(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-16
(54)【発明の名称】発光ダイオード構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20230609BHJP
H01L 33/08 20100101ALI20230609BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L33/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555664
(86)(22)【出願日】2021-03-26
(85)【翻訳文提出日】2022-09-13
(86)【国際出願番号】 CN2021083179
(87)【国際公開番号】W WO2021203987
(87)【国際公開日】2021-10-14
(32)【優先日】2020-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522364295
【氏名又は名称】▲ライ▼▲イク▼光電科技(蘇州)有限公司
【氏名又は名称原語表記】RAYSOLVE OPTOELECTRONICS (SUZHOU) CO. LTD.
【住所又は居所原語表記】B302, Block 1, Creative Industry Park, No. 328 Xinghu Street, Suzhou Industrial Park Suzhou, Jiangsu 215000 CN
(74)【代理人】
【識別番号】110002181
【氏名又は名称】弁理士法人IP-FOCUS
(72)【発明者】
【氏名】ウィン チャン チョン
【テーマコード(参考)】
5F142
5F241
【Fターム(参考)】
5F142AA58
5F142AA66
5F142BA02
5F142BA32
5F142CB07
5F142CB12
5F142CB23
5F142CD02
5F142DB24
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5F241AA43
5F241CA04
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5F241CB11
5F241CB25
5F241CB33
5F241FF06
(57)【要約】
発光ダイオード(LED)構造は、基板と、基板の上に形成される複数のLEDユニットとを含む。各LEDユニットは、基板の上に形成される結合層、結合層の上に形成される第1のドーピング型半導体層、第1のドーピング型半導体層の上に形成される第2のドーピング型半導体層、第1のドーピング型半導体層の一部と第2のドーピング型半導体層の上に形成されるパッシベーション層、パッシベーション層の一部の上に形成され第2のドーピング型半導体層と接触する電極層を含む。複数のLEDユニットは、第1のLEDユニットと、第1のLEDユニットに隣接する第2のLEDユニットとを含む。第1のLEDユニットの第1のドーピング型半導体層は、第1のLEDユニットに隣接する第2のLEDユニットの第1のドーピング型半導体層まで水平に延在し、第1のLEDユニットおよび第2のLEDユニットは、個別的に機能可能なLEDユニットである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板の上に形成される複数のLEDユニットを含む発光ダイオード(LED)構造であって、
各前記LEDユニットは、
前記基板の上に形成される結合層と、
前記結合層の上に形成される第1のドーピング型半導体層と、
前記第1のドーピング型半導体層の上に形成される第2のドーピング型半導体層と、
前記第1のドーピング型半導体層の一部と前記第2のドーピング型半導体層の上に形成されるパッシベーション層と、
前記パッシベーション層の一部の上に形成され前記第2のドーピング型半導体層に接触する電極層と、を含み、
複数の前記LEDユニットは、第1のLEDユニットと、前記第1のLEDユニットに隣接する第2のLEDユニットとを含み、
前記第1のLEDユニットの前記第1のドーピング型半導体層は、前記第1のLEDユニットに隣接する前記第2のLEDユニットの前記第1のドーピング型半導体層まで水平に延在し、前記第1のLEDユニットおよび前記第2のLEDユニットは、個別に機能できるLEDユニットである、発光ダイオード構造。
【請求項2】
前記第1のLEDユニットの前記第2のドーピング型半導体層は、前記第2のLEDユニットの前記第2のドーピング型半導体層から電気的に絶縁されている請求項1に記載の発光ダイオード構造。
【請求項3】
各前記LEDユニットは、前記第1のドーピング型半導体層と前記第2のドーピング型半導体層との間に形成される多重量子井戸(MQW)層をさらに含む請求項1に記載の発光ダイオード構造。
【請求項4】
前記第1のドーピング型半導体層はp型半導体層であり、且つ前記第1のLEDユニットと前記第2のLEDユニットとの共通のアノードである請求項1に記載の発光ダイオード構造。
【請求項5】
前記第2のドーピング型半導体層はn型半導体層であり、且つ前記第1のLEDユニットおよび前記第2のLEDユニットのカソードである請求項1に記載の発光ダイオード構造。
【請求項6】
前記基板は、複数の前記LEDユニットを駆動するための駆動回路を含む請求項1に記載の発光ダイオード構造。
【請求項7】
各前記LEDユニットの前記電極層は、前記第1のドーピング型半導体層の上の開口部を介して前記駆動回路に接続されている請求項6に記載の発光ダイオード構造。
【請求項8】
基板と、前記基板の上に形成される複数のLEDユニットを含む発光ダイオード(LED)構造であって、
各前記LEDユニットは、
前記基板の上に形成されるp-nダイオード層と、
前記p-nダイオード層の上に形成されるパッシベーション層と、
前記パッシベーション層の上に形成され、前記p-nダイオード層に接続する電極層と、を含み、
複数の前記LEDユニットは、第1のLEDユニットと、前記第1のLEDユニットに隣接する第2のLEDユニットとを含み、前記第1のLEDユニットおよび前記第2のLEDユニットは共通のアノードを有し、前記第1のLEDユニットおよび前記第2のLEDユニットは個別的に機能可能なLEDユニットである、発光ダイオード構造。
【請求項9】
前記p-nダイオード層は、pドープ層、nドープ層、および前記pドープ層と前記nドープ層との間に形成される多重量子井戸(MQW)層とを含む請求項8に記載の発光ダイオード構造。
【請求項10】
前記pドープ層は、前記第1のLEDユニットおよび前記第2のLEDユニットの共通のアノードである請求項9に記載の発光ダイオード構造。
【請求項11】
前記第1のLEDユニットおよび前記第2のLEDユニットの前記nドープ層は、電気的に絶縁されている請求項9に記載の発光ダイオード構造。
【請求項12】
各前記LEDユニットは、前記基板と前記p-nダイオード層との間に形成される結合層をさらに含む請求項8に記載の発光ダイオード構造。
【請求項13】
前記基板は、複数の前記LEDユニットを駆動するための駆動回路を含む請求項8に記載の発光ダイオード構造。
【請求項14】
各前記LEDユニットの前記電極層は、前記p-nダイオード層の上の開口部を介して前記駆動回路に接続されている請求項13に記載の発光ダイオード構造。
【請求項15】
第1の基板の上に第1のドーピング型半導体層と第2のドーピング型半導体層とを含む半導体層を形成することと、
前記第2のドーピング型半導体層の一部を除去し、前記第1のドーピング型半導体層の一部を露出させるために第1のエッチング操作を行うことと、
前記第2のドーピング型半導体層および露出した前記第1のドーピング型半導体層の上にパッシベーション層を形成することと、
前記パッシベーション層の上に第1の開口部を形成することと、
前記第1の開口部を覆い前記第2のドーピング型半導体層と接触するために前記パッシベーション層の上に電極層を形成することと、
を含む発光ダイオード構造の製造方法。
【請求項16】
前記第1のエッチング操作の行うことは、
前記第2のドーピング型半導体層の一部を除去することと、
前記第1のドーピング型半導体層のあらかじめ決められた厚さが前記第1の基板の上に残るまで前記第1のドーピング型半導体層の一部を露光すること、をさらに含み、
残された前記第1のドーピング型半導体層は、発光ダイオード構造の複数の前記LEDユニットにわたって水平に延びる請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
前記第1の基板の上に前記半導体層を形成することは、接合層を介して前記半導体層を前記第1の基板の上に接合することをさらに含む請求項15に記載の製造方法。
【請求項18】
前記第1の基板の上に前記半導体層を形成することは、
前記第1の基板の上に駆動回路を形成することと、
第2の基板の上に前記半導体層を形成することと、
前記結合層を介して前記第1の基板の上に前記半導体層を接合することと、
前記第2の基板を除去すること、をさらに含む請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
前記パッシベーション層の上に前記第1の開口部を形成することは、
前記駆動回路の接触部を露出させるために前記パッシベーション層に第2の開口部を形成することをさらに含む請求項18に記載の製造方法。
【請求項20】
前記第1の開口部を覆い前記第2のドーピング型半導体層と接触するために前記パッシベーション層の上に前記電極層を形成することは、
前記第2のドーピング型半導体層と前記駆動回路の前記接触部とを電気的に接続するために、前記パッシベーション層の上に前記第1の開口部と前記第2の開口部を覆う前記電極層を形成することをさらに含む請求項19に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
出願に関連する相互参照文献
本願は、2020年4月9日に出願された米国仮出願番号No.63/007,829(名称:Semiconductor Array and Method of Monolithic Integration,)、および2021年1月29日に出願された仮出願ではない米国出願番号No.17/162,515(名称:Light Emitting Diode Structure and Method for Manufacturing the Same)の優先権を主張する。これらの内容は、ここで引用することにより、すべてが本出願に組み込まれるものとする。
【0002】
本発明開示は、発光ダイオード(LED)構造およびLED構造を製造するための方法、より具体的には、ドーピング層を共有しながら複数の個別に機能するLEDユニットを有するLED構造およびそれを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、LEDは照明用途で人気がある。光源としてのLEDには、発光効率の向上、エネルギー消費の削減、寿命の延長、サイズの小型化、スイッチングの高速化など、多くの利点がある。
【0004】
マイクロスケールLEDを備えたディスプレイは、マイクロLEDとして知られている。マイクロLEDディスプレイには、個々のピクセル要素を形成するマイクロLEDのアレイがある。ピクセルは、画像を構成する多くの領域の1つで、ディスプレイスクリーン上の微細な光輝領域でもよい。言い換えれば、ピクセルは、ディスプレイ上の画像を構成する小さな個別の要素でもよい。ピクセルは通常、2次元(2D)マトリックス状に配置され、ドット、正方形、長方形、またはその他の形状を使用して表される。ピクセルは、ディスプレイまたはデジタル画像の基本的な構成要素であり、幾何学的な座標を持ってもよい。
【0005】
マイクロLEDを製造する場合、個々のマイクロLEDを電気的に分離するために、ドライエッチングやウェットエッチングプロセスなどのエッチングプロセスが頻繁に使用される。複数の完全に分離された機能的なマイクロLEDメサを生成するために、従来のプロセスは通常、連続的で機能的なエピタキシー層を完全にエッチングする。ただし、マイクロLEDメサの接着力が弱いため、従来のマイクロLEDメサを駆動回路基板などの基板に転写する場合や転写後に、完全に分離された機能的なマイクロLEDメサが基板から容易に剥がれる可能性がある。マイクロLEDメサがさらに小さくなると、この問題はさらに深刻になる。さらに、マイクロLEDメサを分離するための従来のエッチングプロセス中に、マイクロLEDメサの側壁が損傷し、LED構造の光学的および電気的特性に影響を与える可能性がある。
【0006】
本発明開示の実施形態は、ドーピング層または結合層およびそれを製造するための方法を示しながら、複数の個別的に機能可能なLEDユニットを備えたLED構造を提供することによって上記の問題に対処するものである。
【発明の概要】
【0007】
LED構造の実施形態およびLED構造を形成するための方法が本明細書に開示される。
【0008】
一例において、LED構造が開示されている。LED構造には、基板と、基板の上に形成された複数のLEDユニットが含まれる。各LEDユニットは、基板の上に形成された結合層、結合層の上に形成された第1のドーピング型半導体層、第1のドーピング型半導体層の上に形成された第2のドーピング型半導体層、第1のドーピング型半導体層の一部および第2のドーピング型半導体層の上に形成されたパッシベーション層、およびパッシベーション層の一部に形成され第2のドーピング型半導体層と接触する電極層を含む。複数のLEDユニットは、第1のLEDユニットと、第1のLEDユニットに隣接する第2のLEDユニットとを含む。第1のLEDユニットの第1のドーピング型半導体層は、第1のLEDユニットに隣接する第2のLEDユニットの第1のドーピング型半導体層に水平的に延びかつ物理的に接続され、第1のLEDユニットおよび第2のLEDユニットは個別的に機能するLEDユニットである。
【0009】
もう一つの例において、LED構造が開示されている。LED構造には、基板と、基板の上に形成された複数のLEDユニットが含まれる。各LEDユニットは、基板の上に形成されたp-nダイオード層、p-nダイオード層の上に形成されたパッシベーション層、およびパッシベーション層の上に形成されp-nダイオード層に接触する電極層を含む。複数のLEDユニットは、第1のLEDユニットと、第1のLEDユニットに隣接する第2のLEDユニットとを含む。第1のLEDユニットと第2のLEDユニットには共通のアノードがあり、第1のLEDユニットと第2のLEDユニットは個別的に機能するLEDユニットである。
【0010】
さらなる例においては、LED構造を製造するための方法が開示される。半導体層が第1の基板の上に形成される。その半導体層は、第1のドーピング型半導体層と第2のドーピング型半導体層とを含む。第1のドーピング型半導体層の一部を露出させ第2のドーピング型半導体層の一部を除去するために、第1のエッチング操作が施される。第1のドーピング型半導体層の一部を除去しピクセル回路の接触を伴い第1の基板の一部を露出させるために、第2のエッチング操作が施される。パッシベーション層は、第2のドーピング型半導体層と露出した第1のドーピング型半導体層の上に形成される。第3のエッチング操作を行って、第2のドーピング型半導体層のパッシベーション層に第1の開口部を形成し、ピクセル回路と接触して第1の基板のパッシベーション層に第2の開口部を形成する。電極層は、第2のドーピング型半導体層と接触するパッシベーション層の上に形成される第1の開口部と、ピクセル回路と接触し第1の基板と接触する第2の開口部とを覆う。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成する添付図面は、本発明開示の実施について示している。そして、本明細書の説明とともに更に本発明開示が説明され関連技術の当業者が本発明開示を実施できることを可能にしている。
【0012】
【
図1】本開示のいくつかの実施例による、例示的なLED構造の平面図を示す。
【
図2】本開示のいくつかの実施例による、例示的なLED構造の断面図を示す。
【
図3】本開示のいくつかの実施例による、例示的なLED構造の別の断面図を示す。
【
図4】本開示のいくつかの実施例による、例示的なLED構造の別の平面図を示す。
【
図5】本開示のいくつかの実施例による、別の例示的なLED構造の平面図を示す。
【
図6A】本開示のいくつかの実施例による、製造プロセスの異なる段階での例示的なLED構造の断面を示す。
【
図6B】本開示のいくつかの実施例による、製造プロセスの異なる段階での例示的なLED構造の断面を示す。
【
図6C】本開示のいくつかの実施例による、製造プロセスの異なる段階での例示的なLED構造の断面を示す。
【
図6D】本開示のいくつかの実施例による、製造プロセスの異なる段階での例示的なLED構造の断面を示す。
【
図6E】本開示のいくつかの実施例による、製造プロセスの異なる段階での例示的なLED構造の断面を示す。
【
図6F】本開示のいくつかの実施例による、製造プロセスの異なる段階での例示的なLED構造の断面を示す。
【
図6G】本開示のいくつかの実施例による、製造プロセスの異なる段階での例示的なLED構造の断面を示す。
【
図6H】本開示のいくつかの実施例による、製造プロセスの異なる段階での例示的なLED構造の断面を示す。
【
図7】本開示のいくつかの実施例による、LED構造を製造するための例示的な方法のフローチャートである。
【0013】
本開示の実施例は、添付の図面を参照して説明される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
特定の構成および配置について説明するが、これは説明のみを目的としてなされていると理解すべきである。したがって、本発明開示の範囲から逸脱することなく他の構成および配置が使用可能である。また、本発明開示は、他の様々な用途にも使用することができる。本発明開示に記載される機能的および構造的特徴は、これらの組み合わせ、調整、および変更が本発明開示の範囲内にあるように、図面に具体的に示されていない方法で、互いに組み合わせ、調整、変更することができる。
【0015】
一般的に、用語は文脈での使用法から少なくとも部分的に理解することができる。たとえば、本明細書で使用される「1つまたは複数」という用語は、少なくとも部分的に文脈に応じて、単一の意味での任意の特徴、構造、または特徴を説明するために使用されてよいし、または複数の意味での機能、構造、または特性の組み合わせを説明するために使用されてもよい。同様に、「a」、「an」、または「the」などの用語は、少なくとも部分的に文脈に応じて、単一での使用法か、または複数での使用法を示すと理解されてよい。さらに「基づく」という用語は、必ずしも排他的な要因を示すことを意図していないと理解されてよく、その代わりに、少なくとも部分的に文脈に応じて、必ずしも明示的に説明されていない追加の要因の存在を可能にしてもよい。
【0016】
本開示における「…の上に(on)」、「…から離れてそれより上に(above)」、および「…の真上に(over)」の意味は、「…の上に(on)」が何かを「直接の上」を意味するだけでなく、中間の特徴またはその間に層がある何かの「上」のような意味も含むように、また、「…から離れてそれより上に(above)」または「…の真上に(over)」とは、何かの「…から離れてそれより上に(above)」または「…の真上に(over)」の意味を意味するだけでなく、中間の特徴または層がない何かの「…から離れてそれより上に(above)」または「…の真上に(over)」の意味(つまり、何かに直接)を含むように、最も広い方法で解釈されるべきであることは容易に理解されるべきである。
【0017】
さらに、「…の下に(beneath)」、「…から離れてそれより下に(below)」、「低くする(lower)」、「…から離れてそれより上に(above)」、「上のほうの(upper)」などのような空間的に相対的な用語は、説明を容易にするために、図面に示されているように、ある要素または他の要素と機能との関係を説明するために使用することができる。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用中または操作中のデバイスのさまざまな方向を包含することを意図している。装置に関しては、他の方法で方向付けられ(90度または他の方向に回転され)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述は、同様にそれに応じて解釈されてもよい。
【0018】
本明細書で使用される場合、「層」という用語は、厚さのある領域を含む材料部分を指す。層は、下にある構造または上にある構造全体に広がることができ、または、下にある構造または上にある構造の範囲よりも小さい範囲を有してもよい。さらに、層は、連続構造の厚さよりも薄い厚さを有する均質または不均質の連続構造の領域であることも可能である。たとえば、層は、連続構造の上面と下面の間、またはその上にある水平面の任意のペアの間に配置できる。層は、水平方向、垂直方向、および/またはテーパー面に沿って延びることができる。基板は、層であることができ、その中に1つまたは複数の層を含むことができ、および/または、その上および/または下に1つまたは複数の層を有することができる。層には複数の層を含めることができる。たとえば、半導体層は、1つまたは複数のドープまたは非ドープの半導体層を含むことができ、同じまたは異なる材料を有することができる。
【0019】
本明細書で使用される場合、「基板」という用語は、後続の材料層が追加される材料を指す。基板自体はパターン化可能である。基板の上に追加された材料は、パターン化することも、パターン化しないままにすることも可能である。さらに、基板は、シリコン、シリコンカーバイド、ガリウムナイトライド、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、インジウムホスファイドなどの幅広い半導体材料を含むことができる。あるいは、基板は、ガラス、プラスチック、またはサファイアウェーハなどの非導電性材料から作成可能である。さらにその代わりに、基板は、その中に形成された半導体デバイスまたは回路を有することができる。
【0020】
本明細書で使用される場合、「マイクロ」LED、「マイクロ」p-nダイオードまたは「マイクロ」デバイスという用語は、本発明開示の実施による特定のデバイスまたは構造の記述的な大きさを示す。本明細書で使用される場合、「マイクロ」デバイスまたは構造という用語は、0.1から100μmの大きさを示すことを意味する。しかしながら、本発明開示の実施では必ずしもそのように限定されるわけではなく、実施の特定での見方は、より大きく、場合によってはより小さな大きさのスケールに適用可能であり得ることを理解されたい。
【0021】
本発明の実施は、LED構造またはマイクロLED構造、および構造を製造するための方法を説明する。マイクロLEDディスプレイを製造するために、エピタキシー層が受容基板に結合される。受容基板は、例えば、これらに限定されないが、CMOS背面配線板またはTFTガラス基板を含むディスプレイ基板でもよい。次に、エピタキシー層は、受容基板の上のマイクロLEDのアレイで形成される。受容基板の上にマイクロLEDを形成する場合、受容基板への小さな機能性メサの接着は弱くメサのサイズに比例するため、複数の小さな機能メサが受容基板から剥がれ製造プロセス中にディスプレイの故障(ドット抜け)を引き起こす可能性がある。前述の問題に対処するために、本発明開示は、機能エピタキシー層が部分的にパターン化/エッチングされ、薄い連続的機能層および結合層を残して潜在的な剥離を回避することを可能にする解決策を導入する。さらに、本発明開示に記載の製造方法は、機能性メサの側壁の物理的損傷をさらに低減し、LEDの発光領域である量子井戸構造の損傷を低減し、機能性メサの光学的および電気的特性を改善することができる。
【0022】
図1は、本発明開示のいくつかの実施形態による、例示的なLED構造100の平面図を示しており、
図2は、本発明開示のいくつかの実施形態による、線A-A’に沿った例示的なLED構造100の断面図を示している。本開示をよりよく説明するために、
図1のLED構造100の平面図と
図2のLED構造100の断面図を一緒に説明する。LED構造100は、第1の基板102および複数のLEDユニット116(例えば、
図2に示されるようなLEDユニット116-1、116-2、116-3、および116-4)を含む。LEDユニット116は、結合層104を介して第1の基板102の上に結合される。いくつかの実施形態では、第1の基板102は、シリコン、炭化ケイ素、窒化ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素化ガリウム、リン化インジウムなどの半導体材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の基板102は、ガラス、プラスチック、またはサファイアウェーハなどの非導電性材料から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の基板102は、その中に形成された駆動回路を有してもよく、第1の基板102は、CMOS背面配線板またはTFTガラス基板でもよい。駆動回路は、輝度を制御するためにLEDユニット116に電子信号を提供する。いくつかの実施形態では、駆動回路は、個々のLEDユニット116が独立したドライバに対応するアクティブマトリックス駆動回路を含んでもよい。いくつかの実施形態では、駆動回路は複数のLEDユニット116がアレイ状に整列され、駆動回路によって駆動されるデータラインおよびスキャンラインに接続されるパッシブマトリックス駆動回路を含んでもよい。
【0023】
結合層104は、第1の基板102とLEDユニット116とを結合するために第1の基板102の上に形成された接着剤の層である。いくつかの実施形態では、結合層104は、金属または金属合金などの導電性材料を含んでもよい。いくつかの実施例では、結合層104は、金、スズ、インジウム、銅またはチタンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、結合層104は、ポリイミド(PI)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などの非導電性材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、結合層104は、SU-8フォトレジストなどのフォトレジストを含んでもよい。いくつかの実施形態では、結合層104は、ハイドロシルセスキオキサン(HSQ)またはジビニルシロキサン-ビス-ベンゾシクロブテン(DVS-BCB)でもよい。結合層104の材料の説明は、単なる例示であり限定するものではなく、当技術分野の当業者は要求に応じて変更することができ、そのすべてが本出願の範囲内であることが理解される。
【0024】
図2を参照すると、各LEDユニット116は、結合層104のその部分、第1のドーピング型半導体層106、および第2のドーピング型半導体層108を含む。第1のドーピング型半導体層106は、結合層104の上に形成される。いくつかの実施形態では、第1のドーピング型半導体層106および第2のドーピング型半導体層108は、ZnSeやZnOなどのII-VI材料、またはGaN、AlN、InN、InGaN、GaP、AlInGaP、AlGaAsなどのIII-V窒化物材料、およびそれらの合金に基づく1つまたは複数の層を含んでもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1のドーピング型半導体層106は、複数のLEDユニット116(例えば、
図2に示されるような4つのLEDユニット116)にまたがり、これらのLEDユニット116の共通アノードを形成するp型半導体層でもよい。例えば、LEDユニット116-2の第1のドーピング型半導体層106は、隣接するLEDユニット116-1および116-3まで延在し、同様に、LEDユニット116-3の第1のドーピング型半導体層106は、隣接するLEDユニット116-2および116-4まで延在する。いくつかの実施形態では、LEDユニットを横切って延びる第1のドーピング型半導体層106は、比較的薄くてもよい。いくつかの実施形態では、第1のドーピング型半導体層106の厚さは、約0.05μmから約1μmの間であってもよい。他のいくつかの実施形態では、第1のドーピング型半導体層106の厚さは、約0.05μmから約0.7μmの間でもよい。いくつかの置き換えられた実施形態では、第1のドーピング型半導体層106の厚さは、約0.05μmから約0.5μmの間でもよい。個々のLEDユニット全体にわたって連続的な第1のドーピング型半導体の薄い層を有することにより、第1の基板102と複数のLEDユニット116との間の結合領域は、第2のドーピング型半導体層108の下の領域に限定されず、個々のLEDユニット間の領域にも拡張される。換言すれば、連続的な第1のドーピング型半導体の薄い層を有することにより、結合層104の面積が増加する。したがって、第1の基板102と複数のLEDユニット116との間の結合強度が強化され、LED構造100の剥離のリスクを低減することができる。
【0026】
いくつかの実施装形態では、第1のドーピング型半導体層106は、p型のGaNでもよい。いくつかの実施形態では、第1のドーピング型半導体層106は、GaNにマグネシウム(Mg)をドーピングすることによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のドーピング型半導体層106は、p型のInGaNであってもよい。いくつかの実施形態では、第1のドーピング型半導体層106は、p型AlInGaPでもよい。LEDユニット116のそれぞれは、駆動回路、例えば第1の基板102(駆動回路は明示的に示されていない)に形成されたものに接続されたアノードおよびカソードを有する。例えば、各LEDユニット116は、定電圧源に接続されたアノードと、駆動回路のソース/ドレイン電極に接続されたカソードを有する。換言すると、個々のLEDユニット116にわたって連続的な第1のドーピング型半導体層106を形成することにより、複数のLEDユニット116は、第1のドーピング型半導体層106および結合層104によって形成される共通のアノードを有する。
【0027】
いくつかの実施形態では、第2のドーピング型半導体層108は、n型半導体層でもよく、各LEDユニット116のカソードを形成する。いくつかの実施形態では、第2のドーピング型半導体層108は、n型GaNでもよい。いくつかの実施形態では、第2のドーピング型半導体層108は、n型InGaNでもよい。いくつかの実施形態では、第2のドーピング型半導体層108は、n型AlInGaPでもよい。異なるLEDユニット116の第2のドーピング型半導体層108は電気的に絶縁されており、したがって、各LEDユニット116は他のユニットとは異なる電圧レベルを有することができるカソードを有する。開示された実施の結果として、複数の個別に機能可能なLEDユニット116が、隣接するLEDユニットにわたって水平方向に延在する第1のドーピング型半導体層106と、隣接するLEDユニット間で電気的に絶縁される第2のドーピング型半導体層108とを伴って形成される。
【0028】
各LEDユニット116は、第1のドーピング型半導体層106と第2のドーピング型半導体層108との間に形成された多重量子井戸(MQW)層110をさらに含む。MQW層110は、LEDユニット116のアクティブ領域である。いくつかの実施形態では、第1のドーピング型半導体層106、MQW層110、および第2のドーピング型半導体層108を含む厚さは、約0.3μmから約5μmの間でもよい。他のいくつかの実施形態では、第1のドーピング型半導体層106、MQW層110、および第2のドーピング型半導体層108を含む厚さは、約0.4μmから約4μmの間でもよい。いくつかの代替的な実施形態では、第1のドーピング型半導体層106、MQW層110、および第2のドーピング型半導体層108を含む厚さは、約0.5μmから約3μmの間でもよい。
【0029】
図2に示すように、パッシベーション層112は、第2のドーピング型半導体層108および第1のドーピング型半導体層106の一部の上に形成される。パッシベーション層112は、LEDユニット116を保護および隔離するために使用してもよい。いくつかの実施形態では、パッシベーション層112は、SiO
2、Al
2O
3、SiNまたは他の適切な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、パッシベーション層112は、ポリイミド、SU-8フォトレジスト、または他の光学パターン化可能なポリマーを含んでもよい。パッシベーション層112の一部の上に電極層114が形成され、電極層114はパッシベーション層112の上の開口部を介して第2のドーピング型半導体層108と電気的に接続する。いくつかの実施形態では、電極層114は、インジウムスズ酸化物(ITO)、Cr、Ti、Pt、Au、Al、Cu、GeまたはNiなどの導電性材料でもよい。
【0030】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、線B-B’に沿った例示的なLED構造100の別の断面図を示す。第1の基板102は、LEDユニット116を駆動するためにその中に形成された駆動回路を有する。駆動回路の接触部118は2つのLEDユニット116の間に露出しており、接触部118は電極層114を介して第2のドーピング型半導体層108と電気的に接続されている。換言すれば、第2のドーピング型半導体層108と駆動回路の接触部118との電気的接続は、電極層114によって達成される。上記のように、第2のドーピング型半導体層108は各LEDユニット116のカソードを形成し、したがって、接触部118は電極層114を介して駆動回路から第2のドーピング型半導体層108への各LEDユニット116のカソードの駆動電圧を提供する。
【0031】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、LED構造100の別の平面図を示す。
図4では、説明のために、電極層114およびパッシベーション層112の下の層が破線で示されている。
図4では、LED構造100は16個のLEDユニット116を含む。各LEDユニット116は、第1のドーピング型半導体層106および第2のドーピング型半導体層108および多重量子井戸110によって形成されたp-nダイオード層を含む。パッシベーション層112は、p-nダイオード層の上に形成され、電極層114はパッシベーション層112の上に形成される。
【0032】
開口部120は、第2のドーピング型半導体層108を露出するパッシベーション層112の上に形成され、開口部122は、接触部118を露出するパッシベーション層112の上に形成される。電極層114は、開口部120および開口部122を覆うパッシベーション層112の一部の上に形成される。したがって電極層114は、第2のドーピング型半導体層108および接触部118と電気的に接続する。
図4に示される例において、開口部120は各LEDユニット116の中心に配置され、開口部122は隣接するLEDユニット116の空間に配置される。開口部120、開口部122、および電極層114の位置および設計(形状およびサイズなど)は、要求に基づいて
図4に示される例から逸脱してもよく、ここに限定されないことは理解される。
【0033】
図4では、LED構造100は16個のLEDユニット116を含み、各LEDユニット116は個別的に機能することができる。第1のドーピング型半導体層106は、第2のドーピング型半導体層108およびパッシベーション層112の下に位置し、第1のドーピング型半導体層106はこれらの16個のLEDユニット116の共通のアノードである。これらのLEDユニットの第1のドーピング型半導体層106(例えば、16個のLEDユニット116)が、LED構造100を形成する製造プロセス中だけでなく、製造プロセス後にも電気的に接続されるとき、本開示では一貫して、複数のLEDユニットは「個別的に機能可能」であると言われ、各LEDユニット116は、異なる駆動回路によって個別的に駆動することができる。
【0034】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による別のLED構造500の平面図を示す。
図5の平面図における第2のドーピング型半導体層108の形状は円形であり、これは
図4に示されるLED構造100の平面図における第2のドーピング型半導体層108の形状とは異なる。いくつかの実施形態では、平面図における第2のドーピング型半導体層108の位置および形状は、様々な設計または用途に応じて変更可能で、また平面図における第2のドーピング型半導体層108またはLEDユニット116の形状がこれに限定されないことは理解される。いくつかの実施形態では、平面図における開口部120、開口部122、電極層114、または接触部118の位置および形状も、様々な設計および用途に応じて変更することができ、これに限定されない。
【0035】
図6A~6Hは、本開示のいくつかの実施形態による、製造プロセス中の例示的なLED構造100の断面を示す。
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、LED構造100を製造するための例示的な製造方法700のフローチャートである。本開示をよりよく説明するために、
図6A~6Iおよび
図7のフローチャートが一緒に説明される。
図6Aでは、駆動回路が第1の基板102に形成され、駆動回路は接触部118を含む。例えば、駆動回路は、シリコンウェーハの上に製造されたCMOSデバイスを含んでもよく、いくつかのウェーハレベルのパッケージング層またはファンアウト構造が、接触部118を形成するためにCMOSデバイスの上に積み重ねられる。別の例としては、駆動回路はガラス基板の上に製造されたTFTを含んでもよく、いくつかのウェーハレベルのパッケージング層またはファンアウト構造が、接触部118を形成するためにTFTの上に積み重ねられる。第2の基板124の上に半導体層が形成され、当該半導体層は、第1のドーピング型半導体層106、第2のドーピング型半導体層108、およびMQW層110を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1の基板102または第2の基板124は、シリコン、炭化ケイ素、窒化ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素化ガリウム、リン化インジウムなどの半導体材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の基板102または第2の基板124は、ガラス、プラスチック、またはサファイアウェーハなどの非導電性材料から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の基板102は、その中に形成された駆動回路を有してもよく、第1の基板102は、CMOS背面配線板またはTFTガラス基板を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のドーピング型半導体層106および第2のドーピング型半導体層108は、ZnSeやZnOなどのII-VI材料、またはGaN、AlN、InN、InGaN、GaP、AlInGap,AlGaAsおよびそれらの合金などのIII-V窒化物材料に基づく1つまたは複数の層を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のドーピング型半導体層106はp型半導体層を含んでもよく、第2のドーピング型半導体層108はn型半導体層を含んでもよい。
【0037】
図6Bでは、結合層104が第1の基板102の上に形成される。いくつかの実施形態では、結合層104は金属または金属合金などの導電性材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、結合層104は、Au、Sn、In、CuまたはTiを含んでもよい。いくつかの実施形態では、結合層104はポリイミド(PI)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などの非導電性材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、結合層104はSU-8フォトレジストなどのフォトレジストを含んでもよい。いくつかの実施形態では、結合層104はハイドロシルセスキオキサン(HSQ)またはジビニルシロキサン-ビス-ベンゾシクロブテン(DVS-BCB)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、導電層126は、第1のドーピング型半導体層106の上に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、導電層126は、第1のドーピング型半導体層106を覆う共通の電極を形成してもよい。いくつかの実施形態では、導電層126は、第1のドーピング型半導体層106の上に抵抗接触を形成してもよい。いくつかの実施形態では、導電層126および結合層104は、後の操作で集合的に1つの層として参照されることがある。
【0038】
図6Cおよび
図7の操作702を参照すると、第1のドーピング型半導体層106、第2のドーピング型半導体層108およびMQW層110を含む第2の基板124および半導体層は裏返され、結合層104および導電層126を介して第1の基板102に結合される。次に、第2の基板124が半導体層から除去される。
図6Cは、第1の基板102と第1のドーピング型半導体層106との間の結合層104を示す。しかしながら、いくつかの実施形態では、結合層104は、第1の基板102および第1のドーピング型半導体層106を結合するための1つまたは複数の層を含んでもよい。例えば、結合層104は単一の導電層または非導電層を含んでもよい。別の例として、結合層104は接着剤および導電層または非導電層を含んでもよい。いくつかの実施形態では、結合層104および導電層126は、操作702の後、集合的に1つの層として参照してもよい。結合層104の材料の説明は、単なる例示であり、限定するものではなく、当技術分野の当業者は、要求に応じて変更することができ、そのすべてが本出願の範囲内であると理解される。
【0039】
図6Dでは、第2のドーピング型半導体層108に対して薄化操作を行い、第2のドーピング型半導体層108の一部を除去することができる。いくつかの実施形態では、薄化操作はドライエッチングまたはウェットエッチング操作を含んでもよい。いくつかの実施形態では、薄化操作は化学機械研磨(CPM)操作を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のドーピング型半導体層106、MQW層110、および第2のドーピング型半導体層108を含む厚さは、約0.3μmから約5μmの間でもよい。他のいくつかの実施形態では、第1のドーピング型半導体層106、MQW層110、および第2のドーピング型半導体層108を含む厚さは、約0.4μmから約4μmの間でもよい。いくつかの他の実施形態では、第1のドーピング型半導体層106、MQW層110、および第2のドーピング型半導体層108を含む厚さは、約0.5μmから約3μmの間でもよい。
【0040】
図6Eおよび
図7の操作704を参照すると、第1のエッチング操作を行うと、第2のドーピング型半導体層108の一部を除去し、第1のドーピング型半導体層106の一部を露出させることができる。第1のドーピング型半導体層106の一部は、第1のドーピング型半導体層106の所定の厚さが第1の基板102の上に残るまで露光される。いくつかの実施形態では、残った第1のドーピング型半導体層106は、LED構造100の複数のLEDユニット116(
図6Eに示される4つのLEDユニット116など)を横切って水平に延びる。いくつかの実施形態では、第1のドーピング型半導体層106のあらかじめ決められた厚さは、約0.05μmから約1μmの間でもよい。他のいくつかの実施形態では、第1のドーピング型半導体層106のあらかじめ決められた厚さは、約0.05μmから約0.7μmの間でもよい。いくつかの代替できる実施形態では、第1のドーピング型半導体層106のあらかじめ決められた厚さは、約0.05μmから約0.5μmの間でもよい。704の操作の後、各LEDユニット116の第2のドーピング型半導体層108およびMQW層110は、電気的に分離されてもよく、隣接するLEDユニット116(LEDユニット116-1、116-2、116-3および116-4など)の第1のドーピング型半導体層106は、電気的に接続されてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、704の操作中に、第1のエッチング操作が、第2のドーピング型半導体層108の一部を除去するために行われ、MQW層110の一部を露出させる。MQW層110の一部は、あらかじめ決められた厚さの第1のドーピング型半導体層106およびMQW層110が第1の基板102の上に残るまで露光される。いくつかの実施形態では、残った第1のドーピング型半導体層106およびMQW層110は、LED構造100の複数のLEDユニット116(
図6Eに示される4つのLEDユニット116など)にわたって水平に延びる。いくつかの実施形態では、第1のドーピング型半導体層106およびMQW層110のあらかじめ決められた厚さは、約0.05μmから約1μmの間でもよい。他のいくつかの実施形態では、第1のドーピング型半導体層106およびMQW層110のあらかじめ決められた厚さは、約0.05μmから約0.7μmの間でもよい。いくつかの代替できる実施形態では、第1のドーピング型半導体層106およびMQW層110のあらかじめ決められた厚さは、約0.05μmから約0.5μmの間でもよい。704の操作の後、各LEDユニット116の第2のドーピング型半導体層108は電気的に分離されてもよく、隣接するLEDユニット116(LEDユニット116-1、116-2、116-3、116-4など)の第1のドーピング型半導体層106およびMQW層110は、電気的に接続されてもよい。
【0042】
図6Fを参照すると、第2のエッチング操作は、第1のドーピング型半導体層106の一部を除去し接触部118を露出させるために為されてもよい。第2のエッチング操作は、ドライエッチングまたはウェットエッチング操作でもよい。ドライエッチング操作またはウェットエッチング操作において、ハードマスク(例えば、フォトレジスト)は、フォトリソグラフィープロセスによって第2のドーピング型半導体層108および第1のドーピング型半導体層106の一部の上に形成されてもよい。次に、第1のドーピング型半導体層106の覆われていない部分が、接触部118を露出させるために、ドライエッチングプラズマまたはウェットエッチング溶液によって除去される。
【0043】
図6Gおよび
図7の操作706を参照すると、パッシベーション層112は、第2のドーピング型半導体層108、露出された第1のドーピング型半導体層106、および露出された接触部118の上に形成される。いくつかの実施形態では、パッシベーション層112は、SiO2、Al2O3、SiN、または分離および保護のための他の適切な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、パッシベーション層112は、ポリイミド、SU-8フォトレジスト、または他の光学パターン化可能なポリマーを含んでもよい。
図7の操作708では、
図6Gに示すように、開口部120および開口部122が形成される。開口部120は第2のドーピング型半導体層108の一部を露出させ、開口部122は接触部118を露出させる。いくつかの実施形態では、操作708は、パッシベーション層112の一部を除去し開口部120および開口部122を形成するために、第3のエッチング操作によって為されてもよい。いくつかのさらなる実施形態において、用意されたパッシベーション層112が感光性材料(例えば、ポリイミド、SU-8フォトレジスト、または他の光学パターン化可能ポリマー)によって形成されるとき、708の操作は、パッシベーション層112をパターンニングするためのフォトリソグラフィー操作によって実行されてもよく、開口部120および開口部122を露出させる。
【0044】
図6Hおよび
図7の710の操作を参照すると、電極層114は開口部120および開口部122を覆うためにパッシベーション層112の上に形成される。したがって、電極層114は第2のドーピング型半導体層108と接触部118を電気的に接続し、LEDユニットを第1の基板102の駆動回路と接続するための電気経路を形成する。駆動回路は、接触部118および電極層114を介して第2のドーピング型半導体層108の電圧および電流レベルを制御してもよい。いくつかの実施形態では、電極層114はインジウムスズ酸化物(ITO)、Cr、Ti、Pt、Au、Al、Cu、GeまたはNiなどの導電性材料を含んでもよい。
【0045】
本発明開示は、LED構造と、第1のドーピング型半導体層106および第2のドーピング型半導体層108などの機能性エピタキシー層が、部分的にパターン化/エッチングされて薄い連続機能層(第1のドーピング型半導体層106など)が潜在的な剥離を回避して残すことを可能にするLED構造の製造方法と、そのLED構造を提供する。さらに、本発明開示は、第1のドーピング型半導体層106の上にMQW層を残すための別のオプションも提供する。また、本発明開示で紹介する製造方法は、機能メサ(LEDユニット116など)の側壁の物理的損傷をさらに低減し、LEDの発光領域である量子井戸構造の損傷を低減し、機能性メサの光学的および電気的特性を改善することができる。
【0046】
本発明開示の一つの態様に応じて、LED構造が開示される。LED構造は、基板と、その基板の上に形成された複数のLEDユニットとを含む。各LEDユニットは、基板の上に形成された結合層、結合層の上に形成された第1のドーピング型半導体層、第1のドーピング型半導体層の上に形成された第2のドーピング型半導体層、第2のドーピング型半導体層と第1のドーピング型半導体層の一部の上に形成されたパッシベーション層、およびパッシベーション層の一部の上に形成され第2のドーピング型半導体層と接触する電極層を含む。複数のLEDユニットは、第1のLEDユニットと、第1のLEDユニットに隣接する第2のLEDユニットとを含む。第1のLEDユニットの第1のドーピング型半導体層は、第1のLEDユニットに隣接する第2のLEDユニットの第1のドーピング型半導体層まで水平に延在し、第1のLEDユニットおよび第2のLEDユニットは、個別に機能するLEDユニットである。
【0047】
いくつかの実施形態では、第1のLEDユニットの第2のドーピング型半導体層は、第2のLEDユニットの第2のドーピング型半導体層から電気的に絶縁されている。いくつかの実施形態では、各LEDユニットは、第1のドーピング型半導体層と第2のドーピング型半導体層との間に形成された多重量子井戸(MQW)層をさらに含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、第1のドーピング型半導体層はp型半導体層であり、第1のLEDユニットおよび第2のLEDユニットの共通のアノードである。いくつかの実施形態では、第2のドーピング型半導体層はn型半導体層であり、第1のLEDユニットおよび第2のLEDユニットのカソードである。
【0049】
いくつかの実施形態では、基板は、複数のLEDユニットを駆動するための駆動回路を含む。いくつかの実施形態では、各LEDユニットの電極層は、第1のドーピング型半導体層の開口部を介して駆動回路に接続される。
【0050】
本開示の別の態様によれば、LED構造が開示される。LED構造は、基板と、基板の上に形成された複数のLEDユニットとを含む。各LEDユニットは、基板の上に形成されたp-nダイオード層、p-nダイオード層の上に形成されたパッシベーション層、およびそのパッシベーション層の上に形成されてp-nダイオード層と接触する電極層を含む。複数のLEDユニットは、第1のLEDユニットと、第1のLEDユニットに隣接する第2のLEDユニットとを含む。第1のLEDユニットと第2のLEDユニットは共通のアノードを有し、第1のLEDユニットと第2のLEDユニットは個別的に機能するLEDユニットである。
【0051】
いくつかの実施形態では、p-nダイオード層は、pドープ層、nドープ層、およびpドープ層とnドープ層との間に形成された多重量子井戸(MQW)層とを含む。いくつかの実施形態では、pドープ層は第1のLEDユニットおよび第2のLEDユニットの共通のアノードである。いくつかの実施形態では、第1のLEDユニットおよび第2のLEDユニットのnドープ層は電気的に絶縁されている。
【0052】
いくつかの実施形態では、各LEDユニットは、基板とp-nダイオード層との間に形成された結合層をさらに含む。いくつかの実施形態では、基板は、複数のLEDユニットを駆動するための駆動回路を含む。いくつかの実施形態では、各LEDユニットの電極層は、p-nダイオード層の開口部を介して駆動回路に接続される。
【0053】
本発明開示のさらなる態様によれば、LED構造を製造するための方法が開示される。第1の基板の上に半導体層が形成される。半導体層は、第1のドーピング型半導体層と第2のドーピング型半導体層とを含む。第2のドーピング型半導体層の一部を除去し第1のドーピング型半導体層の一部を露出させるために、第1のエッチング操作が行われる。第2のドーピング型半導体層と露出した第1のドーピング型半導体層の上にパッシベーション層が形成される。そのパッシベーション層の上に第1の開口部が形成される。第1の開口部を覆い第2のドーピング型半導体層と接触するために、パッシベーション層の上に電極層が形成される。
【0054】
いくつかの実施形態では、第1のエッチング操作を行うことは、第2のドーピングタイプの半導体層の一部を除去し、第1のドーピング型半導体層のあらかじめ決められた厚さが第1の基板の上に残るまで第1のドーピング型半導体層の一部を露光することをさらに含む。残った第1のドーピング型半導体層は、LED構造の複数のLEDユニットにまたがって水平に延びる。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1の基板の上に半導体層を形成することは、結合層を介して半導体層を第1の基板の上に結合することをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の基板の上に半導体層を形成することは、第1の基板の上に駆動回路を形成し、第2の基板の上に半導体層を形成し、結合層を介して半導体層を第1の基板の上に結合し、第2の基板を除去することをさらに含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、パッシベーション層の上に第1の開口部を形成することは、駆動回路の接触部を露出させるためにパッシベーション層の上に第2の開口部を形成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の開口部を覆い第2のドーピング型半導体層と接触するパッシベーション層の上に電極層を形成することは、第2のドーピング型半導体層と駆動回路の接触部とを電気的に接続するために、パッシベーション層の上に第1の開口部と第2の開口部を覆う電極層を形成することをさらに含む。
【0057】
特定の実施形態の前述の説明は、様々なアプリケーションに容易に修正および/または適合させることができる。したがって、そのような適合および修正は、本明細書に開示される教示およびガイダンスに基づいて、開示された実施形態と同等の意味および範囲内にあることが意図される。
【0058】
本発明開示の幅および範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれかによって制限されず、以下の特許請求の範囲およびそれらの同等物に従ってのみ定義される。
【国際調査報告】