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特表2023-525621コグニティブLPE無線の制御のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(54)【発明の名称】コグニティブLPE無線の制御のための方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/18 20090101AFI20230612BHJP
【FI】
H04W16/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551734
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(85)【翻訳文提出日】2022-10-12
(86)【国際出願番号】 US2021020029
(87)【国際公開番号】W WO2021236193
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】16/804,104
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519100985
【氏名又は名称】ビーエイイー・システムズ・インフォメーション・アンド・エレクトロニック・システムズ・インテグレイション・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】シャーマン、マシュー・ジェイ.
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067BB21
5K067DD20
5K067DD43
5K067DD44
5K067DD45
5K067EE02
5K067EE16
5K067GG08
(57)【要約】
紛争環境又は敵対的環境における低検出確率及び/又は低利用確率通信を可能にするためのコグニティブ無線制御のシステム及び方法。本開示のコグニティブ無線システムは、ポリシー制約及びリアルタイムデータを推論して、ミッションパラメータに対する動的な変更をリアルタイムで行うことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コグニティブ無線システムであって、
少なくとも1つのトランシーバと動作可能に通信する少なくとも1つのアンテナと、前記少なくとも1つのアンテナ及び少なくとも1つのトランシーバは、電磁信号を受信及び送信するように動作可能であり、
前記少なくとも1つのトランシーバと動作可能に通信するプロセッサとを備え、前記プロセッサは、遠隔受信機に対するコグニティブ無線システムの位置に従って、前記少なくとも1つのトランシーバ及び少なくとも1つのアンテナの動作に対する制約のセットを決定し、配置するように動作可能であり、
前記制約のセットは、送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約のうちの少なくとも1つをさらに備え、前記制約のセットは、前記遠隔受信機による前記コグニティブ無線システムの検出及び利用のうちの少なくとも1つを防止するように動作可能である、コグニティブ無線システム。
【請求項2】
符号化された命令を有する少なくとも1つの非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体をさらに含み、前記命令は、前記プロセッサによって実行されるとき、前記制約のセットを決定するための動作を実施し、前記命令は、
戦域内の少なくとも1つのアクティブ受信機を識別することと、
前記少なくとも1つのアクティブ受信機に固有の信号対雑音比(SNR)壁を決定することと、
前記少なくとも1つのアクティブ受信機についてスペクトル流束密度(SFD)を計算することと、
前記少なくとも1つのアクティブ受信機の前記SFDに対する前記送信電力制約、前記送信方向制約、及び前記送信位置制約のうちの少なくとも1つを決定することとを含む、請求項1に記載のコグニティブ無線システム。
【請求項3】
前記命令は、
前記戦域内の前記少なくとも1つのアクティブ受信機のそれぞれに固有のSNR壁を決定することと、
前記戦域内の前記少なくとも1つのアクティブ受信機のそれぞれについて前記SFDを計算することと、
前記少なくとも1つのアクティブ受信機のそれぞれの前記SFDに対する前記送信電力制約、前記送信方向制約、及び前記送信位置制約のうちの少なくとも1つを決定することと、
前記戦域へのミッションを開始する前に、前記少なくとも1つのアクティブ受信機のそれぞれについての少なくとも1つの決定された制約を使用してミッション計画を生成することとをさらに含む、請求項2に記載のコグニティブ無線システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つのアクティブ受信機のそれぞれについて、前記送信電力制約、前記送信方向制約、及び前記送信位置制約のそれぞれを決定する、請求項2に記載のコグニティブ無線システム。
【請求項5】
前記ミッション計画は、ミッション経路と少なくとも1つの通信ノードとを含む、請求項3に記載のコグニティブ無線システム。
【請求項6】
前記命令は、
前記送信電力制約、前記送信方向制約、及び前記送信位置制約のうちの少なくとも1つに従って、前記少なくとも1つの通信ノードから、前記戦域において動作するプラットフォームからの通信信号を生成することをさらに含む、請求項5に記載のコグニティブ無線システム。
【請求項7】
前記命令は、
前記少なくとも1つのアクティブ受信機のための前記送信電力制約、前記送信方向制約、及び前記送信位置制約のうちの少なくとも1つをリアルタイムで修正することと、
前記少なくとも1つのアクティブ受信機のための前記送信電力制約、前記送信方向制約、及び前記送信位置制約のうちの少なくとも1つに対する前記修正に従って、前記ミッション計画をリアルタイムで修正することとをさらに含む、請求項3に記載のコグニティブ無線システム。
【請求項8】
前記ミッション計画の前記修正は、ミッション経路及び少なくとも1つの通信ノードのうちの少なくとも1つを変更する、請求項7に記載のコグニティブ無線システム。
【請求項9】
紛争環境内での安全な通信の方法であって、
戦域内の少なくとも1つのアクティブ受信機を識別することと、
前記少なくとも1つのアクティブ受信機に固有の信号対雑音比(SNR)壁を決定することと、
前記少なくとも1つのアクティブ受信機についてスペクトル流束密度(SFD)を計算することと、
前記戦域へのミッションを開始する前に、前記少なくとも1つのアクティブ受信機の前記SFDに対する送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約のうちの少なくとも1つを決定することと、
前記戦域へのミッションを開始することと、
前記少なくとも1つのアクティブ受信機に関するデータをリアルタイムで収集することと、
前記収集されたデータに従って前記ミッションをリアルタイムで修正することとを含む、方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのアクティブ受信機の前記SFDに対する前記送信電力制約、前記送信方向制約、及び前記送信位置制約のそれぞれを決定することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ミッションを修正することは、
前記収集されたデータに従って前記少なくとも1つのアクティブ受信機のための前記SFDを再計算することと、
前記少なくとも1つのアクティブ受信機の前記再計算されたSFDに対して、前記送信電力制約、前記送信方向制約、及び前記送信位置制約のうちの少なくとも1つを再決定することとをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記戦域内の前記少なくとも1つのアクティブ受信機のそれぞれに固有の信号対雑音比(SNR)壁を決定することと、
前記少なくとも1つのアクティブ受信機のそれぞれについて前記SFDを計算することと、
前記戦域への前記ミッションを開始する前に、前記少なくとも1つのアクティブ受信機のそれぞれの前記SFDに対する前記送信電力制約、前記送信方向制約、及び前記送信位置制約のうちの少なくとも1つを決定することとをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ミッションを修正することは、
前記収集されたデータに従って前記少なくとも1つのアクティブ受信機のうちの1つ以上について前記SFDを再計算することと、
前記少なくとも1つのアクティブ受信機のうちの1つ以上の前記再計算されたSFDに対して、前記送信電力制約、前記送信方向制約、及び前記送信位置制約のうちの前記少なくとも1つを再決定することとをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ミッションを開始する前に、ミッション経路と、少なくとも1つの通信ノードとを有するミッション計画を生成することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記ミッションを修正することは、
前記ミッション経路のうちの少なくとも1つと前記少なくとも1つの通信ノードのうちの少なくとも1つとを修正することとをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ミッションを修正することは、
前記ミッション経路と前記少なくとも1つの通信ノードのうちの少なくとも1つとの両方を修正することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記送信電力制約、前記送信方向制約、及び前記送信位置制約のうちの少なくとも1つに従って、前記少なくとも1つの通信ノードから、前記戦域内で動作するプラットフォームからの通信信号を生成することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記ミッションを修正することは、
前記収集されたデータに従って前記少なくとも1つのアクティブ受信機のための前記SFDを再計算することと、
前記少なくとも1つのアクティブ受信機の前記再計算されたSFDに対して前記送信電力制約、前記送信方向制約、及び前記送信位置制約のうちの少なくとも1つを再決定することと、
少なくとも1つの再決定された前記送信電力制約、前記送信方向制約、及び前記送信位置制約に従って前記通信信号を修正することとをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
コグニティブ無線であって、
少なくとも1つのトランシーバと動作可能に通信する少なくとも1つのアンテナと、前記少なくとも1つのアンテナ及び少なくとも1つのトランシーバは、電磁信号を受信及び送信するように動作可能であり、
前記少なくとも1つのトランシーバと動作可能に通信するプロセッサとを備え、前記プロセッサは、遠隔受信機に対するコグニティブ無線システムの位置に従って、前記少なくとも1つのトランシーバ及び少なくとも1つのアンテナの動作に対する制約のセットを決定し、配置するように動作可能なリーズナを有し、
前記制約のセットは、送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約のうちの少なくとも1つをさらに含む、コグニティブ無線。
【請求項20】
前記リーズナは、前記制約のセットをリアルタイムで修正するようにさらに動作可能である、請求項19に記載のコグニティブ無線。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概して、低利用確率(LPE)通信及び低検出確率(LPD)通信に関する。より詳細には、本開示は、所望のLPE/LPDのレベルに基づいて、動的に可変スループット及び範囲を可能にするためのコグニティブ無線テクノロジーの使用に関する。具体的には、本開示は、コグニティブ無線が動的に可変スループット及び範囲レベルを推論し、決定することを可能にするための動的なポリシー及び制約の展開に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]無線通信、特に、紛争又は敵対的環境で行われる軍事作戦において使用される無線通信は、多くの場合、そのような作戦の成功に不可欠である。そのような通信は、例えば、部隊のポジション又は移動を調整するとともに、情報を作戦のベース又は指令センターなどの遠隔位置に中継及び/又は漏らするために、ローカルに使用されてもよい。これらの特定のタイプの通信のそれぞれは、電力周波数又はこれに類するものに関して異なる要件を有してもよい。
【0003】
[0003]これらの戦場通信は不可欠であるので、作戦のエリア内の敵対者は、部隊の位置、移動、及び/又は部隊/車両タイプなどのような、それらの敵対者についての情報を決定するためにそのような通信を利用しようとするかもしれない。したがって、無線信号のそのような利用を阻止するために、低利用確率(LPE)及び/又は低検出確率(LPD)通信を利用することが望ましい。敵対的なセンサ能力が向上するにつれて、これらのLPE/LPDテクノロジーはより重要になるが、これらは、典型的には、スループットの低下を犠牲にしており、これは、ミッション有効性にさらに影響を及ぼすかもしれない。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本開示は、紛争又は敵対的環境における低検出確率及び/又は低利用確率の通信を可能にするためのコグニティブ無線制御のシステム及び方法を提供することによって、これら及び他の問題に対処する。本開示のコグニティブ無線システムは、ポリシー制約及びリアルタイムデータを推論して、ミッションパラメータに対する動的な変更をリアルタイムで行うことができる。
【0005】
[0005]一態様において、本開示の例示的な実施形態は、コグニティブ無線システムを提供することができ、コグニティブ無線システムは、少なくとも1つのトランシーバと動作可能に通信する少なくとも1つのアンテナと、少なくとも1つのアンテナ及び少なくとも1つのトランシーバは、電磁信号を受信及び送信するように動作可能であり、少なくとも1つのトランシーバと動作可能に通信するプロセッサとを備え、プロセッサは、遠隔受信機に対するコグニティブ無線システムの位置に従って、少なくとも1つのトランシーバ及び少なくとも1つのアンテナの動作に対する制約のセットを決定し、配置するように動作可能であり、制約のセットは、送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約のうちの少なくとも1つをさらに備え、制約のセットは、遠隔受信機によるコグニティブ無線システムの検出及び利用のうちの少なくとも1つを防止するように動作可能である。この例示的な実施形態又は別の例示的な実施形態は、符号化された命令を有する少なくとも1つの非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体をさらに提供することができ、命令は、プロセッサによって実行されるときに、制約のセットを決定するための動作を実施し、命令は、戦域内の少なくとも1つのアクティブ受信機を識別することと、少なくとも1つのアクティブ受信機に固有の信号対雑音比(SNR)壁を決定することと、少なくとも1つのアクティブ受信機についてのスペクトル流束密度(SFD)を計算することと、少なくとも1つのアクティブ受信機のSFDに対する送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約のうちの少なくとも1つを決定することとを含む。この例示的な実施形態又は別の例示的な実施形態は、命令が、戦域内の少なくとも1つのアクティブ受信機のそれぞれに固有のSNR壁を決定することと、戦域内の少なくとも1つのアクティブ受信機のそれぞれについてSFDを計算することと、少なくとも1つのアクティブ受信機のそれぞれのSFDに対する送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約のうちの少なくとも1つを決定することと、戦域へのミッションを開始する前に、少なくとも1つのアクティブ受信機のそれぞれについて少なくとも1つの決定された制約を使用してミッション計画を生成することとをさらに含むことをさらに提供することができる。この例示的な実施形態又は別の例示的な実施形態は、プロセッサが、少なくとも1つのアクティブ受信機のそれぞれについて、送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約のそれぞれを決定することをさらに提供することができる。この例示的な実施形態又は別の例示的な実施形態は、ミッション計画がミッション経路及び少なくとも1つの通信ノードを含むことをさらに提供することができる。この例示的な実施形態又は別の例示的な実施形態は、命令が、送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約のうちの少なくとも1つに従って、少なくとも1つの通信ノードから、戦域内で動作するプラットフォームからの通信信号を生成することをさらに含むことをさらに提供することができる。この例示的な実施形態又は別の例示的な実施形態は、命令が、少なくとも1つのアクティブ受信機のための送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約のうちの少なくとも1つをリアルタイムで修正することと、少なくとも1つのアクティブ受信機のための送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約のうちの少なくとも1つに対する修正に従ってミッション計画をリアルタイムで修正することとをさらに含むことをさらに提供することができる。本例示的実施形態又は別の例示的実施形態はさらに、ミッション計画の修正が、ミッション経路及び少なくとも1つの通信ノードのうちの少なくとも1つを変更することを提供することができる。
【0006】
[0006]別の態様では、本開示の例示的な実施形態は、戦域内の少なくとも1つのアクティブ受信機を識別することと、少なくとも1つのアクティブ受信機に固有の信号対雑音比(SNR)壁を決定することと、少なくとも1つのアクティブ受信機についてスペクトル流束密度(SFD)を計算することと、戦域へのミッションを開始する前に、少なくとも1つのアクティブ受信機のSFDに対する送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約のうちの少なくとも1つを決定することと、戦域へのミッションを開始することと、少なくとも1つのアクティブ受信機に関するデータをリアルタイムで収集することと、収集されたデータに従ってミッションをリアルタイムで修正することとを含む、紛争環境内での安全な通信の方法を提供することができる。この例示的な実施形態又は別の例示的な実施形態は、少なくとも1つのアクティブ受信機のSFDに対する送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約のそれぞれを決定することをさらに提供することができる。本例示的実施形態又は別の例示的実施形態は、収集されたデータに従って、少なくとも1つのアクティブ受信機のためのSFDを再計算することと、少なくとも1つのアクティブ受信機の再計算されたSFDに対して、送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約のうちの少なくとも1つを再決定することとをさらに提供することができる。この例示的な実施形態又は別の例示的な実施形態は、戦域内の少なくとも1つのアクティブ受信機のそれぞれに固有の信号対雑音比(SNR)壁を決定することと、少なくとも1つのアクティブ受信機のそれぞれについてスペクトル流束密度(SFD)を計算することと、戦域へのミッションを開始する前に、少なくとも1つのアクティブ受信機のそれぞれのSFDに対する送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約のうちの少なくとも1つを決定することとをさらに提供することができる。この例示的な実施形態又は別の例示的な実施形態は、収集されたデータに従って少なくとも1つのアクティブ受信機のうちの1つ以上についてSFDを再計算することと、少なくとも1つのアクティブ受信機のうちの1つ以上の再計算されたSFDに対して送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約のうちの少なくとも1つを再決定することとをさらに提供することができる。この例示的な実施形態又は別の例示的な実施形態は、ミッションを開始する前に、ミッション経路と少なくとも1つの通信ノードとを有するミッション計画を生成することをさらに提供することができる。この例示的な実施形態又は別の例示的な実施形態は、ミッションを修正することが、ミッション経路のうちの少なくとも1つ及び少なくとも1つの通信ノードのうちの少なくとも1つを修正することをさらに含むことをさらに提供することができる。この例示的な実施形態又は別の例示的な実施形態は、ミッションを修正することが、ミッション経路と少なくとも1つの通信ノードのうちの少なくとも1つとの両方を修正することをさらに含むことをさらに提供することができる。この例示的な実施形態又は別の例示的な実施形態は、送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約のうちの少なくとも1つに従って、少なくとも1つの通信ノードから、戦域内で動作するプラットフォームからの通信信号を生成することをさらに提供することができる。この例示的な実施形態又は別の例示的な実施形態は、ミッションを修正することが、収集されたデータに従って少なくとも1つのアクティブ受信機のSFDを再計算することと、少なくとも1つのアクティブ受信機の再計算されたSFDに対して送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約のうちの少なくとも1つを再決定することと、少なくとも1つの再決定された送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約に従って通信信号を修正することとをさらに含むことをさらに提供することができる。
【0007】
[0007]さらに別の態様では、本開示の例示的な実施形態は、コグニティブ無線を提供することができ、コグニティブ無線は、少なくとも1つのトランシーバと動作可能に通信する少なくとも1つのアンテナと、少なくとも1つのアンテナ及び少なくとも1つのトランシーバは電磁信号を受信及び送信するように動作可能であり、少なくとも1つのトランシーバと動作可能に通信するプロセッサとを備え、プロセッサは、遠隔受信機に対するコグニティブ無線システムの位置に従って、少なくとも1つのトランシーバ及び少なくとも1つのアンテナの動作に対する制約のセットを決定し、配置するように動作可能なリーズナ(reasoner)を有し、制約のセットは、送信電力制約、送信方向制約、及び送信位置制約のうちの少なくとも1つをさらに含む。この例示的な実施形態又は別の例示的な実施形態は、リーズナが、制約のセットをリアルタイムで修正するようにさらに動作可能であることをさらに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
[0008] 本開示のサンプル実施形態が、以下の説明に記載され、図面に示され、添付の特許請求の範囲に具体的かつ明確に指摘され、記載される。
図1】[0009] 図1は、本開示の一態様にしたがうコグニティブ無線システムの概略図である。
図2】[0010] 図2は、本開示の1つの態様にしたがうコグニティブ無線システムのブロックダイヤグラム図である。
図3】[0011] 図3は、本開示の1つの態様にしたがうコグニティブ無線システムを利用するフライトグループの運用図である。
図4A】[0012] 図4Aは、本開示の一態様にしたがうコグニティブ無線システムのための異なる要件に対応する異なるゾーンを示す、作戦のエリア(「戦域」)の運用図である。
図4B】[0013] 図4Bは、本開示の一態様にしたがうコグニティブ無線システムのための異なる要件に対応するミッション経路及び通信ノードを示す、図4Aの戦域の運用図である。
図5】[0014] 図5は、本開示の一態様にしたがうコグニティブ無線システムのための運用及び使用の方法を図示する例示的なフローチャートである。
【0009】
[0015]同様の番号は、図面全体を通して同様の部分を指す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0016]図1を参照すると、コグニティブ無線システムが示されており、全体的に参照番号10で示されている。図1に示すように、コグニティブ無線システム10の基本的な表現は、1つ以上のアンテナ12、1つ以上のトランシーバ14、及び1つ以上のプロセッサ16を含むことができる。図3に描くように、コグニティブ無線システム10は、本明細書でさらに説明するように、プラットフォーム18上に設置することができる。
【0011】
[0017]本明細書で使用され理解されるように、アンテナ12は、任意の構成の1つ以上のアンテナ12を含むことができ、プラットフォーム18上の任意のポジションに設置することができるアンテナアレイであってよい。アンテナ12は、単極、双極もしくは指向性アンテナ(又は複数のアンテナ)12であってもよく、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。アンテナ12は、特定の設置パラメータ及び使用されるプラットフォーム18のタイプによって決定されるようなプラットフォーム18上の既存のレガシー構成を含む、設置条件に適した任意の所望の構成で配置されてもよい。1つの特定のアンテナ12配置が特定のプラットフォーム18に対してより良好に機能し、別のアンテナ12配置が異なるプラットフォーム18に対してより好適であることが理解されるであろう。1つの非限定的な例として、プラットフォーム18が航空機である場合、プラットフォーム18は、特定のアンテナ12の配置により適している可能性があるが、地上ベース又は海上ベースの車両プラットフォーム18は、異なるアンテナ12の配置で利点を見出す可能性がある。
【0012】
[0018]アンテナ12は、受信アンテナと送信アンテナとを含んでいてもよく、これらは、本明細書でさらに説明するように、プラットフォーム18に向けられた無線信号をブロードキャストすること、及び/又はプラットフォーム18から無線信号を受信することの両方を行うように動作可能であってもよい。一態様によれば、アンテナ12は、本明細書でさらに説明するように、アンテナ12によって受信された信号がトランシーバ14及び/又はプロセッサ16に通信されてもよいように、トランシーバ14及び/又はプロセッサ16と通信してもよい。同様に、プロセッサ16及び/又はトランシーバ14によって生成される信号は、アンテナ12を介してプラットフォーム18に通信され、プラットフォーム18からブロードキャストされてもよい。複数のアンテナ12が利用される場合、それらは、すべてのアンテナ12が同じタイプ(たとえば、デュアルバンド、指向性、全方向性など)であってもよいように構成されてもよいか、又は複数のタイプのアンテナ12が一緒にもしくは互いに近接して用いられてもよいように構成されてもよい。一例によれば、コグニティブ無線システム10は、デュアルバンド信号などの第1の信号のために構成された1つのアンテナ12又はアンテナ12セットを有する一方で、指向性信号などの第2の信号のために構成されたアンテナ12も有することができる。
【0013】
[0019]1つ以上のトランシーバ14は、アンテナ12を介して電波を送信及び/又は受信するように動作可能であってもよく、限定はしないが、通信送信機、レーダー送信機、信号ジャミング送信機、及びこれらに類するものを含む、任意のタイプの送信機を含んでいてもよい。一態様によれば、トランシーバ14は、2つ以上のタイプの送信機を含んでいてもよい。トランシーバ14は、限定はしないが、無線受信機、グローバルナビゲーション受信機、超短波全方向式無線標識(VOR)受信機、及びこれらに類するものを含む、任意のタイプの受信機をさらに含んでいてもよい。別の態様によれば、トランシーバ14は、2つ以上のタイプの受信機を含むことができる。
【0014】
[0020]トランシーバ14は、本明細書でさらに説明するように、アンテナ12を介して電磁信号を送信及び/又は受信するように動作可能であってもよい。別の態様によれば、トランシーバ14は、所望のインプリメンテーションパラメータによって指示されるように、コグニティブ無線システム10内の別個のアセットとして実現される送信機及び受信機の両方であってもよい。
【0015】
[0021]トランシーバ14は、直接接続、直接シリアル接続、又はワイヤレス接続であってもよい、ワイヤード又はワイヤレス接続を通して1つ以上のプロセッサ16と通信してもよい。別の態様によれば、トランシーバ14は、所望のインプリメンテーションに従ってコグニティブ無線システム10によって含まれるか、又はさもなければ利用されてもよい中間コンポーネントを通してプロセッサ16と通信してもよい。たとえば、トランシーバ14は、1つ以上の周波数変換器又はこれに類するもの介してプロセッサ16と通信してもよい。
【0016】
[0022]1つ以上のプロセッサ16は、1つ以上の非一時的記憶媒体を含むか、又はさもなければそれと通信する、1つ以上のコンピュータプロセッサ、ロジック又は一連のロジックであってもよい。プロセッサ16は、本明細書でさらに説明するように、符号化された命令又はプロセスのセットを遂行及び実行することが可能なデジタルプロセッサであってもよい。一態様によれば、プロセッサ16は、本明細書でさらに説明するように、コグニティブ無線システム10の他のコンポーネントに動作可能に接続されてもよい。別の態様によれば、プロセッサ16は、他のコグニティブ無線システム10のコンポーネントから離れていてもよく、ワイヤード、ワイヤレス、又はそれらとのワイヤード及びワイヤレス通信の任意の適切な組み合わせであってもよい。したがって、他のコグニティブ無線システム10コンポーネントとプロセッサ16との間の接続性及び通信は、本明細書で説明するように、コグニティブ無線システム10の所望のインプリメンテーション及び設置パラメータに応じて変化するかもしれない。
【0017】
[0023]トランシーバ14及び/又はプロセッサ16はさらに、関連するデータがそれらの間で通信されてもよいように、プラットフォーム18に搭載された他のシステムとさらに通信してもよい。例えば、プラットフォーム18が航空機である場合、搭載飛行システムは、機首方位、高度、飛行速度、ジオロケーション、及びこれらに類するもののようなデータをトランシーバ14及び/又はプロセッサ16に中継することができる。同様に、トランシーバ14及び/又はプロセッサ16は、検出された信号及びこれに類するものに関するデータを、プラットフォーム18の1人又は複数のオペレータを含む、プラットフォーム18に通信することができる。以下でさらに説明するように、プラットフォーム18とコグニティブ無線システム10との間の通信は、プラットフォーム18が特定のアクションをとることを可能にすることができる。例えば、プラットフォーム18がドローンなどの無人航空機である場合、プラットフォーム18は、コグニティブ無線システム10のニーズ及びコグニティブ無線システム10から送られるか又はコグニティブ無線システム10に受信される任意の通信に最も適合するように、特定の位置に向かって、又は特定の位置から離れるステアリングのような自動化されたアクションをとることができる。プラットフォーム18が有人航空機などの有人プラットフォームである場合、プラットフォーム18は同様の自動化された応答アクションを行ってもよく、またはプラットフォーム18のオペレータもしくはパイロットが応答アクションを用いるか否かを選択できるようにしてもよい。
【0018】
[0024]一態様によれば、トランシーバ14及びプロセッサ16は、コグニティブ無線システム10内の別個のアセットであってもよい。別の態様によれば、トランシーバ14及びプロセッサは、コグニティブ無線システム10内の単一の統合ユニットであってもよい。したがって、図1に示すコグニティブ無線システム10の図は例示的な図であり、その限定的な図ではないことが理解されるであろう。
【0019】
[0025]プラットフォーム18は、無線通信を利用することが可能な、輻輳した環境、紛争環境、敵対的環境において動作する任意のユニットであってもよい。一態様によれば、プラットフォーム18は、個々の部隊によって運ばれる有人ポータブルコグニティブ無線システム10を含むことができる。別の態様によれば、プラットフォーム18は、地上車両、海上車両、有人及び無人を含む航空機、及びコグニティブ無線システム10をその上に又はそれとともに搭載する同様のものであってもよい。別の態様によれば、プラットフォーム18は、弾薬、ロケット、又は他の推進車両であってもよい。別の態様によれば、プラットフォーム18は遠隔操作車両であってもよい。本明細書で使用されるように、プラットフォーム18は、有人航空機(航空機38など)として図示されているが、本明細書で提供される例及び説明は、特に別段の定めがない限り、所望のインプリメンテーションによって規定されるプラットフォーム18のすべてのバージョンにわたって等しく適用可能であることが理解されよう。
【0020】
[0026]本明細書で使用されるように、輻輳環境は、電磁スペクトルの利用率が高い環境であると企図され、市民エリア又は脅威を含むと見なされないエリアを含んでいてもよい。紛争環境は、反対の力が動作しているか、走査しているか、監視しているか、さもなければ作戦のエリア内に存在する環境であると企図される。本明細書で使用されるように、敵対的環境は、いわば、プラットフォーム18が作戦のエリアで動作するときにプラットフォーム18に脅威が与えられるような、紛争中の環境であると企図される。したがって、敵対的環境は紛争環境であるが、紛争環境は必ずしも敵対的であるとは限らない。紛争環境及び敵対的環境の両方は、その中の電磁スペクトルの利用に応じて輻輳しているかもしれず、又は輻輳していないかもしれない。
【0021】
[0027]作戦のエリアは、本明細書では集合的に「戦域」(以下でさらに説明する戦域52など)と呼ばれることがあり、別段に明記されていない限り、紛争環境と敵対的環境の両方を含むものと理解されよう。本明細書で使用される敵又は敵ユニットは、人、車両、固定設備、衛星、又はこれらに類するものを含むがこれらに限定されない、同じ環境で動作する対抗力の任意のメンバー又はユニットであると企図される。
【0022】
[0028]図2を参照すると、本明細書で説明するように、プロセッサ16及び/又はトランシーバ14に関するブロック図の一部として示される戦略オプティマイザコンポーネント20と、緩和制御計画コンポーネント22と、干渉レコグナイザコンポーネント24とを有する、本開示によるコグニティブ無線システム10の一実施形態のアーキテクチャが示されている。これらのコンポーネント、すなわち、戦略オプティマイザ20、緩和制御計画コンポーネント22、及び干渉レコグナイザ24のそれぞれは、所望のインプリメンテーションに応じて変化してもよいが、他のコンポーネントが所望のインプリメンテーションによって指示されるように利用又は省略されてもよいことから、それらは、コグニティブ無線システム10の限定的な例としてではなく、一実施形態を参照して本明細書で説明されることが理解されよう。
【0023】
[0029]戦略最適化コンポーネント20(本明細書では戦略オプティマイザ20とも呼ばれる)は、長期応答エンジン26と高速応答エンジン28とをさらに含むことができ、これらは、本明細書でさらに説明するように、無線システム10の動作中及び使用中に収集された長期データと時間データとの両方を利用して戦略が展開されることを可能にするために、図2の参照番号32で示す1つ以上のデータ接続を介して互いに通信することができる。戦略オプティマイザ20、又はより具体的には、長期応答エンジン26及び短期応答エンジン28は、1つ以上のデータ接続32を通して緩和制御計画コンポーネント22にさらに接続されてもよい。長期応答エンジン26及び高速応答エンジン28の両方は、性能フィードバックループ34によって干渉レコグナイザ24にさらに接続されてもよく、性能フィードバックループ34は、本明細書でさらに説明するように、コグニティブ無線システム10に対するリアルタイム調節又は修正をさらに容易にすることができる。
【0024】
[0030]本発明では、様々な戦略最適化コンポーネント20を使用することができる。長期応答エンジン26及び短期応答エンジン28は、戦略最適化コンポーネント20において使用するために適合されてもよい既存の設計であってもよい。別の態様によれば、長期応答エンジン26及び短期応答エンジン28は、そのようなインプリメンテーションの所望のパラメータに従って、既存の設計から適合されてもよく、又は特定のインプリメンテーションのために設計及び構築されてもよい。
【0025】
[0031]別の態様によれば、戦略オプティマイザ20の代わりに、又はその特定のコンポーネントの代わりに、クラウドにおけるような単純な状態機械を含むがこれに限定されない他の形態の機械知能を使用することもできる。1つの非限定的な例として、本明細書でさらに説明するように、ポリシー30及びプラットフォーム18の現在位置などの可観測量に基づいて許可された電力伝達を決定するための計算のセットが適用されてもよい。このポリシー30は、例えば、既知のリンク長に基づくことができ、許可されたデータレートは、単純な状態機械又はこれに類するものを用いて決定され、適用されてもよい。
【0026】
[0032]戦略オプティマイザ20は、以下で説明するように、システム10の検出、利用又はこれらに類するものの確率を最小限に抑えるために、コグニティブ無線システム10によって生成され利用される戦略及び応答を監督するか、又はそうでなければ適切な制限を課す、参照番号30の矢印によって示される強いポリシーコンポーネントをさらに含んでいてもよい。
【0027】
[0033]戦略オプティマイザ20、又はより詳細には、長期応答エンジン26及び短期応答エンジン28は、本明細書でさらに説明するように、干渉レコグナイザ24によって提供される「可観測量」を受け入れ、緩和コンポーネント22によって提供されるような「制御量」にインターフェースして、システム10の全体的な性能を改善することができる。
【0028】
[0034]本明細書で前述したように、図2に描かれるシステム10のアーキテクチャは、所望のインプリメンテーションに従って修正されてもよいが、このアーキテクチャはまた、戦略オプティマイザ20、緩和制御計画コンポーネント22、及び/又は干渉レコグナイザ24のうちの1つ以上を含む、その中に提供される様々なコンポーネントが、レガシー資産であってもよく、及び/又は所望のインプリメンテーションによって指示される他のレガシー資産に関連して使用されてもよいという点で、レガシーシステムと同様に動作してもよいことが理解されよう。
【0029】
[0035]このように例示的なコグニティブ無線システム10の要素及びコンポーネントについて説明してきたが、次に、その動作及び使用方法について説明する。
【0030】
[0036]戦略最適化コンポーネント20は、コグニティブ無線システム10が、動作中にシステム10によって収集されたデータと比較して制約のセットを推論することを可能にするために、ゲーム理論を利用するリーズナとして利用されてもよい。これらの制約は、ポリシーコンポーネント30として図示されており、本明細書で説明するように検出又は位置付けられることなく、紛争又は敵対的環境においてシステム10が動作する能力を最大化するために、動作の前にシステム10に課される制約である。リーズナ、別名戦略最適化コンポーネント20は、次いで、コグニティブ無線システム10が任意の所定のシナリオ又は状況において何をすべきかを決定又は見つけだすように動作可能であってもよい。コグニティブ無線システム10によって行われるアクションのいくつかの非限定的な例は、紛争環境又は敵対的環境における通信データを含む、データの送信の時間、配置、及び/又は方向に対してどの周波数帯域を利用すべきかの決定を含む。例えば、本明細書でさらに説明するように、敵受信機(以下で説明する敵受信機42など)の範囲内で動作するプラットフォーム18によって担持されるコグニティブ無線システム10は、その通信信号の検出又は利用を回避するために、その敵受信機の存在に基づいて別のユニットに送られる通信信号の周波数又はタイミングを調整することができる。
【0031】
[0037]コグニティブ無線システム10は、データを推論する、たとえば、それ自体を考えるように動作するリーズナ又はコンポーネントを含むので、課題はシステム10の制御に関する問題になる。言い換えれば、戦略最適化オプティマイザコンポーネント20などの推論コンポーネントが特定の状況を検討し過ぎる又は分析し過ぎることがないようにするために必要な制約が存在する。
【0032】
[0038]紛争又は敵対的環境を含む任意の環境において無線又は通信機器が動作することが望ましいかもしれない多くの事例及びシナリオが存在する。1つのそのような非限定的な例は、敵対的環境における戦場通信及び/又はユニットの協調を伴う。したがって、本明細書で説明されるようなコグニティブ無線システム10などのシステムのための複数のアプリケーションが存在することが理解されるが、本明細書の開示は、本開示における簡潔さ及び明瞭さの明確な目的のために、戦場通信を伴うそのようなシナリオを対象とする。したがって、これらは、コグニティブ無線システム10の使用及び動作の限定的な例ではなく、その例示的な動作及び使用であることがさらに理解されよう。
【0033】
[0039]したがって、戦場通信において使用されるとき、無線信号は、多数の方法で敵によって利用されるかもしれない。第1に、無線信号は、敵の受信機によって検出されるかもしれず、特定のエリア又は戦域52において動作しているユニットの存在と同じくらい基本的な情報から、これらの通信ユニットのタイプ、サイズ、方向、機首方位、速度、及び/又は現在位置に関するより複雑な情報までを決定するために利用されるかもしれない。さらに、セキュリティ保護された通信であっても、信号が隠されていない場合、あるいはそもそも検出又は利用することが困難でない場合には、傍受される危険性がある。
【0034】
[0040]したがって、その特定の動作において及び/又はその特定のユニットのために必要とされる秘密性の所望のレベルに応じて、低検出確率及び/又は低利用確率を提供する方法で、これらの通信を維持することが望ましい。敵が電波などの電磁信号を有利に検出及び/又は利用及び活用できる可能性があるという事実にもかかわらず、戦場などの紛争又は敵対的環境では、その中で動作するユニット間で通信されなければならない特定の情報交換要件(「IER」)が存在するので、無線沈黙はしばしば実行不可能である。例えば、これらのIERは、標的設定、友好的なフォースロケーション(本明細書ではブルーフォーストラッキングとしても知られている、又はブルーフォーストラッキングと呼ばれる)に関する情報、戦術、アクション変更又は反応操作、偵察情報、及びこれらに類するものの情報を含んでいてもよい。多くの場合、これは2つのレベルの通信を伴う。例えば、敵対的なエリアで動作する兵士のグループは、互いに接近している可能性があり、したがって、彼らの間で話すために多くの帯域幅又は電力を必要としない可能性があるが、戦場制御又はミッション指令など、さらに遠くに位置する可能性がある他のユニット又は人にグループとして効果的に通信する必要がある。これらの遠隔ユニット/人は、戦域52で動作及び通信している部隊から何マイルも離れて位置しているかもしれない。そのための通信は、はるかに高い電力及び増加した帯域幅を必要とする。簡略化された非限定的な例として、互いに隣り合う2人の個人は、ささやきによって効果的に通信することができるが、大きな戦場の反対側の人と通信するためには、大声を出す必要があるかもしれない。この例を無線通信に関連付けると、通信当事者間の距離が大きいほど、当事者が効果的に通信するために話す必要がある音量は「大きく」なる。
【0035】
[0041]図3を参照すると、航空機を使用する戦場通信の図示された例が示されており、次に説明される。具体的には、参照番号38で図示される1つ以上の航空機からなるフライトグループ36があってもよい。航空機38として図示されているが、これは、本明細書で前述したように、任意のプラットフォーム18にわたって等しく適用できることが理解されよう。フライトグループ36内の航空機38は、フライトグループ36を取り囲む円によって図3に描かれ、ローカル通信ゾーン40として示されるように、ブルーフォース追跡、標的設定、再構成、回避操作などの目的のために、それらの間で通信する必要がある場合があり、ローカル通信ゾーン40は、フライトグループ36と比較して比較的小さい場合がある。フライトグループ36が作戦の戦域52で動作するとき、レーダ設備、敵ユニット又は車両、敵対機、対空機バッテリ、又は他の同様のユニットなどの敵受信機は、オンラインであるかもしれない。これらのユニット/受信機は、図3に見られるように、集合的かつ全体的に参照番号42で示される。これらの敵の受信機42は、フライトグループ36及び/又はその中に含まれる航空機38などの個々のユニットの位置を特定するか又は他の方法で検出するのを助けることができる無線信号又は通信信号などの電磁信号を、監視するか又は他の方法で走査するかもしれない。
【0036】
[0042]フライトグループ36が直接戦域52において動作しているとき、フライトグループ36によって侵入できる敵受信機が有効である特定の範囲があるかもしれない。この範囲は、傍受する範囲、又はRiとして知られており、図3の矢印44によって示されている。この範囲内の動作は、Ri44内で動作している間に送信された任意の通信信号の敵の検出又は利用を可能にできるので、この範囲は、フライトグループ36などの戦域52内で動作するユニットにとって重要である。したがって、ローカル通信ゾーン40内を含む、フライトグループ36の航空機38によって、又は航空機38間で送信される任意の通信は、敵検出の影響を受けやすい可能性がある。
【0037】
[0043]フライトグループ36はまた、本明細書では航空機46として示される後続航空機などの遠隔ユニットと通信する必要があるかもしれず、後続航空機は、コマンドユニット又は他の同様のユニットであってもよい。一態様によれば、後続航空機46は、航空機38と同じタイプであってもよく、第2のフライトグループ(図示せず)内の1つ以上の航空機を表してもよい。別の態様によれば、後続航空機46は、部隊輸送機関、又は作戦の戦域52に輸送中の異なるタイプの航空機であってもよい。典型的には、本明細書に図示されるような後続航空機46は、フライトグループ36及び/又は作戦のエリアから数マイル以上離れている可能性があり、したがって、敵受信機42のRi44内に含まれないか、又は他の方法で動作しない。
【0038】
[0044]後続航空機46はまた、遠隔指令センター又は設備などの他の遠隔ユニットとともに、作戦の戦域52へ又は戦域52から移動している可能性がある、又は作戦の戦域52の外で動作している可能性がある他のモバイルユニットに直接接続されてもよい。後続航空機46と、作戦の戦域52内で現在動作していない他の全てのユニットとの間の通信は、図3において参照番号48によって示されるように、概してコンバットクラウド(combat cloud)として参照されてもよい。このコンバットクラウド48は、敵エミッタ42のRi44の外側にあるユニット間のデータ及び他の通信の自由な交換を可能にすることができる。
【0039】
[0045]したがって、後続航空機46は、フライトグループ36と、航空機38などのその個々のメンバーと、コンバットクラウド48との間の通信リンクとして働くことができる。しかしながら、これらのユニットがより遠い距離で動作しているので、フライトグループ36と後続航空機46との間の通信範囲は、信号に対してはるかに高い帯域幅又は電力を必要とする可能性があり、その特定の通信を敵受信機42による検出及び/又は利用の影響をより受けやすくする。この通信範囲、すなわちRcは、露出された中継、すなわち、可能性のある検出にさらされる通信であるかもしれない。この露出した中継は、図3の参照番号50の矢印によって示されている。
【0040】
[0046]紛争又は敵対的環境における戦術通信に対する現在の解決策は、通信の削減を伴う傾向があり、これはスループットの低下を犠牲にして行われ、その結果、ミッションの有効性に影響を及ぼす可能性がある。他のそのような解決策は、ジャミング、又は環境への輻輳もしくは干渉の意図的な追加を伴うことがあるが、受信機42などの敵の受信機は、多くの場合、いかなる信号も放射又は送信せず、代わりに、他のユニットからの送信を単に監視又は「聞く」ため、効果的ではないかもしれず、これらの受信機42は、ジャミング信号又は干渉によって影響を受けないかもしれないことを意味する。さらに、環境に追加の干渉及び輻輳を加えることは、自身の信号と干渉又は輻輳し、それによって自身の通信の効率を低下させるという悪影響を有する可能性がある。さらに、受信機42に対する技術的改良が進むにつれて、脅威又は他の信号の存在を検出する能力も同様に制限され、ミッション計画に対するリアルタイム又は動的調節がより困難になる。
【0041】
[0047]これらのシナリオにおいてコグニティブ無線システム10などのコグニティブ無線システムを利用することは、コグニティブ無線10が、低検出確率及び低利用確率のためにスループットを動的にトレードすることを可能にできる。本開示は、コグニティブ無線システム10がこれらの制約を推論することができるように、低利用確率/低検出確率の制約、すなわちポリシーコンポーネント30を表現する方法に対処する。動的ポリシー30の1つのそのようなセットは、コグニティブ無線システム10が信号対雑音比(SNR)壁を導出することを可能にして、低検出確率が維持されること、又は低利用確率が利用されることを可能にするために、スペクトル流束密度(SFD)限界の使用を伴うことができる。
【0042】
[0048]一態様によれば、ポリシー30への焦点は、システム10の重要なコンポーネントである。これらのポリシー30は、長期及び短期応答エンジン26、28が、通常は観測することができないRFセンサなどの脅威を考慮することを可能にしてもよい、戦略オプティマイザ20に対する追加の可観測量として働くことができる。これらのポリシー30は、静的又は動的であってもよい。
【0043】
[0049]起動時に、ポリシー30は、所定の位置のセットにおける1つ以上の受信機42の存在を推定することになり、これにより、戦略オプティマイザ20は、それらの制約が可観測量として与えられた場合にシステム10を最適化することができる。同様に、新しい受信機42が観察又は検出されてもよく、その受信機の存在は、システム10の動作中に新しいポリシー30制約として入力されてもよく、その受信機42の存在を前提として、システムにその構成を再最適化させる。1つの非限定的な例として、オペレータは、敵機などの新しい空中脅威を観察し、システム10の動作中に新しいポリシー30制約としてその航空機の存在を入力することができる。次いで、戦略オプティマイザ20を利用するシステム10は、以前のポリシー30の制約を依然として遵守しながら、その航空機を考慮し、その航空機による検出又は利用を最小限に抑えるようにその構成を変更することができる。本明細書で前述したように、ポリシー30及び可観測量に基づいて1つ以上の制約を決定又は調整するために、他の形態の機械知能を使用することもできる。
【0044】
[0050]フライトグループ36が戦域に送られるなどのミッションの前に、戦域で動作している様々な受信機42、脅威などに関する情報が収集されてもよい。現代の脅威は、十分に長く統合されたときに、一般的にほとんどすべての信号を検出することができる、より高い検出能力を有するオンラインになってきている。より詳細には、これらの先進受信機42は、その特定の受信機42のノイズフロアを超える任意の信号を検出するのに十分な長さにわたって統合することができる。受信機42のどのユニット及びタイプが特定の戦域内で動作しているかの知識を用いて、このSNR壁を計算し、必要とされるSNRレベルに低減することができ、これは次いでSNR壁として機能することができる。このSNR壁は、低検出確率又は低利用確率を維持するために通信信号をその受信機42から「隠す」ことができる点である。別の言い方をすれば、各受信機42に対するノイズフロアの不確実性を仮定することができ、これにより、その特定の受信機42によって検出することができない信号を設計することが可能になる。
【0045】
[0051]以前のミッションにおいて収集された情報を使用することによって、又は他のインテリジェンス手段を通じて、作戦のエリア内の脅威がミッションの前に決定されることができ、その情報を用いて、SNR壁が、戦域において動作している各脅威/受信機42について決定されてもよい。さらに、任意の1つの特定の受信機42に関する情報は、SNR壁とともに、受信機42の雑音指数、及び受信機42のアンテナ利得に関連して収集されてもよく、本明細書でさらに説明されるように、信号をマスク又は隠すために集合的に使用されてもよい。
【0046】
[0052]任意の1つの特定の受信機42に関するこれらの情報のそれぞれは、脅威が作用する特定のエリアによって制約されるかもしれない。例えば、開放水域中で動作する船舶受信機42は、港内で動作する船舶とは異なる雑音指数又はアンテナ利得を有しているかもしれない。同様に、地上ベースの脅威又は受信機42は、空中又は陸上ベースの脅威とは異なる制約を有する可能性があり、一方、島上の脅威又は受信機42は、本土設備上又は本土設備内の脅威又は受信機42とは異なる制約を有する可能性がある。
【0047】
[0053]受信機42が検出又はシグナリングするために必要とするSNR、受信機42の雑音指数、及び受信機42のアンテナ利得が取得されると、各特定の受信機42についてのスペクトル流束密度(SFD)が計算されてもよい。SFDは、本質的に、各受信機42によって検出されることなく通信に使用されてもよい電力密度を表す。言い換えれば、SNR壁、雑音、及びアンテナ利得は、以下で説明するゾーン54などの特定の地理的エリア内のSFD制限に変換することができる。これらのSFD制限が与えられると、コグニティブ無線システム10は、特定の地理的位置及び/又は特定の方向における放射に対する電力制約を導出することができる。例えば、低検出確率信号を使用して、ローカル通信エリア40内のフライトグループ36の他の航空機38などの他のプラットフォーム18とのリンクを調整することができる。同様に、航空機38などの個々のプラットフォーム18ごとの低利用確率電力制約に基づくより高いレート通信を使用して、後続航空機46又はコンバットクラウド48など、より長い距離にわたって通信することができる。プラットフォーム18及び敵の受信機42の両方の位置をさらに考慮しながら、これらのより高いデータレート通信をより少ない頻度で、より短い持続時間で送信することによって、高いスループットを維持しながら、及び戦場通信を削減することなく、これらの信号の検出及び利用確率をより低くすることができる。
【0048】
[0054]複数の脅威を有するエリアでは、SFDは、各個々の受信機42の詳細に応じて変化してもよい。各特定の受信機42に対して計算されたこれらのSFDを用いて、各脅威に対するSFDのミッションマップが生成されてもよく、これは、受信機42のいずれもが戦域で動作している間に通信信号を検出しないように、放射及び通信を制御するために使用されてもよい。このミッションマップは、各エリアにおける、又は各個々の受信機42のRI内の放射の最大電力レベルを表すコグニティブ無線システム10に対する制約のセットを表す。
【0049】
[0055]図4A及び図4Bを参照すると、例示的な作戦の戦域52が示されており、異なるSFD制約を表してもよい様々なゾーン54に分割されてもよい。図4Aに示すように、第1のエリア又はゾーン54Aは、第1のSFD制約を表すことができ、島又は半島タイプの地理的エリア上の受信機の脅威及び受信機42を表すことができる。第2のゾーン54Bは、沿岸ゾーンに関連するものなどの第2のSFD制約を表すことができる。第3のゾーン54Cは、本土エリアに配置された受信機42に関連する第3のSFD制約を有することができる。これらのゾーン54A、B、及び/又はCのそれぞれは、コグニティブ無線システム10が従わなければならない各ゾーン54A、B、及び/又はCに対する送信電力制約のセットを提供することができる、ポリシー30などの初期ミッション計画ポリシーの一部として提供することができるスペクトルポリシーのセットをさらに表すことができる。これらの制約は、これらのゾーン54のそれぞれの中の既知の受信機42に対するSNRノイズフロアを表してもよく、または、これらの制約のそれぞれは、ゾーン全体にわたって一般化されてもよい。1つの非限定的な例によれば、1つのそのような制約は、ゾーン54Aなどの特定のゾーン内の任意の送信に対する最大送信電力制約であってもよい。
【0050】
[0056]別の態様によれば、これらの制約はサービス固有であってもよい。例えば、ローカル協調通信は、後続航空機46及び/又はコンバットクラウド48への露出された中継通信50などの長距離通信とは異なる制約を有してもよい。
【0051】
[0057]コグニティブ無線システム10は、ネットワーク及びリンク構成を最適化し、MUD、MU-MIMOなどの特殊送信技法を考慮するために、各ゾーン54のためのこれらのスペクトルポリシーを利用してもよい。コグニティブ無線システム10は、ミッションをさらに計画又は準備するためにこれらの制約を使用することができる。1つの非限定的な例によれば、フライトグループ36のミッション経路(図4Bに参照番号56で示され、その中のフライト経路56を表す)は、ゾーン54A-Cの内外への移動に基づいて(又はゾーン54A-Cの中へ又はゾーン54A-Cを通って移動する送信に対して)決定されてもよい。飛行経路56として図4Bに示されているが、ミッション経路56は、陸上ベースの車両、航空機、もしくは海上ベースの車両、又は任意の他の適切なプラットフォーム18を含む任意のタイプのプラットフォーム18に適用可能であってもよいことが理解されるであろう。本明細書で使用されるように、明確かつ簡単にするために、ミッション経路56は、プラットフォーム18がフライトグループ36の航空機38である図3の例にしたがって飛行経路56と呼ばれる。
【0052】
[0058]コグニティブ無線システム10は、通信ノード58などのノードをさらに決定又は識別することができ、ここで、通信は、敵受信機42によって検出されることなく、又は最小検出及び/または利用確率で、より制限的でないか、又はより抑制されないかもしれない。これらのノードは、飛行経路56内の個々の地理的ポイントを表してもよく、または、特定の通信が最低検出及び/もしくは利用確率を有してもよい特定のポイントを表してもよい。ノード58は、それらが位置するゾーン54、最も近いゾーン、又は所望の送信の方向におけるゾーン54に基づいて、異なる制約を有してもよい。例えば、ノード58が第1のゾーン54A内に位置する場合、ノード58は特定のゾーン関連制約を有することができ、一方、どのゾーン54内にも位置しないノード58は制約されないことができる。同様に、制限されたゾーン54の外側にあるが、その送信をゾーン54内に又はゾーン54を通して搬送する方向に送信しているノード58は、そのゾーン54内に位置するノード54と同じ制限を有することができる。ノード58は、それらが同じゾーン54内に位置する場合であっても、異なるポリシー30制約を有することがあり、その理由は、制約が、所定のゾーン54内及び/又は特定のノード58のすぐ近くに存在しオンラインである受信機42に基づくことがあるからである。以下でさらに説明するように、これらの制約は、ミッションの過程でリアルタイムで更新、補正、修正、又はキャンセルされてもよいという点で動的であってもよい。
【0053】
[0059]したがって、ゾーン54内の特定の制約(SFD制約など)又は制限は、特定のミッションニーズに応じて、ならびにどのレベルの検出及び/又は利用が許容可能であるかに関する要因に応じて変化してもよいことがさらに理解されよう。1つの非限定的な例によれば、戦域52内で動作している航空機38などのプラットフォーム18の存在の知識が許可される場合、プラットフォーム18の検出が完全に拒否されることが望ましい場合とは異なる制約が通信に課されてもよい。各ノード58は、所定のスタンドオフ及びデータレートで達成可能な性能を提供することができ、これは、より高いデータレート及び通信を提供しながら、検出の確率を実質的に改善することができる。これは、本明細書で前述したように、ローカル通信エリア40内のローカルユニットとコンバットクラウド48との間で通信するために、後続航空機46などの中継器を利用するときにさらに強化される。
【0054】
[0060]以前のミッション計画に加えて、コグニティブ無線システム10は、その動作を監視し、それに制約を提供するポリシーコンポーネント30を有し、戦域52及び/又はその中に含まれる活動に関する新しい情報が提示されるとき、リアルタイムでこれらの制約を推論することができる。例えば、ゾーン54Aが特定の既知の脅威又は受信機42を含む場合、第1のゾーン54Aで動作している間に第1のレベルの送信電力を利用することを可能にするミッション前計画を決定することができるが、航空機38がゾーン54A内又はゾーン54A付近に移動すると、以前は未知であったか又は検出されなかった新しい受信機42がオンラインになる可能性があり、それによって通信能力が制限されるか又は他の形で変化する可能性がある。コグニティブ無線システム10は、新しい受信機42からの新しい脅威を考慮するために、通信及び送信プロトコルを修正するか、又は他の方法で調節するために、制約を推論することができる。
【0055】
[0061]本明細書で説明するように強いポリシーコンポーネント30をコグニティブ無線システム10に実装することは、紛争環境又は敵対的環境で動作する航空機38などのユニット又はプラットフォーム18が、紛争輻輳したスペクトル操作空間を扱うことを可能にすることができる。これは、コグニティブ無線システム10がローカル通信エリア40においてより低いレートで動作することを可能にし、したがって、検出又は利用される確率を低減する一方で、特定の通信、たとえば、後続航空機46との通信のためにより高いデータレートを確保することができ、それは、そのような信号の低検出確率及び/又は低利用確率を維持するために、指向的に又は特定の地理的位置(ノード58など)においてブロードキャストされてもよい。したがって、低検出確率及び/又は低利用確率ミッション制約を維持しながらをミッション性能を最適化できる。言い換えれば、紛争環境又は敵対的環境内の通信を安全にすることができる。
【0056】
[0062]図5を参照すると、上記で説明したように、ポリシーコンポーネント30が中に実装されたコグニティブ無線システム10のための例示的な使用方法を図示する例示的なフローチャートが示されている。この方法は、プロセス100として一般的に示され、戦域52内への侵入前及び侵入中の両方において、本明細書で説明されるような強力なポリシーコンポーネント30を有するコグニティブ無線システム10の動作を一般的に説明又は命令することができる。戦域52へのミッションを開始する前に、ミッションエリア内の敵受信機42などの脅威の存在に特に関連する戦域52に関する情報を収集することができる。この情報の収集は、以前のミッションで収集されたデータとともに観測データ及び/又は所望のミッションパラメータによって指示されるように遠隔で収集されたデータを含む既知の技法を利用して行うことができる。戦域52に関するデータのこの収集は、プロセス100のステップ102として一般的に示される。
【0057】
[0063]このデータがステップ102において収集されると、それは処理され、コグニティブ無線システム10が適切なミッション計画を決定する際にそれを推論することを可能にするために、一連のポリシー制約30としてコグニティブ無線システム10に提供されてもよい。コグニティブ無線システム10へのポリシーコンポーネント30のこの開発及び提供は、プロセス100のステップ104として示され、一般的に表示される。
【0058】
[0064]ここで、このデータ及びこれらのポリシー制約を装備して、コグニティブ無線システム10は、プロセス100におけるステップ106としてミッション計画を決定する際に、これらのポリシー制約30を推論するために利用されてもよい。
【0059】
[0065]次いで、ステップ108においてミッションが開始されると、コグニティブ無線システム10は、ミッションが進行するにつれてリアルタイムでデータを収集することができる。例えば、航空機38などのプラットフォーム18が戦域52で動作するとき、プラットフォーム18は、アンテナ12、トランシーバ14及び/又はプロセッサ16などのコグニティブ無線システム10のコンポーネントを利用して、戦域52の様々なゾーン54内の敵受信機42及び/又は他の脅威に関連するデータをリアルタイムで収集することができる。このリアルタイムデータ収集は、プロセス100のステップ110として示され、表示されている。
【0060】
[0066]このリアルタイムデータが収集されると、コグニティブ無線システム10は、ミッション動作中に低検出確率及び/又は低利用確率を維持するために、いずれかのミッションパラメータ及び/又は通信プロトコルが動的変更を必要としているかどうかを決定するために、新たに収集されたデータに照らしてポリシーコンポーネント30を推論するために、このデータを利用してもよい。この推論は、プロセス100のステップ112においてコグニティブ無線システム10によって実行することができる。
【0061】
[0067]リーズナ、すなわちコグニティブ無線システム10の戦略オプティマイザコンポーネント20が、ミッション計画及び/又は通信パラメータに対する変更又は調節が保証されると決定した場合、リーズナは、低検出確率及び/又は低利用確率を維持するために少なくとも1つのミッション及び/又は通信パラメータを修正するように、そのような調節をリアルタイムで動的に行うことができる。1つの非限定的な例として、システム10の動作中に、新しい受信機42がオンラインになることがあり、それによって、戦略オプティマイザ20は、たとえば、新しく検出された受信機42によるその通信信号の検出又は利用を回避するために、通信信号のタイミングを再構成することができる。1つ以上のミッション又は通信パラメータを調整することは、プロセス100のステップ114として示されている。
【0062】
[0068]この例示的な使用及び方法は、本明細書では戦域52で動作する航空機38について説明されるが、この方法又は他の同様の方法は、本明細書で前述したような任意の潜在的な車両又はプラットフォーム18を使用して用いられてもよいことが理解されるであろう。
【0063】
[0069]様々な発明概念が、1つ以上の方法として具現化されてもよく、その一例が提供されている。方法の一部として実行される動作は、任意の好適な方法で順序付けられてもよい。したがって、例示されたものとは異なる順序で動作が実行される実施形態を構成することができ、例示的な実施形態では連続的な動作として示されていても、いくつかの動作を同時に実行することを含んでいてもよい。
【0064】
[0070]様々な実施形態を本明細書で説明及び例示したが、当業者は、本明細書で説明した機能を実行するため、ならびに/又は本明細書で説明した結果及び/もしくは利点の1つ以上を取得するための、様々な他の手段及び/又は構造を容易に想定し、そのようなバリエーション及び/又は修正のそれぞれは、本明細書で説明した本発明の実施形態の範囲内にあると見なされる。より一般には、当業者は、本明細書に記載のすべてのパラメータ、寸法、材料、及び構成が例示的であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成が、特定の用途又は本発明の教示が使用される用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、本明細書に記載の特定の本発明の実施形態に対する多くの同等物を認識するか、又は日常的な実験のみを使用して確認することができる。したがって、前述の実施形態が、例としてのみ提示されたものであり、添付の特許請求の範囲及びその同等物の範囲内で、本発明の実施形態が、具体的に説明及び請求項に記載されるものとは別様に実施されてもよいことを理解されたい。本開示の発明の実施形態は、本明細書に記載の個々の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法各々を対象とする。加えて、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合、本開示の発明範囲内に含まれる。
【0065】
[0071]上述された実施形態は、多数の方法のいずれかで実施できる。例えば、本明細書で開示されたテクノロジーの実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせを使用して実施されてもよい。ソフトウェアで実施されるとき、ソフトウェアコード又は命令は、単一のコンピュータに提供されるか、又は複数のコンピュータ間で分散されるかにかかわらず、任意の好適なプロセッサ又はプロセッサの集合上で実行できる。更に、命令又はソフトウェアコードは、少なくとも1つの非一時的なコンピュータ読取可能記憶媒体に記憶できる。
【0066】
[0072]また、そのプロセッサを介してソフトウェアコード又は命令を実行するために利用されるコンピュータ又はスマートフォンは、1つ以上の入力及び出力デバイスを有してもよい。これらのデバイスは、特に、ユーザインターフェースを提示するために使用できる。ユーザインターフェースを設けるために使用されてもよい出力デバイスの例は、出力の視覚的提示のためのプリンタ又はディスプレイスクリーン、及び出力の可聴提示のためのスピーカ又は他の音響発生デバイスを含む。ユーザインターフェースのために使用されてもよい入力デバイスの例には、キーボード、並びにマウス、タッチパッド、及びデジタイジングタブレットなどのポインティングデバイスが含まれる。別の例として、コンピュータは、音声認識を通じて、又は他の可聴形式で入力情報を受信してもよい。
【0067】
[0073]そのようなコンピュータ又はスマートフォンは、企業ネットワークなどのローカルエリアネットワーク又はワイドエリアネットワーク、及びインテリジェントネットワーク(IN)又はインターネットを含む、任意の好適な形態における1つ以上のネットワークによって相互接続されてもよい。そのようなネットワークは、任意の好適なテクノロジーに基づいてもよく、任意の好適なプロトコルに従って動作してもよく、及びワイヤレスネットワーク、ワイヤードネットワーク、又は光ファイバネットワークを含んでいてもよい。
【0068】
[0074]本明細書で概説される様々な方法又はプロセスは、様々なオペレーティングシステム又はプラットフォームのいずれか1つを採用する1つ以上のプロセッサ上で実行可能なソフトウェア/命令としてコード化されてもよい。更に、そのようなソフトウェアは、いくつかの好適なプログラミング言語及び/又はプログラミング若しくはスクリプティングツールの任意のものを使用して書かれてもよく、そしてまた、フレームワーク又は仮想機械上で実行される、実行可能な機械語コード又は中間コードとしてコンパイルされてもよい。
【0069】
[0075]この点において、様々な発明概念は、1つ以上のコンピュータ又は他のプロセッサ上で実行されるとき、上記で説明された本開示の様々な実施形態を実施する方法を実行する1つ以上のプログラムが符号化されている、コンピュータ読取可能記憶媒体(又は複数のコンピュータ読取可能記憶媒体)(例えば、コンピュータメモリ、1つ以上のフロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、USBフラッシュドライブ、SDカード、フィールドプログラマブルゲートアレイ若しくは他の半導体デバイスにおける回路構成、又は他の非一時的な媒体若しくは有形コンピュータ記憶媒体)として具現化されてもよい。1つ以上のコンピュータ読取可能媒体は、その上に記憶された1つ以上のプログラムが、上記で説明されたような本開示の様々な態様を実施するために、1つ以上の異なるコンピュータ又は他のプロセッサ上へロードされてもよいように、可搬型であってもよい。
【0070】
[0076]「プログラム」又は「ソフトウェア」又は「命令」という用語は、本明細書では、一般的な意味で使用され、上述の実施形態の様々な態様を実施するようにコンピュータ又は他のプロセッサをプログラムするために採用されてもよい任意のタイプのコンピュータコード又はコンピュータ実行可能命令のセットを指す。更に、一態様によれば、実行されたときに本開示の方法を実行する1つ以上のコンピュータプログラムは、単一のコンピュータ又はプロセッサ上に常駐する必要はなく、本開示の様々な態様を実施するためにいくつかの異なるコンピュータ又はプロセッサ間で、モジュール方式で分散されてもよいことを理解されたい。
【0071】
[0077]コンピュータ実行可能命令は、1つ以上のコンピュータ又は他のデバイスによって実行される、プログラムモジュールなどの多くの形態であってもよい。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データ型を実施する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。典型的には、プログラムモジュールの機能性は、様々な実施形態において所望に応じて組み合わされるか、又は分散されてもよい。
【0072】
[0078]また、データ構造は、任意の好適な形態でコンピュータ読取可能媒体に記憶されてもよい。例示の簡略化のために、データ構造は、データ構造内の位置を通じて関連付けられたフィールドを有するように示されてもよい。このような関係は、同様に、フィールド間の関係を伝達するコンピュータ読取可能媒体内の位置を用いて、フィールドのための記憶域(storage)を割り当てることによって達成されてもよい。しかしながら、任意の好適な機構が、データ構造のフィールドにおける情報間の関係を確立するために使用されてもよく、ポインタ、タグ、又はデータ要素間の関係を確立する他の機構を使用することによるものを含む。
【0073】
[0079]本明細書で定義され及び使用される全ての定義は、辞書の定義、参照によって組み込まれている文書における定義、及び/又は定義された用語の通常の意味を支配する(control over)と理解されるべきである。
【0074】
[0080]本明細書で使用される場合、「ロジック」は、限定はしないが、機能又はアクションを実行するための、及び/又は、別のロジック、方法、及び/又はシステムからの機能又はアクションを引き起こすための、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又は各々の組み合わせを含む。例えば、所望の用途又は必要性に基づいて、ロジックは、ソフトウェア制御されたマイクロプロセッサ、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)のようなディスクリートロジック、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラムされたロジックデバイス、命令を含むメモリデバイス、メモリを有する電気デバイス、又はこれらに類するものを含んでいてもよい。ロジックは、1つ以上のゲート、ゲートの組み合わせ、又は他の回路コンポーネントを含んでいてもよい。ロジックはまた、ソフトウェアとして完全に具現化されてもよい。複数のロジックが説明される場合、複数のロジックを1つの物理的なロジックに組み込むことが可能であってもよい。同様に、単一のロジックが説明される場合、その単一のロジックを複数の物理的なロジック間で分散することが可能であってもよい。
【0075】
[0081]更に、本システムの様々な方法を達成するために本明細書で提示されたロジックは、以前のアナログバージョンを有さないことがある既存のコンピュータ中心又はインターネット中心のテクノロジーの改善に向けられてもよい。ロジックは、本明細書で識別された、いくつかの問題に対処し及び解決する構造に直接的に関連する特定の機能性を提供してもよい。ロジックはまた、方法及びシステムの特定のロジック構造及び一致した機能性として、例示的な発明概念を提供することによって、これらの問題を解決するためのより著しく多くの利点を提供してもよい。更に、ロジックはまた、既存の技術プロセスを改善する特定のコンピュータ実施規則を提供してもよい。本明細書で提供されるロジックは、単にデータを収集すること、情報を分析すること、及び結果を表示することを超えて拡張される。さらに、本開示の一部分又は全部は、本明細書に記載の機器又はコンポーネントの特定の配置から導出される基礎となる方程式に依拠してもよい。したがって、本開示の部分は、コンポーネントの特定の配置に関連するので、抽象的な概念を対象としない。さらに、本開示及び添付の特許請求の範囲は、当業界で以前から既知の、十分に理解された、ルーチン及び従来の活動の実行以上のものを伴う教示を提示する。自然現象のいくつかの態様を組み込むことができる本開示の方法又はプロセスのいくつかでは、プロセス又は方法ステップは、新しく有用な追加の特徴である。
【0076】
[0082]本明細書及び特許請求の範囲で使用される不定冠詞「a」及び「an」は、そうでないことが明確に示されていない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されたい。本明細書及び特許請求の範囲で使用される「及び/又は」という語句は(もしあれば)、そのように結合された要素の「いずれか又は両方」、すなわち、ある場合には接続的に存在し、他の場合には離接的に存在する要素を意味すると理解されたい。「及び/又は」で列挙された複数の要素は、同じように、すなわち、そのように結合された要素のうちの「1つ以上」と解釈されたい。「及び/又は」節によって具体的に特定された要素以外の他の要素が、具体的に特定されたそれらの要素に関連するか関連しないかにかかわらず、任意選択的に存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「A及び/又はB」への言及は、「備える」などのオープンエンド言語と共に使用されるとき、1つの実施形態では、Aのみ(任意選択的にB以外の要素を含む)を指し、別の実施形態では、Bのみ(任意選択的にA以外の要素を含む)を指し、さらに別の実施形態では、A及びBの両方(任意選択的に他の要素を含む)等を指すことができる。本明細書及び特許請求の範囲で使用されるとき、「又は」は、上記で定義された「及び/又は」と同じ意味を有すると理解されたい。例えば、リスト内の項目を分離するとき、「又は」又は「及び/又は」は、包括的である、すなわち、いくつかの要素又は要素のリストのうちの少なくとも1つを含むが、2つ以上も含み、任意選択的に、列挙されていない追加の項目も含むと解釈されるものとする。それとは反対に明確に示す用語、例えば「~のうちの1つのみ」又は「~のうちの正確に1つ」、又は特許請求の範囲で使用されるとき「~からなる」などのみが、いくつかの要素又は要素のリストのうちの正確に1つの要素を含むことを指す。一般に、本明細書で使用される「又は」という用語は、「いずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つのみ」、又は「~のうちの正確に1つ」などの排他性の用語が先行するとき、排他的代替(すなわち、「一方又は他方であるが、両方ではない」)を示すものとしてのみ解釈されるものとする。「~から本質的になる」は、特許請求の範囲において使用されるとき、特許法の分野において使用される通常の意味を有するものとする。
【0077】
[0083]本明細書及び特許請求の範囲において使用されるとき、1つ以上の要素のリストを参照した「少なくとも1つ」という語句は、要素のリスト中の要素の任意の1つ以上から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、要素のリスト内に具体的に列挙されたあらゆる要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含むわけではなく、要素のリスト中の要素の任意の組み合わせを除外しないことを理解されたい。この定義はまた、「少なくとも1つ」という語句が指す要素のリスト内で具体的に特定された要素以外に、具体的に識別されたそれらの要素に関連しても関連しなくても、要素が任意選択的に存在してもよいことを可能にする。したがって、非限定的な例として、「A及びBのうちの少なくとも1つ」(又は同等に、「A又はBのうちの少なくとも1つ」、又は同等に、「A及び/又はBのうちの少なくとも1つ」)は、1つの実施形態では、任意選択的にBが存在しない2つ以上のAを含む(及び任意選択的にB以外の要素を含む)少なくとも1つを指すことができ、別の実施形態では、任意選択的にAが存在しない2つ以上のBを含む(及び任意選択的にA以外の要素を含む)少なくとも1つを指すことができ、さらに別の実施形態では、任意選択的に2つ以上のAを含む少なくとも1つ、及び任意選択的に2つ以上のBを含む(及び任意選択的に他の要素を含む)少なくとも1つ等を指すことができる。
【0078】
[0084]特徴又は要素が本明細書で別の特徴又は要素の「上に」あると言及されるとき、それは他の特徴もしくは要素の直接上にあってもよいか、又は介在する特徴及び/もしくは要素が存在してもよい。対照的に、特徴又は要素が別の特徴又は要素の「直接上に」あると言及されるとき、介在する特徴又は要素は存在しない。ある特徴又は要素が別の特徴又は要素に「接続」、「取り付け」、又は「結合」されていると言及されるとき、それは、他の特徴もしくは要素に直接接続、取り付け、又は結合されることができる、又は介在する特徴もしくは要素が存在してよいことも理解されよう。対照的に、特徴又は要素が別の特徴又は要素に「直接接続」、「直接取り付け」、又は「直接結合」されると言及されるとき、介在する特徴又は要素は存在しない。1つの実施形態に関して説明又は示すが、そのように説明又は示した特徴及び要素は、他の実施形態に適用されることができる。また、別の特徴に「隣接して」配置された構造又は特徴への言及が、隣接する特徴に重なる又はその下に存在する部分を有してもよいことも当業者には理解されよう。
【0079】
[0085]空間的に相対的な用語、「~の下(under)」、「~より下(below)」、「下部(lower)」、「~の上(over)」、「上部(upper)」、「~より上(above)」、「~の後ろ(behind)」、「~の前(in front of)」、及びこれらに類するものが、図に例示する1つの要素又は特徴の、別の要素又は特徴との関係を説明するのに説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。空間的に相対的な用語は、図で描かれた向きに加えて、使用時又は動作時のデバイスの異なる向きを包含することを意図することが理解されよう。例えば、図のデバイスが反転された場合、他の要素又は特徴「の下(under)」又は「下(beneath)」として説明した要素は、その他の要素又は特徴「の上(over)」に向けられることになる。したがって、「~の下(under)」という例示的な用語は、上(over)及び下(under)の両方の向きを包含することができる。デバイスは、別様に向けられてもよく(90度回転される又は他の向きにある)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述語は、それに応じて解釈される。同様に、「上向き(upwardly)」、「下向き(downwardly)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」、「横方向(lateral)」、「横断(transverse)」、「縦方向(longitudinal)」及び同様の用語は、別段の指示がない限り、説明のみを目的として本明細書で使用される。
【0080】
[0086]「第1の」及び「第2の」という用語は、様々な特徴/要素を説明するために本明細書で使用されてもよいが、これらの特徴/要素は、コンテキストがそうでないことを示していない限り、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある特徴/要素と別の特徴/要素を区別するために使用されてもよい。したがって、本発明の教示から逸脱することなく、本明細書で説明する第1の特徴/要素を第2の特徴/要素と呼ぶことができ、同様に、本明細書で説明する第2の特徴/要素を第1の特徴/要素と呼ぶことができる。
【0081】
[0087]一実施形態は、本開示のインプリメンテーション又は例である。本明細書における「一実施形態」、「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「1つの特定の実施形態」、「例示的な実施形態」、又は「他の実施形態」などへの言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくともいくつかの実施形態に含まれるが、必ずしもすべての実施形態に含まれるわけではないことを意味する。「一実施形態」、「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「1つの特定の実施形態」、「例示的な実施形態」、又は「他の実施形態」などの様々な出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではない。
【0082】
[0088]本明細書に、コンポーネント、特徴、構造、又は特性が「含まれ得る」、「含まれてもよい」、又は「含まれることができる」と記載される場合、その特定のコンポーネント、特徴、構造、又は特性が含まれる必要はない。本明細書又は特許請求の範囲が、「1つの」要素に言及する場合、それは、その要素が1つだけ存在することを意味しない。本明細書又は特許請求の範囲が、「追加の」要素に言及する場合、それは、追加の要素が2つ以上存在することを排除しない。
【0083】
[0089]本明細書及び特許請求の範囲で使用されるとき、例で使用される場合を含めて、特に明記されない限り、すべての数は、用語が明示的に出現しない場合であっても、「約」又は「およそ」という語が前にあるかのように読まれてもよい。「約」又は「およそ」という語句は、大きさ及び/又はポジション説明するとき、説明される値及び/又はポジションが値及び/又はポジションの合理的な予想範囲内にあることを示すために使用されてもよい。例えば、数値は、記載された値(又は値の範囲)の+/-0.1%、記載された値(又は値の範囲)の+/-1%、記載された値(又は値の範囲)の+/-2%、記載された値(又は値の範囲)の+/-5%、記載された値(又は値の範囲)の+/-10%等である値を有してもよい。本明細書に列挙される任意の数値範囲は、その中に包含されるすべての部分範囲を含むことが意図される。
【0084】
[0090]加えて、本開示を実行する方法は、本明細書に記載されものとは異なる順序で行われてもよい。したがって、方法の順序は、明示的に述べられない限り、限定として読まれるべきではない。方法のステップのいくつかを異なる順序で実行することにより、同様の結果を達成することができることが認識可能である。
【0085】
[0091]特許請求の範囲において、及び上記の明細書において、「備える」、「含む」、「保持する(carrying)」、「有する」、「含有する」、「伴う」、「保持する(holding)」、「~から構成される」などのすべての移行句は、オープンエンドである、すなわち、含むが限定されないことを意味すると理解されたい。「~からなる」及び「~から本質的になる」という移行句のみが、特許審査手続の米国特許庁マニュアルに記載されているように、それぞれクローズド又はセミクローズド移行句であるものとする。
【0086】
[0092]前述の説明では、ある特定の用語が、簡潔さ、明快さ、及び理解のために使用されてきた。このような用語は、説明の目的で使用され、広く解釈されることが意図されているので、先行技術の要件を超えて、不必要な限定がそこから示唆されるべきではない。
【0087】
[0093]更に、本開示の様々な実施形態の説明及び例示は例であり、本開示は、示された又は説明された厳密な詳細に限定されない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
【国際調査報告】