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特表2023-525493バランスの取れた回転ツールを備えたブレンダー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-16
(54)【発明の名称】バランスの取れた回転ツールを備えたブレンダー
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/046 20060101AFI20230609BHJP
   A47J 43/07 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
A47J43/046
A47J43/07
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022565889
(86)(22)【出願日】2021-01-26
(85)【翻訳文提出日】2022-10-31
(86)【国際出願番号】 EP2021051695
(87)【国際公開番号】W WO2021219257
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】202020102359.4
(32)【優先日】2020-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517368671
【氏名又は名称】デロンギ・ブラウン・ハウスホールド・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・プライス
(72)【発明者】
【氏名】ノルベルト・クロイツ
【テーマコード(参考)】
4B053
【Fターム(参考)】
4B053AA01
4B053BA02
4B053BB02
4B053BD03
4B053BL04
(57)【要約】
本発明は、食品を加工するための容器、容器の内部に配置され、シャフトによって回転可能に駆動されるツール、および容器の外部に配置され、ツールを釣り合わせる質量バランス要素を備えるブレンダーに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレンダーであって、
食品を加工するための容器(300)と、
前記容器(300)の内部に配置され、シャフト(5)によって回転駆動されるツール(2)と、
前記ツール(2)の釣り合いをとるために前記容器(300)の外部に配置された質量バランス要素(1)と、
を備えるブレンダー。
【請求項2】
前記シャフト(5)がシャフトベアリング(6)によって支持される、請求項1に記載のブレンダー。
【請求項3】
前記シャフト(5)が、前記容器(300)の外部に駆動のためのカップリング(8)を備える、請求項1に記載のブレンダー。
【請求項4】
前記シャフト(5)の回転軸(50)に沿って、前記カップリング(8)の次に、第1の質量バランス要素(1)、任意に前記シャフトベアリング(6)、そして前記ツール(2)が配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のブレンダー。
【請求項5】
前記質量バランス要素(1)は、ディスク形状の要素であり、形がぴったり合う方法で前記シャフト(5)に接続されている、請求項1に記載のブレンダー。
【請求項6】
前記ディスク形状の質量バランス要素(1)は、モノフラット本体または非対称バイプレーナー本体によって、前記シャフト(5)に形がぴったり合う方法で接続されている、請求項5に記載のブレンダー。
【請求項7】
前記ディスク形状の質量バランス要素(1)は、前記カップリング(8)を前記シャフト(5)の雄ネジ(12)にねじ込むことによって固定される、請求項3を引用する請求項6に記載のブレンダー。
【請求項8】
前記質量バランス要素(23)は、前記カップリング(8)と一体化している、請求項1を引用する請求項3に記載のブレンダー。
【請求項9】
前記ツールは、互いオフセットされて前記シャフト(5)に取り付けられた2つのナイフブレード(3,4)を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のブレンダー。
【請求項10】
前記ナイフブレード(3,4)および前記バランスウェイト(1,23)の重心が前記シャフト(5)の回転軸(50)を通り延在する第1の平面(40)にあり、
前記ナイフブレード(3,4)の重心の不均衡な遠心力は、軸(80)まわりに運動量が釣り合っており、前記軸(80)は、前記第1の平面(40)に直交し、かつ前記シャフトの前記回転軸および前記質量バランスウェイト(1,23)の力軸(10)の交点(90)を通り、
前記ナイフブレード(3,4)および前記質量バランス要素(1,23)の重心の不均衡な遠心力は、第2の平面(110)を介して力が釣り合っており、前記第2の平面(110)は、前記シャフト(5)の前記回転軸(50)を通り、かつ前記第1の平面(40)に直交する、請求項1~9のいずれか一項に記載のブレンダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を加工するための容器とバランスのとれた回転ツールとを備えるブレンダーに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなツールの1つのタイプは、特に食品を刻むための固定機器で使用されるナイフの刃である。このタイプのツールは、一般的に高速で回転駆動されるように構成されている。特に作業ツールが高速で回転する場合、速度が上がると動的バランスが崩れ、作業ツールが激しく振動する。
【0003】
この不均衡の問題は、製造公差だけでなく、ナイフアームまたはナイフブレードの配置によっても発生する。ナイフアームまたはナイフブレードは、通常、1つの平面内で延びるように配置されるのではなく、駆動軸または回転軸の方向から見た場合に互いにオフセットされた平面内で延びるように配置されており、食品を刻むときにそれぞれの切断ナイフが異なる平面で動くようになっている。
【0004】
不均衡と振動は、ブレンダーを高速で作動する場合の安全性に影響を与えるだけでなく、ベアリングに過度のストレスを与え、刻む食品に過度の熱が伝わる可能性もある。また、切断ナイフの不均一な動きにより、望ましくない大きな騒音が発生する可能性がある。
【0005】
ブレンダーでの効率的かつ効果的な加工操作を確保するには、加工する食品がスムーズに、十分な量で、最適に混合されることも重要である。したがって、ブレンダー内の適切に最適化された食品材料の流れが不可欠であり、加工作業の一部としての食品に必然的に直接接触することを意図したコンポーネントのみがブレンダーの加工スペースに可能な限り取り付けられるようなツールの構造設計が必要である。
【0006】
上述の回転切断工具の不均衡を補償するために、高速駆動軸に取り付けられる、特に食品を刻むための切断ナイフが、特許文献1から知られている。切断面が相互にずれているにもかかわらず、不均衡なく動作するように切断ナイフを構成するために、ナイフ支持アームがそれぞれ、軸に隣接する自由領域で他の支持アームの面に向かって曲げられている。屈曲領域は、他の支持アームの自由端に向かって平衡質量を形成し、支持アームの平衡質量は、切断ナイフの全体的な重心が回転軸に位置するように寸法決めされる。
【0007】
さらに、特許文献2は、食品調理装置の回転駆動シャフトに取り付けられたハブを有するツールを開示している。ナイフには切断刃が付いており、刃がハブから放射状に突出し、ツールのバランスウェイトを有するようにナイフがハブに組み込まれている。ハブには重量を受けるためのハウジングが取り付けられており、ハブは本体と合成素材のカバーで構成されている。
【0008】
食品を刻むための他の回転バランス切断ツールは、特許文献3、特許文献4、および特許文献5から知られている。
【0009】
ブレンダーのブレードシャフトは、少なくとも2つのナイフブレードがシャフト上の異なる高さに配置されている場合に、特に優れたチョッピング性能を達成することがよくある。これにより、異なるカットラインが作成され、食品をより速く、より細かく刻むことができる。
【0010】
例えば2つのナイフブレードのこのオフセット配置の欠点は、このブレードシャフトを完全にバランスさせることがもはや容易にできないことである。静的にバランスの取れたローターは、ナイフブレード全体に適切な質量分布を設定することで設計できる。ただし、ナイフブレード間の高さのオフセットに応じて、かなりの動的不均衡が残るため、高速運転時に大きな慣性乗積が発生する。
【0011】
装置の振動による高い騒音の発生に加えて、これらの慣性乗積は大きなラジアルベアリング負荷を引き起こし、ベアリングの温度が許容範囲を超えて急速に上昇し、ベアリングユニットが破損する可能性がある。また、このように負荷をかけたベアリングユニットは摩耗が激しく、寿命が著しく短くなる。
【0012】
この動的な不均衡を補うために、通常、ブレンダーの処理領域のブレードシャフトにバランスマスが配置される。これにより、ブレンダーの性能が低下し、一般的な取り扱いがより困難になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】独国特許出願公開第19502216号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1820431号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第19646329号明細書
【特許文献4】仏国特許出願公開第2998466号明細書
【特許文献5】特開平04-40919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明は、バランスのとれた回転ツールを備えたブレンダーを提供するという目的に基づいており、ツールの性能が向上し、ブレンダーの一般的な取り扱いが改善される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴を有する装置によって解決される。本発明の有利な実施形態および改良は、従属請求項に見出すことができる。
【0016】
本発明は、特に、食品の加工操作のみに最適化されたツールおよびツールシャフトの縮小された構造的形状が、加工される食品とツールとの間の接触を改善し、ブレンダーの一般的な取り扱いを容易にするという発見に基づいている。ツールのバランスを取るバランスウエイトを食品加工領域外に配置することで、ブレンダーの加工操作において、ツールやツールシャフトの領域におけるバランスウエイトによる悪影響を回避することができる。
【0017】
この知見を使用して、本発明は、食品を加工するための容器、容器の内側に取り付けられ、シャフトによって回転可能に駆動されるツール、および容器の外側に取り付けられ、ツールのバランスを取るための質量バランス要素を含むブレンダーを提供する。
【0018】
したがって、本発明は、加工容器内のツールへの食品材料の流れが、ツール自体またはツールシャフト上の質量バランス要素によって妨げられないことを保証する。こうすることで、食品が工具に当たりやすくなり、工具の加工性が向上する。さらに、容器内に加工食品を入れるスペースが広がる。
【0019】
さらなる利点は、質量バランス要素が加工される食品と直接接触しないため、この目的に適した材料で作る必要がないという点である。したがって、容器外に配置される質量バランス要素には、通常の食品法規制対応素材よりも重量的に質量バランス要素としての使用に適した素材を使用することも可能である。
【0020】
容器内に質量バランス要素がないツールおよびツールシャフトの構造設計を縮小することにより、食品を処理した後にツールを有するシャフトを洗浄およびすすぐことが容易になることは、さらなる利点である。
【0021】
好ましくは、ブレンダーは、シャフトがシャフトベアリングによって支持されるように構成される。こうすることで、シャフトベアリングがシャフトとツールの重量を完全にバランスのとれたシステムで支えることが可能になる。また、技術的に避けられない遠心力のアンバランスもシャフトベアリングで吸収することができ、ブレンダーの他の部品への伝達を防ぐことができる。
【0022】
シャフトは、容器の外側に、駆動用の解放可能なカップリングを備えることがさらに好ましい。これにより、必要に応じて駆動部からシャフトを切り離すことができる。これは、駆動部とは別に、ツールを取り付けたシャフトをクリーニングできるという利点がある。
【0023】
別の好ましい実施形態では、ブレンダーは、結合後、最初に質量バランス要素、次にオプションとしてシャフトベアリング、次にツールがシャフトの回転軸に沿って配置されるように構成される。この配置により、ツールは、シャフトの一端部に配置され得る。これにより、質量バランス要素を容器外に設け、ツールのみを容器内に配置して加工食品に接触させることができるという利点につながる。
【0024】
さらに、質量バランス要素はディスク形状の要素であり、シャフトに形状適合的に接続されることが好ましい。質量バランス要素がディスク形状のため、カップリングとシャフトベアリングの間に配置することが可能である。これには、この領域がブレンダー内でほとんどスペースをとらないという利点がある。形状に適合する構成のため、質量バランス要素が正確な位置でねじり剛性のある方法でシャフトに接続され、それに応じてシャフトとともに回転することも有利である。
【0025】
別の好ましい実施形態では、ディスク形状の質量バランス要素は、モノフラット本体(monoflat body)または非対称バイプレーナー本体(asymmetrical biplanar body)を介して、シャフトにぴったり合うように接続される。このような実施形態は、ディスク形状のバランス要素のシャフトへの取り付けを改善するという利点を有する。
【0026】
さらに別の好ましい実施形態では、ディスク形状の質量バランス要素は、カップリングをシャフトの雄ねじにねじ込むことによって固定される。必要に応じて質量バランス要素をシャフトから取り外すことが可能である。また、カップリングは、質量バランス要素がシャフトと形状が適合された方法で正確な位置で結合されているため、必ずしも正確な位置で取り付ける必要はない。
【0027】
ブレンダーのさらに好ましい実施形態では、質量バランス要素がカップリングに組み込まれている。質量バランス要素を別途取り付ける必要がなく、取り扱いが容易になる利点がある。
【0028】
さらに好ましいのは、ツールがシャフトに取り付けられた2つのナイフブレードを有し、それらが互いにオフセットされているブレンダーである。こうすることで、加工する食材に異なる切り込みを入れることができ、食材をより速く、より細かく粉砕することができる。
【0029】
ナイフブレードの重心とバランスウェイトが、シャフトの回転軸を通る第1の平面内にあり、ナイフブレードの重心の不均衡な遠心力は、第1の平面に直交し、シャフトの回転軸と質量バランスウェイトの遠心力に関連する力軸との交点を通る軸周りに運動量が釣り合っており、ナイフブレードおよび質量バランス要素の不均衡な遠心力は、シャフトの回転軸を通り、第1の平面に直交する第2の平面を介して力が釣り合っていることが好ましい。この実施形態によれば、ただ1つのバランス平面が設けられ、前記平面がカップリングの領域にあることが保証される。その場合、ツールのバランスをとるために、バランス平面で1つの質量バランス要素のみが必要になる可能性がある。このような要素を1つ使用すると、ブレンダーの設計が大幅に簡素化される。遠心力は、回転の角速度の2乗に比例する。しかし、すべての重心は同じ軸を中心に回転するため、それらはすべて同じ角速度であり、これが、ブレンダーを動作させることなく遠心力の平衡とブレンダー自体の対応するモーメントを決定することが可能である理由である。
【0030】
デバイスのさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照した以下の実施形態の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】容器がねじ止めされたブレンダーの図を示す。
図2】ブレンダーのナイフブレードとシャフトの図である。
図3】シャフトとディスク形状の質量バランス要素との間の形状適合接続の分解図を示す。
図4】ブレンダーの幾何学的関係の概略図を示す。
図5】ブレンダーの幾何学的関係の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
構造的に相容れないものではない場合、異なる実施形態で説明された個々の特徴を単一の実施形態でも実施できることは、当業者には明らかである。同様に、単一の実施形態に関連して説明された様々な特徴は、いくつかの実施形態において個別にまたは任意の適切なサブコンビネーションで提供されてもよい。
【0033】
図1は、ベース200と、そこから切り離された、食品を加工するための円筒形容器300とを有するブレンダー100の可能な実施形態を示す。円筒形に限定されない容器300とベース200とは、例えば、ねじおよび/またはプラグ接続を使用して一緒に結合することができる。バヨネット接続も可能である。したがって、容器300は、ブレンダー100を充填するためにベース200から切り離すことができ、結合することによって加工操作中に閉じた加工スペースを提供することができ、容器300を空にするためにベースを再び切り離すことができる。好ましくは、加工スペースは、容器200とベース300との間の接触面においてシールリング55によって環境から密閉される。
【0034】
ブレンダーのベース200は、容器がベース200に結合された場合に容器300の内側に位置するように配置された、食品を加工するための回転ツール2を有する。つまり、ツール2は、食品加工作業中、容器300の内部領域で回転する。または、別の言い方をすれば、容器300を制限する表面は、加工中のツール2および食品を囲む。
【0035】
図2は、図1のツール2の拡大図を示す。好ましくは、このツールは、特に取り外し可能な方法で、回転可能なシャフト5の端部に取り付けられる。本実施形態によれば、ツール2は、例えば、シャフト5の回転軸に沿って互いにオフセットされた平面内に延びる2つのナイフブレード3、4を備え、食品を刻むときはそれぞれのナイフブレード3、4は異なる平面を通る。ナイフブレードの数や形状は、加工する食品によって異なり、加工作業に合わせることができる。さらに、ツール2は、たとえば、刻み加工中に加工される食品の最適な混合をさらに確実にするように構成することもできる。
【0036】
シャフト5は、ツール2の下でシャフト5の回転軸に沿って配置され、シャフト5を取り囲むシャフトベアリング6によって支持されることが好ましい。シャフトベアリング6とツール2との間に位置するシャフト5の部分も、加工作業中に容器300の内部に配置される。図1に示すように、シャフトベアリング6の少なくとも一部を容器200内に配置し、ベアリング6の他の部分をベース200のハウジング10内に配置することも可能である。ベース200のハウジング10は、容器300に面する側に開口部11を有し、この開口部11は、加工作業中に加工食品がベース200のハウジング10の内部に入り込むことができないように、ベアリング6をぴったりと取り囲んでいる。
【0037】
回転軸に沿って、特にシャフトベアリング6の下に、最初にディスク形状のスライドリング7が配置され、次に、この実施形態ではディスク形状に構成される質量バランス要素1が配置される。回転軸に沿ってさらに下に、カップリング8があり、図示されていない駆動部に接続される。したがって、すでに上のセクションで述べたように、シャフトベアリング6の少なくとも一部に加えて、スライドリング7、ディスク形状のバランス要素1、およびカップリング8も、ベース200のハウジング10の内部に配置されているため、これらは、加工スペース内で処理される食品と接触しない。
【0038】
図3は、シャフト5とディスク形状の質量バランス要素1との間の形状適合接続の分解図を示す。シャフト5の端部には、カップリング8の対応する雌ねじにねじ込むことができる雄ねじ12が特に設けられている。ディスク形状の質量バランス要素1には開口部が形成されており、開口部は例えばモノフラット本体または非対称バイプレーナー本体の形状である。シャフト5の回転軸に沿って、雄ねじ12の上方で、バランス要素1は、ディスク形状の質量バランス要素をシャフト5上にスライドさせることにより、シャフトの一部が、ディスク形状の質量バランス要素1の開口部にぴったり合う相手方として接続できるように形成され、モノフラット本体またはバイプレーナー本体として形成される。
【0039】
組み立てられた状態では、ディスク形状の質量バランス要素1は、シャフト5に形状適合方式で接続され、ねじ込み結合によってシャフト5に固定される。これにより、ディスク形状の質量バランス要素1がカップリングと形状がぴったりあった形式で一体的に回転することが可能になる。ディスク形状のスライドリング7は、シャフトベアリング6とディスク形状の質量バランス要素1との間に接触面がないように、特に、シャフトベアリング6とディスク形状の質量バランス要素1との間でシャフト5の回転軸に沿って配置される。
【0040】
特に、定義された質量を有する要素は、質量バランス要素の円形がこの位置で中断されるように、ディスク形状の質量バランス要素1の外側領域に配置されている。本実施形態において、これは、円1の半径方向外端に形成された長方形の棒であることが好ましい。
【0041】
図示されていない実施形態では、これは、例えば、質量バランス要素1の表面上の点に材料を蓄積することによって実現することもできる。対応する要素の質量は、ツール2を釣り合わせるためのバランス質量に対応する。ブレンダーに釣り合わせる異なるツール2を取り付けることができる場合は、特に、ディスク形状の質量バランス要素1をそれに応じて交換することがでる。
【0042】
図示されていない実施形態では、ディスク形状の質量バランス要素の代わりに、質量バランス要素がカップリング8に組み込まれている。この質量バランス要素は、例えば、プラスチックカップリングの一方の側に材料を蓄積することによって形成することができ、またはバランスウェイトの形でカップリング8の適切に提供されたポケット/レセプタクルに導入することができる。さらに好ましくは、対応するツール2に合わせて、ポケット/レセプタクルに異なるバランスウェイトを挿入することができる。
【0043】
図4および図5は、シャフト5、ナイフブレード3、4を有するツール2、カップリング6および質量バランス要素23の幾何学的配置を、ブレンダーが完全に釣り合うように概略的に示している。質量バランス要素23はブレンダーの加工領域の外側に配置する必要があるため、ブレードシャフト5の結合平面12にある1つのバランス平面のみが使用される。完全な平衡を達成するための質量バランスのために、この1つのバランス平面だけを使用できるようにするには、平衡の技術的な特殊なケースが発生するように、ブレードシャフト全体を質量分布に関して設計する必要がある。つまり、ツール2を有するローターを完全に釣り合わせるには、すでに1つの質量バランス要素23で十分である。
【0044】
この目的のために、ナイフブレード3、4および質量バランスウェイトの個々の重心は、回転軸50を通る平面40内にある。ナイフブレード3、4の個々の重心の不均衡な遠心力は、軸80の周りで運動量が釣り合い、軸80は、すべての重心が位置する平面40に直交し、質量バランスウエイト23の回転軸50と力軸10との交点90を通過する。
【0045】
ナイフブレード3、4の個々の重心の不均衡な遠心力、およびバランスウェイト23の遠心力は、面110を介して力が釣り合っており、面110は、回転軸55を通り、すべての重心がある平面40に垂直である。所与の重心半径について、質量バランス要素23の質量が得られ、または質量バランス要素23の所与の質量について、重心半径が得られる。
【0046】
すべての計算は、シャフトベアリングのラジアルベアリング力がゼロに設定されていることを前提としており、完全に釣り合ったシステムでは、ブレードシャフトの重量力のみを軸方向に支える必要がある。
【0047】
本件の特許請求の範囲はブレンダーを対象としているが、本発明はスパイス見る、攪拌装置(例えば、フードプロセッサー)、または食品を刻むジャグなどにも利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 質量バランス要素
2 ツール
3、4 ナイフブレード
5 シャフト
6 シャフトベアリング
7 スライドリング
8 カップリング
10 ハウジング
11 開口部
12 雄ねじ
23 質量バランス要素
40 平面
50 回転軸
55 シールリング
80 軸
90 交点
110 平面
200 ベース
300 容器
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】