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特表2023-525381カスケード型マルチポートコンバータ及び三相中電圧入力システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-15
(54)【発明の名称】カスケード型マルチポートコンバータ及び三相中電圧入力システム
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20230608BHJP
   H02M 7/49 20070101ALI20230608BHJP
【FI】
H02M3/28 U
H02M7/49
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569565
(86)(22)【出願日】2021-09-06
(85)【翻訳文提出日】2022-11-15
(86)【国際出願番号】 CN2021116649
(87)【国際公開番号】W WO2022068530
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】202011060759.0
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515249628
【氏名又は名称】サングロー パワー サプライ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ジュアン ジアツァイ
(72)【発明者】
【氏名】シュー ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ドン ユエ
【テーマコード(参考)】
5H730
5H770
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730AA15
5H730AS01
5H730BB27
5H730BB57
5H730BB66
5H730BB81
5H730CC05
5H730DD03
5H730DD16
5H730EE07
5H730EE13
5H730EE73
5H730ZZ04
5H730ZZ16
5H770DA03
5H770DA23
5H770DA41
5H770DA44
5H770QA25
(57)【要約】
本出願は、カスケード型マルチポートコンバータ及び三相中電圧入力システムを開示している。
各高圧変換ユニットの入力端はカスケード型マルチポートコンバータの入力端の両ポートの間にカスケードされ、多重巻線トランスの一次巻線は対応する高圧変換ユニットの出力端に接続され、各多重巻線トランスの二次巻線は対応する低圧整流ユニットの入力端に接続され、一部の低圧整流ユニットの出力端はバスバーを共有するように接続され、他の一部の低圧整流ユニットは独立して出力することで、対応する多重巻線トランスには何れも、他の各前記多重巻線トランスの対応する二次巻線と間接的な接続関係がある少なくとも1つの二次巻線が存在し、バスバーを共有するように接続される低圧整流ユニットが接続された各多重巻線トランスにおける少なくとも1つには、間接的な接続関係がない少なくとも1つの二次巻線が存在し、これによって、対応するモジュールユニットの間の電力のバランスを取り、カスケード型マルチポートコンバータの安全性を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスケード型マルチポートコンバータであって、複数のモジュールユニットと複数の低圧整流ユニットとを含み、前記モジュールユニットは少なくとも1つの多重巻線トランスと少なくとも1つの高圧変換ユニットとを含み、
各前記高圧変換ユニットの入力端は前記カスケード型マルチポートコンバータの入力端の両ポートの間にカスケードされ、
前記モジュールユニットにおいて、前記多重巻線トランスの一次巻線は対応する前記高圧変換ユニットの出力端に接続され、前記多重巻線トランスの二次巻線は対応する前記低圧整流ユニットの対応する入力端に接続され、
一部の前記低圧整流ユニットの出力端はバスバーを共有するように接続されることで、バスバーを共有するように接続される低圧整流ユニットが接続された各前記多重巻線トランスには何れも、間接的にバスバーを共有するように接続される少なくとも1つの前記二次巻線が存在し、且つ少なくとも1つの対応前記多重巻線トランスには、独立して出力する少なくとも1つの前記二次巻線が存在することを特徴とするカスケード型マルチポートコンバータ。
【請求項2】
バスバーを共有するように接続される低圧整流ユニットが接続された各多重巻線トランスには何れも、対応する低圧整流ユニットによって独立して出力する少なくとも1つの二次巻線が存在するか、又は、
バスバーを共有するように接続される低圧整流ユニットが接続された各多重巻線トランスには、少なくとも1つのモジュールユニットがさらに存在し、その内部の二次巻線が何れも他の対応する二次巻線との間接的なバスバー共有接続を実現することを特徴とする請求項1に記載のカスケード型マルチポートコンバータ。
【請求項3】
バスバーを共有するように接続される各前記低圧整流ユニットはさらに共通バスバーによって外部電源に接続されることを特徴とする請求項1に記載のカスケード型マルチポートコンバータ。
【請求項4】
少なくとも1つの追加の冗長モジュールユニットをさらに含み、
前記冗長モジュールユニット内の各二次巻線は何れも対応する低圧整流ユニットによって独立して出力することを特徴とする請求項1に記載のカスケード型マルチポートコンバータ。
【請求項5】
前記低圧整流ユニットの数は全ての前記二次巻線の総数に等しく、各前記二次巻線は各前記低圧整流ユニットの入力端に一々対応するように接続されることを特徴とする請求項1に記載のカスケード型マルチポートコンバータ。
【請求項6】
前記低圧整流ユニットの数は全ての前記二次巻線の総数より小さく、複数の独立の前記二次巻線は同一の前記低圧整流ユニットを共有していることを特徴とする請求項1に記載のカスケード型マルチポートコンバータ。
【請求項7】
複数の独立の前記二次巻線は、異なる前記多重巻線トランスの二次巻線、及び/又は、同一の前記多重巻線トランスにおける、異なる磁気カラムでの二次巻線を含むことを特徴とする請求項6に記載のカスケード型マルチポートコンバータ。
【請求項8】
複数の独立の前記二次巻線は、共有される前記低圧整流ユニットの入力端に直列接続されるか、又は、共有される前記低圧整流ユニットの入力端に並列接続されることを特徴とする請求項6に記載のカスケード型マルチポートコンバータ。
【請求項9】
複数のマルチポート多重化ユニットをさらに含み、
前記マルチポート多重化ユニットの各入力端は異なる低圧整流ユニットの対応する出力端にそれぞれ接続されることを特徴とする請求項1~8の何れか1つに記載のカスケード型マルチポートコンバータ。
【請求項10】
前記マルチポート多重化ユニットはマルチ入力結合ブランチ、又は、マルチ入力結合ブランチ及びその後段のコンバータを含むことを特徴とする請求項9に記載のカスケード型マルチポートコンバータ。
【請求項11】
前記マルチ入力結合ブランチは、マルチ入力直列接続構造、マルチ入力並列接続構造及びマルチ入力直並列接続切替構造のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項10に記載のカスケード型マルチポートコンバータ。
【請求項12】
前記マルチポート多重化ユニットはマルチ入力結合ブランチ、及びその後段のコンバータを含み、前記マルチ入力結合ブランチは前記マルチ入力直並列接続切替構造を含む場合、
前記マルチ入力直並列接続切替構造におけるスイッチは何れも双方向スイッチであることを特徴とする請求項11に記載のカスケード型マルチポートコンバータ。
【請求項13】
前記コンバータが一方向コンバータであると、前記マルチ入力直並列接続切替構造において、入力端の正極又は負極に接続される双方向スイッチは、ダイオードで代替されることを特徴とする請求項12に記載のカスケード型マルチポートコンバータ。
【請求項14】
各前記モジュールユニットの入力端はカスケードされ、カスケードされた両端は前記カスケード型マルチポートコンバータの入力端の両ポートとして機能し、
前記モジュールユニットにおける前記高圧変換ユニットが1つである場合、前記高圧変換ユニットの入力端は前記モジュールユニットの入力端の両ポートとし機能し、前記モジュールユニットにおける前記高圧変換ユニットが1つより多い場合、各前記高圧変換ユニットの入力端はカスケードされ、カスケードされた両端は前記モジュールユニットの入力端の両ポートとして機能することを特徴とする請求項1~8の何れか1つに記載のカスケード型マルチポートコンバータ。
【請求項15】
前記高圧変換ユニットはDC/ACコンバータと第1AC/DCコンバータとを含み、
前記第1AC/DCコンバータの交流側は前記高圧変換ユニットの入力端として機能し、
前記第1AC/DCコンバータの直流側は前記DC/ACコンバータの直流側に接続され、
前記DC/ACコンバータの交流側は前記高圧変換ユニットの出力端として機能することを特徴とする請求項1~8の何れか1つに記載のカスケード型マルチポートコンバータ。
【請求項16】
前記第1AC/DCコンバータはフルブリッジ型構造又はハーフブリッジ型構造であることを特徴とする請求項15に記載のカスケード型マルチポートコンバータ。
【請求項17】
前記低圧整流ユニットは第2AC/DCコンバータを含み、
前記第2AC/DCコンバータの交流側は前記低圧整流ユニットの入力端として機能し、
前記第2AC/DCコンバータの直流側は前記低圧整流ユニットの出力端として機能することを特徴とする請求項15に記載のカスケード型マルチポートコンバータ。
【請求項18】
対応する巻線によって、前記DC/ACコンバータと前記第2AC/DCコンバータとからなる構造は、デュアルアクティブブリッジ構造、LLC構造及CLLC構造のうちの任意の1つであることを特徴とする請求項17に記載のカスケード型マルチポートコンバータ。
【請求項19】
三相中電圧入力システムであって、3つの相ユニットを含み、前記相ユニットはインダクタと、請求項1~18の何れか1つに記載のカスケード型マルチポートコンバータとを含み、
各前記相ユニットの入力端の先端は中電圧グリッドに接続され、
各前記相ユニットの入力端の尾端は接続され、
前記相ユニットにおいて、前記カスケード型マルチポートコンバータの入力端の先端は前記インダクタの一端に接続され、前記インダクタの他端は前記相ユニットの入力端の先端として機能し、前記カスケード型マルチポートコンバータの入力端の尾端は前記相ユニットの入力端の尾端として機能することを特徴とする三相中電圧入力システム。
【請求項20】
三相中電圧入力システムであって、MMCコンバータと、N個の直流変換ユニットとを含み、前記直流変換ユニットはインダクタと、請求項1~18の何れか1つに記載のカスケード型マルチポートコンバータとを含み、Nは正の整数であり、
各前記直流変換ユニットの入力端の先端は前記MMCコンバータの直流側の正極に接続され、
各前記直流変換ユニットの入力端の尾端は前記MMCコンバータの直流側の負極に接続され、
前記MMCコンバータの交流側は中電圧グリッドに接続され、
前記直流変換ユニットにおいて、前記カスケード型マルチポートコンバータの入力端の先端は前記インダクタの一端に接続され、前記インダクタの他端は前記直流変換ユニットの入力端の先端として機能し、前記カスケード型マルチポートコンバータの入力端の尾端は前記直流変換ユニットの入力端の尾端として機能し、
前記直流変換ユニットにおいて、前記カスケード型マルチポートコンバータの第1AC/DCコンバータは2本の直通リード線で代替されることを特徴とする三相中電圧入力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年09月30日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202011060759.0であり、発明の名称が「カスケード型マルチポートコンバータ及び三相中電圧入力システム」である中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容が本出願に援用される。
【0002】
本出願は、パワーエレクトロニクスの技術分野に関して、より具体的に、特にカスケード型マルチポートコンバータ及び三相中電圧入力システムに関する。
【背景技術】
【0003】
伝統の直流充電パイルは一般的に、電力周波数降圧トランスを使用して中電圧を商用電源電圧、例えば、中国の380Vに低減させてから、電源モジュールによって、商用電源電圧を、電気自動車が使用可能な直流電圧、例えば、200~1000Vdcに変換することで、電気自動車に充電し、図1に示すように、電力周波数トランスの一次巻線は一次側高圧電源に接続され、電力周波数トランスの二次巻線は各直流充電パイルモジュールの交流側にそれぞれ接続され、各々直流充電パイルモジュールの直流側(図1のVout1、Vout2……Voutn)は電源モジュールの充電口に接続される。安全規定のニーズのため、複数台の自動車の同時充電を許可する場合、電源モジュールの入力、出力の間は絶縁される必要があるため、各直流充電パイルモジュールの前段に当該電力周波数トランスが設けられる必要があるだけでなく、当該直流充電パイルモジュールにおいて、AC/DCコンバータ(図1のA/D)の後段にも絶縁型DC/DCコンバータ(図1の絶縁D/D)がさらに設けられる必要があり、これによって、当該解決策には、夜間の自損失、体積が大きいなどの欠陥が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、カスケード型パワーエレクトロニクストランスを使用する解決策を提出し、図2に示すように、各々モジュール(図2のモジュール1、モジュール2……モジュールm)は、第1AC/DCコンバータ(図2のA/D―P1、A/D―P1……A/D―Pm)、DC/ACコンバータ(図2のD/A―P1、D/A―P1……D/A―Pm)、トランス及び第2AC/DCコンバータ(図2のA/D―S12、A/D―S22……A/D―Sm2)を含み、各モジュールの出力端は直流バスバーとして並列接続されてから、各絶縁型DC/DCコンバータ(図2の絶縁型DC/DC1、絶縁型DC/DC2……絶縁型DC/DCn)によって電源モジュールの充電口に接続され、本解決策において、各カスケードモジュールの間の電力がアンバランスであるため、カスケードモジュールがロードされるバスバー電圧の基準超過を招致し、システムを損傷させる可能性がある。
【0005】
これに鑑みると、対応するモジュールユニットの間の電力バランスを取り、カスケード型マルチポートコンバータの安全性を高めるために、本出願の実施例はカスケード型マルチポートコンバータ及び三相中電圧入力システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、カスケード型マルチポートコンバータを開示し、複数のモジュールユニットと複数の低圧整流ユニットとを含み、前記モジュールユニットは少なくとも1つの多重巻線トランスと少なくとも1つの高圧変換ユニットとを含み、
各前記高圧変換ユニットの入力端は前記カスケード型マルチポートコンバータの入力端の両ポートの間にカスケードされ、
前記モジュールユニットにおいて、前記多重巻線トランスの一次巻線は対応する前記高圧変換ユニットの出力端に接続され、前記多重巻線トランスの二次巻線は対応する前記低圧整流ユニットの対応する入力端に接続され、
一部の前記低圧整流ユニットの出力端はバスバーを共有するように接続されることで、バスバーを共有するように接続される低圧整流ユニットが接続された各前記多重巻線トランスには何れも、間接的にバスバーを共有するように接続される少なくとも1つの前記二次巻線が存在し、少なくとも1つの対応前記多重巻線トランスには、独立して出力する少なくとも1つの前記二次巻線が存在する。
【0007】
好ましくは、バスバーを共有するように接続される低圧整流ユニットが接続された各多重巻線トランスには何れも、対応する低圧整流ユニットによって独立して出力する少なくとも1つの二次巻線が存在するか、又は、
バスバーを共有するように接続される低圧整流ユニットが接続された各多重巻線トランスには、内部の二次巻線が何れも他の対応する二次巻線との間接的なバスバー共有接続を実現する少なくとも1つのモジュールユニットがさらに存在する。
【0008】
好ましくは、バスバーを共有するように接続される各前記低圧整流ユニットはさらに共通バスバーによって外部電源に接続される。
【0009】
好ましくは、少なくとも1つの追加の冗長モジュールユニットをさらに含み、
前記冗長モジュールユニット内の各二次巻線は何れも対応する低圧整流ユニットによって独立して出力する。
【0010】
好ましくは、前記低圧整流ユニットの数は全ての前記二次巻線の総数に等しく、各前記二次巻線は各前記低圧整流ユニットの入力端に一々対応するように接続される。
【0011】
好ましくは、前記低圧整流ユニットの数は全ての前記二次巻線の総数より小さく、複数の独立の前記二次巻線は同一の前記低圧整流ユニットを共有している。
【0012】
好ましくは、複数の独立の前記二次巻線は、異なる前記多重巻線トランスの二次巻線、及び/又は、同一の前記多重巻線トランスにおける、異なる磁気カラムでの二次巻線を含む。
【0013】
好ましくは、複数の独立の前記二次巻線は、共有される前記低圧整流ユニットの入力端に直列接続されるか、又は、共有される前記低圧整流ユニットの入力端に並列接続される。
【0014】
好ましくは、複数のマルチポート多重化ユニットをさらに含み、
前記マルチポート多重化ユニットの各入力端は異なる低圧整流ユニットの対応する出力端にそれぞれ接続される。
【0015】
好ましくは、前記マルチポート多重化ユニットはマルチ入力結合ブランチ、又は、マルチ入力結合ブランチ及びその後段のコンバータを含む。
【0016】
好ましくは、前記マルチ入力結合ブランチは、マルチ入力直列接続構造、マルチ入力並列接続構造及びマルチ入力直並列接続切替構造のうちの少なくとも1つである。
【0017】
好ましくは、前記マルチポート多重化ユニットはマルチ入力結合ブランチ、及びその後段のコンバータを含み、前記マルチ入力結合ブランチは前記マルチ入力直並列接続切替構造を含む場合、
前記マルチ入力直並列接続切替構造におけるスイッチは何れも双方向スイッチである。
【0018】
好ましくは、前記コンバータは一方向コンバータであると、前記マルチ入力直並列接続切替構造において、入力端の正極又は負極に接続される双方向スイッチは、ダイオードで代替される。
【0019】
好ましくは、各前記モジュールユニットの入力端はカスケードされ、カスケードされた両端は前記カスケード型マルチポートコンバータの入力端の両ポートとして機能し、
前記モジュールユニットにおける前記高圧変換ユニットは1つである場合、前記高圧変換ユニットの入力端は前記モジュールユニットの入力端の両ポートとし機能し、前記モジュールユニットにおける前記高圧変換ユニットは1つ以上である場合、各前記高圧変換ユニットの入力端はカスケードされ、カスケードされた両端は前記モジュールユニットの入力端の両ポートとして機能する。
【0020】
好ましく、前記高圧変換ユニットはDC/ACコンバータと第1AC/DCコンバータとを含み、
前記第1AC/DCコンバータの交流側は前記高圧変換ユニットの入力端として機能し、
前記第1AC/DCコンバータの直流側は前記DC/ACコンバータの直流側に接続され、
前記DC/ACコンバータの交流側は前記高圧変換ユニットの出力端として機能する。
【0021】
好ましく、前記第1AC/DCコンバータはフルブリッジ型構造又はハーフブリッジ型構造である。
【0022】
好ましく、前記低圧整流ユニットは第2AC/DCコンバータを含み、
前記第2AC/DCコンバータの交流側は前記低圧整流ユニットの入力端として機能し、
前記第2AC/DCコンバータの直流側は前記低圧整流ユニットの出力端として機能する。
【0023】
好ましく、対応する巻線によって、前記DC/ACコンバータと前記第2AC/DCコンバータとからなる構造は、デュアルアクティブブリッジ構造、LLC構造及CLLC構造のうちの任意の1つである。
【0024】
本発明の第2態様は三相中電圧入力システムを開示し、3つの相ユニットを含み、前記相ユニットはインダクタと、本発明の第1態様の何れか1つに記載のカスケード型マルチポートコンバータとを含み、
各前記相ユニットの入力端の先端は中電圧グリッドに接続され、
各前記相ユニットの入力端の尾端は接続され、
前記相ユニットにおいて、前記カスケード型マルチポートコンバータの入力端の先端は前記インダクタの一端に接続され、前記インダクタの他端は前記相ユニットの入力端の先端として機能し、前記カスケード型マルチポートコンバータの入力端の尾端は前記相ユニットの入力端の尾端として機能する。
【0025】
本発明の第3態様は三相中電圧入力システムを開示し、MMCコンバータと、N個の直流変換ユニットとを含み、前記直流変換ユニットはインダクタと、本発明の第1態様の何れか1つに記載のカスケード型マルチポートコンバータとを含み、Nは正の整数であり、
各前記直流変換ユニットの入力端の先端は前記MMCコンバータの直流側の正極に接続され、
各前記直流変換ユニットの入力端の尾端は前記MMCコンバータの直流側の負極に接続され、
前記MMCコンバータの交流側は中電圧グリッドに接続され、
前記直流変換ユニットにおいて、前記カスケード型マルチポートコンバータの入力端の先端は前記インダクタの一端に接続され、前記インダクタの他端は前記直流変換ユニットの入力端の先端として機能し、前記カスケード型マルチポートコンバータの入力端の尾端は前記直流変換ユニットの入力端の尾端として機能し、
前記直流変換ユニットにおいて、前記カスケード型マルチポートコンバータの第1AC/DCコンバータは2本の直通リード線で代替される。
【発明の効果】
【0026】
上記技術解決策から分かるように、本発明が提供するカスケード型マルチポートコンバータにおいて、各高圧変換ユニットの入力端はカスケード型マルチポートコンバータの入力端の両ポートの間にカスケードされ、モジュールユニットにおいて、多重巻線トランスの一次巻線は対応する高圧変換ユニットの出力端に接続され、多重巻線トランスの二次巻線は対応する低圧整流ユニットの対応する入力端に接続され、一部の低圧整流ユニットは独立して出力し、他の一部の低圧整流ユニットの出力端はバスバーを共有するように接続されることで、バスバーを共有するように接続される低圧整流ユニットが接続された多重巻線トランスには何れも、他の各多重巻線トランスにおける対応する二次巻線とが間接的な接続関係がある少なくとも1つの二次巻線が存在し、バスバーを共有するように接続される低圧整流ユニットが接続された各多重巻線トランスの少なくとも1つには、間接的な接続関係がない少なくとも1つの二次巻線が存在し、これによって、対応するモジュールユニットの間の電力がバランスになり、電力のアンバランスによって、高圧変換ユニットが負荷されるバスバー電圧が基準を超過して、システムを損傷させるという問題を避け、カスケード型マルチポートコンバータの安全性を向上させる。
本出願の実施例又は従来技術の技術的解決策を明らかに説明するために、以下は実施例又は従来技術の記載の必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の記載の図面は本出願のいくつかの実施例のみであり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしないことを前提として、これらの図面に示される構造に基づいて、他の図面を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来技術の実施例が提供する電源モジュールの模式図である。
図2】従来技術の実施例が提供する別の電源モジュールの模式図である。
図3】本発明の実施例が提供するカスケード型マルチポートコンバータの模式図である。
図4】本発明の実施例が提供する別のカスケード型マルチポートコンバータの模式図である。
図5】本発明の実施例が提供する別のカスケード型マルチポートコンバータの模式図である。
図6】本発明の実施例が提供する別のカスケード型マルチポートコンバータの模式図である。
図7a】2つの独立の二次巻線と低圧整流ユニットとの接続の模式図である。
図7b】2つの独立の二次巻線と低圧整流ユニットとの接続の模式図である。
図8a】本発明の実施例が提供する別のカスケード型マルチポートコンバータの模式図である。
図8b】本発明の実施例が提供する別のカスケード型マルチポートコンバータの模式図である。
図8c】本発明の実施例が提供する別のカスケード型マルチポートコンバータの模式図である。
図8d】本発明の実施例が提供する別のカスケード型マルチポートコンバータの模式図である。
図9a】本発明の実施例が提供する別のカスケード型マルチポートコンバータにおける第1AC/DCコンバータの模式図である。
図9b】本発明の実施例が提供する別のカスケード型マルチポートコンバータにおける第1AC/DCコンバータの模式図である。
図9c】本発明の実施例が提供する別のカスケード型マルチポートコンバータにおける第1AC/DCコンバータの模式図である。
図10a】本発明の実施例が提供するカスケード型マルチポートコンバータにおける第2AC/DCコンバータ、DC/ACコンバータの構造模式図である。
図10b】本発明の実施例が提供するカスケード型マルチポートコンバータにおける第2AC/DCコンバータ、DC/ACコンバータの構造模式図である。
図10c】本発明の実施例が提供するカスケード型マルチポートコンバータにおける第2AC/DCコンバータ、DC/ACコンバータの構造模式図である。
図11a】本発明の実施例が提供するカスケード型マルチポートコンバータにおけるマルチポート多重化ユニットの模式図である。
図11b】本発明の実施例が提供するカスケード型マルチポートコンバータにおけるマルチポート多重化ユニットの模式図である。
図11c】本発明の実施例が提供するカスケード型マルチポートコンバータにおけるマルチポート多重化ユニットの模式図である。
図11d】本発明の実施例が提供するカスケード型マルチポートコンバータにおけるマルチポート多重化ユニットの模式図である。
図11e】本発明の実施例が提供するカスケード型マルチポートコンバータにおけるマルチポート多重化ユニットの模式図である。
図11f】本発明の実施例が提供するカスケード型マルチポートコンバータにおけるマルチポート多重化ユニットの模式図である。
図12a】本発明の実施例が提供するカスケード型マルチポートコンバータにおける、別のマルチポート多重化ユニットの模式図である。
図12b】本発明の実施例が提供するカスケード型マルチポートコンバータにおける、別のマルチポート多重化ユニットの模式図である。
図12c】本発明の実施例が提供するカスケード型マルチポートコンバータにおける、別のマルチポート多重化ユニットの模式図である。
図13】本発明の実施例が提供する三相中電圧入力システムの模式図である。
図14】本発明の実施例が提供する別の三相中電圧入力システムの模式図である。
図15】本発明の実施例が提供する別のカスケード型マルチポートコンバータの模式図である。
図16a】本発明の実施例が提供する別のカスケード型マルチポートコンバータの模式図である。
図16b】本発明の実施例が提供する別のカスケード型マルチポートコンバータの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施例の目的、技術的解決策及び利点をより明らかにするために、以下、本発明の実施例の図面を結合して、本発明の実施例の技術的解決策を明らか且つ完全に記載し、明らかに、記載の実施例は全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例である。本発明の実施例に基づいて、当業者は進歩性に値する労働をしないことを前提として、取得した他の全ての実施例は、何れも本発明の保護範囲に該当する。
【0029】
本出願において、用語である「含む」「包含」又はその他の任意の変形は非排他的包含を含むように意図され、それにより、一連の要素を含む過程、方法、品物又は機器はそれらの要素を含むだけでなく、更に明確に列挙されていない他の要素を含み、或いは、更にこのような過程、方法、品物又は設備の固有の要素を含む。より多く限定しない限り、語句「○○を含む」で限定された要素は、該要素を含む過程、方法、品物又は設備には更に他の同じ要素があることを排除しない。
【0030】
従来技術において、カスケードモジュールの数が多いため、コンバータの体積、重量及びコストを増やすという問題を解決するために、本発明の実施例はカスケード型マルチポートコンバータを提供する。
【0031】
図3及び図8aを参照して、当該カスケード型マルチポートコンバータは複数のモジュールユニット(図3及び図8aのモジュール1~モジュールm)、及び複数の低圧整流ユニット(図3及び図8aのA/D―S11~A/D―S1n、A/D―S21~A/D―S2n、及びA/D―Sm1~A/D―Smn)を含み、モジュールユニットは少なくとも1つの多重巻線トランス及び少なくとも1つの高圧変換ユニットを含む(1つの高圧変換ユニットを例として、そのモジュール1は、図3のA/D―P11及びD/A―P11、又は8aのA/D―P1及びD/A―P1を含み、他のモジュールユニットはこれに類似する)。
【0032】
各モジュールユニットの入力端はカスケードされ、カスケードされた両端はカスケード型マルチポートコンバータの入力端の両ポートとして機能し、具体的に、図3に示すように、モジュール1の入力端の先端はカスケード型マルチポートコンバータの入力端の先端として、一次側高圧電源の一端に接続され、モジュール1の入力端の尾端はモジュール2の入力端の先端に接続され、モジュール2の入力端の尾端はモジュール3の入力端の先端に接続され、このように類推すると、モジュールm―1の入力端の尾端はモジュールmの入力端の先端に接続され、モジュールmの入力端の尾端はカスケード型マルチポートコンバータの入力端の尾端として、一次側高圧電源の他端に接続される。
【0033】
各高圧変換ユニットの入力端はカスケード型マルチポートコンバータの入力端の両ポートの間にカスケードされ、モジュールユニットにおける高圧変換ユニットは1つである場合、図8aに示すように、高圧変換ユニットの入力端はモジュールユニットの入力端の両ポートとして機能する。モジュールユニットにおける高圧変換ユニットは1つより多い場合、図3に示すように、各高圧変換ユニットの入力端はカスケードされ、カスケードされた両端はモジュールユニットの入力端の両ポートとして機能する。
【0034】
ここで、モジュールユニットの数mに対して、具体的に限定せず、実際状況に応じて決定すればよく、何れも本出願の保護範囲内に該当する。
【0035】
モジュールユニットにおいて、多重巻線トランスにおける磁気コアには少なくとも1つの一次巻線及び少なくとも1つの二次巻線が巻かれて、一次巻線は対応高圧変換ユニットの出力端に接続され、各二次巻線は対応する低圧整流ユニットの対応する入力端にそれぞれ接続される。つまり、1つの多重巻線トランスの一次側は1つの高圧変換ユニットに接続されるか(図8aに示すように)、又は、1つの多重巻線トランスの一次側は複数の高圧変換ユニットに接続され(図3に示すように)、1つの多重巻線トランスの二次側は1つの低圧整流ユニットに接続されるか(図16bのモジュール3に示すように)、又は、1つの多重巻線トランスの二次側は複数の低圧整流ユニットに接続される(図3及び図8aに示す)。
【0036】
一部の低圧整流ユニットの出力端はバスバーを共有するように接続され、他の一部の低圧整流ユニットは独立して出力することで、バスバーを共有するように接続される低圧整流ユニットが接続された各多重巻線トランスに、少なくとも1つの二次巻線が存在し、対応する低圧整流ユニット及び共通バスバーによって、他の各多重巻線トランスの対応する二次巻線とそれぞれ間接的な接続関係があり、且つバスバーを共有するように接続される低圧整流ユニットが接続された各多重巻線トランスの少なくとも1つには、対応する低圧整流ユニットによって独立して出力する少なくとも1つの二次巻線が存在し、このように配置すれば、バスバーを共有するように接続される低圧整流ユニットが接続された各モジュールユニットの間の電力のバランスを取る。
【0037】
例えば、バスバーを共有するように接続される低圧整流ユニットが接続された各多重巻線トランスには何れも、対応する低圧整流ユニットによって独立して出力する少なくとも1つの二次巻線がさらに存在する(図8aに示すように)。又は、バスバーを共有するように接続される低圧整流ユニットが接続された各多重巻線トランスには、少なくとも1つのモジュールユニットがさらに存在し、その内部の二次巻線が何れも他の対応する二次巻線との間接的なバスバー共有接続を実現する(図16a及び図16bに示すように)が、対応する低圧整流ユニットによって独立して出力する二次巻線が欠如し、つまり、バスバーを共有するように接続される低圧整流ユニットが接続された各多重巻線トランスにおいて、一部のモジュールユニットの内部には何れも、対応する低圧整流ユニットによって独立して出力する少なくとも1つの二次巻線が存在し、一部のモジュールユニット内部の二次巻線が全部、他の対応する二次巻線との間接的なバスバー共有接続を実現する。
【0038】
実際応用において、少なくとも1つの追加の冗長モジュールユニットがさらに設けられ、当該冗長モジュールユニット内の各二次巻線は何れも対応する低圧整流ユニットによって独立して出力できる(図15a及び図15bに示すように)。
【0039】
ここで、各モジュールユニットは何れもエネルギー交換を実現してもよいし、一部のモジュールはエネルギーを交換でき、一部のモジュールユニットはエネルギーを交換できなくてもよい。また、エネルギーを交換できるモジュールユニットにおいて、その一部の出力端はエネルギーを交換でき、他の一部はエネルギーを交換できず、ここで、各モジュールユニットを具体的に限定せず、実際状況に応じて決定すればよく、何れも本出願の保護範囲内に該当する。
【0040】
各モジュールユニットが何れもエネルギー交換を実現できる状況について、例えば、多重巻線トランスが4つの二次巻線を有し、そのうち3つの二次巻線がそれぞれ対応する低圧整流ユニットによって、他の多重巻線トランスにおける3つの二次巻線とバスバーを共有するように接続され、各多重巻線トランスにおける他の1つの二次巻線はそれぞれ対応する低圧整流ユニットによって独立して出力する。一部のモジュールがエネルギーを交換でき、一部のモジュールユニットがエネルギーを交換できないという状況について、図15bに示すように、低圧整流ユニットA/D―S11の出力端Vout11は低圧整流ユニットA/D―S21の出力端Vout21とバスバーを共有するように接続され、低圧整流ユニットA/D―S12の出力端Vout12、低圧整流ユニットA/D―S22の出力端Vout22、低圧整流ユニットA/D―S31の出力端Vout31、及び、低圧整流ユニットA/D―S32の出力端Vout32は独立して出力し、つまり、モジュール1とモジュール2との間はエネルギーを交換でき、モジュール3は、他のモジュールとエネルギーを交換しない。図15bは図15aの特別な状況であり、ここで、個々に贅言しないが、何れも本出願の保護範囲内に該当する。
【0041】
図3のモジュール1を例として説明し、モジュール1における1つの二次巻線は低圧整流ユニットA/D/S11(その出力端はVout11である)、モジュール2における1つの二次巻線は低圧整流ユニットA/D/S21(その出力端はVout21である)……モジュールmにおける1つの二次巻線は低圧整流ユニットA/D/Sm1(その出力端はVoutm1である)によってバスバーを共有するように接続され(図示せず)、各モジュールにおける他の二次巻線の間がバスバーを共有するように接続されるかどうかについて、ここで、個々に贅言しないが、バスバーを共有するように接続される少なくとも1組の二次巻線が存在することを保証すればよく、何れも本出願の保護範囲内に該当する。
【0042】
図8a~図8d、図15a、図15b、図16a及び図16bに示すように、具体的に、8aに示すように、Vout11、Vout21……Voutm1はバスバーを共有するように接続され、Vout12、Vout22……Voutm2はバスバーを共有するように接続され、……、Vout1i、Vout2i……Voutmiはバスバーを共有するように接続され、残りの二次巻線は何れも対応する低圧整流ユニットによって独立して出力し、例えば、Vout1(i+1)、Vout2(i+1)……Voutm(i+1)は独立して出力し、Vout1(i+2)、Vout2(i+2)……Voutm(i+2)は独立して出力し、……、Vout1n、Vout2 n……Voutm nは独立して出力する。図15aは図8aに基づいて、1つの冗長のモジュールm+1を追加し、その各出力端Vout(m+1)1、Vout(m+1)2……Vout(m+1)nは何れも独立して出力する。また、少なくとも1つのモジュールユニットに、それぞれ間接的なバスバー共有接続のためのi個の二次巻線のみを配置してもよく、図16aのモジュールm+1に示すように、そのVout(m+1)1、Vout(m+1)2……Vout(m+1)iは対応の出力端とそれぞれバスバーを共有するように接続される。
【0043】
説明を容易にするために、図8bの特別な状況で、エネルギーのバランスの実現方式を説明する。
【0044】
具体的に、図8b(図8bにおいて二次巻線の数が2であり、モジュールユニットの数が3であることを例として展示する)に示すように、モジュール1における1つの二次巻線は低圧整流ユニットA/D―S11の交流側に接続され、モジュール1における別の二次巻線は低圧整流ユニットA/D―S12の交流側に接続され、低圧整流ユニットA/D―S11の直流側は自体の出力端Vout11として機能し、低圧整流ユニットA/D―S12の直流側は自体の出力端Vout12として機能する。モジュール2における1つの二次巻線は低圧整流ユニットA/D―S21の交流側に接続され、モジュール2における別の二次巻線は低圧整流ユニットA/D―S22の交流側に接続され、低圧整流ユニットA/D―S21の直流側は自体の出力端Vout21として機能し、低圧整流ユニットA/D―S22の直流側は自体の出力端Vout22として機能する。モジュール3における1つの二次巻線は低圧整流ユニットA/D―S31の交流側に接続され、モジュール3における別の二次巻線は低圧整流ユニットA/D―S32の交流側に接続され、低圧整流ユニットA/D―S31の直流側は自体の出力端Vout31として機能し、低圧整流ユニットA/D―S32の直流側は自体の出力端Vout32として機能する。
【0045】
低圧整流ユニットA/D―S11の出力端Vout11、低圧整流ユニットA/D―S21の出力端Vout21及び低圧整流ユニットA/D―S31の出力端Vout31はバスバーを共有するように接続され、即ち、異なる多重巻線トランスにおける対応する各二次巻線は何れも対応する低圧整流ユニットによって間接的なバスバー共有接続を実現し、低圧整流ユニットA/D―S12の出力端Vout12、低圧整流ユニットA/D―S22の出力端Vout22及び低圧整流ユニットA/D―S32の出力端Vout32は独立して出力する。
【0046】
具体的に、図8bの矢線は、低圧整流ユニットA/D―S12の出力端Vout12のみがエネルギー出力の必要を有する時のエネルギーの流れ方向を示す。モジュール2、3の高圧変換ユニットはそれぞれ、そのバスバーを共有する低圧整流ユニットによって総出力の1/3エネルギーを共通バスバーに提供してから、モジュール1の出力端Vout11によって2/3エネルギーを低圧整流ユニットA/D―S12の出力端Vout12に伝達し、モジュール1の高圧変換ユニットは別の1/3のエネルギを直接的に低圧整流ユニットA/D―S12の出力端Vout12に提供することで、高圧変換ユニットのエネルギーのバランスを保証する。
【0047】
実際応用において、バスバーを共有するように接続される各二次巻線はさらに、共通バスバーによって外部電源に接続されてもよい。図8c及び図8dに示すように、低圧整流ユニットA/D―S11の出力端Vout11、低圧整流ユニットA/D―S21の出力端Vout21及び低圧整流ユニットA/D―S31の出力端Vout31は共通バスバーによって直流電源DCに接続される。
【0048】
図8cは低圧バスバー、即ち、共通バスバーを提供し、別途のエネルギーを入力した場合、高圧変換ユニットは同様なエネルギーをそれぞれ提供し、低圧側の共通バスバーは別途のエネルギーのバランスを提供する。図8dはより極限的な状況を提供し、高圧変換ユニットはエネルギーを提供せず、独立に出力されるエネルギーは完全に、低圧側の別途のエネルギー入力から提供される。
【0049】
図15a及び図15bの構造において、対応するモジュールユニットのエネルギーバランスの過程は、図8b~図8dの過程に類似するため、ここで、個々に贅言しないが、何れも本出願の保護範囲内に該当する。
【0050】
ここで、低圧整流ユニットは双方向であり、上記内容において、その交流側を入力端と記して、その直流側を出力端と記する 。
【0051】
本実施例において、各モジュールユニットには何れも、他のモジュールユニットに対応する低圧整流ユニットと出力端のバスバー共有接続を保持する少なくとも1つの低圧整流ユニットが存在する場合、他の低圧整流ユニットは何れも独立して出力し、各多重巻線トランスに何れも少なくとも1つの前記二次巻線を存在させ、対応する低圧整流ユニット及び共通バスバーによって、他の各多重巻線トランスにおける対応する二次巻線とそれぞれ間接的な接続関係があり、これによって、バスバー共有の特性で各高圧変換ユニット及び低圧整流ユニットのエネルギーのバランスを実現し、システムへ提供される共通低圧バスバーは、他のエネルギーアクセスに便利を提供し、例えば、光貯蔵・充電結合を実現でき、システムの多重性を高める。
【0052】
図3の実施例において、そのモジュール1を例として説明し、具体的に、i個の高圧変換ユニットを含み、A/D―P1bとD/A―P1bとはb番目の高圧変換ユニットを形成し、0<b≦iである。
【0053】
具体的に、1番目の高圧変換ユニットの入力端の先端はモジュール1の入力端の先端として機能し、1番目の高圧変換ユニットの入力端の尾端は2番目の高圧変換ユニットの入力端の先端に接続され、2番目の高圧変換ユニットの入力端の尾端は3番目の高圧変換ユニットの入力端の先端に接続され、このように類推すると、i―1番目の高圧変換ユニットの入力端の尾端はi番目の高圧変換ユニットの入力端の先端に接続され、i番目の高圧変換ユニットの入力端の尾端はモジュール1の入力端の尾端として機能する。
【0054】
本実施例において、多重巻線トランスの磁気コアには複数の一次巻線及び複数の二次巻線が巻かれて、複数の高圧変換ユニットに対応する一次巻線は磁気コアを共有し、磁路結合によって各組の低圧整流ユニットは何れも高圧変換ユニットと結合され、複数の高圧変換ユニットのエネルギーと複数の低圧整流ユニットのエネルギーとの交換を実現し、カスケード型マルチポートコンバータにおける多重巻線トランスの数を減らすとともに、低圧整流ユニットの数を対応的に減らし、カスケード型マルチポートコンバータの体積、重量及びコストを低減させ、即ち、図3の実施例は、高圧変換ユニットのエネルギーバランスを保証するとともに、システムの複雑さを低減させ、低圧整流ユニットの数を減らす。
【0055】
上記実施例において、低圧整流ユニットの数は全ての二次巻線の総数に等しくてもよいし、等しくなくてもよく、ここで、低圧整流ユニットの数が全ての二次巻線の総数に等しく、及び、低圧整流ユニットの数が全ての二次巻線の総数より小さいという2つの状況をそれぞれ説明する:
(1)低圧整流ユニットの数が全ての二次巻線の総数に等しく、各二次巻線は各低圧整流ユニットの入力端に一々対応するように接続される。
【0056】
つまり、各低圧整流ユニットの入力端は何れも1つの二次巻線のみに接続され、即ち、二次巻線と低圧整流ユニットとは一対一の関係にある。
【0057】
具体的に、図3に示すように、モジュール1を例として説明し、低圧整流ユニットA/D―S11の入力端はモジュール1における1番目の二次巻線に接続され、低圧整流ユニットA/D―S12の入力端はモジュール1における2番目の二次巻線に接続され、このように類推すると、低圧整流ユニットA/D―S1nの入力端はモジュール1におけるn番目の二次巻線に接続され、ここで、各低圧整流ユニットの直交流側は自体の入力端として機能し、直流側は自体の出力端として機能する(図3のkVout11~Vout1n、Vout21~Vout2n、及びVoutm1~Voutmn)。
【0058】
ここで、同一磁気カラムに巻かれた一次巻線が多すぎると、複数の一次巻線の間の圧力差が大きくなりすぎて、絶縁設計の困難さを増やし、巻かれた一次巻線が少なすぎると、低圧整流ユニットの数が多くなりすぎる。これに対して、以下の解決策を提出し、即ち、複数の独立の二次巻線が直並列方式で1つの低圧整流ユニットを共有し、複数の一次巻線の間の圧力差が大きすぎるという状況を改善するとともに、低圧整流ユニットの数が多すぎるという問題を解决し、詳細は以下の説明を参照すればよい。
【0059】
(2)低圧整流ユニットの数が全ての二次巻線の総数より小さく、複数の独立の二次巻線が同一の低圧整流ユニットを共有する。
【0060】
ここで、何れか2つの二次巻線の間が独立するかどうかは、当該2つの二次巻線の間が互いに影響するかどうかを判定でき、互いに影響すると、独立せず、さもなければ、独立する。一般的に、同一の磁気カラムにある二次巻線の間は互いに影響し、即ち、異なるトランスにおける二次巻線の間は互いに影響せず、独立し、同一のトランスにおける、異なる磁気カラムでの二次巻線は互いに影響せず、独立する。
【0061】
1、実際応用において、図4に示すように、各モジュールユニットは何れも1つの多重巻線トランスを含み、当該多重巻線トランスは1つの磁気カラムのみを含み、異なる多重巻線トランスの二次巻線の間は互いに独立し、例えば、モジュール1における何れか1つの二次巻線と、モジュール2及びモジュール3における二次巻線とは何れも独立し、同一のモジュールユニット内の二次巻線の間は独立せず、例えば、モジュール1内の各二次巻線の間は独立しない。即ち、複数の独立の二次巻線は、異なる多重巻線トランスの二次巻線を含み、従って、互いに独立する各二次巻線は1つの低圧整流ユニットを共有できる。
【0062】
具体的に、モジュール1における二次巻線TX―S11と、モジュール2における二次巻線TX―S21とは低圧整流ユニット11を共有し、モジュール1における二次巻線TX―S12と、モジュール2における二次巻線TX―S22とは低圧整流ユニット12を共有し、このように類推すると、モジュール1における二次巻線TX―S1nと、モジュール2における二次巻線TX―S2nとは低圧整流ユニット1nを共有し、このように類推すると、モジュールxにおける二次巻線TX―Sx1と、モジュールmにおける二次巻線TX―Sm1とは低圧整流ユニット(0.5m)1を共有し、モジュールxにおける二次巻線TX―Sx2と、モジュールmにおける二次巻線TX―Sm2とは低圧整流ユニット(0.5m)2を共有し、このように類推すると、モジュールxにおける二次巻線TX―Sxnと、モジュール2における二次巻線TX―Smnとは低圧整流ユニット(0.5m)nを共有する。
【0063】
ここで、図4は2つの独立の二次巻線が同一の低圧整流ユニットを共有することを例として展示するため、低圧整流ユニットの数は0.5mであり、低圧整流ユニットの数は、同一の低圧整流ユニットを共有する独立の二次巻線の数と関係がある。この場合、同一の低圧整流ユニットを共有する独立の二次巻線の数は2aであってもよく、aは正の整数であり、例えば、2aは2、4、6、8などであり、aの具体的な値について、ここで、具体的に限定せず、実際状況に応じて決定すればよく、何れも本出願の保護範囲内に該当する。無論、同一の低圧整流ユニットを共有する独立の二次巻線の数は他の数値であってもよく、ここで、個々に贅言しないが、何れも本出願の保護範囲内に該当する。
【0064】
実際応用において、カスケード型マルチポートコンバータが所在するシステムに、1つのカスケード型マルチポートコンバータのみが含まれると、当該カスケード型マルチポートコンバータにおいて異なる多重巻線トランスの二次巻線の間は互いに独立し、カスケード型マルチポートコンバータが所在するシステムに少なくとも2つのカスケード型マルチポートコンバータが含まれて、各カスケード型マルチポートコンバータが同じ方式で当該システムに接続されると、異なるカスケード型マルチポートコンバータの二次巻線の間は互いに独立し、その具体的な構造について、ここで、個々に贅言しないが、実際状況に応じて決定すればよく、何れも本出願の保護範囲内に該当する。
【0065】
ここで、同一多重巻線トランスの各巻線の間には何れもよい結合が存在し、高圧絶縁の必要がある場合、同一の多重巻線トランスにおいて異なる磁気カラムの巻線の結合性は大幅に低下し、これによる電力のアンバランスという問題を避けるために、同一の多重巻線トランスの異なる磁気カラムでの二次巻線を独立の二次巻線とする。つまり、以下の第2の状況であり、
2、実際応用において、図5に示すように、各モジュールユニットは何れも1つの多重巻線トランスを含み、当該多重巻線トランスは少なくとも2つの磁気カラムを含み、同一の多重巻線トランスにおいて異なる磁気カラムでの二次巻線は独立の巻線であり、例えば、モジュール1における1つの磁気カラムでの二次巻線TX―SR11~TX―SR1nの間は独立せず、互いに影響し、二次巻線TX―SR11~TX―SR1nのうちの任意の1つ、モジュール1における別の磁気カラムでの二次巻線TX―SL11~TX―SL1n、モジュール2、3における二次巻線は何れも独立し、他の磁気カラムでの二次巻線は同様であるため、ここで、一々贅言しない。
【0066】
具体的に、モジュール1における二次巻線TX―SR11とモジュール1における二次巻線TX―SL11とは低圧整流ユニット11を共有し、モジュール1における二次巻線TX―SR12とモジュール1における二次巻線TX―SL12とは低圧整流ユニット12を共有し、このように類推すると、モジュール1における二次巻線TX―SR1nとモジュール1における二次巻線TX―SL1nとは低圧整流ユニット1nを共有する。モジュール2における二次巻線TX―SR21とモジュール2における二次巻線TX―SL21とは低圧整流ユニット21を共有し、モジュール2における二次巻線TX―SR22とモジュール2における二次巻線TX―SL22とは低圧整流ユニット22を共有し、このように類推すると、モジュール2における二次巻線TX―SR2nとモジュール2における二次巻線TX―SL2nとは低圧整流ユニット2nを共有し、このように類推すると、モジュールxにおける二次巻線TX―SRx1とモジュールxにおける二次巻線TX―SLx1とは低圧整流ユニットx1を共有し、モジュールxにおける二次巻線TX―SRx2とモジュールxにおける二次巻線TX―SLx2とは低圧整流ユニットx2を共有し、このように類推すると、モジュールxにおける二次巻線TX―SRxnとモジュールxにおける二次巻線TX―SLxnとは低圧整流ユニットxnを共有する。モジュールmにおける二次巻線TX―SRm1とモジュールmにおける二次巻線TX―SLm1とは低圧整流ユニットm1を共有し、モジュールmにおける二次巻線TX―SRm2とモジュールmにおける二次巻線TX―SLm2とは低圧整流ユニットm2を共有し、このように類推すると、モジュールmにおける二次巻線TX―SRmnとモジュールmにおける二次巻線TX―SLmnとは低圧整流ユニットmnを共有する。
【0067】
ここで、図5は、2つの独立の二次巻線が同一の低圧整流ユニットを共有することを例として展示し、この場合、同一の低圧整流ユニットを共有する独立の二次巻線の数は2aであってもよく、aは正の整数であり、例えば、2aは2、4、6、8などであり、aの具体的な値について、ここで、具体的に限定せず、実際状況に応じて決定すればよく、何れも本出願の保護範囲内に該当し、無論、同一の低圧整流ユニットを共有する独立の二次巻線の数は他の数値であってもよく、ここで、個々に贅言しないが、何れも本出願の保護範囲内に該当する。
【0068】
3、実際応用において、図4及び図5を結合して、図6に示すように、各々モジュールユニットにおいて何れもそれぞれの多重巻線トランスを有し、各々多重巻線トランスは何れも少なくとも2つの磁気カラムを含み、そうすれば、カスケード型マルチポートコンバータには、それぞれ少なくとも2つの磁気カラムを含む少なくとも2つの多重巻線トランスが含まれ、同一の多重巻線トランスにおいて異なる磁気カラムでの二次巻線は独立の巻線であり、異なる多重巻線トランスの二次巻線は独立の巻線であり、例えば、モジュール1における二次巻線TX―SR11~TX―SR1nの間は独立せず、互いに影響し、二次巻線TX―SR11~TX―SR1nのうちの任意の1つ、モジュール1における二次巻線TX―SL11~TX―SL1n、モジュール2、3における二次巻線は何れも独立し、他の磁気カラム上は同様であるため、ここで、一々贅言していない。
【0069】
具体的に、モジュール1における二次巻線TX―SR11、TX―SL11と、モジュール2における二次巻線TX―SR21、TX―SL21とは低圧整流ユニット11を共有し、モジュール1における二次巻線TX―SR12、TX―SL12と、モジュール2における二次巻線TX―SR22、TX―SL22とは低圧整流ユニット12を共有し、このように類推すると、モジュール1における二次巻線TX―SR1n、TX―SL1nと、モジュール2における二次巻線TX―SR2n、TX―SL2nとは低圧整流ユニット1nを共有し、このように類推すると、モジュールxにおける二次巻線TX―SRx1、TX―SLx1と、モジュールmにおける二次巻線TX―SRm1、TX―SLm1とは低圧整流ユニット(0.5m)1を共有し、モジュールxにおける二次巻線TX―SRx2、TX―SLx2と、モジュールmにおける二次巻線TX―SRm2、TX―SLm2とは低圧整流ユニット(0.5m)2を共有し、このように類推すると、モジュールxにおける二次巻線TX―SRxn、TX―SLxnと、モジュールmにおける二次巻線TX―SRmn、TX―SLmnとは低圧整流ユニット(0.5m)nを共有する。
【0070】
ここで、図6は、4つの独立の二次巻線が同一の低圧整流ユニットを共有することを例として展示し、この場合、同一の低圧整流ユニットを共有する独立の二次巻線の数は4aであってもよく、aは正の整数であり、例えば、4aは4、8などであり、aの具体的な値について、ここで、具体的に限定せず、実際状況に応じて決定すればよく、何れも本出願の保護範囲内に該当し、無論、同一の低圧整流ユニットを共有する独立の二次巻線の数は他の数値であってもよく、ここで、個々に贅言しないが、何れも本出願の保護範囲内に該当する。
【0071】
各多重巻線トランスにおいて、各个多重巻線トランスの二次巻線は何れも対応する低圧整流ユニットに接続されることで、高圧変換ユニットの結合の一致性を保証する。
【0072】
上記1、2、3という3つの状況において、複数の独立の二次巻線が1つの低圧整流ユニットを共有する場合、
複数の独立の二次巻線は、共有される低圧整流ユニットの入力端に直列接続されてもよい(図7aに示すように、図7aは図4に基づいて、2つの独立の二次巻線が1つの低圧整流ユニットを共有することを例として展示する)。具体的に、図7aに示すように、二次巻線のTX―S11の一端は低圧整流ユニットA/D―S11の入力端の先端に接続され、その他端は二次巻線のTX―S21の一端に接続され、二次巻線のTX―S21の他端は低圧整流ユニットA/D―S11の入力端の尾端に接続される。
【0073】
又は、複数の独立の二次巻線は共有される低圧整流ユニットの入力端に並列接続されてもよい(図7bに示すように、図7bは図4に基づいて、2つの独立の二次巻線が1つの低圧整流ユニットを共有することを例として展示する)。具体的に、図7bに示すように、二次巻線のTX―S11の一端は二次巻線のTX―S21の一端に接続され、接続点は低圧整流ユニットA/D―S11の入力端の先端に接続され、二次巻線のTX―S11の他端は二次巻線のTX―S21の他端に接続され、接続点は低圧整流ユニットA/D―S11の入力端の尾端に接続される。
【0074】
本実施例において、複数の独立の二次巻線は同一の低圧整流ユニットを共有することで、低圧整流ユニットの総数を減らし、カスケード型マルチポートコンバータの複雑さ及びコストを改善し、カスケード型マルチポートコンバータの電力密度がより高くなり、コストがより低くなり、効率がより高くなる。
【0075】
上記何れか1つの実施例において、当該高圧変換ユニットはDC/ACコンバータ(図3図6における各D/A)と、第1AC/DCコンバータ(図3図6における各A/D)とを含む。
【0076】
第1AC/DCコンバータの交流側は高圧変換ユニットの入力端として機能し、第1AC/DCコンバータの直流側はDC/ACコンバータの直流側に接続され、DC/ACコンバータの交流側は高圧変換ユニットの出力端として機能する。
【0077】
実際応用において、図9aに示すように、第1AC/DCコンバータはフルブリッジ型構造であり、又は、図9bに示すように、第1AC/DCコンバータはハーフブリッジ型構造であり、ここで、具体的に限定せず、実際状況に応じて決定すればよく、何れも本出願の保護範囲内に該当する。具体的に、カスケード型マルチポートコンバータの高圧側は直流入力である場合、当該第2AC/DCコンバータを除去して、各DC/ACコンバータを直接的に直列接続してもよく、この場合、第2AC/DCコンバータのカスケードは図9cの2本の接続ワイヤに退化してもよい。
【0078】
上記低圧整流ユニットは第2AC/DCコンバータを含み、第2AC/DCコンバータの交流側は低圧整流ユニットの入力端として機能し、第2AC/DCコンバータの直流側は低圧整流ユニットの出力端として機能する。
【0079】
ここで、対応する巻線によって、DC/ACコンバータと第2AC/DCコンバータとからなる構造は図10aのデュアルアクティブブリッジ構造であってもよく、図10bのLLC構造であってもよく、さらに図10cのCLLC構造であってもよく、無論、他の構造であってもよく、ここで、一々贅言しない。対応する巻線によって、DC/ACコンバータと第2AC/DCコンバータとからなる構造について、ここで、具体的に限定せず、実際状況に応じて決定すればよく、何れも本出願の保護範囲内に該当する。
【0080】
好ましくは、上記何れか1つの実施例において、当該カスケード型マルチポートコンバータは複数のマルチポート多重化ユニットをさらに含む(図3図6のマルチポート多重化ユニット1、マルチポート多重化ユニット2……マルチポート多重化ユニットn)。
【0081】
マルチポート多重化ユニットの各入力端は異なる低圧整流ユニットの対応する出力端にそれぞれ接続される。具体的に、図3を例として説明し、マルチポート多重化ユニット1の1番目の入力端は低圧整流ユニットA/D―S11の出力端Vout11に接続され、マルチポート多重化ユニット1の2番目の入力端は低圧整流ユニットA/D―S21の出力端Vout21に接続され、このように類推すると、マルチポート多重化ユニット1のm番目の入力端は低圧整流ユニットA/D―Sm1の出力端Voutm1に接続される。マルチポート多重化ユニット2~マルチポート多重化ユニットnは同様であるため、ここで、個々に贅言しないが、何れも本出願の保護範囲内に該当する。
【0082】
ここで、各多重巻線トランスの二次巻線は対応するマルチポート多重化ユニットによって、少なくとも1組の二次巻線のバスバー共有接続を実現する。実際応用では、各多重巻線トランスにおいて、各二次巻線は対応する低圧整流ユニットによって、他の各多重巻線トランスの対応する二次巻線とそれぞれバスバーを共有するように接続される。図3図6は何れも各多重巻線トランスの全ての二次巻線には何れもバスバー共有接続が存在することを例として展示し、各多重巻線トランスにおいて一部の二次巻線のみにはバスバー共有接続が存在するという構造は、図3図6の構造に類似するため、ここで、個々に贅言しないが、何れも本出願の保護範囲内に該当する。
【0083】
実際応用において、当該マルチポート多重化ユニットはマルチ入力結合ブランチ、又は、マルチ入力結合ブランチ及びその後段のコンバータを含む。
【0084】
当該マルチ入力結合ブランチは、マルチ入力直列接続構造、マルチ入力並列接続構造及びマルチ入力直並列接続切替構造のうちの少なくとも1つである。
【0085】
ここで、マルチ入力直列接続構造は図11aに示され、図11aは2入力を例として展示し、他の数の入力は同様であるため、ここで、個々に贅言しないが、何れも本出願の保護範囲内に該当する。マルチ入力並列接続構造は図11bに示され、図11bは2入力を例として展示し、他の数の入力は同様であるため、ここで、個々に贅言しないが、何れも本出願の保護範囲内に該当する。マルチ入力直並列接続切替構造は図11cに示され、入力端と出力端との間にはスイッチが設けられ、2つの入力端の間にもスイッチが設けられる。具体的に、入力端SHnの正極は出力端SOUTnの正極に接続され、入力端SHnの負極は第1スイッチによって、出力端SOUTnの負極に接続され、入力端SHnの負極はさらに第2スイッチによって入力端SLnの正極に接続され、入力端SLnの正極はさらに第3スイッチによって出力端SOUTnの正極に接続され、入力端SLnの負極は出力端SOUTnの負極に接続される。図11cは2入力を例として展示し、具体的に、他の数の入力は同様であるため、ここで、個々に贅言しないが、何れも本出願の保護範囲内に該当する。入力結合ブランチに対して図11cの構造を使用すると、接続ユニットの直並列接続切替を実現でき、前段コンバータのゲイン範囲の要求を低減させる。
【0086】
実際応用において、マルチポート多重化ユニットはマルチ入力結合ブランチ、及びその後段のコンバータを含み、マルチ入力結合ブランチはマルチ入力直並列接続切替構造を含む場合、コンバータは双方向コンバータであると、マルチ入力直並列接続切替構造におけるスイッチは何れも双方向スイッチ、即ち、電流を双方向に流通させるスイッチであり、コンバータは一方向コンバータであると、マルチ入力直並列接続切替構造におけるスイッチは何れも双方向スイッチであってもよく、双方向スイッチの代わりとして、ダイオードを使用してもよく、例えば、各入力端の正極に接続されるスイッチ、又は各入力端の負極に接続されるスイッチを代替する。
【0087】
当該後段のコンバータはインダクタと、コンデンサとを含み、コンデンサの両端はマルチポート多重化ユニットの出力端の正負極に接続される。
【0088】
具体的に、図11dに示すように、入力端SHnの正極は順に第1スイッチ及び第2スイッチによって入力端SHnの負極に接続され、インダクタの一端は第1スイッチと第2スイッチとの間の接続点に接続され、その他端はコンデンサの一端及び出力端SOUTnの正極にそれぞれ接続され、入力端SHnの負極はさらに第3スイッチと第4スイッチとの間の接続点に接続され、入力端SLnの正極は順に第3スイッチ及び第4スイッチによって入力端SLnの負極に接続され、入力端SLnの負極はさらにコンデンサの他端及び出力端SOUTnの負極に接続される。トランスとして、マルチ入力結合ブランチ後段のコンバータ自体はゲインの調節を実現できるため、マルチポート多重化ユニットに対して10dの構造を使用すると、前段コンバータのゲイン範囲の要求をさらに低減させるとともに、電圧の連続的な調節を実現できる。
【0089】
マルチポート多重化ユニットは一方向変換である場合、その構造はさらに図11eの構造であってもよく、第1スイッチ及び第4スイッチをダイオードに置き換えて、その具体的な接続関係について、ここで、個々に贅言しないが、何れも本出願の保護範囲内に該当し、図11fの構造であってもよく、第2スイッチ及び第3スイッチをダイオードに置き換えて、その具体的な接続関係について、ここで、個々に贅言しないが、何れも本出願の保護範囲内に該当する。2つのスイッチの代わりとして、2つのダイオードを使用することで、コストをさらに低減させる。
【0090】
ここで、マルチ入力シングル出力という状況に対して、図11a~図11fのいくつかの解決策を組み合わせて、柔軟且ついろんな解決策を取得する。図12a~11cはいくつかの6入力/1出力の構造であり、図12aの構造は以下の通り、即ち、まず、図11bの構造を使用して3つのモジュールを並列接続してから、図11dの構造によって並列接続されたユニットをカスケードし、図12bの構造は以下の通り、即ち、まず、図11bの構造によって3つのモジュールを並列接続した後、図11cの構造によって並列接続されたユニットの直列接続切替を実現し、図12cの構造は以下の通り、即ち、まず、図11bの構造によってモジュールユニットを2つごとに並列接続してから、図11dの構造を使用して、3段カスケード出力の解決策を採用し、他の組み合わせ方式について、ここで、一々贅言していなく、何れも本出願の保護範囲内に該当する。入力の数も具体的に限定していなく、実施状況に応じて決定すればよく、何れも本出願の保護範囲内に該当する。
【0091】
本実施例が提供する当該カスケード型マルチポートコンバータにおいて、低圧側から見れば、各多重巻線トランスは、それぞれ対応する複数の低圧側出力に二次巻線を提供し、バスバーを共有するように接続される各低圧整流電圧に対して、対応する低圧側の総出力は、マルチポート多重化ユニットによって対応する各高圧変換ユニットの出力を纏めることで提供され、高圧側から見れば、各高圧変換ユニットは何れも対応する多重巻線トランスの一次巻線に接続され、複数の低圧側の出力端(図3図6のVout1~Vouti)のエネルギーが何れも対応する複数の高圧変換ユニットに由来することを保証し、複数の二次巻線の間はそもそも絶縁を容易に実現でき、絶縁ニーズを満たし、また、複数の低圧側は低圧整流ユニット、又は低圧整流ユニット及びマルチポート多重化ユニットによって、総出力電圧に対する独立制御を実現する。
【0092】
本発明の実施例は、三相中電圧入力システムを提供し、図13に示すように、3つの相ユニットを含み、相ユニットはインダクタと、上記何れか1つの実施例が提供するカスケード型マルチポートコンバータとを含む。
【0093】
各相ユニットの入力端の先端は直接的に中電圧グリッドに接続され、各相ユニットの入力端の尾端が接続される。各々相ユニットは同様な方式で接続されることで、各相ユニットの低圧側の出力エネルギーは何れも三相カスケードシステムにおける全てのユニットに直接的に結合されることを実現する。相ユニットにおいて、カスケード型マルチポートコンバータの入力端の先端はインダクタの一端に接続され、インダクタの他端は相ユニットの入力端の先端として機能し、カスケード型マルチポートコンバータの入力端の尾端は相ユニットの入力端の尾端として機能する。
【0094】
実際応用において、各相ユニットにおいてカスケード型マルチポートの低圧整流ユニットは複数の独立の二次巻線に接続される場合、当該低圧整流ユニットは異なる相ユニットにおける独立の二次巻線に接続されてもよいし、同一の相ユニットにおける独立の二次巻線に接続されてもよく、例えば、1番目の低圧整流ユニットは1番目の相ユニットにおける1つの二次巻線、及び2番目相ユニットにおける1つの二次巻線にそれぞれ接続され、且つこの2つの二次巻線は独立し、ここで、個々に贅言しないが、同一の低圧整流ユニットに接続される各二次巻線が独立すればよく、これらの二次巻線が同一の相ユニットに由来するかどうか、及び同一の多重巻線トランスに由来するかどうかを限定せず、各低圧整流ユニットの具体的な接続関係について、実際状況に応じて決定すればよく、何れも本出願の保護範囲内に該当する。
【0095】
ここで、全てのカスケード型マルチポートコンバータは同一組のマルチポート多重化ユニットを共有してもよく、各カスケード型マルチポートコンバータはそれぞれの1組のマルチポート多重化ユニットを共有してもよい。
【0096】
実際応用において、各カスケード型マルチポートコンバータの構造は同様であってもよいし、異なってもよく、図13の構造はただ例示であり、カスケード型マルチポートコンバータに対してそれぞれ他の構造を使用した模式図について、上記実施例を参照すればよい。
【0097】
当該カスケード型マルチポートコンバータの具体的な構造及び作業原理について、上記実施例を参照すればよく、ここで、個々に贅言しないが、何れも本出願の保護範囲内に該当する。ここで、当該カスケード型マルチポートコンバータは他のシステムに適用されてもよく、ここで、個々に贅言しないが、何れも本出願の保護範囲内に該当する。
【0098】
本実施例において、複数の独立の二次巻線は同一の低圧整流ユニットを共有することで、低圧整流ユニットの総数を減らし、これによって、三相中電圧入力システムの複雑さ及びコストを改善し、三相中電圧入力システムの電力密度がより高くなり、コストがより低くなり、効率がより高くなる。
【0099】
本発明の実施例は三相中電圧入力システムを提供し、図14に示すように、MMCコンバータと、N個の直流変換ユニットとを含み、当該直流変換ユニットはインダクタと、上記何れか1つの実施例が提供するカスケード型マルチポートコンバータとを含み、Nは正の整数である。
【0100】
各直流変換ユニットの入力端の先端はMMCコンバータの直流側の正極に接続され、各直流変換ユニットの入力端の尾端はMMCコンバータの直流側の負極に接続される。MMCコンバータの交流側は中電圧グリッドに接続される。
【0101】
直流変換ユニットにおいて、カスケード型マルチポートコンバータの入力端の先端はインダクタの一端に接続され、インダクタの他端は直流変換ユニットの入力端の先端として機能し、カスケード型マルチポートコンバータの入力端の尾端は直流変換ユニットの入力端の尾端として機能する。
【0102】
ここで、各直流変換ユニットの入力端はMMCコンバータによって中電圧グリッドに接続され、即ち、高圧側はまず、MMCコンバータを使用して高圧直流バスバーを構築してから、高圧直流バスバーからカスケード方式で、少なくとも2つのポートが互いに絶縁された低圧直流電源とエネルギーを交換し、複数のポートは何れも直接的なエネルギー結合を実現する。
【0103】
直流変換ユニットにおいてカスケード型マルチポートコンバータの第1AC/DCコンバータは2本の直通リード線で代替される。
【0104】
実際応用において、各直流変換ユニットのカスケード型マルチポートの低圧整流ユニットは複数の独立の二次巻線に接続される場合、当該低圧整流ユニットは異なる直流変換ユニットの独立の二次巻線に接続されてもよいし、同一の直流変換ユニットの独立の二次巻線に接続されてもよく、例えば、1番目の低圧整流ユニットは、1番目の直流変換ユニットの1つの二次巻線、及び2番目の直流変換ユニットの1つの二次巻線にそれぞれ接続され、且つこの2つの二次巻線は独立し、ここで、個々に贅言しないが、同一の低圧整流ユニットに接続される各二次巻線が独立すればよく、これらの二次巻線が同一の直流変換ユニットに由来するかどうか、及び同一の多重巻線トランスに由来するかどうかを限定せず、各低圧整流ユニットの具体的な接続関係について、実際状況に応じて決定すればよく、何れも本出願の保護範囲内に該当する。
【0105】
ここで、全てのカスケード型マルチポートコンバータは同一組のマルチポート多重化ユニットを共有してもよく、各カスケード型マルチポートコンバータはそれぞれの1組のマルチポート多重化ユニットを共有してもよい。
【0106】
実際応用において、各カスケード型マルチポートコンバータの構造は同様であってもよいし、異なってもよく、図14の構造はただ例示であり、カスケード型マルチポートコンバータに対してそれぞれ他の構造を使用した模式図について、上記実施例を参照すればよい。
【0107】
当該カスケード型マルチポートコンバータの具体的な構造及び作業原理について、上記実施例を参照すればよく、ここで、個々に贅言しないが、何れも本出願の保護範囲内に該当する。ここで、当該カスケード型マルチポートコンバータは他のシステムに適用されてもよく、ここで、個々に贅言しないが、何れも本出願の保護範囲内に該当する。
【0108】
本実施例において、複数の独立の二次巻線は同一の低圧整流ユニットを共有することで、低圧整流ユニットの総数を減らし、N相中電圧入力システムの複雑さ及びコストを改善し、三相中電圧入力システムの電力密度がより高くなり、コストがより低くなり、効率がより高くなる。
【0109】
本明細書における各実施例に記載の特徴を互いに置き換え、又は組み合わせてもよく、各実施例の間の同様又は類似の部分について、互いに参照すればよく、各々実施例は主に、他の実施例との相違点を説明する。特に、システム又はシステムの実施例にとって、基本的に方法の実施例に類似するため、その記載は簡単であり、関するところについて、方法の実施例の一部の説明を参照すればよい。以上に記載のシステム及びシステムの実施例はただ模式的なものであり、前記個別部材として説明されたユニットは、物理的に離間されてもよいし、そうではなくてもよく、ユニットとして表示された部材は物理ユニットであってもよいし、そうではなくてもよく、即ち、1つの箇所に位置してもよいし、複数のネットワークユニットに分布されてもよい。実際の必要に応じて、そのうち一部又は全てのモジュールを選択して、本実施例の解決策の目的を実現できる。当業者は進歩性に値する労働をしない場合、理解して実施できる。
【0110】
当業者であればさらに意識できるように、本明細書が開示した実施例を結合して記載された各例示のユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピューターソフトウェア又は両者の結合で実現され、ハードウェアとソフトウェアとの交換可能性を明らかに説明するために、上記説明において、機能の一般性に従って、各例示の組み合わせ及びステップを記載する。これらの機能はハードウェア形態で実行されるか、それともソフトウェア形態で実行されるかということは、技術的解決策の特定応用及び設計制約条件に依存する。当業者は各特定の応用に対して、異なる方法を使用して、記載の機能を実現してもよいが、このような実現は本発明の範囲を超えるものではない。
【0111】
開示された実施例に対する上記説明によって、当業者は本発明を実現又は使用できる。これらの実施例に対する多種の補正は当業者にとって自明であり、本明細書に定義された一般的な原理は、本発明の精神又は範囲から逸脱しない場合で、他の実施例で実現されることができる。従って、本発明は本明細書に示されるこれらの実施例に限定されず、本明細書が開示した原理及び新規な特徴と一致する最も幅広い範囲に適合する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8a
図8b
図8c
図8d
図9a
図9b
図9c
図10a
図10b
図10c
図11a
図11b
図11c
図11d
図11e
図11f
図12a
図12b
図12c
図13
図14
図15a
図15b
図16a
図16b
【国際調査報告】