(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-16
(54)【発明の名称】モジュール式伸縮可能台車
(51)【国際特許分類】
B62B 3/02 20060101AFI20230609BHJP
B62B 5/00 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
B62B3/02 C
B62B5/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570230
(86)(22)【出願日】2020-11-17
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 EP2020082424
(87)【国際公開番号】W WO2021233566
(87)【国際公開日】2021-11-25
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522447484
【氏名又は名称】ラウダーニ,カルメーロ
【氏名又は名称原語表記】LAUDANI, Carmelo
(71)【出願人】
【識別番号】522447495
【氏名又は名称】ラウダーニ,シルヴィア
【氏名又は名称原語表記】LAUDANI, Silvia
(71)【出願人】
【識別番号】522447509
【氏名又は名称】カンポキアーロ,マッシモ
【氏名又は名称原語表記】CAMPOCHIARO, Massimo
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ラウダーニ,カルメーロ
(72)【発明者】
【氏名】ラウダーニ,シルヴィア
(72)【発明者】
【氏名】カンポキアーロ,マッシモ
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050BB02
3D050CC04
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
(57)【要約】
モジュール式伸縮可能台車(100)は、積み下ろしフロアの前部モジュール(1)と、積み下ろしフロアの後部モジュール(2)と、前部モジュール(1)と後部モジュール(2)との間の接続モジュール(3)と、台車を移動させるための4つの車輪(4,40,4’,40’)と、台車に方向を与えるドローバー(10)と、台車の列に更なる台車を係止するための牽引フック(11)とを含んでおり、積み下ろしフロアの前部モジュール(1)及び後部モジュール(2)は伸縮可能である側部(1’,1’’,2’,2’’)を有しており、前記接続モジュール(3)は台車(100)自身の寸法を変化させるように伸縮可能である長手方向部分(3’)を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み下ろしフロアの前部モジュール(1)と、
前記積み下ろしフロアの後部モジュール(2)と、
前記前部モジュール(1)と前記後部モジュール(2)との間の接続モジュール(3)と、
台車の移動用の4つの車輪(4、40、4’、40’)と、
前記台車に方向を与えるドローバー(10)と、
台車の列にさらなる台車を係止するための牽引フック(11)と
を含み、
前記積み下ろしフロアの前記前部モジュール(1)及び前記後部モジュール(2)が、伸縮可能な側部(1’、1’’、2’、2’’)を有しており、前記接続モジュール(3)が前記台車(100)自身の寸法を変化させるように伸縮可能である長手方向部分(3’)を有している、ことを特徴とするモジュール式伸縮可能台車(100)。
【請求項2】
前記台車のプッシュハンドル(5)と、前記台車に対して方向に引き寄せるためのドローバー(10)とをさらに有している、
請求項1に記載の台車(100)。
【請求項3】
前記積み下ろしフロアの前部モジュール(1)及び前記後部モジュール(2)は、左右の側端部付近に支持面(13)を有している、
請求項1又は2に記載の台車(100)。
【請求項4】
前記接続モジュール(3)は、前記モジュール(3)自身の伸縮長さを決定するための、位置リーダ(6)及び寸法スケール(7)を有している、
請求項1~3のいずれか1つに記載の台車(100)。
【請求項5】
横方向部分(1’、1’’及び2’、2’’)の伸長は、前記積み下ろしフロアの前記前部モジュール(1)及び前記後部モジュール(2)の内部に位置する関節式システム(8)によってなされる、
請求項1~4のいずれか1つに記載の台車(100)。
【請求項6】
前記関節式システム(8)は、互いに関節で接続された複数のクランク要素(8’)および複数の機構(8’’)を有している、
請求項5に記載の台車(100)。
【請求項7】
前記クランク要素(8’)は、取り外し可能なクランクを挿入し又はその端部に工具(14)を挿入し又はドッキングステーション(15)によって動かされる、端部クランク要素(8’’’)に関節で接続されている、
請求項6に記載の台車(100)。
【請求項8】
前記第1軸(Y)に沿った前記前部モジュール(1)の前記伸縮可能な部分(1’,1’’)の伸長及び前記後部モジュール(2)の前記伸縮可能な部分(2’,2’’)の伸長と、前記第2軸(X)に沿った前記接続モジュール(3)の伸縮可能な部分(3’)の伸長は、互いに噛み合うネジ要素(7’)及びナットネジ要素(7’’)を有するウォームネジ機構(7)によってなされる、
請求項1~7のいずれか1つに記載の台車9(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、革新的なモジュール式伸縮可能台車に関する。このタイプの台車の技術分野は、特定の産業用ビンまたは収集手段(頭文字「MDR」とも特定される)を使用する産業の分野である。前記収集手段は、電動式または手で押される台車列によって、生産チャネルまたは組立ラインに沿って、任意の進行方向に搬送される。
【背景技術】
【0002】
本技術の現状では、台車は、標準化された大きさの産業上の物体の運搬に関して知られている。通常、これらの台車は、長さと高さの両方が標準より大きく、台車自体よりさらに大きい寸法のMDRの輸送にも使用される。台車上のMDRの安定性、その結果としての台車を扱う人員の安全性の観点から、したがって、これらの状況は著しい不利益を伴う。
【0003】
したがって、搬送されるべきMDRは寸法が異なるので、台車は搬送される産業上のMDRに応じて寸法を変えることができなければならない。さらに、これらの搬送は任意の方向に容易に操作できることが重要である。
【0004】
また、ロバスト性と極めて高い操作性という特性を維持しながら、極めて扱いやすく、サイズや進行方向を容易にかつ極めて効率的に変更できる、連結可能であり且つモジュール式の伸縮可能である台車は知られていない。
【0005】
したがって、複数のサイズの産業上のMDRを安全かつ容易に支持及び搬送し、その重量を搬送する台車に均等に分散できるように、2つのサイズに伸縮できるモジュール式台車を画定する必要がある。
【0006】
また、本発明のモジュール式伸縮台車の目的は、2つの寸法に調整可能であるため、非常に汎用性が高く、したがって、複数の方法で使用することができ、その結果、少量の購入で済むため、その購入のための投資を低減する。さらに、上述した同じ理由のため、保管スペースも少なくて済む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、したがって、極めて簡単かつ効率的な方法で両方の寸法に伸縮できることを特徴とするモジュール式台車を提供することである。さらに、このモジュール式台車は、その特定の特性のおかげで、同じ台車の様々に形態を可能とする。
【0008】
本発明の目的は、多様な寸法の産業上のMDRを搬送するため台車の寸法を変更するという不可能性の技術的課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
有利なことに、革新的なモジュール式台車の寸法変更は、台車自体の構造に組み込まれた機構によって、極めて簡単な方法で行われる。このような機構は、既知のタイプのもののうち、例えば、ウォームネジ機構、ギアホイール、又は関節式ロッドクランクシステムなどであってもよい。さらに、モジュール式台車を構成するモジュールは、MDRの搬送に必要な形態に応じて容易に取り替えることができる。
【0010】
これら及び他の目的と利点は、本発明によれば、添付の独立請求項に提示される特徴を有する、モジュール式伸縮可能台車によって達成される。
【0011】
本発明を実施するためのさらに好ましい及び/又は特に有利な方法は、付属の従属請求項に提示された特徴に応じて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係るクローズド形態のモジュール式台車の不等角投影図法による全体図である。
【
図2】
図2は、Y軸に沿って伸縮可能である、
図1のモジュール式台車の不等角投影図である。
【
図3】
図3は、クローズド形態に係る
図1のモジュール式台車の平面図である。
【
図4】
図4は、X軸に沿って伸縮可能である、オープン形態に係る、
図1のモジュール式台車の平面図である。
【
図5】
図5は、
図1のモジュール式台車の中央部のX軸方向に沿った伸縮機構の断面図である。
【
図6】
図6は、本発明に係るモジュール式台車の作動機構の詳細を示す。
【
図7】
図7は、本発明に係る台車を係止するステーションを示す。
【
図8A】
図8Aは、
図1のモジュール式台車の横方向搬送機構の不等角投影図を示す。
【
図8B】
図8Bは、
図1のモジュール式台車の横方向搬送機構の不等角投影図を示す。
【
図10】
図10は本発明に係るモジュール式台車の横方向伸縮機構の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は非限定の実施の例を図示する添付の図面を参照して説明される。
【0014】
上記の図を参照して、本発明は、積み下ろし面の前部モジュール1と、積み下ろし面の後部モジュール2と、ここで上記モジュール1、2は好ましいが排他的ではない入れ子式タイプのモジュール式接合部3によって互いに連結されており、その移動用の4つの車輪4、40、4’、40’を有する、モジュール式伸縮可能台車100に関する。特に、2つの前輪4、4’は、積み下ろし面の前部モジュール1に接続されており、2つの後輪40、40’は、積み下ろし面の後部モジュール2に接続されている。4つの車輪4、40、4’、40’は、固定式、旋回式、制動式、および同様のものなど、様々なタイプのものを使用することができる。
【0015】
有利なことに、
図8Aおよび
図8Bに示されるように、前輪4、4’は旋回するように動作自在である一方で2つの後輪40、40’は進行方向に従い、後者は操舵されてもよい。
【0016】
モジュール式台車100はまた、複数の付属品、例えば任意の形状またはサイズのプッシュハンドル5と、台車の動きを指示するためのドローバー10と、台車の列による移動のために、さらなる台車100または電気機関車を係止するための任意の形状またはサイズの牽引フック11とを含んでいる。
【0017】
本発明の実施形態では、台車100は、ドローバー10の下部に配置されたペダルによって操作される搬送ユニット12を備え、搬送ユニット12によって台車100の進行方向を変更することが可能であり、すなわち台車100を前方向及び後方向の両方と、右方向および左方向の両方とに90°回転させることができる。この90°回転させた位置で、台車100は専ら手で使用される。
【0018】
有利なことに、台車100は、移動スペースが減少した作業領域や制限された領域でさえも容易に配置できるように、1回の操作で横方向に移動させることができる。台車100の操舵は、台車100を移動させることなく実施される。
【0019】
さらに、接続モジュール3は、
図9に示されるように、モジュール3自体の伸縮長を正確に決定するための位置リーダ6と寸法スケール7とを有している。
【0020】
本明細書を通じて、台車100の前側とは、ドローバー10及び/又はプッシュハンドル5が位置する、積み下ろし面の前部モジュール1に対する近位側を意味し、後側とは、積み下ろし面の前部モジュール1に対する一方の遠位側にあるものを意味する。一方、台車100の左側および右側は、台車の後方に位置し、プッシュハンドル5を保持する作業者の手足にそれぞれ対応する側を意味すると理解される。ドローバーまたはプッシュハンドルがない場合、前側は旋回する車輪が位置する側である。
【0021】
図2に示されるように、積み下ろし面の前部モジュール1と積み下ろし面の後部モジュール2は、左右の側端部付近に支持面13を有し、車輪4、40、4’、40’と共に台車100のKgにおける容量を決定している。台車の容量は、したがって、特定の必要性に応じて、使用される車輪4、40、4’、40’の容量によって決定される。
【0022】
積み下ろし面の前部モジュール1は、第1部分1’と第2部分1’’とを有しており、積み下ろし面の後部モジュール2は、第1部分2’と第2部分2’’とを有しており、これらは、使用の必要性に応じてそのサイズを増加させまたは減少させて、第1軸Yに沿って横方向に延びることができる。
【0023】
第1軸Yに沿った、前部モジュール1の部分1’、1’’および後部モジュール2の部分2’、2’’の伸縮は、既知のタイプであるので添付図には示されていない、例えばモジュールの内部に位置しており容易な伸縮を可能とする、ウォーム、ギアホイールおよびレバーなどの関節式機械システムによって達成される。
【0024】
機械システムの動作は、例えば、
図6に示される、特別なブッシュを有するドリル又はドライバなどの例えば電池駆動工具14の助けを借りて、あるいは、
図7に示される、その上に位置する台車100と直接に相互作用する、電気的に作動するギアモータを装備した、台車をドッキングするための特別ステーション15によって、手動または機械的であり得る。
【0025】
本発明の実施形態によれば、側部1’’、1’’および2’’、2’’の伸縮は、共に関節付けされた複数のクランク要素8’’および機構8’’を含んでいる。端部クランク8’’’は、回転要素(ハンドル)と関節で接続されて、この回転要素は、順に車輪4、4’に接続され、ペダルをリリースすることによって容易に動作可能であり、台車100の移動方向を維持する。クランクは、所望の幅に応じて(第1軸Yに沿って)サイズを変更させるために配置された穴によって、且つ、走行中に車輪4、40、4’、40’の正確なセットアップを作り出すネジ調整によって、長さが調整可能である。運動学的および寸法的特性は、グループの初期寸法を変化させることによって様々である。
【0026】
有利なことに、台車100は、第1軸Yに沿っておよび第2軸Xに沿っての両方に伸縮することができ、複数のサイズのMDRの容易かつ安全な積載を可能とする。
【0027】
図3及び
図4に示されるように、台車100の積み下ろし面の前部モジュール1と後部モジュール2との間の接続モジュール3も伸縮可能である。接続モジュール3は、入れ子式のアームであり、伸縮可能な部分3’を有している。
図5に示されるように、伸縮性のある部分3’の第2軸Xに沿った伸長、並びに、前部モジュール1の伸縮性のある部分1’、1’’及び後部モジュール2の伸縮性のある部分2’、2’’の、第1軸Yに沿った部分の伸長は、ネジ要素7’とナットネジ要素7’’である互いに噛み合う一対の要素を有するウォームネジ機構7を動かすことによりなされている。ウォームネジ機構は、例えば、ウォームネジ機構の一端に取り外し可能なクランクを挿入することによって、または単純な電気、空気圧、空気ネジ回し、またはこの機能を果たすのに適した既知のタイプの他の手段によって、または台車ドッキングステーション15によって、容易に動作させることができる。
【0028】
ステーション15による台車の全長の変動は、便利で簡単に実行でき、それはまた、寸法スケール7上の位置リーダ6によってなされる移動を制御することを可能にする。構成される各台車の最大寸法は寸法スケール6上に置かれ、各台車の最大測定値を特定する。
【0029】
概要および詳細な説明において、少なくとも1つの例示的な実施形態が提示されているが、本発明の範囲内には多数の変形例が存在することを理解しなければならない。さらに、提示された1つ又は複数の実現は、本発明の保護範囲またはその適用またはその形態を制限することを何ら意図しない例に過ぎないことを理解しなければならない。むしろ、簡潔かつ詳細な説明は、少なくとも1つの例示的な実施形態を実施するための便利なガイドを当業者に提供し、添付の請求項およびその技術法的等価物によって確立される本発明の保護範囲から逸脱することなく、ここに説明されたグループの機能および組立において多数の変形がなされ得ることは明らかである。
【国際調査報告】