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2023-525563デュアル通信プロトコルを使用してセンサーデータを送信するためのシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-16
(54)【発明の名称】デュアル通信プロトコルを使用してセンサーデータを送信するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20230609BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568896
(86)(22)【出願日】2021-05-10
(85)【翻訳文提出日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 US2021031625
(87)【国際公開番号】W WO2021231326
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】63/023,711
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/062,939
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】500000212
【氏名又は名称】マシモ・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アマール・アル-アリ
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・スクラッグス
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・プライデル
(72)【発明者】
【氏名】チャド・エー・デ・ジョング
(72)【発明者】
【氏名】エリック・カール・キナスト
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ソ・ファン
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・ハング
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XB03
4C117XB04
4C117XC11
4C117XD00
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE17
4C117XE18
4C117XE23
4C117XE24
4C117XE29
4C117XE37
4C117XF03
4C117XH12
4C117XJ42
4C117XQ18
(57)【要約】
患者から生理学的データを収集するためのシステムを開示する。このシステムは、再使用可能モジュールと使い捨てモジュールとを含む。使い捨てモジュールは、生理学的データを収集して再使用可能モジュールに送信し、再使用可能モジュールは次に、生理学的データを患者監視システムに送信する。再使用可能モジュールは、使い捨てモジュールからの動作データにアクセスして使い捨てセンサーアセンブリを検証する。場合によっては、動作データは、使い捨てモジュールの寿命を判定するために使用され得るセンサー寿命データを含む。使い捨てセンサーアセンブリは、再使用可能モジュールについてワイヤレス通信が確立されていないときに所定の時間の長さの間生理学的データを記憶してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者から生理学的データを収集するためのシステムであって、
使い捨てモジュールであって、
患者から生理学的データを収集するように構成されたセンサー要素と、
バッテリと
を備える使い捨てモジュールと、
再使用可能モジュールであって、
プロセッサと、
メモリと、
患者監視システムとのワイヤレス通信を確立するように構成されたワイヤレス通信モジュールと
を備える再使用可能モジュールと
を備え、
前記再使用可能モジュールの前記メモリは、前記ワイヤレス通信モジュールが前記ワイヤレス通信を確立する前に前記生理学的データを記憶するように構成され、
前記再使用可能モジュールの前記プロセッサは、前記再使用可能モジュールが前記使い捨てモジュールに結合されたときに前記使い捨てモジュールの前記センサー要素から前記生理学的データを受信するように構成されるシステム。
【請求項2】
前記使い捨てモジュールは、ドックを備え、前記ドックは、取り付け機構およびハウジングに結合され、前記ハウジングは、前記メモリおよび前記バッテリを収容する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記センサー要素は、前記ハウジング内に収容される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記センサー要素は、ケーブルアセンブリを介して前記ハウジングに結合される、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記再使用可能モジュールの前記プロセッサは、前記使い捨てモジュールの前記センサー要素にセンサー信号を送信し、前記センサー信号は、前記センサー要素に前記患者から前記生理学的データを収集させる、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記ワイヤレス通信モジュールは、前記患者監視システムから所定の距離内に位置するときに前記患者監視システムとの前記ワイヤレス通信を確立するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ワイヤレス通信モジュールは、前記患者監視システムから前記所定の距離に位置するときに識別情報を前記患者監視システムに送信するように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記患者監視システムは、前記ワイヤレス通信モジュールから前記識別情報を受信すると、前記ワイヤレス通信モジュールとの関連付けを作成する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記識別情報は、前記使い捨てモジュールを一意に識別する識別子を含み、前記患者監視システムは、前記識別子を使用して前記再使用可能モジュールとの前記ワイヤレス通信を確立する、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記使い捨てモジュールは、取り付け機構を備え、前記取り付け機構は、前記患者に前記使い捨てモジュールを結合するように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記取り付け機構は、医療バンドである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記取り付け機構は、無線周波数識別子を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記使い捨てモジュールの前記バッテリは、前記使い捨てモジュールが前記再使用可能モジュールに結合されたときに前記再使用可能モジュール用の電力を供給するように構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記再使用可能モジュールの前記メモリは、前記生理学的データを約6時間から約30日までの間記憶することができる、請求項1から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記再使用可能モジュールの前記メモリは、前記ワイヤレス通信を確立または検出する前に前記生理学的データをある時間の長さの間記憶し、前記ある時間の長さは、ユーザによって指定されてもよい、請求項1から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記再使用可能モジュールの前記メモリは、デフォルト時間の長さを記憶し、前記再使用可能モジュールの前記メモリは、前記ある時間の長さが指定されないときに、前記ワイヤレス通信モジュールが前記ワイヤレス通信を確立する前に、前記デフォルト時間の長さの間前記生理学的データを記憶するように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記生理学的データは、前記患者に関する健康関連イベントを含む、請求項1から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記生理学的データは、異常が検知されたときに収集されて前記使い捨てモジュールの前記メモリに記憶される、請求項1から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記異常は、低血圧測定値、高血圧測定値、低呼吸数測定値、高呼吸数測定値、血中酸素飽和度低下、不整脈、常時低血中酸素飽和度測定値または血中酸素飽和度測定値低下、低心拍数、または高心拍数のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記再使用可能モジュールの前記プロセッサは、前記ワイヤレス通信モジュールとオンラインサーバとの間のワイヤレス通信が確立されたときに、前記生理学的データをローカルまたはリモートストレージに送信するように構成される、請求項1から19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記記憶された生理学的データの前記送信は、自動的にまたは手動で行われる、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記センサー要素によって収集された前記生理学的データは、高忠実度を有する、請求項1から21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記センサー要素によって収集された前記生理学的データは、低忠実度を有する、請求項1から22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記メモリに記憶された前記生理学的データの忠実度は、不定である、請求項1から23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記記憶された生理学的データの前記忠実度は、前記再使用可能モジュールの前記メモリ内に前記生理学的データを記憶するうえで指定されるある時間の長さに少なくとも部分的に基づいて変動する、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記記憶された生理学的データの前記忠実度は、生理学的データの種類または健康関連イベントの種類に少なくとも部分的に基づいて変動する、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記センサー要素によって収集された前記生理学的データの忠実度は、不定である、請求項1から26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記センサー要素によって収集された前記生理学的データの前記忠実度は、前記再使用可能モジュールの前記メモリ内に前記生理学的データを記憶するうえで指定されるある時間の長さに少なくとも部分的に基づいて変動する、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記センサー要素によって収集された前記記憶された生理学的データの忠実度は、生理学的データの種類または健康関連イベントの種類に少なくとも部分的に基づいて変動する、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記再使用可能モジュールの前記メモリに記憶された前記生理学的データは、前記使い捨てモジュールの前記バッテリが消耗したときにダウンロードされてもよい、請求項1から29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記再使用可能モジュールの前記メモリは、前記再使用可能モジュールが前記使い捨てモジュールに取り付けられたときから再使用可能部分が前記使い捨てモジュールから取り外されるかまたは前記使い捨てモジュールの前記バッテリが機能しなくなるまで、前記センサー要素によって収集された前記生理学的データを記憶する、請求項1から30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
非侵襲センサー要素を含む使い捨てモジュールに結合するように構成された再使用可能モジュールを使用して患者から生理学的データを収集するための方法であって、
再使用可能モジュールと使い捨てモジュールとの結合を検出するステップと、
前記使い捨てモジュールから生理学的データを収集するステップであって、前記生理学的データが、前記使い捨てモジュールのセンサー要素を介して収集され、前記生理学的データが、前記再使用可能モジュールのメモリ内に記憶される、ステップと、
リモートコンピューティングデバイスとのワイヤレス通信を確立するステップと、
前記生理学的データを前記ワイヤレス通信を介して前記リモートコンピューティングデバイスに送信するステップと
を含む方法。
【請求項33】
前記生理学的データは、前記ワイヤレス通信を確立する前にある時間の長さの間前記再使用可能モジュールの前記メモリ内に記憶され、前記ある時間の長さは、約6時間から約30日までの間の範囲である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ある時間の長さは、ヘルスケア提供者によって与えられる設定を介して設定可能である、請求項32または33に記載の方法。
【請求項35】
前記メモリは、デフォルト時間の長さを記憶し、
ある時間の長さが指定されないときは、前記再使用可能モジュールと前記リモートコンピューティングデバイスとの間に前記ワイヤレス通信が確立される前に前記デフォルト時間の長さの間前記生理学的データが前記使い捨てモジュールの前記メモリ内に記憶される、請求項32から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記生理学的データは、前記患者に関する健康関連イベントを含む、請求項32から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記生理学的データは、異常が検知されたときに収集されて記憶される、請求項32から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記異常は、低血圧測定値、高血圧測定値、低呼吸数測定値、高呼吸数測定値、血中酸素飽和度低下、不整脈、常時低血中酸素飽和度測定値または血中酸素飽和度測定値低下、低心拍数、または高心拍数のうちの少なくとも1つを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記生理学的データは、前記ワイヤレス通信が確立されたときに前記リモートコンピューティングデバイスに送信される、請求項32から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記生理学的データの忠実度は、前記再使用可能モジュールの前記メモリ内に前記生理学的データを記憶するうえで指定されるある時間の長さに少なくとも部分的に基づいて変動する、請求項32から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記生理学的データの前記忠実度は、生理学的データの種類または健康関連イベントの種類に少なくとも部分的に基づいて変動する、請求項32から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記再使用可能モジュールの前記メモリに記憶された前記生理学的データは、前記使い捨てモジュールの前記バッテリが消耗したときにダウンロードされてもよい、請求項32から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
患者から生理学的データを収集するためのシステムであって、
再使用可能モジュールであって、
プロセッサと、
第1のメモリと、
患者監視システムとのワイヤレス通信を確立するように構成されたワイヤレス通信モジュールと
を備える再使用可能モジュールと、
使い捨てモジュールであって、
患者から生理学的データを収集するように構成されたセンサー要素と、
前記センサー要素に関連付けされた動作データを記憶するように構成された第2のメモリと、
バッテリと
を備える使い捨てモジュールと
を備え、
前記使い捨てモジュールは、前記動作データに少なくとも部分的に基づいて検証され、
前記第1のメモリは、前記使い捨てモジュールの前記センサー要素によって収集された前記生理学的データを記憶するように構成されるシステム。
【請求項44】
前記動作データは、前記使い捨てモジュールに関連付けされたセンサータイプ情報を含む、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記センサータイプ情報は、前記使い捨てモジュールに関連付けされた1種類または複数種類のセンサーを示す、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
再使用可能モジュールアセンブリは、センサータイプに関連付けされ、前記使い捨てモジュールは、前記再使用可能モジュールアセンブリに関連付けされた前記センサータイプと前記使い捨てモジュールに関連付けされたセンサータイプ情報との比較に少なくとも部分的に基づいて検証される、請求項43から45のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項47】
センサー寿命は、前記動作データおよびセンサー寿命データに少なくとも部分的に基づいて判定され、前記センサー寿命は、前記使い捨てモジュールの予想動作時間を表す、請求項43から46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項48】
前記センサー寿命データは、センサー使用情報と1つまたは複数の関数とを含み、前記センサー寿命データは、前記使い捨てモジュールの前記メモリに記憶される、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記センサー寿命は、患者状態が変化するかまたは前記使い捨てモジュールについての動作状態が変化したときに自動的に更新される、請求項43から48のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項50】
前記生理学的データは、ある時間の長さの間前記第1のメモリに記憶される、請求項43から49のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項51】
前記ある時間の長さは、約6時間から約30日までの間の範囲である、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記ある時間の長さは、ヘルスケア提供者によって与えられる設定を介して設定可能である、請求項43から51のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項53】
前記第1のメモリは、デフォルト時間の長さを記憶し、前記第1のメモリは、前記ある時間の長さが指定されないときに、前記ワイヤレス通信モジュールが前記ワイヤレス通信を確立する前に前記デフォルト時間の長さの間前記生理学的データを記憶するように構成される、請求項43から52のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項54】
前記生理学的データは、前記患者に関する健康関連イベントを含む、請求項43から53のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項55】
前記生理学的データは、異常が検知されたときに記憶される、請求項43から54のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項56】
前記異常は、低血圧測定値、高血圧測定値、低呼吸数測定値、高呼吸数測定値、血中酸素飽和度低下、不整脈、常時低血中酸素飽和度測定値または血中酸素飽和度測定値低下、低心拍数、または高心拍数のうちの少なくとも1つを含む、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記再使用可能モジュールの前記プロセッサは、前記ワイヤレス通信モジュールとオンラインサーバとの間のワイヤレス通信が確立されたときに、前記記憶された生理学的データを前記ワイヤレス通信モジュールを介してローカルまたはリモートストレージに送信するように構成される、請求項43から56のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項58】
前記記憶された生理学的データの前記送信は、自動的にまたは手動で行われる、請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
前記センサー要素によって収集された前記生理学的データは、高忠実度を有する、請求項43から58のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項60】
前記センサー要素によって収集された前記生理学的データは、低忠実度を有する、請求項43から59のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項61】
前記第1のメモリに記憶された前記生理学的データの忠実度は、不定である、請求項43から60のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項62】
前記記憶された生理学的データの前記忠実度は、前記第1のメモリ内に前記生理学的データを記憶するうえで指定されるある時間の長さに少なくとも部分的に基づいて変動する、請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記記憶された生理学的データの前記忠実度は、生理学的データの種類または健康関連イベントの種類に少なくとも部分的に基づいて変動する、請求項61に記載のシステム。
【請求項64】
前記センサー要素によって収集された前記生理学的データの忠実度は、不定である、請求項43から63のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項65】
前記センサー要素によって収集された前記生理学的データの前記忠実度は、前記第1のメモリ内に前記生理学的データを記憶するうえで指定されるある時間の長さに少なくとも部分的に基づいて変動する、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記センサー要素によって収集された前記記憶された生理学的データの前記忠実度は、生理学的データの種類または健康関連イベントの種類に少なくとも部分的に基づいて変動する、請求項64に記載のシステム。
【請求項67】
前記第1のメモリは、前記再使用可能モジュールが前記使い捨てモジュールに取り付けられたときから再使用可能部分が前記使い捨てモジュールから取り外されるかまたは前記使い捨てモジュールの前記バッテリが機能しなくなるまで、前記センサー要素によって収集された前記生理学的データを記憶する、請求項43から66のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項68】
使い捨てモジュールを検証する方法であって、
使い捨てモジュールと再使用可能モジュールとの結合を検出するステップと、
前記使い捨てモジュールに関連付けされた動作データにアクセスするステップと、
前記動作データを解析するステップと、
前記動作データの前記解析に少なくとも部分的に基づいて、前記使い捨てモジュールを検証するステップと
を含む方法。
【請求項69】
前記使い捨てモジュールと前記再使用可能モジュールとの前記結合を検出する前記ステップは、
前記再使用可能モジュールが使い捨てセンサーモジュールから電力を受け取っていると判定するステップを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記使い捨てモジュールは、前記動作データを記憶するメモリを備える、請求項68または69に記載の方法。
【請求項71】
前記動作データを解析するステップは、
前記動作データからセンサータイプ情報を特定するステップと、
前記センサータイプ情報を前記再使用可能モジュールに関連付けされたセンサータイプと比較するステップと、
前記センサータイプ情報と前記再使用可能モジュールに関連付けされたセンサータイプとの前記比較に少なくとも部分的に基づいて、前記使い捨てモジュールが再使用可能送信機モジュールに適合すると判定するステップと
を含む、請求項68から70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
患者から生理学的データを収集して記憶するためのシステムであって、
第1のワイヤレス通信を介してネットワークと通信するように構成されたワイヤレス通信モジュールと、
プロセッサと、
コンピュータ実行可能命令を含むメモリであって、前記命令が、実行されたときに、前記プロセッサに、
使い捨てセンサーモジュールから患者生理学的データを受信するステップと、
前記第1のワイヤレス通信が利用不能であると判定するステップと、
前記第1のワイヤレス通信が利用不能であると判定したときに、
第1の患者監視デバイスを識別するステップと、
前記第1の患者監視デバイスとの第2のワイヤレス通信を確立するステップと、
パケットを生成して前記第2のワイヤレス通信を介して前記第1の患者監視デバイスに送信するステップであって、前記パケットが前記患者生理学的データを含む、ステップと
を実行させるメモリと
を備えるシステム。
【請求項73】
前記第1のワイヤレス通信が利用不能であると判定する前記ステップは、
前記ネットワークとの前記第1のワイヤレス通信を確立することを試みるステップと、
所定の条件が満たされるかどうかを判定するステップであって、前記所定の条件が、前記プロセッサが前記ネットワークとの前記第1のワイヤレス通信を確立するための試みを所定の回数失敗したときに満たされる、ステップと
を含む、請求項72に記載のシステム。
【請求項74】
前記第1のワイヤレス通信が利用不能であると判定する前記ステップは、
前記ネットワークとの前記第1のワイヤレス通信を確立することを試みるステップと、
所定の条件が満たされるかどうかを判定するステップであって、前記所定の条件が、前記プロセッサが前記ネットワークとの前記第1のワイヤレス通信の確立に失敗した後所定の時間か経過したときに満たされる、ステップと
を含む、請求項72または73に記載のシステム。
【請求項75】
前記第1の患者監視デバイスを識別するステップは、
1つまたは複数の患者監視デバイスを識別するステップ、
前記1つまたは複数の患者監視デバイスとのワイヤレス通信を確立するステップと、
ネットワーク接続性データを求める要求を前記1つまたは複数の患者監視デバイスに送るステップと、
前記要求されたネットワーク接続性データを1つまたは複数の患者監視デバイスから受信するステップと、
前記ネットワーク接続性データに少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の患者監視デバイスのうちの第1の監視デバイスを識別するステップと
を含む、請求項72から74のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項76】
前記ネットワーク接続性データは、前記1つまたは複数の患者監視デバイスと前記ネットワークとの間のネットワーク接続強度に関連する、請求項75に記載のシステム。
【請求項77】
前記第1の患者監視デバイスを識別するステップは、
1つまたは複数の患者監視デバイスを識別するステップと、
前記1つまたは複数の患者監視デバイスとのワイヤレス通信を確立するステップと、
動作データを求める要求を前記1つまたは複数の患者監視デバイスに送るステップと、
前記要求された動作データを1つまたは複数の患者監視デバイスから受信するステップと、
前記動作データに少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の患者監視デバイスのうちの第1の監視デバイスを識別するステップと
を含む、請求項72から76のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項78】
前記動作データは、バッテリ充電レベル、電力消費レベル、またはデータ送信による予想電力使用量のうちの少なくとも1つを含む、請求項77に記載のシステム。
【請求項79】
前記パケットは、
前記第1の患者監視デバイスに、前記第1の患者監視デバイスと前記ネットワークとの間に確立された第3のワイヤレス通信を介して前記患者生理学的データを前記ネットワークに送信させる命令を含む、請求項72から78のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項80】
患者から生理学的データを収集して記憶するためのシステムであって、
使い捨てセンサーアセンブリであって、
ドックと、
前記ドックに接続され、患者の手首に巻き付けられ前記使い捨てセンサーアセンブリを固定するように構成されたストラップと、
患者から生理学的データを収集するように構成されたセンサーと、
バッテリとを備える使い捨てセンサーアセンブリと、
再使用可能記憶アセンブリであって、
メモリと
前記使い捨てモジュールから前記生理学的データを受信し前記生理学的データを前記メモリに記憶するように構成されたプロセッサとを備える再使用可能記憶アセンブリと
を備え、
再使用可能モジュールは、ユーザコンピューティングデバイスに接続された端末に接続されるように構成され、前記再使用可能モジュールと前記端末との間の前記接続によって、前記端末を介した前記再使用可能モジュールから前記ユーザコンピューティングデバイスへの前記生理学的データの転送が行われるかまたは可能になるシステム。
【請求項81】
前記使い捨てセンサーアセンブリは、前記再使用可能記憶アセンブリが前記使い捨てセンサーアセンブリの前記ドックに固定されたときに前記患者から生理学的データを収集するように構成される、請求項80に記載のシステム。
【請求項82】
前記使い捨てセンサーアセンブリの前記バッテリは、前記再使用可能記憶アセンブリが前記使い捨てセンサーアセンブリの前記ドックに固定されたときに前記再使用可能モジュール記憶アセンブリ用の電力を供給するように構成される、請求項80または81に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年10月10日に出願され、「SYSTEM FOR TRANSMISSION OF SENSOR DATA USING DUAL COMMUNICATION PROTOCOL」という名称を有する米国特許出願第16/599,017号の一部継続出願であり、米国特許出願第16/599,017号は、2018年10月12日に出願され、「SYSTEM FOR TRANSMISSION OF SENSOR DATA USING DUAL COMMUNICATION PROTOCOL」という名称を有する米国仮出願第62/744,988号の利益を主張する。本出願は、2020年5月12日に出願され、「SYSTEM FOR TRANSMISSION OF SENSOR DATA USING DUAL COMMUNICATION PROTOCOL」という名称を有する米国仮出願第63/023,711号および2020年8月7日に出願され、「SYSTEM FOR TRANSMISSION OF SENSOR DATA USING DUAL COMMUNICATION PROTOCOL」という名称を有する米国仮出願第63/062,939号の利益を主張する。上記で特定された出願の各々の開示全体が、参照によって本明細書の一部として組み込まれている。
【0002】
本開示は、生理学的センサーおよびワイヤレスペアリングデバイスに関する。より詳細には、本開示は、生理学的センサーを使用して生理学的データを収集し、そのデータをワイヤレスペアリングデバイスを使用して近傍のコンピューティングシステムに送信することに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の生理学的測定システムは、センサーとモニターとの間の患者ケーブル接続によって制限される。患者は、モニターのすぐ近くに位置しなければならない。さらに、患者の位置を変えるには、監視機器を切り離す必要があり、それに伴って測定値が失われるか、または患者機器とケーブルをぎこちなく同時に移動させることのいずれかを行う必要がある。センサーとモニターとの間にワイヤレス通信リンクを形成し、患者を患者ケーブルから解放する様々なデバイスが提案または実現されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第9,436,645号
【特許文献2】米国特許出願第11/580,214号(現在の米国特許第7,880,626号)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示では、特に、患者生理学的データを収集して、そのデータをワイヤレス送信を介して近傍のコンピューティングシステムに送信するためのシステム、デバイス、および方法の実施形態について説明する。
【0006】
本開示の一態様によれば、患者から生理学的データを収集するためのシステムが開示される。このシステムは、使い捨てモジュールおよび再使用可能モジュールを含むことができる。使い捨てモジュールは、患者、メモリ、およびバッテリから生理学的データを収集することができるセンサー要素を含むことができる。再使用可能モジュールは、プロセッサと、メモリと、患者監視システムとのワイヤレス通信を確立することができるワイヤレス通信モジュールとを含むことができる。再使用可能モジュールのメモリは、ワイヤレス通信モジュールがワイヤレス通信を確立する前に生理学的データを記憶することができる。再使用可能モジュールのプロセッサは、再使用可能モジュールが使い捨てモジュールに結合されたときに使い捨てモジュールのセンサー要素から生理学的データを受信することができる。
【0007】
システムは、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。すなわち、使い捨てモジュールは、取り付け機構およびハウジングに結合されたドックを含むことができる。ハウジングは、メモリおよびバッテリを収容することができる。センサー要素は、ハウジング内に収容することができる。センサー要素は、ケーブルアセンブリを介してハウジングに結合することができる。再使用可能モジュールのプロセッサは、センサー信号を使い捨てモジュールのセンサー要素に送信することができる。センサー信号は、センサー要素に患者から生理学的データを収集させることができる。ワイヤレス通信モジュールは、ワイヤレス通信モジュールが患者監視システムから所定の距離内に位置するときに患者監視システムとのワイヤレス通信を確立することができる。ワイヤレス通信モジュールは、ワイヤレス通信モジュールが患者監視システムから所定の距離に位置するときに識別情報を患者監視システムに送信することができる。患者監視システムは、ワイヤレス通信モジュールから識別情報を受信すると、ワイヤレス通信モジュールとの関連付けを作成することができる。識別情報は、使い捨てモジュールを一意に識別する識別子を含むことができる。患者監視システムは、識別子を使用して再使用可能モジュールとのワイヤレス通信を確立することができる。使い捨てモジュールは、取り付け機構を含むことができ、取り付け機構は、患者に使い捨てモジュールを結合することができる。取り付け機構は、医療バンドとすることができる。取り付け機構は、無線周波数識別子を含むことができる。使い捨てモジュールのバッテリは、使い捨てモジュールが再使用可能モジュールに結合されたときに再使用可能モジュール用の電力を供給することができる。再使用可能モジュールのメモリは、生理学的データを約6時間から約30日までの間記憶することができる。再使用可能モジュールのメモリは、ワイヤレス通信を確立または検出する前に生理学的データをある時間の長さの間記憶してもよい。ある時間の長さは、ユーザによって指定されてもよく、ユーザ設定可能であってもよい。場合によっては、ユーザは、再使用可能モジュールのメモリ内に生理学的データを記憶するある時間の長さを指定しなくてもよい。再使用可能モジュールのメモリは、再使用可能モジュールのワイヤレス通信モジュールがワイヤレス通信を確立する前に、たとえばデフォルト時間の長さの間生理学的データを記憶することができる。デフォルト時間の長さは、再使用可能モジュールのメモリ内に記憶することができる。生理学的データは、異常が検知されたときに収集して使い捨てモジュールのメモリに記憶することができる。異常は、低血圧測定値、高血圧測定値、低呼吸数測定値、高呼吸数測定値、血中酸素飽和度低下、不整脈、常時低血中酸素飽和度測定値または血中酸素飽和度測定値低下、低心拍数、または高心拍数のうちの少なくとも1つを含むことができる。再使用可能モジュールのプロセッサは、ワイヤレス通信モジュールとオンラインサーバとの間のワイヤレス通信が確立されたときに生理学的データをローカルまたはリモートストレージに送信することができる。記憶された生理学的データの送信は、自動的に行うこともまたは手動で行うこともできる。センサー要素によって収集された生理学的データは、高忠実度を有することができる。センサー要素によって収集された生理学的データは、低忠実度を有することができる。メモリに記憶された生理学的データの忠実度は、不定とすることができる。記憶された生理学的データの忠実度は、再使用可能モジュールのメモリ内に生理学的データを記憶するうえで指定されるある時間の長さに少なくとも部分的に基づいて変動することができる。記憶された生理学的データの忠実度は、生理学的データの種類または健康関連イベントの種類に少なくとも部分的に基づいて変動することができる。センサー要素によって収集された生理学的データの忠実度は、不定とすることができる。センサー要素によって収集された生理学的データの忠実度は、再使用可能モジュールのメモリ内に生理学的データを記憶するうえで指定されるある時間の長さに少なくとも部分的に基づいて変動することができる。センサー要素によって収集された記憶された生理学的データの忠実度は、生理学的データの種類または健康関連イベントの種類に少なくとも部分的に基づいて変動することができる。再使用可能モジュールのメモリに記憶された生理学的データは、使い捨てモジュールのバッテリが消耗したときにダウンロードされてもよい。メモリは、再使用可能モジュールが使い捨てモジュールに取り付けられたときから再使用可能部分が使い捨てモジュールから取り外されるかまたは使い捨てモジュールのバッテリが機能しなくなるまで、センサー要素によって収集された生理学的データを記憶することができる。
【0008】
本開示の別の態様によれば、非侵襲センサー要素を含む使い捨てモジュールに結合することができる再使用可能モジュールを使用して患者から生理学的データを収集するための方法が開示される。この方法は、再使用可能モジュールと使い捨てモジュールとの結合を検出するステップを含むことができる。この方法は、使い捨てモジュールから生理学的データを収集するステップであって、生理学的データが、使い捨てモジュールのセンサー要素を介して収集され、生理学的データが、再使用可能モジュールのメモリ内に記憶される、ステップをさらに含むことができる。この方法は、リモートコンピューティングデバイスとのワイヤレス通信を確立するステップをさらに含むことができる。この方法は、生理学的データをワイヤレス通信を介してリモートコンピューティングデバイスに送信するステップをさらに含むことができる。
【0009】
この方法は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。すなわち、生理学的データは、ワイヤレス通信を確立する前にある時間の長さの間再使用可能モジュールのメモリ内に記憶することができ、ある時間の長さは、約6時間から約30日までの間の範囲とすることができる。ある時間の長さは、ヘルスケア提供者によって与えられる設定を介して設定可能とすることができる。メモリは、デフォルト時間の長さを記憶することができ、ある時間の長さが指定されないときは、再使用可能モジュールとリモートコンピューティングデバイスとの間にワイヤレス通信が確立される前にデフォルト時間の長さの間生理学的データを使い捨てモジュールのメモリ内に記憶することができる。生理学的データは、患者に関する健康関連イベントを含むことができる。生理学的データは、異常が検知されたときに収集して記憶することができる。異常は、低血圧測定値、高血圧測定値、低呼吸数測定値、高呼吸数測定値、血中酸素飽和度低下、不整脈、常時低血中酸素飽和度測定値または血中酸素飽和度測定値低下、低心拍数、または高心拍数のうちの少なくとも1つを含むことができる。生理学的データは、ワイヤレス通信が確立されたときにリモートコンピューティングデバイスに送信することができる。生理学的データの忠実度は、再使用可能モジュールのメモリ内に生理学的データを記憶するうえで指定されるある時間の長さに少なくとも部分的に基づいて変動することができる。生理学的データの忠実度は、生理学的データの種類または健康関連イベントの種類に少なくとも部分的に基づいて変動することができる。再使用可能モジュールのメモリに記憶された生理学的データは、使い捨てモジュールのバッテリが消耗したときにダウンロードされてもよい。
【0010】
本開示の別の態様によれば、患者から生理学的データを収集するためのシステムが開示される。システムは、再使用可能モジュールおよび使い捨てモジュールを含むことができる。再使用可能モジュールは、プロセッサと、第1のメモリと、患者監視システムとのワイヤレス通信を確立するように構成されたワイヤレス通信モジュールとを含むことができる。使い捨てモジュールは、患者から生理学的データを収集することができるセンサー要素と、メモリと、バッテリとを含むことができる。メモリは、センサー要素に関連する動作データを記憶することができる。使い捨てモジュールは、動作データに少なくとも部分的に基づいて検証することができる。第1のメモリは、使い捨てモジュールのセンサー要素によって収集された生理学的データを記憶することができる。
【0011】
システムは、以下の特徴のうちの1つもしくは複数を含むことができる。すなわち、動作データは、使い捨てモジュールに関連付けされたセンサータイプ情報を含むことができる。センサータイプ情報は、使い捨てモジュールに関連付けされた1種類または複数種類のセンサーを示すことができる。再使用可能モジュールアセンブリは、センサータイプに関連付けることができ、使い捨てモジュールは、再使用可能モジュールアセンブリに関連付けされたセンサータイプと使い捨てモジュールに関連付けされたセンサータイプ情報との比較に少なくとも部分的に基づいて検証することができる。センサー寿命は、動作データおよびセンサー寿命データに少なくとも部分的に基づいて判定することができ、センサー寿命は、使い捨てモジュールの予想動作時間を表すことができる。センサー寿命データは、センサー使用情報と1つまたは複数の関数とを含むことができ、センサー寿命データは、使い捨てモジュールのメモリに記憶することができる。センサー寿命は、患者状態が変化するかまたは使い捨てモジュールについての動作状態が変化したときに自動的に更新することができる。生理学的データは、ある時間の長さの間第1のメモリに記憶することができる。ある時間の長さは、約6時間から約30日までの間の範囲とすることができる。ある時間の長さは、ヘルスケア提供者によって与えられる設定を介して設定可能とすることができる。第1のメモリは、デフォルト時間の長さを記憶することができ、第1のメモリは、ある時間の長さが指定されないときに、ワイヤレス通信モジュールがワイヤレス通信を確立する前にデフォルト時間の長さの間生理学的データを記憶することができる。生理学的データは、患者に関する健康関連イベントを含むことができる。生理学的データは、異常が検知されたときに記憶することができる。異常は、低血圧測定値、高血圧測定値、低呼吸数測定値、高呼吸数測定値、血中酸素飽和度低下、不整脈、常時低血中酸素飽和度測定値または血中酸素飽和度測定値低下、低心拍数、または高心拍数のうちの少なくとも1つを含むことができる。再使用可能モジュールのプロセッサは、ワイヤレス通信モジュールとオンラインサーバとの間のワイヤレス通信が確立されたときに記憶された生理学的データをワイヤレス通信モジュールを介してローカルまたはリモートストレージに送信することができる。記憶された生理学的データの送信は、自動的に行うこともまたは手動で行うこともできる。センサー要素によって収集された生理学的データは、高忠実度を有することができる。センサー要素によって収集された生理学的データは、低忠実度を有することができる。メモリに記憶された生理学的データの忠実度は、不定とすることができる。記憶された生理学的データの忠実度は、所定の時間の長さに少なくとも部分的に基づいて変動することができる。記憶された生理学的データの忠実度は、生理学的データの種類または健康関連イベントの種類に少なくとも部分的に基づいて変動することができる。センサー要素によって収集された生理学的データの忠実度は、不定とすることができる。センサー要素によって収集された記憶された生理学的データの忠実度は、所定の時間の長さに少なくとも部分的に基づいて変動することができる。センサー要素によって収集された記憶された生理学的データの忠実度は、生理学的データの種類または健康関連イベントの種類に少なくとも部分的に基づいて変動することができる。メモリは、再使用可能モジュールが使い捨てモジュールに取り付けられたときから再使用可能部分が使い捨てモジュールから取り外されるかまたは使い捨てモジュールのバッテリが機能しなくなるまで、センサー要素によって収集された生理学的データを記憶することができる。
【0012】
本開示の別の態様によれば、使い捨てモジュールを検証する方法が開示される。この方法は、使い捨てモジュールと再使用可能モジュールとの結合を検出するステップを含むことができる。この方法は、使い捨てモジュールに関連付けされた動作データにアクセスするステップをさらに含むことができる。この方法は、動作データを解析するステップをさらに含むことができる。この方法は、動作データの解析に少なくとも部分的に基づいて、使い捨てモジュールを検証するステップをさらに含むことができる。
【0013】
この方法は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。すなわち、使い捨てモジュールと再使用可能モジュールとの結合を検出するステップは、再使用可能モジュールが使い捨てセンサーモジュールから電力を受け取っていると判定するステップを含むことができる。使い捨てモジュールは、動作データを記憶することができるメモリを含むことができる。動作データを解析するステップは、動作データからセンサータイプ情報を特定するステップと、センサータイプ情報を再使用可能モジュールに関連付けされたセンサータイプと比較するステップと、センサータイプ情報と再使用可能モジュールに関連付けされたセンサータイプとの比較に少なくとも部分的に基づいて、使い捨てモジュールが再使用可能送信機モジュールに適合すると判定するステップとを含むことができる。
【0014】
本開示を要約することを目的として、ここではある態様、利点、および新規の特徴について説明した。もちろん、必ずしもすべてのそのような態様、利点、または特徴が任意の特定の実施形態において具現化されるとは限らないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】患者に取り付けられ、患者生理学的データをケーブルを介してコンピューティングデバイスに送信するセンサーを含むセンサーシステムの実施形態を示す図である。
図2A】患者生理学的データを収集してワイヤレスにコンピューティングデバイスに送信するセンサーアセンブリを含むセンサーシステムの別の実施形態を示す図である。
図2B】センサーアセンブリのさらなる詳細を示す、センサーアセンブリおよびコンピューティングデバイスの一実施形態の概略図である。
図2C】センサーアセンブリの一実施形態の配線図である。
図3A】患者生理学的データを収集してワイヤレスにコンピューティングデバイスに送信するためのセンサーアセンブリの一実施形態の斜視図である。
図3B図3Aのセンサーアセンブリの分解上面斜視図である。
図3C図3Aのセンサーアセンブリの分解底面斜視図である。
図3D図3Aのセンサーアセンブリの一実施形態の上面図である。
図4】患者生理学的データを収集してワイヤレスにコンピューティングデバイスに送信するためのセンサーアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
図5】患者生理学的データを収集してワイヤレスにコンピューティングデバイスに送信するためのセンサーアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
図6A】センサーアセンブリの使い捨てモジュールのフレックス回路の図である。
図6B】センサーアセンブリの使い捨てモジュールのフレックス回路の図である。
図6C】フレックス回路の構成の変更を示す、図6Aのフレックス回路の側面図である。
図6D】フレックス回路の構成の変更を示す、図6Aのフレックス回路の側面図である。
図7A】取り付け機構のある実施形態に結合されたセンサーアセンブリのある実施形態の斜視図である。
図7B】取り付け機構のある実施形態に結合されたセンサーアセンブリのある実施形態の斜視図である。
図7C】取り付け機構のある実施形態に結合されたセンサーアセンブリのある実施形態の斜視図である。
図7D】取り付け機構のある実施形態に結合されたセンサーアセンブリのある実施形態の斜視図である。
図7E】取り付け機構のある実施形態に結合されたセンサーアセンブリのある実施形態の斜視図である。
図7F】取り付け機構のある実施形態に結合されたセンサーアセンブリのある実施形態の斜視図である。
図7G】取り付け機構のある実施形態に結合されたセンサーアセンブリのある実施形態の斜視図である。
図7H】取り付け機構のある実施形態に結合されたセンサーアセンブリのある実施形態の斜視図である。
図7I】取り付け機構のある実施形態に結合されたセンサーアセンブリのある実施形態の斜視図である。
図7J】取り付け機構のある実施形態に結合されたセンサーアセンブリのある実施形態の斜視図である。
図7K】取り付け機構のある実施形態に結合されたセンサーアセンブリのある実施形態の斜視図である。
図8A】コンピューティングデバイスに動作可能に結合されたドングルの図である。
図8B】コンピューティングデバイスに動作可能に結合されたドングルの図である。
図8C】コンピューティングデバイスに動作可能に結合されたドングルの図である。
図9A】再使用可能モジュールとコンピューティングデバイスをペアリングする方法のさらなる詳細を示す、ドングルに結合された再使用可能モジュールおよびコンピューティングデバイスを示す図である。
図9B】再使用可能モジュールとコンピューティングデバイスをペアリングする方法のさらなる詳細を示す、ドングルに結合された再使用可能モジュールおよびコンピューティングデバイスを示す図である。
図9C】再使用可能モジュールとコンピューティングデバイスをペアリングする方法のさらなる詳細を示す、ドングルに結合された再使用可能モジュールおよびコンピューティングデバイスを示す図である。
図10A】患者の手首に取り付けられた図3Aの再使用可能モジュールおよび使い捨てモジュールの斜視図であり、再使用可能モジュールと使い捨てモジュールを嵌め合わせる方法のためのさらなる詳細を示す。
図10B】患者の手首に取り付けられた図3Aの再使用可能モジュールおよび使い捨てモジュールの斜視図であり、再使用可能モジュールと使い捨てモジュールを嵌め合わせる方法のためのさらなる詳細を示す。
図10C】患者の手首に取り付けられた図3Aの再使用可能モジュールおよび使い捨てモジュールの斜視図であり、再使用可能モジュールと使い捨てモジュールを嵌め合わせる方法のためのさらなる詳細を示す。
図10D】患者の手首に取り付けられた図3Aの再使用可能モジュールおよび使い捨てモジュールの斜視図であり、再使用可能モジュールと使い捨てモジュールを嵌め合わせる方法のためのさらなる詳細を示す。
図11A】再使用可能モジュール、使い捨てモジュール、およびコンピューティングデバイスを使用してワイヤレス通信を確立し、患者生理学的パラメータを取得して表示する方法を示す図である。
図11B】再使用可能モジュール、使い捨てモジュール、およびコンピューティングデバイスを使用してワイヤレス通信を確立し、患者生理学的パラメータを取得して表示する別の方法を示す図である。
図12】再使用可能モジュール、使い捨てモジュール、およびコンピューティングデバイスを使用して患者生理学的パラメータを取得して表示する方法の別の実施形態を示す図である。
図13A】再使用可能モジュールとのワイヤレス通信を確立するためのモバイルアプリケーションを示す図である。
図13B】ある表示フォーマットで患者パラメータを表示する図13Aのモバイルアプリケーションの図である。
図13C】ある表示フォーマットで患者パラメータを表示する図13Aのモバイルアプリケーションの図である。
図13D】ある表示フォーマットで患者パラメータを表示する図13Aのモバイルアプリケーションの図である。
図13E】ある表示フォーマットで患者パラメータを表示する図13Aのモバイルアプリケーションの図である。
図14A】使い捨てモジュールのメモリの一実施形態のブロック図である。
図14B】使い捨てモジュールのメモリに記憶された動作データに少なくとも部分的に基づいて使い捨てモジュールを識別する方法を示す図である。
図15A】センサーアセンブリ用のバックアップ電力デバイスのある実施形態を示す図である。
図15B】センサーアセンブリ用のバックアップ電力デバイスのある実施形態を示す図である。
図16A】ワイヤレス通信における例示的なセンサーアセンブリおよび例示的な患者監視デバイスのブロック図である。
図16B】センサーアセンブリと患者監視デバイスとネットワークとの間のワイヤレス通信を示す概略図である。
図16C】センサーアセンブリを使用して生理学的データを送信する例示的な方法を示す図である。
図16D】患者監視デバイスを識別し、識別された患者監視デバイスに患者生理学的データを送信する例示的な方法を示す図である。
図16E】患者監視デバイスを識別し、識別された患者監視デバイスに患者生理学的データを送信する例示的な方法を示す図である。
図17】患者生理学的データを再使用可能モジュールからユーザのコンピューティングデバイスに送信するための例示的な環境を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
はじめに
センサー用の配線ソリューションは、図1に示すように患者に複数のセンサーが取り付けられるときには厄介で管理が困難である場合がある。たとえば、センサー用のケーブルは、繰り返し使用すると絡み合って損傷することがある。さらに、センサーは患者健康モニターにつながれるので、患者は健康モニターに近接して位置する必要があり、患者の動きが制限されることがある。より長いケーブルが必要になった場合、センサーとケーブルをともに配置し直す必要がある。同様に、センサーがモニターにつながれていると、患者の移動が非常に困難になり、移動時に患者がモニターの近くに留まる必要があるか、またはセンサーを切り離すことが必要になり、その場合測定値が失われる。
【0017】
概説
図1は、ケーブル130を介してセンサー140A、140B、140C、140Dに結合されたコンピューティングデバイス106を含むセンサーシステム100の一例を示し、センサーは患者110に取り付けられている。コンピューティングシステム106は、様々な生理学的パラメータを表示することができるディスプレイ108を含むことができる。センサー140A、140B、140C、140Dは、患者110から様々な種類の生理学的データを収集し、ケーブル130を介してコンピューティングシステム106に送信することができる。センサー140A、140B、140C、140Dのいくつかの例には、限定はしないが、rainbow音響監視センサー(RAM)、O3リージョナルオキシメトリセンサー(Regional Oximetry)センサー、SpO2センサー、血圧センサー、ECGセンサーなどが含まれる。
【0018】
しかし、ケーブル130は、患者には厄介で、絡み合いやすい場合がある。ケーブル130は、時がたつにつれてねじれて損傷することがある。さらに、センサー140A、140B、140C、140Dはケーブル130を介してコンピューティングシステム106に接続されるので、コンピューティングシステム106の位置は、センサー140A、140B、140C、140Dに取り付けられたケーブル130の長さに制限され得る。ケーブル130はまた、患者の動きを制限することがある。したがって、センサーとコンピューティングデバイスとの間にワイヤレス通信能力を含むワイヤレスソリューションは、配線構成の問題のいくつかを解消する場合がある。ワイヤレス構成は、センサーとコンピューティングデバイスとの間のケーブル130を不要にし、したがって、患者の可動性を高めることができる。
【0019】
しかし、ワイヤレスソリューションは独自の制限を有する場合がある。たとえば、ワイヤレス患者監視センサーは内部電源(たとえば、バッテリ)を必要とし、この内部電源はセンサーのサイズに起因して容量が制限されることがある。さらに、連続的なデータ収集およびワイヤレス送信は顕著な電力使用量を必要とすることがあるので、センサーの動作は非常に制限される場合がある。さらに、内部バッテリが消耗したときにデバイス全体を交換するとコストが高くなることがある。さらに、再充電可能なバッテリを有することは、看護師にバッテリを再充電するのを待つための十分な時間がないことがある病院環境では適切でない場合がある。また、患者が必要時にバッテリを再充電するのを待つのは理想的ではない場合がある。したがって、既存のセンサーに適合し、本明細書で説明するようにワイヤレス通信を監視しかつ行うことができるセンサーシステムを提供すると有利である場合がある。
【0020】
図2Aは、センサーアセンブリ202A、202B、202C、202Dから患者110の患者生理学的データをワイヤレスに受信するコンピューティングデバイス206を含むセンサーシステム100を示す。センサーアセンブリ202A、202B、202C、202Dは、センサーアセンブリ202A、202B、202C、202Dとコンピューティングデバイス206との間でデータをワイヤレスに送信できるようにコンピューティングデバイス206との通信を確立することができる。コンピューティングデバイス206は、センサーアセンブリ202A、202B、202C、202Dから受信された患者生理学的データから判定される患者パラメータを表示することができるディスプレイ208を含むことができる。
【0021】
図2Bは、コンピューティングデバイスにワイヤレスに接続されたセンサーアセンブリ202の概略図を示す。センサーアセンブリ202は、使い捨てモジュール220と再使用可能モジュール250とを含むことができる。再使用可能モジュール250は、コンピューティングデバイス206とのワイヤレス接続を確立することができるペアリングデバイスとすることができる。いくつかの実装形態では、再使用可能モジュール250は、送信機デバイスであり、近傍のコンピューティングデバイス、たとえばコンピューティングデバイス206との間でデータを送受信することができる。
【0022】
使い捨てモジュール220は、ケーブル230を介してセンサー240に結合されたドック222を含むことができる。ドック222は、再使用可能モジュール250に取り外し可能に接続することができる。再使用可能モジュール250およびコンピューティングデバイス206は、互いにワイヤレス通信204を確立し、その間でデータのワイヤレス送信を実行することができる。再使用可能モジュール250は、患者生理学的パラメータをコンピューティングデバイス206に送信することができ、このようなパラメータはセンサー240によって収集された生の生理学的データから算出される。送信される患者データは、センサー240によって収集される生データとすることができる。
【0023】
再使用可能モジュール250は単独でまたはドック222と組み合わされて、生の生理学的データに対する信号処理を実行し、処理済みの生理学的データをコンピューティングデバイス206に送信することができる。再使用可能モジュール250は、コンピューティングデバイス206とのワイヤレス通信204を確立し、再使用可能モジュール250とコンピューティングデバイス206との間でデータを送信するのを可能にする。再使用可能モジュール250は、1つまたは複数のコンピューティングデバイス206とワイヤレス通信204を確立することができる。図2Aに示すように、コンピューティングデバイス206は、センサーアセンブリ202A、202B、202C、202Dとのワイヤレス通信204を確立することができる。コンピューティングデバイス206は、4つ未満または5つ以上のセンサーアセンブリ202とのワイヤレス通信204を確立することができる。
【0024】
再使用可能モジュール250は、携帯電話、スマートフォン、タブレットなどの携帯モバイルデバイスとのワイヤレス通信204を確立することができる。コンピューティングデバイス206は、病院患者監視システムとすることができ、病院患者監視システムは、患者健康データを表示することができる様々な種類のモニターを含む。コンピューティングデバイス206は、モバイル監視システムまたはパーソナルモバイルデバイスとすることができる。コンピューティングデバイス206は、カリフォルニア州アーバインのMasimo Corporationから市販されている患者監視および接続性プラットフォームのRoot(登録商標) Platformとすることができる。ケーブルを用いて使用できるモバイル生理学的パラメータ監視システムは、2016年9月6日に発行され、「MEDICAL MONITORING HUB」という名称を有する米国特許第9,436,645号に記載されており、この特許の開示は、参照によって全体的に本明細書に組み込まれている。
【0025】
ケーブル230は、可撓性を有することもできまたは有さないこともできる。ケーブル230は、電気回路を含む薄膜とすることができる。ケーブル230は、様々な種類の電気絶縁材料によって囲むことができる。ケーブル230は、実質的に平坦にすることもできまたは丸くすることもできる。
【0026】
センサー240は、音響センサー、ECGセンサー、EEGセンサー、SpO2センサー、または任意の他の種類の患者監視センサーとすることができる。センサー240は、1つまたは複数のエミッタおよび検出器を含むことができる。エミッタは、バッテリ224の寿命を延ばすために低出力高輝度LED(発光ダイオード)とすることができる。センサー240は、限定はしないが、体温、血圧、血中酸素飽和度、ヘモグロビン値、心電図などを含む、様々な種類の患者生理学的パラメータに応じて生の生理学的データを測定することができる。センサー測定値は、医師が患者の状態を判定し患者に対する治療を決定するために使用することができる。センサー240は、生の生理学的データをケーブル230を介してドック222に送信することができる。センサー240およびドック222は、ドック222がケーブル230なしでセンサー240から直接生理学的データを受信するように単体を形成してもよい。ドック222は、センサー340のうちの1つまたは複数と一体化することができる。
【0027】
センサー240は、生センサー信号または条件付きセンサー信号を出力することができる。センサー240は、生センサー信号または条件付きセンサー信号を処理して生センサー信号または条件付きセンサー信号に関連する生理学的パラメータを導出し算出することができる信号プロセッサを含むことができる。
【0028】
センサー240は、アナログセンサー信号のアナログデジタル混合前処理を実行してデジタル出力信号を生成することができる。上記で説明したように、センサー240は、フロントエンドプロセッサ出力のデジタル後処理を実行することができる信号プロセッサを含むことができる。入力センサー信号および出力条件付き信号は、アナログであってもよくまたはデジタルであってもよい。フロントエンド処理は、純粋にアナログであってもよくまたは純粋にデジタルであってもよい。バックエンド処理は、純粋にアナログであってもよくまたはアナログとデジタルの混合であってもよい。
【0029】
センサー240は、エンコーダを含むことができ、エンコーダは、たとえばデジタルワードまたはシリアルビットストリームをベースバンド信号に変換する。ベースバンド信号は、送信信号変調を駆動するシンボルストリームを含むことができ、単一の信号成分であってもよくまたは複数の関連信号成分であってもよい。エンコーダは、データ圧縮および冗長性を含むことができる。
【0030】
センサー240は、信号プロセッサと、エンコーダと、コントローラとを含むことができる。センサー240は、エミッタ242および検出器244を利用してプレチスモグラフ信号などのセンサー信号を生成することができる。その場合、信号プロセッサは、センサー信号を使用して、酸素飽和度および脈拍数のリアルタイム測定値を含むことができるパラメータ信号を導出することができる。パラメータ信号は、灌流指数および信号品質の測定値などの他のパラメータを含んでもよい。信号プロセッサは、カリフォルニア州アーバインのMasimo Corporationから市販されているMS-5およびMS-7ボードとすることができる。信号プロセッサステップは、上記で説明したように再使用可能モジュール250のプロセッサ254によって実行することができる。
【0031】
ドック222は、患者の体の様々な部位に配置することができる。たとえば、ドック222は患者の胸部上に配置される。ドック222は、限定はしないが、胴部、背中、肩、腕、脚、首、または頭部を含む患者の他の部位に配置することができる。様々な手段を使用してドック222を患者に固定することができる。たとえば、ドック222は、接着剤を用いて患者に固定される。別の例では、ドック222は、ドック222の少なくとも一部上に配置される、テープなどのファスナを用いて患者に固定される。ドック222は、少なくとも1つのストラップに機械的に取り付け可能であり、このストラップを患者に巻くことができる。
【0032】
再使用可能モジュール250は、ドック222を介してセンサー240から生理学的データを受信することができる。再使用可能モジュール250は、生理学的データをワイヤレスにコンピューティングデバイス206に送信することができる。再使用可能モジュール250をドック222に結合して再使用可能モジュール250とドック222との間の電子通信を確立することができる。ドック222と再使用可能モジュール250との間の電気通信は、生理学的データをドック222からペアリングデバイス250に送信するのを可能にすることができる。再使用可能モジュール250とドック222との間の結合部は防水性または耐衝撃性を有することができる。使い捨てモジュール220および再使用可能モジュール250は耐衝撃性または防水性を有してもよい。使い捨てモジュール220および再使用可能モジュール250は、様々な種類の環境において耐久性を有することができる。たとえば、再使用可能モジュール250を完全に密閉することができ、再使用可能モジュール250の洗浄、浄化、および再使用が可能になる。
【0033】
図2Bに示すように、ドック222はメモリ226とバッテリ224とを含むことができる。再使用可能モジュール250は、アンテナ252と、プロセッサ254と、メモリ256とを含むことができる。アンテナ252、プロセッサ254、およびメモリ256を互いに動作可能に接続してアンテナ252とプロセッサ254とメモリ256との間の電子通信または送信を可能にすることができる。
【0034】
アンテナ252はRFID(無線周波数識別)アンテナとすることができる。アンテナ252はBluetooth(登録商標)アンテナとすることができる。再使用可能モジュール250は、1つまたは複数のアンテナ252を含むことができる。いくつかの態様では、再使用可能モジュール250は、第1のアンテナと第2のアンテナとを含み、第1のアンテナは受信アンテナであり、第2のアンテナは送信アンテナである。第1のアンテナを送信アンテナとすることができ、第2のアンテナを受信アンテナとすることができる。第1のアンテナと第2のアンテナとはどちらもコンピューティングデバイス206からのデータの受信とコンピューティングデバイス206へのデータの送信の両方を行うことができる。第1のアンテナを受動アンテナとすることができ、一方第2のアンテナを能動アンテナとすることができる。第1のアンテナを能動アンテナとすることができ、一方第2のアンテナを受動アンテナとすることができる。能動アンテナは、信号のあるスペクトルまたは周波数を増幅させることができる内蔵増幅器を含むことができる。第1のアンテナは、コンピューティングデバイス206とのRFIDまたはNFC(近距離通信)接続を確立することができ、一方第2のアンテナは、コンピューティングデバイス206とのBluetooth(登録商標)接続を確立することができる。別の態様では、第1のアンテナと第2のアンテナとはどちらもRFIDおよび/またはBluetooth(登録商標)ワイヤレス接続を確立することができる。コンピューティングデバイス206とのワイヤレス通信204を確立し、患者生理学的データをワイヤレスにコンピューティングデバイス206に送信するプロセスについて以下にさらに詳細に説明する。
【0035】
メモリ256は、情報をコンピュータ(たとえば、プロセッサ254)用に直ちに使用できるように記憶するコンピュータハードウェア集積回路とすることができる。メモリ256は、センサー240から受信された患者生理学的データを記憶することができる。メモリ256は揮発性メモリとすることができる。たとえば、メモリ256は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)またはスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)である。メモリ256は不揮発性メモリとすることができる。たとえば、メモリ256は、フラッシュメモリ、ROM(読み取り専用メモリ)、PROM(プログラマブル読み取り専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ)、および/またはEEPROM(電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ)である。
【0036】
再使用可能モジュール250のメモリ256は、センサー240から受信された患者生理学的データを記憶することができる。メモリ256は、電子命令を記憶することができ、電子命令は、アクセスされたときに、プロセッサ254にドック222のメモリ226から患者生理学的データを受信し、データをメモリ256に記憶し、メモリ256からデータを取り出し、データをアンテナ252に送信し、アンテナ252を使用してデータをワイヤレスにコンピューティングデバイス206に送信することを促す。上記で説明したアクションのうちの1つまたは複数を同時に実行することができる。たとえば、再使用可能モジュール250のプロセッサ254は、ドック222のメモリ226から患者生理学的データを受信し、同時にデータをメモリ256に記憶することができる。いくつかの実装形態では、再使用可能モジュール250は、メモリ226が患者生理学的データを記憶することなくセンサー240から直接患者生理学的データを受信する。メモリ226は、本明細書で説明するように、動作データおよびセンサー寿命データなどの他の種類のデータを記憶することができる。
【0037】
メモリ256は、センサーアセンブリ202がもはやコンピューティングシステム206の範囲内に位置しておらず、または場合によってはコンピューティングシステム206と通信することができないときに患者に関する患者生理学的データおよび/または健康関連イベントを記憶することができる。メモリ256は、上記で指摘したように、患者健康データおよび/または健康関連イベントを記憶するのに十分な容量を有することができる。場合によっては、メモリ256は、再使用可能モジュール250がコンピューティングデバイス206とペアリングするかどうかにかかわらず患者生理学的データを記憶することができる。健康関連イベントのいくつかの例は、不整脈、低血圧、血中酸素濃度(SpO2)などを含むことができる。そのようなデータおよび/または健康関連イベントは、モバイルデバイス(たとえば、スマートフォン、タブレットなど)上のモバイルアプリケーションを介してアクセスされてもよい。収集されメモリ256に記憶されたデータは、ローカルまたはリモートストレージにダウンロードおよび/または転送されてもよい。たとえば、データは、クラウドサーバまたは医師の診療所のコンピュータシステムに転送することができる。データの転送は、センサーアセンブリ202と、たとえばオンラインサーバまたはコンピューティングシステム206との間のワイヤレス通信が確立されるときに自動的に行うこともまたは手動で行うこともできる。
【0038】
患者データおよび/または健康関連イベントをディスプレイを有さないデバイスに中継することがある。そのような状況では、デバイスは、たとえば、患者または医療個人データが転送されたか、エラーが発生したか、データを見直す必要があるか、または何か他のことが起こったことを伝えるために様々な色またはパターンで点滅することができる光源(たとえば、LED)を有することができる。様々な規則を使用して、いつまたはどんな状況で患者生理学的情報をセンサーアセンブリ202から他の外部デバイス(たとえば、監視デバイス、モバイルデバイスなど)に送信できるかを判定することができる。
【0039】
いくつかの実装形態では、メモリ256は、センサーアセンブリ202がもはやコンピューティングシステム206の範囲内に位置しておらず、または場合によってはコンピューティングシステム206と通信することができないときにのみ患者に関する患者データおよび/または健康関連イベントを記憶してもよい。いくつかの実装形態では、患者データおよび/または健康関連イベントは、異常が検知されたときに記憶されてもよい。異常は、限定はしないが、低血圧測定値、高血圧測定値、低呼吸数測定値、高呼吸数測定値、血中酸素飽和度低下、不整脈、常時低血中酸素飽和度測定値または血中酸素飽和度測定値低下、低心拍数、高心拍数などを含んでもよい。いくつかの実装形態では、異常の組合せまたは患者ステータスおよび/もしくは健康パラメータの異常な組合せによって、センサーアセンブリ202に患者データおよび/または健康関連イベントを記憶させてもよい。たとえば、センサーアセンブリ202は、高血圧測定値および低心拍数のときに患者データおよび/または健康関連イベントを記憶することができる。別の例では、センサーアセンブリ202は、患者の動きが少なく、高心拍数または高血圧が検出されたときに患者データおよび/または健康関連イベントを記憶することができる。さらに別の例では、センサーアセンブリ202は、患者の動きが少なく、血中酸素濃度も低いときに患者データおよび/または健康関連イベントを記憶することができる。異常または異常状態の任意の適切な組合せを使用してセンサーアセンブリ202が患者データおよび/または健康関連イベントを記憶するのをトリガしてもよい。
【0040】
いくつかの実装形態では、メモリ256は、選択された健康関連イベントのみを記憶してもよい。そのような構成は有利には、バッテリ224および/またはメモリ256の寿命を最大化するかまたは延ばす場合がある。たとえば、このデータは、イベントまたはトリガが生じたときのタイムスタンプのように単純であってもよく、またはイベントもしくはトリガの直前および直後に撮られたデータのスナップショットとすることができる。イベントは、心拍異常または酸素飽和度の低下などの生理学的に重要なイベントを含むことができる。トリガは、イベントの開始を示し、データの窓をメモリに記憶させることができる。たとえば、システムはデータの窓をある期間の間、たとえば5分間連続的に保持することができる。トリガが検出されたときは、イベントの数分前に開始しイベント後に数分間継続する窓内のデータをメモリに記憶し、データが別のデバイスにダウンロードされるまで保持することができる。もちろん、トリガの前後に様々な時間を記憶することができ、たとえば、1秒~24時間の範囲とすることができる。
【0041】
いくつかの実装形態では、メモリ256は、たとえばコンピューティングシステム206とのワイヤレス通信を確立する前に大量のデータ、たとえば、数日または数週間分のデータを記憶することができる。いくつかの実装形態では、メモリ256は、たとえばコンピューティングシステム206とのワイヤレス通信を確立する前に最大で96時間以上のデータを記憶することができる。いくつかの実装形態では、メモリ256は最大で30日分のデータを記憶することができる。センサーアセンブリ202が、たとえば、コンピューティングシステム206とのワイヤレス通信を確立する前に患者データおよび/または健康関連イベントを収集して記憶することができる時間の長さは、約1時間から約30日までの間、約3時間から約28日までの間、約6時間から約21日までの間、約12時間から約14日までの間、約24時間から7日までの間、または約1時間、約3時間、約6時間、約12時間、約24時間、約72時間、約7日間、約14日間、約21日間、約28日間、約30日間、または上記の値のうちの任意の2つの値間の範囲で不定とすることができる。この構成では、デバイスは家庭において患者によって監視期間の間装着することができ、その場合、医師の診療所において医師によって有線接続またはワイヤレス接続を介してダウンロードすることができる。データはまた、ネットワーク接続が検出されない期間の間記憶することもでき、その場合、有線ネットワーク接続またはワイヤレスネットワーク接続が検出された直後にダウンロードすることができる。
【0042】
いくつかの実装形態では、ユーザは、ワイヤレス通信を確立または検出する前にメモリ256が患者生理学的データを記憶する時間の長さを指定してもよい。このことは、リアルタイムの患者監視および管理が必要とされないことがある非重大状況において有利である場合がある。たとえば、ヘルスケア提供者は、患者に医師の診療所に1週間後に再訪問するように要求し、次の7日間についての患者生理学的データをメモリ256に記憶するように構成されたセンサーアセンブリ202を提供することができる。したがって、患者が1週間後に医師の診療所を訪れたときに、ヘルスケア提供者は、再使用可能モジュール250を介して収集されてメモリ256に記憶されたデータにアクセスすることができる。いくつかの実装形態では、センサーアセンブリ202は、医師の診療所に持参されてもよく、(郵便を介して)医師の診療所に送り届けられてもよい。追加または代替として、メモリに記憶されたデータは、ヘルスケア提供者(たとえば、医師)がアクセスできるサーバ(たとえば、クラウドサーバ)に自動的または手動でアップロードされサーバに記憶されてもよい。いくつかの実装形態では、メモリ256に記憶されたデータは、たとえば、本明細書で説明するようにユーザコンピューティングデバイス(たとえば、携帯電話、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スマートフォン、スマートデバイスなど)を介してアクセスできるウェブインターフェースまたはモバイルアプリケーションインターフェースを介してアップロードされてもよい。センサーアセンブリ202は、ユーザコンピューティングデバイスとのワイヤレス通信を(たとえば、Bluetooth(登録商標)を介して)確立し、メモリ256に記憶されたデータを、ユーザコンピューティングデバイスが利用できるネットワーク通信(たとえば、Wi-Fi、4G、4G LTE、5G、5G LTE、ZigBeeなど)を介してヘルスケア提供者がアクセスできるサーバにアップロードしてもよい。
【0043】
いくつかの実装形態では、ユーザは、データが収集されメモリ256に記憶される頻度を指定してもよい。たとえば、ヘルスケア提供者は、患者生理学的データを毎秒、10秒おき、毎分、5分おき、10分おき、毎時間、毎日などに収集してメモリ256に記憶するように構成されたセンサーアセンブリ202を提供してもよい。このことは、センサーアセンブリ202が、特に、たとえば血中酸素濃度、血圧、心拍数などの周期的な測定で十分である状況で余分な量のデータを収集して記憶するのを防止するうえで有利である場合がある。さらに、データが収集されメモリ256に記憶される頻度を調整することによって、バッテリ224およびメモリ256の寿命を延ばすことができる。
【0044】
いくつかの実装形態では、ユーザは、患者生理学的データを収集するための特定の期間を指定するようにセンサーアセンブリ202を構成してもよい。たとえば、ヘルスケア提供者は、毎日午前7時から午前10時までの間血糖値を収集または測定することを望む場合がある。別の例では、ヘルスケア提供者は、午前8時から午前10時までの朝の間に一度および午後6時から午後8時までの夜の間に一度血中酸素濃度を収集または測定することを望む場合がある。さらに、ユーザは、特定の期間の間のデータ収集および記憶頻度を指定するようにセンサーアセンブリ202を構成してもよい。特定の期間は、特定の曜日、日付などとすることができる。たとえば、ヘルスケア提供者は、心拍数を午前6時から午前10時までの間毎時間、午前10時から午後6時までの間2時間おき、および午後6時から午前6時までの間3時間おきに測定するようにセンサーアセンブリ202を構成することができる。したがって、センサーアセンブリ202は、患者の状態および監視される生理学的データに応じて患者生理学的データを収集するようにカスタマイズされてもよい。これによって、ヘルスケア提供者が、たとえば、特定の期間の間特定の間隔でデータを探索する必要なしに一般的傾向をより容易に特定することを可能にすることができる。
【0045】
いくつかの実装形態では、メモリ256は、たとえばコンピューティングシステム206とのワイヤレス通信を確立する前に患者データおよび/または健康関連イベントを収集して記憶するためのデフォルト時間の長さを記憶してもよい。本明細書で説明するように、ヘルスケア提供者は、センサーアセンブリ202が患者データおよび/または健康関連イベントを収集して記憶するためのある時間の長さを特定する設定を提供してもよい。しかし、そのような設定が提供されないとき、センサーアセンブリ202は、メモリ256からデフォルト時間の長さにアクセスし、患者データおよび/または健康関連イベントの収集および記憶を進めてもよい。デフォルト時間の長さは設定可能であってもよい。デフォルト長さの時間は、約1時間から約30日の間で異なってもよい。いくつかの実装形態では、デフォルト長さの時間は30日よりも長くてもよい。
【0046】
バッテリ224は充電容量が制限されているので、経時的に消耗する場合がある。バッテリ224は、再使用可能モジュール250用の電力を供給するので、バッテリ224が消耗すると、再使用可能モジュール250がメモリ256に患者生理学的データを記憶し、ならびに/またはデータをたとえばコンピューティングデバイス206および/もしくはリモートサーバにワイヤレスに送信するのを妨げる場合がある。いくつかの実装形態では、バックアップ電力デバイス1500Aを使用して再使用可能モジュール250用の電力を供給してもよい。バックアップ電力デバイス1500Aの一例を図15Aに示す。
【0047】
バックアップ電力デバイス1500Aは再使用可能モジュール250に結合されてもよい。本明細書で説明するバックアップ電力デバイス1500Aは、再使用可能モジュール250に結合されると、再使用可能モジュール250用の電力を供給することができる。その場合、再使用可能モジュール250は、バックアップ電力デバイス1500Aからの電力を使用してメモリ256に記憶された患者生理学的データにアクセスし、データをたとえばコンピューティングデバイス206にワイヤレスに送信することができる。バックアップ電力デバイス1500Aは、代替使い捨てデバイスを容易に入手できないときに有用である場合がある。バックアップ電力デバイス1500Aは、再使用可能モジュール250の電気接点258に接触できる1つまたは複数の電気接点を含み、電力をバックアップ電源1500Aから再使用可能モジュール250に伝送するのを可能にしてもよい。いくつかの実装形態では、バックアップ電力デバイス1500Aは、再使用可能モジュール250を所定の位置に保持できるホルダ1502を含むことができる。場合によっては、ホルダ1502は、再使用可能モジュール250を所定の位置に磁気的に保持することができる。場合によっては、バックアップ電力デバイス1500Aは壁に取り付けられてもよい。
【0048】
いくつかの実装形態では、バックアップ電力デバイス1500Aは、内部電源デバイスを有し、内部電源デバイスからの電力を使用して再使用可能モジュール250用の電力を供給することができる。代替的に、本明細書で説明するように、バックアップ電力デバイス1500Aは、壁に取り付けられてもよく、外部電源、たとえば建物の送電線から電力を受け取ることができる。外部電源からの電力を使用して再使用可能モジュール250用の電力を供給することができる。
【0049】
追加または代替として、バックアップ電力デバイス1500Aは再使用可能モジュール250用の電力をワイヤレスに供給してもよい。したがって、バックアップ電力デバイス1500Aは、ワイヤレス充電容量を有するデバイスであってもよい。いくつかの実装形態では、図15Bに示すように、バックアップ電力デバイス1500Bは、センサーアセンブリ202に磁気的に結合されてもよい。いくつかの実装形態では、バックアップ電力デバイス1500Bは、図15Bに示すように再使用可能モジュール250または使い捨てモジュール220に磁気的に結合されてもよい。バックアップ電力デバイス1500は、再使用可能モジュール250が使い捨てモジュール220に結合されている間に再使用可能モジュール250に磁気的に取り付けることが可能であってもよい。本明細書で説明するように、バックアップ電力デバイス1500は、再使用可能モジュール250に電力をワイヤレスに供給してもよく、次いで、再使用可能モジュール250は、バックアップ電力デバイス1500によって供給された電力を使い捨てモジュール220に供給することができる。したがって、バックアップ電力デバイス1500を使用してセンサーアセンブリ202に電力を供給し、センサーアセンブリ202が患者生理学的データを収集してワイヤレスに送信するのを可能にしてもよい。代替的に、本明細書で説明するように、バックアップ電力デバイス1500は、使い捨てモジュール220、たとえばハウジング300に取り付けられてバッテリ224用の電力を供給することができる。したがって、バックアップ電力デバイス1500は、使い捨てモジュール220用の電力を直接供給してもよく、使い捨てモジュール220は再使用可能モジュール250に電力を伝送し、たとえば、患者生理学的データを処理し、ならびに/またはデータをたとえばコンピューティングデバイス206にワイヤレスに送信することができる。
【0050】
メモリ256に記憶された患者データおよび/または健康関連イベントは、忠実度(すなわち、センサーアセンブリ202によって収集された患者データが実際の患者データを正確に反映する程度)が変動してもよい。いくつかの実装形態では、患者データ(たとえば、心拍数)の忠実度は、センサーアセンブリ202が患者データおよび/または健康関連イベントを収集して記憶するように構成された時間の長さに少なくとも部分的に基づいて変動してもよい。たとえば、センサーアセンブリ202が患者データおよび/または健康関連イベントを収集して記憶するように構成された時間の長さが長いほど、患者データおよび/または健康関連イベントの忠実度は低くなる場合があり、センサーアセンブリ202が患者データおよび/または健康関連イベントを収集して記憶するように構成された時間の長さが短いほど、患者データおよび/または健康関連イベントの忠実度は高くなる場合がある。忠実度のそのような変動は、メモリ256の記憶容量が制限されていることによって生じる場合がある。
【0051】
いくつかの実装形態では、忠実度は様々な患者データまたは健康関連イベント間で異なってもよい。いくつかの状況では、いくつかの患者データ(たとえば、血中酸素濃度)は他の患者データ(たとえば、体温)よりも重要である場合がある。たとえば、マラリアに罹患している患者の場合、心拍数または中核温などの他の患者データよりも入念に血中酸素濃度を監視することがより重要である場合がある。したがって、ヘルスケア提供者は、患者データおよび/または健康関連イベントを収集するための異なるレベルの忠実度を指定するセンサーアセンブリ202用の忠実度設定を行ってもよい。くつかの態様では、メモリ256に記憶されたデータは、外部サーバに送信することができる。メモリ256は、患者生理学的情報全体を外部サーバに転送するか、または情報のいくつかの部分のみを送信することができる。たとえば、メモリ256は、タイムスタンプ情報および関連するイベント情報を外部サーバに送信することができる。別の例では、メモリ256は、患者生理学的情報のスナップショットを送信することができる。
【0052】
プロセッサ254は、周辺デバイスとインターフェース接続するチップ、拡張カード/ボード、またはスタンドアロンデバイスとすることができる。たとえば、プロセッサ254は、再使用可能モジュール250用の基板上の単一の集積回路である。プロセッサ254は、データの流れを管理または指示するハードウェアデバイスまたはソフトウェアプログラムとすることができる。
【0053】
プロセッサ254は、再使用可能モジュール250のアンテナ252およびメモリ256と通信することができる。たとえば、プロセッサ254は、再使用可能モジュール250のアンテナ252およびメモリ256と通信して患者生理学的データを取り出すかまたは受信し、データをアンテナ252を介して外部デバイスに送信する。プロセッサ254は、Bluetooth(登録商標)チップセットとすることができる。たとえば、プロセッサ254は、Texas Instruments IncorporatedによるSimpleLinkTM Bluetooth(登録商標)低エネルギーワイヤレスMCU(マイクロコントローラユニット)である。
【0054】
再使用可能モジュール250のプロセッサ254は、再使用可能モジュール250がドック222と嵌め合わされたときにセンサー240から患者生理学的データを受信するようにセンサー240に接続することができる。プロセッサ254は、ドック222のメモリ226から患者生理学的データを取り出し、データをアンテナ252に送信することができる。プロセッサ254は、アンテナ252を使用して患者生理学的パラメータをワイヤレスにコンピューティングデバイス206に送信できるようにアンテナ252に動作可能に接続することができる。再使用可能モジュール250からコンピューティングデバイス206に送信される患者生理学的データは、アナログフォーマットの生の患者生理学的データ(たとえば、1131001310113100)またはデジタルフォーマットの患者生理学的パラメータ(たとえば、60%SpO2)とすることができる。
【0055】
センサー240は、生の患者生理学的データまたはアナログ患者生理学的データを再使用可能モジュール250のプロセッサに送信することができる。プロセッサは次いで、生データに信号処理を実行して患者生理学的パラメータを算出することができる。コンピューティングデバイス206に生データに対する信号処理を実行させる代わりにプロセッサ254に生の患者生理学的データに対する信号処理を実行させると有利である場合がある。生データは、バイナリビットのストリングを含むことができ、処理済みデータはデジタル(バイナリではない)データ(たとえば、36℃、心拍数毎分72回、または血中酸素濃度96%)を含むことができる。したがって、デジタルデータを送信する場合、生データを送信するよりも必要な電力消費量を低減させることができる。したがって、プロセッサ254を使用して生データに対する信号処理を実行し、(生データに対するデータとして)処理済みデータをコンピューティングデバイス206に送信することによって、バッテリ224の寿命を延ばすことができる。
【0056】
ドック222のバッテリ224はセンサー240用の電力を供給することができる。さらに、バッテリ224は再使用可能モジュール250用の電力を供給することができる。いくつかの態様では、再使用可能モジュール250は、患者データをコンピューティングデバイス206に送信するための内部電源を有さない場合がある。再使用可能モジュール250がドック222と嵌め合わされると、再使用可能モジュール250のプロセッサ254はバッテリ224から電力を引き込むことができる。プロセッサ254は、バッテリ224からの電力を使用してセンサー240からの患者生理学的データを処理し、データをワイヤレスにコンピューティングデバイス206に送信することができる。バッテリ224は再充電可能であってもよくまたは再充電可能でなくてもよい。バッテリ224はワイヤレス充電容量を有することができる。
【0057】
図2Cは、センサーシステム202についての配線図を示す。センサー240は、1つまたは複数の検出器244と1つまたは複数のエミッタ242とを含むことができる。検出器244およびエミッタ242は光学式とすることができる。エミッタ242はLEDとすることができる。検出器244は、エミッタ242によって生成された光を検出することができる。エミッタ242および検出器244は、血中酸素濃度、心拍数、および呼吸数などの様々な種類の患者生理学的データを収集するために使用される。以下で説明するように、センサー240は、限定はしないが、音響センサー用の圧電要素、EEGセンサー用の電極、ECGセンサー用の電極などを含むセンサー要素のうちの1つを含むことができる。
【0058】
ドック222および再使用可能モジュール250はそれぞれ、1つまたは複数の電気接点228および電気接点258を含むことができる。電気接点228および258は、再使用可能モジュール250がドック222と嵌め合わされたときにドック222と再使用可能モジュール250との間に電子通信を確立することができる。電気接点228と電気接点258との間の電気的連通によって、再使用可能モジュール250は使い捨てモジュール220のバッテリ224から電力を受け取ることができる。追加および/または代替として、電気接点228と電気接点258と電気接続は、再使用可能モジュール250がドック222のメモリ226から患者生理学的データを受信するのを可能にすることができる。いくつかの実装形態では、再使用可能モジュール250は、メモリ226が患者生理学的データを記憶しないようにセンサー240から患者生理学的データを受信する。再使用可能モジュール250とドック222の結合について以下でさらに説明する。
【0059】
センサーアセンブリ
図3Aは、再使用可能モジュール250および使い捨てモジュール220を含むセンサーアセンブリ202の一例の正面斜視図を示す。上記で説明したように、再使用可能モジュール250は、コンピューティングデバイス206とのワイヤレス接続を確立できるペアリングデバイスとすることができる。使い捨てモジュール220は、ドック222と、ドック222をセンサー240(図示せず)に結合するケーブル130とを含むことができる。
【0060】
ドック222は、ドック222の底部に結合されたストラップ308を含むことができる。ストラップ308は、患者(たとえば、手首または腕)に巻かれてドック222を患者に取り外し可能に取り付けることができる(図7H参照)。ドック222はまた、ストラップ308が貫通して延びる長穴を有するストラップループ302を含むことができる。ストラップ308は、ストラップループ302を貫通して延び、患者に巻かれてドック222を患者に取り外し可能に取り付けることができる。ストラップ308は、ストラップ308の遠位端の近くに配設されたファスナ310を含むことができ、ファスナ310はストラップ308と相互作用してストラップ308の遠位端を固定することができる。ファスナ310は、図3Aに示すようにストラップ308の遠位端に位置することができる。ファスナ310はストラップ308の他の位置に位置させることができる。ドックはまた、リテーナ304を含むことができ、リテーナ304は、再使用可能モジュール250をドック222内に保持して再使用可能モジュール250とドック222との電気接続を維持する。さらに、ドック222は、バッテリ224およびメモリ226を収容することができるハウジング300を含むことができる。
【0061】
ドック222は、ドック222の側面上に配設されたケーブルリテーナ306を含むことができる。ケーブルリテーナ306は、ケーブル230を保持するように寸法およびサイズを定めることができる。ケーブルリテーナ306は、ドック222に取り外し可能に接続することができる。ケーブルリテーナ306の少なくとも一部は、ケーブル230のケーブルリテーナ306への挿入を容易にするように可撓性を有してもよい。ケーブルリテーナ306は有利には、ケーブル230の動きを制限して様々なセンサーアセンブリのケーブルの可能なもつれを防止することができる。ケーブルリテーナ306は溝部を含むことができ、ケーブル230は、この溝部を貫通して延びることができる。ケーブルリテーナ306の溝部は、ケーブル230が溝部内にぴったりと嵌め込まれ、それによって、ケーブル230の動きを制限する寸法を有することができる。
【0062】
図3Bは、図3Aのセンサーアセンブリ202の分解上面斜視図を示す。図3Cは、図3Aのセンサーアセンブリ202の分解底面斜視図を示す。使い捨てモジュール220のドック222は、ドック222の下方に配設された支持プレート316を含むことができる。支持プレート316はストラップ308と一体化することができる。ストラップ308は、支持プレート316および/またはドック222に対するモジュールとすることができる。ドック222は、ストラップ308がドック222に直接結合されるように支持プレート316を含まなくてもよい。
【0063】
ドック222のリテーナ304は突起324を含み、突起324は、再使用可能モジュール250の溝322と相互作用することができる。溝322と突起324との相互作用によって、再使用可能モジュール250とドック222との結合を維持することができる。たとえば、再使用可能モジュール250がドック222に挿入されると、リテーナ304がドック222のハウジング300から離れる方向へ押され、再使用可能モジュール250をドック222と嵌め合わせることが可能になる。再使用可能モジュール250がドック222内に完全に挿入されると、リテーナ304は、その元の位置に戻り再使用可能モジュール250の溝322に係合することができる。リテーナ304と溝322とはともに、再使用可能モジュール250が垂直方向に変位するのを防止することができる。
【0064】
リテーナ304は、第1の位置と第2の位置とを有することができる。第1の位置のとき、リテーナ304はドック222に対して実質的に垂直である。第2の位置のとき、リテーナ304は、ドック222に対して90°よりも大きい角度を形成するようにハウジング300から離れる方向に押される。再使用可能モジュール250がドック222に挿入される前に、リテーナ304を第1の位置に位置させることができる。再使用可能モジュール250がドック222に押し込まれる間、再使用可能モジュール250は、リテーナ304と相互作用し、リテーナ304を第2の位置に位置させる。再使用可能モジュール250がドック222と完全に係合すると、リテーナ304は第1の位置に戻り、それによって、突起324は溝322に係合する。
【0065】
ドック222はまた、フレックス回路320と、フレックス回路320を保持するためのカバー318とを含むことができる。フレックス回路320は、ドック222の電気接点228を含むことができ、フレックス回路320はケーブル230と電気接点228との間の接続部として働く。したがって、ケーブル230を介してセンサー240からドック222に送信される任意の情報またはデータをフレックス回路320を介して電気接点228に送信することができる。フレックス回路320のさらなる詳細について以下に説明する。
【0066】
ドック222のハウジング300は、再使用可能モジュール250の1つまたは複数の脚部326と相互作用できる1つまたは複数の長穴328を含むことができる。長穴328は、再使用可能モジュール250の脚部326が長穴328に滑り込むのを可能にするように寸法および形状を定めることができる。脚部326は、長穴328に滑り込んで再使用可能モジュール250とドック222との接続を維持するのを助けることができる。脚部326が長穴328に挿入された後、脚部326は、再使用可能モジュール250の垂直方向への変位を防止することができる。
【0067】
ドック222またはセンサー240などの使い捨て部分内にバッテリ224を有すると有利である場合がある。ワイヤレス通信204を確立しワイヤレス送信を実行するには顕著な量の電力が必要である。再使用可能モジュール250が内部電源を有する場合、再使用可能モジュール250の機能(たとえば、ワイヤレス通信204を確立しワイヤレス送信を実行すること)は、内部電源の容量によって制限されることがある。そのような構成では、再使用可能モジュール250の内部電源が消耗したときに再使用可能モジュール250を交換する必要がある。ワイヤレス患者監視の文脈では、同じ患者に複数のペアリングデバイスを使用する必要がある場合、しばしば混乱に陥ることがあり、ペアリングデバイスと表示デバイスとの接続を再確立する必要が生じる場合があるので、各患者に同じペアリングデバイスを維持することが望ましい。再使用可能モジュール250がドック222のバッテリ224などの外部電源を有するとき、バッテリ224が消耗したときに再使用可能モジュール250を交換する必要はない。
【0068】
バッテリ224は、亜鉛を大気中の酸素によって酸化することによって電力を供給される空気亜鉛電池とすることができる。空気亜鉛電池を使用すると有利である場合がある。その理由として、空気亜鉛電池は、より高いエネルギー密度を有し、したがって、所与の重量または体積について他の種類のバッテリよりも容量が大きい。さらに、空気亜鉛電池は、空気を排除するように適切に密封された場合に寿命が長くなる。ハウジング300は、空気を進入させバッテリ224と反応させる1つまたは複数の開口部332を含むことができる。1つまたは複数の開口部に使用前にシールを施して、空気がバッテリ224に進入してバッテリ224と反応し、それによって、バッテリ224の容量を低減させるのを妨げることができる。使用する準備が完了した後、1つまたは複数の開口部332上に配置したシールを除去してバッテリ224が再使用可能モジュール250用の電力を供給するのを可能にする。ハウジング300は、バッテリ330を空気から密封するためのガスケット330を含んでもよい。ガスケット330は、バッテリ224の容量をさらに増大させることができる。
【0069】
再使用可能モジュール250用の電源として使い捨て要素(たとえば、使い捨てモジュール220)を有すると、再使用可能モジュール250を交換するのを不要にすることによって上記の問題に対処することができる。この構成では、バッテリ224が消耗したときにドック222またはセンサー240のみを交換すればよい。ドック222またはセンサー240を交換するコストは再使用可能モジュール250を交換するコストよりもずっと低いので、この構成は運用コストを削減するうえで有利である場合がある。センサー240は、再使用可能モジュール250に電力を供給するバッテリ224を含んでもよい。センサー240とドック222の両方がバッテリ224を含むことができる。再使用可能モジュール250は、最初にセンサー240から電力を受け取り、次いでドック222から電力を受け取るようにバッテリ消費優先順位設定を含むことができる。
【0070】
ドック222は、バッテリ224に接触したバッテリ回路314を含むことができる。バッテリ回路314は、フレックス回路320に接触することができる。再使用可能モジュール250がドック222と嵌め合わされると、電気接点258をフレックス回路320の電気接点228と接触させて再使用可能モジュール250がフレックス回路320を介してバッテリ224から電力を受け取るのを可能にすることができる。
【0071】
ドック222は、開口部362と1つまたは複数の支持体360とを含むことができる。1つまたは複数の支持体360は、開口部362の側面上に形成することができ、開口部362の実質的な部分の上方を延びることができる。支持体360は弧状にすることができる。支持体360は、開口部362の全長にわたって延びることができる。フレックス回路320用のカバー318を開口部362の上方に配置してフレックス回路320を開口部362の上方に保持することができる。
【0072】
ドック222は、センサーアセンブリ202の使用時に再使用可能モジュール250を保持するように寸法を定められた長穴を含むことができる。再使用可能モジュール250は、ハウジング300とリテーナ304との間に配設することができる。ドック222の長穴は、1つまたは複数の弧状面または1つまたは複数の角ばった角部を含むことができる。ドック222の長穴は、形成が実質的に矩形または円形であってもよい。長穴は、再使用可能モジュール250と実質的に同じサイズ、形状、および/または寸法を有することができる。
【0073】
再使用可能モジュール250は1つまたは複数の電気接点258を含むことができる。電気接点258は、再使用可能モジュール250の底面上に位置させることができる。電気接点258は、形成が実質的に矩形または円形であってもよい。電気接点258は、再使用可能モジュール250がドック222と嵌め合わされたときにドック222の電気接点228との接触を確立することができる。電気接点228と電気接点258との接触によって、情報またはデータを再使用可能モジュール250と使い捨てモジュール220のドック222との間で送信するのを可能にすることができる。
【0074】
本明細書で開示するように、バッテリ224は、亜鉛を大気中の酸素によって酸化することによって電力を供給される空気亜鉛電池とすることができる。ハウジング300上に形成された開口部332は、空気をバッテリ224に進入させてバッテリ224と反応させることができる。その場合、バッテリ224は、使い捨てモジュール220および再使用可能モジュール250用の電力を供給する。しかし、開口部332を場合によってはブランケット、布などで覆ってもよく、それによって、空気が開口部332を通って侵入してバッテリ224と反応するのを妨げることができる。したがって、開口部332が覆われた場合には使い捨てモジュール220および再使用可能モジュール250用の電源を遮断することができる。
【0075】
図3Dに示すように、ハウジング300は、空気が開口部332を通って進入するのを容易にすることができる、たとえば溝部などの1つまたは複数のくぼみ331を含むことができる。くぼみ331は、空気の流れを可能にする開口部を形成するようにハウジング300の頂面上に形成することができる。開口部332は、くぼみ331の内面上に形成されてもよい。くぼみ331の内面は、ハウジング300の頂面から少なくとも所定の距離離れており、それによって、ハウジングが覆われたときでさえ、開口部332は覆われず大気にさらされたままになる。ハウジングは、単一の溝部、または任意の形状もしくはサイズのへこみまたは切り欠きなどの複数のくぼみを有することができる。
【0076】
再使用可能モジュール250のハウジング300のサイズに応じて溝部331の数、寸法、向き、または位置を変更してもよい。溝部331は、各溝部331がまとまってハウジング300上に形状を形成するように向きを定めることができる。溝部331は、三角形(図3Dに示す)、矩形、五角形、六角形などになるように向きを定められてもよい。溝部331の断面形状は、円形、三角形、矩形などとすることができる。いくつかの例では、溝部331は、ハウジング300の1つまたは複数の縁部まで延びることができ、それによって、ハウジング300の頂面が覆われたときでも、ハウジング300の縁部まで延びる溝部331によって、開口部332が大気にさらされたままになるようにすることができる。
【0077】
図4は、全体的に参照符号202Aによって識別されるセンサーアセンブリ202の一例を示す。センサーアセンブリ202Aの各部分、構成要素、および特徴は、センサーアセンブリ202の対応する部分、構成要素、および特徴と同じ参照符号を使用して識別される。ただし、センサーアセンブリ202Aの参照符号には文字"A"が付加されている。図示の例は、互いに結合された使い捨てモジュール220Aと再使用可能モジュール250Aとを含む。
【0078】
センサーアセンブリ202Aはセンサー240Aを含むことができる。センサー240Aは、患者の額に付着させることができるO3センサーとすることができる。センサーアセンブリ202Aは、センサー240Aと使い捨てモジュール220Aのドック222Aとを結合するケーブル230Aを含むことができる。ケーブル230Aは平坦にすることもできまたは丸くすることもできる。上記で説明したように、センサー240Aは、再使用可能モジュール250A用の電力を供給できる1つまたは複数のバッテリを含むことができる。ドック222Aと再使用可能モジュール250Aを嵌め合わせるとドック222Aと再使用可能モジュール250Aとの間の電子通信を容易にすることができる。ドック222Aは、リテーナ部材304Aを含むハウジング300Aを含むことができる。リテーナ部材304Aを押し下げると、再使用可能モジュール250Aをドック222Aと結合するかまたはドック222Aから取り外すことを可能にすることができる。
【0079】
図5は、全体的に参照符号202Bによって識別されるセンサーアセンブリ202の一例を示す。センサーアセンブリ202Bの各部分、構成要素、および特徴は、センサーアセンブリ202の対応する部分、構成要素、および特徴と同じ参照符号を使用して識別される。ただし、センサーアセンブリ202Bの参照符号には文字"B"が付加されている。図示の例は、互いに結合された使い捨てモジュール220Bと再使用可能モジュール250Bとを含む。
【0080】
センサーアセンブリ202Bはセンサー240Bを含むことができる。センサー240Bは、患者の首に付着させたRAMセンサーとすることができる。センサー240Bは、患者の胸部領域または腹部領域に付着させることができるECGセンサーとすることができる。ドック222Bは、ハウジング300Bとリテーナ部材304Bとを含むことができる。ハウジング300Bは、ハウジング300Bの本体からリテーナ部材304Bに向かって延びることができる1つまたは複数のエクステンダ500を含むことができる。再使用可能モジュール250Bは、1つまたは複数のエクステンダ500に対応する切り欠きを含むことができる。再使用可能モジュール250Bがドック222Bに結合されると、エクステンダ500が再使用可能モジュール250Bの切り欠きの上方を延びることができ、再使用可能モジュール250Bがドック222Bから外れるのを防止する。
【0081】
フレキシブル回路
図6Aは、フレックス回路320の斜視図を示す。フレックス回路320は、1つまたは複数の細長い部材600を含むことができ、各々の細長い部材600は、先端602と本体608とを含むことができる。電気接点228を1つまたは複数の細長い部材600上に配設することができる。細長い部材600は本体608から遠位方向に延びることができる。先端602は、フレックス回路320の細長い部材600の遠位端に位置することができる。細長い部材600は、平坦にすることもでき、または図6Aに示すように弧状にすることもできる。細長い部材600は、支持体360およびカバー318と細長い部材600との相互作用に起因して弧状になることができる。細長い部材600は、1つまたは複数の実質的に平坦な部分および/または1つまたは複数の弧状部分を含むことができる。1つまたは複数の先端602の各々がフレックス回路320の1つまたは複数の細長い部材600の各々に対応することができる。細長い部材600のいくつかは電気接点228を有さなくてもよい。フレックス回路320は、同じ数の細長い部材600および先端602または異なる数の細長い部材600および先端602を含むことができる。フレックス回路320は、フレックス回路320をドック222に結合する1つまたは複数の開口部604を含むことができる。
【0082】
図6Cおよび図6Dに示すように、細長い部材600が支持体360によって支持されている間細長い部材600の先端602をカバー318の下方に配置することができる。先端602をカバー318の下方にくさび止めすることができるので、細長い部材600は支持体360の上方に弧状形状を保持することができる。
【0083】
図6Bは、フレックス回路320の底面図を示す。フレックス回路320は、ケーブル230およびバッテリ回路314に接続することができる1つまたは複数の電気接点606を含むことができる(図3Aおよび図3C参照)。したがって、バッテリ224からの電力をフレックス回路320の電気接点606を介してドック222の電気接点228に伝送することができる。さらに、電気接点606は、電気接点228とセンサー240との接続をケーブル230を介して確立することができる。
【0084】
細長い部材600の数は、再使用可能モジュール250の電気接点258の数に対応することができる(図3C参照)。たとえば、再使用可能モジュール250は6つの電気接点258を有し、フレックス回路320は6つのフィンガを有し、6つのフィンガの各々が電気接点228を含む。再使用可能モジュール250の電気接点258の数は、フレックス回路320の細長い部材600の数とは異なることができる。たとえば、フレックス回路320は、各々が対応する電気接点310aを有する6つの細長い部材600を含むことができ、一方、再使用可能モジュール250は、4つの電気接点258のみを有する。再使用可能モジュール250の電気接点258の数は、フレックス回路320の細長い部材600上に配設された電気接点228の数と異なってもよくまたは同じであってもよい。
【0085】
フレックス回路320の細長い部材600の各々は、第1の曲率を有する弧状部分を含むことができる。細長い部材600の弧状部分は、ドック222の開口部362の上方に配置することができる。フレックス回路320の1つまたは複数の電気接点228は、フレックス回路320の細長い部材600の一部の上方に配設することができる。たとえば、1つまたは複数の電気接点228は、フレックス回路320の細長い部材600の各々の頂点に位置する。別の例では、細長い部材600の各々の上面全体が電気接点228を画定する。フレックス回路320の細長い部材600は、フレックス回路320の細長い部材600の弧状部分の頂点がドック222の開口部362から所定の距離離れて位置するように構成することができる。フレックス回路320の細長い部材600の頂点は、細長い部材600の弧状部分がドック222の開口部に面する凹状面を画定するようにドック222の開口部362から離れる方向を向くことができる。細長い部材600の頂点は、形状を弧状にすることもでき、または実質的に平坦にすることもできる。
【0086】
フレックス回路320の細長い部材600にドック222の開口部362から上向きに離れる(たとえば、下向きに凹状)湾曲部分を含ませると有利である場合がある。そのような構成は、細長い部材600が再使用可能モジュール250によって下向きに押されたときに反発する上向きの力を加えるばねとして働くのを可能にすることができる。細長い部材600によって加えられるそのような上向きの力は、ドック222および再使用可能モジュール250のそれぞれの電気接点228、258がその間に適切な接触を維持するのを可能にすることができる。
【0087】
フレックス回路320の細長い部材600は、それぞれに異なる曲率を有することができる。たとえば、フレックス回路320の第1の細長い部材は第1の曲率を有し、一方、フレックス回路320の第2の細長い部材は第2の曲率を有する。第1の細長い部材の第1の曲率と第2の細長い部材の第2の曲率とは、同じであってもよくまたは異なってもよい。第1の細長い部材の第1の曲率は、第2の細長い部材の第2の曲率よりも大きいか、または第2の曲率よりも小さいか、または第2の曲率と等しい。
【0088】
フレックス回路320の細長い部材600は、その休止位置では、任意の弧状部分を有さなくてもよい。フレックス回路320の細長い部材600は、ドック222上に設置される前には実質的に直線状にすることができる。細長い部材600は、直線状にすることもでき、または湾曲させることもできる。フレックス回路320の細長い部材600は、2つ以上の直線状部分を含むことができる。
【0089】
フレックス回路320の細長い部材600は、可撓性を有することもでき、または可撓性を有さないこともできる。フレックス回路320は、細長い部材600がドック222の1つまたは複数の支持体360の上方に配置されるようにドック222上に配置することができる。細長い部材600は、フレックス回路320の本体608から遠位方向に離れるように延びることができる。フレックス回路320は、2つ以上の細長い部材600を含むことができる。フレックス回路320は、可撓性を有する1つまたは複数の細長い部材600を含むことができる。細長い部材600のうちのいくつかは可撓性を有してもよく、一方、他の細長い部材600は可撓性を有さなくてもよい。
【0090】
上記で説明したように、ドック222は開口部362を含むことができ、この開口部の上方をフレックス回路320の細長い部材600が延びることができる。ドック222は、フレックス回路320の細長い部材600を支持するように寸法および形状を定められた1つまたは複数の支持体360を含むことができる。フレックス回路320がドック222上に設置されると、支持体360は、フレックス回路320の細長い部材600を配置することができる表面を形成することができる。
【0091】
ドック222の支持体360は、湾曲させることができ、細長い部材600の弧状部分の曲率を画定することができる。支持体360は弧状にすることができる。フレックス回路320の細長い部材600の各々に対応する支持体を有すると有利である場合がある。たとえば、ドック222は、フレックス回路320の6つの細長い部材600の各々に関連付けされた6つの独立した支持体360を有する。そのような構成は、細長い部材600および支持体360のすべてが同時に動くのではなく、対応する細長い部材600およびドック222の支持体360の各々が、他の細長い部材600および支持体300とは独立に動くのを可能にする。そのような構成は、再使用可能モジュール250をドック222の長穴940に挿入するのをより容易にする。さらに、これによって、電気接点258用の様々な高さ構成を有するドック222と再使用可能モジュール250との相互動作を可能にすることができる。
【0092】
フレックス回路320用の支持体360にドック222の底部から上向きに離れる方向に湾曲部分(たとえば、下向きの凹部)を含ませると有利である場合がある。そのような構成は、支持体が、再使用可能モジュール250によって下向きに押されたときに反発する上向きの力を加えるばねとして働くのを可能にすることができる。そのような上向きの力は、ドック222および再使用可能モジュール250のそれぞれの電気接点228、258がそれらの間に適切な接触を維持するのを可能にすることができる。支持体360は、上向きに凹状の第1の上向き部分と、下向きに凹状の第2の上向き部分と、下向きに凹状の第3の下向き部分とを含むことができる。支持体360は、上向きに凹状の第1の上向き部分と、下向きに凹状の第2の上向き部分とを含んでもよい。支持体360は、1つまたは複数の変曲点を含むことができ、点は、支持体360が凹状から凸状に変化するか、または凸状から凹状に変化する点として定義される。支持体360はまた、1つまたは複数の直線状部分を含むこともできる。
【0093】
支持体360はまた、リテーナ部材304が再使用可能モジュール250から引き離されるときに再使用可能モジュール250をドック222から離れる方向に押すのに十分な力を加えてもよい。支持体360は、リテーナ部材304がその第2の位置にあるときに再使用可能モジュール250をドック222から離れる方向に押してもよい。リテーナ304は、上記で説明したように、もはや再使用可能モジュール250の溝322に係合しなくなると、支持体360が再使用可能モジュール250をドック222から離れる方向に押すのを可能にする、支持体360によって生成される力に反作用する力をもはや加えなくてもよい。
【0094】
支持体360は、フレックス回路320の細長い部材600の長さよりも長いかもしくは短い長さを有することも、または細長い部材600の長さと等しい長さを有することもできる。支持体360は、細長い部材600の幅よりも広いかもしくは狭い幅を有することも、または細長い部材600の幅と等しい幅を有することもできる。支持体360は、十分な機械的支持を実現し、再使用可能モジュール250によって細長い部材600および支持体360に加えられる下向きの力に耐えるのを可能にするように細長い部材600の厚さよりも厚いかもしくは薄い厚さを有することも、または細長い部材600の厚さと等しい厚さを有することもできる。細長い部材600と支持体360と再使用可能モジュール250との間の相互作用について以下にさらに説明する。
【0095】
支持体360は、ドック222と同じ材料で作ることもでき、または異なる材料で作ることもできる。
【0096】
フレックス回路320の本体608は、ドック222のハウジング300の下方に配置することができる。本体608は、ドック222に接続されたケーブル230に接続することができ、それによって、フレックス回路320は、センサー240からの健康監視データをフレックス回路320の電気接点606に送信するのを可能にする。
【0097】
図6Cおよび図6Dは、フレックス回路320の構成の変更を示す。再使用可能モジュール250をドック222の長穴940に挿入すると、再使用可能モジュール250とドック222が係合することによって、フレックス回路320の先端602の位置を変更することができる。図6Cおよび図6Dは、再使用可能モジュール250がドック222と嵌め合わされる前および嵌め合わされた後の先端602の相対位置を示す。再使用可能モジュール250がドック222に挿入される前の先端602の相対位置はL1によって示されている。再使用可能モジュール250をドック222の長穴940に挿入すると、再使用可能モジュール250は、細長い部材600の弧状部分および支持体360に下向きの力(Fとして示されている)を加えることができる。この下向きの力Fは、弧状部分および支持体360を下向きに移動させることができる。細長い部材600および支持体360がこのように下向きに移動すると、先端602はフレックス回路320の細長い部材600によって画定される軸に沿って遠位方向に移動することができる。具体的には、そのような下向きの移動は、先端602の相対位置をL1からL2に変更させることができる。ここで、L2はL1よりも大きい。
【0098】
図6Cおよび図6Dは、フレックス回路320の構成の別の変更を示す。再使用可能モジュール250をドック222に挿入すると、再使用可能モジュール250とドック222が係合することによって、フレックス回路320の先端602の位置を変更することができる。再使用可能モジュール250が挿入される前の細長い部材600の弧状部分の頂点と本体608との高さの相対的な差は、H1によって示されている。再使用可能モジュール250をドック222に挿入すると、再使用可能モジュール250は、細長い部材600の弧状部分および支持体360に下向きの力(Fとして示されている)を加えることができる。この下向きの力Fは、弧状部分および支持体360を下向きに移動させることができる。そのような下向きの移動は、細長い部材600の弧状部分の頂点と本体608との高さの相対的な差をH1からH2に変更させることができる。ここで、H2はH1よりも小さい。細長い部材600の弧状部分の頂点と本体608との高さの相対的な差を変更することができ、一方、先端602の相対位置をL1からL2に変更しないことが可能であり、またはその逆も同様に可能である。
【0099】
第1の方向への下向きの力Fによって、ドック222の支持体360は第2の方向へ反力を加えることができる。反力の第2の方向は、下向きの力Fの第1の方向と逆方向とすることができる。具体的には、支持体360による反力は、ドック222から上向きに離れる方向とすることができる。支持体360は、ばねとして働くことができ、それによって、支持体360がその自然な位置からさらに下向きに移動すると(たとえば、H1からH2に変化すると)、反力の大きさが増大する。Fの方向と反力の方向は互いに逆であってもよい。反力の大きさは、下向きの力Fよりも小さく、それによって、支持体360が下向きに移動するのが可能になり、かつ再使用可能モジュール250をドック222の長穴940に挿入するのを可能になる。再使用可能モジュール250によって生じる下向きの力Fの大きさは、細長い部材600の頂点と本体608との相対的な高さの差の変更(たとえば、H1からH2への変更)および先端602の位置の変更(たとえば、L1からL2への変更)と相関してもよい。
【0100】
フレックス回路320の細長い部材600は、再使用可能モジュール250がドック222に挿入される前に第1の曲度を有することができる。細長い部材600は、再使用可能モジュールがドック222に挿入された後に第2の曲度を有することができる。細長い部材600の第1の曲度は、第2の曲度より大きくてもよくもしくは小さくてもよく、または第2の曲度と等しくてもよい。第1の曲度は先端602の第1の位置(たとえば、L1)に対応することができる。第2の曲度は先端602の第2の位置(たとえば、L2)に対応することができる。さらに、第1の曲度は、細長い部材600の頂点の第1の位置(たとえば、H1)に対応することができる。第2の曲度は、細長い部材600の頂点の第2の位置(たとえば、H2)に対応することができる。
【0101】
支持体360によって加えられる反力は、ドック222の電気接点310aと再使用可能モジュール250の電気接点310bとの十分な接触を維持して接点間で電気信号を送信するのを可能にすることができる。
【0102】
取り付け機構
図7A図7Iは、センサーアセンブリ202の使い捨てモジュール220用の取り付け機構の様々な例を示す。
【0103】
図7A図7Cを参照すると、ドック222は第1のストラップ700および第2のストラップ702に結合することができる。第1のストラップ700および第2のストラップ702は、ドック222に機械的に結合することができる。ストラップ700、702はドック222に取り外し可能に結合されてもよい。代替的に、ストラップ700、702はドック222と一体化することができる。第2のストラップ702は、1つまたは複数の開口部704を含むことができる。第1のストラップ700は、第2のストラップ702を第1のストラップ700に固定するように構成されたファスナ706を含むことができる。開口部704は、ファスナ706を受け入れるように寸法を定められたことができる。第1のストラップ700を開口部704のうちの1つに挿通してドック222を患者に取り外し可能に取り付けることができる。ストラップ700、702は、様々な厚さ、長さ、および可撓性を有することができる。ストラップ700、702は伸縮自在であってもよい。第1のストラップ700は1つまたは複数の開口部704を含むことができ、一方、第2のストラップ702はファスナ706を含む。
【0104】
第1のストラップ700の遠位端は、第2のストラップ702の開口部704のうちの1つに挿入することができる。第1のストラップ700のファスナ706は、第2のストラップ702の開口部704のうちの1つに挿入されてもよい。ファスナ706と開口部704との相互作用によって、図7Bおよび図7Cに示すようにドック222を取り外し可能に固定することができる。
【0105】
いくつかの実装形態では、センサーアセンブリ202を図7Jおよび図7Kに示すように医療バンド750に結合することができる。バンド750は、本明細書で開示するストラップのうちのいずれか、またはセンサーアセンブリ202を患者に取り付けるための任意の適切なストラップもしくはバンドを含んでもよい。センサーアセンブリ202は、ストラップ(たとえば、図3Bに示すストラップ308)を含まなくてもよく、使い捨てモジュール220のドック222は、バンド750に結合されてもよい。いくつかの実装形態では、ドック222は、2つのストラップループ(たとえば、ストラップループ302)を含んでもよく、バンド750をストラップループを通して送り、センサーアセンブリ202をバンド750に結合してもよい。バンド固定機構は、患者に取り付けられた後は取り外し不能にすることができ、取り外すにはバンドを切断する必要がある。バンドは、バンドが不適切に取り外されたかまたはいたずらされたことを示すいたずら検出機構およびアラームを含むことができる。バンドは、患者識別情報752と、バーコード754と、薬剤情報756とを含んでもよい。患者識別情報752は、患者の氏名と、連絡先情報と、担当医情報などを含むことができる。バーコード754は、患者識別情報752を表すことができ、患者を1つまたは複数のデバイス(たとえば、患者監視デバイス)に関連付けるために使用することができる識別子として働いてもよい。バーコード754は、いくつかの例では、QRコード(登録商標)であってもよい。薬剤情報756は、たとえば、患者のアレルギー情報、患者に与えられる薬剤、投薬量情報などを識別してもよい。いくつかの実装形態では、バンド750は、患者および/または家族がセキュリティチェックポイントを通過するのを許可することができるRFID(無線周波数識別)タグを含むことができる。場合によっては、センサーアセンブリ202は、手首に取り付けられ、手首におけるパラメータを測定する1つまたは複数の生理学的センサーを含んでもよい。場合によっては、バンド750は、患者の厳密な位置または近似位置を特定することができる位置特定デバイスを含むことができる。
【0106】
センサーアセンブリ202をたとえば医療バンド750に結合することによって、患者に装着する品目の数を減らすことができる。たとえば、患者がまだ医療ウェアラブルデバイス(たとえば、ウェアラブルフィットネストラッカー、スマートヘルスウォッチ、ウェアラブルECGモニター、ウェアラブル血圧モニターなど)を装着している場合、センサーアセンブリ202が医療ウェアラブルデバイスに結合され(たとえば、接着剤を介して付着させられるかまたはストラップループを介して結合され)てもよい。追加または代替として、センサーアセンブリ202は、手首または患者の体の他の部位(たとえば、足首、首、腕、脚など)に装着され得る従来の時計または宝石などの非医療デバイスに結合されてもよい。
【0107】
いくつかの実装形態では、患者識別情報752、バーコード754、または薬剤情報756のうちの少なくとも1つを、たとえば、センサーアセンブリ202の図3Bに示すストラップ308に別々に印刷し付着させてもよい。この構成は、たとえば、センサーアセンブリ202のドック222からストラップ308を取り外し、バンド750をドック220に取り付ける(たとえば、バンド750をドック222のストラップループ302に巻く)ことを不要にすることができる。
【0108】
いくつかの実装形態では、バンド750の外観には、たとえば、患者の状態の変化を反映するために作動させ(たとえば、オンオフを切り替え)得る1つまたは複数の光源(たとえば、発光ダイオード)を含めてもよい。場合によっては、様々な色を使用して患者のそれぞれに異なる状態を示すことができる。たとえば、緑色は患者の良好なおよび/または優れた状態を表す場合があり、一方、黄色および赤色はそれぞれ、次善状態および重篤状態を表す場合がある。バンド750は、バンド750を装着している患者の生理学的データをセンサーアセンブリ202から受信し、光源に生理学的データに少なくとも部分的に基づいてバンド750の外観を変化させることができる、プロセッサおよびワイヤレス通信モジュールを含むことができる。いくつかの実装形態では、バンド750のプロセッサは、センサーアセンブリ202から(生の患者生理学的データまたは処理済み患者生理学的データを受信するのではなく)患者ステータスデータ(たとえば、非常に良い、良好、次善、不良、重篤など)を受信し、患者ステータスデータに基づいて光源のディスプレイを変化させてもよい。このことは、患者および/またはヘルスケア提供者(または家族)が患者の生理学的データにアクセスできないときに有利である場合がある。バンド750の外観(たとえば、色)を監視することによって、患者、ヘルスケア提供者、および家族は患者の状態を容易に認識し監視することができる。
【0109】
場合によっては、識別子をセキュリティタグとして使用することができ、それによって、アラームシステムに、識別子がジオフェンス位置を通過した場合に警報を生じさせることができる。たとえば、病院またはヘルスケア提供者施設は、たとえば、様々な位置に位置するRFスキャナを有してもよい。そのようなRFスキャナは、ヘルスケア提供者施設の正面玄関、またはたとえば、緊急治療室、集中治療室、産科病棟、新生児治療室などのいくつかのチェックポイントに設置されてもよい。RFスキャナは、センサーアセンブリ202に取り付けられた医療バンドの識別子を検出してアラームを生じさせてもよい。そのように識別子をセキュリティタグとして使用すると、患者の許可されていない移動および/または偶発的な移動、センサーアセンブリ202の付いた医療バンドの取り外しまたは移動、センサーデバイスを返却せずに病院から離れること、などを防止することができる。
【0110】
図7Dは、取り付け機構のさらに別の例に結合された使い捨てモジュール220のドック222を示す。ドック222は、使い捨てモジュール220から離れる方向に延びる延長部708に結合することができる。たとえば、図7Dに示すように、使い捨てモジュール220を手の上に配置することができ、延長部708は患者の手首に向かって延びることができる。エクステンダ708は、手首に巻いて使い捨てモジュール220および延長部708を手首に固定することができるストラップ700Aを含むことができる。ストラップ700Aは、ストラップ700Aを延長部708の頂面に付着させることができるファスナ706Aを含むことができる。ファスナ706Aは、ストラップ700Aの遠位端または近位端に配設することができる。ファスナ706Aは、700Aの頂面または底面に付着してもよい。ファスナ706Aは、フックアンドループシステム、ベルクロ(登録商標)、ボタン、スナップ、磁石などを含む以下の機構のうちの1つを組み込むことができる。
【0111】
図7Eは、使い捨てモジュール220用の取り付け機構の別の例を示す図である。ここに示すように、ドック222はストラップ700Bに結合することができる。ストラップ700Bの第1の近位端をドック222に取り付けることができ、一方、ストラップ700Bの第2の遠位端はドック222から離れる方向に延びることができる。ストラップ700Bの遠位端はファスナ706Bを含むことができる。ストラップ700Bは、第2の遠位端を手首に巻くことによってドック222を患者の手首に固定することができる。ストラップ700Bの遠位端をストラップ700Bの近位端の上方または下方に巻くことによって固定することができる。ストラップ700Bの遠位端をストラップ700Bの第1の近位端に巻いた後、ファスナ706Bを使用してストラップ700Bの遠位端を固定することができる。ファスナ706Bは、限定はしないが、フックアンドループシステム、ベルクロ(登録商標)、ボタン、スナップ、および/または磁石を含む以下の機構のうちの1つを組み込むことができる。
【0112】
図7Fは、センサーアセンブリ202用の取り付け機構のさらに別の例を示す。センサーアセンブリ202は、フック710を含むエクステンダ708Aに結合することができる。エクステンダ708Aは、センサーアセンブリ202のドック222から離れる方向に延びることができ、エクステンダ708Aの遠位端にフック710が結合される。フック710は、エクステンダ708Aおよびドック222が患者の手首に対して実質的に所定の位置に保持されるようにストラップ700Cに巻き付けることができる。ストラップ700Cはモジュール式とすることができる。ストラップ700Cは、エクステンダ708Aのフック710に取り外し可能に接続または固定されてもよい。ストラップ700Cは、図7Fに示すように患者の手首にしっかりと巻き付けることができる可撓性を有するバンドとすることができる。
【0113】
図7Gは、センサーアセンブリ202用の取り付け機構のさらに別の例を示す。ドック222は、ドック222の第1の面から延び、第1の方向に患者の手首に巻き付けられるように寸法を定められたストラップ308と、ドック222の第2の面から延びるストラップループ302とを含むことができる。ストラップ308は、その遠位端の近くに配設されたファスナ310を含むことができる。ストラップ308は、患者の手首に巻き付けてドック222のストラップループ302に通すことができる。ストラップ308は、ドック222のストラップループ302に通した後、ストラップループ302に巻いて手首に第2の方向に巻き付けることができる。ストラップ308を手首に巻き付ける第1の方向は時計回りとすることもできまたは反時計回りとすることもできる。ストラップ308を手首に巻き付ける第2の方向は時計回りとすることもできまたは反時計回りとすることもできる。図7Hは、患者の手首に固定された図3Aのセンサーアセンブリ202を示す。
【0114】
図7Iは、センサーアセンブリ202の取り付け機構のさらに別の例を示す。ドック222およびセンサー240を手袋712に結合することができる。手袋712を患者の手に配置すると、センサーアセンブリ202のセンサー240を指先のうちの1つに配置することができる。ドック222は、図7Iに示すように手袋712の頂部に取り付けることができる。センサーアセンブリ202のセンサー240は、手袋712の指の内部または外部に組み立てることができる。センサー240は手袋712の指と一体化することができる。センサーアセンブリ202のケーブル230を手袋712と一体化することができる。
【0115】
ドングルおよびペアリング
忙しい病院における臨床医に対する時間的要求ならびに患者および患者監視デバイスの数を仮定すると、コンピューティングデバイス206(たとえば、モバイル患者監視表示デバイス)と再使用可能モジュール250との接続を確立するための手動による相互作用は面倒である場合がある。場合によっては、ペアリングデバイスとの接続を確立するために患者監視デバイスと手動で相互作用するのに必要な時間は、場合によっては、特に緊急の状況において患者の健康を危険にさらすことがある。少なくとも上記の理由で、ベッドサイド患者モニター、中央監視室、および他のデバイスなどのコンピューティングデバイス206が近傍における再使用可能モジュール250の存在を検出し、再使用可能モジュール250とのワイヤレス通信を確立する能力を有すると有利である。
【0116】
図8A図8Cは、コンピューティングデバイス206に接続されたドングル800の様々な図を示す。ドングル800は、本体802と、ケーブル806を介して本体802に結合されたコネクタ804とを含むことができる。コネクタ804をコンピューティングデバイス206に接続してドングル800とコンピューティングデバイス206との間の送信を可能にすることができる。ケーブル806は、本体802とコネクタ804との間でデータおよび/または電力を伝送することができる1本または複数の導電ワイヤを含むことができる。ドングル800の本体802は、コンピューティングデバイス206に取り外し可能に取り付けることができる。本体802は、コネクタ804およびケーブル806を介してコンピューティングデバイス206から電力を受け取ることができる。
【0117】
ドングル800をコネクタ804を介してコンピューティングデバイス206に接続すると、コンピューティングデバイス206は自動的にコネクタ804を検出することができる。コンピューティングデバイス206は、コネクタ804の種類を特定し、その設定を自動的に変更することができる。設定には、限定はしないが、ディスプレイ208についての表示設定、コンピューティングデバイス206についての表示設定(たとえば、ペアまたは通信ステータスを示すために使用される光の色)、通信プロトコル設定(たとえば、利用されるワイヤレス通信の種類)、通信信号設定(たとえば、様々な種類の通信に基づく可変通信信号タイプまたは強度)などを含めてもよい。さらに、ドングル800についての設定は、様々な種類のコンピューティングデバイス206およびそのディスプレイ208に対応するように変更することができる。そのような設定には、表示設定(たとえば、通信/ペアリングステータスを示す色またはメッセージ)、通信信号設定(たとえば、使用されるワイヤレス信号の周波数)、通信プロトコル設定(たとえば、使用されるワイヤレス通信の種類)などを含めることができる。
【0118】
コンピューティングデバイス206は、処理済みの生理学的パラメータデータを受信し、表示画面上に表示することができる。この機能は、コンピューティングデバイス206によって必要とされる処理能力の量を低減させることができるので有利である場合がある。上述のように、再使用可能モジュール250は、センサー240によって収集された生の患者生理学的データに対して信号処理を実行し、患者生理学的パラメータを算出することができる。したがって、本体802を介して再使用可能モジュール250からコンピューティングデバイス206に送信されるデータは、さらなるデータ処理を必要としない患者生理学的パラメータを含む。
【0119】
再使用可能モジュール250は、患者生理学的パラメータを低い解像度で送信することができ、ドングル800は様々な方法を使用してデータをフィルインすることができる。たとえば、ドングル800は、様々な種類の平均を使用して再使用可能モジュール250から送信されるデータをフィルインすることができる。再使用可能モジュール250は、たとえば波形データを低解像度で送ることができ、ドングル800は波形の解像度を高くすることができる。この機能はさらに、使い捨てモジュール220のバッテリ224の寿命を延ばすことができる。
【0120】
ドングル800の本体802は、トランシーバまたは受信機と、コンピューティングデバイス206を再使用可能モジュール250などの他の患者監視デバイスに通信可能に結合するための通信モジュールとを含むことができる。再使用可能モジュール250が十分に近接しているときは、本体802は、再使用可能モジュール250と通信して再使用可能モジュール250を識別することができる。本体802は、無線周波数識別(RFID)リーダを含むことができ、一方、再使用可能モジュール250は、再使用可能モジュール250に一意の識別情報を含む組み込みRFIDチップを含むことができる。本体802のRFIDリーダは、再使用可能モジュール250内部の組み込みRFIDチップを識別し、再使用可能モジュール250と本体802との間にワイヤレス通信204を確立することができる。本体802は、Bluetooth(登録商標)などの1つまたは複数の短距離ワイヤレス通信標準に準拠したトランシーバを含むことができる。他の種類のワイヤレス通信プロトコルを利用してドングル800と再使用可能モジュール250との間に通信を確立しデータを転送することができる。
【0121】
本体802は、再使用可能モジュール250の一部を受け入れるように寸法を定められた溝808を含むことができる。溝808は、再使用可能モジュール250をコンピューティングデバイス206に関連付ける(たとえば、ペアリングする)ために再使用可能モジュール250をどこに配置すべきかを医療関係者に示すことができる。
【0122】
ドングル800は、再使用可能モジュール250を使用しないときに保持することができるホルダ850を含むことができる。ホルダ850は、図8Bに示すようにドングル800から分離することができる。ホルダ850は、再使用可能モジュール250を保持するのを助けるために再使用可能モジュール250の表面に係合するように寸法および形状を定められた表面を含むことができる。ホルダ850は、磁石を使用して再使用可能モジュール250を保持することができる。ホルダ850は、限定はしないが、接着剤、ベルクロ(登録商標)、磁石などを含む様々な機構を介してコンピューティングデバイス206上に取り付けることができる。
【0123】
図9A図9Cは、ドングル800を使用して再使用可能モジュール250をコンピューティングデバイス206とペアリングするプロセスを示す。ドングル800のコネクタ804をコンピューティングデバイス206と結合し、再使用可能モジュール250をドングル800の本体802からある距離内に配置することによって、再使用可能モジュール250とコンピューティングデバイス206との間のワイヤレス通信を開始することができる。再使用可能モジュール250は、その識別情報をドングル800に転送するために本体802との物理的接触を必要とする場合も必要としない場合もある。
【0124】
再使用可能モジュール250をドングル800の本体802に十分に近付けると、本体802はたとえば、RFID技術を使用して、再使用可能モジュール250をコンピューティングデバイス206に対して識別することができる情報を再使用可能モジュール250から受信することができる。識別情報は、再使用可能モジュール250に固有または一意のトークンのIDタグとすることができる。識別情報は、再使用可能モジュール250のBluetooth(登録商標)パラメータを含むことができる。他の種類の識別機構を使用してコンピューティングデバイス206が再使用可能モジュール250を識別して関連付けるのを可能にすることができる。
【0125】
再使用可能モジュール250の識別情報はメモリ256に記憶することができる。識別情報は、メモリ256に配線接続されてもよく、またはプログラム可能であってもよい。識別情報は、再使用可能モジュール250に一意のペアリングパラメータ(たとえば、ペアリングデバイスID)を含むことができる。識別情報は、再使用可能モジュールが割り当てられる患者に一意であってもよい。再使用可能モジュール250の識別情報は、たとえば、ペアリングデバイスの情報、再使用可能モジュール250が動作可能に接続されたセンサー240に関する情報、またはコンピューティングデバイス206によって実行すべき所定のアクションを開始するためのコードもしくは他のインディケータなどの他の情報を含んでもよい。追加および/または代替として、再使用可能モジュール250の識別情報は、センサーアセンブリ202のセンサー240によって収集された生理学的データを使用して生成することができる。
【0126】
ドングル800の本体802はRFIDリーダを含むことができる。RFIDリーダは、コンピューティングデバイス206を再使用可能モジュール250などの他の患者監視デバイスに通信可能に結合することができる。図9Bに示すように、再使用可能モジュール250が本体802に近接すると、本体802のRFIDリーダは再使用可能モジュール250から識別情報を受信することができる。本体802が識別情報を受信した後、識別情報をケーブル806およびコネクタ804を介してコンピューティングデバイス206に送信することができる。
【0127】
コンピューティングデバイス206は、識別情報を使用して再使用可能モジュール250をコンピューティングデバイス206に関連付けることができる。たとえば、再使用可能モジュール250のBluetooth(登録商標)パラメータを使用して再使用可能モジュールをコンピューティングデバイス206に関連付けることができる。再使用可能モジュール250は、関連付けされた後、識別情報に含まれるペアリングパラメータ(たとえば、Bluetooth(登録商標)パラメータ)を使用してコンピューティングデバイス206に接続することができる。コンピューティングデバイス206は、再使用可能モジュール250を識別し、コンピューティングデバイス206が再使用可能モジュール250から受信したBluetooth(登録商標)パラメータを使用して再使用可能モジュール250とのワイヤレス通信204を可能にすることができる。コンピューティングデバイス206との接続を確立した後、再使用可能モジュール250は、Bluetooth(登録商標)送信を介してドングル800およびコンピューティングデバイス206と通信することができる。たとえば、超音波、近距離通信(NFC)などを含む、他の種類または標準のワイヤレス通信を使用することができる。複数の再使用可能モジュール250がコンピューティングデバイス206に近接している場合、優先順位方式またはユーザ確認を使用してどの再使用可能モジュール250が収容されるかを判定することができる。
【0128】
再使用可能モジュール250は、NFCを使用して特定の状況において特定の措置を講じるようにドングル800をプログラムする指示を与えることができる。再使用可能モジュール250のNFC通信回路は、読み取り/書き込み機能を有することが可能な関連するメモリを有することができる。たとえば、再使用可能モジュール250は、NFCを使用して、ドングル800がペアリングパラメータを削除する前にどのくらいの時間待たなければならないかを示す(「ギブアップする」)ことができる。別の例では、再使用可能モジュール250は、NFCを使用して、ドングル800がいつペアリングパラメータを削除することを拒否されるかを示す(「ギブアップしない」)ことができる。NFCを使用して、ドングル800を1つまたは複数の再使用可能モジュール250に同時に関連付けるのを可能にすることができる。
【0129】
ドングル800は、NFCを使用して、再使用可能モジュール250から様々な種類の情報を受信することができる。ドングル800は、再使用可能モジュール250のNFC構成要素に関連する情報を受信し、センサータイプ、患者タイプ、患者情報、医師情報、病院情報、許可された使用、許可された支給品、許可された製造業者、エミッタ波長、または再使用可能モジュール250の使用法もしくは寿命の指示、再使用可能モジュール250が測定できるパラメータなどを決定することができる。たとえば、ドングル800は、NFCを介して情報を受信して、特定の再使用可能モジュール250がセンサーアセンブリ202と協働するように設計されていると判定することができる。ドングル800は、NFCを使用してライトバックすることもできる。たとえば、ドングル800は、NFCによってプログラミング情報を再使用可能モジュール250に提供することができる。ドングル800は、再使用可能モジュール250にセンサー使用状況情報を書き込むこともできる。たとえば、再使用可能モジュール250は、品質を維持するために破棄しなければならなくなるまでにある回数のみ使用可能にされてもよい。この情報は、NFC通信によって再使用可能モジュール250に書き込むことができる。
【0130】
本開示全体にわたって、ドングル800はコンピューティングデバイス206に直接組み込まれてもよいことを理解されたい。たとえば、ドングル800は、ドングル800とコンピューティングデバイス206が同じハウジング内に位置するようにコンピューティングデバイス206の回路に組み込むことができる。別の例では、ドングル800とコンピューティングデバイス206が同じハウジング内に位置するが、ドングル800は、コンピューティングデバイス206の回路には組み込まれない。ドングル800は、ドングル800がコンピューティングデバイス206の外側ハウジングまたは本体の近くに位置するようにコンピューティングデバイス206に組み込むことができる。そのような構成は、再使用可能モジュール250がドングル800とのワイヤレス通信204を容易に確立するのを可能にすることができる。ドングル800をコンピューティングデバイス206に直接組み込むと、ドングル800とコンピューティングデバイス206との間に生じる可能性のある接続問題を防止することができる。
【0131】
コンピューティングデバイス206は、再使用可能モジュール250に関連付けされた後、再使用可能モジュール250がコンピューティングデバイス206に関連付けされたことを示す信号を再使用可能モジュール250に送信することができる。再使用可能モジュール250がコンピューティングデバイス206とのワイヤレス通信204を首尾よく確立したときに様々な種類の通知を生成することができる。通知は、コンピューティングデバイス206によって生成することもでき、再使用可能モジュール250によって生成することもでき、またはその両方によって生成することもできる。
【0132】
コンピューティングデバイス206は、聴覚通知またはディスプレイ208上の視覚通知を提供することができる。たとえば、コンピューティングデバイス206は、ペアリングが成功したことについてのあるパターンのビープ音または所定のメロディーを出力することができる。別の例では、コンピューティングデバイスは、「SpO2センサー番号1234は患者監視デバイスA123と首尾よくペアリングしました。」などの聴覚メッセージを出力することができる。視覚通知は、ディスプレイ208上のLEDの点滅を含むことができる。視覚通知の別の例は、「ペアリング成功」などのある形態のテキストをディスプレイ208上に表示することとすることができる。再使用可能モジュール250は、コンピューティングデバイス206とのワイヤレス通信204のステータスを示す1つまたは複数のLEDを有する。たとえば、再使用可能モジュール250は、再使用可能モジュール250とコンピューティングデバイス206との間にワイヤレス通信204が確立されなかったことを示す赤色LEDを含むことができる。別の例では、再使用可能モジュール250は、再使用可能モジュール250がコンピューティングデバイス206とのワイヤレス通信204を確立したことを示す青色LEDを含むことができる。緑色LEDの点滅を使用して、コンピューティングデバイス206が、再使用可能モジュール250がコンピューティングデバイス206とのワイヤレス通信204を確立するのを待っていることを示してもよい。様々な色のLEDおよび様々な方式を使用して再使用可能モジュール250とコンピューティングデバイス206との間のワイヤレス通信204の様々な状況を示すことができる。
【0133】
再使用可能モジュール250からペアリングパラメータを受信した後、コンピューティングデバイス206は、再使用可能モジュール250がワイヤレス通信204(たとえば、Bluetooth(登録商標)接続)を確立するのを所定の期間待つことができる。ワイヤレス通信204が所定の期間内に確立されない場合、ペアリングパラメータが満了し、再使用可能モジュール250が再びペアリングパラメータをコンピューティングデバイス206に再送信することが必要になる場合がある。所定の期間は修正することができる。
【0134】
コンピューティングデバイス206が再使用可能モジュール250からペアリングパラメータを受信した後、図9Cに示すように再使用可能モジュール250をドック222と嵌め合わせることができる。再使用可能モジュール250は、ドック222と嵌め合わされた後、バッテリ224から電力を取り込んでコンピューティングデバイス206とのワイヤレス通信204を確立することができる。再使用可能モジュール250は、バッテリ224から取り込まれた電力を使用して生データに対して信号処理を実行し生理学的パラメータを算出することができる。生理学的パラメータが決定された後、再使用可能モジュール250はバッテリからの電力を使用してワイヤレス通信204を介して生理学的パラメータをコンピューティングデバイス206に送信することができる。
【0135】
コンピューティングデバイス206は、患者生理学的パラメータを含む患者データを再使用可能モジュール250から受信し、そのパラメータをディスプレイ208上に表示することができる。コンピューティングデバイス206は、ドングル800の本体802を介して患者データを受信することができる。言い換えれば、ドングル800の本体802は、再使用可能モジュール250から患者生理学的パラメータを受信し、次にそのパラメータをコンピューティングデバイス206に送信することができる。上記で説明したように、Bluetooth(登録商標)を使用して再使用可能モジュール250とコンピューティングデバイス206(または本体802)との間で患者データを送信することができる。たとえば、SpO2センサーに動作可能に接続された再使用可能モジュール250は、コンピューティングデバイス206とのBluetooth(登録商標)通信を確立することができる。コンピューティングデバイス206は、SpO2パラメータを含む患者データを再使用可能モジュール250から受信し、そのパラメータをディスプレイ208上に表示することができる。別の例では、温度センサーに動作可能に接続された再使用可能モジュール250は、コンピューティングデバイス206とのBluetooth(登録商標)通信を確立することができる。コンピューティングデバイス206は、温度パラメータを含む患者データを再使用可能モジュール250から受信し、そのパラメータをディスプレイ208上に表示することができる。コンピューティングデバイス206は、再使用可能モジュール250から1つまたは複数のパラメータを受信し、1つまたは複数のパラメータをディスプレイ208上に表示することができる。
【0136】
再使用可能モジュール250は、アクティブまたはパッシブRFIDタグであるIDタグを含むことができる。アクティブRFIDタグは、たとえばWiFi対応であってもよい。IDタグは、バーコード(たとえば、2次元または3次元)とすることもでき、またはWiFi対応RFIDタグとすることもできる。コンピューティングデバイス206は、WiFiアクセスポイントと通信することによって、WiFiアクセスポイントに対するコンピューティングデバイス206の位置を三角測量することができる。同様に、再使用可能モジュール250の位置(再使用可能モジュール250をセンサー240に動作可能に接続する場合には再使用可能モジュール250およびセンサー240の位置)を三角測量することができる。したがって、分散されたWiFiアクセスポイントを使用して、たとえばコンピューティングデバイス206は、コンピューティングデバイス206に対する再使用可能モジュール250(および/またはセンサー240)の近似位置を特定することができる。コンピューティングデバイス206は、再使用可能モジュール250と直接通信して、たとえば分散されたWiFiアクセスポイントを使用して特定される位置近似を向上させてもよい。
【0137】
1つまたは複数の再使用可能モジュール250の位置を使用して1つまたは複数の再使用可能モジュール250の相対位置または絶対位置を特定することができる。たとえば、モジュール250A、250B、250C、および250Dについて考える。再使用可能モジュール250A、250B、および250Cの位置が既知である場合、それらの位置情報を使用して再使用可能モジュール250Dの位置を特定することができる。
【0138】
再使用可能モジュール250が存在すること、および再使用可能モジュール250がコンピューティングデバイス206に近接して位置することを、RFIDタグを含む再使用可能モジュール250によって判定することができる。「RFIDタグ」または単に「タグ」は、モニターに近接するユーザをリモートに特定することができるワイヤレス通信デバイスおよび/または通信標準(たとえば、RFID、NFC、Bluetooth、超音波、赤外線など)を含むことができる。タグは、限定はしないが、RFIDチップまたは他のワイヤレス通信構成要素を収容するバッジ、タグ、クリップ式オン、ブレスレット、またはペンの形をしたデバイスを含む。タグはまた、スマートフォン、PDA、ポケットPC、およびワイヤレス通信機能を有するその他のモバイルコンピューティングデバイスを含む。RFIDタグは、再使用可能モジュール250についての識別情報またはペアリングパラメータを含むことができる。
【0139】
コンピューティングデバイス206は、再使用可能モジュール250に関連付けされたディスプレイを自動的に取り外すことによってすべての近接する再使用可能モジュール250が離れたことに応答することができる。この機能は、コンピューティングデバイス206に近接する再使用可能モジュール250に関連付けされたセンサー240のみについての患者生理学的データを提供および表示することができる。コンピューティングデバイス206は、近接する再使用可能モジュール250および関連付けされたセンサー240がなくなるとパルス「ビープ」または他の重要でない音を自動的に消すことによって同様に応答してもよい。
【0140】
コンピューティングデバイス206は、コンピューティングデバイス206の再使用可能モジュール250とのワイヤレス通信204が中断されるかまたはもはや存在しないときにアラームを生成することができる。たとえば、コンピューティングデバイス206は、再使用可能モジュール250がもはや使い捨てモジュール220と嵌め合わされなくなると聴覚アラームと視覚アラームの少なくとも一方を生成することができる。
【0141】
コンピューティングデバイス206は、コンピューティングデバイス206と再使用可能モジュール250との間のワイヤレス通信204の信号強度を監視することができる。いくつかの状況では、再使用可能モジュール250がコンピューティングデバイス206の範囲外に移動してもよく、それによってワイヤレス通信204を中断させてもよい。たとえば、再使用可能モジュール250を装備した患者が、習慣的に訪れているX線室に入り、再使用可能モジュール250とコンピューティングデバイス206との間のワイヤレス通信204を中断してもよい。同じ再使用可能モジュール250がある期間内に範囲内で利用可能である場合、コンピューティングデバイス206はワイヤレス通信204を自動的に再確立することができる。たとえば、患者が30分以内にX線室から戻った場合、コンピューティングデバイス206は再使用可能モジュール250とコンピューティングデバイス206との間のワイヤレス通信を再確立することができてもよい。通信を再確立すると、通信が中断された期間に再使用可能モジュール250上に記憶されたあらゆる情報をコンピューティングデバイス206にダウンロードすることができる。
【0142】
コンピューティングデバイス206は、再使用可能ドングル250から受信されたペアリングパラメータを失わない(または削除しない)ように構成することができる。この機能によって、再使用可能モジュール250がもはやコンピューティングデバイス206とワイヤレスに通信していないときでも他の再使用可能モジュール250がコンピューティングデバイス206とペアリングするのを防止することができる。たとえば、第1のコンピューティングデバイス206と第1の再使用可能モジュール250とは第1のワイヤレス通信204を行う。第1のコンピューティングデバイス206は、第1のワイヤレス通信204が終了した後でも第1の再使用可能モジュールを「ギブアップ」しないかまたは「ギブアップ」するように構成することができる。第2の再使用可能モジュール250は、「ギブアップ」するように構成されているときには、第1のコンピューティングデバイス206とペアリングすることができる。第2の再使用可能モジュール250は、「ギブアップ」しないように構成されているときには、第1のコンピューティングデバイス206とペアリングすることはできない。
【0143】
この機能は、使い捨てモジュール220のバッテリ224が切れそうである状況にもまたは再使用可能モジュール250が使い捨てモジュール220から取り外されるときにも適用することができる。バッテリ224からの電力がなくなると、使用可能モジュール250はコンピューティングデバイス206とのワイヤレス通信204を維持できなくなる。コンピューティングデバイス206は、他のコンピューティングデバイス206が再使用可能モジュール250とのワイヤレス通信204を確立するのを妨げるかまたは妨げないように構成することができる。再使用可能モジュール250は、デバイスが使い捨てモジュール220から取り外されるときまたはバッテリが消耗しているときにペアリングに関する命令または他の命令を与える「バッテリ切れ」信号をコンピューティングデバイス206に送ることもできる。このバッテリ切れ命令は、ペアリングを維持するのを可能にする。
【0144】
コンピューティングデバイス206(またはドングル800)は、他のコンピューティングデバイス206(または他のドングル800)と通信して、各コンピューティングデバイス206(またはドングル800)が任意の時に単一の再使用可能モジュール250とペアリングされるようにすることができる。たとえば、第1の再使用可能モジュール250が第1のコンピューティングデバイス206とペアリングされる(または関連付けされる)と、第2の再使用可能モジュール250は第1のコンピューティングデバイス206とペアリングされなくなる(関連付けされなくなる)場合がある。しかし、第1の再使用可能モジュール250は、第2のコンピューティングデバイス206とペアリングすることが可能であってもよい。第1の再使用可能モジュール250を第2のコンピューティングデバイス206とペアリングすると、第2のコンピューティングデバイス206は第1のコンピューティングデバイス206に第1の再使用可能モジュール250とのペアリングを解除するよう通知することができる。
【0145】
コンピューティングデバイス206は、コンピューティングデバイス206に関連付けされたセンサー240および再使用可能モジュール250を識別することができる。1つまたは複数のセンサー240および再使用可能モジュール250がコンピューティングデバイス206にワイヤレスに関連付けされるとき、コンピューティングデバイス206が、それぞれに異なるセンサー240または再使用可能モジュール250からのそれぞれに異なる生理学的パラメータを区別して示すと有利である場合がある。たとえば、コンピューティングデバイス206を2つの異なるセンサー240(およびセンサーのそれぞれの再使用可能モジュール250)に関連付けして、末梢毛細血管酸素飽和度(SpO2)および呼吸音(RRa)を検出することができる。コンピューティングデバイス206は、センサー240または再使用可能モジュール250に関する情報(たとえば、センサー名、センサータイプ、センサー位置、センサーID、再使用可能モジュールID、再使用可能モジュール名)を表示してそれぞれに異なるセンサーおよび/または再使用可能モジュールからの患者パラメータを区別することができる。
【0146】
センサーアセンブリ202の再使用可能モジュール250は、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、ラップトップなどのモバイルデバイスとのワイヤレス通信204を確立することができる。モバイルデバイスは、モバイルデバイスがセンサーアセンブリ202の再使用可能モジュール250とのワイヤレス通信204を確立し、再使用可能モジュール250から患者生理学的パラメータを受信し、患者生理学的パラメータを表示するのを可能にするモバイルアプリケーションを含むことができる。モバイルアプリケーションは、患者生理学的パラメータだけでなく、限定はしないが、氏名、年齢、過去の医療歴、現在の投薬治療、住所、性別などを含む他の患者情報を表示することもできる。
【0147】
モバイルデバイスと再使用可能モジュール250との間のワイヤレス通信204はBluetooth(登録商標)の形態をとることができる。モバイルデバイスと再使用可能モジュール250との間のワイヤレス通信204は、インターネットを介して確立することができる。たとえば、コンピューティングデバイス206は、インターネットまたはセキュア化されたネットワークサーバに接続することができる。再使用可能モジュール250とコンピューティングデバイス206との間にワイヤレス通信204が確立された後、モバイルデバイスはインターネットまたはセキュアネットワークサーバにアクセスして、上記で説明したモバイルアプリケーションを介して患者生理学的パラメータを受信して表示することができる。
【0148】
モバイルアプリケーションは、第三者が患者情報にアクセスするのを防止するために様々なセキュリティ対策を含むことができる。モバイルアプリケーションは、ヘルスケア提供者によって識別されたいくつかのモバイルデバイスに関連付けすることができる。アプリケーションを使用して再使用可能モジュール250(またはコンピューティングデバイス206)に接続し、患者データ(たとえば、患者データおよび/または患者生理学的パラメータ)を受信し、患者データを表示するのに識別およびパスコードが必要になることがある。モバイルアプリケーションの各々を一意のアクセスコードまたは識別コードに関連付けすることができ、一意のアクセスコードまたは識別コードは、インターネットまたはセキュア化されたネットワークサーバから患者データを受信するのに必要になる場合がある。一意のアクセスコードまたは識別コードをモバイルデバイスまたはモバイルアプリケーションに関連付けすることができる。一意のアクセスコードは、モバイルデバイスの各々に関連付けられた媒体アクセス制御(MAC)アドレスとすることができる。
【0149】
ドックと再使用可能モジュールとの嵌合せ
図10A図10Dは、再使用可能モジュール250と使い捨てモジュール220のドック222を嵌め合わせるプロセスを示す。使い捨てモジュール220のドック222は、図10Aに示すように患者の手首に取り付けることができる。ドック222は、再使用可能モジュール250の脚部326に対応する長穴328(図3B参照)を含むハウジング300を含むことができる。
【0150】
図10Bは、がドック222に挿入されている再使用可能モジュール250を示す。脚部326は、再使用可能モジュール250が挿入されるときにドック222の長穴328に対向することができる。脚部326が実質的にドック222の長穴328内に配置されると、再使用可能モジュール250の本体をドック222に対してある角度に配置することができる。脚部326の少なくとも一部がドック222の長穴328に配置されている間、再使用可能モジュール250の一端をリテーナ304上に配置してもよい。
【0151】
図10Cは、ドック222の方へ押し下げられている再使用可能モジュール250を示す。図10Cに示すように、脚部326は部分的に長穴328に挿入することができる。再使用可能モジュール250を押し下げることができ、それによって、リテーナ304がハウジング300から離れる方向に移動し、したがって、図10Dに示すように再使用可能モジュール250をドック222に完全に挿入してドック222と嵌め合わせることができる。再使用可能モジュール250を完全に挿入すると、リテーナ304が、ハウジング300に向かう方向に戻り、再使用可能モジュール250の溝322(図3B)に係合することができる。再使用可能モジュール250とドック222を嵌め合わせると、脚部326はハウジング300の長穴328に係合することができる。溝322とリテーナ304の突起324(図3B)を係合すると、再使用可能モジュール250を、ドック222と嵌め合わされている間所定の位置に保持することができる。長穴328と脚部326を係合すると、再使用可能モジュール250を所定の位置に保持することができる。
【0152】
ペアリングを行い、データを収集してコンピューティングデバイスに送信する方法
図11Aは、再使用可能モジュール250とコンピューティングデバイス206との間にワイヤレス通信を確立し、センサーアセンブリ202を使用して患者生理学的パラメータを決定し、コンピューティングデバイス206を使用して生理学的パラメータを表示する方法1100を示す。
【0153】
ブロック1102において、患者モニター(たとえば、コンピューティングデバイス206)はペアリング信号を生成して送信することができる。ペアリング信号を生成して送信することは自動的に行うこともでき、または手動で行うこともできる。ペアリング信号は無線信号であってもよい。ペアリング信号は、近傍のデバイスが、この信号を受信したときに、トリガされ、それに応じて識別情報を送信するように構成することができる。近傍のデバイスは、再使用可能モジュール250であってもよい。ペアリング信号はまた、近傍のデバイスがペアリング信号に応じてペアリングパラメータを送信するのを可能にするのに十分な電力を含むことができる。
【0154】
ペアリング信号を生成して送信することは様々なデバイスによって行うことができる。コンピューティングデバイス206は、コネクタ804を介してコンピューティングデバイス206に取り付けられたドングル800がペアリング信号を送信することができる間、ペアリング信号を生成することができる。ドングル800は、コンピューティングデバイス206用のペアリング信号を生成して送信することができる。
【0155】
再使用可能モジュール250は、コンピューティングデバイス206から所定の距離に位置する場合、ペアリング信号を受信することができる。このことは、多数の患者がコンピューティングデバイス206などの電子デバイスから短距離に位置することがある病院環境において有利である場合がある。そのような構成は、電子デバイス(たとえば、コンピューティングデバイス206)が近傍の患者からのみ患者健康データを受信するのを可能にし、電子デバイスが、対象患者ではない場合がある他の患者から患者健康データを受信するのを妨げることができる。ペアリング信号の強度は、信号がより遠くまで伝わるかまたはより近くにおいて伝わることを可能にするように変更することができる。
【0156】
ブロック1104において、再使用可能モジュール250は、コンピューティングデバイス206によって生成されたペアリング信号から電力を受け取ることができる。ペアリング信号は、電圧電位を生成するために用いることができる高周波数交番電流とすることができる。コンピューティングデバイス206のペアリング信号は、再使用可能モジュール250が所定の距離内に位置するときに受信されてもよい。上記で説明したように、コンピューティングデバイス206(またはドングル800)と再使用可能モジュール250との物理的接触は、再使用可能モジュール250がペアリング信号から電力を受け取るために必要である場合がある。再使用可能モジュール250は、自動的にペアリング信号から電力を受信することができる。ペアリング信号から電力を受け取ることによって、再使用可能モジュールのアンテナ252は、使い捨てデバイス220のバッテリ224から電力を取り込むことは必要とされないことがある。
【0157】
ブロック1106において、再使用可能モジュール250は、ペアリング信号から受け取った電力を使用してコンピューティングデバイス206に識別情報を送信することができる。識別情報は、再使用可能モジュール250のペアリングパラメータを含むことができる。識別情報は、再使用可能モジュール250に一意のタグシリアル番号であってもよい。識別情報は、限定はしないが、ストック番号、ロット番号、バッチ番号、製造日、またはその他の特定の情報を含むことができる。コンピューティングデバイス206は、識別情報を使用して再使用可能モジュール250を一意に識別することができる。識別情報の送信は自動的に行うことができる。
【0158】
再使用可能モジュール250は、識別情報のコンピューティングデバイス206への自動送信を妨げる機能を含むことができる。この機能は、不注意による再使用可能モジュール250のコンピューティングデバイス206とのペアリングを防止するうえで有利である場合がある。医療関係者は、多数の異なる種類のセンサーを必要とする患者に対処することがある。そのような状況では、うっかりして再使用可能モジュール250をコンピューティングデバイス206(またはドングル800)に近接させる場合がある。したがって、再使用可能モジュール250が、コンピューティングデバイス206(またはドングル800)と自動的にペアリングすることを防止し、不注意によるペアリングを妨げる機能を有すると有利である場合がある。
【0159】
ブロック1108において、コンピューティングデバイス206は再使用可能モジュール250から識別情報を受信することができる。ドングル800は、コンピューティングデバイス206に接続されると、識別情報を受信してコンピューティングデバイス206に中継することができる。ブロック1110において、コンピューティングデバイス206は再使用可能モジュール250に関連付けすることができ、それによって、再使用可能モジュール250とコンピューティングデバイス206との間にワイヤレス通信204を確立するのが可能になる。
【0160】
コンピューティングデバイス206と再使用可能モジュール250の間の関連付けは、自動的に行うことができる。一方、関連付けにはコンピューティングデバイス206を介してユーザ入力が必要になることがある。たとえば、コンピューティングデバイス206は、再使用可能モジュール250からペアリングパラメータを受信すると、ユーザにコンピューティングデバイス206が再使用可能モジュール250に関連付けするのを許可するかまたは許可しないよう促す通知を生成することができる。許可された場合、コンピューティングデバイス206は再使用可能モジュール250に関連付けすることができ、再使用可能モジュール250は、コンピューティングデバイス206とのワイヤレス通信204を確立することができる。許可されない場合、コンピューティングデバイス206は再使用可能モジュール250に関連付けしない場合があり、再使用可能モジュール250は、コンピューティングデバイス206とのワイヤレス通信204を確立しない場合がある。
【0161】
ワイヤレス通信204を確立するには、再使用可能モジュール250が外部電源を有することが必要になることがある。バッテリ224は、再使用可能モジュール250がセンサー240から生の患者生理学的データを受信し、生データに対して信号処理を実行して患者生理学的パラメータを算出するのに十分な電力を提供する。さらに、再使用可能モジュール250は、バッテリ224からの電力を使用し、アンテナ252を使用して、算出されたパラメータをコンピューティングデバイス206にワイヤレスに送信することができる。バッテリ224がドック222に接続されていない場合、再使用可能モジュール250は電気接点228、258を介して電力を受け取ることはできない。
【0162】
ブロック1112において、再使用可能モジュール250は、ドック222と嵌め合うことができ、バッテリ回路314および電気接点228、258を介してバッテリ224から電力を受ける。ブロック1114において、再使用可能モジュール250は、コンピューティングデバイス206とのワイヤレス通信204を確立することができる。ワイヤレス通信204は、ペアリングパラメータを使用して確立することができる。ワイヤレス通信204は、上記で説明したようにBluetooth(登録商標)を介して行うことができる。ワイヤレス通信204は、再使用可能モジュール250とコンピューティングデバイス206との間の一方向または2方向通信とすることができる。たとえば、再使用可能モジュール250は、算出された生理学的パラメータをコンピューティングデバイス206に送信することができる。コンピューティングデバイス206は、これに応じて、確認信号を再使用可能モジュール250に送り返し、算出されたパラメータが受信されたことを再使用可能モジュール250に知らせる。再使用可能モジュール250は、コンピューティングデバイス206から確認信号を受信したときに光を発生させることができる1つまたは複数の光源(たとえば、LED)を含むことができる。
【0163】
ブロック1116において、センサー240は、生の患者生理学的データを取得することができ、そのデータをケーブル230およびフレックス回路320を介してドック222に送信する。生の生理学的データは、電気接点228、258を介して再使用可能モジュール250に転送することができる。センサー240は、限定はしないが、音響センサー、ECGセンサー、EEGセンサー、呼吸音センサー(RAS)、SpO2センサーなどを含むことができる。センサー240は、1つまたは複数の異なる種類のセンサーを含むことができる。
【0164】
センサー240は、患者の様々な部位上に配置することができる。センサー240の位置は、センサー240に使用されるセンサーの種類に依存することができる。たとえば、センサー240は、一般に、脳の酸素化を監視するために患者の額に付着させるO3センサーとすることができる。別の例では、センサー240は、一般に、呼吸に関連する振動を検出するために患者の首部の気管の近くに付着させる呼吸音センサーとすることができる。
【0165】
ブロック1118において、再使用可能モジュール250のプロセッサ254は、使い捨てモジュール220のセンサー240から生の患者生理学的データを受信することができる。生の患者生理学的データはメモリ256に記憶することができる。
【0166】
ブロック1120において、再使用可能モジュール250のプロセッサ254は、生の生理学的データに対する信号処理を実行することができる。生の生理学的データに対して使用される様々な種類の信号処理には、限定はしないが、アナログ信号処理、連続時間信号処理、離散時間信号処理、デジタル信号処理、または非線形信号処理を含めることができる。たとえば、時間領域、周波数領域、および複素周波数領域などの連続時間信号処理を使用することができる。生の生理学的データに対して使用できる信号処理方法のいくつかには、限定はしないが、パッシブフィルタ、アクティブフィルタ、加法混色器、積分器、遅延線、コンパンダ、倍率器、電圧制御フィルタ、電圧制御オシレータ、位相同期ループ、時間領域、周波数領域、高速フーリエ変換(FET)、有限インパルス応答(FIR)フィルタ、無限インパルス応答(IIR)フィルタ、および適応フィルタが含まれる。そのような処理技法を使用して信号伝送、記憶効率、および主観的品質を向上させることができる。さらに、そのような処理技法を使用して生の生理学的データにおける対象成分を強調または検出することができる。雑音フィルタリングを使用して、患者の動き、電磁干渉、または周囲光に起因する雑音によって破壊された生の生理学的データを除外することができる。
【0167】
信号処理は、脈動動脈血に起因する光の吸光度を判定することができる。たとえば、パルスオキシメータは血液量プレチスモグラフ波形を生成し、血液量プレチスモグラフ波形から、数ある生理学的パラメータのうちで動脈血の酸素飽和度、脈拍数、および灌流指数を決定することができる。パルスオキシメトリの文脈では、センサー240は適応フィルタ技法を使用して、パルスオキシメータセンサーによって検出された動脈信号を非動脈雑音(たとえば、患者が動く間の静脈血の動き)から分離することができる。習慣的な患者の動き(震え、手を振ること、たたくことなど)の間、生じる雑音はかなり大きくなることがあり、たやすく従来の比率ベースのオキシメトリシステムでは対処できなくなる場合がある。これによって、患者の移動時、低灌流時、強周囲光時、および電気メス干渉時でも正確な血液酸素化測定を行うことができる。
【0168】
ブロック1122において、再使用可能モジュール250のプロセッサ254は、生の生理学的データを処理することによって患者生理学的パラメータを決定することができる。プロセッサ254は次いで、処理済みのデータおよび算出されたパラメータを、コンピューティングデバイス206に送信する前にメモリ256に記憶しておくことができる。
【0169】
処理済みデータは、たとえば、指、鼻または耳の一部、足などの体組織による光の所定の波長(波長の範囲)の減衰量を示すことができる。たとえば、所定の波長は、限定はしないが、酸素含有量(SpOC(登録商標))、酸素飽和度(SpOC2)、血糖値、総ヘモグロビン(SbHb)、メトヘモグロビン(SpMet(登録商標))、カルボキシヘモグロビン(SpCO)、バルク組織特性測定値、含水量、pH、血圧、呼吸関連情報、心臓情報、灌流指数(PI)、脳波変動指標(PVI(登録商標))などを含む、望ましい特定の生理学的パラメータデータに対応し、これらの情報をモバイルコンピューティングデバイスによって使用してユーザの状態を判定することができる。処理済みのデータは、EEG、ECG、1分当たり心拍数、呼吸音(RRa)、1分当たり呼吸数、呼気週末二酸化炭素分圧(EtCO2)、呼吸努力指数、自己心拍再会(ROSC)などの生理学的パラメータに関する情報を提供し、これらの情報を使用してユーザの生理学的状態を判定することができる。
【0170】
ブロック1124において、再使用可能モジュール250のプロセッサ254は、通信プロトコルおよびペアリングパラメータを使用してアンテナ252を介して患者生理学的パラメータをコンピューティングデバイス206に送信することができる。生の生理学的データをコンピューティングデバイス206に送信するのではなく、算出された生理学的パラメータ(たとえば、60%SpO2)を送信すると有利である場合がある。算出された生理学的パラメータと比較して、生の生理学的データは、サイズがより大きく、したがって、コンピューティングデバイス206への送信時により大きい帯域幅を必要とする。一方、算出された生理学的パラメータは、サイズをずっと小さくすることができ、送信に必要な帯域幅を小さくすることができる。したがって、生の生理学的データの代わりに患者生理学的パラメータを送信すると、使い捨てモジュール220についてバッテリ消費量を低減させバッテリ寿命を延ばすことができる。
【0171】
生理学的パラメータの送信は、NFCを介してワイヤレスに行うことができる。たとえば、生理学的パラメータの送信は、Bluetoothを介してワイヤレスに行われる。生理学的パラメータの送信はケーブルを介して行われてもよい。
【0172】
ブロック1126において、コンピューティングデバイス206は、患者生理学的パラメータを受信することができ、ディスプレイ208を使用してパラメータを表示する。上記で説明したように、コンピューティングデバイスは、限定はしないが、体温、心拍数、血中酸素濃度、血圧などを含む様々な患者生理学的パラメータを表示できるディスプレイ208を含むことができる。
【0173】
図11Bは、再使用可能モジュール250とコンピューティングデバイス206との間にワイヤレス通信を確立し、センサーアセンブリ202を使用して患者生理学的パラメータを決定し、コンピューティングデバイス206を使用して生理学的パラメータを表示する別の方法1150を示す。
【0174】
ブロック1152において、再使用可能モジュール250は、コンピューティングデバイス206とのNFC(近距離通信)を確立することができる。上記で説明したように、NFCを確立するために必要なことは、再使用可能モジュール250がコンピューティングデバイス206から所定の距離内に位置することとすることができる。上記で指摘したように、 NFCは、ドングル800の本体802と再使用可能モジュール250との間に確立することができる。
【0175】
ブロック1154において、再使用可能モジュール250は、コンピューティングデバイス206にペアリングパラメータを送信することができる。ペアリングパラメータのコンピューティングデバイス206への送信は、再使用可能モジュール250がコンピューティングデバイス206とのNFCを確立するときに行うことができる。ブロック1156において、コンピューティングデバイス206は、再使用可能モジュール250からペアリングパラメータを受信することができる。コンピューティングデバイス206はドングル800を使用してペアリングパラメータを受信することができる。たとえば、ドングル800の本体802は、ペアリングパラメータをワイヤレスに受信し、ペアリングパラメータをケーブル806およびコネクタ804を介してコンピューティングデバイス206に送信することができる。
【0176】
ブロック1158において、コンピューティングデバイス206または本体802は、ペアリングパラメータを使用して再使用可能モジュール250に関連付けすることができる。コンピューティングデバイス206または本体802は、関連付けされた後、再使用可能モジュール250からのワイヤレス通信204を待ってもよい。上記で指摘したように、ワイヤレス通信204は、Bluetooth(登録商標)を介して行うことができる。ブロック1164において、使い捨てモジュール220のセンサー240は、生理学的データを取得し、そのデータを再使用可能モジュール250に送信することができる。センサー240によって取得され再使用可能モジュール250に送信される生理学的データは、生の生理学的データとすることができる。
【0177】
ブロック1166~ブロック1174は省略可能であってもよい。ブロック1166において、再使用可能モジュールは、使い捨てモジュール220から患者生理学的データを受信することができる。ブロック1168において、再使用可能モジュール250は、患者生理学的データに対して信号処理を実行することができる。ブロック1170において、再使用可能モジュール250は、処理済みの生理学的データを使用して患者生理学的パラメータを決定することができる。ブロック1172において、再使用可能モジュール250は、再使用可能モジュール250とコンピューティングデバイス206との間に確立されたワイヤレス通信204を使用して患者生理学的パラメータを送信することができる。ドングル800の本体802は、再使用可能モジュール250から患者生理学的パラメータをワイヤレスに受信し、そのパラメータをケーブル806およびコネクタ804を介してコンピューティングデバイスに送信してもよい。ブロック1174において、コンピューティングデバイス206は、患者生理学的パラメータを受信し、そのパラメータをディスプレイ208上に表示する。
【0178】
図12は、センサーアセンブリ202を使用して患者生理学的パラメータを決定し、コンピューティングデバイス206を使用して生理学的パラメータを表示する別の方法1200を示す。
【0179】
ブロック1202において、再使用可能モジュール250のプロセッサ254は、図11のブロック1102~ブロック1120に従って使い捨てモジュール220のセンサー240から生の患者生理学的データを受信する。
【0180】
ブロック1204において、再使用可能モジュール250のプロセッサ254は、生の患者生理学的データをコンピューティングデバイス206に送信する。プロセッサ254は、アンテナ252を使用して、再使用可能モジュール250とコンピューティングデバイス206との間に確立されたワイヤレス通信204を介して生データを送信することができる。上記で説明したように、ワイヤレス通信204は、再使用可能モジュール250とコンピューティングデバイス206との間の1方向通信または2方向通信とすることができる。
【0181】
ブロック1206において、コンピューティングデバイス206は生の患者生理学的データを受信する。ブロック1208において、コンピューティングデバイス206は、生の患者生理学的データに対して信号処理を実行する。ブロック1210において、コンピューティングデバイス206は、処理済みの生の患者生理学的データを使用して患者生理学的パラメータを決定する。ブロック1212において、コンピューティングデバイス206は、決定された生理学的パラメータをディスプレイ208上に表示する。
【0182】
モバイルアプリケーション
上記で説明したように、コンピューティングデバイス206は、電話、タブレット、時計などのモバイルデバイス1300とすることができる。モバイルデバイス1300は、Bluetoothなどのワイヤレス通信プロトコルを介して再使用可能モジュール250とのワイヤレス通信を確立することのできるモバイルアプリケーションを含むことができる。
【0183】
図13Aは、再使用可能モジュール250とのワイヤレス通信を確立するためにモバイルデバイス1300(たとえば、携帯電話)上で実行されるモバイルアプリケーションを示す。モバイルアプリケーションは、近傍の再使用可能モジュール250とペアリングすることができる。一例では、ユーザはペアボタン1302を押してモバイルアプリケーションに近傍の再使用可能モジュール250を探索させることができる。モバイルアプリケーションは、画面1304を作成して近傍の再使用可能モジュール250を表示することができる。画面1304は、再使用可能モジュール250に一意のMACアドレスまたは任意の他のペアリング情報を提示することができる。モバイルアプリケーションは、ユーザの介入または入力なしで自動的に近傍の再使用可能モジュール250を探索してもよい。
【0184】
図13B図13Eは、患者パラメータを表示するモバイルアプリケーションの様々な例を示す。ホームボタン1308をトリガすると、モバイルアプリケーションに、図13Aに示すように、患者パラメータをリアルタイムに数値およびグラフ表示によって示させることができる。モバイルアプリケーションは、数値パラメータ1310(たとえば、患者のSpO2、PR BPM、およびPI測定値)をリアルタイムにまたは所定の遅延を用いて示すことができる。モバイルアプリケーションは、パラメータのリアルタイム傾向を示す患者パラメータのグラフ表示1314を示してもよい。たとえば、ユーザは、ディスプレイのSpO2部分をトリガしてモバイルアプリケーションにSpO2パラメータのリアルタイム傾向を示させることができる。
【0185】
図13Cに示すように、履歴ボタン1312をトリガすると、モバイルアプリケーションに患者健康パラメータの履歴傾向を示すグラフ表示1314を示させることができる。グラフ表示1314は、タイムスタンプを示すx軸とパラメータ値を示すy軸とを有することができる。モバイルアプリケーションは、グラフ表示1314の上または下に患者健康パラメータのリアルタイム数値を示してもよい。リアルタイム数値は、グラフ表示1314内に組み込むことができる。
【0186】
図13Dおよび図13Eに示すように、モバイルアプリケーションは、数値パラメータ1310およびグラフ表示1314の少なくとも一方をランドスケープビュー内に表示することができる。
【0187】
使い捨てモジュールを識別しならびに/または検証する方法
本明細書で説明するように、使い捨てモジュール220は、様々な種類のセンサーを含むことができるセンサーアセンブリ240を含むことができる。したがって、再使用可能モジュール250が使い捨てモジュール220を識別できると有利である場合がある。このことは、たとえば、使い捨てモジュール220のセンサーアセンブリ240がある状況、環境などに適切な所望の種類または正しい種類のセンサーを有することをチェックまたは確認するうえで有利である場合がある。さらに、再使用可能モジュール250はまた、再使用可能モジュール250が、取り付けられている使い捨てセンサーに正しいアルゴリズムまたは較正曲線を使用するように識別および/または動作パラメータを取得することができる。
【0188】
使い捨てモジュール220のメモリ、たとえば、図2Bに示すメモリ226は、図14Aに示すように動作データ1400を記憶するように構成することができる。動作データ1400は、使い捨てモジュール220に一意であってもよくまたは一意でなくてもよい。動作データは、任意の所与の時間において所与の使い捨てモジュール220に関連付けされたある種のセンサーを示す。たとえば、動作データ1400は、使い捨てモジュール220に新しいセンサー240が提供されたときに自動的に更新されてもよい。したがって、動作データ1400は、どんなセンサー240が所与の使い捨てモジュール220に関連付けされているかを正確に反映し、そのような情報をヘルスケア提供者に提供することができる。このことは、それぞれに異なる種類のセンサーが同じように見えることがある状況、またはヘルスケア提供者が、すべてのセンサーが適切に識別されていることをチェックまたは確認するのに十分な時間を有さないときに有用である場合がある。
【0189】
場合によっては、再使用可能モジュール、たとえば、図2Bに示す再使用可能モジュール250は、特定の種類のセンサーまたは特定の種類の患者健康データに関連付けされるようにプログラムされてもよい。たとえば、再使用可能モジュールは、たとえば、限定はしないが血中酸素飽和度(SpO2)を含むパルスオキオシメトリ関連データなどの患者健康データに関連付けされるようにプログラムされてもよい。したがって、再使用可能モジュールは、使い捨てモジュールに接続されたときに、使い捨てモジュールの動作データにアクセスして動作データを解析し、使い捨てモジュールに関連付けされたセンサーアセンブリまたは使い捨てモジュールのセンサーアセンブリが、たとえば再使用可能モジュールに適合するか、またはたとえば、血中酸素飽和度に関連する患者健康データを収集することができることを確認してもよい。
【0190】
使い捨てモジュール220のメモリは、センサー寿命データ1402を含んでもよい。センサー寿命データ1402は、たとえば、使い捨てモジュール220の寿命を監視するために使用されてもよい。センサー寿命データ1402は、1つまたは複数のセンサー使用情報1404およびセンサー寿命を判定するために使用できる1つまたは複数の関数を含むことができる。センサー寿命は、使い捨てモジュール220の予想動作時間を表すことができる。センサー使用情報1404のいくつかの例は、限定はしないが、センサーの使用年数、センサーの操作実働時間、センサーに供給される電流、センサーの温度、センサーが押し下げられた回数、センサーが較正された回数、センサーに電力が供給された回数などを含んでもよい。センサー寿命データ、たとえば、センサー使用情報および関数を使用してセンサー寿命を判定するシステムおよび方法の様々な例が、2006年10月12日に出願され、"SYSTEM AND METHOD FOR MONITORING THE LIFE OF A PHYSIOLOGICAL SENSOR"という名称を有する米国特許出願第11/580,214号、すなわち、2011年2月1日に発行された現在の米国特許第7,880,626号で開示されている。この特許は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている。いくつかの構成では、センサーの寿命は、センサー上に含まれるバッテリの寿命である。バッテリが切れると、センサーはバッテリ切れイベントをセンサーメモリに記録する。
【0191】
いくつかの実施形態では、センサー寿命は、患者の状態が変化するか、または使い捨てモジュール220の動作状態が変化したときに自動的に更新されてもよい。たとえば、使い捨てモジュール220によって収集された生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、患者の状態の変化、たとえば、血圧の急激な上昇および血中酸素濃度の低下が識別されることがある。本明細書で説明するように、患者状態のそのような変化を検出すると、使い捨てモジュール220が、たとえばより頻繁にまたはより高い忠実度で生理学的データを収集することがトリガされ、それによって、使い捨てモジュール220による電力消費量が増大する場合がある。別の例では、使い捨てモジュール220(およびそのセンサー要素)の温度が上昇する場合があり、使い捨てモジュール220の温度の上昇が検出されるとセンサー寿命が自動的に更新されることがある。本明細書で説明するそのような例示的な条件の下でセンサー寿命を自動的に算出して更新することによって、ヘルスケア提供者はセンサー寿命のより正確な予想にアクセスしてもよい。このことは、たとえば、患者が緊急状況を経験している可能性があり、使い捨てセンサーが、たとえば、より多くのデータポイントをより高い忠実度で収集する必要がある状況で有利である場合がある。センサー寿命を自動的に更新することによって、ヘルスケア提供者は、使い捨てモジュール220の予測動作時間を正確に監視し、追加の使い捨てモジュール220が必要になることがあるかどうかを判定してもよい。
【0192】
いくつかの実装形態では、センサー寿命は所定の時間間隔で自動的に更新されてもよい。センサー寿命を更新するための所定の時間間隔は、約1分から約1時間の間、約2分から約30分の間、約5分から約20分の間、約10分から約15分の間の範囲、または約1分、約2分、約5分、約10分、約15分、約20分、約30分、約1時間、または上記の値のうちの任意の2つの値の範囲であってもよい。
【0193】
図14Bは、使い捨てモジュールを識別または検証する例示的な方法1450を示す。ブロック1452において、使い捨てモジュールと再使用可能モジュールとの結合が検出される。再使用可能モジュールのプロセッサ、たとえば再使用可能モジュール250のプロセッサ254は、再使用可能モジュールと使い捨てモジュールとの間で送信される電子入力または信号を検出することによって再使用可能モジュールと使い捨てモジュールとの結合を検出してもよい。電子入力または信号は、患者健康データ、および/またはバッテリ、たとえば使い捨てモジュール220のバッテリ224から再使用可能モジュールまで流れる電流などとすることができる。場合によっては、コンピューティングシステム206は、たとえば、患者健康データ、および/または再使用可能モジュール250から送信されたパラメータを検出することによって、再使用可能モジュールと使い捨てモジュールとの結合を検出することができる。
【0194】
ブロック1454において、使い捨てモジュール220から動作データがアクセスされる。本明細書で説明するように、動作データはメモリ、たとえば、使い捨てモジュール220のメモリ226内に記憶することができる。いくつかの例では、プロセッサ、たとえば、再使用可能モジュールのプロセッサ254は、使い捨てモジュール220からの動作データにアクセスしてもよい。本明細書で説明するように、動作データは、動作データとセンサー寿命データとを含んでもよい。
【0195】
ブロック1456において、動作データが解析される。再使用可能モジュール250のプロセッサ254は、解析を実行してもよい。場合によっては、再使用可能モジュール250は、動作データをコンピューティングシステム206に中継してもよく、コンピューティングシステム206は動作データの解析を実行してもよい。
【0196】
ブロック1458において、使い捨てモジュール220は、動作データおよび動作データの解析に少なくとも部分的に基づいて識別される。使い捨てモジュール220の識別には、使い捨てモジュール220に関連付けされたセンサータイプの判定、使い捨てモジュールに関連付けされたセンサータイプが再使用可能モジュールの構成に対応するかどうかの判定、使い捨てモジュールに関連付けされたセンサーの寿命の判定などを含めることができる。
【0197】
他のセンサーデバイスとの通信
いくつかの実装形態では、センサーアセンブリ202は、患者監視デバイス1600などの他の監視デバイスと通信することができる。図16Aは、患者監視デバイス1600とワイヤレス通信するセンサーアセンブリ202のブロック図を示す。患者監視デバイス1600は、通信モジュール1602と、記憶デバイス1604と、センサーアセンブリ1606とを含むことができる。患者監視デバイス1600は、アクティビティトラッカ、ベッドサイドモニター、ハンドヘルドモニター、およびウェアラブルデバイスとすることができる。たとえば、患者監視デバイス1600は、心電図(ECG)、体温計、Radical(カリフォルニア州アーバインのMasimo Corporationから市販されている患者監視デバイス)、Rad(カリフォルニア州アーバインのMasimo Corporationから市販されている患者監視デバイス)、Root(カリフォルニア州アーバインのMasimo Corporationから市販されている患者監視および接続性プラットフォーム)などとすることができる。患者監視デバイス1600は、心電図、脈拍数、呼吸数、体温、血中酸素飽和度(SpO2)、灌流指数(PI)、脳波変動指標(PVi(登録商標))、総ヘモグロビン(SbHb(登録商標))、酸素含有量(SpOC(商標))、メトヘモグロビン(SpMet(登録商標))、カルボキシヘモグロビン(SpCO(登録商標))、呼吸音(RRa(登録商標))、脳波(EEG)、拡張患者状態指数(enhanced Patient State Index: PSi)周波数スペクトル密度配列(DSA)などを含む様々な種類の生理学的パラメータに関するデータを収集し、解析し、または表示してもよい。
【0198】
通信モジュール1602は、様々なデバイス、ネットワークなどとの有線通信またはワイヤレス通信を確立することができる。センサーアセンブリ1606は、たとえば患者の生理学的状態に関連または関係するデータを収集することができる。センサーアセンブリ1606は患者に直接接触してもよい。記憶デバイス1604は、センサーアセンブリ1606によって収集されたデータを記憶してもよい。
【0199】
センサーアセンブリ1606は、本明細書で説明する1種類または複数種類の生理学的データを収集することができる1つまたは複数のセンサーを含んでもよい。たとえば、患者監視デバイス1600はホルターモニターであってもよく、センサーアセンブリ1606は、たとえば患者の胴部位に取り付けることができる1本または複数のリードを含んでもよい。一例では、センサーアセンブリ1606は3本のリードを含む。別の例では、センサーアセンブリ1606は12本のリードを含む。
【0200】
いくつかの実装形態では、センサーアセンブリ202は患者監視デバイス1600と通信することができる。センサーアセンブリ202は、患者監視デバイス1600との直接通信を確立することによって患者監視デバイス1600と直接通信してもよい。代替としてならびに/または場合によっては、センサーアセンブリ202は、たとえば、ネットワーク1620(図16B参照)またはサーバを介して患者監視デバイス1600と間接的に通信してもよい。
【0201】
本明細書で説明するように、センサーアセンブリ202は、データを、たとえばワイヤレス通信を介して、たとえばコンピューティングシステム206に送信することができないときに収集された患者生理学的データを再使用可能モジュール250のメモリ256に記憶してもよい。センサーアセンブリ202は、収集されたデータを、たとえばコンピューティングシステムに送信することができない(たとえば、センサーアセンブリ202とコンピューティングデバイス206との間のワイヤレス通信が遮断されたことに起因して)と判定したときに、代替的に、収集された患者生理学的データをワイヤレス通信1608を介して患者監視デバイス1600に送信してもよい。患者監視デバイス1600は、患者生理学的データを通信モジュール1602を介して受信しそのデータを記憶してもよい。データは記憶デバイス1604に記憶されてもよい。
【0202】
患者監視デバイス1600は、センサーアセンブリ202とコンピューティングシステム206との間の通信が復元されたときに患者生理学的データをセンサーアセンブリ202に戻るように送信してもよい。いくつかの実装形態では、センサーアセンブリ202は、センサーアセンブリ202とコンピューティングシステム206との間の通信が復元されたことを示す通知を生成し、患者監視デバイス1600に送信する。患者監視デバイス1600は、センサーアセンブリ202から通知を受信したときに、記憶された患者生理学的データ(すなわち、センサーアセンブリ202が、収集されたデータを、たとえばコンピューティングシステム206に送信できないと判定したときに、患者監視デバイス1600に送信した患者生理学的データ)をワイヤレス通信1608を介してセンサーアセンブリ202に送信することができる。センサーアセンブリ202は、患者監視デバイス1600から患者生理学的データを受信したときに、そのデータをコンピューティングデバイス206に送信することができる。したがって、センサーアセンブリ202は、患者監視デバイス1600をバックアップデータ記憶デバイスとして使用することができる。
【0203】
いくつかの実装形態では、センサーアセンブリ202は1つまたは複数の患者監視デバイス1600と通信することができる。図16Bは、患者監視デバイス1600a、1600b、1600cおよびネットワーク1620とワイヤレス通信するセンサーアセンブリ202を示すブロック図を示す。センサーアセンブリ202は、患者監視デバイス1600a、1600b、1600cのうちの1つまたは複数とワイヤレス通信をいつでも確立し得る。いくつかの実装形態では、センサーアセンブリ202は、使い捨てモジュール220のバッテリ224に保存された電力を維持するために、デフォルトでは、たとえばコンピューティングシステム206と通信できるときにワイヤレス通信を確立しなくてもよい。したがって、センサーアセンブリ202は、センサーアセンブリ202とのワイヤレス通信がもはや利用可能ではなく、したがって、たとえば、患者生理学的データをコンピューティングデバイス206に送信できないと判定したときに患者監視デバイス1600a、1600b、1600cのうちの1つまたは複数とワイヤレス通信を確立してもよい。
【0204】
いくつかの実装形態では、センサーアセンブリ202は、ワイヤレス通信1610を介してネットワーク1620と通信することが可能であってもよい。本明細書で指摘するように、ネットワーク1620は、コンピューティングシステム206と通信してもよい。したがって、センサーアセンブリ202は、コンピューティングシステム206と直接通信を確立することができない場合でも、ネットワーク1620を介して間接的にコンピューティングシステム206と通信することが可能であってもよい。
【0205】
いくつかの実装形態では、患者監視デバイス1600は、ワイヤレス通信1612を介してネットワーク1620と通信してもよい。たとえば、患者監視デバイス1600a、1600b、1600cは、センサーアセンブリ202から患者生理学的データを受信したときに、そのデータをワイヤレス通信1612を介してネットワーク1620に送信してもよい。ネットワーク1620は、コンピューティングデバイス206と通信するサーバであってもよい。ネットワーク1620は、患者監視デバイス1600a、1600b、1600cから患者生理学的データを受信したときに、たとえば、そのデータを解析し、そのデータに基づいて生理学的パラメータを決定するためにデータをコンピューティングデバイス206に送信し、生理学的パラメータの表示を、たとえばディスプレイ上に生成することができる。いくつかの実装形態では、センサーアセンブリ202と患者監視デバイス1600a、1600b、1600cとネットワーク1620との間の患者生理学的データの送信は、遅延を伴って行われてもよく、または遅延なしで行われてもよい。たとえば、患者監視デバイス1600a、1600b、1600cは、センサーアセンブリ202から患者生理学的データを受信した直後にその患者生理学的データをネットワーク1620に送信してもよい。代替的に、患者監視デバイス1600a、1600b、1600cは、所定の期間が経過した後に患者生理学的データをネットワーク1620に送信してもよい。
【0206】
いくつかの実装形態では、センサーアセンブリ202は、患者生理学的データおよび患者監視デバイス1600a、1600b、1600cに対する命令を含むパケットを生成する。命令は、患者監視デバイス1600a、1600b、1600cに患者生理学的データを受信後に、たとえばコンピューティングデバイス206またはネットワーク1620に送信させることができる。別の例では、命令は、患者監視デバイス1600a、1600b、1600cに、患者監視デバイス1600a、1600b、1600cが、たとえばコンピューティングデバイス206またはネットワーク1620に接続されるまで患者生理学的データを記憶させることができる。さらに別の例では、命令は、患者監視デバイス1600a、1600b、1600cに患者生理学的データを記憶させることができる。
【0207】
いくつかの実装形態では、センサーアセンブリ202と患者監視デバイス1600a、1600b、1600cと、ネットワーク1620との間の患者生理学的データの送信は、所定の条件が満たされた場合に行われてもよい。たとえば、センサーアセンブリ202(またはセンサーアセンブリ202の再使用可能モジュール250)は、たとえばコンピューティングデバイス206またはネットワーク1620とのワイヤレス通信を所定の時間の間確立できないときに、収集された患者生理学的データを患者監視デバイス1600a、1600b、1600cのうちの1つまたは複数に送信してもよい。所定の時間(たとえば、タイマー)は、10秒、30秒、1分、2分、5分、10分、またはワイヤレス通信を確立するための試みの失敗によるデータ喪失もしくは不要な電力消費を防止するかもしくは低減させるのに十分な任意の持続時間であってもよい。
【0208】
別の例では、センサーアセンブリ202(またはセンサーアセンブリ202の再使用可能モジュール250)は、たとえばコンピューティングデバイス206またはネットワーク1620とのワイヤレス通信を確立するための試みが所定の回数失敗した後、収集された患者生理学的データを患者監視デバイス1600a、1600b、1600cのうちの1つまたは複数に送信してもよい。試みが失敗する所定の回数は、1分、2分、5分、10分、20分、またはワイヤレス通信を確立するための試みの失敗によるデータ喪失もしくは不要な電力消費を防止するかもしくは低減させるのに十分な任意の数であってもよい。
【0209】
所定の条件は、修正可能であってもよく、ユーザ(たとえば、患者)またはヘルスケア提供者(たとえば、医師)によって修正されてもよい。代替的に、ユーザ(たとえば、看護師または医師などのヘルスケア提供者)の入力または要求は、センサーアセンブリ202と患者監視デバイス1600a、1600b、1600cとネットワーク1620との間で患者生理学的データを送信させるかまたはそのような送信を可能にしてもよい。たとえば、看護師は、センサーアセンブリ202がもはやコンピューティングシステム206と通信していないと判定し、センサーアセンブリ202が患者生理学的データを患者監視デバイス1600a、1600b、1600cに送信するのを可能にするためのユーザ入力をセンサーアセンブリ202に提供してもよい。
【0210】
いくつかの実装形態では、センサーアセンブリ202と患者監視デバイス1600a、1600b、1600cとの間で優先順位方式が使用されてもよい。たとえば、センサーアセンブリ202は、患者監視デバイス1600a、1600b、1600cとネットワーク1620との間のワイヤレス通信1612に関連する接続性情報を求める要求を生成し、患者監視デバイス1600a、1600b、1600cに送信してもよい。患者監視デバイス1600a、1600b、1600cは、接続性情報を求める要求を受信したときには、それに応じて、接続性情報をセンサーアセンブリ202に戻るように送信してもよい。接続性情報は、たとえば患者監視デバイス1600a、1600b、1600cとネットワーク1620との間の接続強度に関連してもよい。
【0211】
センサーアセンブリ202は、受信された接続性情報に基づいて、患者生理学的データを送信するための患者監視デバイス(たとえば、患者監視デバイス1600c)を識別することができる。センサーアセンブリ202は、識別された患者監視デバイスに患者生理学的データを送信することができ、識別された患者監視デバイスは、本明細書で説明するようにそのデータをネットワーク1620に中継することができる。
【0212】
別の例では、優先順位方式は、バッテリステータスおよび/または記憶デバイスステータスに関係付けられてもよい。たとえば、センサーアセンブリ202は、患者監視デバイス1600a、1600b、1600cに関連するバッテリステータスおよび/または記憶デバイスステータス情報を求める要求を生成し、患者監視デバイス1600a、1600b、1600cに送信してもよい。患者監視デバイス1600a、1600b、1600cは、バッテリステータスおよび/または記憶デバイスステータス情報を求める要求を受信したときに、それに応じて、バッテリステータスおよび/または記憶デバイスステータス情報をセンサーアセンブリ202に戻るように送信してもよい。バッテリステータス情報は、(1)バッテリの充電レベル、(2)患者監視デバイス1600a、1600b、1600cの電力使用状況、および(3)センサーアセンブリ202と患者監視デバイス1600との間のデータ送信による予想電力使用量に関係してもよい。記憶デバイスステータスは、(1)利用可能なデータ記憶量、(2)センサーアセンブリ1606からの予想データ量、およびセンサーアセンブリ202からの予想データ量に関係してもよい。
【0213】
センサーアセンブリ202は、受信されたバッテリステータスおよび/または記憶デバイスステータス情報に基づいて、患者生理学的データを送信するための患者監視デバイス(たとえば、患者監視デバイス1600c)を識別することができる。センサーアセンブリ202は、識別された患者監視デバイスに患者生理学的データを送信することができ、識別された患者監視デバイスは、患者生理学的データを記憶することができる。
【0214】
患者監視デバイス1600a、1600b、1600cを使用すると、患者生理学的データの取り扱い、記憶、およびコンピューティングデバイス206への送信についての融通性を向上させることが可能になる場合がある。たとえば、患者監視デバイス1600a、1600b、1600cは、センサーアセンブリ202よりも長いバッテリ寿命および/またはセンサーアセンブリ202よりも大きいデータ記憶容量を有する場合がある。患者監視デバイスに患者生理学的データを送信することによって、たとえば、センサーアセンブリ202とコンピューティングシステム206との間のワイヤレス通信が復元されるまでの記憶用の患者監視デバイス1600a、1600b、1600cは、より多い量のデータを回復することが可能になる場合がある。さらに、患者監視デバイス1600a、1600b、1600cを使用すると、患者監視デバイス1600a、1600b、1600cが、センサーアセンブリ202と患者監視デバイス1600a、1600b、1600cとの間のワイヤレス通信1608および患者監視デバイス1600a、1600b、1600cとネットワーク1620との間のワイヤレス通信1612を介した、センサーアセンブリ202とコンピューティングデバイス206との間のデータ(たとえば、患者生理学的データ)の送信用の追加の経路を構成するので、データ送信についての融通性が向上する場合がある。
【0215】
図16Cは、センサーアセンブリ202によって患者生理学的データを送信するための例示的な方法1630を示す。方法1630は、センサーアセンブリ202(もしくは再使用可能モジュール250のプロセッサ254)またはセンサーアセンブリ202と通信する任意のデバイスによって実施されてもよい。ブロック1632において、センサーアセンブリ202は第1のワイヤレス通信を確立することを試みる。第1のワイヤレス通信は、センサーアセンブリ202と、たとえばコンピューティングデバイス206またはネットワーク1620との間の通信とすることができる。
【0216】
ブロック1634において、センサーアセンブリ202は、たとえばセンサーアセンブリ202とコンピューティングシステム206またはネットワーク1620との間に第1のワイヤレス通信が確立されているかどうかを判定する。センサーアセンブリ202は、第1のワイヤレス通信が確立されていると判定した場合、ブロック1636において、患者生理学的データを、たとえば第1のワイヤレス通信を介してコンピューティングシステム206またはネットワーク1620に送信する。センサーアセンブリ202は、第1のワイヤレス通信が確立されていないと判定した場合、所定の条件が満たされているかどうかを判定する。本明細書で説明するように、所定の条件は、限定はしないが、センサーアセンブリ202が、たとえばコンピューティングシステム206またはネットワーク1620との第1のワイヤレス通信を確立する試みを所定の回数失敗したかどうか、またはセンサーアセンブリ202が、たとえばコンピューティングシステム206またはネットワーク1620との第1のワイヤレス通信の確立に失敗してから所定の時間が経過したかどうかを含む。
【0217】
センサーアセンブリ202は、所定の条件が満たされていないと判定した場合、ブロック1632においてワイヤレス通信を確立することを試みる。代替的に、センサーアセンブリ202は、所定の条件が満たされていると判定した場合、ブロック1640において、たとえば患者監視デバイス1600a、1600b、1600cとの第2のワイヤレス通信を確立することを試みる。ブロック1642において、センサーアセンブリ202は、第2のワイヤレス通信が確立されているかどうかを判定する。第2の通信が確立されている場合、センサーアセンブリ202は、患者生理学的データを、たとえば第2のワイヤレス通信を介して患者監視デバイス1600a、1600b、1600cに送信する。しかし、第2のワイヤレス通信が確立されていない場合、センサーアセンブリ202は、ブロック1632において第1のワイヤレス通信を確立することを試みる。場合によっては、センサーアセンブリ202は、第2のワイヤレス通信が確立されていないと判定したときに、第1のワイヤレス通信を確立することを試みる代わりに、患者生理学的データをメモリ256に記憶してもよい。
【0218】
図16Dは、患者生理学的データを患者監視デバイスに送信するための例示的な方法1650を示す。ブロック1652において、センサーアセンブリ202は、ネットワーク接続性情報を求める要求を1つまたは複数の患者監視デバイス(たとえば、患者監視デバイス1600a、1600b、1600c)に送信する。1つまたは複数の患者監視デバイスは、センサーアセンブリ202に近接してもよい。1つまたは複数の患者監視デバイスは、患者に結合されてもよく、または結合されなくてもよい。
【0219】
ブロック1654において、センサーアセンブリ202は、1つまたは複数の患者監視デバイスから要求されたネットワーク接続性情報を受信する。本明細書で説明するように、ネットワーク接続性情報は、たとえば、1つまたは複数の患者監視デバイスと、たとえばネットワーク1620との間のネットワーク接続強度に関連してもよい。ブロック1656において、センサーアセンブリ202は、ネットワーク接続性情報に基づいて第1の患者監視デバイスを識別する。たとえば、患者生理学的データの中断がなく、信頼性が高く、しかも高速のワイヤレス送信を実現するために、センサーアセンブリ202は、たとえばネットワーク1620またはコンピューティングデバイス206との最も強度が高く最も信頼性が高いネットワーク接続を有する患者監視デバイスを識別してもよい。
【0220】
ブロック1658において、センサーアセンブリ202(または再使用可能モジュール250のプロセッサ254)は、第1の患者監視デバイス(すなわち、ブロック1656において識別された患者監視デバイス)とのワイヤレス通信を確立してもよい。ブロック1660において、センサーアセンブリ202は、第1の患者監視デバイスに患者生理学的データを送信してもよい。本明細書で説明するように、第1の患者監視デバイスはその後、データをネットワーク1620に送信してもよい。
【0221】
図16Eは、患者生理学的データを患者監視デバイスに送信するための例示的な方法1670を示す。ブロック1672において、センサーアセンブリ202は、動作データを求める要求を1つまたは複数の患者監視デバイス(たとえば、患者監視デバイス1600a、1600b、1600c)に送信する。1つまたは複数の患者監視デバイスは、センサーアセンブリ202に近接してもよく、または近接しなくてもよい。1つまたは複数の患者監視デバイスは、患者に結合されてもよく、または結合されなくてもよい。
【0222】
ブロック1674において、センサーアセンブリ202は、要求された動作データ情報を1つまたは複数の患者監視デバイスから受信する。本明細書で説明するように、動作データは、(1)バッテリ充電レベル、(2)電力消費レベル、および(3)データ送信による予想電力使用量に関連してもよい。ブロック1676において、センサーアセンブリ202は、バッテリステータス情報に基づいて第1の患者監視デバイスを識別する。たとえば、記憶される患者生理学的データの量を最大にするために、センサーアセンブリ202は、最大バッテリ充電量、最低電力使用量、および/またはデータ送信による最低予想電力使用量を有する患者監視デバイスを識別する。
【0223】
ブロック1678において、センサーアセンブリ202(または再使用可能モジュール250のプロセッサ254)は、第1の患者監視デバイス(すなわち、ブロック1676において識別された患者監視デバイス)とのワイヤレス通信を確立してもよい。ブロック1680において、センサーアセンブリ202は、患者生理学的データを第1の患者監視デバイスに送信してもよい。本明細書で説明するように、第1の患者監視デバイス1600はその後、データをネットワーク1620に送信してもよい。
【0224】
ヘルスケア提供者へのデータ送信
いくつかの実装形態では、センサーアセンブリ202の再使用可能モジュール250の通信モジュール252は任意であり、再使用可能モジュール250は通信モジュール252を含まなくてもよい。したがって、再使用可能モジュール250は、近傍のデバイス、ルータ、アクセスポイントなどとのワイヤレス通信を確立しなくてもよく、たとえばコンピューティングシステム206またはネットワーク1620に患者生理学的データを送信しなくてもよい。通信モジュール252がない場合、再使用可能モジュール250は、使い捨てモジュール220のセンサー240から生理学的データを受信し、そのデータを、たとえばメモリ256に記憶してもよい。そのような構成は、ずっと大きいメモリを含み、通信モジュール252が数日、たとえば3日~7日間の連続的な監視についての高忠実度データを記憶するのを可能にすることができる。この構成は有利には、患者生理学的データを、たとえば通信モジュール252を介してコンピューティングシステム206にワイヤレスに送信する代わりに、患者生理学的データをメモリ256に記憶することにより電力消費量を低減させることによって、再使用可能モジュール250がより長い期間の間動作するのを可能にする。
【0225】
いくつかの実装形態では、再使用可能モジュール250は、無効化することができる通信モジュール252を含む。たとえば、ヘルスケア提供者または患者自身は、通信モジュール252の機能を無効化し、センサーアセンブリ202から、たとえばコンピューティングシステム206またはネットワーク1620への患者生理学的データのワイヤレス送信を妨げることが可能であってもよい。本明細書で説明するように、患者生理学的データのそのようなワイヤレス送信は、限定はしないが、Wi-Fi、ZigBee、Lo-Fi、Bluetooth(登録商標)、Zwave、MiWI、近距離通信(NFC)などを含むワイヤレス通信プロトコルを介して送信されてもよい。いくつかの実装形態では、通信モジュール252の機能はリモートで有効化または無効化することができる。
【0226】
場合によっては、再使用可能モジュール250(または再使用可能モジュール250のプロセッサ254)は、メモリ256の記憶容量が所定の条件を満たすと判定したときに通知を生成して提供してもよい。たとえば、所定の条件は、メモリ256において利用可能なストレージの割合(たとえば、利用可能なストレージの10%以下)であってもよい。別の例では、所定の条件は、センサーアセンブリ202がデータを収集してメモリ256に記憶することができる推定持続時間(たとえば、1日以下分の患者生理学的データ)であってもよい。
【0227】
通知は、(たとえば、患者の家庭における)センサーアセンブリ202を使用して患者に与えられてもよく、またはセンサーアセンブリ202にアクセスできるヘルスケア提供者に与えられてもよい。センサーアセンブリ202(たとえば、再使用可能モジュール250または使い捨てモジュール220)は、メモリ256の記憶容量に関する通知を表示できるLEDまたはディスプレイを有することができる。追加または代替として、センサーアセンブリ202(または再使用可能モジュール250のプロセッサ254)は、たとえば、ヘルスケア提供者のコンピューティングデバイスに、たとえばネットワーク1620またはコンピューティングデバイス206を介して通知を送信することができる。通知は、メモリ256がたとえば、ほとんど満杯であることを患者またはヘルスケア提供者に示すメッセージを含むことができる。通知は有利には、センサーアセンブリ202を使用する患者がたとえば、患者生理学的データが記憶された再使用可能モジュール250をヘルスケア提供者に送り、ならびに/または別の再使用可能モジュール250を要求するのを可能にし、あるいはヘルスケア提供者が、交換する必要のある再使用可能モジュール250を有する患者を識別するのを可能にする。ヘルスケア提供者は、交換する必要のある再使用可能モジュール250を有する患者を識別した後、その患者と連絡をとり、ヘルスケア施設、たとえば病院を訪れて再使用可能モジュール250を提出して新しい再使用可能モジュール250を受け取るか、または交換する必要のある再使用可能モジュール250を、たとえば郵便を介してヘルスケア施設に送るよう指示することができる。
【0228】
図17は、再使用可能モジュール250とユーザコンピューティングデバイス1750との間の例示的な環境1700を示す。図17に示す例では、再使用可能モジュール250は、端末1710およびケーブル1720を介してユーザコンピューティングデバイス1750に接続することができる。ユーザコンピューティングデバイス1750は、デスクトップコンピュータ、タブレット、ラップトップコンピュータ、モバイル通信デバイスなどを含むことができる。
【0229】
ケーブル1720は、端末1710とユーザコンピューティングデバイス1750との間のデータの送信を可能にすることができる。いくつかの実装形態では、ケーブル1720は任意であり、端末1710はユーザコンピューティングデバイス1750とワイヤレスに通信することができる。
【0230】
端末1710は、再使用可能モジュール250との通信を受信し確立することができる。いくつかの実装形態では、端末1710は、再使用可能モジュール250との通信を検出し、再使用可能モジュール250から端末1710への患者生理学的データ(すなわち、再使用可能モジュール250のメモリ256に記憶された患者生理学的データ)の転送を開始することができる。代替的に、再使用可能モジュール250(または再使用可能モジュール250のプロセッサ254)は、端末1710との通信を検出し、再使用可能モジュール250から端末1710への患者生理学的データ(すなわち、再使用可能モジュール250のメモリ256に記憶された患者生理学的データ)の転送を開始することができる。
【0231】
いくつかの実装形態では、ユーザ入力は、再使用可能モジュール250と端末1710との間でデータ転送を行わせるかまたは可能にしてもよい。たとえば、端末1710は、再使用可能モジュール250との接続を検出し、ユーザコンピューティングデバイス1750に通知を送る。通知は、再使用可能モジュール250と端末1710(および/またはユーザコンピューティングデバイス1750)との間のデータ転送を求める要求を含み、データ転送を許可するかまたは拒否するためのユーザ入力を促す。ユーザが、データ転送を許可するユーザ入力を提供した場合、再使用可能モジュール250と端末1710との間のデータ転送を行うことができる。ユーザが、データ転送を拒否するユーザ入力を提供した場合、再使用可能モジュール250と端末1710との間のデータ転送は行われない場合がある。端末1710は、再使用可能モジュール250から患者生理学的データを受信した後、そのデータをユーザコンピューティングデバイス1750に中継することができる。
【0232】
図17に示すように、ユーザコンピューティングデバイス1750はネットワーク1620に接続することができる。ユーザコンピューティングデバイス1750は、再使用可能モジュール250から受信されたデータをさらに解析、処理、または記憶することができるようにネットワーク1620に送信することができる。
【0233】
ユーザコンピューティングデバイス1750は、センサーアセンブリ202を使用する患者からリモートに位置してもよい。本明細書で説明するように、患者は、リモートに患者を監視するためのヘルスケア施設、たとえば病院からリモートに位置してもよい。患者のそのようなリモート監視は、患者とヘルスケア提供者との間でCOVID-19などの病気が伝染する可能性を低減させるかまたはなくすうえで有利である場合がある。いくつかの実装形態では、ユーザコンピューティングデバイスは、患者のデスクトップコンピュータ、タブレット、ラップトップコンピュータ、またはモバイル通信デバイス、たとえばスマートフォンとすることができる。したがって、端末1710は、患者の、たとえばデスクトップコンピュータに近接して位置することができる。端末1710は、本明細書で説明するように、センサーアセンブリ202と患者のデスクトップコンピュータとの間の患者生理学的データの転送を容易にすることができ、患者のデスクトップコンピュータはその後、データをネットワーク1620に送信することができる。そのような設定は有利には、たとえば、患者が自分のセンサーシステム202をヘルスケア提供者に送るか、または患者が自分のヘルスケア提供者を訪れてセンサーシステム202を提出することによって生じる遅延を防止することができる。さらに、これにより、患者の家庭へのデータ送信を可能にし、それによって、場合によっては汚染された再使用可能モジュール250がヘルスケア施設(たとえば、病院)に送られるか、またはヘルスケア施設に入るのを防止することで、COVID-19などの病気が伝染する可能性をさらに低減させることができる。
【0234】
用語
本開示から、本明細書で説明した以外の多数の変形実施形態が明らかになろう。たとえば、実施形態に応じて、本明細書で説明するアルゴリズムのいずれかのある行為、イベント、または機能を異なる順序で実施することができ、これらを完全に追加、混合、または除外することができる(たとえば、アルゴリズムの実施に説明したすべての行為またはイベントが必要であるとは限らない)。さらに、いくつかの実施形態では、たとえば、マルチスレッド処理、割り込み処理、または複数のプロセッサもしくはプロセッサコア、または他の並列アーキテクチャによって、行為またはイベントを連続的ではなく同時に行うことができる。さらに、一緒に働くことができる様々な機械および/またはコンピューティングシステムによって様々なタスクまたはプロセスを実行することができる。
【0235】
本明細書で開示した実施形態に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装することができる。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、上記では、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、およびステップについてその機能に関連して概略的に説明した。そのような機能がハードウェアとして実装されるかそれともソフトウェアとして実装されるかは、システム全体に課される特定の適用および設計上の制約に依存する。説明した機能は、特定の各用途について様々な方法で実施することができるが、そのような実装上の決定は、本開示の範囲からの逸脱を生じさせるものとして解釈すべきではない。
【0236】
本明細書で開示した実施形態に関連して説明した様々な例示的な論理ブロックおよびモジュールは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートもしくはトランジスタ論理、離散ハードウェア構成要素、または本明細書で説明した機能を実行するように設計された上記の要素の任意の様々な組合せなどの機械によって実装または実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとすることができるが、代替実施形態では、このプロセッサは、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態マシン、それらの組合せなどとすることができる。プロセッサは、コンピュータ実行可能な命令を処理するように構成された電気回路を含むことができる。別の実施形態では、プロセッサは、FPGA、またはコンピュータ実行可能命令を処理することなく論理演算を実行する他のプログラマブルデバイスを含む。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、1つもしくは複数のマイクロプロセッサとDSPコアの併用、または任意の他のそのような構成として実装することもできる。コンピューティング環境は、限定はしないが、マイクロプロセッサ、メインフレームコンピュータ、デジタル信号プロセッサ、ポータブルコンピューティングデバイス、デバイスコントローラ、または電化製品内の計算エンジンなどに基づくコンピュータシステムを含む任意の種類のコンピュータシステムを含むことができる。
【0237】
本明細書で開示した実施形態に関連して説明した方法、プロセス、またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアにおいて直接具現化することもでき、1つまたは複数のメモリデバイスに記憶され1つまたは複数のプロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて具現化することもでき、またはその2つの組合せにおいて具現化することもできる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD ROM、または任意の他の形態の非一時コンピュータ可読記憶媒体、メディア、または当技術分野で知られている物理的コンピュータストレージに存在することができる。例示的な記憶媒体をプロセッサに結合し、それによって、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるようにすることができる。代替実施形態では、記憶媒体はプロセッサと一体化することができる。記憶媒体は、揮発性とすることもでき、または不揮発性とすることもできる。プロセッサおよび記憶媒体はASICに存在することができる。
【0238】
特に「することができる」、「する場合がある」、「してもよい」、「たとえば」など、本明細書で使用する条件付き言語は、特に明記しない限り、または使用される文脈内で他の理解がなされない限り、一般に、いくつかの実施形態がある特徴、要素、および/または状態を含み、他の実施形態がそれらの特徴、要素、および/または状態を含まないことを伝えることを意図している。したがって、そのような条件付き言語は一般に、特徴、要素、および/もしくは状態が1つもしくは複数の実施形態に必要とされることを暗黙的に意味することを意図するものでもなく、あるいは著者の入力または指示の有無にかかわらず、これらの特徴、要素、および/もしくは状態が含まれるか、またはそれらを任意の特定の実施形態において実行すべきかどうかを決定するための論理を1つもしくは複数の実施形態が必然的に含むことを暗黙的に意味することを意図するものでもない。「備える」、「含む」、「有する」などの用語は、同義であり、オープンエンド式に包含的に使用され、追加の要素、特徴、行為、動作などを除外しない。さらに、「または」という用語は、その包含的な意味で使用され(排他的な意味ではなく)、それによって、「または」という用語は、要素のリストを接続するために使用されるときには、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、またはすべてを意味する。さらに、本明細書で使用する「各々」という用語は、その通常の意味を有するだけでなく、「各々」という用語が適用される要素のセットの任意のサブセットを意味することができる。
【0239】
上記の詳細な説明では、様々な実施形態に適用される新規の特徴について示し、説明し、指摘したが、例示したシステム、デバイス、または方法の形態および詳細の様々な省略、置換、および変更を開示の趣旨から逸脱せずに施せることが理解されよう。認識されるように、本明細書で説明するいくつかの実施形態は、本明細書に記載された特徴および利益のすべてを提供するとは限らない形態内で具現化することができる。その理由は、いくつかの特徴は、他の特徴とは別個に使用または実施することができるからである。
【0240】
本明細書における用語「および/または」は、その最も広義で最も限定的でない意味を有し、すなわち、本開示は、Aのみ、Bのみ、AとBの両方、またはAもしくはBのいずれかを含むが、AとBの両方を必要とするとは限らず、また1つのAまたは1つのBを必要とするとは限らない。本明細書では、A、B、「および」C「のうちの少なくとも1つ」という句は、非排他的論理ORを使用して、論理AまたはBまたはCを意味すると解釈すべきである。
【0241】
本明細書で説明する装置および方法は、1つまたは複数のプロセッサによって実行される1つまたは複数のコンピュータプログラムによって実装されてもよい。コンピュータプログラムは、非一時的有形コンピュータ可読媒体上に記憶されたプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムは、記憶されたデータを含んでもよい。非一時的有形コンピュータ可読媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリ、磁気ストレージ、および光学ストレージである。
【0242】
上記の開示は、いくつかの好ましい実施形態に関して説明したが、当業者には、本明細書の開示から他の実施形態が明らかになろう。さらに、当業者には本明細書の開示に鑑みて他の組合せ、省略、置換、および修正が明らかになろう。したがって、本発明は、好ましい実施形態の説明によって限定されるものではなく、特許請求の範囲を参照することによって定義すべきである。
【符号の説明】
【0243】
100 センサーシステム
106、206 コンピューティングデバイス、コンピューティングシステム
110 患者
130、230、230A ケーブル
140A、140B、140C、140D、240、240A、240B、340 センサー
202 センサーシステム、センサーアセンブリ
202A、202B、202C、202D センサーアセンブリ
204 ワイヤレス通信、第1のワイヤレス通信
208 ディスプレイ
220 使い捨てモジュール、使い捨てデバイス
220A 使い捨てモジュール
222、222A、222B ドック
224 バッテリ
226 メモリ
228 電気接点
242 エミッタ
244 検出器
250 再使用可能モジュール、再使用可能ドングル
250A、250B、250C、250D 再使用可能モジュール
252 アンテナ
254 プロセッサ
256 メモリ
258 電気接点
300、300A、300B ハウジング
302 ストラップループ
304、304A、304B リテーナ
306 ケーブルリテーナ
308 ストラップ
310 ファスナ
310a、310b 電気接点
314 バッテリ回路
316 支持プレート
318 カバー
320 フレックス回路
322 溝
324 突起
326 脚部
328 長穴
330 ガスケット
331 くぼみ
332 開口部
360 支持体
362 開口部
500 延長部
600 細長い部材
602 先端
604 開口部
606 電気接点
608 本体
700 第1のストラップ
700A、700B、700C ストラップ
702 第2のストラップ
704 開口部
706、706A、706B ファスナ
708、708A 延長部、エクステンダ
710 フック
712 手袋
750 医療バンド
752 患者識別情報
754 バーコード
756 薬剤情報
800 ドングル
802 本体
804 コネクタ
806 ケーブル
808 溝
850 ホルダ
940 長穴
1300 モバイルデバイス
1302 ペアボタン
1304 画面
1308 ホームボタン
1310 数値パラメータ
1312 履歴ボタン
1314 グラフ表示
1400 動作データ
1402 センサー寿命データ
1404 センサー使用情報
1408 関数
1500、1500B バックアップ電力デバイス
1500A バックアップ電力デバイス、バックアップ電源
1502 ホルダ
1600、1600a、1600b、1600c 患者監視デバイス
1602 通信モジュール
1604 記憶デバイス
1606 センサーアセンブリ
1608 ワイヤレス通信
1610 ワイヤレス通信
1612 ワイヤレス通信
1620 ネットワーク
1700 環境
1710 端末
1720 ケーブル
1750 コンピューティングデバイス
H1、H2 高さ
L1、L2 相対位置
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図7J
図7K
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図17
【国際調査報告】