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特表2023-526138吊り下げ摺動式止水装置及びその応用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-20
(54)【発明の名称】吊り下げ摺動式止水装置及びその応用
(51)【国際特許分類】
   E02D 29/00 20060101AFI20230613BHJP
   E02D 29/073 20060101ALI20230613BHJP
   E02D 29/16 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
E02D29/00
E02D29/073
E02D29/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575327
(86)(22)【出願日】2021-12-27
(85)【翻訳文提出日】2022-12-07
(86)【国際出願番号】 CN2021141443
(87)【国際公開番号】W WO2022213672
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】202111346603.3
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111347608.8
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519172513
【氏名又は名称】中交第一航▲務▼工程局有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李増▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼乃受
(72)【発明者】
【氏名】潘▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】李一勇
(72)【発明者】
【氏名】王▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲寧▼▲進▼▲進▼
(72)【発明者】
【氏名】杜▲闖▼
【テーマコード(参考)】
2D147
【Fターム(参考)】
2D147AA02
2D147AA05
2D147AA06
(57)【要約】
吊り下げ摺動式止水装置であって、その第1端(301)が第1継手ゾーン(1)と接続され、第2端(302)が第2継手ゾーン(2)と接続されて止水キャビティ(4)を形成している止水ベルト(3)と、その第1端(801)が第1継手ゾーン(1)と接続され、その第2端(802)が第2継手ゾーン(2)と移動可能に接続されている少なくとも1つの第1ロッド(8)と、止水ベルト(3)と対応する第1ロッド(8)とを接続し、かつ第1ロッド(8)上に摺動可能に設置されている少なくとも1つの第1フック構造(101)と、を含む。該吊り下げ摺動式止水装置は、沈埋函トンネルの継手施工工事に応用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
止水ベルト第1端は第1継手ゾーンと接続され、前記第1継手ゾーンに伴って軸方向に移動することができ、止水ベルト第2端は第2継手ゾーンと接続されており、それにより止水キャビティを形成している止水ベルトと、
第1ロッド第1端は前記第1継手ゾーンと接続され、前記第1継手ゾーンに伴って移動することができ、第1ロッド第2端は移動可能に前記第2継手ゾーンと接続されている少なくとも1つの第1ロッドと、
前記止水ベルトと対応する第1ロッドとを接続し、かつ前記対応する第1ロッド上に摺動可能に設置されている少なくとも1つの第1フック構造と、
を含む、吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項2】
前記第1ロッドは止水キャビティの外に位置しており、前記吊り下げ摺動式止水装置は、前記止水キャビティ内に位置し、かつ前記第1継手ゾーン上に設置された少なくとも1つの第2ロッドをさらに含み、前記第2ロッド上には少なくとも1つの第2フック構造が摺動可能に設置され、前記第2フック構造が前記止水キャビティ内で前記止水ベルトと接続されている、請求項1に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項3】
前記止水ベルトの断面はM形で、平坦部と折り畳み部に分けられており、その中の隣り合う各2つの平坦部の間に1つの折り畳み部が形成されている、請求項1または2に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項4】
隣り合う平坦部の間には張力制限ロープが設けられ、折り畳み部の部分には支持部材が設けられており、前記支持部材が折り畳み部と貼合された弧形板である、請求項3に記載の吊り下げ摺動式止水装置
【請求項5】
前記折り畳み部の部分には前記折り畳み部と貼合された弧形板が設けられており、前記止水ベルトは環状であり、前記弧形板の設置が、以下の5種類の方式、即ち、
前記止水ベルトの前記折り畳み部の外周に弧形板を設け、巻回して環状の支持リングにする第1方式、
前記止水ベルトの前記折り畳み部の内周に弧形板を設け、巻回して環状の支持リングにする第2方式、
前記止水ベルトの前記折り畳み部の外周に弾性のある拘束ベルトを設ける第3方式、
前記止水ベルトの前記折り畳み部の外周に複数の弧形板を間隔を空けて設け、前記弧形板を前記止水キャビティの各外部コーナ部分で切断し、前記各外部コーナ部分にそれぞれ弾性のある拘束ベルトを設ける第4方式、
前記止水ベルトの前記折り畳み部の内周に複数の弧形板を間隔を空けて設け、前記弧形板を前記止水キャビティの各内部コーナ部分で切断し、各切断部分に対応する前記止水キャビティの外部にそれぞれ弾性のある拘束ベルトを設ける第5方式、の中の1種または数種の組み合わせから選択される、請求項3に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項6】
前記第1ロッドはL形であり、その第1辺は前記第1継手ゾーンに接続され、その第2辺は前記第2継手ゾーン上の位置限定装置と移動可能に連結され、前記第1フック構造が前記第2辺上に設置されおり、前記第2ロッドは直線形であり、前記第1継手ゾーンには凹溝が開設され、前記第2ロッドが凹溝内に取り付けられており、前記第2フック構造が前記止水ベルトと弾性的に接続されている、請求項2、4及び5のいずれか一項に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項7】
位置限定装置の実現が、以下のいずれかの方式、即ち、前記位置限定装置に軸方向の第1孔が開設され、前記第1ロッドの第2辺が第1孔を貫通する第1方式、前記第1ロッドの第2辺に軸方向の第2長孔が設けられ、前記位置限定装置が前記第2長孔内に位置しており、前記位置限定装置が第2長孔から脱落することを防止するヘッド部が前記位置限定装置に設けられている第2方式、の中から選択される、請求項6に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項8】
前記第1フック構造には前記第1ロッドを貫通させるための第3孔が開設されており、前記第1フック構造の第1端は支持部材によって前記止水ベルトに接続されており、第2フック構造には第2ロッドを貫通させるための第4孔が開設されており、前記第2フック構造の第1端は前記止水ベルト上に取り付けられた支持部材に弾性的に接続されており、前記支持部材は弧形板であり、前記第1及び第2フック構造の第1端は対応する弧形板外表面とそれぞれ接続され、弧形板内表面は前記止水ベルトの折り畳み部と接続されており、前記第1フック構造と前記弧形板とは一体構造であり、または剛性接続されている、請求項3に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項9】
複数の前記第1ロッドは前記第1継手ゾーンの少なくとも上表面に間隔を空けて設置されており、同一の前記第1ロッド上には複数の前記第1フック構造が間隔を空けて設置されており、複数の前記第2ロッドは前記第1継手ゾーンの底部に間隔を空けて設置されており、同一の前記第2ロッド上には複数の前記第2フック構造が間隔を空けて設置されており、前記各フック構造がそれぞれ対応する前記止水ベルトの折り畳み部と接続されている、請求項7または8に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項10】
沈埋函トンネル継手の施工に応用され、前記吊り下げ摺動式止水装置が請求項1~9のいずれか一項に記載の吊り下げ摺動式止水装置である、吊り下げ摺動式止水装置の応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年11月15日に中国特許局に提出された、出願番号202111346603.3、発明の名称「吊り下げ摺動式止水装置及びその応用」、出願番号202111347608.8、発明の名称「環状止水ベルト施工方法」の中国特許出願の優先権を要求しており、そのすべての内容は、引用によって本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、海底道路施工技術分野に属し、具体的には吊り下げ摺動式止水装置及びその応用に関する。
【背景技術】
【0003】
海底沈埋函トンネル工事の最終継手施工は、沈埋函トンネル施工全体における重要な段階であり、全線が繋がり、全体が貫通する最後の工程なので、その取付精度及び止水効果は、沈埋函トンネル全体の施工の成否に直接影響する。プッシュ式沈埋函トンネル最終継手施工は、国内で初めて応用されるものであり、その止水装置は従来の施工経験を参考にしておらず、プッシュゾーンの伸縮運動の過程では、プッシュゾーンと拡大ゾーンの止水装置がプッシュゾーンと同期して移動できることを保証する必要があり、かつ施工過程と施工終了後の止水装置の止水効果を保証しなければならない。
【0004】
しかし、最終継手の施工過程は水中で実現されるので、作業条件が悪く、環境は劣悪であり、止水装置の止水ベルトがプッシュゾーンの表面に直接包まれている場合、水圧差の作用を受け、止水ベルトがプッシュゾーンの表面に貼り付き、その伸縮運動を妨害することになり、止水ベルトが裂けてしまうという深刻な状況になることもある。そのため、施工過程では、止水装置の運動状態での止水効果を確保することが特に重要となる。
【発明の概要】
【0005】
本願の目的は、沈埋函トンネルの継手施工に用いることができ、止水ベルトとプッシュ式継手の貼り付きを有効に減少させることができる吊り下げ摺動式止水装置を提供することにある。
【0006】
本願の第1の面において提供する吊り下げ摺動式止水装置は、
【0007】
止水ベルト第1端は第1継手ゾーンと接続され、第1継手ゾーンに伴って軸方向に移動することができ、止水ベルト第2端は第2継手ゾーンと接続され、それにより止水キャビティを形成している止水ベルトと、
【0008】
第1ロッド第1端は第1継手ゾーンと接続され、第1継手ゾーンに伴って移動することができ、第1ロッド第2端は移動可能に第2継手ゾーンと接続され、第2継手ゾーンに対向して移動することができる少なくとも1つの第1ロッドと、
【0009】
止水ベルトと対応する第1ロッドとを接続し、かつ対応する第1ロッド上に摺動可能に設置されている少なくとも1つの第1フック構造と、を含む。
【0010】
任意選択的に、上記第1ロッドは止水キャビティの外に位置し、上記吊り下げ摺動式止水装置は、止水キャビティ内に位置し、かつ第1継手ゾーン上に設置された少なくとも1つの第2ロッドをさらに含み、第2ロッド上には少なくとも1つの第2フック構造が摺動可能に設けられ、第2フック構造は止水キャビティ内で止水ベルトと接続されている。
【0011】
任意選択的に、上記第2フック構造は、弾性的に止水ベルトと接続されている。
【0012】
任意選択的に、上記止水ベルトの断面はM形で、平坦部と折り畳み部に分けられており、その中の隣り合う各2つの平坦部の間に1つの折り畳み部が形成されている。
【0013】
任意選択的に、隣り合う平坦部の間には張力制限ロープが設けられている。
【0014】
任意選択的に、各折り畳み部の部分にはすべて支持部材が設けられており、該支持部材は、好適には折り畳み部と貼合された弧形板である。
【0015】
任意選択的に、上記止水ベルトは環状であり、弧形板の設置は、以下の5種類の方式の中の1種類または多種類の組み合わせから選択される。
【0016】
第1方式:止水ベルトの折り畳み部の外周に弧形板を設け、巻回して環状の支持リングにする。
【0017】
第2方式:止水ベルトの折り畳み部の内周に弧形板を設け、巻回して環状の支持リングにする。
【0018】
第3方式:止水ベルトの折り畳み部の外周に弾性のある拘束ベルトを設ける。
【0019】
第4方式:止水ベルトの折り畳み部の外周に複数の弧形板を間隔を空けて設け、各弧形板を止水キャビティの各外部コーナ部分で切断し、各外部コーナ部分にそれぞれ弾性のある拘束ベルトを設ける。
【0020】
第5方式:止水ベルトの折り畳み部の内周に複数の弧形板を間隔を空けて設け、各弧形板を止水キャビティの各内部コーナ部分で切断し、各切断部分に対応する止水キャビティの外部(外部コーナ部分)にそれぞれ弾性のある拘束ベルトを設ける。
【0021】
任意選択的に、上記第1ロッドはL形であり、その第1辺は第1継手ゾーンに接続され、その第2辺は第2継手ゾーン上の位置限定装置と連結されており、第1フック構造が上記第2辺上に設置されている。任意選択的に、上記第2ロッドは直線形であり、上記第1継手ゾーンには凹溝が開設され、第2ロッドが凹溝内に取り付けられている。
【0022】
任意選択的に、上記位置限定装置には軸方向の第1孔が開設され、第1ロッドの第2辺が第1孔を貫通することで、第1継手ゾーンに伴って運動する。または、任意選択的に、第1ロッドの第2辺に軸方向の第2長孔が設けられ、位置限定装置が第2長孔内に位置しており、上記位置限定装置には位置限定装置が第2長孔から脱落することを防止するヘッド部が設けられている。
【0023】
任意選択的に、第1フック構造には第1ロッドを貫通させるための第3孔が開設されており、第1フック構造の第1端は支持部材によって止水ベルトに接続されており、第2フック構造には第2ロッドを貫通させるための第4孔が開設されており、第2フック構造の第1端は止水ベルト上に取り付けられた支持部材に弾性的に接続されている。任意選択的に、支持部材は弧形板であり、第1及び第2フック構造の第1端はそれぞれ対応する弧形板外表面と接続されており、該弧形板内表面は止水ベルトの折り畳み部と接続されている。任意選択的に、第1フック構造と弧形板は一体構造であり、または剛性接続されている。
【0024】
任意選択的に、複数の第1ロッドは第1継手ゾーンの少なくとも上表面に間隔を空けて設置されており、同一の第1ロッド上には複数の第1フック構造が間隔を空けて設置されており、複数の第2ロッドは第1継手ゾーンの底部に間隔を空けて設置され、同一の第2ロッド上には複数の第2フック構造が間隔を空けて設置されており、各フック構造はそれぞれ対応する止水ベルトの折り畳み部と接続されている。
【0025】
本願の第2の面では吊り下げ摺動式止水装置の応用を提供しており、沈埋函トンネル継手の施工に応用することができ、上記吊り下げ摺動式止水装置は、前述のいずれかの実施形態における吊り下げ摺動式止水装置である。
【0026】
既存の技術と比較した場合、本願の有益な効果は以下の通りである。
【0027】
本願の少なくとも1つの実施形態で提供する止水装置は、プッシュ式沈埋函トンネル最終継手施工の過程に応用することができ、プッシュゾーン(即ち第1継手ゾーン)の伸縮過程で、それとともに伸縮運動することができる。該止水装置は支持作用を果たすことができ、水圧の影響を受けずに、最終継手施工の運動状態での全過程における止水作用を確保している。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、ある実施形態の吊り下げ摺動式止水装置の立体図である。
【0029】
図2図2は、吊り下げ摺動式止水装置の正面図である。
【0030】
図3図3は、吊り下げ摺動式止水装置の上面図である。
【0031】
図4図4は、図3のA-A断面図である。
【0032】
図5図5は、図4の上部拡大図である。
【0033】
図6図6は、ある実施形態の位置限定装置の概略図である。
【0034】
図7図7は、ある実施形態のフック構造と弧形板の正面概略図である。
【0035】
図8図8は、図7の側面図である。
【0036】
図9図9は、ある実施形態の止水ベルト及び付属品の概略図である。
【0037】
図10図10は、図4の下部拡大図である。
【0038】
図11図11は、支持部材と止水ベルトの関係を表す側面概略図である。
【0039】
図12図12は、支持部材と止水ベルトの関係を表す側面概略図である。
【0040】
図13図13は、支持部材と止水ベルトの関係を表す正面概略図である。
【0041】
図中:1 第1継手ゾーン、2 第2継手ゾーン、3 止水ベルト、301 止水ベルト第1端、302 止水ベルト第2端、303 平坦部、304 折り畳み部、3041 第1折り畳み部、3042 第2折り畳み部、3042 突出部、3044 陥没部、4 止水キャビティ、5 張力制限ロープ、6 弧形板、601 弧形板内表面、602 弧形板外表面、7 拘束ベルト、8 第1ロッド、801 第1ロッド第1端、802 第1ロッド第2端、803 第1辺、804 第2辺、8041 第2長孔、9 位置限定装置、901 第1孔、902 ヘッド部、10 フック構造、101 第1フック構造、102 第2フック構造、103 第3孔、11 第2ロッド、12 凹溝。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下では、本願の技術手法について具体的な実施形態と結び付けて詳細に説明するが、さらなる記述がない限り、1つの実施形態における素子、構造及び特徴は、他の実施形態に有益に結合させることができることを理解しておかなければならない。
【0043】
本願の記述において理解しておかなければならないのは、用語の「第1」、「第2」は目的を記述するためにのみ用いられるものであり、相対的な重要性を示したり、暗示したり、または指している技術的特徴の数を暗に示したりするものと理解してはならないという点である。したがって、「第1」、「第2」と限定されている特徴は、明らかに、または暗に、1つまたはそれ以上の該特徴を含むことができる。
【0044】
本出願の記述において理解しておかなければならないのは、「上」、「下」、「底」、「内」などの用語が示す方位または位置関係は、図1に示す方位または位置関係に基づいており、本願を記述しやすくし、記述を簡略化するためのものにすぎず、指している装置や素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位により構成及び操作されることを示したり、暗示したりするものではないという点である。よって、本願に対する限定と理解することはできない。
【0045】
本出願の記述において説明しておかなければならないのは、別途明確な規定及び限定がない限り、用語の「連結」、「接続」は広義に理解しなければならないという点である。例えば、固定接続でもよいし、着脱可能な接続でもよいし、一体式の接続でもよい。また、直接的な連結でもよいし、中間媒体を介しての間接的な連結でもよいし、2つの素子内部の連通でもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記の用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0046】
通常の沈埋函トンネルは、継手施工時に、第1継手ゾーン1及び第2継ゾーン2を有し、そのうち、第1継手ゾーン1はプッシュゾーンであり、軸方向Xに沿って伸縮運動することができ、第2継手ゾーン2は拡大ゾーンであり、相対的に固定して配置される。図4に示すように、第1継手ゾーン1の一部は第2継手ゾーン2の内部に位置しており、第2継手ゾーン2に対向して軸方向に動くことができる。
【0047】
本願の第1の実施方式では、吊り下げ摺動式止水装置(以下、止水装置と略称することができる)を提供しており、沈埋函トンネル継手施工時の防水に用いることができる。
【0048】
図1~5に示すように、上記止水装置は止水ベルト3を含み、止水ベルト第1端301は第1継手ゾーン1と密封接続され、止水ベルト第2端302は第2継手ゾーン2と密封接続されており、これにより止水キャビティ4が形成され、外部の水の進入を阻止する。上記止水ベルト3は、ゴム材質を用いて作成することにより一定の柔軟性と強度を有することができ、また従来の技術中の既存の止水ベルトを採用することもできる。
【0049】
図1及び図5に示すように、止水ベルト3は、第1継手ゾーン1を取り囲むように設置された環状構造であってよく、その断面は、第1継手ゾーン1に伴って展開または退縮することができるよう、M形である。図9を参照すると、止水ベルト3は平坦部303と折り畳み部304に分けられており、その中の隣り合う各2つの平坦部303の間に1つの折り畳み部304が形成されることで、止水ベルト3を伸縮させることができる。本実施形態における平坦部303は、折り畳み部304に対する言い方であり、必ずしも平らで真っ直ぐな面ではなく、主に大きな折り畳みが発生しない部分を指している。
【0050】
図9に示すように、隣り合う平坦部303の間には、止水ベルト3の過度の伸長を制限する張力制限ロープ5を設置することができ、固定長さの張力制限ロープが止水ベルトの伸長に伴って緊張することで、隔てられた折り畳み部の間の距離を制限し、止水ベルトが過度の伸長により引っ張られ、破損しないようにしている。
【0051】
図5図9及び図10に示すように、止水キャビティ4(または第1継手ゾーン1)から遠い方の折り畳み部が第1折り畳み部3041、止水キャビティ4(または第1継手ゾーン1)に近い方の折り畳み部が第2折り畳み部3042である。各折り畳み部304は、いずれも外向きに突出した突出部3043と、内向きに陥没した陥没部3044とを有している。各折り畳み部304の部分にはいずれも支持部材を設置することができ、該支持部材は折り畳み部304と貼合された弧形板6であってよく、例えば弧形板6を折り畳み部304の部分に貼り付けることにより、止水ベルト3に対する支持安定作用を実現する。具体的には、折り畳み部の突出部3043の部分で、弧形板内面601と突出部3043を貼合している。図7図9に示すように、折り畳み部の陥没部3044部分では、弧形板外表面602と陥没部3044が貼合されている。同一の折り畳み部304の内外両側にはいずれも支持部材を設置することができ、その中の突出部3043と陥没部3044のいずれかを選択して支持部材を設置することもできる。支持部材の設置により、折り畳み部の支持性を強化して、止水キャビティの安定性をさらによくすることができる。
【0052】
任意選択的に、上記止水ベルト3は環状であり、弧形板6の設置は、以下の実施形態の中の1種類または数種類から選択される。
【0053】
(1)止水ベルトの折り畳み部304の外周に弧形板6を設け、巻回して環状の支持リングにすることで、止水キャビティの外に環状骨格を形成し、支持強度を大幅に高める。該設置形態は、弧形板6を第1折り畳み部3041の突出部3043に取り付けることに適している。図11参照。
【0054】
(2)止水ベルトの折り畳み部304の内周に弧形板6を設け、巻回して環状の支持リングにすることで、止水キャビティ内に環状骨格を形成し、支持強度を大幅に高める。該設置形態は、弧形板6を第1折り畳み部3041の陥没部3044に取り付けることに適している。
【0055】
(3)止水ベルトの折り畳み部304の外周に弾性を有する拘束ベルト7を設けることで、止水ベルト3の接合を補助することができる。該設置形態は、拘束ベルト7を第2折り畳み部3042の陥没部3044の回りを巻回するように設置することに適している。図13参照。
【0056】
(4)止水ベルトの折り畳み部304の外周に、複数の弧形板6を間隔を空けて設け、各弧形板6を止水キャビティの外部コーナ部分で切断し、各外部コーナ部分にそれぞれ弾性のある拘束ベルト7を設けることで、コーナ部分の弾性的拘束を実現するとともに、1つの全体的な支持構造を形成する。該設置形態は、弧形板6と拘束ベルト7を第2折り畳み部3042の陥没部3044の回りを巻回するように設置することに適している。
【0057】
(5)止水ベルトの折り畳み部304の内周に、複数の弧形板6を間隔を空けて設け、弧形板6を止水キャビティの内部コーナ部分で切断し、各切断部分に対応する止水キャビティの外部(即ち各外部コーナ部分)に弾性のある拘束ベルト7を設けることで、コーナ部分の弾性的拘束を実現するとともに、1つの全体的な支持構造を形成する。該設置形態は、弧形板6を第2折り畳み部3042の突出部3043に設置し、拘束ベルト7を第2折り畳み部3042の陥没部3044に設置することに適している。図12参照。
【0058】
図1~5に示すように、上記止水装置は止水キャビティ4の外に位置する第1ロッド8をさらに含み、1つまたは複数の第1フック構造101がそれぞれ第1ロッド8と止水ベルト3を接続し、かつ第1ロッド8上に摺動可能に設置されることで、止水ベルト3を第1フック構造101及び第1ロッド8に伴って伸縮させることができる。
【0059】
そのうち、第1ロッドの第1端部801は第1継手ゾーン1に取り付けられ、第1継手ゾーン1に伴って動くことができ、第1ロッドの第2端部802は第2継手ゾーン2上に移動可能に取り付けられている。好適には、図5に示すように、上記第1ロッド8はL形であり、その第1辺803は第1継手ゾーン1に固定接続され、その第2辺804は第2継手ゾーン2上の位置限定装置9と移動可能に連結されており、図2及び図5では、第1辺803が短辺、第2辺804が長辺として表されているが、本願ではこれに限定しなくてよい。
【0060】
任意選択的な実施形態として、図5に示すように、上記位置限定装置9には、軸方向Xに沿った第1孔901が開設されており、第1ロッドの第2端802または第2辺804は、第1孔901を貫通し、その中で軸方向Xに沿って動くことができる。第1ロッド8は、特にその第2辺804が第1孔901から脱落しないような十分な長さに設定することができる。代替可能な実施形態として、概略図6を参照すると、第1ロッドの第2辺804上には、軸方向Xに沿って第2長孔8041が設けられており、矩形の長孔または楕円形の長孔であってよく、上記位置限定装置9はヘッド部902を有し、それにより第2長孔8041をヘッド部902と第2継手ゾーン2との間に限定している。止水ベルト3と第1ロッド8が動く際には、第2長孔8041はその後について動くが、位置限定装置9に制限されるので、第2長孔8041は軸方向X上でしか動くことができない。
【0061】
図7及び図8に示すように、上記各第1フック構造101には、第1ロッド8を貫通させるための第3孔103が開設されており、それにより第3孔103を通して第1フック構造101を第1ロッド8上に取り付け、かつ第1ロッド8上で軸方向Xに沿って摺動させることができる。
【0062】
任意選択的に、第1フック構造101の第1端は支持部材によって止水ベルト3と接続されている。具体的には、支持部材が弧形板6である場合、第1フック構造101の第1端は弧形板外表面602と接続することができ、該弧形板内表面601を止水ベルトの第1折り畳み部3041と接続することにより、第1フック構造101を止水ベルトの第1折り畳み部3041、具体的には第1折り畳み部の突出部3043に接続する。任意選択的に、図7及び図8に示すように、第1フック構造101はさらに、生産製造及び第1ロッド8上への取付がしやすいよう、一体型の構造または剛性接続を採用して弧形板6と接続することができる。
【0063】
任意選択的に、図1図5に示すように、複数の第1ロッド8は、第1継手ゾーン1と第2継手ゾーン2との間に間隔を空けて設置されている。好適には、第1継手ゾーン1の上表面及び側面に設置される。同一の第1ロッド8上には複数の第1フック構造101が間隔を空けて設置されており、第1フック構造101はそれぞれ対応する折り畳み部(第1折り畳み部)と接続されている。図1では、第1継手ゾーン1の上表面に5つの第1ロッド8が間隔を空けて設置されており、各第1ロッド上にはいずれも4つの第1フック構造が設置されているが、本願はこれに限定されるものではなく、必要に応じて、より多い、またはより少ない数を設定することができることがわかる。第1ロッド8と第1フック構造101の共同作用を通して、止水ベルト3の吊り下げ摺動を実現することで、止水ベルト3が第1継手ゾーン1の表面にそれほど貼り付かなくなり、第1継手ゾーン1をより自在に展開させて施工を行うことができる。
【0064】
図10に示すように、上記止水装置は止水キャビティ4内に位置する第2ロッド11をさらに含み、第1継手ゾーン1には第2ロッド11を取り付けるための凹溝12が開設されており、凹溝12は第1継手ゾーン1の底部に設置されている。第2ロッド11は直線形であってよく、その上には1つまたは複数の第2フック構造102が設置されており、各第2フック構造102の第4孔を介して第2ロッド11上を軸方向に摺動する。第2フック構造102の第1端は止水ベルト3と弾性的に接続されており、例えば、第2フック構造102と止水ベルト3の間にバネまたは弾性ロープのような弾性部材(図中未表示)を設けることで、両者が互いに関わり合って動くことを許しながら、止水ベルトに畳み込み状態を保持させることができる。具体的には、第2フック構造102の第1端は弧形板外表面602と弾性的に接続することができ、該弧形板内表面601は止水ベルトの第2折り畳み部3042、具体的には第2折り畳み部の突出部3043と接続されている。好適には、第2ロッド11は第1継手ゾーン1の底部に設置されており、内部から折り畳み状の止水ベルト3を支持して、止水ベルト3が第1継手ゾーン1上に貼り付いたり、ウォーターベッドから落下したりすることを減少させ、または回避することができる。任意選択的に、第1ロッド8と類似して、複数の第2ロッド11を間隔を空けて設置することができ、各第2ロッド11上にはそれぞれが止水ベルト3と連結されている複数の第2フック構造102が間隔を空けて設置され、それによりさらに安定した底部支持構造を形成している。
【0065】
第1フック構造101及び第2フック構造102は同一、または類似点を有する構造なので、フック構造10と総称することができる。そのうち、本実施形態では、第1フック構造101は主に止水キャビティの外で第1ロッド8と止水ベルト3、特に止水ベルトの第1折り畳み部3041を連結しており、第2フック構造102は主に止水キャビティ内で第2ロッド11と止水ベルト3、特に止水ベルトの第2折り畳み部3042を弾性的に接続している。
【0066】
第1継手ゾーン1が押し出されると、第1ロッド8及び第2ロッド11はいずれもそれに伴って動くことができ、かつ止水ベルト3は、動くと同時に第1ロッド8及び第2ロッド11上にぶら下がって摺動することにより、第1継手ゾーン1から遠ざかることができる。
【0067】
本願の第2の実施形態では、吊り下げ摺動式止水装置の応用を提供しており、沈埋函トンネル継手施工時の防水に用いることができる。上記の吊り下げ摺動式止水装置は、前述の任意の実施形態における吊り下げ摺動式止水装置である。
【0068】
上記の実施形態は、本願の好適な実施形態について述べているにすぎず、本願の範囲を限定するものではなく、本願の設計の主旨を逸脱しないことを前提に、当業者によって行われる本願の技術手法に対する様々な変形及び改良は、すべて本願の請求項によって確定される保護範囲内に含まれなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-12-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
止水ベルト第1端は第1継手ゾーンと接続され、前記第1継手ゾーンに伴って軸方向に移動することができ、止水ベルト第2端は第2継手ゾーンと接続されており、それにより止水キャビティを形成している止水ベルトと、
第1ロッド第1端は前記第1継手ゾーンと接続され、前記第1継手ゾーンに伴って移動することができ、第1ロッド第2端は移動可能に前記第2継手ゾーンと接続されている少なくとも1つの第1ロッドと、
前記止水ベルトと対応する第1ロッドとを接続し、かつ前記対応する第1ロッド上に摺動可能に設置されている少なくとも1つの第1フック構造と、
を含む、吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項2】
前記第1ロッドは止水キャビティの外に位置しており、前記吊り下げ摺動式止水装置は、前記止水キャビティ内に位置し、かつ前記第1継手ゾーン上に設置された少なくとも1つの第2ロッドをさらに含み、前記第2ロッド上には少なくとも1つの第2フック構造が摺動可能に設置され、前記第2フック構造が前記止水キャビティ内で前記止水ベルトと接続されている、請求項1に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項3】
前記止水ベルトの断面はM形で、平坦部と折り畳み部に分けられており、その中の隣り合う各2つの平坦部の間に1つの折り畳み部が形成されている、請求項に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項4】
隣り合う平坦部の間には張力制限ロープが設けられ、折り畳み部の部分には支持部材が設けられており、前記支持部材が折り畳み部と貼合された弧形板である、請求項3に記載の吊り下げ摺動式止水装置
【請求項5】
前記折り畳み部の部分には前記折り畳み部と貼合された弧形板が設けられており、前記止水ベルトは環状であり、前記弧形板の設置が、以下の5種類の方式、即ち、
前記止水ベルトの前記折り畳み部の外周に弧形板を設け、巻回して環状の支持リングにする第1方式、
前記止水ベルトの前記折り畳み部の内周に弧形板を設け、巻回して環状の支持リングにする第2方式、
前記止水ベルトの前記折り畳み部の外周に弾性のある拘束ベルトを設ける第3方式、
前記止水ベルトの前記折り畳み部の外周に複数の弧形板を間隔を空けて設け、前記弧形板を前記止水キャビティの各外部コーナ部分で切断し、前記各外部コーナ部分にそれぞれ弾性のある拘束ベルトを設ける第4方式、
前記止水ベルトの前記折り畳み部の内周に複数の弧形板を間隔を空けて設け、前記弧形板を前記止水キャビティの各内部コーナ部分で切断し、各切断部分に対応する前記止水キャビティの外部にそれぞれ弾性のある拘束ベルトを設ける第5方式、の中の1種または数種の組み合わせから選択される、請求項3に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項6】
前記第1ロッドはL形であり、その第1辺は前記第1継手ゾーンに接続され、その第2辺は前記第2継手ゾーン上の位置限定装置と移動可能に連結され、前記第1フック構造が前記第2辺上に設置されおり、前記第2ロッドは直線形であり、前記第1継手ゾーンには凹溝が開設され、前記第2ロッドが凹溝内に取り付けられており、前記第2フック構造が前記止水ベルトと弾性的に接続されている、請求項2、4及び5のいずれか一項に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項7】
位置限定装置の実現が、以下のいずれかの方式、即ち、前記位置限定装置に軸方向の第1孔が開設され、前記第1ロッドの第2辺が第1孔を貫通する第1方式、前記第1ロッドの第2辺に軸方向の第2長孔が設けられ、前記位置限定装置が前記第2長孔内に位置しており、前記位置限定装置が第2長孔から脱落することを防止するヘッド部が前記位置限定装置に設けられている第2方式、の中から選択される、請求項6に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項8】
前記第1フック構造には前記第1ロッドを貫通させるための第3孔が開設されており、前記第1フック構造の第1端は支持部材によって前記止水ベルトに接続されており、第2フック構造には第2ロッドを貫通させるための第4孔が開設されており、前記第2フック構造の第1端は前記止水ベルト上に取り付けられた支持部材に弾性的に接続されており、前記支持部材は弧形板であり、前記第1及び第2フック構造の第1端は対応する弧形板外表面とそれぞれ接続され、弧形板内表面は前記止水ベルトの折り畳み部と接続されており、前記第1フック構造と前記弧形板とは一体構造であり、または剛性接続されている、請求項3に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項9】
複数の前記第1ロッドは前記第1継手ゾーンの少なくとも上表面に間隔を空けて設置されており、同一の前記第1ロッド上には複数の前記第1フック構造が間隔を空けて設置されており、複数の前記第2ロッドは前記第1継手ゾーンの底部に間隔を空けて設置されており、同一の前記第2ロッド上には複数の前記第2フック構造が間隔を空けて設置されており、前記各フック構造がそれぞれ対応する前記止水ベルトの折り畳み部と接続されている、請求項7または8に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項10】
沈埋函トンネル継手の施工に応用され、前記吊り下げ摺動式止水装置が請求項1~9のいずれか一項に記載の吊り下げ摺動式止水装置である、吊り下げ摺動式止水装置の応用。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
止水ベルト第1端は第1継手ゾーンと接続され、前記第1継手ゾーンに伴って軸方向に移動することができ、止水ベルト第2端は第2継手ゾーンと接続されており、主として前記第1継手ゾーンの側面との間に止水キャビティを形成する止水ベルトと、
第1ロッド第1端は前記第1継手ゾーンと接続され、前記第1継手ゾーンに伴って移動することができ、第1ロッド第2端は移動可能に前記第2継手ゾーンと接続されている少なくとも1つの第1ロッドと、
前記止水ベルトと対応する第1ロッドとを接続し、かつ前記対応する第1ロッド上に摺動可能に設置されている少なくとも1つの第1フック構造と、
を含む、吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項2】
前記第1ロッドは止水キャビティの外に位置しており、前記吊り下げ摺動式止水装置は、前記止水キャビティ内に位置し、かつ前記第1継手ゾーン上に設置された少なくとも1つの第2ロッドをさらに含み、前記第2ロッド上には少なくとも1つの第2フック構造が摺動可能に設置され、前記第2フック構造が前記止水キャビティ内で前記止水ベルトと接続されている、請求項1に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項3】
前記止水ベルトの断面はM形で、平坦部と折り畳み部に分けられており、その中の隣り合う各2つの平坦部の間に1つの折り畳み部が形成されている、請求項2に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項4】
隣り合う平坦部の間には張力制限ロープが設けられ、折り畳み部の部分には支持部材が設けられており、前記支持部材が折り畳み部と貼合された弧形板である、請求項3に記載の吊り下げ摺動式止水装置
【請求項5】
前記折り畳み部の部分には前記折り畳み部と貼合された弧形板が設けられており、前記止水ベルトは環状であり、前記弧形板の設置が、以下の5種類の方式、即ち、
前記止水ベルトの前記折り畳み部の外周に弧形板を設け、巻回して環状の支持リングにする第1方式、
前記止水ベルトの前記折り畳み部の内周に弧形板を設け、巻回して環状の支持リングにする第2方式、
前記止水ベルトの前記折り畳み部の外周に弾性のある拘束ベルトを設ける第3方式、
前記止水ベルトの前記折り畳み部の外周に複数の弧形板を間隔を空けて設け、前記弧形板を前記止水キャビティの各外部コーナ部分で切断し、前記各外部コーナ部分にそれぞれ弾性のある拘束ベルトを設ける第4方式、
前記止水ベルトの前記折り畳み部の内周に複数の弧形板を間隔を空けて設け、前記弧形板を前記止水キャビティの各内部コーナ部分で切断し、各切断部分に対応する前記止水キャビティの外部にそれぞれ弾性のある拘束ベルトを設ける第5方式、の中の1種または数種の組み合わせから選択される、請求項3に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項6】
前記第1ロッドはL形であり、その第1辺は前記第1継手ゾーンに接続され、その第2辺は前記第2継手ゾーン上の位置限定装置と移動可能に連結され、前記第1フック構造が前記第2辺上に設置されおり、前記第2ロッドは直線形であり、前記第1継手ゾーンには凹溝が開設され、前記第2ロッドが凹溝内に取り付けられており、前記第2フック構造が前記止水ベルトと弾性的に接続されている、請求項2、4及び5のいずれか一項に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項7】
位置限定装置の実現が、以下のいずれかの方式、即ち、前記位置限定装置に軸方向の第1孔が開設され、前記第1ロッドの第2辺が第1孔を貫通する第1方式、前記第1ロッドの第2辺に軸方向の第2長孔が設けられ、前記位置限定装置が前記第2長孔内に位置しており、前記位置限定装置が第2長孔から脱落することを防止するヘッド部が前記位置限定装置に設けられている第2方式、の中から選択される、請求項6に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項8】
前記第1フック構造には前記第1ロッドを貫通させるための第3孔が開設されており、前記第1フック構造の第1端は支持部材によって前記止水ベルトに接続されており、第2フック構造には第2ロッドを貫通させるための第4孔が開設されており、前記第2フック構造の第1端は前記止水ベルト上に取り付けられた支持部材に弾性的に接続されており、前記支持部材は弧形板であり、前記第1及び第2フック構造の第1端は対応する弧形板外表面とそれぞれ接続され、弧形板内表面は前記止水ベルトの折り畳み部と接続されており、前記第1フック構造と前記弧形板とは一体構造であり、または剛性接続されている、請求項3に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項9】
複数の前記第1ロッドは前記第1継手ゾーンの少なくとも上表面に間隔を空けて設置されており、同一の前記第1ロッド上には複数の前記第1フック構造が間隔を空けて設置されており、複数の前記第2ロッドは前記第1継手ゾーンの底部に間隔を空けて設置されており、同一の前記第2ロッド上には複数の前記第2フック構造が間隔を空けて設置されており、前記各フック構造がそれぞれ対応する前記止水ベルトの折り畳み部と接続されている、請求項7または8に記載の吊り下げ摺動式止水装置。
【請求項10】
沈埋函トンネル継手の施工に応用され、前記吊り下げ摺動式止水装置が請求項1~9のいずれか一項に記載の吊り下げ摺動式止水装置である、吊り下げ摺動式止水装置の応用。
【国際調査報告】