(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(54)【発明の名称】苦味遮断薬および使用の関連方法
(51)【国際特許分類】
A23L 27/00 20160101AFI20230612BHJP
A61K 31/485 20060101ALI20230612BHJP
A61K 31/522 20060101ALI20230612BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20230612BHJP
A23L 2/00 20060101ALI20230612BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20230612BHJP
A23F 5/24 20060101ALI20230612BHJP
C12P 19/18 20060101ALI20230612BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20230612BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20230612BHJP
A61K 31/7028 20060101ALI20230612BHJP
A23G 1/32 20060101ALI20230612BHJP
C07H 7/06 20060101ALI20230612BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20230612BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20230612BHJP
C12N 15/54 20060101ALN20230612BHJP
【FI】
A23L27/00 Z
A61K31/485 ZNA
A61K31/522
A61K8/60
A23L2/00 B
A23L2/52
A23F5/24
C12P19/18
C12N1/21
A61K47/26
A61K31/7028
A23G1/32
C07H7/06
C12N1/15
C12N1/19
C12N15/54
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563220
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(85)【翻訳文提出日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 US2021027792
(87)【国際公開番号】W WO2021212048
(87)【国際公開日】2021-10-21
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519015911
【氏名又は名称】コナジェン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Conagen Inc.
(71)【出願人】
【識別番号】522406665
【氏名又は名称】スウェージェン,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SWEEGEN, INC.
【住所又は居所原語表記】30321 Esperanza Avenue, Rancho Santa Margarita, CA 92688, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】マホン,シャーリ
(72)【発明者】
【氏名】ヂョウ,ルイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,スティーブン
【テーマコード(参考)】
4B014
4B027
4B047
4B064
4B065
4B117
4C057
4C076
4C083
4C086
【Fターム(参考)】
4B014GB01
4B014GG06
4B014GL03
4B027FB01
4B027FB08
4B027FB13
4B027FB24
4B027FC02
4B027FK04
4B047LB08
4B047LF07
4B047LF10
4B047LG31
4B064AF11
4B064AF41
4B064CA02
4B064CA19
4B064CA21
4B064CC24
4B064CD19
4B064CD22
4B064DA01
4B064DA10
4B065AA26X
4B065AA89Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA22
4B065CA29
4B065CA41
4B065CA44
4B117LC03
4B117LG05
4B117LK11
4B117LK16
4B117LL09
4C057BB02
4C057DD01
4C076DD69T
4C076FF52
4C083AD391
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC27
4C086CB07
4C086EA01
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA52
4C086NA09
(57)【要約】
本発明は、様々な経口的消費物品において存在する苦味の味を、少なくとも部分において、マスクするか、遮断するか、または低減するために使用され得る化合物および組成物に関する。本発明はまた、苦味遮断化合物および組成物を使用して、様々な経口的消費物品の苦味をマスクし、ゆえにかかる経口的消費物品をより口に合うようにする方法に関する。本発明はさらに、低減された苦味を有する経口的消費物品に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の苦味物質を含む経口消費組成物の苦味の味を低減するかまたは遮断する方法であって、方法が、エリオジクチオール-8-C-β-グルコシド、ホモエリオジクチオール4'-O-グルコシド、およびホモエリオジクチオール7-O-グルコシドからなる群から選択される有効量の苦味遮断薬を、任意に、経口消費組成物の苦味の味が少なくとも50%低減されるように、経口消費組成物へ添加することを含む、前記方法。
【請求項2】
1以上の苦味物質が、カフェイン、苦味のメチルキサンチン、テオブロミン、レバウジオシドA、ビタミンB、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビオール、ニコチン、デキストロメトロファン、デキストロメトロファンヒドロブロミド、クロルヘキシジン、グアイフェネシン、プソイドエフェドリン、アトルバスタチン、アスピリン、アセトアミノフェン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、シルデナフィルシトラート、およびロペラミドからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
経口消費組成物が、少なくとも100mg/Lの1以上の苦味物質を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
経口消費組成物の苦味の味が少なくとも60%低減される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
経口消費組成物の苦味の味が少なくとも80%低減される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
苦味遮断薬が、エリオジクチオール-8-C-β-グルコシドである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
苦味遮断薬が、ホモエリオジクチオール4'-O-グルコシドである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
苦味遮断薬が、ホモエリオジクチオール7-O-グルコシドである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
経口消費組成物であって、以下:a)1以上の苦味物質;ならびにb)エリオジクチオール-8-C-β-グルコシド、ホモエリオジクチオール4'-O-グルコシド、およびホモエリオジクチオール7-O-グルコシドからなる群から選択される苦味遮断薬を含み;任意に、ここで、苦味遮断薬は、約10ppmと約200ppmとの間の濃度において経口消費組成物中に存在する、前記組成物。
【請求項10】
1以上の苦味物質が、以下:カフェイン、苦味のメチルキサンチン、テオブロミン、レバウジオシドA、ビタミンB、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビオール、ニコチン、デキストロメトロファン、デキストロメトロファンヒドロブロミド、クロルヘキシジン、グアイフェネシン、プソイドエフェドリン、アトルバスタチン、アスピリン、アセトアミノフェン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、シルデナフィルシトラート、およびロペラミドからなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも100mg/Lの1以上の苦味物質を含む、請求項9または10に記載の組成物。
【請求項12】
組成物が、食品製品、機能性食品、医薬、栄養補助食品、歯科衛生組成物、食品グレードゲル組成物、化粧用製品、およびフレーバー製品からなる群から選択される、請求項9~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
組成物が、コーヒー、茶、発酵茶、乳製飲料、植物をベースとした乳飲料、アルコール性飲料、フレーバー付き水、ビタミン水、果汁、およびエネルギードリンクからなる群から選択される、請求項9~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
1以上の苦味物質を含む経口消費組成物の苦味の味を低減するかまたは遮断する方法であって、方法が、エリオジクチオール-8-C-β-グルコシド、ホモエリオジクチオール4'-O-グルコシド、およびホモエリオジクチオール7-O-グルコシドからなる群から選択される有効量の苦味遮断薬を、任意に、経口消費組成物の苦味の味が少なくとも50%低減されるように、経口消費組成物へ添加することを含む、前記方法。
【請求項15】
1以上の苦味物質の苦味の味を低減するかまたは遮断するための、エリオジクチオール-8-C-β-グルコシド、ホモエリオジクチオール4'-O-グルコシド、およびホモエリオジクチオール7-O-グルコシドからなる群から選択される苦味遮断薬の使用。
【請求項16】
1以上の苦味物質が、以下:カフェイン、苦味のメチルキサンチン、テオブロミン、レバウジオシドA、ビタミンB、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビオール、ニコチン、デキストロメトロファン、デキストロメトロファンヒドロブロミド、クロルヘキシジン、グアイフェネシン、プソイドエフェドリン、アトルバスタチン、アスピリン、アセトアミノフェン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、シルデナフィルシトラート、およびロペラミドからなる群から選択される、請求項14または15に記載の方法または使用。
【請求項17】
1以上の苦味物質が、経口消費組成物にある、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法または使用。
【請求項18】
苦味遮断薬が、経口消費組成物の苦味の味を少なくとも50%低減する、請求項17に記載の方法または使用。
【請求項19】
フラボノイドグリコシドを調製する方法であって、方法が、以下:a)ウリジンジホスファート-グルコースと、b)基質としてのエリオジクチオールと、c)配列番号1と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むグリコシルトランスフェラーゼとを含む反応混合物をインキュベートすることを含み、ここで、グルコースが、エリオジクチオール基質と共有結合的に結合してエリオジクチオール-8-C-β-グルコシドを産生し、任意に、ここで、グリコシルトランスフェラーゼが、配列番号1のアミノ酸配列を含む、前記方法。
【請求項20】
フラボノイドグリコシドを調製する方法であって、方法が、以下:a)ウリジンジホスファート-グルコースと、b)基質としてのホモエリオジクチオールと、c)配列番号3または配列番号5と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むグリコシルトランスフェラーゼとを含む反応混合物をインキュベートすることを含み、ここで、グルコースが、ホモエリオジクチオール基質と共有結合的に結合してホモエリオジクチオール4'-O-グルコシドおよび/またはホモエリオジクチオール7-O-グルコシドを産生し、任意に、ここで、グリコシルトランスフェラーゼが、配列番号3または配列番号5のアミノ酸配列を含む、前記方法。
【請求項21】
反応混合物が、in vitroである、請求項19または請求項20に記載の方法。
【請求項22】
反応混合物が、細胞をベースとした反応混合物である、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
細胞をベースとした反応混合物が、グリコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチドを含む細胞を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
細胞が、細菌性細胞である、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
宿主細胞が、Escherichia coli(E.coli)細胞である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
グリコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、ポリヌクレオチドが、配列番号2、4、6のいずれか1つと少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む、前記宿主細胞。
【請求項27】
ポリヌクレオチドが、配列番号2、4、6のいずれか1つの配列を含む、請求項26に記載の宿主細胞。
【請求項28】
宿主細胞が、細菌性細胞である、請求項26または27に記載の宿主細胞。
【請求項29】
宿主細胞が、Escherichia coli(E.coli)細胞である、請求項28に記載の宿主細胞。
【請求項30】
反応混合物であって、以下:
(a)ウリジンジホスファート-グルコース、
(b)天然のフラバノン、および
(c)配列番号1、3、5のいずれか1つと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むグリコシルトランスフェラーゼを含む宿主細胞
を含む、前記反応混合物。
【請求項31】
天然のフラバノンが、ホモエリオジクチオール、エリオジクチオール、またはそれらの組み合わせである、請求項30に記載の反応混合物。
【請求項32】
宿主細胞が、細菌性細胞である、請求項30または請求項31に記載の反応混合物。
【請求項33】
宿主細胞が、Escherichia coli(E.coli)細胞である、請求項32に記載の反応混合物。
【請求項34】
グリコシルトランスフェラーゼが、配列番号1、3、5のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項30~33のいずれか一項に記載の反応混合物。
【請求項35】
以下:エリオジクチオール-8-C-β-グルコシド、ホモエリオジクチオール4'-O-グルコシド、ホモエリオジクチオール7-O-グルコシド、またはそれらの組み合わせをさらに含む、請求項30~34のいずれか一項に記載の反応混合物。
【請求項36】
請求項20~25のいずれか一項に記載の方法によって産生される化合物。
【請求項37】
エリオジクチオール-8-C-β-グルコシド、ホモエリオジクチオール4'-O-グルコシド、およびホモエリオジクチオール7-O-グルコシドから選択される、任意に、本明細書に提供される量のいずれか1における、化合物。
【請求項38】
請求項37に記載の化合物を含み、任意に、本明細書に提供される苦味物質のいずれか1以上を有する、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、35 U.S.C. §119(e)の下で、2020年4月17日に提出された米国仮出願第63/011,312号、表題「BITTER BLOCKERS AND RELATED METHODS OF USE」、2021年4月8日に提出された米国仮出願第63/172,284号、表題「BITTER BLOCKERS AND RELATED METHODS OF USE」、および2021年4月8日に提出された米国仮出願第63/172,294号、表題「BITTER BLOCKERS AND RELATED METHODS OF USE」の利益を主張するものであり、それらの各々の内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の分野
本発明の分野は、苦味のある物質を含有する様々な消費物品において存在する苦味の味をマスクするか、遮断するか、または低減するために使用され得る化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
本発明の背景
多くの薬物およびある食品は、苦味の味がするか、さもなければ苦味のオフテイストまたは後味を付与する。苦味をマスクして、かかる苦味のある薬物および食品の処置の順守および消費を促進するために様々なストラテジーが開発されてきた。
【0004】
「味を感じる」体験の間、いくつかの生理学的および心理学的事象が同時に生じている。解剖学的に、味細胞は舌および軟口蓋上に位置付けられる味蕾と呼ばれる特殊構造内に存在する。味蕾の大多数は舌の表面上の小さな突起である乳頭内に位置付けられ、それは乳頭にビロードのような外観を与える。味蕾は、50と100との間の味細胞のタマネギ形構造であり、各々は味孔と呼ばれる味蕾の頂部における開口を介して突き出る微絨毛と呼ばれる指状突起を保有する。味物質として知られる食品からの化学物質は唾液中に溶解し、および味孔を介して味細胞と接触する。ここで、それらは味受容体と呼ばれる細胞の表面タンパク質と相互作用するか(甘味のおよび苦味の味について)、またはそれらはイオンチャネルと呼ばれる孔状タンパク質と相互作用するか(塩味のおよび酸味の味について)のいずれかである。これらの相互作用は味細胞内に電気的変化を引き起こし、それは神経伝達へ変わる化学的シグナルを脳へ送る引き金となる。脳へシグナルを送る電気的応答は、味細胞内の荷電原子または荷電イオンの濃度を変化させた結果である。これらの細胞は、通常正味の負電荷を有する。味物質は、味細胞内の陽イオンの濃度を増加させる様々な手段を使用することによってこの状態を変更させる。この脱分極は、味細胞が神経伝達物質を放出することを引き起こし、味細胞と接続するニューロンが脳に電気的メッセージを知らせることを促進する。
【0005】
苦味の味の場合において、刺激は、味細胞の表面上のGタンパク質共役受容体と結合することによって作用する。次いで、これは、アルファ、ベータ、およびガンマのタンパク質サブユニットが分裂し、およびすぐ近くの酵素を活性化させることを促進する。次いで、この酵素は、細胞内の前駆体を「第二のメッセンジャー」に変換する。第二メッセンジャーは、味細胞の小胞体からのカルシウムイオン(Ca2+)の放出を引き起こす。その結果得られる細胞内のカルシムイオンの集積は、脱分極および神経伝達物質放出に繋がる。脳に直ちに送られるシグナルは、苦味の味として解釈される。
【0006】
受容体特異性は悉無律応答(all-or-none response)とは反対に相対的であると考えられるため、一般的に言うと、1のクラスの刺激は最も高い周波数の放電を導くことにおいて最も有効であるだろう。換言すれば、刺激間の差は、ニューロンの発火と非発火との間の差ではなく、事実上、ニューロンの発火の量における差である。この考慮は、例えば、なぜ甘味の化合物が苦味の化合物の知覚を低減し得るかを説明するだろう。脳の全体的な味の知覚は、受容体の発火の量に依存する。例えば、苦味の受容体が従事している一方で甘味の受容体が従事するようになることを引き起こすことによって、脳への両方の味覚の正味の効果を低減することができる。結果的に、一の刺激への全体的な応答を減少させる方法は、一方の強い味または芳香へ繋がる中枢認知相互作用が脳における他方の知覚を低減するように、追加の刺激を導入することだろう。いずれの具体的な理論によっても拘束されることは望まないが、苦味のある物質の苦味をマスクするか、遮断するか、または低減するために使用され得る化合物および組成物は、(i)味蕾内の味受容体を物理的にコーティングし、それによって味受容体と苦味のある物質との間の直接的な接触を妨げるか遮断する、(ii)味蕾におけるイオンチャネルにて苦味のある物質と競合する、および/または(iii)味蕾内に残存する利用可能な味受容体に対して苦味のある物質と競合することによって、そうすることができる。
【0007】
様々な化合物が苦味遮断薬として食品産業および薬物産業によって使用されてきた。しかしながら、市場において目下入手可能な最良の苦味遮断薬は、事実上限定された苦味遮断効果を有する。例えば、最も知られる苦味低減化合物は、カフェインの苦味を完全には低減することができず、大抵残存する50%未満の、例えば、ネオジオスミン、ポリ-ガンマ-グルタミン酸、セロトリオシド、ホモエリオジクチオール、エリオジクチオール、ガンマ-アミノ酪酸、アルファ-アルファ-トレハロース、タウリン、L-テアニン、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、2-4-ジヒドロキシ安息香酸N-バニリルアミド、[2]-ジンジャージオン([2]-gingerdione)のマスク効果を有する。
【0008】
結果的に、代替または改善された苦味遮断化合物および組成物に対する当該技術分野における必要性が残っている。
【発明の概要】
【0009】
本発明の概要
本発明は、新規な苦味遮断薬を提供することによって、上に記載の問題に対処する。
【0010】
一側面において、本発明は、1以上の苦味のある物質(苦味物質)を包含する経口消費組成物の苦味の味を低減するかまたは遮断する方法であって、方法が、エリオジクチオール-8-C-β-グルコシド、ホモエリオジクチオール4'-O-グルコシド、およびホモエリオジクチオール7-O-グルコシドからなる群から選択される有効量の苦味遮断薬を経口消費組成物へ添加することを伴う、前記方法に関する。
【0011】
例えば、1以上の苦味物質は、カフェイン、苦味のメチルキサンチン、テオブロミン、レバウジオシドA、ビタミンB、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビオール、ニコチン、デキストロメトロファン、デキストロメトロファンヒドロブロミド、クロルヘキシジン、グアイフェネシン、プソイドエフェドリン、アトルバスタチン、アスピリン、アセトアミノフェン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、シルデナフィルシトラート、およびロペラミドからなる群から選択され得る。様々な態様において、経口消費組成物は、高濃度の苦味物質を包含し得る。例えば、経口消費組成物は、少なくとも100mg/L、少なくとも250mg/L、少なくとも500mg/L、少なくとも750mg/L、少なくとも1,000mg/L、少なくとも5000mg/L、少なくとも10,000mg/L、または少なくとも20,000mg/Lの1以上の苦味物質を包含し得る。
【0012】
多くのフラボノイドおよびフラボノイドグリコシドのスクリーニング後、本発明者らは、驚くべきことに、エリオジクチオール-8-C-β-グルコシド、ホモエリオジクチオール4'-O-グルコシド、およびホモエリオジクチオール7-O-グルコシドが秀でた苦味遮断特性を有することを発見した。具体的に言うと、官能評価によって、エリオジクチオール-8-C-β-グルコシド、ホモエリオジクチオール4'-O-グルコシド、およびホモエリオジクチオール7-O-グルコシドの各々が、極めて低濃度(例として、約10ppmと約200ppmとの間)でさえ、少なくとも100mg/Lの苦味物質を包含する経口消費組成物の苦味の味の、少なくとも50%(例として、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%)を低減し得ることが見出された。いくつかの態様において、苦味の味は少なくとも60%低減される。ある態様において、苦味の味は少なくとも80%低減される。好ましい態様において、苦味の味は100%低減される。
【0013】
結果的に、別の側面において、本教示は、a)1以上の苦味物質、ならびにb)エリオジクチオール-8-C-β-グルコシド、ホモエリオジクチオール4'-O-グルコシド、およびホモエリオジクチオール7-O-グルコシドからなる群から選択される苦味遮断薬を包含する経口消費組成物を提供する。本発明の苦味遮断薬の驚くべき有効性のせいで、苦味遮断薬は、経口消費組成物が高濃度の苦味物質を有している場合でさえ、極めて低濃度にて経口消費組成物中に存在し得る。例えば、経口消費組成物は、少なくとも100mg/L、少なくとも250mg/L、少なくとも500mg/L、少なくとも750mg/L、少なくとも1,000mg/L、少なくとも5000mg/L、少なくとも10,000mg/L、または少なくとも20,000mg/Lの1以上の苦味物質を包含し得る。その一方で、苦味遮断薬は、約10ppmと約200ppmとの間の濃度において存在し得る。
【0014】
経口消費組成物は、食品製品、機能性食品、飲料製品、医薬、栄養補助食品(dietary supplement)、栄養品(neutraceutical)、歯科衛生組成物、食品グレードゲル組成物、化粧用製品、およびフレーバー製品であり得る。
【0015】
食品製品の非包括的な例は、シリアル製品、米製品、タピオカ製品、サゴ製品、パン職人の製品、ビスケット、パン、朝食用シリアル、シリアルバー、エネルギーバー/栄養バー、グラノーラ、ケーキ、クッキー、クラッカー、ドーナッツ、マフィン、ペストリー、チョコレート、氷菓、蜂蜜製品、糖蜜製品、酵母製品、ベーキングパウダー、塩製品、香辛料製品、セイボリー製品、カラシ製品、酢製品、ソース(調味料)、タバコ製品、シガー、シガレット、加工食品、調理済果実、野菜製品、肉、肉製品、ゼリー、ジャム、ゼラチン、果実ソース、卵製品、乳製品(milk product)、乳製製品(dairy product)、ヨーグルト、チーズ製品、バター、バター代替製品、乳代替製品、豆製品、可食油、脂肪製品、食品抽出物、植物抽出物、肉抽出物、および調味料を包含し得る。機能性食品は、栄養補助食品または栄養品が添加された上記の食品製品のいずれかであり得る。
【0016】
飲料製品の非包括的な例は、コーヒー、茶、発酵茶、乳製飲料、植物をベースとした乳飲料、アルコール性飲料、フレーバー付き水、ビタミン水、果汁、およびエネルギードリンクを包含し得る。
【0017】
栄養補助食品は、食生活を補助し、食生活において見逃される可能性があるかまたは充分な質において消費されない可能性がある栄養素、例えばビタミン、ミネラル、繊維、脂肪酸、アミノ酸、等々を提供することが意図される化合物を包含し得る。当該技術分野において知られているあらゆる好適な栄養補助食品が使用され得る。好適な栄養補助食品の例は、例えば、栄養素、ビタミン、ミネラル、繊維、脂肪酸、ハーブ、植物、アミノ酸、および代謝体であり得る。
【0018】
栄養品は、疾患または障害(例として、疲労、不眠、老化現象の影響、記憶喪失、気分障害、心血管疾患および血液中の高いレベルのコレステロール、糖尿病、骨粗鬆症、炎症、自己免疫障害、等々)の予防および/または処置を包含する、薬効利益または健康利益を提供し得るあらゆる食品または一部の食品を包含し得る。当該技術分野において知られているあらゆる好適な栄養品が使用され得る。いくつかの態様において、栄養品は、食品および飲料の補助として、および、例えばカプセルもしくは錠剤などの固体製剤、または、例えば溶液もしくは懸濁液などの液体製剤であり得る腸内用途または非経口用途の医薬製剤として使用され得る。
【0019】
ゲルは、粒子のネットワークが液体媒体の体積に亘るあらゆるコロイド状の系を指し得る。ゲルは主として液体から構成され、およびよって液体と同様の密度を呈するが、ゲルは液体媒体に亘る粒子のネットワークに起因して固体の構造上のコヒーレンスを有する。この理由のため、ゲルは、一般に、固体、ゼリー様材料であるように見える。ゲルは、数多の用途において使用され得る。例えば、ゲルは、食品、塗料、および接着剤において使用され得る。食され得るゲルは、「可食ゲル組成物」と称される。可食ゲル組成物は、典型的には、スナックとして、デザートとして、主食として、または主食と共に食される。好適な可食ゲル組成物の例は、例えば、ゲルデザート、プティング、ジャム、ゼリー、ペースト、トライフル、煮凝り、マシュマロ、ゴム状キャンディー等であり得る。いくつかの態様において、可食ゲルミックスは、一般に、可食ゲル組成物を形成するために流体が添加され得る粉末状または顆粒状固体である。好適な流体は、例えば、水、乳製流体、乳製アナログ流体、果汁、アルコール、アルコール性飲料、およびそれらの組み合わせであり得る。好適な乳製流体の例は、例えば、乳、培養乳、クリーム、ホエイ流体、およびそれらの混合物であり得る。好適な乳製アナログ流体の例は、例えば、豆乳および非乳製コーヒーホワイトナーであり得る。
【0020】
本苦味遮断薬の1つを包含する組成物は、当該技術分野において知られている様々な医薬を包含し得る。ある態様において、本開示の医薬組成物は、約5ppm~約200ppmの本苦味遮断薬、および1以上の薬学的に許容し得る賦形剤を含有し得る。いくつかの態様において、本開示の医薬組成物は、生物学的効果を発揮する1以上の活性剤を含有する医薬の薬物を製剤化するために使用され得る。結果的に、いくつかの態様において、本開示の医薬組成物は、生物学的効果を発揮する1以上の活性剤を含有し得る。好適な活性剤は、当該技術分野において周知である(例として、Physician's Desk Reference)。かかる組成物は、当該技術分野において周知である手順に従って、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、Pa.、USAに記載されるとおり、調製され得る。
【0021】
本苦味遮断薬はまた、当該技術分野において知られているあらゆる好適な歯科衛生組成物および経口衛生組成物と共に使用され得る。好適な歯科衛生組成物および経口衛生組成物は、例えば、練り歯磨き(tooth paste)、歯磨き剤(tooth polish)、デンタルフロス、マウスウォッシュ、マウスリンス、歯磨き粉(dentrifice)、マウススプレー、マウスリフレッシャー、プラークリンス、歯痛止め等であり得る。
【0022】
本明細書にさらに提供されるのは、1以上の苦味物質の苦味の味を低減するかまたは遮断するための、エリオジクチオール-8-C-β-グルコシド、ホモエリオジクチオール4'-O-グルコシド、およびホモエリオジクチオール7-O-グルコシドからなる群から選択される苦味遮断薬の使用である。
【0023】
いくつかの態様において、1以上の苦味物質は、以下:カフェイン、苦味のメチルキサンチン、テオブロミン、レバウジオシドA、ビタミンB、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビオール、ニコチン、デキストロメトロファン、デキストロメトロファンヒドロブロミド、クロルヘキシジン、グアイフェネシン、プソイドエフェドリン、アトルバスタチン、アスピリン、アセトアミノフェン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、シルデナフィルシトラート、およびロペラミドからなる群から選択される。
【0024】
いくつかの態様において、1以上の苦味物質は、経口消費組成物中にある。いくつかの態様において、苦味遮断薬は、経口消費組成物の苦味の味を、少なくとも50%(例として、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%)低減する。
【0025】
また本明細書に提供されるのは、フラボノイドグリコシドを調製する方法であって、方法が、以下:a)ウリジンジホスファート-グルコースと、b)基質としてのエリオジクチオールと、c)配列番号1と少なくとも70%(例として、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むグリコシルトランスフェラーゼとを含む反応混合物をインキュベートすることを含み、ここで、グルコースが、エリオジクチオール基質と共有結合的に結合してエリオジクチオール-8-C-β-グルコシドを産生し、任意に、ここで、グリコシルトランスフェラーゼが、配列番号1のアミノ酸配列を含む、前記方法である。
【0026】
また本明細書に提供されるのは、フラボノイドグリコシドを調製する方法であって、方法が、以下:a)ウリジンジホスファート-グルコースと、b)基質としてのホモエリオジクチオールと、c)配列番号3または配列番号5と少なくとも70%(例として、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むグリコシルトランスフェラーゼとを含む反応混合物をインキュベートすることを含み、ここで、グルコースが、ホモエリオジクチオール基質と共有結合的に結合してホモエリオジクチオール4'-O-グルコシドおよび/またはホモエリオジクチオール7-O-グルコシドを産生し、任意に、ここで、グリコシルトランスフェラーゼが、配列番号3または配列番号5のアミノ酸配列を含む、前記方法である。
【0027】
いくつかの態様において、反応混合物は、in vitroである。いくつかの態様において、反応混合物は、細胞をベースとした反応混合物である。いくつかの態様において、細胞をベースとした反応混合物は、グリコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチドを含む細胞を含む。いくつかの態様において、細胞は、細菌性細胞である。いくつかの態様において、細胞は、Escherichia coli(E.coli)細胞である。
【0028】
グリコシルトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、ここでポリヌクレオチドが、配列番号2、4、6のいずれか1つと少なくとも70%(例として、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%)同一であるヌクレオチド配列を含む、前記宿主細胞が、いくつかの側面において提供される。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、配列番号2、4、6のいずれか1つの配列を含む。いくつかの態様において、宿主細胞は、細菌性細胞である。いくつかの態様において、宿主細胞は、Escherichia coli(E.coli)細胞である。
【0029】
本明細書にさらに提供されるのは、反応混合物であって、以下:
(a)ウリジンジホスファート-グルコース、
(b)天然のフラバノン、および
(c)配列番号1、3、5のいずれか1つと少なくとも70%(例として、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むグリコシルトランスフェラーゼを含む宿主細胞
を含む、前記反応混合物である。
【0030】
いくつかの態様において、天然のフラバノンは、ホモエリオジクチオール、エリオジクチオール、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様において、宿主細胞は、細菌性細胞である。いくつかの態様において、宿主細胞は、Escherichia coli(E.coli)細胞である。いくつかの態様において、グリコシルトランスフェラーゼは、配列番号1、3、5のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、反応混合物は、以下:エリオジクチオール-8-C-β-グルコシド、ホモエリオジクチオール4'-O-グルコシド、ホモエリオジクチオール7-O-グルコシド、またはそれらの組み合わせをさらに含む。
【0031】
本明細書に記載の方法によって産生される化合物が提供される。本明細書にさらに提供されるのは、エリオジクチオール-8-C-β-グルコシド、ホモエリオジクチオール4'-O-グルコシド、およびホモエリオジクチオール7-O-グルコシドから選択される化合物、ならびにかかる化合物を含む組成物である。
【0032】
本開示は、様々な改変および代替形態を受け入れることができるが、それらの特定の態様は、図面において一例として示され、および本明細書において詳細に記載されるだろう。しかしながら、本明細書において提示される図面および詳細な記載は、本開示を開示された具体的な態様に限定することが意図されるものではなく、意図することは付属の特許請求の範囲によって定義されるとおりの本開示の精神および範囲内に該当するすべての改変、等価なもの、および代替手段をカバーすることであることが理解されるべきである。
本発明の他の特色および利点は、ある場合は添付の図面を参照して、以下の本発明の好ましい態様の詳細な記載において明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図面の簡単な記載
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、および本開示のある側面をさらに実証するために包含され、本開示に提示される特定の態様の詳細な記載と組み合わせて1以上のこれらの図面を参照することによってより良く理解され得る。添付の図面は、縮尺どおりに描かれることは意図されない。図面は、例示のみであり、本開示の実施可能性のために要求されるものではない。明確性の目的のために、すべての構成要素がすべての図面において表示されるわけではない可能性がある。図面において:
【0034】
【
図1】
図1は、苦味遮断薬候補09(BB09)の1Dおよび2D NMR分析の結果を示す。
【
図3】
図3は、BB09標準(上段パネル)および精製されたBB09(下段パネル)のHPLC分析の結果を示す。
【
図4】
図4は、苦味遮断薬候補11(BB11)の1Dおよび2D NMR分析の結果を示す。
【
図6】
図6は、BB11標準(上段パネル)および精製されたBB11(下段パネル)のHPLC分析の結果を示す。
【
図7】
図7は、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)における苦味遮断薬候補13(BB13)のH-NMR分析の結果を示す。
【
図8】
図8は、d6-D
2O交換を伴うDMSOにおけるBB13のH-NMR分析の結果を示す。
【
図10】
図10は、BB13標準(上段パネル)および精製されたBB13(下段パネル)のHPLC分析の結果を示す。
【0035】
【
図11】
図11は、15人のパネリストによって完了された二肢強制選択(two-alternative forced choice)(2AFC)識別試験(difference test)の結果を示す。各パネリストは、2つの別々の評価を提供し、合計30の評価をもたらした。結果は、90%および95%の信頼区間において統計的に有意である。
【
図12】
図12は、苦味の刺激としての100μM デキストロメトロファン-HBrを有する、化合物A(BB09)、化合物B(BB11)、および化合物C(BB13)の濃度応答曲線を示す。応答は、発光によって測定された。一元配置(one-way)ANOVAによる*p<0.05。
【
図13】
図13は、プールされたドナー由来のヒト味蕾組織由来細胞(hTBEC)における、400μM L-プラジカンテルを有する、化合物A(BB09)、化合物B(BB11)、化合物C(BB13)、Senomyx BB68、およびSTX001の濃度応答曲線を示す。応答は、発光によって測定された。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【0036】
【
図14A】
図14A~Bは、個々のドナー由来のhTBEC(
図14A)において100μM デキストロメトロファン-HBr刺激、または個々のドナー由来のhTBEC(
図14B)において400μML-プラジカンテル刺激のいずれかを有する、化合物A(BB09)、化合物B(BB11)、化合物C(BB13)、STX001、グルコン酸ナトリウム、エリオジクチオール、ホモエリオジクチオール、およびSemonyx BB68の正規化された濃度応答曲線を示す。応答は、発光によって測定された。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【
図14B】
図14A~Bは、個々のドナー由来のhTBEC(
図14A)において100μM デキストロメトロファン-HBr刺激、または個々のドナー由来のhTBEC(
図14B)において400μML-プラジカンテル刺激のいずれかを有する、化合物A(BB09)、化合物B(BB11)、化合物C(BB13)、STX001、グルコン酸ナトリウム、エリオジクチオール、ホモエリオジクチオール、およびSemonyx BB68の正規化された濃度応答曲線を示す。応答は、発光によって測定された。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【0037】
【
図15】
図15は、300μM テオブロミン単独(ビヒクル)、1000μMのSenomyx BB68を有する300μM テオブロミン、または1000μMの化合物C(BB13)を有する300μM テオブロミンに応答する、hTBECにおける実時間のATP分泌を示す。
【
図16】
図16は、DMSO対照、化合物A(BB09)を有する3mM レバウジオシドA、化合物B(BB11)を有する3mM レバウジオシドA、化合物C(BB13)を有する3mM レバウジオシドA、Senomyx BB68を有する3mM レバウジオシドA、STX001を有する3mM レバウジオシドA、ホモエリオジクチオールを有する3mMレバウジオシドA、エリオジクチオールを有する3mM レバウジオシドA、およびグルコン酸ナトリウムを有する3mM レバウジオシドAに応答する、プールされたhTBEC56培養物におけるATP分泌シグナルを示す。3mM レバウジオシドAによって処置された各アンタゴニストは、DMSO対照、100μM、300μM、または1,000μMとして提供される。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【
図17】
図17は、1mM レバウジオシドA単独(ビヒクル)、1,000μM 化合物A(BB09)を有する1mM レバウジオシドA、1,000μM 化合物C(BB13)を有する1mM レバウジオシドA、および1,000μM Senomyx BB68を有する1mM レバウジオシドAに応答する、プールされたhTBEC56培養物における実時間のATP分泌を示す。
【0038】
【
図18A】
図18A~18Cは、以下:hTBEC66(
図18A)、hTBEC56(
図18B)、およびhTBECドナーH(
図18C)の3つのhTBECドナー培養物の実時間のATP分泌検出プロファイリングを示す。各ドナー培養物は、100μM デキストロメトロファン-HBr単独(ビヒクル)、100μM 化合物A(BB09)を有する100μM デキストロメトロファン-HBr、100μM 化合物B(BB11)を有する100μM デキストロメトロファン-HBr、100μM 化合物C(BB13)を有する100μM デキストロメトロファン-HBr、100μM STX001を有する100μM デキストロメトロファン-HBr、または100μM Senomyx BB68を有する100μM デキストロメトロファン-HBrを用いて処置された。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【
図18B】
図18A~18Cは、以下:hTBEC66(
図18A)、hTBEC56(
図18B)、およびhTBECドナーH(
図18C)の3つのhTBECドナー培養物の実時間のATP分泌検出プロファイリングを示す。各ドナー培養物は、100μM デキストロメトロファン-HBr単独(ビヒクル)、100μM 化合物A(BB09)を有する100μM デキストロメトロファン-HBr、100μM 化合物B(BB11)を有する100μM デキストロメトロファン-HBr、100μM 化合物C(BB13)を有する100μM デキストロメトロファン-HBr、100μM STX001を有する100μM デキストロメトロファン-HBr、または100μM Senomyx BB68を有する100μM デキストロメトロファン-HBrを用いて処置された。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【
図18C】
図18A~18Cは、以下:hTBEC66(
図18A)、hTBEC56(
図18B)、およびhTBECドナーH(
図18C)の3つのhTBECドナー培養物の実時間のATP分泌検出プロファイリングを示す。各ドナー培養物は、100μM デキストロメトロファン-HBr単独(ビヒクル)、100μM 化合物A(BB09)を有する100μM デキストロメトロファン-HBr、100μM 化合物B(BB11)を有する100μM デキストロメトロファン-HBr、100μM 化合物C(BB13)を有する100μM デキストロメトロファン-HBr、100μM STX001を有する100μM デキストロメトロファン-HBr、または100μM Senomyx BB68を有する100μM デキストロメトロファン-HBrを用いて処置された。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【0039】
【
図19A】
図19A~19Cは、以下:hTBEC66(
図19A)、hTBEC56(
図19B)、およびhTBECドナーH(
図19C)の3つのhTBECドナー培養物の実時間のATP分泌検出プロファイリングを示す。各ドナー培養物は、1,000μM テオブロミン単独(ビヒクル)、1,000μM 化合物A(BB09)を有する1,000μM テオブロミン、1,000μM 化合物B(BB11)を有する1,000μM テオブロミン、1,000μM 化合物C(BB13)を有する1,000μM テオブロミン、1,000μM STX001を有する1,000μM テオブロミン、または1,000μM Senomyx BB68を有する1,000μM テオブロミンを用いて処置された。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【
図19B】
図19A~19Cは、以下:hTBEC66(
図19A)、hTBEC56(
図19B)、およびhTBECドナーH(
図19C)の3つのhTBECドナー培養物の実時間のATP分泌検出プロファイリングを示す。各ドナー培養物は、1,000μM テオブロミン単独(ビヒクル)、1,000μM 化合物A(BB09)を有する1,000μM テオブロミン、1,000μM 化合物B(BB11)を有する1,000μM テオブロミン、1,000μM 化合物C(BB13)を有する1,000μM テオブロミン、1,000μM STX001を有する1,000μM テオブロミン、または1,000μM Senomyx BB68を有する1,000μM テオブロミンを用いて処置された。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【
図19C】
図19A~19Cは、以下:hTBEC66(
図19A)、hTBEC56(
図19B)、およびhTBECドナーH(
図19C)の3つのhTBECドナー培養物の実時間のATP分泌検出プロファイリングを示す。各ドナー培養物は、1,000μM テオブロミン単独(ビヒクル)、1,000μM 化合物A(BB09)を有する1,000μM テオブロミン、1,000μM 化合物B(BB11)を有する1,000μM テオブロミン、1,000μM 化合物C(BB13)を有する1,000μM テオブロミン、1,000μM STX001を有する1,000μM テオブロミン、または1,000μM Senomyx BB68を有する1,000μM テオブロミンを用いて処置された。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【0040】
【
図20A】
図20A~20Cは、以下:hTBEC66(
図20A)、hTBEC56(
図20B)、およびhTBECドナーH(
図20C)の3つのhTBECドナー培養物の実時間のATP分泌検出プロファイリングを示す。各ドナー培養物は、1mM レバウジオシドA単独(ビヒクル)、1mM 化合物A(BB09)を有する1mM レバウジオシドA、1mM 化合物B(BB11)を有する1mM レバウジオシドA、1mM 化合物C(BB13)を有する1mM レバウジオシドA、1mM STX001を有する1mM レバウジオシドA、または1mM Senomyx BB68を有する1mM レバウジオシドAを用いて処置された。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【
図20B】
図20A~20Cは、以下:hTBEC66(
図20A)、hTBEC56(
図20B)、およびhTBECドナーH(
図20C)の3つのhTBECドナー培養物の実時間のATP分泌検出プロファイリングを示す。各ドナー培養物は、1mM レバウジオシドA単独(ビヒクル)、1mM 化合物A(BB09)を有する1mM レバウジオシドA、1mM 化合物B(BB11)を有する1mM レバウジオシドA、1mM 化合物C(BB13)を有する1mM レバウジオシドA、1mM STX001を有する1mM レバウジオシドA、または1mM Senomyx BB68を有する1mM レバウジオシドAを用いて処置された。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【
図20C】
図20A~20Cは、以下:hTBEC66(
図20A)、hTBEC56(
図20B)、およびhTBECドナーH(
図20C)の3つのhTBECドナー培養物の実時間のATP分泌検出プロファイリングを示す。各ドナー培養物は、1mM レバウジオシドA単独(ビヒクル)、1mM 化合物A(BB09)を有する1mM レバウジオシドA、1mM 化合物B(BB11)を有する1mM レバウジオシドA、1mM 化合物C(BB13)を有する1mM レバウジオシドA、1mM STX001を有する1mM レバウジオシドA、または1mM Senomyx BB68を有する1mM レバウジオシドAを用いて処置された。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【0041】
【
図21A】
図21A~21Cは、以下:hTBEC66(
図21A)、hTBEC56(
図21B)、およびhTBECドナーH(
図21C)の3つのhTBECドナー培養物の実時間のATP分泌検出プロファイリングを示す。各ドナー培養物は、3mM カフェイン単独(ビヒクル)、3mM 化合物A(BB09)を有する3mM カフェイン、3mM 化合物B(BB11)を有する3mM カフェイン、3mM 化合物C(BB13)を有する3mM カフェイン、3mM STX001を有する3mM カフェインA、または3mM Senomyx BB68を有する3mM カフェインを用いて処置された。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【
図21B】
図21A~21Cは、以下:hTBEC66(
図21A)、hTBEC56(
図21B)、およびhTBECドナーH(
図21C)の3つのhTBECドナー培養物の実時間のATP分泌検出プロファイリングを示す。各ドナー培養物は、3mM カフェイン単独(ビヒクル)、3mM 化合物A(BB09)を有する3mM カフェイン、3mM 化合物B(BB11)を有する3mM カフェイン、3mM 化合物C(BB13)を有する3mM カフェイン、3mM STX001を有する3mM カフェインA、または3mM Senomyx BB68を有する3mM カフェインを用いて処置された。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【
図21C】
図21A~21Cは、以下:hTBEC66(
図21A)、hTBEC56(
図21B)、およびhTBECドナーH(
図21C)の3つのhTBECドナー培養物の実時間のATP分泌検出プロファイリングを示す。各ドナー培養物は、3mM カフェイン単独(ビヒクル)、3mM 化合物A(BB09)を有する3mM カフェイン、3mM 化合物B(BB11)を有する3mM カフェイン、3mM 化合物C(BB13)を有する3mM カフェイン、3mM STX001を有する3mM カフェインA、または3mM Senomyx BB68を有する3mM カフェインを用いて処置された。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【0042】
【
図22A】
図22A~22Bは、以下:hTBEC66、hTBEC56、およびhTBECドナーHの3つのhTBECドナー培養物のATP分泌検出プロファイリングを示す。
図22Aは、100μM デキストロメトロファン-HBr単独(ビヒクル)、または1mM 化合物C(BB13)を有する100μM デキストロメトロファン-HBrのいずれかの各ドナー培養物の応答を示す。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【
図22B】
図22A~22Bは、以下:hTBEC66、hTBEC56、およびhTBECドナーHの3つのhTBECドナー培養物のATP分泌検出プロファイリングを示す。
図22Bは、1,000μM テオブロミン単独(ビヒクル)、または1mM 化合物C(BB13)を有する1,000μM テオブロミンのいずれかの各ドナー培養物の応答を示す。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【0043】
【
図23A】
図23A~23Bは、以下:hTBEC66、hTBEC56、およびhTBECドナーHの3つのhTBECドナー培養物のATP分泌検出プロファイリングを示す。
図22Aは、1mM レバウジオシドA単独(ビヒクル)、または1mM 化合物C(BB13)を有する1mM レバウジオシドAのいずれかの各ドナー培養物の応答を示す。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【
図23B】
図23A~23Bは、以下:hTBEC66、hTBEC56、およびhTBECドナーHの3つのhTBECドナー培養物のATP分泌検出プロファイリングを示す。
図22Bは、3mM カフェイン単独(ビヒクル)、または1mM 化合物C(BB13)を有する3mM カフェインのいずれかの各ドナー培養物の応答を示す。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【
図24】
図24は、以下:hTBEC66、hTBEC56、およびhTBECドナーHの3つのhTBECドナー培養物のATP分泌検出プロファイリングを示す。各培養物は、400mM L-プラジカンテル単独(ビヒクル)、または1mM 化合物C(BB13)を有する400mM L-プラジカンテルのいずれかを用いて処置された。一元配置ANOVAによる*p<0.05。
【0044】
【
図25】
図25は、100μM デキストロメトロファン-HBrおよび0.3μM~1,000μMの濃度にての化合物C(BB13)を用いた処置に応答する、個々のドナー由来のhTBECからの細胞カルシウム動員アッセイを示す。
【
図26】
図26は、300μM テオブロミンおよび1μM~3,000μMの濃度にての化合物C(BB13)を用いた処置に応答する、個々のドナー由来のhTBECからの細胞カルシウム動員アッセイを示す。
【
図27】
図27は、3mM カフェイン単独(ビヒクル)、1,000μM Senomyx BB68を有する3mM カフェイン、または1,000μM 化合物C(BB13)を有する3mM カフェインを用いた処置に応答する、hTBEC56細胞からの細胞カルシウム動員アッセイを示す。
【0045】
詳細な記載
本開示の意味の内の苦味のある物質または苦味物質は、例えば、キサンチンアルカロイド(例として、カフェイン、テオブロミン)、苦味のメチルキサンチンピリジンアルカロイド(例として、ニコチン)、キノリン誘導体(例として、キニーネ)、リモノイド(例として、柑橘類果実からのリモネン)、ポリフェノール(例として、カテコール、フラボノール、ガンマ-オリザノール、ヘスペレチン)、薬学的活性化合物(例として、フルオロキノリン抗生物質、アスピリン、ベータ-ラクタム抗生物質、アンブロキソール、パラセタモール、アスピリン、グアイフェネシン)、デキストロメトロファン、デキストロメトロファンヒドロブロミド、レバウジオシドA、安息香酸デナトニウム、スクラロースオクタアセタート、塩化カリウム、マグネシウム塩、尿素、苦味のアミノ酸(例として、トリプトファン)、および苦味のペプチドフラグメント(例として、末端のロイシンまたはイソロイシンラジカルを有する)であり得る。下記の例に示されるとおり、本発明に従う苦味遮断薬は、様々な苦味物質に起因する苦味の味を低減するかまたは遮断することにおいて極度に有効である。
【0046】
本苦味遮断薬はまた、苦味のオフテイストまたは後味を低減するかまたは遮断することにおいて有効であり得る。本開示の意味の内の苦味の後味を有する物質は、例えば、アルビジアサポニン、アブルソシド(例として、アブルソシドA、アブルソシドB、アブルソシドC、アブルソシドD)、アセスルファムカリウム、アドバンテーム、アルビジアサポニン、アリテーム、アスパルテーム、スーパーアスパルテーム、バユノシド(例として、バユノシド1、バユノシド2)ブラゼイン、ブリオシド、ブリオノシド、ブリオノズルコシド、カルノシフロシド、カレラーム、クルクリン、シアニン、クロロゲン酸、シクラマートおよびその塩、シクロカリオシドI、ジヒドロケルセチン-3-アセタート、ジヒドロフラベノール、ズルコシド、ガウジチャウジオシド、グリチルリチン、グリチルレチン酸、ジペノシド、ヘマトキシリン、ヘルナンズルシン、イソモグロシド(例として、イソ-モグロシドV)、ルグズナム、マガプ、マビンリン、ミクラクリン、モグロシド(例として、モグロシドIVおよびモグロシドV)、モナチンおよびその誘導体、モネリン、ムクロジオシド、ナリンギンジヒドロカルコン(NarDHC)、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン(NDHC)、ネオテーム、オスラジン、ペンタジン、ペリアンドリンI-V、ペリラルチン、D-フェニルアラニン、フロミソシド、とりわけフロミソシド1、フロミソシド2、フロミソシド3、フロミソシド4、フロリジン、フィロズルチン、ポルポジオシド、ポリポドシドA、プテロカリオシド、レバウジオシド(例として、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドH)、ルブソシド、サッカリンおよびその塩および誘導体、スカンデノシド、セリグエアニンA、シアメノシド(例として、シアメノシドI)、ストロジン(例として、ストロジン1、ストロジン2、ストロジン4)、スアビオシドA、スアビオシドB、スアビオシドG、スアビオシドH、スアビオシドI、スアビオシドJ、スクラロース、スクロナート、スクロオクタート、タリン、テレスモシドA15、タウマチン(例として、タウマチンIおよびII)、トランス-アネトール、トランス-シンナムアルデヒド、トリロバチン、およびD-トリプトファン、ならびに天然の甘味料抽出物または豊富な画分からなる群から選択される、苦味の後味を有する人工甘味料または天然甘味料であり得る。
【0047】
いくつかの態様において、本苦味遮断薬、すなわち、エリオジクチオール-8-C-β-グルコシド、ホモエリオジクチオール4'-O-グルコシド,および/またはホモエリオジクチオール7-O-グルコシドは、ある苦味物質の苦味を低減するそれらの能力のために選択され、および例えば、コーヒー、およびチョコレート、またはそれらの芳香に特有である所望される苦味のノートを完全には遮断しない。
【0048】
様々な態様において、苦味遮断薬としてのエリオジクチオール-8-C-β-グルコシド、ホモエリオジクチオール4'-O-グルコシド、および/またはホモエリオジクチオール7-O-グルコシドを使用する方法に関する。方法は、一般に、苦味物質の苦味の味を改変するか、マスクするか、低減するか、および/または抑制するのに有効である、ある量の少なくとも1の本苦味遮断薬を、苦味物質を含む消費組成物へ添加することを包含し、ここで、苦味遮断薬の量は、苦味遮断薬に関連する味の閾値濃度未満であり得、およびここで、苦味遮断薬の効果は、苦味物質の味が知覚される限り少なくとも残存する。本発明の文脈において、用語「閾値」濃度は、認識できない、および/または同定できない、および/または望ましくない味の効果を発揮しないがその夫々の苦み遮断効果を発揮するかのいずれかである量において存在する。
【0049】
いくつかの態様において、消費組成物は、苦味遮断薬の完全なマスク効果から苦味の遮断効果を提供する甘味料を包含し得る。他の態様において、消費組成物は、甘味料を排除し得る。
【0050】
ある態様において、消費組成物は、フレーバー剤を包含し得る。フレーバー剤は、フレーバー油およびフレーバー芳香剤、および/または油、オレオ樹脂、および植物、葉、花、果実およびその他、ならびにそれらの組み合わせから選出され得る。代表的なフレーバー油は、桂皮油、セイヨウハッカ油、丁子油、ベイ油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズク油、セージ油、および苦扁桃油を包含する。また、有用なものは、人工の、天然の、または合成の果実フレーバー、例えば、バニラ、レモン、オレンジ、ブドウ、ライムおよびグレープフルーツを包含する柑橘類油、ならびにリンゴ、セイヨウナシ、モモ、イチゴ、キイチゴ、サクランボ、セイヨウスモモ、パイナップル、アンズおよびその他を包含する果実エッセンスなどである。あらゆるこれらのフレーバー剤が、個々にまたは混和物において使用されてもよい。一般に使用されるフレーバーは、個々にまたは混和物において採用されているかに拘わらず、セイヨウハッカなどのハッカ、メントール、バニラ、桂皮誘導体、および様々な果実フレーバーを包含する。フレーバー剤、例えば、シンナミルアセタート、シンナムアルデヒド、シトラール、ジエチルアセタール、ジヒドロカルビルアセタート、オイゲニルホルマート、p-メチルアニソール、およびその他を包含するアルデヒドおよびエステルなどがまた使用されてもよい。一般に、National Academy of Sciencesによる、Chemicals Used in Food Processing, pub 1274、63~258頁に記載されるものなどのあらゆるフレーバー剤または食品添加物が本発明におけるフレーバー剤として使用されてもよい。
【0051】
一般に、本発明の消費組成物は、当業者に周知である技法を利用して調製され得る。そのため、本発明の消費組成物は、かかる消費組成物の調製において習慣的に使用され、および当業者に知られているだろう様々な他の構成要素を包含してもよい。
【0052】
本消費組成物は、錠剤、ガム、可食フィルム、ゲル、溶液、懸濁液、エマルション、およびその他を包含する様々な形態に製剤化され得る。例えば、本発明の消費組成物は、液体医薬組成物の形態であるとき、または歯磨き粉、歯科クリーム、またはゲルであるときでさえ、かかる形態は、典型的には、苦味物質および苦味遮断薬のための液体担体材料を包含する。担体材料は、典型的には、消費組成物の約10%~約90重量%の量において、水を含んでもよい。担体材料は、これらに限定されないが、ポリエチレングリコール(PEG)、プロピレングリコール(PG)、グリセリンまたはそれらの混合物を包含する。加えて、消費組成物は、保湿剤、例えば、ソルビトール、グリセリン、およびポリアルコールなどを包含してもよい。具体的に有利な液体成分は、水と、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、またはグリセリンおよびソルビトールとの混合物を含む。天然または合成のゴム、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等を包含するゲル化剤(増粘剤)もまた、典型的には消費組成物の約0.15%~約1.30重量%の範囲において、使用されてもよい。歯磨き粉、歯科クリームまたはゲルにおいて、液体および固体は、加圧容器からまたは折り畳み可能な管から押出可能であるクリーム状またはゲル化された塊を形成するように配分される。
【0053】
本発明の消費組成物はまた、増粘剤または結合剤を包含してもよい。例えば、増粘剤または結合剤は、微粒子ゲルシリカおよび非イオン性水性コロイド、例えば、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルグアー、ヒドロキシエチルデンプン、ポリビニルピロリドンなど、植物性ゴム、例えば、トラガカント、寒天、カラギーナン、アラビアゴム、キサンタンゴム、グアーゴム、イナゴマメゴムなど、カルボキシビニルポリマー、フュームドシリカ、シリカクレイ等、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。例えば、歯磨き粉用の好ましい増粘剤は、FMC Biopolymers、Philadelphia、Pa., U.S.AからのGERCAIN(登録商標)および商用名VISCARIN(登録商標)の下で入手可能なカラギーナンである。他の増粘剤または結合剤は、商標CARBOPOL(登録商標)の下でNoveon, Inc. Cleveland、Ohio、U.S.Aから入手可能なポリビニルピロリドン、Cabot Corporation、Boston、Mass.、U.S.Aから入手可能な商標CAB-O-SIL(登録商標)の下でのフュームドシリカ、および商標LAPOINTE(登録商標)の下でLaporte Industries, Ltd.、London、UKから入手可能なシリカクレイである。増粘剤または結合剤は、担体、例えば、グリセロール、ポリエチレングリコール(例として、PEG-400)、またはそれらの組み合わせなどの有無にかかわらず使用されてもよい;しかしながら、担体が使用されるとき、好ましくは最大約5%の増粘剤または結合剤、より好ましくは約0.1%~約1.0%が、増粘剤/担体の組み合わせの総重量に基づき、好ましくは約95.0%~約99.9%の担体、より好ましくは約99.0%~約99.9%と組み合わせられる。さらにまた、増粘剤または結合剤が水和シリカであり、およびそれが担体と使用されるとき、好ましくは約5%~約10%の増粘剤または結合剤が、増粘剤/担体の組み合わせの総重量に基づき、好ましくは約90%~約95%の担体と組み合わせられる。
【0054】
本発明の消費組成物はまた、具体的な消費組成物の所望される色を産生するのに有効な量において、着色剤または着色料(colorants)、例えば着色料(colors)、染料、顔料、および微粒子物質などを含有してもよい。本発明において有用な着色剤(着色料)は、消費組成物の最大約2重量%、および好ましくは約1%未満の量において組み込まれ得る、二酸化チタンなどの顔料を包含する。着色料はまた、食品、薬物および化粧品用途に好適な天然の食品着色料および染料を包含してもよい。当業者に理解されるだろうとおりの、例えば、食品グレードおよび/または薬学的に共用し得る着色剤、染料または着色料は、FD&C 着色剤、例えばprimary FD&C Blue No. 1、FD&C Blue No. 2、FD&C Green No. 3、FD&C Yellow No. 5、FD&C Yellow No. 6、FD&C Red No. 3、FD&C Red No. 33 およびFD&C Red No. 40およびlakes FD&C Blue No. 1、FD&C Blue No. 2、FD&C Yellow No. 5、FD&C Yellow No. 6、FD&C Red No. 2、FD&C Red No. 3、FD&C Red No. 33、FD&C Red No. 40およびそれらの組み合わせを包含する。
【0055】
加えて、本発明の消費組成物はまた、例えばラウリル硫酸ナトリウム(SLS)などの界面活性剤(好ましくは経口組成物の総重量の約1%~約2%の量における)、および/または安息香酸ナトリウムなどの保存料(好ましくは経口組成物の総重量の約0.2%の量における)を包含してもよい。
【0056】
別様に定義されない限り、本明細書に使用されるすべての技術および科学用語は、本開示が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様のまたは等価なあらゆる方法および材料が本開示の実用または試験において使用され得るが、好ましい材料および方法は下記に記載される。
【0057】
本開示は、以下の非限定例の考慮の上でより充分に理解されるだろう。これらの例は対象技術の好ましい態様を指し示す一方で例証としてのみ与えられることが理解されるべきである。上記の議論およびこれらの例から、当業者は対象技術の不可欠な特徴を確かめることができ、およびそれらの精神および範囲から逸脱することなく、対象技術の様々な変化および改変をして、それを様々な使用および条件に適合させることができる。
【0058】
例
苦味遮断薬候補。
下記の表1は、様々な苦味遮断薬候補の化学物質名、式、モル質量、および化学構造を提供する。
【表1-1】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
例1-カフェイン溶液の苦味を低減する
表1中に挙げられた苦味遮断薬候補を、プロピレングリコールを用いて1%試料溶液に調製し(すなわち、100mlのプロピレングリコール当たり1gの苦味遮断薬)、加熱して完全な溶解を確実にした。試料溶液の各々はわずかに黄色い色の外観が与えられていることが観察された。個々に、夫々の試料溶液を0.25%カフェイン溶液(すなわち、100mlの水中の0.25gカフェインの濃度)へ添加し、それ自体によって舌のすべてのエリア上で苦味を感じさせるようにした。熟練した官能評価者に、対照に対する知覚された苦味の低減を推計するように、ならびに、個々の試料溶液の添加によってその結果得られるカフェイン溶液の味および口当たりのプロファイルがどのように調節されたかに関してコメントを提供するように依頼した。結果を、下記の表2にまとめる。
【0063】
【0064】
例2:モモフレーバー付エネルギードリンクの苦味を低減する
表1中に挙げられた苦味遮断薬候補を、プロピレングリコールを用いて1%試料溶液に調製し、加熱して完全な溶解を確実にした。試料溶液の各々はわずかに黄色い色の外観が与えられていることが観察された。個々に、夫々の試料溶液を、カフェイン(168mg/8fl oz入りまたは約71mg/l)および推奨される毎日の許容量の様々なビタミンBの存在に起因して苦味の味を有する市販のモモフレーバー付エネルギードリンクへ添加した。熟練した官能評価者に、対照に対する知覚された苦味の低減を推計するように、ならびに、個々の試料溶液の添加によってその結果得られるモモフレーバー付エネルギードリンクの味および口当たりのプロファイルがどのように調節されたかに関してコメントを提供するように依頼した。結果を、下記の表3にまとめる。
【0065】
【0066】
例3:ダークチョコレート片の苦味を低減する
表1中に挙げられた苦味遮断薬候補を、プロピレングリコールを用いて1%試料溶液に調製し、加熱して完全な溶解を確実にした。試料溶液の各々はわずかに黄色い色の外観が与えられていることが観察された。個々に、夫々の試料溶液を、100%ダークカカオを有する溶けたダークチョコレート片へ添加した。熟練した官能評価者に、対照に対する知覚された苦味の低減を推計するように、ならびに、個々の試料溶液の添加によってその結果得られる溶けたダークチョコレートの味および口当たりのプロファイルがどのように調節されたかに関してコメントを提供するように依頼した。結果を、下記の表4にまとめる。
【0067】
【0068】
例4:ダークローストコーヒーの苦味を低減する
表1中に挙げられた苦味遮断薬候補を、プロピレングリコールを用いて1%試料溶液に調製し、加熱して完全な溶解を確実にした。試料溶液の各々はわずかに黄色い色の外観が与えられていることが観察された。個々に、夫々の試料溶液を、ダークローストコーヒー(8fl oz当たり約175mg、または約740mg/lのカフェインを含有すると推計される)へ添加した。熟練した官能評価者に、対照に対する知覚された苦味の低減を推計するように、ならびに、個々の試料溶液の添加によってその結果得られるダークローストコーヒーの味および口当たりのプロファイルがどのように調節されたかに関してコメントを提供するように依頼した。結果を、下記の表5にまとめる。
【0069】
【0070】
例5-咳シロップの苦味を低減する
表1中に挙げられた苦味遮断薬候補を、プロピレングリコールを用いて1%試料溶液に調製し、加熱して完全な溶解を確実にした。試料溶液の各々はわずかに黄色い色の外観が与えられていることが観察された。個々に、夫々の試料溶液を、商用名DELSYM(登録商標)の下で販売されている咳シロップへ添加した。咳シロップ中に含有される苦味のある剤は、デキストロメトロファンHBr USP 30mgであった(各5mlのティースプーンについて測定されるとおり、すなわち、6000mg/lのデキストロメトロファン)。熟練した官能評価者に、対照に対する知覚された苦味の低減を推計するように、ならびに、個々の試料溶液の添加によってその結果得られる咳シロップの味および口当たりのプロファイルがどのように調節されたかに関してコメントを提供するように依頼した。結果を、下記の表6にまとめる。
【0071】
【0072】
例6-咳シロップの苦味を低減する
表1中に挙げられた苦味遮断薬候補を、プロピレングリコールを用いて1%試料溶液に調製し、加熱して完全な溶解を確実にした。試料溶液の各々はわずかに黄色い色の外観が与えられていることが観察された。個々に、夫々の試料溶液を、商用名ROBITUSSIN(登録商標)DMの下で販売されている咳シロップへ添加した。咳シロップ中に含有される苦味のある剤は、デキストロメトロファンHBr USP 20mgおよびグアイフェネシンUSP 400mgであった(各20ml入りについて測定されるとおり、または、合計で21000mg/lの苦味物質)。熟練した官能評価者に、対照に対する知覚された苦味の低減を推計するように、ならびに、個々の試料溶液の添加によってその結果得られる咳シロップの味および口当たりのプロファイルがどのように調節されたかに関してコメントを提供するように依頼した。結果を、下記の表7にまとめる。
【0073】
【0074】
例7-フルスペクトルCBDヘンプオイルの苦味を低減する
表1中に挙げられた苦味遮断薬候補を、プロピレングリコールを用いて1%試料溶液に調製し、加熱して完全な溶解を確実にした。試料溶液の各々はわずかに黄色い色の外観が与えられていることが観察された。フルスペクトルCBDヘンプオイルをまず水溶性ナノエマルション中へ乳化させ、それに夫々の試料溶液を添加した。フルスペクトルCBDヘンプオイルそれ自体は、土のような、ムスキーな、苦味の味を有する。熟練した官能評価者に、対照に対する知覚された苦味の低減を推計するように、ならびに、個々の試料溶液の添加によってその結果得られるオイルナノエマルションの味および口当たりのプロファイルがどのように調節されたかに関してコメントを提供するように依頼した。結果を、下記の表8にまとめる。
【0075】
【0076】
例8-CBDイソラートの苦味を低減する
表1中に挙げられた苦味遮断薬候補を、プロピレングリコールを用いて1%試料溶液に調製し、加熱して完全な溶解を確実にした。試料溶液の各々はわずかに黄色い色の外観が与えられていることが観察された。CBDイソラートをまず水溶性ナノエマルションへ乳化し、それに夫々の試料溶液を添加した。CBDイソラートそれ自体は、土のようなフレーバーを有することが注記される。熟練した官能評価者に、対照に対する知覚された苦味の低減を推計するように、ならびに、個々の試料溶液の添加によってその結果得られるナノエマルションの味および口当たりのプロファイルがどのように調節されたかに関してコメントを提供するように依頼した。結果を、下記の表9にまとめる。
【0077】
【0078】
例9-THCの苦味を低減する
表1中に挙げられた苦味遮断薬候補を、プロピレングリコールを用いて1%試料溶液に調製し、加熱して完全な溶解を確実にした。試料溶液の各々はわずかに黄色い色の外観が与えられていることが観察された。THCをまず水溶性ナノエマルション中へ乳化させ(一杯当たり10mg THC)、それに夫々の試料溶液を添加した。熟練した官能評価者に、対照に対する知覚された苦味の低減を推計するように、ならびに、個々の試料溶液の添加によってその結果得られるナノエマルションの味および口当たりのプロファイルがどのように調節されたかに関してコメントを提供するように依頼した。結果を、下記の表10にまとめる。
【0079】
【0080】
例10-フラボノイドグリコシドの生合成
異なるグリコシルトランスフェラーゼを、関心のあるフラボノイドグリコシドの調製のために同定した。具体的に言うと、He et al., "Molecular Characterization and Structural Basis of a Promiscuous C-Glycosyltransferase from Trollius chinensis," Angew. Chem. Int. Ed., 58(33):11513-11520 (2019)に記載される、Trollius chinensisのトランスクリプトームからの推定上のフラボン8-C-グリコシルトランスフェラーゼ、TcCGT1(BioProject受託番号PRJNA532685)を、グリコシラートエチオジクチオールに使用し、エリオジクチオール-8-C-β-グルコシド(BB013)を提供した。
【0081】
Willits et al.,"Bio-fermentation of modified flavonoids: an example of in vivo diversification of secondary metabolites," Phytochemistry, 65:31-41 (2004)に記載されるUGT73B2(Arabidopsis gene At4g34135)、Chiu et al., "Diversity of sugar acceptor of glycosyltransferase 1 from Bacillus cereus and its application for glucoside synthesis," Appl. Microbiol. Biotechnol., 100:4459-4471 (2016)に記載されるBacillus cereus からのBcGT1(GenBank accession no. AAS41089.1)を、グリコシラートエリオジクチオールおよびホモエリオジクチオールに使用し、ホモエリオジクチオール7-O-グルコシド(BB9)、およびエリオジクチオール7-O-グルコシド(BB10)、ホモエリオジクチオール4'-O-グルコシド(BB11)、エリオジクチオール4'-O-グルコシド(BB12)を提供した。TcCGT1、UGT73B2、およびBcGT1のタンパク質配列を、夫々配列番号1、配列番号3、および配列番号5として提供する(表11)。
【0082】
【0083】
夫々のTcCGT1遺伝子、UGT73B2遺伝子、BcGT1遺伝子を発現ベクターに複製し、次いで、標準的な化学的形質転換プロトコルを有するE.coli W3110細胞に導入した。その結果得られる標的遺伝子をもつE.coli株を、当該技術分野において知られている条件下で培養し、使用まで-70℃にてグリセロール中で保管した。
【0084】
苦味遮断薬の産生に好適なE.coli培養物を産生するために、特定のUDP-GグリコシルトランスフェラーゼをもつE.coli W 3310のグリセロールストックを-70℃から取り出し、室温にて解凍し、37℃にて50mL LB培養種培地中で培養した(種培養1と命名した)。16時間後、種培養1を2Lの種培地に移し、種培養2を形成した。一旦種培養2の細胞が5のOD600を生じさせたとき、細胞を500Lの発酵槽に、次いで改変された無機培地を有する60トン産生発酵槽に移し、12時間培養した。
【0085】
苦味遮断薬産生を始めるために、エリオジクチオールまたはホモエリオジクチオールのいずれかを基質としてUDP-グルコースと一緒に培養物へ添加し、反応混合物を24時間インキュベーションするようにした。次いで、反応混合物を下流プロセシングのために発酵槽から放出した。
苦味遮断薬生成物を抽出し、精製するために、反応混合物を遠心分離し、上清をイオン交換樹脂カラムへ移した。続いてカラムを温水を用いて洗浄し、食品グレードエタノールを用いて溶出した。次いで、溶出液をワイプフィルムコンデンサを用いて凝縮した。その結果得られる凝縮物を結晶化タンクへ移し、冷やすことによって結晶化し、水中で再溶解させ、活性炭を通過させてあらゆる発酵をベースとした着色剤を除去し、ベーキングオーブン中で乾燥させ、さらなる分析のために微粉末に破砕した。
【0086】
HPLC分析によって、TcCGT1添加でのエリオジクチオールからのエリオジクチオール-8-C-β-グルコシド(
図10)の産生、UGT73B2またはBcGT1の添加でのホモエリオジクチオールからのホモエリオジクチオール4'-O-グルコシド(
図3)およびホモエリオジクチオール7-O-グルコシド(
図6)の産生、ならびにBcGT1またはUGT73B2の添加でのエリオジクチオールからのエリオジクチオール4'-O-グルコシドおよびエリオジクチオール7-O-グルコシドの産生が確認された。エリオジクチオール-8-C-β-グルコシドの構造をH-NMR分析によって同定し(
図7および
図8)、化学構造を
図9に提供した。ホモエリオジクチオール4'-O-グルコシドの構造をH-NMR分析によって同定し(
図1)、化学構造を
図2に提供した。ホモエリオジクチオール7-O-グルコシドの構造をH-NMR分析によって同定し(
図4)、化学構造を
図5に提供した。
【0087】
例11-BB09、BB11、およびBB13を使用して苦味を低減する
苦味遮断薬候補BB09、BB11、およびBB13を二肢強制選択(2AFC)識別試験に供し、ここでパネリストに対照カフェイン溶液ならびにカフェインおよび3つの苦味遮断薬候補(BB09、BB11、またはBB13)の1つを含有する試験溶液を提示した。パネリストに、2つの試料を評価し、問題「どちらがより苦いか?」に回答するように依頼した。
【0088】
BB09およびBB11をまず試験した。3オンスの対照(水中カフェイン)、カフェイン水中BB09、カフェイン水中BB11が、3桁のコードで標識された別々のプラスチックスフレカップ中に室温にて入っていた。感覚的に熟練したパネリストが、反復間に10分の休憩を伴う3回の反復において各試料を評価した。次いで、パネリストは、2AFCを完了した。データをEveQuestion上で回収し、XLSTAT上で分析した。試験を、FEMAガイドラインに従って感覚調査にて実行した。
【0089】
対照(水中カフェイン)とBB09(カフェイン水中BB09)とは、90%信頼レベルにて苦味において互いに有意に異なっており、パネリストは、対照試料がBB09を含有する試料よりもより苦味であることで合意した(表12)。回収された30のパネリストの評価(10人のパネリストが試験溶液当たり3の評価を提供した)のうち、20のパネリストの応答によって、BB09を含有する試料と比較して対照試料がより苦味のものとして同定された(P=0.0494、90%CI)。
【0090】
対照(水中カフェイン)とBB11(カフェイン水中BB11)とは、90%信頼レベルにて苦味において互いに有意に異なっており、パネリストは、対照試料がBB11を含有する試料よりもより苦味であることで合意した(表12)。回収された30のパネリストの評価(10人のパネリストが試験溶液当たり3の評価を提供した)のうち、20のパネリストの応答によって、BB11を含有する試料と比較して対照試料がより苦味のものとして同定された(P=0.0494、90%CI)。
【0091】
【0092】
BB13を個別に試験した。2オンスの対照(水中カフェイン)、カフェイン水中BB13が、3桁のコードで標識された別々のプラスチックスフレカップ中に室温にて入っていた。15人の参加者が、FEMAガイドライン当たり合計30の評価のために、反復間に10分の休憩を伴う2回の反復において各試料を評価した。次いで、パネリストは、2AFCを完了して、より苦味の試料を同定した。データを回収し、Compusense上で分析した。
【0093】
30の評価のうち、3によってBB13を含有する試料がより苦味のものとして同定された。27人のパネリストが、対照をより苦味のものとして選択した。対照試料は、90%および95%信頼区間にてBB13を含有する試料よりも有意により苦味であった(
図11)。一般に、パネリストは、BB13を含有する試料を、苦味をマスクする初期の甘味を有し、より苦味を長引かせない、およびナッツの味を有するものとして記載した。
【0094】
例12-BB09、BB11、およびBB13を使用して様々な苦味のアゴニストの苦味を低減する
苦味遮断薬候補を、苦味応答ヒト味蕾組織由来の細胞(hTBEC)プラットホームおよびバイオアッセイを使用してさらに特徴付けた。苦味応答hTBECを苦味遮断薬候補および様々な苦味のアゴニストを用いて処置し、様々な苦味のアゴニストの各々の苦味を低減することにおける各苦味遮断薬候補の有効性を査定した。
【0095】
4つの苦味の刺激を苦味のアゴニストとして使用し(デキストロメトロファン-HBr、カフェイン、テオブロミン、およびレバウジオシドA)、3つの苦味遮断薬候補を査定した(化合物A、またはBB09;化合物B、またはBB11;および化合物C、またはBB13)。1つの産業標準の苦味のアゴニストを対照として使用し(L-プラジカンテル)、5つの苦味遮断薬対照を使用した(Senomyx BB68、STX-001、グルコン酸ナトリウム、エリオジクチオール、およびホモエリオジクチオール)。
【0096】
BB09、BB11、およびBB13を、100μMデキストロメトロファン-HBrと組み合わせた様々な濃度にてまず試験した。ATP分泌検出アッセイを実施して、苦味遮断薬候補がデキストロメトリファン-HBrの発光活性を阻害することができるかどうかを決定した。BB11およびBB12の両方が、デキストロメトリファン-HBrの発光活性を阻害することができた(
図12)。同様に、L-プラジカンテルを内部対照苦味刺激として使用するとき、BB11およびBB13、ならびにSenomyx BB68およびSTX001は、ATP分泌アッセイにおいてL-プラジカンテル応答の阻害を示した(
図13)。
【0097】
次に、苦味遮断薬濃度範囲を狭め(100μM~1,000μM)、刺激の固定された濃度と比較した。BB13およびSTX001のより高い濃度は、100μM デキストロメトロファン-HBr(
図14A)および400μM L-プラジカンテル(
図14B)の両方から発光シグナルを阻害した。BB13を、300μM テオブロミンを用いて処置されたプールされたhTBEC66細胞において、実時間ATP分泌検出によってさらに評価した。BB13およびSenomyx BB68の両方が、1mMにてATP分泌応答を阻害することができた。迅速に刺激されたテオブロミンは、3~4分後に進捗が止まるhTBEC66プラットホームのATP分泌を増加させ、5分後に減衰が始まった。BB13およびSenomyx BB68の両方が、テオブロミンで刺激されたシグナルを衰えさせた(
図15)。
【0098】
レバウジオシドAは、3mMの濃度にてATP分泌応答を誘発した。BB09、BB11、BB13、Senomyx BB68、STX001、ホモエリオジクチオール、エリオジクチオール、およびグルコン酸ナトリウムを、プールされたhTBEC56培養物においてレバウジオシドAを用いて試験した。BB13は、レバウジオシドAによって誘導されたATP分泌の最も強い阻害を示した(
図16)。実時間ATP分泌検出によって、BB09およびBB13の両方が、プールされたhTBEC56培養物においてレバウジオシドAによって誘導されたATP分泌を衰えさせた(
図17)。
【0099】
苦味のアゴニストおよび苦味遮断薬候補に対して理想的な濃度の理解を以って、ATP分泌検出アッセイを3つの別々のhTBECドナー培養物(hTBEC66、hTBEC56、およびhTBECドナーH)において実施した。各培養物を、BB09、BB11、BB13、STX001、またはSenomyx BB68、ならびに100μMデキストロメトロファン-HBr(
図18A~18C)、1,000μMにてのテオブロミン(
図19A~19C)、1mMにてのレバウジオシドA(
図20A~20C)、または3mMにてのカフェイン(
図21A~21C)のいずれかを用いて処置した。BB13は、苦味のアゴニストの最も一貫した阻害を示した。BB09およびBB11の各々は、最も多いケースにおいて阻害の傾向を示した。
【0100】
BB13を、すべての3つのhTBECの培養物において評価した。BB13は、一貫して、100μM デキストロメトロファン-HBr(
図22A)に対して、ならびに1,000μMテオブロミン(
図22B)、1mMレバウジオシドA(
図23A)、3mMカフェイン(
図23B)、および400μML-プラジカンテル(
図24)に対して阻害性活性を示した。
【0101】
100μM デキストロメトロファン-HBr、300μMテオブロミン、および3mMカフェインの処置に続くカルシウム動員応答を、個々のドナー由来のhTBECにおいて評価した。高濃度にて、BB13は、デキストロメトロファン-HBr(
図25)によって誘導された、ならびにテオブロミン(
図26)、およびカフェイン(
図27)によって誘導されたカルシム動員を阻害した。
【0102】
関心のある配列
配列番号1 TcCGT1タンパク質
MEKSNPNSTSKPHVFLLASPGMGHLIPFLELSKRLVTLNTLQVTLFIVSNEATKARSHLMESSNNFHPDLELVDLTPANLSELLSTDATVFKRIFLITQAAIKDLESRISSMSTPPAALIVDVFSMDAFPVADRFGIKKYVFVTLNAWFLALTTYVRTLDREIEGEYVDLPEPIAIPGCKPLRPEDVFDPMLSRSSDGYRPYLGMSERLTKADGLLLNTWEALEPVSLKALRENEKLNQIMTPPLYPVGPVARTTVQEVVGNECLDWLSKQPTESVLYVALGSGGIISYKQMTELAWGLEMSRQRFIWVVRLPTMEKDGACRFFSDVNVKGPLEYLPEGFLDRNKELGMVLPNWGPQDAILAHPSTGGFLSHCGWNSSLESIVNGVPVIAWPLYAEQKMNATLLTEELGVAVRPEVLPTKAVVSRDEIEKMVRRVIESKEGKMKRNRARSVQSDALKAIEKGGSSYNTLIEVAKEFEKNHKVL
【0103】
配列番号2 TcCGT1 DNA
ATGGAGAAGTCAAATCCAAATTCGACTTCAAAGCCGCATGTATTCCTGCTGGCGAGCCCGGGGATGGGCCACTTAATCCCGTTTCTCGAGTTATCAAAGCGGCTGGTGACCTTAAATACCTTACAGGTAACCTTATTCATCGTATCAAACGAAGCTACTAAAGCGCGGTCACATCTGATGGAATCATCAAATAATTTCCACCCAGATCTGGAATTAGTGGATTTAACCCCGGCGAATTTATCAGAGTTACTGAGCACTGACGCGACCGTATTCAAACGGATCTTCTTAATCACCCAGGCTGCTATTAAAGACCTGGAATCACGCATTAGCTCAATGAGTACCCCGCCGGCGGCGTTAATCGTAGACGTATTCTCGATGGACGCCTTTCCGGTGGCGGATCGTTTTGGCATCAAGAAGTATGTCTTTGTGACCTTAAACGCGTGGTTTCTGGCGCTGACCACCTACGTACGGACCCTGGATCGGGAAATTGAAGGCGAGTATGTGGATCTGCCGGAGCCGATTGCGATCCCGGGCTGCAAACCGTTACGGCCAGAGGACGTGTTTGACCCGATGCTGAGCCGTAGCAGCGATGGGTATCGCCCGTACCTGGGGATGAGCGAGCGTTTAACCAAGGCGGATGGGCTGCTGCTGAATACCTGGGAAGCCTTAGAGCCAGTCTCGCTGAAGGCGCTGCGCGAAAACGAGAAATTAAACCAAATCATGACTCCGCCGCTGTACCCAGTGGGCCCGGTCGCGCGGACCACCGTCCAAGAGGTCGTCGGGAACGAGTGTCTGGATTGGTTATCGAAGCAGCCAACCGAGTCAGTACTGTACGTAGCCCTGGGCAGCGGCGGGATCATTTCATACAAACAGATGACTGAGTTAGCGTGGGGCCTGGAAATGTCGCGGCAGCGGTTTATCTGGGTCGTGCGGTTACCAACTATGGAGAAAGACGGGGCCTGCCGGTTCTTTTCAGACGTGAACGTCAAAGGGCCGCTGGAATACCTGCCAGAAGGGTTCCTGGACCGGAACAAGGAGCTGGGCATGGTCTTACCGAACTGGGGGCCGCAGGACGCCATCCTGGCTCATCCGAGTACTGGCGGCTTTCTCTCACATTGCGGCTGGAACTCATCACTGGAGTCGATTGTCAATGGCGTCCCGGTCATCGCGTGGCCGCTGTACGCGGAGCAGAAAATGAATGCTACCCTGCTGACCGAAGAGTTAGGCGTGGCCGTACGGCCGGAAGTCTTACCGACTAAGGCGGTCGTCAGCCGTGATGAGATCGAGAAAATGGTCCGTCGCGTAATCGAAAGCAAGGAAGGGAAAATGAAGCGCAACCGCGCTCGCAGCGTACAAAGCGATGCGCTGAAAGCGATTGAAAAGGGCGGGTCAAGCTATAACACCTTAATCGAGGTCGCAAAGGAGTTCGAGAAGAACCACAAAGTACTG
【0104】
配列番号3 UGT73B2タンパク質
MGSDHHHRKLHVMFFPFMAYGHMIPTLDMAKLFSSRGAKSTILTTSLNSKILQKPIDTFKNLNPGLEIDIQIFNFPCVELGLPEGCENVDFFTSNNNDDKNEMIVKFFFSTRFFKDQLEKLLGTTRPDCLIADMFFPWATEAAGKFNVPRLVFHGTGYFSLCAGYCIGVHKPQKRVASSSEPFVIPELPGNIVITEEQIIDGDGESDMGKFMTEVRESEVKSSGVVLNSFYELEHDYADFYKSCVQKRAWHIGPLSVYNRGFEEKAERGKKANIDEAECLKWLDSKKPNSVIYVSFGSVAFFKNEQLFEIAAGLEASGTSFIWVVRKTKDDREEWLPEGFEERVKGKGMIIRGWAPQVLILDHQATGGFVTHCGWNSLLEGVAAGLPMVTWPVGAEQFYNEKLVTQVLRTGVSVGASKHMKVMMGDFISREKVDKAVREVLAGEAAEERRRRAKKLAAMAKAAVEEGGSSFNDLNSFMEEFSS
【0105】
配列番号4 UGT73B2 DNA
ATGGGTTCAGACCACCACCACCGCAAACTGCACGTTATGTTCTTCCCGTTTATGGCTTACGGCCACATGATTCCGACGCTGGATATGGCGAAACTGTTCAGCTCTCGTGGTGCCAAAAGCACCATCCTGACCACGTCTCTGAATAGTAAAATCCTGCAGAAACCGATTGATACGTTTAAAAATCTGAACCCGGGCCTGGAAATTGACATCCAAATTTTCAACTTTCCGTGCGTTGAACTGGGCCTGCCGGAAGGTTGTGAAAATGTCGATTTCTTTACCTCCAACAATAACGATGACAAAAACGAAATGATCGTGAAATTTTTCTTTTCAACGCGTTTCTTTAAAGATCAGCTGGAAAAACTGCTGGGTACCACGCGCCCGGATTGCCTGATTGCGGACATGTTCTTTCCGTGGGCCACCGAAGCGGCCGGCAAATTTAATGTGCCGCGTCTGGTTTTCCATGGCACGGGTTATTTTTCGCTGTGCGCAGGCTACTGTATCGGTGTGCACAAACCGCAGAAACGCGTTGCTAGTTCCTCAGAACCGTTCGTCATTCCGGAACTGCCGGGTAACATCGTGATCACCGAAGAACAAATCATCGATGGCGACGGTGAATCAGATATGGGTAAATTTATGACCGAAGTTCGTGAATCGGAAGTCAAATCGAGCGGCGTGGTTCTGAACAGCTTCTATGAACTGGAACATGATTATGCGGACTTTTACAAATCTTGCGTCCAGAAACGCGCCTGGCACATTGGCCCGCTGAGTGTTTACAATCGTGGTTTTGAAGAAAAAGCGGAACGCGGCAAAAAAGCGAACATCGATGAAGCCGAATGTCTGAAATGGCTGGACTCCAAAAAACCGAACAGCGTGATTTATGTTTCCTTCGGCTCAGTTGCCTTCTTTAAAAACGAACAGCTGTTTGAAATCGCAGCTGGCCTGGAAGCATCGGGTACCAGCTTCATTTGGGTCGTGCGTAAAACGAAAGATGACCGCGAAGAATGGCTGCCGGAAGGTTTTGAAGAACGTGTGAAAGGCAAGGGTATGATTATCCGTGGTTGGGCACCGCAGGTGCTGATCCTGGATCATCAAGCTACCGGCGGTTTCGTTACGCACTGTGGTTGGAACAGCCTGCTGGAAGGCGTGGCAGCAGGTCTGCCGATGGTCACCTGGCCGGTGGGCGCGGAACAGTTTTACAACGAAAAACTGGTCACCCAAGTGCTGCGCACGGGCGTTTCTGTCGGTGCCAGTAAACACATGAAAGTGATGATGGGTGATTTCATTAGTCGTGAAAAAGTTGACAAAGCAGTTCGCGAAGTCCTGGCTGGCGAAGCAGCTGAAGAACGTCGCCGTCGCGCGAAAAAACTGGCGGCCATGGCTAAAGCAGCTGTGGAAGAAGGCGGCAGCAGTTTTAATGACCTGAATAGTTTTATGGAAGAATTTAGTTCGTGA
【0106】
配列番号5 BcGT1タンパク質
MANVLVINFPGEGHINPTLAIVSELIRRGETVVSYCIEDYRKKIEATGAQFRVFENFLSQINIMERVNEGGSPLTMLSHMMEASERIVTQIVEETKGEKYDYLIYDNHFPVGRIIANVLKLPSVSSCTTFAFNQYITFNDEHESREVDETNPLYQSCLAGMEKWNKQYGMKCNSMYDIMNHPGDITIVYTSKEYQPRSDVFDESYKFVGPSIATRKEVGSFPMEDLKDEKLIFISMGTVFNEQPELYEKCFEAFKDVEATVVLVVGKKINISQFENIPNNFKLYNYVPQLELLQYADVFVTHGGMNSSSEALYYGVPLVVIPVTGDQPLVAKRVNEVGAGIRLNRKELTSEMLRESVKKVMDDVTFKEKSRKVGESLRNAGGYNRAVDEILKMNSYSKLK
【0107】
配列番号6 BcGT1 DNA
ATGGCAAACGTACTCGTAATAAATTTCCCTGGAGAAGGTCATATAAATCCGACTTTAGCTATTGTAAGTGAGTTAATTCGGCGAGGGGAGACAGTTGTTTCGTATTGTATTGAAGATTATAGAAAGAAGATTGAAGCAACAGGTGCACAATTCCGAGTGTTTGAGAATTTCCTCTCTCAAATTAATATTATGGAGCGAGTAAATGAAGGTGGGAGTCCTTTGACGATGCTGTCTCACATGATGGAAGCATCAGAACGTATTGTTACTCAAATTGTAGAAGAAACAAAAGGGGAAAAGTACGATTATTTGATATATGATAATCACTTTCCAGTAGGACGTATTATAGCCAATGTTTTAAAGTTACCTAGTGTTTCTTCTTGTACAACGTTTGCTTTTAATCAGTACATTACTTTTAACGATGAACATGAATCAAGAGAAGTAGATGAAACGAATCCATTGTATCAATCTTGTTTAGCGGGAATGGAAAAATGGAACAAACAGTATGGAATGAAATGTAATAGTATGTATGATATTATGAACCATCCTGGTGATATTACAATTGTGTATACTTCAAAGGAATATCAGCCGCGTTCAGATGTATTCGATGAATCGTATAAGTTTGTTGGCCCATCAATTGCTACTCGAAAAGAAGTAGGTAGCTTTCCTATGGAAGATTTAAAAGATGAAAAATTGATTTTCATTTCTATGGGAACAGTTTTTAATGAACAACCTGAGTTATATGAAAAATGTTTTGAAGCGTTTAAAGATGTAGAAGCGACAGTCGTATTAGTTGTTGGTAAGAAGATAAATATAAGTCAATTTGAAAACATTCCGAATAACTTTAAGTTGTATAATTATGTGCCGCAATTAGAACTATTACAGTATGCTGATGTATTCGTAACACACGGCGGTATGAATAGTTCAAGTGAAGCACTATATTACGGTGTCCCGTTAGTTGTAATTCCGGTAACAGGAGATCAGCCTTTAGTTGCGAAACGAGTAAATGAAGTAGGGGCTGGAATAAGGCTTAATCGCAAAGAATTAACTTCTGAAATGTTACGTGAGTCTGTAAAGAAAGTGATGGATGATGTAACGTTTAAGGAAAAAAGTCGTAAAGTTGGAGAGTCACTTCGAAATGCTGGTGGTTATAATAGGGCAGTTGATGAAATATTAAAAATGAATTCATACTCAAAACTTAAATAA
【配列表】
【国際調査報告】