(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-20
(54)【発明の名称】包装機械および予備成形カートン上に物品を配置する方法
(51)【国際特許分類】
B65B 5/02 20060101AFI20230613BHJP
【FI】
B65B5/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022534349
(86)(22)【出願日】2021-03-04
(85)【翻訳文提出日】2022-06-06
(86)【国際出願番号】 IB2021051805
(87)【国際公開番号】W WO2021181217
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】102020000004996
(32)【優先日】2020-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521257880
【氏名又は名称】シー.エム.シー. エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100176337
【氏名又は名称】杉本 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】ポンティ ロレンツォ
【テーマコード(参考)】
3E003
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003AB01
3E003BA04
3E003BC01
3E003BD04
3E003BE02
3E003CA02
3E003CA05
3E003DA04
3E003DA05
(57)【要約】
予備成形カートン(14)を供給方向に供給するように設計されたコンベヤを有する、物品(15、15’)を包装するための機械は、包装される物品を前記カートン上に配置するための手段(11)と、配置中に物品を保持して、物品の速度をカートンの速度に制限する、移動式物品保持手段(18、19)とを備え、前記機械は、前記配置手段が、曲線経路に沿って物品を搬送するように設計された少なくとも1つの湾曲部分(12)を有する、配置のためのコンベヤベルト(11)と、物品が配置コンベヤベルトから適切な位置においてカートン上に配置されることを保証する位置において前記配置コンベヤベルト上に物品を配置するように設計された整列ステーション(34)とを備え、前記整列手段が、物品供給方向に対して横に移動する移動式下部キャリッジ(35)と、移動式下部キャリッジ上にある間、物品を物品供給方向に供給するように設計された、下部キャリッジの上部のコンベヤベルト(37)とを備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立式カートン(14)を供給方向に搬送するように設計されたコンベヤを有する、物品(15、15’)を包装するための機械装置であって、梱包される物品を前記カートン上に配置するための手段(11)と、配置中に前記物品を保持し、その速度を前記カートンの速度に制限するように設計された、前記物品を保持するための可動手段(18、19)とを備える、機械装置において、前記配置手段が、前記物品に湾曲経路を提供するように設計された少なくとも1つの湾曲部分(12)を有する配置コンベヤベルト(11)と、前記配置コンベヤベルトから、前記物品が適切な位置において前記カートンの上部に配置されるような位置における前記配置コンベヤベルト上の前記物品の前記配置を可能にするように設計された整列ステーション(34)とを備え、前記整列手段が、前記物品供給方向に対して横方向に可動である下部キャリッジ(35)と、前記物品供給方向に可動である前記下部キャリッジの上部で前記物品を搬送するように設計された、前記下部キャリッジのコンベヤベルト(37)とを備えることを特徴とする、機械装置。
【請求項2】
前記配置コンベヤベルトが、反対の曲率を有する少なくとも2つの湾曲部分(12、36)を備える、請求項1に記載の機械装置。
【請求項3】
前記カートン供給方向に平行に配置された1つまたは複数の積込みコンベヤベルト(6、6’)を備える、請求項2に記載の機械装置。
【請求項4】
前記配置コンベヤベルトが直線端部分(13)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の機械装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の機械上への物品の積込みを含む、組立式カートンの上部に前記物品を配置する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装機械、および包装される物品を、カートン内に物品を包装するための機械に位置決めする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を包装し、効果的に保護するのに適した様々なタイプのカートンが一般的に知られている。これらの観点から特に有利な例は、本出願人の名義で出願された出願、欧州特許出願公開第3093246号明細書に記載されている。前記カートンは、包装される物品を測定して、カートンを、特に(リールまたは扇形に折り畳まれた、あるいは任意の他の一般的に知られている方法で製造された)連続段ボールウェブから始めて、切断し、折り目付けするための手段と、ダイスを作成し、適切に折り畳まれ接着されるとカートン上に物品を位置決めし、その後物品の周りで前記カートンを閉じるための手段とを備えた包装機械装置によって、個々の物品の寸法に合わせて作製され得る。切断および折り目付けは、適切な手段を使用して得られた品物の測定値に従って実行され、物品は、切断され折り畳まれたカートン上に配置され、カートンは、その後、さらなる折り畳みおよび接着動作によって物品の周りで閉じられる。人間の関与は、機械のコンベヤベルト上への個々の物品の積込みに限定される。
【0003】
この種類の機械装置は、それに適した様々な解決策に関する、本出願人の名義で出願された、出願、欧州特許出願公開第3463844号明細書、欧州特許出願公開第3464085号明細書、および欧州特許出願公開第3464086号明細書、ならびに特許、欧州特許第3464074号明細書および欧州特許第3464073号明細書に記載されている。
【0004】
前述の文献が言及する機械など、既存の機械装置のうちのいくつかでは、物品をカートン上に位置決めするために採用された解決策は、カートン供給方向に対して横に配置されたコンベヤベルトを含む。梱包される物品をカートン上の正確な位置において位置決めする必要性により、クロスベルトがその上に物品を搬送する移動式下部キャリッジを使用することが必要になる。移動式下部キャリッジは、カートン供給方向に対して同じく横方向に可動であるコンベヤベルトを備える。下部キャリッジ上のコンベヤベルトは、物品がカートンに対してその周りにマージンを有するように、機械装置によって位置決めされた保持要素によって、カートンの上方の位置(その内部を含む)に物品を運ぶ。移動式下部キャリッジは、最初に、一端が保持要素にある状態で配置され、そこにおいて、移動式下部キャリッジは、物品を横方向コンベヤベルトから受け取り、物品を、それ自体のコンベヤベルトを有する保持要素に押す。移動式下部キャリッジは、次いで、物品をそれ自体のコンベヤベルトを有する保持要素に依然として押し、物品を第3のコンベヤベルト上に配置して、カートンの方向に対して横に(例えば、横方向コンベヤベルトの下に)後退し、第3のコンベヤベルトは、物品を、第3のコンベヤベルトの下方で機械内を進んでいるカートンと平行に搬送する。説明されたシステムは、物品がカートン成形および包装機械に対して横に挿入されるので、正確な配置を可能にし、カートンは、段ボールウェブの切断から、物品の周りでカートンを閉じるまで、直線経路をたどる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3093246号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第3463844号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第3464085号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第3464086号明細書
【特許文献5】欧州特許第3464074号明細書
【特許文献6】欧州特許第3464073号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特に包装機械における移動式下部キャリッジの存在は、構造的に複雑であり、カートンへの物品の供給を減速し、機械の生産性を低下させる。したがって、物品の供給を停止しない、物品を位置決めし、物品をカートン上に配置するためのシステムを有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの目的は、現在、予備成形カートンを供給方向に供給するように設計された、物品を包装するための機械であって、包装される物品を前記カートン上に配置するための手段と、配置中に物品を保持して、物品の速度をカートンの速度に制限する、移動式物品保持手段とを備える、機械によって、本発明に従って達成され、前記機械は、前記配置手段が、曲線経路に沿って物品を搬送する少なくとも1つの湾曲部分を有する、配置のためのコンベヤベルトと、物品が配置コンベヤベルトから適切な位置においてカートン上に配置されることを保証する位置において前記配置コンベヤベルト上に物品を配置するように設計された整列ステーションとを備え、前記整列手段が、物品供給方向に対して横に移動する移動式下部キャリッジと、移動式下部キャリッジ上にある間、物品を物品供給方向に供給するように設計された、下部キャリッジの上部のコンベヤベルトとを備えることを特徴とする。
【0008】
「予備成形カートン」という用語は、上述の文献に記載されているカートンの場合のように、包装を成形するための適切な折り目付けを有し、適切な場合にはすでに接着されていてもよい、適切に切断されたカートンを意味する。特に、「予備成形カートン」という用語は、その成形のあらゆる段階におけるカートンを意味し、したがって、前記カートンは、物品がすでに適切に折り畳まれて配置されるポイントに到達し得る。
【0009】
次に、本発明は、本特許の保護範囲を限定することなく、特に図面を参照しながら例として提供される好ましい実施形態を示すことによって、より良く説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明による機械の全体の斜視図を概略的に示す図である。
【
図2】
図1の機械の詳細の斜視図を概略的に示す図である。
【
図3】
図1の機械の詳細の斜視図を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
【0012】
この機械において、段ボールウェブ1は、リールまたは扇形に折り畳まれたものとして、あるいは、例えば出願、EP3529050またはIT102018000009606に記載されているような別の適切な方法で作られたものとして、一般的に知られている手段によって供給される。第1の切断ステーション2は、さらなる成形ステップに続くカートンの作成のために、ウェブから矩形部分を切り離す。カートンは、適切なコンベヤ上を進み、カートン供給方向に対して縦と横の両方に適切な折り目を作成するように設計された折り目付けステーション3に到達する。第2の切断ステーション4は、一連の切断を実行するように設計されている。本発明の好ましい態様によれば、前記切断ステーションは、例えば、欧州特許出願公開第3464073号明細書の教示に従って作製されてもよい。
【0013】
さらなる態様によれば、この解決策は、切断ユニットの数を2倍にすることによって修正され得る。このようにして、本明細書に従って製造されたカートンの横方向の折り目の、横方向の切れ目は、2つではなく単一のステップで作られてもよく、カートンの成形中にカートンを減速または停止する必要がなくなる。明らかに、様々な切断ユニットを、それらが同時に折り目の上に位置決めされるように、適切な方法で同時に離間させることを可能にするべきである。
【0014】
接着剤が適切な位置において塗布される接着ステーションと、折り畳みステーションとがこれに続く。例示の場合において、カートンは位置7に到達し、そこにおいて、包装される物品は、補強フラップが中央部分に接着され、物品の配置を可能にするために側方閉鎖フラップが開いた状態で配置される。折り畳みステーションは、上述の出願のうちの1つに記載されているものと同様であってもよく、または、それがすべての補強フラップおよび閉鎖フラップを閉じ、次いで、適切な再開放手段で側方閉鎖フラップを再開放するように作製されてもよい。これは、カートンがコンベヤ上で停止する必要がない、はるかに単純な折り畳みステーションを作成することを可能にする。
【0015】
物品がカートン上に配置された後に、カートンおよび物品は、さらなる折り畳みおよび接着ステーション8ならびに最終の閉じるステーション9に到達する。後者は、欧州特許第3464074号明細書にあるように作製され得る。またさらなる態様によれば、閉じるステーションは、コンベヤベルトを備えた移動式下部キャリッジ上で製造され得る。このようにして、移動式下部キャリッジは、閉じるステーションが、物品およびカートンがステーションに対して静止しているが、機械のコンベヤ上で物品およびカートンの動きを停止することなく、物品およびカートンを処理することを可能にする。
【0016】
例えばラベル付けのために、さらなる処理ステーション10が続いてもよい。
【0017】
本発明によれば、予備成形カートン上への物品の配置は、ポイント7において行われる。物品は、予備成形カートンが進んでいるコンベヤ上に物品があるように、配置コンベヤベルトによって搬送される。
図2を参照すると、配置コンベヤベルト11は、湾曲部分12を備える。配置コンベヤベルト11は、物品をカートン上に配置するためのポイント7がその端部にある最終直線部分13をも備え得る。
【0018】
カートン14の供給方向と物品15の供給方向とは、ポイント7において同じであることに留意されたい。直線部分は、厚さ(特に、コンベヤベルト16のテンションローラの直径)がポイント7付近で最小になり、物品の傾斜が、物品またはその縁部17のうちより適しているほうの縁部が物品がコンベヤベルトを離れるとすぐにカートン上に載置されることを保証するのに最適になるように、わずかに下向きの傾斜を有し得る。移動式構造19上に取り付けられた保持要素18は、物品の縁部17が、例えば、閉じられるとカートンの側面20と底面22とを切り離す折り部を構成する折り目21と一致して、梱包されると状態を維持しなければならないカートンの領域と整列されるように、物品がコンベヤベルトを離れる、ポイント7において物品を保持し得る。カートンが進むにつれて、保持要素18は、物品がコンベヤベルトを完全に離れ、カートン上に完全に載置されるまで、十分な距離にわたって前記供給方向に進み得る移動式構造19のおかげで、カートンと同じ速度で物品に付随する。適切な持ち上げ手段23が、保持要素18を持ち上げ、それを、カートンおよび物品がさらなる処理ステーションに向かって移動するときに取り外すように設計されている。移動式構造19は、次いで、反対方向に進んで、保持要素18をポイント7に戻してもよく、そこにおいて、前記保持要素は、後続の物品15’を捕捉し、サイクルを繰り返すために、持ち上げ手段によって下降させられ得る。移動式構造は、一般的に知られている方法で、例えば電動下部キャリッジおよび油圧または空気圧システムを用いて、移動され得る。同じことが、保持要素を持ち上げるための手段にも当てはまる。
【0019】
図1は、1人または複数の作業者が包装される物品を機械装置上に積み込み得る積込みステーションを示す。好ましい態様によれば、高生産性機械が単位時間当たりに多数の物品を処理するのに適し、その結果、2人の作業者が並行して積み込むことが必要になる場合があることを仮定して、二重積込みステーションが設けられる。積み込まれた物品は、積込みコンベヤベルト6、6’によって運搬される。第2の積込みコンベヤベルト6’上に積み込まれた物品はその後、第1の積込みコンベヤベルト6上に特別な手段5で移動されて、それらの物品は、作業者のうちの1人によって直接そこに積み込まれた物品と交互にされ得る。
【0020】
手段5は、一般的に知られているタイプのものであってもよい。例えば、チェーンまたはベルトのシステムで駆動される一対の押し要素は、物品の存在を検出し、チェーンシステムを移動させるセンサを使用して、物品を積込みコンベヤベルト31上に横に押し得る。
【0021】
物品がその上に積み込まれた(適切に整列された)積込みコンベヤベルト6は、物品を、各物品の寸法(一般に三次元)を測定する(同じく一般的に知られているタイプの)測定ステーション31に運ぶ。このデータは、個々のカートンを成形するために使用され、カートンは、リールまたは扇形に折り畳まれたウェブによって供給された材料から始めて、物品の測定値に基づいて作製される。さらに、このデータは、配置コンベヤベルトの前に物品を整列させるために整列ステーション34において使用される。
【0022】
図3を参照すると、整列ステーション34は、各物品の測定値を使用して、物品を湾曲コンベヤベルトに対して適切に、例えば正確に中央に整列させるように設計されている。
【0023】
すでに述べたように、ステーションは、移動式下部キャリッジ35を備え得る。下部キャリッジは、物品供給方向に対して横に進み得る。下部キャリッジ上のコンベヤベルト37は、積込みコンベヤベルト6と配置コンベヤベルト11との間の部分において物品が供給方向に進み続けることを可能にする。下部キャリッジの横方向移動は、(例えば、物品が作業者によって配置されるかまたは上記のように押し要素によって押される、積込みコンベヤベルトの側縁に沿って位置する側方ストッパに対して側方位置であってもよい)積込みコンベヤベルト上でそれが占有する位置から、配置ベルト上の位置まで、例えばその中央に、物品を横に移動させ、これは、段ボールが好ましく切断され(その幅も低減され)、コンベヤに対して対称的に折り目付けされ、したがって、同じく配置ベルトに対して中央に位置決めされる、配置ポイント7に到達することを考慮している。
【0024】
配置ベルトは、湾曲部分12を備える。湾曲コンベヤベルトは、一般的に知られているタイプである。本発明によれば、この特徴は、積込みコンベヤベルトが異なる方向に(特に、カートンコンベヤに対して横にまたは側方に)配向され、また、カートンの経路の真上にない整列ステーションが存在するにもかかわらず、カートンを停止する必要なしに、物品が、カートンと同じ供給方向にカートン上に配置されることを可能にし、それにより機械を構造的に単純化する。さらに、(従来技術のような複雑な整列システムを必要とする)直角での方向転換を有するポイントが回避される。
【0025】
配置コンベヤベルトは、少なくとも1つの湾曲部分を備える。本発明のまたさらなる態様によれば、前記ベルトは、ベルトのS字形部分を成形する、反対の曲率を有する少なくとも2つの湾曲部分12および38を含む。このようにして、図に例示されている場合のように、カートンコンベヤに平行な積込みコンベヤベルトが存在し得、したがって機械装置の全体的な寸法が低減する。
【0026】
本発明はまた、予備成形カートン上に物品を配置する方法、特に、説明されたように機械内で実行される方法に関する。
【国際調査報告】