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特表2023-526080迷走神経刺激のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-20
(54)【発明の名称】迷走神経刺激のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20230613BHJP
   A61B 5/389 20210101ALI20230613BHJP
   A61B 5/352 20210101ALI20230613BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20230613BHJP
   A61B 5/08 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
A61N1/36
A61B5/389
A61B5/352 100
A61B5/0245 100D
A61B5/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570502
(86)(22)【出願日】2021-05-20
(85)【翻訳文提出日】2023-01-12
(86)【国際出願番号】 US2021033486
(87)【国際公開番号】W WO2021236977
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】63/028,161
(32)【優先日】2020-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.UNIX
2.JAVA
3.PYTHON
4.FIREWIRE
5.THUNDERBOLT
6.Blu-ray
7.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】512069511
【氏名又は名称】ザ・フェインステイン・インスティチュート・フォー・メディカル・リサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100161908
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 依子
(72)【発明者】
【氏名】ザノス,スタフロス
(72)【発明者】
【氏名】チャーン,ヤオ-チュアン
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
4C053
4C127
【Fターム(参考)】
4C017AA03
4C017AA19
4C017AC15
4C017EE15
4C038SS01
4C038SS08
4C038SV03
4C053JJ02
4C053JJ03
4C053JJ18
4C053JJ21
4C127AA02
4C127AA04
4C127DD03
(57)【要約】
迷走神経刺激のための刺激電気信号のパラメータを決定するためのシステムおよび方法が論じられる。信号の初期パラメータは、対象の生理学的測定において刺激に対する確実な反応を提供するように選択される。1つまたは複数の生理学的および神経学的指標は、迷走神経反応モデルに基づいて決定される。選択された迷走神経活性化のため、信号の電気パラメータは、生理学的パラメータにおける変化および指標の値を監視しながら変化される。電気パラメータは、生理学的測定における所望の反応および指標の値が観察されるまで変化される。電気パラメータは、次いで、好ましいパラメータとして記憶され、対象の選択された迷走神経を活性化するために使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の迷走神経を刺激するための方法であって、
信号パラメータの第1のセットに基づいた電気信号の第1のセットを生成して、少なくとも2つの迷走神経電極に印加するように、信号発生器を制御器によって制御するステップと、
前記電気信号の印加に応答して、前記対象の生理学的測定値を前記制御器によって受信するステップであって、前記生理学的測定値は、心拍数測定値、呼吸間隔測定値、および筋電図検査測定値を含む、ステップと、
求心性A型線維、遠心性A型線維、およびB型線維のうちの1つを活性化のために選択する標示を、前記制御器によって受信するステップと、
前記受信した生理学的測定値に基づいて、前記求心性A型線維、前記遠心性A型線維、および前記B型線維のうちの選択されたものと関連付けられた生理学的選択性指標(PSI)のセット、神経選択性指標(NSI)のセット、および線維活性化度のセットを前記制御器によって決定するステップと、
信号パラメータの第2のセットを提供するために前記信号パラメータの第1のセットの少なくとも1つのパラメータを前記制御器によって変化させ、前記PSIのセットおよび前記NSIのセットのうちの少なくとも一方における結果として生じる変化を監視しながら、前記信号パラメータの第2のセットに基づいた電気信号を生成して、前記少なくとも2つの迷走神経電極に印加するように、前記信号発生器を前記制御器によって制御するステップと、
前記変化させることに基づいて、前記求心性A型線維、前記遠心性A型線維、および前記B型線維のうちの前記選択されたものを活性化するための刺激波形のための信号パラメータの好ましいセットを、前記制御器によって決定するステップであって、前記信号パラメータの好ましいセットは、前記PSIのセットおよび前記NSIのセットにおける所定の変化を結果としてもたらす、ステップと、
前記信号パラメータの好ましいセットに基づいた電気信号を生成して、前記少なくとも2つの迷走神経電極に印加するように、前記迷走神経信号発生器を前記制御器によって制御するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号の振幅を含み、前記方法は、
前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加し、不定値に等しくない間、前記電気信号の前記振幅を前記制御器によって増加させるステップと、
求心性A型線維のための好ましい振幅を、前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させない、または不定にさせない振幅に、前記制御器によって設定するステップとを含み、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記求心性A型線維のための好ましい振幅を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加するまで前記電気信号の前記振幅を増加させる前に、前記電気信号の前記振幅を増加させることが、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、または前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと前記制御器によって決定するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号のパルス幅および前記電気信号の振幅を含み、前記方法は、
前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記パルス幅を前記制御器によって増加させるステップと、
求心性A型線維のための好ましいパルス幅を、前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させないパルス幅に、前記制御器によって設定するステップと、
前記好ましいパルス幅を設定した後に、前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記振幅を前記制御器によって増加させるステップと、
求心性A型線維のための好ましい振幅を、前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させない振幅に、前記制御器によって設定するステップとを含み、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記求心性A型線維のための好ましいパルス幅および前記求心性A型線維のための好ましい振幅を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記パルス幅を増加させる前に、前記電気信号の前記振幅を増加させることが、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、または前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加、および筋電図検査測定における筋電図検査パラメータまたは前記遠心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと前記制御器によって決定するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号のパルス幅および前記電気信号の振幅を含み、前記方法は、
第1の条件、第2の条件、および第3の条件を決定しながら、前記電気信号の前記振幅を前記制御器によって減少させ、かつ前記電気信号の前記パルス幅を前記制御器によって増加させるステップであって、
前記第1の条件は、心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方がゼロに等しいこと、および前記筋電図検査測定における筋電図検査パラメータ、前記遠心性A型線維の線維活性化度の推定値、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、または前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも1つにおいて増加があることを規定し、
前記第2の条件は、前記心拍数測定における心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方が減少する一方で、前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加することを規定し、
前記第3の条件は、前記心拍数測定における心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方が、それらのそれぞれの以前の値の5パーセントよりも大きいことを規定する、ステップと、
求心性A型線維のための好ましい振幅および前記求心性A型線維のための好ましいパルス幅を、前記第1の条件、前記第2の条件、および前記第3の条件を満足しない振幅およびパルス幅に、前記制御器によって設定するステップとを含み、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記求心性A型線維のための好ましいパルス幅および前記求心性A型線維のための好ましい振幅を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記電気信号の前記振幅を減少させ、前記電気信号の前記パルス幅を減少させる前に、前記電気信号の前記振幅を増加させることが、前記心拍数測定における心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと前記制御器によって決定するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号の振幅を含み、前記方法は、
前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加し、不定値に等しくない間、前記電気信号の前記振幅を前記制御器によって増加させるステップと、
遠心性A型線維のための好ましい振幅を、前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させない、または不定にさせない振幅に、前記制御器によって設定するステップとを含み、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記遠心性A型線維のための好ましい振幅を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加し、不定値に等しくなくなるまで、前記電気信号の前記振幅を増加させる前に、前記電気信号の前記振幅を増加させることが、前記筋電図検査測定における筋電図検査パラメータ、または前記遠心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと前記制御器によって決定するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号のパルス幅および前記電気信号の振幅を含み、前記方法は、
前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記パルス幅を前記制御器によって増加させるステップと、
遠心性A型線維のための好ましいパルス幅を、前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させないパルス幅に、前記制御器によって設定するステップと、
前記好ましいパルス幅を設定した後に、前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記振幅を前記制御器によって増加させるステップと、
遠心性A型線維のための好ましい振幅を、前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させない振幅に、前記制御器によって設定するステップとを含み、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記遠心性A型線維のための好ましいパルス幅および前記遠心性A型線維のための好ましい振幅を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記パルス幅を増加させる前に、前記電気信号の前記振幅を増加させることが、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、または前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加、および筋電図検査測定における筋電図検査パラメータまたは前記遠心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと前記制御器によって決定するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号のパルス幅および前記電気信号の振幅を含み、前記方法は、
第1の条件、第2の条件、および第3の条件を決定しながら、前記電気信号の前記振幅を前記制御器によって減少させ、前記電気信号の前記パルス幅を前記制御器によって増加させるステップであって、前記第1の条件は、
前記第1の条件は、心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方がゼロに等しいこと、および前記筋電図検査測定における筋電図検査パラメータ、前記遠心性A型線維の線維活性化度の推定値、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、または前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも1つにおいて増加があることを規定し、
前記第2の条件は、前記心拍数測定における心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方が減少する一方で、前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加することを規定し、
前記第3の条件は、前記心拍数測定における心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方が、それらのそれぞれの以前の値の5パーセントよりも大きいことを規定する、ステップと、
遠心性A型線維のための好ましい振幅および前記遠心性A型線維のための好ましいパルス幅を、前記第1の条件、前記第2の条件、および前記第3の条件を満足しない振幅およびパルス幅に、前記制御器によって設定するステップとを含み、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記遠心性A型線維のための好ましいパルス幅および前記遠心性A型線維のための好ましい振幅を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記電気信号の前記振幅を減少させる前に、前記電気信号の前記振幅を増加させることが、前記心拍数測定における心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと前記制御器によって決定するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも2つの迷走神経電極は、3つの迷走神経電極を含み、前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号の振幅を含み、前記方法は、
B型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加し、不定値に等しくない間、前記電気信号の前記振幅を前記制御器によって増加させるステップと、
B型線維のための好ましい振幅を、前記B型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させない、または不定にさせない振幅に、前記制御器によって設定するステップとを含み、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記B型線維のための好ましい振幅を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記B型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加するまで前記電気信号の前記振幅を増加させる前に、前記電気信号の前記振幅を増加させることが、前記心拍数測定における心拍数、または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと前記制御器によって決定するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも2つの迷走神経電極は、3つの迷走神経電極を含み、前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号のパルス幅、前記電気信号の下降相、および前記電気信号の振幅を含み、前記方法は、
前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記パルス幅または前記下降相を前記制御器によって増加させるステップと、
B型線維のための好ましいパルス幅または好ましい下降相を、前記B型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させないパルス幅または下降相に、前記制御器によって設定するステップと、
前記好ましいパルス幅または前記好ましい下降相を設定した後に、前記B型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記振幅を前記制御器によって増加させるステップと、
B型線維のための好ましい振幅を、前記B型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させない振幅に、前記制御器によって設定するステップとを含み、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記B型線維のための好ましいパルス幅または好ましい下降相および前記B型線維のための好ましい振幅を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記B型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加するまで、前記電気信号の前記パルス幅または前記下降相を増加させる前に、前記電気信号の前記振幅を増加させることが、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、もしくは前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加、または筋電図検査測定における筋電図検査パラメータもしくは遠心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと前記制御器によって決定するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも2つの迷走神経電極は、3つの迷走神経電極を含み、前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号の振幅を含み、前記方法は、
第1の条件および第2の条件を決定しながら、前記電気信号の前記振幅を前記制御器によって増加させるステップであって、
前記第1の条件は、心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方が増加することを規定し、
前記第2の条件は、前記筋電図検査測定における筋電図検査パラメータまたは前記遠心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の減少があること、および前記呼吸間隔測定における呼吸間隔または前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の減少があることを規定する、ステップと、
前記振幅における増加が前記第1の条件および前記第2の条件を満足することができない場合、前記少なくとも2つの迷走神経電極を調節するための標示を前記制御器によって生成するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の条件および前記第2の条件を決定しながら前記電気信号の前記振幅を増加させる前に、前記電気信号の前記振幅を増加させることが、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加、筋電図検査測定における筋電図検査パラメータまたは遠心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと前記制御器によって決定するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのパラメータを変化させるステップは、前記PSIのセットおよび前記NSIのセットのうちの少なくとも一方における監視された、結果として生じた変化に応答して、前記信号パラメータの第2のセットおよび前記信号パラメータの好ましいセットのうちの少なくとも一方を繰り返し更新すること含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記PSIのセットは、PSIの第1のセットを含み、前記NSIのセットは、PSIの第2のセットを含み、前記方法は、
前記信号パラメータの好ましいセットに基づいた電気信号を生成して、前記少なくとも2つの迷走神経電極に印加するように前記迷走神経信号発生器を制御することに応答して、PSIの第2のセットおよびNSIの第2のセットのうちの少なくとも一方を1つまたは複数のプロセッサによって監視するステップと、
前記PSIの第2のセットおよび前記NSIの第2のセットのうちの少なくとも一方に応答して、前記信号パラメータの第2のセットおよび前記信号パラメータの好ましいセットのうちの少なくとも一方を、前記1つまたは複数のプロセッサによって更新するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
迷走神経刺激システムであって、
心拍数測定デバイス、呼吸数測定デバイス、筋電図検査測定デバイス、信号発生器、少なくとも2つの迷走神経電極、ディスプレイ、ユーザ入力デバイスのうちの少なくとも1つとの通信を提供するように構成される少なくとも1つのインターフェースと、
前記少なくとも1つのインターフェースと通信可能に結合される制御器と、を備え、前記制御器は、
パラメータの第1のセットに基づいた電気信号を生成して、前記少なくとも2つの迷走神経電極に印加するように前記信号発生器を制御すること、
前記心拍数測定デバイス、前記呼吸数測定デバイス、および前記筋電図検査測定デバイスから生理学的測定値を受信することであって、前記生理学的測定値は、心拍数測定値、呼吸間隔測定値、および筋電図検査測定値を含む、生理学的測定値を受信すること、
求心性A型線維、遠心性A型線維、およびB型線維のうちの1つを活性化のために選択する標示を前記ユーザ入力デバイスから受信すること、
前記受信した生理学的測定値に基づいて、前記求心性A型線維、前記遠心性A型線維、および前記B型線維のうちの選択されたものと関連付けられた生理学的選択性指標(PSI)のセット、神経選択性指標(NSI)のセット、および線維活性化度のセットを決定すること、
前記信号パラメータの変化させたセットに基づいた電気信号の第2のセットを生成して、前記少なくとも2つの迷走神経電極に印加するように前記信号発生器を制御し、前記PSIのセット、前記NSIのセット、および前記線維活性化度のセットのうちの少なくとも1つにおける結果として生じる変化を監視しながら、前記信号パラメータの第1のセットの少なくとも1つのパラメータを変化させること、
前記求心性A型線維、前記遠心性A型線維、および前記B型線維のうちの前記選択されたものを活性化するための刺激波形のための信号パラメータの好ましいセットを決定することであって、前記信号パラメータの好ましいセットは、前記PSIのセットおよび前記NSIのセットにおける所定の変化を結果としてもたらす、決定すること、ならびに
前記信号パラメータの好ましいセットに基づいた電気信号を生成して、前記少なくとも2つの迷走神経電極に印加するように、前記信号発生器を制御すること、を行うように構成される、迷走神経刺激システム。
【請求項23】
前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号の振幅を含み、前記制御器は、
前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加し、不定値に等しくない間、前記電気信号の前記振幅を増加させるように前記信号発生器を制御すること、ならびに
求心性A型線維のための好ましい振幅を、前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させない、または不定にさせない振幅に設定すること、を行うようにさらに構成され、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記求心性A型線維のための好ましい振幅を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記制御器は、
前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加するまで前記電気信号の前記振幅における増加を引き起こす前に、前記電気信号の前記振幅を増加させることが、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、または前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと決定するようにさらに構成される、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号のパルス幅および前記電気信号の振幅を含み、前記制御器は、
前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記パルス幅を増加させるように前記信号発生器を制御すること、
求心性A型線維のための好ましいパルス幅を、前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させないパルス幅に設定すること、
前記好ましいパルス幅を設定した後に、前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記振幅を増加させるように前記信号発生器を制御すること、
求心性A型線維のための好ましい振幅を、前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させない振幅に設定すること、を行うようにさらに構成され、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記求心性A型線維のための好ましいパルス幅および前記求心性A型線維のための好ましい振幅を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項26】
前記制御器は、
前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記パルス幅における増加を引き起こす前に、前記電気信号の前記振幅における増加が、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、または前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加、および筋電図検査測定における筋電図検査パラメータまたは遠心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと決定するようにさらに構成される、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号のパルス幅および前記電気信号の振幅を含み、前記制御器は、
第1の条件、第2の条件、および第3の条件を決定しながら、前記電気信号の前記振幅を減少させ、前記電気信号の前記パルス幅を増加させるように前記信号発生器を制御することであって、前記第1の条件は、
前記第1の条件は、心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方がゼロに等しいこと、および前記筋電図検査測定における筋電図検査パラメータ、前記遠心性A型線維の線維活性化度の推定値、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、または前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも1つにおいて増加があることを規定し、
前記第2の条件は、前記心拍数測定における心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方が減少する一方で、前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加することを規定し、
前記第3の条件は、前記心拍数測定における心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方が、それらのそれぞれの以前の値の5パーセントよりも大きいことを規定する、制御すること、
求心性A型線維のための好ましい振幅および求心性A型線維のための好ましいパルス幅を、前記第1の条件、前記第2の条件、および前記第3の条件を満足しない振幅およびパルス幅に設定すること、を行うようにさらに構成され、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記求心性A型線維のための好ましいパルス幅および前記求心性A型線維のための好ましい振幅を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項28】
前記制御器は、
前記電気信号の前記振幅における減少および前記パルス幅における減少を引き起こす前に、前記電気信号の前記振幅における増加が、前記心拍数測定における心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと決定するようにさらに構成される、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号の振幅を含み、前記制御器は、
前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加し、不定値に等しくない間、前記電気信号の前記振幅を増加させるように前記信号発生器を制御すること、ならびに
遠心性A型線維のための好ましい振幅を、前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させない、または不定にさせない振幅に設定すること、を行うようにさらに構成され、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記遠心性A型線維のための好ましい振幅を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項30】
前記制御器は、
前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加し、不定値に等しくなくなるまで、前記電気信号の前記振幅における増加を引き起こす前に、前記電気信号の前記振幅における増加が、前記筋電図検査測定における筋電図検査パラメータ、または前記遠心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと決定するようにさらに構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号のパルス幅および前記電気信号の振幅を含み、前記制御器は、
前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記パルス幅を増加させるように前記信号発生器を制御すること、
遠心性A型線維のための好ましいパルス幅を、前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させないパルス幅に設定すること、
前記好ましいパルス幅を設定した後に、前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記振幅を増加させるように前記信号発生器を制御すること、
遠心性A型線維のための好ましい振幅を、前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させない振幅に設定することを行うようにさらに構成され、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記遠心性A型線維のための好ましいパルス幅および前記遠心性A型線維のための好ましい振幅を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項32】
前記制御器は、
前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記パルス幅における増加を引き起こす前に、前記電気信号の前記振幅における増加が、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、または前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加、および筋電図検査測定における筋電図検査パラメータまたは遠心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすこと、を決定するようにさらに構成される、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号のパルス幅および前記電気信号の振幅を含み、前記制御器は、
第1の条件、第2の条件、および第3の条件を決定しながら、前記電気信号の前記振幅を減少させ、前記電気信号の前記パルス幅を増加させるように前記信号発生器を制御することであって、
前記第1の条件は、心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方がゼロに等しいこと、および前記筋電図検査測定における筋電図検査パラメータ、前記遠心性A型線維の線維活性化度の推定値、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、または前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも1つにおいて増加があることを規定し、
前記第2の条件は、前記心拍数測定における心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方が減少する一方で、前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加することを規定し、
前記第3の条件は、前記心拍数測定における心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方が、それらのそれぞれの以前の値の5パーセントよりも大きいことを規定する、制御すること、
遠心性A型線維のための好ましい振幅および遠心性A型線維のための好ましいパルス幅を、前記第1の条件、前記第2の条件、および前記第3の条件を満足しない振幅およびパルス幅に設定すること、を行うようにさらに構成され、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記遠心性A型線維のための好ましいパルス幅および前記遠心性A型線維のための好ましい振幅を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項34】
前記制御器は、
前記電気信号の前記振幅における減少を引き起こす前に、前記電気信号の前記振幅における増加が、前記心拍数測定における心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと決定するようにさらに構成される、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記少なくとも2つの迷走神経電極は、3つの迷走神経電極を含み、前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号の振幅を含み、前記制御器は、
前記B型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加し、不定値に等しくない間、前記電気信号の前記振幅を増加させるように前記信号発生器を制御すること、ならびに
B型線維のための好ましい振幅を、前記B型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させない、または不定にさせない振幅に設定すること、を行うようにさらに構成され、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記B型線維のための好ましい振幅を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項36】
前記制御器は、
前記B型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加するまで前記電気信号の前記振幅における増加を引き起こす前に、前記電気信号の前記振幅における増加が、前記心拍数測定における心拍数、または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと決定するようにさらに構成される、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記少なくとも2つの迷走神経電極は、3つの迷走神経電極を含み、前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号のパルス幅、前記電気信号の下降相、および前記電気信号の振幅を含み、前記制御器は、
前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記パルス幅または前記下降相を増加させるように前記信号発生器を制御すること、
B型線維のための好ましいパルス幅または好ましい下降相を、前記B型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させないパルス幅に設定すること、
前記好ましいパルス幅または前記好ましい下降相を設定した後に、前記B型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記振幅を増加させるように前記信号発生器を制御すること、ならびに
B型線維のための好ましい振幅を、前記B型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させない振幅に設定すること、を行うようにさらに構成され、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記B型線維のための好ましいパルス幅または好ましい下降相および前記B型線維のための好ましい振幅を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項38】
前記制御器は、
前記B型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加するまで、前記電気信号の前記パルス幅または前記下降相における増加を引き起こす前に、前記電気信号の前記振幅における増加が、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、もしくは前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加、または筋電図検査測定における筋電図検査パラメータ、もしくは遠心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと決定するようにさらに構成される、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記少なくとも2つの迷走神経電極は、3つの迷走神経電極を含み、前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号の振幅を含み、前記制御器は、
第1の条件および第2の条件を決定しながら、前記電気信号の振幅を増加させるように前記信号発生器を制御することであって、
前記第1の条件は、心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方が増加することを規定し、
前記第2の条件は、前記筋電図検査測定における筋電図検査パラメータまたは前記遠心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の減少があること、および前記呼吸間隔測定における呼吸間隔または前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の減少があることを規定する、制御すること、ならびに
前記振幅における増加が前記第1の条件および前記第2の条件を満足することができない場合、前記少なくとも2つの迷走神経電極を調節するためにディスプレイ上に標示を生成すること、を行うようにさらに構成される、請求項22に記載のシステム。
【請求項40】
前記制御器は、
前記第1の条件および前記第2の条件を決定しながら前記電気信号の前記振幅における増加を引き起こす前に、前記電気信号の前記振幅における増加が、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加、筋電図検査測定における筋電図検査パラメータまたは遠心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと決定するようにさらに構成される、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記制御器は、前記PSIのセットおよび前記NSIのセットのうちの少なくとも一方における監視された、結果として生じた変化に応答して、前記信号パラメータの第2のセットおよび前記信号パラメータの好ましいセットのうちの少なくとも一方を繰り返し更新することによって、少なくとも1つのパラメータを変化させるようにさらに構成される、請求項22に記載のシステム。
【請求項42】
前記PSIのセットは、PSIの第1のセットを含み、前記NSIのセットは、PSIの第2のセットを含み、前記制御器は、
前記信号パラメータの好ましいセットに基づいた電気信号を生成して、前記少なくとも2つの迷走神経電極に印加するように、前記迷走神経信号発生器を制御することに応答して、PSIの第2のセットおよびNSIの第2のセットのうちの少なくとも一方を監視すること、ならびに
前記求心性A型線維、前記遠心性A型線維、および前記B型線維のうちの選択されたもの活性化を増加させるために、前記PSIの第2のセットおよび前記NSIの第2のセットのうちの少なくとも一方に応答して、前記信号パラメータの第2のセットおよび前記信号パラメータの好ましいセットのうちの少なくとも一方を更新すること、を行うようにさらに構成される、請求項22に記載のシステム。
【請求項43】
選択的迷走神経刺激のための方法であって、
A型、B型、またはC型の標的神経線維型を、1つまたは複数のプロセッサによって識別するステップと、
前記標的神経線維型を前記C型であると識別することに応答して、C型神経線維のための第1の予測される反応およびA型神経線維またはB型神経線維のうちの少なくとも一方のための第2の予測される反応を有する信号プロファイルを、前記1つまたは複数のプロセッサによって選択するステップと、
前記選択した信号プロファイルに基づいて電気信号を出力するように、少なくとも1つの電極を前記1つまたは複数のプロセッサによって制御するステップと
を含む、方法。
【請求項44】
前記第1の予測される反応は、C型神経線維の予期される活性化を含み、前記第2の予測される反応は、A型神経線維またはB型神経線維のうちの少なくとも一方の予期される活性化を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記第1の予測される反応は、第1のしきい値よりも大きく、前記第2の予測される反応は、第2のしきい値よりも小さい、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記信号プロファイルは、キロヘルツ(kHz)のオーダーにある周波数、および所定の生理的しきい値の倍数である強度を有し、前記倍数は、7よりも大きい、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記電気信号を出力するように前記少なくとも1つの電極を制御するステップは、前記第1の予測される反応および前記第2の予測される反応に基づいて、前記電気信号の周波数、強度、またはパルス幅のうちの少なくとも1つを前記1つまたは複数のプロセッサによって制御することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
生理学的反応の標示を、前記1つまたは複数のプロセッサによって受信するステップと、
前記生理学的反応および前記第1の予測される反応または前記第2の予測される反応のうちの少なくとも一方に基づいて、前記信号プロファイルを前記1つまたは複数のプロセッサによって修正するステップと、をさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項49】
神経学的反応の標示を、前記1つまたは複数のプロセッサによって受信するステップと、
前記神経学的反応および前記第1の予測される反応または前記第2の予測される反応のうちの少なくとも一方に基づいて、前記信号プロファイルを前記1つまたは複数のプロセッサによって修正するステップと、をさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
前記信号プロファイルを選択するステップは、求心性C型神経線維のための前記第1の予測される反応を引き起こすように、前記信号プロファイルを前記1つまたは複数のプロセッサによって選択することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項51】
前記信号プロファイルの周波数は、少なくとも8KHzである、請求項43に記載の方法。
【請求項52】
前記第1の予測される反応は、ミリ秒時間スケールでの複合活動電位反応、秒時間スケールでの生理学的反応、および分時間スケールでの神経学的反応に対応する、請求項43に記載の方法。
【請求項53】
1つまたは複数のプロセッサを備えるシステムであって、
前記1つまたは複数のプロセッサは、
A型、B型、またはC型の標的神経線維型を識別すること、
前記標的神経線維型を前記C型であると識別することに応答して、C型神経線維のための第1の予測される反応およびA型神経線維またはB型神経線維のうちの少なくとも一方のための第2の予測される反応を有する信号プロファイルを選択すること、ならびに
前記選択した信号プロファイルに基づいて電気信号を出力するように少なくとも1つの電極を制御すること、を行うように構成される、システム。
【請求項54】
前記第1の予測される反応は、C型神経線維の予期される活性化を含み、前記第2の予測される反応は、A型神経線維またはB型神経線維のうちの少なくとも一方の予期される活性化を含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記第1の予測される反応は、第1のしきい値よりも大きく、前記第2の予測される反応は、第2のしきい値よりも小さい、請求項53に記載のシステム。
【請求項56】
前記信号プロファイルは、キロヘルツ(kHz)のオーダーにある周波数、および所定の生理的しきい値の倍数である強度を有し、前記倍数は、7よりも大きい、請求項53に記載のシステム。
【請求項57】
前記1つまたは複数のプロセッサは、前記第1の予測される反応および前記第2の予測される反応に基づいて、前記電気信号の周波数、強度、またはパルス幅のうちの少なくとも1つを制御することによって、前記電気信号を出力するように前記少なくとも1つの電極を制御するように構成される、請求項53に記載のシステム。
【請求項58】
前記1つまたは複数のプロセッサは、
生理学的反応の標示を受信し、
前記生理学的反応および前記第1の予測される反応または前記第2の予測される反応のうちの少なくとも一方に基づいて、前記信号プロファイルを修正するように構成される、請求項53に記載のシステム。
【請求項59】
前記1つまたは複数のプロセッサは、
神経学的反応の標示を受信し、
前記神経学的反応および前記第1の予測される反応または前記第2の予測される反応のうちの少なくとも一方に基づいて、前記信号プロファイルを修正するように構成される、請求項53に記載のシステム。
【請求項60】
前記1つまたは複数のプロセッサは、求心性C型神経線維のための前記第1の予測される反応を引き起こすように前記信号プロファイルを選択するように構成される、請求項53に記載のシステム。
【請求項61】
前記少なくとも1つの電極をさらに備える、請求項53に記載のシステム。
【請求項62】
対象と結合される少なくとも1つのセンサをさらに備え、
前記少なくとも1つの電極は、前記対象に前記電気信号を印加するように構成され、
前記少なくとも1つのセンサは、前記対象からの生理学的反応または神経学的反応のうちの少なくとも一方を監視するように構成され、
前記1つまたは複数のプロセッサは、前記生理学的反応または前記神経学的反応のうちの少なくとも一方に基づいて信号を修正するために比例・積分・微分制御器を使用するように構成される、請求項61に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連文献への相互参照
[0001]本開示は、2020年5月21日に出願された米国特許仮出願第63/028,161号の利益およびこれに対する優先権を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示は、概して、迷走神経刺激を対象とする。特に、本開示は、対象の少なくとも1つの生理学的測定値、および生理学的選択性指標に基づいて迷走神経刺激を調節するための技術を説明する。
【背景技術】
【0003】
[0003]迷走神経(VN)は、体内の最も長い自律神経である。それは、すべての主要な胸郭および腹部器官を神経支配し、様々な末梢受容体およびエフェクター細胞と脳との間の求心性(感覚)および遠心性(運動)信号を中継する。多数のこれらの神経投射およびそれらの生理学的効果が理由で、迷走神経刺激(VNS)は、薬剤抵抗性てんかんおよび鬱病、アルツハイマー病、不安、痛み、耳鳴り、リウマチ性関節炎、ならびに心不全を含む様々な疾患における治療として使用または試験されてきた。その幅広い治療用途の可能性にもかかわらず、その治療効果の裏にある正確な機序は、VNの解剖学的および機能的複雑性が原因の1つで、依然として比較的不明瞭である。しかしながら、VNSの異なる生理学的効果が、異なるタイプの迷走神経線維の活性化と関連付けられることは広く受け入れられている。迷走神経線維の大部分は、求心性であり、それらの大半は、内臓器官から感覚迷走神経神経節へ、そこから脳幹内の核へ投射し、様々な生理学的状態の変化に関連する情報を中継する。これらの求心性線維は、大半がAまたはC型のものである。A型線維は、数少なく、有髄であり、高速の伝導速度(5~120m/秒)を可能にする大きい直径を伴う。求心性迷走神経A線維は、ヘーリング・ブロイエル反射の求心性アームを含み、これが吸息中の肺の過膨張を防ぐ。求心性C型線維は、より数が多く、無髄であり、サイズがより小さく、伝導速度が遅く(0.2~2m/秒)、内部器官からの侵害受容性かつ一般体性の感覚求心路を大半は含み、それらの亜集団は、A線維とは異なる様式で呼吸に影響を及ぼす。遠心性迷走神経線維は、脳幹の運動迷走神経核に位置する節前のコリン作動性神経の軸索である。それらの大半は、AまたはB型である。A型遠心性線維は、喉頭および咽頭の横紋筋を神経支配し、かすれ声、咳などのようなVNSのいくつかの副作用の原因となる声帯収縮をもたらす。B型線維は、A型とC型の間の中間の直径および伝導速度(3~14m/秒)を伴って有髄である。それらは、心臓、血管および気管支平滑筋、ならびに内分泌および外分泌腺を神経支配する、自律神経系の副交感神経の運動成分の大部分を本質的に含む。心臓においては、迷走神経B線維が、徐脈を引き起こす洞房結節、ならびに、陰性変伝導および変力効果をそれぞれ引き起こす房室結節および心室筋を神経支配することが示されている。
【発明の概要】
【0004】
[0004]特定の実施形態において、対象の迷走神経を刺激するための方法は、信号パラメータの第1のセットに基づいた電気信号を生成して、少なくとも2つの迷走神経電極に印加するように、信号発生器を制御器によって制御するステップを含む。本方法は、電気信号の印加に応答して、対象の生理学的測定値を制御器によって受信するステップをさらに含み、生理学的測定値は、心拍数測定値、呼吸間隔測定値、および筋電図検査測定値を含む。本方法はまた、求心性A型線維、遠心性A型線維、およびB型線維のうちの1つを活性化のために選択する標示を、制御器によって受信するステップを含む。本方法は、受信した生理学的測定値に基づいて、求心性A型線維、遠心性A型線維、およびB型線維のうちの選択されたものと関連付けられた生理学的選択性指標(PSI)のセット、神経選択性指標(NSI)のセット、および線維活性化度のセットを制御器によって決定するステップをさらに含む。本方法は、追加的に、PSIのセットおよびNSIのセットのうちの少なくとも一方における結果として生じる変化を監視しながら、信号パラメータの第1のセットの少なくとも1つのパラメータを制御器によって変化させるステップを含む。本方法は、変化させるステップに基づいて、求心性A型線維、遠心性A型線維、およびB型線維のうちの選択されたものを活性化するための刺激波形のための信号パラメータの好ましいセットを制御器によって決定するステップをさらに含み、信号パラメータの好ましいセットは、PSIのセットおよびNSIのセットにおける所定の変化を結果としてもたらす。本方法はまた、信号パラメータの好ましいセットに基づいた電気信号を生成して、少なくとも2つの迷走神経電極に印加するように、迷走神経信号発生器を制御器によって制御するステップを含む。
【0005】
[0005]特定の実施形態において、迷走神経刺激システムは、心拍数測定デバイス、呼吸数測定デバイス、筋電図検査測定デバイス、信号発生器、少なくとも2つの迷走神経電極、ディスプレイ、またはユーザ入力デバイスのうちの少なくとも1つとの通信を提供するように構成される少なくとも1つのインターフェースと、少なくとも1つのインターフェースと通信可能に結合される制御器とを含む。制御器は、パラメータの第1のセットに基づいた電気信号を生成して、少なくとも2つの迷走神経電極に印加するように信号発生器を制御するように構成される。制御器は、心拍数測定デバイス、呼吸数測定デバイス、および筋電図検査測定デバイスから生理学的測定値を受信するようにさらに構成され、生理学的測定値は、心拍数測定値、呼吸間隔測定値、および筋電図検査測定値を含む。制御器はまた、求心性A型線維、遠心性A型線維、およびB型線維のうちの1つを活性化のために選択する標示をユーザ入力デバイスから受信するように構成される。制御器は、追加的に、受信した生理学的測定値に基づいて、求心性A型線維、遠心性A型線維、およびB型線維のうちの選択されたものと関連付けられた生理学的選択性指標(PSI)のセット、神経選択性指標(NSI)のセット、および線維活性化度のセットを決定するように構成される。制御器は、パラメータの第1のセットに基づいた電気信号を生成して、少なくとも2つの迷走神経電極に印加するように信号発生器を制御し、PSIのセット、NSIのセット、および線維活性化度のセットのうちの少なくとも1つにおける結果として生じる変化を監視しながら、信号パラメータの第1のセットの少なくとも1つのパラメータを変化させるようにさらに構成される。制御器は、求心性A型線維、遠心性A型線維、およびB型線維のうちの選択されたものを活性化するための刺激波形のための信号パラメータの好ましいセットを決定することであって、信号パラメータの好ましいセットは、PSIのセットおよびNSIのセットにおける所定の変化を結果としてもたらす、決定すること、ならびに信号パラメータの好ましいセットに基づいた電気信号を生成して、少なくとも2つの迷走神経電極に印加するように信号発生器を制御すること、を行うようにさらに構成される。
【0006】
[0006]特定の実施形態において、選択的迷走神経刺激のための方法は、A型、B型、またはC型の標的神経線維型を、1つまたは複数のプロセッサによって識別するステップと、標的神経線維型をC型であると識別することに応答して、C型神経線維のための第1の予測される反応およびA型神経線維またはB型神経線維のうちの少なくとも一方のための第2の予測される反応を有する信号プロファイルを、1つまたは複数のプロセッサによって選択するステップと、選択した信号プロファイルに基づいて電気信号を出力するように少なくとも1つの電極を1つまたは複数のプロセッサによって制御するステップと、を含む。
【0007】
[0007]特定の実施形態において、システムは、A型、B型、またはC型の標的神経線維型を識別し、標的神経線維型をC型であると識別することに応答して、C型神経線維のための第1の予測される反応およびA型神経線維またはB型神経線維のうちの少なくとも一方のための第2の予測される反応を有する信号プロファイルを選択し、選択した信号プロファイルに基づいて電気信号を出力するように少なくとも1つの電極を制御するように構成される1つまたは複数のプロセッサを含む。
【0008】
[0008]本開示の先述および他の目的、態様、特徴、および利点は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することにより、より明らかになり、より良好に理解されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】[0009]サーバデバイスと通信するクライアントデバイスを含むネットワーク環境の実施形態を描写するブロック図である。
図1B】[0010]クラウドサービスプロバイダと通信するクライアントデバイスを含むクラウドコンピューティング環境を描写するブロック図である。
図1C】[0011]本明細書に説明される方法およびシステムと関連して有用なコンピューティングデバイスの実施形態を描写するブロック図である。
図1D】本明細書に説明される方法およびシステムと関連して有用なコンピューティングデバイスの実施形態を描写するブロック図である。
図2】[0012]例示的なVNSシステムのブロック図である。
図3】[0013]対象の迷走神経に刺激を提供するための例示的なプロセスのフロー図である。
図4】[0014]求心性A型線維を活性化するための好ましいパラメータの選択のための例示的なプロセスのフロー図である。
図5】[0015]遠心性A型線維を活性化するための好ましいパラメータの選択のための例示的なプロセスのフロー図である。
図6】[0016]B型線維を活性化するための好ましいパラメータの選択のための例示的なプロセス600のフロー図である。
図7】[0017]図2に示される外部プログラマのディスプレイ上でユーザに表示され得る例示的なユーザインターフェース700の一部分を示す図である。
図8】[0018]迷走神経刺激システムを動作するための例示的なプロセス800のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0019]以下の様々な実施形態の説明を読む目的のため、本明細書のセクションの以下の説明およびそれぞれの内容が役に立ち得る。
[0020]セクションAは、本明細書に説明される実施形態を実践するのに有用であり得るネットワーク環境およびコンピューティング環境を説明する。
【0011】
[0021]セクションBは、対象の迷走神経に刺激電気信号を提供するためのシステムおよび方法の実施形態を説明する。
[0022]セクションCは、本明細書に説明されるような様々なシステムおよび方法を使用して迷走神経刺激を実施するための実施例を説明する。
A.コンピューティングおよびネットワーク環境
[0023]本ソリューションの特定の実施形態について論じる前に、本明細書に説明される方法およびシステムに関連して、動作環境ならびに関連システム構成要素(例えば、ハードウェア要素)の態様を説明することが役に立ち得る。図1Aを参照すると、ネットワーク環境の実施形態が描写される。簡単に要約すると、ネットワーク環境は、1つまたは複数のネットワーク104を介して1つまたは複数のサーバ106a-106n(概して、サーバ106、ノード106、またはリモートマシン106とも称される)と通信する1つまたは複数のクライアント102a-102n(概して、ローカルマシン102、クライアント102、クライアントノード102、クライアントマシン102、クライアントコンピュータ102、クライアントデバイス102、エンドポイント102、またはエンドポイントノード102とも称される)を含む。いくつかの実施形態において、クライアント102は、サーバによって提供されるリソースへのアクセスを求めるクライアントノード、および他のクライアント102a-102nのためのホスト型リソースへのアクセスを提供するサーバの両方として機能する能力を有する。
【0012】
[0024]図1Aは、クライアント102とサーバ106との間にネットワーク104を示すが、クライアント102およびサーバ106は、同じネットワーク104上にあってもよい。いくつかの実施形態において、クライアント102とサーバ106との間に複数のネットワーク104が存在する。これらの実施形態のうちの1つにおいて、ネットワーク104’(図示せず)は、プライベートネットワークであり得、ネットワーク104は、パブリックネットワークであり得る。これらの実施形態のうちの別のものにおいて、ネットワーク104は、プライベートネットワーク、ネットワーク104’は、パブリックネットワークであり得る。これらの実施形態の依然として別のものにおいて、ネットワーク104および104’は共にプライベートネットワークであり得る。
【0013】
[0025]ネットワーク104は、有線またはワイヤレスリンクを介して接続され得る。有線リンクは、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)、同軸ケーブル線、または光ファイバ線を含み得る。ワイヤレスリンクは、BLUETOOTH(登録商標)、Wi-Fi、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAX:Worldwide Interoperability formicrowave Access)、赤外線チャネル、またはサテライト帯を含み得る。ワイヤレスリンクはまた、1G、2G、3G、または4Gに値する規格を含む、モバイルデバイス間で通信するために使用される任意のセルラネットワーク規格を含み得る。ネットワーク規格は、国際電気通信連合によって維持される仕様などの仕様または規格を満たすことによって、移動遠隔通信規格の1つまたは複数の世代に値し得る。3G規格は、例えば、International Mobile Telecommunications-2000(IMT-2000)仕様に対応し得、4G規格は、International Mobile Telecommunications Advanced(IMT-Advanced)仕様に対応し得る。セルラネットワーク規格の例としては、AMPS、GSM、GPRS、UMTS、LTE、LTE Advanced、Mobile WiMAX、およびWiMAX-Advancedが挙げられる。セルラネットワーク規格は、様々なチャネルアクセス法、例えば、FDMA、TDMA、CDMA、またはSDMAを使用し得る。いくつかの実施形態において、異なるタイプのデータは、異なるリンクおよび規格を介して伝送され得る。他の実施形態において、同じタイプのデータは、異なるリンクおよび規格を介して伝送され得る。
【0014】
[0026]ネットワーク104は、任意のタイプおよび/または形態のネットワークであり得る。ネットワーク104の地理的範囲は、多様であり得、ネットワーク104は、ボディエリアネットワーク(BAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、例えば、イントラネット、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはインターネットであり得る。ネットワーク104のトポロジは、任意の形態のものであり得、例えば、以下:ポイント・ツー・ポイント、バス、スター、リング、メッシュ、またはツリーのうちのいずれかを含み得る。ネットワーク104は、仮想であり、他のネットワーク104’の1つまたは複数の層の上にある、オーバーレイネットワークであってもよい。ネットワーク104は、本明細書に説明される動作をサポートすることができる当業者に知られているような任意のそのようなネットワークトポロジのものであってもよい。ネットワーク104は、例えば、イーサネットプロトコル、インターネットプロトコルスイート(TCP/IP)、ATM(Asynchronous Transfermode)技術、SONET(Synchronous Optical Networking)プロトコル、またはSDH(Synchronous Digital Hierarchy)プロトコルを含む、異なる技術およびプロトコルの層またはスタックを利用し得る。TCP/IPインターネットプロトコルスイートは、アプリケーション層、トランスポート層、インターネット層(例えば、IPv6を含む)、またはリンク層を含み得る。ネットワーク104は、ブロードキャストネットワーク、電気通信ネットワーク、データ通信ネットワーク、またはコンピュータネットワークのタイプのものであってもよい。
【0015】
[0027]いくつかの実施形態において、本システムは、複数の論理的にグループ分けされたサーバ106を含み得る。これらの実施形態のうちの1つにおいて、サーバの論理グループは、サーバファーム38またはマシンファーム38と称され得る。これらの実施形態のうちの別のものにおいて、サーバ106は、地理的に分散され得る。他の実施形態において、マシンファーム38は、単一エンティティとして管理され得る。依然として他の実施形態において、マシンファーム38は、複数のマシンファーム38を含む。各マシンファーム38内のサーバ106は、異種であり得、サーバ106またはマシン106のうちの1つまたは複数は、1つのタイプのオペレーティングシステムプラットフォーム(例えば、ワシントン州レドモンドのMicrosoft社によって製造されたWINDOWS(登録商標) NT)に従って動作し得る一方、他のサーバ106のうちの1つまたは複数は、別のタイプのオペレーティングシステムプラットフォーム(例えば、Unix、Linux(登録商標)、またはMac OS X)に従って動作し得る。
【0016】
[0028]1つの実施形態において、マシンファーム38内のサーバ106は、関連記憶システムと一緒に高密度ラックシステム内に格納され、事業者データセンタに位置し得る。この実施形態において、このようにしてサーバ106を一元管理することは、サーバ106および高性能記憶システムを局所的高性能ネットワーク上に位置付けることにより、システム管理容易性、データセキュリティ、システムの物理的セキュリティ、およびシステム性能を向上させ得る。サーバ106および記憶システムを中央に集中させ、高度なシステム管理ツールを用いてそれらを結合することは、サーバリソースのより効率的な使用を可能にする。
【0017】
[0029]各マシンファーム38のサーバ106は、同じマシンファーム38内の別のサーバ106に物理的に近接している必要はない。故に、マシンファーム38として論理的にグループ分けされるサーバ106のグループは、ワイドエリアネットワーク(WAN)接続またはメトロポリタンエリアネットワーク(MAN)接続を使用して相互接続され得る。例えば、マシンファーム38は、異なる大陸、または、大陸、国、州、都市、キャンパス、または部屋の異なる領域に物理的に位置するサーバ106を含み得る。マシンファーム38内のサーバ106間のデータ伝送速度は、サーバ106がローカルエリアネットワーク(LAN)接続または何らかの形態の直接接続を使用して接続される場合に増大され得る。追加的に、異種マシンファーム38は、あるタイプのオペレーティングシステムに従って動作する1つまたは複数のサーバ106を含み得る一方、1つまたは複数の他のサーバ106は、オペレーティングシステムというよりも1つまたは複数のタイプのハイパーバイザを実行する。これらの実施形態において、ハイパーバイザは、仮想ハードウェアをエミュレートするため、物理ハードウェアを分割するため、物理ハードウェアを仮想化するため、およびコンピューティング環境へのアクセスを提供する仮想マシンを実行するために使用され得、複数のオペレーティングシステムがホストコンピュータ上で同時に実行することを可能にする。ネイティブハイパーバイザは、ホストコンピュータ上で直接実行し得る。ハイパーバイザは、カリフォルニア州パロアルトのVMWare,Inc.によって製造される、VMware ESX/ESXi;オープンソース製品であり、Citrix Systems,Inc.によって開発が監督される、Xenハイパーバイザ;Microsoftまたはその他によって提供される、HYPER-Vハイパーバイザを含み得る。ホスト型ハイパーバイザは、第2のソフトウェアレベルにおいてオペレーティングシステム内で実行し得る。ホスト型ハイパーバイザの例は、VMware WorkstationおよびVIRTUALBOXを含み得る。
【0018】
[0030]マシンファーム38の管理は、分散化され得る。例えば、1つまたは複数のサーバ106は、マシンファーム38のための1つまたは複数の管理サービスをサポートするための構成要素、サブシステム、およびモジュールを備え得る。これらの実施形態のうちの1つにおいて、1つまたは複数のサーバ106は、フェイルオーバーを取り扱うこと、データ複製、およびマシンファーム38のロバスト性を増大させることのための技術を含め、動的データの管理のための機能性を提供する。各サーバ106は、パーシステントストアと、およびいくつかの実施形態において、ダイナミックストアと通信し得る。
【0019】
[0031]サーバ106は、ファイルサーバ、アプリケーションサーバ、ウェブサーバ、プロキシサーバ、アプライアンス、ネットワークアプライアンス、ゲートウェイ、ゲートウェイサーバ、仮想化サーバ、配備サーバ、SSL VPNサーバ、またはファイアウォールであり得る。1つの実施形態において、サーバ106は、リモートマシンまたはノードと称され得る。別の実施形態において、複数のノード290が、任意の2つの通信サーバの間の経路内にあり得る。
【0020】
[0032]図1Bを参照すると、クラウドコンピューティング環境が描写される。クラウドコンピューティング環境は、ネットワーク環境によって提供される1つまたは複数のリソースをクライアント102に提供し得る。クラウドコンピューティング環境は、1つまたは複数のネットワーク104を通じてクラウド108と通信する1つまたは複数のクライアント102a-102nを含み得る。クライアント102は、例えば、シッククライアント、シンクライアント、およびゼロクライアントを含み得る。シッククライアントは、クラウド108またはサーバ106から切断されるときさえ、少なくとも何らかの機能性を提供し得る。シンクライアントまたはゼロクライアントは、機能性を提供するためにクラウド108またはサーバ106への接続に依存し得る。ゼロクライアントは、クライアントデバイスのためのオペレーティングシステムデータを取得するためにクラウド108または他のネットワーク104もしくはサーバ106に依存し得る。クラウド108は、バックエンドプラットフォーム、例えば、サーバ106、ストレージ、サーバファーム、またはデータセンタを含み得る。
【0021】
[0033]クラウド108は、パブリック、プライベート、またはハイブリッドであり得る。パブリッククラウドは、クライアント102またはクライアントのオーナーにとっての第三者によって管理されるパブリックサーバ106を含み得る。サーバ106は、上にまたは別途開示されるような遠く離れた地理的位置にオフサイトに位置し得る。パブリッククラウドは、パブリックネットワークを通じてサーバ106に接続され得る。プライベートクラウドは、クライアント102またはクライアントのオーナーによって物理的に管理されるプライベートサーバ106を含み得る。プライベートクラウドは、プライベートネットワーク104を通じてサーバ106に接続され得る。ハイブリッドクラウド108は、プライベートおよびパブリック両方のネットワーク104およびサーバ106を含み得る。
【0022】
[0034]クラウド108はまた、クラウドベースの配信、例えば、Software as a Service(SaaS)110、Platform as a Service(PaaS)112、およびInfrastructure as a Service(IaaS)114を含み得る。IaaSは、指定の時間期間の間必要とされるインフラストラクチャリソースの使用を借りるユーザを指し得る。IaaSプロバイダは、大きなプールからストレージ、ネットワーキング、サーバ、または仮想化リソースを供給し得、ユーザが必要に応じてより多くのリソースにアクセスすることによって素早くスケールアップすることを可能にする。IaaSの例としては、カナダ、ケベック州モントリオールのOVH HOSTINGによって提供されるインフラストラクチャおよびサービス(例えば、EG-32)、ワシントン州シアトルのAmazon.com,Inc.によって提供されるAMAZON WEB SERVICE、テキサス州サンアントニオのRackspace US,Inc.によって提供されるSRACKSPACE CLOUD、カリフォルニア州マウンテンビューのGoogle Inc.によって提供されるGoogle Compute Engine、またはカリフォルニア州サンタバーバラのRightScale,Inc.によって提供されるRIGHTSCALEを挙げることができる。PaaSプロバイダは、例えば、ストレージ、ネットワーキング、サーバ、または仮想化を含む、IaaSによって提供される機能性、ならびに、例えば、オペレーティングシステム、ミドルウェア、またはランタイムリソースなどの追加のリソースを供給し得る。PaaSの例としては、ワシントン州レッドモンドのMicrosoft社によって提供されるWINDOWS AZURE、Google Inc.によって提供されるGoogle App Engine、およびカリフォルニア州サンフランシスコのHeroku,Inc.によって提供されるHEROKUが挙げられる。SaaSプロバイダは、ストレージ、ネットワーキング、サーバ、仮想化、オペレーティングシステム、ミドルウェア、またはランタイムリソースを含む、PaaSが提供するリソースを供給し得る。いくつかの実施形態において、SaaSプロバイダは、例えば、データおよびアプリケーションリソースを含む、追加のリソースを供給し得る。SaaSの例としては、Google Inc.によって提供されるGOOGLE APPS、カリフォルニア州サンフランシスコのSalesforce.com Inc.によって提供されるSALESFORCE、またはMicrosoft社によって提供されるOFFICE365が挙げられる。SaaSの例としてはさらに、データストレージプロバイダ、例えば、カリフォルニア州サンフランシスコのDropbox,Inc.によって提供されるDROPBOX、Microsoft社によって提供されるMicrosoft SKYDRIVE、Google Inc.によって提供されるGoogle Drive、またはカリフォルニア州クパチーノのApple Inc.によって提供されるApple ICLOUDを挙げることができる。
【0023】
[0035]クライアント102は、例えば、Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)、Open Cloud Computing Interface(OCCI)、Cloud Infrastructure Management Interface(CIMI)、またはOpenStack規格を含む、1つまたは複数のIaaS規格を有するIaaSリソースにアクセスし得る。一部のIaaS規格は、クライアントがHTTPを通じてリソースにアクセスすることを可能にし得、Representational State Transfer(REST)プロトコルまたはSimple Object Access Protocol(SOAP)を使用し得る。クライアント102は、異なるPaaSインターフェースを有するPaaSリソースにアクセスし得る。一部のPaaSインターフェースは、HTTPパッケージ、標準Java API、JavaMail構成されたlifetime API、Java Data Objects(JDO)、Java Persistence API(JPA)、Python API、例えば、RubyのためのRack、PythonのためのWSGI、もしくはPerlのためのPSGIを含む、異なるプログラミング言語のためのウェブ統合API、またはREST、HTTP、XML、もしくは他のプロトコル上で構築され得る他のAPIを使用する。クライアント102は、ウェブブラウザ(例えば、GOOGLE CHROME、Microsoft INTERNET EXPLORER、またはカリフォルニア州マウンテンビューのMozilla Foundationによって提供されるMozilla Firefox)によって提供されるウェブベースのユーザインターフェースの使用を通じてSaaSリソースにアクセスし得る。クライアント102はまた、例えば、Salesforce Sales Cloud、またはGoogle Driveアプリケーションを含む、スマートフォンまたはタブレットアプリケーションを通じて、SaaSリソースにアクセスし得る。クライアント102はまた、例えば、DROPBOXのためのWindowsファイルシステムを含む、クライアントオペレーティングシステムを通じてSaaSリソースにアクセスし得る。
【0024】
[0036]いくつかの実施形態において、IaaS、PaaS、またはSaaSリソースへのアクセスは、認証式であり得る。例えば、サーバまたは認証サーバが、セキュリティ証明書、HTTPS、またはAPI鍵によりユーザを認証し得る。API鍵は、例えば、Advanced Encryption Standard(AES)などの様々な暗号化規格を含み得る。データリソースは、Transport Layer Security(TLS)またはSecure Sockets Layer(SSL)を通じて送信され得る。
【0025】
[0037]クライアント102およびサーバ106は、任意のタイプおよび形態のネットワーク上で通信し、本明細書に説明される動作を実施することができる任意のタイプおよび形態のコンピューティングデバイス、例えば、コンピュータ、ネットワークデバイス、もしくはアプライアンスとして配備され得るか、かつ/またはそこにおいて実行され得る。図1Cおよび図1Dは、クライアント102またはサーバ106の実施形態を実践するのに有用なコンピューティングデバイス100のブロック図を描写する。図1Cおよび図1Dに示されるように、各コンピューティングデバイス100は、中央処理装置121およびメインメモリ装置122を含む。図1Cに示されるように、コンピューティングデバイス100は、ストレージデバイス128、インストールデバイス116、ネットワークインターフェース118、I/O制御器123、ディスプレイデバイス124a-124n、キーボード126、およびポインティングデバイス127、例えば、マウスを含み得る。ストレージデバイス128は、限定することなく、オペレーティングシステム、ソフトウェア、および迷走神経刺激(VNS)システム120のソフトウェアを含み得る。例えば、ソフトウェアは、図3図7に関連して以下に論じられるプロセスを実行するための命令を含み得る。図1Dに示されるように、各コンピューティングデバイス100はまた、追加の任意選択的な要素、例えば、メモリポート103、ブリッジ170、1つまたは複数の入力/出力デバイス130a-130n(概して、参照番号130を使用して参照される)、および、中央処理装置121と通信するキャッシュメモリ140を含み得る。
【0026】
[0038]中央処理装置121は、メインメモリ装置122からフェッチされる命令に応答し、これを処理する、任意の論理回路である。多くの実施形態において、中央処理装置121は、マイクロプロセッサ装置、例えば、カリフォルニア州マウンテンビューのIntel社によって製造されるもの、イリノイ州ショウンバーグのMotorola社によって製造されるもの、カリフォルニア州サンタクララのNvidiaによって製造されるARMプロセッサおよびTEGRAシステムオンチップ(SoC)、POWER7プロセッサ、ニューヨーク州ホワイトプレーンズのInternational Business Machinesによって製造されるもの、またはカリフォルニア州サニーベールのAdvanced Micro Devicesによって製造されるものによって提供される。コンピューティングデバイス100は、これらのプロセッサのうちのいずれか、または本明細書に説明されるように動作することができる任意の他のプロセッサに基づき得る。中央処理装置121は、命令レベル並列、スレッドレベル並列、異なるレベルのキャッシュ、およびマルチコアプロセッサを利用し得る。マルチコアプロセッサは、単一のコンピューティング構成要素上に2つ以上の処理装置を含み得る。マルチコアプロセッサの例としては、AMD PHENOM IIX2、INTEL CORE i5、およびINTEL CORE i7が挙げられる。
【0027】
[0039]メインメモリ装置122は、データを記憶することができ、任意の記憶場所がマイクロプロセッサ121によって直接アクセスされることを可能にする1つまたは複数のメモリチップを含み得る。メインメモリ装置122は、揮発性であり、ストレージ128メモリよりも高速であり得る。メインメモリ装置122は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、または、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、Burst SRAMもしくはSynchBurst SRAM(BSRAM)、Fast Page Mode DRAM(FPM DRAM)、Enhanced DRAM(EDRAM)、Extended Data Output RAM(EDO RAM)、Extended Data Output DRAM(EDO DRAM)、Burst Extended Data Output DRAM(BEDO DRAM)、Single Data Rate Synchronous DRAM(SDR SDRAM)、Double Data Rate SDRAM(DDR SDRAM)、Direct Rambus DRAM(DRDRAM)、またはExtreme Data Rate DRAM(XDR DRAM)を含む任意の変形形態であり得る。いくつかの実施形態において、メインメモリ122またはストレージ128は、不揮発性であり得、例えば、不揮発性リードアクセスメモリ(NVRAM)、フラッシュメモリ不揮発性スタティックRAM(nvSRAM)、強誘電体RAM(FeRAM)、磁気抵抗RAM(MRAM)、相変化メモリ(PRAM)、導電性ブリッジRAM(CBRAM)、Silicon-Oxide-Nitride-Oxide-Silicon(SONOS)、抵抗性RAM(RRAM)、レーストラック、ナノRAM(NRAM)、またはミリピードメモリであり得る。メインメモリ122は、上に説明されたメモリチップのうちのいずれか、または本明細書に説明されるように動作することができる任意の他の利用可能なメモリチップに基づき得る。図1Cに示される実施形態において、プロセッサ121は、システムバス150を介してメインメモリ122と通信する(以下により詳細に説明される)。図1Dは、プロセッサがメモリポート103を介してメインメモリ122と通信するコンピューティングデバイス100の実施形態を描写する。例えば、図1Dにおいて、メインメモリ122は、DRDRAMであり得る。
【0028】
[0040]図1Dは、メインプロセッサ121が、時としてバックサイドバスと称される二次バスを介してキャッシュメモリ140と直接的に通信する実施形態を描写する。他の実施形態において、メインプロセッサ121は、システムバス150を使用してキャッシュメモリ140と通信する。キャッシュメモリ140は、典型的には、メインメモリ122よりも速い反応時間を有し、典型的には、SRAM、BSRAM、またはEDRAMによって提供される。図1Dに示される実施形態において、プロセッサ121は、ローカルシステムバス150を介して様々なI/Oデバイス130と通信する。PCIバス、PCI-Xバス、もしくはPCI-Expressバス、またはNuBusを含む、様々なバスが、中央処理装置121をI/Oデバイス130のうちのいずれかに接続するために使用され得る。I/Oデバイスがビデオディスプレイ124である実施形態の場合、プロセッサ121は、Advanced Graphics Port(AGP)を使用して、ディスプレイ124またはディスプレイ124のためのI/O制御器123と通信し得る。図1Dは、メインプロセッサ121がHYPERTRANSPORT、RAPIDIO、またはINFINIBAND通信技術を介してI/Oデバイス130bまたは他のプロセッサ121’と直接的に通信するコンピュータ100の実施形態を描写する。図1Dはまた、ローカルバスおよび直接通信が混合される実施形態を描写し、プロセッサ121は、I/Oデバイス130bと直接的に通信しながら、ローカル相互接続バスを使用してI/Oデバイス130aと通信する。
【0029】
[0041]多種多様のI/Oデバイス130a-130nが、コンピューティングデバイス100内に存在し得る。入力デバイスは、キーボード、マウス、トラックパッド、トラックボール、タッチパッド、タッチマウス、マルチタッチ・タッチパッドおよびタッチマウス、マイクロホン、マルチアレイマイクロホン、描画タブレット、CMOSセンサ、加速度計、赤外光学センサ、圧力センサ、磁力計センサ、角速度センサ、深度センサ、近接センサ、周囲光センサ、ジャイロセンサ、または他のセンサを含み得る。出力デバイスは、ビデオディスプレイ、グラフィックディスプレイ、スピーカ、ヘッドホン、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、および3Dプリンタを含み得る。
【0030】
[0042]デバイス130a-130nは、例えば、Microsoft KINECTまたはApple IPHONEを含む、複数の入力または出力デバイスの組み合わせを含み得る。いくつかのデバイス130a-130nは、入力および出力のうちのいくつかの組み合わせることによりジェスチャ認識入力を可能にする。いくつかのデバイス130a-130nは、認証および他のコマンドを含む異なる目的のための入力として利用され得る顔認識を提供する。いくつかのデバイス130a-130nは、例えば、Microsoft KINECT、AppleによるIPHONE用のSIRI、Google Now、またはGoogle Voice Searchを含む音声認識および入力を提供する。
【0031】
[0043]追加のデバイス130a-130nは、例えば、触覚フィードバックデバイス、タッチスクリーンディスプレイ、またはマルチタッチディスプレイを含む入力能力および出力能力の両方を有する。タッチスクリーン、マルチタッチディスプレイ、タッチパッド、タッチマウス、または他のタッチセンシングデバイスは、例えば、容量、静電容量、投影型静電容量タッチ(PCT:Projected Capacitive Touch)、セル内容量、抵抗、赤外線、導波路、分散信号タッチ(DST:Dispersive Signal Touch)、セル内光、表面音響波(SAW:Surface Acoustic Wave)、屈曲波タッチ(BWT:Bending Wave Touch)、または力ベースのセンシング技術を含む、タッチを検知するための異なる技術を使用し得る。いくつかのマルチタッチデバイスは、例えば、ピンチ、スプレッド、回転、スクロール、または他のジェスチャを含む高度な機能性を可能にする表面との2つ以上の接点を可能にし得る。例えば、Microsoft PIXELSENSEまたはMulti-Touch Collaboration Wallを含むいくつかのタッチスクリーンデバイスは、卓上または壁上など、より大きい表面を有し得、また、他の電子デバイスと相互作用し得る。いくつかのI/Oデバイス130a-130n、ディスプレイデバイス124a-124n、またはデバイスのグループは、拡張現実デバイスであり得る。I/Oデバイスは、図1Cに示されるようなI/O制御器123によって制御され得る。I/O制御器は、例えば、キーボード126、およびポインティングデバイス127、例えば、マウスまたは光学ペンなどの1つまたは複数のI/Oデバイスを制御し得る。さらには、I/Oデバイスはまた、コンピューティングデバイス100のためのストレージおよび/またはインストール媒体116を提供し得る。依然として他の実施形態において、コンピューティングデバイス100は、ハンドヘルドUSBストレージデバイスを受容するためにUSB接続(図示せず)を提供し得る。さらなる実施形態において、I/Oデバイス130は、システムバス150と、外部通信バス、例えば、USBバス、SCSIバス、FireWireバス、イーサネットバス、ギガビットイーサネットバス、ファイバチャネルバス、またはThunderboltバスとの間のブリッジであり得る。
【0032】
[0044]いくつかの実施形態において、ディスプレイデバイス124a-124nは、I/O制御器123に接続され得る。ディスプレイデバイスは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜トランジスタLCD(TFT-LCD)、青相LCD、電子ペーパ(電子インク)ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ(LED)、デジタル光処理(DLP)ディスプレイ、エルコス(LCOS:Liquid Crystal On Silicon)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、アクティブマトリクス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイ、液晶レーザディスプレイ、時分割光シャッタ(TMOS)ディスプレイ、または3Dディスプレイを含み得る。3Dディスプレイの例は、例えば、立体視、偏光フィルタ、アクティブシャッタ、または裸眼立体視を使用し得る。ディスプレイデバイス124a-124nはまた、ヘッドマウント式ディスプレイ(HMD)であり得る。いくつかの実施形態において、ディスプレイデバイス124a-124nまたは対応するI/O制御器123は、OPENGLまたはDIRECTX APIまたは他のグラフィックライブラリを通じて制御され得るか、またはこれのためのハードウェアサポートを有し得る。
【0033】
[0045]いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス100は、各々が同じもしくは異なるタイプおよび/もしくは形態のものであり得る複数のディスプレイデバイス124a-124nを含み得るか、またはこれらに接続し得る。そのようなものとして、I/Oデバイス130a-130nおよび/またはI/O制御器123のうちのいずれかは、コンピューティングデバイス100による複数のディスプレイデバイス124a-124nの接続および使用をサポートする、可能にする、または提供する任意のタイプおよび/または形態の好適なハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせを含み得る。例えば、コンピューティングデバイス100は、ディスプレイデバイス124a-124nとインターフェースを取る、通信する、接続する、または別途これを使用するために任意のタイプおよび/または形態のビデオアダプタ、ビデオカード、ドライバ、および/またはライブラリを含み得る。1つの実施形態において、ビデオアダプタは、複数のディスプレイデバイス124a-124nとインターフェースを取るために複数のコネクタを含み得る。他の実施形態において、コンピューティングデバイス100は、複数のビデオアダプタを含み得、各々のビデオアダプタがディスプレイデバイス124a-124nのうちの1つまたは複数に接続されている。いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス100のオペレーティングシステムの任意の部分は、複数のディスプレイ124a-124nを使用するために構成され得る。他の実施形態において、ディスプレイデバイス124a-124nのうちの1つまたは複数は、ネットワーク104を介して、コンピューティングデバイス100に接続される1つまたは複数の他のコンピューティングデバイス100aまたは100bによって提供され得る。いくつかの実施形態において、ソフトウェアは、別のコンピュータのディスプレイデバイスをコンピューティングデバイス100のための第2のディスプレイデバイス124aとして使用するように設計および構成され得る。例えば、1つの実施形態において、Apple iPad(登録商標)は、コンピューティングデバイス100に接続し、デバイス100のディスプレイを、拡張デスクトップとして使用され得る追加のディスプレイ画面として使用し得る。当業者は、コンピューティングデバイス100が複数のディスプレイデバイス124a-124nを有するように構成され得る様々な方式および実施形態を認識および理解するものとする。
【0034】
[0046]再び図1Cを参照すると、コンピューティングデバイス100は、オペレーティングシステムまたは他の関連ソフトウェアを格納するための、およびVNSシステム120のためのソフトウェアに関連した任意のプログラムなどのアプリケーションソフトウェアプログラムを格納するためのストレージデバイス128(例えば、1つもしくは複数のハードディスクドライブまたは独立したディスクの冗長アレイ)を備え得る。例えば、ソフトウェアプログラムは、図3図7に関連して以下に論じられるプロセスを実行するための命令を含み得る。ストレージデバイス128の例としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD);CDドライブ、DVDドライブ、またはBLU-RAYドライブを含む光学ドライブ;ソリッドステートドライブ(SSD);USBフラッシュドライブ;またはデータを格納するのに好適な任意の他のデバイスが挙げられる。いくつかのストレージデバイスは、例えば、ハードディスクをソリッドステートキャッシュと組み合わせるソリッドステートハイブリッドドライブを含む、複数の揮発性および不揮発性メモリを含み得る。いくつかのストレージデバイス128は、不揮発性、ミュータブル、または読出し専用であり得る。いくつかのストレージデバイス128は、内部であり、バス150を介してコンピューティングデバイス100に接続し得る。いくつかのストレージデバイス128は、外部であり、外部バスを提供するI/Oデバイス130を介してコンピューティングデバイス100に接続し得る。いくつかのストレージデバイス128は、例えば、AppleによるMACBOOK AIR用のRemote Diskを含む、ネットワーク104を通じてネットワークインターフェース118を介してコンピューティングデバイス100に接続し得る。いくつかのクライアントデバイス100は、不揮発性ストレージデバイス128を必要としない場合があり、シンクライアントまたはゼロクライアント102であり得る。いくつかのストレージデバイス128はまた、インストールデバイス116として使用され得、ソフトウェアおよびプログラムをインストールするのに好適であり得る。追加的に、オペレーティングシステムおよびソフトウェアは、ブート可能媒体、例えば、ブート可能CD、例えば、KNOPPIX、knoppix.netからGNU/Linuxディストリビューションとして利用可能であるGNU/Linux用のブート可能CDから実行され得る。
【0035】
[0047]クライアントデバイス100はまた、アプリケーションディストリビューションプラットフォームからソフトウェアまたはアプリケーションをインストールし得る。アプリケーションディストリビューションプラットフォームの例としては、Apple,Inc.によって提供されるiOS用のApp Store、Apple,Inc.によって提供されるMac App Store、Google Inc.によって提供されるAndroid OS用のGOOGLE PLAY、Google Inc.によって提供されるCHROME OS用のChrome Webstore、およびAmazon.com,Inc.によって提供されるAndroid OSおよびKINDLE FIRE用のAmazon Appstoreが挙げられる。アプリケーションディストリビューションプラットフォームは、クライアントデバイス102上へのソフトウェアのインストールを促進し得る。アプリケーションディストリビューションプラットフォームは、クライアント102a-102nがネットワーク104を通じてアクセスし得る、サーバ106またはクラウド108上のアプリケーションのレポジトリを含み得る。アプリケーションディストリビューションプラットフォームは、様々なデベロッパによって開発および提供されるアプリケーションを含み得る。クライアントデバイス102のユーザは、アプリケーションディストリビューションプラットフォームを介してアプリケーションを選択、購入、および/またはダウンロードし得る。
【0036】
[0048]さらには、コンピューティングデバイス100は、標準電話機回線LANもしくはWANリンク(例えば、802.11、T1、T3、ギガビットイーサネット、インフィニバンド)、ブロードバンド接続(例えば、ISDN、Frame Relay、ATM、ギガビットイーサネット、イーサーネットオーバーソネット、ADSL、VDSL、BPON、GPON、FiOSを含む光ファイバ)、ワイヤレス接続、または上記のいずれかもしくはすべての何らかの組み合わせを含むが、これらに限定されない様々な接続を通じて、ネットワーク104とインターフェースを取るためにネットワークインターフェース118を含み得る。接続は、様々な通信プロトコル(例えば、TCP/IP、イーサネット、ARCNET、SONET、SDH、光ファイバ分散データインターフェース(FDDI:Fiber Distributed Data Interface)、IEEE 802.11a/b/g/n/ac CDMA、GSM、WiMax、および直接非同期接続)を使用して確立され得る。1つの実施形態において、コンピューティングデバイス100は、任意のタイプおよび/または形態のゲートウェイまたはトネリングプロトコル、例えば、Secure Socket Layer(SSL)もしくはTransport Layer Security(TLS)、またはフロリダ州フォートローダーデールのCitrix Systems,Incによって製造されるCitrix Gateway Protocolを介して、他のコンピューティングデバイス100’と通信する。ネットワークインターフェース118は、ビルトインネットワークアダプタ、ネットワークインターフェースカード、PCMCIAネットワークカード、EXPRESSCARDネットワークカード、カードバスネットワークアダプタ、ワイヤレスネットワークアダプタ、USBネットワークアダプタ、モデム、またはコンピューティングデバイス100を、通信および本明細書に説明される動作を実施することができる任意のタイプのネットワークとインターフェースを取らせるのに好適な任意の他のデバイスを備え得る。
【0037】
[0049]図1Bおよび図1Cに描写される種類のコンピューティングデバイス100は、タスクおよびシステムリソースへのアクセスのスケジューリングを制御するオペレーティングシステムの制御下で動作し得る。コンピューティングデバイス100は、MICROSOFT WINDOWSオペレーティングシステムのバージョンのいずれか、UnixおよびLinuxオペレーティングシステムの異なるリリース、Macintoshコンピュータ用のMAC OSの任意のバージョン、任意の埋め込み式オペレーティングシステム、任意のリアルタイムオペレーティングシステム、任意のオープンソースオペレーティングシステム、任意のプロプライエタリオペレーティングシステム、モバイルコンピューティングデバイス用の任意のオペレーティングシステム、またはコンピューティングデバイス上で実行し、本明細書に説明される動作を実施することができる任意の他のオペレーティングシステムなど、任意のオペレーティングシステムを実行し得る。典型的なオペレーティングシステムは、数ある中でも、WINDOWS2000、WINDOWS Server2022、WINDOWS CE、WINDOWS Phone、WINDOWS XP、WINDOWS VISTA、およびWINDOWS7、WINDOWS RT、およびWINDOWS 8(これらのすべてがワシントン州レッドモンドのMicrosoft社によって製造される);カリフォルニア州クパチーノのApple,Inc.によって製造されるMAC OSおよびiOS;ならびに、自由に利用可能なオペレーティングシステムであるLinux、例えば、英国ロンドンのCanonical Ltd.によってディストリビュートされるLinuxmintディストリビューション(「ディストロ」)もしくはUbuntu;またはUnixもしくは他のUnix様の派生的なオペレーティングシステム;ならびにカリフォルニア州マウンテンビューのGoogleによって設計されるAndroidを含むが、これらに限定されない。例えば、GoogleによるCHROME OSを含む、いくつかのオペレーティングシステムは、例えば、CHROMEBOOKSを含む、ゼロクライアントまたはシンクライアント上で使用され得る。
【0038】
[0050]コンピューティングデバイス100は、任意のワークステーション、電話機、デスクトップコンピュータ、ラップトップもしくはノートブックコンピュータ、ネットブック、ULTRABOOK、タブレット、サーバ、ハンドヘルドコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、もしくは他の携帯型電気通信デバイス、メディア再生デバイス、ゲーミングシステム、モバイルコンピューティングデバイス、または通信が可能である任意の他のタイプおよび/もしくは形態のコンピューティング、電気通信、もしくはメディアデバイスであり得る。コンピュータシステム100は、本明細書に説明される動作を実施するために十分なプロセッサ能力およびメモリ容量を有する。いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス100は、異なるプロセッサ、オペレーティングシステム、および該デバイスと一貫した入力デバイスを有し得る。Samsung GALAXYスマートフォンは、例えば、Google,Inc.によって開発されるAndroidオペレーティングシステムの制御下で動作する。GALAXYスマートフォンは、タッチインターフェースを介して入力を受信する。
【0039】
[0051]いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス100は、タブレット、例えば、AppleによるデバイスのIPADライン、SamsungによるデバイスのGALAXY TABファミリ、またはワシントン州シアトルのAmazon.comによるKINDLE FIREである。他の実施形態において、コンピューティングデバイス100は、eBookリーダ、例えば、Amazon.comによるデバイスのKINDLEファミリ、またはニューヨーク州ニューヨークのBarnes&Noble,Inc.によるデバイスのNOOKファミリである。
【0040】
[0052]いくつかの実施形態において、通信デバイス102は、デバイスの組み合わせ、例えば、デジタルオーディオプレイヤまたはポータブルメディアプレイヤと組み合わされたスマートフォンを含む。例えば、これらの実施形態のうちの1つは、スマートフォン、例えば、Apple,Inc.によって製造されるスマートフォンのIPHONEファミリ、Samsung,Inc.によって製造されるスマートフォンのSamsung GALAXYファミリ、またはスマートフォンのMotorola DROIDファミリである。さらに別の実施形態において、通信デバイス102は、ウェブブラウザおよびマイクロホンおよびスピーカシステムを装備したラップトップまたはデスクトップコンピュータ、例えば、電話通信ヘッドセットである。これらの実施形態において、通信デバイス102は、ウェブ対応であり、電話の呼び出しを受けることおよび開始することができる。いくつかの実施形態において、ラップトップまたはデスクトップコンピュータはまた、ビデオチャットおよびビデオコールを可能にするウェブカムまたは他のビデオキャプチャデバイスを装備する。
【0041】
[0053]いくつかの実施形態において、ネットワーク104内の1つまたは複数のマシン102、106の状態は、一般的にはネットワーク管理の一部として、監視される。これらの実施形態のうちの1つにおいて、マシンの状態は、ポート情報(例えば、利用可能な通信ポートの数およびポートアドレス)、またはセッション状態(例えば、プロセスの持続時間およびタイプ、ならびにプロセスがアクティブであるかアイドルであるか)の負荷情報(例えば、マシン、CPU、およびメモリ利用におけるプロセスの数)の識別を含み得る。これらの実施形態の別のものにおいて、この情報は、複数のメトリクスによって識別され得、複数のメトリクスが、負荷分散、ネットワークトラフィック管理、およびネットワーク障害回復における決定、ならびに本明細書に説明される本ソリューションの動作の任意の態様に向けて少なくとも部分的に適用され得る。上に説明される動作環境および構成要素の態様は、本明細書に開示されるシステムおよび方法の文脈において明らかになるものとする。
B.迷走神経刺激システム
[0054]上で論じられるように、迷走神経は、例えば、求心性A型線維、遠心性A型線維、B型線維、およびC型線維など、様々な線維を含み得る。これらの線維型の異なる伝導速度は、VNが刺激されるときに、誘発された神経活動の特徴的なパターンを引き起こす。これらの刺激誘発された複合神経活動電位(CNAP)反応は、近くの記録電極によって捕捉される、より高速の線維の活性化に対応する早期信号シグネチャ、およびより低速の線維の活性化を反映する後期シグネチャを含む。CNAPの形状は、VNSに応答した線維活性化に関する定量化可能な情報をもたらす。VNS誘導されたCNAPは、迷走神経変調療法において器官特異性または機能特異性を得るための刺激パラメータおよび電極設計を最適化するために使用され得る。さらには、刺激誘発されたCNAPは、刺激の生理学的効果と強い相関を示し得る。
【0042】
[0055]以下の議論は、求心性A型、遠心性A型、B型、およびC型線維などの特定の線維の活性化を誘導するために、迷走神経に提供される刺激信号の好ましい電気パラメータを決定するためのシステムおよび方法を提供する。本システムおよび方法は、迷走神経線維活性化とVNSの複数の急性生理学的効果との関係性を利用する。
【0043】
[0056]線維選択的VNSの課題は、大から小への、線維の逆電気漸増順序である。その結果として、喉頭および咽頭を神経支配する大きい線維の活性化など、VNSの標的外の効果が、そのような刺激の治療有効性を制限し得る。アノードブロックの機構による、刺激極性は、求心性または遠心性方向において、より大きいサイズの線維の活性化を抑制し得る。しかしながら、アノードブロックは、サイズではなく線維方向についてのみを選択し得、より小さいサイズの線維は、それに対して比較的鈍感であり得る。波形操作は、刺激極性と組み合わせて、ゆっくりと立ち上がる(または三角形)パルス、プレパルス、および準台形(QT)または指数関数的立ち下がりパルスを含め、差別的な線維活性化のために使用され得る。それらの方法は、線維間の形態的差または前提条件電圧ゲートされたイオンチャネルのいずれかを活用することを通じて、異なるサイズにある線維の、刺激に対する感度を変化させることができる。波形操作は、異なる動物モデルにおいて試験されており、様々な度合いの成功を得ているが、すべての線維型にわたる線維選択的VNSにおけるその価値の明白な理解は依然として存在しない。小さい線維、特に無髄線維が、刺激波形を操作することによって選択的に標的とされ得るかどうかは依然として不明である。
【0044】
[0057]パルス周波数は、神経線維を選択的に標的とするために使用され得る。例えば、KHz範囲の電気刺激(KES)は、急速に交流する矩形または正弦電流を使用して、炎症および食欲を標的とするために迷走神経内など、軸索内の伝導をブロックすることができる。KESブロック効果は、より大きい線維に限定されないことがない場合があり、周波数および強度を変化させることによって、ブロックは、その伝導を回復可能にしたまま、より小さい線維において発生し得る。KESのブロック効果の一部は、軸索ナトリウムチャネルの動力学に関連し得る。周波数操作が、On/OFFセル反応を調節するための網膜研究において示されるなど、単に線維をブロックするのではなく、これを選択的に活性化するために使用され得るかどうかは未知である。
【0045】
[0058]本開示によるシステムおよび方法は、刺激波形およびパルス周波数を活用して迷走神経線維の選択的活性化をそれらのサイズに従って達成するために、迷走神経刺激(VNS)を実施することができる。ラットおよびマウスモデルにおけるそのような活性化を実証する例が本明細書に説明される。例えば、線維関与は、3つの時間スケールにわたるVNSによって:ミリ秒スケールで、線維特有の単一刺激誘発された複合活動電位(eCAP)を記録することによって、秒スケールで、刺激トレインに対する線維特有の生理学的反応を登録することによって、および、分スケールで、脳幹内の関連した感覚および運動神経群におけるc-Fos発現を決定することによって、達成された。
【0046】
[0059]それらの測定を使用して、神経線維、生理学的および神経選択性指標は、各線維型のために決定され、個々の動物において刺激パラメータを最適化するために使用された。例えば、大きい(A型)線維および中間サイズの(B型)線維の選択的活性化は、異なる対象のための異なる最適強度で、比較的低いパルス周波数を使用して、波形操作を通じて得ることができる。小さい(C型)線維の選択的活性化は、比較的高い強度で>8KHzのパルス周波数でKESによって得ることができる。これらの結果がラットおよびマウス対象の間で一貫していた例が本明細書に提供される。
【0047】
[0060]大きい有髄神経線維および小さい無髄神経線維の計算モデルを使用して、それらがKESに対してどのように反応するかをシミュレートすることにより、異なる軸索サイズおよびミエリン構造によって影響を及ぼされるナトリウムチャネルの動態を決定した。結果は、VNSによる大きい、中間、または小さいサイズの迷走神経線維の選択的活性化が、波形および周波数操作を使用した最適化手順を通じて個々の対象において達成可能であり得ることを実証する。それらの操作は、2つの異なるげっ歯類において同様であることが発見され、共通の生体生理学的機序への依拠を示した。
【0048】
[0061]そのようなものとして、本明細書に説明される様々なシステムおよび方法は、VNSを実施してC型線維を含む特定の迷走神経線維型の選択活性化を達成するために使用され得る。例えば、本システムは、実験データまたは他のデータソースに基づいて決定される刺激パラメータなど、標的神経線維反応(例えば、活性化)のために特定の選択性を有することが予期される特定の刺激パラメータを使用して、刺激を実施することができる。本システムは、刺激に対する対象の反応を監視し、監視された反応に基づいて刺激パラメータを調節することができる。例えば、本システムは、対象の生理学的反応を非侵襲的に監視し、刺激パラメータを調節するために様々な制御アルゴリズム、等式、モデル、検量線、または監視された反応と標的神経線維反応との間の他の関係性を使用することができる。これは、1つまたは複数の監視された反応の値(または、その値を使用して決定される性能パラメータ、本明細書内でさらに説明されるような1つまたは複数の選択性指標など)がそれぞれの標的値のしきい値内にあることなど、目的が達成されるまで刺激パラメータを繰り返し調節することを含み得る。
【0049】
[0062]図2は、例示的なVNSシステム200のブロック図を示す。VNSシステム200は、対象270の迷走神経に刺激を提供するために利用され得る。VNSシステム200は、埋め込み型刺激装置252と通信する外部プログラマ202を含む。外部プログラマ202は、外部制御器204、外部プログラマメモリ206、外部プログラマ入力/出力インターフェース210、外部プログラマユーザインターフェース212、外部プログラマ通信インターフェース208、およびネットワークインターフェース214を含む。埋め込み型刺激装置252は、埋め込み制御器254、埋め込み通信インターフェース258、埋め込みメモリ256、信号発生器264、埋め込み電源262、電極インターフェース268、およびセンサ260を含む。いくつかの実装形態において、外部プログラマ202および/または埋め込み型刺激装置252は、図1A図1Dに関連して上で論じられるコンピューティングデバイスに基づいて実装され得る。
【0050】
[0063]埋め込み型刺激装置252は、対象270内に皮下に植え込まれ得る。埋め込み型刺激装置252は、例えば、チタン、高分子、セラミックなどの生体適合性材料でできた密封ハウジングで囲まれ得る。埋め込み型刺激装置252は、電極リード272への、パラメータのセットに基づいた電気信号の形態にある刺激を生成することができる。電極リード272は、対象270の迷走神経274と結合される少なくとも2つの迷走神経電極において終端する。例として、電極リード272は、第1の電極276、第2の電極278、および第3の電極280という3つの電極において終端する3つのリードを含み得る。図2は3つの電極を示すが、いくつかの実装形態において、2つのみの電極が利用され得ることを理解されたい。迷走神経274は、いくつかの例では、対象270の頸迷走神経(cVN)であり得る。第1の電極276は、迷走神経274の頭部端の近くに位置付けられ、第3の電極280は、迷走神経274の尾方端の近くに位置付けられ、第2の電極278は、第1の電極276と第3の電極280との間に位置付けられる。いくつかの実装形態において、第1、第2、および第3の電極276、278、および280は、例えば、スパッタリング蒸着した酸化イリジウム接点を有するポリイミド基板電極など、低インピーダンス電極であり得る。第1、第2、および第3の電極276、278、および280は、距離dだけ互いから離間され得、dは、1mm~1.5mmである。例えば、最大8mmなど、より長いdを有する電極も使用され得る。しかしながら、dの値が1.5mmよりも大きい場合、電極に提供される初期刺激電気信号は、dの値の関数であり得る。例えば、初期刺激電気信号のパルス幅は、(例えば、dの値における1mmの増加あたり500μsだけ)増加され得る。電極インターフェース268は、信号発生器264または埋め込み制御器254の出力を電極リード272へ結合する電極接合を含み得る。いくつかの実装形態において、電極インターフェース268はまた、信号発生器264から電極への刺激信号のロバストな伝送をもたらすためにインピーダンス整合回路を含み得る。図2には示されないが、電極インターフェースは、迷走神経274上に位置付けられる(好ましくは、第1、第2、または第3の電極276、278、および280の近くに位置付けられる)センス電極から埋め込み制御器254へ信号を提供することができる。センス電極は、迷走神経に提供される刺激への反応である信号を提供することができ、刺激の有効性を監視するために埋め込み制御器によって利用され得る。いくつかの実装形態において、第1、第2、および第3の電極276、278、および280のうちの1つまたは複数は、センス電極として使用され得る。
【0051】
[0064]埋め込み制御器254は、埋め込み型刺激装置252の動作を制御することができる、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、または任意のデジタルおよび/もしくはアナログ論理であり得る。いくつかの例では、埋め込み制御器254は、図1C図1Dに関して上で論じられる中央処理装置121と同様であってもよい。埋め込み制御器254は、埋め込み型刺激装置252の様々な構成要素と信号およびデータを通信するために複数のI/Oポートを含み得る。埋め込み制御器254は、メモリ256などのメモリに格納される命令を実行することができる。メモリ256は、図1A図1Dに関して上で論じられる永続性および/または揮発性メモリサブユニットを含み得る。メモリ256は、例えば、信号パラメータのセットを格納することができ、この信号パラメータのセットに基づいて、埋め込み制御器254は、電気信号を生成して電極リード272に印加するように信号発生器264を制御することができる。メモリ256はまた、外部プログラマ202からのプログラミング命令またはコマンドを格納することができる。メモリ256はまた、センサ260によって検知されるデータ、または迷走神経274と結合される1つもしくは複数のセンス電極から受信される電位を格納することができる。
【0052】
[0065]埋め込み制御器254は、電気信号(例えば、刺激信号)を生成するための信号発生器264の動作を制御するために開ループまたは閉ループ制御スキームを実施することができる。例えば、埋め込み制御器254は、心拍数、呼吸間隔、EMG、生理学的選択性指標、および神経選択性指標値を含むが、これらに限定されない、本明細書に説明される1つまたは複数の監視されたパラメータに基づいて、信号発生器264に提供するために、信号パラメータを生成および更新することができる。例えば、埋め込み制御器254は、監視されたパラメータの標的値および監視されたパラメータの検出値(例えば、心拍数、または心拍数における変化など、所望の生理学的効果、および心拍数、または心拍数における変化など、生理学的効果の検出値)を受信し、その標的値および検出値を入力として、比例・積分・微分(PID)制御器などの制御器へ適用し、信号発生器264に提供される信号パラメータを生成することができる。そのようなものとして、埋め込み制御器254は、監視されたパラメータの標的値と監視されたパラメータの検出値との間の差を低減することを目指すために、周期的または反復的に、信号発生器264に提供される信号パラメータを更新することができる。制御器(例えば、PID制御器)は、実験試験データを使用して訓練または校正され得る。
【0053】
[0066]信号発生器264は、制御器254からの制御入力に基づいて電気信号を生成することができる。信号発生器264は、信号発生器264によって生成されるべき電気信号の電気相および時間相を規定する信号パラメータのセットを受信することができる。信号パラメータは、例えば、方形、パルス、三角形などの刺激信号の形状を含み得る。信号パラメータはまた、信号発生器264によって生成される電気信号と関連付けられた電圧および/または電流の大きさを含み得る。信号パラメータはまた、例えば、電気信号のパルス幅、期間、デューティサイクルなど、電気信号の時間特性を含み得る。信号パラメータはまた、信号発生器264が電気信号を提供する電極の極性を含み得る。例えば、信号パラメータは、第1の電極276をカソードとして、および第3の電極280をアノードとして規定することができる(第2の電極278は高インピーダンス状態に保持される)。信号パラメータはまた、第3の電極280をカソードとして、第1の電極276をアノードとして規定することができる(第2の電極278は高インピーダンス状態に保持される)。信号パラメータはまた、第2の電極278をカソードとして、ならびに第1および第3の電極276および280の両方をアノードとして規定することができる。信号発生器264は、これらの信号パラメータおよび制御器254からの制御信号に基づいて、所望の電気信号を生成し、生成した電気信号を、電極リード272を介して、適切な電極に提供することができる。
【0054】
[0067]センサ260は、心拍数センサ、分時換気量センサ、筋電図検査(EMG)センサ、加速度計などを含み得る。心拍数センサは、心電図記録(ECG)型電極(図示せず)を使用して対象の心拍数を監視することができる。心拍数センサは、例えば、心室脱分極を検出することによって、対象の心拍数を検知することができる。心拍数センサはまた、対象の心拍数を決定するために電極対(図示せず)の間の電圧差を受信し得る。分時換気量センサは、呼吸数およびパターン変化を監視するために、例えば、経胸腔インピーダンス測定を利用することができる。EMGセンサは、EMGデータを決定することができ、例えば、対象の喉頭近くに設置される電極から、電気信号を受信することができる。センサ260は、センサデータを制御器254に提供することができ、制御器254は、そのデータを処理し、対象の生理学的測定値を決定することができ、生理学的測定値は、対象の心拍数、呼吸間隔、およびEMGを含む。
【0055】
[0068]埋め込み通信インターフェース258は、埋め込み型刺激装置と外部プログラマ202との間の通信を可能にする。埋め込み通信インターフェース258は、対象270の組織250を通じてデータおよび信号を通信するために、対応する外部プログラマ通信インターフェース208と通信することができる。埋め込み型通信インターフェース258は、例えば、周波数偏移変調、オンオフ変調、ブルートゥース(登録商標)、ジグビーなどの1つまたは複数のワイヤレス通信プロトコルを使用して通信することができる。埋め込み制御器254は、埋め込み通信インターフェース258を介して外部プログラマ202または任意の他の外部デバイスからの信号を送信および受信することができる。電源262は、埋め込み型刺激装置252に電力を提供し、電池、充電回路、DC/DC変換器、フィルタなどのうちの1つまたは複数を含み得る。電源262は、外部充電器によって電池の充電を可能にすることができる充電回路を含み得る。
【0056】
[0069]外部プログラマ202は、外部制御器204、外部メモリ206、外部I/Oインターフェース210、外部ネットワークインターフェース214、ユーザインターフェース212、および外部通信インターフェース208を含み得る。外部プログラマ202は、刺激電気信号を生成して電極に提供するように埋め込み型刺激装置をプログラムするために使用され得る。外部制御器204は、外部プログラマ202を動作させるための命令を実行する、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、または論理回路を含み得る。いくつかの例では、外部制御器204は、図1Cおよび図1Dに関して上で論じられる中央処理装置121と同様であってもよい。外部メモリ206は、例えば、図1A図1Dに関して上で論じられるものなど、揮発性および/または永続性メモリサブユニットを含み得る。外部メモリ206は、例えば、外部制御器204が埋め込み型刺激装置252に通信することができる信号パラメータのセットを格納することができ、この信号パラメータのセットに基づいて、埋め込み型刺激装置252は、対象の迷走神経を刺激するために電気信号を生成することができる。外部メモリ206はまた、外部制御器204が埋め込み型刺激装置252に通信することができるプログラミング命令を格納することができる。外部メモリ206はまた、埋め込み型刺激装置252の現在の状態、エラーメッセージ、タスク完了メッセージ、およびセンサ260によって生成される生理学的データを含み得る、埋め込み型刺激装置252から受信されるデータを格納することができる。
【0057】
[0070]外部プログラマ202はまた、外部I/Oインターフェース210を介して非侵襲センサと通信することができる。非侵襲センサは、例えば、パルスオキシメータ282およびEMGデータ生成装置284を含み得る。パルスオキシメータは、対象270の指286の上に置かれ得る。パルスオキシメータ282は、対象の心拍数および呼吸パターンを監視することができ、対象の心拍数および呼吸状態のリアルタイムデータを生成することができる。EMGデータ生成装置284は、対象の首の両側に位置付けられる1つまたは複数の皮膚電極288を含み、対象の喉頭EMGデータを記録することができる。EMGデータ生成装置284は、外部I/Oインターフェース210を介した外部プログラマ202へのEMGデータを増幅させ、処理することができる。いくつかの実装形態において、パルスオキシメータ282およびEMGデータ生成装置は、例えば、Bluetooth、WiFi、Zigbee、赤外線などのワイヤレス通信を介して、外部プログラマ202と通信することができる。いくつかの他の実装形態において、有線接続が、通信を確立するために利用され得る。外部制御器204は、非侵襲センサから生理学的データを受信し、そのデータを処理して、対象の心拍数、呼吸数、およびEMGデータを決定することができる。
【0058】
[0071]外部プログラマ202はまた、LAN、WAN、インターネットなどのパケットベースの通信ネットワークを通じた他のデバイスとの通信のためのネットワークインターフェース214を含み得る。いくつかの例では、ネットワークインターフェース214は、図1Cに関して上で論じられるネットワークインターフェース118と同様であってもよい。いくつかの実装形態において、外部プログラマ202は、リモートプログラマから動作のための命令を受信することができ、受信した命令に基づいて埋め込み型刺激装置を制御することができる。いくつかの実装形態において、外部プログラマ202は、非侵襲センサから、または埋め込み型刺激装置252内のセンサ260から外部プログラマ202によって受信される生理学的データを、ネットワークインターフェース214を通じて、リモートプログラマにリアルタイムで通信することができる。外部プログラマ202は、図1A図1Dに関して上で論じられる様式で、ネットワークインターフェース214を介して他のリモートプログラマと通信することができる。いくつかの実装形態において、外部プログラマ202は、遠隔の外部プログラマと埋め込み型刺激装置252との間の通信を促進する中継または中間デバイスとして作用することができる。遠隔の外部プログラマは、サーバ上またはクラウド内で実行されるソフトウェアアプリケーションであってもよく、外部プログラマ202ならびに埋め込み型刺激装置252への命令を提供することができる。外部プログラマ202は、生理学的測定値、ユーザ入力、およびディスプレイコンテンツなどのデータを遠隔の外部プログラマと通信することができる。
【0059】
[0072]ユーザインターフェース212は、外部プログラマ202が、外部プログラマ202を動作させるユーザから入力を受信すること、ならびにキーボードおよび/またはディスプレイ216を介して、ユーザに現在の状態、生理学的データ、および命令を表示することを可能にする。例として、ユーザが動作命令を提供することを可能にするキーボードまたはユーザインターフェースを表示するタッチスクリーンディスプレイを含み得る、ユーザインターフェース212は、キーボードを介してユーザから命令を受信することができる。いくつかの実施形態において、外部プログラマ202は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、または図1A図1Dに関して上で論じられるコンピューティングデバイスのうちのいずれかにおいて実装され得る。
【0060】
[0073]VNSシステム200は、対象270の迷走神経274の求心性A型線維、遠心性A型線維、B型線維、またはC型線維を活性化するための適切な電気信号を決定するために利用され得る。適切な電気信号を決定するため、VNSシステム200は、所望の電気刺激信号を生成することができる適切な電気信号パラメータを決定することができる。初期処理段階において、VNSシステム200は、迷走神経274に提供される刺激信号と結果として生じる生理学的測定値との間の時間的関係性を決定するため、および生理学的測定値における検出可能な変化を結果としてもたらすしきい刺激電気信号値を決定するために、訓練モードに入ることができる。特に、VNSシステム200は、刺激電気信号に応答したリアルタイム生理学的測定値を決定することができる。VNSシステム200は、例えば、生理学的測定値から、刺激信号の開始および完了の時間情報、ならびにVNSシステム200が刺激信号の開始を容易に検出することを可能にする刺激電気信号の大きさの生理的しきい値(PT)を決定することができる。PT値は、過去の刺激および応答性生理学的測定データを使用して実験的に決定され得るか、または、迷走神経の生理学的反応のモデリングに基づき得る。
【0061】
[0074]VNSシステム200は、迷走神経刺激のための適切な電気信号を決定するために、生理学的測定値における刺激に関連した変化を決定することに依拠し得る。いくつかの実装形態において、VNSシステム200は、刺激電気信号に応答した、心拍数における変化(ΔHR)、呼吸間隔における変化(ΔBI)、および対象のEMGの振幅を決定することができる。例として、VNSシステム200は、以下の式に基づいてΔHRを決定することができる。
【0062】
【数1】
【0063】
[0075]式中、HRstimは、刺激の間の対象の平均心拍数を表し、刺激電気信号の開始時間と完了時間との間に測定され得る。HRpreは、刺激電気信号の開始時間前の持続時間(例えば、5~15秒)の間の平均心拍数を表す。VNSシステム200は、刺激を実施することに続いて測定され得るHRpost値を使用して(例えば、HRstimの代わりに)ΔHRを決定することができる。
【0064】
[0076]例として、VNSシステム200は、以下の式に基づいてΔBIを決定することができる。
【0065】
【数2】
【0066】
式中、BIstimは、刺激の間の対象の平均呼吸間隔を表し、刺激電気信号の開始時間と完了時間との間に測定され得る。BIpreは、刺激電気信号の開始時間前の持続時間(例えば、5~15秒)の間の平均呼吸間隔を表す。VNSシステム200は、刺激を実施することに続いて測定され得るBIpost値を使用して(例えば、BIstim代わりに)ΔBIを決定することができる。
【0067】
[0077]例として、VNSシステム200は、以下の式に基づいてEMGの正規化振幅(nEMG)を決定することができる。
nEMG=stEMG/max(stEMG) (3)
式中、stEMGは、1つの例では、以下の式に基づいて決定され得、
【0068】
【数3】
【0069】
式中、Tは、以下の式に基づいて決定され、
T=D*f (5)
式中、npは、掃引の数(刺激電気信号内のパルスの数と等しい)を表し、iは、刺激電気信号の開始時間後の試料数を表し(例えば、i=1は、開始時間後の第1の試料を表すことができる)、Tは、各掃引内の試料の総数を表し(掃引の持続時間D(単位秒)に、サンプリング周波数fs(単位Hz)をかけたものに等しい)、およびEMGは、試料iにおける全波整流されたEMG電圧を表す。max(stEMG)は、同じ方法を使用して獲得され得るが、パルス幅=500μsでユニバーサルパラメータ3×PTを伴い、これは、一般的には最大EMG反応が誘発される。耐え難い副作用を防ぐため、低用量の校正(Dおよびfの両方)が提案される。いくつかの実装形態において、外部制御器204、埋め込み制御器254、または外部制御器204および埋め込み制御器254の両方が、ΔHR、ΔBI、およびEMGの振幅についての値を決定および格納することができる。
【0070】
[0078]VNSシステム200は、以下の式に基づいてEMG値および最大EMG値を決定することができる。
【0071】
【数4】
【0072】
EMGMax=smooth(V-V)|Amp=3PT,PW=600μs,F=30Hz (7)
[0079]VNSシステム200はまた、選択性指標を決定することができ、その値は、適切な刺激電気信号を決定するために利用され得る。例として、選択性指標は、A、B、およびC型線維(それらの求心性および遠心性タイプを含む)の各々のための生理学的選択性指標(PSI)および神経選択性指標(NSI)を含み得る。例として、VNSシステム200は、以下の式に基づいて様々な線維型のためのPSIを決定することができ、
【0073】
【数5】
【0074】
式中、Aaff、Aeff、Beff、およびCaffは、求心性A型線維、遠心性A型線維、遠心性B型線維、および求心性C型線維それぞれの活性化度の推定値を表す。
[0080]線維活性化度の推定値(例えば、予測される反応または予測値)(例えば、Aaff、Aeff、Beff、およびCaff)は、モデルに基づき得る。例えば、以下の式は、線維活性化度を推定するための線形二次多項式モデルを表し、
=aQ+aEMG+aΔHR+aΔBI+a+aEMG+aΔHR+aΔBI (16)
Q=I*PW (17)
式中、Fは、対応する線維の推定値(例えば、Aaff、Aeff、Beff、またはCaff)を表し、Qは、刺激電気信号の相あたりの電荷を表し、Iは、刺激強度(例えば、単位μA)を表し、PWは、パルス幅(例えば、単位μs)を表す。係数の値は、表1に基づいて決定され得る。
【0075】
【表1】
【0076】
[0081]上の表に示される値は、単に例となる値であり、限定するものではない。例えば、値は、上述の値の+/-20%または+/-10%の範囲内にあり得る。VNSシステム200は、例えば、上の表に示されるものなどの係数の値を、3つの線維の各々のためのPSIおよびNSIの値を決定するための式(3)~(17)に加えて、メモリ(埋め込みメモリ256または外部メモリ206)に格納することができる。VNSシステム200は、キロヘルツのオーダー(例えば、1kHz以上および1000kHz未満)の周波数、ならびに、7超および20未満である倍数など、生理的しきい値の倍数である強度(例えば、振幅)を有する刺激など、標的、例えば、C型線維への線維選択的刺激を実施することができる(例えば、PSICaffおよびNSICaffのうちの少なくとも一方が対応するしきい値を満足するように)。様々なそのような刺激は、刺激を印加することに応答して対象の監視されたパラメータに基づいてNSIおよびCSIのうちの少なくとも一方の値を反復して計算するためにVNSシステム200を使用すること、ならびに計算された値および標的とされているしきい値に基づいて刺激を修正することを含め、NSIおよびCSI値のうちの少なくとも一方の値はしきい値を(例えば、0~1、0.5超、0.8超、0.9超、0.95超、0.99超の正規化されるスケールで)満足するように、1つまたは複数の特定の線維型のためのNSIおよびCSI値のうちの少なくとも一方を標的とするように実施され得る。
【0077】
[0082]下の表2は、線維の活性化を選択的に標的とするために使用され得る例となる波形(例えば、生理的しきい値に対する周波数、パルスタイプ、パルス幅、構成、極性、および強度範囲など、波形の信号パラメータ)を提供する。信号パラメータを決定するために使用される値は、表2内の値の+/-20%または+/-10%の範囲内など、表2内の値に対する様々な範囲内にあり得る。
【0078】
【表2】
【0079】
[0083]下の表3は、VNSシステム200が、特定の用途に対処するために選択的に標的とすることができる(例えば、特定の線維型ターゲティングに基づいて)病態の例を提供する。例えば、標的用途の選択に応答して、VNSシステム200は、対応する線維型を標的とするために1つまたは複数の刺激を印加することができる。例えば、高血圧用途の場合、VNSシステム200は、Beff線維型を標的とするための第1の刺激およびCaff線維型を標的とするための第2の刺激のうちの少なくとも一方を実施することができる。
【0080】
【表3】
【0081】
[0084]図3は、対象の迷走神経に刺激を提供するための例となるプロセス300のフロー図を示す。いくつかの実装形態において、プロセス300は、埋め込み制御器254によって実行され得る。いくつかの他の実装形態において、プロセス300は、外部制御器204によって実行され得る。いくつかの他の実装形態において、プロセス300は、部分的に埋め込み制御器254によって、および部分的に外部制御器204によって実行され得る。しかしながら、簡略のため、以下の議論は、プロセス300が外部制御器204によって実行されるものと仮定する。プロセス300は、パラメータの第1のセットに基づいた電気信号を少なくとも2つの迷走神経電極に印加することを含む(302)。外部制御器204は、信号発生器に、パラメータの第1のセットによって表されるベースライン値において電気信号を生成させることによって、刺激プロセスを開始することができる。例えば、外部制御器204は、初期状態として、刺激電気信号が特定のパルス幅および振幅値を有し得ると決定することができる。そのような場合、外部制御器204は、パルス幅および振幅の適切な初期値を決定し、この初期値をパラメータの第1のセットとして埋め込み型刺激装置252に通信することができる。そして、埋め込み型制御器254は、パラメータの第1のセットを埋め込みメモリ256に格納することができ、パラメータの第1のセットに基づいた電気信号を生成するように信号発生器264を制御することができる。
【0082】
[0085]プロセス300は、心拍数、呼吸間隔、およびEMG測定値を受信することをさらに含む(304)。外部制御器204は、パラメータの第1のセットに基づいて信号発生器264によって提供される刺激(302における)電気信号に応答して、心拍数、呼吸間隔、およびEMGなどの生理学的測定値を受信することができる。いくつかの実装形態において、外部制御器204は、オキシメータ282などの非侵襲センサおよびEMGデータ生成装置284から生理学的測定値を受信することができる。いくつかの実装形態において、外部制御器204は、埋め込み型刺激装置252のセンサ260から生理学的測定値を受信することができる。外部制御器204は、生理学的測定値を受信し、式(1)~(5)に関する上の説明に基づいてΔHR、ΔBI、およびEMGの振幅を決定することができる。
【0083】
[0086]プロセス300はまた、求心性A型、遠心性A型、またはB型線維のうちの1つの選択を受信することを含む(306)。外部制御器204は、活性化されるべき線維を選択するための選択告知を、ユーザインターフェース212を介してユーザに提供することができる。例えば、外部制御器204は、ディスプレイ216上にユーザインターフェースを表示して、求心性A型、遠心性A型、およびB型線維のうちの1つを選択するようにユーザに求めることができる。外部制御器204は、次いで、ユーザによって選択される線維型を受信することができる。いくつかの実装形態において、埋め込み制御器254がプロセス300の少なくとも一部分を実行している場合、埋め込み制御器254は、ユーザに線維選択ユーザインターフェースを提供するように、および一旦選択がなされると、埋め込み制御器254に選択された線維の識別情報を提供するように、外部プログラマ202にプロンプトすることができる。外部制御器204(埋め込み制御器254)は、選択された線維の識別情報を外部メモリ206(埋め込みメモリ256)に格納することができる。
【0084】
[0087]プロセス300はまた、受信した生理学的測定値に基づいて、選択された線維についてのPSI、NSI、および線維活性化度を決定することを含む(308)。外部制御器204は、式(6)~(13)に関する上の説明に基づいて、PSI、NSI、ならびにAeff、Aaff、およびBについての値を生成するために、生理学的測定データを利用することができる。例えば、選択された線維が線維Bである場合、外部制御器204は、上で論じられる式(10)および(11)に基づいて、PSI(B)およびNSI(B)についての値を決定することができる。
【0085】
[0088]プロセス300は、PSIおよびNSIのうちの少なくとも一方における結果として生じる変化を監視しながら、パラメータの第1のセットのうちの少なくとも1つを変化させることをさらに含む(310)。上で述べたように、パラメータの第1のセットは、限定することなく、信号発生器264によって生成される刺激電気信号の振幅およびパルス幅を含み得る。制御器204は、信号発生器264によって生成される刺激電気信号の振幅およびパルス幅のうちの少なくとも一方を変化させることができる。例えば、制御器204は、刺激電気信号の(例えば、電流の)振幅を特定の量だけ変化させることができる。制御器は、パラメータの第1のセットのうちの少なくとも1つの値における変化を埋め込み型刺激装置252に通信することができ、埋め込み制御器254は、パラメータの第1のセットのうちの少なくとも1つの変化した値を格納し、その変化した値を信号発生器264に提供して、パラメータの変化した第1のセットに基づいた刺激電気信号を生成することができる。パラメータの変化の選択および大きさは、選択された線維ならびに上で決定されるPSIおよびNSIに基づいて決定され得る。パラメータにおける変動のさらなる詳細は、以下にさらに論じられる。
【0086】
[0089]プロセス300はまた、選択された線維型を活性化のために刺激するための信号パラメータの好ましいセットを決定することを含む(312)。外部制御器204は、選択された線維を効果的に活性化する適切な電気パラメータを決定するために、生理学的測定値を監視しながら刺激電気信号の信号パラメータを変化させることができる。生理学的測定値、PSI、NSI、および線維活性化度は、選択された線維の活性化反応の標示を刺激電気信号に提供する。制御器204は、選択された線維の活性化が最大限にされるように、生理学的測定値を監視しながら刺激電気信号のパラメータを変化させることができる。選択された線維の活性化の所望のレベルを得るパラメータの好ましいセットに到達するための例となる手法のさらなる詳細は、以下にさらに論じられる。外部制御器204がパラメータの好ましいセットを決定すると、外部制御器204は、パラメータの好ましいセットを外部メモリ206に格納することができ、かつ/または好ましいパラメータを埋め込み制御器254に通信することができ、そしてこの埋め込み制御器254が、好ましいパラメータを埋め込みメモリ256に格納することができる。
【0087】
[0090]プロセス300は、パラメータの好ましいセットに基づいた電気信号を生成して迷走神経電極に印加するように信号発生器を制御することをさらに含む(314)。外部制御器204は、好ましいパラメータを埋め込み制御器254に通信し、パラメータの好ましいセットに基づいた刺激電気信号を迷走神経電極に印加するように埋め込み制御器254に命令することができる。埋め込み制御器254は、次いで、パラメータの好ましいセットに対応する電気信号を生成して、その信号を適切な電極に印加するように信号発生器264を制御することができる。
【0088】
[0091]図4は、求心性A型線維を活性化するための好ましいパラメータの選択のための例となるプロセス400のフロー図を示す。外部制御器204は、ユーザによる求心性A型線維の選択(例えば、図3に示されるプロセス300、306における)に基づいて、プロセス400を実行することを選択することができる。プロセス400は、刺激電気信号の電気パラメータの初期値を設定することを含む(402)。非限定的な例として、外部制御器204は、500μsに等しいパルス幅および0.1mAに等しい振幅の初期値を設定することができる。外部制御器204は、初期値に基づいて刺激電気信号を生成するように信号発生器264を制御するための命令を伴って、電気パラメータの初期値を埋め込み型制御器254に通信することができる。外部制御器204はまた、刺激電気信号に応答して、生理学的測定値を監視することができる。
【0089】
[0092]プロセス400は、生理学的反応が生理的しきい(PT)値よりも大きくなるまで振幅を増加させることをさらに含む(404)。外部制御器204は、各生理学的測定値(例えば、心拍数、呼吸間隔、およびEMGの振幅)と関連付けられるPTについての値を外部メモリ206に格納することができる。PT値は、過去の刺激および応答性生理学的測定データを使用して実験的に決定され得るか、または、迷走神経の生理学的反応のモデリングに基づき得る。外部制御器204は、生理学的測定値がそれぞれのPT値を超えるまで、刺激電気信号の振幅を初期値から漸進的に増加させることができる。これは、生理学的測定値が刺激電気信号のパラメータにおける変化に応答して確実に測定され得ることを確実にする。
【0090】
[0093]プロセス400は、生理学的測定値および指標の指定の組み合わせにおける変化に基づいてフローを決定することをさらに含む。例えば、外部制御器204は、刺激電気信号の振幅の増加が、ΔBI、またはAaffの値のいずれかにおける増加、およびEMGの振幅またはAeffの値における変化が実質的にないこと、およびΔHRまたはBの値における変化が実質的にないことを結果としてもたらすという決定に基づいて、フローパスIを選択することができる(406)。実質的に変化なしとは、初期値の5%未満である値における変化を指し得、値における変化とは、値における少なくとも5%の変化を指し得る。外部制御器204は、刺激電気信号の振幅の増加が、ΔBI、またはAaffの値における増加、およびEMGの振幅またはAeffの値における変化、およびΔHRまたはBの値における変化が実質的にないことを結果としてもたらすという決定に基づいて、フローパスIIを選択することができる(414)。外部制御器204は、刺激電気信号の振幅の増加が、ΔBI、またはAaffの値における変化が実質的にないこと、EMGの振幅またはAeffの値における増加、およびΔHRまたはBの値における変化が実質的にないことを結果としてもたらすという決定に基づいて、フローパスIIIを選択することができる(428)。外部制御器204は、刺激電気信号の振幅の増加が、ΔBI、またはAaffの値における変化が実質的にないこと、EMGの振幅またはAeffの値における変化が実質的にないこと、およびΔHRまたはBの値における増加を結果としてもたらすという決定に基づいて、フローパスIVを選択することができる(434)。
【0091】
[0094]外部制御器204がフローパスIをとると決定すると仮定すると、プロセス400は、振幅をPT値の倍数だけ漸進的に増加させること、および結果として生じるPSI(Aaff)およびNSI(Aaff)を計算することを含む(408)。外部制御器204は、刺激電気信号の振幅パラメータを変化させ、新しい振幅値に基づいて刺激電気信号を生成するように信号発生器264を制御するための命令を伴って、新しい振幅パラメータを埋め込み型刺激装置252に通信することによって、振幅を増加させることができる。例として、外部制御器204は、振幅の値をPT値の0.25倍増加させることができる。しかしながら、図4に示される値は、単に例であり、他の倍数値も使用され得る。
【0092】
[0095]プロセス400は、フローパスIにおいて、PSI(Aaff)またはNSI(Aaff)の値が不定であるかどうかを決定することを含む(410)。上で論じた式(6)および(7)を参照すると、PSI(Aaff)およびNSI(Aaff)の値は、それぞれの分母の値がゼロである場合、不定になり得る(例えば、ゼロ除算)。外部制御器204は、PSI(Aaff)またはNSI(Aaff)のいずれかの値が不定であるまで振幅の値を漸進的に増加させ続けることができる。外部制御器204が、PSI(Aaff)またはNSI(Aaff)のいずれの値も不定ではないと決定する場合、外部制御器204は、刺激電気信号の振幅を増分することを停止することができる。
【0093】
[0096]プロセス400は、フローパスIにおいて、刺激電気信号の振幅を、PSI(Aaff)およびNSI(Aaff)の値が不定になり始めないことを結果としてもたらした値の前の値に設定することをさらに含む(412)。外部制御器204は、振幅の値を、PSI(Aaff)またはNSI(Aaff)のいずれかの値が不定であることを依然として結果としてもたらす値に設定することができる。外部制御器204は、次いで、振幅の値を刺激電気信号のためのパラメータの好ましいセットとして設定し、パラメータの好ましいセットに基づいて刺激電気信号を生成するように信号発生器264を制御するための命令を伴って、パラメータの好ましいセットを埋め込み型刺激装置252に通信することができる。
【0094】
[0097]外部制御器204がフローパスIIをとると決定すると仮定すると、プロセス400は、パルス幅を特定の持続時間だけ漸進的に増加させること、および結果として生じるPSI(Aaff)およびNSI(Aaff)を計算することを含む(416)。外部制御器204は、パルス幅パラメータの値を変化させ、新しいパルス幅値に基づいて刺激電気信号を生成するように信号発生器264を制御するための命令を伴って、パルス幅パラメータの新しい値を埋め込み型刺激装置252に通信することができる。外部制御器204は、増分値を、例えば50μsなどの所定の値に等しくなるように選択することができる。
【0095】
[0098]プロセス400は、フローパスIIにおいて、パルス幅における漸増がPSI(Aaff)またはNSI(Aaff)における増加を結果としてもたらすかどうかを決定することを含む(418)。外部制御器204は、PSI(Aaff)またはNSI(Aaff)のいずれかの値における増加が存在しなくなるまで、パルス幅の値を漸進的に増加させ続ける。
【0096】
[0099]プロセス400は、フローパスIIにおいて、パルス幅値を、PSI(Aaff)またはNSI(Aaff)のいずれかの値における増加を結果としてもたらす最後の増分値に設定することをさらに含む(420)。外部制御器204は、パルス幅のこの値を好ましいパルス幅値として選択し、また、好ましいパルス幅値を外部メモリ206に格納すること、および/または好ましいパルス幅値を埋め込み型刺激装置252に通信することができる。
【0097】
[0100]プロセス400はまた、フローパスIIにおいて、刺激電気信号のパラメータの振幅を漸進的に増加させ、PSI(Aaff)およびNSI(Aaff)の値を計算することを含む(422)。外部制御器204は、振幅値を、例えば、0.25PTなどの所定の量だけ漸進的に増加させることができるが、他の小数値のPTも使用され得る。振幅の値における増加のたびに、外部制御器204は、新しい振幅値に基づいて刺激電気信号を生成するように信号発生器を制御するための命令を伴って、増加した振幅値を埋め込み型刺激装置252に通信することができる。外部制御器204はまた、振幅における各増加に応答して生理学的測定値を受信し、PSI(Aaff)およびNSI(Aaff)の結果として生じる値を決定する。
【0098】
[0101]プロセス400は、フローパスIIにおいて、PSI(Aaff)またはNSI(Aaff)のいずれも値が増加しなくなるまで振幅の値を漸進的に増加させ続けることをさらに含む(424)。これに対して、外部制御器204は、PSI(Aaff)またはNSI(Aaff)のいずれかの値における増加を結果としてもたらした振幅の最後の値を好ましい振幅パラメータとして選択することができる(426)。外部制御器204は、好ましい振幅およびパルス幅パラメータを外部メモリ206に格納すること、ならびに/または好ましい振幅およびパルス幅パラメータを埋め込み型刺激装置252に通信することができる。
【0099】
[0102]外部制御器204がフローパスIIIをとると決定すると仮定すると、プロセス400は、VNSシステム200と対象との間の界面を調節し、ステップ402においてプロセスを再開することを含む(430)。フローパスIIIをとることは、VNSシステム200が対象と不適切に結合されている可能性があるという標示であり得る。その結果、外部制御器204は、ユーザインターフェース212を介して、電極または測定セットアップを調節するようにユーザに告知することができる。外部制御器204はまた、ユーザが界面を調節したことを示すためにユーザに提供し得、これに対して、外部制御器204は、ステップ402においてプロセス400を再開することができる。
【0100】
[0103]外部制御器204がフローパスIVをとると決定すると仮定すると、プロセス400は、パルス幅を特定の値だけ漸進的に増加させながら同時に、振幅を特定の値だけ漸進的に減少させることを含む(436)。外部制御器204これは、刺激電気信号の2つのパラメータを同時に変化させる。振幅における漸減およびパルス幅における漸増は、予め決定され、外部メモリ206に格納され得る。例として、外部制御器204は、振幅における漸減をPTの0.25倍と等しいように選択することができるが、他の値も利用され得る。同様に、外部制御器204は、パルス幅における漸増を50μsと等しいように選択することができるが、他の値も利用され得る。
【0101】
[0104]プロセス400は、フローパスIVにおいて、上で論じられた振幅およびパルス幅における各変化について、ΔHRもしくはBの値が変化しないか、EMGの振幅もしくはAeffの値が増大するか、またはΔBIもしくはAaffの値が増加するかどうかを決定することをさらに含む(438)。外部制御器204が上の条件を真であると決定する場合、外部制御器204は、VNSシステム200が対象と不適切に結合されていると決定することができる。その結果、外部制御器204は、VNSシステム200と対象との間の界面を調節し、フローパスI、II、またはIIIのいずれかにおいてプロセスを再開するために、ユーザインターフェース212を介して、ユーザにメッセージを提供することができる(432)。
【0102】
[0105]外部制御器が、ΔBIもしくはAeffの値において増加がないこと、およびEMGの振幅/Aefが増大しないか、またはΔHRもしくはBの値がゼロに等しくないと決定する場合、外部制御器は、ΔHRまたはBの値において減少があるかどうか、およびPSI(Aaff)またはNSI(Aaff)のいずれかの値が増加するかどうかを決定することができる(440)。制御器が、上の条件が真であると決定する場合、外部制御器は、ステージ436へと戻ることができる。
【0103】
[0106]しかしながら、外部制御器204が、上の条件が真ではないと決定する場合、外部制御器は、ΔHRまたはBの値が、ΔHRおよびBの前のそれぞれの値からのパーセンテージ値(例えば、5%)よりも大きいかどうかを決定することができる(442)。外部制御器が、条件が真であると決定する場合、外部制御器204は、VNSシステム200が対象と不適切に結合されていることを、ユーザインターフェース212を介してユーザに示し、VNSシステム200と対象との間の界面を調節することを示すことができる。外部制御器204は、次いで、ステージ402へとプロセスを戻すことができる(446)。しかしながら、外部制御器204は、上の条件が真ではないと決定する場合、外部制御器は、プロセス400を停止し、振幅およびパルス幅の最後の増分値を好ましいパラメータとして利用し、好ましいパラメータを埋め込み型刺激装置252に通信することができる(444)。
【0104】
[0107]こうして、図4に示されるプロセス400を実行することによって、外部制御器204は、求心性A型線維を活性化するためのパラメータの好ましいセットの値を決定することができる。
【0105】
[0108]図5は、遠心性A型線維を活性化するための好ましいパラメータの選択のための例となるプロセス500のフロー図を示す。外部制御器204は、ユーザによる遠心性A型線維の選択(例えば、図3に示されるプロセス300、306における)に基づいて、プロセス500を実行することを選択することができる。プロセス500は、刺激電気信号の電気パラメータの初期値を設定すること(502)、および生理学的反応が生理的しきい(PT)値より大きくなるまで振幅を増加させることを含む(504)。これらのプロセスステージは、図4に示されるプロセス400に関して上で論じられるプロセスステージ402および404と同様であってもよい。
【0106】
[0109]プロセス500は、生理学的測定値および指標の指定の組み合わせにおける変化に基づいてフローを決定することをさらに含む。例えば、外部制御器204は、刺激電気信号の振幅の増加が、EMGの振幅またはAeffの値のいずれかにおける増加、ΔBIまたはAaffの値における変化が実質的にないこと、およびΔHRまたはBの値における変化が実質的にないことを結果としてもたらすという決定に基づいて、フローパスIを選択することができる(506)。実質的に変化なしとは、初期値の5%未満である値における変化を指し得、値における変化とは、値における少なくとも5%の変化を指し得る。外部制御器204は、刺激電気信号の振幅の増加が、ΔBIまたはAaffの値における増加、およびEMGの振幅またはAeffの値における変化、およびΔHRまたはBの値における変化が実質的にないことを結果としてもたらすという決定に基づいて、フローパスIIを選択することができる(514)。外部制御器204は、刺激電気信号の振幅の増加が、EMGの振幅またはAeffの値に変化が実質的にないこと、ΔBIまたはAaffの値における増加、およびΔHRまたはBの値における変化が実質的にないことを結果としてもたらすという決定に基づいて、フローパスIIIを選択することができる(528)。外部制御器204は、刺激電気信号の振幅の増加が、ΔBIまたはAaffの値における変化が実質的にないこと、EMGの振幅またはAeffの値における変化が実質的にないこと、およびΔHRまたはBの値における増加を結果としてもたらすという決定に基づいて、フローパスIVを選択することができる(532)。
【0107】
[0110]外部制御器204がフローパスIをとると決定すると仮定すると、プロセス500は、振幅をPT値の倍数だけ漸進的に増加させること、および結果として生じるPSI(Aeff)およびNSI(Aeff)を計算することを含む(508)。外部制御器204は、刺激電気信号の振幅パラメータを変化させ、新しい振幅値に基づいて刺激電気信号を生成するように信号発生器264を制御するための命令を伴って、新しい振幅パラメータを埋め込み型刺激装置252に通信することによって、振幅を増加させることができる。例として、外部制御器204は、振幅の値をPT値の0.25倍増加させることができる。しかしながら、図5に示される値は、単に例であり、他の倍数値も使用され得る。
【0108】
[0111]プロセス500は、フローパスIにおいて、PSI(Aeff)またはNSI(Aeff)の値が不定であるかどうかを決定することを含む(510)。上で論じた式(8)および(9)を参照すると、PSI(Aeff)およびNSI(Aaff)の値は、それぞれの分母の値がゼロである場合、不定になり得る(例えば、ゼロ除算)。外部制御器204は、PSI(Aeff)またはNSI(Aeff)のいずれかの値が不定になるまで振幅の値を漸進的に増加させ続けることができる。外部制御器204が、PSI(Aeff)またはNSI(Aeff)のいずれの値も不定ではないと決定する場合、外部制御器204は、刺激電気信号の振幅を増分することを停止することができる。
【0109】
[0112]プロセス500は、フローパスIにおいて、刺激電気信号の振幅を、PSI(Aeff)およびNSI(Aeff)の値が不定になり始めないことを結果としてもたらした値の前の値に設定することをさらに含む(512)。外部制御器204は、振幅の値を、PSI(Aeff)またはNSI(Aeff)のいずれかの値が不定であることを依然として結果としてもたらす値に設定することができる。外部制御器204は、次いで、振幅の値を刺激電気信号のためのパラメータの好ましいセットとして設定し、パラメータの好ましいセットに基づいて刺激電気信号を生成するように信号発生器264を制御するための命令を伴って、パラメータの好ましいセットを埋め込み型刺激装置252に通信することができる。
【0110】
[0113]外部制御器204がフローパスIIをとると決定すると仮定すると、プロセス500は、パルス幅を特定の持続時間だけ漸進的に増加させること、および結果として生じるPSI(Aeff)およびNSI(Aeff)を計算することを含む(516)。外部制御器204は、パルス幅パラメータの値を変化させ、新しいパルス幅値に基づいて刺激電気信号を生成するように信号発生器264を制御するための命令を伴って、パルス幅パラメータの新しい値を埋め込み型刺激装置252に通信することができる。外部制御器204は、増分値を、例えば50μsなどの所定の値に等しくなるように選択することができる。
【0111】
[0114]プロセス500は、フローパスIIにおいて、パルス幅における漸増がPSI(Aeff)またはNSI(Aeff)における増加を結果としてもたらすかどうかを決定することを含む(518)。外部制御器204は、PSI(Aeff)またはNSI(Aeff)のいずれかの値における増加が存在しなくなるまで、パルス幅の値を漸進的に増加させ続ける。
【0112】
[0115]プロセス500は、フローパスIIにおいて、パルス幅値を、PSI(Aeff)またはNSI(Aeff)のいずれかの値における増加を結果としてもたらす最後の増分値に設定することをさらに含む(520)。外部制御器204は、パルス幅のこの値を好ましいパルス幅値として選択し、また、好ましいパルス幅値を外部メモリ206に格納すること、および/または好ましいパルス幅値を埋め込み型刺激装置252に通信することができる。
【0113】
[0116]プロセス500はまた、フローパスIIにおいて、刺激電気信号のパラメータの振幅を漸進的に増加させ、PSI(Aeff)およびNSI(Aeff)の値を計算することを含む(522)。外部制御器204は、振幅値を、例えば、0.25PTなどの所定の量だけ漸進的に増加させることができるが、他の小数値のPTも使用され得る。振幅の値における増加のたびに、外部制御器204は、新しい振幅値に基づいて刺激電気信号を生成するように信号発生器を制御するための命令を伴って、増加した振幅値を埋め込み型刺激装置252に通信することができる。外部制御器204はまた、振幅における各増加に応答して生理学的測定値を受信し、PSI(Aeff)およびNSI(Aeff)の結果として生じる値を決定する。
【0114】
[0117]プロセス500は、フローパスIIにおいて、PSI(Aeff)またはNSI(Aeff)のいずれも値が増加しなくなるまで振幅の値を漸進的に増加させ続けることをさらに含む(524)。これに対して、外部制御器204は、PSI(Aeff)またはNSI(Aeff)のいずれかの値における増加を結果としてもたらした振幅の最後の値を好ましい振幅パラメータとして選択することができる(526)。外部制御器204は、好ましい振幅およびパルス幅パラメータを外部メモリ206に格納すること、ならびに/または好ましい振幅およびパルス幅パラメータを埋め込み型刺激装置252に通信することができる。
【0115】
[0118]外部制御器204がフローパスIIIをとると決定すると仮定すると、プロセス500は、VNSシステム200と対象との間の界面を調節し、ステップ502においてプロセスを再開することを含む(530)。フローパスIIIをとることは、VNSシステム200が対象と不適切に結合されている可能性があるという標示であり得る。その結果、外部制御器204は、ユーザインターフェース212を介して、電極または測定セットアップを調節するようにユーザに告知することができる。外部制御器204はまた、ユーザが界面を調節したことを示すためにユーザに提供し得、これに対して、外部制御器204は、ステップ502においてプロセス500を再開することができる。
【0116】
[0119]外部制御器204がフローパスIVをとると決定すると仮定すると、プロセス500は、パルス幅を特定の値だけ漸進的に増加させながら同時に、振幅を特定の値だけ漸進的に減少させることを含む(536)。外部制御器204これは、刺激電気信号の2つのパラメータを同時に変化させる。振幅における漸減およびパルス幅における漸増は、予め決定され、外部メモリ206に格納され得る。例として、外部制御器204は、振幅における漸減をPTの0.25倍と等しいように選択することができるが、他の値も利用され得る。同様に、外部制御器204は、パルス幅における漸増を50μsとするように選択することができるが、他の値も利用され得る。
【0117】
[0120]プロセス500は、フローパスIVにおいて、上で論じられた振幅およびパルス幅における各変化について、ΔHRもしくはBの値が変化しないか、EMGの振幅もしくはAeffの値が増大するか、またはΔBIもしくはAaffの値が増大するかどうかを決定することをさらに含む(538)。外部制御器204が上の条件を真であると決定する場合、外部制御器204は、VNSシステム200が対象と不適切に結合されていると決定することができる。その結果、外部制御器204は、VNSシステム200と対象との間の界面を調節し、フローパスI、II、またはIIIのいずれかにおいてプロセスを再開するために、ユーザインターフェース212を介して、ユーザにメッセージを提供することができる(532)。
【0118】
[0121]外部制御器が、ΔBIもしくはAeffの値において増加がないこと、およびEMGの振幅/Aeffが増大しないこと、またはΔHRもしくはBの値がゼロに等しくないと決定する場合、外部制御器は、ΔHRまたはBの値において減少があるかどうか、およびPSI(Aeff)またはNSI(Aeff)のいずれかの値が増加するかどうかを決定することができる(540)。制御器が、上の条件が真であると決定する場合、外部制御器は、ステージ536へと戻ることができる。
【0119】
[0122]しかしながら、外部制御器204が、上の条件が真ではないと決定する場合、外部制御器は、ΔHRまたはBの値が、ΔHRおよびBの前のそれぞれの値からのパーセンテージ値(例えば、5%)よりも大きいかどうかを決定することができる(542)。外部制御器が、条件が真であると決定する場合、外部制御器204は、VNSシステム200が対象と不適切に結合されていることを、ユーザインターフェース212を介してユーザに示し、VNSシステム200と対象との間の界面を調節することを示すことができる。外部制御器204は、次いで、ステージ402へとプロセスを戻すことができる(546)。しかしながら、外部制御器204は、上の条件が真ではないと決定する場合、外部制御器は、プロセス400を停止し、振幅およびパルス幅の最後の増分値を好ましいパラメータとして利用し、好ましいパラメータを埋め込み型刺激装置252に通信することができる(544)。
【0120】
[0123]こうして、図5に示されるプロセス500を実行することによって、外部制御器204は、遠心性A型線維を活性化するためのパラメータの好ましいセットの値を決定することができる。
【0121】
[0124]図6は、B型線維を活性化するための好ましいパラメータの選択のための例となるプロセス600のフロー図を示す。外部制御器204は、ユーザによるB型線維の選択(例えば、図3に示されるプロセス300、306における)に基づいて、プロセス500を実行することを選択することができる。プロセス600は、刺激電気信号の電気パラメータの初期値を設定することを含む(602)。非限定的な例として、外部制御器204は、方形波形状のパルスを有する500μsに等しいパルス幅および0.2mAに等しい振幅の初期値を設定することができる。代替的に、非限定的な例として、外部制御器204は、0.2mAの2000下降相(FP)振幅で100μsプラトーを有するようにパルストレインを設定することができる。外部制御器204はまた、3つすべての電極の活性化を設定することができ、第1および第3の電極(276および280、図2)がアノードとして作用し、第2の電極(278、図2)がカソードとして作用する。プロセス600は、生理学的反応が生理的しきい(PT)値よりも大きくなるまで振幅を増加させることをさらに含む(604)。このプロセスステージは、図4に示されるプロセス400に関して上で論じられるプロセスステージ404と同様であってもよい。
【0122】
[0125]プロセス600は、生理学的測定値および指標の指定の組み合わせにおける変化に基づいてフローを決定することをさらに含む。例えば、外部制御器204は、刺激電気信号の振幅の増加が、ΔHRまたはBの値のいずれかにおける増加、EMGの振幅またはAeffの値における変化が実質的にないこと、およびΔBIまたはAaffの値における変化が実質的にないことを結果としてもたらすという決定に基づいて、フローパスIを選択することができる(606)。実質的に変化なしとは、初期値の5%未満である値における変化を指し得、値における変化とは、値における少なくとも5%の変化を指し得る。外部制御器204は、刺激電気信号の振幅の増加が、ΔBIまたはAaffの値における増加、EMGの振幅またはAeffの値における変化が実質的にないこと、およびΔHRまたはBの値における増加を結果としてもたらすという決定に基づいて、フローパスIIを選択することができる(614)。外部制御器204は、刺激電気信号の振幅の増加が、ΔHRまたはBの値における変化が実質的にないこと、EMGの振幅またはAeffの値における増加、およびΔBIまたはAaffの値における増加を結果としてもたらすという決定に基づいて、フローパスIIIを選択することができる(628)。
【0123】
[0126]外部制御器204がフローパスIをとると決定すると仮定すると、プロセス600は、振幅をPT値の倍数だけ漸進的に増加させること、および結果として生じるPSI(B)およびNSI(B)を計算することを含む(608)。外部制御器204は、刺激電気信号の振幅パラメータを変化させ、新しい振幅値に基づいて刺激電気信号を生成するように信号発生器264を制御するための命令を伴って、新しい振幅パラメータを埋め込み型刺激装置252に通信することによって、振幅を増加させることができる。例として、外部制御器204は、振幅の値をPT値の0.25倍増加させることができる。しかしながら、図6に示される値は、単に例であり、他の倍数値も使用され得る。
【0124】
[0127]プロセス600は、フローパスIにおいて、PSI(B)またはNSI(B)の値が不定であるかどうかを決定することを含む(610)。上で論じた式(10)および(11)を参照すると、PSI(B)およびNSI(B)の値は、それぞれの分母の値がゼロである場合、不定になり得る(例えば、ゼロ除算)。外部制御器204は、PSI(B)またはNSI(B)のいずれかの値が不定になるまで振幅の値を漸進的に増加させ続けることができる。外部制御器204が、PSI(B)またはNSI(B)のいずれの値も不定ではないと決定する場合、外部制御器204は、刺激電気信号の振幅を増分することを停止することができる。
【0125】
[0128]プロセス600は、フローパスIにおいて、刺激電気信号の振幅を、PSI(B)およびNSI(B)の値が不定になり始めないことを結果としてもたらした値の前の値に設定することをさらに含む(612)。外部制御器204は、振幅の値を、PSI(B)またはNSI(B)のいずれかの値が不定であることを依然として結果としてもたらす値に設定することができる。外部制御器204は、次いで、振幅の値を刺激電気信号のためのパラメータの好ましいセットとして設定し、パラメータの好ましいセットに基づいて刺激電気信号を生成するように信号発生器264を制御するための命令を伴って、パラメータの好ましいセットを埋め込み型刺激装置252に通信することができる。
【0126】
[0129]外部制御器204がフローパスIIをとると決定すると仮定すると、プロセス600は、パルス幅を特定の持続時間だけ漸進的に増加させるか、または下降相を250だけ増加させ、結果として生じるPSI(B)およびNSI(B)を計算することを含む(616)。外部制御器204は、パルス幅パラメータの値または下降相の値を変化させ、新しいパルス幅値および下降相の値に基づいて刺激電気信号を生成するように信号発生器264を制御するための命令を伴って、パルス幅パラメータまたは下降相パラメータの新しい値を埋め込み型刺激装置252に通信することができる。外部制御器204は、増分値を、例えば50μsなどの所定の値に等しくなるように選択することができ、また、下降相のための増分値もまた、例えば、250などの所定の値であるように選択することができる。
【0127】
[0130]プロセス600は、フローパスIIにおいて、パルス幅または下降相における漸増がPSI(B)またはNSI(B)における増加を結果としてもたらすかどうかを決定することを含む(618)。外部制御器204は、PSI(B)またはNSI(B)のいずれかの値における増加が存在しなくなるまで、パルス幅の値または下降相の値を漸進的に増加させ続ける。
【0128】
[0131]プロセス600は、フローパスIIにおいて、パルス幅値または下降相値を、PSI(B)またはNSI(B)のいずれかの値における増加を結果としてもたらす最後の増分値に設定することをさらに含む(620)。外部制御器204は、パルス幅または下降相のこの値を、それぞれ好ましいパルス幅値または好ましい下降相値として選択し、好ましいパルス幅値もしくは好ましい下降相値を外部メモリ206に格納すること、および/または好ましいパルス幅値もしくは好ましい下降相値を埋め込み型刺激装置252に通信することができる。
【0129】
[0132]プロセス600はまた、フローパスIIにおいて、刺激電気信号のパラメータの振幅を漸進的に増加させ、PSI(B)およびNSI(B)の値を計算することを含む(622)。外部制御器204は、振幅値を、例えば、0.25PTなどの所定の量だけ漸進的に増加させるが、他の小数値のPTも使用され得る。振幅の値における増加のたびに、外部制御器204は、新しい振幅値に基づいて刺激電気信号を生成するように信号発生器264を制御するための命令を伴って、増加した振幅値を埋め込み型刺激装置252に通信することができる。外部制御器204はまた、振幅における各増加に応答して生理学的測定値を受信し、PSI(B)およびNSI(B)の結果として生じる値を決定する。
【0130】
[0133]プロセス600は、フローパスIIにおいて、PSI(B)またはNSI(B)のいずれも値が増加しなくなるまで振幅の値を漸進的に増加させることをさらに含む(624)。これに対して、外部制御器204は、PSI(B)またはNSI(B)のいずれかの値における増加を結果としてもたらした振幅の最後の値を好ましい振幅パラメータとして選択することができる(626)。外部制御器204は、好ましい振幅およびパルス幅または下降相パラメータを外部メモリ206に格納すること、ならびに/または好ましい振幅およびパルス幅または下降相パラメータを埋め込み型刺激装置252に通信することができる。
【0131】
[0134]外部制御器204がフローパスIIIをとると決定すると仮定すると、プロセス600は、振幅の値を特定の量だけ漸進的に増加させることを含む(630)。いくつかの実装形態において、所定の量は、例えば、0.25PT値など、PT値の分数に等しくてもよい。しかしながら、所定の量のための他の値も利用され得る。プロセス600はまた、フローパスIIIにおいて、振幅の値における各増加についてΔHRまたはBの値が増加するかどうかを決定することを含む(632)。外部制御器204が、ΔHRまたはBの値が増加すると決定する場合、外部制御器は、プロセス600の実行をステージ614においてフローパスIIへと変化切り替えることができる。その一方で、外部制御器204が、ΔHRまたはBの値における増加がないと決定する場合、外部制御器204は、EMGの振幅(またはAeffの値)およびΔBI(またはAaffの値)の合計が増加するかどうかを決定することができる(636)。外部制御器204が増加を決定する場合、外部制御器204は、ステージ630に戻って振幅の値を再び漸進的に増加させる。その一方で、外部制御器が、増加がないと決定する場合、外部制御器204は、VNSシステム200が対象と不適切に結合されていると決定することができ、VNSシステム200と対象との間の界面を調節するようにユーザに示すことができる。
【0132】
[0135]こうして、図6に示されるプロセス600を実行することによって、外部制御器204は、B型線維を活性化するためのパラメータの好ましいセットの値を決定することができる。
【0133】
[0136]図7は、外部プログラマ202のディスプレイ上でユーザに表示され得る例となるユーザインターフェース700の一部分を示す。例えば、ユーザインターフェース700は、外部プログラマ202と結合されるディスプレイ216上に表示され得る。ユーザインターフェース700は、生理学的測定の現在の状態、刺激信号の電気パラメータの現在の値、およびユーザへの指示の情報をユーザに提供する。例えば、ユーザインターフェース700は、心拍数セクション702、呼吸間隔セクション704、およびEMGセクション706において、生理学的測定の現在の値を示す。心拍数セクション702は、対象の現在測定されている心拍数、ならびに以前の刺激の結果としての心拍数における変化を表示することができる。同様に、呼吸間隔セクション704は、対象の現在測定されている呼吸間隔、ならびに以前の刺激に応答した呼吸間隔における変化を示す。EMGセクションは、現在測定されているEMGの振幅、ならびに以前の刺激に応答したEMGの振幅における変化を表示することができる。ユーザインターフェース700はまた、刺激電気信号の現在のパラメータを表示するパラメータ値セクション708を含む。指示セクション710は、例えば、活性化すべき線維の識別情報を選択することなど(例えば、図3のステージ306を実行することにおいてなど)、特定のタスクを実行するようにユーザに指示を表示することができる。ユーザインターフェース700はまた、求心性A型、遠心性A型、およびB型線維の各々と関連付けられたPSIおよびNSIの現在の値を表示する指標セクション712を含み得る。外部制御器204は、現在表示されている任意の値が変化する際にはいつも、ユーザインターフェース700上に表示される情報を更新することができる。外部制御器204はまた、ユーザが刺激を開始すること、刺激を停止すること、メモリコンテンツを獲得するために埋め込み型刺激装置252と通信することなどを可能にする追加の要素をユーザインターフェース700内に表示することができる。
【0134】
[0137]図8は、VNSシステム200が、対象の生理学的反応を監視すること、および振幅などの信号パラメータを調節することによってなど、標的線維の活性化を選択的に標的とするように実施することができる例となる制御プロセス800のフロー図を示す。図8は、刺激のパラメータの特定の値を論じるが、プロセス800は、本明細書に説明されるような様々なパラメータを使用して実施され得る。
【0135】
[0138]804において、パルス幅(例えば、50μs)、振幅(例えば、20mA)、および周波数(例えば、10kHz)を有する刺激が開始され得る。808において、振幅は、生理的しきい値に基づいて増加され得る。例えば、振幅は、生理学的反応(例えば、心拍数または呼吸間隔に関する)が、(例えば、刺激信号が測定され得る)生理的しきい値よりも大きくなるまで増加され得る。
【0136】
[0139]812において、刺激は、生理的しきい値の10倍など、標的神経線維と関連付けられた生理的しきい値の倍数で、(例えば、生理学的反応が検出されると決定することに応答して)実施され得る。816において、刺激のパラメータは、刺激を調節するかどうかを決定するために監視され得る。例えば、呼吸間隔は、(例えば、ΔBIに基づいて)無呼吸状態について評価するために監視され得る。
【0137】
[0140]無呼吸状態が存在すると決定することに応答して、820において、振幅は、(例えば、PTの0.25倍だけ)減少され得、1つまたは複数のPSI(C)および/またはNCI(C)などが評価され得、828において、増加したかどうかを決定する。1つまたは複数の指標が増加していることに応答して、振幅は、継続して減少され得る。1つまたは複数の指標が増加していないことに応答して、832において、振幅は、以前の値(例えば、様々な監視されたパラメータまたは指標が標的範囲内にある直近の値)に設定され得る。
【0138】
[0141]無呼吸状態が存在しないと決定することに応答して、836において、振幅は、振幅しきい値(例えば、20mA)に対して評価され得る。振幅が振幅しきい値未満であることに応答して、840において、振幅は、増加され得(例えば、生理的しきい値の1倍だけ)、様々なパラメータが継続して監視され得る。振幅が振幅しきい値未満ではないことに応答して、844において、界面が調節され得、刺激が再開されるか、または別途初期状態から継続され得る。
【0139】
C.実施例
[0142]選択された神経線維型の標的活性化を実施するためにVNSシステム200の動作を通じてなど、本明細書に説明されるシステムおよび方法に従って実施される様々な実施例が、以下に論じられる。そのようなものとして、VNSシステム200の動作のための本明細書に説明される制御プロセスは、以下に説明される実施例の様々な特徴または特徴の組み合わせを使用して実施され得る。
【0140】
動物準備、麻酔、生理学的器具
[0143]ファインスタイン医学研究所において、動物実験委員会の認証の下、42匹の成体雄スプラーグドーリーラット(生後2~5か月および体重300~550gm)および11匹の雄C57BL/6マウス(2~4か月および体重25~30gm)を研究に使用した。イソフルラン(4%で導入、および1.5~2%で維持)および医療用酸素を使用してこれらのげっ歯類に麻酔をかけ、実験全体を通して麻酔を維持した。体温は、直腸プローブを用いて測定し、温水再循環器(TP-700 T、Stryker)に接続された加熱パッド(78914731、Patterson Scientific)を使用して36.5~37.5℃に維持した。ECGは、3リード針電極を四肢において皮下で使用して記録し、8極生体増幅器(FE238、ADI)を使用して増幅した。呼吸は、ブリッジ増幅器(FE221、ADI)と一緒に鼻孔の外側に置かれる温度プローブを使用することによって監視され、このプローブが、呼吸運動の間の気温の変化、吸気の間の温度の降下、および呼気の間の上昇を報告した(図S1AおよびB)。すべての生理学的信号を、まずデジタル化し、次いで、1-KHzで獲得し(PowerLab16/35、ADI)、LabChart v8上で可視化した(すべてADInstruments Incから)。
【0141】
手術準備および迷走神経電極配置
[0144]ラットモデル内の頸迷走神経(cVN)を露出させるため、首に正中線3cmの皮膚切開を行った。唾液腺を分離し、頸動脈束に達するために筋肉をけん引した。手術用顕微鏡下で、右cVNを、まず神経の尾側端において、次いで神経の吻側端において隔離した。2つの隔離した部位の間の中央部分は、神経に対する手術操作および外傷の程度を最小限にするために、頸動脈束内でそのままにした。神経の隔離後、一対のカスタムメイドの3極カフ電極を、肩甲舌骨筋に対して尾側および吻側部位に置いた(図S1A)。カフ電極は、低電極インピーダンスおよび安定した刺激特性38-40のためにポリイミド基板およびスパッタリング蒸着した酸化イリジウム接点を使用して作製した。電極接点は、728μmの縁から縁までの空間および895μmの中心から中心までの空間を有する1418×167μm2の寸法を有していた。生理食塩水中の典型的な個々の電極インピーダンスは、0.5~1.5kΩの範囲であった。刺激電極(3極カフの中心接点)と神経上の最も近位の記録電極との間の距離は、およそ5~6mmであった。刺激の間の電流漏出を最小限にするためにカフの周りにシリコーンエラストマ(World Precision InstrumentsによるKwiksil)を置いた。マウスモデルにおいて、すべての手術手順は、左cVNが標的とされたことを除き同一であった。加えて、直接的な喉頭筋測定のため、鈍的剥離を使用して正中線において胸骨舌骨筋を分離することによって、甲状軟骨を露出させた。29Gインスリン注射器を使用して、喉頭隆起の真横および下の甲状軟骨内に狭いスリットを作った。針ベベルを上向きにして、2つのPTFE被覆の白金イリジウムワイヤを、注射器針によって誘導されたスリットを通じて下層の喉頭筋内へ注意深く挿入した。
【0142】
迷走神経記録および刺激
[0145]記録電極上の各接点からの神経活動は、32チャネルRHS2000刺激/記録ヘッドステージおよび128ch刺激/記録制御器(Intan Technologies)を使用して、増幅、デジタル化(30KS/s、16ビット分解能)、およびフィルタリング(60-Hzノッチ)され、記録は、唾液腺内に置かれた接地リードに対して、シングルエンド形であった。神経刺激は、STG4008刺激発生装置(Multichannel Systems)を使用して、パルスのトレインとして定電流モードで送達した。波形操作に関連したすべての実験について、刺激プロトコルは、様々なパルス幅、強度、極性、および波形形状を有する単相パルスで構成されていた。ここでは、より低いしきい値およびより簡単な刺激アーチファクト形状を得るために単相パルスを使用した。特に、1Hzで30sオンおよび10sオフを伴う完全無作為の単一パルスを使用して神経反応にアクセスする一方、30Hzでの同一タイプのパルスを用いた10s持続時間の刺激トレインを、誘発された識別可能な生理学的反応に対して無作為に送達した。周波数操作に関連した実験では、神経界面にわたって電荷バランスを維持し、神経損傷を最小限にするため、プロービングパルスを除いて、すべての刺激を二相形式で送達した。すべての刺激は、一定の10s持続時間を有するが様々な周波数、パルス幅、および強度を有するトレインとして構築され、ある範囲から無作為に送達された。刺激構成は、すべての実験について電流漏出の保護に関して性能がより優れていることから、3極(カソード中心またはカソード端)であった。新規トレインが送達される前に生理学的測定値が安定状態に達したことを確実にするために、連続トレインの間には少なくとも15秒の長さのポーズが存在した。
【0143】
[0146]神経記録を伴う実験において、「神経しきい値」(NT)は、記録電極における識別可能な誘発電位を誘発した100μs持続時間パルスのための最低刺激強度として決定された。神経信号が記録されないとき、およびすべてのKES実験について、目に見える(5~10%)心拍数/呼吸変化(通常、3または4×NT)を誘発した生理的しきい値(PT)を実験に使用した。
【0144】
[0147]低周波数プロービングパルスが生理学的効果に著しく寄与しないことから、1つの刺激カフによるKESに応答した神経活動にアクセスするために、低周波数1HzプロービングパルスによるKESと組み合される波形を設計した。各プロービングパルスについて、30ms窓(開始前5ms、開始後25ms)が、さらなる誘発神経信号処理のために信号対雑音比を改善するために、10sKESトレイン内で開かれる。
【0145】
神経およびEMG信号の識別および分析
[0148]両方の電極からの生の神経信号トレースを、DC成分を除去するために1Hz高域フィルタを使用してフィルタリングした。パルス(波形操作実験)またはプロービングパルス(周波数操作実験)の開始頃の神経記録トレースの個々の掃引を平均することによって、個々のパルスから、またはパルスのトレインから誘導される刺激誘発複合活動電位(eCAP)を抽出した。カスタムメイドのバッファ増幅器を使用して、刺激の間、電極における誘導電圧を記録した。適切なテンプレートマッチングおよびエッジ効果除去アルゴリズムを用いてeCAPから刺激電極電圧のトレースを差し引く近年提案された方法によって、刺激アーチファクトを、波形操作実験のためにオフラインで抑制した。周波数操作では、アーチファクト電圧バッファの飽和に起因して、同じアーチファクト除去アルゴリズムを適用しなかった。
【0146】
[0149]記録電極と刺激電極との間の距離のおおまかな推定(5~6mm)を前提として、待ち時間窓が、各線維型のための予め規定された伝導速度範囲(A:5-120m/s、B:2-8m/s、C:0.1-0.8m/s)43を有するA、B、およびC線維の顕著なピークと十分に合致するように、分析における距離を微調整した。刺激電極に対して近位および遠位の、記録電極内の両方の接点からの信号を収集した(図S1C内の青色実線および赤色破線トレース)。これが、神経とEMG信号成分とを区別することを可能にした。所与の電極間隔では、A線維およびB線維は短い待ち時間を有していたが(<3ms、赤および緑色の窓)、より遅いC線維は、より長い待ち時間で発生した(>6ms、黄色の窓)42。EMGからC線維成分を区別するため、C線維斉射は、895μmの距離だけ離間した近位記録接点と遠位記録接点との間の1~2msの待ち時間差を示すはずであり、その一方で、EMG信号は、約2~6msの時間窓で、両方の記録接点で同時に発生するはずであると予測した。
【0147】
生理学的信号の分析
[0150]それぞれのeCAPからのEMG反応の大きさを、EMG窓内の(典型的には二相性の)反応の最高最低間の振幅として決定し、次いで、その振幅を、その対象における最大EMG振幅によって正規化した。カスタムアルゴリズムを使用して、R波に対応するECGピークを識別し、心拍数(HR)をR-R間隔から計算した。HRにおける規定の刺激誘導変化(ΔHR)は、刺激トレインの開始前(「Before-VNS」)の10s期の間の平均HRと刺激トレインの間(「During-VNS」)の平均HRとの差として規定し、平均刺激前HRを割った。鼻温度センサからの記録において、識別されたピーク(呼気の終わり)および谷(吸息の終わり)を識別した。2つの連続したピーク(または2つの連続した谷)の間の間隔を、呼吸間隔(BI)として規定した。呼吸間隔における刺激誘導変化(ΔBI)を、平均刺激前BIと平均刺激中BIとの間の差として規定した。刺激期間中に呼吸がない場合、刺激前の最後の呼吸と刺激後の最初の呼吸との間の呼吸間隔を平均刺激中BIとして使用した。測定された信号および対応する導出された変数(ECGおよびΔHR、ならびに鼻センサ温度およびΔBI)。MATLAB(登録商標)2016aソフトウェア(MathWorks、Natik、MA、USA)を使用して分析を実施した。
【0148】
キロヘルツ電気刺激の有限要素モデル
[0151]COMSOL Multiphysics v.5.4(COMSOL Inc.、Burlington、MA)においてシミュレーションを実施した。有髄A線維および無髄C線維という2つの主要な神経線維亜型をシミュレートした。イオンチャネルは、iion=iNa+iKf+iKs+iLに従ったSRBモデルの製剤に基づいた、ランビエの絞輪をモデルとする。
【0149】
[0152]細胞外環境は、1D神経線維を囲む長さ1000μm、直径40μmのシリンダによってモデル化された。2つの50μm電極(50μm離れた)を、神経線維と60°の角度を形成する電極エッジを伴ってシリンダの表面に置いた。第1の電極はカソードであり、第2の電極は接地に指定された。
【0150】
[0153]刺激波形は、50msの持続時間で、0.1KHz~12KHz正弦曲線KESに及ぶ幅広い範囲の周波数を含んでいた。無フラックス(すなわち、絶縁)境界条件を、線維の終わりにおいてViおよびVeのために実施した。有髄線維のためのメッシュは、各ミエリンセグメントのために合計20要素、および各結節セグメントのために0.5μmのサイズに設定した。無髄線維のためのメッシュは、各線維セグメントのために合計20要素に設定し、これは、有髄線維のミエリンセグメントと同じ長さと規定される。結節の長さは、すべての有髄線維において1μmに設定した。ミエリン区画の長さもまた、ミエリン直径の関数としてモデル化した。モデルで使用される結節およびミエリン直径は、ラット頸神経からの組織学データに基づいて推定した。モデルの予測能力は、同じ動物からのインビボ複合神経活動電位記録によって検証した。
【0151】
[0154]モデル線維内の結節およびミエリン構造を、異なる偏微分方程式(PDE)によって特徴付けた。ミエリンは、静電容量と並行して分布抵抗で近似した。MRG二重ケーブル構造は、計算複雑性を低減するために、迷走神経の単一ケーブルモデルで近似した。結節における膜動力学は、SRB製剤に従う。すべての線維型のためのモデルが、イオンチャネルパラメータを共有していたが、線維特有の物理パラメータを有していた。
【0152】
[0155]細胞外電位分布Veは、∇(-1pe∇(Ve))=0を使用して計算し、式中、peは、細胞外抵抗である。細胞外電位Viは、ミエリンおよび結節区画のために別々に計算し、-∇(rnpn(∇Vi))+2Cn∂Vi∂t=-2(iion-Cn∂Ve∂t)-∇(rmypmy(∇Vi))+2Cmy∂Vi∂t=2Cmy∂Ve∂t、式中、rnおよびrmyは、それぞれ結節およびミエリン半径である。膜電位Vmは、細胞内電位と細胞外電位との間の差から決定した。
【0153】
統計
[0156]共分散分析(ANCOVA)を使用して、神経反応(A、B、C)、生理学的反応(EMG、HR、BI)、ならびに異なる刺激操作(カテゴリー独立変数)および強度(連続型独立変数)についての提案されたCSIおよびPSIを比較した。線形回帰を使用して、異なる強度を有する同じ刺激パラメータを比較した。一元配置分散分析(ANOVA)およびTuckeyの事後検定を使用して、脳幹における組織学的結果を比較し、2サンプルのt検定を対応するNSIのために使用した。比較は、すべての分析についてp<0.05では統計的に有意であるとみなした。すべての統計学的分析は、MATLAB(Mathworks)上で実施した。
【0154】
結果
[0157]A、B、およびC迷走神経線維型の活性化を標的とするために、波形操作および周波数操作の2つの刺激操作を使用した。波形操作では、3つの異なる波形を、異なる刺激強度:短い方形波(SP、100μsパルス幅)、長い方形波(LP、600μsパルス幅)、および準台形パルス(QT、100μs長のプラトーおよび2500μs長の指数関数的に減衰する下降相からなる)において評価した。3つの線維型(A、B、およびC)の各々についてのCAP選択性指標(CSI)を集めるために3つの波形の単一刺激の無作為シーケンスに対するeCAP反応を記録することよって、および対応する生理学的選択性指標(PSI)を集めるために刺激のトレインに対する線維特有の生理学的反応を収集することによって、線維選択性に関する3つの波形の性能を評価した。波形操作により、本発明者らは、AまたはC線維(LPおよびQT刺激)の最小関与を伴って、または関与なしに、A線維(SP刺激)またはB線維に選択的に関与することができた。周波数操作では、方形パルス刺激のトレインを、複数の強度で、KHz範囲にある異なる周波数で送達し、それらを、30Hzパルス周波数を有する強度一致の刺激トレインと比較し、低周波数範囲以外の全く異なる生理学的反応パターンを誘導する周波数のカットオフ値をさらに特定した。刺激トレインに対する生理学的反応を使用して、PSIを集めることによって、パルスプロービング線維興奮性を試験するためにeCAP反応を使用してCSIを集めることによって、および異なる線維型と関連付けられた脳幹における神経集団の活性化を組織学的に査定することによって、線維選択性に関するKHzパルス周波数の性能を評価した。周波数操作を使用して、5KHzを上回る周波数では、AまたはB線維の低減された関与を伴ってC線維に選択的に関与することができ、その結果は、VNと関連付けられた脳幹におけるc-Fos発現および感覚領域のための神経選択性指標(NSI)によってさらに検証された。波形および周波数操作の両方を、ラットおよびマウスの2つのげっ歯類において試験し、同様の結果を得た。
【0155】
[0158]刺激トレイン(10s持続時間、30Hz)として送達されるとき、3つの波形は、異なる線維の活性化から生じる全く異なるタイプの生理学的反応をもたらすということが分かった。EMGは、A線維活性化から生じ、心拍数における変化(ΔHR)はB線維から、および呼吸間隔における変化(ΔBI)はC線維から生じる。SP刺激では、増大する強度は、増加する、および徐々に飽和するEMGを結果としてもたらし、より高い強度では中程度のΔHRおよびΔBIを伴う。LPおよびQT刺激では、EMGは抑制され、その間ずっと、ロバストなΔHRおよびΔBI反応が誘導される。総じて、SP刺激を有するトレインは、すべての刺激強度にわたって最大EMGをもたらす一方、LPおよびQT刺激を有するトレインは、特に中間および高強度において、より大きいΔHRおよびΔBI反応をもたらし、著しく小さいEMG効果を伴う。3つのタイプの生理学的反応が線維特有の生理学的選択性指標(PSI)へと組み合わされるとき、SP刺激は、平均して、A線維に対してより選択的であり、LPおよびQT刺激は、B線維に対してより選択的である。A線維のためのピークPSI値と関連付けられた強度レベルは、典型的には、範囲1-3×PT内にあり、B線維の場合は、動物にわたって変化するより幅広い範囲内にある。各動物からのPSI曲線が「最適」強度に合わせられるとき、PSIは、ピーク値あたりで強度と共に低下する。最適強度において、QTは、そのB線維選択性(一元配置ANOVA、p<0.05)に関して他の2つの波形よりも優れており、ラットにおけるCSI所見と一致する。
【0156】
[0159]KHz範囲の電気刺激(KES)は、より大きいAおよびB線維を最小限に活性化しながら、迷走神経C線維を活性化するために使用され得る。異なる周波数のKESトレインに対する生理学的反応を、同じ持続時間、強度、およびPWの30Hzトレインによって誘導されるものと比較した。1KHzトレインのΔHRおよびΔBI効果は、30Hzトレインのものと大きさは同様であり、それぞれ、BおよびC線維の同様レベルの活性化を示す。5Khzおよび12.5KHzにおいて、高強度刺激は、30Hzトレインと同様のΔBI反応を結果としてもたらすが(p>0.05)、最小ΔHR反応(p<0.05)を伴い、B線維への関与なしでのC線維の関与を示す(図4A-a、b)。平均して、幅広い範囲の強度にわたって、周波数が高いほど、ΔHR効果はより小さく、同様のΔBI効果である。周波数および強度カットオフ値(これを超えると選択的C線維活性化が発生する)を決定するため、同一パルス幅(40μs)を有する刺激のトレインを、異なるKHz範囲周波数および強度で送達した。5KHz以上の周波数では、強度にわたるΔHR反応は、最小である一方、著しいΔBI反応が、高強度8-10×PTで登録された(図4D)。マウスの実験において、増大する強度のKESは、大きい強度(15-25×PT)では30Hz刺激と同様のΔBIを誘導したが、低強度(1-3×PT)でははるかに小さいΔHR反応およびより強力な抑制を伴う。
【0157】
[0160]様々な線維型と関連付けられた感覚および運動迷走神経の活動レベルについて波形および周波数操作の効果を決定するため、VNSを標準30Hz VNS(100μsパルス幅、2mA)で、または8KHz VNS(40μs、2mA、8-10×PT)で、30分間断続的に送達し、単一の神経のc-Fos+免疫反応性を、同側および対側の(VNSに対して)脳幹において測定した。特に、孤束核(NTS)は、求心性迷走神経情報形態Aβ、Aγ、Aδ、および大半はC線維、ならびに迷走神経背側運動核(DMV)を受け取る感覚領域、遠心性コリン作用性の、大半はAαおよびB線維線維を迷走神経に提供するChAT+細胞を有する運動領域について評価された。同側NTSにおいて、30Hz VNS群は、516.3±32.16 c-Fos+細胞を有する(疑似群より314%より大きい)一方で、KES群は、358.9±24.83 c-Fos+細胞を有する(疑似より188%大きい)。同側DMVにおいて、30Hz VNSは、19.08±1.98 c-Fos+細胞(疑似より900%大きい)を結果としてもたらしたが、その一方で、KESは、8.17±1.52細胞を結果としてもたらした(未実施より328%大きい)。30Hz VNSはまた、疑似群と比較して対側NTSおよびDMVにおいてc-Fos+細胞の小さな増加を結果としてもたらした(297±44.19および4.917±0.95、疑似と比較して131%および170%)が、その一方で、KESは、著しい対側効果を有さなかった。疑似刺激群における細胞数は、同側または対側の2つの脳領域のいずれにおいても未実施と違いがなかった。30Hz VNSは、同側NTSにおいて、および同側DMVにおいてはさらに、増大した細胞活性化を結果としてもたらし、より「遠心性選択的な」効果を示した一方で、KESは、DMVにおけるはるかにより小さい活性化を伴ってNTSにおける同等の増加細胞活性化を結果としてもたらし、より「求心性選択的な」効果を示した。同じ傾向が、同側における感覚領域のための神経選択性指標(NSI)を使用して示された。KESは、おそらくはAおよびB線維の大半をブロックすることを通じて、比較的片側性の迷走神経活性化をトリガすることが分かった。
【0158】
[0161]そのようなものとして、VNSの刺激波形およびパルス周波数を、ラットおよびマウスにおいて、迷走神経線維型の選択的活性化をそれらのサイズに従って達成するように操作した。単一の刺激によって誘導される線維特有の複合活動電位の直接記録によって、短い(10s持続時間)刺激トレインに対する迷走神経線維媒介の呼吸循環応答の測定によって、および30分のVNS後の脳幹の感覚および運動迷走神経核内のそれぞれの神経におけるc-Fos発現の撮像によって、線維の選択的活性化をいくつかの時間スケールにわたって査定した。大きい(A型)、中間サイズの(B型)、または小さい(C型)線維に対する選択性を最大限にする波形または周波数パラメータの選択は、神経、生理学的、またはc-Fos測定から集められるそれぞれの選択性指標の計算に基づいていた。ラットおよびマウスにおける結果は、AおよびB線維の活性化が波形操作によって、C線維の活性化が周波数操作によって選択され得ることを示す。A線維は、低周波数、低強度のパルストレインによって活性化され得、波形の選択とはほぼ独立している。B線維は、より長い方形または準台形(QT)パルスによって活性化され得、最適刺激強度は動物間で変動する。C線維は、高強度、高周波数(>8KHz)VNSによって活性化され得、それらのKESパラメータでは、より大きいサイズの線維は大半がブロックされる一方、小さいC線維は部分的に活性化される。
【0159】
[0162]例証的な例において本明細書で使用されるげっ歯類モデルシステムは、ヒトを含む他の動物種において観察されることが予期される活動の予測であると当業者により認識される。
【0160】
[0163]上の観点から、本発明のいくつかの利点が達成され、他の利点が獲得されることが分かる。様々な実施形態において示されるようなシステムおよび方法の構築および配置は、例証にすぎない。ほんの少しの実施形態が本開示において詳細に説明されているが、多くの修正形態(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状、および特性、パラメータの値、取り付け配置、材料の使用、色、配向などにおける変動)が可能である。例えば、要素の位置は、逆にされ得る、または別途変化され得、離散要素または位置の本質または数は、変更または変化され得る。したがって、すべてのそのような修正形態は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。任意のプロセスまたは方法ステップの順序またはシーケンスは、変化され得る、または並べ直され得る。他の代替形態、修正形態、変更、および省略が、本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態の設計、動作条件、および配置においてなされ得る。様々な変更が、提示された開示の範囲から逸脱することなく上の方法および構成においてなされ得るため、上の説明に含まれ、添付の図面に示されるすべての事柄は、例証的であり、限定的意味ではないと解釈されるものとする。
【0161】
[0164]本明細書に説明されるプロセスのすべてまたは一部およびそれらの様々な修正形態(以後、「プロセス」と称される)は、少なくとも部分的に、コンピュータプログラム製品を介して、すなわち、データ処理装置、例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、もしくは複数のコンピュータによる実行のため、またはこれの動作を制御するため、コンピュータおよび/またはマシン可読ストレージデバイスである1つまたは複数の有形の物理ハードウェアストレージデバイスに有形に埋め込まれるコンピュータプログラムを介して実施され得る。コンピュータプログラムは、コンパイル型またはインタープリタ型言語を含む任意の形態のプログラミング言語で記述され得、またそれは、スタンドアロンプログラムとして、またはコンピューティング環境における使用に好適なモジュール、構成要素、サブルーチン、もしくは他のユニットとしてなど、任意の形態で配備され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、または、一箇所にある、もしくは複数箇所に分散され、ネットワークによって相互接続される複数のコンピュータ上で実行されるように配備され得る。
【0162】
[0165]コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサは、例として、汎用および専用両方のマイクロプロセッサ、ならびに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサを含む。一般的に、プロセッサは、読出し専用記憶領域またはランダムアクセス記憶領域または両方から命令およびデータを受信する。コンピュータ(サーバを含む)の要素は、命令を実行するための1つまたは複数のプロセッサ、ならびに命令およびデータを格納するための1つまたは複数の記憶領域デバイスを含む。一般的に、コンピュータはまた、データを格納するための大容量ストレージデバイス、例えば、磁気、光磁気ディスク、もしくは光ディスクなど、1つもしくは複数のマシン可読記憶媒体を含むか、またはこれからデータを受信するように、これにデータを転送するように、もしくはその両方であるように動作可能に結合される。
【0163】
[0166]コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラム命令およびデータを具現化するのに好適である非一時的なコンピュータ可読媒体および非一時的な物理ハードウェアストレージデバイス上に有形の形式で格納される。これらは、例として、半導体記憶領域デバイス、例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュ記憶領域デバイス;磁気ディスク、例えば、内部ハードディスクまたはリムーバブルディスク;磁気光学ディスク;ならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含む、不揮発性ストレージ、ならびに揮発性コンピュータメモリ、例えば、スタティックおよびダイナミックRAMなどのRAM、ならびに消去可能メモリ、例えば、フラッシュメモリおよび他の非一時的なデバイスのすべての形態を含む。
【0164】
[0167]本明細書で利用される場合、用語「およそ」、「約」、「実質的に」、および同様の用語は、任意の所与の範囲または数字+/-10%を含むことが意図される。これらの用語は、説明される、および特許請求される主題のわずかな、または重要度の低い修正または変更を含み、添付の特許請求項において列挙される本開示の範囲内であると見なされる。
【0165】
[0168]様々な実施形態を説明するために本明細書で使用されるような用語「例示的」およびその変形形態は、そのような実施形態が、可能な実施形態の可能な例、表現、または例証であることを示すことが意図される(および、そのような用語は、そのような実施形態が必ずしも並外れたまたは最高の例であることを含意することは意図されない)ということに留意されたい。
【0166】
[0169]用語「結合される」およびその変形形態は、本明細書で使用される場合、2つの部材の互いに対する直接的または間接的な接合を意味する。そのような接合は、静止(例えば、永久または固定)または可動(例えば、除去可能または解放可能)であり得る。そのような接合は、互いに対して直接的に結合される2つの部材により達成され得、2つの部材は、互いと結合される別個の介在部材および任意の追加の中間部材を使用して互いに結合されるか、2つの部材は、2つの部材のうちの一方と単一の一体本体として一体成形される介在部材を使用して互いに結合される。「結合される」またはその変形形態が、追加の用語によって修飾される場合(例えば、直接的に結合される)、上に提供される「結合される」の包括的定義は、追加の用語の分かりやすい言葉の意味によって修正され(例えば、「直接的に結合される」は、任意の別個の介在部材なしでの2つの部材の接合を意味する)、上に提供される「結合される」の包括的定義よりも狭い定義を結果としてもたらす。そのような結合は、機械的、電気的、または流体的であり得る。
【0167】
[0170]用語「または」は、本明細書で使用される場合、要素のリストを接続するために使用されるとき、用語「または」がリスト内の要素の1つ、いくつか、またはすべてを意味するように、その包含的意味で(除外的な意味ではなく)使用される。語句「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」などの接続的言語は、別途具体的に記述のないかぎり、要素が、X、Y、Zのいずれか;XおよびY;XおよびZ;YおよびZ;またはX、Y、およびZ(すなわち、X、Y、およびZの任意の組み合わせ)であり得ることを伝えると理解される。故に、そのような接続的言語は、概して、別途示されない限り、特定の実施形態が、Xの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、およびZの少なくとも1つが各々存在すべきであることを必要とすることを示唆することは意図されない。
【0168】
[0171]要素の位置に関する本明細書内での言及(例えば、「上部」、「下部」、「上」、「下」)は、図内の様々な要素の配向を説明するために使用されるにすぎない。様々な要素の配向は、他の例示的な実施形態に従って異なり得ること、およびそのような変形形態は、本開示によって包含されることが意図されることに留意されたい。
【0169】
[0172]本開示は、様々な動作を達成するための任意のマシン可読媒体上の方法、システム、およびプログラム製品を企図する。本開示の実施形態は、既存のコンピュータプロセッサを使用して、または、この目的もしくは別の目的のために組み込まれる、適切なシステムのための専用コンピュータプロセッサによって、またはハードワイヤードシステムによって、実施され得る。本開示の範囲内の実施形態は、マシン実行可能命令またはデータ構造を保持する、または有するためのマシン可読媒体を備えるプログラム製品を含む。そのようなマシン可読媒体は、汎用もしくは専用コンピュータまたはプロセッサを有する他のマシンによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。例として、そのようなマシン可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、CD-ROM、もしくは他の光学ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、または他の磁気ストレージデバイス、あるいは、マシン実行可能命令またはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを保持または格納するために使用され得る、かつ汎用もしくは専用コンピュータまたはプロセッサを有する他のマシンによってアクセスされ得る任意の他の媒体を備え得る。上の組み合わせもまた、マシン可読媒体の範囲内に含まれる。マシン実行可能命令は、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または専用処理マシンに、特定の機能または機能群を実施させる命令およびデータを含む。
【0170】
[0173]図は、方法ステップの特定の順序を示すが、ステップの順序は、描写されるものとは異なり得る。また、2つ以上のステップが、同時に、または部分同時発生で、実施され得る。そのような変動は、選択されるソフトウェアおよびハードウェアシステム、ならびに設計者の選択に依存する。すべてのそのような変動は、本開示の範囲内にある。同様に、ソフトウェア実装形態は、様々な接続ステップ、処理ステップ、比較ステップ、および決定ステップを達成するために、ルールベースの論理および他の論理を有する標準プログラミング技術により達成され得る。
【0171】
[0174]本明細書に列挙されるすべての参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書内の参照文献の説明は、著者によりなされる主張を単に要約することが意図され、任意の参照文献が先行技術を構成するということを認めるものではない。出願者は、列挙された参考文献の正確性および適切性を疑う権利を留保する。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
迷走神経刺激システムであって、
心拍数測定デバイス、呼吸数測定デバイス、筋電図検査測定デバイス、信号発生器、少なくとも2つの迷走神経電極、ディスプレイ、ユーザ入力デバイスのうちの少なくとも1つとの通信を提供するように構成される少なくとも1つのインターフェースと、
前記少なくとも1つのインターフェースと通信可能に結合される制御器と、を備え、前記制御器は、
パラメータの第1のセットに基づいた電気信号を生成して、前記少なくとも2つの迷走神経電極に印加するように前記信号発生器を制御すること、
前記心拍数測定デバイス、前記呼吸数測定デバイス、および前記筋電図検査測定デバイスから生理学的測定値を受信することであって、前記生理学的測定値は、心拍数測定値、呼吸間隔測定値、および筋電図検査測定値を含む、生理学的測定値を受信すること、
求心性A型線維、遠心性A型線維、およびB型線維のうちの1つを活性化のために選択する標示を前記ユーザ入力デバイスから受信すること、
前記受信した生理学的測定値に基づいて、前記求心性A型線維、前記遠心性A型線維、および前記B型線維のうちの選択されたものと関連付けられた生理学的選択性指標(PSI)のセット、神経選択性指標(NSI)のセット、および線維活性化度のセットを決定すること、
前記信号パラメータの変化させたセットに基づいた電気信号の第2のセットを生成して、前記少なくとも2つの迷走神経電極に印加するように前記信号発生器を制御し、前記PSIのセット、前記NSIのセット、および前記線維活性化度のセットのうちの少なくとも1つにおける結果として生じる変化を監視しながら、前記信号パラメータの第1のセットの少なくとも1つのパラメータを変化させること、
前記求心性A型線維、前記遠心性A型線維、および前記B型線維のうちの前記選択されたものを活性化するための刺激波形のための信号パラメータの好ましいセットを決定することであって、前記信号パラメータの好ましいセットは、前記PSIのセットおよび前記NSIのセットにおける所定の変化を結果としてもたらす、決定すること、ならびに
前記信号パラメータの好ましいセットに基づいた電気信号を生成して、前記少なくとも2つの迷走神経電極に印加するように、前記信号発生器を制御すること、を行うように構成される、迷走神経刺激システム。
【請求項2】
前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号の振幅を含み、前記制御器は、
前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加し、不定値に等しくない間、前記電気信号の前記振幅を増加させるように前記信号発生器を制御すること、ならびに
求心性A型線維のための好ましい振幅を、前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させない、または不定にさせない振幅に設定すること、を行うようにさらに構成され、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記求心性A型線維のための好ましい振幅を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御器は、
前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加するまで前記電気信号の前記振幅における増加を引き起こす前に、前記電気信号の前記振幅を増加させることが、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、または前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと決定するようにさらに構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号のパルス幅および前記電気信号の振幅を含み、前記制御器は、
前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記パルス幅を増加させるように前記信号発生器を制御すること、
求心性A型線維のための好ましいパルス幅を、前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させないパルス幅に設定すること、
前記好ましいパルス幅を設定した後に、前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記振幅を増加させるように前記信号発生器を制御すること、
求心性A型線維のための好ましい振幅を、前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させない振幅に設定すること、を行うようにさらに構成され、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記求心性A型線維のための好ましいパルス幅および前記求心性A型線維のための好ましい振幅を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記制御器は、
前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記パルス幅における増加を引き起こす前に、前記電気信号の前記振幅における増加が、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、または前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加、および筋電図検査測定における筋電図検査パラメータまたは遠心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと決定するようにさらに構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号のパルス幅および前記電気信号の振幅を含み、前記制御器は、
第1の条件、第2の条件、および第3の条件を決定しながら、前記電気信号の前記振幅を減少させ、前記電気信号の前記パルス幅を増加させるように前記信号発生器を制御することであって、前記第1の条件は、
前記第1の条件は、心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方がゼロに等しいこと、および前記筋電図検査測定における筋電図検査パラメータ、前記遠心性A型線維の線維活性化度の推定値、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、または前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも1つにおいて増加があることを規定し、
前記第2の条件は、前記心拍数測定における心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方が減少する一方で、前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加することを規定し、
前記第3の条件は、前記心拍数測定における心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方が、それらのそれぞれの以前の値の5パーセントよりも大きいことを規定する、制御すること、
求心性A型線維のための好ましい振幅および求心性A型線維のための好ましいパルス幅を、前記第1の条件、前記第2の条件、および前記第3の条件を満足しない振幅およびパルス幅に設定すること、を行うようにさらに構成され、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記求心性A型線維のための好ましいパルス幅および前記求心性A型線維のための好ましい振幅を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御器は、
前記電気信号の前記振幅における減少および前記パルス幅における減少を引き起こす前に、前記電気信号の前記振幅における増加が、前記心拍数測定における心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと決定するようにさらに構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号の振幅を含み、前記制御器は、
前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加し、不定値に等しくない間、前記電気信号の前記振幅を増加させるように前記信号発生器を制御すること、ならびに
遠心性A型線維のための好ましい振幅を、前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させない、または不定にさせない振幅に設定すること、を行うようにさらに構成され、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記遠心性A型線維のための好ましい振幅を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記制御器は、
前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加し、不定値に等しくなくなるまで、前記電気信号の前記振幅における増加を引き起こす前に、前記電気信号の前記振幅における増加が、前記筋電図検査測定における筋電図検査パラメータ、または前記遠心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと決定するようにさらに構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号のパルス幅および前記電気信号の振幅を含み、前記制御器は、
前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記パルス幅を増加させるように前記信号発生器を制御すること、
遠心性A型線維のための好ましいパルス幅を、前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させないパルス幅に設定すること、
前記好ましいパルス幅を設定した後に、前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記振幅を増加させるように前記信号発生器を制御すること、
遠心性A型線維のための好ましい振幅を、前記遠心性A型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させない振幅に設定することを行うようにさらに構成され、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記遠心性A型線維のための好ましいパルス幅および前記遠心性A型線維のための好ましい振幅を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記制御器は、
前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記パルス幅における増加を引き起こす前に、前記電気信号の前記振幅における増加が、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、または前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加、および筋電図検査測定における筋電図検査パラメータまたは遠心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすこと、を決定するようにさらに構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号のパルス幅および前記電気信号の振幅を含み、前記制御器は、
第1の条件、第2の条件、および第3の条件を決定しながら、前記電気信号の前記振幅を減少させ、前記電気信号の前記パルス幅を増加させるように前記信号発生器を制御することであって、
前記第1の条件は、心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方がゼロに等しいこと、および前記筋電図検査測定における筋電図検査パラメータ、前記遠心性A型線維の線維活性化度の推定値、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、または前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも1つにおいて増加があることを規定し、
前記第2の条件は、前記心拍数測定における心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方が減少する一方で、前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加することを規定し、
前記第3の条件は、前記心拍数測定における心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方が、それらのそれぞれの以前の値の5パーセントよりも大きいことを規定する、制御すること、
遠心性A型線維のための好ましい振幅および遠心性A型線維のための好ましいパルス幅を、前記第1の条件、前記第2の条件、および前記第3の条件を満足しない振幅およびパルス幅に設定すること、を行うようにさらに構成され、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記遠心性A型線維のための好ましいパルス幅および前記遠心性A型線維のための好ましい振幅を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記制御器は、
前記電気信号の前記振幅における減少を引き起こす前に、前記電気信号の前記振幅における増加が、前記心拍数測定における心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと決定するようにさらに構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも2つの迷走神経電極は、3つの迷走神経電極を含み、前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号の振幅を含み、前記制御器は、
前記B型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加し、不定値に等しくない間、前記電気信号の前記振幅を増加させるように前記信号発生器を制御すること、ならびに
B型線維のための好ましい振幅を、前記B型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させない、または不定にさせない振幅に設定すること、を行うようにさらに構成され、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記B型線維のための好ましい振幅を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記制御器は、
前記B型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加するまで前記電気信号の前記振幅における増加を引き起こす前に、前記電気信号の前記振幅における増加が、前記心拍数測定における心拍数、または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと決定するようにさらに構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも2つの迷走神経電極は、3つの迷走神経電極を含み、前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号のパルス幅、前記電気信号の下降相、および前記電気信号の振幅を含み、前記制御器は、
前記求心性A型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記パルス幅または前記下降相を増加させるように前記信号発生器を制御すること、
B型線維のための好ましいパルス幅または好ましい下降相を、前記B型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させないパルス幅に設定すること、
前記好ましいパルス幅または前記好ましい下降相を設定した後に、前記B型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加する間、前記電気信号の前記振幅を増加させるように前記信号発生器を制御すること、ならびに
B型線維のための好ましい振幅を、前記B型線維と関連付けられた前記PSIまたは前記NSIのいずれも増加させない振幅に設定すること、を行うようにさらに構成され、
前記信号パラメータの好ましいセットは、前記B型線維のための好ましいパルス幅または好ましい下降相および前記B型線維のための好ましい振幅を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記制御器は、
前記B型線維と関連付けられた前記PSIおよび前記NSIのうちの少なくとも1つが増加するまで、前記電気信号の前記パルス幅または前記下降相における増加を引き起こす前に、前記電気信号の前記振幅における増加が、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、もしくは前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加、または筋電図検査測定における筋電図検査パラメータ、もしくは遠心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと決定するようにさらに構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも2つの迷走神経電極は、3つの迷走神経電極を含み、前記信号パラメータの第1のセットは、前記電気信号の振幅を含み、前記制御器は、
第1の条件および第2の条件を決定しながら、前記電気信号の振幅を増加させるように前記信号発生器を制御することであって、
前記第1の条件は、心拍数または前記B型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方が増加することを規定し、
前記第2の条件は、前記筋電図検査測定における筋電図検査パラメータまたは前記遠心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の減少があること、および前記呼吸間隔測定における呼吸間隔または前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の減少があることを規定する、制御すること、ならびに
前記振幅における増加が前記第1の条件および前記第2の条件を満足することができない場合、前記少なくとも2つの迷走神経電極を調節するためにディスプレイ上に標示を生成すること、を行うようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記制御器は、
前記第1の条件および前記第2の条件を決定しながら前記電気信号の前記振幅における増加を引き起こす前に、前記電気信号の前記振幅における増加が、前記呼吸間隔測定における呼吸間隔、前記求心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加、筋電図検査測定における筋電図検査パラメータまたは遠心性A型線維の線維活性化度の推定値のうちの少なくとも一方の増加を引き起こすと決定するようにさらに構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記制御器は、前記PSIのセットおよび前記NSIのセットのうちの少なくとも一方における監視された、結果として生じた変化に応答して、前記信号パラメータの第2のセットおよび前記信号パラメータの好ましいセットのうちの少なくとも一方を繰り返し更新することによって、少なくとも1つのパラメータを変化させるようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記PSIのセットは、PSIの第1のセットを含み、前記NSIのセットは、PSIの第2のセットを含み、前記制御器は、
前記信号パラメータの好ましいセットに基づいた電気信号を生成して、前記少なくとも2つの迷走神経電極に印加するように、前記迷走神経信号発生器を制御することに応答して、PSIの第2のセットおよびNSIの第2のセットのうちの少なくとも一方を監視すること、ならびに
前記求心性A型線維、前記遠心性A型線維、および前記B型線維のうちの選択されたもの活性化を増加させるために、前記PSIの第2のセットおよび前記NSIの第2のセットのうちの少なくとも一方に応答して、前記信号パラメータの第2のセットおよび前記信号パラメータの好ましいセットのうちの少なくとも一方を更新すること、を行うようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【国際調査報告】