IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ファンナー・シュッツベクライドゥング・ゲーエムベーハーの特許一覧

特表2023-525377制限区域への立ち入りを警告するためのシステム
<>
  • 特表-制限区域への立ち入りを警告するためのシステム 図1
  • 特表-制限区域への立ち入りを警告するためのシステム 図2
  • 特表-制限区域への立ち入りを警告するためのシステム 図3
  • 特表-制限区域への立ち入りを警告するためのシステム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-15
(54)【発明の名称】制限区域への立ち入りを警告するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   G08B 13/18 20060101AFI20230608BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
G08B13/18
G08B25/10 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569493
(86)(22)【出願日】2021-04-21
(85)【翻訳文提出日】2022-11-15
(86)【国際出願番号】 EP2021060379
(87)【国際公開番号】W WO2021233636
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】102020113810.5
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513096082
【氏名又は名称】ファンナー・シュッツベクライドゥング・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Pfanner Schutzbekleidung GmbH
【住所又は居所原語表記】Herrschaftswiesen 11 6842 Koblach Austria
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファンナー、アントン
【テーマコード(参考)】
5C084
5C087
【Fターム(参考)】
5C084AA02
5C084AA07
5C084AA13
5C084DD31
5C084DD87
5C084FF02
5C084GG78
5C084HH01
5C084HH07
5C084HH10
5C087AA03
5C087AA11
5C087AA19
5C087AA31
5C087BB18
5C087DD03
5C087FF04
5C087FF23
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG10
5C087GG70
5C087GG80
(57)【要約】
本発明は、制限区域の境界を光学的に識別する少なくとも1つのモバイル型の通知ユニットと、セントラルユニットと、を含み、通知ユニットは、通知ユニットの環境内のオブジェクトの動きを検出する少なくとも1つのモーションセンサ、及び、モーションセンサが通知ユニットの環境内でオブジェクトの動きを検出した場合に、光学信号及び/または音響信号を出力するのに適した少なくとも1つの信号装置を有し、セントラルユニットは、少なくとも1つの通知ユニットから無線で送信された信号を受信した後にセントラルユニットのユーザに通知を出力するのに適している、警告システムに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
警告システムであって、
制限区域の境界を光学的に識別する少なくとも1つのモバイル型の通知ユニットと、
セントラルユニットと、を含み、
前記通知ユニットは、前記通知ユニットの環境内のオブジェクトの動きを検出する少なくとも1つのモーションセンサ、及び、前記モーションセンサが前記通知ユニットの前記環境内で前記オブジェクトの動きを検出した場合に、光学信号及び/または音響信号を出力するのに適した少なくとも1つの信号装置を有し、
前記セントラルユニットは、少なくとも1つの前記通知ユニットから無線で送信された信号を受信した後に前記セントラルユニットのユーザに通知を出力するのに適している、警告システム。
【請求項2】
前記通知ユニットは、前記オブジェクトが前記制限区域の前記境界を横断しているか、または横断したかどうかを検出することができ、かつ、前記オブジェクトが前記制限区域の前記境界を横断しているか、または横断した場合に、前記信号が変更可能である、請求項1に記載の警告システム。
【請求項3】
前記セントラルユニットは、前記ユーザの聴覚保護具内に配置された通信ユニットに接続可能であることにより、前記聴覚保護具を介して前記ユーザに前記通知を出力することができる、請求項1または2に記載の警告システム。
【請求項4】
前記セントラルユニットは、携帯電話であるか、または携帯電話に接続可能である、請求項1~3のいずれか1項に記載の警告システム。
【請求項5】
前記携帯電話は、前記通知ユニットの前記環境内で前記オブジェクトの動きが検出されたことを前記携帯電話のディスプレイ上に表示するアプリケーションを備えている請求項4に記載の警告システム。
【請求項6】
複数の前記通知ユニットを含み、前記セントラルユニットで出力される前記通知の種類は、どの通知ユニットが前記信号を送信したかに基づいて決定される、請求項1~5のいずれか1項に記載の警告システム。
【請求項7】
前記通知ユニットは、前記オブジェクトの少なくとも1つの特性を検出するのに適した識別モジュールを備えている、請求項1~6のいずれか1項に記載の警告システム。
【請求項8】
前記通知ユニットはカメラを備えている、請求項1~7のいずれか1項に記載の警告システム。
【請求項9】
前記通知ユニットはGPS受信機を備えている、請求項1~8のいずれか1項に記載の警告システム。
【請求項10】
前記通知ユニットは三脚及びチューブを備え、前記チューブが通知標識を取り付けるのに適し、前記チューブ内に柔軟な通知バナーを格納することができる、請求項1~9のいずれか1項に記載の警告システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、林業作業中の安全を支援するための警告システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、森林で伐採作業を行う場合、作業を行う場所を非常線によって十分に区切る必要がある。これは、特に、落下した枝や倒木によって無関係の人物が怪我をすることを防ぐためである。しかし、すべての人々が制限区域の非常線を常に注意しているとは限らず、立ち入り禁止であるにもかかわらず、人々が危険区域に入ってしまうことが想定される。人々が非常線を見落とし、この理由で危険にさらされることもある。
【0003】
したがって、制限区域への立ち入りを通知し、許可されていない人物による制限区域への立ち入りが行われそうであること、または既に行われたことを責任者に示すさらなる可能性を人々に提供することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、人々が制限区域に立ち入ることを確実に防止し、許可されていない人物が制限区域内に存在し得ることを責任者に示す警告システムを提供することである。
【0005】
この目的は、独立請求項の特徴によって達成される。
【0006】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0007】
本発明は、制限区域の境界を光学的に識別する少なくとも1つのモバイル型の通知ユニットと、セントラルユニットと、を含み、通知ユニットは、通知ユニットの環境内のオブジェクトの動きを検出する少なくとも1つのモーションセンサ、及び、モーションセンサが通知ユニットの環境内でオブジェクトの動きを検出した場合に、光学信号及び/または音響信号を出力するのに適した少なくとも1つの信号装置を有し、セントラルユニットは、少なくとも1つの通知ユニットから無線で送信された信号を受信した後にセントラルユニットのユーザに通知を出力するのに適している、警告システムに関する。言及されたオブジェクトとは、主に、人または人のグループである。ただし、オブジェクトは、動物、有人または無人の車両、有人または無人の航空機などの他の物体であってもよい。このため、特に、ある人物が意図せずに制限区域に立ち入ると、この人物は光学信号及び/または音響信号によって警告される。この人物は、その後引き下がる可能性が高い。並行して、制限区域への立ち入りが行われたことを示す信号が、長波無線などの無線によってセントラルユニットに転送される。同様に、人物が制限区域から離れたときに信号を出力することもできる。このシステムは、意図的な制限区域への侵入においても有効である。音響及び/または光学信号は、住宅建物に対する警報システムの効果に匹敵して、制限区域への意図的な侵入の試みを阻止するように抑止力を有し得る。ある人物が制限区域に侵入したことがセントラルユニットに信号によってさらに伝えられ、その後制限区域から退去していないことをセントラルユニットのユーザが確認した場合、危険な林業作業を一時的に中断することができ、その人物は、捜索され、これに基づいて安全な場所に連れて行かれる。信号装置を備えた警告システムが光学信号及び/または音響信号の出力に適している場合であっても、通知ユニットの環境内でオブジェクトの動きが検出されるが、信号が出力されないことが望ましいこともある。換言すれば、警告システムのユーザは、セントラルユニットに信号を送信することだけを望む可能性がある。この場合、通知ユニットに近づいた人物は、自分が検出されたことに気付かない。例えば、これは犯罪者を逮捕するときに役立つ。さらに、私的な領域では、邪魔な光信号または音響信号を通知ユニットの領域において生成するのは望ましくないことがある。通知ユニットはまた、通知ユニットによって保持されるサインまたはバナーが照明を備えるように、さらに発展させることができる。例えば、それらは、LEDボーダーによって照らされてもよい。これらのLEDボーダーは、常時ライトまたは点滅ライトとして動作してもよく、その動作モード(常時または点滅)は、オブジェクトが検出されたかどうかに依存する。通知ユニットの領域における光信号は、通知ユニットの構成要素の動き(例えば、サイン及び/またはバナーの動き)であってもよい。
【0008】
通知ユニットが、オブジェクトが制限区域の境界を横断しているか、または横断したかどうかを検出することができ、かつ、オブジェクトが制限区域の境界を横断しているか、または横断した場合に信号が変更可能であることは、特に有用である。したがって、通知ユニットに近づいている人物は、モーションセンサによって早期に警告され、制限区域への立ち入りがまったく起こらないようにすることができる。原則として、この場合、セントラルユニットへの信号送信は必ずしも必要ではない。人物が制限区域の境界を越えようとしているか、既に越えたことが確認されるとすぐに、セントラルユニットに信号を送信することは不可欠である。さらに、光学信号及び/または音響信号の種類を変更することにより、警告が存在するだけでなく、人物が現在制限区域に実際に存在し、その人物の命が危険にさらされているという事実の警告を発することができる。
【0009】
セントラルユニットが、ユーザの聴覚保護具内に配置された通信ユニットに接続可能であることにより、聴覚保護具を介してユーザに前記通知を出力することができることが有利である。セントラルユニットのユーザは、通常、単独で作業する林業労働者、他の林業労働者よりも優れている林業労働者、または、警告システムの操作及び使用という特別なタスクを担当する林業労働者である。林業作業中は聴覚保護具を着用することが多いので、それが単独の聴覚保護具であろうと、安全ヘルメットに接続された聴覚保護具であろうと、セントラルユニットによって受信される信号への注意をセントラルユニットのユーザに喚起することは困難である(すなわち、それが音響信号である場合)。これは、セントラルユニットによって起動可能な通信デバイスが聴覚保護具に装備されているという事実によって改善される。ユーザは、通信ユニットを使用し聴覚保護具を介して特別な信号を認識したり、「制限区域内に人物」などの音声メッセージを認識したりすることができる。セントラルユニットと聴覚保護具との通信装置との通信は、無線通信、好ましくはBluetooth(登録商標)を介して有効に行われる。Bluetooth(登録商標)対応の聴覚保護構成要素は既知であり、入手可能である。本発明は、一例として、主に林業作業を用いて説明されているが、多くの他の環境でも同様に使用することができる。例えば、建築現場への人物の侵入を防止または検出することが望ましい場合もある。例えば保健システムにおいて、他の保護区域に警告システムを提供することも同様に役立つ。
【0010】
好ましい実施形態では、セントラルユニットは、携帯電話であるか、または携帯電話に接続可能である。セントラルユニットの通信が聴覚保護具のBluetooth(登録商標)通信装置を用いることを考慮すると、Bluetooth(登録商標)通信のために携帯電話を使用することは容易であるので、利点は明らかである。
【0011】
携帯電話が、通知ユニットの環境においてオブジェクトの動きが検出されたことを携帯電話のディスプレイ上に表示するアプリケーションを備えていることも同様に有用である。したがって、携帯電話のアプリケーション(アプリ)は、制限区域内のすべてのイベントを表示し、制限区域で、どの時点において何が起こったかを後で再構築できるように、イベントを保存することもできる。
【0012】
別の有用な実施形態によれば、複数の通知ユニットが提供され、セントラルユニットで出力される通知の種類は、どの通知ユニットが信号を送信したかに基づいて決定される。これは、特に、広い制限区域において決定的な利点を提供する。これに基づいて、セントラルユニットのユーザは、どこから人が近づいてきたのかを知り、適切な措置を講じることができる。
【0013】
さらに、通知ユニットが、オブジェクトの少なくとも1つの特性を検出するのに適した識別モジュールを備えていることが有用である。例えば、オブジェクトの特性は、制限区域への立ち入りの権限であってもよい。例えば、林業労働者は、識別モジュールによって通知ユニットに登録されるRFIDチップを装備することができる。この場合、RFIDチップによって識別された林業労働者は、制限区域内での移動及び行動の仕方を知っていると想定されるので、警告を抑制することができる。警告が発生しなくても、セントラルユニットに信号が送信されるようにしてもよい。携帯電話のディスプレイには、「制限区域内に人物」ではなく、「制限区域内に許可された人物」というメッセージが表示される。この場合、セントラルユニットのユーザは何もする必要がない。識別モジュールはまた、制限区域に入ったのが許可された人物である可能性があることを実際に検出できるように、顔検出のための装置を備えることもできる。逆に、特定の人物が「特別待遇」を受けることもできる。セントラルユニットのユーザが、特定の人物が制限区域に入ったという事実を警告したい場合、これらの人物の顔検出機能により、セントラルユニットで特別なメッセージ(例えば、「森林官が制限区域に入りました」)が表示されてもよい。識別モジュールはまた、体温検出モジュールであってもよいし、体温検出モジュールを含んでいてもよい。したがって、通知ユニットは、体温が正常な人物に対しては、体温が高い人物とは別の方法で反応する。これは、感染制御、すなわち、体温が高いことが多い感染者による制限区域への立ち入りを避ける必要がある場合に役立つ。例えば、体温が正常な人物に対しては、セントラルユニットへのメッセージの出力を抑制することができる。あるいは、「感染していない人物が制限区域に入ります」などのメッセージがセントラルユニットに出力される。しかし、体温が高い人物の場合は、セントラルユニットで「感染の可能性がある人物が制限区域に入ります」などのメッセージを出力することができる。体温が正常な人物の場合には、通知ユニットでの光学信号及び/または音響信号の出力は省略されてもよい。しかし、体温が高い人物の場合には、通知ユニットでこのような信号出力が発生する。ただし、特にデータ保護の理由から、感染の可能性のある人物の場合に、通知ユニットで信号を出力しないことが適切な場合もある。通知ユニットの識別モジュールは、通知ユニットに近づく人物が所持する携帯電話または別の装置のアプリケーションと協働するのにも適している。例えば、アプリケーションまたは装置は、感染していることがわかっている人物の近くに対象の人物がいたかどうかを保存していることがある。これに基づいて、異なる反応が再び発生してもよい。体温の検出に関しては、セントラルユニットで異なるメッセージが出力されてもよい。体温の検出と同様に、通知ユニットで異なる信号を出力することもでき、出力を行わないこともできる。
【0014】
通知ユニットがカメラを備えていてもよい。これにより、通知ユニットの環境内で何が起きているかを記録することができる。識別モジュールの環境内にいる人物が、制限区域に立ち入る権限があるかどうかの詳細を光学情報が提供するので、カメラは識別モジュールとして機能してもよい。カメラのさらなるアプリケーションは、制限区域に存在する他の問題に関連している。森林や建設現場での作業は、多くの場合、数日、数週間、または数か月かかる。当然のことながら、作業が停止したときにすべての工具や機械をその場所から常に撤去することは不可能であるので、工具や機械は作業場所に放置されたままになる。工具や機械の近くに通報ユニットを配置すれば、カメラを用いて盗難や破壊行為が発生したかどうかを検出することができる。そのようなカメラは、代替的または追加的に、赤外線カメラであってもよい。このカメラを使用すると、システムは暗闇でも機能する。さらに、赤外線カメラは、保健システムにおいて特に有用な方法で、警告システムを使用することができるという利点を提供する。例えば、伝染病に関連して、感染者が特定の閉鎖区域への立ち入りを許可されることは絶対に避けなければならないという事実を考えると、赤外線カメラは、その人が高い体温または高熱を有する可能性があるかどうかに関する情報を提供することができる。それに応じて、特別な措置を講じることができる。
【0015】
これに関連して、通知ユニットがGPS受信機を備えていることが特に有用である。GPS受信機は、カメラによって異常なイベントが記録されたときに、確実にアクティブにされる。この場合、ユーザは、例えば携帯電話によって、異常な、かつ、おそらく防止可能なイベントが発生した場所を知ることもできる。GPSシステムは、事故が発生した場合に位置特定を非常に容易にするか、そもそも位置特定を可能にするので、緊急応答者に対する警告に関して、特に有用である。GPSシステムは、純粋な衛星システムであってもよい。地上型のGPS信号を使用することもできる。
【0016】
さらに、本発明による警告システムは、通知ユニットが三脚及びチューブを備え、チューブが通知標識を取り付けるのに適し、チューブ内に柔軟な通知バナーを格納することができるという点において、特に有利である。様々な国に、制限区域、特に森林の制限区域を遮断するための様々な規制がある。たとえば、オーストリアでは標識を使用するのが一般的であるが、ドイツでは柔軟なバナーが使用される。本発明による警告システムは、標識がチューブに取り付けられているか、または取り付け可能である一方で、柔軟な通知バナーがチューブ内に常に格納され、制限区域の境界を標示するべく掲示することができる。現在の規制または規制の改正に応じて、本発明による警告システムを、柔軟な方法でさらに発展させることができる。人物が制限区域に立ち入り、これに関連して警告及び/または検出を行う必要がある場合に、常に有用な方法で使用することができる。
【0017】
以下、例示として添付の図面を参照し本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】制限区域と、本発明による警告システムとを含む森林の上面図。
図2】警告システムのユーザの機器を示す図。
図3】通知ユニットの機能構造の概略図。
図4】通知ユニットの構造特性の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、制限区域と、本発明による警告システムとを含む森林の上面図である。多数の木48を含む森林地帯が示されている。この森林地帯の一部は制限区域14として識別され、制限区域14は境界12によって囲まれている。前記境界12または前記境界12の近くには、いくつかの通知ユニット10が配置されている。この例では、通知ユニットは境界12の隅に配置されている。しかし、これは必須ではない。境界12の直線部分に通知ユニットを追加で配置することも可能である。さらに、制限区域14の隅に通知ユニットを配置することは必ずしも必要ではない。重要なことは、境界12の長さに対して、十分な数の通知ユニット10が配置されていることである。この例では、それぞれの通知ユニット10は、音響信号を出力するための音響信号装置20(例えばスピーカ)、及び、光信号を出力するための光信号装置22(例えばLED)を有する。音響信号装置及び光信号装置の両方が提供される必要はない。通知ユニット10は、上記の信号装置のうちの1つのみで管理することもできる。制限区域14内には、セントラルユニット24のユーザ26及びセントラルユニット自体も存在する。オブジェクト18(特に、人物)が通知ユニット10に近づくとすぐに、通知ユニット10は音響信号及び/または光信号を発する。同時に、例えば長波範囲内で、信号がセントラルユニット24に転送される。このようにして、セントラルユニット24のユーザ26は、オブジェクト18が制限区域に近づいている、制限区域14の境界12を横切っている、または制限区域14の境界12をすでに横切ったという事実を知らされる。セントラルユニット24のユーザ26に与えられる通知は、オブジェクト18が制限区域14に立ち入ることが許可されている物体であるか、または許可されていない物体であるかどうかに関する情報を含む。さらに、セントラルユニット24のユーザ26は、どの通知ユニット10がオブジェクト18を検出したかという事実を知ることができる。
【0020】
図2は、警告システムのユーザの機器を示す。この好ましいケースでは、セントラルユニット24は市販のBluetooth(登録商標)対応の携帯電話32である。セントラルユニット24及び携帯電話32のユーザ26は、通信ユニット28を有する聴覚保護具30を着用する。好ましくは、この通信ユニット28もBluetooth(登録商標)対応である。したがって、携帯電話32は、聴覚保護具30を着用しているユーザ26に、通知ユニットのうちの1つの応答を介して音響信号または音響メッセージを供給することができる。同時に、または代替的に、携帯電話32のディスプレイ上に、現在何が起きているのか、またはいつ何が起きたのかをより詳細に示す情報を表示することができる。
【0021】
図3は、通知ユニットの機能構造の概略図である。主要な機能構成要素を含む通知ユニット10が示されている。中央制御ユニット(制御ユニット50)は、音響信号装置20及び光信号装置22に接続されている。さらに、通知ユニット10の環境内のオブジェクトを検出するモーションセンサ16が制御ユニットに接続されている。別の構成要素として、通知ユニット10は識別モジュール34を含む。識別モジュール34は、例えば、制限区域への立ち入りが許可されているオブジェクトと、制限区域への立ち入りが許可されていないオブジェクトとを、それらの特性によって区別することができる。通知ユニット10は、制御ユニット50にも接続されたカメラ36も含むことができる。通知ユニット10に関連して制御ユニット50に接続され得る別の構成要素は、GPSセンサ38である。このセンサは、任意の時間に通知ユニット10の位置を判定するために使用され得る。さらに、制御ユニット50は送信機52と接続されている。前記送信機52を介して、通知ユニットはセントラルユニットと通信する。送信機52に加えて、例えば、通知ユニット10の音響信号及び/または光信号をセントラルユニットによって停止または防止することができるように、受信機を設けることもできる。受信機は図示されていない。送信機52及び受信機の代わりに、送信及び受信の両方のタスクを引き受けるトランシーバを設けることもできる。
【0022】
図4は、通知ユニットの構造特性の概略図である。三脚40は、通知サイン44などの通知標識を取り付けることができるチューブ42を支持している。通知標識は、通知ユニット10に近づく人物に対して制限区域に入ることを警告する。チューブ42の内部にはバナー46を格納することができ、バナー46も通知ユニット10によって掲示することができる。したがって、制限区域のさらに広範な通知を提供することができる。
【0023】
上記の説明、図面、及び特許請求の範囲に開示された本発明の特徴は、個別の特徴としても任意の特徴の組み合わせとしても本発明の実施において重要であり得る。
【符号の説明】
【0024】
10 通知ユニット
12 境界
14 制限区域
16 モーションセンサ
18 オブジェクト
20 光信号装置
22 音響信号装置
24 セントラルユニット
26 ユーザ
28 通信ユニット
30 聴覚保護具
32 携帯電話
34 識別モジュール
36 カメラ
38 GPS受信機
40 三脚
42 チューブ
44 通知サイン
46 通知バナー
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】