(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-20
(54)【発明の名称】バッテリのタブ冷却
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6553 20140101AFI20230613BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20230613BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20230613BHJP
H01M 10/6557 20140101ALI20230613BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20230613BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20230613BHJP
H01M 10/6551 20140101ALI20230613BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20230613BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20230613BHJP
H01M 10/653 20140101ALI20230613BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20230613BHJP
H01M 50/557 20210101ALI20230613BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20230613BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20230613BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20230613BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20230613BHJP
【FI】
H01M10/6553
H01M10/613
H01M10/647
H01M10/6557
H01M10/6563
H01M10/6568
H01M10/6551
H01M50/262 E
H01M50/293
H01M10/653
H01M50/204 401H
H01M50/557
H01M50/55 301
H01M50/211
H01M50/296
H01M50/50 201Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568716
(86)(22)【出願日】2021-05-11
(85)【翻訳文提出日】2022-11-10
(86)【国際出願番号】 GB2021051128
(87)【国際公開番号】W WO2021229214
(87)【国際公開日】2021-11-18
(32)【優先日】2020-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522439940
【氏名又は名称】キュードット テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス, ジャック
(72)【発明者】
【氏名】ウォン, ツン ホルト
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン, ザカリー
(72)【発明者】
【氏名】ビエイラ, ジョアン
(72)【発明者】
【氏名】フェイ, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】モリソン, アラスデア
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK01
5H031KK08
5H040AA28
5H040AS07
5H040AT04
5H040AT06
5H040NN03
5H043AA04
5H043AA08
5H043BA11
5H043CA09
5H043EA15
5H043EA16
(57)【要約】
複数のセル(10)及びヒートシンク装置(16)を備える一体型のバッテリ及び冷却システム(2)が提供される。各セル(10)は、第1の導電性及び熱伝導性の電気端子(12)から離れて延びて該電気端子(12)に結合された第1の材料の少なくとも1つの電気的コレクタ(27)と、第2の導電性及び熱伝導性の電気端子(14)から離れて延びて該電気端子(14)に結合された第2の材料の少なくとも1つの電気的コレクタ(27)とを含む。電気端子(12、14)は、実質的に平面であり、それらの間に一連の細長いチャネルの夫々の側壁を形成する。ヒートシンク装置(16)は、各チャネル内に延在し、その少なくとも1つの側壁に熱的に結合されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルとヒートシンク装置を備えた一体型のバッテリ及び冷却システムであって、
各セルは、
第1の電気的及び熱伝導性の電気端子に結合され、該第1の導電性及び熱伝導性の電気端子から離れて延在した第1の材料の少なくとも1つの電気的コレクタと、
第2の電気的及び熱伝導性の電気端子に結合され、該第2の導電性及び熱伝導性の電気端子から離れて延在した第2の材料の少なくとも1つの電気的コレクタとを備え、
前記電気端子は、実質的に平面であり、電気端子の間に一連の細長いチャネルの夫々の側壁を形成し、
前記ヒートシンク装置は、各チャネル内に延在し、その少なくとも1つの側壁に熱伝導的に結合されることを特徴とする、一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項2】
前記ヒートシンク装置は、夫々のチャネルに配置された複数のバーを備える、請求項1に記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項3】
前記ヒートシンク装置の各バーは、内部に冷却剤流体を収容する外部ケーシングを備え、使用時に冷却剤流体は入口を介してバー内に流れ、出口を介してバーから出る、請求項2に記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項4】
前記ヒートシンク装置は、外部ケーシング内に冷却機構を備え、該冷却機構は冷却剤流体が流れる流体チャネル内に配置された、請求項3に記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項5】
前記ヒートシンク装置の複数のバーは、各バーが対応する細長いチャネルの幅にわたって延在し、両側壁に熱的に結合されるように配置される、請求項2乃至4の何れかに記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項6】
前記ヒートシンク装置の各バーは、夫々の入口及び出口を介して隣接するバーに接続されて、複数のバー全体にわたって冷却剤流体の流れを可能にする、請求項2乃至4の何れかに記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項7】
前記ヒートシンク装置は、電気端子を受け入れるスロットを含むブロックを備え、該ヒートシンク装置は、電気端子間の細長いチャネル内に延在する、請求項1に記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項8】
前記ヒートシンク装置のブロックは、内部に冷却剤流体を収容する外部ケーシングを備え、使用時に冷却剤流体は入口を介してブロック内に流れ、出口を介してブロックから出る、請求項7に記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項9】
前記ヒートシンク装置は、外部ケーシング内に冷却機構を備え、該冷却機構は冷却剤流体が流れる流体チャネル内に配置された、請求項8に記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項10】
前記ヒートシンク装置は、チャネル内の端子間に延在し、電気端子の端部の上に延在する、請求項7乃至9の何れかに記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項11】
所与のセルの電気端子が、セルの幅にわたって2つ以上の部分に分割され、2つ以上の正極の電気端子及び2つ以上の負極の電気端子が各セルから延在し、電気端子の間隙が各セルの電気端子間に形成される、請求項1乃至10の何れかに記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項12】
ヒートシンク装置は、各細長いチャネルに配置され、細長いチャネルの側壁の少なくとも1つに熱的に結合された複数の熱収集器を備え、熱収集器は、共通の個別の熱除去部に熱が伝導するように結合される、請求項1に記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項13】
前記共通の個別の熱除去部は、内部に冷却剤流体を収容する外部ケーシングを有する導管を備え、使用時に冷却剤流体は入口を介して導管内に流れ、出口を介して導管から出て、前記熱除去部を介して前記冷却剤流体を送り込みし、かつ前記冷却剤流体から熱を除去する外部熱伝達システムが配置される、請求項12に記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項14】
前記熱除去部は、フィン付き構造、突起付き構造、または、表面積を増加させて使用時に空気流れに晒される複数の部分を有する他の構造を含む、請求項12に記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項15】
前記熱収集器は、各熱収集器が対応する細長いチャネルの幅にわたって延在し、両側壁に熱が伝わるように配置される、請求項12乃至14の何れかに記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項16】
所与のセルの前記電気端子が、セルの幅にわたって2つ以上の部分に分割され、2つ以上の正極及び2つ以上の負極の電気端子が各セルから延在し、電気端子の間隙が各セルの電気端子間に形成され、前記共通の個別の熱除去部が前記電気端子の間隙内に配置される、請求項12乃至15の何れかに記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項17】
一体型のバッテリ及び冷却システムを収容する外部の支持構造を備える、請求項1乃至16の何れかに記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項18】
最も外側のセルと前記外部の支持構造との間に圧縮性の層を備える、請求項17に記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項19】
隣接するセル間に圧縮性の層を備える、請求項1乃至18の何れかに記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項20】
隣接する電気端子の対が、電気的に結合されて、前記複数のセルを直列に接続する、請求項1乃至19の何れかに記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項21】
前記電気端子と前記ヒートシンク装置との間に電気的に絶縁性の熱伝導層を備える、請求項1乃至20の何れかに記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項22】
前記熱収集器は、隣接するセル間に電気的接続を提供するように配置される、請求項12乃至16の何れかに記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項23】
前記電気端子と前記ヒートシンク装置の前記熱収集器との間には、電気的に絶縁性の熱伝導層が設けられていない、請求項22に記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【請求項24】
前記セルは、2つの長い縁部及び2つの短い縁部と、前記セルの1つの長い縁部に沿って延びる正極の電気端子と、前記セルの反対側の長い縁部に沿って延びる負極の電気端子とを備えた長方形のパウチセルであり、両方の電気端子が前記セルから離れるように延在する、請求項1乃至23の何れかに記載の一体型のバッテリ及び冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリの冷却に関し、例えば、電気自動車(EV)に電力を供給するために使用されるバッテリに関するが、該バッテリは他の用途にも使用することができる。
【背景技術】
【0002】
従来の化石燃料を動力源とするエンジンの環境への影響に対する懸念と、それに比較したEVの環境への影響の低減により、EVやその他の形式の電気輸送の普及が進んでいる。しかしながら、EVの使用増加に直面する1つの大きな課題は、使用されるバッテリの限界に基づく性能の限界である。
EVに使用されるバッテリに関する懸念の一例は、その寿命である。バッテリの充電及び放電は、加熱を引き起こし、次に、バッテリの熱劣化を通して、その寿命を減少させる。バッテリの最大動作温度は、周囲空気温度よりも低くされ得て、その場合、最適なバッテリ性能及び寿命のために冷却がさらに必要とされる。さらに、冷却は、火災または停電につながる可能性がある過熱を防止することによって、安全性を改善る。したがって、EV性能と安全性を高めるためには、バッテリの冷却の改善が望ましい。
【0003】
パウチセル(Pouch cell)は、EVのバッテリに一般的に使用される。パウチセルは、内部に複数のサブセルがあるハウジングを有し、各々のサブセルは、イオン透過性電極分離層によって分離された、負極の電気的コレクタ、アノード及びカソード、ならびに正極の電気的コレクタから構成される。電解質は、サブセルの層を取り囲む。これらのサブセルは、セルを形成するように層状にされており、複数の層の電気的コレクタは、一般にタブとして記載される、セルハウジングを越えて延びる導電性及び熱伝導性の電気端子に結合されている。EVにおけるバッテリ冷却の現在の方法は、冷却されるセルの層の間の界面に依存しており、これは冷却されるべき最大の表面積を提供するためである。
出願人は、この冷却方法に関連する欠点があること、特にサブセル内の複数の層を通る熱伝導率が低く、特に夫々の層の間の典型的に高い接触抵抗のために、バッテリの深さに亘って温度勾配が生じることを認識しており、全体としてバッテリの最も高温の部分(中央部)がバッテリの寿命を示すことにつながることを認識している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様から見ると、本発明は、複数のセルと、ヒートシンク装置とを備える一体型のバッテリ及び冷却システムを提供し、各セルは、第1の電気的及び熱伝導性の電気端子に結合され、該第1の電気的及び熱伝導性の電気端子から離れて延在した第1の材料の少なくとも1つの電気的コレクタと、第2の電気的及び熱伝導性の電気端子に結合され、該第2の電気的及び熱伝導性の電気端子から離れて延在した第2の材料の少なくとも1つの電気的コレクタとを備え、電気端子は、実質的に平面であり、電気端子の間に一連の細長いチャネルの夫々の側壁を形成し、ヒートシンク装置は、各チャネル内に延在し、その少なくとも1つの側壁に熱伝導的に結合される。
【0005】
従って、本発明によれば、電気的コレクタと電気端子がヒートシンク装置に熱伝導的に結合されるので、熱伝導性の電気端子を冷却し、バッテリの長さ全体にわたって延びる電気的コレクタを冷却することによって、バッテリの冷却が起こり得ることが当業者には分かるであろう。これは、本出願人によって識別された従来技術の界面冷却方法の欠点の1つに対処し、該欠点はパウチセルのすぐ外面での冷却が、セル内の層に垂直な熱勾配をもたらし、温度が最も高く、界面冷却が最も効果的でないところで、セルの中心の急速な劣化をもたらすという点である。これは、セルが、異なるレベルの劣化を経験するサブセルのために、不均一な経年劣化を経験することを意味する。セルの性能は、最も弱いサブセルの性能によって制限される。さらに、各内部層は、各電極層が様々な放電挙動を示す異なる温度にある。
しかしながら、本発明によるタブ冷却は、冷却が各セル内で面内で行われることを確実にする。これにより、各セルにわたる温度の均一性が改善されるために、バッテリの放電挙動の均一性が改善され、したがって、複数の充放電サイクルにわたってバッテリの寿命が延びる可能性がある。
【0006】
このようなタブ冷却のさらなる利点は、面冷却装置が存在するセルの面の間に大きなギャップがもはや必要とされないことである。したがって、セルは、互いにより密に集めることができ、梱包効率を向上させる。所与の容積内に密集されたより多くのセルを有することができることは、多くの用途において有利である。典型的には、パウチセルがその間に冷却装置なしで互いに隣接して積み重ねられるときの隣接する電気端子間のギャップは、0mm-5mmである。このギャップは、電気端子間に延びるヒートシンク装置によって提供されるタブ冷却システムが効果的に冷却することができるほどに十分大きい。ヒートシンク装置は、細長いチャネルの全幅を延びる必要はない。例えば、それは、チャネルの一方の側壁に結合され得るが、他方の側壁からギャップによって分離され得る。
【0007】
タブ冷却はまた、セル厚さに対する制約を低減する。従来技術の界面冷却方法では、セルの厚さは、セルの深さに亘る温度勾配のために制限される。界面冷却が使用されるときにセルの厚さを増加させることは、最小の冷却が存在するセルの中心部の最高温度を増加させ、それはセル内の複数の層及び界面を通る熱伝導の困難性故である。
対照的に、タブ冷却では、セル全体の温度の均一性が高まるため、タブを互いに結合し、同じヒートシンクに接続することで、より厚いセルや2つ以上のセルを並列に接続することができる。タブ冷却では、セルの深さではなく幅方向に熱を伝導させる必要があるため、熱伝導長が長くなるが、それでも全体的な冷却性能は向上するのが一般的である。これは、電気的コレクタが熱を伝えることができるセルの幅方向に熱伝導率が高く、複数の層や界面が熱抵抗をもたらす深部とは対照的であるためである。
【0008】
タブ冷却によって実現することができる上述の一般的な利点に加えて、本発明に従って提供される特定の構成は、さらなる利点を提供することができる。より具体的には、形成された流路にヒートシンクを設けると、有利なことに、かなりの接触面積が得られるので、熱接触の程度が向上する。平面端子を有することは、このヒートシンク装置の製造を単純化することができ、セルをよりコンパクトにすることをさらに助長することができる。
【0009】
セルを冷却するために必要とされる冷却の程度は、セルの目的、ならびに外部環境に依存する。セルが動作すべき最適温度を決定して、その機能を最適化するために、外部プロセッサが提供されてもよい。冷却は、セルの温度を測定し、測定されたセルの温度を用いて必要な冷却の程度を決定するフィードバック制御システムを用いて達成することができる。セルの温度は、システムが様々な状況に応答することができるように、連続的に監視することができる。
【0010】
一連の実施形態では、ヒートシンク装置は、夫々のチャネルに配置された複数のバーを備える。バーは中実であってもよいが、一連の実施形態では、各バーは、内部に冷却剤を収容する外部ケーシングを備え、使用時には、入口からバー内に流入し、出口からバー外に流出する。外部ケーシングは、導電性及び熱伝導性であってもよく、冷却剤流体は、液体又は気体のいずれであってもよい。冷却剤流体は、導電性であってもよく、また、電気絶縁性または誘電性であってもよい。
一連の実施形態では、複数のバーは、各バーが、対応する細長いチャネルの幅を横切って延在し、両側壁-すなわち、2つの隣接する電気端子に熱的に結合されるように配置される。一連の実施形態では、各バーは、夫々の入口及び出口を介して隣接するバーに接続されて、複数のバー全体にわたって冷却剤流体の流れを可能にする。
【0011】
別の組の実施形態では、ヒートシンク装置は、電気端子を受け入れるスロットを含むブロックを備え、ブロックヒートシンク装置は、電気端子間の細長いチャネル内に延在する。この場合も、ブロックはスロットとは別に中実であってもよいが、一連の実施形態では、内部に冷却液を収容する外部ケーシングを備え、使用時に冷却液が入口からブロックに流入し、出口を介してブロックから流出する。
【0012】
ブロックヒートシンク装置は、ブロックヒートシンク装置がより少ない部品を有するので、内部の冷却液の潜在的な漏れ箇所がより少ないという点で、複数のバーよりも利点を有する。このシステムのさらなる利点は、ブロックヒートシンク装置が、電気端子を全ての側面で取り囲み、電気端子とヒートシンク装置との間のより大きな接触表面積を形成することができ、冷却の効率をさらに向上させることである。電気端子は、熱収縮嵌合、可撓性パッド、圧力嵌合などの方法を用いて、ブロックヒートシンク装置のスロットに嵌合されてもよい。電気端子はまた、ヒートシンク装置のスロットを越えて延在してもよい。これは、製造上の理由、または例えばセンサへのさらなる接続を可能にするためである。
【0013】
ヒートシンク装置が全体にわたって中実である場合、ヒートシンク装置は、銅またはアルミニウムなどの導電性及び熱伝導性の材料から構成され得る。
【0014】
一連の実施形態では、ヒートシンク装置はその間のチャネルで端子間に延在するだけでなく、ヒートシンク装置は電気端子の端部にも延在している。例えば、電気端子が夫々のスロット内に受け入れられる場合、そのようなスロットは、ヒートシンク装置の厚さの途中までしか延びないであろう。
【0015】
一連の実施形態では、ヒートシンク装置は、冷却剤流体が流れることができる流体チャネル内に配置された外部ケーシング内の冷却機構を含む。これらの冷却機構は、脚注、リブ、ピン、フィン、緩衝部などであってもよい。冷却機構は、冷却剤流体と接触する表面積を増加させるとともに、例えば乱流を増加させるために、ヒートシンク装置を通る冷却剤流体の流れを修正し、ヒートシンク装置の外部ケーシングと外部ケーシングを通って流れる冷却剤流体との間の熱伝達を改善することができる。
【0016】
冷却剤流体は、様々な構成でヒートシンク装置を流れるように配置される。冷却剤流体は、ヒートシンク装置を通る冷却剤流体の流れを維持するとともに、冷却剤流体から廃熱を排出する外部熱伝達システムを使用して送液することができる。冷却剤流体の流れの1つの可能な構成は、冷却剤流体が細長いチャネル内のヒートシンク装置間に分配される並列構成である。
次いで、冷却剤流体は、同時に各チャネル/バーを通って流れ、集められ、外部熱伝達システムへヒートシンク装置から流出する。別の可能な冷却剤流れの構成は、冷却剤流体が各チャネル/バーを順番に流れる直列構成である。この構成は、たとえセル自体がわずかに異なる温度にて動作するとしても、個々のセル内の温度勾配を小さく保つことができる。さらに、直列の冷却剤流れ構成は、冷却剤の必要な質量流れが並列構成よりも少ない。
【0017】
一連の実施形態では、外部の支持構造が一体型のバッテリ及び冷却システムを収容する。外部の支持構造は、セル及びヒートシンク装置を囲む2つの端板を備え、剛性の支持ロッドを介して接続される。バッテリを形成するセルは、平坦を維持するように、圧縮下で保持される必要があり得る。したがって、外部の支持構造は、複数のセルが層間剥離しないように、複数のセルに横方向の圧縮を提供する。また、外部の支持構造は、複数のセルを挟み込んで支持することもできる。
【0018】
一連の実施形態では、圧縮性の層は、隣接するセル間に設けられる。一連の実施形態では、最も外側のセルと外部の支持構造との間に圧縮性の層が設けられる。セルが充電または放電されると、セルは膨張し、したがって、圧縮性の層は、充電及び放電中にセルの少量の膨張を可能にし得る。この圧縮性の材料は、発泡体であってもよい。
【0019】
一連の実施形態では、隣接する一対の電気端子が、複数のセルを直列に接続するように電気的に結合される。これは、電気端子が、隣接する電気端子と電気的及び熱的に接触するように基端領域で曲げられるように、かつ先端領域で直線的になり、その結果、一対の電気端子が、ヒートシンク装置を含む細長いチャネルの側壁を形成するように成形されることによって達成され得る。複数のセルを直列に接続することにより、より高い全電圧をバッテリから引き出すことができる。1つのセルが作り出すことのできる最大合計電圧は、通常0V-4Vである。複数のセルを直列に接続することにより、バッテリの総電圧が増加し、EVの電力供給に必要な電圧まで増加する。また、全電圧を増加させずに容量を増加させるために、セルを電気的に並列に接続してもよい。バッテリを通る全電圧は、複数のセルの最外側の電気端子に電気的に結合された外部の電気接続を用いて得ることができる。これらの外部の電気接続は、バッテリが外部電力を供給することを可能にすべく、ヒートシンク装置及び支持構造を越えて延在してもよい。
【0020】
一連の実施形態では、電気端子とヒートシンク装置との間に、電気的に絶縁性の熱伝導層が設けられる。これにより、ヒートシンク装置の外部ケーシングや内部の冷却剤流体が導電性でも、バッテリの短絡が防止される。
【0021】
セルは、任意の好都合な形状及びタイプであってもよいが、一連の実施形態では、セルは、2つの長い縁部及び2つの短い縁部を有する長方形のパウチセルである。パウチセルは、ハウジングを有し、該ハウジング内部にイオン透過性材料によって分離される複数の電極層があり、複数の電極層は導電性及び熱伝導性の電気端子に結合され、該電気端子は外部との電気接続を提供するためにセルハウジングを越えて延在する。
【0022】
パウチセルの典型的な構成は長方形であり、長い縁部及び短い縁部を有し、2つの電気端子は、典型的には、同じ短い縁部に沿って、または代替的に、パウチセルのいずれか1つの短い縁部とともに延在する。
一連の実施形態では、正極の電気端子は、セルの1つの長い縁部に沿って延在し、負極の電気端子は、セルの反対側の長い縁部に沿って延在し、両方の電気端子は、セルから離れるように延在する。長い縁部上に電気端子を有することは、セルの熱伝導経路の長さを減少させるので有利である。これはまた、電気端子の面積を増加させ、したがって、ヒートシンク及び外部との電気接続部との電気的及び熱的接触を改善する。
【0023】
電気的コレクタ及び関連する電気端子は、任意の適切な導電性及び熱伝導性材料から形成されてもよいが、一連の実施形態では、1組の電気的コレクタ-負極の電気的コレクタ-と対応する電気端子は銅から製造され、他の組の電気的コレクタ正極の電気的コレクタ-及び対応する電気端子は、アルミニウムから製造される。これらの材料はいずれも高い導電率と熱伝導率を有する。
【0024】
一連の実施形態では、セル内の電極分離層は、多孔質材料から製造される。電極分離層は、ポリエチレンまたはポリプロピレンから作製されてもよい。電極分離層は多孔質であって、電極を取り囲む電解質が分離層を介して両方の電極と接触し、イオンの輸送を可能にする。
【0025】
セルハウジングは、任意の適切な材料から形成することができるが、一連の実施形態では、アルミニウム-ポリマ複合体から製造される。この材料は、高い可撓性を有するとともに、内部電解質の漏れを防ぐための良好な水分バリア及びパウチ封止特性を付与する。
【0026】
出願人は、上述したバッテリ冷却システムの幾つかの実装形態は、ヒートシンクバーの間に多数の接続部を有していてもよく、これは、流体の漏れを防止することをより困難にし得ることを理解した。さらに、本出願人は、全体の重量を低減することができるさらなる方法を認識している。
【0027】
一連の実施形態では、ヒートシンク装置は複数の熱収集器を備え、該熱収集器は夫々の細長いチャネルに配置され、細長いチャネルの前記側壁のうちの少なくとも1つに熱的に結合される、熱収集器は、共通の個別の熱除去部に熱的に結合される。
【0028】
上述の実施形態に従って、熱収集器及び共通の個別の熱除去部を使用することにより、冷却剤流体を通過させる複数のヒートシンクバー間にシールを必要とする構成と比較して、冷却剤流体の漏れのリスクを低減することができることが理解されよう。構成部品の数及び必要なシールの量を減らすことは、また、システムの製造の容易さ及び重量を改善し得る。また、上記で概説した実施形態による構成では、共通の個別の熱除去部が複数のセルの全てを等しく冷却するように作用するので、セル間及び電気端子間の温度勾配を低減することができる。熱除去部(複数可)は、ヒートシンクが内部の冷却剤流体を使用して電気端子から熱が離れるように導く場合、冷却剤の漏れに関連するリスクを低減するためにセルから離れた位置に配置されてもよい。
【0029】
一連の実施形態では、共通の個別の熱除去部は、外部ケーシングを有する導管を備え、外部ケーシングは内部に冷却剤流体を収容し、使用時に冷却剤流体は、入口を介して導管に流れ、出口を介して導管から出て、外部の熱伝達システムは、冷却剤流体を熱除去部を介して送り込み、冷却剤流体から熱を除去するように配置される。前述の実施形態のように、外部ケーシングは、導電性及び熱伝導性であってもよく、冷却剤流体は、液体または気体のいずれかであってもよい。冷却剤流体は、導電性であってもよく;また、電気的に絶縁性または誘電性であってもよい。
【0030】
あるいは、一連の実施形態では、熱除去部は、表面積を増加させる複数の部分を有するフィン付き構造、突起付き構造、または他の構造を備え、使用時に空気流れに晒される。その熱除去部としてこのような表面積の増加した構造を使用すると、セルを冷却するために冷却剤流体の全ての使用を避けることができるので、システム全体の質量をさらに減少させることができ、同様に、漏洩のリスクを減少させることができる。また、部品数が減少することもあり、システムから熱を除去するために外部の熱伝達システムに接続する必要はない。
【0031】
一連の実施形態では、熱収集器は、隣接するセル間に電気接続を提供するように配置される。このような一連の実施形態では、ヒートシンク装置の電気端子と熱収集器との間に設けられた電気的に絶縁性の熱伝導層が存在しなくてもよい。これは、電気端子と熱収集器との間の熱伝導に対する抵抗を減少させることによって、電気端子と熱収集器との間の熱伝導の効率をさらに改善することができる。
【0032】
一連の実施形態では、各熱収集器は、各熱収集器が対応する細長いチャネルの幅にわたって延在し、両側壁-すなわち2つの隣接する電気端子-に熱的に結合されるように配置される。熱収集器は、銅、ヒートパイプ、またはこれらの2つの組み合わせのような高い導電性の材料から製造することができる。ヒートパイプは、典型的には、作動流体を収容する外部ケーシングと、ウィック構造とを備え、ウィック構造は、毛細管圧力を発生させ、パイプに沿って作動流体を側壁に熱的に結合される外部ケーシング部分に輸送するように配置される。ヒートパイプは、電気端子と熱除去部との間の熱の伝導を改善することによって、端子を冷却する効率を改善することができる。
【0033】
熱収集器は、任意の構成を有することができ、例えば、細長いチャネルの側壁に結合された単純なブロックであってもよい。
【0034】
あるいは、熱収集器は、各電気端子間の温度勾配を最小化するように構成されてもよい。例えば、各電気端子の幅に沿って熱が集められる場合、熱収集器は、熱除去部に向かって導電性が高いように構成されて、電気端子から離れた熱除去部に向かって熱の蓄積を弱めてもよい。熱抵抗を減少させ、従って熱伝導率を改善するための熱収集器の可能な構成は、熱収集器の厚さを増加させることであろう。
【0035】
共通の熱除去部は、細長いチャネルのうちの1つまたは複数内に配置されてもよく、熱収集器は、細長いチャネルの間及び細長いチャネルの上に延在される。そのような配置は、各電気端子の先端に向かって流れる熱をもたらし、複数のセルからの熱は、共通の熱除去部によって集められる。このような構成は、伝導経路長を減少させ、冷却を改善するのに役立ち、熱が端子に沿って伝導される距離が減少するために、電気端子の幅にわたってより均一な温度を提供する。このような構成では、熱収集器は、セル間に電気的接続を提供することもできる。更に、セルの一方の端部から延びる電気端子に結合された熱収集器の位置は、セルの反対側の端部から延びる電気端子に結合された熱収集器の位置からずれていてもよい。そのようなオフセット配置は、セル間の直列接続をもたらす。共通の熱除去部は、1つまたは複数の細長いチャネルの上方に配置されてもよく、共通の熱除去部は、細長いチャネル内で延びる熱収集器に熱的に結合される。
【0036】
一連の実施形態では、所与のセルの電気端子は、セルの幅にわたって2つ以上の部分に分割され、2つ以上の正極及び2つ以上の負極の電気端子が各セルから延在し、電気端子の間隙が各セルの電気端子間に形成される。電気端子の間隙は、隣接する電気端子の対間に形成される細長いチャネルとは異なることが、当業者には理解されるであろう。特に、電気端子の間隙は、典型的には、細長いチャネルに直交して配置されるであろう。
【0037】
このような一連の実施形態では、共通の個別の熱除去部が、電気端子の間隙内に配置される。したがって、共通の個別の熱除去部は、電気端子の幅に直交して配置される。このような構成は、熱が分割された電気端子の幅に沿って伝導されるだけでよいので、伝導経路の長さをさらに減少させることができる。例えば、全てのセルの電気端子が2つに分割される場合、伝導経路の長さは、連続する端子幅と比較して少なくとも半分になり、電気端子の両端の熱勾配がさらに低減される。
【0038】
冷却システムは、電気端子の間隙内に1つの共通の熱除去部を備えて配置されてもよい。このような実施例では、熱収集器は、電気端子の幅に沿って中央の電気端子の間隙に向かって熱を伝導する。更に又は代替的に、熱除去部を電気端子の外側縁部に設けることもできる。
【0039】
電気端子の間隙内に熱除去部を有する実施形態では、熱除去部は、複数のセル群の間で共有されてもよく、本明細書で言及する複数のセルの上下に積み重ねられた付加的なバッテリを備え、共通の熱除去部がセルの間で共有されるときに複数のバッテリに冷却を提供するようにしてもよい。
【0040】
本明細書に記載の任意の態様または実施形態の特徴は、適切な場合にはいつでも、本明細書に記載の任意の他の態様または実施形態に適用することができる。異なる実施形態が参照される場合、これらは必ずしも別個ではなく、重複し得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明の実施形態による一体型のバッテリ及び冷却システムを示す図である。
【
図2】支持構造体が取り外された
図1のシステムの図である。
【
図6A】
図1の一体型のバッテリ及び冷却システムの概略平面図であり、並列な冷却剤流れ構成を有する。
【
図6B】
図6Aと同様の図であり、代替の直列冷却剤流れ構成を示す。
【
図6C】、
図6Aと同様の図であり、さらなる代替の並列-戻り冷却剤流れ構成を示す。
【
図7】別の実施形態の斜視図であり、単一ブロックのヒートシンク装置を有する。
【
図8】
図7の実施形態の拡大された断面端面図である。
【
図9】
図7の実施形態の冷却剤流れ構成の概略図である。
【
図10A】本発明のさらなる実施形態による、一体型のバッテリ及び冷却システムを示す図である。
【
図11A】本発明のさらなる実施形態による分割されたタブを備えた一体型のバッテリ及び冷却システムを示す図である。
【
図12A】本発明のさらなる実施形態による一体型のバッテリ及び冷却システムを示す図である。
【
図13A】本発明のさらなる実施形態による一体型のバッテリ及び冷却システムを示す図である。
【
図14A】本発明のさらなる実施形態による一体型のバッテリ及び冷却システムを示す図である。
【
図15A】本発明のさらなる実施形態による一体型のバッテリ及び冷却システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1乃至
図4は、一体型のバッテリ及び冷却システム2を示し、端板6と、2つの端板6を連結する剛性スペーサ8とを備える支持構造4(
図2では省略)を備える。一体型のバッテリ及び冷却システム2は、夫々のセルのカバーから延びる外部電気端子(タブとしても知られる)を備える複数の電気セル10を含み、外部電気端子はセルが交互に反転するため、正極端子12と負極端子14との間を1つのセルから次のセルへ交互に切り替わる。電気端子12、14は、導電性及び熱伝導性であり、それらが接続される電気セル10内の正極及び負極の電気的コレクタ27(
図4参照)と同様に、銅(負極端子14)及びアルミニウム(正極端子12)から作られる。したがって、電気端子12、14は、電気的コレクタを介して、電流と熱の両方を電気セル10から導出する。
【0043】
外部の支持構造4は、それらが層間剥離しないように、複数のセル10に横方向の圧縮を提供する。
【0044】
図4でより明確に見られるように、端子は互いに向かって曲げられて、それらの平面状の先端部が直列に接続され、1つのセルの正極端子12が隣接するセル10の負極端子14に接続される。最端の負極端子14は外部の負極コネクタ22に接続され、最端の正極端子12は外部の正極コネクタ24に接続される。
【0045】
正極の電気端子12と負極の電気端子14との隣接する対が接触しているので、電気セル10は直列に接続される。次いで、外部の電気的コネクタ22、24は、外部に電力を供給するために、複数のセル10の最も外側の電気端子12、14に電気的に結合される。例えば、各電気セル10が、
図1の12個の電気セル10にわたって3.7Vの電圧を提供する場合、外部の電気的コネクタ22、24の間に0V-44.4Vの電圧が生成される。
【0046】
電気端子12、14の接続された平面状の先端部は、ヒートシンク装置16が配置される一連の細長いチャネルの側壁を形成する。ヒートシンク装置16は、一連の長方形のバー17を含み、これらのバーは、入口開口部及び出口開口部18、20によってそれらの端部で互いに接続され、それらバーの間に冷却剤流体が流れることを可能にする。各ヒートシンクバー17は、例えば熱伝導性パッドによって、隣接するバー17から分離した電気端子12、14に熱的に結合される。ヒートシンクバー17により、外部の冷却剤流体がヒートシンク装置16を通って流れることが可能になる。外部の電気的コネクタ22、24は、複数の電気セル10の最も外側の電気端子12、14に電気的に結合され、夫々の端板6を越えて延びている。
【0047】
図4は、以前の図の一体型のバッテリ及び冷却システムの拡大された断面端面図を示す。各セル10の間には、圧縮性の層26(例えば、発泡体)が存在する。圧縮性の層26により、複数のセル10の横方向の膨張が可能になる。電気セル10が充電及び放電するとき、複数のセル10は膨張し、圧縮性の層26は、この膨張が起こることを可能にし、一方で、外部の支持構造4が、セル10が平面のままであるような剛性を提供することを依然として可能にする。
【0048】
各セル内には、セルハウジングを越えて延在する正極端子12及び負極端子14に夫々接続された複数の正極の電気的コレクタ27及び負極の電気的コレクタ27がある。隣接する電気端子12、14の対とヒートシンクバー17との間には、電気的な絶縁層28が見られる。電気端子12、14とヒートシンク装置16との間の絶縁層28は、材料の薄い層、例えば、電気絶縁性であるが熱伝導性のある熱伝導性パッドの薄い層である。したがって、絶縁層28は、複数のセル10を直列に接続するために、隣接する対の電気端子12、14をヒートシンク装置16及び次の隣接する対の電気端子12、14から電気的に絶縁する。
【0049】
ヒートシンクバー17の各々は、内部冷却チャネル32を画定する外側ケーシング30を備える。使用時には、冷却剤流体が内部冷却チャネル32内を流れる。
【0050】
図5は、ヒートシンクバー17の1つを通る拡大された断面側面図を示す。この図から、内部冷却チャネル32にわたって分散された脚柱34の配列が見られる。ヒートシンクバー17は、入口18及び出口20を有する。使用時には、冷却剤流体は、開口部18を介してヒートシンクバー17の内部冷却チャネル32に入る。次いで、冷却剤流体は、内部冷却チャネル32を通って、流れを修正する脚柱34の周りを流れる。次いで、冷却剤流体は出口開口部20を通って放出される。
【0051】
図6A、
図6B、
図6Cは、夫々概略的に並列な冷却剤流れ構成、直列な冷却剤流れ構成、及び並列な戻り冷却剤流れ構成を示す。
【0052】
図6Aに示す並列な冷却剤流れ構成では、入口18及び出口20は、夫々のヒートシンクバー17の両端にある。冷却剤流体36は、左端のバー17aの入口18aでヒートシンク装置16に入り、次いで、他の全てのバー17の入口18に順番に入る。したがって、冷却剤流体36は、ヒートシンク装置16の各バー17間に分配され、各ヒートシンクバー17の長さに沿って、対応する出口20に流れ、出口20にて冷却剤流体36は再結合して右端のバー17bの出口20bから流出する。
【0053】
上述のシステムの使用において、熱は各セル10の内側で発生し、該熱は個々の電気的コレクタ27によって対応する端子12、14に伝導される。ヒートシンクバー17がケーシングを横切る熱の効率的な伝達を可能にし、そしてヒートシンクの中を流れる冷却剤流体36への熱の効率的な伝達を可能にするならば、端子12、14の平面部分とケーシング30との間の密接な熱的結合は、脚柱の内部アレイによって引き起こされる増加した表面積と乱流によって強化される。冷却剤流体36は、冷却剤流体が回路の周囲に戻る前に、ヒートシンク装置16から外部システムへ熱を伝え、外部システムで効果的に放散させることができる。この構成によって提供される並行流れは、バッテリ全体にわたって可能な限り均一な温度分布を保証する。
【0054】
冷却剤流体36は、セル10が最適な機能を維持し、衰退を防止するために冷却される必要があることを示す外部温度モニタからの信号に応じて、入口18を通ってヒートシンク装置16に流入する。次いで、冷却剤流体36は、出口20を通ってヒートシンク装置16から外部の熱伝達システムに出る。外部の熱伝達システムは、冷却剤流体36をヒートシンク装置16の入口開口部18内に推進させ、ヒートシンク装置16を通過した冷却剤流体36から熱エネルギーを抽出して、冷却剤流体36を冷却する。したがって、外部の熱伝達システムは、外部温度、バッテリの温度、及び動作の最適温度に応じて、冷却の程度を調整することができる。
【0055】
電気セル10によって生成される熱の量は、EVに給電するなど、それらの用途によって決定される。状況に応じて、電気セル10の理想的な動作温度は、電気セル10の機能を最適化するために、外部プロセッサによって決定される。したがって、バッテリ冷却システム2は、さらに、電気セル10の温度を測定し、この温度を使用して、電気セル10が最適に機能するようにするために、ヒートシンク装置16によって提供される必要がある冷却の程度を決定するフィードバック機構を備える。
【0056】
図6Bには、代替の冷却剤流れ構成を有する代替のヒートシンク装置116が示されている。この構成では、全てのヒートシンクバー117(第1のバー117aを除く)の入口118が、前のバーの出口120に接続され、曲がりくねった構成を与える。冷却剤流体36は、左端のバー117aの入口118aでヒートシンク装置116に入り、ヒートシンク装置116の長さに沿って流れ、ヒートシンク装置116の出口から次のヒートシンクバー117の入口に入り、この次のヒートシンクバー117を反対方向に流れる。冷却剤流体36は、右端のバー117bの出口120bを介してヒートシンク装置116から出るまでこの流路に追従する。したがって、これは、直列の冷却剤流れ構成である。
【0057】
図6Cでは、夫々のヒートシンクバー217の同じ端部上の入口218及び出口220が使用され、ヒートシンクバー217の内部チャネルは、先端部で接合された2つの逆流部分に分割される。冷却剤流体36は、左端のヒートシンクバー217aの入口218に流入する。次いで、この冷却剤流体36は、ヒートシンクバー217の各々の間に分配される。次いで、冷却剤流体36は、各バー217の長さに沿って先端まで流れ、その後逆方向にマニホールドに戻り、そこで戻った冷却剤流体が集められ、右端の出口220bを介してヒートシンク装置216から流出する。これは、並列な戻り冷却剤流れ構成である。
【0058】
図6bの直列流れ構成は、、ヒートシンク装置116の同じ端部に入口118a及び出口120b全体を有することにより、外部の熱伝達システムを並列な流れ構成よりも容易に取り付けることができるので、製造が容易になる。しかしながら、主たる入口118aに近いセルが主たる出口120bに近いセルよりも冷却されることになるので、直列の流れ構成は、
図6Aの並列な構成のように、複数のセル10にわたってこのような均一な温度を維持することができない場合がある。
図6Cの並列な戻り構成は、製造を容易にし、均一な温度を維持するという点で、並列及び直列の両方の流れ構成の利点を組み合わせている。
【0059】
次に、
図7乃至
図9を参照して、本発明の別の実施形態を説明する。
【0060】
図7は、「単一ブロック」ヒートシンク装置316を備える本発明の別の実施形態の斜視図である。前述のように、システム302は、正極及び負極の電気端子312、314を有する複数の電気セル310を含む。電気端子312、314は、ヒートシンク装置316の夫々の部分を受け入れる一連の細長いチャネルの側壁を形成し、側壁は一連の平行なスロット338を有し、スロット338内に電気端子312、314が嵌合し、嵌合を許す。したがって、ヒートシンク装置316は、電気端子312、314の周囲に延在する。冷却剤入口318も見られる。
【0061】
図8は、
図7のバッテリ冷却システムを拡大した断面端面図である。前述の実施形態と同様に、電気セル310の各々の間に圧縮性の層326が設けられる。隣接する一対の電気端子312、314は、セルのハウジングから離れて延在し、曲げられて、隣接する電気端子312、314と電気的及び熱伝導的に接触する。次に、隣接する電気端子312、314のこれらの対の夫々は、スロット338内に嵌合し、電気端子312、314とヒートシンク装置316の外部ケーシング330との間に電気絶縁層328を有する。外部ケーシング330は、スリット間の内部の冷却チャネル332を画定する。冷却チャネル332内には、流量を修正する脚柱(図示せず)を設けてもよい。
【0062】
図9は、並列の冷却剤流れ構成を示す、
図7の冷却システムの平面図を示す。入口318及び出口320は、ヒートシンク装置316の両側にある。冷却剤流体36は、入口318に流入し、次いで、内部マニホールドによって冷却チャネル332の各々の間に分配される。冷却剤流体36は、冷却チャネル332の各々に沿って、冷却チャネル332が別の内部マニホールド上で再結合する箇所まで流れ、冷却剤流体36が出口320から流出する。
もちろん、他の冷却剤流れ構成も可能である。例えば、上述したものである。
【0063】
隣接する対の電気端子312、314をスロット338内に固定するために、熱収縮嵌合、可撓性パッド、圧力嵌合等の種々の方法を使用して、緊密な嵌合を確実にしてもよい。
【0064】
図1のヒートシンクバー17と同様に、ブロックのヒートシンク装置316は、冷却剤流体36によって冷却され、冷却剤流体36は冷却チャネル332を通って流れ、電気端子312、314から離れる熱を伝導し、したがって、外部の熱伝達システムを用いて熱が放出されるセル310から離れる熱を伝導する。
【0065】
図10A-
図10Cは、本発明の更なる実施形態に係る一体型のバッテリ及び冷却システム402を示しており、複数の熱収集器440とヒートシンクバー417の形態の共通の熱除去部から成るヒートシンク装置416を備えている。前述の実施形態と同様に、システム402は、一連の細長いチャネルの側壁を形成する正極及び負極の電気端子412、414を有する複数の電気セル410を含み、これらのチャネルは、細長いチャネルの対向する夫々の側壁に熱的に結合された各熱収集器440を受け入れる。ヒートシンクバー417は、熱収集器440に熱的に結合され、熱収集器440の端部を横切って延びて、ヒートシンクバー417が細長いチャネルの端部に配置される。そのような4つのヒートシンクバー417は、
図10A及び
図10Bに示されており-導電性タブ412、414のいずれかの端部、及びセル410の上部及び下部の1つである。したがって、複数の電気端子412、414からの熱は、先の実施形態と比較して、低減された数のヒートシンク417に集中する。
【0066】
前述の実施形態と同様に、ヒートシンクバー417は、内部に冷却剤流体が流れる冷却チャネル432を画定する外部ケーシング430を有する。冷却チャネル432内には、流れを修正する脚柱が設けられてもよい(図示せず)。ヒートシンクバー417は、夫々入口及び出口を有して、冷却剤流体が入口及び出口を通って流れることができる。ヒートシンクバー417は、さらに、冷却剤流体からの熱を消散させる外部熱伝達システム(図示せず)に接続されてもよい。あるいは、共通の熱除去部は、熱を放散させるために空気流れに曝されるフィン付き構造であってもよい。
【0067】
複数の熱収集器440は、熱伝導性が高く、電気端子412、414からヒートシンク417に向かって熱を奪うように作用する。熱収集器440は、銅、ヒートパイプ、またはこれらの組み合わせのような高い伝熱性材料から製造することができる。ヒートパイプは、作動流体を収容する外部ケーシングを含み、内部ウィック構造が、毛細管圧力を発生させ、作動流体をパイプに沿って輸送するように配置されていることは、当業者にはよく理解されている。したがって、熱は、細長いチャネルの端部に配置されているヒートシンクバー417に向かって、熱収集器440の幅に沿って集められる。
【0068】
このような構成は、冷却システムの重量を軽減するとともに、前述の実施形態における関連する漏れのリスクを軽減する。これは、ヒートシンクの数、及びヒートシンク間の接続が減少するためであり、これらは全て冷却剤の漏れの可能性を高める。バッテリの冷却システムの重量を最小化することは、EVに動力を供給するバッテリにとって特に有利であり、重量の減少が性能の向上につながる。
【0069】
熱収集器440は、任意の設計及び形状を有することができるが、しかしながら、
図10A-
図10Cでは熱収集器440は、電気端子412、414に沿った温度をできるだけ均一に維持するために、分割された構造を有し、熱収集器440は、ヒートシンク417と熱的に接触する端部の方が厚く、中心部では薄くなっている。熱収集器440のより厚い領域は、より少ない熱抵抗を有し、これはまた、ヒートシンク417への改善された熱伝達を提供する。熱が端子412、414の幅に沿ってヒートシンク417に蓄積されるにつれて、熱収集器440の厚さの変化は、電気端子412、414の均一な温度を維持するのを助長する。電気端子412、414にわたって均一な温度を得るために、他の熱収集器の幾何学的形状が可能である。
【0070】
図11A乃至
図11Cは、本発明のさらなる実施形態による、一体型のバッテリ及び冷却システム502を示し、幅方向に分割された電気端子512、514を有する。バッテリは、複数のセル510を備える。外部の電気端子は、セルが交互に反転されるため、正極端子512と負極端子514との間で1つのセルから次のセルに交互になる夫々のセルのカバーから延びる。電気端子512、514は、導電性及び熱伝導性であり、先の実施形態と同様に、銅(負極端子514)及びアルミニウム(正極端子512)から作られる。したがって、電気端子512、514は、電気的コレクタを介して、電流と熱の両方を電気セル510から導出する。電気端子512、514は、2つの別個の正極端子512及び2つの別個の負極端子514がセル510の各々から延在するように、2つに分割される。そのように、端子512、514の対の間に電気的な端子ギャップが形成され、中央のヒートシンクバー517aを備える共通の放熱部分がこの電気的な端子ギャップ内に配置される。
【0071】
電気端子512、514は互いに向かって曲げられて、それらの平面的な先端部が直列に接続され、1つのセルの正極端子512が隣接するセル10の負極端子514に接続される。正極の電気端子512及び負極の電気端子514の隣接する対が接触しているので、電気セル510は、電気端子512、514が2つに分割されているにもかかわらず、直列に接続される。また、分割された電気端子512、514は、バッテリの重量を軽減する。
【0072】
前述の実施形態のように、電気端子512、514は、電気端子ギャップに直交する一連の細長いチャネルの側壁を形成し、細長いチャネルは、細長いチャネルの対向する側壁の各々に熱的に結合される夫々の熱収集器540を受け入れる。さらに、ヒートシンクバー517b、517cは、熱収集器540の外端部に熱的に結合されて、ヒートシンクバー517b、517cは細長いチャネルの端部、ならびに分割された電気端子512、514の間の中央の1つ517aに配置される。
【0073】
ヒートシンクバー517a-517cは、前述の実施形態と同様に構成され、接続されてもよい。
【0074】
図10の実施形態のように、熱収集器540は、電気端子512、514に沿った温度をできるだけ均一に保つために、分割構造を有しており、熱収集器540はヒートシンクバー517a-517cと熱的に接触する端部に向かって厚く、中央部に向かって薄くなるように構成されている。この実施形態では、電気端子512、514が2つに分割されているので、それらは短く、それにより、
図10のより長い端子412、414と比較して、端子を通る任意の温度勾配を最小にすることが容易になる。
【0075】
図12A-
図12Bは、本発明のさらなる実施形態による、一体型のバッテリ及び冷却システム602を示し、複数の熱収集器640と、ヒートシンクバー617の形態の共通の熱除去部分とを備える。前述の実施形態と同様に、システム602は、正極及び負極の電気端子612、614を有する複数の電気セル610を含む。電気端子612、614は、夫々の熱収集器640を受け入れる一連の細長いチャネルの側壁を形成する。側壁は、積層体の上部及び下部の夫々の端部ブロック641a、641bから延在する一連の直交するフランジ640の形態をとる。フランジ640は、細長いチャネルの対向する側壁の夫々に熱的に結合される。端部ブロック641は、夫々の電気端子612、614の上に延在し、
図10C及び
図11Cの実施形態の夫々に概説されたものと同様の理由から、ブロックは、端部よりも中央部で厚く作られる。ヒートシンクバー617は、バッテリの中央の細長いチャネルに配置され、端部ブロック641のより厚い中央部分に熱的に結合される。したがって、電気端子612、614からの熱は、熱収集器640によって収集され、端部ブロック641の横方向部分を介して、複数のセル610から熱を遠ざけるヒートシンクバー617に伝達される。
【0076】
本実施形態では、スタックの上部及び下部の夫々にある1つのヒートシンクバー617のみが冷却に使用されるため、システム602の重量を、以前の実施形態と比較して低減することが可能である。熱は、電気端子612、614の幅方向ではなく、長さ方向(その先端に向かう方向)に沿って熱収集器640に伝導され、そのように伝導経路がより短くなり、電気端子512、514内の温度勾配がさらに低減される。
【0077】
図13A及び
図13Bは、本発明のさらなる実施形態による、一体型のバッテリ及び冷却システム702を示す。システムは、正極及び負極の電気端子712、714を有する複数の電気セル710を備える。複数の熱収集器740と、ヒートシンクバー717を備える共通の熱除去部分とが、冷却システムを提供する。電気端子712、714は、一連の細長いチャネルの側壁を形成し、側壁は前の実施形態と同様の形態である夫々の熱収集器740を受け入れ、又は一連のより小さい端部ブロック741から突出し対向する側壁の夫々に熱伝導的に結合されるフランジである。
前述の実施形態のように、フランジ740は、電気端子712、714の上に延在する端部ブロック741まで延在して、熱収集器740のグループが互いに接続される。1つのヒートシンクバー717が、熱収集器740の各グループに対して該グループの中央に設けられている。したがって、電気端子712、714からの熱は、熱収集器740によって集められ、端部ブロック741を介して、ヒートシンクバー717に伝導され、該ヒートシンクバー717は複数のセル710から離れるように熱を伝導する。
前述の実施形態と同様に、熱収集器740及びヒートシンクバー717のこの構成は、熱が電気端子712、714の長さに沿って伝導されるので、熱の伝導経路を減少させ、従って電気端子712、714内の任意の温度勾配を減少させる。
【0078】
この実施形態における熱収集器740はまた、隣接するセル710間の電気的接続を提供するために使用されてもよい。セル710の一端から延びる電気端子712、714に結合された熱収集器740は、セル710の他端から延びる電気端子712、714に結合された熱収集器740からオフセットされていることが理解されよう。このオフセットされた熱収集器の構成は、複数のセル710の間に直列接続を提供するために使用されてもよい。
【0079】
図14A及び
図14Bは、本発明のさらなる実施形態による、一体型のバッテリ及び冷却システム802を示す。
図12及び
図13の実施形態と同様に、システム802は、正極及び負極の電気端子812、814を有する複数の電気セル810を備える。複数の熱収集器840と、ヒートシンクバー817を備える共通の熱除去部分とが、冷却システムを提供する。電気端子812、814は、一連の細長いチャネルの側壁を形成し、これらのチャネルは、前述の実施形態と同様に、一連のより小さな端部ブロック841からの形態または突出するフランジであり、対向する側壁の夫々に熱的に結合される、夫々の熱収集器840を受け入れる。前述の実施形態のように、フランジ840は、電気端子812、814の上に延在する端部ブロック841まで延在して、熱収集器840のグループが互いに接続される。
この実施形態では、ヒートシンクバー817は、端部ブロック840の間に設けられる。このようにして、複数のセル810からの熱は、熱収集器840によって集められ、端部ブロック841を介して、ヒートシンクバー817に伝導され、該ヒートシンクバー817は複数のセルから離れるように熱を伝導する。
【0080】
図15A乃至
図15Cは、本発明のさらなる実施形態による、分割された電気端子を備えた一体型のバッテリ及び冷却システム902を示す。全ての実施形態と同様に、システム902は、複数の電気セル910を備える。端子912a、914a及び912b、914bは、互いに向かって曲げられ、該端子の平面状の先端部が直列に接続されて、一方のセルの正極の端子912aが隣接するセル910の負極の端子914aに接続される。正極の電気端子912aと負極の電気端子914bの隣接するペアが接しているので、電気セル910は直列に接続される。
【0081】
しかしながら、本実施形態では、電気端子912a、912b、914a、914bは、幅方向に2つに分割されて、2つの別々の正極端子912a、912bと2つの別々の負極端子914a、914bがセル910の各々から延在する。このように、電気端子912a、912b、914a、914bのペア間に電気端子ギャップが形成される。
【0082】
正極及び負極の電気端子912a、914a及び912b、914bは、一連の細長いチャネルの側壁を形成し、該側壁は細長いチャネルの対向する側壁の夫々に熱伝導性に結合された夫々の熱収集器940を受容する。ヒートシンクバー917a-917dは、熱伝導性に結合されて、夫々の熱収集器940の長手方向に対して横方向に延び、ヒートシンクバーが熱収集器の上に、電気端子の間隙に平行に配置される。そのような4つのヒートシンクバー917a-917dが、
図15A乃至
図15Cに示されている。各ヒートシンクバー917a-917dが分割された電気端子部912a、914a、及び912b、914bの1つのセットを冷却するように作用して、2つのヒートシンクバー917a、917bがセル910の一方の端部に結合され、他方のヒートシンクバー917c、917cがセル910の他方の端部に結合される。したがって、複数の電気端子912a、912b、914a、914bからの熱は、ヒートシンクバー917a-917dに集中する。
【0083】
熱収集器940は、くさび形であり、細長いチャネルの中心に向かって厚さが増加し、該中心で、ヒートシンクバー917a-917dは、熱収集器940と熱的に接触している。熱収集器940のより厚い領域は、より少ない熱抵抗を有し、これはまた、ヒートシンク917a-917dへの改善された熱伝達を提供する。
【0084】
したがって、ヒートシンクバー917a-917dは、バッテリシステム内のすべてのセル910を冷却するように作用する。この実施形態では、ヒートシンクバー917a-917dは、内部の冷却剤流体の流れを伴う閉じたチャネルであり、熱収集器940によって集められた熱を除去する。したがって、熱は、電気端子912a、912b、914a、914bの幅に沿ってそれらの中心に向かって集中する。
【0085】
本発明は、その1つ以上の特定の実施形態を説明することによって例示されているが、これらの実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内で、多くの変形及び修正が可能であることが、当業者によって理解されるであろう。例えば、ヒートシンク装置は、熱伝達及び熱分配をさらに強化し得る電気端子の端部にわたって延び得ることが想定される。また、全電圧を増加させずに容量を増加させるために、セルを直列ではなく電気的に並列に接続することもできる。
【国際調査報告】