(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(54)【発明の名称】モバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換方法、システム、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/38 20120101AFI20230612BHJP
【FI】
G06Q20/38 310
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545030
(86)(22)【出願日】2021-03-04
(85)【翻訳文提出日】2022-07-21
(86)【国際出願番号】 CN2021079017
(87)【国際公開番号】W WO2021185090
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】202010196419.4
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518026372
【氏名又は名称】上海訊聯数据服務有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100178434
【氏名又は名称】李 じゅん
(72)【発明者】
【氏名】祝 振漢
(72)【発明者】
【氏名】周 美明
(72)【発明者】
【氏名】司 大壮
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA71
(57)【要約】
本発明は、モバイル決済技術の分野に関し、具体的にはモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換方法、システム、及び記憶媒体に関し、本発明は、アカウントBの機器情報を取得し、アカウントBのユーザーバウチャーに対して分散計算を行い、アカウントAとアカウントBとの間で定められた演算方法を利用し、アカウントBのバウチャーを処理した後にシリアル化し、シリアル化した後のアカウントBのバウチャーを、定められた暗号化アルゴリズムで暗号化し、ユーザーのアカウント情報により暗号化アルゴリズムで暗号化した後の結果に対して分散処理を行い、分散処理後のデータをシリアル化した後に数字列を形成させ、数字列とアカウントAのユーザーバウチャータグを混合し、アカウントAに基づくユーザーバウチャーを形成させる。本発明は、リモート決済アカウントのユーザーバウチャーの生成、変換及びやり取りに用いられるため、アカウントシステムのユーザーバウチャーは、簡単で速やかに異なるアカウント体系での相互接続を実現し、アカウントバウチャー間のセキュリティ変換問題を解決する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アカウントBの機器情報を取得し、アカウントBのユーザーバウチャーに対して分散計算を行うステップS1と、
アカウントAとアカウントBとの間で定められた演算方法を利用し、アカウントBのバウチャーをS1で処理した後にシリアル化するステップS2と、
S2でシリアル化した後のアカウントBのバウチャーを、定められた暗号化アルゴリズムで暗号化するステップS3と、
ユーザーのアカウント情報により暗号化アルゴリズムで暗号化した後の結果に対して分散処理を行うステップS4と、
分散処理後のデータをシリアル化した後に数字列を形成させるステップS5と、
数字列とアカウントAのユーザーバウチャータグを混合し、アカウントAに基づくユーザーバウチャーを形成させるステップS6と、を含む、
ことを特徴とするモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換方法。
【請求項2】
前記アカウントBのユーザーバウチャーは、フィンガープリントに関連するバウチャーであり、新しく生成されたアカウントAのユーザーバウチャーからユーザーBの初期ユーザーバウチャーを逆解析により遡ることができる、
ことを特徴とする請求項1に記載のモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換方法。
【請求項3】
アカウントBのユーザーバウチャーがユーザーフィンガープリントと無関係のユーザーバウチャーである場合、ランダムマッチングのアルゴリズムを使用し、異なるアカウントのユーザーバウチャーにランダムでマッチングし、前記アルゴリズムは、
サーバ側のアカウントAとアカウントBのユーザーバウチャーをプール化するステップT1と、
アカウント側に独立した記憶空間を開くことで、サーバと対話してプール化するデジタルバウチャー体系の間の関連付けを確立するステップT2と、
異なるクライアント側においてピア側のユーザーバウチャープール内のデジタルバウチャーにサーバ側との単一方向の関連付けを行うステップT3と、
クライアント側でバウチャープールをデジタルシリアル化した後、フロントエンドで提示するステップT4と、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換方法。
【請求項4】
前記アルゴリズムは異なるアカウント体系のユーザーバウチャーの間における相互対応関係が使い捨ての単一方向対応関係であり、使用した後に復元又は逆方向の復元を行うことができない、
ことを特徴とする請求項3に記載のモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換方法を実現するために用いられるモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換システムであって、前記システムは、バウチャー対応、シリアル化、一時的記憶、セキュリティ、永続的な配列、異なるアカウント体系の接続方法及びバウチャーの生成方法を含む、
ことを特徴とするモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換システム。
【請求項6】
前記システムは、文字化したIDを体系とするアカウントバウチャーの変換サービスをサポートし、文字化したバウチャーは、電子メール、電話、身分証明書番号、銀行カード番号又はその他のアカウントIDを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載のモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換システム。
【請求項7】
前記システムは、携帯電話、タブレットコンピュータ、パソコン、ディスプレイ付きのインターネット接続機能を有しない機器及びディスプレイ付きのインターネット接続機能を有する機器を含む異なるユーザー側機器で提示及び金融取引を行い、異なる形式で異なる機器に運用され、アプリケーションシステムインタフェース及び開発ツールなどを提供することにより統合される、
ことを特徴とする請求項5に記載のモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換システム。
【請求項8】
前記システムは、APP組み込みアプリケーション、webアプリケーション、高速アプリケーション又はウィジェットの形で、アカウントAPP、ウェブサイトで提示され、その提示モードは、金融機関とアカウントシステム保有者システムとの間で配置及びサービスを行うことができ、異なる金融と非金融機関のアカウントシステムを接続するために用いられ、相互接続サービスを実現する、
ことを特徴とする請求項5に記載のモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換システム。
【請求項9】
前記システムから生成されたシリアル化したデジタルは、フロントエンドにおいて、バーコード、二次元コード、ブルートゥース、近接場NFC、音波、磁気伝送及び光伝送などを含む様々な伝送方式で提示・伝送される、
ことを特徴とする請求項5に記載のモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換システム。
【請求項10】
前記システムから生成されたバウチャーは、異なる金融端末と場面で使用され、それに加えて、シリアル化したバウチャーは、複数のフロントエンド読み取り機器によって読み取られ、当該システムは、様々な機器で配置、コンテナ化及びシリアル化されるとともに、複数種類の複雑なクラウド環境やローカル環境で配置と実行を行うことができる、
ことを特徴とする請求項5に記載のモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換システム。
【請求項11】
当該システムから生成された金融バウチャーは、異なる端末で取引する時に、ユーザー側の複数のアカウントバウチャーは店舗向け端末のサポートするバウチャーと比較・ハンドシェイクを行う場合、双方にとって好ましいマッチング結果を選択して金融取引を行い、生成された金融バウチャーは、異なる端末で取引する時に、ユーザー側にアカウントバウチャーのコードが表示され、手動を選択して選択と判断を行った後に金融取引を行う、
ことを特徴とする請求項5に記載のモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換システム。
【請求項12】
前記システムがフロントエンドにサービスを提供する方式は、SDK、API、ウィジェット又はリッチテキスト、シンクライアント側及びリッチなwebの方式を含むが、それらに限定されない複数の方式で、従来の多くのアプリケーション形態とのドッキング及び埋め込みを行って実現される、
ことを特徴とする請求項5に記載のモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換システム。
【請求項13】
前記システムは、ユーザー側のUI設計方法を利用することで、複数のアカウントバウチャー体系を簡単で速やかに統合し、1つのUIに高速表示及び切り替えを実行するとともに、異なるフロントエンド技術に応用されることができる、
ことを特徴とする請求項5に記載のモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換システム。
【請求項14】
記憶媒体であって、前記記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶され、異なるユーザーバウチャーを記憶し、混合し、異なるアカウントシステム間で交換し、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合、請求項1~4のいずれか1項に記載のモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換方法を実現する、
ことを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル決済技術分野に関し、具体的にはモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換方法、システム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、モバイル決済分野におけるアカウントシステムの設計は、近距離決済及びリモート決済の2種類に分けられ、そのうち近距離決済のアカウントの場合は、NFCを主とするカードに基づくアカウントバウチャーシステムが設計され、リモート決済のアカウントシステム設計では、NFCは適切ではなく、これに基づき、ほとんどの決済機関や銀行は、デジタルトークン(TOKEN)の方式をリモート決済場面で採用している。
【0003】
この場合では、各決済機関や銀行が独自のTOKEN体系及び実現方法を採用するため、インターネット環境での相互接続に多くの不便を引き起こす。各アカウント体系の相互接続を実現するために、本発明は、異なるアカウント保有者に生成、やり取り、記憶及び変換をサポートするための簡単で使用しやすい方法を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の不足に対して、本発明は、モバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換方法、システム、及び記憶媒体を開示し、現在のリモート決済アカウント体系において、バウチャーの生成方法が多く、ばらつきが大きくて断片化されているので、グローバルな決済システムとユーザーの需要に応えるための統一な標準や規範を短期間内で実現することができないという問題を解決する。
【0005】
従来のユーザーバウチャー設計では、デジタル符号化に基づく方式(18~25桁のアラビア数字)をほとんど採用しており、デジタル符号化の設計は、店舗側の受理と改造を容易にするからであるが、異なるアカウントバウチャーやり取りにおいて店舗側に改造コストの増大をもたらすことがある。
【0006】
また、ユーザーバウチャーは、金融取引に使用された場合、セキュリティとプライバシーが高く要求されるため、ユーザーバウチャーの変換及びデータ・マスキングの技術的解決手段に対する要求が高いという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の技術的解決手段により実現され、
第1の態様において、本発明は、モバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換方法を開示し、前記方法は、
アカウントBの機器情報を取得し、アカウントBのユーザーバウチャーに対して分散計算を行うステップS1と、
アカウントAとアカウントBとの間で定められた演算方法を利用し、アカウントBのバウチャーをS1で処理した後にシリアル化するステップS2と、
S2でシリアル化した後のアカウントBのバウチャーを、定められた暗号化アルゴリズムで暗号化するステップS3と、
ユーザーのアカウント情報により暗号化アルゴリズムで暗号化した後の結果に対して分散処理を行うステップS4と、
分散処理後のデータをシリアル化した後に数字列を形成させるステップS5と、
数字列とアカウントAのユーザーバウチャータグを混合し、アカウントAに基づくユーザーバウチャーを形成させるステップS6と、を含む。
【0008】
さらに、前記アカウントBのユーザーバウチャーは、フィンガープリントに関連するバウチャーであり、新しく生成されたアカウントAのユーザーバウチャーからユーザーBの初期ユーザーバウチャーを逆解析により遡ることができる。
【0009】
さらに、アカウントBのユーザーバウチャーがユーザーフィンガープリントと無関係のユーザーバウチャーである場合、ランダムマッチングのアルゴリズムを使用し、異なるアカウントのユーザーバウチャーにランダムでマッチングし、前記アルゴリズムは、
サーバ側のアカウントAとアカウントBのユーザーバウチャーをプール化するステップT1と、
アカウント側に独立した記憶空間を開くことで、サーバとの会話を実行し、プール化するデジタルバウチャー体系の間の関連付けを確立するステップT2と、
異なるクライアント側においてピア側のユーザーバウチャープール内のデジタルバウチャーにサーバ側との単一方向の関連付けを行うステップT3と、
クライアント側でバウチャープールをデジタルシリアル化した後、フロントエンドで提示するステップT4と、を含む。
【0010】
さらに、前記アルゴリズムは異なるアカウント体系のユーザーバウチャーの間における相互対応関係が使い捨ての単一方向対応関係であり、使用した後に復元又は逆方向の復元を行うことができない。
【0011】
第2の態様において、本発明は、モバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換システムを提供し、前記システムは、第1の態様に記載のモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換方法を実現するために用いられ、前記システムは、バウチャー対応、シリアル化、一時的記憶、セキュリティ、永続的な配列、異なるアカウント体系の接続方法及びバウチャーの生成方法を含む。
【0012】
さらに、前記システムは、文字化したIDを体系とするアカウントバウチャーの変換サービスをサポートし、文字化したバウチャーは、電子メール、電話、身分証明書番号、銀行カード番号又はその他のアカウントIDを含む。
【0013】
さらに、前記システムは、携帯電話、タブレットコンピュータ、パソコン、ディスプレイ付きのインターネット接続機能を有しない機器及びディスプレイ付きのインターネット接続機能を有する機器を含む異なるユーザー側機器で提示及び金融取引を行い、異なる形式で異なる機器に運用され、アプリケーションシステムインタフェース及び開発ツールなどを提供することにより統合される。
【0014】
さらに、前記システムは、APP組み込みアプリケーション、webアプリケーション、高速アプリケーション又はウィジェットの形で、アカウントAPP、ウェブサイトで提示され、その提示モードは、金融機関とアカウントシステム保有者システムとの間で配置されてサービスを実行することができ、異なる金融機関及び非金融機関のアカウントシステムに接続し、相互接続サービスを実現するために用いられる。
【0015】
さらに、前記システムから生成されたシリアル化したデジタルは、フロントエンドにおいて、バーコード、二次元コード、ブルートゥース、近接場NFC、音波、磁気伝送及び光伝送などを含む様々な伝送方式で提示・伝送される。
【0016】
さらに、前記システムから生成されたバウチャーは、異なる金融端末と場面で使用され、それに加えて、シリアル化したバウチャーは、複数のフロントエンド読み取り機器によって読み取られ、当該システムは、様々な機器で配置、コンテナ化及びシリアル化されるとともに、複数種類の複雑なクラウド環境やローカル環境で配置と実行を行うことができる。
【0017】
さらに、当該システムから生成された金融バウチャーは、異なる端末で取引する時に、ユーザー側の複数のアカウントバウチャーは店舗向け端末のサポートするバウチャーと比較・ハンドシェイクを行う場合、双方にとって好ましいマッチング結果を選択して金融取引を行い、生成された金融バウチャーは、異なる端末で取引する時に、ユーザー側にアカウントバウチャーのコードが表示され、手動を選択して選択と判断を行った後に金融取引を行う。
【0018】
さらに、前記システムがフロントエンドにサービスを提供する方式は、SDK、API、ウィジェット又はリッチテキスト、シンクライアント側及びリッチなwebの方式を含むが、それらに限定されない複数の方式で、従来の多くのアプリケーション形態とのドッキング及び埋め込みを行って実現される。
【0019】
さらに、前記システムは、ユーザー側のUI設計方法を利用することで、複数のアカウントバウチャー体系を簡単で速やかに統合し、1つのUIに高速表示及び切り替えを実行するとともに、異なるフロントエンド技術に応用されることができる。
【0020】
第3の態様において、本発明は、記憶媒体を提供し、前記記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶され、異なるユーザーバウチャーを記憶し、混合し、異なるアカウントシステム間で交換し、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合、第1の態様に記載のモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換方法を実現する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
本発明は、リモート決済アカウントユーザーバウチャーの生成、変換及びやり取りに用いられるため、アカウントシステムのユーザーバウチャーは、簡単で速やかに異なるアカウント体系での相互接続を実現し、アカウントバウチャー間のセキュリティ変換問題をうまく解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術を説明するために必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下説明される図面は、本発明のいくつかの実施例だけであり、当業者にとって、創造的な労力を払うことなくこれらの図面に基づいてその他の図面を取得することができる。
【
図1】
図1はモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換の原理図である。
【
図2】
図2は本発明の実施例の2つのアカウントシステムのバウチャー変換図である。
【
図3】
図3は本発明の実施例のアカウントフィンガープリントに基づくユーザーバウチャー変換の原理図である。
【
図4】
図4は本発明の実施例のアカウントフィンガープリントに基づくものでないユーザーバウチャー変換の原理図である。
【
図5】
図5は本発明の実施例のアプリケーションプログラムインタフェースに基づく設計原理図である。
【
図6】
図6は本発明の実施例の開発者ツールに基づくカプセル化モードの原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明し、明らかに、説明された実施例は、本発明の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払うことなく取得した全てのその他の実施例も本発明の保護範囲に属する。
【0024】
(実施例1)
本実施例は、モバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換方法を開示し、前記方法は、
アカウントBの機器情報を取得し、アカウントBのユーザーバウチャーに対して分散計算を行うステップS1と、
アカウントAとアカウントBとの間で定められた演算方法を利用し、アカウントBのバウチャーをS1で処理した後にシリアル化するステップS2と、
S2でシリアル化した後のアカウントBのバウチャーを、定められた暗号化アルゴリズムで暗号化するステップS3と、
ユーザーのアカウント情報により暗号化アルゴリズムで暗号化した後の結果に対して分散処理を行うステップS4と、
分散処理後のデータをシリアル化した後に数字列を形成させるステップS5と、
数字列とアカウントAのユーザーバウチャータグを混合し、アカウントAに基づくユーザーバウチャーを形成させるステップS6と、を含む。
【0025】
アカウントBのユーザーバウチャーは、フィンガープリントに関連するバウチャーであり、新しく生成されたアカウントAのユーザーバウチャーからユーザーBの初期ユーザーバウチャーを逆解析により遡ることができる。
【0026】
アカウントBのユーザーバウチャーがユーザーフィンガープリントと無関係のユーザーバウチャーである場合、ランダムマッチングのアルゴリズムを使用し、異なるアカウントのユーザーバウチャーにランダムでマッチングする。
【0027】
前記アルゴリズムは、
サーバ側のアカウントAとアカウントBのユーザーバウチャーをプール化するステップT1と、
アカウント側に独立した記憶空間を開くことで、サーバとの会話を実行し、プール化するデジタルバウチャー体系の間の関連付けを確立するステップT2と、
異なるクライアント側においてピア側のユーザーバウチャープール内のデジタルバウチャーにサーバ側との単一方向の関連付けを行うステップT3と、
クライアント側でバウチャープールをデジタルシリアル化した後、フロントエンドで提示するステップT4と、を含む。
【0028】
アルゴリズムは異なるアカウント体系のユーザーバウチャーの間における相互対応関係が使い捨ての単一方向対応関係であり、使用した後に復元又は逆方向の復元を行うことができない。
【0029】
(実施例2)
本実施例は、異なるアカウントバウチャー間のセキュリティ変換に基づく簡単で速やかな方法を開示し、大体の方法は、具体的に
図1に示すように、アカウントバウチャー間の変換に基づくことは、異なるウォレットの間に異なるアカウントバウチャーを表示して異なるアカウントネットワークの受理を実現すると簡単に理解されることができる。例えば、アカウントAにおいて(モバイル側のアプリケーションプログラム及びウェブページアプリケーションプログラムに基づく)アカウントBのユーザーバウチャーを動的に表示し、アカウントBのネットワークで相互接続を実現する。
【0030】
技術的には、異なるアカウントのユーザーバウチャー間の変換は、極めて高いセキュリティと共通性が求められている。したがって、本発明では、異なるアカウントシステムのユーザーバウチャーの変換には、異なるセキュリティポリシー及び方法を採用している。
【0031】
図2に示すように、2つのアカウントシステムでは、アカウントBはアカウントAのユーザーバウチャーを使用する必要があると仮定し、アカウントBからアカウントAへリクエストを送信し、アカウントバウチャーAと一致するバウチャーを要求する。
【0032】
(実施例3)
本実施例は、
図3に示すようなアカウントフィンガープリントに基づくユーザーバウチャー変換方法を開示する。
【0033】
この方法において、アカウントBは、変換によりアカウントAのユーザーバウチャーを取得した時に、Bアカウントのユーザーバウチャーのフィンガープリントに基づくtokenを生成し、この場合は、2つのアカウントバウチャー間には、ユーザーのフィンガープリントにより関連付け及び復元を行うことができる。
【0034】
具体的な変換及び実現方法は以下のとおりである。
【0035】
ステップ1:アカウントBの機器情報(ハードウェアシリアル番号、タイムスタンプ)を取得することにより、アカウントBのユーザーバウチャーと分散計算を行う。
【0036】
ステップ2:アカウントAとアカウントBとの間で定められた演算方法により、アカウントBのバウチャーをステップ1で処理した後にシリアル化する。シリアル化した後に定められた暗号化アルゴリズムで暗号化する。
【0037】
ステップ3:ユーザーのアカウント情報(電子メールや電話番号)によりステップ2の結果の分散処理を行う。
【0038】
ステップ4:ステップ3のデータをシリアル化した後に数字列を形成させる。
【0039】
ステップ5:数字列及びアカウントAのユーザーバウチャータグを混合し、アカウントAに基づくユーザーバウチャーを形成させる。
【0040】
また、当該方法は、上記ステップの可逆性を保証し、すなわち新しく生成されたアカウントAのユーザーバウチャーからユーザーBの初期ユーザーバウチャーを逆解析により遡ることができる。
【0041】
(実施例4)
上記実施例は、アカウントフィンガープリントに関連するバウチャーの変換方法に基づくものであり、ユーザーフィンガープリントに関連するバウチャーの変換方法のほかに、本実施例では、ユーザーフィンガープリントと無関係の別のユーザーバウチャーの変換方法を開示する。
【0042】
図4に示すように、アカウントフィンガープリントに基づくものでないユーザーバウチャーの変換方法は以下のとおりである。
【0043】
この方法において、アカウントBは、変換によりアカウントAのユーザーバウチャーを取得した時に、アカウントA及びアカウントBのユーザーバウチャーはランダムでマッチングされるものであり、この場合、2つのアカウントバウチャー間の関係は、関連付け及び復元を行うことができない。
【0044】
この方法において、本発明は、ランダムマッチングのアルゴリズムを使用して、異なるアカウントのユーザーバウチャーにランダムでマッチングし、具体的に以下のように説明する。
【0045】
ステップ1:サーバ側のアカウントAとアカウントBのユーザーバウチャーをプール化し、すなわち異なるバウチャー体系のデジタルに対してバッファリングとプール化を行う。
【0046】
ステップ2:アカウント側に独立した記憶空間を開くことで、サーバとの会話を実行し、プール化するデジタルバウチャー体系の間の関連付けを確立する。
【0047】
ステップ3:異なるクライアント側においてピア側のユーザーバウチャープール内のデジタルバウチャーにサーバ側の使い捨ての単一方向関連付けを行い、本発明は、一対一の単一方向の関連付け、又は一対多の単一方向の関連付けを実現することができる。
【0048】
ステップ4:クライアント側でバウチャープールをデジタルシリアル化した後、フロントエンドで提示する。
【0049】
この方法において、異なるアカウント体系のユーザーバウチャー間の相互対応関係は、使い捨ての単一方向対応関係であり、使用した後も復元又は逆方向の復元を行うことができない。
【0050】
(実施例5)
本実施例は、モバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換システムを開示し、前記システムは、上記実施例に記載のモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換方法を実現するために用いられ、前記システムは、バウチャー対応、シリアル化、一時的記憶、セキュリティ、永続的な配列、異なるアカウント体系の接続方法及びバウチャーの生成方法を含む。
【0051】
システムは、文字化したIDを体系とするアカウントバウチャーの変換サービスをサポートし、文字化したバウチャーは、電子メール、電話、身分証明書番号、銀行カード番号又はその他のアカウントIDを含む。システムは、携帯電話、タブレットコンピュータ、パソコン、ディスプレイ付きのインターネット接続機能を有しない機器及びディスプレイ付きのインターネット接続機能を有する機器を含む異なるユーザー側機器で提示及び金融取引を行い、異なる形式で異なる機器に運用され、アプリケーションシステムインタフェース及び開発ツールなどを提供することにより統合される。
【0052】
システムは、APP組み込みアプリケーション、webアプリケーション、高速アプリケーション又はウィジェットの形で、アカウントAPP、ウェブサイトで提示され、その提示モードは、金融機関とアカウントシステム保有者システムとの間で配置されてサービスを実行することができ、異なる金融機関及び非金融機関のアカウントシステムに接続し、相互接続サービスを実現するために用いられる。システムから生成されたシリアル化したデジタルは、フロントエンドにおいて、バーコード、二次元コード、ブルートゥース、近接場NFC、音波、磁気伝送及び光伝送などを含む様々な伝送方式で提示・伝送される。
【0053】
システムから生成されたバウチャーは、異なる金融端末と場面で使用され、それに加えて、シリアル化したバウチャーは、複数のフロントエンド読み取り機器によって読み取られ、当該システムは、様々な機器で配置、コンテナ化及びシリアル化されるとともに、複数種類の複雑なクラウド環境やローカル環境で配置と実行を行うことができる。当該システムから生成された金融バウチャーは、異なる端末で取引する時に、ユーザー側の複数のアカウントバウチャーは店舗向け端末のサポートするバウチャーと比較・ハンドシェイクを行う場合、双方にとって好ましいマッチング結果を選択して金融取引を行う。生成された金融バウチャーは、異なる端末で取引する時に、ユーザー側にアカウントバウチャーのコードが表示され、手動を選択して選択と判断を行った後に金融取引を行う。
【0054】
システムがフロントエンドにサービスを提供する方式は、SDK、API、ウィジェット又はリッチテキスト、シンクライアント側及びリッチなwebの方式を含むが、それらに限定されない複数の方式で、従来の多くのアプリケーション形態とのドッキング及び埋め込みを行って実現される。システムは、ユーザー側のUI設計方法を利用することで、複数のアカウントバウチャー体系を簡単で速やかに統合し、1つのUIに高速表示及び切り替えを実行するとともに、異なるフロントエンド技術に応用されることができる。
【0055】
(実施例6)
実施例5におけるシステムの技術実現には、本実施例では、システムの実現について異なる実現方式を採用することを開示する。
図5に示すように、アプリケーションプログラムインタフェースに基づく設計では、本方法のバウチャーシステムは、ドッキングと使用を行うための完全なアプリケーションプログラムインタフェースをアカウントシステムに提供することができる。
図6に示すように、開発者ツールに基づくカプセル化モードでは、アプリケーションプログラムインタフェースのほかに、本方法のバウチャーの変換システムは、バウチャーの変換サービスを実現するため、各種の機器、バックグラウンドシステムに基づく開発者ツールインタフェースを提供することもできる。受理環境において、アカウントバウチャーサブシステムと店舗側の受理機器との間でのやり取りを実現し、異なる複数のアカウントバウチャー間での選択及び有効化を実現し、ここでの接続方式は、ブルートゥース、wifi又は近距離通信手段を含む。
【0056】
(実施例7)
本実施例は、記憶媒体を開示し、前記記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶され、異なるユーザーバウチャーを記憶し、混合し、異なるアカウントシステムの間で交換し、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合、上記実施例に記載のモバイル決済アカウント側のユーザーバウチャーの生成変換方法を実現する。
【0057】
以上説明したように、本発明は、リモート決済アカウントのユーザーバウチャーの生成、変換及びやり取りに用いられるため、アカウントシステムのユーザーバウチャーは、簡単で速やかに異なるアカウント体系での相互接続を実現することができる。現在のリモート決済アカウント体系において、バウチャーの生成方法が多く、ばらつきが大きくて断片化されているので、グローバルな決済システムとユーザーの需要に応えるための統一な標準や規範を短期間内で実現することができないが、本発明の方法は簡単で速やかに変換と相互接続を実現することができる。
【0058】
従来のユーザーバウチャーの設計では、デジタル符号化に基づく方式(18~25桁のアラビア数字)をほとんど採用しており、デジタル符号化の設計は、店舗側の受理と改造を容易にするからであるが、異なるアカウントバウチャーのやり取りにおいて店舗側に改造コストの向上をもたらすことがあるので、速やかに変換と相互接続を実現するためには、アカウントバウチャーの変換を簡単で経済的にする。
【0059】
また、ユーザーバウチャーは、金融取引に使用された場合、セキュリティとプライバシーが高く要求されるため、ユーザーバウチャーの変換及びデータ・マスキングの技術的解決手段に対する要求が高い。本発明は、アカウントバウチャー間のセキュリティ変換問題をうまく解決する。
【0060】
以上の実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するために用いられ、それを限定するものではなく、前述実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、それは依然として前述各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はそのうちの一部の技術的特徴を均等置換することができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本発明の各実施例の技術的解決手段の精神及び範囲から逸脱させないことが理解される。
【国際調査報告】