(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(54)【発明の名称】マルチセクションショーロボットのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B25J 9/22 20060101AFI20230612BHJP
B25J 19/04 20060101ALI20230612BHJP
A63G 31/00 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
B25J9/22 Z
B25J19/04
A63G31/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568886
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(85)【翻訳文提出日】2022-11-11
(86)【国際出願番号】 US2021031054
(87)【国際公開番号】W WO2021231166
(87)【国際公開日】2021-11-18
(32)【優先日】2020-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】ジェロミン アーロン チャンドラー
(72)【発明者】
【氏名】クラウトハマー アキヴァ メイア
(72)【発明者】
【氏名】ガルニエ ティモシー フィッツジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】ハーツラー エラム ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ピアース マシュー ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ノックス サムエル ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン リー マーヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ハンフリーズ キンバリー アン
(72)【発明者】
【氏名】ニコソン コーディ ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ドレッセン トレイス アンドリュー
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS36
3C707CY12
3C707KT01
3C707KT02
3C707MT14
3C707WA02
3C707WA04
3C707WA12
3C707WK00
3C707WL04
3C707WM06
3C707WM13
(57)【要約】
ロボットシステムは、マルチセクションショーロボットを含む。マルチセクションショーロボットは、コントローラ及び1又は2以上のセンサを有する1次ロボットを含む。1又は2以上のセンサは、1次ロボットを囲む環境を示すフィードバックを取得するように構成される。マルチセクションショーロボットは、2次ロボットを更に含み、2次ロボットは、1次ロボットが2次ロボットから結合解除される係合解除構成と、1次ロボットが2次ロボットに結合される係合構成との間でマルチセクションショーロボットを移行させるために1次ロボットに取り外し可能に結合するように構成される。コントローラは、マルチセクションショーロボットが係合解除構成にある状態で、フィードバック及び第1の制御方式に基づいて1次ロボットを動作させ、マルチセクションショーロボットが係合構成にある状態で、第2の制御方式に基づいて1次ロボットを動作させる、ように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチセクションショーロボットを含むロボットシステムであって、
前記マルチセクションショーロボットは、
コントローラと1又は2以上のセンサとを含む1次ロボットであって、前記1又は2以上のセンサは、前記1次ロボットを囲む環境を示すフィードバックを取得するように構成される、1次ロボットと、
2次ロボットであって、前記1次ロボットに取り外し可能に結合され、前記1次ロボットが前記2次ロボットから切り離される係合解除構成と、前記1次ロボットが前記2次ロボットに結合される係合構成との間で前記マルチセクションショーロボットを移行させるように構成された、2次ロボットと、
を備え、
前記コントローラは、前記マルチセクションショーロボットが前記係合解除構成にある状態でフィードバック及び第1の制御方式に基づいて前記1次ロボットを動作させ、前記マルチセクションショーロボットが前記係合構成にある状態で第2の制御方式に基づいて前記1次ロボットを動作させるように構成される、
ロボットシステム。
【請求項2】
前記2次ロボットは、追加のコントローラと1又は2以上の追加のセンサとを備え、前記1又は2以上の追加のセンサは、前記2次ロボットを囲む環境を示す追加のフィードバックを取得するように構成される、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記マルチセクションショーロボットが前記係合構成にあるときに、前記第2の制御方式及び前記フィードバック、前記追加のフィードバック、又はこれらの両方に基づいて前記1次ロボットを動作させるように構成される、請求項2に記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記追加のコントローラは、
前記マルチセクションショーロボットが前記係合解除構成にあるときに、前記追加のフィードバック及び第3の制御方式に基づいて前記2次ロボットを動作させ、
前記マルチセクションショーロボットが前記係合構成にあるときに、前記第2の制御方式及び前記フィードバック、前記追加のフィードバック、又はこれら両方に基づいて、前記2次ロボットを動作させる、
ように構成される、請求項2に記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記1次ロボット、前記2次ロボット、又は各ロボットは、音声出力デバイス、視覚出力デバイス、ジェスチャー出力デバイス、又はこれらの組み合わせを有するインタラクションシステムを備える、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項6】
前記第1の制御方式及び前記第2の制御方式は、前記1次ロボットの推進システムの動作仕様を定義する、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記動作仕様は、前記推進システムの駆動速度、ステップ速度、及び/又はステップ高さを含む、請求項6に記載のロボットシステム。
【請求項8】
システムコントローラと、前記システムコントローラに通信可能に結合されたマシンビジョンシステムとを備え、前記マシンビジョンシステムは、前記1次ロボット、前記2次ロボット、又はこれら両方の画像データを取得するように構成され、前記システムコントローラは、前記画像データに基づいて前記1次ロボット、前記2次ロボット、又はこれら両方の相対位置を監視するように構成される、請求項1記載のロボットシステム。
【請求項9】
前記1次ロボットは、アトラクションの乗り物車両を含む、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項10】
前記マルチセクションショーロボットの係合構成において、前記1次ロボットと前記2次ロボットは、テザーを介して結合される、請求項1記載のロボットシステム。
【請求項11】
前記2次ロボットは、前記マルチセクションショーロボットの係合構成において、前記1次ロボットに結合するように構成された複数の2次ロボットのうちの1つである、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項12】
マルチセクションショーロボットを動作させる方法であって、
前記マルチセクションショーロボットの1次ロボットを囲む環境を示すフィードバックを前記1次ロボットの1又は2以上のセンサを介して生成するステップと、
前記1次ロボットのコントローラを介して、前記マルチセクションショーロボットが、前記マルチセクションショーロボットの2次ロボットから前記1次ロボットが切り離される係合解除構成にあることを決定するステップと、
前記コントローラを介して、前記マルチセクションショーロボットが前記係合解除構成にあると決定することに応答して、前記フィードバック及び第1の制御方式に基づいて前記1次ロボットを動作させるステップと、
前記1次ロボットの前記コントローラを介して、前記マルチセクションショーロボットが、前記マルチセクションショーロボットの前記2次ロボットに前記1次ロボットが結合される係合構成にあることを決定するステップと、
前記コントローラを介して、前記マルチセクションショーロボットが前記係合構成にあると決定することに応答して、前記フィードバック及び第2の制御方式に基づいて前記1次ロボットを動作させるステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記1次ロボットの前記コントローラを介して、前記フィードバックに基づいて、前記マルチセクションショーロボットが前記係合解除構成にあることを決定するステップと、
前記2次ロボットの1又は2以上の追加のセンサを介して、前記2次ロボットを囲む追加の環境を示す追加のフィードバックを生成するステップと、
前記2次ロボットの追加のコントローラを介して、前記マルチセクションショーロボットが前記係合解除構成にあると決定することに応答して、前記追加のフィードバック及び第3の制御方式に基づいて前記2次ロボットを動作させるステップと、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記2次ロボットの1又は2以上の追加のセンサを介して、前記2次ロボットを囲む追加の環境を示す追加のフィードバックを生成するステップと、
前記2次ロボットの追加のコントローラを介して、前記マルチセクションショーロボットが前記係合構成にあると決定することに応答して、前記追加のフィードバック及び前記第2の制御方式に基づいて前記2次ロボットを動作させるステップと、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記マルチセクションショーロボットが前記係合構成にあると決定することに応答して、
前記コントローラを介して、前記フィードバック、前記追加のフィードバック、及び前記第2の制御方式に基づいて、前記1次ロボットを動作させるステップ、又は
前記追加コントローラを介して、前記フィードバック、前記追加のフィードバック、及び前記第2の制御方式に基づいて、前記2次ロボットを動作させるステップ、又は
これらのステップの両方、
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記2次ロボットを前記1次ロボットに結合させるローディング手順を実行するステップと、
前記1次ロボットを介して前記2次ロボットを初期位置から目標位置まで運ぶステップと、
前記2次ロボットを前記目標位置に置くために、前記目標位置にて前記2次ロボットを前記1次ロボットから切り離すステップと、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記2次ロボットが前記1次ロボットから切り離されている間、前記2次ロボットの健康ステータスを監視するステップと、
前記健康ステータスが閾値を下回ったと決定することに応答して、前記1次ロボットを介して前記2次ロボットを前記目標位置から別の目標位置に運ぶ回収動作を開始するステップと、
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
マルチセクションショーロボットであって、
1次ロボットであって、前記1次ロボットを囲む第1の環境を示すフィードバックを取得するように構成された1又は2以上のセンサを含む、1次ロボットと、
2次ロボットであって、前記2次ロボットを囲む第2の環境を示す追加のフィードバックを取得するように構成された1又は2以上の追加のセンサを含む、2次ロボットと、
前記1次ロボットの第1のコントローラ、前記2次ロボットの第2のコントローラ、又はこれら両方を含むコンピュータシステムと、
を備え、
前記コンピュータシステムは、
前記1次ロボットが前記2次ロボットに結合されているというインジケーションを受信し、
前記インジケーションを受信することに応答して、組み合わされたキャラクタ制御方式に基づいて、且つ前記フィードバック、前記追加のフィードバック、又はこれら両方に基づいて、前記1次ロボット及び前記2次ロボットを動作させる、
ように構成される、
マルチセクションショーロボット。
【請求項19】
前記コンピュータシステムは、
前記フィードバック、前記追加のフィードバック、又はこれら両方に基づいて、前記マルチセクションショーロボットとのゲストインタラクションの発生を識別するために、前記マルチセクションショーロボットを囲むインタラクション領域を監視し、
前記ゲストインタラクションの発生を決定することに応答して、前記1次ロボットの1又は2以上の構成要素を非アクティブにするために、前記1次ロボットを休止状態に移行させる、
ように構成される、請求項18に記載のマルチセクションショーロボット。
【請求項20】
前記ゲストインタラクションの発生を決定することに応答して、前記コンピュータシステムは、前記1次ロボットが休止状態にある間、前記1又は2以上の構成要素の少なくとも1つの動きを物理的にブロックするために、前記マルチセクションショーロボットの1又は2以上の機械的インターロック特徴部を係合するように構成される、請求項19のマルチセクションショーロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年5月14日に出願された「マルチセクションショーロボットのためのシステム及び方法(SYSTEMS AND METHODS FOR MULTI-SECTIONAL SHOW ROBOT)」と題する米国仮出願第63/024,640号の優先権及び利益を主張し、その全体は全ての目的のために引用により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本セクションは、以下に説明される本開示の様々な態様に関連する可能性がある技術の様々な態様を読み手に紹介することを意図している。この議論は、本開示の様々な態様のより良い理解を容易にする背景情報を読み手に提供するのに有用であると考えられる。従って、これらの記載は、先行技術の自認ではなく、この観点に照らして読まれるべきであることを理解されたい。
【0003】
遊園地は、遊園地の遊園地ゲストと相互作用する(インタラクトする)(interact)か又は他の方法でゲストを楽しませるショーロボット(例えば、アニマトロニクスフィギュア)を含むことができる。例えば、ショーロボットは、遊園地のアトラクションの乗り物経路に沿って、又は遊園地内の特定の場所に配置されて、アトラクション又はその場所の全体的なテーマに貢献することができる。ショーロボットは、ゲスト(guests)がショーロボットを(例えば、アトラクションの乗り物車両を介して)通過するように指示されるか、又は通過して歩くときに、予めプログラムされた位置又は行動を通じて移動することができる。このように、ショーロボットは、ショーロボットを有するアトラクション又はテーマ遊園地の場所によって提供されるゲストの没入体験を強化することができる。しかしながら、ショーロボットの位置は時間と共に変化しないので、ショーロボットとの対話及びショーロボットへの再訪の需要が徐々に低下する可能性がある。更に、遊園地に沿った様々な場所で遊園地ゲストと対話するように設計された複数の個々のショーロボットを開発、製造及び維持することは、高価であり、時間がかかる可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
最初に請求項に記載された主題の範囲内にある特定の実施形態について以下で要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定することを意図したものではなく、むしろこれらの実施形態は、開示された特定の実施形態の簡単な要約を提供することのみを意図したものである。実際に、本開示は、以下に記載される実施形態と類似した又は異なるとすることができる様々な形態を包含することができる。
【0005】
一実施形態では、ロボットシステムは、マルチセクションショーロボット(multi-sectional show robot)を含む。マルチセクションショーロボットは、コントローラ及び1又は2以上のセンサを有する1次ロボットを含み、1又は2以上のセンサは、1次ロボットを囲む環境を示すフィードバックを取得するように構成される。マルチセクションショーロボットは、1次ロボットに取り外し可能に結合するように構成された2次ロボットであって、1次ロボットが2次ロボットから切り離される(decoupled)係合解除構成(disengaged configuration)と、1次ロボットが2次ロボットに結合される係合構成(engaged configuration)との間でマルチセクションショーロボットを移行させる、2次ロボットを含む。コントローラは、マルチセクションショーロボットが係合解除構成にある状態で、フィードバック及び第1の制御方式(first control scheme)に基づいて1次ロボットを動作させ、マルチセクションショーロボットが係合構成にある状態で第2の制御方式に基づいて1次ロボットを動作させるように構成される。
【0006】
別の実施形態では、マルチセクションショーロボットを動作させる方法は、1次ロボットの1又は2以上のセンサを介して、マルチセクションショーロボットの1次ロボットを囲む環境を示すフィードバックを生成するステップを含む。本方法は、1次ロボットのコントローラを介して、マルチセクションショーロボットが、1次ロボットがマルチセクションショーロボットの2次ロボットから切り離される係合解除構成にあることを決定するステップを含む。本方法はまた、コントローラを介して、マルチセクションショーロボットが係合解除構成にあると決定することに応答して、フィードバック及び第1の制御方式に基づいて、1次ロボットを動作させるステップを含み、本方法はまた、コントローラを介して、マルチセクションショーロボットが係合解除構成にあると決定するステップを含む。本方法は、1次ロボットのコントローラを介して、マルチセクションショーロボットが、1次ロボットがマルチセクションショーロボットの2次ロボットに結合される係合構成にあることを決定するステップを更に含む。本方法はまた、マルチセクションショーロボットが係合構成にあることを決定することに応答して、フィードバック及び第2の制御方式に基づいて、コントローラを介して1次ロボットを動作させるステップを含む。
【0007】
別の実施形態では、マルチセクションショーロボットは、1又は2以上のセンサを有する1次ロボットであって、センサが1次ロボットを囲む第1の環境を示すフィードバックを取得するように構成された、1次ロボットを含む。マルチセクションショーロボットは、1又は2以上の追加のセンサを有する2次ロボットであって、センサが2次ロボットを囲む第2の環境を示す追加のフィードバックを取得するように構成された、2次ロボットを含む。マルチセクションショーロボットは、1次ロボットの第1のコントローラ、2次ロボットの第2のコントローラ、又はこれら両方を有するコンピュータシステムを更に含む。コンピュータシステムは、1次ロボットが2次ロボットに結合されているというインジケーション(indication)を受信し、インジケーションを受信することに応答して、組み合わされたキャラクタ制御方式に基づいて、フィードバック、追加のフィードバック、又はこれら両方に基づいて1次ロボット及び2次ロボットを動作させるように構成される。
【0008】
上述の特徴の様々な改善が、本開示の様々な態様に関連して実施することができる。また、更なる特徴も同様に、これらの様々な態様に組み込むことができる。これらの改善及び追加の特徴要素は、個別に又は何れかの組み合わせで存在することができる。
【0009】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、並びに利点は、図面全体を通じて同様の参照符号が同様の要素を示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むと更に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態による、1次ロボット及び2次ロボットを有するマルチセクションショーロボットの一実施形態の概略図である。
【
図2】本開示の実施形態による、マルチセクションショーロボットの1次ロボットを動作させるための制御方式を選択するためのプロセスの一実施形態のフロー図である。
【
図3】本開示の実施形態による、マルチセクションショーロボットの1次ロボットを介して環境にわたって2次ロボットを搬送するためのプロセスの一実施形態のフロー図である。
【
図4】本開示の実施形態による、遊園地環境においてマルチセクションショーロボットを動作させるためのプロセスの一実施形態のフロー図である。
【
図5】本開示の実施形態による、付属部が動作位置にある場合のマルチセクションショーロボットの付属部の一実施形態の概略図である。
【
図6】本開示の実施形態による、付属部が休止位置にある場合のマルチセクションショーロボットの付属部の実施形態の概略図である。
【
図7】本開示の実施形態による、それぞれのキャラクタ制御方式に従って1次ロボット及び2次ロボットを動作させるためのプロセスの一実施形態のフロー図である。
【
図8】本開示の実施形態による、環境におけるマルチセクションショーロボットの位置を検証するためのプロセスの一実施形態のフロー図である。
【
図9】本開示の一実施形態による、マシンビジョンシステムを使用して環境におけるマルチセクションショーロボットの位置を監視するためのプロセスの一実施形態のフロー図である。
【
図10】本開示の実施形態による、乗客乗り物車両を含むマルチセクションショーロボットの一実施形態の概略図である。
【
図11】本開示の実施形態による、1次ロボットと2次ロボットとの間に延びるテザー装置を含むマルチセクションショーロボットの一実施形態の概略図である。
【
図12】本開示の実施形態による、複数の2次ロボットを含むマルチセクションショーロボットの一実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の1又は2以上の具体的な実施形態について、以下に説明される。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、本明細書では、実際の実施態様の全ての特徴については説明しないことにする。何れかの技術又は設計プロジェクトと同様に、このような何らかの実際の実施構成の開発において、システム及びビジネスに関連した制約への準拠など、実施構成毎に異なる可能性のある開発者の特定の目標を達成するために、多数の実施時固有の決定を行う必要がある点は理解されたい。更に、このような開発の取り組みは、複雑で時間を要する可能性があるが、本開示の利点を有する当業者にとっては、設計、製作、及び製造の日常的な業務である点を理解されたい。
【0012】
本発明の種々の実施形態の要素を導入する際に、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、要素の1又は2以上が存在することを意味するものとする。用語「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」は、包括的なものであり、記載した要素以外の付加的な要素が存在し得ることを意味する。加えて、本発明の「一実施形態」又は「1つの実施形態」に対する言及は、同様に記載の特徴部を組み込んだ追加的な実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図していない点を理解されたい。
【0013】
本実施形態は、遊園地のゲストにパフォーマンス(例えば、ショー)を相互作用及び/又は提供するために遊園地環境に沿って移動するように構成することができるマルチセクションショーロボットに向けられている。マルチセクションショーロボットは、本明細書において「1次ロボット(primary robot)」とも呼ばれる1次ロボットセクション(例えば、ベースロボット(base robot))と、本明細書において「2次ロボット(secondary robot)」とも呼ばれる2次ロボットセクション(例えば、寄生ロボット(parasitic robot))とを含むことができる。1次ロボットは、マルチセクションショーロボットが、ゲストが位置し得る遊園地の様々な領域又は区域などの地形を横断することを可能にする1次モーションプラットフォームを含むことができる。例えば、1次動作プラットフォームは、1次動作プラットフォームが経路に沿ってマルチセクションショーロボットを推進することを可能にする、1又は2以上のホイール、トラック、脚部、及び/又は他の適切な機構又はデバイスを有する推進システムを含むことができる。2次ロボットは、マルチセクションショーロボットのテーマ又はキャラクタ(例えば、ドラゴン、オオカミ、又は他のクリーチャー)の少なくとも一部を形成するアニマトロニクスシステムを含むことができる。特に、アニマトロニクスシステムは、マルチセクションショーロボットによって描かれるテーマ又はキャラクタのゲストが知覚する実在感を高め得る、1又は2以上の作動可能な四肢又は付属部(例えば、腕、頭)、テーマ別被覆構造(例えば、毛皮、鱗状)、音声出力デバイス(例えば、音響スピーカー)、及び/又は視覚出力デバイス(例えば、照明特徴、ディスプレイ)を含むことができる。幾つかの実施形態では、2次ロボットは、2次ロボットがマルチセクションショーロボットに近接しているゲストを検出し、ゲストのマルチセクションショーロボットとのインタラクション(interactions)及び/又は反応を評価することを可能にするセンサのアレイを含む。センサによって取得されたフィードバックに基づいて、2次ロボットは、マルチセクションショーロボットとゲストのうちの1人又は複数とのインタラクションを開始、調整、終了、又はその他の方法で変更することができる。この態様において、1次ロボットは、一般に、遊園地におけるマルチセクションショーロボットの移動及び/又は再配置を促進する行為を行うことができ、2次ロボットは、公園のゲストとマルチセクションショーロボットの間の没入体験を高めるように調整される。
【0014】
以下に詳細に説明するように、2次ロボットは、1次ロボットに取り外し可能に結合される複数の2次ロボットのうちの1つであってもよい。従って、異なるテーマ性又はキャラクタを有する様々な2次ロボットを1次ロボットに交換可能に装備することができる。このように、1次ロボットに結合される2次ロボットの種類(例えば、特定のテーマ又はキャラクタ)を交換することによって、マルチセクションショーロボットの全体のテーマ又はキャラクタを容易且つ迅速に調整することができる。このため、マルチセクションショーロボットは、同じ動作プラットフォーム(例えば、1次ロボット)を利用して、ゲストが相互作用し得る複数の独自テーマのロボットシステムを提供し、それによって、(例えば、テーマ又はキャラクタごとに個別のショーロボットを製造するのと比較して)マルチセクションショーロボットの全体的な製造複雑さ及び/又は維持コストを低減することができる。幾つかの実施形態において、1次ロボットは、1次ロボットに結合された2次ロボットのタイプ(例えば、特定のテーマ又はキャラクタ)を決定するように構成されてもよく、検出された2次ロボットのタイプに基づいてその動作(例えば、動作速度、動作スタイル)を調節することができる。実際、マルチセクションショーロボットの様々なプログラムされた態様(例えば、ジェスチャー、可聴出力、視覚出力)は、1次ロボットに結合された2次ロボットの種類に基づいて自動的に調整することができる。
【0015】
幾つかの実施形態では、2次ロボットは、1次ロボットが遊園地内の目標位置(target location)に到着したときなどの第1の時間期間に1次ロボットから選択的に切り離されるように構成することができる。2次ロボットは、2次ロボットが1次ロボットの第2の経路とは独立した第1の経路に沿って遊園地環境を横断することを可能にする2次動作プラットフォーム(例えば、1又は2以上のホイール、トラック、脚部、及び/又は他の適切な機構もしくはデバイスを有する)を含むことができる。このように、1次ロボット及び2次ロボットは、遊園地のゲストと別々に独立して相互作用することができる。明確にするために、本明細書で使用される場合、用語「経路」は、1次ロボット及び/又は2次ロボットが移動し得る、任意の1次元(1D)(例えば、軌道に沿ってなど)、2次元(2D)(例えば、規定又は未規定の平面経路に沿ってなど)、三次元(3D)(例えば、空中の移動、水中、深さや高度も横断可能である構造に沿ったことなど)又は四次元(4D)(定義された時間的局面があるなど)の経路を指すことができる。後述するように、経路は、適応的であってもよく(例えば、マルチセクションロボットによって制御される)、マルチセクションショーロボットの1又は2以上のセンサによって取得されたセンサフィードバックに基づいて更新することができる。幾つかの実施形態では、1次及び2次ロボットは、ロボットが係合構成(例えば、物理的に互いに結合して集合的にマルチセクションショーロボットを形成する)であるか又は係合解除構成(例えば、物理的に互いに切り離される)であるかに基づいてゲストと異なって相互作用するように構成することができる。
【0016】
特定の実施形態では、2次ロボットは、2次ロボットの出力レベル(例えば、バッテリーレベル)が閾値を下回るときなど、第2の時間期間に1次ロボット(例えば、遊園地環境を横断する別の1次ロボット)に再結合するように構成することができる。1次ロボット及び2次ロボットの再結合時に、1次ロボットは、2次ロボットの電源(例えば、バッテリー)を充電するための充電手順を開始することができ、2次ロボットを指定された基地局に戻すための輸送手順を実行することができ、又は別の適切なアクションを実行することができる。従って、特定の実施形態では、1次ロボットは、2次ロボットを遊園地の様々な場所に届け(deliver)、そこから2次ロボットを回収するために使用することができる。このように、本明細書で論じるマルチセクションショーロボットは、従来のアニマトロニクスシステムよりも少ないハードウェア部品で、遊園地のゲストにマルチセクションのユニークなロボット体験を提供することを容易にし得ることが理解されよう。
【0017】
上記の簡単な概要を念頭に置いて、
図1は、全体としてマルチセクションショーロボット16を形成し得る1次ロボット12(例えば、第1のロボット)及び2次ロボット14(例えば、第2のロボット)を有するロボットシステム10の一実施形態の概略図である。1次ロボット12は、第1のコントローラ20を有する第1の処理システム18を含み、2次ロボット14は、第2のコントローラ24を有する第2の処理システム22を含む。第1のコントローラ20は、1次ロボット12の第1の通信コンポーネント26に通信可能に結合されてもよく、第2のコントローラ24は、2次ロボット14の第2の通信コンポーネント28に通信可能に結合することができる。幾つかの実施形態において、第1の及び第2の通信構成要素26、28は、1又は2以上の無線通信チャネルを介して第1のコントローラ20と第2のコントローラ24の間の通信(例えば、データ伝送、信号伝送)を可能にする。幾つかの実施形態では、第1の及び第2のコントローラ20、24は、ネットワーク29及びロボットシステム10のシステムコントローラ30を介して互いに通信可能に結合することができる。例えば、システムコントローラ30は、システムコントローラ30が第1のコントローラ20から(例えば、ネットワーク29を介して)通信信号を受信し、通信信号を(例えば、ネットワーク29を介して)第2のコントローラ24に送信し、またその逆も可能な通信コンポーネント31を含むことができる。更に、後述するように、第1の及び第2のコントローラ20、24は、1次及び2次ロボット12、14のそれぞれの電気カップリングシステム32に含まれ得る有線通信チャネルを介して通信可能に結合することができる。
【0018】
第1のコントローラ20、第2のコントローラ24、及びシステムコントローラ30は各々、それぞれのプロセッサ34、36、38及びメモリデバイス40、42、44を含む。プロセッサ34、36、38は、マイクロプロセッサを含んでもよく、1次及び2次ロボット12、14の構成要素を制御するため、1次及び2次ロボット12、14のそれぞれのセンサによって取得されたセンサフィードバックを分析するため、及び/又はロボットシステム10の他の何れかの適切な構成要素を制御するためのソフトウェアを実行することができる。プロセッサ34、36、38は、複数のマイクロプロセッサ、1又は2以上の「汎用」マイクロプロセッサ、1又は2以上の特殊用途マイクロプロセッサ、及び/又は1又は2以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、又はこれらの幾つかの組み合わせを含むことができる。例えば、プロセッサ34、36、38は、1又は2以上の縮小命令セットコンピュータ(RISC)プロセッサを含むことができる。メモリデバイス40、42、44は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、及び/又はリードオンリーメモリ(ROM)などの不揮発性メモリを含むことができる。メモリデバイス40、42、44は、制御ソフトウェア(例えば、1次及び/又は2次ロボット12、14を制御するための制御アルゴリズム)、ルックアップテーブル、設定データ、通信プロトコルなどの情報を格納することができる。
【0019】
例えば、メモリデバイス40、42、44は、プロセッサ34、36、38が実行するためのファームウェア又はソフトウェアを含むプロセッサ実行可能命令、例えば、本明細書で論じた1次及び2次ロボット12、14の構成要素の何れかを制御するための命令及び/又はロボットシステム10の他の適切な構成要素を制御するための命令などを格納することができる。幾つかの実施形態において、メモリデバイス40、42、44は、プロセッサ34、36、38が実行するための機械可読命令を格納し得る、有形、非一時的、機械可読媒体である。メモリデバイス40、42、44は、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、他の何れかの適切な光学、磁気、又は固体記憶媒体、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0020】
本明細書に開示されたプロセス及び技術の何れかが、第1の処理システム18、第2の処理システム22、及び/又はシステムコントローラ30によって完全又は部分的に実行されてもよく、これらは、本明細書において集合的にコンピュータシステム41と呼ばれることがあることを理解されたい。従って、コンピュータシステム41は、第1の処理システム18、第2の処理システム22、システムコントローラ30、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。従って、コンピュータシステム41を介した制御プロセス又はルーチンの実行、データの格納、制御出力の形成、及び/又は他の動作の実行に関連する本明細書の議論は、第1のロボット12の第1の処理システム18、第2のロボット14の第2の処理システム22、及び/又はシステムコントローラ30によって部分的又は完全に行うことができる計算処理を示すことが意図されていることを理解されたい。
【0021】
第1のコントローラ20は、1次ロボット12の1又は2以上の第1のセンサ45に通信可能に結合されてもよく、第2のコントローラ24は、2次ロボット14の1又は2以上の第2のセンサ46に通信可能に結合することができる。第1の及び第2のセンサ45、46は、1次及び2次ロボット12、14の様々な動作パラメータ及び/又は1次及び2次ロボット12、14の周囲の特徴(例えば、物体、遊園地ゲスト)のフィードバック(例えば、センサデータ)を取得することができる。第1の及び第2のセンサ45、46は、取得したフィードバックを第1の及び第2のコントローラ20、24にそれぞれ提供(例えば、送信)することができる。非限定的な例として、第1の及び第2のセンサ45、46は、近接センサ、音響センサ、カメラ、赤外線センサ、及び/又は他の何れかの適切なセンサを含むことができる。このように、第1の及び第2のセンサ45、46によって取得されたフィードバックは、本明細書で議論される技術に従って、マルチセクションショーロボット16の動作を容易にすることができる。幾つかの実施形態において、第1のセンサ45によって取得されたフィードバックは、第2のセンサ46が2次ロボット14から省略することができるように、1次ロボット12及び2次ロボット14の両方の制御を可能にすることができる。逆に、他の実施形態では、第2のセンサ46によって取得されたフィードバックは、第1のセンサ45が1次ロボット12から省略することができるように、1次及び2次ロボット12、14の両方の制御を可能にすることができる。
【0022】
図示された実施形態では、1次ロボット12は、1次ロボット12を経路に沿って推進するように構成された1次動作プラットフォーム50(例えば、第1の推進システム)を含み、2次ロボット14は、2次ロボット14を経路又は別の適切な経路に沿って推進するように構成された2次動作プラットフォーム52(例えば、第2の推進システム)を含む。1次及び2次動作プラットフォーム50、52はそれぞれ、1次及び2次動作プラットフォーム50、52が1次及び2次ロボット12、14を対応する経路に沿って動かすことを可能にする対応するアクチュエータ54(例えば、電気モータ、液圧モータ、空気圧モータ)を含む。一例として、アクチュエータ54は、1次及び2次ロボット12、14の移動を可能にする1次及び2次動作プラットフォーム50、52の1又は2以上のホイール、トラック、脚部、プロペラ、及び/又は他の適切な機構もしくはデバイスを駆動するように構成することができる。1次及び2次動作プラットフォーム50、52は、それぞれ、第1のコントローラ20及び第2のコントローラ24に通信可能に結合することができる。このため、第1の及び第2のコントローラ20、24は、第1の及び第2の動作プラットフォーム50、52に(例えば、対応するアクチュエータ54に)指示を送り、第1の及び第2の動作プラットフォーム50、52に、対応する経路に沿って第1の及び第2のロボット12、14を移動させるようにすることができる。幾つかの実施形態では、第1の及び第2のコントローラ20、24は、第1の及び第2のコントローラ20、24が本明細書で議論される動作仕様又は制御ルーチンに従って1次及び2次モーションプラットフォーム50、52を制御することを可能にするそれぞれのモーション制御モジュール56を含むことができる。
【0023】
図示された実施形態では、1次ロボット12は、第1のインタラクションシステム(first interaction system)58(例えば、第1のアニマトロニクスシステム)を含み、2次ロボット14は、第2のインタラクションシステム60(例えば、第2のアニマトロニクスシステム)を含む。第1の及び第2のインタラクションシステム58、60はそれぞれ、以下に詳細に論じるように、多節ショーロボット16がショーを行うこと及び/又はユーザ(例えば、遊園地のゲスト)と相互作用することを可能にする、1又は複数の音声出力デバイス62(例えば、スピーカー)、1又は複数の視覚出力デバイス64(例えば、ライト、ディスプレイ、プロジェクタ等)、及び1又は複数のジェスチャー出力デバイス66(例えば、腕又は頭等の可動付属部、他の作動可能機械特徴)を含むことができる。第1のインタラクションシステム58は、第1のコントローラ20に通信可能に結合され、第2のインタラクションシステム60は、第2のコントローラ24に通信可能に結合される。このように、第1の及び第2のコントローラ20、24は、ゲストが1次ロボット12及び/又は2次ロボット14の閾値距離内にいることが検出されたときなど、指定された時間期間に音声、視覚、又はジェスチャー出力を出力するように第1の及び第2のインタラクションシステム58、60に指示することができる。幾つかの実施形態において、第1のインタラクションシステム58は、第2のセンサ46からのフィードバックに基づいて制御されてもよく、第2のインタラクションシステム60は、第1のセンサ45からのフィードバックに基づいて制御することができる。一例として、コンピュータシステム41は、1次ロボット12と物体との衝突を示す第1のセンサ45からのフィードバックに基づいて、特定の音声出力、視覚出力、及び/又はジェスチャー出力を出力するように第2のインタラクションシステム60に指示することができる。
【0024】
幾つかの実施形態において、第1の処理システム18は、第1のキャラクタ制御ライブラリ70を含み、第2の処理システム22は、第2のキャラクタ制御ライブラリ72を含む。後述するように、第1の及び第2のキャラクタ制御ライブラリ70、72は、それぞれのメモリデバイス40、42上に格納されてもよく、実行されると、コントローラ20、24が第1の及び第2のインタラクションシステム58、60を制御して特定のキャラクタ(例えば、ドラゴン、オオカミ、又は他の生物)又はテーマをエミュレートすることを可能にする様々な制御ルーチン又はアルゴリズムを含むことができる。例えば、第1の及び第2のキャラクタ制御ライブラリ70、72は、ゲストが1次ロボット12、2次ロボット14、又はこれら両方の閾値範囲内にいると検出されたときに1次及び2次ロボット12、14のそれぞれの音声出力デバイス62、視覚出力デバイス64、又はジェスチャー出力デバイス66によって出力されるべき音声録音、視覚表示、及び/又はジェスチャー動作の種別を指定することができる。
【0025】
特定の実施形態において、第1の処理システム18は、第1のナビゲーションモジュール80を含み、第2の処理システム22は、それぞれのプロセッサ34、36によって実行することができる第2のナビゲーションモジュール82を含む。第1の及び第2のナビゲーションモジュール80、82は、第1の及び第2のコントローラ20、24がそれぞれ1次ロボット12及び2次ロボット14の位置を決定し、所望の経路に沿って1次及び2次ロボット12、14の移動を容易にすることを可能にする制御アルゴリズム又は他のプロセッサ実行可能ルーチンを含むことができる。例えば、特定の実施形態では、ナビゲーションモジュール80、82は、環境(例えば、遊園地の指定されたローミングエリア)における1次及び2次ロボット12、14のそれぞれの位置を監視するように構成することができる1次及び2次ロボット12、14のそれぞれの追跡センサ86(例えば、グローバルポジショニングシステム[GPS]センサ)から受信した追跡信号の処理を促進することができる。明確にするために、本明細書で使用される場合、「ローミングエリア」は、1次ロボット12、2次ロボット14、又は両方が移動するように構成することができる、歩道又は中庭などの空間の領域に対応することができる。ローミングエリアは、ジオフェンシングによって定義される移動の包絡線を含むことができる。
【0026】
幾つかの実施形態において、ロボットシステム10は、以下で詳細に議論されるように、追跡センサ86に加えて、又は追跡センサ86の代わりに、1次及び/又は2次ロボット12、14の追跡を促進し得るマシンビジョンシステム(machine vision system)88を含む。例えば、マシンビジョンシステム88は、1次及び2次ロボット12、14が環境にわたって移動する際に1次及び2次ロボット12、14の画像データ(例えば、リアルタイムビデオフィード)を取得するように構成された1以上のカメラ90又は他の画像センサを含むことができる。システムコントローラ30は、マシンビジョンシステム88によって取得された画像データを分析し、そのような分析に基づいて、環境内の基準点に対する1次及び2次ロボット12、14のそれぞれの位置を抽出するように構成することができる。
【0027】
図示された実施形態において、1次ロボット12は第1のカップリングシステム94を含み、2次ロボット14は第2のカップリングシステム96を含む。第1の及び第2のカップリングシステム94、96は、1次及び2次ロボット12、14が互いに選択的に結合(例えば、物理的に取り付ける)又は切り離す(例えば、物理的に切り離す(physically detach))ことを可能にする。非限定的な例として、第1の及び第2のカップリングシステム94、96は、永久磁石、電磁石、電気、液圧、及び/又は空気圧アクチュエータ、ケーブル又はテザー、ロボットマニピュレータ(例えば、グリッパ、エンドエフェクタ)及び/又は、第1の及び第2のロボット12、14が結合される(例えば、物理的に結合、機械的に結合される)組み立てられた(assembled)又は係合構成と、1次及び2次ロボット12、14が互いに切り離される(例えば、切り離し(decoupled)、機械的に切り離される(mechanically detached))切り離し(detached)又は係合解除構成との間でマルチセクションショーロボットを移行させることを容易にする、何れかの適切なデバイス又はシステムを含むことができる。
【0028】
特定の実施形態において、1次ロボット12は、第1の電気カプラ100(例えば、雄型プラグ又はソケット)を含み、2次ロボット14は、第2の電気カプラ102(例えば、雌型プラグ又はソケット)を含む。これらの第1の及び第2の電気カプラ100、102は、電気カップリングシステム32の少なくとも一部を形成する。第1の及び第2の電気カプラ100、102は、第1の及び第2の通信構成要素26、28によって提供することができる無線通信チャネルに加えて、又はそれに代えて、第1の及び第2のロボット12、14の間の有線通信を促進する。第1の及び第2の電気カプラ100、102は、第1の及び第2のカップリングシステム94、96の係合を介して1次ロボット12が2次ロボット14に物理的に結合されるとき、互いに電気的に結合するように構成することができる。この目的のために、第1の及び第2の電気カプラ100、102は、1次ロボット12から2次ロボット14へのデータ信号及び/又は電力の伝送を促進し、その逆もまた同様である。
【0029】
図示された実施形態において、1次ロボット12は、1次ロボット12の構成要素に電力を供給するように構成された第1の電源106(例えば、第1のバッテリーモジュール)を含む。2次ロボット14は、2次ロボット14の構成要素に電力を供給するように構成された第2の電源108(例えば、第2のバッテリーモジュール)を含む。1次及び2次ロボット12、14の係合(例えば、結合)構成(例えば、マルチセクションショーロボット16の組み立てられた構成)において、第1の及び第2の電気カプラ100、102は、第1の及び第2の電源106、108の間の電流を流すことを可能にする。コントローラ20、24は、第1の電源106が第2の電源108を充電するために使用することができるように、電気カプラ100、102を通る電力流、及び第1の及び第2の電源106、108間の電力流を調節し得る、又はその逆もまた然りである。第1の及び第2の処理システム18、22のそれぞれの充電モジュール110は、コントローラ20、24が第1の及び第2の電源106、108の間の出力フローを監視、調節、及び/又は他の方法で調整することを可能にするために、コントローラ20、24上で実行することができる。他の実施形態において、第1の及び第2のロボット12、14は、第1の電源106と第2の電源108との間の無線電力転送を可能にする無線電力転送デバイス(例えば、誘導ベースの充電システム)を含んでもよいことを理解されたい。
【0030】
幾つかの実施形態において、ロボットシステム10は、1次ロボット12、2次ロボット14、及び/又はロボットシステム10の他の何れかの適切な構成要素に通信可能に(例えば、ネットワーク29を介して)結合することができるユーザインターフェース118を含む。ユーザインターフェース118は、マルチセクションショーロボット16又はそのサブ構成要素のユーザベースの制御を可能にするために、ユーザ入力を受信することができる。
【0031】
図2は、マルチセクションショーロボット16を動作するためのプロセス120の一実施形態のフロー図である。上述したように、プロセス120の一部又は全部は、コントローラ20、24、及び30のうちの1つ又は複数によって実行することができる。プロセス120は、ブロック122によって示されるように、標準制御方式(例えば、第1の制御方式)に従って1次ロボット12を動作させることを含む。ブロック122において、2次ロボット14は、1次ロボット12から物理的に切り離すことができる。第1のコントローラ20は、遊園地内の基地局(例えば、充電ステーション)又は他の適切な場所に1次ロボット12を位置付けることができる。或いは、後述するように、第1のコントローラ20は、遊園地内の予め定義された又は未定義の経路に沿ってローミングするように1次ロボット12に指示することができる。標準制御方式に従って動作する場合、第1のコントローラ20は、標準動作仕様(standard movement specifications)(例えば、第1の駆動速度、第1のステップ速度、及び/又は、第1の動作プラットフォーム50の第1のステップ高さを定義する仕様)に基づいて移動(例えば、駆動、ステップ、その他の移動)するように1次ロボット12を動作することができる。
【0032】
ブロック124によって示されるように、第1のコントローラ20は、カップリングシステム94、96及び/又は電気カプラ100、102の係合を介してなど、2次ロボット14が1次ロボット12に結合されているかどうかを連続的又は周期的に評価することができる。第1のコントローラ20が、2次ロボット14が1次ロボット12に結合されていないことを検出した場合、第1のコントローラ20は、標準制御方式に従って1次ロボット12を動作させ続けることができる。第1のコントローラ20が、2次ロボット14が1次ロボット12に結合されていることを検出した場合、第1のコントローラ20は、ブロック126によって示されるように、2次ロボット14のタイプ(例えば、指定されたキャラクタタイプ)を識別することができる。例えば、第1のコントローラ20は、第2のコントローラ24から、キャラクタ制御ライブラリ72で指定することができる2次ロボット14のキャラクタタイプを特定する信号を受信することができる。ブロック128によって示されるように、2次ロボット14のキャラクタタイプを検出すると、第1のコントローラ20は、コントローラ20が1次ロボット12を動作するように構成され、2次ロボット14の検出されたキャラクタタイプに対応するキャラクタ固有の制御方式(例えば、キャラクタ制御ライブラリ70及び/又は72に格納されていてもよい;第2の制御方式)を選択する。ブロック130によって示されるように、第1のコントローラ20は、その後、選択されたキャラクタ固有の制御方式に従って、1次動作プラットフォーム50などの1次ロボット12の構成要素を動作させることができる。
【0033】
例えば、キャラクタ固有の制御方式に従って動作する場合、第1のコントローラ20は、1次ロボット12の標準動作仕様とは異なる場合があるキャラクタ固有の動作仕様に基づいて移動(例えば、駆動、ステップ、又は他の移動)するように1次ロボット12を制御することができる。すなわち、キャラクタ固有の動作仕様は、1次動作プラットフォーム50の第2の駆動速度、第2のステップ速度、第2のステップ高さなどを定義することができ、これは、1次動作プラットフォーム50が標準動作仕様の下で動作する第1の駆動速度、第1のステップ速度、第1のステップ高さなどとは異なってもよい。このように、1次ロボット12は、多節ショーロボット16が描くべきキャラクタの所望のタイプに基づいて、その全体的な動作プロファイルを調整することができる。
【0034】
図3は、ローミング環境(例えば、遊園地の地域)においてマルチセクションショーロボット16を動作させるためのプロセス140の一実施形態のフロー図である。プロセス140は、ブロック142によって示されるように、2次ロボット14を1次ロボット12に結合させるためのローディング手順(loading procedure)を実行することを含む。例えば、幾つかの実施形態において、ユーザ(例えば、ロボットシステム10のオペレータ)は、ローディング手順を実行するために、2次ロボット14を1次ロボット12に手動で(例えば、カップリングシステム94、96を介して)結合することができる。他の実施形態では、1次ロボット12及び/又は2次ロボット14は、1次及び2次ロボット12、14の自動結合を可能にするそれぞれのマニピュレータ144(例えば、
図1参照)を含むことができる。
【0035】
何れにしても、2次ロボット14が1次ロボット12に結合されているというインジケーションを受け取ると、第1のコントローラ20は、ブロック146によって示されるように、2次ロボット14を第1の初期位置(例えば、基地局)から第1の目標位置(例えば、遊園地内の位置)へ移送するよう1次ロボット12に指示することができる。2次ロボット14は、第1の目標位置において1次ロボット12から(例えば、ユーザ入力を介して、マニピュレータ144の作動を介して)切り離されるように構成することができる。このように、2次ロボット14は、第1の目標位置又はその付近で遊園地ゲストと相互作用することができ、又は遊園地内の所定の又は未定義の経路に沿ってローミング(例えば、自律的に移動)することができる。2次ロボット14を第1の目標位置に届けると、ブロック148によって示されるように、1次ロボット12は、第1の初期場所(例えば、基地局)に戻ることができる。或いは、以下で議論されるように、1次ロボット12は、遊園地の追加のゲストと相互作用するために経路に沿って独立してローミングし続けることができる。
【0036】
幾つかの実施形態において、1次ロボット12は、ブロック150によって示されるように、2次ロボット14が1次ロボット12から切り離されて遊園地に沿ってローミングしている間に、2次ロボット14の健康ステータスを監視するように構成することができる。例えば、第1のコントローラ20は、第2の電源108の出力レベルを連続的又は定期的に監視し、出力レベルが低い閾値を下回るかどうかを評価することができる。第2の電源108の出力レベルが低い閾値を下回ると決定すると(例えば、2次ロボット14の健康ステータスが閾値を下回ると決定すると)、第1のコントローラ20は、ブロック152によって示されるように、ローミング環境において2次ロボット14を見つけ出し、基地局(例えば、第1の初期位置)に2次ロボット14を戻すために検索動作を実行することができる。すなわち、第1のコントローラ20は、1次ロボット12に、2次ロボット14の現在の場所まで移動し(例えば、対応する追跡センサ86によって示されるように)、2次ロボット14に再結合し、2次ロボット14を第2の目標位置(例えば、基地局)に転送するように指示することができる。幾つかの実施形態において、コンピュータシステム41は、2次ロボット14が1次ロボット12によって特定の目標位置へ及びそこから転送される間、2次ロボット14を休止状態、非活動状態、又は他の方法でパワーダウン状態に移行することができる。他の実施形態では、2次ロボット14は、マルチセクションショーロボット16が遊園地の様々な標的位置への及び標的位置からの2次ロボット14の移動中に遊園地ゲストと相互作用を継続し得るように、これらの期間中、動作可能なままであってもよい。
【0037】
後述するように、2次ロボット14は、特定の時間に1次ロボット12に結合され、それによって運ばれうる複数の2次ロボット14のうちの1つであってもよいことを理解されたい。実際、1次ロボット12は、1、2、3、4、5、又は5以上の2次ロボット14を支持する(例えば、機械的に及び/又は通信的に結合する)ように構成することができる。このように、1次ロボット12は、複数の2次ロボット14のそれぞれを選択的に送達、輸送、及び回収する(retrieve)ように構成することができる。従って、そのような実施形態において、マルチセクションショーロボット16は、1次ロボット12と、1次ロボット12によって支持されるように構成された1、2、3、4、5、又は5以上の2次ロボット14の何れかを含んでもよいことを理解されたい。
【0038】
図4は、特に、マルチセクションショーロボット16が、1次及び2次ロボット12、14を互いに結合させた組み立てられた構成にあるときに、マルチセクションショーロボット16を動作するプロセス160の一実施形態のフロー図である。図示された実施形態では、プロセス160は、ブロック162によって示されるように、マルチセクションショーロボット16のインタラクション領域(interaction area)を監視することを含む。インタラクション領域は、マルチセクションショーロボット16の周囲について延びる空間の閾値領域を含むことができる。例えば、マルチセクションショーロボット16は、インタラクション領域内及び/又は実質的に隣接する物体又はゲストを示す、第1のセンサ45、第2のセンサ46、又はこれら両方からフィードバックを受信することができる。
【0039】
コンピュータシステム41は、ブロック164によって示されるように、ゲストがインタラクション領域内にいるか及び/又はマルチセクションショーロボット16と相互作用しているかどうかを、取得したセンサフィードバックに基づいて決定することができる。コンピュータシステム41は、ゲストがマルチセクションショーロボット16のインタラクション領域内を踏み、マルチセクションショーロボット16の構成要素の方に手を伸ばし又は掴み、可聴コマンド又は視覚ジェスチャーを与え、又は別の適切な行動を実行したときに、マルチセクションショーロボット16とのゲストインタラクション(guest interaction)の発生を識別することができる。ブロック166によって示されるように、ゲストインタラクションの発生を決定すると、コンピュータシステム41は、1次動作プラットフォーム50が一時的に非アクティブにされるように、1次ロボット12を休止状態(hibernating state)(例えば、パワーダウン又は非動作状態)へ移行することができる。ハイバネーション状態において、コンピュータシステム41は、1次ロボット12の様々な構成要素又はシステムへの出力フロー(例えば、電流フロー、液圧又は空気圧流体フロー)を遮断又は一時的に中断することができる。すなわち、1次ロボット12を休止状態に移行させるために、コンピュータシステム41は、1次ロボット12の1又は2以上の構成要素を非アクティブにし、及び/又は1次ロボット12が休止状態でないときに通常は動作/アクティブにするはずの1次ロボット12の特定の機能性を一時停止することができる。特定の実施形態において、コンピュータシステム41は、1次ロボット12を休止状態に移行させるとき、ブロック167によって示されるように、1次ロボット12の特定の構成要素又はシステムの動きを物理的にブロックする機械的インターロック特徴部(mechanical interlocking features)を係合することができる。この態様において、コンピュータシステム41は、1次ロボット12が、ゲストのマルチセクションショーロボット16との相互作用中にゲストを妨害(例えば、接触)し得る不注意な動き(例えば、1次ロボット12の脚又はホイールの動き)を行うことを確実にブロックするために、1次ロボット12の電気及び/又は機械電位エネルギーを減少することができる。
【0040】
例えば、機械的インターロック特徴の係合をより良く説明し、以下の議論を容易にするために、
図5は、1次ロボット12の脚168(例えば、付属部)の一実施形態の概略図であり、脚168は動作位置170にある。脚部168は、1次ロボット12の1次動作プラットフォーム50に含まれてもよい。
図6は、静止位置172にある脚部168の一実施形態の概略図である。
図5及び
図6は、以下で同時に議論される。
【0041】
脚部168は、ジョイント178で結合された第1の部材174及び第2の部材176と、第2の部材176に結合された足部180とを含む。1次動作プラットフォーム50のアクチュエータ54は、ジョイント178の軸182を中心に第1の部材174及び/又は第2の部材176を枢動するように構成され、従って、脚168が表面184を横切る1次ロボット12の動作を促進することを可能にする。1次ロボット12を休止状態に移行させるとき、コンピュータシステム41は、脚部168を静止位置172に移行させるようにアクチュエータ54に指示し、それによって、第1の部材174のインターロック特徴190が第2の部材176に接触して軸182に関する第1の部材174の更なる回転運動(例えば、第2の部材176に対して反時計方向185)をブロックできるようにすることができる。従って、インターロック特徴190は、1次ロボット12が休止状態に移行するときなど、アクチュエータ54への出力(例えば、電気出力、液圧出力、空気圧出力)が中断されたときに、脚部168の望ましくない動きを抑制することができる。構成要素への出力供給が中断されるか、さもなければ中断されたときに、これらの構成要素の特定の範囲の動きをブロックするために、様々なインターロック機能190が、マルチセクションショーロボット16の様々な他の構成要素に実装されてもよいことを理解されたい。幾つかの実施形態において、インターロック特徴190(1次ロボット12又は2次ロボット14の一部であってもよい)は、ロボット構成要素(例えば、第1の部材174)間の支持係合を積極的に作り出すために作動(例えば、伸長、屈曲、ピボット)し、その後、ロボット構成要素の1又は2以上の更なる動きをブロックするために所定の位置にロックするように動作可能とすることができる。
【0042】
図4を参照しながら以下の議論を継続する。1次ロボット12を休止状態に移行させると、コンピュータシステム41は、ブロック191によって示されるように、マルチセクションショーロボット16と1人以上のゲストとの間のインタラクションが完了したか否かを決定する。ゲストのインタラクションが完了していないとコンピュータシステム41が決定した場合(例えば、センサ45及び/又は46によって取得されたフィードバックに基づいて)、コンピュータシステム41は、ブロック192によって示されるように、2次ロボット14にゲストとの相互作用を継続するように指示する。ゲストのインタラクションが完了したとコンピュータシステム41が決定した場合、コンピュータシステム41は、ブロック194によって示されるように、1次ロボット12をアクティブ状態に移行させて、1次ロボット12が再び経路に沿ってマルチセクションショーロボット16を推進し得るようにすることができる。
【0043】
上記で簡潔に述べたように、幾つかの実施形態では、マルチセクションショーロボット16は、1次及び2次ロボット12、14がそれぞれ独立して環境に沿って歩き回り(例えば、歩き、駆動、泳ぎ、飛び、又は他の方法で移動)、環境内のゲストと相互作用し得る分割構成で動作することができる。
図7は、マルチセクションショーロボット16を分割構成で動作させるためのプロセス200の一実施形態のフロー図である。プロセス200は、ブロック202によって示されるように、第1のキャラクタ制御方式(例えば、制御ルーチンの第1のセット、第1の制御方式)に従って1次ロボット12を動作させることと、ブロック204によって示されるように、第2のキャラクタ制御方式(例えば、制御ルーチンの第2のセット、第2の制御方式)に従って2次ロボット14を動作させることとを含む。ブロック202及び204において、1次及び2次ロボット12、14は、マルチセクションショーロボット16が分割構成にあるように、互いから物理的に切り離されることができる。
【0044】
例えば、幾つかの実施形態では、1次ロボット12は、第1のキャラクタ(例えば、犬)を図示するように着装、装飾、又は他の方法でカスタマイズされ、一方、2次ロボット14は、第2のキャラクタ(例えば、フクロウ)として現れるように着装、装飾、又は他の方法でカスタマイズすることができる。1次ロボット12が2次ロボット14から切り離される(例えば、物理的に取り付けられていない又は繋がれていない)とき、1次ロボット12は、予めプログラムされた態様の第1のセットに従ってゲストと対話するために第1のキャラクタ制御方式を実行することができる。すなわち、1次ロボット12のインタラクション領域内にゲストが検出されると(例えば、第1のセンサ45からのフィードバックを介して)、第1のコントローラ20は、第1のインタラクションシステム58に、第1のキャラクタ制御方式に対応する第1のセットの音声、視覚、及び/又はジェスチャー出力を出力するように指示することができる。同様に、2次ロボット14のインタラクション領域内にゲストが検出されると(例えば、第2のセンサ46からのフィードバックを介して)、第2のコントローラ24は、第2のインタラクションシステム60に、第2のキャラクタ制御方式に対応する第2の音声、視覚、及び/又はジェスチャー出力のセットを出力するよう指示することができる。従って、1次ロボット12及び2次ロボット14は、1次及び2次ロボット12、14によって描写される個々のキャラクタ(例えば、犬、フクロウ)に対応するユニークなインタラクティブな体験をゲストに提供することができる。
【0045】
図示された実施形態では、プロセス200は、ブロック206によって示されるように、1次及び2次ロボット12、14を互いに結合する(例えば、物理的に結合する、物理的にテザーで繋ぐ)ことを含む。実際、上に述べたように、1次ロボット12は、2次ロボット14の第2の電源108内の出力レベルが閾値を下回るときなど、特定の時間期間に2次ロボット14を見つけ、回収するように構成することができる。1次及び2次ロボット12、14が係合構成にある(例えば、物理的に結合されている)ことを検出すると、コンピュータシステム41は、ブロック208によって示されるように、上述した第1の及び第2のキャラクタ制御方式とは異なっていてもよい複合キャラクタ制御方式(例えば、第3の制御方式)に従って1次及び2次ロボット12、14を動作することができる。特に、複合キャラクタ制御方式に従って動作するとき、1次及び2次ロボット12、14は、1人以上のゲストにインタラクティブな経験を協調的に提供するように構成することができる。例えば、複合キャラクタ制御方式に従って動作する場合、1次ロボット12によって受信されるゲスト入力(例えば、言語コマンド、物理入力)及び/又は1次ロボット12によって生成される出力(例えば、音声、視覚、ジェスチャー)は、2次ロボット14によって提供されるショー又は性能に影響を与え、逆もまた同様である場合がある。このため、マルチセクションショーロボット16は、1次及び2次ロボット12、14の現在の構成(例えば、取り付け、取り外し)に基づいて調整される複数の異なるショー性能を提供することができる。
【0046】
図8は、特に1次ロボット12及び2次ロボット14が係合構成(例えば、互いに物理的に結合されている)にあるときに、マルチセクションショーロボット16の位置を検証するためのプロセス220の一実施形態のフロー図である。プロセス220は、ブロック222によって示されるように、1次ロボット12の第1の位置を決定すること、及びブロック224によって示されるように、2次ロボット14の第2の位置を決定することを含む。例えば、幾つかの実施形態において、コンピュータシステム41は、基準フレームに対する1次ロボット12の第1の位置及び2次ロボット14の第2の位置を伝える1次ロボット12の追跡センサ86及び2次ロボット14の追跡センサ86から信号を受信することができる。コンピュータシステム41は、ブロック226によって示されるように、1次ロボット12の第1の位置が2次ロボット14の第2の位置の閾値範囲内であるか否かを決定することができる。ブロック228によって示されるように、第1の位置が第2の位置の閾値範囲内にない場合、コンピュータシステム41は、例えば、マルチセクションショーロボット16を非アクティブ化し、及び/又はユーザインターフェース118に警告を送ることによって障害手順を実行することができる。例えば、上述した技術に従って、1次ロボット12、2次ロボット14、又はこれら両方は、故障状態の検出時にそれぞれの休止状態又はパワーダウン状態に遷移することができる。幾つかの実施形態において、インターロック特徴190は、1次及び/又は2次ロボット12、14がそれぞれの休止状態にある間、特定の静止位置に保持するために使用することができる。第1の位置が第2の位置の閾値範囲内にある場合、コンピュータシステム41は、ブロック230によって示されるように、マルチセクションショーロボット16の現在の位置を(例えば、メモリデバイス40、42、及び/又は44に)記録し、ブロック222に戻ることができる。
【0047】
図9は、マシンビジョンシステム88(
図1参照)を用いてマルチセクションショーロボット16の位置を監視するためのプロセス240の実施形態のフロー図であり、特にマルチセクションショーロボット16が1次及び2次ロボット12、14が互いに結合されている組み立てられた構成にあるときに、このプロセス240は、マルチセクションショーロボット16の位置を監視する。マシンビジョンシステム88は、マルチセクションショーロボット16から分離されていてもよい(例えば、物理的に切り離されていてもよい)ことを理解されたい。一例として、マシンビジョンシステム88は、マルチセクションショーロボット16のローミングエリアの上方を飛行するように構成された無人航空機(例えば、ドローン)に結合することができる。図示された実施形態では、プロセス240は、ブロック242によって示されるように、マルチセクションショーロボット16のローミングエリアの画像データを取得することを含む。例えば、幾つかの実施形態では、コンピュータシステム41は、マシンビジョンシステム88の1又は2以上のカメラ90を介して、ローミングエリア及びマルチセクションショーロボット16の実質的にリアルタイムのビデオフィードを受信するように構成することができる。ブロック244によって示されるように、コンピュータシステム41は、1次ロボット12の追跡センサ86及び/又は2次ロボット14の追跡センサ86から、ローミング環境におけるマルチセクションショーロボット16の現在の位置を示す位置信号を受信するよう構成することができる。ブロック246によって示されるように、コンピュータシステム41は、位置信号の分析に基づいて、マシンビジョンシステム88に、マルチセクションショーロボット16を有すると識別されたローミングエリアのサブ領域の追加の画像データを取得するように指示することができる。例えば、マシンビジョンシステム88は、ブロック242においてサブ領域が撮像することができる粒度と比較して、より細かい粒度でサブ領域を撮像するために、倍率又はズーム又はカメラ90、カメラ90の位置及び/又は向き(例えば、対応するアクチュエータを介して)、並びにカメラ90の他の動作パラメータを調節することができる。このようにして、マシンビジョンシステム88は、ブロック248によって示されるように、マルチセクションショーロボット16の画像データ及びマルチセクションショーロボット16を有するローミングエリアのサブ領域の画像データを連続的又は断続的に(例えば、閾値時間間隔の経過後に)取得することができる。プロセス240は、1次及び2次ロボット12、14がローミングエリアを横断して独立して移動するときなど、1次ロボット12及び1次ロボット12によって占有される部分領域の画像データ、並びに2次ロボット14及び2次ロボット14によって占有される第2の部分領域の画像データを独立して取得するためにも使用できることを理解されたい。
【0048】
図10は、ロボットシステム10の一部の実施形態の概略図である。幾つかの実施形態では、1次ロボット12は、アトラクション264のガイド付き又はガイドなしの経路262に沿って1人又は複数の乗客を輸送するように構成された乗り物260を含むことができる。乗り物260は、2次ロボット14の第2のカップリングシステム96及び/又は第2の電気結合器102と結合するように構成された第1のカップリングシステム94及び/又は第1の電気結合器100を含むことができる。2次ロボット14は、乗り物車両260が経路262に沿って移動する際に、ショー又はパフォーマンスをゲストに提供するために、乗り物車両260に選択的に結合することができる。2次ロボット14は、上述した技術に従って、他の2次ロボット(例えば、他のキャラクタ又はテーマを描写するように構成された2次ロボット)と交換されてもよく、従って、(例えば、アトラクション264の乗車サイクルの間など、)アトラクション264によって提供されるショーパフォーマンスのカスタマイズを可能にすることができる。
【0049】
図11は、マルチセクション型ショーロボット16の一実施形態の概略図である。幾つかの実施形態において、1次ロボット12及び2次ロボット14は、テザーデバイス280(例えば、1又は2以上のテザー、テザーのチェーン)を介して互いに機械的及び/又は通信的に結合することができる。テザーデバイス280は、ロープ、ケーブル、チェーン、又は他の適切なテザーを含むことができる。幾つかの実施形態では、電気ケーブル及び/又は光ケーブル(例えば、光ファイバ)が、1次及び2次ロボット12、14間のデータ伝送を容易にするために、テザーデバイス280と一体化することができる。特定の実施形態では、1次ロボット12は、2次動作プラットフォーム52が2次ロボット14から省略され、受動ホイール、スキッド、又は他のデバイスに置き換えられるように、2次ロボット14を環境に沿って推進する(例えば、引っ張る又は押す)ように構成することができる。2次ロボット14が2次動作プラットフォーム52を含む実施形態では、2次動作プラットフォーム52は、1次ロボット12の経路に相乗的又は減殺的に干渉する経路に沿って2次ロボット14を誘導するように(例えば、第2のコントローラ24によって送られる信号を介して)動作可能とすることができる。幾つかの実施形態において、2次ロボット14は、無人航空機(UAV)284又は他の適切なドローンを含むことができる。UAV284は、テザーデバイス280を介して1次ロボット12に結合されてもよいし、テザーデバイス280が省略できるように、1次ロボット12から物理的に離脱することができる。更に、マルチセクションショーロボット16は、複数の2次ロボット14を1次ロボット12に物理的及び/又は通信的に結合するように構成された複数のテザリングデバイス280を含んでもよいことを理解されたい。
【0050】
幾つかの実施形態では、テザリングデバイス280は、マルチセクションショーロボット16から省略されてもよく、2次動作プラットフォーム52は、1次ロボット12の移動経路に続く又は先行する経路に沿って2次ロボット14を指示するように構成することができる。一例として、2次動作プラットフォーム52は、コンピュータシステム41から受信した信号に基づいて、1次ロボット12が特定の経路を横断する際に、1次ロボット12の閾値距離内に留まるように2次ロボット14を推進することができる。
【0051】
幾つかの実施形態では、1次ロボット12、2次ロボット14、又はこれら両方は、1次及び2次ロボット12、14と物体290との間の不注意による衝突の結果として生じ得る衝撃力を緩和、減衰、又は他の方法で低減するように構成された、エアバッグ、ダンパー、安定脚部、又は他の適切なデバイス又はシステムなどの、1又は2以上の衝突緩和特徴部288を含むことができる。コンピュータシステム41は、1次又は2次ロボット12、14と物体290との間の差し迫った衝撃を検出し(例えば、第1の及び/又は第2のセンサ45、46によって取得されたフィードバックに基づいて)、衝撃の発生前又は発生中に衝突緩和特徴部288の一部又は全部を実質的に展開するように構成することができる。このように、衝突緩和特徴部288は、マルチセクションショーロボット16と物体290との間の衝突の結果として発生し得る摩耗又は性能劣化を低減することができる。
【0052】
図12は、マルチセクションショーロボット16の一実施形態の概略図である。上述したように、2次ロボット14は、マルチセクションショーロボット16に含まれる複数の2次ロボット300のうちの1つであってよい。2次ロボット300は、1次ロボット12について配置され、1次ロボット12が経路302に沿って移動する際に1次ロボット12に対して特定の向き及び/又は位置を維持するように構成することができる。被覆材304(例えば、ゴム、別の適切な弾性材料)は、1次ロボット12及び2次ロボット300に結合され、その上に配置されてもよく、それによって、マルチセクションショーロボット16が単一の本体を有する凝集構造であるという錯覚を提供することができる。被覆材304は、マルチセクションショーロボット16によって描かれる全体的なキャラクタ(例えば、ドラゴン、オオカミ、又は他のクリーチャー)を増強するためにテーマ別又は他の方法でカスタマイズすることができる。
【0053】
幾つかの実施形態において、コンピュータシステム41は、1次ロボット12が静止している間、又は経路302に沿って移動している間、1次ロボット12に対する相対位置を調整するように2次ロボット300のうちの1又は2以上の2次ロボットに選択的に指示することができる。非限定的な例として、コンピュータシステム41は、1次ロボット12が経路302上の初期位置310から目標位置312まで移動する際に、2次ロボット300と1次ロボット12との間のそれぞれの半径方向寸法308を増加又は減少するよう2次ロボット300に指示することができる。従って、2次ロボット300は、被覆材304を(例えば、1次ロボット12に対して半径方向外側に)伸ばし、又は被覆材304を(例えば、1次ロボット12に対して半径方向内側に)引っ込めるようにして、マルチセクションショーロボット16の全体的に見える本体(例えば、被覆材304によって少なくとも部分的に定義される)が拡大、縮小又はその他の形でシフトできるようにすることができる。一例として、この態様において、1次ロボット12と2次ロボット300との間の協力は、マルチセクションショーロボット16が静止状態320と拡張状態322との間で移行することを可能にし、従って、マルチセクションショーロボット16の体が拡張又は収縮する錯覚を提供することができる。
【0054】
以上のように、本開示の実施形態は、マルチセクションショーロボットを有するロボットシステムを介して、遊園地環境のゲストに複数のユニークなテーマのロボット体験を提供するために有用な1又は2以上の技術的効果を提供することができる。マルチセクションショーロボットは、1次ロボットプラットフォームと、マルチセクションロボットが様々なテーマのキャラクタを演じ、及び/又は様々なショー又はパフォーマンスを行うことを可能にする1又は2以上の選択的に係合可能な2次ロボットプラットフォームと、を含む。このように、マルチセクションショーロボットは、特定の個々のキャラクタに対応する専用のショーロボットを含み得る従来のロボットシステムと比較して、ロボットシステムの全体的な製造の複雑さ及び/又は保守コストを低減することができる。
本明細書の技術的効果及び技術的問題は一例であって限定ではない。実際に、本明細書に記載されている実施形態は、他の技術的効果を有することができ、また他の技術的問題を解決できることに留意されたい。
【0055】
本明細書では、特定の実施形態のみを例示し説明してきたが、当業者であれば、多くの修正及び変更が早期されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神に含まれる全てのこのような修正及び変更を保護することを意図していることを理解されたい。上述した図に関して例示又は説明された特徴の何れかは、何れかの好適な方法で組み合わせることができる点を理解されたい。
【0056】
本明細書で提示され特許請求された技術は、本発明の技術分野を明らかに改善する有形物及び実際的な性質の具体例に参照及び適用され、このため、抽象的、無形又は純粋に理論上のものではない。更に、本明細書に添付されたあらゆる請求項が、「ある機能を実行する手段」又は「ある機能を実行するステップ」として指定された1又は2以上の要素を包含する場合には、このような要素は、米国特許法第112条第6項に基づいて解釈されることを意図している。しかしながら、他の何れかの様態で指定された要素を含む何れかの請求項については、このような要素は、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されないものとする。
【符号の説明】
【0057】
12 1次ロボット
14 2次ロボット
16 マルチセクションショーロボット
20 第1のコントローラ
24 第2のコントローラ
【国際調査報告】