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特表2023-525949ワークピースを工作機械に締付けるための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-20
(54)【発明の名称】ワークピースを工作機械に締付けるための装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 3/06 20060101AFI20230613BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALI20230613BHJP
   B25B 5/04 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
B23Q3/06 302E
B23Q17/00 B
B25B5/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547678
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(85)【翻訳文提出日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 IB2021052570
(87)【国際公開番号】W WO2021198875
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】102020000006721
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518204969
【氏名又は名称】ハイドロブロック エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ザッニ,ダヴィデ
【テーマコード(参考)】
3C016
3C020
3C029
【Fターム(参考)】
3C016CA03
3C016CB02
3C016CC02
3C020CC08
3C029EE06
(57)【要約】
ワークピースを工作機械に締付けるための装置(1)であって:ワークピース(P)を加工するための工作機械(M)に対して固定可能である、基礎フレーム(2)と;締付けユニット(3)と;第1のチャンバ(26)を備えた液圧アクチュエータ(22、23)であって、第1のチャンバ(26)には第1の加圧液圧流体を供給することができ、かつ第1の液圧流体の圧力を感知するための、第1の感知デバイス(27)に接続可能な、液圧アクチュエータ(22、23)と;圧縮空気を供給することができ、この空気の圧力を感知するための感知センサ(16)に接続できる、感知チャネル(15)と;を備え、第1の感知デバイス(27)及び感知センサ(16)は、制御システムに接続可能であり、この制御システムは、第1の液圧流体の圧力と、空気の圧力とが、それらそれぞれの閾値よりも同時に高いとき、ワークピース(P)の加工を許可するよう適合される、装置(1)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピースを工作機械に締付けるための装置(1)であって、
ワークピース(P)を加工するための工作機械(M)に対して固定可能である、少なくとも1つの基礎フレーム(2)と、
前記ワークピース(P)の解放位置と締付け位置との間で、複数の中間の移行位置を通過する可動な方法で、前記基礎フレーム(2)と関連付けられた、少なくとも1つの締付けユニット(3)と、
前記基礎フレーム(2)に関連付けられた固定部分(24)、及び前記締付けユニット(3)に接続された可動部分(5)が設けられた、少なくとも1つの液圧アクチュエータ(22、23)であって、前記締付けユニット(3)を前記解放位置から前記締付け位置へ移動させるために、第1の加圧液圧流体を供給することができる、少なくとも第1のチャンバ(26)を備え、前記第1のチャンバ(26)は、前記第1の液圧流体の圧力を感知するための第1の感知デバイス(27)に接続可能である、少なくとも1つの液圧アクチュエータ(22、23)と、
を備え、
前記装置(1)は、
前記基礎フレーム(2)及び前記締付けユニット(3)のうち少なくとも一方に形成された、少なくとも1つの感知チャネル(15)を備え、前記感知チャネル(15)には、圧縮空気を供給することができ、前記空気の圧力を感知するための感知センサ(16)に接続可能であり、前記感知チャネル(15)は、前記締付けユニット(3)が前記締付け位置にあるときに密閉封止され、前記締付けユニット(3)が少なくとも前記中間の移行位置にあるときに、外部へ通じること、ならびに、
前記第1の感知デバイス(27)及び前記感知センサ(16)は、制御システムに接続可能で、前記制御システムは、前記第1のチャンバ(26)における圧力と、前記感知チャネル(15)における前記空気の圧力とが、それらそれぞれの閾値よりも同時に高いとき、前記ワークピース(P)の加工を許可するよう適合されること、を特徴とする、装置(1)。
【請求項2】
前記液圧アクチュエータ(22、23)は複動タイプであり、前記締付けユニット(3)を前記締付け位置から前記解放位置へ移動させるために、第2の加圧液圧流体を供給できる、少なくとも第2のチャンバ(30)を備え、前記第2のチャンバ(30)は、前記第2の液圧流体の圧力に対する第2の感知デバイス(31)に接続可能であること、
前記感知チャネル(15)は、前記締付けユニット(3)が前記解放位置にあるときに、密閉封止されること、ならびに、
前記第2の感知デバイス(31)及び前記感知センサ(16)は、制御システムに接続可能であり、前記制御システムは、前記第2のチャンバ(30)における前記第2の液圧流体の圧力と、前記感知チャネル(15)における前記空気の圧力とが、それらそれぞれの閾値よりも同時に高いとき、前記ワークピース(P)を前記工作機械(M)から取り外す許可をするよう適合されること、を特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記液圧アクチュエータ(22、23)は単動タイプであり、前記締付けユニット(3)を前記締付け位置から前記解放位置へ移動させるために、少なくとも1つの跳ね返り要素(35)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記装置(1)は、前記基礎フレーム(2)または前記締付けユニット(3)のうち少なくとも一方に位置された、少なくとも1つの補助チャネル(36)を備え、前記補助チャネル(36)には圧縮空気を供給することができ、かつ前記補助チャネル(36)における前記空気の圧力を感知するよう適合された、補助センサ(37)に接続可能で、前記補助チャネル(36)は、前記締付けユニット(3)が前記解放位置にあるときに密閉封止され、前記締付けユニット(3)が前記中間の移行位置にあるときに外部に通じること、ならびに、
前記第1の感知デバイス(27)及び前記補助センサ(37)は、制御システムに接続可能であり、前記制御システムは、前記第1のチャンバ(26)における前記第1の液圧流体の圧力が、それぞれの閾値よりも低いとき、及び同時に、前記補助チャネル(36)における前記空気の圧力がそれぞれの閾値よりも高いときに、前記ワークピース(P)を前記工作機械(M)から取り上げるのを許可するよう、適合されること、を特徴とする、請求項3に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記液圧アクチュエータ(22、23)はシリンダ(22)を備え、前記シリンダ(22)は、前記固定部分(24)と、前記シリンダ(22)から出たステム部(23)とを画定し、かつ前記可動部分(5)を画定することを特徴とする、請求項1~4のうちいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記締付けユニット(3)は、
第1のヒンジ軸(A)の周りに前記可動部分(5)にヒンジ留めされ、前記締付け位置において前記ワークピース(P)に接触するよう適合された、少なくとも1つのブラケット要素(4)と、
第2のヒンジ軸(B)の周りに前記基礎フレーム(2)にヒンジ留めされ、第3のヒンジ軸(C)の周りで前記ブラケット要素(4)にヒンジ留めされた、少なくとも1つのヒンジ連結部(6、7)と、を備え、
前記ヒンジ軸(A、B、C)は、互いに対して実質的に平行であること、を特徴とする、請求項1~5のうちいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記ヒンジ連結部(6、7)は、第1の接続ロッド(6)及び第2の接続ロッド(7)を備え、両方は前記第2及び第3のヒンジ軸(B、C)の周りにヒンジ留めされることを特徴とする、請求項1~6のうちいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記感知チャネル(15)は、前記基礎フレーム(2)に形成され、前記ヒンジ連結部(6、7)は、前記ヒンジ連結部(6、7)の位置に従って、前記感知チャネル(15)を開閉するよう形状付けられることを特徴とする、請求項1~7のうちいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記第1の接続ロッド(6)は、前記感知チャネル(15)が現出し、かつ第1の通気用凹部(19)を備えた、前記基礎フレーム(2)の第1の表面(18)に、回転可能にとどまり、前記第1の接続ロッド(6)は、前記接続ロッド(6)を前記第1の表面(18)との封止接触を保たせて前記第1の感知チャネル(15)を正常に閉じたままにするよう適合された、第1の事前組込み手段(20、21)と関連付けられ、前記感知チャネル(15)の開放は、前記第1の通気用凹部(19)が前記感知チャネル(15)と、少なくとも部分的に重複するときに行なわれることを特徴とする、請求項1~8のうちいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記第2の接続ロッド(7)は、前記補助チャネル(36)が現出し、かつ第2の通気用凹部(40)を備えた、前記基礎フレーム(2)の第2の表面(39)に、回転可能にとどまり、前記第2の接続ロッド(7)は、前記接続ロッド(7)を前記第2の表面(39)において封止接触に保たせて前記補助チャネル(36)を正常に閉じたままにするよう適合された、第2の事前組込み手段と関連付けられ、前記補助チャネル(36)の開放は、前記第2の通気用凹部(40)が前記補助チャネル(36)と、少なくとも部分的に重複するときに行なわれることを特徴とする、請求項1~9のうちいずれか一項に記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークピースを工作機械に締付けるための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公知のように、工作機械で加工を必要とする機械ワークピースの大量生産において、人型ロボットが、加工されるワークピースを工作機械に運ぶ、高いレベルの自動化を伴うシステムの使用が普及しており、液圧タイプの特別な装置が、ワークピースを受け取り、所定の箇所に締付けて、その加工を可能にする。
【0003】
加工プロセスが完了したとき、上述の手段は、加工されたワークピースを解放する。ワークピースは、再びロボットによって取り除かれる。
【0004】
締付け装置は、加工されるワークピースに、非常に大きい締付け力を加えることが可能でなければならない。
【0005】
この必要性は、例えば自動車産業において特に感じられる。自動車産業では、生産サイクルを最適にするための継続した必要性が、非常に速いスピードで動作する工具の使用をもたらし、非常に強い力及び振動をワークピースに及ぼし、それは締付けシステムによって相殺されなければならない。
【0006】
やはり自動車産業において、さらには、アルミニウムなど特に軽量な材料の使用が、より普及されてきているが、それらは加工中に、例えば鋳鉄及びスチールなどの材料と同じ抵抗を保証することはできない。
【0007】
したがって、非常に大きい力を与えることに加えて、締付け装置は、新しいワークピースが工作機械に取り付けられる度に、高い精度かつ再現可能な方法で、ワークピースにおける所定のポイントの位置を占めることが必要である。そうでなければ、実際に締付け装置から与えられた大きい力は、加工の品質を損なうワークピースの変形、及び許容外のワークピースを得る危険、を生じさせ得る。
【0008】
このような自動化システムにおいて、ワークピースを締付けるための装置を含んだ、個々の構成要素における動作の信頼性のレベルは、一般的に非常に高い。
【0009】
それにもかかわらず、加工される機械ワークピースは、時として正確かつ精密に設置されず、そのための締付け装置は、ワークピースを完全に締付けられず(または完全に締付けるが誤った位置に設置し)、それによって全体の加工プロセスを台無しにして、ワークピース、ならびに/または工作機械、及び/もしくは締付け装置に損傷を与える危険がある。
【0010】
類似の課題が、ワークピースを加工プロセスの終わりに取り外すときにも、生じる場合がある。実際、締付け装置が、加工されたワークピースを完全かつ正確に解放しない場合、ワークピースを動かすロボットは、完全に解放されていないワークピースを取り上げ(または取り上げようとして)、それは重大な損傷を、ワークピース、ならびに/または締付け装置、及び/もしくはロボット自体に与える危険を伴う。
【0011】
これに関連して、高度に自動化されたシステムにおいて、プロセスを停止させる任意の不具合が、生産性の損失、さらに悪いことに、システムの損傷、及びその後の無視できない経済的損害に、容易に変わる場合があることを強調することは、重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の主な目的は、工作機械に適切に設置されず、かつ締付けられていないワークピースに、加工動作を実施するのを回避することを可能にする、工作機械にワークピースを締付けるための装置を考案することである。
【0013】
本発明の別の目標は、加工されたワークピースが、完全でも適切でもなく解放されるという取り外しを回避できる、ワークピースを工作機械に締付けるための装置を考案することである。
【0014】
他にもあるが最後に、本発明の目標は、動作の高い信頼性、及び精度を伴う、ワークピースを工作機械に締付けるための装置を考案することである。
【0015】
本発明のさらに別の目標は、望ましくない不具合、ならびに加工されるワークピース、及び/または工作機械の工具、及び/またはワークピースを動かすロボット、及び/またはその締付け装置、に対する損傷を回避できる、ワークピースを工作機械に締付けるための装置を考案することである。
【0016】
本発明の別の目標は、ワークピースを工作機械に締付けるための方法を提供することであり、この方法は、使用が簡単、合理的、容易、効率的で、かつ手頃な価格の解決策の範囲内で、従来技術の前述の欠点を克服する、ワークピースを工作機械に締付けるための装置を考案することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記で記載した目標は、請求項1の特徴を有する、ワークピースを工作機械に締付けるための本装置によって実現される。
【0018】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図表における非限定の表示によって示された、ワークピースを工作機械に締付けるための装置の、いくつかの好ましいが排他的ではない実施形態の説明から、より明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明による装置の、第1の実施形態における不等角投影図である。
図2図1の装置の分解組立図である。
図3】締付け位置にある、図1の装置の断面図である。
図4】中間の移行位置にある、図1の装置の断面図である。
図5】解放位置にある、図1の装置の断面図である。
図6】本発明による装置の、第2の実施形態における断面図である。
図7】本発明による装置の、第3の実施形態における分解組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1図5に示される実施形態を詳細に参照すると、参照番号1は全体的に、ワークピースを工作機械に締付けるための装置を示す。
【0021】
装置1は詳細には、ワークピースPが工作機械MのワークトップLに設置された後、かつ機械加工が開始される前に、ワークピースPを締付けるよう意図される。
【0022】
好ましくは、工作機械Mは、高度に自動化されたタイプであり、人型ロボットは、加工されるワークピースPを取り付け、加工されたワークピースPを取り外すために専用化される。
【0023】
工作機械Mには、ワークピースPの形状、及び実施する機械加工のタイプに基づいて、適切な位置に妥当な数で配置された、複数の装置1が設けられることに、留意されたい。
【0024】
図面及び本開示の残りにおいて、別途示さない限り、参照は、簡略化のために単一の装置1について成される。
【0025】
装置1は、工作機械Mに対して、例えばそのワークトップL、そのベッドプレート、またはその任意の他の部分に対して固定可能である、少なくとも1つの基礎フレーム2を備える。
【0026】
装置1は、ワークピースPの解放位置と締付け位置との間で、複数の中間の移行位置を通過する可動な方法で、基礎フレーム2と関連付けられた、少なくとも1つの締付けユニット3を備える。
【0027】
好都合には、締付けユニット3は:
-第1のヒンジ軸Aの周りに可動部分5にヒンジ留めされ、締付け位置においてワークピースPに接触するよう適合された、少なくとも1つのブラケット要素4と;
-第2のヒンジ軸Bの周りに基礎フレーム2にヒンジ留めされ、第3のヒンジ軸Cの周りでブラケット要素4にヒンジ留めされた、少なくとも1つのヒンジ連結部6、7と、
を備える。
【0028】
有利には、ヒンジ軸A、B、Cは、互いに対して実質的に平行である。
【0029】
締付けユニット3の形状によって、実際に解放位置においてブラケット要素4は、ほぼ垂直位置に設置され、それは、ワークピースPの位置付け及び取り除きのために、ワークトップLへの自由なアクセスをもたらす。他方では締付け位置において、ワークピースPをブラケット要素4とワークトップLとの間に締付けるように、ブラケット要素4は実質的に水平位置に、かつワークトップの上を覆って位置付けられる。
【0030】
ブラケット要素4と、第1のヒンジ軸Aの周りにおける可動部分5との間のヒンジ留めは、ブラケット要素4及び可動部分5に形成された一連の第1の穴8によって、かつ互いに整合されて第1の穴8の中に挿入された第1のピン9によって、画定される。
【0031】
例えば、ヒンジ連結部6、7は、第1の接続ロッド6及び第2の接続ロッド7を備え、両方は第2及び第3のヒンジ軸B、Cの周りにヒンジ留めされる。
【0032】
好都合には、接続ロッド6、7は、ブラケット要素4の両方の両端、ならびに基礎フレーム2のヒンジ留め部分10の両端において、対称に配置される。
【0033】
接続ロッド6、7と、基礎フレーム2との間の、第2のヒンジ軸Bの周りにおけるヒンジ留めは、接続ロッド6、7及びヒンジ留め部分10に形成された一連の第2の穴11によって、かつ互いに整合されて第2の穴11の中に挿入された第2のピン12によって、画定される。
【0034】
他方で、接続ロッド6、7と、ブラケット要素4との間における、第3のヒンジ軸Cの周りにおけるヒンジ留めは、接続ロッド6、7及びブラケット要素4に形成された一連の第3の穴13によって、かつ互いに整合された第3の穴13の中に挿入された第3のピン14によって、画定される。
【0035】
装置1は、基礎フレーム2または締付けユニット3のいずれか一方に形成された、少なくとも1つの感知チャネル15を備える。
【0036】
感知チャネル15には、圧縮空気を供給することができ、この圧縮空気の圧力を感知するよう適合された感知センサ16に接続させることができる。
【0037】
より詳細には、感知チャネル15は、圧縮空気を供給するよう適合された、第1の空圧回路17に接続される。
【0038】
第1の空圧回路17には、(圧縮スイッチなどの)感知センサ16が設けられ、それによって、感知チャネル15の内側の空気圧を知ることができる。
【0039】
感知チャネル15は、締付けユニット3が締付け位置にあるときに密閉封止され、少なくとも締付けユニット3が中間の移行位置にあるときに外部へ通じる。
【0040】
したがって、締付けユニット3が締付け位置にあるとき、圧力下で感知チャネル15の中に供給された空気は、感知チャネル自体の中に閉じ込められたままであり、その圧力は増加する傾向にある。しかし中間の移行位置において、空気は外部と通気することが可能であり、その圧力は低下する傾向にある。
【0041】
好都合には、感知チャネル15は基礎フレーム2に形成され、ヒンジ連結部6、7は、ヒンジ連結部6、7の位置に基づいて感知チャネル15を開閉するように形状付けられる。
【0042】
より具体的には、感知チャネル15は、例えばヒンジ部分10に形成された、基礎フレーム2の第1の表面18に現出する。
【0043】
第1の接続ロッド6は、第1の表面18に回転可能にとどまり、かつ第1の通気用凹部19を備える。
【0044】
第1の接続ロッド6には、第1の事前組込み手段20、21が関連付けられる。事前組込み手段20、21は、第1の接続ロッド6を第1の表面18において封止接触を保つよう、かつ感知チャネル15を正常に閉じたままにするよう、適合される。
【0045】
第1の事前組込み手段20、21は、例えば第2のピン12及び第3のピン14に取り付けられたカップバネ20及びワッシャ21から構成され、接続ロッド6、7を、ヒンジ留め部分10に対して、かつブラケット要素4に対して押すように動作する。
【0046】
このように、一方では、基礎フレーム2と、接続ロッド6、7と、ブラケット要素4との間に存在する空隙が、より安定かつ精確な組立動作を実現するよう再設定されるのを保証し、他方では、感知チャネル15の封止閉鎖が、ゴム製封止部または他の柔軟材料が無くても実現される。
【0047】
感知チャネル15の開放は実際に、第1の通気用凹部19が感知チャネル15に少なくとも部分的に重複するときのみに行なわれ、それは、上述のように締付けユニット3が中間の移行位置へ動くときに生じる。
【0048】
説明し、示されるように、感知チャネル15は基礎フレーム2に形成され、ヒンジ連結部6、7は、感知チャネル15を開閉するよう形状付けられる。しかし、感知チャネル15が別様に配置され、その開閉がヒンジ連結部6、7以外の構成要素によって実現される、代替の実施形態を排除することはできない。
【0049】
締付けユニットの、解放位置と締付け位置との間の運動のために、装置1は、少なくとも1つの液圧アクチュエータ22、23を備える。液圧アクチュエータ22、23には、基礎フレーム2に関連付けられた固定部分24と、締付けユニット3に接続された可動部分5とが設けられる。
【0050】
液圧アクチュエータ22、23の可動部分5は、好都合にはブラケット要素4が第1のヒンジ軸Aの周りでヒンジ留めされる可動部分と一致する。
【0051】
例えば、液圧アクチュエータ22、23は、固定部分24を画定するシリンダ22、及びステム部23を備える。ステム部23には、シリンダ22を出て可動部分5を画定するプランジャ25が設けられる。
【0052】
液圧アクチュエータ22、23のシリンダ22は、基礎フレーム2を伴う単一片に形成される。
【0053】
シリンダの内側で、液圧アクチュエータ22、23は、少なくとも第1のチャンバ26を備え、そこには第1の加圧液圧流体が供給され、締付けユニット3を、解放位置から締付け位置へ移動させることができる。
【0054】
本開示内で、液圧流体は、液圧回路においてエネルギーを伝えるためのキャリヤとして使用される液体状態(したがって理想的には非圧縮性)にある、任意の液体を意味する。好ましくは、液圧流体は従来の合成潤滑油から成るが、鉱油、植物油、水などであり得る代替の実施形態を除外することはできない。
【0055】
第1のチャンバ26は、プランジャ25の一方の側で動作する。
【0056】
第1のチャンバ26は、第1の加圧液圧流体の圧力を感知するための、第1の感知デバイス27に接続可能である。
【0057】
より詳細には、第1のチャンバ26は、液圧アクチュエータ22、23のシリンダに形成された第1のダクト28に接続され、次に第1の液圧流体を供給するよう適合された、第1の液圧回路29に接続される。
【0058】
第1の液圧回路29には、(圧縮スイッチなどの)第1の感知センサ27が設けられ、それによって、第1のチャンバ26の内側における第1の加圧液圧流体の圧力を知ることができる。
【0059】
第1の感知デバイス27及び感知センサ16は、制御システムに接続可能である。制御システムは、第1のチャンバ26において圧力下にある第1の液圧流体の圧力と、感知チャネル15における空気の圧力とが、それらそれぞれの閾値よりも同時に高いとき、ワークピースPの加工を許可するよう適合される。
【0060】
制御システムは図示しないが、例えば工作機械Mの動作を管理する制御ユニット(電子、液圧、または両方の組み合わせ)で構成される。
【0061】
実際、ワークピースPに対する機械加工の開始を承認するために、制御システムは二重チェックを行なう:
-制御システムは、第1のチャンバ26が加圧されているか、すなわち第1の加圧液圧流体が供給されているかをチェックする;及び、
-制御システムは、感知チャネル15が加圧されているか、すなわち感知チャネル15が閉じられて、空気が外部に通気していないかをチェックする。
【0062】
これらの状況の両方が同時に生じた場合、制御システムは、締付けユニットが締付け位置に正確に配置されていることを感知し、工作機械Mの工具が、加工動作を行なうことを承認する。これらの状況は、図3に示される。
【0063】
他方で図4は、ワークピースPが誤った位置で工作機械Mに設置され、締付けユニット3はまだ中間の移行位置の1つにあるときに、ブラケット要素4がワークピースPに接触しているために、ブラケット4が締付け位置に達していない状況を示す。
【0064】
この状況下で、第1のチャンバ26における第1の液圧流体は加圧され、第1の感知デバイス27はこの圧力を検知する。しかし、他方で第1の通気用凹部19は、感知チャネル15に少なくとも部分的に重複され、圧縮空気は外部に通気し、感知センサ16は、感知チャネル15における圧力が閾値よりも高くないことを感知する。
【0065】
したがって、この状況下で、制御システムは、締付けユニット3が締付け位置に達していないことを知り、機械加工動作の開始を許可しない。
【0066】
許可しないことで、工作機械Mの完全性に対して潜在的に危険である動作を行なうことを防止することによって、ワークピースP及び工作機械Mを保護する。
【0067】
許可しないことに対応して、正常な作業条件を回復することを目的とする、例えばワークピースPの再位置付け、及び/またはオペレータの介入などのプロトコルが、起動され得る。
【0068】
図1図5に示される実施形態において、液圧アクチュエータは複動タイプであり、少なくとも第2のチャンバ30を備える。第2のチャンバ30には、締付けユニット3を締付け位置から解放位置へ移動させるための、第2の加圧液圧流体を供給することができる。
【0069】
好ましくは、第2の液圧流体は、圧力下で第1のチャンバ26を設定するためのキャリヤとして使用された第1の液圧流体と同一である。換言すると、同じ液圧流体が、必要に応じて第1のチャンバ26及び第2のチャンバ30の中に、ポンプで送られてもよい。
【0070】
しかし、2つの異なる液圧流体が使用される、代替の実施形態を排除することはできない。
【0071】
第2のチャンバ30は、第1のチャンバ26の反対側における、プランジャ25の一方の側で動作する。
【0072】
第2のチャンバ30は、第2の加圧液圧流体における圧力のための、第2の感知デバイス31に接続可能である。
【0073】
より詳細には、第2のチャンバ30は、液圧アクチュエータ22、23のシリンダに形成された第2のダクト32に接続され、次に第2の液圧流体を供給するよう適合された、第2の液圧回路33に接続される。
【0074】
第2の液圧回路33には、(圧縮スイッチなどの)第2の感知センサ31が設けられ、それによって、第2のチャンバ30の内側における第2の加圧液圧流体の圧力を知ることができる。
【0075】
有利には、感知チャネル15は、締付けユニットが解放位置にあるときに密閉閉鎖され、第2の感知デバイス31及び感知センサ16は、制御システムに接続可能である。制御システムは、第2のチャンバ30における第2の液圧流体の圧力と、感知チャネル15の空気の圧力とが、それらそれぞれの閾値よりも同時に高いとき、ワークピースPが工作機械Mから取り上げることを許可するよう、適合される。
【0076】
ワークピースPを取り上げることを許可するよう意図された制御システムは、好都合には、ワークピースPを加工することを許可することを意図された制御システムと一致し、例えば工作機械Mの動作を管理する制御ユニットで構成される。
【0077】
実際、加工動作の完了後にワークピースPを取り上げることを承認するために、制御システムは二重チェックを行なう:
-制御システムは、第2のチャンバ30が加圧されているか、すなわち第2の加圧液圧流体が供給されているかをチェックする;及び、
-制御システムは、感知チャネル15が加圧されているか、すなわち感知チャネル15が閉じられて、空気が外部に通気していないかをチェックする。
【0078】
これらの状況の両方が同時に生じた場合、次に制御システムは、締付けユニットが解放位置に正確に配置されていることを感知し、ワークピースPのロボットの動きが、ワークピースPを工作機械Mから取り上げるのを可能にする。このような状況は、図5に示される。
【0079】
図1図5で説明しかつ示した装置1は、液圧流体と接触するいくつかの部材を有する。そのため特別の封止が装置1の様々なポイントで配置される。表示の簡略化のために、それらは参照番号34で共通に識別される。
【0080】
図6は、本発明の第2の実施形態を示す。ここでは、装置1は、液圧アクチュエータ22、23が単動タイプであること、及び締付けユニット3を締付け位置から解放位置へ移動させるために、少なくとも1つの跳ね返り要素35を備えること、以外は図1図5の実施形態と同一である。
【0081】
跳ね返り要素35は、例えば第1のチャンバ26に対して反対側において、プランジャ25で動作する螺旋バネで構成される。
【0082】
この実施形態において、装置1には、第1の感知デバイス27に接続された第1のチャンバ26が設けられるが、第2のチャンバ30及び第2の感知デバイス31は設けられない。
【0083】
そのため、図6の装置1によって、締付けユニット3による解放位置の実現を、図1図5の実施形態における事例のように確実に認識することは可能ではない。しかし、第1のチャンバ26における第1の液圧流体の圧力と、感知チャネル15における空気圧が、それらそれぞれの閾値よりも同時に高いことがチェックされたとき、締付け位置の開始及び機械加工動作の実現を確実に識別することは、やはり可能である。
【0084】
本発明の第3の実施形態が図7に示される。ここでは液圧アクチュエータ22、23は、やはり単動タイプであり、締付けユニット3が締付け位置から解放位置へ移動するのを可能にする、跳ね返り要素35が設けられる。
【0085】
しかし図6の実施形態とは異なり、装置1は、基礎フレーム2または締付けユニット3のいずれか一方に位置された、少なくとも1つの補助チャネル36を備える。
【0086】
補助チャネル36には、圧縮空気を供給することができ、この圧縮空気の圧力を感知するよう適合された補助センサ37に、接続させることができる。
【0087】
より詳細には、補助チャネル36は、圧力下の空気を供給するよう適合された、第2の空圧回路38に接続される。
【0088】
第2の空圧回路38には、(圧縮スイッチなどの)補助センサ37が設けられ、それによって、補助チャネル36の内側の空気圧を知ることができる。
【0089】
補助チャネル36は、締付けユニット3が解放位置にあるときに密閉封止され、少なくとも締付けユニット3が中間の移行位置にあるときに外部へ通じる。
【0090】
したがって、締付けユニット3が解放位置にあるとき、圧力下で補助チャネル36の中に供給された空気は、感知チャネル自体の中に閉じ込められたままであり、その圧力は増加する傾向にある。しかし中間の移行位置において、空気は外部と通気することが可能で、その圧力は低下する傾向にある。
【0091】
好都合には、補助チャネル36は基礎フレーム2に形成され、ヒンジ連結部6、7は、ヒンジ連結部6、7の位置に基づいて補助チャネル36を開閉するために、形状付けられる。
【0092】
より詳細には、補助チャネル36は、基礎フレーム2の第2の表面39に現出し、第2の表面39は、第1の表面18の反対側において、ヒンジ部分10に形成される。
【0093】
第2の接続ロッド7は、第2の表面39に回転可能に寄り掛かり、かつ第2の通気用凹部40を備える。
【0094】
第2の事前組込み手段は、第2の接続ロッド7に関連付けられる。第2の事前組込み手段は、第2の接続ロッド7を第2の表面39において封止接触を保つよう、かつ補助チャネル36を正常に閉じたままにするよう、適合される。
【0095】
第2の事前組込み手段は、第1の事前組込み手段20、21と有用に一致する。
【0096】
実際カップバネ20及びワッシャ21は、接続ロッド6、7の両方を、ヒンジ部分10及びブラケット要素4に対して押すよう動作する。
【0097】
補助チャネル36の開放は実際に、第2の通気用凹部40が補助チャネル36に少なくとも部分的に重複するときのみに行なわれ、それは、上述のように締付けユニット3が中間の移行位置へ動くときに生じる。
【0098】
図7に示される実施形態において、第1の感知デバイス27及び補助センサ37は、制御システムに接続可能である。制御システムは、第1のチャンバ26における第1の液圧流体の圧力が、それぞれの閾値よりも低いとき、及び同時に、補助チャネル36における空気の圧力がそれぞれの閾値よりも高いときに、ワークピースPを工作機械Mから取り上げることを許可するよう、適合される。
【0099】
さらに、図7における実施形態の、ワークピースPを取り上げることを許可するよう意図された制御システムは、好都合には、ワークピースPを加工することを許可するよう意図された制御システムと一致し、例えば工作機械Mの動作を管理する制御ユニットで構成され得る。
【0100】
実際、機械的加工動作の完了後にワークピースPを取り上げることを承認するために、制御システムは二重チェックを行なう:
-制御システムは、第1のチャンバ26が加圧されていないか、すなわち第1の加圧液圧流体が供給されていないかをチェックする;及び、
-制御システムは、補助チャネル36が加圧されているか、すなわち補助チャンネル36が閉じられて、空気が外部に通気することができないかをチェックする。
【0101】
これらの状況の両方が同時に生じた場合、次に制御システムは、締付けユニット3が解放位置に正確に配置されていることを感知し、ワークピースPのロボットの動きが、ワークピースPを工作機械Mから取り上げるのを可能にする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】