(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-16
(54)【発明の名称】家具組立システム及びその為の方法
(51)【国際特許分類】
A47C 5/00 20060101AFI20230609BHJP
F16B 12/10 20060101ALI20230609BHJP
A47C 5/12 20060101ALI20230609BHJP
A47C 5/14 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
A47C5/00 Z
F16B12/10 A
A47C5/12
A47C5/14
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022532578
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(85)【翻訳文提出日】2022-05-30
(86)【国際出願番号】 SG2020050294
(87)【国際公開番号】W WO2021215997
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】10202003729U
(32)【優先日】2020-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(81)【指定国・地域】
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開日 2019年7月16日 公開場所 ヴィヴィストップ オーチャード(シンガポール共和国, 237978 シンガポール, オーチャード リンク 2, スケープ 05-07エー/ビー)
(71)【出願人】
【識別番号】522213890
【氏名又は名称】ヴィヴィータ シンガポール プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】VIVITA SINGAPORE PTE. LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ファム, シン-チェン, アベル
(72)【発明者】
【氏名】カン, ケイ リー, クラリッサ レイチェル
【テーマコード(参考)】
3J024
【Fターム(参考)】
3J024AA14
3J024BA02
3J024BA03
3J024CA16
(57)【要約】
家具組立システム及びその為の方法。家具組立システム(10)において、複数のクロスパネル(100,100 a)であって、各クロスパネルは、一つ又は複数の行および一つ又は複数の列に配置された直角十字形状の複数の係合孔(102)を備え、各係合孔は、隣接する係合孔から所定の距離だけ分離されている、複数のクロスパネル(100100 a)と、複数のロックダウン孔を備えた少なくとも1つのトップパネル(300)と、少なくとも1つの支持部材(200, 200a、200b)であって、支持部材は、クロスパネルに連結可能な第1の相互作用エッジ(201)および第2の相互作用エッジ(202)と、トップパネルに連結可能な第3の相互作用エッジ(203)とを備え、第1の相互作用エッジおよび第2の相互作用エッジは、第3の相互作用エッジに対して実質的に垂直である、少なくとも1つの支持部材(200, 200a、200b)と、を備え、第1の相互作用エッジおよび第2の相互作用エッジのそれぞれは、少なくとも1つのフックジョイント(210)を備え、少なくとも1つのフックジョイント(210)は、クロスパネルの係合孔内に挿入可能であり、かつクロスパネルを越えて延びて片持ち突起を形成するような形状および大きさであり、第3の相互作用エッジは、トップパネルの複数のロックダウン孔(304)に嵌め込むような形状および大きさの一つ又は複数の突出部分(220)を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具組立システムにおいて、
複数のクロスパネルであって、各クロスパネルは、一つ又は複数の行および一つ又は複数の列に配置された直角十字形状の複数の係合孔を備え、各係合孔は、隣接する係合孔から所定の距離だけ分離されている、複数のクロスパネルと、
複数のロックダウン孔を備えた少なくとも1つのトップパネルと、
少なくとも1つの支持部材であって、前記支持部材は、前記クロスパネルに連結可能な第1の相互作用エッジおよび第2の相互作用エッジと、前記トップパネルに連結可能な第3の相互作用エッジとを備え、前記第1の相互作用エッジおよび前記第2の相互作用エッジは、前記第3の相互作用エッジに対して実質的に垂直である、少なくとも1つの支持部材と、
を備え、
前記第1の相互作用エッジおよび前記第2の相互作用エッジのそれぞれは、少なくとも1つのフックジョイントを備え、前記少なくとも1つのフックジョイントは、前記クロスパネルの前記係合孔内に挿入可能であり、かつ前記クロスパネルを越えて延びて片持ち突起を形成するような形状および大きさであり、前記第3の相互作用エッジは、前記トップパネルの前記複数のロックダウン孔に嵌め込むような形状および大きさの一つ又は複数の突出部分を備える、家具組立システム。
【請求項2】
複数のロック部材をさらに備え、前記ロック部材は、前記支持部材を前記クロスパネル上に固定するために前記係合孔に嵌め込むような形状および寸法にされる、請求項1に記載の家具組立システム。
【請求項3】
前記クロスパネルは、取付け手段を受け入れるための複数の補助孔を更に備える、請求項1又は2に記載の家具組立システム。
【請求項4】
前記クロスパネルおよび/またはトップパネルに取り付け可能な一つ又は複数の付属品を更に備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の家具組立システム。
【請求項5】
前記トップパネルは、可撓性材料を織り込んで支持面を形成するように構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の家具組立システム。
【請求項6】
前記支持部材の前記第1の相互作用エッジおよび前記第2の相互作用エッジは、前記クロスパネル上の2つ以上の前記係合孔内に結合されるように構成された2つ以上の前記フックジョイントを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の家具組立システム。
【請求項7】
前記家具組立システムの構成要素は、エンドユーザによってカスタマイズ可能である、請求項1~6のいずれか一項に記載の家具組立システム。
【請求項8】
家具組立システムの構成部品から作られる組み立てられた家具片において、
前記家具片の2つの対向する側面を形成する第1のクロスパネル及び第2のクロスパネルと、
前記第1のクロスパネルおよび/または前記第2のクロスパネルに対して垂直に配列される、第1の支持部材及び第2の支持部材であって、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材の各々は、第1の相互作用エッジに沿って前記第1のクロスパネルに連結され、第2の相互作用エッジに沿って前記第2のクロスパネルに連結される、第1の支持部材及び第2の支持部材と、
前記家具片の最上面を形成するトップパネルであって、前記トップパネルは、前記第1の支持部材の第3の相互作用エッジに沿って前記第1の支持部材に連結され、かつ前記第2の支持部材の第3の相互作用エッジに沿って前記第2の支持部材に連結される、トップパネルと、
を備える、組み立てられた家具片。
【請求項9】
複数のロック部材を更に備え、各ロック部材は係合孔に結合され、前記係合孔で、前記支持部材を前記クロスパネル上に固定するように、前記支持部材の前記第1の相互作用エッジまたは前記第2の相互作用エッジ上のフックジョイントが挿入される、請求項8に記載の組み立てられた家具片。
【請求項10】
前記クロスパネルに取り付けられた一つ又は複数の付属品を更に備える、請求項8又は9に記載の組み立てられた家具片。
【請求項11】
前記トップパネルに可撓性材料が織り込まれて支持面を形成する、請求項8~10のいずれか一項に記載の組み立てられた家具片。
【請求項12】
前記組み立てられた家具片の構成要素は、エンドユーザによってカスタマイズ可能である、請求項8~11のいずれか一項に記載の組み立てられた家具片。
【請求項13】
家具組立システムを使用して家具片を組み立てる方法において、
第1の支持部材を第1のクロスパネルに手で連結するステップであって、前記第1の支持部材の第1の相互作用エッジ上の一つ又は複数のフックジョイントが、前記第1のクロスパネルの一つ又は複数の対応する係合孔に挿入され、前記第1のクロスパネルを越えて延びて片持ち突起を形成するように設定されるステップと、
第2の支持部材を第1のクロスパネルに手で連結するステップであって、前記第2の支持部材の第1の相互作用エッジ上の一つ又は複数のフックジョイントが、前記第1のクロスパネルの一つ又は複数の対応する係合孔に挿入され、前記第1のクロスパネルを越えて延びて片持ち突起を形成するように設定される、ステップと、
前記第1の支持部材を第2のクロスパネルに手で連結するステップであって、前記第1の支持部材の第2の相互作用エッジ上の一つ又は複数のフックジョイントが、前記第2のクロスパネルの一つ又は複数の対応する係合孔に挿入され、前記第2のクロスパネルを越えて延びて片持ち突起を形成するように設定される、ステップと、
前記第2の支持部材を前記第2のクロスパネルに手で連結するステップであって、前記第2の支持部材の第2の相互作用エッジ上の一つ又は複数のフックジョイントが、前記第2のクロスパネルの一つ又は複数の対応する係合孔に挿入され、前記第2のクロスパネルを越えて延びて片持ち突起を形成するように設定される、ステップと、
トップパネルを前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材に手で連結し、前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材の第3の相互作用エッジ上の一つ又は複数の突出部分が、前記トップパネルの一つ又は複数の対応するロックダウン孔に嵌め込まれるステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材を前記第1のクロスパネル及び前記第2のクロスパネルに複数のロック部材を用いて固定するステップであって、各ロック部材は、フックジョイントが挿入される係合孔に嵌め込まれるステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記トップパネルに可撓性材料を織り込んで支持面を形成するステップを更に含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記クロスパネルに一つ又は複数の付属品を取り付けるステップを更に含む、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
家具組立システムのクロスパネルにおいて、
一つ又は複数の行及び一つ又は複数の列に配置された直角十字形状の複数の係合孔であって、各係合孔は、隣接する係合孔から所定の距離だけ離れている、複数の係合孔を備え、
前記クロスパネルは、支持部材に連結するように構成され、前記支持部材は、前記クロスパネルに連結可能な第1の相互作用エッジおよび第2の相互作用エッジと、トップパネルに連結可能な第3の相互作用エッジとを備え、前記第1の相互作用エッジおよび前記第2の相互作用エッジは、前記第3の相互作用エッジに対して実質的に垂直であり、
前記第1の相互作用エッジおよび前記第2の相互作用エッジのそれぞれは、少なくとも1つのフックジョイントを備え、前記少なくとも1つのフックジョイントは、前記クロスパネルの前記係合孔内に挿入可能であり、かつ前記クロスパネルを越えて延びて片持ち突起を形成するような形状および大きさであり、前記第3の相互作用エッジは、前記トップパネルの複数のロックダウン孔に嵌め込まれるような形状および大きさの一つ又は複数の突出部分を備える、クロスパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、家具組立システムに関する。また、本開示は、組み立てられた家具片、および家具組立システムを使用して家具片を組み立てる方法に関する。
【0002】
【背景】
【0003】
[0002]開示の背景に関する以下の議論は、本開示の理解のみを容易にすることを意図している。この議論は、言及された資料のいずれかが、開示の優先日に、いずれかの管轄区域において、公開され、公知であり、又は当業者の技術常識の一部であったことを認めるものではないことを理解されたい。
【0004】
[0003]家具の組立は複雑な場合がある。家具を組み立てる現在の技術は、労働と部品集約的である。家具には多くの構成部品があり、組み立てには幾つかの工具が必要である。組立が複雑なため、現在、ほとんどの家具は販売者が組み立てている。完全に又は最も完全に組み立てられた家具は、通常、かなりのスペースを占有し、取り扱いおよび輸送を困難にする。
【0005】
[0004]より最近では、家具構成要素(必要な工具を含む)がユーザに出荷され、ユーザが現場で家具を組み立てる、組立可能家具システムが見られる。しかしながら、既存の組立可能な家具システムの大部分は、家具構成要素を組み立てるために必要とされる労力を増大させ、組立プロセスの複雑さを増す位置依存コネクタおよびブラケットを利用する。
【0006】
[0005]本開示は、上記の問題を少なくとも軽減または緩和するために、家具片を組み立てるためのシステムおよび方法を提供することが望まれることを意図している。
【0007】
【概要】
【0008】
[0006]本開示の1つの態様によれば、家具組立システムが提供されるが、この家具組立システムは、
-複数のクロスパネルであって、各クロスパネルが、一つ又は複数の行および一つ又は複数の列に配置された直角十字形状の複数の係合孔を備え、各係合孔は、隣接する係合孔から所定の距離で分離されている、複数のクロスパネルと、
-複数のロックダウン孔を備える少なくとも1つのトップパネルと、
-少なくとも1つの支持部材であって、支持部材は、クロスパネルに連結可能な第1の相互作用エッジおよび第2の相互作用エッジと、トップパネルに連結可能な第3の相互作用エッジとを含み、第1の相互作用エッジおよび第2の相互作用エッジは、第3の相互作用エッジに実質的に垂直である、少なくとも1つの支持部材と、
を備え、
-第1の相互作用エッジおよび第2の相互作用エッジのそれぞれは、クロスパネルの係合孔内に挿入可能であり、かつ片持ち突起を形成するクロスパネルを越えて延びるような形状および大きさの少なくとも1つのフックジョイントを含み、第3の相互作用エッジは、トップパネルの複数のロックダウン孔に嵌め込むような形状および大きさの一つ又は複数の突出部分を含む。
【0009】
[0007]一部の実施形態において、家具組立システムは、複数のロック部材を更に備えてもよく、ロック部材は、支持部材をクロスパネル上に固定するために係合孔に嵌め込むように成形され、大きさが決められる。
【0010】
[0008]一部の実施態様において、クロスパネルは、取り付け手段を受け入れるための複数の補助孔を更に備えることができる。
【0011】
[0009]一部の実施形態において、家具組立システムは、クロスパネルおよび/またはトップパネルに取り付け可能な一つ又は複数の付属品を更に備えてもよい。
【0012】
[0010]一部の実施態様において、トップパネルは、可撓性材料を織り込んで支持面を形成するように構成することができる。
【0013】
[0011]一部の実施形態において、支持部材または各支持部材の第1の相互作用エッジおよび第2の相互作用エッジは、クロスパネル上の2つ以上の係合孔内に結合されるように構成された2つ以上のフックジョイントを備えることができる。
【0014】
[0012]一部の実施形態において、家具組立システムの構成要素は、エンドユーザによってカスタマイズ可能であってもよい。
【0015】
[0013]本開示の別の態様によれば、家具組立システムの構成要素から作られる組み立てられた家具片が提供されるが、この組立片は、
-家具片の2つの対向する側面を形成する第1のクロスパネルおよび第2のクロスパネルと、
-第1のクロスパネルおよび/または第2のクロスパネルに対して垂直に配列された第2の支持部材および第1の支持部材であって、第1の支持部材および第2の支持部材の各々は、第1の相互作用エッジに沿って第1のクロスパネルに連結され、第2の相互作用エッジに沿って第2のクロスパネルに連結される、第1の支持部材および第2の支持部材と、
-家具片の最上面を形成するトップパネルであって、第1の支持部材の第3の相互作用エッジに沿って第1の支持部材に連結され、かつ第2の支持部材の第3の相互作用エッジに沿って第2の支持部材に連結される、トップパネルと、
を備える。
【0016】
[0014]一部の実施形態において、組み立てられた家具片は更に複数のロック部材を備えてもよく、各ロック部材は、支持部材の第1または第2の相互作用エッジ上のフックジョイントが挿入されて支持部材をクロスパネル上に固定する係合孔に結合される。
【0017】
[0015]一部の実施態様において、組み立てられた家具片は、クロスパネルに取り付けられた一つ又は複数の付属品を更に備えることができる。
【0018】
[0016]一部の実施態様において、可撓性材料をトップパネルに織り込んで支持面を形成することができる。
【0019】
[0017]一部の実施形態において、組み立てられた家具片の構成要素は、エンドユーザによってカスタマイズ可能であってもよい。
【0020】
[0018]本開示の更なる態様によれば、家具組立システムを使用して家具片を組み立てる方法が提供されるが、この方法は、
-第1の支持部材を第1のクロスパネルに手で連結するステップであって、第1の支持部材の第1の相互作用エッジ上の一つ又は複数のフックジョイントが、第1のクロスパネルの一つ又は複数の対応する係合孔に挿入され、第1のクロスパネルを越えて延びて片持ち突起を形成するように設定されるステップと、
-第2の支持部材を第1のクロスパネルに手で連結するステップあって、第2の支持部材の第1の相互作用エッジ上の一つ又は複数のフックジョイントが、第1のクロスパネルの一つ又は複数の対応する係合孔に挿入され、第1のクロスパネルを越えて延びて片持ち突起を形成するように設定されるステップと、
-第1の支持部材を第2のクロスパネルに手で連結するステップであって、第1の支持部材の第2の相互作用エッジ上の一つ又は複数のフックジョイントが、第2のクロスパネルの一つ又は複数の対応する係合孔に挿入され、第2のクロスパネルを越えて延びて片持ち突起を形成するように設定されるステップと、
-第2の支持部材を第2のクロスパネルに手で連結するステップであって、第2の支持部材の第2の相互作用エッジ上の一つ又は複数のフックジョイントが、第2のクロスパネルの一つ又は複数の対応する係合孔に挿入され、第2のクロスパネルを越えて延びて片持ち突起を形成するように設定されるステップと、
-トップパネルを第1の支持部材及び第2の支持部材に手で連結するステップであって、第1の支持部材及び第2の支持部材の第3の相互作用エッジ上の一つ又は複数の突出部分が、トップパネルの一つ又は複数の対応するロックダウン孔に嵌め込まれるステップと、
を含む。
【0021】
[0019]一部の実施形態において、この方法は、複数のロック部材を使用して第1の支持部材および第2の支持部材を第1のクロスパネルおよび第2のクロスパネル上に固定するステップであって、各ロック部材は、フックジョイントが挿入される係合孔に嵌め込まれるステップを更に含んでもよい。
【0022】
[0020]一部の実施態様において、この方法は、可撓性材料をトップパネルに織り込んで支持面を形成するステップを更に含むことができる。
【0023】
[0021]一部の実施形態において、この方法は、一つ又は複数の付属品をクロスパネルに取り付けるステップを更に含むことができる。
【0024】
[0022]本開示の更に別の態様によれば、家具組立システムのクロスパネルが提供されるが、このクロスパネルは、
一つ又は複数の行および一つ又は複数の列に配置された直角十字形状の複数の係合孔であって、各係合孔は、隣接する係合孔から所定の距離だけ分離される、複数の係合孔を備え、
クロスパネルは、支持部材に連結するように構成され、支持部材は、クロスパネルに連結可能な第1の相互作用エッジおよび第2の相互作用エッジと、トップパネルに連結可能な第3の相互作用エッジとを備え、第1の相互作用エッジおよび第2の相互作用エッジは、第3の相互作用エッジに対して実質的に垂直であり、
第1の相互作用エッジおよび第2の相互作用エッジのそれぞれは、クロスパネルの係合孔に挿入可能であり、かつクロスパネルを越えて延びて片持ち突起を形成するような形状および大きさの少なくとも1つのフックジョイントを備え、第3の相互作用エッジは、トップパネルの複数のロックダウン孔に嵌め込むような形状および大きさである。
[0023]本開示の他の態様は、添付する図面と共に本開示の特定の実施形態の以下の説明を検討すると、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
[0024]
添付図面を参照して、様々な実施形態を実施例としてのみ説明する。
【
図1】
図1は、一実施形態による家具組立システムを例示する図である。
【
図2】
図2は、家具組立システムの構成部品から組み立てられた家具片を例示する。
【
図3】
図3は、一実施形態による家具組立システムのクロスパネルを例示する。
【
図4A】
図4Aは、一実施形態による家具組立システムの支持部材を例示する。
【
図4B】
図4Bは、別の実施形態による家具組立システムの支持部材を例示する。
【
図5A】
図5Aは、一実施形態による家具組立システムのトップパネルを例示する。
【
図5B】
図5Bは、別の実施形態による家具組立システムのトップパネルを例示する。
【
図5C】
図5Cは、別の実施形態による家具組立システムのトップパネルを例示する。
【
図6A】
図6Aは、一部の実施形態に従って、家具組立システムの構成要素から組み立てられた家具片を例示する。
【
図6B】
図6Bは、一部の実施形態に従って、家具組立システムの構成要素から組み立てられた家具片を例示する。
【
図6C】
図6Cは、一部の実施形態に従って、家具組立システムの構成要素から組み立てられた家具片を例示する。
【
図6D】
図6Dは、一部の実施形態に従って、家具組立システムの構成要素から組み立てられた家具片を例示する。
【
図7】
図7は、家具片を設計し、家具組立システムの構成要素を順序付けるためのデジタルプラットフォームのユーザインターフェースを例示する。
【詳細な説明】
【0026】
[0025]以下の説明において、本明細書の実施形態を説明するために詳細を提供する。しかしながら、そのような詳細を有することなく実施形態を実施することができることは当業者には明らかである。
【0027】
[0026]実施形態の類似部は、同一名称、類似番号、またはアルファベット記号またはプライム記号を有する同一名称、類似番号を有してもよい。ある部品の説明は、適切な場合には、他の同様の部品への参照によって適用され、それによって、開示を制限することなく、本文の繰り返しを減らしている。
【0028】
[0027]本明細書を通して、他に反対のことが示されない限り、「備える」、「から成る」、「を有する」などの用語は、非包括的であると解釈されるべきであり、換言すれば、「含むが、これに限定されない」を意味すると解釈されるべきである。
【0029】
[0028]本明細書を通して、文脈が他のことを必要としない限り、「含む」という語または「含む」もしくは「含んでいる」のような変形は、規定された整数または整数のグループの包含を意味するが、他の整数または整数のグループの排除は意味しないと理解される。
【0030】
[0029]本明細書全体を通じて、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の参照を含む。たとえば、用語「植物」または「少なくとも1つの植物」は、複数の植物を含み得る。
【0031】
[0030]他に定義されない限り、本明細書で使用される他の全ての技術的および科学的用語は、本明細書の主題が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0032】
[0031]本発明の様々な実施形態に従って、
図1から
図5Cを参照すると、家具片20を組み立てるためのシステム10があり、これには、腰掛け、椅子、テーブル、キャビネットおよび棚が含まれるが、これらに限定されない。システム10は、家具組立システム10とも呼ばれ、様々なタイプおよび設計の家具部品20を組み立てるのに必要な構成要素を含む。家具組立システム10は、収納および編制の解決策として機能することができ、さらに、互いに組み立てられて異なる家具片を形成することができるより小さなモジュールに分解されることができる。
【0033】
[0032]様々な実施形態において、家具組立システム10は、複数のクロスパネル100と、複数の支持部材200と、少なくともトップパネル300と、複数のロック部材400とを含む。各クロスパネル100は、一つ又は複数の行および一つ又は複数の列に配置された複数の係合孔102を備え、各係合孔102は直角の十字形状を有し、所定の距離(
図3においてD1として示される)で隣接する係合孔から分離される。少なくとも1つのトップパネル300は、少なくともトップパネル300上の所定の場所に配置された複数のロックダウン孔を備える。支持部材200は、クロスパネル100に連結可能な第1の相互作用エッジ201および第2の相互作用エッジ202と、トップパネル300に連結可能な第3の相互作用エッジ203とを備え、第1の相互作用エッジ101および第2の相互作用エッジ102は、第3の相互作用エッジ203に対して実質的に垂直である。
【0034】
[0033]第1の相互作用エッジ201および第2の相互作用エッジ202のそれぞれは、クロスパネル100の係合孔102内に挿入可能な形状および大きさを有する少なくとも1つのフックジョイント210を含み、挿入されたとき、少なくとも1つのフックジョイント210は、支持部材200がクロスパネル100と連動するように、クロスパネル100を越えて延びて片持ち突起を形成するように構成される。第3の相互作用エッジ203は、トップパネル300の複数のロックダウン孔304に嵌め込むような形状および大きさの一つ又は複数の突出部分220を備える。
【0035】
[0034]
図3は、家具組立システム10の典型的なクロスパネル100およびその上に配列された係合孔102を描写する。クロスパネル100は、長方形または略長方形の形状とすることができる。クロスパネル10の角部は、安全のために丸められてもよい。複数の係合孔102は、クロスパネル100上に規則的な配置で、または多数の行および列のアレイで配列され、隣接する係合開口102は、所定の距離D1だけ離間される。組み立てられた家具片では、少なくとも2つのクロスパネルが使用され、家具片20を接地面上に支持するように作用することができる。
【0036】
[0035]クロスパネル100は、
図3のクロスパネル100のものとは異なる他の適切な形状であってもよく、また、組み立てられる家具片の設計に応じて様々な数の係合孔102を備えることができることを理解されたい。たとえば、クロスパネル100は、
図3に示されるように4×4のアレイに配置された係合孔102を備えることができる。他のクロスパネルにおいて、係合孔102は、6×8アレイ、3×4アレイ、12×5アレイなどに配置されてもよい。さらに、エンドユーザは、自身の家具片を設計し、それに従って、クロスパネル100およびクロスパネル100上の係合孔102の配置をカスタマイズすることができ、これは、さらなる詳細における説明の後の部分において例示される。
【0037】
[0036]係合孔102は、直角の十字形状である。より具体的には、係合孔102は、それぞれ水平軸(または
図3に示すx軸)および垂直軸(または
図3に示すy軸)に沿って延びる2つのスロット102a、102bから形成される。2つのスロット102a、102bは、等しい長さ(
図3に示すようにD2)を有するスロットであってもよい。係合孔102は、他の家具構成要素との連結を形成するように他の家具構成要素上の結合構造を受け入れるように作用する。
【0038】
[0037]様々な適切な成形および形成技術を使用して係合孔102を形成することができ、ここで、複数の係合孔100をクロスパネル100上の所望の位置に導入するための座標を提供するために、均一なグリッドを使用することができる。クロスパネル100の大きさおよび形状、ならびに係合孔102の大きさおよび距離D1は、所望の家具片20の種類および設計に従って決定されてもよいことが理解されるべきである。一部の実施形態において、エンドユーザは、以下に更に詳細に例示するデジタルプラットフォームを介して、クロスパネル100およびその上の係合孔102の配置をカスタマイズすることができる。
【0039】
[0038]一部の実施態様において、クロスパネルは、取付け手段を受け入れるための複数の補助孔103を更に備えることができる。取付け手段の非限定的な実施例は、家具組立システム10の他の構成部品または付属品または他のアイテムをクロスパネル100上に固定して取り付けることを可能にするネジ、釘、またはボルトであってよい。補助孔103は、標準的なネジ/釘/ボルト(例えば、標準的なM6ネジ)と互換性があるように、適切な大きさの穴であってもよい。標準的なネジ/釘/ボルトおよび他の取付け手段は、ほとんどの金物店で容易に手に入れることができる。
【0040】
[0039]一実施形態において、各係合孔102は、
図3に示すように、十字形係合孔102に関して対称に配置された4つの補助孔103を備えることができる。補助孔103は、様々な適切な成形及び形成技術を用いて係合孔102を形成するときに同時に形成することができる。所望の家具片20の設計および種類に応じて、補助孔103をクロスパネル100の他の部品に導入することもできることを理解されたい。
【0041】
[0040]
図4Aおよび
図4Bは、家具組立システム10の2つの典型的な支持部材200を描写する。機能的に、支持部材200は、家具組立システム10の他の構成部品を連結して家具片20に組み立てるように作用する。また、支持部材は、組み立てられた家具片20の構造的安定を提供するように作用する。
【0042】
[0041]
図4Aに示す1つの実施形態において、支持部材200は、水平梁部分と、水平梁部分の2つの端部から垂直に延びる2つの細長い部材とを有する逆U字形に類似してもよい。
図4Bに示すような別の実施形態において、支持部材200は、強化された構造安定性を与えることができる「x」または十字形の梁部分を備えてもよい。
【0043】
[0042]支持部材200は、その上に一体的に形成された第1の相互作用エッジ201、第2の相互作用エッジ202、および第3の相互作用エッジ203を備える。第3の相互作用エッジ203は、第1の相互作用エッジ201および第2の相互作用エッジ202に対して実質的に垂直である。第1、第2および第3の相互作用エッジ201、202、203のそれぞれは、支持部材200が家具組立システム10の他の構成要素に結合または連結可能にする構造とともに形成される。
【0044】
[0043]様々な実施形態において、第1の相互作用エッジ201および第2の相互作用102は、対応するクロスパネル100に連結するように構成される。第1の相互作用エッジ101および第2の相互作用エッジ202のそれぞれは、クロスパネル100の係合孔102内に挿入可能な形状および大きさの少なくとも1つのフックジョイント210を含む。フックジョイント210は、係合孔102の2つのスロット102a、102bのうちの任意の1つに挿入されてもよいことを理解されたい。
【0045】
[0044]フックジョイント210が係合孔102に挿入された後、フックジョイント210は、フックジョイント210がスロット102aまたは102bの下面に載るまで、スロット102aまたは102bの縦軸に沿って変位されてもよい。その結果、フックジョイント210は、支持部材200がクロスパネル100に連結されて連動するように、クロスパネル100を越えて延びて片持ち突出部を形成する。
【0046】
[0045]一部の実施形態において、第1の相互作用エッジ201及び第2の相互作用エッジ202は、それぞれ、クロスパネル100の2つ以上の係合孔102に結合可能な2つ以上のフックジョイント210を備えることができる。
図4Aに示すように、2つの隣接するフックジョイント210は、D1(すなわち、クロスパネル100上の2つの隣接する係合孔102間の距離)またはD1の倍数に対応する距離D3だけ離れている。第1の相互作用エッジ101および第2の相互作用エッジ102上に2つ以上のフックジョイント210を有して、支持部材200およびクロスパネルは強固な連結を形成することができる。
【0047】
[0046]様々な実施形態において、家具組立システム10は、複数のロック部材400を更に備えてもよい。ロック部材400は、支持部材101をクロスパネル100上の所定位置に固定するために係合孔102に嵌め込むような形状および寸法にされている。
図1に示すように、ロック部材400は、支持部材200のフックジョイント210が挿入される係合孔102に入れられてもよく、これにより、挿入されたフックジョイント210が係合孔102内で移動するのを最小にすることができる。有利なことに、ロック部材400は、フックジョイント210を係止し、フックジョイント210が係合孔102から出ないようにする仕上げ部品として機能する。
【0048】
[0047]様々な実施形態において、第3の相互作用エッジ203は、トップパネル300に連結するように構成される。第3の相互作用エッジ203は、トップパネル300の複数のロックダウン孔304に嵌め込むような形状および大きさの一つ又は複数の突出部分220を備える。
【0049】
[0048]
図5A~
図5Cは、家具組立システム10の3つの典型的なトップパネル300を描写する。トップパネル300は、長方形または略長方形の形状であってもよく、家具片20を組み立てるために使用されるクロスパネル100および支持部材200の寸法に従って大きさが決定されてもよい。
【0050】
[0049]
図5Bに示す一部の実施形態において、トップパネル300上のロックダウン孔304は、細長いスロットであってもよい。
図5Aおよび
図5Cに示されるような一部の実施形態において、トップパネル300上のロックダウン孔304は、クロスパネル100の係合孔102のものに類似する直角十字形状であってもよい。これにより、同じ組の機械加工プロトコルを使用して係合孔102およびロックダウン孔304を形成することができるので、製造プロセスを簡略化することができる。
【0051】
[0050]使用時には、クロスパネル100が支持部材200によって連結された後、トップパネル300を支持部材200上に装着することができる。支持部材200の第3の相互作用エッジ203上の一つ又は複数の突出部分220および対応するロックダウン孔304は、トップパネル300を所定の位置に固定するように、ほぞ穴(mortise)およびほぞ(tenon)ジョイント連結を形成する。
【0052】
[0051]一部の実施態様において、トップパネル300は、支持面380を形成するために可撓性材料350を織り込むように更に構成される。可撓性材料350は、トップパネル300上にクッション支持面を形成するように織られた材料であってもよい。
【0053】
[0052]家具組立システム10の構成要素を使用して組み立てられた腰掛け又は椅子において、クッション支持面を有するトップパネル300をシートトップとして使用することができ、ユーザに快適性を提供する。
図5Cおよび
図6Aに示されるような一実施形態において、トップpパネル300は、柔軟材料が織り込むための複数の平行に延びるリブ310を備えることができる。
図6Bに示す別の実施形態において、トップパネル300は、可撓性材料350を受け入れて支持面380を形成するための複数の開口320を備えてもよい。
【0054】
[0053]一部の実施形態において、家具組立システム10は、組み立てられた家具片20に連結可能な一つ又は複数の付属品500を更に備えてもよい。付属品500の非限定的な実施例は、
図6Cおよび
図6Dに示されるように、ホルダー、フック、棚ユニット、キャスターホイール、バックパネル、またはカスタマイズされた設計の他の付属品でもよい。
【0055】
[0054]一部の実施態様において、付属品500が係合孔102に挿入され、支持部材200が行うのと同様の方法でクロスパネル10と連動連結を形成することができるように、付属品500は、フックジョイント210の構造に類似した結合構造を有するように構成することができる。有利なことに、クロスパネル10上に占められた係合孔102は、構造安定性のためのジョイントとしても、また付属品のための受け部としても作用することができる。
【0056】
[0055]
図6Bおよび
図6Cに示されるような一部の実施形態において、付属品500(これら2つの実施形態では、背もたれとして作用する背面パネル)も同様に、一つ又は複数のロックダウン孔304を介してトップパネル300に結合されてもよい。
【0057】
[0056]また、家具組立システム10の他の構成要素は、付属品500を受け入れるための係合孔102またはロックダウン孔304のソケットに類似した1つ以上のソケットで構成されてもよいことが理解されるべきである。
【0058】
[0057]家具組立システム10は、カスタマイズ、構成および個人化の柔軟性をエンドユーザに与えるデジタルプラットフォームで促進されてもよい。デジタルプラットフォームの典型的なユーザインタフェース600は、
図7に示されている。ユーザインタフェース600の第1章610は、デジタルプラットフォームで利用可能な構成要素および付属品のカタログを示す。ユーザは、家具片100を組み立てるのに必要な構成要素を選択することができる。ユーザインタフェース600の第2章620において、ユーザは、選択された構成要素および付属品を使用して形成可能な組み立てられた家具片を思い浮かべ、カスタマイズすることができる。
【0059】
[0058]更に、デジタルプラットフォームは、ユーザがその必要性および好みに従って大きさ、色、材料および付属品を思い浮かべ、カスタマイズすることを可能にするように構成されてもよい。その後、ユーザは、選択された構成部品および付属品が組立のために指定された所に出荷されるように、デジタルプラットフォーム上に注文することができる。家具組立システム10の構成要素は、要求に応じて、即ち、デジタルプラットフォームのエンドユーザから注文を受けたときに製造することができる。
【0060】
[0059]デジタルプラットフォームは、プロトタイピングキャンバス機能、電子商取引機能、コミュニティ機能の3つのコア機能で構成される。デジタルプラットフォームで提供されるプロトタイプ作成キャンバス機能を通じて、ユーザは、デジタルプラットフォームによって提供される既存のテンプレートを、その大きさに関して、および意図された用途のための様々な付属品に関して、カスタマイズおよび個人化することができる。これらは、たとえば、収納、ゲームの提供及びその他の用途である。また、ユーザは、パネル、コネクタ、および付属品のライブラリへのアクセスを通じて、自分の家具を構成することができ、これらの全ては、意図された使用のためにメインフレームに準拠している。プロトタイプキャンバス上で利用可能にされる付属品は、出願人によって設計された付属品と、出願人のメインフレームに準拠する我々のユーザコミュニティによって設計された付属品とから成ることができる。次に、デジタルプラットフォーム(すなわちコミュニティ機能)は、帰属意識を創造し、知識の共有と創造的アイデアの交換を促進することを目的としている。コミュニティ内のユーザは、組み立て、設計または創造したものを(プロトタイピングキャンバスの有無にかかわらず)共有することができる。組み立て方法に関する電子マニュアルは、デジタルプラットフォームを通じてアップロードすることができ、紙マニュアルを印刷する必要性を減らすことができる。電子商取引プラットフォームは、出願人によって承認された創作要素の販売を促進する。
【0061】
[0060]様々な実施形態において、クロスパネル100、支持部材200およびトップパネル300は、アクリル、MDF(または中密度繊維板)および木材(バーチ合板など)を含むがこれらに限定されない様々な適切なパネル材料から形成されてもよい。
【0062】
[0061]家具組立システム10の様々な構成要素を製造するために、デジタル製作技術が使用されてもよい。クロスパネル100、支持部材200およびトップパネル300は、CNC(コンピュータ数値制御)ルータおよび適当な大きさのエンドミル(または他の切削工具)を備えた成形機を使用して製造することができる。
【0063】
[0062]CNCルータは、クロスパネル100上に係合孔102を形成するようにパネル材料からクロスプロファイルを切り取るように設定される。切断は、均一グリッドに従うクロスパネル全体にわたって係合孔102が占めるように行われるが、均一グリッドでは、各十字形係合孔102の中心がx軸およびy軸において、次のものから所定の距離D1だけ分離されている。また、パネルは、D2の均一なグリッド間隔に従う補助孔103が占める。
【0064】
[0063]非限定的な実施例において、厚さ15 mmのパネル材料が、クロスパネル100を形成するために使用される。1/4インチのエンドミルを使用して、100 mmの距離だけ等間隔に離間された複数の係合孔102と、50 mmの均一なグリッド距離に続く補助孔103としての複数の1/4インチの孔とを形成することができる。1/4インチの補助孔103は、M6ネジ/釘/ボルトに適合する。
【0065】
[ 0064]なお、係合孔102とフックジョイント210との間に形成されたジョイント連結、及びロックダウン孔304と突出部分220との間に形成されたジョイント連結を含む各ジョイント連結の公差は、結合構成要素を容易に連結することができるように、切断及び形成プロセスにおいて考慮されることが理解されるべきである。
【0066】
[0065]また、家具組立システム10の構成部品を製造するために、他の適切な成形技術を使用してもよいことも理解されたい。たとえば、ロック部材400および付属品500は、成形技術(例えば、鋳造成形技術)または3D印刷技術(例えば、熱溶解積層法またはFDM 3Dプリンタ)を使用して製造することもできる。
【0067】
[0066]本発明の別の態様に従って、
図1-
図2および
図6A-
図6Cを参照すると、上述のように家具組立システム10の構成要素を使用して組み立てられる家具片20が提供される。
【0068】
[0067]様々な実施形態において、組み立てられた家具片20は、家具片20の2つの対向する側壁を形成する第1のクロスパネル100aおよび第2のクロスパネル100bと、第1のクロスパネル100aおよび/または第2のクロスパネル100bに対して垂直に配列された第1の支持部材200aおよび第2の支持部材200bとを備え、第1の支持部材200aおよび第2の支持部材200bの各々は、第1の相互作用エッジ201に沿って第1のクロスパネル100aに連結され、第2の相互作用エッジ202に沿って第2のクロスパネル100bに連結される。
【0069】
[0068]様々な実施形態において、組み立てられた家具片20は、家具片20の最上面を形成するトップパネル300を更に備え、トップパネル300は、第1の支持部材200aの第3の相互作用エッジ203に沿って第1の支持部材200aに連結され、第2の支持部材200bの第3の相互作用エッジ203に沿って第2の支持部材200bに連結される。
【0070】
[0069]様々な実施形態において、組み立てられた家具片20は、複数のロック部材400を更に備える。各ロック部材400は、クロスパネル100の係合孔102に連結されており、支持部材200の第1または第2の相互作用エッジ上のフックジョイント210が挿入されて、支持部材200をクロスパネル100上に固定する。
【0071】
[0070]一部の実施態様において、可撓性材料は、支持面を形成するようにトップパネル300に織り込まれる。
図5Cに示すように、トップパネル300は、可撓性材料が織り込むように平行に延びる複数のリブ310を備えることができる。可撓性材料は、クッション支持面がトップパネル300上に形成できるように、織布材料のような軟質材料でもよい。クッション支持面を有するトップパネル300は、組み立てられた腰掛け又は椅子におけるシートトップとして使用することができ、ユーザに快適性を提供する。
【0072】
[0071]一部の実施態様において、組み立てられた家具10は、クロスパネル100に取り付けられた一つ又は複数の付属品を更に備えることができる。付属品は、それが係合孔102に挿入され、支持部材200が行うのと同様の方法でクロスパネル10と連動連結を形成することができるように、フックジョイント210の構造に類似した結合構造を有するように構成されてもよい。
【0073】
[0072]本発明の別の態様によれば、上述のように家具システム10を使用して家具片20を組み立てる方法が提供される。この方法は、以下のステップを含む。
【0074】
[0073]第1の組立ステップでは、第1の支持部材200aが第1のクロスパネル100aに手で連結される。第1の支持部材100aの第1の相互作用エッジ201上の一つ又は複数のフックジョイント210は、第1のクロスパネル100aの一つ又は複数の対応する係合孔102に挿入され、第1のクロスパネルを越えて延びて片持ち突起を形成するように設定される。
【0075】
[0074]フックジョイント210は、係合孔102の2つのスロット102a、102bのうちの任意の1つに挿入されてもよいことを理解されたい。フックジョイント210が係合孔102に挿入された後、フックジョイント210は、フックジョイント210がスロット102aまたは102bの下面に載るまで、スロット102aまたは102bの長手方向の軸に沿って変位または移動することができる。これにより、第1の支持部材200aがクロスパネル100に連結されて連動する。
【0076】
[0075]更なる組立ステップでは、第2の支持部材200bが第1のクロスパネル100aに手で連結される。第2の支持部材200bの第1の相互作用エッジ201上の一つ又は複数のフックジョイント210は、第1のクロスパネル100aの一つ又は複数の対応する係合孔102に挿入され、第1のクロスパネル100aを越えて延び、片持ち突起を形成するように設定される。
【0077】
[0076]さらなる組立ステップにおいて、第1の支持部材200aは、第2のクロスパネル100bに手で連結される。第1の支持部材200aの第2の相互作用エッジ202上の一つ又は複数のフックジョイント210は、第2のクロスパネル100bの一つ又は複数の対応する係合孔102に挿入され、第2のクロスパネル100bを越えて延びて片持ち突起を形成するように設定される。
【0078】
[0077]更なる組立ステップにおいて、第2の支持部材200bは第2のクロスパネル100bに連結される。第2の支持部材200bの第2の相互作用エッジ202上の一つ又は複数のフックジョイント210は、第2のクロスパネル100bの一つ又は複数の対応する係合孔102に挿入され、第2のクロスパネル100bを越えて延びて片持ち突起を形成するように設定される。
【0079】
[0078]以上の組立ステップが終了すると、第1クロスパネル100aと第2クロスパネル100bとは、家具片20の対向する2つの側壁を形成し、これらの側壁は、第1の支持部材100と第2の支持部材200とで支持される。第1の支持部材200aおよび第2の支持部材200bは、第1のクロスパネル100aおよび/または第2のクロスパネル100bに対して垂直に配列されている。
【0080】
[0079]更なる組立ステップにおいて、トップパネル300は、第1の支持部材200aおよび第2の支持部材200bに手で連結される。第1の支持部材200aおよび第2の支持部材200bの第3の相互作用エッジ上の一つ又は複数の突出部分220は、トップパネル300の一つ又は複数の対応するロックダウン孔304に嵌め込まれる。このようにして、トップパネル300は、支持部材200aおよび200bによって所定の位置に固定される。
【0081】
[0080]更なる組立ステップにおいて、第1の支持部材200aおよび第2の支持部材200bは、複数のロック部材410を用いて、第1のクロスパネル100aおよび第2のクロスパネル100bに固定される。各ロック部材410は、クロスパネル100a、100b上の係合孔102に結合され、そこでフックジョイント210が挿入される。このようにして、フックジョイント210は、係合孔102内で係止され、出ることが防止される。構造の完全性が改善される。
【0082】
[0081]
図2に示すように、組み立てられた家具片20は、2つのクロスパネル100a、100bと、腰掛け又はテーブルとして使用することができるトップパネルとを含む。2つのクロスパネル100a、100bは、腰掛け又はテーブルの脚部として作用し、トップパネル300は、ユーザがその上に座るかまたはその上に物品を置くための支持面として作用する。
【0083】
[0082]一部の実施態様において、この方法は、可撓性材料250をトップパネル300上の複数のリブに織り込んで支持面を形成するステップを更に含む。複数のリブ310は、
図5Cに示すように、トップパネル300の軸に沿って平行に延びることができる。可撓性材料350は、トップパネル300上にクッション支持面を形成するように織られた材料であってもよい。クッション支持面を有するトップパネル300は、腰掛け又は椅子(すなわち、組み立てられた家具片20)のシートトップとして使用することができる。
【0084】
[0083]家具組立システム10および組立方法は、少なくとも以下の態様において有利である。
【0085】
[0084]第1に、家具片20は、工具を必要とすることなく容易に組み立ておよび分解することができる。このシステム10は、主に、パネル(即ち、クロスパネル100およびトップパネル300)および梁(即ち、支持部材200)から構成され、これらの梁は、スロット/孔の組合わせ、フックジョイント、ほぞ及びほぞ穴ジョイントに基づいてジョイント連結を形成することができる。ロッドおよびコネクタを使用してフレーム構造を構築する既存の組立可能な家具システムと比較して、家具組立システム10は、家具片を少ない構成要素で比較的短い時間で組み立てることを可能にする。組立方法は、子供を含むすべての年齢のユーザにとって理解しやすく直感的に十分である。家具片20組立に工具を必要としないので安全である。
【0086】
[0085]第2に、組み立てられた家具片20は、構造的に安定しており、軽量化されている(したがって、可動性が向上している)。これは、支持部材100とクロスパネル100との間に連動ジョイント連結を作り出するために、クロスパネルの係合孔に嵌め込むことができるフックジョイント210およびロック部材400を使用することによって達成される。
【0087】
[0086]クロスパネル100上のクロスプロファイル係合孔102は、複数の機能を果たすことができる単純な構造であり、すなわち、支持部材200をクロスパネル100上に連結して構造的安定性を提供することを可能にし、同時に、同様のフックジョイントを有する任意の付属品の受け部としても作用することができる。さらに、クロスパネル100には係合孔102が占められれているので、支持部材200および付属品をクロスパネル100を横切る任意の位置でクロスパネル100に取り付けることができる。ユーザは、所望の家具片の種類および設計に応じて、取り付けられた支持部材200の位置を調整することができ、また、必要に応じて、(即ち、付属品を異なる係合孔102に取り付けることによって)クロスパネル上の異なる位置に付属品を移動させることもできる。
【0088】
[0087]デジタルプラットフォーム上に提供されるプロトタイプキャンバスを通じて、ユーザは、意図された目的(例えば、家具のため、ゲームの提供のためなど)に基づいて、自身の家具片および自身の付属品を思い浮かべ、創造することができる。また、デジタルプラットフォームは、ユーザが必要に応じてパネルを修正したり、パネル上に新しい付属品を創造したりするための利便性を提供する。
【0089】
[0088]さらに、標準の大きさの係合孔102、補助孔103、およびロックダウン孔210を有するクロスパネルおよびトップパネルを製造するために、一組の標準を作り、CNCルータによって使用することができる。分解された家具片からのクロスパネル100は、修正することなく別の家具片を組み立てるために再使用することができる。さらに、標準的な支持部材200を用いて2つ以上の家具片を連結して、より大きなサイズおよびスケールの家具を形成することができる。家具組立システム10の構成要素は、デジタル製作技術による要求に応じて製造することができる。これは、在庫の必要性を減らすことによって、持続可能なビジネスモデルと柔軟なサプライチェーンを創出する。また、大規模な家具組立(屋外/屋内設備、さらには遊歩道など)を、比較的容易かつ柔軟に組み立てることができ、更に、分解することができる。
【0090】
[0089]本発明の一定の特徴は、明確にするために、別個の実施形態の文脈で説明されているが、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解されるべきである。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される本発明の様々な特徴は、別個に、または任意の適切な下位の組合せで、または本発明の任意の他の記載された実施形態において適切なように提供されてもよい。様々な実施形態に関連して説明される一定の特徴は、これらの要素が無ければ実施形態が実施不要でない限り、これらの実施形態の本質的な特徴とはみなされない。
【0091】
[0090]代替物または代替物ではなく、上述の特徴の変形および組み合わせを組み合わせて、本開示の意図された範囲内にある更なる実施形態を形成してもよいことは、当業者によって理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2021-05-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具組立システムにおいて、
複数のパネルであって、各パネルは、一つ又は複数の行および一つ又は複数の列に配置された直角十字形状の複数の係合孔を備え、各係合孔は、隣接する係合孔から所定の距離だけ分離されている、複数のパネルと、
複数のロックダウン孔を備えた少なくとも1つのトップパネルと、
少なくとも1つの支持部材であって、前記支持部材は、前記パネルに連結可能な第1の相互作用エッジおよび第2の相互作用エッジと、前記トップパネルに連結可能な第3の相互作用エッジとを備え、前記第1の相互作用エッジおよび前記第2の相互作用エッジは、前記第3の相互作用エッジに対して実質的に垂直である、少なくとも1つの支持部材と、
を備え、
前記第1の相互作用エッジおよび前記第2の相互作用エッジのそれぞれは、少なくとも1つのフックジョイントを備え、前記少なくとも1つのフックジョイントは、前記パネルの前記係合孔内に挿入可能であり、かつ前記パネルを越えて延びて片持ち突起を形成するような形状および大きさであり、前記第3の相互作用エッジは、前記トップパネルの前記複数のロックダウン孔に嵌め込むような形状および大きさの一つ又は複数の突出部分を備える、家具組立システム。
【請求項2】
複数のロック部材をさらに備え、前記ロック部材は、前記支持部材を前記パネル上に固定するために前記係合孔に嵌め込むような形状および寸法にされる、請求項1に記載の家具組立システム。
【請求項3】
前記パネルは、取付け手段を受け入れるための複数の補助孔を更に備える、請求項1又は2に記載の家具組立システム。
【請求項4】
前記パネルおよび/またはトップパネルに取り付け可能な一つ又は複数の付属品を更に備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の家具組立システム。
【請求項5】
前記トップパネルは、可撓性材料を織り込んで支持面を形成するように構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の家具組立システム。
【請求項6】
前記支持部材の前記第1の相互作用エッジおよび前記第2の相互作用エッジは、前記パネル上の2つ以上の前記係合孔内に結合されるように構成された2つ以上の前記フックジョイントを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の家具組立システム。
【請求項7】
前記家具組立システムの構成要素は、エンドユーザによってカスタマイズ可能である、請求項1~6のいずれか一項に記載の家具組立システム。
【請求項8】
家具組立システムの構成部品から作られる組み立てられた家具片において、
前記家具片の2つの対向する側面を形成する第1のパネル及び第2のパネルであって、各パネルは、一つ又は複数の行および一つ又は複数の列に配置された直角十字形状の複数の係合穴を備え、各係合孔は、隣接する係合孔から所定の距離で分離される、第1のパネル及び第2のパネルと、
前記第1のパネルおよび/または前記第2のパネルに対して垂直に配列される、第1の支持部材及び第2の支持部材であって、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材の各々は、第1の相互作用エッジに沿って前記第1のパネルに連結され、第2の相互作用エッジに沿って前記第2のパネルに連結される、第1の支持部材及び第2の支持部材と、
前記家具片の最上面を形成するトップパネルであって、前記トップパネルは、前記第1の支持部材の第3の相互作用エッジに沿って前記第1の支持部材に連結され、かつ前記第2の支持部材の第3の相互作用エッジに沿って前記第2の支持部材に連結される、トップパネルと、
を備える、組み立てられた家具片。
【請求項9】
複数のロック部材を更に備え、各ロック部材は係合孔に結合され、前記係合孔で、前記支持部材を前記パネル上に固定するように、前記支持部材の前記第1の相互作用エッジまたは前記第2の相互作用エッジ上のフックジョイントが挿入される、請求項8に記載の組み立てられた家具片。
【請求項10】
前記パネルに取り付けられた一つ又は複数の付属品を更に備える、請求項8又は9に記載の組み立てられた家具片。
【請求項11】
前記トップパネルに可撓性材料が織り込まれて支持面を形成する、請求項8~10のいずれか一項に記載の組み立てられた家具片。
【請求項12】
前記組み立てられた家具片の構成要素は、エンドユーザによってカスタマイズ可能である、請求項8~11のいずれか一項に記載の組み立てられた家具片。
【請求項13】
家具組立システムのパネルにおいて、
一つ又は複数の行及び一つ又は複数の列に配置された直角十字形状の複数の係合孔であって、各係合孔は、隣接する係合孔から所定の距離だけ離れている、複数の係合孔を備え、
前記パネルは、支持部材に連結するように構成され、前記支持部材は、前記パネルに連結可能な第1の相互作用エッジおよび第2の相互作用エッジを備え、
前記第1の相互作用エッジおよび前記第2の相互作用エッジのそれぞれは、少なくとも1つのフックジョイントを備え、前記少なくとも1つのフックジョイントは、前記パネルの前記係合孔内に挿入可能であり、かつ前記パネルを越えて延びて片持ち突起を形成するような形状および大きさである、パネル。
【国際調査報告】