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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(54)【発明の名称】難燃剤を備えたエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/02 20060101AFI20230612BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20230612BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20230612BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20230612BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20230612BHJP
【FI】
A24D1/02
A24D1/20
A24F40/20
A24F40/40
A24F40/465
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568785
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(85)【翻訳文提出日】2022-11-11
(86)【国際出願番号】 EP2021063137
(87)【国際公開番号】W WO2021233914
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】20386024.2
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】パパキリロー ステファノス
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA04
4B045AB01
4B045AB11
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AB28
4B162AC14
4B162AC22
(57)【要約】
加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品(10、110)が提供される。エアロゾル発生物品(10、110)は、エアロゾル発生基体のロッド(12)、エアロゾル発生基体のロッド(12)の下流の位置にある下流セクション(14、114)、および少なくともエアロゾル発生基体のロッド(12)を囲むラッパー(70)を含む。エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり約300ミリグラム超であり、ラッパー(70)は、一つ以上の難燃性化合物を含む難燃性組成物を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品であって、前記エアロゾル発生物品が、
エアロゾル発生基体のロッドであって、前記エアロゾル発生基体が少なくともエアロゾル形成体を含み、ここで、前記エアロゾル発生基体が、乾燥重量基準で少なくとも約10パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する、エアロゾル発生基体のロッド、
前記エアロゾル発生基体のロッドの下流の位置にある下流セクション、および、
少なくとも前記エアロゾル発生基体のロッドを囲むラッパー、を備え、
前記エアロゾル発生基体の密度が、立方センチメートル当たり約300ミリグラム超であり、
前記ラッパーが、一つ以上の難燃性化合物を含む難燃性組成物を含む、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記エアロゾル発生基体の密度が、立方センチメートル当たり約350ミリグラム超である、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記エアロゾル発生基体の密度が、立方センチメートル当たり約400ミリグラム超である、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記エアロゾル発生基体のロッドが、均質化したたばこ材料のシートの集合体を含む、請求項1~3いずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記エアロゾル発生基体のロッドがゲル組成物を含み、前記ゲル組成物が、少なくとも一つのゲル化剤、アルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物のうちの少なくとも一つ、およびエアロゾル形成体、を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記エアロゾル発生基体のロッドが、前記エアロゾル発生基体内に配置されるサセプタ要素をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記ラッパーが、ラッピング基材と、前記エアロゾル発生基体に直面する前記ラッピング基材の表面、前記エアロゾル発生基体とは反対の方向を向く前記ラッピング基材の表面、またはその両方に提供される難燃性組成物を含む層と、を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記難燃性組成物が、ポリマーと、少なくとも一つのモノ、ジおよび/またはトリカルボン酸、少なくとも一つのポリリン酸、ピロリン酸および/またはリン酸、ならびに水酸化物、またはアルカリもしくはアルカリ土類金属の塩に基づく混合塩と、を含み、ここで、少なくとも一つのモノ、ジおよび/またはトリカルボン酸ならびに水酸化物または塩が、カルボン酸塩を形成し、少なくとも一つのポリリン酸、ピロリン酸および/またはリン酸、ならびに水酸化物または塩が、リン酸塩を形成する、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記難燃性組成物が、アルカリまたはアルカリ土類金属の炭酸塩をさらに含む、請求項8に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記難燃性組成物が、少なくとも一つのC10以上の脂肪酸、トール油脂肪酸(TOFA)、リン酸化亜麻仁油、リン酸化下流トウモロコシ油で修飾されたセルロースを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記エアロゾル発生基体のロッドが、約40ミリメートル未満の長さを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
前記エアロゾル発生基体のロッドが、少なくとも約10ミリメートルの長さを有する、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
前記エアロゾル発生物品の全長が、約70ミリメートル未満である、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項14】
前記ラッパーが金属を含まない、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項15】
加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品を製造する方法であって、
エアロゾル発生基体の連続ロッドを提供することであって、前記エアロゾル発生基体の密度が立方センチメートル当たり約300ミリグラム超であり、前記エアロゾル発生基体が少なくともエアロゾル形成体を含み、前記エアロゾル発生基体が、乾燥重量基準で少なくとも約10パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する、提供することと、
一つ以上の難燃性化合物を含む難燃性組成物を含むラッパーで、前記エアロゾル発生基体の連続ロッドを囲むことと、
前記囲まれた連続ロッドを別個のロッドに切断することであって、各別個のロッドは前記難燃性組成物を含む前記ラッパーの一部分によって囲まれている、切断することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記難燃性組成物の層が、サイズプレス、吹き付け、印刷またはコーティングに基づく適用プロセスによって、前記ラッパーのラッピング基材の少なくとも一方の側に適用される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
電気的に作動するエアロゾル発生装置および請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システムであって、前記エアロゾル発生基体からエアロゾルを生成するのに十分な温度まで、前記エアロゾル発生基体のロッドを加熱するための手段を、前記エアロゾル発生装置が含む、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生基体を含み、かつ加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するように適合された、エアロゾル発生物品に関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、当技術分野で公知である。
【0003】
従来の紙巻たばこでは、消費者は、近位端を通して空気を吸い込みながら、たばこの遠位端に炎を点火する。炎と、紙巻たばこを通して引き込まれた空気中の酸素とによって局所的に生成された熱は、紙巻たばこの遠位端を点火させ、たばこロッドおよび周囲のラッパーの燃焼は吸入可能な煙を発生する。対照的に加熱式エアロゾル発生物品では、熱源から、物理的に分離されたエアロゾル発生基体または材料への熱のより穏やかな伝達によってエアロゾルは生成され、このエアロゾル発生基体または材料は熱源と接触して、または熱源内に、または熱源の周囲に、または熱源の下流に位置してもよい。エアロゾル発生物品の使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル発生基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き込まれた空気中に同伴される。放出された化合物は冷めるにつれて凝縮してエアロゾルを形成する。
【0004】
数多くの先行技術文書は、エアロゾル発生物品を消費するためのエアロゾル発生装置を開示している。こうした装置としては、例えばエアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素から加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体への熱伝達によってエアロゾルが発生される、電気加熱式のエアロゾル発生装置が挙げられる。例えば、エアロゾル発生基体に挿入されるように適合された内部ヒーターブレードを備える、電気加熱式のエアロゾル発生装置が提案されている。代替として、エアロゾル発生基体と、エアロゾル発生基体内に配置されたサセプタと、を含む、誘導性発熱性エアロゾル発生物品もまた提案されている。
【0005】
たばこ含有基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、従来の喫煙物品とは遭遇しなかったいくつかの課題を呈する。たばこ含有基体は、典型的には、従来の紙巻たばこの燃焼前部が到達する温度と比較して、著しく低い温度まで加熱される。しかしながら、加熱温度は低すぎるわけではなく、これは、たばこ含有基体からのニコチン放出および消費者へのニコチン送達に影響を及ぼし得る。さらに、熱伝達効率を最大化するために、熱源は概して、エアロゾル発生基体に可能な限り近く、好ましくは、接触して配置されることが望ましい。
【0006】
したがって、エアロゾル発生基体に挿入されるヒーターブレードによって、またはエアロゾル発生基体内に配置されるサセプタによって加熱されるように設計された既存のエアロゾル発生物品では、エアロゾル発生基体は、典型的には、アルミ箔などの金属箔と紙層を組み合わせたラッパーによって囲まれている。したがって、エアロゾル発生基体と紙ラッパーとの間に挟まれる金属層は、熱シールドとして作用し、使用中に紙ラッパーが焦げたり炭化したりしないようにする。これは、エアロゾル発生物品の使用の安全性を高め、使用中に紙燃焼生成物または紙熱分解生成物の消費者への送達を防止するため望ましい。しかしながら、一つのこのような金属シールドを含有させることで、製造プロセスがより複雑かつ高価になり、使用後にこれが処分されるとき、エアロゾル発生物品の環境への影響が増加する可能性がある。さらに、エアロゾル発生物品の本来の視覚的影響は、使用中に実質的に保たれているため、エアロゾル発生物品が効果的に使用されているかどうかを判別することは難しい場合がある。
【0007】
したがって、処分がより容易で、環境への影響が低減されると同時に、使用中に物品の焦げまたは炭化を防止するよう適合された、新規かつ改善されたエアロゾル発生物品を提供することが望ましい。第二に、物品が、エアロゾル発生基体を加熱するように適合されたエアロゾル発生装置においてのみ正しく使用され得るように、かつ従来的な紙巻たばことして使用されないように、物品の誤用を実質的に防止する、新規で改善されたエアロゾル発生物品に対するニーズが一般的に感じられる。さらに、効率的かつ高速で製造でき、好ましくは既存の装置の大規模な修正を必要としないような、一つのこうしたエアロゾル発生物品を提供することも望ましい。
【0008】
したがって、上述の望ましい結果のうちの少なくとも一つを達成するように適合された、新しく改善されたエアロゾル発生物品を提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品であって、エアロゾル発生基体のロッドを備えるエアロゾル発生物品に関する。エアロゾル発生基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの下流の位置に下流セクションを備え得る。エアロゾル発生物品は、少なくともエアロゾル発生基体のロッド囲むラッパーを備え得る。エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり約300ミリグラム超であり得る。ラッパーは、一つ以上の難燃性化合物を含む難燃性組成物を含んでもよい。
【0010】
本発明によれば、加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品が提供されており、このエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドと、エアロゾル発生基体のロッドの下流の位置にある下流セクションと、少なくともエアロゾル発生基体のロッドを囲むラッパーとを備える。エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり約300ミリグラム超である。さらに、ラッパーは、一つ以上の難燃性化合物を含む難燃性組成物を含む。
【0011】
本開示はさらに、加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品を製造する方法に関する。方法は、エアロゾル発生基体の連続ロッドを提供する工程を含むことができ、エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり約300ミリグラム超である。方法は、難燃性組成物を含むラッパーを用いて、エアロゾル発生基体の連続ロッドを囲むさらなる工程を含み得る。方法は、囲まれた連続ロッドを別個のロッドに切断する追加の工程を含んでもよく、各別個のロッドは難燃性組成物を含むラッパーの一部分によって囲まれている。
【0012】
本発明によれば、加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品を製造する方法がさらに提供され、この方法は、エアロゾル発生基体の連続ロッドを提供することであって、ここでエアロゾル発生基体の密度が立方センチメートル当たり約300ミリグラム超である、提供すること、難燃性組成物を含むラッパーで、エアロゾル発生基体の連続ロッドを囲むこと、および囲まれた連続ロッドを別個のロッドに切断することであって、各別個のロッドは難燃性組成物を含むラッパーの一部分によって囲まれている、切断すること、を含む。
【0013】
本開示はまた、上述のとおり、電気的に作動するエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システムに関連する。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生基体のロッドを、エアロゾル発生基体からエアロゾルを生成するのに十分な温度まで加熱するための手段を含んでもよい。
【0014】
本発明によれば、上述の電気的に作動するエアロゾル発生装置とエアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システムがさらに提供され、このエアロゾル発生装置は、エアロゾル発生基体のロッドを、エアロゾル発生基体からエアロゾルを生成するのに十分な温度まで加熱するための手段を含む。
【0015】
簡潔に上述するように、本発明は、加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品を提供し、この物品は、エアロゾル発生基体のロッドと、エアロゾル発生基体のロッドの下流の位置にある下流セクションとを含む。より詳細には、本発明は、摂氏約100度~摂氏約800度、好ましくは摂氏約150度~摂氏約500度、より好ましくは摂氏約200度~摂氏約300度の温度での加熱に伴い、吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品を提供する。
【0016】
これらの温度は、たばこ含有基体の燃焼時に従来の紙巻たばこで到達する温度よりも著しく低く、また、摂氏約1000度~摂氏2000度の範囲およびさらに高い温度である市販のシガレットライターが到達する温度よりもさらに顕著に低い。
【0017】
さらに、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッド、またはエアロゾル発生基体のロッドおよび下流セクションの両方を囲むラッパーを含む。既存の物品とは対照的に、エアロゾル発生基体は、立方センチメートル当たり約300ミリグラムを超える密度を有し、ラッパーは難燃性組成物を含む。
【0018】
発明者らは、難燃性組成物を含むラッパー、すなわち、一つ以上の難燃性化合物を含むラッパーでエアロゾル発生基体を囲むことによって、使用中、ラッパーおよび下にあるエアロゾル発生基体の加熱に伴う焦げまたは炭化を防止することが有利に可能であることを発見した。言い換えれば、有利には、本発明によるエアロゾル発生物品の構成要素の燃焼および熱分解を実質的に防止することが可能である。
【0019】
本発明によるエアロゾル発生物品では、これは、エアロゾル発生物品に含まれるべき金属箔またはその他の遮熱材料の追加の層を必要とせずに、望ましく達成される。これにより製造プロセスが簡素化され、したがって製造コストが低減され得る。また、使用済みエアロゾル発生物品が廃棄されるときに、例えばアルミ箔などの貴重なリサイクル可能な材料を分離および回収する必要がないため、本発明によるエアロゾル発生物品を処分することがより容易になる。さらに、発明者らは、上述のラッパーによってエアロゾル発生基体を囲むことによって、使用中に、摂氏約100度~摂氏約800度の範囲の温度にエアロゾル発生基体が曝露されたとき、エアロゾル発生物品が著しく変色し、ラッパーの表面が暗褐色または黒く変色することを発見した。そのため、消費者は、エアロゾル発生物品が以前に使用されており、廃棄されるべきかどうかを直ちに知ることができる。
【0020】
ラッパー内の難燃性化合物の量(例えば、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの量について)、ラッパーの表面が難燃性組成物で処理される程度、ならびに難燃性組成物の調合(すなわち、難燃性化合物の性質)を調整することにより、ラッパーおよびエアロゾル発生物品全体の難燃特性を有利に向上させることが可能である。
【0021】
したがって、本発明は、使用中にエアロゾル発生基体およびラッパーの焦げおよび炭化を実質的に防止することができる、改善されたエアロゾル発生物品を提供する。これは、ラッパー上またはラッパー内、または両方に一つ以上の難燃性化合物を提供することによって、エアロゾルを生成するために物品に供給される熱がラッパー基材の熱分解または燃焼を引き起こすのを、実質的に防止し得るからである。
【0022】
本発明によるエアロゾル発生物品は有利には、既存のエアロゾル発生物品に共通するように物品が金属箔層を含む必要がないため、処分が容易であり、環境への影響が低減される。
【0023】
さらに、本発明によるエアロゾル発生物品は、意図されたとおりに、すなわち、エアロゾル発生基体を加熱するよう適合された装置と組み合わせてのみ正しく使用され得るという追加の利益を有する。実際には、従来の紙巻たばことは異なり、本発明によるエアロゾル発生物品は、本質的に点火できず、従来の紙巻たばこのように燃焼を維持することができない。
【0024】
本発明によると、加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生物品が提供されている。
【0025】
「エアロゾル発生物品」という用語は本明細書において、エアロゾル発生基体が加熱されて吸入可能なエアロゾルを生成して消費者に送達する物品を意味するために使用される。本明細書で使用される「エアロゾル発生基体」という用語は、加熱に伴い揮発性化合物を放出してエアロゾルを発生する能力を有する基体を意味する。
【0026】
従来の紙巻たばこは、ユーザが炎を紙巻たばこの一方の端に付け、もう一方の端を通して空気を吸う時に点火される。炎と、紙巻たばこを通して引き込まれた空気中の酸素とによってもたらされた局在化した熱は、紙巻たばこの端を点火させ、その結果生じる燃焼は吸入可能な煙を生成する。対照的に、加熱式エアロゾル発生物品において、エアロゾルは風味発生基体(たばこなど)を加熱することによって発生される。公知の加熱式エアロゾル発生物品としては、例えば電気加熱式のエアロゾル発生物品と、可燃性燃料要素または熱源から、物理的に分離されたエアロゾル形成材料への熱の伝達によってエアロゾルが発生されるエアロゾル発生物品とが挙げられる。例えば、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの中に挿入されるように適合されている内部ヒーターブレードを有する電気加熱式のエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムにおいて特定の用途がある。このタイプのエアロゾル発生物品は、先行技術、例えばEP0822670に記載されている。
【0027】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体と相互作用してエアロゾルを発生するヒーター要素を備える装置を指す。
【0028】
本発明に関連して本明細書で使用される「ロッド」という用語は、実質的に円形、長円形または楕円形の断面の一般的に円柱状の要素を示すために使用される。
【0029】
本明細書で使用される「長手方向」という用語は、エアロゾル発生物品の上流端と下流端の間に延びる、エアロゾル発生物品の主要長手方向軸に対応する方向を指す。本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、使用中にエアロゾル発生物品を通してエアロゾルが搬送される方向に関してエアロゾル発生物品の要素(または要素の部分)の相対的な位置を説明する。
【0030】
使用中、空気はエアロゾル発生物品を通して長手方向に引き出される。「横断方向」という用語は、長手方向軸に対して直角をなす方向を指す。エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生物品の構成要素の「断面」への任意の言及は、別途記載のない限り、横断断面を指す。
【0031】
「長さ」という用語は、長手方向におけるエアロゾル発生物品の構成要素の寸法を意味する。例えば、長手方向におけるロッドまたは細長い管状要素の寸法を意味するために使用されてもよい。
【0032】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドを備える。さらに、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの下流の位置に下流セクションを備える。
【0033】
本発明によるエアロゾル発生物品では、少なくともエアロゾル発生基体のロッドがラッパーによって囲まれている。これは、本発明によるエアロゾル発生物品では、エアロゾル発生基体のロッドを囲む同じラッパーはまた、エアロゾル発生基体のロッドの上流の位置に提供されるエアロゾル発生物品の、下流セクションの少なくとも一部分、または任意の追加構成要素の少なくとも一部分、あるいは両方を、囲んでもよい、ということを意味する。
【0034】
エアロゾル発生物品は、約35ミリメートル~約100ミリメートルの全長を有してもよい。
【0035】
本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約38ミリメートルであることが好ましい。本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約40ミリメートルであることがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約42ミリメートルであることがさらにより好ましい。
【0036】
一部の実施形態では、本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、80ミリメートル以下であることが好ましい。より好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、70ミリメートル以下である。さらにより好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、60ミリメートル以下であることが好ましい。最も好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、50ミリメートル以下であることが好ましい。
【0037】
好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約38ミリメートル~約70ミリメートルであり、約40ミリメートル~約70ミリメートルであることがより好ましく、約42ミリメートル~約70ミリメートルであることがさらにより好ましい。他の実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約38ミリメートル~約60ミリメートルであることが好ましく、約40ミリメートル~約60ミリメートルであることがより好ましく、約42ミリメートル~約60ミリメートルであることがさらにより好ましい。さらなる実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約38ミリメートル~約50ミリメートルであることが好ましく、約40ミリメートル~約50ミリメートルであることがより好ましく、約42ミリメートル~約50ミリメートルであることがさらにより好ましい。例示的な実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約45ミリメートルである。
【0038】
他の実施形態では、本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約40ミリメートルであることが好ましく、約50ミリメートルであることがより好ましく、約60ミリメートルであることがさらにより好ましい。これらの実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約95ミリメートル以下であることが好ましく、約90ミリメートル以下であることがより好ましく、約85ミリメートル以下であることがなおより好ましく、約80ミリメートル以下であることが最も好ましい。
【0039】
好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約40ミリメートル~約95ミリメートルであり、約40ミリメートル~約90ミリメートルであることが好ましく、約40ミリメートル~約85ミリメートルであることがより好ましく、約40ミリメートル~約80ミリメートルであることがさらにより好ましい。他の実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約50ミリメートル~約95ミリメートルであり、約50ミリメートル~約90ミリメートルであることが好ましく、約50ミリメートル~約85ミリメートルであることがより好ましく、約50ミリメートル~約80ミリメートルであることがさらにより好ましい。さらなる実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約60ミリメートル~約95ミリメートルであり、約60ミリメートル~約90ミリメートルであることが好ましく、約60ミリメートル~約85ミリメートルであることがより好ましく、約60ミリメートル~約80ミリメートルであることがさらにより好ましい。なおさらなる実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約70ミリメートル~約95ミリメートルであり、約70ミリメートル~約90ミリメートルであることが好ましく、約70ミリメートル~約85ミリメートルであることがより好ましく、約70ミリメートル~約80ミリメートルであることがさらにより好ましい。例示的な実施形態において、エアロゾル発生物品の全長は約75ミリメートルである。
【0040】
本発明によるエアロゾル発生物品は、少なくとも4ミリメートルの外径を有し得る。好ましくは、エアロゾル発生物品は、少なくとも5ミリメートルの外径を有する。エアロゾル発生物品は、少なくとも6ミリメートルの外径を有することがより好ましい。エアロゾル発生物品は、少なくとも7ミリメートルの外径を有することがさらにより好ましい。
【0041】
エアロゾル発生物品は、約12ミリメートル以下の外径を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、約10ミリメートル以下の外径を有することがより好ましい。エアロゾル発生物品は、約8ミリメートル以下の外径を有することがさらにより好ましい。
【0042】
一部の実施形態では、エアロゾル発生物品は、約4ミリメートル~約12ミリメートル、好ましくは、約5ミリメートル~約12ミリメートル、より好ましくは、約6ミリメートル~約12ミリメートル、さらにより好ましくは、約7ミリメートル~約12ミリメートルの外径を有する。他の実施形態では、エアロゾル発生物品は、約4ミリメートル~約10ミリメートル、好ましくは、約5ミリメートル~約10ミリメートル、より好ましくは、約6ミリメートル~約10ミリメートル、さらにより好ましくは、約7ミリメートル~約10ミリメートルの外径を有する。さらなる実施形態では、エアロゾル発生物品は、約4ミリメートル~約8ミリメートル、好ましくは、約5ミリメートル~約8ミリメートル、より好ましくは、約6ミリメートル~約8ミリメートル、さらにより好ましくは、約7ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有する。
【0043】
エアロゾル発生基体のロッドは、約5ミリメートル~約100mmの長さを有してもよい。
【0044】
一部の実施形態では、エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも約6ミリメートルの長さを有することが好ましく、少なくとも約7ミリメートルの長さを有することがより好ましい。これらの実施形態では、エアロゾル発生基体のロッドは、約90ミリメートル未満の長さを有してもよく、約70ミリメートル未満の長さを有することが好ましく、約65ミリメートル未満の長さを有することがより好ましく、約50ミリメートル未満の長さを有することがより好ましく、40ミリメートル未満の長さを有することが最も好ましい。特に好ましい実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、約35ミリメートル未満の長さを有し、25ミリメートル未満の長さを有することがより好ましく、約20ミリメートル未満の長さを有することがなおより好ましい。一実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、約10ミリメートルの長さを有し得る。好ましい一実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、約12ミリメートルの長さを有する。これは、エアロゾル発生物品の全長である約45ミリメートルと組み合わされてもよい。
【0045】
他の実施形態では、エアロゾル発生基体のロッドは、好ましくは少なくとも約10ミリメートルの長さを有し、少なくとも約20ミリメートルの長さを有することがより好ましく、少なくとも約30ミリメートルの長さを有することがさらにより好ましい。これらの実施形態では、エアロゾル発生基体のロッドの長さは、約60ミリメートル以下であることが好ましく、約50ミリメートル以下であることがより好ましく、約40ミリメートル以下であることがさらにより好ましい。
【0046】
好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体のロッドの長さは、約10ミリメートル~約60ミリメートルであり、約20ミリメートル~約60ミリメートルであることが好ましく、約30ミリメートル~約60ミリメートルであることがより好ましい。他の実施形態では、エアロゾル発生基体のロッドの長さは、約10ミリメートル~約50ミリメートルであり、約20ミリメートル~約50ミリメートルであることが好ましく、約30ミリメートル~約50ミリメートルであることがより好ましい。さらなる実施形態では、エアロゾル発生基体のロッドの長さは、約10ミリメートル~約40ミリメートルであり、約20ミリメートル~約40ミリメートルであることが好ましく、約40ミリメートル~約60ミリメートルであることがより好ましい。例示的な一実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドの長さは、約35ミリメートルである。これは、エアロゾル発生物品の全長である約75ミリメートルと組み合わされてもよい。
【0047】
エアロゾル発生基体のロッドは、ロッドの長さに沿って実質的に均一な断面を有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、実質的に円形断面を有することが特に好ましい。
【0048】
本発明によれば、エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり約300ミリグラム超である。本明細書で使用される場合、本発明によるエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体を参照して、用語「密度」は、基体の「見掛け密度」または「体積密度」を指し、所与の体積のエアロゾル発生基体の本体の総質量(これは均質化した植物材料、エアロゾル形成体などの質量、または所与の体積のゲル組成物の質量である)をエアロゾル発生基体のロッドの該所与の体積で除算したものと等しい。
【0049】
このように、例えば、エアロゾル発生基体の密度は、所与の体積の均質化したたばこ材料の本体の質量、および均質化したたばこ材料の所与の表面積の包装の効率性を決定する。均質化したたばこ材料の密度は、通常大半は、その製造に使用されるプロセスのタイプによって決定される。均質化したたばこ材料を製造するための多数の再構成プロセスが当業界で公知である。これらには、例えば、米国特許第A-5,724,998号に記述されているタイプの製紙プロセス、例えば、米国特許第A-5,724,998号に記述されているタイプのキャスティングプロセス、例えば米国特許第A-3,894,544号に記述されているタイプの軟塊再構成プロセス、および例えば英国特許第A-983,928号に記述されているタイプの押出成形プロセスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
一般に、押出成形プロセスおよび軟塊再構成プロセスにより製造された均質化したたばこ材料の密度は、キャスティングプロセスにより製造された均質化したたばこ材料の密度よりも大きい。押出成形プロセスにより製造された均質化したたばこ材料の密度は、軟塊再構成プロセスにより製造された均質化したたばこ材料の密度よりも大きい可能性がある。
【0051】
一例として、エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり少なくとも約310ミリグラム、または立方センチメートル当たり少なくとも約320ミリグラム、または立方センチメートル当たり少なくとも約330ミリグラムである。
【0052】
一部の実施形態では、エアロゾル発生基体の密度は、好ましくは、立方センチメートル当たり少なくとも約350ミリグラムである。より好ましくは、エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり少なくとも約400ミリグラムである。さらにより好ましくは、エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり少なくとも約450ミリグラムである。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり少なくとも約500ミリグラムである。好ましくは、エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり約1000ミリグラム以下、より好ましくは、立方センチメートル当たり約900ミリグラム以下、さらにより好ましくは、立方センチメートル当たり約800ミリグラム以下である。一例として、エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり約350ミリグラム~立方センチメートル当たり約1000ミリグラム、好ましくは立方センチメートル当たり約400ミリグラム~立方センチメートル当たり約1000ミリグラム、より好ましくは立方センチメートル当たり約450ミリグラム~立方センチメートル当たり約1000ミリグラム、さらにより好ましくは立方センチメートル当たり約500ミリグラム~立方センチメートル当たり約1000ミリグラムであってもよい。別の例として、エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり約350ミリグラム~立方センチメートル当たり約900ミリグラム、好ましくは立方センチメートル当たり約400ミリグラム~立方センチメートル当たり約900ミリグラム、より好ましくは立方センチメートル当たり約450ミリグラム~立方センチメートル当たり約900ミリグラム、さらにより好ましくは立方センチメートル当たり約500ミリグラム~立方センチメートル当たり約900ミリグラムであってもよい。さらなる例として、エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり約350ミリグラム~立方センチメートル当たり約800ミリグラム、好ましくは立方センチメートル当たり約400ミリグラム~立方センチメートル当たり約800ミリグラム、より好ましくは立方センチメートル当たり約450ミリグラム~立方センチメートル当たり約800ミリグラム、さらにより好ましくは立方センチメートル当たり約500ミリグラム~立方センチメートル当たり約800ミリグラムであり得る。
【0053】
他の実施形態では、エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり少なくとも約600ミリグラム、好ましくは立方センチメートル当たり少なくとも約700ミリグラム、より好ましくは立方センチメートル当たり少なくとも約800ミリグラム、さらにより好ましくは立方センチメートル当たり少なくとも約900ミリグラムである。一部の特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり少なくとも約1グラム、好ましくは立方センチメートル当たり少なくとも約1.1グラム、より好ましくは立方センチメートル当たり少なくとも約1.2グラム、さらにより好ましくは立方センチメートル当たり少なくとも約1.3グラムである。好ましくは、エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり約2.0グラム以下、より好ましくは、立方センチメートル当たり約1.9グラム以下、さらにより好ましくは、立方センチメートル当たり約1.8グラム以下である。好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり約1.7グラム以下、より好ましくは、立方センチメートル当たり約1.6グラム以下、さらにより好ましくは、立方センチメートル当たり約1.5グラム以下である。
【0054】
一例として、エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり約1グラム~立方センチメートル当たり約1.7グラム、好ましくは立方センチメートル当たり約1.1グラム~立方センチメートル当たり約1.7グラム、より好ましくは立方センチメートル当たり約1.2グラム~立方センチメートル当たり約1.7グラム、さらにより好ましくは立方センチメートル当たり約1.3グラム~立方センチメートル当たり約1.7グラムである。別の例として、エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり約1グラム~立方センチメートル当たり約1.6グラム、好ましくは立方センチメートル当たり約1.1グラム~立方センチメートル当たり約1.6グラム、より好ましくは立方センチメートル当たり約1.2グラム~立方センチメートル当たり約1.6グラム、さらにより好ましくは立方センチメートル当たり約1.3グラム~立方センチメートル当たり約1.6グラムである。さらなる例として、エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり約1グラム~立方センチメートル当たり約1.5グラム、好ましくは立方センチメートル当たり約1.1グラム~立方センチメートル当たり約1.5グラム、より好ましくは立方センチメートル当たり約1.2グラム~立方センチメートル当たり約1.5グラム、さらにより好ましくは立方センチメートル当たり約1.3グラム~立方センチメートル当たり約1.5グラムである。
【0055】
エアロゾル発生基体は固体エアロゾル発生基体であり得る。
【0056】
ある特定の好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体は、均質化した植物材料、好ましくは、均質化したたばこ材料を含む。
【0057】
本明細書で使用される「均質化した植物材料」という用語は、植物の粒子の凝集によって形成された任意の植物材料を包含する。例えば、本発明のエアロゾル発生基体のための均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、植物材料および任意選択的に、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉茎のうちの一つ以上をすり潰す、粉砕する、または細分することによって取得されたたばこ材料の粒子を凝集することによって形成され得る。均質化した植物材料は、キャスティング、押出成形、製紙プロセス、または当技術分野で公知の他の任意の好適なプロセスによって生成されてもよい。
【0058】
均質化した植物材料は、任意の好適な形態で提供され得る。例えば、均質化した植物材料は、一つ以上のシートの形態であり得る。本発明に関して本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さよりも実質的に大きい幅および長さを有する薄層状の要素を説明する。
【0059】
別の方法として、または追加的に、均質化した植物材料は、複数のペレットまたは顆粒の形態であり得る。
【0060】
別の方法として、または追加的に、均質化した植物材料は、複数のストランド、細片、または断片の形態であり得る。本明細書で使用される「ストランド」という用語は、その幅および厚さより実質的に大きい長さを有する材料の細長い要素を説明する。「ストランド」という用語は、細片、断片、および類似の形態を有する任意のその他の均質化した植物材料を包含するものと見なされる。均質化した植物材料のストランドは、例えば、切断もしくは細断によって、または他の方法、例えば、押出成形方法によって、均質化した植物材料のシートから形成されてもよい。
【0061】
一部の実施形態では、ストランドは、エアロゾル発生基体の形成中の均質化した植物材料のシートの分割またはひびの結果として、例えば、捲縮の結果として、エアロゾル発生基体内でin situで形成され得る。エアロゾル発生基体内の均質化した植物材料のストランドは、相互から分離されてもよい。別の方法として、エアロゾル発生基体内の均質化した植物材料のストランドそれぞれは、ストランドの長さに沿った隣接したストランドに少なくとも部分的に接続されてもよい。例えば、隣接したストランドは、一つ以上の繊維によって接続されてもよい。これは、例えば、上述したエアロゾル発生基体の製造中の均質化した植物材料のシートの分割に起因してストランドが形成される場合に生じ得る。
【0062】
エアロゾル発生基体は、均質化した植物材料の一つ以上のシートの形態であることが好ましい。本発明の様々な実施形態では、均質化した植物材料の一つ以上のシートは、キャスティングプロセスによって生成されてもよい。本発明の様々な実施形態では、均質化した植物材料の一つ以上のシートは、製紙プロセスによって生成されてもよい。本明細書に記載の一つ以上のシートは、各々個別に、100マイクロメートル~600マイクロメートル、好ましくは150マイクロメートル~300マイクロメートル、最も好ましくは200マイクロメートル~250マイクロメートルの厚さを有し得る。個々の厚さは個々のシートの厚さを指し、組み合わされた厚さはエアロゾル発生基体を構成するすべてのシートの合計厚さを指す。例えば、エアロゾル発生基体が二つの個々のシートから形成される場合、組み合わされた厚さは、二つの個々のシートの厚さ、または二つのシートの測定された厚さの合計であり、二つのシートはエアロゾル発生基体内に積み重ねられる。
【0063】
本明細書に記載の一つ以上のシートは、各々個別に、約100g/m2~約300g/m2の坪量を有しうる。
【0064】
本明細書に記載の一つ以上のシートは、各々個別に、約0.3g/cm3~約1.3g/cm3の密度を有してもよく、約0.7g/cm3~約1.0g/cm3の密度を有することが好ましい。
【0065】
エアロゾル発生基体が均質化した植物材料の一つ以上のシートを含む本発明の実施形態において、シートは、一つ以上のシートの集合体の形態であることが好ましい。本明細書で使用される「集合」という用語は、均質化した植物材料のシートが、プラグまたはロッドの円筒軸に対して実質的に横断方向に渦巻き状にされる、折り畳まれる、または別の方法で圧縮または収縮されていることを意味する。
【0066】
均質化した植物材料の一つ以上のシートは、その長手方向軸に対して横断方向に集合され、ラッパーで取り囲まれて連続ロッドまたはプラグを形成し得る。
【0067】
均質化した植物材料の一つ以上のシートは、有利なことに捲縮され得る、または同様に処理され得る。本明細書で使用される「捲縮」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。捲縮されることとは別の方法として、または追加的に、均質化した植物材料の一つ以上のシートは、エンボス加工、デボス加工、穿孔、または別の方法で変形されて、シートの一方または両側にテクスチャを提供し得る。
【0068】
均質化した植物材料の各シートは、実質的にプラグの円筒軸に平行な複数の隆起または波形を有するように捲縮され得ることが好ましい。この処理は、有利なことに、均質化した植物材料の捲縮したシートを集合してプラグを形成することを容易にする。均質化した植物材料の一つ以上のシートが集合され得ることが好ましい。当然のことながら、均質化した植物材料の捲縮したシートは、別の方法としてまたは追加的に、プラグの円筒軸に対して鋭角または鈍角をなす複数の実質的に平行な隆起または波形を有し得る。シートは、シートの完全性が複数の平行な隆起部または波形において中断され、材料の分離を引き起こし、均質化した植物材料の断片、ストランドまたは細片の形成をもたらす程度に捲縮され得る。
【0069】
別の方法として、均質化した植物材料の一つ以上のシートは、上記で言及されるように、ストランドに切断されてもよい。こうした実施形態では、エアロゾル発生基体は、均質化した植物材料の複数のストランドを含む。ストランドは、プラグを形成するために使用され得る。典型的には、こうしたストランドの幅は、約5ミリメートル、または約4ミリメートル、または約3ミリメートル、または約2ミリメートル、またはそれ以下である。ストランドの長さは、約5ミリメートルより長くてもよく、約5ミリメートル~約15ミリメートルであってもよく、約8ミリメートル~約12ミリメートルであってもよく、または約12ミリメートルであってもよい。ストランドは、実質的に相互に同じ長さを有することが好ましい。ストランドの長さは、それによってロッドがより短いプラグに切断される製造プロセスによって決定されてもよく、ストランドの長さはプラグの長さに対応する。ストランドは壊れやすく、特に移行中に破損する可能性がある。こうした場合、ストランドの一部の長さは、プラグの長さよりも短くなり得る。
【0070】
複数のストランドは、長手方向軸と整列して、実質的に長手方向にエアロゾル発生基体の長さに沿って延在することが好ましい。したがって、複数のストランドは、相互に実質的に平行に整列していることが好ましい。
【0071】
均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、最大で約95重量パーセントの植物粒子を含んでもよい。均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、最大で約90重量パーセントの植物粒子を含むことが好ましく、最大で約80重量パーセントの植物粒子を含むことがより好ましく、最大で約70重量パーセントの植物粒子を含むことがより好ましく、最大で約60重量パーセントの植物粒子を含むことがより好ましく、最大で約50重量パーセントの植物粒子を含むことがより好ましい。
【0072】
例えば、均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、約2.5重量パーセント~約95重量パーセントとの植物粒子、または約5重量パーセント~約90重量パーセントの植物粒子、または約10重量パーセント~約80重量パーセントの植物粒子、または約15重量パーセント~約70重量パーセントの植物粒子、または約20重量パーセント~約60重量パーセントの植物粒子、または約30重量パーセント~約50重量パーセントの植物粒子を含み得る。
【0073】
本発明の特定の実施形態では、均質化した植物材料は、たばこ粒子を含む均質化したたばこ材料である。本発明のそのような実施形態で使用する均質化したたばこ材料のシートは、乾燥重量基準で少なくとも約40重量パーセントのたばこ含有量を有してもよく、乾燥重量基準で少なくとも約50重量パーセントのたばこ含有量を有することがより好ましく、乾燥重量基準で少なくとも約70重量パーセントのたばこ含有量を有することがより好ましく、乾燥重量基準で少なくとも約90重量パーセントのたばこ含有量を有することが最も好ましい。
【0074】
本発明に関して「たばこ粒子」という用語は、Nicotiana種の任意の植物部材の粒子を説明する。「たばこ粒子」という用語は、たばこの処理、取り扱い、および発送中に形成された粉砕または粉末たばこ葉ラミナ、粉砕または粉末たばこ葉茎、たばこダスト、たばこの微粉、およびその他の粒子状たばこ副産物を包含する。好ましい実施形態では、たばこ粒子は実質的にすべてがたばこ葉ラミナに由来する。対照的に、分離されたニコチンおよびニコチン塩は、たばこに由来する化合物であるが、本発明の目的上、たばこ粒子とは見なされず、粒子状植物材料の割合には含まれない。
【0075】
たばこ粒子は、一つ以上のたばこ植物の品種から調製され得る。任意のタイプのたばこが、ブレンドに使用され得る。使用され得るタイプのたばこ材料の例には、日光乾燥たばこ、火力乾燥たばこ、バーレー種たばこ、メリーランド種たばこ、オリエント種たばこ、バージニア種たばこ、およびその他の特殊たばこが含まれるが、これに限定されない。
【0076】
火力乾燥は、バージニア種たばこで特に使用されるたばこの乾燥方法である。火力乾燥プロセス中、加熱された空気が密集したたばこを通して循環する。第一の段階中に、たばこ葉が黄色くなって枯れる。第二の段階中に、葉のラミナが完全に乾燥する。第三の段階中に、葉の茎が完全に乾燥する。
【0077】
バーレー種たばこは、多くのたばこブレンドにおいて重要な役割を果たしている。バーレー種たばこは独特の風味と芳香を有し、大量のケーシングを吸収する能力を有する。
【0078】
オリエント種は、小さな葉を有し、高い芳香品質を有するたばこの一種である。ただし、オリエント種たばこは、例えばバーレー種よりもマイルドな風味を有する。したがって、概して、オリエント種たばこは、たばこブレンドにおいて比較的少ない割合で使用される。
【0079】
カストリ(Kasturi)、マドゥラ(Madura)、ジャティム(Jatim)は、使用可能な日光乾燥たばこのサブタイプである。カストリたばこおよび火力乾燥たばこがブレンドに使用されてたばこ粒子を生成することが好ましい。したがって、粒子状植物材料中のたばこ粒子は、カストリたばこと火力乾燥たばこのブレンドを含み得る。
【0080】
たばこ粒子は、乾燥重量に基づいて少なくとも約2.5重量パーセントのニコチン含有量を有し得る。たばこ粒子は、乾燥重量に基づいて、少なくとも約3重量パーセントのニコチン含有量を有し得ることがより好ましく、少なくとも約3.2重量パーセントのニコチン含有量を有することがさらにより好ましく、少なくとも約3.5重量パーセントのニコチン含有量を有することがさらにより好ましく、少なくとも約4重量パーセントのニコチン含有量を有し得ることが最も好ましい。
【0081】
本発明の特定の他の実施形態では、均質化した植物材料は、非たばこ植物風味粒子と組み合わせたたばこ粒子を含む。好ましくは、非たばこ植物風味粒子は、ショウガ粒子、ユーカリ粒子、クローブ粒子、およびスターアニス粒子のうちの一つ以上から選択される。好ましくは、こうした実施形態では、均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、少なくとも約2.5重量パーセントの非たばこ植物風味粒子を含み、残りの植物粒子はたばこ粒子である。好ましくは、均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、少なくとも約4重量パーセントの非たばこ植物風味粒子、より好ましくは、少なくとも約6重量パーセントの非たばこ植物風味粒子、より好ましくは、少なくとも約8重量パーセントの非たばこ植物風味粒子、より好ましくは、少なくとも約10重量パーセントの非たばこ植物風味粒子を含む。好ましくは、均質化した植物材料は、最大約20重量パーセントの非たばこ植物風味粒子、より好ましくは、最大約18重量パーセントの非たばこ植物風味粒子、より好ましくは、最大約16重量パーセントの非たばこ植物風味粒子を含む。
【0082】
均質化した植物材料を形成する粒子状植物材料中の非たばこ植物風味粒子およびたばこ粒子の重量比は、使用中にエアロゾル発生基体から生成されるエアロゾルの望ましい風味特性および組成に応じて変化し得る。好ましくは、均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、たばこ粒子に対する非たばこ植物風味粒子の少なくとも1:30重量比、より好ましくは、たばこ粒子に対する非たばこ植物風味粒子の少なくとも1:20重量比、より好ましくは、たばこ粒子に対する非たばこ植物風味粒子の少なくとも1:10重量比、および最も好ましくは、たばこ粒子に対する非たばこ植物風味粒子の少なくとも1:5重量比を含む。
【0083】
本発明によるエアロゾル発生基体の均質化した植物材料にたばこ粒子を含めることの別の方法として、またはこれに追加的に、均質化した植物材料は、カンナビス粒子を含んでもよい。「カンナビス粒子」という用語は、カンナビス・サティバ(Cannabis sativa)、カンナビス・インディカ(Cannabis indica)、およびカンナビス・ルデラリス(Cannabis ruderalis)などのカンナビス植物の粒子を指す。
【0084】
均質化した植物材料は、好ましくは、乾燥重量基準で95重量パーセント以下の粒子状植物材料を含む。したがって、粒子状植物材料は、典型的には、一つ以上の他の成分と組み合わされて、均質化した植物材料を形成する。
【0085】
均質化した植物材料は、粒子状植物材料の機械的特性を変化させるための結合剤をさらに含んでもよく、ここで、結合剤は、本明細書に記載のように、製造中に均質化した植物材料に含まれる。当業者に公知である好適な外来性結合剤は、当技術分野で公知であり、例えばグアーガム、キサンタンガム、アラビアガムおよびローカストビーンガムなどのガム、例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびエチルセルロースなどのセルロース結合剤、例えばデンプン、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウム、寒天およびペクチンなどの有機酸の共役塩基塩などの多糖類、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。結合剤はグアーガムを含むことが好ましい。
【0086】
結合剤は、均質化した植物材料の乾燥重量に基づいて、約1重量パーセント~約10重量パーセントの量、好ましくは、均質化した植物材料の乾燥重量に基づいて、約2重量パーセント~約5重量パーセントの量で存在してもよい。
【0087】
別の方法として、または追加的に、均質化した植物材料は、揮発性構成要素(例えば、エアロゾル形成体、ジンゲロール、およびニコチン)の拡散率を促進するための一つ以上の脂質をさらに含んでもよく、ここで、脂質は、本明細書に記載する製造中に均質化した植物材料に含まれる。均質化した植物材料に含めるための好適な脂質には、以下に限定されないが、中鎖トリグリセリド、ココアバター、パーム油、パーム核油、マンゴー油、シアバター、大豆油、綿実油、ココナッツ油、水素化されたココナッツ油、カンデリラワックス、カルナウバワックス、シェラック、ヒマワリワックス、ヒマワリ油、ライスブラン、およびRevel A、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。
【0088】
別の方法として、または追加的に、均質化した植物材料は、pH調製剤をさらに含んでもよい。
【0089】
別の方法として、または追加的に、均質化した植物材料は、均質化した植物材料の機械的特性を変化させるために繊維をさらに含んでもよく、ここで、繊維は、本明細書に記載する製造中に均質化した植物材料に含まれる。均質化した植物材料に含めるための好適な外来性繊維は当技術分野で公知であり、セルロース繊維、柔らかい木材繊維、堅い木材繊維、ジュート繊維およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、非たばこ材料および非ショウガ材料から形成された繊維を含む。また、たばこおよび/またはショウガ由来の外来性繊維を添加してもよい。均質化した植物材料に添加される任意の繊維は、上記に定義された「粒子状植物材料」の一部を形成するとは見なされない。均質化した植物材料に含める前に、繊維は当技術分野で公知の好適なプロセスによって処理されてもよく、これには機械式パルプ化、精製、化学的パルプ化、漂白化、硫酸塩パルプ化、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。典型的には、繊維は、その幅よりも大きな長さを有する。
【0090】
好適な繊維は、典型的には、400マイクロメートルよりも大きく、4ミリメートル以下の長さを有し、0.7ミリメートル~4ミリメートルの範囲内の長さを有することが好ましい。繊維は、基体の乾燥重量に基づいて、約2重量パーセント~約15重量パーセントの量、最も好ましくは約4重量パーセントの量で存在することが好ましい。
【0091】
別の方法として、または追加的に、均質化した植物材料は、一つ以上のエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。揮発に伴い、エアロゾル形成体は、エアロゾル中のニコチンおよび風味剤などの、加熱に伴いエアロゾル発生基体から放出される他の気化した化合物を搬送することができる。均質化した植物材料に含めるのに好適なエアロゾル形成体は当技術分野で公知であり、多価アルコール(トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセロールなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ-、ジ-またはトリアセテート)、およびモノ-、ジ-またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸およびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
【0092】
均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、約10重量パーセント~約25重量パーセント、または乾燥重量基準で、約15重量パーセント~約20重量パーセントなど、乾燥重量基準で、約5重量パーセント~約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有し得る。
【0093】
例えば、基体が発熱体を有する電気的に作動するエアロゾル発生システムのためのエアロゾル発生物品での使用が意図されている場合、乾燥重量基準で約5重量パーセント~約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を含み得ることが好ましい。基体が発熱体を有する電気的に作動するエアロゾル発生システムのためのエアロゾル発生物品での使用が意図されている場合、エアロゾル形成体はグリセロールであることが好ましい。
【0094】
他の実施形態では、均質化した植物材料は、乾燥重量基準で約1重量パーセント~約5重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有し得る。例えば、基体が、エアロゾル形成体が基体から分離された貯蔵部内に保持されるエアロゾル発生物品での使用を意図される場合、基体は、1パーセントよりも大きく、約5パーセントよりも小さいエアロゾル形成体含有量を有してもよい。こうした実施形態では、エアロゾル形成体は加熱に伴い揮発し、エアロゾル形成体の流れは、エアロゾル中のエアロゾル発生基体からの風味を混入するようにエアロゾル発生基体と接触する。
【0095】
他の実施形態では、均質化した植物材料は、約30重量パーセント~約45重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有し得る。この比較的高レベルのエアロゾル形成体は、摂氏275度未満の温度で加熱されることを意図したエアロゾル発生基体に特に好適である。こうした実施形態では、均質化した植物材料は、好ましくは、乾燥重量基準で、約2重量パーセント~約10重量パーセントのセルロースエーテルと、乾燥重量基準で約5重量パーセント~約50重量パーセントの追加のセルロースと、をさらに含む。セルロースエーテルおよび追加のセルロースの組み合わせの使用は、30重量パーセント~45重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有するエアロゾル発生基体において使用される場合、特に効果的なエアロゾルの送達をもたらすことが見出された。
【0096】
好適なセルロースエーテルには、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、エチルヒドロキシルエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース(CMC)が含まれるが、これらに限定されない。特に好ましい実施形態では、セルロースエーテルは、カルボキシメチルセルロースである。
【0097】
本明細書で使用される場合、「追加のセルロース」という用語は、均質化した植物材料に組み込まれた任意のセルロース材料を包含し、これは、均質化した植物材料に提供された非たばこ植物粒子またはたばこ粒子から由来されない。したがって、追加のセルロースは、非たばこ植物材料またはたばこ材料に加えて、非たばこ植物粒子またはたばこ粒子内に本質的に提供される任意のセルロースに対する個々の、かつ別個のセルロース源として、均質化した植物材料に組み込まれる。追加のセルロースは、典型的には、非たばこ植物粒子またはたばこ粒子とは異なる植物に由来する。好ましくは、追加のセルロースは、不活性なセルロース材料の形態であり、これは、感覚的に不活性であり、したがって、エアロゾル発生基体から発生したエアロゾルの官能特性に実質的に影響を与えない。例えば、追加のセルロースは、好ましくは、無味かつ無臭の材料である。
【0098】
追加のセルロースは、セルロース粉末、セルロース繊維、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0099】
エアロゾル形成体は、エアロゾル発生基体において湿潤剤として作用し得る。
【0100】
本発明の特定の好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体は、アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物の両方を含む、ゲル組成物を含む。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体は、ニコチンを含むゲル組成物を含む。
【0101】
好ましくは、ゲル組成物は、アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物の両方、エアロゾル形成体、ならびに少なくとも一つのゲル化剤を含む。好ましくは、少なくとも一つのゲル化剤は、固体媒体を形成し、グリセロールは、固体媒体中に分散し、アルカロイドまたはカンナビノイドはグリセロール中に分散する。ゲル組成物は、安定ゲル相であることが好ましい。
【0102】
有利なことに、ニコチンを含む安定なゲル組成物は、保管の際に、または製造から消費者への移行の際に、予測可能な組成物形態を提供する。ニコチンを含む安定なゲル組成物は、その形状を実質的に維持する。ニコチンを含む安定なゲル組成物は、保管の際に、または製造から消費者への移行の際に、液相を実質的に放出しない。ニコチンを含む安定なゲル組成物は、単純な消耗品設計を提供する場合がある。この消耗品は、液体を収容するように設計される必要がない場合があり、それ故に、より広い範囲の材料および容器構造が企図されてもよい。
【0103】
本明細書に記載のゲル組成物は、ニコチンエアロゾルを、従来の喫煙方法の吸入速度または気流速度内の吸入速度または気流速度にて肺に提供するために、エアロゾル発生装置と組み合わせられてもよい。エアロゾル発生装置は、ゲル組成物を連続的に加熱し得る。消費者は、各々の「吸煙」がニコチンエアロゾルの量を送達する複数の吸入または「吸煙」を摂ることができる。ゲル組成物は、加熱時、好ましくは連続的な方法で、高ニコチン/低粒子状物質総量(TPM)エアロゾルを消費者に送達することができる。
【0104】
「安定ゲル相」または「安定ゲル」という語句は、様々な環境条件に曝露された時にその形状および質量を実質的に維持するゲルを指す。安定ゲルは、相対湿度を約10パーセント~約60パーセントに変化させながら、標準的な温度および圧力に晒された場合、実質的に水(汗)を放出または吸収し得ない。例えば、安定ゲルは、相対湿度を約10パーセント~約60パーセントに変化させながら、標準的な温度および圧力に晒された場合、その形状および質量を実質的に維持し得る。
【0105】
ゲル組成物は、アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物の両方を含む。ゲル組成物は、一つ以上のアルカロイドを含み得る。ゲル組成物は、一つ以上のカンナビノイドを含み得る。ゲル組成物は、一つ以上のアルカロイドと一つ以上のカンナビノイドの組み合わせを含み得る。
【0106】
「アルカロイド化合物」という用語は、一つ以上の塩基性窒素原子を含む自然発生的有機化合物の任意の一つのクラスを意味する。一般的に、アルカロイドは、アミンタイプ構造にある少なくとも一つの窒素原子を含有する。アルカロイド化合物の分子内のこの窒素原子または別の窒素原子は、酸塩基反応における塩基として活性であることができる。大半のアルカロイド化合物は、例えば複素環などの環状系の一部として、その窒素原子のうちの一つ以上を有する。自然界において、アルカロイド化合物は主に植物に見られ、ある特定の科の顕花植物において特に一般的である。しかしながら、一部のアルカロイド化合物は動物種および真菌に見られる。本開示において、「アルカロイド化合物」という用語は、天然由来のアルカロイド化合物と、合成的に製造されたアルカロイド化合物との両方を指す。
【0107】
ゲル組成物は、好ましくは、ニコチン、アナタビン、およびその組み合わせからなる群から選択されるアルカロイド化合物を含む。
【0108】
好ましくは、ゲル組成物はニコチンを含む。
【0109】
「ニコチン」という用語は、ニコチンおよびニコチン誘導体(例えば、遊離塩基ニコチン、ニコチン塩、ならびにこれに類するものなど)を指す。
【0110】
「カンナビノイド化合物」という用語は、カンナビス・サティバ(Cannabis sativa)、カンナビス・インディカ(Cannabis indica)、およびカンナビス・ルデラリス(Cannabis ruderalis)のカンナビス植物の一部に見られる天然の化合物の任意の一つの種類を意味する。カンナビノイド化合物は雌の頭状花で特に濃縮される。カンナビス植物において自然発生するカンナビノイド化合物は、カンナビジオール(CBD)およびテトラヒドロカンナビノール(THC)を含む。本開示では、「カンナビノイド化合物」という用語は、天然由来のカンナビノイド化合物および合成的に製造されたカンナビノイド化合物の両方を記載するために使用される。
【0111】
ゲルは、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロル(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビエルソイン(CBE)、カンナビシトラン(CBT)、およびその組み合わせからなる群から選択されるカンナビノイド化合物を含み得る。
【0112】
ゲル組成物は、好ましくは、カンナビジオール(CBD)、THC(テトラヒドロカンナビノール)およびその組み合わせからなる群から選択されるカンナビノイド化合物を含み得る。
【0113】
ゲルは好ましくはカンナビジオール(CBD)を含み得る。
【0114】
ゲル組成物は、ニコチンおよびカンナビジオール(CBD)を含み得る。
【0115】
ゲル組成物はニコチン、カンナビジオール(CBD)、およびTHC(テトラヒドロカンナビノール)を含み得る。
【0116】
ゲル組成物は、約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのアルカロイド化合物、または約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのカンナビノイド化合物、または合計量が約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含むことが好ましい。ゲル組成物は、約0.5重量パーセント~約5重量パーセントのアルカロイド化合物、または約0.5重量パーセント~約5重量パーセントのカンナビノイド化合物、または合計量が約0.5重量パーセント~約5重量パーセントのアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得る。ゲル組成物は、約1重量パーセント~約3重量パーセントのアルカロイド化合物、または約1重量パーセント~約3重量パーセントのカンナビノイド化合物、または合計量が約1重量パーセント~約3重量パーセントのアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含むことが好ましい。ゲル組成物は、約1.5重量パーセント~約2.5重量パーセントのアルカロイド化合物、または約1.5重量パーセント~約2.5重量パーセントのカンナビノイド化合物、または合計量が約1.5重量パーセント~約2.5重量パーセントのアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得ることが好ましい。ゲル組成物は、好ましくは、約2重量パーセントのアルカロイド化合物、または約2重量パーセントのカンナビノイド化合物、または合計量が約2重量パーセントのアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得る。ゲル製剤のアルカロイド化合物成分は、ゲル製剤の最も揮発性の高い構成要素であり得る。一部の態様において、水はゲル製剤の最も揮発性の高い構成要素であり得、ゲル製剤のアルカロイド化合物成分はゲル製剤の二番目に揮発性の高い構成要素であり得る。ゲル製剤のカンナビノイド化合物成分は、ゲル製剤の最も揮発性の高い構成要素であり得る。一部の態様において、水はゲル製剤の最も揮発性の高い構成要素であり得、ゲル製剤のアルカロイド化合物成分はゲル製剤の二番目に揮発性の高い構成要素であり得る。
【0117】
好ましくは、ニコチンはゲル組成物中に含まれる。ニコチンは、遊離塩基形態または塩形態で組成物に加えられ得る。ゲル組成物は、約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのニコチン、または約0.5重量パーセント~約5重量パーセントのニコチンを含む。好ましくは、ゲル組成物は、約1重量パーセント~約3重量パーセントのニコチン、または約1.5重量パーセント~約2.5重量パーセントのニコチン、または約2重量パーセントのニコチンを含む。ゲル製剤のニコチン構成要素は、ゲル製剤の最も揮発性が高い構成要素であり得る。一部の態様において、水はゲル製剤の最も揮発性が高い構成要素であってもよく、ゲル製剤のニコチン構成要素はゲル製剤の二番目に揮発性が高い構成要素であり得る。
【0118】
ゲル組成物は、エアロゾル形成体を含む。理想的には、エアロゾル形成体は、関連付けられたエアロゾル発生装置の作動温度で熱劣化に対して実質的に耐性がある。好適なエアロゾル形成体としては、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。多価アルコールまたはその混合物は、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよび、グリセリン(グリセロールもしくはプロパン-1,2,3-トリオール)またはポリエチレングリコールのうちの一つ以上であり得る。エアロゾル形成体は、好ましくはグリセロールである。
【0119】
ゲル組成物はエアロゾル形成体の大部分を含む。ゲル組成物は、水とエアロゾル形成体の混合物を含み得、エアロゾル形成体はゲル組成物の大部分(重量で)を形成する。エアロゾル形成体は、少なくとも約50重量パーセントのゲル組成物を形成し得る。エアロゾル形成体は、ゲル組成物の少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約65重量パーセント、または少なくとも約70重量パーセントを形成し得る。エアロゾル形成体は、ゲル組成物の約70重量パーセント~約80重量パーセントを形成し得る。エアロゾル形成体は、ゲル組成物の約70重量パーセント~約75重量パーセントを形成し得る。
【0120】
ゲル組成物は、グリセロールの大部分を含み得る。ゲル組成物は、水とグリセロールの混合物を含み得、グリセロールはゲル組成物の大部分(重量で)を形成し得る。グリセロールは、少なくとも約50重量パーセントのゲル組成物を形成し得る。グリセロールは、ゲル組成物の少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約65重量パーセント、または少なくとも約70重量パーセントを形成し得る。グリセロールは、ゲル組成物の約70重量パーセント~約80重量パーセントを形成し得る。グリセロールは、ゲル組成物の約70重量パーセント~約75重量パーセントを形成し得る。
【0121】
ゲル組成物は、少なくとも一つのゲル化剤を含むことが好ましい。ゲル組成物は、合計量が約0.4重量パーセント~約10重量パーセントの範囲のゲル化剤を含むことが好ましい。より好ましくは、組成物は、約0.5重量パーセント~約8重量パーセントの範囲のゲル化剤を含む。より好ましくは、組成物は、約1重量パーセント~約6重量パーセントの範囲のゲル化剤を含む。より好ましくは、組成物は、約2重量パーセント~約4重量パーセントの範囲のゲル化剤を含む。より好ましくは、組成物は、約2重量パーセント~約3重量パーセントの範囲のゲル化剤を含む。
【0122】
「ゲル化剤」という用語は、均質的に、50重量パーセントの水/50重量パーセントのグリセロールの混合物に約0.3重量パーセントの量で加えられた時、固体媒体または支持マトリクスを形成させてゲルへと導く化合物を指す。ゲル化剤としては、限定するものではないが、水素結合架橋ゲル化剤、およびイオン架橋ゲル化剤が挙げられる。
【0123】
ゲル化剤は、一つ以上のバイオポリマーを含んでもよい。バイオポリマーは多糖類で形成されてもよい。
【0124】
バイオポリマーとしては、例えばジェランガム(天然ジェランガム、低アシルジェランガム、高アシルジェランガム、低アシルジェランガムが好ましい)、キサンタンガム、アルギネート(アルギン酸)、寒天、グアーガムなどが挙げられる。組成物はキサンタンガムを含むことが好ましい場合がある。組成物は二つのバイオポリマーを含んでもよい。組成物は三つのバイオポリマーを含んでもよい。組成物は、二つのバイオポリマーを実質的に等しい重量で含んでもよい。組成物は、三つのバイオポリマーを実質的に等しい重量で含んでもよい。
【0125】
好ましくは、ゲル組成物は、少なくとも約0.2重量パーセントの水素結合架橋ゲル化剤を含む。別の方法として、または追加的に、ゲル組成物は、少なくとも約0.2重量パーセントのイオン架橋ゲル化剤を含むことが好ましい。最も好ましくは、ゲル組成物は、少なくとも約0.2重量パーセントの水素結合架橋ゲル化剤、および少なくとも約0.2重量パーセントのイオン架橋ゲル化剤を含む。ゲル組成物は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの水素結合架橋ゲル化剤、および約0.5重量パーセント~約3重量パーセントのイオン架橋ゲル化剤、または約1重量パーセント~約2重量パーセントの水素結合架橋ゲル化剤、および約1重量パーセント~約2重量パーセントのイオン架橋ゲル化剤を含み得る。水素結合架橋ゲル化剤、およびイオン架橋ゲル化剤は、実質的に等量のゲル組成物中に存在し得る。
【0126】
「水素結合架橋ゲル化剤」という用語は、水素結合を介した非共有架橋結合または物理的架橋結合を形成するゲル化剤を指す。水素結合は、水素原子への共有結合ではなく、分子間の静電気的な双極子-双極子引力の一タイプである。これは、N、O、またはF原子などの極度の電気陰性原子に共有結合された水素原子と別の極度の電気陰性原子との間の引力からもたらされる。
【0127】
水素結合架橋ゲル化剤は、ガラクトマンナン、ゼラチン、アガロース、またはコンニャクガム、または寒天のうちの一つ以上を含んでもよい。水素結合架橋ゲル化剤は、寒天を含むことが好ましい場合がある。
【0128】
ゲル組成物は、約0.3重量パーセント~約5重量パーセントの範囲で水素結合架橋ゲル化剤を含むことが好ましい。好ましくは、組成物は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲で水素結合架橋ゲル化剤を含む。好ましくは、組成物は、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲で水素結合架橋ゲル化剤を含む。
【0129】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でガラクトマンナンを含み得る。好ましくは、ガラクトマンナンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ガラクトマンナンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ガラクトマンナンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0130】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でゼラチンを含み得る。好ましくは、ゼラチンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ゼラチンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ゼラチンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0131】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でアガロースを含み得る。好ましくは、アガロースは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、アガロースは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、アガロースは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0132】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でコンニャクガムを含み得る。好ましくは、コンニャクガムは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、コンニャクガムは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、コンニャクガムは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0133】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲の寒天を含み得る。好ましくは、寒天は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、寒天は、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、寒天は、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0134】
「イオン架橋ゲル化剤」という用語は、イオン結合を介した非共有架橋結合または物理的架橋結合を形成するゲル化剤を指す。イオン架橋は、非共有相互作用によるポリマー鎖の会合を伴う。反対の電荷を有する多価分子が静電気的に互いに引かれる時に、架橋ポリマーネットワークを生じさせると、架橋ネットワークが形成される。
【0135】
イオン架橋ゲル化剤は、低アシルジェラン、ペクチン、カッパカラゲナン、イオタカラゲナンまたはアルギネートを含んでもよい。イオン架橋ゲル化剤は、低アシルジェランを含み得ることが好ましい。
【0136】
ゲル組成物は、約0.3重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でイオン架橋ゲル化剤を含み得る。好ましくは、組成物は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲でイオン架橋ゲル化剤を含む。好ましくは、組成物は、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲でイオン架橋ゲル化剤を含む。
【0137】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲で低アシルジェランを含み得る。好ましくは、低アシルジェランは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、低アシルジェランは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、低アシルジェランは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0138】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でペクチンを含み得る。好ましくは、ペクチンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ペクチンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ペクチンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0139】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でカッパカラゲナンを含み得る。好ましくは、カッパカラゲナンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、カッパカラゲナンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、カッパカラゲナンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0140】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でイオタカラゲナンを含み得る。好ましくは、イオタカラゲナンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、イオタカラゲナンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、イオタカラゲナンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0141】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でアルギネートを含み得る。好ましくは、アルギネートは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、アルギネートは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、アルギネートは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0142】
ゲル組成物は、約3:1~約1:3の比率で、水素結合架橋ゲル化剤とイオン架橋ゲル化剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約2:1~約1:2の比率で、水素結合架橋ゲル化剤とイオン架橋ゲル化剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1の比率で、水素結合架橋ゲル化剤とイオン架橋ゲル化剤を含み得る。
【0143】
ゲル組成物は増粘剤をさらに含んでもよい。水素結合架橋ゲル化剤とイオン架橋ゲル化剤と組み合わせられた増粘剤は、驚くべきことに、固体培体を支持し、ゲル組成物が高レベルのグリセロールを含む時でさえもゲル組成物を維持するらしい。
【0144】
「増粘剤」という用語は、25℃の50重量パーセントの水/50重量パーセントのグリセロールの混合物の中に0.3重量パーセントの量で均一に添加された時に、ゲルの形成をもたらすことなく粘度を増加させ、混合物が流体の状態に留まる、または流体のままになる化合物を指す。好ましくは、増粘剤は、25℃の50重量パーセントの水/50重量パーセントのグリセロールの混合物の中に0.3重量パーセントの量で均一に添加された時に、0.1s-1のせん断速度にて、ゲルの形成をもたらすことなく、粘度を少なくとも50cPsに増加させ、好ましくは少なくとも200cPsに増加させ、好ましくは少なくとも500cPsに増加させ、好ましくは少なくとも1000cPsに増加させ、混合物が流体の状態に留まる、または流体のままになる化合物を指す。好ましくは、増粘剤は、25℃で、50重量パーセントの水/50重量パーセントのグリセロールの混合物に0.3重量パーセントの量で均質的に加えられた時に、ゲルの形成をもたらすことなく、0.1s-1のせん断速度にて、添加前よりも少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または少なくとも100倍大きく粘度を増加させ、混合物が流体の状態に留まる、または流体のままになる化合物を指す。
【0145】
本明細書に挙げた粘度値は、ブルックフィールドRVT粘度計を使用し、ディスクタイプRV#2スピンドルを25℃で6回転/分(rpm)の速度で回転させながら測定し得る。
【0146】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲の増粘剤を含むことが好ましい。好ましくは、組成物は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲の増粘剤を含む。好ましくは、組成物は、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲の増粘剤を含む。好ましくは、組成物は、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲の増粘剤を含む。
【0147】
増粘剤は、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロース、メチルセルロース、アラビアガム、グアーガム、ラムダカラゲナン、またはデンプンのうちの一つ以上を含んでもよい。増粘剤はキサンタンガムを含み得ることが好ましい。
【0148】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でキサンタンガムを含み得る。好ましくは、キサンタンガムは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、キサンタンガムは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、キサンタンガムは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0149】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でカルボキシメチルセルロースを含み得る。好ましくは、カルボキシメチルセルロースは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、カルボキシメチルセルロースは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、カルボキシメチルセルロースは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0150】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲で微結晶セルロースを含み得る。好ましくは、微結晶セルロースは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、微結晶セルロースは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、微結晶セルロースは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0151】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でメチルセルロースを含み得る。好ましくは、メチルセルロースは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、メチルセルロースは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、メチルセルロースは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0152】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でアラビアガムを含み得る。好ましくは、アラビアガムは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、アラビアガムは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、アラビアガムは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0153】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でグアーガムを含み得る。好ましくは、グアーガムは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、グアーガムは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、グアーガムは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0154】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でラムダカラゲナンを含み得る。好ましくは、ラムダカラゲナンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ラムダカラゲナンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ラムダカラゲナンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0155】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でデンプンを含み得る。好ましくは、デンプンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、デンプンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、デンプンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0156】
ゲル組成物は二価カチオンをさらに含み得る。好ましくは、二価カチオンは、溶液中の乳酸カルシウムなどのカルシウムイオンを含む。二価カチオン(カルシウムイオンなど)は、例えばイオン架橋ゲル化剤などのゲル化剤を含む組成物のゲル形成を補助し得る。イオン効果はゲル形成を補助する場合がある。二価カチオンは、約0.1~約1重量パーセントの範囲、または約0.5重量パーセントでゲル組成物中に存在し得る。
【0157】
ゲル組成物は酸をさらに含んでもよい。酸はカルボン酸を含み得る。カルボン酸はケトン基を含み得る。好ましくは、カルボン酸は、レブリン酸または乳酸などの約10個未満の炭素原子、または約6個未満の炭素原子または約4個未満の炭酸原子を有するケトン基を含み得る。好ましくは、このカルボン酸は三つの炭素原子(乳酸など)を有する。乳酸は驚くべきことに、類似のカルボン酸をも上回るほどにゲル組成物の安定性を改善する。カルボン酸は、ゲル形成を補助し得る。カルボン酸は、保管中のゲル組成物内のアルカロイド化合物濃度、またはカンナビノイド化合物濃度、またはアルカロイド化合物濃度とカンナビノイド化合物濃度の両方の変化を低減させ得る。カルボン酸は、保管中のゲル組成物内のニコチン濃度の変化を低減させ得る。
【0158】
ゲル組成物は、約0.1重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でカルボン酸を含み得る。好ましくは、カルボン酸は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、カルボン酸は、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、カルボン酸は、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0159】
ゲル組成物は、約0.1重量パーセント~約5重量パーセントの範囲で乳酸を含み得る。好ましくは、乳酸は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、乳酸は、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、乳酸は、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0160】
ゲル組成物は、約0.1重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でレブリン酸を含み得る。好ましくは、レブリン酸は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、レブリン酸は、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、レブリン酸は、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0161】
ゲル組成物は、好ましくはいくらかの水を含む。組成物がいくらかの水を含む場合、ゲル組成物はより安定である。ゲル組成物は、少なくとも約1重量パーセント、または少なくとも約2重量パーセント、または少なくとも約5重量パーセントの水を含むことが好ましい。ゲル組成物は、少なくとも約10重量パーセントまたは少なくとも約15重量パーセントの水を含むことが好ましい。
【0162】
ゲル組成物は、約8重量パーセント~約32重量パーセントの水を含むことが好ましい。ゲル組成物は、約15重量パーセント~約25重量パーセントの水を含むことが好ましい。ゲル組成物は、約18重量パーセント~約22重量パーセントの水を含むことが好ましい。ゲル組成物は、約20重量パーセントの水を含むことが好ましい。
【0163】
好ましくは、エアロゾル発生基体は、約150mg~約350mgのゲル組成物を含む。
【0164】
好ましくは、エアロゾル発生基体は、ゲル組成物が装填された多孔質媒体を含む。ゲル組成物が装填された多孔質媒体の利点は、ゲル組成物が多孔質媒体内に保持されることであり、これはゲル組成物の製造、保管、または輸送を補助し得る。これは、特に製造、輸送、または使用中に、ゲル組成物の所望の形状を維持するのに役立ち得る。
【0165】
多孔質媒体は、ゲル組成物を保持(hold)または保持(retain)することができる任意の好適な多孔性材料であり得る。理想的には、多孔質媒体は、ゲル組成物がその中で移動することを可能にすることができる。特定の実施形態では、多孔質媒体は、天然材料、合成、もしくは半合成、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、多孔質媒体は、シート材料、発泡体、もしくは繊維、例えば、ばらの繊維、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、多孔質媒体は、織布、不織布、または押出材、またはそれらの組み合わせを含む。多孔質媒体は、綿、紙、ビスコース、PLA、もしくは酢酸セルロース、またはそれらの組み合わせを含むことが好ましい。多孔質媒体は、シート材料、例えば、綿または酢酸セルロースを含むことが好ましい。特に好ましい実施形態では、多孔質媒体は、綿繊維から作製されたシートを含む。
【0166】
本発明で使用される多孔質媒体は、捲縮または細断されてもよい。好ましい実施形態では、多孔質媒体は捲縮される。代替的な実施形態では、多孔質媒体は、細断した多孔質媒体を含む。捲縮または細断プロセスは、ゲル組成物を装填する前または後とすることができる。
【0167】
シート材料の捲縮は、構造を改良して構造を通り抜ける通路を可能にするという利点を有する。捲縮したシート材料を通る通路は、ゲルの装填、ゲルの保持、および流体が捲縮したシート材料を通過するのを支援する。したがって、多孔質媒体として捲縮したシート材料を使用する利点がある。
【0168】
細断は、媒体に対して高い表面積対体積比を与えるため、ゲルを容易に吸収することができる。
【0169】
特定の実施形態では、シート材料は複合材料である。シート材料は多孔性であることが好ましい。シート材料は、ゲルを含む管状要素の製造を補助し得る。シート材料は、ゲルを含む管状要素に活性剤を導入するのを補助し得る。シート材料は、ゲルを含む管状要素の構造を安定化するのに役立つ場合がある。シート材料は、ゲルの輸送または保管を補助し得る。シート材料を使用することで、例えば、シート材料の捲縮によって多孔質媒体に構造を追加することを可能にするか、または補助する。
【0170】
多孔質媒体は、スレッドであり得る。スレッドは、例えば、綿、紙またはアセテートトウを含み得る。スレッドはまた、任意の他の多孔質媒体のようにゲルを装填されてもよい。多孔質媒体としてスレッドを使用する利点は、それが製造の容易さを補助し得ることである。
【0171】
スレッドは、任意の公知の手段によってゲルを装填されてもよい。スレッドは、ゲルで単純に被覆されてもよく、またはスレッドはゲルで含浸されてもよい。製造では、スレッドにゲルを含浸させて、管状要素のアセンブリに含まれるように、すぐに使用できるように保存してもよい。
【0172】
ゲル組成物を装填された多孔質媒体は、エアロゾル発生物品の一部を形成する管状要素内に提供されることが好ましい。「管状要素」という用語は、エアロゾル発生物品での使用に好適な構成要素を記述するために使用される。理想的には、管状要素は幅よりも長手方向の長さが長いが、その幅よりもその長手方向の長さが理想的には長くなる複数構成要素アイテムの一部であり得るため、必ずしもその必要はない。典型的には、管状要素は円筒形であるが、必ずしもそうである必要はない。例えば、管状要素は、楕円形、三角形もしくは長方形のような多角形、または不規則な断面を有し得る。
【0173】
管状要素は、第一の長手方向通路を含むことが好ましい。管状要素は、第一の長手方向通路を画定するラッパーから形成されることが好ましい。ラッパーは、耐水性のラッパーであることが好ましい。ラッパーのこの耐水特性は、耐水材料を使用することによって、またはラッパーの材料を処理することによって、達成することができる。これは、ラッパーの片側または両側を処置することによって達成され得る。耐水性であることは、構造、剛性、または剛直性を失わないことに役立つ。これはまた、特に流体構造のゲルが使用される場合、ゲルまたは液体の漏出の防止にも役立ちうる。
【0174】
一部の実施形態では、エアロゾル発生基体のロッドは、エアロゾル発生基体内配置されたサセプタ要素をさらに備える。実際には、本発明によるエアロゾル発生物品の一部の実施形態では、サセプタ要素、例えば細長いサセプタは、実質的にエアロゾル発生基体のロッドに配置され、サセプタ要素がエアロゾル発生基体と熱的に接触するようにする。
【0175】
本発明に関して本明細書で使用される場合、「サセプタ」という用語は、電磁エネルギーを熱へと変換することができる材料を指す。変動電磁場内に位置する時に、サセプタ中の誘導された渦電流はサセプタの加熱を生じさせる。細長いサセプタはエアロゾル発生基体と熱的に接触する状態で位置していて、エアロゾル発生基体は、サセプタによって加熱される。
【0176】
サセプタ要素は細長いサセプタの形態であることが好ましい。サセプタを説明するために使用される場合、「細長い」という用語は、サセプタが、その幅寸法またはその厚さ寸法よりも大きい、例えば、その幅寸法またはその厚さ寸法の二倍より大きい長さ寸法を有することを意味する。
【0177】
細長いサセプタは、ロッド内に実質的に長手方向に配置されることが好ましい。これは、細長いサセプタの長さ寸法が、ロッドの長手方向とほぼ平行に、例えばロッドの長手方向に平行から±10度以内に並ぶことを意味する。好ましい実施形態では、細長いサセプタはロッド内の半径方向に中心の位置に位置付けられてもよく、ロッドの長手方向軸に沿って延在する。
【0178】
好ましくは、細長いサセプタは、エアロゾル発生物品のロッドの下流端まで全面的に延在している。一部の実施形態では、サセプタは、エアロゾル発生物品のロッドの上流端まで全面的に延在してもよい。特に好ましい実施形態では、サセプタは、エアロゾル発生基体のロッドと実質的に同じ長さを有し、ロッドの上流端からロッドの下流端まで延在している。
【0179】
サセプタは、ピン、ロッド、細片またはブレードの形態であることが好ましい。
【0180】
サセプタは、例えば、約6ミリメートル~約12ミリメートル、または約8ミリメートル~約10ミリメートルなど、約5ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有することが好ましい。
【0181】
サセプタの長さとエアロゾル発生物品の全長との間の比は、約0.2~約0.35とし得る。
【0182】
一部の実施形態では、サセプタの長さとエアロゾル発生物品の全長との間の比は、少なくとも約0.22であり、より好ましくは、少なくとも約0.24、さらにより好ましくは、少なくとも約0.26である。サセプタの長さとエアロゾル発生物品の全長との間の比は、好ましくは、約0.34未満、より好ましくは、約0.32未満、さらにより好ましくは、約0.3未満である。他の実施形態では、サセプタの長さとエアロゾル発生物品の全長との間の比は、好ましくは、約0.22~約0.34、より好ましくは、約0.24~約0.34、さらにより好ましくは、約0.26~約0.34である。さらなる実施形態では、サセプタの長さとエアロゾル発生物品の全長との間の比は、好ましくは、約0.22~約0.32、より好ましくは、約0.24~約0.32、さらにより好ましくは、約0.26~約0.32である。なおさらなる実施形態では、サセプタの長さとエアロゾル発生物品の全長との間の比は、好ましくは、約0.22~約0.3、より好ましくは、約0.24~約0.3、さらにより好ましくは、約0.26~約0.3である。
【0183】
特に好ましい実施形態では、サセプタの長さとエアロゾル発生物品の全長との間の比は、約0.27である。
【0184】
サセプタは、約1ミリメートル~約5ミリメートルの幅を有することが好ましい。
【0185】
サセプタは、一般に、約0.01ミリメートル~約2ミリメートル、例えば、約0.5ミリメートル~約2ミリメートルの厚さを有し得る。一部の実施形態では、サセプタは、好ましくは、約10マイクロメートル~約500マイクロメートル、より好ましくは、約10マイクロメートル~約100マイクロメートルの厚さを有する。
【0186】
サセプタが、一定の断面、例えば円形断面を有する場合、それは約1ミリメートル~約5ミリメートルの好ましい幅または直径を有する。
【0187】
サセプタが細片またはブレードの形態を有する場合、細片またはブレードは、好ましくは約2ミリメートル~約8ミリメートル、より好ましくは約3ミリメートル~約5ミリメートルの幅を有する、長方形形状を有する。一例として、ブレードの細片の形態のサセプタは、約4ミリメートルの幅を有してもよい。
【0188】
サセプタが細片またはブレードの形態を有する場合、細片またはブレードは、好ましくは約0.03ミリメートル~約0.15ミリメートル、より好ましくは約0.05ミリメートル~約0.09ミリメートルの厚さの長方形形状および厚さを有する。一例として、ブレードの細片の形態をしたサセプタは、約0.07ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0189】
好ましい実施形態では、細長いサセプタは細片またはブレードの形態で提供され、好ましくは長方形形状を有し、約55マイクロメートル~約65マイクロメートルの厚さを有する。
【0190】
より好ましくは、細長いサセプタは、約57マイクロメートル~約63マイクロメートルの厚さを有する。さらにより好ましくは、細長いサセプタは、約58マイクロメートル~約62マイクロメートルの厚さを有する。特に好ましい実施形態では、細長いサセプタは、約60マイクロメートルの厚さを有する。
【0191】
理論に束縛されることを望むものではないが、発明者らは、全体として、サセプタの所与の厚さの選択はまた、サセプタの選択された長さおよび幅によって設定された制約、ならびにエアロゾル発生基体のロッドの幾何学的形状および寸法によって設定された制約によって影響を受けると考える。一例として、サセプタの長さは、エアロゾル発生基体のロッドの長さと合致するように選択されることが好ましい。サセプタの幅は、好ましくは、基体内のサセプタの変位が防止されるように選択されるべきであり、一方で製造中の容易な挿入も可能にする。
【0192】
発明者らは、上述の範囲内の厚さを有するサセプタが、使用中に誘導的に熱を供給するために提供されるエアロゾル発生物品において、有利には、エアロゾル発生基体全体にわたって、特に効果的かつ効率的な方法で熱を発生および分配することであることを見出した。理論に束縛されることを望むものではないが、発明者らは、このようなサセプタは、サセプタの表面積および誘導力を理由に、最適な発熱および熱伝達を提供するように適合されているからであると考えている。対照的に、より薄いサセプタは、変形が容易すぎて、エアロゾル発生物品の製造中にエアロゾル発生基体のロッド内の所望の形状および配向を維持できず、使用中に均質性が低く、かつ微細に調整された熱分布をもたらし得る。同時に、より厚いサセプタは、精密かつ一貫した長さに切断することがより困難であり得、これはまた、エアロゾル発生基体のロッド内の長手方向に整列してサセプタが正確に提供される方法にも影響を与え得、したがってロッド内の熱分布の均質性にも影響を与える可能性がある。これらの有益な効果は、特に、サセプタがエアロゾル発生物品のロッドの下流端まで全面的に延在している時に感じられる。これは、引き出し抵抗(RTD)に寄与する可能性のあるサセプタの下流の位置にあるロッド内にエアロゾル発生基体がないため、サセプタの下流のRTDを基本的に最小限に抑えることができるためと考えられる。これは、エアロゾル発生物品が、中空の中間セクションを含む下流セクションを含む実施形態では、特に効果的に達成される。一つのこのような中空の中間セクションは、エアロゾル発生物品の全体的なRTDに実質的に寄与せず、サセプタの下流端に直接的に接触しない。
【0193】
理論に束縛されることを望むものではないが、発明者らは、エアロゾル発生基体のロッドの最も下流の部分が、ある程度、エアロゾル発生基体のロッドのより上流部分に対するフィルタとして作用し得ると考えている。したがって発明者らは、エアロゾル発生基体のロッドの最も下流の部分も均一に加熱することができることが望ましいと考えており、これにより、これは、揮発性エアロゾル種の放出に積極的に関与し、エアロゾルの全体的な発生および送達に寄与し、ならびに消費者へのエアロゾルの送達を妨げ得る可能性のある濾過効果は、エアロゾル発生基体全体に揮発性エアロゾル種が放出されることで積極的に打ち消される。
【0194】
細長いサセプタは、エアロゾル発生基体の長さと同じであるかまたはそれより短い長さを有することが好ましい。細長いサセプタは、エアロゾル発生基体と同じ長さを有することが好ましい。
【0195】
サセプタは、エアロゾル発生基体からエアロゾルを発生させるために十分な温度へと誘導加熱することができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタは、金属または炭素を含む。
【0196】
好ましいサセプタは強磁性材料(例えば、強磁性合金、フェライト鉄、または強磁性鋼もしくは強磁性ステンレス鋼)を含んでよく、またはそれから成ってもよい。好適なサセプタはアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。好ましいサセプタは、400シリーズのステンレス鋼、例えばグレード410、またはグレード420、またはグレード430のステンレス鋼から形成されてもよい。異なる材料は、類似の値の周波数および磁界強度を有する電磁場内に位置付けられた時に、異なる量のエネルギーを散逸させる。
【0197】
こうして、材料のタイプ、長さ、幅、および厚さなどのサセプタのパラメータはすべて、公知の電磁場内で望ましい電力散逸を提供するように改変されてもよい。好ましいサセプタは、摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。
【0198】
好適なサセプタは、非金属コアの上に配置された金属層を有する非金属コア、例えばセラミックコアの表面上に形成された金属のトラック、を含んでもよい。サセプタは、サセプタを封入する保護用外部層、例えば保護用セラミック層または保護用ガラス層、を有してよい。サセプタは、サセプタ材料のコアの上に形成される、ガラス、セラミック、または不活性金属によって形成された保護被覆を含んでもよい。
【0199】
サセプタは、エアロゾル発生基体と熱的に接触して配置される。こうして、サセプタの温度が高くなると、エアロゾル発生基体は加熱され、エアロゾルが形成される。サセプタは、例えばエアロゾル発生基体内で、エアロゾル発生基体と物理的に直接的に接触して配置されることが好ましい。
【0200】
サセプタは多材料サセプタであってよく、第一のサセプタ材料と第二のサセプタ材料を含んでよい。第一のサセプタ材料は第二のサセプタ材料と物理的に密着した状態で配置される。第二のサセプタ材料は摂氏500度より低いキュリー温度を有することが好ましい。第一のサセプタ材料は、サセプタが変動する電磁場内に置かれた時に、サセプタを加熱するために主に使用されることが好ましい。任意の好適な材料が使用されてもよい。例えば、第一のサセプタ材料はアルミニウムであってもよく、またはステンレス鋼などの鉄系材料であり得る。第二のサセプタ材料は、サセプタが特定の温度(第二のサセプタ材料のキュリー温度である温度)に達した時を示すために主に使用されることが好ましい。動作中にサセプタ全体の温度を調節するために、第二のサセプタ材料のキュリー温度を使用することができる。それ故に、第二のサセプタ材料のキュリー温度はエアロゾル発生基体の発火点を下回るべきである。第二のサセプタ材料のために好適な材料は、ニッケルおよびある特定のニッケル合金を含んでもよい。
【0201】
少なくとも第一および第二のサセプタ材料を有するサセプタに、キュリー温度を有する第二のサセプタ材料とキュリー温度を有しない第一のサセプタ材料を提供するか、または互いに異なる第一のキュリー温度と第二のキュリー温度を有する第一および第二のサセプタ材料を提供することによって、エアロゾル発生基体の加熱とその加熱の温度制御が分離され得る。第一のサセプタ材料は、摂氏500度を超えるキュリー温度を有する磁性材料であることが好ましい。加熱効率の観点から、第一のサセプタ材料のキュリー温度は、サセプタが加熱されることができる任意の最大温度を超えることが望ましい。第二のキュリー温度は、好ましくは摂氏400度より低く、好ましくは摂氏380度よりも低く、または摂氏360度より低くなるように選択されてもよい。第二のサセプタ材料は所望の最大加熱温度と実質的に同じである第二のキュリー温度を有するように選択された磁性材料であることが好ましい。すなわち、第二のキュリー温度は、エアロゾル発生基体からエアロゾルを発生させるためにサセプタが加熱されるべき温度とほぼ同じであることが好ましい。第二のキュリー温度は、例えば、摂氏200度~摂氏400度の範囲内、または摂氏250度~摂氏360度の範囲内であり得る。第二のサセプタ材料の第二のキュリー温度は、例えば第二のキュリー温度と等しい温度であるサセプタによって加熱された際に、エアロゾル発生基体の全体的な平均温度が摂氏240度を超えないように選択されてもよい。
【0202】
簡単に上述した通り、本発明によるエアロゾル発生物品では、少なくともエアロゾル発生基体のロッドを囲むラッパーが難燃性組成物を含む。実際には、少なくともエアロゾル発生基体のロッドを囲むラッパーは、ラッピング基材を含み、難燃性組成物がラッピング基材上に適用されるか、またはラッピング基材が難燃性組成物で含浸されるか、またはその両方である。
【0203】
本明細書で使用される場合、「難燃性組成物」という用語は、一つ以上の難燃性化合物を含む組成物を意味する。
【0204】
用語「難燃性化合物」は、本明細書では、紙またはプラスチック化合物などの基体に添加されるか、またはそうでなければ組み込まれると、基体に様々な程度の可燃性保護をもたらす化合物を記述するために使用される。実際には、難燃性化合物は、点火源の存在によって活性化されてもよく、様々な異なる物理的および化学的機構による点火のさらなる発達を防止または遅延させるために適合される。
【0205】
難燃性組成物は、典型的には、複数の非難燃性化合物、すなわち、例えば溶媒、賦形剤、充填剤などの、基体に可燃性保護(flammability protection)を提供するのに積極的に寄与しないが、難燃性化合物のラッパー上への適用、もしくはラッパー中への適用、またはその両方を促進するために使用される、一つ以上の化合物、のうちの一つをさらに含み得る。
【0206】
溶媒など、難燃性組成物の非難燃性化合物の一部は、揮発性であり、難燃性組成物がラッピング基材上に、もしくはラッピング基材中に、またはその両方に適用された後、乾燥に伴いラッパーから蒸発し得る。したがって、こうした非難燃性化合物は、難燃性組成物の製剤の一部を形成するが、本発明によるエアロゾル発生物品のラッパーにおいては、もはや存在しないか、または微量でしか検出できない。
【0207】
難燃性組成物を紙ベースまたはポリマーベースのラッパーに組み込むために、難燃性組成物は、ラッパー製造プロセス中にパルプまたはポリマー混合物に添加されてもよく、またはサイズプレス、吹き付け、印刷、コーティングなどに基づく適用プロセスによって後の段階でラッパーに添加されてもよい。難燃性組成物は、例えば、コーティング層として、ラッパーの片側、またはラッパーの両側に適用され得る。
【0208】
多数の好適な難燃性化合物が公知である。鉱物難燃剤などの一部の難燃性化合物は、主に付加的難燃剤として作用し、周囲系に化学的に結合しない。有機ハロゲン化合物および有機リン酸化合物のほとんども、永久的に反応して周囲への付着することはない。特定の非ハロゲン化製品などの反応性難燃性化合物は、その難燃効率を失うことなく、周囲系に組み込まれるという点で反応性である。このことにより、これらの材料は有利に環境に放出されない。
【0209】
少なくともエアロゾル発生基体のロッドを囲むラッパーのラッピング基材は、紙製ラッピング基材または紙以外のラッピング基材であってもよい。好ましい実施形態では、少なくともエアロゾル発生基体のロッドを囲むラッパーのラッピング基材は、紙を含む。本発明の特定の実施形態で使用するための好適な紙製ラッピング基材は当技術分野で公知であり、紙巻たばこペーパーおよびフィルタープラグラップを含むが、これに限定されない。本発明の特定の実施形態で使用するための好適な紙以外のラッピング基材は当技術分野で公知であり、均質化したたばこ材料のシート、および特定の高分子材料のシートを含むがこれに限定されない。特定の実施形態では、ラッピング基材は、複数の層を含む積層材料から形成されてもよい。
【0210】
一例として、ラッピング基材は、平方メートル当たり少なくとも約20グラムの坪量を有してもよい。ラッピング基材は、平方メートル当たり少なくとも約25グラムの坪量を有することが好ましい。ラッピング基材は、平方メートル当たり少なくとも30グラムの坪量を有することがより好ましい。ラッピング基材は、平方メートル当たり少なくとも約40グラムの坪量を有するか、または平方メートル当たり少なくとも約50グラムの坪量を有することがさらにより好ましい。一部の実施形態では、ラッピング基材は、平方メートル当たり少なくとも約70グラムの坪量を有する。
【0211】
ラッピング基材は、平方メートル当たり最大約220グラムの坪量を有してもよい。ラッピング基材は、平方メートル当たり約200グラム以下の坪量を有することが好ましい。ラッピング基材は、平方メートル当たり約180グラム以下の坪量を有することがより好ましい。ラッピング基材は、平方メートル当たり約160グラム以下の坪量を有することがさらにより好ましい。
【0212】
好ましい実施形態では、ラッピング基材は、平方メートル当たり約150グラム以下、好ましくは平方メートル当たり約140グラム以下、さらにより好ましくは平方メートル当たり約130グラム以下、最も好ましくは平方メートル当たり約120グラム以下の坪量を有する。
【0213】
一部の実施形態では、ラッピング基材は、平方メートル当たり約30グラム~平方メートル当たり約220グラム、好ましくは平方メートル当たり約40グラム~平方メートル当たり約220グラム、より好ましくは平方メートル当たり約50グラム~平方メートル当たり約220グラム、さらにより好ましくは平方メートル当たり約60グラム~平方メートル当たり約220グラムの坪量を有してもよい。他の実施形態では、ラッピング基材は、平方メートル当たり約30グラム~平方メートル当たり約200グラム、好ましくは平方メートル当たり約40グラム~平方メートル当たり約200グラム、より好ましくは平方メートル当たり約50グラム~平方メートル当たり約200グラム、さらにより好ましくは平方メートル当たり約60グラム~平方メートル当たり約200グラムの坪量を有してもよい。さらなる実施形態では、ラッピング基材は、平方メートル当たり約30グラム~平方メートル当たり約180グラム、好ましくは平方メートル当たり約40グラム~平方メートル当たり約180グラム、より好ましくは平方メートル当たり約50グラム~平方メートル当たり約180グラム、さらにより好ましくは平方メートル当たり約60グラム~平方メートル当たり約180グラムの坪量を有してもよい。さらに他の実施形態では、ラッピング基材は、平方メートル当たり約30グラム~平方メートル当たり約160グラム、好ましくは平方メートル当たり約40グラム~平方メートル当たり約160グラム、より好ましくは平方メートル当たり約50グラム~平方メートル当たり約160グラム、さらにより好ましくは平方メートル当たり約60グラム~平方メートル当たり約160グラムの坪量を有してもよい。
【0214】
特に好ましい実施形態では、ラッピング基材は、平方メートル当たり約70グラム~平方メートル当たり約110グラム、より好ましくは平方メートル当たり約80グラム~平方メートル当たり約110グラムの坪量を有してもよい。さらにより好ましい実施形態では、ラッピング基材は、平方メートル当たり約70グラム~平方メートル当たり約100グラム、さらにより好ましくは平方メートル当たり約80グラム~平方メートル当たり約100グラムの坪量を有してもよい。
【0215】
他の実施形態では、ラッピング基材は、平方メートル当たり約20グラム~平方メートル当たり約120グラム、好ましくは平方メートル当たり約25グラム~平方メートル当たり約120グラム、より好ましくは平方メートル当たり約30グラム~平方メートル当たり約120グラム、さらにより好ましくは平方メートル当たり約40グラム~平方メートル当たり約120グラム、最も好ましくは平方メートル当たり約50グラム~平方メートル当たり約120グラムの坪量を有してもよい。さらなる実施形態では、ラッピング基材は、平方メートル当たり約20グラム~平方メートル当たり約100グラム、好ましくは平方メートル当たり約25グラム~平方メートル当たり約100グラム、より好ましくは平方メートル当たり約30グラム~平方メートル当たり約100グラム、さらにより好ましくは平方メートル当たり約40グラム~平方メートル当たり約100グラム、最も好ましくは平方メートル当たり約50グラム~平方メートル当たり約100グラムの坪量を有してもよい。なおさらなる実施形態では、ラッピング基材は、平方メートル当たり約20グラム~平方メートル当たり約80グラム、好ましくは平方メートル当たり約25グラム~平方メートル当たり約80グラム、より好ましくは平方メートル当たり約30グラム~平方メートル当たり約80グラム、さらにより好ましくは平方メートル当たり約40グラム~平方メートル当たり約80グラム、最も好ましくは平方メートル当たり約50グラム~平方メートル当たり約80グラムの坪量を有してもよい。代替的な実施形態では、ラッピング基材は、平方メートル当たり約20グラム~平方メートル当たり約70グラム、好ましくは平方メートル当たり約25グラム~平方メートル当たり約70グラム、より好ましくは平方メートル当たり約30グラム~平方メートル当たり約70グラム、さらにより好ましくは平方メートル当たり約40グラム~平方メートル当たり約70グラム、最も好ましくは平方メートル当たり約50グラム~平方メートル当たり約70グラムの坪量を有してもよい。
【0216】
他の実施形態では、ラッピング基材は、平方メートル当たり約20グラム~平方メートル当たり約50グラム、好ましくは平方メートル当たり約25グラム~平方メートル当たり約50グラム、より好ましくは平方メートル当たり約30グラム~平方メートル当たり約50グラム、さらにより好ましくは平方メートル当たり約40グラム~平方メートル当たり約50グラムの坪量を有してもよい。
【0217】
少なくともエアロゾル発生基体のロッドを囲むラッパーは、ラッピング基材の坪量と、ラッピング基材の表面上もしくはラッピング基材内、またはその両方に存在する難燃性組成物成分の重量との合計である、全乾燥坪量を有する。ラッパー上またはラッパー内に存在する難燃性組成物成分の重量は、難燃性化合物の総重量と、任意の残留非難燃性化合物の重量の合計である。本発明の文脈内では、難燃性組成物成分の重量はまた、ラッピング基材の平方メートル当たりの成分のグラムで表される。
【0218】
難燃性化合物の総重量とラッパーの全乾燥坪量との比率は、ラッパー中の難燃性化合物の濃度の表示とみなされ得る。
【0219】
本発明によるエアロゾル発生物品では、ラッパーの全乾燥坪量に対する難燃性化合物の総重量の比は、少なくとも約0.02であり得る。ラッパーの全乾燥坪量に対する難燃性化合物の総重量の比は、少なくとも約0.03であることが好ましい。ラッパーの全乾燥坪量に対する難燃性化合物の総重量の比は、少なくとも約0.04であることがより好ましい。ラッパーの全乾燥坪量に対する難燃性化合物の総重量の比は、少なくとも約0.05であることがさらにより好ましい。
【0220】
ラッパーの全乾燥坪量に対する難燃性化合物の総重量の比は、約0.20以下であることが好ましい。ラッパーの全乾燥坪量に対する難燃性化合物の総重量の比は、約0.15以下であることがより好ましい。ラッパーの全乾燥坪量に対する難燃性化合物の総重量の比は、約0.10以下であることがさらにより好ましい。
【0221】
一部の実施形態では、ラッパーの全乾燥坪量に対する難燃性化合物の総重量の比は、約0.02~約0.20、好ましくは約0.03~約0.20、より好ましくは約0.04~約0.20、さらにより好ましくは約0.05~約0.20であり得る。他の実施形態では、ラッパーの全乾燥坪量に対する難燃性化合物の総重量の比は、約0.02~約0.15、好ましくは約0.03~約0.15、より好ましくは約0.04~約0.15、さらにより好ましくは約0.05~約0.15であり得る。さらなる実施形態では、ラッパーの全乾燥坪量に対する難燃性化合物の総重量の比は、約0.02~約0.10、好ましくは約0.03~約0.10、より好ましくは約0.04~約0.10、さらにより好ましくは約0.05~約0.10であり得る。
【0222】
本発明によるエアロゾル発生物品では、難燃性組成物は、ラッパーの処理された部分に提供される。これは、難燃性組成物が、ラッピング基材の対応する部分上もしくはラッピング基材の対応する部分中、またはその両方に適用されていることを意味する。したがって、処理された部分では、ラッパーは、ラッピング基材の乾燥坪量よりも大きい全乾燥坪量を有する。
【0223】
ラッパーの処理された部分は、ラッパーによって囲まれたエアロゾル発生基体のロッドの外表面積の少なくとも約10パーセントにわたって延在し得る。ラッパーの処理された部分は、ラッパーによって囲まれたエアロゾル発生基体のロッドの外表面積の少なくとも約20パーセントにわたって延在することが好ましい。ラッパーの処理された部分は、エアロゾル発生基体のロッドの外表面積の少なくとも約40パーセントにわたって延在することがより好ましい。ラッパーの処理された部分は、エアロゾル発生基体のロッドの外表面積の少なくとも約60パーセントにわたって延在することがさらにより好ましい。ラッパーの処理された部分は、エアロゾル発生基体のロッドの外表面積の少なくとも約80パーセントにわたって延在することが最も好ましい。
【0224】
特に好ましい実施形態では、ラッパーの処理された部分は、エアロゾル発生基体のロッドの外表面積の少なくとも約90パーセントにわたって延在する。ラッパーの処理された部分は、エアロゾル発生基体のロッドの外表面積の少なくとも約95パーセントにわたって延在することがさらにより好ましい。ラッパーの処理された部分は、実質的にエアロゾル発生基体のロッドの外表面積全体にわたって延在することが最も好ましい。
【0225】
処理された領域の長さは、エアロゾル発生基体のロッドの長さの少なくとも約10パーセントであってもよい。処理された領域の長さは、エアロゾル発生基体のロッドの長さの少なくとも約20パーセントであることが好ましい。処理された領域の長さは、エアロゾル発生基体のロッドの長さの少なくとも約40パーセントであることがより好ましい。処理された領域の長さは、エアロゾル発生基体のロッドの長さの少なくとも約60パーセントであることがさらにより好ましい。処理された領域の長さは、エアロゾル発生基体のロッドの長さの少なくとも約80パーセントであることが最も好ましい。
【0226】
特に好ましい実施形態では、処理された領域の長さは、エアロゾル発生基体のロッドの長さの少なくとも約90パーセントである。処理された領域の長さは、エアロゾル発生基体のロッドの長さの少なくとも約95パーセントであることがさらにより好ましい。処理された領域の長さは、エアロゾル発生基体のロッドの長さと実質的に等しいことが最も好ましい。
【0227】
少なくとも約10グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用してもよい。少なくとも約12グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用することが好ましい。少なくとも約14グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用することがより好ましい。少なくとも約16グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用することがさらにより好ましい。特に好ましい実施形態では、少なくとも約18グラム、または少なくとも約20グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用する。
【0228】
約35グラム以下の難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用することが好ましい。約30グラム以下の難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用することがより好ましい。約25グラム以下の難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用することがさらにより好ましい。
【0229】
一部の実施形態では、約10グラム~約35グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用する。約12グラム~約35グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用することが好ましい。約14グラム~約35グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用することがより好ましい。約16グラム~約35グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用することがさらにより好ましい。特に好ましい実施形態では、約18グラム~約35グラム、または約20グラム~約35グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用する。
【0230】
他の実施形態では、約10グラム~約30グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用する。約12グラム~約30グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用することが好ましい。約14グラム~約30グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用することがより好ましい。約16グラム~約30グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用することがさらにより好ましい。特に好ましい実施形態では、約18グラム~約30グラム、または約20グラム~約30グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用する。
【0231】
さらなる実施形態では、約10グラム~約25グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用する。約12グラム~約25グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用することが好ましい。約14グラム~約25グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用することがより好ましい。約16グラム~約25グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用することがさらにより好ましい。特に好ましい実施形態では、約18グラム~約25グラム、または約20グラム~約25グラムの難燃性組成物を、処理された部分の表面積の平方メートル当たりの処理された部分上に適用する。
【0232】
ラッパーの処理された部分は、処理された部分の表面積の平方メートル当たり少なくとも約0.1グラムの難燃性組成物を含んでもよい。ラッパーの処理された部分は、処理された部分の表面積の平方メートル当たり少なくとも約0.5グラムの難燃性組成物を含むことが好ましい。ラッパーの処理された部分は、処理された部分の表面積の平方メートル当たり少なくとも約1.0グラムの難燃性組成物を含むことがより好ましい。ラッパーの処理された部分は、処理された部分の表面積の平方メートル当たり少なくとも約2.0グラムの難燃性組成物を含むことがさらにより好ましい。特に好ましい実施形態では、ラッパーの処理部分は、処理された部分の表面積の平方メートル当たり少なくとも約3.0グラムの難燃性化合物を、または処理された部分の表面積の平方メートル当たり少なくとも約4.0グラムの難燃性化合物を、または処理された部分の表面積の平方メートル当たり少なくとも約5.0グラムの難燃性化合物を、含む。
【0233】
ラッパーの処理された部分は、処理された部分の表面積の平方メートル当たり約12グラム以下の難燃性組成物を含むことが好ましい。ラッパーの処理された部分は、処理された部分の表面積の平方メートル当たり約10グラム以下の難燃性組成物を含むことがより好ましい。ラッパーの処理された部分は、処理された部分の表面積の平方メートル当たり約8グラム以下の難燃性組成物を含むことがさらにより好ましい。
【0234】
一部の実施形態では、ラッパーの処理された部分は、処理された部分の表面積の平方メートル当たり約0.5グラム~約12グラムの難燃性組成物を、好ましくは処理された部分の表面積の平方メートル当たり約1.0グラム~約12グラムの難燃性組成物を、より好ましくは処理された部分の表面積の平方メートル当たり約2.0グラム~約12グラムの難燃性組成物を、さらにより好ましくは処理された部分の表面積の平方メートル当たり約3.0グラム~約12グラムの難燃性組成物を含む。
【0235】
他の実施形態では、ラッパーの処理された部分は、処理された部分の表面積の平方メートル当たり約0.5グラム~約10グラムの難燃性組成物を、好ましくは処理された部分の表面積の平方メートル当たり約1.0グラム~約10グラムの難燃性組成物を、より好ましくは処理された部分の表面積の平方メートル当たり約2.0グラム~約10グラムの難燃性組成物を、さらにより好ましくは処理された部分の表面積の平方メートル当たり約3.0グラム~約120グラムの難燃性組成物を含む。
【0236】
さらなる実施形態では、ラッパーの処理された部分は、処理された部分の表面積の平方メートル当たり約0.5グラム~約8グラムの難燃性組成物を、好ましくは処理された部分の表面積の平方メートル当たり約1.0グラム~約12グラムの難燃性組成物を、より好ましくは処理された部分の表面積の平方メートル当たり約2.0グラム~約8グラムの難燃性組成物を、さらにより好ましくは処理された部分の表面積の平方メートル当たり約3.0グラム~約8グラムの難燃性組成物を含む。
【0237】
本発明によるエアロゾル発生物品では、処理された部分の難燃性化合物の含有量は、エアロゾル発生物品が抵抗加熱コイルを使用して摂氏500度で少なくとも5秒間、好ましくは30秒間加熱されるとき、エアロゾル発生物品が点火しないような含有量であることが好ましい。ここで使われる用語「点火しない」は、特に、エアロゾル発生基体を囲むラッパーの燃焼が開始せず、炎が検出されないことを意味する。
【0238】
好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品は、抵抗加熱コイルを使用した点火前工程を含み、およびエアロゾル発生物品上の通気ゾーン(存在する場合)の100パーセントがブロックされた状態での30秒毎の55ミリリットルで2秒の持続時間を有する一回のパフというパフレジームで、カナダ保健省(Health Canada)のインテンス方法に付託されたとき、点火しない。ISO 3308:2000(ルーチン分析紙巻たばこ喫煙機械-定義および標準条件)には、「喫煙」パラメータおよび標準試験条件に関するさらなる詳細が記載されている。
【0239】
一部の実施形態では、ラッパーは、ラッピング基材を含み、難燃性化合物を含む層は、エアロゾル発生基体に面するラッピング基材の表面上に提供される。他の実施形態では、ラッパーは、ラッピング基材と、エアロゾル発生基体とは反対の方向を向くラッピング基材の表面上に提供される難燃性化合物を含む層とを、含む。さらなる実施形態では、ラッパーは、ラッピング基材を含み、難燃性化合物または化合物を含む層は、ラッピング基材の両表面上に提供される。
【0240】
多数の好適な難燃性化合物が、当業者に周知であろう。特に、セルロース材料の処理に好適ないくつかの難燃性化合物および製剤は公知であり、開示されており、本発明によるエアロゾル発生物品用のラッパーの製造において使用が見い出され得る。
【0241】
一部の実施形態では、難燃性組成物が、ポリマーと、少なくとも一つのモノ、ジおよび/またはトリカルボン酸、少なくとも一つのポリリン酸、ピロリン酸および/またはリン酸、ならびに水酸化物またはアルカリもしくはアルカリ土類金属の塩に基づく混合塩とを含み、ここで、少なくとも一つのモノ、ジおよび/またはトリカルボン酸ならびに水酸化物または塩は、カルボン酸塩を形成し、少なくとも一つのポリリン酸、ピロリン酸および/またはリン酸、ならびに水酸化物または塩は、リン酸塩を形成する。
【0242】
好ましくは、こうした実施形態では、難燃性組成物は、アルカリまたはアルカリ土類金属の炭酸塩をさらに含む。
【0243】
他の実施形態では、難燃性組成物は、少なくとも一つのC10以上の脂肪酸、トール油脂肪酸(TOFA)、リン酸化亜麻仁油、リン酸化下流トウモロコシ油で修飾されたセルロースを含む。好ましくは、少なくとも一つのC10以上の脂肪酸は、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0244】
簡単に上述した通り、本発明のエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの下流の位置に下流セクションをさらに備える。下流セクションは、一つ以上の下流要素を含み得る。
【0245】
本発明によると、エアロゾル発生物品の下流セクションは、特に、エアロゾル発生基体のロッドの下流に位置付けられ、かつエアロゾル発生基体のロッドと長手方向に整列するマウスピース要素を含み得る。
【0246】
マウスピース要素は、好ましくは、エアロゾル発生物品の下流端部または口側端部に位置し、エアロゾル発生物品の口側端部までずっと延在する。
【0247】
好ましくは、マウスピース要素は、エアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルをフィルタリングするための少なくとも一つの繊維質の濾過材料のマウスピースフィルタセグメントを備える。好適な繊維質の濾過材料は、当業者に公知であろう。特に好ましくは、少なくとも一つのマウスピースフィルタセグメントは、酢酸セルローストウから形成される酢酸セルロースフィルタセグメントを含む。
【0248】
特定の好ましい実施形態では、マウスピース要素は、単一のマウスピースフィルタセグメントからなる。代替的な実施形態では、マウスピース要素は、互いに端と端を接した関係で軸方向に整列された二つ以上のマウスピースフィルタセグメントを備える。
【0249】
本発明の特定の実施形態では、下流セクションは、上述のようなマウスピース要素の下流にある下流端に口側端くぼみを備え得る。口側端くぼみは、マウスピースの下流端に提供される中空管状要素によって画定され得る。別の方法として、口側端くぼみは、マウスピース要素の外側ラッパーによって画定されてもよく、ここで、外側ラッパーは、マウスピース要素から下流方向に延在している。
【0250】
マウスピース要素は、任意の好適な形態で提供され得る風味剤を任意選択的に含んでもよい。例えば、マウスピース要素は、一つ以上のカプセル、風味剤のビーズもしくは顆粒、または一つ以上の風味負荷スレッドもしくはフィラメントを含んでもよい。
【0251】
特定の好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品の下流セクションは、エアロゾル発生基体のロッドのすぐ下流に位置する支持要素をさらに備える。マウスピース要素は、支持要素の下流に位置することが好ましい。
【0252】
支持要素は、任意の好適な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。例えば、支持要素は、酢酸セルロース、厚紙、捲縮した紙(捲縮した耐熱紙または捲縮した硫酸紙など)、および高分子材料(低密度ポリエチレン(LDPE)など)から成る群から選択される一つ以上の材料から形成されてもよい。好ましい実施形態では、支持要素は、酢酸セルロースから形成されている。他の好適な材料には、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)繊維が含まれる。
【0253】
支持要素は、第一の中空管状セグメントを備え得る。好ましい実施形態において、支持要素は、中空の酢酸セルロース管を含む。
【0254】
支持要素は、ロッドと実質的に整列して配置される。これは、支持要素の長さ寸法が、ロッドおよび物品の長手方向とほぼ平行に、例えばロッドの長手方向に平行から±10度以内に配置されることを意味する。好ましい実施形態では、支持要素は、ロッドの長手方向軸に沿って延在している。
【0255】
支持要素は、好ましくは、エアロゾル発生基体のロッドの外径およびエアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有する。
【0256】
支持要素の周辺壁は、少なくとも1ミリメートルの厚さを有してもよく、少なくとも約1.5ミリメートルの厚さを有することが好ましく、少なくとも約2ミリメートルの厚さを有することがより好ましい。
【0257】
支持要素は、約5ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有してもよい。
【0258】
支持要素は、少なくとも約6ミリメートルの長さを有することが好ましく、少なくとも約7ミリメートルの長さを有することがより好ましい。
【0259】
好ましい実施形態では、支持要素は、約12ミリメートル未満、より好ましくは約10ミリメートル未満の長さを有する。
【0260】
一部の実施形態では、支持要素は、約5ミリメートル~約15ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約15ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有する。他の実施形態では、支持要素は、約5ミリメートル~約12ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約12ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約12ミリメートルの長さを有する。さらなる実施形態では、支持要素は、約5ミリメートル~約10ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約10ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約10ミリメートルの長さを有する。
【0261】
好ましい実施形態では、支持要素は、約8ミリメートルの長さを有する。
【0262】
一部の実施形態では、下流セクションは、支持要素のすぐ下流に位置するエアロゾル冷却要素をさらに備える。マウスピース要素は、好ましくは、支持要素およびエアロゾル冷却要素の両方の下流に位置される。特に好ましくは、マウスピース要素は、エアロゾル冷却要素のすぐ下流に位置される。一例として、マウスピース要素は、エアロゾル冷却要素の下流端に当接してもよい。
【0263】
エアロゾル冷却要素は、ロッドと実質的に整列して配置される。これは、エアロゾル冷却要素の長さ寸法が、ロッドおよび物品の長手方向とほぼ平行に、例えばロッドの長手方向に平行から±10度以内に配置されることを意味する。好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素は、ロッドの長手方向軸に沿って延在している。
【0264】
エアロゾル冷却要素は、好ましくは、エアロゾル発生基体のロッドの外径およびエアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有する。
【0265】
一部の実施形態では、エアロゾル冷却要素は、エアロゾル冷却要素の上流端部からエアロゾル冷却要素の下流端部まで全面的に延在する空洞を画定する、中空管状セグメントの形状であり、通気ゾーンが、中空管状セグメントに沿った位置に提供されている。
【0266】
本明細書で使用される場合、「中空管状セグメント」という用語は、一般に、その長手方向軸に沿った内腔または気流通路を画定する細長い要素を意味するために使用される。特に、「管状」という用語は以下において、実質的に円筒状の断面を有する、かつ管状要素の上流端と管状要素の下流端との間の途切れることのない流体連通を確立する少なくとも一つの気流導管を画定する、管状要素に関して使用される。しかし、当然のことながら、管状要素の代替の形状(例えば、代替の断面形状)が可能である場合がある。
【0267】
中空管状セグメントは、無制限の流れチャネルを提供する。これは、中空管状セグメントが、無視できるレベルの引き出し抵抗(RTD)を提供することを意味する。したがって、流れチャネルは、長手方向の空気の流れを妨害するであろういかなる構成要素も含むべきではない。好ましくは、流れチャネルは、実質的に空である。
【0268】
エアロゾル冷却要素を記述するために使用される場合、「細長い」という用語は、エアロゾル冷却要素が、その幅寸法もしくはその直径寸法よりも大きい、例えば、その幅寸法もしくはその直径寸法の二倍以上の、長さ寸法を有することを意味する。
【0269】
エアロゾル冷却要素の周辺壁は、約2.5ミリメートル未満、好ましくは約1.5ミリメートル未満、より好ましくは約1250マイクロメートル未満、さらにより好ましくは約1000マイクロメートル未満の厚さを有してもよい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素の周辺壁は、約900マイクロメートル未満、好ましくは約800マイクロメートル未満の厚さを有する。
【0270】
エアロゾル冷却要素は、5ミリメートル~15ミリメートルの長さを有してもよい。
【0271】
エアロゾル冷却要素は、少なくとも約6ミリメートルの長さを有することが好ましく、少なくとも約7ミリメートルの長さを有することがより好ましい。
【0272】
好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素は、約12ミリメートル未満、より好ましくは約10ミリメートル未満の長さを有する。
【0273】
一部の実施形態では、エアロゾル冷却要素は、約5ミリメートル~約15ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約15ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有する。他の実施形態では、エアロゾル冷却要素は、約5ミリメートル~約12ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約12ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約12ミリメートルの長さを有する。さらなる実施形態では、エアロゾル冷却要素は、約5ミリメートル~約10ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約10ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約10ミリメートルの長さを有する。
【0274】
本発明の特に好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素は、10ミリメートル未満の長さを有する。例えば、一つの特に好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素は、8ミリメートルの長さを有する。こうした実施形態において、エアロゾル冷却要素は、したがって、先行技術のエアロゾル発生物品のエアロゾル冷却要素と比較して、比較的短い長さを有する。エアロゾル冷却要素の長さの減少は、エアロゾルの冷却および核形成におけるエアロゾル冷却要素を形成する中空管状セグメントの効果の最適化に起因して可能である。エアロゾル冷却要素の長さの減少は、エアロゾル冷却要素が通常マウスピースよりも変形に対する抵抗が低いため、使用中に圧縮されることによるエアロゾル発生物品の変形のリスクを有利に減少させる。さらに、エアロゾル冷却要素の長さの減少は、中空管状セグメントのコストが、マウスピース要素などの他の要素のコストよりも典型的には単位長さ当たり高いため、製造業者にコストメリットを提供し得る。
【0275】
エアロゾル冷却要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約0.25~約1であり得る。
【0276】
エアロゾル冷却要素は、任意の好適な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。例えば、エアロゾル冷却要素は、酢酸セルロース、厚紙、捲縮した紙(捲縮した耐熱紙または捲縮した硫酸紙など)、および高分子材料(低密度ポリエチレン(LDPE)など)からなる群から選択される一つ以上の材料から形成されてもよい。他の好適な材料には、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)繊維が含まれる。
【0277】
好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素は、酢酸セルロースから形成されている。
【0278】
通気ゾーンは、エアロゾル冷却要素の周辺壁を通る複数の穿孔を備える。通気ゾーンは、周辺の少なくとも一列の穿孔を含むことが好ましい。一部の実施形態では、通気ゾーンは、周辺の二列の穿孔を含み得る。例えば、穿孔は、エアロゾル発生物品の製造中にオンラインで形成され得る。穿孔のそれぞれの周辺の列は、8~30個の穿孔を含むことが好ましい。
【0279】
本発明によるエアロゾル発生物品は、少なくとも約5パーセントの通気レベルを有し得る。
【0280】
「通気レベル」という用語は本明細書全体を通して、通気ゾーン(通気気流)を介してエアロゾル発生物品の中に入る気流と、エアロゾル気流および通気気流の合計との容積比を意味するために使用される。通気レベルが大きいほど、消費者に送達されるエアロゾル流の希釈が高くなる。
【0281】
本発明によるエアロゾル発生物品は、少なくとも約10パーセント、より好ましくは少なくとも約15パーセント、なおより好ましくは少なくとも約20パーセントの通気レベルを有し得ることが好ましい。特に好ましい実施形態では、本発明によるエアロゾル発生物品は、少なくとも約25パーセントの通気レベルを有する。理論に束縛されることを望むものではないが、発明者らは、より冷たい外気を、通気ゾーンを介して中空管状セグメントの中に入れることによって生じる温度低下が、エアロゾル粒子の核形成および成長に有利な効果を及ぼす場合があることを見出した。通気ゾーンを介して中空管状セグメントの中に外気を入れることによって誘起された急速な冷却は、エアロゾル液滴の有利な核形成および成長に有利なように使用することができる。しかしながら、同時に、中空管状セグメントの中に外気を入れることは、消費者に送達されるエアロゾルの流れの希釈という直接の欠点を有する。発明者らは驚くべきことに、エアロゾルに対する希釈効果(特に、エアロゾル発生基体に含まれるエアロゾル形成体(グリセロールなど)の送達に対する効果を測定することによって評価され得る)が、上述の範囲内の通気レベルの時に有利に最小化されることを見出した。
【0282】
一部の実施形態では、エアロゾル発生物品は、熱交換のために広い表面積を利用可能にするなどのために、複数の長手方向に延在するチャネルを画定する追加の冷却要素をさらに備えてもよい。言い換えれば、一つのこうした追加の冷却要素は、実質的に熱交換器として機能するように適合される。複数の長手方向に延びるチャネルは、チャネルを形成するためにひだ付け、集合、または折り畳みの加工がなされているシート材料によって画定され得る。複数の長手方向に延びるチャネルは、複数のチャネルを形成するために、ひだ付け、集合、または折り畳みの加工がなされている単一のシートによって画定され得る。シートはまた、ひだ付け、集合、または折り畳みされる前に捲縮されてもよい。別の方法として、複数の長手方向に延びるチャネルは、複数のチャネルを形成するために捲縮、ひだ付け、集合、または折り畳みの加工がなされている複数のシートによって画定され得る。一部の実施形態では、複数の長手方向に延在するチャネルは、捲縮、ひだ付け、集合、または折り畳みされた複数のシートによって画定されてもよく、すなわち、オーバーレイ配置にもたらされ、その後、一つのものとして捲縮、ひだ付け、集合、または折り畳みされた二つ以上のシートによって画定されてもよい。本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さよりも実質的に大きい幅および長さを有する薄層状の要素を意味する。
【0283】
他の実施形態では、エアロゾル冷却要素は、複数の長手方向に延在するチャネルを含む、一つのこうした冷却要素の形態で提供されてもよい。
【0284】
一つのこうした追加の冷却要素は、長さ1ミリメートル当たり約300平方ミリメートル~長さ1ミリメートル当たり約1000平方ミリメートルの総表面積を画定し、かつ有し得る。
【0285】
追加の冷却要素は、好ましくは、金属箔、高分子シート、および実質的に無孔の紙または厚紙を含む群から選択されるシート材料を含む。一部の実施形態では、エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース(CA)およびアルミ箔からなる群から選択されるシート材料を含んでもよい。特に好ましい実施形態では、追加の冷却要素は、PLAのシートを含む。
【0286】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの上流の位置に上流セクションをさらに備える。上流セクションは、一つ以上の上流要素を備え得る。いくつかの実施形態では、上流セクションは、エアロゾル発生基体のロッドのすぐ上流に配置された上流要素を備え得る。
【0287】
本発明のエアロゾル発生物品は、好ましくは、エアロゾル発生基体の上流にあり、かつこれに隣接した上流要素を含み、上流セクションは、少なくとも一つの上流要素を含む。上流要素は、有利には、エアロゾル発生基体の上流端との直接的な物理的接触を防止する。特に、エアロゾル発生基体がサセプタ要素を備える場合、上流要素は、サセプタ要素の上流端との直接的な物理的接触を防止し得る。これは、エアロゾル発生物品の取り扱いまたは輸送中のサセプタ要素の変位または変形を防止するのに役立つ。これは、次に、サセプタ要素の形態および位置を固定するのに役立つ。さらに、上流要素の存在は、基体の任意の損失を防止するのに役立つ。
【0288】
上流要素はまた、エアロゾル発生物品の上流端に改善された外観を提供し得る。さらに、所望される場合、上流要素は、エアロゾル発生物品に関する情報、例えば、その物品が使用されることが意図されるエアロゾル発生装置のブランド、風味、含量、または詳細に関する情報を提供するために使用され得る。
【0289】
上流要素は、多孔性のプラグ要素であり得る。多孔性のプラグ要素は、エアロゾル発生物品の引き出し抵抗を変化させないことが好ましい。上流要素は、エアロゾル発生物品の長手方向に少なくとも約50パーセントの空隙率を有することが好ましい。より好ましくは、上流要素は、長手方向に約50パーセント~約90パーセントの空隙率を有する。上流要素の長手方向の空隙率は、上流要素の位置での、上流要素を形成する材料の断面積と、エアロゾル発生物品の内部断面積との比によって定義される。
【0290】
上流要素は、多孔性材料で作製されてもよく、または複数の開口部を備え得る。これは、例えばレーザー穿孔により達成され得る。複数の開口部は、上流要素の断面全体にわたり均質に分布することが好ましい。
【0291】
上流要素の空隙率または浸透性は、エアロゾル発生物品の望ましい全体的な引き出し抵抗を提供するために、有利に変化し得る。
【0292】
上流要素のRTDは、少なくとも約5ミリメートルH2Oであることが好ましい。より好ましくは、上流要素のRTDは、少なくとも約10ミリメートルH2Oである。さらにより好ましくは、上流要素のRTDは、少なくとも約15ミリメートルH2Oである。特に好ましい実施形態では、上流要素のRTDは、少なくとも約20ミリメートルH2Oである。
【0293】
上流要素のRTDは、好ましくは、約80ミリメートルH2O以下である。より好ましくは、上流要素のRTDは、約60ミリメートルH2O以下である。さらにより好ましくは、上流要素のRTDは、約40ミリメートルH2O以下である。
【0294】
代替的な実施形態では、上流要素は、空気に対して不透過性である材料から形成されてもよい。こうした実施形態では、エアロゾル発生物品は、ラッパー内に提供される好適な通気手段を介して、空気がエアロゾル発生基体のロッド内に流れるように構成され得る。
【0295】
上流要素は、エアロゾル発生物品での使用に好適な任意の材料で作製されてもよい。上流要素は、例えば、マウスピース、冷却要素、または支持要素などのエアロゾル発生物品のその他の構成要素のうちの一つに使用されるものと同じ材料で作製されてもよい。上流要素の好適な材料には、フィルタ材料、セラミック、高分子材料、酢酸セルロース、厚紙、ゼオライト、またはエアロゾル発生基体が含まれる。上流要素は、酢酸セルロースのプラグから形成されることが好ましい。
【0296】
上流要素は、耐熱性材料で形成されることが好ましい。例えば、上流要素は、最大摂氏350度の温度に耐える材料から形成されることが好ましい。これにより、上流要素が、エアロゾル発生基体を加熱するための加熱手段によって悪影響を受けないことを確実にする。
【0297】
上流要素は、エアロゾル発生物品の直径とほぼ等しい直径を有することが好ましい。
【0298】
上流要素は、約1ミリメートル~約10ミリメートルの長さを有することが好ましく、約3ミリメートル~約8ミリメートルであることがより好ましく、約4ミリメートル~約6ミリメートルであることがより好ましい。特に好ましい実施形態では、上流要素は、約5ミリメートルの長さを有する。上流要素の長さは、エアロゾル発生物品の所望の全長を提供するために有利に変化し得る。例えば、エアロゾル発生物品の他の構成要素のうちの一つの長さを減少させることが望ましい場合、上流要素の長さは、物品の同じ全長を維持するために増加され得る。
【0299】
上流要素は、ラッパーによって囲まれていることが好ましい。上流要素を囲むラッパーは、硬いプラグラップ、例えば、少なくとも平方メートル当たり約80グラム(gsm)、または少なくとも約100gsm、または少なくとも約110gsmの坪量を有するプラグラップ)であることが好ましい。これにより、上流要素に構造的剛性が提供される。
【0300】
好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品では、ラッパーは金属を含有しない。本明細書で使用される場合、本発明を参照すると、用語「金属」は、0の酸化状態の金属の含有量、すなわち、遊離型の形態の元素としてのラッパー中の金属の含有量を示す。したがって、例えば、イオン形態で存在してもよく、または難燃性組成物の一つ以上の難燃性化合物中の別の元素に結合されてもよいアルカリ金属またはアルカリ土類金属などの金属の含有量は、本明細書で使用される場合、用語「金属」によって包含されない。
【0301】
言い換えれば、本発明によるエアロゾル発生物品のラッパーは、好ましくは、0の酸化状態で金属を含有しない。
【0302】
したがって、本発明によるエアロゾル発生物品は、有利には、熱遮蔽要素として作用する金属箔を含まない。特に、エアロゾル発生基体は、一つのこのような金属箔の熱遮蔽要素によって囲まれていない。
【0303】
上述の本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の連続ロッドを提供する第一の工程を含む方法によって製造されてもよく、ここで、エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり約300ミリグラム超である。一つのこうした方法は、一つ以上の難燃性化合物を含む難燃性組成物を含むラッパーで、エアロゾル発生基体の連続ロッドを囲む第二の工程を含む。方法は、囲まれた連続ロッドを別個のロッドに切断する第三の工程を含み、各別個のロッドは難燃性組成物を含むラッパーの一部分によって囲まれている。
【0304】
難燃性組成物は、サイズプレス、吹き付け、印刷またはコーティングに基づく適用プロセスによって、ラッパーのラッピング基材の少なくとも一方の側に適用されてもよい。
【0305】
本発明によるエアロゾル発生物品は、特に、エアロゾル発生物品および電気的に作動するエアロゾル発生装置を含むエアロゾル発生システムでの使用が見出され、ここで、エアロゾル発生装置は、物品のエアロゾル発生基体が加熱チャンバ内で加熱されるように、エアロゾル発生物品を受けるように構成されたヒーターおよび細長い加熱チャンバを備える。
【0306】
一部の実施形態では、ヒーターは、物品が加熱チャンバ内に受けられる時に、物品のエアロゾル発生基体内へと挿入されるように適合されてもよい。一例として、ヒーターは加熱ロッドまたはピンの形態であってもよい。
【0307】
他の実施形態では、ヒーターは、実質的に円筒状の細長い発熱体を備えてもよく、また加熱チャンバは、ヒーターの円周状の長手方向の表面の周りに配置されている。その結果、使用中に、ヒーターによって供給される熱エネルギーは、ヒーターの表面から加熱チャンバおよびエアロゾル発生物品に半径方向外向きに移動する。しかしながら、ヒーターおよび加熱チャンバの他の形状および構成を別の方法として使用することができる。ヒーターは、複数の個別の発熱体を備えてもよく、様々な発熱体は、エアロゾル発生物品を加熱するために異なる時点で異なる要素を起動することができるように、互いに独立して動作可能である。一例として、ヒーターは、ヒーターの長さに沿って複数の独立した加熱ゾーンを提供する複数の軸方向に整列した発熱体を備えてもよい。各発熱体は、ヒーターの全長よりも著しく短い長さを有してもよい。それ故に、一つの個別の発熱体が起動された時に、この発熱体は、発熱体の近くの半径方向に位置付けられたエアロゾル発生基体の一部分に熱エネルギーを供給し、そのエアロゾル発生基体の残りの部分を実質的に加熱しない。それ故に、エアロゾル発生基体の異なるセクションは、独立して、かつ異なる時点で加熱され得る。
【0308】
別の方法として、または追加的に、ヒーターは、ヒーターの長手方向軸の周囲の異なる位置に、複数の細長い長手方向に延びる発熱体を備えてもよい。それ故に、一つの個別の発熱体が起動された時に、この発熱体は、発熱体に対して実質的に平行かつ隣接して置かれたエアロゾル発生基体の長手方向の部分に熱エネルギーを供給した。この配設はまた、別個の部分でのエアロゾル発生基体の独立した加熱を可能にする。
【0309】
加熱チャンバに対する周辺位置に配置されたヒーター要素を含むこれらの実施形態の一部では、エアロゾル発生システムは、加熱チャンバと装置の外部との間に配置されて、加熱式エアロゾル発生基体からの熱損失を低減する絶縁手段をさらに備えてもよい。
【0310】
さらなる実施形態では、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体内に配置されたサセプタを含み、このサセプタは、エアロゾル発生基体と熱的に接触し、ヒーターは、一つ以上の誘導コイルを含む誘導加熱装置の形態である。誘導コイルによって放出される電磁エネルギーは、サセプタによって吸収され、熱に変換され、その後、主に伝導によってエアロゾル発生基体に伝達される。
【0311】
以下において、添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0312】
図1図1は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生物品の概略側面断面図を示す。
図2図2は、本発明の別の実施形態による別のエアロゾル発生物品の概略側面断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0313】
図1に示すエアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体12のロッド12と、エアロゾル発生基体のロッド12の下流の位置にある下流セクション14と、を備える。さらに、エアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体のロッド12の上流の位置に上流セクション16を備える。したがって、エアロゾル発生物品10は、上流または遠位端部18から下流または口側端部20まで延在し得る。
【0314】
エアロゾル発生物品は、約45ミリメートルの全長を有する。
【0315】
下流セクション14は、エアロゾル発生基体のロッド12のすぐ下流に位置する支持要素22を備え、支持要素22は、ロッド12と長手方向に整列している。図1の実施形態では、支持要素18の上流端は、エアロゾル発生基体のロッド12の下流端に当接している。さらに、下流セクション14は、支持要素22のすぐ下流に位置するエアロゾル冷却要素24を備え、エアロゾル冷却要素24は、ロッド12および支持要素22と長手方向に整列している。図1の実施形態では、エアロゾル冷却要素24の上流端は、支持要素22の下流端に当接する。図1の実施形態では、支持要素22とエアロゾル冷却要素24とは、エアロゾル発生物品10の中間中空セクション50を一緒に画定する。
【0316】
支持要素22は、第一の中空管状セグメント26を含む。第一の中空管状セグメント26は、酢酸セルロースから作製された中空円筒管の形態で提供される。第一の中空管状セグメント26は、第一の中空管状セグメントの上流端30から第一の中空管状セグメント20の下流端32まで全面的に延在している、内部空洞28を画定する。内部空洞28は、実質的に空であり、したがって、実質的に無制限の気流が内部空洞28に沿って可能になる。
【0317】
第一の中空管状セグメント26は、約8ミリメートルの長さ、約7.25ミリメートルの外径、および約1.9ミリメートルの内径を有する。したがって、第一の中空管状セグメント26の周辺壁の厚さは、約2.67ミリメートルである。
【0318】
エアロゾル冷却要素24は、第二の中空管状セグメント34を備える。第二の中空管状セグメント34は、酢酸セルロースから作製された中空円筒管の形態で提供される。第二の中空管状セグメント34は、第二の中空管状セグメントの上流端38から第二の中空管状セグメント34の下流端40まで全面的に延在している、内部空洞36を画定する。内部空洞36は、実質的に空であり、したがって、実質的に無制限の気流が内部空洞36に沿って可能になる。
【0319】
第二の中空管状セグメント34は、約8ミリメートルの長さ、約7.25ミリメートルの外径、および約3.25ミリメートルの内径を有する。したがって、第二の中空管状セグメント34の周辺壁の厚さは、約2ミリメートルである。したがって、第一の中空管状セグメント26の内径と第二の中空管状セグメント34の内径との間の比は、約0.75である。
【0320】
エアロゾル発生物品10は、第二の中空管状セグメント34に沿った位置に提供された通気ゾーン60を備える。より詳細には、通気ゾーンは、第二の中空管状セグメント34の上流端から約2ミリメートルで提供される。エアロゾル発生物品10の通気レベルは、約25パーセントである。
【0321】
図1の実施形態では、下流セクション14は、中間中空セクション50の下流の位置にマウスピース要素42をさらに備える。より詳細には、マウスピース要素42は、エアロゾル冷却要素24のすぐ下流に位置付けられる。図1の図面に示されるように、マウスピース要素42の上流端は、エアロゾル冷却要素18の下流端40に当接する。
【0322】
マウスピース要素42は、低密度酢酸セルロースの円筒形プラグの形態で提供されている。マウスピース要素42は、約12ミリメートルの長さ、および約7.25ミリメートルの外径を有する。
【0323】
ロッド12は、上述のタイプのうちの一つのエアロゾル発生基体を含む。エアロゾル発生基体の密度は、立方センチメートル当たり約600ミリグラムである。
【0324】
エアロゾル発生基体のロッド12は、約7.25ミリメートルの外径、および約12ミリメートルの長さを有する。
【0325】
エアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体のロッド12内に細長いサセプタ44をさらに備える。より詳細には、サセプタ44は、ロッド12の長手方向に対してほぼ平行になるように、エアロゾル発生基体内に実質的に長手方向に配置される。図1の図面に示されるように、サセプタ44は、ロッド内の半径方向で中央の位置に位置付けられており、ロッド12の長手方向軸に沿って効果的に延在している。より詳細には、サセプタ44は、エアロゾル発生基体と熱的に接触している。サセプタ44は、ロッド12の上流端から下流端まで全面的に延在している。実質的に、サセプタ44は、エアロゾル発生基体のロッド12と実質的に同じ長さを有する。
【0326】
図1の実施形態では、サセプタ44は、細片の形態で提供されており、約12ミリメートルの長さ、約60マイクロメートルの厚さ、および約4ミリメートルの幅を有する。
【0327】
上流セクション16は、エアロゾル発生基体のロッド12のすぐ上流に位置する上流要素46を備え、上流要素46は、ロッド12と長手方向に整列している。図1の実施形態では、上流要素46の下流端は、エアロゾル発生基体のロッド12の上流端に当接する。これにより、有利なことに、サセプタ44が外れることを防止する。さらに、これにより、消費者が使用後に加熱サセプタ44に偶発的に接触し得ないようにすることができる。
【0328】
上流要素46は、硬質ラッパーによって囲まれた酢酸セルロースの円筒形プラグの形態で提供される。上流空洞要素46は、約5ミリメートルの長さを有する。上流要素46のRTDは、約30ミリメートルH2Oである。
【0329】
図1の図面に示されるように、エアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体のロッド12を囲むラッパー70をさらに備える。ラッパー70は、平方メートル当たり約90グラムの坪量を有するラッピング基材を含む。さらに、ラッパー70は、一つ以上の難燃性化合物を含む難燃性組成物を含む。
【0330】
より詳細には、難燃性組成物は、エアロゾル発生基体のロッド12の近位端と遠位端との間に延在するラッパーの処理された部分72に少なくとも提供される。処理された部分72は、処理された部分72の表面積の平方メートル当たり約3.5グラムの一つ以上の難燃性化合物を含む。したがって、ラッパー70の処理された部分72は、ラッピング基材の坪量よりも大きい全坪量を有する。図1の実施形態では、処理された部分72は、エアロゾル発生基体のロッド12の長さと実質的に合致する長さを有し、実質的にエアロゾル発生基体のロッド12の外表面積全体にわたり延在する。
【0331】
図2に示されるエアロゾル発生物品110は、図1のエアロゾル発生物品10と共通する数多くの特徴を有し、エアロゾル発生物品10とそれが異なる限りにおいて以下で説明する。
【0332】
図2に示される通り、エアロゾル発生物品110は、エアロゾル発生基体12のロッド12と、エアロゾル発生基体のロッド12の下流の位置にある修正下流セクション114と、を備える。さらに、エアロゾル発生物品110は、上流セクションを含まない。
【0333】
エアロゾル発生物品10の下流セクション14と同様に、エアロゾル発生物品110の修正下流セクション114は、エアロゾル発生基体のロッド12のすぐ下流に位置する支持要素22を備え、支持要素22はロッド12と長手方向に整列し、支持要素22の上流端部は、エアロゾル発生基体のロッド12の下流端部に当接する。
【0334】
さらに、修正下流セクション114は、支持要素22のすぐ下流に位置するエアロゾル冷却要素124を備え、エアロゾル冷却要素124は、ロッド12および支持要素22と長手方向に整列している。より詳細には、エアロゾル冷却要素124の上流端は、支持要素22の下流端に当接する。
【0335】
エアロゾル発生物品10の下流セクション14とは対照的に、修正下流セクション114のエアロゾル冷却要素124は、ロッドを通る空気の通過に対して低いまたは実質的にヌルの抵抗を提供する複数の長手方向に延在するチャネルを備える。より詳細には、エアロゾル冷却要素124は、好ましくは、金属箔、高分子シート、および実質的に無孔の紙または厚紙を含む群から選択される無孔のシート材料から形成される。特に、図2に図示した実施形態では、エアロゾル冷却要素124は、ポリ乳酸(PLA)の捲縮したシートおよびシートの集合体の形態で提供される。エアロゾル冷却要素124は、約8ミリメートルの長さ、および約7.25ミリメートルの外径を有する。
【0336】
図1の実施形態と同様に、図2のエアロゾル発生物品110は、エアロゾル発生基体のロッド12を囲むラッパー70をさらに備える。ラッパー70は、平方メートル当たり約90グラムの坪量を有するラッピング基材を含む。さらに、ラッパー70は、一つ以上の難燃性化合物を含む難燃性組成物を含む。
【0337】
より詳細には、難燃性組成物は、エアロゾル発生基体のロッド12の近位端と遠位端との間に延在するラッパーの処理された部分72に少なくとも提供される。処理された部分72は、処理された部分72の表面積の平方メートル当たり約3.5グラムの一つ以上の難燃性化合物を含む。したがって、ラッパー70の処理された部分72は、ラッピング基材の坪量よりも大きい全坪量を有する。図1の実施形態では、処理された部分72は、エアロゾル発生基体のロッド12の長さと実質的に合致する長さを有し、実質的にエアロゾル発生基体のロッド12の外表面積全体にわたり延在する。
図1
図2
【国際調査報告】