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特表2023-525268ポーションカプセルおよびポーションカプセルの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-15
(54)【発明の名称】ポーションカプセルおよびポーションカプセルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/804 20060101AFI20230608BHJP
   A47J 31/06 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
B65D85/804 200
A47J31/06 320
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567610
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-01-06
(86)【国際出願番号】 EP2021062070
(87)【国際公開番号】W WO2021224425
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】20173768.1
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507163714
【氏名又は名称】チボ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブレッケル,イェンス
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA20
4B104BA35
4B104EA38
4B104EA39
(57)【要約】
本発明は、ポーションカプセルを使用して飲料、特にコーヒーを調製する分野にあり、抽出生成物を受け入れるためのベース要素11を有するポーションカプセル1およびポーションカプセルの製造方法に関する。ポーションカプセル1は、底部領域16および周方向側壁12を備え、底部領域および周方向側壁は内部空間を形成する。少なくとも周方向側壁12は、セルロース系シート2を備え、ベース要素軸15の周りのセルロース系シート2の完全な巻回によって形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部領域(16)および周方向側壁(12)を有するベース要素(11)を備えるポーションカプセル(1)であって、前記底部領域および前記周方向側壁は内部空間を形成し、前記周方向側壁はセルロース系シート(2)を備え、前記周方向側壁は、ベース要素軸(15)の周りの前記セルロース系シートの完全な巻回によって形成されることを特徴とする、ポーションカプセル(1)。
【請求項2】
前記ベース要素(11)はカップ状であり、長方形、特に正方形の基本形状を有する、請求項1に記載のポーションカプセル(1)。
【請求項3】
前記セルロース系シート(2)は、封止層(3)もしくは障壁層(4)、または封止層(3)および障壁層(4)を備える、請求項1または2に記載のポーションカプセル(1)。
【請求項4】
前記封止層(3)もしくは前記障壁層(4)、または前記封止層(3)および前記障壁層(4)は、前記内部空間に面する領域全体を連続的に覆う、請求項3に記載のポーションカプセル(1)。
【請求項5】
前記底部領域(16)はセルロース系底部領域シート(17)から形成される、請求項1から4のいずれか1項に記載のポーションカプセル(1)。
【請求項6】
前記底部領域(16)は前記周方向側壁(12)にビーディングされる、請求項5に記載のポーションカプセル(1)。
【請求項7】
前記底部領域(16)は前記セルロース系シート(2)から形成される、請求項1から4のいずれか1項に記載のポーションカプセル(1)。
【請求項8】
前記底部領域(16)は前記セルロース系シート(2)の折り畳まれた領域によって形成される、請求項7に記載のポーションカプセル(1)。
【請求項9】
前記底部領域(16)および前記周方向側壁(12)によって形成される前記内部空間を封止し、または前記底部領域(16)および前記周方向側壁(12)によって形成される前記内部空間を封止するように構成されるカプセルカバー(21)をさらに備え、前記カプセルカバーはセルロース系カプセルカバーシート(25)から形成される、請求項1から8のいずれか1項に記載のポーションカプセル(1)。
【請求項10】
前記底部領域(16)および前記周方向側壁(12)によって形成される前記内部空間を封止し、または前記底部領域(16)および前記周方向側壁(12)によって形成される前記内部空間を封止するように構成されるカプセルカバー(21)をさらに備え、前記カプセルカバーは前記セルロース系シート(2)から形成される、請求項1から8のいずれか1項に記載のポーションカプセル(1)。
【請求項11】
前記カプセルカバーを形成する前記セルロース系シート(2、25)は、封止層(3)もしくは障壁層(4)、または封止層(3)および障壁層(4)を備える、請求項9または10に記載のポーションカプセル(1)。
【請求項12】
前記封止層(3)もしくは前記障壁層(4)、または前記封止層(3)および前記障壁層(4)は、前記内部空間に面する前記カプセルカバー(21)の領域全体を連続的に覆う、請求項11に記載のポーションカプセル(1)。
【請求項13】
底部領域(16)および周方向側壁(12)を有するベース要素(11)を備えるポーションカプセル(1)の製造方法であって、以下のステップ、すなわち、
セルロース系シート(2)を提供するステップと、
前記セルロース系シートから前記周方向側壁を形成するステップと
を含み、
前記周方向側壁を形成する前記ステップは、ベース要素軸(15)の周りに前記セルロース系シートの完全な巻回を形成するステップを含むことを特徴とする、方法。
【請求項14】
以下のステップ、すなわち、
セルロース系底部領域シート(17)を提供し、前記セルロース系底部領域シートから前記底部領域(16)を形成し、前記周方向側壁(12)に前記底部領域をビーディングするか、または
前記セルロース系シートが、前記完全な巻回が形成され得る側壁部分と、前記底部領域(16)が形成され得る底部領域部分とを備えるように、前記セルロース系シート(2)を加工するステップと、
セルロース系カプセルカバーシート(25)を提供し、前記セルロース系カプセルカバーシートから前記カプセルカバー(21)を形成するか、または
前記セルロース系シートが、前記完全な巻回が形成され得る側壁部分と、前記カプセルカバー(21)が形成され得るカプセルカバー部分とを備えるように、前記セルロース系シート(2)を加工するステップと
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
以下のシート、すなわち、前記セルロース系シート(2)、前記セルロース系底部領域シート(17)、前記セルロース系カプセルカバーシート(25)、のうちの少なくとも1つに、封止層(3)もしくは障壁層(4)、または封止層(3)および障壁層(4)を適用するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料カプセル内に導入された液体によって飲料を調製するための装置および方法の分野にあり、可溶性食品物質が飲料カプセル内に存在し、そこから水を注入することによって飲料または飲料成分を調製することができる。本発明は、特に、コーヒーカプセルを使用することによってコーヒーを調製する分野にある。本発明は、特に、ポーションカプセルおよびポーションカプセルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料を調製するためのシステムの中で、いわゆるコーヒーカプセルシステム(茶を調製するための変形もある)が知られており、抽出によってコーヒーまたは茶飲料を調製するために、一般に、温水が典型的には加圧下でカプセルに導入される。カプセルは、温水を導入するためにその一方の側(注入側)に穿刺されることが多い。抽出された飲料をカプセルの他方の側(抽出側)に排出するために、一般に様々な可能性が知られている。1つには、対応する穿孔マンドレルによる穿刺が抽出側にも設けられるシステムがある。別の例として、抽出側のカプセルの境界が抽出プロセス中に内圧下で穿刺または引き裂かれ、カプセルの外部の手段(対応するコーヒーマシンの抽出チャンバ内に存在する)またはカプセルの内部の手段が存在し得るシステムが知られている。最後に、既に開封されているカプセルもあり、飲料を排出するためにカプセル壁/膜を穿刺または引き裂く必要はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最も一般的なのは、生分解性原料も再生可能原料も含まない材料で作られたカプセルである。カプセルは、例えば高い割合で、アルミニウムまたはプラスチック、例えばポリプロピレン(PP)で作られる。そのようなカプセルは、貯蔵(例えば、不透過性、特に空気/酸素に対する不透過性)および用途(例えば、熱寸法安定性、穿刺挙動など)の両方に有利な特性を有することができる。前記カプセルの大きな欠点は、使用後に生じる廃棄物、およびカプセルに使用される材料をリサイクルするために必要な多大な労力である。後者は、典型的には私的領域で使用されるカプセルを収集すること、カプセルをリサイクル施設に輸送すること、およびリサイクルプロセス自体を含む。換言すれば、リサイクルのためであっても、かなりの資源(時間、エネルギー、輸送コスト)を消費しなければならず、ひいては環境(例えば、輸送およびリサイクルに必要なエネルギーを得るためのCO排出量)に影響を及ぼす可能性がある。カプセル内に存在する抽出生成物も、典型的にはリサイクル中に失われる。
【0004】
ポーションカプセルのための資源集約性の低い材料の使用は、それ自体公知である。バイオプラスチックの使用が特に議論されてきた。再生可能資源から製造されたプラスチックは、そのように呼ばれる(いわゆるバイオ系プラスチック)。バイオプラスチックは、生物学的に分解可能なプラスチック(いわゆる生分解性プラスチック)でもある。ポーションカプセルを製造するために提案されているプラスチックは生分解性であり、バイオ系プラスチックの一部を部分的に含む。
【0005】
例えば、国際公開第2011/015973号は、完全に生分解性材料で作られたカプセルを開示しており、カプセルを閉鎖する膜の実施は、国際公開第2011/015973号の教示の主な焦点であり、使用される材料は扱われていない。
【0006】
独国実用新案公開第202016104950号は、生分解性カプセルまたは生分解性パッドを有する気密に閉鎖可能なポーションパッケージまたは気密に閉鎖可能なポーションバッグを開示しており、ポーションパッケージまたはポーションバッグは、完全に生分解性材料で作られている。使用される材料の例として、ポリラクチド(PLA)またはMater-Bi(登録商標)などのバイオプラスチックが挙げられる。
【0007】
国際公開第2017/186743号は、他の用途の中でも、コーヒーおよび茶カプセルのためのバイオ材料の使用を開示しており、生体材料は生分解性プラスチックであり、ヒマワリ種子殻またはヒマワリ種子外皮を含む。
【0008】
バイオプラスチックの使用の1つの欠点は、前記材料の製造およびポーションカプセルへのさらなる加工の両方が困難かつ高価であり得ることである。
【0009】
セルロース系材料の使用は、バイオプラスチックの代替として提案されている。
国際公開第2017/017704号は、抽出プロセス中にカプセル内に広がる圧力に耐えることができるように、補強要素を有する木材で作られた生分解性カプセルを示している。
【0010】
国際公開第2017/072808号は、堆肥化可能および/または生分解性材料で作られた容器本体と、繊維材料、例えば紙で部分的に作られたカバーとを有するカプセルを開示している。
【0011】
国際公開第2019/002420号は、100%生分解性および/または堆肥化可能な材料で作られたカプセルを開示している。カプセルは、木材様材料で作られ、非有機材料は使用されない。
【0012】
米国特許出願公開第2014/0335236号は、特に竹、バガス、および樹木よりも過剰でより急速に成長する他の植物から得られる繊維材料で実質的に作られたカプセルを開示している。
【0013】
ポーションカプセルにセルロース系材料を使用することには様々な欠点がある。カプセルの設計は困難であり、したがって、例えば国際公開第2017/017704号からだけでなく、国際公開第2017/072808号および国際公開第2019/002420号からも明らかなように、相応に高価である。未使用ポーションカプセルの貯蔵寿命も短くなり、貯蔵のための要件が通常増加する。さらに、味の劣化、特に味の強さの損失は、セルロースに基づくポーションカプセルに関連することが多い。これは、ポーションカプセルから製造された後、その後精製すること、例えば水洗いまたは味付けすることができない食品を調製するためのポーションカプセルには不十分である。コーヒーポーションカプセルは、風味の劣化が厄介なポーションカプセルの一例である。
【0014】
本発明の1つの目的は、従来技術によるポーションカプセルの上記欠点の1つまたは複数を低減することである。本発明の特定の目的は、セルロース系材料を実質的な成分として含むポーションカプセルの上記の欠点の1つまたは複数を低減することである。
【0015】
本発明の特定の目的は、実質的な成分としてセルロース系材料を含み、同じタイプのポーションカプセルと比較して、製造が容易であり、製造がより安価であり、貯蔵寿命に関して改善され、および/または風味劣化に関して改善されたポーションカプセルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
以下で生分解性プラスチックを参照する場合、典型的には、EN13432(2019年末現在)またはASTM6400(2019年末現在)による生分解性を意味する。
【0017】
本発明によるポーションカプセルは、底部領域および周方向側壁を有するベース要素を備え、底部領域および周方向側壁は内部空間を形成する。少なくとも周方向側壁はセルロース系シートを備える。周方向側壁は、ベース要素軸の周りのセルロース系シートの完全な巻回によって形成される。
【0018】
すなわち、ポーションカプセルの基本形状は、単にセルロース系シートを軸の周りで閉じた形状に形成することによって製造されるか、またはポーションカプセルの基本形状は、対応して形成されたセルロース系シートによって規定される。これにより、セルロース系シートは、成形に直接必要な力以外のいかなるさらなる影響も受けない。それにより、ポーションカプセルおよびその製造方法は、例えば適切な材料の熱成形、射出成形、または深絞りに基づいて、通常使用されるポーションカプセルおよび製造方法とは異なる。
【0019】
周方向側壁は、少なくとも巻回が恒久的に固定される固定領域を備えることができる。固定は、固定領域を通る固体、液体、または気体材料の流れが不可能であるようにすることができる。固定は、例えば、特に以下で詳細に説明するように、接着剤または超音波溶接によって実施することができる。
【0020】
液体および/または気体材料に対する固定領域の不透過性は、以下に記載される実施形態のうちの1つにおいて、封止層または障壁層、または封止層および障壁層が固定領域の内側および/または外側を覆うという点において増大され得る。
【0021】
追加的または代替的に、前記不透過性は、固定領域を完全にまたは少なくとも大部分が含む領域に接着性ストリップを適用することによって増加させることができる。
【0022】
後述するように、ポーションカプセルのさらなる要素は、1つまたは複数のセルロース系シートを単に形成することによって製造することができる。
【0023】
後述するように、ポーションカプセル全体であっても、1つまたは複数のセルロース系シートを形成するだけで製造することができる。
【0024】
周方向側壁は、前記壁が実質的にセルロース系シートからなるという点で、セルロース系シートを備えることができる。本文脈において、「実質的に」とは、周方向側壁がさらなる構成要素を含むことができるが、周方向側壁の形状および安定性がセルロース系シートによって規定されることを意味する。周方向側壁は、例えば、層(例えば、以下に記載される封止層および障壁層)、刻印、コードなどの形態のさらなる構成要素のみを備えることができる。
【0025】
一実施形態では、周方向側壁は、周方向側壁の形状および機械的安定性がセルロース系シートによって規定されるように、セルロース系シートを備える。
【0026】
セルロース系シートは、平面状に延在し、限定された厚さを有し、変形可能であり、高い割合のセルロースで作られた構成要素であると理解される。
【0027】
構成要素(セルロース系シート)は、特に変形可能ではないか、または構成要素の平面的広がりによって画定されるエリアに沿って働く力によって破壊的にのみ変形可能であり、前記エリアに垂直な成分を含む力によって変形可能である。
【0028】
平面的広がりは、典型的には、周方向側壁を単一部品として形成することができるようなものである。周方向側壁がセルロース系シートの複数の巻回によって形成される場合、平面的広がりは、複数の巻回が単一の部品として形成され得るようなものであり得る。平面的広がりは、ポーションカプセルのさらなる要素、特に底部領域および/またはカプセルカバーがセルロース系シートによって形成され得るようなものであってもよい。このような実施形態を以下に詳細に説明する。
【0029】
セルロース系シートの厚さは、特に5、4、3、または2mm未満であり得る。厚さは、0.1、0.2、0.3、0.4、または0.5mmより大きくすることができる。0.2mm以上の厚さは特に興味深い。例えば、厚さは、0.2~3mm、特に0.5~2mmとすることができる。
【0030】
セルロース系シートは、特に紙、カード、または厚紙であり得る。換言すれば、少なくとも周方向側壁は、紙、カートン、または厚紙のシートに基づくことができる。
【0031】
一実施形態では、ベース要素は、畳み込み缶である。
一般に、完全な巻回は、直線のベース要素軸を中心とした巻回である。
【0032】
ベース要素は、カップ形状に実装することができる。内部空間は、開口部から底部領域の方向に、例えば、本実施形態ではカップ軸であるベース要素軸に沿って延在することができる。周方向側壁は、半径方向(カップ軸に対して半径方向)に内部領域を境界付けることができる。
【0033】
一実施形態では、周方向側壁は、少なくとも1つの平面領域および少なくとも1つの角領域を備える。すなわち、周方向巻線は「丸い」巻回ではなく、少なくとも1つの平面領域と少なくとも1つの角領域とを備える。これは、例えば、巻芯を使用することによって、および/またはセルロース系シートを前処理することによって達成することができる。
【0034】
セルロース系シートは、少なくとも1つの意図された折り目を備えることができる。意図された1つまたは複数の折り目は、意図された折り目に沿って折り畳まれたときに、周方向側壁、したがってポーションカプセルの意図された形状が生じるように配置および構成することができる。
【0035】
ベース要素は、カップ状とすることができ、長方形、特に正方形の基本形状を有することができる。
【0036】
換言すれば、ベース要素は、開口部がそれに沿って延在するベース要素軸(カップ軸)を備えることができる。その場合、ベース要素は、ベース要素軸(カップ軸)に垂直な断面において長方形、特に正方形の基本形状を有することができる。
【0037】
ベース要素は、直方体、特に立方体の形状を有することができ、直方体または立方体の一方の側が開いている。
【0038】
カプセルカバー、特に後述するカプセルカバーは、直方体または立方体の前記開口部を封止するための形状を有することができる。すなわち、カプセルカバーは、ベース要素(例えば、カプセルカバーの取り付けおよび/または機能に必要な要素を除いて)によって形成された直方体または立方体の側面の形状を実質的に有することができる。
【0039】
一実施形態では、セルロース系シートは、封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層を備える。
【0040】
封止層、障壁層、または封止層および障壁層は、特にセルロース系シート上に配置することができる。すなわち、セルロース系シートは、封止層、障壁層、または封止層および障壁層が適用された一種の基材を形成することができる。
【0041】
封止層は、セルロース系シートを通る液体透過性、特に水透過性を低減するように特に構成することができる。
【0042】
その結果、封止層は、典型的には液体封止層である。
封止層は、セルロース系シートの細孔を塞ぐように構成することができる。
【0043】
封止層は、好ましくは生分解性材料から作ることができる。封止層は、特にバイオプラスチック、特にポリラクチド(PLA)などの生分解性プラスチックで作ることができる。ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)またはポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)とポリラクチド(PLA)との混合物などの他の生分解性プラスチックも考えられる。さらに、バイオプラスチックおよびポリビニルアルコール(PVOH)を含む化合物、例えばPVOHの質量割合が20%~30%のPLA/PVOH化合物は、非常に興味深いことが分かっている。
【0044】
障壁層は、セルロース系シートを通る気体材料、特に酸素だけでなく水蒸気の透過性を低減するように特に構成することができる。ポーションカプセル内の酸素の存在は風味の損失を加速し、したがって風味の劣化の主な要因である。
【0045】
したがって、障壁層は、典型的には気体透過障壁層である。
障壁層は酸素障壁層とすることができる。
【0046】
障壁層は、特にSiO層、AlO層、またはSiO層とAlOコーティングとの組合せ、例えば少なくとも1つのSiO層と1つのAlO層との連続であり得る。
【0047】
SiOおよびAlOは、前記材料を、セルロース系シートを巻き付けた後、または例えば真空コーティングによってベース要素を形成した後でさえも適用することができるという利点を有する。これにより、シームレスコーティングが可能である。特に真空コーティングによって適用するために、いずれの場合にも存在する、カプセルカバーに溶接するためのフランジ上の障壁層の堆積は、例えばコーティング中にフランジを覆う(マスキングする)ことによって防止することができる。
【0048】
一実施形態において、封止層、障壁層、または封止層および障壁層は、内部空間に面するセルロース系シートに適用される。
【0049】
換言すれば、周方向側壁が形成されるセルロース系シートは、封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層が内部空間に面して配置されるように、封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層を備えることができる。
【0050】
封止層、障壁層、または封止層および障壁層は、内部空間の全部または一部を形成するセルロース系シートの領域全体を連続的に覆うことができる。
【0051】
例えば、封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層は、内部空間に面するセルロース系シートの領域全体を連続的に覆うことができる。換言すれば、内部空間の前記領域は、封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層によってコーティングすることができる。
【0052】
「連続的に覆う」とは、本文脈において、封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層に開口部または穿孔が存在しないことを意味する。
【0053】
一実施形態では、セルロース系シートは、内部空間に面し、障壁層によって覆われた封止層を備える。封止層および障壁層は、上記で説明した方法のうちの1つで実施することができる。例えば、封止層はPLAから作ることができ、障壁層はSiOから作ることができる。障壁層は特に酸素障壁層とすることができる。封止層および障壁層は、少なくとも内部空間に向かってセルロース系シートを連続的に覆うことができる。
【0054】
具体的な実施形態にかかわらず、結合層は、セルロース系シートと1つの層との間および/または2つの隣接する層の間に存在することができる。
【0055】
一実施形態において、封止層、障壁層、または封止層および障壁層は、外側に面したセルロース系シートに適用される。
【0056】
内部空間に面したセルロース系シートに適用された封止層、障壁層、または封止層および障壁層に加えて、外側に面して適用された封止層、障壁層、または封止層および障壁層が存在し得る。
【0057】
前記1つまたは複数の層が追加的である場合、この配置は、内部空間の外側の封止の改善をもたらすことができる。さらに、カプセルカバーへの溶接または巻回の溶接などの溶接を容易にすることができる。
【0058】
外側に面して適用された封止層、障壁層、または封止層および障壁層は、内部空間に面して適用された封止層、障壁層、または封止層および障壁層に関連して説明したように実施することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、周方向側壁に加えてポーションカプセルの少なくとも1つのさらなる部分は、セルロース系シートを備えるか、または実質的にそれから作ることができる。追加的部分を形成するセルロース系シートの領域は、上述のように封止層および/または障壁層を備えることができる。
【0060】
「実質的に」とは、本文脈において、少なくとも1つのさらなる部分がさらなる構成要素を含むことができるが、少なくとも1つのさらなる部分の形状および安定性がセルロース系シートによって規定されることを意味する。例えば、さらなる構成要素は、(例えば、上述したような)層、刻印、コードなどの形態でのみ含まれ得る。
【0061】
底部領域またはカプセルカバーは、特にさらなる部分であり得る。底部領域およびカプセルカバーの両方が、上記の意味でさらなる領域であることも考えられる。
【0062】
一実施形態では、底部領域は、セルロース系シートから形成され、任意選択的に、好ましくは上述の封止層および/または障壁層を備える。
【0063】
一実施形態では、底部領域の代わりに、または底部領域に加えて、カプセルカバーは、セルロース系シートから形成され、任意選択的に、好ましくは上述の封止層および/または障壁層を備える。
【0064】
例えば、ポーションカプセルは、以下のように、場合により封止層および/または障壁層を含むセルロース系シートを備えることができる。
【0065】
・ セルロース系シートは、例えば切断されて形成され、その結果、ポーションカプセルは、完全な巻回による周方向側壁を備え、底部領域および/またはカプセルカバーは、折り畳み領域の形態である。換言すれば、底部領域および/またはカプセルカバーは、セルロース系シートの折り畳まれた領域によって形成される。
【0066】
底部領域のための折り畳み領域および/またはカプセルカバーのための折り畳み領域は、対応する折り畳み領域が配置されたエリア内で折り畳まれた後に対応する折り畳み領域が内部空間を完全に閉じるように実施することができる。
【0067】
底部領域のための折り畳み領域および/またはカプセルカバーのための折り畳み領域は、前記折り畳み領域のエリア内の内部空間が、内部空間から折り畳み領域に力を加えることによって折り畳み後に封止されるように実施することができる。換言すれば、底部領域のための折り畳み領域および/またはカプセルカバーのための折り畳み領域は、折り畳み後に内部領域から折り畳み領域に作用する力が折り畳み領域の要素を互いに押し付け、したがって存在する開口部を封止するように実施することができる。
【0068】
追加的または代替的に、固定手段、特に生分解性固定手段、例えば生分解性接着剤は、底部領域のための折り畳み領域および/またはカプセルカバーのための折り畳み領域に適用することができる。
【0069】
・ 底部領域を形成するセルロース系シートの領域および/またはカプセルカバーを形成するセルロース系シートの領域は、上述の種類の封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層を備える。封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層は、特に内部空間に面して配置することができ、内部空間に面する領域全体が覆われるようにセルロース系シートの前記領域を覆うことができる。
【0070】
前記領域内の封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層は、周方向側壁を形成する領域内の封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層に加えてもよい。
【0071】
周方向側壁および底部領域を形成するか、または周方向側壁およびカプセルカバーを形成するか、または周方向側壁、底部領域、およびカプセルカバーを形成するセルロース系シートの領域は、形成された内部空間が封止層または障壁層で、または好ましくは封止層および障壁層で連続的にコーティングされるように、封止層もしくは障壁層、または好ましくは封止層および障壁層を備えることができる。すなわち、封止層もしくは障壁層、または好ましくは封止層および障壁層は、セルロース系シートの3つの示された実施形態の各々において、得られたカプセルカバーの内部空間に面する領域全体を連続的に覆う。
【0072】
周方向側壁、底部領域、およびカプセルカバーを形成するセルロース系シートの領域は、封止層もしくは障壁層、または好ましくは封止層および障壁層を特に備えることができ、その結果、この場合に閉じた内部空間全体が、封止層もしくは障壁層、または好ましくは封止層および障壁層で完全かつ連続的にコーティングされる。
【0073】
底部領域および/またはカプセルカバーが、上述のように封止層および/または障壁層を任意選択的に備えるセルロース系シートから形成される場合、ポーションカプセルは、ポーションカプセルの形状安定性を保証し、閉じた内部空間が形成されることを確実にするための1つまたは複数の取り付けエリアを備えることができる。
【0074】
例えば、底部領域が折り畳みによってセルロース系シートから形成される場合、底部領域は、それによって折り畳みが恒久的かつ寸法的に安定である取り付けエリアを備えることができる。それにより、取り付けエリアは、有利には、折り畳み後に存在する漏れが閉じられるように延在する。
【0075】
例えば、取り付けエリアは線に沿って延在することができ、線は湾曲することができる。
【0076】
取り付けエリアは、ビーディング、接着、または溶接、特にカプセルカバーの取り付けおよび/または巻回の固定の文脈で説明した超音波溶接を含むことができる。
【0077】
セルロース系シートを折り畳むことによってカプセルカバーが形成される場合、同じことを同様に適用することができる。
【0078】
底部領域および/またはカプセルカバーが、上述のように封止層および/または障壁層を任意選択的に備えるセルロース系シートから形成される場合、ポーションカプセルは、取り付けエリアに加えて少なくとも1つの封止エリアを備えることができる。潜在的な漏れは、封止エリア内で閉じられる。
【0079】
封止エリアは、局所的に適用された、特に折り畳み後に適用された、元々液体または流動性の硬化材料を含むことができる。
【0080】
封止エリアおよび/または取り付けエリアは、一時的に流動可能な状態にされたセルロース系シートの材料を含むことができる。
【0081】
材料は、例えば、封止層の材料とすることができる。しかしながら、セルロース系シートは、存在し、流動可能な状態にすることができる任意の封止層に加えて、少なくとも潜在的な漏れの部位および/または適切な取り付け点に材料を含むことも考えられる。セルロース系シートは、特に、展開されたセルロース系シートの縁部、または巻き出されたセルロース系シートの縁部、または展開および巻き出されたセルロース系シートの縁部に前記材料を含むことができる。あるいは、封止エリアおよび/または取り付けエリアは、折り畳みおよび/または巻回後に適用される材料を含むことができる。材料は、特に流動可能な状態にすることができる材料であり得る。
【0082】
セルロース系シートから形成され、周方向側壁も形成するベースカバーの代わりに、ポーションカプセルはセルロース系底部領域シートを含むことができ、底部領域は前記セルロース系底部領域シートから形成することができる。
【0083】
換言すれば、底部領域は、周方向側壁を形成するセルロース系シートとは元々別個のセルロース系シート(セルロース系底部領域シート)から形成することができる。
【0084】
セルロース系底部領域シートは、周方向側壁を形成するセルロース系シートと構造的に同一であり得る。
【0085】
あるいは、セルロース系底部領域シートは、周方向側壁を形成するセルロース系シートと構造的に異なっていてもよい。例えば、セルロース系底部領域シートは、セルロース系底部領域シートを貫通する注入器または抽出器に対する穿刺挙動および/または封止挙動が異なり得る。セルロース系底部領域シートは、例えば、周方向側壁を形成するセルロース系シートと厚さおよび/または組成が異なり得る。
【0086】
セルロース系底部領域シートは、上述の方法のいずれかで、封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層を備えることができる。
【0087】
封止層もしくは障壁層、または好ましくは封止層および障壁層は、内部空間を共形成するセルロース系底部領域シートの領域全体、例えば内部空間に面する側を特に連続的に覆うことができる。
【0088】
追加的または代替的に、セルロース系底部領域シートは、上述の方法のいずれかで封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層を備えることができ、外側に面して配置される。
【0089】
一実施形態では、底部領域は、周方向側壁にビーディングされる。
換言すれば、セルロース系底部領域シートは、周方向側壁を形成するセルロース系シートにビーディングされる。
【0090】
セルロース系底部領域シートは、周方向側壁を形成するセルロース系シートに特に周方向にビーディングされる。
【0091】
例えばカプセルカバーに関連して示される他のタイプの取り付けも考えられる。
ビーディングされるか、そうでなければ互いに取り付けられたセルロース系シートは、上述の方法のいずれかで、封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層を備えることができる。前記層の少なくとも1つは、特に、2つのシートによって形成された内部空間全体および/または2つのシートによって形成された外面全体が、封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層によって連続的にコーティングされるように配置することができる。
【0092】
セルロース系シートから形成され、周方向側壁も形成するカプセルカバーの代わりに、ポーションカプセルはセルロース系カプセルカバーシートを含むことができ、カプセルカバーは前記セルロース系底部領域シートから形成することができる。
【0093】
換言すれば、カプセルカバーは、周方向側壁を形成するセルロース系シートとは元々別個のセルロース系シート(セルロース系カプセルカバーシート)から形成することができる。
【0094】
セルロース系カプセルカバーシートは、周方向側壁を形成するセルロース系シートと構造的に同一であり得る。
【0095】
あるいは、セルロース系カプセルカバーシートは、周方向側壁を形成するセルロース系シートと構造的に異なっていてもよい。例えば、セルロース系カプセルカバーシートは、セルロース系カプセルカバーシートを貫通する注入器または抽出器に対する穿刺挙動および/または封止挙動が異なり得る。セルロース系カプセルカバーシートは、例えば、周方向側壁を形成するセルロース系シートと厚さおよび/または組成が異なり得る。
【0096】
セルロース系カプセルカバーシートは、セルロース系底部領域シートと構造的に同一であり得る。しかしながら、原則として、セルロース系カプセルカップカバーシートは、例えば、上記で示された特性の1つにおいて、セルロース系底部領域シートとは異なる。セルロース系カプセルカバーシートは、セルロース系底部領域シートによって支持される追加要素において、セルロース系底部領域シートとさらに異なり得る。そのような追加の要素の例を以下に説明する。セルロース系カプセルカバーシートは、周方向側壁を形成するセルロース系シートへの取り付けに関する要素において、セルロース系底部領域シートとさらに相違し得る。
【0097】
一実施形態では、カプセルカバーは、周方向側壁にビーディングされるか、または周方向側壁にビーディングされるように構成される。
【0098】
換言すれば、セルロース系カプセルカバーシートは、周方向側壁を形成するセルロース系シートにビーディングされるか、または、セルロース系カプセルカバーシートは、周方向側壁を形成するセルロース系シートにビーディングされるように構成される。
【0099】
セルロース系カプセルカバーシートは、周方向側壁を形成するセルロース系シートに特に周方向にビーディングされるか、または前記シートは、周方向側壁を形成するセルロース系シートに周方向にビーディングされるように構成される。
【0100】
あるいは、および多くの場合好ましくは、カプセルカバーは、異なる方法で周方向側壁に取り付けられるか、または取り付けられ得る。例えば、カプセルカバーまたはセルロース系カプセルカバーシートは、例えば超音波溶接によって周方向側壁に溶接されるように構成することができる。
【0101】
セルロース系カプセルカバーシートは、周方向側壁の材料に溶接するためのプラスチック、特に生分解性プラスチックを含むことができる。
【0102】
プラスチックは、封止に使用されるプラスチックとすることができる。
溶接は、周方向側壁を形成するセルロース系シートの構造に貫通する溶接用に配置されたカプセルカバーのプラスチックに基づくことができる。
【0103】
あるいは、カプセルカバーまたはセルロース系カプセルカバーシートは、周方向側壁に接着されるように構成することができる。
【0104】
セルロース系カプセルカバーシートは、上述の方法のいずれかで、封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層を備えることができる。
【0105】
封止層もしくは障壁層、または好ましくは封止層および障壁層は、内部空間を共形成するセルロース系カプセルカバーシートの領域全体、例えば内部空間に面する側を特に連続的に覆うことができる。
【0106】
追加的または代替的に、セルロース系カプセルカバーシートは、上述の方法のいずれかで封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層を備えることができ、外側に面して配置される。
【0107】
セルロース系カプセルカバーシートおよびセルロース系シートは、前述の方法のいずれかで封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層を備えることができ、その結果、セルロース系カプセルカバーシートをセルロース系シートに取り付けた後、前記2つのシートによって形成された内部空間全体および/または2つのシートによって形成された外面全体が、封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層によって連続的にコーティングされる。
【0108】
一実施形態では、ポーションカプセルは、周方向側壁を形成するセルロース系シート、セルロース系底部領域シート、およびセルロース系カプセルカバーシートを備え、前記シートは各々、ポーションカプセルの内部空間全体が封止層または障壁層で、または好ましくは封止層および障壁層で連続的にコーティングされるように、封止層または障壁層、または好ましくは封止層および障壁層を備える。
【0109】
本実施形態において、内部空間は、典型的には、閉じた内部空間である。
追加的または代替的に、前記シートは、シートによって形成された外面全体が封止層もしくは障壁層で、または好ましくは封止層および障壁層で連続的にコーティングされるように、封止層もしくは障壁層、または好ましくは封止層および障壁層を備えることができる。
【0110】
底部領域およびカプセルカバーの具体的な実施態様にかかわらず、底部領域および/またはカプセルカバーおよびそれを形成するセルロース系シートは、内部空間の内側に配置された追加要素のキャリアとすることができる。
【0111】
追加要素は、例えば、底部領域またはカプセルカバーを介して導入された液体のカプセルを通る流れを最適化するように構成された要素とすることができる。
【0112】
追加要素は、フィルタ、例えば、特にポーションカプセルの底部領域またはカプセルカバーを介して排出された飲料を濾過するように構成されたフィルタとすることができる。
【0113】
カプセルカバーの具体的な実施態様にかかわらず、いくつかの実施形態では、カプセルカバーは、底部領域と周方向側壁とによって形成された内部空間を封止するか、または底部領域と周方向側壁とによって形成された内部空間を封止するように構成される。
【0114】
上述したように、封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層は、カプセルカバーが周方向側壁に取り付けられたときに、内部空間に面するカプセルカバーの領域全体を連続的に覆うことができる。
【0115】
カプセルカバーは、単純なフィルムまたは板から変更することができ、3次元物体として実装することができ、例えば外向きドームを形成することができる。
【0116】
実施形態では、カプセルカバーは、前記カバーが、周方向側壁への取り付け中に取り付け部分を形成する周方向カバーフランジから半径方向内側に外向きドームを形成し、周方向カバーフランジの寸法が周方向側壁(またはベース要素)のフランジに一致することを特徴とする。したがって、本実施形態によるカプセルカバーは、平坦なカバー要素、例えばフィルム状または板状のカバー要素とは区別される。前記カバーは、3次元的に形成された物体である。
【0117】
そのような実施形態におけるカプセルカバーの形状は、外側から内側にかけて、カバーフランジ、湾曲した遷移領域、および実際の上部カバー表面を形成する中央平坦領域を備えることができる。そのような平坦領域は、ドームをもたらす遷移領域に起因して、カバーフランジの平面から外側にオフセットされる。遷移領域は、例えばS字形に湾曲することができ、またはフランジ平面に対してある角度で外側部分から中央平坦領域まで定常的に湾曲することができる。それによって、その寸法は、例えば、中央平坦領域が光学的に優位になるように選択され、前記領域は、底部領域の面積と同じサイズであるか、またはわずかに(例えば、最大10%)小さい。全体的な直方体または立方体形状としてのポーションカプセルの一実施形態では、特に前記平坦領域が直径の60%超、したがって面積の少なくとも40%を占めるようにすることができる。
【0118】
カバーフランジは、一般に、カプセルカバー側に面し、フランジの外縁からドームの開始部まで延在する周方向エリアを形成する。いくつかの実施形態では、ドームの開始部は、フランジが周方向側壁と接触する側壁の部分と比較して内側にオフセットされるようにすることができる。そのようなオフセットは、例えば、最小0.2mmとすることができる。
【0119】
上述の要素「周方向側壁」、「底部領域」、および「カプセルカバー」から生じるポーションカプセルは、特に、抽出生成物が、例えばフィルムなどによって覆われた開口部なしで完全に包囲されるように実施することができる。前記カプセルは、例えば、前記カプセルが少なくとも1つの前記拡散障壁、特に封止層および/または障壁層を含むという点で、特に気密封止および酸素密封止することができる。前記カプセルは、本明細書に記載の形状の長方形断面を特に有することができる。
【0120】
本発明の1つの考察は、底部領域および周方向側壁を有するベース要素を備えるポーションカプセル、特に前述の実施形態のいずれか1つによるポーションカプセルの製造方法に関する。
【0121】
本発明による方法は、以下のステップを含む。
・ セルロース系シートを提供するステップ。
【0122】
セルロース系シートは、特に、記載される実施形態のいずれか1つによるポーションカプセルに関連して記載されるセルロース系シートである。
【0123】
・ セルロース系シートから周方向側壁を形成するステップであって、周方向側壁を形成するステップは、ベース要素軸の周りのセルロース系シートの完全な巻回を含む。
【0124】
形成するステップの後、周方向側壁は、特に、ポーションカプセルに関連して説明したように形成することができる。
【0125】
形成するステップは、特にポーションカプセルに関連して開示されるように行われる。
本方法は、底部領域が提供されるステップを含むことができる。提供される底部領域は、特に、ポーションカプセルに関連して開示されるような底部領域であり得る。
【0126】
底部領域を提供するステップは、例えば、以下のステップのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0127】
・ セルロース系底部領域シートを提供するステップ。
セルロース系底部領域シートは、特に、記載される実施形態のいずれか1つによるポーションカプセルに関連して記載されるセルロース系底部領域シートであり得る。
【0128】
・ セルロース系底部領域シートから底部領域を形成するステップ。
形成された底部領域シートは、例えばビーディング、溶接、または接着によって周方向側壁に取り付けるための領域を備えることができる。
【0129】
・ セルロース系シートを加工するステップであって、セルロース系シートから周方向側壁が形成されることにより、セルロース系シートは、完全な巻回を形成することができる側壁部分と、底部領域を形成することができる底部領域部分とを備える。
【0130】
セルロース系シートは、例えば、それに応じた形状に切断することができる。前記シートには、意図された折り目を設けることもできる。
【0131】
方法は、底部領域がポーションカプセル上に実装されるステップを含むことができる。
例えば、底部領域は、以下のステップのいずれか1つによってポーションカプセル上に実装することができる。
【0132】
・ 底部領域、特に対応して形成されたセルロース系底部領域シートを、周方向側壁にビーディングするステップ。
【0133】
・ 周方向側壁の形成前、形成中、または形成後に、折り畳みによって完全な巻回および底部領域を形成するステップ。セルロース系シートの底部領域部分は、特に折り返すことができる。
【0134】
本方法は、カプセルカバーが提供されるステップを含むことができる。提供されるカプセルカバーは、特に、ポーションカプセルに関連して開示されるようなカプセルカバーであり得る。
【0135】
カプセルカバーを提供するステップは、例えば、以下のステップのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0136】
・ セルロース系カプセルカバーシートを提供するステップ。
セルロース系カプセルカバーシートは、特に、記載される実施形態のいずれか1つによるポーションカプセルに関連して記載されるセルロース系カプセルカバーシートである。
【0137】
・ セルロース系カプセルカバーシートからカプセルカバーを形成するステップ。
形成されたカプセルカバーシートは、特にポーションカプセルに関連して説明したように、例えばビーディング、溶接、または接着によって周方向側壁に取り付けるための領域を備えることができる。
【0138】
・ セルロース系シートを加工するステップであって、セルロース系シートから周方向側壁が形成されることにより、セルロース系シートは、完全な巻回を形成することができる側壁部分と、カプセルカバーを形成することができるカプセルカバー部分とを備える。
【0139】
セルロース系シートは、例えば、それに応じた形状に切断することができる。前記シートには、意図された折り目を設けることもできる。
【0140】
本方法は、カプセルカバーがポーションカプセル上に実装されるステップを含むことができる。
【0141】
例えば、カプセルカバーは、以下のステップのいずれか1つによって実装することができる。
【0142】
・ カプセルカバー、特に対応して形成されたカプセルカバーシートを、例えばポーションカプセルに関連して説明したように、周方向側壁に取り付けるステップ(例えば、溶接、接着、ビーディング)。
【0143】
・ 周方向側壁の形成前、形成中、または形成後に、折り畳みによって完全な巻回およびカプセルカバーを形成するステップ。セルロース系シートのカプセルカバー部分は、特に折り返すことができる。
【0144】
一実施形態では、本方法は、以下のシート、すなわち、セルロース系シート、セルロース系底部領域シート、セルロース系カプセルカバーシートのうちの少なくとも1つに、封止層もしくは障壁層、または封止層および障壁層を適用するステップを含む。
【0145】
封止層および障壁層は、特に、ポーションカプセルに関連して説明したような層である。
【0146】
封止層および/または障壁層は、ポーションカプセルに関連して説明した方法によって、例えば真空コーティングによって適用することができる。
【0147】
封止層および/または障壁層は、ポーションカプセルに関連して説明したように、セルロース系シート、セルロース系底部領域シート、および/またはセルロース系カプセルカバーシート上に配置することができる。
【0148】
適用するステップは、形成するステップの前であってもよい。すなわち、封止層および/または障壁層は、平坦なセルロース系シート、平坦なセルロース系底部領域シート、および/または平坦なセルロース系カプセルカバーシートに適用することができる。
【0149】
あるいは、少なくとも1つの第1の形成するステップは、適用するステップの前に実行することができる。
【0150】
以下、図面を用いて本発明の実施形態例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0151】
図1】ベース要素およびカプセルカバーを備えるポーションカプセルの一例の側面図である。
図2】ベース要素の詳細図である。
図3】カプセルカバーの詳細図である。
図4a】ベース要素のさらなる例を示す図である。
図4b】前記要素が形成されるセルロース系シートのさらなる例を示す図である。
図4c】前記要素が形成されるセルロース系底部領域シートのさらなる例を示す図である。
図5a】セルロース系シートの一例を示す図である。
図5b】正方形の基本形状を有するベース要素用のセルロース系底部領域シートの一例を示す図である。
図6】消費準備ができたコーヒーポーションカプセルの製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0152】
図中の同一の参照番号は、同一または類似の要素を示す。
図1によるポーションカプセル1の例は、ベース要素軸15を有するベース要素11を備える。図示のベース要素11はカップの形状を有し、ベース要素軸15はカップ軸である。ポーションカプセル1は、ベース要素(カップ)11の周方向フランジ14に沿って取り付けられたカプセルカバー21をさらに備え、ベース要素11およびカプセルカバー21はともに外側カプセル壁を形成し、カプセル内部空間を画定する。図示のベース要素11は、それ自体知られているように、わずかにドーム状の底部領域(カプセルベース)16および周方向側壁12を形成する。図示のフランジ14は、周方向側壁12上のフランジとして実装される。
【0153】
図示の実施形態では、ベース要素11およびカプセルカバー21は、セルロース系シート、より正確には紙シートから形成され、ベース要素11は、第1のセルロース系シート2から形成され、カプセルカバー21は、第2のセルロース系シート、セルロース系カプセルカバーシート25から形成される。
【0154】
図示の実施形態では、カプセルカバー21は、超音波溶接または接着によってベース要素11に取り付けられる。あるいは、例えば、熱溶接も考えられる。熱溶接は、例えば、溶接プロセスを支持するシボを使用して行うことができる。シボは、特に溶接相手、すなわちカプセルカバー21および/またはベース要素11の溶接される表面上に配置することができる。
【0155】
超音波溶接の場合、少なくともカプセルカバー21に面するフランジ14のエリア、またはフランジ14に面する周方向カバーフランジ22の少なくとも1つのエリアは、超音波および圧力下で流動可能になる材料を含む。超音波溶接中までに、一方の部品(フランジ14またはカバーフランジ22)に配置された材料が他方の部品(カバーフランジ22またはフランジ14)の対向エリアと少なくとも部分的に接触するように前記材料は配置され、および/または前記エリアは成形される。例えば、ベース要素11のフランジ14のみが材料を含む場合、前記材料は、カプセルカバー21をベース要素11に超音波溶接する間までに、ベース要素11のフランジ14に面するカバーフランジ22のエリアと接触する。
【0156】
例えば、材料は、フランジの表面および/または周方向カバーフランジ22の表面に配置することができる。しかしながら、材料はまた、超音波溶接プロセス中に前記材料が貫通するか、または超音波溶接プロセス中に相手側(カバーフランジ22が被覆材料を含む場合はフランジ14、フランジ14が被覆材料を含む場合はカバーフランジ22)の対向面の少なくとも一部が貫通する少なくとも1つのさらなる層によって覆われ得る。前記一部は、例えば、周方向突出部であってもよい。
【0157】
材料としては、特に、後述する液体封止層(略して封止層3)を挙げることができる。以下に記載される障壁層は、示される実施形態における気体透過障壁層、より具体的には酸素障壁層4であり、上記の意味で材料を覆う層であり得る。
【0158】
図2は、ベース要素11の詳細図を示す。ベース要素11は、カップ状であり、正方形の基本形状を有する。すなわち、ベース要素11は、実質的に立方体の形状を有し、立方体の6つの側面のうちの1つが欠けており、開口部13を形成している。抽出生成物は、ベース要素11の内部空間に、したがって前記開口部13を介して内部カプセル空間に導入することができる。円形の基本形状(1つの平坦な側面が開口した略円筒形状のベース要素)など、他の基本形状も考えられる。
【0159】
図示の実施形態では、カプセルカバー21を取り付けることができる周方向縁部14、丸みを帯びた縁部、およびせいぜいわずかにドーム形の側面は、主に立方体の形状からずれている。底部領域16が周方向側壁12にどのように接続されるかに応じて、立方体の形状からさらに逸脱する可能性がある。これは、底部領域16が周方向側壁12にビーディングされる場合、または底部領域がカプセルカバーと同様に周方向側壁12に適用される場合に特に当てはまる。しかしながら、例えば、底部領域16が、ビーディングと比較してセルロース系シート2を単純に折り畳むことによって形成され、いずれの場合にも取り付けエリア、および任意選択的に封止エリア(例えば、角のエリアにおいて)を含む場合、立方体の形状からの追加のずれは比較的小さくてもよい。
【0160】
図示のベース要素11の周方向側壁12は、ベース要素軸15の周りのセルロース系シート2の完全な巻回として実装される。すなわち、セルロース系シート2は、巻回の固定領域9において、セルロース系シート2の開始領域と終端領域とが重なるように、ベース要素軸15の周りに配置されている。開始領域は、例えば、領域が互いに接着されるか、または超音波溶接によって接続されるという点で、終端領域に恒久的に接続される。このように実装された恒久的巻回は、ベース要素11の周方向側壁12を形成する。
【0161】
固定領域9において、開始領域および終端領域の両方は、固定中に互いに接触するためのエリアを含む。超音波溶接による固定の場合、前記エリアの少なくとも1つは、超音波および圧力下で流動可能になるための材料を含む。超音波溶接中までに、一方の部品(開始領域または終端領域)上に配置された材料が他方の部品(終端領域または開始領域)の対向エリアと少なくとも部分的に接触するように、前記材料は配置され、および/または前記エリアは成形される。例えば、終端領域のみが材料を含む場合、前記領域は、超音波溶接による固定中までに終端領域に面する開始領域のエリアと接触する。
【0162】
材料は、例えば、開始領域の表面上および/または終端領域の表面上に配置することができる。しかしながら、材料はまた、超音波溶接プロセス中に前記材料が貫通するか、または超音波溶接プロセス中に相手側(終端領域が被覆材料を含む場合には開始領域、開始領域が被覆材料を含む場合には終端領域)の対向面の少なくとも一部が貫通する少なくとも1つのさらなる層によって覆われ得る。前記一部は、例えば、突出部であってもよい。
【0163】
周方向側壁12が形成されるセルロース系シート2は、図示の実施形態では、封止層3および酸素障壁層4を備える。
【0164】
図示の実施形態では、封止層3はPLA層であり、酸素障壁層4はSiO層である。
封止層3は、潜在的に存在する接着層以外に、セルロース系シート2上に直接配置され、酸素障壁層4は、潜在的に存在する接着層以外に、封止層3上に直接配置される。
【0165】
封止層3および酸素障壁層4が配置されるか、または前記層を担持するセルロース系シート2がベース要素軸11の周りに巻き付けられ、その結果、封止層3および酸素障壁層4は、セルロース系シート2上のベース要素11の内部空間に向かって配置される。
【0166】
封止層3および酸素障壁層4は、ベース要素11によって境界付けられた内部空間全体が前記層の両方によって連続的にコーティングされるように配置される。
【0167】
セルロース系シート2およびその上に存在する層のこのような実装は、超音波および圧力下で流動可能になる材料を含む終端領域のみをもたらすことができ、その結果、前記材料は、超音波溶接中までに開始領域と接触することができる。
【0168】
これは、特に、図2による実施形態のように、超音波溶接プロセス中に流動可能になる材料が封止層3の材料である場合に当てはまる。次いで、酸素障壁層4は、超音波溶接プロセス中に封止層3の液化材料によって貫通され、および/または相手方(開始領域)の材料によって貫通される層である。
【0169】
図3は、カプセルカバー21の詳細図を示す。図示の実施形態では、カプセルカバー21は、セルロース系カプセルカバーシート25から形成され、カプセルカバー21をベース要素11に取り付ける前に周方向側壁12が形成されるセルロース系シート2とは別個である。
【0170】
図示のカプセルカバー21は、ベース要素11に関連して示されている封止層3および酸素障壁層4の層列を含み、前記層は、カプセルカバー21をベース要素11に取り付けた後に形成されるポーションカプセル1の閉じた内部空間が前記層によって連続的にコーティングされるように、セルロース系カプセルカバーシート25上に配置される。
【0171】
カプセルカバー21は、ベース要素11のフランジ14に適合する周方向フランジ22を備え、それにより、カプセルカバー21は、適切に取り付けられたときにベース要素11を液密に封止することができる。
【0172】
図3に示すカプセルカバー21は、シートの厚さ以外は、2次元物体を表す単純なシートとして実装されていない。そのような2次元カプセルカバーは、フィルムまたは板の形態で従来技術から知られている。
【0173】
代わりに、図3に示すカプセルカバー21は、外向きドーム23を備える。前記ドーム23は、その中心に平坦領域を形成する。平坦領域は、周方向カバーフランジ22によって画定される平面に対して外側にオフセットされる。ドーム23およびカバーフランジ22は、遷移領域24によって互いに接続される。
【0174】
図4は、円形の基本形状を有するカップの形状を有するベース要素11の一例を示す。すなわち、ベース要素11は、実質的に円筒の形状を有し、円筒の一方の平坦な側面は開いている。開いた平坦な側面は、抽出生成物をベース要素11の内部空間に、したがって内部カプセル空間に導入するための開口部13を画定する。カップは、図示の実施形態ではカップ軸と見なされるように、ベース要素軸15に沿って配向される。
【0175】
図示のベース要素11は、開口部13を周方向に包囲するフランジ14をさらに備える。フランジ14は、その形状(正方形ではなく円形の基本形状)を除いて、上記の方法のいずれかで実装することができる。
【0176】
カプセルカバー21は、フランジ14および開口部13の形状に適合することを除いて、上述した方法のいずれかで実装することができる。カプセルカバー21は、上述した方法のいずれかでベース要素11に取り付けられ得る、または取り付け可能であり得る。
【0177】
ベース要素11の周方向側壁12は、ベース要素軸15の周りに完全な巻回を形成するセルロース系シート2によって形成される。セルロース系シート2、巻回、および固定領域9でのその固定は、ベース要素11の異なる形状によって引き起こされる違いを除いて、上述の方法のうちの1つで実施することができる。
【0178】
ベース要素11の底部領域16は、ベース要素11を形成する前にセルロース系シート2とは別個のセルロース系底部領域シート17によって形成される。
【0179】
図示の実施形態では、ベース要素11は、ベース要素11の開口部13とは反対側にビード8を備える。
【0180】
ビード8は、周方向側壁12を形成するセルロース系シート2と底部領域16を形成するセルロース系底部領域シート17との間のビードである。ビード8は、底部領域16が開口部または「リーク」なしにベース要素11を恒久的に閉じるように実装される。
【0181】
換言すれば、図4aに示すベース要素は、巻回カップの周方向側壁にビーディングされた底部領域を有する巻回カップである。
【0182】
図4bは、ベース要素軸15の周りに巻き付ける前のセルロース系シート2を示す。
セルロース系シート2は、巻き付け後に周方向側壁12を形成する側壁領域10を含む。
【0183】
側壁領域10は、固定領域9に巻回を固定するための上述の開始領域31および上述の終端領域32を含むことができる。
【0184】
少なくとも側壁領域10は、図示の実施形態では封止層3および障壁層4を備える。
終端領域32および/または開始領域31は、残りの側壁領域とは異なる層または一連の層を備えることができる。
【0185】
図示のセルロース系シート2は、巻き付け後に前記領域が周方向フランジ14を形成するように配置され成形されたフランジ領域5を含む。
【0186】
図示のセルロース系シート2は、前記領域がセルロース系底部領域シート17の対応するビード領域18とともに上述のビードを形成することができるように配置され成形されたビード領域6を備える。
【0187】
図4cは、セルロース系シート2へのビーディング前のセルロース系底部領域シート17を示す。
【0188】
セルロース系底部領域シート17は、ビーディング後にベース要素11の実際の底部領域16を形成するための領域19を含む。
【0189】
図示のセルロース系底部領域シート17は、ビード領域18をさらに含む。前記領域は、前記領域がセルロース系シート2のビード領域6とともに上述のビードを形成することができるように配置および成形される。
【0190】
図示の実施形態では、ビーディング後のベース要素11の実際の底部領域16を形成する少なくとも領域19は、上述の封止層3および上述の酸素障壁層4を備える。
【0191】
図5aは、図4bに示すセルロース系シート2の代替形状として、ベース要素軸15の周りに巻き付ける前のセルロース系シート2を示す。図示のセルロース系シート2は、前記シートが、図2に一例として示されるように、巻き付け後に正方形の基本形状を有するベース要素11の周方向側壁12および周方向フランジ14を形成するように構成される。
【0192】
図4bに示すセルロース系シート2と比較して、図5aに示すセルロース系シート2は、意図された折り目7によって4つの部分領域に細分化された側壁領域10を含む。4つの部分領域は、巻き付け後に周方向側壁12の4つの平坦な側面を形成するように配置される。
【0193】
フランジ領域5は、側壁領域10の4つの部分領域に合わせてさらに4つに分割されている。前記4つの部分は、前記部分がベース要素軸15に対してゼロに等しくない角度で延びることができ、ベース要素軸15の周りにセルロース系シート2を巻き付けた後に周方向フランジ14を形成することができるように配置および構成される。
【0194】
周方向フランジ14は、典型的には、図1図2、および図4aに示すように、ベース要素軸15から約90°で延びる。すなわち、周方向フランジ14は、少なくともほぼ一平面内に配置され、その法線は、ベース要素軸15に平行に延びる。
【0195】
図5bは、図5aに示すセルロース系シート2に適合し、ビード8によってこれに取り付けることができる、縮尺通りではないセルロース系底部領域シート17を示す。
【0196】
図示のセルロース系底部領域シート17は、ビーディング後にベース要素11の実際の底部領域16を形成するための正方形領域19を含む。
【0197】
ビード領域18は、側壁領域10の4つの部分領域に合わせて4つの部分領域にさらに分割されている。ビード領域18の4つの部分領域は、正方形領域19から折り返すことができるように配置され構成されている。
【0198】
ビード領域18の4つの部分領域は、前記領域がセルロース系シート2のビード領域6とともに上述のビードを形成することができるように配置および成形される。
【0199】
図6は、消費準備ができたポーションカプセル1を製造するための例示的な方法を概略的に示す。任意選択的なステップも概略図に示されている。
【0200】
図6に示す例示的方法は、特に、消費準備ができており、周方向側壁12にビーディングされた底部領域16と、周方向側壁12の周方向フランジ14に超音波溶接によって適用されたカプセルカバー21とを備えるポーションカプセル1に関する。
【0201】
本方法の第1の段階では、非充填ポーションカプセルを製造するために必要な要素が提供される。特に、
・ 周方向側壁12および周方向フランジが最終的に形成されるセルロース系シート2が提供される。
【0202】
・ 底部領域16が最終的に形成されるセルロース系底部領域シート17が提供される。
【0203】
・ カプセルカバー21が最終的に形成されるセルロース系カプセルカバーシート25が提供される。
【0204】
・ 封止層3および酸素障壁層4は、前記セルロース系シートに適用される。
封止層3および酸素障壁層4を適用する前または後に、前記セルロース系シートをサイズに合わせて切断し、折り畳み領域を設け(必要な場合)、予備成形し(必要に応じてカプセルカバーなど)、および/または追加的に加工された開始領域31および/または終端領域32(必要な場合)を設けることができる。追加的または代替的に、1つまたは複数の取り付けエリアおよび/または1つまたは複数の封止エリアを準備することができる。
【0205】
本方法の第2の段階では、ベース要素11が形成される。この目的のために、本方法は、セルロース系シート2が、軸の周りに完全な巻回を形成するように変形されるステップを含む。前記軸は、以下ではベース要素軸15である。
【0206】
製造されるポーションカプセルの形状に応じて、およびセルロース系シート2およびセルロース系底部領域シート25の切断に応じて、本方法の第2の段階は、巻き付けステップの前、最中、または後にビーディングステップを含む。前記ビーディングステップでは、セルロース系底部領域シート17がセルロース系シート2にビーディングされ、その結果、巻き付けステップの後、底部領域16は周方向壁12の一端を閉じる。
【0207】
本方法の第2の段階は、典型的には、前記巻回が恒久的であるように巻回が停止されるステップをさらに含む。前記ステップは、典型的には、ビーディングするステップに追加される。
【0208】
本方法の第3の段階では、第2の段階の後に利用可能なベース要素11は、抽出生成物、例えばコーヒーで充填される。
【0209】
本方法の第4の段階では、カプセルカバー21は、充填されたベース要素11を封止し、消費準備ができたポーションカプセル1を製造するために、充填されたベース要素11に取り付けられる。
【0210】
この目的のために、第4の段階は、図3に関連して説明したように潜在的に予備成形されたカプセルカバー21がベース要素11上に配置され、それにより、前記カバーが開口部13を封止し、ベース要素11の周方向フランジ14がカバーフランジ22と周方向に接触するステップを含む。
【0211】
第4の段階は、互いに接触するベース要素11およびカプセルカバー21のフランジが、アンビルとソノトロードとの間で圧力および超音波を受け、それにより、ベース要素11のフランジ14とカバーフランジ22との間に前者の開口部13の周方向の溶接が生じるステップをさらに含む。
【0212】
本方法は、さらなる段階およびステップを含むことができる。例えば、洗浄ステップ、刻印および/またはコードの適用、着色など。
【符号の説明】
【0213】
参照符号
1 ポーションカプセル
2 セルロース系シート(紙)
3 液体封止層(PLA)
4 気体透過障壁層(SiO
5 フランジ領域
6 ビード領域
7 意図された折り目
8 ビード
9 (巻回の)固定領域
10 側壁領域
11 ベース要素
12 周方向側壁
13 開口部
14 周方向側壁のフランジ
15 ベース要素軸
16 底部領域(カプセルベース)
17 セルロース系底部領域シート
18 ビード領域
19 ビーディング後に底部領域16を形成する領域
21 カプセルカバー
22 周方向カバーフランジ
23 ドーム
24 遷移領域
25 セルロース系カプセルカバーシート
31 開始領域
32 終端領域
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図6
【国際調査報告】