1の空気透過性膜を通して試料チャンバー108内にポンプで送り込まれるか、あるいは配向されることができる。他の実施形態では、ガス162(例えば、周囲空気)は、特定のデューティサイクルまたは間隔で、曝気ポート160および第1の空気透過性膜を通して試料チャンバー108内にポンプで送り込まれるか、あるいは配向されることができる。
【0086】
特定の実施形態において、第2の空気透過性膜は、容器キャップ116の下面の少なくとも一部を覆うことができる。第2の空気透過性膜は、試料チャンバー108内にポンプで送り込まれるか、または他の方法で配向される任意のガス162が試料チャンバー108から出ることができるようにするとともに試料チャンバー108内の任意の液体が試料容器104からこぼれることを防止することができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、第1の空気透過性膜および第2の空気透過性膜は、同じ材料で形成することができる。第1の空気透過性膜および第2の空気透過性膜は、疎水性の空気透過性フィルムまたは薄型シートから形成することができる。例えば、第1の空気透過性膜および第2の空気透過性膜の両者は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から形成されるかまたはポリテトラフルオロエチレンを含むものとすることができる。
【0088】
図1Dに示すように、容器キャップ116は、ねじ接続部164を介して試料容器104の近位部分にねじ止めされることにより、試料容器104に取り外し可能または着脱可能に結合または固定することができる。容器キャップ116(基準センサー122の一部として機能する)がねじ接続部164によって試料容器104に固定または結合されると、空気が第1の空気透過性膜を通って試料チャンバー108に曝気ポート160に入るので、気流経路166が形成され得る。空気は、続いて容器キャップ116のねじ山と試料容器104のねじ山との間に形成された第2の空気透過性膜および空気間隙168を通して試料チャンバー108から出る。
【0089】
容器キャップ116は、その一部を透過するもしくは透明な材料、または透過するもしくは透明な非導電性材料で形成することができる。他の実施形態では、容器キャップ116は、一部を半透明または透明な材料で形成することができる。例えば、芯要素150の少なくとも一部は、容器キャップ116の側面を通して視認可能である。これにより、センサー装置100のユーザーまたは操作者は、容器キャップ116が試料容器104に固定されているときに、芯遠位端154から芯近位端152への流体試料の吸い込みを観察し、確実に試料の少なくとも一部が芯近位端152で基準電極材料149に到達できるようにすることが可能である。いくつかの実施形態では、容器キャップ116は、その一部を透明または透過性を備える高分子材料、ガラス、またはそれらの組み合わせで形成することができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、試料容器104、容器キャップ116、またはそれらの組み合わせは、不活性高分子材料で部分的に形成することができる。例えば、試料容器104、容器キャップ116、またはそれらの組み合わせは、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリエチレン、アクリロニトリルーブタジエンースチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、またはそれらの共重合体もしくは複合体のうちの少なくとも1つから部分的に形成することが可能である。他の実施形態では、試料容器104、容器キャップ116、またはそれらの組み合わせは、一部がホウケイ酸ガラスなどのガラス材料またはセラミック材料で形成され得る。
【0091】
図2は、試料容器104が高分子材料で形成される場合に、活性センサー106は、チャンバー側壁112の一部にインサート成形することもできることを例示する図である。例えば、試料容器104が射出成形によって形成される間に、活性センサー106をチャンバー側壁112にインサート成形することができる。
【0092】
活性センサー106が試料チャンバー108のチャンバー側壁112の一部にインサート成形される場合に、活性センサー106は、その横側面136が、チャンバー側壁112を形成するために使用される高分子材料によって封止されることができる。
【0093】
図2に示す実施形態では、活性センサー106は、活性電極層132がチャンバーキャビティー109に面するようにインサート成形され、チャンバーキャビティー109内の試料が窓開口部114を包囲するチャンバー側壁112の少なくとも一部を通して活性電極層132と流体接触することができるようにすることができる。
【0094】
図3Aおよび
図3Bは、試料チャンバー108のチャンバー側壁112を構築するために使用される材料を表す高分子材料にインサート成形された活性センサー106を示す白黒画像である(例えば、
図1A乃至1Dを参照)。いくつかの実施形態では、試料チャンバー108は、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリエチレン、アクリロニトリルーブタジエンースチレン、ポリカーボネート、またはポリプロピレンなどの不活性高分子材料で一部を形成することができる。
【0095】
図3Aは、活性電極層132に覆われた活性センサー106の側面を示す頂面平面図である。上述したように、活性センサー106は、チャンバーキャビティー109内の試料(例えば、
図1D参照)が活性電極層132の露出領域と流体接触することができるように、活性電極層132がチャンバーキャビティー109に面するようにインサート成形することが可能である。
【0096】
図3Bは、活性電極層132とは反対側の、活性センサー106の面を示す頂面図である。
図3Bに示す活性センサー106の側面は、リーダー装置190(例えば、
図14および
図15参照)の導電性接続部に接触するために使用することができる。以下より詳細に説明するように、活性センサー106のこの側面は、導電層と呼ぶことができる。
【0097】
図3Aおよび
図3Bに示すように、活性センサー106の横側面136は、高分子材料によって封止することができる。これにより、活性電極層132の露出部分のみを試料チャンバー108内の流体試料に確実に接触させることができ、これにより、流体試料の溶液特性をより正確に測定することができる。
【0098】
図示しないが、窓開口部114(例えば、窓開口部114の位置について
図1B乃至1Dを参照)を包囲するチャンバー側壁112の一部を局所的に溶融し(例えば、超音波溶接によって)、活性センサー106をチャンバー側壁112上の溶融部分に押圧することによって、チャンバー側壁112に貼付または他の方法で結合できることは、本開示によって企図されることである。一旦チャンバー側壁112の溶融部分が冷却されると、今度は活性センサー106がチャンバー側壁112に貼付されるか、または結合される。
【0099】
図4Aは、その横側面136のうちの2つが視認可能な状態の、一実施形態による活性センサー106を示す斜視図である。
図4Aに示すように、活性センサー106は、略平坦化されたまたは頭部を切り捨てられた矩形のプリズムの形状とすることができる。他の実施形態では、活性センサー106は、実質的に円盤状であるか、または平坦化されたまたは頭部を切り捨てられた多角形プリズム(例えば、平坦化されたもしくは頭部を切り捨てられた五角プリズムまたは六角プリズム)として形状を形成可能である。
【0100】
図4Aはまた、活性センサー106が略矩形のプリズムとして形状を形成されている場合に、活性センサー106がセンサー長さ寸法400、センサー幅寸法402、およびセンサー高さ寸法404を有することができることを示す。いくつかの実施形態では、センサー長さ寸法400は、約100μm乃至6.0mmであり得、センサー幅寸法402は、約100μm乃至6.0mmであり得、かつセンサー高さ寸法404は、約10μm乃至0.70mmであり得る。例えば、活性センサー106が略矩形プリズムとして形状を形成されている場合に、活性センサー106は、約6.0mmのセンサー長さ寸法400と、約6.0mmのセンサー幅寸法402と、約0.61mmのセンサー高さ寸法404とを有することができる。
【0101】
図4Bは、試料の酸化還元電位(ORP)を測定するために使用される、一実施形態による活性センサー106を示す側面図である。本実施形態では、活性センサー106は、貴金属から形成される活性電極層132を有することができる。例えば、活性電極層132は、白金、金、またはそれらの組み合わせもしくは複合体からなることができる。
【0102】
活性電極層132は、接着層408を介して導電性基板406の片面に接着させることができる。導電性基板406は、ステンレス鋼(SS)等の導電性材料で形成することができる。例えば、導電性基板406は、SS316とすることができる。他の実施形態では、導電性基板406は、アルミニウム、銅、またはアルミニウム、銅、もしくはステンレス鋼の任意の組み合わせまたは複合体で形成することができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、接着層408は、クロム(Cr)の薄層とすることができる。これに代えて、接着層408は、金、ニッケル、チタン、またはタンタルの薄層であってもよい。接着層408は、導電性基板406と活性電極層132との間に配置され得る。
【0104】
代替的実施形態では、活性電極層132は、接着層408無しで導電性基板406の片面上に直接堆積させることができる。
【0105】
活性電極層132は、約50nm乃至500nm(例えば、約400nm)の活性電極層の厚み410を有し得る。接着層408は、約5nm乃至50nm(例えば、約20nm)の接着層の厚み412を有し得る。接着層の厚み412と活性電極層の厚み410との比は、約1:10乃至1:20であり得る。
【0106】
導電性基板406は、基板層の厚み414を有することができる。基板層の厚みは、約10μm乃至0.70mm(例えば、約0.61mm)とすることができる。
【0107】
図4Cは、試料のpHを測定するために使用される、別例による活性センサー106を示す側面図である。本実施形態では、活性センサー106は、pHに感受性の高い材料からなる活性電極層132を有することができる。pHに感受性の高い材料は、導電性基板406上に直接、または接着層408を介して層として堆積させることができる。
【0108】
例えば、活性電極層132は、金属酸化物から形成することができる。例えば、活性電極層132は、五酸化タンタル(Ta2O5)で形成することができる。他の実施形態では、活性電極層132は、二酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(Si3N4)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化チタン(TiO2)、二酸化ハフニウム(HfO2)、二酸化イリジウム(IrO2)、二酸化ルテニウム(RuO2)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)またはそれらの組み合わせや複合体から形成可能である。
【0109】
導電性基板406は、ステンレス鋼(SS)等の導電性材料で形成することができる。例えば、導電性材料はSS316とすることができる。他の実施形態では、導電性基板406は、アルミニウム、銅、またはアルミニウム、銅、もしくはステンレス鋼の任意の組み合わせまたは複合体で形成することができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、接着層408は、クロム(Cr)の薄層とすることができる。これに代えて、接着層408は、金、ニッケル、チタン、またはタンタルの薄層であってもよい。接着層408は、導電性基板406と活性電極層132との間に配置され得る。
【0111】
上述したように、活性電極層132は、接着層408なしで導電性基板406上に直接堆積させることができる。
【0112】
活性電極層132は、約50nm乃至500nm(例えば、約400nm)の活性電極層の厚み410を有することができる。接着層408は、約5nm乃至50nm(例えば、約20nm)の接着層の厚み412を有することができる。接着層の厚み412と活性電極層の厚み410の比は、約1:10乃至1:20であり得る。
【0113】
導電性基板406は、基板層の厚み414を有することができる。基板層の厚みは、約10μm乃至0.70mm(例えば、約0.61mm)とすることができる。
【0114】
図4Dは、試料のpHを測定するために使用される、別例による活性センサー106を示す側面図である。本実施形態では、白金層416を改質するために表面改質技術を使用することができる。例えば、酸素プラズマ処理を使用して白金層416を酸化させ、酸化白金/二酸化白金(PtO
2)層418を形成することが可能である。このようにして形成された酸化白金層418は、水素イオンに反応し、pHに感受性の高い層として使用することができる。このように、酸化白金層418は、活性電極層132として機能することができる。
【0115】
白金層416は、接着層408を介して導電性基板406に接着させることができる。導電性基板406は、ステンレス鋼(SS)等の導電性材料で形成することができる。例えば、導電性基板は、SS316とすることができる。他の実施形態では、導電性基板406は、アルミニウム、銅、またはアルミニウム、銅、もしくはステンレス鋼の任意の組み合わせまたは複合体で形成することができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、接着層408は、クロム(Cr)の薄層とすることができる。これに代えて、接着層408は、金、ニッケル、チタン、またはタンタルの薄層であってもよい。接着層408は、導電性基板406と活性電極層132との間に配置され得る。
【0117】
代替的実施形態では、白金層416は、接着層408無しで導電性基板406の片面上に直接堆積させることができる。
【0118】
白金層416は、約50nm乃至500nm(例えば、約400nm)の層の厚みを有することができる。接着層408は、約5nm乃至50nm(例えば、約20nm)の接着層の厚み412を有し得る。
【0119】
導電性基板406は、基板層の厚み414を有することができる。基板層の厚みは、約10μm乃至0.70mm(例えば、約0.61mm)とすることができる。
【0120】
酸化白金層418は、酸化物層の厚み420を有することができる。酸化物層の厚み420は、約10nm乃至100nmとすることができる。
【0121】
上述したように、特定の分析対象物に対するある所望の感度または特異性を得るために、蒸着層を選択することができる。また、自己組織化単分子膜(SAM)、抗体、結合抗体フラグメント、結合アプタマー、結合DNAによるバイオ機能化、およびプラズマ処理などの他の表面改質技術も、蒸着層の表面特性を変え、それによって特異性および感度を調整するために採用することができる。
【0122】
図5Aは、さらなる別例による活性センサー106を示す側面図である。活性センサー106のこの実施形態は、プリント回路基板(PCB)製造技術の規模および効率を活用する。
【0123】
活性センサー106は、活性電極層132によって一部が覆われた非導電性PCB基板500で形成することができる。いくつかの実施形態では、非導電性PCB基板500は、ポリイミドで形成することができる。他の実施形態では、非導電性PCB基板500は、FR-4複合材料などのガラス強化エポキシ積層板材料で形成することができる。特定の実施形態では、PCB基板500は、フレキシブルPCB材料とすることができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、活性電極層132は、貴金属で形成することができる。例えば、活性電極層132は、白金(例えば、
図5A、
図5B、および
図6A乃至6C参照)、金(例えば、
図6A乃至6C参照)、またはそれらの組み合わせもしくは複合体から形成することができる。白金または金は、PCB基板500上に電着またはスパッタリングで堆積させることができる。
【0125】
活性電極層132は、少なくとも50nmの活性電極層の厚みを有することができる。特定の実施形態では、活性電極層132は、少なくとも400nmの活性電極層の厚みを有することができる。活性電極層132が白金から形成される場合に、活性センサー106は、試料のORPの測定または監視に使用することができる。
【0126】
代替的実施形態では、非導電性PCB基板500上に堆積された白金層を表面改質技術で改質し、白金層をpHに感受性の高い層にすることができる(例えば、
図4Dを参照)。例えば、酸素プラズマ処理を使用して白金層を酸化して酸化白金(PtO
2)層を形成することができる。このようにして形成された酸化白金層は、水素イオンに反応し、pHに感受性の高い層として使用することができる。本実施形態では、活性センサー106は、試料のpHを測定または監視するために使用することができる。
【0127】
PCB基板500は、活性電極層132と反対側の基板側面上に、導電性コンタクトまたは導電性コンタクト層502をパターン形成することができる。いくつかの実施形態では、導電性コンタクト層502は、金層であり得る。他の実施形態では、導電性コンタクト層502は、白金、ニッケル、銅、またはそれらの合金もしくは複合物などの別の種類の導電性金属で形成することができる。
【0128】
図5Aに示すように、活性電極層132は、1つ以上の導電性ビア504によって導電性コンタクトまたは導電性コンタクト層502に電気的に結合され得る。一実施形態では、導電性ビア504は、一部が銅または銅合金で形成可能である。他の実施形態では、導電性ビア504は、金などの別の種類の導電性金属で形成することができる。
【0129】
いくつかの実施形態において、各活性センサー106は、センサーパッケージの中央に配置された少なくとも1つの導電性ビア504を有することができる。他の実施形態では、導電性ビア504は、センサーパッケージの外周部または縁部の近傍に配置され得る。
【0130】
導電性ビア504は、電気メッキ、蒸着、またはそれらの組み合わせによって形成することができる。さらに、標準的なPCBエッチングプロセスを使用して、追加の特徴またはパターンをPCB基板500上に形成することができる。
【0131】
図5Bは、複数の個別の活性センサー106に個片化可能な、活性電極層132(例、白金)で覆われた1枚のPCB基板を示す図である。例えば、1枚のPCB基板を個片化して、400乃至500個の活性センサー106を製造することができる。
【0132】
図6Aは、金(Au)活性電極600A、第1の白金(Pt)活性電極600B、および第2の白金活性電極600Cを含む3つの個別活性電極からなる活性センサー106を示す白黒画像である。活性センサー106は、上述したPCB製造技術を使用して製造することができる。唯一の相違点は、異なる活性電極材料(例えば、AuおよびPt)が同じ非導電性PCB基板500上に電気メッキまたは蒸着されたことである。例えば、非導電性PCB基板500の1つの区分またはストリップは、第1の活性電極材料または層(例えば、Au)によって覆われ、同じ非導電性PCB基板500の他の区分またはストリップは、第2の活性電極材料または層(例えば、Pt)によって覆われることができる。
【0133】
図6Aに示すように、活性センサー106は、試料チャンバー108のチャンバー側壁112の一部に結合(例えば、接着またはインサート成形)され得る。
図6Aに示す試料容器104は透明な容器として形成されているため、試料チャンバー108の透明な壁を通して活性センサー106の活性電極側を視認することができる。試料チャンバー108が流体試料(
図6Aに示さない)で満たされると、流体試料は、チャンバー側壁112に沿って形成された窓開口部114を通して金活性電極600A、第1の白金活性電極600B、および第2の白金活性電極600Cに接触することが可能である。
【0134】
複数の活性電極からなる活性センサー106の1つの利点は、各電極が同じ基準電極または基準センサー(例えば、基準センサー122)に関して固有の電位を報告することができることにある。さらに、活性電極は、試料の異なる溶液特性(例えば、ORPおよびpH)を同時に測定または監視できるように、異なる材料で形成することができる。
【0135】
図示しないが、複数の活性電極を活性電極アレイ(例えば、電極アレイ96)として配置して形成した活性センサー106を1つのセンサー装置100に一体的に形成して、試料の複数の溶液特性を同時に測定できることが、本開示によって企図されている。複数の活性電極は、選択エッチング、フォトレジスト層、シャドウマスキング、またはそれらの組み合わせを含むPCB産業で一般的な技術を使用して、非導電性PCB基板500上にパターン形成することができる。
【0136】
図6Bは、
図6Aに示す活性センサー106のコンタクト側を拡大して示す白黒画像である。例えば、
図6Bに示すように、活性電極の各々は、非導電性PCB基板500の反対側に堆積またはメッキされた独自の導電性コンタクトストリップ602または区分を有することができる。例えば、導電性コンタクトストリップ602または区分は、金で形成することができる。導電性コンタクトストリップ602または区分は、導電性コンタクト層502のセグメント化された事例であり得る(例えば、
図5Aを参照)。活性電極は、非導電性PCB基板500を通って延びる導電性ビア(
図6Bに示さない)によって導電性コンタクトに電気的に結合され得る。
【0137】
図6Cは、個別の活性センサー106(例えば、
図6Aおよび
図6B参照)に個片化することができる1つのPCB基板を示す白黒画像である。上述したように、非導電性PCB基板は、電気メッキまたはスパッタ蒸着を使用して活性電極層132によって片面を覆うことができる。PCB基板の他方の面は、導電性コンタクト層502によって一部を覆うことができる(同様に電気メッキまたは蒸着技術を介して)。活性電極層132は、非導電性PCB基板を通って延びる導電性ビア504によって導電性コンタクト層502に電気的に結合され得る。上述したように、この方法で処理された1つのPCB基板は、400乃至500個の活性センサー106を製造するために個片化することができる。
【0138】
図7は、貫通孔702を構成する非導電性高分子基板700を活性電極層132および導電性コンタクト層502で覆って形成した、さらなる別例による活性センサー106を示す図である。
【0139】
非導電性高分子基板700は、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはそれらの共重合体もしくは混合物などの任意のタイプの射出成形プラスチックから形成された基板であり得る。
【0140】
いくつかの実施形態では、活性電極層132は、貴金属層である。例えば、活性電極層132は、白金の層、金の層、またはそれらの組み合わせもしくは複合体とすることができる。白金層または金層は、スパッタ堆積(例えば、物理蒸着法(PVD)スパッタ堆積)、気化蒸着法、または電着を介して導電性高分子基板700に堆積またはその他の方法で適用することができる。いくつかの実施形態では、白金層または金層は、スクリーンプリントを使用してプリントすることができる。
【0141】
活性電極層132は、少なくとも50nmの活性電極層の厚みを有することができる。特定の実施形態では、活性電極層132は、少なくとも400nmの活性電極層の厚みを有することができる。活性電極層132が白金または金から形成される場合に、活性センサー106は、試料のORPの測定または監視に使用することができる。
【0142】
代替的実施形態では、非導電性高分子基板700上に堆積された白金層を表面改質技術で改質し、白金層をpHに感受性の高い層にすることができる(例えば、
図4Dを参照)。例えば、酸素プラズマ処理を使用して白金層を酸化して酸化白金(PtO
2)層を形成することができる。このようにして形成された酸化白金層は、水素イオンに反応し、pHに感受性の高い層として使用することができる。本実施形態では、活性センサー106は、試料のpHを測定または監視するために使用することができる。
【0143】
いくつかの実施形態では、導電性コンタクト層502は、金層であり得る。他の実施形態では、導電性コンタクト層502は、白金、ニッケル、銅、またはそれらの合金もしくは複合物などの別の種類の導電性金属で形成することができる。
【0144】
貫通孔702は、約10μm乃至100μmの直径を有することができる。いくつかの実施形態では、活性センサー106は、約100μm乃至6.0mmの幅寸法と、約100μm乃至6.0mmの長さ寸法とを有し得る。例えば、活性センサー106は、約100μmの幅寸法および約100μmの長さ寸法を有することができる。
【0145】
図8Aおよび
図8Bは、活性センサー106の2つの異なる実施形態を示す側面断面図である。いずれの実施形態においても、貫通孔702の端部は、活性電極層132および導電性コンタクト層502によって覆われている。
図8Aおよび
図8Bに示すように、導電性コーティングは、貫通孔702の横側面を覆うことができる。
【0146】
図8Aに示す実施形態では、導電性コーティングは、活性電極層132と同じ材料で構成されている。
図8Bに示す実施形態では、導電性コーティングは、導電性コンタクト層502と同じ材料で構成されている。貫通孔702の側面が活性電極材料または導電性コーティング材料によって覆われているかどうかは、非導電性高分子基板700上にどちらの層を最初に堆積させるかによって決定することができる。
【0147】
より具体的な例として、活性電極層132が白金の層であり、白金の層が非導電性高分子基板700上に最初に堆積される場合に、貫通孔の横側面を覆う導電性コーティングは、白金のコーティングであり得る。これに代えて、導電性コンタクト層502が金の層であり、金の層が非導電性高分子基板700上に最初に堆積される場合に、貫通孔の横側面を覆う導電性コーティングは、金のコーティングであり得る。
【0148】
いくつかの実施形態では(例えば、
図8Aおよび
図8Bに示すように)、貫通孔702の横側面が導電性コーティングによって覆われている限り、貫通孔702全体を充填する必要はない。導電性コーティングは、活性センサー106の2つの側面間の電気的接続部または導電経路として機能することができる。これに代えて、貫通孔702の少なくとも一部を導電性コーティングで充填してもよい。
【0149】
いくつかの実施形態では、非導電性高分子基板700は、プラスチックのシート全体に形成された小さな貫通孔702のアレイを有するプラスチックのシートとして出発することができる。プラスチックのシートは、続いて活性電極層132または導電性コンタクト層502で最初に覆われ得る。貫通孔702の横側面および貫通孔702の端部の少なくとも1つは、プラスチックのシートを最初に覆うために使用される材料によって続いてコーティングされ得る。貫通孔702の残りの開放端を含むプラスチックのシートの他方の面は、続いてどちらの層上に先に行ったかに応じて、導電性コンタクト層502または活性電極層132によって覆われ得る。一旦プラスチックのシートの両面が覆われたら、プラスチックのシートを個片化して、個別の活性センサー106を製造することができる。この方法で製造された活性センサー106は、100μm×100μm(W×L)という小型の寸法に形成することができる。
【0150】
図9は、非導電性プラスチックの大型のシートまたは大型のPCBを、本明細書に開示した方法を使用して加工し(活性電極層、接着層、導電層、またはそれらの組み合わせで覆う)、続いて複数の活性センサー106に個片化できることを示している。いくつかの実施形態では、非導電性プラスチックの大型シートまたは大型PCBは、鋸引き、レーザー切断、金属剪断、熱線切断、ダイカット、スタンピング、またはそれらの組合せを使用して個片化することができる。
【0151】
図10は、導電性ダボ1000から形成される活性センサー106を備える、別例によるセンサー装置100を示す側面図である。いくつかの実施形態では、導電性ダボ1000は、ステンレス鋼ダボとすることができる。導電性ダボ1000は、チャンバーキャビティー109内に延びる活性電極層132によって部分的に覆われ得る。活性電極層132によって覆われた導電性ダボ1000の部分は、チャンバーキャビティー109内の試料が活性電極層132と流体接触できるように、チャンバーキャビティー109内に延びることができる。
【0152】
導電性ダボ1000は、チャンバー側壁112に沿って形成された窓開口部において、チャンバー側壁112の少なくとも一部に結合され得る。導電性ダボ1000の反対側の端部(活性電極層132によって覆われていない端部)は、チャンバー側壁112の外に延びて、リーダー装置190の1つ以上の導電性接続部に接触することができる。導電性ダボ1000は、丸みを帯びた縁部を有する円柱として実質的に形成することができる。
【0153】
導電性ダボ1000は、チャンバー側壁112にインサート成形または接着剤で接着することができる。
【0154】
いくつかの実施形態では、活性電極層132は、貴金属層である。例えば、活性電極層132は、白金の層、金の層、またはそれらの組み合わせもしくは複合体とすることができる。白金層または金層は、スパッタ堆積(例えば、物理蒸着法(PVD)スパッタ堆積)、気化蒸着法、または電着を介して導電性ダボ1000に堆積またはその他の方法で適用することができる。
【0155】
活性電極層132は、少なくとも50nmの活性電極層の厚みを有することができる。特定の実施形態では、活性電極層132は、少なくとも400nmの活性電極層の厚みを有することができる。活性電極層132が白金または金から形成される場合に、活性センサー106は、試料のORPの測定または監視に使用することができる。
【0156】
代替的実施形態では、導電性ダボ1000上に堆積された白金層を表面改質技術で改質し、白金層をpHに感受性の高い層にすることができる。例えば、酸素プラズマ処理を使用して白金層を酸化して酸化白金(PtO2)層を形成することができる。このようにして形成された酸化白金層は、水素イオンに反応し、pHに感受性の高い層として使用することができる。本実施形態では、活性センサー106は、試料のpHを測定または監視するために使用することができる。
【0157】
図11は,大腸菌ATCC25922を含む3つの試料の酸化還元電位(ORP)の経時的変化を3種類のセンサーを使用して測定したグラフである。
図11に示すように、1つのセンサーは、診断現場で一般的に使用されている従来のORPプローブ(例えば、Mettler-Toledo,LLC社が販売する市販のORPプローブ)である。他の2つのセンサーは、本明細書に開示されたセンサー装置100の実施形態であり、一方は気化蒸着法によって蒸着された白金活性電極層からなる活性センサー106を有し、他方は電気メッキされた白金活性電極層からなる活性センサー106を有するものである。いずれの実施形態における活性センサー106も、チャンバー側壁112に沿って形成された窓開口部114において、チャンバー側壁112の少なくとも一部に結合される。これらの実施形態では、活性センサー106は、活性センサー106のいかなる部分も試料チャンバー108のチャンバーキャビティー109内に延びないように位置決めされる。2つのセンサー装置100の各々をリーダー装置190内に配置したときのORPの変化をリーダー装置190で測定した。
【0158】
3つの大腸菌増殖曲線で示されるように、2つのセンサー装置100は、市販のORPプローブと同様の性能を示した。信号応答のばらつきは許容範囲内であった。
【0159】
図12は、酸化タンタル/五酸化タンタル(Ta
2O
5)活性電極層を含む活性センサー106を有する本明細書に開示のセンサー装置100を使用して、異なる開始濃度の大腸菌ATCC 25922を含む4つの試料のpHの経時的変化を測定したものを示すグラフである。
【0160】
図12に示すように、測定した大腸菌の増殖曲線は、細菌が最初に遅滞期を有し、次に対数期を経て固定相に至るという古典的な増殖パターンを示している。曲線のパターンや形状は、試料内の活性大腸菌による細胞活性に起因するものである。
【0161】
図13Aは、センサー装置100の試料チャンバー108内の試料の溶液特性を測定するように構成されたリーダー装置190を示す斜視図である。リーダー装置190は、活性センサー106および基準センサー122がリーダー装置190内の導電性接続部またはインターフェースを介して電気的に結合されている場合に、活性センサー106(より具体的には、活性電極層132)と基準センサー122(より具体的には、基準電極材料149)との間で測定した電位差に基づいて試料の溶液特性を測定することが可能である。リーダー装置190は、電気活性の酸化還元種または荷電イオンを含む試料と流体接触している電極層間の界面における平衡電位の相対的変化を測定するための電圧計または別のタイプの高インピーダンス増幅器またはソースメーターとして機能することができる。
【0162】
試料内の感染病原体の増殖や代謝(またはその不足)により、電気活性の酸化還元種の量やH+イオンの量が変化し、試料の溶液特性が変化し得る。例えば、感染病原体による細胞活動の結果、試料中の電気活性の酸化還元種の量が変化し得る。より具体的な例として、試料内の感染病原体の増殖や代謝(あるいはその不足)により、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)およびフラビンアデニンジヌクレオチド(FADH2)などのエネルギー担体の量が変化するため、酸素量および電子供与体の量も変化し得る。
【0163】
リーダー装置190は、センサー装置100の活性電極層132が白金(Pt)や金(Au)などの酸化還元電位(ORP)に感受性の高い材料で形成されている場合に、試料の酸化還元電位(ORP)を測定することが可能である。さらに、リーダー装置190は、センサー装置100の活性電極層132が金属酸化物層などのpHに感受性の高い材料で形成されている場合にも、試料のpHを測定することが可能である。
【0164】
図13Aは、リーダー装置190が、主制御装置1301(例えば、
図13C参照)、信号読み出し制御部1303(
図14、
図15A、および
図15B参照)、熱制御モジュール1305(例えば、
図13B、
図13C、および
図13D参照)、および曝気制御モジュール1307(例えば、
図13Bおよび
図13C参照)を含むリーダー装置190の特定の機能要素を収容するよう構成されるリーダーハウジング1300からなり得ることを例示する。また、リーダーハウジング1300は、測定結果を表示し、ユーザーがリーダー装置190にコマンドを入力できるように構成されたタッチスクリーンディスプレイ1302を露出させることも可能である。
【0165】
リーダー装置190の蓋1304またはカバーは、リーダー装置190による分析または調査のためにセンサー装置100を収容または受承するように構成された容器受承空間1306(例えば、
図13B参照)を現すために開放されるかまたは持ち上げられることができる。
【0166】
図13Bは、リーダー装置190内に試料を充填したセンサー装置100を装填した状態のリーダー装置190を示す部分切断図である。センサー装置100が容器受承空間1306内に位置決めされる場合に、リーダー装置190の基準電極コンタクト1308は、センサー装置100の容器キャップ116(例えば、
図1D参照)上に位置決めされた基準電極材料149と接触するように配置または移動することが可能である。さらに、センサー装置100が容器受承空間1306内に位置決めされる場合に、リーダー装置190の活性電極コンタクト1310は、活性センサー106の導電性基板層または導電性コンタクト(例えば、
図4B乃至4Dの導電性基板406または
図5Aの導電性コンタクト層502のいずれか)と接触するように配置または移動することが可能である。
【0167】
いくつかの実施形態において、基準電極コンタクト1308および活性電極コンタクト1310は、1つ以上の導電性ポゴまたはばね付きピン、導電性リーフコンタクト、またはそれらの組み合わせから構成され得る。より具体的には、導電性を備えるポゴピンやリーフコンタクトは、銅、ニッケル、ステンレス鋼、またはそれらの合金で形成することができる。
【0168】
基準電極コンタクト1308および活性電極コンタクト1310は、信号読み出し制御部1303に電気的に結合され得る。信号読み出し制御部1303は、センサー装置100の活性センサー106および基準センサー122から得られた信号を変換して読み出すようにプログラムされた1つ以上のプロセッサー、チップセット、またはチップモジュールで構成され得る。
【0169】
また、
図13Bは、リーダー装置190が、熱制御モジュール1305および曝気制御モジュール1307からなり得ることを例示する図である。熱制御モジュール1305は、試料が充填されたセンサー装置100で培養を行うように構成することができる。熱制御モジュール1305は、加熱ブロック1318(例えば、
図13D参照)を介してセンサー装置100の少なくとも一部を加熱することによって、センサー装置100で培養することができる。いくつかの実施形態において、加熱ブロック1318は、活性センサー106に対向する試料チャンバー108の横側面を加熱することができる。特定の実施形態では、加熱ブロック1318は、センサー装置100を加熱するために、試料チャンバー108を部分的に包囲するか、またはクレードルのように入れることができる。
【0170】
いくつかの実施形態では、加熱ブロック1318は、その一部をアルミニウムで形成することができる。他の実施形態では、加熱ブロック1318は、一部を別の種類の熱伝導性金属材料で形成することができる。
【0171】
センサー装置100は、約30°C乃至40°C(例えば、約35°Cプラスマイナス2°C)の培養温度に加熱され得る。センサー装置100は、培養期間中、培養することができる。培養期間は15分乃至48時間を超える範囲にあり得る。培養期間は、試料から疑われる感染病原体の種類によって調整することができる。
【0172】
いくつかの実施形態において、熱制御モジュール1305は、リーダー装置190の主制御装置1301(例えば、
図13C参照)により制御され得る。他の実施形態では、熱制御モジュール1305は、リーダー装置190内の別の制御装置またはモジュールによって、または信号読み出し制御部1303によって制御され得る。
【0173】
いくつかの実施形態では、センサー装置100で培養される前に、栄養液または刺激溶液を試料チャンバー108に導入することができる。例えば、栄養液は、バクトトリプトン、酵母エキス、牛肉エキス、カチオン調整ミューラーヒントンブロス(CAMHB)、デンプン、カゼインの酸加水分解物、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、血液または溶血馬血清(LHB)を含む溶血、CAMHB-LHB混合物、ブドウ糖、またはこれらの組み合わせを含む溶液とすることができる。試料が体液で構成されている場合に、試料に含まれるイオンや物質の緩衝作用を打ち消すために栄養液を使用することができる。
【0174】
曝気制御モジュール1307は、試料を含むチャンバーキャビティー109にガス162(例えば、
図1D参照)をポンプで送り込むことによって、試料チャンバー108内の試料を曝気するように構成され得る。ガス162は、試料チャンバー108の底部に沿って形成された曝気ポート160を介して試料チャンバー108にポンプで送り込むことができる(例えば、
図1Dを参照)。
【0175】
試料を曝気することで、試料内の感染病原体への酸素供給量を増加させ、感染病原体の増殖速度を確実に高めることができる。さらに、試料を曝気することにより、バイオフィルムの形成を抑制するように、試料チャンバー108の内壁から感染病原体を剥離させることも可能である。
【0176】
図13Cは、リーダーハウジング1300が取り外された状態のリーダー装置190の一部を示す斜視図である。
図13Cに示すように、曝気制御モジュール1307は、曝気制御モジュール1307をセンサー装置100に接続するガス送達導管1312を介してガス162を送達することが可能である。いくつかの実施形態において、ガス送達導管1312の少なくとも1つの区分は、リーダー装置190の基部または底部の周囲に沿ってまたは巻かれて位置決めされ得る。
【0177】
図13Dは、試料チャンバー108内の試料を曝気するために、ガスノズル1314がセンサー装置100の底部に接続されている態様を拡大して示す図である。ガスノズル1314は、ガス送達導管1312の末端または遠位端に配置され得る。
【0178】
図13Dに示すように、ガスノズル1314は、ノズルインターフェース1316を介して試料チャンバー108の底部にある曝気ポート160に接続することができる。いくつかの実施形態では、ノズルインターフェース1316は、Oリングであり得る。他の実施形態では、ノズルインターフェース1316は、別のタイプのガスケットまたは流体密封インターフェースであり得る。
【0179】
いくつかの実施形態では、ガス162は、周囲空気(例えば、実験室、臨床環境、または試験施設内の空気)とすることができる。他の実施形態では、ガス162は、加圧された酸素、二酸化炭素、窒素、およびアルゴンの組み合わせからなる。試料を曝気することで、試料チャンバー108内に酸素が豊富な環境を提供することにより、試料内の微生物集団の増殖を加速させることができる。
【0180】
曝気制御モジュール1307は、約1.0mL/分乃至10.0mL/分の一定の流量でガス162を試料チャンバー108にポンプで送り込むことが可能である。
【0181】
いくつかの実施形態において、曝気制御モジュール1307は、主制御装置1301(例えば、
図13C参照)により制御され得る。他の実施形態では、曝気制御モジュール1307は、リーダー装置190内の別の制御装置またはモジュールによって、または信号読み出し制御部1303によって制御され得る。例えば、試料チャンバー108内にポンプで送り込まれるか、あるいは配向されるガス162(例えば、周囲空気)の量は、リーダー装置190によって検知される試料の溶液特性の変化、またはそのような変化の欠如によって指示され得る。
【0182】
図14は、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置100の製造方法1400を示す図である。方法1400は、ステップ1402において、導電性基板406(例えば、316SSなどのステンレス鋼のシート)を酸および塩基処理で洗浄するステップを含むことができる。
【0183】
導電性基板406は、まず、一連の酸および塩基処理で洗浄し、不純物または表面汚染物(例えば、遊離鉄)を除去することができる。このような処理は、硝酸(10%)に続いて水酸化アンモニウム(175mM)、イソプロピルアルコール(99%)またはアセトンで行うことができる。他の実施形態では、導電性基板406は、他の酸、塩基、アルコール、溶媒、または他の化学物質を使用して洗浄し、スケールを取り除くことができる。
【0184】
方法1400は、ステップ1404において、洗浄された導電性基板406上に接着層408が形成されるまで、洗浄された導電性基板406の片側に接着材料を堆積させるステップをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、接着層408は、物理蒸着法(PVD)などのスパッタ堆積技術によって堆積させることができる。いくつかの実施形態では、接着層408は、クロム(Cr)の層とすることができる。クロムは、導電性基板406のステンレス鋼に含まれるクロムと結合を生じるため、選択することができる。他の実施形態では、接着層408は、金(Au)またはニッケル(Ni)の層とすることもできる。
【0185】
ステップ1404は、接着層408の厚みが少なくとも20nmになるまで接着材料(例えば、Cr、Au、またはNi)を堆積させるステップを含むことも可能である。
【0186】
方法1400は、ステップ1406で接着層408上に活性電極層132が形成されるまで、接着層408上に活性電極材料を堆積させるステップをさらに含むことができる。活性電極層132は、センサー装置100をORPセンサーとして使用する場合に、白金層や金層などの貴金属層とすることができる。活性電極層132を堆積させるステップは、スパッタ堆積(例えば、PVD)、気化蒸着法、または電着を使用して活性電極材料(例えば、Pt)を堆積させるステップを含むことができる。気化蒸着法などの特定のプロセスでは、導電性基板406を真空中でアルゴン(Ar)プラズマエッチングで予め洗浄することができる。他の実施形態では、活性電極材料は、インクスクリーンプリントを使用して適用することができる。
【0187】
ステップ1406は、活性電極層132の厚みが少なくとも50nmになるまで活性電極材料を堆積させるステップも含むことができる。ステップ1406は、活性電極層132の厚みが少なくとも400nmになるまで活性電極材料を堆積させるステップをさらに含むことができる。出願人は、流体(例えば、流体試料)が活性電極層132を通過して活性センサー106の他の層と接触するようにする(それによって測定に悪影響を及ぼす)ナノサイズの穴が活性電極層132に形成されることを防止するためにこの最小の厚みが必要であることを発見した。さらに、導電性基板406として抗菌性材料(例えば、銅またはニッケル)を使用する場合に、最小400nmの厚みを有する活性電極層132は、流体試料中の微生物を保護するための障壁として機能することができる。
【0188】
特定の実施形態では、接着層408は、真空チャンバー内で堆積させることができ、活性電極層132は、同じ真空チャンバー内で接着層408に続いて堆積させることができる。
【0189】
これに代えて、ステップ1406は、金属層を堆積させ、金属層を表面改質し、金属酸化物層を形成するステップを含むことができる。例えば、ステップ1406は、白金層を堆積させ、白金層を酸化させて、活性電極層132として機能する酸化白金(PtO2)層を形成するステップを含むことができる。活性電極層132は、センサー装置100がpHセンサーとして使用される場合に、金属酸化物層(例えば、酸化白金または酸化タンタル)とすることができる。
【0190】
方法1400は、ステップ1408において、接着層408および活性電極層132によって覆われた導電性基板406を個片化するステップをさらに含むことができる。接着層408および活性電極層132に覆われた導電性基板406は、レーザー切断、金属剪断、熱線切断、ダイカット、スタンピング、または鋸切断によって個片化することができる。接着層408および活性電極層132によって覆われた導電性基板406は、試料チャンバー108のチャンバー側壁112に沿って形成される窓開口部114を覆う大きさの活性センサー106を得るために個片化することができる(例えば、
図1B乃至1Dおよび
図2を参照)。
【0191】
方法1400は、ステップ1410において、活性センサー106をチャンバー側壁112の少なくとも一部に結合させるステップをさらに含み得る。活性センサー106は、活性センサー106のどの部分も試料チャンバー108内のチャンバーキャビティー109内に延びないように、チャンバー側壁112の少なくとも一部に結合され得、活性電極層132は、チャンバーキャビティー109内の任意の試料が窓開口部114を包囲するチャンバー側壁112の少なくとも一部を通して活性電極層132と流体接触することができるように、チャンバーキャビティー109に面している。活性センサー106は、活性センサー106(活性電極層132を含む)がチャンバー側壁112の内側に面する側またはキャビティーに面する側から半径方向外側に位置決めされるように、かつ活性センサー106の横側面136がチャンバーキャビティー109と流体連通しないように、チャンバー側壁112の少なくとも一部に結合されることができる。
【0192】
いくつかの実施形態において、活性センサーを試料チャンバー108のチャンバー側壁112の少なくとも一部に結合するステップは、窓開口部114を包囲するチャンバー側壁112に沿って形成される凹部134内のチャンバー側壁112の一部に接着剤138のビードを塗布するステップと、凹部134内の接着剤138のビード上に活性センサー106を押圧または配置するステップと、接着剤138を硬化するステップとをさらに含むことができる。
【0193】
代替的実施形態では、活性センサーを試料チャンバー108のチャンバー側壁112の少なくとも一部に結合するステップは、試料チャンバー108を射出成形によって形成する間に、活性センサー106をチャンバー側壁112にインサート成形するステップを含み得る。
【0194】
さらなる代替的実施形態において、活性センサーを試料チャンバー108のチャンバー側壁112の少なくとも一部に結合するステップは、窓開口部114を包囲するチャンバー側壁112の一部を(例えば、超音波溶接によって)局所的に溶融するステップと、チャンバー側壁112の溶融した部分上に活性センサー106を押圧または配置するステップと、チャンバー側壁112の溶融した部分を冷却させて活性センサー106をチャンバー側壁112に貼付するステップとを含み得る。
【0195】
図15は、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置100を製造するさらなる別の方法1500を示す図である。方法1500は、ステップ1502において、非導電性プリント回路(PCB)基板500(例えば、
図5Aを参照)を設けるステップを含むことができる。
【0196】
方法1500は、ステップ1504で非導電性PCB基板500上に活性電極層132が形成されるまで、非導電性PCB基板500の片面上に活性電極材料を堆積させるステップをさらに含むことができる。ステップ1504は、活性電極層132の厚みが少なくとも50nmになるまで活性電極材料を堆積させるステップをさらに含むことができる。ステップ1504は、活性電極層132の厚みが少なくとも400nmになるまで活性電極材料を堆積させるステップをさらに含むことができる。活性電極層132は、堆積ステップの後に、非導電性PCB基板500を通って延びる導電性ビア504によって、非導電性PCB基板500の導電性コンタクトまたは導電性コンタクト層502に電気的に結合させることができる。
【0197】
活性電極層132は、センサー装置100をORPセンサーとして使用する場合に、白金層や金層などの貴金属層とすることができる。活性電極層132を堆積させるステップは、スパッタ堆積(例えば、PVD)、気化蒸着法、または電着を使用して活性電極材料(例えば、Pt)を堆積させるステップを含むことができる。
【0198】
方法1500は、ステップ1506において、試料チャンバー108のチャンバー側壁112に沿って形成される窓開口部114を覆う大きさの活性センサー106を得るために、活性電極層132によって覆われた非導電性PCB基板500を個片化するステップをさらに含むことができる。活性電極層132に覆われた非導電性PCB基板500は、レーザー切断、金属剪断、熱線切断、ダイカット、スタンピング、または鋸切断によって個片化することができる。活性センサー106は、PCB基板500を通って延びる少なくとも1つの導電性ビア504からなり得る。
【0199】
方法1500は、ステップ1508において、活性センサー106をチャンバー側壁112の少なくとも一部に結合させるステップをさらに含み得る。活性センサー106は、活性センサー106のどの部分も試料チャンバー108内のチャンバーキャビティー109内に延びないように、チャンバー側壁112の少なくとも一部に結合され得、活性電極層132は、チャンバーキャビティー109内の任意の試料が窓開口部114を包囲するチャンバー側壁112の少なくとも一部を通して活性電極層132と流体接触することができるように、チャンバーキャビティー109に面している。活性センサー106は、活性センサー106(活性電極層132を含む)がチャンバー側壁112の内側に面する側またはキャビティーに面する側から半径方向外側に位置決めされるように、かつ活性センサー106の横側面136がチャンバーキャビティー109と流体連通しないように、チャンバー側壁112の少なくとも一部に結合されることができる。
【0200】
いくつかの実施形態において、活性センサーを試料チャンバー108のチャンバー側壁112の少なくとも一部に結合するステップは、窓開口部114を包囲するチャンバー側壁112に沿って形成される凹部134内のチャンバー側壁112の一部に接着剤138のビードを塗布するステップと、凹部134内の接着剤138のビード上に活性センサー106を押圧または配置するステップと、接着剤138を硬化するステップとをさらに含むことができる。
【0201】
代替的実施形態では、活性センサーを試料チャンバー108のチャンバー側壁112の少なくとも一部に結合するステップは、試料チャンバー108を射出成形によって形成する間に、活性センサー106をチャンバー側壁112にインサート成形するステップを含み得る。
【0202】
さらなる代替的実施形態において、活性センサーを試料チャンバー108のチャンバー側壁112の少なくとも一部に結合するステップは、窓開口部114を包囲するチャンバー側壁112の一部を(例えば、超音波溶接によって)局所的に溶融するステップと、チャンバー側壁112の溶融した部分上に活性センサー106を押圧または配置するステップと、チャンバー側壁112の溶融した部分を冷却させて活性センサー106をチャンバー側壁112に貼付するステップとを含み得る。
【0203】
図16は、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置100を製造するさらなる別の方法1600を示す図である。方法1600は、ステップ1602において、複数の貫通孔702を含む非導電性高分子基板700を設けるステップを含むことができる。方法1600は、ステップ1604において、高分子基板700の片側に導電性コンタクト層502を堆積させるステップをさらに含むことができる。導電性コンタクト層502を堆積するステップは、スパッタ堆積(例えば、PVD)、気化蒸着法、または電着を使用して高分子基板700上に導電性材料(例えば、Au)を堆積するステップを含み得る。
【0204】
方法1600は、ステップ1606において、高分子基板700の別の面に活性電極層132を堆積させるステップをさらに含むことができる。活性電極層132を堆積させるステップは、スパッタ堆積(例えば、PVD)、気化蒸着法、または電着を使用して高分子基板700上に活性電極材料(例えば、Pt)を堆積させるステップを含むことができる。
【0205】
貫通孔702の各々の一端は、活性電極層132によって覆われ、貫通孔702の各々の他端は、導電性コンタクト層502によって覆われることが可能である。活性電極層132は、堆積ステップの後に、貫通孔702の横側面を覆う導電性コーティングを介して導電性コンタクト層502に電気的に結合させることができる。
【0206】
方法1600は、ステップ1608において、試料チャンバー108のチャンバー側壁112に沿って形成された窓開口部114を覆う大きさの活性センサー106を得るために、活性電極層132および導電性コンタクト層502によって覆われた非導電性高分子基板700を個片化するステップをさらに含むことができる。活性電極層132および導電性コンタクト層502に覆われた非導電性高分子基板700は、レーザー切断、金属剪断、熱線切断、ダイカット、スタンピング、または鋸切断によって個片化することができる。活性センサー106は、非導電性高分子基板700を貫通して延びる少なくとも1つの貫通孔702を含むことができる。
【0207】
方法1600は、ステップ1610において、活性センサー106をチャンバー側壁112の少なくとも一部に結合するステップをさらに含むことができる。活性センサー106は、活性センサー106のどの部分も試料チャンバー108内のチャンバーキャビティー109内に延びないように、チャンバー側壁112の少なくとも一部に結合され得、活性電極層132は、チャンバーキャビティー109内の任意の試料が窓開口部114を包囲するチャンバー側壁112の少なくとも一部を通して活性電極層132と流体接触することができるように、チャンバーキャビティー109に面している。活性センサー106は、活性センサー106(活性電極層132を含む)がチャンバー側壁112の内側に面する側またはキャビティーに面する側から半径方向外側に位置決めされるように、かつ活性センサー106の横側面136がチャンバーキャビティー109と流体連通しないように、チャンバー側壁112の少なくとも一部に結合されることができる。
【0208】
いくつかの実施形態において、活性センサーを試料チャンバー108のチャンバー側壁112の少なくとも一部に結合するステップは、窓開口部114を包囲するチャンバー側壁112に沿って形成される凹部134内のチャンバー側壁112の一部に接着剤138のビードを塗布するステップと、凹部134内の接着剤138のビード上に活性センサー106を押圧または配置するステップと、接着剤138を硬化するステップとをさらに含むことができる。
【0209】
代替的実施形態では、活性センサーを試料チャンバー108のチャンバー側壁112の少なくとも一部に結合するステップは、試料チャンバー108を射出成形によって形成する間に、活性センサー106をチャンバー側壁112にインサート成形するステップを含み得る。
【0210】
さらなる代替的実施形態において、活性センサーを試料チャンバー108のチャンバー側壁112の少なくとも一部に結合するステップは、窓開口部114を包囲するチャンバー側壁112の一部を(例えば、超音波溶接によって)局所的に溶融するステップと、チャンバー側壁112の溶融した部分上に活性センサー106を押圧または配置するステップと、チャンバー側壁112の溶融した部分を冷却させて活性センサー106をチャンバー側壁112に貼付するステップとを含み得る。
【0211】
複数の実施形態について説明した。それにもかかわらず、当業者であれば、実施形態の趣旨および範囲から逸脱することなく、本開示に対して様々な変更および修正を行うことができることが理解されよう。任意の実施形態とともに示されるシステム、デバイス、装置、および方法の要素は、特定の実施形態について例示的であり、本開示内の他の実施形態に組み合わせて、またはその他の方法で使用することが可能である。例えば、図に描かれた、または本開示に記載された任意の方法のステップは、所望の結果を達成するために、示されたまたは記載された特定の順序または連続的な順序を必要としない。加えて、所望の結果を得るために、他のステップ作動を設けてもよいし、記載された方法またはプロセスからステップまたは作動を削除または省略してもよい。さらに、本開示に記載され、または図に描かれた任意の装置またはシステムの任意の構成要素または部品は、所望の結果を達成するために除去、削除、または省略されてもよい。また、本明細書に図示または記載されたシステム、デバイス、または装置の特定の構成要素または部品は、簡潔かつ明瞭にするために省略されている。
【0212】
したがって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にあり、明細書および/または図面は、制限的な意味ではなく例示的な意味で見なされる場合がある。
【0213】
本明細書で説明および図示した個別の変形例または実施形態の各々は、他の任意の変形例または実施形態の要素と容易に分離または結合することができる個別の構成要素および要素を有している。特定の状況、材料、物質の組成、プロセス、プロセスの1つ以上の行為、または1つ以上のステップを本発明の目的、趣旨または範囲に適合させるために、複数の変更を行うことができる。
【0214】
本明細書に記載された方法は、論理的に可能な任意の順序で、また、記載された順序で、記載された事象を実施することができる。さらに、所望の結果を得るために、追加のステップや操作を設けたり、ステップや操作を削除したりすることもできる。
【0215】
さらに、値の範囲が規定されている場合、その範囲の上限と下限との間に介在するすべての値、およびその規定範囲内の任意の他の規定値または介在するすべての値は、本発明の範囲に包含されるものとする。また、本発明の態様の任意の要素は、独立して、または本明細書に記載された任意の1つ以上の要素と組み合わせて、規定し、請求することができる。例えば、1乃至5の範囲の記述は、1乃至3、1乃至4、2乃至4、2乃至5、3乃至5などの小範囲と、その範囲内の個々の数値、例えば1.5、2.5など、およびこれらの間の全体または一部の増分を開示したものと考えるべきである。
【0216】
本明細書で言及されるすべての既存の主題(例えば、刊行物、特許、特許出願)は、その主題が本発明の主題と矛盾する可能性がある(その場合、本明細書に存在するものが優先する)場合を除いて、その全体が本明細書に開示されたものとする。参照された項目は、本出願の出願日前の開示のためにのみ提供されている。本明細書のいかなる内容も、本発明が先行発明によりかかる資料に先行する権利を有しないことを認めるものと解釈されないものとする。
【0217】
単数形の品目に対する言及は、同じ品目が複数存在する可能性を含んでいる。より具体的には、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されているように、単数形の「a」、「an」、「said」、および「the」は、文脈が明らかに他を指示しない限り、複数の参照を含む。さらに、特許請求の範囲の記載は、任意の要素を除外するように作成することができることに留意されたい。したがって、この記述は、請求項の要素の記載に関連して「単独で」「のみ」などの排他的な用語を使用したり、「否定的」な限定を使用するための先行根拠として機能することを意図している。特に定義されていない限り、本明細書で使用されているすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。
【0218】
本開示の範囲を理解する上で、本明細書で使用されるような用語「含む」およびその派生語は、記載された特徴、要素、成分、グループ、整数、および/またはステップの存在を特定するが、他の記載されていない特徴、要素、成分、グループ、整数、および/またはステップの存在を除外しない、開放型の用語であると意図している。また、「含む」、「有する」、およびそれらの派生語など、同様の意味を有する句についても同様である。また、単数形で使用される「部品」、「区分」、「部分」、「部材」、「要素」、「構成要素」という用語は、1つの部品または複数の部品の両者の意味を有し得る。本明細書において使用されるように、「前方、後方、上方、下方、垂直、水平、下方、横断方向、および縦方向」という方向性用語、および他の任意の類似の方向性用語は、装置または機器のそれらの位置、または装置または機器のそれらの方向が並進または移動されることを意味する。最後に、本明細書で使用する「実質的に」、「約」、「おおよそ」などの度合いを示す用語は、最終結果が相当または実質的に変化しないような、規定値からの妥当な偏移値(例えば、そのような変動が妥当であるようにプラスマイナス0.1%、プラスマイナス1%、プラスマイナス5%またはプラスマイナス10%までの偏移)のことを意味している。
【0219】
本開示は、規定された特定の形態の範囲に限定されることを意図するものではなく、本明細書に記載された変形または実施形態の代替物、修正物、および均等物をカバーすることを意図している。さらに、本開示の範囲は、本開示に鑑みて当業者にとって自明となり得る他の変形または実施形態を完全に包含するものである。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料チャンバーを含む試料容器であって、前記試料チャンバーが、試料を受承するように構成されたチャンバーキャビティーを包囲するチャンバー側壁からなる、試料容器と、
基準電極材料および芯を含む基準センサーであって、前記試料の少なくとも一部が前記芯によって前記基準電極材料の方向に引き込まれるように前記芯が前記試料チャンバーと流体連通している、基準センサーと、
活性電極層によって一部が覆われた導電性基板から形成される活性センサーであって、同活性センサーが、前記チャンバー側壁に沿って形成された窓開口部において前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合され、前記活性センサーのどの部分も前記チャンバーキャビティー内に延びない、活性センサーと、
を備え、
前記チャンバーキャビティ内の前記試料が前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁の少なくとも一部を介して前記活性電極層と流体接触できるように、前記活性電極層が前記チャンバーキャビティに面し、
前記試料の溶液特性は、前記基準センサーおよび前記活性センサーが電気的にリーダーに結合されている場合に、前記活性センサーと前記基準センサーとの間で測定された電位差に基づいて決定される、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置。
【請求項2】
測定される前記溶液特性が酸化還元電位であり、前記活性電極層が白金層である、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項3】
測定される前記溶液特性はpHであり、前記活性電極層は酸化白金層および酸化タンタル層からなる、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項4】
前記導電性基板はステンレス鋼である、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項5】
前記活性電極層は、約50nm乃至500nmの活性電極層の厚みを有する、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項6】
前記活性センサーは、前記導電性基板と前記活性電極層との間に接着層をさらに備え、前記接着層は、5nm乃至50nmの接着層の厚みを有する、請求項5に記載のセンサー装置。
【請求項7】
前記接着層の厚みと前記活性電極層の厚みとの比は、約1:10乃至1:20である、請求項6に記載のセンサー装置。
【請求項8】
前記接着層はクロム層である、請求項6に記載のセンサー装置。
【請求項9】
前記活性電極層は、少なくとも50nmの活性電極層の厚みを有する、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項10】
前記試料容器が射出成形により形成されている間に、前記活性センサーが前記チャンバー側壁にインサート成形される、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項11】
前記活性センサーは、前記試料容器が射出成形により形成された後に、前記チャンバー側壁にプレス成形される、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項12】
前記チャンバー側壁は、前記窓開口部を包囲するとともに前記チャンバー側壁の外側側面に沿って形成される凹部からなり、前記活性センサーは、前記凹部内の前記チャンバー側壁の少なくとも一部に接着剤を介して接着される、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項13】
前記活性センサーは、活性電極側面と、前記活性電極側面の反対側の導電性基板側面と、複数の側面とを含み、前記側面は、前記チャンバー側壁および接着剤の少なくとも一方によって覆われて、前記側面が前記試料に接触することを防止する、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項14】
前記試料チャンバーは、その一部をポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリエチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレンのうちの少なくとも1つで形成されている、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項15】
前記基準電極材料は、前記芯の芯近位端に堆積または他の方法で塗布される、硬化または固化した銀‐塩化銀インクである、請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項16】
試料チャンバーを含む試料容器であって、前記試料チャンバーが、試料を受承するように構成されたチャンバーキャビティーを包囲するチャンバー側壁からなる、試料容器と、
基準電極材料および芯を含む基準センサーであって、前記試料の少なくとも一部が前記芯によって前記基準電極材料の方向に引き込まれるように前記芯が前記試料チャンバーと流体連通している、基準センサーと、
活性電極層で部分的に覆われた非導電性プリント回路(PCB)基板で形成された活性センサーであって、前記活性電極層が前記PCB基板を貫通して延びる導電性ビアで前記PCB基板の複数の導電性コンタクトに電気的に結合され、前記活性センサーが前記チャンバー側壁に沿って形成された窓開口部で前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合され、前記活性センサーのどの部分も前記チャンバーキャビティー内に延びず、前記チャンバーキャビティー内の前記試料が前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁の少なくとも一部を通して前記活性電極層と流体接触することができるように、前記活性電極層が前記チャンバーキャビティーに面する、活性センサーと、
を備え、
前記試料の溶液特性は、前記基準センサーおよび前記活性センサーがリーダーに電気的に結合されている場合に、前記活性センサーと前記基準センサーとの間で測定された電位差に基づいて決定される、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置。
【請求項17】
試料チャンバーを含む試料容器であって、前記試料チャンバーが、試料を受承するように構成されたチャンバーキャビティーを包囲するチャンバー側壁からなる、試料容器と、
基準電極材料および芯要素を含む基準センサーであって、前記試料の少なくとも一部が前記芯要素によって前記基準電極材料の方向に引き込まれるように前記芯要素が前記試料チャンバーと流体連通している、基準センサーと、
貫通孔を含む非導電性高分子基板から形成される活性センサーであって、前記高分子基板の一面および前記貫通孔の一端が活性電極層によって覆われ、前記高分子基板の他方の面および前記貫通孔の他端が導電層によって覆われ、前記活性電極層が前記貫通孔の複数の側面を覆う導電性コーティングを介して前記導電層に電気的に結合されている、活性センサーと、
を備え、
前記活性センサーが、前記チャンバー側壁に沿って形成された窓開口部において前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合され、前記活性センサーのいかなる部分も前記チャンバーキャビティー内に延びず、前記活性電極層が、前記チャンバーキャビティー内の試料が前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁の少なくとも一部を介して前記活性電極層と流体接触できるように、前記チャンバーキャビィテーに面し、
前記試料の溶液特性は、前記基準センサーおよび前記活性センサーが電気的にリーダーに結合されている場合に、前記活性センサーと前記基準センサーとの間で測定された電位差に基づいて決定される、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置。
【請求項18】
試料チャンバーを含む試料容器であって、前記試料チャンバーが、試料を受承するように構成されたチャンバーキャビティーを包囲するチャンバー側壁からなる、試料容器と、
基準電極材料および芯要素を含む基準センサーであって、前記試料の少なくとも一部が前記芯要素によって前記基準電極材料の方向に引き込まれるように前記芯要素が前記試料チャンバーと流体連通している、基準センサーと、
活性電極層によって一部が覆われた導電性ダボから形成される活性センサーであって、前記活性センサーが、前記チャンバー側壁に沿って形成された窓開口部において前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合され、前記活性電極層によって覆われた前記導電性ダボの一部が、前記チャンバーキャビティー内の前記試料が前記活性電極層と流体接触できるように、前記チャンバーキャビティー内に延び、前記導電性ダボの前記チャンバーキャビティー内に延びていない端部が前記チャンバー側壁から外に延びる、活性センサーと、
を備え、
前記試料の溶液特性は、前記基準センサーおよび前記活性センサーが電気的にリーダーに結合されている場合に、前記活性センサーと前記基準センサーとの間で測定された電位差に基づいて決定される、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置。
【請求項19】
導電性基板を酸および塩基処理で洗浄するステップと、
前記導電性基板の片面上に接着層を堆積させるステップと、
前記接着層上に活性電極層を堆積させるステップと、
試料チャンバーのチャンバー側壁に沿って形成される窓開口部を覆う大きさの活性センサーを得るために、前記接着層および前記活性電極層で覆われた前記導電性基板を個片化するステップと、
前記活性センサーを前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合するステップと、
を含み、これにより、前記活性センサーのどの部分も前記試料チャンバー内のチャンバーキャビティー内に延びず、また、前記チャンバーキャビティー内の任意の試料が前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁の少なくとも一部を介して前記活性電極層と流体接触できるように、前記活性電極層が前記チャンバーキャビティーに面する、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置の製造方法。
【請求項20】
非導電性プリント回路(PCB)基板を設けるステップと、
前記PCB基板の片面上に活性電極層を堆積させるステップであって、前記活性電極層は、前記堆積ステップの後に、前記PCB基板を通って延びる導電性ビアによって前記PCB基板の複数の導電性コンタクトに電気的に結合される、堆積ステップと、
試料チャンバーのチャンバー側壁に沿って形成された窓開口部を覆う大きさの活性センサーを得るために、前記活性電極層によって覆われた前記PCB基板を個片化するステップであって、前記活性センサーが前記PCB基板を通って延びる少なくとも1つの導電性ビアを含む、個片化ステップと、
前記活性センサーを前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合するステップと、
を含み、これにより、前記活性センサーのどの部分も前記試料チャンバー内のチャンバーキャビティー内に延びず、また、前記チャンバーキャビティー内の任意の試料が前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁の少なくとも一部を介して前記活性電極層と流体接触できるように、前記活性電極層が前記チャンバーキャビティーに面する、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置の製造方法。
【請求項21】
複数の貫通孔を有する非導電性高分子基板を設けるステップと、
前記高分子基板の片面上に導電層を堆積させるステップと、
前記高分子基板の別の面上に活性電極層を堆積させるステップであって、前記貫通孔の一端が前記活性電極層によって覆われ、前記貫通孔の他端が前記導電層によって覆われ、前記活性電極層が、前記堆積ステップ後に、前記貫通孔の複数の横側面を覆う導電性コーティングを介して前記導電層と電気的に結合される、堆積ステップと、
試料チャンバーのチャンバー側壁に沿って形成される窓開口部を覆う大きさの活性センサーを得るために、前記活性電極層および前記導電層で覆われた前記高分子基板を個片化するステップであって、前記活性センサーが、前記活性電極層および前記導電層で覆われた少なくとも1つの貫通孔を含んでいる、個片化ステップと、
前記活性センサーを前記チャンバー側壁の少なくとも一部に結合するステップと、を含み、これにより、前記活性センサーのどの部分も前記試料チャンバー内のチャンバーキャビティー内に延びず、また、前記チャンバーキャビティー内の任意の試料が前記窓開口部を包囲する前記チャンバー側壁の少なくとも一部を介して前記活性電極層と流体接触できるように、前記活性電極層が前記チャンバーキャビティーに面する、試料の溶液特性を測定するためのセンサー装置の製造方法。
【国際調査報告】