(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-15
(54)【発明の名称】油圧又は電気油圧駆動部用の位置検出装置、及び位置検出手段を有する装置
(51)【国際特許分類】
G01D 5/04 20060101AFI20230608BHJP
G01B 7/00 20060101ALI20230608BHJP
G01B 7/30 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
G01D5/04 B
G01B7/00 101Z
G01B7/30 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022561467
(86)(22)【出願日】2021-04-26
(85)【翻訳文提出日】2022-11-28
(86)【国際出願番号】 EP2021060844
(87)【国際公開番号】W WO2021219553
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】102020111817.1
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518148353
【氏名又は名称】プライガー マシーネンバウ ゲーエムベーハー ウント コンパニ カーゲー
【氏名又は名称原語表記】PLEIGER MASCHINENBAU GMBH & CO.KG
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】ハーバース,アニカ
(72)【発明者】
【氏名】レスカ,ゲオルク
【テーマコード(参考)】
2F063
2F077
【Fターム(参考)】
2F063AA02
2F063AA35
2F063CA29
2F063DA02
2F063DA05
2F063JA02
2F063KA03
2F077AA27
2F077AA41
2F077DD03
2F077QQ15
2F077VV02
(57)【要約】
【課題】本発明は、油圧駆動部または電気油圧駆動部用の位置検出装置、及び位置検出手段を有する装置を提供する。
【解決手段】
極低温及び爆発危険性がある場合などの極限周囲条件下で安全に機能し、駆動部、特に油圧駆動又は電気油圧駆動の可動部の回転位置又は直線位置の位置検出用の装置(10)であって、この装置は、可動部(1)が固定部(2)に対して回転運動又は直線移動運動を行う、互いに隣接し一列に配置された複数のスイッチ(31、32、33、34、35)を含み、固定部(2)に配置された切替部(3)と、可動部(1)の相対位置に依存する切替部(3)のスイッチ(31~35)の直接的又は間接的な作動用の作動部材(4)とを備え、作動部材(4)が切替部(3)のスイッチ(31~35)の数に応じた複数のスイッチトリガー(41、42、43、44、45)を有し、可動部(1)と固定部(2)との間のそれぞれの相対位置にスイッチ(31~35)のスイッチ位置のそれぞれの場合における決定された明確な組み合わせが与えられるように、スイッチトリガー(41~45)が可動部(1)と固定部(2)との間の並置及び/又は配置を通じてスイッチ(31~35)にそれぞれ割り当てられ、かつ評価部を備える制御モジュールが提供され、その制御モジュールに装置の可動部(1)の相対位置に対するスイッチ(31~35)のそれぞれのスイッチ位置のコードが記憶されることを特徴とする装置である。
【選択図】
図3-1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温及び爆発危険性を含む極限周囲条件下で安全に機能し、
油圧又は電気油圧駆動の可動部の回転位置又は直線位置の位置検出用の装置(10)であって、
前記装置は、前記可動部(1)が固定部(2)に対して回転運動又は直線移動運動を行う、
互いに隣接し一列に配置された複数のスイッチ(31、32、33、34、35)を含み、前記固定部(2)に配置された切替部(3)と、
前記可動部(1)の相対位置に従って前記切替部(3)の前記スイッチ(31~35)を直接的又は間接的に作動させるための作動部材(4)と、
を備え、
前記作動部材(4)が、前記切替部(3)の前記スイッチ(31~35)の数に対応する複数のスイッチトリガー(41、42、43、44、45)を有し、
前記可動部(1)と前記固定部(2)との間の各相対位置における前記スイッチ(31~35)のスイッチ位置の組み合わせがいずれの場合も断固として明確に与えられるように、前記スイッチトリガー(41~45)が、前記可動部(1)と前記固定部(2)との間の並置及び/又は配置によって前記スイッチ(31~35)にそれぞれ割り当てられ、
かつ評価部を備える制御モジュールが提供され、前記制御モジュールに前記駆動部の可動部(1)の相対位置に対応した前記スイッチ(31~35)のそれぞれのスイッチ位置のコードを記憶されること、
を特徴とする、前記装置。
【請求項2】
前記スイッチ(31~35)が、切換スイッチ又は多重スイッチの形態の単純な切替機能を備えるスイッチであることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記スイッチ(31~35)が、直接接触する前記スイッチトリガー(41~45)による変位するためのスイッチ領域又はスイッチ部材を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記スイッチ(31~35)が、無接点で作動可能なスイッチ又は無接点スイッチであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置(10)。
【請求項5】
前記作動部材(4)が、前記駆動部の移動運動に関して前記可動部(1)に機械的に直接的に連結されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項6】
前記作動部材(4)が、前記スイッチトリガー(41~45)としてカムローラー(6)上に多数の異なるカムを含むものであって、前記カムが前記スイッチ(31~35)に接触することを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項7】
前記切替部(3)が、互いに上方に又は互いに隣接する既定の位置に取り付けられる複数のスイッチ(31~35)を備える同形の区画であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項8】
前記駆動部の前記可動部(1)の回転位置又は直線位置に関して前記スイッチ(31~35)の前記スイッチ位置のコードが、グレイコードの形態で前記制御モジュールに記憶されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項9】
前記制御モジュールにおける前記スイッチ(31~35)の前記スイッチ位置のコードが、前記駆動部の所定の移動経路における異なる個別の位置点の準連続的な画像を表すことを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項10】
前記制御モジュールにおける前記スイッチ(31~35)の前記スイッチ位置のコードが、前記駆動部の所定の移動経路上に一定間隔で分布する位置点を表すことを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項11】
前記制御モジュールにおける前記スイッチ(31~35)の前記スイッチ位置のコードが、前記駆動部の移動経路に沿って前記駆動部の前記可動部(1)の移動経路における変化する位置を表すことを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項12】
前記制御モジュールにおいて評価回路が備えられていることを特徴とする装置(10)であって、
前記スイッチ(31~35)の過去に検出されたスイッチ位置に基づいて前記固定部に対する前記可動部の位置からの外挿を可能にする、請求項1~11のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項13】
可動部(1)、又は前記可動部(1)に機械的に直接連結した前記装置(10)の部材のそれぞれの場合において、2以上の切替部(3)に、複数のスイッチ(31~35)が備えられることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項14】
前記作動部材(4)が、流体技術、電気的又は磁気的作動を含む非機械的トリガー技術に基づくスイッチトリガー(41~45)を有することを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項15】
前記作動部材(4)の前記スイッチトリガー(41~45)又は前記スイッチ(31~35)が、ローラー又はスライド部材を含む摩擦低減用の手段(5)を含むことを特徴とする、請求項1~14のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項16】
ギヤ、歯付き部材又は歯車の形態での機械的連結が、前記可動部(1)の駆動部材と前記固定部(2)に備えられた前記作動部材(4)との間に設けられていることを特徴とする、請求項1~15のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項17】
固定部(2)に対する前記駆動部の可動部(1)の相対運動により、開位置と閉位置との間の移動経路に沿って、ドア(Klappen)、ボール弁又は弁を含む金具を作動させるための油圧又は電気油圧駆動部であって、
請求項1~16のいずれか1項に記載の前記駆動部の前記可動部(1)のための回転位置又は直線位置の位置検出用の装置(10)を備えることを特徴とする、前記駆動部。
【請求項18】
前記駆動部が、ドア(Klappen)、ボール弁又は弁を含む回転金具の回転運動用の油圧駆動部であって、
前記駆動部の前記可動部(1)が回転ドライブシャフトであり、
かつ前記装置(10)が前記ドライブシャフトと前記駆動部の固定部(2)との間に取り付けられることを特徴とする、請求項17に記載の駆動部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動部、特に油圧又は電気油圧駆動部の、回転位置又は直線位置の位置検出用の装置に関するものであり、その駆動部は、例えば極低温及び爆発危険性がある場合などの極限周囲条件下であっても安全に機能する。本発明の位置検出手段は、特に、所定の移動経路に沿って回転運動又は直線移動運動を行う可動部を備える油圧駆動部に関するものであり、可動部の回転位置又は直線位置が本発明の装置によって可能な限り正確に検出される。また、このような位置検出用の装置は、回転シャフトや駆動シャフトなどの可動部を備えるこのような駆動部の位置のためのセンサ又は位置トランスミッタとしても設計される。
【背景技術】
【0002】
従来の技術において、例えばこのような装置又は金具の回転位置検出用に、連続的に回転位置を検出するポテンショメータ又はその他のセンサの使用が知られている。このようなポテンショメータでは、駆動部の可動部の各位置が連続的に検出され、さらなる工程のために出力される。多くの油圧駆動部のため、例えばドア(Klappen)又はボール弁などを作動させるために、完全な移動運動を検出するこのようなポテンショメータが通常使用される。よって、それらは正確だが、しばしば干渉を受けやすくもある。一方で、対応する位置の端部スイッチを備えるこのような油圧駆動部の移動経路の端部位置のみをいずれの場合も検出することが知られているが、その場合、初期位置と端部位置との間の移動経路の中間位置における相対位置に関する情報が失われる。これは、このような油圧駆動弁の制御と調整に関する欠点と限界につながる。
【0003】
また、駆動部のこのような可動部の位置検出が、電気ポテンショメータを用いてももはや不可能であり、しばしば動作停止となって、駆動部の非常に不正確な制御と調整につながる適用分野もある。例えば極地の低くとも-55℃という極低温では、ドア(Klappen)、弁又はボール弁の作動部材のための油圧駆動部は、通常まだ十分に機能することができるが、シャフト又は移動ロッドなどの動作可能な駆動部分の相対位置に関する情報が失われているため、それらをもはや十分かつ正確に調整又は制御することができないことがしばしばある。回転運動用の回転シャフト又は直線的変位部の可動部の相対位置は、もはや十分正確に決められないことがしばしばある。極限温度では、油圧オイルの粘度変化又は周囲条件変化により、駆動部の可動部の正確な位置に違いが生じることもしばしばある。また、例えば、高温、爆発危険性など及びこれらの組み合わせのように、他の非常に厳しい周囲条件においては、ポテンショメータのような通常の電気的位置センサのみでは、もはや十分に機能しないことがしばしばある。そして一方、動作停止が発生すると、もはや位置検出が全く不可能となる。一方、駆動部の変位可能な可動部の回転位置又は実際の位置の検出において非常に不正確なデータになる可能性があり、ひいては誤って調整されたドア(Klappen)やボール弁のような弁において、対応する損傷を発生させる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の点において、本発明の目的は、例えば低くとも-55℃という極低温のような極限周囲条件であっても、各動作位置における駆動部の可動部の安全な検出及び十分に正確な位置決定を可能とすることによる位置検出手段を有する、油圧又は電気油圧駆動部、及びこのような駆動部における可動部の回転位置又は直線位置の位置検出用装置を提供することである。本発明による装置は、さらに、可能な限り少ない技術的努力と比較的小型の構造で、移動経路上の実際の場所及び位置を可能な限り正確に再現することができる。
【0005】
この目的は、請求項1の特徴を有する装置、及び請求項17の特徴を有する駆動部により解決される。本発明の有利な実施形態及び発展は、従属請求項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、装置は、駆動部が、例えば極低温又は爆発危険性がある場合などの極限周囲条件下であっても安全に機能し、駆動部、特に油圧又は電気油圧駆動部の可動部の回転位置又は直線位置の位置検出用に示されたものであって、可動部が固定部に対して回転運動又は直線移動運動を行い、その装置は、互いに隣接し一列に配置された複数のスイッチを含む固定部に配置された切替部と、可動部の相対位置に従って切替部のスイッチの直接的又は間接的な作動させるための作動部材とを備え、その装置は、作動部材が切替部のスイッチの数に対応する複数のスイッチトリガー又は作動トリガーを有し、可動部と固定部との間の各相対位置におけるスイッチのスイッチ位置の組み合わせがいずれの場合も断固として明確に与えられるように、スイッチトリガーが可動部と固定部との間の並置及び/又は配置を通してスイッチにそれぞれ割り当てられ、かつ評価部を備える制御モジュールが提供され、その制御モジュールに駆動部の可動部の相対位置に対応したスイッチのそれぞれのスイッチ位置のコードが記憶されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
したがって、駆動部の移動経路上の中間位置であっても可能な限り正確な位置の検出結果を得るために、本発明の装置は、切替部の複数の単純なスイッチを使用し、切替部は作動部材の反対側に配置されたスイッチトリガーに動作接続される。したがって、本発明は、このような駆動部用の準連続的で干渉を受けない位置検出を提供する。駆動部が変位している間、所定の回路図に対応する各場合の切替部の異なる割り当てのスイッチを安全に切り替えることができるように、スイッチトリガーは配置される。ここで、スイッチトリガーは、例えば、既定の配置、外形又は形状で設けられるため、異なるスイッチのそれぞれの場合において、駆動部の可動部の各位置におけるスイッチ位置の断固とした明確な組み合わせでもう片方と接続される。駆動部の可動部の(実際の)相対位置に対するスイッチ位置の組み合わせの既定の明確な割り当ては、制御モジュール内の本発明によるコードに記憶されるので、それぞれのスイッチ位置又はスイッチ位置の組み合わせに基づいて、ポテンショメータのような電気的連続的センサを必要とせず、対応する駆動部の実際の位置が非常に正確に検出され得る。本発明による装置では、可動部に連結された作動部材により駆動部の複数の異なる位置の検出が構造的に非常に単純かつ堅牢な方法で可能となり、作動部材が対応する複数のスイッチトリガーを用いて位置によってそれぞれ異なるスイッチを対応して切り替える。
【0008】
その後、異なるスイッチ位置によって、制御モジュールに記憶されたコードに基づく実際の場所と位置は、移動経路の複数の個別の離れた位置点において、高い機能安全性で決定され得る。このように、本発明は、ポテンショメータ又は他のこのようなセンサによって提供される電気的で真にノンストップの連続的計測なしに、駆動部の変位可能な可動部の相対位置の準連続的な検出を可能にする。油圧駆動部の可動部を連結した駆動部によって連携する作動部材において割り当てられたスイッチトリガーによる一連のスイッチの単純な使用は、例えば船舶上などの極地における低くとも-55℃という極低温などの極限条件であっても、さらにまだ安全に機能する。また、本発明による解決策により、改善された位置検出用のフェイルセーフ手段の構造的に非常に単純に構成された比較的コンパクトな形状を提供する。切替部と作動部材は、非常に小さな寸法により、互いを非常に接近させることができる。そのため、このような駆動部又は弁に装置を取り付けることは容易である。
【0009】
本発明による切替部のスイッチ位置と駆動部の相対位置との間のこのような割り当ては、直線的で一定な割り当てか、それとも移動経路に沿って変化する割り当てとすることができる。例えば、油圧駆動部の移動経路に沿って、互いに狭い又は広い異なる間隔の位置点が検出されるように、作動部材のスイッチトリガーが形成され得る。例えば、作動部材は、駆動部の変位の神経的で重大な点において、狭い検出シークエンスを有するようなスイッチトリガーにより形成され得る。このような本発明の変形について、有利な実施形態の例として実現することができ、スイッチトリガーと作動部材が一定でないギヤにより可動部に連結される例として製造することができる。例えばピッチ円直径に沿って変化する速度伝達比による一定のピッチ円直径を備えるギヤ列によって、例えばギヤ要素のピッチ円に対して偏よって配置された回転軸により、ギヤを置き換えることができる。または、選択された範囲内の移動経路の検出分解能を増加又は減少することで、代わりに、異なる種類の連結ギヤを使用することができる。本発明によるこのような有利な実施形態では、作動部材のスイッチトリガーは、スイッチに対する配置に関してさらに変化させる必要はない。作動部材それ自体の形状又は配置によって、駆動部の移動経路の検出精度の異なる範囲を得ることができる。
【0010】
本発明の有利な実施形態によれば、切替部のスイッチは、切替スイッチ又は多重スイッチの形態の切替機能を備える単純なスイッチである。したがって、本発明による切替部のスイッチは、構造的に単純に形成されたスイッチであり、それによって非常に堅牢であり、あらゆる種類の干渉に対する耐性がある。各スイッチは、例として、単一のオン-オフのスイッチ位置を備える単純な切替スイッチとして実現され得る。例として、トグルスイッチ、押しスイッチ、又は直接的な方法で機械的に、若しくは駆動部の変位に応じて無接点スイッチトリガーにより間接的に作動させ得るその他の形態のスイッチなど、このようなスイッチについて、様々な可能性が生じる。また、本発明によれば、スイッチ内に複数の切替点を備える多重切替機能を有する単純なスイッチを使用することもできる。このように、単純なオン-オフ機能のみを備える切替スイッチと比較して、駆動部の位置をコード化して検出するための、より多くのスイッチ位置及びスイッチ位置の組み合わせが与えられるため、駆動部は、構造的形状においてより一層コンパクトに実現することができる。
【0011】
本発明のさらなる有利な実施形態によれば、スイッチは、直接接触するスイッチトリガーによる変位するためのスイッチ領域又はスイッチ部材を備えている。スイッチトリガーは、スイッチレバー、カムローラー若しくはカムトラック(カムロッド)のカム、又は他の形態で実現される構成部品として形成させることができ、これらは、切替部の作動のために、対応する形状又は位置に対応する反対側に位置され、スイッチのスイッチ領域又はスイッチ部材と連携する。このように、極限の外的条件下であっても、干渉を受けずに機能的に安全な位置検出が可能となる。
【0012】
この点において、本発明の別のさらなる実施形態によれば、スイッチは、無接点で作動可能なスイッチ又は無接点スイッチである。スイッチを、例えば、いわゆるリード接点、ホールセンサ、誘導スイッチ、又は容量性スイッチとして設けることができる。無接点作動は、用途に応じて決まるが、作動部材のスイッチトリガーとスイッチそれ自体との間に直接接触する必要がないという有利な点を有する。したがって、スイッチトリガー及び作動部材を、実際の切替部から既定の距離で配置することもできる。このように、汚染などによる機械的障害も避けられるため、これは異なる別の利点を有する。
【0013】
本発明のさらなる有利な実施形態によれば、作動部材は、駆動部の移動運動に関して可動部と機械的直接的に連結されている。作動部材と例えば金具用の油圧駆動部のドライブシャフト又はドライブロッドのような駆動部の可動部との間の機械的直接的連結は、例えば、対応する歯車連結部、ギヤ、スプライン軸、又は当技術分野の当業者によく知られた類似の機械的連結手段によって、することができる。このようにして、装置は、駆動部の対応する移動経路と位置を非常に正確に検出することができる。例えば、初期位置と端部位置との間に設定された移動経路において、装置は、スイッチトリガーを備える作動部材を用いて制御部のコードを検出することにより、それぞれ得られたスイッチの中間位置に対応する位置を検出することができる。しかし、この装置は、例えば油圧駆動部用の回転シャフトの回転ドライブの制限されていない移動経路を設定するために、代わりに使用することもできる。本発明による駆動部の作動部材と可動部との間における直接的機械的連結により、ポテンショメータなどの完全に連続測定する電気的手段の必要なしに、単純な手段で、それぞれの場合における位置の非常に正確な検出を達成することができる。
【0014】
本発明のさらなる有利な実施形態によると、作動部材は、接触するカムによる様々なスイッチのためのスイッチトリガーとして複数の異なるカムを備える、カムシャフト又はカムローラーの形態で形成される。本発明によれば、このようなスイッチの作動は、カムローラー上の特定の形状のカムにより引き起こされる。したがって、カムシャフト又はカムローラーは、例えば異なる形状及び異なる数のカムにより非常にコンパクトに形成される。例えば、第一のスイッチと第二のスイッチにおいて、カムローラーの完全な1回転にわたってスイッチのオン位置かオフ位置のいずれかを備えるカムローラー上の単一のカム突起をそれぞれの場合に設けることができ、さらに第三、第四又は第五のスイッチについては、それぞれの場合に2つ、3つ、又はさらに8つのカム突起が、対応して複数の切替を備える円周状の一つのカムの上に形成される。このようなカムローラーは、本発明によると、非常にコンパクトに、スイッチの複数の可能な位置の組み合わせを生成することができる。位置検出のための位置の数は、それにより、比較的大きい。作動部材は、それにより非常にコンパクトであり、それにもかかわらず極めて正確で準連続的な運動の検出を備えるカムシャフト上の様々な形状で配置された多数のカムの形態で非常に単純に形成されたスイッチトリガーを有する。
【0015】
本発明のさらなる有利な実施形態によれば、複数のスイッチを備える切替部は、区画に集められ、かつ互いの上方に又は互いに隣接して配置され、かつそれぞれの場合において既定の位置に取り付けられる複数のスイッチを備える、同形の区画である。このように、いわゆる複合型スイッチタワー又は切替部は、それぞれの場合において単一のスイッチが互いに直接又は互いに隣接して配置されることで実現される。スイッチの場所と位置は、したがって確実に決定される。切替部については、故障の場合に簡単に取り付ける又は交換することできる。同様に、ブロック要素として、駆動部の全く同一の可動部に、複数のこのように集められた切替部を配置することが可能となるため、駆動部の位置の検出について一種の冗長性が可能となる。位置検出の故障安全性は、したがって、さらになお高まる。さらに、それぞれの切替部において単一スイッチを集めることは、取り付け及び分解を容易にし、かつセンサ手段の非常にコンパクトな構造的形状が可能になるという利点を有する。
【0016】
本発明のさらなる有利な実施形態によれば、駆動部の可動部の回転位置若しくは直線位置に関して駆動部の制御モジュール中のスイッチの様々なスイッチ位置又はスイッチ位置の組み合わせのコードは、グレイコードの形態で記憶されている。このようなグレイコードを用いて、駆動部のそれぞれの相対位置に対するスイッチのスイッチ位置の組み合わせの割り当ては、比較的単純に形成された制御装置に記憶させることができる。グレイコードは、個別のスイッチの複数の単純なバイナリスイッチ位置を駆動部の実際の位置に応じたコードへ変換することを可能にする。グレイコードは、駆動部及び対応する切替部のスイッチの、それぞれの構造上の実施形態のための本発明による駆動部の制御部の記憶素子に簡単に記憶させることもできる。また、切替部のスイッチの様々なスイッチ位置又はスイッチ位置の組み合わせへの駆動部のそれぞれの移動運動の明確な割り当てを達成するために、本発明の範囲において他の種類のコードも使用され得る。
【0017】
本発明のさらなる有利な実施形態によると、スイッチのスイッチ位置の制御モジュールにおいて、コードは、駆動部の所定の移動経路の異なる個別の位置点の準連続的な画像を表す。したがって、駆動部は、定義された移動経路上の相対位置の準連続的な検出を可能にする。ここで、既定の位置に対応する1つの位置点がそれぞれの場合の用途のために可能な限りかつ十分正確に移動経路を表すように、コードは、提供されかつ記憶される。したがって、本発明による解決策を用いることにより、完全に連続した位置検出について、十分に信頼できる正確な代替が手に入る。本発明は、このような油圧駆動部の単純な応用分野に限定されず、また、極高温、極低温、爆発危険性など及びこれらの組み合わせのように比較的極限の周囲条件にあっても有利に使用され得る。本発明による所定の移動経路は、例えば駆動部又は金具の初期位置と端部位置との間の変位とすることができる。フラップ金具の場合、これは、例えばドア(Klappe)の開閉位置となる。
【0018】
本発明のさらなる有利な実施形態によると、駆動部の制御モジュールにおけるコードは、スイッチのスイッチ位置に関する駆動部の所定の移動経路上に一定間隔で分布する位置点を表す。したがって、駆動部の所定の移動経路上に一定間隔で分布する位置点は、互いに比較的規則的な間隔で得られる。したがって、移動経路上の一定間隔の移動位置の完全かつ正確な画像は、油圧駆動部の実際の位置の検出のために本発明により実現することができる。
【0019】
本発明のさらなる有利な実施形態によると、制御モジュールにおけるスイッチのスイッチ位置のコードは、駆動部の移動経路に沿って駆動部の可動部の変化する位置を表す。このように変化する配置及び駆動部の位置点を表すことにより、駆動部の制御及び規制の具体的な/目標とする有利な実施形態を実現可能にする。既定の用途において、例えば終点近傍の位置は、移動経路の初期範囲の間よりも重要である。したがってこの範囲では、スイッチの位置検出点が、より密な配置を有する。このように、本発明による装置を用いて、それぞれの用途の目的に、より適合した正確さが達成され得る。
【0020】
本発明による装置の検出正確性(移動経路に沿って変化する)は、例えば作動部材を、回転の調整の間、回転軸に偏よって配置することで達成され得る。また、作動部材は、異なる種類のスイッチトリガーを形成させることができ、これは異なった強いトリガーモーメントを可能にし、又は移動経路の異なる位置における移動経路の検出のトルクを放出する。あるいは、作動部材のスイッチトリガーの不均一な分布を提供することができ、油圧駆動部の調整位置の検出正確性(移動経路に沿って変化する)に関する、このようなさらなる利点が可能となる。
【0021】
本発明のさらなる有利な実施形態によれば、評価回路は、装置の制御モジュールに備えられ、過去に検出されたスイッチのスイッチ位置に基づいて固定部に対する可動部の位置からの外挿を可能にする。このような外挿モジュールにより、既に到達している位置がなく、将来の油圧駆動部の位置であっても制御モジュールの正確な予測を達成し得る。このようなモジュールにより、誤ったスイッチングや駆動部の損傷を確実に避けるため、駆動部のある一種の前向きな制御と規制が実現され得る。
【0022】
本発明のさらなる有利な実施形態によれば、複数のそれぞれのスイッチを備える2以上の切替部は、可動部又は可動部と機械的に直接連結した装置の部材に備えられる。したがって、この実施形態による装置は、油圧駆動部のそれぞれの位置のなお一層改善された検出のために、複数の切替部を有する。また、追加の切替部により、一種の冗長性又は二重効果も得られるため、スイッチ又は切替部が故障した場合でも、検出はまだ確実に保証される。このような複数の切替部により、技術的な観点、すなわち、例えば不正確さを直接補正するため、又は異なる配置の場合に検出点の数を増やすための異なるスイッチ位置間における一種の比較から、別の利点を得ることができる。
【0023】
本発明のさらなる有利な実施形態によれば、作動部材は、非機械的トリガー技術、特に流体技術、電気的又は磁気的作動に基づくそれぞれのスイッチにおけるスイッチトリガーを有する。このように機械的に直接されない、作動部材によるスイッチの間接的な作動は、特定の用途環境において、さらなる利点を有する。すなわち、例えば、より大きな衝撃、振動、火災の危険性、高熱又は電磁気放射を有する環境領域において、このように油圧駆動部の位置検出の特定用途が、十分安全に達成され、かつ、それにもかかわらず真に連続的なポテンショメータなどを必要とせずに、比較的単純にそれらの構造において実現することができる。スイッチ及びスイッチトリガーの個々の部分が、互いに干渉を受けずにいつでも簡単に接触できるというわけではない既定の領域では、間接的な非機械的トリガー技術も必要とされ得る。このような環境下でも、本発明による有利な準連続的位置検出は、このように実現され得る。
【0024】
本発明によるさらなる有利な実施形態によれば、作動部材のスイッチトリガー、又はスイッチそれ自体は、摩擦低減手段を含む。この摩擦低減手段は、ローラー、これらの要素の一つである接触表面上もコーティングされたスライド部材を特に含み得る。この摩擦低減は、必要なメンテナンスなしに、長期間干渉を受けずに位置検出の実施が可能であるという利点を有する。この摩擦低減は、スイッチの円滑なトリガー動作を可能にするというさらなる利点を有する。したがって、スイッチはそれぞれ所定の調整位置に確実に固定され、これは多重スイッチの場合、特に利点である。
【0025】
本発明のさらなる有利な実施形態によれば、ギヤの形態、又は歯車若しくは歯付き部材の形態での機械的連結は、可動部の駆動部材と固定部に備えられた作動部材との間に設けられる。このような直接的機械的連結は、油圧駆動部の駆動部と本発明による装置を用いた位置検出用の伝動部材との間の相対位置の伝動を確実にする。このように、作動部材は、油圧駆動部及びその可動部に直接連結されることにより、それぞれの現在位置に関する情報の確実な直接的伝動が保証される。ギヤ又は歯付き部材などによる、別の間接的機械的連結も、同様に可能である。
【0026】
また、本発明による、請求項17によれば、駆動部の固定部に対する駆動部の可動部の相対運動により、特に開位置と閉位置との間の所定の移動経路に沿って、特にドア(Klappen)、ボール弁又は弁である金具を作動させるための油圧又は電気油圧駆動部が提案され、その駆動部は、請求項1~16のいずれか1項に記載の駆動部の可動部のための回転位置又は直線位置の位置検出用の装置を含むことを特徴とする。
【0027】
これに関する本発明の実施形態によれば、駆動部は、ドア(Klappen)、ボール弁又は弁などの回転金具の回転運動用の油圧駆動部であって、駆動部の可動部は回転ドライブシャフトであり、位置検出用の装置はドライブシャフトと駆動部の固定部との間に取り付けられる。
【0028】
本発明のさらなる特徴、態様及び利点は、添付された図面及びそれに含まれる図に関する本発明の様々な実施形態を用いて、以下においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本発明による位置検出用の装置の実施形態の平面図を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1における本発明による位置検出用の装置の実施形態の透視図を示す図である。
【
図3-1】
図3-1は、油圧式駆動部の回転位置の位置検出用の本発明による装置のさらなる実施形態の断面図を示す図である。
【
図3-2】
図3-2の(a)は、
図3-1による位置検出装置の作動部材の詳細における透視図を示す図である。また、
図3-2の(b)~(e)は、
図3-1の実施形態による本発明による位置検出装置の作動部材の例として、カムローラーの様々な断面図を示す図である。
【
図4】
図4は、グレイコード形式で制御モジュールに記憶されているスイッチ位置の組み合わせ及び駆動部の位置についてのコードを説明するための、本発明による位置検出装置のさらなる実施形態の表を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1及び
図2の図面は、油圧駆動部の回転位置の位置検出用の本発明による装置10の第一の実施形態を示す。装置10は、この実施形態では5つのスイッチ31、32、33、34、35を備える切替部3を含み、いわゆるスイッチタワー又は切替部の形態で共に含まれる。切替部3は、固定部2、例えば油圧駆動部の筐体部又はフランジ部に取り付けられる。切替部3は、スイッチ31~35を作動するための作動部材4に連結し、作動部材4は、油圧又は電気油圧駆動部の可動部1と直接的又は間接的に機械的に連結する。例えば油圧駆動部のドライブシャフトなどの制御部の回転運動は、これにより、作動部材4、例えば歯車の組み合わせ、ギヤリング、又はスプラインシャフトなどへ機械的に変換される。油圧駆動部の変位の場合、作動部材4は、対応する駆動部の移動運動と共に作動される。
【0031】
この実施形態の可動部1(回転シャフトドライブ)の回転運動は、カムシャフト6に小型の歯車をかみ合わせた大型の歯車による駆動部の可動部1との連結を通じ、一種のカムシャフト6又はカムローラーに直接伝達される。本実施形態のカムシャフト6は、スイッチ31~35の数に対応して、5つのスイッチトリガー41、42、43、44、45、又はスイッチ31~35の対応する位置に、カムシャフト6に異なる形状のカムの形態で設けられたスイッチ作動装置を有する。この実施形態のスイッチトリガー41~45は、切替部3のスイッチ31~35の反対側に直接取り付けられ、スイッチ31~35のスイッチング用に摩擦低減手段5、例えばローラーにより直接そこに接続される。このカムシャフト6の形状の作動部材4が回転する間、スイッチ31~35は、それぞれの場合で異なるようにオン又はオフに切り替えられ、油圧駆動部のそれぞれの位置又は場所において、スイッチ31~35のスイッチ位置の明確な組み合わせが与えられる。この実施形態のスイッチ31~35は、単純な切替スイッチ、すなわちバイナリスイッチであるため、オン時又はオフ時のいずれかの位置を有する。
【0032】
本発明のこの実施形態では、カムシャフト6の形状の作動部材4は、スイッチトリガー41~45として異なる形状のカムを有する。
最初の2つのスイッチトリガー41、42は、それぞれ最初の2つのスイッチ31、32を作動させるため、作動部材4の円周上に単一のカム突起を有するのに対し、第3のスイッチトリガー43は2つのカム突起を有し、第4のスイッチトリガー44は4つのカム突起を有し、及び第5のスイッチトリガー45は8つのカム突起をその円周上に有する。このことは、
図3-1、及び
図3-2(a)~(e)のさらなる説明からも明らかであり、切替部3用の作動部材4のこの実施形態のこれらの異なる形状のスイッチトリガー41~45を容易に認識し得る。この実施形態の切替部3のスイッチ31~35は、単純な切替スイッチであり、油圧駆動部の回転部分1の各回転位置における異なる形状のスイッチトリガー41~45により、固定された明確なスイッチの組み合わせを有する。しかし、2つより多いスイッチ位置を備える多重スイッチもまた使用され得る。スイッチは、作動部材4のスイッチトリガー41~45と連携して、駆動部の可動部1に対応する回転位置における明確なスイッチの組み合わせをそれぞれ有するように、切替部3に組み合わされ、かつ取り付けられる。この実施形態は単純な切替スイッチに関するものであるため、それぞれの回転位置において、スイッチ31~35は、オン又はオフのいずれかに切り替えられる。作動部材4と接触するスイッチの端部における摩擦低減のために、それぞれの場合において、ローラー5が摩擦低減手段として設けられる。作動部材4によるこの種の作動用に、スイッチは、以下に説明するように、制御モジュール(図示せず)に記憶されたコードに対応する、油圧駆動部又は電気油圧駆動部のそれぞれの場合の回転位置を明確に決定させる。
【0033】
図4において、
図1から
図3-1に示した実施形態のためのグレイコードの例が、装置10の制御モジュールに記憶される表の形態で表されている。5つのスイッチ31~35に対して異なる形状のカムの形によるカムシャフト6又はカムローラーの形状での作動部材4の割り当て及び配置により、3.09°の各回転位置におけるスイッチ31~35は、いずれの場合も明確に異なる組み合わせで作動される。5つのバイナリスイッチにより、装置10の制御モジュールの合わせて2
5(すなわち32)個の可能な信号報告を生じさせ、移動経路上の準連続的な油圧駆動部の可動部1の対応する回転位置を表す。これは、
図4の例に従った表のグレイコードで表される。
【0034】
したがって、本発明による装置10は、油圧駆動部又は電気油圧駆動部、例えばボール弁などの作動用の油圧駆動部の回転部分の準連続的かつフェイルセーフな位置検出を可能にする。このような金具は、極限条件下、例えば船舶上や掘削現場などでも使用されることがあり、極低温、例えば低くとも-55℃という極地であっても機能的に安全な動作を可能にする必要がある。このような油圧駆動部の回転駆動部分の回転位置を検出するための従来の通常の電気式ポテンショメータは、もはや使用不可能である。それらは、故障するか、又は誤ったセンサーの値を与える可能性がある。この欠点に対抗するために、本発明によれば、回転位置は、切替部3のスイッチ31~35のスイッチ位置の組み合わせによって準連続的に検出される。このため、本発明によれば、特別な作動部材4が備えられ、これは、駆動部の可動部1の回転位置又は直線位置に従って、異なるが明確なスイッチ位置の組み合わせを表す。実施形態に示したスイッチ31~35は、単純な切替スイッチである。これは、切替部3の形態で集合した区画又はスイッチタワーに関するものである。また、スイッチの数は、5より大きくてもよい。また、1つのオン/オフ位置のみを備える単純な切替スイッチの代わりに、スイッチ31~35は、複数のスイッチ位置を備えるスイッチ、例えば3方向スイッチ又は二重交代スイッチでもよい。本発明によるこのような解決策では、制御モジュールのコードによって、さらに多くの検出点が実現可能である。実施形態に示したスイッチ31~35の端部のローラー5は、摩擦の低減と、作動部材4のカムローラー6の異なるカムの形態におけるスイッチトリガー41~45による作動の間、安全に機能する方法とを与える。しかし、ローラー5は、省略することも可能である。
【0035】
直接的機械的に連結されたスイッチ31~35の代わりに、本発明によれば、無接点スイッチ、例えばリード接点、ホールセンサ、誘導スイッチ、又は容量性スイッチなども設けることができる。このために、対応する別の形態のスイッチトリガー41~45が設けられ、しかしながら本発明によれば、これらは同様に、駆動部の可動部1、例えば金具の変位用の回転シャフト又は直線ロッドに直接又は間接的に連結される。無接点スイッチによる直接的機械的でない連結のような形態であっても、特別なコーディングにより、制御モジュールにおける切替部3の複数のスイッチ31~35による可動部1の様々な位置の割り当ては決定され、かつ様々な極限周囲条件において確実に検出される。
【0036】
位置検出用の本発明による装置10は、極低温又は極高温のような極限状態の場合や、衝撃、振動、火災、又は電磁放射などの場合であっても動作不良なく安全に機能し、並びに、移動経路上の準連続的な位置検出に基づいて、このような油圧又は電気油圧駆動部のフェイルセーフの調整及び制御を保証するという利点を有する。この点に関する有利な変形例によれば、装置10の少なくとも電気又は電子部品は、火災、衝撃、電磁放射などのような周囲条件に関して、特に防御される。電子部品、特に切替部3のスイッチ31~35のスイッチ位置と駆動部の可動部1の移動経路の位置との間のコードを記憶するための制御モジュールも、対応して保護されたケーシング部品、シールド、又は実際の油圧駆動部から間隔を空けた配置によって得ることができる。このようにして、個々の電子又は電気部品の故障によって起きる、このような極限周囲条件の位置検出用の装置の動作において障害が発生することが予防される。特に、本発明によれば、評価部を備える制御モジュール及び切替部3のスイッチ31~35は、このような極限の外部周囲条件から、それに応じて特別に保護される。
【0037】
図面に示した実施形態において、油圧駆動部のドライブシャフトの回転位置検出のための本発明による装置10、例えばドア変位金具(Klappenverstellungsarmatur)が示されている。しかし、本発明による装置10は、このような駆動部の直線的に移動可能な部分の直線位置の検出にも使用され得る。次に、作動部材4は、好ましくは、半ば巻き戻ったカムローラー又はカムシャフト又は対応するカムロッドであり、作動部材のスイッチトリガー41~45への配置及び割り当てに基づいて、対応するスイッチと連携する。または、代わりに他のスイッチトリガーが用いられる。このような実施形態についても、制御モジュールに記憶されたコードによって、切替部3のスイッチ31~35のスイッチ位置の組み合わせへの位置の明確な割り当ては、駆動部の実際の現在位置及び場所に対応する駆動部の明確な位置を検出するために保証される。
【0038】
図4に示したようなグレイコードの代わりに、他の形式のコード及び切替部3のスイッチ31~35と駆動部の可動部1の実際の場所とのスイッチ位置間の制御モジュールにおける割り当てを使用することができる。この割り当てとコードは、この実施形態においてのみ、駆動部の可動部1のそれぞれの位置がスイッチ31~35のスイッチ位置の明確な組み合わせを反映するように、非常に明確に保証されなければならない。
【0039】
グレイコードによる本発明のこの実施形態によるこのようなコードは、各切替点において、常にただ1つのスイッチがそのスイッチ位置を変えるという利点を有する。スイッチ又はスイッチ部材の位置変化、例えば、製造及び組立てにおける誤差、軸受けの隙間、熱膨張などは、このようにして許容でき、測定結果に影響を与えない。切替点において、少なくとも2つのスイッチがそれらの状態を変化させる他のコード方式は、比較的障害を起こしやすい。しかし、本発明によれば、他の形態のコードを使用することも可能である。本発明によれば、油圧駆動部の可動部の移動経路と切替部3のスイッチのスイッチ位置との間の予め設定された固定の割り当ては、絶対的に必要なものではない。また、制御モジュールの評価電子機器に、一種の学習経路又は学習モードを設けることも可能である。これによって、例えば、第一の端部位置Aから第二の端部位置Bまで、油圧駆動部が可動部1と共に変位され、その後、切替部又は作動部材のスイッチトリガーの位置のコードへのそれぞれの割り当てが、対応して再び適合され、記憶される。このようにして、単に機械的で比較的コストの大きい測定システムの調整及び位置合わせを回避することができる。また、制御モジュールのこのような学習可能性により、まだ検出されていない調整位置への外挿がより容易に可能となることによって、本発明の変形が実現可能となる。
【0040】
作動部材4のスイッチトリガー41~45による作動もまた、間接的に非機械的に行うことができる。例えば、これらは、一種の遠隔制御の形態でのスイッチの電気的又は流体技術による作動、又はスイッチ31~35の異なる形態での作動であると考えられる。本発明のこれらの特定の実施形態は、極端な周囲条件において、さらなる利点を与える。しかし、スイッチ31~35を直接切り替えるスイッチトリガー41~45を有する作動部材4を介した機械的直接的連結は、多くの用途において好ましい。
【0041】
カムシャフト6のスイッチトリガー41~45としてのカムの形態と形状は、実施形態に示したものとは異なっていてもよい。例えば、カムは、丸みを帯びた異なる形状の隆起部とくぼみを有していてもよい。また、カムの代わりに、スイッチトリガー41~45は、切替部3のスイッチ切替用のスイッチ31~35において対応する部材と連携する、単純な突起、くぼみ、又は突出部であってよい。
【国際調査報告】