(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(54)【発明の名称】1つ以上の空気ブラダを含む個々に制御可能なセルを有するベッド及び他の身体支持デバイス
(51)【国際特許分類】
A61G 7/018 20060101AFI20230612BHJP
【FI】
A61G7/018
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567496
(86)(22)【出願日】2021-05-11
(85)【翻訳文提出日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 US2021031753
(87)【国際公開番号】W WO2021231407
(87)【国際公開日】2021-11-18
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522431885
【氏名又は名称】レヴィセンス メディカル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ベルトーニ,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】カレン,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】フォックス,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ブレック,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】イーガン,トーマス,ジュニア
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040AA03
4C040BB06
4C040CC03
4C040EE02
4C040EE08
(57)【要約】
使用者の身体を支持するためのデバイス、システム、及び方法が記載されている。デバイス、システム、及び方法は、複数のセルを用いることができ、複数のセル内のセルのそれぞれは、ブラダと流体密シールを形成する基部によって支持された、空気又は別の圧縮性流体を内包するブラダを含み得る。基部及びブラダは、ブラダが基部と転動型ダイヤフラム部を形成するように構築及び配置され得る。高さ及び/又は印加圧力は、そのようなブラダの印加荷重に応答して、ブラダの断面形状及び寸法と実質的に無関係に調整可能であり得る。所与の支持体のセルのサブセット又は全部であり得る、複数のセル内のセルのそれぞれはまた、それ自体の圧力センサ、高さセンサ、若しくはこれらの両方、及び/又は制御可能な入口/出口弁を含み得る、或いはこれらと動作的に関連付けられ得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイスであって、
複数のセルであって、前記複数のセル内のそれぞれ個々のセルは、
圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、前記ブラダ内の前記圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、
前記ブラダに隣接し、前記ブラダに取り付けられ、前記ブラダと流体密シールを形成し、前記ブラダを支持する基部と、
を含み、又は動作的に関連付けられており、
前記ブラダは、前記基部とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、前記転動型ダイヤフラム部は、前記基部に沿って転動するように構成されており、前記使用者の前記身体によって前記ブラダに力が印加されると前記ブラダの体積及び高さを減少させ、
前記基部は、前記基部と機能的に関連付けられた、
前記ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、前記弁は、前記圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、
前記圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサと、
前記ブラダの前記高さを前記ブラダの可動域の大半にわたって測定するように構成された高さセンサと、
を含む、複数のセル
を含む、デバイス。
【請求項2】
使用者の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイスであって、
複数のセルであって、前記複数のセル内の前記セルのそれぞれは、
圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、前記ブラダ内の前記圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、
前記ブラダに隣接し、前記ブラダに取り付けられ、前記ブラダと流体密シールを形成し、前記ブラダを支持する基部と、
を含み、又は動作的に関連付けられており、
前記ブラダは、前記基部とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、前記転動型ダイヤフラム部は、前記基部に沿って転動するように構成されており、前記使用者の前記身体によって前記ブラダに力が印加されると前記ブラダの体積及び高さを減少させ、
前記基部は、前記基部と機能的に関連付けられた、
前記ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、前記弁は、前記圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、
前記圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサと、
前記ブラダの前記高さを+/-4mm、又は+/-3mm、又は+/-2mm以内の精度で測定するように構成された高さセンサと、
を含む、複数のセル
を含む、デバイス。
【請求項3】
使用者の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイスであって、
複数のセルであって、前記複数のセル内の前記セルのそれぞれは、
圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、前記ブラダ内の前記圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、
前記ブラダの高さを光強度と無関係に決定するように構成された光センサと、
を含む、又は動作的に関連付けられている、
複数のセル
を含む、デバイス。
【請求項4】
使用者の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイスであって、
複数のセルであって、前記複数のセル内の前記セルのそれぞれは、
圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、前記ブラダ内の前記圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、
前記ブラダの高さを決定するように構成された飛行時間型光センサと、
を含む、又は動作的に関連付けられている、
複数のセル
を含む、デバイス。
【請求項5】
使用者の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイスであって、
複数のセルであって、前記複数のセル内の前記セルのそれぞれは、
圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、前記ブラダ内の前記圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、
前記ブラダと流体連通する少なくとも1つの圧電弁であって、前記弁は、前記圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの圧電弁と、
を含む、又は動作的に関連付けられている、
複数のセル
を含む、デバイス。
【請求項6】
使用者の身体の少なくとも一部分の調整可能及び制御可能な支持を提供するためのシステムであって、
複数のセルであって、前記複数のセル内の前記セルのそれぞれは、
圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、前記ブラダ内の前記圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、
前記ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、前記弁は、前記圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、
前記圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサと、
前記ブラダの可動域の大半にわたって前記ブラダの高さを測定するように構成された高さセンサと、
を含む、又は動作的に関連付けられている、複数のセルと、
前記複数の前記セル内の前記セルのそれぞれと動作的に関連付けられたコントローラであって、前記コントローラはプロセッサを含み、前記プロセッサは、
前記圧縮性流体の前記圧力を少なくとも10mmHgに、各ブラダの前記高さを+/-5mm、+/-4mm、+/-3mm、又は+/-2mmの精度で独立制御するように、並びに
各ブラダの前記圧力及び/又は前記高さを記録する及び/又は表示する
ように構成及びプログラムされている、
コントローラと、
を含む、システム。
【請求項7】
使用者の身体の少なくとも一部分の調整可能及び制御可能な支持を提供するためのシステムであって、
複数のセルであって、前記複数のセル内の前記セルのそれぞれは、
圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、前記ブラダ内の前記圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、
前記ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、前記弁は、前記圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、
前記圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサと、
前記ブラダの可動域の大半にわたって前記ブラダの高さを測定するように構成された高さセンサと、
を含む、又は動作的に関連付けられている、複数のセルと、
前記複数の前記セル内の前記セルのそれぞれと動作的に関連付けられたコントローラであって、前記コントローラはプロセッサを含み、前記プロセッサは、
前記複数のセル内の垂直に方向付けられたブラダの第1のセットの高さを制御するように構成及びプログラムされており、前記第1のセットは少なくとも1つのブラダを含み、前記第1のセットは、前記使用者の前記身体を支持するように構成されており、
前記複数のセル内の垂直に方向付けられたブラダの第2のセットの高さを、前記第2のセットの高さを前記第1のセットの前記高さより下に維持し、前記第2のセットの前記ブラダと前記使用者の前記身体との間に隙間を提供するよう制御するように構成及びプログラムされており、前記第2のセットは少なくとも1つのブラダを含む、
コントローラと、
を含む、システム。
【請求項8】
使用者の身体の少なくとも一部分の調整可能及び制御可能な支持を提供するためのシステムであって、
複数のセルであって、前記複数のセル内の前記セルのそれぞれは、
圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、前記ブラダ内の前記圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、
前記ブラダの可動域の大半にわたって前記ブラダの高さを測定するように構成された高さセンサと、
を含む、又は動作的に関連付けられている、複数のセルと、
前記複数の前記セル内の前記セルのそれぞれと動作的に関連付けられたコントローラであって、前記コントローラはプロセッサを含み、前記プロセッサは、
前記複数の垂直に方向付けられたブラダの少なくとも第1のセットが前記圧縮性流体で拡張されたときに、当該システムの前記使用者及び/又はオペレータが、前記第1のセットの少なくともサブセットをサブセット高さまで手動で押し下げ、前記サブセット高さの高さ制御設定点を起動することを可能にするように構成及びプログラムされており、
前記ブラダの前記サブセットの高さを前記サブセット高さに+/-5mm、+/-4mm、+/-3mm、又は+/-2mm以内の精度で維持するように構成及びプログラムされている、
コントローラと、
を含む、システム。
【請求項9】
使用者の身体を支持するためのシステムであって、
前記使用者の前記身体に隣接する複数のセルであって、前記複数のセル内の前記セルのそれぞれは、
前記使用者の前記身体を支持するための頂面を有するブラダと、
前記ブラダ内の流体圧力を支持及び維持するために、前記ブラダの底部部分と隣接し、流体密シールを形成する基部であって、前記ブラダは、前記基部とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、前記転動型ダイヤフラムは、前記患者の前記身体によって前記ブラダに力が印加されると前記支持要素に沿って転動するように構成されている、基部と、
使用時に、前記頂面が前記基部より上の高さにあるように前記ブラダを拡張させる、前記ブラダ内の圧縮性流体と、
を含み、又は動作的に関連付けられており、
前記基部は、前記基部と機能的に関連付けられた、
前記ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、前記弁は、前記圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、
前記圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサと、
前記ブラダの可動域の大半にわたって、前記基部より上の前記ブラダの前記頂面の前記高さを測定するように構成された高さセンサと、
を含む、複数のセル
を含み、
前記複数のセルの身体支持面トポロジーは、前記複数の前記セルのそれぞれの前記頂面の前記高さによって集合的に画定され、
コントローラが前記複数の前記セル内の前記セルのそれぞれと電子通信し、動作的に関連付けられており、前記コントローラは、前記身体支持面トポロジーを測定、記録、表示、及び/又は制御するように構成並びにプログラムされたプロセッサを含む、
システム。
【請求項10】
使用者の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイスであって、
複数のセルであって、前記複数のセル内の前記セルのそれぞれは、
圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、前記ブラダ内の前記圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、
前記ブラダの状態又はステータスを示すために、各ブラダを別々に及び制御可能に照明するように配置された、各セルと関連付けられた照明と、
を含む、又は動作的に関連付けられている、
複数のセル
を含む、デバイス。
【請求項11】
使用者の身体を支持する方法であって、
前記使用者の前記身体を複数のセルに隣接させて配置することであって、前記複数のセル内の前記セルのそれぞれは、
ブラダと、
前記ブラダ内の圧縮性流体と、
前記ブラダに隣接し、前記ブラダに取り付けられ、前記ブラダと流体密シールを形成し、前記ブラダを支持する基部と、
を含み、又は動作的に関連付けられており、
前記ブラダは、前記基部とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、前記転動型ダイヤフラムは、前記使用者の前記身体によって前記ブラダに力が印加されると前記基部に沿って転動するように構成されている、ことと、
各セルに関して、
前記ブラダ内の前記圧縮性流体の圧力を圧力センサによって測定することと、
前記ブラダの高さを、前記ブラダの可動域の大半にわたって前記ブラダの高さを決定するように構成された高さセンサによって測定することと、
前記セルの前記高さ及び/又は前記圧力を調整することと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの弁は比例弁である、請求項1、2、6、7、又は9のいずれか一項に記載のデバイス又はシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの弁は圧電要素を含む、請求項1、2、6、7、又は9のいずれか一項に記載のデバイス又はシステム。
【請求項14】
前記弁、前記圧力センサ、及び/又は前記高さセンサのいずれか1つ以上は、前記基部内に配置されている及び/又は前記基部に組み込まれている、請求項1、2、6、7、又は9のいずれか一項に記載のデバイス又はシステム。
【請求項15】
前記弁、前記圧力センサ、及び/又は前記高さセンサのいずれか1つ以上は、前記基部から遠隔に配置され、前記基部と機能的に相互接続されている、請求項1、2、6、7、又は9のいずれか一項に記載のデバイス又はシステム。
【請求項16】
少なくとも前記弁は、前記基部から遠隔に配置され、前記基部と機能的に相互接続されている、請求項1、2、6、7、又はのいずれか一項に記載のデバイス又はシステム。
【請求項17】
少なくとも前記弁及び前記圧力センサは、前記基部から遠隔に配置され、前記基部と機能的に相互接続されている、請求項1、2、6、7、又は9のいずれか一項に記載のデバイス又はシステム。
【請求項18】
前記弁及び/又は前記圧力センサは、前記基部と流体的に相互接続されている、請求項1、2、6、7、又は9のいずれか一項に記載のデバイス又はシステム。
【請求項19】
前記高さセンサは、前記ブラダの全可動域にわたって前記ブラダの前記高さを測定するように構成されている、請求項1、2、6、7、8、9、又は11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
前記複数のセル内の前記セルのそれぞれは、前記ブラダに隣接し、前記ブラダに取り付けられ、前記ブラダと流体密シールを形成し、前記ブラダを支持する基部を更に含む、請求項3~8又は10のいずれか一項に記載のデバイス又はシステム。
【請求項21】
前記ブラダは、前記基部とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、前記転動型ダイヤフラムは、前記基部に沿って転動するように構成されており、前記使用者の前記身体によって前記ブラダに力が印加されると前記ブラダの体積及び高さを減少させる、請求項3~8又は10のいずれか一項に記載のデバイス又はシステム。
【請求項22】
前記複数のセル内の前記セルのそれぞれは、前記ブラダに隣接し、前記ブラダに取り付けられ、前記ブラダと流体密シールを形成し、前記ブラダを支持する基部を更に含み、前記基部は、前記光センサと機能的に関連付けられている、請求項3に記載のデバイス。
【請求項23】
前記ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、前記弁は、前記圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている少なくとも1つの弁と、前記圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサとを更に含む、請求項3~5、8、又は10のいずれか一項に記載のデバイス又はシステム。
【請求項24】
前記飛行時間型センサが前記ブラダの前記高さを検出するために必要な時間は、200ms以下である、請求項4に記載のデバイス。
【請求項25】
前記飛行時間型センサが前記ブラダの前記高さを検出するために必要な時間は、10ms~100msである、請求項4に記載のデバイス。
【請求項26】
前記基部は、前記少なくとも1つの圧電弁と機能的に関連付けられている、請求項5に記載のデバイス。
【請求項27】
前記圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサを更に含む、請求項3、4、5、8、又は10のいずれか一項に記載のデバイス又はシステム。
【請求項28】
前記ブラダの前記高さを前記ブラダの可動域の大半にわたって測定するように構成された高さセンサを更に含む、請求項3、4、又は5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項29】
前記プロセッサは、前記ブラダの前記サブセットの高さを前記サブセット高さに+/-20mm以内の精度で維持するように構成及びプログラムされている、請求項6、7、又は9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
前記プロセッサは、前記ブラダの前記サブセットの高さを前記サブセット高さに+/-5mm以内の精度で維持するように構成及びプログラムされている、請求項6、7、又は9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記プロセッサは、前記ブラダの前記サブセットの高さを前記サブセット高さに+/-4mm以内の精度で維持するように構成及びプログラムされている、請求項6、7、又は9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
前記プロセッサは、前記ブラダの前記サブセットの高さを前記サブセット高さに+/-2mm以内の精度で維持するように構成及びプログラムされている、請求項6、7、又は9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
前記ブラダに下向きの力が印加されたときに前記ブラダの幅は実質的に変化しない、請求項1~32のいずれか一項に記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項34】
前記複数のセルのそれぞれの前記高さ及び/又は前記圧力を個々に制御するように構成及びプログラムされたプロセッサを有するコントローラを含む、請求項1~5又は10~11のいずれか一項に記載のデバイス又は方法。
【請求項35】
前記ブラダの全可動域は250mm以下である、請求項1~34のいずれか一項に記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項36】
前記ブラダの全可動域は少なくとも70mmである、請求項1~35のいずれか一項に記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項37】
前記ブラダの全可動域は10cm~18cmである、請求項1~36のいずれか一項に記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項38】
各セルに関して、高さ/圧力データを時間の関数として表示/記録するように構成されたコントローラを含む、請求項1~5又は10~11のいずれか一項に記載のデバイス又は方法。
【請求項39】
前記ブラダと前記使用者の前記身体との間に隙間の領域を提供するために、前記複数の1つ以上のセルの高さをより低い高さに維持するように構成されたコントローラを含む、請求項1~5又は10~11のいずれか一項に記載のデバイス又は方法。
【請求項40】
前記複数のセルと異なる大きさにされ、異なるように構成され、及び/又は異なるように配置された追加的なセルを含む、請求項1~39のいずれか一項に記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項41】
流体的に相互接続され、群として制御可能なように構成された追加的なセルを含む、請求項1~40のいずれか一項に記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項42】
前記高さセンサは光センサを含む、請求項1、2、6~9、又は11のいずれか一項に記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項43】
前記高さセンサは、飛行時間型光高さセンサを含む、請求項1、2、6~9、又は11のいずれか一項に記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項44】
前記基部は、流入/流出弁を含む、請求項1、2、9、又は11のいずれか一項に記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項45】
前記基部は、圧力センサを含む、請求項1、2、9、又は11のいずれか一項に記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項46】
前記圧電値は、前記ブラダの所望の圧力及び/又は高さを維持するために、前記圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、請求項13に記載のデバイス又はシステム。
【請求項47】
前記隙間は10mm以下である、請求項7に記載のシステム。
【請求項48】
前記隙間は1mm超である、請求項7に記載のシステム。
【請求項49】
前記ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁を含み、前記弁は、前記圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項50】
前記ブラダ内の前記圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された少なくとも1つの圧力センサを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項51】
前記サブセット高さは、前記第1のセットの残りの押し下げられていないセルと10mm以下だけ異なる、請求項8に記載のシステム。
【請求項52】
前記サブセット高さは、前記第1のセットの残りの押し下げられていないセルと5mm以下だけ異なる、請求項8に記載のシステム。
【請求項53】
前記サブセット高さは、前記第1のセットの残りの押し下げられていないセルと4mm以下だけ異なる、請求項8に記載のシステム。
【請求項54】
前記サブセット高さは、前記第1のセットの残りの押し下げられていないセルと3mm以下だけ異なる、請求項8に記載のシステム。
【請求項55】
前記サブセット高さは、前記第1のセットの残りの押し下げられていないセルと2mm以下だけ異なる、請求項8に記載のシステム。
【請求項56】
前記サブセット高さは、前記第1のセットの残りの押し下げられていないセルと1mm以下だけ異なる、請求項8に記載のシステム。
【請求項57】
前記高さ制御設定点は、当該システムの前記使用者及び/又は前記オペレータによってキャンセル又はリセットされるまで前記コントローラによって維持される、請求項8に記載のシステム。
【請求項58】
前記複数のセルのサブセットのサブセット高さを調整することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項59】
前記複数のセルのサブセットを、前記複数の前記セルの残りと異なる高さに配置することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項60】
前記複数のセルの各セルの読み取り値を提供することを更に含み、前記読み取り値は、高さ値及び/又は圧力値を示す、請求項11に記載の方法。
【請求項61】
前記圧縮性流体は空気である、請求項1~60のいずれか一項に記載のデバイス、方法、又はシステム。
【請求項62】
ベッド、マットレス、又は車椅子などの椅子のシート若しくはアームレスト用の支持クッションとの関連で使用されるように構成されている、請求項1~61のいずれか一項に記載のデバイス、方法、又はシステム。
【請求項63】
前記圧縮性流体の前記圧力は約50mmHg~約100mmHgである、請求項6に記載の方法。
【請求項64】
前記圧縮性流体の前記圧力は約26mmHgである、請求項6に記載の方法。
【請求項65】
前記圧縮性流体の前記圧力は約10mmHgである、請求項6に記載の方法。
【請求項66】
前記精度は+/-10mmである、請求項6に記載の方法。
【請求項67】
前記精度は+/-5mmである、請求項6に記載の方法。
【請求項68】
前記隙間は、1mm以上且つ200mm以下である、請求項7に記載のシステム。
【請求項69】
使用者の身体の少なくとも一部分の調整可能及び制御可能な支持を提供するためのシステムであって、
複数のセルであって、前記複数のセル内の前記セルのそれぞれは、
圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、前記ブラダ内の前記圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、
前記ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、前記弁は、前記圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、
前記圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサと、
を含む、又は動作的に関連付けられている、複数のセルと、
前記複数の前記セル内の前記セルのそれぞれと動作的に関連付けられたコントローラであって、前記コントローラはプロセッサを含み、前記プロセッサは、
前記圧縮性流体が各セルの前記ブラダ内に収容されている時間長を測定し、各セルの圧力時間値を決定し、
各セルの前記圧力時間値を所定の閾値と比較し、
前記圧力時間値が、前記使用者の前記身体に対する損傷のリスクを示す前記所定の閾値を超える前記複数のセル内のセルの前記圧力を低下させ、
前記圧力時間値が、前記使用者の前記身体に対する損傷のリスクを示す前記所定の閾値を超えない前記複数のセル内のセルの前記圧力を維持する又は増加させる
ように構成及びプログラムされている、コントローラと、
を含む、システム。
【請求項70】
前記使用者の前記身体に対する損傷のリスクを示す所定の閾値は、Gefenの曲線及び/又はReswick & Rogersの曲線に少なくとも部分的に基づく、請求項69に記載のシステム。
【請求項71】
前記複数のセル内の前記セルのそれぞれは、前記ブラダの可動域の大半にわたって前記ブラダの高さを測定するように構成された高さセンサを更に含む、請求項69に記載のシステム。
【請求項72】
前記コントローラの前記プロセッサは更に、前記圧力時間値が、前記使用者の前記身体に対する損傷のリスクを示す前記所定の閾値を超える前記複数のセル内の前記セル及び/又は前記圧力時間値が、前記使用者の前記身体に対する損傷のリスクを示す前記所定の閾値を超えない前記複数のセル内の前記セルの前記高さを制御するように構成及びプログラムされている、請求項71に記載のシステム。
【請求項73】
前記コントローラの前記プロセッサは更に、少なくとも1つのセルの前記圧力時間値が前記所定の閾値を超えると当該システムのオペレータに通知するように構成及びプログラムされている、請求項69に記載のシステム。
【請求項74】
前記コントローラの前記プロセッサは更に、前記使用者による当該システムの使用時間にわたって前記複数のセルのそれぞれの前記圧力時間値履歴を記録する及び/又は報告するように構成及びプログラムされている、請求項69に記載のシステム。
【請求項75】
前記複数のセルのそれぞれは、前記ブラダに隣接し、前記ブラダに取り付けられ、前記ブラダと流体密シールを形成し、前記ブラダを支持する基部を含み、前記ブラダは、前記基部とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、前記転動型ダイヤフラムは、前記使用者の前記身体によって前記ブラダに力が印加されると前記基部に沿って転動するように構成されている、請求項69に記載のシステム。
【請求項76】
前記所定の閾値は、前記使用者の前記身体に対する損傷のリスクを示す、請求項69に記載のシステム。
【請求項77】
使用者の身体の少なくとも一部分の調整可能及び制御可能な支持を提供するためのシステムであって、
複数のセルであって、前記複数のセル内の前記セルのそれぞれは、
圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、前記ブラダ内の前記圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、
前記ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、前記弁は、前記圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、
前記圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサと、
前記ブラダの可動域の大半にわたって前記ブラダの高さを測定するように構成された高さセンサと、
を含む、又は動作的に関連付けられている、複数のセルと、
前記複数の前記セル内の前記セルのそれぞれと動作的に関連付けられたコントローラであって、前記コントローラはプロセッサを含み、前記プロセッサは、
前記複数のセルの各セル内の前記圧縮性流体の圧力を所定圧力に調整し、
前記所定圧力における前記複数のセルの各セルの高さを決定し、
使用者又はオペレータ選択支持面終了状態トポグラフィを達成するために前記複数のセルの各セルの目標高さ設定及び/又は目標圧力設定を計算し、
前記複数のセルの各セルを、各セルの前記目標高さ設定及び/又は前記目標圧力設定に基づいて選択的に加圧する
ように構成及びプログラムされている、コントローラと、
を含む、システム。
【請求項78】
前記プロセッサは更に、前記複数のセルの各セルを、各セルの前記目標高さ設定及び/又は前記目標圧力設定に基づいて選択的に加圧する前記工程の後、
a.前記複数のセルの各セルの目標高さ設定及び/又は目標圧力設定に調整された前記複数のセルの各セルの高さを測定し、
b.前記工程(a)で決定された最小セル高さを目標最小高さ閾値と比較し、
c.各セル内の前記圧縮性流体の前記圧力を選択的に調整し、これに続いて、前記工程(a)で決定された前記最小セル高さが前記目標最小高さ閾値に一致するまで工程(a)及び工程(b)を繰り返す
ように構成及びプログラムされている、請求項77に記載の使用者の身体の少なくとも一部分の調整可能及び制御可能な支持を提供するためのシステム。
【請求項79】
使用者又はオペレータ選択支持面終了状態トポグラフィを達成するために前記複数のセルの各セルの目標高さ設定及び/又は目標圧力設定を計算することは、前記最小圧力にて測定された前記複数のセルの各セルの前記高さに数学的変換を適用することを含む、請求項78に記載のシステム。
【請求項80】
前記数学的変換は三角関数を含む、請求項79に記載のシステム。
【請求項81】
前記数学的変換は算術関数を含む、請求項79に記載のシステム。
【請求項82】
前記複数のセルのそれぞれは、前記ブラダに隣接し、前記ブラダに取り付けられ、前記ブラダと流体密シールを形成し、前記ブラダを支持する基部を含み、前記ブラダは、前記基部とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、前記転動型ダイヤフラムは、前記使用者の前記身体によって前記ブラダに力が印加されると前記基部に沿って転動するように構成されている、請求項78に記載のシステム。
【請求項83】
使用者の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイスであって、
複数のセルであって、前記複数のセル内のそれぞれ個々のセルは、
圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、前記ブラダ内の前記圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、
前記ブラダに隣接し、前記ブラダに取り付けられ、前記ブラダと流体密シールを形成し、前記ブラダを支持する基部と、
を含む、複数のセル
を含み、
前記ブラダは、前記基部とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、前記転動型ダイヤフラム部は、前記基部に沿って転動するように構成されており、前記使用者の前記身体によって前記ブラダに力が印加されると前記ブラダの体積及び高さを減少させ、
前記ブラダは、前記基部に取り付けられ、前記基部と前記流体密シールを形成するように成形及び構成された第1の端部と、前記使用者の前記身体に支持力を印加するように構成された使用者支持面を含む第2の端部とを含み、前記ブラダは、前記基部に対する前記ブラダの長軸の角度方向を実質的に変えることなく、前記使用者支持面の角度方向を調整することができるように成形及び構成されている、
デバイス。
【請求項84】
基部支持体に取り付けられ、前記基部支持体と流体密シールを形成するように構成されているブラダであって、当該ブラダは、前記基部支持体とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、当該ブラダに力が印加されると当該ブラダの体積及び高さを減少させ、当該ブラダは、前記基部支持体に取り付けられ、前記基部支持体と流体密シールを形成するように構成された第1の開放端部と、当該ブラダが使用されている支持デバイスの使用者の身体に支持力を印加するように構成された使用者支持面を提供する第2の閉鎖端部とを有するように成形されており、
当該ブラダが前記基部支持体に取り付けられているとき、当該ブラダは、前記基部支持体に対する前記ブラダの長軸の角度方向を実質的に変えることなく、前記使用者支持面の角度方向を調整することができるように成形及び構成されていること、
を含む、ブラダ。
【請求項85】
前記複数のセルは、2~20個のブラダを含む少なくとも1つのセルを含む、請求項1~83のいずれか一項に記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項86】
前記複数のセルは、2~10個のブラダを含む少なくとも1つのセルを含む、請求項85に記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項87】
前記複数のセルは、2~5個のブラダを含む少なくとも1つのセルを含む、請求項86に記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項88】
前記複数のセルは、3個のブラダを含む少なくとも1つのセルを含む、請求項87に記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項89】
前記複数のセルは、16個のブラダを含む、請求項85に記載のデバイス、システム、又は方法。
【請求項90】
前記所定圧力は最小動作圧力である、請求項77に記載のシステム。
【請求項91】
前記所定圧力は最大動作圧力である、請求項77に記載のシステム。
【請求項92】
使用者の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイスであって、
圧縮性流体を内包するように構成された2~20個のブラダであって、前記ブラダ内の前記圧縮性流体によって拡張可能な前記2~20個のブラダを含む少なくとも1つのセルと、
各ブラダに隣接し、各ブラダに取り付けられ、各ブラダと流体密シールを形成し、各ブラダを支持する共通基部と、
を含む、複数のセル
を含み、
各ブラダは、前記基部とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、前記転動型ダイヤフラム部は、前記基部に沿って転動するように構成されており、前記使用者の前記身体によって前記ブラダに力が印加されると前記ブラダの体積及び高さを減少させ、
前記基部は、前記基部と機能的に関連付けられた、
前記ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、前記弁は、前記圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、
前記圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された少なくとも1つの圧力センサと、
各ブラダと関連付けられた、各ブラダの前記高さを各ブラダの可動域の大半にわたって測定するように構成されている高さセンサと、
を収容する又は含む、
デバイス。
【請求項93】
前記複数のセルは、2~10個のブラダを含む少なくとも1つのセルを含む、請求項92に記載のデバイス。
【請求項94】
前記複数のセルは、2~5個のブラダを含む少なくとも1つのセルを含む、請求項93に記載のデバイス。
【請求項95】
前記複数のセルは、3個のブラダを含む少なくとも1つのセルを含む、請求項94に記載のデバイス。
【請求項96】
前記複数のセルは、16個のブラダを含む、請求項92に記載のデバイス。
【請求項97】
使用者の身体の少なくとも一部分の調整可能及び制御可能な支持を提供するためのデバイスであって、
複数のセルであって、前記複数のセル内の前記セルのそれぞれは、
気密ブラダであって、前記ブラダに供給され、前記ブラダ内に収容された空気を内包し、前記空気によって拡張させることができるように構成された気密ブラダと、
前記ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、前記弁は、前記圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、
を含む、又は動作的に関連付けられている、
複数のセルと、
前記複数のセルのブラダを取り囲む、前記複数のセルのブラダの間の空間に通気を提供するように構成された通気システムであって、空気が前記通気システムによって循環されて通気を提供し、前記通気システムによって循環させる前記空気は、前記ブラダを拡張させるために、前記ブラダに供給され、前記ブラダ内に収容される前記空気ではない、通気システムと、
を含む、デバイス。
【請求項98】
前記複数のセルの前記ブラダを取り囲む通気空間を更に含む、請求項97に記載のデバイス。
【請求項99】
前記通気システムは、前記複数のセルの前記ブラダを取り囲む前記通気空間の複数の別個の領域に空気流を選択的に提供するように構成されており、当該デバイスは、前記複数の前記セル内の前記セルのそれぞれと前記通気システムとに動作的に関連付けられたコントローラを更に含む支持システムの一部であり、前記コントローラはプロセッサを含み、前記プロセッサは、前記ブラダの拡張を制御するように及び前記通気システムの動作を制御するように構成及びプログラムされている、請求項97に記載のデバイス。
【請求項100】
前記通気システムは、少なくとも1つのダクト及び少なくとも1つのファンを含む、請求項97~99のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項101】
前記複数のセル内の前記セルのそれぞれは、
前記圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサと、
前記ブラダの可動域の大半にわたって前記ブラダの高さを測定するように構成された高さセンサと、
を更に含む、又は動作的に関連付けられている、請求項97~100のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項102】
前記ブラダは、基部支持体とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、前記ブラダに力が印加されると前記ブラダの体積及び高さを減少させ、前記ブラダは、前記基部支持体に取り付けられ、前記基部支持体と流体密シールを形成するように構成された第1の開放端部と、前記デバイスの使用者の身体に支持力を印加するように構成された使用者支持面を提供する第2の閉鎖端部とを有するように成形されている、請求項97~100のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項103】
前記コントローラは、プロセッサを含み、前記プロセッサは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を介した使用者又はオペレータ入力に応答し、
a.前記GUIを介して行われた使用者又はオペレータによる設定点調整、
b.前記通気空間の別個の領域又は前記通気空間の別個の領域に隣接する支持面の一部分の測定温度、及び/又は
c.前記通気空間の別個の領域又は前記通気空間の別個の領域に隣接する支持面の一部分の測定湿度、
の少なくとも1つに応答して、前記複数のセルの前記ブラダを取り囲む前記通気空間の前記複数の別個の領域の1つ以上に空気を選択的に供給するように前記通気システムを制御するよう構成及びプログラムされている、
請求項99に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、2020年5月12日に出願された「Beds and Other Body Support Devices with Individually Controllable Air Bladders」という名称の米国仮特許出願第63/023,805号及び2020年12月29日に出願された「Beds and Other Body Support Devices with Individually Controllable Air Bladders」という名称の米国仮特許出願第63/131,619号の優先権を主張する。これらはそれぞれ、あらゆる目的において参照により全体が本明細書中に組み込まれる。
【0002】
技術分野
使用者の身体を支持するためのデバイス、システム、及び方法、特に、転動型ダイヤフラムタイプのものであり得る複数の個々に制御可能な空気ブラダを含む支持体が全般的に記載される。
【背景技術】
【0003】
背景
マットレス、クッション、及び椅子のシート、アームレスト等などの様々な支持デバイスが知られており、医療ケア、高度看護、及びパーソナルケア分野で使用者の身体を支持するために使用されている。例えば、従来のマットレスは、身体を支持するためにばね要素のアレイを含み得る。使用者がこのような従来のマットレスに横たわるといくつかのばねが圧縮される。圧縮のレベルが増加するにつれて使用者の体重がマットレスにかかった結果、ばねの抵抗力が増加する。この増加する抵抗は、患者の解剖学的構造の突出した領域に集中する傾向にあり、特に寝たきりの患者において、圧迫潰瘍、例えば、ステージIII及びステージIVの圧迫潰瘍などの病変又は他の局所循環障害の原因となる可能性がある。圧迫潰瘍又は圧迫損傷は、圧力又は圧力がせん断と組み合わさった結果としての、皮膚及び/又はその下の組織の局所的損傷である。圧迫損傷は、通常、骨の突起上に発生するが、医療デバイス又は他の物体にも関連し得る。解剖学的構造の隆起領域は、マットレスにより深く入り込む傾向があり、近接領域よりも大きな力を受けやすいため、局所的な血液循環が低下する又はせん断が生じる可能性が高くなることから、褥瘡がより発生しやすい。
【0004】
既存の従来の支持デバイス上に配置されているときにより高い圧力に曝される患者の身体の領域(すなわち、圧力点)は望ましくなく、使用者に害をもたらす可能性がある。寝たきりの患者の圧力点を低減するための現在の方法には、圧力点が上述の病変につながらないように、例えば、支持デバイス上の患者の位置を頻繁に移動させること又は回転させることが含まれる。この手法は幾分有用となり得るが、看護師などの外部使用者が患者を物理的に移動させることが必要である。この追加の労作は時間がかかり、コストがかかり、看護師及び/又は患者の怪我につながる可能性もある。
【0005】
患者の圧力に起因する損傷を低減するためのエアフローテーション治療(AFT:Air Floatation Treatment)患者支持デバイスなどの他のデバイスは周知である。これらは非常に複雑で高価であり、使用及び維持が困難なため、通常、重篤な病気及び怪我の最終的な治療手段としてのみ使用される。これらはまた、支持圧及び又は支持高さ(the support pressure and or support height of)を患者の身体の異なる領域に対して異なるように制御する機能を提供する機能を欠いている。
【0006】
空気ブラダマットレス及び他の患者支持デバイスも周知であるが、このようなデバイスは、通常、個々のブラダの圧力及び高さなどのパラメータの個別化された測定又は制御を可能にしない、及び/又は使用者の身体又はその一部の様々な支持高さ又は支持面への沈み深さにわたって使用者の身体に印加される圧力を制御することができない。したがって、改良されたデバイス、システム、及び方法が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
病院、リハビリテーション施設、他の高度看護施設、又は在宅医療の患者などの使用者の身体を支持するためのデバイス、システム、及び方法が記述される。デバイス、システム、及び方法は、複数のセルを用いることができ、複数のセル内のセルのそれぞれはブラダを含み得、ブラダは、圧縮性流体、例えば空気を内包し得るブラダと圧力下でシール(「流体密」シール)を形成する基部によって支持され得る。特定の好ましい実施形態では、基部及びブラダは、ブラダが拡張及び収縮する際に基部の少なくとも一部分の上に及びその上で転動する転動型ダイヤフラム部を、基部がブラダ、すなわちブラダの一部分と形成するように構築及び配置され、本明細書に説明及び図示される。以下でより詳細に説明するように、このような設計は、そのようなブラダの印加荷重に応答して、高さ及び/又は印加圧力をブラダの断面形状及び寸法と実質的に無関係に調整することを可能にすることができる。特定の実施形態では、所与の支持体のセルのサブセット又は全部であり得る、複数のセル内のセルのそれぞれはまた、それ自体の圧力センサ、高さセンサ、若しくはこれらの両方、及び/又は制御可能な入口/出口弁を含み得る、或いはこれらと動作的に関連付けられ得る。セルのブラダは、流体(好ましくは、圧縮性流体)で充填することができ、圧力センサ及び高さセンサを使用して、ブラダ内の流体の圧力及び特定のセルのブラダの高さを測定することができる。各セル又は複数のセル内のセルの任意の選択された群又はサブセットの制御により、患者の解剖学的構造の特定の突起物の場所及び/又は特に敏感な領域(例えば、カテーテル、整形外科用支持デバイス、傷口、潰瘍、火傷、植皮片、術後部位など)における接触圧力の緩和を患者に提供することができる一方で、患者の解剖学的構造の他の領域に対する適切で快適な全体的支持を維持する。本発明の対象は、場合によっては、相互に関係する製品、特定の課題の代替的な解決策、及び/又は1つ以上のシステム及び/又は物品の複数の異なる使用を含む。
【0008】
一態様では、使用者の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイスであって、複数のセルであって、複数のセル内のそれぞれ個々のセルは、圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、ブラダ内の圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、ブラダに隣接し、ブラダに取り付けられ、ブラダと流体密シールを形成し、ブラダを支持する基部とを含み、ブラダは、基部とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、転動型ダイヤフラム部は、基部に沿って転動するように構成されており、使用者の身体によってブラダに力が印加されるとブラダの体積及び高さを減少させ、基部は、基部と機能的に関連付けられた、ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、弁は、圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサと、ブラダの高さをブラダの可動域の大半にわたって測定するように構成された高さセンサと、を含む、複数のセルを含む、デバイスが記載されている。
【0009】
別の態様では、使用者の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイスであって、複数のセルであって、複数のセル内のセルのそれぞれは、圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、ブラダ内の圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、ブラダに隣接し、ブラダに取り付けられ、ブラダと流体密シールを形成し、ブラダを支持する基部と、を含み、ブラダは、基部とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、転動型ダイヤフラム部は、基部に沿って転動するように構成されており、使用者の身体によってブラダに力が印加されるとブラダの体積及び高さを減少させ、基部は、基部と機能的に関連付けられた、ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、弁は、圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサと、+/-5mm、+/-4mm、+/-3mm、又は+/-2mm以内の精度でブラダの高さを測定するように構成された高さセンサと、を含む、複数のセルを含む、デバイスが記載されている。
【0010】
別の態様では、使用者の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイスであって、複数のセルであって、複数のセル内のセルのそれぞれは、圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、ブラダ内の圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、ブラダの高さを光強度と無関係に決定するように構成された光センサとを含む、又は動作的に関連付けられている、複数のセルを含むデバイスが記載されている。
【0011】
別の態様では、使用者の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイスであって、複数のセルであって、複数のセル内のセルのそれぞれは、圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、ブラダ内の圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、ブラダの高さを決定するように構成された飛行時間型光センサとを含む、又は動作的に関連付けられている、複数のセルを含むデバイスが記載されている。
【0012】
更に別の態様では、使用者の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイスであって、複数のセルであって、複数のセル内のセルのそれぞれは、圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、ブラダ内の圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、ブラダと流体連通する少なくとも1つの圧電弁であって、弁は、圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの圧電弁とを含む、又は動作的に関連付けられている、複数のセルを含む、デバイスが記載されている。
【0013】
更に別の態様では、使用者の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイスであって、複数のセルであって、複数のセル内のセルのそれぞれは、圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、ブラダ内の圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、ブラダの状態又はステータスを示すために、各ブラダを別々に及び制御可能に照明するように配置された、各セルと関連付けられた照明とを含む、又は動作的に関連付けられている、複数のセルを含む、デバイスが記載されている。
【0014】
また、使用者の身体の少なくとも一部分の調整可能及び制御可能な支持を提供するためのプロセッサ制御システムが開示される。一態様では、使用者の身体の少なくとも一部分の調整可能及び制御可能な支持を提供するためのシステムであって、複数のセルであって、複数のセル内のセルのそれぞれは、圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、ブラダ内の圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、弁は、圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサと、ブラダの可動域の大半にわたってブラダの高さを測定するように構成された高さセンサと、を含む、又は動作的に関連付けられている、複数のセルと、複数のセル内のセルのそれぞれと動作的に関連付けられたコントローラであって、コントローラはプロセッサを含み、プロセッサは、圧縮性流体の圧力を少なくとも10mmHgに、各ブラダの高さを+/-20mmの精度に独立制御するように、並びに各ブラダの圧力及び/又は高さを記録する及び/又は表示するように構成及びプログラムされている、コントローラと、を含む、システムが記載されている。
【0015】
別の態様では、使用者の身体の少なくとも一部分の調整可能及び制御可能な支持を提供するためのシステムであって、複数のセルであって、複数のセル内のセルのそれぞれは、圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、ブラダ内の圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、弁は、圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサと、ブラダの可動域の大半にわたってブラダの高さを測定するように構成された高さセンサと、を含む、又は動作的に関連付けられている、複数のセルと、複数のセル内のセルのそれぞれと動作的に関連付けられたコントローラであって、コントローラはプロセッサを含み、プロセッサは、複数のセル内の垂直に方向付けられたブラダの第1のセットの高さを制御するように構成及びプログラムされており、第1のセットは少なくとも1個のブラダを含み、第1のセットは、使用者の身体を支持するように構成されており、複数のセル内の垂直に方向付けられたブラダの第2のセットの高さを、第2のセットの高さを第1のセットの高さより下に維持し、第2のセットのブラダと使用者の身体との間に隙間を提供するよう制御するように構成及びプログラムされており、第2のセットは少なくとも1個のブラダを含む、コントローラとを含む、システムが記載されている。
【0016】
更にまた別の態様では、使用者の身体の少なくとも一部分の調整可能及び制御可能な支持を提供するためのシステムであって、複数のセルであって、複数のセル内のセルのそれぞれは、圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、ブラダ内の圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、ブラダの可動域の大半にわたってブラダの高さを測定するように構成された高さセンサと、を含む、又は動作的に関連付けられている、複数のセルと、複数のセル内のセルのそれぞれと動作的に関連付けられたコントローラであって、コントローラはプロセッサを含み、プロセッサは、複数の垂直に方向付けられたブラダの少なくとも第1のセットが圧縮性流体で拡張されたときに、システムの使用者及び/又はオペレータが、第1のセットの少なくともサブセットをサブセット高さまで手動で押し下げ、サブセット高さの高さ制御設定点を起動することを可能にするように構成及びプログラムされており、ブラダのサブセットの高さをサブセット高さに+/-5mm、+/-4mm、+/-3mm、又は+/-2mm以内の精度で維持するように構成及びプログラムされている、コントローラと、を含む、システムが記載されている。
【0017】
別の態様では、使用者の身体を支持するためのシステムであって、使用者の身体に隣接する複数のセルであって、複数のセル内のセルのそれぞれは、使用者の身体を支持するための頂面を有するブラダと、ブラダ内の流体圧力を支持及び維持するために、ブラダの底部部分と隣接し、流体密シールを形成する基部であって、ブラダは、基部とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、転動型ダイヤフラムは、患者の身体によってブラダに力が印加されると支持要素に沿って転動するように構成されている、基部と、使用時に、頂面が基部より上の高さにあるようにブラダを拡張させる、ブラダ内の圧縮性流体と、を含み、又は動作的に関連付けられており、基部は、基部と機能的に関連付けられた、ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、弁は、圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサと、ブラダの可動域の大半にわたって、基部より上のブラダの頂面の高さを測定するように構成された高さセンサと、を含む、複数のセルを含み、複数のセルの身体支持面トポロジーは、複数のセルのそれぞれの頂面の高さによって集合的に画定され、コントローラが複数のセル内のセルのそれぞれと電子通信し、動作的に関連付けられており、コントローラは、身体支持面トポロジーを測定、記録、表示、及び/又は制御するように構成及びプログラムされたプロセッサを含むシステムが記載されている。
【0018】
更に別の態様においては、使用者の身体の少なくとも一部分の調整可能及び制御可能な支持を提供するためのシステムが記載されている。システムは、複数のセルであって、複数のセル内のセルのそれぞれは、圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、ブラダ内の圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、弁は、圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサとを含む、又は動作的に関連付けられている、複数のセルを含む。いくつかの実施形態では、システムはまた、複数のセル内のセルのそれぞれと動作的に関連付けられたコントローラであって、コントローラはプロセッサを含み、プロセッサは、圧縮性流体が各セルのブラダ内に収容されている時間長を測定し、各セルの圧力時間値を決定し、各セルの圧力時間値を所定の閾値と比較し、圧力時間値が所定の閾値を超える、複数のセル内のセルの圧力を低下させ、圧力時間値が所定の閾値を超えない複数のセル内のセルの圧力を維持する又は増加させるように構成及びプログラムされている、コントローラを含む。いくつかの実施形態では、所定の閾値は、使用者の身体に対する損傷のリスクを示す。
【0019】
別の態様では、使用者の身体の少なくとも一部分の調整可能及び制御可能な支持を提供するためのシステムであって、複数のセルであって、複数のセル内のセルのそれぞれは、圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、ブラダ内の圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、弁は、圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサと、ブラダの可動域の大半にわたってブラダの高さを測定するように構成された高さセンサとを含む、又は動作的に関連付けられている、複数のセルと、複数のセル内のセルのそれぞれと動作的に関連付けられたコントローラであって、コントローラはプロセッサを含み、プロセッサは、複数のセルの各セル内の圧縮性流体の圧力を最小圧力に低減し、最小圧力における複数のセルの各セルの高さを決定し、使用者又はオペレータ選択支持面終了状態トポグラフィを達成するために複数のセルの各セルの目標高さ設定及び/又は目標圧力設定を計算し、複数のセルの各セルを、各セルの目標高さ及び/又は目標圧力設定に基づいて選択的に加圧するように構成及びプログラムされている、コントローラとを含む、システムが記載されている。
【0020】
更に別の態様では、使用者の身体の少なくとも一部分の調整可能及び制御可能な支持を提供するためのシステムであって、更に、複数のセルの各セルを、各セルの目標高さ及び/又は目標圧力設定に基づいて選択的に加圧する工程の後、a.複数のセルの各セルの目標高さ及び/又は目標圧力設定に調整された複数のセルの各セルの高さを測定し、b.工程(a)で決定された最小セル高さを目標最小高さ閾値と比較し、c.各セル内の圧縮性流体の圧力を選択的に調整し、これに続いて、工程(a)で決定された最小セル高さが目標最小高さ閾値に一致するまで工程(a)及び工程(b)を繰り返すように構成及びプログラムされ得るシステムが記載されている。
【0021】
更に別の態様では、使用者の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイスであって、複数のセルであって、複数のセル内のそれぞれ個々のセルは、圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、ブラダ内の圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、ブラダに隣接し、ブラダに取り付けられ、ブラダと流体密シールを形成し、ブラダを支持する基部と、を含む、複数のセルを含み、ブラダは、基部とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、転動型ダイヤフラム部は、基部に沿って転動するように構成されており、使用者の身体によってブラダに力が印加されるとブラダの体積及び高さを減少させ、ブラダは、基部に取り付けられ、基部と流体密シールを形成するように成形及び構成された第1の端部と、使用者の身体に支持力を印加するように構成された使用者支持面を含む第2の端部とを含み、ブラダは、基部に対するブラダの長軸の角度方向を実質的に変えることなく、使用者支持面の角度方向を調整することができるように成形及び構成されている、デバイスが記載されている。
【0022】
更に別の態様では、複数のセルであって、複数のセル内のセルのそれぞれは、圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、ブラダ内の圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、弁は、圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサと、を含む、又は動作的に関連付けられている、複数のセルと、複数のセル内のセルのそれぞれと動作的に関連付けられたコントローラであって、コントローラはプロセッサを含み、プロセッサは、圧縮性流体が各セルのブラダ内に収容されている時間長を測定し、各セルの圧力時間値を決定し、各セルの圧力時間値を所定の閾値と比較し、圧力時間値が、使用者の身体に対する損傷のリスクを示す所定の閾値を超える、複数のセル内のセルの圧力を低下させ、圧力時間値が、使用者の身体に対する損傷のリスクを示す所定の閾値を超えない複数のセル内のセルの圧力を維持する又は増加させるように構成及びプログラムされている、コントローラと、を含む、使用者の身体の少なくとも一部分の調整可能及び制御可能な支持を提供するためのシステムが開示される。
【0023】
更に別の態様では、複数のセルであって、複数のセル内のセルのそれぞれは、圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、ブラダ内の圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、弁は、圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサと、ブラダの可動域の大半にわたってブラダの高さを測定するように構成された高さセンサとを含む、又は動作的に関連付けられている、複数のセルと、複数のセル内のセルのそれぞれと動作的に関連付けられたコントローラとを含む、使用者の身体の少なくとも一部分の調整可能及び制御可能な支持を提供するためのシステムが開示される。コントローラは、複数のセルの各セル内の圧縮性流体の圧力を所定圧力(例えば、最小動作圧力又は最大動作圧力)に低減し、所定圧力における複数のセルの各セルの高さを決定し、使用者又はオペレータ選択支持面終了状態トポグラフィを達成するために複数のセルの各セルの目標高さ設定及び/又は目標圧力設定を計算し、複数のセルの各セルを、各セルの目標高さ及び/又は目標圧力設定に基づいて選択的に加圧するように構成及びプログラムされたプロセッサを含む。
【0024】
更に別の態様では、複数のセルであって、複数のセル内のそれぞれ個々のセルは、圧縮性流体を内包するように構成されたブラダであって、ブラダ内の圧縮性流体によって拡張可能なブラダと、ブラダに隣接し、ブラダに取り付けられ、ブラダと流体密シールを形成し、ブラダを支持する基部とを含む、複数のセルを含み、ブラダは、基部とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、転動型ダイヤフラム部は、基部に沿って転動するように構成されており、使用者の身体によってブラダに力が印加されるとブラダの体積及び高さを減少させ、ブラダは、基部に取り付けられ、基部と流体密シールを形成するように成形及び構成された第1の端部と、使用者の身体に支持力を印加するように構成された使用者支持面を含む第2の端部とを含み、ブラダは、基部に対するブラダの長軸の角度方向を実質的に変えることなく、使用者支持面の角度方向を調整することができるように成形及び構成されている、使用者の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイスが開示される。
【0025】
更に別の態様では、圧縮性流体を内包するように構成された、ブラダ内の圧縮性流体によって拡張可能な2~20個(いくつかの実施形態では、例えば、3個、8個、又は16個)のブラダを含む少なくとも1つのセルと、各ブラダに隣接し、各ブラダに取り付けられ、各ブラダと流体密シールを形成し、各ブラダを支持する共通基部と、を含む複数のセルを含み、各ブラダは、基部とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、転動型ダイヤフラム部は、基部に沿って転動するように構成されており、使用者の身体によってブラダに力が印加されるとブラダの体積及び高さを減少させ、基部は、基部と機能的に関連付けられた、ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、弁は、圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、圧縮性流体の圧力を測定するように適合及び構成された少なくとも1つの圧力センサと、各ブラダと関連付けられた、各ブラダの高さを各ブラダの可動域の大半にわたって測定するように構成されている高さセンサと、を収容する又は含む、使用者の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイスが開示される。
【0026】
更に別の態様では、基部支持体に取り付けられ、基部支持体と流体密シールを形成するように構成されている改良されたブラダであって、ブラダは、基部とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、ブラダに力が印加されるとブラダの体積及び高さを減少させ、ブラダは、基部支持体に取り付けられ、基部支持体と流体密シールを形成するように構成された第1の開放端部と、ブラダが使用されている支持デバイスの使用者の身体に支持力を印加するように構成された使用者支持面を含む第2の閉鎖端部とを有するように成形されており、ブラダが基部支持体に取り付けられているとき、ブラダは、基部支持体に対するブラダの長軸の角度方向を実質的に変えることなく、使用者支持面の角度方向を調整することができるように成形及び構成されていることを含む、改良されたブラダが開示されている。
【0027】
更に別の態様では、基部支持体に取り付けられ、基部支持体と流体密シールを形成するように構成されているブラダであって、ブラダは、基部とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、ブラダに力が印加されるとブラダの体積及び高さを減少させ、基部支持体に取り付けられ、基部支持体と流体密シールを形成するように構成された第1の開放端部を有するように成形され、ブラダが使用されている支持デバイスの使用者の身体に支持力を印加するように構成された使用者支持面を提供する第2の閉鎖端部を有する、ブラダが開示される。ブラダは、ブラダが基部支持体に取り付けられているとき、基部支持体に対するブラダの長軸の角度方向を実質的に変えることなく、使用者支持面の角度方向を調整することができるように成形及び構成されていることを含む改良を更に含む。
【0028】
また、使用者の身体を支持する方法が開示される。一態様では、使用者の身体を支持する方法であって、使用者の身体を複数のセルに隣接させて配置することであって、複数のセル内のセルのそれぞれは、ブラダと、ブラダ内の圧縮性流体と、ブラダに隣接し、ブラダに取り付けられ、ブラダと流体密シールを形成し、ブラダを支持する基部と、を含み、ブラダは、基部とともに転動型ダイヤフラム部を形成し、転動型ダイヤフラムは、使用者の身体によってブラダに力が印加されると基部に沿って転動するように構成されている、ことと、各セルに関して、ブラダ内の圧縮性流体の圧力を圧力センサによって測定することと、ブラダの高さを、ブラダの可動域の大半にわたってブラダの高さを決定するように構成された高さセンサによって測定することと、セルの高さ及び/又は圧力を調整することと、を含む、方法が記載されている。
【0029】
また、開示されているのは、使用者の身体の少なくとも一部分の調整可能及び制御可能な支持を提供するためのデバイスであって、複数のセルであって、複数のセル内のセルのそれぞれは、気密ブラダであって、ブラダに供給され、ブラダ内に収容された空気を内包し、空気によって拡張させることができるように構成された気密ブラダと、ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁であって、弁は、圧縮性流体の流入及び/又は流出を制御するように構成されている、少なくとも1つの弁と、を含む、又は動作的に関連付けられている、複数のセルと、複数のセルのブラダを取り囲む、複数のセルのブラダの間の空間に通気を提供するように構成された通気システムであって、空気が通気システムによって循環されて通気システムを提供し、通気システムによって循環させる空気は、ブラダを拡張させるために、ブラダに供給され、ブラダ内に収容される空気ではない、通気システムと、を含む、デバイスである。
【0030】
本発明の他の利点及び新規な特徴は、本発明の様々な非限定的な実施形態の以下の詳細な説明を添付の図と併せて考慮すると明らかになるであろう。参照により組み込まれた文書が本明細書と矛盾する及び/又は一致しない開示を含む場合、本明細書が優先するものとする。
【0031】
図面の簡単な説明
本発明の非限定的な実施形態を、概略図であり、縮尺通りに描かれることを意図していない添付の図を参照し、例として説明する。図中、図示される各同一の又はほぼ同一の構成要素は、一般に、単一の符号によって表される。当業者が本発明を理解できるようにするための説明が必要ない場合、明確化のために、全図の全構成要素に符号が付されるわけではなく、本発明の各実施形態の全構成要素が示されるわけでもない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】いくつかの実施形態による、複数のセルによって使用者の身体を支持するためのデバイスの概略図である。
【
図1B】一実施形態による、支持システムを組み込んだ病院ベッドの画像である。
【
図1C】いくつかの実施形態による、支持フレーム又はベッドフレームに取り付けること及びそこから取り外すことができるプレート上に取り付けられた、支持デバイスの複数のセルを概略的に示す。
【
図2A】いくつかの実施形態による、ブラダと弁を備える基部とを含む個々の転動型ダイヤフラムセルの概略図である。
【
図2B】いくつかの実施形態による、
図2Dに示される転動型ダイヤフラムセルで使用される略円筒状ブラダの第1の実施形態の概略図である。
【
図2C】いくつかの実施形態による、
図2Dに示される転動型ダイヤフラムセルで使用されるテーパしたブラダを備える略円筒状ブラダの第2の実施形態の概略図である。
【
図2D】いくつかの実施形態による、支持基部及びブラダを備え、基部は、高さセンサ、圧力センサ、比例弁を含む完全なセルを概略的に示す図である。
【
図3A】一実施形態セットによる、セルの関節式ブラダの概略図を示す。
【
図3B】一実施形態セットによる、セルの関節式ブラダの概略図を示す。
【
図3C】一実施形態による、内部構成要素を示すために分解されたブラダ、セル、及びセンサユニットの写真画像である。
【
図4A】いくつかの実施形態による、3個のブラダを備え、共通の支持基部が3個のブラダの共通圧力マニホールドとして機能し、基部が、各ブラダと関連付けられた、各ブラダの高さを測定するための別個の高さセンサ、圧力センサ、及び比例弁を含む完全なセルの図を概略的に示す図である。
【
図4B】いくつかの実施形態による、3個のブラダを備え、共通の支持基部が3個のブラダの共通圧力マニホールドとして機能し、基部が、各ブラダと関連付けられた、各ブラダの高さを測定するための別個の高さセンサ、圧力センサ、及び比例弁を含む完全なセルの図を概略的に示す図である。
【
図5A】いくつかの実施形態による、セル内の空気圧を制御するように構成された制御システムの概略図である。
【
図5B】特定の実施形態による、セルの空気圧及び/又は高さを制御するために、圧力センサ、高さセンサ、及び比例弁と電子通信するように構成されたマイクロプロセッサを含む制御システムの概略図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、マニホールドに接続された比例弁を有するセルに加圧空気を供給するための空気供給及び制御システムの概略図である。
【
図7】一実施形態セットによる、異なるように方向付けられた支持面を提供するために異なる高さに制御されたセルのいくつかのゾーンを概略的に示す。
【
図8A】一実施形態セットによる、使用者の近傍に隙間の領域を提供するためにセルの少なくとも一部分が押し下げられている複数のセルの色分けされた高さ表示を表示する、システムのグラフィカルユーザインターフェースのディスプレイの画像を示す。
【
図8B】支持面トポロジー及びセル高さが
図8Aに示される色分けされた表示に対応する、本発明の支持システム上に横たわっている使用者の写真画像である。
【
図9】いくつかの実施形態による、セルの手動での押し下げを、周囲のセルの表示された全体的な設定点圧力又は高さよりも低い圧力及び/又は高さに制御することを可能にするように構成された、コントローラの制御下でのセル高さ制御及び表示プロセスを示すフローチャートである。
【
図10】一実施形態による、隣り合う隣接セルが支持のために加圧されたままである一方で、圧抜きされたセルのコントローラによって作成された空隙内に載置されている便器を有する支持システムを概略的に示す。
【
図11A】一実施形態による、サポートセルの頂面(上)及び各セルの圧力を表示するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)(下)を概略的に示す。
【
図11B】いくつかの実施形態による、時間変化周期に従って、隣り合う隣接セルよりも低い圧力に制御されたセルのゾーンを概略的に示す。
【
図11C】いくつかの実施形態による、局所圧力緩和領域を維持するために、隣り合う隣接セルよりも低い圧力に制御されたセルのゾーンを概略的に示す。
【
図12】いくつかの実施形態による、支持デバイスのコントローラのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)のいくつかの制御モードオプションを示す。
【
図13A】いくつかの実施形態による、
図14~
図14Cに示されるグラフデータに対応する、使用者に対する水平面、冠状面、及び矢状面を示す概略図である。
【
図13B】いくつかの実施形態による、1つ以上のセルの高さの刻み幅を変更するために使用される数学的変換の適用の結果を示す、水平面で取った全体的な支持面の断面を含む、セルの行のブラダ高さ輪郭を示すグラフである。
【
図13C】いくつかの実施形態による、1つ以上のセルの高さの刻み幅を変更するために使用される数学的変換の適用の結果を示す、水平面で取った全体的な支持面の断面を含む、セルの行のブラダ高さ輪郭を示すグラフである。
【
図13D】いくつかの実施形態による、1つ以上のセルの高さの刻み幅を変更するために使用される数学的変換の適用の結果を示す、矢状面で取った全体的な支持面の断面を含む、セルの行のブラダ高さ輪郭を示すグラフである。
【
図13E】
図13B~
図13Dのグラフの説明で使用される水平プラン(transverse plan)断面と矢状/頭尾面断面を示すオーバレイを有する、制御/表示システムの一実施形態と関連付けられたディスプレイの一実施形態によって示された支持面の冠状面のセル高さマップ図を示す。
【
図14】一実施形態セットによる、使用者又はオペレータが選択した支持プロファイル又は目標を達成するために、数学的変換によって適用することによって高さを調整することにより使用者の沈みを制御するためのコントローラ介在制御アルゴリズムを説明するフローチャートである。
【
図15】一実施形態による、支持面を構成する複数のセルの各セルの高さ及び圧力を示す、支持デバイスの支持面の身体支持トポロジーマップを提供する3つのバリエーションを示すディスプレイの画像である。
【
図16】一実施形態セットによる、異なる材料を含むいくつかのセルの接触圧力対変位のプロットを示す。
【
図17】一実施形態セットによる、浸漬合成ゴム製転動型ダイヤフラム支持面上に横たわる患者の圧力分布マップを示す。
【
図18】いくつかの実施形態による、患者-セル境界面の通気及び患者-セル境界面の温度の制御を容易にするために、ブラダに隣接する、ブラダの頂部と患者接触面との間の空間内の空気流を促進するように構成されたセル実施形態の概略図である。
【
図19A】ブラダ間の空間内の空気又は別のガスを循環させるための通気システムを含む支持デバイス実施形態を上から見下ろした図を示す概略漫画図(schematic cartoon)である。
【
図19B】通気システムを含む支持デバイス(明確化のためにブラダ及びセルは取り除かれている)の足の近辺の部分を上から見下ろした部分図を示す概略図である。
【
図19C】説明の目的で1つのセル/ブラダのみが設置されており、取り付けられた制御システムのGUIが示されている、
図19Aの支持デバイスの左側部分図である。
【
図19D】説明の目的で5つのブラダ/セルが設置されている、
図19Aの支持デバイスの断面図である。
【
図19E】ヘッダ内に収容されたブロワを示すために通気システムの空気供給ヘッダ部が透明にされ、GUIが設置された、
図19Aに示される、支持デバイスの足の近辺の部分の斜視部分図である。
【
図20A】いくつかの実施形態による、ブラダ内の流体の圧力を制御するための、圧力測定、圧力センサの較正、及び弁の状態の制御のフィードバックループを含む、システムのコントローラによって圧力を設定点に制御するための基本圧力制御アルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図20B】いくつかの実施形態による、選択されたセル高さ設定点にセルを維持するために、ブラダ内の流体の圧力を制御するための、圧力測定、圧力センサの較正、及び弁の状態の制御のフィードバックループを含む、印加された圧力に応答し、システムのコントローラによってセル高さを設定点に制御するための高さ制御アルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図21A】一実施形態による、セルのブラダの拡張及び収縮を制御するための圧電弁の構成を示す概略図である。
【
図21B】一実施形態による、セルのブラダの拡張及び収縮を制御するための圧電弁の構成を示す概略図である。
【
図21C】一実施形態による、セルのブラダの拡張及び収縮を制御するための圧電弁の構成を示す概略図である。
【
図21D】一実施形態による、セルのブラダの拡張及び収縮を制御するための圧電弁の構成を示す概略図である。
【
図22】一実施形態による、複数のセルが、非水平に(例えば垂直に)方向付けられ得る或いは垂直に対して角度を成すことができる、の両方である支持システムを概略的に示す。
【
図23】1つの例セットによる、患者の組織損傷の可能性に関して、圧力を時間の関数として示すGefenの曲線及びReswick & Rogersの曲線のプロットを示す。
【
図24】いくつかの実施形態による、圧迫損傷のリスクを低減するために、複数のセルの個々のセルの圧力を圧力-時間測定に基づいて調整するためのコントローラ介在制御アルゴリズムを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
詳細な説明
使用者(例えば、病院、リハビリテーションセンター、アシストケア施設、ホスピス、在宅医療環境等内の患者)の身体を支持するためのデバイス、システム、及び方法が本明細書中に記載される。様々なデバイスは、用途に応じて、ベッド、マットレス、座面、アームレスト、ヘッドレストなどとして構成され得る。以下の実施形態の多くは、患者の急性又は慢性ケア用の病院又は医療施設のベッドとの関連で説明され、特定の実施形態は、典型的な先行技術に対して改良され、そのような目的に特に適した特徴及び利点を提供する。しかし、他の実施形態においては、本明細書中に記載されるシステム及びデバイスは、家庭用のベッド又はマットレス、一般的な睡眠補助のための使用、シートクッション、車椅子クッション、患者輸送システム、ヘッドレスト、アームレスト等などの他の目的又は用途のために使用され得る。医療用途、例えば、圧力制御、高さ制御、マッサージ機能、使用者の位置転換等を意図したデバイスに関して以下に記載する特徴及び利点の多くは、本開示の利益を有する当業者には理解され得るように、他の目的の有利な有用性も提供することができる。
【0034】
特定の実施形態では、使用者の身体又はその少なくとも一部分の支持は、複数のセルによって提供され得、各セルは、セルを支持するための基部と、少なくとも1個の拡張可能なブラダとを含み得、少なくとも1個の拡張可能なブラダは、それが基部に取り付けられている場所で、セルの動作圧力で実質的に漏れ(例えば、流体の漏れ)のないシール(すなわち、「流体密」又は「圧密」シール)を形成する。特定の実施形態では、ブラダは、垂直に方向付けられており、これは、その完全に拡張した高さ(すなわち、基部から、使用時に使用者の身体に隣接して配置されるブラダの頂面まで延びる第1の方向に測定される)が、第1の方向に垂直な方向に測定される完全に拡張したブラダの最大断面寸法を少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2、5、10倍以上超えることを意味する。
【0035】
ある特に好ましい実施形態では、垂直に方向付けられたブラダは、基部とともに、基部上で転動型ダイヤフラムを形成するように設計されている。このような転動型ダイヤフラム設計は、ダイヤフラムの可動域の全部又は大部分にわたって精密な、実質的に高さに依存しない患者接触圧力制御を可能にすることができ、セルダイヤフラムの幅(すなわち、上記のように、高さ方向に対して垂直な方向に測定される完全に拡張したブラダの最大断面寸法)の大きな変化なくセルダイヤフラム高さの大きな変化をもたらすブラダのたわみ、侵入(infiltration)、拡張、及び収縮を可能にする。本開示での使用に適応させるのに好適なタイプの転動型ダイヤフラムサポートセルは、望ましい患者接触圧力を正確に提供及び制御するそれらの機能とともに、参照により本明細書中に組み込まれる、本出願人によって共通所有されている以下の特許及び公開された特許出願に記載されている:米国特許第8,572,783号及び国際公開第2014/153049号。例えば、
図1Aに、使用者105の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイス100が示されている。使用者105は、垂直に向けられた複数のセル110上に水平に載っている。複数のセル内の様々なセル(例えば、セル200aに対してセル200b)は、図に示されるように、使用者105に支持を提供するために異なる高さであり得る。使用者が支持システム上に横たわっていないとき、複数のセルは、
図1Bに関連して示されるように、同じ高さを有することができ、
図1Cは、支持デバイス100内の複数のセル110のセットを概略的に示す。
【0036】
転動型ダイヤフラム設計を有する実施形態において、ダイヤフラムは、使用者(例えば、患者、介護者、看護師)からの力(例えば圧力)がブラダに印加されると、ブラダの直径を実質的に増加させることなくブラダの体積及び高さが減少するように、基部に沿って転動するように構成され得、ブラダは、使用者を支持するための反対の力を提供するために、空気などの圧縮性流体を内包する。例えば、
図2Aに示されるように、セル200は、空気215で充填されたブラダ210を含む。ブラダ210は、基部220と流体密シール201を形成し、基部220は、流体215の流入及び流出を提供するための、弁付流体経路225などの弁を含み得る。転動型ダイヤフラム部230は、ブラダ210の直径202を増加させることなくブラダ210が基部220に沿って転動することを可能にする。いくつかの実施形態では、セルは、
図2Bに示されるような略円筒状の形状のブラダを含む。いくつかの実施形態では、セルは、
図2Cに概略的に示すように、セルの基部に近づくにつれてテーパする(すなわち、ブラダは、ブラダの頂部部分からブラダの底部部分への方向に沿って狭くなる)ブラダを含む。
【0037】
様々なセル及びブラダ構造が可能である。例えば、いくつかの実施形態では、ブラダは、関節運動し、又は身体の輪郭により容易に合致し、ブラダの一部のみが身体に接触すると、又は身体がセル及びブラダに対し角度を成して配置されると、印加される圧力を減少させるように適合及び構成され得る。例えば、
図3Aは、主要本体部分310と基部嵌合部315とを有するセルブラダ300を示す。ブラダ主要本体部分310は、基部315に近づくにつれて下方向にテーパする円筒形を有する。ブラダ300の頂部部分320は、周方向に凹んだ関節運動可能なジョイント領域322を介してブラダ主要本体部分310に接続している。頂部部分320は、セル300と使用者の身体との間の関節運動を向上させるために使用者の身体の輪郭に合致し得る周囲斜縁部321を含んでもよい。ジョイント領域322はまた、使用者の身体の動きに追従するためにより大きな関節運動を提供するために、頂部部分320が角度的に旋回することを可能にするように構成されている。例えば、
図3Bにおいて、ジョイント領域322は、頂部部分320がその
図3Aの位置に対して角度を成すように傾いている。この特徴により、使用者の身体に対して支持及び快適性の向上を提供することができる。
【0038】
図3Cは、分解された状態の、本明細書に記載及び図示されるような例示的なセル及びブラダの写真画像を示す。図はまた、関連するセンサ330及び圧電弁334を示す。
【0039】
複数のセルのうちの少なくともいくつかのセルの圧力及び高さ(
図2Dの「H」を参照)の両方を制御することができるが、いくつかの実施形態では、それぞれ個々のセル(例えば、各セルと関連付けられた少なくとも1個のブラダ、及び単一のブラダと関連付けられたセルの場合、その対応する基部より上の各そのような個々のブラダ)の圧力及び/又は高さは、複数のセル内の隣接するセルから独立して及び/又は又は複数のセル内の隣接するセルとともに制御され得る。更に、特定の実施形態では、複数のセル内の個々のセルの高さ及び圧力の同時及び正確な決定は、各セル内の、又は遠隔的に配置されているが各セルと機能的に関連付けられた、それぞれ高さセンサ及び圧力センサによって決定され得る。以下で更に説明するように、これにより、使用者の身体用の既存の支持システムを上回るいくつかの利点を提供することができる。なぜなら、特定のセル又はセルの群若しくはゾーン(すなわち、全てのセルのサブセット)を異なる圧力及び/又は高さに制御し(例えば、隣接する、隣り合うセルに対して押し下げることができる)、使用者の身体に対する接触圧力が低減された又はない領域を提供することができるからである。これにより、潰瘍、若しくは傷口、火傷、術後創傷領域などの患者の解剖学的構造の突起物又は敏感な領域、呼吸管のカテーテル等の取り付けられたデバイス、整形外科デバイス、結腸瘻バッグ、陰圧創傷治療デバイスなどにかかる接触圧力から患者を解放することができる。これは、通常、既存の支持システムによっては提供されない特徴である。
【0040】
いくつかの実施形態では、単一のブラダと関連付けられる個々のセル(したがって、個々のブラダの分解能で高さ及び圧力制御を提供する)に加えて又はその代わりに、コスト削減戦略として及び/又は制御/メンテナンス/製造の複雑さを簡略化するために、例えば、独立的な高さ/圧力制御の空間分解能があまり重要とならない可能性のある表面の領域内に、2個以上のブラダと関連付けられた共通基部を有するセルが含まれてもよい。このような実施形態では、複数のブラダを、互いに独立して又は一緒に制御され得る単一のセルにグループ化することができ、このようなセルの圧力の独立制御は、その関連付けられたブラダに対して共通の圧力及び圧力制御を提供する。そのようなセルと(特定の実施形態では、各そのようなセルの共通基部と)関連付けられるブラダの数は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、16、20個以上、2~20、2~16、2~10、又は2~5個、場合によっては、3、8、又は16個のブラダなどの任意の適切なものであってよい)。
【0041】
例えば、
図4Aに、3個のブラダセル400の一実施形態が示されている。セル400は、組み合わされてトリプルブラダ構成を形成している3個の転動ブラダ410を含む。3個のブラダ410は、1つ以上のセンサ(例えば、圧力センサ、高さセンサ)並びにセル及び3個のブラダ内の圧力を制御するための入口/出口弁を収容し得る又はこれらと機能的に関連付けられ得る共通基部419と関連付ける(are associate with)。好ましい実施形態(しかし任意)では、センサ430などの別個の高さセンサが、セルと関連付けられたそれぞれ個々のブラダと関連付けられ、その高さを独立して測定することができる。共通基部419は、ブラダ取付部420と、セル及び3つのブラダ全てに加圧流体(例えば圧縮空気)を提供するマニホールド/プレナムに基部を接続することを可能にすることができるマニホールド/ハウジング部440とを含み得る。
図4Bは、組み立てられたセルを示す。いくつかの実施形態では、トリプルブラダセル構成は、ブラダの高さ及び/又は圧力が一緒に(すなわちユニットとして)制御され得るように、一緒に動作させることができる。複数のブラダのセットを一緒に単一のセルにグループ化することは、特に、そのようなセルが、使用者の身体に対して圧力点の高度の分解能を必要としない場合のある使用者の身体の部分(例えば、脚、腕)に隣接して配置される場合、又は使用者が占める頻度が低い支持面の領域(例えば末梢領域)内に配置される場合、全体的な性能を実質的に妥協することなく、例えば上記の理由から有益であり得る。このような、複数のブラダの単一のセルへのグループ化により、各ブラダが独自の弁を有するよりもむしろブラダが弁を共有することができるようにブラダを共にグループ化することによって、支持システムに必要な弁の数を削減することができる。特定の実施形態では、使用者の身体のより敏感な部分(例えば、頭部、胴部、殿部など)に通常隣接する支持面の領域において、(例えば、
図2D及び
図3Cに示されるような)個々のブラダと関連付けられたセル(すなわち、個々のブラダの分解能レベルでの圧力及び/又は高さ制御を可能にする)が用いられ得る。
【0042】
代替的な実施形態では、共通圧力制御下でグループ化されて単一の制御可能セルがもたらされるブラダを有するよりもむしろ、2個以上のブラダと関連付けられた共通基部が、その関連付けられた2個以上のブラダを有する共通基部が支持面の2つ以上の(すなわち、ブラダの数に等しい)別々に制御可能なセルとして機能するように、各ブラダの流体隔離並びに独立圧力測定及び制御を可能にするように構成され得る。
【0043】
上記のように、特定の実施形態では、複数のセルは、複数のセルのブラダ内の流体(例えば、圧縮性流体)の圧力を測定するように適合及び構成された1つ以上の圧力センサと機能的に関連付けることができ、特定の実施形態では、複数のセルの1つ以上のセルの各ブラダの高さをその可動域の大半にわたって(例えば、場合によっては、その可動域の実質的に全体にわたって)測定するように構成された1つ以上の高さセンサを含み得る。特定の実施形態では、複数のセルの全てのブラダが、複数のブラダの全て、多く、いくつか、又は少なくとも1個の他のブラダに流体的に接続され得、相互接続されたブラダは、圧力及び/又は高さ設定点の観点で他のブラダに対して独立制御できないが、好ましい実施形態では、支持デバイスは、複数のセル内の各セル(すなわち、それぞれ個々のセル)が、高さ及び圧力を他から独立して制御可能な単一のブラダと関連付けられた複数のセルを含む。場合によっては、そのような個々に制御可能な単一のブラダのセルが、支持面を構成するセルの全総数を形成する。他の実施形態では、複数の独立制御可能な単一のブラダのセルは、圧力及び/又は高さのより精密な空間的制御が望ましい支持デバイスの1つ以上のセクション(例えば、使用時に患者の胴部、頭部、骨盤、踵等が載る領域)に分離され得るが、空間的に精密な制御があまり必要ない、及び/又は複数のブラダをユニットとして正確に及び瞬時に制御することが望ましい可能性のある支持デバイスの他の領域(例えば、末梢領域、下腿など)では、制限されていない流体相互接続状態にあり、共通圧力制御を受ける複数のブラダをそれぞれが含む追加のセル又は追加の複数のセルが提供され得る。以下に記載されるようにそれぞれが個々に単一のブラダと関連付けられた制御可能セルの一部として或いはそれと機能的に関連して設けられる別個の圧力センサ、高さセンサ、及び流体制御弁とは対照的に、共通制御下にあり、互いに制限されていない流体連通状態にある複数のブラダと関連付けられたセルに関しては、圧力を測定し、そのような連結されたブラダの拡張及び収縮をユニットとして制御する、より少数の又は1つのみの圧力センサ及び制御弁が各セルに対して提供され得る。特定の実施形態では、そのような連結されたブラダは、高さセンサを含まなくてもよい、又はグループを代表して単一のそのようなセンサを含んでもよい、又はそれぞれ個々のブラダと関連付けられた個々の高さセンサを有してもよい。
【0044】
言及したように、好ましい実施形態では、支持デバイスは複数のセルを含み、複数の各セルは個々に制御可能であり、例えば、別個の入口/出口弁を設けることにより複数の他のセルから流体的に隔離可能である。特定の実施形態では、支持デバイスは、それぞれが単一の拡張可能なブラダと関連付けられ、単一の拡張可能なブラダの高さ及び圧力を制御する複数の個々に制御可能セルを含み、全体的なデバイス内に追加のセル(例えば、複数の連結されたブラダを有する)を含んでもよい。特定の実施形態では、並びに個々に制御可能な及び流体的に隔離可能なセルに関して特に好ましくは、複数のセルの各セルは、セルに組み込まれた(例えば、以下で記載及び図示されるように支持基部の一部として)、或いは、機能的に関連付けられた、流体(例えば、ブラダ内の圧縮性流体)の圧力を測定するように適合及び構成された圧力センサと、ブラダの可動域の大半にわたって基部より上の(又は最大拡張の高さより下の深さに等しい)ブラダの高さを測定するように構成された高さセンサとを含み得る。すなわち、複数のセルの各セルは、ブラダ内の圧縮性流体の圧力及びそのようなブラダの高さ(例えば、基部より上のブラダの高さ)を決定するために、圧力センサ及び高さセンサを含み得る。
【0045】
例えば、
図2Dを再度参照すると、個々に制御可能なセル200は単一のブラダ210を含み、ブラダのそれぞれ高さ及び圧力を測定するための高さセンサ205及び圧力センサ207を含む基部220を有する。対照的に、典型的な従来のシステムは、圧力センサのみを提供する場合があり、セル内の流体の圧力のみを提供する場合がある。特定の既知のシステムでは、近接センサが、ブラダの完全な又はほぼ完全な収縮を検出するために含まれる場合があるが、ブラダの高さをその可動域の大半にわたって測定することはできない。更に、ブラダの大きな群と関連付けられた圧力センサのみを提供する従来のシステムとは異なり、開示される特定の実施形態は、複数のセルの各セルに関して、それぞれ個々のブラダ(又は共通制御されるブラダの小さな群、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、16、20、2~20、2~16、又は2~5個、場合によっては、3、8、又は16個のブラダ)と関連付けられた圧力センサ及び高さセンサの両方を含む。本開示のいくつかの実施形態において記載されるように、それぞれ個々のセル及びその関連するブラダと関連付けられた高さセンサ及び圧力センサの両方を提供する1つの利点は、そのような構成が、各セルの各ブラダのリアルタイムの圧力及び高さ測定値を使用者(例えば患者)又は外部オペレータに提供することができ、これは、より高い又はより低い圧力を受けている患者の身体の細かい分解能領域を特定し、以下で更に詳述するように、患者の特定のニーズを満たすために高さ及び/又は圧力の再調整を可能にするのに有用となり得ることである。別の利点は、個々のセルの高さセンサ及び圧力センサによって提供されるデータが、以下に記載されるように、デバイス又はシステムのプログラム可能及び/又は自己自動化制御を提供し、様々な制御スキーム及びアルゴリズム並びにプログラムされた治療的処置方法を容易にするために、様々な自動化コントローラ及び制御システムによって使用され得ることである。更に、特定の実施形態では、個々のセルの高さセンサ及び圧力センサによって提供されるデータは、患者の配置/体位変換を監視する、ケアプロトコル基準の遵守を確認する、患者評価及び診断目的のために圧力-位置-時間情報の全記録を提供するなどの様々な目的のために、収集、記録、処理、表示、及び/又は伝送され得る。例えば、使用者の身体に印加される圧力及び/又は高さを他のセルから独立して制御するために、それぞれのそのようなセルに対する個別化された拡張及び収縮制御を容易にするために、別個の入口/出口弁(例えば、比例弁209)が複数のセルのそれぞれ個々のセルに対して提供され得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、圧力センサ及び/又は高さセンサ及び/又は制御弁は、セル内に配置され得る、例えば、
図2Dに示されるように基部220に組み込まれ得るが、セル内の又はセルから離れた圧力センサ及び/又は高さセンサ及び/又は制御弁の他の位置又は場所も可能である。いくつかの実施形態では、圧力センサ及び/又は制御弁は、セルから離れて配置され得るが、セル自体の一部である場合と同じ機能を提供するために、セルに流体的に接続され得る。例えば、センサと弁は、整備又は交換のために使用者又は保守技術者が容易にアクセス可能な共通ハウジング内にまとめられ得る。圧力センサ及び/又は制御弁は、例えば流体管を介して特定のセルと機能的に関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、高さセンサ又は高さセンサの少なくとも一部分もまた、セル又はセルの基部から離れて配置することができ得る。そのような場合においては、例えば光ファイバー管による高さ測定を容易にするために、セルに及びセルから光が伝送され得る。いくつかの実施形態では、圧力センサ及び高さセンサの両方がセル又はセルの基部から離れて配置され得、特定の実施形態では、圧力センサ及び高さセンサ及び制御弁のそれぞれは、セルと機能的に関連付けられる一方で、セル又はセルの基部から離れて配置され得る。
【0047】
言及したように、及び以下でより詳述するように、データを受け取る、表示する、変換する、及び/又は伝送する、及び/又はデバイスのセルを制御するように構成されたコントローラが全体的な支持システムの一部として提供され得る。例えば、
図5Aに示されるように、システム500は、代表的なセル520とセルに加圧空気を供給する空気圧力源525とに関連付けられたコントローラ510を含む。いくつかの実施形態では、コントローラ510は、複数のセル内のセルのそれぞれと動作的に関連付けることができ、高さセンサ及び圧力センサは、それぞれ高さ測定値及び圧力測定値をコントローラに提供することができる。このような実施形態では、コントローラは、それぞれ高さセンサ及び圧力センサから高さデータ及び圧力データを受け取ることができ、この情報を使用者、外部オペレータ、又は外部プロセッサに中継することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、コントローラは、コンピュータプロセッサを含み得、プロセッサを使用して、複数のセル内の個々のセル又はセルのサブセットのブラダ高さ及び/又は圧力を、圧力センサ及び高さセンサから受け取ったデータに少なくとも部分的に基づいて制御することができる。
図5Aを再度参照すると、コントローラ510は、セル520と機能的に関連付けられている圧力センサ及び/又は高さセンサから受け取った、測定圧力データ及び/又は高さデータに応答して、例えば、(出口弁209bが閉じた状態で)入口弁209aを開き、源525からの加圧空気によってブラダを拡張させること、及び(入口弁209aが閉じた状態で)出口弁209bを開き、セル520から周囲雰囲気又は真空源(527として集合的に示される)に空気圧を排出することによりブラダを収縮させることによって、セル520のブラダ高さ及び/又は圧力を制御するように構成及びプログラムされ得る。空気源は、ブラダを充填するのに十分な圧力の空気を供給することができる、空気圧縮機、ファン、ポンプ、加圧タンク等などの任意の適切な空気流体加圧システム又は加圧空気源の1つ以上であり得る。実施形態のいくつかは、ブラダ内の流体として空気を利用する。また、他のガスも用いることができると考えられる。また、流体は温度制御され得ると理解すべきである。
【0049】
図5Aに示したものの代替のシステム制御概略図が
図5Bに示される。
図5Bを参照すると、システム550は、圧力センサ207と高さセンサ205とに電気的に接続されたプロセッサ515を含むセルコントローラ510を含む。プロセッサ515はモータドライバ540の動作を制御し、モータドライバ540は、比例弁209と、比例弁209を拡張のために加圧空気源527又は収縮のために周囲圧力(ベント)527のいずれかと選択的に流体連通させる電磁切換弁512と電気通信し、これらを動作する。コントローラ510がセル520のブラダ高さ及び圧力を測定及び制御することを可能にするように、コントローラ510は構成され、プロセッサ515はプログラムされる。これにより、コントローラに通信アクセスを有する使用者、外部オペレータ、及び/又は遠隔地の臨床家が、支持体のセル、いくつかのセル、それぞれのセル、若しくは複数のセル、及び/又は全てのセルの設定(例えば、ブラダ高さ、圧力)に関する圧力及び高さ情報にアクセスし、これらの設定を調整する、及び/又は動作モード、治療プロトコルを入力若しくは変更する、又は患者の体位変換或いは支援等のために物理的に介在することを可能にすることができ、これらは、個々のセルの高さセンサ及び圧力センサにより提供された測定ブラダ高さ及び/又は圧力、及び/又は例えば、システムによって測定され得る又はシステムに入力され得る、他の患者に関連する適切な情報、例えば、脈拍、心拍数、呼吸数、体温、運動履歴、血中酸素濃度などに応答してプロセッサ515により実行される。
【0050】
特定の実施形態では、1つ以上の高さセンサと機能的に関連付けられているセルにおいて、高さセンサは、空気式ブラダ支持システムのブラダ高さを測定するために使用されてきた典型的な従来の光強度測定光センサと比較した場合に、より高度な測定精度を提供し、参照光エミッタの必要性を低減するように選択及び/又は構成され得る。いくつかの実施形態では、複数のセルの各セルは高さセンサを含み、複数のブラダを含むセルを有する特定の実施形態では、それぞれのそのようなセルは、セルの各ブラダの高さを独立して測定するための別個の高さセンサを含む。いくつかの実施形態では、高さセンサは、ブラダの高さをブラダの可動域の大半にわたって(例えば、ブラダの高さの50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、又は全可動域にわたって)測定するように構成されている。特定の支持面実施形態のブラダの典型的な寸法及び完全に拡張した高さ(すなわち、最大可動域を画定する)を以下により詳細に記載する。いくつかの実施形態では、高さセンサは、ブラダの高さを+/-100mm、+/-50mm、+/-30mm、+/-20mm、+/-10mm、+/-7mm、+/-5mm、+/-4mm、+/-3mm、+/-2mm以下以内の精度で測定するように構成されている。例えば、そのような実施形態では、ブラダの高さは、(例えば、使用者、外部オペレータ、コントローラによって)16mmの値に設定することができ、ブラダの高さの真の値は、20mm以下且つ少なくとも12mmになるように制御され得る。高度の精度を提供することにより、高さセンサは、既存の支持システムと比較して、臨床又は在宅ケア環境内の患者などの使用者の快適性及び保護を向上させることができる正確に制御された表面トポロジーを提供するように複数のセルを制御することを可能にすることができる。本明細書の別の場所により詳細に記載されるように、複数のセル内の個々のセルの正確なブラダ高さ検知により、有利には、1つ以上のセルが、その関連するブラダの高さを、複数のセル内の直接隣接する/周囲のセルに対して異なる高さ(例えば、より低い高さ)に制御することを可能にすることができ、潰瘍、傷口、火傷、術後部位、若しくは突起物などの身体の特定の領域における使用者の緩和を提供する、及び/又は整形外科用安定器、カテーテル、動脈/静脈ポート、結腸瘻袋、CPAPマスク、便器、NPWTデバイス、ドレッシング等などの医療デバイス若しくはコンフォートデバイスのための隙間/アクセスを提供する。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、支持デバイスの複数のセル内の各セル、及び場合によっては、支持デバイスの全てのセルは、少なくとも1つの光センサ、及び好ましい実施形態では、そのようなセルと関連付けられた各ブラダに対する別個の光センサを含む或いはこれと機能的に関連付けられている。いくつかの実施形態では、各セルの支持基部は、各セルの支持基部に組み込まれた又はそれと機能的に関連付けられた、そのような光センサを含む。光センサは、基部より上のブラダの頂部の高さ、及び/又は(例えば、使用者の身体から)印加された力に応答したブラダの押し下げの程度を決定するための高さセンサとして機能し得る。いくつかの実施形態では、高さセンサは、光センサとは対照的に、インダクタンス又は静電容量ベースのセンサであり得るが、光センサが好ましい。好ましい光センサは、ブラダの高さを反射された光の強度と無関係に決定するように構成されている。いくつかの実施形態では光センサが好適な場合があるが、これらは、エミッタが古くなり、発せられる光の強度が低くなることで、時間の経過とともに精度を失い、頻繁な較正及び/又は参照エミッタを含めることが必要となるという特定の欠点を有する。本開示との関連で好適であることが見出された、上記の欠点を被ることのない好ましい光センサは、飛行時間(TOF:time of flight)測定に基づくものである。例えば、TOF光センサにおいて、光は、セルの基部内の光センサの位置で始まる初期位置から、光が光センサに反射して戻されるブラダの頂部まで移動することができ、光が光センサに戻るためにかかった時間が測定され、ブラダの高さの測定値を提供するために使用される。上記のように、光センサから移動して戻る光の強度の変化の測定値に依存してセルの高さを決定し、そのため、較正標準と比較した、出発する光の初期強度に対する入射光の強度によって高さが決定される光センサは、時間の経過とともに次第に正確でなくなり、センサの(of the of)頻繁な再較正及び/又は参照センサを含めることが必要であるが、TOFセンサは、強度によって不変の光の飛行時間及び速さに依存し、較正標準との比較を必要としない。したがって、TOFセンサは、較正を全く又はあまり必要とせず、時間の経過とともに光の強度が減少したとしても正確なままとなる。
【0052】
特定の実施形態では、セルの支持基部は、ブラダの高さを決定するように構成された少なくとも1つのTOF光学高さセンサを含み得る或いはこれと機能的に関連付けられ得る。本明細書で使用される場合、「飛行時間」(又はTOF)センサとは、源から移動する光が、源及び検出器からのその距離が測定される物体で反射して検出器に戻された後に、光がセンサの光源からセンサの検出器まで移動するのにかかった時間を測定することによって、センサから物体の距離を決定するセンサを表すものである。TOFセンサは、光(例えば、赤外線(IR)又は可視光線)が最も近傍の物体に移動し、センサに反射されて戻るのにかかる時間を正確に測定することができる。TOFセンサは、ブラダの基部に配置されてもよく、基部から、光を反射させて基部内の検出器に戻すブラダの頂部の内面に光が移動するように、光を指向するように配置されてもよく、ブラダの高さは、光がブラダの基部からブラダの頂部に移動し、検出器に戻るのにかかった時間の測定から決定され得る。対照的に、物体から反射した光の量を測定することによって距離を推定する強度ベースの測定システムは、上記のドリフト及び較正の欠点に加えて、また、特定のTOFセンサに比べると、ブラダ内部表面の色、反射率、及び表面性状のより顕著な影響を受ける可能性がある。いくつかの実施形態では、TOFセンサは、IRエミッタ、距離センサ、及び周囲光センサを含む。IRエミッタは、ブラダの頂部に向けて赤外線を発することができ、距離センサは、ブラダの高さを測定するために、IR光がブラダの表面(例えば、ブラダの頂面)に到達し、反射して戻るまでの時間を検出することができる。周囲光センサは、距離センサが受け取ったノイズを減少させるために、迷光の影響を測定値から差し引くことができる。特定の実施形態では、TOFセンサは、エミッタにVCSEL(垂直共振器面発光型レーザー)を用いている。適切なTOFセンサの一例は、STMicroelectronics(登録商標)によるモデルVL6180X TOFセンサである。
【0053】
TOFセンサがブラダの高さを測定するために要する時間は、エミッタ(例えば、ブラダの基部にあるエミッタ)から、光が入射し、反射する、ブラダ部分の(エミッタから)最も遠い箇所(典型的には、ブラダの頂部の内部表面、例えば、
図2Dの表面211)までの距離、及びまた、ブラダのこの部分の反射率に依存し得る。本発明者は、本開示との関連で、支持面のブラダの高さを決定する精度及び信頼性を向上させるためにTOF光センサを使用することの利点を認識し、理解している。いくつかの実施形態では、TOFセンサは、短い赤外線パルスを発し、TOFセンサは、表面(例えばブラダの表面)から反射した後の赤外線の戻り時間を測定する。しかしながら、TOF光センサは、光がセンサから移動して戻る経過時間を測定することに加えて、光強度を測定することもできることは理解すべきである。別の利点として、上記のように、特定の実施形態においては、支持デバイスの他のセルから独立した、セル又は複数のセルの高さ及び圧力両方の測定及び制御を可能にするために、飛行時間型光センサは、圧力センサ及び/又は入口/出口弁とともに使用されてもよい。好適な圧力センサ及び弁については、本明細書の以下及び別の場所で更に詳細に説明する。
【0054】
TOFセンサがブラダの高さを測定するために必要な時間は、測定される距離、光学条件、及び要求される精度の程度を含むいくつかの要因に依存する。いくつかのTOFセンサは、距離/高さ決定を1つの測定値に基づいて行わず、むしろ、多くの光パルスを発し、測定毎の偏差の程度が所望の特定の精度の程度の設定レベルよりも小さくなるまで多くの測定を迅速に連続で行うことができる。いくつかの実施形態では、TOFセンサは、特定の既存のシステムと比較すると、ブラダの高さ測定を比較的短い時間量内で提供することができる(例えば、高さ測定毎に250ミリ秒(ms)以下)。いくつかの実施形態では、飛行時間型センサは、ブラダの高さを5ms以下、10ms以下、20ms以下、30ms以下、40ms以下、50ms以下、75ms以下、100ms以下、150ms以下、200ms以下、又は250ms以下の時間で決定する。いくつかの実施形態では、飛行時間型センサは、ブラダの高さを5ms~250ms、10ms~150ms、20ms~150ms、30ms~150ms、40ms~150ms、50ms~150ms、75ms~150ms、又は約100msの時間で決定する。所望の測定速度及び精度に応じて、他の範囲(例えば、約100ナノ秒~1秒)も可能である。
【0055】
コントローラは、TOFセンサから高さデータを受け取るように構成され得る。いくつかの実施形態では、コントローラは、複数のセルの各セル、好ましくは複数のセルの各セルの各ブラダ内の、或いは、複数のセルの各セル、好ましくは複数のセルの各セルの各ブラダと機能的に関連付けられたTOFから高さデータを受け取るように構成及びプログラムされてもよい。例えば、複数のセル(例えば、セルのサブセット)は、複数のセルの各セルが、セルの1個以上のブラダのそれぞれと関連付けられたTOFセンサと関連付けられるように構成することができ、コントローラは、セルの少なくともいくつか(例えば、全てのセル)の各TOFから高さデータを受け取るように構成及びプログラムされ得る。上記の各TOFセンサは、その対応するブラダの高さを決定するために時間間隔を要する場合があるため、コントローラは、TOFセンサに問い合わせし、TOFセンサから十分な長さの時間間隔時間(問い合わせ時間)で高さデータを収集し、TOFセンサが高さ測定値を所望の精度の程度で決定することを可能にするようにプログラムされ得る。それぞれのTOFセンサが上記の範囲内のその関連するブラダの高さデータを決定するため、センサの決定時間と少なくとも同じ長さの問い合わせ時間により、問い合わせされるTOFセンサに高さ測定を完了するための十分な時間が与えられる。したがって、この問い合わせ時間は、有利には、TOFセンサが個々のブラダの高さを決定するために必要な時間よりも長くなり得る。例えば、いくつかの実施形態では、問い合わせ時間は、少なくとも250ms、少なくとも300ms、又はこれを上回り、例示的な実施形態では、問い合わせ時間は330msである。いくつかの実施形態では、問い合わせ時間は、1秒以下、800ms以下、600ms以下、400ms以下、330ms以下、300ms以下、250ms以下、又はこれを下回る。いくつかの実施形態では、問い合わせ時間は、少なくとも1ミリ秒、少なくとも10ms、少なくとも50ms、少なくとも100ms、少なくとも200ms、少なくとも200ms、少なくとも400ms、少なくとも600ms、少なくとも800ms、少なくとも1秒、又はこれを上回る。所望の測定精度、プロセッサ速度、消費電力、データ記憶容量、所望のデータ表示リフレッシュ速度などに応じて、他の範囲(例えば、約250ms~500ms)も可能である。問い合わせ時間の選択においては、考慮事項の中でもとりわけ、リアルタイムデータ/調整の要望、コントローラ及び/又はプロセッサの性能、消費電力などの非限定的な考慮事項が考慮され得る。
【0056】
上記のように、いくつかの実施形態によれば、個々に制御可能なセルの基部は、ブラダと流体連通する少なくとも1つの弁を含むことができ、又はこれと機能的に関連付けることができ、(例えば、拡張のためにブラダに圧縮空気を入れるために、及び収縮のためにブラダから空気を放出するために)流体の流入及び/又は流出を制御するように構成され得る。当業者には理解されるように、また、上記並びに
図5A及び
図5Bとの関連で説明したように、単一の又は複数の弁を並列又は直列で使用することができる。例えば、
図5Aに示される実施形態は、1つのセルにつき2つの比例弁209a及び209bを並列で使用しており、第1の比例弁209aは入口弁として機能し、第2の比例弁209bは出口弁として機能する。代替的に、
図5Bの実施形態では、1つの比例弁209が、比例弁209を加圧空気源525又は排気部527と選択的に流体連通させる電磁切換弁512と直列で使用されている。
【0057】
同様に、
図6は、基部622の底部部分を介してセル620と関連付けられた比例制御弁209を備えて構成されたセル実施形態を示す。比例弁209は、排気ライン527と、全てのセルに加圧空気を供給するマニホールド625と流体連通する3方向切換弁512と直列で流体連通し、更に、マニホールド圧力センサ627と、調整器629と、圧力タンク525と、最終的にシステム600に加圧空気を提供する圧縮器630と流体連通する。基部622は、圧力センサ207及び高さセンサ205を含む。圧力センサ207及び/又は高さセンサ205からの信号に基づいて、マニホールド625は、例えば圧力タンク525を介してより高い圧力をセルに提供することができる、又は弁209及び弁512の適切な制御された操作によって圧力及び/又はセルのブラダ高さを制御された設定点に低下させるために、排気部527を介してセルから流体を放出することができる。弁209及び弁512、及び実際には、本明細書に説明及び図示されるシステムのいずれかの他の弁のいずれかは、いくつかの実施形態では、互いに独立制御可能であり得る。弁209及び/又は弁512は、
図5A及び
図5Bのコントローラ510などのコントローラなどにより、例えば自動的に又は半自動的に調整される電子制御可能弁を含み得る。
【0058】
システムの様々な制御可能な及び電子的に作動可能な弁は、例えば、スライドステム弁、ロータリ弁、ピンチ弁、ダイヤフラム弁などを含む、比例又は非比例であり得る電磁弁が挙げられるがこれに限定されない様々な既知の弁タイプのいずれかであり得るが、いくつかの好ましい実施形態では、セルの一部として含まれる又はセルと機能的に関連付けられる制御弁は圧電弁である。このような圧電弁は、それを本明細書中に記載される支持デバイス及びシステムの特定の実施形態での使用に特に魅力的なものにする、本開示との関連で本発明者により認識される特定の利点を有する。例えば、このような弁は、素早い応答時間、比例関係の向上、低消費電力、低摩耗、保守の必要性の低さ、及び長寿命を有し得、また、同様の用途に使用される従来の弁タイプと比較すると格別に静かであり得、このことは、病院での使用又は他の臨床ケア若しくは家庭での使用環境に特に有利となり得る。利点の一例にすぎないものとして、市販の典型的な非ピエゾ比例弁を使用すると、弁の開閉時の電力サージが15Ampを超える場合がある。ピエゾ弁(vales)により、例えば500セル/弁を含むベッドにおいて、サージを15Amp未満に保つことができ、このようなベッドを家庭医療及び一般的な家庭用電源回路負荷限界に対して利用可能にする。本明細書で使用する場合、「圧電」は、加えられた機械的な力に応答して電荷を生成し、これとは逆の、すなわち、圧電要素に印加された電圧に応答して及び比例して機械的なたわみ又は変形を生じる(これは、「逆圧電効果」として知られ、圧電弁の動作原理である)物体(例えば、弁の構成要素)を表す。したがって、本明細書中に記載される圧電弁は、弁の圧電要素に印加される電圧に応答し、要素が弁体内で比例してたわみ、印加された電圧に比例した流入又は流出を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、複数のセル内のセルのそれぞれと動作的に関連付けられたコントローラは、特定のセルに対する所望の圧力及び/又は高さ設定点を維持又は達成するために、使用者によってブラダに印加される力に応答してブラダの高さ及び/又は圧力を調整するよう弁を動作させためにコントローラが圧電弁に電圧信号を送信するように、圧電弁と電気通信することができる。このようにして、圧電弁は、有利には、支持システムの特定の実施形態に望ましい自動化の程度及び応答時間に適し、これに応じた低コストで、低ノイズの、信頼性の高い、静かな解決策を提供することができる。
【0059】
特定の実施形態による支持面及びデバイスの個々のセルのブラダの高さ及び/又は圧力を独立制御する能力は、特定の実施形態では、自動化された制御及び/又はプログラムされた及びユーザカスタマイズ可能な制御アルゴリズムによって、医療患者及び他の使用者を支持するための典型的な従来のデバイスでは不可能な機能を達成する能力を可能にする。このような制御及び機能の例示的な実施形態の更なる説明を以下に記載する。しかし、記載される例は、本開示に記載されている設計特徴及び制御性能が患者又は他の使用者の利益のために利用され得る多くの手法のうちのほんの一部にすぎないことは理解すべきである。そのような機能を促進し得る特定の実施形態の重要な特徴は、支持デバイスの複数のセル(又は場合によっては全てのセル)が、複数のセルの1つ以上のセルが隣り合う隣接セルのいずれかと異なるブラダ高さ及び/又は使用者の身体に対する異なる印加圧力/力を有するように制御され得るように構成され得、圧力及び/又は高さ制御は、個々のセルのレベルで(例えば、セルと関連付けられた単一のブラダを含む、セルの個々のブラダのレベルと同じくらいの細かい分解能で)行われ得ることである。
【0060】
例えば、
図7は、支持デバイスの一実施形態のセルのサブセットを表すセル700の複数のブラダを示す。図示されるように、各セルは、各ブラダが隣り合うセルの高さと異なる高さを有するよう制御され得るように、単一のブラダと関連付けられている。例えば、第1の状態(上)において、セル710の第1のサブセットのブラダは、セル720の第2のサブセットのブラダと異なる高さにあり、角度を成した表面を提供する。その一方で、中央のパネルでは、全てのセルのブラダが同じ高さに維持され、下のパネルでは、セル710とセル720の相対的なブラダ高さが逆転し、患者又は使用者が接触する表面を上のパネルと異なる角度で呈している。このような操作は、例えば、患者の寝返り若しくは体位変換を容易にするために、又はベッド、シート、若しくは他の形態の支持デバイスへの使用者の出入りを容易にするために使用され得る。更に、このような操作は、状態が脆弱すぎて大きな体位変換調整に耐えることができない患者に使用されるタイプの「小さな体位変換(micro repositioning)」を達成するために使用され得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、複数のセルは、例えば、複数のブラダの少なくとも第1のセットが完全に拡張すると、システムのオペレータが、ブラダの第1のセットの少なくとも1つ又はサブセットを所望の特定の高さ/凹みに手動で押し下げ、コントローラの高さ制御設定点を開始し(例えば、GUIを介して)、押し下げられたブラダを有するセルを設定点高さに制御し、そのようなコマンドがオペレータによってキャンセルされるまでブラダのサブセットのそのような高さを維持することを可能とするように構成されている。これは、例えば、使用者の身体の一部分に、例えば、接触が不快となる又は望ましくない突起物、傷口、又は潰瘍、火傷、手術部位、繊細な植皮片がある場合に有利であり得る。このような機能はまた、表面の任意の所望の領域における精密な押し下げ程度を設定し、制御できることを可能にし、患者に取り付けられた医療デバイスのための隙間、便器の配置及び持ち上げ(例えば、
図10を参照)、並びに患者をデバイスから退ける必要なく又は身体全体を体位変換する必要なく、注射、清掃等のために患者の身体の領域にアクセスすることを容易にすることができる。当然ながら、手動での押し下げは、高さ又は圧力減少設定点を起動させるための1つの可能な手段であるが、当業者には理解されるように、特定の実施形態では、所望のセルに対する所望のブラダ高さ及び/又は圧力をコントローラのGUI又は他のユーザインタフェースで入力するなどの他の手段も含まれ得る。
【0062】
別の例として、1つ以上のセルのブラダを特定の高さ/凹みに手動で押し下げることは、カスタム表面を作成するために使用され得る。例えば、
図8Aは、セルのサブセット810のブラダが手動で押し下げられ、表面にカスタム凹みを作成しているブラダ高さ及び圧力のGUI画像を示す。凹みは、例えば、ヘルスケア提供者がデブリードマン若しくは洗浄処置などの処置を患者に対して実施するための、及び/又はブラダが押し下げられている1つ以上のセルに隣接する使用者の身体に適用された洗浄液を収集するための容器を配置するための隙間を提供するために有用であり得る。
図8Bは、
図8AのGUI画像に対応するカスタム表面上に配置された使用者の写真を示す。特定の実施形態では、セルのブラダは手動で押し下げられて、オペレータにより定義された設定点を作成し得るが、場合によっては、これに加えて又はその代わりに、セルのブラダは、GUI又は他の手段を介したコントローラへのオペレータ入力を介して押し下げられ得ることに留意されたい。
【0063】
図9は、設定点を作成するために、セルのブラダの手動での押し下げを提供するように構成された上記の高さ/圧力制御方法を実施するコントローラの例示的な制御アルゴリズムのフローチャート900を示す。複数のセルの1つ以上のセルのブラダは、接触が望ましくない患者の領域にブラダが接触しないように所望の程度まで押し下げられ得る一方で、全般的に周囲の押し下げられていないブラダによって患者の支持をなおも維持する。工程910において、コントローラは、例えばオペレータのプロンプトで、高さ制御を初期化する。工程920において、コントロールは、全てのセル又は選択した群/領域のセルのブラダの現在の高さを読み取り、表示する。工程930において、局所制御を受ける選択されたセルが、オペレータにより、例えば、GUIを介して又はタッチアクティベーションによって特定され、選択される。工程940において、オペレータは、選択されたセルのブラダを所望の程度まで手動で押し下げ、制御設定点を作成する。最後に、工程950において、コントローラは、コマンドがオペレータによってキャンセルされるまで又は別のキャンセルトリガーが発生する(例えば、オペレータが特定の制御時間を設定する場合はタイマーの停止など)まで、押し下げられたブラダを有するセルの目標圧力を、制御設定点を維持するのに必要なレベルに維持する。いくつかの実施形態では、使用者又は外部オペレータが、ブラダを押し下げるために直接物理接触を行う必要なく隙間を提供することができるように、コントローラを使用して、複数のセル内のセル又はゾーンのブラダを押し下げることができる。しかしながら、他の実施形態では、上記のように、使用者又は外部オペレータは、所望のブラダを手動で押し下げることができるように、押し下げられるべきブラダに力を物理的に与えることができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、ブラダ個々のセル(bladder(s) an individual cell)、又はセルの任意のサブセットが隣り合う隣接セルのブラダに比べてより低い高さ及び/又は低い圧力に維持されるように、コントローラを使用して、複数のセル内のそれぞれ個々のセルのブラダ高さを制御することができる。すなわち、いくつかの実施形態では、複数のセル内のセルのそれぞれと動作的に関連付けられたコントローラは、プロセッサを含み得、プロセッサは、第2のセットの高さを第1のセットの高さより下に維持して、第2のセットのブラダと使用者の身体との間に隙間を提供するために、複数のセル内のブラダの第1のセットのブラダ高さを制御し(第1のセットは少なくとも1個のブラダを含み、第1のセットは、使用者の身体を支持するように構成されている)、複数のセル内のブラダの第2のセットの高さを制御する(第2のセットは少なくとも1個のブラダを含む)ように構成及びプログラムされている。隙間は、上記のように使用者(例えば患者)又は他のオペレータ(例えば臨床家)によって選択及び設定され得る。この隙間は、例えば、使用者の身体の突起物、傷口、潰瘍、火傷、又は手術部位に対して緩和を提供することができる。いくつかの実施形態では、隣り合う隣接セルのブラダが、これらの隣り合う隣接セルのブラダが使用者の身体をなおも支持するようにそれらの完全な支持高さまで延びる一方で、隙間は、場合によってはブラダの全移動距離又はセルのブラダの最小許容高さまで接触しないように使用者の身体から少なくとも1mm離される。
【0065】
いくつかの実施形態では、押し下げられたブラダは、物体のための隙間を提供することができる。例えば、
図10では、ベッドデバイス1000のセル1010は、患者の身体を支持するための圧力及びブラダ高さに維持される一方で、便器1020の下のセルは、便器の配置に適応するために、押し下げられた(又は場合によっては完全に収縮された)ブラダ高さに制御される。高さの差(例えば、隙間)は、便器1020のための空間を提供するために作成されている。特定の実施形態では、便器1020の下のセルは、漏れ、及び患者を体位変換する又はセル1010による患者の身体の支持を中止する必要性を回避しつつ、便器の使用プロセスを更に支援するために、便器を上昇及び下降させるように操作され得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、各セルの各ブラダは、患者/使用者のためのデバイスの全体的な支持面の一部を形成してもよく、そのような全体的な支持面は、特定の実施形態では、測定され、(例えば、GUIを介して)表示され、制御され得る(例えば、身体支持面トポロジーの表示及び制御)トポロジーを有し得る。換言すると、いくつかの実施形態では、デバイスを構成するセルの複数のブラダの身体支持面トポロジーは、支持面を構成する複数のセルのブラダのそれぞれの頂面の高さ及び/又は圧力によって集合的に画定され得る。
【0067】
例えば、
図11Aは、セル1115の複数1100のブラダの頂面の代表的な部分1100を示す。また、図示されているのは、セルに関する情報を表示し、セルを制御するように構成されたコントローラのコントローラGUI 1120である。各セルからの圧力読み取り値は、このGUI上の表示に表示されるが、他のビューは、例えば、各セルのブラダの高さデータを表示し得る。その後、異なるブラダ高さ及び/又は圧力のセルを、適宜、マッピングして、表示することができ、それぞれの設定点は、オペレータによって入力され得る。コントローラは、セルの圧力及び/又はブラダ高さなどの情報を表示することができ、組織界面圧(TIP:tissue-interface pressure)も表示することができるユーザインタフェースに表示を提供してもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ(例えば、制御される(controlled)内のプロセッサ)は、患者/使用者にとって最大の治療的利益がある最大又は最小TIPを維持するように構成され得る。
【0068】
図11B~
図11Cに示されるように、コントローラにプログラムすることができ、特定の実施形態では、オペレータによる展開のために(例えば、GUIを介して)選択可能な、セル圧力及び/又はブラダ高さの様々な制御アルゴリズム及び時間変動及び自動調整。
図11Bは、例えば、圧力の一時的な周期的減少、使用者の快適性、又は循環の改善に利する可能性のあるマッサージ又は時間変化圧力機能を示す。条件♯1では、特定のセル(明)は、他のセル(暗)に比べてより低い圧力及び/又はブラダ高さにコントローラ(controller)である。条件♯2では、このパターンは反転されている。サイクルの反転時間は、使用者/オペレータの好みに応じて、選択された頻度/持続時間で固定することができる、及び/又は決定された若しくはランダムなパターンで可変であってもよい。
図11Cにおいて、セルの中央の群(明)は、患者/使用者の身体のある領域、例えば上記のような突起物の又は敏感な領域に選択した低減されたTIPを提供するために、より低い圧力に維持されている。様々な追加のモードがコントローラにプログラムされ、コントローラによって実行されてもよい。これらのモードでは、特定の領域内で又は特定の時間に特定の圧力及び/又はブラダ高さを維持するように特定のセルに指示することができ、特定の患者操作、安全又は緊急プロトコルを容易にするように圧力及び/又はブラダ高さを調整することができる。例えば、
図12を参照すると、様々な動作モードは、セルが硬い、比較的非柔軟な表面を提供する圧力に維持される進入/退出モード、例えば使用者の体重に基づいて所望のTIPを提供するようにセル圧力が制御される使用者の標準的な支持モードである自動浮上モード、一定の短い時間間隔(例えば、1分)のみを除いて進入/退出モードである簡単移動モード、
図10との関連で上記した便器補助モード、最大許容圧力まで素早く拡張し、使用者にCPRが安全に適用されることを可能にする硬い、非柔軟表面を提供するように全てのセルが命令されるCPRモード、及びオペレータによってプログラム可能なカスタム表面モードを含み得る。
【0069】
一実施形態セットでは、セルによって画定される表面に対して特定の程度の沈み若しくは包み込み及び/又は特定の向き及び/又は特定の姿勢及び/又は特定の相対運動を使用者に提供するように構成されているカスタム及び/又は事前設定/事前決定モードがコントローラによって実施され得る。いくつかの実施形態では、使用者の身体の強い沈みを提供しつつ、使用者のサイズ/体重又は位置に関する詳細な情報を入力する必要なく使用者の身体の特定の部分に印加される圧力も最小限にするために、患者と無関係な較正及び設定点決定が使用される場合がある。例えば、使用者の身体は、支持面を含む複数のセルのブラダに隣接して(例えば、直接隣接して)配置され、これによって支持され得、支持セルのブラダの圧力をコントローラの制御下で低減し、使用者の身体が支持セルの基部に向けて、限界の、事前決定された程度の沈みまで移動し、最小ブラダ高さ/圧力設定点を設定することを可能にすることができる。この特定の点より下に移動するのを避けるために支持セルに適用される最小圧力に基づいて、設定点又は基準圧痕が提供される。その後、システム(例えば、システムのコントローラ)は、所望の使用者の沈み程度に従って最小高さの追加の均一な増加を提供するために、又はブラダ高さ/圧力設定点を固定し、所望の表面支持トポロジー及び位置固有の沈みの程度を使用者に提供するように基準圧痕を変換するために、アルゴリズムを使用して、押し下げられたセル及び表面の他のセルの圧力を決定することができる。いくつかの実施形態では、所望の沈みの程度/沈みプロファイルは、基準圧痕において取られた圧力及び/又はブラダ高さ読み取り値に数学的変換(例えば、一実施形態では、目的が、特定の沈みのレベルを提供するために最小ブラダ高さの均一な増加を生じさせることである場合は、単純な圧力加算関数)を適用することよってコントローラにより決定された所望の一定の又は位置固有のブラダ高さを維持しつつ、患者を支持するために必要な圧力をより良く最小化する能力をもたらす。有利には、適用される圧力を最小化すると、使用者の圧迫損傷(例えば、褥瘡、圧迫潰瘍)のリスクを低下させる又は排除することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、フォームキャプチャと呼ばれる基準圧痕は、使用者の身体によって作成された圧痕の形態を取ることができ、使用者の身体を支持面上に配置し、少なくとも1つのセルのブラダが最小高さ/圧力設定点に到達する地点まで沈めたときに、複数のセルのブラダ高さ及び/又は圧力を測定することによって決定される。使用者のフォームキャプチャは、特定の時点(例えば、特定の設定点又は基準点に到達した後、例えば、少なくとも1つのセルのブラダが最小高さ/圧力設定点に到達した時点)のブラダ高さ及び/又は圧力を読み取り、記録することによって決定され得る。例えば、使用者を支持面上に配置することができ、セルのブラダ高さは、使用者を支持するセルの1つ以上の所与の設定圧力にて決定され得る。いくつかの実施形態では、1個以上の個々のブラダ高さ又は使用者を支持する1つ以上のセルの一連の連結されたブラダの高さは、その後、全体で上記のフォームキャプチャを構成する、位置固有の設定点を定義するために又は位置固有の基準を確立するために使用され得る。すなわち、フォームキャプチャは、数学的変換が適用される基準/初期点を定義するために使用され得る。いくつかの実施形態では、使用者は、制御システムから情報を受け取るディスプレイを介してフォームキャプチャを見ることができる。システムはまた、使用者の治療期間にわたって、フォームキャプチャに関連するデータ、数学的に変換されたフォームキャプチャ、並びに得られた表面トポロジー及び/又は位置固有の圧力の分布を記録し、送信するためのプロセッサ、ストレージ、及び/又は通信機能を含み得る。いくつかの実施形態では、コントローラ(例えば、コントローラのプロセッサ)が、デバイスの支持面のセル又はセルのセット又は全てのセルの高さ及び/又は圧力センサを使用することにより、ブラダ高さ及び/又は圧力を読み取り、記録することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、コントローラを使用し、セルのブラダの最大又は最小可動域まで、セルの少なくともいくつか(例えば、全て)に対して高さの刻み幅を(例えば、フォームキャプチャ高さに/から、及び/又は任意の他の所望の基準点から)均等に加える又は減ずることにより、使用者の身体の姿勢をフォームキャプチャに対して変化させることができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、セルの所望のブラダ高さが達成されるまでセル内の圧力を増加又は減少させることができ、それにより、使用者の身体の姿勢を調整し、使用者の効果的な沈みの程度を変更する。効果的な沈みは、フォームキャプチャ高さ/圧力に数学的変換を適用することで得られる。
【0072】
いくつかの実施形態では、数学的変換は、均一な加算/減算関数よりも複雑であり、例えば、線形関数、非線形関数、三角関数などの形態を取り得る。いくつかの実施形態では、数学的変換は、使用者の記録された水平面の部分的な輪郭を維持する位置固有の手法でブラダに対して高さの刻み幅を加える又は減ずる三角関数をフォームキャプチャに適用する。いくつかのそのような実施形態では、適切な変換の適用により、部分的なフォームキャプチャ位置を回転させることができ、それにより、使用者の姿勢を調整し、使用者の有効角度を垂直軸又は頭尾軸に沿って変化させる。
【0073】
図13Aは、
図13B~
図13Dの以下の説明で使用者の身体に対する特定の平面を記述するために使用する名称を示す。
図13Aにおいて、ブラダが完全に拡張しているときにサポートセルの使用者接触表面の平面と同一平面上にある平面は冠状面と呼ばれる。本質的に冠状面の周りでの並進又は回転はないが、支持面を構成する様々なセルのブラダの相対的な高さは、本明細書の別の場所に記載及び説明されるように、他の2つの平面内でそれらの軸(以下で説明するような)の周りで行われる並進及び回転調整に応じて、冠状面における圧力/高さトポグラフィを生じる。これは、例えば、特定の患者/使用者に関する特定の指示に対して求められる治療/患者管理プロトコルの遵守を確認するために表示及び/又は記録され得る。水平面は使用者の身体を横方向に横断し、矢状面(すなわち頭尾面)は使用者の身体を縦方向に(すなわち、頭部からつま先の方向に)横断する。身体を横方向に(例えば、仰向け寝/うつぶせ寝姿勢から横向き寝姿勢に/横向き寝姿勢から仰向け寝/うつぶせ寝姿勢に)回転させる傾向のある使用者の姿勢の調整には、水平面内における、矢状(頭尾)面に平行な軸の周りでの回転を必要とする(
図13B及び
図13Cを参照)。頭部からつま先の位置の調整(例えば、頭部をつま先に対して上昇させる、又はこの逆)には、矢状面内における、水平面に平行な軸の周りでの回転を必要とする(
図13D)。
【0074】
このような制御スキームの例示的な描写は
図13B~
図13Dに示される。
図13B~
図13Dは、所与の水平面又は矢状面断面(
図13Eを参照)に関する、支持面の中心点から支持面の縁までの相対位置(x軸)対セル内の又はセルと関連付けられた高さセンサによって測定されたセルのブラダ高さ(y軸)のプロットを示す。
【0075】
図13Bは、水平面内で取った断面における、支持面のセルの行のブラダ高さのプロットであり、特定の姿勢の使用者の水平面内の部分的な輪郭を頭尾軸に沿って画定する。制御システムは、複数のそのような水平面に関するブラダ高さ及び圧力を頭尾軸に沿って測定及び記録し、使用者を「包み込む」ためのフォームキャプチャを描写することができる。例えば、使用者の部分的な輪郭を矢状面に平行な軸に沿った他の水平面断面で捕らえ、冠状面に対する表面の全体的なトポグラフィーマップを構築するために、他のセル高さ/圧力が測定及び記録され得る(すなわち、表示されるセルのブラダ高さ表示の全てに対して、使用者の身体の輪郭の表示が生成される)。
【0076】
図13B~
図13Dはまた、数学的変換によって求めされる姿勢調整中に、使用者のコントローラにより記録された水平面(
図13B及び
図13C)又は矢状面(
図13D)の部分的な輪郭を維持するために、セルのブラダに対し、それらの位置に基づいた高さの刻み幅を加える又は減ずる三角関数を(少なくとも部分的に)用いた数学的変換の適用を示す。いくつかのそのような実施形態では、部分的な輪郭は回転させることができ、それにより、使用者の姿勢を調整し、使用者の有効角度を変更する。例えば、
図13B及び
図13Cを参照すると、使用者を最初の仰向け寝姿勢(線1)からより横向き寝姿勢(線2及び線3)に向かって反時計回り方向に回転させる間に、類似する相対的な横方向沈みプロファイル及び横方向圧力分布を維持することにつながる数学的変換が示される。以下の
図14及び関連の記載は、初期ブラダ高さ-圧力-姿勢データの数学的変換を使用してそのような調整を行うための1つの制御スキームについて記述している。
【0077】
図13Cは、使用者が、自身の体重を支持面の中心線の周りで水平面内に比較的一様に分散させた状態で最初に配置されている状況を示し、中心線は、矢状面に平行な回転軸である(トレース1)。その後、オペレータは、使用者を左側の方に(例えば、約25度だけ)回転させるための操作を(例えばGUIを介して)選択する。数学的変換(例えば、
図14及び関連する以下の説明を参照)を用いるプログラムされたアルゴリズムに従って、制御システムは、矢状軸に沿ったセルの各行(水平面を画定する)に関し、使用者の身体に対して同じ支持の分布を可能な範囲で維持しながら(以下の
図13Bの記述を参照)所望の回転を生じさせる各セルブラダの高さを(加法関数、三角関数等、又はこのような関数の組み合わせなどの1つ以上の数学関数を使用して)決定する。
図13Cに示される例では、計算及び調整が完了した後に得られるセルブラダ高さ対位置トレースは、トレース2で示されるとおりである。
【0078】
特定の場合において、所望の操作により、数学的変換の適用後に、制御された又は安全な設定点を超えるブラダ高さ(例えば、ゼロ若しくはマイナスの高さ又はブラダの最大拡張高さを超える高さ)を有する特定のセルがもたらされる可能性がある。特定の実施形態では、制御システムは、そのような状態がいつ発生したかを認識し、移動限界を超えないようにするために、変換されたブラダ高さが動作範囲外となる任意のセルに対して加算又は減算補正を適用するようにプログラムされ得る。例えば、
図14のアルゴリズムは、工程1428にそのような補正(最小高さ確認/調整を示すが、最大高さ偏差にも同じように容易に適用され得る)を含む。しかし、変換によって計算された調整後高さ/圧力が最大限界を超える場合には、
図14の工程22においてそのような状態にフラグを立て、工程24における加圧の前に(例えば、過拡張及び関与するブラダの破損の可能性を防止するのに十分な高さを減ずることによる)補正プロセスを利用するようにコントローラをプログラムすると有利である。
図13は、オペレータが選択した調整により使用者の左側を「最低位置」にする変換された一連のブラダ高さ(トレース2-ゼロ及びマイナスの値を参照)をもたらし、最大動作高さ(225mm)を超える、右側を支持するブラダ高さを必要とする(トレース3)こと以外は、
図13Cに示したものと類似の操作を示す。この状況において、制御システムは、ブラダの設計移動限界内の可能な程度の所望の操作を達成する、トレース2をもたらす重ね合わされた加算変換(左側)及び減算変換(右側)を有する。
【0079】
図13Dは、水平面に平行な回転軸(横軸)の周りでの回転により矢状面内の使用者の姿勢を調整するための類似の操作的変換を示す。この場合、使用者は、使用者の元の姿勢の位置よりも頭部が高く足が低い姿勢で角度を成すように操作され、それ以外は、支持圧力の同様の全体的な分布を維持する。概して、制御システムが、水平面又は矢状面のいずれかに厳密に平行でない回転軸の周りの複雑な運動及び回転に適応できるようにするために、同時に、横軸及び矢状軸両方の周りの操作を組み合わせることも可能である。
【0080】
したがって、制御システムは、使用者の身体の「ハンズフリーの」体位変換及び/又は回転を実施するようにプログラムされ得、良好な組織の健康及び/又は血液潅流を促進するために様々な身体部位の負荷を軽減するケアプランの一部として有用である。異なる断面の回転は、同じである必要はない。例えば、特定の実施形態では、操作によって、下肢部分よりも多く上部胴体部を回転させてもよい。これらの及び類似の操作は、患者姿勢の好みに適応させることによってより良い快適性を提供するなどの負荷軽減以外の目的で、元の冠状面高さ/深さ制御設定点に適用され得る。概して、「元の」測定ブラダ高さから目標ブラダ高さが計算され得、対応する圧力がセルに適用され、より均一な又は他の所望の沈みプロファイル、患者固有の負荷軽減、又は患者の運動/体位変換等を提供するための「変換された」ブラダ高さが達成される。
【0081】
場合によっては、数学的変換は、任意の所望の平面内又は選択した回転軸の周りで使用者の姿勢を調整するために、均一に又は選択した平面に対して適用され得る。数学的変換は、患者の長さ若しくは幅全体に適用されてもよい、又は表面の断面のみに適用されてもよい。断面は、表面に水平に若しくは垂直に又はその組み合わせで画定され得る。
【0082】
図14は、フォームキャプチャの数学的変換を使用して上記の沈み制御戦略を実施するコントローラによって実行される例示的な制御アルゴリズムのフローチャート1400を示す。工程1410において、コントローラは、例えばオペレータのプロンプトで、初期化する。工程1412において、オペレータは、終了状態パラメータ、例えば、使用者の所望の沈みの程度及び/又は最終姿勢及び/又はセル固有のブラダ高さ-圧力トポグラフィ表面マップ等を選択する。工程1414において、コントローラは表面圧力を、例えば、ほぼゼロに減少させる。工程1416において、使用者(例えば、患者)は、所定の沈下状態(例えば、最小動作圧力若しくは基準点又は最大動作圧力若しくは基準点)に到達する。工程1418において、コントローラは、セルの少なくともいくつか(例えば、全てのセル)のブラダ高さを測定し、格納する。工程1420において、例えば、
図13B~
図13Eとの関連で上記したような、測定されたブラダ高さ及び/又は圧力に対する数学的変換がコントローラによって実施される。工程1422において、コントローラは、変換されたブラダ高さ及び/又は圧力を格納し、数学的変換に基づいてブラダ高さ及び/又は圧力の新たなセットを生じさせる。工程1424において、コントローラは、セルの圧力を増加(又は適宜減少)させて、患者を持ち上げ(又は適宜、患者の高さを低下させ)、セルの変換されたブラダ高さ/圧力設定点を達成する。特定の実施形態においては、追加の調整及び最適化工程1426~1432が実施され得る。工程1426において、コントローラは、使用者が(例えば、工程1414において選択された)最小設定高さの高さ又はこの高さより上にあることを確認することができ、そうでない場合、工程1424を繰り返す。工程1426で測定された最小高さが最小設定高さを(例えば、設定された又は使用者定義の程度だけ)上回る場合、工程1428において、圧力は、変換された高さ/圧力設定点を達成するために、例えば事前設定圧力に低下させることができる。工程1430において、使用者の快適性が、例えば、GUIを介した使用者への質問及び又は不快であることを示す使用者の姿勢の変化に基づく決定(例えば、使用者又はオペレータの入力により決定される)によってアクセス(accessed)され得る。不快感又は苦痛が示された場合、工程1432において、現在の高さ/圧力の数学的変換は、任意選択的に、工程1410に戻ることにより再較正/再決定され得る、又は新たな高さ/圧力の数学的変換が適用され得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、支持デバイスの複数のセル内の各セル又は全てのセルと電子通信し、これらと動作的に関連付けられているコントローラは、複数のセルのブラダの頂面によって形成された身体支持面トポロジーを測定、記録、表示、及び/又は制御するように構成並びにプログラムされたプロセッサを含み得る。例えば、
図15は、身体支持トポロジーを表す全体的な支持面の色分けされた圧力及び高さマップの3つの異なるビューを表示するように構成及びプログラムされたコントローラのGUI 1500を概略的に示す。セル1510Aとセル1510Bは異なる高さにあり、異なる圧力でもあり得、上のディスプレイに、圧力レベル又は沈み深さ)を表し得る異なる高さ及び色で示される。左下のディスプレイは、使用者の身体に適用されるTIPの分布を表示する圧力マップに変換されるデータを示し、右下のディスプレイは、沈み深さのトポグラフィーマッピングである。プロセッサはまた、特定の患者のそのようなデータをリアルタイムで格納する及び/又は送信するようにプログラムすることができ、医療記録保管及びケア基準への適合を容易にする。支持デバイスのセルのブラダの頂部部分は、表面トポロジーを集合的に画定することができる。すなわち、いくつかの実施形態では、複数のセルの身体支持面トポロジーは、複数のセルのそれぞれのセルのブラダの頂面の高さによって集合的に画定される。特定の実施形態では、身体支持面トポロジーは、例えば、組織界面圧及びTIPの全体的な代表例な空間的分布及び支持面への身体の沈み深さを監視するために使用され得る。
【0084】
支持デバイスのセルのブラダは様々なサイズを有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、ブラダは、少なくとも25mm、50mm、又は約100mm、又はこれを超える断面直径を有する。1つの特定の実施形態では、ブラダは、65mmの断面直径を有する。いくつかの実施形態では、ブラダは、少なくとも5cm、10cm、20cm、30cm、及び場合によっては約50cm以上の最大高さを有する。ブラダはまた、例えば
図2Cに示されるような円錐形の又はテーパした形状を有し得る。上記の、及び以下に更に詳細に記載されるブラダ寸法は、一般に、しかし特に、転動型ダイヤフラムを用いたサポートセルの実施形態に好適である。転動型ダイヤフラムの形態ではない、拡張可能なブラダ支持体を使用する他の実施形態、又は転動型ダイヤフラムセルを含み得るが非転動空気室を備える領域又は部分も含み得る支持デバイスの実施形態に関しては、そのような非転動空気室又はダイヤフラムは、典型的には、転動型ダイヤフラムブラダよりも大きくなり得、例示的な実施形態では、例えば、120cmx20cmx15cmである。
【0085】
図2A~
図2Dを再度参照すると、一実施形態では、ブラダ210は、約50mmの断面幅202を有し得、そのため、20x40個のブラダのアレイ内の800個のブラダは、従来のマットレスに類似する幅約40インチ及び長さ80インチの表面を有する。他のサイズのブラダも可能であり、異なるサイズのブラダが同じアレイ内に配置されてもよい。取付システムにおいて、ブラダ210は、その開口部の断面幅203が、ブラダの主部の幅202よりも小さくテーパするように形成してもよく、基部220の柱219に取り付けるためのリム201aを備えるカラー領域207を有し得る。支持デバイスは、1つ以上のセクションを含み得、各セクションは、ブラダ材料及び/又はサイズ及び/又は形状が1つのセクションと第2の異なるセクションとで変化する複数のブラダを含み得る。いくつかの実施形態では、複数のセルのそれぞれは、ブラダのカラー領域を支持し、これとシールを形成するように構成され、そのような大きさに作られた柱219を含み得る。柱は、その対応するブラダと流体連通するルーメン225を含み得る。柱及び基部は、概して、アルミニウム、プラスチック、金属(アルミニウムと異なる)、セラミック、木材、及びこれらの組み合わせなどの任意の適切な構造材料で作製され得る。
【0086】
基部の複数の柱のそれぞれは、(例えば、
図2AのOリング201などのOリングによる)圧密シールを形成するための窪み領域201bを含み得る。窪み領域201bはまた、その対応するブラダの転動型ダイヤフラム部230の転動を開始するように成形及び構成され得る。窪み領域201は、その対応するブラダの転動型ダイヤフラム部が1つ以上の切欠部内に載り、窪み領域201bに、例えばOリングを介して固定され得るように、1つ以上の切欠部であり得る。
【0087】
特定の実施形態では、ブラダ210の直径202は、約1cm~約15cmの範囲、例えば、約6cmであり得る。特定の実施形態では、ブラダ210の壁厚は、構造材料及び予想圧力及び荷重に応じて、約250ミクロン~約2mmの範囲であり得る。ブラダの壁厚及び材料は、ブラダ210が座屈しない、つぶれない、自発的に拡張して破裂しない、及び/又は低圧で転動するのを防止する或いは阻止するように選択され得る。いくつかの実施形態では、ブラダ210の機能的な長さは、約5cm~50cmの範囲、例えば、約15cmであり得る。ブラダ210の破壊圧力は、約80mmHg超、例えば、約300mmHg超であり得る。転動型ダイヤフラム部211におけるブラダ210の動作歪みは、約5%~100%の範囲、例えば、約30%であり得る。
【0088】
例えば、ブラダ210の転動される部分と転動されない部分との間の干渉を制限する、例えば低減する又は排除するように構成されたテーパ212をブラダ210が含む場合、ブラダ210は、円錐が上向きに広がる、例えば
図2Cに示されるような円錐形を含み得る。いくつかの実施形態では、約0.2度~5.0度の範囲のテーパ、例えば、約1.0度のテーパを作成するために、ブラダ210の上部部分の直径202は、ブラダ210の下部部分の直径よりも大きくされ得る。ブラダ210は、円形、楕円形、正方形、矩形、台形、多角形、及びこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない様々な断面形状を含み得る。例えば、個々の領域、ゾーンを作成するために、又は他のゾーンのブラダの封じ込めのために、例えば、支持デバイスの性能特性を変化させるために、又は単位面積あたりのブラダの数を削減若しくは増加させるために、ブラダ210のサイズ、形状、及び材料は、セクション毎に異なり得る及び/又はセル毎に異なり得る。ブラダ210は、リム部分201aにおいてブラダ210を包囲し、柱219の切欠部201bに載る1つ以上のOリング(Oリング201など)を介して柱219に取り付けられ得る。特定の実施形態では、ブラダ210は、通常支持動作モード中に(上記のように、便器配置などのための低減された高さでの制御に対して、ほぼ完全に拡張した高さと拡張したブラダの全長の少なくとも半分との間で転動することができる。いくつかの実施形態では、ブラダ210の全長は、ブラダ210がその最大距離を移動したときに、すなわち、完全圧縮時にブラダ210にかかる張力を低減するために、追加の余長(例えば1cm~3cm)を含み得る。
【0089】
本明細書中の上及び別の場所に記載されるように、複数のセルの各セルは、ブラダ(すなわち、少なくとも1個のブラダ)を含み得る。ブラダは、空気などの圧縮性流体を内包し、これによって拡張可能であるように構成されている。ブラダは、支持基部に取り付けられ、これと圧密シールを形成するように構成することができ、転動型ダイヤフラム部が、基部に沿って転動し、ブラダに力が印加されるとブラダの体積及び高さを減少させることができるように、転動型ダイヤフラム部を形成するように構成することができる。ブラダは可動域にわたって転動することができる。例えば、ブラダは、最大拡張可能体積を有し得、支持基部の頂部より上で測定されるブラダの頂部の高さは、その最大可動域を画定し得る一方で、ブラダが完全に収縮しているときの高さは、最小可動域を画定し得る。いくつかの実施形態では、ブラダは、直前に記載した最大可動域を有する一方で、(収縮した又は押し下げられた隙間モードとは対照的に)使用者身体支持モードで動作するときの最大可動域内の第2の可動域を有する。いくつかの実施形態では、高さセンサは、ブラダの高さを、その可動域の大半にわたって、場合によっては、その可動域のほとんどにわたって又はその全可動域にわたって測定するように構成されている。
【0090】
いくつかの実施形態では、基部に沿って転動する間、ブラダの幅又は直径は、実質的に一定のままであり得る。したがって、いくつかの実施形態では、ブラダは、少なくとも約1cm~約15cm、例えば、約6cmの幅を有する。特定の実施形態では、ブラダは、65mmの幅を有する。いくつかの実施形態では、ブラダは、15cm以下、12cm以下、10cm以下、8cm以下、7cm以下、6cm以下、5cm以下、4cm以下、3cm以下、又は2cm以下の幅又は直径を有する。いくつかの実施形態では、ブラダの幅又は直径は、少なくとも1cm、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも4cm、少なくとも5cm、少なくとも6cm、少なくとも7cm、少なくとも8cm、少なくとも10cm、又は少なくとも12cmである。上記参照範囲の組み合わせも可能である(例えば、少なくとも4cm且つ8cm以下)。他の範囲も可能である。
【0091】
ブラダは、様々な変形可能材料で形成され得る。例えば、ブラダは、ゴム及び様々な高分子材料(例えば、プラスチック材料)などの様々な可撓性の、実質的に流体不透過性材料などであるがこれらに限定されない材料から作製され得る。複数のブラダの1個以上は、また、転がり摩擦を低減するために、潤滑性材料コーティング又はブラダ材料に組み込まれた潤滑性材料を含み得る。いくつかの実施形態では、ブラダの内面及び/又は外面の一部分又は全体がそのようなコーティングを含み得る。例えば、ブラダの内部表面及び/又は外部表面は、ブラダが収縮及び再拡張時にくっつかないように、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)コーティングを含んでもよい。ブラダコーティングの他の非限定的な例としては、他の、非PTFE、フルオロポリマー、シリコーンポリマー、ゾルゲル、油及びグリース、特定のセラミックコーティングなどが挙げられる。
【0092】
複数のブラダの1個以上は、ゴム、プラスチック、ネオプレン又はウレタンなどの非ラテックスエラストマー、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンブレンド、シリコーン、ウレタンラミネート、ラテックスラミネート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含み得る。いくつかの実施形態では、ブラダは、エラストマーでコーティングされた又はエラストマーに成形された布地を含む。このような実施形態では、エラストマーは、天然ゴム又は合成化合物であり得、デュロメータによって測定された耐久力(hardiness)が、例えば約ショア30~90Dであり得る。布地は、綿、ポリエステル(例えば、ポリエチレン、KEVLAR(登録商標))であり得る。特定の実施形態では、ブラダは、綿が埋め込まれた布地とともに、ネオプレンなどのエラストマーから作製される。いくつかの実施形態では、ブラダは、ラテックス、合成ゴム、及び/又はブロックコポリマーから作製される。ブラダの他の材料も可能である。
【0093】
以下は、記載する及び関連する性能データのサポートセル及びデバイスの少なくとも特定の実施形態に好適なブラダの一例を記述する。この例示的実施形態は、特定の実施形態に有用な転動型ダイヤフラム構成及び材料を示すものであるが、本開示の実施に適する可能性のある全範囲のブラダを例示するものではない。以下の例示的実施形態は、ブラダ(例えば、セルのブラダ)が、ブロー成形又は浸漬プロセスを使用して様々なエラストマー材料からによって(by from)作製され得ることを実証する。
【0094】
本開示の状況の範囲内においては、転がり摩擦が低減又は最小限にされた場合にセルの性能を向上させることができると認識及び理解されている。いくつかの実施形態では、ブラダの材料は、セルの転がり摩擦を低減するように選択され得る(例えば、セルの隣接するブラダ又は隣接するセルのブラダに対して、ブラダと基部との間など)。例えば、
図16において、浸漬プロセスにより形成されたラテックス製の
図2Dに示されるセル200などのセルのブラダが、浸漬プロセスにより形成された合成ゴム製のブラダ及びブロー成形ポリオレフィンブラダと比較される。
図16のデータを生成するために使用されるダイヤフラムはわずかに異なる形状寸法を有するものの、各ダイヤフラムが変位のほぼ全範囲にわたって適度に一定の接触圧力を維持できることは、異なる製造技法(例えば、浸漬成形及びブロー成形)を使用して、様々な材料、例えば、ラテックスゴム、合成ゴム、及びポリオレフィンから作製されたダイヤフラムが、開示されるサポートセル及びデバイスの特定の実施形態の望ましい機能特性を達成することができることを実証する。
【0095】
例えば、合成ゴム浸漬セルは、有利には、転がり摩擦に対して非常に低い抵抗を示すことが見出された。したがって、負荷時と負荷軽減時の接触圧力がより類似しており、転動が開始される際に典型的に認められる初期ピークが最小になる。
図17は、合成ゴムで作製された浸漬成形転動型ダイヤフラムを含むブラダを有するセルを備えたマルチセル支持面上に横たわる患者の圧力マップを示す。
【0096】
本明細書中に記載される支持面の性能及び経済的対価を最適化するために利用可能な、満足の行く材料及び幾何学的選択肢が多く存在すると結論付けることができる。最終的には、理想的表面の材料、製造法、及び/又は形状寸法、及び他の設計パラメータの選択は、対象となる特定用途、及び関連の臨床ニーズ、機能要件、及びコスト、及び耐久性目標次第である。
【0097】
ブラダは、特定の厚さのものであり得、厚さは、当業者には理解されるように、ブラダが作製される材料の強度、弾性率、及び/又は曲げ弾性率、及び/又は耐破裂性に依存する。理解されるように、ブラダの厚さは、拡張圧力及び動作中に印加される力に耐えることができる一方で、スムーズな動作及び使用者の快適性のために十分な変形能を可能にするように選択されるべきである。ブラダの厚さは、ブラダ自体を形成する壁の厚さを指す。上記のように、いくつかの実施形態では、ブラダの厚さは、少なくとも250ミクロン、少なくとも500ミクロン、少なくとも1mm、少なくとも1.2mm、又は少なくとも2mmである。いくつかの実施形態では、ブラダの厚さは、2mm以下、1.2mm以下、1mm以下、500マイクロメートル以下、又は250マイクロメートル以下である。上記参照範囲の組み合わせも可能である(例えば、少なくとも250ミクロン且つ1mm以下)。他の範囲も可能である。
【0098】
言及したように、支持基部とセルのブラダは、互いに取り付けられてシールを形成することができる。好ましくは、取り付け及びブラダ及び支持基部設計は、転動型ダイヤフラムの形成をもたらす。基部は、流体(例えば、圧縮性流体)がシールを通して過度に漏れないように、ブラダとともに流体密シールを形成することができる。シールは、上記のようなOリング、接着剤、支持基部のより大きな直径の柱を覆うようにブラダ基部開口部を伸ばすこと、圧縮カラーなど、又はこのようなものの任意の組み合わせの使用によるものを含む様々な従来の手法で形成されてもよい。本明細書中の上及び別の場所に記載されるように、転動型ダイヤフラム設計を含む実施形態では、転動型ダイヤフラム(例えば、転動型ダイヤフラム部)は、例えば、力、例えば上述のように高さ制御設定点を作成する使用者の身体又は外部オペレータからの力がブラダに印加されたときにブラダの体積及び高さが減少すると、基部に沿って転動するように構成されている。
【0099】
いくつかの好ましい実施形態では転動型ダイヤフラムが用いられ、本明細書に記載するようないくつかの利点を提供するが、他の実施形態では、支持デバイス内に垂直に又は水平に方向付けることができ、転動型ダイヤフラム型でなく、場合によっては、本明細書の別の場所に記載したように個々のブラダ又は小グループのブラダと関連付けられた支持基部を含まない拡張可能なブラダが使用され得る、又は転動ブラダ型と非転動ブラダ型の組み合わせが1つの支持デバイス内で使用され得、転動型ダイヤフラムセルはより高度のTPI制御が望ましい領域で使用され、非転動ブラダはあまり重要でない領域、例えば支持体の周辺で使用される。すなわち、いくつかの実施形態では、支持デバイスには転動型ダイヤフラム構成がなくてもよく、それでもなお、本開示の他の構成要素及び特徴から利する。当業者であれば、セル及び他のブラダ構成を構成することが可能であり、これらの構成を本明細書中に記載される本発明の構成要素のいずれかと組み合わせることができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、ブラダは、通気を促進するための、例えば、支持デバイス又は使用者と接触する表面の温度制御を支援するための表面カバーと組み合わせて設計及び/又は使用され得る。特定の場合においては、ダイヤフラムをガス不透過性材料から完全に作製する代わりに、全部又は一部分(例えば、頂面)がガス透過性であってもよく、ブラダを拡張させるために使用された空気がそのような領域においてブラダを出て、通気を提供することができる。例えば
図18に示されるような別の実施形態では、流体密ブラダ210が使用されているが、ブラダの頂部211は、ブラダ210の頂部211と、使用者の身体と接触する表面カバー1825との間の空気流1820を促すために、例えば連続気泡発泡材料で作製され得る空気多孔質スペーサ1805と嵌合している。いくつかのそのような実施形態では、セル及びブラダを取り囲む空間内の、及びブラダと支持カバーとの間の空気を循環させるためのファン及び空気配分システムが支持デバイス内に含まれ得る。特定の実施形態では、摩耗を低減し、性能を向上させるために、摩擦制御要素1830、例えば、PTFEなどのような低摩擦プラスチックで形成されたシート状材料が多孔質スペーサと表面カバーの底部との間に配置されてもよい。ブラダの頂部部分の近傍を通過することができる空気流は、表面カバーの温度を対流冷却によって低下させるのに有用な場合がある。
【0101】
例えば
図19A~
図19Eに示されるようないくつかの実施形態では、複数のセルのブラダを取り囲む、及び複数のセルのブラダの間の空間に通気を提供するように構成された通気システムが、支持システムによって使用者を支持する表面に(例えば)冷却及び/又は湿度制御を提供するために、提供され得る。いくつかの実施形態では、通気システムは、支持システムの1つ以上のセル及び関連するブラダ(例えば、セルの全部又は選択されたセット)と関連付けられ得る及び/又はこれらに通気を提供し得る。好ましい実施形態では、及び有利には、通気システムは、通気流体(典型的には空気)が、ブラダの拡張に使用される供給から独立して必要又は要求に応じて供給され得るように、ブラダ内に収容される流体を供給するために使用されるシステムから分離されていてもよい。これは、透過性の/漏洩しやすいブラダの使用によってブラダの上方又は周囲に通気を提供する従来のブラダ支持面とは対照的である。通気システムが空気又は他の流体を、ブラダを拡張させるために使用される流体から独立して循環させる実施形態においては、システムは、支持システムの全部若しくは一部及び/又は使用者に、ブラダの圧力/高さ維持の動作及び制御に影響を及ぼさない手法で通気を提供するようにプログラムされ、制御され得る。いくつかのそのような実施形態では、通気システムは、有利には、通気のために空気(又は他の流体)を提供するための1つ以上の専用ブロワ又はポンプを有し得る一方で、セル(すなわち、セルのブラダ)に提供される圧縮性流体は、別個のポンプ又は供給源によって提供される。これとは対照的に、同じポンプ/供給部を使用してブラダ圧力及び通気を提供する特定の既存の通気支持システムは、通気が望まれるが圧力の増加/減少が望まれない場合、又はこれとは逆の場合に、使用者に対して不必要な障害を生じさせる可能性がある(例えば、騒音、通気の程度、圧力/高さ応答精度、又はタイムラグ)。本明細書中に記載される支持システム及び方法において、通気を提供するために使用される流体の制御をブラダの加圧から分離することにより、これらの不必要な障害を回避することができ、通気性能の向上が提供され得ることが明らかになった。
【0102】
多種多様な適切なガス移動及び案内構成要素を使用して、支持デバイスに(並びに、使用者に面するブラダ表面を使用者が配置される使用者(the user)から隔てるカバーが、使用者の下/周囲の領域を通気するために、ブラダ間の空間内に供給された空気又は他のガスがカバーを通して出ることを可能にするガス透過性である実施形態においては、支持システム上に横たわる又はこれに隣接する使用者に)通気を提供するための通気システムを作製することができる。例えば、通気システムは、1つ以上のファン、ダクト、弁/バッフル、及び/又はポンプ、又はデバイス若しくは支持システムに空気(若しくは任意の適切な流体)の流れを提供するのに好適な任意の他の構成要素であってもよい、又はこれらを含む。いくつかの実施形態では、通気システムはまた、支持システム内の空気(又は他の適切な流体)の温度を望みどおりに調整するために、加熱及び/又は冷却構成要素を含み得る。また、有利には、特定の実施形態では、本明細書に記載されるような支持面の動作を制御するために使用される制御システム(或いは、通気システムのみに特化した別個の制御システム)は、空気又は他の流体を支持デバイスのセルのブラダを取り囲む通気空間の複数の別個の領域に選択的に供給するように通気システムを制御するために、(例えば、GUI又は他のコントローラ/ユーザインタフェースの使用を介した)使用者又はオペレータ入力に応答するように構成及びプログラムされたプロセッサを含み得る(例えば、支持面の/支持面に隣接する特定の領域に空気/流体を選択的に供給し、案内するために配置された制御可能なバッフル、隔壁、及び/又はガス流量制御弁の使用によって。特定の実施形態では、支持デバイス/面の換気領域の1つ、いくつか、又は全てに温度センサ及び/又は湿度センサが提供され得る。このような実施形態では、通気システムのコントローラは、デバイス内の所望の一連の条件(例えば、患者/使用者に隣接する領域の温度/湿度)を維持するために、流量、流れの方向、流れの分布、及び/又は空気/流体温度の1つ以上を制御するように構成及びプログラムされ得る。特定のそのような実施形態では、コントローラは、そのようなパラメータを、使用者又はオペレータによる設定点調整(例えば、GUIを介して行われる);換気される空間の別個の領域及び/又はそのような領域に隣接する支持面の一部分の測定温度;及び/又は換気される空間の別個の領域及び/又はそのような領域に隣接する支持面の一部分の測定湿度、の1つ以上に基づいて制御するように構成及びプログラムされてもよい。
【0103】
図19A~
図19Eは、通気システムを含む支持デバイスの例を示す。
図19Aは、基本構成の漫画図(cartoon schematic)である。システム1900は、セル/ブラダ1920とブラダを取り囲む通気空間1910とを含む。システム1900はまた、1つ以上のファン1940に接続された1つ以上のダクト1930を含む。ファン1940は、ダクト1930を通して通気空間1910に空気流を提供するように構成されている。図では、空気流1942がブラダ1920を取り囲む空間1910に通気を提供する。
【0104】
図19B~
図19Eは、実際の支持デバイス1901の一実施形態の例示的な通気の概略図を示す。
図19Bに、通気空間内に通常は存在するブラダ/セルが明確化のために取り除かれた、支持デバイス1901の足の近傍の部分の上から見下ろした図が示される。通気システムは、内部に2つの空気ファン/ブロワ(不図示、
図19Eを参照)があるブロワマニホールド1945を含む。通常動作時のGUI取付ブラケット1949は、通常、それに取り付けられたGUIを含む(
図19C及び
図19Eを参照)が、この図では、明確化のためにGUIは取り除かれている。上記のように、ブロワの設定点制御は、そのようなGUIを含む制御システムの制御下にあり得る。ブロワはそれぞれ、オン-オフ及び/又は流れ方向スイッチ1946とファン速度制御ダイヤル1947とを含む手動制御構成を含む。ブロワマニホールド1945は、通気空間の各側面に沿って配置された2つの分配ダクト1935と可撓性ホース1930を介して流体連通する。各分配ダクト1935は、その長さに沿って配置された複数の流体流ポート/穴1960を含む。ベッドが移動されたときに周囲の物体とベッドの接触による破損を防ぐゴムバンパ1950も見える。
【0105】
図19Cは、通気空間内に通常は存在するブラダ/セルが(1つの参照番号1920を除いて)明確化のために取り除かれた、(地面に接する支持部以外の)完全な支持デバイスの側面図である。デバイス1901は、支持デバイスの下部本体部分に対して制御可能に角度を成すことができる上半身支持部を含む。上半身支持部の相対角運動を容易にするために、一対の可撓性ホース1931’を介して下部本体部分分配ダクト1935に流体的に接続された第2の対の分配ダクト1935’が、上半身支持部に通気を提供するために含まれている。図示されるように、GUI取付ブラケット1949に取り付けられたGUI 1970が示されている。
【0106】
図19Dは、通気空間内に通常は存在するブラダ/セルが5つの1920)を除いて明確化のために取り除かれた、支持デバイス1901の部分断面図を示す。この側面図は、分配ダクト1935の長さに沿って配置された流体流ポート/穴1960の分布をより明確に示す。上記のように、典型的には、使用者が接触する支持面(不図示)のブラダ1920上に又はこれに隣接するカバー又はシートが存在することができ、流体流ポート/穴1960は、特定の実施形態では、選択された制御可能位置内のシート又はカバーを通して使用者に通気又は空気流を提供することができる。
【0107】
図19Eは、デバイス1901の足台領域の斜視図である。この図では、GUI取付ブラケット1949に取り付けられたGUI 1970が示されており、ブロワマニホールド1945は、図示されるように、電気コネクタ1951を介して電源及び制御システムと電力及びデータ通信するブロワ1953の配置を示すために透明にされている。
【0108】
本明細書に記載されるように、「流体」には、固定の形状を有さず、外圧に対して容易に降伏する、気体又は液体などの物質を表すようにその通常の意味が与えられている。いくつかの実施形態では、流体は非圧縮性流体を含む。「非圧縮性流体」には、圧力が変化したときにその密度が実質的に変化しない流体を指すように当技術分野においてその通常の意味が与えられている。これとは対照的に、圧縮性流体は、その流動中に顕著な密度変化が起こり得る流体である。いくつかの実施形態では、流体は圧縮性流体である。いくつかの実施形態では、流体は空気を含む。しかしながら、他の流体も可能である。流体の非限定的な例としては、酸素ガス、CO2、並びに窒素及びアルゴンなどの不活性ガスが挙げられる。いくつかの実施形態では、流体(例えば、圧縮性流体)は温度制御され得る。いくつかの実施形態では、流体の湿度(すなわち、水又は水蒸気の量)は制御され得る。
【0109】
複数のセルの各セルは基部を含み得る。基部は、ブラダ及び/又はセルに機械的支持を提供するのに役立つ。支持の提供に加えて、基部は、ブラダ、圧力センサ、及び少なくとも1つの高さセンサと流体連通する少なくとも1つの弁を含み得る、及びそれと機能的に関連付けられ得る。
【0110】
セルの基部は、セルに剛性を与えることができ、したがって、プラスチック、金属、及び木材などの材料を含み得る。いくつかの実施形態では、基部は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、及び/又はスチレンを含む。
【0111】
圧力計及び圧力センサなどの様々な圧力測定デバイスが、開示されるセル及びデバイスでの使用に適し得る。記載されるように、好ましい実施形態では、圧力測定デバイスは、デバイスの1つ以上のセルのブラダ及び/又はシステムのガス供給源若しくはガス分配マニホールド内の流体の圧力の測定を行うように構成及び配置されている。記載のような好ましい実施形態では、支持デバイスは、複数のセルを含む、又はそのセルの全てが、各そのようなセルのブラダ内の圧力を独立して測定する及び/又は制御するための別個の圧力センサを含む又はそれと機能的に関連付けられている。圧力センサは、コントローラと機能的に関連付けられ得る。コントローラは、複数のセルの各セルの組織界面圧のマップなどの圧力の読み取り値を使用者又は外部オペレータに提供することができ、測定された圧力を使用して、ブラダ内の圧力を所望のレベルに好ましくはリアルタイムで増加又は減少させるために弁を動作させることができる。このような測定、表示、及び制御を提供することにより、TIPは、コントローラによって、使用者又は患者の安全及び快適性のために事前決定された特定の閾値に又は特定の閾値未満に維持されることができ、使用者又は外部オペレータによって自動的に及び/又は手動で調整され得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、電子圧力センサが、測定されたブラダ圧力を周囲環境の圧力に対して較正するように構成されている。
図20A~
図20Bは、セルの較正及び圧力制御のための制御アルゴリズムを示すフローチャートを示す。
【0113】
例えば、
図20Aは、圧力設定のみを調整及び制御することができる、コントローラによって実施される較正及び制御プロセスを示す。工程2010において、コントローラ及びシステムは電源が投入される及び/又は初期化される。工程2020において、圧力センサは、周りの周囲圧力を基準に較正される。工程2030において、制御される各セルの目標圧力が、例えば自動動作モード条件及び/又は使用者/オペレータ入力に従って設定される。工程2040において、ブラダ内の空気の圧力が測定され、目標圧力と比較される。工程2050において、計算された誤差が過去の決定と比較され、比例項、積分項、及び微分項を考慮したアルゴリズムの適用(PIDコントローラ)などによる適切な数学的アルゴリズムを使用して、調整済み誤差2060が決定される。調整済み誤差に基づいて、コントローラは、弁の状態を調整し、所望の精度の程度内で制御設定点に到達するまで、ブラダ内の圧力を段階的に減少又は増加する(increase of decrease)。
【0114】
図20Bは、セルがまた、高さ設定点に制御される、システム及び制御プログラムの類似の制御スキームを示す。測定されたブラダ高さ又は深さを設定点と比較し、それに応じて弁の状態及び圧力を調整する追加の工程2065及び工程2075が含まれる。
【0115】
いくつかの実施形態では、圧力センサは、ピエゾ抵抗式圧力センサであり得る。「ピエゾ抵抗」という用語は、機械的なひずみが適用されると電気抵抗が変化する物体(例えば、圧力センサの測定要素)を表す。ピエゾ抵抗式弁は、指定の全圧力範囲及び温度範囲にわたって圧力を読み取るためのデジタル出力を提供することができる。いくつかの実施形態では、ピエゾ抵抗式圧力センサは、正確な圧力読み取り値を提供するために、周囲圧力に較正され得る。いくつかの実施形態での使用に適したピエゾ抵抗式圧力センサの例は、Honeywell(著作権)Microprocessor MPR Seriesなどから選択されるものである。いくつかの実施形態では、圧電弁は、市販の、比例、2方向、又は3方向ピエゾ弁を含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、圧力センサ(例えば、ピエゾ抵抗式圧力センサ)は、支持デバイスに関して予想される動作圧力の範囲にわたってゲージ圧を決定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、圧力センサは、少なくとも5mbar、6mbar、少なくとも8mbar、少なくとも10mbar、少なくとも20mbar、少なくとも30mbar、少なくとも40mbar、少なくとも50mbar、少なくとも60mbar、少なくとも70mbar、少なくとも80mbar、少なくとも90mbar、少なくとも100mbar少なくとも200mbar、少なくとも500mbarのゲージ圧を決定することができる。いくつかの実施形態では、圧力センサは、1mbar以下、5mbar以下、又は10mbar以下の低い圧力を決定することができる。
【0117】
動作圧力は、特定のモード用に構成され得る。いくつかの実施形態の動作圧力(ブラダ拡張ゲージ圧)は、浮上モードでは約5mbar~50mbarであり得る。概して、動作圧力は、所与の体重の患者を支持するための十分な圧力を提供するように選択することができ、したがって、浮上モードの動作圧力は患者の体重、配置などによって異なる。概して、所与の患者の平均接触支持圧力は、(患者の体重)÷(身体とサポートセル表面の接触面積)ように決定することができ、例えば、600平方インチの接触面積を有する200lb.の患者については、平均浮上圧力は、0.333psig、換言すれば、17.2mmHg又は22.9mbarである。いくつかの実施形態では、浮上モードの動作圧力は、約10mmHg(13.3mbar)~約32mmHg(42.7mbar)であり得る。いくつかの実施形態では、安全ベッドモードの動作圧力は約26mmHg(34.7mbar)であり得る。いくつかの実施形態では、移行モードの動作圧力は約66mbar~140mbar(50mmHg~約100mmHg)であり得る。50mbar~500mbarのゲージ圧は、上記のCPRモード又は進入-退出支援のようなより隆起した支持モードを生じさせる。他の動作圧力範囲も可能である。
【0118】
圧力センサ(例えば、ピエゾ抵抗式圧力センサ)は、支持デバイスでの使用が予想される温度で正確に動作できるべきである。例えば、いくつかの実施形態では、圧力センサは、少なくとも0℃、少なくとも5℃、少なくとも10℃、少なくとも15℃、少なくとも20℃、少なくとも25℃、少なくとも30℃、少なくとも40℃、又は少なくとも50℃の温度で圧力を測定するのに好適である。いくつかの実施形態では、圧力センサは、50℃未満、40℃未満、30℃未満、25℃未満、20℃未満、15℃未満、又は10℃未満の温度で圧力を測定するのに好適である。上記参照範囲の組み合わせも可能である(例えば、0℃~40℃)。他の範囲も可能である。
【0119】
本明細書中に記載される圧力センサ(例えば、ピエゾ抵抗式圧力センサ)は、高度の精度内(すなわち、低い誤差の程度)で圧力を提供することができる。例えば、いくつかの実施形態では、測定される圧力の誤差は、+/-10.00%、+/-5.00%、+/-2.00%、+/-1.00%、又は+/-0.50%以内である。
【0120】
上記のように、特定の実施形態では、支持デバイスの各セル又は支持デバイスの少なくとも複数のセルは、高さセンサ、好ましくは、各セルの各ブラダの高さを測定するための別個の高さセンサを含み得る。高さセンサは、セルのブラダの高さを測定するように動作できるように、セルの基部内又はセル若しくはデバイス内の別の場所に収容され得る。いくつかの実施形態では、高さセンサは光センサである。いくつかの好ましい実施形態では、上記のように、高さセンサは飛行時間型センサを含む。特定の実施形態では、光学高さセンサを含むセルは、内面、又は使用者に力を印加し、最大高さを画定するブラダの頂部部分の内面などのその少なくとも一部分が、光学光センサの性能を向上させるための反射性材料で作製、コーティングなどされているブラダを含み得る。
【0121】
上記のように、特定の実施形態では、支持デバイスの各セル又は支持デバイスの少なくとも複数のセルは、少なくとも1つの弁を含み得る。弁は、セルのブラダ内に収容された流体の流入及び流出を可能にするよう動作可能であるように、セルの基部内又はセル若しくはデバイス内の別の場所に収容され得る。弁は、セルのブラダ内の流体の流れを制御するように構成することができ、セルの基部内に又は基部に隣接して位置し得る。各弁は、複数のセル内の個々のセルと機能的に関連付けられ得る。弁は、複数のセルに圧力を提供するようにマニホールドと関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、収縮を可能にするためにセルとその周囲環境との間の、又はセルと真空源との間の流体の流れが制御され得るように弁が配置され、これにより、(例えば、支持されている使用者の身体又は高さ制御設定点を作成するためにブラダを押し下げる使用者又はオペレータの手による)外圧がない場合であっても、セルのブラダの高さを減少させる機能を促進することができる。弁は、セルと加圧流体源との間の拡張流体の流れを制御するために配置され得る。いくつかの実施形態では、各セルに対して複数の弁(例えば、入口弁及び出口弁又は比例弁及び切換弁、
図5A及び
図5Bを参照)が存在し、互いに独立制御可能であり得る。好ましい弁は電子制御可能であるため、コントローラにより自動的に又は半自動的に調整することができる。弁又は別の圧力調整構成要素は、個々のセル又はセルの群内で維持される圧力を独立的に調整するために、セルに及び/又はセルから流体を圧送するように作製及び構成されたポンプなどのポンプを含み得る。場合によっては、ブラダ内の圧力を流体源の圧力よりも高い圧力に維持すること、或いは、源の圧力よりも高いレベルに圧力を変更することが望ましい場合がある。そのような場合においては、流体は、ブラダに導入される前に、圧送そうでなければ圧縮され得る。同様に、特定の実施形態では、流体は、圧送機構を介してセルブラダから除去され得る。いくつかの実施形態では、デバイス、システム、及び方法は、第2の別個のシステムである空気供給システムを含み得、空気供給システムは、例えば、支持デバイス内の選択されたセルの群に加圧空気を供給するように構成された1つ以上のガス分配プレナム又はマニホールドに加圧空気を供給するように構成され得る制御可能な圧力調整器及び弁及び/又はポンプを含む。いくつかの実施形態では、制御又はセンシングシステムの「故障」を可能にするために、吹出し弁が各セル又はセルの群に組み込まれ得る。故障した場合、吹出し弁は、過拡張又はデバイス若しくは使用者への危害を避けるために、圧力を放出する(すなわち、故障したセル内の流体を放出する)ように構成されている。
【0122】
本明細書中の上及び別の場所に記載されるように、弁は、印加された電位に応答してたわむように構成された圧電アクチュエータを含み得る。圧電弁は、低コスト、低消費電力を提供し、フェイルセーフ動作(ベッドが拡張したままとなる)を容易にし、静かな動作を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、圧電弁の使用により、典型的な既存の弁設計の代替物と比較してよりコンパクトな設計を提供する。しかしながら、他の弁タイプも好適である。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の弁は、比例電磁弁及び/又は非比例電磁弁である。弁タイプの組み合わせ(例えば、圧電弁と非比例電磁弁など)も可能である。弁の選択は、セル毎に異なり得る、又は個々のセルに供給するプレナム若しくはマニホールドにガス供給部を接続する弁に関して異なり得る。
【0123】
特定の好ましい実施形態では、圧電弁は、各セル内(例えば、セルの基部内)に配置されている、又はセルの基部から離れているが、例えば可撓管接続によるセルの基部への流体連通によってセルと機能的に関連付けられている。
図21A~
図21Dは、それぞれが1つ以上のたわむことが可能な圧電要素2110を含む、使用され得る圧電弁設計のいくつかの構成を示す。例えば、
図21Aにおいて、弁体2120の圧電要素2110は、セル内又はセルの外部に、例えば、セルの基部に隣接し、入口2125及び出口2130に接続された管を介してセルの基部に流体的に相互接続されて位置し得る。いくつかの実施形態では、弁は、セルの外部の、複数のセルが取り付けられたデバイスの表面とは異なる物理的に離れた場所に配置される。使用時に、弁は、圧電要素2110が空気出口ライン2130の密封面に密封ガスケット2140を押し付けることにより、図示されるような閉鎖位置に付勢される。コントローラによって起動されると、電気コンタクト2150によって圧電要素2110に電位が印加され、圧電要素2110の上向きのたわみをもたらし、加圧空気が出口2130を通して放出される。
図21Bは、流入及び流出両方の独立制御用の2つの圧電要素設計を示す。
図21C及び
図21Dは、他の単一圧電要素設計を示す。
【0124】
本明細書中に記載されるデバイス、システム、及び方法は、各セル内の圧力を独立制御することができるように、複数のセルのそれぞれ個々のセル又は複数のセル内の選択されたセルのセットを圧力源に流体的に接続するように構成されたマニホールドを更に含み得る。1つ以上の支持基部を有するセルを含む特定の実施形態では、そのような各セル、又は基部を共有する複数のセルは、対応する基部を介してマニホールドに独立して接続され得る。各基部は、このように接続される基部が、1つの個々に制御可能なセル(この場合、基部は、共通制御のために共にまとめられている(すなわち、弁なし接続により))、又は複数の別個の個々に制御可能なセル(この場合、別個の制御可能な弁付き接続が示される)と関連付けられているかどうかに応じて、弁付き又は弁なし接続により、マニホールドに電気的に及び/又は流体的に接続され得る。マニホールドは、また、セルの基部に直接、又は他の支持要素を介して構造的又は機械的支持を提供するように構成され得る。デバイス、システム、及び方法は、複数の基部の第1のグループが第1のマニホールドに接続され、複数の基部の第2のグループが第2のマニホールドに接続された複数のそのようなマニホールドを更に含み得る。グループは、セクション、ゾーン、セクションのサブセット、1つ以上の行、1つ以上の列、及び/又は幾何学的グループなどを含み得る。
【0125】
本明細書中に記載されるデバイス、システム、及び方法は、複数のセル又は複数のセル内の選択されたセルのセットのそれぞれ個々の基部を支持するように構成された取付板を含む支持体にそれらの対応する基部を介して固定されたセルを有する1つ以上のセクション又はサブセクションを更に含み得る。1つ以上のセルと関連付けられた各基部は、このように接続された基部が、個々に制御可能な単一のセルと関連付けられる及び/又はコントローラによって監視されることが望ましいかどうかに応じて、取付板に電気的に接続され得る。取付板はまた、セルの基部に直接、又は他の支持要素、締結具、支持ブラケット、取付構造などを介して構造的又は機械的支持を提供するように構成され得るとともに、保守及び/又は交換のための取り外しを容易にするために別個のモジュールとして構成され得る。デバイス、システム、及び方法は、セル又は複数のセルの基部の第1のグループが第1の取付板に接続され、セル又は複数のセルの基部の第2のグループが第2の取付板に接続された、複数のそのような取付板を更に含み得る。グループは、セクション、ゾーン、セクションのサブセット、1つ以上の行、1つ以上の列、及び/又はセルの幾何学的グループなどを含み得る。
【0126】
支持デバイスの複数のセルのそれぞれ個々のセルは、個々に機能及び制御され得る。すなわち、複数のセルの個々のセルは、複数のセルの他のセルと異なるように制御される圧力及び/又はブラダ高さを有し得る。特定の実施形態では、少なくともいくつかのセル又は更にはデバイスのセルの大半(例えば、全てのセル)は、同じ圧力及び/又はブラダ高さを有するように一緒に機能し、集合的に制御され得るように共に連結された複数のブラダを含み得る。したがって、いくつかの実施形態では、セルの群(例えば、セルの第1のセット、セルのサブセット)、又は複数のセル内のゾーンは、まとめられ、そのような連結されたブラダの群を有する他のセル(例えば、連結されたブラダの第2のセットを有するセル)と異なる圧力及び/又はブラダ高さに一緒に制御される複数のブラダを含み得る。一緒に連結された複数の、場合によっては多くの(例えば、10個よりも多い又は20個よりも多い)ブラダを有するセルをそれぞれが含む複数のゾーン(例えば、第1のゾーン、第2のゾーン、第3のゾーン、第4のゾーン)の使用は、そのような領域内のセルのより均一で、より簡単で、よりコストのかからないセル設計を容易にすることができ、離散的で非常に粒度の高い空間的制御及び状態表示があまり重要でない支持デバイスのセクションに対して有用で、コスト効果的であり得る。
【0127】
図22は、支持デバイスの例示的な病院ベッド実施形態を示す。
図22の開示される支持デバイス実施形態の1つの利点は、離散的領域において患者に印加されるTIPの精密な制御を、AFTデバイスのように、各セルが個々のブラダを含むセルのレベルの制御の空間的粒度で提供することができるが、AFTデバイスとは異なり、セルが、非水平に方向付けられた支持面、例えば、角度を成して又は更には垂直に方向付けられた支持面を提供するよう動作するように配置され得ることである。調節可能なベッド2200は、例えば、垂直に方向付けられたセル200vを有する第1の水平支持面部分2210と、支持面部分2210と水平及び同一平面の状態から、水平に方向付けられたセル200hを有する図示されるような実質的に垂直の状態に調節され得る第2の支持面を提供する調節可能な上部本体部分2220とを含む。
【0128】
概して、開示される使用者の身体の少なくとも一部分を支持するためのデバイス、方法、及びシステムは、様々な目的又は用途のための様々な設定で使用され得る。場合によっては、例えば、デバイスは、病院環境内で患者を支持するために使用され得、外部オペレータは、看護師又は介護者であり得る。いくつかの実施形態では、デバイス、方法、又はシステムは、家庭用のベッド、マットレス、若しくは支持クッションとの関連で、又は車椅子などの椅子のシート若しくはアームレストとして使用されるように構成され得る。本開示はこのように限定されないため、他の用途も可能である。
【0129】
コントローラ
デバイス、システム、及び方法は、デバイス又はシステムの1つ以上の構成要素を制御するように構成された少なくとも1つのコントローラを利用することができる(以下で「コントローラ」又は「コンピュータ実装制御システム」と呼ばれる場合、そのような記載は、特に指示のない限り、別個のコントローラ/コンピュータ実装制御システム又は分散制御を用いた実施形態の少なくとも1つの又はいくつかの別個のコントローラ/コンピュータ実装制御システムのそれぞれにも適用されることは理解すべきである)。例えば、コントローラは、デバイス又はシステムの複数のセルの各セルを独立制御するように構成され得る。デバイス又はシステムは、それぞれが1つ以上の個々に制御可能なセルを含む1つ以上のセクション又はゾーンを含み得、1つ以上のコントローラは、1つ以上のセクション又はゾーンのそれぞれを別々に及び/又は独立的に制御するように提供及び構成され得る。1つ以上のセクションの少なくとも1つのセクションは、1つ以上のサブセクションを含み得、同じ又は別個のコントローラは、独立的に又は協同的に、1つ以上のサブセットのそれぞれを別々に及び/又は独立的に制御するように構成され得る。場合によっては、別個のコントローラ又はコントローラ構成要素又はプロセッサ又は処理要素は、デバイス又はシステムの少なくとも1つの、いくつかの、又は全てのセル内に含まれ得る。いくつかの実施形態では、コントローラは、高さセンサ及び/又は圧力センサから受け取ったブラダ高さ及び/又は圧力を測定する、記録する、及び/又は表示することができる。
【0130】
コントローラは、複数のセルの各セル内の圧力及び/又はブラダ高さを一定又は可変速度で制御するように構成され得る。コントローラは、ケーブルを介して又は無線で弁(例えば圧電弁)又は圧力分配器と通信することができる。
【0131】
いくつかの実施形態では、コントローラは、セル又はセルのセットが特定のブラダ高さ及び/又は圧力に保持される時間長を測定するように構成され、そのようにプログラムされたプロセッサを含む。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラは、セル又はセルのセットによって使用者の身体に、圧力センサによって測定された力/圧力が印加される時間長を測定するように構成及びプログラムされている。コントローラはまた、1つ以上の高さセンサによって測定された特定のブラダ高さを特定のセル又はセルのセットが維持する時間長を測定するように構成及びプログラムされ得る。
【0132】
セル又はセルのセットのブラダ高さ及び/又は圧力値の特定の時間長を測定するコントローラは、有利には、使用者の損傷を予測して回避するために、そのような値を設定点又は損傷閾値と比較するように構成され得る。例えば、典型的なマットレス及び患者支持デバイスは、特定のレベルを上回る圧力が使用者の身体の一部分に長時間にわたって加えられることからもたらされる創又は褥瘡を引き起こすことがある。損傷が生じるまでの許容時間は印加される圧力に依存し、その逆もまた然りである。有利には、本明細書中に記載されるデバイス及びシステムの特定の実施形態は、セル圧力及びブラダ高さデータを測定し、任意選択的に、記録する及び/又は送信するのみならず、また、任意の特定の印加された圧力によって特徴付けられる1つの、複数の、又は全てのセルの時間長を決定し、任意選択的に、記録する及び/又は送信するように構成されている。このような実施形態は、身体の特定の部分が特定の印加力/圧力をどれほどにわたって受けているかを監視するように構成されている。有利には、いくつかのそのような実施形態では、コントローラは、身体の一部分が特定の印加圧力を特定の時間長にわたって受けたことに応答して、ブラダ高さ及び/又は圧力セル又はセルのセットを調整するように構成及びプログラムされてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラは、デバイスのセル及び使用者の身体との1つ、いくつか、又はそれぞれの接触点に印加される圧力を、圧力-時間損傷閾値を超えないことを確実にするような時間間隔で定期的に又は自動的に調整するように構成され得る(例えば、1つ以上のセルのブラダ高さを調整することによって)。特定の実施形態では、コントローラ及びプロセッサは、持続的且つ動的な圧力-時間内部制御を個々のセルのレベルで提供するように構成され得る。例えば、支持面又はそのサブセクション内の各セルに関して、制御システムは、各特定のセルがセルに隣接する患者の身体の部分に測定圧力を印加した時間長を測定し、任意選択的に、記録する及び/又は送信することができ、各セルに関して、損傷の圧力-時間閾値に到達した場合、制御システムは、デバイスのオペレータに警告する、又は印加される圧力を閾値未満に低下させる及び/又は印加される力を再分配して類似の効果を達成するために患者を体位変換するようにセル(及び/又は周囲の又は遠くのセル)の圧力/ブラダ高さを調整する、のうちの1つ以上を行ってもよい。このようにして、本明細書中に記載される特定のデバイス及びシステムは、有利には、暴露時間長を考慮に入れずに圧力レベル閾値のみが使用される制御パラメータ(used a control parameter)状況に比べてより少ない破壊(disruption)及び調整行為で使用者に対する圧迫損傷(例えば、褥瘡、創)を最小限にする又は排除することができる。追加の利点として、圧力-時間測定及び調整機能がプログラムされたコントローラは、外部オペレータの介入なしで所望の間隔で自動的に使用者が体位変換されること及び/又はセル圧力が調整されることを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、少なくとも身体の一部分に対する圧力×時間長の値(すなわち、圧力-時間測定値又は値)が(例えば、
図23に示されるような及び以下に記載するような)特定の値を超えた場合に、使用者及び/又は介護者に通知するようにプログラムされ、構成されている。
【0133】
警報又は再調整を起動することなく特定の測定セル圧力を許容できる時間長は、測定圧力によって異なる。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラは、セル圧力を測定する、そのようなセルによって患者の身体に印加された圧力/力を決定する、及びそのような圧力超で(at such pressure of greater)、最大20mmHgの圧力が身体に印加される場合は最大12時間、最大50mmHgの圧力が身体に印加される場合は最大8時間、最大75mmHgの圧力が身体に印加される場合は最大5時間、最大90mmHgの圧力が身体に印加される場合は最大3時間、最大125mmHgの圧力が身体に印加される場合は最大2時間、最大200mmHgの圧力が身体に印加される場合は最大60分間の時間長を可能にすることができる。(注:これらの値は、説明目的にすぎず、それぞれ参照により組み込まれる、Linder-Ganz E, Engelberg S, Scheinowitz M, Gefen A.“Pressure-time cell death threshold for albino rat skeletal muscles as related to pressure sore biomechanics.”J Biomech. 2006;39(14):2725-32、及びGefen A.“Bioengineering models of deep tissue injury.”Adv Skin Wound Care.”2008 Jan;21(1):30-6に公開されているデータに基づく、
図23に示されるReswick and Rogers及びGefenの曲線から取られたものである)。警報は、患者の皮膚の健康、快適性、及び他の健康事項に関する処置する介護者の知識によって決定された患者のニーズを満たすように調整され得る)。
【0134】
組織損傷のリスクを回避又は低減するために皮膚の暴露の時間長関数として印加される圧力/力レベルが、決定され、表にされている。例えば、セル圧力-時間長の適切な制御パラメータの選択を知らせることができる圧力-時間閾値は、上記で参照した文献に見ることができ、Gefenの曲線又はReswick & Rogersの曲線)(例えば、
図23に示すような)で示され得る。これらが示すこのような曲線及びデータは、特定の印加圧力で褥瘡のリスクがある使用者の暴露時間を予想するためのガイドとして使用することができるが、上記のように、好ましい実施形態では、閾値は特定の使用者/条件に対して決定され、保守的に選択される。特定のコントローラはまた、圧力-時間データを測定する、及び任意選択的に、記録する及び/又は送信する機能を有してプログラム及び構成され得るのみならず、圧迫損傷のリスクの増加を回避するための測定セル圧力における許容時間長を定義する制御設定点を提供するために、更に、Gefenの曲線又はReswick & Rogersの曲線又は類似の情報(例えば、圧力-時間組織損傷/快適性データの最良近似較正方程式、ルックアップテーブル内の同様のデータなどの形態)を伴ってプログラムすることができ、更に、使用者のリスクを低減する(例えば、排除する)ために、制御設定点を超える任意のセルの圧力及び/又は高さを調整するようにプログラムされ得る。最後に、時間及び圧力閾値は、施設又は機関が全ての患者又は患者クラスに適切であると考える任意の値に設定され得る。
【0135】
図24は、上記の圧力時間積閾値制御方法を実施するコントローラの例示的な制御アルゴリズムのフローチャート2400を示す。工程2410において、コントローラは初期化される。工程2412において、コントローラは、1つ以上のセルの圧力センサ及び/又は高さセンサをアドレス指定することにより、1つ以上のセル(例えば全てのセル)の圧力の少なくともいくつか(例えば、全ての圧力)及び/又はブラダ高さの少なくともいくつか(例えば、全てのブラダ高さ)を指定の時間刻み幅で(例えば、10分毎、5分毎、2分毎、1分毎、30秒毎、又はより頻繁に)読み取る。工程2414において、最後の問い合わせからの間隔の圧力-時間成分が、例えばプロセッサのメモリ内の圧力投入アキュムレータに追加され、工程2416において、格納された圧力時間値が、適宜、減弱/減衰され得る。工程2418において、次の問い合わせの時間までに、そのような圧力における暴露を考慮して、損傷のリスクを低、中、又は高として分類するために、圧迫損傷リスクが(例えば、圧力時間値/時間長を、例えば、較正方程式、ルックアップテーブルなどに格納されたシグモイド関数の極限と比較することによって)評価され得る。いくつかの実施形態では、Gefenの曲線又はReswick and Rogers曲線をシグモイド関数として使用することができる。中又は高リスクの損傷の閾値が決定されると、工程2422に示されるように、問題のセルの圧力及び/又はこれらの及び/又は他のセルのより広い圧力分布は、増加する(すなわち、中又は高)リスクを示す領域を解放するように調整され得る。特定の実施形態では、高い損傷リスクの兆候が決定された場合、コントローラは、使用者及び/又は介護者に対して、状態、及び任意選択的に、特定のセル/関連する使用者の身体の領域を特定する警報2420を発することができる。工程2424において、フィードバックループは終了し、プロセスは、後続の問い合わせ及びs工程2412~2424の繰り返しのためのサイクル時間間隔後に工程2410に戻ることができる。
【0136】
制御システム、コントローラ、及びプロセッサの構成要素及び更なる構成に関しては、コントローラは、GUIと1つ以上の制御部とを含むユーザインタフェースを含み得る。コントローラは、使用者が1つ以上の入力構成要素を介して1つ以上の入力パラメータを入力することを可能にするように構成され得る。1つ以上の入力構成要素は、タッチスクリーン、キーボード、ジョイスティック、電子マウス、オーディオデバイス(例えば、オーディオレコーダ)、ハンドヘルド有線又は非有線デバイスなどのリモートデバイス、電話、及び/又は携帯電話であり得る。他の入力構成要素も可能である。1つ以上の入力パラメータは、複数のセルの各セル;セルのセクション;セルの1つ以上のゾーン;セルの1つ以上の行、又はセルの任意のグループ内で維持される圧力及び/又は高さであり得る。コントローラの他の制御可能なパラメータ機能としては、隣接するセルに対して凹みを形成するようにセルのブラダの隙間の程度を最大拡張高さから制御すること;任意の圧力及び/又は高さ設定の時間長を設定及び制御すること;様々なモードの設定及び/又は制御に関連する情報を集約、処理、表示、格納、及び/又は送信すること;患者のバイタル情報などの任意の患者パラメータを集約、処理、表示、格納、及び/又は送信すること;特定の使用者(例えば、患者)の行為又は患者が必要な補助なしでデバイスから出ようとしているなどの良くない状況に関して外部オペレータ(例えば、臨床家)に知らせるための通知などの通知を提供すること;潜在的な圧迫潰瘍部位に相関し得る部位の温度の上昇に関して外部オペレータ(例えば、臨床家)に知らせるための通知などの通知を提供すること;既知の又は予想される圧力変化以外の圧力変化に関して外部オペレータ(例えば、臨床家)に知らせるための通知などの通知を提供すること;ブラダがその対応する基部又はマニホールドの一部分と接触した場合に関して外部オペレータ(例えば、臨床家)に知らせるための通知などの通知を提供すること;オペレータの名前及び/又は従業員IDなどのオペレータ固有の情報、施設固有の情報、周囲圧力又は湿度などの環境固有の情報、ロックアウトコードなどのセキュリティ情報、許可された患者制御などの使用者許可及び/又は制限を集約、処理、表示、格納、及び/又は送信すること;並びにこれらの組み合わせが挙げられ得る。他の入力パラメータ、制御機能、及び情報集約、処理、表示、格納、及び/又は送信タスクも可能である。
【0137】
デバイスは、ビデオディスプレイ;液晶ディスプレイ;英数字ディスプレイ;スピーカなどのオーディオデバイス;発光ダイオードなどの照明;振動機構を含むアセンブリなどの触覚通知;及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の出力構成要素を更に含み得る。
【0138】
コントローラは、1つ以上の外部電子モジュールによって受信されるように構成された1つ以上の出力信号を発生させるように構成され得る。1つ以上の出力信号は、電流;電気信号;電話データストリーム;Bluetooth又は他の無線信号;及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。1つ以上の外部電子モジュールは、オフサイト警報;コンピュータプロセッサ;メモリ;ビデオシステム;ソフトウェア;及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0139】
コントローラは、使用者が1つ以上のデバイス機能及び/又はモードを開始、変更及び/又は停止することを可能にするように構成され得る。使用者及び/又は外部オペレータは、患者;臨床家;医師;看護師;外科医;病院又は医療施設の任意の職員;家族;介護者;及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0140】
上記のように、システム及びデバイスの特定の実施形態は、システムの様々な構成要素/サブシステムを操作し、制御及びデータ集約、処理、表示、及び送信機能などを実施するための1つ以上のコントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムを含む(例えば、
図5A及び
図5Bに示されるコントローラ/コンピュータ実装制御システム510。記載されている任意の計算の方法、工程、シミュレーション、アルゴリズム、システム、及びシステム要素は、以下に記載するコンピュータ実装システムの実施形態などの1つ以上のコンピュータ実装制御システムを使用して実施及び/又は制御され得る。記載されている方法、工程、制御システム、及び制御システム要素は、記載されている任意の特定のコンピュータシステムへの実装に限定されず、多くの他の異なる機械が使用されてもよい。
【0141】
コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムは、支持デバイス及び/又は他の自動化システム構成要素の一部であり得、又はこれらと動作的に関連して結合され得、いくつかの実施形態では、動作パラメータを制御及び調整するように、並びに上記のような値、例えば、圧力値、高さ、TIPなどを分析及び計算するように構成及び/又はプログラムされる。いくつかの実施形態では、コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムは、支持デバイスの動作パラメータを設定及び/又は制御するために基準信号を送信及び受信することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムは、支持デバイスの他の構成要素に物理的に組み込まれ得る、物理的に接続され得る、又はこれとハードワイヤ接続され得る。実施形態では、コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムは、他のシステム構成要素から分離され得る及び/又はこれに対してリモートに位置することができ、磁気ディスクなどの携帯型電子データストレージデバイスなどの間接及び/又は携帯型手段を介して、又はインターネット若しくはローカルイントラネットなどのコンピュータネットワークでの通信を介して、本開示の1つ以上のリモート支持デバイスからデータを受け取るように構成され得る。
【0142】
コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムは、以下により詳細に記載されるような、処理ユニット(すなわち、1つ以上のプロセッサ)、メモリシステム、入力及び出力デバイス及びインタフェース(例えば、相互接続機構)を含むいくつかの既知の構成要素及び回路構成、並びに輸送回路(例えば、1つ以上のバス)、ビデオ及びオーディオデータ入出力(I/O)サブシステム、特殊目的ハードウェアなどの他の構成要素、並びに他の構成要素及び回路構成を含み得る。更に、コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムは、マルチプロセサコンピュータシステムであり得る、又はコンピュータネットワークで接続された複数のコンピュータを含み得る。
【0143】
コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムは、1つ以上のプロセッサ、例えば、Intelから入手可能なシリーズx86、Celeron、及びPentiumプロセッサ、AMD及びCyrixの類似のデバイス、Motorolaから入手可能な680X0シリーズマイクロプロセッサ、及びIBMのPowerPCマイクロプロセッサのうちの1つなどの市販のプロセッサを含み得る。多くの他のプロセッサを利用可能であり、コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムは特定のプロセッサに限定されるものではない。
【0144】
プロセッサは、典型的には、Windows NT、Windows 95又は98、Windows XP、Windows Vista、Windows 7、Windows 10、UNIX、Linux、DOS、VMS、及びMacOSがその例であり、他のコンピュータプログラムの実行を制御し、スケジューリング、デバッギング、入出力制御、アカウンティング、コンパイル、ストレージ割り当て、データ管理及びメモリ管理、通信制御及び関連サービスを提供するオペレーティングシステムと呼ばれるプログラムを実行する。プロセッサ及びオペレーティングシステムは、そのアプリケーションプログラムが高レベルのプログラミング言語で書かれたコンピュータプラットフォームを共に定義する。コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムは、特定のコンピュータプラットフォームに限定されない。
【0145】
コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムは、メモリシステムを含み得、メモリシステムは、典型的には、コンピュータ読み取り可能及び書き込み可能不揮発性記録媒体を含み、磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリ、及びテープがその例である。このような記録媒体は、例えば、フロッピーディスク、読み取り/書込みCD、若しくはメモリスティックなど取り外し可能であってもよい、又は例えばハードドライブなど永久的なものであってもよい。
【0146】
このような記録媒体は、信号を、典型的にはバイナリ形態(すなわち、1と0のシーケンスとして解釈される形態)で格納する。ディスク(例えば、磁気又は光学)は、そのような信号が、典型的にはバイナリ形態、すなわち、1と0のシーケンスとして解釈される形態で格納され得るいくつかのトラックを有する。このような信号は、マイクロプロセッサによって実行されるソフトウェアプログラム、例えばアプリケーションプログラム、又はアプリケーションプログラムによって処理される情報を定義し得る。
【0147】
コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムのメモリシステムはまた、典型的には動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)又は静的メモリ(SRAM)などの揮発性ランダムアクセスメモリである集積回路メモリ要素を含み得る。典型的には、動作時に、プロセッサは、プログラム及びデータを不揮発性記録媒体から集積回路メモリ要素に読み込ませ、これにより、典型的には、プロセッサによるプログラム命令及びデータへの、不揮発性記録媒体よりも高速のアクセスを可能にする。
【0148】
プロセッサは、一般に、集積回路メモリ要素内のデータをプログラム命令に従って操作し、その後、処理の完了後に、操作されたデータを不揮発性記録媒体にコピーする。不揮発性記録媒体と集積回路メモリ要素との間のデータの移動を管理するための様々な機構が知られており、上述の方法、工程、システム制御、及びシステム要素制御を実施するコントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムは、これらに限定されない。コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムは、特定のメモリシステムに限定されない。
【0149】
上述のそのようなメモリシステムの少なくとも一部は、1つ以上のデータ構造(例えば、ルックアップテーブル)、又は較正曲線方程式などの方程式を格納し得る。例えば、不揮発性記録媒体の少なくとも一部は、そのようなデータ構造の1つ以上を含むデータベースの少なくとも一部を格納し得る。このようなデータベースは、様々なタイプのデータベースのいずれか、例えば、デリミタによって分離されたデータユニットにデータが組織化された1つ以上のフラットファイルデータ構造を含むファイルシステム、テーブルに格納されたデータユニットにデータが組織化された関連データベース、オブジェクトとして格納されたデータユニットにデータが組織化されたオブジェクト指向データベース、別のタイプのデータベース、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0150】
コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムは、ビデオ及びオーディオデータI/Oサブシステムを含み得る。サブシステムのオーディオ部分は、アナログオーディオ情報を受け取り、それをデジタル情報に変換するアナログデジタル(A/D)コンバータを含み得る。デジタル情報は、別の時に使用するためにハードディスク上に格納するために、既知の圧縮システムを使用して圧縮されてもよい。I/Oサブシステムの典型的なビデオ部分は、その多くが当技術分野において周知のビデオ画像圧縮器/解凍器を含み得る。このような圧縮器/解凍器は、アナログビデオ情報を圧縮されたデジタル情報に変換し、その逆もまた然りである。圧縮されたデジタル情報は、後の使用のためにハードディスクに格納され得る。
【0151】
コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムは、1つ以上の出力デバイスを含み得る。例示的な出力デバイスとしては、陰極線管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、及び他のビデオ出力デバイス、プリンタ、モデム又はネットワークインタフェースなどの通信デバイス、ディスク又はテープなどのストレージデバイス、及びスピーカなどのオーディオ出力デバイスが挙げられる。
【0152】
コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムはまた、1つ以上の入力デバイスを含み得る。例示的な入力デバイスとしては、キーボード、キーパッド、トラックボール、マウス、ペン及びタブレット、上記のような通信デバイス、並びにオーディオ及びビデオキャプチャデバイス及びセンサなどのデータ入力デバイスが挙げられる。コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムは、記載されている特定の入力又は出力デバイスに限定されない。
【0153】
記載した様々な実施形態を実装するために任意のタイプのコントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムの1つ以上が使用され得ることを理解すべきである。コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムの機能は、ソフトウェア、ハードウェア、若しくはファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせで実装され得る。コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムは、特別にプログラムされた特殊目的のハードウェア、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)を含み得る。このような特殊目的のハードウェアは、上述のコントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システムの一部として又は独立構成要素として、上述の1つ以上の方法、工程、シミュレーション、アルゴリズム、システム制御、及びシステム要素制御を実施するように構成され得る。
【0154】
コントローラ及び/又はコンピュータ実装制御システム及びその構成要素は、様々な1つ以上の適切なコンピュータプログラミング言語のいずれかを使用してプログラム可能であり得る。このような言語は、手続き型プログラミング言語、例えば、LabView、C、Pascal、Fortran及びBASIC、オブジェクト指向言語、例えば、C++、Java及びEiffel、並びに他の言語、例えば、スクリプト言語又は更にはアセンブラ言語を含み得る。
【0155】
そのようなコンピュータシステムによって実行され得る、方法、工程、シミュレーション、アルゴリズム、システム制御、及びシステム要素制御は、手続き型プログラミング言語、オブジェクト指向プログラミング言語、他の言語、及びこれらの組み合わせを含む様々な適切なプログラミング言語のいずれかを使用して実装され得る。そのような方法、工程、シミュレーション、アルゴリズム、システム制御、及び要素制御は、コンピュータプログラムの別個のモジュールとして実装され得る、又は別個のコンピュータプログラムとして個々に実装され得る。このようなモジュール及びプログラムは、別個のコンピュータ上で実行され得る。
【0156】
このような方法、工程、シミュレーション、アルゴリズム、システム制御、及びシステム要素制御は、個別又は組み合わせのいずれかにおいて、コンピュータ可読媒体、例えば、不揮発性記録媒体、集積回路メモリ要素、又はこれらの組み合わせ上のコンピュータ可読信号として実体的に具現化されたコンピュータプログラム製品として実装され得る。各そのような方法、工程、シミュレーション、アルゴリズム、システム制御、又はシステム要素制御に関して、そのようなコンピュータプログラム製品は、例えば、コンピュータによって実行された結果、方法、工程、シミュレーション、アルゴリズム、システム制御、又はシステム要素制御を実施するようにコンピュータに命令する1つ以上のプログラムの一部として命令を定義する、コンピュータ可読媒体上の実体的に具現化されたコンピュータ可読信号を含み得る。
【0157】
本発明のいくつかの実施形態を本明細書に説明及び図示してきたが、当業者であれば、機能を実施するための及び/又は結果及び/又は本明細書中に記載される利点の1つ以上を得るための様々な他の手段及び/又は構造を容易に想定し、そのような変更及び/又は修正のそれぞれは、本発明の範囲内であると考えられる。より一般的には、当業者であれば、本明細書中に記載される全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成は例示であり、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、本発明の教示が用いられる特定の用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者であれば、単なる日常的な実験を用いて、本明細書中に記載される本発明の特定の実施形態の多くの均等物を理解するであろう又は確認することができるであろう。したがって、前述の実施形態が単なる例として示され、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内で、本発明が具体的に記載及び請求されたものとは別の手法で実施され得ることは理解されるべきである。本発明は、本明細書中に記載されるそれぞれ個々の特徴、システム、物品、材料及び/又は方法を対象とする。更に、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、及び/又は方法の任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合、本発明の範囲内に含まれる。
【0158】
不定冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、本明細書及び特許請求の範囲で使用する場合、別段の明確な記載のない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解すべきである。
【0159】
語句「及び/又は」は、本明細書及び特許請求の範囲で使用する場合、そのように結合された要素、すなわち、ある場合においては接続的に存在し、他の場合においては分離的に存在する要素の「いずれか又は両方」を意味するものと理解すべきである。別段の明確な記載のない限り、具体的に特定された要素に関連する又は関連しないにかかわらず、「及び/又は」節によって具体的に特定された要素以外の他の要素が、任意選択的に、存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「含む(comprising)」などのオープンエンドの言語とともに使用される場合の「A及び/又はB」への言及は、一実施形態においては、BなしのA(任意選択的に、B以外の要素を含む);別の実施形態においては、AなしのB(任意選択的に、A以外の要素を含む);更に別の実施形態においては、A及びBの両方(任意選択的に、他の要素を含む)などを指す場合がある。
【0160】
本明細書及び特許請求の範囲で使用する場合、「又は」は、上で定義した「及び/又は」と同じ意味を有するものと理解すべきである。例えば、リスト内の項目を区切る場合、「又は」又は「及び/又は」は、包括的、すなわち、いくつかの又はリスト要素の少なくとも1つを含むだけでなく、2つ以上も含み、任意選択的に、追加のリストにない項目も含むものと解釈されるものとする。「の1つのみ(only one of)」又は「のただ1つ(exactly one of)」などの別段の明確な記載のある用語のみ、又は特許請求の範囲で使用される場合、「からなる(consisting of)」は、いくつかの又はリストの要素のただ1つの要素を含むことを指す。概して、用語「又は」は、本明細書で使用する場合、「いずれか(either)」、「のうちの1つ(one of)」、「のうちの1つのみ(only one of)」、又は「のただ1つ(exactly one of)」などの排他的な用語が先行する場合にのみ、排他的な選択肢(すなわち、「どちらか一方であり、両方ではない」)を示すものと解釈されるものとする。「実質的に~からなる(Consisting essentially of)」は、特許請求の範囲で使用される場合、特許法の分野で使用されるその通常の意味を有するものとする。
【0161】
本明細書及び特許請求の範囲で使用する場合、1つ以上の要素のリストに言及する場合の語句「少なくとも1つの」は、要素のリスト内のいずれか1つ以上の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味し、要素のリスト内に具体的に挙げられたありとあらゆる要素の少なくとも1つを必ずしも含まず、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外しないものと理解すべきである。この定義はまた、具体的に特定される要素に関連する又は関連しないにかかわらず、語句「少なくとも1つの」が言及する要素のリスト内で具体的に特定される要素以外の要素が任意選択的に存在し得ることを可能にする。したがって、非限定的な例として、「A及びBの少なくとも1つ」(又は同等に、「A又はBの少なくとも1つ」、又は同等に、「A及び/又はBの少なくとも1つ」)が、一実施形態において、少なくとも1つの、任意選択的に、1つより多いAを含み、Bが存在しない(及び任意選択的に、B以外の要素を含む);別の実施形態において、少なくとも1つの、任意選択的に、1つより多いBを含み、Aが存在しない(及び任意選択的に、A以外の要素を含む);更に別の実施形態において、少なくとも1つの、任意選択的に、1つより多いAを含み、及び少なくとも1つの、任意選択的に、1つより多いBを含む(及び任意選択的に、他の要素を含む)等を指す場合がある。
【0162】
いくつかの実施形態は、その様々な例が記載されてきた方法として具現化され得る。方法の一部として実施される行為は、任意の適切な手法で順序付けされてもよい。したがって、示されたものと異なる順序で行為が実施される、記載されたものと異なる(例えば、より多い又は少ない)行為を含み得る、及び/又は具体的に上記した実施形態において行為が逐次的に実施されると示されていたとしても、いくつかの行為を同時に実施することを伴い得る実施形態が構築される場合がある。
【0163】
特許請求の範囲における、クレーム要素を修飾するための「第1の」、「第2の」、「第3の」等などの順序を表す用語の使用は、それ自体が、別のクレーム要素に対する1つのクレーム要素の優先、優先順位、若しくは順序、又は方法の行為が実施される時間的順序を示唆するものではなく、クレーム要素を区別するために、特定の名を有する1つのクレーム要素を同じ名を有する別の要素から区別するためのラベルとして使用されているにすぎない(順序を表す用語の使用を別にすれば)。
【0164】
特許請求の範囲及び上記明細書において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(carrying)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」、「持つ(holding)」等などの全ての移行句は、オープンエンド、すなわち、含むが、限定されない(including but not limited to)を意味するものと理解されるべきである。米国特許庁の特許審査便覧の2111.03項に規定されているように、移行句「からなる(consisting of)」及び「から実質的になる(consisting essentially of)」のみが、それぞれ、クローズド移行句又は一部クローズド移行句であるものとする。
【国際調査報告】