(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(54)【発明の名称】ファスナ
(51)【国際特許分類】
F16B 45/04 20060101AFI20230612BHJP
F16G 11/00 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
F16B45/04 Z
F16G11/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568873
(86)(22)【出願日】2021-05-14
(85)【翻訳文提出日】2022-12-27
(86)【国際出願番号】 CN2021093774
(87)【国際公開番号】W WO2021228214
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】32020007529.1
(32)【優先日】2020-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】HK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519184516
【氏名又は名称】エムアールエム エイチケー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シュリッパー,ロバート ウェスレー
(72)【発明者】
【氏名】リッチー,ルーク ジェイムズ
【テーマコード(参考)】
3J038
【Fターム(参考)】
3J038AA01
3J038BA02
3J038BC20
(57)【要約】
部材を解放可能に固定するためのファスナ(10)が、シャンク(13)と、凹所(12)とを含む、本体(11)を含み、凹所(12)は、部材を受け入れるように構成される。ゲート(21)が、部材を保持するために凹所(12)の口を閉じる閉鎖位置と、開放位置との間で、シャンク(13)上を軸方向にスライドするように取り付けられる。ゲート(21)を閉鎖位置に付勢するよう、ゲート(21)およびシャンク(13)と係合する、弾性手段と、ゲート(21)の両側に取り付けられるラッチ(24)とを含み、各ラッチは、自己閉鎖し、ゲートを閉鎖位置に保持するために本体と係合して、より高い安全性のために、解放のために3つの独立した動作を必要とする、自動ロックファスナを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部材を解放可能に固定するためのファスナであって、
シャンクと、前記部材を受け入れるように構成される凹所とを含む、本体と、
前記部材を保持するために前記凹所の口を閉じる閉鎖位置と、開放位置との間で、前記シャンク上を軸方向にスライドするように取り付けられる、ゲートと、
前記ゲートを前記閉鎖位置に付勢するよう、前記ゲートおよび前記シャンクと係合する、弾性手段と、
前記ゲートの両側に取り付けられる一対のラッチと、を含み、
各ラッチは、自己閉鎖し、前記ゲートを前記閉鎖位置に保持するために前記本体と係合する、
ファスナ。
【請求項2】
前記凹所は、前記本体の長手方向の一端に近接して配置される、請求項1に記載のファスナ。
【請求項3】
前記凹所は、前記本体のフック形状部分によって画定され、該フック形状部分は、任意的に、凹部形態を有する、請求項1または2に記載のファスナ。
【請求項4】
前記ラッチは、類似しており、各ラッチは、それぞれの実質的に横方向のピボット軸を中心として回転するようピボットによって取り付けられるラッチレバーを含む、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載のファスナ。
【請求項5】
前記ラッチレバーは、概ね軸方向に細長く、両方の実質的に横方向のピボット軸は、横方向平面内に実質的に位置する、請求項4に記載のファスナ。
【請求項6】
前記ピボット軸は、前記ラッチレバーの対向する第1及び第2の端の中間に配置され、各ラッチレバーの前記第1及び第2の端の一方は、前記シャンクのショルダに当接する、請求項4または5に記載のファスナ。
【請求項7】
スロットが、前記シャンクを通じて延び、実質的に軸方向に整列させられ、前記スロット内に受け入れられるラッチバネの両端が、前記ラッチレバーのそれぞれ1つに当接して、前記第1および第2の端のうちの1つを内向きに付勢する、請求項6に記載のファスナ。
【請求項8】
心棒が、前記本体にあるそれぞれの孔に保持され、各心棒は、前記ラッチレバーのうちの1つを枢動可能に支持する、請求項1~7のうちのいずれか1項に記載のファスナ。
【請求項9】
一体成形品の保持器が、各ラッチレバーを通じて延びて、前記ラッチレバーの各ピボットを画定する、請求項1~7のうちのいずれか1項に記載のファスナ。
【請求項10】
前記ゲートの外周にあるチャネルが、前記一体成形品の保持器の区画を受け入れる、請求項9に記載のファスナ。
【請求項11】
前記一体成形品の保持器は、2つの平行なアームを持つU形状に先ず形成されるある長さのワイヤを含み、前記2つの平行なアームは、前記ラッチレバーおよびラッチバネを恒久的に保持するために前記アームの端が共に曲げられてループを形成する前に前記ラッチレバーを通じて挿入される、請求項9または10に記載のファスナ。
【請求項12】
前記弾性手段は、前記シャンクの周りに延在する螺旋バネを含み、前記螺旋バネの一端は、前記ゲートと係合し、他端は、前記シャンクの一端に近接する取付具と係合する、請求項1~11のうちのいずれか1項に記載のファスナ。
【請求項13】
前記取付具は、孔内に保持され、該孔は、好ましくは、前記シャフトに対して実質的に横方向に、前記シャフトを通じて延びる、請求項12に記載のファスナ。
【請求項14】
前記取付具は、ワイヤロープのような、細長い弾性部材の一端を含む、請求項12または13に記載のファスナ。
【請求項15】
前記本体のフック形状の端および前記ゲートの両方に相補的なフック形状の端を有するカプラを更に含み、該カプラは、前記ゲートの軸方向端から突出するように当該ファスナと係合させられ、前記ゲートを前記閉鎖位置にスライドさせることによって固定される、請求項1~14のうちのいずれか1項に記載のファスナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、意図しない解放に対する保護を提供するために解放のために複数の独立した作用を必要とするファスナ、特にオートロックゲート付きファスナ(auto-locking gated fastener)に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、フックの口を閉じるためにバネによって付勢されるスライドゲートを有するフックファスナを記載している。それは、ベルト、スリング、テザー、ライン、ロープ、チェーン等のような、細長い可撓性部材の解放可能な締め付けに使用されることがある。このファスナの欠点は、ゲートをラッチされた閉じた状態に配置するためにユーザが実行しなければならない別個の手動行為、すなわち、キーパを回転させることである。従って、この別個の手動行為の必要性が回避され得るならば利用可能となる、意図しない解放に対するより高度なセキュリティまたは保護を提供する必要性が存在することが理解されるであろう。本発明の目的は、上記の必要性に対処することであり、より一般的には、改良されたオートロックゲート付きファスナを提供することである。
【発明の概要】
【0003】
本発明の1つの態様によれば、部材を解放可能に固定するためのファスナが提供され、ファスナは、
シャンクと、部材を受け入れるように構成される凹所(recess)とを含む、本体と、
部材を保持するために凹所の口を閉じる閉鎖位置と、開放位置との間で、シャンク上を軸方向にスライドするように取り付けられる、ゲートと、
ゲートを閉鎖位置に付勢するように、ゲートおよびシャンクと係合する、弾性手段(resilient means)と、
ゲートの両側に取り付けられる一対のラッチと、を含み、各ラッチは、自己閉鎖し、ゲートを閉鎖位置に保持するために本体と係合する。
【0004】
弾性手段は、好ましくは、バネ(例えば、螺旋バネ、板バネ、カンチレバーバネ、ガスバネ)、(エラストマブロックのような)弾力部材などのような、弾性的な部材またはアセンブリを含む。
【0005】
ラッチは、摺動ラッチ、枢動ラッチ、または組み合わされた摺動および枢動ラッチのような、任意の既知のタイプのラッチであってよく、バネ(例えば、螺旋バネ、板バネ、カンチレバーバネ、ガスバネ)、(エラストマブロックのような)弾力部材などのような、弾性ラッチ閉鎖手段の提供を通じて自己閉鎖させられてよい。
【0006】
好ましくは、凹所は、本体の長手方向の一端に近接して配置される。
【0007】
好ましくは、凹所は、本体のフック形状部分によって画定される。好ましくは、フック形状部分は、凹部(non-reentrant)形態を有する
【0008】
好ましくは、ラッチは、類似しており、各ラッチは、それぞれの実質的に横方向のピボット軸を中心として回転するようピボットによって取り付けられるラッチレバーを含む。
【0009】
好ましくは、ラッチレバーは、概ね軸方向に細長く、両方の実質的に横方向のピボット軸は、横方向平面内に実質的に位置する。
【0010】
好ましくは、ピボット軸は、ラッチレバーの対向する第1及び第2の端の中間に配置され、各ラッチレバーの第1及び第2の端の一方は、シャンクのショルダに当接する。
【0011】
好ましくは、スロットが、シャンクを通じて延び、実質的に軸方向に整列させられ、スロット内に受け入れられるラッチバネの両端が、ラッチレバーのそれぞれ1つに当接して、第1および第2の端のうちの1つを内向きに付勢する。
【0012】
好ましくは、第2の端は、ゲートの凹状の円周方向表面から突出し、最も好ましくは、円錐状の凹状表面から突出する。
【0013】
心棒(axles)が、本体にあるそれぞれの孔に保持されてよく、各心棒は、ラッチレバーのうちの1つを枢動可能に支持する。しかしながら、好ましくは、一体成形品の保持器が、各ラッチレバーを通じて延びて、各ピボットを画定する。
【0014】
好ましくは、ゲートの外周にあるチャネルが、一体成形品の保持器の区画(section)を受け入れる。
【0015】
好ましくは、一体成形品の保持器は、2つの平行なアームを持つU形状に先ず形成される、ある長さのワイヤを含み、2つの平行なアームは、ラッチレバーおよびラッチバネを恒久的に保持するために、アームの端が共に曲げられてループを形成する前に、ラッチレバーを通じて挿入される。
【0016】
好ましくは、弾性手段は、シャンクの周りに延在する螺旋バネを含み、螺旋バネの一端は、ゲートと係合し、他端は、シャンクの一端に近接する取付具(fixture)と係合する。
【0017】
好ましくは、取付具は、シャフトに対して実質的に横方向に延びる孔内に保持される。
【0018】
好ましくは、取付具は、ワイヤロープのような、細長い弾性部材の一端を含む。
【0019】
本発明は、操作上の使用において効果的かつ効率的であり、3つの独立した解放動作(2つの別々のラッチおよびゲートのスライド)および自動ロックを必要とすることによって、意図しない解放に対する保護をもたらす、ファスナを提供する。
【0020】
次に、本発明の好ましい形態を添付の図面を参照して一例として記載する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明のファスナの第1の実施形態の分解図である。
【
図1a】
図1のファスナの本体の一端を通じる長手方向平面の断面図である。
【
図2】閉鎖位置で組み立てられた
図1のファスナの斜視図である。
【
図3】
図2のファスナを通じる中心長手方向平面の断面図である。
【
図5】開放位置における
図2のファスナの斜視図である。
【
図6】
図1のファスナの片手操作を示す概略図である。
【
図7】本発明のファスナの第2の実施形態の斜視図である。
【
図8】本発明のファスナの第3の実施形態の斜視図である。
【
図9】本発明のファスナの第4の実施形態の平面図である。
【
図10】本発明のファスナの第4の実施形態の側面図である。
【
図13】ファスナを開くゲートのスライド動作を示す矢印を含むように修正された
図10である。
【
図16】本発明のファスナの第5の実施形態を示している。
【
図17】本発明のファスナの第5の実施形態を示している。
【
図18】本発明のファスナの第5の実施形態を示している。
【
図19】本発明のファスナの第5の実施形態を示している。
【
図20】本発明のファスナの第5の実施形態を示している。
【
図21】本発明のファスナの第5の実施形態を示している。
【
図22】本発明のファスナの第5の実施形態を示している。
【
図23】長手方向断面における本発明のファスナの第6の実施形態を示している。
【
図24】ゲートの軸方向の一端に受け入れられた相補的なカプラに固定された本発明のファスナの第7の実施形態の長手方向断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1~
図5を参照すると、本発明によるファスナ10(締結具)の第1の実施形態は、一般に、第1の長手方向端14に近接して形成された凹所12(recess)と、反対の長手方向端15に延びてよいシャンク13とを有する、細長い本体11を含む。第1の長手方向端14は、凹所12を画定する本体11のフック形状部分で構成されてよい。本体11は、両端14、15が同様の断面を有する、概ね細長い形態を有してよい。凹所12は、概ね横方向に延び、シャンク13の外面と概ね整列した細長い口16(mouth)からその閉じた端17まで長手方向に狭まるように先細(テーパ状)であってよい。閉じた端17は、凹状であってよく、丸みを付けられた面を画定する。凹所12は、本体11の想像上の中心長手方向平面(図示せず)を横切って延びないように、横方向寸法において比較的浅いことがある。スロット18が、本体11を通じて延在してよく、長手方向に細長く、少なくとも部分的に、凹所12と交差してよい。スロット18の内端の近くで、本体は、横方向に対向するショルダ36(肩部)を含む。平面的な面19が、本体11の外部に設けられて、長手方向に整列させられてよい。孔20が、長手方向端15を通じて横方向に延在してよい。
【0023】
本体11の端14のフック形状部分は、
図1aに最もよく見られるように、非凹部(non-reentrant)の形態を有してよい。フック形部分の自由端80の先端で、凹所12の表面は、接線81を画定する。接線81は、非凹部の形態を提供するよう、凹所12の対向面82に対してほぼ平行である(或いはその角度から開放される)ことで、凹所12に受け入れられる部材が、閉鎖端17に到達する前にスロート区画(throat section)を通過する必要性を回避する。この形状は、自由端80が凹所12のスロート区画を境界付けるように、方向83における回転によって、接線81が閉じられる、凹部(re-entrant)の形態(図示せず)から区別される。ファスナ10は、ゲート21、圧縮ばね23の形態の弾性手段、一対のラッチレバー24a、24b、一体成形品の保持器26、およびテザー27をさらに含む。
【0024】
ゲート21が口16を覆って延在することによって、ゲート21が口16を閉じる、閉鎖位置(
図2及び
図3)と、部材(図示せず)を口16の中に挿入するために、ゲート21が引っ込められて、口16の一部分を露出させる、開放位置(
図5)との間で、ゲート21がシャンク13上で軸方向にスライドすることができるように、ゲート21は、シャンク13に対して相補的な中央開口22を有するスリーブ状の形態を有し、シャンク13は、中央開口22に受け入れられる。よって、閉鎖位置において、凹所12は、横方向に延びる貫通穴を境界付ける。ゲート21の回転を防止するために、並びに(閉鎖位置におけるように)ストップファセット76に当接し、それによって、本体11の端14に向かうゲート21の進行を制限するために、開口22内の内部当接部28が、面19との係合のために設けられてよい。軸方向に整列させれるスロット29は、ゲート21の正反対に対向する側面を通じて延びて、ラッチレバー24a、24bのそれぞれを受け入れてよい。凹所12に受け入れられ且つ横方向に細長い部材(図示せず)が両方の凹面50(concavities)を通じても突出するように、ゲート21の外側軸方向端の横方向に対向する凹面50が、閉鎖位置において、閉鎖端17との位置合わせのために設けられてよい。凹所12内の受け入のために、部材は、別の長さのワイヤロープ、ピン、Dリングまたはチェーンリンクなどであってよく、それは、その長さを通じて実質的に一定の直径の断面を有するような、細長い区画を含む。細長い区画の対向する長手方向エッジは、凹状の閉鎖端17および凹面50の対向する凹状端77に隣接して配置されてよい。細長い区画の横断方向の寸法及び端14に向かうゲート21の進行の制限に依存して、細長い区画は、端17、77の間にクランプされて、二重剪断において効果的に負荷されてよく、或いは、ファスナ10に対して横方向に自由に移動してよい。一体成形品の保持器26は、
図1に示されるように、初期的にU形状のワイヤで形成され、各々がラッチレバー24a、24bの1つを支持するピボットを提供する2つの平行なアーム25、30を持つ。2つの平行なアーム25、30は、アーム25、30の端25a、30aが一緒に曲げられて、ラッチレバー24a、24bを永久的に保持するループを形成する前に、ゲート21にあるそれぞれの開口31を通じて並びにラッチレバー24a、24bにある開口32を通じて挿入される。ゲート21の周囲にあるチャネル33、34、35は、一体成形品の保持器26が、
図4に最もよく見られるように、ゲート21の周囲内に埋め込まれるように、一体成形品の保持器26の部分を受け入れる。このようにして、両方のレバーのピボット軸は、同じの横方向平面内に実質的に位置する。
【0025】
ラッチレバー24a、24bは同様であり、開口32が、第1および第2の長手方向端42、43の中間に配置されたピボット軸を画定する。各ラッチレバーの第1の端42は、バネ41の一端を受け入れるナブ40(nub)を含むことがある一方で、第2の端43は、閉鎖位置においてショルダ36の1つに当接するように構成される。このようにして、バネ41は、端42を離れる方向に付勢し且つ端43を内向きに付勢するように作用して、ラッチレバー24a、24bを自己閉鎖させる。
図2は、おそらく、ゲート21の円周方向表面44から突出しているラッチレバー24a、24bの第2の端42を最もよく示しており、ゲート21の円周方向表面44は、円錐の凹状形態、すなわち、ラッチレバー24a、24bの上でのユーザの親指および指の快適な場所を提供する人間工学的構成である。
【0026】
螺旋状の圧縮バネ23は、シャンク13の周りに延在し、ゲート21と係合することがある一端と、長手方向端15に近接する、ワイヤロープ27又は同様の細長い可撓性部材の形態の取付具と係合することがある他端とを有する。この実施形態において、ワイヤロープ27の端は、孔20を通過するループ78において形成され、ループは、ワイヤロープ自体が逆戻りし、例えば、クリンプ48によって、ワイヤロープ自体に恒久的に固定される、ワイヤロープ27によって形成される。本体11の端15は、孔20を通じるワイヤロープ27のスライド(摺動)のような本体11とワイヤロープ127との間の相対的な動きを防止するために、ループ78の端でワイヤロープ127に直接的にクリンプされて(crimped)よい。
【0027】
ラッチレバー24a、24bは、独立したラッチ動作を有するので、両方のラッチレバー24a、24bは、ゲート21をスライドさせて開放するために、ユーザによって押されなければならず、それらの対向する配置は、
図6に示されるように、人差指と親指との間でそれらを把持することによって容易に達成され得ることを意味する。この図は、ワイヤロープ27に形成されるループも、便利に把持されることがあることで、ゲート21が引っ込められる間に本体を固定し、よって、片手操作を提供することがあることも示している。これら2つのラッチレバー24a、24bの解放及びゲート21のスライドは、ファスナ10を解放するために各々行われなければならない3つの独立した動作を含み、よって、意図しない解放が生じる可能性を軽減する。さらに、ラッチレバー24a、24bは自己閉鎖的であり、スライドゲート21はその閉鎖状態にバネ付勢されるので、ファスナ10は、ユーザによる解放後に自動的にロックされる。
【0028】
後続の本発明の別の実施形態では、第1の実施形態からの同様のコンポーネント(構成要素)を参照するために、同様の番号が使用される。
【0029】
図7は、ワイヤロープ27のループを除いて、第1の実施形態10と同様の構造のファスナ110の第2の実施形態を示しており、ワイヤロープ127の一端は、代わりに、永久的な接続によって、例えば、ワイヤロープ127の端51に直接的にクリンプされる本体11の端15によって、端15に固定される。この実施形態を用いてある長さのワイヤロープ127を凹所12内に固定することで、安全に開放可能なループ128が、ワイヤロープ127を用いて形成される。
【0030】
図8に示す第3の実施形態またはファスナ210では、Dリング251が孔20に受け入れられ、Dリング251を通じてウェブ55のループによって織物ウェブ55に接続される。
【0031】
図9~
図15に示すファスナ310の第4の実施形態は、同様の機能を実行するために同様の構成要素を使用するが、ゲートが圧縮バネによって閉じられる代わりにゲートは張力バネ123によって閉じられる。張力バネ123は、ワイヤロープ27のループの周りに延在する1つのフック付き端によって本体111の端15に固定され、ゲート121にある穴に受け入れられる別のフック付き端によってゲート121に固定され、ゲート121は、端に向かってその(
図9-
図15に示される)閉鎖位置に付勢される。凹面150は、ゲート121の軸方向端の間の中間位置に配置され、閉鎖位置において、ゲート121の一体的なリップ部分60(舌部分)が凹所112の口を越えて延びるように、U形状とされる。
【0032】
おそらく
図22によって最も良く示される、
図16~
図22に示される別の好ましい実施形態において、ファスナ410のフック付き端14およびそれによって画定される凹所212は、用途に依存して必要とされることがあるように、本体211の隣接するシャンク213よりも実質的により大きな横方向寸法を有することがある。この幾何学的形状に適合するために、閉鎖位置において凹所の口の上に位置する代わりに、ゲート221は、フック形状部分の端で本体221上の相補的なインターフェース66に当接するインターフェース65を有することがある。これらのインターフェース65、66は、ゲート221がフック形状の端の安定性に寄与するよう閉鎖位置においてある程度のインターロック(連結)を提供する段付き形態を有することがある。
【0033】
図16~
図22は、本体211が、圧縮バネ223の一端のための軸受を提供するよう、シャンク213の半径方向外側に突出するヘッド部68を含むことがあり、ワイヤロープ受け入れ孔220がヘッド部68を通じて延在することを示している。
【0034】
図23は、ラッチレバー524a、524bが、ゲート521に枢動的に取り付けられたままであるが、付勢単一バネ41が、それぞれのラッチピボットの周りに取り付けられた捩りバネのような2つの別々のバネ(図示せず)に置き換えられ、各々がラッチレバー524a、524bのそれぞれの1つをそのラッチ位置に付勢する、ファスナ510の第6の実施形態を示している。有利なことに、これはシャンク513にある貫通延在スロット18の必要性を回避する。加えて、ゲート521は、シャンクの長手方向軸を中心として自由に回転させられることがある。何故ならば、ショルダ536は、横断平面に位置し、従って、長手方向軸を中心とするゲート121とシャンク513との間の任意の相対的な回転角度でラッチレバー524a、524bに当接する、環状面514を画定するからである。
【0035】
図24および
図25に示されるように、二部結合(coupling)が、ファスナ610と、ゲート21の軸方向の一端に解放可能に固定可能な相補的なカプラ514(coupler)とを含んでよい。ファスナ610は、細長い本体611の端614の形状を除いて、先行するファスナ10、110、210、310、410、510のうちのいずれかと同様であり、凹所12内に延びるフック形状端614にある軸方向に延びるチャネルがあり、このチャネルは、カプラ514の軸方向に延びる部分516を受け入れる。カプラ514は、ゲート21およびフック形状端614の両方に相補的なフック形状端515を有し、ゲート21を(図示の位置まで)延ばすことが、ゲート21の軸方向端から突出するようにカプラ514を固定するよう、それらと係合する。軸方向に延びるチャネルによって修正されるが、凹所12に受け入れられ、横方向に延びる細長い部材は、ループ128を形成するように、固定されたままであり、軸方向において凹所12から逃げることができない。例えば、ツールにカプラ514を設けることによって、テザーに固定される本発明のファスナは、ツールを繋ぐために使用されることができる。
【0036】
本発明の態様は、ほんの一例として記載されており、その範囲から逸脱することなく、修正および追加が行われる場合があることが理解されるべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0037】
【特許文献1】米国特許第8,365,365B2号明細書
【国際調査報告】