(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-20
(54)【発明の名称】RFID(無線周波数識別)タグを備える医療用注入装置のためのカバー
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20230613BHJP
A61M 5/31 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
A61M5/32 500
A61M5/31 520
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570619
(86)(22)【出願日】2021-05-05
(85)【翻訳文提出日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 EP2021061883
(87)【国際公開番号】W WO2021233684
(87)【国際公開日】2021-11-25
(32)【優先日】2020-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】310021434
【氏名又は名称】ベクトン ディキンソン フランス
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セドリック リヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ウーヴラード
(72)【発明者】
【氏名】アルフレッド ライプブラント
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル マーティー
(72)【発明者】
【氏名】ファスラー トーマス
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD08
4C066EE14
4C066LL22
4C066NN04
4C066QQ78
4C066QQ82
4C066QQ84
(57)【要約】
本発明は、医療用注入装置(1、100)のためのカバー(10、120)に関し、前記医療用注入装置(1、100)は、その末端端部に画定されたハブ部分(5、104)を有し、前記カバー(10、120)は、第1材料で形成された外ケーシング(20、130)であって、前記外ケーシング(20、130)は、末端端部と基端端部とを有する、外ケーシング(20、130)、前記第1材料とは異なる第2材料で形成され、前記ハブ部分(5、104)の少なくとも一部をシール状態で受容することができるキャビティを画定する内ケーシング(30、140)であって、末端端部及び基端端部を有し、前記外ケーシング(20、130)内に少なくとも一部が挿入されて前記外ケーシング(20、130)と少なくとも一部が接触している前記内ケーシング(30、140)、カバー(10、120)内に埋め込まれた少なくとも1つの実質的にリング形状の無線周波数識別RFIDタグ(40、50、150、160)であって、前記リング形状RFIDタグ(40、50、150、160)は、少なくとも1つのリング形状RFIDアンテナ(40a、50a、150a)に接続されたRFIDチップ(40b、50b、150b)を含む。また、本発明は、医療用注入装置(1、100)、及びカバーを製造するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用注入装置(1、100)のためのカバー(10、120)であって、前記医療用注入装置(1、100)は、その末端端部に画定されたハブ部分(5、104)を有し、前記カバー(10、120)は、
第1材料で形成された外ケーシング(20、130)であって、前記外ケーシング(20、130)は末端端部及び基端端部を有する、外ケーシング(20、130)、
前記第1材料とは異なる第2材料で形成され、前記ハブ部分(5、104)の少なくとも一部をシール状態で受容することができるキャビティを画定する内ケーシング(30、140)であって、前記内ケーシング(30、140)は、末端端部及び基端端部を有し、前記外ケーシング(20、130)内に少なくとも部分的に挿入されて、前記外ケーシング(20、130)と少なくとも部分的に接触している、内ケーシング(30、140)、及び
前記カバー(10、120)内に埋め込まれた少なくとも1つの実質的にリング形状の無線周波数識別RFIDタグ(40、50、150、160)であって、前記リング形状RFIDタグ(40、50、150、160)は、少なくとも1つのRFIDリング形状アンテナ(40a、50a、150a)に接続されたRFIDチップ(40b、50b、150b)を備える、無線周波数識別RFIDタグ(40、50、150、160)、
を備える、カバー(10、120)。
【請求項2】
前記リング形状RFIDタグは、前記外ケーシングと前記内ケーシングとの間に配置されている、請求項1に記載の医療用注入装置のためのカバー(10、120)。
【請求項3】
前記リング形状RFIDタグ(40、50、150、160)が、前記外(20、130)及び内ケーシング(30、140)の末端端部に、前記外ケーシング(20、130)の中間部分に又は前記外ケーシング(20、130)及び内ケーシング(30、140)の前記基端端部に配置されている、請求項1又は2に記載の医療用注入装置のためのカバー(10、120)。
【請求項4】
前記リング形状RFIDタグ(40、50、150、160)が、前記外ケーシング(20、130)の頂部内壁(23)上に又は前記内ケーシング(30、140)の頂部外壁(32)上に配置されている、請求項1~3のいずれかに記載の医療用注入装置のためのカバー(10、120)。
【請求項5】
前記リング形状RFIDタグ(40、50、150、160)が、前記外ケーシング(20、130)の頂部内壁(23)と前記内ケーシング(30、140)の頂部外壁(32)との間に配置されている、請求項1~3のいずれかに記載の医療用注入装置のためのカバー(10、120)。
【請求項6】
前記リング形状RFIDタグ(40、50、150、160)が、前記外ケーシング内、特に前記外ケーシング(20、130)の横内壁(131)と前記外ケーシング(20、130)の横外壁(132)との間に埋め込まれている、請求項1~3のいずれかに記載の医療用注入装置のためのカバー(10、120)。
【請求項7】
前記リング形状RFIDタグ(40、50、150、160)が、前記外ケーシング(20、130)内に位置し、前記外ケーシング(20、130)の横内壁(131)と同一平面上にある、請求項6に記載の医療用注入装置のためのカバー(10、120)。
【請求項8】
前記リング形状RFIDタグ(40、50、150、160)が、超高周波無線識別UHF-RFIDタグ、高周波無線識別HF-RFIDタグ、低周波無線識別LF-RFIDタグ、高周波近距離通信HF-NFCタグ又はHF-NFCとUHF RFIDを同時に含む二重周波数タグである、請求項1~7のいずれかに記載の医療用注入装置のためのカバー(10、120)。
【請求項9】
前記リング形状RFIDタグ(40、50、150、160)が、2つの端部(E1、E2)を有する少なくとも1つのアンテナ(40a、50a、150a)を備え、各端部(E1、E2)が前記RFIDチップ(40b、50b、150b)の一部(P1、P2)に連結されている、請求項1~8のいずれかに記載の医療用注入装置のためのカバー(10、120)。
【請求項10】
前記リング形状RFIDタグ(40、50、150、160)が、それぞれ第1端部(E1)及び第2端部(E2)を含む2つの脚部(L1、L2)を有する少なくとも1つのアンテナ(40a、50a、150a)を備え、前記脚部(L1、L2)のそれぞれの第1端部(E1)が前記RFIDチップ(40b、50b、150b)の一部(P1、P2)に連結されている、請求項1~8のいずれかに記載の医療用注入装置のためのカバー(10、120)。
【請求項11】
前記リング形状RFIDタグ(40、50、150、160)は、それぞれ第1端部(E1)及び第2端部(E2)を含む2本の脚部(L1、L2)を有する少なくとも1つのアンテナ(40a、50a、150a)を備え、前記脚部(L1、L2)の各第1端部(E1)は、前記RFIDチップ(40b、50b、150b)の一部(P1、P2)に連結され、各第2端部(E2)は、複数のサブ脚部を含む、請求項1~8のいずれかに記載の医療用注入装置のためのカバー(10、120)。
【請求項12】
ハブ部分(5、104)、及び請求項1~12のいずれかに記載のカバー(10、120)を備える、医療用注入装置(1、100)。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載の内ケーシング(30、140)と外ケーシング(20、130)とを備えるカバー(10、120)を製造する方法であって、
A.前記内ケーシング(30、140)及び前記外ケーシング(20、130)を提供する工程であって、前記内ケーシング(30、140)は、医療用注入装置(1、100)の前記末端端部に画定されたハブ部分(5、104)の少なくとも一部をシール状態で受容することができるキャビティを画定する、工程と、
B.前記内ケーシング(30、140)及び/又は前記外ケーシング(20、130)に少なくとも1つのリング形状RFIDタグ(40、50、150、160)を設ける工程であって、前記リング形状RFIDタグ(40、50、150、160)は、少なくとも1つのリング形状RFIDアンテナ(40a、50a、150a)に接続されたRFIDチップ(40b、50b、150b)を備える、工程と、
C.前記RFIDタグ(40、50、150、160)が前記カバー(10、120)内に埋め込まれるように、前記外ケーシング(20、130)内に前記内ケーシング(30、140)を挿入することによって、前記カバー(10、120)を組み立てる工程と、
を含む、方法。
【請求項14】
前記リング形状RFIDタグ(40、50、150、160)が、オーバーモールドにより、接着剤による結合により、又は組立により、前記カバー(10、120)内に実装される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用注入装置のためのカバー、医療用注入装置及び前記カバーを製造するための方法に関する。本発明は、特に医療業界に好適である。
【背景技術】
【0002】
本願において、部品又は装置の末端端部は、使用者の手から最も遠い端部を意味すると理解され、基端端部は、使用者の手に最も近い端部を意味すると理解されるものとする。同様に、本願において、「末端方向」は、本発明の医療用容器に関して、注入の方向を意味すると理解され、「基端方向」は、前記注入の方向と反対の方向、すなわち、注入操作のために容器を持つ使用者の手に向かう方向を意味すると理解される。
【0003】
医療用注入装置、例えばプレフィルド可能な又はプレフィルド注射器は、通常、医療用製品の容器を形成する中空の本体又はバレルを備える。この本体は、任意に針を設けた、末端端部、及び通常フランジを備える、基端端部を備える。
【0004】
医療用注入装置などの医療用容器の製造工程から、最終的なラベル付け、最終使用、廃棄に至るまで、個別にトレーサビリティを確保する必要性が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、国際公開第2017/157784号から、印刷された機械読み取り可能な一意の識別子コードの列によって囲まれたシリンダ状の横表面を有するレセプタクルが知られている。これらの印刷された固有の識別子コードは、サプライチェーンに沿った各レセプタクルの追跡及びトレースを可能にする。しかし、これらの識別子コードは、レセプタクルの外側に印刷されているため、例えばレセプタクルの取り扱いや使用中に、取り除かれたり損傷したりする可能性がある。また、固有の識別子コードがレセプタクルの一部を覆っているため、それらは使用者による目視検査工程に影響を与える可能性がある。最後に、インクジェットプリンターが、レセプタクルの外側に識別子コードを印刷するために使用される。しかし、この印刷方法は、インクを使用し、レセプタクルの汚染のリスクにつながる可能性がある。さらに、レセプタクルが例えばシール状態で包装されている場合、これらの印刷された識別子コードへのアクセスがない可能性がある。
【0006】
さらに、欧州特許出願公開第2019/305879号明細書から、医療用容器のための可塑性フランジが知られており、前記フランジは、医療用容器の遠隔識別のためのRFIDチップ及びRFIDアンテナを含むRFIDタグなどの遠隔読み取り可能な電子部品を備えている。しかしながら、前記医療用容器は、特にガラスバレル上への可塑性フランジの組み立てを含む複雑な製造工程を必要とする。
【0007】
米国特許出願公開第2019/0217018号明細書は、薬剤容器の薬剤送達ポートの無菌包囲体を提供するRFIDタグ対応シールドアセンブリを開示している。容器は、針なしプレフィルド注射器、バイアル、カートリッジ、又は折りたたみ可能なバッグやパウチとすることができる。RFIDタグは、共成形又は別の形態の永久的又は取り外し可能な取り付けによって、シールドアセンブリの1つ以上の構成要素に固定的に取り付けられている。RFIDタグは、実際には、任意にアンテナと電気的に通信することができるRFIDチップである。一実施形態において、シールドアセンブリは、ハブ及び取り外し可能な頂部のような2部分のあまり柔軟でない構成要素を備える。取り外し可能な頂部は、可撓性部品を収容し保持することができる。可撓性部品の端末端面及び頂部の末端内側表面より上に位置するヘッドスペースが存在することができる。可撓性部品は、RFIDタグを含むことができる。それにもかかわらず、RFIDタグの存在は、滅菌プロセスを阻害し得る。通常、滅菌ガスは、シールドアセンブリの頂部からシールドアセンブリを通過する。米国特許出願公開第2019/0217018号明細書のRFIDタグは、滅菌ガスが流れる入口を塞いでいる。
【0008】
この文脈において、本発明の目的は、目視検査に影響を与えず、取り外したり破損したりする危険性がほとんどなく、滅菌工程を阻害する危険性もなく、製造工程への影響も限定的で、医療用注入装置の長距離個体識別を可能にすることで、上述の欠点を緩和する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1態様は、医療用注入装置のためのカバーであって、前記医療用注入装置は、その末端端部に画定されたハブ部分を有し、前記カバーは、
第1材料で形成された外ケーシングであって、前記外ケーシングは、末端端部と基端端部とを有する、外ケーシング、
前記第1材料とは異なる第2材料で形成され、前記ハブ部分の少なくとも一部をシール状態で受容することができるキャビティを画定する内ケーシングであって、前記内ケーシングは、末端端部及び基端端部を有し、前記外ケーシング内に少なくとも部分的に挿入されて前記外ケーシングと少なくとも部分的に接触している、内ケーシング、及び
前記カバー内に埋め込まれた少なくとも1つの実質的にリング形状の無線周波数識別(RFID)タグであって、前記リング形状RFIDタグは、少なくとも1つのリング形状RFIDアンテナに接続されたRFIDチップを備える、RFIDタグ、
を備える。
【0010】
いかなる理論にも束縛されることを望まないが、本発明のカバーは、医療用注入装置の製造工程から最終使用まで、各医療用注入装置の最適化された個別のトレーサビリティを可能にすると考えられる。その上、リング形状RFIDタグは、医療用注入装置の包装、保管流通又は使用により発生し得る除去又は外部損傷から良好に保護される。さらに、リング形状RFIDタグは、カバー内に埋め込まれているため、医療用注入装置への視覚的な影響がない。さらに、リング形状RFIDタグの挿入は、RFIDタグの形状により、カバーの製造工程に限定的な影響しか与えない。また、リング形状RFIDタグは、カバーの製造工程から医療用注入装置の最終的な使用又はその廃棄に至るまで、医療用注入装置の遠隔、したがって容易かつ長距離の識別を可能にすることが企図されている。本発明の別の利点は、RFIDタグが読み取り機からの直接的な視覚的な観点を必要としないので、医療用注入装置は、個々の包装で包装されているか、又は、タブ及び/又はシール袋など他の医療用注入装置と一緒に包装されている状態で、読み取りは医療用注入装置の包装を解く必要なしにいつでも行われてもよい。また、カバーの外壁に追加の厚みを持たせる必要がないため、医療用注入装置の包装や保管方法を変更する必要がない。
【0011】
本発明によれば、リング形状の無線周波数識別(RFID)タグは、少なくとも1つのRFIDアンテナが主に実質的にリング形状を有することによっている。好ましくは、RFIDチップは、実質的に長方形又は正方形の形状を有する。したがって、カバーに対するRFIDタグの半径方向の寸法及びRFIDタグの特定の位置と組み合わされた、RFIDタグの特定のリング形状は、滅菌ステップ中に、酸化エチレン又は水蒸気などの滅菌ガスがカバーの外ケーシングを通ることを阻害せず、前記外ケーシングは滅菌ガスに対して不透過性である。さらに、少なくとも1つのアンテナは、リング形状の構造内で所望の長さにすることができる。これにより、カバー全体の体積を増加させることなく、RFIDタグをカバーに含めることが可能になる。最終的には、これはRFIDリーダーへのデータ送信レベルを上げることを可能にする。アンテナを長くすればするほど、データ通信が向上する。
【0012】
本発明のカバーの内ケーシングは、外ケーシングの内壁と少なくとも部分的に接触している外壁を備える。接触は、接着剤なしでなされる。好ましくは、内ケーシングの外壁は、外ケーシングの内壁と部分的にのみ接触している。この実施形態では、内及び外ケーシングは、一緒に容易に組み立てることができる。
【0013】
好ましくは、本発明のカバーの外ケーシングを形成する第1材料は、本発明のカバーの内ケーシングを形成する第2材料よりも剛性がある。
【0014】
好ましくは、前記第1材料は熱可塑性であり、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)又はポリカーボネート(PC)であってもよい。
【0015】
好ましくは、第2材料は、熱可塑性エラストマー(「TPE」)、ゴム又はエラストマーのようなエラストマー特性を有する材料で作られた、変形可能な材料である。滅菌可能なエラストマー特性を有する材料が好ましい。
【0016】
有利には、本発明のカバーは、1つの実質的にリング形状のRFIDタグを備えている。リング形状RFIDタグは、カバーの中に埋め込まれている。言い換えれば、リング形状RFIDタグは、カバーと不可分に連結されており、リング形状RFIDタグは、カバーから取り外されなくてもよい。本発明において、「埋め込まれている」とは、リング形状RFIDタグがカバー内にオーバーモールドされていること、又は、接着剤による結合や組み立てによってカバー内に実装されているリング形状RFIDであることを意味する。
【0017】
一実施形態では、リング形状RFIDタグは、外及び内ケーシングの末端端部に配置される。
【0018】
別の実施形態では、リング形状RFIDタグは、外ケーシングの中間部分に配置される。
【0019】
別の実施形態では、リング形状RFIDタグは、外及び内ケーシングの基端に位置している。
【0020】
一実施形態では、リング形状RFIDタグは、外ケーシングの頂部内壁又は内ケーシングの頂部外壁に配置される。好ましくは、リング形状RFIDタグは、外ケーシングの頂部内壁に配置される。
【0021】
一実施形態では、リング形状RFIDタグは、外ケーシング内、特に外ケーシングの横内壁と外ケーシングの横外壁との間に埋め込まれる。
【0022】
一実施形態では、リング形状RFIDタグは、外ケーシング内に埋め込まれ、外ケーシングの横内壁と面一である。好ましくは、リング形状RFIDタグは、カバーの外表面内に埋め込まれておらず、特にリング形状RFIDタグは、外ケーシング内に埋め込まれていない。
【0023】
一実施形態では、本発明のカバーに埋め込まれるリング形状RFIDタグは、ウェットインレイ、ドライインレイ、又は感圧ラベルの形態である。
【0024】
RFIDタグ、特にRFIDウェットインレイ及びRFIDドライインレイは、例えば紙又はポリエチレンテレフタレート(PET)でできた基材を備えることができる。RFIDタグは、基材の片面に配置されることができる。RFIDウェットインレイ及びRFIDドライインレイは、RFIDタグの上に少なくとも1つの保護層を更に備えることができる。保護層は、シリコン処理された紙とすることができる。
【0025】
RFIDウェットインレイは、基材の反対側に接着層があり、シリコンライナーなどの裏打ち紙があるため、「ウェット」と説明されている。RFIDドライインレイは、接着剤裏面がないため、「ドライ」と表現している。感圧ラベルは、ハイテクステッカーに類似している。
【0026】
一実施形態では、リング形状RFIDタグは、低周波無線識別(LF-RFID)タグである。低周波は、通常、約30KHzから300KHzである。この実施形態では、RFIDリーダーは、例えば、約10cmまでの距離で、LF-RFIDタグを読み取ることができる。
【0027】
一実施形態では、リング形状RFIDタグは、高周波無線識別(HF-RFID)タグである。高周波は、通常、約3~30MHzである。この実施形態において、RFIDリーダーは、例えば、約1メートルの距離でHF-RFIDタグを読み取ることができる。
【0028】
一実施形態では、リング形状RFIDタグは、高周波近距離通信(HF-NFC)タグである。周波数は、通常、約13.56MHzである。この実施形態では、NFCリーダーは、例えば、数センチメートルまでの距離でHF-NFCタグを読み取ることができる。HF-NFCは、それがNFCスマートフォンで読み取られ得る点でHF-RFIDと異なる。
【0029】
一実施形態では、リング形状RFIDタグは、HF-NFCとUHF RFIDを同時に含む二重周波数タグである。例えば、それはNFCスマートフォンやUHFリーダーで読み取られ得る。
【0030】
好ましくは、リング形状RFIDタグは、超高周波無線周波数識別(UHF-RFID)タグである。超高周波は、通常、約400~1000MHzである。この実施形態では、RFIDリーダーは、例えば、約15mの距離でUHF-RFIDタグを読み取ることができる。リング形状RFIDタグとは、少なくとも1つのアンテナが実質的にリング形状を有することを意味する。
【0031】
一実施形態では、リング形状RFIDタグは、2つの端部を有する少なくとも1つのアンテナを備え、各端部はRFIDチップの一部と連結されている。この実施形態では、RFIDタグは、RFIDチップと、実質的にリング形状を有する少なくとも1つのアンテナを備える。
【0032】
別の実施形態では、リング形状RFIDタグは、それぞれ第1端部と第2端部を含む2つの脚部を有する少なくとも1つのアンテナを備え、脚部の各第1端部はRFIDチップの部分に連結されている。好ましくは、RFIDアンテナの脚部の第2端部は、互いに接触していない。これらの実施形態において、脚部の形状は、チップ、RFIDタグのアンテナ、及びRFIDリーダーの間の通信をさらに向上させると考えられている。
【0033】
別の実施形態では、リング形状RFIDタグは、それぞれ第1端部と第2端部を含む2つの脚部を有する少なくとも1つのアンテナを備え、脚部の各第1端部はRFIDチップの部分に連結され、各第2端部は複数のサブ脚部を含む。この実施形態では、2つの脚部はそれぞれ、熊手の形態である。
【0034】
一実施形態では、少なくとも1つのRFIDアンテナは、線状の形態を有する。
【0035】
他の実施形態では、少なくとも1つのRFIDアンテナは、複数の定常ステップ(steady step)で作られている。例えば、RFIDアンテナは、複数の定常ステップを有することができる2つの脚部を有する。例えば、定常ステップは、正方形、三角形、長方形、又は波形を形成する。好ましくは、複数の定常ステップは、同じ振幅を有する。
【0036】
例えば、RFIDアンテナは、2つの正弦波形状の脚部、直線形状の脚部、又はコイル形状の脚部を有する。好ましくは、RFIDアンテナが2つの正弦波形状の脚部を有する場合、RFIDアンテナの両方の脚部は、複数の正弦波で作られている。例えば、RFIDタグがUHF-RFIDタグである場合、2つの脚部は正弦波形状を有する。また、例えば、RFIDタグがHF-RFIDタグである場合、2つの脚部は、コイル形状を有する。実際、これらの実施形態において、脚部の形状は、チップ、RFIDタグのアンテナ、及びRFIDリーダーの間の通信をさらに向上させると考えられる。
【0037】
好ましくは、RFIDアンテナは脚部の間にループを形成し、RFIDチップはRFIDアンテナのループと脚部の間に配置される。
【0038】
一実施形態では、RFIDタグは非対称であり、すなわち、RFIDチップは、両方のRFIDアンテナ端部の等距離に配置されない。
【0039】
好ましくは、RFIDチップは、両方のRFIDアンテナ端部から等距離に配置される。
【0040】
一実施形態では、リング形状RFIDタグは、少なくとも1つのダイポールアンテナを備える。ダイポールアンテナは、一般に、RFIDチップに接続された金属ワイヤ又はロッドなどの2つの同一の導電性アンテナからなる。
【0041】
本発明の第2側面は、本発明によるハブ部分と、カバーとを備える医療用注入装置である。
【0042】
本発明の第3側面は、本発明による内ケーシングと外ケーシングとを備えるカバーを製造するための方法であって、
【0043】
A.内ケーシング及び外ケーシングを提供し、前記内ケーシングは、医療用注入装置の末端端部に画定されたハブ部分の少なくとも一部をシール状態で受容することができるキャビティを画定し、
B.内ケーシング及び/又は外ケーシングに少なくとも1つのリング形状RFIDタグを提供し、前記リング形状RFIDタグは、少なくとも1つのリング形状RFIDアンテナに接続されたRFIDチップを含んでおり、
C.RFIDタグがカバー内に埋め込まれるように、外ケーシング内に内ケーシングを挿入することにより、カバーを組み立てる、方法である。
【0044】
ステップA)において、内ケーシング及び外ケーシングは、別々に製造されてもよい。例えば、内ケーシングと外ケーシングは、成型により別々に製造され得る。
【0045】
好ましくは、ステップB)において、内ケーシング及び/又は外ケーシングに、オーバーモールドにより、接着剤による結合により又は組み立てにより、リング形状RFIDタグが設けられる。
【0046】
例えば、リング形状RFIDタグは、オーバーモールドにより又は組立により、外ケーシングの頂部内壁内又は内ケーシングの頂部外壁上に埋め込まれてもよい。好ましくは、リング形状RFIDタグは、オーバーモールドにより外ケーシングの頂部内壁内又は内ケーシングの頂部外壁上に埋め込まれてもよい。
【0047】
例えば、リング形状RFIDタグが内ケーシングと外ケーシングとの間に埋め込まれる場合、リング形状RFIDタグは、外ケーシングの頂部内壁と内ケーシングの頂部外壁との間に実装される。例えばリング形状RFIDタグは、内ケーシングの外壁又は外ケーシングの内壁に、接着剤による結合により又は組み立てにより接着することができる。
【0048】
ステップC)では、内ケーシングと外ケーシングが組み立てられて、RFIDタグがカバー内に埋め込まれるように本発明のカバーを形成することができる。
【0049】
本発明及びそこから生じる利点は、以下の添付図面を参照して以下に示す詳細な説明から明確に浮かび上がるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態によるカバーを備えた医療用注入装置を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態によるカバーを備えた医療用注入装置を示す分解図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態によるカバーの分解図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態によるカバーを備えた医療用注入装置の断面の図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態によるRFIDタグである。
【
図7】
図7は、本発明の他の実施形態によるRFIDタグである。
【
図8】
図8は、本発明の他の実施形態によるカバーを備えた他の医療用注入装置の横断図である。
【
図13】
図13は、本発明の他の実施形態によるカバーを備えた他の医療用注入装置の断面の図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1、2及び4は、本体2を備えた注射器のような医療用注入装置1を示している。前記本体2は、注入されるべき医療用組成物4を収容するように適合されたリザーバを形成する側壁3を備えている。医療用注入装置1は、さらに、その末端端部6に設けられたハブ部分5を備える。ハブ部分5は、本体2と流体連通するチャネル7を形成するように、部分的に中空である。
【0052】
針8が医療用注入装置1のハブ部分5に取り付けられてもよい。例えば、針8は、接着剤9を用いてハブ部分5に接着されてもよい。本発明のカバーは、医療用注入装置1のハブ部分5を覆って、針8を保護することが意図されている。
【0053】
図1、
図2及び
図4に示す医療用注入装置又は注射器1は、その端部に設けられたプランジャを有するプランジャロッド(図には示されていない)を含んでもよい。プランジャは、本体2内で側壁3の内面に沿ってスライド可能に移動させられ、医療用組成物4をチャネル7及び従って針8を介して本体3から排出させる。医療用注入装置1に備えられた医療用組成物4は、例えば、液状の医薬品、薬剤、又はワクチン等の医薬組成物であってもよい。
【0054】
図1~
図5は、本発明の一実施形態によるカバー10を示す図である。本発明のカバー10は、医療用注入装置1のハブ部分5に載置された針8を保護することが意図されている。カバー10は、前記医療用注入装置1のハブ部分5に載置されることが意図されている。カバー10は、外ケーシング20と内ケーシング30とを備える。外ケーシング20は、典型的には、硬質材料で作られている一方、カバー10が医療用注入装置1のハブ部分6に取り付けられたときに針8が直接係合される内ケーシング30は、軟質材料で作られている。好ましくは、外ケーシング20は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)又はポリカーボネート(PC)、より好ましくはポリプロピレンで作られている。有利には、内ケーシング30は、TPE(熱可塑性エラストマー)のような変形可能な材料で作られている。有利には、外ケーシング20は、部分的に閉鎖された末端端部と、開放された基端端部とを備える。典型的には、外ケーシングの末端端部は、少なくとも貫通孔24を備えてもよい頂部壁を備えている。前記貫通孔24は、例えば、滅菌ガスが前記外ケーシング内に入ることを可能にするために有用であってもよい。好ましくは、内ケーシング30は、閉鎖された末端端部と開放された基端端部とを備える。外ケーシング20は、その基端端部に、少なくとも1つのロック窓21を備えるように製造され得る。前記ロック窓は、貫通開口部を画定し、内ケーシング30の少なくとも半径方向のラグ31を受容するように構成される。内ケーシング30の前記半径方向のラグ31は、外ケーシング20の少なくとも1つの窓21と係合する。典型的には、外ケーシングは、直径方向に対向する2つのロック窓21を備える。典型的には、内ケーシングは、直径方向に対向する2つの半径方向ラグ31、又は内ケーシングの外表面の全周にわたって延びる1つの半径方向ラグを備える。外ケーシング20は、半径方向ラグ31がロック窓21内に係合することにより、内ケーシング20をロックすることを可能にするロック窓21の隣に位置する当接部分22を備えてもよい。外ケーシング20は、オーバーモールド又は射出成形によって製造されてもよい。
【0055】
外ケーシング20は、頂部内壁23を備えることができ、これは内ケーシング30の頂部外壁32を受容してもよい。
【0056】
内ケーシング30はまた、カバー10が前記ハブ部分5に載置されたときに医療用注入装置1のハブ部分5と少なくとも部分的に協働するように意図された内部横壁33を含んでいてもよい。内ケーシング30の前記内部横壁33は、医療用注入装置1のハブ部分5の外表面にシール状態で係合するように意図されている。
【0057】
図2~
図6では、内ケーシング30と外ケーシング20との間に埋め込まれてもよいリング形状RFIDタグ40を例示している。例えば、リング形状RFIDタグ40は、外ケーシング20の頂部内壁23に埋め込まれてもよい。有利には、リング形状RFIDタグ40は、外ケーシング20の頂部壁に備えられた貫通孔24を少なくとも部分的に取り囲む。リング形状RFIDタグ40は、2つの端部E1、E2を有する少なくとも1つの実質的にリング形状のアンテナ40aを備える。各端部E1、E2は、長方形形状のRFIDチップ40bの部分P1、P2に連結され得る。滅菌の際、滅菌ガスは、開口部24からカバー10を通って容易に流れることができる。実際、RFIDタグの特定のリング形状と、カバーに対するRFIDタグの半径方向の寸法と、RFIDタグの特定の位置とを組み合わせることによって、滅菌ステップ中に、滅菌ガスがカバーの外ケーシング、特に開口部を通過することが阻害されない。さらに、少なくとも1つのアンテナは、リング構成内で所望の長さにすることができる。これにより、カバー全体の体積を増加させることなく、RFIDタグをカバーに含めることが可能になる。したがって、これはRFIDリーダーへのデータ伝送レベルを増加させることを可能にする。
【0058】
図7に示されるように、代替的に、リング形状RFIDタグ50は、それぞれ第1端部E1及び第2端部E2を含む2つの脚部L1、L2を有する少なくとも1つの実質的にリング形状のアンテナ50aを備えることができ、脚部L1、L2のそれぞれの第1端部E1はRFIDチップ50bの部分P1、P2に連結されている。この例では、RFIDアンテナ50aの脚部L1、L2の第2端部E2は、互いに接触していない。リング形状RFIDタグ50は、複数の定常段差(steady step)を含む2本の脚部を有する1つのRFIDアンテナ50aを備えてもよい。例えば、定常段差は、矩形形状を形成する。例えば、複数の定常段差は、同じ振幅を有する。例えば、RFIDタグ50のRFIDチップは、両方のRFIDアンテナの端部の等距離に配置されている。リング形状RFIDタグ50は、好ましくは、例えば紙やポリエチレンテレフタレート(PET)製の基材51を備えることができる。
【0059】
リング形状のタグ40、50は、ドライインレイ又はウェットインレイの形態であってもよい。リング形状RFIDタグ40、50がウェットインレイの形態である場合、リング形状RFIDタグは、互いに独立して、外ケーシング20の頂部内壁23と内ケーシング30の頂部外壁32との間に埋め込まれている。
【0060】
リング形状のタグ40、50は、互いに独立して、LF-RFIDタグ、HF-RFIDタグ又はHF-RFIDタグであってもよい。好ましくは、リング形状のタグ40、50は、互いに独立して、HF-RFIDタグであってもよい。
【0061】
現在、RFIDタグは、医療用注入装置などの医療用容器の、特に製造工程から病院での使用、好ましくは最終使用者の自宅での使用まで、個別のトレーサビリティを可能にしている。HF-NFCタグは、通常、最終的な使用者によって使用される。ある実施形態では、カバーは、1つの実質的にリング形状のHF-RFIDタグと1つのHF-NFCタグとを備える。
【0062】
図8、9、11及び13は、本体101を備える医療用注入装置100を示す。前記本体は、注入されるべき医療用組成物103を含有するように適合されたリザーバを形成する側壁102を備える。医療用注入装置100は、その末端端部105に設けられたハブ部分104をさらに備える。ハブ部分104は、本体101と流体連通するチャネル106を形成するように、部分的に中空である。
【0063】
アダプタ110は、医療用注入装置100の末端端部105に、より正確には医療用注入装置100のハブ部分104の外表面上に載置されることが意図されている。
【0064】
アダプタ110は、その基端端部で医療用容器100に固定されるように構成されており、その末端端部では、本発明によるカバー120を受容するように構成された接続リングの形態であってもよい。実際には、医療用注入装置100を使用するために、カバー120はアダプタ110から取り外され、針ハブ又は静脈ラインのようなコネクタ(図示せず)が、医療用容器100の通路106と前記コネクタとの間の流体連通を確立するために、アダプタ110に載置される。
【0065】
図8~
図13は、本発明の実施形態によるカバー120を示す。本発明のカバー120は、医療用注入装置100の無菌性及び完全性を確保することが意図されている。カバー120は、アダプタ110に装着されることが意図されている。カバー120は、外ケーシング130と内ケーシング140とを備える。外ケーシング130は、典型的には、剛性材料で作られる一方、内ケーシング140は、軟質材料で作られる。好ましくは、外ケーシング130は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)又はポリカーボネート(PC)、最も好ましくはポリプロピレンで作られる。有利には、内ケーシング140は、TPE(熱可塑性エラストマー)のような変形可能な材料で作られる。好ましくは、外ケーシング130は、閉鎖された末端端部と開放された基端端部とを備える。典型的には、内ケーシング140は、閉鎖された末端端部と開放された基端端部とを備える。外ケーシング130は、内ケーシング140を受容するように構成される。
【0066】
図9~
図12は、リング形状RFIDタグ150がカバー120内に埋め込まれている一実施形態を示す。リング形状RFIDタグ150は、外ケーシング130の横内壁131と外ケーシング130の横外壁132との間に埋め込まれている。
【0067】
図9~
図12に示されるように、リング形状RFIDタグ150は、外130及び内ケーシング140の末端端部に埋め込まれてもよい。リング形状RFIDタグ150は、2つの端部E1、E2を有する少なくとも1つのアンテナ150aを備えてもよい。各端部E1、E2は、RFIDチップ150bの部分P1、P2に連結され得る。
【0068】
あるいは、リング形状RFIDタグ150は、外ケーシング130及び内ケーシング140の基端端部に埋め込まれてもよい。
【0069】
図13は、リング形状RFIDタグ160が外ケーシング130の中間部分、特に、外ケーシング130の中間部分内に埋め込まれてもよい実施形態を示している。この例では、リング形状RFIDタグ160は、外ケーシング130内に位置し、外ケーシング130の横内壁131と面一である。
【0070】
例えば、リング形状RFIDタグ160は、それぞれ第1端部と第2端部を含む2本の脚部を有する少なくとも1つのアンテナを備え、脚部の各第1端部はRFIDチップの一部と連結され、各第2端部は複数のサブ脚部(不図示)を備えても良い。この例では、2つの脚部はそれぞれ熊手(不図示)の形態である。例えば、RFIDチップは、両方のRFIDアンテナ端部の等距離に配置される。
【0071】
リング形状タグ150、160は、ドライインレイ又はウェットインレイの形態であってもよい。リング形状RFIDタグ150、160がウェットインレイ又はドライインレイの形態である場合、リング形状RFIDタグ150、160は、オーバーモールドによって外ケーシング130の横内壁131と外ケーシング130の横外壁132との間にそれぞれ埋め込まれている。
【0072】
リング形状タグ150、160は、互いに独立して、LF-RFIDタグ、HF-RFIDタグ、又はHF-RFIDタグであってもよい。好ましくは、リング形状タグ150、160は、互いに独立して、HF-RFIDタグであってもよい。
【0073】
本発明によるカバーは、目視検査に影響を与えず、取り外したり破損したりする危険性がほとんどなく、製造工程への影響も限定的で、医療用注入装置の長距離高効率個体識別を可能にする。
【国際調査報告】