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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-16
(54)【発明の名称】パッケージングに関する改善
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/10 20060101AFI20230609BHJP
   B65B 35/24 20060101ALI20230609BHJP
   B65B 35/08 20060101ALI20230609BHJP
   B65B 35/12 20060101ALI20230609BHJP
   B65B 5/06 20060101ALI20230609BHJP
   B65B 25/04 20060101ALI20230609BHJP
   B25J 15/00 20060101ALI20230609BHJP
   B65G 47/14 20060101ALI20230609BHJP
   B65G 47/28 20060101ALI20230609BHJP
   B65B 5/08 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
B65B5/10
B65B35/24
B65B35/08
B65B35/12
B65B5/06
B65B25/04 Z
B25J15/00 Z
B65G47/14 A
B65G47/28 L
B65B5/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022558317
(86)(22)【出願日】2021-04-06
(85)【翻訳文提出日】2022-11-14
(86)【国際出願番号】 NZ2021050058
(87)【国際公開番号】W WO2021201702
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】763219
(32)【優先日】2020-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522135064
【氏名又は名称】ロックイット グローバル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】フォウラー アンドリュー ヴァーノン
(72)【発明者】
【氏名】タスマ ライアン ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】ダリー シェーン ティモシー
【テーマコード(参考)】
3C707
3E003
3E028
3E054
3F080
3F081
【Fターム(参考)】
3C707BS10
3C707ES12
3C707HS14
3C707NS02
3C707NS26
3E003AB02
3E003BA05
3E003BB02
3E003BB04
3E003BC01
3E003BD06
3E003CB02
3E003CB05
3E003DA03
3E003DA07
3E028AA04
3E028BA03
3E054AA10
3E054CA04
3E054CA08
3E054DA06
3E054DD02
3E054DD12
3E054DD16
3E054FA02
3E054FA07
3E054FB08
3E054GA01
3E054GA04
3E054HA05
3E054HA09
3E054JA10
3F080AA44
3F080BC07
3F080BC08
3F080BF17
3F080CD01
3F080CE03
3F080CF02
3F080DA07
3F081AA12
3F081AA46
3F081BC04
3F081BF13
3F081CB01
3F081CC08
3F081CD02
3F081DA02
(57)【要約】
農産物の品目をパッキングするためのロボット位置決め装置によって運ばれるように適合されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、頂部開口細長容器(チューブ)を倒立向きで保持するために使用するのに適合され、前記チューブは、底部閉鎖端及び頂部開口端を有し、前記エンドエフェクタは、前記エンドエフェクタによって保持されるチューブの前記開口端に隣接するように前記エンドエフェクタ上に配置される少なくとも1つの作動可能可動要素を備え、前記作動可能可動要素は、前記エンドエフェクタによって保持されるチューブの前記開口端を少なくとも部分的に超えて延び、前記チューブの前記開口端を少なくとも部分的に妨害する延伸位置と、前記容器の前記開口端が実質的に妨害されず、農産物の品目が前記チューブの中に受け入れられるようにするための格納位置と、の間で作動可能であるように構成される、エンドエフェクタ。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農産物の品目をパッキングするためのロボット位置決め装置によって運ばれるように適合されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、頂部開口細長容器(チューブ)を倒立向きで保持するために使用するのに適合され、前記チューブは、底部閉鎖端及び頂部開口端を有し、前記エンドエフェクタは、
前記エンドエフェクタによって保持されるチューブの前記開口端に隣接するように前記エンドエフェクタ上に配置される少なくとも1つの作動可能可動要素を備え、
前記作動可能可動要素は、
前記エンドエフェクタによって保持されるチューブの前記開口端を少なくとも部分的に超えて延び、前記チューブの前記開口端を少なくとも部分的に妨害する延伸位置と、
前記容器の前記開口端が実質的に妨害されず、農産物の品目が前記チューブの中に受け入れられるようにするための格納位置と、
の間で作動可能であるように構成される、エンドエフェクタ。
【請求項2】
前記エンドエフェクタが、前記チューブを受け入れるためのフレームを備える、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項3】
前記作動可能可動要素が、前記フレームの一端に隣接して配置される、請求項2に記載のエンドエフェクタ。
【請求項4】
前記作動可能可動要素は、軟質弾力性材料から作られ、前記延伸位置にあるときの第一の形状と、前記格納位置にあるときの第二の形状との間で弾性的に変形可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項5】
前記第一の形状は、円形である、請求項6に記載のエンドエフェクタ。
【請求項6】
前記第二の形状は、非円形又は略楕円形である、請求項4又は5に記載のエンドエフェクタ。
【請求項7】
前記作動可能可動要素は、実質的にリング形状であるか、又は実質的にリング形状の中央部分を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項8】
前記作動可能可動要素が、第一のパーツ及び第二のパーツを備え、前記第一のパーツ及び前記第二のパーツは、それぞれ弧状部分及び前記弧状部分の各端部から延びる側方部材を備え、前記第一のパーツ及び前記第二のパーツは、前記第一のパーツの前記側方部材が前記第二のパーツの前記側方部材と接触又は隣接する状態で径方向に対向する、請求項7に記載のエンドエフェクタ。
【請求項9】
前記格納位置では、前記第一のパーツ及び前記第二のパーツの前記側方部材の近位部分又は半径方向内側の部分の間にギャップが設けられ、前記延伸位置では、前記弧状部分が弾性的に変形し、前記第一のパーツ及び前記第二のパーツの前記側方部材の近位端が一緒に移動して前記ギャップを閉じる、請求項8に記載のエンドエフェクタ。
【請求項10】
前記エンドエフェクタは、
前記チューブを把持し、前記チューブを前記エンドエフェクタに固定するように構成された、保持具を備え、
前記保持具は、前記チューブの前記底部閉鎖端に隣接して、前記チューブを把持する、請求項1~9のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項11】
前記保持具が、係合解除位置と係合位置との間で移動可能な少なくとも1つの可動コンポーネントを備え、前記係合解除位置では、前記コンポーネントが前記チューブと接触せず、前記係合位置では、前記可動コンポーネントが前記チューブと接触して前記チューブを圧迫して、変形させる、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項12】
ロボット位置決め装置と、請求項1~11のいずれか一項に記載のエンドエフェクタとを備える農産物パッキングデバイスであって、前記ロボット位置決め装置が、パッケージングされるべき農産物の品目に対して前記エンドエフェクタをx軸、y軸及びz軸に沿って移動させ、前記エンドエフェクタを倒立向きと正立向きとの間で水平軸に関して回転させるために、少なくとも4つの自由度を提供する、デバイス。
【請求項13】
i)前記ロボット位置決め装置を制御して、前記エンドエフェクタを、パッケージングされるべき農産物の第一の品目の垂直上方のx方向及びy方向に倒立向きで配置し、前記エンドエフェクタを垂直下方に移動させて、前記エンドエフェクタ内の前記チューブの中に農産物の前記第一の品目を受け入れることと、
ii)必要であれば、前記作動可能可動要素を前記格納位置から前記延伸位置に作動させて、前記チューブの中の果物の前記第一の品目を受け入れ、前記チューブ内でいったん前記作動可能可動要素を前記格納位置に作動させて、前記チューブ内の果物の前記第一の品目を保持することと、
iii)前記ロボット位置決め装置を制御して、前記エンドエフェクタを垂直上方に移動させることと、
を行うようにプログラムされたコントローラを備える、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記コントローラは、さらに、
iv)前記ロボット位置決め装置を制御して、前記エンドエフェクタを前記x方向及び前記y方向に移動させて、前記エンドエフェクタを果物のさらなる品目の上に垂直に位置付け、前記エンドエフェクタを垂直下方に移動させて、果物の前記さらなる品目に隣接又は接触している次の品目を位置付けることと、
v)前記作動可能可動要素を前記格納位置から前記延伸位置へ作動させることと、
vi)前記位置決め装置を制御して、前記エンドエフェクタを垂直下方に動かし続けて、前記エンドエフェクタ内の前記チューブの中の農産物の前記さらなる品目を受け入れることと、
vii)前記作動可能可動要素を前記格納位置から前記延伸位置に作動させて、前記チューブ内の果物の前記第一の品目及び果物の前記さらなる品目を保持することと、
viii)前記ロボット位置決め装置を制御して、前記エンドエフェクタを垂直上方に移動させることと、
ix)前記チューブが満杯になるまで、ステップivからviiiを繰り返すことと、
を行うようにプログラムされている、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記コントローラは、さらに、
x)前記チューブが満杯になったとき、前記ロボット位置決め装置を制御して、前記エンドエフェクタを前記倒立向きから正立向きに回転させ、前記チューブの開口端を最上部に位置させ、前記エンドエフェクタを解放領域に移動させて前記チューブを前記エンドエフェクタから解放させるようにプログラムされている、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記コントローラは、さらに、前記ロボット位置決め装置を制御して、前記エンドエフェクタを垂直上方に移動させ、前記チューブを前記エンドエフェクタから解放させるようにプログラムされている、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
請求項10に従属する場合、前記コントローラは、さらに、
前記保持具を係合位置に作動させて、前記チューブの閉鎖端の近くで前記チューブの断面形状を把持して、変形させ、農産物の前記第一の品目が前記チューブの前記閉鎖端のスペースに入るのを妨害するように、
プログラムされている、請求項13~16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記コントローラは、さらに、
前記ロボット位置決め装置を制御して、前記エンドエフェクタを前記倒立向きから正立向きに回転させ、前記チューブの開口端を最上部に位置させ、前記エンドエフェクタを解放領域へ移動させることと、
前記保持具を係合解除位置に作動させ、前記チューブを解放させることと、
を行うようにプログラムされている、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記デバイスは、農産物の前記品目を離間し、前記ロボット位置決め装置の到達範囲に農産物の単一化された品目、又はグループ化された品目を提示するための単一化ユニットを備える、請求項13~18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
前記単一化ユニットは、農産物の前記品目/グループを二次元配列で離間させる、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記単一化ユニットは、前記ロボット位置決め装置の前記到達範囲に適合する方法で農産物の前記品目/グループを提示するように構成されたコンベヤを備える、請求項19又は20に記載のデバイス。
【請求項22】
ステップi)において、前記コントローラは、前記ロボット位置決め装置を制御して、前記エンドエフェクタを農産物の品目の垂直上方に移動させ、前記エンドエフェクタが農産物の前記品目の垂直上方に留まるように、前記コンベヤの速度で搬送方向に移動させるように、プログラムされている、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記コンベヤが、離間した複数のホルダを運ぶ連続ループを備え、各ホルダが農産物の個別品目を保持するように適合されている、請求項21又は22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記ホルダが、搬送方向で離間し、前記搬送方向と直交し、農産物の前記品目を二次元配列で提示する、請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記デバイスが、前記コントローラと通信して、農産物の各品目についてデータポイントを感知又は検出する感知装置をさらに備え、前記コントローラは、
農産物の前記品目を保持する前記単一化ユニットのそれぞれのホルダに関連付けられた農産物の各品目のデータポイントを、メモリに格納することと、
前記ロボット位置決め装置及び前記エンドエフェクタを制御して、農産物の各品目の前記データポイントに基づいて、農産物の各品目をパッキングすることと、
を行うようにプログラムされる、請求項23又は24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記ホルダは、軟質弾力性材料から形成される、請求項23~25のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項27】
各ホルダが、ベースから延びる側壁を備えるカップとして構成され、前記壁の上端が、農産物の品目を受け入れるためのリムを提供する、請求項23~26のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項28】
前記壁が、内壁部分と外壁部分とを有するように壁形成される、請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記ホルダが、前記リムから半径方向外側に延び、前記リムの周りに離間したタブを備え、前記エンドエフェクタが下方に移動して前記チューブの中に果物の品目を受け入れるとき、前記エンドエフェクタの端部が前記タブに接触する、請求項27又は28に記載のデバイス。
【請求項30】
各ホルダは、一体型部材である、請求項23~28のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項31】
農産物の品目をパッキングするための農産物パッキングデバイスであって、前記デバイスが、少なくとも1つの連続ループ配置と、前記連続ループ配置に取り付けられて離間した複数のホルダとを有する搬送装置を備え、各ホルダは、農産物の個別品目を支持するように適合され、前記ホルダは、前記搬送装置の長手方向及び横方向に離間し、農産物の前記品目が二次元配列で離散的に配置されるようになっている、農産物パッキングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(対応する出願の記載)
本出願は、ニュージーランド特許出願第763219号に関連して出願された仮明細書に基づき、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、チューブ内の物体をパッケージングするための装置に関し、特に、果物又は他の生鮮食品/食品をチューブ内にパッキングするための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
リンゴ及び果物の他の品目は、従来、箱の中にパッケージングされている。果物の損傷を最小限にするために、典型的には、果物は箱の中でトレイに支持され、果物が隣接する果物から分離された状態を維持する。単一の箱は、果物の1つ以上の層を含むことができ、各層はトレイによって支持されている。
【0004】
本出願人は、果物(リンゴ)をパッケージングするために、リンゴを箱の中のトレイではなく、チューブにパッキングするという新規なアプローチを導入した。各チューブは、通常、2つ以上の果物を、例えば、5つのリンゴを含む。
【0005】
チューブは、円筒形であっても、断面が正方形、三角形、その他の形状であってもよい。チューブの内寸は、果物の外寸に相応しており、満杯になると、チューブは、単一の行又は列の果物を含むようになる。例えば、円筒形のチューブでは、チューブの内径は、果物の予想最大直径よりも若干大きいことが好ましい。果物の予想最大直径は、特定の品種及び/又は種類の果物の既知のサイズ分布に基づいてもよい。
【0006】
果物をチューブにパッキングすると、パッキングプロセスが非効率になる可能性がある。果物の各品目をチューブに落とすことはできない。なぜなら、果物の各品目がチューブに落ちる際に、果物間の物理的な衝撃により、パッキング中に果物にダメージ(打ち傷)が生じる可能性があるからである。また、果物を箱にパッキングするのとは異なり、果物の各品目を一度に1つずつチューブに入れる必要がある。このパッキングプロセスは、時間を要することもあるので、パッキングプロセスに追加コストを要することもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、前述の問題の1つ以上に対処すること、又は少なくとも大衆に有用な選択肢を提供することである。
【0008】
本明細書で引用されるあらゆる特許又は特許出願を含む全ての参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。いかなる参考文献も、先行技術であることを認めるものではない。参考文献の説明は、その著者が主張することを述べたものであり、出願人は、引用文献の正確性及び妥当性について異議を唱える権利を留保する。本明細書では多数の先行技術文献を参照しているが、この参照は、これらの文献のいずれもが、ニュージーランド又は他の国の当該技術分野における一般的な常識の一部を形成することを認めるものではないことが明確に理解されよう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、農産物の品目をパッキングするためのロボット位置決め装置によって運ばれるように適合されたエンドエフェクタが提供され、前記エンドエフェクタは、頂部開口細長容器(チューブ)を倒立向きで保持するために使用するのに適合され、前記チューブは、底部閉鎖端及び頂部開口端を有し、前記エンドエフェクタは、
前記エンドエフェクタによって保持されるチューブの前記開口端に隣接するように前記エンドエフェクタ上に配置される少なくとも1つの作動可能可動要素を備え、
前記作動可能可動要素は、
前記エンドエフェクタによって保持されるチューブの前記開口端を少なくとも部分的に超えて延び、前記チューブの前記開口端を少なくとも部分的に妨害する延伸位置と、
前記容器の前記開口端が実質的に妨害されず、農産物の品目を前記チューブの中に受け入れるようにするための格納位置と、
の間で作動可能であるように構成される。
【0010】
本発明の第二の態様によれば、チューブを受け入れるためのフレームを備えるエンドエフェクタが提供される。
【0011】
本発明の第三の態様によれば、作動可能可動要素がフレームの一端に隣接して配置されるエンドエフェクタが提供される。
【0012】
本発明の第四の態様によれば、作動可能可動要素が軟質弾力性材料から作られ、延伸位置にあるときの第一の形状と、格納位置にあるときの第二の形状との間で弾性的に変形可能であるエンドエフェクタが提供される。
【0013】
本発明の第五の態様によれば、第一の形状が円形であるエンドエフェクタが提供される。
【0014】
本発明の第六の態様によれば、実質的に上述したようなエンドエフェクタが提供され、第二の形状は、非円形又は略楕円形である。
【0015】
本発明の第七の態様によれば、実質的に上述したようなエンドエフェクタが提供され、作動可能可動要素は、実質的にリング形状であるか、又は実質的にリング形状の中央部分を有する。
【0016】
本発明の第八の態様によれば、作動可能可動要素が、第一のパーツ及び第二のパーツを備え、第一のパーツ及び第二のパーツは、それぞれ弧状部分及び弧状部分の各端部から延びる側方部材を備え、第一のパーツ及び第二のパーツは、第一のパーツの側方部材が第二のパーツの側方部材と接触又は隣接する状態で径方向に対向する、エンドエフェクタが提供される。
【0017】
本発明の第九の態様によれば、格納位置では、第一のパーツ及び第二のパーツの側方部材の近位部分又は半径方向内側の部分の間にギャップが設けられ、延伸位置では、弧状部分が弾性的に変形し第一のパーツ及び第二のパーツの側方部材の近位端が一緒に移動してギャップを閉じる、エンドエフェクタが提供される。
【0018】
本発明の第十の態様によれば、
チューブを把持し、チューブをエンドエフェクタに固定するように構成された、保持具(holding arrangement)を含み、
保持具は、チューブの底部閉鎖端に隣接して、チューブを把持する、エンドエフェクタが提供される。
【0019】
好ましくは、保持具は、パッキング作業中にチューブ内の農産物の位置の摩擦による固定を支援するように、チューブの断面形状を変形させる。
【0020】
本発明の第十一の態様によれば、保持具が、係合解除位置と係合位置との間で移動可能な少なくとも1つの可動コンポーネントを備え、係合解除位置では、コンポーネントがチューブと接触せず、係合位置では、コンポーネントがチューブと接触してチューブを圧迫して、変形させる、エンドエフェクタが提供される。
【0021】
本発明の第十二の態様によれば、ロボット位置決め装置が、パッケージングされるべき農産物の品目に対してエンドエフェクタをx軸、y軸及びz軸に沿って移動させ、エンドエフェクタを倒立向きと正立向きとの間で水平軸に関して回転させるために、少なくとも4つの自由度を提供する、エンドエフェクタが提供される。
【0022】
本発明の第十三の態様によれば、コントローラを備える農産物パッケージングデバイスが提供され、コントローラは、
i)位置決め装置を制御して、エンドエフェクタを、パッケージングされるべき農産物の第一の品目の垂直上方のx方向及びy方向に倒立向きで配置し、エンドエフェクタを垂直下方に移動させて、エンドエフェクタ内のチューブの中に農産物の第一の品目を受け入れることと、
ii)必要であれば、作動可能可動要素を格納位置から延伸位置に作動させて、チューブ内の果物の第一の品目を受け取り、チューブ内でいったん作動可能可動要素を格納位置に作動させて、チューブ内の果物の第一の品目を保持することと、
iii)位置決め装置を制御して、エンドエフェクタを垂直上方に移動させることと、
を行うようにプログラムされている。
【0023】
好ましくは、位置決め装置は、ロボットの形態である。
【0024】
しかしながら、本発明では、エンドエフェクタを三次元空間内で移動させることができる他の位置決め装置を採用することが想定される。
【0025】
本発明の第十四の態様によれば、実質的に上述したような農産物パッケージングデバイスが提供され、コントローラは、さらに、
iv)位置決め装置を制御して、エンドエフェクタをx方向及びy方向に移動させて、エンドエフェクタを果物のさらなる品目の上に垂直に位置付け、エンドエフェクタを垂直下方に移動させて、果物のさらなる品目に隣接又は接触している次の品目を位置付けることと、
v)作動可能可動要素を格納位置から延伸位置へ作動させることと、
vi)位置決め装置を制御して、エンドエフェクタを垂直下方に動かし続けて、エンドエフェクタ内のチューブの中に農産物のさらなる品目を受け入れることと、
vii)作動可能可動要素を格納位置から延伸位置に作動させて、チューブ内の果物の第一の品目及び果物のさらなる品目を保持することと、
viii)位置決め装置を制御して、エンドエフェクタを垂直上方に移動させることと、
ix)チューブが満杯になるまで、ステップivからviiiを繰り返すことと、
を行うようにプログラムされている。
【0026】
本発明の第十五の態様によれば、実質的に上述したような農産物パッケージングデバイスが提供され、コントローラは、さらに、
x)チューブが満杯になったとき、ロボット位置決め装置を制御して、エンドエフェクタを倒立向きから正立向きに回転させ、チューブの開口端を最上部に位置させ、エンドエフェクタを解放領域に移動させてチューブをエンドエフェクタから解放させるようにプログラムされている。
【0027】
本発明の第十六の態様によれば、実質的に上述したような農産物パッケージングデバイスが提供され、コントローラは、さらに、ロボット位置決め装置を制御して、エンドエフェクタを垂直上方に移動させ、チューブをエンドエフェクタから解放させるようにプログラムされている
【0028】
本発明の第十七の態様によれば、第十の態様で実質的に上述したような農産物パッケージングデバイスが提供され、コントローラは、さらに、
保持具を係合位置に作動させて、チューブの閉鎖端の近くでチューブの断面形状を把持して、変形させ、農産物の第一の品目がチューブの閉鎖端のスペースに入るのを妨害するように、プログラムされている。
【0029】
本発明の第十八の態様によれば、実質的に上述したような農産物パッケージングデバイスが提供され、コントローラは、さらに、
ロボット位置決め装置を制御して、エンドエフェクタを倒立向きから正立向きに回転させ、チューブの開口端を最上部に位置させ、エンドエフェクタを解放領域へ移動させることと、
保持具を係合解除位置に作動させ、チューブを解放させることと、
を行うようにプログラムされている。
【0030】
本発明の第十九の態様によれば、実質的に上述したような農産物パッケージングデバイスが提供され、デバイスは、農産物の品目を離間し、ロボット位置決め装置の到達範囲に農産物の単一化された品目(singulated items)、又はグループ化された品目を提示するための単一化ユニット(singulation unit)を備える。
【0031】
本発明の第二十の態様によれば、実質的に上述したような農産物パッケージングデバイスが提供され、単一化ユニットは、農産物の品目/グループを二次元配列で離間させる。
【0032】
本発明の第二十一の態様によれば、実質的に上述した農産物パッケージングデバイスが提供され、単一化ユニットは、ロボット位置決め装置の到達範囲に適合する方法で農産物の品目/グループを提示するように構成されたコンベヤを備える。
【0033】
本発明の第二十二の態様によれば、実質的に上述した農産物パッケージングデバイスが提供され、ステップi)において、コントローラは、ロボット位置決め装置を制御して、エンドエフェクタを農産物の品目の垂直上方に移動させ、エンドエフェクタが農産物の品目の垂直上方に留まるように、コンベヤの速度で搬送方向に移動させるように、プログラムされている。
【0034】
本発明の第二十三の態様によれば、実質的に上述したような農産物パッケージングデバイスが提供され、コンベヤが、離間した複数のホルダを運ぶ連続ループを備え、各ホルダが農産物の個別品目を保持するように適合されている。
【0035】
本発明の第二十四の態様によれば、実質的に上述したような農産物パッケージングデバイスが提供され、ホルダが、搬送方向で離間し、搬送方向と直交し、農産物の品目を二次元配列で提示する。
【0036】
本発明の第二十五の態様によれば、デバイスが、コントローラと通信して、農産物の各品目についてデータポイントを感知又は検出する感知装置をさらに備える実質的に上述したような農産物パッケージングデバイスが提供され、コントローラは、
農産物の品目を保持する単一化ユニットのそれぞれのホルダに関連付けられた農産物の各品目のデータポイントを、メモリに格納することと、
ロボット位置決め装置及びエンドエフェクタを制御して、農産物の各品目のデータポイントに基づいて、農産物の各品目をパッキングすることと、
を行うようにプログラムされる。
【0037】
本発明の第二十六の態様によれば、ホルダが弾力性軟質材料から形成される、実質的に上述したような農産物パッケージングデバイスが提供される。
【0038】
本発明の第二十七の態様によれば、実質的に上述したような農産物パッケージングデバイスが提供され、各ホルダが、ベースから延びる側壁を備えるカップとして構成され、壁の上端が、農産物の品目を受け入れるためのリムを提供する。
【0039】
本発明の第二十八の態様によれば、実質的に上述したような農産物パッケージングデバイスが提供され、壁が、内壁部分と外壁部分とを有するように壁形成される。
【0040】
本発明の第二十九の態様によれば、実質的に上述したような農産物パッケージングデバイスが提供され、ホルダが、リムから半径方向外側に延び、リムの周りに離間したタブを備え、エンドエフェクタが下方に移動してチューブの中に果物の品目を受け入れるとき、エンドエフェクタの端部がタブに接触する。
【0041】
本発明の第三十の態様によれば、各ホルダが一体型部材である、実質的に上述したような農産物パッケージングデバイスが提供される。
【0042】
本発明の第三十一の態様によれば、実質的に上述したような農産物パッケージングデバイスが提供され、デバイスは、少なくとも1つの連続ループ配置と、連続ループ配置に取り付けられて離間した複数のホルダを有する搬送装置を備え、各ホルダは、農産物の個別品目を支持するように適合され、ホルダは、搬送装置の長手方向及び横方向に離間し、農産物の品目が二次元配列で離散的に配置されるようになっている。
【0043】
本発明の第三十二の態様によれば、作動可能可動要素が提供され、作動可能可動要素は、軟質弾力性材料から作られる。
【0044】
本発明の第三十三の態様によれば、実質的に上述したような作動可能可動要素が提供され、作動可能可動要素は、格納位置にあるときの第一の形状と、延伸位置にあるときの第二の形状との間で弾性的に変形可能である。
【0045】
本発明の第三十四の態様によれば、実質的に上述したような作動可能可動要素が提供され、第一の形状は、円形である。
【0046】
本発明の第三十五の態様によれば、実質的に上述したような作動可能可動要素が提供され、第二の形状は、非円形又は略楕円形である。
【0047】
本発明の第三十六の態様によれば、実質的にリング形状の中央部分を備え、リング形状の中央部分の中心軸(medial axis)に沿って配置された2つの横方向に延びる対向するアームを有する作動可能可動要素が提供される。
【0048】
本発明の第三十七の態様によれば、実質的にリング形状の中央部分を備え、リング形状中央部分の中心軸に沿って配置された2つの横方向に延びる対向するアームを有する作動可能可動要素が提供され、中央リング形状部分は、2つの半体から構成され、各半体は中央リング形状部分の中心軸に沿って作られ、この中央リング形状部分は、横方向に延びる対向リングが配置されている中心軸に直交している。
【0049】
本発明の第三十八の態様によれば、第一のパーツ及び第二のパーツを備える作動可能可動要素が提供され、第一のパーツ及び第二のパーツは、それぞれ弧状部分及び弧状部分の各端部から延びる側方部材を備え、第一のパーツ及び第二のパーツは、第一のパーツの側方部材が第二のパーツの側方部材と接触又は隣接する状態で径方向に対向する。
【0050】
本発明の第三十九の態様によれば、パッケージングのために輸送中の農産物を支持するためのホルダが提供され、ホルダは、
・断面で見たとき、少なくとも部分的に円錐形、少なくとも部分的にテーパ付きの壁、又は少なくとも部分的に半円形の壁と、
・前記円錐形又は半円形の壁の頂部リムにある、少なくとも1つの実質的に水平に外側に突出したタブと、を備え、
前記ホルダは、軟質弾力性材料から製造される。
【0051】
本発明の第四十の態様によれば、実質的に上述したようなホルダが提供され、水平方向に突出した6つのタブがある。
【0052】
本発明の第四十一の態様によれば、実質的に上述したようなホルダが提供され、少なくとも部分的に円錐形、少なくとも部分的にテーパ付き、又は少なくとも部分的に半円形の壁が切頭されている(truncated)。
【0053】
本発明の第四十二の態様によれば、実質的に上述したようなホルダが提供され、前記壁の底部がベースに接続されている。
【0054】
本発明の第四十三の態様によれば、実質的に上述したようなホルダが提供され、ベースは、上方/下方から見たときに実質的にリング形状である。
【0055】
本発明の第四十四の態様によれば、実質的に上述したようなホルダが提供され、少なくとも部分的に円錐形、少なくとも部分的にテーパ付き、又は少なくとも部分的に半円形の壁がウェブによって接続された内壁部分及び外壁部分を有するように壁形成されている。
【0056】
本発明の第四十五の態様によれば、パッケージングされるべき物品を受け取るために容器を寸法的に位置決めするためのロボット位置決め装置(rpa)の使用が提供される。
【0057】
好ましくは、前記物品は、農産物の品目である。
【0058】
好ましくは、前記rpaは、また、容器を移動させて、パッケージングされるべき前記物品をその中に挿入する。
【0059】
好ましくは、前記rpaは、さらにエンドエフェクタを制御して、パッケージングされるべき前記物品を前記容器に入れることを可能にする。
【0060】
好ましくは、前記rpaは、さらにエンドエフェクタを制御して、パッケージングされるべき前記物品をその中に保持する。
【0061】
本明細書を通じて、「備える(comprise)」という単語、又は「備える(comprises)」もしくは「備えている(comprising)」などのその変化形は、記載された要素、整数もしくはステップ、又は要素、整数もしくはステップのグループを含むことを意味するが、他の要素、整数もしくはステップ、又は要素、整数もしくはステップのグループを除外することは意味しないものと理解する。
【0062】
本発明のさらなる態様及び利点は、例としてのみ与えられる以下の説明から明らかになるであろう。
【0063】
(定義)
以下、「ロボット」という用語は、ロボットの1つ以上のエンドエフェクタが異なる位置(空間位置又は位置)を有するように、特に並進運動及び/又は回転運動を行うことができる1つ以上の関節を有するマニピュレータ又は産業用ロボットを意味すると理解されるであろう。並進運動及び/又は回転運動は、ロボットの部品/アーム(リンク)が案内される1つ以上のレールに沿った運動を含んでもよい。このようなレールであっても、ロボットの運動の可能性を記述する運動学的連鎖の意味での関節を形成する。本明細書で使用される「ロボット」という用語は、直交ロボット/門型ロボット、SCARAロボット/水平多関節ロボット、円筒ロボット/円筒座標ロボット、球体ロボット/球体座標ロボット、多関節ロボットを備える装置を意味すると理解されてもよい。一般に、本明細書で使用される「ロボット」又は「ロボット位置決め装置」という用語は、3つの並進自由度と少なくとも1つの回転自由度を含む少なくとも4つの自由度で移動するように構成された装置を意味すると理解されてもよい。
【0064】
本明細書で使用される「軟質」という用語は、物理的な圧力に対して降伏する材料の能力を意味する。
【0065】
本明細書で使用される「弾力性」という用語は、加えられた力によって変形された後に元の形状に戻る材料の能力を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
本発明のさらなる態様は、添付の図面を参照して、例としてのみ与えられる以下の説明から明らかになるであろう。
【0067】
図1】管状容器を倒立向きで保持するためのエンドエフェクタを示す。保持デバイス(retaining device)は、ロボットアームに結合されるエンドエフェクタとして構成されている。
図2図1の保持デバイスの側面図を示す。
図3図2の図に対して90度で見た、図1のエンドエフェクタのさらなる側面図を示す。
図4図2に示す線A-Aに沿った縦断面図を示す。
図5図2に示す線B-Bに沿った横断面図を示す。
図6図2に示す線C-Cに沿った横断面図を示す。
図7】パッケージングアセンブリの一部を形成するロボットアーム及びエンドエフェクタを示す。
図8】保持デバイスによって保持された管状パッケージ内にリンゴを受け入れる図1のエンドエフェクタの縦断面図及び側面図を示す。
図9】管状容器内に1つのリンゴを保持する図1のエンドエフェクタの縦断面図及び側面図を示し、エンドエフェクタが、図示の矢印の方向に移動したときにエンドエフェクタによって保持される管状容器内に受け入れられる第二のリンゴの上に配置されている。
図10】管状パッケージ内に2つのリンゴを保持する図1のエンドエフェクタの縦断面図及び側面図を示し、保持デバイスは、エンドエフェクタが図示の矢印の方向に移動したときにエンドエフェクタによって保持される管状容器内に受け入れられる第三のリンゴの上に配置されている。
図11図1のエンドエフェクタの縦断面図及び側面図を示し、管状パッケージは、リンゴで満杯の保持デバイス内に保持されている。
図12】左側に示すように、図1のエンドエフェクタが矢印で示すように回転して、右側に示すように、管状パッケージの開口頂部を最上部に向けるのを示す。
図13図1のエンドエフェクタの縦断面図及び側面図を示し、満杯の管状パッケージは、保持デバイスが満杯のパッケージを解放する準備ができている最上部に配置された状態で配向されている。
図14】満杯のときの満杯の管状パッケージの縦断面図及び側面図を示す。
図15】本発明のさらなる態様の好ましい実施形態による農産物パッキングデバイス又はシステムの部分分解図である。
図16図15の農産物パッキングデバイスの単一化ユニットによって実行される単一化作業を示す。
図17図15の農産物パッキングデバイスの単一化ユニットによって実行される単一化作業を示す。
図18図15の農産物パッキングデバイスの単一化ユニットによって実行される単一化作業を示す。
図19図15の農産物パッキングデバイスの単一化ユニットによって実行される単一化作業を示す。
図20図15の農産物パッキングデバイスの単一化ユニットによって実行される単一化作業を示す。
図21図15の農産物パッキングデバイスの単一化ユニットによって実行される単一化作業を示す。
図22】本発明のさらなる態様の好ましい実施形態による、農産物の個別品目を保持するためのホルダの透視図、上面図、側面図及び断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0068】
(本発明を実施するための最良の形態)
図1図7は、リンゴとトマトを含む果物又は野菜などの品目及び農産物の他の品目(本明細書では、農産物又は農産物の品目と呼ぶ)をパッケージングするために、頂部開口細長容器又はチューブ2を倒立向きで保持するためのエンドエフェクタ1を示す。
【0069】
エンドエフェクタ1は、図7に示すように、ロボット位置決め装置の端部に取り付けられるように適合されている。
【0070】
図7に見られるように、多関節ロボットアーム3及び関連するエンドエフェクタ1の形態の位置決め装置の少なくとも1つを含むパッキングアセンブリ4の一部が示されている。
【0071】
多関節ロボットアーム3は、エンドエフェクタを三次元空間内で移動させることができる。
【0072】
図1図6を参照すると、エンドエフェクタ1は、管状容器2を受け入れるためのフレーム5を備える。フレーム5は、好ましくは、両端が開口している。図示された実施形態のフレーム5は、バレルとして構成されている。バレルは、長手方向の側面が実質的に閉じられている。図示されたエンドエフェクタ1は、図2に示すように、一方の側面に長手方向の窓8を含む。
【0073】
フレームは、例えば、1つ又は2つ以上の横方向リングによって一緒に保持された一連の長手方向部材によって形成されたケージとして、他の方法で構成されてもよい。
【0074】
カップリング6は、エンドエフェクタをロボット位置決め装置に取り付けるために、フレーム5の外側に設けられる。カップリングは、好ましくは、クイックリリース・カップリングであり、公知の標準的なカップリングであってもよい。
【0075】
フレーム5は、管状容器2を受け入れるためのボアを有する。ボアは、管状容器の外側横寸法(直径)より若干大きい内側寸法(例えば、直径)を有する。図2に見られるように、フレーム5が垂直に配置されるとき、容器2は、容器の長手方向軸A-Aが実質的に垂直である直立構成で、そこに維持することもできる(例えば図4に示すように)。
【0076】
図5に示すように、保持具は、空気圧シリンダ10を介して延伸位置と格納位置との間で作動可能な一対のラム10aの形態で径方向に対向する可動コンポーネントを含む。
【0077】
係合解除位置では、ラム10aは、それぞれチューブ2の対向する側面と接触していない。係合位置では、ラム10aは、チューブの対向する側面と係合するように移動され、一緒に圧迫することによってその断面形状を変形させる。チューブ2の閉鎖端の近く又はそれに隣接して管状容器2の断面形状を変形させる保持具は、より多くの果物がチューブに導入されるパッキング作業中に、管状容器内の果物の相対位置の摩擦による固定を補助することできる。
【0078】
代替の保持具は、例えば、可動コンポーネント9に対向するフレームの側面に対して、管状容器を係合して圧迫するように適合された単一の可動コンポーネント9を含んでもよい。
【0079】
エンドエフェクタ1は、フレームの一端に隣接する少なくとも1つの作動可能可動要素7も有する。管状容器がフレームに受け入れられた状態で、作動可能可動要素は、管状容器2の開口端に隣接するように、エンドエフェクタ1上に配置される。
【0080】
作動可能可動要素7は、軟質弾力性材料から作られた2つの対向するパーツ7a、7bを有する(図6参照)。
【0081】
見て分かるように、各パーツ7a、7bは、その凸側から半径方向外側に延びる側方部材7La、7Lbを有する弧状中央セクションを有する。
【0082】
パーツ7a、7bは、径方向に対向しており、弧状中央セクションが実質的に円形状(リング形状)を形成する延伸(開)位置にある状態で示されている。
【0083】
このリング形状は、実質的に、チューブの円周と同じか、それよりも若干大きい。したがって、この延伸位置において、エンドエフェクタ1によって、チューブがリンゴ又は他の品目の農産物を受け入れることが可能になる。
【0084】
作動可能可動要素7及びパーツ7a、7bは、
図6に示す延伸(開)位置と、
図8で側面から見た格納(閉)位置と、
の間を、空気圧シリンダ9と関連するラム9aによって、移動する。
【0085】
延伸位置では、側方部材7La、7Lbの近位端は、図6に矢印Yで示す方向に、ラム9aを後退させることによって互いに向かって移動される。
【0086】
ラム9aのこの収縮は、パーツ7a、7bの中央弧状セクションによって形成されたリング形状を、その狭い寸法によって、チューブ2の開口部を超えて延び、そこにリンゴを保持する楕円形状に変形する効果を有する。
【0087】
図8及び図11は、格納(閉)位置にある作動可能可動要素7を示す。閉位置では、要素7は、チューブ2の開口頂部を下向きにした状態で倒立したチューブが持ち上げられたときに、チューブ2内の果物の品目を保持できる程度に、チューブ2の端部を少なくとも部分的に超えて延びている。
【0088】
したがって、格納位置では、作動可能可動要素7は、リンゴなどの農産物の品目が管状容器2の開口端を通過することを防止する。
【0089】
いくつかの実施形態では、作動可能要素7は、変形することなく、格納位置と延伸位置との間で移動することができることを理解されたい。
【0090】
パーツ7a、7bの側方部材は、図11に示すように、フレーム5の側壁の凹部に受け入れられる。
【0091】
好ましくは、上述のように、作動可能可動要素7は、軟質弾力性材料から形成されている。例えば、作動可能可動要素は、TianAn Biologic Materials Co.,Ltdが商標ENMATで製造販売するようなポリヒドロキシブチレート-co-バレレート(PHBV)バイオポリマーから形成される。この材料は、果物の表面に比較的軟質弾力性のある接触を提供し、果物を損傷するリスクを回避又は低減するように選択される。
【0092】
(パッキング作業)
図8図14を参照して、パッキング作業を説明する。パッキング作業は、ロボットアーム3又は他のロボット位置決め装置(図示せず)にエンドエフェクタ1が取り付けられた状態で実行される。
【0093】
ロボット位置決め器具3は、少なくとも4つの自由度の移動を提供し、ロボット位置決め器具は、エンドエフェクタを三次元空間内に位置決めするためのx、y及びzの並進方向と、エンドエフェクタを水平軸周りに回転させて反転させることのできる少なくとも一つの回転(例えば、転がる)方向とに、エンドエフェクタを移動させるように適合されている。x方向は水平方向であってもよく、y方向はx方向と直交する水平方向であってもよく、z方向は垂直方向であってもよい。
【0094】
パッキング作業の開始時には、管状容器2がエンドエフェクタ1に受け入れられる。
【0095】
例えば、ロボットアーム3などのロボット位置決め装置が、エンドエフェクタ1をチューブディスペンサ(図示せず)まで移動させ、フレーム5の上端又は下端からチューブを受け入れてもよい。
【0096】
あるいは、人が管状容器をフレーム5内に挿入又は配置してもよい。
【0097】
管状容器2は、管状容器の閉鎖(底)端部を最上部にしてエンドエフェクタ1のフレーム5の中に受け入れられ、すなわち、容器は、容器の開口頂部が下を向くように倒立向きでロボット位置決め装置によって保持される。
【0098】
ロボット位置決め装置は、エンドエフェクタ1/フレーム5内の倒立したチューブ2を、三次元空間内で、支持面上に支持されたリンゴAなどの農産物の品目に移動させる。
【0099】
ロボット位置決め装置は、エンドエフェクタ1/フレーム5、したがって、管状容器2を垂直に向けて、フレーム5を農産物の品目Aの真上に位置付ける。管状容器2の開口端が農産物の品目Aの真上に位置付けられた状態で、図8に示すように、ロボット位置決め装置3は、エンドエフェクタ1を農産物の品目Aの上に下降させて、管状容器2の開口端の中に農産物を受け入れる。
【0100】
農産物の品目Aを管状容器2の中に受け入れると、作動可能可動要素7が格納位置に作動され、管状容器2にある農産物の品目Aをエンドエフェクタ内に捕捉して保持する。
【0101】
次に、ロボット位置決め装置は、エンドエフェクタ1を持ち上げて支持面Sから果物をピックアップし(図7に示す)、図9に示すように、エンドエフェクタ1を移動させて、エンドエフェクタ1を農産物の第二又はさらなる品目の真上に位置付ける。
【0102】
エンドエフェクタ1は、エンドエフェクタ1を農産物の第二の品目の上に降ろすことによって、農産物の第二の品目をピックアップする。エンドエフェクタが農産物の第二の品目の高さまで下げられると、作動可能可動要素7は、農産物の第一の品目が農産物の第二の品目に接触するか又は隣接すると、エンドエフェクタ1のフレーム5から農産物の第一の品目が落下しないように、延伸(閉)位置に移動する。
【0103】
ロボット位置決め装置3は、農産物の第二の品目を管状容器2の中に受け入れるまでエンドエフェクタ1を下げ続ける(図10を参照)。農産物の第二の品目が管状容器2に入ると、農産物の第二の品目は、農産物の第一の品目を容器2内へさらに変位させる。
【0104】
農産物の第二の品目を管状容器2の中に受け入れると、作動可能可動部材7は、管状容器2内に農産物の第二及び第一の品目を保持するために、格納位置に作動可能である。ロボット位置決め装置3は、次に、エンドエフェクタ1を持ち上げて下に移動させ、農産物のさらなる品目をピックアップする。
【0105】
ロボット位置決め装置は、図11に示すように、管状容器が満杯になるまで、この方法で農産物のさらなる品目をピックアップし続ける。
【0106】
管状容器2は、図11に示すように、満杯になると、5つのリンゴAを受け入れる。
【0107】
図11は、最下段のリンゴ、したがって全てのリンゴを管状容器2内に保持するために、格納位置にある作動可能可動要素7を示す。
【0108】
次に、エンドエフェクタ1を有するロボット位置決め装置3は、支持面Sから農産物の最後の品目を持ち上げ、ロボット位置決め装置3は、図12に矢印で示すようにエンドエフェクタ1を回転させて、図13に示すように管状容器の開口頂部を最上部に位置決めする。
【0109】
好ましくは、エンドエフェクタ1は、上記のように倒立した管状容器を把持するように構成された保持具を有する。
【0110】
プロセスの間、保持具10は、管状容器2の閉鎖端に近い管状容器2の断面形状を変形させ続ける。これは、農産物Aの品目が管状容器2に沿って容器の端部の空間に実質的に落下又は移動しないことを保証するのに役立つ。管状容器は、開口頂部を下向きにした倒立向きから、開口頂部を最上部にした正しい向きにすると、直立する。
【0111】
空気圧シリンダ10とラム10aを介した保持具は、農産物の品目Aが保持具10と作動可能可動要素9との間に実質的に保持されるように、管状容器2をわずかに挟み込む。回転中に、挟み込むことは、
チューブ内の農産物の最上部の品目がチューブの閉鎖端のスペースに入るのを妨害/制限して、前記農産物の品目の潜在的な損傷を防止すること、すなわち、エンドエフェクタを倒立向きから正立向きに回転させるときに農産物の品目が損傷/打ち傷を受ける危険性を防止すること
に役立つ。
【0112】
さらに、この挟み込みによって、エンドエフェクタが回転されるときに、農産物が管状パッケージに沿って回転又は移動して管状容器内で整列しなくなることを防止することができ、すなわち、農産物の品目の所望の向きを維持することができる。
【0113】
例えば、リンゴのような農産物の品目は、果物の茎を下向きにした状態でエンドエフェクタに対する表面上に提供されることがある。保持具10は、果物が管状容器内で茎を上にして提供されることを保証する。他の向き、例えば、果物の赤味を管状容器の陳列窓に向けて提供することが望ましい場合がある。
【0114】
ロボット位置決め装置3は、エンドエフェクタ1を解放エリアまで移動させ、管状容器をエンドエフェクタから解放する。
【0115】
管状容器2を正しい向きにすると、保持具10は、係合解除位置に作動可能にされ、チューブ2をその挟み込まれた構成から解放し、農産物を制御可能に落下させて、管状容器2の閉じた底部に載せることができる。
【0116】
ロボット位置決め装置3は、次に、保持具10の係合を解除した結果として、図13に示す矢印で示すように、エンドエフェクタ1を管状容器2から持ち上げる。
【0117】
図14は、リンゴで満杯の管状容器2を示す。パッキング作業を完了するために、容器の開口頂部に蓋をすることができる。
【0118】
当業者であれば、ロボット位置決め装置3の動きとラム9a、10aの作動を制御するために、コントローラ(例えば、プログラマブル論理コントローラ(PLC))が設けられることを理解するであろう。制御ラインは、電源からアクチュエータ9、10に提供され、例えば、制御弁によって制御され、次いで、コントローラによって制御される加圧空気圧供給からの空気圧ラインである。
【0119】
コントローラは、ロボット位置決め装置の内部であっても、外部であってもよい。
【0120】
図15は、農産物パッキングデバイス又はシステム100の部分分解図を提供する。農産物パッキングデバイスは、上述のように、少なくとも1つのロボット位置決め装置3と、エンドエフェクタ1(図15には図示せず)と、農産物パッキングデバイス4に供給される農産物を単一化するための単一化ユニット101とを備える。
【0121】
単一化ユニット101は、少なくともライン又は列で農産物を離間させるために、農産物(図示せず)を分離する。
【0122】
図示された実施形態では、単一化ユニットは、農産物を二次元に離間させるように、すなわち、二次元配列に離間させるように、農産物を分離させる。農産物の品目は、x方向及びy方向に(コンベヤベルト151の開口部150によって示されるように)離間されている。
【0123】
単一化された農産物は、エンドエフェクタ1を有する少なくとも1つのロボット位置決め装置3のそれぞれに対する到達範囲(到達領域)に提供されるので、農産物は、上述のようにエンドエフェクタ1に保持された管状パッケージ内にパッキングすることが可能である。
【0124】
農産物は、エンドエフェクタ1が農産物の隣接する品目に接触することなく農産物の個別品目の上に下降できるように、搬送面上で十分に間隔を空けて配置されている。
【0125】
図15図22は、単一化ユニット101によって実行される単一化作業を示す。図16に示すように、農産物(図示の例ではリンゴ)は、インフィードコンベヤ102から単一化ユニットに提供される。
【0126】
インフィードコンベヤ102は、農産物を少なくとも1つの列又はレーンに、好ましくは図示のように複数の隣接するレーンに分離するために、レーンバリア(lane barrier)103に向かって農産物を搬送する。
【0127】
インフィードコンベヤ102は、農産物を搬送方向に移動させるための1つ以上の搬送装置を備えてもよい。図示された実施形態では、インフィードコンベヤは、コンベヤベルトである。
【0128】
農産物は、レーン仕切り(lane divider)103によって間もなく規定されるレーンに沿ってインフィードコンベヤ102上を搬送され続け、分離デバイス104(レーン仕切り103と可動停止ブロック105とを包含する)(図17)に向かって、農産物の品目を単一化ユニット101の縦方向又は搬送方向(y方向)へと分離させる。
【0129】
農産物の品目は、図17に示すように、停止ブロック105に到達するまで、レーン仕切り103によって規定されたレーンに沿って続く。
【0130】
農産物の品目が停止ブロック105に接触又は隣接すると、図18に示すように、停止ブロック105を下降させて、その上面で農産物の品目を受け入れる。
【0131】
次いで、図19に示すように、停止ブロックは、上昇して、停止ブロック105の下流側のランプ表面106の上に農産物の品目を持ち上げる。
【0132】
停止ブロック105の上面は、下流側のランプ表面106に向かって下方に傾斜しているので、上昇位置にあるとき、農産物の個別品目が停止ブロック及びランプ表面を下って移動し、図20及び図21に示すように、保持コンポーネント又はホルダ108上に受け入れる。
【0133】
図示された実施形態では、分離デバイスは、停止フラップ107を含む。フラップ107は、農産物の品目を制御された方法でホルダ108の中に受け入れるように、ランプ表面106を移動する際に農産物の品目に接触する。
【0134】
フラップ108は、例えば、図19に示すように、農産物の品目に接触する前に静止位置又は初期位置に留まる。農産物の品目がランプ表面106を移動すると、図20及び図21に示すように、農産物はフラップ107に接触し、フラップを静止位置又は初期位置から離して、農産物がランプを下って移動し続け、ホルダ108に載ることを可能にする。フラップは、可撓性であってもよく、また、例えば、ピボット上に移動可能に取り付けられてもよい。好ましくは、フラップは、静止位置又は初期位置にバイアスされ、農産物の損傷を防止するために農産物に軽い接触を提供する。農産物を1つ以上の間隔をあけた列又は行に分離又は単一化するために、他の配置が提供されてもよい。
【0135】
図示された実施形態では、単一化ユニット101は、単一化コンベヤ109をさらに備える。単一化コンベヤは、ホルダ108を運ぶ連続コンベヤループ又はベルト110(図21参照)を備える。
【0136】
ホルダ108は、コンベヤベルト110に沿って搬送方向に間隔を空けて配置されている。図示された実施形態では単一化されたコンベヤは、コンベヤベルト110に沿って搬送方向に間隔を空けて配置され、コンベヤベルトを横切って搬送方向に直交して、二次元配列でロボット位置決め装置及びエンドエフェクタに農産物の品目を提供するために二次元で間隔を空けて配置されたホルダ108を備える。
【0137】
各ホルダは、農産物の単一の個別品目を保持し、コンベヤ上(又は二次元配列内)の位置を表す。図21では、少数のホルダ108のみが示されているが、当業者であれば、図示された単一化コンベヤは、単一化コンベヤの穴によって図15に識別される位置に配置された多数のホルダを有することを理解するであろう。
【0138】
農産物の品目をそれぞれのホルダの中に受け入れると、農産物は単一化され、上述のようにエンドエフェクタ1によって運ばれるチューブの中に受け入れるためにロボット位置決め装置3によってピックアップされる準備が整う。
【0139】
農産物は、エンドエフェクタ1が隣接する農産物の品目に接触することなく、農産物の個別品目の上に下降することができるように、十分に間隔を空けて配置されている。
【0140】
ロボット位置決め装置3は、エンドエフェクタ1を農産物の品目の垂直上方の倒立位置に配置し、コンベヤの速度で搬送方向(y)へ移動するように制御され、その結果、ロボット位置決め装置3がエンドエフェクタ1を農産物の品目の上で垂直下方に移動させて、エンドエフェクタ1の中に農産物を受け入れる際に、エンドエフェクタ1が農産物の品目の垂直上方を維持するようになる。
【0141】
エンドエフェクタ1の中に受け入れられると、ロボット位置決め装置3は、依然としてコンベヤ109の速度で搬送方向に移動しながら、ホルダ108から果物の品目を持ち上げる。エンドエフェクタの中に受け入れられ、ホルダから持ち上げられると、ロボット位置決め装置3は、エンドエフェクタ1をパッケージングされるべき農産物の次の品目の上に位置付けるために移動するように制御され、同時に搬送方向に移動しながら、下方へ、次いで、上方への垂直移動が繰り返される。
【0142】
パッキング作業において、農産物の品目は、単一化コンベヤ109の端部に到達する前に、パッキングされないことがある。コンベヤの端部に到達した農産物の品目は、パッキングのために再び単一化させるために、収集され、インフィードコンベヤ102に戻されてもよい。農産物の品目は、例えば、人によって、容器に収集され、インフィードコンベヤに戻されてもよい。
【0143】
図22は、ホルダ108の一実施形態を示す。ホルダ108は、農産物の品目を損傷させることなく、ホルダ108上に受け入れるように、軟質弾力性材料から形成されている。弾力性材料は、シリコーンゴム又は他の適切な弾力性材料であってもよい。ホルダは、例えば、一体型成型部材のような一体型部材(単一パーツ)である。
【0144】
ホルダ108は、農産物の単一の品目が載る上部リム120を提供するカップとして構成される。図示された実施形態では、カップは、ベース122から延びる側壁121を備え、壁の上端は、農産物の品目を受け入れるためのリム120を提供する。農産物の品目は、リム又は壁121の上部領域上の内面に接触してもよい。ベース122は、連続コンベヤ110に取り付けられている。
【0145】
図示された実施形態では、壁121は錐体状であるが、円筒状など、他の形状も可能である。壁121は、内壁部分123と外壁部分124を有するように、壁形成されている。この形態は、内壁部分と外壁部分との間にウェブ125を提供し、したがって、所与の農産物サイズに対してより長い壁が、農産物の品目を受け入れるための軟質弾力性クッションを提供することを支援する。図示された実施形態は、また、リム120から半径方向外側に延びるタブ126も有する。タブ126も、また農産物の品目を受け入れるための軟質弾力性クッションを提供することを支援する。
【0146】
ホルダ108は、壁121とベース122とが交差する外側に突出する円周フランジ127も有し、このことは、ホルダ内で農産物を支持するのに役立つ。
【0147】
図8及び図11に示すように、エンドエフェクタ1がチューブ内の農産物の品目を受け入れるために下方に移動するとき、エンドエフェクタ1の端部は、タブ126に接触する。この接触は、作動可能要素7が格納位置へ移動される高さを規定してもよい。
【0148】
ホルダ108は、作動可能要素7の下の農産物の品目の最も広い周囲部分で、農産物の品目をエンドエフェクタ1内に受け入れるように、農産物の品目がホルダ108上に十分高く載るように構成され、その結果、作動可能要素7が格納(閉)位置に移動すると、農産物の品目が作動可能要素7の上のチューブ2内に捕捉される。
【0149】
上述のように、パッケージング作業中に農産物が打ち傷を受けたり、その他の損傷を受けたりしないようにするために、ホルダ108は弾力性軟質材料で作られている。
【0150】
好ましくは、ホルダ108は、TianAn Biologic Materials Co.,Ltdが商標ENMATで製造販売するようなポリヒドロキシブチレート-co-バレレート(PHBV)バイオポリマーで作られてもよい。PHBVバイオポリマーは、バイオベースであり、生分解性である。
【0151】
パッケージングデバイス100は、農産物の単一化された品目の農産物の各品目を感知又は検出するためのセンサ装置111(図15)を備える。デバイス100は、センサ装置と通信するメモリを有するコントローラも備え、コントローラは、農産物の品目を保持するそれぞれのホルダ108に関連する農産物の各品目のデータポイントをメモリに格納するように構成されている。
【0152】
好ましい実施形態では、単一化ユニット101は、農産物の品目を二次元配列で提示し、コントローラは、二次元配列の各位置に対するデータポイントをメモリに格納する。各位置は、x,y座標によって表されてもよい。x,y座標は、コンベヤが単一化された農産物を搬送方向に移動させる際に、コントローラによって追跡又は更新されてもよい。
【0153】
ロボット位置決め装置3は、エンドエフェクタ1をホルダ108の頭上にあるように移動させ、ホルダに関連付けられた農産物の品目のデータポイントに基づいて、農産物の品目を収集する。
【0154】
データポイントは、農産物の品目がホルダ108上に存在するか否かを示す二値指標であってもよい。データポイントが農産物の品目が存在することを示す場合、コントローラは、ロボット位置決め装置3を制御して、エンドエフェクタ1をホルダ108に移動させて農産物の品目をピックアップさせる。
【0155】
本発明は、また本出願の明細書で言及又は指摘されたパーツ、要素及び特徴で、個別的又は集合的に、前記パーツ、要素又は特徴の2つ以上の任意又は全部の組み合わせで構成されると広義に言うことができる。
【0156】
本発明の態様は、例としてのみ記載されており、添付の特許請求の範囲に定義されたその範囲から逸脱することなく、変更及び追加を行うことができることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2022-06-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農産物の品目をパッキングするためのロボット位置決め装置によって運ばれるように適合されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、頂部開口細長容器(チューブ)を倒立向きで保持するために使用するのに適合され、前記チューブは、底部閉鎖端及び頂部開口端を有し、前記エンドエフェクタは、
前記エンドエフェクタによって保持されるチューブの前記開口端に隣接するように前記エンドエフェクタ上に配置される少なくとも1つの作動可能可動要素を備え、
前記作動可能可動要素は、
前記エンドエフェクタによって保持されるチューブの前記開口端を少なくとも部分的に超えて延び、その中に農産物用の品目を保持するために前記チューブの前記開口端を少なくとも部分的に妨害する延伸位置と、
前記容器の前記開口端が実質的に妨害されず、農産物の品目が前記チューブの中に受け入れられるようにするための格納位置と、
の間で作動可能であるように構成される、エンドエフェクタ。
【請求項2】
前記エンドエフェクタが、前記チューブを受け入れるためのフレームを備える、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項3】
前記作動可能可動要素が、前記フレームの一端に隣接して配置される、請求項2に記載のエンドエフェクタ。
【請求項4】
前記作動可能可動要素は、軟質弾力性材料から作られ、前記延伸位置にあるときの第一の形状と、前記格納位置にあるときの第二の形状との間で弾性的に変形可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項5】
前記第一の形状は、円形である、請求項6に記載のエンドエフェクタ。
【請求項6】
前記第二の形状は、非円形又は略楕円形である、請求項4又は5に記載のエンドエフェクタ。
【請求項7】
前記作動可能可動要素は、実質的にリング形状であるか、又は実質的にリング形状の中央部分を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項8】
前記作動可能可動要素が、第一のパーツ及び第二のパーツを備え、前記第一のパーツ及び前記第二のパーツは、それぞれ弧状部分及び前記弧状部分の各端部から延びる側方部材を備え、前記第一のパーツ及び前記第二のパーツは、前記第一のパーツの前記側方部材が前記第二のパーツの前記側方部材と接触又は隣接する状態で径方向に対向する、請求項7に記載のエンドエフェクタ。
【請求項9】
前記格納位置では、前記第一のパーツ及び前記第二のパーツの前記側方部材の近位部分又は半径方向内側の部分の間にギャップが設けられ、前記延伸位置では、前記弧状部分が弾性的に変形し、前記第一のパーツ及び前記第二のパーツの前記側方部材の近位端が一緒に移動して前記ギャップを閉じる、請求項8に記載のエンドエフェクタ。
【請求項10】
前記エンドエフェクタは、
前記チューブを把持し、前記チューブを前記エンドエフェクタに固定するように構成された、保持具を備え、
前記保持具は、前記チューブの前記底部閉鎖端に隣接して、前記チューブを把持する、請求項1~9のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項11】
前記保持具が、係合解除位置と係合位置との間で移動可能な少なくとも1つの可動コンポーネントを備え、前記係合解除位置では、前記コンポーネントが前記チューブと接触せず、前記係合位置では、前記可動コンポーネントが前記チューブと接触して前記チューブを圧迫して、変形させる、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項12】
ロボット位置決め装置と、請求項1~11のいずれか一項に記載のエンドエフェクタとを備える農産物パッキングデバイスであって、前記ロボット位置決め装置が、パッケージングされるべき農産物の品目に対して前記エンドエフェクタをx軸、y軸及びz軸に沿って移動させ、前記エンドエフェクタを倒立向きと正立向きとの間で水平軸に関して回転させるために、少なくとも4つの自由度を提供する、デバイス。
【請求項13】
i)前記ロボット位置決め装置を制御して、前記エンドエフェクタを、パッケージングされるべき農産物の第一の品目の垂直上方のx方向及びy方向に倒立向きで配置し、前記エンドエフェクタを垂直下方に移動させて、前記エンドエフェクタ内の前記チューブの中に農産物の前記第一の品目を受け入れることと、
ii)必要であれば、前記作動可能可動要素を前記格納位置から前記延伸位置に作動させて、前記チューブの中の果物の前記第一の品目を受け入れ、前記チューブ内でいったん前記作動可能可動要素を前記格納位置に作動させて、前記チューブ内の果物の前記第一の品目を保持することと、
iii)前記ロボット位置決め装置を制御して、前記エンドエフェクタを垂直上方に移動させることと、
を行うようにプログラムされたコントローラを備える、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記コントローラは、さらに、
iv)前記ロボット位置決め装置を制御して、前記エンドエフェクタを前記x方向及び前記y方向に移動させて、前記エンドエフェクタを果物のさらなる品目の上に垂直に位置付け、前記エンドエフェクタを垂直下方に移動させて、果物の前記さらなる品目に隣接又は接触している次の品目を位置付けることと、
v)前記作動可能可動要素を前記格納位置から前記延伸位置へ作動させることと、
vi)前記位置決め装置を制御して、前記エンドエフェクタを垂直下方に動かし続けて、前記エンドエフェクタ内の前記チューブの中の農産物の前記さらなる品目を受け入れることと、
vii)前記作動可能可動要素を前記格納位置から前記延伸位置に作動させて、前記チューブ内の果物の前記第一の品目及び果物の前記さらなる品目を保持することと、
viii)前記ロボット位置決め装置を制御して、前記エンドエフェクタを垂直上方に移動させることと、
ix)前記チューブが満杯になるまで、ステップivからviiiを繰り返すことと、
を行うようにプログラムされている、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記コントローラは、さらに、
x)前記チューブが満杯になったとき、前記ロボット位置決め装置を制御して、前記エンドエフェクタを前記倒立向きから正立向きに回転させ、前記チューブの開口端を最上部に位置させ、前記エンドエフェクタを解放領域に移動させて前記チューブを前記エンドエフェクタから解放させるようにプログラムされている、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記コントローラは、さらに、前記ロボット位置決め装置を制御して、前記エンドエフェクタを垂直上方に移動させ、前記チューブを前記エンドエフェクタから解放させるようにプログラムされている、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
請求項10に従属する場合、前記コントローラは、さらに、
前記保持具を係合位置に作動させて、前記チューブの閉鎖端の近くで前記チューブの断面形状を把持して、変形させ、農産物の前記第一の品目が前記チューブの前記閉鎖端のスペースに入るのを妨害するように、
プログラムされている、請求項13~16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記コントローラは、さらに、
前記ロボット位置決め装置を制御して、前記エンドエフェクタを前記倒立向きから正立向きに回転させ、前記チューブの開口端を最上部に位置させ、前記エンドエフェクタを解放領域へ移動させることと、
前記保持具を係合解除位置に作動させ、前記チューブを解放させることと、
を行うようにプログラムされている、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記デバイスは、農産物の前記品目を離間し、前記ロボット位置決め装置の到達範囲に農産物の単一化された品目、又はグループ化された品目を提示するための単一化ユニットを備える、請求項13~18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
前記単一化ユニットは、農産物の前記品目/グループを二次元配列で離間させる、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記単一化ユニットは、前記ロボット位置決め装置の前記到達範囲に適合する方法で農産物の前記品目/グループを提示するように構成されたコンベヤを備える、請求項19又は20に記載のデバイス。
【請求項22】
ステップi)において、前記コントローラは、前記ロボット位置決め装置を制御して、前記エンドエフェクタを農産物の品目の垂直上方に移動させ、前記エンドエフェクタが農産物の前記品目の垂直上方に留まるように、前記コンベヤの速度で搬送方向に移動させるように、プログラムされている、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記コンベヤが、離間した複数のホルダを運ぶ連続ループを備え、各ホルダが農産物の個別品目を保持するように適合されている、請求項21又は22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記ホルダが、搬送方向で離間し、前記搬送方向と直交し、農産物の前記品目を二次元配列で提示する、請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記デバイスが、前記コントローラと通信して、農産物の各品目についてデータポイントを感知又は検出する感知装置をさらに備え、前記コントローラは、
農産物の前記品目を保持する前記単一化ユニットのそれぞれのホルダに関連付けられた農産物の各品目のデータポイントを、メモリに格納することと、
前記ロボット位置決め装置及び前記エンドエフェクタを制御して、農産物の各品目の前記データポイントに基づいて、農産物の各品目をパッキングすることと、
を行うようにプログラムされる、請求項23又は24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記ホルダは、軟質弾力性材料から形成される、請求項23~25のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項27】
各ホルダが、ベースから延びる側壁を備えるホルダとして構成され、前記壁の上端が、農産物の品目を受け入れるためのリムを提供する、請求項23~26のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項28】
前記壁が、内壁部分と外壁部分とを有するように壁形成される、請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記ホルダが、前記リムから半径方向外側に延び、前記リムの周りに離間したタブを備え、前記エンドエフェクタが下方に移動して前記チューブの中に果物の品目を受け入れるとき、前記エンドエフェクタの端部が前記タブに接触する、請求項27又は28に記載のデバイス。
【請求項30】
各ホルダは、一体型部材である、請求項23~28のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項31】
農産物の品目をパッキングするための農産物パッキングデバイスであって、
・頂部開口細長容器を保持するエンドエフェクタを備えるロボット位置決め装置と、
・連続コンベヤベルトと、前記連続コンベヤベルトに取り付けられて離間した複数のホルダとを有する搬送装置であって、各ホルダは、農産物の単一品目が載る上部リムを提供するホルダとして構成され、前記ホルダは、前記搬送装置の長手方向及び横方向に離間し、前記ホルダは、農産物の前記品目が二次元配列で離散的に配置されるように、前記コンベヤベルトに沿った搬送方向及び前記コンベヤベルトを横切る前記搬送方向と直交する方向に離間し、前記ホルダは、農産物の品目を損傷させることなく、前記ホルダ上に受け入れるように、軟質弾力性材料から形成されている、搬送装置と、
を備え、
各ホルダが、輸送中に農産物の単一の個別品目を支持し、農産物の前記個別品目が、前記エンドエフェクタによって保持される前記頂部開口細長容器によって前記ホルダからピックアップされ、同時に前記頂部開口細長容器に直接置かれることを可能にする、農産物パッキングデバイス。
【請求項32】
前記ホルダは、農産物の前記品目が前記ホルダ上の十分に高い場所に載るように構成され、その結果、前記エンドエフェクタによって保持された前記頂部開口細長容器内に農産物の前記品目を受け入れたとき、農産物の前記品目の最も広い周囲部分が、前記エンドエフェクタの作動可能要素の上にあり、したがって、前記作動可能要素が閉位置に移動されると、農産物の前記品目が前記エンドエフェクタによって保持された前記頂部開口細長容器内に捕捉される、請求項31に記載の農産物パッキングデバイス。
【請求項33】
農産物の品目をパッキングする自動化された方法であって、
・農産物の単一品目が載る上部リムを有する離間した複数のホルダの上で農産物の品目を搬送するステップと、
・エンドエフェクタの一部を形成する頂部開口細長容器を使用して、その中にパッケージングするために離間した前記ホルダから農産物の品目をピックアップするステップと、
を含む、方法
【国際調査報告】