(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-16
(54)【発明の名称】PRAMEに特異的に結合する抗原結合タンパク質
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20230609BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20230609BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20230609BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20230609BHJP
C07K 16/30 20060101ALI20230609BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20230609BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20230609BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20230609BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20230609BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20230609BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230609BHJP
C12P 21/08 20060101ALI20230609BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20230609BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20230609BHJP
A61K 35/12 20150101ALI20230609BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C07K16/28
C07K16/30
C07K16/46
C07K19/00
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
A61K31/7088
A61K48/00
A61K35/12
A61K39/395 E
A61K39/395 T
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540953
(86)(22)【出願日】2020-01-15
(85)【翻訳文提出日】2022-07-13
(86)【国際出願番号】 EP2020050936
(87)【国際公開番号】W WO2021144020
(87)【国際公開日】2021-07-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506258073
【氏名又は名称】イマティクス バイオテクノロジーズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100157956
【氏名又は名称】稲井 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100170520
【氏名又は名称】笹倉 真奈美
(74)【代理人】
【識別番号】100221545
【氏名又は名称】白江 雄介
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【氏名又は名称】中島 彩夏
(72)【発明者】
【氏名】ブンク,セバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン,マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ハット,マイケ
(72)【発明者】
【氏名】マウラー,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ポスゾラ,ガブリエーレ
(72)【発明者】
【氏名】シュヴェーベル ,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ウンフェルドルベン,フィリックス
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー,クラウディア
(72)【発明者】
【氏名】ユスフ,サラ
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C084
4C085
4C086
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA10
4B064CA19
4B064CC24
4B064CE12
4B064DA01
4B065AA91X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA25
4B065CA44
4C084AA13
4C084MA02
4C084NA14
4C084ZB261
4C084ZB262
4C085AA13
4C085BB31
4C085CC22
4C085DD61
4C085EE01
4C085EE03
4C085GG01
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA02
4C086MA05
4C086NA14
4C086ZB26
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB63
4C087CA12
4C087MA02
4C087NA14
4C087ZB26
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045DA76
4H045EA20
4H045EA28
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、PRAMEタンパク質由来の抗原に向けられた、抗原結合タンパク質に関する。本発明は、特に、腫瘍発現抗原PRAMEに対して選択的かつ特異的な抗原結合タンパク質を提供し、ここで、腫瘍抗原は、配列番号8を含んでなるかまたはそれからなり、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)タンパク質との複合体中にある。本発明の抗原結合タンパク質は、特に、前記PRAMEペプチドに特異的に結合する新規操作T細胞受容体(TCR)の相補性決定領域(CDR)を含有する。本発明の抗原結合タンパク質は、がん性疾患を発現するPRAMの診断、治療、および予防で使用するためのものである。さらに、本発明の抗原結合タンパク質をコード化する核酸、前記核酸を含んでなるベクター、抗原結合タンパク質を発現する組換え細胞、および本発明の抗原結合タンパク質を含んでなる、医薬組成物が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PRAMEペプチドに特異的に結合する抗原結合タンパク質であって、前記PRAMEペプチドが、配列番号8のアミノ酸配列SLLQHLIGLを含んでなり、MHCタンパク質との複合体中にあり、前記抗原結合タンパク質が、
(a)3つの相補性決定領域(CDR)CDRa1、CDRa2、およびCDRa3を含んでなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、
CDRa1は、アミノ酸配列DRGSQX
1(配列番号1)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X
1は、任意のアミノ酸であり、
前記CDRa2は、アミノ酸配列IYX
2X
3GD(配列番号2)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X
2およびX
3は、任意のアミノ酸であるが、ただしCDRa2は、アミノ酸配列IYSNGD(配列番号9)を含まずまたはそれから構成されず、
前記CDRa3は、アミノ酸配列CAAVIX
4NX
5X
6GGX
7LTF(配列番号3)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X
4~X
7は、任意のアミノ酸である)
および
(b)3つの相補性決定領域(CDR)CDRb1、CDRb2、およびCDRb3を含んでなる第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、
前記CDRb1は、アミノ酸配列X
8GHRX
9(配列番号4)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X
8およびX
9は、任意のアミノ酸であり、
前記CDRb2は、アミノ酸配列YX
10X
11X
12X
13X
14(配列番号5)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X
10~X
14は任意のアミノ酸であり、
前記CDRb3は、アミノ酸配列CASSPWDSPNX
15QYF(配列番号6)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X
15は、任意のアミノ酸である)
を含んでなる、抗原結合タンパク質。
【請求項2】
前記抗原結合タンパク質が、MHCタンパク質、特にHLAタンパク質との複合体中のPRAMEの配列番号8のアミノ酸配列を含んでなるペプチドに特異的に結合する、請求項1に記載の抗原結合タンパク質。
【請求項3】
前記抗原結合タンパク質が、200nM以下のK
Dで、前記PRAMEペプチドとHLA-A
*02との複合体に結合する、請求項1または2に記載の抗原結合タンパク質。
【請求項4】
前記抗原結合タンパク質が、抗体またはその断片、または二重特異性抗体またはその断片、またはT細胞受容体またはその断片、または二重特異性T細胞受容体(TCR)またはその断片である、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
【請求項5】
前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドが、一緒に連結されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
【請求項6】
前記抗原結合タンパクが、一本鎖TCR(scTCR)または一本鎖二重特異性抗体である、請求項5に記載の抗原結合タンパク質。
【請求項7】
前記第1の可変ドメインが、FR2-a、FR2-a、FR3-a、およびFR4-aからなる群から選択される1つまたは複数のフレームワーク領域をさらに含んでなる、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質であって、ここで、
FR1-aが、配列番号54のアミノ酸配列、または配列番号54と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
FR2-aが、配列番号55のアミノ酸配列または配列番号55と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
FR3-aが、配列番号56のアミノ酸配列、または配列番号56と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
FR4-aが、配列番号57のアミノ酸配列、または配列番号57と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
前記第2の可変ドメインが、FR1-b、FR2-b、FR3-b、およびFR4-bからなる群から選択される1つまたは複数のフレームワーク領域をさらに含んでなり、ここで、
FR1-bが、配列番号58のアミノ酸配列、または配列番号58と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
FR2-bが、配列番号59のアミノ酸配列、または配列番号59と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
FR3-bが、配列番号60のアミノ酸配列、または配列番号60と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
FR3-bが、配列番号61のアミノ酸配列、または配列番号61と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
FR4-bが、配列番号62のアミノ酸配列、または配列番号62と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなる、抗原結合タンパク質。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質であって、前記抗原結合タンパク質が、
(i)配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、および配列番号100からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号100からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖、および
配列番号83のアミノ酸配列または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖、または
(ii)配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖、および
配列番号83のアミノ酸配列または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖、または
(iii)配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号63、配列番号118からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号63配列番号63、配列番号118からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖、および
配列番号112のアミノ酸配列または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖
を含んでなる、抗原結合タンパク質。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質であって、前記抗原結合タンパク質が、
(i)配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、および配列番号100からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号100からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型中のCDRは、好ましくは配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2アミノ酸配列、および配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号181または配列番号182のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなる)、および
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型中のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、および配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなる)または
(ii)配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、または配列番号180からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111または配列番号180からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型中のCDRは、好ましくは配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38、配列番号24、配列番号26、配列番号33、配列番号39、配列番号40、配列番号42、配列番号43、配列番号179配列番号44、配列番号21のCDRa3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなる)、および
配列番号83、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型のアミノ酸配列を含んでなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、および配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなる)または
(iii)配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号63、配列番号118からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号63、配列番号118からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型の前記CDRは、好ましくは配列番号16または配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40、配列番号38、配列番号39、配列番号26または配列番号21のCDRa3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなる)、および
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型の前記CDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、および配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなる)を含んでなる、抗原結合タンパク質。
【請求項10】
前記第1の可変ドメインがTCRαまたはγ鎖に含まれ、および/または前記第2の可変ドメインがTCRβまたはδ鎖に含まれる、請求項1~9のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
【請求項11】
(i)1つまたは複数のさらなる抗原結合部位;
(ii)任意選択的に、細胞質シグナル伝達領域を含む膜貫通領域、
(iii)診断薬;
(iv)治療薬;または
(v)PK修飾部分
の1つまたは複数をさらに含んでなる、請求項1~10のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
【請求項12】
2つの抗原結合部位を形成する2つのポリペプチド鎖を含んでなる、請求項1~4および11~7のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質であって、
ここで、第1のポリペプチド鎖は、式、
V
3-L
1-V
4-L
2-C
L[I]
によって表わされる構造を有し、
(ここで、V
3は第3の可変ドメインであり;
V
4は第4の可変ドメインであり;
L
1およびL
2はリンカーであり;
L
2は存在してもまたは存在しなくてもよく;
C
Lは軽鎖定常ドメインまたはその一部であり、存在するかまたは存在しない);
ここで、第2のポリペプチド鎖は、式、
V
5-L
3-V
6-L
4-C
H1[II]
によって表わされる構造を有し、
(ここで、V
5は第5の可変ドメインであり;
V
6は第6の可変ドメインであり;
L
3およびL
4はリンカーであり;
L
4は存在してもまたは存在しなくてもよく;
C
H1は重鎖定常ドメイン1またはその一部であり、存在するかまたは存在しない);
ここで、
V
3またはV
4は、第1の可変ドメインであり、
V
5またはV
6は、請求項1で定義される第2の可変ドメインであるか、または
V
5またはV
6は請求項1で定義される第1の可変ドメインであり、V
3またはV
4は請求項1で定義される第2の可変ドメインであり、ここで、
V
3およびV
5が請求項1で定義される可変ドメインである場合、V
4またはV
6の1つは軽鎖可変ドメインであり、もう1つは重鎖可変ドメインであって、ここで、
V
3およびV
6が請求項1で定義される可変ドメインである場合、V
4またはV
5の1つは軽鎖可変ドメインであり、もう1つは重鎖可変ドメインであって、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインは、一緒に1つの抗原結合部位を形成する、抗原結合タンパク質。
【請求項13】
前記重鎖可変ドメインおよび前記軽鎖可変ドメインが、からなる群より選択される抗原に結合し、前記軽鎖可変ドメイン(V
L)が、CD3(CD3γ、CD3δ、およびCD3ε鎖など)、CD4、CD7、CD8、CD10、CD11b、CD11c、CD14、CD16、CD18、CD22、CD25、CD28、CD32a、CD32b、CD33、CD41、CD41b、CD42a、CD42b、CD44、CD45RA、CD49、CD55、CD56、CD61、CD64、CD68、CD94、CD90、CD117、CD123、CD125、CD134、CD137、CD152、CD163、CD193、CD203c、CD235a、CD278、CD279、CD287、Nkp46、NKG2D、GITR、F
cεRI、TCRα/βおよびTCRγ/δ、HLA-DRからなる群より選択される抗原に結合し、および/またはエフェクター細胞に結合する、請求項12記載の抗原結合タンパク質。
【請求項14】
2つの抗原結合部位を形成する2つのポリペプチド鎖を含んでなる、請求項12または13に記載の抗原結合タンパク質であって、
ここで、1つのポリペプチド鎖は、式[III]、
V
3-L
1-V
4-L2-C
L-L
5-F
c1[III]
によって表わされる構造を有し、
1つのポリペプチド鎖は、式[IV]、
V
5-L
3-V
6-L
4-C
1-L
6-F
c2[IV]
によって表わされる構造を有し、
ここで、V
3、L
1、V
4、L
2、C
L、F
c1、V
5、L
3、V
6、L
4、C
1、F
c2は、請求項1~13のいずれか一項で定義されるとおりであり、ここで、L
5およびL
6はリンカーであり、存在するかまたは存在せず、F
c1およびF
c2はF
cドメインであり、ここで、F
c1およびF
c2は同じかまたは異なる、抗原結合タンパク質。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質をコード化する配列を含んでなる、単離核酸。
【請求項16】
請求項15に記載の核酸を含んでなる、ベクター。
【請求項17】
請求項15に記載の核酸または請求項に記載の16ベクターで形質転換されている、宿主細胞。
【請求項18】
請求項1~14のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質、または請求項15に記載の核酸または請求項16に記載のベクターを含んでなる、宿主細胞。
【請求項19】
請求項の1~14のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質、請求項15に記載の核酸、請求項16に記載のベクター、または請求項17または18に記載の細胞宿主、および薬学的に許容可能な担体を含んでなる、医薬組成物。
【請求項20】
a.宿主細胞を提供するステップと、
b.請求項1~14のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質をコードするコード配列を含んでなる、遺伝子コンストラクトを提供するステップと、
c.前記遺伝子コンストラクトを前記適切な宿主細胞に導入するステップと、
d.前記適切な宿主細胞によって前記遺伝子コンストラクトを発現させるステップと
を含んでなる、請求項1~14のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質を製造する方法。
【請求項21】
前記宿主細胞から前記抗原結合タンパク質を単離および精製するステップと、任意選択的に、T細胞内で前記抗原結合タンパク質を再構成するステップとをさらに含んでなる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
医療で使用するための、請求項1~14のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質、請求項15に記載の核酸、請求項16に記載のベクター、請求項17または18に記載の宿主細胞、または請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項23】
非小細胞肺がんや小細胞肺がんなどの肺がん、肝臓がん、頭頸部がん、皮膚がん、腎細胞がん、脳がん、胃がん、結腸直腸がん、肝細胞がん、膵臓がん、前立腺がん、白血病、乳がん、メルケル細胞がん腫、黒色腫、卵巣がん、膀胱がん、子宮がん、胆嚢および胆管がん、および食道がんからなるがんの群から選択されるがんなどの増殖性疾患の診断、予防、および/または治療で使用するための、請求項1~14のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質、請求項15に記載の核酸、または請求項16に記載のベクター、請求項17または18に記載の宿主細胞、または請求項19に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PRAMEタンパク質由来の抗原に向けられた、抗原結合タンパク質に関する。本発明は、特に、腫瘍発現抗原PRAMEに対して選択的かつ特異的な抗原結合タンパク質を提供し、ここで、腫瘍抗原は、配列番号8を含んでなるかまたはそれからなり、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)タンパク質との複合体中にある。本発明の抗原結合タンパク質は、特に、前記PRAMEペプチドに特異的に結合する新規操作T細胞受容体(TCR)の相補性決定領域(CDR)を含有する。本発明の抗原結合タンパク質は、がん性疾患を発現するPRAMの診断、治療、および予防で使用するためのものである。さらに、本発明の抗原結合タンパク質をコード化する核酸、前記核酸を含んでなるベクター、抗原結合タンパク質を発現する組換え細胞、および本発明の抗原結合タンパク質を含んでなる、医薬組成物が提供される。
【背景技術】
【0002】
PRAMEは黒色腫で優先的に発現する抗原を指し、がん精巣抗原として知られる生殖細胞系列にコード化された抗原のファミリーに属する。がん精巣抗原は、典型的には、正常な成人組織では発現が制限されるかまたは発現しないため、免疫療法介入の魅力的な標的である。PRAMEは、いくつかの固形腫瘍で、ならびに白血病およびリンパ腫で発現されるペプチドSLLQHLIGL(配列番号8)は、全長PRAMEタンパク質のアミノ酸425~433に相当し、前記ペプチドは、MHC分子、特にHLA-A*02と複合体形成して細胞表面上に提示される(非特許文献1)。
【0003】
MHC分子によって提示されるPRAME由来ペプチド「SLLQHLIGL」などのペプチドエピトープは、TCRによって結合されてもよい。
【0004】
がん治療のための分子標的薬の開発が進歩しているものの、当該技術分野において、がん細胞に高度に特異的であるが、正常細胞にはそうでない分子を特異的に標的化する、新たな抗がん剤を開発する必要性がなおもある。
【0005】
したがって、本発明は、MHCタンパク質との複合体中で腫瘍発現抗原PRAMに選択的かつ特異的であり、したがって、例えば、T細胞ベースの免疫療法の標的である、新規の抗原結合タンパク質を提供することに言及する。
【0006】
特許文献1は、MHCタンパク質複合体との複合体中の配列番号8アミノ酸配列SLLQHLIGLを含んでなるPRAMEペプチドに結合する、操作されたTCRおよびTCRベースの分子と、PRAMEを(過剰)発現するがん性疾患の診断、治療、および予防における、前記TCRおよびTCRベースの分子の使用とを開示している。
【0007】
しかしながら、MHCに提示されたがん抗原に特異的に結合する天然T細胞受容体(TCR)は、MHCに提示されたウイルス抗原に特異的に結合するTCRと比較して、親和性が低い(KD=1~300μM)ことが多い。この現象の説明の一部は、胸腺で発達するT細胞が自己ペプチドMHCリガンド上で負に選択され(耐性誘導)、このような自己ペプチドMHCに対して高すぎる親和性を有するT細胞が削除されることであるように見える。この低親和性は、腫瘍免疫逃避の1つの可能な説明であってもよい(非特許文献2)。したがって、養子細胞療法(ACT)の抗原認識コンストラクトとして、または可溶性アプローチの認識モジュールとして使用するために、すなわち二重特異性分子を使用するために、がん抗原に対してより高い親和性で結合するTCR変異型を設計することが望ましいようである(非特許文献3)。
【0008】
しかしながら、TCRの親和性を高めることは、副作用のリスクもまた高めることがある。上述したように、自然界では、自己タンパク質である腫瘍関連抗原に向けられた高親和性TCRは、交差反応性を介した正常組織上に存在する自己ペプチドの認識を回避するために、胸腺選択によって排除される。したがって、その標的配列に対するTCR親和性を単純に増加させると、類似した非がん特異的ペプチドへの親和性も増加する可能性が高く、したがって、交差反応性および健常組織に対する望ましくない細胞傷害性効果のリスクが増加する。これが単なる理論上のリスクではないことは、MAGE-A3を標的化する操作されたTCRで痛切に発見された。特に、これまでに発表された結果では、前臨床試験で交差反応が予測されていなかったにもかかわらず、筋肉タンパク質であるタイチンのペプチドと交差反応する、MAGE-A3を標的化するTCRを発現するように操作されたT細胞を注入された2人の患者において、致死的な毒性が示されている(非特許文献4)。これらの患者は、TCRで操作されたT細胞が重篤で予測不可能なオフターゲットおよび臓器特異的毒性を有し得ることを実証した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2018/172533号パンフレット
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Kessler et al.,J Exp Med.2001 Jan 1;193(1):73-88
【非特許文献2】Aleksic et al.2012,Eur J Immunol.2012 Dec;42(12):3174-9
【非特許文献3】Hickman et al.2016,J Biomol Screen.2016 Sep;21(8):769-85
【非特許文献4】Linette GP et al.Blood 2013;122:863-71,Cameron BJ,et al.Sci.Transl.Med.2013;5:197-103
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、オフターゲットペプチド(「類似ペプチド」とも称される)との交差反応性の低下または減少による高い安全性プロファイルを維持しながら、より高い親和性でそれらの標的に特異的に結合し、したがって、標的抗原ペプチドの発現低下を伴う腫瘍細胞または細胞株でさえも標的化できる、TCRまたは抗原結合タンパク質を開発および提供するという、満たされていない医学的ニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
換言すれば、本発明者らは、高い腫瘍選択性を維持しながら、それらの標的ペプチドに対して高い結合親和性を示す抗原結合タンパク質を開発することができた。
【0013】
さらに、本発明者らによって示されるように、TCR分子R16P1C10は、一本鎖コンストラクトとして、またはT細胞の表面分子に特異的に結合する部分と、MHC-ペプチド複合体に特異的に結合する部分とを含んでなる、TCER(以下「TCER(登録商標)」)と称される二重特異性フォーマットにおいて、比較的低い溶解度を示す。
【0014】
したがって、これらのTCR技術の進歩にもかかわらず、追加的ながん治療法、特にがん細胞を効率的に標的化して滅殺する治療法に対する必要性が、依然として存在する。特に、i)所望の生物学的活性を有するMHCタンパク質との複合体中の腫瘍発現PRAME由来ペプチドに対して選択的かつ特異的であり、ii)良好な代謝、薬物動態または安全性のプロファイルを有し、iii)産業慣行と適合性のある大規模で製造され得る、新規抗原結合タンパク質を開発する必要がある。
【0015】
したがって、本発明の文脈において、本発明者らは、前記親TCR R16P1C10に由来するCDR変異型を含んでなる、いくつかの抗原結合タンパク質を操作した。これらの抗原結合タンパク質は、ペプチド-MHC複合体に対する結合親和性が増加し、安定性が増加し、および/または溶解性が増加しているため、医療用途に好適である。
【0016】
さらに、本発明の抗原結合タンパク質、特にFc含有二重特異性TCR/mAbダイアボディ(TCER(登録商標)分子または単にTCER(登録商標))は、新規のTCR変異型の可変αおよびβドメインを含んでなり、腫瘍細胞に向けられた高い細胞傷害性を発揮し、ここで、最大半量有効濃度(EC50)は10pM~150pMの間にある。
【0017】
例えば、TCER(登録商標)分子などの本発明の抗原結合タンパク質では、UACC257、Hs695T細胞、およびU2OSに対する最大半量有効濃度(EC50)は、1~600pM、1~300pM、1pM~100pM、より特には1pM~20pMの間の範囲にある。さらに、本発明の抗原結合タンパク質のEC50は、腫瘍細胞株と対比して初代細胞株などの健常組織細胞株中では、100倍、好ましくは1000倍を超えて高く、その安全性の向上を実証する。
【0018】
さらに、本発明者らは、治療的生体内マウスモデルにおいて、低用量で、本発明の抗原結合タンパク質(TCER(登録商標)分子)の有意な腫瘍増殖阻害を実証した。
【0019】
したがって、本発明は、発現および/または精製中の凝集の減少など、結合親和性の増加および安定性の増加をもたらす変異を含んでなる、MHCタンパク質との複合体中の腫瘍発現抗原PRAMに、選択的かつ特異的な抗原結合タンパク質に言及する。さらに、前記抗原結合タンパク質は、例えば、UACC257細胞、HS695T細胞、およびU2OS細胞に向けられた細胞傷害性を有する。
【0020】
要約すると、本発明者らの驚くべき発見は、とりわけ、技術分野に、(i)健常組織上の類似ペプチドとのTCRまたは抗原結合タンパク質の交差反応性の減少、および高い腫瘍選択性の維持;(ii)TCRまたは抗原結合タンパク質の安全性プロファイルの向上;(iii)TCRまたは抗原結合タンパク質が、オフターゲットおよび腫瘍外の細胞傷害性を減少させること;および(iv)改善された特異的、選択的、および安全なTCRまたは抗原結合タンパク質の提供の利点を提供する。
【0021】
(詳細な説明)
定義
「抗原」または「標的抗原」という用語は、本明細書の用法では、1つの抗原結合部位によって結合され得る分子、または分子または複合体の一部を指し、ここで、前記1つの抗原結合部位は、例えば、従来の抗体、従来のTCR、および/または本発明のその他の抗原結合タンパク質に存在する。本発明の文脈における抗原は、特に、配列番号8のアミノ酸配列SLLQHLIGLを含んでなるかまたはそれからなるPRAMEペプチド、より特には、HLAタンパク質、例えばHLA-A*02などのMHCタンパク質との複合体中の配列番号8のアミノ酸配列を含んでなるPRAMEペプチド、より特には、配列番号8のアミノ酸配列SLLQHLIGLを含んでなるPRAMEペプチドである。
【0022】
本明細書における「抗原結合タンパク質」という用語は、1つの抗原に結合できるポリペプチドまたは結合タンパク質を指す。好ましい実施形態では、前記抗原結合タンパク質は、例えば、二重特異性抗体から知られているように、2つの異なる抗原に同時に結合できる。しかしながら、本明細書で定義される従来の抗体とは異なり、本発明の抗原結合タンパク質は、TCRからの少なくとも6つのCDRを含んでなる。特定の実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、従来の抗体とは異なり、TCRからの少なくとも1つの可変αドメインおよび少なくとも1つの可変βドメインを含んでなる。
【0023】
「ドメイン」は、タンパク質の任意の領域であってもよく、一般に配列相同性に基づいて定義され、しばしば特定の構造的または機能的実体に関連している。このようなドメインの例は、抗体軽鎖の可変軽鎖ドメイン、抗体重鎖の可変重鎖ドメイン、および定常ドメイン(CH1、CH2、およびCH3ドメイン)、TCRのα鎖の可変ドメイン、またはTCRのβ鎖の可変ドメインである。
【0024】
「エピトープ」という用語は、本明細書の用法では、「構造的エピトープ」および「機能的エピトープ」という用語を含んでなる。「構造的エピトープ」は、抗原に結合したときに抗原結合タンパク質によってカバーされる、例えば、ペプチド-MHC複合体などの抗原のアミノ酸である。典型的には、抗原結合タンパク質のアミノ酸の任意の原子から5Å以内にある、抗原の全てのアミノ酸がカバーされていると見なされる。抗原の構造的エピトープは、X線結晶学またはNMR分析をはじめとする、当該技術分野で知られている方法によって判定されてもよい。抗体の構造的エピトープは、典型的には、20~30個のアミノ酸を含んでなる。TCRの構造的エピトープは、典型的には、20~30個のアミノ酸を含んでなる。「機能的エピトープ」は、構造的エピトープを形成するアミノ酸のサブセットであり、H結合、塩橋、芳香族スタッキングまたは疎水性相互作用などの非共有結合を直接形成することによって、または抗原の結合コンフォメーションを間接的に安定化させることによって、本発明の抗原結合タンパク質との界面形成に重要な抗原のアミノ酸を含んでなり、例えば、変異スキャンニングによって判定される。典型的には、抗体が結合する抗原の機能的エピトープは、4~6個のアミノ酸を含んでなる。典型的には、ペプチド-MHC複合体の機能的エピトープは、ペプチドの2~6個のアミノ酸と、MHC分子の2~7個のアミノ酸とを含んでなる。MHCI提示ペプチドは典型的には、8~10アミノ酸長を有するので、各所与のペプチドのアミノ酸のサブセットのみが、ペプチド-MHC複合体の機能的エピトープの一部である。本発明の文脈において、エピトープ、特に本発明の抗原結合タンパク質によって結合される機能的エピトープは、結合界面の形成に必要とされる抗原のアミノ酸、したがって、配列番号8のPRAME-004抗原ペプチドの少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つのアミノ酸を含んでなる、機能的エピトープを含んでなるかまたはそれからなる。
【0025】
「PRAME」または「黒色腫で優先的に発現される抗原」は、黒色腫で過剰発現される抗原として最初に同定されており(Ikeda et al Immunity.1997 Feb;6(2):199-208);それは、CT130、MAPE、OIP-4としても知られており、Uniprot受入れ番号P78395を有する(2019年1月11日時点で利用可能)。このタンパク質は、レチノイン酸受容体シグナル伝達の抑制因子として機能する(Epping et al.,Cell.2005 Sep 23;122(6):835-47)。PRAMEは、がん精巣抗原として知られている生殖細胞系コード化抗原のファミリーに属する。がん精巣抗原は、典型的には、正常な成人組織では発現が制限されるかまたは発現しないため、免疫療法介入の魅力的な標的である。PRAMEは、いくつかの固形腫瘍で、ならびに白血病およびリンパ腫で発現される(Doolan et al.,Breast Cancer Res Treat.2008 May;109(2):359-65;Epping et al.,Cancer Res.2006 Nov 15;66(22):10639-42;Ercolak et al.,Breast Cancer Res Treat.2008 May;109(2):359-65;Matsushita et al.,Leuk Lymphoma.2003 Mar;44(3):439-44;Mitsuhashi et al.,Int.J Hematol.2014;100(1):88-95;Proto-Sequeire et al.,Leuk Res.2006 Nov;30(11):1333-9;Szczepanski et al.,Oral Oncol.2013 Feb;49(2):144-51;Van Baren et al.,Br J Haematol.1998 Sep;102(5):1376-9)。本発明のPRAME標的化療法は、特に、非小細胞肺がんや小細胞肺がんなどの肺がん、肝臓がん、頭頸部がん、皮膚がん、腎細胞がん、脳がん、胃がん、結腸直腸がん、肝細胞がん、膵臓がん、前立腺がん、白血病、乳がん、メルケル細胞がん腫、黒色腫、卵巣がん、膀胱がん、子宮がん、胆嚢および胆管がん、および食道がんをはじめとするが、これらに限定されるものではない、がんの治療に特に適していてもよい。
【0026】
本発明の文脈における「PRAME由来ペプチド」は、Uniprot受入れ番号P78395の下でアクセス可能な配列番号7のアミノ酸配列の全長PRAMEタンパク質のアミノ酸425~433に対応する、アミノ酸配列SLLQHLIGL(配列番号8)を含んでなるかまたはそれからなる(2019年1月11日時点で利用可能)。アミノ酸配列SLLQHLIGL(配列番号8)を含んでなまるかたはそれからなるPRAME由来ペプチドは、本明細書ではPRAME-004とも称される。PRAME-004ペプチドは、腫瘍関連または腫瘍特異的タンパク質に由来するペプチドエピトープであり、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の分子によって細胞表面上に提示される。より具体的には、PRAME-004由来のペプチドは、HLA-A*02と複合体形成して細胞表面上に提示される。(Kessler et al.,J Exp Med.2001 Jan 1;193(1):73-88)。本発明の文脈において、「PRAME由来ペプチド」または「PRAME-004」は同義的に使用され、したがって、アミノ酸配列SLLQHLIGL(配列番号8)を含んでなるかまたはそれからなるPRAM由来ペプチドを指す。
【0027】
「主要組織適合性複合体」(MHC)は、脊椎動物の獲得免疫系が外来分子を認識するために不可欠な細胞表面タンパク質のセットであり、これによって組織適合性が決定される。MHC分子の主な機能は、病原体に由来する抗原に結合し、それらを細胞表面上に提示して適切なT細胞に認識させることである。ヒトMHCは、HLA(ヒト白血球抗原)複合体(しばしば単にHLA)とも称される。MHC遺伝子ファミリーは、クラスI、クラスII、クラスIIIの3つのサブグループに分けられる。ペプチドとMHCクラスIの複合体が、適切なT細胞受容体(TCR)を保有するCD8陽性T細胞によって認識される一方で、ペプチドとMHCクラスII分子の複合体は、適切なTCRを保有するCD4陽性ヘルパーT細胞によって認識される。CD8依存性およびCD4依存性の双方のタイプの応答が、抗腫瘍効果と共同して相乗的に寄与するので、腫瘍関連抗原および対応するT細胞受容体の同定および特性評価は、ワクチンおよび細胞療法などのがん免疫療法の開発において重要である。HLA-A遺伝子は第6染色体の短腕上に位置し、HLA-Aのより大きなα鎖の構成物をコード化する。HLA-Aα鎖の多様性は、HLA機能の鍵である。この多様性は、集団の遺伝的多様性を促進する。各HLAは、特定の構造のペプチドに対して異なる親和性を有することから、HLAの種類が多いほど、細胞表面上に「提示」される抗原の種類も多くなる。各個人は、それぞれの親から1タイプずつの最大2タイプのHLA-Aを発現し得る。一部の個人は、両親から同一のHLA-Aを継承し、個々のHLAの多様性が低下する;しかしながら、大多数の個人は、HLA-Aの2つの異なるコピーを受け継ぐ。これと同じパターンが、全てのHLAグループで続く。換言すれば、各個人は、2432個の既知のHLA-A対立遺伝子のうちの1つまたは2つのみを発現する。
【0028】
「HLA-A*02」は特定のHLA対立遺伝子を表し、ここで、文字Aは遺伝子を表し、接尾辞「*02接尾辞」はA2血清型を示す。
【0029】
MHCクラスI依存免疫反応において、ペプチドは腫瘍細胞によって発現される特定のMHCクラスI分子に結合できるだけでなく、それらはまた、引き続いて特異的T細胞受容体(TCR)を有するT細胞によって認識されなくてはならない。
【0030】
「TCR」は、免疫グロブリンスーパーファミリーのヘテロ二量体細胞表面タンパク質であり、これはシグナル伝達の媒介に関与するCD3複合体の不変タンパク質に関与している。TCRはαβおよびγδ形態で存在し、それらは構造的に類似しているが、かなり異なる解剖学的位置とおそらくは機能を有する。天然のヘテロ二量体αβTCRおよびγδTCRの細胞外部分は、それぞれ2つのポリペプチドを含有し、そのそれぞれは膜近位定常ドメインおよび膜遠位可変ドメインを有する。定常ドメインおよび可変ドメインのそれぞれは、鎖内ジスルフィド結合を含む。可変ドメインは、抗体の相補性決定領域(CDR)に類似した、高度に多型性のループを含有する。TCR遺伝子治療の使用は、いくつかの現在のハードルを克服する。それは、対象(患者)自身のT細胞に所望の特異性を与えて、十分な数のT細胞を短期間で産生できるようにし、それらの枯渇を回避する。例えば、TCRは効力のあるT細胞(例えば、中央メモリーT細胞または幹細胞特性を有するT細胞)に形質導入され、それは移入時に良好な持続性、保存、および機能を確実にしてもよい。TCR操作T細胞は、化学療法または照射によってリンパ球減少症になったがん患者に注入され、効率的な生着ができるようにするが、免疫抑制は阻害する。
【0031】
本明細書における「TCR」という用語は、TCRおよびそれらの断片、ならびに一本鎖TCRおよびそれらの断片、特に単一ドメインTCRの可変αおよびβドメイン、ならびにキメラ、ヒト化、二重特異性または多重特異性TCRを示す。
【0032】
「TCRの断片」は、天然TCRまたは従来のTCRの一部、特に、天然TCRの抗原結合領域または可変領域を含んでなる。TCR断片の例としては、Vα-CaまたはVβ-Cβなどのα、β、δ、γ鎖の断片またはその一部が挙げられ、このような断片はまた、対応するヒンジ領域または単一の可変ドメイン、例えば、Vα、Vβ、Vδ、Vγ、一本鎖VαVβ断片、またはTCR断片から形成される二重特異性および多重特異性TCRもさらに含んでなるかもしれない。TCRの断片は、無傷のTCRの一部、特に無傷のTCRの抗原結合領域または可変領域を含んでなり、したがって、天然に存在する全長TCRと比較して、それらの標的ペプチドに選択的かつ特異的に結合する。
【0033】
「一本鎖TCR(scTCR)」は、本明細書ではタンパク質を示し、ここで、VαとVβ、またはVδとVγなどのTCRの可変ドメインは、1つのポリペプチド上に位置する。典型的には、scTCRの可変ドメインはリンカーによって分離され、ここで、前記リンカーは、典型的には、例えば5~15などの5~20個のアミノ酸を含んでなる。
【0034】
例えば、「天然TCR」という文言で使用される「天然」は、野生型TCRを指す。
【0035】
養子細胞移入(ACT)アプローチでは、製造された導入遺伝子T細胞が、野生型α鎖およびβ鎖を有する野生型TCRと、それぞれの組換え抗原-MHC複合体に特異的なα鎖およびβ鎖を有する遺伝子組換えTCRとを発現してもよい。野生型α鎖およびβ鎖と、遺伝子組換えα鎖およびβ鎖はどちらも、通常、なおも相互に交差対合できる。この望まれない対合は「TCR誤対合」と称され、TCR(遺伝子)治療の分野で認識されている問題である。遺伝子組換えTCRαまたはβ鎖と、内在性TCRβまたはα鎖との間で、それぞれ誤対合および不正確な対合が起こると、遺伝子組換えTCRαβヘテロ二量体の表面発現の減少が帰結することがあり、これによって、修飾T細胞の機能的結合活性が低下する。さらに、誤対合TCRを発現して高IL-2条件下で増殖されたT細胞は、前臨床モデルで移植片対宿主病(GvHD)を誘発することが実証された。
【0036】
遺伝子組換えTCRαおよびβの対合を最適化して誤対合を回避するためのいくつかのストラテジーとしては、以下が挙げられてもよい:1.マウス化TCR:このアプローチでは、ヒトTCRαおよびβ定常鎖が対応するマウスドメインで置き換えられる。ヒトとマウスのTCR-Cドメインは高度な相同性を示すが、小さな違いがTCR/CD3相互作用の安定性に影響を与え、したがって、TCR表面発現レベルに影響を与える。2.システイン修飾TCR:このアプローチは、構造的に好ましい位置にシステインアミノ酸を導入し、したがって、追加的なジスルフィド架橋の形成を可能にし、2つのTCR鎖間の正しい対合を促進する。例えば、TCRα定常鎖中のT48CおよびTCRβ定常鎖中のS57Cなどの部位特異的変異は、2つの鎖間結合(すなわち導入されたジスルフィド架橋+内在性膜貫通ジスルフィド架橋(α定常ドメインの95位とβ定常ドメインの131位)によって連結されるTCRヘテロ二量体をもたらす。3.ドメイン交換:腫瘍特異的T細胞受容体のαおよびβ鎖の間で定常ドメインを入れ替え、ドメイン交換(ds)TCRを生成する。これらのdsTCR鎖は、正しく対合すると、CD3タンパク質を動員するのに必要な全てのドメインを保持し、T細胞の表面上で発現し、標的抗原との結合時の機能性T細胞応答を媒介する。対照的に、1つのdsTCR鎖と1つの野生型TCR鎖を含有する誤対合TCRは、CD3の動員、搬出、およびシグナル伝達に必要な重要なドメインを欠いており、したがって、有害な自己免疫を媒介できない。4.排他的TCRヘテロ二量体:このアプローチでは、立体力と静電力を利用して、TCRαおよびβ導入遺伝子間の正しい対合を促進し、同時に外因性と内因性のTCRα鎖およびβ鎖間の対合を抑制する。一例では、必要な静電荷の変化を得るために、部位特異的変異を利用して、α定数ドメインにS85R、β定数ドメインにR88Gを導入し、ひいては相互の「ノブ-イン-ホール」構造を作製し、二次構造および三次構造の歪みを最小にしたとされている。5.各TCR鎖がCD3ζ分子に融合している、キメラTCR-CD3ζ鎖の使用。6.定義されたTCRのVαが、柔軟なペプチドリンカーを使用してβ鎖に融合されている、一本鎖TCRの使用。7.内在性TCRの発現をノックダウンするためのshRNA配列またはジンクフィンガーヌクレアーゼの使用。「ベルクロ」と称される別のアプローチは、ヘテロ二量体状態での好ましい静電相互作用により、2つのTCR鎖を互いに対合できる。すなわち2つのペプチドは、主に単離形態で展開されるが、混合されると優先的に会合し、安定した平行コイルドコイルヘテロ二量体を形成する。このアプローチは、可溶性TCRを製造するために適用されてもよく、その中では、ペプチドを短縮型α鎖およびβ鎖にそれぞれ融合させることによって、ヘテロ二量体複合体が優先される。
【0037】
天然α-βヘテロ二量体TCRは、α鎖およびβ鎖を有する。各α鎖は可変領域、連結領域、および定常領域を含んでなり、β鎖は通常、可変領域と連結領域の間の短い多様性領域もまた含有するが、この多様性領域はしばしば連結領域の一部と見なされる。TCRα鎖およびβ鎖の定常領域またはC領域は、それぞれTRACおよびTRBCと称される(Lefranc,(2001),Curr Protoc Immunol Appendix 1:Appendix 10)。本明細書におけるα可変ドメインおよびβ可変ドメインと称される各可変領域は、フレームワーク配列に埋め込まれた3つの「相補性決定領域」(CDR)を含んでなり、1つはCDR3と命名された超可変領域である。α可変ドメインCDRは、本明細書においてCDRa1、CDRa2、CDRa3と称され、β可変ドメインCDRは、本明細書においてCDRb1、CDRb2、およびCDRb3と称される。それらのフレームワークによって、CDR1およびCDR2配列によって、ならびに部分的に定義されたCDR3配列によって区別される、数種類のα鎖可変(Vα)領域および数種類のβ鎖可変(Vβ)領域がある。Vαタイプは、IMGT命名法で一意のTRAV番号によって参照され、Vβタイプは、IMGT命名法で一意のTRBV番号によって参照される(Folch and Lefranc,(2000),Exp Clin Immunogenet 17(1):42-54;Scaviner and Lefranc,(2000),Exp Clin Immunogenet 17(2):83-96;LeFranc and LeFranc,(2001),"T cell Receptor Factsbook",Academic Press)。免疫グロブリン遺伝子についてより詳しくは、国際ImMunoGeneTics information system(登録商標)、Lefranc M-P et al(Nucleic Acids Res.2015 Jan;43(データベース出版):D413-22;およびhttp://www.imgt.org/)を参照されたい。したがって、天然または従来のTCR抗原結合部位には、αおよびβ鎖可変領域のそれぞれからのCDRセットを含んでなる、通常、6つのCDRが含まれ、ここで、CDR1およびCDR3配列は、HLAタンパク質に結合するペプチド抗原の認識および結合に関連し、CDR2配列は、HLAタンパク質の認識および結合に関連する。
【0038】
抗体と同様に、「TCRフレームワーク領域」(FR)は、CDRの間に挿入されたアミノ酸配列、すなわち異なるTCR間である程度保存されているTCRαおよびβ鎖可変領域の部分を指す。TCRのα鎖およびβ鎖は、それぞれ4つのFRを有し、本明細書において、それぞれFR1-a、FR2-a、FR3-a、FR4-a、およびFR1-b、FR2-b、FR3-b、FR4-bと称される。したがって、α鎖可変ドメインは、このように(FR1-a)-(CDRa1)-(FR2-1)-(CDRa2)-(FR3-a)-(CDRa3)-(FR4-a)と称されてもよく、β鎖可変ドメインは、このように(FR1-b)-(CDRb1)-(FR2-b)-(CDRb2)-(FR3-b)-(CDRb3)-(FR4-b)と称されてもよい。
【0039】
本発明の文脈において、αまたはβ鎖またはγまたはδ鎖におけるCDR/FR定義は、IMGT定義に基づいて判定されることになっている(Lefranc et al.,Dev.Comp.Immunol.,2003,27(1):55-77;www.imgt.org)。したがって、TCRまたはTCR由来ドメインに関連する場合のCDR/FRアミノ酸位置は、前記のIMGT定義に従って示される。好ましくは、第1の可変ドメインのCDR/FRアミノ酸位置のIMGT位置は、TRAV12-2のIMGT番号付けとの類似性で与えられ、および/または第2の可変ドメインのCDR/FRアミノ酸位置のIMGT位置は、TRBV5-1のIMGT番号付けとの類似性で与えられる。
【0040】
「親和性」は、理論的には、抗原結合タンパク質と抗原との間の平衡結合によって定義され、本発明の文脈では、抗原結合タンパク質と抗原の間、すなわちMHCタンパク質との複合体における、配列番号8に記載のPRAME-004ペプチドとの間の平衡結合によって定義される。親和性は、例えば、最大半量有効濃度(EC50)または平衡解離定数(KD)で表わされてもよい。
【0041】
「KD」は、抗原結合タンパク質とその抗原の間の平衡解離定数、koff/konの比率である。KDおよび親和性は、反比例の関係にある。KD値は、抗原結合タンパク質の濃度に関係し、KD値が低いほど、抗原結合タンパク質の親和性がより高くなる。親和性、すなわちKD値は、本明細書の「抗原結合タンパク質」の項で下に記載されるように、表面プラズモン共鳴またはバイオレイヤー干渉法を用いて会合および解離の速度を測定するなど、様々な既知の方法によって実験的に評価され得る。
【0042】
「免疫グロブリン」とも称される「抗体」では、2つの重鎖がジスルフィド結合によって互いに連結され、各重鎖はジスルフィド結合によって軽鎖に連結されている。軽鎖には、ラムダ(λ)およびカッパ(κ)の2種類がある。抗体分子の機能的活性を決定する5つの主要な重鎖クラス(またはイソタイプ)がある:IgM、IgD、IgG、IgA、およびIgE。それぞれの鎖は、異なる配列ドメインを含有する。軽鎖は、可変ドメイン(VL)と定常ドメイン(CL)との2つのドメインまたは領域を含む。重鎖は、可変ドメイン(VH)と、3つの定常ドメイン(集合的にCHと称される、CH1、CH2、およびCH3)との4つのドメインを含む。軽鎖(VL)と重鎖(VH)の双方の可変領域は、抗原への結合認識および特異性を決定する。軽鎖(CL)と重鎖(CH)の定常領域ドメインは、抗体鎖の結合、分泌、胎盤通過性、補体結合、およびFc受容体(FcR)への結合などの重要な生物学的特性を付与する。Fv断片は、免疫グロブリンのFab断片のN末端部分であり、1つの軽鎖可変部分と1つの重鎖可変部分とからなる。抗体の特異性は、抗体組み合わせ部位(抗体結合部位の同義語)と抗原決定基の間の構造的相補性にある。抗体組み合わせ部位は、主に超可変または相補性決定領域(CDR)からの残基で構成されている。時折、非超可変またはフレームワーク領域(FR)からの残基は、全体的なドメイン構造に影響を与え、したがって、結合組み合わせ部位に影響を与える。CDRは、天然免疫グロブリン結合部位の天然Fv領域の結合親和性および特異性を一緒に定義するアミノ酸配列を指す。免疫グロブリンの軽鎖および重鎖は、それぞれCDR1-L、CDR2-L、CDR3-L、およびCDR1-H、CDR2-H、CDR3-Hと称される、3つのCDRをそれぞれ有する。したがって、従来の抗体抗原結合部位は、重鎖および軽鎖V領域のそれぞれからのCDRセットを含んでなる6つのCDRを含む。
【0043】
本発明の文脈において、抗体または免疫グロブリンは、IgM、IgD、IgG、IgAまたはIgEである。
【0044】
「抗体フレームワーク領域」(FR)は、CDRの間に挿入されたアミノ酸配列、すなわち単一生物種の異なる免疫グロブリン間で比較的保存されている、免疫グロブリン軽鎖および重鎖可変領域の部分を指す。免疫グロブリンの軽鎖および重鎖は、それぞれFR1-L、FR2-L、FR3-L、FR4-L、およびFR1-H、FR2-H、FR3-H、FR4-Hと称される、4つのFRをそれぞれ有する。それに応じて、軽鎖可変ドメインは、したがって(FR1-L)-(CDR1-L)-(FR2-L)-(CDR2-L)-(FR3-L)-(CDR3-L)-(FR4-L)と称されてもよく、重鎖可変ドメインは、したがって(FR1-H)-(CDR1-H)-(FR2-H)-(CDR2-H)-(FR3-H)-(CDR3-H)-(FR4-H)と称されてもよい。
【0045】
本発明の文脈において、FCドメイン以外の免疫グロブリン軽鎖または重鎖中のCDR/FRの定義は、IMGT定義に基づいて決定されることになっている(Lefranc et al.,Dev.Comp.Immunol.,2003,27(1):55-77;www.imgt.org)。したがって、所与の可変鎖のCDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列と、FR1、FR2、FR3、FR4、およびFR5のアミノ酸配列は、前記のIMGT定義に従って示される。
【0046】
当業者であれば理解できるように、抗体の構造、特に抗体の可変重鎖および軽鎖の構造は、従来の抗体、二重特異性抗体、または多重特異性抗体への本発明の文脈で定義されるCDRのグラフト化を容易にする、TCRαおよびβ可変ドメイン構造の構造と類似している。
【0047】
本発明の抗体、TCRまたは抗原結合タンパク質のCDRのアミノ酸配列を知ることにより、当業者は、TCRフレームワーク領域または抗体フレームワーク領域などのフレームワーク領域を容易に判定し得る。しかしながら、CDRが示されていない場合、当業者は、最初に、TCRのIMGT定義または抗体のIMGT定義に基づいてCDRアミノ酸配列を決定し、次に、フレームワーク領域のアミノ酸配列を決定し得る。
【0048】
例えば、CDRのアミノ酸配列を知ることにより、当業者はフレームワーク領域FR1-L、FR2-L、FR3-L、FR4-Lおよび/またはFR1-H、FR2-H、FR3-H、FR4-Hを容易に判定し得る。
【0049】
本明細書の用法では「ヒトフレームワーク領域」は、天然に存在するヒト抗体のフレームワーク領域と実質的に(約85%以上、特に90%、95%、97%、99%または100%)同一であるフレームワーク領域を意味する。
【0050】
本明細書の用法では、用語「抗体」は、従来の抗体およびそれらの断片、ならびに単一ドメイン抗体およびそれらの断片、特に単一ドメイン抗体の可変重鎖、およびキメラ抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体または多重特異性抗体などの抗体およびその断片を示す。
【0051】
本明細書で言及される「従来の抗体」は、自然から単離された抗体と同じタイプのドメインおよびドメイン配置を有し、抗体由来のCDRおよびフレームワーク領域を含んでなる抗体である。同様に、本明細書で言及される「従来のTCR」は、天然TCRおよびTCR由来のCDRおよびフレームワーク領域と同じタイプのドメインとドメイン配置を含んでなる、TCRである。
【0052】
「ヒト化抗体」という用語は、完全にまたは部分的に非ヒト起源であり、ヒトの免疫反応を回避するかまたは最小化するために、特に重鎖および軽鎖のフレームワーク領域において、特定のアミノ酸を置換することによって修飾された抗体を指す。ヒト化抗体の定常ドメインは、主にヒトCHおよびCLドメインである。
【0053】
抗体配列をヒト化するための多くの方法が当該技術分野で公知であり;例えば、Almagro & Fransson(2008)Front Biosci.13:1619-1633によるレビューを参照されたい。一般的に使用される方法の1つは、CDRグラフト化、または抗体再形成であり、これは、通常はマウス抗体であるドナー抗体のCDR配列を異なる特異性のヒト抗体のフレームワークスキャフォールドにグラフト化することを伴う。CDRグラフト化は、CDRグラフト化非ヒト抗体の結合特異性および親和性、ひいては生物学的活性を低下させることもあるので、親抗体の結合特異性および親和性を維持するために、CDRグラフト化抗体の選択された位置に復帰変異が導入されてもよい。可能な復帰変異の位置の同定は、文献および抗体データベースで利用可能な情報を使用して実施され得る。復帰変異の候補となるアミノ酸残基は、典型的には、抗体分子の表面に位置するものである一方、埋没残基または表面露出の程度が低い残基は、通常は改変されない。CDRグラフト化および復帰変異の代替のヒト化技術は、表面再構成であり、その中では、非ヒト起源の非表面露出残基が保持される一方、表面残基はヒト残基に改変される。別の代替技術は、「ガイド付き選択」として知られ(Jespers et al.,(1994)Biotechnology 12,899)、例えば、ネズミまたはラットの抗体から、親抗体のエピトープおよび結合特性を維持する完全なヒト抗体を誘導するために使用され得る。ヒト化のさらなる方法は、米国特許第20110027266A1号明細書(国際公開第2009032661A1号パンフレット)に記載されるような、いわゆる4Dヒト化である。
【0054】
キメラ抗体では、ヒト化は典型的には、可変領域配列のフレームワーク領域の修飾を伴う。
【0055】
CDRの一部であるアミノ酸残基は、典型的にはヒト化に関連して改変されないが、特定例では、例えば、グリコシル化部位、脱アミド化部位、または望ましくないシステイン残基を除去するために、個々のCDRアミノ酸残基を改変することが望ましい場合がある。N結合グリコシル化は、トリペプチド配列Asn-X-SerまたはAsn-X-Thr中のアスパラギン残基にオリゴ糖鎖が結合することによって起こり、ここで、XはPro以外の任意のアミノ酸であってもよい。Nグリコシル化部位の除去は、AsnまたはSer/Thr残基のいずれかを異なる残基に変異させることによって、特に保存的置換を介して達成されてもよい。アスパラギンおよびグルタミン残基の脱アミド化は、pHおよび表面露出などの要因に応じて生じ得る。アスパラギン残基は、主にAsn-Glyの配列で存在する場合に特に脱アミドの影響を受けやすく、Asn-Alaなどのその他のジペプチド配列ではその影響より少ない。したがって、このような脱アミド化部位、特にAsn-GlyがCDR配列中に存在する場合、典型的には保存的置換によって、関与する残基の1つを除去することによって、その部位を除去することが望ましくあってもよい。関与する残基の1つを除去するためのCDR配列中の置換もまた、本発明に包含されることが意図される。
【0056】
抗体の「断片」、例えば従来の抗体は、無傷の抗体の一部、特に無傷の抗体の抗原結合領域または可変領域を含んでなる。抗体断片の例としては、Fv、Fab、F(ab')2、Fab'、dsFv、(dsFv)2、scFv、sc(Fv)2、ダイアボディ、および抗体断片から形成される二重特異性抗体および多重特異性抗体が挙げられる。従来の抗体の断片はまた、重鎖抗体またはVHHなどの単一ドメイン抗体であってもよい。
【0057】
「Fab」という用語は、約50,000ダルトンの分子量および抗原結合活性を有する抗体断片を示し、その中では、例えば、パパインなどのプロテアーゼでIgGを処理して得られた断片のうち、H鎖のN末端側のほぼ半分とL鎖全体が、ジスルフィド結合を介して共に結合する。
【0058】
例えば、「二重特異性抗体」または「BsAb」における「二重特異性」という用語は、通常、単一分子内の2つの抗体の抗原結合部位を組み合わせた抗体を示す。したがって、BsAbsは2つの異なる抗原に同時に結合するできる。
【0059】
特に、本発明の文脈における「二重特異性」という用語は、少なくとも2つの原子価および2つの異なる抗原に対する結合特異性を有する抗原結合タンパク質を指し、したがって、2つの抗原結合部位を含んでなり、換言すれば、二重特異性抗原結合タンパク質は、2つの異なる標的に特異的に結合する結合タンパク質を指す。
【0060】
「原子価」という用語は、抗原結合タンパク質の結合部位の数を指し、例えば、二価の抗原結合タンパク質は、2つの結合部位を有する抗原結合タンパク質に関連する。原子価という用語は、結合部位の数を指すことに留意すべきであり、ここで、それらの結合部位は、同じかまたは異なる標的に結合してもよく、すなわち二価の抗原結合タンパク質は、単一特異性、すなわち1つの標的に結合するか、または二重特異性、すなわち2つの異なる標的に結合してもよい。標的は、抗原、標的ペプチド、オフターゲット、すなわち類似ペプチドなどでであってもよい。本発明の文脈において、少なくとも1つの抗原結合部位がTCRに由来することが好ましく、より具体的には、少なくとも1つの抗原結合部位が、本発明の文脈で定義されるTCR由来のCDRを含んでなることが好ましい。したがって、本発明の文脈における「二重特異性」は、TCR CDRを含んでなる少なくとも1つの抗原結合部位と1つのさらなる抗原結合部位とが組み合わさった抗原結合タンパク質を指し、ここで、前記さらなる抗原結合部位は、典型的には抗体に由来し、したがって、典型的には抗体CDRを含んでなる。
【0061】
したがって、「二重特異性抗体」または「BsAb」という用語は、本発明の文脈において、単一分子内でTCR CDRを含んでなる1つの抗原結合部位と、抗体CDRを含んでなる1つの抗原結合部位とが組み合わさった、抗体フォーマットの二重特異性タンパク質を示す。したがって、BsAbsは2つの異なる抗原に同時に結合するできる。遺伝子操作は、例えば、欧州特許第2050764A1号明細書に記載されるような、結合特性およびエフェクター機能の所望のセットを有する抗体または抗体誘導体を設計、改変、および製造するためにますます頻繁に使用されてきた。
【0062】
本明細書における「フォーマット」という用語は、本発明の抗原結合タンパク質中に存在するドメインの数およびタイプ、ならびにその空間的構成を指す。例えば、本発明の抗原結合タンパク質の文脈では、抗原結合タンパク質は、Vα-L-VL(CD3)-Fcを有する第1のポリペプチドと、VH(CD3)-L-Vβ-Fcを有する第2のポリペプチドとを含んでなってもよく、したがって、Fcドメインのない抗原結合タンパク質と異なるフォーマットであってもよい。Lは、VαとVLドメイン、およびVHとVβドメインをそれぞれ結合するリンカーである。
【0063】
二重特異性フォーマットなどの多くの異なるフォーマットが、当該技術分野で記載されている。抗体の文脈において、このようなフォーマットは、典型的に、ダイアボディ、交差二重可変ドメイン(CODV)および/または二重可変ドメイン(DVD)タンパク質などの非限定的な例を含む。これらの異なる二重特異性抗体の概要と製造方法は、例えば、Brinkmann U.and Kontermann E.E.MAbs.2017 Feb-Mar;9(2):182-212で開示されている。特に、DVDフォーマットは、例えば、以下の科学論文で開示されている(Wu C et al.Nat Biotechnol 2007;25:1290-7;PMID:17934452;Wu C.et al.MAbs 2009;1:339-47;Lacy SE et al.MAbs 2015;7:605-19;PMID:25764208;Craig RB et al.PLoS One 2012;7:e46778;PMID:23056448;Piccione EC et al.MAbs 2015)。CODVは、例えば、Onuoha SC et al.Arthritis Rheumatol.2015 Oct;67(10):2661-72、または例えば、国際公開第2012/135345号パンフレット、国際公開第2016/116626号パンフレットで開示されている。二重特異性ダイアボディは、例えば、Holliger P et al.Protein Eng 1996;9:299-305;PMID:8736497;Atwell JL et al.Mol Immunol 1996;33:1301-12;PMID:9171890;Kontermann RE,Nat Biotechnol 1997;15:629-31;PMID:9219263;Kontermann RE et al.Immunotechnology 1997;3:137-44;PMID:9237098;Cochlovius B et al.Cancer Res 2000;60:4336-41;PMID:10969772;およびDeNardo DG et al.Cancer Biother Radiopharm 2001;16:525-35;PMID:11789029に記載される。
【0064】
抗体の文脈で用いられる「ダイアボディ」は、典型的には、同じまたは異なる抗体からの、それぞれがVHおよびVLドメインを含んでなる2つの鎖から構成される二価の分子を指す。2つの鎖は典型的には、VHA-VLBとVHB-VLA(AとBは2つの異なる特異性を表す)、またはVLA-VHBとVLB-VHAの構成を有する。
【0065】
本発明の文脈における「ダイアボディ(Db)」または「ダイアボディフォーマット」は、本明細書でそれぞれ、リンカー(LDb1およびLDb2)によって連結された2つの可変ドメインを含んでなる2つのポリペプチド鎖から構成された二価の分子を指し、ここで、ドメインの2つは、本発明の文脈で定義される第1および第2のドメイン(V1およびV2)であって、その他の2つのドメインは、TCR由来または抗体由来の可変ドメイン(VA、VB)であってもよい。V1V2ドメインは、2つの異なるポリペプチド上に位置し、VAVBドメインは、2つの異なるポリペプチド上に位置し、ドメインは頭ー尾方向で二量体化する。したがって、方向は、V1-LDb1-VAとVB-LDb2-V2、V2-LDb1-VAとVB-LDb2-V1、V1-LDb1-VBとVA-LDb2-V2、またはV2-LDb1-VBとVA-LDb2-V1であってもよい。ドメインが頭-尾方向で二量体化できるようにするために、リンカー、すなわち同一であるかまたは異なるLDb1およびLDb1は、短いリンカーである。短いリンカーは、典型的には例えば、4、5など、例えば3、4、5、6、7、8、9アミノ酸長の2~12、3~13アミノ酸長の間であり(Brinkmann U.and Kontermann E.E.(MAbs.2017 Feb-Mar;9(2):182-212)、または配列番号70の「GGGS」、配列番号71の「GGGGS」、または配列番号64の「GGGSGGGG」などの8アミノ酸長である。
【0066】
「二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD-Ig(商標))」フォーマットは、2007年に最初にWu C.et al.(Nat Biotechnol.2007 Nov;25(11):1290-7)によって記載された。このフォーマットでは、典型的には、第2のモノクローナル抗体(B)の標的結合可変ドメインは、従来の抗体(A)(ドメインVLAおよびVHAを含んでなる)に融合し、したがって、ここで、従来の抗体(A)の軽鎖は、追加的な軽鎖可変ドメイン(VLB)を含んでなり、従来の抗体(A)の重鎖は、追加的な重鎖可変ドメイン(VHB)を含んでなる。したがって、当該技術分野で記載されているようなDVD-Ig(商標)は、典型的には、2つのポリペプチド鎖から構成され、1つの重鎖はVHB-L-VHA-CH1-CH2-CH3を含んでなり、1つの軽鎖はVLB-L-VLA-CLを含んでなる。したがって、ドメインVLA/VHAとVLA/VLAは、平行して対合する。
【0067】
本発明の文脈における「二重可変ドメインIgフォーマット」は、それぞれ、リンカー(L1、L3)によって連結された、2つの可変ドメインを含んでなる2つのポリペプチド鎖を含んでなるタンパク質を指し、ここで、ドメインの2つは、本発明の文脈で定義される第1および第2のドメイン(V1およびV2)であり、その他の2つのドメインは、重鎖および軽鎖可変ドメイン(VHAおよびVHB)に由来する抗体である。本発明の文脈におけるDVD-Igフォーマットでは、ポリペプチド鎖は、例えば、V1-L1-VHA-L2-CH1-CH2-CH3とV2-L3-VLA-L4-CL、またはV2-L1-VHA-L2-CH1-CH2-CH3とV1-L3-VLA-L4-CLの構成を有する。連結リンカーL1およびL3は、好ましくは5~15アミノ酸などの5~20残基の間であり、および/または接続リンカーL2およびL4は、存在してもまたは存在しなくてもよい。
【0068】
抗体の文脈で当該技術分野で記載されるような「交差二重可変ドメインIg様タンパク質」は、その中で、2つのVHおよび2つのVLドメインが、可変VH-VLドメインの交差対合を可能にする様式で連結され、それらが、VHA-VHBとVLB-VLAの順序、またはVHB-VHAとVLA-VLBの順序のどちらかで(NからC末端方向に)配列されるフォーマットを表す。
【0069】
本発明の文脈において、「交差二重可変ドメインIg様タンパク質」は、それぞれがリンカー(L1、L2、L3、およびL4)によって連結された2つの可変ドメインを含んでなる2つのポリペプチド鎖を含んでなる、タンパク質を指し、ここで、2つのドメインは、本発明の文脈で定義される第1および第2のドメイン(V1およびV2)であり、その他の2つのドメインは、抗体由来の重鎖および軽鎖可変ドメイン(VHA、VHB)である。本発明の文脈におけるCDVD-Igフォーマットでは、ポリペプチド鎖は、例えば、V1-L1-VHA-L2-CH1-CH2-CH3とVLA-L3-V2-L4-CL;V2-L1-VHA-L2-CH1-CH2-CH3とVLA-L3-V1-L4-CL;VHA-L1-V1-L2-CH1-CH2-CH3とV2-L3-VLA-LDVD3-CL;またはVHA-L1-V2-L2-CH1-CH2-CH3とV1-L3-VLA-L4-CLの構成を有する。このCDVDフォーマットでは、リンカー(L1~L4)は、典型的には、全グリシンリンカーおよび本明細書のリンカーの項で下に記載されるリンカーを含めて、異なる長さである。例えば、L1は3~12アミノ酸残基の長さであり、L2は3~14アミノ酸残基の長さであり、L3は1~8アミノ酸残基の長さであり、L4は1~3アミノ酸残基の長さであるか、または
L1は5~10アミノ酸残基の長さであり、L2は5~8アミノ酸残基の長さであり、L3は1~5アミノ酸残基の長さであり、L4は1~2アミノ酸残基の長さであるか、またはL1は7アミノ酸残基の長さであり、L2は5アミノ酸残基の長さであり、L3は1アミノ酸残基の長さであり、L4は2アミノ酸残基の長さである。
【0070】
本明細書における「抗体フォーマット」はタンパク質を指し、ここで、定常ドメインなどの含まれるかもしれないさらなるドメインは、好ましくは抗体に由来する。上記の例を参照すると、Vα-L-VL(CD3)-Fcを有する第1のポリペプチドと、VH(CD3)-L-Vβ-Fcを有する第2のポリペプチドとを含んでなる抗原結合タンパク質は、Fcドメインが抗体に由来することから、抗体フォーマットと称されるかもしれない。
【0071】
BsAbと類似して、本発明の文脈における「二重特異性TCR」は、単一分子内で、TCR CDRを含んでなる1つの抗原結合部位と、抗体CDRを含んでなる1つの抗原結合部位とが組み合わさった、TCRフォーマットの二重特異性タンパク質を示す。
【0072】
本明細書における「TCRフォーマット」はタンパク質を指し、ここで、定常ドメインなどの含まれるかもしれないさらなるドメインは、好ましくはTCRに由来する。しかしながら、scTCRは抗体の定常ドメインまたはそれらの断片もまた含んでなるかもしれないので、例外も可能である。
【0073】
TCR由来のドメインの数が抗体由来のドメインの数と等しい場合、「抗体フォーマット」は「TCRフォーマット」と必ずしも明確に区別できるとは限らず、例えば、Vα-LVL(CD3)を有する第1のポリペプチドと、VH(CD3)-L-Vβを有する第2のポリペプチドとを含んでなる抗原結合タンパク質の場合、この特殊なケースでは、抗原結合タンパク質はTCRフォーマットであると同時に、抗体フォーマットであると見なされるかもしれない。
【0074】
本明細書における「少なくとも1つ」は、1、2、3、4、5または6つ以上の特定の物体などの1つまたは複数の特定の物体を指す。例えば、本明細書における少なくとも1つの結合部位は、1、2、3、4、5または6つ以上の結合部位を指す。
【0075】
「参照配列と少なくとも85%の同一性を有する」配列とは、その全長において、参照配列の全長と85%以上、特に90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する配列である。
【0076】
本出願の文脈では、「同一性の百分率」は、グローバルなペアワイズアラインメントを用いて計算される(すなわち2つの配列が、それらの全長にわたって比較される)。2つ以上の配列の同一性を比較するための方法は、当該技術分野で周知である。例えば、Needleman-Wunsch大域アラインメントアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970 J.Mol.Biol.48:443-453)を用いて、それらの全長を考慮した場合の2つの配列の最適なアラインメント(ギャップを含む)を見つける「needle」プログラムが、用いられてもよい。Needleプログラムは、例えば、ebi.ac.uk World Wide Webサイトで利用でき、以下の出版物にさらに記載されている(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite(2000)Rice,P.Longden,I.and Bleasby,A.Trends in Genetics 16,(6)pp.276-277)。本発明による2つのポリペプチド間の同一性の百分率は、10.0に等しい「Gap Open」パラメーター、0.5に等しい「Gap Extend」パラメーター、およびBlosum62マトリックスで、EMBOSS:needle(大域)プログラムを用いて計算される。
【0077】
参照配列と「少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一」のアミノ酸配列からなるタンパク質は、参照配列と比較して、欠失、挿入および/または置換などの変異を含んでなってもよい。置換の場合、参照配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一のアミノ酸配列からなるタンパク質は、参照配列とは別の種に由来する相同配列に対応してもよい。
【0078】
「アミノ酸置換」は、保存的または非保存的であってもよい。好ましくは、置換は保存的置換であり、その中ではあるアミノ酸が類似の構造的および/または化学的特性を有する別のアミノ酸によって置換される。
【発明を実施するための形態】
【0079】
一実施形態では、保存的置換としては、それらの内容全体が参照により援用される、Dayhoffによって「The Atlas of Protein Sequence and Structure.Vol.5」,Natl.Biomedical Researchに記載されているものが挙げられてもよい。例えば、一態様では、以下のグループの1つに属するアミノ酸は、互いに交換され得て、したがって、保守的な交換を構成する:グループ1:アラニン(A)、プロリン(P)、グリシン(G)、アスパラギン(N)、セリン(S)、スレオニン(T);グループ2:システイン(C)、セリン(S)、チロシン(Y)、スレオニン(T);グループ3:バリン(V)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アラニン(A)、フェニルアラニン(F);グループ4:リジン(K)、アルギニン(R)、ヒスチジン(H);グループ5:フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)、ヒスチジン(H);およびグループ6:アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)。一態様では、保存的アミノ酸置換は、T→A、G→A、A→I、T→V、A→M、T→I、A→V、T→G、および/またはT→Sから選択されてもよい。
【0080】
さらなる実施形態では、保存的アミノ酸置換としては、例えば、(1)非極性:Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Met、Phe、Trp;(2)非荷電極性:Gly、Ser、Thr、Cys、Tyr、Asn、Gln;(3)酸性:Asp、Glu;および(4)塩基性:Lys、Arg、Hisなど、同一クラスの別のアミノ酸によるアミノ酸の置換が挙げられてもよい。その他の保存的アミノ酸置換はまた、以下のように行われ得る:(1)芳香族:Phe、Tyr、His;(2)プロトン供与体:Asn、Gln、Lys、Arg、His、Trp;および(3)プロトン受容体:Glu、Asp、Thr、Ser、Tyr、Asn、Gln(例えば、それらの内容全体が参照により援用される、米国特許第10,106,805号明細書を参照されたい)。
【0081】
別の実施形態では、表1に従って保存的置換が行なわれてもよい。タンパク質修飾に対する耐性を予測する方法は、例えば、その内容全体が参照により援用される、Guo et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,101(25):9205-9210(2004)にある。
【0082】
【0083】
別の実施形態では、保存的置換は、「保存的置換」の見出しの下で表2に示されるものであってもよい。このような置換が生物学的活性の変化をもたらす場合、表2で「例示的な置換」と命名される、より実質的な変化が導入され、必要に応じて生成物がスクリーニングされてもよい。
【0084】
【0085】
いくつかの実施形態では、抗原結合タンパク質は変異型抗原結合タンパク質を含んでもよく、ここで、前記変異型抗原結合タンパク質は、第1のポリペプチド鎖(α鎖など)と第2のポリペプチド鎖(β鎖など)とを含み、変異型がそれに由来する抗原結合タンパク質と比較して、好ましくはVαおよびVβ領域のCDR領域に、最大8、9、10、11、12、13、14、15、またはそれ以上のアミノ酸置換を含んでなる。この点において、抗原結合タンパク質のCDR領域には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15以上のアミノ酸置換が存在してもよい。置換は、Vαおよび/またはVβ領域のどちらのCDRにあってもよい。
【0086】
高親和性抗原結合タンパク質は、本発明の抗原結合タンパク質に基づいて操作されてもよく、それぞれの野生型抗原結合タンパク質よりも、MHCと複合体形成したPRAME-004への結合がより強力であり、それは約10-6M~約10-12Mの間、約10-7M~約10-12Mの間、約10-8M~約10-12Mの間、約10-9M~約10-12Mの間、約10-10M~約10-12Mの間、または約10-11M~約10-12Mの間のKDの親和性を有してもよい
【0087】
一実施形態では、変異型は機能的変異型である。
【0088】
「機能的変異型」という用語は、本明細書の用法では、保存的アミノ酸置換を含有する抗原結合タンパク質などの親抗原結合タンパク質と、実質的または有意な配列同一性または類似性を有する抗原結合タンパク質を指し、ここで、前記機能的変異型は、親抗原結合タンパク質の生物学的活性を維持する。一態様では、機能的変異型は、例えば、本明細書に記載の抗原結合タンパク質(親抗原結合タンパク質)の変異型を包含し、これは、親抗原結合タンパク質と類似した程度、同程度、またはより高い程度で、標的細胞を認識する能力を維持する。親抗原結合タンパク質に関連して、機能的変異型は、例えば、親抗原結合タンパク質に対するアミノ酸配列に対して、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%以上同一のアミノ酸配列を有し得る。
【0089】
機能的変異型は、例えば、少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を含む親抗原結合タンパク質のアミノ酸配列を含んでなり得る。代案としては、またはそれに加えて、機能的変異型は、少なくとも1つの非保存的アミノ酸置換を有する、親抗原結合タンパク質のアミノ酸配列を含んでなり得る。この場合、非保存的アミノ酸置換が機能的変異型の生物学的活性を妨害または阻害しないことが好ましい。好ましくは、非保存的アミノ酸置換は、機能的変異型の生物学的活性を増強し、その結果、機能的変異型の生物学的活性は、抗原結合タンパク質と比較して増加する。
【0090】
本開示の修飾されたTCR、ポリペプチド、およびタンパク質(機能的部分および機能的変異型を含む)は、修飾されたTCR、ポリペプチド、またはタンパク質(またはその機能的部分または機能的変異型)が、例えば、抗原に特異的に結合する能力、宿主における罹患細胞を検出する能力、または宿主における疾患を治療または予防する能力などのそれらの生物学的活性を維持するという条件で、任意の長さであり得て、すなわち任意の数のアミノ酸を含んでなり得る。
【0091】
本発明の抗原結合タンパク質(機能的部分および機能的変異型を含む)は、1つまたは複数の天然アミノ酸の代わりに合成アミノ酸を含んでなり得る。このような合成アミノ酸は、当該技術分野で公知であり、例えば、アミノシクロヘキサンカルボン酸、ノルロイシン、α-アミノn-デカン酸、ホモセリン、S-アセチルアミノメチル-システイン、トランス-3-およびトランス-4-ヒドロキシプロリン、4-アミノフェニルアラニン、4-ニトロフェニルアラニン、4-クロロフェニルアラニン、4-カルボキシフェニルアラニン、β-フェニルセリンβ-ヒドロキシフェニルアラニン、フェニルグリシン、α-ナフチルアラニン、シクロヘキシルアラニン、シクロヘキシルグリシン、インドリン-2-カルボン酸、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸、アミノマロン酸酸、アミノマロン酸酸モノアミド、N'-ベンジル-N'-メチル-リジン、N',N'-ジベンジル-リジン、6-ヒドロキシリジン、オルニチン、α-アミノシクロペンタンカルボン酸、α-アミノシクロヘキサンカルボン酸、α-アミノシクロヘプタンカルボン酸、α-(2-アミノ-2-ノルボルナン)-カルボン酸、α,γ-ジアミノ酪酸、α,β-ジアミノプロピオン酸、ホモフェニルアラニン、およびα-tert-ブチルグリシンが挙げられてもよい。
【0092】
一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質(機能的部分および機能的変異型をはじめとする)は、グリコシル化、アミド化、カルボキシル化、リン酸化、エステル化、Nアシル化され得て、例えば、ジスルフィド架橋を介して環化され得て、または酸付加塩に変換され得て、および/または任意選択的に、二量体化または重合、または抱合され得る。
【0093】
さらなる実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質(機能的部分および機能的変異型を含む)は、例えば、薬学的に許容可能な塩などの塩の形態である。薬学的に許容可能な酸付加塩としては、塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸、および硫酸などの鉱酸に由来するもの、および酒石酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、および例えばp-トルエンスルホン酸酸などのアリールスルホン酸などの有機酸に由来するものが挙げられてもよい。
【0094】
この点において、本開示の抗原結合タンパク質は、合成、組換え、単離、および/または精製され得る。
【0095】
「リンカー」という用語は、本明細書の用法では、例えば、本発明の抗原結合抗体の第1の可変ドメインおよび第2の可変ドメインなどのドメインに十分な移動度を提供するように、ドメイン間に挿入され、任意選択的に、軽鎖および重鎖可変ドメインの第1の可変ドメインおよび第2の可変ドメイン間に挿入され、抗原結合タンパク質の交差対合(CODVフォーマットまたはいくつかのダイアボディフォーマット)または平行対合構成(例えば、DVDフォーマット)のどちらかで、正しく折りたたまれて抗原結合部位または二重特異性抗原結合タンパク質が形成し、少なくとも1つのさらなる抗原結合部位が形成される、1つまたは複数のアミノ酸残基を指す。
【0096】
いくつかの実施形態では、リンカーは0個のアミノ酸からなり、すなわちリンカーは存在しない。リンカーは、アミノ酸配列レベルで、可変ドメイン間、または可変ドメインと定数ドメイン間の移行部にそれぞれ挿入される。免疫グロブリンドメインならびにTCRドメインのおよそのサイズが良く理解されているため、ドメイン間の移行部が同定され得る。ドメイン遷移の正確な位置は、実験データによって実証されるように、またはモデリングまたは二次構造予測の技術によって想定されるように、βシートまたはαらせんなどの二次構造要素を形成しないペプチドストレッチを探し当てることによって判定され得る。本発明の文脈で用いられるリンカーという用語は、L1、L2、L3、L4、L5、およびL6と称されるリンカーを指すが、これらに限定されるものではない。
【0097】
それぞれの文脈で特に指定されていない限り、L1、L2、L3、L4、L5、およびL6、などのリンカーは、少なくとも1~30アミノ酸の長さであり得る。いくつかの実施形態では、L1、L2、L3、L4、L5、およびL6などのリンカーは、2~25、2~20、または3~18アミノ酸長であり得る。いくつかの実施形態では、L1、L2、L3、L4、L5、およびL6などのリンカーは、14、13、12、11、10、9、8、7、6、または5アミノ酸長以下のペプチドであり得る。その他の実施形態では、L1、L2、L3、L4、L5、およびL6などのリンカーは、5~25、5~15、4~11、10~20、または20~30アミノ酸長であり得る。その他の実施形態では、L1、L2、L3、L4、L5、およびL6などのリンカーは、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30アミノ酸長であり得る。特定の、実施形態では、L1、L2、L3、L4、L5およびL6などのリンカーは、長さが、例えば、5~24、10~24または5~10など、24未満、20未満、16未満、12未満、10未満のアミノ酸残基であってもよい。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、例えば、長さが、1を超え、2を超え、5を超え、10を超え、20を超えるアミノ酸残基、22を超えるアミノ酸残基など、長さが、1以上のアミノ酸残基である。
【0098】
例示的なリンカーとしては、例えば、TVAAP(配列番号69)、
GGGS(配列番号70)、
GGGGS(配列番号71)、
TVLRT(配列番号72)、
TVSSAS(配列番号73)、
GGGSGGGG(配列番号64)、
GGGGSGGGGS(配列番号74)、
GGGGSAAA(配列番号75)、
GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号76)
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGS(配列番号77)、
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号151)、
TVLSSAS(配列番号78)および
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号117)、
GGGGSGT(配列番号159)、
GGSGGGGSGG(配列番号160)、
GGSGGGGSGGGGSGG(配列番号161)、
GGGGSGGGGSGT(配列番号162)
GGGGSGGGGSGGGGSGT(配列番号163)、
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGT(配列番号164)、
GGSGGGGSGGGGSGGGGSGG(配列番号165)、
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGT(配列番号166)、
GGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGG(配列番号167)、
GSADDAKKDAAKKDGKS(配列番号168)、
GGQGSGGTGSGGQGSGGTGSGGQGS(配列番号169)、
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(SEQIDNO:170)、特にGGGSGGGG(配列番号64)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号117)、およびGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号151)のアミノ酸配列が挙げられる。
【0099】
本発明の文脈で用いられる「Fcドメイン」という用語は、天然FcおよびFc変異型を包含する。Fc変異型および天然Fc分子と同様に、「Fcドメイン」という用語には、抗体全体から分解されたか、またはその他の手段で製造されたかにかかわらず、単量体または多量体の形態の分子が含まれる。
【0100】
「天然Fc」という用語は、本明細書の用法では、抗体の消化から得られるか、または単量体または多量体の形態であるかどうかにかかわらず、その他の手段によって製造された非抗原結合断片の配列を含んでなり、ヒンジ領域を含有し得る分子を指す。天然Fcの元の免疫グロブリン源は、特にヒト由来であり、免疫グロブリンのいずれかであるが、IgG1およびIgG2が好ましい。天然Fc分子は、共有結合(すなわちジスルフィド結合)および非共有結合によって二量体または多量体の形態に結合し得る単量体ポリペプチドで構成される。天然Fc分子の単量体サブユニット間の分子間ジスルフィド結合の数は、クラス(例えば、IgG、IgA、およびIgEなど)またはサブクラス(例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgA1、およびIgGA2など)に応じて、1~4の範囲である。天然Fcの一例は、IgGのパパイン消化から得られるジスルフィド結合二量体である。「天然Fc」という用語は、本明細書の用法では単量体、二量体、および多量体の形態に一般的である。天然Fcの一例は、配列番号79のアミノ酸配列である。
【0101】
「ヒンジ」または「ヒンジ領域」または「ヒンジドメイン」は、典型的には、CH1ドメインとCH2ドメインの間に位置する重鎖の可動性部分を指す。それは約25アミノ酸長であり、「上部ヒンジ」、「中部ヒンジ」または「コアヒンジ」、および「下部ヒンジ」に分割される。「ヒンジサブドメイン」は、上部ヒンジ、中部(またはコア)ヒンジ、または下部ヒンジを指す。IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4分子のヒンジのアミノ酸配列を以下に示す:
IgG1:E216PKSCDKTHTCPPCPAPELLG(配列番号155)
IgG2:E216RKCCVECPPCPAPPVAGP(配列番号156)
IgG3:ELKTPLGDTTHTCPRCPEPKSCDTPPPCPRCPE216PKSCDTPPPCPRCPAPELLG(配列番号157)
IgG4:E216SKYGPPCPSCPAPEFLG(配列番号158)。
【0102】
本発明の文脈において、これはFcドメイン中のアミノ酸位置に言及し、これらのアミノ酸位置または残基は、例えば、Edelman,G.M.et al.,Proc.Natl.Acad.USA,63,78-85(1969)に記載されているようなEU番号付けシステムに従って示される。
【0103】
「Fc変異型」という用語は、本明細書の用法では、天然Fcから修飾されているが、サルベージ受容体であるFcRn(新生児Fc受容体)に対する結合部位をなおも含んでなる、分子または配列を指す。例示的なFc変異型、およびそれらとサルベージ受容体との相互作用は、当該技術分野で公知である。したがって、「Fc変異型」という用語は、非ヒト天然Fcからヒト化された分子または配列を含んでなり得る。さらに、天然Fcは、本発明の抗原結合タンパク質に必要でない構造的特徴または生物学的活性を提供するので、除去され得る領域を含んでなる。したがって、「Fc変異型」という用語は、1つまたは複数の天然Fc部位または残基を欠く分子または配列を含んでなり、またはその中では、1つまたは複数のFc部位または残基が修飾されて、(1)ジスルフィド結合形成、(2)選択された宿主細胞との非適合性、(3)選択された宿主細胞での発現時のN末端不均一性、(4)グリコシル化、(5)補体との相互作用、(6)サルベージ受容体以外のFc受容体への結合、または(7)抗体依存性細胞の細胞傷害性(ADCC)に影響を与えるかまたは関与している。
【0104】
一実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgGFcドメインであり、好ましくはヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4、好ましくはIgG1またはIgG2、より好ましくはIgG1由来のものである。
【0105】
いくつかの実施形態では、抗原結合タンパク質が2つのFcドメイン、すなわち実施例で使用されたFc含有二重特異性TCR/mAbダイアボディフォーマット(TCER(登録商標)フォーマット)(Fc1およびFc2)を含む場合、2つのFcドメインは同じ免疫グロブリンイソタイプまたはイソタイプサブクラスのものである。したがって、いくつかの実施形態では、Fc1およびFc2はどちらも、IgG1サブクラス、またはIgG2サブクラス、またはIgG3サブクラス、またはIgG4サブクラスのものである。
【0106】
好ましい実施形態では、Fc1およびFc2はどちらも、IgG1サブクラス、またはIgG2サブクラス、より好ましくはIgG1サブクラスのものである。
【0107】
いくつかの実施形態では、Fc領域は、本明細書で上記に定義されるようなRFおよび/または「ノブ・インツー・ホール」変異をさらに含んでなる。
【0108】
「RF変異」とは、一般に、FcドメインのCH3ドメインにおけるアミノ酸HYのRFへの変異を指し、例えば、Jendeberg,L.et al.,(1997,J.Immunological Meth.,201:25-34)が記載するCH3ドメインにおける変異H435RおよびY436Fなどがあり、プロテインAとの結合がなくなるため精製の目的で有利になると記載されている。抗原結合タンパク質が2つのFcドメインを含んでなる場合、RF変異は片方または双方の、好ましくは片方のFcドメインにあってもよい。
【0109】
「ノブ・インツー・ホール」または「ノブ・インツー・ホール」技術とは、どちらもCH3-CH3インターフェースにあってヘテロ多量体形成を促進する、変異Y349C、T366S、L368A、およびY407V(ホール)とS354CおよびT366W(ノブ)を指し、特に、参照により本明細書に援用される、米国特許第5731168号明細書および米国特許第8216805号明細書に記載されている。これらの「ノブ・インツー・ホール」変異は、追加的なシステインアミノ酸置換であるY349CおよびS354Cの導入によってさらに安定化され得る。
【0110】
本発明の文脈において「ノブ」変異は、例えば、配列番号66のFcアミノ酸配列中に存在し、「ホール」変異は、例えば、配列番号68のFcアミノ酸配列中に存在する。
【0111】
いくつかの実施形態では、例えば、Fc1などのポリペプチドの1つのFcドメインは、そのCH3ドメイン中にアミノ酸置換T366W(ノブ)を含んでなり、例えば、Fc2などのその他のポリペプチドのFcドメインは、そのCH3ドメイン中にアミノ酸置換T366S、L368A、およびY407V(ホール)を含んでなり、逆もまた同様である。
【0112】
いくつかの実施形態では、例えば、Fc1などのポリペプチドの1つのFcドメインは、そのCH3ドメイン中にアミノ酸置換S354Cを含んでなるかまたはさらに含んでなり、例えば、Fc2などのその他のポリペプチドのFcドメインは、そのCH3ドメイン中にアミノ酸置換Y349C含んでなるかまたはさらに含んでなり、逆もまた同様である。
【0113】
したがって、いくつかの実施形態では、例えば、Fc1などのポリペプチドの1つのFcドメインは、そのCH3ドメイン中にアミノ酸置換S354CおよびT366W(ノブ)を含んでなり、例えば、Fc2などのその他のポリペプチドのFcドメインは、そのCH3ドメイン中にアミノ酸置換Y349C、T349S、L368A、およびY407V(ホール)を含んでなり、逆もまた同様である。
【0114】
この一連のアミノ酸置換は、Wei et al.(Structural basis of a novel heterodimeric Fc for bispecific antibody production,Oncotarget.2017)によって記載されたように、一方のポリペプチドにアミノ酸置換K409Aを含め、もう一方のポリペプチドにF405Kを含めることによって、さらに拡張され得る。したがって、いくつかの実施形態では、例えば、Fc1などのポリペプチドの1つのFcドメインは、そのCH3ドメイン中にアミノ酸置換K409Aを含んでなるかまたはさらに含んでなり、例えば、Fc2などのその他のポリペプチドのFcドメインは、そのCH3ドメイン中にアミノ酸置換F405Kを含んでなるかまたはさらに含んでなり、逆もまた同様である。
【0115】
場合によっては、人為的に導入されたシステイン架橋は、最適には抗原結合タンパク質の結合特性を妨げることなく、抗原結合タンパク質の安定性を改善してもよい。このようなシステイン架橋は、ヘテロ二量体化をさらに改善し得る。
【0116】
得られたタンパク質のヘテロ二量体化を改善するための、荷電対置換などのさらなるアミノ酸置換が、例えば、欧州特許第2970484号明細書など、当該技術分野で記載されている。
【0117】
したがって、一実施形態では、ポリペプチドの1つのFcドメイン、例えば、Fc1は、電荷対置換E356K、E356R、D356R、またはD356KおよびD399KまたはD399Rを含んでなるかまたはさらに含んでなり、その他のポリペプチドのFcドメイン、例えばFc2は、電荷対置換R409D、R409E、K409E、またはK409DおよびN392D、N392E、K392E、またはK392Dを含んでなるかまたはさらに含んでなり、または逆もまた同様である。
【0118】
さらなる実施形態では、片方または双方、好ましくは双方のポリペプチド鎖上のFcドメインは、Fcγ受容体(FcyR)結合を阻害する1つまたは複数の改変を含んでなり得る。このような改変としては、L234A、L235Aが挙げられ得る。
【0119】
ヒンジ、H2、およびCH3ドメインからなるFc部分、またはその一部を抗原結合タンパク質に、より具体的には二重特異性抗原結合タンパク質に含めることにより、Fc:Fc-γ受容体(FcgR)相互作用によって誘発される、これらの分子の非特異的固定化という問題が発生した。FcgRは、IgG分子のFc部分によって提示されるエピトープに異なる親和性で結合する、異なる細胞表面分子(FcgRI、FcgRIIa、FcgRIIb、FcgRIII)から構成されている。このような非特異的(すなわち二重特異性分子の2つの結合ドメインのどちらによっても誘導されない)固定化は、i)分子の薬物動態への影響、およびii)免疫エフェクター細胞のオフターゲット活性化の理由から好ましくなく、FcgR結合を除去するための様々なFc変異型および変異が同定されている。この文脈において、Morgan et al.1995,Immunology(The N-terminal end of the CH2 domain of chimeric human IgG1 anti-HLA-DR is necessary for C1q,FcyRI and FcyRIII binding)は、ヒトIgG1の残基233~236のヒトIgG2に由来する対応する配列、すなわち残基233P、234V、および235Aとの交換を開示しており、ここで、236位にアミノ酸が存在しないため、FcgRI結合が消失し、C1q結合が消失し、FcgRIII結合が減少している。欧州特許第1075496号明細書は、Fc領域に変動がある抗体およびその他のFc含有分子(233P、234V、235A、236位にGがない、327G、330S、および331Sの1つまたは複数)を開示しており、ここで、組換え抗体は、有意な補体依存性溶解、または標的の細胞媒介性破壊を誘発することなく、標的分子に結合できる。
【0120】
したがって、いくつかの実施形態では、Fc領域は、233P、234V、235A、236(残基なし)またはGと;327G、330S、331Sからなる群から選択されるアミノ酸の1つまたは複数または欠失とを含んでなるかまたはさらに含んでなり、好ましくは、Fc領域は、アミノ酸233P、234V、235A、236(残基なし)またはGと、327G、330S、331Sからなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸とを含んでなるかまたはさらに含んでなり、最も好ましくは、Fc領域は、アミノ酸233P、234V、235A、236(残基なし)および331Sを含んでなるかまたはさらに含んでなる。
【0121】
さらなる一実施形態では、Fcドメインは、アミノ酸置換N297Q、N297GまたはN297A、好ましくはN297Qを含んでなるかまたはさらに含んでなる。
【0122】
アミノ酸置換「N297Q」、「N297G」、または「N297A」は、Fcドメイン内の天然Nグリコシル化部位を無効化する297位でのアミノ酸置換を指す。このアミノ酸置換は、Fc-γ-受容体相互作用をさらに防ぎ、例えば、Tao,MH and Morrison,SL(J Immunol.1989 Oct 15;143(8):2595-601)に記載されているような糖残基に起因する、最終タンパク質産物、すなわち本発明の抗原結合タンパク質の変動性を減少させる。
【0123】
さらなる一実施形態では、特に軽鎖がない場合、Fcドメインは、アミノ酸置換S220Cを含んでなるかまたはさらに含んでなる。アミノ酸置換「S220C」は、CH1CLジスルフィド架橋を形成するシステインを欠失させる。
【0124】
いくつかの実施形態では、Fcドメインは、例えば、S354CとY349CまたはL242CとK334Cなどの少なくとも2つの追加的なシステイン残基を含んでなるかまたはさらに含んでなり、ここで、S354Cは、Fc1などの1つのポリペプチドのFcドメイン中にあり、Y349Cは、Fc2などのその他のポリペプチドのFcドメイン中にあって、ヘテロ二量体を形成し、および/またはここで、L242CおよびK334Cは、ポリペプチドの片方または双方のFc1またはFc2のどちらかの同じFcドメインに位置して、ドメイン内C-C橋を形成する。
【0125】
「精製された」および「単離された」とは、ポリペプチド(すなわち本発明の抗体)またはヌクレオチド配列を指す場合、示された分子が、同じタイプのその他の生物学的巨大分子の実質的な不在下で、存在することを意味する。「精製された」という用語は、本明細書の用法では、特に、同じタイプの生物学的巨大分子の少なくとも75重量%、85重量%、95重量%、または98重量%が存在することを意味する。
【0126】
特定のポリペプチドをコード化する「単離された」核酸分子は、対象ポリペプチドをコード化しないその他の核酸分子を実質的に含まない核酸分子を指す;しかしながら、分子は、組成物の基本的特性に悪影響を及ぼさないいくつかの追加的な塩基または部分を含んでもよい。
【0127】
「ドメイン」は、タンパク質の任意の領域であってもよく、一般に配列相同性に基づいて定義され、しばしば特定の構造的または機能的実体に関連している。
【0128】
「組換え」分子は、組換え手段によって調製、発現、生成、または単離された分子である。
【0129】
「遺伝子」という用語は、1つまたは複数のタンパク質または酵素の全部または一部を含んでなるアミノ酸の特定の配列をコードするか、またはそれに対応するDNA配列を意味し、例えば、遺伝子が発現される条件を判定するプロモーター配列などの調節DNA配列を含んでも含まなくてもよい。構造遺伝子ではないいくつかの遺伝子は、DNAからRNAに転写されてもよいが、アミノ酸配列には翻訳されない。その他の遺伝子は、構造遺伝子の調節因子またはDNA転写の調節因子として機能してもよい。特に、遺伝子という用語は、タンパク質をコード化するゲノム配列、すなわち調節因子、プロモーター、イントロン、およびエクソン配列を含んでなる配列を意図してもよい。
【0130】
「EC50」とも称される「最大半量有効濃度」は、通常、指定された曝露時間後に、ベースラインと最大値の中間の応答を誘発する分子の濃度を指す。EC50と親和性は反比例の関係にあり、EC50値が低いほど、分子の親和性がより高くなる。一例として、「EC50」は、指定された曝露時間後に、ベースラインと最大値の中間の反応を誘発する本発明の抗原結合タンパク質の濃度を指し、より具体的には、指定された曝露時間後に、ベースラインと最大値の中間の反応を誘導する本発明の抗原結合タンパク質の濃度を指す。EC50値は、例えば、IFN-γ放出アッセイまたはLDH放出アッセイなど、様々な既知の方法で実験的に評価され得る。
【0131】
抗原結合タンパク質
参照により本明細書に援用される国際公開第2018/172533号パンフレットで開示されているTCR R16P1C10を出発点として使用して、本発明者らは、一本鎖(scTCR)フォーマットである;より正確には、任意選択的に、Fab断片に結合した一本鎖二重特異性TCR、またはFc含有二重特異性TCR/mAbダイアボディフォーマットのどちらかである、TCR可変α(Vα)および可変β(Vβ)ドメイン変異型を設計、製造、試験した。このようにして、発明者らは、本発明の抗原結合タンパク質が標的、すなわちMHCタンパク質との複合体中の、好ましくはHLA-A*02と複合体形成した配列番号8のアミノ酸配列SLLQHLIGLを含んでなるPRAMEペプチドに、高親和性かつ高特異性で結合することに関連する、可変αおよびβドメインの異なる変異型、より具体的には、可変αドメインの2つの相補性決定領域(CDR)CDRa1(1つの変異型を有する)およびCDRa3(27の変異型を有する)の異なる変異型と、可変βドメインの2つの相補性決定領域(CDR)の異なる変異型およびCDRb1(2つの変異型を有する)とCDRb3(1~14の変異型を有する)とを同定した。本発明者らは、実施例において、CDRが、二重特異性抗体だけでなく、一本鎖TCRコンストラクトでも使用されてもよいことを実証し、したがって、同定されたCDR変異型が、MHCタンパク質との複合体中の、好ましくはHLA-A*02と複合体形成した配列番号8のアミノ酸配列SLLQHLIGLを含んでなるPRAMEペプチドに対する、高い親和性だけでなく高い特異性も有する異なる抗原結合タンパク質を製造するのに使用されてもよいことを原理証明の形で実証した。さらに、本発明者らは、CDRa2のアミノ酸配列IYSNGD(配列番号9)をアミノ酸配列IYX2X3GD(配列番号2)(ここで、X2は、任意のアミノ酸、好ましくはSまたはQ、より好ましくはQであり、X3は、任意のアミノ酸、好ましくはT、E、DまたはA、より好ましくはEである)に変異させることによって、本発明の抗原結合タンパク質のストレス安定性が改善されることを発見した。
【0132】
実施例において、本発明者らは、例えば、ヒトTCR-CD3複合体に、およびMHCクラスI分子、例えばHLA-A2*01に結合したPRAMEペプチドSLLQHLIGL(配列番号8)を含んでなる、ペプチド:MHC複合体に、特異的に結合する、Fc含有二重特異性TCR/mAbダイアボディを設計した。TCR-CD3複合体を標的化するために、Zhu et al.,(Identification of heavy chain residues in a humanized anti-CD3 antibody important for efficient antigen binding and T cell activation.J Immunol,1995,155,1903-1910)によって記載された、CD3特異的ヒト化抗体hUCHT1(V9)に由来するVHおよびVLドメインが、これらの実施例で使用され、あるいは、Shearman et al.(Construction,expression and characterization of humanized antibodies directed against the human alpha/beta T cell receptor(J Immunol,1991,147,4366-73)に記載された、α/βTCR-特異的抗体BMA031に由来するVHおよびVLドメインおよびそれらのヒト化バージョンが使用されてもよい。PRAME-004:MHC複合体を標的化するために、本明細書で開示されているCDRを含んでなるVαおよびVβドメインを用いて、抗原結合タンパク質の安定性および親和性成熟がもたらされてもよい。同じVLおよびVH、VαおよびVβドメインが、Fabドメイン(CH1-ヒンジおよびCLを含んでなる)をさらに含んでなるヒト一本鎖TCRでさらに使用された。これらの参考文献は、その内容全体が参照により本明細書に援用される。
【0133】
したがって、一実施形態では、本発明は、PRAMEペプチドに特異的に結合する抗原結合タンパク質に言及し、このPRAMEペプチドは、配列番号8のアミノ酸配列SLLQHLIGLを含んでなり、MHCタンパク質との複合体中にあり、抗原結合タンパク質は、以下を含んでなる:
(a)3つの相補性決定領域(CDR)CDRa1、CDRa2、およびCDRa3を含んでなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、
CDRa1は、アミノ酸配列DRGSQX1(配列番号1)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X1は、任意のアミノ酸、好ましくはLであり;
CDRa2は、アミノ酸配列IYX2X3GD(配列番号2)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X2は、任意のアミノ酸、好ましくはSまたはQ、より好ましくはQであり、X3は、任意のアミノ酸、好ましくはT、E、DまたはA、より好ましくはEであるが、ただしCDRa2は、アミノ酸配列IYSNGD(配列番号9)を含まずまたはそれから構成されず、
CDRa3は、アミノ酸配列CAAVIX4NX5X6GGX7LTF(配列番号3)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X4~X7は、任意のアミノ酸であり、
好ましくは、X4は、S、N、D、P、T、またはE、より好ましくはPであり;X5は、L、I、V、Q、N、P、S、A、G、T、D、K、R、F、より好ましくはVであり;X6は、E、A、V、R、N、G、Y、I、D、H、L、P、S、Q、より好ましくはVであり;X7は、S、I、Q、A、R、L、P、Y、K、M、より好ましくはQである);
および
(b)3つの相補性決定領域(CDR)CDRb1、CDRb2、およびCDRb3を含んでなる第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、
CDRb1は、アミノ酸配列X8GHRX9(配列番号4)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X8は、任意のアミノ酸、好ましくはSまたはP、より好ましくはPであり、X9は、任意のアミノ酸、好ましくはSまたはA、より好ましくはAであり;
CDRb2は、アミノ酸配列YX10X11X12X13X14(配列番号5)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X10~X14は、任意のアミノ酸、好ましくはX10は、V、I、FまたはE、より好ましくはIまたはV、より好ましくはVであり;X11は、H、D、またはS、より好ましくはDまたはH、より好ましくはHであり;X12は、G、RまたはE、より好ましくはGであり;X13は、Q、R、A、F、V、Q、E、L、YまたはT、より好ましくはEまたはA、より好ましくはEであり;X14は、E、AまたはQ、より好ましくはEまたはQ、より好ましくはEであり、CDRb3は、アミノ酸配列CASSPWDSPNX15QYF(配列番号6)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X15は、任意のアミノ酸、好ましくはVである)。
【0134】
当業者であれば理解できるように、本明細書で定義されるCDRアミノ酸配列を含んでなる第1の可変ドメインは、本明細書で定義されるCDRアミノ酸配列を含んでなる第2の可変ドメインと一緒に抗原結合部位を形成し、ここで、前記抗原結合部位は、MHCタンパク質と複合体形成した配列番号8のアミノ酸配列SLLQHLIGLを含んでなるかまたはそれからなるPRAMEペプチドに結合する。
【0135】
3つの相補性決定領域(CDR)CDRa1、CDRa2、およびCDRa3は、TCRの可変αメインに由来し、したがって、当業者であれば理解できるように、いくつかの実施形態では、第1の可変ドメインはまた、可変αドメインと称されることもある。同様に、3つの相補性決定領域(CDR)であるCDRb1、CDRb2、およびCDRb3は、前記TCRの可変βドメインに由来し、したがって、当業者によって理解されるように、第2の可変ドメインもまた、可変βドメインと称されることもある。より具体的には、配列(FR1-a)-(CDRa1)-(FR2-a)-(CDRa2)-(FR3-a)-(CDRa3)-(FR4-a)などの本発明の文脈で定義されるα可変フレームワークアミノ酸配列とα可変CDRとを含んでなる第1の可変ドメインは、可変αドメインおよび/またはと称されるかもしれず、および/または配列(FR1-b)-(CDRb1)-(FR2-b)-(CDRb2)-(FR3-b)-(CDRb3)-(FR4-b)などの本発明の文脈で定義されるβ可変フレームワークアミノ酸配列とβ可変CDRとを含んでなる第2の可変ドメインは、可変βドメインと称されるかもしれない。
【0136】
いくつかの実施形態では、CDRは、抗体フレームワーク配列に移植されてもよい。したがって、一例では、α可変ドメインCDRは、軽鎖可変ドメインに移植されるかもしれず、したがって、第1の可変ドメインは、配列(FR1-L)-(CDRa1)-(FR2-L)-(CDRa2)-(FR3-L)-(CDRa3)-(FR4-L)を含んでなるかまたはそれからなり、軽鎖可変ドメインと称されるかもしれない。同じ例では、β可変ドメインCDRは重鎖可変ドメインに移植されるかもしれず、したがって、第2の可変ドメインは配列(FR1-H)-(CDRb1)-(FR2-H)-(CDRb2)-(FR3-H)-(CDRb3)-(FR4-H)を含んでなるかまたはそれからなり、重鎖可変ドメインと称されるかもしれない。
【0137】
一実施形態では、CDRa1は、アミノ酸配列DRGSQX1(配列番号1)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X1は、S以外の任意のアミノ酸であり、および/または
CDRb1は、アミノ酸配列X8GHRX9(配列番号4)を含んでなるかまたはそれからなるが、ただしX8およびX9は、どちらもSでなく、および/または
CDRb3は、アミノ酸配列CASSPWDSPNX15QYF(配列番号6)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X15は、E以外の任意のアミノ酸である。
【0138】
一実施形態では、CDRa1は、アミノ酸配列DRGSQX1(配列番号1)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X1は、A、R、N、D、C、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、T、W、YまたはV、好ましくはLからなる群から選択される任意のアミノ酸であり、
および/またはCDRb1は、アミノ酸配列X8GHRX9(配列番号4)を含んでなるかまたはそれからなるが、ただしX8およびX9は、A、R、N、D、C、Q、G、E、H、I、L、K、M、F、P、T、W、YまたはVからなる群から選択される同じかまたは異なる任意のアミノ酸であり、
および/またはCDRb3は、アミノ酸配列CASSPWDSPNX15QYF(配列番号6)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X15は、A、R、N、D、C、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、YまたはVからなる群から選択される任意のアミノ酸である。
【0139】
本発明の文脈において、本発明の抗原結合タンパク質のCDRは、国際公開第2018/172533号パンフレットに開示されているように、少なくとも前記親TCR R16P1C10のCDRa3のアミノ酸配列において、親TCR R16P1C10のCDRとは異なる。当業者であれば理解できるように、本明細書で上に定義されるCDRa3は、親TCR R10P1D10のCDRa3であるアミノ酸配列「CAAVISNFGNEKLTF」(配列番号10)を含まずまたはそれから構成されない。
【0140】
さらに、いくつかの実施形態では、CDRa1は、アミノ酸配列DRGSQS(配列番号11)を含まずまたはそれから構成されず、および/またはCDRb1は、アミノ酸配列SGHRS(配列番号12)を含まずまたはそれから構成されず、および/またはCDRb3は、アミノ酸配列CASSPWDSPNEQYF(配列番号13)を含まずまたはそれから構成されない。
【0141】
一実施形態では、前記第2の可変ドメインは、アミノ酸配列YX10X11X12X13X14(配列番号5)を含んでなるかまたはそれからなるCDRb2を含んでなるが、ただしCDRb2は、アミノ酸配列「YFSETQ」(配列番号14)を含まずまたはそれから構成されない。
【0142】
さらなる実施形態では、前記第2の可変ドメインは、アミノ酸配列YVHGX16E(配列番号15)を含んでなるかまたはそれからなるCDRb2をさらに含んでなり、ここで、X16は、任意のアミノ酸であり、好ましくはX16は、Q、R、A、F、V、Q、E、L、YまたはT、好ましくはEである。
【0143】
一実施形態では、本明細書で定義される第1の可変ドメインおよび第2の可変ドメインじは、IMGT番号付けによる44位のアミノ酸置換を含んでなってもよい。好ましい実施形態では、対合を改善するために、44位の前記アミノ酸が別の適切なアミノ酸で置換される。好ましくは前記抗原結合タンパク質がTCRである特定の実施形態では、前記変異は、例えば鎖の対合(すなわちαとβ鎖の対合またはγとδの対合)を改善する。一実施形態では、第1の可変ドメイン(v144)中の44位に存在するアミノ酸の片方または双方、および第2の可変ドメイン(v244)中の44位に存在するアミノ酸は、v144D/v244R、v144R/v244D、v144E/v244K、v144K/v244E、v144D/v244K、v144K/v244D、v144R/v244E;v144E/v244R、v144L/v244W、v144W/v244L、v144V/v244W、v144W/v244Vからなるアミノ酸対の群から選択されるアミノ酸対v144/v244に置換される。
【0144】
したがって、さらなる実施形態では、抗原結合タンパク質は、v1Q44D/v2Q44R;v1Q44R/v2Q44D;v1Q44E/v2Q44K;v1Q44K/v2Q44E;v1Q44D/v2Q44K;v1Q44K/v2Q44D;v1Q44E/v2Q44R;v1Q44R/v2Q44E;v1Q44L/v2Q44W;v1Q44W/v2Q44L;v1Q44V/v2Q44W;およびv1Q44W/v2Q44V;v1W44D/v2Q44R;v1W44R/v2Q44D;v1W44E/v2Q44K;v1W44K/v2Q44E;v1W44D/v2Q44K;v1W44K/v2Q44D;v1W44E/v2Q44R;v1W44R/v2Q44E;v1W44L/v2Q44W;v1W44/v2Q44L;v1W44V/v2Q44W;およびv1W44/v2Q44V;v1H44D/v2Q44R;v1H44R/v2Q44D;v1H44E/v2Q44K;v1H44K/v2Q44E;v1H44D/v2Q44K;v1H44K/v2Q44D;v1H44E/v2Q44R;v1H44R/v2Q44E;v1H44L/v2Q44W;v1H44W/v2Q44L;v1H44V/v2Q44W;およびv1H44W/v2Q44V;v1K44D/v2Q44R;v1K44R/v2Q44D;v1K44E/v2Q44K;v1K44/v2Q44E;v1K44D/v2Q44K;v1K44/v2Q44D;v1K44E/v2Q44R;v1K44R/v2Q44E;v1K44L/v2Q44W;v1K44W/v2Q44L;v1K44V/v2Q44W;およびv1K44W/v2Q44V;v1E44D/v2Q44R;v1E44R/v2Q44D;v1E44/v2Q44K;v1E44K/v2Q44E;v1E44D/v2Q44K;v1E44K/v2Q44D;v1E44/v2Q44R;v1E44R/v2Q44E;v1E44L/v2Q44W;v1E44W/v2Q44L;v1E44V/v2Q44W;およびv1E44W/v2Q44V;v1Q44D/v2R44;v1Q44R/v2R44D;v1Q44E/v2R44K;v1Q44K/v2R44E;v1Q44D/v2R44K;v1Q44K/v2R44D;v1Q44E/v2R44;v1Q44R/v2R44E;v1Q44L/v2R44W;v1Q44W/v2R44L;v1Q44V/v2R44W;およびv1Q44W/v2R44V;v1W44D/v2R44;v1W44R/v2R44D;v1W44E/v2R44K;v1W44K/v2R44E;v1W44D/v2R44K;v1W44K/v2R44D;v1W44E/v2R44;v1W44R/v2R44E;v1W44L/v2R44W;v1W44/v2R44L;v1W44V/v2R44W;およびv1W44/v2R44V;v1H44D/v2R44;v1H44R/v2R44D;v1H44E/v2R44K;v1H44K/v2R44E;v1H44D/v2R44K;v1H44K/v2R44D;v1H44E/v2R44;v1H44R/v2R44E;v1H44L/v2R44W;v1H44W/v2R44L;v1H44V/v2R44W;およびv1H44W/v2R44V;v1K44D/v2R44;v1K44R/v2R44D;v1K44E/v2R44K;v1K44/v2R44E;v1K44D/v2R44K;v1K44/v2R44D;v1K44E/v2R44;v1K44R/v2R44E;v1K44L/v2R44W;v1K44W/v2R44L;v1K44V/v2R44W;およびv1K44W/v2R44V;v1E44D/v2R44;v1E44R/v2R44D;v1E44/v2R44K;v1E44K/v2R44E;v1E44D/v2R44K;v1E44K/v2R44D;v1E44R/v2R44E;v1E44L/v2R44W;v1E44W/v2R44L;v1E44V/v2R44W;およびv1E44W/v2R44V;v1Q44D/v2K44R;v1Q44R/v2K44D;v1Q44E/v244K;v1Q44K/v2K44E;v1Q44D/v244K;v1Q44K/v2K44D;v1Q44E/v2K44R;v1Q44R/v2K44E;v1Q44L/v2K44W;v1Q44W/v2K44L;v1Q44V/v2K44W;およびv1Q44W/v2K44V;v1W44D/v2K44R;v1W44R/v2K44D;v1W44E/v244K;v1W44K/v2K44E;v1W44D/v244K;v1W44K/v2K44D;v1W44E/v2K44R;v1W44R/v2K44E;v1W44L/v2K44W;v1W44/v2K44L;v1W44V/v2K44W;およびv1W44/v2K44V;v1H44D/v2K44R;v1H44R/v2K44D;v1H44E/v244K;v1H44K/v2K44E;v1H44D/v244K;v1H44K/v2K44D;v1H44E/v2K44R;v1H44R/v2K44E;v1H44L/v2K44W;v1H44W/v2K44L;v1H44V/v2K44W;およびv1H44W/v2K44V;v1K44D/v2K44R;v1K44R/v2K44D;v1K44E/v244K;v1K44/v2K44E;v1K44D/v244K;v1K44/v2K44D;v1K44E/v2K44R;v1K44R/v2K44E;v1K44L/v2K44W;v1K44W/v2K44L;v1K44V/v2K44W;およびv1K44W/v2K44V;v1E44D/v2K44R;v1E44R/v2K44D;v1E44/v244K;v1E44K/v2K44E;v1E44D/v244K;v1E44K/v2K44D;v1E44/v2K44R;v1E44R/v2K44E;v1E44L/v2K44W;v1E44W/v2K44L;v1E44V/v2K44W;およびv1E44W/v2Q44Vからなる群から選択される、好ましい置換対(v144/v244)の1つをさらに含んでもよい。
【0145】
上記において、例えば、「v1Q44R/v2Q44D」とは、第1の可変ドメインではQ44がRで置換され、第2の可変ドメインではQ44がDで置換されていることを意味するものとする。追加的な置換および説明は、米国特許出願第2018-0162922号明細書に記載される。
【0146】
好ましい実施形態では、可変ドメインの44位に存在するアミノ酸は、Q、R、D、E、K、L、W、およびVからなる群から選択される1つのアミノ酸によって置換される。
【0147】
したがって、さらなるましい実施形態では、抗原結合タンパク質は、以下のリストから選択される好ましい置換対のうちの1つをさらに含んでもよい:αQ44D/βQ44R;αQ44R/βQ44D;αQ44E/βQ44K;αQ44K/βQ44E;αQ44D/βQ44K;αQ44K/βQ44D;αQ44E/βQ44R;αQ44R/βQ44E;αQ44L/βQ44W;αQ44W/βQ44L;αQ44V/βQ44W;およびαQ44W/βQ44V;αW44D/βQ44R;αW44R/βQ44D;αW44E/βQ44K;αW44K/βQ44E;αW44D/βQ44K;αW44K/βQ44D;αW44E/βQ44R;αW44R/βQ44E;αW44L/βQ44W;αW44/βQ44L;αW44V/βQ44W;およびαW44/βQ44V;αH44D/βQ44R;αH44R/βQ44D;αH44E/βQ44K;αH44K/βQ44E;αH44D/βQ44K;αH44K/βQ44D;αH44E/βQ44R;αH44R/βQ44E;αH44L/βQ44W;αH44W/βQ44L;αH44V/βQ44W;およびαH44W/βQ44V;αK44D/βQ44R;αK44R/βQ44D;αK44E/βQ44K;αK44/βQ44E;αK44D/βQ44K;αK44/βQ44D;αK44E/βQ44R;αK44R/βQ44E;αK44L/βQ44W;αK44W/βQ44L;αK44V/βQ44W;およびαK44W/βQ44V;αE44D/βQ44R;αE44R/βQ44D;αE44/βQ44K;αE44K/βQ44E;αE44D/βQ44K;αE44K/βQ44D;αE44/βQ44R;αE44R/βQ44E;αE44L/βQ44W;αE44W/βQ44L;αE44V/βQ44W;およびαE44W/βQ44V;αQ44D/βR44;αQ44R/βR44D;αQ44E/βR44K;αQ44K/βR44E;αQ44D/βR44K;αQ44K/βR44D;αQ44E/βR44;αQ44R/βR44E;αQ44L/βR44W;αQ44W/βR44L;αQ44V/βR44W;およびαQ44W/βR44V;αW44D/βR44;αW44R/βR44D;αW44E/βR44K;αW44K/βR44E;αW44D/βR44K;αW44K/βR44D;αW44E/βR44;αW44R/βR44E;αW44L/βR44W;αW44/βR44L;αW44V/βR44W;およびαW44/βR44V;αH44D/βR44;αH44R/βR44D;αH44E/βR44K;αH44K/βR44E;αH44D/βR44K;αH44K/βR44D;αH44E/βR44;αH44R/βR44E;αH44L/βR44W;αH44W/βR44L;αH44V/βR44W;およびαH44W/βR44V;αK44D/βR44;αK44R/βR44D;αK44E/βR44K;αK44/βR44E;αK44D/βR44K;αK44/βR44D;αK44E/βR44;αK44R/βR44E;αK44L/βR44W;αK44W/βR44L;αK44V/βR44W;およびαK44W/βR44V;αE44D/βR44;αE44R/βR44D;αE44/βR44K;αE44K/βR44E;αE44D/βR44K;αE44K/βR44D;αE44R/βR44E;αE44L/βR44W;αE44W/βR44L;αE44V/βR44W;およびαE44W/βR44V。
【0148】
上記において、例えば、「αQ44R/βQ44D」は、例えば、第1の可変ドメイン中でQ44がRによって置換され、第2の可変ドメイン中でQ44がDによって置換されることを意味するものとする。追加的な置換および説明は、その内容全体が参照により本明細書に援用される、米国特許出願第2018-0162922号明細書に記載される。
【0149】
一実施形態では、前記抗原結合タンパク質は、MHCタンパク質、特に、HLA-A、HLA-B、HLA-CなどのMHCクラスIHLAタンパク質、より好ましくはHLA-A*02タンパク質との複合体中の配列番号8のアミノ酸配列を含んでなる、PRAMEペプチドに特異的に結合する。
【0150】
MHCタンパク質、特にMHCクラスIおよびHLA-A*02タンパク質は、本明細書で上に「定義」の項で定義される。
【0151】
一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質の第1の可変ドメインは、以下を含んでなる:
アミノ酸配列DRGSQS(配列番号11)およびDRGSQL(配列番号16)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるCDRa1および/または
アミノ酸配列IYSNGD(配列番号9)およびIYQEGD(配列番号17)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるCDRa2および/または
アミノ酸配列CAAVINNPSGGMLTF(配列番号18)、CAAVIDNSNGGILTF(配列番号19)、CAAVIDNPSGGILTF(配列番号20)、CAAVIDNDQGGILTF(配列番号21)、CAAVIPNPPGGKLTF(配列番号22)、CAAVIPNPGGGALTF(配列番号23)、CAAVIPNSAGGRLTF(配列番号24)、CAAVIPNLEGGSLTF(配列番号25)、CAAVIPNRLGGYLTF(配列番号26)、CAAVIPNTDGGRLTF(配列番号27)、CAAVIPNQRGGALTF(配列番号28)、CAAVIPNVVGGILTF(配列番号29)、CAAVITNIAGGSLTF(配列番号30)、CAAVIPNNDGGYLTF(配列番号31)、CAAVIPNGRGGLLTF(配列番号32)、CAAVIPNTHGGPLTF(配列番号33)、CAAVIPNDVGGSLTF(配列番号34)、CAAVIENKPGGPLTF(配列番号35)、CAAVIDNPVGGPLTF(配列番号36)、CAAVIPNNNGGALTF(配列番号37)、CAAVIPNDQGGILTF(配列番号38)、CAAVIPNVVGGQLTF(配列番号39)、CAAVIPNSYGGLLTF(配列番号40)、CAAVIPNDDGGLLTF(配列番号41)、CAAVIPNAAGGLLTF(配列番号42)、CAAVIPNTIGGLLTF(配列番号43)、およびCAAVIPNTRGGLLTF(配列番号44)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるCDRa3、および
以下を含んでなる第2の可変ドメイン:
アミノ酸配列SGHRS(配列番号12)およびPGHRA(配列番号45)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるCDRb1および/または
アミノ酸配列YFSETQ(配列番号14)、YVHGEE(配列番号46)およびYVHGAE(配列番号47)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるCDRb2および/または
アミノ酸配列CASSPWDSPNEQYF(配列番号13)およびCASSPWDSPNVQYF(配列番号48)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるCDRb3。
【0152】
本発明の発明者らは、実施例、特に本明細書で開示されている実施例1~4において、TCR変異型「HiAff1」および「LoAff3」を同定したが、そのうちのCDRアミノ酸配列は、本発明の抗原結合タンパク質、特に二重特異性抗原結合タンパク質、より具体的にはFc含有二重特異性TCR/mAb(抗CD3)ダイアボディフォーマットで使用された場合に、特に参照タンパク質と比較して、それらのCDRを含んでなる抗原結合タンパク質の結合親和性、安定性、および特異性を増加させる。
【0153】
このような参照タンパク質は、例えば、国際公開第2018/172533号パンフレットで開示されている親/野性型TCR R16P1C10CDRを含んでなる抗原結合タンパク質、例えば、前記TCR R16P1C10のCDRを含んでなる本明細書に記載のFc含有二重特異性TCR/mAb(抗CD3)ダイアボディであってもよく、または参照タンパク質は、前記TCR R16P1C10のCDRを含んでなる抗原結合タンパク質であり、それが比較される抗原結合タンパク質と、同じフォーマットである。このような参照タンパク質はまた、例えば、「CDR6」のCDRを含んでなる抗原結合タンパク質、例えば、本明細書に記載の「CDR6」のCDRを含んでなるFc含有二重特異性TCR/mAb(抗CD3)ダイアボディであってもよく、または参照タンパク質は、「CDR6」のCDRを含んでなり、それが比較される抗原結合タンパク質と同じフォーマットである抗原結合タンパク質であって、ここで、「CDR6」のCDRは、本明細書で上に開示されているものである。
【0154】
本発明者らは、さらに、上述のCDRを含んでなる本発明の抗原結合タンパク質が、「CDR6」と称される参照抗原結合タンパク質のCDRを含んでなる抗原結合タンパク質と比較して、改善された安定性を有することを実証し、ここで、「CDR6」と称される抗原結合タンパク質は、以下のαおよびβCDRを含んでなる:
アミノ酸配列DRGSQS(配列番号11)を含んでなるかまたはそれからなるCDRa1、アミノ酸配列IYSNGD(配列番号9)を含んでなるかまたはそれからなるCDRa2、アミノ酸配列CAAVIDNDQGGILTF(配列番号21)を含んでなるかまたはそれからなるCDRa3、アミノ酸配列PGHRA(配列番号45)を含んでなるかまたはそれからなるCDRb1、アミノ酸配列YVHGEE(配列番号46)を含んでなるかまたはそれからなるCDRb2、アミノ酸配列CASSPWDSPNVQYF(配列番号48)を含んでなるかまたはそれからなるCDRb3。
【0155】
特定の一実施形態では、本発明は、いわゆる「HiAff#1」および「LoAff#3」の変異型およびそれらの変異型のCDRを含んでなる、抗原結合タンパク質に言及する。
【0156】
したがって、好ましい一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、以下を含んでなる:
a)3つの相補性決定領域(CDR)CDRa1、CDRa2、およびCDRa3を含んでなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、
CDRa1は、アミノ酸配列DRGSQS(配列番号11)または配列番号11と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
CDRa2は、アミノ酸配列IYQEGD(配列番号17)を含んでなるかまたはそれからなり、
CDRa3は、アミノ酸配列CAAVIDNDQGGILTF(配列番号21)を含んでなるかまたはそれからなる)、および
b)3つの相補性決定領域(CDRs)CDRb1、CDR2b、およびCDRb3を含んでなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、
CDRb1は、アミノ酸配列PGHRA(配列番号45)またはPGHRS(配列番号49)、好ましくはPGHRA(配列番号45)、または配列番号45または配列番号49、好ましくは配列番号45と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり;
CDRb2は、アミノ酸配列YVHGEE(配列番号46)または配列番号46と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
CDRb3は、アミノ酸配列CASSPWDSPNEQYF(配列番号13)またはCASSPWDSPNVQYF(配列番号48)、好ましくはCASSPWDSPNVQYF(配列番号48)、または配列番号13または配列番号48、好ましくはCASSPWDSPNVQYF(配列番号48)と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなる)。
【0157】
例えば、実施例4などの実施例から分かるように、例えば、Fc含有二重特異性TCR/mAbダイアボディの形態の本発明の抗原結合タンパク質は、CDRb1が安定化変異S27Pを含有してCHO細胞における発現を改善させることを例外として、TCR R16P1C10のCDRを含んでなるFc含有二重特異性TCR/mAbダイアボディ形態の抗原結合タンパク質などの参照タンパク質と比較して、増加した親和性を有する。
【0158】
したがって、一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、任意選択的に、参照タンパク質と比較して増加した親和性を有する。
【0159】
本明細書における「参照タンパク質」は、本発明の抗原結合タンパク質がそれと比較されるタンパク質を指す。一実施形態では、参照タンパク質は、それが比較される抗原結合タンパク質と同じフォーマットであり、および/または前記参照タンパク質は、親TCR R16P1C10のCDRまたはαおよびβ可変ドメインを含んでなる。
【0160】
一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、配列番号8のアミノ酸配列と、好ましくはHLA-A*02であるHLA分とを含んでなるかまたはそれからなるPRAMEペプチドの複合体に、例えば、10pM~200nM、10pM~150nM、10pM~100nM、特に50pM~100nM、100pM~100nM、1nM~100nMなど、200nM以下、150nM以下、120nM以下、110nM、好ましくは100nM以下のKDで結合する。
【0161】
したがって、本発明の抗原結合タンパク質は、配列番号8のアミノ酸配列と、好ましくはHLA-A*02であるHLA分子とを含んでなるかまたはそれからなるPRAMEペプチドの複合体に対する、200nM以下、150nM以下、120nM以下、110nM、好ましくは100nM以下、特に50pM~100nM、100pM~100nM、1nM~100nMの親和性(KD)を有する。「KD」および「親和性」は、本明細書で上に定義の項で定義される。
【0162】
関連する一実施形態では、抗原結合タンパク質は、好ましくはダイアボディ、任意選択的に、FcFcドメインを含んでなるダイアボディ、より特には任意選択的に、Fcドメインを含んでなる二重特異性ダイアボディである。
【0163】
KDなどの親和性を測定する方法は当業者に知られており、例えば、表面プラズモン共鳴およびバイオレイヤー干渉法が挙げられる。当業者に知られているように、使用される緩衝液、タンパク質の濃度など、それらの実験に使用される実験条件は、結果に強く影響し得る。
【0164】
したがって、一例では、本発明の抗原結合タンパク質は、例えば、可溶性Fc含有二重特異性TCR/mAbダイアボディとして発現され、複合体HLA-A*02/PRAME-004単量体に対するそれらの結合親和性について解析される。典型的には、測定は、例えば、Octet RED384システムで、典型的には、製造業者によって推奨される設定を用いて実施される。簡潔に述べると、結合動態は、典型的には、例えば、PBS、0.05%ツイーン20、0.1%BSAを緩衝剤として使用して、30℃で、例えば、1000rpmの振盪速度で測定された。抗原結合タンパク質、特にFc含有二重特異性TCR/mAbダイアボディは、HLA-A*02/PRAME-004複合体の連続希釈液を分析する前に、FAB2GまたはAHCなどのバイオセンサー上に負荷された。
【0165】
本明細書で開示されているように、本発明の抗原結合タンパク質は、配列番号8のアミノ酸配列と、HLA分子、好ましくはHLA-A*02とを含んでなるかまたはそれからなるPRAMEペプチドの複合体を認識しおよび/またはそれに特異的に結合する。したがって、PRAME-004およびHLA分子は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスIに存在し、前記複合体への抗原結合タンパク質の結合は、結合時に免疫応答を惹起してもよい。
【0166】
したがって、一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は免疫応答を誘導し、好ましくは、ここで、免疫応答は、インターフェロンγ(IFNγ)レベルの増加によって特徴付けられる。
【0167】
実施例からさらに分かるように、本発明者らは、例えば実施例3で、本発明の抗原結合タンパク質が、参照タンパク質と比較して、例えば変異型CDR6のCDRを含んでなる抗原結合タンパク質と比較して、改善された安定性を有することを実証した。
【0168】
したがって、一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、任意選択的に、参照タンパク質と比較して改善された安定性を有する。本発明の文脈において、改善された安定性は、例えば、温度ストレスに曝された場合の物理的安定性の増加を指す。したがって、本発明の新たに開発された抗原結合タンパク質は、参照抗原結合タンパク質よりもストレス条件、特に温度ストレスにより良く耐え得る。
【0169】
本発明の文脈における「安定性」という用語は、物理的安定性を指し、当該技術分野で記載される様々な分析技術を使用して定性的および/または定量的に評価され得て、例えば、Peptide and Protein Drug Delivery,247-301,Vincent Lee Ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,Pubs.(1991)、およびJones,A.Adv.Drug Delivery Rev.10:29-90(1993)で概説される。本発明の文脈において、これらの方法は、特に、(例えば、サイズ排除クロマトグラフィーの使用、濁度の測定、および/または目視検査による)、凝集体形成の評価を指す。安定性を測定するために、本発明の抗原結合タンパク質を含んでなるサンプルは、安定性試験で試験されてもよく、ここで、サンプルは選択された期間ストレス条件に曝され、適切な分析技術を使用した化学的および物理的安定性の定量的および任意選択的に、定性的な分析がそれに続いた。
【0170】
一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、例えば、40℃の温度に例えば、14日間曝された場合など、特定の期間にわたりストレス条件に曝された場合に、物理的に安定している。
【0171】
「物理的安定性」は、本発明の文脈において、実質的に、凝集、沈殿および/または変性の兆候を有さない抗原結合タンパク質を指す。
【0172】
物理的安定性にアクセスする方法は、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、動的光散乱(DLS)、光掩蔽(LO)、および目視検査によって判定される色と透明度である。
【0173】
「凝集の兆候がない」とは、例えば、PBSなどの緩衝液中で14日にわたる40℃の温度などのストレス条件に曝された後に、抗原結合タンパク質を含んでなるサンプルが、典型的に、PBSなどの緩衝液中でSEC-HPLCなどのSECによって測定された場合、94%~99%、95%~99%、96%~99%、97%~99%の単量体含有量など、94%を超え、95%を超え、96%を超え、97%を超え、98%を超え、99%を超える単量体含有量を有することを意味する。
【0174】
したがって、一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、例えば、参照タンパク質と比較して、低減された凝集を有する。
【0175】
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)では、使用されるカラム、操作圧力、および緩衝液の速度に応じて、試験された条件下で、単量体含量の1%、2%、3%、4%、好ましくは1または2%、より好ましくは1%の差が、本発明の文脈では有意差があると見なされる。
【0176】
これは、参照抗原結合タンパク質が96%の単量体含有量を有し、本発明の抗原結合タンパク質が97%の単量体含有量を有する場合、本発明の抗原結合タンパク質の単量体含有量は、同じ条件で測定した場合、参照抗原結合タンパク質と比較して有意に異なり、したがって、有意に増加していることを意味する。
【0177】
さらに、本発明の発明者らは、実施例、特に実施例7および8において、本発明の抗原結合タンパク質が、標的抗原、すなわちMHCタンパク質との複合体中の、好ましくはHLA-A*02と複合体形成した配列番号8のアミノ酸配列SLLQHLIGLを含んでなるPRAMEペプチドに、高い特異性で結合することを実証した。
【0178】
「特異性」という用語は、一般に、それが結合する標的ペプチド配列(「エピトープ」)を密接に関連する高度に相同的なペプチド配列から区別する、抗原結合タンパク質の能力を示す。
【0179】
本発明の文脈において、本明細書においてオフターゲットペプチドまたは類似ペプチドとも称される、密接に関連する高度に相同なペプチド配列は、アミノ酸配列(配列番号50)からなるペプチドIFIT1-001、アミノ酸配列(配列番号51)からなるIFT17-003、アミノ酸配列(配列番号52)からなるFADS2-001、およびアミノ酸配列(配列番号53)からなるCTBP1-001である。
【0180】
本発明者らは、本発明の抗原結合タンパク質による結合に関連するPRAME-004の残基を同定し、さらにオフターゲットを同定するために、実施例7で実験を実施した。その結果、本発明者らは、配列番号8のアミノ酸5~9位を結合に関連するものとして特定し得た。
【0181】
したがって、一実施形態では、抗原結合タンパク質は、特異的抗原、すなわちMHCタンパク質との複合体中の、好ましくはHLA-A*02と複合体形成した配列番号8のアミノ酸配列SLLQHLIGLを含んでなるPRAMEペプチドに対する親和性と比較して減少した親和性で、MHCタンパク質との複合体中の、好ましくはHLA-A*02と複合体形成した配列番号8のPRAME変異型に結合し、ここで、PRAME変異型複合体に対するそれぞれのKDは、4倍および10倍、好ましくは4倍増加し、ここで、PRAME変異型は、配列番号8のアミノ酸配列のペプチドを指し、ここで、配列番号8のアミノ酸5、6、7、8または9位の少なくとも1つは置換され、好ましくはアラニンで置換されている。
【0182】
さらに、本発明の発明者らは、実施例、特に実施例7において、本発明の抗原結合タンパク質が標的抗原に結合することを実証し、すなわちMHCタンパク質との複合体中の、好ましくはHLA-A*004と複合体形成した高い特異性を有するPRAME-004抗原ペプチド、すなわち抗原結合タンパク質は、同定されたエピトープに特異的に結合する。
【0183】
したがって、本発明の抗原結合タンパク質は、配列番号8のアミノ酸配列「SLLQHLIGL」を含んでなるかまたはそれからなるPRAME-004抗原性ペプチドに特異的に結合し、ここで、前記抗原性ペプチドは、MHCタンパク質と複合体形成し、好ましくはHLA-A*02と複合体形成する。好ましい実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号8のPRAME-004抗原ペプチドの本明細書で定義されるような構造的エピトープに特異的に結合する。好ましい実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号8のPRAME-004抗原ペプチドの本明細書で定義されるような機能的エピトープに特異的に結合する。より具体的には、一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号8のPRAME-004抗原性ペプチドの少なくとも3つまたは少なくとも4つまたは少なくとも5つのアミノ酸位置、好ましくは、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つのアミノ酸位置、より好ましくは配列番号8のアミノ酸配列のアミノ酸5、6、7、8および9位、特に5、7および9位からなる群から選択される、3つまたは4つなどの少なくとも3つ、好ましくは3つを含んでなるかまたはそれからなる機能的エピトープに特異的に結合する。正確なエピトープの判定は、使用された方法と選択されたカットオフ値によってわずかに変動するかもしれない。
【0184】
本発明の抗原結合タンパク質、特にT細胞発現抗原結合タンパク質など、TCRまたはそれらの断片または二重特異性TCRおよびそれらの断片の文脈で、「有意に結合しない」とは、好ましくは同じ実験条件において、典型的には、機能アッセイ、例えば、上記のIFN-γ放出などのTCR活性化アッセイにおける、配列番号8のアミノ酸配列「SLLQHLIGL」からなるPRAME-004ペプチドから得られた、応答、すなわちシグナルの30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、好ましくは30%未満である、例えば、抗原性ペプチド変異型について検出されたシグナルなどの応答を示す。例えば、本発明の文脈において、抗原結合タンパク質は、同じ実験設定および同じ抗原結合タンパク質濃度で、PRAME-004抗原性ペプチド/MHC複合体に対する同じ抗原結合タンパク質結合の応答の50%未満、45%未満、40%未満、30%未満、20%未満、20%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満の少なくとも1つの類似ペプチド/MHC複合体に対する結合応答を有し、および/または、例えば、本発明の文脈において、抗原結合タンパク質は、特異的抗原、すなわち本明細書に記載されるPRAME-004抗原ペプチド/MHC複合体に対する親和性と比較して減少した親和性で、少なくとも1つの類似ペプチド/MHC複合体に結合し、ここで、それぞれの類似ペプチドに対するそれぞれのKDは、5、7、10、15、20、30、40、50、100倍、好ましくは20~100倍、より好ましくは30~100倍、40~100倍など、典型的には40~50倍増加している。抗原結合タンパク質が例えば、PRAME-004/MHCの複合体に1nMのKDで結合し、抗原結合タンパク質が例えば、IFIT1-001/MHCの複合体に100nMのKDで結合する場合、抗原結合タンパク質は100倍に増加したKDで、したがって、100分の1に減少した親和性で、IFIT1-001/MHCに結合する。これらの例において、結合応答、解離定数、および結合親和性は、好ましくは実施例4に記載されているように、バイオレイヤー干渉法を用いて測定される。
【0185】
本発明の抗原結合タンパク質、特に本発明の可溶性抗原結合タンパク質の文脈では、「有意に結合しない」とは、好ましくは同じ実験条件において、典型的には、結合アッセイ、例えばバイオレイヤー干渉法などにおける、配列番号8のアミノ酸配列「SLLQHLIGL」からなるPRAME-004ペプチドについて判定されたKDよりも、3~10倍など、3倍を超え、3.5倍を超え、4倍を超え、4.5倍を超え、5倍を超え、好ましくは3倍を超えて増加した、抗原性ペプチド変異型で判定されたKDを示し、ここで、抗原ペプチド変異型について得られるシグナルは、好ましくはバックグラウンドシグナルであり、ここで、抗原ペプチド変異型またはPRAME-004ペプチドは、MHC分子と複合体形成する。
【0186】
上記によれば、一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質、特に可溶性抗原結合タンパク質は、特異的抗原、すなわちMHCタンパク質との複合体中の、好ましくはHLA-A*02と複合体形成した本発明の文脈で記載されるPRAME-004抗原性ペプチドに対する親和性と比較して減少した親和性で、MHCタンパク質との複合体中の、好ましくはHLA-A*02と複合体形成したPRAME-004抗原性ペプチド変異型に結合し、ここで、PRAME-004抗原性ペプチド変異型複合体に対するそれぞれのKDは、3~10倍など、3倍を超え、3.5倍を超え、4倍を超え、4.5倍を超え、5倍を超え、好ましくは3倍を超えて増加する。「親和性」および「KD」という用語は、本明細書で上に「定義」の項で定義される。
【0187】
MHCタンパク質、特にMHCクラスIおよびHLA-A*02タンパク質は、本明細書で上に「定義」の項で定義される。
【0188】
PRAME-004の位置を特定した後、発明者らは潜在的なオフターゲットペプチド(以下では類似ペプチドとも称される)を特定した。
【0189】
特に、ペプチドIFIT1-001、IFT17-003、FADS2-001、およびCTBP1-001は、本明細書でオフターゲットペプチドまたは類似ペプチドと称される。
【0190】
したがって、さらなる関連する実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、MHCタンパク質との複合体中の、好ましくはHLA-A*02と複合体形成したPRAME-004ペプチドまたはPRAMEエピトープに特異的に結合し、MHCタンパク質との複合体中の、好ましくはHLA-A*02と複合体形成したオフターゲットIFIT1-001、IFT17-003、FADS2-001、およびCTBP1-001と、好ましくはIFIT1-001、FADS2-001、およびCTBP1-001と交差反応しない。
【0191】
抗原結合タンパク質が第2の抗原に有意に交差反応しない場合、第1の抗原に「特異的に結合する」。
【0192】
抗原PRAME-004/MHC1に結合する抗原結合タンパク質は、2つの抗原に対する親和性が大幅に異なる場合、オフターゲットペプチド/MHCに対して「有意に交差反応性でない」。結合応答が低すぎる場合、オフターゲットペプチドまたは類似ペプチドに対する親和性は、測定可能でないこともある。本願発明において、PRAME-004/MHC1に結合する抗原結合タンパク質は、オフターゲット/MHCに対する抗原結合タンパク質の結合応答が、同じ実験設定と同じ抗体濃度において、PRAME-004/MHC1に対する同じ抗原結合タンパク質の結合応答の5%未満である場合、オフターゲットペプチドのMHCに対する有意な交差反応性を示さない。
【0193】
本発明者らは、実施例において、本発明の抗原結合タンパク質が、PRAME-004に高親和性で結合し、最小のまたは減少した結合親和性のみで、MHCタンパク質との複合体中の、好ましくはHLA-A*02と複合体形成したペプチドIFIT1-001、IFT17-003、FADS2-001、およびCTBP1-001に結合する能力を有することを実証した。
【0194】
本明細書における「最小親和性」とは、MHCタンパク質との複合体中の、好ましくはHLA-A*02と複合体形成した、ペプチドIFIT1-001、IFT17-003、FADS2-001、およびCTBP1-001、好ましくはMHCタンパク質との複合体中の、好ましくはHLA-A*02と複合体形成したペプチドIFIT1-001、FADS2-001、およびCTBP1-001に対する親和性を指し、それは、特異的抗原、すなわちMHCタンパク質との複合体中の、好ましくはHLA-A*02と複合体形成した配列番号8のアミノ酸配列SLLQHLIGLを含んでなるPRAMEペプチドに対する親和性と比較して減少し、ここで、オフターゲットペプチドまたは類似ペプチドに対するそれぞれのKDは、10、100、1000、好ましくは100または1000倍、より好ましくは1000倍増加する。
【0195】
抗原結合タンパク質が、例えば1nMのKDで複合体PRAME-004/MHCに結合し、抗原結合タンパク質が、例えば100nMのKDでFADS2-001MHCの複合体に結合する場合、抗原結合タンパク質は、100倍に増加したKDで、したがって、100倍に減少した親和性で、FADS2-001/MHCに結合する。
【0196】
オフターゲットペプチドまたは類似のペプチドへの結合は副作用のリスクを高めるかもしれないことから、これは本発明の抗原結合タンパク質の重要な利点であり、したがって、本発明の抗原結合タンパク質がオフターゲットペプチドに低親和性でのみ結合するという事実は、それを安全性と有効性に関して有望な抗がん剤治療薬にする。
【0197】
一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、ペプチドIFIT1-001、IFT17-003、FADS2-001、およびCTBP1-001、好ましくはIFIT1-001、FADS2-001、およびCTBP1-001、より好ましくはIFIT1-001に有意に結合しない。
【0198】
一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、ペプチドIFT17-003に有意に結合しない。
【0199】
本明細書における「有意に結合しない」とはまた、本明細書において実施例8に記載されるように、MHCタンパク質との複合体中の、好ましくはHLA-A*02と複合体形成したペプチドを使用して、表面上に抗原結合タンパク質を表示する酵母細胞が染色され、陽性酵母細胞が典型的には、フローサイトメトリー分析を介して測定された場合、陽性酵母細胞が有意に検出されないことを指すためにも用いられる。特異性を測定する方法は当業者に知られており、その典型的な例については、実施例8の実施例の項でさらに記載されている。
【0200】
本発明の抗原結合タンパク質は、本明細書で上に特定されるようなPRAME-004抗原ペプチド複合体に、より具体的には本明細書で上に定義される配列番号8のエピトープに、特異的に結合し、そのそれぞれの標的、すなわちPRAME-004抗原ペプチドと、それが有意に結合しないその他の類似ペプチドとが区別され得る。
【0201】
「特異性」または「特異的に結合する」という用語は、その結合する標的ペプチド配列(「エピトープ」)を類似したエピトープ、ペプチドまたはタンパク質から区別する抗原結合タンパク質の能力を示し、すなわち抗原結合タンパク質は、第2の抗原に有意に交差反応性でない場合、第1の抗原に「特異的に結合」する。
【0202】
本発明の文脈における「類似ペプチド」はまた、「オフターゲット」と称されることもあり、典型的には8~11アミノ酸長を含んでなるペプチドに関する。本発明の文脈における類似ペプチドは、典型的にはMHC提示である。さらに、本発明の文脈における類似ペプチドは、PRAME-004抗原ペプチドのアミノ酸配列と類似したアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるペプチド、より具体的には、PRAME-004抗原ペプチドのエピトープと比較して、エピトープを構成するペプチドであり、ここで、一部または全部のアミノ酸は、対応するMAGE-Aペプチドのエピトープを構成するアミノ酸と比較して、アミノ酸の生化学的/生物物理学的特性において同一および/または類似している。この配列類似性のために、類似ペプチドは抗原結合タンパク質によって結合されるかもしれず、このシナリオでは、例えば、類似ペプチドがMHCタンパク質によって提示され、したがって、例えば、TCRなどの抗原結合タンパク質によって結合される場合、TCRなどの所与の抗原結合タンパク質が類似ペプチドに結合する能力は、望ましいT細胞応答をもたらさず、有害反応をもたらすこともある。このような有害反応は、Lowdell et al.,Cytotherapy,2018年12月4日公開,7ページで報告されたように、健常組織でペプチドと交差反応する、特異的TCRの交差反応性などの「腫瘍外」の副作用であってもよい。PRAME-004ペプチドの結合関連位置5~9内の類似性スコアリングを用いて、例えば、正常組織提示HLA-A*02結合ペプチドのデータベース(XPRESIDENTデータベース)から、本発明の文脈で類似したペプチドが選択された。したがって、本発明の抗原結合タンパク質は、類似ペプチド、特に本明細書に以下に列挙される類似ペプチドへの結合を回避するが、標的ペプチドに対するそれらの親和性を維持するように操作される。
【0203】
したがって、本発明の文脈における類似ペプチドは、表4から選択される。
【0204】
一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質、特にT細胞発現抗原結合タンパク質などのTCRまたはそれらの断片、または二重特異性TCRおよびそれらの断片は、前記類似ペプチドがMHCタンパク質との複合体中にある、好ましくはHLA-A*02と複合体形成する場合、IFIT1-001(配列番号50)、IFT17-003(配列番号51)、FADS2-001(配列番号52)およびCTBP1-001(配列番号53)、ATP1A1-001(配列番号125)、NADK-002(配列番号126)、ITSN1-001(配列番号127)、SMA-003(配列番号28)、VPS13A-001(配列番号129)、SF3B3-005(配列番号130)、NCAM2-001(配列番号131)、KNT-001(配列番号132)、EHD4-001(配列番号133)、EHD-001(配列番号134)、MCMB-002(配列番号135)、HSPA5-001(配列番号136)、CEBPZ-002(配列番号137)、DCAF12-001(配列番号138)、EHD2-002(配列番号139)、KIAA1324-001(配列番号140)、MYO1A-001(配列番号141)、SERPINA6-001(配列番号142)、SMARCD1-001(配列番号143)、TSC1-001(配列番号144)、UGT-005(配列番号145)、VAV1-001(配列番号146)、WDFY3-004(配列番号147)からなるリストから選択される、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5など、1、2、3、4、5など、好ましくは少なくとも3つのまたは全ての類似ペプチドに結合せずまたはに有意に結合しない。類似ペプチド、すなわちオフターゲットペプチドへの結合は副作用のリスクを高めることもあることから、本発明の抗原結合タンパク質が本明細書で列挙された類似ペプチドと交差反応しないという事実は、それを安全性と有効性に関して有望な抗がん剤治療薬にする。
【0205】
「有意に結合しない」は、類似ペプチドの文脈において、および本発明の抗原結合タンパク質、特にT細胞発現抗原結合タンパク質などのTCRまたはそれらの断片、または二重特異性TCRおよびそれらの断片の文脈において、「交差反応しない」と称されることもあり、本明細書で、例えば、MAGE-AMAGE-Aと比較した類似ペプチド/MHCへの抗原結合タンパク質について機能アッセイで測定される機能応答を指し、ここで、類似ペプチド/MHCに対する抗原結合タンパク質の応答は、同じ実験設定におけるPRAME-004抗原性ペプチド/MHC複合体に対する同じ抗原結合タンパク質の応答の8%、6%、5%など、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、好ましくは5%である。一例では、応答は、前記抗原結合タンパク質を発現するT細胞の機能応答であり、類似ペプチドの文脈でIFN-γ放出アッセイを使用して判定される。
【0206】
さらに、一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質、特に本発明の可溶性抗原結合タンパク質は、前記類似ペプチドがMHCタンパク質との複合体中にある、好ましくはHLA-A*02と複合体形成する場合、IFIT1-001(配列番号50)、IFT17-003(配列番号51)、FADS2-001(配列番号52)、およびCTBP1-001(配列番号53)001からなるペプチド群から選択される、少なくとも1つの類似ペプチド、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5など、1、2、3、4、5など、好ましくは少なくとも3つのまたは全ての類似ペプチドに結合せずまたは有意に結合しない。
【0207】
本発明の発明者は、LDH放出アッセイによって、抗原結合タンパク質、特にTCER(登録商標)分子が、PRAME陽性腫瘍細胞株においてT細胞媒介性細胞傷害性を示す一方、ヒトの正常組織細胞は、TCER(登録商標)分子との共培養による影響を受なかったことを実証し得た。この生体外実験は、生体外評価における本発明の抗原結合タンパク質の安全性を証明し、細胞傷害効果が、腫瘍細胞株、すなわち腫瘍組織に対して高度に選択的であることを実証する。したがって、本発明の分子は有益な安全性プロファイルを示す。
【0208】
本発明の発明者は、抗原結合タンパク質が生体外モデルにおいて、サイトカイン放出の減少をもたらしたことをさらに実証し得た(
図12)。本発明の抗原結合タンパク質と共にインキュベートされた全血サンプルは、対照のTCER(登録商標)分子および抗CD3と比較して、IFN-γおよびインターロイキン-6(IL-6)のレベルが有意に減少していることが示された。これらの結果は、本発明の抗原結合タンパク質が有益な安全性プロファイルを示すという発見を支持する。
【0209】
本発明の発明者らは、TCRαおよびβ可変ドメインから最初に得られたCDRが、TCRとは異なるフォーマットを有する抗原結合タンパク質で使用されてもよいことを実証した。例えば、実験の項において、本発明者らはVα-LY-VL(CD3)-Fcを有する第1のポリペプチドと、VH(CD3)-Lx-Vβ-Fcを有する第2のポリペプチドとを含んでなる、Fc含有二重特異性TCR/mAbダイアボディ中のTCRαおよびβ可変ドメインのCDRを使用したが、ここで、VαおよびVβは、本発明の文脈で定義されるCDRSを含んでなるαおよびβ可変ドメインであり、LYおよびLxはリンカーであり、VL(CD3)およびVH(CD3)は、例えば、マウスモノクローナル抗CD3抗体UCHT1などの抗CD3抗体の重鎖および軽鎖可変ドメインである。
【0210】
さらに、本発明者らは、特に、VH(CD3)-CH1-Vα-Lz-Vβを有する第1のポリペプチドと、VL(CD3)-CLを有する第2のポリペプチドとを含んでなる、scTCRを含んでなる二重特異性TCRなど、一本鎖TCRコンストラクト中のTCRαおよびβ可変ドメインのCDRを使用したが、ここで、VH(CD3)、VL(CD3)、VαおよびVβは、上記で定義されたとおりであり、Lzはリンカーであり、CH1は、重鎖の定常ドメインであり、CLは軽鎖の定常領域である。
【0211】
したがって、当業者は、実施例1に記載されのこれら2つの実験から、実際に、本明細書に記載のCDRが本発明の異なる抗原結合タンパク質に使用されてもよいことを理解している。
【0212】
一実施形態では、抗原結合タンパク質のフォーマットが変更された場合(すなわち第1および第2の可変ドメインのCDRが同じである場合)、エピトープおよび結合特性が保存される。
【0213】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、抗体またはその断片、あるいはT細胞受容体(TCR)またはその断片である。
【0214】
抗体およびTCRは、「定義」の項で上に定義されているとおりである。
【0215】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、二重特異性である。
【0216】
したがって、二重特異性抗原結合タンパク質はまた、本明細書で「二重特異性分子」とも称される。
【0217】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、ヒト起源であり、これは、ヒト抗原遺伝子座から作製され、したがって、ヒト配列、特にヒトTCRまたは抗体配列を含んでなるものと理解される。
【0218】
一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、PRAME-004/MHC複合体抗原に特異的かつ選択的に結合し/それを認識できる親和性成熟抗原結合タンパク質として特徴付けられる。
【0219】
より具体的には、一実施形態では、抗原結合タンパク質は、二重特異性抗体またはその断片、またはT細胞受容体(TCR)またはその断片、または二重特異性T細胞受容体またはその断片など、抗体またはその断片である。
【0220】
抗体、二重特異性抗体、およびT細胞受容体(TCR)は、「定義」の項で上に定義されているとおりである。
【0221】
本発明の抗原結合タンパク質は、好ましくは、親分子の抗原結合/認識能力、特に上記で定義されたその特異性および/または選択性を維持し、ここで、親分子は、親TCRであるか、または好ましくは、前記親TCRの可変ドメインを含んでなる二重特異性抗体であってもよい。一実施形態では、このような結合機能は、本明細書で定義されるようなCDRを含んでなる、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドの存在によって維持されてもよい。さらなる実施形態では、このような結合機能は、本明細書で定義されるようなCDRとFRドメインとを含んでなる、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドの存在によって維持されてもよい。
【0222】
既に上述したように、本発明の文脈におけるCDRの結合機能性は、抗体のフレームワークにおいて提供されてもよい。例えば、おそらく3つ、2つまたは1つの追加的なNおよび/またはC末端フレームワーク残基を含む、本発明の文脈で定義されるCDRアミノ酸配列が、抗体可変重鎖/軽鎖配列に直接グラフトされてもよい。より具体的には、CDRa1、CDRa2、およびCDRa3ドメインは、可変重鎖アミノ酸配列にグラフトされてもよく、CDRb1、CDRb2、およびCDRb3は、可変軽鎖アミノ酸配列にグラフトされてもよく、逆もまた同様である。
【0223】
これもまた理解されるであろうように、いくつかの実施形態では、抗体のフレームワークにおいて、抗体の可変軽鎖ドメインは、本発明の文脈で定義されるようなα可変ドメインによって置き換えられてもよく、可変重鎖ドメインはβ可変ドメインによって置き換えられてもよく、逆もまた同様である。
【0224】
本発明の発明者らは、抗原結合タンパク質のフレームワーク領域における特定の変異が、有利な効果を有することをさらに発見した。特に、β可変ドメイン中の変異R86S、V91I、およびT93Nは、タンパク質の安定性を増加させ、したがって、本発明の抗原結合タンパク質は、変異R86S、V91IおよびT93NまたはS85Fを有するアミノ酸配列を有するフレームワーク領域を含んでなり、これらの変異はIMGTの命名法に従って示され、FR3-b中のβ可変ドメインに位置する。さらに、これらの抗原結合タンパク質は変異F55Sを含んでなり、前記変異もまたIMGT命名法に従って示され、FR2-a中のα可変ドメインに位置する。
【0225】
したがって、一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質の前記第1の可変ドメインは、FR1-a、FR2-a、FR3-a、およびFR4-aからなる群から選択される、1つまたは複数のフレームワーク領域をさらに含んでなり、ここで、
FR1-aは、配列番号54のQKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSのアミノ酸配列、または配列番号54と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
FR2-aは、配列番号55のFFWYRQYSGKSPELIMSのアミノ酸配列、または配列番号55と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
FR3-aは、配列番号56のKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLのアミノ酸配列、または配列番号56と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
FR4-aは、配列番号57のGTGTRLTIIPNIQNのアミノ酸配列、または配列番号57と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
前記第2の可変ドメインは、FR1-b、FR2-b、FR3-b、およびFR4-bからなる群から選択される1つまたは複数のフレームワーク領域をさらに含んでなり、ここで、
FR1-bは、配列番号58のKAGVTQTPRYLIKTRGQQVTLSCSPIのアミノ酸配列、または配列番号58と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
FR2-bは、配列番号59のVSWYQQTPGQGLQFLFEのアミノ酸配列、または配列番号59と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
FR3-bは、配列番号60のNKGNFPGRFSGRQFSNSSSEMNISNLELGDSALYLのアミノ酸配列、または配列番号60と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
FR4-bは、配列番号62のGPGTRLTVTEDLKNのアミノ酸配列、または配列番号62と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなる。
【0226】
本明細書に記載の抗原結合タンパク質の変異型が想定され、本明細書で上に「定義」の項で定義される「参照配列と少なくとも85%同一である」という表現を用いて、明示的に言及される。例えば、配列FR1-a、FR2-a、FR3-a、およびFR4-a、およびFR1-b、FR2-b、FR3-bおよびFR4-bは、適切な場合は、少なくとも1つのアミノ酸置換によって、特に少なくとも1つの保存的アミノ酸置換によって、および/またはカノニカル残基との置換によって、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、および配列番号62の参照配列と異なってもよい。特に、第1および第2の可変ドメインの配列FR1-a、FR2-a、FR3-a、およびFR4-a、ならびにFR1-b、FR2-b、FR3-b、およびFR4-bは、保存的アミノ酸置換のみによって、参照配列配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、および配列番号62と異なってもよい。
【0227】
本発明の抗原結合タンパク質のアミノ酸配列、およびそれらをコード化するDNA配列に、修飾および変更が加えられてもよく、それでもなお、望ましい特性を有する機能的抗原結合タンパク質またはポリペプチドが帰結する。
【0228】
したがって、一実施形態では、本発明は、
(i)配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、および配列番号100からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号100からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖、または
(ii)配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、または配列番号180からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、または配列番号180からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖、または
(iii)配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号63、配列番号118からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号63、配列番号118、からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖
を含んでなる、抗原結合タンパク質に言及する。
【0229】
好ましくは第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、ii)およびiii)で定義されるとおりである。
【0230】
本明細書に記載の抗原結合タンパク質の変異型が想定され、本明細書で上に「定義」の項で定義される「参照配列と少なくとも85%同一である」という表現を用いて、明示的に言及される。例えば、第1の可変ドメインの配列は、適宜、少なくとも1つのアミノ酸置換(群)、特に少なくとも1つの保存的アミノ酸置換(群)および/または正準残基との置換(群)によって、i)、ii)およびiii)で定義される参照配列と異なってもよい。特に、第1および第2の可変ドメインの配列は、保存的アミノ酸置換のみによって、i)、ii)、およびiii)で定義される参照配列と異なってもよい。
【0231】
本発明の抗原結合タンパク質のアミノ酸配列、および対応するDNA配列にそれぞれ修飾および変更が加えられてもよく、それでもなお、望ましい特性を有する機能的抗原結合タンパク質またはポリペプチドが帰結する。修飾は、第1または第2の可変ドメイン、特にフレームワーク領域に、または第1または第2の可変ドメインに含まれるCDRに、加えられてもよい。
【0232】
一実施形態では、本発明は、
(i)配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、および配列番号100からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号100からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖
(ここで前記第1の可変ドメインまたは変異型のCDRは、好ましくは配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号181または配列番号182のCDRa3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖
(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなる)、または
(ii)配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号180、配列番号110、配列番号111からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号180、配列番号110、配列番号111からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも90%あるいは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖
(ここで、前記第1の可変ドメインあるいはその変異型CDRは、好ましくは配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38、配列番号24、配列番号26、配列番号33、配列番号39、配列番号40、配列番号42、配列番号43、配列番号179、配列番号44、配列番号21のCDRa3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖
(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなる)、または
(iii)配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号63、配列番号118からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号63、配列番号118からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも90%あるいは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖
(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号16または配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40、配列番号38、配列番号39、配列番号26または配列番号21のCDRa3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖
(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなる)
を含んでなる、抗原結合タンパク質に言及する。
【0233】
一実施形態では、本発明は、
(i)配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、および配列番号100,からなる群から選択されるアミノ酸配列または配列番号配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号100からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一の、好ましくは少なくとも90%または95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖
(ここで、前記変異型は、好ましくは配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号181または配列番号182CDRa3のアミノ酸配列を含んでなり、
ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
(ii)配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%同一であり、好ましくは少なくとも90%または95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2のポリペプチド鎖を含んでなる第2の可変ドメイン
(ここで、前記変異型は、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、および配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、IMGT位置93のアスパラギンまたはそれらの組み合わせをさらに含んでなる)と
を含んでなる、抗原結合タンパク質に言及する。
【0234】
したがって、一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号85のアミノ酸配列、または配列番号85と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号23のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0235】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号85のアミノ酸配列、または配列番号85と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号23のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0236】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号85のアミノ酸配列、または配列番号85と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号23のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0237】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号85のアミノ酸配列、または配列番号85と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号23のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0238】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号85のアミノ酸配列、または配列番号85と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号23のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0239】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号86のアミノ酸配列、または配列番号86と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号24のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0240】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号86のアミノ酸配列、または配列番号86と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号24のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)とを含んでなる。
【0241】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号86のアミノ酸配列、または配列番号86と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号24のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0242】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号86のアミノ酸配列、または配列番号86と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号24のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0243】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号86のアミノ酸配列、または配列番号86と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号24のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0244】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号87のアミノ酸配列、または配列番号87と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号25のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0245】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号87のアミノ酸配列、または配列番号87と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号25のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0246】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号87のアミノ酸配列、または配列番号87と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号25のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0247】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号87のアミノ酸配列、または配列番号87と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号25のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0248】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号87のアミノ酸配列、または配列番号87と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号25のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0249】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号88のアミノ酸配列、または配列番号88と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0250】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号88のアミノ酸配列、または配列番号88と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)とを含んでなる。
【0251】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号88のアミノ酸配列、または配列番号88と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0252】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号88のアミノ酸配列、または配列番号88と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0253】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号88のアミノ酸配列、または配列番号88と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0254】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号89のアミノ酸配列、または配列番号89と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号27のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0255】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号89のアミノ酸配列、または配列番号89と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号27のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0256】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号89のアミノ酸配列、または配列番号89と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号27のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0257】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号89のアミノ酸配列、または配列番号89と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号27のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0258】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号89のアミノ酸配列、または配列番号89と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号27のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0259】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号90のアミノ酸配列、または配列番号90と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号28のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0260】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号90のアミノ酸配列、または配列番号90と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号28のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0261】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号90のアミノ酸配列、または配列番号90と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号28のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0262】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号90のアミノ酸配列、または配列番号90と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号28のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0263】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号90のアミノ酸配列、または配列番号90と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号28のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0264】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号91のアミノ酸配列、または配列番号91と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号29のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0265】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号91のアミノ酸配列、または配列番号91と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号29のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0266】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号91のアミノ酸配列、または配列番号91と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号29のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0267】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号91のアミノ酸配列、または配列番号91と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号29のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0268】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号91のアミノ酸配列、または配列番号91と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号29のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0269】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号92のアミノ酸配列、または配列番号92と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号30のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0270】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号92のアミノ酸配列、または配列番号92と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号30のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0271】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号92のアミノ酸配列、または配列番号92と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号30のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0272】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号92のアミノ酸配列、または配列番号92と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号30のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0273】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号92のアミノ酸配列、または配列番号92と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号30のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0274】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号93のアミノ酸配列、または配列番号93と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号181のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0275】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号93のアミノ酸配列、または配列番号93と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号181のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0276】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号93のアミノ酸配列、または配列番号93と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号181のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0277】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号93のアミノ酸配列、または配列番号93と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号181のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0278】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号93のアミノ酸配列、または配列番号93と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号181のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0279】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号94のアミノ酸配列、または配列番号94と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号32のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0280】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号94のアミノ酸配列、または配列番号94と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号32のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0281】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号94のアミノ酸配列、または配列番号94と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号32のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0282】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号94のアミノ酸配列、または配列番号94と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号32のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0283】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号94のアミノ酸配列、または配列番号94と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号32のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0284】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号95のアミノ酸配列、または配列番号95と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号33のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0285】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号95のアミノ酸配列、または配列番号95と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号33のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0286】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号95のアミノ酸配列、または配列番号95と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号33のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0287】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号95のアミノ酸配列、または配列番号95と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号33のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0288】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号95のアミノ酸配列、または配列番号95と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号33のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0289】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号96のアミノ酸配列、または配列番号96と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号34のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0290】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号96のアミノ酸配列、または配列番号96と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号34のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0291】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号96のアミノ酸配列、または配列番号96と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号34のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0292】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号96のアミノ酸配列、または配列番号96と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号34のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0293】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号96のアミノ酸配列、または配列番号96と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号34のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0294】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号97のアミノ酸配列、または配列番号97と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号35のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0295】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号97のアミノ酸配列、または配列番号97と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号35のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0296】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号97のアミノ酸配列、または配列番号97と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号35のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0297】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号97のアミノ酸配列、または配列番号97と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号35のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0298】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号97のアミノ酸配列、または配列番号97と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号35のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0299】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号98のアミノ酸配列、または配列番号98と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号36のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0300】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号98のアミノ酸配列、または配列番号98と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号36のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0301】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号98のアミノ酸配列、または配列番号98と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号36のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0302】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号98のアミノ酸配列、または配列番号98と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号36のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0303】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号98のアミノ酸配列、または配列番号98と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号36のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0304】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号99のアミノ酸配列、または配列番号99と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号182のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0305】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号99のアミノ酸配列、または配列番号99と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号182のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0306】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号99のアミノ酸配列、または配列番号99と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号182のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0307】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号99のアミノ酸配列、または配列番号99と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号182のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0308】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号99のアミノ酸配列、または配列番号99と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号182のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0309】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号100のアミノ酸配列、または配列番号100と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0310】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号100のアミノ酸配列、または配列番号100と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0311】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号100のアミノ酸配列、または配列番号100と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0312】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号100のアミノ酸配列、または配列番号100と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0313】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号100のアミノ酸配列、または配列番号100と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0314】
別の実施形態では、本発明は、
(i)配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号180からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号180からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一であり、好ましくは少なくとも90%または95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖
(ここで、前記変異型は、好ましくは配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、およびf配列番号38、配列番号24、配列番号26、配列番号33、配列番号39、配列番号40、配列番号42、配列番号43、配列番号179、配列番号44、配列番号21のCDRa3のアミノ酸配列を含んでなり、
ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
(ii)配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%同一であり、好ましくは少なくとも90%または95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2のポリペプチド鎖を含んでなる第2の可変ドメイン
(ここで、前記変異型は、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、および配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、IMGT位置93のアスパラギンまたはそれらの組み合わせをさらに含んでなる)と
を含んでなる、抗原結合タンパク質に言及する。
【0315】
したがって、一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号101のアミノ酸配列、または配列番号101と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0316】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号101のアミノ酸配列、または配列番号101と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)とを含んでなる。
【0317】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号101のアミノ酸配列、または配列番号101と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0318】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号101のアミノ酸配列、または配列番号101と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0319】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号101のアミノ酸配列、または配列番号101と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0320】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号102のアミノ酸配列、または配列番号102と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号24のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0321】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号102のアミノ酸配列、または配列番号102と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号24のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0322】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号102のアミノ酸配列、または配列番号102と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号24のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0323】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号102のアミノ酸配列、または配列番号102と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号24のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0324】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号102のアミノ酸配列、または配列番号102と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号24のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0325】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号103のアミノ酸配列、または配列番号103と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0326】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号103のアミノ酸配列、または配列番号103と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0327】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号103のアミノ酸配列、または配列番号103と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0328】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号103のアミノ酸配列、または配列番号103と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0329】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号103のアミノ酸配列、または配列番号103と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、および位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0330】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号104のアミノ酸配列、または配列番号104と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号33のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0331】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号104のアミノ酸配列、または配列番号104と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号33のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0332】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号104のアミノ酸配列、または配列番号104と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号33のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0333】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号104のアミノ酸配列、または配列番号104と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号33のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0334】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号104のアミノ酸配列、または配列番号104と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号33のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0335】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号105のアミノ酸配列、または配列番号105と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0336】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号105のアミノ酸配列、または配列番号105と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0337】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号105のアミノ酸配列、または配列番号105と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0338】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号105のアミノ酸配列、または配列番号105と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0339】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号105のアミノ酸配列、または配列番号105と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0340】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号106のアミノ酸配列、または配列番号106と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0341】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号106のアミノ酸配列、または配列番号106と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0342】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号106のアミノ酸配列、または配列番号106と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0343】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号106のアミノ酸配列、または配列番号106と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0344】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号106のアミノ酸配列、または配列番号106と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0345】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号107のアミノ酸配列、または配列番号107と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号42のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0346】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号107のアミノ酸配列、または配列番号107と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号42のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0347】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号107のアミノ酸配列、または配列番号107と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号42のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0348】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号107のアミノ酸配列、または配列番号107と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号42のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0349】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号107のアミノ酸配列、または配列番号107と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号42のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0350】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号108のアミノ酸配列、または配列番号108と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号43のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0351】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号108のアミノ酸配列、または配列番号108と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号43のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0352】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号108のアミノ酸配列、または配列番号108と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号43のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0353】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号108のアミノ酸配列、または配列番号108と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号43のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0354】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号108のアミノ酸配列、または配列番号108と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号43のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0355】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号109のアミノ酸配列、または配列番号109と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号179のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0356】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号109のアミノ酸配列、または配列番号109と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号179のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0357】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号109のアミノ酸配列、または配列番号109と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号179のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0358】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号109のアミノ酸配列、または配列番号109と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号179のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0359】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号109のアミノ酸配列、または配列番号109と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号179のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0360】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号180のアミノ酸配列、または配列番号180と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号179のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0361】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号180のアミノ酸配列、または配列番号180と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号179のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0362】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号180のアミノ酸配列、または配列番号180と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号179のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0363】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号190のアミノ酸配列、または配列番号190と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号179のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0364】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号180のアミノ酸配列、または配列番号180と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号179のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0365】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号110のアミノ酸配列、または配列番号110と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号44のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0366】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号110のアミノ酸配列、または配列番号110と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号44のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0367】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号110のアミノ酸配列、または配列番号110と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号44のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0368】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号110のアミノ酸配列、または配列番号110と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号44のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0369】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号110のアミノ酸配列、または配列番号110と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号44のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0370】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号111のアミノ酸配列、または配列番号111と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0371】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号111のアミノ酸配列、または配列番号111と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0372】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号111のアミノ酸配列、または配列番号111と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0373】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号111のアミノ酸配列、または配列番号111と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0374】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号111のアミノ酸配列、または配列番号111と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0375】
別の実施形態では、本発明は、
(i)配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号63、配列番号118、または配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号63、配列番号118からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一であり、好ましくは少なくとも90%または95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖
(ここで、前記変異型は、好ましくは配列番号16または配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40、配列番号38、配列番号39、配列番号26または配列番号21のCDRa3のアミノ酸配列を含んでなり、
ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
(ii)配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%同一であり、好ましくは少なくとも90%または95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2のポリペプチド鎖を含んでなる第2の可変ドメイン
(ここで、前記変異型は、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、および配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、IMGT位置93のアスパラギンまたはそれらの組み合わせをさらに含んでなる)と
を含んでなる、抗原結合タンパク質に言及する。
【0376】
配列番号16に記載のCDRa1
したがって、一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0377】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0378】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0379】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0380】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0381】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0382】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0383】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0384】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0385】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0386】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0387】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0388】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0389】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0390】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0391】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0392】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0393】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0394】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0395】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0396】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0397】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0398】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0399】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0400】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0401】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0402】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)とを含んでなる。
【0403】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0404】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0405】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0406】
配列番号11に記載のCDRa1
したがって、一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0407】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0408】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0409】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0410】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0411】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0412】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0413】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0414】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0415】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0416】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0417】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0418】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0419】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0420】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0421】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0422】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0423】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0424】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0425】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0426】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0427】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)、と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0428】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0429】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0430】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0431】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0432】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0433】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0434】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0435】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0436】
別の実施形態では、本発明は、
(i)配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号63、配列番号118、または配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号63、配列番号118からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一であり、好ましくは少なくとも90%または95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖
(ここで、前記変異型は、好ましくは配列番号16または配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40、配列番号38、配列番号39、配列番号26または配列番号21のCDRa3のアミノ酸配列を含んでなり、
ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
(ii)配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%同一であり、好ましくは少なくとも90%または95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2のポリペプチド鎖を含んでなる第2の可変ドメイン
(ここで、前記変異型は、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、および配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、IMGT位置93のアスパラギンまたはそれらの組み合わせをさらに含んでなる)と
を含んでなる、抗原結合タンパク質に言及する。
【0437】
配列番号16に記載のCDRa1
したがって、一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0438】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0439】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号183のアミノ酸配列、または配列番号183と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0440】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0441】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0442】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0443】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0444】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0445】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0446】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0447】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0448】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0449】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0450】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0451】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0452】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0453】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0454】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0455】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0456】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0457】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0458】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0459】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0460】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0461】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0462】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0463】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0464】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0465】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0466】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0467】
配列番号11に記載のCDRa1
したがって、一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0468】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0469】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0470】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0471】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号113のアミノ酸配列、または配列番号113と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0472】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0473】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0474】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0475】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0476】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号114のアミノ酸配列、または配列番号114と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0477】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0478】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0479】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)、と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0480】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0481】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列、または配列番号115と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号39のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0482】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0483】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0484】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0485】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0486】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号116のアミノ酸配列、または配列番号116と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号26のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0487】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0488】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0489】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0490】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0491】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号63のアミノ酸配列、または配列番号63と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0492】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置85のフェニルアラニンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0493】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置86のセリンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0494】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置91のイソロイシンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0495】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0496】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、配列番号118のアミノ酸配列、または配列番号118と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖(ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号21のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、ここで、第1の可変ドメインは、好ましくはIMGT位置55のセリンをさらに含んでなる)と、
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなるかまたはそれからなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその(thereofthereof訂正)変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなり、
ここで、第2の可変ドメインは、好ましくは、IMGT位置85のフェニルアラニン、IMGT位置86のセリン、IMGT位置91のイソロイシン、およびIMGT位置93のアスパラギンをさらに含んでなる)と
を含んでなる。
【0497】
一実施形態では、第1のポリペプチドと第2のポリペプチドは、特に共有結合を介して一緒に連結されている。
【0498】
本明細書における「共有結合」とは、例えば、ポリペプチドリンカーなどのリンカーを介した、ジスルフィド架橋またはペプチド結合、または共有結合を指す。
【0499】
「リンカー」または「リンカー配列」または「ポリペプチドリンカー」は、本明細書で上に「定義」の項で「リンカー」の下に定義される。
【0500】
一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、
(i)1つまたは複数のさらなる抗原結合部位;
(ii)任意選択的に、細胞質シグナル伝達領域を含む膜貫通領域、
(iii)診断薬;
(iv)治療薬;または
(v)PK修飾部分
の1つまたは複数をさらに含んでなる。
【0501】
当業者に知られているように、例えば、抗体の文脈における抗原結合部位は、典型的には、抗原に結合する6つのCDRによって形成される。
【0502】
本発明の文脈では、1つまたは複数の結合部位は、好ましくは抗原CD3(CD3γ、CD3δ、およびCD3ε鎖など)、CD4、CD7、CD8、CD10、CD11b、CD11c、CD14、CD16、CD18、CD22、CD25、CD28、CD32a、CD32b、CD33、CD41、CD41b、CD42a、CD42b、CD44、CD45RA、CD49、CD55、CD56、CD61、CD64、CD68、CD94、CD90、CD117、CD123、CD125、CD134、CD137、CD152、CD163、CD193、CD203c、CD235a、CD278、CD279、CD287、Nkp46、NKG2D、GITR、FcεRI、TCRα/βおよびTCRγ/δ、HLA-DRからなる群から選択される抗原に、またはエフェクター細胞、好ましくはCD3または28、より好ましくはCD3の抗原に、結合する結合部位から選択される。
【0503】
「CD3」はタンパク質複合体であり、4つの異なる鎖から構成される。哺乳類では、複合体は、CD3γ鎖、CD3δ鎖、および2つのCD3ε鎖を含有するこれらの鎖は、T細胞受容体(TCR)およびζ鎖として知られている分子に結合し、Tリンパ球中で活性化シグナルを生じる。
【0504】
「CD28」はまた、T細胞上でも発現され、T細胞活性化に必要な共刺激シグナルを提供し得る。CD28は、T細胞の増殖と生存、サイトカイン産生、およびTヘルパー2型発生に重要な役割を果たす。
【0505】
いくつかの実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質の結合部位の1つは、T細胞特異的受容体分子および/またはナチュラルキラー細胞(NK細胞)特異的受容体分子に結合できる。特定の実施形態では、抗原結合タンパク質は、CD3T細胞共受容体と複合体を形成する。
【0506】
いくつかの実施形態では、T細胞特異的受容体は、CD3T細胞共受容体である。
【0507】
いくつかの実施形態では、T細胞特異的受容体は、CD28、CD134、4-1BB、CD5またはCD95である。
【0508】
「CD28」はまた、T細胞上でも発現され、T細胞活性化に必要な共刺激シグナルを提供し得る。CD28は、T細胞の増殖と生存、サイトカイン産生、およびTヘルパー2型発生に重要な役割を果たす。
【0509】
「CD134」はまた、Ox40とも称される。CD134/OX40は、活性化に続いて24~72時間後に発現しており、二次共刺激分子を定義すると考えられる。
【0510】
「4-1BB」は、抗原提示細胞(APC)上の4-1BBリガンドに結合でき、それによってT細胞の共刺激シグナルが生じる。
【0511】
「CD5」は主にT細胞上に見られる受容体の別の例であり、CD5はB細胞上にも低レベルで見られる。
【0512】
「CD95」は、T細胞機能を修飾する受容体のさらなる例であり、その他の細胞の表面上で発現されるFasリガンドによるアポトーシスシグナル伝達を媒介するFas受容体としても知られている。CD95は、休止状態のTリンパ球におけるTCR/CD3駆動型シグナル伝達経路を調節することが報告されている。
【0513】
「NK細胞特異的受容体分子」は、例えば、CD16、低親和性Fc受容体およびNKG2Dである。
【0514】
T細胞とナチュラルキラー(NK)細胞の双方の表面上に存在する受容体分子の一例は、CD2、およびCD2スーパーファミリーのさらなるメンバーである。CD2は、TおよびNK細胞上で共刺激分子として機能できる。
【0515】
本発明の文脈における「膜貫通領域」は、例えば、TCRαまたはβ膜貫通ドメインであってもよい。
【0516】
「細胞質シグナル伝達領域」は、例えば、TCRαまたはβ細胞内ドメインであってもよい。
【0517】
本明細書における「診断薬」は、(直接的または間接的に)シグナルを提供する、蛍光分子、放射性分子、または当該技術分野で公知の任意のその他の標識などの検出可能な分子または物質を指す。
【0518】
当該技術分野で公知の「蛍光分子」としては、イソチオシアン酸フルオレセイン(FITC)、フィコエリトリン(PE)、青色レーザーで使用するためのフルオロフォア(例えば、PerCP、PE-Cy7、PE-Cy5、FL3およびAPCまたはCy5、FL4)、赤色、紫色、またはUVレーザーで使用するためのフルオロフォア(例えば、パシフィックブルー、パシフィックオレンジ)が挙げられる。
【0519】
「放射性分子」としては、I123、I124、In111、Re186、Re188、Tc99などのシンチグラフィー研究用の放射性原子が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の抗原結合タンパク質はまた、ヨウ素123、インジウム111、フッ素19、炭素13、窒素15、酸素17、ガドリニウム、マンガンまたは鉄などの、核磁気共鳴(NMR)イメージング(磁気共鳴画像法、MRIとしても知られている)のためのスピン標識を含んでなってもよい。
【0520】
このような診断薬は、抗原結合タンパク質に直接結合(すなわち物理的に結合)されるか、または間接的に結合されてもよい。
【0521】
本明細書における「治療薬」は、治療効果を有する薬剤を指す。一実施形態では、このような治療薬は、細胞傷害剤または放射性同位体などの増殖阻害剤であってもよい。
【0522】
無差別に使用され得る「増殖阻害剤」または「抗増殖剤」は、生体外または生体内のどちらかで、細胞、特に腫瘍細胞の増殖を阻害する化合物または組成物を指す。
【0523】
「細胞傷害剤」という用語は、本明細書の用法では、細胞の機能を阻害するかまたは妨げる、および/または細胞の破壊を引き起こす物質を指す。「細胞傷害剤」という用語は、化学療法剤、酵素、抗生物質、および細菌、真菌、植物または動物由来の小分子毒素または酵素活性毒素などの毒素(それらの断片および/または変異型を含む)、ならびに以下に開示されている様々な抗腫瘍剤または抗がん剤を含むことが意図される。いくつかの実施形態では、細胞傷害剤は、タキソイド、ビンカ、タキサン、メイタンシノイドまたはDM1もしくはDM4などのメイタンシノイド類似体、小型薬剤、トマイマイシンまたはピロロベンゾジアゼピン誘導体、クリプトフィシン誘導体、レプトマイシン誘導体、オーリスタチンまたはドラスタチン類似体、プロドラッグ、トポイソメラーゼII阻害剤、DNAアルキル化剤、抗チューブリン剤、CC-1065またはCC-1065類似体である。
【0524】
「放射性同位体」という用語は、At211、Bi212、Er169、I131、I125、Y90、In111、P32、Re186、Re188、Sm153、Sr89、およびLuの放射性同位体など、がんの治療に適切な放射性同位体を含むことが意図される。このような放射性同位元素は、一般的に主にβ線を放出する。一実施形態では、放射性同位体は、α放射性同位体、より正確には、α線を放出するトリウム227である。
【0525】
いくつかの実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、直接、または切断可能または切断不能なリンカーを介して、少なくとも1つの増殖阻害剤に共有結合する。このような少なくとも1つの増殖阻害剤が付着する抗原結合タンパク質はまた、コンジュゲートと称されることもある。
【0526】
このようなコンジュゲート、例えば免疫複合体の調製は、その内容全体が参照により本明細書に援用される、国際公開第2004/091668号パンフレットまたはHudecz,F.,Methods Mol.Biol.298:209-223(2005)、およびKirin et al.,Inorg Chem.44(15):5405-5415(2005)に記載され、当業者によって、このような少なくとも1つの増殖阻害剤が付着している、本発明の抗原結合タンパク質の調製に移されてもよい。
【0527】
少なくとも1つの増殖阻害剤の付着の文脈における「リンカー」は、ポリペプチドを薬物部分に共有結合的に付着させる、共有結合または原子の鎖を含んでなる化学部分を意味する。
【0528】
コンジュゲートは、インビトロ法によって調製されてもよい。薬物またはプロドラッグを抗体に結合させるために、結合基が使用される。適切な連結基は当該技術分野で周知であり、ジスルフィド基、チオエーテル基、酸不安定基、光不安定基、ペプチダーゼ不安定基、およびエステラーゼ不安定基が挙げられる。本発明の抗原結合タンパク質と細胞傷害剤または増殖阻害剤との結合は、N-スクシンイミジルピリジルジチオブチレート(SPDB)、ブタン酸4-[(5-ニトロ-2-ピリジニル)ジチオ]-2,5-ジオキソ-1-ピロリジニルエステル(ニトロ-SPDB)、4-(ピリジン-2-イルジスルファニル)-2-スルホ-酪酸(スルホ-SPDB)、N-スクシンイミジル(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、スクシンイミジル(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)、イミノチオラン(IT);イミドエステルの二官能性誘導体:(ジメチルアジピミデートHCLなど)、活性エステル(ジスクシンイミジルスベレートなど)、アルデヒド(グルタルアルデヒドなど)、ビス-アジド化合物(ビス(p-アジドベンゾイル)-ヘキサンジアミンなど)、ビス-ジアゾニウム誘導体(ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミンなど)、ジイソシアネート(トルエン2,6-ジイソシアネートなど)、およびビス活性フッ素化合物(1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼンなど)をはじめとするが、これらに限定されるものではない、様々な二機能性タンパク質結合剤を使用して行われてもよい。例えば、リシン免疫毒素は、Vitetta et al(1987)に記載されたように調製され得る。炭素標識された1-イソチオシアナトベンジルメチルジエチレントリアミン五酢酸(MX-DTPA)は、放射性ヌクレオチドを抗体に結合させるための例示的なキレート剤である(国際公開第94/11026号パンフレット)。
【0529】
リンカーは、細胞内の細胞傷害剤または増殖阻害剤の放出を促進する「切断可なリンカー」であってもよい。例えば、酸不安定リンカー、ペプチダーゼ感受性リンカー、エステラーゼ不安定リンカー、光不安定リンカー、またはジスルフィド含有リンカー(例えば、米国特許第5,208,020号明細書を参照されたい)が使用されてもよい。リンカーはまた、場合によっては、より良好な耐性をもたらすかもしれない「切断不能リンカー」(例えばSMCCリンカー)であってもよい。
【0530】
代案としては、本発明の抗体および細胞傷害性または増殖阻害ポリペプチドを含んでなる融合タンパク質は、組換え技術またはペプチド合成によって生成されてもよい。DNAの長さは、互いに隣接するか、またはコンジュゲートの所望の特性を破壊しないリンカーペプチドをコード化する領域によって分離されている、コンジュゲートの2つの部分をコードする、それぞれの領域を含んでなってもよい。
【0531】
本発明の抗原結合タンパク質はまた、プロドラッグ(例えばペプチジル化学療法剤、国際公開第81/01145号パンフレットを参照されたい)を活性抗がん剤に変換するプロドラッグ活性化酵素に、ポリペプチドをコンジュゲートすることによって、依存性酵素媒介プロドラッグ療法で使用されてもよい(例えば、国際公開第88/07378号パンフレットおよび米国特許第4,975,278号明細書を参照されたい)。
【0532】
本明細書における「PK修飾部分」は、本発明の抗原結合タンパク質の薬物動態を修飾する部分を指す。したがって、この部分は、特に、本発明の抗原結合タンパク質の生体内半減期および分布を改変する。好ましい実施形態では、PK修飾部分は、抗原結合タンパク質の半減期を延長する。PK修飾部分の例としては、PEG(Dozier et al.,(2015)Int J Mol Sci.Oct 28;16(10):25831-64およびJevsevar et al.,(2010)Biotechnol J.Jan;5(1):113-28)、Pas化(Schlapschy et al.,(2013)Protein Eng Des Sel.Aug;26(8):489-501)、アルブミン(Dennis et al.,(2002)J Biol Chem.Sep 20;277(38):35035-43)、抗体のFc部分および/または非構造化ポリペプチド(Schellenberger et al.,(2009)Nat Biotechnol.Dec;27(12):1186-90)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0533】
一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、酵素、サイトカイン(ヒトIL-2、IL-7またはIL-15などの)、ナノキャリア、または核酸の1つまたは複数をさらに含んでなる。
【0534】
上記のように、一実施形態では、抗原結合タンパク質は、二重特異性抗原結合タンパク質であってもよい。少なくとも2つの結合部位を有する抗原結合タンパク質の多くの異なるフォーマットが当該技術分野で記載されており、抗体ベースのフォーマットは、例えば、ダイアボディ、交差二重可変ドメイン(CODV)および/または二重可変ドメイン(DVD)タンパク質である。これらの異なる二重特異性抗体の概要およびそれらを生成する方法は、例えば、Brinkmann U.and Kontermann E.E.MAbs.2017 Feb-Mar;9(2):182-212で開示されている。より具体的には、DVDフォーマットは、例えば、以下の科学論文で開示されている(Wu C et al.Nat Biotechnol 2007;25:1290-7;PMID:17934452;Wu C.et al.MAbs 2009;1:339-47;Lacy SE et al.MAbs 2015;7:605-19;PMID:25764208;Craig RB et al.PLoS One 2012;7:e46778;PMID:23056448;Piccione EC et al.MAbs 2015)。CODVは、例えば、Onuoha SC et al.Arthritis Rheumatol.2015 Oct;67(10):2661-72、または例えば、国際公開第2012/135345号パンフレット、国際公開第2016/116626号パンフレットで開示されている。二重特異性ダイアボディは、例えば、Holliger P et al.Protein Eng 1996;9:299-305;PMID:8736497;Atwell JL et al.Mol Immunol 1996;33:1301-12;PMID:9171890;Kontermann RE,Nat Biotechnol 1997;15:629-31;PMID:9219263;Kontermann RE et al.Immunotechnology 1997;3:137-44;PMID:9237098;Cochlovius B et al.Cancer Res 2000;60:4336-41;PMID:10969772;およびDeNardo DG et al.Cancer Biother Radiopharm 2001;16:525-35;PMID:11789029に記載されている。
【0535】
このような二重特異性抗体を製造する技術もまた、上記に引用される先行技術で開示されており、したがって、当業者は、本明細書で定義されるCDRまたは可変ドメインを容易に使用して、本明細書で開示されているフォーマットで本発明の抗原結合タンパク質を作製および製造し得る。
【0536】
したがって、本発明は、2つの抗原結合部位(抗原結合部位AおよびBなど)を形成する2つのポリペプチド鎖を含んでなる、抗原結合タンパク質にさらに言及し、ここで、第1のポリペプチド鎖は、式、
V3-L1-V4-L2-CL[I]
によって表わされる構造を有し、
ここで、V3は第3の可変ドメインであり;V4は第4の可変ドメインであり;L1およびL2はリンカーであり;L2は存在してもまたは存在しなくてもよく;CLは軽鎖定常ドメインまたはその一部であり、存在するかまたは存在せず、
ここで、第2のポリペプチド鎖は、式、
V5-L3-V6-L4-CH1[II]
によって表わされる構造を有し、
ここで、V5は第1の可変ドメインであり;V6は第6の可変ドメインであり;L3およびL4はリンカーであり;L4は存在してもまたは存在しなくてもよく;CH1は軽鎖定常ドメインまたはその一部であり、存在するかまたは存在せず、ここで、V3またはV4は本明細書で上に定義される第1の可変ドメインであり、V5またはV6は本明細書で上に定義される第2の可変ドメインであるか、または
V5またはV6は、本明細書で上に定義される第1の可変領域であり、V3またはV4は、本明細書で上に定義される第2の可変領域であり、ここで、
V3およびV5が本明細書で上に定義される可変ドメインである場合、V4またはV6の1つは軽鎖可変ドメインであり、もう1つは重鎖可変ドメインであって、ここで、
V3およびV6が可変ドメインである場合、V4またはV5の1つは軽鎖可変ドメインであり、もう1つは重鎖可変ドメインであって、ここで、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインは、一緒に1つの抗原結合部位を形成する。
【0537】
リンカーL1、L2、L3、L4、L5は、本明細書で上に「定義」の項で定義される。
【0538】
関連する実施形態では、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインは、一緒に1つの抗原結合部位Bを形成し、本明細書で上に定義される第1および第2の可変ドメインは、1つの抗原結合部位Aを形成する。
【0539】
しかしいくつかの実施形態では、いくつかのリンカーの長さは、特定のフォーマットにとって好ましいかもしれない。しかしながら、リンカーの長さおよびそれらのアミノ酸配列に関する知識は、当該技術分野の一般知識に属し、異なるフォーマットのためのリンカーならびにリンカーアミノ酸配列は、最新技術の一部であり、本明細書で上記に引用した開示に開示されている。
【0540】
本明細書で上に定義される第1および第2の可変ドメインを形成する抗原結合部位Aが、本発明の文脈で本明細書に記載されるようなPRAMEペプチド/MHC複合体に特異的に結合することは、当業者であれば理解できるであろう。
【0541】
DVDフォーマットの場合のように、軽鎖および重鎖可変ドメインが平行配向であってもよく、αおよびβ可変ドメインが平行配向であってもよく、またはCODVフォーマットの場合のように、軽鎖および重鎖の可変ドメインが交差配向であってもよく、αおよびβ可変ドメインが交差配向であってもよいことは、当業者であれば理解できるであろう。
【0542】
したがって、一実施形態では、V3は本明細書で上に定義される第1の可変ドメインであってV5は第2の可変ドメインであり、V4は軽鎖可変ドメインであってV6は重鎖可変ドメインであるか、またはV4は重鎖可変ドメインであってV6は軽鎖可変ドメインであるか、または
V3は本明細書で上に定義される第2の可変ドメインであってV5は第1の可変ドメインであり、V4は軽鎖可変ドメインであってV6は重鎖可変ドメインであるか、またはV4は重鎖可変ドメインであってV6は軽鎖可変ドメインであるか、または
V3は本明細書で上に定義される第1の可変ドメインであってV6は第2の可変ドメインであり、V4は軽鎖可変ドメインであってV5は重鎖可変ドメインであるか、またはV4は重鎖可変ドメインであってV5は軽鎖可変ドメインであるか、または
V3は本明細書で上に定義される第2の可変ドメインであってV6は第1の可変ドメインであり、V4は軽鎖可変ドメインであってV5は重鎖可変ドメインであるか、またはV4は重鎖可変ドメインであってV5は軽鎖可変ドメインであり、
V4は本明細書で上に定義される第1の可変ドメインであってV5は第2の可変ドメインであり、V3は軽鎖可変ドメインであってV6は重鎖可変ドメインであるか、またはV3は重鎖可変ドメインであってV6は軽鎖可変ドメインであるか、または
V4は本明細書で上に定義される第2の可変ドメインであってV5は第1の可変ドメインであり、V3は軽鎖可変ドメインであってV6は重鎖可変ドメインであるか、またはV3は重鎖可変ドメインであってV6は軽鎖可変ドメインであり、
【0543】
好ましい実施形態では、V3は本発明の文脈で定義される第1の可変ドメインであって、V6は第2の可変ドメインであり、V4は軽鎖可変ドメインであって、V5は重鎖可変ドメインであるか、または
V3は第1の可変ドメインであってV6は本発明の文脈で定義される第2の可変ドメインであり、V4は重鎖可変ドメインであってV5は軽鎖可変ドメインである。
【0544】
一実施形態では、式[I]のポリペプチドは、式[I]のポリペプチドのC末端に、リンカー(L5)とFcドメインまたはその一部をさらに含んでなり、および/またはここで、式[II]のポリペプチドは、式[II]のポリペプチドのC末端に、リンカー(L6)とFcドメインまたはその一部とをさらに含んでなる。
【0545】
Fcドメインは、本明細書で上に「定義」の項で定義されるとおりである。
【0546】
一実施形態では、FcドメインはN297Q変異を含んでなり、Fc部分内のN-グリコシル化部位を除去し、このような変異はFc-γ-受容体相互作用を無効化する。本発明の文脈で採用されるかもしれない可能なFc変異は、本明細書で以下に開示されている。
【0547】
一実施形態では、抗原結合タンパク質は、2つの抗原結合部位(AおよびBなど)を形成する2つのポリペプチド鎖を含んでなり、
ここで、1つのポリペプチド鎖は、式[III]、
V3-L1-V4-L2-CL-L5-Fc1[III]
によって表わされる構造を有し、
1つのポリペプチド鎖は、式[IV]、
V5-L3-V6-L4-CH1-L6-Fc2[IV]
によって表わされる構造を有し、
ここで、V3、L1、V4、L2、CL、V5、L3、V6、L4、CH1は、本明細書で上に定義されるとおりであり、ここで、L5およびL6は、存在するかまたは存在しないリンカーであり、ここで、Fc1、およびFc2は、Fcドメインであり、ここで、Fc1およびFc2は同じかまたは異なり、好ましくは異なる抗原結合タンパク質である。
【0548】
Fcドメインは、本明細書で上に「定義」の項で定義されるとおりである。
【0549】
一実施形態では、Fc1は、配列番号68(ホール)のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、Fc2は、配列番号66(ノブ)のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、逆もまた同様である。より好ましくはV4またはV3が重鎖可変ドメインである場合、Fc1は配列番号68のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、それに応じてV5またはV6が軽鎖可変ドメインである場合、Fc2は配列番号66のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、または
V4またはV3が軽鎖可変ドメインである場合、Fc1は配列番号66のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、それに応じて、V5またはV6が重鎖可変ドメインである場合、Fc2は配列番号68のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなる。
【0550】
一実施形態では、重鎖可変ドメイン(VH)および軽鎖可変ドメイン(VL)は、CD3(CD3γ、CD3δ、およびCD3ε鎖など)、CD4、CD7、CD8、CD10、CD11b、CD11c、CD14、CD16、CD18、CD22、CD25、CD28、CD32a、CD32b、CD33、CD41、CD41b、CD42a、CD42b、CD44、CD45RA、CD49、CD55、CD56、CD61、CD64、CD68、CD94、CD90、CD117、CD123、CD125、CD134、CD137、CD152、CD163、CD193、CD203c、CD235a、CD278、CD279、CD287、Nkp46、NKG2D、GITR、FcεRI、TCRα/βおよびTCRγ/δ、HLA-DRからなる群から選択される抗原に結合し、および/またはエフェクター細胞に結合する。
【0551】
さらなる実施形態では、重鎖可変ドメイン(VH)および軽鎖可変ドメイン(VL)は、T細胞特異的受容体分子および/またはナチュラルキラー細胞(NK細胞)特異的受容体分子に結合し、ここで、T細胞特異的受容体分子およびナチュラルキラー細胞(NK細胞)特異的受容体分子は、本明細書で上に定義されるとおりである。
【0552】
一実施形態では、軽鎖可変ドメインは配列番号65のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、重鎖可変ドメインは配列番号171のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、または、軽鎖可変ドメインは配列番号65のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、重鎖可変ドメインは配列番号172のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、または、軽鎖可変ドメインは配列番号173のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、重鎖可変ドメインは配列番号174のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、または、軽鎖可変ドメインは配列番号175のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、重鎖可変ドメインは配列番号176のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、または、軽鎖可変ドメインは配列番号65のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、重鎖可変ドメインは配列番号177のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、または、軽鎖可変ドメインは配列番号65のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、重鎖可変ドメインは配列番号178のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなる
【0553】
好ましくは、軽鎖可変ドメインは配列番号65のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、重鎖可変ドメインは配列番号171のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、または、軽鎖可変ドメインは配列番号65のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、重鎖可変ドメインは配列番号172のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、または、軽鎖可変ドメインは配列番号175のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、重鎖可変ドメインは配列番号176のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、または、軽鎖可変ドメインは配列番号65のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、重鎖可変ドメインは配列番号177のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、または、軽鎖可変ドメインは配列番号65のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、重鎖可変ドメインは配列番号178のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、より好ましくは、軽鎖可変ドメインは配列番号175のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、重鎖可変ドメインは配列番号176のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなる。
【0554】
実施例から分かるように、本発明の発明者は、Fc含有二重特異性TCR/mAb(抗CD3)ダイアボディ(TCER(登録商標))における、CDR(例えば、HiAff1およびLowAff3のCDR)に由来するTCR、より具体的には可変ドメインに由来するTCR使用を原理の証明として実証し、ここで、第1のポリペプチド鎖は、式[III]、
V3-L1-V4-L2-CL-L5-Fc1[III]
によって表わされる構造を有し、
第2のポリペプチド鎖は、式[IV]、
V5-L3-V6-L4-CH1-L6-Fc2[IV]
によって表わされる構造を有し、
ここで、本明細書で上に定義されるようなL2、CL、L4、CH1、L5、およびL6は存在せず、ここで、V3、L1、V4、Fc1、V5、L3、V6、Fc2は、本明細書で上に定義されるとおりである。
【0555】
したがって、好ましい一実施形態では、抗原結合タンパク質は、2つの抗原結合部位を形成する2つのポリペプチド鎖を含んでなり、ここで、1つのポリペプチド鎖は、式[III]、
V3-L1-V4-L2-CL-L5-Fc1[III]
によって表わされる構造を有し、
1つのポリペプチド鎖は、式[IV]、
V5-L3-V6-L4-CH1-L6-Fc2[IV]
によって表わされる構造を有し、
ここで、L2、CL、L5およびL4、CH1、L6は存在せず、
ここで、V3、L1、V4、V5、L3、V6は本明細書で上に定義されるようであり、ここで、Fc1、およびFc2は、Fcドメインであり、ここで、Fc1およびFc2は、異なる。
【0556】
同じ実施形態において、Fc1およびFc2は、好ましくは、本明細書で上に「定義」の項に記載される「ノブ・インツー・ホールへ」の変異を含んでなる。
【0557】
一実施形態では、好ましくはV3は第1の可変ドメインであってV6は本発明の文脈で定義される第2の可変ドメインであり、V4は軽鎖可変ドメインであってV5は重鎖可変ドメインであり、好ましくは、L1およびL3は、(配列番号64)のアミノ酸配列「GGGSGGGG」を含んでなるかまたはそれからなり、
好ましくはFc1>は配列番号66のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、Fc2は配列番号68のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、逆もまた同様である。
【0558】
より好ましくは、V4が重鎖可変ドメインである場合、Fc1はアミノ酸配列68を含んでなるかまたはそれからなり、したがって、V5が軽鎖可変ドメインである場合、Fc2は配列番号66のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、または
より好ましくはV4が軽鎖可変ドメインである場合、Fc1はアミノ酸配列66を含んでなるかまたはそれからなり、したがって、V5が重鎖可変ドメインである場合、Fc2はアミノ酸配列68を含んでなるかまたはそれからなり、
軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインは、好ましくは、CD3、TCRα/βまたはCD28、より好ましくはCD3またはTCRα/βである、本明細書で上に定義される抗原に結合する、1つの抗原結合部位を一緒に形成し、
ここで、第1および第2の可変ドメインは、本発明の文脈で定義されるPRAME抗原ペプチドに特異的に結合する、1つの抗原結合部位を形成する。
【0559】
この実施形態の抗原結合タンパク質は、二重特異性TCR、またはFc含有二重特異性TCR/mAbダイアボディと称されることもある。この実施形態の抗原結合タンパク質はまた、TCER(登録商標)と称されることもある。
【0560】
「TCER(登録商標)」分子は重特異性T細胞受容体(TCR)であり、本発明の文脈で定義されるような第1および第2の可変ドメインによって形成される第1の抗原結合ドメインと、CD3に向けられた、またはTCRα/βに向けられた、可変軽鎖および可変重鎖ドメインなどの、リクルーターとも称される、抗体の重鎖および軽鎖可変ドメインによって形成されるさらなる抗原結合ドメインとの2つの抗原結合ドメインを含んでなる、可溶性抗原結合タンパク質である。
【0561】
特定の例では、新たに開発されたいわゆる「Fc含有HiAff1二重特異性TCR/mAb(抗CD3)ダイアボディ」抗原結合タンパク質は、以下を含んでなる:
-アミノ酸配列(配列番号119)の式V3-L1-V4-L2-CL-L5-Fc1[III]の1つの第1のポリペプチド:
QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIDNDQGGILTFGTGTRLTIIPNIQNGGGSGGGGDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDIRNYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDIATYFCQQGQTLPWTFGQGTKVEIKEPKSSDKTHTCPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYQSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPASIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCRDELTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSP
(ここで、L2、CL、L5は存在せず、配列番号63のV3(TCR由来α可変ドメイン)(配列番号11、配列番号17および配列番号21のCDRa1、CDRa2、CDRa3は太字)、配列番号64のL1(下線)、配列番号65のV4(抗CD3 VL)、および配列番号66のFc1(斜体および下線)を含んでなる);および
-アミノ酸配列(配列番号120)の式V5-L3-V6-L4-CH1-L6-Fc2[IV]の1つの第2のポリペプチド:
EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTGYTMNWVRQAPGQGLEWMGLINPYKGVSTYAQKFQDRVTLTVDKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSGYYGDSDWYFDVWGQGTLVTVSSGGGSGGGGKAGVTQTPRYLIKTRGQQVTLSCSPIPGHRAVSWYQQTPGQGLQFLFEYVHGEERNKGNFPGRFSGRQFSNSSSEMNISNLELGDSALYLCASSPWDSPNVQYFGPGTRLTVTEDLKNEPKSSDKTHTCPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYQSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPASIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSRDELTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSP
(ここで、L4、CH1、L6は存在せず、配列番号67のV5(抗CD3 VH)、配列番号67のL3(下線)、配列番号67のV4(β可変ドメイン由来TCR)(配列番号45、配列番号46、配列番号48のCDRa1、CDRa2、CDRa3は太字)、および配列番号68のFc2(斜体および下線)を含んでなり、ここで、Fc1およびFc2配列は、システインを介して軽鎖を連結する必要がないため、システインからセリンへの変異(太字で示されるS)、Fc-γ受容体相互作用を無効化する、IgG2ヒンジに類似したIgG1ヒンジ領域(太字で示されるPVA)の変異、Fc部分のN-グリコシル化部位を除去してFcγ受容体間の相互作用を無効化する、N297Q変異(太字のQ)、さらにFc2の場合はホール変異、Fc1の場合はノブ変異を含んでなる)。
【0562】
したがって、好ましい一実施形態では、Fc1は配列番号66であり、Fc2は配列番号68であり、逆もまた同様である。
【0563】
一実施形態では、本発明は、
配列番号119のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなる、式V3-L1-V4-L2-CL-L5-Fc1[III]の第1のポリペプチドと、配列番号120のアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなる、式V5-L3-V6-L4-CH1-L6-Fc2[IV]の第2のポリペプチドと
を含んでなる、抗原結合タンパク質に言及する。
【0564】
また、エフェクター機能に関して、例えば、抗原結合タンパク質の抗原依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)および/または補体依存性細胞傷害性(CDC)を増強または低減するように、本発明の抗原結合タンパク質を修飾することが望ましくあってもよい。これは、本発明の抗原結合タンパク質との関連で、本明細書ではFc変異型とも称される、抗原結合タンパク質のFc領域に、1つまたは複数のアミノ酸置換を導入することによって達成されてもよい。代案としては、またはそれに加えて、Fc領域にシステイン残基が導入されて、この領域での鎖間ジスルフィド結合の形成が可能になってもよい。このように作製されたホモ二量体抗原結合タンパク質は、内部移行能力の改善または減少、および/または補体媒介性細胞滅殺および/または抗体依存性細胞傷害性(ADCC)の増加を有してもよい(Caron PC.et al.1992;およびShopes B.1992)。
【0565】
本発明の抗原結合タンパク質の別のタイプのアミノ酸修飾、すなわち抗原結合タンパク質に見られる1つまたは複数の炭水化物部分を削除すること、および/または抗原結合タンパク質中に存在しない1つまたは複数のグリコシル化部位を付加することは、抗原結合タンパク質の元来のグリコシル化パターンを変化させるのに有用であってもよい。トリペプチド配列アスパラギン-X-セリン、およびアスパラギン-X-スレオニン(ここで、Xはプロリン以外の任意のアミノ酸である)のどちらかの存在は、潜在的なグリコシル化部位を生じる。抗原結合タンパク質へのグリコシル化部位の付加または欠失は、好都合には、アミノ酸配列を改変して(N結合型グリコシル化部位の場合)、それが上記のトリペプチド配列の1つまたは複数を含有するようにすることによって達成される。
【0566】
別のタイプの修飾は、潜在的に分解産物または抗原結合タンパク質調製物の不均一性をもたらすものとしてインシリコでまたは実験で同定された配列の除去を伴う。例として、アスパラギンおよびグルタミン残基の脱アミド化は、pHおよび表面露出などの要因に応じて生じ得る。アスパラギン残基は、主にAsn-Glyの配列で存在する場合に特に脱アミドの影響を受けやすく、Asn-Alaなどのその他のジペプチド配列ではその影響より少ない。したがって、このような脱アミド化部位、特にAsn-Glyが、本発明の抗原結合タンパク質中に存在する場合、典型的には保存的置換によってその部位が除去され、関与する残基の1つを除去することが望ましくあってもよい。1つまたは複数の関与する残基を除去するための、配列中のこのような置換もまた、本発明に包含されることが意図される。
【0567】
別のタイプの共有結合修飾は、グリコシドを抗原結合タンパク質に化学的または酵素的に共役させることを伴うこれらの手順は、N-またはO-結合グリコシル化のためのグリコシル化能力を有する宿主細胞における、抗原結合タンパク質の産生を必要としないという点で有利である。使用する共役様式に応じて、糖(類)は、(a)アルギニンおよびヒスチジン、(b)遊離カルボキシル基、(c)システインのなどの遊離スルフヒドリル基、(d)セリン、スレオニン、またはヒドロキシプロリンなどの遊離ヒドロキシル基、(e)フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンなどの芳香族残基、または(f)グルタミンのアミド基に付着してもよい。例えば、このような方法は、国際公開第87/05330号パンフレットに記載される。
【0568】
抗原結合タンパク質上に存在する任意の炭水化物部分の除去は、化学的または酵素的に達成されてもよい。化学的脱グリコシル化には、抗原結合タンパク質を化合物トリフルオロメタンスルホン酸または同等の化合物に曝露させることが必要である。この処理は、結合糖(N-アセチルグルコサミンまたはN-アセチルガラクトサミン)を除くほとんどまたは全ての糖の切断をもたらすが、抗原結合タンパク質は無傷のままにする。化学的脱グリコシル化は、Sojahr H.et al.(1987)およびEdge,AS.et al.(1981)によって記載される。抗体の炭水化物部分の酵素的切断は、Thotakura,NR.et al.(1987)によって記載されたように、様々なエンドおよびエキソグリコシダーゼの使用によって達成され得る。
【0569】
抗原結合タンパク質の別のタイプの共有結合修飾は、米国特許第4,640,835号明細書;米国特許第4,496,689号明細書;米国特許第4,301,144号明細書;米国特許第4,670,417号明細書;米国特許第4,791,192号明細書;または米国特許第4,179,337号明細書に記載されているような様式で、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシアルキレンなどの様々な非タンパク質性ポリマーの1つに抗原結合タンパク質を結合させることを含んでなる。
【0570】
特定の一実施形態では、抗原結合タンパク質は、TCRまたは一本鎖TCRである。特定の一実施形態では、TCRはヒトTCRである。したがって、一実施形態では、前記第1の可変ドメインはTCRαまたはγ鎖に含まれ;および/またはここで、前記第2の可変ドメインはTCRβまたはδ鎖に含まれる。一実施形態では、前記TCRはα-βヘテロ二量体であり、α鎖TRAC定常ドメイン配列と、β鎖TRBC1またはTRBC2定常ドメイン配列とを含んでなる。
【0571】
α鎖TRAC定常ドメイン配列、およびβ鎖TRBC1またはTRBC2定常ドメインは、以下でTCR定常ドメイン配列とも称される。一実施形態では、TCR定常ドメイン配列は、例えば、ヒト、ラット、サル、ウサギ、ロバ、またはマウス、好ましくはヒトなどの任意の哺乳類などの任意の好適な生物種に由来してもよい。いくつかの好ましい実施形態では、TCR定常ドメイン配列は、例えば、異種配列、好ましくはマウス配列の導入によって、わずかに修飾されてもよく、それはTCRの発現と安定性を高めてもよい。また、可変領域の好ましくないアミノ酸の置換および/またはTCR Cドメイン間のジスルフィド架橋の導入、および不対システインの除去など、現状技術(例えば、国際公開第2018/104407号パンフレット、PCT/EP2018/069151号明細書、国際公開第2011/044186号パンフレット、国際公開第2014/018863号パンフレット)から知られている、さらなる安定化変異が導入されてもよい。
【0572】
特に、TCR定常ドメイン配列をトランケーションまたは置換によって修飾し、TRACのエクソン2のCys4と、TRBC1またはTRBC2のエクソン2のCys2との間の天然ジスルフィド結合が削除されてもよい。また、TRACのThr48と、TRBC1またはTRBC2のSer57とをシステイン残基で置換することによって、αおよび/またはβ鎖の定常ドメイン配列が修飾されてもよく、前記システインは、TCRαおよびβ定常ドメイン間にジスルフィド結合を形成する。TRBC1またはTRBC2は、定常ドメインの75位でのシステインからアラニンへの変異、89位でのアスパラギンからアスパラギン酸への変異をさらに含んでもよい。定常ドメインは、それに加えてまたは代案として、天然TRACおよび/またはTRBC1/2配列に対する、さらなる変異、置換または欠失を含有してもよい。TRBC1/2という用語は、例えば、TRACの4位でのNからKなどの天然多型変異型を包含する(Bragado et al Int Immunol.1994 Feb;6(2):223-30)。
【0573】
一実施形態では、TCRはキメラである。
【0574】
本明細書における「キメラTCR」はTCRを指し、ここで、TCR鎖は複数の生物種からの配列を含んでなる。好ましくは、本発明の文脈におけるTCRは、例えば、α鎖のヒト可変領域と、マウスTCRα鎖のマウス定常領域とを含んでなる、α鎖を含んでなってもよい。
【0575】
一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、一本鎖TCR(scTCR)または一本鎖二重特異性抗体である。
【0576】
scTCRは、第1のTCR鎖(例えば、α鎖)の可変領域のポリペプチドと、全(完全長)第2のTCR鎖(例えば、β鎖)のポリペプチドとを含んでなり得て、または逆もまた然りである。さらに、scTCRは、任意選択的に、2つ以上のポリペプチドを主に連結する、1つまたは複数のリンカーを含んでなり得る。リンカーは、例えば、本明細書に記載されるように、2つの一本鎖を共に結合するペプチドであり得る。また、IL-2、IL-7またはIL-15などのヒトサイトカインに融合された本発明のscTCRも提供される。
【0577】
一実施形態では、前記一本鎖TCRは、Vα-Lt-Vβ、Vβ-Lt-Vα、Vα-Ca-Lt-Vβ、Vα-Cb-Lt-Vβ、Vα-Lt-Vβ-Cb、Vα-Lt-Vβ-Ca、Vα-Ca-Lt-Vβ-Cb、Vα-Cb-Lt-Vβ-Ca、好ましくはVα-Lt-Vβ、Vβ-Lt-Vαからなる群から選択される一本鎖フォーマットの1つであり、ここで、Vαは本明細書で上に定義される第1の可変ドメインであり、Vβは本明細書で上に定義される第2の可変ドメインであり、CaおよびCbはそれぞれ存在するかまたは存在しないTCRαおよびβ定常領域であり、Ltは存在するかまたは存在しないリンカーであり、本明細書で上に定義の項で定義される。
【0578】
一実施形態では、このような一本鎖TCRは、C末端またはN末端に連結されたさらなる可変ドメインをさらに含んでもよい。
【0579】
一実施形態ではこのようなさらなる可変ドメインは、さらなるリンカーLkを介して連結されてもよい。好ましい一実施形態では、リンカーLkは、本明細書で上に定義されるリンカーであるか、または配列番号80のアミノ酸配列のヒンジーCH1配列である。
【0580】
上記に沿って、本発明の発明者らは、一本鎖TCRを含む二重特異性抗原結合タンパク質を調製し、前記いわゆる「scTCRを含んでなるHiAFF1二重特異性Gab安定化分子」は以下を含んでなる:
-アミノ酸配列(配列番号81)の1つの第1のポリペプチド
EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTGYTMNWVRQAPGQGLEWMGLINPYKGVSTYAQKFQDRVTLTVDKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSGYYGDSDWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTSPPSPAPPVAGQKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIDNDQGGILTFGTGTRLTIIPNIQNGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGSKAGVTQTPRYLIKTRGQQVTLSCSPIPGHRAVSWYQQTPGQGLQFLFEYVHGEERNKGNFPGRFSGRQFSNSSSEMNISNLELGDSALYLCASSPWDSPNVQYFGPGTRLTVTEDLKN
(ここで、前記アミノ酸配列は、(この順序で)アミノ酸配列67の抗CDR3VHドメイン、アミノ酸配列80のヒンジ-CH1ドメイン(下線付き)、アミノ酸配列63のHiAff1のα可変ドメイン、アミノ酸配列77のリンカーL(下線付き)を含んでなり、およびアミノ酸配列83のβ可変ドメインHiAff1を含んでなる)
-およびアミノ酸配列(配列番号82)のもう1つのポリペプチド
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDIRNYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDIATYFCQQGQTLPWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
(ここで前記アミノ酸配列は、(この順序で)アミノ酸配列122の抗-CDR3VLドメイン、およびアミノ酸配列123のCLドメインを含んでなる)。
【0581】
したがって、特定の一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、第2のポリペプチドに連結した第1のポリペプチドを含んでなり、ここで、連結されたポリペプチドは、配列番号81のアミノ酸配列または配列番号81と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなる)。
【0582】
本発明はまた、抗原結合タンパク質、特にTCRを提示する粒子、および前記粒子を粒子のライブラリ内に含めることを含む。このような粒子としては、ファージ、酵母、リボソーム、または哺乳類細胞が挙げられるが、これらに限定されるものではない。このような粒子およびライブラリを製造する方法は、当該技術分野で公知である(例えば、国際公開第2004/044004号パンフレット;国際公開第01/48145号パンフレット;Chervin et al.(2008)J.Immuno.Methods 339.2:175-184を参照されたい)。
【0583】
核酸、ベクター、および組換え宿主細胞
本発明のさらなる目的は、本明細書で上に定義される抗原結合タンパク質をコードする配列を含んでなるかまたはそれからなる単離核酸配列に関する。
【0584】
典型的には、前記核酸は、プラスミド、コスミド、エピソーム、人工染色体、ファージまたはウイルスベクターなどの任意の適切なベクターに含まれてもよいDNAまたはRNA分子である。
【0585】
「ベクター」、「クローニングベクター」、および「発現ベクター」という用語は、DNAまたはRNA配列(例えば、外来遺伝子)を宿主細胞に導入して、宿主を形質転換し、導入した配列の発現(例えば、転写および翻訳)を促進し得るビヒクルを意味する。
【0586】
したがって、本発明のさらなる目的は、本発明の核酸を含んでなるベクターに関する。
【0587】
このようなベクターは、プロモーター、エンハンサー、ターミネーターなどの調節エレメントを含んでなり、対象への投与時に前記ポリペプチドの発現を引き起こすかまたは誘導してもよい。動物細胞のための発現ベクターで使用されるプロモーターおよびエンハンサーの例としては、SV40の初期プロモーターおよびエンハンサー(Mizukami T.et al.1987)、モロニーマウス白血病ウイルスのLTRプロモーターおよびエンハンサー(Kuwana Y et al.1987)、免疫グロブリンH鎖などのプロモーター(Mason JO et al.1985)およびエンハンサー(Gillies SD et al.1983)が挙げられる。
【0588】
ヒト抗体C領域をコード化する遺伝子を挿入して発現させることができる限り、動物細胞のための任意の発現ベクターが使用され得る。適切なベクターの例としては、pAGE107(Miyaji H et al.1990)、pAGE103(Mizukami T et al.1987)、pHSG274(Brady G et al.1984)、pKCR(O'Hare K et al.1981)、pSG1 β d2-4-(Miyaji H et al.1990)などが挙げられる。プラスミドのその他の例としては、複製起点を含んでなる自己複製プラスミドド、または例えば、pUC、pcDNA、pBRなどの統合プラスミドが挙げられる。
【0589】
ウイルスベクターのその他の例としては、アデノウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、およびAAVベクターが挙げられる。このような組換えウイルスは、パッケージング細胞への形質移入によって、またはヘルパープラスミドまたはウイルスを用いた一過性形質移入によって、当該技術分野で公知の技術によって製造されてもよい。ウイルスパッケージング細胞の典型的な例としては、PA317細胞、PsiCRIP細胞、GPenv+細胞、293細胞などが挙げられる。このような複製欠損組換えウイルスを製造するための詳細なプロトコルは、例えば、国際公開第95/14785号パンフレット、国際公開第96/22378号パンフレット、米国特許第5,882,877号明細書、米国特許第6,013,516号明細書、米国特許第4,861,719号明細書、米国特許第5,278,056号明細書、および国際公開第94/19478号パンフレットある。
【0590】
本発明のさらなる目的は、本発明による核酸および/またはベクターで形質移入された、感染された、または形質転換された宿主細胞に関する。
【0591】
「形質転換」という用語は、宿主細胞に「外来」(すなわち外因性)の遺伝子、DNAまたはRNA配列を導入し、宿主細胞が導入された遺伝子または配列を発現して所望の物質、典型的には導入された遺伝子または配列によってコードされるタンパク質または酵素を産生するようにすることを意味する。導入されたDNAまたはRNAを受け取って発現する宿主細胞は、「形質転換」されている。
【0592】
本発明の核酸を使用して、適切な発現系において本発明の組換え抗原結合タンパク質が製造されてもよい。「発現系」という用語は、例えば、ベクターによって運ばれ、宿主細胞に導入された外来DNAによってコードされるタンパク質の発現のための適切な条件下にある、宿主細胞および適合性ベクターを意味する。
【0593】
一般的な発現系としては、大腸菌(E.coli)宿主細胞とプラスミドベクター、昆虫宿主細胞とバキュロウイルスベクター、および哺乳類宿主細胞とベクターが挙げられる。その他の宿主細胞の例としては、限定されることなく、原核生物細胞(細菌など)および真核細胞(酵母細胞、哺乳類細胞、昆虫細胞、植物細胞など)が挙げられる。特定の例としては、大腸菌(E.coli)、クルイベロミセス属(Kluyveromyces)属またはサッカロミセス属(Saccharomyces)の酵母、哺乳類細胞株(例えば、Vero細胞、CHO細胞、3T3細胞、COS細胞など)、初代または確立された哺乳類細胞培養物(例えば、リンパ芽球、線維芽細胞、胚性細胞、上皮細胞、神経細胞、脂肪細胞などから産生される)が挙げられる。例としてはまた、マウスSP2/0-Ag14細胞(ATCC CRL1581)、マウスP3X63-Ag8.653細胞(ATCC CRL1580)、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子(以下、「DHFR遺伝子」と称される)が欠損したCHO細胞(Urlaub G et al;1980)、ラットYB2/3HL.P2.G11.16Ag.20細胞(ATCC CRL1662、以下、「YB2/0細胞」と称される)なども挙げられる。いくつかの実施形態では、キメラまたはヒト化抗体のADCC活性は、この細胞で発現させると増強されることから、YB2/0細胞が好ましくあってもよい。
【0594】
上記によれば、一実施形態では、本発明は、本明細書で上に定義される本発明の抗原結合タンパク質、または核酸、または本発明のベクターを含んでなる宿主細に言及し、ここで前記宿主細胞は、好ましくはa)Tリンパ球またはTリンパ球前駆細胞などのリンパ球、例えば、CD4またはCD8陽性T細胞であるか、またはb)チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞などの組換え発現のための細胞である。
【0595】
特に、本発明のいくつかの抗原結合タンパク質、特に連結されていない2つのポリペプチドを含んでなる抗原結合タンパク質の発現のために、発現ベクターは、抗体重鎖をコード化する遺伝子と抗体軽鎖をコード化する遺伝子が別々のベクター上に存在するか、または双方の遺伝子が同じベクター上に存在する(タンデムタイプ)かのどちらのタイプであってもよい。抗原結合タンパク質発現ベクターの構築の容易さ、動物細胞への導入の容易さ、および動物細胞における抗体HとL鎖の発現レベル間のバランスの点から、タンデム型のヒト化抗体発現ベクターが好ましい(Shitara K et al.J Immunol Methods.1994 Jan.3;167(1-2):271-8)。タンデム型ヒト化抗体発現ベクターとの例しては、pKANTEX93(国際公開第97/10354号パンフレット)、pEE18などが挙げられる。
【0596】
一実施形態では、このような組換え宿主細胞は、本発明の少なくとも1つの抗原結合タンパク質の製造に使用され得る。
【0597】
本発明の抗原結合タンパク質の方法
本発明はまた、
a.宿主細胞を提供するステップと、
b.本明細書で上に定義されるような抗原結合タンパク質をコード化するコード配列を含んでなる、遺伝子コンストラクトを提供するステップと、
c.前記遺伝子コンストラクトを前記適切な宿主細胞に導入するステップと、
d.前記適切な宿主細胞によって前記遺伝子コンストラクトを発現させるステップと、任意選択的に、
e.前記抗体を発現および/または分泌する細胞を選択するステップと
を含んでなる本明細書で上に定義される抗原結合タンパク質を製造する方法にも関する。
【0598】
一実施形態では、方法は、宿主細胞からの抗原結合タンパク質の単離と精製、任意選択的に、T細胞における抗原結合タンパク質の再構成をさらに含んでなる。
【0599】
本発明の抗原結合タンパク質は、限定されることなく、化学的、生物学的、遺伝学的または酵素的技術のいずれか単独または組み合わせなど、当該技術分野で公知の任意の技術によって製造されてもよい。
【0600】
いくつかの実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、抗体または免疫グロブリン様フレームワークを有する。
【0601】
所望の配列のアミノ酸配列を知ることにより、当業者は、ポリペプチドの製造のための標準技術によって、抗体または免疫グロブリン鎖を製造し得て、これらの技術は、当業者によって本発明の抗原結合タンパク質に移行され得る。例えば、それらは、周知の固相法を使用して、特に市販のペプチド合成装置(カリフォルニア州フォスターシティーのApplied Biosystemsによって製造されたものなど)を使用して、製造業者の指示に従って合成され得る。代案としては、本発明の抗体、免疫グロブリン鎖、および抗原結合タンパク質は、当該技術分野で周知のように、組換えDNA技術によって合成され得る。例えば、所望の(ポリ)ペプチドをコード化するDNA配列を発現ベクターに組み込み、このようなベクターを所望のポリペプチドを発現する適切な真核生物または原核生物の宿主に導入した後に、DNA発現産物として断片を得ることができ、その後、周知の技術を用いてそれから断片が分離され得る。
【0602】
一例では、すなわちFc含有二重特異性TCR/mAbダイアボディの場合は、VHおよびVLならびに可変α(Vα)および可変β(Vβ)の様々な組み合わせをコードし、ならびにリンカーをコードするDNA配列は、例えば遺伝子合成によって得られてもよい。得られたDNA配列は、例えば、ヒトIgG4[受入番号K01316]およびIgG1[受入番号P01857]にそれぞれ由来するヒンジ領域、CH2およびCH3ドメインをコードする発現ベクターにフレーム内でクローン化され、さらに操作されてもよい。Reiter et al.(Stabilization of the Fv Fragments in Recombinant Immunotoxins by Disulfide Bonds Engineered into Conserved Framework Regions.Biochemistry,1994,33,5451-5459)によって記載された方法に従って、遺伝子操作が実施され、追加的な鎖間ジスルフィド結合の安定化の有無にかかわらず、ノブ・インツー・ホール変異異がCH3ドメインに組み込まれ;CH2のN-グリコシル化部位(例えば、N297Q変異)が除去され;Fc-サイレンシング変異が導入され;またはVLとVHにそれぞれ追加的なジスルフィド結合安定化が導入されてもよい。
【0603】
本発明の抗原結合タンパク質は、例えば、プロテインA-セファロース、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティクロマトグラフィーなどの免疫グロブリン精製手順によって培地から適切に分離される。
【0604】
一実施形態では、本明細書において、発現した抗原結合タンパク質またはポリペプチドを回収することは、プロテインAクロマトグラフィー、κ選択クロマトグラフィー、および/またはサイズ排除クロマトグラフィー、好ましくはプロテインAクロマトグラフィーおよび/またはサイズ排除クロマトグラフィー、より好ましくはプロテインA-クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーを実施することを指す。
【0605】
組換えDNAを伴う本発明の抗原結合タンパク質を製造するための方法、および遺伝子形質移入技術は、当該技術分野で周知である(Morrison SL.et al.(1984)および特許文献米国特許第5,202,238号明細書;および米国特許第5,204、244号明細書を参照されたい)。
【0606】
従来の組換えDNAに基づいてヒト化抗体を製造するための方法、および遺伝子形質移入技術は、当該技術分野で周知であり(例えば、Riechmann L.et al.1988;Neuberger MS.et al.1985を参照されたい)、抗原結合タンパク質の製造に簡単に適用され得る。
【0607】
一例では、本発明の組換え抗原結合タンパク質の発現のためのベクターは、例えば、HCMV由来のプロモーター要素であるpUC19誘導体によって制御される、モノシストロン性として設計された。プラスミドDNAは、例えば、標準的な培養方法に従って大腸菌(E.coli)中で増幅され、引き続いて、市販のキット(Macherey & Nagel)を使用して精製された。精製されたプラスミドDNAは、製造業者(ExpiCHO(商標)システム;Thermo Fisher Scientific)の指示に従って、例えば、CHO-S細胞の一過性形質移入に使用された。形質移入されたCHO細胞は、例えば32℃~37℃で例えば6~14日間培養され、ExpiCHO(商標)供給液が1~2回栄養供給された。
【0608】
調整された細胞上清は、例えば、Sartoclear Dynamics(登録商標)Lab Filter Aid(Sartorius社)を使用した濾過(0.22μm)によって清澄化された。二重特異性抗原結合タンパク質は、例えば、親和性およびサイズ排除クロマトグラフィーをインラインで実行するように装備された、Akta Pure 25 L FPLCシステム(GE Lifesciences)を使用して精製された。アフィニティークロマトグラフィーは、例えば、プロテインAまたはLカラム(GE Lifesciences)上で、標準的なアフィニティークロマトグラフィープロトコルに従って実施された。例えば、Superdex 200 pg 16/600カラム(GE Lifesciences社)を用いて、アフィニティカラムからの溶出(pH2.8)直後に、サイズ排除クロマトグラフィーが実施され、標準的なプロトコルに従って高純度の単量体タンパク質が得られた。タンパク質濃度は、例えば、NanoDropシステム(Thermo Scientific)上で、予測されたタンパク質配列に従って計算された吸光係数を用いて判定された。必要に応じて、Vivaspinデバイス(Sartorius)を使用して、濃度が調節された。最後に、精製された分子は、例えば、2~8℃の温度で約1mg/mLの濃度のリン酸緩衝生理食塩水中に保存された。
【0609】
精製された二重特異性抗原結合タンパク質の品質は、例えば、Vanquishu UHPLC-System内で、300mMのNaClを含有する50mMのリン酸ナトリウム、pH6.8で実行される、例えば、MabPac SEC-1カラム(5μm、7.8x300mm)上のHPLC-SECによって判定された。
【0610】
医薬組成物
本発明は、本発明の抗原結合タンパク質、本発明の核酸、本発明のベクター、または本発明の宿主細胞と、薬学的に許容可能な担体とを含んでなる、医薬組成物にさらに言及する。
【0611】
本発明はまた、薬剤として使用するための本発明による抗原結合タンパク質にも関する。本発明はまた、薬剤として使用するための本発明の医薬組成物にも関する。
【0612】
「医薬組成物「または「治療用組成物」という用語は、本明細書の用法では、対象に適切に投与された場合に、望ましい治療的効果を誘導できる化合物または組成物を指す。
【0613】
いくつかの実施形態では、対象はまた、患者と称されることもある。
【0614】
このような医薬組成物は、投与様式との適合性のために選択された薬学的または生理学的に許容可能な調合剤と混合された、本発明の抗原結合タンパク質、または治療薬をさらに含んでなる抗原結合タンパク質の治療的有効量を含んでなってもよい。
【0615】
本発明の抗原結合タンパク質は、通常、無菌の医薬組成物の一部として供給され、これは、通常、薬学的に許容可能な担体および/または薬学的に許容可能な担体希釈剤を含む。
【0616】
「薬学的に」または「薬学的に許容可能な」は、哺乳類、特にヒトに投与したときに、適宜、有害反応、アレルギー反応、その他の不都合な反応を生じない分子体および組成物に言及する。薬学的に許容可能な担体または賦形剤は、非毒性の固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、カプセル化材料、または任意のタイプの製剤助剤を指す。
【0617】
本明細書の用法では、「薬学的に許容可能な担体」としては、生理学的適合性であるありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌剤、および抗真菌剤などが挙げられる。適切な担体、希釈剤および/または賦形剤の例としては、水、アミノ酸、生理食塩水、リン酸緩衝食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどの1つまたは複数、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。多くの場合、組成物に糖、多価アルコール、または塩化ナトリウムなどの等張剤を含めることが好ましく、調合物は、トリプタミンなどの抗酸化剤およびツイーン20などの安定剤もまた含有してもよい。
【0618】
「薬学的に許容可能な希釈剤」としては、例えば、生理学的適合性である、溶剤、増量剤、安定剤、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などが挙げられる。薬学的に許容可能な希釈剤の例としては、生理食塩水、リン酸緩衝食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどの1つまたは複数ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。多くの場合、例えば、トレハロースおよびスクロースなどの糖、マンニトールまたはソルビトールなどのポリアルコール、または塩化ナトリウムなどの1つまたは複数の等張剤を組成物に含めることが好ましい。湿潤剤または少量の湿潤剤もしくは乳化剤、保存料もしくは緩衝剤のような補助剤などの薬学的に許容可能な物質もまた、本発明の範囲内である。さらに組成物は、緩衝液、結合剤、ブラスチング剤、希釈剤、香料、および潤滑剤などの賦形剤を含有し得る。
【0619】
医薬組成物の形態、投与経路、投与量、およびレジメンは、必然的に、治療される病状、疾患の重症度、患者の年齢、体重、および性別などに依存する。この医薬組成物は、(それを患者に投与する所望の方法に応じて)任意の適切な形態であってもよい。それは、単位用量剤形で提供されてもよく、一般に密封容器内に提供され、キットの一部として提供されてもよい。このようなキットには、通常、(必ずしも必須ではないが)使用説明書が含まれる。それは、複数の前記単位用量剤形を含んでもよい。
【0620】
生物学的半減期などの経験的考察事項は、一般的に投与量の決定に寄与する。投与の頻度は、治療の過程で判定および調整されてもよく、がん細胞の数を低減すること、がん細胞の減少を維持すること、がん細胞の増殖を低減すること、またはがん細胞を滅殺することに基づいている。代案としては、抗原結合タンパク質の持続的な徐放性製剤が適切であってもよい。徐放を達成するための様々な製剤および装置が当該技術分野で公知である。
【0621】
一実施形態では、抗原結合タンパク質の投与量は、1回または複数回の投与を受けた個人において経験的に決定され得る。個人には、抗原結合タンパク質の漸増投与量が与えられる。抗原結合タンパク質の有効性を評価するために、がん細胞の状態のマーカーが追跡され得る。これらとしては、FACS、その他の画像技術によるがん細胞増殖および細胞死の直接測定;およびこのような測定によって評価される健康の改善、または認められた試験または生存期間の延長によって測定される生活の質の向上が挙げられる。投与量は、個人、疾患の病期、および使用されている過去および並行治療に応じて変動することが当業者には明らかであろう。
【0622】
本発明の医薬組成物は、局所、経口、非経口、鼻腔内、静脈内、筋肉内、皮下または眼内投与などのために製剤化され得る。このような組成物は、薬学の分野で公知の任意の方法によって、例えば、無菌条件下で活性成分を担体または賦形剤と混合することによって、調製されてもよい。
【0623】
特に、医薬組成物は、注射できる製剤のために、薬学的に許容可能なビヒクルを含有する。これらは、特に等張性、滅菌、生理食塩水(リン酸一ナトリウムまたは二ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムなど、またはこのような塩の混合物)、または乾燥した、特に凍結乾燥した組成物であってもよく、これは滅菌水または生理食塩水の添加時に、注射液の構成が可能になる。
【0624】
投与に使用される用量は、様々なパラメーターの関数として、特に、使用される投与様式、関連病理、または代案としては所望の治療持続期間の関数として適合され得る。
【0625】
医薬組成物を調製するために、本発明の有効量の抗原結合タンパク質は、薬学的に許容可能な担体または水性媒体に、溶解または分散されてもよい。
【0626】
注射用途に適した医薬品形態としては、滅菌水溶液または分散液;ゴマ油、落花生油または水性プロピレングリコールを含む製剤;および無菌の注射液または分散液の即時調合のための無菌粉末が挙げられる。全ての場合において、形態は無菌でなければならず、容易に注射針通過性程度に流動性でなければならない。それは、製造および保管の条件下で安定している必要があり、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保存されている必要がある。
【0627】
遊離塩基または薬理学的に許容可能な塩としての活性化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合された水中で調製され得る。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物、および油中で調製され得る。通常の保存および使用条件下で、これらの製剤は、微生物の増殖を防ぐ保存料を含有する。
【0628】
本発明の抗原結合タンパク質は、中性または塩形態で組成物に調合され得る。薬学的に許容可能な塩としては、酸付加塩(タンパク質の遊離アミノ基で形成される)が挙げられ、これは、例えば、塩酸またはリン酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などの有機酸で形成される。遊離カルボキシル基で形成される塩はまた、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、または水酸化第二鉄などの無機塩基、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、グリシン、ヒスチジン、プロカインなどのような有機塩基に由来し得る。
【0629】
本開示によるこれらの塩は、アニオンとしてのPO4
3-、SO4
2-、CH3COO-、Cl-、Br-、NO3
-、ClO4
-、I-、SCN-、およびカチオンとしてのNH4
+、Rb+、K+、Na+、Cs+、Li+、Zn2+、Mg2+、Ca2+、Mn2+、Cu2+、およびBa2+を含んでなるホフマイスター系列の塩類などのアルカリ塩および土類アルカリ塩もまた含んでもよい。特に塩は、(NH4)3PO4、(NH4)2HPO4、(NH4)H2PO4、(NH4)2SO4、NH4CH3COO、NH4Cl、NH4Br、NH4NO3、NH4CIO4、NH4I、NH4SCN、Rb3PO4、Rb2HPO4、RbH2PO4、Rb2SO4、Rb4CH3COO、Rb4Cl、Rb4Br、Rb4NO3、Rb4CIO4、Rb4I、Rb4SCN、K3PO4、K2HPO4、KH2PO4、K2SO4、KCH3COO、KCl、KBr、KNO3、KClO4、KI、KSCN、Na3PO4、Na2HPO4、NaH2PO4、Na2SO4、NaCH3COO、NaCl、NaBr、NaNO3、NaCIO4、NaI、NaSCN、ZnCI2Cs3PO4、Cs2HPO4、CsH2PO4、Cs2SO4、CsCH3COO、CsCl、CsBr、CsNO3、CsCIO4、CsI、CsSCN、Li3PO4、Li2HPO4、LiH2PO4、Li2SO4、LiCH3COO、LiCl、LiBr、LiNO3、LiClO4、LiI、LiSCN、Cu2SO4、Mg3(PO4)2、Mg2HPO4、Mg(H2PO4)2、Mg2SO4、Mg(CH3COO)2、MgCl2、MgBr2、Mg(NO3)2、Mg(ClO4)2、MgI2、Mg(SCN)2、MnCl2、Ca3(PO4)、Ca2HPO4、Ca(H2PO4)2、CaSO4、Ca(CH3COO)2、CaCl2、CaBr2、Ca(NO3)2、Ca(ClO4)2、CaI2、Ca(SCN)2、Ba3(PO4)2、Ba2HPO4、Ba(H2PO4)2、BaSO4、Ba(CH3COO)2、BaCl2、BaBr2、Ba(NO3)2、Ba(ClO4)2、BaI2、およびBa(SCN)2から選択される。特に好ましいのは、例えば、塩化物塩または酢酸塩(トリフルオロ酢酸塩)などのNH酢酸塩、MgCl2、KH2PO4、Na2SO4、KCl、NaCl、およびCaCl2である。
【0630】
担体はまた、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適切な混合物、および植物性油を含有する、溶媒または分散媒であり得る。例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散体の場合は必要な粒度の維持によって、および界面活性剤の使用によって、適切な流動性が保たれ得る。微生物の作用の防止は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどの様々な抗菌剤および抗真菌剤によってもたらされ得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含めることが好ましいであろう。注射可能な組成物の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの組成物中の使用によってもたらされ得る。
【0631】
したがって、一実施形態では担体は、水性担体である。
【0632】
「水性担体」は、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩やグリシンやソルビン酸やソルビン酸カリウムなどの緩衝物質、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、硫酸プロタミンやリン酸水素二ナトリウムやリン酸二カルシウムやリン酸水素カリウムや塩化ナトリウムや亜鉛塩などの塩または電解質、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン酢酸ビニル、セルロースベースの物質(例えば、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸メチルセルロースヒドロキシプロピル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート)、デンプン、ラクトース一水和物、マンニトール、トレハロースラウリル硫酸ナトリウム、およびクロスカルメロースナトリウム、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ワックス、ポリエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂をさらに含有し得る。
【0633】
別の態様では、水性担体は、本明細書に記載のペプチドまたはその他の分子と組み合わされると、例えば、改善された溶解性、有効性、および/または改善された免疫療法などの改善された特性を与えることができる。
【0634】
滅菌注射液は、必要に応じて、上に列挙されるその他の様々な成分と共に、適切な溶媒に必要な量の活性化合物を組み込んだ後、濾過滅菌によって調製される。一般に、分散液は、様々な滅菌された活性成分を、基礎的分散媒および上に列挙されたものからの必要なその他の成分を含有する、滅菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。滅菌注射液の調製のための無菌粉末の場合、好ましい調製法としては、活性成分と、あらかじめ滅菌濾過された溶液からの任意の追加的な所望の成分との粉末をもたらす、真空乾燥および凍結乾燥技術が挙げられる。
【0635】
直接注射のためのより濃縮された、または高度に濃縮された溶液の調製もまた想定され、ここで、溶媒としてのDMSOの使用は、非常に迅速な浸透をもたらし、小さな腫瘍領域に高濃度の活性剤を送達することが想定される。
【0636】
製剤化されると、溶液は、投与剤形と適合性のある様式で、治療的に有効であるような量で投与される。製剤は、上記の注射液のタイプなどの様々な剤形で容易に投与されるが、薬物放出カプセルなどもまた使用され得る。
【0637】
本発明の文脈における全身投与のための製剤は、経腸投与、非経口投与、または局所投与のために製剤化されてもよい。実際、有効成分の全身投与を達成するために、3つのタイプの製剤全てが同時に使用されてもよい。非経口および非経口薬物送達のための賦形剤ならびに製剤は、その内容全体が参照により本明細書に援用される、Remington:The Science and Practice Of Pharmacy,21st Edition,Lippincott Williams & Wilkins Publishing(2005)に記載されている。
【0638】
例えば、水溶液中の非経口投与では、必要に応じて溶液を適切に緩衝化し、液体希釈剤を最初に十分な生理食塩水またはグルコースで等張にする必要がある。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内投与に特に適する。これに関連して、採用し得る無菌水性媒体は、本開示に照らして当業者には既知であろう。例えば、1用量が1mlの等張NaCl溶液に溶解され、1000mlの皮下注射液に添加されるか、または提案された注入部位に注射される(例えば、「Remington's Pharmaceutical Sciences」 15th Edition,pages 1035-1038および1570-1580を参照されたい)。用量のいくらかの変動は、治療される対象の状態に応じて必然的に発生する。いずれにせよ、投与の責任者が、個々の対象に適切な用量を決定するであろう。
【0639】
一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は治療混合物に製剤化され、1用量当たり約0.01~100ミリグラム前後を含んでなる。
【0640】
静脈内または筋肉内注射などの非経口投与のために製剤化された抗原結合タンパク質に加えて、その他の薬学的に許容可能な形態としては、例えば、経口投与のための錠剤またはその他の固体;徐放性カプセル;および現在使用されているその他の任意の形態が挙げられる。
【0641】
経口投与に適した製剤としては、硬質または軟質ゼラチンカプセル、丸薬、コーティングされた錠剤をはじめとする錠剤、エリキシル剤、懸濁液、シロップまたは吸入、およびそれらの放出制御形態が挙げられる。一般に、これらの薬剤は、注射による投与(例えば、腹腔内、静脈内、皮下、筋肉内など)のために製剤化されるが、その他の形態の投与(例えば、経口、粘膜など)もまた使用され得る。したがって、抗原結合タンパク質は、好ましくは、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液などの薬学的に許容可能なビヒクルと組み合わされる。
【0642】
特定の実施形態では、リポソームおよび/またはナノ粒子の使用は、宿主細胞への抗原結合タンパク質などのポリペプチドの導入のために想定される。リポソームおよび/またはナノ粒子の形成および使用は、当業者に知られている。
【0643】
ナノカプセルは一般に、安定した再現性のある方法で化合物を封入し得る。細胞内の高分子過負荷による副作用を回避するため、このような超微粒子(約0.1μmのサイズ)は、一般に、生体内で分解できるポリマーを使用して設計されている。これらの要件を満たす生分解性ポリアルキルシアノアクリレートナノ粒子は、本発明での使用が想定されている。
【0644】
リポソームはリン脂質から形成されるが、これは水性媒体に分散されて自然発生的に多重膜同心円状二重層小胞(多重膜小胞(MLV)とも称される)を形成する。MLVは一般に、25nm~4μmの直径を有する。MLVの超音波処理は、コアに水溶液を含有する、直径が200~500Aの範囲の小さな単層小胞(SUV)の形成をもたらす。リポソームの物理的特性は、pH、イオン強度、および二価陽イオンの存在に依存する。
【0645】
ひとたび医薬組成物が調合されたら、それは、溶液、懸濁液、ゲル、エマルション、固体として、または脱水または凍結乾燥粉末として、滅菌バイアル内に保存され得る。このような製剤は、すぐ使用できる形態、または投与に先だって水戻しを要する形態(例えば、凍結乾燥形態)のどちらかで、保存され得る。
【0646】
治療法と使用法
本発明者らは、実験の項の実施例5において、HiAff1またはLoAff3のαおよびβ可変ドメインを含んでなり、CDR3重鎖および軽鎖可変ドメインを含んでなる、二重特異性化合物などの本発明のいくつかの二重特異性化合物について、UACC257、Hs695T、およびU2OSなどのPRAME陽性がん細胞株に対するこれらのコンストラクトの細胞傷害活性を生体外で示した。本発明者らは、HLA-A*02を発現するがペプチドPRAME-004を提示しない細胞株において、二重特異性抗原結合タンパク質によってわずかな溶解のみが誘導されたことから、前記細胞傷害活性が非常に特異的であり、PRAME陽性細胞に限定されることをさらに実証した。
【0647】
さらに、本発明者らは、超免疫不全マウスNOG系統における薬力学的試験で、HiAff1のαおよびβ可変ドメインとCDR3重鎖および軽鎖可変ドメインを含んでなる二重特異性化合物などの本発明の抗原結合タンパク質の生体内効力を実証した。より具体的には、このマウス系統は、皮下注射されたヒト腫瘍細胞株HS695Tおよび静脈内注射されたヒト末梢血単核細胞異種移植片の宿主であった。ヒト血液細胞の移植後1時間以内に、処置が開始された。二重特異性化合物による処置は、生体内で強力な抗がん活性および有効性を示した。生体内実験については、実験の項にさらに記載する。
【0648】
したがって、本発明の抗原結合タンパク質、特にFc含有二重特異性TCR/mAbダイアボディなどの二重特異性抗原結合タンパク質は、例えば、様々な形態のがん、感染症、自己免疫または炎症状態、および/または線維症状態をはじめとする様々な病状の治療に使用されてもよい。本発明の抗原結合タンパク質は、ヒトおよび/または非ヒト哺乳類の動物における治療目的で使用されてもよい。一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、腫瘍細胞に結合し、それらの細胞表面上にペプチドSLLQHLIGL(配列番号8)/MHC複合体提示する、腫瘍細胞の増殖を低減しおよび/または殺滅し得る。抗原結合タンパク質は、生理学的(例えば、生体内)条件での結合を促進する濃度で投与されることが理解される。別の実施形態では、抗原結合タンパク質は、結腸、肺、乳房、前立腺、卵巣、膵臓、腎臓などの異なる組織の腫瘍細胞に向けられた免疫療法のために使用され得る。別の実施形態では、抗原結合タンパク質は、単独で腫瘍細胞に結合し、その増殖を低減しおよび/または殺滅し得る。
【0649】
したがって、一実施形態では、本発明は、それを必要とする対象に、本発明に従って、本明細書で上に「抗原結合タンパク質」、「核酸」または「医薬組成物」の項で定義される、治療有効量の抗原結合タンパク質、核酸またはベクター、宿主細胞または医薬組成物を投与することを含んでなる、増殖性疾患または障害を治療または予防する方法を提供する。
【0650】
一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質、本発明の核酸または本発明のベクター、本発明の宿主細胞または本発明の医薬組成物は、増殖性疾患の診断、予防、および/または治療で使用するためのものである。
【0651】
本発明は、対象における増殖性疾患または障害を治療または予防するための薬剤を調製するための、本発明による抗原結合タンパク質、核酸またはベクター、宿主細胞または医薬組成物の使用にさらに言及する。
【0652】
一実施形態では、本発明は、対象における疾患または障害を治療または予防するための、本発明による抗原結合タンパク質、核酸またはベクター、宿主細胞または医薬組成物の使用に言及する。
【0653】
「対象」または「個体」という用語は同義的に使用され、例えば、ヒトまたは非ヒト哺乳類、好ましくは、ヒトであってもよい。
【0654】
本発明の文脈における「治療する」または「治療」という用語は、治療的使用(すなわち所与の疾患を有する対象における)を指し、このような障害または病状の1つまたは複数の症状の進行を逆転させ、緩和し、阻害することを意味する。したがって、治療は、疾患の完全な治癒をもたらす治療だけでなく、疾患の進行を遅らせ、および/または対象の生存を延長する治療も指す。
【0655】
「予防する」とは、予防的使用(すなわち所与の疾患に罹り易い対象における)を意味する。
【0656】
一実施形態では、「疾患」または「障害」は、本発明の抗原結合タンパク質による治療から利益を得るであろう任意の病状である。一実施形態では、これは、対象を問題の障害に罹り易くする病的状態も含めた、慢性および急性の障害または疾患を含む。「治療を必要とする」という用語は、既に障害を有する対象、ならびに障害が予防されるべき対象を指す。
【0657】
特定の実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質は、二重特異性、より具体的には本明細書に記載されるようなFc含有二重特異性TCR/mAbダイアボディである。
【0658】
がんなどの「増殖性疾患」は、細胞の無制御および/または不適切な増殖を伴い、隣接組織の破壊および新規血管の成長を伴うことがあり、これは、がん細胞の新規領域への侵入、すなわち転移を可能にする。抗原結合タンパク質を用いて治療可能な病状には、結腸直腸ポリープ、脳虚血、肉眼的嚢胞性疾患、多発性嚢胞腎疾患、良性前立腺肥大、および子宮内膜症をはじめとする、不適切な細胞増殖を伴う非悪性状態が含まれる。本発明の抗原結合タンパク質を使用して、血液学的または固形腫瘍の悪性腫瘍が治療され得る。より具体的には、抗原結合タンパク質を使用して治療され得る細胞増殖性疾患としては、例えば、中皮腫、扁平上皮細胞がん腫、骨髄腫、骨肉腫、膠芽細胞腫、神経膠腫、がん腫、腺がん、黒色腫、肉腫、急性および慢性の白血病、リンパ腫、および髄膜腫、ホジキン病、セザリー症候群、多発性骨髄腫、および肺がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、喉頭がん、乳がん、頭頸部がん、膀胱がん、卵巣がん、皮膚がん、前立腺がん、子宮頸がん、膣がん、胃がん、腎細胞がん、腎臓がん、膵臓がん、結腸直腸がん、子宮内膜がん、食道がん、肝胆道がん、骨がん、皮膚がん、および血液がん、ならびに鼻腔および副鼻腔、鼻咽頭、口腔、中咽頭、喉頭、喉頭下部、唾液腺、縦隔、胃、小腸、結腸、直腸および肛門部、尿管、尿道、陰茎、精巣、外陰部、内分泌系、中枢神経系およびプラズマ細胞のがんが挙げられる。
【0659】
したがって、一実施形態では、増殖性障害はがんである。
【0660】
さらなる実施形態では、がんは、PRAME抗原が過剰発現され、変異し、および/またはMHCに関連するPRAME由来の腫瘍関連抗原が提示されるがんである。
【0661】
好ましい一実施形態では、前記がんは、非小細胞肺がんや小細胞肺がんなどの肺がん、肝臓がん、頭頸部がん、皮膚がん、腎細胞がん、脳がん、胃がん、結腸直腸がん、肝細胞がん、膵臓がん、前立腺がん、白血病、乳がん、メルケル細胞がん腫、黒色腫、卵巣がん、膀胱がん、子宮がん、胆嚢および胆管がん、および食道がん、好ましくは卵巣がん、白血病または黒色腫からなるリストから選択される。
【0662】
一実施形態では、がんが、PRAME抗原が過剰発現され、変異し、および/またはMHCに関連するPRAME由来の腫瘍関連抗原が提示されるがんであるはどうかは、例えば、本発明の抗原結合タンパク質、特に例えば、本明細書で上に定義されるような第1の可変ドメインと第2の可変ドメインのみ(したがって、本発明の抗原結合タンパク質に関して本明細書で上に定義されるように、CDRa1、CDRa2、CDRa3、およびCDRa1、CDRb2、CDRb3に限定される)を含んでなる抗原結合タンパク質を使用することによって、容易にアッセイされる抗原結合タンパク質を使用してがんを発現する抗原を同定する方法は、当業者に知られている。
【0663】
がん治療の指針を提供するテキストとしては、Cancer,Principles and Practice of Oncology,4th Edition, DeVita et al,Eds.J.B.Lippincott Co.,Philadelphia,Pa.(1993)がある。適切な治療アプローチは、特定のタイプのがん、および関連分野で認識されているように、患者の全身状態などのその他の要因に応じて選択される。本発明の抗原結合タンパク質は、それ自体で使用され得て、またはがん患者を治療する際にその他の抗腫瘍剤を使用する治療レジメンに加え得る。
【0664】
いくつかの実施形態では、抗原結合タンパク質は、例えば、化学療法剤、非化学療法剤、抗腫瘍剤、および/または放射線などのがん治療において広く採用されている様々な薬剤および治療と同時、前、または後に投与され得る。例えば、化学療法および/または放射線は、本明細書に記載の治療のいずれかの前、最中、および/または後に起こり得る。化学療法剤の例は上で考察されており、これらに限定されるものではないが、シスプラチン、タキソール、エトポシド、ミトキサントロン(ノバントロン(登録商標))、アクチノマイシンD、シクロヘキシミド、カンプトテシン(またはその水溶性誘導体)、メトトレキサート、マイトマイシン(例えば、マイトマイシンC)、ダカルバジン(DTIC)、アドリアマイシン(ドキソルビシン)およびダウノマイシンなどの抗腫瘍性抗生物質、および上記の全ての化学療法剤が挙げられる。
【0665】
抗原結合タンパク質はまた、例えば、慢性HBV感染症、HCV感染症、HIV感染症、エプスタインバーウイルス(EBV)感染症、またはサイトメガロウイルス(CMV)感染症などの感染性疾患の治療にも使用され得る。
【0666】
抗原結合タンパク質は、特定の細胞型を枯渇させることが有益であるそ他の種類の病状で、さらに使用され得る。例えば、喘息におけるヒト好酸球の枯渇、全身性エリテマトーデスにおける過剰なヒトB細胞の枯渇、自己免疫状態における過剰なヒトTh2T細胞の枯渇、または感染症における病原体感染細胞の枯渇は、有益であり得る。線維症状態では、線維性組織を形成する細胞を枯渇させることが有用であり得る。
【0667】
本発明の抗原結合タンパク質またはその医薬組成物は、それ自体で投与され得て、またはこのような感染症を治療するために使用される他の治療薬の投与と同時に、前に、または後に投与され得る。
【0668】
本明細書における「診断」は、医学的診断を意味し、どの疾患または病状が、人の症状および徴候を説明するかを判定することを指す。
【0669】
抗原結合タンパク質またはその医薬組成物の「治療有効量」とは、任意の医学的治療に適用可能な合理的な利益/リスク比で、前記増殖性疾患を治療するのに十分な量の抗原結合タンパク質を意味する。しかしながら、本発明の抗原結合タンパク質、核酸またはベクター、宿主細胞または医薬組成物の毎日の総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解されるであろう。任意の特定の患者に対する特定の治療有効量レベルは、治療される障害および障害の重症度;使用される特定の抗原結合タンパク質の活性;用いられる特定の組成物、患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別、および食生活;投与時間、投与経路、および用いられる特定のポリペプチドの排泄速度;治療持続期間;用いられる特定のポリペプチドと組み合わせてまたは同時に使用される薬物;および医学分野で周知の同様の要因をはじめとする様々な要因に依存する。例えば、所望の治療効果を達成するために必要とされるレベルよりも低いレベルで化合物の投与を開始し、所望の効果が達成されるまで用量を徐々に増加させることは、当業者の技術の範囲内で周知である。
【0670】
例えば、本発明の抗原結合タンパク質、本発明の核酸または本発明のベクター、本発明の宿主細胞または本発明の医薬組成物は、週2回、週1回、2、3、4、5、6、7、8、9または10週間に1回、または2、3、4、5または6ヶ月に1回投与され得る。各日に投与される治療有効量は、約0.0036mg~約450mgであり得る。代案としては、用量は、患者の推定皮膚表面に従って較正され得て、各用量は、約0.002mg/m2~約250mg/m2であり得る。別の代案では、用量は、患者の体重に従って較正され得て、各用量は、約0.000051mg/kg~約6.4mg/kgであり得る。
【0671】
一実施形態では、本発明の抗原結合タンパク質による治療の有効性は、例えば、がんのマウスモデルにおいて、生体内で、例えば、治療群と対照群との間の腫瘍体積の変化を測定することによってアッセイされる。
【0672】
本発明の抗原結合タンパク質の投与量は、治療される疾患または障害、治療される個体の年齢および状態などに応じて、広い範囲内で変動し得て;例えば、二重特異性ポリペプチド分子の適切な用量範囲は、10ng/kg~100ng/kgの間、好ましくは25ng/kg~50μg/kgの間であってもよい。最終的には、医師が適切な用量を決定する。
【0673】
本発明の医薬組成物、ベクター、核酸、および細胞は、実質的に純粋形態で提供されてもよく、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%純粋である。
【0674】
本発明の抗原結合タンパク質、本発明の核酸または本発明のベクター、本発明の宿主細胞または本発明の医薬組成物は、任意の実行可能な方法によって投与され得る。タンパク質治療薬は通常、例えば注射などの非経口経路によって投与されるが、これは、経口投与が、特別な製剤または状況がない場合、胃の酸性環境内でタンパク質の断片化および/または加水分解を引き起こすためである。皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、病巣内、または腹膜のボーラス注射が可能な投与経路である。本発明の抗原結合タンパク質、本発明の宿主細胞、または本発明の医薬組成物はまた、例えば、静脈内または皮下注入などのを注入を介して投与され得る。特に皮膚に関連する疾患の場合、局所投与もまた可能である。代案としては、抗原結合タンパク質は、例えば、鼻腔内、舌下、膣、または直腸投与または吸入剤としての投与によって、粘膜との接触を介して投与され得る。代案としては、特定の適切な医薬組成物は、経口投与され得る。
【0675】
本明細書で開示されているように、いくつかの実施形態では、本明細書に上で定義されるような宿主細胞は、本明細書に記載の医学的使用または治療方法において使用される。同じ実施形態において、宿主細胞は、好ましくは、a)Tリンパ球またはTリンパ球前駆細胞などのリンパ球、例えば、CD4またはCD8陽性T細胞、最も好ましくはT細胞である。
【0676】
したがって、本発明の宿主細胞、好ましくはT細胞は、治療用組成物の活性成分として使用されてもよい。したがって、本発明はまた、標的細胞がペプチドSLLQHLIGL(配列番号8)を含んでなるポリペプチドを異常に発現する患者において標的細胞を殺滅する方法を提供し、方法は、患者に有効数の宿主細胞、好ましくはT細胞を投与することを含んでなる。この方法の文脈において、宿主細胞は、ひとたび対象に投与されると、好ましくは免疫応答を惹起する。
【0677】
したがって、本明細書で上に定義されるような宿主細胞は、対象からのもの(自系)または別の個体からのものであってもよく:好ましくは、前記その他の個体は健康である。
【0678】
特定の例では、宿主細胞はT細胞である。したがって、本発明の文脈において、本明細書で上に定義されるT細胞が薬剤として使用される場合、通常、T細胞は、アフェレーシスによって対象から採取される。次に、T細胞は、それらの細胞表面上に本発明の抗原結合タンパク質を発現するように遺伝子操作され、次に、遺伝子操作されたT細胞は増殖され、次に、対象に再注入される。この例では、抗原結合タンパク質は好ましくはTCRである。
【0679】
別のアプローチでは、宿主細胞は、間葉系幹細胞などの幹細胞であってもよく、本発明の抗原結合タンパク質を発現するように操作される。この例では、抗原結合タンパク質は、本明細書で上記に定義されるような抗体、scTCRまたはダイアボディなどの可溶性タンパク質である。
【0680】
したがって、宿主細胞は、本明細書で上に「核酸、ベクター、および組換え宿主細胞」の項に記載されるように、本発明による核酸および/またはベクターで形質移入され、感染または形質転換されている。
【0681】
本発明の抗原結合タンパク質を発現するために宿主細胞が形質移入される場合、好ましくは、細胞は、抗原結合タンパク質を発現できる発現ベクターを含んでなる。その場合、宿主細胞は、活性化宿主細胞と称されてもよい。
【0682】
「異常に発現される」によって、本発明者らは、正常な(健康な)組織における発現レベルと比較して、ポリペプチドが過剰発現されること、または腫瘍がそれに由来する組織においては遺伝子がサイレントであるが、腫瘍においてはそれが発現されることもまた意味する。「過剰発現」によって、本発明者らは、ポリペプチドが、正常組織に存在するレベルの少なくとも1.2倍のレベルで;好ましくは正常組織に存在するレベルの少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも5倍または10倍のレベルで存在することを意味する。
【0683】
このいわゆるT細胞の養子免疫伝達のためのプロトコルは、当該技術分野で周知である。概説は、Gattioni et al.and Morgan et al.(Gattinoni,L.et al.,Nat.Rev.Immunol.6(2006):383-393;Morgan,R.A.et al.,Science 314(2006):126-129)にある。
【0684】
一態様では、TCR誘発免疫応答またはT細胞応答は、生体外または生体内で、SLLQHLIGL(配列番号8)などのペプチドによって誘導されるエフェクター機能の増殖および活性化を指してもよい。例えば、MHCクラスI拘束性細胞傷害性T細胞では、エフェクター機能は、ペプチドパルスされた、ペプチド前駆体パルスされた、または天然にペプチドを提示する、標的細胞の溶解;好ましくはペプチドによって誘導されるインターフェロン-γ、TNF-α、またはIL-2であるサイトカインの分泌;例えば、ペプチドによって誘導されるグランザイムまたはパーフォリンであるエフェクター分子の分泌;または脱顆粒であってもよい。
【0685】
生体外でT細胞を作製するために、その他のいくつかの方法が使用されてもよい。例えば、自己由来腫瘍浸潤性リンパ球が、CTLの作製において使用され得る。Plebanski et al.(Plebanski,M.et al.,Eur.J Immunol 25(1995):1783-1787)は、T細胞の調製において自系末梢血リンパ球(PLB)を利用した。B細胞もまた、自己由来T細胞の製造において使用され得る。
【0686】
T細胞の調製では、同種異系細胞もまた使用されてもよく、方法は、参照によって本明細書に援用される、米国特許第6805861号明細書で詳細に記載されている。
ペプチドSLLQHLIGL(配列番号8)に向けられた本発明の抗原結合タンパク質を発現する宿主細胞は、治療において有用である。したがって、本発明のさらなる態様は、前述の本発明の方法によって入手可能な活性化宿主細胞を提供する。
【0687】
上記の方法によって製造される活性化宿主細胞は、ペプチドSLLQHLIGL(配列番号8)を含んでなるポリペプチドを異常に発現する細胞を選択的に認識してもよい。
【0688】
一態様では、宿主細胞、特にT細胞は、その抗原結合タンパク質、特にそのTCRを介して、PRAME-004複合体と相互作用(例えば、結合)することによって、細胞を認識する。宿主細胞は、標的細胞がペプチドSLLQHLIGL(配列番号8)を含んでなるポリペプチドを異常に発現する患者の標的細胞を殺滅する方法において有用であり、ここで、患者は、有効数の活性化宿主細胞を投与される。患者に投与されるT細胞は、患者に由来して、上述のように活性化されてもよい(すなわちそれらは自己T細胞である)。代案としては、T細胞は、患者でなく別の個人に由来する。もちろん、個人が健常人であれば、それが好ましい。「健常人」によって、本発明者らは、個人が概して健康良好であり、好ましくは有能な免疫系を有して、より好ましくは容易に検査され検出され得るいかなる疾患にも罹患していないことを意味する。
【0689】
生体内では、本発明によるCD8陽性T細胞の標的細胞は、腫瘍細胞(これは時にMHCクラスIIを発現する)および/または腫瘍(腫瘍細胞)周囲の間質細胞であり得る(これも時にMHCクラスIIを発現する;(Dengjel,J.et al.,Clin Cancer Res 12(2006):4163-4170))。
【0690】
キット
最後に、本発明はまた、本発明の少なくとも1つの抗原結合タンパク質を含んでなるキットを提供する。
【0691】
一実施形態では、キットは、
a)本明細書で上に「抗原結合タンパク質」の項で定義される少なくとも1つの本発明の抗原結合タンパク質;
b)任意選択的に、包装材料、および
c)任意選択的に、がんを治療するのに、またはがんの治療で使用するのに、前記抗原結合タンパク質が有効であることを示す、前記包装材料内に含まれるラベルまたは包装挿入物
を含んでなる。
【0692】
関連する実施形態では、本発明の少なくとも1つの抗原結合タンパク質は、単一および/または複数チャンバーのプレフィルドシリンジ(例えば、液体シリンジおよび溶解シリンジ)に含有されている。
【0693】
一実施形態では、本発明は、単回用量投与ユニットを製造するためのキットを包含する。
【0694】
したがって、一実施形態では、本発明のキットのa)で言及される本発明の少なくとも1つの抗原結合タンパク質は、第1の容器に含有される本発明の乾燥抗原結合タンパク質である。次に、キットは、水性製剤を有する第2の容器をさらに含む。
【0695】
したがって、キットは、
a)本明細書で上に「抗原結合タンパク質」の項で定義される本発明の少なくとも1つの乾燥抗原結合タンパク質を含んでなる第1の容器、
b)水性製剤を含んでなる第2の容器;
c)任意選択的に、包装材料、および
d)任意選択的に、がんを治療するのに、またはがんの治療で使用するのに、前記抗原結合タンパク質が有効であることを示す、前記包装材料内に含まれるラベルまたは包装挿入物
を含んでなる。
【0696】
水性製剤は、典型的には、本明細書で上に「医薬組成物」の項で定義される、薬理的に許容可能な担体を含んでなる水溶液である。
【0697】
関連する実施形態では、「第1の容器」および「第2の」容器は、複数チャンバーのプレフィルドシリンジ(例えば、溶解シリンジ)のチャンバーを指す。
【0698】
本出願を通して、「および/または」という用語は、それが接続する1つまたは複数の状況が発生してもよいことを包含すると解釈されるべき文法的接続詞である。例えば、「このような天然配列タンパク質は、標準的な組換えおよび/または合成方法を使用して調製され得る」という表現は、天然配列タンパク質が、標準的な組換え法と合成法とを使用して調製され得ること、天然配列タンパク質が、標準組換え法を使用して調製され得ること、または天然配列タンパクが、質合成法を使用して調製され得ることを示す。
【0699】
さらに、本出願を通して、「含んでなる」という用語は、具体的に言及された全ての機能、ならびに任意選択的で、追加的な、特定されていない機能を包含すると解釈されるべきである。本明細書で使用される場合、「含んでなる」という用語の使用はまた、具体的に言及された特徴以外の特徴が存在しない(すなわち「からなる」)実施形態も開示する。
【0700】
さらに、不定冠詞「a」または「an」は、複数を除外しない。特定の措置が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの措置の組み合わせを有利に使用できないことを示すものではない。
【0701】
次に、以下の図および実施例を参照して、本発明をより詳細に説明する。本明細書で引用される全ての文献および特許文献は、本明細書に参照により援用される。本発明を図示し、前述の説明で詳細に説明してきたが、実施例は例示的または模範的なものであり、制限的なものではないと見なされるべきである。
【0702】
アジュバント
本発明の抗原結合タンパク質は、T細胞応答を刺激できることが示されている(実施例5および6)。したがって、本発明の抗原結合タンパク質は、それによって腫瘍細胞が破壊され得る、患者における免疫応答を生じさせるのに有用である。患者における免疫応答は、記載された抗原結合タンパク質を理想的には免疫原性を増強する薬剤(すなわちアジュバント)と組み合わせて、患者に直接投与することによって誘導され得る。ペプチドSLLQHLIGL(配列番号8)は、同等のコピー数で正常組織上に提示または過剰提示されないことから、このような治療的ワクチン接種に由来する免疫応答は、腫瘍細胞に対して非常に特異的であると予想され得て、患者の正常細胞に向けられた望まれない自己免疫反応のリスクを防ぐ。
【0703】
本発明の薬剤は、1つまたは複数のアジュバントもまた含んでもよい。アジュバントは、免疫応答(例えば、CD8陽性T細胞およびヘルパーT(TH)細胞によって媒介される抗原に対する免疫応答を非特異的に促進または増強する物質であり、したがって、本発明の薬剤中で有用であると見なされる。適切なアジュバントとしては、1018 ISS、アルミニウム塩、AMPLIVAX(登録商標)、AS15、BCG、CP-870,893、CpG7909、CyaA、dSLIM、フラジェリンまたはフラジェリン由来のTLR5リガンド、FLT3リガンド、GM-CSF、IC30、IC31、イミキモド(ALDARA(登録商標))、レシキモド、ImuFact IMP321;IL-2、IL-13、IL-21、インターフェロン-αまたは-βなどのインターロイキン、またはそれらのPEG化誘導体;ISパッチ、ISS、ISCOMATRIX、ISCOMs、JuvImmune(登録商標)、LipoVac、MALP2、MF59、モノホスホリルリピドA、モンタニドIMS 1312、モンタニドISA 206、モンタニドISA 50V、モンタニドISA-51、油中水型および水中油型エマルション、OK-432、OM-174、OM-197-MP-EC、ONTAK、OspA、PepTel(登録商標)ベクターシステム、ポリ(ラクチドコグリコリド)[PLG]-ベースおよびデキストラン微粒子、タラクトフェリンSRL172、ビロソームおよびその他のウイルス様粒子、YF-17D、VEGFトラップ、R848、β-グルカン、Pam3Cys、サポニン由来のAquila's QS21スティミュロン、マイコバクテリア抽出物および合成細菌細胞壁模倣体;およびRibi's Detox、Quil、またはSuperfosなどのその他の独自仕様のアジュバントが挙げられるが、これに限定されるものではない。フロイントまたはGM-CSFなどのアジュバントが好ましい。樹状細胞およびそれらの調製物に対して特異的な、いくつかの免疫学的アジュバント(例えばMF59)が、以前記載されている(Allison,J.P.et al.,Science 270(1995):932-933)。サイトカインもまた使用されてもよい。数種のサイトカインは、樹状細胞のリンパ組織(例えばTNF-)への遊走に影響を与えること、Tリンパ球(例えば、GM-CSF、IL-1、およびIL-4)のための効率的な抗原提示細胞への樹状細胞の成熟を加速すること(その内容全体が参照により本明細書に具体的に援用される、米国特許第5,849,589号明細書)、および免疫増強剤(例えば、IL-12、IL-15、IL-23、IL-7、IFN-α、IFN-β)として作用することと、直接関連付けられている(Gabrilovich,D.I.et al.,Nat Med.2(1996):1096-1103)。
【0704】
CpG免疫賦活性オリゴヌクレオチドもまた、ワクチン環境において、アジュバント効果を増強することが報告されている。理論により拘束されることなく、CpGオリゴヌクレオチドは、Toll様受容体(TLR)、主にTLR9を通じた、内在的(非適応性)免疫系の活性化によって作用する。CpG誘導性TLR9活性化は、ペプチドまたはタンパク質抗原、生きたまたは死滅ウイルス、樹状細胞ワクチン、自己細胞ワクチン、そして予防的および治療的ワクチンの双方における多糖コンジュゲートをはじめとする多種多様な抗原に対する、抗原特異的体液性および細胞性応答を増強する。より重要なことには、それは樹状細胞の成熟と分化を増強し、CD4 T細胞援助の不在下であってさえも、TH1細胞の活性化の促進、および強力な細胞傷害性Tリンパ球(CTL)生成をもたらす。TLR9刺激によって誘導されるTH1バイアスは、通常はTH2バイアスを促進するミョウバンまたは不完全フロイントアジュバント(IFA)などのワクチンアジュバント存在下であってさえも、維持される。CpGオリゴヌクレオチドは、その他のアジュバントと調合されるかまたは同時投与された際に、または微粒子、ナノ粒子、脂質エマルションなどの調合物または類似調合物中で、なおもより高いアジュバント活性を示し、それは、抗原が比較的弱い場合、強力な応答を誘導するのに特に必要である。それらは免疫応答もまた加速し、いくつかの実験では、CpGなしのワクチン総量と同等の抗体応答で、抗原用量のほぼ2桁分の低減を可能にする(Krieg,A.M.,Nat Rev.Drug Discov.5(2006):471-484)。米国特許第6,406,705B1号明細書は、抗原特異的免疫応答を誘導するためのCpGオリゴヌクレオチド、非核酸アジュバント、および抗原の併用を記載する。CpG TLR9拮抗薬は、本発明の医薬組成物の好ましい構成要素である、Mologen(独国ベルリン)製のdSLIM(二重ステムループ免疫調節剤)である。RNA結合TLR7、TLR8および/またはTLR9などのその他のTLR結合分子もまた、使用されてもよい。
【0705】
有用なアジュバントのその他の例としては、化学修飾CpG(例えば、CpR、Idera);Poly(I:C)などのdsRNA類似体およびそれらの誘導体(例えば、AmpliGen(登録商標)、Hiltonol(登録商標)、poly-(ICLC)、poly(IC-R)、poly(I:C12U);非CpG細菌DNAまたはRNA)、ならびにシクロホスファミド、スニチニブ、ベバシズマブ(登録商標)、セレブレックス、NCX-4016、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、ソラフェニブ、テモゾロマイド、テムシロリムス、XL-999、CP-547632、パゾパニブ、VEGFトラップ、ZD2171、AZD2171、抗CTLA4などの免疫活性小分子および抗体;免疫系の主要構造を標的化するその他の抗体(例えば、抗CD40、抗TGFβ、抗TNFα受容体);およびSC58175が挙げられるが、これに限定されるものではなく、これらは治療的におよび/またはアジュバントとして作用してもよい。本発明の文脈で有用なアジュバントおよび添加剤の量と濃度は、過度の実験を実施することなく、当業者によって容易に判定され得る。
【0706】
好ましいアジュバントは、抗CD40、イミキモド、レシキモド、GM-CSF、シクロホスファミド、スニチニブ、ベバシズマブ、インターフェロンα、CpGオリゴヌクレオチドおよび誘導体、poly-(I:C)および誘導体、RNA、シルデナフィル、およびPLGまたはビロソーム微粒子調合物である。
【0707】
好ましい実施形態では、本発明による医薬組成物は、アジュバントを含んでなり、前記アジュバントは、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF、サルグラモスチム)、シクロホスファミド、イミキモド、レシキモド、およびインターフェロンαなどのコロニー刺激因子からなる群から選択される。
【0708】
別の好ましい実施形態では、本発明による医薬組成物は、アジュバントを含んでなり、前記アジュバントは、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF、サルグラモスチム)、シクロホスファミド、イミキモド、およびレシキモドなどのコロニー刺激因子からなる群から選択される。本発明による医薬組成物の好ましい実施形態では、アジュバントは、シクロホスファミド、イミキモドまたはレシキモドである。なおもより好ましいアジュバントは、Montanide IMS 1312、Montanide ISA 20、Montanide ISA 50V、Montanide ISA-51、polyICLC(Hiltonol(登録商標))、および抗CD40mABまたはそれらの組み合わせである。
【0709】
配列の説明
配列番号1はCDRa1コンセンサス配列「DRGSQX1」のアミノ酸配列を示す
配列番号2は、CDRa2コンセンサス配列「IYX2X3GD」のアミノ酸配列を示す
配列番号3は、CDRa3コンセンサス配列「CAAVIX4NX5X6GGX7LTF」のアミノ酸配列を示す
配列番号4は、CDRb1コンセンサス配列「X8GHRX9」のアミノ酸配列を示す
配列番号5は、CDRb2コンセンサス配列「YX10X11X12X13X14」のアミノ酸配列を示す
配列番号6は、CDRb3コンセンサス配列「CASSPWDSPNX15QYF」のアミノ酸配列を示す
配列番号7は、Uniprotデータベースから受入れ番号P78395(2019年1月11日時点で利用可能)で入手可能な、全長PRAMEタンパク質のアミノ酸配列を示す
配列番号8は、アミノ酸配列「SLLQHLIGL」のPRAME-004ペプチドのアミノ酸配列を示す
配列番号9は、配列「IYSNGD」のCDRa2(すなわちR16P1C10)のアミノ酸配列を示す
配列番号10は、配列「CAAVISNFGNEKLTF」のCDRa3(すなわちR16P1C10)のアミノ酸配列を示す
配列番号11は、配列「DRGSQS」のCDRa1(すなわちHiAff1)のアミノ酸配列を示す
配列番号12は、配列「SGHRS」のCDRb1(すなわちR16P1C10)のアミノ酸配列を示す
配列番号13は、配列「CASSPWDSPNEQYF」のCDRb3(すなわちR16P1C10)のアミノ酸配列を示す
配列番号14は、配列「YFSETQ」のCDRb2(すなわちR16P1C10)のアミノ酸配列を示す
配列番号15は、配列「YVHGX16E」のCDRb2アミノ酸配列を示す
配列番号16は、配列「DRGSQL」のCDRa1変異型1のアミノ酸配列を示す
配列番号17は、配列「IYQEGD」のCDRa2変異型2のアミノ酸配列を示す
配列番号18は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVINNPSGGMLTF」を示す
配列番号19は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIDNSNGGILTF」を示す
配列番号20は、DRa3アミノ酸配列「CAAVIDNPSGGILTF」を示す
配列番号21は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIDNDQGGILTF」を示す
配列番号22は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNPPGGKLTF」を示す
配列番号23は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNPGGGALTF」を示す
配列番号24は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNSAGGRLTF」を示す
配列番号25は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNLEGGSLTF」を示す
配列番号26は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNRLGGYLTF」を示す
配列番号27は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNTDGGRLTF」を示す
配列番号28は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNQRGGALTF」を示す
配列番号29は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNVVGGILTF」を示す
配列番号30は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVITNIAGGSLTF」を示す
配列番号31は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNNDGGYLTF」を示す
配列番号32は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNGRGGLLTF」を示す
配列番号33は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNTHGGPLTF」を示す
配列番号34は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNDVGGSLTF」を示す
配列番号35は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIENKPGGPLTF」を示す
配列番号36は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIDNPVGGPLTF」を示す
配列番号37は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNNNGGALTF」を示す
配列番号38は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNDQGGILTF」を示す
配列番号39は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNVVGGQLTF」を示す
配列番号40は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNSYGGLLTF」を示す
配列番号41は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNDDGGLLTF」を示す
配列番号42は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNAAGGLLTF」を示す
配列番号43は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNTIGGLLTF」を示す
配列番号44は、CDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNTRGGLLTF」を示す
配列番号45は、CDRb1(すなわちHiAff1)アミノ酸配列「PGHRA」を示す
配列番号46は、CDRb2(すなわちHiAff1)アミノ酸配列「YVHGEE」を示す
配列番号47は、CDRb2(すなわち改善された)アミノ酸配列「YVHGAE」を示す
配列番号48は、CDRb3(すなわちHiAff1)アミノ酸配列「CASSPWDSPNVQYF」を示す
配列番号49は、CDRb1(すなわち改善された)アミノ酸配列「PGHRS」を示す
配列番号50は、配列「VLLHHQIGL」のIFIT1-001のアミノ酸配列を示す
配列番号51は、配列「FMNPHLISV」のIFT17-003のアミノ酸配列を示す
配列番号52は、配列「LLLAHIIAL」のFADS2-001を示す
配列番号53は、配列「ALMYHTITL」のCTBP1-001のアミノ酸配列を示す
配列番号54は、FR1-aアミノ酸配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYS」を示す
配列番号55は、FR2-aアミノ酸配列「FFWYRQYSGKSPELIMS」を示す
配列番号56は、FR3-aアミノ酸配列「KEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYL」を示す
配列番号57は、FR4-aアミノ酸配列「GTGTRLTIIPNIQN」を示す
配列番号58は、FR1-bアミノ酸配列「KAGVTQTPRYLIKTRGQQVTLSCSPI」を示す
配列番号59は、FR2-bアミノ酸配列「VSWYQQTPGQGLQFLFE」を示す
配列番号60は、FR3-bアミノ酸配列「RNKGNFPGRFSGRQFSNSSSEMNISNLELGDSALYL」を示す
配列番号61は、FR3-bアミノ酸配列「RNKGNFPGRFSGRQFSNFSSEMNISNLELGDSALYL」を示す
配列番号62は、FR4-bアミノ酸配列「GPGTRLTVTEDLKN」を示す
配列番号63は、「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIDNDQGGILTFGTGTRLTIIPNIQN」のFc含有HiAff1TCR/mAbダイアボディのV3のアミノ酸配列を示す
配列番号64は、「GGGSGGGG」の分子Fc含有HiAff1TCR/mAbダイアボディ中のリンカーL1のアミノ酸配列を示す
配列番号65は、配列「DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDIRNYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDIATYFCQQGQTLPWTFGQGTKVEIK」のヒト化UCHT1のVLのアミノ酸配列を示す
配列番号66は、配列「EPKSSDKTHTCPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYQSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPASIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCRDELTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSP」のFc1(「ノブ」変異を含んでなる)のアミノ酸配列を示す
配列番号67は、「KAGVTQTPRYLIKTRGQQVTLSCSPIPGHRAVSWYQQTPGQGLQFLFEYVHGEERNKGNFPGRFSGRQFSNSSSEMNISNLELGDSALYLCASSPWDSPNVQYFGPGTRLTVTEDLKN」のVβ可変ドメインのアミノ酸配列を示す
配列番号68は、配列「EPKSSDKTHTCPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYQSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPASIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSRDELTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSP」のFc2(「ノブ」変異を含んでなる)のアミノ酸配列を示す
配列番号69はリンカーアミノ酸配列「TVAAP」を示す
配列番号70はリンカーアミノ酸配列「GGGS」を示す
配列番号71はリンカーアミノ酸配列「GGGGS」を示す
配列番号72はリンカーアミノ酸配列「TVLRT」を示す
配列番号73はリンカーアミノ酸配列「TVSSAS」を示す
配列番号74はリンカーアミノ酸配列「GGGGSGGGGS」を示す
配列番号75はリンカーアミノ酸配列「GGGGSAAA」を示す
配列番号76はリンカーアミノ酸配列「GGGGSGGGGSGGGGS」を示す
配列番号77はリンカーアミノ酸配列「GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGS」を示す
配列番号78はリンカーアミノ酸配列「TVLSSAS」を示す
配列番号79は、天然Fcアミノ酸配列(IGHG1*01)EPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGKを示す
配列番号80は、ヒンジ-CH1アミノ酸配列ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTSPPSPAPPVAGを示す
配列番号81は、配列「EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTGYTMNWVRQAPGQGLEWMGLINPYKGVSTYAQKFQDRVTLTVDKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSGYYGDSDWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTSPPSPAPPVAGQKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIDNDQGGILTFGTGTRLTIIPNIQNGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGSKAGVTQTPRYLIKTRGQQVTLSCSPIPGHRAVSWYQQTPGQGLQFLFEYVHGEERNKGNFPGRFSGRQFSNSSSEMNISNLELGDSALYLCASSPWDSPNVQYFGPGTRLTVTEDLKN」のscTCR-Fabコンストラクトの第1のポリペプチドのアミノ酸配列を示す
配列番号82は、配列「DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDIRNYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDIATYFCQQGQTLPWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC」のscTCR-Fabコンストラクトの第2のポリペプチドのアミノ酸配列を示す
配列番号83は、配列「KAGVTQTPRYLIKTRGQQVTLSCSPIPGHRAVSWYQQTPGQGLQFLFEYVHGEERNKGNFPGRFSGRQFSNSSSEMNISNLELGDSALYLCASSPWDSPNVQYFGPGTRLTVTEDLKN」のVβ-ドメイン(B2と称される)のアミノ酸配列を示す
配列番号84は、配列「AAAGGSGGEQKLISEEDL」のリンカーおよびMycタグのアミノ酸配列を示す
配列番号85は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNPGGGALTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#1のアミノ酸配列を示す
配列番号86は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNSAGGRLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#2のアミノ酸配列を示す
配列番号87は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNLEGGSLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#3のアミノ酸配列を示す
配列番号88は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNRLGGYLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#4のアミノ酸配列を示す
配列番号89は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNTDGGRLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#5のアミノ酸配列を示す
配列番号90は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNQRGGALTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#6のアミノ酸配列を示す
配列番号91は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNVVGGILTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#7のアミノ酸配列を示す
配列番号92は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVITNIAGGSLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#9のアミノ酸配列を示す
配列番号93は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNDQGGYLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#10のアミノ酸配列を示す
配列番号94は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNGRGGLLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#11のアミノ酸配列を示す
配列番号95は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNTHGGPLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#12のアミノ酸配列を示す
配列番号96は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNDVGGSLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#13のアミノ酸配列を示す
配列番号97は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIENKPGGPLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#14のアミノ酸配列を示す
配列番号98は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIDNPVGGPLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#15のアミノ酸配列を示す
配列番号99は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNNIGGALTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#16のアミノ酸配列を示す
配列番号100は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNDQGGILTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#17のアミノ酸配列を示す
配列番号101は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQLFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNDQGGILTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#18のアミノ酸配列を示す
配列番号102は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQLFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNSAGGRLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#19のアミノ酸配列を示す
配列番号103は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQLFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNRLGGYLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#20のアミノ酸配列を示す
配列番号104は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQLFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNTHGGPLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#22のアミノ酸配列を示す
配列番号105は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQLFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNVVGGQLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#23のアミノ酸配列を示す
配列番号106は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQLFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNSYGGLLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#24のアミノ酸配列を示す
配列番号107は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQLFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNAAGGLLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#26のアミノ酸配列を示す
配列番号108は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQLFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNTIGGLLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#27のアミノ酸配列を示す
配列番号109は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQLFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNDDGGRLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#29のアミノ酸配列を示す
配列番号110は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQLFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNTRGGLLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#30のアミノ酸配列を示す
配列番号111は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQLFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIDNDQGGILTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#38のアミノ酸配列を示す
配列番号112は、配列KAGVTQTPRYLIKTRGQQVTLSCSPIPGHRAVSWYQQTPGQGLQFLFEYVHGEERNKGNFPGRFSGRQFSNFSSEMNISNLELGDSALYLCASSPWDSPNVQYFGPGTRLTVTEDLKNのVβB2_S85Fのアミノ酸配列を示す
配列番号113は、配列QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQLFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNSYGGLLTFGTGTRLTIIPNIQNのVαA_HiAff1#24のアミノ酸配列を示す
配列番号114は、配列QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQLFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNDQGGILTFGTGTRLTIIPNIQNのVαA_HiAff1#18のアミノ酸配列を示す
配列番号115は、配列QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQLFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNVVGGQLTFGTGTRLTIIPNIQNのVαA_HiAff1#23のアミノ酸配列を示す
配列番号116は、配列QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQLFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNRLGGYLTFGTGTRLTIIPNIQNのVαA_HiAff1#20のアミノ酸配列を示す
配列番号117は、リンカーアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSを示す
配列番号118は、配列QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQLFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIDNDQGGILTFGTGTRLTIIPNIQNのVαA_HiAff1#38のアミノ酸配列を示す
配列番号119は、配列QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIDNDQGGILTFGTGTRLTIIPNIQNGGGSGGGGDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDIRNYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDIATYFCQQGQTLPWTFGQGTKVEIKEPKSSDKTHTCPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYQSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPASIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCRDELTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPのFc含有HiAff1二重特異性TCR/mAb(抗CD3)ダイアボディの第1のポリペプチドのアミノ酸配列を示す
配列番号120は、配列EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTGYTMNWVRQAPGQGLEWMGLINPYKGVSTYAQKFQDRVTLTVDKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSGYYGDSDWYFDVWGQGTLVTVSSGGGSGGGGKAGVTQTPRYLIKTRGQQVTLSCSPIPGHRAVSWYQQTPGQGLQFLFEYVHGEERNKGNFPGRFSGRQFSNSSSEMNISNLELGDSALYLCASSPWDSPNVQYFGPGTRLTVTEDLKNEPKSSDKTHTCPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYQSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPASIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSRDELTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPのFc含有HiAff1二重特異性TCR/mAb(抗CD3)ダイアボディの第2のポリペプチドのアミノ酸配列を示す
配列番号121は、配列DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDIRNYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDIATYFCQQGQTLPWTFGQGTKVEIKRの抗CD3のVHのアミノ酸配列を示す
配列番号122は、配列DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDIRNYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDIATYFCQQGQTLPWTFGQGTKVEIKRの抗CD3のVLのアミノ酸配列を示す
配列番号123は、配列TVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGECのCLのアミノ酸配列を示す
配列番号124は、配列QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIDNDQGGILTFGTGTRLTIIPNIQNGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGSKAGVTQTPRYLIKTRGQQVTLSCSPIPGHRAVSWYQQTPGQGLQFLFEYVHGEERNKGNFPGRFSGRQFSNSSSEMNISNLELGDSALYLCASSPWDSPNVQYFGPGTRLTVTEDLKNのαβ融合のアミノ酸配列を示す
配列番号125は、配列FLPIHLLGLのペプチドATP1A1-001のアミノ酸配列を示す
配列番号126は、配列YLDGHLITTのペプチドNADK-002のアミノ酸配列を示す
配列番号127は、配列ILAMHLIDVのペプチドITSN1-001のアミノ酸配列を示す
配列番号128は、配列IVINHVISVのペプチドSMA-003のアミノ酸配列を示す
配列番号129は、配列ILQPHVIALのペプチドVPS13A-001のアミノ酸配列を示す
配列番号130は、配列TLVYHVVGVのペプチドSF3B3-005のアミノ酸配列を示す
配列番号131は、配列FVQPHIIQLのペプチドNCAM2-001のアミノ酸配列を示す
配列番号132は、配列YMLEHVITLのペプチドKNT-001のアミノ酸配列を示す
配列番号133は、配列ALAKHLIKIのペプチドEHD4-001のアミノ酸配列を示す
配列番号134は、配列ALANHLIKVのペプチドEHD-001のアミノ酸配列を示す
配列番号135は、配列YLILHLISTのペプチドMCMB-002のアミノ酸配列を示す
配列番号136は、配列RVMEHFIKLのペプチドHSPA5-001のアミノ酸配列を示す
配列番号137は、配列KLYQHEINLのペプチドCEBPZ-002のアミノ酸配列を示す
配列番号138は、配列SFYEHIITVのペプチドDCAF12-001のアミノ酸配列を示す
配列番号139は、配列ALASHLIEAのペプチドEHD2-002のアミノ酸配列を示す
配列番号140は、配列SLADRLIGVのペプチドKIAA1324-001のアミノ酸配列を示す
配列番号141は、配列LVSEHVIELのペプチドMYO1A-001のアミノ酸配列を示す
配列番号142は、配列SLYKHLVALのペプチドSERPINA6-001のアミノ酸配列を示す
配列番号143は、配列IIINHVISVのペプチドSMARCD1-001のアミノ酸配列を示す
配列番号144は、配列SLLGHVIRLのペプチドTSC1-001のアミノ酸配列を示す
配列番号145は、配列SLIEHMIMLのペプチドUGT3-005のアミノ酸配列を示す
配列番号146は、配列NLLPHAINLのペプチドVAV1-001のアミノ酸配列を示す
配列番号147は、配列SLFEHFIELのペプチドWDFY3-004のアミノ酸配列を示す
配列番号148は、配列MKSLRVLLVILWLQLSWVWSQQKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMFIYSNGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVISNFGNEKLTFGTGTRLTIIPのR16P1C10α可変ドメインのアミノ酸配列を示す
配列番号149は、配列MGSRLLCWVLLCLLGAGPVKAGVTQTPRYLIKTRGQQVTLSCSPISGHRSVSWYQQTPGQGLQFLFEYFSETQRNKGNFPGRFSGRQFSNSRSEMNVSTLELGDSALYLCASSPWDSPNEQYFGPGTRLTVTのR16P1C10β可変ドメインのアミノ酸配列を示す
配列番号150は、配列QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYSNGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIDNDQGGILTFGTGTRLTIIPNIQNGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGVTQTPRYLIKTRGQQVTLSCSPIPGHRAVSWYQQTPGQGLQFLFEYVHGEERNKGNFPGRFSGRQFSNSSSEMNISNLELGDSALYLCASSPWDSPNVQYFGPGTRLTVTEDLKNのscTCRCDR6のアミノ酸配列を示す
配列番号151は、配列GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSのリンカーのアミノ酸配列を示す
配列番号152は、配列MQLLRCFSIFSVIASVLAQELTTICEQIPSPTLESTPYSLSTTTILANGKAMQGVFEYYKSVTFVSNCGSHPSTTSKGSPINTQYVFのリーダー配列と一緒に、Aga2p酵母接合タンパク質のアミノ酸配列を示す
配列番号153は、配列MQLLRCFSIFSVIASVLAQELTTICEQIPSPTLESTPYSLSTTTILANGKAMQGVFEYYKSVTFVSNCGSHPSTTSKGSPINTQYVFGGGGSDYKDDDDKGGGASQKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQSFFWYRQYSGKSPELIMSIYSNGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIDNDQGGILTFGTGTRLTIIPNIQNGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGVTQTPRYLIKTRGQQVTLSCSPIPGHRAVSWYQQTPGQGLQFLFEYVHGEERNKGNFPGRFSGRQFSNSSSEMNISNLELGDSALYLCASSPWDSPNVQYFGPGTRLTVTEDLKNAAAGGSGGEQKLISEEDLの融合タンパク質リーダーペプチド-Aga2p-FLAG-L-scTCR CDR6-L-Mycのアミノ酸配列を示す
配列番号154は、配列GGGGSDYKDDDDKGGGASのFLAGタグとリンカーのアミノ酸配列を示す
配列番号155は、ヒンジ領域IgG1配列E216PKSCDKTHTCPPCPAPELLGを示す
配列番号156は、ヒンジ領域IgG2配列E216RKCCVECPPCPAPPVAGPを示す
配列番号157は、ヒンジ領域IgG3配列ELKTPLGDTTHTCPRCPEPKSCDTPPPCPRCPE216PKSCDTPPPCPRCPAPELLGを示す
配列番号158は、ヒンジ領域IgG4配列E216SKYGPPCPSCPAPEFLGを示す
配列番号159は、リンカー配列GGGGSGTを示す
配列番号160は、リンカー配列GGSGGGGSGGを示す
配列番号161は、リンカー配列GGSGGGGSGGGGSGGを示す
配列番号162は、リンカー配列GGGGSGGGGSGTを示す
配列番号163は、リンカー配列GGGGSGGGGSGGGGSGTを示す
配列番号164は、リンカー配列GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGTを示す
配列番号165は、リンカー配列GGSGGGGSGGGGSGGGGSGGを示す
配列番号166は、リンカー配列GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGTを示す
配列番号167は、リンカー配列GGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGを示す
配列番号168は、リンカー配列GSADDAKKDAAKKDGKSを示す
配列番号169は、リンカー配列GGQGSGGTGSGGQGSGGTGSGGQGSを示す
配列番号170は、リンカー配列GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSを示す
配列番号171は、UCHT1(17)VH配列EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTGYTMNWVRQAPGQGLEWMGLINPYKGVSTYAQKFQDRVTLTVDKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSGYYGDSDWYFDVWGQGTLVTVSSを示す
配列番号172は、UCHT1(23)VH配列EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTEYTMNWVRQAPGQGLEWMGLINPQKGVSTYAQKFQDRVTLTVDKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSGYYGDSDWYFDVWGQGTLVTVSSを示す
配列番号173は、BMA(10)VL配列QIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCSATSSVSYMHWYQQKPGKAPKRWIYDTSKLASGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDAATYYCQQWSSNPLTFGGGTKVEIKを示す
配列番号174は、BMA(10)VH配列EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYKFTSYVMHWVRQAPGQGLEWMGYINPYNDVTKYAEKFQGRVTLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVHYCARGSYYDYDGFVYWGQGTLVTVSSを示す
配列番号175は、BMA(36)VL配列QIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCSATSSVSYMHWYQQKPGKAPKRWIYDTSKLASGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDAATYYCQQWSSNPLTFGGGTKVEIKを示す
配列番号176は、BMA(36)VH配列EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYKFTSYVMHWVRQAPGQGLEWMGYINPYNDVTKYAEKFQGRVTLTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVHYCARGSYYDYEGFVYWGQGTLVTVSSを示す
配列番号177は、UCHT1(17opt)VH配列EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTGYTMNWVRQAPGQGLEWMGLINPYKGVSTYAQKFQDRVTLTVDKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSGYYGESDWYFDVWGQGTLVTVSSを示す
配列番号178は、UCHT1(21)VH配列EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTGYTMNWVRQAPGQGLEWMGLINPQKGVSTYAQKFQDRVTLTVDKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARSGYYGDSDWYFDVWGQGTLVTVSSを示す
配列番号179は、配列番号109のCDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNDDGGRLTF」を示す。
配列番号180は、配列「QKEVEQNSGPLSVPEGAIASLNCTYSDRGSQLFFWYRQYSGKSPELIMSIYQEGDKEDGRFTAQLNKASQYVSLLIRDSQPSDSATYLCAAVIPNDDGGLLTFGTGTRLTIIPNIQN」のVαA_HiAff1#29Bのアミノ酸配列を示す
配列番号181は、配列番号93のCDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNDQGGYLTF」を示し;
配列番号182は、配列番号99のCDRa3アミノ酸配列「CAAVIPNNIGGALTF」を示す。
【図面の簡単な説明】
【0710】
【
図1】TCR変異型CDR6、LoAff3、またはHiAff1の可変ドメインをそれぞれ含有する、二重特異性分子のストレス安定性試験の結果。分子の完全性と凝集体の形成は、40℃で2週間にわたるインキュベーション後にSEC-HPLCで分析し(灰色の上部トレースは)、2~8℃で保存したストレスのない分子(黒色の下部トレース)と比較した。グラフの下部パネルは、倍率を上げた上部パネルのグラフに相当する。
【
図2】TCR変異型CDR6、LoAff3、またはHiAff1の可変ドメインをそれぞれ含有する、二重特異性分子のストレス安定性試験の結果。単量体二重特異性分子の回収率は、HPLC-SEC分析に従って計算した。
【
図3】異なるR16P1C10変異型を含んでなる二重特異性分子の結合動態。scTCR-FabフォーマットではFAB2Gセンサー(20μg/mlを120秒間負荷)を使用し、ダイアボディ-F
cフォーマットではAHCセンサー(改善された変異型では10μg/mlを120秒間負荷;安定化された変異型、LoAff3、CDR6、HiAff1では5μg/mlを120秒間負荷)を使用した。HLA-A
*02/PRAME-004の分析濃度は、nMで表される。グラフは、測定データと計算された近似の曲線を示す。
【
図4】2人の健常ドナー(HBC-887およびHBC-889)に由来するCD8+T細胞の存在下で、それぞれCDR6、HiAff1、またはLoAff3TCR変異型を含有する、二重特異性分子によって誘導されたPRAME陽性腫瘍細胞株の溶解。溶解は、放出されたLDHの定量化によって、48時間の共培養後に判定した。CDR6は黒丸、HiAff1は淡灰色四角、LoAff3は暗灰色三角形、およびbsTCRなしの対照群は白抜き逆三角形としてそれぞれ示されている。
【
図5】2人の健常ドナー(HBC-887およびHBC-889)に由来するCD8+T細胞の存在下で、それぞれCDR6、HiAff1、またはLoAff3TCR変異型を含有する、二重特異性分子によって誘導されたPRAME陰性腫瘍細胞株の溶解。溶解は、放出されたLDHの定量化によって、48時間の共培養後に判定した。CDR6は黒丸、HiAff1は淡灰色四角、LoAff3は暗灰色三角形、およびbsTCRなしの対照群は白抜き逆三角形としてそれぞれ示されている。
【
図6】生体内効力。約50mm
3のHS695T腫瘍を保有するNOGマウスにヒトPBMCを移植し、PBS(グループ1)、0.5mg/kg体重のHiAff1/抗CD3ダイアボディ-F
c(グループ2)または0.5mg/kgの抗HIV/抗CD3ダイアボディ-F
c(グループ)を週二回i.v投与した。腫瘍体積は、キャリパーで測定し、長さx幅
2/2で計算した。
【
図7】結合モチーフ解析。PRAME-004および連続アラニン置換(_A1~_A9)を含んでなるペプチドとの結合について、HiAff1およびLoAff3変異型(ダイアボディ-F
cとして)のK
D値をバイオレイヤー干渉法によって測定した。それぞれの比率K
D(PRAME-004)/K
D(Ala置換変異型)を計算した。
【
図8】PRAME-004およびオフターゲットペプチド認識scTCR CDR6に由来するCDRa3ライブラリから得られたscTCR変異型を酵母表面上に提示させ、HLA-A
*02の文脈で、PRAME-004と標的外ペプチドIFT17-003、IFIT1-001、FADS2-001、およびCTBP1-001に対する結合をそれぞれ解析した。全てのHLA-A
*02/ペプチド複合体は、100nMの濃度でscTCR提示酵母に添加し、陽性酵母細胞の百分率をフローサイトメトリー分析によって判定した。
【
図9】PRAME-004およびオフターゲットペプチド認識
【
図10】ヒトPBMCを移植した免疫不全NOGマウスにおけるTCER(登録商標)媒介性生体内効力。TCER(登録商標)は、ヒトPBMCを移植した免疫不全NOGマウスにおいて、PRAME-004の検出可能な提示があるHLA-A
*02陽性腫瘍細胞株であるNCI-H1755細胞の腫瘍異種移植片に向けられた、生体内効力を媒介した。マウスに、PRAME-004標的化TCER(HiAff1/抗CD3ダイアボディ-F
c、0.5mg/(kg体重×用量)、グループ2)またはビヒクル(グループ1)を週2回投与した。PRAME-004を標的化するTCER(登録商標)について、完全寛解が示されている。腫瘍体積は、キャリパーで測定し、長さx幅
2/2で計算した。線で結ばれた各記号は個々の動物をに相当し、治療日は矢印で示される。22日目に、グループ1とグループ2で3匹の動物が死亡した。
【
図11】健常組織細胞を用いた生体外安全性評価。TCER(登録商標)分子HiAff1の生体外安全性データは、異なる臓器からの異なるヒトHLA-A
*02-陽性正常組織初代細胞を用いたLDH殺滅実験で評価した。異なる細胞を、健康なHLA-A
*02ドナーからのPBMCエフェクター細胞と1:10の比率で、TCER(商標)濃度を上げながら共培養した。細胞を、初代組織細胞特異的培地とT細胞培地との50%混合物中で同時インキュベートした。各プロットは、腫瘍対照細胞株Hs695T(黒丸)と初代正常細胞(灰色三角形)のLDHデータを同じ培地の組み合わせで示す。腫瘍細胞株上のTCERなし対照は黒十字の丸で示され、初代正常細胞上のTCERなし対照は灰色のベタ塗り三角形で示されている。
【
図12】TCER(登録商標)分子の生体外サイトカイン放出評価。全血中のTCER(登録商標)分子によって誘導されるサイトカイン分泌の分析は、サイトカイン誘導が低いかまたは存在しないTCER(登録商標)分子の選択を可能にする。サイトカイン放出は、HLA-A
*02陽性ドナー3名の全血を、示された濃度のHiAff1 TCER(登録商標)、または抗CD3対照抗体とヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の存在下で48時間培養した後に、評価した。上清中のサイトカイン濃度は、多重分析によって判定した。IFNγおよびIL-6放出の例示的なデータが示されている。
【
図13】がんおよび正常組織におけるPRAME由来の標的ペプチドのHLA-A
*02依存性提示。略語は次のとおり:adipose:脂肪組織;adrenalgl:副腎;bladder:膀胱;bloodvess:血管;esoph:食道;gall bl:胆嚢;intest.la:大腸;intest.sm:小腸;nerve cent:中枢神経;nerve periph:末梢神経;parathyr:副甲状腺;perit:腹膜;pituit:下垂体;skel.mus:骨格筋;AML:急性骨髄性白血病;BRCA:乳がん;CCC:胆管細胞がん腫;CLL:慢性リンパ球性白血病;CRC:結腸直腸がん;GBC:胆嚢がん;GBM:神経膠芽腫;GC:胃がん;GEJC:胃食道接合部がん;HCC:肝細胞がん腫;HNSCC:頭頸部扁上皮がん腫;MEL:黒色腫;NHL:非ホジキンリンパ腫;NSCLCadeno:非小細胞肺がん腺がん;NSCLCother:NSCLCadenoまたはNSCLCsquamに明確に割り当てることができなかったNSCLCサンプル;NSCLCsquam:扁平上皮細胞非小細胞肺がん;OC:卵巣がん;OSCAR:食道がん;PACA:膵臓がん;PRCA:前立腺がん;RCC:腎細胞がん腫;SCLC:小細胞肺がん;UBC:膀胱がん腫;UEC:子宮および子宮内膜がん。
【実施例】
【0711】
がん抗原に向けられた天然細胞受容体(TCR)は、ウイルス抗原を標的化するTCRと比較した場合に、親和性がより低いことが多く、これは腫瘍の免疫逃避の1つの可能な説明であってもよい(Aleksic et al.2012)。したがって、可溶性アプローチの認識モジュールとして、すなわち二重特異性分子を使用して、または養子細胞療法において、抗原認識コンストラクトとして使用するために設計された、より高い親和性を有するTCR変異型を有することが望ましい(Hickman et al.2016)。したがって、本発明は、腫瘍関連ペプチドPRAME-004(配列番号8)を標的化する天然に存在するT細胞受容体R16P1C10の修飾と最適化に関し、ここで、前記T細胞受容体R16P1C10は、配列番号148のアミノ酸配列を含んでなるα可変ドメインと、配列番号149のアミノ酸配列を含んでなるβ可変ドメインとを含んでなり、これは、国際公開第2018/172533号パンフレットで開示されている。
【0712】
実施例1:溶性二重特異性TCR分子の設計
VαおよびVβドメインからなるTCRを、Fab断片に結合された一本鎖(scTCR)フォーマット、またはFc含有二重特異性TCR/mAbダイアボディフォーマットのどちらかかで、設計、製造、試験した。Fc含有二重特異性TCR/mAbダイアボディの場合、VHとVLの様々な組み合わせをコードするDNA配列hUCHT1(Var17)に由来する抗CD3抗体UCHT1の新たにヒト化されたバージョン、およびVαとVβならびにリンカーをコードする配列を遺伝子合成によって得た。得られたDNA配列は、ヒトIgG1に由来するヒンジ領域、CH2およびCH3ドメイン[受入番号P01857]をコードする発現ベクターにインフレームでクローン化し、さらに操作した。操作を実施して、追加的な鎖間ジスルフィド結合の安定化を用いてノブ・インツー・ホール変異をCH3ドメインに組み込み;CH2中のN-グリコシル化部位(例えばN297Q変異)を除去し;Fcサイレンシング変異を導入した。
【0713】
実施例2:可溶性二重特異性分子の製造と精製
組換えタンパク質の発現のためのベクターは、HCMV由来のプロモーター要素であるpUC19誘導体によって制御されるモノシストロン性として設計した。プラスミドDNAを標準的な培養方法に従って大腸菌(E.coli)中で増幅し、引き続いて、市販のキット(Macherey & Nagel)を使用して精製した。精製されたプラスミドDNAは、製造業者(ExpiCHO(商標)システム;Thermo Fisher Scientific)の指示に従って、CHO-S細胞の一過性形質移入に使用した。形質移入されたCHO細胞を32℃~37℃で6~14日間培養し、ExpiCHO(商標)供給液を1~2回栄養供給した。調整された細胞上清は、Sartoclear Dynamics(登録商標)Lab Filter Aid(Sartorius)を利用した濾過(0.22μm)によって清澄化した。二重特異性抗原結合タンパク質は、親和性およびサイズ排除クロマトグラフィーをインラインで実行するように装備された、Akta Pure 25 L FPLCシステム(GE Lifesciences)を使用して精製した。アフィニティークロマトグラフィーは、標準的なアフィニティクロマトグラフィープロトコルに従って、プロテインAまたはLカラム(GE Lifesciences)上で実施した。Superdex 200 pg 16/600カラム(GE Lifesciences社)を使用して、アフィニティカラムからの溶出(pH2.8)直後にサイズ排除クロマトグラフィーを実施し、標準的なプロトコルに従って高純度の単量体タンパク質を得た。タンパク質濃度は、NanoDropシステム(Thermo Scientific)上で、予測されたタンパク質配列に従って計算された吸光係数を用いて判定した。必要に応じて、Vivaspinデバイス(Sartorius)を使用して、濃度を調節した。最後に、精製された分子を2~8℃の温度で約1mg/mLの濃度のリン酸緩衝生理食塩水中に保存した。精製された二重特異性分子の品質は、Vanquish UHPLC-System内で、300mMのNaClを含有する50mMのリン酸ナトリウム、pH6.8で実行される、MabPac SEC-1カラム(5μm、7.8x300mm)上で、HPLC-SECによって判定した。非還元および還元SDS-PAGEによって、異なる二重特異性TCR/mAb分子の純度と予想サイズを確認した。
【0714】
実施例3:ストレス安定性試験
成熟R16P1C10 TCR変異型を、TCR/抗CD3ダイアボディ-F
cフォーマットを用いた可溶性二重特異性分子として発現させた。ストレス安定性試験は、PBS中で調合された分子を40℃で最大2週間インキュベートすることによって実施した。完全性、凝集体含有量(
図1)、ならびに単量体回収率(
図2)を、上記のようにHPLC-SEC分析によって分析した。
【0715】
実施例4:成熟TCR変異型の結合親和性
可溶性二重特異性分子として発現された成熟R16P1C10 TCR変異型(安定化され改善されている:scTCR/抗CD3 Fabフォーマット;安定化され改善されている、CDR6、HiAff1、およびLoAff3:TCR/antiCD3ダイアボディ-F
cフォーマット)を、バイオレイヤー干渉法を介して、HLA-A
*02/PRAME-004単量体に対するそれらの結合親和性について解析した。製造業者によって推奨される設定を使用して、Octet RED384システムで測定を実施した。簡潔に述べると、緩衝液としてPBS、0.05%ツイーン20、0.1%BSAを使用し、30℃、1000rpmの振盪速度で結合動態を測定した。HLA-A
*02/PRAME-004の段連続希釈液を分析する前に、二重特異性分子をバイオセンサー(FAB2GまたはAHC)に負荷した。R16P1C10の安定化バージョンはおよそ1μMの親和性を示した(scTCR-Fabとして1.2μM、ダイアボディ-F
cとして930nM)一方で、成熟CDRを含有する全ての変異型では、かなり低いK
D値が判定された(表3、
図3)。TCR変異型の親和性が、フォーマットによってわずかな程度だけ影響を受けることをさらに検証するために、親和性成熟TCR変異型のK
D値をscTCR-Fabまたはダイアボディ-F
cフォーマットとして測定した。scTCR-Fabおよびダイアボディ-F
cフォーマットは、それぞれ10nMおよび8.7nMのK
D値を示し、異なるフォーマット間の良好な相互比較性がさらに強調された(表3、
図3)。
【0716】
表3:scTCR-Fab(配列番号81および82に基づく)またはダイアボディ-Fc(配列番号119および120に基づく)として発現される、野生型および成熟TCRのCDR配列および結合親和性。
【表3】
1scTCR-Fabとして発現される
2ダイアボディ-F
cとして発現される
【0717】
実施例5:標的陽性および標的陰性腫瘍細胞株の殺滅
成熟R16P1C10 TCR変異型は、実施例1による、TCR/抗CD3ダイアボディ-Fcフォーマットを用いた可溶性二重特異性分子として発現させた。PRAME陽性腫瘍細胞株とPRAME陰性腫瘍細胞株に向けられた、二重特異性分子の細胞傷害活性をそれぞれLDH放出アッセイで分析した。したがって、細胞表面上に可変量のHLA-A*02/PRAME-004を提示する腫瘍細胞株を、2人の健常ドナーから単離したCD8+T細胞と共に、二重特異性分子の濃度を上げながら同時インキュベートした。48時間後、CytoTox 96 Non-Radioactive Cytotoxicity Assayキット(PROMEGA)を使用して、標的細胞株の溶解を測定した。試験された全てのPRAME陽性細胞株について、非常に効率的な溶解の誘導が検出可能であり、二重特異性分子の濃度に明らかに依存していた。HLA-A*02を発現するがペプチドPRAME-004を検出可能なレベルで提示しない細胞株を用いた同様の実験では、二重特異性分子による標的の溶解は皆無でありまたはごくわずかしか起こらなかった。
【0718】
実施例6:生体内効力
成熟R16P1C10 TCR変異型HiAff1およびHIV特異的高親和性対照TCRを、実施例1に従って、TCR/抗CD3ダイアボディ-F
cフォーマットを用いた可溶性二重特異性分子として発現させた。それぞれ
図6および10に示されるように、PRAME陽性腫瘍細胞株HS695TおよびNCI-H1755に向けられたヒト細胞傷害性CD3+T細胞の活性を動員して誘導する、二重特異性TCR分子の能力を試験するために設計された薬力学的試験を超免疫不全NOGマウス系統において実施した。NOGマウス系統は、皮下注射されたヒト腫瘍細胞株HS695TまたはNCI-H1755と、静脈内注射されたヒト末梢血単核細胞異種移植片の宿主であった。ヒト末梢血単核細胞(5x10
6細胞/マウス、静脈内注射)は、個々の腫瘍体積が50mm
3に達した24時間以内に移植した。ヒト血液細胞の移植後1時間以内に、処置を開始した。グループ当たり4~6匹の雌マウスに、尾静脈への静脈内ボーラス注射(5mL/kg体重、週2回の投与、最大7回の投与、無作為化の1日後から開始)を投与した。PRAME標的化二重特異性TCR分子の注射用量は、注射当たり0.5mg/kg体重(グループ2)であり、ビヒクル対照群(グループ1)ではPBSを使用し、陰性対照物質群(グループ3)ではHIV標的化TCR二重特異性分子(注射当たり0.5mg/kg体重)を使用した。示された時点で、キャリパーで測定し、長さx幅
2/2として計算した個々の腫瘍体積に基づいて、全てのグループの平均腫瘍体積を計算した。23日目に、ビヒクル対照群で観察された基礎レベル69から1266mm
3、陰性対照物質群で観察された基礎レベル66から1686mm
3への腫瘍体積の増加と比較して、PRAME標的化二重特異性TCR分子での治療は、基礎レベル(無作為化の開始)65から409mm
3への腫瘍体積の減少した増加によって示されるように、HS695Tの腫瘍増殖を抑制した(
図6)。PRAME標的化二重特異性TCR分子による治療は、NCI-H1755腫瘍の完全寛解を誘導した。腫瘍の成長は全ての動物で抑制され、腫瘍は22日目(無作為化開始時の基本平均レベル68mm
3)から29日目(グループ2)の研究終了まで、残りの動物において検出不能であった。ビヒクル処置群(グループ1)では、22日目に、基礎平均レベル70から175mm
3まで腫瘍体積の継続的な増加が観察された(
図10)。
【0719】
実施例7:オフターゲットペプチドの同定と確認
R16P1C10の成熟CDR6、HiAff1、およびLoAff3 TCR変異型を組み込んだ二重特異性TCR分子を、実施例1に従ってTCR/抗CD3ダイアボディ-F
cフォーマットとして設計した。成熟TCR変異型の潜在的なオフターゲットペプチドを特定するために、変異解析によるPRAME-004ペプチドに向けられた結合親和性測定を通じて、TCR結合に関与するPRAME-004残基を同定した(
図7、_A1~_A9)。親和性測定は実施例4に従って実施したが、SAセンサーを使用してビオチン化HLA-A
*02/ペプチド複合体(1μg/mlの濃度で180秒間)を負荷し、溶液中の二重特異性分子を分析した。PRAME-004の変異型の結合親和性の4倍を超える減少に基づいて、PRAME-004の5~9位をTCR結合に関連するものとして特定した(点線で示す)。潜在的なオフターゲットペプチドは、PRAME-004の結合関連位置5~9内の類似性スコアリングを使用して、正常組織に提示されたHLA-A
*02結合ペプチドのデータベース(XPRESIDENTデータベース)に対するBLAST検索を通じて特定した。27の異なる潜在的なオフターゲットを類似性BLAST検索によって特定した(表4)。潜在的なオフターゲットの関連性を試験するために、ペプチドをHLA-A
*02陽性T2標的細胞に10nMの濃度で負荷した。ペプチド負荷T2細胞を、2名の異なるドナーのヒトCD8+T細胞と共に、5:1のエフェクター/標的比で、二重特異性TCR分子の濃度を上げながら同時インキュベートした。27の潜在的オフターゲットのうち、ペプチドIFT17-003、IFIT1-001、FADS2-001、CTBP1-001、ATP1A1-001、NADK-002、およびITSN1-001が、それぞれペプチド負荷T2細胞に向けられた検出可能な細胞傷害性を誘発した。判定された細胞傷害性のEC
50値に基づいて、オフターゲットペプチドIFT17-003、IFIT1-001、FADS2-001、およびCTBP1-001を最も関連性の高いオフターゲットとして確認した(表4)。
【0720】
【0721】
実施例8:特異性熟成
PRAME-004と、健常組織発現オフターゲットペプチドIFT17-003、IFIT1-001、FADS2-001、およびCTBP1-001との細胞傷害性ウィンドウを増やすために、TCR変異型CDR6に基いて酵母表面ディスプレイを実施した。このために、対応する配列を、適切なグリシン-セリンリンカー配列(配列番号151)を有するscTCRCDR6(配列番号150)に変換した。pCT302に基づくリーダー配列とAga2p酵母接合タンパク質(配列番号152)とを含有する酵母ディスプレイベクターと共に、対応する配列のDNAをCDRa3を縮退させて合成し、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)EBY100(MATa AGA1::GAL20-AGA100::URA3 ura1-52 trp3 leu1.6-delta200 his1-delta2 pep4::HIS3 prbd1.6R can4 GAL)(ATCC(登録商標)MYA-4941(商標))に形質転換した(Boder et al.Methods Enzymol.2000;328:430-44)。酵母中での相同組換え後に得られた融合タンパク質(配列番号153)は、目的のタンパク質の提示に関与するAga2pタンパク質のN末端にあるリーダーペプチド(Boder et al.,Nat Biotechnol.1997 Jun;15(6):553-7)、発現制御のためのリンカー配列(それぞれ配列番号154および84)を含む短鎖ペプチドタグ(FLAGおよびMyc)、および目的のタンパク質、すなわちscTCR CDR6(配列番号150)またはその変異型を含有する。独国特許第102016121899号明細書に記載されるように形質転換を実施し、ライブラリあたり最大109個の酵母クローンを得た。
【0722】
酵母表面提示とそれに応じた選択および分析は、基本的にSmith et al.2015(Mol Biol.2015;1319:95-141)に記載されるように実施した。特異性が改善されているが、それでもなお高親和性のscTCR変異型を選択するために、低濃度の単量体HLA-A
*02/PRAME-004を正の選択に使用した。同時に、4つの最も関連性の高いオフターゲットペプチド、すなわちIFIT1-001、IFT17-003、FADS2-001、およびCTBP1-001に対する負の選択を、HLA-A
*02の文脈で実施した。3回の選択ラウンドの後、単一クローンを単離して分析し(
図8)、残りのバルク選択は、製造業者のプロトコルに従ってGeneMorph II(Agilent)を使用して、scTCR配列全体にかけて誤りがちなPCRに供した。得られたDNAは、新規選択ライブラリを作成するために、上記のように酵母に形質転換した。この新規に導出したライブラリを用いて、HLA-A
*02/PRAME-004に対する高親和性とHLA-A
*02/オフターゲットペプチドへの最小限の結合について選択プロセスを上述したように実施したところ、PRAME-004への結合と、オフターゲットペプチドIFIT1-001、IFT17-003、FADS2-001、およびCTBP1-001への結合との識別が強く増加した変異型が得られた(
図9)。scTCR CDR6に由来するCDRa3ライブラリの誤りがちなPCRライブラリから得られたscTCR変異型を酵母表面上に提示し、HLA-A
*02の文脈で、PRAME-004と標的外ペプチドIFT17-003、IFIT1-001、FADS2-001、およびCTBP1-001に対する結合をそれぞれ解析した。全てのHLA-A
*02/ペプチド複合体を100nMの濃度でscTCR提示酵母に添加し、陽性酵母細胞の百分率をフローサイトメトリー分析によって判定した。
【0723】
実施例9:健常組織細胞を用いた生体外安全性評価。
成熟R16P1C10 TCR変異型HiAff1を、実施例3による、TCR/抗CD3ダイアボディ-F
cフォーマットを用いた可溶性二重特異性分子として発現させた。TCER(登録商標)分子HiAff1の安全性プロファイルを異なる臓器のヒト正常組織初代細胞を用いたLDH殺滅実験で評価した(
図11)。健康なHLA-A
*02+ドナーからのPBMCエフェクター細胞と、初代組織細胞とを10:1の比率で、TCER(登録商標)濃度を上げながら共培養した。細胞は、正常組織初代細胞特異的培地と、T細胞培地との1:1混合物中で同時インキュベートした。対照として、PRAME陽性腫瘍細胞株Hs695Tを、正常組織初代細胞のそれぞれの培地の組み合わせで使用した。共培養の48時間後、上清を採取し、LDH-Glo(商標)キット(Promega)を使用してLDH放出を測定することによって、腫瘍細胞溶解を分析した。溶解はLDH放出に基づいて計算し、標的細胞のみの総LDH含有量が100%溶解値として機能した。
【0724】
実施例10:全血中で評価された安全性
R16P1C10の成熟HiAff1 TCR変異型を組み込んだ二重特異性TCR分子を、実施例1に従ってTCR/抗CD3ダイアボディ-F
cフォーマットとして設計した。HiAff1 TCER(登録商標)によって誘導されるサイトカイン放出は、全血中で生体外で評価した(分析はドイツ独国ロイトリンゲンのHOT Screen GmbHによって実施された)。3名の健康なHLA-A
*02陽性ドナーから新鮮に取得した全血を、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC;10,000細胞/ウェル)の存在下で、定義された濃度のHiAff1または抗CD3対照抗体と共にインキュベートした。48時間後に上清を回収し、-20℃で保存した後、上清中のサイトカイン濃度を多重化解析(Luminex(登録商標)ベースの技術)によって測定した。IFN-γおよびIL-6の放出の例示的データは、抗CD3対照抗体と比較してサイトカイン放出が皆無であるかまたは最小限であることを示し、HiAff1 TCER(登録商標)の良好な安全性プロファイルを強調している(
図12)。
【0725】
実施例11:質量分析法による初代組織上のPRAMEペプチドの検出
質量分析によるHLAリガンドの同定と相対的定量化のために、衝撃凍結サンプルからのHLA分子を精製し、HLA関連ペプチドを単離した。オンラインナノエレクトロスプレーイオン化(nanoESI)液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)実験によって、単離ペプチドを分離し、配列を同定した。ペプチドは原発性腫瘍のHLA分子のリガンドとして直接同定されたので、これらの結果は、同定されたペプチドが原発性がん組織上で自然にプロセスされ提示されること、ひいてはペプチドのLC-MSシグナル領域が、サンプル中のその存在量と相関することの直接的証拠を提供する。取得されたLC-MSデータは、引き続いて、配列同定、スペクトルクラスタリング、イオン計数、保持時間アライメント、荷電状態デコンボリューション、および正規化のためのアルゴリズムと組み合わされた、独自仕様のラベルフリー定量データ解析パイプラインを用いて、処理および定量化する(
図13を参照されたい)。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2023-01-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PRAMEペプチドに特異的に結合する抗原結合タンパク質であって、前記PRAMEペプチドが、配列番号8のアミノ酸配列SLLQHLIGLを含んでなり、MHCタンパク質との複合体中にあり、前記抗原結合タンパク質が、
(a)3つの相補性決定領域(CDR)CDRa1、CDRa2、およびCDRa3を含んでなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖
であって、ここで、
前記CDRa1は、アミノ酸配列DRGSQX
1(配列番号1)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X
1は、任意のアミノ酸であり、
前記CDRa2は、アミノ酸配列IYX
2X
3GD(配列番号2)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X
2およびX
3は、任意のアミノ酸であるが、ただしCDRa2は、アミノ酸配列IYSNGD(配列番号9)を含まずまたはそれから構成されず、
および
前記CDRa3は、アミノ酸配列CAAVIX
4NX
5X
6GGX
7LTF(配列番号3)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X
4~X
7は、任意のアミノ酸である
、
および
(b)3つの相補性決定領域(CDR)CDRb1、CDRb2、およびCDRb3を含んでなる第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖
であって、ここで、
前記CDRb1は、アミノ酸配列X
8GHRX
9(配列番号4)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X
8およびX
9は、任意のアミノ酸であり、
前記CDRb2は、アミノ酸配列YX
10X
11X
12X
13X
14(配列番号5)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X
10~X
14は任意のアミノ酸であり、
および
前記CDRb3は、アミノ酸配列CASSPWDSPNX
15QYF(配列番号6)を含んでなるかまたはそれからなり、ここで、X
15は、任意のアミノ酸である
、
を含んでなる、抗原結合タンパク質。
【請求項2】
前記抗原結合タンパク質が、MHCタンパク質、特にHLAタンパク質との複合体中のPRAMEの配列番号8のアミノ酸配列を含んでなるペプチドに特異的に結合する、請求項1に記載の抗原結合タンパク質。
【請求項3】
前記抗原結合タンパク質が、200nM以下のK
Dで、前記PRAMEペプチドとHLA-A
*02との複合体に結合する、請求項1または2に記載の抗原結合タンパク質。
【請求項4】
前記抗原結合タンパク質が、抗体またはその断片、または二重特異性抗体またはその断片、またはT細胞受容体
(TCR)またはその断片、または二重特異性T細胞受容体
またはその断片である、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
【請求項5】
前記第1のポリペプチドおよび前記第2のポリペプチドが、一緒に連結されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
【請求項6】
前記抗原結合タンパクが、一本鎖TCR(scTCR)または一本鎖二重特異性抗体である、請求項5に記載の抗原結合タンパク質。
【請求項7】
前記第1の可変ドメインが、FR
1-a、FR2-a、FR3-a、およびFR4-aからなる群から選択される1つまたは複数のフレームワーク領域をさらに含んでなる、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質であって、ここで、
FR1-aが、配列番号54のアミノ酸配列、または配列番号54と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
FR2-aが、配列番号55のアミノ酸配列または配列番号55と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
FR3-aが、配列番号56のアミノ酸配列、または配列番号56と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
FR4-aが、配列番号57のアミノ酸配列、または配列番号57と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
前記第2の可変ドメインが、FR1-b、FR2-b、FR3-b、およびFR4-bからなる群から選択される1つまたは複数のフレームワーク領域をさらに含んでなり、ここで、
FR1-bが、配列番号58のアミノ酸配列、または配列番号58と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
FR2-bが、配列番号59のアミノ酸配列、または配列番号59と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
FR3-bが、配列番号60のアミノ酸配列、または配列番号60と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
もしくは
FR3-bが、配列番号61のアミノ酸配列、または配列番号61と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなり、
または
FR4-bが、配列番号62のアミノ酸配列、または配列番号62と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなる、抗原結合タンパク質。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質であって、前記抗原結合タンパク質が、
(i)配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、および配列番号100からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号100からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖、および
配列番号83のアミノ酸配列または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖、または
(ii)配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖、および
配列番号83のアミノ酸配列または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖、または
(iii)配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号63、配列番号118からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号
116、配列番号63、配列番号118からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖、および
配列番号112のアミノ酸配列または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖
を含んでなる、抗原結合タンパク質。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質であって、前記抗原結合タンパク質が、
(i)配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、および配列番号100からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号100からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖
であって、ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型中のCDRは、好ましくは配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2アミノ酸配列、および配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号181または配列番号182のCDRa3を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなる
、および
配列番号83のアミノ酸配列、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖
であって、ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型中のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、および配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなる
、または
(ii)配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、または配列番号180からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111または配列番号180からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖
であって、ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型中のCDRは、好ましくは配列番号16のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号38、配列番号24、配列番号26、配列番号33、配列番号39、配列番号40、配列番号42、配列番号43、配列番号179配列番号44、配列番号21のCDRa3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなる
、および
配列番号83、または配列番号83と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型のアミノ酸配列を含んでなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖
であって、ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型のCDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、および配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなる
、または
(iii)配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号63、配列番号118からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号113、配列番号114、配列番号115、
配列番号116、配列番号63、配列番号118からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなる、第1の可変ドメインを含んでなる第1のポリペプチド鎖
であって、ここで、前記第1の可変ドメインまたはその変異型の前記CDRは、好ましくは配列番号16または配列番号11のCDRa1、配列番号17のCDRa2、および配列番号40、配列番号38、配列番号39、配列番号26または配列番号21のCDRa3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなる
、および
配列番号112のアミノ酸配列、または配列番号112と少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなるかまたはそれからなるその変異型を含んでなる、第2の可変ドメインを含んでなる第2のポリペプチド鎖(ここで、前記第2の可変ドメインまたはその変異型の前記CDRは、好ましくは配列番号45のCDRb1、配列番号46のCDRb2、および配列番号48のCDRb3のアミノ酸配列を含んでなり、好ましくは1つまたは2つのアミノ酸置換を含んでなる
、
を含んでなる、抗原結合タンパク質。
【請求項10】
前記第1の可変ドメインがTCRαまたはγ鎖に含まれ、および/または前記第2の可変ドメインがTCRβまたはδ鎖に含まれる、請求項1~9のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
【請求項11】
(i)1つまたは複数のさらなる抗原結合部位;
(ii
)細胞質シグナル伝達領域を
任意で含む
、膜貫通領域、
(iii)診断薬;
(iv)治療薬;または
(v)PK修飾部分
の1つまたは複数をさらに含んでなる、請求項1~10のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質。
【請求項12】
2つの抗原結合部位を形成する2つのポリペプチド鎖を含んでなる、請求項1~4およ
び7
~11のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質であって、
ここで、第1のポリペプチド鎖は、
式、V
3-L
1-V
4-L
2-C
L [I]
によって表わされる構造を有し
、
ここで、V
3は第3の可変ドメインであり;
V
4は第4の可変ドメインであり;
L
1およびL
2はリンカーであり;
L
2は存在してもまたは存在しなくてもよく;
C
Lは軽鎖定常ドメインまたはその一部であり、存在するかまたは存在しない
ものである;
および、ここで、第2のポリペプチド鎖は、
式、V
5-L
3-V
6-L
4-C
H1 [II]
によって表わされる構造を有し
、
ここで、V
5は第5の可変ドメインであり;
V
6は第6の可変ドメインであり;
L
3およびL
4はリンカーであり;
L
4は存在してもまたは存在しなくてもよく;
C
H1は重鎖定常ドメイン1またはその一部であり、存在するかまたは存在しない
ものである;
ここで、
V
3またはV
4は、第1の可変ドメインであり、
V
5またはV
6は、請求項1で定義される第2の可変ドメインであるか、または
V
5またはV
6は請求項1で定義される第1の可変ドメインであり、
およびV
3またはV
4は請求項1で定義される第2の可変ドメインであり、ここで、
V
3およびV
5が請求項1で定義される可変ドメインである場合、V
4またはV
6の1つは軽鎖可変ドメインであり、もう1つは重鎖可変ドメインであって、ここで、
V
3およびV
6が請求項1で定義される可変ドメインである場合、V
4またはV
5の1つは軽鎖可変ドメインであり、もう1つは重鎖可変ドメインであって、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインは、一緒に1つの抗原結合部位を形成する、抗原結合タンパク質。
【請求項13】
前記重鎖可変ドメインおよび前記軽鎖可変ドメインが、からなる群より選択される抗原に結合し、前記軽鎖可変ドメイン(V
L)が、CD3(CD3γ、CD3δ、およびCD3ε鎖
を含む)、CD4、CD7、CD8、CD10、CD11b、CD11c、CD14、CD16、CD18、CD22、CD25、CD28、CD32a、CD32b、CD33、CD41、CD41b、CD42a、CD42b、CD44、CD45RA、CD49、CD55、CD56、CD61、CD64、CD68、CD94、CD90、CD117、CD123、CD125、CD134、CD137、CD152、CD163、CD193、CD203c、CD235a、CD278、CD279、CD287、Nkp46、NKG2D、GITR、F
cεRI、TCRα/βおよびTCRγ/δ、HLA-DRからなる群より選択される抗原に結合し、および/またはエフェクター細胞に結合する、請求項12記載の抗原結合タンパク質。
【請求項14】
2つの抗原結合部位を形成する2つのポリペプチド鎖を含んでなる、請求項12または13に記載の抗原結合タンパク質であって、
ここで、1つのポリペプチド鎖は、
式[III]、V
3-L
1-V
4-L
2-C
L-L
5-F
c1[III]
によって表わされる構造を有し、
1つのポリペプチド鎖は、
式[IV]、V
5-L
3-V
6-L
4-C
1-L
6-F
c2[IV]
によって表わされる構造を有し、
ここで、V
3、L
1、V
4、L
2、C
L、F
c1、V
5、L
3、V
6、L
4、C
1、F
c2は、請求項1~13のいずれか一項で定義されるとおりであり、
ここで、L
5およびL
6はリンカーであり、存在するかまたは存在せず、および
F
c1およびF
c2はF
cドメインであり、ここで、F
c1およびF
c2は同じかまたは異なる、抗原結合タンパク質。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質をコード化する配列を含んでなる、単離核酸
または2つの分離された単離核酸。
【請求項16】
請求項15に記載の核酸を含んでなる、ベクター。
【請求項17】
請求項15に記載の核酸または請求項に記載の16ベクターで形質転換されている、宿主細胞。
【請求項18】
請求項1~14のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質、または請求項15に記載の核酸または請求項16に記載のベクターを含んでなる、宿主細胞。
【請求項19】
請求項の1~14のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質、請求項15に記載の核酸、請求項16に記載のベクター、または請求項17または18に記載の細胞宿主、および薬学的に許容可能な担体を含んでなる、医薬組成物。
【請求項20】
a.宿主細胞を提供するステップと、
b.請求項1~14のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質をコードするコード配列を含んでなる、遺伝子コンストラクトを提供するステップと、
c.前記遺伝子コンストラクトを前記適切な宿主細胞に導入するステップと、
d.前記適切な宿主細胞によって前記遺伝子コンストラクトを発現させるステップと
を含んでなる、請求項1~14のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質を製造する方法。
【請求項21】
前記宿主細胞から前記抗原結合タンパク質を単離および精製するステップと、任意選択的に、T細胞内で前記抗原結合タンパク質を再構成するステップとをさらに含んでなる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
医療で使用するための、請求項1~14のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質、請求項15に記載の核酸、請求項16に記載のベクター、請求項17または18に記載の宿主細胞、または請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項23】
非小細胞肺がん
および小細胞肺がん
を含む肺がん、肝臓がん、頭頸部がん、皮膚がん、腎細胞がん、脳がん、胃がん、結腸直腸がん、肝細胞がん、膵臓がん、前立腺がん、白血病、乳がん、メルケル細胞がん腫、黒色腫、卵巣がん、膀胱がん、子宮がん、胆嚢および胆管がん、および食道がんからなるがんの群から選択されるがん
を含む増殖性疾患の診断、予防、および/または治療で使用するための、請求項1~14のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質、請求項15に記載の核酸、または請求項16に記載のベクター、請求項17または18に記載の宿主細胞、または請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項24】
医薬の製造における、請求項1~14のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質、請求項15に記載の核酸、請求項16に記載のベクター、請求項17または18に記載の宿主細胞、または請求項19に記載の医薬組成物の使用。
【請求項25】
非小細胞肺がんおよび小細胞肺がんを含む肺がん、肝臓がん、頭頸部がん、皮膚がん、腎細胞がん、脳がん、胃がん、結腸直腸がん、肝細胞がん、膵臓がん、前立腺がん、白血病、乳がん、メルケル細胞がん腫、黒色腫、卵巣がん、膀胱がん、子宮がん、胆嚢および胆管がん、および食道がんからなるがんの群から選択されるがんを含む増殖性疾患の診断、予防、および/または治療のための医薬の製造における、請求項1~14のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質、請求項15に記載の核酸、または請求項16に記載のベクター、請求項17または18に記載の宿主細胞、または請求項19に記載の医薬組成物の使用。
【国際調査報告】