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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(54)【発明の名称】電池、電池パック及び自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20230612BHJP
   H01M 50/474 20210101ALI20230612BHJP
   H01M 50/477 20210101ALI20230612BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20230612BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20230612BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20230612BHJP
   H01M 50/486 20210101ALI20230612BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M50/474
H01M50/477
H01M50/249
H01M50/531
H01M50/103
H01M50/486
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570576
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(85)【翻訳文提出日】2023-01-16
(86)【国際出願番号】 CN2021087931
(87)【国際公開番号】W WO2021233035
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】202010421323.3
(32)【優先日】2020-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】胡世超
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼明明
(72)【発明者】
【氏名】朱燕
【テーマコード(参考)】
5H011
5H021
5H028
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011AA13
5H021CC18
5H028CC01
5H040AA03
5H040AA37
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY07
5H040AY10
5H043AA13
5H043FA02
5H043FA22
5H043JA02F
(57)【要約】
本願は、電池、電池パック及び自動車を提供する。電池は、ケースと、ケース内に封止された複数の電極体アッセンブリとを含み、電極体アッセンブリは、封止膜と、封止膜によって囲まれて形成された収容キャビティに位置する少なくとも1つの電極体とを含み、直列接続された2つの電極体アッセンブリの間にスペーサーが設置され、電極体アッセンブリは、第1電極及び第2電極を含み、第1電極及び第2電極は、封止膜の外に延出し、直列接続された2つの電極体アッセンブリのうちの1つの電極体アッセンブリの第1電極は、他の電極体アッセンブリの第2電極に接続され、対応して接続された第1電極と第2電極の接続部位は、貫通孔に収容され、スペーサーは、ケースの内面に対向する外周面を含み、スペーサーの外周面に少なくとも1つの第1位置決め部が形成され、ケースの内面に第2位置決め部が形成され、第1位置決め部と対応する第2位置決め部とは、係合してスペーサーとケースを固定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、前記ケース内に封止された複数の電極体アッセンブリとを含む電池であって、前記電極体アッセンブリは、直列接続され、封止膜と、少なくとも1つの電極体とを含み、前記少なくとも1つの電極体は、前記封止膜によって囲まれて形成された収容キャビティ内に位置し、
直列接続された2つの前記電極体アッセンブリの間にスペーサーが設置され、前記スペーサーに貫通孔が設置され、前記電極体アッセンブリは、第1電極及び第2電極を含み、前記第1電極及び前記第2電極は、前記封止膜の外に延出し、直列接続された2つの前記電極体アッセンブリのうちの1つの電極体アッセンブリの第1電極は、他の電極体アッセンブリの第2電極に接続され、対応して接続された第1電極と第2電極の接続部位は、前記貫通孔に収容され、
前記スペーサーは、前記ケースの内面に対向する外周面を含み、前記スペーサーの外周面には、少なくとも1つの第1位置決め部が形成され、前記ケースの内面には、前記少なくとも1つの第1位置決め部に1対1に対応する少なくとも1つの第2位置決め部が形成され、前記少なくとも1つの第1位置決め部と対応する前記少なくとも1つの第2位置決め部とは、係合して前記スペーサーと前記ケースを固定する、ことを特徴とする電池。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1位置決め部は、それぞれ、前記スペーサーの外周面が前記スペーサーの内部に窪んで形成された溝であり、前記少なくとも1つの第2位置決め部は、それぞれ、前記ケースの内面に形成された突起であり、前記突起は、前記溝に嵌め込まれる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
少なくとも1つの第1位置決め部は、それぞれ、前記スペーサーの外周面に形成された突起であり、少なくとも1つの第2位置決め部は、前記ケースの内面に形成された溝であり、前記突起は、前記溝に嵌め込まれる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
直列接続された2つの前記電極体アッセンブリは、隣接する2つの電極体アッセンブリであり、前記スペーサーは、前記隣接する2つの電極体アッセンブリの間に位置する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の電池。
【請求項5】
前記スペーサーは、第1インサート及び第2インサートを含み、前記第1インサートと第2インサートは、それぞれ、対応して接続された第1電極と第2電極の接続部位の両側に位置して、共に前記接続部位を挟持し、前記第1インサートと前記第2インサートとの間の隙間は、前記貫通孔を構成する、ことを特徴とする請求項4に記載の電池。
【請求項6】
前記第1インサートと前記第2インサートは、それぞれ前記電極体アッセンブリに接着剤で固定される、ことを特徴とする請求項5に記載の電池。
【請求項7】
隣接する2つの前記電極体アッセンブリの間の隙間にプラスチック材が充填され、前記スペーサーを形成するように、隣接する2つの前記電極体アッセンブリの間にスペーサーが形成されている、ことを特徴とする請求項4~6のいずれか一項に記載の電池。
【請求項8】
前記電極体アッセンブリの外面は、前記ケースの内面に接着剤で固定されている、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の電池。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の電池を複数含む、ことを特徴とする電池パック。
【請求項10】
請求項9に記載の電池パックを含む、ことを特徴とする自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディーカンパニーリミテッドが2020年5月18日に提出した、発明の名称が「電池、電池パック及び自動車」の中国特許出願第「202010421323.3」号の優先権を主張するものである。
【0002】
本願は、電池の分野に関し、特に、電池、電池パック及び自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、電池の容量を増加させるために、電池のケース内に複数の電極体が直列接続され、電池の使用中に電極体間の接続部位にねじれ、折れなどが発生しやすく、また、振動、揺れが生じた場合に、複数の電極体がケース内を動きやすく、電極体間に相対変位が生じ、電極体に損傷を与え、例えば、集電体が破損し、セパレータにしわが発生し、極板の活物質層が脱落するため、電池の安定性が低く、安全上の問題も発生しやすい。
【発明の概要】
【0004】
本願は、少なくとも従来技術における技術的課題の1つを解決することを目的とする。
【0005】
上記技術的課題を解決するために、本願は、以下の技術手段を用いる。
【0006】
本願の第1態様に係る電池は、ケースと、上記ケース内に封止された複数の電極体アッセンブリとを含み、上記電極体アッセンブリは、直列接続され、封止膜と、上記封止膜によって囲まれて形成された収容キャビティ内に位置する少なくとも1つの電極体とを含み、直列接続された2つの上記電極体アッセンブリの間にスペーサーが設置され、上記スペーサーに貫通孔が設置され、上記電極体アッセンブリは、第1電極及び第2電極を含み、上記第1電極及び上記第2電極は、上記封止膜の外に延出し、直列接続された2つの上記電極体アッセンブリのうちの1つの電極体アッセンブリの第1電極は、他の電極体アッセンブリの第2電極に接続され、対応して接続された第1電極と第2電極の接続部位は、上記貫通孔に収容され、上記スペーサーは、上記ケースの内面に対向する外周面を含み、上記スペーサーの外周面には、少なくとも1つの第1位置決め部が形成され、上記ケースの内面には、上記第1位置決め部に1対1に対応する第2位置決め部が形成され、上記第1位置決め部と対応する上記第2位置決め部とは、係合して上記スペーサーと上記ケースを固定する。
【0007】
好ましくは、上記第1位置決め部は、上記スペーサーの外周面が上記スペーサーの内部に窪んで形成された溝であり、上記第2位置決め部は、上記ケースの内面に形成された突起であり、上記突起は、上記溝に嵌め込まれる。
【0008】
好ましくは、上記第1位置決め部は、上記スペーサーの外周面に形成された突起であり、上記第2位置決め部は、上記ケースの内面に形成された溝であり、上記突起は、上記溝に嵌め込まれる。
【0009】
好ましくは、直列接続された2つの上記電極体アッセンブリは、隣接する2つの電極体アッセンブリであり、上記スペーサーは、上記隣接する2つの電極体アッセンブリの間に位置する。
【0010】
好ましくは、上記スペーサーは、第1インサート及び第2インサートを含み、上記第1インサートと第2インサートは、それぞれ、対応して接続された第1電極と第2電極の接続部位の両側に位置して、共に上記接続部位を挟持し、上記第1インサートと上記第2インサートとの間の隙間は、上記貫通孔を構成する。
【0011】
好ましくは、上記第1インサートと上記第2インサートは、それぞれ上記電極体アッセンブリに接着固定される。
【0012】
好ましくは、隣接する2つの上記電極体アッセンブリの間に上記スペーサーを形成するように、隣接する2つの上記電極体アッセンブリの間の隙間にプラスチック材が充填される。
【0013】
好ましくは、上記電極体アッセンブリの外面は、上記ケースの内面に接着固定される。
【0014】
本願の第2態様に係る電池パックは、上記電池を複数含む。
【0015】
本願の第3態様に係る自動車は、上記電池パックを含む。
【0016】
従来技術と比較して、本願の有益な効果は、以下のとおりである。
【0017】
本願において、直列接続された2つの電極体アッセンブリの間にスペーサーを設置し、直列接続された2つの電極体アッセンブリの接続部位をスペーサー内に設置することにより、スペーサーにより各電極体アッセンブリをよりよく固定し、電極体アッセンブリの動きを防止し、電極体アッセンブリ間の接続の有効性を保持して電極体アッセンブリを固定し、さらに接続部位の強度を高めることができるため、電池の使用中に電極体アッセンブリ間の接続部位にねじれ、破断などの状況が発生することを防止し、電極体アッセンブリ間の接続の信頼性を向上させることができ、また、スペーサーの第1位置決め部とケースの第2位置決め部とを互いに係合させてスペーサーとケースを固定することにより、電極体アッセンブリの動きをさらに防止し、動き防止効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本願の一実施例における、ケースが除去された電池の概略構成図である。
図2】本願の一実施例における電池の1つの電極体アッセンブリの概略構成図である。
図3】本願の一実施例における電池の概略構成図である。
図4】本願の電極体アッセンブリとスペーサーとが係合される場合の組立図である。
図5】本願の電極体アッセンブリとスペーサーとが係合される場合の概略構成図である。
図6】本願の一実施例における電池のVI-VIにおける断面図である。
図7図6の別の実施例における断面図である。
図8図6の別の実施例における断面図である。
図9】本願の一実施例における電池パックの概略構成図である。
図10】本願の一実施例の自動車の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は、図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似する部品、或いは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものに過ぎず、本願を解釈するものであり、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0020】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は、図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似する部品、或いは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものに過ぎず、本願を解釈するものであり、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0021】
本願の説明において、用語「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて操作されなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものとして理解すべきではない。
【0022】
また、用語「第1」、「第2」は、説明目的のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆し、或いは示された技術的特徴の数を暗示的に示すと理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、1つ又は複数の該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。本願の説明において、「複数」とは、別に明確かつ具体的な限定がない限り、2つ又は2つ以上を意味する。
【0023】
本願において、別に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、一体的な接続であってもよく、機械的な接続、電気的な接続であってもよく、直接的な連結、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品内部の連通、又は2つの部品の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0024】
本願に係る電池は、ケースと、上記ケース内に封止された複数の電極体アッセンブリとを含み、上記電極体アッセンブリは、直列接続され、封止膜と、上記封止膜によって囲まれて形成された収容キャビティ内に位置する少なくとも1つの電極体とを含み、直列接続された2つの上記電極体アッセンブリの間にスペーサーが設置され、上記スペーサーに貫通孔が設置され、上記電極体アッセンブリは、第1電極及び第2電極を含み、上記第1電極及び上記第2電極は、上記封止膜の外に延出し、直列接続された2つの上記電極体アッセンブリのうちの1つの電極体アッセンブリの第1電極は、他の電極体アッセンブリの第2電極に接続され、対応して接続された第1電極と第2電極の接続部位は、上記貫通孔に収容され、上記スペーサーは、上記ケースの内面に対向する外周面を含み、上記スペーサーの外周面には、少なくとも1つの第1位置決め部が形成され、上記ケースの内面には、上記第1位置決め部に1対1に対応する第2位置決め部が形成され、上記第1位置決め部と対応する上記第2位置決め部とは、係合して上記スペーサーと上記ケースを固定する。
【0025】
従来技術と比較して、本願の有益な効果は、以下のとおりである。
【0026】
本願において、直列接続された2つの電極体アッセンブリの間にスペーサーを設置し、直列接続された2つの電極体アッセンブリの接続部位をスペーサー内に設置することにより、スペーサーにより各電極体アッセンブリをよりよく固定し、電極体アッセンブリの動きを防止し、電極体アッセンブリ間の接続の有効性を保持して電極体アッセンブリを固定し、さらに接続部位の強度を高めることができるため、電池の使用中に電極体アッセンブリ間の接続部位にねじれ、破断などの状況が発生することを防止し、電極体アッセンブリ間の接続の信頼性を向上させることができ、また、スペーサーの第1位置決め部とケースの第2位置決め部とを互いに係合させてスペーサーとケースを固定することにより、電極体アッセンブリの動きをさらに防止し、動き防止効果を向上させることができる。
【0027】
図1は、本願に係る一実施例における、ケースが除去された電池の概略構成図であり、図2は、本願の一実施例における電池の電極体アッセンブリの概略構成図であり、図3は、本願に係る電池の概略構成図である。図1図2及び図3に示すように、上記電池100は、ケース10と、上記ケース10内に封止された複数の電極体アッセンブリ20とを含む。上記複数の電極体アッセンブリ20は、直列接続される。上記電極体アッセンブリ20は、封止膜201と、上記封止膜201によって囲まれて形成された収容キャビティ内に位置する少なくとも1つの電極体とを含む。直列接続された2つの電極体アッセンブリ20の間にスペーサー30が設置される。図4及び図5は、本願に係る電極体アッセンブリとスペーサーとが係合される場合の概略構成図である。図4及び図5に示すように、上記スペーサー30に貫通孔301が設置され、上記電極体アッセンブリ20は、第1電極21及び第2電極22を含み、第1電極21及び第2電極22のうちの1つは、正電極であり、他の1つは、負電極である。上記第1電極21及び第2電極22は、上記封止膜201の外に延出する。直列接続された2つの電極体アッセンブリ20のうちの1つの電極体アッセンブリ20の第1電極21は、他の電極体アッセンブリ20の第2電極22に接続され、該第1電極21と該第2電極22の接続部位は、上記貫通孔301に収容される。図6は、本願に係る電池のVI-VIにおける断面図である。図6に示すように、上記スペーサー30は、ケース10の内面に対向する外周面302を含み、上記スペーサー30の外周面302には、少なくとも1つの第1位置決め部303が形成される。上記ケース10の内面101には、上記第1位置決め部303に1対1に対応する第2位置決め部102が形成される。上記第1位置決め部303と対応する上記第2位置決め部102とは、係合して上記スペーサー30とケース10を固定する。
【0028】
電極体アッセンブリ20間の接続部位とは、2つの電極体アッセンブリ20のうちの1つの電極体アッセンブリ20の第1電極21が他の電極体アッセンブリ20の第2電極22に接続された接続部位を指す。これにより、直列接続された2つの電極体アッセンブリ20の間にスペーサー30を設置し、直列接続された2つの電極体アッセンブリ20の接続部位をスペーサー30内に設置することにより、スペーサー30により各電極体アッセンブリ20をよりよく固定し、電極体アッセンブリ20の動きを防止し、電極体アッセンブリ20間の接続の有効性を保持して電極体アッセンブリを固定し、さらに接続部位の強度を高めることができるため、電池の使用中に電極体アッセンブリ20間の接続部位にねじれ、破断などの状況が発生することを防止し、電極体アッセンブリ20間の接続の信頼性を向上させることができ、また、スペーサー30の第1位置決め部303とケース10の第2位置決め部102とを互いに係合させてスペーサー30とケース10を固定することにより、電極体アッセンブリ20の動きをさらに防止し、動き防止効果を向上させることができる。
【0029】
本願のいくつかの実例において、上記電池100の長さは、第1方向Lに沿って延伸し、上記電極体アッセンブリ20の長さは、第1方向Lに沿って延伸し、複数の上記電極体アッセンブリ20は、第1方向Lに沿って配置される。また、電極体アッセンブリ20の第1電極21及び第2電極22は、電極体アッセンブリ20の第1方向Lに沿う対向する両端に設置され、直列接続された2つの電極体アッセンブリ20は、隣接する2つの電極体アッセンブリ20であり、すなわち、本願の実施例において、隣接する2つの電極体アッセンブリ20は、直列接続される。したがって、複数の電極体アッセンブリ20に「ヘッドトゥーヘッド」の配置方式を用い、この配置方式で電極体アッセンブリ20が2つずつ直列接続されることを容易に実現することができ、接続構造が簡単である。また、この配置方式により、長い電池100を容易に製造することができる。これにより、電池100を電池パックのケース内に取り付ける場合、横方向梁及び縦方向梁などの支持構造を設置することなく、電池100自体のケース10で支持の役割を果たして電池100を電池パックのケースに直接的に取り付けることができる。これにより、電池パックの内部空間を省き、電池パックの体積利用率を向上させることができ、電池パックの重量の軽減に役立つ。
【0030】
複数の電極体アッセンブリ20が直列接続される場合、電極体アッセンブリ20間の接続部位は、電池全体の脆弱部になり、電池の使用中にねじれ、破断などが発生しやすいため、接続が無効になり、また、電池内に複数の電極体アッセンブリ20が直列接続されているため、電池が第1方向Lに動くリスクが向上する。したがって、本願において、直列接続された2つの電極体アッセンブリ20の間にスペーサー30を設置し、2つの電極体アッセンブリ20の接続部位をスペーサー30の貫通孔301に設置することにより、接続部位の強度を高めることができ、また、スペーサー30の第1位置決め部303とケース10の第2位置決め部102とを互いに係合させて各電極体アッセンブリ20をよりよく固定し、電極体アッセンブリ20の第1方向Lにおける動きを防止し、電極体アッセンブリ20間の接続の有効性を保持し、電池100の機械的強度を高め、電池100に、使用中にねじれ、破断などが発生することを防止する。
【0031】
いくつかの実施例において、ケース10は、アルミニウムケースなどの金属ケースであり、当然のことながら、必要に応じて他の金属で製造されてもよい。これにより、上記ケース10は、十分の強度を有し、つぶれるか又は変形することを回避し、電池100の安全性を向上させる。
【0032】
いくつかの実施例において、上記封止膜201は、アルミプラスチック複合膜又は高分子材料複合膜である。上記電極体アッセンブリ20の第1電極21及び第2電極22は、封止膜201の外に延出する。すなわち、本願の実施例において、スペーサー30は、封止膜201の外に設置されたスペーサー30であり、封止膜の外にスペーサー30を設置することにより、電極体アッセンブリ20間の接続の信頼性を向上させる。
【0033】
本願において言及された電極体は、動力電池の分野での一般的な電極体として理解されてもよく、電極体及び電極体アッセンブリ20は、電池100のケース10内部の構成部分であり、電池自体として理解されるべきではなく、電極体は、巻回されて形成された電極体であってもよく、一般的に、完全に密封されていないアセンブリを指す。したがって、本願において言及された電池は、複数の電極体を含むため、電池モジュール又は組電池として簡単に理解されるべきではない。本願において、電極体アッセンブリ20は、1つの単独の電極体で構成されてもよく、複数の電極体を含んでもよく、複数の電極体は、並列接続されて、上記電極体アッセンブリ20を構成する。
【0034】
いくつかの実施例において、直列接続された2つの電極体アッセンブリ20は、隣接する2つの電極体アッセンブリ20であり、上記スペーサー30は、隣接する2つの電極体アッセンブリ20の間に位置する。
【0035】
これにより、隣接する2つの電極体アッセンブリ20の間にいずれもスペーサー30が設置され、スペーサー30は、隣接する2つの電極体アッセンブリ20を隔てることができ、スペーサー30とケース10とは、互いに位置決めされ、電極体アッセンブリ20がその第1方向Lにおいて動くことをさらに防止することに役立つ。
【0036】
いくつかの実施例において、図6に示すように、上記第1位置決め部303は、上記スペーサー30の外周面302が上記スペーサー30の内部に窪んで形成された溝であり、上記第2位置決め部102は、上記ケース10の内面101に形成された突起であり、上記突起は、上記溝に嵌め込まれて上記スペーサー30とケース10を固定する。
【0037】
これにより、上記ケース10の突起が上記スペーサー30の溝と互いに係合してスペーサー30とケース10との間の固定及び位置決めを実現するように、スペーサー30に溝を直接的に形成するとともに、ケース10に突起を直接的に形成することにより、電極体アッセンブリ20の動きをさらに防止することができるだけでなく、電池100の占める空間を省くことができる。
【0038】
図6に示すように、スペーサー30は、ケース10の面積が最大の表面(「大面」とも呼ばれる)に接続されてもよく、具体的には、電池100の厚さは、第1方向Lに垂直である第2方向Wに沿って延伸する。各電池100のケース10は、第2方向Wにおいて対向する両側の第1側面11及び第2側面12を含み、第1側面11及び第2側面12は、電池100の最大面である。ケース10の第1側面11及び第2側面12には、いずれも第2位置決め部102が設置され、スペーサー30の第1側面11及び第2側面12に対応する内周面には、第1位置決め部303が設置され、第1位置決め部303と第2位置決め部102とは、1対1に対応して、係合してスペーサー30とケース10の固定を実現する。
【0039】
いくつかの実施例において、図7に示すように、上記第1位置決め部303は、上記スペーサー30の外周面302に形成された突起であり、上記第2位置決め部102は、上記ケース10の内面101に形成された溝であってもよく、上記突起は、上記溝に嵌め込まれて上記スペーサー30とケース10を固定する。
【0040】
これにより、上記ケース10の溝が上記スペーサー30の突起と互いに係合してスペーサー30とケース10との間の固定及び位置決めを実現するように、スペーサー30に突起を直接的に形成するとともに、ケース10の内面101に溝を直接的に形成することにより、電極体アッセンブリ20の動きをさらに防止することができるだけでなく、電池100の占める空間を省くことができる。
【0041】
いくつかの実施例において、図8に示すように、上記第1側面11の第2位置決め部102は、上記ケース10の内面101に形成された突起であり、上記第1位置決め部303は、上記突起に対応する、上記スペーサー30の外周面302に形成された溝であり、突起と溝は、互いに係合する。上記第2側面12の第2位置決め部102は、上記ケース10の内面101に形成された溝であり、第1位置決め部303は、上記突起に対応する、上記スペーサー30の外周面302に形成された突起であり、突起と溝は、互いに係合する。
【0042】
これにより、電池100のケース10において、第1側面11の第2位置決め部102が突起であり、対応する第1位置決め部303が溝であり、第2側面12の第2位置決め部102が溝であり、対応する第1位置決め部303が突起であり、突起と溝は、係合して、スペーサー30とケース10との間の固定及び位置決めを実現するだけでなく、ケース10とケース10との間の固定及び位置決めを実現し、電極体アッセンブリ20の動きをさらに防止することができるだけでなく、隣接する電池100のケース10の相互移動を防止することができる。
【0043】
いくつかの実施例において、図4及び図5に示すように、上記スペーサー30は、分離型スペーサーであり、スペーサーは、予め成形されてから、電極体アッセンブリ20の間に取り付けられる。スペーサー30は、第1インサート31及び第2インサート32を含み、上記第1インサート31と第2インサート32は、それぞれ、対応して接続された第1電極21と第2電極22との接続部位の両側に位置して、共に上記接続部位を挟持し、上記第1インサート31と上記第2インサート32との間の隙間は、上記貫通孔301を構成し、すなわち、第1インサート31と第2インサート32は、それぞれ、電極体アッセンブリ20間の接続部位の両側に位置し、第1インサート31及び第2インサート32は、該接続部位に当接して接触して、共に接続部位を挟持し、接続部位をスペーサー30に固定することを実現し、接続部位がスペーサー30に占める空間は、スペーサー30の貫通孔301である。
【0044】
上記第1インサート31及び第2インサート32は、予め成形されて組み立てられるものであり、例えば、組み立てる場合、電極体アッセンブリ20を接続した後、スペーサー30と電極体アッセンブリ20との組み立てを実現するように、第1インサート31と第2インサート32をそれぞれ電極体アッセンブリ20の間の接続部位の両側に固定してもよい。
【0045】
いくつかの実施例において、上記第1インサート31と第2インサート32は、それぞれ、電極体アッセンブリ20に接着固定され、すなわち、スペーサー30と電極体アッセンブリ20を互いに固定するように、スペーサー30と電極体アッセンブリ20との間の隙間に接着剤層を設置してもよい。これにより、各電極体アッセンブリ20の固定に役立ち、電極体アッセンブリ20の動きをよりよく防止し、電極体アッセンブリ20間の接続を保証し、電池の安全性を向上させることができる。
【0046】
いくつかの実施例において、上記第1インサート31及び第2インサート32は、スナップフィットにより互いに固定されてもよく、互いに接着固定されてもよく、或いは、第1インサート31と第2インサート32は、それぞれ接着により電極体アッセンブリ20間の接続部位に接着固定されてもよい。
【0047】
これにより、第1インサート31及び第2インサート32は、互いに位置決めすることができ、第1インサート31と第2インサート32との係合効果がより高く、他の部品の組み立てにより役立つ。
【0048】
いくつかの実施例において、隣接する2つの電極体アッセンブリ20の間に上記スペーサー30を形成するように、隣接する2つの電極体アッセンブリ20の間の隙間にプラスチック材が充填される。すなわち、上記スペーサー30は、隣接する2つの電極体アッセンブリ20の間に上記スペーサー30を形成することにより、隣接する2つの電極体アッセンブリ20の接続部位がスペーサー30内に位置するように、隣接する2つの電極体アッセンブリ20が接続された後、2つの電極体アッセンブリ20の間にプラスチック材を直接的に充填してもよい。
【0049】
いくつかの実施例において、上記電極体アッセンブリ20の外面は、上記ケース10の内面101に接着固定される。これにより、電極体アッセンブリ20をさらに固定し、上記電極体アッセンブリ20の動きを防止することができる。
【0050】
いくつかの実施例において、電池100は、略直方体であり、長さL、厚さW及び高さHを有し、長さLが高さHよりも大きく、高さHが厚さWよりも大きい。電池100の長さは、400~2500mmである。電池100の長さと高さとの比は、4~21である。
【0051】
なお、電池100が略直方体であることは、電池100が直方体状、立方体状であってもよく、異形が局在するが、略直方体状、略立方体状であってもよく、或いは、切欠き、突起、面取り、弧度、曲げが局在するが、全体として略直方体状、略立方体状であってもよいと理解される。
【0052】
本願に係る電池モジュールは、本願に係る電池100を複数含む。
【0053】
本願に係る電池パックは、本願に係る電池100又は本願に係る電池モジュールを複数含む。
【0054】
図9に示すように、本願に係る電池パック200は、トレイ22と、トレイ22に配置された電池100とを含む。
【0055】
図10に示すように、本願に係る自動車300は、本願に係る電池モジュール又は電池パック200を含む。
【0056】
以上から分かるように、本願は、以上に記載の優れた性能を有するため、使用において、従来技術が達成できない効果の向上により実用性を有し、実用的価値の高い製品となる。
【0057】
以上の記載は、本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、本願の精神及び原則内に行われるいかなる修正、同等置換又は改良などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。なお、本願の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて操作されなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものとして理解すべきではない。
【0058】
また、用語「第1」、「第2」は、説明目的のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆し、或いは示された技術的特徴の数を暗示的に示すと理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、1つ又は複数の該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。本願の説明において、「複数」とは、別に明確かつ具体的な限定がない限り、2つ又は2つ以上を意味する。
【0059】
本願において、別に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、一体的な接続であってもよく、機械的な接続、電気的な接続であってもよく、直接的な連結、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品内部の連通、又は2つの部品の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0060】
本願において、別に明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触することであってもよく、第1特徴と第2特徴とが中間媒体を介して間接的に接触することであってもよい。また、第1特徴が第2特徴「の上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることであってもよく、単に第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことだけを表すことであってもよい。第1特徴が第2特徴「の下」、「下方」又は「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下にあることであってもよく、単に第1特徴の水平高さが第2特徴よりも低いことだけを表すことであってもよい。
【0061】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の概略表現は、必ずしも同じ実施例又は例を意味しない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な形態で組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない場合、当業者であれば、本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
【0062】
以上、本願の実施例を示し、説明したが、理解できるように、上記実施例は、例示的なものに過ぎず、本願を限定するものであると理解すべきではない、当業者であれば、本願の範囲で上記実施例に対して変更、修正、置換及び変形を行うことができる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】削除
【補正の内容】
【国際調査報告】