(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-15
(54)【発明の名称】血管デバイス挿入システムおよび装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/3207 20060101AFI20230608BHJP
A61B 17/32 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
A61B17/3207
A61B17/32 510
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559515
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(85)【翻訳文提出日】2022-10-24
(86)【国際出願番号】 US2020025879
(87)【国際公開番号】W WO2021201835
(87)【国際公開日】2021-10-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521442637
【氏名又は名称】バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100220065
【氏名又は名称】高梨 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】シン,アシーム
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM36
(57)【要約】
血管デバイス挿入システムが、ハブ、ハブから遠位に延在する可撓性長尺部材、ならびにハブおよび可撓性長尺部材を貫通して延在するカテーテル内腔を有する支持カテーテルを含む。挿入モジュールハウジングが、中空モータシャフトを有するモータを収容するように構成される。中空モータシャフトは、近位端部、遠位端部、遠位端部分、および近位端部から遠位端部まで延在する長尺開口部を有する。中空モータシャフトの遠位端部分は、支持カテーテルのハブに結合するように構成される。中空モータシャフトの長尺開口部、および支持カテーテルのカテーテル内腔は、連続的な通路を一緒に画定する。モータ制御装置が、モータに電気的に結合され、かつ、中空モータシャフトを回転振動させそれにより支持カテーテルを回転振動させるように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管デバイス挿入システムであって、前記血管デバイス挿入システムは、
ハブ、前記ハブから遠位に延在する可撓性長尺部材、ならびに前記ハブおよび前記可撓性長尺部材を貫通して延在するカテーテル内腔を有する支持カテーテルと、
長手軸に沿って配置された中空モータシャフトを有するモータを収容するように構成された挿入モジュールハウジングであって、前記中空モータシャフトが、近位端部、遠位端部、遠位端部分、および前記近位端部から前記遠位端部まで前記長手軸に沿って延在する長尺開口部を有し、前記中空モータシャフトの前記遠位端部分が、前記支持カテーテルの前記ハブに結合するように構成されており、前記中空モータシャフトの前記長尺開口部および前記支持カテーテルの前記カテーテル内腔が、連続的な通路を一緒に画定する、挿入モジュールハウジングと、
前記モータに電気的に結合されたモータ制御装置であって、前記中空モータシャフトを前記長手軸の周りで回転振動させ、またそれにより前記支持カテーテルを回転振動させるために、前記モータを制御するように構成された、モータ制御装置と、
を備える、血管デバイス挿入システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記モータに結合されたスライダを備え、前記スライダが、前記モータを前記長手軸に沿って長手方向に往復運動させるように構成される、システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシステムであって、
第1の端部および第2の端部を有するガイドワイヤを備え、前記ガイドワイヤが、前記中空モータシャフト内の前記長尺開口部および前記支持カテーテルの前記カテーテル内腔によって画定された前記連続的な通路内に配置され、前記ガイドワイヤの第1の端部分が、前記中空モータシャフトの前記近位端部の近位に位置し、前記連続的な通路が、前記ガイドワイヤが前記支持カテーテルから遠位に延在するために前記連続的な通路内を手動で移動可能であるように構成される、システム。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか一項に記載のシステムであって、
カテーテル近位部分およびカテーテル遠位部分を有する超音波カテーテルを備え、前記超音波カテーテルが、前記中空モータシャフト内の前記長尺開口部および前記支持カテーテルの前記カテーテル内腔によって画定された前記連続的な通路内に配置され、前記超音波カテーテルの前記カテーテル近位部分が、前記中空モータシャフトの前記近位端部の近位に位置し、前記連続的な通路が、前記超音波カテーテルが前記支持カテーテルから遠位に延在するために前記連続的な通路内を移動可能であるように構成される、システム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムであって、
前記超音波カテーテルが、前記ガイドワイヤを受け入れるように構成されたガイドワイヤ内腔を含む、システム。
【請求項6】
請求項1から3までのいずれか一項に記載のシステムであって、
超音波デバイスをさらに備え、前記超音波デバイスが、
超音波変換器、
前記超音波変換器を収容するように構成されたデバイスハウジング、ならびに
カテーテル近位部分およびカテーテル遠位部分を有する超音波カテーテルであって、前記カテーテル近位部分が前記超音波変換器に動作可能に結合される、超音波カテーテル
を備え、
前記連続的な通路が、前記超音波カテーテルが前記支持カテーテルから遠位に延在するために前記連続的な通路内を移動可能であるように構成される、システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであって、
前記超音波カテーテルが、ガイドワイヤを受け入れるように構成されたガイドワイヤ内腔を有し、前記システムが、前記超音波カテーテルが前記ガイドワイヤ上を遠位方向に移動されるときに前記超音波カテーテルが前記ガイドワイヤに沿って前記連続的な通路を通って案内されるように構成される、システム。
【請求項8】
請求項6または7に記載のシステムであって、
前記挿入モジュールハウジングが、第1の複数の取付け特徴部を含み、
前記デバイスハウジングが、第2の複数の取付け特徴部を含み、
前記第1の複数の取付け特徴部が、前記デバイスハウジングを前記挿入モジュールハウジングに取り付けるために前記第2の複数の取付け特徴部に解放可能に接続するように構成される、システム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって、
前記挿入モジュールハウジングの前記第1の複数の取付け特徴部、および前記デバイスハウジングの前記第2の複数の取付け特徴部が、磁気を帯びている、システム。
【請求項10】
請求項6から9までのいずれか一項に記載のシステムであって、
前記超音波変換器に電気的に結合された超音波信号発生器をさらに備え、前記超音波信号発生器が、前記超音波変換器に電気的励起信号を供給するように構成されている、システム。
【請求項11】
血管デバイス挿入システムであって、前記血管デバイス挿入システムは、
ハブ、前記ハブから遠位に延在する可撓性長尺部材、ならびに前記ハブおよび前記可撓性長尺部材を貫通して延在するカテーテル内腔を有する支持カテーテルと、
長手軸に沿って配置された中空モータシャフトを有するモータを収容するように構成された挿入モジュールハウジングであって、前記中空モータシャフトが、近位端部、遠位端部、遠位端部分、および前記近位端部から前記遠位端部まで前記長手軸に沿って延在する長尺開口部を有し、前記中空モータシャフトの前記遠位端部分が、前記支持カテーテルの前記ハブに結合するように構成されており、前記中空モータシャフトの前記長尺開口部および前記支持カテーテルの前記カテーテル内腔が、連続的な通路を一緒に画定する、挿入モジュールハウジングと、
第1の端部および第2の端部を有するガイドワイヤであって、前記中空モータシャフト内の前記長尺開口部および前記支持カテーテルの前記カテーテル内腔によって画定された前記連続的な通路内に配置され、前記ガイドワイヤの第1の端部分が、前記中空モータシャフトの前記近位端部の近位に位置し、前記連続的な通路が、前記ガイドワイヤの前記第1の端部分の手動操作により前記ガイドワイヤが前記連続的な通路内を自由に手動で移動可能であるように構成される、ガイドワイヤと、
前記モータに電気的に結合されたモータ制御装置であって、前記中空モータシャフトを前記長手軸の周りで回転振動させ、それにより前記支持カテーテルを回転振動させるように構成されている、モータ制御装置と、
を備える、血管デバイス挿入システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、
前記モータに結合されたスライダを備え、前記スライダが、前記モータを前記長手軸に沿って長手方向に往復運動させるように構成されている、システム。
【請求項13】
請求項11または12に記載のシステムであって、
超音波デバイスをさらに備え、前記超音波デバイスが、
超音波変換器、
前記超音波変換器を収容するように構成されたデバイスハウジング、ならびに
カテーテル近位部分、カテーテル遠位部分、およびガイドワイヤ内腔を有する超音波カテーテルであって、前記カテーテル近位部分が、前記超音波変換器に動作可能に結合され、前記ガイドワイヤ内腔が、前記ガイドワイヤを受け入れるように構成されている、超音波カテーテル
を備え、
前記システムが、前記超音波カテーテルが長手方向に移動されるときに前記超音波カテーテルが前記ガイドワイヤに沿って前記連続的な通路内を長手方向に移動するように構成されている、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、
前記挿入モジュールハウジングが、第1の複数の取付け特徴部を含み、
前記デバイスハウジングが、第2の複数の取付け特徴部を含み、
前記第1の複数の取付け特徴部が、前記デバイスハウジングを前記挿入モジュールハウジングに取り付けるために前記第2の複数の取付け特徴部に解放可能に接続するように構成される、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、
前記挿入モジュールハウジングの前記第1の複数の取付け特徴部、および前記デバイスハウジングの前記第2の複数の取付け特徴部が、磁気を帯びている、システム。
【請求項16】
請求項13から15までのいずれか一項に記載のシステムであって、
前記デバイスハウジングが、ユーザによって保持されるように構成されたハンドピースである、システム。
【請求項17】
請求項13から16までのいずれか一項に記載のシステムであって、
前記超音波変換器に電気的に結合された超音波信号発生器をさらに備え、前記超音波信号発生器が、前記超音波変換器に電気的励起信号を供給するように構成されている、システム。
【請求項18】
支持カテーテルおよびガイドワイヤを血管内で前進させるのに使用するための血管デバイス挿入装置であって、前記支持カテーテルが、ハブ、前記ハブから遠位に延在する可撓性長尺部材、ならびに前記ハブおよび前記可撓性長尺部材を貫通して延在するカテーテル内腔を有し、前記血管デバイス挿入装置が、
長手軸に沿って配置された中空モータシャフトを有するモータを収容するように構成された挿入モジュールハウジングであって、前記中空モータシャフトが、近位端部、遠位端部、遠位端部分、および前記近位端部から前記遠位端部まで前記長手軸に沿って延在する長尺開口部を有し、前記中空モータシャフトの前記遠位端部分が、前記支持カテーテルの前記ハブに結合するように構成されており、前記中空モータシャフトの前記長尺開口部および前記支持カテーテルの前記カテーテル内腔が、連続的な通路を一緒に画定し、前記連続的な通路が、前記ガイドワイヤを受け入れるように構成されている、挿入モジュールハウジングと、
前記モータに電気的に結合されたモータ制御装置であって、前記中空モータシャフトを前記長手軸の周りで回転振動させ、それにより前記支持カテーテルを回転振動させるように構成されている、モータ制御装置と、
を備える、血管デバイス挿入装置。
【請求項19】
請求項18に記載の血管デバイス挿入装置であって、
前記モータに結合されたスライダを備え、前記スライダが、前記モータを前記長手軸に沿って長手方向に往復運動させるように構成されている、血管デバイス挿入装置。
【請求項20】
請求項18または19に記載の血管デバイス挿入装置であって、
前記挿入モジュールハウジングが、超音波変換器のデバイスハウジングに取り付くように構成された複数の取付け特徴部を含む、血管デバイス挿入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]なし。
[0002]本発明は、血管介入デバイスに関し、より詳細には、血管デバイス挿入システムおよび装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]一部の血管手術は、血管手術における初期ステップとして、血管内でのガイドワイヤの設置を必要とする。しかし、時折、血管が部分的にまたは完全に閉塞している領域などにおいて、ガイドワイヤを手作業で操作して血管に通すことが医師にとって困難である場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0004]血管内でのガイドワイヤおよび/または血管カテーテルの挿入および設置を支援するために使用され得る血管デバイス挿入システムおよび装置が、当技術分野において必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0005]本発明は、血管内でのガイドワイヤおよび/または血管カテーテルの挿入および設置を支援するために使用され得る血管デバイス挿入システムおよび装置を提供する。
[0006]1つの形態では、本発明は、血管デバイス挿入システムを対象とする。システムは、支持カテーテル、モータを収容する挿入モジュールハウジング、およびモータ制御装置を含む。支持カテーテルは、ハブ、ハブから遠位に延在する可撓性長尺部材、ならびにハブおよび可撓性長尺部材を貫通して延在するカテーテル内腔を有する。モータは、長手軸に沿って配置された中空モータシャフトを有する。中空モータシャフトは、近位端部、遠位端部、遠位端部分、および近位端部から遠位端部まで長手軸に沿って延在する長尺開口部を有する。中空モータシャフトの遠位端部分は、支持カテーテルのハブに結合するように構成される。中空モータシャフトの長尺開口部および支持カテーテルのカテーテル内腔は、連続的な通路を一緒に画定する。モータ制御装置は、モータに電気的に結合される。モータ制御装置は、中空モータシャフトを長手軸の周りで回転振動させ、またそれにより支持カテーテルを回転振動させるように、モータを制御するように構成される。
【0005】
[0007]別の形態では、本発明は、血管デバイス挿入システムを対象とする。システムは、支持カテーテル、モータを収容する挿入モジュールハウジング、ガイドワイヤ、およびモータ制御装置を含む。支持カテーテルは、ハブ、ハブから遠位に延在する可撓性長尺部材、ならびにハブおよび可撓性長尺部材を貫通して延在するカテーテル内腔を有する。モータは、長手軸に沿って配置された中空モータシャフトを有する。中空モータシャフトは、近位端部、遠位端部、遠位端部分、および近位端部から遠位端部まで長手軸に沿って延在する長尺開口部を有する。中空モータシャフトの遠位端部分は、支持カテーテルのハブに結合するように構成される。中空モータシャフトの長尺開口部および支持カテーテルのカテーテル内腔は、連続的な通路を一緒に画定する。ガイドワイヤは、第1の端部および第2の端部を有する。ガイドワイヤは、中空モータシャフト内の長尺開口部および支持カテーテルのカテーテル内腔によって画定された連続的な通路内に配置され、ここで、ガイドワイヤの第1の端部分が、中空モータシャフトの近位端部の近位に位置する。連続的な通路は、ガイドワイヤの第1の端部分の手動操作によりガイドワイヤが連続的な通路内を自由に手動で移動可能であるように、構成される。モータ制御装置は、モータに電気的に結合される。モータ制御装置は、中空モータシャフトを長手軸の周りで回転振動させ、またそれにより支持カテーテルを回転振動させるように、構成される。
【0006】
[0008]さらに別の形態では、本発明は、支持カテーテルおよびガイドワイヤを血管内で前進させるのに使用するための血管デバイス挿入装置を対象とする。支持カテーテルは、ハブ、ハブから遠位に延在する可撓性長尺部材、ならびにハブおよび可撓性長尺部材を貫通して延在するカテーテル内腔を有する。血管デバイス挿入装置は、長手軸に沿って配置された中空モータシャフトを有するモータを収容するように構成された挿入モジュールハウジングを含む。中空モータシャフトは、近位端部、遠位端部、遠位端部分、および近位端部から遠位端部まで長手軸に沿って延在する長尺開口部を有する。中空モータシャフトの遠位端部分は、支持カテーテルのハブに結合するように構成される。中空モータシャフトの長尺開口部および支持カテーテルのカテーテル内腔は、連続的な通路を一緒に画定する。連続的な通路は、ガイドワイヤを受け入れるように構成される。モータ制御装置は、モータに電気的に結合される。モータ制御装置は、中空モータシャフトを長手軸の周りで回転振動させ、またそれにより支持カテーテルを回転振動させるように、構成される。
【0007】
[0009]本発明の利点は、モータシャフトにより支持カテーテルに提供される回転振動が、血管内の閉塞を貫いてガイドワイヤを長手方向に前進させるのを支援することである。
[0010]本発明の別の利点は、血管内の支持カテーテルを長手方向に往復運動させるとともに回転振動させるように、回転振動と同期して長手方向の往復運動がモータに印加され得ることである。
【0008】
[0011]添付の図面と併せて本発明の実施形態に関する以下の説明を参照することにより、本発明の上述のまたその他の特徴および利点ならびにそれらを実現する態様はより明らかになるであろうし、本発明はよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0012]ガイドワイヤおよび/または血管カテーテルの挿入および設置を支援するために使用され得る血管デバイス挿入装置および支持カテーテルを含む本発明の血管デバイス挿入システムの概略図である。
【
図2】[0013]
図1の血管デバイス挿入装置および支持カテーテルと併せて使用されかつそれに結合され得る超音波システムを含む
図1の血管デバイス挿入システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0014]いくつかの図にわたって、対応する参照符号は、対応する部品を示す。本明細書に提示された各例示は、本発明の少なくとも1つの実施形態を示すものであり、また、そのような例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0011】
[0015]次に図面を参照すると、また、より具体的には
図1を参照すると、血管デバイス挿入装置12および血管デバイス14を一般に含む血管デバイス挿入システム10が示されている。血管デバイス14は、例えば、支持カテーテル16であってよく、また、支持カテーテル16は、ガイドワイヤ18および/または例えば超音波カテーテル20などの血管カテーテルを伴い得る。
図1では、血管デバイス14および支持カテーテル16は、長手軸22に沿って配置されている。
【0012】
[0016]支持カテーテル16は、ハブ16-1、およびハブ16-1から遠位に延在する可撓性長尺部材16-2を含む。カテーテル内腔16-3が、ハブ16-1および可撓性長尺部材16-2を貫通して延在し、すなわち、支持カテーテル16の長さの全体にわたって延在する。ハブ16-1は、カテーテル内腔16-3の近位部を形成する取付け開口16-4を含む。ハブ16-1の取付け開口16-4は、カテーテル内腔16-3の残りの部分の直径に対して拡大された直径を有し、また、この実施形態では、ハブ16-1の取付け開口16-4は、遠位に延在する内部テーパ16-5(例えば、円錐台状)を有する。可撓性長尺部材16-2は、遠位端部分16-6を有する。
【0013】
[0017]ガイドワイヤ18は、第1の端部18-1および第2の端部18-2を有する。ガイドワイヤ18は、当技術分野において知られたガイドワイヤの典型的なものであり、また、例えば、ニチノールのワイヤまたはケーブルなどの、可撓性の金属ケーブルまたはワイヤであってよい。
【0014】
[0018]
図1の実施形態では、この実施形態では超音波カテーテル20である血管カテーテルは、カテーテル近位部分20-1、カテーテル遠位部分20-2、およびガイドワイヤ内腔20-3を有する。ガイドワイヤ内腔20-3は、例えばサイズおよび形状において、血管カテーテルをガイドワイヤ18上で遠位方向36に前進させることにより例えば超音波カテーテル20である血管カテーテルが関心領域へ案内され得るように、ガイドワイヤ18を受け入れるように構成される。この実施形態では、超音波カテーテル20は、振動エネルギーをカテーテル遠位部分20-2におけるワークヘッド20-5に伝達するように構成されたコアワイヤ20-4を含み得る。
【0015】
[0019]血管デバイス挿入装置12は、挿入モジュールハウジング24、モータ26、モータ制御装置28、およびスライダ30を含む。モータ26およびモータ制御装置28は、電池式であってよく、電池は、挿入モジュールハウジング24内に収容されてよい。
【0016】
[0020]挿入モジュールハウジング24は、モータハウジング24-1およびベースハウジング24-2を含む。挿入モジュールハウジング24のモータハウジング24-1は、モータ26を収容しかつ実装するチャンバを含み得る。挿入モジュールハウジング24のベースハウジング24-2は、モータ制御装置28を収容しかつ取り付けるチャンバを含み得る。
【0017】
[0021]モータ26は、挿入モジュールハウジング24に対して長手軸22に沿って長手方向に移動可能であるように、例えばレールにより、挿入モジュールハウジング24のモータハウジング24-1に摺動可能に取り付けられ得る。スライダ30は、挿入モジュールハウジング24の側壁24-3に取り付けられ得る。スライダ30は、近位方向34または遠位方向36におけるスライダ30の長手方向移動が近位方向34または遠位方向36におけるモータ26の対応する長手方向移動をもたらすように、リンケージ32を介してモータ26に接続される。別の言い方をすれば、スライダ30は、挿入モジュールハウジング24に対するスライダ30の往復摺動運動により、モータ26を長手軸22に沿って長手方向に往復運動させるように、すなわち近位方向34および遠位方向36に交互に移動させるように、構成される。
【0018】
[0022]挿入モジュールハウジング24は、
図2に示されるように、補助デバイスへの接続のための複数の取付け特徴部38をさらに含み得る。この実施形態では、複数の取付け特徴部38は、近位に延在する一連の柱として構成および配置されてよく、また、複数の取付け特徴部38は、磁気を帯びてよい。この実施形態では、複数の取付け特徴部38の個々の取付け特徴部は、取付け特徴部38-1、取付け特徴部38-2、および取付け特徴部38-3として識別される。
【0019】
[0023]モータ26は、例えば、ステッピングモータなどのDCモータであってよい。モータ26は、長手軸22に沿って配置された中空モータシャフト40を有する。中空モータシャフト40は、近位端部40-1、遠位端部40-2、遠位端部分40-3、および長尺開口部40-4を有する。長尺開口部40-4は、近位端部40-1から遠位端部40-2まで長手軸22に沿って延在する。別の言い方をすれば、長尺開口部40-4は、中空モータシャフト40の長さの全体にわたって延在する。この実施形態では、例えば、長尺開口部40-4は、中空モータシャフト40の長さの全体にわたって円筒の形状を有し得る。
【0020】
[0024]中空モータシャフト40の遠位端部分40-3は、支持カテーテル16のハブ16-1に結合するように構成される。この実施形態では、中空モータシャフト40は、遠位に延在する外部テーパ40-5を有し、この外部テーパ40-5は、モータ26の中空モータシャフト40を支持カテーテル16のハブ16-1に解放可能に接続するために、支持カテーテル16のハブ16-1の遠位に延在する内部テーパ16-5に摩擦嵌めで係合するためのサイズおよび形状となされている。
【0021】
[0025]中空モータシャフト40の遠位端部分40-3が支持カテーテル16のハブ16-1に結合されると、中空モータシャフト40の長尺開口部40-4、および支持カテーテル16のカテーテル内腔16-3は、支持カテーテル16とモータ26の中空モータシャフト40との組み合わせを貫通して長手方向に延在する連続的な通路42を一緒に画定する。ガイドワイヤ18は、中空モータシャフト40内の長尺開口部40-4および支持カテーテル16のカテーテル内腔16-3によって画定された連続的な通路42内に配置されてよく、例えば連続的な通路42を通して前進されてよく、ここで、ガイドワイヤ18の第1の端部分18-3は、中空モータシャフト40の近位端部40-1の近位に位置する。連続的な通路42は、例えばサイズおよび形状において、ガイドワイヤ18の第2の端部18-2が支持カテーテル16の遠位端部分16-6から遠位に延在し得るように、ガイドワイヤ18の第1の端部分18-3の手動操作によりガイドワイヤ18が連続的な通路42内で例えば長手方向に自由に移動可能であり得るように構成される。本明細書において使用されるように、用語「自由に移動可能(freely movable)」は、移動に対する非実質的な抵抗に遭遇することを意味し、ここで、実質的な抵抗とは、長手方向に移動されている部材の座屈または屈曲をもたらすものである。
【0022】
[0026]あるいは、またはガイドワイヤ18に加えて、血管カテーテル、例えば超音波カテーテル20が、中空モータシャフト40内の長尺開口部40-4および支持カテーテル16のカテーテル内腔16-3によって画定された連続的な通路42内に配置されてよく、ここで、超音波カテーテル20のカテーテル近位部分20-1が、中空モータシャフト40の近位端部40-1の近位に位置する。連続的な通路42は、例えばサイズおよび形状において、超音波カテーテル20のカテーテル遠位部分20-2が支持カテーテル16の遠位端部分16-6から遠位に延在し得るように、超音波カテーテル20のカテーテル近位部分20-1の手動操作により超音波カテーテル20が連続的な通路42内を例えば長手方向に自由に移動可能であるように構成される。
【0023】
[0027]モータ制御装置28は、モータ26に電気的に結合される。例えば、モータ制御装置28は、電機ケーブル44によりモータ26に電気的に接続され得る。モータ制御装置28は、中空モータシャフト40を長手軸22の周りで回転振動させ、またそれにより支持カテーテル16を例えば時計方向および反時計方向に交互に回転振動させるように、モータ26を例えば配線論理またはプログラマブル論理を通じて制御するように構成される。例えば、モータ26がステッピングモータである実施形態では、モータ制御装置28は、ステッピングモータ制御装置であろう。
【0024】
[0028]例えば、1つの実施形態では、中空モータシャフト40の回転振動は、中空モータシャフト40の1回の全回転未満であってよく、また場合により、回転範囲に関して可変であってよい。例えば、中空モータシャフト40の回転振動は、時計回りの回転方向と反時計回りの回転方向とを交互して、8分の1回転から2分の1回転の間で可変であってよい。すると、支持カテーテル16もまた、中空モータシャフト40の回転振動に従って回転振動する。
【0025】
[0029]モータ26の中空モータシャフト40および支持カテーテル16は、モータ26によって回転振動されかつ/またはスライダ30によって長手方向に往復運動されるが、ガイドワイヤ18は、中空モータシャフト40内の長尺開口部40-4および支持カテーテル16のカテーテル内腔16-3によって形成された連続的な通路42を通るようにユーザによって手動で操作されかつ前進され得る。例えば、血管手術において、支持カテーテル16の可撓性長尺部材16-2の遠位端部分16-6の回転振動および/または長手方向往復運動は、血管内の(部分的なまたは全体的な)血管閉塞を通り抜けかつそれを越えて延在するようにガイドワイヤ18の第2の端部18-2を前進させるのに役立つことを意図されている。
【0026】
[0030]あるいは、またはガイドワイヤ18に加えて、超音波カテーテル20などの血管カテーテルは、中空モータシャフト40内の長尺開口部40-4および支持カテーテル16のカテーテル内腔16-3によって形成された連続的な通路42を通るようにユーザによって手動で操作されかつ前進され得る。例えば、血管手術において、支持カテーテル16の可撓性長尺部材16-2の遠位端部分16-6の回転振動および/または長手方向往復運動は、ユーザが超音波カテーテル20のカテーテル遠位部分20-2のワークヘッド20-5を手動で長手方向に前進させて血管内の(部分的なまたは全体的な)血管閉塞と係合させまたそれを通過させるのを支援するために使用され得る。
【0027】
[0031]
図2を参照すると、超音波システム50を含むように構成された血管デバイス挿入システム10が示されている。超音波システム50は、超音波信号発生器52および超音波デバイス54を含む。
【0028】
[0032]超音波信号発生器52は、当技術分野において知られた超音波信号発生器の典型的なものであり、また、例えば20kHz~40kHzの周波数範囲内の超音波励起信号の形態の超音波電気信号を発生させるように構成されてよく、この超音波電気信号は、励起信号ケーブル56を介して超音波デバイス54に供給される。
【0029】
[0033]この実施形態では、超音波デバイス54は、デバイスハウジング58、超音波変換器60、および超音波カテーテル20を含む。超音波カテーテル20のカテーテル近位部分20-1のコアワイヤ20-4(
図1参照)は、例えば音響カプラ(sonic coupler)62を介して超音波変換器60に動作可能に結合される。デバイスハウジング58は、超音波変換器60を収容し、この超音波変換器60は、デバイスハウジング58に対して内部的に取り付けられる。デバイスハウジング58は、例えばユーザによって保持されるように構成されたハンドピースなどとして構成されてよく、この場合、デバイスハウジング58は、例えば血管閉塞に関連する処置などの医療処置中にユーザによって把持されるのを促進するための外側形状およびサイズを有する。
【0030】
[0034]超音波変換器60は、例えば、圧電型変換器であってよい。超音波デバイス54の超音波変換器60は、励起信号ケーブル56により超音波信号発生器52に電気的に接続され、また、超音波変換器60は、超音波信号発生器52によって生成された超音波励起信号を受信して超音波振動エネルギーに変換するように構成され、この超音波振動エネルギーは、超音波信号発生器52によって生成される超音波励起信号の周波数範囲に対応する周波数範囲内のものであり得る。例えば、超音波信号発生器52によって生成されて超音波変換器60に供給される超音波励起信号の周波数が20kHzである場合、超音波変換器60の出力の振動周波数は、相応に20kHzであってよく、そしてこの振動周波数が、超音波カテーテル20のコアワイヤ20-4(
図1参照)に供給される。
図1に関連して上記でさらに十分に説明されたように、血管デバイス挿入装置12の連続的な通路42は、超音波カテーテル20が支持カテーテル16から遠位に延在するために連続的な通路42内を移動可能であるように構成される。
【0031】
[0035]デバイスハウジング58は、複数の取付け特徴部64を含む。デバイスハウジング58の複数の取付け特徴部64は、デバイスハウジング58を挿入モジュールハウジング24に解放可能に取り付けるために挿入モジュールハウジング24の複数の取付け特徴部38に解放可能に接続するように構成される。この実施形態では、複数の取付け特徴部64は、近位に延在する一連の柱または柱受(例えば、開口)として構成および配置され得る。この実施形態では、複数の取付け特徴部64の個々の取付け特徴部は、挿入モジュールハウジング24の取付け特徴部38-1、取付け特徴部38-2、および取付け特徴部38-3にそれぞれ解放可能に接続するように(例えば、サイズ、形状、および機能において)構成された取付け特徴部64-1、取付け特徴部64-2、および取付け特徴部64-3として識別される。
【0032】
[0036]例えば、1つの実施形態では、挿入モジュールハウジング24の複数の取付け特徴部38、およびデバイスハウジング58の複数の取付け特徴部64は、磁気引力により互いに結合するように構成および配置され得る。例えば、1つの実施態様では、血管デバイス挿入装置12の挿入モジュールハウジング24への超音波デバイス54のデバイスハウジング58の磁気結合を促進するために、挿入モジュールハウジング24の複数の取付け特徴部38およびデバイスハウジング58の複数の取付け特徴部64のそれぞれの対向する対(例えば、取付け特徴部64-1と対になった取付け特徴部38-1)は、磁気引力がN極/S極磁気配置によるものであるように、磁石であり得る。例えば、別の実施態様では、血管デバイス挿入装置12の挿入モジュールハウジング24への超音波デバイス54のデバイスハウジング58の磁気結合を促進するために、対向する対の取付け特徴部(例えば、取付け特徴部64-1と対になった取付け特徴部38-1)のうちの一方は、磁気を帯びていてよく、もう一方は、鉄などの磁性材料である(または、磁性材料を含む)。
【0033】
[0037]デバイスハウジング58が挿入モジュールハウジング24と係合するように移動されるときに、例えば中空モータシャフト40の長尺開口部40-4および支持カテーテル16のカテーテル内腔16-3を貫通する連続的な通路42内を長手方向に移動する超音波カテーテル20は、遠位方向36において長手方向に移動される。連続的な通路42内にガイドワイヤ18を含む実施形態では、ガイドワイヤ18は、超音波カテーテル20が遠位方向36において長手方向に移動されるときに超音波カテーテル20がガイドワイヤ18に沿って連続的な通路42を通って遠位に移動するように、超音波カテーテル20のガイドワイヤ内腔20-3(
図1参照)内に受け入れられ得る。
【0034】
[0038]次に、患者の血管内にガイドワイヤ18を配置するための血管手術に関して、
図1に示されるような血管デバイス挿入装置12の動作を説明する。支持カテーテル16が、血管デバイス挿入システム10の連続的な通路42を確立するために、モータ26の中空モータシャフト40に接続される。支持カテーテル16は、患者の血管内に挿入され、その後に、血管デバイス挿入システム10の連続的な通路42の最初の部分を形成する(中空モータシャフト40の)長尺開口部40-4にガイドワイヤ18を通すことが続く。次いで、血管閉塞部位まで血管を通る支持カーテル16の遠位前進を支援するために、モータ26の中空モータシャフト40および支持カテーテル16(支持カテーテル16の可撓性長尺部材16-2の遠位端部分16-6を含む)が調和して回転振動されるように、モータ26がモータ制御装置28によって作動される。場合により、モータ26および支持カテーテル16はまた、スライダ30により単独でまたは回転振動との組み合わせで長手方向に変位され、例えば往復運動され得る。モータ26の中空モータシャフト40および支持カテーテル16は回転振動されるが、ガイドワイヤ18は、中空モータシャフト40の長尺開口部40-4および支持カテーテル16のカテーテル内腔16-3によって形成された連続的な通路42を通るように医師によって手動で操作されかつ前進され、また、ガイドワイヤ18の第2の端部18-2は、血管内の血管閉塞と係合するように前進させられる。支持カテーテル16の可撓性長尺部材16-2の遠位端部分16-6の回転振動および/または長手方向往復運動は、血管内の(部分的なまたは全体的な)血管閉塞を通り抜けかつそれを越えて延在するように医師がガイドワイヤ18の第2の端部18-2をさらに前進させるのを助ける。
【0035】
[0039]
図1および2を参照すると、ガイドワイヤ18が患者の血管内の所望の箇所に設置された後、ガイドワイヤ18の第1の端部18-1は次いで、超音波カテーテル20が遠位方向36において長手方向に移動されるときに超音波カテーテル20がガイドワイヤ18に沿って連続的な通路42を通って遠位に前進され得るように、超音波デバイス54の超音波カテーテル20のガイドワイヤ内腔20-3にねじ込まれかつ通され得る。次いで、超音波信号発生器52は、超音波変換器60に超音波励起信号を送信するように通電され得る。超音波変換器60は、超音波励起信号を受信して超音波振動エネルギーに変換し、この超音波振動エネルギーは、血管閉塞の近位キャップに係合して穴を開けるワークヘッド20-5に振動エネルギーを伝達するために、超音波カテーテル20のコアワイヤ20-4(
図1参照)に供給される。
【0036】
[0040]上記の例および実施形態のうちのいくつかでは、例えば超音波カテーテル20などの血管カテーテルの位置決めを案内するために所望の箇所への血管内のガイドワイヤ18の挿入を支援することに関して、血管デバイス挿入装置12の構造および動作が説明されたが、一部の処置では、血管デバイス挿入装置12は、必要に応じてガイドワイヤ18を使用することなしに血管内の所望の箇所へ血管カテーテルを直接挿入するのを支援するために使用され得ることが、理解されるべきである。
【0037】
[0041]以下の項目もまた、本発明に関する。
[0042]1つの形態では、本発明は、ガイドワイヤおよび/または超音波カテーテルなどの補助デバイスの位置決めを促進するために血管内で支持カテーテルを前進させるように構成され得る血管デバイス挿入システムに関する。システムは、ハブ、ハブから遠位に延在する可撓性長尺部材、ならびにハブおよび可撓性長尺部材を貫通して延在するカテーテル内腔を有する支持カテーテルを備え得る。支持カテーテルは、長手軸に沿って配置され得る。システムはまた、長手軸に沿って配置された中空モータシャフトを有するモータを収容し得る(収容するように構成され得る)挿入モジュールハウジングを備え得る。言い換えれば、システムは、モータを備え得る。中空モータシャフトは、近位端部、遠位端部、遠位端部分、および近位端部から遠位端部まで長手軸に沿って延在し得る長尺開口部を有する。中空モータシャフトの遠位端部分は、支持カテーテルのハブに例えば直接接続で結合するように構成され得る。中空モータシャフトの長尺開口部および支持カテーテルのカテーテル内腔は、連続的な通路を一緒に画定する。モータ制御装置が、モータに電気的に結合され得る。モータ制御装置は、中空モータシャフトを長手軸の周りで回転振動させ、またそれにより支持カテーテルを回転振動させるために、モータを制御するように構成され得る。したがって、システムは、モータが中空モータシャフトを長手軸の周りで回転振動させ、またそれにより支持カテーテルを回転振動させ得る(回転振動させるように構成され得る)ように、構成される。言い換えれば、中空モータシャフトおよび支持カテーテルは、モータにより(共通の)長手軸の周りで調和して回転振動され得る(回転振動されるように構成され得る)。
【0038】
[0043]いくつかの実施形態では、スライダが、モータに結合され得る。スライダは、モータを長手軸に沿って長手方向に往復運動させるように構成され得る。
[0044]いくつかの実施形態では、システムは、ガイドワイヤの位置決めを促進するように構成され得る。ガイドワイヤは、第1の端部および第2の端部を有する。ガイドワイヤは、中空モータシャフト内の長尺開口部および支持カテーテルのカテーテル内腔によって画定された連続的な通路内に配置されてよく、ここで、ガイドワイヤの第1の端部分が、中空モータシャフトの近位端部の近位に位置し得る。連続的な通路は、ガイドワイヤが支持カテーテルから遠位に延在するために連続的な通路内を手動で移動可能であり得るように、構成され得る。
【0039】
[0045]いくつかの実施形態では、システムは、カテーテル近位部分およびカテーテル遠位部分を有する超音波カテーテルを備え得る。超音波カテーテルは、中空モータシャフト内の長尺開口部および支持カテーテルのカテーテル内腔によって画定された連続的な通路内に配置されてよく、ここで、超音波カテーテルのカテーテル近位部分は、中空モータシャフトの近位端部の近位に位置し得る。連続的な通路は、超音波カテーテルが支持カテーテルから遠位に延在するために連続的な通路内を移動可能であり得るように、構成され得る。
【0040】
[0046]超音波カテーテルを含む実施形態では、超音波カテーテルは、ガイドワイヤを受け入れるように構成されたガイドワイヤ内腔を含み得る。
[0047]いくつかの実施形態では、システムは、超音波デバイスを備え得る。超音波デバイスは、超音波変換器、超音波変換器を収容するように構成されたデバイスハウジング、ならびにカテーテル近位部分およびカテーテル遠位部分を有する超音波カテーテルを備え得る。カテーテル近位部分は、超音波変換器に動作可能に結合され得る。連続的な通路は、超音波カテーテルが支持カテーテルから遠位に延在するために連続的な通路内を移動可能であり得るように、構成され得る。
【0041】
[0048]前段落の実施形態では、超音波カテーテルは、ガイドワイヤを受け入れるように構成されたガイドワイヤ内腔を有し得る。システムは、超音波カテーテルがガイドワイヤ上を遠位方向に移動されるときに超音波カテーテルがガイドワイヤに沿って連続的な通路を通って案内され得るように、構成され得る。
【0042】
[0049]挿入モジュールハウジングおよびデバイスハウジングを有する実施形態では、挿入モジュールハウジングは、第1の複数の取付け特徴部を含んでよく、デバイスハウジングは、第2の複数の取付け特徴部を含んでよい。第1の複数の取付け特徴部は、デバイスハウジングを挿入モジュールハウジングに取り付けるために、第2の複数の取付け特徴部に解放可能に接続するように構成され得る。システムは、第1の複数の取付け特徴部がデバイスハウジングを挿入モジュールハウジングに取り付けるために第2の複数の取付け特徴部に解放可能に接続するように構成され得るように、構成され得る。
【0043】
[0050]前段落の実施形態では、挿入モジュールハウジングの第1の複数の取付け特徴部、およびデバイスハウジングの第2の複数の取付け特徴部は、磁気接続を形成するように構成されてよく、例えば磁気を帯びていてよい。
【0044】
[0051]システムの一部として超音波変換器を含むいくつかの実施形態では、システムは、超音波変換器に電気的に結合され得る超音波信号発生器を備え得る。超音波信号発生器は、超音波変換器に電気的励起信号を供給するように構成され得る。
【0045】
[0052]別の形態では、本発明は、ハブ、ハブから遠位に延在する可撓性長尺部材、ならびにハブおよび可撓性長尺部材を貫通して延在するカテーテル内腔を有する支持カテーテルを備え得る血管デバイス挿入システムに関する。挿入モジュールハウジングが、長手軸に沿って配置された中空モータシャフトを有するモータを収容するように構成され得る。中空モータシャフトは、近位端部、遠位端部、遠位端部分、および近位端部から遠位端部まで長手軸に沿って延在し得る長尺開口部を有する。中空モータシャフトの遠位端部分は、支持カテーテルのハブに結合するように構成され得る。中空モータシャフトの長尺開口部および支持カテーテルのカテーテル内腔は、連続的な通路を一緒に画定する。ガイドワイヤが、第1の端部および第2の端部を有し、ここで、ガイドワイヤは、中空モータシャフト内の長尺開口部および支持カテーテルのカテーテル内腔によって画定された連続的な通路内に配置され得る。ガイドワイヤの第1の端部分が、中空モータシャフトの近位端部の近位に位置し得る。連続的な通路は、ガイドワイヤの第1の端部分の手動操作によりガイドワイヤが連続的な通路内を自由に手動で移動可能であり得るように、構成され得る。モータ制御装置が、モータに電気的に結合され得る。モータ制御装置は、中空モータシャフトを長手軸の周りで回転振動させ、それにより支持カテーテルを回転振動させるように、構成され得る。段落[0042]の特徴は、本発明のこの形態にも適用される。
【0046】
[0053]いくつかの実施形態では、スライダがモータに結合されてよく、ここで、スライダは、モータを長手軸に沿って長手方向に往復運動させるように構成され得る。
[0054]いくつかの実施形態では、システムは、超音波変換器と、超音波変換器を収容するように構成されたデバイスハウジングと、カテーテル近位部分、カテーテル遠位部分、およびガイドワイヤ内腔を有する超音波カテーテルとを含み得る超音波デバイスを備え得る。カテーテル近位部分は、超音波変換器に動作可能に結合され得る。ガイドワイヤ内腔は、ガイドワイヤを受け入れるように構成され得る。システムは、超音波カテーテルが長手方向に移動されるときに超音波カテーテルがガイドワイヤに沿って連続的な通路内を長手方向に移動するように、構成され得る。
【0047】
[0055]挿入モジュールハウジングおよびデバイスハウジングを有する実施形態のいずれにおいても、挿入モジュールハウジングは、第1の複数の取付け特徴部を含んでよく、デバイスハウジングは、第2の複数の取付け特徴部を含んでよい。第1の複数の取付け特徴部は、デバイスハウジングを挿入モジュールハウジングに取り付けるために、第2の複数の取付け特徴部に解放可能に接続するように構成され得る。
【0048】
[0056]前段落による実施形態では、挿入モジュールハウジングの第1の複数の取付け特徴部およびデバイスハウジングの第2の複数の取付け特徴部は、磁気接続を形成するように構成されてよく、例えば磁気を帯びていてよい。
【0049】
[0057]デバイスハウジングを有する実施形態のいずれにおいても、デバイスハウジングは、ユーザによって保持されるように構成されたハンドピースであってよい。
[0058]超音波変換器を含む実施形態のいずれにおいても、システムは、超音波変換器に電気的に結合され得る超音波信号発生器を備えることができる。超音波信号発生器は、超音波変換器に電気的励起信号を供給するように構成され得る。
【0050】
[0059]別の形態では、本発明は、支持カテーテルおよびガイドワイヤを血管内で前進させる(のに使用する)ために構成され得る血管デバイス挿入装置に関する。支持カテーテルは、ハブ、ハブから遠位に延在する可撓性長尺部材、ならびにハブおよび可撓性長尺部材を貫通して延在するカテーテル内腔を有し得る。血管デバイス挿入装置は、長手軸に沿って配置された中空モータシャフトを有するモータを収容するように構成された挿入モジュールハウジングを備え得る。中空モータシャフトは、近位端部、遠位端部、遠位端部分、および近位端部から遠位端部まで長手軸に沿って延在し得る長尺開口部を有し得る。中空モータシャフトの遠位端部分は、支持カテーテルのハブに結合するように構成されてよく、ここで、中空モータシャフトの長尺開口部および支持カテーテルのカテーテル内腔は、連続的な通路を一緒に画定する。連続的な通路は、ガイドワイヤを受け入れるように構成され得る。モータ制御装置が、モータに電気的に結合され得る。モータ制御装置は、中空モータシャフトを長手軸の周りで回転振動させ、それにより支持カテーテルを回転振動させるように、構成され得る。本発明のこの形態は、連続的な通路がガイドワイヤを受け入れるように構成され得る段落[0042]の血管デバイス挿入システムを対象とする。段落[0042]から[0051]の特徴は、本発明のこの形態にも適用される。
【0051】
[0060]いくつかの実施形態では、スライダが、モータに結合され得る。スライダは、モータを長手軸に沿って長手方向に往復運動させるように構成され得る。
[0061]実施形態のいずれにおいても、挿入モジュールハウジングは、超音波変換器のデバイスハウジングに取り付くように構成された複数の取付け特徴部を任意選択で含み得る。
【0052】
[0062]本明細書において、程度に関する語は、そのように修飾される特性からの許容される変化を示すように意図された相対的な修飾語である。そのような用語は、それが修飾する特性の絶対値に限定されることを意図されておらず、むしろ、反対のものよりもいっそう多くの物理的または機能的な特性を有することが意図されている。
【0053】
[0063]本発明は少なくとも1つの実施形態に関して説明されたが、本発明は、本開示の精神および範囲内でさらに修正され得る。したがって、本出願は、その一般原理を使用する本発明の任意の変形、使用、または翻案をもカバーすることが意図されている。さらに、本出願は、本発明が関係しまた添付の特許請求の範囲の限界内に入る当技術分野における知られたまたは慣習的な実践に含まれるような本開示からの逸脱をカバーすることを意図されている。
【国際調査報告】