(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(54)【発明の名称】レーザー駆動血管内砕石装置用のマルチプレクサの光結合を改善するためのアクティブ・アライメント・システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/22 20060101AFI20230612BHJP
A61B 18/20 20060101ALI20230612BHJP
A61M 25/10 20130101ALI20230612BHJP
【FI】
A61B17/22
A61B18/20
A61M25/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567040
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(85)【翻訳文提出日】2022-12-27
(86)【国際出願番号】 US2021031130
(87)【国際公開番号】W WO2021231178
(87)【国際公開日】2021-11-18
(32)【優先日】2021-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521549268
【氏名又は名称】ボルト メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クック、クリストファー、エイ.
(72)【発明者】
【氏名】バッハー、ジェラルド、デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ブラック、ジョン、エフ.
【テーマコード(参考)】
4C026
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C026AA04
4C026BB07
4C026FF03
4C026FF12
4C026FF17
4C026HH02
4C160EE15
4C160KL03
4C160MM33
4C160NN01
4C160NN11
4C267AA06
(57)【要約】
血管壁108内の若しくは心臓弁内の、又は血管壁108若しくは心臓弁に隣接する治療部位106を治療するためのカテーテル・システム100が、第1の光源124、複数のライト・ガイド122A、マルチプレクサ128、及びマルチプレクサ・アライメント・システム142を含む。第1の光源124は光エネルギーを生成する。複数のライト・ガイド122Aはそれぞれ、第1の光源124から光エネルギーを交互に受けるように構成される。各ライト・ガイド122Aはガイド近位端部122Pを有する。マルチプレクサ128は、第1の光源124から光エネルギーを受ける。マルチプレクサ128は、第1の光源124からの光エネルギーを複数のライト・ガイド122Aのそれぞれに交互に向ける。マルチプレクサ・アライメント・システム142はマルチプレクサ128に動作可能に結合される。マルチプレクサ・アライメント・システム142は、複数のライト・ガイド122Aのそれぞれのガイド近位端部122Pを走査するプローブ・ソース・ビーム270Aを生成する第2の光源270を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管壁又は心臓弁内の、或いは血管壁又は心臓弁に隣接する治療部位を治療するためのカテーテル・システムであって、
光エネルギーを生成する第1の光源と、
それぞれが前記第1の光源から光エネルギーを交互に受けるように構成された複数のライト・ガイドであって、各ライト・ガイドがガイド近位端部を有する、複数のライト・ガイドと、
前記第1の光源から前記光エネルギーを受けるマルチプレクサであって、前記第1の光源からの前記光エネルギーを前記複数のライト・ガイドのそれぞれに交互に向けるマルチプレクサと、
前記マルチプレクサに動作可能に結合されるマルチプレクサ・アライメント・システムであって、前記複数のライト・ガイドのそれぞれの前記ガイド近位端部を走査するプローブ・ソース・ビームを生成する第2の光源を含むマルチプレクサ・アライメント・システムと、
を有するカテーテル・システム。
【請求項2】
前記複数のライト・ガイドのそれぞれの前記ガイド近位端部を走査する前記プローブ・ソース・ビームは、前記複数のライト・ガイドのそれぞれの前記ガイド近位端部から散乱される後方散乱エネルギー・ビームをもたらし、また
前記後方散乱エネルギー・ビームを分析して前記ガイド・ビームと前記複数のライト・ガイドとの間の光結合を決定するシステム・コントローラを更に有する、請求項1に記載のカテーテル・システム。
【請求項3】
前記第1の光源は、前記マルチプレクサに向けられるソース・ビームを供給する、請求項1又は2に記載のカテーテル・システム。
【請求項4】
前記システム・コントローラは、前記第1の光源の動作を制御して光エネルギーのパルスを生成するように構成されている、請求項2又は3に記載のカテーテル・システム。
【請求項5】
前記複数のライト・ガイドがガイド結合ハウジング内に少なくとも部分的に保持され、前記プローブ・ソース・ビームが前記ガイド結合ハウジングの面を走査するように構成されている、請求項1から4までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項6】
前記複数のライト・ガイドのそれぞれの前記ガイド近位端部が前記ガイド結合ハウジング内に保持される、請求項5に記載のカテーテル・システム。
【請求項7】
個々のガイド・ビームが前記複数のライト・ガイドのそれぞれの前記ガイド近位端部を走査する前の所定の時間に前記プローブ・ソース・ビームが前記複数のライト・ガイドのそれぞれの前記ガイド近位端部を走査するように、前記マルチプレクサ・アライメント・システムが前記マルチプレクサに動作可能に結合される、請求項1から6までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項8】
前記マルチプレクサ及び前記マルチプレクサ・アライメント・システムを含むシステム・コンソールを更に有し、前記複数のライト・ガイドが前記システム・コンソールに機械的に結合される、請求項1から7までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項9】
前記マルチプレクサ・アライメント・システムは、前記プローブ・ソース・ビームを集束させて前記複数のライト・ガイドのそれぞれの前記ガイド近位端部を走査するように構成された複数の結合光学素子を含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項10】
前記マルチプレクサは、前記結合光学素子を利用して、個々のガイド・ビームのそれぞれを前記複数のライト・ガイドのうちの1つに集束させるように構成される、請求項9に記載のカテーテル・システム。
【請求項11】
前記マルチプレクサは、別の結合光学素子を利用して、個々のガイド・ビームのそれぞれを前記複数のライト・ガイドのうちの1つに集束させるように構成される、請求項9に記載のカテーテル・システム。
【請求項12】
前記第1の光源からソース・ビームを受けるとともに前記第2の光源から前記プローブ・ソース・ビームを受ける第1のビームスプリッタを更に有し、前記第1のビームスプリッタは、前記ソース・ビーム及び前記プローブ・ソース・ビームのそれぞれを前記複数のライト・ガイドのそれぞれの前記ガイド近位端部に向けるように構成される、請求項1から11までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項13】
前記第1のビームスプリッタがダイクロイック・ビームスプリッタを含む、請求項12に記載のカテーテル・システム。
【請求項14】
前記第1のビームスプリッタは、前記ソース・ビーム及び前記プローブ・ソース・ビームのうちの一方を透過させ、且つ前記ソース・ビーム及び前記プローブ・ソース・ビームのうちの他方を反射するように構成される、請求項12又は13に記載のカテーテル・システム。
【請求項15】
第2のビームスプリッタと光検出器とを更に有し、前記第2のビームスプリッタは、(i)前記後方散乱エネルギー・ビームを受け、且つ(ii)前記後方散乱エネルギー・ビームの少なくとも一部を前記光検出器に向けるように構成されている、請求項2から14までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項16】
前記第2のビームスプリッタは、前記後方散乱エネルギー・ビームの約90パーセントを前記光検出器に向けて変向させる10/90ビームスプリッタである、請求項15に記載のカテーテル・システム。
【請求項17】
前記光検出器は、前記光検出器に向けられた前記後方散乱エネルギー・ビームの少なくとも一部に少なくとも部分的に基づいて信号を生成する、請求項15又は16に記載のカテーテル・システム。
【請求項18】
前記光検出器からの前記信号を増幅器により増幅して、信号処理電子機器に向けられる増幅信号を提供し、それにより前記後方散乱エネルギー・ビーム中に含まれる光エネルギーの強度を決定する、請求項17に記載のカテーテル・システム。
【請求項19】
前記後方散乱エネルギー・ビーム中に含まれる光エネルギーの前記強度が評価され、それにより前記ガイド・ビームと前記複数のライト・ガイドとの間の最適な光結合を決定する、請求項18に記載のカテーテル・システム。
【請求項20】
前記第1の光源、前記システム・コントローラ、前記マルチプレクサ、及び前記マルチプレクサ・アライメント・システムのそれぞれに電力を供給するように構成された電源を更に有する、請求項2から19までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項21】
前記マルチプレクサ・アライメント・システムは、前記プローブ・ソース・ビームを集束させて前記複数のライト・ガイドのそれぞれの前記ガイド近位端部を走査するように構成された複数の結合光学素子を含む、請求項12から20までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項22】
前記結合光学素子は、前記第1のビームスプリッタと前記複数のライト・ガイドとの間の前記プローブ・ソース・ビームのビーム経路内に位置付けられる、請求項21に記載のカテーテル・システム。
【請求項23】
前記結合光学素子は、前記第1のビームスプリッタと前記第2のビームスプリッタとの間の前記プローブ・ソース・ビームのビーム経路内に位置付けられる、請求項21に記載のカテーテル・システム。
【請求項24】
前記マルチプレクサは、マルチプレクサ・ベースと、マルチプレクサ・ステージと、前記マルチプレクサ・ベースに対して単一の線形自由度で前記マルチプレクサ・ステージを移動させるステージ・ムーバとを含む、請求項1から23までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項25】
前記第1のビームスプリッタ、前記第2のビームスプリッタ、及び前記結合光学素子が前記マルチプレクサ・ステージに実装される、請求項24に記載のカテーテル・システム。
【請求項26】
前記マルチプレクサは、前記マルチプレクサ・ステージに実装されるリダイレクタを更に含み、前記リダイレクタは、前記光源からのソース・ビームを前記結合光学素子に向けるように構成され、前記マルチプレクサ・ベースに対する前記マルチプレクサ・ステージの移動が、前記ソース・ビーム及び前記プローブ・ソース・ビームを前記複数のライト・ガイドに対して移動させ、それにより前記個々のガイド・ビーム及び前記プローブ・ソース・ビームが、前記複数のライト・ガイドのそれぞれの前記ガイド近位端部にわたって走査するように向けられる、請求項24又は25に記載のカテーテル・システム。
【請求項27】
前記マルチプレクサは、前記第1の光源からのソース・ビームの光路内及び前記第2の光源からのプローブ・ソース・ビームの光路内に位置付けられる第1の可動リダイレクタ及び第2の可動リダイレクタを含む、請求項24又は25に記載のカテーテル・システム。
【請求項28】
前記第1の可動リダイレクタは、第1のリダイレクタ・ムーバにより1つの軸の周りで移動可能であり、前記第2の可動リダイレクタは、第2のリダイレクタ・ムーバにより1つの軸の周りで移動可能であり、前記第1の可動リダイレクタ及び前記第2の可動リダイレクタの移動が、前記ソース・ビームを個々のガイド・ビームとして向けるように協働し、前記プローブ・ソース・ビームは、前記ガイド・ビーム及び前記プローブ・ソース・ビームが前記複数のライト・ガイドのそれぞれの前記ガイド近位端部にわたって走査するように結合光学素子に向けられる、請求項27に記載のカテーテル・システム。
【請求項29】
前記第1の可動リダイレクタ及び前記第2の可動リダイレクタのうちの少なくとも一方がガルバノミラー・スキャナを含む、請求項27又は28に記載のカテーテル・システム。
【請求項30】
前記マルチプレクサは、マルチプレクサ・ステージと、前記マルチプレクサ・ステージを前記複数のライト・ガイドのそれぞれに対して移動させるステージ・ムーバとを含む、請求項1から23までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項31】
前記ステージ・ムーバは、前記マルチプレクサ・ステージを1つの回転軸を中心に回転移動させる、請求項30に記載のカテーテル・システム。
【請求項32】
前記光源からの前記光エネルギーは、実質的に前記回転軸に沿って単一のソース・ビームとして前記マルチプレクサ・ステージに向けられる、請求項31に記載のカテーテル・システム。
【請求項33】
前記マルチプレクサがビーム経路調整器を更に含み、前記ソース・ビーム及び前記プローブ・ソース・ビームは、実質的に前記回転軸に沿って前記ビーム経路調整器に向けられ、前記ビーム経路調整器は、前記ソース・ビーム及び前記プローブ・ソース・ビームを変向させるように構成され、それにより前記ソース・ビーム及びプローブ・ソース・ビームは前記回転軸と平行で且つ前記回転軸から離間するように向けられる、請求項32に記載のカテーテル・システム。
【請求項34】
前記ビーム経路調整器は、アナモルフィック・プリズム対、ウェッジ・プリズムの対、間隔の狭い直角ミラーの対、及び間隔の狭い直角プリズムの対のうちの1つを含む、請求項33に記載のカテーテル・システム。
【請求項35】
前記ビーム経路調整器は、前記ソース・ビームを個々のガイド・ビームとして向けるように移動可能であり、且つ前記プローブ・ソース・ビームを結合光学素子に向けるように移動可能であり、それにより前記ガイド・ビーム及び前記プローブ・ソース・ビームが、前記複数のライト・ガイドのそれぞれの前記ガイド近位端部にわたって回転的に走査する、請求項33又は34に記載のカテーテル・システム。
【請求項36】
前記光源がレーザーを含む、請求項1から35までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項37】
前記光源がパルス赤外線光源を含む、請求項1から36までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項38】
前記第2の光源がレーザーを含む、請求項1から37までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項39】
前記第2の光源が可視光連続波光源を含む、請求項1から38までのいずれか一項に記載のカテーテル・システム。
【請求項40】
血管壁内の又は血管壁に隣接する治療部位を治療するための方法であって、請求項1から39までのいずれか一項に記載のカテーテル・システムを含む、方法。
【請求項41】
血管壁内の、又は血管壁に隣接する治療部位を治療するための方法であって、
第1の光源により光エネルギーを生成するステップと、
マルチプレクサにより前記光源から光エネルギーを受けるステップと、
前記マルチプレクサにより、前記光源からの光エネルギーを個々のガイド・ビームの形態で複数のライト・ガイドのそれぞれに向けるステップと、
マルチプレクサ・アライメント・システムを前記マルチプレクサに動作可能に結合するステップと、
前記マルチプレクサ・アライメント・システムが前記複数のライト・ガイドのそれぞれのガイド近位端部を走査するように、第2の光源によりプローブ・ソース・ビームを生成するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2020年5月12日に出願された米国仮出願第63/023,669号及び2021年5月5日に出願された米国特許出願第17/308,934号による優先権を主張するものである。許される範囲で、米国仮出願第63/023,669号及び米国特許出願第17/308,934号の内容は、参照によりその全体が本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
体内の血管内の血管病変は、心筋梗塞、塞栓症、深部静脈血栓症、脳卒中などの主要な有害事象のリスクの増大と関連付けられ得る。重度の血管病変は、臨床環境における医師の治療及び開通性の達成を困難にし得る。
【0003】
血管病変は、幾つか例を挙げると、薬物療法、バルーン血管形成術、アテローム切除術、ステント留置術、血管移植片バイパス術などのインターベンションを使用して治療され得る。このようなインターベンションは、常に理想的であるとは限らず、又は、病変に対処するためにその後の治療が必要になる場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、血管壁内の若しくは心臓弁内の、又は血管壁若しくは心臓弁に隣接する治療部位を治療するためのカテーテル・システムに関する。様々な実施例において、カテーテル・システムは、第1の光源、複数のライト・ガイド、マルチプレクサ、及び、マルチプレクサ・アライメント・システムを含む。第1の光源は光エネルギーを生成する。複数のライト・ガイドはそれぞれ、第1の光源から光エネルギーを交互に(すなわち交代で)受けるように構成される。各ライト・ガイドはガイド近位端部を有する。マルチプレクサは、第1の光源から光エネルギーを受ける。マルチプレクサは、第1の光源からの光エネルギーを複数のライト・ガイドのそれぞれに交互に向ける。マルチプレクサ・アライメント・システムはマルチプレクサに動作可能に結合される。マルチプレクサ・アライメント・システムは、複数のライト・ガイドのそれぞれのガイド近位端部を走査するプローブ・ソース・ビームを生成する第2の光源を含む。
【0005】
幾つかの実施例において、複数のライト・ガイドのそれぞれのガイド近位端部を走査するプローブ・ソース・ビームは、複数のライト・ガイドのそれぞれのガイド近位端部から散乱される後方散乱エネルギー・ビームをもたらす。そのような実施例において、カテーテル・システムは、後方散乱エネルギー・ビームを分析してガイド・ビームと複数のライト・ガイドとの間の最適な光結合を決定するプロセッサを含むシステム・コントローラを更に含むことができる。
【0006】
特定の実施例において、第1の光源は、マルチプレクサに向けられるソース・ビームの形態で光エネルギーを供給する。そのような実施例において、システム・コントローラは、光エネルギーのパルスの形態の単一のソース・ビームを生成するために第1の光源の動作を制御するように構成される。
【0007】
幾つかの実施例では、複数のライト・ガイドがガイド結合ハウジング内に少なくとも部分的に保持され、また、この場合、プローブ・ソース・ビームがガイド結合ハウジングの面を走査するように構成される。そのような実施例では、複数のライト・ガイドのそれぞれのガイド近位端部がガイド結合ハウジング内に保持され得る。
【0008】
特定の実施例では、個々のガイド・ビームが複数のライト・ガイドのそれぞれのガイド近位端部を走査する前にプローブ・ソース・ビームが所定の時間において複数のライト・ガイドのそれぞれのガイド近位端部を走査するように、マルチプレクサ・アライメント・システムがマルチプレクサに動作可能に結合される。
【0009】
幾つかの実施例において、カテーテル・システムは、マルチプレクサ及びマルチプレクサ・アライメント・システムを含むシステム・コンソールを更に含み、複数のライト・ガイドがシステム・コンソールに機械的に結合される。
【0010】
特定の実施例において、マルチプレクサ・アライメント・システムは、プローブ・ソース・ビームを集束させて複数のライト・ガイドのそれぞれのガイド近位端部を走査するように構成される結合光学素子を含む。幾つかの実施例において、マルチプレクサは、結合光学素子を利用して、個々のガイド・ビームのそれぞれを複数のライト・ガイドのうちの1つに集束させることができる。或いは、マルチプレクサは、別の結合光学素子を利用して、個々のガイド・ビームのそれぞれを複数のライト・ガイドのうちの1つに集束させる。
【0011】
様々な実施例において、カテーテル・システムは、第1の光源からソース・ビームを受けるとともに第2の光源からプローブ・ソース・ビームを受ける第1のビームスプリッタを更に含み、第1のビームスプリッタは、ソース・ビーム及びプローブ・ソース・ビームのそれぞれを複数のライト・ガイドのそれぞれのガイド近位端部に向けるように構成される。1つのそのような実施例では、第1のビームスプリッタがダイクロイック・ビームスプリッタである。特定の実施例において、第1のビームスプリッタは、ソース・ビーム及びプローブ・ソース・ビームのうちの一方を透過させ、ソース・ビーム及びプローブ・ソース・ビームのうちの他方を反射するように構成される。
【0012】
カテーテル・システムは第2のビームスプリッタ及び光検出器を更に含むことができる。そのような実施例において、第2のビームスプリッタは、後方散乱エネルギー・ビームを受けるとともに、後方散乱エネルギー・ビームの少なくとも一部を光検出器に向けるように構成される。1つのそのような実施例において、第2のビームスプリッタは、後方散乱エネルギー・ビームの約90パーセントを光検出器に向けて変向させる10/90ビームスプリッタである。或いは、第2のビームスプリッタは、10パーセントを上回る又は下回る後方散乱エネルギー・ビームを透過させて90パーセントを上回る又は下回る後方散乱エネルギー・ビームを変向させる別の適した設計を有することができる。更に、そのような実施例において、光検出器は、光検出器に向けられる後方散乱エネルギー・ビームの少なくとも一部に少なくとも部分的に基づく信号を生成することができる。更にまた、光検出器からの信号を増幅器により増幅して増幅信号を供給することができる。そのような実施例において、増幅信号は、後方散乱エネルギー・ビーム中に含まれる光エネルギーの強度を決定するために信号処理電子機器に向けられる。更に、そのような実施例では、ガイド・ビームと複数のライト・ガイドとの間の最適な光結合を決定するために後方散乱エネルギー・ビーム中に含まれる光エネルギーの強度が評価される。
【0013】
幾つかの実施例において、カテーテル・システムは、第1の光源、システム・コントローラ、マルチプレクサ、及び、マルチプレクサ・アライメント・システムのそれぞれに電力を供給するように構成される電源を更に含む。
【0014】
特定の実施例において、マルチプレクサ・アライメント・システムは、プローブ・ソース・ビームを集束させて複数のライト・ガイドのそれぞれのガイド近位端部を走査するように構成される結合光学素子を含む。1つのそのような実施例において、結合光学素子は、第1のビームスプリッタと複数のライト・ガイドとの間のプローブ・ソース・ビームのビーム経路内に位置される。別のそのような実施例において、結合光学素子は、第1のビームスプリッタと第2のビームスプリッタとの間のプローブ・ソース・ビームのビーム経路内に位置される。
【0015】
特定の実施例において、マルチプレクサは、マルチプレクサ・ベース、マルチプレクサ・ステージ、及び、マルチプレクサ・ベースに対して単一の線形自由度でマルチプレクサ・ステージを移動させるステージ・ムーバを含む。幾つかの実施例では、第1のビームスプリッタ、第2のビームスプリッタ、及び、結合光学素子をマルチプレクサ・ステージに実装できる。幾つかのそのような実施例において、マルチプレクサは、マルチプレクサ・ステージに実装されるリダイレクタを更に含み、リダイレクタは、第1の光源からのソース・ビームを結合光学素子に向けるように構成される。そのような実施例において、マルチプレクサ・ベースに対するマルチプレクサ・ステージの移動は、複数のライト・ガイドのそれぞれのガイド近位端部の全体にわたって走査するべく個々のガイド・ビーム及びプローブ・ソース・ビームが向けられるようにソース・ビーム及びプローブ・ソース・ビームを複数のライト・ガイドに対して移動させる。
【0016】
様々な実施例において、マルチプレクサは、第1の光源からのソース・ビームの光路内及び第2の光源からのプローブ・ソース・ビームの光路内に位置される第1の可動リダイレクタ及び第2の可動リダイレクタを含む。そのような実施例において、第1の可動リダイレクタは、第1のリダイレクタ・ムーバにより1つの軸の周りで移動可能であり、第2の可動リダイレクタは、第2のリダイレクタ・ムーバにより1つの軸の周りで移動可能であり、第1の可動リダイレクタ及び第2の可動リダイレクタの移動は、ソース・ビームを個々のガイド・ビームとして向けるように協働し、プローブ・ソース・ビームは、ガイド・ビーム及びプローブ・ソース・ビームが複数のライト・ガイドのそれぞれのガイド近位端部の全体にわたって走査するように結合光学素子に向けられる。特定の実施例では、第1の可動リダイレクタ及び第2の可動リダイレクタのうちの少なくとも一方がガルバノ(検流計)ミラー・スキャナを含む。
【0017】
特定の実施例において、マルチプレクサは、マルチプレクサ・ステージと、マルチプレクサ・ステージを複数のライト・ガイドのそれぞれに対して移動させるステージ・ムーバとを含む。そのような実施例において、ステージ・ムーバは、マルチプレクサ・ステージを1つの回転軸を中心に回転移動させることができる。更に、幾つかのそのような実施例において、第1の光源からの光エネルギーは、実質的に回転軸に沿って単一のソース・ビームとしてマルチプレクサ・ステージに向けられる。更に、特定のそのような実施例では、マルチプレクサがビーム経路調整器を更に含み、ソース・ビーム及びプローブ・ソース・ビームは、実質的に回転軸に沿ってビーム経路調整器に向けられ、また、ビーム経路調整器は、回転軸と平行で且つ回転軸から離間される方向にソース・ビーム及びプローブ・ソース・ビームが向けられるようにソース・ビーム及びプローブ・ソース・ビームを変向させるべく構成される。別の実施例において、ビーム経路調整器は、アナモルフィック・プリズム対、ウェッジ・プリズムの対、間隔の狭い直角ミラーの対、及び、間隔の狭い直角プリズムの対のうちの1つを含む。幾つかの実施例において、ビーム経路調整器は、ソース・ビームを個々のガイド・ビームとして向けるように移動可能であるとともに、ガイド・ビーム及びプローブ・ソース・ビームが複数のライト・ガイドのそれぞれのガイド近位端部の全体にわたって回転可能に走査するようにプローブ・ソース・ビームを結合光学素子に向けるように移動可能である。
【0018】
様々な実施例では、第1の光源がレーザーを含む。幾つかのそのような実施例では、第1の光源がパルス赤外線光源を含む。
【0019】
様々な実施例では、第2の光源がレーザーを含む。特定のそのような実施例では、第2の光源が可視光連続波光源を含む。
【0020】
本発明は、更に、血管壁内の又は血管壁に隣接する治療部位を治療するための方法に関し、この方法は、前述のカテーテル・システムのいずれかを含む。
【0021】
特定の実施例において、マルチプレクサは、第1の可動リダイレクタ及び第2の可動リダイレクタを含むことができる。様々な実施例において、リダイレクタのうちの少なくとも一方は、fシータ・レンズを伴う多方向スキャナを含む。
【0022】
本発明は、更に、血管壁内の若しくは心臓弁内の、又は血管壁若しくは心臓弁に隣接する治療部位を治療するための方法であって、第1の光源により光エネルギーを生成するステップと、マルチプレクサにより第1の光源から光エネルギーを受けるステップと、マルチプレクサにより、第1の光源からの光エネルギーを個々のガイド・ビームの形態で複数のライト・ガイドのそれぞれに向けるステップと、マルチプレクサ・アライメント・システムをマルチプレクサに動作可能に結合するステップと、マルチプレクサ・アライメント・システムが複数のライト・ガイドのそれぞれのガイド近位端部を走査するように第2の光源によりプローブ・ソース・ビームを生成するステップとを含む方法に関する。
【0023】
この概要は、本出願の幾つかの教示内容の一部の要約であり、本主題の排他的又は網羅的な取り扱いを意図するものではない。更なる詳細は、詳細な説明及び添付の特許請求の範囲に見出される。他の態様は、以下の詳細な説明を読んで理解するとともに、詳細な説明の一部を形成する図面を見ると、当技術分野の当業者には明らかであり、詳細な説明及び図面のそれぞれは限定的な意味で解釈されるべきではない。本明細書の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの法的均等物によって規定される。
【0024】
この発明の新規の特徴並びにその構造及びその動作の両方に関する本発明自体は、添付の説明と併せて解釈される添付図面から最も良く理解され、図面中、同様の参照文字は同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本明細書の様々な実施例に係るカテーテル・システムの一実施例の概略断面図であり、カテーテル・システムは、第1の光源、複数のライト・ガイド、マルチプレクサ、及び、マルチプレクサ・アライメント・システムを含む。
【
図2】マルチプレクサ及びマルチプレクサ・アライメント・システムの一実施例を含むカテーテル・システムの一実施例の一部の簡略化された概略図である。
【
図3A】マルチプレクサ及びマルチプレクサ・アライメント・システムが複数のライト・ガイドに対して走査しているときのタイミング方式を表す概略図、及び、第1の光源を発射するのに適したタイミングを決定するために使用される走査位置の関数としての後方散乱ビーム強度のグラフ表示である。
【
図3B】マルチプレクサ及びマルチプレクサ・アライメント・システムが複数のライト・ガイドに対して走査しているときの別のタイミング方式を表す概略図、及び、第1の光源を発射するのに適したタイミングを決定するために使用される走査位置の関数としての後方散乱ビーム強度のグラフ表示である。
【
図3C】マルチプレクサ及びマルチプレクサ・アライメント・システムが複数のライト・ガイドに対して走査しているときの別のタイミング方式を表す概略図、及び、第1の光源を発射するのに適したタイミングを決定するために使用される走査位置の関数としての後方散乱ビーム強度のグラフ表示である。
【
図3D】マルチプレクサ及びマルチプレクサ・アライメント・システムが複数のライト・ガイドに対して走査しているときの別のタイミング方式を表す概略図、及び、第1の光源を発射するのに適したタイミングを決定するために使用される走査位置の関数としての後方散乱ビーム強度のグラフ表示である。
【
図4】マルチプレクサ及びマルチプレクサ・アライメント・システムの別の実施例を含むカテーテル・システムの別の実施例の一部の簡略化された概略図である。
【
図5】マルチプレクサ及びマルチプレクサ・アライメント・システムの更に別の実施例を含む、カテーテル・システムの更に別の実施例の一部の簡略化された概略図である。
【
図6】マルチプレクサ及びマルチプレクサ・アライメント・システムの更に別の実施例を含むカテーテル・システムの更に別の実施例の一部の簡略化された概略図である。
【
図7】マルチプレクサ及びマルチプレクサ・アライメント・システムの更に別の実施例を含むカテーテル・システムの更に別の実施例の一部の簡略化された概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施例は、様々な修正及び代替形態の影響を受けやすいが、その詳細は、実例及び図面として示され、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、本明細書の範囲は、記載された特定の実施例に限定されないことが理解される。それどころか、その意図は、本明細書の思想及び範囲に入る修正、同等物、及び代替案を網羅することである。
【0027】
血管病変の治療は、病気に冒された患者の主要な有害事象又は死亡を減らすことができる。本明細書で言及されるように、主要な有害事象は、血管病変の存在に起因して体内のどこでも起こり得るものである。主要な有害事象には、主要な心臓有害事象、末梢又は中枢血管系における主要な有害事象、脳における主要な有害事象、筋肉組織における主要な有害事象、又はいずれかの内部臓器における主要な有害事象が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0028】
動脈内のカルシウム堆積物などの血管病変の治療では、カテーテル・バルーンを1回挿入して位置決めするだけで、複数の間隔の狭い領域を治療できることが一般に有益である。レーザー駆動血管内砕石装置内などの光励起システム内でこれが行なわれ得るように、通常、治療プロセスのための幾つかの出力チャネル、例えば光ファイバ及び標的を有することが望ましく、各出力チャネルは、バルーン内の適切な所望の位置に分配され得るエミッタ、例えばプラズマ発生器を含む。多くの場合、高出力レーザー光源はシステム内で最大且つ最も高価なコンポーネントであるため、それぞれの光ファイバごとに専用のレーザー光源を有することは、パッケージ要件、消費電力、熱に関する考慮事項、及び、経済性などの多くの理由から実現可能性が低いと思われる。そのような理由から、単一のレーザーを同時に及び/又は順次に多数の異なる光ファイバへと治療目的で多重化することが有利であり得る。これにより、各ファイバにより単一レーザーからのレーザー出力の全ての又は特定の部分を使用することが可能になる。
【0029】
したがって、本明細書に開示されるカテーテル・システム及び関連する方法は、単一の光源を使用して、石灰化血管病変及び/又は線維性血管病変などの血管病変に圧力を与えて破砕を誘発するように設計されるレーザー駆動圧力波発生装置内の複数の光ファイバ・チャネルに給電する手段を提供するように構成される。より詳細には、本明細書で詳細に説明する本発明は、単一のエネルギー源又は光源、例えば単一のレーザー源を、使い捨て装置内の複数のライト・ガイド、例えば光ファイバ・チャネルのうちの1つ又は複数へと多重化するマルチプレクサを含む。
【0030】
本明細書で詳細に説明するように、本発明のカテーテル・システム及び方法は、マルチチャネル・アレイに編成される個々の出力チャネル、例えば光ファイバに対する光結合を改善する手段を更に組み込む。アクティブ光学系は、マルチプレクサの動作中に結合効率を継続的に測定し、エネルギー源をトリガする最適なパラメータを決定する。例えば、様々な実施例において、本発明は、マルチチャネル・アレイの面及びマルチチャネル・アレイ内の個々の光ファイバを精査するための第2のエネルギー源を組み込む。エネルギー源は、一次エネルギー源のビームと共通の経路に結合される。集束プローブ・ビーム・スポットは、一次エネルギー・スポットと一致することができ、又は、例えばレーザーなどの一次エネルギー源の発射のシステム予測可能な制御を与える走査アヘッド・タイミングをもたらすようにオフセットされ得る。集束プローブ・ビーム・スポットは、マルチチャネル・アレイの面及び個々の光ファイバから散乱する。光学素子及びセンサは、プローブ・ビーム・スポットから戻される光の継続的な監視を可能にする。戻された光の相対強度が相関し、信号処理電子機器によって生成される対応する信号が結合効率と相関する。したがって、走査プロセスがデータ・ストリームを生成し、このデータ・ストリームからマルチプレクサ位置の関数としての結合効率が決定される。特定の実施例において、一次エネルギー源レーザーからの投射スポットは、厳密に制御又は較正される態様でプローブ・スポットの投射スポットよりも遅れるように構成される。したがって、システムは、マルチプレクサのパラメトリック動作を制御して、マルチプレクサが最適な位置にある時点で一次エネルギー源を発射するのに最適な時間を計算する。他の実施例において、プローブ・ビーム・スポットは、全てのファイバを通過して、最適な結合を与えるそれぞれのファイバごとにX-Y位置を見出し、主エネルギー源を発射することなくこれを行なう、アクティブ走査システム内で利用され得る。したがって、第2のエネルギー源は、ゆっくり進んで、マルチチャネル・アレイの面全体にわたって徹底的なX-Y走査を実行し、全体をマッピングすることができる。システムは、その後にその情報を記憶し、それらの場所を使用して一次エネルギー源をリアルタイムで発射する。
【0031】
そのような設計により、本発明のシステム及び方法は、その後にマルチプレクサ・メカニズムのパラメトリック動作に関連付けられ得る、プローブ及び一次レーザー・ビームを結合してビーム経路によってスポット追跡できるという条件で、直線形態、円形形態、パターン化された形態、又は、走査形態のいずれかの任意のマルチプレクサ形態に関して実装され得る。
【0032】
本発明のカテーテル・システム及び方法は、様々な利点を提供する、及び/又は、1)出力チャネル(光ファイバ)の機械的公差及びマルチチャネル・アレイ内のそれらの位置の公差に対するシステム光結合依存性を低減すること、2)マルチチャネル・アレイをマルチプレクサに接続及び位置合わせする精度への性能依存を低減すること、3)マルチプレクサ内の位置決め機構の精度及びその光学的及び機械的な構成要素の関連する品質及び精度への依存を低減すること、4)マルチプレクサ及びマルチチャネル・アレイ・システムの速度及び性能を向上させること、及び、5)使い捨て装置で低コスト、低精度のマルチチャネル・アレイを使用できるようにすることによってコスト目標を改善すること、のうちの1つ又は複数を含む重要な問題を解決することが分かる。
【0033】
様々な実施例において、本明細書に開示されるカテーテル・システムは、患者の体内の血管内の若しくは心臓弁内の、又は血管若しくは心臓弁に隣接する治療部位まで前進するように構成されるカテーテルを含むことができる。カテーテルは、カテーテル・シャフトと、カテーテル・シャフトに結合及び/又は固定されるバルーンとを含む。本明細書のバルーンは、バルーン内部を画定するバルーン壁を含むことができるとともに、バルーン内部中にバルーン流体を受けて、カテーテルを患者の血管系を通じて前進させるのに適した収縮形態から、カテーテルを治療部位に対して所定位置に固定するのに適した膨張形態へと拡張するように構成され得る。また、カテーテル・システムは、カテーテル・シャフトに沿ってバルーン内に配置された複数のライト・ガイドも含む。各ライト・ガイドは、血管病変を破壊するためにバルーン内に圧力波を生成するように構成され得る。
【0034】
様々な実施例において、本発明のカテーテル・システム及び関連する方法は、エネルギー・ガイド、例えばライト・ガイドによって誘導されるエネルギーを供給する高エネルギー源、例えば、高エネルギー・レーザー源又は別の適切な高エネルギー源などの光源を利用して、カテーテルの膨張可能なバルーンのバルーン内部中に保持されるバルーン流体中に局所的なプラズマを生成する。したがって、エネルギー・ガイドは、時として、「プラズマ発生器」と称され得る、又は、バルーン内部中に位置されるエネルギー・ガイドのガイド遠位端部において又はその近くに「プラズマ発生器」を組み込むと言うことができる。次に、局所的なプラズマの生成により、バルーン内部の内側に高エネルギー気泡がもたらされて圧力波が引き起こされ、患者の体内の血管壁内の又は血管壁に隣接する治療部位において、石灰化血管病変又は線維性血管病変などの治療部位に圧力を与えて破砕を誘発する。
【0035】
幾つかの実施例において、エネルギー源は、エネルギー源からサブミリ秒のエネルギー・パルス、例えば光エネルギーを供給して、バルーン内のバルーン流体中でプラズマ形成を開始し、急速な気泡形成を引き起こし、治療部位において圧力波をバルーン壁に与えるように構成され得る。したがって、圧力波は、非圧縮性バルーン流体を介して機械的エネルギーを治療部位に伝達し、治療部位に破砕力を与えることができる。本明細書で使用されるように、治療部位は、一般に血管及び/又は心臓弁に見られる石灰化血管病変又は線維性血管病変などの血管病変を含むことができる。
【0036】
本明細書で使用されるように、「血管内病変」、「血管病変」及び「治療部位」という用語は、別段に言及されなければ互換的に使用される。したがって、血管内病変及び/又は血管病変は、本明細書では単に「病変」と呼ばれることがある。
【0037】
当業者であれば分かるように、本発明の以下の詳細な説明は、例示にすぎず、決して限定することを意図するものではない。本発明の他の実施例は、本開示の利益を有するそのような当業者に容易に示唆し得る。ここで、添付図面に示されているように、本発明の実施について詳細に言及する。
【0038】
明確にするために、本明細書に記載されている実施のよくある機能の全てが示され、説明されているわけではない。もちろん、そのような実際の実施の開発では、アプリケーション関連及びビジネス関連の制約への準拠など、開発者の特定の目標を達成するために、実施固有の多数の決定を行う必要があること、及びこれらの特定の目標は、実施ごとに、また開発者ごとに異なることが理解される。更に、そのような開発努力は複雑で時間がかかるかもしれないが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者のための工学の日常的な事業であることが理解される。
【0039】
本明細書に開示されるカテーテル・システムは、多くの異なる形態を含むことができることが理解される。ここで
図1を参照すると、本明細書の様々な実施例に係るカテーテル・システム100の概略断面図が示される。本明細書に記載されるように、カテーテル・システム100は、患者の体内の血管又は心臓弁の血管壁内の又は血管壁に隣接する1つ又は複数の治療部位に破砕を誘発するための圧力を与えるのに適している。
図1に示される実施例において、カテーテル・システム100は、カテーテル102、1つ又は複数(好ましくは複数)のライト・ガイド122Aを含むライト・ガイド・バンドル122、ソース・マニホルド136、流体ポンプ138、並びに、光源124(本明細書では「第1の光源」と呼ばれることもある)、電源125、システム・コントローラ126、グラフィック・ユーザ・インタフェース127(「GUI」)、マルチプレクサ128、及び、マルチプレクサ・アライメント・システム142のうちの1つ又は複数を含むシステム・コンソール123のうちの1つ又は複数を含むことができる。或いは、カテーテル・システム100は、
図1に具体的に示されているものよりも多くの構成要素又は少ない構成要素を含むことができる。
【0040】
カテーテル102は、患者109の体107内の血管108内の又は血管108に隣接する治療部位106に移動するように構成される。治療部位106は、例えば石灰化血管病変などの1つ又は複数の血管病変を含むことができる。これに加えて又はこれに代えて、治療部位106は、線維性血管病変などの血管病変を含むことができる。
【0041】
カテーテル102は、膨張可能なバルーン104(本明細書では単に「バルーン」と呼ばれることもある)、カテーテル・シャフト110、及びガイドワイヤ112を含むことができる。バルーン104を、カテーテル・シャフト110に結合することができる。バルーン104は、バルーン近位端部104P及びバルーン遠位端部104Dを含むことができる。カテーテル・シャフト110は、カテーテル・システム100の近位部分114からカテーテル・システム100の遠位部分116まで延びることができる。カテーテル・シャフト110は長手方向軸144を含むことができる。カテーテル・シャフト110は、ガイドワイヤ112上にわたって移動するように構成されるガイドワイヤ・ルーメン118を含むこともできる。カテーテル・シャフト110は膨張ルーメン(図示せず)を更に含むことができる。幾つかの実施例では、カテーテル102は、遠位端部開口120を有することができるとともに、カテーテル102が治療部位106に又はその近くに移動及び位置されるときにガイドワイヤ112を収容することができ且つガイドワイヤ112上にわたって追跡され得る。幾つかの実施例では、バルーン近位端部104Pをカテーテル・シャフト110に結合することができ、バルーン遠位端部104Dをガイドワイヤ・ルーメン118に結合することができる。
【0042】
カテーテル102のカテーテル・シャフト110は、光源124と光学的に通信するライト・ガイド・バンドル122の1つ又は複数のライト・ガイド122Aに結合され得る。ライト・ガイド122Aは、カテーテル・シャフトに沿ってバルーン104内に配置され得る。更に、ライト・ガイド122Aのそれぞれは、バルーン104の長さに対して任意の適切な長手方向位置にあるガイド遠位端部122Dを有することができる。幾つかの実施例では、各ライト・ガイド122Aが光ファイバとなることができ、光源124がレーザーとなり得る。光源124は、カテーテル・システム100の近位部分114でライト・ガイド122Aと光学的に通信することができる。より詳細には、本明細書で詳細に説明するように、光源124は、マルチプレクサ128の存在及び動作に起因して任意の所望の組合せ、順序及び/又はパターンで、選択的及び/又は択一的にライト・ガイド122Aのそれぞれと光学的に通信することができる。更に、本明細書で説明するように、光源124は、マルチプレクサ・アライメント・システム142の存在に起因してライト・ガイド122Aのそれぞれと光学的に通信している状態でより正確に且つ的確に結合され得る。
【0043】
幾つかの実施例では、カテーテル・シャフト110を、ガイドワイヤ・ルーメン118及び/又はカテーテル・シャフト110の周りの任意の適切な位置に配置することができる第1のライト・ガイド、第2のライト・ガイド、第3のライト・ガイドなどの複数のライト・ガイド122Aに結合することができる。例えば、特定の非排他的な実施例では、2つのライト・ガイド122Aを、ガイドワイヤ・ルーメン118及び/又はカテーテル・シャフト110の周囲にわたって約180度離間することができ、3つのライト・ガイド122Aを、ガイドワイヤ・ルーメン118及び/又はカテーテル・シャフト110の周囲にわたって約120度離間することができ、又は4つのライト・ガイド122Aを、ガイドワイヤ・ルーメン118及び/又はカテーテル・シャフト110の周囲にわたって約90度離間することができる。更に、或いは、複数のライト・ガイド122Aを、ガイドワイヤ・ルーメン118及び/又はカテーテル・シャフト110の周囲にわたって互いに均一に離間する必要はない。より詳細には、本明細書に記載のライト・ガイド122Aを、所望の場所で所望の効果を達成するために、ガイドワイヤ・ルーメン118及び/又はカテーテル・シャフト110の周りに均一又は不均一に配置できることが更に理解される。
【0044】
バルーン104は、バルーン内部146を画定するバルーン壁130を含むことができ、バルーン流体132で膨張させて、カテーテル102を患者の血管系を通して前進させるのに適した収縮形態から、カテーテル102を治療部位106に対して所定位置に固定するのに適した膨張形態に拡張することができる。別の言い方をすれば、バルーン104が膨張形態にあるとき、バルーン104のバルーン壁130は、治療部位106に、すなわち、血管病変に実質的に隣接して位置されるように構成される。
図1は、バルーン104のバルーン壁130が血管108の治療部位106から離間されていることを示すが、これは単に図示を容易にするために行なわれており、バルーン104のバルーン壁130は、一般に、バルーンが膨張形態にあるときに治療部位106に実質的に直接隣接することが分かる。
【0045】
幾つかの実施例において、カテーテル・システム100の光源124は、光源124からライト・ガイド122Aに沿ってバルーン104のバルーン内部146の中の位置にサブミリ秒の光パルスを供給するように構成され得、それにより、すなわち、ライト・ガイド122Aのそれぞれのガイド遠位端部122Dに位置されるプラズマ発生器133(仮想線で示される)を介して、バルーン104のバルーン内部146の中のバルーン流体132中にプラズマ形成を誘発する。プラズマ形成は、急速な気泡形成を引き起こし、治療部位106に圧力波を与える。例示的なプラズマ誘導気泡は、
図1に気泡134として示される。
【0046】
本明細書で詳細に説明されるカテーテル・システム100で用いるのに適したバルーン104は、収縮形態にあるときに患者の血管系を通過することができるものを含む。幾つかの実施例では、本明細書のバルーン104はシリコーンから形成される。他の実施例では、本明細書のバルーン104は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリウレタン、米国ペンシルベニア州キング・オブ・プラシャに所在地を有するアルケマから入手可能なPEBAX(商標)材料などのポリマー、ナイロンなどから形成される。幾つかの実施例では、バルーン104は、直径が1ミリメートル(mm)~25mmの範囲の直径を有するものを含むことができる。幾つかの実施例では、バルーン104は、直径が少なくとも1.5mm~12mmの範囲の直径を有するものを含むことができる。幾つかの実施例では、バルーン104は、直径が少なくとも1mm~5mmの範囲の直径を有するものを含むことができる。
【0047】
更に、幾つかの実施例では、本明細書のバルーン104は、少なくとも5mm~300mmの範囲の長さを有するものを含むことができる。より詳細には、幾つかの実施例では、本明細書のバルーン104は、少なくとも8mm~200mmの範囲の長さを有するものを含むことができる。より長いバルーン104を、より大きな治療部位106に隣接して配置することができ、したがって、治療部位106内の正確な位置で、より大きな血管病変又は複数の血管病変に圧力を与えて破砕を誘発するために使用できることが理解される。
【0048】
更に、本明細書のバルーン104は、約1気圧(気圧)~70気圧の膨張圧力まで膨張させることができる。幾つかの実施例では、本明細書のバルーン104は、少なくとも20気圧~70気圧の膨張圧力まで膨張させることができる。他の実施例では、本明細書のバルーン104は、少なくとも6気圧~20気圧の膨張圧力まで膨張させることができる。更に他の実施例では、本明細書のバルーン104は、少なくとも3気圧~20気圧の膨張圧力まで膨張させることができる。更に他の実施例では、本明細書のバルーン104は、少なくとも2気圧~10気圧の膨張圧力まで膨張させることができる。
【0049】
更に、本明細書のバルーン104は、円錐形状、正方形形状、長方形形状、球形状、円錐/正方形形状、円錐/球形状、拡張球形状、楕円形状、テーパー形状、骨形状、階段状直径形状、オフセット形状、又は円錐オフセット形状を含むがこれらに限定されない様々な形状を有するものを含むことができる。幾つかの実施例では、本明細書のバルーン104は、薬剤溶出コーティング構造又は薬剤溶出ステント構造を含むことができる。薬剤溶出コーティング又は薬剤溶出ステントは、抗炎症剤、抗腫瘍剤、抗血管新生剤などを含む1つ又は複数の治療剤を含むことができる。
【0050】
バルーン流体132は、液体又は気体であってもよい。本明細書での使用に適した典型的なバルーン流体132は、水、生理食塩水、造影媒体、フルオロカーボン、パーフルオロカーボン、二酸化炭素などのガスなどのうちの1つ又は複数を含み得るが、これらに限定されない。幾つかの実施例では、記載されたバルーン流体132を、ベース膨張流体として使用することができる。幾つかの実施例では、バルーン流体132は、造影媒体に対する生理食塩水の体積比が50:50である混合物を含む。他の実施例では、バルーン流体132は、造影媒体に対する生理食塩水の体積比が25:75の混合物を含む。更に他の実施例では、バルーン流体132は、造影媒体に対する生理食塩水の体積比が75:25の混合物を含む。更に、本明細書での使用に適したバルーン流体132を、その流体中の圧力波の進行速度を操作するために、組成、粘度などに基づいて調整することができる。特定の実施例では、本明細書での使用に適したバルーン流体132は生体適合性である。バルーン流体132の量を、選択された光源124及び使用されるバルーン流体132のタイプによって調整することができる。
【0051】
幾つかの実施例において、本明細書の造影媒体で使用される造影剤は、イオン性又は非イオン性ヨウ素系の造影剤などのヨウ素系の造影剤を含むことができるが、これらに限定されない。イオン性ヨウ素系の造影剤の幾つかの非限定的な例は、ジアトリゾエート、メトリゾエート、イオタラミン酸、及びイオキサグラートを含む。非イオン性ヨウ素系の造影剤の幾つかの非限定的な例は、イオパミドール、イオヘキソール、イオキシラン、イオプロミド、イオジキサノール、及びイオベルソールを含む。他の実施例では、非ヨウ素系の造影剤を使用することができる。適切な非ヨウ素含有造影剤は、ガドリニウム(III)系の造影剤を含み得る。適切なフルオロカーボン剤及びパーフルオロカーボン剤は、パーフルオロカーボンドデカフルオロペンタン(DDFP、C5F12)などの薬剤を含み得るが、これらに限定されない。
【0052】
更に、本明細書のバルーン流体132は、紫外線領域(例えば、少なくとも10ナノメートル(nm)~400nm)、可視領域(例えば、少なくとも400nm~780nm)又は電磁スペクトルの近赤外領域(例えば、少なくとも780nm~2.5μm)の光を選択的に吸収することができる吸収剤を含むものを含むことができる。適切な吸収剤は、少なくとも10nmから2.5μmまでのスペクトルに沿って吸収極大を有するものを含み得る。或いは、バルーン流体132は、中赤外線領域(例えば、少なくとも2.5μm~15μm)、又は電磁スペクトルの遠赤外線領域(例えば、少なくとも15μm~1mm)で光を選択的に吸収することができる吸収剤を含むものを含むことができる。様々な実施例において、吸収剤は、カテーテル・システムで使用されるレーザーの放出最大値と一致する吸収最大値を有するものとなり得る。非限定的な例として、本明細書に記載の様々なレーザーは、ネオジム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Nd:YAG-最大放射=1064nm)レーザー、ホルミウム:YAG(Ho:YAG-最大放射=2.1μm)レーザー、又はエルビウム:YAG(Er:YAG-最大放射=2.94μm)レーザーを含み得る。幾つかの実施例において、本明細書で使用される吸収剤は、水溶性であり得る。他の実施例では、本明細書で使用される吸収剤は水溶性ではない。幾つかの実施例では、本明細書のバルーン流体132で使用される吸収剤を、光源124のピーク放射に一致するように調整することができる。少なくとも10ナノメートル~1ミリメートルの放射波長を有する様々な光源124は、本明細書の他の場所で論じられる。
【0053】
本明細書に開示されるカテーテル・システム100及び/又はライト・ガイド・バンドル122は、近位部分114の光源124、及び、遠位部分116のバルーン104のバルーン内部146内のバルーン流体132と光学的に通信する任意の数のライト・ガイド122Aを含むことができることが理解される。例えば、幾つかの実施例では、カテーテル・システム100及び/又はライト・ガイド・バンドル122は、1つのライト・ガイド122Aから5つのライト・ガイド122Aまでを含むことができる。他の実施例では、カテーテル・システム100及び/又はライト・ガイド・バンドル122は、5つのライト・ガイド122Aから15個のライト・ガイド122Aまでを含むことができる。更に他の実施例では、カテーテル・システム100及び/又はライト・ガイド・バンドル122は、10個のライト・ガイド122Aから30個のライト・ガイド122Aを含むことができる。或いは、更に他の実施例では、カテーテル・システム100及び/又はライト・ガイド・バンドル122は、30個を超えるライト・ガイド122Aを含むことができる。
【0054】
本明細書のライト・ガイド122Aは、光ファイバ又は可撓性ライト・パイプを含むことができる。本明細書のライト・ガイド122Aは、薄くて可撓性があり、強度をほとんど失うことなく光信号を送信することができる。本明細書のライト・ガイド122Aは、その周囲にわたってクラッドにより取り囲まれるコアを含むことができる。幾つかの実施例では、コアは、円筒形コア又は部分的に円筒形のコアであり得る。ライト・ガイド122Aのコア及びクラッドを、1つ又は複数のタイプのガラス、シリカ、又は1つ又は複数のポリマーを含むがこれらに限定されない1つ又は複数の材料から形成することができる。ライト・ガイド122Aは、ポリマーなどの保護コーティングも含み得る。コアの屈折率は、クラッドの屈折率よりも大きいことが理解される。
【0055】
各ライト・ガイド122Aは、近位部分、すなわち、ガイド近位端部122Pから、遠位部分、すなわち、バルーン内部146の中に位置される少なくとも1つの光学窓(図示せず)を有するガイド遠位端部122Dまで、その長さに沿って光を導くことができる。ライト・ガイド122Aは、光源124を含む光ネットワークの一部として光路を形成することができる。光ネットワーク内の光路は、光がネットワークのある部分から別の部分へ移動できるようにする。光ファイバ及び可撓性ライト・パイプはいずれも、本明細書の光ネットワーク内に光路をもたらすことができる。
【0056】
更に、本明細書のライト・ガイド122Aは、本明細書に記載のカテーテル102のカテーテル・シャフト110の周りで及び/又はカテーテル・シャフト110に対して多くの形態をとることができる。幾つかの実施例において、ライト・ガイド122Aは、カテーテル・シャフト110の長手方向軸144と平行に延びることができる。幾つかの実施例において、ライト・ガイド122Aを、カテーテル・シャフト110に物理的に結合することができる。他の実施例において、ライト・ガイド122Aは、カテーテル・シャフト110の外径の長さに沿って配置され得る。更に他の実施例において、本明細書のライト・ガイド122Aは、カテーテル・シャフト110内の1つ又は複数のライト・ガイド・ルーメン内に配置され得る。
【0057】
加えて、ライト・ガイド122Aをガイドワイヤ・ルーメン118及び/又はカテーテル・シャフト110の周囲にわたる任意の適切な位置に配置することができ、また、治療部位106の血管病変を破壊する目的でより効果的に且つ正確に圧力波を与えるべく、ライト・ガイド122Aのそれぞれのガイド遠位端部122Dをバルーン104の長さに対して及び/又はガイドワイヤ・ルーメン118の長さに対して任意の適切な長手方向位置に配置できるのが更に分かる。
【0058】
更に、本明細書のライト・ガイド122Aは、1つ又は複数の光音響変換器154を含むことができ、各光音響変換器154は、それが内部に配置されるライト・ガイド122Aと光学的に通信することができる。幾つかの実施例では、光音響変換器154は、ライト・ガイド122Aのガイド遠位端部122Dと光学的に通信することができる。更に、そのような実施例では、光音響変換器154は、ライト・ガイド122Aのガイド遠位端部122Dに対応する及び/又は一致する形状を有することができる。
【0059】
光音響変換器154は、ライト・ガイド122Aのガイド遠位端部122Dで又はその近くで光エネルギーを音波に変換するように構成される。音波の方向は、ライト・ガイド122Aのガイド遠位端部122Dの角度を変えることによって調整できることが理解される。
【0060】
本明細書のライト・ガイド122Aのガイド遠位端部122Dに配置された光音響変換器154は、ライト・ガイド122Aのガイド遠位端部122Dと同じ形状をとることができることが更に理解される。例えば、特定の非排他的な実施例では、光音響変換器154及び/又はガイド遠位端部122Dは、円錐形状、凸形状、凹形状、球根形状、正方形形状、階段状形状、半円形状、卵形状等を有することができる。また、ライト・ガイド122Aは、ライト・ガイド122Aの長さの1つ又は複数の側面に沿って配置される更なる光音響変換器154を更に含むことができることも理解される。
【0061】
本明細書に記載のライト・ガイド122Aは、例えば、ライト・ガイド122Aのガイド遠位端部122Dで又はその近傍で側面に向かって及びバルーン壁130に向かってライト・ガイド122Aから出るように光を向けるように構成されるライト・ガイド122A内の1つ又は複数の方向転換機能部又は「ダイバータ」(
図1には示されていない)を更に含むことができる。方向転換機能部は、ライト・ガイド122Aからの光をその軸方向経路から離れるようにライト・ガイド122Aの側面に向けて方向転換させる本明細書のシステムの任意の機能部を含むことができる。更に、ライト・ガイド122Aはそれぞれ、各ライト・ガイド122Aの長手方向又は軸方向の表面に沿って配置されて、且つ方向転換機能部と光学的に通信する1つ又は複数の光窓を含むことができる。別の言い方をすれば、本明細書の方向転換機能部を、例えば側面が光窓と光学的に通信するガイド遠位端部122Dで又はその近くでライト・ガイド122A内の光を側面に向けるように構成することができる。光窓は、ライト・ガイド122A上に又はその周辺にクラッドを欠くライト・ガイド122Aの一部など、ライト・ガイド122A内から光がライト・ガイド122Aから出ることができるようにするライト・ガイド122Aの一部を含むことができる。
【0062】
本明細書での使用に適した方向転換機能部の例は、反射要素、屈折要素、及びファイバ拡散器を含む。更に、本明細書のライト・ガイド122Aの先端から光を集束させるのに適した方向転換機能部は、凸面、屈折率分布型(GRIN)レンズ、及びミラー焦点レンズを有するものを含み得るが、これらに限定されない。方向転換機能部と接触すると、光は、ライト・ガイド122A内で、ライト・ガイド122Aの側面と光学的に通信している光音響変換器154に方向転換される。前述のように、光音響変換器154は、その後、光エネルギーを、ライト・ガイド122Aの側面から離れて延びる音波に変換する。
【0063】
ソース・マニホルド136を、カテーテル・システム100の近位部分114に又はその近くに配置することができる。ソース・マニホルド136は、ライト・ガイド・バンドル122の1つ又は複数のライト・ガイド122A、ガイドワイヤ112、及び/又は、流体ポンプ138と流体連通した状態で結合される膨張導管140を受けることができる1つ又は複数の近位端部開口を含むことができる。また、カテーテル・システム100は、必要に応じて、バルーン流体132で、すなわち、膨張導管140を介して、バルーン104を膨張させるように構成される流体ポンプ138を含むことができる。
【0064】
前述のように、
図1に示される実施例において、システム・コンソール123は、光源124、電源125、システム・コントローラ126、GUI127、マルチプレクサ128、及び、マルチプレクサ・アライメント・システム142のうちの1つ又は複数を含む。或いは、システム・コンソール123は、
図1に具体的に示されるものよりも多くの構成要素又は少ない構成要素を含むことができる。例えば、特定の非排他的な別の実施例では、システム・コンソール123を、GUI127を伴うことなく設計することができる。更に、或いは、光源124、電源125、システム・コントローラ126、GUI127、マルチプレクサ128、及びマルチプレクサ・アライメント・システム142のうちの1つ又は複数は、システム・コンソール123を特に必要とせずに、カテーテル・システム100内に設けられ得る。
【0065】
更に、図示のように、システム・コンソール123、及びそれに含まれる構成要素は、カテーテル102、ライト・ガイド・バンドル122、及びカテーテル・システム100の残りの部分に動作可能に結合される。例えば、幾つかの実施例では、
図1に示されるように、システム・コンソール123は、ライト・ガイド・バンドル122がシステム・コンソール123に機械的に結合されるコンソール接続開口部148(一般に「ソケット」とも呼ばれる場合がある)を含むことができる。そのような実施例では、ライト・ガイド・バンドル122は、ライト・ガイド122Aのそれぞれの一部、例えば、ガイド近位端部122Pを収容するガイド結合ハウジング150(一般に「フェルール」とも呼ばれる場合がある)を含むことができる。ガイド結合ハウジング150は、ライト・ガイド・バンドル122とシステム・コンソール123との間に所望の機械的結合をもたらすべくコンソール接続開口部148内に嵌合して選択的に保持されるように構成される。
【0066】
更に、ライト・ガイド・バンドル122は、ライト・ガイド122A及び/又はライト・ガイド・バンドル122がカテーテル・システム100の使用中にカテーテル102とともに血管108内へと延びる際に、よりコンパクトな形態を成すことができるように個々のライト・ガイド122Aのそれぞれを互いに近づけるガイド・バンドラー152(又は「シェル」)を含むこともできる。
【0067】
本明細書で提供されるように、光源124は、ライト・ガイド122Aのそれぞれと光学的に通信している状態で、すなわち、ライト・ガイド・バンドル122内のライト・ガイド122Aのそれぞれのガイド近位端部122Pに対して、選択的及び/又は択一的に結合され得る。特に、光源124は、ソース・ビーム124A、例えば、パルス・ソース・ビームの形態の光エネルギーを生成するように構成され、このソース・ビームは、任意の所望の組合せ、順序、シーケンス、及び/又は、パターンでライト・ガイド・バンドル122内のライト・ガイド122Aのそれぞれに選択的及び/又は択一的に導かれて受けられ得る。より具体的には、以下でより詳細に説明するように、光源124からのソース・ビーム124Aは、個々のガイド・ビーム124B(又は「多重化ビーム」)がライト・ガイド・バンドル122内のライト・ガイド122Aのそれぞれに選択的及び/又は択一的に導かれて受けられ得るように、マルチプレクサ128を通じて導かれる。特に、光源124の各パルス、すなわちソース・ビーム124Aの各パルスは、ライト・ガイド・バンドル122内のライト・ガイド122Aのうちの1つ又は複数へと選択的及び/又は択一的に導かれる1つ又は複数の別個のガイド・ビーム124B(
図1には1つだけが示される)を生成するためにマルチプレクサ128を通じて導かれ得る。
【0068】
光源124は、任意の適切な設計を有することができる。特定の実施例では、前述のように、光源124は、すなわち、マルチプレクサ・アライメント・システム142の使用によって、小さなスポット上に集束される光源124からのサブミリ秒の光パルスを供給して、それをライト・ガイド122Aのガイド近位端部122Pに結合するように構成され得る。その後、そのような光エネルギーのパルスは、ライト・ガイド122Aに沿ってバルーン104内の位置に向けられ、それにより、バルーン104のバルーン内部146の中のバルーン流体132中にプラズマ形成を誘発する。特に、ライト・ガイド122Aのガイド遠位端部122Dで放出される光エネルギーは、プラズマ発生器133にエネルギーを与えて、バルーン内部146の中のバルーン流体132中にプラズマを形成する。プラズマ形成は、急速な気泡形成を引き起こし、治療部位106に圧力波を与える。そのような実施例では、光源124からのサブミリ秒の光パルスを約1ヘルツ(Hz)~5000Hzの周波数で治療部位106に送達することができる。幾つかの実施例では、光源124からのサブミリ秒の光パルスを約30Hz~1000Hzの周波数で治療部位106に送達することができる。他の実施例では、光源124からのサブミリ秒の光パルスを約10Hz~100Hzの周波数で治療部位106に送達することができる。更に他の実施例では、光源124からのサブミリ秒の光パルスを約1Hz~30Hzの周波数で治療部位106に送達することができる。或いは、サブミリ秒の光パルスを5000Hzを超えることができる周波数で治療部位106に送達することができる。
【0069】
光源124は一般に光エネルギーのパルスを与えるべく利用されるが、光源124は、単一のソース・ビーム124A、すなわち、単一のパルス・ソース・ビームを与えるものとして依然として説明され得ることが理解される。
【0070】
本明細書での使用に適した光源124は、レーザー及びランプを含む様々なタイプの光源を含むことができる。適切なレーザーは、サブミリ秒タイムスケールの短パルス・レーザーを含むことができる。幾つかの実施例では、光源124は、ナノ秒(ns)タイムスケールのレーザーを含むことができる。レーザーは、ピコ秒(ps)、フェムト秒(fs)、及びマイクロ秒(μs)のタイムスケールの短パルス・レーザーを含むこともできる。本明細書に記載のカテーテル102のバルーン流体132中でプラズマを達成するために使用することができるレーザー波長、パルス幅及びエネルギー・レベルの多くの組合せがあることが理解される。様々な実施例において、パルス幅は、少なくとも10nsから200nsまでを含む範囲内に入るものを含み得る。幾つかの実施例では、パルス幅は、少なくとも20nsから100nsまでを含む範囲内にあるものを含むことができる。他の実施例では、パルス幅は、少なくとも1nsから500nsまでを含む範囲内にあるものを含むことができる。
【0071】
更に、典型的なナノ秒レーザーは、約10ナノメートル(nm)~1ミリメートル(mm)の波長にまたがる、UV~IRスペクトル内のレーザーを含むことができる。幾つかの実施例では、本明細書のカテーテル・システム100での使用に適した光源124は、少なくとも750nmから2000nmまでの波長で光を生成することができるものを含むことができる。他の実施例では、光源124は、少なくとも700nmから3000nmまでの波長の光を生成することができるものを含むことができる。更に他の実施例では、光源124は、少なくとも100nmから10マイクロメートル(μm)までの波長の光を生成することができるものを含むことができる。ナノ秒レーザーは、最大200kHzの繰り返し率を持つレーザーを含むことができる。幾つかの実施例では、レーザーは、Qスイッチツリウム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Tm:YAG)レーザーを含むことができる。他の実施例では、レーザーは、ネオジム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Nd:YAG)レーザー、ホルミウム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Ho:YAG)レーザー、エルビウム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Er:YAG)レーザー、エキシマー・レーザー、ヘリウムネオン・レーザー、二酸化炭素レーザー、並びに、ドープされたパルス状のファイバ・レーザーを含むことができる。
【0072】
本明細書に開示されるカテーテル・システム100は、少なくとも1メガパスカル(MPa)~100MPaの範囲の最大圧力を有する圧力波を生成することができる。特定のカテーテル・システム100によって生成される最大圧力は、光源124、吸収材料、気泡膨張、伝播媒体、バルーン材料、及び他の要因に依存する。幾つかの実施例では、本明細書のカテーテル・システム100は、少なくとも2MPa~50MPaの範囲の最大圧力を有する圧力波を生成することができる。他の実施例では、本明細書のカテーテル・システム100は、少なくとも2MPa~30MPaの範囲の最大圧力を有する圧力波を生成することができる。更に他の実施例では、本明細書のカテーテル・システム100は、少なくとも15MPa~25MPaの範囲の最大圧力を有する圧力波を生成することができる。
【0073】
本明細書に記載の圧力波は、カテーテル102が治療部位106に配置されるときにライト・ガイド122Aから径方向に延びる少なくとも0.1ミリメートル(mm)から25mmまでの範囲内の距離から治療部位106に与えられ得る。幾つかの実施例では、圧力波は、カテーテル102が治療部位106に配置されるときにライト・ガイド122Aから径方向に延びる少なくとも10mmから20mmまでの範囲内の距離から治療部位106に与えられ得る。他の実施例において、圧力波は、カテーテル102が治療部位106に配置されるときにライト・ガイド122Aから径方向に延びる少なくとも1mmから10mmまでの範囲内の距離から治療部位106に与えられ得る。更に他の実施例において、圧力波は、カテーテル102が治療部位106に配置されるときにライト・ガイド122Aから径方向に延びる少なくとも1.5mmから4mmまでの範囲内の距離から治療部位106に与えられ得る。幾つかの実施例では、圧力波は、0.1mmから10mmまでの距離を隔てて少なくとも2MPa~30MPaの範囲から治療部位106に与えられ得る。幾つかの実施例では、圧力波は、0.1mmから10mmまでの距離を隔てて少なくとも2MPa~25MPaの範囲から治療部位106に与えられ得る。
【0074】
電源125は、光源124、システム・コントローラ126、GUI127、マルチプレクサ128、及びマルチプレクサ・アライメント・システム142のそれぞれに電気的に結合されるとともに、これらに対して必要な電力を供給するように構成される。電源125は、そのような目的に適した任意の適切な設計を有し得る。
【0075】
前述のように、システム・コントローラ126は、電源125に電気的に結合されるとともに、電源125から電力を受ける。更に、システム・コントローラ126は、光源124、GUI127、マルチプレクサ128、及びマルチプレクサ・アライメント・システム142のそれぞれに結合されるとともに、これらの動作を制御するように構成される。システム・コントローラ126は、少なくとも光源124、GUI127、マルチプレクサ128、及びマルチプレクサ・アライメント・システム142の動作を制御する目的で1つ又は複数のプロセッサ又は回路を含むことができる。例えば、システム・コントローラ126は、例えば任意の所望の発射速度で要求通りに光エネルギーのパルスを生成するために光源124を制御することができる。更に、システム・コントローラ126は、マルチプレクサ・アライメント・システム142を制御して、光源124とライト・ガイド122Aとの間の所望の光結合をマッピングして正確に確保することができる。実質的に同時に及び/又は続いて、システム・コントローラ126は、光源124からの光エネルギー、すなわち、ソース・ビーム124Aを所望の態様において個々のガイド・ビーム124Bの形態で選択的及び/又は択一的に各ライト・ガイド122Aに向けることができるようにマルチプレクサ128を制御できる。更に、システム・コントローラ126は、カテーテル・システム100の他の構成要素の動作、例えば、治療部位106に隣接するカテーテル102の位置決め、バルーン流体132によるバルーン104の膨張などを制御するように更に構成され得る。更に又は代替として、カテーテル・システム100は、カテーテル・システム100の様々な動作を制御する目的に適した任意の態様で位置され得る1つ又は複数の更なるコントローラを含むことができる。
【0076】
GUI127は、カテーテル・システム100のユーザ又はオペレータによってアクセス可能である。更に、GUI127は、システム・コントローラ126に電気的に接続される。そのような設計により、GUI127は、カテーテル・システム100が治療部位106で血管病変に圧力を与えて血管病変中へ破砕を誘発すべく必要に応じて用いられることを確実にするためにユーザ又はオペレータによって使用され得る。更に、GUI127は、カテーテル・システム100の使用前、使用中、及び使用後に使用され得る情報をユーザ又はオペレータに提供することができる。一実施例では、GUI127は、静的な視覚データ及び/又は情報をユーザ又はオペレータに提供することができる。これに加えて又はこれに代えて、GUI127は、ビデオ・データ又は例えばカテーテル・システム100の使用中に経時的に変化する任意の他のデータなどの動的視覚データ及び/又は情報をユーザ又はオペレータに提供することができる。更に、様々な実施例において、GUI127は、ユーザ又はオペレータへの警告として機能し得る1つ又は複数の色、異なるサイズ、様々な明るさなどを含むことができる。これに加えて又はこれに代えて、GUI127は、音声データ又は情報をユーザ又はオペレータに提供することができる。GUI127の詳細は、カテーテル・システム100の設計要件、又はユーザ又はオペレータの特定のニーズ、仕様、及び/又は要望に応じて変化し得ることが理解される。
【0077】
本明細書で提供されるように、マルチプレクサ128は、光源124からの光エネルギーをライト・ガイド・バンドル122内のライト・ガイド122Aのそれぞれに選択的及び/又は択一的に向けるように構成される。より詳細には、マルチプレクサ128は、単一の光源124からの光エネルギー、例えば、単一のレーザー源からの単一のソース・ビーム124Aを受けて、そのような光エネルギーを任意の所望の組合せ、順序、シーケンス、及び/又は、パターンで個々のガイド・ビーム124Bの形態で選択的及び/又は択一的にライト・ガイド・バンドル122内のライト・ガイド122Aのそれぞれに向けるように構成される。したがって、マルチプレクサ128は、カテーテル・システム100が所望の態様で血管108の血管壁内又は血管壁に隣接する治療部位106の血管病変に圧力を与えて破砕を誘発することができるように、単一の光源124を複数のライト・ガイド122Aを通じて同時に及び/又は順次に導くことができるようにする。更に、図示のように、カテーテル・システム100は、光エネルギー、例えばソース・ビーム124Aを、光源124からマルチプレクサ128に向けるために、1つ又は複数の光学素子147を含むことができる。
【0078】
更に、本明細書で提供されるように、マルチプレクサ・アライメント・システム142は、個々のガイド・ビーム124Bが所望のライト・ガイド122Aのガイド近位端部122P上に光学的に結合されるように、マルチプレクサ128が正確に且つ的確に位置合わせされるようにするべく構成される。より具体的には、様々な実施例において、マルチプレクサ・アライメント・システム142は、結合効率を測定して光源124の発射をトリガするのに最適なパラメータを決定することによって、光源124とライト・ガイド・バンドル122内のライト・ガイド122Aのそれぞれのガイド近位端部122Pとの間の光結合を改善する有効な手段を提供する。本明細書で説明するように、幾つかの実施例において、マルチプレクサ・アライメント・システム142は、マルチプレクサ128の同時使用中に連続的に動作するように構成され得る。更に又は代替として、他の実施例において、マルチプレクサ・アライメント・システム142は、光源124の発射及びマルチプレクサ128の動作の前に、最適な結合を与えるそれぞれのライト・ガイド122AごとにX-Y位置を見つけてマッピングするべくライト・ガイド・バンドル122のライト・ガイド122Aのそれぞれを能動的に走査するように構成され得る。そのような代替的な実施例において、カテーテル・システム100、例えばシステム・コントローラ126は、マルチプレクサ・アライメント・システム142からの情報を記憶し、光源124のリアルタイムな発射及びマルチプレクサ128の動作のためにそれぞれのライト・ガイド122Aごとにマッピングされた位置を使用するように構成され得る。
【0079】
本明細書で説明するように、マルチプレクサ128及び/又はマルチプレクサ・アライメント・システム142は、光源124からの光エネルギーをライト・ガイド・バンドル122のライト・ガイド122Aのそれぞれに正確に、選択的及び/又は択一的に向ける目的に適した任意の適切な設計を有することができる。マルチプレクサ128及びマルチプレクサ・アライメント・システム142の様々な非排他的な代替実施例が本明細書において以下に詳細に説明される。
【0080】
図2は、マルチプレクサ228及びマルチプレクサ・アライメント・システム242の実施例を含むカテーテル・システム200の一実施例の一部の簡略化された概略図である。より詳細には、
図2は、複数のライト・ガイド222Aを含むライト・ガイド・バンドル222と、光源224と、制御電子機器226A及び信号処理電子機器226Bを含むシステム・コントローラ226と、光源224からソース・ビーム224A、例えば、パルス・ソース・ビーム及び/又は半連続波ソース・ビームの形態の光エネルギーを受けて、個々のガイド・ビーム224Bの形態の光エネルギーを選択的及び/又は択一的に複数のライト・ガイド222Aのそれぞれのガイド近位端部222Pへと向けるマルチプレクサ228と、プローブ・ソース・ビーム270Aの形態の第2の光源270からの光エネルギーを利用して、ガイド・ビーム224Bとライト・ガイド222Aのそれぞれのガイド近位端部222Pとの間の光結合を改善する手段としてライト・ガイド・バンドル222の面及び/又はライト・ガイド・バンドル222内のライト・ガイド222Aのそれぞれのガイド近位端部222Pを精査するマルチプレクサ・アライメント・システム242とを示す。ライト・ガイド・バンドル222及び/又はライト・ガイド222A並びに光源224は、本明細書中で上で詳細に説明したように、設計及び機能が実質的に類似している。したがって、そのような構成要素は、
図2に示される実施例に関して詳細に説明されない。更に、
図1に関連して上で図示して説明したシステム・コンソール123の特定の構成要素、例えば、電源125及びGUI127は、単純化のため及び図示を容易にするために
図2には示されないが、一般に多くの実施例に含まれるのが分かる。
【0081】
図示のように、幾つかの実施例では、制御電子機器226A及び信号処理電子機器226Bをシステム・コントローラ226の一部として含めることができる。或いは、制御電子機器226A及び/又は信号処理電子機器226Bをシステム・コントローラ226とは独立して設けることができるとともにシステム・コントローラ226と電気的に通信している状態にすることができる。
【0082】
ライト・ガイド・バンドル222は、任意の適切な数のライト・ガイド222Aを含むことができ、これらのライト・ガイド222Aは、例えば、複数のライト・ガイド222Aをマルチプレクサ228及び/又はマルチプレクサ・アライメント・システム242に対して最良に位置合わせするべく任意の適切な態様で互いに対して位置決め及び/又は方向付けされ得る。例えば、
図2に示される実施例において、ライト・ガイド・バンドル222は、互いに対して直線配列を成して位置合わせされる4つのライト・ガイド222Aを含む。或いは、ライト・ガイド・バンドル222は、異なる数のライト・ガイド222A、すなわち、4つよりも多い又は4つよりも少ないライト・ガイド222Aを含むことができ、及び/又は、ライト・ガイド222Aは、互いに対して異なる態様で配置され得る。
【0083】
図2に示されるように、ライト・ガイド222Aのそれぞれは、ライト・ガイド222Aのガイド遠位端部222Dに位置されるプラズマ発生器233を含む。
【0084】
更に、図示のように、複数のライト・ガイド222Aのそれぞれのガイド近位端部222Pは、ガイド結合ハウジング250内、すなわち、ガイド結合ハウジング250に形成されるガイド結合スロット256内に保持される。様々な実施例において、ガイド結合ハウジング250は、システム・コンソール123(
図1に示される)に選択的に結合されるように構成され、それにより、ガイド結合スロット256、したがってライト・ガイド222Aは、カテーテル・システム200の使用中にマルチプレクサ228及びマルチプレクサ・アライメント・システム242に対して所望の固定位置に維持される。幾つかの実施例において、ガイド結合スロット256は、マルチチャネル光ファイバ通信システムで一般的に使用されるV溝フェルール・ブロックなどのV溝の形態で設けられる。或いは、ガイド結合スロット256は、別の適切な設計を有することができる。
【0085】
ガイド結合ハウジング250は、任意の適切な数のガイド結合スロット256を有することができ、これらのガイド結合スロット256は、例えば、ガイド結合スロット256、したがってライト・ガイド222Aをマルチプレクサ228及びマルチプレクサ・アライメント・システム242に対して最良に位置合わせするべく任意の適切な態様で互いに対して位置決め及び/又は方向付けされ得る。
図2に示される実施例において、ガイド結合ハウジング250は、隣接するガイド結合スロット256間に正確な間隔を伴って互いに対して直線配列を成して離間される4つのガイド結合スロット256を含む。したがって、そのような実施例において、ガイド結合ハウジング250は、最大4つのライト・ガイド222Aのガイド近位端部222Pを保持することができる。或いは、ガイド結合ハウジング250は、異なる数のガイド結合スロット256、すなわち、4つより多い又は4つよりも少ないガイド結合スロット256を有することができ、及び/又は、ガイド結合スロット256を互いに対して異なる態様で配置することができる。
【0086】
前述のように、マルチプレクサ228は、光源224からソース・ビーム224Aの形態の光エネルギーを受けて、その光エネルギーを個々のガイド・ビーム224Bの形態でライト・ガイド222Aのそれぞれのガイド近位端部222Pへと選択的及び/又は択一的に向けるように構成される。したがって、
図2に示されるように、マルチプレクサ228は、ライト・ガイド・バンドル222、すなわち、複数のライト・ガイド222Aに対して光学的に通信している状態で動作可能に及び/又は光学的に結合される。
【0087】
マルチプレクサ228の設計は、カテーテル・システム200の要件、ライト・ガイド222Aの相対的な位置付けに応じて、及び/又は、カテーテル・システム200のユーザ又はオペレータの要望に合うように変えることができる。
図2に示される実施例において、マルチプレクサ228は、マルチプレクサ・ベース258、マルチプレクサ・ステージ260、ステージ・ムーバ262、リダイレクタ264、結合光学素子266、及び、第1のビームスプリッタ268のうちの1つ又は複数を含み、これらは、システム・コントローラ226と併せて、すなわち、制御電子機器226A及び/又は信号処理電子機器226B、並びに、本明細書で詳細に説明されるマルチプレクサ・アライメント・システム242と併せて使用される。或いは、マルチプレクサ228は、
図2に具体的に示されているものよりも多くの構成要素又は少ない構成要素を含むことができる。
【0088】
更に、前述のように、マルチプレクサ・アライメント・システム242は、ガイド・ビーム224Bとライト・ガイド222Aのそれぞれのガイド近位端部222Pとの間の光結合を改善する手段としてライト・ガイド・バンドル222の面(すなわち、ガイド結合ハウジング250の面)及び/又はライト・ガイド・バンドル222内のライト・ガイド222Aのそれぞれのガイド近位端部222Pを精査するように構成される。
【0089】
マルチプレクサ・アライメント・システム242の設計は、カテーテル・システム200の要件、ライト・ガイド222Aの相対的な位置付けに応じて、及び/又は、カテーテル・システム200のユーザ又はオペレータの要望に合うように変えることができる。
図2に示される実施例において、マルチプレクサ・アライメント・システム242は、第2の光源270、第1のビームスプリッタ268、第2のビームスプリッタ272、光学素子274、光検出器276、及び、増幅器278のうちの1つ又は複数を含み、これらは、システム・コントローラ226、すなわち、制御電子機器226A及び/又は信号処理電子機器226B、並びに、マルチプレクサ228と併せて使用される。本明細書で詳細に説明するように、第2の光源270は、マッピング・プロセス中にライト・ガイド222Aのそれぞれのガイド近位端部222Pの全体にわたって走査するように向けられるプローブ・ソース・ビーム270Aの形態の光エネルギーを供給する。したがって、
図2に示されるように、マルチプレクサ・アライメント・システム242及び/又は第2の光源270は、ライト・ガイド・バンドル222、すなわち、複数のライト・ガイド222Aに光学的に通信している状態で動作可能に及び/又は光学的に結合される。或いは、マルチプレクサ・アライメント・システム242は、
図2に具体的に示されているものよりも多くの構成要素又は少ない構成要素を含むことができる。
【0090】
カテーテル・システム200の使用中、マルチプレクサ・ベース258は、光源224及びライト・ガイド222Aに対して所定の位置に固定される。更に、この実施例において、マルチプレクサ・ステージ260はマルチプレクサ・ベース258上に移動可能に支持される。より詳細には、
図2に示される実施例において、ステージ・ムーバ262は、マルチプレクサ・ベース258に対して直線状の経路に沿ってマルチプレクサ・ステージ260を移動させるように構成される。更に、特定の実施例において、ステージ・ムーバ262は、マルチプレクサ・ベース258に結合される1つ又は複数のステージ・ガイド263に沿ってマルチプレクサ・ベース258に対してマルチプレクサ・ステージ260を直線的に移動させるように構成され得る。
【0091】
図2に示されるように、リダイレクタ264、結合光学素子266、及び、マルチプレクサ228の第1のビームスプリッタ268は、マルチプレクサ・ステージ260に実装される及び/又はマルチプレクサ・ステージ260によって保持される。したがって、マルチプレクサ・ベース258に対するマルチプレクサ・ステージ260の移動は、固定されたマルチプレクサ・ベース258に対するリダイレクタ264、結合光学素子266、及び、第1ビームスプリッタ268の対応する移動をもたらす。更に、ライト・ガイド22Aがマルチプレクサ・ベース258に対して所定位置に固定された状態で、マルチプレクサ・ステージ260の移動は、ライト・ガイド222Aに対するリダイレクタ264、結合光学素子266、及び、第1ビームスプリッタ268の対応する移動をもたらす。
【0092】
更に、
図2に示されるように、マルチプレクサ・アライメント・システム242の第1のビームスプリッタ268、第2のビームスプリッタ272、光学素子274、光検出器276、及び増幅器278も、マルチプレクサ・ステージ260に実装される及び/又はマルチプレクサ・ステージ260によって保持される。したがって、マルチプレクサ・ベース258に対するマルチプレクサ・ステージ260の移動は、固定されたマルチプレクサ・ベース258に対する第1のビームスプリッタ268、第2のビームスプリッタ272、光学素子274、光検出器276、及び、増幅器278の対応する移動をもたらす。更に、ライト・ガイド222Aがマルチプレクサ・ベース258に対して所定の位置に固定されている場合、マルチプレクサ・ステージ260の移動は、ライト・ガイド222Aに対する第1のビームスプリッタ268、第2のビームスプリッタ272、光学素子274、光検出器276、及び、増幅器278の対応する移動をもたらす。この実施例及び他の様々な実施例では、光検出器276が更なる集束光学素子又は集光光学素子を含むことができることが理解される。
【0093】
様々な実施例において、マルチプレクサ・アライメント・システム242の使用に関連して、マルチプレクサ228は、光源224によって生成されるソース・ビーム224Aをマルチプレクサ228によって、対応するガイド・ビーム224Bとしてライト・ガイド222Aのそれぞれのガイド近位端部222Pへと正確に向けられ集束されることができるように、結合光学素子266をライト・ガイド222Aのそれぞれと正確に位置合わせするように構成される。
図2に示されるように、その最も単純な形態では、マルチプレクサ228は、精密機構、すなわち、ステージ・ムーバ262を使用して、結合光学素子266を直線状の経路に沿って並進させる。この手法は単一の自由度を必要とする。特定の実施例では、直線並進機構、すなわち、ステージ・ムーバ262及び/又はマルチプレクサ・ステージ260を電子的に制御して、走査プロセス中にガイド結合ハウジング250内でガイド・ビーム224Bのビーム経路を、部分的に保持されるそれぞれの個々のライト・ガイド222Aと順次に一直線に並べることができる。或いは、結合光学素子266をライト・ガイド222Aのそれぞれの位置と正確に位置合わせできるように、ステージ・ムーバ262に機械的なストッパを装備することができる。
【0094】
この実施例において、ステージ・ムーバ262は、マルチプレクサ・ステージ260をマルチプレクサ・ベース258に対して直線的に移動させる目的に適した任意の適切な設計を有することができる。より詳細には、ステージ・ムーバ262は、任意の適切なタイプの直線並進機構となり得る。
【0095】
前述したように、マルチプレクサ・ステージ260は、光源224によって生成された光エネルギーを最適な結合のために各ライト・ガイド222Aへと向けて集束させるべく、必要な光学素子、例えば、リダイレクタ264及び結合光学素子266を支持するように構成される、そのような設計により、並進されたマルチプレクサ・ステージ260の短い移動距離にわたるガイド・ビーム224Aの小さい発散は、各ライト・ガイド222Aに対する結合効率への影響が最小限となる。
【0096】
更に、この実施例では、マルチプレクサ228に向けられるソース・ビーム224Aは、最初に、ソース・ビーム224Aを結合光学素子266へ向けて変向するように構成されるリダイレクタ264に衝突する。幾つかの実施例では、リダイレクタ264は、ソース・ビーム224Aを約90度だけ結合光学素子266へ向けて変向する。或いは、リダイレクタ264は、ソース・ビーム224Aを結合光学素子266に向けて90度より大きく又は90度未満だけ変向することができる。したがって、マルチプレクサ・ステージ260に取り付けられるリダイレクタ264は、個々のガイド・ビーム224Bがガイド結合ハウジング250内の個々のライト・ガイド222Aに集束されるように結合光学素子266を通じてソース・ビーム224Aを向けるように構成される。
【0097】
結合光学素子266は、個々のガイド・ビーム224Bをライト・ガイド222Aのそれぞれに集束させる目的に適した任意の適切な設計を有することができる。一実施例では、結合光学素子266は、要求通りに個々のガイド・ビーム224Bを集束させるように特に構成される2つのレンズを含む。或いは、結合光学素子266は、別の適切な設計を有することができる。
【0098】
特定の非排他的な別の実施例では、ソース・ビーム224Aをライト・ガイド222Aのそれぞれに適切に向けられて集束されるように操向することは、オプトメカニカル・スキャナ、X-Y検流計(ガルバノメーター)又は他のマルチ軸ビーム・ステアリング装置を使用して達成され得る。
【0099】
ガイド・ビーム224Bのビーム経路を選択されたライト・ガイド222Aと位置合わせする動作は、動作軸がライト・ガイド・バンドル222及び/又は個々のライト・ガイド222Aの軸と完全に平行であることを前提としていることが分かる。幾つかの実施例では、この軸を追跡するために垂直ディザを含めることができる。
【0100】
図2に示されるように、第2のエネルギー源270からのプローブ・ソース・ビーム270Aは、最初に第2のビームスプリッタ272に向けられ、そこからプローブ・ソース・ビーム270Aの少なくとも一部が光学素子274に向けて前方に向けられる。更に、
図2に例示される実施例に示されるように、マルチプレクサ・アライメント・システム242は、マルチプレクサ228と共に、ガイド結合ハウジング250の面及び/又はライト・ガイド222Aのそれぞれのガイド近位端部222Pの全体にわたって走査するべく第2の光源270によって生成されるプローブ・ソース・ビーム270Aをマルチプレクサ・アライメント・システム242によって正確に向けられ集束されることができるように、ライト・ガイド222Aのそれぞれに対して光学素子274、例えば結合レンズを正確に位置合わせするべく構成される。
【0101】
更に、図示のように、個々のガイド・ビーム224B及びプローブ・ソース・ビーム270Aのそれぞれは全て、ライト・ガイド222Aに向けられる前に第1のビームスプリッタ268に衝突するように向けられる。別の言い方をすれば、この実施例において、第1のビームスプリッタ268は、結合光学素子とライト・ガイド222Aとの間の個々のガイド・ビーム224Bの光路内に位置され、第1のビームスプリッタ268も光学素子274とライト・ガイド222Aとの間のソース・ビーム270Aの光路内に位置される。特定の実施例において、第1のビームスプリッタ268は、所定のカットオフ波長よりも長い波長を有する光を透過させるとともに所定のカットオフ波長よりも短い波長を有する光を反射する(例えば、約90度又は別の適切な量だけ変向させる)ように構成されるダイクロイック・ビームスプリッタとすることができる。例えば、幾つかの実施例において、光源224は、個々のガイド・ビーム224Bが赤外光範囲の波長を有するように、パルス赤外レーザー源とすることができ、第2の光源270は、プローブ・ソース・ビーム270Aが可視光範囲の波長を有するように、低出力の可視光連続波レーザー源とすることができる。そのような実施例において、第1のビームスプリッタ268は、個々のガイド・ビーム224Bが第1のビームスプリッタ268を通じてライト・ガイド222Aに向かって透過される一方で、プローブ・ソース・ビーム270Aが第1のビームスプリッタ268によって反射されてライト・ガイド222Aに向けて変向されるように、所定のカットオフ波長を有することができる。したがって、図示のように、第1のビームスプリッタ268によって、プローブ・ソース・ビーム270Aの経路を個々のガイド・ビーム224Bの経路と効果的に組み合わせることが可能になる。或いは、第1のビームスプリッタ268及び/又は光源224及び第2の光源270は、別の適切な設計を有することができる。
【0102】
更に又は代替として、一実施例において、第2の光源270は、位相敏感(ロックイン)検出を可能にするために、高速変調を含む及び/又は組み込むことができる。そのような実施例において、変調は、第2の光源270からのプローブ・ソース・ビーム270Aがガイド結合ハウジング250の面及び/又はライト・ガイド222Aのそれぞれのガイド近位端部222Pの全体にわたって走査する際に標的上での滞留時間よりもはるかに速くなければならないことが分かる。
【0103】
カテーテル・システム200の動作中、制御電子機器226Aは、ステージ・ムーバ262を駆動してマルチプレクサ・ステージ260を所望の態様で動かし、それにより、プローブ・ソース・ビーム270A及び個々のガイド・ビーム224Bがガイド結合ハウジング250の面及び/又はライト・ガイド222Aのそれぞれのガイド近位端部222Pの全体にわたって走査するようにする。更に、マルチプレクサ・アライメント・システム242の光学素子274を使用して、プローブ・ソース・ビーム270Aを下方に集束させて、リダイレクタ264及びマルチプレクサ228の結合光学素子266によって向けられ集束される個々のガイド・ビーム224Bと同様に各ライト・ガイド222Aのガイド近位端部222Pに結合するスポットを形成する。幾つかの実施例において、光学素子274の設計及び焦点距離は、プローブ・ソース・ビーム270Aに関し、個々のガイド・ビーム224Bに関するスポット・サイズよりも大きいスポット・サイズをもたらすように構成され得る。これは、走査が行なわれる際に各ライト・ガイド222のガイド近位端部222Pのより多くをカバーするために使用され得る。
【0104】
特定の実施例では、
図2に示されるように、カテーテル・システム200は、個々のガイド・ビーム224Bがガイド結合ハウジング250の面の全体にわたって走査される際にプローブ・ソース・ビーム270Aが個々のガイド・ビーム224Bから僅かにオフセットされるように制御される。より詳細には、そのような実施例において、光学素子274及び結合光学素子266は、走査プロセス中にプローブ・ソース・ビーム270Aが個々のガイド・ビーム224Bよりも僅かに先行する又は僅かに先んじるように構成及び/又は位置され得る。別の言い方をすれば、マルチプレクサ228内の結合光学素子266及びマルチプレクサ・アライメント・システム242の光学素子274は、ガイド・ビーム224Bからのスポットがプローブ・ソース・ビーム270Aからのスポットよりも制御された距離だけ遅れて形成されるように位置合わせされる。
【0105】
更に、動作中、第2の光源270は、マルチプレクサ228及びマルチプレクサ・アライメント・システム242がガイド結合ハウジング250の面の全体にわたって走査する際に連続的に動作するように構成される。特に、第2の光源270のプローブ・ソース・ビーム270Aからのスポットは、光学素子274によって、走査プロセス中に、ガイド結合ハウジング250の端面上及び個々のライト・ガイド222Aの面上に集束される。走査プロセス中、プローブ・ソース・ビーム270Aからの集束スポット内の光の少なくとも一部は、ガイド結合ハウジング250の面及び個々のライト・ガイド222Aの面から散乱し、後方散乱エネルギー・ビーム270Bとして第1のビームスプリッタ268に向けられて戻る。後方散乱エネルギー・ビーム270Bは、第1のビームスプリッタ268から反射されて光学素子274に向かって変向され、そこで収集されてコリメートされる。したがって、光学素子274は、第2のエネルギー源270がガイド結合ハウジング250に向けて及びその上に集束されるときに第2のエネルギー源270からのスポットを形成するとともに、ガイド結合ハウジング250及び/又はライト・ガイド222Aの面に衝突するプローブ・ソース・ビーム270A、すなわち、後方散乱エネルギー・ビーム270Bから散乱される光を収集して、そのような光をコリメートするように作用する。
【0106】
更に又は代替として、特定の実施例において、ライト・ガイド222Aのそれぞれのガイド近位端部222Pは、ガイド・ビーム224Bの波長で反射防止コーティングによりコーティングされるとともに、プローブ・ソース・ビーム270Aの波長で高反射コーティングによりコーティングされ得る。そのような設計により、プローブ・ソース・ビーム270Aにおける後方散乱の程度、すなわち、後方散乱エネルギー・ビーム270Bを供給する程度を改善することができる。
【0107】
次に、光学素子274は、後方散乱エネルギー・ビーム270Bを元の第2のビームスプリッタ272に向けて集束させる。より詳細には、図示のように、第2のビームスプリッタ272は、第2の光源270からのプローブ・ソース・ビーム270Aの光路内に位置されるだけでなく、第2のビームスプリッタ272は、光学素子274と光検出器276との間の後方散乱エネルギー・ビーム270Bの光路内にも位置される。一実施例において、第2のビームスプリッタ272は、入射ビームの10パーセントを透過させるとともに入射ビームの90%を変向又は反射するように構成される10/90ビームスプリッタとなり得る。これにより、後方散乱エネルギー・ビーム270Bからの入射光のごく一部が通過でき、後方散乱エネルギー・ビーム270Bとして戻された光の大部分が光検出器276に反射される。したがって、光学要素274は、ガイド結合ハウジング250の面及び個々のライト・ガイド222Aの面から散乱された光エネルギーの少なくとも一部を、すなわち、後方散乱エネルギー・ビーム270Bの形態で、光検出器276上に効果的に結合する。そのような設計により、ガイド結合ハウジング250の面及び個々のライト・ガイド222Aの面から散乱された可視光のかなりの部分が、光検出器276によって収集される。第2のビームスプリッタ272を通じて戻る透過光の僅かな割合は、第2のエネルギー源270の出力を増大させることによって容易に補償されることが分かる。この手法により、検出システムの信号対雑音比(SNR)が向上する。或いは、第2のビームスプリッタ272は別の適切な設計を有することができる。例えば、特定の非排他的な代替実施例において、第2のビームスプリッタ272は、1/99ビームスプリッタ、5/95ビームスプリッタ、20/80ビームスプリッタ、30/70ビームスプリッタ、40/60ビームスプリッタ、50/50ビームスプリッタ、60/40ビームスプリッタ、70/30ビームスプリッタ、80/20ビームスプリッタ、90/10ビームスプリッタ、95/5ビームスプリッタ、99/1ビームスプリッタ、又は、別の適切な設計となり得る。
【0108】
更に、幾つかの実施例において、光検出器276は、次に、ガイド結合ハウジング250の面及び個々のライト・ガイド222Aの面から散乱された可視光の部分、すなわち、光検出器276によって収集された後方散乱エネルギー・ビーム270Bの部分に基づく信号を生成する。
図2に示されるように、光検出器276からの信号は、その後、増幅器278に向けられ、そこで光検出器276からの信号が増幅される。したがって、増幅された信号は、後方散乱エネルギー・ビーム270Bの強度を決定するために、例えば信号処理電子機器226B内で利用される。
【0109】
本明細書で説明するように、第2のビームスプリッタ272の設計は、後方散乱エネルギー・ビーム270Bの少なくとも十分な部分を光検出器276へと向けて信号処理電子機器226Bによって効果的に評価されるのに十分強い信号を生成する必要があるようにすべきである。
【0110】
更に、光検出器276は、ガイド結合ハウジング250の面及び個々のライト・ガイド222Aの面から散乱された可視光の一部、すなわち、後方散乱ビーム270Bを効果的に収集する目的に適した任意の適切な設計を有することができるのが分かる。例えば、非限定的な一実施例において、光検出器276は、バックグラウンド・ノイズを低減するように第2の光源270からのプローブ・ソース・ビーム270Aの波長に一致するべく構成される狭帯域スペクトル・フィルタを含むことができる。
【0111】
プローブ・ソース・ビーム270Aがガイド結合ハウジング250の面の全体にわたって走査すると、局所的な反射率が強い後方散乱をもたらし、したがって、大きな信号が生じる。例えば、プローブ・ソース・ビーム270Aからのスポットがライト・ガイド222Aのガイド近位端部222Pから遠く離れている場合、後方散乱の量、したがって、対応する信号は高くなる。プローブ・ソース・ビーム270Aからのスポットがガイド近位端部222P、したがってファイバ・コアと位置合わせするにつれて、より多くの光がライト・ガイドに結合され、後方散乱信号が減少する。信号が相対的な最小値に達すると、それは正確に最適結合の表示である。別の言い方をすれば、本明細書で説明するように、後方散乱エネルギー・ビーム270Bの強度が極小値であると決定されると、すなわち、信号処理電子機器226Bによって決定されると、ガイド・ビーム224Bが所望のライト・ガイド222Aのガイド近位端部222Pへと正確に向けられてそこに結合されるように光源224を発射するのに適切な時期であると決定される。信号処理電子機器226B及び制御電子機器226Aは、この情報を監視してその追跡を維持する。
【0112】
より詳細には、システム・コントローラ226及び/又は制御電子機器226Aが走査プロセスの速度を制御し、プローブ・ソース・ビーム270Aと個々のガイド・ビーム224Bとの間のオフセットが既知である場合、プローブ・ソース・ビーム270Aを結合するための最適な位置合わせと個々のガイド・ビーム224Bがその位置にある時刻との間の時間を正確に決定することができる。これにより、カテーテル・システム200は、ガイド結合ハウジング250の面及び/又はライト・ガイド222Aのそれぞれのガイド近位端部222Pを完全に走査して、最適な結合の位置を決定し、それに応じてスポットを正確に位置決めして光源224を発射する時間を残すことができる。この一般的な概念は、光源224を発射させて個々のガイド・ビーム224Bを任意の適切な組合せ、順序、及び/又は、パターンでライト・ガイド222Aのそれぞれのガイド近位端部222P上に正確に結合させるために適用できることが分かる。この一般的な概念が
図3A~
図3Dに示される。
【0113】
特に、
図3A~
図3Dは、マルチプレクサ及びマルチプレクサ・アライメント・システムが複数のライト・ガイドに対して走査しているときのタイミング方式を表す概略図であり、光源の発射に適したタイミングを決定するために使用される走査位置の関数としての後方散乱ビーム強度のグラフ表示である。図示のように、4つのライト・ガイド322Aがガイド結合ハウジング350によって直線状の配列に編成される。プローブ・ソース・ビームからのプローブ・スポット380Pの位置は、パルス光源が発射されるときにパルス光源からの個々のガイド・ビームからのガイド・スポット380Gの投影位置と共に示される。特に、
図3Aにおいて、プローブ・ソース・ビームからのプローブ・スポット380Pは、最初に、第3のライト・ガイド322Aのガイド近位端部322P(数字「3」でラベル付けされる)に接近している。図示のように、ガイド・ビームにおける投影されたガイド・スポット380Gも、プローブ・ソース・ビームから走査方向でプローブ・スポット380Pよりも僅かに遅れているように示されている。更に、図の右側のグラフは、測定された後方散乱の強度信号をマルチプレクサの位置の関数として示している。マルチプレクサ・アライメント・システムは、曲線における極小値を特定することによって最適な結合効率を決定する。
【0114】
次に、
図3Bでは、プローブ・ソース・ビームからのプローブ・スポット380Pが最初に第3のライト・ガイド322Aのガイド近位端部322Pに衝突し始め、この場合、ガイド・ビームからの投影されたガイド・スポット380Gが再び走査方向に沿って僅かに遅れる。次に、
図3Cでは、プローブ・ソース・ビームからのプローブ・スポット380Pが、第3のライト・ガイド322Aのガイド近位端部322Pに正確に衝突している。右のグラフに示されるように、そのようなポイントでは、強度信号が曲線に沿って極小値で示される。プローブ・ソース・ビームからのプローブ・スポット380Pがこの位置を通過して一次ビームからのガイド・スポットが位置に入ると、光源が発射される。したがって、プローブ・ソース・ビームとガイド・ビームとの間の既知のオフセット及び既知の走査速度に基づき、この時点で、ガイド・ビームが第3のライト・ガイドのガイド近位端部に正確に結合されるように光源を発射するのに適した時期であると理解される。このプロセスのタイミングを調整することで、レーザー・パルスのタイミング及び特性並びにマルチプレクサ・ダイナミクスに関する他の特性を正確に調整できる。そのようなタイミングが
図3Dに示される。
【0115】
ここで
図2に戻ると、
図2は、ライト・ガイド222Aがマルチプレクサ・ベース258に対して所定の位置に固定されることを示すが、幾つかの代替実施例では、ライト・ガイド222Aが所定の位置に固定される結合光学素子266及び光学素子274に対して移動するように構成され得ることが分かる。そのような実施例では、ガイド結合ハウジング250自体が移動し、例えば、ガイド結合ハウジング250を直線並進ステージによって支持することができる。マルチプレクサ・アライメント・システム242は、このステージの位置を監視し、最適な結合のための位置を走査して決定しつつ、光源224からの投影されたガイド・スポットにおけるパラメトリック動作を決定する必要がある。システムは、ステージを制御し、最適な結合のための決定された位置に到達したときにライト・ガイド222Aをガイド・ビーム224B及び結合光学素子266と位置合わせするようにステージをステップさせる。そのような実施例は効果的であり得るが、使用中にガイド結合ハウジング250がマルチプレクサ228の結合光学素子266に対して移動する際に安全且つ信頼できるものにするべく更なる保護及び制御が必要であることが更に分かる。
【0116】
更に代替として、別の実施例において、マルチプレクサ・アライメント・システム242及びマルチプレクサ228のそれぞれにおける走査プロセスは、互いに独立して行なうことができる。特に、1つの非排他的な代替実施例では、カテーテル・システム200は、マルチプレクサ228が実質的に同時に走査することなく、マルチプレクサ・アライメント・システム242がガイド結合ハウジング250の面及び/又はライト・ガイド222Aのそれぞれのガイド近位端部222Pの面の完全な走査及びマッピングを行なうように構成され得る。したがって、そのような実施例において、マルチプレクサ・アライメント・システム242は、全てのライト・ガイド222Aを走査して、最適な結合を与える各ライト・ガイド222AにおけるX-Y位置を見つけ、主光源224を発射することなくこれを行なう。マルチプレクサ・アライメント・システムは、ゆっくりと進んで、ガイド結合ハウジング250の面の全体にわたって完全なX-Y走査を行い、全体をマッピングする。そのような情報は、その後、制御電子機器に記憶され、この場合、位置に関するそのような情報は、その後、一次光源224のリアルタイムな発射のために使用される。この実施例において、マルチプレクサ・アライメント・システム242は、例えば
図2に示されるような第2の光源270を依然として利用できる。或いは、マルチプレクサ228によって使用及び操作されているのと同じ光源224を使用するべくマルチプレクサ・アライメント・システム242を構成することもできる。
【0117】
図4は、マルチプレクサ428及びマルチプレクサ・アライメント・システム442の別の実施例を含むカテーテル・システム400の別の実施例の一部の簡略化された概略図である。図示のように、マルチプレクサ428及びマルチプレクサ・アライメント・システム442を含む、
図7に示すカテーテル・システム400の実施例は、
図2に関して図示及び説明したカテーテル・システム200と設計及び機能が実質的に類似している。例えば、図示のように、カテーテル・システム400は、この場合も先と同様に、ガイド結合ハウジング450内に保持された複数のライト・ガイド422Aを含むライト・ガイド・バンドル422と、ソース・ビーム424Aを生成する光源424と、制御電子機器426A及び信号処理電子機器426Bを含むシステム・コントローラ426と、マルチプレクサ428と、マルチプレクサ・アライメント・システム442とを含む。
【0118】
ライト・ガイド・バンドル422が任意の適切な数のライト・ガイド422Aを含むことができ、これらのライト・ガイドを任意の適切な態様で互いに対して位置決め及び/又は方向付けして、例えば、複数のライト・ガイド422Aをマルチプレクサ428及びマルチプレクサ・アライメント・システム442に対して最良に位置合わせできるのが分かる。例えば、
図4に示される実施例において、ライト・ガイド・バンドル422は、この場合も先と同様に、互いに対して概して直線状の配列を成して位置合わせされる4つのライト・ガイド422Aを含み、この場合、ライト・ガイド422Aのそれぞれのガイド近位端部422Pはガイド結合ハウジング450内に保持される。ライト・ガイド・バンドル422及び/又はライト・ガイド422Aは、本明細書中で上で詳細に説明したように、設計及び機能が実質的に類似している。したがって、そのような構成要素は、
図4に示される実施例に関して詳細に説明されない。
【0119】
前述のように、マルチプレクサ428及びマルチプレクサ・アライメント・システム442は、
図2に関連して本明細書で上で詳細に説明したものと設計及び機能が実質的に類似している。特に、マルチプレクサ428は、この場合も先と同様に、マルチプレクサ・ベース458、マルチプレクサ・ステージ460、ステージ・ムーバ462、リダイレクタ464、及び、第1のビームスプリッタ468のうちの1つ又は複数を含み、これらは、システム・コントローラ426、すなわち、制御電子機器426A及び/又は信号処理電子機器426B、並びに、マルチプレクサ・アライメント・システム442と共に使用される。更に、マルチプレクサ・アライメント・システム442は、この場合も先と同様に、プローブ・ソース・ビーム470Aを生成する第2の光源470、第1のビームスプリッタ468、第2のビームスプリッタ472、光検出器476、及び、増幅器478のうちの1つ又は複数を含み、これらは、システム・コントローラ426、すなわち、制御電子機器426A及び/又は信号処理電子機器426B、並びに、マルチプレクサ428と共に使用される。
【0120】
しかしながら、この実施例において、マルチプレクサ428及び/又はマルチプレクサ・アライメント・システム442の特定の構成要素の相対的な位置付けは、前の実施例から変更されている。更に、図示のように、マルチプレクサ228の結合光学素子266及びマルチプレクサ・アライメント・システム242の光学素子274は、マルチプレクサ428及びマルチプレクサ・アライメント・システム442の両方に含まれる及びこれらによって使用されるべく構成される結合光学素子482に置き換えられる。
【0121】
より具体的には、図示のように、ソース・ビーム424A及びプローブ・ソース・ビーム470Aのそれぞれは、結合光学素子482に向けられる前に、第1のビームスプリッタ468に向けられてこれに衝突する。
図4に示されるように、ソース・ビーム424Aは、個々のガイド・ビーム424Bとして、第1のビームスプリッタ468、例えばダイクロイック・ビームスプリッタを通じて透過され、個々のガイド・ビーム424Bは、結合光学素子482を通じて向けられて、ガイド結合ハウジング450の面及び/又はライト・ガイド422Aのそれぞれのガイド近位端部422Pの全体にわたって走査するべく向けられ集束される。同様に、図示のように、プローブ・ソース・ビーム470Aは、プローブ・ソース・ビーム470Aも結合光学素子482を通じて向けられてガイド結合ハウジング450の面及び/又はライト・ガイド422Aのそれぞれのガイド近位端部422Pの全体にわたって走査するべく向けられ集束されるように、第1のビームスプリッタ468によって変向される。そのような設計により、すなわち、マルチプレクサ428及びマルチプレクサ・アライメント・システム442の両方に使用される結合光学素子482を使用することにより、全体の設計が単純化され、よりコンパクトなレイアウトを有することができる。ガイド・ビーム424B及びプローブ・ソース・ビーム470Aは、結合光学素子482の後で下方に集束され、それによって、結合光学素子482における損傷閾値を改善する。更に、そのような設計は、ガイド・ビーム424B及びプローブ・ソース・ビーム470Aの焦点部分もマルチプレクサ・ステージ460から更に外側に移動させる。これにより、ガイド結合ハウジング450をシステム・コンソール123(
図1に示す)に接続するための構成が容易になる。
【0122】
前の実施例と同様に、走査プロセス中、プローブ・ソース・ビーム470Aからの集束スポット内の光の少なくとも一部は、ガイド結合ハウジング450の面及び個々のライト・ガイド422Aの面から散乱し、後方散乱エネルギー・ビーム470Bとして結合光学素子482及び第1のビームスプリッタ468に向けられて戻る。結合光学素子482によって集束及びコリメートされた後、後方散乱エネルギー・ビーム470Bは、第1のビームスプリッタ468から反射されて、第1のビームスプリッタ468により第2のビームスプリッタ472、例えば、10/90ビームスプリッタ又は別の適切なタイプのビームスプリッタ(すなわち、入射ビームの異なるレベルの透過率及び反射率を伴う)に向けて変向される。続いて、第2のビームスプリッタ472は、後方散乱エネルギー・ビーム470Bとして戻された光の一部、例えば大部分を光検出器476へと反射する。
【0123】
更に、幾つかの実施例において、光検出器476は、その後、ガイド結合ハウジング450の面及び個々のライト・ガイド422Aの面から散乱された可視光の部分、すなわち、光検出器476によって収集された後方散乱エネルギー・ビーム470Bの部分に基づく信号を生成する。
図4に示されるように、光検出器476からの信号は増幅器478に向けられ、そこで光検出器476からの信号が増幅される。したがって、増幅された信号は、後方散乱エネルギー・ビーム470Bの強度を決定するために、例えば信号処理電子機器426B内で利用される。この実施例及び他の様々な実施例では、光検出器476が更なる集束光学素子又は集光光学素子を含むことができることが理解される。
【0124】
更に、前の実施例と同様に、後方散乱エネルギー・ビーム470Bの強度が極小値であると決定されると、すなわち、信号処理電子機器426Bによって決定されると、次に、光源424を発射するのに適切な時期であると決定され、それにより、ガイド・ビーム424Bは、所望のライト・ガイド422Aのガイド近位端部422Pへと正確に向けられてそこに結合される。信号処理電子機器426B及び制御電子機器426Aは、この情報を監視してその追跡を維持する。より詳細には、システム・コントローラ426及び/又は制御電子機器426Aが走査プロセスの速度を制御し、プローブ・ソース・ビーム470Aと個々のガイド・ビーム424Bとの間のオフセットが既知である場合、プローブ・ソース・ビーム470Aを結合するための最適な位置合わせと個々のガイド・ビーム424Bがその位置にある時刻との間の時間を正確に決定することができる。これにより、カテーテル・システム400は、ガイド結合ハウジング450の面及び/又はライト・ガイド422Aのそれぞれのガイド近位端部422Pを完全に走査して、最適な結合の位置を決定し、それに応じてスポットを正確に位置決めして光源424を発射する時間を残すことができる。この一般的な概念は、光源424を発射させて個々のガイド・ビーム424Bを任意の適切な組合せ、順序、及び/又はパターンでライト・ガイド422Aのそれぞれのガイド近位端部422P上に正確に結合させるために適用できることが分かる。
【0125】
更に、
図4は、ライト・ガイド422Aがマルチプレクサ・ベース458に対して所定の位置に固定されることを示すが、幾つかの代替実施例では、ライト・ガイド422Aを所定の位置に固定される結合光学素子482に対して移動するように構成できることが分かる。そのような実施例では、ガイド結合ハウジング450自体が移動し、例えば、ガイド結合ハウジング450を直線並進ステージによって支持することができる。マルチプレクサ・アライメント・システム442は、このステージの位置を監視し、最適な結合のための位置を走査して決定しつつ、光源424からの投影されたガイド・スポットにおけるパラメトリック動作を決定する必要がある。システムは、ステージを制御し、最適な結合のための決定された位置に到達したときにライト・ガイド422Aをガイド・ビーム424B及び結合光学素子482と位置合わせするようにステージをステップさせる。
【0126】
図5は、マルチプレクサ528及びマルチプレクサ・アライメント・システム542の更に別の実施例を含むカテーテル・システム500の更に別の実施例の一部の簡略化された概略図である。特に、
図5に示されるように、カテーテル・システム500は、ガイド結合ハウジング550内に保持される複数のライト・ガイド522Aを含むライト・ガイド・バンドル522、ソース・ビーム524Aを生成する光源524、制御電子機器526A及び信号処理電子機器526Bを含むシステム・コントローラ526、マルチプレクサ528並びにマルチプレクサ・アライメント・システム542のうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0127】
ライト・ガイド・バンドル522が任意の適切な数のライト・ガイド522Aを含むことができ、これらのライト・ガイド522Aを任意の適切な態様で互いに対して位置決め及び/又は方向付けて、例えば、マルチプレクサ528及びマルチプレクサ・アライメント・システム542に対して複数のライト・ガイド522Aを最良に位置合わせすることができる。例えば、
図5に示される実施例において、ライト・ガイド・バンドル522は、この場合も先と同様に、互いに対して概して直線状の配列を成して位置合わせされる4つのライト・ガイド522Aを含み、この場合、ライト・ガイド522Aのそれぞれのガイド近位端部522Pがガイド結合ハウジング550内に保持される。ライト・ガイド・バンドル522及び/又はライト・ガイド522Aは、本明細書中で上で詳細に説明したように、設計及び機能が実質的に類似している。したがって、そのような構成要素は、
図5に示される実施例に関して詳細に説明されない。
【0128】
前の実施例と同様に、マルチプレクサ528は、光源524から、ソース・ビーム524A、例えば、パルス・ソース・ビームの形態の光エネルギーを受け、その光エネルギーを個々のガイド・ビーム524Bの形態で複数のライト・ガイド522Aのそれぞれのガイド近位端部522Pへと任意の所望の組合せ、順序、シーケンス、及び/又は、パターンで向けるように構成される。
【0129】
マルチプレクサ528の設計は、カテーテル・システム500の要件、ライト・ガイド522Aの相対的な位置付けに応じて、及び/又は、カテーテル・システム500のユーザ又はオペレータの要望に合うように変えることができる。
図5に示される実施例では、マルチプレクサ528は、(固定された)リダイレクタ564、第1のビームスプリッタ568、第1の可動リダイレクタ584、第2の可動リダイレクタ586、及び、結合光学素子582のうちの1つ又は複数を含み、これらは、システム・コントローラ526、すなわち、制御電子機器526A及び/又は信号処理電子機器526B、並びに、本明細書で詳細に説明されるマルチプレクサ・アライメント・システム542と併せて使用される。或いは、マルチプレクサ528は、
図5に具体的に示されるものよりも多くの構成要素又は少ない構成要素を含むことができる。
【0130】
更に、前の実施例と同様に、マルチプレクサ・アライメント・システム542は、ガイド・ビーム524Bとライト・ガイド522Aのそれぞれのガイド近位端部522Pとの間の光結合を改善する手段としてライト・ガイド・バンドル522の面(すなわち、ガイド結合ハウジング550の面)及び/又はライト・ガイド・バンドル522内のライト・ガイド522Aのそれぞれのガイド近位端部522Pを精査するように構成される。
【0131】
マルチプレクサ・アライメント・システム542の設計は、カテーテル・システム500の要件、ライト・ガイド522Aの相対的な位置付けに応じて、及び/又は、カテーテル・システム500のユーザ又はオペレータの要望に合うように変えることができる。
図5に示される実施例において、マルチプレクサ・アライメント・システム542は、第2の光源570、第1のビームスプリッタ568、第2のビームスプリッタ572、第1の可動リダイレクタ584、第2の可動リダイレクタ586、結合光学素子582、光検出器576及び増幅器578のうちの1つ又は複数を含み、これらは、システム・コントローラ526、すなわち、制御電子機器526A及び/又は信号処理電子機器526B、並びに、マルチプレクサ528と共に使用される。本明細書で詳細に説明するように、第2の光源570は、マッピング・プロセス中にライト・ガイド522Aのそれぞれのガイド近位端部522Pの全体にわたって走査するべく向けられるプローブ・ソース・ビーム570Aの形態の光エネルギーを供給する。或いは、マルチプレクサ・アライメント・システム542は、
図5に具体的に示されているものよりも多くの構成要素又は少ない構成要素を含むことができる。
【0132】
前述したように、様々な実施例において、マルチプレクサ528及びマルチプレクサ・アライメント・システム542は、プローブ・ソース・ビーム570A及び個々のガイド・ビーム524Bの両方がガイド結合ハウジング550の面の全体にわたって走査している際、第2の光源570からのプローブ・ソース・ビーム570Aが光源524からのガイド・ビーム524Bを僅かに先行する状態で、実質的に同時に動作するように構成される。或いは、他の実施例において、マルチプレクサ・アライメント・システム542は、個々のガイド・ビーム524Bをライト・ガイド522Aのそれぞれのガイド近位端部522Pへと任意の所望のシーケンス、順序、又は、パターンで、向けて集束するように構成される光源524及びマルチプレクサ528の任意の使用前に第2の光源570からのプローブ・ソース・ビーム570Aでガイド結合ハウジング550の面を完全にマッピングするように構成され得る。ここで、
図5に示される実施例におけるマルチプレクサ528及びマルチプレクサ・アライメント・システム542のそれぞれの一般的な動作について更に詳しく説明する。
【0133】
マルチプレクサ528の使用中、光源524からのソース・ビーム524Aは、最初に、リダイレクタ564に向けられてこれに衝突し、リダイレクタ564は、ソース・ビーム524Aを第1のビームスプリッタ568、例えばダイクロイック・ビームスプリッタに向けて例えば約90°又は別の適切な量だけ変向するように構成される。続いて、第1のビームスプリッタ568の設計に基づいて、ソース・ビーム524Aは、第1のビームスプリッタ568を通じて第1の可動リダイレクタ584に向けて透過される。図示のように、第1の可動リダイレクタ584は、ソース・ビーム524Aを第2の可動リダイレクタ586に向けて変向するように構成される。この実施例において、第1の可動リダイレクタ584は、ソース・ビーム524Aが第2の可動リダイレクタ586に向けられるときにソース・ビーム524Aの角度を調整するべく、回転軸584Xを中心に、すなわち、第1のリダイレクタ・ムーバ584Aによって選択的に回転可能である。その後、ソース・ビーム524Aは、第2の可動リダイレクタ586によって変向され、必要に応じて結合光学素子582によって各ライト・ガイド522Aのガイド近位端部522P上に結合されるガイド・ビーム524Bとして結合光学素子582に向けられる。この実施例において、第2の可動リダイレクタ586は、ガイド・ビーム524Bが結合光学素子582に向けられるときにガイド・ビーム524Bの角度を調整するべく、回転軸586Xを中心に、すなわち、第2のリダイレクタ・ムーバ586Aによって選択的に回転可能である。本明細書で使用されるように、結合光学素子582は、代替として、単純なレンズ、複合レンズ又はfシータ・レンズを含むことができる。
【0134】
第1の可動リダイレクタ584及び第2の可動リダイレクタ586並びに対応するリダイレクタ・ムーバ584A、586Aは、ソース・ビーム524A及び/又はガイド・ビーム524Bを所望の態様で変向するのに適した任意の適切な設計を有することができるのが分かる。例えば、一実施例では、第1の可動リダイレクタ584及び第2の可動リダイレクタ586のそれぞれを、検流計、すなわち、リダイレクタ・ムーバ584A、586Aをそれぞれ使用して回転軸584X、586Xの周りで回転されるミラー(又は他の反射面)を含むガルバノミラー・スキャナの形態で設けることができる。或いは、可動リダイレクタ584、586は、1つ又は複数の多軸スキャナを含むことができる。ムーバ584A、586Aは、可動リダイレクタ584、586をそれぞれ回転させて、ガイド・ビーム524Bを結合光学素子582内へと、すなわち、所望の入射角で操向させるべく利用され、それにより、ガイド・ビーム524Bを結合光学素子582によってライト・ガイド・バンドル522内のライト・ガイド522Aのいずれかに選択的に集束させることができる。特に、可動リダイレクタ584、586が回転されると、可動リダイレクタ584、586は、ガイド・ビーム524Bを様々な角度で結合光学素子582、例えば集束レンズへと操向させる。これにより、ガイド・ビーム524Bが直線的に走査され、焦点がライト・ガイド・バンドル522内に実装された異なるライト・ガイド522Aに並進される。したがって、可動リダイレクタ584、586の角度を変えることによって、ガイド・ビーム524Bをライト・ガイド・バンドル522内のライト・ガイド522Aのいずれかのガイド近位端522Pへと選択的に操向させることができる。非排他的な代替実施例において、可動リダイレクタ584、586は、光機械スキャナ、検流計、又は、他の多軸ビーム・ステアリング装置に取り付けられるミラーを含むことができ、多軸ビーム・ステアリング装置は、ソース・ビーム524A及び/又はガイド・ビーム524Bを結合光学素子582を通じて所望のように向けるために使用され、そのため、ガイド・ビーム524Bは任意の所望の態様で、選択されたライト・ガイド522Aに結合される。
【0135】
更に、マルチプレクサ・アライメント・システム542の使用中、
図5に示されるように、第2のエネルギー源570からのプローブ・ソース・ビーム570Aは、最初に、第2のビームスプリッタ572に向けられ、そこからプローブ・ソース・ビーム570Aの少なくとも一部が第1のビームスプリッタ568に向けて前方に向けられる。続いて、第1のビームスプリッタ568の設計に基づいて、プローブ・ソース・ビーム570Aは、第1のビームスプリッタ568によって、第1の可動リダイレクタ584に向けて変向される。ここから、プローブ・ソース・ビーム570Aは、ソース・ビーム524A及び/又はガイド・ビーム524Bが最終的にライト・ガイド522Aに向けられて集束される際に、ソース・ビーム524A及び/又はガイド・ビーム524Bに関して前述したのと同じ経路を辿る。特に、図示のように、第1の可動リダイレクタ584は、プローブ・ソース・ビーム570Aを第2の可動リダイレクタ586に向けて変向させるように構成され、第2の可動リダイレクタ586は、その後、プローブ・ソース・ビーム570Aを結合光学素子582に向けて変向させる。前述のように、次に、第1の可動リダイレクタ584及び第2の可動リダイレクタ586のそれぞれの角度を調整することによって、プローブ・ソース・ビーム570Aを結合光学素子582によって集束させて、ガイド結合ハウジング550の面及び/又はライト・ガイド・バンドル522内のライト・ガイド522Aのそれぞれのガイド近位端部522Pの全体にわたって走査することができる。
【0136】
なお、特定の実施例では、
図5に示されるように、カテーテル・システム500は、個々のガイド・ビーム524Bがガイド結合ハウジング550の面の全体にわたって走査される際にプローブ・ソース・ビーム570Aが個々のガイド・ビーム524Bから僅かにオフセットされるように制御される。より詳細には、そのような実施例では、可動リダイレクタ584、586及び結合光学素子582は、走査プロセス中にプローブ・ソース・ビーム570Aが個々のガイド・ビーム524Bよりも僅かに先行する又は僅かに先んじるように構成及び/又は位置され得る。別の言い方をすれば、可動リダイレクタ584、586及び結合光学素子582は、ガイド・ビーム524Bからのスポットがプローブ・ソース・ビーム570Aからのスポットよりも制御された距離だけ遅れて形成されるように位置合わせされる。
【0137】
更に、前の実施例と同様に、走査プロセス中、プローブ・ソース・ビーム570Aからの集束スポット内の光の少なくとも一部は、ガイド結合ハウジング550の面及び個々のライト・ガイド522Aの面から散乱し、後方散乱エネルギー・ビーム570Bとして、結合光学素子582、第2の可動リダイレクタ586、第1の可動リダイレクタ584、及び、第1のビームスプリッタ568へと向けられて戻される。結合光学素子582によって集束及びコリメートされて、第2の可動リダイレクタ586及び第1の可動リダイレクタ584によって変向された後、後方散乱エネルギー・ビーム570Bは、第1のビームスプリッタ568から反射されて、第1のビームスプリッタ568により第2のビームスプリッタ572、例えば、10/90ビームスプリッタ又は別の適切なタイプのビームスプリッタ(すなわち、入射ビームの異なるレベルの透過率及び反射率を伴う)に向けて変向される。続いて、第2のビームスプリッタ572は、後方散乱エネルギー・ビーム570Bとして戻された光の一部、例えば大部分を光検出器576へと反射する。
【0138】
更に、幾つかの実施例において、光検出器576は、その後、ガイド結合ハウジング550の面及び個々のライト・ガイド522Aの面から散乱された可視光の部分、すなわち、光検出器576によって収集された後方散乱エネルギー・ビーム570Bの部分に基づく信号を生成する。
図5に示されるように、光検出器576からの信号は、その後、増幅器578に向けられ、そこで光検出器576からの信号が増幅される。したがって、増幅された信号は、後方散乱エネルギー・ビーム570Bの強度を決定するために、例えば信号処理電子機器526B内で利用される。
【0139】
更に、前の実施例と同様に、後方散乱エネルギー・ビーム570Bの強度が極小値であると決定されると、すなわち、信号処理電子機器526Bによって決定されると、次に、光源524を発射するのに適切な時期であると決定され、それにより、ガイド・ビーム524Bは、所望のライト・ガイド522Aのガイド近位端部522Pへと正確に向けられてそこに結合される。信号処理電子機器526B及び制御電子機器526Aは、この情報を監視してその追跡を維持する。より詳細には、システム・コントローラ526及び/又は制御電子機器526Aが走査プロセスの速度を制御し、プローブ・ソース・ビーム570Aと個々のガイド・ビーム524Bとの間のオフセットが既知である場合、プローブ・ソース・ビーム570Aを結合するための最適な位置合わせと個々のガイド・ビーム524Bがその位置にある時刻との間の時間を正確に決定することができる。これにより、カテーテル・システム500は、ガイド結合ハウジング550の面及び/又はライト・ガイド522Aのそれぞれのガイド近位端部522Pを完全に走査して、最適な結合の位置を決定し、それに応じてスポットを正確に位置決めして光源524を発射する時間を残すことができる。この一般的な概念は、光源524を発射させて個々のガイド・ビーム524Bを任意の適切な組合せ、順序、及び/又はパターンでライト・ガイド522Aのそれぞれのガイド近位端部522Pに正確に結合させるために適用できることが分かる。
【0140】
図6は、マルチプレクサ628及びマルチプレクサ・アライメント・システム642の更に別の実施例を含む、カテーテル・システム600の更に別の実施例の一部の簡略化された概略図である。特に、
図6に示されるように、カテーテル・システム600は、ガイド結合ハウジング650内に保持される複数のライト・ガイド622Aを含むライト・ガイド・バンドル622、ソース・ビーム624Aを生成する光源624、制御電子機器626A及び信号処理電子機器626Bを含むシステム・コントローラ626、マルチプレクサ628並びにマルチプレクサ・アライメント・システム642のうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0141】
ライト・ガイド・バンドル622は、任意の適切な数のライト・ガイド622Aを含むことができ、これらのライト・ガイドは、例えば、複数のライト・ガイド622Aをマルチプレクサ628及びマルチプレクサ・アライメント・システム642に対して最良に位置合わせするために、任意の適切な態様で互いに対して位置決め及び/又は方向付けられ得ることが分かる。例えば、
図6に示される実施例において、ライト・ガイド・バンドル622は、互いに概して円形の配列を成して位置合わせされる6つのライト・ガイド622Aを含み、この場合、ライト・ガイド622Aのそれぞれのガイド近位端部622Pは、ガイド結合ハウジング650内、すなわち、概して円筒形状のガイド結合ハウジング650内でガイド結合スロット656の中に保持される。ライト・ガイド・バンドル622及び/又はライト・ガイド622Aは、本明細書で上で詳細に説明したように設計及び機能が実質的に類似している。したがって、そのような構成要素は、
図6に示される実施例に関して詳細に説明されない。
【0142】
前の実施例と同様に、マルチプレクサ628は、光源624からソース・ビーム624A、例えばパルス・ソース・ビームの形態の光エネルギーを受けて、その光エネルギーを任意の所望の組合せ、順序、シーケンス、及び/又は、パターンで複数のライト・ガイド622Aのそれぞれのガイド近位端部622Pへと個々のガイド・ビーム624Bの形態で向けるように構成される。
【0143】
マルチプレクサ628の設計は、カテーテル・システム600の要件、ライト・ガイド622Aの相対的な位置付けに応じて、及び/又は、カテーテル・システム600のユーザ又はオペレータの要望に合うように変えることができる。
図6に示される実施例において、マルチプレクサ628は、リダイレクタ664、第1のビームスプリッタ668、マルチプレクサ・ステージ660、ステージ・ムーバ662、ビーム経路調整器688、及び、結合光学素子682のうちの1つ又は複数を含み、これらは、システム・コントローラ626、すなわち、制御電子機器626A及び/又は信号処理電子機器626B、並びに、本明細書で詳細に説明されるマルチプレクサ・アライメント・システム642と併せて使用される。或いは、マルチプレクサ628は、
図6に具体的に示されているものよりも多くの構成要素又は少ない構成要素を含むことができる。
【0144】
更に、前の実施例と同様に、マルチプレクサ・アライメント・システム642は、ガイド・ビーム624Bとライト・ガイド622Aのそれぞれのガイド近位端部622Pとの間の光結合を改善する手段としてライト・ガイド・バンドル622の面(すなわち、ガイド結合ハウジング650の面)及び/又はライト・ガイド・バンドル622内のライト・ガイド622Aのそれぞれのガイド近位端部622Pを精査するように構成される。
【0145】
マルチプレクサ・アライメント・システム642の形態は、カテーテル・システム600の要件、ライト・ガイド622Aの相対的な位置付けに応じて、及び/又は、カテーテル・システム600のユーザ又はオペレータの要望に合うように変えることができる。
図6に示される実施例において、マルチプレクサ・アライメント・システム642は、第2の光源670、第1のビームスプリッタ668、第2のビームスプリッタ672、ビーム経路調整器688、結合光学素子682、光検出器676、及び、増幅器678のうちの1つ又は複数を含み、これらは、システム・コントローラ626、すなわち、制御電子機器626A及び/又は信号処理電子機器626B、並びに、マルチプレクサ628と共に使用される。本明細書で詳細に説明するように、第2の光源670は、マッピング・プロセス中にライト・ガイド622Aのそれぞれのガイド近位端部622Pの全体にわたって走査するように向けられるプローブ・ソース・ビーム670Aの形態の光エネルギーを供給する。或いは、マルチプレクサ・アライメント・システム642は、
図6に具体的に示されているものよりも多くの構成要素又は少ない構成要素を含むことができる。
【0146】
前述のように、様々な実施例において、マルチプレクサ628及びマルチプレクサ・アライメント・システム642は、プローブ・ソース・ビーム670A及び個々のガイド・ビーム624Bの両方がガイド結合ハウジング650の面の全体にわたって走査している際に、第2の光源670からのプローブ・ソース・ビーム670Aが光源624からのガイド・ビーム624Bよりも僅かに先行する状態で、実質的に同時に動作するように構成される。或いは、他の実施例において、マルチプレクサ・アライメント・システム642は、個々のガイド・ビーム624Bを任意の所望のシーケンス、順序又はパターンでライト・ガイド622Aのそれぞれのガイド近位端部622Pへと向けて集束するように構成される光源624及びマルチプレクサ628の任意の使用前に第2の光源670からのプローブ・ソース・ビーム670Aでガイド結合ハウジング650の面を完全にマッピングするように構成され得る。ここで、
図6に示される実施例におけるマルチプレクサ628及びマルチプレクサ・アライメント・システム642のそれぞれの一般的な動作について更に詳しく説明する。
【0147】
マルチプレクサ628の使用中、光源624からのソース・ビーム624Aは、最初に、リダイレクタ664に向けられてこれに衝突し、リダイレクタ664は、ソース・ビーム624Aを第1のビームスプリッタ668、例えばダイクロイック・ビームスプリッタに向けて、例えば約90°又は別の適切な量だけ変向するように構成される。続いて、第1のビームスプリッタ668の設計に基づいて、ソース・ビーム624Aは、第1のビームスプリッタ668を通じてビーム経路調整器688に向けて透過される。
【0148】
図示のように、ビーム経路調整器688及び結合光学素子682は、マルチプレクサ・ステージ660に実装される及び/又はマルチプレクサ・ステージ660によって保持される。更に、
図6に例示される実施例に示されるように、ステージ・ムーバ662は、マルチプレクサ・ステージ660を回転移動させるように構成される。より詳細には、この実施例において、マルチプレクサ・ステージ660及び/又はステージ・ムーバ662は、単一の回転自由度を必要とする。更に、図示のように、マルチプレクサ・ステージ660及び/又はビーム経路調整器688は、回転軸688X上でリダイレクタ664からのソース・ビーム624Aのビーム経路と位置合わせされる。したがって、マルチプレクサ・ステージ660は、回転軸688Xを中心にステージ・ムーバ662によって回転されるように構成される。
【0149】
カテーテル・システム600の使用中、ソース・ビーム624Aは、最初に、回転軸688Xに沿ってマルチプレクサ・ステージ660に向けられる。続いて、ビーム経路調整器688は、ソース・ビーム624Aが、回転軸688Xと実質的に平行で且つ回転軸688Xから離間される方向に向けられるように、ソース・ビーム624Aを横方向に所定距離、すなわち、回転軸688Xから偏向させるように構成される。より具体的には、ビーム経路調整器688は、ガイド結合ハウジング650内のライト・ガイド622Aの円形パターンの半径と一致するようにソース・ビーム624Aを偏向させる。マルチプレクサ・ステージ660が回転されると、ビーム経路調整器688は円形の経路を辿る。
【0150】
ビーム経路調整器688が任意の適切な設計を有することができるのが分かる。例えば、特定の非排他的な代替実施例において、ビーム経路調整器688は、アナモルフィック・プリズム対、ウェッジ・プリズムの対、又は、間隔の狭い直角ミラー又はプリズムの対の形態で設けられ得る。或いは、ビーム経路調整器688は、所望の横方向ビーム・オフセットを達成するために、光学素子の別の適切な形態を含むことができる。
【0151】
更に、前述のように、結合光学素子682もマルチプレクサ・ステージ660に実装される、及び/又は、マルチプレクサ・ステージ660によって保持される。前の実施例と同様に、結合光学素子682は、最適な結合のためにガイド結合ハウジング650内に部分的に保持されるライト・ガイド・バンドル622内のライト・ガイド622Aのそれぞれに個々のガイド・ビーム624Bを集束させるように構成される。
【0152】
更に、マルチプレクサ・アライメント・システム642の使用中、
図6に示されるように、第2のエネルギー源670からのプローブ・ソース・ビーム670Aは、最初に、第2のビームスプリッタ672に向けられ、そこからプローブ・ソース・ビーム670Aの少なくとも一部が第1のビームスプリッタ668に向けて前方に向けられる。続いて、第1のビームスプリッタ668の設計に基づいて、プローブ・ソース・ビーム670Aは、第1のビームスプリッタ668によって、ビーム経路調整器688に向けて変向される。ここから、プローブ・ソース・ビーム670Aは、ソース・ビーム624A及び/又はガイド・ビーム624Bが最終的にライト・ガイド622Aへと向けられて集束される際にソース・ビーム624A及び/又はガイド・ビーム624Bに関して前述したのと同じ経路を辿る。特に、図示のように、ビーム経路調整器688は、プローブ・ソース・ビーム670Aが回転軸688Xと実質的に平行で且つ回転軸688Xから離間される方向で結合光学素子682に向けられるように、プローブ・ソース・ビーム670Aを横方向に所定距離、すなわち、回転軸688Xから偏向させるように構成される。次に、結合光学素子682は、プローブ・ソース・ビーム670Aをガイド結合ハウジング650に向けて集束させる。前述のような回転態様でステージ・ムーバ662を用いてマルチプレクサ・ステージ660を回転させることにより、その後、プローブ・ソース・ビーム670Aは、結合光学素子682によって集束され、ガイド結合ハウジング650の面及び/又はライト・ガイド・バンドル622内のライト・ガイド622Aのそれぞれのガイド近位端部622Pの周囲で円形に走査することができる。
【0153】
この実施例において、ステージ・ムーバ662は、マルチプレクサ・ステージ660を回転軸688Xの周りで回転移動させる目的に適した任意の適切な設計を有することができる。より詳細には、ステージ・ムーバ662は、任意の適切なタイプの回転機構であり得る。更に、幾つかの実施例において、ステージ・ムーバ662は、例えば、ステッピング・モーター又は圧電作動回転ステージを使用して電子的に制御され、ガイド・ビーム624Bのビーム経路を、保持されている個々のライト・ガイド622Aのそれぞれと順次整列させることができる。或いは、他の実施例において、ステージ・ムーバ662及び/又はマルチプレクサ・ステージ660は、結合光学素子682がライト・ガイド622Aのそれぞれの位置と正確に位置合わせされ得るように、機械的なストッパを備えることができる。
【0154】
前述したように、特定の実施例では、
図6に示されるように、カテーテル・システム600は、個々のガイド・ビーム624Bがガイド結合ハウジング650の面の周りで走査されるときにプローブ・ソース・ビーム670Aが個々のガイド・ビーム624Bから僅かにオフセットされるように制御される。より詳細には、そのような実施例では、ビーム経路調整器688及び結合光学素子682は、プローブ・ソース・ビーム670Aが走査プロセス中に個々のガイド・ビーム624Bよりも僅かに先行する又は僅かに先んじるように構成及び/又は位置決めされ得る。別の言い方をすれば、ガイド・ビーム624Bからのスポットがプローブ・ソース・ビーム670Aからのスポットよりも制御された距離だけ遅れて形成されるように、ビーム経路調整器688及び結合光学素子682が位置合わせされる。
【0155】
更に、前述の実施例と同様に、走査プロセス中、プローブ・ソース・ビーム670Aからの集束スポット内の光の少なくとも一部は、ガイド結合ハウジング650の面及び個々のライト・ガイド622Aの面から散乱し、後方散乱エネルギー・ビーム670Bとして、結合光学素子682、ビーム経路調整器688、及び、第1のビームスプリッタ668に向けられて戻る。結合光学素子682によって集束及びコリメートされ、ビーム経路調整器688によって変向された後、後方散乱エネルギー・ビーム670Bは、第1のビームスプリッタ668から反射されて、第1のビームスプリッタ668により第2のビームスプリッタ672、例えば、10/90ビームスプリッタ又は別の適切なタイプのビームスプリッタ(すなわち、入射ビームの異なるレベルの透過率及び反射率を伴う)に向けて変向される。続いて、第2のビームスプリッタ672は、後方散乱エネルギー・ビーム670Bとして戻された光の一部、例えば大部分を光検出器676へと反射する。
【0156】
更に、幾つかの実施例において、光検出器676は、その後、ガイド結合ハウジング650の面及び個々のライト・ガイド622Aの面から散乱された可視光の部分、すなわち、光検出器676によって収集された後方散乱エネルギー・ビーム670Bの部分に基づく信号を生成する。
図6に示されるように、光検出器676からの信号は、その後、増幅器678に向けられ、そこで光検出器676からの信号が増幅される。したがって、増幅された信号は、後方散乱エネルギー・ビーム670Bの強度を決定するために、例えば信号処理電子機器626B内で利用される。
【0157】
更に、前の実施例と同様に、後方散乱エネルギー・ビーム670Bの強度が極小値であると決定されると、すなわち、信号処理電子機器626Bによって決定されると、光源624を発射するのに適切な時期であると決定され、それにより、ガイド・ビーム624Bは、所望のライト・ガイド622Aのガイド近位端部522Pへと正確に向けられてそこに結合される。信号処理電子機器626B及び制御電子機器626Aは、この情報を監視してその追跡を維持する。より詳細には、システム・コントローラ626及び/又は制御電子機器626Aが走査プロセスの速度を制御し、プローブ・ソース・ビーム670Aと個々のガイド・ビーム624Bとの間のオフセットが既知である場合、プローブ・ソース・ビーム670Aを結合するための最適な位置合わせと個々のガイド・ビーム624Bがその位置にある時刻との間の時間を正確に決定することができる。これにより、カテーテル・システム600は、ガイド結合ハウジング650の面及び/又はライト・ガイド622Aのそれぞれのガイド近位端部622Pを完全に走査して、最適な結合の位置を決定し、それに応じてスポットを正確に位置決めして光源624を発射する時間を残すことができる。この一般的な概念は、光源624を発射させて個々のガイド・ビーム624Bを任意の適切な組合せ、順序、及び/又はパターンでライト・ガイド622Aのそれぞれのガイド近位端部622Pに正確に結合させるために適用できることが分かる。
【0158】
或いは、
図6は、ライト・ガイド622Aがマルチプレクサ・ステージ660に対して所定の位置に固定されることを示しているが、幾つかの実施例では、ライト・ガイド622Aは、所定位置に固定される結合光学素子682に対して移動、例えば回転するように構成され得るのが分かる。そのような実施例では、ガイド結合ハウジング650自体が移動し、例えば、ガイド結合ハウジング650は、回転軸688Xを中心に回転することができ、システム・コントローラ626は、回転ステージを制御して、ライト・ガイド622Aがそれぞれ所望のパターンで結合光学素子及びガイド・ビーム624Bと位置合わせされるように段階的に移動させることができる。マルチプレクサ・アライメント・システム642は、このステージの位置を監視するとともに、最適な結合のための位置を走査して決定しつつ、光源624からの投影されたガイド・スポットの動きを決定する必要がある。システムは、ステージを制御して、最適な結合のための決定された位置に到達したときにライト・ガイド622Aをガイド・ビーム624B及び結合光学素子682と位置合わせするようにステージをステップさせる。そのような実施例において、ガイド結合ハウジング650は、連続的に回転されず、所定数度だけ回転された後に、ライト・ガイド622Aの巻き取りを回避するために逆回転される。
【0159】
図7は、マルチプレクサ728及びマルチプレクサ・アライメント・システム742の更に別の実施例を含むカテーテル・システム700の更に別の実施例の一部の簡略化された概略図である。図示のように、マルチプレクサ728及びマルチプレクサ・アライメント・システム742を含む、
図7に示されるカテーテル・システム700の実施例は、
図2に関連して図示及び説明したカテーテル・システム200と実質的に同様である。例えば、図示のように、カテーテル・システム700は、この場合も先と同様に、ガイド結合ハウジング750内に保持された複数のライト・ガイド722Aを含むライト・ガイド・バンドル722と、ソース・ビーム724Aを生成する光源724と、制御電子機器726A及び信号処理電子機器726Bを含むシステム・コントローラ726と、マルチプレクサ728と、マルチプレクサ・アライメント・システム742とを含む。
【0160】
ライト・ガイド・バンドル722が任意の適切な数のライト・ガイド722Aを含むことができ、これらのライト・ガイドは、例えば、複数のライト・ガイド722Aをマルチプレクサ728及びマルチプレクサ・アライメント・システム742に対して最良に位置合わせするために、任意の適切な態様で互いに対して位置決め及び/又は方向付けられ得ることが分かる。例えば、
図4に示される実施例において、ライト・ガイド・バンドル722は、この場合も先と同様に、互いに対して概して直線状の配列を成して位置合わせされる4つのライト・ガイド722Aを含み、この場合、ライト・ガイド722Aのそれぞれのガイド近位端部722Pは、ガイド結合ハウジング750内に保持される。ライト・ガイド・バンドル722及び/又はライト・ガイド722Aは、本明細書で先に詳細に説明したように設計及び機能が実質的に類似している。したがって、そのような構成要素は、
図7に示される実施例に関して詳細に説明されない。
【0161】
前述のように、マルチプレクサ728及びマルチプレクサ・アライメント・システム742は、
図2に関連して上で詳細に説明したものと設計及び機能が実質的に類似している。特に、マルチプレクサ728は、この場合も先と同様に、マルチプレクサ・ベース758、マルチプレクサ・ステージ760、ステージ・ムーバ762、リダイレクタ764、結合光学素子766、及び、第1のビームスプリッタ768のうちの1つ又は複数を含み、これらは、システム・コントローラ726、すなわち、制御電子機器726A及び/又は信号処理電子機器726B、並びに、マルチプレクサ・アライメント・システム742と共に使用される。更に、マルチプレクサ・アライメント・システム742は、この場合も先と同様に、プローブ・ソース・ビーム770Aを生成する第2の光源770、第1のビームスプリッタ768、第2のビームスプリッタ772、光学素子774、光検出器776、及び、増幅器778のうちの1つ又は複数を含み、これらは、システム・コントローラ726、すなわち、制御電子機器726A及び/又は信号処理電子機器726B、並びに、マルチプレクサ728と共に使用される。
【0162】
しかしながら、この実施例において、カテーテル・システム700の動作モードは、マルチプレクサ・アライメント・システム742及びマルチプレクサ728のそれぞれに関する走査プロセスが互いに独立して行なわれるという点で、幾分異なる。特に、そのような実施例において、カテーテル・システム700は、マルチプレクサ728が個々のガイド・ビーム724Bを用いて実質的に同時に走査することなく、少なくとも部分的に後方散乱エネルギー・ビーム770Bとして後方散乱される第2の光源770からのプローブ・ソース・ビーム770Aにより、マルチプレクサ・アライメント・システム742がガイド結合ハウジング750の面及び/又はライト・ガイド722Aのそれぞれのガイド近位端部722Pの面の完全な走査及びマッピングを行なうように構成される。したがって、そのような実施例において、マルチプレクサ・アライメント・システム742は、全てのライト・ガイド722Aを走査し、最適な結合を与えるそれぞれのライト・ガイド722AごとにX-Y位置を見つけ、主光源724を発射することなくこれを行なう。マルチプレクサ・アライメント・システムは、ゆっくりと進んで、ガイド結合ハウジング750の面の全体にわたって完全なX-Y走査を行い、全体をマッピングする。次いで、そのような情報は、制御電子機器726Aに記憶され、位置に関するそのような情報は、その後、一次光源724のリアルタイムな発射のために使用される。この実施例において、マルチプレクサ・アライメント・システム742は、例えば
図7に示されるような第2の光源770を依然として利用できる。或いは、マルチプレクサ728によって使用及び操作されているのと同じ光源724を使用するべくマルチプレクサ・アライメント・システム742を構成することもできる。
【0163】
この代替実施例の適用において、カテーテル・システム700は、以下のステップ、すなわち、1)ユーザがガイド結合ハウジング750をシステム・コンソール123(
図1に示される)に挿入するステップと、2)カテーテル・システム700がガイド結合ハウジングを所定位置にロックして待機モードに切り替えるステップと、3)マルチプレクサ・アライメント・システム742が何らかのX-Yパターン(ジグザグなど)に従ってガイド結合ハウジング750の面の全体にわたって走査し、それぞれのライト・ガイド722Aごとに最適な結合のための位置をマッピングするステップと、4)システム・コントローラ726及び/又は制御電子機器726Aがこれらの位置の全てを記憶して準備完了モードに切り替えるステップと、5)ユーザがカテーテル102(
図1に示される)を作動させ、マルチプレクサ728がガイド結合ハウジング750の面の全体にわたって走査してそれぞれの最適なX-Y位置で停止し、光源724を発射するステップとに従って使用され得る。
【0164】
図7に記載された実施例は、
図2に関連して図示及び記載されたものと実質的に同様の実施例内で使用されるものとして示されるが、マルチプレクサ及びマルチプレクサ・アライメント・システムのそのような代替動作モードを本明細書に図示及び説明した実施例のいずれかと共に利用できることが分かる。
【0165】
本明細書で詳細に説明するように、様々な実施例ではマルチプレクサ及びマルチプレクサ・アライメント・システムを利用して、従来のカテーテル・システムに存在する問題のうちの1つ又は複数を解決することができる。例えば、
1)マルチプレクサ及びマルチプレクサ・アライメント・システムは、アセンブリの精度及び機械公差スタックアップへの光結合の依存性と、ライト・ガイド、ガイド結合ハウジング、及び関連する接続の真の位置合わせを減らし、それにより、低コストの使用、使い捨て装置の低精度コンポーネント、販売された商品のコストの改善を可能にする。
2)マルチプレクサ及びマルチプレクサ・アライメント・システムは、マルチプレクサの位置決め機構の精度、並びにその光学的及び機械的構成要素の関連する品質及び精度へのマルチプレクサの性能依存性を低減し、それにより、マルチプレクサ及びカテーテル・システム全体の速度及び性能を改善する。
【0166】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、内容及び/又は文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。また、「又は」という用語は、内容又は文脈が明確に別段の指示をしない限り、「及び/又は」を含むその意味で一般的に使用されることにも留意すべきである。
【0167】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、「構成された」という句は、特定のタスクを実行する又は特定の構成を採用するように構築又は構成されたシステム、装置、又は他の構造を表すことにも留意すべきである。「構成された」という句は、配置されて構成され、構築されて配置され、構築され、製造されて配置されなどの他の同様の句と交換可能に使用することができる。
【0168】
本明細書で使用される見出しは、米国特許法施行規則1.77に基づく提案との一貫性を保つため、又は組織的な手がかりを提供するために提供される。これらの見出しは、本開示から発行される可能性のあるいずれかの請求項に記載されている発明を限定する又は特徴づけるものと見なされてはならない。一例として、「背景技術」における技術の説明は、技術が本開示における任意の発明の先行技術であることを認めるものではない。「発明の概要」又は「要約」は、いずれも発行された特許請求の範囲に記載された発明の特徴と見なされるべきではない。
【0169】
本明細書に記載の実施例は、網羅的であること、又は本発明を以下の詳細な説明に開示される正確な形態に限定することを意図するものではない。むしろ、実施例は、当業者が原理及び実践を認識し理解できるように選択及び説明される。したがって、態様は、様々な特定の好ましい実施例及び技術を参照して説明されてきた。しかしながら、本明細書の精神及び範囲内にとどまりながら、多くの変形及び修正を行うことができることを理解されたい。
【0170】
カテーテル・システムの幾つかの異なる実施例が本明細書で例示されて説明されてきたが、任意の1つの実施例の1つ又は複数の特徴を、そのような組合せが本発明の意図を満足することを条件として、他の実施例のうちの1つ又は複数の1つ又は複数の特徴と組み合わせることができることが理解される。
【0171】
カテーテル・システムの幾つかの例示的な態様及び実施例が上で論じられてきたが、当業者は、それらの特定の修正、置換、追加、及び副次的組合せを認識できる。したがって、以下の添付の特許請求の範囲及び以下に導入される特許請求の範囲は、それらの真の思想及び範囲内にある全てのそのような修正、置換、追加及び副次的組合せを含むと解釈されることが意図され、また、本明細書に示される構造又は設計の詳細に限定は意図されない。
【国際調査報告】