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特表2023-525832なめし皮または合成皮のための仕上げ方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(54)【発明の名称】なめし皮または合成皮のための仕上げ方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   C14C 15/00 20060101AFI20230612BHJP
【FI】
C14C15/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569076
(86)(22)【出願日】2021-05-13
(85)【翻訳文提出日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 IB2021054102
(87)【国際公開番号】W WO2021229493
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】102020000010873
(32)【優先日】2020-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522441552
【氏名又は名称】トデスコ エッセ.エッレ.エッレ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トデスコ,パオロ
(72)【発明者】
【氏名】トデスコ,ジョージオ
【テーマコード(参考)】
4F056
【Fターム(参考)】
4F056AA01
4F056AA08
4F056CC41
4F056DD44
4F056DD61
(57)【要約】
動物の皮革(P)または動物由来の皮革を加工する方法であって、加工されるべき少なくとも1つの皮革を提供するステップと、加工されるべき皮革の紫外線を利用した照射を提供するステップとを含む、方法。加工されるべき皮革(P)のための入口(21)と、加工されるべき皮革(P)のための出口(22)と、入口(21)と出口(22)との間に介在する加工されるべき皮革(P)を収容するための少なくとも1つの作業領域(11)と、作業領域(11)に配置された少なくとも1つの紫外線源(40)とを備える、皮革(P)を加工するためのステーション。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのなめした、または合成の動物の皮革(P)もしくは動物由来の皮革を仕上げるための方法であって、少なくとも
-仕上げるべき少なくとも1つの皮革(P)を提供するステップと、
-仕上げるべき少なくとも1つの皮革(P)を紫外線で照射するステップとを含み、
前記照射ステップの時点で、前記少なくとも1つの皮革(P)は、紫外線を利用して活性化され得る少なくとも1つの光重合性組成物を含む、皮革を仕上げるための方法。
【請求項2】
前記提供ステップは、前記少なくとも1つの光重合性組成物の前記少なくとも1つの皮革(P)上への前記堆積のための少なくとも1つのステップを含み、前記照射ステップは前記堆積ステップに続いて実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの光重合性組成物は、10g/m~150g/mの量で前記少なくとも1つの皮革(P)上に堆積される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記提供ステップは、少なくとも、
-前記仕上げるべき少なくとも1つの皮革(P)上への紫外線を利用して活性化され得る少なくとも1つの第1の光重合性組成物の第1の堆積と、
-前記少なくとも1つの皮革(P)上に少なくとも部分的に重合された前記少なくとも1つの第1の組成物の第1の層(L1)を形成するための、前記少なくとも1つの第1の光重合性組成物を含む前記少なくとも1つの皮革(P)の紫外線での第1の照射と、
-紫外線を利用して活性化され得る少なくとも1つの第2の光重合性組成物の前記第1の層を含む前記少なくとも1つの皮革(P)上への第2の堆積とを含み、
前記照射ステップは、前記第1の層(L1)の上に、前記少なくとも1つの第2の少なくとも部分的に重合された組成物の第2の層(L2)を形成するための、前記少なくとも1つの第2の光重合性組成物を含む前記少なくとも1つの皮革(P)の紫外線での第2の照射である、請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記堆積は、前記少なくとも1つの皮革(P)上に、前記光重合性組成物の1つまたは複数の層を分散させ非点的に堆積させる、および場合によっては均一に堆積させる、請求項2、3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記堆積は、噴霧、ローラ、グレージング、または緩衝機によって実行される、請求項1~5に記載の方法。
【請求項7】
前記噴霧堆積は、少なくとも12本のアーム(220)を備えた少なくとも1つの回転ターンテーブル(210)によって実行され、後者の各々は少なくとも1つの噴霧ガン(230)を含む、請求項1~6に記載の方法。
【請求項8】
前記回転ターンテーブルは、14から24の間に含まれるいくつかのアーム(220)を有する、請求項1~7に記載の方法。
【請求項9】
前記堆積または前記第1の堆積ステップは、前記少なくとも1つの実質的に乾燥した皮革(P)上で実行される、請求項2~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記照射は、少なくとも1つの紫外線発生装置(40)を利用して少なくとも1つの作業チャンバ(25)内で実行される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記紫外線発生装置(40)は複数のLEDを備える、請求項1~10に記載の方法。
【請求項12】
前記紫外線発生装置(40)は、前記少なくとも1つの作業チャンバ(25)内での有害ガスの形成を回避するために、280nm~400nmの間に含まれる波長を有する紫外線を放射するように構成される、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの作業チャンバ(25)を、60℃よりも低い、好ましくは50℃よりも低い、さらにより好ましくは20℃~50℃の間に含まれる動作温度まで加熱するステップを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの作業チャンバは、入口(21)および出口(22)を有するトンネル(25)であり、前記紫外線発生装置(40)は、前記トンネル(25)の内側に配置されている、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記光重合性組成物は、
(A)少なくとも1つの光重合性化合物;
(B)少なくとも1つの光活性化剤;
(C)場合により、少なくとも1つの架橋剤;
(D)場合により、少なくとも1つの着色剤;
(E)場合によっては、少なくとも1つのさらなる添加剤から成る水溶液または分散液である、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記水溶液または前記分散液中の水は、前記水溶液または前記分散液の総重量に対して10%重量~50%重量の間に含まれる、好ましくは前記水溶液または前記分散液の総重量に対して15%重量~45%重量の間に含まれる、さらにより好ましくは前記水溶液または前記分散液の総重量に対して20%重量~40%重量の間に含まれるパーセンテージで存在する、請求項1~15に記載の方法。
【請求項17】
前記水溶液または前記分散液は有機溶媒を含まない、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの光重合性化合物は、アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテル、シリコーン、ポリウレタンポリマーまたはコポリマー、ポリエーテルポリオールを有するポリウレタン、ブタジエンコポリマーから選択される、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの光活性化剤は、例えばベンゾフェノンまたはヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどの芳香族ケトンから選択される、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの架橋剤はカルボジイミドおよび/またはイソシアネートである、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記照射ステップは、1秒~60秒の間に含まれる、より好ましくは2秒~45秒の間に含まれる、さらにより好ましくは5秒~30秒の間に含まれる作業時間にわたって実行される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記堆積ステップおよび前記照射ステップは連続して実行される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つのなめした、または合成の動物の皮革(P)もしくは動物由来の皮革の連続仕上げのためのラインであって、
-紫外線を利用して活性化され得る少なくとも1つの光重合性組成物の前記少なくとも1つの皮革(P)上での堆積のための少なくとも1つのステーション(S)と、
-少なくとも一つの重合トンネル(25)と、
-前記堆積ステーション(S)および前記少なくとも1つのトンネル(25)を通って前記少なくとも1つの皮革(P)を前進させるための手段(29)とを備え、
前記少なくとも1つの重合トンネル(25)は、その中に、前記前進手段(29)に面する少なくとも1つの紫外線発生装置(40)を備え、その結果、使用中、放射された紫外線は、前記仕上るべき少なくとも1つの皮革(P)に当たる、皮革の連続仕上げのためのライン。
【請求項24】
前記堆積ステーション(S)は、前記光重合性組成物の1つまたは複数の層の非点拡散手段を含む、請求項1~23に記載のライン。
【請求項25】
前記非点拡散手段は、噴霧手段、ローラ手段、少なくとも1つのグレージング装置、少なくとも1つの緩衝機、またはそれらの2つ以上の組み合わせから選択される、請求項1~24に記載のライン。
【請求項26】
前記噴霧手段は、1つまたは複数のガン(230)を含む少なくとも1つの噴霧ブース(200)を含む、請求項1~25に記載のライン。
【請求項27】
前記少なくとも1つの噴霧ブース(200)は、少なくとも12本のアーム(220)を備えた少なくとも1つの回転ターンテーブル(210)を備え、後者の各々は少なくとも1つの噴霧ガン(230)を含む、請求項1~26に記載のライン。
【請求項28】
前記回転ターンテーブルは、14から24の間に含まれるいくつかのアーム(220)を有する、請求項1~27に記載のライン。
【請求項29】
前記少なくとも1つの紫外線発生装置(40)は、前記トンネル(25)内での有害ガスの形成を回避するために、280nmから400nmの間に含まれる波長を有する紫外線を放射するように構成される、請求項23~28の1つまたは複数に記載のライン。
【請求項30】
前記少なくとも1つの紫外線発生装置(40)は複数のLEDを備える、請求項23~29の1つまたは複数に記載のライン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、動物の皮革または動物由来の皮革の工業的な加工の技術分野に関し、特に、動物であれ、動物由来であれ、合成であれ、皮革を仕上げるための方法およびラインに関する。
定義
本明細書では、「皮」または「皮革」という表現は、それが銀面、外皮または亜外皮であるかどうかにかかわらず、動物、特にウシの皮革の任意の層を示すために使用されるが、ヒツジ/ヤギ、外来動物、柔毛動物、野生動物またはその他などの皮革の任意の層を示すために使用される。
【0002】
本明細書では、「特定の皮革」または「皮革」は、単一の動物の皮革の少なくとも一部を示すために使用され、したがってそれは任意の形状であってもよい。例えば、皮革は、革全体、半革、肩、背中、腰、身体の後部または前部であってもよい。
【0003】
したがって、本文書では、「皮革のサイズ」という表現は、平面上に一度置かれた皮革の表面積のサイズを示すために使用される。
【0004】
本文書において、「動物の皮革または動物由来の皮革」という表現は、いわゆる「本革」、いわゆる「レザーレット」もしくは「人工皮革」、または動物皮革を含む他の同様の複合製品を示すために使用される。
【0005】
本文書において、表現「合成皮革」またはその派生語は、合成の非動物媒体または外観が動物の皮革または動物由来の皮革に類似している動物の支持構造の媒体を示すために使用される。
【0006】
本文書において、「提供する」という表現またはその派生語は、目的のプロセスステップに対する目的の要素の準備を示すために使用され、したがって、単純な収集および可能な貯蔵から、熱および/または化学的および/または物理的前処理などまで、目的のステップの最適な実行を目的とした任意の予防処理を含む。
【背景技術】
【0007】
動物の皮革は、いくつかのプロセスを経ることが知られている。
一般に、これらのプロセスは、3つの加工グループに分割され、すなわちビームハウス加工(典型的には、浸漬、石灰化、脱毛、スカイビング、層間はく離、脱灰、浸軟および酸洗い)、タンニングおよびポストタンニング(典型的には、スカイビング、スプリッティング、シェービング、染色、ファットニング、乾燥、場合によっては杭打標示および/または釘打ち、仕上げ、アイロン掛け、プレスおよび測定)に分割される。
【0008】
タンニングに続くプロセス、特に仕上げプロセスは、皮革の審美的および/または製品クラスの特性を改善する目的を有する。一般に、仕上げは、実質的に乾燥した皮革、すなわち、例えば真空プラントを利用して乾燥プロセスを受けた皮革に対して行われる。
【0009】
仕上げ技術には様々な種類があり、その中で最も使用されるのは噴霧技術である。
典型的な噴霧仕上げラインは、1つまたは複数の噴霧ブースおよび1つまたは複数の乾燥トンネルを含む。
【0010】
噴霧ブースでは、有機溶媒および/または水と、上述の審美的および/または製品クラスの特性を皮革に付与するのに適した化学物質との混合物が皮革に噴霧される。そのような物質の重合および水および/または溶媒の除去のための化学反応を引き起こすために、トンネルは一般に80℃~140℃で作用する。
【0011】
そのような加工の欠点は、皮革革を高温にさらすことにあり、これは皮革に存在するコラーゲンの劣化を伴い、繊維の収縮を引き起こし、したがって皮革革の寸法の縮小と硬化の両方を引き起こす。
【0012】
より一般的には、高温での皮革の加工は、皮革自体の品質を損なう。
さらに、高温のために、この加工方法は、大量のエネルギーおよびかなり長い処理時間を必要とし、経済的な観点において明らかな影響を伴う。
【発明の概要】
【0013】
本発明の目的は、非常に機能的で費用効果の高い皮革仕上げ方法および/または皮革仕上げラインを提供することによって、上記に示した欠点を少なくとも部分的に克服することである。
【0014】
本発明の別の目的は、高品質の製品を得ることを可能にする皮革仕上げ方法および/または皮革仕上げラインを提供することである。
本発明の別の目的は、加工中の皮革のサイズの縮小を制限するか、または全くなくすことを可能にする皮革仕上げ方法および/または皮革仕上げラインを提供することである。
本発明の別の目的は、とりわけ迅速な皮革処理方法および/または皮革処理ラインを提供することである。
本発明の別の目的は、プロセスコストを最小限に抑えることを可能にする皮革処理方法および/または皮革処理ラインを提供することである。
以下でより明らかになるこれらおよび他の目的は、本明細書に記載、図示および/または特許請求される方法および/または仕上げラインによって達成される。
従属請求項は、本発明の有利な実施形態を記載する。
【0015】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して非限定的な例として示される、本発明の好ましいが非排他的な実施形態の詳細な説明に照らしてより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】異なる動作ステップにおける重合ステーション10の実施形態の概略的な不等角投影図である。
図1B】異なる動作ステップにおける重合ステーション10の実施形態の概略的な不等角投影図である。
図2A】異なる動作ステップにおける重合ステーション10の実施形態の概略的な不等角投影図である。
図2B】異なる動作ステップにおける重合ステーション10の実施形態の概略的な不等角投影図である。
図3A】異なる動作ステップにおける重合ステーション10の実施形態の概略的な不等角投影図である。
図3B】異なる動作ステップにおける重合ステーション10の実施形態の概略的な不等角投影図である。
図4】重合ステーション10のさらなる実施形態の概略的な不等角投影図である。
図5】重合ステーション10のさらなる実施形態の概略的な不等角投影図である。
図6】重合ステーション10のさらなる実施形態の概略的な不等角投影図である。
図7】重合ステーション10のさらなる実施形態の概略的な不等角投影図である。
図8】重合ステーション10のさらなる実施形態の概略的な不等角投影図である。
図9】装置100の概略的な不等角投影図である。
図10】仕上げライン1の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面を参照して、本明細書に記載されているのは、皮革Pを仕上げるための方法であり、皮革は、連続仕上げライン1を利用して加工されることが好ましく、連続仕上げライン1は、以下でよりよく説明される皮革P上に製品を堆積させるためのステーションSと、重合ステーション10とを含むことができる。
【0018】
本明細書は一般に皮革に関するが、それは、添付の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、動物の皮革、動物由来の皮革または合成皮革であり得ることは明らかである。
堆積は、製品の1つまたは複数の層を皮革上に分散させ非点的に堆積させる。場合によっては、堆積は均一に行われる。
【0019】
例えば、堆積は、適切なガンを用いて噴霧することによって、またはローラ機、散布機もしくは緩衝機を利用して、ステーションS内で行われてもよい。
【0020】
このようにして、皮革Pを仕上げるための作業は、迅速で実用的で費用効果の高い方法で行われる。
【0021】
いずれの場合でも、仕上げは、実質的に乾燥した皮革P、すなわち、例えば真空プラントを利用して乾燥プロセスを経た皮革に対して行われてよい。
【0022】
必要に応じて、皮革Pの片面または両面を加工してもよい。
以下では一般に皮革Pを参照するが、添付の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、単一の皮革または複数の皮革を加工することが可能であることは明らかである。
【0023】
本質的に、この方法は、皮革Pを提供するためのステップと、その後の作業チャンバ25内で紫外線(UV線)によるその照射のためのステップとを含んでよい。有利には、照射ステップを実行する場合、皮革Pは、紫外線を利用して活性化され得る光重合性組成物を含んでよい。
【0024】
場合によっては、光重合性組成物は、皮革P上に既に存在していてもよく、またはステーションS内でその上に、例えば10g/mから150g/mの間に含まれる量で堆積されてもよい。
好ましいが非排他的な実施形態では、光重合性組成物は、
(A)少なくとも1つの光重合性化合物;
(B)少なくとも1つの光活性化剤;
(C)場合により、少なくとも1つの架橋剤;
(D)場合により、少なくとも1つの着色剤;
(E)場合によっては、少なくとも1つのさらなる添加剤から成る水溶液または分散液であってよい。
【0025】
有利には、水溶液または分散液中の水は、水溶液または分散液の総重量に対して10%重量~50%重量の間に含まれる、好ましくは水溶液または分散液の総重量に対して15%重量~45%重量の間に含まれる、さらにより好ましくは水溶液または分散液の総重量に対して20%重量~40%重量の間に含まれるパーセンテージで存在し得る。
【0026】
水の比較的高い存在は、組成物を皮革P上に高速で、好ましくは噴霧によって連続して堆積させることを可能にする。
【0027】
環境上の理由から、水溶液または分散液は有機溶媒を欠いていてもよい。
適切には、少なくとも1つの光重合性化合物は、アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテル、シリコーン、ポリウレタンポリマーまたはコポリマー、ポリエーテルポリオールを有するポリウレタン、ブタジエンコポリマーから選択され得る。
【0028】
一方、少なくとも1つの光活性化剤は、例えばベンゾフェノンまたは1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどの芳香族ケトンから選択されてもよい。
【0029】
少なくとも1つの架橋剤の存在は、特に有利であり得る。存在する場合、そのような少なくとも1つの架橋剤は、例えば、カルボジイミドまたはイソシアネートであり得る。
【0030】
皮革に所望の着色を付与するための顔料、および場合によっては、全て当業者に既知の充填剤、安定剤、例えば界面活性剤などの他の添加剤も適切に存在してよい。
紫外線による照射は、皮革Pを仕上げるために、組成物の重合を引き起こすことができる。
【0031】
このような仕上げは、皮革の物理的状態を変化させる可能性がある。例えば、皮革Pの表面は、その後の塗装またはその後の表面処理のために準備されてもよい。
仕上げは、皮革の審美的および/または製品クラスの特性を規定することを可能にし得る。特に、皮革Pの少なくとも1つの表面層は、皮革Pの耐久性、色および/または仕上げ特性を規定するように加工されてもよい。
【0032】
さらに、仕上げのおかげで、皮革Pは、特定の質感、色調、防水性などの特定の特性を有することができる。
【0033】
紫外線の使用のおかげで、高品質の皮革Pを得るために化学仕上げ物質を重合するために高温で作業する必要はない。
【0034】
さらに、皮革Pの寸法の縮小は制限されるか、または全く起こらない。
必要に応じて、照射中、作業チャンバ25は比較的低温で加熱されてもよい。
そのような温度は、60℃未満、好ましくは55℃未満、場合によっては40℃未満であり得る。
【0035】
より具体的には、そのような温度は、好ましくは20℃~50℃の間に含まれてよい。
低温での処理は、低いエネルギー消費を有することを可能にする。さらに、特に高価で扱いにくい防護物、例えば重合ステーション10の断熱は必要ないため、重合ステーションはとりわけ安全である。
【0036】
適切には、処理されるべき皮革Pは、所定の時間間隔の間、紫外線が当てられてもよい。この時間間隔は、紫外線の出力に応じて、および/または処理されるべき皮革Pに応じて、および/または活性化される物質に応じて変化してよい。
【0037】
特に、時間および/または強度は、適切な活性化/阻害系の存在下ではとりわけ低くてもよい。例えば、照射時間は、3分未満であってもよい。好ましくは、照射時間は30秒未満、さらに好ましくは約10秒であり得る。
【0038】
より具体的には、照射ステップは、1秒~60秒の間に含まれる、より好ましくは2秒~45秒の間に含まれる、さらにより好ましくは5秒~30秒の間に含まれる作業時間にわたって実行されてよい。
【0039】
本発明による方法は、連続して、または不連続に実行されてよい。
有利には、光重合性組成物は、重合ステーション10を利用して重合されてよく、重合ステーションは、処理されるべき皮革Pを収容するように指定された作業領域11と、作業領域11に皮革を装填するための手段12と、作業領域から皮革を取り出すための手段13とを有する作業チャンバ25を備えてもよい。
【0040】
したがって、重合ステーション10は、作業領域11への皮革Pの装填および作業領域11からの皮革Pの取り出しを可能にするための入口21および出口22を備えてもよい。
好ましくは、重合ステーション10は、支持構造体20を備えてもよい。特に、後者は、入口21および出口22を画定する1つまたは複数の開口部を備えてよい。場合によっては、入口21と出口22は一致してもよい。
【0041】
適切には、重合ステーション10は、作業領域11に配置された皮革Pに紫外線が当たるように位置決めされた紫外線を放射するための手段40を備えてもよい。好ましくは、手段40は、作業領域11の内側に配置されてもよい。
【0042】
手段40は、それ自体既知のタイプの1つまたは複数の紫外線発生装置であってもよい。例えば、それ自体既知のタイプのUVランプが使用されてもよい。
【0043】
有利には、そのようなランプは、複数のLEDを含んでもよい。このようにして、手段40を供給するためのコストが最小化される。
【0044】
適切には、これらのLEDは、280nm~400nmの間に含まれる波長を有する紫外線を放射するように構成されてもよい。これにより、作業チャンバ25内での有害ガスの形成を防止することが可能になる。
【0045】
好ましいが非排他的な実施形態では、光重合性組成物を皮革P上に堆積させるためのステーションSは、重合ステーション10の上流に設けられてもよい。
【0046】
有利には、そのような堆積ステーションSは、少なくとも12本のアーム220、好ましくは14から24の間に含まれるいくつかのアームを備えた回転ターンテーブル210を備える噴霧ブース200を含むことができる。
【0047】
各アーム220は、1つまたは複数の噴霧ガン230を含むことができる。
24本のアームを備える噴霧ブース200の例は、イタリア特許第102015000039515号明細書から知られている。
【0048】
ステーションSでは、堆積は、手による噴霧、摺動可能なガンによる噴霧、ローラ、グレージングまたは緩衝機によって実行されてもよい。
【0049】
適切には、皮革Pが最初に噴霧ブース200を通過し、次いで重合ステーション10を順次通過するように、コンベヤベルト29またはモータ駆動ローラ29´が皮革Pのために設けられてよい。このようにして、光重合性組成物を堆積させるステップと皮革Pを照射するステップは連続して行われてもよい。
【0050】
好ましいが非排他的な実施形態では、仕上げライン1は、第1噴霧ブースおよび第2の噴霧ブース200、200´ならびに第1重合ステーションおよび第2の重合ステーション10、10´を互いに対して交互に提供することができる。
【0051】
このようにして、第1の光重合性組成物の皮革P上への第1の堆積は、第1のブース200内で行われてよく、その後、第1のステーション10内で少なくとも部分的に重合されてもよい。
【0052】
これにより、皮革P上に、その後のプロセスのためにそれらを調製するのに適した第1の少なくとも部分的に重合された「底部」層L1を形成することが可能になる。
【0053】
第1の層L1を含む皮革Pは、第2のブース200´に挿入されてもよく、第2の光重合性組成物が層L1の上に堆積されてよい。次いで、後者は、第2のステーション10´内で少なくとも部分的に重合される。
【0054】
これにより、層L1上に第2の仕上げ層L2を形成することが可能になる。
2つの光重合性組成物は、要望および皮革Pに付与される特性に応じて異なる場合があるが、それらは依然として上述の配合物を有し得る。
【0055】
場合によって、上述したように、重合ステーション10は、水または溶媒を除去する目的で作業チャンバ25を上述の温度にするために皮革Pに対して作用する加熱手段30を備えてもよい。
【0056】
加熱手段30は、様々なタイプのものであってもよい。例えば、手段30は、それ自体既知のタイプの赤外線(IR線)ランプ、電気抵抗器、蒸気、油、ガスまたは温水熱交換器などであってもよい。
【0057】
好ましくは、但し排他的ではないが、IRランプ30が、作業領域11の内側に配置されてもよい。
【0058】
IRランプ30は、例えばスイッチを利用してオペレータによって手動で、または例えば作業領域11内の皮革Pの存在の検出後に自動的に選択的に作動可能であってもよい。そのような検出は、検出センサを利用してそれ自体既知の方法で実行されてよい。
【0059】
好適には、IRランプ30は、動作温度が特定の限界温度を超えないように構成されてよい。
【0060】
適切には、IRランプ30が自動的に作動/停止されて温度を限界温度未満に維持するように、IRランプに動作可能に接続されたそれ自体既知のタイプのセンサ手段が設けられてもよい。
【0061】
UVランプ40を利用して照射するためのステップの持続時間ならびにIRランプ30を利用して加熱するためのステップの持続時間および活性化されるべき物質の噴霧の持続時間は、必要に応じて、例えば処理速度および/または皮革Pの種類に応じて変化する場合があることは明らかである。
【0062】
支持構造体20は、使用中、すなわち皮革Pの加工の全部または少なくとも一部の間に皮革Pを支持するのに適した支持平面23を備えてよい。
【0063】
適切には、作業領域11は、好みに応じてサイズが異なってもよい。
特に、支持平面23は、好みに応じて可変長および/または可変幅を有することができる。
【0064】
例えば、図1A図1Bおよび図4に示すように、支持平面23は、サイズが小さくてもよく、例えば、重合ステーション10が一度に単一の皮革Pを加工することを可能にするように、長さが約2m、幅が約2mであってもよい。そのような場合、重合ステーション10は、サイズが特に小さい全体寸法を有してよい。
【0065】
場合によっては、図5に概略的に示すように、支持構造体20は、とりわけサイズが小さく、皮革Pの上に重なる入口を画定してもよい。
【0066】
一方、支持平面23は、単一の皮革Pの寸法よりも大きい幅および/または長さを有してもよい。さらに、これにより、重合ステーション10は複数の皮革Pを同時に処理することが可能になる。
【0067】
例えば、図2A図2B図3図6図7、および図8に概略的に示すように、支持平面23は、皮革の幅に実質的に等しい幅、約3メートル、および必要に応じて可変の長さ、例えば約12mを有してもよい。
【0068】
この場合、支持構造体20は、軸Xを画定する実質的に長手方向の延長部を有することができる。
【0069】
適切には、作業領域11内で皮革Pを前進させるための手段29が設けられてもよい。特に、手段29は、作業平面23に沿って皮革Pを前進させることができる。例えば、それ自体既知のタイプのコンベヤベルト、複数の平面またはモータ駆動ローラ29´などが設けられてもよい。コンベヤベルトまたはローラ29´は、作業平面23を画定してよい。
【0070】
本発明の保護の範囲から逸脱することなく、皮革Pは、異なる方法で重合ステーション10内で移動され得ることは明らかである。例えば、手段29は、チェーンシステムまたは業界で知られている他のシステムを備えてもよい。
【0071】
特定の実施形態によれば、作業領域11は、使用中に実質的に閉鎖されてもよい。
特に、作業領域11は、加工ステップ全体の間、または加工ステップのいくつかのセクションの間のみ実質的に閉鎖されてもよい。例えば、加工が照射および加熱ステップを提供する場合、作業領域11は、照射ステップ中に開放されてもよく、加熱ステップ中に閉鎖されてもよく、または両方のステップ中に閉鎖/開放されてもよい。
【0072】
適切には、支持構造体20は、支持平面23を覆い、支持平面と協働して作業領域11を画定するカバー24を備えてもよい。
【0073】
場合によっては、支持構造体20は、作業領域11が閉鎖されている閉鎖構成(図1B図2B図3B)と、作業領域11が開放されており、作業領域11への皮革の装填/作業領域からの皮革の取り出しを可能にする開放構成(図1A図2A図3A)との間で可動であってよい。
【0074】
好ましいが非排他的な実施形態では、支持構造体20は、トンネル25を実質的に画定してよい。トンネル25は、カバー24が実質的に長方形であり、作業領域11が実質的に平行六面体であるように、一対の側壁28および上壁28´を有してよい。
【0075】
このような実施形態が排他的ではないことは明らかである。実際のところ、カバー24は、異なる構成を有してもよく、例えば、実質的に円形または半球形であってもよい。
さらに、カバー24は、実質的に連続していてよく、あるいは1つまたは複数の開口部を含んでもよく、あるいは網状構造を有してもよく、例えば、架台または管状要素を利用して作成されてもよい。
【0076】
トンネル25は、入口21および出口22を有することができる。適切には、支持構造体20が開放構成から閉鎖構成に移ることを可能にするように選択的に開閉可能であり得る、入口21および/または出口22に位置決めされたパネルまたはドア26´を設けることができる。
【0077】
例えば、図1Aおよび図1Bに概略的に示されるように、入口21に配置され、開位置と閉位置との間で回転可能に移動可能なドア26´が設けられてもよい。皮革Pの装填および取り出しの両方を可能にするように、入口21と出口22とが一致してよいことは明らかである。
【0078】
異なる実施形態によれば、トンネル25は、図3Aおよび図3Bに概略的に示すように、その端部26、27に配置された入口21および出口22を有してよい、または図2Aおよび図2Bに概略的に示すように入口21および出口22と、カバー24の側壁に配置された対応するパネル26´とを有する場合もある。
【0079】
この場合、パネル26´は摺動可能であってよい。しかしながら、そのようなパネル26´は、いずれのタイプであってもよいことは明らかである。
適切には、前進手段29は、その端部26と端部27との間のトンネル25内で皮革Pを前進させることができる。
【0080】
異なる実施形態によれば、作業領域11は、使用中に実質的に開放されてもよい。例えば、図4図6、および図7に概略的に示すように、トンネル構造25は側壁28を有してもよく、入口21および出口22が常に開放しているように、端部26、27にパネル26´、27´がなくてもよい。
【0081】
場合によって、異なる実施形態によれば、支持構造体25は、図8に概略的に示すように、連続した側壁28がなくてもよい。この場合、カバー24は、実質的に連続していなくてもよく、例えば、それは管状または網状構造であってもよい。
【0082】
上述のように、重合ステーション10は、連続して、または不連続に動作することができる。
例えば、図1A図3Bに概略的に示すように、加工ステーションは、実質的に不連続な動作を有してもよい。皮革Pの装填および/または取り出しは、オペレータによって手動で、あるいは例えば適切な装填手段12および/または取り出し手段13を利用して自動的に行われてもよい。
【0083】
場合によっては、ローラ29´は、その端部が装填手段12および/または取り出し手段13を画定するように、支持構造体20の長さよりも実質的に大きい長さを有してもよい。
【0084】
適切には、加工されたおよび/または加工されるべき皮革Pのための入口21および/または出口22に配置された貯蔵容器14が設けられてもよい。
【0085】
一方、異なる実施形態によれば、重合ステーション10は、図4図8に概略的に示すように、実質的に連続する動作を有してもよい。
【0086】
重合ステーション10は、手動または自動で連続して装填されてもよい。
例えば、重合ステーション10がステーションSの後に配置された仕上げライン1において、重合ステーション10の入口21は、先行するステーションSの出口Uと一致してもよい。
【0087】
適切には、装填手段12、前進手段29、および取り出し手段13を画定するように構成され得る複数のモータ駆動ローラ29´が設けられてもよい。さらに、支持構造20の内側に配置されたローラ29´は、支持平面23を画定することができる。
【0088】
照射ステップ中、皮革Pは実質的に静止していてもよい、または軸Xに沿って長手方向に摺動してもよい。一方、UVランプ40は固定されていてもよい、または軸Xに平行または横方向に摺動してもよい。
【0089】
添付の図には示されていないが、UVランプ40は、例えば支持平面23からの距離を回転または変化させることによって、異なるように移動可能であってもよい。
【0090】
図1Aは、使用中に皮革全体が同時に照射されるように、支持平面23の長さに実質的に等しい長さを有する単一のUVランプ40を示す。UVランプ40は、光線が皮革に実質的に垂直に当たるように、中心の長手方向位置、すなわち軸Xに沿って、かつ支持平面23に平行に配置される。
【0091】
図2Aは、軸Xに対して横方向に配向され、軸Xに実質的に平行な方向に移動可能な3つのUVランプを示す。照射中、皮革は固定されてもよいが、UVランプ40は移動可能であってもよい。
【0092】
一方、さらなる実施形態では、皮革は、UVランプ40が固定されている間、移動可能であってもよい。
【0093】
図3Aは、軸Xに沿って長手方向に配置された一対のUVランプの列を形成するように連続して配置された複数のUVランプ40を示す。UVランプの列40は、光線が皮革に実質的に垂直に当たるように位置決めされる。
【0094】
図4は、支持平面23に実質的に等しい長さを有する軸Xに沿って長手方向に配置され、軸Xに対して両側に配置された一対のUVランプ40を示す。UVランプは、支持平面23に対して約45°の角度を形成するように支持平面に対して傾斜されている。
【0095】
図5は、軸Xに対して横方向に配置された単一のUVランプ40を示す。
皮革Pは、照射ステップ中に可動である。
【0096】
図7は、軸Xに実質的に平行に長手方向に配置された4つのUVランプ40を示す。
本発明の特定の実施形態によれば、皮革Pを照射するための装置100が設けられてもよい。特に、装置100は移動させるのに適していてよい。例えば、装置100は、その移動を容易にするためのハンドル102またはフックを備えることができる。
【0097】
上記に照らして、本発明が所定の目的を達成することは明らかである。
本発明は、多数の修正および変形が可能であり、すべて添付の特許請求の範囲の保護範囲内にある。添付の特許請求の範囲によって定義される保護の範囲から逸脱することなく、すべての詳細を他の技術的に等価な要素に置き換えることができ、材料は技術的要望に応じて異なる場合がある。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】