(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-20
(54)【発明の名称】抗腫瘍関連抗原抗体及びその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20230613BHJP
C07K 16/30 20060101ALI20230613BHJP
C07K 16/18 20060101ALI20230613BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20230613BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20230613BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20230613BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20230613BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20230613BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230613BHJP
C12P 21/08 20060101ALI20230613BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20230613BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20230613BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20230613BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230613BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230613BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20230613BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230613BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230613BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230613BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20230613BHJP
A61K 35/12 20150101ALI20230613BHJP
G01N 33/574 20060101ALI20230613BHJP
C12N 5/0783 20100101ALN20230613BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C07K16/30
C07K16/18
C07K16/46
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
C12N15/12
C12N15/62 Z
C07K19/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P35/04
A61P29/00
A61P43/00 121
A61P43/00 111
A61K45/00
A61K39/395 N
A61K35/12
G01N33/574 A
C12N5/0783
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567223
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(85)【翻訳文提出日】2022-12-14
(86)【国際出願番号】 US2021031055
(87)【国際公開番号】W WO2021226321
(87)【国際公開日】2021-11-11
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520032206
【氏名又は名称】フェインズ セラピューティクス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー,フイウェン
(72)【発明者】
【氏名】ジア,ハイチュン
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,フイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ミンガン
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C084
4C085
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
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4H045AA10
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA28
4H045EA51
4H045FA74
4H045GA26
(57)【要約】
抗TAA抗体及びその抗原結合性断片を記載する。また、抗体をコードする核酸、抗体を含む組成物、及び抗体を産生する方法、並びに疾患、例えば、がん及び/又は炎症性疾患を治療若しくは予防するための抗体を使用する方法も記載される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)それぞれ配列番号87、88、89、90、91及び92、
(2)それぞれ配列番号108、109、110、111、112及び113、
(3)それぞれ配列番号17、18、19、20、21及び22、
(4)それぞれ配列番号31、32、33、34、35及び36、
(5)それぞれ配列番号45、46、47、48、49及び50、
(6)それぞれ配列番号59、60、61、62、63及び64、又は
(7)それぞれ配列番号73、74、75、76、77及び78、
のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片であって、抗体又はその抗原結合性断片がGPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項2】
(1)それぞれ配列番号93、94、95、96、97及び98、
(2)それぞれ配列番号114、115、116、117、118及び119、
(3)それぞれ配列番号23、24、25、26、27及び28、
(4)それぞれ配列番号37、38、39、40、41及び42、
(5)それぞれ配列番号51、52、53、54、55及び56、
(6)それぞれ配列番号65、66、67、68、69及び70、又は
(7)それぞれ配列番号79、80、81、82、83及び84、
のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片であって、該抗体又はその抗原結合性断片がGPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項3】
(1)それぞれ配列番号3、4、5、6、7及び8
のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片であって、抗体又はその抗原結合性断片がTIP-1、好ましくはヒトTIP-1に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項4】
(1)それぞれ配列番号9、10、11、12、13及び14
のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片であって、抗体又はその抗原結合性断片がTIP-1、好ましくはヒトTIP-1に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項5】
配列番号85、106、15、29、43、57、71若しくは1と少なくとも95%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号86、107、16、30、44、58、72若しくは2と少なくとも95%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項6】
a.配列番号85のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号86のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号106のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号107のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号15のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号16のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号29のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号30のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号43のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号44のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号57のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号58のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
g.配列番号71のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号72のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
h.配列番号1のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号2のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域
を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項7】
抗体又はその抗原結合性断片がキメラであり、及び/又はヒトであるか若しくはヒト化される、請求項1~6のいずれか一項に記載の単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項8】
ヒト化モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片が、配列番号99~102、120~123、126~132、139~140、143~149、153~156、160~163、183~197、若しくは202~205のいずれか1つと少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、或いは配列番号103~105、124~125、133~138、141~142、150~152、157~159、164~166、若しくは198~201のいずれか1つと少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、請求項7に記載の単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項9】
ヒト化モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片が、
(1)配列番号99のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(2)配列番号99のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(3)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(4)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(5)配列番号101のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(6)配列番号101のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(7)配列番号102のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号105のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(8)配列番号120のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(9)配列番号120のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(10)配列番号121のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(11)配列番号121のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(12)配列番号122のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(13)配列番号122のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(14)配列番号123のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(15)配列番号139のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号141のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(16)配列番号139のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号142のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(17)配列番号140のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号141のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(18)配列番号140のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号142のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(19)配列番号153のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号157のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(20)配列番号153のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号158のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(21)配列番号154のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号157のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(22)配列番号154のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号158のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(23)配列番号143のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(24)配列番号144のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(25)配列番号145のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(26)配列番号147のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(27)配列番号147のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(28)配列番号148のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(29)配列番号148のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(30)配列番号149のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(31)配列番号149のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(32)配列番号160のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(33)配列番号161のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(34)配列番号162のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(35)配列番号163のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(36)配列番号205のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(37)配列番号202のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(38)配列番号203のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(39)配列番号204のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(40)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号198のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(41)配列番号183のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(42)配列番号183のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号198のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(43)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(44)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(45)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(46)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(47)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(48)配列番号188のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(49)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(50)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(51)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(52)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(53)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(54)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(55)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(56)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(57)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(58)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(59)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(60)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(61)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(62)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(63)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(64)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(65)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(66)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(67)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(68)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(69)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(70)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(71)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(72)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(73)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(74)配列番号196のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号201のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
(75)配列番号197のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号201のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域
を含む、請求項8に記載の単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項10】
抗体又はその抗原結合性断片が、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)、及び/若しくは補体依存性細胞傷害性(CDC)を介して、エフェクター媒介性腫瘍細胞溶解を誘導することができ、及び/又は結合体化薬剤の動員を媒介することができ、並びに/又は殺がん作用を有する別のmAb若しくはその抗原結合性断片と二重特異性抗体を形成することができる、請求項1~9のいずれか一項に記載の単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を含む、二重特異性抗体又はその抗原結合性断片。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片をコードする単離された核酸。
【請求項13】
請求項11に記載の二重特異性抗体又はその抗原結合性断片をコードする単離された核酸。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の単離された核酸を含むベクター。
【請求項15】
請求項14に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項16】
請求項1~10のいずれか一項に記載の単離されたモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は請求項11に記載の二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項17】
請求項16に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における、がん細胞表面上のTAAを標的化し、及び/又はがんを処置し、及び/又は炎症性疾患を処置する方法であって、必要に応じて、がんは、肺がん、胃がん、食道がん、胆管がん、胆管細胞癌、結腸がん、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、頭頸部がん、膵がん、神経膠腫、神経膠芽腫及び他の固形腫瘍、並びに非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)及び他の液性腫瘍からなる群から選択される、方法。
【請求項18】
請求項1~10のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は請求項11に記載の二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を産生する方法であって、モノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片をコードする核酸を含む細胞を、モノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を産生する条件下で培養し、モノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を細胞又は培養物から回収することを含む方法。
【請求項19】
請求項1~10のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体若しくは抗原結合性断片、又は請求項11に記載の二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を含む医薬組成物を産生する方法であって、モノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を薬学的に許容される担体と組み合わせて医薬組成物を得ることを含む方法。
【請求項20】
対象におけるTAAのレベルを決定する方法であって、
a.対象から試料を得ること、
b.試料を、請求項1~10のいずれか一項に記載の単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片と接触させること、及び
c.対象におけるTAAのレベルを決定すること
を含む方法。
【請求項21】
試料が、組織試料又は血液試料であり、必要に応じて、組織試料ががん組織試料である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
キメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸配列を含む単離されたポリヌクレオチドであって、CARが、
(a)GPC3に特異的に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む細胞外ドメイン、
(b)ヒンジ領域、
(c)膜貫通領域、及び
(d)細胞内シグナル伝達ドメイン
を含む、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項23】
抗原結合性ドメインが、
(1)それぞれ配列番号87、88、89、90、91及び92、
(2)それぞれ配列番号108、109、110、111、112及び113、
(3)それぞれ配列番号17、18、19、20、21及び22、
(4)それぞれ配列番号31、32、33、34、35及び36、
(5)それぞれ配列番号45、46、47、48、49及び50、
(6)それぞれ配列番号59、60、61、62、63及び64、又は
(7)それぞれ配列番号73、74、75、76、77及び78
のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2及びLCDR3を含み、抗原結合性ドメインがGPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合する、請求項22に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項24】
抗原結合性ドメインが、
(1)それぞれ配列番号93、94、95、96、97及び98、
(2)それぞれ配列番号114、115、116、117、118及び119、
(3)それぞれ配列番号23、24、25、26、27及び28、
(4)それぞれ配列番号37、38、39、40、41及び42、
(5)それぞれ配列番号51、52、53、54、55及び56、又は
(6)それぞれ配列番号65、66、67、68、69及び70、
(7)それぞれ配列番号79、80、81、82、83及び84
のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2及びLCDR3を含み、抗原結合性ドメインがGPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合する、請求項22に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項25】
抗原結合性ドメインが配列番号85、106、15、29、43、57若しくは71に少なくとも95%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号86、107、16、30、44、58若しくは72に少なくとも95%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項26】
抗原結合性ドメインが、
a.配列番号85のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号86のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号106のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号107のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号15のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号16のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号29のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号30のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号43のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号44のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号57のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号58のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
g.配列番号71のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号72のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域
を含む、請求項25に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項27】
抗原結合性ドメインがヒト化され、配列番号99~102、120~123、126~132、139~140、143~149、153~156、160~163、183~197、若しくは202~205と少なくとも95%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号103~105、124~125、133~138、141~142、150~152、157~159、164~166、若しくは198~201と少なくとも95%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項28】
抗原結合性ドメインがヒト化され、
(1)配列番号99のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(2)配列番号99のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(3)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(4)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(5)配列番号101のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(6)配列番号101のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(7)配列番号102のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号105のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(8)配列番号120のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(9)配列番号120のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(10)配列番号121のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(11)配列番号121のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(12)配列番号122のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(13)配列番号122のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(14)配列番号123のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(15)配列番号139のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号141のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(16)配列番号139のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号142のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(17)配列番号140のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号141のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(18)配列番号140のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号142のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(19)配列番号153のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号157のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(20)配列番号153のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号158のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(21)配列番号154のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号157のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(22)配列番号154のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号158のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(23)配列番号143のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(24)配列番号144のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(25)配列番号145のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(26)配列番号147のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(27)配列番号147のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(28)配列番号148のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(29)配列番号148のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(30)配列番号149のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(31)配列番号149のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(32)配列番号160のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(33)配列番号161のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(34)配列番号162のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(35)配列番号163のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(36)配列番号205のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(37)配列番号202のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(38)配列番号203のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(39)配列番号204のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(40)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号198のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(41)配列番号183のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(42)配列番号183のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号198のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(43)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(44)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(45)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(46)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(47)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(48)配列番号188のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(49)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(50)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(51)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(52)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(53)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(54)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(55)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(56)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(57)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(58)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(59)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(60)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(61)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(62)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(63)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(64)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(65)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(66)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(67)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(68)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(69)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(70)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(71)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(72)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(73)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(74)配列番号196のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号201のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
(75)配列番号197のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号201のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域
を含む、請求項27に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項29】
抗原結合性ドメインがGPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合する単鎖可変断片(scFv)である、請求項22~28のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項30】
単鎖可変断片(scFv)がヒト化される、請求項29に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項31】
単鎖可変断片(scFv)が配列番号167~182のいずれか1つに少なくとも95%同一であるポリペプチド配列を含む、請求項29又は30に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項32】
キメラ抗原受容体(CAR)が1つ以上の抗原結合性ドメインを含む、請求項22~31のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項33】
細胞内シグナル伝達ドメインが1つ以上の共刺激ドメイン及び1つ以上の活性化ドメインを含む、請求項22~32のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項34】
請求項22~33のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチドによってコードされる、キメラ抗原受容体(CAR)。
【請求項35】
請求項22~33のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項36】
請求項35に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項37】
宿主細胞がT細胞、好ましくはヒトT細胞である、請求項36に記載の宿主細胞。
【請求項38】
宿主細胞がNK細胞、好ましくはヒトNK細胞である、請求項36に記載の宿主細胞。
【請求項39】
キメラ抗原受容体(CAR)を発現する宿主細胞を作製する方法であって、請求項35に記載のベクターをT細胞に形質導入することを含む方法。
【請求項40】
キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞を産生する方法であって、請求項22~33のいずれか一項に記載のキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸を含む単離されたポリヌクレオチドを含むT細胞をCAR-T細胞産生条件下で培養すること、及びCAR-T細胞を回収することを含む方法。
【請求項41】
キメラ抗原受容体(CAR)を発現する宿主細胞を作製する方法であって、請求項35に記載のベクターをNK細胞に形質導入することを含む方法。
【請求項42】
キメラ抗原受容体(CAR)-NK細胞を産生する方法であって、請求項22~33のいずれか一項に記載のキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸を含む単離されたポリヌクレオチドを含むNK細胞をCAR-NK細胞産生条件下で培養すること、及びCAR-NK細胞を回収することを含む方法。
【請求項43】
キメラ抗原受容体(CAR)を含む細胞を生成する方法であって、請求項22~33のいずれか一項に記載のキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸を含む単離されたポリヌクレオチドと細胞を接触させることを含み、単離されたポリヌクレオチドはin vitro転写RNA又は合成RNAである、方法。
【請求項44】
請求項36~38のいずれか一項に記載の宿主細胞を、それを必要とする対象に投与することを含む、それを必要とする対象におけるがんを処置する方法であって、必要に応じて、がんは、肺がん、胃がん、結腸がん、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、頭頸部がん、膵がん、神経膠腫、神経膠芽腫及び他の固形腫瘍、並びに非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)及び他の液性腫瘍から選択される、方法。
【請求項45】
それを必要とする対象にCARを発現する細胞の有効性を増加させる薬剤を投与することをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
それを必要とする対象にCARを発現する細胞の投与と関連する1つ以上の副作用を改善する薬剤を投与することをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
それを必要とする対象にGPC3に関連した疾患を処置する薬剤を投与することをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2020年5月7日に出願の米国特許仮出願第63/021,215号;2020年8月3日に出願の米国特許仮出願第62/706,131号;2020年10月16日に出願の米国特許仮出願第63/198,420号;及び2020年12月29日に出願の米国特許出願第63/131,394号の優先権を主張する。各開示は、参照により完全に本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、モノクローナル抗腫瘍関連抗原(TAA)抗体、抗体をコードする核酸及び発現ベクター、ベクターを含有する組換え細胞、並びに抗体を含む組成物に関する。抗体を作製する方法、並びにがん及び炎症性疾患及び/又は関連する合併症を含む疾患を処置するために抗体を使用する方法もまた提供される。
【0003】
電子的に提出される配列表への参照
本出願は、ファイル名「065799.34WO1 Sequence Listing」及び作成日2021年4月28日の150kbのサイズを有するアスキーフォーマットの配列表として、EFS-Webを通して電子的に提出される配列表を含む。EFS-Webを通して提出される配列表は明細書の一部であり、本明細書に参照により完全に組み込まれる。
【背景技術】
【0004】
「腫瘍関連抗原(TAA)」とは、正常組織中よりも腫瘍中に高レベルで存在する任意の細胞表面ペプチド及び/若しくは抗原、又は細胞表面ペプチド及び/若しくは抗原の組合せ、並びに(グリコシル化などの)翻訳後修飾部分を指す。腫瘍に特異的に存在する腫瘍関連抗原のいくつかは、腫瘍特異的抗原(TSA)としても公知である。腫瘍関連抗原の例としては、発がん性ウイルスによってコードされるウイルスタンパク質;突然変異がんタンパク質又は腫瘍抑制因子;腫瘍細胞上及び/又は腫瘍細胞内に過剰発現される正常タンパク質;細胞表面タンパク質の翻訳後修飾;発現が通常は発達段階で制限されるが成体組織では制限されない腫瘍胎児タンパク質;及び発現が必須でない組織に限定される細胞型特異的タンパク質が挙げられる。
【0005】
Tax相互作用タンパク質1(TIP-1、Tax1bp3又はグルタミナーゼ相互作用タンパク質、GIPとしても公知である)はPDZ(PSD-95/Discsラージ/ZO-1相同)ドメイン含有細胞内タンパク質(ヒト及びマウスでは124アミノ酸)である。124アミノ酸タンパク質の残基13~112を包含する単一PDZドメイン(Olallaら、FEBS Lett 2001; 488:116-122)は、TIP-1において同定することができる唯一の機能的及び構造的ユニットであり、これは、TIP-1はPDZ含有タンパク質の中で固有であり、タンパク質-タンパク質相互作用を介してのみその機能を遂行し得ることを示唆する。TIP-1は、グルタミナーゼL、β-カテニン、FAS、HTLV Tax、HPV E6、Rhotekin及びKir 2.3を含むPDZドメインを介して多数の細胞内タンパク質と相互作用する(Zoeteweyら、Biochemistry 2011; 50:3528-3539)。しかしながら、TIP-1の正確な生物学的機能は依然として不明である。TIP-1発現の上昇は、ヒト浸潤性乳がん細胞において検出され、腫瘍細胞接着、遊走及び肺転移と関連することが示された(Hanら、Biochem Biophys Res Commun 2012; 422:139-145)。最近、TIP-1は、照射による誘導時にがん細胞の表面に転座することが見出され(Yanら、Oncotarget 2016; 7:43352-43362)、TIP-1が誘導時にがん新抗原である可能性が示唆された。したがって、抗TIP-1モノクローナル抗体(mAb)を用いて、選択性を有するがん細胞を標的化し、潜在的な治療薬として機能させることができる。
【0006】
グリピカン-3(GPC3)は66KDaコアタンパク質と2つのヘパラン硫酸(HS)グリコサミノグリカン多糖鎖を含有するGPI固着細胞表面糖タンパク質である。グリピカンファミリーに属し、6つのメンバー(GPC1~GPC6)を有する。GPC3は腫瘍胎児性タンパク質であり、胚発生中にのみ発現するが、70%を超える肝細胞癌腫(HCC)において過剰発現する(Baumhoer, D.ら、Am J Clin Pathol. 2008 Jun; 129(6):899-906)。がん細胞における限定された発現は、GPC3を腫瘍特異的抗原(TSA)とし、モノクローナル抗体に基づく治療によってがん細胞を標的化するために利用することができる。その腫瘍特異的発現に加えて、GPC3は腫瘍増殖も促進する可能性がある。GPC3はWntシグナル伝達経路を調節することができる。GPC3のコアタンパク質はWntと相互作用し、共受容体として機能し、β-カテニン及びYAPを介してfrizzled(FZD)及び下流シグナル伝達を活性化する(Capurro, MIら、Cancer Res. 2005 Jul 15; 65(14):6245-54)。実際、Wntシグナル伝達はHCCにおいてしばしば活性化される(Khalaf, AM., J Hepatocell Carcinoma. 2018; 5:61-73)。したがって、GPC3は、HCC、及びGPC3を過剰発現する他のがんを処置するための有望な治療標的である。
【発明の概要】
【0007】
1つの一般的な態様では、本発明は、TAA、例えば、TIP-1及びGPC3に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。
【0008】
(1)それぞれ配列番号87、88、89、90、91及び92、
(2)それぞれ配列番号108、109、110、111、112及び113、
(3)それぞれ配列番号17、18、19、20、21及び22、
(4)それぞれ配列番号31、32、33、34、35及び36、
(5)それぞれ配列番号45、46、47、48、49及び50、
(6)それぞれ配列番号59、60、61、62、63及び64、又は
(7)それぞれ配列番号73、74、75、76、77及び78、
のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片が提供され、抗体又はその抗原結合性断片は、GPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合する。
【0009】
(1)それぞれ配列番号93、94、95、96、97及び98、
(2)それぞれ配列番号114、115、116、117、118及び119、
(3)それぞれ配列番号23、24、25、26、27及び28、
(4)それぞれ配列番号37、38、39、40、41及び42、
(5)それぞれ配列番号51、52、53、54、55及び56、
(6)それぞれ配列番号65、66、67、68、69及び70、又は
(7)それぞれ配列番号79、80、81、82、83及び84、
のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片が提供され、抗体又はその抗原結合性断片は、GPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合する。
【0010】
(1)それぞれ配列番号3、4、5、6、7及び8
のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片が提供され、抗体又はその抗原結合性断片は、TIP-1、好ましくはヒトTIP-1に特異的に結合する。
【0011】
(1)それぞれ配列番号9、10、11、12、13及び14
のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片が提供され、抗体又はその抗原結合性断片は、TIP-1、好ましくはヒトTIP-1に特異的に結合する。
【0012】
ある特定の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号85、106、15、29、43、57、71、若しくは1と少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、或いは配列番号86、107、16、30、44、58、72、若しくは2と少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0013】
ある特定の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、
(a)配列番号85のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号86のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(b)配列番号106のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号107のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(c)配列番号15のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号16のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(d)配列番号29のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号30のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(e)配列番号43のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号44のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(f)配列番号57のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号58のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(g)配列番号71のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号72のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
(h)配列番号1のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号2のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域
を含む。
【0014】
ある特定の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、TAAに結合し、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)、及び/若しくは補体依存性細胞傷害性(CDC)を介して、エフェクター媒介性腫瘍細胞溶解を誘導することができ、並びに/又は結合体化薬剤の動員を媒介することができ、並びに/又は殺がん作用を有する別のモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片と二重特異性抗体を形成することができる。
【0015】
ある特定の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片はキメラである。
【0016】
ある特定の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、ヒトであるか又はヒト化される。ある特定の実施形態では、ヒト化モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号99~102、120~123、126~132、139~140、143~149、153~156、160~163、183~197、若しくは202~205のいずれか1つと少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、或いは配列番号103~105、124~125、133~138、141~142、150~152、157~159、164~166、若しくは198~201のいずれか1つと少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0017】
ある特定の実施形態では、ヒト化モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、
(1)配列番号99のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(2)配列番号99のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(3)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(4)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(5)配列番号101のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(6)配列番号101のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(7)配列番号102のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号105のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(8)配列番号120のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(9)配列番号120のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(10)配列番号121のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(11)配列番号121のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(12)配列番号122のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(13)配列番号122のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(14)配列番号123のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(15)配列番号139のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号141のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(16)配列番号139のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号142のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(17)配列番号140のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号141のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(18)配列番号140のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号142のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(19)配列番号153のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号157のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(20)配列番号153のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号158のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(21)配列番号154のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号157のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(22)配列番号154のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号158のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(23)配列番号143のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(24)配列番号144のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(25)配列番号145のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(26)配列番号147のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(27)配列番号147のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(28)配列番号148のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(29)配列番号148のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(30)配列番号149のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(31)配列番号149のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(32)配列番号160のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(33)配列番号161のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(34)配列番号162のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(35)配列番号163のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(36)配列番号205のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(37)配列番号202のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(38)配列番号203のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(39)配列番号204のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(40)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号198のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(41)配列番号183のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(42)配列番号183のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号198のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(43)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(44)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(45)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(46)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(47)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(48)配列番号188のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(49)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(50)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(51)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(52)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(53)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(54)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(55)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(56)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(57)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(58)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(59)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(60)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(61)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(62)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(63)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(64)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(65)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(66)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(67)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(68)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(69)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(70)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(71)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(72)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(73)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(74)配列番号196のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号201のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
(75)配列番号197のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号201のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域
を含む。
【0018】
本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を含む単離された二重特異性抗体もまた提供される。
【0019】
本発明のモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は二重特異性抗体をコードする単離された核酸もまた提供される。
【0020】
本発明のモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片をコードする単離された核酸を含むベクターもまた提供される。
【0021】
本発明のモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片をコードする単離された核酸を含むベクターを含む宿主細胞もまた提供される。
【0022】
ある特定の実施形態では、本発明の単離されたモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は単離された二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が提供される。
【0023】
本発明の医薬組成物を対象に投与することを含む、それを必要とする対象におけるがん細胞表面上のTAA(例えば、TIP-1又はGPC3)を特異的に標的化する方法もまた提供される。
【0024】
本発明の医薬組成物を対象に投与することを含む、それを必要とする対象におけるがんを処置する方法もまた提供される。がんは、任意の液性がん又は固形がんであり得、例えば、限定するものではないが、肺がん、胃がん、食道がん、胆管がん、胆管細胞癌、結腸がん、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、頭頸部がん、膵がん、神経膠腫、神経膠芽腫及び他の固形腫瘍、並びに非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)及び他の液性腫瘍から選択することができる。
【0025】
本発明の医薬組成物を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における炎症性疾患を処置する方法もまた提供される。
【0026】
本発明のモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を産生する方法もまた提供され、モノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片をコードする核酸を含む細胞を、モノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を産生する条件下で培養し、モノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を細胞又は培養物から回収することを含む。
【0027】
本発明のモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を含む医薬組成物を産生する方法もまた提供され、医薬組成物を得るために、モノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を薬学的に許容される担体と組み合わせることを含む。
【0028】
対象におけるTAA(例えば、TIP-1又はGPC3)のレベルを決定する方法もまた提供される。本方法は、(a)対象から試料を得ること、(b)試料を、本発明の抗体又はその抗原結合性断片と接触させること、及び(c)対象におけるTAAのレベルを決定することを含む。ある特定の実施形態では、試料は組織試料である。組織試料は、例えば、がん組織試料であり得る。ある特定の実施形態では、試料は血液試料である。
【0029】
別の一般的な態様では、本発明は、T細胞媒介の殺がんを誘導するキメラ抗原受容体(CAR)構築物に関し、CAR構築物は、ヒトGPC3に特異的に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメイン、ヒンジ領域、膜貫通領域、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む。
【0030】
キメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸配列を含む単離されたポリヌクレオチドが提供される。CARは、(a) GPC3に特異的に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む細胞外ドメイン、(b)ヒンジ領域、(c)膜貫通領域、及び(d)細胞内シグナル伝達ドメインを含むことができる。
【0031】
ある特定の実施形態では、抗原結合性ドメインは、
(1)それぞれ配列番号87、88、89、90、91及び92、
(2)それぞれ配列番号108、109、110、111、112及び113、
(3)それぞれ配列番号17、18、19、20、21及び22、
(4)それぞれ配列番号31、32、33、34、35及び36、
(5)それぞれ配列番号45、46、47、48、49及び50、
(6)それぞれ配列番号59、60、61、62、63及び64、又は
(7)それぞれ配列番号73、74、75、76、77及び78、
のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗原結合性ドメインは、GPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合する。
【0032】
ある特定の実施形態では、抗原結合性ドメインは、
(1)それぞれ配列番号93、94、95、96、97及び98、
(2)それぞれ配列番号114、115、116、117、118及び119、
(3)それぞれ配列番号23、24、25、26、27及び28、
(4)それぞれ配列番号37、38、39、40、41及び42、
(5)それぞれ配列番号51、52、53、54、55及び56、
(6)それぞれ配列番号65、66、67、68、69及び70、又は
(7)それぞれ配列番号79、80、81、82、83及び84、
のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗原結合性ドメインは、GPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合する。
【0033】
ある特定の実施形態では、抗原結合性ドメインは配列番号85、106、15、29、43、57若しくは71に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号86、107、16、30、44、58若しくは72に少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0034】
ある特定の実施形態では、抗原結合性ドメインは、
a.配列番号85のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号86のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号106のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号107のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号15のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号16のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号29のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号30のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号43のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号44のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号57のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号58のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
g.配列番号71のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号72のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域
を含む。
【0035】
ある特定の実施形態では、抗原結合性ドメインはヒト化され、配列番号99~102、120~123、126~132、139~140、143~149、153~156、160~163、183~197、若しくは202~205と少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、或いは配列番号103~105、124~125、133~138、141~142、150~152、157~159、164~166、若しくは198~201と少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0036】
ある特定の実施形態では、抗原結合性ドメインはヒト化され、
(1)配列番号99のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(2)配列番号99のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(3)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(4)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(5)配列番号101のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(6)配列番号101のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(7)配列番号102のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号105のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(8)配列番号120のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(9)配列番号120のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(10)配列番号121のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(11)配列番号121のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(12)配列番号122のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(13)配列番号122のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(14)配列番号123のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(15)配列番号139のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号141のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(16)配列番号139のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号142のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(17)配列番号140のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号141のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(18)配列番号140のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号142のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(19)配列番号153のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号157のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(20)配列番号153のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号158のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(21)配列番号154のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号157のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(22)配列番号154のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号158のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(23)配列番号143のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(24)配列番号144のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(25)配列番号145のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(26)配列番号147のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(27)配列番号147のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(28)配列番号148のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(29)配列番号148のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(30)配列番号149のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(31)配列番号149のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(32)配列番号160のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(33)配列番号161のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(34)配列番号162のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(35)配列番号163のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(36)配列番号205のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(37)配列番号202のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(38)配列番号203のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(39)配列番号204のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(40)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号198のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(41)配列番号183のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(42)配列番号183のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号198のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(43)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(44)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(45)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(46)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(47)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(48)配列番号188のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(49)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(50)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(51)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(52)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(53)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(54)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(55)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(56)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(57)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(58)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(59)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(60)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(61)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(62)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(63)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(64)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(65)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(66)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(67)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(68)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(69)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(70)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(71)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(72)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(73)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(74)配列番号196のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号201のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
(75)配列番号197のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号201のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域
を含む。
【0037】
ある特定の実施形態では、抗原結合性ドメインはGPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合する単鎖可変断片(scFv)である。
【0038】
ある特定の実施形態では、抗原結合性ドメインはGPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合するヒト化単鎖可変断片(scFv)である。ある特定の実施形態では、ヒト化単鎖可変断片(scFv)は、配列番号167~182のいずれか1つと少なくとも95%同一であるポリペプチド配列を含む。
【0039】
ある特定の実施形態では、キメラ抗原受容体(CAR)は1つ以上の抗原結合性ドメインを含む。
【0040】
ある特定の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは1つ以上の共刺激ドメイン及び1つ以上の活性化ドメインを含む。
【0041】
本発明の単離されたポリヌクレオチドによってコードされるキメラ抗原受容体(CAR)も提供される。
【0042】
本発明のCARをコードする核酸を含む単離されたポリヌクレオチドを含むベクターも提供される。
【0043】
本発明のベクターを含む宿主細胞も提供される。
【0044】
ある特定の実施形態では、宿主細胞はT細胞、好ましくはヒトT細胞である。ある特定の実施形態では、宿主細胞はNK細胞、好ましくはヒトNK細胞である。T細胞又はNK細胞は、例えば、がんなどの疾患を処置するための本発明のCARを発現するように工学操作することができる。
【0045】
本発明のキメラ抗原受容体(CAR)を発現する宿主細胞を作製する方法も提供される。この方法は、本発明のCARをコードする単離された核酸を含むベクターでT細胞又はNK細胞を形質導入させることを含む。
【0046】
本発明のCAR-T細胞又はCAR-NK細胞を産生する方法も提供される。本方法は、本発明のキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸を含む単離されたポリヌクレオチドを含むT細胞又はNK細胞をCAR-T細胞又はCAR-NK細胞産生条件下で培養すること、及びCAR-T細胞又はCAR-NK細胞を回収することを含む。
【0047】
本発明のキメラ抗原受容体(CAR)を含むRNA操作細胞の集団を生成する方法も提供される。本方法は、本発明のキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸を含む単離されたポリヌクレオチドと細胞を接触させることを含み、ここで、単離されたポリヌクレオチドはin vitro転写RNA又は合成RNAである。
【0048】
それを必要とする対象でがんを処置する方法であって、対象に本発明のCAR-T細胞及び/又はCAR-NK細胞を投与することを含む方法も提供される。がんは任意の液体又は固形がんであってよく、例えば、それは、限定するものではないが、肺がん、胃がん、結腸がん、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、頭頸部がん、膵がん、神経膠腫、神経膠芽腫及び他の固形腫瘍、並びに非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)及び他の液性腫瘍から選択することができる。
【0049】
ある特定の実施形態では、それを必要とする対象でがんを処置する方法は、それを必要とする対象にCAR分子を発現する細胞の有効性を増加させる薬剤を投与することをさらに含む。
【0050】
ある特定の実施形態では、それを必要とする対象でがんを処置する方法は、それを必要とする対象にCAR分子を発現する細胞の投与と関連する1つ以上の副作用を改善する薬剤を投与することをさらに含む。
【0051】
ある特定の実施形態では、それを必要とする対象でがんを処置する方法は、それを必要とする対象にGPC3に関連した疾患を処置する薬剤を投与することをさらに含む。
【0052】
前述の概要、並びに本出願の好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことによりより深く理解されよう。しかし、本出願は、図面に示した正確な実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】ELISAアッセイにおいて、固定化されたTIP-1に対する精製されたキメラ抗TIP-1 mAb T5C(ヒトIgG1重鎖及びカッパ軽鎖の定常領域にそれぞれ融合されたマウスmAb T5のVH及びVL領域)の結合を示す図である。抗原は、C末端でMycで標識されたヒトTIP-1であった(Origene、CAT#:TP304776)。
【
図2A】精製されたキメラ抗GPC3 mAb(ヒトIgG1重鎖及びカッパ軽鎖の定常領域にそれぞれ融合されたマウス抗GPC3 mAbのVH及びVL領域)のGPC3への結合を示す図である。
図2A~2B、ELISAアッセイにおける、固定化ヒトGPC3[FLAG-huGPC3-His;N末端にFLAG及びC末端にHisタグを有するヒトGPC3(25-559)融合タンパク質]への抗GPC3 mAbの結合;
図2C~2E、FACS分析を用いたヒトGPC3を発現するHEK293安定細胞株への抗GPC3 mAbの結合;
図2F~2G、FACS分析を用いた対照HEK293細胞(外因的に導入されたGPC3発現なし)への26nMでの抗GPC3 mAbの結合。アイソタイプ対照、陰性対照抗体;二次抗体のみ、陰性対照として二次抗体のみをアッセイに添加した。
【
図3A】FACS分析を用いてヒトGPC3を発現するHEK293安定細胞株へのヒト化抗GPC3 mAbの結合を示す図である。アイソタイプ対照、陰性対照抗体;二次抗体のみ、陰性対照として二次抗体のみをアッセイに添加した。M3-C、M3のキメラバージョン;26A1、36F8、39E1、43B9、及びF7に対して同じ命名規則が使用される。
【
図4A】FACS分析を用いてヒトGPC3を発現するHEK293安定細胞株への抗GPC3 scFv分子の結合を示す図である。アイソタイプ対照、陰性対照抗体;二次抗体のみ、陰性対照として二次抗体のみをアッセイに添加した。
【発明を実施するための形態】
【0054】
背景技術及び明細書全体で、様々な刊行物、論文及び特許が引用又は記載される。これらの参考文献の各々は、参照により完全に本明細書に組み込まれる。本明細書に含まれる文書、行為、材料、装置、物品などの議論は、本発明のための状況を提供することが目的である。そのような議論は、これらの事項の一部又は全部が開示又は請求されるいかなる発明に関しても先行技術の一部を形成することを承認するものではない。
【0055】
別途規定されない限り、本明細書で使用される全ての専門用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業技術者が通常理解するのと同じ意味を有する。そうでなければ、本明細書で使用されるある特定の用語は、明細書の中で示す意味を有する。
【0056】
本明細書及び添付の請求項で使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」には、文脈が明らかに別に指示しない限り、複数形が含まれることに留意しなければならない。
【0057】
特記されない限り、本明細書で記載されるいかなる数値、例えば濃度又は濃度範囲も、全ての場合に用語「約」によって修飾されるものと理解すべきである。したがって、数値は、列挙される値の±10%を一般的に含む。例えば、1mg/mLの濃度は、0.9mg/mL~1.1mg/mLを含む。同様に、1%~10%(w/v)の濃度範囲は、0.9%(w/v)~11%(w/v)を含む。本明細書で使用される場合、文脈が明らかに別に指示しない限り、数値範囲の使用は全ての可能なサブレンジ、そのような範囲の中の整数及び値の分数を含むその範囲の中の全ての個々の数値を明示的に含む。
【0058】
別途指示がない限り、一連の系列の要素の前の用語「少なくとも」は、その系列の中のあらゆる要素を指すものと理解すべきである。当業者は、単にルーチンの実験操作を使用して、本明細書に記載される発明の具体的な実施形態の多くの同等物を認識するか、又は確認することができる。そのような同等物は、本発明に包含されるものである。
【0059】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprises)」「含んでいる(comprising)」「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含有する(contains)」又は「含有している(containing)」、又はその任意の他の変形体は、明記される整数又は整数の群が包含されるが、いかなる他の整数も整数の群も排除されないことを暗示することが理解され、非排他的又は無制限なものである。例えば、組成物、混合物、プロセス、方法、物品又は要素リストを含む装置は、必ずしもそれらの要素だけに限定されずに、明示的に掲載されていないか又はそのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品又は装置に固有でない他の要素を含むことができる。さらに、そうでないと明記されていない限り、「or(又は)」は包括的なorを指し、排他的orを指すものでない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる: Aは真であり(又は存在する)、Bは偽である(又は存在しない)、Aは偽であり(又は存在しない)、Bは真である(又は存在する)、及びAとBの両方は真である(又は存在する)。
【0060】
本明細書で使用される場合、複数の列挙される要素間の接続語「及び/又は」は、個々の及び組み合わせたオプションを包含するものと理解される。例えば、2つの要素が「及び/又は」によって結合される場合、第1のオプションは第2の要素がなく第1の要素の適用を指す。第2のオプションは、第1の要素がなく第2の要素の適用を指す。第3のオプションは、第1及び第2の要素の一緒の適用を指す。これらのオプションのいずれか1つがこの意味に入り、したがって本明細書で使用される用語「及び/又は」の要件を満たすと理解される。これらのオプションの1つより多くの同時適用もこの意味に入り、したがって用語「及び/又は」の要件を満たすと理解される。
【0061】
本明細書で使用される場合、用語「からなる(consists of)」又は変形体、例えば「からなる(consist of)」又は「からなっている(consisting of)」は、明細書及び請求項全体で使用されるように、任意の列挙される整数又は整数の群が包含されること、しかし追加の整数も整数の群も指定された方法、構造又は組成物に加えることができないことを示す。
【0062】
本明細書で使用される場合、用語「から本質的になる(consists essentially of)」又は変形体、例えば「から本質的になる(consist essentially of)」又は「から本質的になっている(consisting essentially of)」は、明細書及び請求項全体で使用されるように、任意の列挙される整数又は整数の群が包含されること、及び指定される方法、構造又は組成物の基本的又は新規の特性を実質的に変更しない任意の列挙される整数又は整数の群が必要に応じて包含されることを示す。M.P.E.P.§2111.03を参照する。
【0063】
本明細書で使用される場合、「対象」は任意の動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。本明細書で使用される用語「哺乳動物」は、任意の哺乳動物を包含する。哺乳動物の例には、限定するものではないが、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サル、ヒト等、より好ましくはヒトが含まれる。
【0064】
単語「右」、「左」、「下部」及び「上部」は、参照される図の中の方向を指定する。
【0065】
好ましい本発明の構成要素の寸法又は特徴に言及する場合に本明細書で使用される用語「約」、「概ね」、「一般的に」、「実質的に」及び類似の用語は、当業技術者によって理解されるように、記載される寸法/特徴が厳密な境界でもパラメータでもなく、機能的に同じであるか類似しているマイナーな変形形態をそれから排除しないことを示すことも理解すべきである。最小限、数値パラメータを含むそのような言及は、当技術分野で受け入れられる数学的及び産業的原理(例えば、丸め、測定又は他の系統誤差、製造許容差等)を使用して、最下位数を変えないと予想される変形形態を含むと予想される。
【0066】
用語「同一の」又はパーセント「同一性」は、2つ以上の核酸又はポリペプチド配列(例えば、抗TAA抗体及びそれらをコードするポリヌクレオチド、TAAポリペプチド及びそれらをコードするTAAポリヌクレオチド、GPC3に特異的な抗原結合性ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)及びそれらをコードするポリヌクレオチド)との関連で、以下の配列比較アルゴリズムの1つを使用してか又は目視検査によって測定される最大対応と比較して整列させた場合に、同じであるか又は同じであるアミノ酸残基若しくはヌクレオチドの指定されたパーセンテージを有する2つ以上の配列又は部分配列を指す。
【0067】
配列比較のために、一般的に1つの配列は参照配列としての働きをし、それに対して試験配列が比較される。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験及び参照配列はコンピュータに入力され、必要に応じて部分配列座標が指定され、配列アルゴリズムプログラムパラメータが指定される。配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメータに基づいて参照配列と比較した試験配列のパーセント配列同一性を次に計算する。
【0068】
比較のための配列の最適なアラインメントは、例えば、Smith & Waterman, Adv. Appl. Math. 1981; 2:482のローカルホモロジーアルゴリズムによって、Needleman & Wunsch, J. Mol.Biol.1970; 48:443のホモロジーアラインメントアルゴリズムによって、Pearson & Lipman, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 1988; 85:2444の類似性検索方法によって、これらのアルゴリズム(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WI、の中のGAP、BESTFIT、FASTA及びTFASTA)のコンピュータによる実行によって、又は、目視検査によって(一般的に、Current Protocols in Molecular Biology, F.M. Ausubelら、eds., Current Protocols、Greene Publishing Associates, Inc.とJohn Wiley & Sons, Inc.の間の合弁事業、1995 Supplement (Ausubel)を参照する)実行することができる。
【0069】
パーセント配列同一性及び配列類似性を決定するのに好適なアルゴリズムの例は、BLAST及びBLAST 2.0アルゴリズムであり、それらは、Altschulら、J. Mol.Biol.1990; 215: 403-410及びAltschulら、Nucleic Acids Res. 1997; 25: 3389-3402にそれぞれ記載される。BLAST分析を実行するソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationを通して公開されている。このアルゴリズムは、データベース配列中の同じ長さのワードと整列させた場合に、いくつかの正値の閾値スコアTにマッチするか又はそれを満たす、長さWの短いワードをクエリー配列中で同定することによって、ハイスコア配列対(HSP)を最初に同定することを含む。Tは、近傍ワードスコア閾値と呼ばれる(Altschulら、上記)。これらの初期近傍ワードヒットは、それらを含むより長いHSPを見出す検索を開始するためのシードとして機能する。ワードヒットは、累積アラインメントスコアを増加させることができる限り、各配列に沿って両方向に次に延長させられる。
【0070】
累積スコアは、ヌクレオチド配列の場合、パラメータM(マッチした残基の対のためのリワードスコア;常に>0)及びN(ミスマッチ残基のためのペナルティスコア;常に<0)を使用して計算される。アミノ酸配列の場合、累積スコアを計算するためにスコアリングマトリックスが使用される。各方向へのワードヒットの延長は、次の場合に停止される:累積アラインメントスコアがその最大達成値から量X落ちる; 1つ以上の負のスコアの残基アラインメントの蓄積のために、累積スコアがゼロ以下になる;又は、いずれかの配列の末端に到達する。BLASTアルゴリズムのパラメータW、T及びXは、アラインメントの感度及び速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列の場合)は、デフォルトとして11のワード長(W)、10の予想(E)、M=5、N=-4及び両方の鎖の比較を使用する。アミノ酸配列の場合、BLASTPプログラムは、デフォルトとして3のワード長(W)、10の予想(E)及びBLOSUM62スコアリングマトリックスを使用する(Henikoff & Henikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1989; 89:10915を参照する)。
【0071】
パーセント配列同一性の計算に加えて、BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計分析も実行する(例えば、Karlin & Altschul, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 1993; 90:5873-5787を参照する)。BLASTアルゴリズムにより提供される類似性の1つの尺度は、最小和確率(P(N))であり、それは2つのヌクレオチド又はアミノ酸配列の間のマッチが偶然に起こる確率の指標を提供する。例えば、試験核酸と参照核酸との比較における最小和確率が約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合、核酸は参照配列に類似しているとみなされる。
【0072】
2つの核酸配列又はポリペプチドが実質的に同一であることのさらなる指標は、第1の核酸によってコードされるポリペプチドが、下記のように第2の核酸によってコードされるポリペプチドと免疫学的に交差反応性であることである。したがって、例えば、2つのペプチドが保存的置換だけが異なる場合、ポリペプチドは一般的に第2のポリペプチドと実質的に同一である。2つの核酸配列が実質的に同一であることの別の指標は、ストリンジェントな条件下で2つの分子が互いとハイブリダイズすることである。
【0073】
本明細書で使用される場合、用語「単離された」は、生体構成要素(例えば核酸、ペプチド又はタンパク質)が、その構成要素が天然に存在する生物体の他の生体構成要素から、すなわち他の染色体及び染色体外のDNA及びRNA、並びにタンパク質から実質的に分離されたか、別個に産生されたか、又は精製されたことを示す。したがって、「単離された」核酸、ペプチド及びタンパク質には、標準の精製方法によって精製される核酸及びタンパク質が含まれる。その組成物がその核酸、ペプチド又はタンパク質の天然の環境の一部でないならば、「単離された」核酸、ペプチド及びタンパク質は組成物の一部であってなお単離されたものであることができる。この用語は、宿主細胞での組換え発現によって調製される核酸、ペプチド及びタンパク質、並びに化学合成される核酸も包含する。
【0074】
本明細書で使用される場合、「核酸分子」、「ヌクレオチド」又は「核酸」と同義で呼ばれる用語「ポリヌクレオチド」は、任意のポリリボヌクレオチド又はポリデオキシリボヌクレオチドを指し、それらは未改変のRNA若しくはDNA又は改変されたRNA若しくはDNAであってもよい。「ポリヌクレオチド」には、限定するものではないが、一本鎖及び二本鎖DNA、一本鎖及び二本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖及び二本鎖RNA、並びに一本鎖及び二本鎖領域の混合物であるRNA、一本鎖又はより一般的に二本鎖、又は一本鎖及び二本鎖領域の混合物であってよいDNA及びRNAを含むハイブリッド分子が含まれる。さらに、「ポリヌクレオチド」は、RNA又はDNA、又はRNA及びDNAの両方を含む三本鎖領域を指す。用語ポリヌクレオチドは、1つ以上の改変された塩基を含有するDNA又はRNA、及び安定性又は他の理由のために改変された骨格を有するDNA又はRNAも含む。「改変された」塩基には、例えば、トリチル化塩基及び通常でない塩基、例えばイノシンが含まれる。様々な改変をDNA及びRNAに加えることができる。したがって、「ポリヌクレオチド」は、天然に一般的に見出されるポリヌクレオチドの化学的、酵素的又は代謝的に改変された形、並びにウイルス及び細胞に特徴的なDNA及びRNAの化学形態を包含する。「ポリヌクレオチド」は、しばしばオリゴヌクレオチドと呼ばれる比較的短い核酸鎖も包含する。
【0075】
本明細書で使用される場合、用語「ベクター」は、別の核酸セグメントをセグメントの複製又は発現をもたらすように作動可能に挿入することができるレプリコンである。
【0076】
本明細書で使用される場合、用語「宿主細胞」は、本発明の核酸分子を含む細胞を指す。「宿主細胞」は、任意の細胞型、例えば、初代細胞、培養細胞又は細胞系からの細胞であってよい。一実施形態では、「宿主細胞」は、本発明の核酸分子でトランスフェクトさせた細胞である。別の実施形態では、「宿主細胞」は、そのようなトランスフェクトさせた細胞の子孫又は潜在的子孫である。細胞の子孫は、例えば後代で起こる可能性のある突然変異若しくは環境影響のために、又は宿主細胞ゲノムへの核酸分子の組入れのために、親細胞と同一であっても同一でなくてもよい。
【0077】
本明細書で使用される用語「発現」は、遺伝子生成物の生合成を指す。この用語は、RNAへの遺伝子の転写を包含する。この用語は、1つ以上のポリペプチドへのRNAの翻訳も包含し、さらに全ての天然に存在する転写後及び翻訳後の修飾を包含する。発現された抗体は、宿主細胞の細胞質内にあるか、細胞外環境内、例えば細胞培養の増殖培地の中にあってもよいか、又は細胞膜に固定してもよい。
【0078】
本明細書で使用される場合、用語「ペプチド」、「ポリペプチド」、又は「タンパク質」とは、アミノ酸で構成される分子を指すことができ、当業者によってタンパク質として認識することができる。本明細書では、アミノ酸残基のための従来の1文字又は3文字コードを使用する。用語「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「タンパク質」は、本明細書では、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指すために互換的に使用することができる。ポリマーは、直鎖状又は分枝鎖状であり得、修飾アミノ酸を含み得、非アミノ酸によって中断することができる。用語はまた、天然に又は介入によって修飾されたアミノ酸ポリマー、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、又は任意の他の操作若しくは修飾、例えば、標識成分とのコンジュゲーションを包含する。また、定義内には、例えば、アミノ酸(例えば、非天然アミノ酸などを含む)の1つ以上のアナログを含有するポリペプチド、及び当該技術分野において公知である他の修飾が含まれる。
【0079】
本明細書に記載されるペプチド配列は、通常の慣例に従って記載され、それによって、ペプチドのN末端領域は左側にあり、C末端領域は右側にある。アミノ酸の異性体形態は公知であるが、別途明示的に示されない限り、表されるアミノ酸はL型である。
【0080】
キメラ抗原受容体(CAR)
本明細書で使用される場合、「キメラ抗原受容体」(CAR)という用語は、抗原又は標的に特異的に結合する細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内T細胞受容体活性化シグナル伝達ドメインを少なくとも含む組換えポリペプチドを指す。CARの細胞外ドメインが標的細胞の表面にある標的抗原と結合すると、CARのクラスター化が生じ、CARを含有する細胞に活性化刺激をもたらす。CARは、免疫エフェクター細胞の特異性をリダイレクトし、増殖、サイトカイン産生、食作用、及び/又は主要組織適合性(MHC)に依存しない方法で標的抗原発現細胞の細胞死を媒介し得る分子の産生を引き起こす。
【0081】
一態様では、CARは、抗原結合性ドメイン、ヒンジ領域、共刺激ドメイン、活性化ドメイン及び膜貫通領域を含む。一態様では、CARは、抗原結合性ドメイン、ヒンジ領域、2つの共刺激ドメイン、活性化ドメイン、及び膜貫通領域を含む。一態様では、CARは、2つの抗原結合性ドメイン、ヒンジ領域、共刺激ドメイン、活性化ドメイン及び膜貫通領域を含む。一態様では、CARは、2つの抗原結合性ドメイン、ヒンジ領域、2つの共刺激ドメイン、活性化ドメイン、及び膜貫通領域を含む。
【0082】
本明細書で使用される場合、「シグナルペプチド」という用語は、新生CARタンパク質のアミノ末端(N末端)にあるリーダー配列を指し、同時翻訳又は翻訳後に新生タンパク質を小胞体に向かわせ、その後の表面発現につなげる。
【0083】
本明細書で使用される場合、「細胞外抗原結合性ドメイン」、「細胞外ドメイン」又は「細胞外リガンド結合ドメイン」という用語は、細胞膜の外側に位置し、抗原、標的又はリガンドに結合することができるCARの部分を指す。
【0084】
本明細書で使用される場合、「ヒンジ領域」という用語は、CARタンパク質の2つの隣接するドメイン、例えば、細胞外ドメインと膜貫通ドメインを連結するCARの部分を指す。
【0085】
本明細書で使用される場合、「膜貫通ドメイン」という用語は、細胞膜を横切って伸びており、CARを細胞膜に固定するCARの部分を指す。これは「膜貫通領域」と呼ばれることがある。
【0086】
共刺激ドメイン
本明細書で使用される場合、キメラ抗原受容体は、それらの効力を高めるために、共刺激(シグナル伝達)ドメインを組み込むことができる。共刺激(シグナル伝達)ドメインは、共刺激分子に由来し得る。共刺激分子は、効率的な免疫応答に必要とされる抗原受容体又はそのリガンド以外の細胞表面分子である。共刺激ドメインは、共刺激分子に由来し得るものであり、それら分子には、CD28、CD28T、OX40、4-1BB/CD137、CD2、CD3(アルファ、ベータ、デルタ、イプシロン、ガンマ、ゼータ)、CD4、CD5、CD7、CD9、CD16、CD22、CD27、CD30、CD33、CD37、CD40、CD45、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154、プログラム死-1(PD-1)、誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1; CD11a及びCD18)、CD247、CD276(B7-H3)、LIGHT(腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー14; TNFSF14)、NKG2C、Igアルファ(CD79a)、DAP10、Fcガンマ受容体、MHCクラスI分子、TNFR、インテグリン、シグナル伝達リンパ球活性化分子、BTLA、Tollリガンド受容体、ICAM-1、CDS、GITR、BAFFR、LIGHT、HVEM(LIGHTR)、KIRDS2、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、NKp44、NKp30、NKp46、CD19、CD8アルファ、CD8ベータ、IL-2Rベータ、IL-2Rガンマ、IL-7Rアルファ、ITGA4、VLA1、CD49a、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、ITGAE、CD103、ITGAL、CD1a、CD1b、CD1c、CD1d、ITGAM、ITGAX、ITGB1、CD29、ITGB2(CD18)、ITGB7、NKG2D、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD 160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB-A、Lyl08)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP-76、PAG/Cbp、CD19a、CD83リガンド、サイトカイン受容体、活性化NK細胞受容体、又はそれらの断片若しくは任意の組合せが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0087】
活性化ドメイン
本明細書で使用される場合、キメラ抗原受容体は、活性化ドメインを含むことができる。活性化ドメインにはCD3が含まれ得るが、これに限定されない。CD3は、天然のT細胞上のT細胞受容体の要素であり、CARにおける重要な細胞内活性化要素であることが示されている。好ましい実施形態では、CD3はCD3ゼータである。
【0088】
ヒンジ領域
本明細書に記載されているように、キメラ抗原受容体はヒンジ領域を含むことができる。これは細胞外ドメインの一部であり、「スペーサー」領域と呼ばれることもある。上述の共刺激分子、免疫グロブリン(Ig)配列、又は標的細胞からの所望の特別な距離を達成するための他の適切な分子を含む、様々なヒンジを本発明に従って用いることができる。一部の実施形態では、細胞外領域全体がヒンジ領域を含む。
【0089】
膜貫通領域
本明細書で使用される場合、キメラ抗原受容体(CAR)は、膜貫通領域/ドメインを含むことができる。CARは、CARの細胞外ドメインに融合された膜貫通ドメインを含むように設計することができる。同様に、これはCARの細胞内ドメインに融合させることができる。一実施形態では、CAR内のドメインの1つと自然に結合している膜貫通ドメインが使用される。いくつかの事例では、膜貫通ドメインは、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小限にするために、同じ又は異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインへのそのようなドメインの結合を避けるように、アミノ酸置換によって選択又は改変することができる。膜貫通ドメインは、天然又は合成のいずれかの供給源に由来し得る。供給源が天然である場合、ドメインは、あらゆる膜結合型タンパク質又は膜貫通タンパク質に由来し得る。本発明において特に有用な膜貫通領域は、CD28、CD28T、OX40、4-1BB/CD137、CD2、CD3(アルファ、ベータ、デルタ、イプシロン、ガンマ、ゼータ)、CD4、CD5、CD7、CD9、CD16、CD22、CD27、CD30、CD33、CD37、CD40、CD45、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154、プログラム死-1(PD-1)、誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1; CD11a及びCD18)、CD247、CD276(B7-H3)、LIGHT(腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー14; TNFSF14)、NKG2C、Igアルファ(CD79a)、DAP10、Fcガンマ受容体、MHCクラスI分子、TNFR、インテグリン、シグナル伝達リンパ球活性化分子、BTLA、Tollリガンド受容体、ICAM-1、CDS、GITR、BAFFR、LIGHT、HVEM(LIGHTR)、KIRDS2、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、NKp44、NKp30、NKp46、CD19、CD8アルファ、CD8ベータ、IL-2Rベータ、IL-2Rガンマ、IL-7Rアルファ、ITGA4、VLA1、CD49a、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、ITGAE、CD103、ITGAL、CD1a、CD1b、CD1c、CD1d、ITGAM、ITGAX、ITGB1、CD29、ITGB2(CD18)、ITGB7、NKG2D、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD 160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB-A、Lyl08)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP-76、PAG/Cbp、CD19a、CD83リガンド、サイトカイン受容体、活性化NK細胞受容体、免疫グロブリンタンパク質、又はそれらの断片若しくは任意の組合せに由来し得る(すなわち、それらを含み得るか又はそれらから操作され得る)が、これらに限定されない。
【0090】
免疫細胞
特定の態様によれば、本発明は、本明細書で提供されているCARをコードするヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド又は単離されたポリヌクレオチドを含むベクターを含む免疫細胞である細胞を提供する。本発明の単離されたポリヌクレオチド及び/又はベクターを含む免疫細胞は、「操作された免疫細胞」と呼ぶことができる。好ましくは、操作された免疫細胞は、ヒトに由来している(組換えされる前のヒト起源の細胞である)。
【0091】
操作された免疫細胞は、例えば、リンパ系の細胞系譜であり得る。リンパ系の細胞系譜の非限定的な例としては、T細胞及びナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。T細胞はT細胞受容体(TCR)を発現し、ほとんどの細胞はα鎖及びβ鎖を発現し、γ鎖及びδ鎖を発現する集団は少ない。本発明の操作された免疫細胞として有用なT細胞は、CD4+又はCD8+であり得、Tヘルパー細胞(CD4+)、細胞傷害性T細胞(細胞傷害性Tリンパ球、CTLとも呼ばれる;CD8+細胞)、並びにセントラルメモリーT細胞、幹様メモリーT細胞及びエフェクターメモリーT細胞を含むメモリーT細胞、ナチュラルキラーT細胞、粘膜関連インバリアントT細胞、並びにγδT細胞が挙げられるが、これらに限定されない。他の例示的な免疫細胞には、マクロファージ、抗原提示細胞(APC)、又は細胞媒介性免疫応答の阻害物質を発現する任意の免疫細胞、例えば、免疫チェックポイント阻害物質経路受容体(例えばPD-1)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明に従って使用することができる免疫細胞の前駆体細胞には、造血幹細胞及び/又は前駆細胞が含まれる。造血幹細胞及び/又は前駆細胞は、当技術分野で公知の方法によって、骨髄、臍帯血、サイトカイン動員後の成人末梢血などから誘導することができる。この免疫細胞は、本発明のCARを組換え発現するように操作される。
【0092】
免疫細胞及びその前駆体細胞は、市販の方法を含む、当技術分野で公知の方法によって単離することができる(例えば、Rowland Jonesら、Lymphocytes: A Practical Approach, Oxford University Press, NY 1999を参照されたい)。免疫細胞又はその前駆体の供給源としては、末梢血、臍帯血、骨髄、又は他の造血細胞の供給源が挙げられるが、これらに限定されない。様々な技術を用いて細胞を分離し、所望の免疫細胞を単離又は濃縮することができる。例えば、陰性選択法を使用して、所望の免疫細胞ではない細胞を除去することができる。さらに、陽性選択法を使用して、所望の免疫細胞若しくはその前駆体を単離若しくは濃縮することができるか、又は陽性選択法と陰性選択法を組み合わせて用いることができる。特定のタイプの細胞、例えば特定のT細胞を単離する場合、様々な細胞表面マーカー又はマーカー(例えば、CD3、CD4、CD8、CD34)の組合せを使用して、細胞を分離することができる。
【0093】
免疫細胞又はその前駆体細胞は、本発明の処置方法においてそれらが投与される対象に対して自己由来(自家)又は非自己由来(非自家)であり得る。自己細胞は、CARを組換え発現する操作された免疫細胞が投与される対象から単離される。必要に応じて、細胞は白血球アフェレーシスによって得ることができ、白血球は採血した血液から選択的に除去され、組換えされた後、ドナーに再輸血される。或いは、対象ではない非自己のドナーからの同種細胞を使用することができる。非自己ドナーの場合、細胞は分類され、ヒト白血球抗原(HLA)と照合され、適合性の適切なレベルが決定される。自己細胞と非自己細胞の両方について、細胞は、必要に応じて、使用する準備ができるまで凍結保存することができる。
【0094】
本発明のCARの組換え発現に使用することができる免疫細胞を単離する様々な方法がこれまでに記載され、使用することができるが、それには、末梢血ドナーリンパ球を使用すること(Sadelainら、Nat. Rev. Cancer 2003; 3:35~45頁、Morganら、Science 2006; 314:126~9頁)、腫瘍生検における腫瘍浸潤リンパ球(TIL)に由来するリンパ球培養物を使用すること(Panelliら、J. Immunol. 2000; 164:495~504頁、Panelliら、J. Immunol. 2000; 164:4382~92頁)、及び人工抗原提示細胞(AAPC)又は樹状細胞を用いてin vitroで選択的に増殖させた抗原特異的末梢血白血球を使用すること(Dupontら、Cancer Res. 2005; 65:5417~427頁; Papanicolaouら、Blood 2003; 102:2498~505頁)が含まれるが、これらに限定されない。幹細胞を使用する場合、細胞は、当技術分野で周知の方法によって単離することができる(例えば、Klugら、Hematopoietic Stem Cell Protocols, Humana Press, NJ 2002; Freshneyら、Culture of Human Stem Cells, John Wiley & Sons 2007を参照されたい)。
【0095】
特定の実施形態によれば、操作された免疫細胞を作製する方法は、個体から単離された免疫エフェクター細胞を、本発明の実施形態に従って、1つ以上のCARを発現するようにトランスフェクトするか又は形質導入することを含む。免疫療法のために免疫細胞を調製する方法は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、WO2014/130635、WO2013/176916及びWO2013/176915に記載されている。操作された免疫細胞の調製に使用することができる個々のステップは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、WO2014/039523、WO2014/184741、WO2014/191128、WO2014/184744及びWO2014/184143に開示されている。
【0096】
特定の実施形態では、免疫エフェクター細胞、例えばT細胞は、本発明のCARで遺伝子改変され(例えば、CARをコードする核酸を含むウイルスベクターで形質転換され)、次いで、in vitroで活性化及び増殖される。様々な実施形態では、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、US6,352,694、US6,534,055、US6,905,680、US6,692,964、US5,858,358、US6,887,466、US6,905,681、US7,144,575、US7,067,318、US7,172,869、US7,232,566、US7,175,843、US5,883,223、US6,905,874、US6,797,514、US6,867,041、US2006/121005に記載されている方法を使用して、CARを発現させるための遺伝子改変の前又は後に、T細胞を活性化及び増殖させることができる。T細胞は、in vitro又はin vivoで増殖させることができる。一般に、本発明のT細胞は、CD3/TCR複合体関連シグナルを刺激する薬剤及びT細胞の表面上の共刺激分子を刺激するリガンドをそれに付着させた表面との接触によって増殖させることができる。非限定的な例として、T細胞集団は、本明細書に記載されているように、例えば、抗CD3抗体、若しくはその抗原結合性断片、又は表面に固定化された抗CD3抗体との接触によって、或いはカルシウムイオノフォアと組み合わせたプロテインキナーゼC活性化物質(例えばブリオスタチン)との接触によって、或いはCAR自体の活性化によって、刺激することができる。T細胞の表面のアクセサリー分子を共刺激するには、アクセサリー分子に結合するリガンドが使用される。例えば、T細胞の集団は、T細胞の増殖を刺激するのに適切な条件下で、抗CD3抗体及び抗CD28抗体と接触させることができる。T細胞培養に適切な条件には、例えば、血清(例えば、ウシ胎児血清若しくはヒト血清)、サイトカイン、例えばIL-2、IL-7、IL-15、及び/若しくはIL-21、インスリン、IFN-g、GM-CSF、TGFβ並びに/又は当業者に公知である細胞増殖のための他の添加物を含む、増殖及び生存に必要な因子を含有し得る適切な培地(例えば、最小必須培地又はRPMI Media 1640又はX-vivo 5(Lonza))が含まれる。他の実施形態では、T細胞は、参照により本明細書に組み込まれる、US6,040,177、US5,827,642及びWO2012129514に記載されているような方法を使用して、フィーダー細胞及び適切な抗体及びサイトカインで活性化及び刺激して増殖させることができる。
【0097】
抗体及び抗原結合性ドメイン
本発明は、一般的に、単離された抗TAA抗体(例えば、抗TIP-1抗体又は抗GPC3抗体)、キメラ抗原受容体(CAR)、抗体及びCARをコードする核酸及び発現ベクター、ベクターを含有する組換え細胞、並びに抗体、CAR、及びCARを発現する組換え細胞を含む組成物に関する。抗体及びCARを作製する方法、並びにがん及び炎症性疾患を含む疾患を治療するために抗体及びCARを使用する方法。本発明の抗体及びCARの抗原結合性ドメインは、限定するものではないが、TAAに対する高親和性結合、TAAに対する高特異性、補体依存性細胞傷害性(CDC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)、及び/又はTAAを発現する細胞に対する抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を刺激する能力、並びに単独で又は他の抗がん治療と組み合わせて投与される場合に、対象及び動物モデルにおいて腫瘍増殖を阻害する能力を含む、1つ以上の望ましい機能的特性を有する。
【0098】
一般的な態様では、本発明は、TAA(例えば、TIP-1又はGPC3)に結合する単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。
【0099】
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は広い意味で使用され、ヒト抗体、ヒト化抗体、複合抗体及びキメラ抗体並びにモノクローナル又はポリクローナルである抗体断片を含む、免疫グロブリン又は抗体分子を含む。一般に、抗体は、特定の抗原に対して結合特異性を示すタンパク質又はペプチド鎖である。抗体構造は周知である。免疫グロブリンは、重鎖定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、5つの主要なクラス(すなわち、IgA、IgD、IgE、IgG及びIgM)に割り当てられ得る。IgA及びIgGは、さらにアイソタイプIgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4に細分類される。したがって、本発明の抗体は、5つの主要なクラス又は対応するサブクラスのいずれかであり得る。好ましくは、本発明の抗体は、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4である。脊椎動物種の抗体軽鎖は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、2つの明確に異なるタイプ、すなわちカッパ及びラムダのいずれかに割り当てられ得る。したがって、本発明の抗体は、カッパ又はラムダ軽鎖定常ドメインを含有することができる。特定の実施形態によれば、本発明の抗体は、ラット抗体又はヒト抗体の重鎖及び/又は軽鎖定常領域を含む。重鎖及び軽鎖定常ドメインに加えて、抗体は、軽鎖可変領域及び重鎖可変領域から構成される抗原結合領域を含有し、これらのそれぞれは3つのドメイン(すなわち、相補性決定領域1~3; CDR1、CDR2及びCDR3)を含有する。軽鎖可変領域ドメインは、或いはLCDR1、LCDR2及びLCDR3とも呼ばれ、重鎖可変領域ドメインは、或いはHCDR1、HCDR2及びHCDR3とも呼ばれる。
【0100】
本明細書で使用される場合、「単離された抗体」という用語は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指す(例えば、TAA(例えば、TIP-1又はGPC3)に特異的に結合する単離された抗体は、同じTAA(例えば、TIP-1又はGPC3)に結合しない抗体を実質的に含まない)。さらに、単離された抗体は、他の細胞物質及び/又は化学物質を実質的に含まない。
【0101】
本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、その集団を含む個々の抗体は、少量で存在し得る天然に存在する可能性のある突然変異を除いて同一である。本発明のモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、ファージディスプレイ技術、単一リンパ球遺伝子クローニング技術によって、又は組換えDNA法によって作製することができる。例えば、モノクローナル抗体は、ヒト重鎖導入遺伝子及び軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有するトランスジェニック非ヒト動物、例えばトランスジェニックマウス又はラットから得られるB細胞を含むハイブリドーマによって産生され得る。
【0102】
本明細書で使用される場合、「抗原結合性断片」及び/又は「抗原結合性ドメイン」という用語は、例えば、ダイアボディ、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv断片、ジスルフィド安定化Fv断片(dsFv)、(dsFv)2、二重特異性dsFv(dsFv-dsFv')、ジスルフィド安定化ダイアボディ(dsダイアボディ)、単鎖抗体分子(scFv)、単一ドメイン抗体(sdab)、scFv二量体(二価ダイアボディ)、1つ以上のCDRを含む抗体の一部から形成される多特異性抗体、ラクダ化単一ドメイン抗体、ナノボディ、ドメイン抗体、二価ドメイン抗体、又は抗原に結合するが完全な抗体構造を含まない任意の他の抗体断片などの抗体断片を指す。抗原結合性断片は、親抗体又は親抗体断片が結合するのと同じ抗原に結合することができる。特定の実施形態によれば、抗原結合性断片は、軽鎖可変領域、軽鎖定常領域、及び重鎖のFdセグメントを含む。他の特定の実施形態によれば、抗原結合性断片は、Fab及びF(ab')を含む。抗原結合性ドメインは、親抗体が結合するのと同じ抗原に結合することが可能である。特定の実施形態によれば、抗原結合性ドメインは、単鎖抗体分子(scFv)を含む。
【0103】
本明細書で使用される場合、「単鎖抗体」という用語は、約15~約20アミノ酸の短いペプチドによって連結された重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む、当分野における従来の単鎖抗体を指す。本明細書で使用される場合、「単一ドメイン抗体」という用語は、重鎖可変領域及び重鎖定常領域を含むか又は重鎖可変領域のみを含む、当分野における従来の単一ドメイン抗体を指す。
【0104】
本明細書で使用される場合、「ヒト抗体」という用語は、ヒトによって産生される抗体又は当技術分野で公知の任意の技術を使用して作製されたヒトによって産生される抗体に対応するアミノ酸配列を有する抗体を指す。ヒト抗体のこの定義には、インタクト抗体若しくは完全長抗体、その断片、並びに/又は少なくとも1つのヒト重鎖及び/若しくは軽鎖ポリペプチドを含む抗体が含まれる。
【0105】
本明細書で使用される場合、用語「ヒト化抗体」及び/又は「ヒト化抗原結合性ドメイン」は、ヒト抗体及び/又はヒト抗原結合性ドメインの配列相同性を増大させるように修飾され、その結果、抗体及び/又は抗原結合性ドメインの抗原結合特性が保持されるが、ヒト体内におけるその抗原性は低減する、非ヒト抗体及び/又は非ヒト抗原結合性ドメインを指す。
【0106】
本明細書で使用される場合、「キメラ抗体」及び/又は「キメラ抗原結合性ドメイン」という用語は、免疫グロブリン分子のアミノ酸配列が2つ以上の種に由来する抗体及び/又は抗原結合性ドメインを指す。軽鎖及び重鎖の両方の可変領域は、多くの場合、所望の特異性、親和性及び能力を有する哺乳動物のうちの1つの種(例えば、マウス、ラット、ウサギなど)に由来する抗体及び/又は抗原結合性ドメインの可変領域に対応するが、一方、定常領域は、その種における免疫応答の誘発を回避するために哺乳動物の別の種(例えばヒト)に由来する抗体及び/又は抗原結合性ドメインの配列に対応する。
【0107】
本明細書で使用される場合、用語「多特異性抗体」は、複数の免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む抗体を指し、複数の第1の免疫グロブリン可変ドメイン配列は、第1のエピトープに対して結合特異性を有し、複数の第2の免疫グロブリン可変ドメイン配列は、第2のエピトープに対して結合特異性を有する。一実施形態では、第1及び第2のエピトープは、同じ抗原上、例えば、同じタンパク質(又は多量体タンパク質のサブユニット)上にある。一実施形態では、第1及び第2のエピトープは、重複しているか又は実質的に重複している。一実施形態では、第1及び第2のエピトープは、重複していないか又は実質的に重複していない。一実施形態では、第1及び第2のエピトープは、異なる抗原上、例えば、異なるタンパク質(又は多量体タンパク質の異なるサブユニット)上にある。一実施形態では、多特異性抗体は、第3、第4、又は第5の免疫グロブリン可変ドメインを含む。一実施形態では、多特異性抗体は、二重特異性抗体分子、三重特異性抗体分子、又は四重特異性抗体分子である。
【0108】
本明細書で使用される場合、用語「二重特異性抗体」とは、2つ以下のエピトープ又は2つの抗原に結合する多特異性抗体を指す。二重特異性抗体は、第1のエピトープに対する結合特異性を有する第1の免疫グロブリン可変ドメイン配列、及び第2のエピトープに対する結合特異性を有する第2の免疫グロブリン可変ドメイン配列によって特徴付けられる。一実施形態では、第1及び第2のエピトープは、同じ抗原上、例えば、同じタンパク質(又は多量体タンパク質のサブユニット)上にある。一実施形態では、第1及び第2のエピトープは、重複しているか又は実質的に重複している。一実施形態では、第1及び第2のエピトープは、異なる抗原上、例えば、異なるタンパク質(又は多量体タンパク質の異なるサブユニット)上にある。一実施形態では、二重特異性抗体は、第1のエピトープに対する結合特異性を有する重鎖可変ドメイン配列及び軽鎖可変ドメイン配列、並びに第2のエピトープに対する結合特異性を有する重鎖可変ドメイン配列及び軽鎖可変ドメイン配列を含む。一実施形態では、二重特異性抗体は、第1のエピトープに対する結合特異性を有する半抗体又はその断片、及び第2のエピトープに対する結合特異性を有する半抗体又はその断片を含む。一実施形態では、二重特異性抗体は、第1のエピトープに対する結合特異性を有するscFv又はその断片、及び第2のエピトープに対する結合特異性を有するscFv又はその断片を含む。一実施形態では、第1のエピトープは本発明のTAAに位置し、第2のエピトープは、PD-1、PD-L1、TIM-3、LAG-3、CTLA-4、EGFR、HER-2、CD19、CD20、CD33、CD3、CD73、CD47、TIP-1、GPC3、アペリン、DLL3、葉酸受容体アルファ、Claudin18.2、及び/又は他の腫瘍関連免疫抑制因子若しくは表面抗原に位置する。一実施形態では、第1及び第2のエピトープは、本発明の同じTAA上に位置する。
【0109】
本明細書で使用される場合、「TAAに特異的に結合する」抗体及び/又は抗原結合性ドメインとは、KDが1×10-7M以下、好ましくは1×10-8M以下、より好ましくは5×10-9M以下、1×10-9M以下、5×10-10M以下、又は1×10-10M以下でTAA、好ましくはヒトTAA(例えば、TIP-1又はGPC3)に結合する抗体及び/又は抗原結合性ドメインを指す。用語「KD」とは、Kd対Kaの比(すなわち、Kd/Ka)から得られ、モル濃度(M)として表される解離定数を指す。抗体及び/又は抗原結合性ドメインに関するKD値は、本開示に照らして、当該技術分野における方法を用いて決定することができる。例えば、抗体及び/又は抗原結合性ドメインのKDは、表面プラズモン共鳴を使用することによって、例えば、バイオセンサーシステム、例えばBiacore(登録商標)システムを使用することによって、又はバイオレイヤー干渉技術、例えばOctet RED96システムを使用することによって決定することができる。
【0110】
抗体及び/又は抗原結合性ドメインのKD値が小さいほど、抗体及び/又は抗原結合性ドメインが標的抗原に結合する親和性は高くなる。
【0111】
特定の態様によれば、本発明は、抗原結合性ドメインを含む、単離されたモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片又はキメラ抗原受容体(CAR)に関し、モノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は抗原結合性ドメインは、
(1)それぞれ配列番号87、88、89、90、91及び92、
(2)それぞれ配列番号108、109、110、111、112及び113、
(3)それぞれ配列番号17、18、19、20、21及び22、
(4)それぞれ配列番号31、32、33、34、35及び36、
(5)それぞれ配列番号45、46、47、48、49及び50、
(6)それぞれ配列番号59、60、61、62、63及び64、又は
(7)それぞれ配列番号73、74、75、76、77及び78、
のポリペプチド配列を有する、重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体若しくはその抗原結合性断片又はその抗原結合性ドメインは、GPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合する。
【0112】
特定の態様によれば、本発明は、抗原結合性ドメインを含む、単離されたモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片又はキメラ抗原受容体(CAR)に関し、モノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は抗原結合性ドメインは、
(1)それぞれ配列番号93、94、95、96、97及び98、
(2)それぞれ配列番号114、115、116、117、118及び119、
(3)それぞれ配列番号23、24、25、26、27及び28、
(4)それぞれ配列番号37、38、39、40、41及び42、
(5)それぞれ配列番号51、52、53、54、55及び56、
(6)それぞれ配列番号65、66、67、68、69及び70、又は
(7)それぞれ配列番号79、80、81、82、83及び84、
のポリペプチド配列を有する、重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体若しくはその抗原結合性断片又はその抗原結合は、GPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合する。
【0113】
特定の態様によれば、本発明は、
(1)それぞれ配列番号3、4、5、6、7及び8
のポリペプチド配列を有する、重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関し、抗体又はその抗原結合性断片は、TIP-1、好ましくはヒトTIP-1に特異的に結合する。
【0114】
特定の態様によれば、本発明は、
(1)それぞれ配列番号9、10、11、12、13及び14
のポリペプチド配列を有する、重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関し、抗体又はその抗原結合性断片は、TIP-1、好ましくはヒトTIP-1に特異的に結合する。
【0115】
別の特定の態様によれば、本発明は、抗原結合性ドメインを含む、単離されたモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片又はキメラ抗原受容体(CAR)に関し、モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片又は抗原結合性ドメインは、配列番号85、106、15、29、43、57、71、若しくは1のうちの1つと少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、或いは配列番号86、107、16、30、44、58、72、若しくは2のうちの1つと少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。1つの好ましい実施形態によれば、本発明の単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片又はその抗原結合性ドメインは、それぞれ、配列番号85、106、15、29、43、57、71、若しくは1と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、或いは配列番号86、107、16、30、44、58、72、若しくは2と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0116】
別の特定の態様によれば、本発明は、本発明の単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片又はその抗原結合性ドメインに関し、
a.配列番号85のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号86のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号106のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号107のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号15のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号16のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号29のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号30のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号43のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号44のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号57のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号58のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
g.配列番号71のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号72のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
h.配列番号1のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号2のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域
を含む。
【0117】
一実施形態では、本発明は、それぞれ配列番号3、4、5、6、7、及び8のポリペプチド配列を有する、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。別の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号1と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号2と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号1のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号2のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0118】
一実施形態では、本発明は、それぞれ配列番号17、18、19、20、21、及び22のポリペプチド配列を有する、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。別の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号15と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号16と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号15のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号16のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0119】
一実施形態では、本発明は、それぞれ配列番号31、32、33、34、35、及び36のポリペプチド配列を有する、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。別の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号29と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号30と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号29のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号30のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0120】
一実施形態では、本発明は、それぞれ配列番号45、46、47、48、49、及び50のポリペプチド配列を有する、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。別の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号43と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号44と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号43のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号44のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0121】
一実施形態では、本発明は、それぞれ配列番号59、60、61、62、63、及び64のポリペプチド配列を有する、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。別の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号57と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号58と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号57のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号58のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0122】
一実施形態では、本発明は、それぞれ配列番号73、74、75、76、77、及び78のポリペプチド配列を有する、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。別の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号71と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号72と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号71のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号72のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0123】
一実施形態では、本発明は、それぞれ配列番号87、88、89、90、91、及び92のポリペプチド配列を有する、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。別の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号85と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号86と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号85のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号86のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0124】
一実施形態では、本発明は、それぞれ配列番号108、109、110、111、112、及び113のポリペプチド配列を有する、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。別の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号106と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号107と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号106のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号107のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0125】
一実施形態では、本発明は、それぞれ配列番号9、10、11、12、13、及び14のポリペプチド配列を有する、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。別の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号1と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号2と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号1のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号2のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0126】
一実施形態では、本発明は、それぞれ配列番号23、24、25、26、27、及び28のポリペプチド配列を有する、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。別の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号15と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号16と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号15のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号16のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0127】
一実施形態では、本発明は、それぞれ配列番号37、38、39、40、41、及び42のポリペプチド配列を有する、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。別の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号29と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号30と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号29のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号30のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0128】
一実施形態では、本発明は、それぞれ配列番号51、52、53、54、55、及び56のポリペプチド配列を有する、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。別の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号43と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号44と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号43のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号44のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0129】
一実施形態では、本発明は、それぞれ配列番号65、66、67、68、69、及び70のポリペプチド配列を有する、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。別の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号57と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号58と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号57のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号58のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0130】
一実施形態では、本発明は、それぞれ配列番号79、80、81、82、83、及び84のポリペプチド配列を有する、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。別の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号71と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号72と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号71のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号72のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0131】
一実施形態では、本発明は、それぞれ配列番号93、94、95、96、97、及び98のポリペプチド配列を有する、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。別の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号85と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号86と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号85のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号86のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0132】
一実施形態では、本発明は、それぞれ配列番号114、115、116、117、118、及び119のポリペプチド配列を有する、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。別の実施形態では、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号106と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号107と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号106のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号107のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0133】
別の特定の態様によれば、本発明は、本発明の単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関し、抗体又はその抗原結合性断片がキメラである。
【0134】
別の特定の態様によれば、本発明は、本発明の単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関し、抗体又はその抗原結合性断片はヒトであるか又はヒト化される。
【0135】
別の特定の態様によれば、ヒト化モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、配列番号99~102、120~123、126~132、139~140、143~149、153~156、160~163、183~197、若しくは202~205のいずれか1つと少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、或いは配列番号103~105、124~125、133~138、141~142、150~152、157~159、164~166、若しくは198~201のいずれか1つと少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0136】
別の特定の態様によれば、ヒト化モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、
(1)配列番号99のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(2)配列番号99のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(3)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(4)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(5)配列番号101のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(6)配列番号101のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(7)配列番号102のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号105のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(8)配列番号120のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(9)配列番号120のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(10)配列番号121のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(11)配列番号121のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(12)配列番号122のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(13)配列番号122のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(14)配列番号123のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(15)配列番号139のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号141のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(16)配列番号139のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号142のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(17)配列番号140のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号141のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(18)配列番号140のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号142のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(19)配列番号153のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号157のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(20)配列番号153のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号158のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(21)配列番号154のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号157のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(22)配列番号154のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号158のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(23)配列番号143のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(24)配列番号144のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(25)配列番号145のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(26)配列番号147のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(27)配列番号147のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(28)配列番号148のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(29)配列番号148のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(30)配列番号149のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(31)配列番号149のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(32)配列番号160のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(33)配列番号161のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(34)配列番号162のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(35)配列番号163のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(36)配列番号205のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(37)配列番号202のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(38)配列番号203のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(39)配列番号204のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(40)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号198のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(41)配列番号183のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(42)配列番号183のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号198のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(43)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(44)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(45)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(46)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(47)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(48)配列番号188のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(49)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(50)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(51)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(52)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(53)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(54)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(55)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(56)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(57)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(58)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(59)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(60)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(61)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(62)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(63)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(64)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(65)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(66)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(67)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(68)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(69)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(70)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(71)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(72)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(73)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(74)配列番号196のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号201のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
(75)配列番号197のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号201のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域
を含む。
【0137】
別の特定の態様によれば、抗原結合性ドメインはヒト化され、配列番号99~102、120~123、126~132、139~140、143~149、153~156、160~163、183~197、若しくは202~205と少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、或いは配列番号103~105、124~125、133~138、141~142、150~152、157~159、164~166、若しくは198~201と少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0138】
別の特定の態様によれば、抗原結合性ドメインは、ヒト化され、
(1)配列番号99のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(2)配列番号99のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(3)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(4)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(5)配列番号101のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(6)配列番号101のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(7)配列番号102のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号105のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(8)配列番号120のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(9)配列番号120のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(10)配列番号121のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(11)配列番号121のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(12)配列番号122のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(13)配列番号122のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(14)配列番号123のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(15)配列番号139のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号141のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(16)配列番号139のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号142のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(17)配列番号140のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号141のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(18)配列番号140のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号142のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(19)配列番号153のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号157のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(20)配列番号153のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号158のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(21)配列番号154のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号157のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(22)配列番号154のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号158のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(23)配列番号143のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(24)配列番号144のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(25)配列番号145のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(26)配列番号147のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(27)配列番号147のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(28)配列番号148のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(29)配列番号148のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(30)配列番号149のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(31)配列番号149のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(32)配列番号160のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(33)配列番号161のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(34)配列番号162のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(35)配列番号163のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(36)配列番号205のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(37)配列番号202のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(38)配列番号203のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(39)配列番号204のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(40)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号198のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(41)配列番号183のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(42)配列番号183のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号198のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(43)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(44)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(45)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(46)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(47)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(48)配列番号188のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(49)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(50)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(51)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(52)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(53)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(54)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(55)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(56)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(57)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(58)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(59)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(60)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(61)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(62)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(63)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(64)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(65)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(66)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(67)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(68)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(69)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(70)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(71)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(72)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(73)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(74)配列番号196のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号201のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
(75)配列番号197のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号201のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域
を含む。
【0139】
別の特定の態様によれば、抗原結合性ドメインは、GPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合する単鎖可変断片(scFv)である。
【0140】
ある特定の実施形態では、コードされた抗原結合性ドメインは、GPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合するヒト化単鎖可変断片(scFv)である。ある特定の実施形態では、抗原結合性ドメインは、GPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合するヒト化単鎖可変断片(scFv)である。ある特定の実施形態では、ヒト化単鎖可変断片(scFv)は、配列番号167~182のいずれか1つと少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を含む。ある特定の実施形態では、ヒト化単鎖可変断片(scFv)は、配列番号167~182からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド配列を含む。
【0141】
別の特定の態様によれば、キメラ抗原受容体は、1つ以上の抗原結合性ドメインを含む。
【0142】
別の特定の態様によれば、細胞内シグナル伝達ドメインは、1つ以上の共刺激ドメイン及び1つ以上の活性化ドメインを含む。
【0143】
別の一般的な態様では、本発明は、本発明のモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、及び/又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片をコードする単離された核酸に関する。別の一般的な態様では、本発明は、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸を含む単離されたポリヌクレオチドであって、CARが本発明のその抗原結合性ドメインを含む、単離されたポリヌクレオチドに関する。タンパク質のアミノ酸配列を変えることなく、タンパク質のコード配列を変える(例えば、置き換える、欠失させる、挿入するなど)ことができることは、当業者には理解されよう。したがって、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片をコードする核酸配列を、タンパク質のアミノ酸配列を変化させることなく改変することができることは、当業者には理解されよう。
【0144】
別の一般的な態様では、本発明は、モノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片、及び/又は本発明のCARをコードする単離された核酸を含むベクターに関する。本開示を考慮して、当業者に公知の任意のベクター、例えば、プラスミド、コスミド、ファージベクター又はウイルスベクターを使用することができる。一部の実施形態では、ベクターは、組換え発現ベクター、例えばプラスミドである。ベクターは、発現ベクターの従来の機能を確立するための任意のエレメント、例えば、プロモーター、リボソーム結合エレメント、ターミネーター、エンハンサー、選択マーカー及び複製起点を含むことができる。プロモーターは、構成性、誘導性又は抑制性プロモーターであり得る。核酸を細胞に送達することができる多数の発現ベクターは、当該技術分野において公知であり、本明細書において、細胞中の抗体又はその抗原結合性断片の産生に使用することができる。従来のクローニング技術又は人工遺伝子合成を使用して、本発明の実施形態による組換え発現ベクターを生成することができる。
【0145】
別の一般的な態様では、本発明は、本発明のモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、及び/又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片をコードする単離された核酸を含む宿主細胞に関する。本開示に照らして当業者に公知である任意の宿主細胞を、本発明の抗体又はその抗原結合性断片の組換え発現に使用することができる。一部の実施形態では、宿主細胞は、大腸菌(E. coli)TG1又はBL21細胞(例えば、scFv又はFab抗体の発現用)、CHO-DG44又はCHO-K1細胞又はHEK293細胞(例えば、全長IgG抗体の発現用)である。特定の実施形態により、組換え発現ベクターは、従来の方法、例えば、化学的トランスフェクション、熱ショック、又はエレクトロポレーションによって宿主細胞に形質転換され、そこで、組換え核酸が効果的に発現されるように、宿主細胞ゲノムに安定に組み込まれる。
【0146】
別の一般的な態様では、本発明は、本発明のモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片及び/又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を産生する方法であって、本発明のモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を産生する条件下で、モノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片をコードする核酸を含む細胞を培養し、細胞又は細胞培養物から(例えば、上清から)抗体又はその抗原結合性断片を回収することを含む、方法に関する。発現された抗体又はその抗原結合性断片は、当該技術分野において公知である慣用的技術に従って、本明細書に記載されるように細胞から回収され、精製することができる。
【0147】
別の一般的な態様では、本発明は、本発明のCARをコードする単離された核酸を含むベクターで形質導入された細胞に関する。「形質導入された」又は「形質導入」という用語は、外因性核酸が宿主細胞に移入又は導入されるプロセスを指す。「形質導入された」細胞は、外因性核酸で形質導入された細胞である。この細胞には、初代対象細胞及びその子孫が含まれる。ある特定の実施形態では、細胞は、CAR-T細胞、好ましくはヒトCAR-T細胞であり、T細胞は、疾患、例えば、がんを処置するために本発明のCARを発現するように操作される。ある特定の実施形態では、細胞は、CAR-NK細胞、好ましくはヒトCAR-NK細胞であり、本発明のCARを発現するように操作されたNK細胞は、疾患、例えば、がんを処置するために使用される。
【0148】
別の一般的な態様では、本発明は、本発明のCARをコードする単離された核酸を含むベクターでT細胞を形質導入させることによってCAR-T細胞を作製する方法に関する。
【0149】
別の一般的な態様では、本発明は、本発明のキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸を含むT細胞を、CAR-T細胞産生条件下で培養すること、及びCAR-T細胞を回収することを含む、本発明のそのCAR-T細胞を産生する方法に関する。
【0150】
別の一般的な態様では、本発明は、本発明のCARをコードする単離された核酸を含むベクターでNK細胞を形質導入させることによってCAR-NK細胞を作製する方法に関する。
【0151】
別の一般的な態様では、本発明は、そのキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸を含むNK細胞を、CAR-NK細胞産生条件下で培養すること、及びCAR-NK細胞を回収することを含む、本発明のCAR-NK細胞を産生する方法に関する。
【0152】
別の一般的な態様では、本発明は、本発明のキメラ抗原受容体(CAR)を含むRNA操作された細胞の集団を生成する方法に関する。この方法は、本発明のCARをコードする核酸を含む単離されたポリヌクレオチドと細胞集団を接触させることを含み、単離されたポリヌクレオチドは、in vitro転写RNA又は合成RNAである。
【0153】
医薬組成物
別の一般的な態様では、本発明は、単離されたモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片、単離されたポリヌクレオチド、単離されたポリペプチド、宿主細胞、及び/又は本発明の操作された免疫細胞、並びに薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0154】
本明細書で使用される用語「医薬組成物」とは、本発明の単離されたポリヌクレオチド、本発明の単離されたポリペプチド、本発明の宿主細胞、本発明の操作された免疫細胞、抗TIP-1若しくは抗GPC3モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片、及び/又は本発明の二重特異性抗体を薬学的に許容される担体と一緒に含む製品を意味する。本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、宿主細胞、操作された免疫細胞、抗TIP-1若しくは抗GPC3モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片、並びに/或いは本発明の二重特異性抗体及びそれらを含む組成物もまた、本明細書に記載される治療用途のための医薬の製造に有用である。
【0155】
本明細書で使用される場合、用語「担体」は、医薬製剤で使用するための当技術分野で周知である任意の賦形剤、希釈剤、フィラー、塩、緩衝剤、安定剤、可溶化剤、オイル、脂質、脂質含有ベシクル、マイクロスフェア、リポソームカプセル化又は他の材料を指す。担体、賦形剤又は希釈剤の特徴は特定の適用のための投与経路に依存することが理解される。本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される担体」は、本発明による組成物の有効性にも本発明による組成物の生物学的活性にも干渉しない無毒の材料を指す。特定の実施形態により、本開示に照らして、抗体医薬組成物における使用に適した任意の薬学的に許容される担体を本発明において使用することができる。
【0156】
薬学的に活性な成分の薬学的に許容される担体との製剤化は当技術分野、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy(例えば第21版(2005)及び任意の後の版)で公知である。追加の成分の非限定的な例には以下のものが含まれる:緩衝剤、希釈剤、溶媒、張性調節剤、保存剤、安定剤及びキレート剤。1つ以上の薬学的に許容される担体を、本発明の医薬組成物を製剤化する際に使用することができる。
【0157】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は液体製剤である。液体製剤の好ましい例は、水性製剤、すなわち水を含む製剤である。液体製剤は、溶液、懸濁液、エマルジョン、マイクロエマルジョン、ゲルなどを含むことができる。水性製剤は、典型的には、少なくとも50%w/wの水、又は少なくとも60%、70%、75%、80%、85%、90%、若しくは少なくとも95%w/wの水を含む。
【0158】
一実施形態では、医薬組成物は、例えば、注射装置(例えば、シリンジ又は注入ポンプ)を介して注射することができる注射剤として製剤化することができる。注射は、例えば、皮下、筋肉内、腹腔内、硝子体内、又は静脈内に送達することができる。
【0159】
別の実施形態では、医薬組成物は、固体製剤、例えば、そのまま使用することができる凍結乾燥若しくはスプレー乾燥組成物、又は医師若しくは患者が使用前に溶媒及び/若しくは希釈剤を加える際に使用することができる固体製剤である。固体投薬形態は、錠剤、例えば、圧縮錠剤、及び/又はコーティング錠剤、並びにカプセル(例えば、硬質又は軟質ゼラチンカプセル)を含むことができる。医薬組成物はまた、例えば、再構成のためのサッシェ剤、糖衣錠剤、粉末剤、顆粒剤、ロゼンジ剤、又は粉末剤の形態であり得る。
【0160】
投薬形態は、即時放出であり得、その場合、それらは、水溶性又は分散性担体を含むことができ、又は、遅延放出、持続放出、又は改変放出であることができ、その場合、それらは、消化管又は皮膚下での投薬形態の溶解速度を調節する水不溶性ポリマーを含むことができる。
【0161】
他の実施形態では、医薬組成物は、鼻腔内、口腔内、又は舌下に送達することができる。
【0162】
水性製剤のpHは、pH3とpH10の間であり得る。本発明の一実施形態では、製剤のpHは約7.0~約9.5である。本発明の別の実施形態では、製剤のpHは約3.0~約7.0である。
【0163】
本発明の別の実施形態では、医薬組成物は緩衝剤を含む。緩衝剤の非限定的な例には、アルギニン、アスパラギン酸、ビシン、クエン酸塩、リン酸水素二ナトリウム、フマル酸、グリシン、グリシルグリシン、ヒスチジン、リジン、マレイン酸、リンゴ酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、コハク酸、酒石酸、トリシン、及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、並びにそれらの混合物が挙げられる。緩衝剤は、約0.01mg/ml~約50mg/mlの濃度、例えば、約0.1mg/ml~約20mg/mlの濃度で、個々に又は凝集体中に存在することができる。これらの特異的緩衝剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替の実施形態を構成する。
【0164】
本発明の別の実施形態では、医薬組成物は保存剤を含む。保存剤の非限定的な例としては、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、ブロノポール、4-ヒドロキシ安息香酸ブチル、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロヘキシジン、クロルフェネシン、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、4-ヒドロキシ安息香酸エチル、イミデュレア、4-ヒドロキシ安息香酸メチル、フェノール、2-フェノキシエタノール、2-フェニルエタノール、4-ヒドロキシ安息香酸プロピル、デヒドロ酢酸ナトリウム、チオメロサール、及びそれらの混合物が挙げられる。保存剤は、約0.01mg/ml~約50mg/mlの濃度、例えば、約0.1mg/ml~約20mg/mlの濃度で、個々に又は凝集体中に存在することができる。これらの特異的保存剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替の実施形態を構成する。
【0165】
本発明の別の実施形態では、医薬組成物は等張剤を含む。等張剤の非限定的な例には、塩(例えば、塩化ナトリウム)、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、及びスレオニン)、アルジトール(例えば、グリセロール、1,2-プロパンジオールプロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、及び1,3-ブタンジオール)、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400)、及びそれらの混合物が挙げられる。等張剤の別の例には、糖が含まれる。糖の非限定的な例は、単糖、二糖、若しくは多糖、又は水溶性グルカンであり得、例えば、フルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、アルファ及びベータ-HPCD、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、及びカルボキシメチルセルロースナトリウムが含まれる。等張剤の別の例は、糖アルコールであり、用語「糖アルコール」は、少なくとも1つの-OH基を有するC(4~8)炭化水素として定義される。糖アルコールの非限定的な例としては、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、デュルシトール、キシリトール、及びアラビトールが挙げられる。等張剤は、約0.01mg/ml~約50mg/mlの濃度、例えば、約0.1mg/ml~約20mg/mlの濃度で、個々に又は凝集体中に存在することができる。これらの特定の等張剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替の実施形態を構成する。
【0166】
本発明の別の実施形態では、医薬組成物はキレート剤を含む。キレート剤の非限定的な例としては、クエン酸、アスパラギン酸、エチレンジアミン四酢酸の塩(EDTA)、及びそれらの混合物が挙げられる。キレート剤は、約0.01mg/ml~約50mg/mlの濃度、例えば、約0.1mg/ml~約20mg/mlの濃度で、個々に又は凝集体中に存在することができる。これらの特異的キレート剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替の実施形態を構成する。
【0167】
本発明の別の実施形態では、医薬組成物は安定剤を含む。安定剤の非限定的な例には、1つ以上の凝集阻害剤、1つ以上の酸化阻害剤、1つ以上の界面活性剤、及び/又は1つ以上のプロテアーゼ阻害剤が挙げられる。
【0168】
本発明の別の実施形態では、医薬組成物は安定剤を含み、前記安定剤は、カルボキシ-/ヒドロキシセルロース及びそれらの誘導体(例えば、HPC、HPC-SL、HPC-L及びHPMC)、シクロデキストリン、2-メチルチオエタノール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG3350)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、塩(例えば、塩化ナトリウム)、硫黄含有物質、例えば、モノチオグリセロール)、又はチオグリコール酸である。安定剤は、約0.01mg/ml~約50mg/mlの濃度、例えば、約0.1mg/ml~約20mg/mlの濃度で、個々に又は凝集体中に存在することができる。これらの特定の安定剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替の実施形態を構成する。
【0169】
本発明のさらなる実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の界面活性剤、好ましくは1つの界面活性剤、少なくとも1つの界面活性剤、又は2つの異なる界面活性剤を含む。用語「界面活性剤」とは、水溶性(親水性)部分及び脂溶性(親油性)部分で構成される任意の分子又はイオンを指す。界面活性剤は、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、及び/又は両性イオン界面活性剤からなる群から選択することができる。界面活性剤は、約0.1mg/ml~約20mg/mlの濃度で、個々に又は凝集体中に存在することができる。これらの特定の界面活性剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替の実施形態を構成する。
【0170】
本発明のさらなる実施形態では、医薬組成物は、1つ以上のプロテアーゼ阻害剤、例えば、EDTA、及び/又はベンズアミジン塩酸(HCl)を含む。プロテアーゼ阻害剤は、約0.1mg/ml~約20mg/mlの濃度で、個々に又は凝集体中に存在することができる。これらの特異的プロテアーゼ阻害剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替の実施形態を構成する。
【0171】
別の一般的な態様では、本発明は、本発明のモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、及び/又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を含む医薬組成物を産生する方法に関し、該医薬組成物を得るために、モノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、及び/又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を薬学的に許容される担体とともに組み合わせることを含む。
【0172】
使用方法
別の一般的な態様では、本発明は、それを必要とする対象でがんを処置する方法であって、対象に本発明のCAR-T細胞及び/又はCAR-NK細胞を投与することを含む方法に関する。がんは、例えば、限定するものではないが、肺がん、胃がん、食道がん、胆管がん、胆管細胞癌、結腸がん、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、頭頸部がん、膵がん、神経膠腫、神経膠芽腫及び他の固形腫瘍、並びに非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)及び他の液性腫瘍から選択することができる。
【0173】
別の一般的な態様では、本発明は、殺細胞を達成するために、対象におけるがん細胞表面上のTAA(例えば、TIP-1又はGPC3)を標的化する方法に関し、該方法は、TAAに特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、及び/又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片、或いは本発明の単離されたモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、及び/又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を含む医薬組成物を対象に投与することを含む。TAAへのTAAモノクローナル若しくは二重特異性抗体又は抗原結合性断片の結合は、補体依存性細胞傷害性(CDC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)、及び/若しくは抗体依存性細胞傷害性(ADCC)又は標的化がん細胞の死をもたらす他の作用を媒介することができる。モノクローナル若しくは二重特異性抗体又はその抗原結合性断片は、例えば、コンジュゲートした薬剤を動員するのに役立つことができ、及び/又は標的化がん細胞の死を媒介するために別のモノクローナル抗体とともに二重特異性抗体を形成することができる。
【0174】
TAA(例えば、TIP-1又はGPC3)に結合する抗体及びその抗原結合性断片の機能的活性は、当該技術分野において公知である方法によって、及び本明細書に記載される方法によって特徴付けることができる。TAAに結合する抗体及びその抗原結合性断片を特徴付ける方法は、限定するものではないが、Biacore、ELISA、及びOctetRed分析を含む親和性及び特異性アッセイ、並びにFACSによる細胞(TAAを用いてトランスフェクトされた細胞又はTAAを天然に発現する細胞のいずれか)上のTAAへの抗体及び抗原結合性断片の結合の検出を含む。特定の実施形態により、TAAに結合する抗体及びその抗原結合性断片を特徴付ける方法は、以下に記載されるものを含む。
【0175】
別の一般的な態様では、本発明は、TAA(例えば、TIP-1又はGPC3)に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、及び/又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片、又は本発明の医薬組成物を対象に投与することを含む、それを必要とする対象におけるがんを処置する方法に関する。がんは、例えば、限定するものではないが、肺がん、胃がん、食道がん、胆管がん、胆管細胞癌、結腸がん、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、頭頸部がん、膵がん、神経膠腫、神経膠芽腫及び他の固形腫瘍、並びに非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)及び他の液性腫瘍から選択することができる。
【0176】
別の一般的な態様では、本発明は、TAA(例えば、TIP-1又はGPC3)に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、及び/又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片、又は本発明の医薬組成物を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における炎症性疾患を処置する方法に関する。
【0177】
本発明の実施形態によれば、CAR-T細胞又はCAR-NK細胞は、本発明の治療有効量の発現されたCARを含み、医薬組成物は、治療有効量の抗TAA抗体又はその抗原結合性断片(例えば、抗TIP-1抗体又は抗GPC3抗体)を含む。本明細書で使用される場合、用語「治療有効量」は、対象で所望の生物学的又は医薬応答を導き出す活性成分又は構成要素の量を指す。治療有効量は、明記される目的に関して経験的に及びルーチンの方法で決定することができる。
【0178】
CARに関して本明細書で使用される場合、治療有効量は、それを必要とする対象で免疫応答をモジュレートする形質導入されたT細胞又はNK細胞で発現されるCAR分子の量を意味する。さらに、CARに関して本明細書で使用される場合、治療有効量は、疾患、障害若しくは状態の処置をもたらすか、疾患、障害若しくは状態の進行を予防するか若しくは遅らせるか、又は疾患、障害若しくは状態に関連した症状を低減若しくは完全に緩和する、形質導入されたT細胞又はNK細胞で発現されるCAR分子の量を意味する。
【0179】
CAR-T細胞又はCAR-NK細胞に関して本明細書で使用される場合、治療有効量は、それを必要とする対象で免疫応答をモジュレートするCAR-T細胞又はCAR-NK細胞の量を意味する。さらに、CAR-T細胞又はCAR-NK細胞に関して本明細書で使用される場合、治療有効量は、疾患、障害若しくは状態の処置をもたらすか、疾患、障害若しくは状態の進行を予防するか若しくは遅らせるか、又は疾患、障害若しくは状態に関連した症状を低減若しくは完全に緩和するCAR-T細胞又はCAR-NK細胞の量を意味する。
【0180】
抗TAA抗体又はその抗原結合性断片に関して本明細書で使用される場合、治療有効量とは、それを必要とする対象における免疫応答をモジュレートする抗TAA抗体又はその抗原結合性断片の量を意味する。また、抗TAA抗体又はその抗原結合性断片に関して本明細書で使用される場合、治療有効量は、疾患、障害若しくは状態の処置をもたらすか、疾患、障害若しくは状態の進行を予防するか若しくは遅らせるか、又は疾患、障害若しくは状態に関連した症状を低減若しくは完全に緩和する、抗TAA抗体又はその抗原結合性断片の量を意味する。
【0181】
特定の実施形態により、処置される疾患、障害又は状態はがんであり、好ましくは、肺がん、胃がん、食道がん、胆管がん、胆管細胞癌、結腸がん、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、頭頸部がん、膵がん、神経膠腫、神経膠芽腫及び他の固形腫瘍、並びに非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)及び他の液性腫瘍からなる群から選択されるがんである。他の特定の実施形態により、処置される疾患、障害又は状態は炎症性疾患である。
【0182】
特定の実施形態により、治療有効量は以下の効果の1、2、3、4つ又はそれより多くを達成するのに十分である療法の量を指す:(i)処置すべき疾患、障害若しくは状態又はそれに関連した症状の重症度を低減若しくは改善すること、(ii)処置すべき疾患、障害若しくは状態又はそれに関連した症状の期間を低減すること、(iii)処置すべき疾患、障害若しくは状態又はそれに関連した症状の進行を阻止すること、(iv)処置すべき疾患、障害若しくは状態又はそれに関連した症状の退行を引き起こすこと、(v)処置すべき疾患、障害若しくは状態又はそれに関連した症状の発達又は開始を阻止すること、(vi)処置すべき疾患、障害若しくは状態又はそれに関連した症状の再発を阻止すること、(vii)処置すべき疾患、障害若しくは状態又はそれに関連した症状を有する対象の入院を低減すること、(viii)処置すべき疾患、障害若しくは状態又はそれに関連した症状を有する対象の入院期間を低減すること、(ix)処置すべき疾患、障害若しくは状態又はそれに関連した症状を有する対象の生存を増加させること、(xi)対象で処置すべき疾患、障害若しくは状態又はそれに関連した症状を抑制又は低減すること、及び/又は(xii)別の療法の予防的又は治療的効果を増強又は向上させること。
【0183】
治療有効量又は投薬量は、様々な因子、例えば処置すべき疾患、障害又は状態、投与手段、標的部位、対象の生理的状態(例えば、年齢、体重、健康状態を含む)、対象がヒトであるか又は動物であるか、投与される他の医薬品、及び処置が予防的であるか又は治療的であるかによって異なることができる。安全性及び効力を最適化するために、処置投薬量は最適に滴定される。
【0184】
特定の実施形態により、本明細書に記載される組成物は、対象への意図された投与経路に好適であるように製剤化される。例えば、本明細書に記載される組成物は、静脈内、皮下又は筋肉内投与のために好適であるように製剤化することができる。
【0185】
本発明の細胞は、当業者に公知である任意の好都合な方法で投与することができる。例えば、本発明の細胞は、エアゾール吸入、注射、摂取、輸血、植え込み及び/又は移植によって対象に投与することができる。本発明の細胞を含む組成物は、経動脈、皮下、皮内、腫瘍内、節内、髄内、筋肉内、胸膜内に、静脈内(i.v.)注射により、又は腹腔内に投与することができる。ある特定の実施形態では、本発明の細胞は、対象のリンパ除去の有無にかかわらず投与することができる。
【0186】
本発明のCARを発現する本発明の細胞を含む医薬組成物は、無菌の液体製剤、一般的に細胞懸濁液を有する等張性の水性溶液で、又は必要に応じて乳剤、分散液などとして提供することができ、それらは選択されたpHに一般的に緩衝される。組成物は、細胞の完全性及び生存能力のために、並びに細胞組成物の投与のために好適である担体、例えば水、食塩水、リン酸緩衝食塩水などを含むことができる。
【0187】
無菌の注射用溶液は、本発明の細胞を、所望により様々な他の成分と一緒に好適な量の適当な溶媒の中に組み込むことによって調製することができる。そのような組成物は、細胞組成物での使用及び対象、例えばヒトへの投与のために好適である、薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤、例えば無菌水、生理的食塩水、グルコース、ブドウ糖などを含むことができる。細胞組成物を提供するために好適な緩衝剤は、当技術分野で周知である。使用される任意のビヒクル、希釈剤又は添加剤は、本発明の細胞の完全性及び生存能力の保存に適合する。
【0188】
本発明の細胞は、任意の生理的に許容されるビヒクルで投与することができる。本発明の細胞を含む細胞集団は、精製された細胞の集団を含むことができる。当業者は、様々な周知の方法を使用して細胞集団中の細胞を容易に決定することができる。本発明の遺伝子改変細胞を含む細胞集団における純度の範囲は、約50%~約55%、約55%~約60%、約60%~約65%、約65%~約70%、約70%~約75%、約75%~約80%、約80%~約85%、約85%~約90%、約90%~約95%、又は約95%~約100%であってよい。投薬量は当業者が容易に調整することができ、例えば純度の低下は投薬量の増加を必要とするかもしれない。
【0189】
本発明の細胞は、一般的に細胞が投与される対象の体重1キログラムあたりの細胞数(細胞数/kg)に基づく用量として投与される。一般的に、細胞用量は、投与の様式及び位置によって体重1kgあたり約104~約1010細胞数、例えば、約105~約109、約105~約108、約105~約107又は約105~約106の範囲内である。一般に、全身投与の場合、本発明の免疫細胞が腫瘍及び/又はがんの領域内に投与される領域投与より高い用量が使用される。例示的な用量範囲には、限定するものではないが、1×104~1×108、2×104~1×108、3×104~1×108、4×104~1×108、5×104~6×108、7×104~1×108、8×104~1×108、9×104~1×108、1×105~1×108、1×105~9×107、1×105~8×107、1×105~7×107、1×105~6×107、1×105~5×107、1×105~4×107、1×105~4×107、1×105~3×107、1×105~2×107、1×105~1×107、1×105~9×106、1×105~8×106、1×105~7×106、1×105~6×106、1×105~5×106、1×105~4×106、1×105~4×106、1×105~3×106、1×105~2×106、1×105~1×106、2×105~9×107、2×105~8×107、2×105~7×107、2×105~6×107、2×105~5×107、2×105~4×107、2×105~4×107、2×105~3×107、2×105~2×107、2×105~1×107、2×105~9×106、2×105~8×106、2×105~7×106、2×105~6×106、2×105~5×106、2×105~4×106、2×105~4×106、2×105~3×106、2×105~2×106、2×105~1×106、3×105~3×106細胞数/kgなどが含まれる。さらに、用量は、単回用量が投与されるか又は複数回用量が投与されるか説明するように調整することができる。何が有効用量とみなされるかという正確な決定は、各対象の個別の因子に基づくことができる。
【0190】
本明細書で使用される場合、用語「処置する」、「処置すること」及び「処置」は、全て、必ずしも対象で識別できないが対象で識別できるものであってよい、がん及び/又は炎症性の疾患、障害又は状態に関係する少なくとも1つの測定可能な物理的パラメータの改善又は好転を指すものである。用語「処置する」、「処置すること」及び「処置」は、疾患、障害又は状態の退行を引き起こすこと、進行を阻止すること、又は進行を少なくとも遅らせることを指すこともできる。特定の一実施形態では、「処置する」、「処置すること」及び「処置」は、疾患、障害又は状態、例えば腫瘍、より好ましくはがんに関連した1つ以上の症状の軽減、その発達若しくは発症の予防、又はその持続期間の低減を指す。特定の一実施形態では、「処置する」、「処置すること」及び「処置」は、疾患、障害又は状態の再発の予防を指す。特定の一実施形態では、「処置する」、「処置すること」及び「処置」は、疾患、障害又は状態を有する対象の生存の増加を指す。特定の一実施形態では、「処置する」、「処置すること」及び「処置」は、対象における疾患、障害又は状態の排除を指す。
【0191】
特定の実施形態により、がん及び/又は炎症性の疾患、障害又は状態の処置で使用される組成物が提供される。がん療法のために、提供される組成物は、限定するものではないが、化学療法、抗CD20 mAb、抗TIM-3 mAb、抗LAG-3 mAb、抗EGFR mAb、抗HER-2 mAb、抗CD19 mAb、抗CD33 mAb、抗CD47 mAb、抗CD73 mAb、抗DLL-3 mAb、抗アペリンmAb、抗FOLR1 mAb、抗CTLA-4 mAb、抗PD-L1 mAb、抗PD-1 mAb、抗Claudin18.2 mAb、他の免疫腫瘍薬、抗血管新生薬、放射線療法、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)、標的化療法又は他の抗がん薬を含む別の処置と組み合わせて使用することができる。所定のTAAに対する抗体を使用して、両方のTAAを発現するがん/腫瘍を処置するための、PD-1、PD-L1、LAG3、TIM-3、CTLA-4、EGFR、HER-2、CD19、CD20、CD33、CD73、CD47、CD3、アペリン、DLL-3、TIP-1、GPC3、Claudin18.2、葉酸受容体アルファ(FOLR1)、及び/又は第2のTAAに対するパートナーmAbとともに二重特異性抗体を構築することができる。同じTAA上の2つの異なるエピトープを認識する2つの抗体を用いて、TAAを発現するがん/腫瘍を処置するための二重特異性抗体を構築することもできる。
【0192】
特定の実施形態により、それを必要とする対象でがんを処置する方法は、対象に本発明のCAR-T細胞及び/又はCAR-NK細胞を、CAR分子を発現する細胞の有効性を増加させる薬剤と組み合わせて投与することを含む。そのような薬剤には、限定するものではないが、CD73、CD39、PD1、PD-L1、PD-L2、CTLA4、TIM3若しくはLAG3、又はアデノシンA2a受容体アンタゴニストに結合する抗体断片が含まれる。
【0193】
特定の実施形態により、それを必要とする対象でがんを処置する方法は、対象に本発明のCAR-T細胞及び/又はCAR-NK細胞を、CAR分子を発現する細胞の投与と関連する1つ以上の副作用を改善する薬剤と組み合わせて投与することを含む。そのような薬剤には、限定するものではないが、ステロイド、TNFαの阻害剤、又はIL-6の阻害剤が含まれる。
【0194】
特定の実施形態により、それを必要とする対象でがんを処置する方法は、対象に本発明のCAR-T細胞及び/又はCAR-NK細胞を、GPC3に関連した疾患を処置する薬剤と組み合わせて投与することを含む。そのような薬剤は、限定するものではないが、抗GPC3モノクローナル抗体又は二重特異性抗体を含む。
【0195】
本明細書で使用される場合、対象への2つ以上の療法の投与の文脈において、用語「組み合わせて」は、複数の療法の使用を指す。用語「組み合わせて」の使用は、療法が対象に投与される順序を制限しない。例えば、第1の療法(例えば、本明細書に記載される組成物)は、対象への第2の療法の投与の前に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間又は12週間前に)、それと同時に、又はその後に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間又は12週間後に)投与することができる。
【0196】
別の一般的な態様では、本発明は、対象におけるTAA(例えば、TIP-1又はGPC3)のレベルを決定する方法に関する。本方法は、(a)対象から試料を得ること、(b)試料を本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片と接触させること、及び(c)対象におけるTAAのレベルを決定することを含む。
【0197】
本明細書で使用される場合、「試料」とは、対象から単離された生物学的試料を指し、限定するものではないが、全血、血清、血漿、血液細胞、内皮細胞、組織生検(例えば、がん組織)、リンパ液、腹水、間質液、骨髄、脳脊髄液、唾液、粘液、痰、汗、尿、又は任意の他の分泌物、排泄物、若しくは他の体液を含むことができる。「血液試料」とは、全血又はその任意の画分を指し、血液細胞、血清、及び血漿を含む。
【0198】
ある特定の実施形態では、対象におけるTAA(例えば、TIP-1又はGPC3)のレベルは、限定するものではないが、ウエスタンブロットアッセイ、免疫組織化学(IHC)及びELISAアッセイから選択されるアッセイを用いて決定することができる。相対タンパク質レベルはウエスタンブロット分析及びIHCを利用することによって決定することができ、絶対タンパク質レベルはELISAアッセイを利用することによって決定することができる。TAAの相対レベルを決定する場合、TAAのレベルは、少なくとも2つの試料間、例えば、異なる時点での同一対象由来の試料間、同一対象内の異なる組織由来の試料間、及び/又は異なる対象由来の試料間で決定することができる。或いは、例えばELISAアッセイによってTAAの絶対レベルを決定する場合、試料中のTAAの絶対レベルは、試料を試験する前に、ELISAアッセイ用の標準を作製することによって決定することができる。当業者は、本発明の抗体又はその抗原結合性断片を利用して、対象由来の試料中のTAAのレベルを決定するために利用する分析技術を理解する。
【0199】
対象由来の試料中のTAA(例えば、TIP-1又はGPC3)のレベルを決定する方法を利用することは、疾患における異常な(上昇した、低減した、又は不十分な)TAAレベルの診断をもたらし、適切な治療決定を行うことができる。そのような疾患は、限定するものではないが、がん及び炎症性疾患から選択することができる。さらに、対象におけるTAAのレベルをモニタリングすることによって、上記のような疾患を発症するリスクは、特定の疾患におけるTAAのレベルの知識に基づいて、及び/又は特定の疾患の進行中に決定することができる。
【0200】
実施形態
本発明は、以下の非限定的実施形態も提供する。
【0201】
実施形態1は、
(1)それぞれ配列番号87、88、89、90、91及び92、
(2)それぞれ配列番号108、109、110、111、112及び113、
(3)それぞれ配列番号17、18、19、20、21及び22、
(4)それぞれ配列番号31、32、33、34、35及び36、
(5)それぞれ配列番号45、46、47、48、49及び50、
(6)それぞれ配列番号59、60、61、62、63及び64、又は
(7)それぞれ配列番号73、74、75、76、77及び78、
のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片であって、抗体又はその抗原結合性断片は、GPC3に特異的に結合し、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片である。
【0202】
実施形態2は、
(1)それぞれ配列番号93、94、95、96、97及び98、
(2)それぞれ配列番号114、115、116、117、118及び119、
(3)それぞれ配列番号23、24、25、26、27及び28、
(4)それぞれ配列番号37、38、39、40、41及び42、
(5)それぞれ配列番号51、52、53、54、55及び56、
(6)それぞれ配列番号65、66、67、68、69及び70、又は
(7)それぞれ配列番号79、80、81、82、83及び84、
のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片であって、抗体又はその抗原結合性断片は、GPC3に特異的に結合し、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片である。
【0203】
実施形態3は、
(1)それぞれ配列番号3、4、5、6、7及び8
のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片であって、抗体又はその抗原結合性断片は、TIP-1、好ましくはヒトTIP-1に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片である。
【0204】
実施形態4は、
(1)それぞれ配列番号9、10、11、12、13及び14
のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片であって、抗体又はその抗原結合性断片は、TIP-1、好ましくはヒトTIP-1に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片である。
【0205】
実施形態5は、配列番号85、106、15、29、43、57、71若しくは1と少なくとも95%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号86、107、16、30、44、58、72若しくは2と少なくとも95%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、実施形態1~4のいずれか1つの単離されたモノクローナル抗体又は抗原結合性断片である。
【0206】
実施形態6は、
(1)配列番号85のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号86のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(2)配列番号106のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号107のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(3)配列番号15のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号16のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(4)配列番号29のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号30のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(5)配列番号43のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号44のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(6)配列番号57のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号58のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(7)配列番号71のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号72のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
(8)配列番号1のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号2のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域
を含む、実施形態1~5のいずれか1つの単離されたモノクローナル抗体又は抗原結合性断片である。
【0207】
実施形態7は、抗体又はその抗原結合性断片がキメラであり、及び/又はヒトであるか若しくはヒト化される、実施形態1~6のいずれか1つの単離されたモノクローナル抗体又は抗原結合性断片である。
【0208】
実施形態8は、ヒト化モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片が、配列番号99~102、120~123、126~132、139~140、143~149、153~156、160~163、183~197、若しくは202~205のいずれか1つと少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、或いは配列番号103~105、124~125、133~138、141~142、150~152、157~159、164~166、若しくは198~201のいずれか1つと少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、実施形態7の単離されたモノクローナル抗体又は抗原結合性断片である。
【0209】
実施形態9は、ヒト化モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片が、
(1)配列番号99のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(2)配列番号99のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(3)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(4)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(5)配列番号101のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(6)配列番号101のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(7)配列番号102のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号105のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(8)配列番号120のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(9)配列番号120のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(10)配列番号121のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(11)配列番号121のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(12)配列番号122のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(13)配列番号122のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(14)配列番号123のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(15)配列番号139のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号141のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(16)配列番号139のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号142のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(17)配列番号140のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号141のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(18)配列番号140のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号142のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(19)配列番号153のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号157のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(20)配列番号153のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号158のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(21)配列番号154のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号157のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(22)配列番号154のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号158のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(23)配列番号143のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(24)配列番号144のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(25)配列番号145のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(26)配列番号147のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(27)配列番号147のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(28)配列番号148のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(29)配列番号148のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(30)配列番号149のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(31)配列番号149のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(32)配列番号160のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(33)配列番号161のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(34)配列番号162のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(35)配列番号163のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(36)配列番号205のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(37)配列番号202のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(38)配列番号203のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(39)配列番号204のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(40)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号198のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(41)配列番号183のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(42)配列番号183のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号198のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(43)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(44)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(45)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(46)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(47)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(48)配列番号188のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(49)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(50)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(51)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(52)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(53)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(54)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(55)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(56)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(57)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(58)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(59)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(60)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(61)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(62)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(63)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(64)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(65)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(66)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(67)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(68)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(69)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(70)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(71)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(72)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(73)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(74)配列番号196のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号201のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
(75)配列番号197のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号201のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域
を含む、実施形態8の単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片である。
【0210】
実施形態10は、単離された抗体又はその抗原結合性断片が、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)、及び/若しくは補体依存性細胞傷害性(CDC)を介して、エフェクター媒介性腫瘍細胞溶解を誘導することができ、並びに/又は結合体化薬剤の動員を媒介することができ、並びに/又は殺がん作用を有する別のmAb又はその抗原結合性断片と二重特異性抗体を形成することができる、実施形態1~9のいずれか1つの単離されたモノクローナル抗体又は抗原結合性断片である。
【0211】
実施形態11は、実施形態1~10のいずれか1つのモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を含む、単離された二重特異性抗体又はその抗原結合性断片である。
【0212】
実施形態12は、実施形態1~10のいずれか1つのモノクローナル抗体又は抗原結合性断片をコードする単離された核酸である。
【0213】
実施形態13は、実施形態11の二重特異性抗体又はその抗原結合性断片をコードする単離された核酸である。
【0214】
実施形態14は、実施形態12又は13の単離された核酸を含むベクターである。
【0215】
実施形態15は、実施形態14のベクターを含む宿主細胞である。
【0216】
実施形態16は、実施形態1~10のいずれか1つの単離されたモノクローナル抗体若しくは抗原結合性断片、又は実施形態11の二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物である。
【0217】
実施形態17は、実施形態16の医薬組成物を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における、がん細胞表面上のTAAを標的化し、及び/又はがんを処置し、及び/又は炎症性疾患を処置する方法であって、必要に応じて、がんは、肺がん、胃がん、食道がん、胆管がん、胆管細胞癌、結腸がん、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、頭頸部がん、膵がん、神経膠腫、神経膠芽腫及び他の固形腫瘍、並びに非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)及び他の液性腫瘍からなる群から選択される、方法である。
【0218】
実施形態18は、実施形態1~10のいずれか1つのモノクローナル抗体若しくは抗原結合性断片、又は実施形態11の二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を産生する方法であって、モノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片をコードする核酸を含む細胞を、モノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を産生する条件下で培養し、モノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を細胞又は培養物から回収することを含む方法である。
【0219】
実施形態19は、実施形態1~10のいずれか1つのモノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は実施形態11の二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を含む医薬組成物を産生する方法であって、モノクローナル抗体若しくはその抗原結合性断片、又は二重特異性抗体若しくはその抗原結合性断片を薬学的に許容される担体と組み合わせて医薬組成物を得ることを含む方法である。
【0220】
実施形態20は、対象におけるTAAのレベルを決定する方法であって、
a.対象から試料を得ること、
b.試料を、実施形態1~10のいずれか1つの単離されたモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片と接触させること、及び
c.対象におけるTAAのレベルを決定すること
を含む方法である。
【0221】
実施形態21は、試料が組織試料又は血液試料であり、必要に応じて、組織試料ががん組織試料である、実施形態20の方法である。
【0222】
実施形態22は、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸配列を含む単離されたポリヌクレオチドであって、CARが、
(a)GPC3に特異的に結合する少なくとも1つの抗原結合性ドメインを含む細胞外ドメイン、
(b)ヒンジ領域、
(c)膜貫通領域、及び
(d)細胞内シグナル伝達ドメイン
を含む、単離されたポリヌクレオチドである。
【0223】
実施形態23は、抗原結合性ドメインが、
(1)それぞれ配列番号87、88、89、90、91及び92、
(2)それぞれ配列番号108、109、110、111、112及び113、
(3)それぞれ配列番号17、18、19、20、21及び22、
(4)それぞれ配列番号31、32、33、34、35及び36、
(5)それぞれ配列番号45、46、47、48、49及び50、
(6)それぞれ配列番号59、60、61、62、63及び64、又は
(7)それぞれ配列番号73、74、75、76、77及び78、
のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗原結合性ドメインがGPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合する、実施形態22の単離されたポリヌクレオチドである。
【0224】
実施形態24は、抗原結合性ドメインが、
(1)それぞれ配列番号93、94、95、96、97及び98、
(2)それぞれ配列番号114、115、116、117、118及び119、
(3)それぞれ配列番号23、24、25、26、27及び28、
(4)それぞれ配列番号37、38、39、40、41及び42、
(5)それぞれ配列番号51、52、53、54、55及び56、
(6)それぞれ配列番号65、66、67、68、69及び70、又は
(7)それぞれ配列番号79、80、81、82、83及び84、
のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗原結合性ドメインがGPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合する、実施形態22の単離されたポリヌクレオチドである。
【0225】
実施形態25は、抗原結合性ドメインが配列番号85、106、15、29、43、57若しくは71に少なくとも95%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号86、107、16、30、44、58若しくは72に少なくとも95%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、実施形態22~24のいずれか1つの単離されたポリヌクレオチドである。
【0226】
実施形態26は、抗原結合性ドメインが、
a.配列番号85のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号86のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号106のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号107のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号15のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号16のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号29のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号30のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号43のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号44のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号57のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号58のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
g.配列番号71のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号72のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域
を含む、実施形態25の単離されたポリヌクレオチドである。
【0227】
実施形態27は、抗原結合性ドメインがヒト化され、配列番号99~102、120~123、126~132、139~140、143~149、153~156、160~163、183~197、若しくは202~205と少なくとも95%同一であるポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号103~105、124~125、133~138、141~142、150~152、157~159、164~166、若しくは198~201と少なくとも95%同一であるポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、実施形態22~24のいずれか1つの単離されたポリヌクレオチドである。
【0228】
実施形態28は、抗原結合性ドメインがヒト化され、
(1)配列番号99のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(2)配列番号99のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(3)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(4)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(5)配列番号101のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(6)配列番号101のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(7)配列番号102のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号105のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(8)配列番号120のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(9)配列番号120のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(10)配列番号121のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(11)配列番号121のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(12)配列番号122のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(13)配列番号122のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号125のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(14)配列番号123のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号124のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(15)配列番号139のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号141のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(16)配列番号139のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号142のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(17)配列番号140のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号141のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(18)配列番号140のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号142のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(19)配列番号153のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号157のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(20)配列番号153のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号158のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(21)配列番号154のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号157のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(22)配列番号154のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号158のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(23)配列番号143のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(24)配列番号144のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(25)配列番号145のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号150のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(26)配列番号147のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(27)配列番号147のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(28)配列番号148のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(29)配列番号148のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(30)配列番号149のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号151のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(31)配列番号149のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号152のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(32)配列番号160のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(33)配列番号161のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(34)配列番号162のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(35)配列番号163のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(36)配列番号205のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(37)配列番号202のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(38)配列番号203のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(39)配列番号204のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号164のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(40)配列番号100のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号198のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(41)配列番号183のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(42)配列番号183のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号198のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(43)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(44)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(45)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(46)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(47)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(48)配列番号188のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号103のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(49)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(50)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(51)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(52)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(53)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(54)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(55)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(56)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(57)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(58)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(59)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(60)配列番号189のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(61)配列番号190のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(62)配列番号191のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(63)配列番号192のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(64)配列番号193のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(65)配列番号186のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(66)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(67)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(68)配列番号195のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(69)配列番号194のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(70)配列番号185のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(71)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号104のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(72)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号200のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(73)配列番号187のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号199のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(74)配列番号196のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号201のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
(75)配列番号197のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号201のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域
を含む、実施形態27の単離されたポリヌクレオチドである。
【0229】
実施形態29は、抗原結合性ドメインがGPC3、好ましくはヒトGPC3に特異的に結合する単鎖可変断片(scFv)である、実施形態22~28のいずれか1つの単離されたポリヌクレオチドである。
【0230】
実施形態30は、単鎖可変断片(scFv)がヒト化される、実施形態29の単離されたポリヌクレオチドである。
【0231】
実施形態31は、単鎖可変断片(scFv)が、配列番号167~182のいずれか1つに少なくとも95%同一であるポリペプチド配列を含む、実施形態29又は30の単離されたポリヌクレオチドである。
【0232】
実施形態32は、キメラ抗原受容体(CAR)が1つ以上の抗原結合性ドメインを含む、実施形態22~31のいずれか1つの単離されたポリヌクレオチドである。
【0233】
実施形態33は、細胞内シグナル伝達ドメインが1つ以上の共刺激ドメイン及び1つ以上の活性化ドメインを含む、実施形態22~32のいずれか1つの単離されたポリヌクレオチドである。
【0234】
実施形態34は、実施形態22~33のいずれか1つの単離されたポリヌクレオチドによってコードされるキメラ抗原受容体(CAR)である。
【0235】
実施形態35は、実施形態22~33のいずれか1つの単離されたポリヌクレオチドを含むベクターである。
【0236】
実施形態36は、実施形態35のベクターを含む宿主細胞である。
【0237】
実施形態37は、宿主細胞がT細胞、好ましくはヒトT細胞である、実施形態36の宿主細胞である。
【0238】
実施形態38は、宿主細胞がNK細胞、好ましくはヒトNK細胞である、実施形態36の宿主細胞である。
【0239】
実施形態39は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現する宿主細胞を作製する方法であって、実施形態35のベクターでT細胞を形質導入させることを含む方法である。
【0240】
実施形態40は、キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞を産生する方法であって、実施形態22~33のいずれか1つのキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸を含む単離されたポリヌクレオチドを含むT細胞をCAR-T細胞産生条件下で培養すること、及びCAR-T細胞を回収することを含む方法である。
【0241】
実施形態41は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現する宿主細胞を作製する方法であって、実施形態35のベクターでNK細胞を形質導入させることを含む方法である。
【0242】
実施形態42は、キメラ抗原受容体(CAR)-NK細胞を産生する方法であって、実施形態22~33のいずれか1つのキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸を含む単離されたポリヌクレオチドを含むNK細胞をCAR-NK細胞産生条件下で培養すること、及びCAR-NK細胞を回収することを含む方法である。
【0243】
実施形態43は、キメラ抗原受容体(CAR)を含む細胞を生成する方法であって、実施形態22~33のいずれか1つのキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸を含む単離されたポリヌクレオチドと細胞を接触させることを含み、単離されたポリヌクレオチドはin vitro転写RNA又は合成RNAである、方法である。
【0244】
実施形態44は、実施形態36~38のいずれか1つの宿主細胞を、それを必要とする対象に投与することを含む、それを必要とする対象におけるがんを処置する方法であって、必要に応じて、がんは、肺がん、胃がん、食道がん、胆管がん、胆管細胞癌、結腸がん、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、頭頸部がん、膵がん、神経膠腫、神経膠芽腫及び他の固形腫瘍、並びに非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)及び他の液性腫瘍から選択される、方法である。
【0245】
実施形態45は、それを必要とする対象にCARを発現する細胞の有効性を増加させる薬剤を投与することをさらに含む、実施形態44の方法である。
【0246】
実施形態46は、それを必要とする対象にCARを発現する細胞の投与と関連する1つ以上の副作用を改善する薬剤を投与することをさらに含む、実施形態44の方法である。
【0247】
実施形態47は、それを必要とする対象にGPC3に関連した疾患を処置する薬剤を投与することをさらに含む、実施形態44の方法である。
【0248】
[実施例]
[実施例1]
抗TAAモノクローナル抗体の同定
マウスを抗原で免疫し、ハイブリドーマを産生し、ELISA及び/又はFACSによりスクリーニングした。陽性クローンを単離し、配列決定した。
【0249】
抗TAAモノクローナル抗体の重鎖及び軽鎖可変領域(それぞれVH及びVL領域)の配列を表1及び2に提供し、抗TAAモノクローナル抗体のCDR領域を表3~6に提供する。
【0250】
【0251】
【0252】
【0253】
【0254】
【0255】
【0256】
[実施例2]
トランスフェクトされた細胞の培養培地からのmAbの生成及び精製
組換え抗TAAキメラmAbを得るために、ヒトIgG1重鎖及びカッパ軽鎖の定常領域にそれぞれ融合したマウス可変領域(VH及びVL)を含有する発現ベクターを、ExpiCHO-S又はExpi293F細胞に一過的にトランスフェクトした。ExpiCHO-S又はExpi293F細胞の懸濁液中に産生された組換え抗体を、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製した。
【0257】
[実施例3]
精製されたキメラmAbのELISA結合分析
精製キメラmAbを、固定化TIP-1に結合するそれらの能力についてELISAアッセイにおいて試験した。PBS緩衝液中の組換えヒトTIP-1を、室温で1時間、96ウェルプレート上に被覆した。プレートをTBST中の5%BSAにより室温で1時間ブロックする。個々のプレートの各ウェルにおいて、種々の濃度のmAbを1時間、室温でインキュベートした。プレートを洗浄し、西洋ワサビペルオキシダーゼ(hIgG-HRP)(ThermoFisher Scientific, Cat#: H10007)にコンジュゲートした抗ヒトIgGを1時間、室温でインキュベートすることによって、TIP-1への結合を検出した。次に、洗浄後、ワンステップ検出溶液(ThermoFisher Scientific, Cat#: 34028)を用いてELISAを発色し、450nmにおける吸光度として測定した。抗GPC3キメラ抗体は、ニッケル被覆プレート(ThermoFisher, Cat#: 15442)を使用した以外は、同様のアッセイにおいて試験された。結果を
図1及び
図2A~2Bに示す。
【0258】
[実施例4]
精製されたmAbのFACS結合分析
完全長ヒトGPC3を発現するHEK293細胞を96ウェルプレートに移した。約50,000個の細胞を精製キメラ抗GPC3 mAb(ヒトIgG1重鎖及びカッパ軽鎖の定常領域にそれぞれ融合したマウスmAbの可変領域)とともに15分間、4
oCで種々の濃度でインキュベートした。いくつかの例では、ウェルあたり100,000個の細胞を使用した。次に、細胞を5分間遠心分離し、FACS緩衝液(5%BSA及び0.05%アジ化ナトリウムを補足したHBSS)で1回洗浄した。次に、細胞をAlexa Fluor 488コンジュゲートした抗ヒトIgG二次抗体(ThermoFisher, Cat#: H10120)とともにインキュベートし、氷上でさらに15分間インキュベートした。次に、細胞をFACS緩衝液中で1回洗浄し、FACS緩衝液に再懸濁した。次に、細胞をAttune NxTに泳動させ、データをAttune NxTソフトウェアによって分析した。結果を
図2C~2Eに示す。GPC3発現のないHEK293細胞を陰性対照として使用した(
図2F~2G)。
【0259】
[実施例5]
抗GPC3 mAbのヒト化
ヒト患者に使用した場合、免疫原性の可能性を減少させるためにマウス抗GPC3 mAbをヒト化した。重鎖及び軽鎖(VH及びVL)の可変領域の配列を、Protein Data Bank(PDB)データベース中のヒト抗体配列と比較し、相同性モデルを構築した。マウスmAbの重鎖と軽鎖の両方のCDRを、抗原結合に必要と思われる適切な構造を維持する可能性が最も高いヒトフレームワークに移植した。ヒト残基からマウス残基へのバック突然変異又は他の突然変異は、必要に応じて設計した。ヒト化VH及びVL領域の配列を表7に示す。ヒト化VH及びVL領域をそれぞれヒトIgG1重鎖及びカッパ軽鎖の定常領域に融合させた。ヒト化mAbのGPC3への結合を、FACSアッセイを用いて評価した(
図3A~3O)。M3-H1L1とは、表7に示されるM3-H1重鎖及びM3-L1軽鎖を用いて構築されたヒト化mAbを指し、他のヒト化クローンは同じ命名規則に従う。
【0260】
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
【表7-4】
【表7-5】
【0261】
[実施例6]
抗GPC3 mAbs scFv分子の構築
抗GPC3 mAbsのヒト化配列を用いて、ヒトIgG1 Fc領域に融合したscFv分子を構築した。設計されたscFv分子の配列を表8に列挙する。融合分子をCHO細胞中で発現させ、精製し、FACSアッセイを用いてGPC3への結合について試験した(
図4A~4E)。
【0262】
【0263】
当業者には、上記の実施形態に対して、その広義の発明概念から逸脱することなく変更がなされ得ることは理解されよう。したがって、本発明は、開示した特定の実施形態に限定されず、本明細書によって定義されている本発明の趣旨及び範囲内の改変を網羅するものとすると理解される。
【配列表】
【国際調査報告】