(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(54)【発明の名称】C-4糖及びケト糖の調製方法
(51)【国際特許分類】
C07C 45/64 20060101AFI20230612BHJP
B01J 23/30 20060101ALI20230612BHJP
B01J 23/22 20060101ALI20230612BHJP
B01J 23/28 20060101ALI20230612BHJP
B01J 27/22 20060101ALI20230612BHJP
B01J 23/16 20060101ALI20230612BHJP
B01J 31/22 20060101ALI20230612BHJP
C07C 47/19 20060101ALI20230612BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20230612BHJP
【FI】
C07C45/64
B01J23/30 M
B01J23/22 M
B01J23/28 M
B01J27/22 M
B01J23/16 M
B01J31/22 M
C07C47/19
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568391
(86)(22)【出願日】2021-04-30
(85)【翻訳文提出日】2023-01-05
(86)【国際出願番号】 US2021030350
(87)【国際公開番号】W WO2021231111
(87)【国際公開日】2021-11-18
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507303309
【氏名又は名称】アーチャー-ダニエルズ-ミッドランド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ,ウィリアム ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】テリアン,ジョッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ブラジル,ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,ケヴィン
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169BA02B
4G169BA04B
4G169BA13A
4G169BA14A
4G169BA14B
4G169BA22A
4G169BA22B
4G169BA28A
4G169BA28B
4G169BB04A
4G169BB04B
4G169BB15B
4G169BB18A
4G169BC04A
4G169BC31A
4G169BC35A
4G169BC35B
4G169BC54B
4G169BC59B
4G169BC60B
4G169BC66A
4G169BC67A
4G169BD03A
4G169BE16A
4G169BE16B
4G169BE38A
4G169BE38B
4G169CB25
4G169CB35
4G169CB46
4G169CB62
4G169DA08
4G169EA01Y
4G169EA02Y
4G169EA04Y
4G169EA06
4G169EA08
4G169EC02X
4G169EC02Y
4G169EC03X
4G169EC03Y
4G169FA01
4G169FA02
4G169FB08
4H006AA02
4H006AC41
4H006AC45
4H006BA07
4H006BA34
4H006BD20
4H039CA62
(57)【要約】
C4アルドース及び/又はそれらのケトンを調製するための種々の方法が記載される。グリコールアルデヒドを含む供給組成物から、C4アルドース及び/又はそれらのケトンを調製するための種々の方法が記載される。また、C4アルドース及び/又はそれらのケトンから、エリスリトール及びエリスロン酸などの有用な下流生成物及び中間体を調製するための種々の方法が記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
C
4アルドース及び/又はそのケトンの調製方法であって、
グリコールアルデヒドを含む供給組成物を、イミダゾレート骨格を含む触媒に反応領域中で接触させて、前記グリコールアルデヒドの少なくとも一部を縮合させて、前記C
4アルドース及び/又はそのケトンを得ることを含む、方法。
【請求項2】
C
4アルドース及び/又はそのケトンの調製方法であって、
少なくとも4つの炭素原子を有する炭水化物を含む供給組成物を熱分解反応領域に供給することと;
前記熱分解反応領域中、水及び触媒の存在下で前記炭水化物を熱分解して、グリコールアルデヒドを含む反応生成物を形成することであって、前記触媒が、触媒担体上の金属酸化物を含み、以下の条件:
(a)前記熱分解反応領域が400℃以上の温度まで加熱される;
(b)前記触媒担体が、500m
2/g以下、250m
2/g以下、100m
2/g以下、50m
2/g以下、25m
2/g以下、10m
2/g以下、5m
2/g以下、又は1m
2/g以下のBET比表面積を有する;
(c)前記触媒担体がガラス、セラミック、又は耐火材料を含む;
(d)前記熱分解反応領域が、前記触媒とは異なる反応領域媒体を更に含む;及び/又は
(e)グリコールアルデヒドの収率が、70%以上、75%以上、又は80%以上である、
の少なくとも1つが満たされることと;
こうして形成された前記反応生成物の中で、又は前記反応生成物から、グリコールアルデヒドを縮合して、前記グリコールアルデヒドからC
4アルドース及び/又はそのケトンを得ることと、
を含む、方法。
【請求項3】
前記反応生成物の中での、又は前記反応生成物からの前記グリコールアルデヒドの前記縮合が、グリコールアルデヒドを含む前記反応生成物又はその一部を、イミダゾレート骨格を含む触媒に反応領域中で接触させて、前記グリコールアルデヒドの少なくとも一部を縮合させて、前記C
4アルドース及び/又はそのケトンを得ることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記供給組成物が、1重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、20重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、又は70重量%以上の濃度のグリコールアルデヒドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記供給組成物が、ピルブアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトール、グリオキサール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記供給組成物が水を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記C
4アルドース及び/又はそのケトンが、エリトロース、トレオース、エリトルロース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記イミダゾレート骨格が、1つ以上の金属及び/又は半金属を含む、請求項1、又は請求項1に従属する請求項3~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記イミダゾレート骨格が、亜鉛、コバルト、銅、鉄、リチウム、ホウ素、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の金属及び/又は半金属を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記イミダゾレート骨格が、ZIF-4、ZIF-8、ZIF-14、BIF-2Li、BIF-2Cu、BIF-5、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記イミダゾレート骨格がZIF-4を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記イミダゾレート骨格及び/又は前記触媒が、スズ、ジルコニア、及び/又はシリカを含まない又は本質的に含まない、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記縮合反応が、100℃以下、95℃以下、90℃以下の温度で行われる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項14】
前記縮合反応が、0℃以上、25℃以上、50℃以上、又は80℃以上の温度で行われる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項15】
前記縮合反応が、7以下、6以下、又は5以下のpHで行われる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項16】
前記縮合反応が、添加された塩基を含まずに又は本質的に含まずに行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記縮合反応のための前記供給組成物及び/又は反応領域が、アルコール溶媒を含まない又は本質的に含まない、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項18】
前記縮合反応のための前記供給組成物及び/又は反応領域が、有機溶媒を含まない又は本質的に含まない、請求項1又は2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、C4アルドース及び/又はそれらのケトンを調製するための種々の方法に関する。本発明は、更に、C4アルドース及び/又はそれらのケトンからエリスリトール及びエリスロン酸などの有用な下流生成物及び中間体を調製するための種々の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
グルコース(デキストロース)及びその他の炭水化物供給原料の熱分解によって、グリオキサール、ピルブアルデヒド、アセトール、エチレングリコール、及びグリコールアルデヒドなどの種々のアルデヒド化合物を含む反応生成物が生成される。これらの化合物の中で、グリコールアルデヒドは、一般に最も有用であると考えられる(例えば、国際公開第88/00935A1号を参照されたい)。グリコールアルデヒドは、そのままの状態で燻煙液の製造などに用いることができ(例えば、米国特許第6,074,679号に記載される)、又はメチオニンの合成における前駆体試薬として用いることができる(例えば、米国特許第10,189,778号を参照されたい)。しかしながら、グリコールアルデヒドをこの化合物の真価をより十分に捉えるための出発物質として利用できる更なる反応及び有効な方法が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の概要
本発明の種々の態様は、C4アルドース及び/又はそれらのケトンの調製方法を対象とする。幾つかの実施形態では、上記方法は、グリコールアルデヒドを含む供給組成物を、イミダゾレート骨格(例えば、ゼオライトイマダゾレート骨格(zeolitic imadazolate framework)(ZIF)又はホウ素イミダゾレート骨格(BIF))を含む触媒に反応領域中で接触させて、グリコールアルデヒドの少なくとも一部を縮合させて、C4アルドース及び/又はそのケトンを得ることを含む。
【0004】
別の態様は、炭水化物の触媒熱分解を行い、次にこうして製造した供給組成物からC4アルドース及び/又はそれらのケトンを調製することによる、グリコールアルデヒドの改善された収率を有する供給組成物の製造方法を対象とする。幾つかの実施形態では、C4アルドース及び/又はそれらのケトンの調製は、この供給組成物を、イミダゾレート骨格(例えば、ゼオライトイマダゾレート骨格(zeolitic imadazolate framework)(ZIF)又はホウ素イミダゾレート骨格(BIF))を含む触媒に反応領域中で接触させて、供給組成物中のグリコールアルデヒドの少なくとも一部を縮合させることを含み、C4アルドース及び/又はそれらのケトンへのグリコールアルデヒドの改善された収率が示される。
【0005】
更なる態様は、エリスリトール及び/又はスレイトール(threitol)の調製方法を対象とする。種々の実施形態では、上記方法は、本明細書に記載の方法によりエリトロース及び/又はトレオースを調製することと;エリトロース及び/又はトレオースの少なくとも一部を水素化してエリスリトール及び/又はスレイトールを形成することとを含む。
【0006】
更に別の態様は、エリスロン酸、トレオン酸、及び/又はそれらの塩の調製方法を対象とする。幾つかの実施形態では、上記方法は、本明細書に記載の方法によりエリトロース及び/又はトレオースを調製することと;エリトロース及び/又はトレオースの少なくとも一部を酸化してエリスロン酸、トレオン酸、及び/又はそれらの塩を形成することとを含む。
【0007】
更に別の態様は、下流生成物を調製するための調製するための方法を対象とする。これらの方法は、明細書に記載の方法によりC4アルドース及び/又はそのケトンを調製することと;C4アルドース及び/又はそのケトンを下流生成物又はその前駆体に変換することとを含み、上記下流生成物は、グリセルアルデヒド;メチルビニルグリコレート;2-ヒドロキシ-4-メトキシブタノエート(methoxybutanoate);2-ヒドロキシ-4-メトキシブタン酸;1,4-ブタンジオール;α-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトン、メチオニン、及びそれらの類似体からなる群から選択される化合物である。
【0008】
その他の目的及び特徴は、ある程度明らかとなるであろうし、ある程度は以下で指摘されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の詳細な説明
本発明は、C4アルドース及び/又はそれらのケトンの種々の調製方法に関する。本発明は、更に、C4アルドース及び/又はそれらのケトン(すなわち、C4糖及びケト糖)から、エリスリトール及びエリスロン酸などの有用な下流生成物及び中間体を調製するための種々の方法に関する。
【0010】
本発明の方法のある実施形態では、グリコールアルデヒドを含む供給組成物から、C4糖及びそれらの対応するケトン、例えばトレオース、エリトロース、及びエリトルロースが高い変換率で選択的に生成されることが分かった。特に、これらの実施形態の場合、イミダゾレート骨格(例えば、ゼオライトイミダゾレート骨格(ZIF)又はホウ素イミダゾレート骨格(BIF))を含む触媒を用いることによって、グリコールアルデヒドを、1つ以上のC4アルドース及び/又はケトンに高い収率及び/又は選択性で縮合させることができることを見出した。これらの触媒によって、反応時間を短縮することができ、それによって触媒の生産性及びプロセスの経済を有利に高めることができることも見出した。したがって、C4アルドース及び/又はそれらのケトンの種々の調製方法は、グリコールアルデヒドを含む供給組成物を、イミダゾレート骨格を含む触媒に反応領域中で接触させて、グリコールアルデヒドの少なくとも一部を縮合させて、C4アルドース及び/又はそのケトンを得ることを含む。
【0011】
縮合触媒
記載したように、本明細書に記載の方法の好ましい実施形態における縮合反応は、イミダゾレート骨格を含む触媒の存在下で行われる。イミダゾレート骨格は、イミダゾレート/イミダゾレート型結合基によって結合された1つ以上の金属及び/又は半金属(metalloid)を含む。例えば、1つ以上の金属及び/又は半金属としては、亜鉛、コバルト、銅、鉄、リチウム、ホウ素、及びそれらの組み合わせを挙げることができる。種々の実施形態では、イミダゾレート骨格は亜鉛を含む。幾つかの実施形態では、イミダゾレート骨格はホウ素を含む。結合基は、例えば、イミダゾレート(IM)、2-メチルイミダゾレート(MIM)、2-エチルイミダゾレート(EIM)、及びベンズイミダゾレート(benzimidazolate)(BIM)であってよい。
【0012】
種々の実施形態では、触媒は、ゼオライトイミダゾレート骨格(ZIF)又はホウ素イミダゾレート骨格(BIF)を含むイミダゾレート骨格を含む。種々の実施形態では、触媒はZIFを含む。幾つかの実施形態では、触媒はBIFを含む。ある実施形態では、触媒は、ZIF-4、ZIF-8、ZIF-14、BIF-2Li、BIF-2Cu、BIF-5、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるイミダゾレート骨格を含む。特定の実施形態では、触媒は、ZIF-4(ZnIM2))を含むイミダゾレート骨格を含む。幾つかの実施形態では、触媒は、本質的にZIF-4からなる(例えば、全触媒重量の95重量%以上、又は99重量%以上)。ある実施形態では、触媒はZIF-4からなる。
【0013】
イミダゾレート骨格は、イミダゾール及び/又はイミダゾール型化合物(例えば、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、及びベンゾイミダゾールと、1つ以上の塩(例えば、金属硝酸塩)との組み合わせを含む前駆体から調製することができる。種々の実施形態では、イミダゾレート骨格は、イミダゾールと硝酸亜鉛六水和物とを含む前駆体から調製される。
【0014】
種々の実施形態では、イミダゾレート骨格及び/又は触媒は、スズ、ジルコニア、及び/又はシリカを本質的に含まない(例えば、全触媒重量の1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、又は更には0.01重量%以下を含む)。種々の実施形態では、イミダゾレート骨格及び/又は触媒は、スズ、ジルコニア、及び/又はシリカを含まない。幾つかの実施形態では、イミダゾレート骨格及び/又は触媒は、スズを含まない又は本質的に含まない。更なる実施形態では、イミダゾレート骨格及び/又は触媒は、ジルコニアを含まない又は本質的に含まない。ある実施形態では、イミダゾレート骨格及び/又は触媒は、シリカを含まない又は本質的に含まない。
【0015】
更に、幾つかの実施形態では、反応領域は、ZSM-5及びZSM-11などのペンタシル(pentasil)ゼオライトを含むゼオライト触媒を本質的に含まない(例えば、全触媒重量の1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、又は更には0.01重量%以下を含む)。ある実施形態では、反応領域は、ペンタシルゼオライトを含むゼオライト触媒を含まない。
【0016】
供給材料
記載したように、全ての実施形態においてC4アルドース及び/又はそれらのケトンを調製するために用いられる供給組成物はグリコールアルデヒドを含む。例えば、供給組成物は、1重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、20重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、又は70重量%以上のグリコールアルデヒド濃度を含むことができる。幾つかの実施形態では、供給組成物は、1重量%~70重量%、1重量%~50重量%、1重量%~25重量%、又は1重量%~10重量%のグリコールアルデヒド濃度を含む。種々の実施形態では、供給組成物は水を更に含む(例えば、供給組成物はグリコールアルデヒドを含む水溶液である)。
【0017】
供給組成物のグリコールアルデヒドは、グルコースなどの炭水化物が、より短い鎖の化合物に変換される熱分解方法によって得ることができる。このような方法の種々の例は、周知であり、使用することができ、例えば、(米国特許第5,252,188号、米国特許第5,397,582号、及び7,094,932号;並びにSchandel et al., ChemSusChem 2020, 13, 688.が参照されるが、好ましい方法は、同一出願人による米国特許出願第63/023,763号、“Processes for the Pyrolysis of Carbohydrates”に記載されており、これによって、炭水化物の熱分解からグリコールアルデヒドの改善された収率が得られ、これよりC4アルドース及び/又はそれらのケトンを、一般には縮合反応によって、具体的には特に本明細書に記載され、例示されるようなイミダゾレート骨格を含む触媒を用いた縮合反応によって調製することができる。したがって、幾つかの実施形態では、C4アルドース及び/又はケトンの調製に用いられるグリコールアルデヒドの少なくとも一部は、グルコースなどの炭水化物の熱分解によって得られる。ある実施形態では供給組成物は、別の成分を含む。例えば、ピルブアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトール、及びグリオキサールなどの化合物を炭水化物の熱分解によって生成することができる。したがって、種々の実施形態では、供給組成物は、ピルブアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトール、グリオキサール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を更に含むことができる。
【0018】
炭水化物は、トウモロコシ粒(maize)、小麦、ジャガイモ、キャッサバ及び米などの様々な従来のバイオ再生可能供給源、並びにエネルギー作物、植物バイオマス、農業廃棄物、林業残留物、砂糖加工残留物、及び植物由来の生活廃棄物などの代替供給源から得ることができる。様々な実施形態では、炭水化物は、穀物作物(例えば、トウモロコシ、小麦、大豆、米、大麦、ライ麦、キビ、ソルガムなど)から得られる。より一般には、使用できるバイオ再生可能供給源は、例えば、スイッチグラス、ススキ、樹木(広葉樹及び針葉樹)、植生、及び作物残留物(例えば、バガス及びトウモロコシ茎葉)などの炭水化物の供給源を含む任意の再生可能な有機物質を含む。他の供給源は、例えば、廃棄物(例えば、使用済み紙、生ごみ、自治体廃棄物など)を含む。炭水化物は、公知の方法を用いてバイオ再生可能材料から単離することができる。
【0019】
これらの供給源から得られる炭水化物は、様々な単糖、二糖、オリゴ糖、及び多糖(例えば、C4~C24糖)を含むことができる。ある実施形態では、炭水化物は、単糖、二糖、オリゴ糖、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの糖を含む。様々な実施形態では、炭水化物は、単糖を含む。炭水化物は、セルロースを含むこともできる。
【0020】
いくつかの実施形態では、炭水化物は、少なくとも4つの炭素原子を有する糖を含む。例えば、糖は、様々なアルドースを含む。本明細書で言及されるアルドースは、アルデヒド基及びヒドロキシル基を有する様々な化合物を含み、これらは式(I)で表されることができる:
HOCH2(HCOH)wCHO (I)
式中、wは、例えば、2~10の整数、又はいくつかの実施形態では、2~5の整数であり得る。様々な実施形態では、炭水化物は、少なくとも1つのC4~C7アルドースを含む。いくつかの実施形態では、炭水化物は、テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース、及びこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1つの糖を含む。特定のC4~C7アルドースは、例えば、トレオース、エリスロース、キシロース、リボース、アラビノース、グルコース、ガラクトース、マンノース、グルコヘプトース、L-グリセロ-D-マンノ-ヘプトース(L-glycero-D-manno-heptose)、及びこれらの混合物を含む。様々な実施形態では、炭水化物は、グルコース(デキストロース)などのヘキソースを含む。いくつかの実施形態では、炭水化物は、キシロース、リボース、及び/又はアラビノースなどのペントースを含む。本明細書に記載され、式(I)で定義される「アルドース」という用語及び任意の特定のアルドースは、これらの化合物の環状形態(ヘミアセタール形態)も含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、炭水化物は、少なくとも4つの炭素原子を有するケトース糖を含む。様々な実施形態では、炭水化物は、ケトテトロース、ケトペントース、ケトヘキソース、ケトヘプトース、及びこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1つのケトース糖を含む。ある実施形態では、炭水化物は、フルクトースを含む。
【0022】
方法の特徴
このような供給物からC4アルドース及び/又はそれらのケトンを調製するための縮合反応は、特にイミダゾレート骨格を含む触媒のこのような目的のための使用と関連して、100℃以下、95℃以下、90℃以下の温度で行うことができる。種々の実施形態では、反応は、0℃以上、25℃以上、50℃以上、又は80℃以上の温度で行われる。幾つかの実施形態では、反応は、25℃~100℃、25℃~90℃、50℃~100℃、50℃~90℃、80℃~100℃、又は80℃~90℃の温度で行われる。
【0023】
有利なことに、本発明の種々の方法は、反応領域中に苛性条件は不要である。驚くべきことに、本明細書に記載のイミダゾレート骨格を含む触媒は、中性及び酸性の条件下で有効となりうることが分かった。理論によって束縛されないが、苛性条件は、以下のグリコールアルデヒドの場合に示されるように、重合及び二量体化などの分子間反応を促進すると考えられる:
【化1】
同様に、ホルムアルデヒド(供給組成物の別の可能性のある成分)は、以下に示すように三量体分子及びポリマーを形成する可能性がある。
【化2】
驚くべきことに、イミダゾレート骨格を含む触媒は、中性又は酸性の条件下で有効となりうることが分かった。
【0024】
酸性条件下では、これらの二量体化した/三量体化した/重合した分子は、それらの単分子形態で存在しやすいと考えられる。中性又は酸性の条件下で操作可能な方法では、有益なことに、これらの化合物の形成を回避することができ、これらのアルデヒドをそれらの元の形態に戻すために必要なエネルギー入力を回避することができる。したがって、種々の実施形態では、反応は、7以下、6以下、又は5以下のpHにおいて行われる。ある実施形態では、反応は、ほぼ中性のpHで行われる。ある実施形態では、反応は、添加された塩基を含まずに又は本質的に含まずに行われる。
【0025】
更に、本発明の種々の方法では、縮合反応のために有機溶媒などの化学添加剤を加える必要がない。驚くべきことに、イミダゾレート骨格を含む触媒は、有機溶媒を用いなくても有効となり得ることが分かった。したがって、種々の実施形態では、縮合反応を行うための供給組成物及び/又は反応領域は、有機溶媒を含まない又は本質的に含まない。幾つかの実施形態では、供給組成物及び/又は反応領域は、アルコール溶媒を含まない。ある実施形態では、供給組成物及び/反応領域は、メタノール及び/又はエタノールを含まない又は本質的に含まない。本明細書に他に記載がなければ、「本質的に含まない」は、1%以下の濃度を意味し、好ましくは濃度は、触媒を除く反応領域に供給される化学成分(例えば、供給組成物)の0.1重量%以下、又は更には0.01重量%以下であってよい。
【0026】
種々の方法によって、縮合工程中にグリコールアルデヒドの高い変換率を得ることができる。幾つかの実施形態では、グリコールアルデヒドの変換率は、90%以上、95%以上、又は99%以上である。本発明の種々の方法は、縮合中に短い反応時間でグリコールアルデヒドの高い変換率を提供し、所望のC4アルドース及び/又はケトンを形成することができる。例えば、ある実施形態では、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上のグリコールアルデヒドの変換率が、10時間以下、8時間以下、6時間以下、又は4時間以下の反応時間で実現される。
【0027】
したがって本発明の方法は、C4アルドース及び/又はそのケトンの調製に有効である。種々の実施形態では、C4アルドース及び/又はそのケトンは、エリトロース、トレオース、エリトルロース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む。ある実施形態では、C4アルドース及び/又はそのケトンはエリトロースを含む。幾つかの実施形態では、C4アルドース及び/又はそのケトンはトレオースを含む。ある実施形態では、C4アルドース及び/又はそのケトンはエリトルロースを含む。
【0028】
本発明の種々の方法によって、エリトロース、トレオース、エリトルロース、及び/又はそれらの組み合わせに対する高い選択性を得ることができる。幾つかの実施形態では、エリトロース、トレオース、エリトルロース、及び/又はそれらの組み合わせに対する縮合反応の選択性は、80%以上、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、又は99%以上である。ある実施形態では、エリトロース、トレオース、及びエリトルロースの組み合わせに対する反応の選択性は、80%以上、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、又は99%以上である。
【0029】
種々の実施形態では、エリトロースに対する縮合反応の選択性は、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、又は50%以上(例えば、10%~50%、10%~40、又は15%~30%)である。
【0030】
幾つかの実施形態では、トレオースに対する縮合反応の選択性は、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、又は50%以上(例えば、10%~50%、10%~40、又は15%~30%)である。
【0031】
ある実施形態では、エリトルロースに対する縮合反応の選択性は、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、又は50%以上(例えば、10%~50%、10%~40、又は15%~30%)である。
【0032】
炭水化物の熱分解
記載したように、供給組成物中のグリコールアルデヒドの少なくとも一部は、炭水化物の熱分解方法によって得ることができる。幾つかの実施形態では、本発明の方法は、炭水化物を熱分解してグリコールアルデヒドを形成することを更に含む。種々の実施形態では例えば同一出願人による米国特許出願第63/023,763号において考慮されるように、熱分解方法は、水及び熱分解触媒の存在下、熱分解反応領域中で少なくとも4つの炭素原子を有する炭水化物を熱分解して、グリコールアルデヒドを含む反応生成物を形成することを含む。種々の実施形態では、熱分解触媒は、触媒担体上の金属酸化物を含む。
【0033】
一般に、炭水化物の熱分解のための方法は、グリコールアルデヒド、メチルグリオキサール/ピルブアルデヒド、アセトール/ヒドロキシアセトン、及びホルムアルデヒドなどの化合物を調製するために使用され得る。本明細書において使用される「炭水化物」及び/又は「炭水化物供給物」は、炭水化物、特に4つ以上の炭素原子を有する炭水化物を含む又は形成するあらゆる形態のバイオマス供給原料を含むと理解され、これより、熱分解条件下でグリコールアルデヒドを得ることができる。
【0034】
種々の熱分解方法によって、グリコールアルデヒドを高い収率で得られることが分かっている。グリコールアルデヒドの収率を高めるための従来の試みは、主として、床材料及び/又は熱分解触媒を大きく変更しないまま、供給物の濃度及び反応器条件を調整することに重点を置いている。しかしながら、驚くべきことに、ある種の熱分解触媒(必ずしもそうである必要はないが、典型的には、従来の床材料、又は炭水化物供給物への熱伝達を行うために提供される材料と組み合わされた流動性の担持触媒の形態)によって、熱分解反応に大きな影響を与え、従来の方法で生じる問題を克服できることを発見した。
【0035】
特に、前述の参照の同一出願人で、同時に出願された出願に関連するが、ある種の金属酸化物は、炭水化物、特にグルコースなどの糖の熱分解により得られるグリコールアルデヒドなどの所望の生成物の収率の改善に特に有効であることが分かった。当該明細書に記載の、これらの触媒を組み込む熱分解方法によって、有利なことには、改善されたプロセス経済性を得ることができ、生成混合物からの分離と、特殊な取り扱いと、廃棄とが必要となりうる望ましくない生成物の量を減少させることができる。例えば、これらの触媒を用いる熱分解方法では、触媒の非存在下で経験されるよりも、プロセス入力のより生産性の高い使用(例えば、必要なエネルギーが少なくなることによって)が可能となり、生成する望ましくない副生成物の量を減少させることができ、且つ/又は特定の量のグリコールアルデヒド及びその他の所望の生成物の生成における炭化をより減少させることができる。更に、ここに記載の種々の熱分解方法では、長期間の操作にわたって、且つ/又は高い反応器処理能力で、安定な生成物収率が得られるという利点を有する。
【0036】
したがって、C4アルドース及び/又はケトンを形成するための好ましい方法では、グリコールアルデヒドを調製するために改善された熱分解方法が用いられる。例えば、幾つかの実施形態は、少なくとも4つの炭素原子を有する炭水化物を含む供給組成物を熱分解反応領域に供給することと、熱分解反応領域中、水及び触媒の存在下で上記炭水化物を熱分解して、グリコールアルデヒドを含む反応生成物を形成することとを含み、触媒が触媒担体の金属酸化物を含む、グリコールアルデヒドの調製を更に含む。
【0037】
一般に、熱分解供給組成物は、少なくとも4つの炭素原子を有する炭水化物を含む。例えば、幾つかの実施形態では、熱分解供給組成物は、C4~C24炭水化物を含む、炭水化物を含む。このような炭水化物は、本明細書に記載の種々の従来のバイオ再生可能資源から得ることができる。他の資源としては、例えば、廃棄物(例えば、使用済みの紙、植物性廃棄物、一般廃棄物など)が挙げられる。炭水化物は、周知の方法を用いてバイオ再生可能材料から単離することができる。炭水化物は、炭水化物溶液(例えば、グルコース水溶液)の形態で、又はそのようなバイオマスの粉砕された固体として提供することができる。
【0038】
これらの資源から得られる炭水化物としては、本明細書に記載の種々の単糖、二糖、オリゴ糖、及び多糖を挙げることができる。炭水化物は、セルロースを含むこともできる。幾つかの実施形態では、炭水化物は、少なくとも4つの炭素原子を有する糖を含む。例えば、糖としては、本明細書に記載の種々のアルドースが挙げられる。
【0039】
幾つかの実施形態では、炭水化物は、少なくとも4つの炭素原子を有するケト糖を含む。種々の実施形態では、炭水化物は、ケトテトロース、ケトペントース、ケトヘキソース、ケトヘプトース、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのケト糖を含む。ある実施形態では、炭水化物はフルクトースを含む。
【0040】
熱分解供給組成物は、1重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、15重量%以上、又は20重量%以上である炭水化物濃度を有することができる。例えば、様々な実施形態では、供給組成物は、1重量%~50重量%、1重量%~30重量%、1重量%~25重量%、5重量%~50重量%、5重量%~30重量%、5重量%~25重量%、10重量%~50重量%、10重量%~30重量%、10重量%~25重量%、15重量%~50重量%、15重量%~30重量%、15重量%~25重量%、20重量%~50重量%、20重量%~30重量%、又は20重量%~25重量%である炭水化物濃度を有する。
【0041】
記載したように、縮合によってC4アルドース及び/又はケトンを得ることができるグリコールアルデヒドの生成に使用される好ましい熱分解方法は、触媒担体上の金属酸化物を含む触媒の存在下で行われる熱分解方法であろう。様々な実施形態では、金属酸化物は、遷移金属酸化物を含む。例えば、金属酸化物は、4、5、6、7、8、9、10、又は11族金属の酸化物、又はこれらの混合物を含む。いくつかの実施形態では、金属酸化物は、4、5、又は6族金属の酸化物、又はこれらの混合物を含む。ある実施形態では、金属酸化物は、チタン、モリブデン、タングステン、バナジウムの酸化物、又はこれらの混合物を含む。ある実施形態では、金属酸化物は、モリブデン、タングステン、バナジウムの酸化物、又はこれらの混合物を含む。ある実施形態では、金属酸化物は、タングステン、モリブデンの酸化物、又はこれらの混合物を含む。好ましい金属酸化物は、典型的には、レトロ-アルドールケミストリー(retro-aldol chemistry)を優先的に触媒するものを含む。
【0042】
モリブデン及びタングステンの酸化物は、熱分解触媒に特に有効であることが見出されている。したがって、様々な実施形態では、金属酸化物は、酸化タングステンを含む。例えば、酸化タングステンは、酸化タングステン(IV)及び/又は酸化タングステン(V)を含むことができる。いくつかの実施形態では、金属酸化物は、酸化モリブデンを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、酸化タングステン及び/又は酸化モリブデンは、触媒担体における金属酸化物のかなりの部分を構成する。例えば、いくつかの実施形態では、酸化タングステン及び/又は酸化モリブデンは、1重量%以上、2重量%以上、3重量%以上、4重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上、40重量%以上、45重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、90重量%以上、95重量%以上、又は99重量%以上の触媒担体における金属酸化物を構成する。様々な実施形態では、酸化タングステン及び/又は酸化モリブデンは、1重量%~99重量%、2重量%~99重量%、3重量%~99重量%、4重量%~99重量%、5重量%~99重量%、10重量%~99重量%、15重量%~99重量%、20重量%~99重量%、25重量%~99重量%、30重量%~99重量%、35重量%~99重量%、40重量%~99重量%、45重量%~99重量%、50重量%~99重量%、60重量%~99重量%、70重量%~99重量%、80重量%~99重量%、90重量%~99重量%、95重量%~99重量%、1重量%~95重量%、2重量%~95重量%、3重量%~95重量%、4重量%~95重量%、5重量%~95重量%、10重量%~95重量%、15重量%~95重量%、20重量%~95重量%、25重量%~95重量%、30重量%~95重量%、35重量%~95重量%、40重量%~95重量%、45重量%~95重量%、50重量%~95重量%、60重量%~95重量%、70重量%~95重量%、80重量%~95重量%、90重量%~95重量%、1重量%~90重量%、2重量%~90重量%、3重量%~90重量%、4重量%~90重量%、5重量%~90重量%、10重量%~90重量%、15重量%~90重量%、20重量%~90重量%、25重量%~90重量%、30重量%~90重量%、35重量%~90重量%、40重量%~90重量%、45重量%~90重量%、50重量%~90重量%、60重量%~90重量%、70重量%~90重量%、又は80重量%~90重量%の触媒担体における金属酸化物を構成する。ある実施形態では、熱分解触媒の触媒担体における金属酸化物は、酸化タングステン及び/又は酸化モリブデンからなる。
【0044】
熱分解触媒は、0.1重量%以上、0.5重量%以上、1重量%以上、2重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、20重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、90重量%以上、95重量%以上、又は99重量%以上の金属酸化物充填物(metal oxide loading)を有することができる。例えば、様々な実施形態では、熱分解触媒は、0.1重量%~15重量%、0.5重量%~15重量%、1重量%~15重量%、2重量%~15重量%、5重量%~15重量%、0.1重量%~10重量%、0.5重量%~10重量%、1重量%~10重量%、2重量%~10重量%、又は5重量%~10重量%の金属酸化物充填物を有する。
【0045】
場合によっては、低い表面積の熱分解触媒及び触媒担体は、より大きな生成物収率(例えば、グリコールアルデヒドのより高い収率)をもたらすことが見出されている。したがって、いくつかの実施形態では、熱分解触媒担体は、比較的低い表面積(例えば、500m2/g以下、250m2/g以下、100m2/g以下、50m2/g以下、25m2/g以下、10m2/g以下、5m2/g以下、又は1m2/g以下のBET比表面積)を有する材料を含む。
【0046】
様々な実施形態では、熱分解触媒担体は、ガラス材料、セラミック材料、耐火性材料、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む。いくつかの実施形態では、熱分解触媒担体は、ガラス材料を含む。ある実施形態では、ガラス材料は、ガラスビーズ(例えば、ガラス球、又は類似の幾何学的若しくは非晶質形状)を含む。いくつかの実施形態では、熱分解触媒担体は、炭化ケイ素、イットリア安定化ジルコニア、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるセラミック材料を含む。ある実施形態では、熱分解触媒担体は、実質的に非多孔性であり、比較的低い表面積を有する材料を含む。
【0047】
本明細書に記載され、本発明者らが上記に参照した同一出願人の同時に出願された出願により十分に記載され例示される熱分解触媒によって、長い流通時間(TOS)を得ることができる。幾つかの実施形態では、この触媒のTOSは、1,500時間以上、2,000時間以上、4,000時間以上、6,000時間以上、8,000時間以上、又は10,000時間以上である。
【0048】
熱分解触媒は、本明細書に更に記載される方法により調製することができる。幾つかの実施形態では、熱分解触媒は、ガラス材料と、金属酸化物を含む被覆とを含み、この被覆は、金属酸化物又はその反応生成物を含むゾル-ゲルを用いて被覆されたガラス材料上に堆積される。これら及びその他の実施形態において、熱分解触媒は、未焼成の熱分解触媒である。
【0049】
熱分解は、熱分解反応領域中で高温が必要な大量にエネルギーを消費する方法である。様々な実施形態では、熱分解反応領域は、400℃以上、450℃以上、475℃以上、500℃以上、525℃以上、550℃以上、575℃以上、又は600℃以上の温度に加熱される。いくつかの実施形態では、熱分解反応領域は、400℃~600℃、400℃~575℃、400℃~550℃、400℃~525℃、450℃~600℃、450℃~575℃、450℃~550℃、450℃~525℃、500℃~600℃、500℃~575℃、500℃~550℃、500℃~525℃、525℃~600℃、525℃~575℃、又は525℃~550℃の温度に加熱される。
【0050】
触媒担体における金属酸化物を含む熱分解触媒に加えて、熱分解反応領域は、触媒とは異なる反応領域媒体(reaction zone media)を更に含むことができる。様々な実施形態では、反応領域媒体は、熱分解触媒が組み合わされ流動化されて、炭水化物供給組成物及び熱分解生成物が不活性キャリアガスによって形成されるときにそれを通して運ばれ得る、一般に均質に分布した流動床をもたらし得る任意の不活性材料を含むことができ、これは、炭水化物供給物中の炭水化物を熱分解し、炭水化物を少なくともグリコールアルデヒドを含む熱分解生成物に変換するために必要な熱エネルギーを搬送するために使用することができる。当業者であれば、これらの本質的な機能を果たすことができるであろう様々な材料を特定することが十分に可能であろう。様々な実施形態では、反応領域媒体は、ガラス材料、セラミック材料、耐火性材料、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む。いくつかの実施形態では、反応領域媒体は、ガラス材料を含む。いくつかの実施形態では、反応領域媒体は、炭化ケイ素、イットリア安定化ジルコニア、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるセラミック材料を含む。ある実施形態では、ガラス材料は、ガラスビーズ(例えば、ガラス球、又は類似の幾何学的若しくは非晶質形状)及び/又は砂を含む。
【0051】
前述のように、反応領域媒体は、典型的には、担体上の金属酸化物を含む熱分解触媒とは異なる。したがって、様々な実施形態では、反応領域媒体は、コーティングされていない。ある実施形態では、反応領域媒体は、金属酸化物コーティングを含まない又は本質的に含まない(例えば、1重量%未満、又は更には0.1重量%未満)。いくつかの実施形態では、反応領域媒体は、金属酸化物を含まない触媒の担体(即ち、裸の熱分解触媒の担体)を含む。
【0052】
熱分解触媒及び反応領域媒体は、熱分解反応領域内に充填された媒体の総体積を構成することができ、その結果、触媒は、熱分解反応領域内に充填された媒体の総体積の1体積%~50体積%、2体積%~25体積%、3体積%~15体積%、又は4体積%~10体積%である。
【0053】
様々な実施形態では、熱分解供給組成物は、熱分解反応領域において流動化ガス又はキャリアガス中で流動化される。流動化ガスは、例えば、様々な不活性ガス又は不活性ガス混合物を含む。いくつかの実施形態では、流動化ガスは、窒素、水蒸気、二酸化炭素、及び/又は燃焼オフガス(combustion off gas)などの廃棄物ガスを含む。いくつかの実施形態では、例えば、炭水化物が炭水化物溶液の形態でもたらされる場合、熱分解方法は、熱分解反応領域に供給される供給組成物を霧化することを更に含む。ある実施形態では、熱分解供給組成物は、流動化ガス(例えば、窒素、蒸気など)を用いて霧化することができる。
【0054】
熱分解反応領域における炭水化物供給物の平均滞留時間は、比較的速くてよい。例えば、いくつかの実施形態では、滞留時間は、10秒以下、8秒以下、6秒以下、4秒以下、2秒以下、1秒以下、又は0.5秒以下である。ある実施形態では、滞留時間は、0.5秒~10、0.5秒~5秒、0.5秒~2秒、0.5秒~1秒、1秒~10、1秒~5秒、又は1秒~2秒である。
【0055】
一般に、熱分解反応領域は、固定床反応器、トリクル床反応器、スラリー相反応器、移動床反応器、又は触媒反応、特に不均一触媒反応を可能にする任意の他の設計を使用した、1つ以上のバッチ、セミバッチ、又は連続反応器設計を含むことができる。反応器の例は、参照により本明細書に組み込まれるChemical Process Equipment-Selection and Design, Couper et al., Elsevier 1990に見ることができる。本明細書に記載される様々な方法において、熱分解反応領域は、1つ以上の流動床反応器を含む。供給組成物、任意の流動化ガス、及び触媒は、別々に又は様々な組み合わせで適切な反応器に導入することができると理解されるべきである。
【0056】
本明細書にまとめられる改善された熱分解方法によって、生成物の収率を高められることが分かった。例えば、炭水化物供給物として20重量%のグルコース水溶液を使用して本明細書で実証されるように、本明細書に記載される様々な熱分解方法は、70%以上、75%以上、又は80%以上であるグリコールアルデヒドの収率をもたらす。いくつかの実施形態では、グリコールアルデヒドの収率は、70%~85%、70%~80%、75%~85%、又は75%~80%である。
【0057】
熱分解反応生成物は、他の微量成分を更に含むことができる。様々な実施形態では、熱分解反応生成物は、ホルムアルデヒド、グリオキサール、ピルブアルデヒド、アセトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの他の成分を含む。いくつかの実施形態では、熱分解反応生成物は、ホルムアルデヒドを更に含む。ある実施形態では、熱分解反応生成物は、ホルムアルデヒドを更に含み、グリコールアルデヒド対ホルムアルデヒドのモル比は、5:1以上、6:1以上、8:1以上、10:1以上、又は12:1以上である。
【0058】
様々な実施形態では、熱分解反応生成物は、グリオキサールを更に含む。いくつかの実施形態では、熱分解反応生成物は、グリオキサールを更に含み、グリコールアルデヒド対グリオキサールのモル比は、10:1以上、15:1以上、20:1以上、又は25:1以上である。
【0059】
様々な実施形態では、熱分解反応生成物は、ピルブアルデヒドを更に含む。いくつかの実施形態では、熱分解反応生成物は、ピルブアルデヒドを更に含み、グリコールアルデヒド対ピルブアルデヒドのモル比は、5:1以上、6:1以上、8:1以上、10:1以上、又は12:1以上である。
【0060】
様々な実施形態では、熱分解反応生成物は、アセトールを更に含む。いくつかの実施形態では、熱分解反応生成物は、アセトールを更に含み、グリコールアルデヒド対アセトールのモル比は、15:1以上、20:1以上、25:1以上、又は30:1以上である。
【0061】
種々の実施形態では、熱分解反応生成物は、エチレングリコールを含まない又は本質的に含まない。幾つかの実施形態では、熱分解反応生成物中のグリコールアルデヒド対エチレングリコールのモル比は、100:1以上;200:1以上;又は400:1以上である。
【0062】
したがって、C4アルドース及び/又はケトンを形成するための本発明の方法は、本明細書に記載の特徴の種々の組み合わせを含むことができる。例えば、種々の方法は、
少なくとも4つの炭素原子を有する炭水化物を含む供給組成物を熱分解反応領域に供給することと;
熱分解反応領域中、水及び触媒の存在下で炭水化物を熱分解して、グリコールアルデヒドを含む反応生成物を形成することであって、上記触媒が、触媒担体上の金属酸化物を含み、以下の条件:
(a)熱分解反応領域が400℃以上の温度まで加熱される;
(b)触媒担体が、500m2/g以下、250m2/g以下、100m2/g以下、50m2/g以下、25m2/g以下、10m2/g以下、5m2/g以下、又は1m2/g以下のBET比表面積を有する;
(c)触媒担体がガラス材料を含む;
(d)熱分解反応領域が、触媒とは異なる反応領域媒体を更に含む;及び/又は
(e)グリコールアルデヒドの収率が、70%以上、75%以上、又は80%以上である、
の少なくとも1つが満たされることと、
を含む工程による、グリコールアルデヒドの調製を更に含むことができる。
【0063】
熱分解触媒は、種々の技術によって調製することができる。金属酸化物は、限定するものではないがゾル-ゲル、初期湿潤(incipient wetness)、イオン交換、堆積沈殿(deposition-precipitation)、及び真空含浸技術などの手順を用いて、触媒担体上に堆積することができる。
【0064】
特に有効であることが分かっている熱分解触媒の調製方法の1つは、
金属酸化物、溶媒、及び強酸を混合してゾル-ゲルを形成することと;
上記ゾル-ゲルを熱分解触媒担体の上に堆積して、被覆された触媒担体を形成することと;
上記被覆された触媒担体から溶媒を除去して熱分解触媒を形成することと、
を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、ゾル-ゲルは、金属酸化物、過酸化物供給源、及び溶媒を混合することによって調製される。更なる実施形態では、過酸化物供給源は、過酸化水素を含み、溶媒は、水を含む。
【0066】
金属酸化物、金属酸化物充填物、及び担体は、熱分解触媒について本明細書で特定したもののいずれかであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、金属酸化物は、酸化タングステン及び/又は酸化モリブデンを含むことができ、担体は、ガラス(例えば、ガラスビーズ)などの低い表面積の材料を含むことができる。
【0067】
様々な実施形態では、溶媒は、C1~C10アルカノールを含む。例えば、C1~C10アルカノールは、イソプロパノール、エタノール、及びこれらの混合物からなる群から選択される。更に、強酸は、塩酸、硫酸、硝酸、及びこれらの混合物からなる群から選択されることができる。
【0068】
ゾル-ゲルは、空気中で形成されてもよく、又は不活性雰囲気中で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ゾル-ゲルは、不活性雰囲気中で形成される。例えば、ゾル-ゲルは、窒素雰囲気中で形成されることができる。更に、ゾル-ゲルは、酸素の実質的な非存在下で形成されることができる。様々な実施形態では、ゾル-ゲルは、金属酸化物、過酸化物供給源、及び溶媒を混合することによって調製されることができる。いくつかの実施形態では、過酸化物供給源は、過酸化水素であってもよく、溶媒は、水であってもよい。
【0069】
溶媒除去の間、コーティングされた触媒担体は、コーティングされた触媒における任意の溶媒を蒸発させるのに十分な温度まで加熱することができる。様々な実施形態では、コーティングされた触媒担体は、溶媒を除去するために、80℃以上、90℃以上、又は100℃以上の温度に加熱される。しかしながら、様々な実施形態では、触媒は、焼成に典型的な温度(例えば、500℃以上、750℃以上、又は1000℃以上)に曝されない。
【0070】
下流プロセス
本発明の方法は、C4アルドース及び/又はそのケトンを下流生成物に変換する追加の工程を含む統合された方法も含む。例えば、種々の方法は、エリスリトール及び/又はスレイトールの調製を対象とする。幾つかの実施形態では、これらの方法は、本明細書に記載の縮合方法によりエリトロース及び/又はトレオースを調製すること(例えば、グリコールアルデヒドを含む供給組成物を、イミダゾレート骨格を含む触媒に反応領域中で接触させて、グリコールアルデヒドの少なくとも一部を縮合させてエリトロース及びトレオースを得ること)と;エリトロース及び/又はトレオースの少なくとも一部を水素化して、エリスリトール及び/又はスレイトールを形成することとを含む。エリトロース及びトレオースを水素化して、エリスリトール及びスレイトールを形成するための適切な方法は、それぞれ、当業者に周知であり、例えば、米国特許第4,487,980号及び米国特許第6,300,494号が参照され、これら全てが参照により本明細書に援用される。これらの糖アルコールを形成するための好ましい方法の1つが、Werpyらに付与された同一出願人による米国特許第10,196,333号、“Multiphase Low Mixing Processes”に記載されており、これは参照により本明細書に援用される。
【0071】
別の方法は、エリスロン酸、トレオン酸、及び/又はそれらの塩の調製を対象とする。種々の実施形態では、これらの方法は、本明細書に記載の縮合方法によりエリトロース及び/又はトレオースを調製すること(例えば、グリコールアルデヒドを含む供給組成物を、イミダゾレート骨格を含む触媒に反応領域中で接触させて、グリコールアルデヒドの少なくとも一部を縮合させてエリトロース及びトレオースを得ること)と;エリトロース及び/又はトレオースの少なくとも一部を酸化して、エリスロン酸、トレオン酸、及び/又はそれらの塩を形成することとを含む。エリトロース及び/又はトレオースの酸化に適切な方法も周知であり、例えば、米国特許出願公開第2007/0027341号が参照される。
【0072】
更なる統合された方法は、グリセルアルデヒド;メチルビニルグリコレート;2-ヒドロキシ-4-メトキシブタノエート;2-ヒドロキシ-4-メトキシブタン酸;1,4-ブタンジオール(1,4-butandiol);α-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトン、メチオニン、及びそれらの類似体などの下流生成物の調製を対象とする。幾つかの実施形態では、これらの方法は、本明細書に記載の方法によりC4アルドース及び/又はそのケトンを調製すること(例えば、グリコールアルデヒドを含む供給組成物を、イミダゾレート骨格を含む触媒に反応領域中で接触させて、グリコールアルデヒドの少なくとも一部を縮合させてC4アルドース及び/又はそのケトンを得ること)と;C4アルドース及び/又はそのケトンを下流生成物又はその前駆体に変換することとを含み、下流生成物は、グリセルアルデヒド;メチルビニルグリコレート;2-ヒドロキシ-4-メトキシブタノエート;2-ヒドロキシ-4-メトキシブタン酸;1,4-ブタンジオール;α-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトン、メチオニン、及びそれらの類似体からなる群から選択される化合物である。これらの下流生成物又はそれらの前駆体のそれぞれをC4アルドース及び/又はそのケトンから形成する方法は既に知られており、例えば、Holm et al., Green Chemistry (2012) 14, pp 702-706(メチルビニルグリコレート;2-ヒドロキシ-4-メトキシブタノエート;及び2-ヒドロキシ-4-メトキシブタン酸)、Amada et al., (2012), ChemSusChem, 5: 1991-1999(1,4-ブタンジオール);Dusselier et al, ACS Catal., 2013, 3 (8), pp 1786-1800(α-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトン);米国特許第10,189,778号(メチオニン)が参照され、これら全てが参照により本明細書に援用される。
【0073】
一般に、反応領域は、固定床反応器、細流床反応器(trickle bed reactor)、スラリー相反応器、移動床反応器、流動床反応器、又は触媒反応、特に不均一触媒反応が可能なあらゆる別の設計を用いた1つ以上のバッチ、セミバッチ、又は連続反応器設計を含むことができる。このような反応器の例は、参照により本明細書に援用されるChemical Process Equipment - Selection and Design, Couper et al., Elsevier 1990に見ることができる。
【0074】
本発明を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、修正及び変更が可能であることは明らかであろう。したがって、上記の説明又は以下に示す特定の実施例に含まれる全ての事項は、例示として解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されるべきではないことが意図される。
【0075】
本発明の要素又はその好ましい実施形態を紹介するとき、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」及び「前記(said)」は、1つ又は複数の要素があることを意味することを意図している。「含む(comprising)」、「含む(including)」及び「有する(having)」という用語は、包括的であることを意図しており、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。
【0076】
より具体的には、本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」という用語は、それに関して「含む(comprising)」という用語が使用される製品/方法/使用は、後述の要素「のみからなる」こともできる選択肢を網羅すると理解されるべきである。
【0077】
又、本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」という用語は、それに関して「含む(comprising)」という用語が使用される製品/方法/使用は、後述の要素「から本質的になる」ことができる選択肢を同様に網羅すると理解されるべきである。
【0078】
特に明記しない限り、全ての合成方法及びパラメーター測定は、室温/周囲温度、即ち、摂氏21±1度で行われたと理解されるべきである。
【実施例】
【0079】
以下の実施例は、本発明を更により具体的に例示するためにもたらされる。
【0080】
実施例1:金属酸化物でコーティングされたガラスビーズ触媒の調製
金属酸化物でコーティングされたガラスビーズ触媒を調製するために、酸素への曝露を防ぐよう、まず金属酸化物ゾル-ゲルを窒素充填環境で調製した。0.70mLのタングステン(V)エトキシド、1,2-ジメトキシエタン付加物、99%を、50mLのイソプロパノールに撹拌しながら加えた。次いで、2M塩酸0.2mLを滴下し、白色沈殿を含む淡黄色ゾルが得られた。混合物を室温で約1時間撹拌し、一晩放置した。
【0081】
ガラスビーズをイソプロパノールで燻蒸することにより、ガラスビーズを調製した。次いで、25mlの燻蒸されたガラスビーズをゾルに添加した。ガラスビーズを含む混合物を定期的に混合し、蓋をせずに放置した。得られたコーティングされたガラスビーズは、酸化タングステン溶液で均一にコーティングされた。
【0082】
次いで、コーティングされたガラスビーズを周囲温度で乾燥させ、約80℃で一晩加熱した。コーティングされたガラスビーズは、焼成又はその他の改質を受けなかった。
【0083】
各コーティングされたガラスビーズは、薄膜コーティングの形態で約0.25重量%のタングステンを含んだ。
【0084】
実施例2:金属酸化物がコーティングされたガラスビーズ触媒の調製
約80℃で一晩加熱する前に、コーティングされたガラスビーズをアセトンですすいだ以外は、実施例1の手順に従って実験を行った。コーティングされたガラスビーズをアセトンですすいでも、有効な量の酸化タングステン溶液は除去されなかった。
【0085】
実施例3:ガラスビーズ触媒を利用したデキストロースの熱分解
未処理のガラスビーズ触媒を、流動床反応器システムを利用したデキストロースの熱分解について試験した。ガラスビーズ触媒は、反応器床の全媒体体積の6%を占めた。約20重量%のデキストロース溶液を、反応器システムに1.7mL/分の速度で導入した。窒素ガス流も4500~5000mL/分の速度で系に導入した。以下の表1~3は、様々な反応温度について、流通中の様々な時点での生成物プロファイルを報告する。以下に示す各反応の滞留時間は、0.98秒であった。
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
実施例4:炭化タングステンを利用したデキストロースの熱分解
炭化タングステンのグリット材料を、ガラスビーズと混合し、デキストロースの熱分解又はクラッキングのために流動床反応器システムで利用した。混合物は、様々な反応器温度で試験され、コーティングされていないガラスビーズで実行された実験と比較された。
【0090】
約20重量%のデキストロース溶液を、反応器システムに1.7mL/分の速度で導入した。窒素ガス流も4500~5000mL/分の速度で系に導入した。表4及び5に、反応器システムの様々な場所での温度、流速、滞留時間などを示す。以下に報告する「底部温度」は、流動床反応器の供給ノズルでの温度である。表6に、流通中の特定の時間における製品プロファイルを示す。
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
ガラスビーズと混合された炭化タングステンのグリット材料を利用する第2の実験を、同じ条件下で行った。クラッキング媒体は、体積基準で、約3%の炭化タングステンのグリットと97%のガラスビーズを含んだ。表7及び8に、反応器システムの様々な場所での温度、流速、滞留時間などを示す。この第2の実験の生成物プロファイルは、表9に示される。
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
実施例5:酸化タングステンがコーティングされたガラスビーズ触媒を利用したデキストロースの熱分解
実施例4で行ったものと同様のいくつかの実験を行った。表10及び11は、酸化タングステンがコーティングされたガラスビーズ触媒を、反応器システムの様々な温度で使用した結果を示しており、ここで、酸化タングステンがコーティングされた触媒は、全クラッキング媒体の約6重量%を占めていた。
【0099】
【0100】
【0101】
上記の結果によって実証されるように、金属酸化物がコーティングされたガラスビーズを含む触媒は、金属炭化物触媒と比較して、グリコールアルデヒドのかなり高い収率を生じた。
【0102】
実施例6:酸化モリブデンがコーティングされたガラスビーズ触媒を利用したデキストロースの熱分解
全クラッキング媒体の約6重量%を占める、酸化モリブデンがコーティングされたガラスビーズ触媒を使用して、実施例4と同様の実験を行った。触媒を、様々な反応器温度で試験した。反応条件を表12に示し、結果を表13に示す。
【0103】
【0104】
【0105】
実施例7:酸化バナジウムがコーティングされたガラスビーズ触媒を利用したデキストロースの熱分解
5重量%の酸化バナジウムがコーティングされたガラスビーズ触媒を使用して、実施例4と同様の実験を行った。この触媒を設定温度525℃での反応に使用した。50時間流通させた後、反応器のコーキング(coking)が観察された。
【0106】
反応条件を以下の表14に記載する。表15に、反応中の反応器の様々な場所での温度を示す。以下の「底部温度」は、供給ノズルでの温度である。表16に、反応生成物の生成プロファイルを示す。
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
実施例8:モリブデンがコーティングされた石英砂触媒を利用したデキストロースの熱分解
約5重量%のモリブデンがコーティングされた石英砂触媒と95重量%の未処理の石英砂であるクラッキング媒体を使用して、実施例4と同様の実験を行った。反応は設定温度525℃で行った。反応条件を以下の表17及び18に記載する。以下に報告される「底部温度」は、供給ノズルでの温度である。表19に、実験の結果を示す。
【0111】
3時間流通させた後、反応を停止し、反応器を検査した。コーキングが観察され、反応器で固体の塊が形成された。
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
実施例9:チタニアがコーティングされたガラスビーズ触媒を利用したデキストロースの熱分解
酸化チタニアがコーティングされたガラスビーズを実施例1の手順に従って調製し、この触媒を用いたデキストロースの熱分解の実験を実施例4の手順に従って試験した。反応生成物のプロファイルを以下の表20に示す。
【0116】
反応を行う前に、反応器本体全体と全てのガス処理ラインを適切に洗浄した。反応器は、完全に密閉する前に30時間を超える間、運転できなかった。調査の結果、反応器内に固体の塊が形成され、ガス処理ラインが焦げと熱分解油の混合物で密閉された。注入後、供給物がガラスビーズと反応して固体の塊を形成し、焦げの量が増加したという仮説が立てられた。この蓄積により、最終的に反応器が停止し、圧力が上昇した。
【0117】
【0118】
実施例10:ZIF-4触媒の調製
フラスコ中で、3.641gの硝酸亜鉛六水和物と2.40gのイミダゾールとを一つにまとめた。240mlのN,N-ジメチルホルムアミドを加え、フラスコの出口に還流冷却器を取り付けた。撹拌子を用いて低速で撹拌しながら、内容物を約130℃で48時間加熱した。熱を加えると固体は容易に溶解して透明溶液が形成された。反応が進行すると、白色沈殿が観察された。続いて、この沈殿を水で洗浄し、減圧下で乾燥させて、ZIF-4触媒を形成した。
【0119】
実施例11:グリコールアルデヒドの変換のための種々の触媒の試験
グリコールアルデヒドの少なくとも一部を縮合させて、トレオース、エリトロース、及び/又はエリトルロースを生成する能力に関して、種々の触媒の試験を行った。この実験において、カルシウム型イオン交換樹脂(PCR560 Ca)、市販のゼオライトのLinde Type-Aゼオライト(Sigma Aldrich製品番号#96096)、塩酸で酸処理した市販のゼオライト(Sigma Aldrich製品番号#96096)、水酸化カルシウム、及び実施例10のZIF-4触媒の試験を行った。
【0120】
それぞれの触媒約40mgを、2mlの希釈した熱分解生成物(約5.8重量%のグリコールアルデヒドを含有)に加えた。各触媒の場合で、1時間及び2時間において評価を行った。HPLCを用いて試料を分析して、出発熱分解生成物材料のモルパーセント値に基づいて消費されたグリコールアルデヒドの量を求め、所望の生成物のスペクトルを評価した。結果を以下の表21中に示す。
【0121】
【0122】
これらの化合物のスクリーニングによって、所望の生成物の形成に関して、1時間及び2時間の両方の時点で、ZIF-4触媒は、他の触媒よりも優れていたことが示された。
【0123】
結果を検証するために、ZIF-4触媒を用いて追加の実験を行った。ZIF-4触媒の結果を以下の表22中に示す。これらの結果は、トレオース及びエリトルロースのみの場合で正規化している。
【0124】
【0125】
実施例12:グリコールアルデヒドの変換に関するZIF-4触媒の試験
実施例11の実験を、第2のZIF-4触媒及び5.4重量%のグリコールアルデヒド溶液で繰り返した。反応混合物のサンプリング及び分析を2時間、4時間、及び6時間において行った。熱分解生成物の変換に関して実施例12中に報告されるものと比較して、同様のトレオース、エリトロース、及びエリトルロースの収率が得られた。結果を以下の表23中に示す。
【0126】
【0127】
以上を考慮すると、本発明の幾つかの目的が達成され、他の有利な結果が達成されたことが分かる。
【0128】
項目:
1.C4アルドース及び/又はそのケトンの調製方法であって、
グリコールアルデヒドを含む供給組成物を、イミダゾレート骨格を含む触媒に反応領域中で接触させて、グリコールアルデヒドの少なくとも一部を縮合させて、C4アルドース及び/又はそのケトンを得ることを含む、方法。
【0129】
2.C4アルドース及び/又はそのケトンの調製方法であって、
少なくとも4つの炭素原子を有する炭水化物を含む供給組成物を熱分解反応領域に供給することと;
熱分解反応領域中、水及び触媒の存在下で炭水化物を熱分解して、グリコールアルデヒドを含む反応生成物を形成することであって、上記触媒が、触媒担体上の金属酸化物を含み、以下の条件:
(a)熱分解反応領域が400℃以上の温度まで加熱される;
(b)触媒担体が、500m2/g以下、250m2/g以下、100m2/g以下、50m2/g以下、25m2/g以下、10m2/g以下、5m2/g以下、又は1m2/g以下のBET比表面積を有する;
(c)触媒担体がガラス、セラミック、又は耐火材料(refractory material)を含む;
(d)熱分解反応領域が、触媒とは異なる反応領域媒体を更に含む;及び/又は
(e)グリコールアルデヒドの収率が、70%以上、75%以上、又は80%以上である、
の少なくとも1つが満たされることと;
こうして形成された反応生成物の中で、又は反応生成物から、グリコールアルデヒドを縮合して、グリコールアルデヒドからC4アルドース及び/又はそのケトンを得ることと、
を含む、方法。
【0130】
3.反応生成物中での、又は反応生成物からのグリコールアルデヒドの縮合が、グリコールアルデヒドを含む反応生成物又はその一部を、イミダゾレート骨格を含む触媒に反応領域中で接触させて、グリコールアルデヒドの少なくとも一部を縮合させて、C4アルドース及び/又はそのケトンを得ることを含む、項目2の方法。
【0131】
4.供給組成物が、1重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、20重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、又は70重量%以上の濃度のグリコールアルデヒドを含む、項目1の方法。
【0132】
5.供給組成物が、1重量%~70重量%、1重量%~50重量%、1重量%~25重量%、又は1重量%~10重量%のグリコールアルデヒド濃度を含む、項目1の方法。
【0133】
6.供給組成物が、ピルブアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトール、グリオキサール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を更に含む、項目1、4、又は5のいずれか1つの方法。
【0134】
7.供給組成物が水を更に含む、項目5の方法。
【0135】
8.C4アルドース及び/又はそのケトンが、エリトロース、トレオース、エリトルロース、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、項目1~7のいずれか1つの方法。
【0136】
9.C4アルドース及び/又はそのケトンがエリトロースを含む、項目1~8のいずれか1つの方法。
【0137】
10.C4アルドース及び/又はそのケトンがトレオースを含む、項目1~9のいずれか1つの方法。
【0138】
11.C4アルドース及び/又はそのケトンがエリトルロースを含む、項目1~10のいずれか1つの方法。
【0139】
12.イミダゾレート骨格が、1つ以上の金属及び/又は半金属を含む、項目1又は3~11のいずれか1つの方法。
【0140】
13.イミダゾレート骨格が、亜鉛、コバルト、銅、鉄、リチウム、ホウ素、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の金属及び/又は半金属を含む、項目12の方法。
【0141】
14.イミダゾレート骨格が亜鉛を含む、項目13の方法。
【0142】
15.触媒がゼオライトイミダゾレート骨格(ZIF)を含む、項目13の方法。
【0143】
16.触媒がホウ素イミダゾレート骨格(BIF)を含む、項目13の方法。
【0144】
17.イミダゾレート骨格が、ZIF-4、ZIF-8、ZIF-14、BIF-2Li、BIF-2Cu、BIF-5、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目13の方法。
【0145】
18.イミダゾレート骨格がZIF-4を含む、項目17の方法。
【0146】
19.触媒がZIF-4からなる、又はから本質的になる、項目18の方法。
【0147】
20.イミダゾレート骨格及び/又は触媒が、スズ、ジルコニア、及び/又はシリカを含まない又は本質的に含まない、項目12~19のいずれか1つの方法。
【0148】
21.縮合反応が、100℃以下、95℃以下、90℃以下の温度で行われる、項目1~20のいずれか1つの方法。
【0149】
22.縮合反応が、0℃以上、25℃以上、50℃以上、又は80℃以上の温度で行われる、項目1~21のいずれか1つの方法。
【0150】
23.縮合反応が、25℃~100℃、25℃~90℃、50℃~100℃、50℃~90℃、80℃~100℃、又は80℃~90℃の温度で行われる、項目1~22のいずれか1つの方法。
【0151】
24.縮合反応におけるグリコールアルデヒドの変換率が、90%以上、95%以上、又は99%以上である、項目1~23のいずれか1つの方法。
【0152】
25.90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上のグリコールアルデヒドの変換率が、10時間以下、8時間以下、6時間以下、又は4時間以下の反応時間で実現される、項目1~24のいずれか1つの方法。
【0153】
26.エリトロース、トレオース、エリトルロース、及び/又はそれらの組み合わせに対する縮合反応の選択性が、80%以上、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、又は99%以上である、項目1~25のいずれか1つの方法。
【0154】
27.エリトロース、トレオース、及びエリトルロースの組み合わせに対する縮合反応の選択性が、80%以上、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、又は99%以上である、項目1~26のいずれか1つの方法。
【0155】
28.エリトロースに対する縮合反応の選択性が、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、又は50%以上である、項目1~27のいずれか1つの方法。
【0156】
29.トレオースに対する縮合反応の選択性が、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、又は50%以上である、項目1~28のいずれか1つの方法。
【0157】
30.エリトルロースに対する縮合反応の選択性が、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、又は50%以上である、項目1~29のいずれか1つの方法。
【0158】
31.縮合反応が、7以下、6以下、又は5以下のpHで行われる、項目1~30のいずれか1つの方法。
【0159】
32.縮合反応がほぼ中性のpHで行われる、項目1~31のいずれか1つの方法。
【0160】
33.縮合反応が、添加された塩基を含まずに又は本質的に含まずに行われる、項目1~32のいずれか1つの方法。
【0161】
34.縮合反応のための供給組成物及び/又は反応領域が、アルコール溶媒を含まない又は本質的に含まない、項目1~33のいずれか1つの方法。
【0162】
35.縮合反応のための供給組成物及び/反応領域が、メタノール及び/又はエタノールを含まない又は本質的に含まない、項目1~34のいずれか1つの方法。
【0163】
36.縮合反応のための供給組成物及び/又は反応領域が、有機溶媒を含まない又は本質的に含まない、項目1~35のいずれか1つの方法。
【0164】
37.イミダゾレート骨格が、イミダゾール及び/又はイミダゾール型化合物及び金属塩を含む前駆体から調製される、項目1又は3~36のいずれか1つの方法。
【0165】
38.イミダゾレート骨格が、イミダゾール及び硝酸亜鉛六水和物を含む前駆体から調製される、項目1又は3~37のいずれか1つの方法。
【0166】
39.反応領域が、ペンタシルゼオライトを含まない又は本質的に含まない、項目1又は3~38のいずれか1つの方法。
【0167】
40.エリスリトール及び/又はスレイトールの調製方法であって、
請求項1~39のいずれか1つの方法によりエリトロース及び/又はトレオースを調製することと;エリトロース及び/又はトレオースの少なくとも一部を水素化してエリスリトール及び/又はスレイトールを形成することとを含む、方法。
【0168】
41.エリスロン酸、トレオン酸、及び/又はそれらの塩の調製方法であって、
請求項1~39のいずれか1つの方法によりエリトロース及び/又はトレオースを調製することと;
エリトロース及び/又はトレオースの少なくとも一部を酸化してエリスロン酸、トレオン酸、及び/又はそれらの塩を形成することと、
を含む、方法。
【0169】
42.下流生成物の調製方法であって、
請求項1~39のいずれか1つの方法によりC4アルドース及び/又はそのケトンを調製することと;
C4アルドース及び/又はそのケトンを下流生成物又はその前駆体に変換することと、を含み、下流生成物が、グリセルアルデヒド;メチルビニルグリコレート;2-ヒドロキシ-4-メトキシブタノエート;2-ヒドロキシ-4-メトキシブタン酸;1,4-ブタンジオール(1,4-butandiol);α-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトン、メチオニン、及びそれらの類似体からなる群から選択される化合物である、方法。
【0170】
43.グリコールアルデヒドの少なくとも一部が、炭水化物の熱分解から得られる、項目1の方法。
【0171】
44.グリコールアルデヒドの少なくとも一部が、糖の熱分解から得られる、項目43の方法。
【0172】
45.グリコールアルデヒドの少なくとも一部が、
水及び熱分解触媒の存在下、熱分解反応領域中で少なくとも4つの炭素原子を有する炭水化物を熱分解して、グリコールアルデヒドを含む反応生成物を形成することを含む方法から得られ、熱分解触媒が触媒担体上の金属酸化物を含む、項目44の方法。
【国際調査報告】