(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-20
(54)【発明の名称】ネットワークスライシングをサポートする無線通信システムにおける通信方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 36/12 20090101AFI20230613BHJP
H04W 76/18 20180101ALI20230613BHJP
H04W 36/16 20090101ALI20230613BHJP
【FI】
H04W36/12
H04W76/18
H04W36/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571084
(86)(22)【出願日】2021-05-21
(85)【翻訳文提出日】2022-11-18
(86)【国際出願番号】 KR2021006334
(87)【国際公開番号】W WO2021235887
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0061198
(32)【優先日】2020-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ,ホヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,サンスゥ
(72)【発明者】
【氏名】ガットマン,エリック
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067HH21
5K067HH24
(57)【要約】
【課題】本発明は、ネットワークスライシングをサポートする無線通信システムにおける通信方法及び装置に関し、
【解決手段】本発明による、ネットワークスライシングをサポートする無線通信システムにおける端末によって実行される方法は、端末が第1の接続ネットワークを介して、第1のネットワークスライスのセッション確立要求メッセージを送信する段階と、前記第1のネットワークスライスのセッションを管理するネットワークエンティティから、前記第1の接続ネットワークを介して、セッション確立拒否メッセージを受信する段階と、前記セッション確立拒否メッセージが、セッション確立要求の拒否の原因として、前記第1のネットワークスライスに対する最大セッション数の超過を示す情報を含む場合、前記端末の優先接続ネットワークである第2の接続ネットワークへのハンドオーバを決定する段階とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークスライシングをサポートする無線通信システムにおける端末によって実行される方法において、
前記端末が第1の接続ネットワークを介して、第1のネットワークスライスのセッション確立要求メッセージを送信する段階と、
前記第1のネットワークスライスのセッションを管理するネットワークエンティティから、前記第1の接続ネットワークを介して、セッション確立拒否メッセージを受信する段階と、
前記セッション確立拒否メッセージが、セッション確立要求の拒否の原因として、前記第1のネットワークスライスに対する最大セッション数の超過を示す情報を含む場合、前記端末の優先接続ネットワークである第2の接続ネットワークへのハンドオーバを決定する段階とを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の接続ネットワークは、3GPP(3rd generation partnership project)接続ネットワークと非3GPP接続ネットワークのうちの1つであり、
前記第2の接続ネットワークは、前記3GPP接続ネットワークと前記非3GPP接続ネットワークのうちの他の1つであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記最大セッション数の超過は、前記第1のネットワークスライスのS-NSSAI(single-network slice selection assistance information)を利用する現在のセッション数が、ネットワークスライスポリシーに従って許容可能な最大数を超えることを意味することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記セッション確立拒否メッセージは、前記第1のネットワークスライスに関連付けられたバックオフタイムに関する情報をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記バックオフタイムに設定された時間内に、前記第2の接続ネットワークに、前記第1のネットワークスライスに関連するPDU(protocol data unit)セッションのハンドオーバのための要求メッセージを送信する段階をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記PDUセッションのハンドオーバのための前記要求メッセージは、要求タイプとして既存のPDUセッション(existing PDU session)を示す情報をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ネットワークスライシングをサポートする無線通信システムにおけるセッションを管理するネットワークエンティティによって実行される方法において、
端末から第1の接続ネットワークを介して、第1のネットワークスライスのセッション確立要求メッセージを受信する段階と、
前記第1のネットワークスライスを用いる現在のセッション数が、許容可能な最大セッション数を超えているか否かを確認する段階と、
前記現在のセッション数が、許容可能な最大セッション数を超える場合、前記端末のセッション確立要求の拒否の原因として、前記最大セッション数の超過を示す情報を含むセッション確立拒否メッセージを送信する段階とを含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記セッション確立拒否メッセージは、前記第1のネットワークスライスに関連付けられたバックオフタイムに関する情報をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記バックオフタイムに設定された時間に基づいて、前記端末の前記第1のネットワークスライスに関連するPDU(protocol data unit)セッションのハンドオーバのための要求メッセージを受信する段階をさらに含み、
前記PDUセッションの前記ハンドオーバは、前記端末の優先接続ネットワークである第2の接続ネットワークへのハンドオーバを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の接続ネットワークは、3GPP(3rd generation partnership project)接続ネットワークと非3GPP接続ネットワークのうちの1つであり、
前記第2の接続ネットワークは、前記3GPP接続ネットワークと前記非3GPP接続ネットワークのうちの他の1つであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記PDUセッションのハンドオーバのための前記要求メッセージは、要求タイプとして既存のPDUセッション(existing PDU session)を示す情報をさらに含み、
前記要求タイプが、前記既存のPDUセッションを示す場合、前記PDUセッションの前記ハンドオーバは、前記現在のセッション数にカウントされないことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
ネットワークスライシングをサポートする無線通信システムにおける端末において、
トランシーバと、
前記トランシーバを介して、第1の接続ネットワークを経由して、第1のネットワークスライスのセッション確立要求メッセージを送信し、前記トランシーバを介して、前記第1のネットワークスライスのセッションを管理するネットワークエンティティから、前記第1の接続ネットワークを介して、セッション確立拒否メッセージを受信し、前記セッション確立拒否メッセージが、セッション確立要求の拒否の原因として、前記第1のネットワークスライスに対する最大セッション数の超過を示す情報を含む場合、前記端末の優先接続ネットワークである第2の接続ネットワークへのハンドオーバを決定するように構成されているプロセッサとを含むことを特徴とする端末。
【請求項13】
請求項2乃至請求項6のうちのいずれか1項に記載の方法に従って動作するように構成されていることを特徴とする請求項12に記載の端末。
【請求項14】
ネットワークスライシングをサポートする無線通信システムにおけるセッションを管理するネットワークエンティティにおいて、
ネットワークインターフェースと、
前記ネットワークインターフェースを介して、端末から第1の接続ネットワークを経由して、第1のネットワークスライスのセッション確立要求メッセージを受信し、前記第1のネットワークスライスを用いる現在のセッション数が、許容可能な最大セッション数を超えているかを確認し、前記現在のセッション数が、許容可能な前記最大セッション数を超える場合、前記ネットワークインターフェースを介して、前記端末のセッション確立要求の拒否の原因として、前記最大セッション数の超過を示す情報を含むセッション確立拒否メッセージを送信するように構成されているプロセッサとを含むことを特徴とするネットワークエンティティ。
【請求項15】
請求項8乃至請求項11のうちのいずれか1項に記載の方法に従って動作するように構成されていることを特徴とする請求項14に記載のネットワークエンティティ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークスライシングをサポートする無線通信システムにおける通信方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
4G通信システムの商用化の以降、無線データトラフィックの増大する需要を満たすために、改良された5G通信システム又はプレ5G(pre-5G)通信システムを開発するための努力がなされてきた。このため、5G通信システム又はプレ5G通信システムは、4Gネットワーク以降(Beyond 4G Network)の通信システム又はLTE(登録商標)システム以降(Post LTE)のシステムとも呼ばれている。より高いデータレートを達成するために、5G通信システムは、超高周波(mmWave)帯域(例えば、60GHz帯域など)で具現されることが考慮されている。超高周波帯域における電波の伝搬損失を緩和し、電波の伝送距離を増加させるために、ビームフォーミング(beamforming)、大規模多入力多出力(massive MIMO)、全次元多入力多出力(Full Dimensional MIMO:FD-MIMO)、アレイアンテナ(array antenna)、アナログビームフォーミング(analog beam forming)、大規模アンテナ(large scale antenna)技術が、5G通信システムで論議されている。
【0003】
また、システムのネットワーク改善のために、5G通信システムでは、進化したスモールセル、高度なスモールセル(advanced small cell)、クラウド無線アクセスネットワーク(cloud radio access network:cloud RAN)、超高密度ネットワーク(ultra-dense network)、デバイス間通信(Device to Device communication:D2D)、無線バックホール(wireless backhaul)、移動ネットワーク(moving network)、協調通信(cooperative communication)、CoMP(Coordinated Multi-Points)、受信側干渉キャンセル(interference cancellation)などの技術開発がなされている。その他にも、5Gシステムでは、高度なコーディング変調(Advanced Coding Modulation:ACM)技術としてのFQAM(Hybrid FSK and QAM Modulation)と、SWSC(Sliding Window Superposition Coding)と、高度なアクセス技術としてのFBMC(Filter Bank Multi Carrier)、NOMA(non orthogonal multiple access)、及びSCMA(sparse code multiple access)などが開発されている。
【0004】
一方、インターネットは、人間が情報を生成して消費する人間中心の接続ネットワークから、モノなどの分散したコンポーネント間で、情報を交換し処理するIoT(Internet of Things)ネットワークに進化している。クラウドサーバなどとの接続を通じたビッグデータ(Big data)処理技術などが、IoT技術に結合されたIoE(Internet of Everything)技術も台頭している。IoTを実現するために、センシング技術、有線・無線通信やネットワーク基盤、サービスインターフェース技術、セキュリティ技術などの技術要素が求められているため、最近、モノ間の接続のためのセンサーネットワーク(sensor network)、M2M(Machine to Machine)通信、MTC(Machine Type Communication)などの技術が研究されている。
【0005】
IoT環境では、接続されたモノ間で生成されるデータを、収集及び分析することによって、人間の生活に新しい価値を生み出すインテリジェントなIT(Internet Technology)サービスが提供され得る。IoTは、既存のIT(information technology)技術と、様々な産業との間の融合及び組み合わせを通じて、スマートホーム、スマートビル、スマートシティ、スマトカー又はコネクテッドカー、スマートグリッド、ヘルスケア、スマートアプライアンス、高度な医療サービスなど、様々な分野に適用される可能性がある。
【0006】
これに伴い、5G通信システムをIoTネットワークに適用するための様々な試みが行われている。例えば、センサーネットワーク(sensor network)、M2M通信(Machine to Machine)、及びMTC(Machine Type Communication)などの5G通信技術が、ビームフォーミング、MIMO、及びアレイアンテナなどの技法によって具現されている。上述のビッグデータ処理技術としてのクラウド無線アクセスネットワーク(cloud RAN)が適用されるのも、5G技術とIoT技術との融合の一例と言えるだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ネットワークスライシングをサポートする無線通信システムにおける効率的な通信方法及び装置を提供することにある。
【0008】
さらに、ネットワークスライシングをサポートする無線通信システムにおけるセッション数を考慮するセッション確立方法及び装置を提供することにある。
【0009】
本発明の目的はまた、ネットワークスライシングをサポートする無線通信システムにおける効率的なセッションハンドオーバ方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による方法は、ネットワークスライシングをサポートする無線通信システムにおける端末によって実行される方法において、前記端末が第1の接続ネットワークを介して、第1のネットワークスライスのセッション確立要求メッセージを送信する段階と、前記第1のネットワークスライスのセッションを管理するネットワークエンティティから、前記第1の接続ネットワークを介して、セッション確立拒否メッセージを受信する段階と、前記セッション確立拒否メッセージが、セッション確立要求の拒否の原因として、前記第1のネットワークスライスに対する最大セッション数の超過を示す情報を含む場合、前記端末の優先接続ネットワークである第2の接続ネットワークへのハンドオーバを決定する段階とを含むことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様による方法は、ネットワークスライシングをサポートする無線通信システムにおけるセッションを管理するネットワークエンティティによって実行される方法において、端末から第1の接続ネットワークを介して、第1のネットワークスライスのセッション確立要求メッセージを受信する段階と、前記第1のネットワークスライスを用いる現在のセッション数が、許容可能な最大セッション数を超えているか否かを確認する段階と、前記現在のセッション数が、許容可能な前記最大セッション数を超える場合、前記端末のセッション確立要求の拒否の原因として、前記最大セッション数の超過を示す情報を含むセッション確立拒否メッセージを送信する段階とを含むことを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による端末は、ネットワークスライシングをサポートする無線通信システムにおける端末において、トランシーバと、前記トランシーバを介して、第1の接続ネットワークを経由して、第1のネットワークスライスのセッション確立要求メッセージを送信し、前記トランシーバを介して、前記第1のネットワークスライスのセッションを管理するネットワークエンティティから、前記第1の接続ネットワークを介して、セッション確立拒否メッセージを受信し、前記セッション確立拒否メッセージが、セッション確立要求の拒否の原因として、前記第1のネットワークスライスに対する最大セッション数の超過を示す情報を含む場合、前記端末の優先接続ネットワークである第2の接続ネットワークへのハンドオーバを決定するように構成されているプロセッサとを含むことを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるネットワークエンティティは、ネットワークスライシングをサポートする無線通信システムにおけるセッションを管理するネットワークエンティティにおいて、ネットワークインターフェースと、前記ネットワークインターフェースを介して、端末から第1の接続ネットワークを経由して、第1のネットワークスライスのセッション確立要求メッセージを受信し、前記第1のネットワークスライスを用いる現在のセッション数が、許容可能な最大セッション数を超えているかを確認し、前記現在のセッション数が、許容可能な前記最大セッション数を超える場合、前記ネットワークインターフェースを介して、前記端末のセッション確立要求の拒否の原因として、前記最大セッション数の超過を示す情報を含むセッション確立拒否メッセージを送信するように構成されているプロセッサとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ネットワークスライシングをサポートする無線通信システムにおける効率的な通信方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態による5GSの構造を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるPDUセッション確立手順を説明するための図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるPDUセッション確立手順を説明するための図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるPDUセッションハンドオーバ手順を説明するための図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるUE100の一構成例を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるネットワークエンティティの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の動作原理を詳細に説明する。なお、後述する用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語である。これは、ユーザ、オペレータの意図又は慣例などに応じて変わり得るので、それらの定義は、本明細書全体にわたる内容に従って定められる。
【0017】
本明細書で使用されるネットワークエンティティを指す用語、メッセージを指す用語などは、説明の便宜のために例示されている。したがって、本発明の説明は、後述の用語に限定されず、同等の技術的意味を有する対象を指す他の用語を使用することができる。さらに、本明細書では、5Gシステム仕様で定義されている用語及び名称を使用するが、本発明は、それらの用語及び名称によって限定されず、他の仕様に準拠するシステムにも同様に適用することができる。
【0018】
本発明の様々な実施形態による装置は、様々な形態の電子装置であり得る。電子装置は、例えば、携帯用通信装置(例えば、スマートフォン)、携帯用マルチメディア機器、携帯用医療機器、カメラ、ウェアラブル機器(wearable device)、家電機器、又はサーバを含む。本発明の実施形態による電子装置は、上述の装置に限定されない。本発明の様々な実施形態及びそれに使用される用語は、本明細書に記載された技術的特徴を、特定の実施形態に限定するものではなく、当該実施形態の様々な変更(modifications)、均等物(equivalents)、又は代替物(alternatives)を含むものと理解すべきである。図面の説明に関して、類似又は関連する構成要素には、同様の参照番号を使用する。アイテムに対応する名詞の単数形は、関連する文脈上明らかに別段の指示のない限り、上記アイテムの1つ又は複数を含み得る。
【0019】
本明細書において、「A又はB」、「A及びBのうちの少なくとも1つ」、「A又はBのうちの少なくとも1つ」、「A、B又はC」、「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」、及び「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」などのフレーズの各々は、そのフレーズの対応するフレーズに一緒に列挙されたアイテムのうちのいずれか、又はそれらの可能なすべての組み合わせを含み得る。「第1」、「第2」、又は「一番目」若しくは「二番目」などの用語は、単にその構成要素を他の対応する構成要素から区別するために使用し、その構成要素を他の側面(例えば、重要性又は順序)に限定しない。ある(例えば、第1の)構成要素が、他の(例えば、第2の)構成要素に「機能的に」又は「通信的に」という用語と共に、又はそのような用語なしで、「カップル」又は「コネクデッド」と言及された場合、それは、ある構成要素が、他の構成要素に直接に(例えば、有線で)、無線で、又は第3の構成要素を介して接続され得ることを意味する。
【0020】
本発明の様々な実施形態は、上記電子装置によって読み取ることができる記憶媒体(storage medium)(例えば、内蔵メモリ又は外部メモリ)に格納された1つ以上の命令(instructions)を含むソフトウェアとして実装することができる。例えば、電子装置のプロセッサは、記憶媒体から、格納された1つ以上の命令のうちの少なくとも1つの命令を呼び出し、それを実行する。これにより、装置は、呼び出された少なくとも1つの命令に従って、少なくとも1つの機能を実行するように動作することを可能にする。1つ以上の命令は、コンパイラ(compiler)生成コード又はインタープリタ(interpreter)によって実行され得るコード(code)を含み得る。電子装置で読み取り可能な記憶媒体は、非一時的(non-transitory)記憶媒体の形態で提供される。ここで、「非一時的」とは、記憶媒体が実在(tangible)する装置であり、信号(signal)(例えば、電磁波)を含まないことを意味するだけであり、この用語は、データが記憶媒体に半永久的に記憶される場合と、一時的に保存された場合とを区別しない。
【0021】
一実施形態によれば、本明細書に開示された様々な実施形態による方法は、コンピュータプログラム製品(computer program product)に含まれて提供されてもよい。コンピュータプログラム製品は、商品として販売者と購入者との間で取引することができる。コンピュータプログラム製品は、デバイスで読み取り可能な記憶媒体(例えば、CD-ROM、DVD-ROM)の形態で配布されるか、又はアプリケーションストア(例えば、プレイストア)を介して、又は2つのユーザ装置(例えば、スマートフォン)間で、直接、オンラインで配布(例えば、ダウンロード又はアップロード)することができる。オンライン配布の場合、コンピュータプログラム製品の少なくとも一部は、製造者のサーバ、アプリケーションストアのサーバ、又は中継サーバのメモリなどの機器で読み取り可能な記憶媒体に、少なくとも一時的に保存されるか、又は臨時的に生成されてもよい。
【0022】
様々な実施形態によれば、各構成要素は、単数又は複数の個体を含み得る。様々な実施形態によれば、構成要素のうちの1つ以上の構成要素又は動作を省略することができ、又は1つ以上の他の構成要素又は動作を追加することができる。代替的又は追加的に、複数の構成要素(例えば、モジュール又はプログラム)は、1つの構成要素に統合することができる。この場合、統合された構成要素は、複数の構成要素のそれぞれの構成要素の1つ以上の機能を、統合の前に、複数の構成要素のうちの当該構成要素によって実行されるものと同じ又は同様に実行することができる。様々な実施形態によれば、モジュール、プログラム、又は他の構成要素によって実行される動作は、順次に、並列的に、反復的に、又はヒューリスティック(heuristic)に実行されるか、又は動作のうちの1つ以上が、異なる順序で実行されても、省略されてもよく、又は1つ以上の他の動作が追加されてもよい。
【0023】
本発明の実施形態によれば、電子装置は、ユーザによって使用される様々な装置を意味する。例えば、電子装置は、端末(terminal)、ユーザ端末(user equipment:UE)、移動局(mobile station)、加入者局(subscriber station)、遠隔端末(remote terminal)、無線端末(wireless terminal)、又はユーザ装置(user device)を意味する。便宜上、電子装置をユーザ端末(user equipment:UE)として例示し、以下、本発明の実施形態を説明する。また、AN(access network)は、電子装置との無線通信のためのチャネル(channel)を提供する。ANは、RAN(radio access network)、基地局(base station)、eNB、eNodeB、5Gノード(5G node)、送受信ポイント(TRP、transmission/reception point)、又は5GNB(5th generation NodeB)などを意味する。
【0024】
以下、本発明は、無線通信システムにおいて様々なサービスをサポートするための方法及び装置に関する。具体的には、本発明は、無線通信システムにおいてネットワークスライス(network slice)を用いるセッション(session)を管理することによって、様々なサービスをサポートするための技術を説明する。ネットワークスライシング(network slicing)をサポートする無線通信システムでは、異なるネットワークスライスへのトラフィックが、異なるPDU(protocol data unit)セッションによって処理される。PDUセッションは、PDU接続サービスを提供するデータネットワークと端末との間の関連付け(association)を意味する。ネットワークスライシングは、広帯域通信サービス、massive IoT、V2X(vehicle-to-everything)などのミッションクリティカル(mission critical)サービスなどのような異なる特性を持つ様々なサービスをサポートするためのネットワーク機能(network function:NF)の集合でネットワークを論理的に構成し、異なるネットワークスライスを分離する技術として理解される。したがって、ネットワークスライスに通信障害が発生しても、他のネットワークスライスの通信は、影響を受けず、安定した通信サービスの提供が可能である。以下、本明細書で混用される用語「スライス」は、「ネットワークスライス」を意味する。
【0025】
このようなネットワーク環境では、1つの端末は、様々なサービスを提供されると、2つ以上のネットワークスライスに接続される。ネットワーク機能は、ハードウェアで駆動されるソフトウェアインスタンスとして、ネットワーク要素又は適切なプラットフォームでインスタンス化された仮想化機能で実装される。
【0026】
以下、本発明の説明で使用される接続ノード(node)を識別するための用語、ネットワークエンティティ(network entity)又はNF(network function)を指す用語、メッセージを指す用語、ネットワークオブジェクト間のインターフェースを指す用語、様々な識別情報を指す用語などは、説明の便宜のために例示されている。したがって、本発明は、後述の用語に限定されず、同等の技術的意味を有する対象を指す他の用語を使用することができる。
【0027】
以下、説明の便宜のために、本発明は、3GPP LTE(3rd generation partnership project long term evolution)及び/又は5G仕様で定義されている用語及び名称を使用する。しかしながら、本発明は、上記の用語及び名称によって限定されず、他の仕様に準拠したシステムにも同様に適用することができる。
【0028】
さらに、本明細書で説明されるネットワーク技術は、ITU(international telecommunication union )又は3GPP(登録商標)によって定義された標準仕様(例えば、TS 23.501、23.502)を参照することができ、後述する
図1のネットワーク環境に含まれる構成要素はそれぞれ、物理的なエンティティ(entity)を意味するか、又は個別的な機能(function)を実行するソフトウェア又はソフトウェアと組み合わせたハードウェアを意味する。
【0029】
さらに、本発明の実施形態によれば、コアネットワーク(core network:CN)は、UEのサブスクリプション情報、モビリティ(mobility)、アクセス権限(access authorization)、セッション確立(session establishment)、データパケットのトラフィック(traffic)、又は課金ポリシーのうちの少なくとも1つを管理する。コアネットワーク(CN)は、UPF(user plane function)、AMF(access and mobility management function)、SMF(session management function)、UPF(user plane function)、UDM(unified data management)、PCF(policy control function)などのノード(又はentities)を含み、コアネットワーク(CN)に含まれるノード(又はエンティティ)の説明は、3GPPによって定義される標準仕様(例えば、TS 23.501、23.502)を参照することができる。
【0030】
以下、説明の便宜のために、接続制御及び状態管理のために情報を交換する対象を、NF(network function)の名称(例えば、AMF、SMF、NSSF(network slice selection function)など)を用いて指すようにする。しかしながら、本発明の実施形態は、実際には、NFがインスタンス(Instance、それぞれAMF Instance、SMF Instance 、NSSF Instanceなど)で実装される場合にも同様に適用することができる。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態による5GS(fifth generation system)の構造を示す図である。
【0032】
図1を参照すると、5Gコアネットワークは、AMF120、SMF135、UPF130、PCF140、UDM145、NSSF160、NWDAF(network data analytics function)165、N3GPP(non-3GPP)接続ネットワーク115などを含む。
図1において、N2、N3、…などのように、Nxで示されている参照符号は、5GコアネットワークにおけるNF間の公知のインターフェースを示し、関連する説明は、標準仕様(TS 23.501)を参照することができるので、具体的な説明は省略する。
【0033】
図1において、端末(user equipment:UE)100は、3GPP無線接続ネットワーク(Radio Access Network)基地局110及び/又はN3GPP(Non-3GPP)接続ネットワーク115を介して、5Gコアネットワークに接続する。端末100は、基地局110を介して、AMF120にN2インターフェースで接続し、UPF130にN3インターフェースで接続する。基地局110は、基地局(base station)の他に、「アクセスポイント(access point、AP)」、「イノードビ(eNodeB、eNB)」、「5Gノード(5th generation node)」、「ジノードビ(gNodeB、gNB)」、又はそれと同等の技術的意味を有する他の用語で呼ばれる。
【0034】
図1において、N3GPP接続ネットワーク115は、3GPPで定義されていない接続ネットワーク(Non-3GPP Access Network)(例えば、WiFi(登録商標)など)を介して接続した端末100のためのN2インターフェース及びN3インターフェース終端点(termination)として動作するNF(Network Function)である。例えば、N3GPP接続ネットワーク115としては、N3IWF(Non-3GPP InterWorking Function)、TNGF(trusted non-3GPP gateway function)、W-AGF(wireline access gateway function)などがある。N3GPP接続ネットワーク115は、N2制御平面(control plane)シグナリング及びN3ユーザ平面(user plane)パケットを処理する。N3GPP接続ネットワーク115に接続された端末100は、N3GPP接続ネットワーク115を介して、AMF120にN2インターフェースで接続されてもよく、UPF130にN3インターフェースで接続されてもよい。
【0035】
図1において、AMF(Access and Mobility Management Function)120は、端末UEの無線ネットワーク接続(Access)及びモビリティ(Mobility)を管理するNF(Network Function)である。SMF(Session Management Function)135は、端末のセッション(Session)を管理するNFであり、セッション情報には、QoS(Quality of Service)情報、課金情報、パケット処理などに関する情報が含まれ得る。UPF(User Plane Function)130は、ユーザトラフィック(User Planeトラフィック)を処理するNFであり、SMF135によって制御される。PCF(Policy Control Function)140は、無線通信システムでサービスを提供するための事業者ポリシー(Operator policy)を管理するNFである。UDM(User Data Management)145は、端末のサブスクリプション情報(UE subscription)(以下、端末サブスクリプション情報)を格納及び管理するNFである。UDR(Unified Data Repository)150は、データを格納及び管理するNFであり、UDR150に格納された端末サブスクリプション情報を利用することができる。UDR150は、端末サブスクリプション情報を格納し、UDM145に端末サブスクリプション情報を提供する。また、UDR150は、事業者ポリシー情報を格納し、PCF140に事業者ポリシー情報を提供する。
図1において、NWDAF(Network Data Analytics Function)165は、5Gシステムが動作するための分析情報を提供するNFである。NWDAF165は、5Gシステムを構成する他のNF~OAM(operations,administration and maintenance)からデータを収集し、収集したデータを分析し、分析結果を他のNFに提供する。
【0036】
一方、セッション(Session)を管理するSMF135によって提供されるNFサービスのうち、PDUセッションに関連するサービス動作は、5G仕様(TS 23.502 V16.4.0)で以下の<表1>のように規定している。
【0037】
【0038】
図1の5Gシステム構造は、サービスベースのインターフェースをサポートし、SMF135に関連するサービスベースのインターフェースは、上記の<表1>に示すように、「Nsmf」として定義されている。<表1>において、「Nsmf_PDUSession」は、PDUセッションで動作するサービスを意味し、そのサービスは、PDUセッションの作成/削除/修正の動作を含み、これらの動作は、AMF120とSMF135との間のPDUセッション要求/応答メッセージの送受信により実行される。
【0039】
また、<表1>の例のように、SMF135は、PDUセッションをサポートするために、AMF120とSMF135との間の関連付けの作成(association create)動作で、AMF120からPDUセッション要求メッセージである「Nsmf_PDUSession_CreateSMContext」要求メッセージを受信し、その応答として、AMF120に「Nsmf_PDUSession_CreateSMContext」応答メッセージを送信する。また、<表1>の例のように、SMF135は、PDUセッションをサポートするために、AMF120とSMF135との間の関連付け更新(association update)動作で、AMF120からPDUセッション要求メッセージである「Nsmf_PDUSession_UptateSMContext」要求メッセージを受信し、その応答として、AMF120に「Nsmf_PDUSession_UptateSMContext」応答メッセージを送信する。<表1>の他のサービス動作は、関連標準を参照し、具体的な説明は省略する。
【0040】
以下では、説明の便宜のために、接続制御及び状態管理のために情報を交換する対象を総称してNFとして説明する。本明細書では、NFは、NFエンティティとして説明し、本発明の実施形態によるNFは、インスタンス(それぞれAMF Instance、SMF Instance、NSSF Instanceなど)で実装される。
【0041】
本発明では、インスタンス(Instance)は、特定のNFがソフトウェアのコード形式で存在し、物理的コンピューティングシステム(例えば、コアネットワーク上に存在する特定のコンピューティングシステム)においてNFの機能を実行するために、コンピューティングシステムから、物理的又は/及び論理的リソースを割り当てることによって、NFの機能が実行可能な状態であることを意味する。したがって、AMF Instance、SMF Instance、NSSF Instanceなどは、それぞれコアネットワーク上に存在する特定のコンピューティングシステムから、AMF、SMF、NSSFなどの動作のために、物理的又は/及び論理的リソースを割り当てられて使用できる状態を意味する。その結果、物理的なAMF、SMF、NSSF装置が存在する場合と、ネットワーク上に存在する特定のコンピューティングシステムから、AMF、SMF、NSSF動作のために、物理的及び/又は論理リソースを割り当てられて使用するAMF Instance、SMF Instance、NSSF Instanceとは、同じ動作を実行する。したがって、本発明の実施形態において、NF(AMF、SMF、UPF、NSSF、NRF(network repository function)、SCP(service communication proxy)等)と記載された事項は、NF Instanceに置き換えられるか、逆にNF Instanceと記載された事項が、NFに置き換えられて適用され得る。同様に、本発明の実施形態において、Network sliceとして記載された事項は、Network slice instanceに置き換えられてもよく、逆にNetwork slice instanceと記載された事項が、Network sliceに置き換えられて適用されてもよい。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、3GPPで定義されている5Gシステムでは、1つのネットワークスライスをS-NSSAI(Single-Network Slice Selection Assistance Information)と称する。したがって、ネットワークスライスは、S-NSSAIによって識別される。S-NSSAIは、SST(Slice/Service Type)値とSD(Slice Differentiator)値で構成される。SSTは、スライスがサポートするサービスの特性(例えば、eMBB(enhanced mobile broadband)、MIoT(massive IoT)、URLLC(ultra reliable low latency communications)、V2Xなど)を示す。SDは、SSTと呼ばれる特定のサービスに対する追加の識別子として使用される値である。
【0043】
NSSAI(network slice selection assistance information)は、1つ以上のS-NSSAI(single-network slice selection assistance information)から構成され得る。NSSAIの例としては、端末に格納されているConfigured NSSAI、端末が要求するRequested NSSAI、5GコアネットワークのNF(例えば、AMF、NSSFなど)が決定する、端末が利用できるように許可された、Allowed NSSAI、端末がサブスクライブされているNSSAIなどが含まれてもよいが、これは一例に過ぎず、NSSAIの例は、上記に限定されない。
【0044】
本発明では、端末100は、3GPP接続ネットワーク(access network)及びN3GPP(non-3GPP)接続ネットワークのうちの少なくとも1つに接続する。また、端末100は、3GPP接続ネットワーク(access network)とN3GPP(non-3GPP)接続ネットワークに同時に接続され、5Gシステムに登録される。
【0045】
ここで、接続ネットワークは、基地局、AN、AP(access point)などの様々な名称で呼ばれる。一例として、3GPP接続ネットワークは、免許帯(licensed band)を利用するネットワークであり、N3GPP接続ネットワークは、免許不要帯(unlicensed band)を利用するネットワークであるが、ネットワーク区分は、これに限定されない。
【0046】
具体的には、端末100は、3GPP基地局110に接続して、AMF120と登録手順(Registration procedure)を行う。登録手順中に、AMF120は、3GPP基地局110に接続された端末100が利用可能な許容スライス(Allowed NSSAI)を決定して、端末100に割り当てる。これは、第1の許容スライスと称される。端末100は、N3GPP接続ネットワーク115に接続して、AMF120と登録手順(Registration procedure)を行う。登録手順中に、AMF120は、N3GPP接続ネットワーク115に接続された端末100が利用可能な許容スライス(Allowed NSSAI)を決定して、端末100に割り当てる。これは、第2の許容スライスと称される。第1の許容スライスと第2の許容スライスとは、同じS-NSSAIを含んでもよく、異なるS-NSSAIを含んでもよい。本発明では、第1の許容スライスと第2の許容スライスとは、同じS-NSSAIを利用するか、又は異なるS-NSSAIを利用することができる。
【0047】
移動通信事業者は、ネットワークスライスごとに提供可能なネットワークリソースのサイズを定義する。本発明では、これをネットワークスライスポリシー(Network Slice policy又はSlice policy又はスライスポリシー)と呼ぶ。スライスポリシー情報は、以下の情報のうちの少なくとも1つを含む。
【0048】
-S-NSSAI
-最大セッション数(maximum number of PDU Sessions)
-最大セッション数の集計方法
【0049】
本発明の一実施形態によるスライスポリシー情報に含まれる最大セッション数は、S-NSSAIを使用して確立(establishment)されたセッションの最大数を示す。5GコアネットワークのNF(例えば、AMF、SMFなど)は、PDUセッション確立(PDU Session Establishment)手順を通じて確立された特定のS-NSSAIを利用するセッションの数を集計(counting)する。本発明の一実施形態によれば、最大セッション数は、対応するS-NSSAIを利用するセッション数の最大値を示す。例えば、eMBBスライスの最大セッション数が10万セッションの場合、5Gコアネットワーク(又は5Gコアネットワーク内の少なくとも1つのネットワーク機能)は、eMBBスライスを指すS-NSSAIが含まれたセッション要求のうち最大10万セッションまで許可し得る。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、5Gコアネットワーク(又は5Gコアネットワーク内の少なくとも1つのネットワーク機能)は、スライスポリシー情報をNFに格納及び管理する。NFが格納しているスライスポリシー情報は、移動通信事業者のポリシーによって決定され得る。移動通信事業者は、OAM(Operation、Administration and Maintenance)方式で、NFにスライスポリシー情報を格納して更新し得る。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、5Gコアネットワーク(又は5Gコアネットワーク内の少なくとも1つのネットワーク機能)のNFは、5Gコアネットワークの他のNFからスライスポリシー情報を取得する。
【0052】
図2は、本発明の一実施形態によるPDUセッション確立手順(PDU Session Establishment procedure)を説明するための図である。
図2において、UE100、AN(200、201)、AMF120、SMF135の基本的な動作は、
図1の対応する構成と同じであるので、具体的な説明は省略する。
【0053】
図2を参照すると、本発明の一実施形態による端末100は、第1の基地局(First Access Network(AN))200に接続して、PDUセッション確立手順を実行する。第1の基地局200は、3GPP基地局110又はN3GPP接続ネットワーク115である。
【0054】
ステップ210で、端末100は、第1の基地局200に接続して、セッション確立要求(PDU Session Establishment Request)メッセージを送信する。セッション確立要求メッセージには、端末が利用しようとする(即ち、セッション確立を要求する)スライスに関する情報が含まれる。端末が利用しようとするスライスに関する情報は、S-NSSAIを含み得る。
【0055】
端末100は、セッション確立要求メッセージに優先接続ネットワークの種類(preferred Access Type)情報を含める。Preferred Access Typeは、端末が要求するPDUセッションを利用するS-NSSAに対して、端末100が優先する接続ネットワークの種類(例えば、3GPP接続ネットワーク、Non-3GPP接続ネットワークなど)を示す。
【0056】
本発明の実施形態によれば、Preferred Access Typeは、端末100が現在接続している基地局に関連して設定される。この場合、端末100は、現在接続している第1の基地局200がサポートする接続ネットワークの種類を、Preferred Access Typeとして設定する。
【0057】
さらに別の実施形態によれば、Preferred Access Typeは、端末100が現在接続している基地局に関係なく設定される。この場合、端末100は、現在接続している第1の基地局200がサポートする接続ネットワークの種類、又は、現在接続している第1の基地局200がサポートしていない接続ネットワークの種類を、Preferred Access Typeとして設定する。例えば、端末100が現在接続している第1の基地局200は、3GPP基地局であるが、Preferred Access Typeは、N3GPP基地局に設定するか、逆に、現在接続している第1の基地局200は、N3GPP基地局であるが、Preferred Access Typeは、 3GPP基地局に設定することも可能である。
【0058】
ステップ212で、本発明の一実施形態により、セッション確立要求メッセージを受信した第1の基地局200は、セッション確立要求メッセージを送信するAMF120を選択する。第1の基地局200は、選択されたAMF120に、セッション確立要求メッセージを送信する。ステップ214で、AMF120は、SMF135にPDUセッション要求メッセージを送信する。PDUセッション要求メッセージは、ステップ210で、セッション確立要求メッセージに含まれている情報、例えば、端末100が利用しようとする(即ち、セッション確立を要求する)スライスに関する情報、及びPreferred Access Typeのうちの少なくとも1つを含む。
【0059】
AMF120が、SMF135に送信するPDUセッション要求メッセージは、一例として、<表1>で説明したNsmf_PDUSession_CreateSMContext Requestメッセージを利用することができる。
【0060】
SMF135は、PDUセッション要求を処理する。SMF135は、要求されたS-NSSAIが、最大セッション数の集計対象となるか否かを決定する。例えば、SMF135は、SMF135に格納されたローカルポリシー情報(local configuration)に基づいて、要求されたS-NSSAIが、最大セッション数の集計対象になるか否かを決定する。或いは、SMF135は、UDM145から受信した端末100のサブスクリプション情報に基づいて、要求されたS-NSSAIが、最大セッション数の集計対象となるか否かを判定してもよい。或いは、SMF135が要求された全てのS-NSSAIは、最大セッション数の集計対象となり得る。また、最大セッション数の集計対象となるS-NSSAIは、全部又は一部に対して決定するか、或いは事業者別、地域別、時間帯別、トラフィックの種類別の少なくとも1つの組み合わせによって様々な方法で決定/設定する。
【0061】
要求されたS-NSSAIが最大セッション数の集計対象の場合、ステップ216で、SMF135は、端末100にセッション確立を許可することを確認する前に、5Gコアネットワーク(又は5Gコアネットワーク内の少なくとも1つのネットワーク機能)のNF202に、スライス利用可能性を確認する。ここで、NF202は、PCF140、AMF120、SMF135、UPF130、UDM145、NWDAF165、NSSF160、UDR150又は3rd party、AP(application function)、Edge ComputingなどのためのNEF(network exposure function)(図示せず)などの多様なエンティティ(或いはインスタンス)になり得る。
【0062】
このために、SMF135は、Slice Availability要求メッセージを、NF202に送信する。別の実施形態では、NF202がSMFである場合、スライス利用可能性は、SMF135が直接決定するので、ステップ(216、220)の要求/応答メッセージの送受信を省略することができる。ステップ216のSlice Availability要求メッセージには、対象となるスライス情報(例:S-NSSAIなど)、端末100の接続ネットワーク情報(例:3GPP、non-3GPPなど)、Preferred Access Type、端末位置情報(例えば、TA(tracking area)など)、端末情報(例えば、SUPI(subscription permanent identifier)、5G-GUTI(5G globally unique temporary identifier)など)のうちの少なくとも1つを含む。
【0063】
一方、ステップ214で送信されるNsmf_PDUSession_CreateSMContext Requestメッセージに、端末100が要求した/設定したPreferred Access Typeが含まれている場合、SMF135は、Preferred Access Typeを格納する。
【0064】
さらに別の実施形態によれば、SMF135は、UDM145又はPCF140から、S-NSSAIに関するPreferred Access Type情報を取得する。SMF135は、UDM145又はPCF140から受信したPreferred Access Typeを格納する。さらに別の実施形態によれば、SMF135は、事業者ポリシー(operator policy,local configuration,local policyなど)に基づいて、S-NSSAIのPreferred Access Typeを決定する。SMF135は、事業者ポリシーに従うPreferred Access Typeを格納する。
【0065】
UDM145又はPCF140からS-NSSAIに関するPreferred Access Type情報が提供されるか、又は事業者ポリシーに基づいて、S-NSSAIのPreferred Access Typeが決定される場合、ステップ210の要求メッセージには、Preferred Access Type情報が含まれない場合がある。別の実施形態では、ステップ210の要求メッセージに、Preferred Access Type情報が含まれながら、上記のようにUDM145、PCF140、又は事業者ポリシーによってS-NSSAIのPreferred Access Type情報が提供される場合、複数のPreferred Access Typeのうち、予め定められた優先順位に応じて、Preferred Access Typeを決定する。
【0066】
ステップ218において、NF202は、SMF135から受信した対象となるスライス(例えば、S-NSSAIなど)のスライスポリシー及び対象となるスライスの現在のセッション数を確認する。
【0067】
例えば、NF202は、対象となるスライスのスライスポリシーに含まれる最大セッション数と、対象となるスライスの現在のセッション数とを比較し、対象となるスライスの現在のセッション数が、最大セッション数に達していない場合(即ち、現在のセッション数が、最大セッション数より小さい場合)、対象スライスが現在利用可能であると判断する。対象スライスが現在利用可能である場合、NF202は、ステップ216の要求メッセージに基づいて、対象スライスの現在のセッション数を1つ増加させる。
【0068】
別の例によれば、例えば、NF202は、対象となるスライスのスライスポリシーの最大セッション数と、対象となるスライスの現在のセッション数とを比較し、対象となるスライスの現在のセッション数が、最大セッション数に到達した場合(即ち、現在のセッション数が、最大セッション数と等しい場合)、NF202は、対象スライスが現在利用可能ではないと判断する。
【0069】
ステップ220で、NF202は、SMF135にSlice Availability応答メッセージを送信する。Slice Availability応答メッセージには、対象となるスライス情報(例えば、S-NSSAIなど)、対象となるスライスの利用可能の可否(例えば、利用可能又は利用不可能を示す指示子(indication)、利用可能又は利用不可能の原因値(cause value)など)のうちの少なくとも1つを含む。
【0070】
SMF135は、NF202から受信したスライスが、利用可能であるか否かに応じて、セッション確立の許可の可否を確定/決定する。例えば、NF202からスライス(S-NSSAI)が利用可能であると返信した場合、SMF135は、スライス(S-NSSAI)を利用するPDUセッション確立要求を承諾することを決定する。別の実施形態では、例えば、NF202が、スライス(S-NSSAI)の利用不可能であることを知らせるメッセージを送信した場合、SMF135は、当該スライス(S-NSSAI)を利用するPDUセッション確立要求を拒否することを決定する。
【0071】
ステップ222で、SMF135は、ステップ214で受信したセッション確立要求メッセージへの応答メッセージを、AMF120に送信する。応答メッセージは、一例として、<表1>で説明したNsmf_PDUSession_CreateSMContext Responseメッセージを利用する。
【0072】
SMF135が、スライス(S-NSASI)を利用するPDUセッション確立要求を承諾することを決定した場合、SMF135がAMF120に送信するステップ222の応答メッセージは、PDUセッション確立承諾メッセージ(又は承諾を指示する情報)を含む。SMF135がスライス(S-NSASI)を利用するPDUセッション確立要求を拒否することを決定した場合、SMF135がAMF120に送信するステップ222の応答メッセージは、PDUセッション確立拒否メッセージ(又は拒否を指示する情報)を含む。
【0073】
その後、ステップ224~226において、AMF120は、SMF135から受信したPDUセッション確立承諾/拒否メッセージを、第1の基地局200を介して端末100に送信する。
【0074】
図3は、本発明の一実施形態によるPDUセッション確立手順(PDU Session Establishment procedure)を説明するための図である。
図3において、UE100、AN(200、201)、AMF120、SMF135の基本的な動作は、
図1の対応する構成と同様であるので、具体的な説明は省略する。そして、
図3の手順は、
図2の手順に従って、端末100が要求したS-NSSAIのセッションが確立された状態で行われる手順を仮定する。
【0075】
図3を参照すると、本発明の一実施形態による端末100は、第2の基地局(Second Access Network)201に接続して、PDUセッション確立手順を実行する。第2の基地局201は、3GPP基地局110又はN3GPP接続ネットワーク115である。
【0076】
ステップ310で、端末100は、第2の基地局201に接続して、セッション確立要求(PDU Session Establishment Request)メッセージを送信する。セッション確立要求メッセージには、端末100が利用しようとする(即ち、セッション確立を要求する)スライスに関する情報が含まれる。端末100が利用しようとするスライスに関する情報は、S-NSSAIを含む。さらに、S-NSSAIは、
図2に示す手順によって、端末100が第1の基地局200を介して確立したPDUセッションで利用中のS-NSSAIと同じでも異なっていてもよい。
【0077】
また、端末100は、ステップ310のセッション確立要求メッセージに、上記の優先接続ネットワークの種類(preferred Access Type)情報を含める。Preferred Access Typeは、端末が要求するPDUセッションを利用するS-NSSAIに対して、端末100が優先する接続ネットワークの種類(例えば、3GPP接続ネットワーク、Non-3GPP接続ネットワークなど)を示す。本発明の実施形態によれば、Preferred Access Typeは、端末100が現在接続している基地局に関連して設定される。この場合、端末100は、現在接続している第2の基地局201がサポートする接続ネットワークの種類を、Preferred Access Typeとして設定する。さらに別の実施形態によれば、Preferred Access Typeは、端末100が現在接続している基地局に関係なく設定される。この場合、端末100は、現在接続している第2の基地局201がサポートする接続ネットワークの種類又は現在接続している第2の基地局201がサポートしていない接続ネットワークの種類を、Preferred Access Typeとして設定する。例えば、端末100が現在接続している第2の基地局200は、N3GPP基地局であるが、Preferred Access Typeは、3GPP基地局に設定されるか、逆に、第2の基地局200は、3GPP基地局であるが、Preferred Access Typeは、N3GPP基地局に設定されることも可能である。
【0078】
本発明の実施形態による端末100は、
図2のステップ210で送信されるセッション確立要求メッセージに、S-NSSAIのPreferred Access Typeを含む場合、
図3のステップ310で送信されるセッション確立要求メッセージには、Preferred Access Typeが含まれていない可能性がある。別の実施形態では、
図2のステップ210で要求されたS-NSSAIのPreferred Access Typeを変更しようとする端末100は、
図3のステップ310で送信されるセッション確立要求メッセージに、変更された/更新されたPreferred Access Typeを含む。例えば、端末100は、S-NSSAIのPreferred Access Typeを、ステップ210では、3GPP接続ネットワークに指示したが、ステップ310では、Non-3GPP接続ネットワークに変更する。
【0079】
また、本発明の実施形態では、端末100は、PDUセッション確立要求メッセージの要求タイプを「初期要求(initial request)」に設定する。
【0080】
ステップ312において、本発明の一実施形態により、セッション確立要求メッセージを受信した第2の基地局201は、セッション確立要求メッセージを送信するAMF120を選択する。第2の基地局201は、選択したAMF120にセッション確立要求メッセージを送信する。
【0081】
ステップ314で、AMF120は、SMF135にPDUセッション要求メッセージを送信する。PDUセッション要求メッセージは、ステップ310でセッション確立要求メッセージに含まれる情報、例えば、端末100が利用しようとする(即ち、セッション確立を要求する)スライスに関する情報、及びPreferred Access Typeのうちの少なくとも1つを含む。
【0082】
PDUセッション要求メッセージの要求タイプが「初期要求」の場合、AMF120が、SMF135に送信するPDUセッション要求メッセージは、一例として、<表1>で説明したNsmf_PDUSession_CreateSMContext Requestメッセージを利用する。
【0083】
SMF135は、PDUセッション要求を処理する。SMF135は、要求されたS-NSSAIが、最大セッション数の集計対象となるか否かを決定する。例えば、SMF135は、SMF135に格納されたローカルポリシー情報(local configuration)に基づいて、要求されたS-NSSAIが、最大セッション数の集計対象になるか否かを決定する。或いは、SMF135は、UDM145から受信したサブスクリプション情報に基づいて、要求されたS-NSSAIが、最大セッション数の集計対象となるか否かを判定してもよい。或いは、SMF135が要求された全てのS-NSSAIは、最大セッション数の集計対象となり得る。また、最大セッション数の集計対象となるS-NSSAIは、全部又は一部に対して決定するか、或いは事業者別、地域別、時間帯別、トラフィックの種類別のうちの少なくとも1つの組み合わせによって様々な方法で確定/設定する。
【0084】
要求されたS-NSSAIが最大セッション数の集計対象の場合、ステップ316で、SMF135は、端末100にセッション確立を許可することを確認する前に、5Gコアネットワーク(又は5Gコアネットワーク内の少なくとも1つのネットワーク機能)のNF202に、スライス利用可能性を確認する。このために、SMF135は、NF202にSlice Availability要求メッセージを送信する。ここで、NF202は、
図2の実施形態で説明したように、様々なエンティティ(又はインスタンス)であり得る。Slice Availability要求メッセージには、対象となるスライス情報(例えば、S-NSSAIなど)、端末の接続ネットワーク情報(例えば、3GPP、non-3GPPなど)、Preferred Access Type、端末位置情報(例えば、TAなど)、端末情報(例えば、SUPI、5G-GUTIなど)のうちの少なくとも1つを含む。
【0085】
一方、ステップ314で送信されるNsmf_PDUSession_CreateSMContext Requestメッセージに、端末100が要求した/設定したPreferred Access Typeが含まれた場合、SMF135は、Preferred Access Typeを格納する。例えば、当該S-NSSAIのPreferred Access Typeがない場合、SMF135は、Preferred Access Typeを格納する。或いは、該当S-NSSAIのPreferred Access Typeがある場合、SMF135は、格納していたPreferred Access Typeを、新しく受信したPreferred Access Type情報に更新する。
【0086】
さらに別の実施形態によれば、SMF135は、UDM145又はPCF140からS-NSSAIに関するpreferred Access Type情報を取得する。SMF135は、UDM145又はPCF140から受信したPreferred Access Typeを格納する。さらに別の実施形態によれば、SMF135は、事業者ポリシー(operator policy,local configuration,local policyなど)に基づいて、S-NSSAIのPreferred Access Typeを決定する。SMF135は、事業者ポリシーに従って、Preferred Access Typeを格納する。
【0087】
UDM145又はPCF140から、S-NSSAIのPreferred Access Type情報が提供されるか、又は前記事業者ポリシーに基づいて、S-NSSAIのPreferred Access Typeが決定される場合、ステップ310の要求メッセージには、Preferred Access Type情報が含まれない場合がある。別の実施形態では、ステップ310の要求メッセージに、Preferred Access Type情報が含まれながら、上記のようにUDM145、PCF140、又は事業者ポリシーによって、S-NSSAIのpreferred Access Type情報が提供される場合、複数のPreferred Access Typeのうち、予め定められた優先順位に応じて、Preferred Access Typeを決定する。
【0088】
ステップ318で、NF202は、SMF135から受信した対象となるスライス(例えば、S-NSSAIなど)のスライスポリシー、及び、対象となるスライスの現在のセッション数を確認する。
【0089】
例えば、NF202は、対象となるスライスのスライスポリシーに含まれる最大セッション数と、対象となるスライスの現在のセッション数とを比較し、対象となるスライスの現在のセッション数が、最大セッション数に達していない場合、対象スライスが現在利用可能であると判断する。対象スライスが現在利用可能である場合、NF202は、ステップ316の要求メッセージに基づいて、対象スライスの現在のセッション数を1つ増加させる。
【0090】
別の例によれば、例えば、NF202は、対象となるスライスのスライスポリシーの最大セッション数と、対象となるスライスの現在のセッション数とを比較し、対象となるスライスの現在のセッション数が、最大セッション数に到達した場合、NF202は、対象スライスが現在利用可能ではないと判断する。
【0091】
ステップ320で、NF202は、SMF135にSlice Availability応答メッセージを送信する。Slice Availability応答メッセージには、対象となるスライス情報(例えば、S-NSSAIなど)、対象となるスライスの利用可能の可否(例えば、利用可能又は利用不可能を示す指示子(indication)、利用可能又は利用不可能の原因値(cause value)など)のうちの少なくとも1つを含む。
【0092】
SMF135は、NF202から受信したスライスの利用可能性の可否に応じて、セッション確立が許可されるか否かを確定/決定する。例えば、NF202からスライス(S-NSSAI)が利用可能であると返信した場合、SMF135は、スライス(S-NSSAI)を利用するPDUセッション確立要求を承諾することを決定する。別の実施形態では、例えば、NF202がスライス(S-NSSAI)の利用不可能であることを知らせるメッセージを送信した場合、SMF135は、当該スライス(S-NSSAI)を利用するPDUセッション確立要求を拒否すると決定する。
【0093】
ステップ322で、SMF135は、ステップ314で受信したセッション確立要求メッセージへの応答メッセージを、AMF120に送信する。応答メッセージは、一例として、<表1>で説明したNsmf_PDUSession_CreateSMContext Responseメッセージを利用する。
【0094】
SMF135がスライス(S-NSASI)を利用するPDUセッション確立要求を拒否することを決定した場合、SMF135がAMF120に送信するステップ322の応答メッセージは、PDUセッション確立拒否メッセージ(又は拒否を指示する情報)を含む。SMF135がスライス(S-NSASI)を利用するPDUセッション確立要求を承諾することを決定した場合、SMF135がAMF120に送信するステップ322の応答メッセージは、PDUセッション確立承諾メッセージ(又は承諾を指示する情報)を含む。
【0095】
ステップ324~326において、AMF120は、SMF135から受信したPDUセッション確立承諾/拒否メッセージを、第2の基地局201を介して端末100に送信する。
【0096】
一方、
図2及び
図3の実施形態で、上述のPDUセッション確立拒否メッセージは、拒否の原因を示す値(cause value)を含む。
【0097】
本発明の実施形態によれば、拒否の原因を示す値は、最大セッション数への到達(例えば、Quota is overflown、excess of the quotaなど)が理由であることを示す値である。SMF135は、ステップ(220、320)で、NF202から受信した情報に基づいて、拒否の原因を示す値を設定する。
【0098】
別の例によれば、拒否の原因を示す値は、最大セッション数への到達であり、セッションハンドオーバが可能であることを示す値であり得る。SMF135は、ステップ(220、320)で、NF202から受信した情報、端末100のセッション関連コンテキスト(SMコンテキスト)、S-NSSAIのpreferred Access Typeのうちの少なくとも1つに基づいて、拒否の原因を示す値を設定する。
【0099】
例えば、第1の基地局200を介して、S-NSSAIのためのPDUセッションを確立し、利用中の端末100は、第2の基地局201を介して、同じS-NSSAIを利用するPDUセッションの確立を要求し、現在、該当S-NSSAIが利用可能でない場合(quota is overflown)、SMF135は、拒否の原因を示す値で、最大セッション数に到達したが、セッションハンドオーバが可能であることを示す値を設定する。このように、SMF135が拒否の原因を示す値を設定する際に、preferred Access Typeを考慮する。例えば、preferred Access Typeに基づいて、第1の基地局200と第2の基地局201のうちの好ましい接続ネットワークの種類を決定する。PDUセッションを利用している第1の基地局200がサポートする接続ネットワークよりもPDUセッションを要求された第2の基地局201がサポートする接続ネットワークが好ましい場合、SMF135は、セッション確立要求の拒否を示す値として、セッションハンドオーバが可能であることを示す値を設定する。
【0100】
また、PDUセッション確立拒否メッセージは、拒否されたS-NSSAIに関連付けられたバックオフタイム(back-off time)を含む。back-off timeは、端末100がback-off timeに設定されている期間中に特定の動作(例えば、SM NASシグナリング)を実行しないことを意味する。例えば、back-off timeに設定された時間中に、端末100は、PDUセッション確立拒否メッセージに含まれるS-NSSAIに関連付けられたback-off timeに設定された時間中、S-NSSAIのための新しいPDUセッション要求をすることができない場合がある。S-NSSAIのための新しいPDUセッション要求ができなかったことは、ネットワークスライスとしてS-NSSAIを含み、要求タイプを「初期要求」に設定したPDUセッション確立要求メッセージを送信できないことを意味する。さらに、back-off timeは、端末100が実行する特定の動作に影響を与えない可能性がある。例えば、back-off timeに設定された期間中、端末100は、PDUセッションハンドオーバ又はPDUセッション修正手順を実行する。PDUセッションハンドオーバ手順は、ネットワークスライスとしてS-NSSAIを含み、要求タイプを「既存のPDUセッション(Existing PDU Session)」に設定したPDUセッション確立要求メッセージを送信できることを意味する。PDUセッション修正手順は、ネットワークスライスに、S-NSSAIを含むPDU Session Modification Requestメッセージを送信することを意味する。
【0101】
PDUセッション確立拒否メッセージを受信した端末100は、PDUセッション確立拒否メッセージに含まれる原因値に基づいて、最大セッション数への到達により、PDUセッション要求が拒否されたことを知ることができる。
【0102】
端末100は、ステップ(226、326)で受信した情報、端末100が格納しているセッション関連情報のうちの少なくとも1つに基づいて、次の動作を決定する。
【0103】
本発明の実施形態による端末100は、PDUセッション確立拒否メッセージに含まれるback-off timeに設定された時間が経過した後、再びPDUセッションを要求する。back-off timeが経過した後(after the back-off timer expires)、再要求するPDUセッション要求メッセージの要求タイプは、「初期要求」に設定されてもよい。back-off timeは、同じPLMN(public land mobile network)に対して接続ネットワークに関係なく適用する。
【0104】
さらに別の実施形態による端末100は、第1の基地局200を介して確立されたPDUセッションを、第2の基地局201に移動(handover)することを決定する。端末100は、back-off timeが経過する前に(before the back-off timer expires)、セッションハンドオーバを要求し、セッションハンドオーバを要求するためのPDUセッション要求メッセージの要求タイプは「既存のPDUセッション」に設定される。このとき、第1の基地局200を介して確立されたPDUセッションと、第2の基地局201に移動したPDUセッションとは、同じS-NSSAIを利用するセッションであってもよい。本発明の実施形態によるセッションハンドオーバ手順は、
図4に詳細に記載されている。
【0105】
図2の実施形態及び/又は
図3の実施形態で説明したように、PDUセッション確立拒否メッセージは、拒否の原因を示す値(cause value)を含み、セッション確立要求の拒否を示す原因値で、セッションハンドオーバが可能であることを示す値が含まれる場合、後述する
図4のハンドオーバ手順がトリガされる。したがって、
図2の実施形態及び/又は
図3の実施形態と
図4の実施形態とを組み合わせて実施する。
【0106】
図4は、本発明の一実施形態によるPDUセッションハンドオーバ手順(PDU Session Handover procedure)を説明するための図である。
図4の実施形態は、端末100が第1の基地局200を介して、PDUセッションを利用している状況を仮定したものである。
【0107】
図4を参考すると、本発明の一実施形態による端末100は、第1の基地局200を介して利用中のPDUセッションを、第2の基地局201にハンドオーバすることを決定する。
【0108】
ステップ410で、端末100は、セッションハンドオーバのために、第2の基地局201に接続して、セッション確立要求(PDU Session Establishment Request)メッセージを送信する。端末100は、PDUセッション確立要求メッセージの要求タイプを、例えば、「既存のPDUセッション」に設定する。
【0109】
セッション確立要求メッセージは、端末100が現在利用中であり、セッションハンドオーバの対象となるPDUセッションのPDU Session IDを含む。
【0110】
セッション確立要求メッセージには、端末100が利用しようとするスライスに関する情報が含まれる。端末100が利用しようとするスライスに関する情報は、S-NSSAIを含む。S-NSSAIは、端末100がハンドオーバしようとする第1の基地局200を介して、利用中のPDUセッションで利用中のS-NSSAIと同じである。
【0111】
ステップ412で、本発明の一実施形態により、セッション確立要求メッセージを受信した第2の基地局201は、セッション確立要求メッセージを送信するAMFを選択する。第2の基地局201は、選択したAMF120にセッション確立要求メッセージを送信する。
【0112】
ステップ414で、AMF120は、SMF135にPDUセッション要求メッセージを送信する。PDUセッション要求メッセージの要求タイプが、「既存のPDUセッション」である場合、AMF120がSMF135に送信するPDUセッション要求メッセージは、一例として、<表1>で説明したNsmf_PDUSession_UptateSMContext Requestメッセージである。即ち、新しいSM(session management)Context生成要求ではなく、第1の基地局200を介して利用中のPDUセッションに関連するセッション管理コンテキスト(SM(Session Management)Context)の更新要求であってもよい。セッション管理コンテキストは、PDUセッションに関連する情報、例えば、PDU Session ID、PDUセッションが利用中の接続ネットワークタイプなどを含み得る。
【0113】
SMF135は、PDUセッション要求を処理する。SMF135は、要求されたS-NSSAIが、最大セッション数の集計対象となるか否かを決定する。例えば、SMF135は、SMF135に格納されたローカルポリシー情報(local configuration)に基づいて、要求されたS-NSSAIが、最大セッション数の集計対象になるか否かを決定する。或いは、SMF135は、UDM145から受信したサブスクリプション情報に基づいて、要求されたS-NSSAIが、最大セッション数の集計対象となるか否かを判定してもよい。或いは、SMF135が要求された全てのS-NSSAIは、最大セッション数の集計対象となり得る。
【0114】
要求されたS-NSSAIが、最大セッション数の集計対象であり、要求タイプが、「既存のPDUセッション」である場合、SMF135は、PDUセッション要求が第1の基地局200に確立され、利用中のPDUセッションを第2の基地局201にハンドオーバするための要求であることがわかる。SMF135は、PDUセッション要求メッセージに含まれるPDU Session ID(即ち、端末100が現在利用中であり、セッションハンドオーバの対象となるPDUセッションのPDU Session ID)に対応するセッションコンテキストを確認する。PDU Session IDに対応するPDUセッションが存在する場合、SMF135は、第1の基地局200に確立して利用中のPDUセッションを、第2の基地局201にハンドオーバすることを決定する。これにより、SMF135は、最大セッション数に関連するスライス利用可能性の確認が必要でないことを決定する。即ち、第1の基地局200を介して利用中のPDUセッションを、第2の基地局201にハンドオーバすることで、現在利用セッション数の集計にカウント(count)される必要がないことを判断する。したがって、SMF135は、ステップ416~420のスライス利用可能性の確認ステップを実行しなくてもよい。或いは、SMF135は、ステップ416~420を実行して、NF202に、端末100がS-NSSAIのために利用しているPDUセッションの接続ネットワークの種類が変更(例えば、第1の基地局200がサポートする接続ネットワークから、第2の基地局201がサポートする接続ネットワークに変更)されることを知らせる。
【0115】
ステップ422で、SMF135は、ステップ414で受信したセッション確立要求メッセージへの応答メッセージを、AMF120に送信する。そのような応答メッセージは、例えば、<表1>で説明したNsmf_PDUSession_UptateSMContext Responseメッセージである。
【0116】
SMF135が、スライス(S-NSASI)を利用するPDUセッションハンドオーバを承諾することを決定した場合、SMF135が、AMF120に送信するステップ422の応答メッセージは、セッションハンドオーバ許可を指示するPDUセッション確立承諾メッセージを含む。SMF135が、スライス(S-NSASI)を利用するPDUセッションハンドオーバを拒否することを決定した場合、図示されていないが、SMF135が、AMF120に送信するステップ422の応答メッセージは、セッションハンドオーバ拒否を指示するPDUセッション確立拒否メッセージを含む。
【0117】
ステップ424~426において、AMF120は、SMF135から受信したPDUセッション確立承諾メッセージを、第2の基地局201を介して端末100に送信する。PDUセッション確立拒否メッセージが送信される場合の動作も同様に実行する。
【0118】
以後、PDUセッション確立承諾メッセージを受信した端末100は、第1の基地局200を介して利用中のPDUセッションが、第2の基地局201に正常にハンドオーバしたことを知ることができる。
【0119】
セッションハンドオーバを処理したSMF135は、ステップ428aで、第1の基地局200を介して確立されたPDUセッションをリリースすることを決定し、PDUセッションリリース手順を実行する。
【0120】
或いは、セッションハンドオーバ成功を確認した端末100は、ステップ428bで、第1の基地局200を介して確立されたPDUセッションをリリースすることを決定し、PDUセッションリリース手順を実行する。
【0121】
或いは、ステップ(428c、428d)で、セッションハンドオーバを処理したSMF135と、セッションハンドオーバ成功を確認した端末100とは、それぞれ第1の基地局200関連のPDUセッション情報を削除する。
【0122】
図4の実施形態では、PDUセッションリリースは、ステップ428a、ステップ428b、又はステップ(428c、d)を介して実行される。
【0123】
また、本発明の実施形態によれば、
図4に示すPDUセッションハンドオーバ手順は、端末100が、第1の基地局200を介してスライス(S-NSSAI)を利用できない場合(例えば、S-NSSAIが、第1の基地局200のためのAllowed NSSAIに含まれていない場合、S-NSSAIが、第1の基地局200のためのrejected S-NSSAIに含まれている場合、第1の基地局200を介した端末の登録が、抹消(deregistration)された場合など)によって発生する可能性がある。この場合、AMF120は、
図4の手順が発生するのに備えて、SMF135に格納されているPDUセッション関連のSM contextを維持するための動作を、以下のように実行する。
【0124】
第1の基地局200のためのAllowed NSSAIに、S-NSSAIを含まないことを決定したAMF120は、第1の基地局200のためのAllowed NSSAIからS-NSSAIを除外する動作を直ちに実行せず、一定の時間(例えば、timerの期限切れになった後)が経過した後に実行する。
【0125】
或いは、第1の基地局200のためのrejected S-NSSAIに、S-NSSAIを含めることを決定したAMF120は、第1の基地局200のためのrejected S-NSSAIからS-NSSAIを含める動作をすぐに実行せず、一定の時間(例えば、timerの期限切れになった後)が経過した後に実行する。
【0126】
或いは、第1の基地局200を介した端末登録抹消(deregistration)を決定したAMF120は、第1の基地局200を介した端末登録抹消(deregistration)を直ちに実行せず、一定の時間(例えば、timerの期限切れになった後)が経過した後に行う。
【0127】
或いは、端末100が、第1の基地局200を介してスライス(S-NSSAI)を利用できない場合、AMF120は、PDUセッション関連のSM contextを削除することを、SMF135に直ちに指示せず、一定の時間(例えば、timerの期限切れになった後)が経過した後に指示する。AMF120は、SMF135にPDUセッション関連のSM contextを削除するように指示するために、<表1>で例示したNsmf_PDUSession_UpdateSMContext、又は、Nsmf_PDUSession_ReleaseSMContextRequestメッセージを送信する。Nsmf_PDUSession_UpdateSMContext、又は、Nsmf_PDUSession_ReleaseSMContextRequestメッセージを受信したSMF120は、関連するSM contextを削除する。
【0128】
或いは、端末100が、第1の基地局200を介してスライス(S-NSSAI)を利用できない場合、AMF120は、PDUセッション関連のSM contextを、特定の時間が経過した後に削除することを、SMF135に指示する。例えば、AMF120が、SMF135にPDUセッション関連のSM contextを削除することを指示するために送信する<表1>で例示したNsmf_PDUSession_UpdateSMContext、又は、Nsmf_PDUSession_ReleaseSMContextRequestメッセージには、時間情報(timer)が含まれる。Nsmf_PDUSession_UpdateSMContext、又は、Nsmf_PDUSession_ReleaseSMContextRequestメッセージを受信したSMF120は、受信したメッセージに含まれる時間が経過した後(after timer expires)、関連のSM contextを削除する。
【0129】
図5は、本発明の一実施形態によるUE100の一構成例を示す図である。
【0130】
図5を参照すると、UE100は、
図1の構成を有する通信システムで定められた通信方式に従って、無線通信を実行するプロセッサ502と、トランシーバ504とを含めて具現される。プロセッサ501は、トランシーバ903の動作を制御し、
図1~
図4の実施形態のうちの少なくとも1つで説明した方法に従って、セッション確立手順及びセッションハンドオーバ手順を実行するように、装置全体を制御する。
【0131】
図6は、本発明の一実施形態によるネットワークエンティティ(又はNF)の構成を示す図である。ネットワークエンティティ(又はNF)は、
図1の構成においてUE100を除く構成要素のうちの1つである。
【0132】
図6のネットワークエンティティ(又はNF)は、
図1の構成を有する通信システムで定められた通信方式に従って、有線/無線通信を実行するプロセッサ602と、通信インターフェース604とを含めて具現される。プロセッサ602は、通信インターフェース604の動作を制御し、
図1~
図4の実施形態のうちの少なくとも1つで説明した方法に従って、セッション確立手順及びセッションハンドオーバ手順を実行するように装置全体を制御する。
【0133】
本発明の詳細な説明では、具体的な実施形態について説明したが、本発明の技術範囲から逸脱しない限り、様々な変形が可能であることは言うまでもない。したがって、本発明の技術範囲は、説明された実施形態に限定されて定められてはならず、本発明の技術範囲と均等なものによって定められるべきである。
【符号の説明】
【0134】
100 UE(端末)
110 RAN(基地局)
115 N3GPP接続ネットワーク
120 AMF
130 UPF
135 SMF
140 PCF
145 UDM
150 UDR
160 NSSF
165 NWDAF
200 第1のAN(第1の基地局)
201 第2のAN(第2の基地局)
202 NF
502、602 プロセッサ
504 トランシーバ
604 通信インターフェース
【国際調査報告】