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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(54)【発明の名称】電池、電池パック及び自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/289 20210101AFI20230612BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20230612BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20230612BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20230612BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20230612BHJP
【FI】
H01M50/289 101
H01M50/249
H01M10/04 Z
H01M50/291
H01M50/211
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570447
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(85)【翻訳文提出日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 CN2021087930
(87)【国際公開番号】W WO2021233034
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】202010422008.2
(32)【優先日】2020-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】胡世超
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼明明
【テーマコード(参考)】
5H028
5H040
【Fターム(参考)】
5H028CC01
5H040AA14
5H040AS04
5H040AT06
5H040AY10
(57)【要約】
本願は、電池を提供し、該電池は、金属ケースと、金属ケース内に封止された複数の電極体群とを含み、電極体群は、直列接続され、封止膜と、封止膜によって囲まれた収容キャビティ内に位置する少なくとも1つの電極体とを含み、直列接続された2つの電極体群の間に絶縁セパレータが設置され、絶縁セパレータに貫通孔が設置され、電極体群は、電流を引き出す第1の電極及び第2の電極を含み、直列接続された2つの電極体群のうちの一方の電極体群の第1の電極は、他方の電極体群の第2の電極に接続され、対応して接続された第1の電極と第2の電極との接続部位は、貫通孔内に収容され、絶縁セパレータは、金属ケースの内面に面する外周面を含み、絶縁セパレータの外周面に金属部品が設置され、金属部品と金属ケースとは、接続されて絶縁セパレータと金属ケースを固定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ケースと、前記金属ケース内に封止された複数の電極体群とを含み、前記電極体群は、直列接続され、各電極体群は、封止膜と、少なくとも1つの電極体とを含み、前記少なくとも1つの電極体は、前記封止膜によって囲まれた収容キャビティ内に位置し、
直列接続された2つの前記電極体群の間に絶縁セパレータが設置され、前記絶縁セパレータに貫通孔が設置され、前記電極体群は、電流を引き出す第1の電極及び第2の電極を含み、直列接続された2つの前記電極体群のうちの一方の電極体群の第1の電極は、他方の電極体群の第2の電極に接続され、対応して接続された第1の電極と第2の電極との接続部位は、前記貫通孔内に収容され、
前記絶縁セパレータは、前記金属ケースの内面に面する外周面を含み、前記絶縁セパレータの外周面に金属部品が設置され、前記金属部品と前記金属ケースとは、接続されて前記絶縁セパレータと前記金属ケースを固定する、ことを特徴とする電池。
【請求項2】
前記絶縁セパレータの外周面に係止溝が設置され、前記金属部品は、係合部と、前記係合部に接続された接続部とを含み、前記係合部は、前記係止溝内に係着され、前記接続部は、前記絶縁セパレータの外周面に露出して前記金属ケースに接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記金属部品は、溝構造であり、前記係止溝の形状は、前記溝構造の開口した形状に適合し、前記溝構造の側壁は、前記係合部として前記係止溝内に係止され、前記溝構造の底壁は、前記接続部として前記金属ケースに接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の電池。
【請求項4】
前記係止溝と前記係合部は、締り嵌めにより互いに固定される、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の電池。
【請求項5】
前記金属部品は、インサート成形により前記絶縁セパレータと一体成形され、前記金属部品は、アルミニウム材料で製造される、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の電池。
【請求項6】
前記金属部品と前記金属ケースは、溶接により固定される、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電池。
【請求項7】
前記電池の長さは、第1の方向に沿って伸び、前記電極体群の長さは、前記第1の方向に沿って伸び、複数の前記電極体群は、前記第1の方向に沿って配列され、直列接続された2つの前記電極体群は、隣接する2つの電極体群であり、前記絶縁セパレータは、隣接する2つの電極体群の間に位置する、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の電池。
【請求項8】
前記絶縁セパレータは、第1のインサート及び第2のインサートを含み、前記第1のインサートと第2のインサートは、それぞれ、対応して接続された第1の電極と第2の電極との接続部位の両側に位置して、共に前記接続部位を挟持し、前記第1のインサートと前記第2のインサートとの間の隙間は、前記貫通孔を構成する、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の電池。
【請求項9】
前記第1のインサートと前記第2のインサートは、それぞれ前記電極体群に接着固定される、ことを特徴とする請求項8に記載の電池。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の電池を複数含む、ことを特徴とする電池パック。
【請求項11】
請求項10に記載の電池パックを含む、ことを特徴とする自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディーカンパニーリミテッドが2020年5月18日に提出した、発明の名称が「電池、電池パック及び自動車」の中国特許出願第「202010422008.2」号の優先権を主張するものである。
【0002】
本願は、電池の分野に関し、特に、電池、電池パック及び自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、電池の容量を増加させるために、電池の金属ケース内に複数の電極体が直列接続され、電池の使用中に電極体間の接続部位にねじれ、折れなどが発生しやすく、また、振動、揺れが生じた場合に、複数の電極体が金属ケース内を動きやすく、電極体間に相対変位が生じ、電極体に損傷を与え、例えば、集電体が破損し、セパレータにしわが発生し、極板の活物質層が脱落するため、電池の安定性が低く、安全上の問題も発生しやすい。
【発明の概要】
【0004】
本願は、少なくとも従来技術における技術的課題の1つを解決することを目的とする。
【0005】
上記技術的課題を解決するために、本願は、以下の技術手段を用いる。
【0006】
本願の第1の態様に係る電池は、金属ケースと、前記金属ケース内に封止された複数の電極体群とを含み、前記電極体群は、直列接続され、封止膜と、前記封止膜によって囲まれた収容キャビティ内に位置する少なくとも1つの電極体とを含み、直列接続された2つの前記電極体群の間に絶縁セパレータが設置され、前記絶縁セパレータに貫通孔が設置され、前記電極体群は、電流を引き出す第1の電極及び第2の電極を含み、直列接続された2つの前記電極体群のうちの一方の電極体群の第1の電極は、他方の電極体群の第2の電極に接続され、対応して接続された第1の電極と第2の電極との接続部位は、前記貫通孔内に収容され、前記絶縁セパレータは、前記金属ケースの内面に面する外周面を含み、前記絶縁セパレータの外周面に金属部品が設置され、前記金属部品と前記金属ケースとは、接続されて前記絶縁セパレータと前記金属ケースを固定する。
【0007】
一実施形態としては、前記絶縁セパレータの外周面に係止溝が設置され、前記金属部品は、係合部と、前記係合部に接続された接続部とを含み、前記係合部は、前記係止溝内に係着され、前記接続部は、前記絶縁セパレータの外周面に露出して前記金属ケースに接続される。
【0008】
一実施形態としては、前記金属部品は、溝構造であり、前記係止溝の形状は、前記溝構造の開口した形状に適合し、前記溝構造の側壁は、前記係合部として前記係止溝内に係止され、前記溝構造の底壁は、前記接続部として前記金属ケースに接続される。
【0009】
一実施形態としては、前記係止溝と前記係合部は、締り嵌めにより互いに固定される。
【0010】
一実施形態としては、前記金属部品は、インサート成形により前記絶縁セパレータと一体成形され、前記金属部品は、アルミニウム材料で製造される。
【0011】
一実施形態としては、前記金属部品と前記金属ケースは、溶接により固定される。
【0012】
一実施形態としては、前記電池の長さは、第1の方向に沿って伸び、前記電極体群の長さは、前記第1の方向に沿って伸び、複数の前記電極体群は、前記第1の方向に沿って配列され、直列接続された2つの前記電極体群は、隣接する2つの電極体群であり、前記絶縁セパレータは、隣接する2つの電極体群の間に位置する。
【0013】
一実施形態としては、前記絶縁セパレータは、第1のインサート及び第2のインサートを含み、前記第1のインサートと前記第2のインサートは、それぞれ、対応して接続された第1の電極と第2の電極との接続部位の両側に位置して、共に前記接続部位を挟持し、前記第1のインサートと第2のインサートとの間の隙間は、前記貫通孔を構成する。
【0014】
一実施形態としては、前記第1のインサートと前記第2のインサートは、それぞれ前記電極体群に接着固定される。
【0015】
本願の第2の態様に係る電池パックは、上記電池を含む。
【0016】
本願の第3の態様係る自動車は、上記電池パックを含む。
【0017】
従来技術と比較して、本願の有益な効果は、以下のとおりである。
【0018】
本願において、直列接続された2つの電極体群の間に絶縁セパレータを設置し、直列接続された2つの電極体群の接続部位を絶縁セパレータ内に設置することにより、絶縁セパレータにより各電極体群をよりよく固定し、電極体群の動きを防止し、電極体群間の接続の有効性を保持して電極体群を固定し、さらに接続部位の強度を高めることができるため、電池の使用中に電極体群間の接続部位にねじれ、破断などの状況が発生することを防止し、電極体群間の接続の信頼性を向上させることができ、また、前記絶縁セパレータは、金属ケースの内面に面する外周面を含み、前記絶縁セパレータの外周面に金属部品が設置され、前記金属部品と前記金属ケースとは、接続されて前記絶縁セパレータと金属ケースを固定することにより、電極体群の第1の方向における動きを防止して、電極体群間の接続の有効性を保持し、電池の機械的強度を高め、電池に、使用中にねじれ、破断などの状況が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本願の一実施例に係る電池の概略構成図である。
図2】本願の一実施例に係る電池の部分構造の解体図である。
図3】本願の一実施例における電極体群の概略構成図である。
図4図3のIV-IVにおける断面図である。
図5】本願の電極体群と絶縁セパレータが係合されている場合の組立図である。
図6】本願の電極体群と絶縁セパレータが係合されている場合の概略構成図である。
図7】本願の一実施例の図1中の電池のVII-VIIにおける断面図の部分拡大図である。
図8】本願の一実施例における電池パックの概略構成図である。
図9】本願の一実施例の自動車の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は、図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものに過ぎず、本願を解釈するためのものであり、本願を限定するものとして理解してはならない。
【0021】
なお、本願の説明において、用語「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものとして理解してはならない。
【0022】
また、用語「第1」、「第2」は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆し、或いは示された技術的特徴の数を示唆するものとして理解してはならない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。本願の説明において、「複数」とは、別に明確かつ具体的な限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0023】
本願において、別に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、一体的な接続であってもよく、機械的な接続、電気的な接続であってもよく、直接的な連結、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品内部の連通、又は2つの部品の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0024】
本願に係る電池は、金属ケースと、上記金属ケース内に封止された複数の電極体群とを含み、上記電極体群は、直列接続され、封止膜と、上記封止膜によって囲まれた収容キャビティ内に位置する少なくとも1つの電極体とを含み、直列接続された2つの電極体群の間に絶縁セパレータが設置され、上記絶縁セパレータに貫通孔が設置され、上記電極体群は、電流を引き出す第1の電極及び第2の電極を含み、直列接続された2つの電極体群のうちの一方の電極体群の第1の電極は、他方の電極体群の第2の電極に接続され、対応して接続された第1の電極と第2の電極との接続部位は、上記貫通孔内に収容され、上記絶縁セパレータは、金属ケースの内面に面する外周面を含み、上記絶縁セパレータの外周面に金属部品が設置され、上記金属部品と上記金属ケースとは、接続されて上記絶縁セパレータと金属ケースを固定する。
【0025】
従来技術と比較して、本願の有益な効果は、以下のとおりである。
【0026】
本願において、直列接続された2つの電極体群の間に絶縁セパレータを設置し、直列接続された2つの電極体群の接続部位を絶縁セパレータ内に設置することにより、絶縁セパレータにより各電極体群をよりよく固定し、電極体群の動きを防止し、電極体群間の接続の有効性を保持して電極体群を固定し、さらに接続部位の強度を高めることができるため、電池の使用中に電極体群間の接続部位にねじれ、破断などの状況が発生することを防止し、電極体群間の接続の信頼性を向上させることができ、また、上記絶縁セパレータは、金属ケースの内面に面する外周面を含み、上記絶縁セパレータの外周面に金属部品が設置され、上記金属部品と上記金属ケースとは、接続されて上記絶縁セパレータと金属ケースを固定することにより、電極体群の動きをさらに防止し、動き防止効果を向上させることができる。
【0027】
図1及び図2を参照すると、上記電池100は、金属ケース10と、上記金属ケース10内に封止された複数の電極体群20とを含み、上記電極体群20は、直列接続される。図3及び図4を参照すると、上記電極体群20は、封止膜201と、上記封止膜201によって囲まれた収容キャビティ内に位置する少なくとも1つの電極体202とを含む。一実施形態としては、上記封止膜201は、アルミプラスチック複合膜又は高分子材料複合膜である。再び図2を参照すると、直列接続された2つの電極体群20の間に絶縁セパレータ30が設置される。図5及び図6を参照すると、上記絶縁セパレータ30に貫通孔301が設置され、上記電極体群20は、電流を引き出す第1の電極21及び第2の電極22を含み、第1の電極21と第2の電極22のうちの一方は、正電極であり、他方は、負電極であり、直列接続された2つの電極体群20のうちの一方の電極体群20の第1の電極21は、他方の電極体群20の第2の電極22に接続され、かつ接続部位が、上記貫通孔301内に収容される。図2及び図7を参照すると、上記絶縁セパレータ30は、金属ケース10の内面101に面する外周面302を含み、上記絶縁セパレータ30の外周面302に金属部品303が設置され、上記金属部品303と上記金属ケース10とは、接続されて上記絶縁セパレータ30と金属ケース10を固定する。
【0028】
電極体群20間の接続部位とは、2つの電極体群20のうちの一方の電極体群20の第1の電極21が他方の電極体群20の第2の電極22に接続された接続部位を指す。これにより、直列接続された2つの電極体群20の間に絶縁セパレータ30を設置し、直列接続された2つの電極体群20の接続部位を絶縁セパレータ30内に設置することにより、絶縁セパレータ30により各電極体群20をよりよく固定し、電極体群20の動きを防止し、電極体群20間の接続の有効性を保持して電極体群を固定し、さらに接続部位の強度を高めることができるため、電池の使用中に電極体群20間の接続部位にねじれ、破断などの状況が発生することを防止し、電極体群20間の接続の信頼性を向上させることができ、また、上記絶縁セパレータ30は、金属ケース10の内面101に面する外周面302を含み、上記絶縁セパレータ30の外周面302に金属部品303が設置され、上記金属部品303と上記金属ケース10とは、接続されて上記絶縁セパレータ30と金属ケース10を固定することにより、電極体群20の動きをさらに防止して、動き防止効果を向上させることができる。
【0029】
いくつかの実施例において、上記電池100の長さは、第1の方向Lに沿って伸び、電池100の厚さは、第2の方向Wに沿って伸び、上記電極体群20の長さは、第1の方向Lに沿って伸びる。複数の電極体群20は、2つの電極体列を構成することができ、すなわち、電池100は、2つの電極体列を含んでもよく、2つの電極体列は、直列接続されてもよく、例えば、2つの電極体列の接続方式は、「U」字状に接続されることであってもよく、すなわち、2つの電極体列の第1の方向Lの同一端に位置する対応する電極は、直列接続され、2つの電極体列の第1の方向Lの他端に位置する対応する電極は、それぞれ電池の正電極と負電極である。
【0030】
各電極体列は、複数の電極体群20を含み、2つの電極体列は、第2の方向Wに沿って配列され、各電極体列の複数の上記電極体群20は、第1の方向Lに沿って配列される。また、電極体群20の第1の電極21及び第2の電極22は、電極体群20の第1の方向Lに沿う反対側の両端に設置され、直列接続された2つの電極体群20は、隣接する2つの電極体群20である。すなわち、本願の実施例において、各電極体列の複数の電極体群20において、隣接する2つの電極体群20は、直列接続されるため、各電極体列の複数の電極体群20は、「ヘッドトゥーヘッド」の配置方式を用い、この配置方式で、電極体群20が2つずつ直列接続されることを容易に実現することができ、接続構造が簡単である。また、この配置方式により、長い電池100を容易に製造することができる。これにより、電池100を電池パックのケース内に取り付ける場合、横方向梁及び縦方向梁などの支持構造を設置することなく、電池100自体の金属ケース10で支持の役割を果たして電池100を電池パックのケースに直接的に取り付けることができる。これにより、電池パックの内部空間を省き、電池パックの体積利用率を向上させることができ、電池パックの重量の軽減に役立つ。
【0031】
当然のことながら、他の実施例において、電池100には、1つの電極体列のみが設置されてもよく、すなわち、電池100において、全ての電極体群20は、いずれも第1の方向Lに沿って順に配列され、直列接続されて1つの電極体列を形成する。
【0032】
複数の電極体群20が直列接続される場合、電極体群20間の接続部位は、電池全体の脆弱部になり、電池の使用中にねじれ又は破断などが発生しやすいため、接続が無効になり、また、電池内に複数の電極体群20が直列接続されているため、電池が第1の方向Lに動くリスクが向上する。したがって、本願において、直列接続された2つの電極体群20の間に絶縁セパレータ30を設置し、2つの電極体群20の接続部位を絶縁セパレータ30の貫通孔301内に設置することにより、接続部位の強度を高めることができ、また、上記絶縁セパレータ30は、金属ケース10の内面101に面する外周面302を含み、上記絶縁セパレータ30の外周面302に金属部品303が設置され、上記金属部品303と上記金属ケース10とは、接続されて上記絶縁セパレータ30と金属ケース10を固定することにより、電極体群20の第1の方向Lにおける動きを防止して、電極体群20間の接続の有効性を保持し、電池100の機械的強度を高め、電池100に、使用中にねじれ、破断などの状況が発生することを防止する。
【0033】
本願の一実施例において、金属ケース10は、アルミニウムケースなどであってもよく、当然のことながら、必要に応じて他の金属で製造されてもよい。これにより、上記金属ケース10は、十分の強度を有し、つぶれるか又は変形することを回避し、電池100の安全性を向上させる。
【0034】
いくつかの実施例において、上記封止膜201は、アルミプラスチック複合膜又は高分子材料複合膜である。上記電極体群20の第1の電極21及び第2の電極22は、封止膜201の外に延出する。すなわち、本願の実施例において、絶縁セパレータ30は、封止膜201の外に設置された絶縁セパレータ30であり、封止膜の外に絶縁セパレータ30を設置することにより、電極体群20間の接続の信頼性を向上させる。
【0035】
本願において言及された電極体202は、動力電池の分野での一般的な電極体として理解されてもよく、電極体及び電極体群20は、電池100の金属ケース10内部の構成部分であり、電池自体として理解されるべきではなく、電極体202は、巻回されてなる電極体であってもよく、一般的には、完全に密封されていないアセンブリを指す。したがって、本願において言及された電池は、複数の電極体202を含むため、電池モジュール又は組電池として簡単に理解されるべきではない。本願において、電極体群20は、1つの単独の電極体で構成されてもよく、複数の電極体を含んでもよく、複数の電極体は、並列接続されて、上記電極体群20を構成する。
【0036】
本願のいくつかの実施例において、電池100が2つの電極体列を含む場合、つまり、絶縁セパレータ30の第1の方向Lにおける両側にいずれも2つの電極体群20が設置される場合、電極体群20の数量を増加させることにより、電池100の電気容量を増加させることができる。
【0037】
本願の別のいくつかの実施例において、第2の方向Wに1つの電極体群20のみが設置され、複数の電極体群20は、いずれも第1の方向Lに沿って伸び、つまり、絶縁セパレータ30の第1の方向Lにおける両側にそれぞれ1つの電極体群20のみが設置され、この場合は、電池100内に1つの電極体列のみが設置される場合であると理解されてもよい。
【0038】
本願のいくつかの実施例において、金属部品303と絶縁セパレータ30との固定を容易にするために、上記絶縁セパレータ30の外周面302に係止溝3021が設置され、上記金属部品303は、係合部3031と、上記係合部3031に接続された接続部3032とを含み、上記係合部3031は、上記係止溝3021内に係着され、上記接続部3032は、上記絶縁セパレータの外周面302に露出して上記金属ケース10に接続される。
【0039】
これにより、係止溝3021と係合部3031のスナップフィット係合により、上記絶縁セパレータ30と上記金属部品303との接続の安定性を向上させる。
【0040】
本願のいくつかの実施例において、係合部3031は、上記接続部3032の周縁から垂直に延出する複数の係合片3033であり、係合片3033の間に隙間があり、例えば、本実施例において、係合片3033は、6枚あり、2つずつの係合片3033の間に隙間がある。同様に、係止溝3021の内部には、各係合片3033に対応する係合溝3022が設置され、例えば、本実施例において、係止溝3021の内部には、6つの係合溝3022が設置されてもよく、6つの係合溝3022は、係止溝3021の側壁に密着して設置される。各係合片3033は、1つの係合溝3022に対応して挿入される。
【0041】
これにより、係合片3033により係合部3031の互換性が高く、対応する係合溝3022と係合しやすくなる。
【0042】
本願のいくつかの実施例において、上記金属部品303は、溝構造であり、上記係止溝3021の形状は、上記溝構造の開口した形状に適合し、上記溝構造の側壁は、上記係合部3031として上記係止溝3021内に係止され、上記溝構造の底壁は、上記接続部3032として上記金属ケース10に接続される。
【0043】
これにより、上記金属部品303の占める空間がより少なくなり、電池100の全体構造がよりコンパクトになる。
【0044】
本願のいくつかの実施例において、上記係止溝3021と上記係合部3031は、締り嵌めにより互いに固定される。
【0045】
これにより、係止溝3021と係合部3031のスナップフィット係合により、上記絶縁セパレータ30と上記金属部品303との接続の安定性を向上させる。
【0046】
本願のいくつかの実施例において、上記金属部品303は、インサート成形により上記絶縁セパレータ30と一体成形され、上記金属部品は、アルミニウム材料で製造される。
【0047】
これにより、金属部品303を取り付ける工程を低減し、金属部品303と絶縁セパレータ30との接続の安定性がより高い。
【0048】
本願のいくつかの実施例において、図7を参照すると、上記金属部品303と金属ケース30は、レーザ溶接などの溶接により固定される。図7に示すように、金属部品303と金属ケース30との間には、レーザ溶接シーム40が形成される。
【0049】
これにより、金属部品303と金属ケース30との間の接続の安定性がより高く、電極体群20の第1の方向Lにおける動きを防止し、電極体群20間の接続の有効性を保持し、電池100の機械的強度を高め、電池100に、使用中にねじれ、破断などの状況が発生することを防止することができる。
【0050】
図7を参照すると、電池100が2つの電極体列を含み、すなわち、絶縁セパレータ30の第1の方向Lにおける両側にいずれも2つの電極体群20がある場合、上記絶縁セパレータ30は、第2の方向Wに沿って順に設置された第1の絶縁部分311、第2の絶縁部分312及び第3の絶縁部分313を含み、第2の絶縁部分312は、第1の絶縁部分311と第3の絶縁部分313との間に位置し、第1の絶縁部分311と第3の絶縁部分313の外側にそれぞれ上記係止溝3021が設置され、上記第1の絶縁部分311と上記第2の絶縁部分312との間には、一方の電極体列の接続部位が貫通する上記貫通孔301が形成され、上記第2の絶縁部分312と上記第3の絶縁部分313との間には、他方の電極体列の接続部位が貫通する別の上記貫通孔301が形成される。
【0051】
本願のいくつかの実施例において、直列接続された2つの電極体群20は、隣接する2つの電極体群20であり、上記絶縁セパレータ30は、隣接する2つの電極体群20の間に位置する。
【0052】
これにより、隣接する2つの電極体群20の間にいずれも絶縁セパレータ30が設置され、絶縁セパレータ30は、隣接する2つの電極体群20を隔てることができ、絶縁セパレータ30と金属ケース10とは、互いに位置決めされ、電極体群20がその第1の方向Lにおいて動くことを防止することができる。
【0053】
いくつかの実施例において、図5及び図6を参照すると、上記絶縁セパレータ30は、分離型絶縁セパレータであり、絶縁セパレータは、予め成形されてから、電極体群20の間に取り付けられる。絶縁セパレータ30は、第1のインサート31及び第2のインサート32を含み、上記第1のインサート31と第2のインサート32は、それぞれ、対応して接続された第1の電極21と第2の電極22との接続部位の両側に位置して、共に上記接続部位を挟持し、上記第1のインサート31と第2のインサート32との間の隙間は、上記貫通孔301を構成し、すなわち、第1のインサート31と第2のインサート32は、それぞれ、電極体群20間の接続部位の両側に位置し、第1のインサート31及び第2のインサート32は、該接続部位に当接して接触して、共に接続部位を挟持し、接続部位を絶縁セパレータ30内に固定することを実現し、接続部位が絶縁セパレータ30に占める空間は、絶縁セパレータ30の貫通孔301である。
【0054】
上記第1のインサート31及び第2のインサート32は、予め成形されて組み立てられるものであり、例えば、組み立てる場合、電極体群20を接続した後、絶縁セパレータ30と電極体群20との組み立てを実現するように、第1のインサート31と第2のインサート32をそれぞれ電極体群20間の接続部位の両側に固定してもよい。
【0055】
本願のいくつかの実施例において、上記第1のインサート31と第2のインサート32は、それぞれ、電極体群20に接着固定され、すなわち、絶縁セパレータ30と電極体群20を固定するように、絶縁セパレータ30と電極体群20との間の隙間に接着剤層を設置してもよい。これにより、各電極体群20の固定に役立ち、電極体群20の動きをよりよく防止し、電極体群20間の接続を保証し、電池の安全性を向上させることができる。
【0056】
本願の別のいくつかの実施例において、上記第1のインサート31及び第2のインサート32は、スナップフィットにより互いに固定されてもよく、互いに接着固定されてもよく、或いは、第1のインサート31と第2のインサート32は、それぞれ接着により電極体群20間の接続部位に接着固定されてもよい。
【0057】
これにより、第1のインサート31及び第2のインサート32は、互いに位置決めすることができ、第1のインサート31と第2のインサート32との係合効果がより高く、他の部品の組み立てにより役立つ。
【0058】
本願のいくつかの実施例において、電池100は、略直方体であり、電池100は、長さL、厚さW及び高さHを有し、長さLが高さHよりも大きく、高さHが厚さWよりも大きい。電池100の長さは、400~2500mmである。電池100の長さと高さとの比は、4~21である。
【0059】
なお、電池100が略直方体であることは、電池100が直方体状、立方体状であってもよく、異形が局在するが、略直方体状、略立方体状であってもよく、或いは、切欠き、突起、面取り、弧度、曲げが局在するが、全体として略直方体状、略立方体状であってもよいと理解されたい。
【0060】
本願に係る電池モジュールは、本願に係る電池100を複数含む。
【0061】
本願に係る電池パック200は、本願に係る電池100又は本願に係る電池モジュールを複数含む。
【0062】
図9に示すように、本願に係る自動車300には、上記実施例における電池パック200が設置される。
【0063】
図8を参照すると、本願に係る電池パック200は、トレイ22と、トレイ22に配置された電池100とを含む。
【0064】
以上から分かるように、本願は、以上に記載の優れた性能を有するため、使用中に、従来技術が達成できない効果を向上させて実用性を有し、極めて実用的価値のある製品となる。
【0065】
以上の記載は、本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、本願の趣旨及び原則内に行われるいかなる修正、同等置換又は改良などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
本願のいくつかの実施例において、図7を参照すると、上記金属部品303と金属ケース10は、レーザ溶接などの溶接により固定される。図7に示すように、金属部品303と金属ケース10との間には、レーザ溶接シーム40が形成される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
これにより、金属部品303と金属ケース10との間の接続の安定性がより高く、電極体群20の第1の方向Lにおける動きを防止し、電極体群20間の接続の有効性を保持し、電池100の機械的強度を高め、電池100に、使用中にねじれ、破断などの状況が発生することを防止することができる。
【国際調査報告】