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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20230612BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20230612BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20230612BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
H05H1/46 M
C23C16/455
H01L21/302 101G
H01L21/302 101B
H01L21/31 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558571
(86)(22)【出願日】2021-05-04
(85)【翻訳文提出日】2022-09-27
(86)【国際出願番号】 KR2021005577
(87)【国際公開番号】W WO2021235739
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0059687
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504210651
【氏名又は名称】ジュスン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン ミン ホ
(72)【発明者】
【氏名】ファン チュル ジュ
【テーマコード(参考)】
2G084
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA04
2G084AA05
2G084CC04
2G084CC05
2G084CC09
2G084CC12
2G084DD02
2G084DD14
2G084FF07
2G084FF14
2G084FF15
4K030EA04
4K030EA05
4K030FA01
4K030JA16
4K030JA18
4K030KA05
4K030KA15
4K030KA17
5F004AA01
5F004BB13
5F004BB18
5F004CA03
5F004CA06
5F004CA08
5F004DB01
5F004DB08
5F045AA03
5F045AF03
5F045AF07
5F045AF10
5F045DP03
5F045EF05
(57)【要約】
本発明は、チャンバー、前記チャンバー内で1つ以上の基板を支持する基板支持部、前記基板支持部と対向するように前記基板支持部の上側に配置された上部電極、および前記上部電極と離隔して前記上部電極の下側に配置された下部電極を含み、前記下部電極が、第1周波数を有する第1RF電力が印加される第1電極、および前記第1周波数とは異なる第2周波数を有する第2RF電力が印加される第2電極を含む基板処理装置に関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバー、
前記チャンバー内で1つ以上の基板を支持する基板支持部、
前記基板支持部と対向するように基板支持部の上側に配置された上部電極、および
前記上部電極と離隔して前記上部電極の下側に配置された下部電極を含み、
前記上部電極が、第1ガス流路を通じて第1ガスを噴射し、前記第1ガス流路に対して空間的に分離された第2ガス流路を通じて第2ガスを噴射し、
前記下部電極は、
第1周波数を有する第1RF電力が印加される第1電極、および
前記第1周波数とは異なる第2周波数を有する第2RF電力が印加される第2電極を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記第1電極と前記第2電極が、互いに同一面積に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1周波数が、前記第2周波数よりも高い周波数であることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第1周波数が、13.56MHz以上100MHz以下であり、
前記第2周波数は、10kHz以上4MHz以下であることを特徴とする、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1電極と前記第2電極の間に絶縁体が配置されたことを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記上部電極が、前記基板支持部側に突出した複数の突出電極を含み、
前記突出電極の各々の内部には、前記第1ガス流路が設けられたことを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記下部電極には複数のホールが形成され、
前記上部電極の突出電極が、前記複数のホールのそれぞれに挿入されることを特徴とする、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記基板支持部を回転させる回転部を含み、
前記回転部は、前記基板支持部に支持された基板が前記第1電極の下側と前記第2電極の下側とを通過するように前記基板支持部を回転させ、
前記第1電極の下側を通過する基板に対して前記第1周波数を用いた処理工程が行われ、
前記第2電極の下側を通過する基板に対して前記第2周波数を用いた処理工程が行われることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第1電極には、1kW以上5kW以下の第1RF電力が印加され、
前記第2電極には、1kW以上15kW以下の第2RF電力が印加されることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記上部電極を貫通して形成された第1貫通孔、および前記第1貫通孔から離間した位置で前記上部電極を貫通して形成された第2貫通孔を含み、
前記第1電極が、前記第1貫通孔に挿入される第1連結突起を含み、前記第1連結突起を介して前記第1RF電力を印加する第1印加機構に連結し、
前記第2電極は、前記第2貫通孔に挿入される第2連結突起を含み、前記第2連結突起を介して前記第2RF電力を印加する第2印加機構に連結することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記第1電極と前記第2電極の間に配置された検出部、および前記検出部を貫通して形成された検出孔を含み、
前記検出部が、前記上部電極と前記下部電極の両方に挿入されるように配置され、
前記回転部は、前記基板が前記検出孔の下側を通過するように前記基板支持部を回転させることを特徴とする、請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項12】
チャンバー
前記チャンバー内で1つ以上の基板を支持する基板支持部、
前記基板支持部と対向するように前記基板支持部の上側に配置されたガス噴射部、および
RF電力を印加するための電力印加部を含み、
前記ガス噴射部が、互いに空間的に分離された第1ガス流路と第2ガス流路を有する上部電極、および前記上部電極と前記基板支持部の間に配置された下部電極を含み、
前記下部電極は、前記上部電極の下側に配置された第1電極と第2電極を含み、
前記電力印加部は、前記第1電極に第1周波数を有する第1RF電力を印加可能に前記第1電極に連結した第1印加機構、および前記第2電極に前記第1周波数とは異なる第2周波数を有する2RF電力を印加可能に前記第2電極に連結した第2印加機構を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項13】
前記電力印加部が、前記第1電極と前記第2電極の中の少なくとも一方にRF電力を印加することを特徴とする、請求項12に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に対する蒸着工程、エッチング工程などの処理工程を行う基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、太陽電池(Solar Cell)、半導体素子、フラットパネルディスプレイなどを製造するためには、基板上に所定の薄膜層、薄膜回路パターン、または光学パターンを形成しなければならない。このため、基板に特定物質の薄膜を蒸着する蒸着工程、感光性物質を用いて薄膜を選択的に露出させるフォト工程、選択的に露出した部分の薄膜を除去してパターンを形成するエッチング工程などの基板に対する処理工程が行われる。このような基板に対する処理工程は、基板処理装置によって行われる。
【0003】
従来技術による基板処理装置は、基板を支持する基板支持部と、基板支持部に向かってガスを噴射するガス噴射部とを含む。従来技術による基板処理装置は、前記ガス噴射部に予め設定された1つの周波数を有するRF電力が印加された状態でガスを噴射することにより前記基板に対する処理工程を行う。
【0004】
ここで、従来技術による基板処理装置が、前記ガス噴射部に高周波を有するRF電力が印加された状態でのみ前記基板に対する処理工程を行う場合、前記基板に蒸着した薄膜のステップカバレッジ(Step Coverage)が向上する反面、前記基板に蒸着した薄膜の密集度(Dense)が低下する問題がある。
【0005】
一方、従来技術による基板処理装置が、前記ガス噴射部に低周波を有するRF電力が印加された状態でのみ前記基板に対して処理工程を行う場合、前記基板に蒸着した薄膜の密集度が向上する一方、前記基板に蒸着した薄膜のステップカバレッジが低下する問題がある。
【0006】
このように従来技術による基板処理装置は、上記処理工程の完了した基板の品質を向上させることが困難な問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解決するために提案されたものであり、処理工程が完了した基板の品質を向上させることができる基板処理装置を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述したような課題を解決するために、本発明は以下のような構成を含むことができる。
【0009】
本発明による基板処理装置は、チャンバー、前記チャンバー内で1つ以上の基板を支持する基板支持部、前記基板支持部と対向するように前記基板支持部の上側に配置された上部電極、および前記上部電極と離隔して前記上部電極の下側に配置された下部電極を含むことができる。前記上部電極は、第1ガス流路を介して第1ガスを噴射し、前記第1ガス流路に対して空間的に分離された第2ガス流路を介して、第2ガスを噴射することができる。前記下部電極は、第1周波数を有する第1RF電力が印加される第1電極、および前記第1周波数とは異なる第2周波数を有する第2RF電力が印加される第2電極を含むことができる。
【0010】
本発明による基板処理装置は、チャンバー、前記チャンバー内で1つ以上の基板を支持する基板支持部、前記基板支持部と対向するように前記基板支持部の上側に配置されたガス噴射部、およびRF電力を印加するための電力印加部を含むことができる。前記ガス噴射部は、互いに空間的に分離された第1ガス流路と第2ガス流路を有する上部電極、および前記上部電極と前記基板支持部の間に配置された下部電極を含むことができる。前記下部電極は、前記上部電極の下側に配置された第1電極と第2電極を含むことができる。電力印加部は、前記第1電極に第1周波数を有する第1RF電力を印加可能に前記第1電極に連結した第1印加機構、および前記第2電極に前記第1周波数とは異なる第2周波数を有する第2RF電力を印加可能にするために前記第2電極に連結した第2印加機構を含むことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
【0012】
本発明は、互いに異なる周波数を有するRF電力を使用して基板に対して処理工程を実行することができるように具現される。これにより、本発明は、処理工程が完了した基板の品質を向上させることができる。
【0013】
本発明は、基板に対して処理工程を行なう過程で基板に作用するストレスを低減することができるように具現される。これにより、本発明は、処理工程が完了した基板に対する反り変形を低減することができるので、処理工程が完了した基板の品質をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明による基板処理装置の概略構成図である。
図2】本発明による基板処理装置におけるガス噴射部の実施例を説明するための概略側面断面図である。
図3】本発明による基板処理装置におけるガス噴射部の実施例を説明するための概略側面断面図である。
図4】本発明による基板処理装置における上部電極と下部電極の概略分解斜視図である。
図5図4のI-I線を基準とした上部電極及び下部電極の概略側面断面図である。
図6図4のI-I線を基準とした上部電極及び下部電極の概略側面断面図である。
図7】本発明による基板処理装置における基板支持部の概略平面図である。
図8図4のII-II線を基準とした上部電極と下部電極の概略側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明による基板処理装置の実施例を添付の図を参照して詳細に説明する。図1図3は、図4のI-I線を基準とした概略側断面図である。
【0016】
図1及び図2を参照すると、本発明による基板処理装置1は、基板(S)に対する処理工程を行うものである。前記基板(S)は、ガラス基板、シリコン基板、メタル基板などであり得る。本発明による基板処理装置1は、前記基板(S)に薄膜を蒸着する蒸着工程、前記基板(S)に蒸着した薄膜の一部を除去するエッチング工程等を行うことができる。以下では、本発明による基板処理装置1が、上記蒸着工程を行う実施例を基準に説明するが、これから本発明による基板処理装置1が、上記エッチング工程等と共に異なる処理工程を行う実施例を導出することは、本発明が属する技術分野に属する当業者には自明であろう。
【0017】
本発明による基板処理装置1は、チャンバー2、基板支持部3、及びガス噴射部4を含むことができる。
【0018】
<チャンバー>
図1を参照すると、チャンバー2は、処理空間100を提供するものである。前記処理空間100では、前記基板(S)に対する蒸着工程、エッチング工程などの処理工程を行うことができる。前記処理空間100は、前記チャンバー2の内部に配置することができる。前記チャンバー2には、前記処理空間100からガスを排気する排気口(未図示)を結合することができる。前記チャンバー2には、前記基板支持部3と前記ガス噴射部4とを設置することができる。
【0019】
<基板支持部>
図1を参照すると、前記基板支持部3は、前記基板(S)を支持するものである。前記基板支持部3は、1つの基板(S)を支持することもでき、複数の基板(S)を支持することもできる。前記基板支持部3に複数の基板(S)が支持された場合、一度に複数の基板(S)に対する処理工程を行うことができる。前記基板支持部3は、前記チャンバー2に結合することができる。前記基板支持部3は、前記チャンバー2の内部に配置することができる。
【0020】
<ガス噴射部>
図1を参照すると、前記ガス噴射部4は、前記基板支持部3に向かってガスを噴射するものである。前記ガス噴射部4は、ガス供給部40に連結することができる。これにより、前記ガス噴射部4は、前記ガス供給部40から供給されたガスを、前記基板支持部3に向けて噴射することができる。前記ガス噴射部4は、前記チャンバー2に結合することができる。前記ガス噴射部4は、前記基板支持部3と対向して配置することができる。前記ガス噴射部4と前記基板支持部3の間には、前記処理空間100を配置することができる。前記ガス噴射部4は、リードに結合することもできる。前記リードは、前記チャンバー2の上部を覆うように前記チャンバー2に結合したものである。
【0021】
前記ガス噴射部4は、第1ガス流路41および第2ガス流路42を含むことができる。
【0022】
前記第1ガス流路41は、第1ガスを噴射するためのものである。前記第1ガス流路41は、一側が配管、ホースなどを介して前記ガス供給部40に連結することがでいる。前記第1ガス流路41は、他側が前記処理空間100に連通することができる。これにより、前記ガス供給部40から供給された前記第1ガスは、前記第1ガス流路41に沿って流動した後に、前記第1ガス流路41を介して前記処理空間100に噴射され得る。前記第1ガス流路41は、前記第1ガスが流動するための通路として機能するとともに、前記処理空間100に前記第1ガスを噴射するための噴射口として機能することができる。
【0023】
前記第2ガス流路42は、第2ガスを噴射するためのものである。前記第2ガスと前記第1ガスは、互いに異なるガスであり得る。例えば、前記第1ガスがソースガス(Source Gas)である場合、前記第2ガスは反応ガス(Reactant Gas)であり得る。前記第2ガス流路42は、一側が配管、ホースなどを介して前記ガス供給部40に連結することができる。前記第2ガス流路42は、他側が前記処理空間100に連通することができる。これにより、前記ガス供給部40から供給された前記第2ガスは、前記第2ガス流路42に沿って流動した後に、前記第2ガス流路42を介して前記処理空間100に噴射され得る。前記第2ガス流路42は、前記第2ガスが流動するための通路として機能するとともに、前記処理空間100に前記第2ガスを噴射するための噴射口として機能することができる。
【0024】
前記第2ガス流路42と前記第1ガス流路41は、互いに空間的に分離するように配置することができる。これにより、前記ガス供給部40から前記第2ガス流路42に供給された前記第2ガスは、前記第1ガス流路41を経ずに前記処理空間100に噴射され得る。前記ガス供給部40から前記第1ガス流路41に供給された前記第1ガスは、前記第2ガス流路42を経ずに前記処理空間100に噴射され得る。前記第2ガス流路42と前記第1ガス流路41は、前記処理空間100で、互いに異なる部分に向かってガスを噴射することができる。
【0025】
図2及び図3を参照すると、前記ガス噴射部4は、前記上部電極43及び下部電極44を含むことができる。
【0026】
前記上部電極43は、前記基板支持部3と対向するように前記基板支持部3の上側に配置することができる。前記上部電極43は、接地されることで、接地電極として機能することができる。前記上部電極43は、前記第1ガス流路41と前記第2ガス流路42を含むことができる。これにより、前記上部電極43は、前記第1ガス流路41を介して前記第1ガスを噴射することができ、前記第2ガス流路42を介して前記第2ガスを噴射することができる。前記第1ガス流路41と前記第2ガス流路42は、前記上部電極43の内部で、互いに空間的に分離するように配置することができる。
【0027】
前記第1ガス流路41は、前記ガス供給部40に連結した第1連結孔411と、前記第1連結孔411に連結した複数の第1噴射孔412を含むことができる。前記第1連結孔411と前記第1噴射孔412は、前記上部電極43の内部に形成され得る。前記第1噴射孔412は、一側が前記第1連結孔411に連通し、他側が前記処理空間100に連通することができる。これにより、前記ガス供給部40が供給した前記第1ガスは、前記第1連結孔411に沿って流動した後に、前記第1噴射孔412を介して前記処理空間100に噴射され得る。
【0028】
前記第2ガス流路42は、前記ガス供給部40に連結した第2連結孔421、および前記第2連結孔421に連結した複数の第2噴射孔422を含むことができる。前記第2連結孔421と前記第2噴射孔422は、前記上部電極43の内部に形成することができる。前記第2噴射孔422は、一側が前記第2連結孔421に連通し、他側が前記処理空間100に連通することができる。これにより、前記ガス供給部40が供給した前記第2ガスは、前記第2連結孔421に沿って流動した後に、前記第2噴射孔422を介して前記処理空間100に噴射され得る。
【0029】
前記下部電極44は、前記上部電極43と前記基板支持部3の間に配置され得る。前記下部電極44は、前記上部電極43から離間して前記上部電極43の下側に配置され得る。前記下部電極44と前記上部電極43の間には、部分的に絶縁するための絶縁部材(未図示)を配置することもできる。前記下部電極44には、RF電力を印加することができる。前記上部電極43が接地されるとともに、前記下部電極44に前記RF電力が印加されると、プラズマが発生することができる。これにより、前記ガス噴射部4は、プラズマを用いてガスを活性化させ、活性化したガスを前記処理空間100に噴射することができる。
【0030】
前記下部電極44は、複数のホール(孔)44aを含むことができる。前記ホール44aは、前記下部電極44を貫通して形成することができる。前記ホール44aは、前記上部電極43から噴射されたガスを通過させる流路として機能することができる。
【0031】
図2に示すように、前記上部電極43の下面と前記下部電極44の上面のそれぞれが平坦に形成された場合、前記ホール44aの中の一部は、前記第1ガス流路41に対応する位置に配置することにより、前記第1ガス流路41から噴射された前記第1ガスを通過させることができる。前記ホール44aの中の残りの一部は、前記第2ガス流路42に対応する位置に配置することによって、前記第2ガス流路42から噴射された前記第2ガスを通過させることができる。図に示していないが、前記下部電極44には、前記第1ガス流路41の第1噴射孔412の個数と前記第2ガス流路42の第2噴射孔422の個数とを合わせた数に比べて少ない数で前記ホール44aを形成することができる。
【0032】
図3に示すように、前記上部電極43が複数の突出電極431を含む場合、前記下部電極44には、前記突出電極431のそれぞれに対応する位置に、前記ホール44aを形成することができる。前記突出電極431は、前記基板支持部3の方に突出することができる。前記突出電極431は、前記上部電極43の下面から下方に突出して、前記ホール44aのそれぞれに挿入され得る。前記突出電極431の各々の内部には、前記第1ガス流路41を設けることができる。この場合、前記第1噴射孔412は、一側が前記第1連結孔411に連結するとともに、他側が前記突出電極431を貫通するように形成することができる。
【0033】
図1図5を参照すると、前記下部電極44は、第1電極441と第2電極442を含むことができる。
【0034】
前記第1電極441は、第1RF電力が印加されるものである。前記第1電極441には、第1周波数を有する第1RF電力が印加され得る。前記第1電極441は、電力印加部5に電気的に連結することができる。前記電力印加部5は、前記第1電極441に前記第1周波数を有する第1RF電力を印加することができる。前記第1電極441は、前記処理空間100の中で第1処理空間110に配置され得る。
【0035】
前記第2電極442は、第2RF電力が印加されるものである。前記第2電極442には、第2周波数を有する第2RF電力が印加され得る。前記第2電極442は、前記電力印加部5に電気的に連結することができる。前記電力印加部5は、前記第2電極442に前記第2周波数を有する第2RF電力を印加することができる。前記第2電極442は、前記処理空間100の中で第2処理空間120に配置され得る。したがって、前記第2電極442と前記第1電極441は、前記処理空間100内で、互いに異なる位置に配置することができる。
【0036】
前記第2電極442と前記第1電極441には、互いに異なる周波数を有するRF電力が印加され得る。すなわち、前記第1周波数と前記第2周波数は互いに相違する。これにより、本発明による基板処理装置1は、前記第1電極441を介して、前記第1周波数を有する第1RF電力を用いて前記基板(S)に対する処理工程を行うことができる。前記第2電極442を介して、前記第2周波数を有する第2RF電力を用いて前記基板(S)に対する処理工程を行うことができる。したがって、本発明による基板処理装置1は、前記第1周波数を有する第1RF電力を用いて前記基板(S)に対して処理工程を行った場合に形成された第1薄膜層及び前記第2周波数を有する第2RF電力を用いて前記基板(S)に対して処理工程を行った場合に形成された第2薄膜層が、互いに異なる特性を有するように具現することができる。これによって、本発明による基板処理装置1は、前記第1薄膜層と前記第2薄膜層のそれぞれの利点を有するとともに、前記第1薄膜層と前記第2薄膜層のそれぞれの欠点が補完された薄膜を蒸着することができるように具現される。したがって、本発明による基板処理装置1は、上記処理工程が完了した基板(S)の品質を向上させることができる。
【0037】
前記第1周波数は、前記第2周波数よりも高い周波数であり得る。この場合、前記第1周波数は、前記第2周波数と比較して相対的に高周波であり、前記第2周波数は、前記第1周波数と比較して相対的に低周波であり得る。これにより、前記第1周波数を有する第1RF電力を用いて前記基板(S)に対して処理工程を行うと、ステップカバレッジ(Step Coverage)が向上した第1薄膜層を蒸着することができる。前記第2周波数を有する第2RF電力を用いて前記基板(S)に対して処理工程を行うと、密集度(Dense)が向上した第2薄膜層を蒸着することができる。このように前記第1薄膜層と前記第2薄膜層を蒸着することにより、本発明による基板処理装置1は、ステップカバレッジと密集度の両方に優れた薄膜を蒸着することができる。また、前記基板(S)に対して処理工程を行う過程で、前記基板(S)にストレス(Stress)が作用することにより、前記基板(S)が上側又は下側に反ることが起こり得るが、本発明による基板処理装置1は、前記第1周波数を有する第1RF電力と前記第2周波数を有する第2RF電力を用いることにより、前記基板(S)に作用するストレスを低減することができる。したがって、本発明による基板処理装置1は、前記基板(S)に反り変形が発生する程度を低減することができるので、前記処理工程が完了した基板(S)の品質をさらに向上させることができる。例えば、前記第1周波数は、13.56MHz以上100MHz以下であり、前記第2周波数は、10kHz以上4MHz以下であり得る。例えば、前記第1電極441には、1kW以上5kW以下の第1RF電力が印加され、前記第2電極には、1kW以上15kW以下の第2RF電力が印加され得る。
【0038】
前記第2電極442と前記第1電極441は、互いに同じ面積に形成され得る。したがって、前記第2電極442に前記第2周波数を有する第2RF電力が印加された場合、および前記第1電極441に前記第1周波数を有する第1RF電力が印加された場合のそれぞれにおいて、前記基板(S)に対する処理工程の効率がほぼ一致するように具現することができる。前記第2電極442の面積は、前記基板支持部3に向かう前記第2電極442の下面に対するものであり得る。前記第1電極441の面積は、前記基板支持部3に向かう前記第1電極441の下面に対するものであり得る。
【0039】
ここで、前記第1電極441は、第1連結突起441aを含むことができる。前記第1連結突起441aは、前記第1電極441の上面から上側に突出することができる。前記第1連結突起441aは、前記上部電極43に形成された第1貫通孔432に挿入され得る。前記第1貫通孔432は、前記上部電極43を貫通して形成されたものである。これにより、前記上部電極43の下側に配置された前記第1電極441と前記上部電極43の上側に配置された電力印加部5が、前記第1貫通孔432に挿入された第1連結突起441aを介して、互いに電気的に連結することができる。したがって、本発明による基板処理装置1は、接地した上部電極43に対してショートが発生するのを防止しながら、前記第1電極441に前記第1RF電力を印加することができるように具現される。また、前記電力印加部5を前記上部電極43の上側に配置することができるので、本発明による基板処理装置1は、前記電力印加部5に対する配置の容易性を向上させることができる。前記電力印加部5は、前記チャンバー2の外部に配置することもできる。前記電力印加部5は、前記第1電極441に前記第1RF電力を印加可能に前記第1電極441に連結した第1印加機構51を含むことができる。前記第1印加機構51は、前記第1貫通孔432に挿入された第1連結突起441aに電気的に連結することにより、前記第1連結突起441aを介して前記第1電極441に前記第1周波数を有する第1RF電力を印加することができる。
【0040】
前記第1電極441は、半円形態の板状に形成することができる。この場合、第1連結突起441aは、前記第1電極441の中心に隣接するように配置することができる。したがって、前記第1電極441の中心を基準として、互いに異なる方向に配置された前記第1電極441の部分が、前記第1連結突起441aから離間した距離に生じる偏差を低減することができる。したがって、本発明による基板処理装置1は、前記第1電極441の中心を基準として、互いに異なる方向に配置された前記第1電極441の部分に印加される第1RF電力の均一性を向上させることができる。前記第1連結突起441aは、前記第1電極441の中心上に配置することもできる。
【0041】
前記第2電極442は、第2連結突起442aを含むことができる。前記第2連結突起442aは、前記第2電極442の上面から上側に突出することができる。前記第2連結突起442aは、前記上部電極43に形成された第2貫通孔433に挿入され得る。前記第2貫通孔433は、前記第1貫通孔432から離間した位置で、前記上部電極43を貫通して形成されたものである。これにより、前記上部電極43の下側に配置された前記第2電極442と前記上部電極43の上側に配置された電力印加部5が、前記第2貫通孔433に挿入された第2連結突起442aを介して、互いに電気的に連結することができる。したがって、本発明による基板処理装置1は、接地した前記上部電極43に対してショートが発生するのを防止しながら、前記第2電極442に前記第2RF電力を印加することができるように具現される。前記電力印加部5は、前記第2電極442に前記第2RF電力を印加可能に前記第2電極442に連結した第2印加機構52を含むことができる。前記第2印加機構52は、前記第2貫通孔433に挿入された第2連結突起442aに電気的に連結することで、前記第2連結突起442aを介して前記第2電極442に前記第2周波数を有する第2RF電力を印加することができる。
【0042】
前記第2電極442は、半円形態の板状に形成することができる。この場合、前記第2連結突起442aは、前記第2電極442の中心に隣接するように配置することができる。したがって、前記第2電極442の中心を基準にして、互いに異なる方向に配置された前記第2電極442の部分が、前記第2連結突起442aから離間した距離に発生する偏差を低減することができる。したがって、本発明による基板処理装置1は、前記第2電極442の中心を基準として、互いに異なる方向に配置された前記第2電極442の部分に印加される第2RF電力の均一性を向上させることができる。前記第2連結突起442aは、前記第2電極442の中心に配置することもできる。
【0043】
前記第2電極442と前記第1電極441は、互いに離隔して配置することができる。前記第2電極442と前記第1電極441の間には、絶縁体45が配置され得る。前記絶縁体45は、前記第2電極442と前記第1電極441を絶縁することができる。前記絶縁体45は、前記上部電極43に結合することができる。前記絶縁体45は、前記上部電極43の下側に突出するように前記上部電極43に結合することで、前記第2電極442と前記第1電極441の間に配置され得る。前記絶縁体45は、第1絶縁部材451と第2絶縁部材452を含むことができる。前記第1絶縁部材451と前記第2絶縁部材452は、互いに異なる位置で前記第1電極441と前記第2電極442の間に配置することができる。前記第1絶縁部材451と前記第2絶縁部材452は、前記上部電極43の中央部分を基準として、互いに離隔して配置することができる。
【0044】
図6に示すように、前記第2電極442と前記第1電極441は、一体に形成することができる。これにより、前記下部電極44を1つの電極として具現することができる。この場合、前記電力印加部5は、予め設定された工程順序によって、前記第1電極441と前記第2電極442に選択的にRF電力を印加することができる。前記電力印加部5は、前記第1印加機構51を用いて前記第1電極441に前記第1周波数を有する第1RF電力を印加することができる。これにより、前記第1電極441と前記第2電極442に、前記第1周波数を有する第1RF電力が印加されることにより、前記第1周波数を有する第1RF電力を用いた処理工程を行うことができる。この場合、前記第2印加機構52は、前記第2電極442に前記第2RF電力を印加しない。前記電力印加部5は、前記第2印加機構52を用いて前記第2電極442に前記第2周波数を有する第2RF電力を印加することができる。これにより、前記第2電極442と前記第1電極441に前記第2周波数を有する第2RF電力が印加されることにより、前記第2周波数を有する第2RF電力を用いた処理工程を行うことができる。
【0045】
一方、図5に示すように、前記第2電極442と前記第1電極441が互いに離隔して形成された場合、前記電力印加部5は、前記第1電極441と前記第2電極442の中で少なくとも1つにRF電力を印加することができる。前記電力印加部5は、前記第1印加機構51を用いて前記第1電極441に前記第1周波数を有する第1RF電力を印加するとともに、前記第2印加機構52を用いて、前記第2電極442に前記第2周波数を有する第2RF電力を印加することができる。これにより、前記第1処理空間110では、前記第1周波数を有する第1RF電力を用いた処理工程が行われるとともに、前記第2処理空間120では、前記第2周波数を有する第2RF電力を用いた処理工程を行うことができる。前記電力印加部5は、前記第1印加機構51を用いて前記第1電極441に前記第1周波数を有する第1RF電力を印加するとともに、前記第2印加機構52を用いて前記第2電極442に前記第2RF電力を印加しなくてもよい。また、前記電力印加部5は、前記第2印加機構52を用いて前記第2電極442に前記第2周波数を有する第2RF電力を印加するとともに、前記第1印加機構51を用いて前記第1電極441に前記第1RF電力を印加しなくてもよい。
【0046】
図1図7を参照すると、本発明による基板処理装置1は、回転部7を含むことができる。
【0047】
前記回転部7は、前記基板支持部3を回転させるものである。前記回転部7は、前記基板支持部3を回転軸3aを中心に回転させることにより、前記基板支持部3の支持した基板(S)を前記回転軸3aを中心に回転させることができる。これにより、前記基板支持部3に支持された基板(S)は、前記第1電極441の下側と前記第2電極442の下側を通過することができる。したがって、前記第1電極441の下側を通過する基板(S)に対して、前記第1周波数を用いた処理工程が行われ、前記第2電極442の下側を通過する基板(S)に対して、前記第2周波数を用いた処理工程を行うことができる。すなわち、前記基板(S)が、前記第1処理空間110と前記第2処理空間120を順に通過しながら、前記基板(S)に対して互いに異なる周波数を有するRF電力を用いた処理工程を行うことができる。この場合、前記電力印加部5は、前記第1電極441に前記第1周波数を有する第1RF電力を印加し、前記第2電極442に前記第2周波数を有する第2RF電力を印加することができる。
【0048】
一方、前記電力印加部5が、前記第1電極441に前記第1周波数を有する第1RF電力を印加するとともに、前記第2電極442に前記第2RF電力を印加しない場合、前記基板支持部3に支持された基板(S)は、前記第1電極441の下側を通過している間のみ、前記第1周波数を用いた処理工程を行うことができる。前記電力印加部5が前記第2電極442に前記第2周波数を有する第2RF電力を印加するとともに、前記第1電極441に前記第1RF電力を印加しない場合、前記基板支持部3に支持された基板(S)は、前記第2電極442の下側を通過する間のみ、前記周波数を用いた処理工程を行うことができる。
【0049】
図1図8を参照すると、本発明による基板処理装置1は、検出部6を含むことができる。
【0050】
前記検出部6は、前記上部電極43と下部電極44の両方に挿入するように配置されたものある。前記検出部6は、前記第1電極441と前記第2電極442の間に配置することができる。前記検出部6には、検出孔61を形成することができる。前記検出孔61は、前記検出部6を貫通して形成することができる。これにより、本発明による基板処理装置1は、前記検出孔61を介して、前記チャンバー2の外部から前記チャンバー2の内部を確認することができるように具現される。例えば、本発明による基板処理装置1は、前記検出孔61を介して、前記検出孔61の下側を通過する基板(S)の温度を検出するように具現することができる。本発明による基板処理装置1は、前記検出孔61を介して、前記検出孔61の下側を通過する基板(S)の変形程度を検出するように構成することもできる。前記検出部6の上端には、前記検出孔61を有する透明窓62を結合することもできる。
【0051】
前記検出部6は、前記第1絶縁部材451に挿入することができる。前記検出部6は、絶縁物質で形成することもできる。この場合、前記検出部6は、前記第1電極441と前記第2電極442を絶縁する絶縁機能を有するとともに、前記検出孔61を用いた検出機能を備えるように具現することができる。前記検出部6が絶縁物質で形成された場合、本発明による基板処理装置1は、前記第1絶縁部材451なしで、前記検出部6で前記第1電極441と前記第2電極442を絶縁するように具現することもできる。
【0052】
以上説明した本発明は、上述した実施例及び添付の図に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で種々の置換、変形及び変更が可能であることが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】