(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-20
(54)【発明の名称】人体の上方又は下方の空静脈内へ低侵襲移植可能な閉鎖装置用の配置及び低侵襲移植可能な三尖弁プロテーゼ
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20230613BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570319
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(85)【翻訳文提出日】2022-11-29
(86)【国際出願番号】 DE2021100441
(87)【国際公開番号】W WO2021233502
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】102020113585.8
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519351152
【氏名又は名称】イマヌエル アルベルティネン ディアコニー ゲマインヌートツィヒェ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ブッター
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC05
4C097DD01
4C097SB01
(57)【要約】
本発明は、人体の上方又は下方の空静脈内へ低侵襲移植可能な、弁装置(6)と係止装置(7)を有する閉鎖装置(1)用の配置に関する。弁装置(6)は、閉鎖部材と支持構造を有している。閉鎖部材は、それぞれの部材面にわたって平面的に延びており、かつそれぞれ閉鎖位置と開放位置の間で変位可能であって、その閉鎖位置において閉鎖部材が共通に弁開口部を閉鎖し、かつ開放位置においては弁開口部を通る貫流が解放されている。支持構造は、弁開口部の領域内に配置されており、かつ支持部材及び少なくとも1つの切り欠きによって形成されており、その場合に閉鎖部材は、閉鎖された位置において支持部材上に少なくとも部分的に載置され、かつ開放された位置においては少なくとも部分的に支持材から離隔しており、そのようにして貫流のために切り欠きを解放する。係止装置(7)は、係止を有し、かつ、弁装置(6)を上方又は下方の空静脈の領域内で、心臓の右心房への静脈開口部に隣接して係止するように、整えられている。さらに、低侵襲移植可能な三尖弁プロテーゼが設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の上方又は下方の空静脈内へ低侵襲移植可能な閉鎖装置(1)用の配置であって、
-弁装置(6)を有し、前記弁装置が、
-閉鎖部材(10)を有し、前記閉鎖部材がそれぞれの部材面にわたって平面的に延び、かつそれぞれ、閉鎖部材(10)が共通に弁開口部を閉鎖する閉鎖位置と、前記弁開口部を通る貫流が解放される解放位置との間で変位可能であり、かつ
-支持構造(12)を有し、前記支持構造が弁開口部の領域内に配置され、かつ支持部材(11)と少なくとも1つの切り欠き(20)とによって形成されており、閉鎖部材(10)が、閉鎖された位置において支持部材(11)上に少なくとも部分的に載置され、かつ開放された位置においては少なくとも部分的に支持部材(11)から離隔しており、そのようにして貫流のために切り欠き(20)を解放し、かつ
-係止装置(7)を有し、前記係止装置が係止を有し、かつ、弁装置(6)を上方又は下方の空静脈の領域内で、心臓の右心房への静脈開口部に隣接して係止するように、整えられている、
配置。
【請求項2】
隣接する閉鎖部材(10)が、少なくとも閉鎖位置において端縁側のセクション(13a)内で重なり合い、かつ支持部材(11)が少なくとも重なり合う端縁側のセクション(13a)に沿って延びている、ことを特徴とする請求項1に記載の配置。
【請求項3】
弁装置(6)が、一方向弁である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の配置。
【請求項4】
閉鎖部材(10)が、それぞれ円セクター面を把持し、隣接する閉鎖部材が、円セクター面の側方を区画する半径(10b、10c)に沿って重なり合う、ことを特徴とする請求項1から3の少なくとも1項に記載の配置。
【請求項5】
閉鎖部材(10)が、それぞれ少なくとも約90度の円セクターを把持する、ことを特徴とする請求項4に記載の配置。
【請求項6】
閉鎖部材(10)が、外側を一周する端縁に沿って少なくとも部分的に次のように、すなわち閉鎖部材(10)の、一周する端縁に関して径方向内側に位置するセクションが、開放された位置へ揺動して、したがって貫流を解放することができるように、固定されている、ことを特徴とする請求項1から5の少なくとも1項に記載の配置。
【請求項7】
支持構造(12)の切り欠き(22)が、貫流ノズル(50)によって形成されている、ことを特徴とする請求項1から6の少なくとも1項に記載の配置。
【請求項8】
支持構造(12)が支持部材(11)を有し、前記支持部材が星状に延びている、ことを特徴とする請求項1から7の少なくとも1項に記載の配置。
【請求項9】
支持構造(12)が閉鎖部材(10)を、閉鎖された位置において実質的に2次元の平坦な平面内に支持する、ことを特徴とする請求項1から8の少なくとも1項に記載の配置。
【請求項10】
支持構造(12)が閉鎖部材(10)を、閉鎖された位置において湾曲した3次元の平面内に支持する、ことを特徴とする請求項1から8の少なくとも1項に記載の配置。
【請求項11】
フレキシブルなシールカラー(8)を特徴とする請求項1から10の少なくとも1項に記載の配置。
【請求項12】
係止装置(7)が、以下の係止セクションの少なくとも1つ:
-心膜又は合成の膜質のプラスチック材料によって覆われている、第1の係止セクション、及び
-心膜及び合成の膜質のプラスチック材料をもたない、第2の係止セクション、
を有している、ことを特徴とする請求項1から11の少なくとも1項に記載の配置。
【請求項13】
係止が、自己膨張する係止によって形成されている、ことを特徴とする請求項1から12の少なくとも1項に記載の配置。
【請求項14】
一部又はすべての閉鎖部材(10)が、生物学的材料からなる、ことを特徴とする請求項1から13の少なくとも1項に記載の配置。
【請求項15】
請求項1から14の少なくとも1項に記載の配置を有する、低侵襲移植可能な三尖弁プロテーゼ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の上方又は下方の空静脈内へ低侵襲移植可能な閉鎖装置用の配置及び低侵襲移植可能な三尖弁プロテーゼに関する。
【背景技術】
【0002】
低侵襲移植可能な二尖弁又は三尖弁プロテーゼは、欧州特許出願公開第3231393(A1)号明細書から知られている。弁プロテーゼは、位置決めし、かつ固定するために、自己膨張するワイドメッシュのステントと堅固に結合されており、そのステントの形状は、患者の左又は右の心房の3次元で測定された幾何学配置に適合されており、かつ移植後に心房の内壁に添接する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3231393(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、移植の場所に確実に位置決め可能、かつ確実な開閉を可能にする、人体の上方又は下方の空静脈内へ低侵襲移植可能な閉鎖装置用の配置と低侵襲移植可能な三尖弁プロテーゼを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
解決するために、人体の上方又は下方の空静脈内へ低侵襲移植可能な閉鎖装置用の配置が提供される。併置された請求項15は、低侵襲移植可能な三尖プレートプロテーゼに関する。他の形態が、従属の下位請求項の対象である。
【0006】
1つの視点によれば、人体の上方又は下方の空静脈内へ低侵襲移植可能な閉鎖装置用の配置が提供され、それは以下のものを有する:弁装置であって、閉鎖部材を有し、その閉鎖部材がそれぞれの部材面にわたって平面的に延び、かつそれぞれ、閉鎖部材が共通の弁開口部を閉鎖する閉鎖位置と、弁開口部を通る貫流が解放される開放位置との間で変位可能であり、かつ支持構造を有し、その支持構造が弁開口部の領域内に配置され、かつ支持部材と少なくとも1つの切り欠きとによって形成されている。閉鎖部材は、閉鎖された位置において少なくとも部分的に支持部材上に載置され、かつ開放された位置においては少なくとも部分的に支持部材から離隔しており、そのようにして貫流のために切り欠きを解放する。配置はさらに、係止装置を有し、その係止装置が係止によって形成され、かつ、弁装置を上方又は下方の空静脈の領域内で、心臓の右心房に向かう静脈開口部に隣接して係止するように、整えられている。
【0007】
他の視点によれば、この種の配置を有する低侵襲移植可能な三尖弁プロテーゼが提供される。
【0008】
提案された閉鎖装置は、係止装置を用いて確実に移植場所に固定可能である。閉鎖部材を有する弁装置は、貫流を阻止し、あるいは許可するために、確実な開放と閉鎖を保証する。
【0009】
可能な形態において、弁開口部は、丸い、あるいは円形の弁開口部として形成されている。
【0010】
支持構造は、弁開口部の面の一部にわたって、あるいはその全面にわたって延びるように形成することができる。
【0011】
閉鎖部材は、平面的に硬くない閉鎖部材として形成することができ、それら閉鎖部材は(選択的に付加的に)、開放された位置へ揺動するために、湾曲するので、貫流が解放される。代替的な実施形態においては、閉鎖部材の1つ又は複数が、実質的に平面的に硬い。この形態においては、平面的に硬い閉鎖部材が閉鎖された位置と開放された位置の間で、閉鎖部材の閉鎖された位置にある面形状を実質的に維持して揺動する。変位可能性、特に揺動可能性を形成するために、たとえば継ぎ手装置を設けることができる。
【0012】
切り欠きは、弁開口部の中央の領域内の切り欠きによって形成することができる。この切り欠きに加えて、支持構造内に2つ又は複数の他の切り欠きを設けることができる。これらの切り欠きの1つ又は複数の中に、スライダ挿入片を設けることができ、そのスライダ挿入片は取り外し可能又は取り外しできないように、対応づけられた切り欠きの領域内で支持構造に配置される。
【0013】
隣接する閉鎖部材は、少なくとも閉鎖位置において端縁側のセクション内で重なり合い、そして支持部材は、少なくとも重なり合った端縁側のセクションに沿って延びることができる。支持部材は、選択的に補足して、重なり領域の外部に延びることができ、それによって重なり領域の外部でも閉鎖部材を支持することができる。
【0014】
弁装置は、1方向弁として形成することができる。これは、弁装置が貫流方向には通過させ、逆方向においては阻止することを意味し、それは、閉鎖された位置において支持構造上に載置される閉鎖部材によって達成され、その閉鎖部材は、貫流を解放するために、貫流方向において支持構造から少なくとも部分的に持ち上がることができる。
【0015】
閉鎖部材は、それぞれ円セクター面を把持するように形成することができ、その場合に隣接する閉鎖部材は、円セクター面の側方を画成する半径に沿って重なり合う。それによって閉鎖部材は、上面で見てタルト片の形状に比較可能に形成されている。円セクター面の側方を画成する半径が交差する、径方向内側に位置する尖端セクションの領域内で円セクター面を面取りすることができる。また、尖端の領域内で、円セクター面の径方向内側に位置する終端セクションを切り取ることができる。閉鎖部材の円セクター面の径方向内側に位置する尖端セクションは、切り欠きの領域内で重なり合うことができる。その場合に形成される重なり領域は、少なくとも1つの方向において、約1mmから約4mm、代替的に約1mmから約2mmの大きさ(広がり)を有することができる。
【0016】
閉鎖部材は、それぞれ少なくとも約90度の円セクターを捕捉することができる。この実施形態において、閉鎖された位置において一緒になって弁開口部閉鎖するために、4つの閉鎖部材を設けることができる。これは、閉鎖部材の少なくとも1つ又はすべてが90度より少し大きい円セクターを捕捉することを意味し、それによって半径に沿って延びる重なり領域を形成することができる。それぞれの円セクターは、最大で約120度から約130度の角度を捕捉することができる。
【0017】
閉鎖部材は、外側を一周する端縁に沿って少なくとも部分的に次のように、すなわち、閉鎖部材の、一周する端縁に関して径方向内側に位置するセクションが開放された位置へ揺動し、したがって貫流を解放することができるように、固定することができる。外側を一周する端縁に沿って閉鎖部材を固定することは、取り外し可能に、あるいは取り外しできないように、行うことができる。取り外しできないように結合するために、たとえば接合結合、たとえば接着又は溶接によるものを、設けることができる。ある形態においては、閉鎖部材は係止装置及び/又は支持構造に、たとえば2成分射出成形を用いて、一体的に形成することができる。その場合に係止装置及び/又は支持構造は、プラスチック硬質成分からなることができ、かつ閉鎖部材はプラスチック軟質成分からなることができる。外側を一周する端縁に沿った閉鎖部材の固定は、約60度から約110度の円弧、代替的に約90度から約110度、たとえば約105度の円弧を捕捉することができる。閉鎖部材が円セクターとして形成されている場合に、外側の円弧が側方を画成する半径に当接する、角部領域は、固定されないままとするように形成することができる。
【0018】
支持構造の切り欠きは、貫流ノズルを有することができる。この形態又は他の形態において、切り欠きは、実質的に弁開口部の中央に配置することができる。弁装置の流れ方向又は貫流方向に対して横に延びるノズル面は、流れ方向又は貫流方向に対して横方向に延びる弁開口部面に対して実質的に平行に配置することができる。ノズル面は、弁開口部面と実質的に等しい平面内に位置することができる。代替的に、ノズル面は、貫流方向において弁開口部面に対して変位(離隔)して配置されている。変位は、たとえば約5mmから約12mmまで、代替的に約7mmから約10mmまで、たとえば約8mmから約9mmまでとすることができる。切り欠きは、この実施形態又は他の実施形態において、約2mmから約6mmまでの直径で、代替的に約4mmから約5mmの直径で、形成することができる。貫流ノズルは、比較可能なやり方で形成することができる。
【0019】
支持構造は、支持部材を有することができ、それらは、たとえば弁開口部の円半径に沿って、星状に延びる。星状に延びる、たとえば支持ウェブとして形成されている、支持部材は、切り欠き又は切り欠きノズルから始まって支持構造の端縁へ向かって延びることができる。星状に配置された支持部材は、径方向に一周して、実質的に等間隔で、たとえば約90度から約120度の間隔で、配置することができる。
【0020】
たとえばウェブとして形成されている支持部材は、横断面において、載置面へ向かって細くなる形状を有することができ、その場合に載置面の領域内で閉鎖部材は閉鎖された位置で載置される。
【0021】
支持部材は、弁開口部を上面で見て、約1mmから約5mmの、代替的に約1mmから約3mmの、たとえば約1.5mmから約2.5mmの幅を有することができる。それによって、支持部材がウェブとして形成されている場合に、弁開口部を上面で見たウェブ幅が与えられている。
【0022】
支持構造は、閉鎖された位置において閉鎖部材を、実質的に2次元の平坦な平面内で支持することができる。この実施形態において、切り欠きの開放面は、貫流方向又は流れ方向に対して横方向に、実質的に弁開口部面の平面内に位置することができる。閉鎖部材のために、支持構造によって平坦な載置面が提供される。
【0023】
支持構造は、閉鎖部材を閉鎖された位置において湾曲した3次元の平面内で支持することができる。閉鎖部材のために、支持構造によって3次元で成形された載置面が提供される。この形態において、支持構造はベル形状で形成することができるので、ベル形状の載置面が提供される。切り欠き又は切り欠きノズルの開放面は、貫流方向又は流れ方向において弁開口部面に対して変位して配置することができる。
【0024】
フレキシブルなシールカラーを設けることができる。このフレキシブルなシールカラーは、弁装置を一周するように形成することができる。
【0025】
係止装置は、以下の係止セクションの少なくとも1つを有することができる:心膜又は合成の膜質のプラスチック材料によって覆われた、第1の係止セクション及び、心膜及び合成の膜質プラスチック材料を持たない、第2の係止セクション。
【0026】
係止は、自己膨張する係止によって形成することができる。自己膨張する係止は、以下のグループからなる少なくとも1つの係止を有することができる:自己膨張する螺旋部材と自己膨張するステント。
【0027】
一部又はすべての閉鎖部材は、生物学的材料からなることができる。閉鎖部材の一部は、非生物学的材料からなることができる。代替的に、すべての閉鎖部材が、非生物学的材料からなることができる。
【0028】
以下、図面の図を参照しながら、他の実施例を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、静脈の領域内に移植された閉鎖部材を図式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、閉鎖された位置にある弁装置を上から図式的に示しており、それにおいて閉鎖部材は支持構造上に載置されている。
【
図3】
図3は、3次元で形成された載置部を有する閉鎖部材用の支持構造を図式的に示す斜視図である。
【
図4】
図4は、2次元で形成された載置部を有する閉鎖部材用の支持構造を図式的に示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図2の弁装置を開放された位置で図式的に示しており、それにおいて閉鎖部材は少なくとも部分的に支持構造から持ち上げて配置されている。
【
図6】
図6は、外側の円弧の一部に沿って固定された閉鎖部材を図式的に示している。
【
図7】
図7は、貫流ノズルとそこから星形に延びる支持部材を有する支持構造の一部を図式的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、静脈2の領域内に低侵襲移植された閉鎖部材1を図式的に斜視図で示している。閉鎖装置1によって、静脈内の貫流を開閉することができ、その場合に貫流は、
図1に矢印Aを用いて示す貫流方向又は流れ方向においてのみ、可能である。逆方向においては、閉鎖装置1が閉鎖し、したがって還流を阻止する。
【0031】
示されているのは、空静脈3の一部、肝臓静脈4の一部及び心臓5の右心房の一部である。
【0032】
閉鎖装置1は、弁装置6、係止装置7及びフレキシブルなシール8を有しており、そのシールは一周するように形成されている。図示される実施形態において、係止装置7は、螺旋9を備えた自己膨張する係止として形成されている。
【0033】
図2は、弁装置6を閉鎖された位置で上から図式的に示しており、その位置で貫流は行われない。図示される閉鎖された位置において、閉鎖部材10は支持構造12の支持部材11上に載置されており、その支持構造について
図3と4は異なる形態を示している。その場合に閉鎖部材10は、重畳領域13内で支持部材11上に載置され、その重畳領域内で閉鎖部材10の端縁側のセクション13aが重なり合う。図示される実施形態において、閉鎖部材10は円セクターとして形成されており、その円セクターは円弧10aと2つの半径19b、10cとによってそれぞれ画成されている。半径10b、10cの領域内で、重畳領域13は隣接する閉鎖部材10の間に形成されている。図示される実施形態において、閉鎖部材10の円セクターは、重畳領域を形成するために、それぞれ120度よりも少し大きい領域を有している。
【0034】
支持構造12の支持部材11は、中央の領域14から始まって星状に延びて、等間隔で一周するように配置されている。支持構造は、一周する端縁15を有している(特に
図3と4を比較)。
【0035】
図3と4は、支持構造12のための異なる実施形態を図式的に斜視図で示している。同一の特徴については、
図3と4内で同一の参照符号が使用される。
図3に示す支持構造12の第1の実施形態においては、閉鎖部材10のために3次元で形成された載置部20が形成されている。中央の領域14内の切り欠き22の開放面21は、弁開放面に対して流れ方向又は貫流方向に変位して配置されており、その弁開放面は一周する端縁15によって包囲されている。それに対して
図4は、支持構造12の代替的な実施形態を示しており、それにおいては、閉鎖部材10のために2次元で形成された平坦な載置部30が準備されている。
【0036】
図5は、弁装置6を開放された位置において図式的に斜視図で示しており、その位置において閉鎖部材10は少なくとも中央の領域14内で支持構造12の支持部材11から持ち上げられて(上方へ揺動して)いるので、切り欠き22と支持構造12の切り欠き領域17が解放されており、貫流が可能である。
【0037】
図5内の実施形態の例によれば、弁開口部の領域内にスライド挿入片18が設けられており、そのスライド挿入片は取り外し可能又は取り外しできないように、支持構造12と結合することができる。
【0038】
閉鎖部材10は、図示される形態において、平面的に剛性のない閉鎖部材として形成されており、その閉鎖部材は、貫流を解放するために、上方へ曲がる。そのために閉鎖部材10は、たとえばプラスチック材料からなることができる。
【0039】
閉鎖部材10は、接合結合によって、たとえば接着又は溶接を用いて、支持構造12に配置することができる。
図6は、円セクターとして形成された閉鎖部材10を図式的に示している。円弧10aに沿って延びる結合領域40に沿って、閉鎖部材10が支持構造12に固定されている。結合領域40の外部において、結合部材10は、特に半径10b、10cと円セクターの円弧10aが出合う角部領域41、42内においても、支持構造12との結合から自由である。
【0040】
図7は、切り欠き22を有する中央の領域14内の支持構造12の一部を示しており、その切り欠きは、図示される実施形態において貫流ノズル50によって形成されている。貫流ノズル50から始まって支持部材11が星状に延びている。図示される形態において、たとえばウェブとして形成されている支持部材11は、載置部20へ向かって幅狭になっている。
【0041】
上述した説明、請求項及び図面に開示されている諸特徴は、個別にも、任意の組み合わせにおいても、種々の形態を実現するために重要であり得る。
【国際調査報告】