(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-15
(54)【発明の名称】接続ユニット、接続アセンブリ及び電子装置
(51)【国際特許分類】
H01R 13/631 20060101AFI20230608BHJP
H01R 4/58 20060101ALI20230608BHJP
H01R 13/447 20060101ALN20230608BHJP
【FI】
H01R13/631
H01R4/58 C
H01R13/447
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568911
(86)(22)【出願日】2021-05-05
(85)【翻訳文提出日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2021061852
(87)【国際公開番号】W WO2021228654
(87)【国際公開日】2021-11-18
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ベルント・ベーリング
(72)【発明者】
【氏名】メフメット・サグディック
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FC32
5E021HA05
5E087EE07
5E087FF02
5E087LL27
5E087LL29
5E087LL33
5E087LL35
5E087RR25
5E087RR36
5E087RR49
(57)【要約】
本発明の対象は、少なくとも1つの接続要素(200)の接続のための接続ユニット(100)であり、接続ユニット(100)は、ハウジング(110)と、第1の接触要素(114)及び第1の接触要素(114)の向かい側に配置された第2の接触要素(115)であって、第1の接触要素(114)と第2の接触要素(115)との間には、少なくとも1つの接続要素(200)を第1の接触要素(114)と第2の接触要素(115)との間でクランプするための、少なくとも1つの受容空間(116、117)が形成されている第1の接触要素(114)と、第2の接触要素(115)と、第1の接触要素(114)及び第2の接触要素(115)を、少なくとも1つの受容空間(116、117)の領域内で少なくとも部分的に覆っている少なくとも1つの指先接触防止要素(132)と、を有しており、第1の接触要素(114)と第2の接触要素(115)と指先接触防止要素(132)とは、ハウジング(110)内で浮動式に支持されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの接続要素(200)の接続のための接続ユニット(100)であって、
‐ハウジング(110)と、
‐第1の接触要素(114)及び前記第1の接触要素(114)の向かい側に配置された第2の接触要素(115)であって、前記第1の接触要素(114)と前記第2の接触要素(115)との間には、少なくとも1つの前記接続要素(200)を前記第1の接触要素(114)と前記第2の接触要素(115)との間でクランプするための、少なくとも1つの受容空間(116、117)が形成されている、第1の接触要素(114)及び第2の接触要素(115)と、
‐前記第1の接触要素(114)及び前記第2の接触要素(115)を、少なくとも1つの前記受容空間(116、117)の領域内で少なくとも部分的に覆っている少なくとも1つの指先接触防止要素(132)と、
を有しており、
‐前記第1の接触要素(114)と前記第2の接触要素(115)と前記指先接触防止要素(132)とは、前記ハウジング(110)内で浮動式に支持されている接続ユニット(100)。
【請求項2】
前記指先接触防止要素(132)が、前記第1の接触要素(114)及び前記第2の接触要素(115)に可動に支持されていることを特徴とする、請求項1に記載の接続ユニット(100)。
【請求項3】
前記指先接触防止要素(132)が、第1の脚部(133)と前記第1の脚部(133)に対して平行に形成された第2の脚部(134)とを備えたU字の形状を有しており、前記第1の脚部(133)は、前記第1の接触要素(114)を少なくとも部分的に覆っており、前記第2の脚部(134)は、前記第2の接触要素(115)を少なくとも部分的に覆っていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の接続ユニット(100)。
【請求項4】
前記指先接触防止要素(132)が、2つの部分から構成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の接続ユニット(100)。
【請求項5】
前記第1の接触要素(114)と前記第2の接触要素(115)とが、少なくとも1つのバネ要素(126、127)を介して互いに接続されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の接続ユニット(100)。
【請求項6】
前記第1の接触要素(114)と前記第2の接触要素(115)とがそれぞれ、第1の支持点(140、141)と、前記第1の支持点(140、141)とは離間して配置された第2の支持点(142、143)と、を有しており、前記第1の支持点(140、141)で、前記第1の接触要素(114)と前記第2の接触要素(115)とが、前記指先接触防止要素(132)に保持されており、前記第2の支持点(142、143)で、前記第1の接触要素(114)と前記第2の接触要素(115)とが、前記ハウジング(110)に保持されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の接続ユニット(100)。
【請求項7】
両方の前記接触要素(114、115)の前記第1の支持点(140、141)と前記第2の支持点(142、143)とが、それぞれ長穴として形成されていることを特徴とする、請求項6に記載の接続ユニット(100)。
【請求項8】
前記指先接触防止要素(132)が、リンクガイドを用いて、前記ハウジング(110)内で浮動式に支持されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の接続ユニット(100)。
【請求項9】
前記第1の接触要素(114)と前記第2の接触要素(115)とが、それぞれ一平面上にのみ延在する細長い金属薄板の形で構成されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の接続ユニット(100)。
【請求項10】
少なくとも1つの前記受容空間(116、117)の領域において、前記第1の接触要素(114)と前記第2の接触要素(115)とが、それぞれ接触領域(122、123、124、125)を有しており、前記接触領域は、少なくとも部分的に丸みを付けられていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の接続ユニット(100)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に従って構成された、複数の接続ユニット(100)が並べて配置されている接続アセンブリ(300)。
【請求項12】
保持フレーム(310)が設けられており、複数の並べて配置された前記接続ユニット(100)が前記保持フレーム(310)内に保持されていることを特徴とする、請求項11に記載の接続アセンブリ(300)。
【請求項13】
請求項1から10のいずれか一項に記載の少なくとも1つの接続ユニット(100)、及び/又は、請求項11若しくは12に記載の少なくとも1つの接続アセンブリ(300)を有する電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの接続要素の接続のための接続ユニットに関する。さらに、本発明は、接続アセンブリ及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーレール、バスバー又は平型コンタクト等の、接続要素の接続のための接続ユニットは、例えば特許文献1から知られている。接続ユニットは、一対の導電部材と、一対の導電部材間に取り付けられ、一対の導電部材を相互に接近させる方向に付勢する付勢部材と、を有しており、接続ユニットは、一対の導電部材間で接続対象物を保持することによって、一対の導電部材間に挿入された接続対象物と接続されるように調整されている。一対の導電部材は、ベース部と、ベース部に形成され付勢部材に接続された取付部と、をそれぞれ有し、一方の導電部材のベース部と他方の導電部材のベース部とは、相互に離間して配置されている。一対の導電部材のうち少なくとも一方は、支持部を有しており、当該支持部は、ベース部と一体的に形成され、ベース部側から他方の導電部材に向けて延在しており、これによって、他方の導電部材に接して他方の導電部材を支持している。さらに、一対の導電部材は、それぞれ、接続対象物に接触する第1接触部と、他の接続対象物に接触する第2接触部と、を有し、第2接触部は、第1接触部と第2接触部との間に配置された取付部に関して、第1接触部の反対側に形成されている。一対の導電部材のうち少なくとも一方は、他方の前記導電部材側に面する位置に、接続対象物に形成された接続対象物側係合部に係合するための非弾性のコンタクト側係合部を一体に有しており、コンタクト側係合部は、取付部を基準として第1接触部側に形成されている。一対の導電部材のうち少なくとも一方は、さらに傾き制御部を有しており、傾き制御部は、他方の導電部材に面する位置に突出して形成され、接続対象物とコンタクトとの相対的な傾きを制限するように調整されている。傾き制御部は、取付部を基準として第1接触部側で、支持部とコンタクト側係合部との間に位置している。
【0003】
しかしながら、このような接続ユニットは、大きな設置幅を有するので、大きな設置空間を必要とする。さらに、当該接続ユニットは、多くの部材を有し、部材に多く湾曲が存在するので複雑であり、製造に費用を要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、単純な構造と同時に、使用者にとっての高い安全性とを特徴とする接続ユニット、接続アセンブリ及び電子装置を利用可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、本課題は、独立請求項の特徴によって解決される。本発明の有利な態様及び有利なさらなる発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0007】
本発明に係る接続ユニットは、ハウジングと、第1の接触要素と、第1の接触要素の向かい側に配置された第2の接触要素と、を有しており、第1の接触要素と第2の接触要素との間には、少なくとも1つの接続要素を第1の接触要素と第2の接触要素との間でクランプするための、少なくとも1つの受容空間が形成されている。さらに、接続要素は、少なくとも1つの指先接触防止要素を有しており、指先接触防止要素は、第1の接触要素と第2の接触要素とを、少なくとも1つの受容空間の領域内で少なくとも部分的に覆っており、第1の接触要素と第2の接触要素と指先接触防止要素とは、ハウジング内で浮動式に支持されている。
【0008】
接続ユニットは、2つの接触要素を有しており、当該接触要素は接触要素の間に、少なくとも1つ、好ましくは2つの受容空間を形成し、これによって、1つ又は2つの接続要素が、電気的に接触しながら接触要素の間でクランプされる。第1の受容空間は、両方の接触要素の第1の端部領域に形成され、第2の受容空間は、両方の接触要素の第1の端部領域とは反対側の第2の端部空間に形成されていてよい。各受容空間の領域では、ハウジングが、接続されるべき接続要素を挿入するための、好ましくはそれぞれ1つの挿入開口部を有している。挿入開口部は、好ましくはそれぞれスリットの形でハウジングに形成されている。使用者に、接続要素の安全な接続を保証するために、接続ユニットは、少なくとも1つの指先接触防止要素を有している。指先接触防止要素は、好ましくは導電性を有さないプラスチック等の絶縁材料から形成されている。指先接触防止要素は、両方の接触要素をその受容空間のうちの一方において覆うように配置されているので、接続要素を受容空間に配置又は押し込む際に、使用者はその指で、接触要素のうちの一方と接触することはできない。接続ユニットは特に、両方の接触要素と指先接触防止要素とが、ハウジング内で浮動式に支持されていることを特徴としている。浮動式の支持によって、接触要素と指先接触防止要素とは、特にハウジングに対して移動することができる。両方の接触要素同士の相対運動も可能である。さらに、指先接触防止要素も、両方の接触要素に対して移動し得る。従って、接触要素及び指先接触防止要素の位置決めを、挿入される接続要素、特に挿入される接続要素の寸法及び接続要素が受容空間に押し込まれる際の角度に依存して、最適化して調整することが可能である。浮動式の支持によって、接触要素と指先接触防止要素とは、ハウジング内部で固定された回転軸を有していない。浮動式の支持によって、ハウジング内に配置された接触要素と指先接触防止要素とは、ハウジング内に遊びを有しており、これによって特に指先接触防止要素及び接触要素の純粋な並進運動も可能である。特に接触要素は、さらに固定した回転中心を有さずに、ハウジング内で回転運動を行うことも可能である。これによって、接続ユニットは、使用者にとっての高い安全性と接続ユニットの単純な構造とを有するのと同時に、接続されるべき接続要素への高い適応可能性を有している。
【0009】
ハウジングは、2つの部分から構成されていてよく、これによって、ハウジング内での接触要素及び指先接触防止要素の容易な取り付けが可能になる。
【0010】
ハウジングは、好ましくはディスク状の形状を有しており、これによって、接続ユニットは、小さい設置幅を有することが可能であり、従って、接続ユニットのために必要な設置空間を削減することができる。
【0011】
指先接触防止要素は、好ましくは両方の接触要素上に直接取り付けられており、取り付けは、指先接触防止要素を第1の接触要素及び第2の接触要素で可動に支持することによって実施されてよい。これによって、指先接触防止要素の接触要素に対する相対運動が可能であると同時に、指先接触防止要素の接触要素上での確実な保持が保証され得る。
【0012】
指先接触防止要素は、第1の脚部と、第1の脚部に対して平行に形成された第2の脚部とを備えたU字の形状を有することが可能であり、第1の脚部は、第1の接触要素を少なくとも部分的に覆うことが可能であり、第2の脚部は、第2の接触要素を少なくとも部分的に覆うことが可能である。指先接触防止要素は、その両方の脚部を用いて、第1の接触要素に関しても第2の接触要素に関しても、指先の接触を防止し得る。両方の脚部は、好ましくはそれぞれ接触要素の長さに対して平行に延在している。両方の脚部は、好ましくは接続要素の受容空間への挿入方向に対して平行に延在している。指先接触防止要素の両方の脚部は、挿入方向に対して交差して延在し得る接続部分を介して互いに接続されていてよい。当該接続部分は、好ましくは接続要素の受容のための受容空間後方の挿入方向に延在している。
【0013】
特に両方の接触要素への指先接触防止要素の取り付けを容易にするために、指先接触防止要素は、2つの部分から構成されていてよい。取り付けの際、両方の接触要素は、指先接触防止要素が閉鎖される前に、指先接触防止要素に挿入され得る。指先接触防止要素の両方の部分は、好ましくは互いに対称に形成されている。指先接触防止要素の両方の部分は、両方の接触要素が指先接触防止要素に挿入されている場合、プラグ接続及び/又はスナップ接続を通じて互いに接続され得る。
【0014】
指先接触防止要素は、好ましくは比較的小さい厚さを有するので、指先接触防止要素は、ディスク状に形成されていてよい。
【0015】
両方の接触要素の間で相対運動が生じ得る場合、同時に両方の接触要素の支持を得るために、第1の接触要素と第2の接触要素とは、少なくとも1つのバネ要素を介して、互いに接続されていてよい。バネ要素は、例えば曲げられた線バネ又はコイルバネであってよい。バネ要素は、両方の接触要素に形成された開口部に引掛けられていてよい。好ましくは2つのバネ要素が設けられており、これらのバネ要素を介して、両方の接触要素は互いに接続されている。2つのバネ要素が設けられている場合、当該バネ要素は、互いに離間して、両方の接触要素に配置されている。好ましくは、第1のバネ要素は、両方の接触要素の第1の端部領域に取り付けられ、第2のバネ要素は、両方の接触要素の第2の端部領域に取り付けられていてよい。この場合、バネ要素の取り付けは、好ましくは接触要素上の指先接触防止要素の支持部に直接隣接して行われる。
【0016】
好ましくは、第1の接触要素と第2の接触要素とがそれぞれ、第1の支持点と、第1の支持点と離間して配置された第2の支持点と、を有しており、第1の支持点で、第1の接触要素と第2の接触要素とが、指先接触防止要素に保持されていてよく、第2の支持点で、第1の接触要素と第2の接触要素とが、ハウジングに保持されていてよい、と規定され得る。両方の接触要素は、指先接触防止要素にもハウジングにも支持されていてよく、両方の接触要素は、その第1の端部領域において指先接触防止要素に、第2の端部領域においてハウジングに支持され、固定されていてよい。指先接触防止要素上の接触要素の支持領域では、接触要素は好ましくはハウジングに直接接続されてはいない。
【0017】
両方の接触要素の第1の支持点も第2の支持点もそれぞれ、長穴として形成されていてよい。ハウジングには、例えばスタッドが形成されていてよく、当該スタッドは、第2の支持点において、接触要素をハウジングにおいて可動に支持するために、各長穴を突き抜けている。指先接触防止要素にも、例えばスタッドが形成されていてよく、スタッドは、第1の支持点において、両方の接触要素を指先接触防止要素において可動に支持するために各長穴を突き抜けている。長穴によって、接触要素のハウジングに対する、又は、指先接触防止要素に対する相対運動が行われ得る規定の移動空間が形成されていてよい。
【0018】
指先接触防止要素は、リンクガイドを用いて、ハウジング内で浮動式に支持されていてよい。リンクガイドは、ハウジングの壁が指先接触防止要素の移動空間を画定かつ限定することによって、ハウジングによって、又は、ハウジングの壁によって構成されていてよい。リンクガイドは、限定された境界内で複数の軸において指先接触防止要素が自由に移動することを可能にする。リンクガイドによって、特に挿入方向に対して交差する指先接触防止要素の移動が可能になっている。
【0019】
接触要素は好ましくは曲げ加工部品ではなく、第1の接触要素と第2の接触要素とは、それぞれ一平面上にのみ延在する細長い金属薄板の形で構成されていてよい。従って、接触要素は、非常に小型で平らに設計されており、これによって、接続ユニットの取り付け寸法を削減することができる。さらに、接触要素は、大きな労力を要さずに、単なる押し抜きで製造可能であり、後続の複雑な曲げプロセスを設ける必要はない。両方の接触要素は、好ましくは同じ外形を有するように構成されている。両方の接触要素は、好ましくは鏡面対称に、接続ユニットの長手軸に沿って配置されている。
【0020】
接触要素の接続されるべき接続要素との良好な規定の接触を形成することを可能にするために、少なくとも1つの受容空間の領域において、第1の接触要素と第2の接触要素とは、それぞれ少なくとも部分的に丸みをつけて構成され得る接触領域を有し得る。接触要素は、接続された状態において、その接触領域で、接続要素に直接当接するので、接続された接続要素は、第1の接触要素の接触領域と第2の接続要素の接触領域との間でクランプされている。接触領域の丸み付けによって、さらに、接続要素を、両方の接触要素間の受容空間に挿入することが容易になる。なぜなら、接続要素は、丸みに沿って、受容空間内の所望の位置に誘導され得るからである。両方の接触要素の接触領域は、互いに対して湾曲するように構成されていてよく、これによって、受容空間は挿入方向において先細になり得る。
【0021】
本発明の課題はさらに、上述したように構成及び改良された複数の接続ユニットが並べて配置されている接続アセンブリを用いて解決される。
【0022】
接続ユニットの特に非常に幅の狭い構造によって、複数の接続ユニットを並べて省スペースに配置することが可能である。必要な設置空間をさらに削減するために、接続ユニットが並べて配置される場合、接続ユニットは互いに覆い合ってよく、これによって、接続ユニットの内部空間は、隣に配置される接続ユニットのハウジングによって覆われ、閉鎖されていてよい。ハウジングが、ハウジングを閉鎖するためのハウジングカバーを有し得ることによって、接続ユニット列の最後の接続ユニットのハウジングのみが、2つの部分で構成されることになる。
【0023】
接続アセンブリは、保持フレームを有することが可能であり、並べて配置された複数の接続ユニットは、保持フレーム内に保持されていてよい。保持フレームは開口部を有することが可能であり、まとめて配置された接続ユニットは、当該開口部を突き抜けることが可能である。保持フレームは、並べて配置された接続ユニットを取り巻く、又は、包囲することが可能である。保持フレームは、例えば壁の壁開口部内に取り付け可能であり、接続ユニットは、保持フレームを通って壁開口部を貫通し、壁開口部内に保持されていてよい。壁は、例えば電子装置の壁であってよい。
【0024】
本発明の課題はさらに、少なくとも1つの上述したように構成及び改良された接続ユニット、並びに/又は、少なくとも1つの上述したように構成及び改良された接続アセンブリを有する電子装置によって解決される。
【0025】
以下に、添付の図面を参照して、好ましい実施形態に基づき、本発明を詳細に説明する。示されているのは以下の図である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明に係る接続アセンブリの概略的な分解図である。
【
図2】部分的に組み立てられた
図1に示した接続アセンブリの概略図である。
【
図3】部分的に組み立てられた
図1に示した接続アセンブリのさらなる概略図である。
【
図4】指先接触防止要素を下方に動かした状態における、
図3に示した接続アセンブリの概略図である。
【
図5】指先接触防止要素を上方に動かした状態における、
図3に示した接続アセンブリの概略図である。
【
図6】接続要素が挿入された状態における、
図4に示した接続アセンブリの概略図である。
【
図7】接続要素が挿入された状態における、
図5に示した接続アセンブリの概略図である。
【
図8】壁開口部に取り付けられた
図1に示した接続アセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、接続アセンブリ300を分解図で示している。接続アセンブリ300は、並べて配置された複数の接続ユニット100を有しており、
図1で示された態様では、2つの接続要素200が接続ユニット100に受容されており、両方の接続要素200が、接続ユニット100の向かい合う面に受容され、クランプするように接触することによって、電気的に接触しながら接続され得る。当該態様では、接続要素200は、パワーレールの形で構成されている。
【0028】
各接続ユニット100は、ハウジング110を有しており、ハウジング110は、好ましくは例えばプラスチック材料等の絶縁材料から形成されている。各ハウジング110は、向かい合う側に形成された2つの挿入開口部111を有しており、挿入開口部111を通して、接続要素200が挿入され得る。
【0029】
ハウジング110は、片側が開放されているので、組み立ての際に、接続ユニット100の他の部材を、ハウジング110の内部空間112に挿入し、内部空間112内で組み立てることが可能である。接続ユニット100のハウジング110は、隣に配置された接続ユニット100のハウジング110によって閉鎖され得る。接続ユニット列の最後の接続ユニット100のハウジング110は、ハウジングカバー113によって閉鎖される。
【0030】
接続ユニット100のハウジング110の内部空間112には、2つの接触要素114、115が配置されている。接触要素114、115は、同じ外形を有するように構成されている。接触要素114、115は、それぞれ一平面上にのみ延在する細長い金属薄板の形で構成されている。接触要素114、115は、少なくとも例えば
図3に示したような初期状態において、接続要素200の挿入方向Eに対して略平行に接続ユニット100内に延在するように、ハウジング110内に配置される。
【0031】
両方の接触要素114、115の間には、2つの受容空間116、117が形成されており、受容空間116、117にはそれぞれ、接続要素200が挿入され得る。第1の受容空間116は、両方の接触要素114、115の第1の端部領域118、119に形成されており、第2の受容空間117は、両方の接触要素114、115の第1の端部領域118、119とは反対側に配置された第2の端部領域120、121に形成されている。
【0032】
受容空間116、117の領域において、両方の接触要素114、115はそれぞれ、接触領域122、123、124、125を有している。接触領域122、123、124、125はそれぞれ、接触要素114、115の端部領域118、119、120、121に形成されている。接触領域122、123、124、125はそれぞれ、接触要素114、115のエッジ面に沿って延在している。接触領域122、123、124、125は、部分的に丸みを付けられている。両方の接触要素114、115の接触領域122、123、124、125は、互いに対して湾曲しており、これによって、受容空間116、117は、挿入方向Eにおいて先細になり得る。
【0033】
両方の接触要素114、115は、2つのバネ要素126、127を介して互いに接続されている。両方のバネ要素126、127は、ここでは曲げられた線バネとして構成されている。バネ要素126、127はそれぞれ、U字形に曲げられている。接触要素114、115には、開口部128、129、130、131が形成されており、当該開口部にはバネ要素126、127が引掛けられており、これによって接触要素114、115に固定されている。両方のバネ要素126、127は、互いに離間して配置されている。
【0034】
接続要素200を接続領域116、117のうちの1つに押し込む、又は、挿入する際、接触要素114、115は、各バネ要素126、127の弾力に反して、接続要素200を用いて押し分けられ得る。接続要素200が各受容空間116、117に押し込まれる場合、接触要素114、115は、バネ要素126、127の弾力によって、その接触領域122、123、124、125で、挿入された接続要素200に押し付けられ、接触しながら接続要素200をクランプする。接触要素114、115の互いに対する可動性と、固定された回転軸を有さない接触要素114、115の浮動式の支持とによって、設計が異なる、特に厚さが異なる接続要素200の接続が可能になる。
【0035】
接続ユニット100はさらに、それぞれ指先接触防止要素132を有している。指先接触防止要素132は、ここでは、第1の受容空間116の領域にのみ配置されている。しかしまた、さらなる指先接触防止要素132が、第2の受容空間117の領域にも配置されていることがあり得る。指先接触防止要素132は、両方の接触要素114、115を、受容空間116の領域において少なくとも部分的に覆っている。
【0036】
指先接触防止要素132は、指先接触防止要素132が、2つの互いに対して平行な脚部133、134と、両方の脚部133、134を互いに接続する接続部分135とを有することによって、U字の形状を有している。両方の脚部133、134は、挿入方向Eに対して平行に延在している。接続部分135は、挿入方向Eに対して交差して延在している。第1の脚部133は第1の接触要素114を包囲し、第2の脚部134は第2の接触要素115を包囲している。両方の脚部133、134は、それぞれスリット状の開口部を有しており、接触要素114、115は、その接触領域122、123、124、125で、当該開口部を突き抜けることができる。脚部133、134は、その自由端に、挿入斜面136、137を有しており、当該挿入斜面は、受容空間116、117への接続要素200の挿入を容易にする。
【0037】
指先接触防止要素132は、挿入方向に対して交差して、非常に幅が狭く形成されているので、指先接触防止要素132は、ディスク状を成している。
【0038】
両方の接触要素114、115への指先接触防止要素132の取り付けを容易にするために、指先接触防止要素132は、2つの部分から、すなわち第1の部分138と第2の部分139とから構成されている。両方の部分138、139は、略同じ外形を有しており、それぞれ両方の脚部133、134の部分と接続部分135の部分とを構成している。取り付けの際、両方の接触要素114、115が第1の部分138に挿入された後、第2の部分139が第1の部分138に取り付けられ得る。取り付けられた状態において、両方の接触要素114、115は、指先接触防止要素132の両方の部分138、139の間に延在する。
【0039】
図2から
図7において認識されるように、両方の接触要素114、115と指先接触防止要素132とは、ハウジング110内で浮動式に支持されており、これによって、接触要素114、115と指先接触防止要素132とは、互いに対して可動に支持されている。
【0040】
両方の接触要素114、115は、それぞれ第1の支持点140、141と第2の支持点142、143とを有している。
【0041】
第1の接触要素114の第1の支持点140及び第2の接触要素115の第1の支持点141で、両方の接触要素114、115は、指先接触防止要素132に保持されている。第1の支持点140、141は、両方の接触要素114、115において、長穴の形で形成されている。指先接触防止要素132の両方の脚部133、134には、それぞれスタッド144、145が形成されており、当該スタッドは、例えば
図3から認識されるように、第1の支持点140、141として形成された長穴内に突出している。長穴を通じて、指先接触防止要素132は、両方の接触要素114、115に可動に支持されているので、指先接触防止要素132と接触要素114、115との間の相対運動が可能である。長穴は、その長さにおいて、挿入方向Eに対して交差して延在している。両方の接触要素114、115は、その第1の端部領域118、119で、指先接触防止要素132にのみ保持されており、ハウジング110と接触要素114、115との間には接続が存在しない。
【0042】
これに対して、接触要素114、115は、その第2の端部領域120、121において、ハウジング110に直接保持されている。第2の端部領域120、121に形成された第2の支持点142、143は、ハウジング110での接触要素114、115の保持に用いられる。第2の支持点142、143は、両方の接触要素114、115において同様に、それぞれ長穴の形で形成されている。ハウジング110に形成されたスタッド146、147は、長穴内に突出しており、この際、接触要素114、115は、ハウジング110に可動に支持されている。当該長穴も、その長さにおいて挿入方向Eに対して交差して延在している。
【0043】
指先接触防止要素132は、ハウジング110内で、リンクガイドを用いて浮動式に支持されている。リンクガイドは、ハウジング110の壁148によって構成されており、当該リンクガイドによって、ハウジング110の内部空間112内での指先接触防止要素132の可動性が制限される。壁148は、ハウジング110の外壁によっても、挿入方向Eに対して交差して延在するハウジング110の内壁によっても構成されている。この場合、壁148は、壁148が指先接触防止要素132の挿入方向Eに対して交差する移動、従って上方及び下方への移動を許容するように構成されているが、これに対して、指先接触防止要素132の挿入方向Eにおける移動は不可能である。
【0044】
図4に示した位置の場合、第2の受容空間117には既に接続要素200が挿入されており、クランプするように接触している。第1の受容空間116には、接続要素200は挿入されていないので、接触要素114、115は、互いに対して軽く傾斜している。本図では、指先接触防止要素132は下方に移動している。
図6の場合、第1の受容空間116にも、接続要素200が挿入されている。
【0045】
これに対して、
図5及び
図7に示された態様では、指先接触防止要素132は上方に移動している。
【0046】
図8は、壁400の壁開口部410に取り付けられた接続アセンブリ300を示している。接続アセンブリ300は、フレーム形状を備えた保持フレーム310を有している。保持フレーム319は、開口部311を有しており、並べて配置された接続ユニット100は、開口部311を貫通しており、開口部311に保持されている。開口部311は、窓のように構成されている。保持フレーム310は、固定要素312を有しており、固定要素312を通じて、保持フレーム310は、例えばネジ接続を用いて壁400に固定され得る。
【符号の説明】
【0047】
100 接続ユニット、110 ハウジング、111 挿入開口部、112 内部空間、113 ハウジングカバー、114 接触要素、115 接触要素、116 受容空間、117 受容空間、118 端部領域、119 端部領域、120 端部領域、121 端部領域、122 接触領域、123 接触領域、124 接触領域、125 接触領域、126 バネ要素、127 バネ要素、128 開口部、129 開口部、130 開口部、131 開口部、132 指先接触防止要素、133 脚部、134 脚部、135 接続部分、136 挿入斜面、137 挿入斜面、138 第1の部分、139 第2の部分、140 第1の支持点、141 第1の支持点、142 第2の支持点、143 第2の支持点、144 スタッド、145 スタッド、146 スタッド、147 スタッド、148 壁、200 接続要素、300 接続アセンブリ、310 保持フレーム、311 開口部、312 固定要素、400 壁、410 壁開口部、E 挿入方向
【国際調査報告】