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特表2023-525596熱交換装置および熱交換装置を備えた冷却システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-16
(54)【発明の名称】熱交換装置および熱交換装置を備えた冷却システム
(51)【国際特許分類】
   F28D 15/02 20060101AFI20230609BHJP
   H01L 23/427 20060101ALI20230609BHJP
   F28D 15/04 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
F28D15/02 101G
H01L23/46 A
F28D15/02 L
F28D15/02 E
F28D15/04 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570289
(86)(22)【出願日】2021-05-19
(85)【翻訳文提出日】2023-01-06
(86)【国際出願番号】 EP2021063262
(87)【国際公開番号】W WO2021233983
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】20175527.9
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522448702
【氏名又は名称】アクセルシウス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】ACCELSIUS,LLC
【住所又は居所原語表記】7800 Shoal Creek Blvd. Suite 120W Austin,TX78757,US
(74)【代理人】
【識別番号】110002181
【氏名又は名称】弁理士法人IP-FOCUS
(72)【発明者】
【氏名】ライアン エンライト
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル ルカ アマルフィ
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136CC34
5F136CC37
(57)【要約】
本出願は熱交換装置に関するものであって、入口と出口との間に延びる流体の流れのためのチャネルと、前記チャネルの第1部分と前記チャネルの第2部分とを仕切る多孔質層であって、流体が前記チャネルの前記第1部分から前記チャネルの前記第2部分に移動されることを可能にするように構成された複数の細孔を含む多孔質層と、前記チャネルの前記第2部分の中に位置する複数の蒸発器構造であって、前記蒸発器構造の表面からの流体の蒸発を可能にするように構成されたウィッキング層を含む蒸発器構造と、前記チャネルの前記第1部分からの流体を前記チャネルの前記第2部分からの流体と組み合わせ、組み合わされた流体を前記出口に提供するように構成された排出部とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口と出口との間に延びる流体の流れのためのチャネルと、
前記チャネルの第1部分と前記チャネルの第2部分とを仕切る多孔質層であって、流体が前記チャネルの前記第1部分から前記チャネルの前記第2部分に移動されることを可能にするように構成された複数の細孔を含む多孔質層と、
前記チャネルの前記第2部分の中に位置する複数の蒸発器構造であって、前記蒸発器構造の表面からの流体の蒸発を可能にするように構成されたウィッキング層を含む蒸発器構造と、
前記チャネルの前記第1部分からの流体を前記チャネルの前記第2部分からの流体と組み合わせ、組み合わされた流体を前記出口に提供するように構成された排出部とを含む熱交換装置。
【請求項2】
前記多孔質層は、前記蒸発器構造の少なくとも一部を覆うように設けられる請求項1に記載の熱交換装置。
【請求項3】
前記多孔質層は、流体が毛細管現象によって前記チャネルの前記第1部分から前記チャネルの前記第2部分まで前記細孔を通って流れることを可能にするように構成される前述の何れか一項の請求項に記載の熱交換装置。
【請求項4】
前記多孔質層は、断熱材料を含む前述の何れか一項の請求項に記載の熱交換装置。
【請求項5】
前記多孔質層は、流体が前記多孔質層から前記ウィッキング構造に流れることができるように、前記蒸発器構造の前記ウィッキング層に結合される前述の何れか一項の請求項に記載の熱交換装置。
【請求項6】
前記ウィッキング層は、複数の毛細管構造を含み、前記毛細管構造は、前記多孔質層の細孔よりも小さい細孔サイズを有する前述の何れか一項の請求項に記載の熱交換装置。
【請求項7】
前記蒸発構造からの流体の蒸発は、前記チャネルの前記第2部分の流体に、前記チャネルの前記第1部分の流体よりも高い蒸気含有量を提供する前述の何れか一項の請求項に記載の熱交換装置。
【請求項8】
前記蒸発器構造を介して熱源から前記チャネルの前記第2部分の中の流体に熱を伝達できるように、前記チャネルの前記第2部分を熱源に近接して設けることができるように構成される前述の何れか一項の請求項に記載の熱交換装置。
【請求項9】
前記蒸発器構造は、前記チャネルの前記第2部分を通過する流路を少なくとも部分的に画定する複数のフィンを備える前述の何れか一項の請求項に記載の熱交換装置。
【請求項10】
前述の何れか一項の請求項に記載の前記熱交換装置を1つ以上含む冷却システム。
【請求項11】
1つ以上の熱サイフォンループを含む請求項10に記載の冷却システム。
【請求項12】
複数の熱源を冷却するために直列に接続された複数の前記熱交換装置を含む1つ以上の前記熱サイフォンループを含む請求項10から11に記載の冷却システム。
【請求項13】
1つ以上の液体アキュムレータを含む請求項10から12のいずれかに記載の冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明を開示する例示は熱交換装置および熱交換機装置を備えた冷却システムに関するものである。いくつかは、電子機器の冷却に使用するための熱交換装置および冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバーやデータセンターなどの電子機器を冷却する冷却システムが知られている。これらのシステムは、不要な熱を発生する装置の部品から熱を逃がすことができるように構成されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
必ずしもすべてではないが、本開示の様々な例によれば、提供される熱交換装置は、入口と出口との間に延びる流体の流れのためのチャネルと、チャネルの第1部分とチャネルの第2部分とを仕切る多孔質層であって、流体がチャネルの第1部分からチャネルの第2部分に移動されることを可能にするように構成された複数の細孔を含む多孔質層と、チャネルの第2部分の中に位置する複数の蒸発器構造であって、前記蒸発器構造の表面からの流体の蒸発を可能にするように構成されたウィッキング層を含む蒸発器構造と、チャネルの第1部分からの流体をチャネルの第2部分からの流体と組み合わせ、組み合わされた流体を出口に提供するように構成された排出部とを含む。
【0004】
前記多孔質層は、前記蒸発器構造の少なくとも一部を覆うように提供されてもよい。
【0005】
前記多孔質層は、流体が毛細管現象によってチャネルの第1部分からチャネルの第2部分まで細孔を通って流れることを可能にするように構成されてもよい。
【0006】
前記多孔質層は、断熱材料を含んでもよい。
【0007】
前記多孔質層は、流体が多孔質層からウィッキング構造に流れることができるように、前記蒸発器構造のウィッキング層に結合されてもよい。
【0008】
前記ウィッキング層は、複数の毛細管構造を含むことができ、毛細管構造は、前記多孔質層の細孔よりも小さい細孔サイズを有する。
【0009】
前記蒸発器構造からの流体の蒸発は、チャネルの第2部分の流体に、チャネルの第1部分の流体よりも高い蒸気含有量を提供することができる。
【0010】
当該熱交換装置は、前記蒸発器構造を介して熱源からチャネルの第2部分の中の流体に熱を伝達できるように、チャネルの第2部分を熱源に近接して設けることができるように構成することができる。
【0011】
前記蒸発器構造は、チャネルの第2部分を通過する流路を少なくとも部分的に画定する複数のフィンを備えてもよい。
【0012】
必ずしもすべてではないが、本開示のさまざまな例によれば、先行する請求項のいずれかに記載される1つ以上の熱交換装置を備える冷却システムが提供される。
【0013】
前記冷却システムは、1つ以上の熱サイフォンループを備えてもよい。
【0014】
前記冷却システムは、複数の熱源を冷却するために直列に接続された複数の熱交換装置を備える1つ以上の熱サイフォンループを備えてもよい。
【0015】
前記冷却システムは、1つ以上の液体アキュムレータを備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
詳細な説明に有用な様々な例をよりよく理解するために、添付の図面を一例としてのみ参照する。
【0017】
図1図1Aから1Cは熱交換装置を示す。
図2図2Aと2Bとは、蒸発器構造を示す。
図3図3は、冷却システムの概略図を示す。
図4図4Aから4Cは、冷却システムの例を示す。
図5図5に、冷却システムの例を示す。
図6図6に、冷却システムの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の例は、高い熱負荷の放散を可能にするために冷却システム301で使用できる熱交換装置101に関する。冷却システム301は、サーバー、データセンター、または使用中に望ましくない高熱負荷を発生する他のタイプの装置などの電子装置を冷却するために使用することができる。
【0019】
図1Aから1Cは、本開示の一例による熱交換装置101を概略的に示す。
【0020】
熱交換装置101を図1Aに示す。熱交換装置101は、チャネル103、多孔質層105、複数の蒸発器構造107、およびエジェクタ部109を備える。
【0021】
チャネル103は、入口111と出口113との間に延在する。チャネル103は、流体が入口111と出口113との間を流れることを可能にするように構成される。チャネル103のサイズは、数mmから数cm程度であり得る。例えば、チャネル103は、4mmまたは10cmの間の長さを有することができる。チャネル103のサイズは、熱交換装置101が使用される用途に依存し得る。チャネル103のサイズは、必要とされる電力散逸および必要とされる質量流量などの要因に依存する。
【0022】
入口111の直径は、チャネル103内の圧力降下のバランスを取り、流体が入口111から出口113に流れることができるように、出口113の直径よりも小さくすることができる。
【0023】
入口111に提供される流体は、熱交換装置101を通過する際に液体から気体への相変化を受けるように構成された任意の適切な作動流体を含むことができる。作動流体は、流体内のガスの量が入口111と出口113との間で増加するように、部分的な相変化を受けるように構成することができる。
【0024】
チャネル103は、多孔質層105によって第1部分115と第2部分117に仕切られる。第1部分115は、流体が入口111からチャネル103の第1部分115に流れることができるように、入口111に結合される。したがって、第1部分115内の流体は、より低温の液体リッチ流体である。
【0025】
第1部分115は、第2部分117の上方に設けられる。多孔質層105は、第1部分115と第2部分117との間に設けられる。多孔質層105は、流体が第1部分115から第2部分117に輸送されることを可能にするが、第2部分117から第1部分115に伝達される熱を制限するように構成される。多孔質層105は、断熱材料を含むことができる。いくつかの例では、多孔質層105は、断熱材料に加えて他の材料を含むことができる。多孔質層105は、熱が多孔質層105を介して第1部分115から第2部分117に伝導されないように、断熱材料を含むことができる。
【0026】
多孔質層105は、チャネル103の第1部分115からの流体がチャネル103の第2部分117に輸送されることを可能にする複数の細孔を含む。多孔質層105は、毛管作用によって流体がチャネル103の第2部分117に輸送されることを可能にするように構成される。多孔質層105内の細孔のサイズは、チャネル103の第2部分内のウィッキング構造121の細孔サイズによって決定され得る。多孔質層105の細孔のサイズは、流体が低い毛細管の圧力を生成する領域からより高い毛細管の圧力を生成する領域に流れることができるように、ウィッキング構造121の細孔サイズよりも大きいか、またはほぼ等しい。
【0027】
複数の蒸発器構造107は、チャネル103の第2部分117に設けられる。複数の蒸発器構造107は、チャネル103の壁123の外側に延びる。壁123は、熱負荷に結合することができる。図1Aに示す例では、蒸発器構造107は長方形の断面を有する。本開示の他の例では、他の形状の蒸発器構造107を使用できることが理解される。
【0028】
図1Aの例示的な熱交換装置101において、複数の蒸発器構造107は、表面にウィッキング構造121が設けられた複数のフィン119から構成される。ウィッキング構造121及びフィン119は、図1Cにおいてより詳細に示されている。
【0029】
蒸発器構造107は、少なくとも部分的に、チャネル103の第2部分117を通る流路を規定する。蒸発器構造107は、チャネル103の第2部分117を通過する流体に蒸発器構造107を通して熱を放散できるように、大きな表面積を有して構成される。
【0030】
熱交換装置101は、チャネル103の第1部分115からの流体をチャネル103の第2部分117からの流体と組み合わせ、組み合わされた流体を出口113に提供するように構成されたエジェクタ部109を備える。多孔質層105は、エジェクタ部109には設けられていない。これは、チャネル103の第2部分117からの蒸気に富む流体を、チャネル103の第1部分115からの液体に富む流体と巻き込むことを可能にする。エジェクタ部109は、チャネル103内の圧力を制御し、流体の流れを出口113に向けるためのノズルまたは任意の他の適切な手段を備えることができる。そして、組み合わされた流体は、出口113を介して熱交換装置101から除去することができる。
【0031】
図1Aに示す例では、エジェクタ部109に蒸発器構造107が設けられていない。本開示の他の例では、エジェクタ部109内にいくつかの蒸発器構造107を設けることができることが理解される。
【0032】
図1Bは、図1Aに示される線A-A’を通る熱交換装置101の断面を示す。
【0033】
図1Bは、複数の蒸発器構造107がチャネル103の幅を横切って延在することを示している。流体がチャネル103の第2部分を通って流れることを可能にするために、蒸発器構造107の間に空間が設けられる。蒸発器構造107の任意の適切な形状を使用可能であることが理解される。いくつかの例では、蒸発器構造107は、作動流体の流れと平行に、または実質的に平行に延びる尾根を備えることができる。蒸発器構造107は、チャネル103内の流体のための出口経路が存在するように配置される。いくつかの例では、蒸発器構造107は、柱のアレイまたは他の同様の構造を含むことができる。
【0034】
多孔質層105は、蒸発器構造107を覆うように設けられ、また、チャネル103の幅を横切って延在する。多孔質層105は、蒸発器構造107の少なくとも一部とチャネル103の第1部分115との間に多孔質層105が提供されるように、蒸発器構造107を覆うように提供される。多孔質層105は、蒸発器構造107の上であるが、チャネル103の第1部分115の下に提供される。
【0035】
図1Cは、蒸発器構造107および多孔質層105の断面をより詳細に示す。図1Cは、蒸発器構造107の表面上のウィッキング構造121の配置を示す。
【0036】
この例では、蒸発器構造107は、チャネル103の壁123から延びる複数のフィン119を備える。フィン119は長方形の断面を有する。本開示の他の例では、フィン119の他の形状を提供することができる。
【0037】
フィン119は、任意の適切な熱伝導性材料を含むことができる。フィン119は、チャネル103の壁123と同じ材料を含むことができる。
【0038】
ウィッキング構造121は、フィン119の表面に設けられ、毛管作用によって蒸発器構造107から流体を除去できるように構成される。図1Aに示される例では、ウィッキング構造121は、チャネル103の壁123にも設けられる。ウィッキング構造121は、毛管作用を可能にする細孔を設けるメッシュまたは他の適切な構造を含むことができる。
【0039】
いくつかの例では、ウィッキング構造121は、三次元印刷、電着プロセス、焼結プロセス、または任意の他の適切なプロセスを使用して形成することができる。ウィッキング構造121を形成するために使用されるプロセスは、ウィッキング構造121内の細孔のサイズを制御することを可能にする。ウィッキング構造121内の細孔のサイズは、ウィッキング構造121の空隙率、およびウィッキング構造121が蒸発器構造107から流体をいかに効率的に除去するかに影響を与える。
【0040】
フィン119およびウィッキング構造121は、任意の適切な材料で作ることができる。フィンおよびウィッキング構造121は、同じ材料または異なる材料で作ることができる。フィン119およびウィッキング構造121は、蒸発器構造107からウィッキング構造121を通過する流体に熱を伝えられるようにするために、結晶性セラミックまたは銅などの金属などの熱伝導性材料で作製することができる。
【0041】
図1Cに示される例では、多孔質層105は、異なるサイズの細孔を含む不均一な多孔質層105である。図1Cでは、多孔質層105は、より小さな細孔サイズを有する第1の副層125と、より大きな細孔サイズを有する第2の副層127とを含む。第1の副層125は、第2の副層127の下に提供される。第2の副層127は、チャネル103の第1部分115の境界の少なくとも一部を提供し、流体がチャネル103の第1部分115から多孔質層105に流れることを可能にする。第1の副層125は、チャネル103の第2部分117の境界の少なくとも一部を設け、流体が多孔質層105からチャネル103の第2部分117に流れることを可能にするが、流体がチャネル103の第2部分117からチャネル103の第1部分115に戻る逆方向に流れることを制限する。
【0042】
多孔質層105は、多孔質層105がウィッキング構造121に流体結合されるように、蒸発器構造107を覆って設けられる。矢印131によって示されるように、これにより、チャネル103の第1部分115からの流体が、多孔質層105を通ってウィッキング構造121に流れることが可能になる。これにより、チャネル103の第1部分115からのより低温の流体が、フィン119からの熱によって流体が蒸発するウィッキング構造121に流入することが可能になる。流体がウィッキング構造121から蒸発するにつれて、より多くの流体が多孔質層105から吸い上げられ、毛細管現象によってウィッキング構造121を通過する。
【0043】
ウィッキング構造121は、ウィッキング構造121内の細孔のサイズが多孔質層105内の細孔のサイズよりも小さくなるように構成することができる。これにより、ウィッキング構造121内の毛細管圧が高くなり、流体が多孔質層105に戻るのを防ぐことができる。
【0044】
ウィッキング構造121からの流体の蒸発は、チャネル103の第2部分に蒸気に富む流体を作り出す。
【0045】
熱交換装置101が使用されているとき、熱は、矢印129によって示されるように、チャネル103の壁123を通って熱源から熱交換装置101に伝達される。熱は、蒸発器構造107の熱伝導性材料を通って、フィン119の表面上のウィッキング構造121に伝達される。この熱は、ウィッキング構造121からチャネル103の第2部分117内で流れる流体中で、流体の蒸発を引き起こす。これにより、チャネル103の第2部分117に、チャネル103の第1部分115内の液体に富む流れよりも高温の蒸気に富む流れが生じる。
【0046】
図2Aは、例示的なウィッキング構造121を示し、図2Bは、例示的なウィッキング構造121を含む蒸発器構造107を示す。
【0047】
図2Aおよび2Bの例では、ウィッキング構造121は、ウィッキング構造121内に2つの異なる細孔サイズを有する異種構造を含む。ウィッキング構造121は、第1の細孔サイズを有する第1の副層201と、第2の細孔サイズが第1の細孔サイズよりも小さい第2の細孔サイズを有する第2の副層203とを含む。いくつかの例では、第2の細孔サイズは、第1の細孔サイズよりも約4倍小さくすることができる。いくつかの例では、第1の副層201の孔は直径40μmであり、第2の副層203の孔は直径10μmである。本開示の他の例では、異なる細孔サイズおよび細孔サイズの比率を使用できることが理解される。
【0048】
第2の副層203は、より小さな細孔サイズを有し、ウィッキング構造121の外面を形成する。これにより、蒸発した流体がウィッキング構造121から熱交換装置101のチャネル103の第2部分117に確実に流れる。
【0049】
この例では、第1の副層201は、第2の副層203の厚さよりも数倍大きい厚さを有する。図2Aに示される例では、第1の副層201はt=0.2mmの厚さを有し、第2の副層はt=0.05mmの厚さを有する。本開示の他の例では、他の厚さおよび厚さの比率を使用できることが理解される。
【0050】
図2Bは、蒸発器構造107のフィン119に結合された図2Aの不均一ウィッキング構造121を示す。図2Bの例では、ウィッキング構造121は、チャネル103の壁123にも設けられる。
【0051】
多孔質層105は、流体が多孔質層105からウィッキング構造121に流れることができるように、蒸発器構造107を覆って設けられる。図2Bに示される例では、多孔質層105は、ウィッキング構造121内の細孔よりも大きなサイズを有する細孔を有する。これにより、流体がチャネル103の第1部分115から多孔質層105を通ってウィッキング構造121に流れ込み、流体が他の方向に流れるのを制限することを確実にする。
【0052】
図2Aの例では、多孔質層105は均一な多孔質層105であり、単一の細孔サイズを有する単一のセクションを含む。本開示のいくつかの例では、異なる細孔サイズを持つ異なるセクションを有する異種多孔質層105を使用できることが理解される。
【0053】
フィン119はHの高さを有する。Hは数mmになることもある。いくつかの例では、Hは2.5mmである。本開示の他の例では、他のフィン119の高さを使用することができる。
【0054】
図2Bに示す例では、隣接するフィン119のウィッキング構造121間の幅はW=0.6mmであり、チャネル103の壁上のウィッキング構造121と多孔質層との間のギャップの高さは2.25mmである。他のフィン119の寸法およびフィン119間の間隔は、本開示の他の例で使用できることが理解される。
【0055】
図2Bに示すように、複数の蒸発器構造107がチャネル103全体に分配されることが理解される。蒸発器構造107が互いに等間隔になるように、蒸発器構造107はチャネル103全体に均等に分配され得る。
【0056】
図2Bに示すように、複数の蒸発器構造107を備える熱交換装置101の熱抵抗RHExは、次のように与えられる。
【数1】
【0057】
ここで、hwickはウィッキング構造121の熱伝達係数であり、twallはチャネル103の壁123の厚さであり、kwallは壁123の熱伝導率であり、LおよびWはチャネル103の長さと幅である。
【0058】
ウィッキング構造121は、60W/cmを超える熱流束を取り扱うことができるので、図2Bに示されるような蒸発器構造107を含む幅40mmおよび長さ40mmのチャネル103について、熱交換装置101の熱抵抗はRHEX=0.01K/Wのオーダーとすることができる。熱抵抗の値は、チャネル103の壁および蒸発器構造107に使用される材料ならびに蒸発器構造107およびウィッキング構造121の寸法および作動流体などの要因に依存する。
【0059】
図3は、冷却システム301の概略図を示す。図3は、熱交換装置101を冷却システム301に一体化する方法を示す。図3の例では、冷却システム301は、熱サイフォンループまたは受動二相重力駆動システムを備える。冷却システム301は、熱交換装置101、上昇器303、凝縮器305、および下降器307を備える。
【0060】
熱交換装置101は、図1Aから2Bに示されるようなものとすることができ、対応する特徴には対応する参照番号が使用される。冷却システム301は、矢印317によって示されるように、熱源313からの熱が熱交換装置101に伝達され、熱交換装置101が熱インターフェース材を介して熱源313に熱的に結合されるように構成される。熱源313は、使用中に望ましくない熱を発生するサーバーなどの電子装置であり得る。
【0061】
熱は、熱交換装置101内の流体の蒸発を発生させ、流体を液相311から二相流体309に変換する。二相流体309は、液体と蒸気の混合物を含む。
【0062】
熱交換装置101の出口113は、熱交換装置101のエジェクタ部109からの流体が上昇器303に供給されるように、上昇器303に結合される。熱交換装置101から排出される流体は、熱交換装置101からの液体と蒸気との混合物を含むので、二相流体309を含む。蒸気は、蒸発器構造107からの蒸発ガスを含む。
【0063】
二相流体309は、矢印319によって示されるように、上昇器303を上昇して凝縮器305に上昇する。凝縮器305は、矢印321によって示されるように、熱が凝縮器305内の流体から冷却剤315に伝達されるように、冷却剤315に結合される。これは、蒸気が凝縮して液相311に戻るように、蒸気相309内の流体を冷却する。凝縮器305は、水冷凝縮器、空冷凝縮器、または任意の他の適切なタイプの凝縮器305でも可能である。
【0064】
液相311の流体は、次に下降器307に供給され、そこで熱交換装置101の入口111に戻される。下降器307の高さは、下降器307内の流体の静止する先頭部分で流体が熱交換装置101を通って流れを生じるように選択することができる。
【0065】
いくつかの例では、冷却システム301はリザーバも備えることができる。リザーバは、下降器307に設けることができる。リザーバは、液体を貯蔵し、液相311の流体が凝縮器305に入るのを防ぎ、熱性能の低下をもたらす凝縮器305からあふれ出すのを回避するように構成することができる。
【0066】
図4Aから4Cは、熱交換装置101を例示的な冷却システム301に一体化する方法を示す。図4Aは、図1Aに示して上述した熱交換装置101を示す。対応する特徴には、対応する参照番号が使用されている。熱交換装置101は、図4Bおよび4Cに示す冷却システム301に設けることができる。
【0067】
図4Bは、熱交換装置101を含む例示的な冷却システム301を示す。図4Bの冷却システム301では、凝縮器305は液体冷却凝縮器401を含む。液体冷却凝縮器401は、図3に示されるように、下降器307および上昇器303によって熱交換装置101に結合される。
【0068】
図4Cは、熱交換装置101を備える冷却システム301の別の例を示す。図4Cの冷却システム301では、凝縮器305は空冷凝縮器403を含む。空冷凝縮器403は、図3に示されるように、下降器307および上昇器303によって熱交換装置101に結合される。
【0069】
図5は、複数の熱源を冷却するために直列に接続された複数の熱交換装置101を有する図3に示されるような熱サイフォンループ301を備える冷却システム517の別の例を示す。図5の冷却システム517は、サーバー、データセンター、または他の同様のタイプの装置などの電子装置を冷却するために使用可能である。
【0070】
図5の冷却システム517は、複数のサーバー503を備えるサーバーラック501を冷却するように構成される。サーバー503の各々は、使用中に望ましくない熱を発生する中央処理装置(CPU)505を備える。図5に示す例では、サーバーラック501は6台のサーバー503を含む。これは例示的な例であり、本開示の他の例では他の数のサーバー503を提供できることが理解される。
【0071】
冷却システム517は、複数の熱交換装置101を備える。熱交換装置101のそれぞれは、図3に示すように熱サイフォンループ301内に設けることができる。図5の例では、冷却システム517は、サーバーラック501内のサーバー503のそれぞれに対して少なくとも1つの熱交換装置101を備える。図5の例では、冷却システム301は、サーバー503のそれぞれに対して1つの熱交換装置101があるように、6つの熱交換装置101を備える。
【0072】
熱交換装置101は、CPUからの熱が熱交換装置101に伝達されるように、熱界インターフェース材料を介してサーバー503のCPU505に熱的に結合される。
【0073】
冷却システム301が使用されているとき、冷水507または他の適切な流体が冷却システム301に供給されて、熱交換装置101内の二相流体を凝縮して入口チャネル513内で液体に戻す。図5の例では、リザーバ509が凝縮器305の出口に設けられている。リザーバ509は、液体を貯蔵し、入口チャネル513内の液相の流体が凝縮器305に入ることを防止して、熱性能の低下をもたらすようなあふれだすことを回避するように構成することができる。
【0074】
複数の熱交換装置101は、熱サイフォンループ301の作動流体が、CPU505および任意の他の適切な熱源からの熱を使用して加熱されることを可能にするように構成される。これにより、下降器513内の液相から出口チャネル515内の液体と蒸気の混合物への作動流体の蒸発が引き起こされる。二相流体は、凝縮器305の水側に熱を排出することによって凝縮されて液体に戻る。
【0075】
出口チャネル515は、二相流体が凝縮器305によって凝縮されて液相に戻るように、凝縮器305に結合される。凝縮された出口水511は、熱サイフォン作動流体と熱交換されるため、入口水507よりも高い温度を有する。凝縮器305は、空冷凝縮器、水冷凝縮器、または任意の他の適切なタイプの凝縮器とすることができる。
【0076】
図6は、図5に示される冷却システム517内に設けられ得る熱サイフォンループ301を示す。熱サイフォンループ301は、図3に示され得る熱交換装置101、上昇器303、凝縮器305、および下降器307を含む。
【0077】
熱交換装置101は、多孔質層105と、上述のような複数の蒸発器構造107とを備える。熱交換装置101は、サーバー503のCPU505に結合される。熱交換装置101は、熱インターフェース材603を介してCPU505に結合される。熱インターフェース材603は、CPU505から熱交換装置101への効率的な熱伝達を可能にするように、高い熱伝導率を有する材料を含む。
【0078】
熱サイフォンループ301の凝縮器305は、図5に示されるように、冷却システムの出口チャネル515に結合される。凝縮器305は、熱インターフェース材601を介して出口チャネルに結合される。熱インターフェース材601は、凝縮器305から出口チャネル515内の流体への効率的な熱伝達を可能にするように、高い熱伝導率を有する再加工可能な材料を含む。この例では、熱インターフェース材601は、出口チャネルに結合された凝縮器305の側にのみに設けられる。これにより、ホットスワップ可能なシステムを設けるために、冷却システム301の使用中に熱交換装置101を冷却システム301から取り外すことが可能になる。
【0079】
熱サイフォンループ301が使用されているとき、CPU505からの熱は、熱サイフォンループ301の熱交換装置101内の流体の相変化を引き起こす。次いで、二相混合物中の流体は凝縮器305に供給され、そこで矢印609によって示されるように、出口チャネル515を通過する水または他の流体によって冷却される。
【0080】
サーバーCPU505は、図5に示すように、複数のサーバーCPU505のうちの1つとすることができることが理解される。サーバーCPU505のそれぞれは、異なる熱サイフォンループ301に熱的に結合することができる。出口チャネル515内の流体は、複数の熱サイフォンループ301の凝縮器305内の流体を順次冷却するために使用することができる。
【0081】
図6の例では、熱サイフォンループ301および熱インターフェース材603、601が閉ループを提供する。これにより、冷却システム517内の熱サイフォンループ301のそれぞれが、冷却システム517内の他の熱サイフォンループ301から独立することが可能になる。これにより、サーバーラックおよび冷却システム517が使用されている間に、熱サイフォンループ301を取り外して交換することが可能になり、それによって、ホットスワップ可能なモジュラー冷却システム517が提供される。これにより、独立した熱サイフォンループ301のいずれかの故障によって引き起こされる可能性のある損傷のリスクも軽減される。
【0082】
いくつかの例では、複数の熱サイフォンループ301によって加熱される凝縮器の出口の水または他の流体を、冷却システム517から抽出し、加熱ネットワークに熱を提供するためにまたは電源のエネルギー効率を改善するために使用することができる。
【0083】
この説明において、結合という用語は、操作上結合されて、介在要素の任意の数または組み合わせを、介在要素を含まない結合構成要素間に設けることができることを意味する。
【0084】
「含む」という用語は、このドキュメントでは排他的ではなく包含的な意味で使用される。つまり、Yを含むXに対する言及は、Xが1つだけのYを含むか、または2つ以上のYを含むことができることを示す。「含む」を排他的な意味で使用することを意図している場合は、「1つだけを含む…」または「からなる」を使用することにより文脈上明確になる。
【0085】
この説明では、様々な例を参照してきた。一例に関する特徴または機能の説明は、それらの特徴または機能がその一例の中に存在することを示す。文中の「例」または「たとえば」または「でき得る」または「してもよい」という用語の使用は、明示的に述べられているかどうかにかかわらず、そのような特徴または機能が、一例として記述されているかどうかにかかわらず、少なくとも記述された例に存在することを示し、また、必ずしもそうではないが、それらは他の例の一部またはすべてに存在する可能性がある。したがって、「例」、「例えば」、「でき得る」または「してもよい」は、一例の種類において、特定の実例を示す。その実例の特性は、その実例のみの特性、その種類における特性、またはその種類中のすべての実例ではなく一部を含むその種類の下位の種類(sub-class)の特性のいずれかとなりえる。したがって、ある例を参照して説明され別の例を参照せずに説明された機能は、可能な場合、その他の例で有効な組み合わせの一部として使用できるが、必ずしもその他の例で使用する必要はないことを黙示的に開示する。
【0086】
例示は、様々な例を参照してこれまでの段落で説明されてきたが、特許請求の範囲から逸脱することなく、与えられた例示に対する修正がなされ得ることが理解されるべきである。例えば、図3は、受動的冷却システム301内の熱交換装置101を示す。熱交換装置101は、1つ以上のポンプを備える冷却システムにも実装できることが理解される。このような例では、1つ以上のポンプと凝縮器を、冷却を必要とするサーバーラックまたはその他の電子デバイスの下部にある専用スペースに配置できる。
【0087】
前述の説明で説明した特徴は、上で明示的に説明した組み合わせ以外の組み合わせで使用してもよい。
【0088】
特定の機能を参照して機能を説明してきたが、それらの機能は、説明されているかどうかにかかわらず、他の機能によって実行可能となるかもしれない。
【0089】
特定の例を参照して特徴を説明してきたが、それらの特徴は、説明されているかどうかにかかわらず、他の例にも存在してもよい。
【0090】
「a」または「the」という用語は、この書面では排他的ではなく包括的な意味で使用される。すなわち、「a/the Y」を含むXへの言及は、文脈が明らかに逆の意味を示さない限り、Xが1つだけのYを含むか、または2つ以上のYを含むことができることを示す。「a」または「the」を排他的な意味で使用することを意図している場合は、文脈で明確にする。状況によっては、「少なくとも1つ」または「1つ以上」の使用が包括的な意味を強調するために使用される場合があるが、これらの用語が存在しないからといって、排他的な意味を推測することはでない。
【0091】
請求項における特徴(または特徴の組み合わせ)の存在は、その特徴または(特徴の組み合わせ)自体への文言であり、実質的に同じ技術的効果を達成する特徴(均等の特徴)への文言でもある。均等の特徴には、例えば、変形であり実質的に同じ方法で実質的に同じ結果を達成する特徴が含まれる。均等の特徴には、例えば、実質的に同じ結果を達成するために実質的に同じ方法で実質的に同じ機能を実行する特徴が含まれる。
【0092】
この説明では、一例の特徴を説明するために形容詞または形容詞句を使用してさまざまな例を参照してきた。一例に関する特性のそのような説明は、その特性がいくつかの例では正確に説明されているとおりに存在し、他の例では実質的に説明されているとおりに存在することを示す。
【0093】
前述の明細書において、重要であると考えられる特徴に注意を引くように努める一方で、強調されているかどうかにかかわらず、出願人は、特許可能な特徴または特徴の組み合わせについて、特許可能な特徴または特徴の組み合わせについて、クレームによる保護を求めることができることを理解されることが、了解されるべきである。
【符号の説明】
【0094】
101:熱交換装置
103:チャネル
105:多孔質層
107:蒸発器構造
109:エジェクタ部
111:入口
113:出口
115:第1部分
117:第2部分
119:フィン
121:ウィッキング構造
123:壁
125:第1の副層
127:第2の副層
129:矢印
131:矢印
201:第1の副層
203:第2の副層
301:冷却システム/熱サイフォンループ
303:上昇器
305:凝縮器
307:下降器
309:二相流体/蒸気相
311:液相
313:熱源
315:冷却剤
317:矢印
319:矢印
321:矢印
401:液体冷却凝縮器
403:空冷凝縮器
501:サーバーラック
503:サーバー
505:CPU/サーバーCPU
507:冷水/入口水
509:リザーバ
511:出口水
513:入口チャネル/下降器
515:出口チャネル
517:冷却システム
601:熱インターフェース材
603:熱インターフェース材
609:矢印
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-06-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口と出口との間に延びる流体の流れのためのチャネルと、
前記チャネルの第1部分と前記チャネルの第2部分とを仕切る多孔質層であって、流体が前記チャネルの前記第1部分から前記チャネルの前記第2部分に移動されることを可能にするように構成された複数の細孔を含む多孔質層と、
前記チャネルの前記第2部分の中に位置する複数の蒸発器構造であって、前記蒸発器構造の表面からの流体の蒸発を可能にするように構成されたウィッキング層を含む蒸発器構造と、
前記チャネルの前記第1部分からの流体を前記チャネルの前記第2部分からの流体と組み合わせ、組み合わされた流体を前記出口に提供するように構成された排出部とを含む熱交換装置。
【請求項2】
前記多孔質層は、前記蒸発器構造の少なくとも一部を覆うように設けられる請求項1に記載の熱交換装置。
【請求項3】
前記多孔質層は、流体が毛細管現象によって前記チャネルの前記第1部分から前記チャネルの前記第2部分まで前記細孔を通って流れることを可能にするように構成される請求項1に記載の熱交換装置。
【請求項4】
前記多孔質層は、断熱材料を含む請求項1に記載の熱交換装置。
【請求項5】
前記多孔質層は、流体が前記多孔質層から前記ウィッキング構造に流れることができるように、前記蒸発器構造の前記ウィッキング層に結合される請求項1に記載の熱交換装置。
【請求項6】
前記ウィッキング層は、複数の毛細管構造を含み、前記毛細管構造は、前記多孔質層の細孔よりも小さい細孔サイズを有する請求項1に記載の熱交換装置。
【請求項7】
前記蒸発構造からの流体の蒸発は、前記チャネルの前記第2部分の流体に、前記チャネルの前記第1部分の流体よりも高い蒸気含有量を提供する請求項1に記載の熱交換装置。
【請求項8】
前記蒸発器構造を介して熱源から前記チャネルの前記第2部分の中の流体に熱を伝達できるように、前記チャネルの前記第2部分を熱源に近接して設けることができるように構成される請求項1に記載の熱交換装置。
【請求項9】
前記蒸発器構造は、前記チャネルの前記第2部分を通過する流路を少なくとも部分的に画定する複数のフィンを備える請求項1に記載の熱交換装置。
【請求項10】
1つ以上の熱交換装置を含む冷却システムであって、前記熱交換装置は、
入口と出口との間に延びる流体の流れのためのチャネルと、
前記チャネルの第1部分を前記チャネルの第2部分から分割する多孔質層であって、流体が前記チャネルの前記第1部分から前記チャネルの前記第2部分に移動されることを可能にするように構成された複数の細孔を含む多孔質層と、
前記チャネルの前記第2部分の中に位置する複数の蒸発器構造であって、前記蒸発器構造の表面からの流体の蒸発を可能にするように構成されたウィッキング層を含む蒸発器構造と、
前記チャネルの前記第1部分からの流体を前記チャネルの前記第2部分からの流体と組み合わせ、組み合わされた流体を前記出口に提供するように構成された排出部とを含む、冷却システム
【請求項11】
1つ以上の熱サイフォンループを含む請求項10に記載の冷却システム。
【請求項12】
複数の熱源を冷却するために直列に接続された複数の前記熱交換装置を含む1つ以上の前記熱サイフォンループを含む請求項11に記載の冷却システム。
【請求項13】
1つ以上の液体アキュムレータを含む請求項12に記載の冷却システム。
【国際調査報告】