(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-20
(54)【発明の名称】前立腺肥大症施術装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/12 20060101AFI20230613BHJP
【FI】
A61B17/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567899
(86)(22)【出願日】2021-01-07
(85)【翻訳文提出日】2022-11-07
(86)【国際出願番号】 KR2021000172
(87)【国際公開番号】W WO2022045491
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】10-2020-0109927
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522435610
【氏名又は名称】シダーズ ヘルス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョン ユンホ
(72)【発明者】
【氏名】パク ゴンソン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD01
4C160DD22
4C160MM53
(57)【要約】
本発明の前立腺肥大症施術装置は、前立腺の尿道を圧迫する前立腺の外側に上下に配置される一対のアンカー210、220と、一対のアンカー210、220を互いに連結して一対のアンカー210、220が前立腺組織を連続的に圧迫して前立腺尿度が確保されるようにする結紮糸230を有するアンカー組立体200と;尿道に挿入され、アンカー組立体200が前立腺に結紮されるように案内するニードル350を収容するシース300と;ニードル350がシース300の端部を介して排出されるようにニードル350の移動を操作するニードル操作部400とを含む。また、ニードル操作部400の一側に備えられ、結紮糸230を巻取してアンカー組立体200が前立腺を圧迫する強度を調節する糸ワインダー500と;シース300の端部と、ニードル操作部400と、糸ワインダー500とを支持し、施術者が把持するハンドルフレーム部100とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前立腺尿道を圧迫する前立腺の外側に上下に配置される一対の第1のアンカー210および第2のアンカー220と、前記一対の第1のアンカー210および第2のアンカー220を互いに連結して、前記一対の第1のアンカー210および第2のアンカー220が前記前立腺の組織を連続的に圧迫して前立腺尿道を確保させる結紮糸230を有するアンカー組立体200と;
尿道に挿入され、前記アンカー組立体200が前記前立腺に結紮されるように案内するニードル350を収容するシース300と;
前記ニードル350が前記シース300の端部を介して排出されるように前記ニードル350の移動を操作するニードル操作部400と;
前記ニードル操作部400の一側に備えられ、前記結紮糸230を巻取して前記アンカー組立体200が前記前立腺を圧迫する強度を調節する糸ワインダー500と;
前記シース300の端部と前記ニードル操作部400と前記糸ワインダー500とを支持し、施術者が把持するハンドルフレーム部100とを含むことを特徴とする前立腺肥大症施術装置。
【請求項2】
前記第1のアンカー210は前立腺の上部外側に固定され、前記第2のアンカー220は前立腺の下部外側に固定され、
前記結紮糸230は前記第1のアンカー210に固定される固定端231と、前記第2のアンカー220に結合されて長さ調節が可能に形成された長さ調節ループ233と、前記固定端231と前記長さ調節ループ233とを連結するスリップ結び目235と、前記長さ調節ループ233から延長される自由端237とを含み、
前記糸ワインダー500を用いて前記自由端237を巻取して前記長さ調節ループ233の長さを調節して前立腺組織の圧迫面積が調節されることを特徴とする請求項1に記載の前立腺肥大症施術装置。
【請求項3】
前記シース300は、
前記ハンドルフレーム部100の先端に着脱可能に結合され、ニードル挿入管310と内視鏡挿入管320とブレード軸移動管330とが一体に形成されたシース本体300aと;
前記シース本体300aの先端に着脱可能に結合され、前記ニードル350が前立腺を突き破って挿入されるように案内するニードル案内部材340と;
前記ハンドルフレーム部100側から前記シース本体300aを介して前記ニードル350の内部に挿入され、前記第1のアンカー210と前記第2のアンカー220とが順次に前記ニードル350の外に排出されるように前記第2のアンカー220の後端を押圧するプッシャー360と;
前記ニードル案内部材340の下部に備えられ、前記糸ワインダー500によって長さが調節された前記自由端237をカッティングするニードルブレード部370とを含み、
前記ニードル挿入管310は、一定の長さを有するように備えられ、前記ニードル350を尿道内部に案内し、
前記内視鏡挿入管320は、前記ニードル挿入管310の下部に備えられ、内視鏡が収容され、
前記ブレード軸移動管330は、前記内視鏡挿入管320の下部に備えられ、前記ニードルブレード部370に連結されたブレード板連結軸373が移動されることを特徴とする請求項2に記載の前立腺肥大症施術装置。
【請求項4】
前記ニードル操作部400は、
前記ハンドルフレーム部100に前後移動可能に備えられ、前記ニードル350が前記シース300の外へ発射されるように案内するニードルホルダ410と;
前記ニードルホルダ410が前記ハンドルフレーム部100に前後移動するように弾性力を与えるホルダ弾性支持部430と;
前記ニードルホルダ410に着脱可能に結合され、前記ニードルホルダ410と分離され、前記ニードルホルダ410が前記ホルダ弾性支持部430の弾性力によって前方に発射されるようにするニードルトリガー420とを含み、
前記ニードルホルダ410は、
下部に長手方向に沿ってホルダ位置調節歯411aが形成され、上部にテール位置固定レール416が備えられ、内部にプッシャー360の後端が挿入された水平バー411と;
前記水平バー411の前方に垂直方向に延長形成されて施術者によって引っ張られる引きレバー413を含み、
前記ニードルトリガー420の上段には前記ホルダ位置調節歯411aと噛み合って前記ニードルホルダ410の位置を固定させるホルダ位置固定歯421aとが備えられることを特徴とする請求項3に記載の前立腺肥大症施術装置。
【請求項5】
前記プッシャー360は、
前記ニードル350の内部に挿入されて先端が前記第2のアンカー220を押圧するプッシャー軸361と;
前記プッシャー軸361の後端に備えられて前記ニードルホルダ410の内部に固定されるプッシャーホルダ363と;
前記プッシャーホルダ363と前記プッシャー軸361との境界領域から延長され、前記ニードルホルダ410の外側に突出されて施術者によって前方に押圧されて前記プッシャー360の位置を調節させる一対のプッシャーボタン366と;
前記プッシャーホルダ363と前記プッシャー軸361との境界領域に上部方向に突出して形成され、前記テール位置固定レール416に噛み合って前記プッシャー軸361の前方移動距離を制限するプッシャーテール367とを含み、
前記テール位置固定レール416は、一定間隔で上部方向に凹んで形成された3つの溝416a、416b、416cを含み、
前記3つの溝416a、416b、416cのうち、一番後方の第1の溝416aに前記プッシャーテール367が位置すると、前記一対の第1、2のアンカー210、220はすべて前記ニードル350の内部に位置し、
前記プッシャーボタン366を用いて前記プッシャーテール367を前記3つの溝416a、416b、416cのうち第2の溝416bに移動させると、前記プッシャー軸361の押圧によって第1のアンカー210が前記ニードル350の外に排出され、
前記プッシャーボタン366を用いて前記プッシャーテール367を前記3つの溝416a、416b、416cのうち一番前方の溝416cに移動させると、前記プッシャー軸361の押圧によって前記第2のアンカー220が前記ニードル350の外に排出されることを特徴とする請求項4に記載の前立腺肥大症施術装置。
【請求項6】
前記ニードルブレード部370は、
前記ニードル案内部材340のニードル出口346において、前後に摺動可能に結合されるブレード板371と;
前記ブレード板371から延長形成され、後端が前記ブレード軸移動管330の内部に挿入されるブレード板連結軸373と;
前記ブレード板連結軸373の後端に前記ハンドルフレーム部100の外部に突出形成されるブレード押圧ボタン375とを含み、
前記ブレード板371の上部には前記結紮糸230の厚さより狭く形成されるブレードスリット371bが形成され、
前記ブレード押圧ボタン375を後方に押圧すると、前記ブレード板371が前記ニードル出口346に沿って移動され、前記ブレードスリット371bに前記自由端237が挟まれて前記自由端237がカッティングされることを特徴とする請求項3に記載の前立腺肥大症施術装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前立腺肥大症施術装置に関するものであって、より詳しくは肥大化した前立腺を尿道の外方に圧迫した後、結紮して前立腺尿道を連続的に開放することができる前立腺肥大症の施術装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に前立腺肥大症とは、前立腺が異常に肥大化し、膀胱下部の尿が出る前立腺尿道を塞いで、尿道閉塞を起こし、尿の排出が円滑でない症状である。
【0003】
前立腺肥大症が発生すると、頻尿、夜間尿、切迫尿、洗尿、残尿感などの症状が現れるようになり、日常生活に相当な不便を引き起こすことになる。
【0004】
このような前立腺肥大症を治療するために、
図1に示す前立腺肥大症の施術方法が施行される。
【0005】
前立腺肥大症が発生すると、
図1の(a)に示すように、尿道の両方に一対の前立腺(A、B)が肥大化し、尿道(C)を塞ぐことになる。施術者は、
図1の(b)に示すように膀胱鏡10を尿道内部に挿入し、
図1の(c)に示すように膀胱鏡10の端部に医療用結紮器11を前立腺(A、B)に貫通させた後、
図1の(d)に示すように左側の前立腺(A)の上部に第1のインプラント20を施術し、
図1の(e)に示すように右側の前立腺(B)の上部に第2のインプラント20aを施術する。
【0006】
そして、
図1の(f)に示すように、左側の前立腺(A)と右側の前立腺(B)の下部にもそれぞれ第3のインプラント20bと第4のインプラント20cを施術する。
【0007】
このとき、各インプラント20、20a、20b、20cは、前立腺(A、B)の外側に配置される外側インプラント21と尿道側に配置される内側インプラント23が結紮糸25によって連結され、結紮糸25の長さだけ内側インプラント23が前立腺(A、B)を外側に圧迫して尿道が開放される。
【0008】
ところが、このような従来の前立腺肥大症の施術方法は、一つのインプラント20を用いて圧迫できる前立腺組織の面積が内側インプラント23の大きさに制限される限界がある。
【0009】
また、上部に配置されるインプラント20と下部に配置されるインプラント20bとの間に離隔間隔が存在するので、上部内側インプラントと下部内側インプラントとの間(a)は圧迫されず、依然として尿道の側に肥大している状態が維持されて圧迫される前立腺組織が連続できず、内側インプラント23と接している部分だけ部分的に圧迫される限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上述した問題を解決するためのものであって、前立腺の上下に配置され、互いに結紮糸によって連結された一対のアンカーによって圧迫面積を調節することができる前立腺肥大症施術装置を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、一対のアンカーを連結する結紮糸の長さを調節して、患者別前立腺の大きさに応じて前立腺を連続的に圧迫できる前立腺肥大症施術装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した本発明の目的は、前立腺肥大症の施術装置によって達成できる。本発明の前立腺肥大症施術装置は、前立腺尿道を圧迫する前立腺の外側に上下に配置される一対のアンカー210、220と;前記一対のアンカー210、220を互いに連結して一対のアンカー210、220が前立腺組織を連続的に圧迫して前立腺尿度を確保する結紮糸230を有するアンカー組立体200と;尿道に挿入され、前記アンカー組立体200が前立腺に結紮されるように案内するニードル350を収容するシース300と;前記ニードル350が前記シース300の端部を介して排出されるように前記ニードル350の移動を操作するニードル操作部400とを含む。
【0013】
また、前記ニードル操作部400の一側に備えられ、前記結紮糸230を巻取して前記アンカー組立体200が前記前立腺を圧迫する強度を調節する糸ワインダー500と;前記シース300の端部と前記ニードル操作部400と前記糸ワインダー500とを支持し、施術者が把持するハンドルフレーム部100とを含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る前立腺肥大症施術装置は、従来前立腺組織を部分的に圧迫していた施術方法と比較すると、結紮糸と一対のアンカーによって圧迫される前立腺組織が継続するので、尿速がさらに速くなる長所があり、これは、前立腺の長尺者により大きな効果を奏することができる。
【0015】
また、本発明に係る前立腺肥大症施術装置は、施術者が結紮糸の自由端を巻いて結紮糸の長さを調節して施術者が所望するだけ前立腺を圧迫する強度を調節することができる長所がある。
【0016】
これにより、患者別に多様な前立腺肥大の症状に合わせて圧迫程度を調節できるという効果がある。
【0017】
このような本発明の前立腺肥大症施術装置を用いた施術方法は、熱エネルギーを用いた他のレーザー施術や電気的手術のように全身麻酔や長い手術時間を要求しない。
【0018】
簡単なアンカー設置方法を介して迅速な手術時間と部分麻酔を可能にし、前立腺組織を切り取らないため、逆行性射精、勃起不全または血尿症のような副作用を伴わない。また、非侵襲的であるので効果がない場合、いつでも他の手術をさらに受けることができるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】従来の前立腺肥大症の施術方法を示す例示図である。
【
図2】本発明に係る前立腺肥大症施術装置の構成を示す斜視図である。
【
図3】本発明に係る前立腺肥大症施術装置の構成を分解して示す分解斜視図である。
【
図6】本発明に係る前立腺肥大症施術装置の側面構成を示す側面図である。
【
図7】本発明に係る前立腺肥大症施術装置のアンカー組立体の構成を示す斜視図である。
【
図8】本発明に係る前立腺肥大症施術装置のアンカー組立体が左側の前立腺に結紮された状態を示す例示図である。
【
図9】本発明に係る前立腺肥大症施術装置のニードル案内部材の構成を示す図である。
【
図10】本発明に係る前立腺肥大症施術装置のハンドルフレーム部の外部構成を示す斜視図である。
【
図11】本発明に係る前立腺肥大症施術装置のニードル操作部の構成を示す斜視図である。
【
図12】本発明に係る前立腺肥大症施術装置のニードルトリガーの操作過程を示す例示図である。
【
図13】本発明に係る前立腺肥大症施術装置の糸ワインダーの構成を示す図である。
【
図14】本発明に係る前立腺肥大症施術装置の糸ワインダーのワインダーギアの動作を示す例示図である。
【
図15】本発明に係る前立腺肥大症施術装置の使用過程を示す例示図である。
【
図18】本発明に係る前立腺肥大症施術装置の前立腺肥大症施術過程を概略的に示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、本発明の好ましい実施形態及び添付する図面を参照して本発明を詳しく説明するが、図面の同一の参照符号は同一の構成要素を示すことを前提して説明する。
【0021】
発明の詳細な説明または特許請求の範囲の何れか一つの構成要素が他の構成要素を「含む」とする時、これは特に反対になる記載がない限り、当該構成要素のみからなるものに限定されて解釈されず、他の構成要素をさらに含むことができると理解されたい。
【0022】
図2は、本発明に係る前立腺肥大症施術装置1の構成を示す斜視図であり、
図3乃至
図5は、前立腺肥大症施術装置1の構成を分解して示す分解斜視図であり、
図6は、前立腺肥大症施術装置1の側面構成を示す側面図である。
【0023】
本発明に係る前立腺肥大症施術装置1は、使用者が手で把持して各構成を固定するハンドルフレーム部100と、前立腺(A、B)に結紮されて尿道を塞いでいる前立腺組織を圧迫して尿道が開放されるようにするアンカー組立体200と、ハンドルフレーム部100の先端に一定長さ延長形成されて尿道(C)に挿入されてアンカー組立体200が前立腺(A、B)に結紮されるよう内部に収容されたニードル350を案内するシース300と、ハンドルフレーム部100に備えられてニードル350の位置を調節し、アンカー組立体200がニードル350の外に排出されるように施術者によって操作されるニードル操作部400と、ハンドルフレーム部100に回転可能に備えられ、アンカー組立体200の結紮糸230を巻取してアンカー組立体200が前立腺(A、B)を圧迫するように結紮糸230の長さを調節する糸ワインダー500とを含む。
【0024】
本発明に係る前立腺肥大症施術装置1は、一対のアンカー組立体200を用いて尿道を押す前立腺組織を施術者が所望する圧迫強度で連続的に圧迫することができる。これにより、患者別前立腺肥大の症状に合わせて前立腺圧迫の長さと圧迫の厚さを調節することができ、尿速(velocity of urination)を速くすることができる長所がある。
【0025】
ハンドルフレーム部100は、
図2乃至
図4に示すように、シース300の後方に結合され、ニードル操作部400を収容する。ハンドルフレーム部100は、施術者が手で把持した状態でシース300とニードル操作部400を操作してシース300を尿道の内部に挿入させた後、アンカー組立体200を前立腺に結紮させるためにニードル350とアンカー組立体200の位置を調節できるようにする。
【0026】
ハンドルフレーム部100は、左右に配置された左側フレーム110と右側フレーム120が互いに着脱可能に結合されて形成される。左側フレーム110と右側フレーム120は、全体的に手で把持できるハンドル状で形成される。
【0027】
左側フレーム110と右側フレーム120の内側板面には、ニードル操作部収容溝111が一定の深さで凹んで形成され、左側フレーム110と右側フレーム120との間にニードル操作部400の位置が固定される。そして、ニードル操作部収容溝111の内部でニードル操作部400のニードルホルダ410が安定的に前後に移動することができる。
【0028】
ニードル操作部収容溝111の上部には、糸ワインダー収容溝113が板面に対して一定の深さで凹んで形成される。糸ワインダー収容溝113には、
図4に示すように糸ワインダー500のワインダーギア530が収容される。糸ワインダー収容溝113の底面にはワインダー軸510が挿入される軸結合孔113cが貫通形成され、糸ワインダー収容溝113の外周縁にはワインダー固定溝113aと制限バー収容溝113bとが半径方向の外側に延長形成される。
【0029】
ワインダー固定溝113aには、ワインダーギア530の糸ガイドキャップ537の位置固定突起537aが収容される。これにより、ワインダーギア530は、糸ワインダー収容溝113の内部で回転し、糸ガイドキャップ537は回転せずに位置が固定される。
【0030】
制限バー収容溝113bには、糸ワインダー500の一方向回転制限バー540が収容され、ワインダーギア530が一方向のみ回転されるように回転方向を制限する。
【0031】
ワインダー固定溝113aの底面には、軸結合孔113cが貫通形成される。軸結合孔113cには、糸ワインダー500のワインダー軸510が貫通挿入される。
【0032】
左側フレーム110と右側フレーム120とは、互いに対向する方向にプッシャー移動スリット112、121と、ブレードボタン移動スリット114、123と、ロック部材移動溝115、125とがそれぞれ形成される。
図2に示すように、プッシャー移動スリット112、121とブレードボタン移動スリット114、123と、ロック部材移動溝115、125とは、それぞれ左側フレーム110と右側フレーム120の外部にプッシャーボタン366とブレード押圧ボタン375とトリガーロック部材440が一定長露出する。
【0033】
施術者は、左側フレーム110と右側フレーム120の両側に一定長突出して露出されたプッシャーボタン366とトリガーロック部材440とを手で押圧して前後に位置を調節してニードル350の位置とアンカー組立体200の位置を簡単に調節することができ、ブレード押圧ボタン375を操作して自由端237をカッティングすることができる。
【0034】
一方、左側フレーム110と右側フレーム120との前方には、ニードル操作部400のニードルホルダ410の引きレバー413が前後に移動するように案内するレバー移動路116、126が形成される。
【0035】
また、左側フレーム110と右側フレーム120との後方には、施術時に前立腺内部を施術者が確認することを可能にする経尿道内視鏡600が挿入される内視鏡挿入孔117、127が形成される。
【0036】
アンカー組立体200は、被施術者の前立腺外部表面に結紮され、前立腺を圧迫して尿道を開放させる。本発明の前立腺肥大症施術装置1は、一対のアンカー組立体200がそれぞれ左側前立腺(A)と右側前立腺(B)とに結紮されて施術が完了する。
図7は、一つのアンカー組立体200の構成を示す図であり、
図8は、アンカー組立体200が左側前立腺(A)に施術されて長さが調節される前の状態を示す例示図である。
【0037】
アンカー組立体200は、
図7の(a)に示すように、第1のアンカー210と、第2のアンカー220と、第1のアンカー210と第2のアンカー220とを互いに連結する結紮糸230とを含む。第1のアンカー210は、内部が空いている中空管形態で形成される。第1のアンカー210の表面には、結紮糸230が挿入される第1の糸結合孔211及び第2の糸結合孔213が形成される。第2の糸結合孔213には、両側に一定長さの折り曲げスリット215が形成される。折り曲げスリット215によって折り曲げ板217が一定角度に傾くように折り曲げられ、第2の糸結合孔213の大きさを拡張させる。
【0038】
結紮糸230は、第1の糸結合孔211に導入された後、第2の糸結合孔213から排出されるが、第1のアンカー210の管路が狭いため、第1の糸結合孔211に導入された結紮糸230を第2の糸結合孔213から排出することは容易ではない。このために、折り曲げスリット215を形成して、折り曲げ板217を折曲させた後、第2の糸結合孔213の大きさを拡張して結紮糸230を容易に排出することを可能にしている。
【0039】
第1のアンカー210と第2のアンカー220とは、金属または金属合金で形成される。好ましくはニチノールで形成され、同じ構成を有する。第1のアンカー210と第2のアンカー220とは、折り曲げスリット215によって折り曲げられた状態であるが、
図16の(a)に示すように、ニードル350の内部に収容されるときは、ニードル350の形状に合わせて弾性変形される。
図16の(b)に示すように、ニードル350の外に排出されると、アンカー210、220の折り曲げ板217、227は元の折り曲げられた状態に戻る。
【0040】
折り曲げスリット215によって折り曲げ板217は、第1のアンカー210の外部表面に対して折り曲げられ、前立腺組織を突き破って前立腺外側表面に位置した第1のアンカー210がニードル350によって形成された前立腺の貫通孔に再び逆移動することを防止する。
【0041】
即ち、施術過程において、ニードル350が前立腺(A、B)を突き破って前立腺(A、B)の外側に第1のアンカー210を排出すると、第1のアンカー210は弾性的に折り曲げ板217が曲がることによって折り曲げられる。このような折り曲げられた第1のアンカー210は、ニードル350によって形成された貫通孔に引っかかって逆方向に移動することが防止され、前立腺(A)表面に安定的に安着することができる。
【0042】
結紮糸230は、第1のアンカー210と第2のアンカー220とを長さ調節可能に互いに連結して第1のアンカー210と第2のアンカー220とがそれぞれ独立に前立腺の特定部分を圧迫する形ではなく、第1のアンカー210と第2のアンカー220及び結紮糸230によって繋ぐ円弧または「コの字」状のラインが連続的に前立腺組織を圧迫する。
【0043】
結紮糸230は、
図7の(b)に示すように、第1のアンカー210に結合される固定端231と、第2のアンカー220に結合される長さ調節ループ233と、長さ調節ループ233の端部に連結される自由端237と、自由端237と長さ調節ループ233を結ぶスリップ結び目235とを含む。
【0044】
固定端231は、第1のアンカー210の第1の糸結合孔211と第2の糸結合孔213に結ばれて位置が固定され、長さ調節ループ233は、第2のアンカー220の第1の糸結合孔221に導入された後、第2のアンカー220の第2の糸結合孔223に排出されてループ状で形成される。長さ調節ループ233は、固定端231と自由端237との間にスリップ結び目235により形成される。
【0045】
図7の(c)に示すように、自由端237を引くと、固定端231に結合された第1のアンカー210の位置が固定されているので、長さ調節ループ233の長さが短くなり、これらが包んでいる前立腺組織を圧迫することになる。
【0046】
図8に示すように、第1のアンカー210と第2のアンカー220とが前立腺(A、B)の外側に配置されると、結紮糸230が緩く配置される。この状態で、施術者がワインダーハンドル520を回転させて自由端237をワインダーギア530に巻取すると、自由端237の長さが短くなり、長さ調節ループ233が短くなり、前立腺(A、B)を圧迫することになる。
【0047】
即ち、
図19の(b)に示すように、第1のアンカー210と第2のアンカー220とが前立腺の外側に配置されると、結紮糸230が緩く連結される。施術者がワインダーハンドル520を用いて自由端237を引っ張った後、結紮糸230をきつく締めると、
図19の(c)に示すように、第1のアンカー210と第2のアンカー220と結紮糸230とが前立腺(A、B)を連続的に包んで圧迫することになる。結紮糸230によって第1のアンカー210と第2のアンカー220とが連結されているので、第1のアンカー210と第2のアンカー220との間の空間も連続的に圧迫され、尿道(C)が開放される。
【0048】
シース300は、ニードル350を介してアンカー組立体200を前立腺(A、B)に案内し、アンカー組立体200の位置を固定する。
図5と
図6に示すように、シース300の後端は、ハンドルフレーム部100に結合され、先端は、ハンドルフレーム部100から一定の長さ延長され、アウターシース(S)を介して尿道(C)の内部に挿入される。
【0049】
図18と
図19に示すように、施術者はアウターシース(S)を介して尿道(C)の内部に挿入されたシース300内部へ経尿道内視鏡600を挿入して前立腺内部を確認し、ニードル350が前立腺(A、B)を突き抜けて一対のアンカー210、220が前立腺(A、B)の外側に配置されるように操作する。
【0050】
シース300は、一定の長さを有する管状に備えられ、ニードル挿入管310と内視鏡挿入管320と、ブレード軸移動管330とが一体に結合して形成されたシース本体300aと、シース本体300aの先端に備えられ、ニードル350を前立腺(A、B)側に案内するニードル案内部材340と、ニードル挿入管310内に収容され、アンカー組立体200を前立腺(A、B)に案内するニードル350と、ニードル350内において、アンカー組立体200の後端に挿入され、アンカー組立体200をニードル先端に押圧するプッシャー360と、ニードル案内部材340の下部に前後移動可能に備えられて、結紮糸230を切断するニードルブレード部370と、シース300をハンドルフレーム部100に結合させるシース固定部材380とを含む。
【0051】
ニードル挿入管310はニードル350を収容し、内視鏡挿入管320はニードル挿入管310の下部に一体に備えられ、経尿道内視鏡600が移動される通路を提供し、ブレード軸移動管330は内視鏡挿入管320の下部に一体に結合されてブレード板連結軸373が移動される通路を提供する。
【0052】
シース本体300aは、それぞれ管状に形成されたニードル挿入管310と、内視鏡挿入管320及びブレード軸移動管330が
図4に拡大して示すように上下一体に結合して形成される。シース本体300aは、ニードルホルダ410のシース挿入孔411cに後端が挿入される。このとき、
図5に示すように内視鏡挿入管320は、ニードル挿入管310及びブレード軸移動管330より長く形成され、内視鏡挿入管320の端部320aはニードルホルダ410の外側に配置される。
【0053】
そして、内視鏡挿入管320の端部320aに
図6に示すように、経尿道内視鏡600が挿入され、経尿道内視鏡入口610が端部320aに配置される。
【0054】
ニードル挿入管310は後端を介してニードル350が挿入され、後端を介してプッシャー360が結合される。ニードル挿入管310とブレード軸移動管330の先端にはニードル案内部材340が着脱可能に結合される。
【0055】
ここで、シース300の各部品とハンドルフレーム部100及びアンカー組立体200、ニードル操作部400及び糸ワインダー500は、
図1に示すように、完全に組み立てられた形に組み立てられた後、滅菌包装されて病院に提供される。これによって、施術者が各部品を分解したり、組み立てる必要がなく、施術の際に組み立てられた状態のまま使用すれば良いため、使い勝手が向上する。
【0056】
図9は、シース300の先端構造を示す図である。
図9の(a)に示すように、ニードル案内部材340は、案内本体341と、案内本体341の後方に突出されてニードル挿入管310に結合されるニードル挿入管連結管342と、ブレード軸移動管330に結合されるブレード軸連結管345とを含む。
【0057】
ニードル案内部材340は、ニードル挿入管連結管342とブレード軸連結管345がニードル挿入管310とブレード軸移動管330に結合されて位置が固定される。ニードル挿入管連結管342とブレード軸連結管345との間には、ニードル350を外部に露出するニードル露出孔344が形成される。ニードル露出孔344を介して内視鏡挿入管320に移動された経尿道内視鏡600が尿道(C)の内部に露出される。
【0058】
また、ニードル露出孔344を介してニードル350に収容されていた結紮糸230が外部に露出され、干渉なしに結紮糸230が前立腺(A、B)に移動することを可能にする。
【0059】
ブレード軸連結管345の上部には、ニードル350を外部に排出するニードル出口346が形成される。ニードル出口346には、ニードルブレード部370のブレード板371が摺動可能に結合される。
【0060】
ニードル露出孔344を形成する上部側の内壁には、ニードル350を尿道(C)に案内するニードル案内曲面343が形成される。ニードル350は、初期状態においてニードル挿入管310の内部に
図9の(b)に示すように配置され、施術者がニードルトリガー420を操作すると、
図9の(a)に示すように、ニードル案内部材340を介して外部に一定の長さが露出される。
【0061】
このとき、ニードル350は、ニードル案内曲面343の曲面に沿って一定角度曲がり、前立腺(A、B)を突き破って移動する。
【0062】
ニードル350は、一定の長さを有するように形成され、ニードル挿入管310内に挿入された状態で施術者のニードルトリガー420操作によってニードル案内部材340を介して前立腺(A、B)の内部に案内される。
【0063】
ニードル350は、金属又は金属合金から作ることができ、好ましくは、ニチノールから作られる。ニードル350は、先端が曲がった形で製造され、ニードル挿入管310に収容されているときは、ニードル案内曲面343に位置し、ニードル案内曲面343の曲率に対応するように弾性的に曲がった形を維持する。ニードルトリガー420によって発射され、ニードル案内部材340を介して前立腺(A、B)内部に排出されると、ニードル案内曲面343によって排出角度が調節され、製造に際して形成された曲率に合わせて曲がる。
【0064】
ニードル出口346に排出されるニードル350の先端には、
図6に拡大して示すようにアンカー組立体200の結紮糸230を外部に露出させるニードルスロット351が形成される。ニードルスロット351の長さは、第1のアンカー210と第2のアンカー220の長さを合わせた長さまたはそれより短く設計される。一例として、第1のアンカー210と第2のアンカー220の長さがそれぞれ8mmのとき、ニードルスロット351の長さを16mmに形成し、ニードルスロット351の幅は0.4mmに形成することができる。このとき、ニードルスロット351の幅は、先端から内側に行くほど狭く形成することができる。
【0065】
プッシャー360は、ニードル350の後端に配置され、ニードル350が前立腺(A、B)組織を突き破って挿入されたとき、第1のアンカー210と第2のアンカー220を順次に押して、第1のアンカー210と第2のアンカー220がニードル350の外に排出されるようにする。
【0066】
プッシャー360は、
図5に示すように、ニードル350の内部に挿入されるプッシャー軸361と、プッシャー軸361の後端に一定の長さで形成され、ニードルホルダ410に挿入されるプッシャーホルダ363と、プッシャー軸361の後端に直交して延長形成されるプッシャーボタン軸365と、プッシャーボタン軸365の端部に一定の面積が形成され、施術者によって操作されるプッシャーボタン366と、プッシャー軸361の先端に上部に突出して形成され、プッシャー軸361の位置を固定するプッシャーテール367とを含む。
【0067】
プッシャー軸361は、ニードル350の内部に挿入され、
図6に拡大して示すように第2のアンカー220の後端に位置する。施術者がプッシャーボタン366を用いてプッシャー軸361の位置を前方に移動させると、このプッシャー軸361によって第2のアンカー220が押されて第1のアンカー210、第2のアンカー220がニードル350の外に排出されるようになっている。
【0068】
プッシャーホルダ363は、ニードルホルダ410の水平バー411と上部結合バー415との間に収容される。プッシャーホルダ363は、プッシャー軸361の後端に一定の長さで延長形成されて、プッシャー軸361を前後に移動可能に支持する。
【0069】
プッシャーボタン軸365は、プッシャー軸361とプッシャーホルダ363との境界領域に左右方向に左側フレーム110と右側フレーム120のプッシャー移動スリット112、121まで延長形成される。プッシャーボタン366は、左右側プッシャー移動スリット112、121の外部に露出したプッシャーボタン軸365の端部に結合される。
【0070】
施術者は、
図2に示すように、ハンドルフレーム部100のプッシャー移動スリット112、121の外部に露出したプッシャーボタン366を前後に押圧してプッシャー軸361の位置を調節することができる。
【0071】
図10の(a)に示すように、プッシャー移動スリット112、121の一番後端にプッシャーボタン366が位置すると、プッシャー軸361が後ろに押し出された状態となり、第1のアンカー210と第2のアンカー220の双方とも
図16の(a)に示すようにニードル350の内部に収容される。
【0072】
図15の(c)に示すように、施術者がプッシャーボタン366を前方に押して移動させると、プッシャー軸361が第2のアンカー220を移動距離だけ押圧して
図16の(b)に示すように、第1のアンカー210をニードル350の外に排出させる。
【0073】
ここで、プッシャーテール367は、施術者がプッシャーボタン366を移動させる距離をアンカー210、220の長さだけに制限させる。
【0074】
図11の(b)は、ニードルホルダ410とプッシャー360との結合構造を示す斜視図である。ニードルホルダ410の上部結合バー415の内部には、上面にテール位置固定レール416がニードルスロット351の長さに対応するように形成される。そして、各アンカー210、220の長さに対応する間隔で第1の溝416a、第2の溝416b及び第3の溝416cが上部に凹んで形成される。
【0075】
プッシャーテール367は、施術者がプッシャーボタン366を移動させる時、第1の溝416a、第2の溝416b及び第3の溝416cに順次に係止結合され、プッシャー軸361の移動距離をアンカー210、220の長さに制限する。
【0076】
これにより、第1の溝416aにかかっている時、第1のアンカー210と第2のアンカー220ともニードル350内部に収容され、施術者がプッシャーボタン366を押圧してプッシャーテール367が第2の溝416bに位置するようにプッシャー軸361が前方に移動すると、第1のアンカー210がニードル350の外に排出される。そして、施術者が第2の溝416bに位置したプッシャーテール367が第3の溝416cに位置するようにプッシャー軸361を前方に移動させると、
図17に示すようにプッシャー軸361がニードル350の先端まで移動し、第2のアンカー220はニードル350の外に排出される。
【0077】
ニードルブレード部370は、ニードル350の外に第1のアンカー210と第2のアンカー220が排出され、それぞれ前立腺(A、B)の外側面に配置される時、長さ調節が完了した結紮糸230の自由端237を切る役割をする。
【0078】
ニードルブレード部370は、
図5に示すように、ニードル案内部材340のニードル出口346に摺動可能に結合されるブレード板371と、ブレード板371からハンドルフレーム部100まで延長形成されるブレード板連結軸373と、ブレード板連結軸373の後端に備えられるブレード押圧ボタン375とを含む。
【0079】
ブレード板371は、ニードル出口346に備えられ、ブレード板連結軸373によって前後に移動され、結紮糸230の自由端237を切る。
【0080】
図19の(b)に示すように、ニードル350から排出された第1のアンカー210と第2のアンカー220がそれぞれ前立腺(A、B)の外側表面に位置すると、結紮糸230の自由端237はニードル挿入管310を介してハンドルフレーム部100の糸ワインダー500に連結される。自由端237は、ニードル挿入管310の内部にニードル350との間の空間を通って延長され、糸ワインダー500に連結される。
【0081】
施術者は、糸ワインダー500のワインダーハンドル520を回転させて自由端237を巻いて前立腺(A、B)を包む結紮糸230の長さ調節ループ233の長さをぴんと張るように調節する。このとき、ブレード板371が移動され、長さ調節が完了した結紮糸230を切ることになる。
【0082】
ブレード板371は、
図5に拡大して示すように、ニードル出口346に摺動可能な面積を有する板状に備えられる。ブレード板371の内部には、ニードル350を排出させるニードル排出孔371aが貫通形成される。そして、ニードル排出孔371aの上部にはブレードスリット371bが形成される。
【0083】
ブレードスリット371bは、次第に幅が狭く形成され、対向する内側端部が鋭く形成される。
【0084】
図9の(b)に示すように、施術者がブレード板連結軸373を後方に引くとブレード板371が後方に摺動され、結紮糸230がブレードスリット371bとの間に挟まれるようになる。この過程で、狭くて鋭いブレードスリット371bと結紮糸230とが当接し、結紮糸230の自由端237が切断される。
【0085】
ブレード板連結軸373は、シース300のブレード軸移動管330内部を通ってハンドルフレーム部100のブレードボタン移動スリット114、123まで延長される。ブレード板連結軸373は、施術者がブレード押圧ボタン375を前後に移動させることをブレード板371に伝達する。
【0086】
ブレード押圧ボタン375は、ハンドルフレーム部100の左右側ブレードボタン移動スリット114、123の外部に突出するように備えられ、施術者により前後に移動される。
【0087】
アンカー210、220がニードル350の外部に排出される前は、ブレード押圧ボタン375は、
図2に示すようにブレードボタン移動スリット114、123の前方に位置する。一方、第1のアンカー210と第2のアンカー220の両方とも前立腺(A、B)に位置し、結紮糸230の自由端237を切断しなければならないときは、施術者によりブレード押圧ボタン375は、
図10の(a)に示すように、ブレードボタン移動スリット114、123の後方に移動される。
【0088】
これにより、
図9の(b)に示すように、ブレード板371が後方に引っ張られ、結紮糸230を切ることになる。
【0089】
ブレード板371は、ニードル案内部材340の内部に収容された状態で備えられ、ブレード板連結軸373は、ブレード押圧ボタン375に連結された状態でハンドルフレーム部100に結合されて備えられる。
【0090】
シース固定部材380は、シース300をハンドルフレーム部100に結合させる。シース固定部材380は、
図4に示すように、ハンドルフレーム部100のシース結合板挿入溝119に嵌合結合されるシース結合板381と、内部にシース300が挿入されるシース結合管383と、シース結合管383とシース結合板381との間に固定される固定リング385とを含む。
【0091】
シース結合板381は、ハンドルフレーム部100のシース結合板挿入溝119に挟まれて位置が固定される。シース結合板381の前方には複数の結合突起381aが形成される。シース結合管383は、内部にシース300が挿入される。シース結合管383の背面には、結合突起381aが挿入される突起挿入孔(未図示)が形成される。
【0092】
シース300は、シース結合管383とシース結合板381とを順に貫通してニードルホルダ410のシース挿入孔411cに挿入される。シース結合管383は、シース結合板381の結合突起381aに嵌合されて位置が固定される。
【0093】
固定リング385は、シース結合管383とシース結合板381との間に固定される。固定リング385は、施術時に
図18に示すように、シース本体300aの外部にアウターシース(S)を固定するために使用される。
【0094】
固定リング385の係止フック385aにアウターシース(S)が係止結合され、シース本体300aの外部にアウターシース(S)が固定される。
【0095】
ニードル操作部400は、ニードル350がシース300の外部に排出され、アンカー組立体200がニードル350から排出され、前立腺(A、B)に配置されるようにニードル350とアンカー組立体200の位置が段階的に操作されることを可能にする。
【0096】
ニードル操作部400は、
図4と
図5に示すように、ニードル350の位置を調節するニードルホルダ410と、ニードルホルダ410を弾性的に発射させてニードル350をニードル案内部材340の外に排出させるニードルトリガー420と、ニードルトリガー420の操作によりニードルホルダ410が発射できるように弾性力を与えるホルダ弾性支持部430と、ニードルトリガー420の位置をロックするトリガーロック部材440とを含む。
【0097】
ニードルホルダ410は、ニードルトリガー420とホルダ弾性支持部430によって前方に移動され、ニードル350がニードル案内部材340の外に排出され、前立腺(A、B)を突き抜けられるようにする。ニードルホルダ410は、水平に形成された水平バー411と、水平バー411の先端から下部に一定の長さで延長形成され、施術者により押圧される引きレバー413と、ニードル350が固定された状態で水平バー411の上部に結合される上部結合バー415とを含む。
【0098】
水平バー411は、内部にシース300の内視鏡挿入管320を収容する。水平バー411の下部には長手方向に沿ってホルダ位置調節歯411aが形成される。ホルダ位置調節歯411aは、ニードルトリガー420のホルダ位置固定歯421aと噛み合って、ハンドルフレーム部100の内部でニードルホルダ410の位置を調節することができる。
【0099】
水平バー411の上部には、プッシャーボタン移動レール411bが一定の長さで形成され、水平バー411の前方にはシース300が挿入されるシース挿入孔411cが形成される。
【0100】
引きレバー413は、水平バー411から一定の長さで下部に延長され、
図2に示すようにハンドルフレーム部100の外部に露出される。施術者は、外部に露出された引きレバー413を手で引っ張ってニードルトリガー420の操作により前方に移動されたニードルホルダ410が後方に戻ることができるように位置を調節する。
【0101】
引きレバー413の前方には、
図4に示すようにホルダ弾性支持部430の弾性部材支持軸431が挿入される支持軸挿入孔413aが形成される。これにより、引きレバー413が弾性部材支持軸431に沿って前後に移動することになる。
【0102】
上部結合バー415は、水平バー411の上部に結合され、プッシャーボタン移動レール411bを形成する。プッシャーボタン移動レール411bはハンドルフレーム部100の左右側プッシャー移動スリット112、121に対応する位置に形成され、内部にプッシャーボタン軸365が移動可能に収容される。
【0103】
上部結合バー415の内部には、前述したテール位置固定レール416が形成され、プッシャー360の移動距離を調節する。
【0104】
ニードルトリガー420は、ニードルホルダ410を固定し、またはニードルホルダ410との固定状態を解除してニードルホルダ410がホルダ弾性支持部430の弾性力によって前方に発射されることを可能にする。
【0105】
ニードルトリガー420は、
図5と
図12に示すように、ニードルホルダ410と着脱可能なホルダー着脱バー421と、ホルダー着脱バー421の下部に傾斜して形成されたフレーム支持バー425と、ハンドルフレーム部100にニードルトリガー420が回動可能に結合されるトリガー回動軸423と、ホルダー着脱バー421がニードルホルダ410に結合される方向にトリガー回動軸423が回動するように弾性力を作用させるトリガーリターンスプリング426とを含む。
【0106】
ホルダー着脱バー421は、トリガー回動軸423を中心にニードルホルダ410の水平バー411に並んで形成され、先端の上面にホルダ位置固定歯421aが形成される。ホルダ位置固定歯421aは、
図12の(a)に示すように、ニードルホルダ410のホルダ位置調節歯411aに噛み合ってニードルホルダ410の位置を固定する。
【0107】
図12の(b)に示すように、ニードルトリガー420がトリガー回動軸423を中心に回動すると、ホルダー着脱バー421のホルダ位置固定歯421aがホルダ位置調節歯411aから離隔され、ニードルホルダ410との結合状態が解除される。これにより、ニードルホルダ410がホルダ弾性支持部430の弾性部材433の弾性力によって前方に発射され、位置が移動される。
【0108】
フレーム支持バー425は、トリガーリターンスプリング426と結合され、トリガーリターンスプリング426の弾性力がトリガー回動軸423とホルダー着脱バー421とに伝達されるようにする。トリガーリターンスプリング426は、一端はフレーム支持バー425に固定され、他端はフレーム固定部材426aに結合される。
【0109】
トリガーリターンスプリング426は、ホルダー着脱バー421がニードルホルダ410と固定される方向にトリガー回動軸423が回動するように弾性力を作用させる。
【0110】
フレーム支持バー425の後端には、トリガー操作ボタン427が一定面積に形成される。トリガー操作ボタン427は、
図2に示すように、ハンドルフレーム部100の後端外側に露出され、施術者によって押圧される。施術者がトリガー操作ボタン427を上方向に押圧する動作により、
図12の(b)に示すようにホルダー着脱バー421が回動され、ホルダ位置固定歯421aがホルダ位置調節歯411aから離隔し、ニードルホルダ410が前方に移動される。
【0111】
フレーム支持バー425とトリガー操作ボタン427との間には、ロック軸収容リング429が形成される。ロック軸収容リング429は、一端が開放されたリングの形で形成され、内部にトリガーロック部材440が収容される。
【0112】
図12の(a)に示すように、ロック軸収容リング429にトリガーロック部材440が収容されると、ニードルトリガー420の回動は制限される。これにより、ニードルホルダ410の位置も固定された状態を維持することになる。
【0113】
一方、
図12の(b)に示すように、ロック軸収容リング429からトリガーロック部材440が離脱すると、施術者がトリガー操作ボタン427を操作してニードルトリガー420を回動させることができる。
【0114】
トリガーロック部材440は、ハンドルフレーム部100のロック部材移動溝115、125に沿って左右に移動可能に備えられる。このとき、ロック部材移動溝115、125の後方側位置がニードルトリガー420のロック軸収容リング429の位置に対応するように形成される。
【0115】
これにより、
図15の(b)に示すように、ロック部材移動溝115、125の後方にトリガーロック部材440が位置すれば、同時にロック軸収容リング429に収容される。一方、
図15の(a)に示すように、ロック部材移動溝115、125の前方にトリガーロック部材440が位置すると、トリガーロック部材440はロック軸収容リング429から外れる。
【0116】
ホルダ弾性支持部430は、ニードルホルダ410が後方から前方に速い速度で発射されるようにし、ニードル挿入管310の内部に収容されたニードル350がニードル案内部材340のニードル出口346に排出され、前立腺(A、B)を突き破ることができる動力を与える。
【0117】
ホルダ弾性支持部430は、
図11に示すように、引きレバー413に横方向に結合された弾性部材支持軸431と、弾性部材支持軸431に結合された弾性部材433とを含む。弾性部材支持軸431の一端は、引きレバー413の支持軸挿入孔413aに収容され、弾性部材支持軸431の他端にはハンドルフレーム部100に固定される軸位置固定板431aが備えられる。
【0118】
弾性部材433は、引きレバー413と軸位置固定板431aとの間に備えられ、ニードルホルダ410が前後に移動できるように弾性力を与える。
【0119】
図12の(a)に示すように、施術者が引きレバー413を後方に引き、ニードルトリガー420のホルダー着脱バー421のホルダ位置固定歯421aをホルダ位置調節歯411aの前方に結合させると、弾性部材433は引きレバー413と軸位置固定板431aとの間で圧縮される。
【0120】
図12の(b)に示すように、トリガーロック部材440をロック軸収容リング429から移動させると、ホルダ位置固定歯421aがホルダ位置調節歯411aから外され、弾性部材433が初期位置に戻るので、弾性部材433の弾性力の作用によってニードルホルダ410が弾性部材支持軸431に沿って前方に移動することになる。
【0121】
ニードルホルダ410が前方に移動する速度によって、ニードル挿入管310の内部のニードル350が
図6に示すように、ニードル案内部材340のニードル出口346に排出され、前立腺(A、B)を突き破って挿入される。
【0122】
このとき、弾性部材433の弾性力により、ニードル350がニードル案内部材340のニードル出口346に排出される長さは、尿道(C)を中心に一方の前立腺(A、B)の組織を貫通して外側表面に突き抜けることができる長さに設定される。
【0123】
糸ワインダー500は、ニードル挿入管310を介してハンドルフレーム部100まで延長された結紮糸230の自由端237を巻き、長さ調節ループ233の長さを調節してアンカー組立体200が前立腺(A、B)を圧迫する強度を調節する。
【0124】
糸ワインダー500は、
図4に示すように、ハンドルフレーム部100の糸ワインダー収容溝113の内外側に結合される。
【0125】
図13は、糸ワインダー500の構成を示す斜視図であり、
図14は、糸ワインダー500の動作過程を示す例示図である。
【0126】
図示のように、糸ワインダー500は、ワインダー軸510とワインダー軸510の一側に結合されて施術者によって回転操作されるワインダーハンドル520と、ワインダー軸510の他側に結合されてワインダー軸510と共に回転し、外周面に自由端237が巻取されるワインダーギア530と、ワインダーギア530の外表面を覆いながらワインダーギア530で自由端237を案内する糸ガイドキャップ537と、ワインダーギア530が一方向回転のみできるように回転方向を制限する一方向回転制限バー540と、ワインダーハンドル520に結合されるワインダーハンドルカバー550とを含む。
【0127】
ワインダー軸510は、
図10(a)と
図10(b)に示すように、ハンドルフレーム部100の内部から外部に貫通して結合され、ワインダーハンドル520によって回転される。ワインダー軸510は、ワインダーハンドル520とワインダーギア530に固定結合され、施術者がワインダーハンドル520を回転操作すると、ハンドルフレーム部100の内部に収容されたワインダーギア530が共に回転するようになる。
【0128】
ワインダー軸510には、
図13(b)に示すように、下端と上端にそれぞれ第1のホルダバー511及び第2のホルダバー513が結合される。第1のホルダバー511と第2のホルダバー513は、水平方向にワインダー軸510に結合される。第1のホルダバー511は、ワインダーハンドル520におけるホルダ結合ホイール521のホルダ結合溝523に嵌め込まれる。
【0129】
第1のホルダバー511がホルダ結合ホイール521に結合され、ワインダーハンドル520の回転操作がワインダー軸510に伝達される。
【0130】
第2のホルダバー513には、第1のホルダバー511と同様に、ワインダーハンドル520とワインダーハンドルカバー550とが結合される。施術者は、利便性を考慮してハンドルフレーム部100の両側に備えられた一対のワインダーハンドル520のうち、便利な側のワインダーハンドル520を操作して自由端237の長さを調節する。
【0131】
ワインダー軸510の経路上には突出したキー515が備えられる。キー515は、ワインダーギア530の軸挿入孔535に形成されたキー溝535aに嵌め込まれる。これにより、ワインダー軸510の回転がワインダーギア530に伝達される。
【0132】
ワインダーハンドル520は、
図10の(b)に示すように、右側フレーム120の外部に結合され、施術者が回転操作する。ワインダーハンドル520の外側にはホルダ結合ホイール521が突出して備えられる。ホルダ結合ホイール521の表面には、ホルダ結合ホイール521とワインダーハンドルカバー550とを固定させる締結部材(未図示)が挿入される内部締結部材挿入孔521aが形成される。締結部材(未図示)は、ワインダーハンドルカバー550の外部締結部材挿入孔551を通って内部締結部材挿入孔521aに挿入され、ワインダーハンドルカバー550がホルダ結合ホイール521の外部をカバーする。
【0133】
ホルダ結合ホイール521の中央領域には横方向にホルダ結合溝523が形成される。ホルダ結合溝523には、ワインダー軸510の第1のホルダバー511が嵌合している。
【0134】
ワインダーギア530は、ワインダー軸510に結合された状態で、左側フレーム110の糸ワインダー収容溝113に収容される。ワインダーギア530は、一方向回転ホイール531と糸巻取ホイール533が上下に積層されて形成される。一方向回転ホイール531は、外周縁に円周方向に沿って一方向回転制限歯531aが一方向に偏向して突出形成される。
【0135】
一方向回転制限歯531aは、
図14(b)と
図14(c)に示すように、一方向回転制限バー540と当接し、ワインダーギア530が自由端237が巻かれる方向にのみ回転し、自由端237が巻き戻される方向への回転は防止させる。
【0136】
一方向回転制限バー540は、制限バー収容溝113bに収容され、一方向回転ホイール531と接触され、一方向回転ホイール531の回転方向を制限する。一方向回転制限バー540の側面上端には一方向回転制限歯531aと同一の傾斜角度を有するように形成された回転許容傾斜面541が形成され、上端には回転防止水平面543が形成される。
【0137】
図14の(b)に示すように、ワインダーギア530が自由端237が巻かれる方向、つまり、図面上で反時計回りに回転すると、一方向回転制限歯531aが回転許容傾斜面541に乗って移動しながら回転が許容される。
【0138】
一方、
図14の(c)に示すように、ワインダーギア530が自由端237が巻き戻される方向、つまり、図面上に時計方向に回転すると、回転防止水平面543が一方向回転制限歯531aとの間の溝に嵌合して回転を遮断する。
【0139】
これにより、ワインダーギア530は、常に結紮糸230の長さ調節ループ233の長さが短くなる方向にのみ回転する。
【0140】
糸巻取ホイール533は、一方向回転ホイール531の上部に備えられ、結紮糸230の自由端237が結合して巻取される。糸巻取ホイール533の外周面には、結紮糸230の自由端237が結合される一対の糸挿入孔533aが形成される。自由端237は一つの糸挿入孔533aに挿入され、他の糸挿入孔533aに排出された後、結び目を作って糸巻取ホイール533に位置が固定される。
【0141】
この状態で糸巻取ホイール533が回転すると、自由端237が糸巻取ホイール533の外周面に巻取され、長さ調節ループ233の長さが短くなる。
【0142】
糸ガイドキャップ537は、糸巻取ホイール533の上部を覆い、糸巻取ホイール533に巻取された自由端237が外れないように支持する。糸ガイドキャップ537の一端には位置固定突起537aが突出形成され、ワインダー固定溝113aに嵌合されて糸ガイドキャップ537の位置が固定されるようにする。
【0143】
位置固定突起537aと離隔するように糸移動管537bが形成される。
図14の(b)に示すように、ニードル挿入管310の後端に排出された自由端237が、糸移動管537bを介して糸巻取ホイール533に巻取される。
【0144】
これにより、ワインダーギア530とこれに一体に形成された糸巻取ホイール533は、ワインダーハンドル520の回転方向に回転するが、糸ガイドキャップ537は位置が固定され、自由端237を糸巻取ホイール533に案内する。
【0145】
このような構成を有する本発明に係る前立腺肥大症施術装置1を用いて前立腺肥大症施術を行う過程を
図2乃至
図19を参照して説明する。
【0146】
前立腺肥大症施術装置1は、
図2に示すように、完全に組み立てられた状態で滅菌包装され、施術時に一対が用意される。
【0147】
即ち、ニードル案内部材340は、シース本体300aの先端に結合された状態で準備される。ニードル350は、シース本体300a内部に収容された状態で共に包装される。プッシャー軸361は、ニードル350の内部に収容された状態で包装される。
【0148】
ニードル350のニードルスロット351にアンカー組立体200が嵌合され、固定端231と長さ調節ループ233は、
図6に示すように、ニードルスロット351の外部に露出するように準備される。そして、結紮糸230の自由端237は、ニードル350のニードル挿入管310に沿って後方に案内され、一定の長さのニードル挿入管310の後方の外部に露出される。
【0149】
このとき、ニードル挿入管310の後端に排出された結紮糸230の自由端237は、
図14の(a)に示すように、ワインダーギア530の糸巻取ホイール533に連結されている。
【0150】
施術が始まる前の準備状態においても、
図10の(a)に示すように、トリガーロック部材440は、ロック部材移動溝115、125の後方に位置し、プッシャーボタン366は、プッシャー移動スリット112、121の後方に位置する。
【0151】
これにより、
図12の(a)に示すように、ニードルホルダ410が後ろに引っ張られており、ニードルトリガー420のホルダー着脱バー421のホルダ位置固定歯421aがホルダ位置調節歯411aの前方に噛み合ってニードルホルダ410の位置が固定される。
【0152】
弾性部材433は圧縮されており、トリガーロック部材440は、ロック軸収容リング429に収容され、ニードルトリガー420の位置が固定される。
【0153】
施術者は、麻酔用ゼリーを用いて尿道を介して内部を部分麻酔または脊髄、全身麻酔する。
図18の(a)に示すように、尿道(C)は、肥大した左側前立腺(A)と右側前立腺(B)によって塞がれている状態である。
【0154】
施術者は、アウターシース(S)を先に尿道具を通して挿入し、アウターシース(S)は、施術が終わるまで挿入された状態を維持する。
【0155】
施術者は、
図18の(b)に示すように、既に挿入されたアウターシース(S)を介してシース300を尿道(C)の内部に挿入する。このとき、ニードル350は、ニードル挿入管310内に収容された状態である。
【0156】
施術者は、
図10の(a)に示すように、ハンドルフレーム部100の外部に露出されたトリガーロック部材440を前方に移動させる。これにより、トリガーロック部材440は、
図15の(a)に示すように、ニードルトリガー420のロック軸収容リング429から外れる。
【0157】
この状態で施術者は、シース300に挿入された経尿道内視鏡600で内部を確認し、アンカー210、220が配置される位置を確認する。アンカー210、220は、膀胱頸部、精嚢のような解剖学的地点によって配置される位置を確認することができる。
【0158】
シース300を左側前立腺の外側葉に向けて20度以上傾ける。これは一例に過ぎず、施術時に左側または右側のどこを先にするかは施術者が独自に判断することになる。
【0159】
そして、施術者は、
図12の(b)に示すように、ニードルトリガー420のトリガー操作ボタン427を上部に回動させてホルダー着脱バー421のホルダ位置固定歯421aがニードルホルダ410のホルダ位置調節歯411aから外れるようにする。
【0160】
これにより、ニードルホルダ410が弾性部材433の弾性力によって前方に発射され、
図18の(c)に示すようにニードル350は、ニードル案内部材340の外に発射され、前立腺(A、B)を突き破って前立腺の外側葉に出る。
【0161】
このとき、
図16の(a)に示すように、ニードルスロット351には第1のアンカー210と第2のアンカー220が順次に収容されており、第2のアンカー220の後端にはプッシャー軸361が挿入されている。ニードル350の内部で第1のアンカー210と第2のアンカー220には、折り曲げ板217が撓もうとする力が作用しており、強制的に力を加えて押さない限り位置が固定される。
【0162】
施術者は、ハンドルフレーム部100の外部に露出されたプッシャーボタン366を前方に押す。これにより、
図15の(c)に示すように、プッシャーボタン366がプッシャーボタン移動レール411bに沿って前方に移動される。
【0163】
このとき、プッシャーテール367が第2の溝416bに係止され、施術者は、プッシャーボタン366の押圧を止める。
【0164】
プッシャーテール367が第2の溝416bに係止されると、プッシャー軸361が第2のアンカー220を前方に押し、
図16の(b)に示すように第1のアンカー210がニードル350の外部に排出される。ニードル350の外部に排出された第1のアンカー210は、
図18の(d)に示すように、左側前立腺(A)の上部外側に配置される。
【0165】
第1のアンカー210の排出が完了すると、施術者は引きレバー413を後ろに引き、ニードルトリガー420のホルダ位置固定歯421aがホルダ位置調節歯411aの前方に噛み合うようにする。これにより、ニードル350がニードル案内部材340の内部に再び戻される。
【0166】
施術者は、シース300を下部に移動させ、ニードル案内部材340を第2のアンカー220を配置する位置に移動させる。そして、ニードルトリガー420のトリガー操作ボタン427を上部に回動させてニードルホルダ410を前方に発射させ、ニードル350が左側前立腺(A)の下部位置を再び突き破って挿入されるようにする。
【0167】
そして、施術者は
図17の(a)に示すようにプッシャーボタン366を再び前方に操作し、プッシャーテール367は、第3の溝416cに嵌合される。プッシャーボタン366の前方への移動により、
図17の(b)に示すように、プッシャー軸361が第2のアンカー220の後端を押して第2のアンカー220がニードル350の外に排出される。
【0168】
ニードル350の外に排出された第2のアンカー220は、
図19の(a)に示すように、左側前立腺(A)の下部外側に配置される。このとき、第1のアンカー210と第2のアンカー220は結紮糸230によって連結された状態であり、自由端237は、ニードル挿入管310を介して糸ワインダー500に巻かれている。
【0169】
図19の(a)に示すように、第1のアンカー210と第2のアンカー220が前立腺(A、B)の外側に配置された状態では、長さ調節ループ233の長さ調節が行われていないため、結紮糸230が緩く位置し、前立腺組織の圧迫が行われない。
【0170】
施術者は、内視鏡で内部を確認し、
図10の(b)に示すように、ワインダーハンドル520を回転させて自由端237が糸巻取ホイール533に巻回されるようにする。糸巻取ホイール533に自由端237が巻回され、長さ調節ループ233の長さが短くなり、アンカー組立体200が左側前立腺(A)を圧迫することになる。
【0171】
施術者は、アンカー組立体200が左側前立腺(A)を圧迫して尿道(C)を開放する程度を確認した後、
図10の(b)に示すようにブレード押圧ボタン375を後方に押す。
【0172】
これにより、
図9の(b)に示すように、ブレード板371がニードル出口346の後方に摺動移動され、ブレード板371のブレードスリット371bに結紮糸230の自由端237が挟まれ、自由端237が切断される。
【0173】
切断された結紮糸230の自由端237の長さは、1mm未満であり、前立腺組織に埋めこまれる。これにより、
図19の(c)に示すようにアンカー組立体200が左側前立腺(A)を圧迫して尿道を開放する施術が完了する。
【0174】
施術者は、シース300を尿道の外に分離した後、新たな前立腺肥大症施術装置1を用いて、左側前立腺(A)と同様の方法で右側前立腺(B)にアンカー組立体200を結紮させる。
【0175】
これにより、
図19の(d)に示すように、左側の前立腺(A)と右側の前立腺(B)に一対のアンカー組立体200が結紮され、尿道(C)を開放することになる。このとき、アンカー組立体200は、第1のアンカー210と第2のアンカー220及び結紮糸230を繋ぐ「コの字」状または楕円状に連続して前立腺組織を圧迫することになる。これにより、結紮糸230によって圧迫されて開放される尿道(C)の長さ(l)を調節することができ、圧迫される幅(d)も調節できる長所がある。
【0176】
一方、上述した本発明の前立腺肥大症施術装置1は、第1のアンカー210が先に排出され、第2のアンカー220が後続に排出されるように記述されたが、これは一例に過ぎず、場合によっては第2のアンカー220が先に排出され、第1のアンカー210が後続に排出されてもよい。
【0177】
一方、上述した本発明の前立腺肥大症施術装置1は、第1のアンカー210が前立腺の上部外側に排出され、第2のアンカー220が前立腺の下部外側に排出されるように記述されたが、これは一例に過ぎず、場合によっては第2のアンカー220が前立腺の上部外側に排出され、第1のアンカー210が前立腺の下部外側に排出されてもよい。
【0178】
一方、上述した本発明の前立腺肥大症施術装置1は、弾性部材433の弾性力により、ニードルホルダ410が発射され、ニードル350が前立腺に挿入された。しかし、場合によっては手動方式で施術者がニードルホルダ410を手で押してニードル350の位置を調節することもできる。
【0179】
上述の通り、本発明に係る前立腺肥大症施術装置は、従来の前立腺の組織を部分的に圧迫していた施術方法と比較すると、結紮糸と一対のアンカーによって圧迫される前立腺組織が継続するので、尿速がさらに速くなる長所があり、これは、前立腺の長尺者により大きな効果を奏することができる。
【0180】
また、本発明に係る前立腺肥大症施術装置は、施術者が結紮糸の自由端を巻いて結紮糸の長さを調節して施術者が所望するだけ前立腺を圧迫する強度を調節することができる長所がある。
【0181】
これにより、患者別に多様な前立腺肥大症の症状に合わせて圧迫程度を調節することができるという効果がある。
【0182】
このような本発明の前立腺肥大症施術装置を用いた施術方法は、熱エネルギーを用いた他のレーザー施術や電気的手術のように全身麻酔や長い手術時間を要求しない。
【0183】
簡単なアンカー設置方法を介して早い手術時間と部分麻酔を可能にし、前立腺組織を切り取らないため、逆行性射精、勃起不全または血尿のような副作用を伴わない。また、非侵襲的であるので効果がない場合、いつでも他の手術をさらに受けることができる長所がある。
【0184】
以上、幾つかの実施形態を通じて本発明の技術的思想を説明した。
【0185】
本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が、本発明の記載事項から上述の実施形態を様々に変形または変更することができることは自明である。また、たとえ明示的に図示または説明されていないとしても、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の記載事項から本発明に係る技術的思想を含む多様な形態の変形をなし得ることは明らかであり、これは依然として本発明の権利範囲に属する。添付の図面を参照して説明した前記の実施形態は、本発明を説明するための目的で記述したものであり、本発明の権利範囲はこのような実施形態に限定されない。
【符号の説明】
【0186】
1:前立腺肥大症施術装置
100:ハンドルフレーム部
110:左側フレーム
111:ニードル操作部収容溝
112:左側プッシャー移動スリット
113:糸ワインダー収容溝
113a:ワインダー固定溝
113b:制限バー収容溝
113c:軸結合孔
114:左側ブレードボタン移動スリット
115:左側ロック部材移動溝
116:左側レバー移動路
117:左側内視鏡挿入孔
118:トリガー回動軸結合孔
119:シース結合板挿入溝
120:右側フレーム
121:右側プッシャー移動スリット
123:右側ブレードボタン移動スリット
125:右側ロック部材移動溝
126:右側レバー移動路
127:右側内視鏡挿入孔
200:アンカー組立体
210:第1のアンカー
211:第1の糸結合孔
213:第2の糸結合孔
215:折り曲げスリット
217:折り曲げ版
220:第2のアンカー
230:結紮糸
231:固定端
233:長さ調節ループ
235:スリップ結び目
237:自由端
300:シース
310:ニードル挿入管
320:内視鏡挿入管
330:ブレード軸移動管
340:ニードル案内部材
341:案内本体
342:ニードル挿入管連結管
343:ニードル案内曲面
344:ニードル露出孔
345:ブレード軸連結管
346:ニードル出口
350:ニードル
351:ニードルスロット
360:プッシャー
361:プッシャー軸
363:プッシャーホルダ
365:プッシャーボタン軸
366:プッシャーボタン
367:プッシャーテール
370:ニードルブレード部
371:ブレード板
371a:ニードル排出孔
371b:ブレードスリット
373:ブレード板連結軸
375:ブレード押圧ボタン
380:シース固定部材
381:シース結合板
381a:結合突起
383:シース結合管
383a:フック掛けリング
385:固定リング
385a:係止フック
400:ニードル操作部
410:ニードルホルダ
411:水平バー
411a:ホルダ位置調節歯
411b:プッシャーボタン移動レール
411c:シース挿入孔
413:引きレバー
413a:支持軸挿入孔
415:上部結合バー
416:テール位置固定レール
416a:第1の溝
416b:第2の溝
416c:第3の溝
420:ニードルトリガー
421:ホルダー着脱バー
421a:ホルダ位置固定歯
423:トリガー回動軸
425:フレーム支持バー
426:トリガーリターンスプリング
426a:フレーム固定部材
427:トリガー操作ボタン
429:ロック軸収容リング
430:ホルダ弾性支持部
431:弾性部材支持軸
431a:軸位置固定板
433:弾性部材
440:トリガーロック部材
500:糸ワインダー
510:ワインダー軸
511:第1のホルダバー
513:第2のホルダバー
515:キー
520:ワインダーハンドル
521:ホルダ結合ホイール
521a:内部締結部材挿入孔
523:ホルダ結合溝
530:ワインダーギア
531:一方向回転ホイール
531a:一方向回転制限歯
533:糸巻取ホイール
533a:糸挿入孔
535:軸挿入孔
535a:キー溝
537:糸ガイドキャップ
537a:位置固定突起
537b:糸移動管
540:一方向回転制限バー
541:回転許容傾斜面
543:回転防止水平面
550:ワインダーハンドルカバー
551:外部締結部材挿入孔
600:経尿道内視鏡
610:経尿道内視鏡入口
A、B:前立腺
C:尿道
S:アウターシース
【国際調査報告】