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特表2023-525768スイッチモードバイアスシステムを使用した表面電荷および電力フィードバックならびに制御
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(54)【発明の名称】スイッチモードバイアスシステムを使用した表面電荷および電力フィードバックならびに制御
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20230612BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20230612BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20230612BHJP
   C23C 16/50 20060101ALI20230612BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H01L21/302 101B
H01L21/31 C
C23C16/50
C23C16/44 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568414
(86)(22)【出願日】2021-04-19
(85)【翻訳文提出日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 US2021027927
(87)【国際公開番号】W WO2021231035
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】16/871,613
(32)【優先日】2020-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519027693
【氏名又は名称】エーイーエス グローバル ホールディングス, プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カーター, ダニエル
【テーマコード(参考)】
2G084
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA05
2G084AA08
2G084BB02
2G084BB03
2G084BB05
2G084BB07
2G084CC07
2G084CC08
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC17
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD04
2G084DD15
2G084DD24
2G084DD38
2G084DD53
2G084DD55
2G084EE06
2G084FF29
2G084HH05
2G084HH06
2G084HH15
2G084HH19
2G084HH20
2G084HH21
2G084HH22
2G084HH27
2G084HH28
2G084HH31
2G084HH32
2G084HH33
2G084HH37
2G084HH43
2G084HH52
2G084HH56
4K030FA01
4K030KA39
5F004BB12
5F004BB13
5F004BB22
5F004CA03
5F004CA06
5F045AA08
5F045EH14
5F045EH20
5F045EM05
(57)【要約】
プラズマチャンバ内のイオンエネルギーを調整し、基板表面上および表面上に構築されている容量性構造内への過剰かつ損傷を及ぼす電荷集積を回避するためのシステム、方法、および装置。例示的方法は、基板をプラズマチャンバ内に設置することと、プラズマをプラズマチャンバ内に形成することと、周期的電圧関数(または修正された周期的電圧関数)を基板に印加するように、基板への電力を制御可能に切り替えることと、基板の表面におけるイオンのエネルギーの定義された分布に応答して、時間平均ベースで、イオンエネルギーの定義された分布をもたらし、表面電荷集積を閾値を下回るように維持するように、周期的電圧関数の複数のサイクルにわたって、周期的電圧関数を変調することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧を提供するためのシステムであって、
イオンを含む、プラズマを含有するように構成される、プラズマ処理チャンバと、
前記プラズマ処理チャンバ内に位置付けられ、基板を支持するように配置される、基板支持体と、
非対称周期的電圧関数を、基板支持体に結合するように構成される出力に提供するように構成される、電力供給源であって、前記非対称周期的電圧関数は、正電圧ランプ、第1の負電圧ランプ、および第2の負電圧ランプを有し、持続時間tを前記第1の負電圧ランプと次の正電圧ランプとの間に有する、電力供給源と
を備え、
前記電力供給源は、前記持続時間tの間、電流または電圧のうちの少なくとも1つの監視に基づいて、前記プラズマ処理チャンバ内のイオン電流の測定値を取得するように構成され、さらに、前記イオン電流および前記持続時間tの関数として、前記基板上の表面電荷蓄積Qの推定値を取得するように構成される、イオン電流補償構成要素を備え、
前記電力供給源は、前記持続時間tを調節し、所望の表面電荷蓄積Qを達成する、または前記表面電荷蓄積Qを閾値を下回るように保つように構成される、切替コントローラを備える、システム。
【請求項2】
前記イオン電流補償構成要素は、制御可能幅のイオンエネルギーを前記基板の表面にもたらす、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記イオン電流補償構成要素は、制御可能狭または単エネルギー分布のイオンエネルギーを前記基板の表面にもたらす、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記イオン電流補償構成要素はさらに、前記持続時間tの間、固定された規模の電圧または電流を前記出力に維持し、前記制御可能狭または単エネルギー分布のイオンエネルギーを前記基板の表面にもたらすように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記電力供給源は、少なくとも2つの切替構成要素を含み、前記少なくとも2つの切替構成要素は、DC電力供給源に結合される、第1の切替構成要素と、接地端子に結合される、第2の切替構成要素とを含み、前記2つの切替構成要素は、前記DC電力供給源の正のDC電圧および前記接地端子を前記出力に交互に結合し、前記制御可能狭または単エネルギー分布のイオンエネルギーを前記基板の表面にもたらすように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記切替コントローラは、第1および第2の別個の駆動制御信号線のうちの対応する1つによって、第1および第2の別個の駆動制御信号を、それぞれ、前記少なくとも2つの切替構成要素の第1および第2のものに提供し、前記駆動制御信号のタイミングを制御し、前記正のDC電圧および接地電位を前記出力に交互に切り替え、前記非対称周期的電圧関数を発生させるように構成され、これは、前記基板支持体上の誘電または半導体基板に印加されると、前記持続時間tの間、持続負電圧を前記基板の表面に生産し、前記持続負電圧は、前記制御可能狭または単エネルギー分布のイオンエネルギーをもたらす、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
波形メモリをさらに備え、前記波形メモリは、前記持続時間tのタイミングを備える、前記駆動制御信号に関するタイミング情報を含むようにプログラムされる、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記表面電荷蓄積の推定値は、前記持続時間tにわたる、前記イオン電流の積分として導出される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記表面電荷蓄積の推定値は、前記電圧の変化率dv/dtの倍数×直列静電容量Cchuckとして導出される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
電圧を提供するための装置であって、
非対称周期的電圧関数を、基板支持体に結合するように構成される出力に提供するように構成される、電力供給源を備え、前記非対称周期的電圧関数は、正電圧ランプ、第1の負電圧ランプ、および第2の負電圧ランプを有し、持続時間tを前記第1の負電圧ランプと次の正電圧ランプとの間に有し、
前記電力供給源は、前記持続時間tの間、電流または電圧のうちの少なくとも1つの監視に基づいて、プラズマ処理チャンバ内のイオン電流の測定値を取得するための手段を含み、
前記電力供給源は、前記イオン電流および前記持続時間tの関数として、前記基板支持体によって保持される基板上の表面電荷蓄積Qの推定値を取得するための手段を含み、
前記電力供給源は、前記持続時間tを調節し、所望の表面電荷蓄積Qを達成する、または前記表面電荷蓄積Qを閾値を下回るように保つように構成される、コントローラを備える、装置。
【請求項11】
前記電力供給源は、制御可能幅のイオンエネルギーを前記基板の表面にもたらす、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
電力供給源は、制御可能狭または単エネルギー分布のイオンエネルギーを前記基板の表面にもたらす、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
電力供給源はさらに、前記持続時間tの間、固定された規模の電圧または電流を前記出力に維持し、前記制御可能狭または単エネルギー分布のイオンエネルギーを前記基板の表面にもたらすように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記電力供給源は、少なくとも2つの切替構成要素を含み、前記少なくとも2つの切替構成要素は、DC電力供給源に結合される、第1の切替構成要素と、接地端子に結合される、第2の切替構成要素とを含み、前記2つの切替構成要素は、前記DC電力供給源の正のDC電圧および前記接地端子を前記出力に交互に結合し、前記制御可能狭または単エネルギー分布のイオンエネルギーを前記基板の表面にもたらすように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記コントローラは、第1および第2の別個の駆動制御信号線のうちの対応する1つによって、第1および第2の別個の駆動制御信号を、それぞれ、前記少なくとも2つの切替構成要素の第1および第2のものに提供し、前記第1および第2の別個の駆動制御信号のタイミングを制御し、前記正のDC電圧および接地電位を前記出力に交互に切り替え、前記非対称周期的電圧関数を発生させるように構成され、これは、前記基板支持体上の誘電または半導体基板に印加されると、前記持続時間tの間、持続負電圧を前記基板の表面に生産し、前記持続負電圧は、前記制御可能狭または単エネルギー分布のイオンエネルギーをもたらす、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
波形メモリをさらに備え、前記波形メモリは、前記持続時間tのタイミングを備える、前記第1および第2の別個の駆動制御信号に関するタイミング情報を含むようにプログラムされる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記プラズマ処理チャンバをさらに備える、請求項10に記載の装置。
【請求項18】
電圧を提供するための方法を実施するためのプロセッサ実行可能コードでエンコーディングされる、非一過性有形プロセッサ可読記憶媒体であって、前記方法は、
プラズマ処理チャンバ内の基板をバイアスすることであって、前記バイアスの波形は、(1)周期的正のパルスと、(2)前記正のパルスのそれぞれの間に、持続時間tにわたって続き、減少率dv/dtを有する、線形に減少する電圧とを備える、ことと、
イオン電流Iを、前記持続時間tの間の前記波形の電流測定値から、または前記減少率dv/dtから計算することと、
前記持続時間tの間に集積した表面電荷蓄積Qを前記イオン電流Iから計算することと、
前記表面電荷蓄積Qと第1の閾値を比較することと、
前記表面電荷蓄積Qが前記第1の閾値を満たす、またはそれを超えるとき、前記持続時間tを変化させることと
を含む、非一過性有形プロセッサ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記パルスのそれぞれの持続時間tが、前記持続時間tの変化の間、一定に保たれ、それによって、前記基板に送達される一定イオンエネルギーを維持する、請求項18に記載の非一過性有形プロセッサ可読媒体。
【請求項20】
前記イオン電流Iを前記減少率dv/dtおよび前記基板と前記バイアスを提供する電力供給源との間の直列静電容量Cchuckから計算することをさらに含む、請求項18に記載の非一過性有形プロセッサ可読媒体。
【請求項21】
前記持続時間tの間、前記表面電荷蓄積Qを、以下のように計算することをさらに含む、請求項20に記載の非一過性有形プロセッサ可読媒体。
【数21】
【請求項22】
前記持続時間tの間、前記表面電荷蓄積Qを、以下のように計算することをさらに含む、請求項20に記載の非一過性有形プロセッサ可読媒体。
【数22】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(開示の分野)
本開示は、概して、プラズマ処理に関する。特に、限定ではないが、本開示は、ウエハのプラズマ処理の間、ウエハ上の表面電荷を監視および制御するためのシステム、方法、および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の説明)
半導体処理の間、ウエハ上の表面電荷蓄積は、デバイス損傷およびエッチングプロファイルならびにパターン化された構造の寸法の完全性を含む、プラズマプロセスの多数の側面に影響を及ぼし得る。例えば、電荷集積は、チップスタック内の容量結合特徴間の容量絶縁破壊につながり得る。別の実施例として、表面特徴上の電荷集積は、エッチングプロセスにおいて使用されるイオンを偏向させ、望ましくないエッチングまたは堆積プロファイル(すなわち、非垂直側壁)につながり得る。既存のプロセスは、オフライン実験データ蓄積および分析を使用して、処理の間、補正作用を講じるために使用され得る、フラグおよび他のトリガを識別する。しかしながら、そのような方法は、リアルタイムではなく、リアルタイム処理条件が実験的に導出されるモデルと幾分異なるとき、誤差を受けやすい。したがって、表面電荷蓄積のより正確かつリアルタイムの監視および制御の必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(開示の要約)
以下は、本明細書に開示される1つ以上の側面および/または実施形態に関連する、簡略化された概要を提示する。したがって、以下の概要は、全ての検討される側面および/または実施形態に関連する広範な概要と見なされるべきではなく、また、全ての検討される側面および/または実施形態に関連する重要または必須要素を識別する、もしくは任意の特定の側面および/または実施形態と関連付けられる範囲を境界するためのものと見なされるべきではない。故に、以下の概要は、下記に提示される詳細な説明に先行するために、本明細書に開示される機構に関連する1つ以上の側面および/または実施形態に関連するある概念を簡略化された形態において提示することのみを目的とする。
【0004】
本開示のある側面では、いわゆるeV源は、電流、電圧、または電源と連動して、スイッチモード電力供給源を使用して、基板に提供され、プラズマ処理チャンバ内のウエハ基板上に電荷集積および放電をもたらす、修正された波形(例えば、非対称周期的波形)を発生させる。波形は、電荷をウエハ表面から除去する、周期的電圧ステップまたはランプ(例えば、各反転の上部と底部との間の有限傾きを伴う、電圧反転)後、ウエハを保持するチャックへの線形に減少する電圧印加の周期を含むことができる。電圧ステップまたはランプが、ウエハ表面上の電荷集積を除去する間、線形に減少する電圧の周期は、持続負電圧(例えば、若干の電圧傾き)をウエハ表面にもたらし、これは、処理のために、イオンを表面に誘引する。線形に減少する電圧は、制御されるため、コントローラはまた、本減少する電圧の傾きを監視または制御することができ、本傾きは、「イオン電流」I、すなわち、プラズマから、ウエハを通して、eV源の中に通過する、電流の知識を提供する。
【0005】
イオン電流の知識は、イオン電流Iが流動している時間の監視とともに、表面電荷蓄積Q=I×tであるため、電荷集積の正確な推定値を提供する。表面電荷蓄積Qが、構造的損傷または表面電荷の他の望ましくない効果につながることが既知のもの等の閾値を超えると、正電圧反転(または電圧傾きの方向の急変)が、開始され、表面電荷蓄積を除去することができる。換言すると、非対称周期的電圧波形は、線形に減少する電圧の持続時間を電圧反転間に有し、本持続時間は、表面電荷集積Qがあまりに大きくならないように防止することができる。したがって、電圧反転のタイミングは、具体的電荷除去をもたらす、または電荷が閾値を超えないようにブロッキングするように修正または制御されることができる。
【0006】
同時に、電流および電圧は、既知であるため、コントローラはまた、P=I×Vであるため、送達される電力の知識および制御を有する。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態は、プラズマ処理チャンバと、基板支持体と、電力供給源とを含む、プラズマベースの処理のためのシステムとして特徴付けられ得る。プラズマ処理チャンバは、イオンを含む、プラズマを含有するように構成されることができる。基板支持体は、プラズマ処理チャンバ内に位置付けられ、基板を支持するように配置されることができる。電力供給源は、非対称周期的電圧関数を、基板支持体に結合するように構成される、出力に提供するように構成されることができる。非対称周期的電圧関数は、正電圧ランプ、第1の負電圧ランプ、および第2の負電圧ランプを有し、持続時間tを第1の負電圧ランプと次の正電圧ランプとの間に有することができる。電力供給源はまた、持続時間tの間、電流または電圧のうちの少なくとも1つの監視に基づいて、プラズマ処理チャンバ内のイオン電流の測定値を取得するように構成され、さらに、イオン電流および持続時間tの関数として、基板上の表面電荷蓄積Qの推定値を取得するように構成される、イオン電流補償構成要素を含むことができる。電力供給源はまた、持続時間tを調節し、所望の表面電荷蓄積Qを達成する、または表面電荷蓄積Qを閾値を下回るように保つように構成される、切替コントローラを含むことができる。
【0008】
本開示の他の実施形態はまた、プラズマベースの処理のための装置として特徴付けられ得る。本装置は、電力供給源を有する、プラズマ処理チャンバ内のイオン電流の測定値を取得するための手段と、表面電荷蓄積Qの推定値を取得するための手段と、波形の持続時間tを調節するためのコントローラとを含むことができる。具体的には、電力供給源は、非対称周期的電圧関数を、基板支持体に結合するように構成される、出力に提供するように構成されることができる。非対称周期的電圧関数は、正電圧ランプ、第1の負電圧ランプ、および第2の負電圧ランプを有し、持続時間tを第1の負電圧ランプと次の正電圧ランプとの間に有することができる。プラズマ処理チャンバ内のイオン電流の測定値を取得するための手段は、持続時間tの間、電流または電圧のうちの少なくとも1つを監視することができる。基板支持体によって保持される基板上の表面電荷蓄積Qの推定値を取得するための手段は、イオン電流Iおよび持続時間tの関数として動作することができる。コントローラは、持続時間tを調節し、所望の電荷蓄積Qを達成することができる、または表面電荷蓄積Qを閾値を下回るように保つことができる。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態は、プラズマ処理チャンバ内の基板をバイアスする方法として特徴付けられ得る。本方法は、(1)周期的正のパルスと、(2)正のパルスのそれぞれの間で線形に減少する電圧とを含む、波形を用いて、バイアスすることを含むことができる。線形に減少する電圧は、持続時間tにわたって続き、減少率dv/dtを有することができる。本方法は、次いで、イオン電流Iを、持続時間tの間の波形の電流測定値から、または減少率dv/dtから計算することができる。本方法は、次いで、持続時間tの間に集積した表面電荷蓄積Qをイオン電流Iから計算し、表面電荷蓄積Qと第1の閾値を比較することができる。本方法は、次いで、表面電荷蓄積Qが第1の閾値を満たす、またはそれを超えるとき、持続時間tを変化させることができる。
【0010】
ある実施形態では、電力供給源は、スイッチモード電力供給源と、イオン電流補償構成要素とを含むことができる。電力供給源は、少なくとも2つの切替構成要素を含むことができ、少なくとも2つの切替構成要素は、DC電力供給源に結合される、第1の切替構成要素と、接地端子に結合される、第2の切替構成要素とを含むことができる。2つの切替構成要素は、DC電力供給源の正のDC電圧および接地端子を電力供給源の出力に交互に結合し、制御可能狭または単エネルギー分布のイオンエネルギー(例えば、単一集線の特定のイオンエネルギー)を基板の表面にもたらすように構成されることができる。少なくとも2つの切替構成要素は、ハーフブリッジまたはフルブリッジ構成のいずれかにあることができる。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態は、電圧を提供するためのシステムとして特徴付けられ得、プラズマ処理チャンバと、基板支持体と、電力供給源とを含むことができる。プラズマ処理チャンバは、イオンを含む、プラズマを含有するように構成されることができる。基板支持体は、プラズマ処理チャンバ内に位置付けられ、基板を支持するように配置されることができる。電力供給源は、非対称周期的電圧関数を、基板支持体に結合するように構成される、出力に提供するように構成されることができ、非対称周期的電圧関数は、正電圧ランプ、第1の負電圧ランプ、および第2の負電圧ランプを有し、持続時間tを第1の負電圧ランプと次の正電圧ランプとの間に有する。電力供給源は、持続時間tの間、電流または電圧のうちの少なくとも1つの監視に基づいて、プラズマ処理チャンバ内のイオン電流の測定値を取得するように構成され、さらに、イオン電流および持続時間tの関数として、基板上の表面電荷蓄積Qの推定値を取得するように構成される、イオン電流補償構成要素を備えることができる。電力供給源はさらに、持続時間tを調節し、所望の表面電荷蓄積Qを達成する、または表面電荷蓄積Qを閾値を下回るように保つように構成される、切替コントローラを備えることができる。
【0012】
本開示の他の実施形態は、電圧を提供するための装置として特徴付けられ得、電力供給源を含むことができる。電力供給源は、非対称周期的電圧関数を、基板支持体に結合するように構成される、出力に提供するように構成されることができ、非対称周期的電圧関数は、正電圧ランプ、第1の負電圧ランプ、および第2の負電圧ランプを有し、持続時間tを第1の負電圧ランプと次の正電圧ランプとの間に有する。電力供給源は、持続時間tの間、電流または電圧のうちの少なくとも1つの監視に基づいて、プラズマ処理チャンバ内のイオン電流の測定値を取得するための手段を備えることができる。電力供給源は、イオン電流および持続時間tの関数として、基板支持体によって保持される基板上の表面電荷蓄積Qの推定値を取得するための手段を備えることができる。電力供給源は、持続時間tを調節し、所望の表面電荷蓄積Qを達成する、または表面電荷蓄積Qを閾値を下回るように保つように構成されることができる。
【0013】
本開示のさらに他の実施形態は、電圧を提供するための方法を実施するためのプロセッサ実行可能コードでエンコーディングされる、非一過性有形プロセッサ可読記憶媒体として特徴付けられ得る。本方法は、プラズマ処理チャンバ内の基板をバイアスすることであって、バイアスの波形は、(1)周期的正のパルスと、(2)正のパルスのそれぞれの間に、持続時間tにわたって続き、減少率dv/dtを有する、線形に減少する電圧とを備える、ことを含むことができる。本方法はさらに、イオン電流Iを、持続時間tの間の波形の電流測定値から、または減少率dv/dtから計算することを含むことができる。本方法は、なおもさらに、持続時間tの間に集積した表面電荷蓄積Qをイオン電流Iから計算することを含むことができる。本方法はまた、表面電荷蓄積Qと第1の閾値を比較することを含むことができる。本方法は、加えて、表面電荷蓄積Qが第1の閾値を満たす、またはそれを超えるとき、持続時間tを変化させることを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示の種々の目的および利点ならびにより完全なる理解は、添付図面と併せて考慮されるときに、以下の詳細な説明および添付の請求項を参照することによって、明白であり、かつ容易に理解される。
【0015】
図1図1は、本発明の一実装による、プラズマ処理システムのブロック図を例証する。
【0016】
図2図2は、図1に描写されるスイッチモード電力システムの例示的実施形態を描写する、ブロック図である。
【0017】
図3図3は、図2を参照して説明されるスイッチモードバイアス供給源を実現するように利用され得る、構成要素の略図である。
【0018】
図4図4は、2つの駆動信号波形を描写する、タイミング略図である。
【0019】
図5図5は、特定のイオンエネルギーに集線されるイオンエネルギー分布をもたらす、スイッチモードバイアス供給源を動作させる、単一モードのグラフ表示である。
【0020】
図6図6は、イオンエネルギー分布における2つの別個のピークが発生される、動作の二峰性モードを描写するグラフである。
【0021】
図7図7Aおよび7Bは、プラズマ中で行われる、実際の直接イオンエネルギー測定を描写する、グラフである。
【0022】
図8図8は、本発明の別の実施形態を描写する、ブロック図である。
【0023】
図9A図9Aは、正弦波変調関数によって変調される、例示的周期的電圧関数を描写する、グラフである。
【0024】
図9B図9Bは、図9Aに描写される、周期的電圧関数の一部の分解図である。
【0025】
図9C図9Cは、時間平均に基づく、周期的電圧関数の正弦波変調から生じる、イオンエネルギーの結果として生じる分布を描写する。
【0026】
図9D図9Dは、周期的電圧関数が正弦波変調関数によって変調されるときの結果として生じる、時間平均IEDFのプラズマ中で行われた実際の直接イオンエネルギー測定を描写する。
【0027】
図10図10Aは、周期的電圧関数が、鋸歯状波変調関数によって変調されることを描写する。図10Bは、図10Aに描写される、周期的電圧関数の一部の分解図である。図10Cは、図10Aおよび10Bにおける周期的電圧関数の正弦波変調から生じる、時間平均に基づく、イオンエネルギーの結果として生じる分布を描写する、グラフである。
【0028】
図11図11は、右欄にIEDF関数および左欄に関連付けられる変調関数を示す、グラフである。
【0029】
図12図12は、イオン電流補償構成要素が、プラズマチャンバ内のイオン電流を補償する、実施形態を描写する、ブロック図である。
【0030】
図13図13は、例示的イオン電流補償構成要素を描写する、略図である。
【0031】
図14図14は、図13に描写される、ノードVoutにおける例示的電圧を描写する、グラフである。
【0032】
図15図15A-15Cは、補償電流に応答して、基板の表面またはウエハに現れる、電圧波形である。
【0033】
図16図16は、図13を参照して説明される電流源を実現するように実装され得る、電流源の例示的実施形態である。
【0034】
図17図17Aおよび17Bは、本発明の他の実施形態を描写する、ブロック図である。
【0035】
図18図18は、本発明のさらに別の実施形態を描写する、ブロック図である。
【0036】
図19図19は、本発明のなおも別の実施形態を描写する、ブロック図である。
【0037】
図20図20は、図1-19を参照して説明される実施形態に関連して利用され得る、ブロック図入力パラメータおよび制御出力である。
【0038】
図21図21は、本発明のさらに別の実施形態を描写する、ブロック図である。
【0039】
図22図22は、本発明のさらに別の実施形態を描写する、ブロック図である。
【0040】
図23図23は、本発明のさらに別の実施形態を描写する、ブロック図である。
【0041】
図24図24は、本発明のさらに別の実施形態を描写する、ブロック図である。
【0042】
図25図25は、本発明のさらに別の実施形態を描写する、ブロック図である。
【0043】
図26図26は、本発明のさらに別の実施形態を描写する、ブロック図である。
【0044】
図27図27は、本発明のさらに別の実施形態を描写する、ブロック図である。
【0045】
図28図28は、本開示のある実施形態による、方法を図示する。
【0046】
図29図29は、本開示のある実施形態による、別の方法を図示する。
【0047】
図30図30は、基板の表面に影響を及ぼすイオンのイオンエネルギー分布を制御する方法の一実施形態を図示する。
【0048】
図31図31はIEDFおよびイオンエネルギーを設定するための方法を図示する。
【0049】
図32図32は、本開示の一実施形態による、基板支持体に送達される2つの修正された周期的電圧関数波形を図示する。
【0050】
図33図33は、プラズマ源の不安定性またはプラズマ密度の変化を示し得る、イオン電流波形を図示する。
【0051】
図34図34は、非周期的形状を有する、修正された周期的電圧関数波形のイオン電流Iを図示する。
【0052】
図35図35は、バイアス供給源内の故障を示し得る、修正された周期的電圧関数波形を図示する。
【0053】
図36図36は、システム容量の動的変化を示し得る、修正された周期的電圧関数波形を図示する。
【0054】
図37図37は、プラズマ密度の変化を示し得る、修正された周期的電圧関数波形を図示する。
【0055】
図38図38は、イオン電流のドリフトがシステムドリフトを示し得る、異なるプロセス実行のためのイオン電流のサンプリングを図示する。
【0056】
図39図39は、異なるプロセスパラメータのためのイオン電流のサンプリングを図示する。
【0057】
図40図40は、チャンバ内にプラズマを伴わずに監視された2つのバイアス波形を図示する。
【0058】
図41図41は、プラズマプロセスの正当性を立証するために使用され得る、2つのバイアス波形を図示する。
【0059】
図42図42は、電力供給源電圧とイオンエネルギーとの間の関係を示す、いくつかの電力供給源電圧およびイオンエネルギーのプロットを図示する。
【0060】
図43図43は、基板の表面に影響を及ぼすイオンのイオンエネルギー分布を制御する方法の一実施形態を図示する。
【0061】
図44図44は、本明細書に開示されるシステムにおける異なる点での種々の波形を図示する。
【0062】
図45図45は、イオン電流Iに一致させるために、イオン電流補償Iの最終的漸増変化を生じさせることの効果を図示する。
【0063】
図46図46は、イオンエネルギーの選択を図示する。
【0064】
図47図47は、イオンエネルギー分布関数幅の選択および拡張を図示する。
【0065】
図48図48は、各イオンエネルギーレベルが狭IEDF幅を有する、1つを上回るイオンエネルギーレベルを達成するために使用され得る、電力供給源電圧VPSの1つのパターンを図示する。
【0066】
図49図49は、各イオンエネルギーレベルが狭IEDF幅を有する、1つを上回るイオンエネルギーレベルを達成するために使用され得る、電力供給源電圧VPSの別のパターンを図示する。
【0067】
図50図50は、定義されたIEDFを生成するために使用され得る、電力供給源電圧VPSおよびイオン電流補償Iの1つの組み合わせを図示する。
図51】(記載なし)
図52】(記載なし)
図53】(記載なし)
図54】(記載なし)
図55】(記載なし)
図56】(記載なし)
図57】(記載なし)
図58】(記載なし)
【0068】
図59図59は、例示的制御システムの側面を描写する、略図である。
【0069】
図60図60は、例示的バイアス供給源の側面を描写する、略図である。
【0070】
図61図61は、バイアス供給源から出力される、電圧波形のグラフ、対応するシース電圧のグラフ、および対応するスイッチタイミング図を含む。
【0071】
図62図62は、例示的バイアス供給源波形および例示的電圧値を描写する、グラフである。
【0072】
図63図63Aは、2つの電圧源を使用して、電圧を図52に描写されるバイアス供給源に提供する、実装を描写する。図63Bは、2つの電圧源を使用して、電圧を図52に描写されるバイアス供給源に提供する、別の実装を描写する。図63Cは、2つの電圧源を使用して、電圧を図52に描写されるバイアス供給源に提供する、さらに別の実装を描写する。
【0073】
図64図64Aは、3つの電圧源を使用して、電圧を図52に描写されるバイアス供給源に提供する、実装を描写する。図64Bは、3つの電圧源を使用して、電圧を図52に描写されるバイアス供給源に提供する、別の実装を描写する。図64Cは、3つの電圧源を使用して、電圧を図52に描写されるバイアス供給源に提供する、さらに別の実装を描写する。
【0074】
図65図65は、制御システムと接続する、例示的バイアス供給源の側面を描写する、略図である。
【0075】
図66図66は、基板表面上の表面電荷蓄積が制御され得る、プラズマ処理システムを動作させるための方法を図示する。
【0076】
図67図67は、基板表面上の表面電荷蓄積が制御され得る、プラズマ処理システムを動作させるための別の方法を図示する。
【0077】
図68図68は、持続時間tが表面電荷蓄積Qを制御するように調節され得る、プラズマ処理システムの電力供給源のためのタイミングチャートを図示する。
【0078】
図69図69は、例示的実施形態による、本明細書に開示される遠隔プラズマ源を動作または製造させるためのデバイスを実現するために利用され得る、物理的構成要素を描写する、ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0079】
(詳細な説明)
プラズマ処理システムの例示的実施形態は、概して、図1に示される。描写されるように、プラズマ電力供給源102は、プラズマ処理チャンバ104に結合され、スイッチモード電力供給源106は、チャンバ104内において、その上に基板110が静置する支持体108に結合される。また、スイッチモード電力供給源106に結合される、コントローラ112も示される。
【0080】
本例示的実施形態では、プラズマ処理チャンバ104は、実質的に従来の構造のチャンバ(例えば、ポンプまたは複数のポンプ(図示せず)によって真空にされる、真空封入体を含む)によって実現され得る。また、当業者が理解するであろうように、チャンバ104内のプラズマ励起は、例えば、ヘリコン型プラズマ源等の種々の源のうちの任意の1つによるものであり得、種々の源は、反応炉内でプラズマ114を点弧および持続させるための磁気コイルおよびアンテナを含み、ガス注入口がチャンバ104内にガスを導入するために提供され得る。
【0081】
描写されるように、例示的プラズマチャンバ104は、基板110のエネルギーイオン衝撃および他のプラズマ処理(例えば、プラズマ蒸着およびプラズマ支援イオン注入)を利用して、材料のプラズマ支援エッチングを行うように配列および構成される。本実施形態におけるプラズマ電力供給源102は、プラズマ114を点弧し、持続させるように、1つ以上の周波数(例えば、13.56MHz)において、整合回路(図示せず))を介して、チャンバ104に電力(例えば、RF電力)を印加するように構成される。本発明は、チャンバ104に電力を結合するための任意の特定の種類のプラズマ電力供給源102または源に限定されるものではなく、種々の周波数および電力レベルが、プラズマ114に容量的または誘導的に結合され得ることを理解されたい。
【0082】
描写されるように、処理される誘電性基板110(例えば、半導体ウエハ)は、従来のウエハチャック(例えば、半導体ウエハ処理のため)の一部を含み得る、支持体108によって、少なくとも部分的に支持される。支持体108は、支持体108と基板110との間に絶縁層を有し、基板110は、プラットフォームに容量的に結合されるように形成され得るが、支持体108と異なる電圧で浮動し得る。
【0083】
上記に議論されるように、基板110および支持体108が、導体である場合、支持体108に不変電圧を印加することが可能であり、基板110を通しての電気伝導の結果、支持体108に印加される電圧は、基板110の表面にも印加される。
【0084】
しかしながら、基板110が、誘電性であるとき、支持体108への不変電圧の印加は、処理される基板110の表面全体にわたって電圧をかけるために有効ではない。その結果、例示的スイッチモード電力供給源106は、基板110の制御されたエッチングおよび/または蒸着および/または他のプラズマ支援プロセスを行うように、プラズマ114内でイオンを誘引し、基板110と衝突させることが可能である電圧を基板110の表面上にもたらすように制御されるように構成される。
【0085】
さらに、本明細書でさらに議論されるように、スイッチモード電力供給源106の実施形態は、プラズマ電力供給源102によって(プラズマ114に)印加される電力と、スイッチモード電力供給源106によって基板110に印加される電力との間にごくわずかな相互作用をもたらすために動作するように構成される。スイッチモード電力供給源106によって印加される電力は、例えば、プラズマ114の密度に実質的に影響を及ぼすことなく、イオンエネルギーの制御が可能なように制御可能である。
【0086】
さらに、図1に描写される例示的スイッチモード電力供給源106の多くの実施形態は、比較的に単純な制御アルゴリズムによって制御され得る、比較的に安価な構成要素によって実現される。また、従来技術のアプローチと比較して、スイッチモード電力供給源106の多くの実施形態は、はるかに効率的である。つまり、エネルギーコストと、過剰な熱エネルギーを除去することに関連付けられる高価な材料とを削減する。
【0087】
誘電性基板に電圧を印加するための公知の技術の1つは、基板の表面において電圧を誘発する、基板支持体に電力を印加するための複雑な制御方式と併用して、高出力線形増幅器を利用する。しかしながら、本技術は、コスト効率的ではなく、または十分に管理可能ではないことが分かっているため、商業用事業体によって採用されていない。特に、利用される線形増幅器は、典型的には、大型、非常に高価、非効率的、かつ制御が困難である。さらに、線形増幅器は、本質的に、AC結合(例えば、ブロッキングコンデンサ)と、チャックのような補助機能とを要求し、チャックのような補助機能は、並列給電回路によって達成され、並列給電回路は、チャックとともに、源に対するシステムのACスペクトル純度を害する。
【0088】
検討されている別の技術は、(例えば、1つ以上の線形増幅器によって)基板に高周波電力を印加するものである。しかしながら、基板に印加される高周波電力は、プラズマ密度に影響を及ぼすため、本技術は、プラズマ密度に悪影響を及ぼすことが分かっている。
【0089】
いくつかの実施形態では、図1に描写されるスイッチモード電力供給源106は、降圧、昇圧、および/または降圧-昇圧型電力技術によって実現され得る。これらの実施形態では、スイッチモード電力供給源106は、可変レベルのパルス電力を印加し、基板110の表面上に電位を誘発するように制御され得る。
【0090】
他の実施形態では、スイッチモード電力供給源106は、他のより高度なスイッチモード電力および制御技術によって実現される。次に図2を参照すると、例えば、図1を参照して説明されるスイッチモード電力供給源は、基板110に電力を印加し、基板110に衝突するイオンの1つ以上の所望のエネルギーをもたらすために利用される、スイッチモードバイアス供給源206によって実現される。また、イオンエネルギー制御構成要素220、アーク検出構成要素222、ならびにスイッチモードバイアス供給源206および波形メモリ224の両方に結合されるコントローラ212も示される。
【0091】
これらの構成要素の例証される配列は、論理的である。したがって、構成要素は、実際の実装では、組み合わされるか、またはさらに分離されることが可能であり、構成要素は、システムの基本動作を変更せずに、種々の方法で接続可能である。いくつかの実施形態では、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせによって実現され得る、コントローラ212は、電力供給源202およびスイッチモードバイアス供給源206の両方を制御するために利用され得る。しかしながら、代替実施形態では、電力供給源202およびスイッチモードバイアス供給源206は、完全に分離された機能的ユニットによって実現される。さらなる実施例として、コントローラ212、波形メモリ224、イオンエネルギー制御部分220、およびスイッチモードバイアス供給源206は、単一構成要素に統合され得る(例えば、共通筐体内に常駐する)、または離散構成要素間に分散され得る。
【0092】
本実施形態におけるスイッチモードバイアス供給源206は、概して、基板の表面に衝突するイオンのエネルギーの所望の(または定義された)分布をもたらすように、制御可能な様式で、支持体208に電圧を印加するように構成される。より具体的には、スイッチモードバイアス供給源206は、特定の電力レベルにおいて、基板に1つ以上の特定の波形を印加することによって、イオンエネルギーの所望の(または定義された)分布をもたらすように構成される。さらにより具体的には、イオンエネルギー制御部分220からの入力に応答して、スイッチモードバイアス供給源206は、特定の電力レベルを印加することにより、特定のイオンエネルギーをもたらし、波形メモリ224内の波形データによって定義される1つ以上の電圧波形を使用して、特定の電力レベルを印加する。その結果、1つ以上の特定のイオン衝撃エネルギーが、基板の制御されたエッチング(または他の形態のプラズマ処理)を行うように、イオン制御部分によって選択され得る。
【0093】
描写されるように、スイッチモード電力供給源206は、対応する駆動構成要素228’、228’’からの駆動信号に応答して、基板210の支持体208への電力を切り替えるように適合されるスイッチ構成要素226’、226’’(例えば、高出力電界効果トランジスタ)を含む。また、駆動構成要素228’、228’’によって発生される駆動信号230’、230’’は、波形メモリ224の内容によって定義されるタイミングに基づいて、コントローラ212によって制御される。例えば、多くの実施形態におけるコントローラ212は、波形メモリの内容を解釈し、駆動制御信号232’、232’’を発生させるように適合され、駆動制御信号232’、232’’は、切替構成要素226’、226’’への駆動信号230’、230’’を制御するために、駆動構成要素228’、228’’によって利用される。ハーフブリッジ(またはフルブリッジ)構成に配列され得る、2つのスイッチ構成要素226’、226’’が、例示的目的のために描写されるが、当然ながら、より少ないまたは追加スイッチ構成要素が、種々のアーキテクチャ(例えば、H-ブリッジ構成)内で実装され得ることが想定される。
【0094】
多くの動作モードでは、コントローラ212(例えば、波形データを使用する)は、駆動制御信号232’、232’’のタイミングを変調し、基板210の支持体208において、所望の波形をもたらす。加えて、スイッチモードバイアス供給源206は、DC信号または時変波形であり得る、イオンエネルギー制御信号234に基づいて、基板210に電力を供給するように適合される。したがって、本実施形態は、切替構成要素へのタイミング信号を制御し、切替構成要素226’、226’’によって印加される、(イオンエネルギー制御構成要素220によって制御される)電力を制御することによって、イオン分布エネルギーの制御を可能にする。
【0095】
加えて、本実施形態におけるコントローラ212は、アーク検出構成要素222によって検出される、プラズマチャンバ204内のアークに応答して、アーク管理機能を行うように構成される。いくつかの実施形態では、アークが検出されると、コントローラ212は、スイッチモードバイアス供給源206の出力236において印加される波形が、プラズマ214内のアークを消弧するように、駆動制御信号232’、232’’を変更する。他の実施形態では、スイッチモードバイアス供給源206の出力236における電力の印加が中断されるように、コントローラ212は、駆動制御信号232’、232’’の印加を単に中断することによって、アークを消弧する。
【0096】
次に図3を参照すると、これは、図2を参照して説明されるスイッチモードバイアス供給源206を実現するために利用され得る、構成要素の略図である。示されるように、本実施形態における切替構成要素T1およびT2は、ハーフブリッジ(また、トーテムポールとも称される)型トポロジ(但し、フルブリッジ構成も、本開示の精神から逸脱することなく、可能性として考えられる)において配列される。集合的に、R2、R3、C1、およびC2は、プラズマ負荷を表し、C10は、有効容量(本明細書では直列容量またはチャック容量とも称される)であり、C3は、基板の表面上に誘発される電圧または静電チャック(図示せず)の電圧からのDC電流が、回路を通して流動しないように防止するための任意の物理的コンデンサである。C10は、基板支持体および静電チャック(またはEチャック)の直列容量(チャック容量とも称される)、ならびに絶縁および基板等のバイアスの印加に固有の他の容量を含むため、有効容量と称される。描写されるように、L1は、浮遊インダクタンス(例えば、負荷に電力を給電する導体の自然インダクタンス)である。また、本実施形態では、3つの入力:Vbus、V2、およびV4が存在する。
【0097】
V2およびV4は、駆動信号(例えば、図2を参照して説明される駆動構成要素228’、228’’によって出力される、駆動信号230’、230’’)を表し、本実施形態では、V2およびV4は、T1およびT2の閉鎖が、変調され、基板支持体に印加される、電圧出力Voutの形状を制御し得るように、同期されることが可能である(例えば、スイッチパルスの長さおよび/または相互遅延)。多くの実装では、切替構成要素T1およびT2を実現するために使用されるトランジスタは、理想的スイッチではなく、したがって、所望の波形に到達するために、トランジスタ特有の特性が考慮される。多くの動作モードでは、単なるV2およびV4のタイミングの変更によって、Voutでの所望の波形の印加を可能にする。
【0098】
例えば、スイッチT1、T2は、基板110、210の表面における電圧が、正電圧基準に接近する、および/またはそれを若干超える、周期的電圧反転を用いて、概して、負となるように動作され得る。基板110、210の表面における電圧の値は、イオンのエネルギーを定義するものであり、イオンエネルギー分布関数(IEDF)の観点から特徴付けられ得る。基板110、210の表面において、所望の電圧をもたらすために、Voutでの波形部分は、所望の電圧および対応するイオンエネルギーを達成するために、基板110、210の表面に十分な電子を誘引するように、基板110、210の表面において、概して、矩形であり(または図61-62に示される、ランプ辺を有する)、短正電圧を誘発するために十分な長さの幅を有し得る。
【0099】
正電圧基準に接近する、および/またはそれを若干超える、周期的電圧反転は、スイッチT1、T2の切替能力によって限定される最小時間を有してもよい。電圧がスイッチを損傷させるレベルまで集積しない限り、電圧の概して負の部分が拡張することができる。いくつかの実施形態では、電圧の負の部分の長さは、イオンのシース遷移時間に基づいて、選定されてもよい。
【0100】
本実施形態におけるVbusは、基板の表面における電圧、その結果、イオンエネルギーを定義する、波形部分の測定されたVoutの振幅を定義する。再び図2を簡単に参照すると、Vbusは、イオンエネルギー制御部分に結合され得、イオンエネルギー制御部分は、VbusにDC信号または時変波形を印加するように適合されるDC電力供給源によって実現され得る。
【0101】
スイッチパルス幅、スイッチパルス形状、および/または2つの信号V2、V4の相互遅延は、Vout(本明細書では、修正された周期的電圧関数とも称される)において、所望の波形に到達するように変調され得、Vbusに印加される電圧は、スイッチパルスの特性に影響を及ぼし得る。換言すると、電圧Vbusは、スイッチパルス幅、スイッチパルス形状、および/または信号V2、V4の相対的位相に影響を及ぼし得る。図4を簡単に参照すると、例えば、図4に描写されるように、Voutにおいて周期的電圧関数を発生させるように、T1およびT2に印加され得る、2つの駆動信号波形(V2およびV4として)を描写する、タイミング略図が示される。Voutでの波形部分の形状を変調するために(例えば、Voutにおいて、スイッチパルスの最小時間を達成するが、電圧波形のピーク値に到達するために)、2つのゲート駆動信号V2、V4のタイミングが、制御され得る。
【0102】
例えば、スイッチパルスのそれぞれが、Voutで印加される時間が、スイッチパルス間の時間Tと比較して短いが、基板110、210の表面において、正電圧を誘発し、基板110、210の表面に電子を誘引するために十分に長くなり得るように、2つのゲート駆動信号V2、V4が、切替構成要素T1、T2に印加され得る。さらに、スイッチパルス間のゲート電圧レベルを変更することによって、波形部分間でVoutに印加される電圧の傾きを制御可能であることが分かっている(例えば、電圧反転間で、基板の表面において、実質的に持続または一定の電圧を達成するために)。いくつかの動作モードでは、ゲートパルスの反復速度は、約400kHzであるが、本速度は、当然ながら、印加毎に可変であり得る。波形部分は、例えば、図9bおよび10bにおける平坦電圧領域間の上昇部分、または図14におけるtの間の部分(波形部分は、図14における第1、第2、および第3の部分1402、1404、および1406を含む)、もしくは図61におけるtの間の部分(波形部分は、図61における第1、第2、および第3の部分6160、6162、および6164を含む)として定義されることができる。
【0103】
必須ではないが、実際は、実際の実装のモデル化および改良に基づいて、所望の(または定義された)イオンエネルギー分布を発生させるために使用され得る波形が、定義され得、波形は、(例えば、電圧レベルの持続として、図1を参照して説明される波形メモリ部分内に)記憶可能である。加えて、多くの実装では、波形は、直接発生されることができる(例えば、Voutからのフィードバックを伴わずに)。したがって、フィードバック制御システムの望ましくない側面を回避する(例えば、整定時間)。
【0104】
再び図3を参照すると、Vbusは、イオンのエネルギーを制御するために変調可能であり、記憶された波形を使用して、ゲート駆動信号V2、V4を制御し、Voutにおける所望の波形振幅を達成する一方、スイッチパルス幅を最小限にし得る。再び、これは、モデル化または実装され、実験的に確立され得るトランジスタの特定の特性に従って行われる。図5を参照すると、例えば、Vbus対時間、基板110、210の表面における電圧対時間、および対応するイオンエネルギー分布を描写する、グラフが示される。
【0105】
図5のグラフは、特定のイオンエネルギーに集線される、イオンエネルギー分布をもたらす、スイッチモードバイアス供給源106、206を動作させる、単一モードを描写する。描写されるように、本実施例におけるイオンエネルギーの単一集線をもたらすために、Vbusに印加される電圧は、一定に維持される一方、V2およびV4に印加される電圧は、図5に示される対応するイオンエネルギー分布をもたらす、スイッチモードバイアス供給源106、206の出力におけるパルスを発生させるように制御される(例えば、図3に描写される駆動信号を使用して)。
【0106】
図5に描写されるように、基板110、210の表面における電位は、概して、負であり、基板110、210の表面に衝突し、エッチングするイオンを誘引する。基板110、210に印加される周期的短パルス(パルスをVoutに印加することによって)は、Vbusに印加される電位によって定義される規模を有し、これらのパルスは、基板110、210の電位に短変化(例えば、正に近いまたは弱正電位)を生じさせ、電位の短変化は、基板110、210の表面に沿って、概して、負の電位を達成するように、基板の表面に電子を誘引する。図5に描写されるように、Vbusに印加される一定電圧は、特定のイオンエネルギーにおける単一集線のイオン束をもたらす。したがって、特定のイオン衝撃エネルギーは、特定の電位にVbusを単に設定することによって選択され得る。他の動作モードでは、イオンエネルギーの2つ以上の別個の集線が生成され得る(例えば、図49参照)。
【0107】
当業者は、電力供給源は、スイッチモード電力供給源に限定される必要がなく、したがって、あるイオンエネルギーを達成するために、電力供給源の出力も制御できることを認識するであろう。したがって、電力供給源の出力は、スイッチモードまたはその他であるかどうかにかかわらず、イオン電流補償またはイオン電流と組み合わせられることなく考慮されるとき、電力供給源電圧VPSと称され得る。本電力供給源電圧VPSはまた、図14および61における電圧降下ΔVに等しい。
【0108】
次に図6を参照すると、例えば、イオンエネルギー分布において2つの別個のピークが発生される、動作の二峰性モードを描写するグラフが示される。示されるように、本動作モードでは、基板は、2つの異なるレベルの電圧および周期的パルスを被り、その結果、イオンエネルギーの2つの別個の集線が発生される。描写されるように、2つの異なるイオンエネルギー集線をもたらすために、Vbusで印加される電圧は、2つのレベル間を交互し、各レベルは、2つのイオンエネルギー集線のエネルギーレベルを定義する。
【0109】
図6は、各パルス後(例えば、図48)に交互するように、基板110、210における2つの電圧を描写するが、これは、必ずしも、必要ではない。他の動作モードでは、例えば、V2およびV4に印加される電圧は、基板の表面で誘発される電圧が、2つ以上のパルス後(例えば、図49)に、第1の電圧から第2の電圧(逆も然り)に交互するように、Voutに印加される電圧に対して切り替えられる(例えば、図3に描写される駆動信号を使用して)。
【0110】
従来技術では、多重イオンエネルギーをもたらすために、線形増幅器に2つの波形の組み合わせ(波形発生器によって発生される)を印加し、基板に増幅された2つ以上の波形の組み合わせを印加するように試みられている。しかしながら、本アプローチは、図6を参照して説明されるアプローチはより非常に複雑となり、したがって、高価な線形増幅器および波形発生器を要求する。
【0111】
次に図7Aおよび7Bを参照すると、それぞれ、Vbusに印加されるDC電圧の制御可能狭単エネルギー調整および二重レベル調整に対応する、プラズマ中で行われる実際の直接イオンエネルギー測定を描写する、グラフが示される。図7Aに描写されるように、イオンエネルギー分布は、Vbusへの電圧の不変印加に応答して、約80eVに集線する(例えば、図5に描写されるように)。また、図7Bでは、イオンエネルギーの2つの別個の集線が、Vbusの二重レベル調整に応答して、約85eVおよび115eVに存在する(例えば、図6に描写されるように)。
【0112】
次に図8を参照すると、本発明の別の実施形態を描写する、ブロック図が、示される。描写されるように、スイッチモード電力供給源806は、コントローラ812、イオンエネルギー制御構成要素820、およびアーク検出構成要素822を介する基板支持体808に結合される。コントローラ812、スイッチモード供給源806、およびイオンエネルギー制御構成要素820は、集合的に、時間平均に基づいて、基板810の表面において、所望の(または定義された)イオンエネルギー分布をもたらすように、電力を基板支持体808にもたらすように動作する。
【0113】
例えば、図9Aを簡単に参照すると、周期的電圧関数の複数のサイクルにわたって約5kHzの正弦波変調関数によって変調される、約400kHzの周波数を伴う、周期的電圧関数が示される。図9Bは、図9Aにおいて丸で囲まれる、周期的電圧関数の部分の分解図であり、図9Cは、周期的電圧関数の正弦波変調から生じる、時間平均に基づく、イオンエネルギーの結果として生じる分布を描写する。また、図9Dは、周期的電圧関数が正弦波変調関数によって変調されるときに結果として生じる、時間平均IEDFのプラズマ中で行われた実際の直接イオンエネルギー測定を描写する。さらに本明細書に議論されるように、時間平均に基づく所望の(または定義された)イオンエネルギー分布を達成することは、周期的電圧に印加される、変調関数を単に変化させることによって、達成され得る。
【0114】
別の実施例として、図10Aおよび10Bを参照すると、400kHzの周期的電圧関数は、時間平均に基づく、図10Cに描写されるイオンエネルギーの分布を達成するように、約5kHzの鋸歯状波変調関数によって変調される。描写されるように、図10に関連して利用される周期的電圧関数は、図9におけるものと同一であるが、図10における周期的電圧関数は、正弦波関数の代わりに、鋸歯状波関数によって変調される。
【0115】
図9Cおよび10Cに描写されるイオンエネルギー分布関数は、基板810の表面におけるイオンエネルギーの瞬間分布を表さず、代わりに、イオンエネルギーの時間平均を表すことを認識されたい。図9Cを参照すると、例えば、特定の時間的瞬間において、イオンエネルギーの分布は、変調関数の1サイクルの過程にわたって存在する、描写されるイオンエネルギーの分布の部分集合となるであろう。
【0116】
また、変調関数は、固定関数または固定周波数である必要はないことを認識されたい。例えば、いくつかの事例では、特定の変調関数の1つ以上のサイクルによって、周期的電圧関数を変調し、特定の時間平均イオンエネルギー分布をもたらし、次いで、別の変調関数の1つ以上のサイクルによって、周期的電圧関数を変調し、別の時間平均イオンエネルギー分布をもたらすことが望ましい場合がある。そのような変調関数(周期的電圧関数を変調する)への変更は、多くの事例において、有益となり得る。例えば、特定のイオンエネルギーの分布が、特定の幾何学的構造をエッチングするために、または特定の材料を通してエッチングするために必要である場合、第1の変調関数が使用され、次いで、続いて、別の変調関数が、異なるエッチング幾何学形状をもたらすために、または別の材料を通してエッチングするために使用され得る。
【0117】
同様に、周期的電圧関数(例えば、図9A、9B、10A、および10Bにおける400kHz成分、ならびに図4におけるVout)は、厳密に固定される必要はない(例えば、周期的電圧関数の形状および周波数は、変動し得る)。いくつかの実施形態では、周波数は、イオンの加速が、所望の様式において、基板810に印加される電圧によって影響を受けるように、シースを通したイオンの遷移時間によって確立される。
【0118】
図8に戻って参照すると、コントローラ812は、スイッチモード供給源806が、周期的電圧関数を発生させるように、駆動制御信号832’、832’’をスイッチモード供給源806に提供する。スイッチモード供給源806は、図3に描写される構成要素によって実現され得る(例えば、図4に描写される周期的電圧関数を生成するために)が、他の切替アーキテクチャが利用され得ることは、当然、想起される。
【0119】
一般に、イオンエネルギー制御構成要素820は、変調関数を周期的電圧関数(スイッチモード電力供給源806と関連して、コントローラ812によって発生される)に印加するように機能する。図8に示されるように、イオンエネルギー制御構成要素820は、カスタムIEDF部分850、IEDF関数メモリ848、ユーザインターフェース846、および電力構成要素844と通信する、変調コントローラ840を含む。これらの構成要素の描写は、実際には、共通または別個の構成要素によってもたらされ得る、機能的構成要素を伝えることを意図することを認識されたい。
【0120】
本実施形態における変調コントローラ840は、概して、変調関数を定義するデータに基づいて、電力構成要素844(ひいては、その出力834)を制御し、電力構成要素844は、スイッチモード供給源806によって発生される、周期的電圧関数に印加される変調関数834(変調コントローラ840からの制御信号842に基づく)を発生させる。本実施形態におけるユーザインターフェース846は、ユーザが、IEDF関数メモリ848内に記憶される、所定のIEDF関数を選択すること、またはカスタムIEDF構成要素850と関連して、カスタムIEDFを定義することを可能にするように構成される。
【0121】
多くの実装では、電力構成要素844は、変調関数(例えば、可変DC電圧)をスイッチモード電力供給源(例えば、図3に描写されるスイッチモード電力供給源のVbus)に印加するDC電力供給源(例えば、DCスイッチモード電力供給源または線形増幅器)を含む。これらの実装では、変調コントローラ840は、電力構成要素844が、変調関数に一致する電圧を印加するように、電力構成要素844によって出力される、電圧レベルを制御する。
【0122】
いくつかの実装では、IEDF関数メモリ848は、複数のIEDF分布関数のそれぞれに対応する、複数のデータセットを含み、ユーザインターフェース846は、ユーザが、所望の(または定義された)IEDF関数を選択することを可能にする。例えば、図11を参照すると、右欄に、ユーザが選択するために利用可能であり得る、例示的IEDF関数が、示される。また、左欄は、変調コントローラ840が、電力構成要素844と関連して、周期的電圧関数に印加し、対応するIEDF関数をもたらすであろう、関連付けられる変調関数を描写する。図11に描写されるIEDF関数は、例示にすぎず、他のIEDF関数も、選択のために利用可能であり得ることを認識されたい。
【0123】
カスタムIEDF構成要素850は、概して、ユーザが、ユーザインターフェース846を介して、所望の(または定義された)イオンエネルギー分布関数を定義することを可能にするように機能する。例えば、いくつかの実装では、カスタムIEDF構成要素850は、ユーザが、イオンエネルギーの分布を定義する、特定のパラメータのための値を確立することを可能にする。
【0124】
例えば、カスタムIEDF構成要素850は、これらのエネルギーレベル間のIEDFを定義する関数と関連して、高レベル(IF-high)、中間レベル(IF-mid)、および低レベル(IF-low)における束の相対的レベルに関して(例えば、束の割合の観点から)、IEDF関数が定義されることを可能にし得る。多くの事例では、IF-high、IF-low、およびこれらのレベル間のIEDF関数のみでも、IEDF関数を定義するために十分である。具体的実施例として、ユーザは、これらの2つのレベル間の正弦波IEDFに伴って、20%寄与率レベル(全体的IEDFに対する寄与率)において、1,200eV、30%寄与率レベルにおいて、700eVを要求し得る。
【0125】
また、カスタムIEDF部分850は、ユーザが、1つ以上の(例えば、複数の)エネルギーレベルと、IEDFに対する各エネルギーレベルの対応する割合寄与率とのリストを伴うテーブルを取り込むことを可能にし得ることが想起される。また、さらなる代替実施形態では、カスタムIEDF構成要素850は、ユーザインターフェース846と関連して、ユーザに、ユーザが所望の(または定義された)IEDFを描くことを可能にする、グラフィカルツールを提示することによって、ユーザが、所望の(または定義された)IEDFをグラフィック的に発生させることを可能にすることが想起される。
【0126】
加えて、また、IEDF関数メモリ848およびカスタムIEDF構成要素850は、ユーザが、所定のIEDF関数を選択し、次いで、所定のIEDF関数から導出される、カスタムIEDF関数を生産するように、所定のIEDF関数を改変することを可能にするように、相互動作し得ることが想起される。
【0127】
IEDF関数が定義されると、変調コントローラ840は、所望の(または定義された)IEDF関数を定義するデータを、電力構成要素844が所望の(または定義された)IEDFに対応する変調関数をもたらすように、電力構成要素844を制御する制御信号842に変換する。例えば、制御信号842は、電力構成要素844が変調関数によって定義される電圧を出力するように、電力構成要素844を制御する。
【0128】
次に図12を参照すると、イオン電流補償構成要素1260が、プラズマチャンバ1204内のイオン電流を補償する、実施形態のブロック図が、描写される。本出願人は、より高いエネルギーレベルでは、チャンバ内のイオン電流のレベルが高いほど、基板の表面における電圧に影響を及ぼし、結果として、イオンエネルギー分布もまた、影響を受けることを見出している。例えば、図15A-15Cを簡単に参照すると、基板1210またはウエハの表面に現れるような電圧波形と、IEDFに対するその関係が、示される。
【0129】
より具体的には、図15Aは、イオン電流Iが、補償電流Icに等しいときの基板1210の表面における周期的電圧関数を描写し、図15Bは、イオン電流Iが、補償電流Icを上回るときの基板1210の表面における電圧波形を描写し、図15Cは、イオン電流が、補償電流Ic未満であるときの基板の表面における電圧波形を描写する。
【0130】
図15Aに描写されるように、I=Icのとき、イオンエネルギー1470の広がりは、図15Bに描写される、I>Icのときのイオンエネルギーの均一広がり1472、または図15Cに描写される、I<Icのときのイオンエネルギーの均一広がり1474と比較して、比較的に狭い。したがって、イオン電流補償構成要素1260は、イオン電流が高い場合、イオンエネルギーの狭広がりを可能にし(例えば、イオン電流の影響を補償することによって)、また、均一イオンエネルギーの広がり1572、1574の幅を制御可能にする(例えば、イオンエネルギーの広がりを有することが望ましいとき)。
【0131】
図15Bに描写されるように、イオン電流補償を伴わない場合(I>Icのとき)、周期的電圧関数の正の部分間の基板の表面における電圧は、ランプ様様式において、あまり負ではなくなり、これは、イオンエネルギーのより広い広がり1572を生産する。同様に、イオン電流補償が、図15Cに描写されるように、補償電流のレベルをイオン電流を超えるレベル(I<Ic)に上昇させるために利用されるとき、基板の表面における電圧は、周期的電圧関数の正の部分間において、ランプ様様式において、より負になり、均一イオンエネルギーのより広い広がり1574が、生産される。
【0132】
図12に戻って参照すると、イオン電流補償構成要素1260は、随意に、スイッチモード電力供給源1206およびコントローラ1212に追加され得る、別個の付属として実現され得る。他の実施形態では(例えば、図13に描写されるように)、イオン電流補償構成要素1260は、共通筐体1366を本明細書に説明される他の構成要素(例えば、スイッチモード電力供給源106、206、806、1206およびイオンエネルギー制御220、820構成要素)と共有し得る。本実施形態では、プラズマチャンバ1204に提供される周期的電圧関数は、イオン電流補償構成要素1260からのイオン電流補償によって修正される周期的電圧関数を備えるため、修正された周期的電圧関数と称され得る。コントローラ1212は、スイッチモード電力供給源1206およびイオン電流補償1260の出力が合体する、電気ノードにおいて、異なる時間に電圧をサンプリングすることができる。
【0133】
図13に描写されるように、スイッチモード供給源の出力1336に結合される、電流源1364と、電流源1364および出力1336の両方に結合される、電流コントローラ1362とを含む、例示的イオン電流補償構成要素1360が、示される。また、図13には、プラズマチャンバ1304が、描写され、プラズマチャンバ内には、容量要素C、C、およびイオン電流Iがある。描写されるように、Cは、絶縁、基板、基板支持体、および静電チャックを含み得るが、それらに限定されない、チャンバ1304に関連付けられる構成要素の固有容量(本明細書では、有効容量とも称される)を表し、Cは、シース容量および浮遊容量を表す。本実施形態では、プラズマチャンバ1304に提供され、Voutで測定可能である周期的電圧関数は、イオン電流補償Icによって修正される周期的電圧関数を備えるため、修正された周期的電圧関数と称され得る。
【0134】
シース(本明細書では、プラズマシースとも称される)は、基板表面、および可能性として、正イオンの高い密度、したがって、全体的に過剰な正電荷を伴う、プラズマ処理チャンバの壁の近くのプラズマ内の層である。シースが接触している表面は、典型的には、圧倒的多数の負電荷を有する。シースは、正イオンより速い電子の速度により生じ、したがって、電子の大部分を基板表面または壁に到達させ、したがって、シースから電子を奪う。シースの厚さλsheathは、プラズマ密度およびプラズマ温度等のプラズマ特性の関数である。
【0135】
本実施形態におけるCは、チャンバ1304に関連付けられる構成要素の固有の(本明細書では、有効とも称される)容量であるため、処理の制御を得るために追加される、アクセス可能容量ではないことに留意されたい。例えば、線形増幅器を利用するいくつかの従来技術アプローチは、基板へのバイアス電力をブロッキングコンデンサと結合し、次いで、その線形増幅器を制御するためのフィードバックとして、ブロッキングコンデンサの監視電圧を利用する。コンデンサは、本明細書に開示される実施形態の多くにおいて、スイッチモード電力供給源を基板支持体に結合し得るが、ブロッキングコンデンサを使用するフィードバック制御は、本発明のいくつかの実施形態では、要求されないため、そのように行うことは、不必要である。
【0136】
図13を参照しながら、図13に描写されるVoutにおける例示的電圧(例えば、修正された周期的電圧関数)を描写する、グラフである、図14も同時に参照する。動作時、電流コントローラ1362は、Voutにおける電圧を監視し、イオン電流が、以下のように、間隔t(図14に描写される)にわたって計算される。
【数1】
【0137】
イオン電流Iおよび固有容量C(有効容量とも称される)は、時変波形のいずれかまたは両方であることができる。Cは、実質的に、所与のツールに対する定数であり、測定可能であるため、Voutのみ、補償電流の継続的制御を可能にするために監視される必要がある。上記に記載されるように、イオンエネルギーのより単エネルギー的分布(例えば、図15Aに描写されるように)を得るために、電流コントローラは、Icが、実質的に、Iと同一である(または代替として、方程式2に従って関連される)ように、電流源1364を制御する。このように、イオンエネルギーの狭広がりは、イオン電流が、基板の表面において、電圧に影響を及ぼすレベルに到達する場合にも、維持され得る。また、加えて、所望に応じて、イオンエネルギーの広がりは、追加のイオンエネルギーが、基板の表面において実現されるように、図15Bおよび15Cに描写されるように、制御され得る。
【0138】
また、図13には、イオンエネルギー分布の制御に関連して利用され得る、フィードバックライン1370が描写される。例えば、図14に描写されるΔVの値(本明細書では、電圧ステップまたは第3の部分1406とも称される)は、瞬間イオンエネルギーを示し、フィードバック制御ループの一部として、多くの実施形態において使用され得る。一実施形態では、電圧ステップΔVは、方程式4に従ってイオンエネルギーに関連される。他の実施形態では、ピーク間電圧VPPは、瞬間イオンエネルギーに関連されることができる。代替として、時間tを掛けた、ピーク間電圧VPPと第4の部分1408の傾きの積dV/dtとの間の差は、瞬間イオンエネルギーに相関されることができる(例えば、VPP-dV/dt・t)。
【0139】
次に図16を参照すると、図13を参照して説明される、電流源1364を実現するために実装され得る、電流源1664の例示的実施形態が示される。本実施形態では、制御可能負DC電圧源が、直列インダクタL2と関連して、電流源として機能するが、当業者は、本明細書に照らして、電流源が、他の構成要素および/または構成によって実現され得ることを理解するであろう。
【0140】
図43は、基板の表面に影響を及ぼすイオンのイオンエネルギー分布を制御する方法の一実施形態を図示する。方法4300は、修正された周期的電圧関数4302(図44の修正された周期的電圧関数4402参照)を、プラズマ処理チャンバ内の基板を支持する基板支持体に印加することから始まる。修正された周期的電圧関数は、イオン電流補償I図44のI4404参照)および電力供給源電圧VPS図44の電力供給源電圧4406参照)等の少なくとも2つの「ノブ」を制御することができる。電力供給源電圧を発生させるための例示的構成要素は、図1のスイッチモード電力供給源106である。電力供給源電圧VPSを説明することに役立つために、これは、イオン電流およびイオン電流補償に結合することなく測定された場合として本明細書に図示される。次いで、修正された周期的電圧関数は、イオン電流補償I4304の第1および第2の値においてサンプリングされる。修正された周期的電圧関数の電圧の少なくとも2つのサンプルが、イオン電流補償Iの値毎に得られる。サンプリング4304は、イオン電流Iおよびシース容量Csheath4306の計算4306(または判定)を可能にするために実施される。そのような判定は、基板支持体に印加された場合に(または基板支持体に印加されるにつれて)狭(例えば、最小)イオンエネルギー分布関数(IEDF)幅を発生させるであろう、イオン電流補償Iを見出すことを伴い得る。計算4306はまた、随意に、修正された周期的電圧関数の波形のサンプリング4304に基づいて、電圧ステップΔV(修正された周期的電圧関数1406の第3の部分としても知られる)を判定することを含むこともできる。電圧ステップΔVは、基板の表面に到達するイオンのイオンエネルギーに関連されることができる。最初にイオン電流Iを見出すとき、電圧ステップΔVを無視することができる。サンプリング4304および計算4306の詳細は、以下の図30の議論に提供されるであろう。
【0141】
いったんイオン電流Iおよびシース容量Csheathが把握されると、方法4300は、イオンエネルギーおよびIEDFの形状(例えば、幅)を設定して監視することを伴う、図31の方法3100に移行し得る。例えば、図46は、電力供給源電圧の変化がイオンエネルギーの変化をもたらし得る様子を図示する。特に、図示される電力供給源電圧の規模が減少させられ、イオンエネルギーの規模の減少をもたらす。加えて、図47は、狭IEDF4714を前提として、イオン電流補償Iを調節することによって、IEDFを拡大することができることを図示する。代替として、または並行して、方法4300は、イオン電流I、シース容量Csheath、および修正された周期的電圧関数の波形の他の側面を利用する、図32-41を参照して説明されるように、種々の計測を実施することができる。
【0142】
イオンエネルギーおよび/またはIEDF幅を設定することに加えて、方法4300は、イオンエネルギーおよびIEDF幅を維持するために、修正された周期的電圧関数4308を調節してもよい。特に、イオン電流補償構成要素によって提供されるイオン電流補償Iの調節および電力供給源電圧の調節が、実施されてもよい4308。いくつかの実施形態では、電力供給源電圧は、電力供給源のバス電圧Vbus(例えば、図3のバス電圧Vbus)によって制御されることができる。イオン電流補償Iは、IEDF幅を制御し、電力供給源電圧は、イオンエネルギーを制御する。
【0143】
これらの調節4308の後、修正された周期的電圧関数は、再度サンプリングされることができ4304、イオン電流I、シース容量Csheath、および電圧ステップΔVの計算は、再度、実施されることができる4306。イオン電流Iまたは電圧ステップΔVが定義された値(または代替として所望の値)以外である場合には、イオン電流補償Iおよび/または電力供給源電圧は、調節されることができる4308。サンプリング4304、計算4306、および調節4308のループが、イオンエネルギーeV、および/またはIEDF幅を維持するために起こり得る。
【0144】
図30は、基板の表面に影響を及ぼすイオンのイオンエネルギー分布を制御する方法の別の実施形態を図示する。いくつかの実施形態では、上記で議論されるように、狭IEDF幅(例えば、最小IEDF幅または代替として約6%半値全幅)を達成することが望ましくあり得る。したがって、方法3000は、一定の基板電圧(または持続基板電圧もしくは実質的一定基板電圧)、したがって、シース電圧が、基板の表面に存在するように、修正された周期的電圧関数をチャンバおよび基板支持体に提供することができる。これは、ひいては、実質的に一定の電圧でシースにわたってイオンを加速し、したがって、イオンが実質的に同一のイオンエネルギーで基板に影響を及ぼすことを可能にし、ひいては、狭IEDF幅を提供する。例えば、図45では、イオン電流補償Iを調節することによって、パルス間の基板電圧Vsubに一定または実質的に一定の(もしくは持続)電圧を持たせ、したがって、IEDFを狭くさせ得ることが分かる。
【0145】
そのような修正された周期的電圧関数は、いかなる浮遊容量も仮定せず、イオン電流補償Iがイオン電流Iに等しいときに達成される(図45の周期的電圧関数(V)の最後の5つのサイクルを参照)。浮遊容量Cstrayが考慮される代替では、イオン電流補償Iは、方程式2に従って、イオン電流Iに関連される。
【数2】
【0146】
式中、Cは、有効容量(例えば、図3および13を参照して説明される固有容量)である。有効容量Cは、経時的に変動し得るか、または一定であり得る。本開示の目的のために、狭IEDF幅は、I=Iであるとき、または代替として、方程式2が満たされるときのいずれかで存在することができる。図45-50は、命名法I=Iを使用するが、これらの等式は、方程式2の単純化にすぎず、したがって、方程式2は、図45-50で使用される等式の代わりになり得ることを理解されたい。浮遊容量Cstrayは、電力供給源によって見られるようなプラズマチャンバの累積容量である。図45に図示される8つのサイクルがある。
【0147】
方法3000は、基板支持体3002(例えば、図1の基板支持体108)への修正された周期的電圧関数(例えば、図14で描写される修正された周期的電圧関数または図44の修正された周期的電圧関数4402)の印加から始まることができる。修正された周期的電圧関数の電圧を2回またはそれを上回ってサンプリングすることができ3004、本サンプリングから、修正された周期的電圧関数のサイクルの少なくとも一部に対する傾きdV/dtを計算することができる3006(例えば、パルスの間の一部または第4の部分1408の傾き)。決定3010前のある時点で、有効容量C(例えば、図13の固有容量Cおよび図3の固有容量C10)の以前に判定された値に(例えば、メモリから、またはユーザ入力から)アクセスすることができる3008。傾きdV/dt、有効容量C、およびイオン電流補償Iに基づいて、関数f(方程式3)が、以下のように、イオン電流補償I毎に評価されることができる。
【数3】
【0148】
関数fが真である場合には、イオン電流補償Iは、イオン電流Iに等しく、または代替として、方程式2を真にし、狭IEDF幅が達成されている3010(例えば、図45参照)。関数fが真ではない場合には、関数fが真になるまで、イオン電流補償Iは、さらに調節されることができる3012。別の見方をすれば、イオン電流Iに合致するまで(または代替として方程式2の関係を満たすまで)イオン電流補償Iは、調節されることができ、その時点で狭IEDF幅が存在するであろう。イオン電流補償Icへのそのような調節およびIEDFの結果として生じる狭化は、図45に見られ得る。イオン電流Iおよび対応するイオン電流補償Icは、記憶動作3014において、(例えば、メモリに)記憶されることができる。イオン電流Iは、有効容量Cと同様に、経時的に変動し得る。
【0149】
方程式3が満たされるとき、(I=Iであるため、または方程式2が真であるためのいずれかで)イオン電流Iが把握される。したがって、方法3000は、プラズマに影響を及ぼすことなく、リアルタイムでイオン電流Iの遠隔かつ非侵襲的測定を可能にする。これは、図32-41を参照して説明されるであろうもの等のいくつかの新規の計測につながる(例えば、プラズマ密度の遠隔監視およびプラズマ源の遠隔故障検出)。
【0150】
補償電流Iを調節している間に3012、イオンエネルギーは、デルタ関数より広くなる可能性が高く、イオンエネルギーは、図15B、15C、または44のいずれかのものに類似するであろう。しかしながら、いったん方程式2を満たす補償電流Iが見出されると、IEDFが、図15Aまたは図45の右部分に図示されるように、狭IEDF幅(例えば、最小IEDF幅)を有するように現れるであろう。これは、I=Iであるときに(または代替として方程式2が真であるときに)、修正された周期的電圧関数のパルス間の電圧が、実質的に一定のシースまたは基板電圧、したがって、イオンエネルギーを引き起こすためである。図46では、基板電圧4608は、一定電圧部分(または実質的に一定の電圧部分もしくは持続電圧部分)の間のパルス(または電圧反転)を含む。これらのパルスは、非常に短い持続時間を有するため、イオンエネルギーおよびIEDFへのそれらの影響は、ごくわずかであり、したがって、基板電圧4608は、実質的に一定(または持続)と称される。
【0151】
以下は、図30に図示される方法ステップのそれぞれについてのさらなる詳細を提供する。一実施形態では、修正された周期的電圧関数は、図14に図示されるもののような波形を有することができ、第1の部分(例えば、第1の部分1402)と、第2の部分(例えば、1404)と、第3の部分(例えば、第3の部分1406)と、第4の部分(例えば、第4の部分1408)を含むことができ、第3の部分は、電圧ステップΔVを有することができ、第4の部分は、傾きdV/dtを有することができる。傾きdV/dtは、正、負、またはゼロであり得る。修正された周期的電圧関数1400はまた、第1の部分1402、第2の部分1404、および第3の部分1406、ならびにパルス間の一部(第4の部分1408)を備える、パルスを有するものとして表すことができる。実践では、部分間の遷移はそれぞれ、例えば、図61に示されるように、傾きが付けられた電圧上昇および降下を有する可能性がより高い。
【0152】
修正された周期的電圧関数は、図3では、Voutとして測定されることができ、図44では、修正された周期的電圧関数4402として現れることができる。修正された周期電圧関数4402は、電力供給源電圧4406(周期的電圧関数として知られる)をイオン電流補償4404と組み合わせることによって生産される。電力供給源電圧4406は、大部分が、修正された周期的電圧関数4402のパルスを発生させて成形することに関与し、イオン電流補償4404は、大部分が、多くの場合は、傾きを有する、線形に減少する電圧である、パルス間の一部を発生させて成形することに関与する。イオン電流補償Icを増加させることにより、図45に見られるように、パルス間の一部の傾きの規模の減少を引き起こす。電力供給源電圧4606の規模を減少させることによって、図46に見られるように、修正された周期的電圧関数4602のパルスおよびピーク間電圧の振幅の規模の減少を引き起こす。
【0153】
電力供給源がスイッチモード電力供給源である場合において、第1のスイッチT1および第2のスイッチT2の切替図4410が、適用されることができる。例えば、第1のスイッチT1は、図3では、スイッチT1として実装することができ、第2のスイッチT2は、図3では、第2のスイッチT2として実装することができる。2つのスイッチは、スイッチモード電力供給源によって提供される各パルスの始まりおよび終わりにおいて閉として図示される。第1のスイッチT1が、オンまたは閉であるとき、電力供給源が負のバス電圧を有するため、電力供給源電圧は、図44の負の値である、最大規模に引き込まれる。第2のスイッチT2は、電力供給源電圧4406が接地から絶縁されるように、本周期の間、オフにされる。第1のスイッチT1は、一時的にのみ、オンまたは閉にされ、次いで、オフにされ、イオン電流補償構成要素が、パルス間の第2の持続時間t(すなわち、パルス間で線形に減少する部分)にわたって、出力Voutを統制することを可能にする。第2のスイッチT2が、オンにされると、電力供給源電圧4406は、接地に接近し、それを若干超える。各パルスの第1の持続時間tならびにパルス間で線形に減少する電圧の第2の持続時間は両方とも、異なる要件に調整されることができる。例えば、第2の持続時間tは、表面電荷蓄積Qが、閾値を超える、または所望の範囲外に移動しないように防止するように制御されることができる。
【0154】
修正された周期的電圧関数を基板支持体3002に印加し、修正された周期的電圧関数が(例えば、スイッチモード電力供給源と有効容量との間の)基板支持体に到達する前に、最後のアクセス可能な点でVoutとしてサンプリングすることができる3004。修正されていない周期的電圧関数(または図44の電力供給源電圧4406)は、図12のスイッチモード電力供給源1206等の電力供給源から供給されることができる。図44のイオン電流補償4404は、図12のイオン電流補償構成要素1260または図13の1360等の電圧または電流源から供給されることができる。
【0155】
修正された周期的電圧関数の一部または全体が、サンプリングすることができる3004。例えば、第4の部分(例えば、第4の部分1408)が、サンプリングすることができる。サンプリング3004は、電力供給源と基板支持体との間で実施されることができる。例えば、図1では、サンプリング3004は、スイッチモード電力供給源106と支持体108との間で実施されることができる。図3では、サンプリング3004は、インダクタL1と固有容量C10との間で実施されることができる。一実施形態では、サンプリング3004は、容量C3と固有容量C10との間のVoutで実施されることができる。固有容量C10、およびプラズマを表す要素(R2、R3、C1、およびC2)がリアルタイム測定のためにアクセス可能ではないため、サンプリング3004は、典型的には、図3の固有容量C10の左側で実施される。固有容量C10は、典型的には、処理中に測定されないが、典型的には、既知の定数であり、したがって、製造中に設定することができる。同時に、可能性として、固有容量C10は、経時的に変動し得る。
【0156】
いくつかの実施形態では、修正された周期的電圧関数の2つだけのサンプルが必要とされるが、他の実施形態では、何百、何千、または何万個ものサンプルを修正された周期的電圧関数のサイクル毎に得ることができる。例えば、サンプリング率は、400kHzより大きくあり得る。これらのサンプリング率は、修正された周期的電圧関数およびその形状のより正確かつ詳細な監視を可能にする。同様に、周期的電圧関数のより詳細な監視は、サイクル間、異なるプロセス条件間、異なるプロセス間、異なるチャンバ間、異なる源間等で、波形のより正確な比較を可能にする。例えば、これらのサンプリング率で、図14に図示される周期的電圧関数の第1、第2、第3、および第4の部分1402、1404、1406、1408を区別することができ、これは、従来のサンプリング率では可能ではない場合がある。いくつかの実施形態では、より高いサンプリング率が、従来技術では可能ではない、電圧ステップΔVおよび傾きdV/dtの分解を可能にする。いくつかの実施形態では、修正された周期的電圧関数の一部は、サンプリングされることができる一方で、他の部分は、サンプリングされない。
【0157】
傾きdV/dtの計算3006は、時間t(例えば、第4の部分1408)の間に得られる複数のVout測定値に基づき得る。例えば、線形適合が、線をVout値に適合させるように実施されることができ、線の傾きは、傾きdV/dtを与える。別の事例では、図14の時間t(例えば、第4の部分1408)の始めおよび終わりのVout値が、解明されることができ、dV/dtとして与えられる線の傾きを伴って、これらの2つの点の間で線が、適合されることができる。これらは、電圧反転間の一部の傾きdV/dtが計算され得る、多数の方法のうちの2つにすぎない。
【0158】
決定3010は、IEDFを狭幅(例えば、最小幅または代替として6%半値全幅)に調整するために使用される、反復ループの一部であり得る。方程式3は、イオン電流補償Icがイオン電流Iに等しい(または代替として方程式2に従ってIに関連される)場合にのみ当てはまり、これは、一定の基板電圧、したがって、一定かつ実質的に単数のイオンエネルギー(狭IEDF幅)がある場合にのみ起こる。一定の基板電圧4608(Vsub)が、図46において見られ得る。したがって、イオン電流Iまたは代替としてイオン電流補償Icのいずれかが、方程式3で使用されることができる。
【0159】
代替として、第4の部分1408(電圧反転間の一部とも称される)に沿った2つの値が、第1のサイクルおよび第2のサイクルにわたってサンプリングされることができ、それぞれ、第1および第2の傾きが、各サイクルにわたって判定されることができる。これら2つの傾きから、第3のまだ測定されていない傾きに方程式3を当てはめることが予期される、イオン電流補償Icが、判定されることができる。したがって、狭IEDF幅に対応することが予測される、イオン電流Iが、推定されることができる。これらは、狭IEDF幅が判定され得、対応するイオン電流補償Icおよび/または対応するイオン電流Iが見出され得る、多くの方法のうちの2つにすぎない。
【0160】
イオン電流補償Icへの調節3012は、イオン電流補償Icの増加または減少のいずれかを伴うことができ、調節毎のステップサイズには限定がない。いくつかの実施形態では、イオン電流補償を増加または減少させるかどうかを判定するために、方程式3における関数fの符号が、使用されることができる。符号が負である場合には、イオン電流補償Icは、減少されることができる一方で、正符号は、イオン電流補償Icを増加させる必要性を示すことができる。
【0161】
いったんイオン電流Iに等しい(または代替として方程式2に従ってそれに関連される)イオン電流補償Icが識別されると、方法3000は、さらなる設定点動作(図31参照)または遠隔チャンバおよび源監視動作(図32-41参照)へ前進することができる。さらなる設定点動作は、イオンエネルギー(図46も参照)およびイオンエネルギーの分布またはIEDF幅(図47も参照)を設定することを含むことができる。源およびチャンバ監視は、プラズマ密度、源供給源異常、プラズマアーク放電、およびその他を監視することを含むことができる。
【0162】
さらに、方法3000は、随意に、持続的に(または代替として周期的に)イオン電流補償Icを更新するために、サンプリング3004に戻ることができる。例えば、サンプリング3004、計算3006、決定3010、および調節3012は、方程式3が満たされ続けることを確実にするために、電流イオン電流補償Icを前提として周期的に実施されることができる。同時に、方程式3を満たすイオン電流補償Icが更新される場合には、イオン電流Iも更新されることができ、更新された値は、記憶されることができる3014。
【0163】
方法3000は、イオン電流Iに等しくなるように、または代替として方程式2を満たすように、イオン電流補償Icを見出して設定することができるが、狭IEDF幅を達成するために必要とされるイオン電流補償Icの値は、イオン電流Iをその値に設定することなく(または代替としてその前に)判定されることができる。例えば、第1のサイクルにわたって第1のイオン電流補償Icを印加し、電圧反転間の電圧の第1の傾きdV01/dtを測定することによって、および第2のサイクルにわたって第2のイオン電流補償Icを印加し、電圧反転間の電圧の第2の傾きdV02/dtを測定することによって、方程式3が真であることが予期される、第3のイオン電流補償Icと関連付けられる第3の傾きdV03/dtが、判定されることができる。第3のイオン電流補償Icは、印加された場合に狭IEDF幅をもたらすであろうものであり得る。故に、イオン電流補償の単一の調節のみを用いて、方程式3を満たし、したがって、イオン電流Iに対応する、イオン電流補償Icが、判定されることができる。次いで、方法3000は、イオン電流Iを、狭IEDF幅を達成するために必要とされる値に設定することさえなく、図31および/または図32-41で説明される方法へ移行することができる。そのような実施形態は、調節速度を増加させるために行われてもよい。
【0164】
図31は、IEDF幅およびイオンエネルギーを設定するための方法を図示する。本方法は、図30に図示される方法3000が起源であり、それぞれ、IEDF幅およびイオンエネルギーの設定を伴う、左の経路3100(IEDF分岐とも称される)または右の経路3101(イオンエネルギー分岐とも称される)のいずれかをとることができる。イオンエネルギーeVは、電圧ステップΔVまたは図14の修正された周期的電圧関数1400の第3の部分1406に比例する。イオンエネルギーeVと電圧ステップΔVとの間の関係は、方程式4として記述されることができる。
【数4】
【0165】
式中、Cは、有効容量(例えば、チャック容量、図3の固有容量C10、または図13の固有容量C1)であり、Cは、シース容量(例えば、図3のシース容量C4、または図13のシース容量C2)である。シース容量Cは、浮遊容量を含んでもよく、イオン電流Iに依存する。電圧ステップΔVは、修正された周期的電圧関数1400の第2の部分1404と第4の部分1408との間の電圧の変化として測定されることができる。電圧ステップΔV(電力供給源電圧または図3のバス電圧Vbus等のバス電圧の関数である)を制御および監視することによって、イオンエネルギーeVは、制御および把握されることができる。
【0166】
同時に、IEDF幅が、方程式5に従って概算されることができる。
【数5】
【0167】
式中、Iは、CがCseriesである、Iであり、またはIは、CがCeffectiveである、Iである。第2の持続時間tは、パルス間の時間であり、VPPは、ピーク間電圧であり、ΔVは、電圧ステップである。
【0168】
加えて、シース容量Cは、種々の計算および監視動作で使用されることができる。例えば、デバイシース距離λsheathは、以下のように推定されることができる。
【数6】
【0169】
式中、εは、真空誘電率であり、Aは、基板の面積(または代替として基板支持体の表面積)である。いくつかの高電圧印加では、方程式6は、方程式7として記述される。
【数7】
【0170】
加えて、シース内の電場が、シース容量C、シース距離λsheath、およびイオンエネルギーeVの関数として推定されることができる。シース容量Cはまた、イオン電流Iとともに、飽和電流Isatが単独でイオン化されたプラズマの補償電流Iに線形に関連される、方程式8からプラズマ密度nを判定するために使用されることもできる。
【数8】
【0171】
シース容量Cおよび飽和電流Isatを使用して、基板表面におけるイオンの有効質量が、計算されることができる。プラズマ密度n、シース内の電場、イオンエネルギーeV、イオンの有効質量、および基板のDC電位VDCは、典型的には、当技術分野で間接的手段を介してのみ監視される、基本的プラズマパラメータである。本開示は、これらのパラメータの直接測定を可能にし、したがって、リアルタイムでプラズマ特性のより正確な監視を可能にする。
【0172】
方程式4に見られるように、シース容量Cはまた、図31のイオンエネルギー分岐3101に図示されるように、イオンエネルギーeVを監視して制御するために使用されることもできる。イオンエネルギー分岐3101は、イオンエネルギー3102のユーザ選択を受信することによって開始する。次いで、イオンエネルギー分岐3101は、周期的電圧関数を供給する、スイッチモード電力供給源のための初期電力供給源電圧を設定することができる3104。ある周期的電圧動作3108前のある時点で、イオン電流は、アクセスされる(例えば、メモリからアクセスする)こともできる3106。周期的電圧は、サンプリングされることができ3108、修正された周期的電圧関数の第3の部分の測定値が、測定されることができる3110。イオンエネルギーIは、修正された周期的電圧関数の電圧ステップΔV(第3の部分(例えば、第3の部分1406)とも称される)から計算されることができる3112。次いで、イオンエネルギー分岐3101は、イオンエネルギーが定義されたイオンエネルギーに等しいかどうかを判定することができ3114、該当する場合、イオンエネルギーは、所望の設定点にあり、イオンエネルギー分岐3101は、終了することができる。イオンエネルギーが定義されたイオンエネルギーに等しくない場合には、イオンエネルギー分岐3101は、電力供給源電圧を調節し3116、再度、周期的電圧をサンプリングすることができる3108。次いで、イオンエネルギー分岐3101は、イオンエネルギーが定義されたイオンエネルギーに等しくなるまで、サンプリング3108、測定3110、計算3112、決定3114、および設定3116を循環することができる。
【0173】
IEDF幅を監視および制御するための方法が、図31のIEDF分岐3100に図示されている。IEDF分岐3100は、IEDF幅のユーザ選択を受信し3150、電流IEDF幅をサンプリングすること3152を含む。次いで、決定3154は、定義されたIEDF幅が電流IEDF幅に等しいかどうかを判定し、決定3152が満たされる場合には、IEDF幅は、所望される(または定義される)通りであり、IEDF分岐3100は、終了することができる。しかしながら、電流IEDF幅が定義されたIEDF幅に等しくない場合には、イオン電流補償Icは、調節されることができる3156。本判定3154および調節3156は、電流IEDF幅が定義されたIEDF幅に等しくなるまで、循環様式で継続されることができる。
【0174】
いくつかの実施形態では、IEDF分岐3100はまた、所望のIEDF形状を確保するように実装されることもできる。種々のIEDF形状が、発生されることができ、それぞれ、異なるイオンエネルギーおよびIEDF幅と関連付けられることができる。例えば、第1のIEDF形状が、デルタ関数であってもよい一方で、第2のIEDF形状は、二乗関数であってもよい。他のIEDF形状は、カップ状であり得る。種々のIEDF形状の実施例が、図11に見られ得る。
【0175】
イオン電流Iおよび電圧ステップΔVの知識とともに、方程式4は、イオンエネルギーeVについて解法されることができる。電圧ステップΔVは、ひいては、電圧ステップΔVを変化させる、電力供給源電圧を変化させることによって、制御されることができる。より大きい電力供給源電圧は、電圧ステップΔVの増加を引き起こし、電力供給源電圧の減少は、電圧ステップΔVの減少を引き起こす。換言すると、電力供給源電圧を増加させることによって、より大きいイオンエネルギーeVをもたらす。
【0176】
さらに、上記システムおよび方法が、持続的に変動するフィードバックループ上で動作するため、プラズマ源またはチャンバ条件への変動または意図的な調節による、プラズマの変化にもかかわらず、所望の(または定義された)イオンエネルギーおよびIEDF幅が、維持されることができる。
【0177】
図30-41は、単一のイオンエネルギーの観点から説明されているが、当業者は、所望の(または定義された)IEDF幅(またはIEDF形状)およびイオンエネルギーを発生させて監視するこれらの方法はさらに、それぞれ各自のIEDF幅(またはIEDF形状)を有する、2つ以上のイオンエネルギーを生産して監視するために利用され得ることを認識するであろう。例えば、第1、第3、および第5のサイクルで第1の電力供給源電圧VPS、第2、第4、および第6のサイクルで第2の電力供給源電圧を提供することによって、基板の表面に到達するイオンに関して、2つの明確に異なる狭イオンエネルギーが達成されることができる(例えば、図42A)。3つの異なる電力供給源電圧を使用することによって、3つの異なるイオンエネルギーをもたらす(例えば、図42B)。複数の電力供給源電圧のそれぞれが印加される時間または各電力供給源電圧レベルが印加されるサイクルの数を変化させることによって、異なるイオンエネルギーのイオン束が、制御されることができる(例えば、図42C)。
【0178】
上記の議論は、電力供給源によって提供される周期的電圧関数が、イオン電流補償構成要素によって提供されるイオン電流補償と組み合わせることが、プラズマ処理の間に基板の表面に到達するイオンのイオンエネルギーならびにIEDF幅および/またはIEDF形状を制御するために使用され得る方法を示している。
【0179】
これまで述べられた制御のうちのいくつかは、(1)固定波形(波形の持続サイクルが同一である)、(2)イオンエネルギーおよびIEDFに比例する少なくとも2つの部分(例えば、図14に図示される第3および第4の部分1406および1408)を有する波形、および(3)波形の明確に異なる特徴の正確な監視を可能にする高いサンプリング率(例えば、125MHz)のいくつかの組み合わせを使用することによって、可能にされる。例えば、線形増幅器等の従来技術が、修正された周期的電圧関数に類似する波形を基板に送信する場合、サイクル間の望ましくない変動が、イオンエネルギーまたはIEDF幅(またはIEDF形状)を特徴付けるために、これらの従来技術の波形を使用することを困難にする。
【0180】
線形増幅器が基板支持体にバイアスをかけるために使用されている場合、波形がサイクル毎に一貫しておらず、したがって、波形の特徴(例えば、パルス間の一部の傾き)を分解することが典型的には有用な情報を提供しないであろうため、高率でサンプリングする必要性は、認められていない。そのような有用な情報は、本開示および関連開示に見られるように、固定波形が使用されるときには生じない。
【0181】
本明細書に開示された固定波形および高サンプリング率はさらに、より正確な統計観察を可能にすることにつながる。本増加した精度のため、修正された周期的電圧関数の種々の特性を監視することを介して、プラズマ源およびチャンバ内のプラズマの動作および処理特性を監視することができる。例えば、修正された周期的電圧関数の測定は、シース容量およびイオン電流の遠隔監視を可能にし、チャンバプロセスまたは他のチャンバ詳細の知識を伴わずに監視されることができる。いくつかの実施例が、源およびチャンバの非侵襲的監視および故障検出のために、これまで述べられたシステムおよび方法を使用し得る、多数の方法のうちのいくつかのみを続けて例証する。
【0182】
監視の実施例として、図14を参照すると、波形1400のDCオフセットは、プラズマ源(以降では「源」と称される)の健全性を表すことができる。別の実施例では、修正された周期的電圧関数のパルスの最上部分1404(第2の部分)の傾きは、源内の減衰効果に相関されることができる。(0に等しい傾きを有するものとして図示される)水平からの最上部分1404の傾きの標準偏差は、波形1400のある側面に基づいて源の健全性を監視する別の方法である。別の側面は、修正された周期的電圧関数の第4の部分1408に沿ってサンプリングされたVout点の標準偏差を測定し、標準偏差をチャンバ共鳴に相関させることを伴う。例えば、本標準偏差が持続パルスの間で監視され、標準偏差が経時的に増加する場合、これは、チャンバ内、例えば、静電チャック内に共鳴があることを示し得る。共鳴は、チャンバへの、またはチャンバ内の不良な電気接続の兆候、もしくは付加的な不要インダクタンスまたは容量の兆候であり得る。
【0183】
図32は、本開示の一実施形態による、基板支持体に送達される2つの修正された周期的電圧関数波形を図示する。比較されるとき、2つの修正された周期的電圧関数は、チャンバ合致または原位置異常もしくは故障検出に使用することができる。例えば、2つの修正された周期的電圧関数のうちの1つは、基準波形であり得、第2の関数は、較正の間にプラズマ処理チャンバから得ることができる。プラズマ処理チャンバを較正するために、2つの修正された周期的電圧関数の間の差(例えば、ピーク間電圧VPPの差)が、使用されることができる。代替として、第2の修正された周期的電圧関数が、処理の間に基準波形と比較されることができ、波形特性の任意の差異(例えば、偏移)は、故障を示し得る(例えば、修正された周期的電圧関数の第4の部分3202の傾きの差)。
【0184】
図33は、プラズマ源の不安定性またはプラズマ密度の変化を示し得る、イオン電流波形を図示する。図33に図示されるもの等のイオン電流Iの変動が、システム内の故障および異常を識別するために分析されることができる。例えば、図33の周期的変動は、プラズマ源(例えば、プラズマ電力供給源102)における低周波数不安定性を示し得る。そのようなイオン電流Iの変動はまた、プラズマ密度の周期的変化を示すこともできる。本指標およびそれが示し得る可能性として考えられる故障または異常は、特に有利にイオン電流Iの遠隔監視が使用され得る、多くの方法のうちの1つにすぎない。
【0185】
図34は、非周期的形状を有する、修正された周期的電圧関数波形のイオン電流Iを図示する。イオン電流Iの本実施例は、プラズマ源の不安定性またはプラズマ密度の変化等の非周期的変動を示し得る。そのような変動はまた、アーク放電、寄生プラズマの形成、またはプラズマ密度のドリフト等の種々のプラズマの不安定性を示し得る。
【0186】
図35は、バイアス供給源内の故障を示し得る、修正された周期的電圧関数波形を図示する。第3の図示されるサイクルの最上部分(第2の部分とも称される)は、バイアス供給源(例えば、図12の電力供給源1206)内の共鳴を示し得る、異常挙動を示す。本共鳴は、バイアス供給源内の故障の指示であり得る。共鳴のさらなる分析は、電力システム内の故障を識別することに役立つ、特性を識別し得る。
【0187】
図36は、システムの容量の動的(または非線形)変化を示し得る、修正された周期的電圧関数波形を図示する。例えば、電圧に非線形に依存する浮遊容量が、そのような修正された周期的電圧関数をもたらし得る。別の実施例では、チャックにおけるプラズマ破壊または故障もまた、そのような修正された周期的電圧関数をもたらし得る。3つの図示されるサイクルのそれぞれでは、各サイクルの第4の部分3602における非線形性が、システム容量の動的変化を示し得る。例えば、システム容量の他の構成要素は、大部分が固定されるため、非線形性が、シース容量の変化を示し得る。
【0188】
図37は、プラズマ密度の変化を示し得る、修正された周期的電圧関数波形を図示する。図示される修正された周期的電圧関数は、プラズマ密度の変化を示し得る、傾きdV/dtの単調な偏移を示す。これらの単調な偏移は、プロセスエッチング終点等の予測事象の直接指示を提供することができる。他の実施形態では、これらの単調な偏移は、いかなる予測事象も存在しないプロセスの故障を示し得る。
【0189】
図38は、イオン電流のドリフトがシステムドリフトを示し得る、異なるプロセス実行のためのイオン電流のサンプリングを図示する。各データ点は、許容限界が、許容イオン電流を定義するユーザ定義または自動限界である、所与の実行のためのイオン電流を表すことができる。イオン電流を許容限界の上方に徐々に押し上げる、イオン電流のドリフトは、基板損傷が起こり得ることを示し得る。本タイプの監視はまた、光学省略、厚さ測定等の任意の数の他の従来の監視と組み合わせられることもできる。イオン電流ドリフトを監視することに加えて、これらの従来のタイプの監視は、既存の監視および統計制御を向上させることができる。
【0190】
図39は、異なるプロセスパラメータのためのイオン電流のサンプリングを図示する。本例証では、イオン電流は、異なるプロセスおよび異なるプロセス特性を区別するために、性能指数として使用されることができる。そのようなデータは、プラズマレシピおよびプロセスの開発で使用されることができる。例えば、11個の図示されるイオン電流データ点をもたらす、11個のプロセス条件が、試験されることができ、理想的なプロセスとして、または代替として好ましいプロセスとして、好ましいイオン電流をもたらすプロセスが、選択されることができる。例えば、最低イオン電流が理想的なプロセスとして選択されてもよく、その後、プロセスが好ましいプロセス条件を用いて行われているかどうかを判断するために、好ましいプロセスと関連付けられるイオン電流が、測定基準として使用されることができる。本性能指数は、いくつか非限定的な実施例を挙げると、率、選択性、およびプロファイル角度等の類似する従来の性能特性に加えて、またはその代替として、使用されることができる。
【0191】
図40は、チャンバ内にプラズマを伴わずに監視された、2つの修正された周期的電圧関数を図示する。これら2つの修正された周期的電圧関数が、比較され、プラズマチャンバを特徴付けるために使用されることができる。実施形態では、第1の修正された周期的電圧関数が、基準波形であり得る一方で、第2の修正された周期的電圧関数は、現在監視されている波形であり得る。これらの波形は、処理チャンバ内にプラズマを伴わずに、例えば、チャンバ清掃または予防保守後に得られることができ、したがって、第2の波形は、生産への(または生産へ戻す)チャンバの解放に先立って、チャンバの電気的状態の検証を提供するために使用されることができる。
【0192】
図41は、プラズマプロセスの正当性を立証するために使用され得る、2つの修正された周期的電圧関数を図示する。第1の修正された周期的電圧関数が、基準波形であり得る一方で、第2の修正された周期的電圧関数は、現在監視されている波形であり得る。現在監視されている波形は、基準波形と比較されることができ、いかなる差異も、そうでなければ従来の監視方法を使用して検出可能ではない、寄生および/または非寄生インピーダンス問題を示し得る。例えば、図35の波形上に見られる共鳴が検出され得、電力供給源内の共鳴を表すために使用され得る。
【0193】
イオン電流補償Ic、イオン電流I、および/またはシース容量Csheathを更新するために方法3000が循環している間に、図32-41に図示される計測のうちのいずれかが、監視されることができる。例えば、各イオン電流Iサンプルが図38で得られた後、方法3000は、更新されたイオン電流Iを判定するために、サンプリング3004に戻ることができる。別の実施例では、監視動作の結果として、イオン電流I、イオンエネルギーeV、またはIEDF幅の補正が所望され得る。対応する補正が、行われることができ、方法3000は、方程式3を満たす新しいイオン電流補償Icを見出すようにサンプリング3004に戻ることができる。
【0194】
当業者は、図30、31、および43に図示される方法が、いかなる特定の、または説明された動作順序も要求せず、または図によって図示される、もしくは図中で示唆されるいかなる順序にも限定されないことを認識するであろう。例えば、計測(図32-41)は、IEDF幅および/またはイオンエネルギーeVを設定して監視する前、間、または後に監視されることができる。
【0195】
図44は、本明細書に開示されるシステムにおける異なる点での種々の波形を図示する。スイッチモード電力供給源の切替構成要素のための図示される切替パターン4410、電力供給源電圧VPS4406(本明細書では、周期的電圧関数とも称される)、イオン電流補償Ic4404、修正された周期的電圧関数4402、および基板電圧Vsub4412を前提として、IEDFは、図示される幅4414(一定の縮尺で描かれない場合がある)またはIEDF形状4414を有する。本幅は、本開示が「狭幅」と称しているものより広い。示されるように、イオン電流補償Ic4404がイオン電流Iより大きいとき、基板電圧Vsub4412は、一定ではない。IEDF幅4414は、基板電圧Vsub4412の電圧反転間の傾き部分の電圧差に比例する。
【0196】
本非狭IEDF幅4414を前提として、本明細書に開示される方法は、I=Iとなる(または代替として方程式2に従って関連される)まで、イオン電流補償Icが調節されることを要求する。図45は、イオン電流Iに一致させるために、イオン電流補償Icの最終的漸増変化を生じることの効果を図示する。I=Iであるとき、基板電圧Vsub4512は、実質的に一定になり、IEDF幅4514は、非狭幅から狭幅に移行する。
【0197】
いったん狭IEDFが達成されると、図46に図示されるように、イオンエネルギーを所望の値または定義された値に調節することができる。ここで、電力供給源電圧(または代替としてスイッチモード電力供給源のバス電圧Vbus)の規模が減少される(例えば、電圧反転間の電力供給源電圧4606の最大負振幅が低減される)。結果として、ΔVは、ピーク間電圧がVPP1からVPP2まで減少するにつれて、ΔVまで減少する。その結果として、実質的に一定の(または持続)基板電圧Vsub4608の規模が減少し、したがって、狭IEDF幅を維持しながら、イオンエネルギーの規模を4615から4614へ減少させる。
【0198】
イオンエネルギーが調節されるかどうかにかかわらず、図47に示されるように、狭IEDF幅が達成された後に、IEDF幅は、広げられることができる。ここで、I=I(または代替としてIとIとの間の関係を生じる方程式2)を前提として、Iは、調節されることができ、したがって、修正された周期的電圧関数4702のパルス間の一部の傾きを変化させる。イオン電流補償Icおよびイオン電流Iが等しくないことの結果として、基板電圧は、実質的に一定から非一定に移行する。さらなる結果として、IEDF幅4714が、狭IEDF4714から非狭IEDF4702まで拡張することになる。IがIから離れて調節されるほど、IEDF4714幅が大きくなる。
【0199】
図48は、各イオンエネルギーレベルが狭IEDF4814幅を有する、1つを上回るイオンエネルギーレベルを達成するために使用され得る、電力供給源電圧の1つのパターンを図示する。電力供給源電圧4806の規模が、サイクル毎に交互する。これは、修正された周期的電圧関数4802のサイクル毎に、交互ΔVおよびピーク間電圧をもたらす。基板電圧4812は、ひいては、基板電圧のパルス間で交互する、2つの実質的に一定の電圧(または持続電圧)を有する。これは、それぞれ狭IEDF4814幅を有する、2つの異なるイオンエネルギーをもたらす。
【0200】
図49は、各イオンエネルギーレベルが狭IEDF4914幅を有する、1つを上回るイオンエネルギーレベルを達成するために使用され得る、電力供給源電圧の別のパターンを図示する。ここで、電力供給源電圧4906は、2つの異なる規模間で交互するが、交互する前に1度に2つのサイクルにわたってそのように行う。示されるように、平均イオンエネルギーは、VPS4906がサイクル毎に交互された場合と同一である。これは、同一のイオンエネルギーを達成するために、VPS4906の種々の他のパターンが使用され得る方法の一実施例のみを示す。
【0201】
図50は、定義されたIEDF5014を生成するために使用され得る、電力供給源電圧VPS5006およびイオン電流補償I5004の1つの組み合わせを図示する。ここで、交互電力供給源電圧5006が、2つの異なるイオンエネルギーをもたらす。加えて、イオン電流Iから離れるようにイオン電流補償5004を調節することによって、各イオンエネルギーのIEDF5014幅を拡張させることができる。イオンエネルギーが、図示される実施形態のように十分に近接する場合には、両方のイオンエネルギーのIEDF5014が重複し、1つの大きいIEDF5014をもたらすであろう。他の実施例も可能であるが、本実施例は、定義されたイオンエネルギーおよび定義されたIEDF5014を達成するために、VPS5006およびI5004への調節の組み合わせが使用され得る方法を示すように意図されている。
【0202】
本開示全体を通して、用語「単エネルギーイオンエネルギー分布」が、使用されているが、実践では、一定または実質的に一定基板表面電圧の使用にかかわらず、イオンエネルギー分布に対してある小有限幅が存在し得ることが、当業者によって理解されるであろう。したがって、用語「制御可能狭または単エネルギー分布のイオンエネルギー」は、本明細書に開示されるシステムおよび方法を介して可能性として考えられる、最狭イオンエネルギー分布を指すために使用される。
【0203】
次に図17Aおよび17Bを参照すると、本発明の他の実施形態を描写する、ブロック図が、示される。示されるように、これらの実施形態における基板支持体1708は、静電チャック1782を含み、静電チャック供給源1780が、電力を静電チャック1782に印加するために利用される。いくつかの変形例では、図17Aに描写されるように、静電チャック供給源1780は、電力を直接基板支持体1708に印加するように位置付けられ、他の変形例では、静電チャック供給源1780は、スイッチモード電力供給源と関連して、電力を印加するように位置付けられる。直列チャックは、別個の供給源によって、またはコントローラの使用によって、搬送され、正味DCチャック関数をもたらすことができることに留意されたい。本DC結合された(例えば、ブロッキングコンデンサなし)直列チャック関数では、他のRF源との望ましくない干渉を最小限にすることができる。
【0204】
図18には、概して、プラズマ密度を発生させるように機能するプラズマ電力供給源1884も、スイッチモード電力供給源1806および静電チャック供給源1880とともに、基板支持体1808を駆動するように構成されている、本発明のさらに別の実施形態を描写する、ブロック図が示される。本実装では、プラズマ電力供給源1884、静電チャック供給源1880、およびスイッチモード電力供給源1806はそれぞれ、別個のアセンブリ内に常駐し得るか、または供給源1806、1880、1884のうちの2つ以上は、同一物理的アセンブリ内に常駐するように構築され得る。有利なこととして、図18に描写される実施形態は、電気的対称性を得るように、上部電極1886(例えば、シャワーヘッド)を電気的に接地させ、より少ないアーク放電事象に起因して、低減された損傷レベルを可能にする。
【0205】
図19を参照すると、本発明のなおも別の実施形態を描写する、ブロック図が示される。描写されるように、本実施形態におけるスイッチモード電力供給源1906は、追加のプラズマ電力供給源の必要性なく(例えば、プラズマ電力供給源102、202、1202、1702、1884を伴わずに)、基板にバイアスをかけ、プラズマを点弧(および持続)するように電力を基板支持体およびチャンバ1904に印加するよう構成される。例えば、スイッチモード電力供給源1806は、プラズマを点弧および持続させる一方、バイアスを基板支持体に提供するために十分である、デューティサイクルで動作され得る。
【0206】
次に図20を参照すると、図1-19を参照して説明された実施形態に関連して利用され得る、制御部分の入力パラメータおよび制御出力のブロック図が、描写される。制御部分の描写は、本明細書で議論される実施形態に関連して利用され得る、例示的制御入力および出力の簡略化された描写を提供することが意図される。すなわち、ハードウェア略図であることを意図するものではない。実際の実装では、描写される制御部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせによって実現され得る、いくつかの離散構成要素間に分散され得る。
【0207】
本明細書で以前に議論される実施形態を参照すると、図20に描写されるコントローラは、図1を参照して説明される、コントローラ112、図2を参照して説明される、コントローラ212およびイオンエネルギー制御220構成要素、図8を参照して説明される、コントローラ812およびイオンエネルギー制御部分820、図12を参照して説明される、イオン電流補償構成要素1260、図13を参照して説明される、電流コントローラ1362、図16に描写される、Icc制御、それぞれ、図17Aおよび17Bに描写される、コントローラ1712A、1712B、ならびにそれぞれ、図18および19に描写される、コントローラ1812、1912のうちの1つ以上の機能性を提供し得る。
【0208】
示されるように、制御部分への入力として利用され得る、パラメータは、図13および14を参照してより詳細に説明される、dVo/dtおよびΔVを含む。議論されるように、dVo/dtは、イオンエネルギー分布広がり入力ΔEと関連して利用され、図12、13、14、15A-C、および図16を参照して説明されるように、イオンエネルギー分布広がりの幅を制御する制御信号Iccを提供し得る。加えて、イオンエネルギー制御入力(Ei)は、随意のフィードバックΔVに関連して利用され、図1-11を参照してより詳細に説明されるように、イオンエネルギー制御信号(例えば、図3に描写されるVbusに影響を及ぼす)を発生させ、所望の(定義された)イオンエネルギー分布をもたらし得る。また、多くの静電チャック実施形態と関連して利用され得る、別のパラメータは、効率的熱制御のために、静電力を提供し、ウエハをチャックに保持する、DCオフセット入力である。
【0209】
図21は、本開示のある実施形態による、プラズマ処理システム2100を図示する。システム2100は、基板2106(および他のプラズマプロセス)の上部表面2118をエッチングするために、プラズマ2104を封入する、プラズマ処理チャンバ2102を含む。プラズマは、プラズマ電力供給源2122によって給電されるプラズマ源2112によって発生される(例えば、原位置で、または遠隔で、または投射される)。プラズマ2104と基板2106の上部表面2118との間で測定されたプラズマシース電圧Vsheathは、プラズマ2104から、プラズマシース2115を横断するイオンを加速し、加速されたイオンを基板2106の上部表面2118に衝突させ、基板2106(またはフォトレジストによって保護されていない基板2106の一部)をエッチングさせる。プラズマ2104は、接地(例えば、プラズマ処理チャンバ2102壁)に対して、プラズマ電位Vにある。基板2106は、静電チャック2111と、静電チャック2111の上部表面2121と基板2106との間のチャック電位Vchuckとを介して、支持体2108に静電的に保持される、底部表面2120を有する。基板2106は、誘電性であって、したがって、上部表面2118の第1の電位Vと、底部表面2120の第2の電位Vとを有し得る。静電チャック2121の上部表面は、基板の底部表面2120と接触し、したがって、これらの2つの表面2120、2121は、同一の電位Vである。第1の電位V、チャック電位Vchuck、および第2の電位Vは、スイッチモード電力供給源2130によって発生され、第1の導体2124を介して、静電チャック2111に提供される、DCバイアスまたはオフセットを伴うAC波形を介して制御される。随意に、AC波形は、第1の導体2124を介して提供され、DC波形は、随意の第2の導体2125を介して提供される。スイッチモード電力供給源2130のACおよびDC出力は、同様に、スイッチモード電力供給源2130の種々の側面を制御するように構成される、コントローラ2132を介して、制御されることができる。
【0210】
イオンエネルギーおよびイオンエネルギー分布は、第1の電位Vの関数である。スイッチモード電力供給源2130は、所望の(または定義された)イオンエネルギーおよびイオンエネルギー分布を発生させることが把握されている所望の第1の電位Vをもたらすように調整されたAC波形を提供する。AC波形は、RFであって、図9B、10B、14、32、37、40、41、および44-50に図示されるもの等の非正弦波波形を有することができる。第1の電位Vは、図14に図示される電圧ΔVの変化に比例し得る。第1の電位Vはまた、プラズマ電圧Vからプラズマシース電圧Vsheathを引いたものに等しい。しかし、プラズマ電圧Vは、多くの場合、プラズマシース電圧Vsheath(例えば、50V-2000V)と比較して、小さい(例えば、20V未満)ため、第1の電位Vおよびプラズマシース電圧Vsheathは、ほぼ等しく、実装の目的のために、等しくなるように処理され得る。したがって、プラズマシース電圧Vsheathは、イオンエネルギーを左右するため、第1の電位Vは、イオンエネルギー分布に比例する。一定の第1の電位V(または実質的に一定の電圧部分もしくは持続電圧部分)を維持することによって、プラズマシース電圧Vsheathは、一定(または実質的に一定もしくは持続)となり、したがって、実質的に、全イオンが、同一のエネルギーを介して加速され、故に、狭域イオンエネルギー分布が、達成される。プラズマ電圧Vは、プラズマ源2112を介して、プラズマ2104に付与されるエネルギーから生じる。
【0211】
基板2106の上部表面2118における第1の電位Vは、静電チャック2111からの容量性充電とシース2115を通過する電子およびイオンからの電荷集積の組み合わせを介して形成される。スイッチモード電力供給源2130からのAC波形は、第1の電位Vが、実質的に一定(または持続)のままであるように、シース2115を通るイオンおよび電子移動の影響と、基板2106の上部表面2118において結果として生じる電荷集積とをオフセットするように調整される。
【0212】
基板2106を静電チャック2111に保持するチャック力は、チャック電位Vchuckの関数である。スイッチモード電力供給源2130は、第2の電位Vが、第1の電位Vと異なる電位にあるように、DCバイアス、すなわち、DCオフセットをAC波形に提供する。本電位差は、チャック電圧Vchuckを生じさせる。チャック電圧Vchuckは、静電チャック2111の上部表面2221から基板2106の内側の基準層まで測定され得、基準層は、基板2106の底部表面2120を除く、基板の内側の任意の高度を含む(基準層の基板2106内の正確な場所は、変動し得る)。したがって、チャックは、第2の電位Vによって制御され、それに比例する。
【0213】
ある実施形態では、第2の電位Vは、AC波形によって修正されるスイッチモード電力供給源2130のDCオフセットに等しい(換言すると、DCオフセットを伴うAC波形であって、DCオフセットは、AC波形のピーク間電圧を上回る)。DCオフセットは、スイッチモード電力供給源2130出力のDC成分が、第2の電位V2を支配し、AC成分が、除外または無視され得るように、実質的に、AC波形より大きくてもよい。
【0214】
基板2106内の電位は、第1および第2の電位V、V間で変動する。チャック電位Vchuckは、基板2106と静電チャック2111との間のクーロン引力が、チャック電位Vchuck極性にかかわらず存在するため、正または負(例えば、V>VまたはV<V)であり得る。
【0215】
スイッチモード電力供給源2130は、コントローラ2132と併用して、確定的に、かつセンサを伴わずに、種々の電圧を監視することができる。特に、イオンエネルギー(例えば、平均エネルギーおよびイオンエネルギー分布)は、AC波形のパラメータ(例えば、傾きおよびステップ)に基づいて、確定的に監視される。例えば、プラズマ電圧V、イオンエネルギー、およびイオンエネルギー分布は、スイッチモード電力供給源2130によって生産されるAC波形のパラメータに比例する。特に、AC波形の立ち下がりエッジのΔV(例えば、図14参照)は、第1の電位V、したがって、イオンエネルギーに比例する。第1の電位Vを一定(または実質的に一定の電圧部分もしくは持続電圧部分)に維持することによって、イオンエネルギー分布は、狭域に維持される。
【0216】
第1の電位Vは、直接、測定されることができず、スイッチモード電力供給源出力と第1の電圧Vとの間の相関は、基板2106の静電容量および処理パラメータに基づいて、変動し得る場合、ΔVと第1の電位Vとの間の比例定数は、短い処理時間の経過後、実験的に判定されることができる。例えば、AC波形の立ち下がりエッジΔVが、50Vであって、比例定数が、所与の基板およびプロセスに対して、2であることが実験的に見出される場合、第1の電位V1は、100Vであることが予期され得る。電圧ステップΔVと第1の電位V(したがって、イオンエネルギーeV)との間の比例は、方程式4によって表される。したがって、イオンエネルギーを伴う第1の電位Vおよびイオンエネルギー分布は、プラズマ処理チャンバ2102の内側に任意のセンサを伴わずに、スイッチモード電力供給源のAC波形の知識に基づいて、判定されることができる。加えて、スイッチモード電力供給源2130は、コントローラ2132と併用して、チャックが生じているかどうか(例えば、基板2106が、チャック電位Vchuckを介して、静電チャック2111に保持されているかどうか)を監視することができる。
【0217】
デチャックは、チャック電位Vchuckを排除または低下させることによって実施される。これは、第2の電位Vを第1の電位Vに等しく設定することによって実施されることができる。換言すると、DCオフセットおよびAC波形は、チャック電圧Vchuckを0Vに近づかせるために、調節されることができる。従来のデチャック方法と比較して、システム2100は、DCオフセットおよびAC波形の両方が、デチャックを達成するように調節されることができるため、より高速のデチャック、したがって、より多くの処理量を達成する。また、DCおよびAC電源が、スイッチモード電力供給源2130内にあるとき、その回路は、より統合され、よりともに近接し、単一コントローラ2132を介して制御され(DCおよびAC電源の典型的並列配列と比較して)、出力をより高速で変化させることができる。本明細書に開示される実施形態によって可能にされるデチャックの速度はまた、プラズマ2104が消弧された後、または少なくともプラズマ源2112からの電力がオフにされた後、デチャックを可能にする。
【0218】
プラズマ源2112は、種々の形態をとることができる。例えば、ある実施形態では、プラズマ源2112は、プラズマ2104の点弧および持続の両方を行うチャンバ2102内のRF場を確立する、プラズマ処理チャンバ2102の内側に電極を含む。別の実施形態では、プラズマ源2112は、イオン化電磁場を遠隔で発生させ、イオン化電磁場を処理チャンバ2102内に投射または延在させ、イオン化電磁場を使用して、プラズマ処理チャンバ内でプラズマ2104の点弧および持続の両方を行う、遠隔投射されるプラズマ源を含む。さらに、遠隔投射されるプラズマ源はまた、イオン化電磁場が、プラズマ処理チャンバ2102へ向かう途中に通過する、場伝達部分(例えば、導電管)を含み、その間、イオン化電磁場は、プラズマ処理チャンバ2102内の場強度が、場が最初に遠隔投射されるプラズマ源内に発生されるときの場強度のわずか10分の1、または100分の1、または1,000分の1、またはさらに小さい割合となるように減衰される。プラズマ源2112は、正確な縮尺で描かれていない。
【0219】
スイッチモード電力供給源2130は、浮動することができ、したがって、接地とスイッチモード電力供給源2130との間に直列に接続されるDC電源(図示せず)によって、任意のDCオフセットでバイアスされることができる。スイッチモード電力供給源2130は、スイッチモード電力供給源2130の内部のACおよびDC電源を介して(例えば、図22、23、26参照)、またはスイッチモード電力供給源2130の内部のAC電源およびスイッチモード電力供給源2130の外部のDC電力供給源を介して(例えば、図24、27参照)のいずれかによって、AC波形にDCオフセットを提供することができる。ある実施形態では、スイッチモード電力供給源2130は、接地され、スイッチモード電力供給源2130と静電チャック2111との間に直列に結合された浮動DC電源に直列に結合されることができる。
【0220】
コントローラ2132は、スイッチモード電力供給源2130が、ACおよびDC電源の両方を含むとき、スイッチモード電力供給源のACおよびDC出力を制御することができる。スイッチモード電力供給源2130が、DC電源と直列に接続されると、コントローラ2132は、スイッチモード電力供給源2130のAC出力のみを制御してもよい。代替実施形態では、コントローラ2130は、スイッチモード電力供給源2130に結合されたDC電力供給源と、スイッチモード電力供給源2130の両方を制御することができる。当業者は、単一コントローラ2132が図示されるが、他のコントローラもまた、静電チャック2111に提供されるAC波形およびDCオフセットを制御するために実装されることができることを認識するであろう。
【0221】
静電チャック2111は、誘電性(例えば、セラミック)であって、したがって、実質的に、DC電圧の通過をブロッキングすることができる、またはドープされたセラミック等の半導体材料であることができる。いずれの場合も、静電チャック2111は、電圧を基板2106の上部表面2118(通常、誘電性)に容量結合し、第1の電圧Vを形成する、静電チャック2111の上部表面2121上の第2の電圧Vを有することができる。
【0222】
プラズマ2104形状およびサイズは、必ずしも、正確な縮尺で描かれていない。例えば、プラズマ2104のエッジは、あるプラズマ密度によって定義されることができるが、その場合、図示されるプラズマ2104は、任意の特定のプラズマ密度を考慮に入れて描かれていない。同様に、少なくともいくつかのプラズマ密度は、図示されるプラズマ2104形状にかかわらず、プラズマ処理チャンバ2102全体を充填する。図示されるプラズマ2104形状は、主に、実質的に、プラズマ2104より小さいプラズマ密度を有する、シース2115を示すように意図される。
【0223】
図22は、プラズマ処理システム2200の別の実施形態を図示する。図示される実施形態では、スイッチモード電力供給源2230は、直列に接続されたDC電源2234およびAC電源2236を含む。コントローラ2232は、AC電源2236波形およびDC電源2234バイアスまたはオフセットの両方を制御することによって、スイッチモード電力供給源2230のDCオフセット出力によって、AC波形を制御するように構成される。本実施形態はまた、チャック2211内に埋め込まれたグリッドまたはメッシュ電極2210を有する、静電チャック2211を含む。スイッチモード電力供給源2230は、ACおよびDCバイアスの両方をグリッド電極2210に提供する。実質的に、DCバイアスより小さく、したがって、除外され得る、AC成分を伴うDCバイアスは、グリッド電極2210上に第3の電位Vを確立する。第3の電位Vが、基板2206内のいずれの場所の基準層(基板2206の底部表面2220を除く)における電位とも異なるとき、チャック電位Vchuckおよびクーロンチャック力が、確立され、基板2206を静電チャック2211に保持する。基準層は、グリッド電極2210に平行な仮想平面である。AC波形は、グリッド電極2210から、静電チャック2211の一部を通して、かつ基板2206を通して容量結合し、基板2206の上部表面2218上の第1の電位Vを制御する。プラズマ電位Vは、プラズマシース電圧Vsheathに対して除外可能であるため、第1の電位Vおよびプラズマシース電圧Vsheathは、ほぼ等しく、実践的目的のために、等しいと見なされる。したがって、第1の電位Vは、シース2215を通してイオンを加速するために使用される、電位に等しい。
【0224】
ある実施形態では、静電チャック2211は、チャック2211の本体を通るいかなる電位差も除外可能であるよう十分に伝導性であるようにドープされ得、したがって、グリッドまたはメッシュ電極2210は、実質的に、第2の電位Vと同一の電圧であり得る。
【0225】
グリッド電極2210は、静電チャック2211内に埋め込まれ、基板2206に平行であって、スイッチモード電力供給源2230によってバイアスされ、チャック電位Vchuckを確立するように構成される、任意の伝導性平面デバイスであることができる。グリッド電極2210は、静電チャック2211の下側部分に埋め込まれるように図示されるが、グリッド電極2210は、基板2206からより近くまたはより遠くに位置することができる。グリッド電極2210はまた、グリッドパターンを有する必要はない。ある実施形態では、グリッド電極2210は、固体電極である、または非グリッド形状(例えば、格子状パターン)を伴う、非固体構造を有することができる。ある実施形態では、静電チャック2211は、セラミックまたは他の誘電体であって、したがって、グリッド電極2210上の第3の電位Vは、静電チャック2211の上部表面2221上の第1の電位Vと等しくない。別の実施形態では、静電チャック2211は、若干伝導性である、ドープされたセラミックであって、したがって、グリッド電極2210上の第3の電位Vは、静電チャック2211の上部表面2221上の第2の電位Vに等しくあり得る。
【0226】
スイッチモード電力供給源2230は、非正弦波であり得る、AC出力を発生させる。スイッチモード電力供給源2230は、DC電源2234が、AC伝導性であって、AC電源2236が、DC伝導性であるため、DCおよびAC源2234、2236を直列に動作させることが可能である。DC伝導性ではない、例示的AC電源は、DC電圧または電流が提供されると、損傷され得る、ある線形増幅器である。AC伝導性およびDC伝導性電源の使用は、スイッチモード電力供給源2230内で使用される構成要素の数を低減させる。例えば、DC電源2234が、ACブロッキングを行う場合、ACバイパスまたはDCブロッキング構成要素(例えば、コンデンサ)は、DC電源2234と並列に配列される必要があり得る。AC電源2236が、DCブロッキングを行う場合、DCバイパスまたはACブロッキング構成要素(例えば、インダクタ)は、AC電源2236と並列に配列される必要があり得る。
【0227】
本実施形態では、AC電源2238は、概して、基板2206の上部表面2218に衝撃するイオンのための所望の(定義された)イオンエネルギー分布をもたらすように、制御可能な様式において、電圧バイアスを静電チャック2211に印加するように構成される。より具体的には、AC電源2236は、特定の電力レベルにおける1つ以上の特定の波形をグリッド電極2210に印加することによって、所望の(定義された)イオンエネルギー分布をもたらすように構成される。また、より具体的には、AC電源2236は、特定の電力レベルを印加し、特定のイオンエネルギーをもたらし、波形メモリ(図示せず)内に記憶された波形データによって定義される1つ以上の電圧波形を使用して、特定の電力レベルを印加する。その結果、1つ以上の特定のイオン衝撃エネルギーは、基板2206(または他のプラズマ支援プロセス)の制御されたエッチングを行うように選択され得る。一実施形態では、AC電源2236は、切替式モード構成を利用することができる(例えば、図25-27参照)。スイッチモード電力供給源2230、特に、AC電源2236は、本開示の種々の実施形態に説明されるようなAC波形を生産することができる。
【0228】
当業者は、グリッド電極2210が必要ではなく、他の実施形態も、グリッド電極2210を伴わずに実装されることができることを認識するであろう。当業者はまた、グリッド電極2210が、チャック電位Vchuckを確立するために使用され得る、多数のデバイスの一実施例にすぎないことを認識するであろう。
【0229】
図23は、プラズマ処理システム2300の別の実施形態を図示する。図示される実施形態は、AC波形およびDCバイアスを静電チャック2311に提供するためのスイッチモード電力供給源2330を含む。スイッチモード電力供給源2330は、DC電源2334およびAC電源2336を含み、その両方とも、接地され得る。AC電源2336は、第1の導体2324を介して、静電チャック2311内に埋め込まれる第1のグリッドまたはメッシュ電極2310に提供される、AC波形を発生させる。AC電源2336は、第1のグリッドまたはメッシュ電極2310上に電位Vを確立する。DC電源2334は、第2の導体2325を介して、静電チャック2311内に埋め込まれる第2のグリッドまたはメッシュ電極2312に提供される、DCバイアスを発生させる。DC電源2334は、第2のグリッドまたはメッシュ電極2312上に電位Vを確立する。電位VおよびVは、それぞれ、ACおよびDC電源2336、2334を介して、独立して、制御されることができる。しかしながら、第1および第2のグリッドまたはメッシュ電極2310、2312はまた、容量結合されることができ、および/または静電チャック2311の一部を介して、グリッドまたはメッシュ電極2310、2312間に、DC結合が存在し得る。ACまたはDC結合のいずれかが存在する場合、電位VおよびVは、結合されてもよい。当業者は、第1および第2のグリッド電極2310、2312が、第1のグリッド電極2310を第2のグリッド電極2312より基板2306に近接して配列することを含め、静電チャック2311全体を通して、種々の場所に配列されることができることを認識するであろう。
【0230】
図24は、プラズマ処理システム2400の別の実施形態を図示する。本実施形態では、スイッチモード電力供給源2430は、AC波形を静電チャック2411に提供し、スイッチモード電力供給源2430出力は、DC電力供給源2434によって提供されるDCバイアスによってオフセットされる。スイッチモード電力供給源2430のAC波形は、基板2406に、狭域イオンエネルギー分布を有するプラズマ2404からのイオンを衝撃させるために、コントローラ2435によって選択される波形を有する。AC波形は、非正弦波(例えば、矩形波またはパルス状)であることができ、スイッチモード電力供給源2430のAC電源2436を介して発生されることができる。チャックは、コントローラ2433によって制御される、DC電力供給源2434からのDCオフセットを介して制御される。DC電力供給源2434は、接地とスイッチモード電力供給源2430との間に直列に結合されることができる。スイッチモード電力供給源2430は、そのDCバイアスがDC電力供給源2434によって設定され得るように、浮動的である。
【0231】
当業者は、図示される実施形態が、2つの独立コントローラ2433、2435を示すが、これらが、随意のコントローラ2432等の単一機能ユニット、デバイス、またはシステム内に組み合わせられ得ることを認識するであろう。加えて、コントローラ2433および2435は、相互に通信し、処理リソースを共有するように結合されることができる。
【0232】
図25は、プラズマ処理システム2500のさらなる実施形態を図示する。図示される実施形態は、DC電力供給源(図示せず)によって提供されるDCオフセットを有し得るAC波形を生産する、スイッチモード電力供給源2530を含む。スイッチモード電力供給源は、電圧および電流コントローラ2537、2539を包含する、随意のコントローラ2535を介して、制御されることができる。スイッチモード電力供給源2530は、電圧コントローラ2537によって制御される電圧出力を有する、制御可能電圧源2538と、電流コントローラ2539によって制御される電流出力を有する、制御可能電流源2540とを含むことができる。制御可能電圧および電流源2538、2540は、並列配列であることができる。制御可能電流源2540は、プラズマ2504と基板2506との間のイオン電流を補償するように構成される。
【0233】
電圧および電流コントローラ2537、2539は、相互に結合され、通信することができる。電圧コントローラ2537はまた、制御可能電圧源2538の切替式出力2539を制御することができる。切替式出力2539は、図示されるように、2つのスイッチを並列に含むことができる、または制御可能電圧源2538の出力を所望のAC波形(例えば、非正弦波)に変換する、任意の回路を含むことができる。2つのスイッチを介して、制御可能電圧源2538からの制御された電圧またはAC波形は、制御可能電流源2540の制御された電流出力と組み合わせられ、スイッチモード電力供給源2530のAC波形出力を発生させることができる。
【0234】
制御可能電圧源2538は、所与の極性を有するように図示されるが、当業者は、反対極性も、図示されるものに相当することを認識するであろう。随意に、制御可能電圧および電流源2538、2540は、切替式出力2539とともに、AC電源2536の一部であることができ、AC電源2536は、スイッチモード電力供給源2530の内側または外側にあるDC電源(図示せず)と直列に配列されることができる。
【0235】
図26は、プラズマ処理システム2600のさらに別の実施形態を図示する。図示される実施形態では、スイッチモード電力供給源2630は、DCオフセットを有するAC波形を静電チャック2611に提供する。波形のAC成分は、切替式出力2639を通して相互に接続された制御可能電圧源2638および制御可能電流源2640の並列組み合わせを介して、発生される。DCオフセットは、接地と制御可能電圧源2638との間に直列に結合されるDC電源2634によって発生される。ある実施形態では、DC電源2634は、接地されるのではなく、浮動的であることができる。同様に、スイッチモード電力供給源2630も、浮動的である、または接地されることができる。
【0236】
システム2600は、スイッチモード電力供給源2630の出力を制御するための1つ以上のコントローラを含むことができる。第1のコントローラ2632は、例えば、第2のコントローラ2633および第3のコントローラ2635を介して、スイッチモード電力供給源2630の出力を制御することができる。第2のコントローラ2633は、DC電源2634によって発生されるようなスイッチモード電力供給源2630のDCオフセットを制御することができる。第3のコントローラ2635は、制御可能電圧源2638および制御可能電流源2640を制御することによって、スイッチモード電力供給源2630のAC波形を制御することができる。ある実施形態では、電圧コントローラ2637は、制御可能電圧源2638の電圧出力を制御し、電流コントローラ2639は、制御可能電流源2640の電流を制御する。電圧および電流コントローラ2637、2639は、相互に通信することができ、第3のコントローラ2635の一部であることができる。
【0237】
当業者は、電源2634、2638、2640に対するコントローラの種々の構成を説明する、前述の実施形態が、限定ではなく、種々の他の構成もまた、本開示から逸脱することなく、実装されることができることを認識するであろう。例えば、第3のコントローラ2635または電圧コントローラ2637は、制御可能電圧源2638と制御可能電流源2640との間の切替式出力2639を制御することができる。別の実施例として、第2および第3のコントローラ2633、2635は、相互に通信することができる(そのように図示されないが)。また、制御可能電圧および電流源2638、2640の極性は、例証にすぎず、限定を意味するものではないことも理解されたい。
【0238】
切替式出力2639は、AC波形を成形するために、2つの並列スイッチを交互に切り替えることによって、動作することができる。切替式出力2639は、限定されないが、MOSFETおよびBJTを含む、任意の種々のスイッチを含むことができる。一変形例では、DC電源2634は、制御可能電流源2640と静電チャック2611との間に配列されることができ(換言すると、DC電源2634は、浮動することができる)、スイッチモード電力供給源2630は、接地されることができる。
【0239】
図27は、プラズマ処理システム2700の別の実施形態を図示する。本変形例では、スイッチモード電力供給源2734は、再び、接地されるが、スイッチモード電力供給源2730に統合される代わりに、ここでは、DC電源2734は、別個の構成要素であって、スイッチモード電力供給源2730内の構成要素だけではなく、スイッチモード電力供給源2730全体に、DCオフセットを提供する。
【0240】
図28は、本開示のある実施形態による、方法2800を図示する。方法2800は、基板をプラズマチャンバ動作2802内に設置することを含む。方法2800はさらに、プラズマをプラズマチャンバ動作2804内で形成することを含む。そのようなプラズマは、原位置で、または遠隔投射源を介して、形成されることができる。方法2800はまた、スイッチ電力動作2806を含む。スイッチ電力動作2806は、周期的電圧関数を基板に印加するように、基板に対する電力を制御可能に切り替えることを伴う。周期的電圧関数は、パルス状波形(例えば、矩形波)またはAC波形と見なされ、スイッチモード電力供給源と直列のDC電源によって発生されるDCオフセットを含み得る。ある実施形態では、DC電源は、スイッチモード電力供給源に組み込まれ、したがって、スイッチモード電力供給源のAC電源と直列であることができる。DCオフセットは、静電チャックの上部表面と基板内の基準層との間に電位差を発生させ、本電位差は、チャック電位と称される。静電チャックと基板との間のチャック電位は、基板を静電チャックに保持し、したがって、処理の間、基板が移動しないように防止する。方法2800はさらに、周期的電圧関数が複数のサイクルにわたって変調される、動作2808を変調することを含む。変調は、時間平均に基づく所望の(または定義された)イオンエネルギー分布をもたらすように、基板の表面において、所望の(または定義された)イオンエネルギー分布に応答する。
【0241】
図29は、本開示のある実施形態による、別の方法2900を図示する。方法2900は、基板をプラズマチャンバ動作2902内に設置することを含む。方法2900はさらに、プラズマをプラズマチャンバ動作2904内で形成することを含む。そのようなプラズマは、原位置で、または遠隔投射源を介して、形成されることができる。方法2900はまた、少なくとも1つのイオンエネルギー分布設定動作2906を受信することを含む。受信動作2906において受信された設定は、基板の表面における1つ以上のイオンエネルギーを示し得る。方法2900はさらに、基板に対する電力が、(1)時間平均に基づくイオンエネルギーの所望の(または定義された)分布、および(2)時間平均に基づく所望のチャック電位をもたらすように、制御可能に切り替えられる、スイッチ電力動作2908を含む。電力は、AC波形およびDCオフセットを有することができる。
【0242】
表面電荷蓄積の制御
プラズマ処理の間、絶縁された要素は、過剰電荷を集積し、これらの要素と接続される、敏感なデバイスへの可能性として考えられる損傷をもたらし得る。他の場合には、絶縁特徴上の蓄積電荷は、到着するイオンの偏向を生じさせ、エッチングまたは堆積されている構造の歪曲をもたらし得る。これらは、過剰電荷蓄積から生じる、2つの問題にすぎない。従来のプラズマ処理システムは、プラズマ処理の間、表面電荷を直接測定および制御する能力を欠いている。
【0243】
再び図14を参照すると、非対称周期的電圧関数が、基板支持体に提供され、基板をバイアスし、イオンをプラズマから誘引する、電位を発生させる。波形は、周期tの開始時に、正電圧上昇、すなわち、ランプを被り、これは、プラズマの存在下で、基板支持体に印加されると、電子を基板表面に引き込まれ、負の電荷の蓄積をもたらす。基板をバイアスする、電力供給源は、次いで、第2の持続時間tの始まりまで、第1の持続時間tにわたって、該当するとしてもわずかのみ、電圧または電流を提供し得る。第1の電圧降下、すなわち、ランプが、正イオンをプラズマから基板表面に流動し始めさせる、表面電位を生産する。第2の電圧ランプ(傾きdv/dtを伴う)が、次いで、第2の持続時間tの間、維持され、到着する正に荷電されたイオンの存在下で、プラズマシース(静電容量Csheathを有する)を横断して、電圧降下を調整する。第2の持続時間tの終わりに、正電圧上昇、すなわち、ランプが、再び、繰り返される、イオンの流動を停止させ、負の表面電荷を補充し、次のサイクルを開始する。上記に説明されるように、適切に調整されると、第2の持続時間tの間に測定された電流は、直列静電容量Cchuckの知識と組み合わせられ、第2の電圧ランプの間に流動するイオン電流が以下に従って判定されることを可能にすることができる。
【数9】
【0244】
換言すると、イオン電流は、以下のように見出されることができる。
【数10】
【0245】
イオン電流の知識は、第2の持続時間tの知識と組み合わせられ、総表面電荷蓄積Q等の重要な情報が、第2の持続時間tの間、基板表面に送達されるイオン電流の蓄積から分解されることを可能にする。総表面電荷蓄積Qは、以下のように見出されることができる。
【数11】
【0246】
過剰な表面電荷集積を回避するために、総表面電荷蓄積Qは、監視されることができ、第2の持続時間t、すなわち、イオン電流が基板に流動している、時間が、表面電荷Qが、所望のレベルを満たす、または安全と見なされる閾値を下回るように戻るまで、改変または低減されることができる。第2の持続時間tは、繰り返し率およびデューティ比のうちの少なくとも一方または両方によって制御されることができる。
【0247】
図58は、プラズマベースの処理のためのシステムの一実施形態を図示し、電力供給源5803が、基板表面におけるイオンエネルギー分布を制御することだけではなく、また、過剰な表面電荷蓄積を防止することの両方を行う。システム5800は、図21に説明されるものに類似し、したがって、ある構成要素のみが、説明されるであろう。電力供給源5803は、コントローラ5832(例えば、切替コントローラ)を介して制御される、スイッチモード電力供給源5830を含むことができる。スイッチモード電力供給源5830は、所望の(または定義された)イオンエネルギーおよびイオンエネルギー分布を発生させることが既知の所望の第1の電位Vをもたらすように調整される、AC波形を出力5838に提供する。出力5838は、処理チャンバ5802の基板支持体5808に結合するために構成されることができる。スイッチモード電力供給源5830からのAC波形は、第1の電位Vが実質的に一定(または持続)のままであるように、シース5815を通したイオンおよび電子輸送の効果および基板5806の上部表面5818における結果として生じる電荷集積をオフセットするように調整されることができる。出力5838は、スイッチモード電力供給源5830およびイオン電流補償構成要素5836からの寄与を組み合わせ、図61-62に示されるもの等の非対称の周期的電圧波形を形成する。
【0248】
スイッチモード電力供給源5830は、コントローラ5832と併せて、決定論的に、かつセンサを伴わずに、種々の電圧を監視することができる。特に、イオンエネルギー(例えば、平均エネルギーおよびイオンエネルギー分布)は、AC波形のパラメータ(例えば、図14における傾きdv/dtおよびステップΔVまたは図61における6166の傾きおよびステップΔV=Va-Vb)に基づいて、決定論的に監視される。例えば、プラズマ電圧V、イオンエネルギー、およびイオンエネルギー分布は、スイッチモード電力供給源5830によって生産されるAC波形のパラメータに比例する。特に、AC波形の立ち下りエッジ、または電圧降下、もしくは第1の負電圧ランプ(図61における6164)のΔVは、第1の電位V、したがって、イオンエネルギーに比例する。第1の電位Vを一定(または実質的に一定または持続)に保つことによって、イオンエネルギー分布は、be狭または単エネルギーに保たれることができる。
【0249】
第1の電位Vが、直接測定されることができず、スイッチモード電力供給源出力と第1の電圧Vとの間の相関が、基板5806の静電容量および処理パラメータに基づいて、変動し得る場合、ΔVと第1の電位Vとの間の比例性の定数は、短処理時間が経過した後、実験的に判定されることができる。例えば、AC波形の立ち下りエッジΔVが、50Vであって、比例性の定数が、所与の基板およびプロセスに関して、2であることが実験的に見出される場合、第1の電位Vは、100Vであることが予期され得る。ステップ電圧ΔVと第1の電位V(したがって、また、イオンエネルギーeV)との間の比例性は、方程式4によって説明される。したがって、第1の電位Vは、イオンエネルギーおよびイオンエネルギー分布とともに、プラズマ処理チャンバ5802の内側に任意のセンサを伴わずに、スイッチモード電力供給源のAC波形の知識に基づいて判定されることができる。
【0250】
図61は、図14に見られるものと類似するが、幾分異なる命名法、異なる基準電圧、および図14に見られる外見上垂直な電圧ステップ(但し、ある有限時間周期にわたる、ある程度の電圧上昇および電圧降下は、大部分の回路内の固有の誘導および容量負荷のため、図14において含意される)ではなく、傾きが付けられた電圧ランプを伴う、電圧波形を示すことに留意されたい。例えば、図14におけるVPPは、図61におけるΔVaに対応する。図61におけるΔVbは、図14におけるVPP-ΔVに対応する。
【0251】
スイッチモード電力供給源5830は、浮動することができ、したがって、接地とスイッチモード電力供給源5830との間に直列に接続される、DC電源(図示せず)によって、任意のDCオフセットにバイアスされることができる。スイッチモード電力供給源5830は、スイッチモード電力供給源5830の内部のACおよびDC電源内部を介して(例えば、図22、23、26参照)か、または内部をスイッチモード電力供給源5830の内部のAC電源およびスイッチモード電力供給源5830の外部のDC電力供給源を介して(例えば、図24、27参照)かのいずれかにおいて、AC波形にDCオフセットを提供することができる。ある実施形態では、スイッチモード電力供給源5830は、接地され、スイッチモード電力供給源5830と静電チャック5811との間に直列に結合される、浮動DC電源に直列に結合されることができる。
【0252】
コントローラ5832は、スイッチモード電力供給源5830がACおよびDC電源の両方を含むとき、スイッチモード電力供給源のACおよびDC出力を制御することができる。スイッチモード電力供給源5830が、DC電源と直列に接続されるとき、コントローラ5832は、スイッチモード電力供給源5830のAC出力のみを制御することができる。代替実施形態では、コントローラ5832は、スイッチモード電力供給源5830に結合される、DC電力供給源と、スイッチモード電力供給源5830との両方を制御することができる。当業者は、単一コントローラ5832が、図示されるが、他のコントローラもまた、静電チャック5811に提供されるAC波形およびDCオフセットを制御するために実装されることができることを認識するであろう。
【0253】
コントローラ5832は、特に、スイッチモード電力供給源5830によって発生される非対称周期的電圧関数の周期および/またはデューティサイクルを制御することが可能であり得る。本制御は、特に、第2の持続時間t、故に、基板表面上の電荷Qの蓄積の制御を可能にし得る。ある場合には、周期およびデューティサイクルは両方とも、同時に、所望の表面電荷蓄積Qをもたらすように修正されることができる。
【0254】
電力供給源5803はまた、出力5838に電気的に結合される、イオン電流補償構成要素5836(電流または電圧源もしくは電力供給源のいずれか)を含むことができる。イオン電流補償構成要素5836は、イオン電流の影響、すなわち、基板の表面上のバイアス電圧を打ち消す、イオン電流の傾向をオフセットする傾向にある。イオン電流補償構成要素5836は、出力5838を介して、少なくとも第2の持続時間tの間、基板5806をバイアスし、それによって、第2の負電圧ランプ(例えば、図14におけるdv/dt領域)を提供する。
【0255】
イオン電流補償構成要素は、少なくとも、持続時間tの間、出力と基板との間の電流、電圧、または両方を監視することに基づいて、プラズマ処理チャンバ内のイオン電流の測定値を取得するように構成されることができる。先に記載されたように、電圧を監視することは、持続時間tの間の傾きdv/dtが把握されることを可能にすることができる。イオン電流補償構成要素5836の出力を増加させることは、負の傾きdv/dtの規模の増加を引き起こす一方、本出力を減少させることは、負の傾きdv/dtの規模を減少させる。先に議論されたように、イオン電流補償構成要素5836は、その出力、したがって、傾きdv/dtを制御するだけではなく、また、イオン電流Iの測定を可能にする。
【0256】
イオン電流Iの測定値を用いることで、イオン電流補償構成要素5836はまた、例えば、方程式10または11のいずれかを使用して、基板5806上の表面電荷蓄積Qを推定することができる。
【0257】
表面電荷蓄積Qは、閾値または標的範囲と比較されることができ、表面電荷蓄積Qが、本閾値に等しいまたはそれを上回る、もしくは標的範囲外にある場合、コントローラ5832は、表面電荷蓄積Qが、閾値を下回る、または標的範囲内に戻るまで、上記に述べられた種々の方法のうちの1つを介して、第2の持続時間tを調節することができる。
【0258】
ある実施形態では、イオン電流補償構成要素5836内のコントローラ5805は、上記の比較を実施し、次いで、命令をコントローラ5832に通過させ、第2の持続時間tを調節することができる。代替として、イオン電流補償構成要素5836内のコントローラ5805は、上記の比較を実施し、コントローラ5832に、比較の結果を知らせることができ、コントローラ5832は、本データに応答して、第2の持続時間tを調節することを決定することができる。別の代替では、イオン電流補償構成要素5836は、表面電荷蓄積Qを推定し、本データをコントローラ5832に通過させることができ、コントローラ5832は、比較を実施し、次いで、第2の持続時間tを調節すべきかどうかおよびその方法を決定することができる。これらの方法は、図65-67に反映される。コントローラ5832は、電力供給源5803の一部として示されるが、他の実施形態では、コントローラ5832は、電力供給源5803の外部にあることもできる。
【0259】
図59を参照すると、示されるものは、本明細書の実施形態に関連して使用され得る、例示的制御システムの側面である。また、示されるものは、シース静電容量(Csheath)と、絶縁体、基板、基板支持体、および静電チャックを含み得る、本開示全体を通して議論されるプラズマ処理チャンバ100と関連付けられる、構成要素の固有の静電容量を表す、および静電容量C1との表現である。
【0260】
示されるように、電流および/または電圧は、プラズマ処理チャンバの環境の1つ以上の特性を間接的に監視するために、コントローラ5960によって測定されてもよい。プラズマ処理チャンバの環境の例示的特性は、シース静電容量(Csheath)であり得、これは、測定された出力電圧Voutを使用して、方程式2を用いて、計算されてもよい。プラズマ処理チャンバの環境の別の例示的特性は、総表面電荷蓄積Qであり得、これは、方程式11を用いて、計算されてもよい。電力供給源5803は、バイアス供給源5902の一実施例である。
【0261】
プラズマは、基板を処理することに先立って、監視され、(例えば、プラズマ処理チャンバの環境のシース静電容量および/または他の特性についての)記憶されたデータを取得することができ、次いで、データは、バイアス波形を調節するために利用される(例えば、フィードフォワード様式において)。監視はまた、プラズマ処理の間に実施されてもよく、プラズマパラメータの調節(例えば、バイアス供給源5902の電圧および/またはデューティサイクルを調節することによって)は、例えば、図59に示されるような電圧および/または電流測定値を使用する、リアルタイムフィードバックを使用して行われてもよい。
【0262】
次に図60を参照すると、示されるものは、5803を含む、本開示のバイアス供給源を実現するために使用され得る、例示的バイアス供給源6002の一般的表現である。示されるように、バイアス供給源6002は、3つの電圧V1、V2、およびV3を利用する。出力Voutは、Cchuckを通して容量結合されるため、概して、VoutのDCレベルを制御する必要はなく、3つの電圧は、V1、V2、またはV3のうちの1つを接地(0V)であるように選定することによって、2つまで低減されることができる。別個のチャック供給源が、使用されてもよく、したがって、VoutのDCレベルを制御する必要はない。別個のチャック供給源が、使用されない場合、全3つの電圧は、VoutのDCレベルを制御するために制御されることができる。明確にするために図示されないが、2つのスイッチS1およびS2は、電気または光学接続を介して、スイッチコントローラによって制御され、下記に開示および先に議論されたように、スイッチコントローラが、スイッチS1、S2を開閉することを可能にしてもよい。描写されるスイッチS1、S2は、単極/単投スイッチによって実現され得、非限定的実施例として、スイッチS1、S2は、炭化ケイ素金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(SiCMOSFET)によって実現され得る。
【0263】
本実装では、電圧V1、V2、およびV3は、DC源電圧であってもよい。示されるように、第1のスイッチS1が、誘導要素を通して、第1の電圧V1を出力Voutに切替可能に接続するように配置され、第2のスイッチS2が、誘導要素を通して、第2の電圧V2を出力Voutに切替可能に結合するように配置される。本実装では、2つのスイッチは、共通ノード6070に接続し、共通誘導要素L1が、共通ノード6070と出力ノードVoutとの間に配置される。誘導要素の他の配列も、可能性として考えられる。例えば、2つの別個の誘導要素が存在してもよく、1つの誘導要素が、S1をVoutに接続し、別の誘導要素が、S2をVoutに接続する。別の実施例では、1つの誘導要素は、S1をS2に接続してもよく、別の誘導要素は、S1またはS2のいずれかをVoutに接続してもよい。
【0264】
図60を参照しながら、同時に、図61を参照すると、これは、1)Voutにおいて出力される、バイアス供給源5202の非対称周期的電圧波形(本開示の前述では、修正された周期的電圧関数とも称される)のサイクル、2)対応するシース電圧、および3)スイッチS1およびS2の対応するスイッチ位置を描写する。示されるように、バイアス供給源6002によって出力される、周期的電圧波形は、電圧波形の前半の半サイクルが、電圧波形の後半の半サイクルの間、対応する対称成分を有していないように、非対称である。動作時、第1のスイッチS1が、一時的に閉鎖され、電圧波形(電圧V0~Va)の第1の部分6160に沿って、出力ノードVoutにおける電圧のレベルを第1の電圧レベルVaまで増加させる。レベルVaは、波形の第2の部分6162に沿って維持される。第2のスイッチS2が、次いで、一時的に閉鎖され、波形の第3の部分6164に沿って、出力ノードVoutにおける電圧波形のレベルを第2の電圧レベルVbまで減少させる。S1およびS2は、短時間周期を除き、開放されることに留意されたい。示されるように、第3の部分6164に沿った負電圧の振れは、シース電圧(Vsheath)に影響を及ぼす。したがって、Va-Vbの規模は、シース電圧に影響を及ぼすように制御されてもよく、電圧波形の異なるサイクル間で調節され、イオンエネルギー分布関数内の複数のイオンエネルギーピークに影響を及ぼしてもよい。第2のスイッチS2の開と第1のスイッチS1の閉との間の持続時間tは、総表面電荷蓄積Qを制御するように調節されることができる。
【0265】
本実施形態では、第2のスイッチS2が、開放後、かつ第1および第2のスイッチS1、S2が、開放している間、第3の電圧V3が、第2の誘導要素L2を通して、出力ノードVoutに印加され、電圧波形の第4の部分6166(例えば、図14のdv/dt領域)に沿って、出力ノードにおける電圧のレベルをさらに減少させる。代替として、第3の電圧V3が、その開または閉状態にかかわらず、スイッチの動作全体を通して印加されることができる。換言すると、第3の電圧V3の印加は、第2の持続時間tを超える持続時間を有することができる。図53に示されるように、第4の部分6166に沿った負電圧ランプが、確立され、基板に衝突するイオンを補償することによって、シース電圧を維持してもよい。V3は、第4の部分6166の間のみ、または周期的電圧波形のサイクル全体を通して、印加されることができる。
【0266】
したがって、S1は、一時的に、第1の誘導要素L1を通して、第1の電圧V1を出力Voutに接続し、次いで、接続解除し、ある時間周期後、S2は、第1の誘導要素L1を通して、第2の電圧(例えば、接地)を出力Voutに接続し、次いで、接続解除する。第3の電圧V3が、第2の誘導要素L2を通して、出力Voutに結合される。本実装では、第1の電圧V1は、第3の電圧V3より高くあり得、第1の電圧V1の出力Voutへの一時的接続および接続解除は、出力Voutの電圧を、電圧波形の第1の部分6160に沿って、第1の電圧レベルVaまで増加させ、第1の電圧レベルVaは、持続波形6162の第2の部分に沿って、持続される。第1の電圧レベルVaは、第1の電圧V1を上回ってもよく、第2の電圧V2(例えば、接地)は、第1の電圧レベルVa未満であってもよい。第2の電圧V2の一時的接続、次いで、接続解除は、出力の電圧を、第3の部分6164において、第2の電圧V2(例えば、接地)を下回る、第2の電圧レベルVbまで減少させる。第1のスイッチS1の開と第2のスイッチS2の閉との間では、バイアス供給源は、基板に供給される電圧または電流を制御することを試みる場合とそうではない場合がある。しかしながら、他の実施形態では、バイアス供給源は、スイッチの活動間の本周期の間、任意の電圧、電流、または電力を基板支持体に提供し得ない。換言すると、波形6162の第2の部分は、バイアス供給源によって制御される場合とそうではない場合がある。
【0267】
実施例として、図62に示されるように、V1は、-2,000V DCであってもよく、V2は、接地であってもよく、V3は、-5,000V DCであってもよく、V0は、-7,000V DCであってもよく、Vbは、-3,000V DCであってもよく、Vaは、3,000V DCであってもよい。しかし、これらの電圧は、単に、例示的であって、図60および61を参照して説明される電圧の相対的規模および極性に対して文脈を提供するためのものである。
【0268】
次に図63A-63Cを参照すると、示されるものは、図61および62に描写される電圧V1、V2、およびV3を提供するための2つのDC電圧源の可能性として考えられる配列である。図63Aでは、V2は、接地され、共通ノードを2つのDC電圧源間に形成する。図63Bでは、V1は、接地され、V2は、共通ノードをDC電圧源間に形成する。また、図63Cでは、V1は、接地され、共通ノードを2つのDC電圧源のそれぞれの間に形成する。
【0269】
いくつかの実施形態では、図64A、64B、および64Cに示されるように、3つのDC電圧源が、3つの電圧V1、V2、およびV3を印加するために利用され得る。図64Aに示されるように、3つのDC電圧源はそれぞれ、接地に結合されてもよく、3つのDC電圧源はそれぞれ、V1、V2、V3のうちの対応する1つを提供する。図64Bでは、DC電圧源のうちの1つは、接地され、3つのDC電圧源は、直列に配列される。図64Cでは、DC電圧源のうちの1つは、接地とV2との間に配置され、DC電圧源はそれぞれ、V2に結合される。
【0270】
次に図65を参照すると、示されるものは、5803を含む、本開示のバイアス供給源を実現するために使用され得る、例示的バイアス供給源6502である。示されるように、バイアス供給源6502は、スイッチコントローラ6504と、第1の電圧V1、第2の電圧V2、および第3の電圧V3を提供するための、2つの電圧源とを含む。明確にするために図示されないが、2つのスイッチS1およびS2は、下記に開示されるように、スイッチコントローラ6504に結合され(例えば、電気または光学接続を介して)、スイッチコントローラ6504が、スイッチS1、S2を開閉することを可能にする。描写されるスイッチS1、S2は、電気または光学信号によって制御可能である、単極/単投の、通常、開放される、スイッチによって実現され得る。非限定的実施例として、スイッチS1、S2は、炭化ケイ素金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(SiCMOSFET)によって実現され得る。
【0271】
また、示されるものは、各バイアス供給源の筐体内で実現され得る、または一元化されたツールコントローラの一部として実現され得る、例示的コントローラ6560である。示されるように、コントローラ6560は、バイアス供給源の出力Voutにおいてバイアス供給源6502によって印加される電力を示す、情報(例えば、電圧および/または電流情報)を受信ように結合される。示されるように、コントローラ6560はまた、スイッチコントローラ6504および2つのDC電圧源に結合され、コントローラ6560が、バイアス供給源6502を制御すること(例えば、バイアス電極に近接するプラズマシースを制御すること、第2の持続時間t、故に、表面電荷蓄積Qを制御すること)を可能にする。
【0272】
加えて、コントローラ6560は、バイアス供給源6502によって印加される、電力の少なくとも1つの特性を測定するための監視回路網6570と、監視回路網6570から取得される電力の測定された特性に基づいて、プラズマ処理チャンバ内の環境の特性を計算するように構成される、チャンバ分析構成要素6573とを含む。また、コントローラ6560内に示されるものは、制御回路網6574であって、バイアス供給源6502によって印加される電力を調節し、バイアス電極に近接するプラズマシースを制御する。図65では、コントローラ6560およびスイッチコントローラ6504は、別個の構造体として描写されるが、コントローラ6560およびスイッチコントローラ6504は、統合され、および/または共通下層構成要素を共有してもよいことを認識されたい。例えば、コントローラ6560およびスイッチコントローラ6504は、同一印刷回路基板またはシステム-オンチップ(SoC)上に併置されてもよい。別の実施例として、コントローラ6560およびスイッチコントローラは、図70に描写されるコンピューティングデバイスと類似または同一である、アーキテクチャを含む、システムによって実現され得る。
【0273】
監視回路網6570は、指向性結合器、V-Iセンサ、位相および利得センサ、電圧センサ、ならびに電流センサ等の1つ以上のセンサを含んでもよい。当業者が理解するであろうように、電力の測定される特性は、電圧、電流、位相、および電力を含んでもよい。加えて、監視回路網6570は、アナログ/デジタル変換構成要素を含み、センサからのアナログ信号を電力の測定された特性のデジタル表現に変換してもよい。他の実装では、センサは、コントローラ6560と別個であって、監視回路網6570が、アナログ/デジタル変換構成要素を含み、センサからのアナログ信号を電力の測定された特性のデジタル表現に変換する。さらに他の実装では、センサは、感知要素およびアナログ/デジタル変換構成要素を含み、監視回路網6570は、電力の特性のデジタル表現を受信してもよい。プラズマ処理チャンバの環境の1つ以上の特性の監視は、少なくとも1つのバイアス供給源によって印加される、電力の少なくとも1つの特性を測定すること(監視回路網6570を用いて)を含んでもよい。
【0274】
チャンバ分析構成要素6573は、概して、監視回路網6570から取得される電力の測定された特性に基づいて、プラズマ処理チャンバ内の環境の特性を判定するように構成される。電力は、プラズマ処理チャンバの外部にある場所において測定されてもよい(監視回路網6570によって)が、測定された電力特性は、プラズマ処理チャンバ内の環境の特性を計算するために使用されてもよい。例えば、方程式1を使用して、バイアスゾーンに近接する領域内のイオン電流が、C1と接続するVoutにおける電圧の測定値を使用して計算されてもよい。別の実施例として、方程式2を使用して、バイアスゾーンに近接する領域内のシース静電容量が、計算されてもよい。さらに別の実施例として、方程式11が、表面電荷蓄積Qを判定するために使用されることができる。
【0275】
制御回路網6574は、概して、バイアス供給源によって印加される電力を調節し、プラズマ処理チャンバ内の環境の側面を調節するように動作する。例えば、あるゾーンに近接するプラズマシース(バイアス供給源6502によって確立される)が、調節されてもよく、および/またはイオン電流もまた、調節されてもよい。示されるように、コントローラ6560は、DC電圧源およびスイッチコントローラ6504に結合されてもよい。したがって、図61を参照すると、コントローラ6560は、電圧Va、電圧Vb、第1の持続時間t、第2の持続時間t、時間T、および第4の部分6166の傾きを調節するために使用されてもよい。図61を参照して議論されるように、バイアス供給源6502と関連付けられる、バイアスゾーンに近接するプラズマシースの電圧が、調節されてもよい。第2の持続時間tの間の表面電荷蓄積Qもまた、コントローラ6560によって制御されることができる。
【0276】
再び図65を参照すると、本実装(図63Aに描写される実施形態を組み込む)では、第2の電圧V2が、2つのDC電圧源に結合され、接地に結合される、ノードに提供されるが、他の実装(例えば、図63Bおよび63Cを参照して上記に説明される)では、第2の電圧V2は、接地される必要はない。示されるように、第1のスイッチS1は、第1の電圧V1を共通ノード6571(S1およびS2に共通)に切替可能に接続するように配置され、第2のスイッチS2は、第2の電圧V2を共通ノード6571に切替可能に結合するように配置される。加えて、第1の誘導要素L1が、共通ノードと出力ノードVoutとの間に配置される。
【0277】
動作時、スイッチコントローラ6504は、第1のスイッチS1を閉鎖し、電圧波形(電圧V~Va)の第1の部分6160に沿って、波形の第2の部分6162に沿って維持される、出力ノードVoutにおける電圧のレベルを第1の電圧レベルVaまで増加させるように構成され、次いで、第1のスイッチS1は、開放される。スイッチコントローラ6504は、次いで、第2のスイッチS2を閉鎖し、波形の第3の部分6164に沿って、出力ノードVoutにおける電圧波形のレベルを第2の電圧レベルVbまで減少させ、次いで、スイッチコントローラ6504は、S1およびS2が開放されるように、第2のスイッチS2を開放する。示されるように、第3の部分6164に沿った負電圧振れは、シース電圧(Vsheath)に影響を及ぼす。したがって、Vbの規模は、Voutに結合される電極平面に近接近するシース電圧に影響を及ぼすように制御されてもよい。当業者は、Vbが、V1を制御することによって制御可能であるが、Vbが、本実装では、インダクタL1の影響によって、V1に等しくないことを理解するであろう。
【0278】
第2のスイッチS2の開放と第1のスイッチS1の閉鎖との間の第2の持続時間tを制御することは、表面電荷蓄積Qを制御することができる。
【0279】
本実施形態では、第2の電圧源は、イオン補償構成要素として機能し、少なくとも、第1および第2のスイッチS1、S2が開放している間、第2の誘導要素L2を通して、第3の電圧V3を出力ノードVoutに印加し、周期的非対称電圧波形の第4の部分6166に沿って、出力ノードにおける電圧波形のレベルをさらに減少させる。図61に示されるように、第4の部分6166に沿った負電圧ランプが、基板に衝突する、イオンを補償することによって、シース電圧を維持し、随意に、修正するために確立されてもよい。例えば、第4の部分6166に沿った負のランプ電圧は、イオンエネルギー分布関数内のイオンエネルギーピークの幅に影響を及ぼすように調節されることができ、負のランプ電圧の持続時間tは、基板上の電荷蓄積Qを制御するために使用されることができる。
【0280】
したがって、S1は、一時的に、第1の誘導要素L1を通して、第1の電圧V1を出力Voutに接続し、次いで、接続解除し、ある時間周期後、S2は、第1の誘導要素L1を通して、第2の電圧(例えば、接地)を出力Voutに接続し、次いで、接続解除する。第3の電圧V3は、第2の誘導要素L2を通して、出力Voutに結合される。本実装では、第1の電圧V1は、第3の電圧V3より高くあり得、第1の電圧V1の出力Voutへの一時的接続および接続解除は、出力Voutの電圧を、電圧波形の第1の部分6160に沿って、第1の電圧レベルVaまで増加させ、第1の電圧レベルVaは、波形5362の第2の部分に沿って持続される。第1の電圧レベルVaは、第1の電圧V1を上回ってもよく、第2の電圧V2(例えば、接地)は、第1の電圧レベルVa未満であってもよい。第2の電圧V2の一時的接続、次いで、接続解除は、第3の部分6164における出力の電圧を、第2の電圧V2(例えば、接地)を下回る、第2の電圧レベルVbまで減少させる。
【0281】
ある実施形態では、1つ以上のバイアス供給源が、基準基板を用いて、またはチャンバ内に基板を伴わずに、イオン密度、シース静電容量、または他のチャンバパラメータを測定するために使用されてもよい。1つ以上の処理工程が、実施され得、次いで、測定は、繰り返されることができる。このように、チャンバへの変化は、監視されることができる。
【0282】
シリコン上部蓋が、使用される場合、1つ以上のバイアス供給源5803、5960、6002、および6502が、領域イオン密度および/または他のチャンバパラメータを監視するために使用されることができる。シリコン上部蓋(シリコン真空シールとも称される)は、典型的には、消耗品であるが、均一様式において消耗されない場合がある。複数のバイアス供給源5803、5960、6002、6502を使用して、領域プラズマ特性を測定することは、シリコン真空シールの非均一変化を推測するための手段を提供し得る。経時的本フィードバックは、RF源および/またはバイアス供給源5803、5960、6002、および6502を調節し、シリコン真空シール内の時変非均一性を考慮するために使用されることができる。加えて、本フィードバックは、シリコン真空シールが交換時期となり得るときを判定するために使用されることができる。別の実施形態では、1つ以上のバイアス供給源5803、5960、6002、および6502は、本シリコン真空シール隣接する(例えば、チャンバの上部にある)電極に結合されることができる。バイアス供給源5803、5960、6002、および6502が、プラズマシースを修正またはさらに排除するために使用され得るため、本上部搭載型バイアス供給源5803、5960、6002、および6502は、シリコン真空シールとプラズマとの間のプラズマシースを最小限にまたはさらに排除するために使用され得る。このように、シリコン真空シールの浸食または消耗は、現在のプロセスと比較して、低減されることができる。
【0283】
これらの考え方に沿って、各バイアス供給源5803、5960、6002、および6502ならびに対応する電極は、プラズマシースを局所的に制御し、それによって、チャンバのある領域または構成要素に関するイオン衝突を低減または排除させるために、処理チャンバの種々の場所に配列され得る。イオン密度およびシース静電容量ならびにその局所的変動は、チャンバ清浄度を監視するために使用されてもよい。例えば、局所的イオン密度の経時的変化は、局所的チャンバ表面が1つ以上のフィルムを蓄積していることを示し得る。別の実施形態では、空間内に分散される、複数の静電チャック電圧が、領域イオン密度に影響を及ぼすために使用され得る。
【0284】
本開示は、第2の持続時間tを調節し、所望の表面電荷蓄積Qをもたらすことに焦点を当てているが、他の実施形態では、プラズマを持続させる電力供給源への調節も、類似効果を有することができる。特に、プラズマ密度は、イオン電流Iと相関し、表面電荷蓄積は、イオン電流Iの関数であるため、プラズマの中に結合される電力の量、故に、プラズマ密度を調節することは、表面電荷蓄積Qを制御または維持するために使用されることができる。例えば、多くの場合、プラズマ源と呼ばれる、プラズマ密度を制御するサブシステムへのフィードバックが、表面電荷蓄積Qを制御するために使用されることができる。したがって、プラズマ電力ならびにバイアス供給源からの第2の負電圧ランプの持続時間の両方が、独立して、表面電荷蓄積Qを制御するために使用されることができる。同時に、プラズマ源およびバイアス供給源の両方が、組み合わせにおいて使用され、表面電荷蓄積Qを制御し得る(例えば、プラズマ電力を減少させる一方、また、第2の持続時間tを低減させる)。
【0285】
図68は、異なる第2の持続時間tにわたる、電力供給源(例えば、5803)からの出力電圧、基板電圧、およびイオン束のプロットを図示する。第2の持続時間tを変化させることは、エネルギースケール上、IEDF(Eion)の位置に影響を及ぼしていないが、各サイクルの間に送達される電荷(Q)の規模に影響を及ぼし、したがって、公称イオンエネルギーEionに影響を及ぼさずに、表面電荷蓄積Qを制御するための方法を確立する。上の行は、中程度の値の第2の持続時間tにわたるプロットを示し、中央行は、より短い値の第2の持続時間tにわたるプロットを示し、下の行は、より長い値の第2の持続時間tにわたるプロットを示す。第2の持続時間tの変化が、基板電圧の振幅に影響を及ぼさないが、基板電圧が一定負電圧(または実質的に一定負電圧もしくは持続負電圧)にある長さには影響を及ぼし、したがって、基板へのイオン束に影響を及ぼすことが分かり得る。故に、第2の持続時間tをあまり多く低減させることは、低減された生産につながり得る。第2の持続時間tを延長させることは、その間プラズマが作業を基板上で作業している、総時間の量を増加させることができるが、また、過剰な電荷蓄積につながり得る。したがって、イオン衝突の持続時間と表面電荷蓄積Qとの間の平衡が、多くの場合、見出される必要がある。
【0286】
図66は、基板をバイアスし、蓄積される表面電荷を制御する(例えば、限定する)方法を図示する。方法6600は、非対称周期的電圧関数を出力に印加すること(ブロック6602)を含むことができる。電力供給源は、本電圧関数を提供するように構成されることができる。出力は、基板支持体に結合するように構成されることができる。非対称周期的電圧関数は、正電圧ランプ(例えば、図61における6160)と、持続時間tを有する、第1の負電圧ランプ(例えば、6164)と、第2の持続時間tを有する、第2の負の正のランプ(例えば、6166)とを含むことができる。本第2の負電圧ランプは、線形に減少する電圧とも称され得る。方法6600は、持続時間tにわたって、傾きdv/dtを監視すること(ブロック6604)を含むことができる。これは、プラズマ処理チャンバ内のイオン電流を測定するために使用されることができる。ある実施形態では、5836等のイオン電流補償構成要素が、ブロック6604の監視を実施することができる。方法6600は、次いで、方程式10を使用して、イオン電流Iを計算し(ブロック6606)、次いで、イオン電流Iおよび方程式11を使用して、表面電荷蓄積Qを計算することができる。本計算は、5836等のイオン電流補償構成要素によって、または5832等のコントローラによって、実施されることができる。表面電荷蓄積Qの計算と並行して、またはその前に、方法6600は、イオン補償構成要素(例えば、電流または電圧)の出力を調節することができ、5830等のスイッチモード電力供給源は、出力電圧降下ΔV(例えば、6164)を調節し、所望のイオンエネルギー分布(例えば、制御可能狭または単エネルギーイオンエネルギー分布)を達成することができる(ブロック6608)。いったん表面電荷蓄積Qが、把握される、または少なくとも推定されると、これは、閾値または範囲と比較されることができる(決定6610)。表面電荷蓄積Qが、本閾値を下回る、またはその範囲内にある場合、方法6600は、監視ステップ(ブロック6604)に戻り、過剰なまたは範囲外の表面電荷蓄積Qの監視を持続することができる。本決定は、5836等のイオン電流補償構成要素によって、または5832等のコントローラによって、行われることができる。決定6610が、「はい」である場合、方法6600は、線形に減少する電圧の持続時間tを調節し(ブロック6612)、決定6610が、表面電荷蓄積Qが、境界内に戻る、または閾値を下回ることを見出すまで、dv/dtの監視に戻ることができる(ブロック6604)。5832等のコントローラは、1つの事例では、スイッチモード電力供給源内のスイッチへの信号を介して、線形に減少する電圧の第2の持続時間tを制御することができる。
【0287】
図67は、基板をバイアスし、蓄積された表面電荷を制御する別の方法を図示する。方法6700は、図61および62に見られるもの等の非対称周期的電圧関数のパルス間に線形に減少する電圧を用いて、プラズマ処理チャンバ内の基板をバイアスすること(ブロック6702)を含むことができる。電力供給源は、本電圧関数を提供するように構成されることができる。出力は、基板支持体に結合するように構成されることができる。線形に減少する電圧は、持続時間tにわたって続くことができ、これは、制御可能値である。本方法は、次いで、方程式10を使用して、イオン電流Iを計算し(ブロック6704)、次いで、イオン電流Iおよび方程式11を使用して、表面電荷蓄積Qを計算することができる(ブロック6704)。本計算は、5836等のイオン電流補償構成要素によって、または5832等のコントローラによって、実施されることができる。持続時間tの間の表面電荷蓄積Qは、次いで、閾値または範囲と比較されることができる(決定6706)。表面電荷蓄積Qが、本閾値を下回る、または範囲内にある場合(決定6706)、方法6600は、イオン電流Iおよび表面電荷蓄積Qの計算に戻り(ブロック6704)、過剰なまたは範囲外の表面電荷蓄積Qの監視を持続することができる。本決定は、5836等のイオン電流補償構成要素によって、または5832等のコントローラによって、行われることができる。決定6706が、「はい」である場合、方法6700は、線形に減少する電圧の持続時間tを調節し(ブロック6708)、イオン電流Iおよび表面電荷蓄積Qの計算に戻り(ブロック6704)、過剰なまたは範囲外の表面電荷蓄積Qの監視を持続することができる。5832等のコントローラは、1つの事例では、スイッチモード電力供給源内のスイッチへの信号を介して、線形に減少する電圧の持続時間tを制御することができる。
【0288】
いくつかの実施形態では、イオン電流補償構成要素5836の構成要素および機能は、スイッチモード電力供給源5830内に実装されることができる。
【0289】
修正された周期的電圧関数の傾きを判定するための積分方法
【0290】
別の実施形態では、表面電荷蓄積Qは、第2の持続時間tの間、線形に減少する電圧の傾きdv/dtを把握せずに、推定されることができる。代わりに、第2の持続時間tの間の電圧曲線下面積が、表面電荷蓄積Q判定するために使用されることができる。本面積を判定するための1つの方法は、下記の方程式12に示されるように、第2の持続時間tの間のイオン電流Iの積分を介したものである。
【0291】
【数12】
【0292】
イオン電流Iは、例えば、方程式3が真になるまで、イオン補償電流Iを調節することによって、上記に記載されるように、判定されてもよく、イオン電流Iは、次いで、イオン補償電流Iから把握される(例えば、I=I)。
【0293】
本開示は、表面電荷蓄積Qを説明しているが、Qは、いくつかの電荷漏出源が存在し得るため、送達される電荷を指し得ることに留意されたい。同様に、方程式11および12は、電荷蓄積ではなく、送達される電荷を指し得る。
【0294】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される方法は、直接、ハードウェアにおいて、非一過性有形プロセッサ可読記憶媒体内にエンコーディングされたプロセッサ実行可能コードにおいて、またはその2つの組み合わせにおいて、具現化されてもよい。図69を参照すると、例えば、示されるものは、例示的実施形態による、プラズマ電力供給源102、202、1202、1702、2122、2222、2322、2422、2522、2622、2722ならびにバイアス供給源106、206、806、1206、1366、1806および1884、1906、2130、2230、2330、2430、2530、2630、2730、5102、5202、5500、5803、5902、6002、および6502の制御側面を実現するために利用され得る、物理的構成要素を描写する、ブロック図である。示されるように、本実施形態では、ディスプレイ部分6912および不揮発性メモリ6920は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)6924、処理部分(N個の処理構成要素を含む)6926、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)6927、およびN個の送受信機を含む、送受信機構成要素6928にも結合される、バス6922に結合される。図69に描写される構成要素は、物理的構成要素を表すが、図69は、詳細なハードウェア略図であることを意図するものではなく、したがって、図69に描写される構成要素の多くは、共通構造体によって実現される、または付加的物理的構成要素間に分散されてもよい。さらに、他の既存および未開発の物理的構成要素ならびにアーキテクチャは、図69を参照して説明される機能構成要素を実装するために利用され得ることが検討される。
【0295】
本ディスプレイ部分6912は、概して、ユーザのためのユーザインターフェースを提供するように動作し、いくつかの実装では、ディスプレイは、タッチ画面ディスプレイによって実現される。一般に、不揮発性メモリ6920は、データおよびプロセッサ実行可能コード(本明細書に説明される方法をもたらすことと関連付けられる、実行可能コードを含む)を記憶する(例えば、持続的に記憶する)ように機能する、非一過性メモリである。いくつかの実施形態では例えば、不揮発性メモリ6920は、ブートローダコード、オペレーティングシステムコード、ファイルシステムコード、および非一過性プロセッサ実行可能コードを含み、随意に、図6、9-11、42B、42C、46、および48-50を参照して説明されるように、異なる振幅を有する、1つ以上のIEDFエネルギーピークを達成するために、基板をバイアスする方法の実行を促進する。監視回路網5770、チャンバ分析構成要素5772および制御回路網5772のうちの1つ以上は、少なくとも部分的に、非一過性プロセッサ実行可能コードによって実現され得る。
【0296】
多くの実装では、不揮発性メモリ6920は、フラッシュメモリ(例えば、N ANDまたはONENANDメモリ)によって実現されるが、他のメモリタイプも同様に利用されてもよいことが検討される。コードを不揮発性メモリ6920から実行することが可能性として考えられ得るが、不揮発性メモリ内の実行可能コードは、典型的には、RAM6924の中にロードされ、処理部分6926内のN個の処理構成要素のうちの1つ以上によって実行される。
【0297】
RAM6924と接続するN個の処理構成要素は、概して、不揮発性メモリ6920内に記憶された命令を実行し、本明細書に開示されるアルゴリズムおよび機能の実行を可能にするように動作する。いくつかのアルゴリズムは、本明細書に開示されるが、これらのアルゴリズムのうちのいくつかは、フローチャート内に表されないことを認識されたい。図6、9-11、42B、42C、46、および48-50に関して図示および説明される、基板またはチャンバの異なる局所化された領域をバイアスする方法をもたらすためのプロセッサ実行可能コードは、不揮発性メモリ6920内に持続的に記憶され、RAM6924と接続するN個の処理構成要素によって実行されてもよい。当業者が理解するであろうように、処理部分6926は、ビデオプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラ、グラフィック処理ユニット(GPU)、または他のハードウェア処理構成要素、もしくはハードウェアとソフトウェア処理構成要素の組み合わせる(例えば、デジタル論理処理部分を含む、FPGAまたはFPGA)を含んでもよい。
【0298】
加えて、または代替として、非一過性FPGA構成命令は、不揮発性メモリ6920内に持続的に記憶され、アクセスされ(例えば、ブートアップの間)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を構成し、本明細書に開示されるアルゴリズムを実装し、コントローラ5760の機能またはRF源102、202、1202、1702、2122、2222、2322、2422、2522、2622、2722ならびにバイアス供給源106、206、806、1206、1366、1806および1884、1906、2130、2230、2330、2430、2530、2630、2730、5102、5202、5500、5803、5902、6002、および6502の他の側面のうちの1つ以上をもたらしてもよい。
【0299】
入力構成要素6930は、基板支持体に供給されている、修正された周期的電圧関数の1つ以上の側面を示す、信号(例えば、バイアス供給源の出力における電流、電圧、および位相情報)を受信するように動作する。入力構成要素において受信された信号は、例えば、VoutまたはVoutの変化率(例えば、dv/dt)を含んでもよい。出力構成要素は、概して、本明細書に開示されるようにバイアス供給源を制御するための動作側面をもたらすための1つ以上のアナログまたはデジタル信号、および/または所望のIEDFをもたらすための信号を提供するように動作する。例えば、出力部分6932は、制御可能電流源2540、2640、2740、電流源1664、またはイオン電流補償構成要素1260、1360、2136および/またはバイアス供給源106、206、806、1206、1366、1806および1884、1906、2130、2230、2330、2430、2530、2630、2730、5102、5202、5702内のスイッチの切替を制御するための制御信号を提供してもよい。
【0300】
描写される送受信機構成要素6928は、個のN送受信機鎖を含み、これは、無線または有線ネットワークを介して、外部デバイスと通信するために使用されてもよい。N個の送受信機鎖はそれぞれ、特定の通信スキーム(例えば、WiFi、Ethernet(登録商標)、Profibus等)と関連付けられる、送受信機を表し得る。
【0301】
当業者によって理解されるであろうように、本開示の側面は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化されてもよい。故に、本開示の側面は、概して、本明細書では全て、「回路」、「モジュール」、または「システム」と称される、完全にハードウェア実施形態、完全にソフトウェア実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、またはソフトウェアとハードウェア側面を組み合わせる実施形態の形態をとってもよい。さらに、本開示の側面は、その上に具現化されるコンピュータ可読プログラムコードを有する、1つ以上のコンピュータ可読媒体内に具現化される、コンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。
【0302】
結論として、本開示は、とりわけ、スイッチモード電力供給源を使用して、所望の(または定義された)イオンエネルギーを選択的に発生させるための方法および装置を提供する。本明細書で使用されるように、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」の列挙は、「A、B、C、またはA、B、およびCの任意の組み合わせのいずれか」を意味するように意図される。開示される実施形態の前述の説明は、任意の当業者が、本開示を作製または使用することを可能にするために提供される。当業者は、本明細書に説明される実施形態によって達成されるものと実質的に同一の結果を達成するように、本発明、その使用、およびその構成に多数の変形例および置換が行われ得ることを容易に認識することができる。したがって、本発明を開示された例示的形態に限定する意図はない。多くの変形例、修正、および代替的な構造が、開示された発明の範囲および精神内に該当する。
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【国際調査報告】