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特表2023-525405プレストレストアンカーケーブルの拡張可能式内側アンカーヘッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-15
(54)【発明の名称】プレストレストアンカーケーブルの拡張可能式内側アンカーヘッド
(51)【国際特許分類】
   E02D 5/80 20060101AFI20230608BHJP
   E02D 17/20 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
E02D5/80
E02D17/20 106
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501140
(86)(22)【出願日】2021-07-01
(85)【翻訳文提出日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 CN2021103908
(87)【国際公開番号】W WO2022007695
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】202010638949.X
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518229179
【氏名又は名称】青▲島▼理工大学
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO UNIVERSITY OF TECHNOLOGY
(71)【出願人】
【識別番号】521541619
【氏名又は名称】青▲島▼市地▲鉄▼六号▲線▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO METRO LINE 6 CO.,LTD
(71)【出願人】
【識別番号】523035538
【氏名又は名称】中▲鉄▼十七局集▲団▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】523035549
【氏名又は名称】青▲島▼磐▲ヤオ▼新材料工程研究院有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼忠年
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼泉▲維▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼宏▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】凌▲賢▼▲長▼
(72)【発明者】
【氏名】黄成
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼林▲勝▼
(72)【発明者】
【氏名】秦夕朋
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼▲瑩▼▲瑩▼
【テーマコード(参考)】
2D041
2D044
【Fターム(参考)】
2D041GA01
2D041GC01
2D044EA01
(57)【要約】
【課題】プレストレストアンカーケーブルの拡張可能式内側アンカーヘッドを提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明は、地山定着分野に関し、特に、プレストレストアンカーケーブルの拡張可能式内側アンカーヘッドに関する。花状中空管と、薄肉鋼管と、頂部封板と、底部封止プラグと、定着具と、支持部材とを備え、花状中空管内に軸方向に沿って中央軸孔が設けられ、薄肉鋼管は花状中空管内の中央軸孔に設けられ、花状中空管の中央軸孔内を往復移動する。花状中空管を介して内側アンカーヘッドとグラウト体との接触面積を増やすと同時に、定着具と支持部材の二重定着作用において、アンカーケーブル定着部位の定着力を大幅に高め、その後のグラウト作業の完了に容易になる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレストレストアンカーケーブルの拡張可能式内側アンカーヘッドであって、花状中空管(12)と、薄肉鋼管(3)と、頂部封板(5)と、底部封止プラグ(6)と、定着具(1)と、支持部材(4)とを備え、花状中空管(12)内に軸方向に沿って中央軸孔が設けられ、薄肉鋼管(3)は花状中空管(12)内の中央軸孔に設けられ、花状中空管(12)の中央軸孔内を往復移動し、
グラウト管(7)は、薄肉鋼管(3)内にあり、グラウト管(7)と薄肉鋼管(3)との間の接触面が粗い摩擦面であり、
前記頂部封板(5)及び底部封止プラグ(6)は、各々花状中空管(12)の前後両端に固定され、グラウト管(7)が頂部封板(5)の中心穴、花状中空管(12)及び底部封止プラグ(6)の中心穴内を順次挿通し、頂部封板(5)及び底部封止プラグ(6)の中心穴の穴径が薄肉鋼管(3)の外径よりも小さく、薄肉鋼管(3)の前端に複数の定着具(1)がヒンジ結合され、
前記花状中空管(12)内では円周方向に沿って間隔を置いて花状中空管の軸方向に沿って設けられ複数のアンカーケーブルチャネル(11)が設けられ、アンカーケーブル(8)はアンカーケーブルチャネル(11)を通し、かつアンカーケーブルチャネル(11)内を摺動し、前記底部封止プラグ(6)が複数の支持部材(4)とヒンジ結合し、アンカーケーブルが頂部封板(5)、花状中空管(12)、底部封止プラグ(6)及び支持部材(4)を順次挿通し、アンカーケーブル(8)の一端にT字形押し付けスリーブ(15)が固定され、T字形押し付けスリーブ(15)が支持部材(4)の後ろに位置し、T字形押し付けスリーブ(15)が支持部材(4)を底部封止プラグ(6)上に押し付け、
前記花状中空管(12)及び底部封止プラグ(6)に均しくグラウト材吐出孔が設けられる、
ことを特徴とする、プレストレストアンカーケーブルの拡張可能式内側アンカーヘッド。
【請求項2】
前記花状中空管(12)の頂部封板(5)に面する側に円周方向に沿って間隔を置いて複数の細長い溝が設けられ、細長い溝は花状中空管(12)の中央軸孔と連通し、定着具(1)が細長い溝内に設けられ、定着具(1)の後端が花状中空管(12)と連結され、これに対応して花状中空管(12)にヒンジ螺合穴が設けられ、ヒンジシャフトがヒンジ螺合穴内に設けられ、定着具(1)の前端が連結杆(2)を介して薄肉鋼管(3)上に固定される第1ヒンジ支承(13)と連結され、定着具(1)の頂端が先鋭状を呈し、定着具(1)の後端に側平面(101)が設けられ、花状中空管(12)の底部封止プラグに面する側に軸方向に沿って複数の第1グラウト材吐出孔(9)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のプレストレストアンカーケーブルの拡張可能式内側アンカーヘッド。
【請求項3】
前記グラウト管(7)の外径は、薄肉鋼管(3)の内径よりも大きく、前記薄肉鋼管(3)の内表面は粗い波状表面で、グラウト管(7)外壁の薄肉鋼管(3)と接触する部分が粗い波状表面であり、薄肉鋼管(3)をグラウト管外壁の波状外表面のある領域に嵌め込むことを特徴とする、請求項1に記載のプレストレストアンカーケーブルの拡張可能式内側アンカーヘッド。
【請求項4】
前記頂部封板(5)には、円周方向に沿って間隔を置いて複数の第1アンカー穴(501)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のプレストレストアンカーケーブルの拡張可能式内側アンカーヘッド。
【請求項5】
前記底部封止プラグ(6)は、底部封板(601)と、グラウト材吐出管(602)とを備え、底部封板(601)の一側面が花状中空管(12)と固結し、底部封板(601)の他側面がグラウト材吐出管(602)と固結し、底部封板(601)及びグラウト材吐出管(602)内にいずれも中心穴が設けられ、底部封板(601)に円周方向に沿って間隔を置いて複数の第2アンカー穴が設けられ、底部封板(601)のグラウト材吐出管に面する側の端面に間隔を置いて複数の第2ヒンジ支承(14)が設けられ、底部封止プラグ(6)が第2ヒンジ支承(14)を介して支持部材(4)と連結し、グラウト材吐出管(602)に軸方向に沿って複数の第2グラウト材吐出孔(17)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のプレストレストアンカーケーブルの拡張可能式内側アンカーヘッド。
【請求項6】
前記支持部材(4)は、ヒンジ板(401)と、軸板(402)とを備え、ヒンジ板(401)の一端が軸板(402)と垂直に固結し、ヒンジ板(401)の他端が底部封止プラグ(6)の第2ヒンジ支承(14)とヒンジ結合し、ヒンジ板(401)にアンカーケーブルが挿通するための摺動溝(403)が設けられ、ヒンジ板(401)の後ろにT字形押し付けスリーブ(15)が設けられ、T字形押し付けスリーブ(15)の端部の外径が支持部材の摺動溝(403)の短辺の長さより大きく、軸板(402)の岩体層に面する側に複数のつかみ歯(16)が設けられ、つかみ歯(16)の刃部の方向がアンカーケーブルの牽引方向と同じで、支持部材(4)の数がアンカーケーブル(8)の数と同じであることを特徴とする、請求項1に記載のプレストレストアンカーケーブルの拡張可能式内側アンカーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地山定着分野に関し、特に、プレストレストアンカーケーブルの拡張可能式内側アンカーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
プレストレストアンカーケーブルは、法面を補強するための比較的効果的な工法であり、各種法面工事の建設に広く使用されている。プレストレストアンカーケーブルが被定着構造を通過する時、法面の地山を自動的に補強し、法面の全体的な安定性及び支持力を明らかに向上することができる。プレストレストアンカーケーブルは、内側アンカーヘッド、アンカーケーブル本体、外側アンカーヘッドの3つの部分で構成され、内側アンカーヘッドはアンカーケーブルが岩盤内に定着される時にプレストレストを提供する基礎である。その機械的特性は、アンカーケーブル定着部位の引抜抵抗特性に大きな影響を与え、かつ機械的特性は主に全体的な構造によって取り決める。しかし、従来の内側アンカーヘッド構造はグラウト体との接触面積が小さく、信頼性の高い係止装置がなく、アンカーケーブルで補強した後、ケーブル本体の定着力は大きくなく、長期的な静的載荷及び動的載荷はアンカーの信頼性に著しく影響を及ぼしていた。よって、本出願は、アンカーケーブルの定着特性を向上する目的を達成するため、アンカーケーブルの内側アンカーヘッドの構造を改良する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、従来技術に存在する上記の欠陥を克服するため、花状中空管を介して内側アンカーヘッドとグラウト体との接触面積を増大すると同時に、定着具と支持部材の二重定着作用において、アンカーケーブル定着部位の定着力を大幅に向上し、その後のグラウト作業の完了に便利となるプレストレストアンカーケーブルの拡張可能式内側アンカーヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の技術的手段として、プレストレストアンカーケーブルの拡張可能式内側アンカーヘッドであって、花状中空管と、薄肉鋼管と、頂部封板と、底部封止プラグと、定着具と、支持部材とを備え、花状中空管内に軸方向に沿って中央軸孔が設けられ、薄肉鋼管は花状中空管内の中央軸孔に設けられ、花状中空管の中央軸孔内を往復移動し、
グラウト管は、薄肉鋼管内にあり、グラウト管と薄肉鋼管との間の接触面が粗い摩擦面であり、
前記頂部封板及び底部封止プラグは、各々花状中空管の前後両端に固定され、グラウト管が頂部封板の中心穴、花状中空管及び底部封止プラグの中心穴内を順次挿通し、頂部封板及び底部封止プラグの中心穴の穴径が薄肉鋼管の外径よりも小さく、薄肉鋼管の前端に複数の定着具がヒンジ結合され、
前記花状中空管内では円周方向に沿って間隔を置いて花状中空管の軸方向に沿って設けられ複数のアンカーケーブルチャネルが設けられ、アンカーケーブルはアンカーケーブルチャネルを通し、かつアンカーケーブルチャネル内を摺動し、前記底部封止プラグが複数の支持部材とヒンジ結合し、アンカーケーブルが頂部封板、花状中空管、底部封止プラグ及び支持部材を順次挿通し、アンカーケーブルの一端にT字形押し付けスリーブが固定され、T字形押し付けスリーブが支持部材の後ろに位置し、T字形押し付けスリーブが支持部材を底部封止プラグ上に押し付け、
前記花状中空管及び底部封止プラグに均しくグラウト材吐出孔が設けられる。
【0005】
本発明において、前記花状中空管の頂部封板に面する側に円周方向に沿って間隔を置いて複数の細長い溝が設けられ、細長い溝は花状中空管の中央軸孔と連通し、定着具が細長い溝内に設けられ、定着具の後端が花状中空管と連結され、これに対応して花状中空管にヒンジ螺合穴が設けられ、ヒンジシャフトがヒンジ螺合穴内に設けられ、定着具の前端が連結杆を介して薄肉鋼管上に固定される第1ヒンジ支承と連結され、定着具の頂端が先鋭状を呈し、定着具の後端に側平面が設けられ、花状中空管の底部封止プラグに面する側に軸方向に沿って複数の第1グラウト材吐出孔が設けられる。
【0006】
好ましくは、前記グラウト管の外径は、薄肉鋼管の内径よりも大きく、グラウト管と薄肉鋼管との間の締まりばめにより、グラウト管と薄肉鋼管との間の固結を実現し、前記薄肉鋼管の内表面は、粗い波状表面で、グラウト管外壁の薄肉鋼管と接触する部分が粗い波状表面であり、薄肉鋼管をグラウト管外壁の波状外表面のある領域に嵌め込む。
【0007】
前記頂部封板には、アンカーケーブルの挿通を容易にするため、円周方向に沿って間隔を置いて複数の第1アンカー穴が設けられる。
【0008】
前記底部封止プラグは、底部封板と、グラウト材吐出管とを備え、底部封板の一側面が花状中空管と固結し、底部封板の他側面がグラウト材吐出管と固結し、底部封板及びグラウト材吐出管内にいずれも中心穴が設けられ、底部封板に円周方向に沿って間隔を置いて複数の第2アンカー穴が設けられ、底部封板のグラウト材吐出管に面する側の端面に間隔を置いて複数の第2ヒンジ支承が設けられ、底部封止プラグが第2ヒンジ支承を介して支持部材と連結し、グラウト材吐出管に軸方向に沿って複数の第2グラウト材吐出孔が設けられる。
【0009】
前記支持部材は、ヒンジ板と、軸板とを備え、ヒンジ板の一端が軸板と垂直に固結し、ヒンジ板の他端が底部封止プラグの第2ヒンジ支承とヒンジ結合し、ヒンジ板にアンカーケーブルが挿通するための摺動溝が設けられ、ヒンジ板の後ろにT字形押し付けスリーブが設けられ、T字形押し付けスリーブの端部の外径が支持部材の摺動溝の短辺の長さより大きく、軸板の岩体層に面する側に複数のつかみ歯が設けられ、つかみ歯の刃部の方向がアンカーケーブルの牽引方向と同じで、支持部材の数がアンカーケーブルの数と同じである。
【発明の効果】
【0010】
内側アンカーヘッドの複数の定着具が開かれた時、定着具の先鋭状頂端が岩体内を切り込んで内側アンカーヘッドのプレストレスアンカリングを実現し、内側アンカーヘッドの支持部材が開かれた時、支持部材上の複数のつかみ歯が岩体内を切り込むことで、再び定着力補強の役割を果たし、これにより定着具と支持部材の二重拡張作用において、アンカーケーブル定着部位の定着力を大幅に高め、その後のグラウト手順の完了に容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の概略断面構成図である。
図2】花状中空管の概略構成図である。
図3】定着具の概略構成図である。
図4】支持部材の概略構成図である。
図5】頂部封板の概略構成図である。
図6】底部封止プラグの概略構成図である。
図7】定着具が開かれた時の本発明の概略構成図である。
図8】支持部材が開かれた時の本発明の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明白かつ理解可能にするために、以下に図面を参照しつつ、本発明の具体的実施形態を詳細に説明する。
【0013】
以下の説明では、本発明を完全に理解するために具体的な詳細が示されている。ただし、本発明は、本明細書に記載されたものとは異なる他の多種多様な形態で実施することができ、当業者は本発明の趣旨から逸脱することなく、多数の変更および変形が可能である。したがって、本発明は、以下に開示される具体的実施形態によって限定されない。
【0014】
図1に示すように、本発明のプレストレストアンカーケーブルの拡張可能式内側アンカーヘッドは、花状中空管12と、薄肉鋼管3と、頂部封板5と、底部封止プラグ6と、定着具1と、支持部材4とを備え、花状中空管12内に軸方向に沿って中央軸孔が設けられ、薄肉鋼管3は花状中空管12内の中央軸孔に設けられ、花状中空管12の中央軸孔内を往復移動できる。グラウト管7は、薄肉鋼管3内にあり、グラウト管7が薄肉鋼管3と固結する。頂部封板5及び底部封止プラグ6は、各々花状中空管12の前後両端に固定され、グラウト管7が頂部封板5、花状中空管12及び底部封止プラグ6内を順次挿通する。薄肉鋼管3が花状中空管12の中央軸孔から滑り出すのを防止するため、2つの中心穴の穴径は、いずれも薄肉鋼管3の外径よりも小さい。薄肉鋼管3の前端に複数の定着具1がヒンジ結合される。前記花状中空管12内では円周方向に沿って間隔を置いて花状中空管の軸方向に沿って設けられ複数のアンカーケーブルチャネル11が設けられ、アンカーケーブル8はアンカーケーブルチャネル11を通し、かつアンカーケーブルチャネル11内を摺動できる。底部封止プラグ6は、T字形押し付けスリーブ15を介してアンカーケーブル8と接続する。花状中空管12及び底部封止プラグ6上に均しくグラウト材吐出孔が設けられる。
【0015】
図2に示すように、花状中空管12の頂部封板5に面する側に円周方向に沿って間隔を置いて複数の細長い溝が設けられ、細長い溝は花状中空管12の中央軸孔と連通することで、一側の花状中空管をいくつかの扇形ブロックに分割し、定着具1が細長い溝内に設けられ、本実施例において、花状中空管12の円周方向に沿って3つの細長い溝を等間隔に配置し、3つの細長い溝が花状中空管12を3つの扇形ブロックに分割する。図1及び図3に示すように、定着具1の後端がヒンジシャフトを介して花状中空管12と連結し、これに対応して花状中空管12にヒンジ螺合穴が設けられ、ヒンジシャフトがヒンジ螺合穴内に設けられ、定着具1の前端が連結杆2を介して薄肉鋼管3上に固定される第1ヒンジ支承13と連結され、連結杆2の両端は各々定着具1及び第1ヒンジ支承13とヒンジ結合し、すなわち定着具1を介して花状中空管12と薄肉鋼管3との間の接続を実現する。定着具1の頂端が先鋭状を呈し、定着具1の後端に側平面101が設けられ、花状中空管12の底部封止プラグに面する側に軸方向に沿って複数の第1グラウト材吐出孔9が設けられる。
【0016】
本発明において、グラウト管7の外径は、薄肉鋼管3の内径より略大きく、グラウト管7と薄肉鋼管3との間の締まりばめにより、グラウト管7と薄肉鋼管3との間の固結を実現する。同時に薄肉鋼管3の内表面は、粗い波状表面で、グラウト管7外壁の薄肉鋼管3と接触する部分も粗い波状表面であり、薄肉鋼管3をグラウト管外壁の波状外表面のある領域に嵌め込み、粗い波状表面は薄肉鋼管3とグラウト管7との間の摩擦係数を増大させ、薄肉鋼管3とグラウト管7との間の摩擦力を高めることで、薄肉鋼管3とグラウト管7との間の固結力を増す。
【0017】
頂部封板5は、溶接方法で花状中空管12の前端面に固定され、図5に示すように、グラウト管の挿通を容易にするため、頂部封板5に中心穴が設けられ;アンカーケーブル8の挿通を容易にするため、円周方向に沿って間隔を置いて複数の第1アンカー穴501が設けられる。図6に示すように、底部封止プラグ6は、溶接方法で花状中空管12の後端面に固定され、底部封板601と、グラウト材吐出管602とを備え、底部封板601の一側面が花状中空管12と固結し、底部封板601の他側面がグラウト材吐出管602と固結し、グラウト管の挿通を容易にするため、底部封板601及びグラウト材吐出管602内にいずれも中心穴が設けられ、アンカーケーブル8の挿通を容易にするため、底部封板601に円周方向に沿って間隔を置いて複数の第2アンカー穴が設けられ、底部封板601のグラウト材吐出管に面する側の端面に間隔を置いて複数の第2ヒンジ支承14が設けられ、底部封止プラグ6が第2ヒンジ支承14を介して支持部材4と連結する。グラウト材吐出管602に軸方向に沿って複数の第2グラウト材吐出孔17が設けられる。
【0018】
図4に示すように、支持部材4は、ヒンジ板401と、軸板402とを備え、軸板402はヒンジ板401の一端と垂直に固結するため、支持部材4がL字形を呈する。ヒンジ板401の一端は、軸板402と固結し、ヒンジ板401の他端と底部封止プラグ6の第2ヒンジ支承14との間がヒンジシャフトを介して接続することで、支持部材4と底部封止プラグ6との接続を実現する。支持部材4が開かれた時、軸板402は花状中空管12の軸方向に平行であり、ヒンジ板401が底部封板601の外表面に密着する。アンカーケーブル8の挿通を容易にするため、ヒンジ板401上に摺動溝403が設けられるので、アンカーケーブル8は頂部封板5、花状中空管12、底部封止プラグ6及び支持部材4を順次挿通する。軸板402の外側、すなわち岩体層に面する側に複数のつかみ歯16が設けられ、つかみ歯16の刃部の方向がアンカーケーブルの牽引方向と同じである。支持部材4の数がアンカーケーブルチャネル11の数であるアンカーケーブル8の数と同じである。
【0019】
アンカーケーブル8の一端にT字形押し付けスリーブ15が固定され、T字形押し付けスリーブ15は支持部材4の後ろに位置する。T字形押し付けスリーブ15の端部外径は、支持部材の摺動溝403の短辺の長さより大きく、アンカーケーブルを牽引すると、牽引力がT字形押し付けスリーブ15を介して支持部材4に伝達され、支持部材4の押圧を実現して、支持部材4を外側に拡張し、つかみ歯16の端部にある鋭い刃部が岩体を直接切り込む。
【0020】
内側アンカーヘッドの動作原理を次に説明する。穿孔、孔内清掃が完了した後、アンカーケーブル8を頂部封板5、花状中空管12のアンカーケーブルチャネル、底部封止プラグ6及び支持部材4に順次挿通させ、アンカーケーブル8の敷設が完了した後、内側アンカーヘッドが図1に示すように、やはり初期状態を保持し、この時定着具1が花状中空管12内にある。グラウト管7を少し外側に引き抜き、グラウト管外壁の粗い表面7及び薄肉鋼管3の内壁の粗い表面との間の摩擦力により、薄肉鋼管3を頂部封板5の方向に向けて移動させ、この時薄肉鋼管3上に固定されている第1ヒンジ支承13が変位され、薄肉鋼管とヒンジ結合する連結杆2が頂部封板方向に向けて移動しながら回転することで、図7に示すように連結杆2の他端とヒンジ結合する定着具1を開かせる。定着具1の頂端は、比較的先鋭であり、開いた後岩体を容易に切り込んで構造のプレストレスアンカリングを実現でき、定着具1が開かれると、定着具1の後端の側平面101が細長い溝の溝底に突き当たり、定着具の頂端に対する岩体の作用力と定着具の底端に対する花状中空管の作用力の方向は反対し、プレストレスアンカリング過程で、定着具1が比較的静止の動作状態を維持できる。
【0021】
定着具が開かれて岩体を切り込んで内側アンカーヘッドのプレストレスアンカリングを実現した後、内側アンカーヘッドは、一定の引抜抵抗力を持ち、この時アンカーケーブル8を牽引し、アンカーケーブル8の牽引過程でアンカーケーブルの後端に固定されているT字形押し付けスリーブ15がアンカーケーブル8に追動する。T字形押し付けスリーブ15は、支持部材4を花状中空管12の方向に向けて押して、支持部材4を第2ヒンジ支承14に沿って回転させ、支持部材4が外側に拡張すると同時に、支持部材4上のつかみ歯16が岩体を切り込み、再び定着力補強の役割を果たす。定着具1と支持部材4の二重定着作用において、アンカーケーブル定着部位の定着力を大幅に向上ことができる。定着具1及び支持部材4が全開された後、内側アンカーヘッドが岩体内に固定され、この時グラウト作業を実施でき、グラウト材を注入しながらグラウト管を引き抜き、グラウト管7の引き抜き過程で薄肉鋼管3はグラウト管7に追従して頂部封板5の方向に向けて移動され、頂部封板5と接触するように移動した後、頂部封板5のブロッキング作用において、薄肉鋼管3の移動が停止され、グラウト管7を引き続け、グラウト管7の後端が底部封止プラグ6内に引き込まれた後、グラウト材が底部封止プラグの第2グラウト材吐出孔17と花状中空管12の第1グラウト材吐出孔9から流出することができる。グラウト材が凝固した後、グラウト材吐出孔内のグラウト体が周囲のグラウト体と一体化し、花状中空管12の存在によりアンカーケーブル8とグラウト体との接触面積も増加し、載荷応力の伝達面積を増加する。これにより、第1グラウト材吐出孔9を備えた花状中空管12は、局所的な応力をある程度緩和し、操作階段の信頼性を向上させる。
【0022】
上記で本発明により提供されるプレストレストアンカーケーブルの拡張可能式内側アンカーヘッドを詳細に説明した。本明細書では、具体的実施例を使用して本発明の原理及び実施形態を説明し、上記の実施例の説明は本発明の方法及び技術的思想を理解するためにのみ使用される。当業者であれば、本発明の原理から逸脱することなく、本発明をいくつか改良及び潤色することができ、かかる改良及び潤色も本発明の特許請求の範囲の保護範囲に収まることを指摘しておかなければならない。開示された実施例の上述の説明は、当業者が本発明を実施又は使用することを可能にする。これらの実施例に対する様々な修正は当業者にとって自明であり、本明細書で定義される一般原理は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施例で実施することができる。したがって、本発明は、本明細書に示されるこれらの実施例に限定されるものではなく、本明細書に開示される原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲に準拠する必要がある。
【符号の説明】
【0023】
10 ・・ ヒンジ螺合穴
1 ・・ 定着具
101・・ 側平面
11 ・・ アンカーケーブルチャネル
12 ・・ 花状中空管
13 ・・ 第1ヒンジ支承
14 ・・ 第2ヒンジ支承
15 ・・ T字形押し付けスリーブ
16 ・・ つかみ歯
17 ・・ 第2グラウト材吐出孔
2 ・・ 連結杆
3 ・・ 薄肉鋼管
4 ・・ 支持部材
401・・ ヒンジ板
402・・ 軸板
403・・ 摺動溝
5 ・・ 頂部封板
501・・ 第1アンカー穴
6 ・・ 底部封止プラグ
601・・ 底部封板
602・・ グラウト材吐出管
7 ・・ グラウト管
8 ・・ アンカーケーブル
9 ・・ 第1グラウト材吐出孔
図1
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図3
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図8
【国際調査報告】