(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(54)【発明の名称】切替方法及び装置、記憶媒体、並びに端末
(51)【国際特許分類】
H04W 36/08 20090101AFI20230612BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20230612BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20230612BHJP
H04W 76/14 20180101ALI20230612BHJP
【FI】
H04W36/08
H04W88/04
H04W92/18
H04W76/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569250
(86)(22)【出願日】2021-05-08
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 CN2021092248
(87)【国際公開番号】W WO2021227968
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】202010408127.2
(32)【優先日】2020-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519364624
【氏名又は名称】展訊通信(上海)有限公司
【氏名又は名称原語表記】Spreadtrum Communications (Shanghai) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Spreadtrum Center, Building No. 1, Lane 2288 Zuchongzhi Road, China (Shanghai) Pilot Free Trade Zone, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】徐 敏
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067JJ39
(57)【要約】
切替方法、装置、記憶媒体及び端末であって、方法は、切り替え又は切り替え準備期間中に、置換指示情報を受信することを含み、置換指示情報は、リレーUEに対応するターゲット基地局又はターゲットセルが置換されることを示すために使用され、又はリモートUEの切り替えの終了を示すために使用される。本発明の解決策は、切り替えが完了する前のリレーUEの移動に起因して基地局が切り替えを失敗するのを効率的に防ぐことができ、切り替えの成功率の改善及び通信効率の向上に有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドオーバ中又はハンドオーバ準備中に置換指示情報を受信することを含み、
前記置換指示情報は、リレーUEに対応するターゲット基地局又はターゲットセルの置換を示し、またはリモートUEのハンドオーバの終了を示す、
ハンドオーバ方法。
【請求項2】
前記置換指示情報に基づいてハンドオーバ終了情報を生成及び送信することを含み、
前記ハンドオーバ終了情報は、ソース基地局又はソースセルと、元のターゲット基地局又は元のターゲットセルとの間のハンドオーバ動作を終了することを示し、前記元のターゲット基地局は、置換前の前記リレーUEに対応する前記ターゲット基地局であり、前記元のターゲットセルは、前記元のターゲット基地局におけるターゲットセルである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
更新されたターゲット基地局又は更新されたターゲットセルを前記置換指示情報に基づいて示す要求情報を送信することを含み、
前記更新されたターゲット基地局は、置換後の前記ターゲット基地局若しくは他のリレーUEに対応するターゲット基地局からなるグループから選択され、前記更新されたターゲットセルは、置換後の前記ターゲットセルまたは他のリレーUEに対応するターゲットセルからなるグループから選択され、置換後の前記ターゲット基地局は、置換後の前記リレーUEに対応する前記ターゲット基地局であり、置換後の前記ターゲットセルは、置換後の前記ターゲット基地局におけるターゲットセルである、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記置換指示情報に基づいて、更新されたターゲット基地局又は更新されたターゲットセルを示す要求情報を送信することは、
評価結果を取得するために前記置換指示情報に含まれるセル情報を評価することと、前記評価結果に基づいて最適なターゲット基地局又は最適なターゲットセルを前記更新されたターゲット基地局又は前記更新されたターゲットセルとして選択することと、
前記更新されたターゲット基地局又は前記更新されたターゲットセルを示す前記要求情報を送信することと、
を含み、
前記セル情報は、置換後の前記ターゲット基地局におけるターゲットセルのセル情報及び他のリレーUEに対応する前記ターゲット基地局におけるターゲットセルのセル情報を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ソース基地局との通信接続は、Uu接続であり、前記リレーUEとの通信接続は、PC5接続である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記リレーUEとのPC5接続は、前記ハンドオーバが完了するまで解放されずに保持される、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記置換指示情報は、
前記リレーUEがセル再選択又はハンドオーバを実行することを示すハンドオーバ指示情報と、
置換後の前記ターゲット基地局の識別子又は置換後の前記ターゲット基地局における前記ターゲットセルの識別子と、
置換前の前記ターゲット基地局における前記ターゲットセルの信号品質が事前設定された閾値未満であることを示す指示情報と、
新しいターゲットセルの発見の指示情報と、
前記新しいターゲットセル信号品質が前記事前設定された閾値より高いことを示す指示情報と、
のうちの少なくとも1つを含み、
置換後の前記ターゲット基地局は、置換後の前記リレーUEに対応する前記ターゲット基地局である、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
セル再選択又はハンドオーバが実行されることに基づいて置換指示情報を生成することと、
前記置換指示情報を送信することと、
を含み、
前記置換指示情報は、ターゲット基地局又はターゲットセルの置換を示し、またはリモートUEのハンドオーバの終了を示す、
ハンドオーバ方法。
【請求項9】
ハンドオーバ中又はハンドオーバ準備中に置換指示情報を受信するように構成された受信回路を備え、
前記置換指示情報は、リレーUEに対応するターゲット基地局又はターゲットセルの置換を示し、またはリモートUEのハンドオーバの終了を示す、
ハンドオーバ装置。
【請求項10】
セル再選択又はハンドオーバが実行されることに基づいて置換指示情報を生成するように構成された生成回路と、
前記置換指示情報を送信するように構成された送信回路と、
を備え、
前記置換指示情報は、ターゲット基地局又はターゲットセルの置換を示し、またはリモートUEのハンドオーバの終了を示す、
ハンドオーバ装置。
【請求項11】
コンピュータ命令が格納された記憶媒体であって、前記コンピュータ命令がプロセッサにより実行されると、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法が実行される、記憶媒体。
【請求項12】
メモリ及びプロセッサを備え、前記メモリは、コンピュータ命令を格納し、前記プロセッサが前記コンピュータ命令を実行すると、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法が実行される、端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に通信技術分野に関し、より詳細には、ハンドオーバ方法及び装置、記憶媒体、並びに端末に関する。
【0002】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2020年5月14日に出願された、発明の名称が「ハンドオーバ方法及び装置、記憶媒体、並びに端末」である中国特許出願第202010408127.2号の優先権の利益を主張するものであり、本件明細書の一部を構成するものとしてその開示全体を本件明細書に援用する。
【背景技術】
【0003】
車とXとの接続(V2X、車とあらゆるものとの接続(Vehicle to Everything)とも呼ばれる)は、将来の高度道路交通システムの重要な技術であり、主に第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))通信規格に基づく車両データ伝送解決策を提供する。V2X通信は、車車間(Vehicle-to-Vehicle:V2V)通信、路車間(Vehicle-to-Infrastructure:V2I)通信、歩車間(Vehicle-to-Pedestrian:V2P)通信を含む。V2X適用は、運転のセキュリティを向上させ、渋滞と車両のエネルギ消費を削減し、交通効率と車内エンターテイメント情報を向上させる。V2X通信は、近接サービス(Proximity-based services:ProSe)などの他のユーザ端末通信方式にも適用でき、車両通信関連分野に限定されない。
【0004】
V2X通信において、V2V通信は通常の無線セルラーネットワーク通信とは異なる通信方式である。従来のセルラーネットワークでは、ユーザ機器(UE)と基地局機器が通信し、1つのUEと別のUEとが基地局及びコアネットワークを介して通信する。しかし、V2V通信では、1つのUEが別のUEと直接通信し、UE間のリンクはサイドリンク(SL)になり、対応するインタフェースはPC5インタフェースである。しかし、UEと基地局装置との間のインタフェースはUuインタフェースである。SLディスカバリ(SL discovery)は、主にProSe UEがSLを使用してデータを送信する前に実行する手順であり、リモートUEを見つけて、SLを設定するために必要な情報を配信するために使用される。UEは、ネットワークによって設定されたポリシーとリソースに基づいて、この手順を実行する。
【0005】
UEと基地局は通常、Uuインタフェースを介して通信するが、UEは移動可能である。UE(以下、リモートUEと呼ぶ)が特定の位置に移動し、基地局に直接接続できない場合、またはUEがウェアラブル携帯端末である場合、当該UEは、リレーUE又はリレー端末と呼ばれる別のUEを介して基地局に接続される可能性がある。2つのUEは、PC5インタフェースを介してデータを直接送信し、リレーUEは、Uuインタフェースを介して基地局に接続され、リモートUEと基地局との間の接続を実現する。リモートUEが接続状態にあるとき、ソース基地局のカバレッジエリアから徐々に移動する場合、ソース基地局は、リモートUEの測定報告に従ってハンドオーバ手順を開始する必要がある。ターゲット基地局がリレーUEを介して接続する必要がある場合、基地局間のUuからPC5へのハンドオーバ手順がリモートUEに対して発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、リモートUEのハンドオーバ準備又はハンドオーバ中にリモートUEが移動又はハンドオーバして元のセルから離脱する場合、ハンドオーバは失敗する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施形態は、ハンドオーバが完了する前にリレーUEの移動によって引き起こされるハンドオーバの失敗を回避できる。
【0008】
本開示の一実施形態では、ハンドオーバ中又はハンドオーバ準備中に置換指示情報を受信することを含むハンドオーバ方法が提供される。置換指示情報は、リレーUEに対応するターゲット基地局又はターゲットセルの置換を示すか、又はリモートUEのハンドオーバの終了を示す。
【0009】
任意選択で、方法は、置換指示情報に基づいてハンドオーバ終了情報を生成及び送信することをさらに含む。ハンドオーバ終了情報は、ソース基地局又はソースセルと元のターゲット基地局又は元のターゲットとの間のハンドオーバ動作を終了することを示す。元のターゲット基地局は、置換前のリレーUEに対応するターゲット基地局であり、元のターゲットセルは、元のターゲット基地局におけるターゲットセルである。
【0010】
任意選択で、方法は、更新されたターゲット基地局又は更新されたターゲットセルを置換指示情報に基づいて示す要求情報を送信することをさらに含む。更新されたターゲット基地局は、置換後のターゲット基地局又は他のリレーUEに対応するターゲット基地局からなるグループから選択され、更新されたターゲットセルは、置換後のターゲットセル又は他のリレーUEに対応するターゲットセルからなるグループから選択される。置換後のターゲット基地局は、置換後のリレーUEに対応するターゲット基地局であり、置換後のターゲットセルは、置換後のターゲット基地局におけるターゲットセルである。
【0011】
任意選択で、更新されたターゲット基地局又は更新されたターゲットセルを置換指示情報に基づいて示す要求情報を送信することは、評価結果を取得するために置換指示情報に含まれるセル情報を評価し、評価結果に基づいて最適なターゲット基地局又は最適なターゲットセルを更新されたターゲット基地局又は更新されたターゲットセルとして選択することと、更新されたターゲット基地局又は更新されたターゲットセルを示す要求情報を送信することと、を含む。セル情報は、置換後のターゲット基地局におけるターゲットセルのセル情報、及び他のリレーUEに対応するターゲット基地局におけるターゲットセルのセル情報を含む。
【0012】
任意選択で、ソース基地局との通信接続はUu接続であり、リレーUEとの通信接続はPC5接続である。
【0013】
任意選択で、リレーUEとのPC5接続は、ハンドオーバが完了するまで解放されずに保持される。
【0014】
任意選択で、置換指示情報は、リレーUEがセル再選択又はハンドオーバを実行することを示すハンドオーバ指示情報と、置換後のターゲット基地局の識別子又は置換後のターゲット基地局におけるターゲットセルの識別子と、置換前のターゲット基地局におけるターゲットセルの信号品質が事前設定された閾値未満であることを示す指示情報と、新しいターゲットセルの発見の指示情報と、新しいターゲットセルの信号品質が事前設定された閾値より高いことを示す指示情報と、のうちの少なくとも1つを含む。置換後のターゲット基地局は、置換後のリレーUEに対応するターゲット基地局である。
【0015】
本開示の一実施形態では、セル再選択又はハンドオーバが実行されることに基づいて置換指示情報を生成することと、置換指示情報を送信することと、を含むハンドオーバ方法が提供される。置換指示情報は、ターゲット基地局又はターゲットセルの置換を示すか、またはリモートUEのハンドオーバの終了を示す。
【0016】
本開示の一実施形態では、ハンドオーバ中またはハンドオーバ準備中に置換指示情報を受信するように構成された受信回路を含むハンドオーバ装置が提供される。置換指示情報は、リレーUEに対応するターゲット基地局又はターゲットセルの置換を示すか、またはリモートUEのハンドオーバの終了を示す。
【0017】
本開示の一実施形態では、セル再選択又はハンドオーバが実行されることに基づいて置換指示情報を生成するように構成された生成回路と、置換指示情報を送信するように更新された送信回路と、を含むハンドオーバ装置が提供される。置換指示情報は、ターゲット基地局又はターゲットセルの置換を示すか、またはリモートUEのハンドオーバの終了を示す。
【0018】
本開示の一実施形態では、コンピュータ命令が記憶された記憶媒体が提供される。コンピュータ命令がプロセッサによって実行されると、上記の方法のいずれかが実行される。
【0019】
本開示の一実施形態では、メモリ及びプロセッサを含む端末が提供される。メモリにはコンピュータ命令が格納され、プロセッサがコンピュータ命令を実行すると、上記の方法のいずれかが実行される。
【発明の効果】
【0020】
本開示の実施形態は、以下の利点を提供できる。
【0021】
リモートUE側に、本開示の実施形態は、ハンドオーバ中又はハンドオーバ準備中に置換指示情報を受信することを含むハンドオーバ方法を提供する。置換指示情報は、リレーUEに対応するターゲット基地局又はターゲットセルの置換を示し、またはリモートUEのハンドオーバの終了を示す。
【0022】
したがって、ハンドオーバが完了する前にリレーUEが移動することによる基地局ハンドオーバの失敗を回避でき、ハンドオーバ成功率及び通信効率の向上に寄与する。具体的には、リモートUEがハンドオーバの準備又はハンドオーバを実行している間、リモートUEは、リレーUEが移動したか、または置換指示情報に基づいてハンドオーバされたことを適時に知ることができ、ソース基地局に現在のハンドオーバ手順によって示される元のターゲット基地局とのハンドオーバ動作を停止するように適時知らせることができる。これにより、ハンドオーバが確実に失敗する場合にハンドオーバ手順の無駄な実行が回避され、電力消費とシグナリングオーバヘッドの浪費が防止される。
【0023】
リレーUE側に、本開示の実施形態は、セル再選択又はハンドオーバが実行されることに基づいて置換指示情報を生成することと、置換指示情報を送信することと、を含むハンドオーバ方法をさらに提供する。置換指示情報は、ターゲット基地局又はターゲットセルの置換を示し、またはリモートUEのハンドオーバの終了を示す。
【0024】
したがって、リモートUEがハンドオーバ準備又はハンドオーバを実行している間、リレーUEは、自身の移動またはハンドオーバ状況に基づいて置換指示情報を積極的に生成し、リモートUEに置換指示情報を送信することにより、リモートUEがリレーUEの移動を知らないことに起因するリモートUEによるハンドオーバ失敗を回避する。また、リモートUEは、置換指示情報に基づいて、リレーUEの移動により適切でなくなった元のターゲット基地局とのハンドオーバを止めるようにソース基地局に速やかに通知することで、ハンドオーバの失敗を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、実施形態によるハンドオーバ方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、実施形態によるハンドオーバ装置の構造図である。
【
図3】
図3は、実施形態によるハンドオーバ方法のフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態によるハンドオーバ装置の構造図である。
【
図5】
図5は、実施形態による適用シナリオにおける信号相互作用の図である。
【
図6】
図6は、実施形態による適用シナリオにおける信号相互作用の図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
従来技術によれば、リモートUEのハンドオーバ準備中又はハンドオーバ中にリレーUEが移動又はハンドオーバして元のセルを離れた場合、かつリモートUEがリレーUEによってターゲット基地局に接続される必要があるとき、ハンドオーバは失敗する。
【0027】
具体的には、3GPP(登録商標)でのニューラジオ(New Radio:NR)では、UEの無線には、無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)アイドル状態(RRC_IDLE)、RRC非アクティブ状態(RRC_INACTIVE)、及びRRC接続状態(RRC_CONNECTED)の3つの状態がある。アイドル状態のUEは、基地局に接続されておらず、位置更新を開始し、セル選択再選択手順を実行し、定期的にページングを受信するだけでよい。接続状態のUEは、ネットワークに接続され、ネットワークはリソースブロック(RB)とUEの物理層構成を構成し、同時通信(Dual-Connectivity:DC)動作(少なくとも2つのセルが異なる基地局(gNB)によって制御される、周波数内又は周波数間シナリオを含む)及び(同じ基地局によって制御される)キャリアアグリゲーション(CA)動作を含む。ネットワークは、UEのアップリンクおよびダウンリンクデータをスケジュールできる。非アクティブ状態のUEは、特定のRNA範囲内を移動するときに基地局に通知する必要がなく、特定の構成(パケットデータ収束プロトコル(Packet Data Convergence Protocol:PDCP)、サービスデータ適応プロトコル(Service Data Adaptation Protocol:SDAP)、いくつかの低層構成などの構成を含む)を保持する。ネットワークがUEをスケジュールする必要がある場合、又はUEが送信するデータを持っている場合、UEは接続状態に変わり、データ送信のために保持された構成を再開する必要がある。
【0028】
既存のハンドオーバ手順は、主に以下の2つの解決策を採用している。
【0029】
解決策1:リモートUEは、まずリレーUEを発見し、PC5接続をセットアップする。そして、ターゲット基地局へのハンドオーバ要求を開始するようにソース基地局に通知する。リレーUEは、非接続状態(アイドル状態など)にある可能性があり、その時点で、ターゲット基地局はリモートUEをページングし、接続を開始し、リモートUEから送信されたデータを配信するためのベアラ構成を含む、関連するベアラ及びチャネル/セルグループ構成を構成する必要がある。
【0030】
解決策2:NR規格リリース16(R16と呼ばれる)は、主に、ソース基地局がUE信号の急激な変化によりUEにハンドオーバ指令を間に合うように発行できないことを防ぐために、条件付きハンドオーバ(CHO)を導入した。したがって、1つまたは複数の利用可能なセルとそれらに関連する構成は、UE測定報告に基づいて事前に構成でき(事前に報告すると、現在のチャネル品質およびその他の条件はハンドオーバ要件を満たさない場合がある)、ハンドオーバ条件も構成される。ハンドオーバ条件が満たされると、UEは、利用可能なセルの1つに直接ハンドオーバし(ターゲットセルでランダムアクセス手順を開始し、RRC再構成完了メッセージを送信する)、ソース基地局にUEの接続を解放するように通知する。
【0031】
Uu-PC5ハンドオーバ手順にCHOを導入することにより、UEは、複数のリレーUEとのPC5接続を設定できる。リソースの浪費を回避するために、非接続状態のリレーUEは、構成を完了するために利用可能なターゲットセルとの接続を設定する動作を開始しない。リモートUEは、これらのリレーUEがハンドオーバ条件を満たしているかどうかを評価でき、リレーUEが構成されたハンドオーバ条件を満たしている場合、リモートUEはハンドオーバ手順を開始し、リレーUEをその基地局(つまり、当該ハンドオーバのターゲット基地局)との接続を設定するように動作させる。解決策2に基づいて、ハンドオーバ条件を受信してから実際のハンドオーバ手順まで、一定の評価時間がかかる。
【0032】
解決策1では、リレーUEが非接続状態にある場合、リレーUEとのPC5を設定後、リモートUEは、リレーUEがターゲット基地局との接続を設定して構成を完了するのを待つ必要がある。この場合、リレーUEが移動またはハンドオーバすると、ソース基地局は時間内に通知されず、ハンドオーバが失敗する。
【0033】
解決策2を支持する条件付きハンドオーバ解決策の場合、ハンドオーバ条件の受信と実際のハンドオーバ手順との間に一定の評価時間があるため、この期間中にリレーUEが移動した場合、ソース基地局は時間内に通知されず、ハンドオーバが失敗する。
【0034】
既存の技術に基づいて、リモートUEがハンドオーバ準備またはハンドオーバを実行している間に、リレーUEが移動またはハンドオーバして元のセルから離脱すると、ハンドオーバが失敗する可能性があることがわかる。
【0035】
本開示の実施形態は、ハンドオーバまたはハンドオーバ準備中に置換指示情報を受信することを含み、置換指示情報は、ターゲット基地局またはリレーUEに対応するターゲットセルの置換を示すか、リモートUEでのハンドオーバの終了を示す、ハンドオーバ方法を提供する。
【0036】
したがって、ハンドオーバが完了する前にリレーUEが移動することによる基地局ハンドオーバの失敗を回避でき、ハンドオーバ成功率および通信効率の向上に役立つ。具体的には、リモートUEがハンドオーバの準備またはハンドオーバを実行している間、リモートUEは、リレーUEが移動したか、または置換指示情報に基づいてハンドオーバされたことを適時に知ることができ、現在のハンドオーバ手順によって示された元のターゲット基地局とのハンドオーバ動作の停止をソース基地局に適時知らせることができる。これにより、ハンドオーバが確実に失敗する場合でのハンドオーバ手順の無駄な実行が回避され、電力消費とシグナリングオーバヘッドの浪費が防止される。
【0037】
本開示の目的、特徴、および利点を明確にするために、本開示の実施形態を添付の図面と併せて詳細に説明する。
【0038】
図1は、一実施形態によるハンドオーバ方法のフローチャートである。ハンドオーバ方法は、リモートUEが基地局をハンドオーバする適用シナリオに適用でき、適用シナリオでは、ターゲット基地局がリレーUEを介して接続される必要がある。具体的には、このシナリオでは、リモートUEは、基地局間のUuからPC5へのハンドオーバ手順を実行する。
【0039】
この方法は、UE側のリモートUEなど、UE側によって実行されてもよい。リモートUEは、データ通信のために基地局との接続を設定するUEを指す。リモートUEと基地局とは、Uuインタフェースを介して通信する。すなわち、リモートUEと基地局との間の通信接続はUu接続である。
【0040】
いくつかの実施形態では、リモートUEは、リレーUEを介してターゲット基地局と通信する必要があり、リモートUEとリレーUEとは、PC5インタフェースを介してデータを直接送信する。すなわち、リモートUEとリレーUEとの間の通信接続は、PC5接続である。
【0041】
いくつかの実施形態において、ハンドオーバ前にリモートUEに接続された基地局はソース基地局と呼ばれ、ハンドオーバ後にリモートUEに接続される基地局はターゲット基地局と呼ばれる。具体的には、リモートUEは、最初はソース基地局と通信し、リモートUEの移動などの要因によりソース基地局の信号範囲外に移動する場合、ハンドオーバ手順を実行する必要がある。ターゲット基地局がリモートUEから遠く離れている場合、又はその他の要因が発生した場合、リモートUEとターゲット基地局との間の接続は、リレーUEを介して実現される必要がある。
【0042】
非接続状態のリレーUEは、セル測定、セル再選択などを行うことができる。測定により、現在存在するサービスセルの信号品質が低下したことが分かり、信号品質の高い別のセルが見つかった場合、リレーUEは、セル再選択手順を開始させる。接続状態のリレーUEも測定を行い、元の基地局に測定結果を通知でき、元の基地局は、測定結果に従って、より適切なターゲットセルへのハンドオーバ手順を開始できる。実施形態は、リモートUEのハンドオーバ手順が完了する前にリレーUEが移動またはハンドオーバするために、ターゲット基地局が変化する状況を対象としている。置換前のターゲット基地局は、元のターゲット基地局と称される。実施形態により、リモートUEは、元のターゲット基地局とのハンドオーバ手順を停止し、置換後のターゲット基地局とのハンドオーバ手順をできるだけ早く開始するように、ソース基地局に適時通知できる。
【0043】
いくつかの実施形態において、以下のステップS101及びS102によって提供されるハンドオーバ方法は、UE内のハンドオーバ機能を有するチップによって、又はUE内のベースバンドチップによって実行され得る。
【0044】
具体的には、
図1を参照すると、本実施形態におけるハンドオーバ方法は、S101及びS102を含んでもよい。
【0045】
S101において、リモートUEは、ハンドオーバまたはハンドオーバ準備中に、置換指示情報を受信する。置換指示情報は、リレーUEに対応するターゲットセル又はターゲット基地局の置換を示し、又はリモートUEのハンドオーバの終了を示す。
【0046】
いくつかの実施形態では、置換指示情報は、リレーUEがハンドオーバ失敗、または無線リンク失敗(Radio Link Failure:RLF)、またはRRC再確立の状態にあることをリモートUEに示すことができる。
【0047】
S102において、リモートUEは、置換指示情報に基づいてハンドオーバ終了情報を生成して送信する。ハンドオーバ終了情報は、ソース基地局又はソースセルと元のターゲット基地局または元のターゲットセルとの間のハンドオーバ動作を終了することを示す。元のターゲット基地局は、置換前のリレーUEに対応するターゲット基地局であり、元のターゲットセルは、元のターゲット基地局内のターゲットセルである。
【0048】
いくつかの実施形態では、ハンドオーバまたはハンドオーバ準備の期間は、ソース基地局がハンドオーバを開始することを決定するか、又は条件付きハンドオーバを構成する時点から、リモートUEがハンドオーバ手順の実行を完了する時点までの期間を指す。
【0049】
さらに、置換指示情報は、リレーUEによって生成され、リモートUEに送信されてもよい。例えば、リモートUEのハンドオーバ手順が完了する前に、リレーUEが移動又はハンドオーバしてターゲット基地局の置換を生じさせた場合、リレーUEは、PC5インタフェースを介して置換指示情報を生成および送信する。
【0050】
いくつかの実施形態では、置換指示情報は、リレーUEがセル再選択又はハンドオーバを実行することを示すハンドオーバ指示情報、置換後のターゲット基地局の識別子若しくは置換後のターゲット基地局内のターゲットセルの識別子、置換前のターゲット基地局内のターゲットセルの信号品質が予め設定された閾値未満であることを示す指示情報、新しいターゲットセルを発見したことの指示情報、新しいターゲットセルの信号品質が予め設定された閾値より高いことを示す指示情報、又は、新しいターゲットセルの信号品質若しくは負荷状態、のうちの少なくとも1つを含む。置換後のターゲット基地局は、置換後のリレーUEに対応するターゲット基地局である。新しいターゲットセルは、置換後又は置換前のターゲット基地局に属し得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、基地局は複数のセルを含んでもよい。ターゲットセルの識別子を示すことで、ソース基地局は、ターゲットセルが属する置換後のターゲット基地局を決定できる。
【0052】
さらに、基地局は、それと通信しているリモートUEおよびリレーUEの情報を記憶する。
【0053】
さらに、新しいターゲットセルの信号品質は、ハンドオーバ動作を実行する適切なリレーUEを選択するためにリモートUEによって利用され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、S102において、ハンドオーバ終了情報を介して、リモートUEは、基地局間のハンドオーバ終了を開始するようにソース基地局に通知するか、又はリレーUEの置換指示情報についてソース基地局に通知し、ソース基地局は、基地局間のハンドオーバ終了手順を開始するかどうかを決定する。
【0055】
いくつかの実施形態では、S102の後、方法は、更新されたターゲット基地局又は更新されたターゲットセルを置換指示情報に基づいて示す要求情報を送信することをさらに含む。更新されたターゲット基地局は、置換後のターゲット基地局又は他のリレーUEに対応するターゲット基地局からなるグループから選択される。更新されたターゲットセルは、置換後のターゲットセル又は他のリレーUEに対応するターゲットセルからなるグループから選択される。置換後のターゲット基地局は、置換後のリレーUEに対応するターゲット基地局であり、置換後のターゲットセルは、置換後のターゲット基地局内のターゲットセルである。ソース基地局は、更新されたターゲット基地局又はセルのハンドオーバ情報に基づいて、新しいターゲットセルに対するハンドオーバ要求を新しいターゲット基地局に開始するかどうかを決定する。
【0056】
具体的には、置換指示情報は、置換後のターゲット基地局におけるターゲットセルのセル情報を含んでもよい。
【0057】
さらに、リモートUEは、置換指示情報に含まれるセル情報を評価して評価結果を取得し、評価結果に基づいて、最適なターゲット基地局または最適なターゲットセルを更新されたターゲット基地局または更新されたターゲットセルとして選択できる。セル情報は、置換後のターゲット基地局におけるターゲットセルのセル情報と、他のリレーUEに対応するターゲット基地局におけるターゲットセルのセル情報と、を含む。さらに、リモートUEは、更新されたターゲット基地局または更新されたターゲットセルを示す要求情報を送信できる。
【0058】
例えば、リモートUEは、複数の利用可能なリレーUEと、複数の利用可能なリレーUEのターゲットセルの信号品質及び負荷状態とを事前に取得できる。置換指示情報に含まれる置換後のターゲット基地局におけるターゲットセルの信号品質及び負荷状態が、リモートUEによって事前に把握されているすべての利用可能なUEの中で最適である場合、リモートUEは、置換指示情報で示されたターゲット基地局を更新されたターゲット基地局として選択する。
【0059】
置換指示情報に含まれる置換後のターゲット基地局におけるターゲットセルの信号品質及び負荷状態が、リモートUEによって事前に把握されているすべての利用可能なUEの中で最適でない場合、リモートUEは、複数の利用可能なリレーUEから最適なターゲット基地局又はセルを更新されたターゲット基地局又はセルとして選択する。
【0060】
さらに、ハンドオーバ要求は、リモートUEによってソース基地局に送信され、ソース基地局と更新されたターゲット基地局が接続を確立する。
【0061】
いくつかの実施形態では、リモートUEは、リレーUEの置換後のターゲット基地局が更新されたターゲット基地局であるかどうかに関係なく、ハンドオーバ動作が完了するまでリレーUEとのPC5接続を未解放のまま維持できる。
【0062】
以上のことから、ハンドオーバが完了する前にリレーUEが移動することによるハンドオーバの失敗を回避でき、ハンドオーバの成功率および通信効率の向上に寄与する。具体的には、リモートUEがハンドオーバの準備またはハンドオーバを実行している間、リモートUEは、リレーUEが移動したか、又は置換指示情報に基づいてハンドオーバされたことを適時に知ることができ、その後、現在のハンドオーバ手順によって示された元のターゲット基地局へのハンドオーバ動作を停止するようにソース基地局に適時通知できる。これにより、ハンドオーバが確実に失敗する場合でのハンドオーバ手順の無駄な実行が回避され、電力消費とシグナリングオーバヘッドの浪費が防止される。
【0063】
図2は、実施形態によるハンドオーバ装置の構造図である。当業者は、ハンドオーバ装置2が、
図1に示される方法を実行するために適用され得ることを理解できる。
【0064】
図2を参照すると、ハンドオーバ装置2は、ハンドオーバ又はハンドオーバ準備中に置換指示情報を受信するように構成された受信回路21を含み得る。置換指示情報は、リレーUEに対応するターゲット基地局又はターゲットセルの置換を示し、又はリモートUEのハンドオーバの終了を示す。
【0065】
さらに、ハンドオーバ装置2は、置換指示情報に基づいてハンドオーバ終了情報を生成及び送信するように構成された生成及び送信回路22をさらに含み得る。ハンドオーバ終了情報は、ソース基地局又はソースセルと元のターゲット基地局又は元のターゲットセルとの間のハンドオーバ動作を終了することを示す。元のターゲット基地局は、置換前のリレーUEに対応するターゲット基地局であり、元のターゲットセルは、元のターゲット基地局におけるターゲットセルである。
【0066】
ハンドオーバ装置2の動作原理および動作モードの詳細は、
図1の関連する説明を参照でき、ここでは繰り返さない。
【0067】
いくつかの実施形態では、ハンドオーバ装置2は、UEにおけるハンドオーバ機能を有するチップ、又はシステム・オン・チップ(SOC)若しくはベースバンドチップなどのデータ処理機能を有するチップ、又はUEにおけるハンドオーバ機能を有するチップを含むチップモジュール、又はデータ処理機能を有するチップを含むチップモジュール、又はUEに対応し得る。
【0068】
図3は、実施形態によるハンドオーバ方法のフローチャートである。ハンドオーバ方法は、リモートUEが基地局をハンドオーバする適用シナリオに適用でき、この適用シナリオでは、ターゲット基地局がリレーUEを介して接続される必要がある。具体的には、この適用シナリオでは、リモートUEが基地局間のUuからPC5へのハンドオーバ手順を実行する。
【0069】
ハンドオーバ方法は、UE側のリレーUEなど、UE側によって実行されてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、以下のステップS301及びS302によって提供されるハンドオーバ方法は、UE内のハンドオーバ機能を有するチップによって、又はUE内のベースバンドチップによって実行され得る。
【0071】
具体的には、
図3を参照すると、ハンドオーバ方法は、S301およびS302を含むことができる。
【0072】
S301において、リレーUEは、実行中のハンドオーバ又はセル再選択に基づいて、置換指示情報を生成する。置換指示情報は、ターゲット基地局又はターゲットセルの置換を示し、又はリモートUEのハンドオーバの終了を示す。
【0073】
S302において、リレーUEは、置換指示情報を送信する。
【0074】
より具体的には、置換指示情報を送信する動作は、リモートUEのハンドオーバ又はハンドオーバ準備の間に実行され、リモートUEは置換指示情報を受信する。
【0075】
当業者は、S301及びS302が、
図1に示される上記の方法のS101及びS102に対応するステップとみなすことができ、2つが特定の実装原理及び論理において相補的であることを理解できる。したがって、本実施形態における用語の説明は、
図1に示す実施形態の関連する説明を参照でき、ここでは繰り返さない。
【0076】
例えば、リモートUEのハンドオーバ手順が完了する前に、リレーUEがセルハンドオーバまたはセル再選択を経た場合、リレーUEは、S301およびS302を実行して、置換指示情報を生成して送信できる。
【0077】
いくつかの実施形態では、S301において、置換指示情報は、リレーUEがセル再選択若しくはハンドオーバを実行することを示すハンドオーバ指示情報、置換後のターゲット基地局の識別子若しくは置換後のターゲット基地局におけるターゲットセルの識別子、置換前のターゲット基地局におけるターゲットセルの信号品質が事前に設定された閾値未満であることを示す指示情報、新しいターゲットセルを発見したことを示す指示情報、又は、新しいターゲットセルの信号品質が事前に設定された閾値より高いことを示す指示情報のうちの少なくとも1つを含む。置換後のターゲット基地局は、置換後のリレーUEに対応するターゲット基地局である。新しいターゲットセルは、置換後のターゲット基地局に属し得る。
【0078】
さらに、S302において、リレーUEは、PC5インタフェースを介してリモートUEに置換指示情報を送信できる。
【0079】
以上のように、リモートUEがハンドオーバ準備又はハンドオーバを実行している間、リレーUEは自身の移動またはハンドオーバ状況に基づいて置換指示情報を積極的に生成し、置換指示情報をリモートUEに送信し、それによってリモートUEがリレーUEの移動に知らないことによって生じるハンドオーバの失敗を回避する。さらに、リモートUEは、置換指示情報に基づいて、リレーUEの移動によりもはや適切ではなくなった元のターゲット基地局へのハンドオーバを停止するようにソース基地局に速やかに通知することで、ハンドオーバの失敗を避けることができる。
【0080】
図4は、実施形態によるハンドオーバ装置の構造図である。当業者は、ハンドオーバ装置4が、
図3に示される方法を実行するために適用され得ることを理解できる。
【0081】
図4を参照すると、ハンドオーバ装置4は、実行されているハンドオーバ又はセル再選択に基づいて置換指示情報を生成するように構成された生成回路41と、置換指示情報を送信するように構成された送信回路42と、を含むことができる。置換指示情報は、ターゲット基地局若しくはターゲットセルの置換を示すか、又はリモートUEのハンドオーバの終了を示す。
【0082】
置換指示情報を送信する動作は、リモートUEのハンドオーバ又はハンドオーバ準備の間に実行され、リモートUEは置換指示情報を受信する。
【0083】
ハンドオーバ装置4の動作原理および動作モードの詳細は、
図3の関連する説明を参照でき、ここでは繰り返さない。
【0084】
いくつかの実施形態では、ハンドオーバ装置4は、UEにおけるハンドオーバ機能を有するチップ、又はSOC若しくはベースバンドチップなどのデータ処理機能を有するチップ、又はUEにおけるハンドオーバ機能を有するチップを含むチップモジュール、又はデータ処理機能を有するチップを含むチップモジュール、又はUEに送信される。
【0085】
いくつかの実施形態では、上記の実施形態で説明された製品及び各装置の各モジュール/ユニットは、ソフトウェアモジュール/ユニット若しくはハードウェアモジュール/ユニットであってもよく、又は一部がソフトウェアモジュール/ユニットであり、一部がハードウェアモジュール/ユニットであってもよい。
【0086】
例えば、チップに適用または統合される各装置または製品について、そこに含まれる各モジュール/ユニットは、回路などのハードウェアによって実装され得る。又は、少なくともいくつかのモジュール/ユニットは、チップ内に統合されたプロセッサ上で実行されるソフトウェアプログラムによって実装されてもよく、モジュール/ユニットの残りの部分(存在する場合)は、回路などのハードウェアによって実装され得る。チップモジュールに適用または統合される各装置または製品について、そこに含まれる各モジュール/ユニットは、回路などのハードウェアによって実装され得る。異なるモジュール/ユニットが、同じ部品(チップまたは回路モジュールなど)又はチップモジュールの異なる部品に配置され得る。または、少なくともいくつかのモジュール/ユニットは、チップモジュール内に統合されたプロセッサ上で実行されるソフトウェアプログラムによって実装されてもよく、モジュール/ユニットの残りの部分(存在する場合)は、回路などのハードウェアによって実装されてもよい。端末に適用または統合される各装置または製品について、そこに含まれる各モジュール/ユニットは、回路などのハードウェアによって実装され得る。異なるモジュール/ユニットが、同じ部品(チップまたは回路モジュールなど)又は端末の異なる部品に配置され得る。または、少なくとも一部のモジュール/ユニットは、端末内に統合されたプロセッサ上で実行されるソフトウェアプログラムによって実装されてもよく、モジュール/ユニットの残りの部分(存在する場合)は、回路などのハードウェアによって実装されてもよい。
【0087】
適用シナリオでは、
図5を参照すると、上記の解決策1に基づくハンドオーバ手順は、以下のステップを含むことができる。
【0088】
リモートUE51は、ソース基地局52を介してコアネットワーク(CN)55と通信し、パケットデータを取得する。
【0089】
まず、ソース基地局52は、s501を実行して、RRC測定制御メッセージをリモートUE51に送信する。
【0090】
その後、リモートUE51は、s502を実行してリレー発見動作を実行し、発見されたリレーUE53とのPC5接続を設定する。
【0091】
その後、リモートUE51は、s503を実行して、RRC測定報告をソース基地局52に送信する。
【0092】
RRC測定報告の受信に応答して、ソース基地局52は、s504を実行して、基地局(基地局間のインタフェース、X2)ハンドオーバ(HO)要求をターゲット基地局54に送信する。
【0093】
この場合、リレーUE53は非接続状態であってもよいため、ターゲット基地局54はリレーUE53をページングしてもよい。具体的には、ターゲット基地局54は、s505を実行して、リモートUE51のハンドオーバ情報をリレーUE53に送信してもよい。
【0094】
その後、リレーUE53は、s506を実行して確認応答(Ack)を送信する。
【0095】
ACKの受信に応答して、ターゲット基地局54は、s507を実行して、ハンドオーバ要求確認応答メッセージ(HOReqAck)をソース基地局52に送信する。
【0096】
その後、ソース基地局52は、s508を実行して、モビリティ制御情報などを含む、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfig)メッセージをリモートUE51に送信する。
【0097】
ソース基地局52はさらに、s509を実行して、シーケンス番号(SN)状態転送メッセージをターゲット基地局54に送信する。
【0098】
データ転送が進行している間、リモートUE51は、s510を実行して、RRC接続再構成完了メッセージをリレーUE53を介してターゲット基地局54に送信する。
【0099】
ターゲット基地局54およびCN55は、RRC接続再構成完了メッセージの受信に応答して、経路切り替え(Path Switch)のためのs511を実行する。
【0100】
その後、ターゲット基地局54は、s512を実行して、ソース基地局52にリモートUE51のコンテキストを解放するように指示する(UEContextRelease)。
【0101】
上記のステップに基づいて、ハンドオーバ手順が完了し、リモートUE51は、リレーUE53を介してターゲット基地局54に接続され、ターゲット基地局54を介してCN55と通信してパケットデータを送信し続けることができる。
【0102】
s502でのハンドオーバ手順の開始からS511でのハンドオーバ手順の完了までの期間中にリレーUE53が移動またはセル再選択/ハンドオーバを実行する場合、リレーUE53は、s512を実行して、置換指示情報を生成してリモートUE51に送信できる。
【0103】
置換指示情報は、元のターゲット基地局54から置換後のターゲット基地局56にハンドオーバするようにリレーUE53に指示するために使用される。置換指示情報の受信に応答して、リモートUE51は、s513を実行して、元のターゲット基地局54とのハンドオーバ手順を停止し、置換後の更新されたターゲット基地局56とのハンドオーバ手順を開始するようにソース基地局52に通知する。
【0104】
例えば、
図5に示されるシナリオでは、s512は、s505の後またはs505の前に実行されてもよく、リモートUE51は、ハンドオーバ手順が実行されていることをリレーUE53に通知する必要がある。ハンドオーバ終了情報およびハンドオーバ要求を受信した後、ソース基地局52は、置換後のターゲット基地局56とs504からs511(
図5においてs504’から動作s511’によって識別される)を再実行して、置換後のターゲット基地局56とのハンドオーバ手順を完了できる。したがって、リモートUE51は、リレーUE53を介してターゲット基地局56に接続され、置換後のターゲット基地局56を介してCN55とデータ通信を行い、パケットデータを送信し続けることができる。
【0105】
別の適用シナリオでは、
図6を参照すると、上記の解決策2に基づくハンドオーバ手順は、以下のステップを含むことができる。
【0106】
リモートUE61は、ソース基地局62を介してユーザプレーン機能(User Plane Function:UPF)66とユーザデータを通信する。
【0107】
まず、ソース基地局62は、s601を実行して、アクセス及びモビリティ管理機能(AMF)65と対話し、AMF65によって提供されるモビリティ制御情報を取得する。
【0108】
その後、リモートUE61は、s602を実行して、測定制御及び報告のためにソース基地局62と対話する。
【0109】
その後、ソース基地局62は、s603を実行して、条件付きハンドオーバを実行することを決定する。
【0110】
その後、ソース基地局62は、s604を実行して、ターゲット基地局63及び他の潜在的なターゲット基地局64を含む利用可能な基地局のそれぞれにハンドオーバ要求を送信する。
【0111】
その後、ハンドオーバ要求を受信したターゲット基地局63及び他の潜在的なターゲット基地局64は、s605を実行して、アドミッション制御を実行できる。
【0112】
その後、ターゲット基地局63及び他の潜在的なターゲット基地局64は、s606を実行して、ハンドオーバ要求確認応答メッセージをソース基地局62にフィードバックできる。
【0113】
その後、ソース基地局62は、s607を実行して、リモートUE61へのRRC再構成を開始する。リモートUE61は、s608を実行して、RRC再構成完了メッセージをソース基地局62にフィードバックする。
【0114】
その後、リモートUE61は、s609を実行して、ターゲット基地局63及び他の潜在的なターゲット基地局64に対応するセルがCHO条件を満たしているかどうか評価することを含む、CHO条件を評価する。
【0115】
ターゲット基地局63を選択した後、リモートUE61は、s610を実行して元のセルから離れ、新しいセルと同期する。
【0116】
その後、リモートUE61は、CHOを完了するs611を実行する。その後、S612において、ソース基地局62とターゲット基地局63との間でデータ転送および経路切り替えが行われる。以上のステップに基づいて、ハンドオーバ手順が完了する。
【0117】
全体の手順は、ハンドオーバ準備、ハンドオーバ実行、およびハンドオーバ完了を含み得る。ハンドオーバ準備はs601からs608を含み、ハンドオーバ実行はs609からs611を含み、ハンドオーバ完了はs612を含み得る。
【0118】
ハンドオーバが完了する前に、リモートUE61がハンドオーバ実行中にS609を実行するときにリレーUE(図示せず)が移動し、ターゲット基地局63の置換を引き起こす場合、リレーUEは、置換指示情報をリモートUE61に送信できる。s609において、リモートUE61は、置換後のターゲット基地局(図示せず)及び他の潜在的なターゲット基地局64を評価し、その中から更新されたターゲット基地局を選択する。
【0119】
本開示の実施形態では、コンピュータ命令が格納された記憶媒体が提供され、コンピュータ命令が実行されると、
図1又は
図3に示される上記の方法が実行される。記憶媒体は、不揮発性メモリまたは非一時的メモリなどのコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。記憶媒体は、ROM、RAM、磁気ディスク又は光ディスクを含み得る。
【0120】
本開示の実施形態では、メモリ及びプロセッサを含む端末が提供され、メモリにはコンピュータ命令が格納されており、プロセッサがコンピュータ命令を実行すると、
図1又は
図3に示される上記の方法が実行される。端末は、携帯電話を含むがこれに限定されないNR端末であってもよい。例えば、端末は、
図1に示される方法を実行するリモートUEを含み得る。別の例では、端末は、
図3に示す方法を実行するリレーUEであってもよい。
【0121】
本開示の技術的解決策は、5G通信システム、4G及び3G通信システム、並びに6G及び7G通信システムなどの将来のさまざまな新しい通信システムに適用され得る。
【0122】
本開示の技術的解決策はまた、リレーネットワークアーキテクチャ、デュアルリンクアーキテクチャ、及び車とあらゆるものとの接続(V2X)アーキテクチャを含むがこれらに限定されない異なるネットワークアーキテクチャに適用され得る。
【0123】
本開示の実施形態における基地局(BS)は、基地局機器と呼ばれることもあり、無線アクセスネットワークに配置されて無線通信機能を提供する装置である。例えば、2Gネットワークにおいて基地局機能を提供する機器は、無線基地局(Base Transceiver Station:BTS)を含む。3Gネットワークで基地局機能を提供する装置は、ノードB(NodeB)を含む。4Gネットワークで基地局機能を提供する装置は、eNB(発展型ノードB)を含む。無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)において、基地局機能を提供する機器は、アクセスポイント(AP)である。5Gニューラジオ(New Radio:NR)で基地局機能を提供する機器は、gNB及びng-eNBを含み、gNBと端末はNR技術を使用して通信し、ng-eNBと端末は発展型ユニバーサル地上無線アクセス(Evolved Universal Terrestrial Radio Access:E-UTRA)技術を使用して通信する。gNBとng-eNBの両方が5Gコアネットワークに接続され得る。基地局は、将来の新しい通信システムにおいて基地局の機能を提供する機器も指す。
【0124】
本開示の実施形態における基地局制御装置は、2Gネットワークにおける基地局制御装置(BSC)、3Gネットワークにおける無線ネットワーク制御装置(RNC)、若しくは制御する装置など、基地局を管理するための装置、又は将来の新しい通信システムにおいて基地局を制御し管理する装置である。
【0125】
本開示の実施形態におけるネットワークは、無線アクセスネットワークの基地局、無線アクセスネットワークのBSC、およびコアネットワーク上のデバイスを含む、端末に通信サービスを提供する通信ネットワークを指す。
【0126】
本開示の実施形態における端末は、UE、アクセス端末、ユーザユニット、ユーザ局、移動局(MS)、リモート局、リモート端末、モバイル機器、ユーザ端末、端末機器、無線通信機器、ユーザエージェント、又はユーザ装置の様々な形態を指し得る。端末機器はさらに、携帯電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ワイヤレスローカルループ(WLL)ステーション、個人用携帯情報端末(PDA)、無線通信機能を備えたハンドヘルドデバイス、無線モデムに接続されたコンピューティングデバイスまたはその他の処理デバイス、車載機器、ウェアラブルデバイス、将来の5Gネットワークの端末機器、又は将来の発展型公衆陸上移動体ネットワーク(Public Land Mobile Network:PLMN)の端末機器などであってもよく、本開示の実施形態に限定されない。本開示の実施形態では、アクセスネットワークから端末への一方向の通信リンクは、ダウンリンクと定義され、ダウンリンクで送信されるデータはダウンリンクデータであり、ダウンリンクデータの送信方向は、ダウンリンク方向と称される。また、端末からアクセスネットワークへの一方向の通信リンクは、アップリンクと定義され、アップリンクで送信されるデータは、アップリンクデータであり、アップリンクデータの送信方向は、アップリンク方向と称される。
【0127】
本開示における「及び/又は」という用語は、関連付けられた対象を説明する単なる関連付け関係であり、3つのタイプの関係があり得ることを示していることが理解される。例えば、A及び/又はBは、Aのみが存在する、AとBの両方が存在する、Bのみが存在することを表し得る。また、本開示における文字「/」は、前後の関連オブジェクトが「又は」の関係にあることを表す。
【0128】
本開示の実施形態における「複数」とは、2つ以上を意味する。
【0129】
本開示の実施形態における第1、第2などの説明は、単に対象を示し、区別するためのものであり、本開示の実施形態における装置の番号の順序または特定の制限を表すものではなく、本開示の実施形態に対する限定を構成するものではない。
【0130】
本開示の実施形態における「接続」は、装置間の通信を実現するための直接接続又は間接接続などの様々な接続方法を指し、本開示の実施形態では限定されない。
【0131】
本開示は、その好ましい実施形態を参照して上記に開示されてきたが、本開示は、限定ではなく例としてのみ提示されていることを理解されたい。当業者は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、実施形態を修正および変更できる。
【国際調査報告】