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特表2023-526149G12V突然変異RASに対するHLAクラスI拘束性T細胞受容体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】G12V突然変異RASに対するHLAクラスI拘束性T細胞受容体
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/12 20060101AFI20230614BHJP
   C07K 14/725 20060101ALI20230614BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20230614BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230614BHJP
   C12N 15/867 20060101ALI20230614BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230614BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230614BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230614BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230614BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20230614BHJP
   C12Q 1/6886 20180101ALI20230614BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20230614BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230614BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230614BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20230614BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20230614BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20230614BHJP
   A61K 47/68 20170101ALN20230614BHJP
【FI】
C12N15/12
C07K14/725 ZNA
C12N15/09 100
C12N15/63
C12N15/867 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/02 C
C12Q1/6886 Z
A61P37/04
A61P35/00
A61K39/395 E
A61K39/395 T
A61K35/17
A61K35/76
A61K48/00
A61K39/395 C
A61K39/395 L
A61K47/68
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549088
(86)(22)【出願日】2021-02-12
(85)【翻訳文提出日】2022-10-12
(86)【国際出願番号】 US2021017852
(87)【国際公開番号】W WO2021163477
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】62/976,655
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/060,340
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510002280
【氏名又は名称】アメリカ合衆国
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【弁理士】
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125081
【弁理士】
【氏名又は名称】小合 宗一
(72)【発明者】
【氏名】レヴィン、ノーム
(72)【発明者】
【氏名】パーカスト、マリア アール.
(72)【発明者】
【氏名】ロウリー、ザ サード、フランク ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンバーグ、スティーヴン エー.
【テーマコード(参考)】
4B063
4B064
4B065
4C076
4C084
4C085
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B063QA12
4B063QA19
4B063QQ03
4B063QQ08
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR08
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR55
4B063QR62
4B063QR72
4B063QR77
4B063QS25
4B063QS34
4B064AG20
4B064CA02
4B064CA05
4B064CA06
4B064CA08
4B064CA10
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B064DA13
4B065AA01X
4B065AA01Y
4B065AA57X
4B065AA57Y
4B065AA72X
4B065AA72Y
4B065AA83X
4B065AA83Y
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA44
4B065CA46
4C076AA95
4C076CC07
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE59
4C084AA13
4C084NA06
4C084NA13
4C084ZB021
4C084ZB091
4C084ZB261
4C085AA13
4C085AA14
4C085AA26
4C085BB01
4C085BB12
4C085BB50
4C085CC03
4C085CC31
4C085DD62
4C085EE01
4C085GG01
4C085GG02
4C085GG03
4C085GG04
4C085GG06
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BB37
4C087BC83
4C087CA04
4C087CA12
4C087NA06
4C087NA13
4C087ZB02
4C087ZB09
4C087ZB26
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA09
4H045CA40
4H045DA50
4H045EA20
4H045EA50
4H045FA74
(57)【要約】
単離又は精製されたT細胞受容体(TCR)が開示され、ここで、TCRは、ヒト白血球抗原(HLA)クラスI分子によって提示される変異RASアミノ酸配列に対する抗原特異性を有する。関連するポリペプチド及びタンパク質、ならびに関連する核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞集団、及び医薬組成物もまた提供される。また、哺乳動物における癌の存在を検出する方法、及び哺乳動物における癌を治療又は予防する方法が開示される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離又は精製T細胞受容体(TCR)であって、
(a)配列番号1~3の全て、
(b)配列番号4-6の全て、
(c)配列番号31-33の全て、
(d)配列番号34-36の全て、
(e)配列番号64-66の全て、
(f)配列番号67-69の全て、
(g)配列番号1~6の全て、
(h)配列番号31~36の全て、又は
(i)配列番号64-69の全て
のアミノ酸配列を含み、
TCRが、ヒト白血球抗原(HLA)クラスI分子によって提示される変異したヒトRASアミノ酸配列に対して抗原特異性を有する、及び
ここで、変異したヒトRASアミノ酸配列は、変異したヒトKirstenラット肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ(KRAS)、変異したヒトHarveyラット肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ(HRAS)、又は変異したヒト神経芽腫ラット肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ(NRAS)のアミノ酸配列である、T細胞受容体。
【請求項2】
変異したヒトRASアミノ酸配列が配列番号29又は配列番号30である、請求項1に記載の単離又は精製TCR。
【請求項3】
TCRが、配列番号26及び配列番号27の一方又は両方の野生型ヒトRASアミノ酸配列に対して抗原特異性を有しない、請求項1又は2に記載の単離又は精製TCR。
【請求項4】
HLAクラスI分子がHLA-C分子である、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離又は精製TCR。
【請求項5】
HLAクラスI分子がHLA-C*01分子である、請求項1~4のいずれか1項に記載の単離又は精製TCR。
【請求項6】
HLAクラスI分子がHLA-C*01:02分子である、請求項1~5のいずれか1項に記載の単離又は精製TCR。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の単離又は精製TCRであって、
(i)配列番号7のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(ii)配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(iii)配列番号90のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列、
(iv)配列番号91のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(v)配列番号37のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列、
(vi)配列番号38のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列、
(vii)配列番号92のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(viii)配列番号93のアミノ酸配列と少なくとも99%同一である アミノ酸配列、
(ix)配列番号70のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(x)配列番号71のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xi)配列番号132のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xii)配列番号133のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xiii)配列番号47のアミノ酸配列と少なくとも99%同一である アミノ酸配列、
(xiv)配列番号48のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xv)配列番号94のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xvi)配列番号85のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xvii)配列番号95のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xviii)配列番号49のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xix)配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xx)配列番号96のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列、
(xxi)配列番号87のアミノ酸配列と少なくとも99%同一である アミノ酸配列、
(xxii)配列番号97のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xxiii)配列番号72のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列、
(xxvi)配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xxv)配列番号88のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xxvi)配列番号89のアミノ酸配列と少なくとも99%同一である アミノ酸配列、
(xxvi)(i)及び(ii)、(i)及び(iv)の両方、(ii)及び(iii)の両方、(iii)及び(iv)の両方、(v)及び(vi)の両方、(v)及び(viii)の両方、(vi)及び(vii)の両方、(vii)及び(viii)の両方、(i)及び(ii)の両方、(i)及び(ii)の両方、(ix)及び(x)の両方、(ix)及び(xii)の両方、(x)及び(xi)の両方、(xi)及び(xii)の両方、(xiii)及び(xiv)の両方、(xiii)及び(xvi)の両方、(xii)及び(xvii)の両方、(xiv)及び(xv)の両方、(xv)及び(xvi)の両方、(xv)及び(xvii)の両方、(xviii)及び(xix)の両方、(xviii)及び(xxi)の両方、(xviii)及び(xxii)の両方、(xix)及び(xx)の両方、(xx)及び(xxi)の両方、(xx)及び(xxii)の両方、(xxiii)及び(xxiv)の両方、(xxiii)及び(xxvi)の両方、(xxiv)及び(xxv)の両方、又は(xxv)及び(xxvi)の両方、
を含む、単離又は精製TCR。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の単離又は精製TCRであって、
(i)配列番号7のアミノ酸配列、
(ii)配列番号8のアミノ酸配列、
(iii)配列番号90のアミノ酸配列、
(iv)配列番号91のアミノ酸配列、
(v)配列番号37のアミノ酸配列、
(vi)配列番号38のアミノ酸配列、
(vii)配列番号92のアミノ酸配列、
(viii)配列番号93のアミノ酸配列、
(ix)配列番号70のアミノ酸配列、
(x)配列番号71のアミノ酸配列、
(xi)配列番号132のアミノ酸配列、
(xii)配列番号133のアミノ酸配列、
(xiii)配列番号47のアミノ酸配列、
(xiv)配列番号48のアミノ酸配列、
(xv)配列番号94のアミノ酸配列、
(xvi)配列番号85のアミノ酸配列、
(xvii)配列番号95のアミノ酸配列、
(xviii)配列番号49のアミノ酸配列、
(xix)配列番号50のアミノ酸配列、
(xx)配列番号96のアミノ酸配列、
(xxi)配列番号87のアミノ酸配列、
(xxii)配列番号97のアミノ酸配列、
(xxiii)配列番号72のアミノ酸配列、
(xxvi)配列番号73のアミノ酸配列、
(xxv)配列番号88のアミノ酸配列、
(xxvi)配列番号89のアミノ酸配列、
(i)及び(ii)の両方、(i)及び(iv)の両方、(ii)及び(iii)の両方、(iii)及び(iv)の両方、(v)及び(vi)の両方、(v)及び(viii)の両方、(vi)及び(vii)の両方、(vii)及び(viii)の両方、(i)及び(ii)の両方、(i)及び(ii)の両方、(ix)及び(x)の両方、(ix)及び(xii)の両方、(x)及び(xi)の両方、(xi)及び(xii)の両方、(xii)及び(xiv)の両方、(xiii)及び(xvi)の両方、(xii)及び(xvii)の両方。(xiv)及び(xv)の両方、(xv)及び(xvi)の両方、(xv)及び(xvii)の両方、(xvii)及び(xx)の両方、(xviii)及び(xxi)の両方、(xx)及び(xx)の両方、。(xx)及び(xxi)の両方、(xx)及び(xxii)の両方、(xxiii)及び(xxiv)の両方、(xxiii)及び(xxvi)の両方、(xxiv)及び(xxv)の両方、又は(xxv)及び(xxvi)の両方を含む、単離又は精製TCR。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の単離又は精製TCRであって、
(a)配列番号17のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖定常領域であって、
(i)配列番号17の48位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号17の112位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号17の114位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号17の115位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpである、
(b)配列番号18のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖定常領域であって、配列番号18の57位におけるXがSer又はCysであるもの;又は
(c)(a)及び(b)の両方の配列番号
を更に含む、単離又は精製TCR。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の単離又は精製TCRであって、
(a)配列番号17のアミノ酸配列を含むα鎖定常領域、であり、
(i)配列番号17の48位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号17の112位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号17の114位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号17の115位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(b)配列番号18のアミノ酸配列を含むβ鎖定常領域であって、配列番号18の57位におけるXがSer又はCysであるもの;又は
(c)(a)及び(b)の両方 配列番号
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の単離又は精製TCRであって、
(a)配列番号21のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号21の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号21の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号21の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号21の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(b)配列番号22のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号22の190位におけるXがSer又はCysであるもの。
(c)配列番号100のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号100の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号100の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号100の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号100の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(d)配列番号101のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号101の190位におけるXがSer又はCysであるもの。
(e)配列番号41のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号41の181位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号41の245位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号41の247位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号41の248位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(f)配列番号42のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号42の195位におけるXがSer又はCysであるもの。
(g)配列番号106のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号106の181位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号106の245位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号106の247位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号106の248位におけるXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(h)配列番号107のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号107の195位のXがSer又はCysである、
(i)配列番号74のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号74の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号74の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号74の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号74の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(j)配列番号75のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号75の187位におけるXがSer又はCysであり、
(k)配列番号136のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号136の180位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号136の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号136の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号136の247位におけるXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(l)配列番号137のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号75の187位におけるXがSer又はCysである、β鎖、
(m)(a)及び(b)の両方、(a)及び(d)の両方、(b)及び(c)の両方、又は(c)及び(d)の両方を満たす。
(n)(e)及び(f)の両方、(e)及び(h)の両方、(f)及び(g)の両方、又は(g)及び(h)の両方。
(n)(i)及び(j)の両方、(i)及びl)の両方、(j)及び(k)の両方、又は(k)及び(l)の両方、
(o)配列番号55のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号55の160位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号55の224位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号55の226位のXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpである;及び
(iv)配列番号55の227位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(p)配列番号56のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号56の168位におけるXがSer又はCysであり、
(q)配列番号112のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号112の159位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号112の223位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号112の225位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号112の226位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(r)配列番号113のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号113の173位におけるXがSer又はCysであり、
(s)配列番号57のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号57の160位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号57の224位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号57の226位のXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号57の227位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(t)配列番号58のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号58の173位におけるXがSer又はCysである、β鎖、
(u)配列番号118のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号118の161位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号118の225位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号118の227位のXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号118の228位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(v)配列番号119のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号119の103178位におけるXがSer又はCysであり、
(w)配列番号76のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号76の159位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号76の223位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号76の225位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号76の226位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(x)配列番号77のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号77の168位におけるXがSer又はCysである、β鎖、
(y)配列番号144のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号144の160位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号144の224位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号144の226位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号144の227位におけるXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(z)配列番号145のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号145の166位におけるXがSer又はCysであり、
(aa)(o)及び(p)の両方、又は(q)及び(r)の両方。
(bb)(s)及び(t)の両方、又は(u)及び(v)の両方。
(cc)(w)及び(x)の両方、又は(y)及び(z)の両方。
(dd)配列番号51のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ee)配列番号52のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(ff)配列番号114のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(gg)配列番号115のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(hh)配列番号128のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ii)配列番号129のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(jj)配列番号116のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(kk)配列番号117のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(ll)配列番号53のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(mm)配列番号54のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(nn)配列番号120のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(oo)配列番号121のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(pp)配列番号130のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(qq)配列番号131のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(rr)配列番号122のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ss)配列番号123のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(tt)配列番号80のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(uu)配列番号81のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(vv)配列番号146のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ww)配列番号146のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(xx)配列番号142のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(yy)配列番号143のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(zz)配列番号148のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(aaa)配列番号149のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(bbb)(dd)及び(ee)の両方、(ff)及び(gg)の両方、(hh)及び(ii)の両方、又は(jj)及び(kk)の両方。
(ccc)(ll)及び(mm)の両方、(nn)及び(oo)の両方、(pp)及び(qq)の両方、又は(rr)及び(ss)の両方。
(ddd)(tt)及び(uu)の両方、(vv)及び(ww)の両方、(xx)及び(yy)の両方、又は(zz)及び(aaa)の両方。
(eee)配列番号23のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(fff)配列番号24のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(ggg)配列番号102のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(hhh)配列番号103のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(iii)配列番号124のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(jjj)配列番号125のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(kkk)配列番号104のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(lll)配列番号105のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(mmm)配列番号39のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(nnn)配列番号40のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(ooo)配列番号108のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ppp)配列番号109のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(qqq)配列番号126のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(rrr)配列番号127のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(sss)配列番号110のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ttt)配列番号111のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(uuu)配列番号78のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(vvv)配列番号79のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(www)配列番号138のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(xxx)配列番号139のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(yyy)配列番号134のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(zzz)配列番号135のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(aaaa)配列番号140のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(bbbb)配列番号141のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(dddd)(eee)及び(ff)の両方、(eee)及び(hhh)の両方、(ff)及び(gg)の両方、(gg)及び(hhh)の両方、(iii)及び(jjj)の両方、(iii)及び(ll)の両方、(jjj)及び(kkk)の両方、又は(kkk)及び(lll)の両方。
(eeee)(mmm)及び(nnn)の両方;(mmm)及び(ppp)の両方;(nnn)及び(ooo)の両方;(ooo)及び(ppp)の両方;(qqq)及び(rrr)の両方;(qqq)及び(ttt)の両方;(rrr)及び(sss)の両方;又は(sss)及び(ttt)の両方;又は
(ffff)(uuu)及び(vvv)の両方、(uuu)及び(xxx)の両方、(vvv)及び(www)の両方、(www)及び(xxx)の両方、(yyy)及び(zzz)の両方、(yyy)及び(bbbb)の両方、(yyy)及び(aaaa)の両方、又は(aaaa)及び(bbbb)の両方
を含む、単離又は精製したTCR。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の単離又は精製したTCRであって、
(a)配列番号21のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号21の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号21の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号21の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号21の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(b)配列番号22のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号22の190位におけるXがSer又はCysであり、
(c)配列番号100のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号100の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号100の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号100の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号100の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(d)配列番号101のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号101の190位におけるXがSer又はCysであり、
(e)配列番号41のアミノ酸配列を含むα鎖であって、ここで、配列番号41のアミノ酸配列は、以下のとおりであり、
(i)配列番号41の181位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号41の245位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号41の247位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号41の248位におけるXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(f)配列番号42のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号42の195位におけるXがSer又はCysであり、
(g)配列番号106のアミノ酸配列を含むα鎖であって、ここで、配列番号106のアミノ酸配列は、以下のとおりであり、
(i)配列番号106の181位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号106の245位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号106の247位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号106の248位におけるXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(h)配列番号107のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号107の195位におけるXがSer又はCysであり、
(i)配列番号74のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号74の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号74の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号74の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号74の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(j)配列番号75のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号75の187位におけるXがSer又はCysであり、
(k)配列番号136のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号136の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号136の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号136の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号136の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(l)配列番号137のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号75の187位におけるXがSer又はCysであり、
(m)(a)及び(b)の両方、(a)及び(d)の両方、(b)及び(c)の両方、又は(c)及び(d)の両方を満たす。
(n)(e)及び(f)の両方、(e)及び(h)の両方、(f)及び(g)の両方、又は(g)及び(h)の両方。
(n)(i)及び(j)の両方、(i)及びlの両方、(j)及び(k)の両方、又は(k)及び(l)の両方、)
(o)配列番号55のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号55の160位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号55の224位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号55の226位のXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpである;及び
(iv)配列番号55の227位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(p)配列番号56のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号56の168位におけるXがSer又はCysであり、
(q)配列番号112のアミノ酸配列を含むα鎖であって、ここで
(i)配列番号112の159位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号112の223位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号112の225位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号112の226位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(r)配列番号113のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号113の173位におけるXがSer又はCysであり、
(s)配列番号57のアミノ酸配列を含むα鎖であって、ここで、配列番号57のアミノ酸配列は、以下のとおりであり、
(i)配列番号57の160位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号57の224位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号57の226位のXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号57の227位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(t)配列番号58のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号58の173位におけるXがSer又はCysであり、
(u)配列番号118のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号118の161位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号118の225位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号118の227位のXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号118の228位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(v)配列番号119のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号119の103178位におけるXがSer又はCysであり、
(w)配列番号76のアミノ酸配列を含むα鎖であって、ここで、配列番号76のアミノ酸配列は、以下のとおりであり、
(i)配列番号76の159位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号76の223位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号76の225位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号76の226位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(x)配列番号77のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号77の168位におけるXがSer又はCysであり、
(y)配列番号144のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号144の160位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号144の224位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号144の226位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号144の227位におけるXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(z)配列番号145のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号145の166位におけるXがSer又はCysであり、
(aa)(o)及び(p)の両方、又は(q)及び(r)の両方。
(bb)(s)及び(t)の両方、又は(u)及び(v)の両方。
(cc)(w)及び(x)の両方、又は(y)及び(z)の両方。
(dd)配列番号51のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ee)配列番号52のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(ff)配列番号114のアミノ酸配列を含むα鎖、
(gg)配列番号115のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(hh)配列番号128のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ii)配列番号129のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(jj)配列番号116のアミノ酸配列を含むα鎖、
(kk)配列番号117のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(ll)配列番号53のアミノ酸配列を含むα鎖、
(mm)配列番号54のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(nn)配列番号120のアミノ酸配列を含むα鎖、
(oo)配列番号121のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(pp)配列番号130のアミノ酸配列を含むα鎖、
(qq)配列番号131のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(rr)配列番号122のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ss)配列番号123のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(tt)配列番号80のアミノ酸配列を含むα鎖、
(uu)配列番号81のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(vv)配列番号146のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ww)配列番号146のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(xx)配列番号142のアミノ酸配列を含むα鎖、
(yy)配列番号143のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(zz)配列番号148のアミノ酸配列を含むα鎖、
(aaa)配列番号149のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(bbb)(dd)及び(ee)の両方、(ff)及び(gg)の両方、(hh)及び(ii)の両方、又は(jj)及び(kk)の両方。
(ccc)(ll)及び(mm)の両方、(nn)及び(oo)の両方、(pp)及び(qq)の両方、又は(rr)及び(ss)の両方。
(ddd)(tt)及び(uu)の両方、(vv)及び(ww)の両方、(xx)及び(yy)の両方、又は(zz)及び(aaa)の両方。
(eee)配列番号23のアミノ酸配列を含むα鎖、
(fff)配列番号24のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(ggg)配列番号102のアミノ酸配列を含むα鎖、
(hhh)配列番号103のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(iii)配列番号124のアミノ酸配列を含むα鎖、
(jjj)配列番号125のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(kkk)配列番号104のアミノ酸配列を含むα鎖、
(lll)配列番号105のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(mmm)配列番号39のアミノ酸配列を含むα鎖、
(nnn)配列番号40のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(ooo)配列番号108のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ppp)配列番号109のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(qqq)配列番号126のアミノ酸配列を含むα鎖、
(rrr)配列番号127のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(sss)SEQIDNO:110のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ttt)配列番号111のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(uuu)配列番号78のアミノ酸配列を含むα鎖、
(vvv)配列番号79のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(www)配列番号138のアミノ酸配列を含むα鎖、
(xxx)配列番号139のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(yyy)配列番号134のアミノ酸配列を含むα鎖、
(zzz)配列番号135のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(aaaa)SEQIDNO:140のアミノ酸配列を含むα鎖、
(bbbb)配列番号141のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(dddd)(eee)及び(ff)の両方、(eee)及び(hhh)の両方、(ff)及び(gg)の両方、(gg)及び(hhh)の両方、(iii)及び(jjj)の両方、(iii)及び(ll)の両方、(jjj)及び(kkk)の両方、又は(kkk)及び(lll)の両方。
(eeee)(mmm)及び(nnn)の両方;(mmm)及び(ppp)の両方;(nnn)及び(ooo)の両方;(ooo)及び(ppp)の両方;(qqq)及び(rrr)の両方;(qqq)及び(ttt)の両方;(rrr)及び(sss)の両方;又は(sss)及び(ttt)の両方;又は
(ffff)(uuu)及び(vvv)の両方;(uuu)及び(xxx)の両方;(vvv)及び(www)の両方;(www)及び(xxx)の両方;(yyy)及び(zzz)の両方;(yyy)及び(bbb)の両方、あるいは(aaaa)及び(bbb)の両方
を含む、単離又は精製したTCR。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載のTCRの機能的部分を含む単離又は精製ポリペプチドであって、該機能的部分が以下のアミノ酸配列:
(a)配列番号1~3の全て。
(b)配列番号4-6の全て。
(c)配列番号31-33の全て。
(d)配列番号34-36の全て。
(e)配列番号64-66の全て。
(f)配列番号67~69の全て
(g)配列番号1~6の全て。
(h)配列番号31~36の全て、又は
(i)配列番号64-69の全て
を含むことを特徴とする、単離又は精製ポリペプチド。
【請求項14】
請求項13に記載の単離又は精製されたポリペプチドであって、
機能性部分が以下:
(i)配列番号7のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(ii)配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも99%同一である アミノ酸配列、
(iii)配列番号90のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列、
(iv)配列番号91のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(v)配列番号37のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列、
(vi)配列番号38のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列、
(vii)配列番号92のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(viii)配列番号93のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(ix)配列番号70のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(x)配列番号71のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xi)配列番号132のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xii)配列番号133のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xiii)配列番号47のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xiv)配列番号48のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xv)配列番号94のアミノ酸配列と少なくとも99%同一である アミノ酸配列、
(xvi)配列番号85のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xvii)配列番号95のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xviii)配列番号49のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xix)配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xx)配列番号96のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列、
(xxi)配列番号87のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xxii)配列番号97のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xxiii)配列番号72のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列、
(xxvi)配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xxv)配列番号88のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(xxvi)配列番号89のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列、
(二十七 (i)及び(ii)の両方、(i)及び(iv)の両方、(ii)及び(iii)の両方、(iii)及び(iv)の両方、(v)及び(vi)の両方、(v)及び(viii)の両方、(vi)及び(vii)の両方、(vii)及び(viii)の両方、(i)及び(ii)の両方、(i)及び(ii)の両方、他。及び(x)の両方、(ix)及び(xii)の両方、(x)及び(xi)の両方、(xi)及び(xii)の両方、(xii)及び(xiv)の両方、(xiii)及び(xvi)の両方、(xii)及び(xvii)の両方。(xiv)及び(xv)の両方、(xv)及び(xvi)の両方、(xv)及び(xvii)の両方、(xviii)及び(xix)の両方、(xviii)及び(xxi)の両方、(xviii)及び(xxii)の両方、(xix)及び(xx),(xx)及び(xxi)の両方、(xx)及び(xxii)の両方、(xxiii)及び(xxiv)の両方、(xxiii)及び(xxvi)の両方、(xxiv)及び(xxv)の両方、又は(xxv)及び(xxvi)の両方
を含む、ポリペプチド。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の単離又は精製されたポリペプチドであって、
機能性部分が以下:
(i)配列番号7のアミノ酸配列、
(ii)配列番号8のアミノ酸配列、
(iii)配列番号90のアミノ酸配列、
(iv)配列番号91のアミノ酸配列、
(v)配列番号37のアミノ酸配列、
(vi)配列番号38のアミノ酸配列、
(vii)配列番号92のアミノ酸配列、
(viii)配列番号93のアミノ酸配列、
(ix)配列番号70のアミノ酸配列、
(x)配列番号71のアミノ酸配列、
(xi)配列番号132のアミノ酸配列、
(xii)配列番号133のアミノ酸配列、
(xiii)配列番号47のアミノ酸配列、
(xiv)配列番号48のアミノ酸配列、
(xv)配列番号94のアミノ酸配列、
(xvi)配列番号85のアミノ酸配列、
(xvii)配列番号95のアミノ酸配列、
(xviii)配列番号49のアミノ酸配列、
(xix)配列番号50のアミノ酸配列、
(xx)配列番号96のアミノ酸配列、
(xxi)配列番号87のアミノ酸配列、
(xxii)配列番号97のアミノ酸配列、
(xxiii)配列番号72のアミノ酸配列、
(xxvi)配列番号73のアミノ酸配列、
(xxv)配列番号88のアミノ酸配列、
(xxvi)配列番号89のアミノ酸配列、
(二十七 (i)及び(ii)の両方、(i)及び(iv)の両方、(ii)及び(iii)の両方、(iii)及び(iv)の両方、(v)及び(vi)の両方、(v)及び(viii)の両方、(vi)及び(vii)の両方、(vii)及び(viii)の両方、(i)及び(ii)の両方、(i)及び(ii)の両方、他。及び(x)の両方、(ix)及び(xii)の両方、(x)及び(xi)の両方、(xi)及び(xii)の両方、(xii)及び(xiv)の両方、(xiii)及び(xvi)の両方、(xii)及び(xvii)の両方。(xiv)及び(xv)の両方、(xv)及び(xvi)の両方、(xv)及び(xvii)の両方、(xvii)及び(xx)の両方、(xviii)及び(xxi)の両方、(xx)及び(xx)の両方、。(xx)及び(xxi)の両方、(xx)及び(xxii)の両方、(xxiii)及び(xxiv)の両方、(xxiii)及び(xxvi)の両方、(xxiv)及び(xxv)の両方、又は(xxv)及び(xxvi)の両方
を含む、ポリペプチド。
【請求項16】
請求項13~15のいずれか1項に記載の単離又は精製されたポリペプチドであって、
以下:
(a)配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列であり、
(i)配列番号17の48位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号17の112位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号17の114位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号17の115位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(b)配列番号18のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列であって、配列番号18の57位におけるXがSer又はCysである、 アミノ酸配列;又は
(c)(a)及び(b)の両方
を含む、ポリペプチド。
【請求項17】
請求項13~16のいずれか1項に記載の単離又は精製されたポリペプチドであって、
(a)配列番号17のアミノ酸配列、ここで、。
(i)配列番号17の48位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号17の112位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号17の114位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrp であり;及び
(iv)配列番号17の115位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(b)配列番号18のアミノ酸配列であって、配列番号18の57位におけるXがSer又はCysである、もの;又は
(c)(a)及び(b)の両方
を含む、ポリペプチド。
【請求項18】
請求項13~17のいずれか1項に記載の単離又は精製ポリペプチドであって、以下:
(a)配列番号21のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号21の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号21の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号21の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号21の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(b)配列番号22のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号22の190位におけるXがSer又はCysであり、
(c)配列番号100のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号100の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号100の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号100の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号100の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(d)配列番号101のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号101の190位におけるXがSer又はCysであり、
(e)配列番号41のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号41の181位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号41の245位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号41の247位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号41の248位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(f)配列番号42のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号42の195位におけるXがSer又はCysであり、
(g)配列番号106のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号106の181位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号106の245位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号106の247位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号106の248位におけるXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(h)配列番号107のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号107の195位のXがSer又はCysであり、
(i)配列番号74のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号74の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号74の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号74の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号74の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(j)配列番号75のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号75の187位におけるXがSer又はCysであり、
(k)配列番号136のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号136の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号136の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号136の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号136の247位におけるXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(l)配列番号137のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号75の187位におけるXがSer又はCysである、β鎖、
(m)(a)及び(b)の両方、(a)及び(d)の両方、(b)及び(c)の両方、又は(c)及び(d)の両方を満たす。
(n)(e)及び(f)の両方、(e)及び(h)の両方、(f)及び(g)の両方、又は(g)及び(h)の両方。
(n)(i)及び(j)の両方、(i)及びlの両方、(j)及び(k)の両方、又は(k)及び(l)の両方、)
(o)配列番号55のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号55の160位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号55の224位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号55の226位のXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpである;及び
(iv)配列番号55の227位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(p)配列番号56のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号56の168位におけるXがSer又はCysであり、
(q)配列番号112のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号112の159位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号112の223位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号112の225位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号112の226位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(r)配列番号113のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号113の173位におけるXがSer又はCysであり、
(s)配列番号57のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号57の160位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号57の224位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号57の226位のXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号57の227位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(t)配列番号58のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号58の173位におけるXがSer又はCysである、β鎖、
(u)配列番号118のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号118の161位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号118の225位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号118の227位のXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号118の228位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(v)配列番号119のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号119の103178位におけるXがSer又はCysであり、
(w)配列番号76のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号76の159位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号76の223位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号76の225位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号76の226位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(x)配列番号77のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号77の168位におけるXがSer又はCysである、β鎖、
(y)配列番号144のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号144の160位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号144の224位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号144の226位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号144の227位におけるXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(z)配列番号145のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号145の166位におけるXがSer又はCysであり、
(aa)(o)及び(p)の両方、又は(q)及び(r)の両方。
(bb)(s)及び(t)の両方、又は(u)及び(v)の両方。
(cc)(w)及び(x)の両方、又は(y)及び(z)の両方。
(dd)配列番号51のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ee)配列番号52のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(ff)配列番号114のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(gg)配列番号115のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(hh)配列番号128のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ii)配列番号129のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(jj)配列番号116のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(kk)配列番号117のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(ll)配列番号53のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(mm)配列番号54のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(nn)配列番号120のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(oo)配列番号121のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(pp)配列番号130のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(qq)配列番号131のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(rr)配列番号122のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ss)配列番号123のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(tt)配列番号80のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(uu)配列番号81のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(vv)配列番号146のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ww)配列番号146のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(xx)配列番号142のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(yy)配列番号143のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(zz)配列番号148のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(aaa)配列番号149のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(bbb)(dd)及び(ee)の両方、(ff)及び(gg)の両方、(hh)及び(ii)の両方、又は(jj)及び(kk)の両方。
(ccc)(ll)及び(mm)の両方、(nn)及び(oo)の両方、(pp)及び(qq)の両方、又は(rr)及び(ss)の両方。
(ddd)(tt)及び(uu)の両方、(vv)及び(ww)の両方、(xx)及び(yy)の両方、又は(zz)及び(aaa)の両方。
(eee)配列番号23のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(fff)配列番号24のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(ggg)配列番号102のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(hhh)配列番号103のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(iii)配列番号124のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(jjj)配列番号125のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(kkk)配列番号104のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(lll)配列番号105のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(mmm)配列番号39のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(nnn)配列番号40のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(ooo)配列番号108のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ppp)配列番号109のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(qqq)配列番号126のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(rrr)配列番号127のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(sss)配列番号110のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ttt)配列番号111のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(uuu)配列番号78のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(vvv)配列番号79のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(www)配列番号138のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(xxx)配列番号139のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(yyy)配列番号134のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(zzz)配列番号135のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(aaaa)配列番号140のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むα鎖、
(bbbb)配列番号141のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(dddd)(eee)及び(ff)の両方、(eee)及び(hhh)の両方、(ff)及び(gg)の両方、(gg)及び(hhh)の両方、(iii)及び(jjj)の両方、(iii)及び(ll)の両方、(jjj)及び(kkk)の両方、又は(kkk)及び(lll)の両方。
(eeee)(mmm)及び(nnn)の両方;(mmm)及び(ppp)の両方;(nnn)及び(ooo)の両方;(ooo)及び(ppp)の両方;(qqq)及び(rrr)の両方;(qqq)及び(ttt)の両方;(rrr)及び(sss)の両方;又は(sss)及び(ttt)の両方;又は
(ffff)(uuu)及び(vvv)の両方、(uuu)及び(xxx)の両方、(vvv)及び(www)の両方、(www)及び(xxx)の両方、(yyy)及び(zzz)の両方、(yyy)及び(bbbb)の両方、(yyy)及び(aaaa)の両方、又は(aaaa)及び(bbbb)の両方
を含む、ポリペプチド
【請求項19】
請求項13~18のいずれか1項に記載の単離又は精製ポリペプチドであって、以下:
(a)配列番号21のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号21の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号21の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号21の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号21の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(b)配列番号22のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号22の190位におけるXがSer又はCysであり、
(c)配列番号100のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号100の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号100の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号100の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号100の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(d)配列番号101のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号101の190位におけるXがSer又はCysであり、
(e)配列番号41のアミノ酸配列を含むα鎖であって、ここで、配列番号41のアミノ酸配列は、以下のとおりであり、
(i)配列番号41の181位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号41の245位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号41の247位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号41の248位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(f)配列番号42のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号42の195位におけるXがSer又はCysであり、
(g)配列番号106のアミノ酸配列を含むα鎖であって、ここで、配列番号106のアミノ酸配列は、以下のとおりであり、
(i)配列番号106の181位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号106の245位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号106の247位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号106の248位におけるXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(h)配列番号107のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号107の195位におけるXがSer又はCysであり、
(i)配列番号74のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号74の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号74の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号74の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号74の247位におけるXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(j)配列番号75のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号75の187位におけるXがSer又はCysであり、
(k)配列番号136のアミノ酸配列を含むα鎖であって、ここで、配列番号136のアミノ酸配列を含むα鎖、
(i)配列番号136の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号136の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号136の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号136の247位におけるXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(l)配列番号137のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号75の187位におけるXがSer又はCysであり、
(m)(a)及び(b)の両方、(a)及び(d)の両方、(b)及び(c)の両方、又は(c)及び(d)の両方を満たす。
(n)(e)及び(f)の両方、(e)及びhの両方、(f)及びgの両方、又は(g)及びhの両方。
(n)(i)及び(j)の両方、(i)及びlの両方、(j)及び(k)の両方、又は(k)及び(l)の両方、)
(o)配列番号55のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号55の160位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号55の224位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号55の226位のXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpである;及び
(iv)配列番号55の227位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(p)配列番号56のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号56の168位におけるXがSer又はCysであり、
(q)配列番号112のアミノ酸配列を含むα鎖であって、ここで
(i)配列番号112の159位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号112の223位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号112の225位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号112の226位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(r)配列番号113のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号113の173位におけるXがSer又はCysであり、
(s)配列番号57のアミノ酸配列を含むα鎖であって、ここで、配列番号57のアミノ酸配列は、以下のとおりであり、
(i)配列番号57の160位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号57の224位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号57の226位のXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号57の227位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(t)配列番号58のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号58の173位におけるXがSer又はCysであり、
(u)配列番号118のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号118の161位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号118の225位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号118の227位のXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号118の228位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(v)配列番号119のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号119の103178位におけるXがSer又はCysであり、
(w)配列番号76のアミノ酸配列を含むα鎖であって、ここで、配列番号76のアミノ酸配列は、以下のとおりであり、
(i)配列番号76の159位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号76の223位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号76の225位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号76の226位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(x)配列番号77のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号77の168位におけるXがSer又はCysであり、
(y)配列番号144のアミノ酸配列を含むα鎖であり、
(i)配列番号144の160位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号144の224位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号144の226位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号144の227位におけるXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(z)配列番号145のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号145の166位におけるXがSer又はCysであり、
(aa)(o)及び(p)の両方、又は(q)及び(r)の両方。
(bb)(s)及び(t)の両方、又は(u)及び(v)の両方。
(cc)(w)及び(x)の両方、又は(y)及び(z)の両方。
(dd)配列番号51のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ee)配列番号52のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(ff)配列番号114のアミノ酸配列を含むα鎖、
(gg)配列番号115のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(hh)配列番号128のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ii)配列番号129のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(jj)配列番号116のアミノ酸配列を含むα鎖、
(kk)配列番号117のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(ll)配列番号53のアミノ酸配列を含むα鎖、
(mm)配列番号54のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(nn)配列番号120のアミノ酸配列を含むα鎖、
(oo)配列番号121のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(pp)配列番号130のアミノ酸配列を含むα鎖、
(qq)配列番号131のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(rr)配列番号122のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ss)配列番号123のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(tt)配列番号80のアミノ酸配列を含むα鎖、
(uu)配列番号81のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(vv)配列番号146のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ww)配列番号146のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(xx)配列番号142のアミノ酸配列を含むα鎖、
(yy)配列番号143のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(zz)配列番号148のアミノ酸配列を含むα鎖、
(aaa)配列番号149のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(bbb)(dd)及び(ee)の両方、(ff)及び(gg)の両方、(hh)及び(ii)の両方、又は(jj)及び(kk)の両方。
(ccc)(ll)及び(mm)の両方、(nn)及び(oo)の両方、(pp)及び(qq)の両方、又は(rr)及び(ss)の両方。
(ddd)(tt)及び(uu)の両方、(vv)及び(ww)の両方、(xx)及び(yy)の両方、又は(zz)及び(aaa)の両方。
(eee)配列番号23のアミノ酸配列を含むα鎖、
(fff)配列番号24のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(ggg)配列番号102のアミノ酸配列を含むα鎖、
(hhh)配列番号103のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(iii)配列番号124のアミノ酸配列を含むα鎖、
(jjj)配列番号125のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(kkk)配列番号104のアミノ酸配列を含むα鎖、
(lll)配列番号105のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(mmm)配列番号39のアミノ酸配列を含むα鎖、
(nnn)配列番号40のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(ooo)配列番号108のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ppp)配列番号109のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(qqq)配列番号126のアミノ酸配列を含むα鎖、
(rrr)配列番号127のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(sss)SEQIDNO:110のアミノ酸配列を含むα鎖、
(ttt)配列番号111のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(uuu)配列番号78のアミノ酸配列を含むα鎖、
(vvv)配列番号79のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(www)配列番号138のアミノ酸配列を含むα鎖、
(xxx)配列番号139のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(yyy)配列番号134のアミノ酸配列を含むα鎖、
(zzz)配列番号135のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(aaaa)SEQIDNO:140のアミノ酸配列を含むα鎖、
(bbbb)配列番号141のアミノ酸配列を含むβ鎖、
(dddd)(eee)及び(ff)の両方、(eee)及び(hhh)の両方、(ff)及び(gg)の両方、(gg)及び(hhh)の両方、(iii)及び(jjj)の両方、(iii)及び(ll)の両方、(jjj)及び(kkk)の両方、又は(kkk)及び(lll)の両方。
(eeee)(mmm)及び(nnn)の両方;(mmm)及び(ppp)の両方;(nnn)及び(ooo)の両方;(ooo)及び(ppp)の両方;(qqq)及び(rrr)の両方;(qqq)及び(ttt)の両方;(rrr)及び(sss)の両方;又は(sss)及び(ttt)の両方;又は
(ffff)(uuu)及び(vvv)の両方;(uuu)及び(xxx)の両方;(vvv)及び(www)の両方;(www)及び(xxx)の両方;(yyy)及び(zzz)の両方;(yyy)及び(bbb)の両方、あるいは(aaaa)及び(bbb)の両方
を含む、ポリペプチド。
【請求項20】
請求項13~19のいずれか1項に記載のポリペプチドの少なくとも1つを含む、単離又は精製されたタンパク質。
【請求項21】
請求項20に記載の単離又は精製タンパク質であって、
以下:
(a)配列番号1~3のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、及び配列番号4~6のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(b)配列番号31-33のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、及び配列番号34-36のアミノ酸配列から なる第2のポリペプチド鎖;又は
(c)配列番号64~66のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、及び配列番号67~69のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
を含む、タンパク質。
【請求項22】
請求項20又は21に記載の単離又は精製タンパク質であって、
以下:
(i)配列番号7のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(ii)配列番号8のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(iii)配列番号90のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(iv)配列番号91のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(v)配列番号37のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(vi)配列番号38のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(vii)配列番号92のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(viii)配列番号93のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を 含む第2のポリペプチド鎖、
(ix)配列番号70のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(x)配列番号71のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む 第2のポリペプチド鎖、
(xi)配列番号132のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(xii)配列番号133のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む 第2のポリペプチド鎖、
(xiii)配列番号47のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(xiv)配列番号48のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(xv)配列番号94のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(xvi)配列番号85のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(xvii)配列番号95のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(xviii)配列番号49のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(xix)配列番号50のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(xx)配列番号96のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(xxi)配列番号87のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(xxii)配列番号97のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(xxiii)配列番号72のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(xxvi)配列番号73のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(xxv)配列番号88のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を 含む第1のポリペプチド鎖、
(xxvi)配列番号89のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(二十七 (i)及び(ii)の両方、(i)及び(iv)の両方、(ii)及び(iii)の両方、(iii)及び(iv)の両方、(v)及び(vi)の両方、(v)及び(viii)の両方、(vi)及び(vii)の両方、(vii)及び(viii)の両方、(i)及び(ii)の両方、(i)及び(ii)の両方、他。及び(x)の両方、(ix)及び(xii)の両方、(x)及び(xi)の両方、(xi)及び(xii)の両方、(xii)及び(xiv)の両方、(xiii)及び(xvi)の両方、(xii)及び(xvii)の両方。(xiv)及び(xv)の両方、(xv)及び(xvi)の両方、(xv)及び(xvii)の両方、(xvii)及び(xx)の両方、(xviii)及び(xxi)の両方、(xx)及び(xx)の両方、。(xx)及び(xxi)の両方、(xx)及び(xxii)の両方、(xxiii)及び(xxiv)の両方、(xxiii)及び(xxvi)の両方、(xxiv)及び(xxv)の両方、又は(xxv)及び(xxvi)の両方のを含む、タンパク質。
【請求項23】
請求項20~22のいずれか1項に記載の単離又は精製タンパク質であって、
以下:
(i)配列番号7のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(ii)配列番号8のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(iii)配列番号90のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(iv)配列番号91のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(v)配列番号37のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(vi)配列番号38のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(vii)配列番号92のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(viii)配列番号93のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(ix)配列番号70のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(x)配列番号71のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(xi)配列番号132のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(xii)配列番号133のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(xiii)配列番号47のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(xiv)配列番号48のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(xv)配列番号94のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(xvi)配列番号85のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(xvii)配列番号95のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(xviii)配列番号49のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(xix)配列番号50のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(xx)配列番号96のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(xxi)配列番号87のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(xxii)配列番号97のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(xxiii)配列番号72のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(xxvi)配列番号73のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(xxv)配列番号88のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(xxvi)配列番号89のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(二十七 (i)及び(ii)の両方、(i)及び(iv)の両方、(ii)及び(iii)の両方、(iii)及び(iv)の両方、(v)及び(vi)の両方、(v)及び(viii)の両方、(vi)及び(vii)の両方、(vii)及び(viii)の両方、(i)及び(ii)の両方、(i)及び(ii)の両方、他。及び(x)の両方、(ix)及び(xii)の両方、(x)及び(xi)の両方、(xi)及び(xii)の両方、(xii)及び(xiv)の両方、(xiii)及び(xvi)の両方、(xii)及び(xvii)の両方。(xiv)及び(xv)の両方、(xv)及び(xvi)の両方、(xv)及び(xvii)の両方、(xvii)及び(xx)の両方、(xviii)及び(xxi)の両方、(xx)及び(xx)の両方、。(xx)及び(xxi)の両方、(xx)及び(xxii)の両方、(xxiii)及び(xxiv)の両方、(xxiii)及び(xxvi)の両方、(xxiv)及び(xxv)の両方、又は(xxv)及び(xxvi)の両方
を含む、タンパク質。
【請求項24】
請求項20~23のいずれか1項に記載の単離又は精製タンパク質であって、
以下:
(a)配列番号17のアミノ酸配列及び少なくとも99%同一なアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、であって
(i)配列番号17の48位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号17の112位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号17の114位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号17の115位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(b)配列番号18のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号18の57位におけるXがSer又はCysであるもの;又は
(c)(a)及び(b)の両方
を含む、タンパク質。
【請求項25】
請求項20~24のいずれか1項に記載の単離又は精製タンパク質であって、
以下: (a)配列番号17のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、であって
(i)配列番号17の48位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号17の112 位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号17の114位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号17の115位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(b)配列番号18のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号18の57位におけるXがSer又はCysである、もの;又は
(c)(a)及び(b)の両方
を含む、タンパク質。
【請求項26】
請求項20~25のいずれか1項に記載の単離又は精製タンパク質であって、
以下:
(a)配列番号21のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、であって
(i)配列番号21の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号21の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号21の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号21の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(b)配列番号22のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号22の190位におけるXが、Ser又はCysであり、
(c)配列番号100のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖であり、
(i)配列番号100の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号100の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号100の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号100の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(d)配列番号101のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号101の190位におけるXがSer又はCysである、第2のポリペプチド鎖、
(e)配列番号41のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖であり、
(i)配列番号41の181位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号41の245位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号41の247位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号41の248位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(f)配列番号42のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号42の195位におけるXが、Ser又はCysであり、
(g)配列番号106のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、であって
(i)配列番号106の181位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号106の245位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号106の247位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号106の248位におけるXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(h)配列番号107のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号107の195位におけるXがSer又はCysである、ポリペプチド鎖、
(i)配列番号74のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖であり、
(i)配列番号74の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号74の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号74の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号74の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(j)配列番号75のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号75の187位におけるXがSer又はCysである、第2のポリペプチド鎖、
(k)配列番号136のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖であり、
(i)配列番号136の180位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号136の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号136の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号136の247位におけるXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(l)配列番号137のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号75の187位におけるXがSer又はCysである、第2のポリペプチド鎖、
(m)(a)及び(b)の両方、(a)及び(d)の両方、(b)及び(c)の両方、又は(c)及び(d)の両方を満たす。
(n)(e)及び(f)の両方、(e)及び(h)の両方、(f)及び(g)の両方、又は(g)及び(h)の両方。
(n)(i)及び(j)の両方、(i)及びlの両方、(j)及び(k)の両方、又は(k)及び(l)の両方、)
(o)配列番号55のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、であって
(i)配列番号55の160位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号55の224位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号55の226位のXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpである;及び
(iv)配列番号55の227位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(p)配列番号56のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号56の168位におけるXがSer又はCysである、第2のポリペプチド鎖、
(q)配列番号112のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖であり、
(i)配列番号112の159位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号112の223位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号112の225位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号112の226位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(r)配列番号113のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号113の173位におけるXがSer又はCysである、第2のポリペプチド鎖、
(s)配列番号57のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、であって
(i)配列番号57の160位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号57の224位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号57の226位のXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号57の227位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(t)配列番号58のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号58の173位におけるXがSer又はCysであり、
(u)配列番号118のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖であり、
(i)配列番号118の161位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号118の225位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号118の227位のXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号118の228位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(v)配列番号119のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号119の103178位におけるXがSer又はCysである、第2のポリペプチド鎖、
(w)配列番号76のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖であり、
(i)配列番号76の159位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号76の223位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号76の225位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号76の226位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(x)配列番号77のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号77の168位におけるXがSer又はCysである、第2のポリペプチド鎖、
(y)配列番号144のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖であり、
(i)配列番号144の160位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号144の224位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号144の226位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号144の227位におけるXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(z)配列番号145のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号145の166位におけるXが、Ser又はCysであり、
(aa)(o)及び(p)の両方、又は(q)及び(r)の両方。
(bb)(s)及び(t)の両方、又は(u)及び(v)の両方。
(cc)(w)及び(x)の両方、又は(y)及び(z)の両方。
(dd)配列番号51のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(ee)配列番号52のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(ff)配列番号114のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(gg)配列番号115のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(hh)配列番号128のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(ii)配列番号129のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(jj)配列番号116のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(kk)配列番号117のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(ll)配列番号53のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(mm)配列番号54のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(nn)配列番号120のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(oo)配列番号121のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(pp)配列番号130のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(qq)配列番号131のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(rr)配列番号122のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(ss)配列番号123のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(tt)配列番号80のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(uu)配列番号81のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(vv)配列番号146のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(ww)配列番号146のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(xx)配列番号142のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(yy)配列番号143のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(zz)配列番号148のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(aaa)配列番号149のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(bbb)(dd)及び(ee)の両方、(ff)及び(gg)の両方、(hh)及び(ii)の両方、又は(jj)及び(kk)の両方。
(ccc)(ll)及び(mm)の両方、(nn)及び(oo)の両方、(pp)及び(qq)の両方、又は(rr)及び(ss)の両方。
(ddd)(tt)及び(uu)の両方、(vv)及び(ww)の両方、(xx)及び(yy)の両方、又は(zz)及び(aaa)の両方。
(eee)配列番号23のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(fff)配列番号24のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(ggg)配列番号102のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(hhh)配列番号103のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(iii)配列番号124のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(jjj)配列番号125のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(kkk)配列番号104のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(lll)配列番号105のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(mmm)配列番号39のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(nnn)配列番号40のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(ooo)配列番号108のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(ppp)配列番号109のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(qqq)配列番号126のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第一のポリペプチド鎖であり、
(rrr)配列番号127のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(sss)配列番号110のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖であり、
(ttt)配列番号111のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(uuu)配列番号78のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(vvv)配列番号79のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(www)配列番号138のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(xxx)配列番号139のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(yyy)配列番号134のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(zzz)配列番号135のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(aaaa)配列番号140のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(bbbb)配列番号141のアミノ酸配列との同一性が少なくとも99%のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であり、
(dddd)(eee)及び(ff)の両方、(eee)及び(hhh)の両方、(ff)及び(gg)の両方、(gg)及び(hhh)の両方、(iii)及び(jjj)の両方、(iii)及び(ll)の両方、(jjj)及び(kkk)の両方、又は(kkk)及び(lll)の両方。
(eeee)(mmm)及び(nnn)の両方;(mmm)及び(ppp)の両方;(nnn)及び(ooo)の両方;(ooo)及び(ppp)の両方;(qqq)及び(rrr)の両方;(qqq)及び(ttt)の両方;(rrr)及び(sss)の両方;又は(sss)及び(ttt)の両方;又は
(ffff)(uuu)及び(vvv)の両方;(uuu)及び(xxx)の両方;(vvv)及び(www)の両方;(www)及び(xxx)の両方;(yyy)及び(zzz)の両方;(yyy)及び(bbb)の両方、あるいは(aaaa)及び(bbb)の両方
を含む、タンパク質。
【請求項27】
請求項20~26のいずれか1項に記載の単離又は精製タンパク質であって、
以下:
(a)配列番号21のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、であって
(i)配列番号21の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号21の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号21の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号21の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(b)配列番号22のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号22の190位におけるXがSer又はCysであり、
(c)配列番号100のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、であって
(i)配列番号100の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号100の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号100の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号100の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(d)配列番号101のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号101の190位におけるXがSer又はCysである、ポリペプチド鎖、
(e)配列番号41のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、であって
(i)配列番号41の181位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号41の245位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号41の247位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号41の248位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(f)配列番号42のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号42の195位におけるXがSer又はCysであり、
(g)配列番号106のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、であって
(i)配列番号106の181位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号106の245位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号106の247位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号106の248位におけるXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(h)配列番号107のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号107の195位におけるXがSer又はCysであり、
(i)配列番号74のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、であって
(i)配列番号74の180位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号74の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号74の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号74の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(j)配列番号75のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号75の187位におけるXがSer又はCysであり、
(k)配列番号136のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、であって
(i)配列番号136の180位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号136の244位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号136の246位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号136の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(l)配列番号137のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号75の187位におけるXがSer又はCysであり、
(m)(a)及び(b)の両方、(a)及び(d)の両方、(b)及び(c)の両方、又は(c)及び(d)の両方を満たす。
(n)(e)及び(f)の両方、(e)及び(h)の両方、(f)及び(g)の両方、又は(g)及び(h)の両方。
(n)(i)及び(j)の両方、(i)及びlの両方、(j)及び(k)の両方、又は(k)及び(l)の両方、)
(o)配列番号55のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、であって
(i)配列番号55の160位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号55の224位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号55の226位のXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpである;及び
(iv)配列番号55の227位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(p)配列番号56のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号56の168位におけるXがSer又はCysである、ポリペプチド鎖、
(q)配列番号112のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖であって、ここで
(i)配列番号112の159位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号112の223位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号112の225位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号112の226位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(r)配列番号113のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号113の173位におけるXがSer又はCysであり、
(s)配列番号57のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、であって
(i)配列番号57の160位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号57の224位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号57の226位のXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号57の227位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(t)配列番号58のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号58の173位におけるXがSer又はCysである、ポリペプチド鎖、
(u)配列番号118のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖であって、ここで
(i)配列番号118の161位のXはThr又はCysであり、
(ii)配列番号118の225位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号118の227位のXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号118の228位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(v)配列番号119のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号119の103178位におけるXがSer又はCysであり、
(w)配列番号76のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、であって
(i)配列番号76の159位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号76の223位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号76の225位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号76の226位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(x)配列番号77のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号77の168位におけるXがSer又はCysであり、
(y)配列番号144のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、であって
(i)配列番号144の160位のXは、Thr又はCysであり、
(ii)配列番号144の224位のXは、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(iii)配列番号144の226位におけるXは、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び
(iv)配列番号144の227位におけるXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり、
(z)配列番号145のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号145の166位におけるXがSer又はCysであり、
(aa)(o)及び(p)の両方、又は(q)及び(r)の両方。
(bb)(s)及び(t)の両方、又は(u)及び(v)の両方。
(cc)(w)及び(x)の両方、又は(y)及び(z)の両方。
(dd)配列番号51のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(ee)配列番号52のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(ff)配列番号114のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(gg)配列番号115のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(hh)配列番号128のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(ii)配列番号129のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(jj)配列番号116のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(kk)配列番号117のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(ll)配列番号53のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(mm)配列番号54のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(nn)配列番号120のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(oo)配列番号121のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(pp)配列番号130のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(qq)配列番号131のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(rr)配列番号122のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(ss)配列番号123のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(tt)配列番号80のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(uu)配列番号81のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(vv)配列番号146のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(ww)配列番号146のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(xx)配列番号142のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(yy)配列番号143のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(zz)配列番号148のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(aaa)配列番号149のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(bbb)(dd)及び(ee)の両方、(ff)及び(gg)の両方、(hh)及び(ii)の両方、又は(jj)及び(kk)の両方。
(ccc)(ll)及び(mm)の両方、(nn)及び(oo)の両方、(pp)及び(qq)の両方、又は(rr)及び(ss)の両方。
(ddd)(tt)及び(uu)の両方、(vv)及び(ww)の両方、(xx)及び(yy)の両方、又は(zz)及び(aaa)の両方。
(eee)配列番号23のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(fff)配列番号24のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(ggg)配列番号102のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(hhh)配列番号103のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(iii)配列番号124のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(jjj)配列番号125のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(kkk)配列番号104のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(lll)配列番号105のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(mmm)配列番号39のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(nnn)配列番号40のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(ooo)配列番号108のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(ppp)配列番号109のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(qqq)配列番号126のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(rrr)配列番号127のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(sss)配列番号110のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(ttt)配列番号111のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(uuu)配列番号78のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(vvv)配列番号79のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(www)配列番号138のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(xxx)配列番号139のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(yyy)配列番号134のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(zzz)配列番号135のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(aaaa)配列番号140のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、
(bbbb)配列番号141のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖、
(dddd)(eee)及び(ff)の両方、(eee)及び(hhh)の両方、(ff)及び(gg)の両方、(gg)及び(hhh)の両方、(iii)及び(jjj)の両方、(iii)及び(ll)の両方、(jjj)及び(kkk)の両方、又は(kkk)及び(lll)の両方。
(eeee)(mmm)及び(nnn)の両方;(mmm)及び(ppp)の両方;(nnn)及び(ooo)の両方;(ooo)及び(ppp)の両方;(qqq)及び(rrr)の両方;(qqq)及び(ttt)の両方;(rrr)及び(sss)の両方;又は(sss)及び(ttt)の両方;又は
(ffff)(uuu)及び(vvv)の両方;(uuu)及び(xxx)の両方;(vvv)及び(www)の両方;(www)及び(xxx)の両方;(yyy)及び(zzz)の両方;(yyy)及び(bbb)の両方、あるいは(aaaa)及び(bbb)の両方
を含む、タンパク質。
【請求項28】
請求項1~12のいずれか1項に記載のTCR、請求項13~19のいずれか1項に記載のポリペプチド、又は請求項20~27のいずれか1項に記載のタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、単離又は精製された核酸。
【請求項29】
5’から3’まで、第1の核酸配列及び第2の核酸配列を含む単離又は精製核酸であって、第1及び第2の核酸配列が、それぞれ、
配列番号7及び8;7及び91;90及び8;90及び91;8及び7;91及び7;8及び90;91及び90;37及び38;37及び93;92及び38;92及び93;38及び37;93及び37;38及び92;93及び92;70及び71;70及び133;132及び71;132及び133;71及び70;133及び70のアミノ配列をそれぞれコードする。71及び132、133及び132、23及び24、23及び103、102及び24、102及び103、24及び23、103及び23、24及び102、103及び102、39及び40、39及び109、108及び40、108及び109、40及び39、109及び39、40及び108、109及び108、78及び79、78及び139。138及び79、138及び139、79及び78、139及び78、79及び138、139及び138、21及び22、21及び101、100及び22、100及び101、22及び21、101及び21、22及び100、41及び42、41及び107、106及び42、106及び107、42及び41、107及び41。42及び106、107及び106、74及び75、74及び101、100及び75、100及び101、75及び74、101及び74、75及び100、101及び100、124及び125、124及び105、104及び125、104及び105、125及び124、105及び124、125及び104、105及び104、126及び127、126及び111。110及び127、110及び111、127及び126、111及び126、127及び110、111及び110、134及び135、140及び135、134及び141、140及び141、135及び134、135及び140、141及び134、141及び140、47及び48、48及び47、49及び50、50及び49、72及び73。73及び72;94及び95;95及び94;94及び85;85及び94;96及び97;97及び96;96及び87;87及び96;88及び89;89及び88;51及び52;52及び51;53及び54;54及び53;80及び81;81及び80;55及び56;56及び55;57及び58;58及び57;76及び77。77及び76;128及び129;129及び128;130及び131;131及び130;142及び143;143及び142;112及び113;113及び112;118及び119;119及び118;144及び145;145及び144;114及び115;115及び114;120及び121;121及び120;146及び147;147及び146。116及び117、117及び116、122及び123、123及び122、148及び149、149及び148、150及び151、151及び150、154及び155、155及び154、152及び153、153及び152、156及び157、157及び156、160及び161、161及び160、158及び159、又は159及び158
のアミノ配列をコードする、単離又は精製核酸。
【請求項30】
第1及び第2ヌクレオチド配列の間に介在する第3ヌクレオチド配列をさらに含み、第3ヌクレオチド配列が切断可能なリンカーペプチドをコードする、請求項29に記載の単離又は精製された核酸。
【請求項31】
切断可能なリンカーペプチドが配列番号25のアミノ酸配列を含む、請求項30に記載の単離又は精製核酸。
【請求項32】
請求項28~31のいずれか1項に記載の核酸を含む組換え発現ベクター。
【請求項33】
トランスポゾン又はレンチウイルスベクターである、請求項32に記載の組換え発現ベクター。
【請求項34】
請求項28~31のいずれか1項に記載の核酸又は請求項32もしくは33に記載のベクターによってコードされる単離又は精製されたTCR、ポリペプチド、又は蛋白質。
【請求項35】
請求項28~31のいずれか1項に記載の核酸又は請求項32もしくは33に記載のベクターの細胞内での発現により生じる、単離又は精製されたTCR、ポリペプチド、又はタンパク質。
【請求項36】
配列番号30のペプチドに対して抗原特異性を有するTCRを発現する宿主細胞を製造する方法であって、細胞に請求項32又は33に記載のベクターを導入可能な条件下で接触させることを含む、方法。
【請求項37】
請求項28~31のいずれか1項に記載の核酸又は請求項32もしくは33に記載の組換え発現ベクターを含む、単離又は精製された宿主細胞。
【請求項38】
細胞がヒトリンパ球である、請求項37に記載の宿主細胞。
【請求項39】
細胞が、T細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、インバリアントナチュラルキラーT(iNKT)細胞、及びナチュラルキラー(NK)細胞を含む群から選択される、請求項37又は38に記載の宿主細胞。
【請求項40】
請求項37~39のいずれか1項に記載の宿主細胞を含む、細胞の単離又は精製された集団。
【請求項41】
請求項1~12、34、又は35のいずれか1項に記載のTCR、請求項13~19、34、又は35のいずれか1項に記載のポリペプチド、又は請求項20~27、34、又は35のいずれか1項に記載のタンパク質の製造方法であって、TCR、ポリペプチド又はタンパク質が生産されるように請求項37~39のいずれか1項に記載の宿主細胞又は請求項40記載の宿主細胞の集団の培養を含むことを特徴とする、方法。
【請求項42】
a)請求項1~12、34、又は35のいずれか1項に記載のTCR、請求項13~19、34、又は35のいずれか1項に記載のポリペプチド、又は請求項20~27、34、又は35のいずれか1項に記載のタンパク質、請求項28~31のいずれか1項に記載の核酸、請求項32又は33記載の組み換え発現ベクター、請求項37~39のいずれか1項に記載の宿主細胞又は請求項40記載の細胞集団及び
(b)医薬的に許容できる担体を
含む、医薬組成物。
【請求項43】
哺乳類における癌の存在を検出する方法であって、
(a)癌の細胞を含む試料を、請求項1~12、34、又は35のいずれか1項に記載のTCR、請求項13~19、34、又は35のいずれか1項に記載のポリペプチド、又は請求項20~27、34、又は35のいずれか1項に記載のタンパク質、請求項28~31のいずれか1項に記載の核酸、請求項32又は33記載の組み換え発現ベクター、請求項37~39のいずれか1項に記載の宿主細胞、請求項40記載の細胞集団、若しくは請求項42記載の医薬組成物とを接触させて複合体を形成すること、及び
(b)複合体を検出すること
を含み、
ここで、該複合体の検出は、該哺乳動物における癌の存在を示すものである、
哺乳類における癌の存在を検出する方法。
【請求項44】
哺乳動物における癌に対する免疫応答の誘導に使用するための、請求項1~12のいずれか1項に記載のTCR、34、又は35、請求項13~19のいずれか1項に記載のポリペプチド、34又は35、又は請求項20~27のいずれか1項に記載のタンパク質、請求項28~31のいずれか1項に記載の核酸、請求項32又は33に記載の組み換え発現ベクター、請求項37~39のいずれか1項に記載の宿主細胞、請求項40に記載の細胞集団、又は請求項42に記載の薬学的組成物。
【請求項45】
哺乳動物における癌の治療又は予防に使用するための、請求項1~12、34、又は35のいずれか1項に記載のTCR、請求項13~19、34、又は35のいずれか1項に記載のポリペプチド、又は請求項20~27、34、又は35のいずれか1項に記載のタンパク質、請求項28~31のいずれか1項に記載の核酸、請求項32又は33項に記載の組み換え発現ベクター、請求項37~39のいずれか1項に記載の宿主細胞、請求項40記載の細胞集団、もしくは請求項42に記載の医薬組成物。
【請求項46】
請求項43に記載の方法又は請求項44もしくは45に記載の使用であって、癌が12位のグリシンをバリンで置換した変異ヒトRASアミノ酸配列を発現する、方法又は使用であって、
ここで、変異したヒトRASアミノ酸配列は、変異したヒトKirstenラット肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ(KRAS)、変異したヒトHarveyラット肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ(HRAS)、又は変異したヒト神経芽腫ラット肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ(NRAS)アミノ酸配列であり、かつ、
ここで、12位は、それぞれ野生型ヒトKRAS、野生型ヒトHRAS、又は野生型ヒトNRASタンパク質を参照して定義される、方法。
【請求項47】
請求項43もしくは46に記載の方法、又は請求項44~46のいずれか一項に記載の使用であって、変異ヒトRASアミノ酸配列が変異ヒトキルステンラト肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ(KRAS)アミノ酸配列である、方法又は使用。
【請求項48】
請求項43もしくは46に記載の方法、又は請求項44~46のいずれか一項に記載の使用であって、変異ヒトRASアミノ酸配列が変異ヒト神経芽腫ラット肉腫ウイルス腫瘍遺伝子ホモログ(NRAS)アミノ酸配列である、方法又は使用。
【請求項49】
請求項43もしくは46に記載の方法、又は請求項44~46のいずれか一項に記載の使用であって、変異ヒトRASアミノ酸配列が変異ヒトハーベイ・ラット肉腫ウイルス腫瘍遺伝子(HRAS)アミノ酸配列である、方法又は使用。
【請求項50】
請求項43及び46~49のいずれか1項に記載の方法、又は請求項44~49のいずれか1項に記載の使用であって、癌が膵臓癌、大腸癌、肺癌、子宮内膜癌、卵巣癌、又は前立腺癌である、方法又は使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2020年2月14日に出願された米国仮特許出願番号第62/976,655号、及び2020年8月3日に出願された米国仮特許出願第63/060,340号の利益を主張し、これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
連邦によって支援された研究開発に関する陳述
本発明は、連邦政府の支援を受け、プロジェクト番号ZIABC010984の下、米国国立衛生研究所、米国国立がん研究所によりなされた。本発明において、連邦政府は一定の権利を有する。
【0003】
電子的に提出された物件の参照による組込み
本明細書と同時に提出され、以下のとおり識別される、コンピューターで読み取り可能なヌクレオチド/アミノ酸の配列表は、参照により、その全体が本明細書に組込まれる:2021年2月4日付の「751508_ST25.txt」という名前の307,206バイトのASCII(テキスト)ファイル1件。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
ある種のがんは、特に、がんが転移性で切除不能になった場合、治療選択肢が非常に限られる場合がある。例えば、手術、化学療法、及び放射線療法等の治療における進歩にもかかわらず、例えば膵臓がん、結腸直腸がん、肺がん、子宮内膜がん、卵巣がん及び前立腺がん等の多くのがんの予後は、不良な場合がある。従って、がんに対する更なる治療について、満たされていないニーズが存在する。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一実施形態は、(a)配列番号1~3、(b)配列番号4~6、(c)配列番号31~33、(d)配列番号34~36、(e)配列番号64~66、(f)配列番号67~69、(g)配列番号1~6、(h)配列番号31~36、又は(i)配列番号64~69のアミノ酸配列を含む単離又は精製されたT細胞受容体(TCR)であって、TCRが、ヒト白血球抗原(HLA)クラスI分子によって提示される12位のグリシンからアスパラギン酸への置換を伴う突然変異ヒトRASアミノ酸配列に対して抗原特異性を有し、突然変異ヒトRASアミノ酸配列が、突然変異ヒトキルステンラット肉腫ウイルスがん遺伝子ホモログ(KRAS)、突然変異ヒトハーベイラット肉腫ウイルスがん遺伝子ホモログ(HRAS)、又は突然変異ヒト神経芽腫ラット肉腫ウイルスがん遺伝子ホモログ(NRAS)のアミノ酸配列であり、12位は、それぞれ、野生型ヒトKRAS、野生型ヒトHRAS、又は野生型ヒトNRASを参照して定義される、TCRを提供する。
【0006】
本発明の別の実施形態は、本発明のTCRの機能的部分を含む単離又は精製されたポリペプチドであって、機能的部分が、(a)配列番号1~3の全て、(b)配列番号4~6の全て、全て(c)配列番号31~33の全て、(d)配列番号34~36の全て、(e)配列番号の全て、(e)配列番号64~66の全て。64~66、(f)配列番号67~69の全て、(g)配列番号1~6の全て、(h)配列番号31~36の全て、又は(i)配列番号64~69の全てのアミノ酸配列を含む、ポリペプチドを提供する。
【0007】
本発明の更に別の実施形態は、本発明のポリペプチドの少なくとも1つを含む、単離又は精製されたタンパク質を提供する。
【0008】
本発明の更なる実施形態は、本発明のTCR、ポリペプチド及びタンパク質に関連する、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞集団及び医薬組成物を提供する。
【0009】
本発明の実施形態は、5’から3’まで、第1の核酸配列及び第2の核酸配列を含む単離又は精製核酸を提供し、ここで、第1及び第2の核酸配列は、それぞれ、配列番号7及び8;7及び91;90及び8;90及び91;8及び7;91及び7;8及び90;91及び90;37及び38;37及び93;92及び38;92及び93;38及び37;93及び37;38及び92;93及び92;70及び71;70及び133;132及び71;132及び133;71及び70;133及び70のアミノ配列をそれぞれコードする。71及び132、133及び132、23及び24、23及び103、102及び24、102及び103、24及び23、103及び23、24及び102、103及び102、39及び40、39及び109、108及び40、108及び109、40及び39、109及び39、40及び108、109及び108、78及び79、78及び139。138及び79、138及び139、79及び78、139及び78、79及び138、139及び138、21及び22、21及び101、100及び22、100及び101、22及び21、101及び21、22及び100、41及び42、41及び107、106及び42、106及び107、42及び41、107及び41。42及び106、107及び106、74及び75、74及び101、100及び75、100及び101、75及び74、101及び74、75及び100、101及び100、124及び125、124及び105、104及び125、104及び105、125及び124、105及び124、125及び104、105及び104、126及び127、126及び111。110及び127、110及び111、127及び126、111及び126、127及び110、111及び110、134及び135、140及び135、134及び141、140及び141、135及び134、135及び140、141及び134、141及び140、47及び48、48及び47、49及び50、50及び49、72及び73。73及び72;94及び95;95及び94;94及び85;85及び94;96及び97;97及び96;96及び87;87及び96;88及び89;89及び88;51及び52;52及び51;53及び54;54及び53;80及び81;81及び80;55及び56;56及び55;57及び58;58及び57;76及び77。77及び76;128及び129;129及び128;130及び131;131及び130;142及び143;143及び142;112及び113;113及び112;118及び119;119及び118;144及び145;145及び144;114及び115;115及び114;120及び121;121及び120;146及び147;147及び146。116及び117、117及び116、122及び123、123及び122、148及び149、149及び148、150及び151、151及び150、154及び155、155及び154、152及び153、153及び152、156及び157、157及び156、160及び161、161及び160、158及び159、又は159及び158のアミノ配列をコードしている。
【0010】
本発明の実施形態により、哺乳動物におけるがんの存在を検出する方法、哺乳動物におけるがんを治療又は予防する方法、哺乳動物における癌に対する免疫応答を誘導する方法、配列番号29又は30のペプチドに対する抗原特異性を有するTCRを発現する宿主細胞を製造する方法、ならびに本発明のTCR、ポリペプチド及びタンパク質を製造する方法が、更に提供される。
【0011】
その他の実施形態は、本明細書で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A図1Aは、野生型(WT)RASをコードするタンデムミニ遺伝子(TMG)mRNAをトランスフェクトした自己DC標的細胞の反応性を示している。TILは、患者4391の腫瘍片F1、F13、又は腫瘍片F2、F3、F5の組み合わせから単離された。TILは、live/CD3+/CD8+でゲーティングされた。反応性は、FACSによってOX40及び4-1BBのアップレギュレーションを検出することによって測定された。
図1B図1Bは、変異型(Mut)RASをコードするmRNA TMGをトランスフェクトした自己DC標的細胞の反応性を示している。TILは、患者4391の腫瘍片F1、F13、又は腫瘍片F2、F3、F5の組み合わせから単離された。TILは、live/CD3+/CD8+でゲーティングされた。反応性は、FACSによってOX40及び4-1BBのアップレギュレーションを検出することによって測定された。
図1C図1Cは、WT RASロングペプチド(LP)パルスをかけた腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の反応性を示している。TILは、患者4391の腫瘍片F1、F13、又は腫瘍片F2、F3、F5の組み合わせから単離された。TILは、live/CD3+/CD8+でゲーティングされた。反応性は、FACSによってOX40及び4-1BBのアップレギュレーションを検出することによって測定された。
図1D図1Dは、RAS G12VLPをパルスをかけた腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の反応性を示している。TILは、患者4391の腫瘍片F1、F13、又は腫瘍片F2、F3、F5の組み合わせから単離された。TILは、live/CD3+/CD8+でゲーティングされた。反応性は、FACSによってOX40及び4-1BBのアップレギュレーションを検出することによって測定された。
図2A図2Aは、WT LPでパルスした標的細胞に対する患者4391の腫瘍片F1からのTILの反応性を示している。標的細胞は、4391自家DC、COS-A03(COS7細胞がHLA-A*03:01を安定発現)、又はCOS-A02(COS7細胞がHLA-A*02:01を安定発現)細胞株であった。TILは、live/CD3+/CD8+でゲーティングされた。反応性は、FACSによるOX40及び4-1BBのアップレギュレーションを検出することにより測定した。
図2B図2Bは、WT LP、又はRAS G12V LPのいずれかでパルスした標的細胞に対する患者4391の腫瘍片F1からのTILの反応性を示している。DMSOでパルスした標的細胞はコントロールとして機能した。標的細胞は、4391自家DC、COS-A03(COS7細胞がHLA-A*03:01を安定発現)、又はCOS-A02(COS7細胞がHLA-A*02:01を安定発現)細胞株であった。TILは、live/CD3+/CD8+でゲーティングされた。反応性は、FACSによるOX40及び4-1BBのアップレギュレーションを検出することにより測定した。
図3図3は、WT LP、G12V LP、又はG12V MEでパルスした自己DCとの共培養に対する、患者4391の腫瘍断片F1からのTILによるIFN-γ分泌(スポット/3e4(3×10)細胞)のELISPOT測定値を示すグラフである。単独で培養したTILはネガティブコントロールとした。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料との共培養により非特異的に刺激されたTILをポジティブコントロールとした。
図4A図4Aは、DNAトランスフェクトされていない標的COS7細胞(COS7)又は患者4391によって発現された4つの異なるHLA対立遺伝子(HLA-A*03:01、HLA-C01:01、HLA-B*55:01又はHLA-C*01:02)のいずれかでDNAトランスフェクトされた標的COS7細胞と共同培養することに対して患者4391の腫瘍断片F1からTILによって分泌されたIFN-γ(スポット/3e4(3×10)細胞)のELISPOT測定結果を示すグラフである。標的細胞に、指示された濃度のG12V ME8をパルス照射した。
図4B図4Bは、DNAトランスフェクトされていない標的COS7細胞(COS7)又は患者4391によって発現された4つの異なるHLA対立遺伝子(HLA-A*03:01、HLA-C01:01、HLA-B*55:01又はHLA-C*01:02)のいずれかでDNAトランスフェクトされた標的COS7細胞と共同培養することに対して患者4391の腫瘍断片F1からTILによって分泌されたIFN-γ(スポット/3e4(3×10)細胞)のELISPOT測定結果を示すグラフである。標的細胞に、指示された濃度のG12V LPをパルス照射した。
図4C図4Cは、DNAトランスフェクトされていない標的COS7細胞(COS7)又は患者4391によって発現された4つの異なるHLA対立遺伝子(HLA-A*03:01、HLA-C01:01、HLA-B*55:01又はHLA-C*01:02)のいずれかでDNAトランスフェクトされた標的COS7細胞と共同培養することに対して患者4391の腫瘍断片F1からTILによって分泌されたIFN-γ(スポット/3e4(3×10)細胞)のELISPOT測定結果を示すグラフである。標的細胞に、指示された濃度のWT LPをパルス照射した。
図4D図4Dは、DNAトランスフェクトされていない標的COS7細胞(COS7)又は患者4391によって発現された4つの異なるHLA対立遺伝子(HLA-A*03:01、HLA-C01:01、HLA-B*55:01又はHLA-C*01:02)のいずれかでDNAトランスフェクトされた標的COS7細胞と共同培養することに対して患者4391の腫瘍断片F1からTILによって分泌されたIFN-γ(スポット/3e4(3×10)細胞)のELISPOT測定結果を示すグラフである。HLA-C*01:02でDNAトランスフェクトしたCOS7細胞を、指示された濃度のG12V ME8、G12V LP、又はWT LPでパルスした(図4D)。
図5A図5Aは、TCRで形質転換されたPBLと、指示された濃度のG12V ME8又はRAS ME WT4(ME8のWT配列)でパルスした標的細胞との共培養に応答して、分泌したIFN-γ(スポット/3e4(3×10)細胞)のELISPOT測定値を示すグラフである。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料と共培養した形質転換細胞はポジティブコントロールとして用いた。
図5B図5Bは、TCRで形質転換されたPBLと、指示された濃度のG12V ME8又はRAS ME WT4(ME8のWT配列)でパルスした標的細胞との共培養に応答して、4-1BB/OX40+細胞の割合のELISPOT測定値を示すグラフである。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料と共培養した形質転換細胞はポジティブコントロールとして用いた。CD8+ゲートされた細胞は、図5Bに示されている。
図5C図5Cは、TCRで形質転換されたPBLと、指示された濃度のG12V ME8又はRAS ME WT4(ME8のWT配列)でパルスした標的細胞との共培養に応答して、4-1BB/OX40+細胞の割合のELISPOT測定値を示すグラフである。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料と共培養した形質転換細胞はポジティブコントロールとして用いた。CD4+ゲートされた細胞は、図5Cに示されている。
図6図6は、異なるペプチドプール(PP)又は異なるTMGに対する新規抗原反応性についてスクリーニングした4385 TILフラグメント11によって分泌されたIFN-γのELISPOT測定結果を示す(PMA/Io材料はポジティブコントロールとして機能した)。
図7A図7Aは、TCR 4又はTILフラグメント11(F11)で形質転換した4385 PBLと、RAS最小エピトープ(ME)4~8のいずれかでパルスした4385自己DC標的細胞との共培養に対する、CD8 +ゲート細胞中の4-1BB/OX40+細胞のパーセントを示すグラフである。RAS WT LP、RAS G12V LP、又はRAS WT FL、G12V FL、TMG2(図6のTMG、RAS G12Vを含む)でトランスフェクトしたDC mRNAでトランスフェクトした。DMSOでパルスした標的細胞、又はT細胞のみをネガティブコントロールとした。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料を用いたT細胞の共培養は、ポジティブコントロールとして機能した。ラベルは、必要に応じてマーカーを区別するために使用されている。
図7B図7Bは、TCR 4又はTILフラグメント11(F11)で形質転換した4385 PBLと、RAS最小エピトープ(ME)4~8のいずれかでパルスした4385自己DC標的細胞との共培養に対する、CD4+ゲート細胞中の4-1BB/OX40+細胞のパーセントを示すグラフである。RAS WT LP、RAS G12V LP、又はRAS WT FL、G12V FL、TMG2(図6のTMG、RAS G12Vを含む)でトランスフェクトしたDC mRNAでトランスフェクトした。DMSOでパルスした標的細胞、又はT細胞のみをネガティブコントロールとした。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料を用いたT細胞の共培養は、ポジティブコントロールとして機能した。ラベルは、必要に応じてマーカーを区別するために使用されている。
図7C図7Cは、TCR 4又はTILフラグメント11(F11)で形質転換した4385 PBLと、RAS最小エピトープ(ME)4~8のいずれかでパルスした4385自己DC標的細胞との共培養に対する、分泌IFN-γのELISPOT測定(スポット/3e4(3×10)細胞)中の4-1BB/OX40+細胞のパーセントを示すグラフである。RAS WT LP、RAS G12V LP、又はRAS WT FL、G12V FL、TMG2(図6のTMG、RAS G12Vを含む)でトランスフェクトしたDC mRNAでトランスフェクトした。DMSOでパルスした標的細胞、又はT細胞のみをネガティブコントロールとした。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料を用いたT細胞の共培養は、ポジティブコントロールとして機能した。ラベルは、必要に応じてマーカーを区別するために使用されている。
図8A図8Aは、4385個のPBLへのTCR導入効力、及びこの実験に使用した細胞のCD8/CD4集団分布を示すドットプロットである。
図8B図8Bは、IFN-γ ELISPOT画像を示す。
図9A図9Aは、RAS WT LP、RAS G12V LP又は、RAS G12V ME8の示された濃度でパルスした自己DC標的細胞との4385 TIL F11の共培養に対する応答として、分泌されたIFN-γのELISPOT測定(スポット/3e4(3×10)細胞)中の4-1BB/OX40+細胞のパーセンテージを示すグラフである。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料と共培養したTIL F11細胞をポジティブコントロールとして使用。T細胞のみ(標的細胞なし)をネガティブコントロールとした。
図9B図9Bは、RAS WT LP、RAS G12V LP又は、RAS G12V ME8の示された濃度でパルスした自己DC標的細胞との4385 TIL F11の共培養に対する応答として、CD8+ゲート細胞中の4-1BB/OX40+細胞のパーセンテージを示すグラフである。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料と共培養したTIL F11細胞をポジティブコントロールとして使用。T細胞のみ(標的細胞なし)をネガティブコントロールとした。
図9C図9Cは、RAS WT LP、RAS G12V LP又は、RAS G12V ME8の示された濃度でパルスした自己DC標的細胞との4385 TIL F11の共培養に対する応答として、CD4+ゲート細胞中の4-1BB/OX40+細胞のパーセンテージを示すグラフである。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料と共培養したTIL F11細胞をポジティブコントロールとして使用。T細胞のみ(標的細胞なし)をネガティブコントロールとした。
図10A図10Aは、4385抗RAS TCRで形質転換したPBLと、RAS WT LP、RAS G12V LP、又はRAS G12V ME8の指示濃度でパルスした自己DC標的細胞との共培養に対する応答として、分泌されたIFN-γのELISPOT測定(スポット/3e4(3×10)細胞)中の4-1BB/OX40+細胞のパーセンテージを示すグラフである。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料と共培養した形質転換細胞をポジティブコントロールとして使用。T細胞のみ(標的細胞なし)をネガティブコントロールとした。
図10B図10Bは、4385抗RAS TCRで形質転換したPBLと、RAS WT LP、RAS G12V LP、又はRAS G12V ME8の指示濃度でパルスした自己DC標的細胞との共培養に対する応答として、CD8+ゲート細胞中の4-1BB/OX40+細胞のパーセンテージを示すグラフである。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料と共培養した形質転換細胞をポジティブコントロールとして使用。T細胞のみ(標的細胞なし)をネガティブコントロールとした。
図10C図10Cは、4385抗RAS TCRで形質転換したPBLと、RAS WT LP、RAS G12V LP、又はRAS G12V ME8の指示濃度でパルスした自己DC標的細胞との共培養に対する応答として、CD4+ゲート細胞中の4-1BB/OX40+細胞のパーセンテージを示すグラフである。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料と共培養した形質転換細胞をポジティブコントロールとして使用。T細胞のみ(標的細胞なし)をネガティブコントロールとした。
図11A図11Aは、分泌されたIFN-γのELISPOT測定(スポット/3e4(3×10)細胞)中の4-1BB/OX40+細胞の割合を、共同培養に対する応答として示すグラフである。4385抗RAS G12V TCR4で形質転換したPBLを、指示濃度のRAS G12V ME8又はRAS G12V ME WT4(ME8のWT配列)でパルスした自己のDC標的細胞と共培養する。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料と共培養した形質転換細胞をポジティブコントロールとして使用した。
図11B図11Bは、CD8+ゲート細胞中の4-1BB/OX40+細胞の割合を、共同培養に対する応答として示すグラフである。4385抗RAS G12V TCR4で形質転換したPBLを、指示濃度のRAS G12V ME8又はRAS G12V ME WT4(ME8のWT配列)でパルスした自己のDC標的細胞と共培養する。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料と共培養した形質転換細胞をポジティブコントロールとして使用した。
図11C図11Cは、CD4+ゲート細胞中の4-1BB/OX40+細胞の割合を、共同培養に対する応答として示すグラフである。4385抗RAS G12V TCR4で形質転換したPBLを、指示濃度のRAS G12V ME8又はRAS G12V ME WT4(ME8のWT配列)でパルスした自己のDC標的細胞と共培養する。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料と共培養した形質転換細胞をポジティブコントロールとして使用した。
図12A図12Aは、IFNγ ELISPOTにより試験した反応性を示したグラフである。DMSO又は抗CD3/抗CD28 Dynabeadsで処理したDCは、それぞれ、ネガティブ又はポジティブコントロールとした。
図12B図12Bは、RAS G12V FL、RAS WT FLをトランスフェクトし、RAS WT LP、RAS G12V LP、RAS G12V ME(ME8なし)又はME8を負荷した自己DCとの共同培養によるTIL断片のCD8にゲートした41BB/OX40フローサイトメトリ・アッセイの使用を示したグラフである。DMSO又は抗CD3/抗CD28 Dynabeadsで処理したDCは、それぞれ、ネガティブ又はポジティブコントロールとした。
図12C図12Cは、RAS G12V FL、RAS WT FLをトランスフェクトし、RAS WT LP、RAS G12V LP、RAS G12V ME(ME8なし)又はME8を負荷した自己DCとの共同培養によるTIL断片のCD4(図12C)にゲートした41BB/OX40フローサイトメトリ・アッセイの使用を示したグラフである。DMSO又は抗CD3/抗CD28 Dynabeadsで処理したDCは、それぞれ、ネガティブ又はポジティブコントロールとした。
図13A図13Aは、IFNγ ELISPOTを用いて試験した反応性を示すグラフであり、ソート濃縮後にCD8+にゲーティングされたものである。患者4394の腫瘍断片F12からのTILを、RAS反応性TIL集団の濃縮後、異なる濃度のRAS G12V ME8又はRAS ME WT4(ME 8のWT配列)を負荷した自己DCと共培養した。
図13B図13Bは、I41BB/OX40フローサイトメトリーアッセイを用いて試験した反応性を示すグラフであり、ソート濃縮後にCD8+にゲーティングされたものである。患者4394の腫瘍断片F12からのTILを、RAS反応性TIL集団の濃縮後、異なる濃度のRAS G12V ME8又はRAS ME WT4(ME 8のWT配列)を負荷した自己DCと共培養した。
図14A図14Aは、RAS G12V ME8又はRAS WT4 ME(ME8のWT配列)を負荷した自己DCと共培養した4394 TCRA-及び4394 TCRB-トランスフェクトPBLについて、IFNγ ELISPOTによってテストした反応性を示すグラフである。RAS WT LP、RAS G12V LP、又はRAS G12V FL又はRAS WT FL遺伝子のmRNAでトランスフェクトした自己DCと共培養した。DMSOで処理したDCとの共培養はネガティブコントロールとして扱った。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料との共培養による非特異的刺激をポジティブコントロールとした。
図14B図14Bは、RAS G12V ME8又はRAS WT4 ME(ME8のWT配列)を負荷した自己DCと共培養した4394 TCRA-及び4394 TCRB-トランスフェクトPBLについて、CD4へのゲーティングによる41BB/OX40フローサイトメトリよってテストした反応性を示すグラフである。RAS WT LP、RAS G12V LP、又はRAS G12V FL又はRAS WT FL遺伝子のmRNAでトランスフェクトした自己DCと共培養した。DMSOで処理したDCとの共培養はネガティブコントロールとして扱った。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料との共培養による非特異的刺激をポジティブコントロールとした。
図14C図14Cは、RAS G12V ME8又はRAS WT4 ME(ME8のWT配列)を負荷した自己DCと共培養した4394 TCRA-及び4394 TCRB-トランスフェクトPBLについて、CD8へのゲーティングによる41BB/OX40フローサイトメトリによってテストした反応性を示すグラフである。RAS WT LP、RAS G12V LP、又はRAS G12V FL又はRAS WT FL遺伝子のmRNAでトランスフェクトした自己DCと共培養した。DMSOで処理したDCとの共培養はネガティブコントロールとして扱った。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料との共培養による非特異的刺激をポジティブコントロールとした。
図15A図15Aは、異なる濃度のRAS G12V ME8又はRAS ME WT4(ME8のWT配列)を負荷した4394 DCと共培養した4394 TCRA導入PBLについてIFNγ ELISPOTによる反応性の試験を示すグラフである。単独で培養したTCR導入PBLをネガティブコントロールとした。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料との共培養により非特異的に刺激されたTCR導入PBLをポジティブコントロールとした。
図15B図15Bは、異なる濃度のRAS G12V ME8又はRAS ME WT4(ME8のWT配列)を負荷した4394 DCと共培養した4394 TCRA導入PBLについてCD4へのゲーティングによる反応性の試験を示すグラフである。単独で培養したTCR導入PBLをネガティブコントロールとした。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料との共培養により非特異的に刺激されたTCR導入PBLをポジティブコントロールとした。
図15C図15Cは、異なる濃度のRAS G12V ME8又はRAS ME WT4(ME8のWT配列)を負荷した4394 DCと共培養した4394 TCRA導入PBLについてCD8へのゲーティングによる反応性の試験を示すグラフである。単独で培養したTCR導入PBLをネガティブコントロールとした。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料との共培養により非特異的に刺激されたTCR導入PBLをポジティブコントロールとした。
【発明を実施するための形態】
【0013】
RASファミリーのタンパク質は、低分子量GTPアーゼの大ファミリーに属する。特定の理論又はメカニズムには縛られないが、突然変異すると、RASタンパク質は多くのヒトがんの発がんの初期において、シグナル伝達に関与し得ると考えられている。単一のアミノ酸置換がタンパク質を活性化し得る。突然変異RASタンパク質産物は、構成的に活性化され得る。突然変異RASタンパク質は、例えば、膵臓がん(例えば、膵臓がん(pancreatic carcinoma))、結腸直腸がん、肺がん(例えば、肺腺がん)、子宮内膜がん、卵巣がん(例えば、上皮性卵巣がん)、及び前立腺がん等の種々のヒトのがんのいずれかで発現し得る。ヒトRASファミリーのタンパク質は、Kirstenラット肉腫ウイルスがん遺伝子ホモログ(KRAS)、Harveyラット肉腫ウイルスがん遺伝子ホモログ(HRAS)、及び神経芽腫ラット肉腫ウイルスがん遺伝子ホモログ(NRAS)を含む。
【0014】
KRASは、GTPアーゼKRas、V-Ki-Ras2キルステンラット肉腫ウイルスがん遺伝子、又はKRAS2とも称される。2のKRAS転写産物変異体:KRAS変異体A及びKRAS変異体Bがある。野生型(WT)KRAS変異体Aは、配列番号9のアミノ酸配列を有する。野生型(WT)KRAS変異体Bは配列番号10のアミノ酸を有する。以下、「KRAS」(突然変異又は非突然変異(WT))への言及は、特に明記しない限り、変異体A及び変異体Bの両方を指す。活性化されると、突然変異KRASはグアノシン5’-三リン酸(GTP)に結合し、GTPをグアノシン5’-二リン酸(GDP)に変換する。
【0015】
HRASは、RASタンパク質ファミリーの別のメンバーである。HRASは、ハーベイラット肉腫ウイルスがんタンパク質、V-Ha-Rasハーベイラット肉腫ウイルスがん遺伝子ホモログ、又はRasファミリー低分子量GTP結合タンパク質H-Rasとも称される。WT HRASは、配列番号11のアミノ酸配列を有する。
【0016】
NRASは、RASタンパク質ファミリーの更に別のメンバーである。NRASは、GTPase NRas、V-Ras神経芽細胞種RASウイルスがん遺伝子ホモログ、又はNRAS1とも称される。WT NRASは、配列番号12のアミノ酸配列を有する。
【0017】
本発明の一実施形態は、12位のグリシンのバリンへの置換を伴う突然変異ヒトRASアミノ酸配列(以下、「突然変異RAS」と称する。)に対して抗原特異性を有する単離又は精製されたTCRを提供し、突然変異ヒトRASアミノ酸配列は、突然変異ヒトKRAS、突然変異ヒトHRAS、又は突然変異ヒトNRASのアミノ酸配列であり。12位は、それぞれ、WTヒトKRAS、WTヒトHRAS、又はWTヒトNRASタンパク質を参照して定義される。以下、「TCR」への言及は、特に明記しない限り、TCRの機能的部分及び機能的変異体も指す。
【0018】
本発明TCRは、任意の変異型ヒトRASタンパク質、ポリペプチド又はペプチドアミノ酸配列に対して抗原特異性を有していてもよい。本発明の実施形態では、変異したヒトRASアミノ酸配列は、変異したヒトKRASアミノ酸配列、変異したヒトHRASアミノ酸配列、又は変異したヒトNRASアミノ酸配列である。WTヒトKRAS、NRAS、及びHRASのタンパク質のアミノ酸配列は、それぞれ188~189アミノ酸残基の長さを有し、互いに高度な同一性を有している。例えば、WTヒトNRASタンパク質のアミノ酸配列は、WTヒトKRASタンパク質のそれと86.8%同一である。WTヒトNRASタンパク質及びWTヒトKRASタンパク質のアミノ酸残基1~86は、100%同一である。WTヒトHRASタンパク質のアミノ酸配列は、WTヒトKRASタンパク質のそれと86.3%同一である。WTヒトHRASタンパク質及びWTヒトKRASタンパク質のアミノ酸残基1~94は、100%同一である。以下、「RAS」(突然変異又は非突然変異(WT))への言及は、特に明記しない限り、集合的にKRAS、HRAS、及びNRASを指す。
【0019】
本発明の実施形態では、変異ヒトRASアミノ酸配列は、12位にグリシンの置換を有するWT RASアミノ酸配列を含み、ここで12位は、それぞれWT RASタンパク質を参照して定義される。WT RASタンパク質は、上記で説明したように、WTヒトNRASタンパク質及びWTヒトKRASタンパク質のアミノ酸残基1~86は100%同一であり、WTヒトHRASタンパク質及びWTヒトKRASタンパク質のアミノ酸残基1~94は100%同一なので、WT KRASタンパク質(配列番号9又は10)、WT HRASタンパク質(配列番号11)、WT NRASタンパク質(配列番号12)のどれでもあってもよい。したがって、WT KRASタンパク質、WT HRASタンパク質及びWT NRASタンパク質のそれぞれの12位のアミノ酸残基は同一であり、すなわちグリシンである。
【0020】
WT RASアミノ酸配列の12位のグリシンは、グリシン以外の任意のアミノ酸残基で置換されていてもよい。本発明の実施形態では、置換は、WT RASアミノ酸配列の12位のグリシンをバリンで置換する。この点に関して、本発明の実施形態は、G12V変異を有する任意のWT RASタンパク質、ポリペプチド又はペプチドアミノ酸配列に対して抗原特異性を有するTCRを提供する。
【0021】
RASの突然変異及び置換は、本明細書において、WT RASタンパク質のアミノ酸配列を参照して定義される。従って、RASの突然変異及び置換は、WT RASタンパク質中の特定の位置に存在するアミノ酸残基、次に位置番号、次に、その残基が、検討中の特定の突然変異又は置換において置換されたアミノ酸残基を基準にして、本明細書に記載される。RASアミノ酸配列(例えば、RASペプチド)は、全長のWT RASタンパク質の全部に満たない、アミノ酸残基を含み得る。従って、12位は、本明細書において、RASアミノ酸配列の特定の例における対応する残基の実際の位置が異なる場合があるという理解の下で、WT全長RASタンパク質(即ち、配列番号9~12のいずれか1つ)を参照して定義される。位置が配列番号9~12のいずれか1つで定義されるとおりである場合、用語「G12」は、配列番号9~12のいずれか1つの12位に通常存在するグリシンを指し、「G12V」は、配列番号9~12のいずれか1つの12位に通常存在するグリシンはバリンにより置換されていることを示す。例えば、RASアミノ酸配列の特定の例が、例えば、
【0022】
【化1】
【0023】
(配列番号28)(配列番号9の連続するアミノ酸残基7~16に対応する例示的なWTKRASペプチド)である場合、「G12V」は、たとえ配列番号31の下線付きグリシンの実際の位置が6であるとしても、配列番号31の下線付きグリシンのアスパラギン酸への置換を指す。G12V突然変異を有するヒトRASアミノ酸配列を、以下、「G12V RAS」と称する。
【0024】
G12V突然変異を含む全長RASタンパク質の例を、以下の表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
本発明の実施形態では、TCRは、上記のG12V変異を有するRASペプチドに対する抗原特異性を有し、ここで、変異RASペプチドは、任意の長さを有する。本発明の実施形態では、変異RASペプチドは、本明細書に記載されるHLAクラスI分子のいずれかに結合するのに適した任意の長さを有する。例えば、TCRは、G12V変異を有するRASペプチドに対して抗原特異性を有してよく、RASペプチドは、約9ないし約10アミノ酸残基の長さを有する。変異RASペプチドは、G12V変異を含む変異RASタンパク質の任意の連続したアミノ酸残基を含んでもよい。本発明の実施形態では、TCRは、G12V変異を有するRASペプチドに対して抗原特異性を有してよく、変異RASペプチドは、約9アミノ酸残基又は約10アミノ酸残基の長さを有する。本発明のG12V TCRによって認識され得るG12Vを有する特異的ペプチドの例は、例えば24-mer MTEYKLVVVGAVGVGKSALTIQLI(配列番号30)内の9-mer AVGVGKSAL(配列番号29)で、そのうち配列番号26及び27はそれぞれWTバージョンのぺプチドである。本発明の実施形態では、TCRは、配列番号29又は30の変異したヒトRASアミノ酸配列に対する抗原特異性を有する。本発明の実施形態では、TCRは、配列番号26又は配列番号27の野生型ヒトRASアミノ酸配列に対して抗原特異性を有さない。理論に拘束されることを望まないが、配列番号30の24-merは、例えば配列番号29のような、より小さなセグメントで処理され提示されてもよい。
【0027】
本発明の一実施形態においては、本発明のTCRは、HLAクラスI分子によって提示されるG12VRASを認識することができる。これに関して、TCRは、G12VRASへの結合に際して、HLAクラスI分子の関連内で、免疫応答を誘発し得る。本発明のTCRは、HLAクラスI分子によって提示されるG12VRASを認識でき、G12VRASに加え、HLAクラスI分子に結合し得る。
【0028】
本発明の一実施形態においては、HLAクラスI分子は、HLA-C分子である。HLA-C分子は、α鎖とβ2マイクログロブリンのヘテロ二量体である。HLA-Cα鎖は、HLA-A遺伝子によってコードされ得る。β2マイクログロブリンは、アルファ鎖のアルファ1、アルファ2、アルファ3ドメインに非共有結合的に結合して、HLA-A複合体を構築する。HLA-A分子は、任意のHLA-A分子であってもよい。本発明の一実施形態においては、HLAクラスI分子は、HLA-C01分子である。HLA-C01分子は、任意のHLA-C01分子であってもよい。HLA-C01分子の例としては、HLA-C01:01を含み得る。
【0029】
例えば、本発明のTCRは、養子細胞移入のために用いられる細胞によって発現される場合を含め、種々の利点のいずれか1以上を提供し得る。突然変異RASはがん細胞によって発現され、健常な非がん細胞によっては発現されない。特定の理論又はメカニズムには縛られないが、本発明のTCRは、健常な非がん細胞の破壊を最小化又は排除し、それにより毒性を低減しながら、がん細胞の破壊を好都合に目的とすると考えられる。更に、本発明のTCRは、例えば、化学療法、手術又は放射線療法等の他のタイプの治療に応答しない突然変異RAS陽性がんを、首尾よく好都合に治療又は予防し得る。RASG12 変異は、多くの癌種に見られる最も一般的なホットスポット変異の一つである。例えば、KRAS G12V変異は、膵臓癌及び大腸癌の患者のそれぞれ約27%及び約9%に発現している。さらに、RASファミリーのメンバーは、異なる癌種においてG12ホットスポット変異を共有している(例えば、メラノーマにおけるNRAS)。追加的に、本発明のTCRは、親和性の高い突然変異RASの認識を提供し、これは、操作されていない腫瘍細胞(例えば、インターフェロン(IFN)γで処理されていない、突然変異RAS及びHLA-C01:02の一方若しくは両方をコードするベクターでトランスフェクションされていない、G12V突然変異を有するRASペプチドでパルスされていない、又はそれらの組合せの腫瘍細胞)を認識する能力を提供し得る。更に、HLA-C01:02アレルは、コーカサス及びヒスパニックの民族の概ね6%及び概ね10%でそれぞれ発現し、合衆国におけるアジア系民族の最大約40%で発現する。従って、本発明のTCRは、他のMHC分子によって提示されたRASを認識するTCRを用いた免疫療法に適していない場合があるHLA-C01:02アレルを発現する患者を含む、免疫療法に適格ながん患者数を増加させ得る。更に、本発明のTCR、ポリペプチド及びタンパク質は、ヒトアミノ酸配列を含み、これは、例えば、マウスアミノ酸配列を含むTCR、ポリペプチド及びタンパク質と比較して、ヒト免疫系による拒絶のリスクを低減し得る。
【0030】
本明細書で用いられる場合、語句「抗原特異性」は、TCRが高いアビディティで突然変異RASに特異的に結合し得、免疫学的に認識し得ることを意味する。例えば、(a)低濃度の突然変異RASペプチド(例えば、約0.05ng/mL~約10ng/mL、1ng/mL、2ng/mL、5ng/mL、8ng/mL、10ng/mL、又は前記値の任意の2つによって定義される範囲)でパルスした抗原陰性HLAクラスI分子陽性標的細胞、又は(b)標的細胞が突然変異RASを発現するよう、突然変異RASをコードするヌクレオチド配列が導入されている抗原陰性HLAクラスI分子陽性標的細胞、との共培養に際して、TCRを発現する約1×10~約1×10のT細胞が、少なくとも約200pg/mL以上(例えば、200pg/mL以上、300pg/mL以上、400pg/mL以上、500pg/mL以上、600pg/mL以上、700pg/mL以上、1000pg/mL以上、5,000pg/mL以上、7,000pg/mL以上、10,000pg/mL以上、20,000pg/mL以上、又は前記値の任意の2つによって定義される範囲)のIFN-γを分泌する場合、TCRは突然変異RASに対して「抗原特異性」を有すると考えられ得る。本発明のTCRを発現する細胞はまた、より高濃度の突然変異RASペプチドでパルスした抗原陰性HLAクラスI分子陽性標的細胞との共培養に際しても、IFN-γを分泌し得る。HLAクラスI分子は、本明細書に記載のHLAクラスI分子のいずれであってもよい(例えば、HLA-C01:02分子)。
【0031】
代替的に又は追加的に、(a)低濃度の突然変異RASペプチドでパルスした抗原陰性HLA-クラスI分子陽性標的細胞、又は(b)標的細胞が、突然変異RASを発現するよう、突然変異RASをコードするヌクレオチド配列が導入されている抗原陰性HLAクラスI分子陽性標的細胞、との共培養に際して、TCRを発現するT細胞が、ネガティブコントロールによって発現されるIFN-γの量と比べて少なくとも2倍の多さのIFN-γを分泌する場合、TCRはG12VRASに対して「抗原特異性」を有すると考えられ得る。ネガティブコントロールは、例えば、(i)(a)同じ濃度の関係性のないペプチド(例えば、突然変異RASペプチドとは異なる配列を含む幾つかの他のペプチド)でパルスした抗原陰性HLAクラスI分子陽性標的細胞、若しくは(b)標的細胞が関係性のないペプチドを発現するよう、関係性のないペプチドをコードするヌクレオチド配列が導入されている抗原陰性HLAクラスI分子陽性標的細胞、と共培養された、TCRを発現するT細胞、又は(ii)(a)同じ濃度の突然変異RASペプチドでパルスされた抗原陰性HLAクラスI分子陽性標的細胞、若しくは(b)標的細胞が突然変異RASを発現するよう、突然変異G12VRASをコードするヌクレオチド配列が導入されている抗原陰性HLAクラスI分子陽性標的細胞、と共培養された、非形質導入T細胞(例えば、TCRを発現しないPBMC由来)であってもよい。ネガティブコントロールの標的細胞によって発現されるHLAクラスI分子は、試験されるT細胞と共培養される標的細胞によって発現されるHLAクラスI分子と同じである。HLAクラスI分子は、本明細書に記載のHLAクラスI分子のいずれであってもよい(例えば、HLA-C01:02分子)。IFN-γ分泌は、例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)等の当該技術分野において公知の方法によって測定され得る。
【0032】
代替的に又は追加的に、(a)低濃度の突然変異RASペプチドでパルスされた抗原陰性HLAクラスI分子陽性標的細胞、又は(b)標的細胞が突然変異RASを発現するよう、突然変異RASをコードするヌクレオチド配列が導入されている抗原陰性HLAクラスI分子陽性標的細胞、との共培養に際して、IFN-γを分泌するネガティブコントロールT細胞の数と比べて、少なくとも2倍の多さの数の、TCRを発現するT細胞がIFN-γを分泌する場合、TCRは突然変異RASに対して「抗原特異性」を有すると考えられ得る。HLAクラスI分子、ペプチドの濃度及びネガティブコントロールは、本発明の他の態様に関して明細書に記載されるとおりであってもよい。IFN-γを分泌する細胞の数は、例えば、例えば、ELISPOT等の当該技術分野において公知の方法によって測定され得る。
【0033】
代替的に又は追加的に、TCRを発現するT細胞が、例えば、突然変異RASを発現する標的細胞で刺激後にフローサイトメトリーによって測定された、1以上のT細胞活性化マーカーの発現を上方制御する場合、TCRは突然変異RASに対して「抗原特異性」を有すると考えられ得る。T細胞活性化マーカーの例としては、4-1BB、OX40、CD107a、CD69、及び抗原刺激に際して上方制御されるサイトカイン(例えば、腫瘍壊死因子(TNF)、インターロイキン(IL)-2等)が挙げられる。
【0034】
本発明の一実施形態は、TCRのアルファ(α)鎖、TCRのベータ(β)鎖、TCRのガンマ(γ)鎖、TCRのデルタ(δ)鎖又はそれらの組合せ等の、2のポリペプチド(即ち、ポリペプチド鎖)を含むTCRを提供する。本発明のTCRのポリペプチドは、TCRが突然変異RASに対して抗原特異性を有するという条件で、任意のアミノ酸配列を含み得る。一部の実施態様では、TCRは天然には発生しない。
【0035】
本発明の一実施形態においては、TCRは2のポリペプチド鎖を含み、そのそれぞれが、TCRの相補性決定領域(CDR)1、CDR2、及びCDR3を含む可変領域を含む。本発明の一実施形態においては、TCRは、配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR1(α鎖のCDR1)、配列番号2のアミノ酸配列を含むCDR2(α鎖のCDR2)、及び配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR3(α鎖のCDR3)を含む第一のポリペプチド鎖、並びに配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR1(β鎖のCDR1)、配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR2(β鎖のCDR2)、及び配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR3(β鎖のCDR3)を含む第二のポリペプチド鎖を含む。
【0036】
本発明の別の実施形態では、TCRは、配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR1(α鎖のCDR1)、配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR2(α鎖のCDR2)、及び配列番号.のアミノ酸配列を含むCDR3を含む第1のポリペプチド鎖を含んでおり、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2(β鎖のCDR3)、及び配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR2(α鎖のCDR3)を含む第2のポリペプチド鎖を含む。33(α鎖のCDR3)のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号34(β鎖のCDR1)、配列番号35(β鎖のCDR2)のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号36(β鎖のCDR3)のアミノ酸配列を含むCDR3を含む第2のポリペプチド鎖である。
【0037】
本発明の別の実施形態では、TCRは、配列番号64のアミノ酸配列を含むCDR1(α鎖のCDR1)、配列番号65のアミノ酸配列を含むCDR2(α鎖のCDR2)、及び配列番号.のアミノ酸配列を含むCDR3を含む第1のポリペプチド鎖と、配列番号66のアミノ酸配列を含むCDR1(β鎖のCDR2)、CDR3を含む第2のポリペプチド鎖から構成される。66(α鎖のCDR3)、及び配列番号67(β鎖のCDR1)のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号68(β鎖のCDR2)のアミノ酸配列を含むCDR2及び配列番号69(β鎖のCDR3)のアミノ酸配列を含むCDR3を含む第2のポリペプチド鎖を提供する。
【0038】
これに関して、本発明のTCRは、配列番号1~6、31~36及び64~69のいずれかから選択されるアミノ酸配列のいずれか1以上を含み得る。本発明の一実施形態においては、TCRは、(a)配列番号1~3の全て、(b)配列番号4~6の全て、(c)全て全て(c)配列番号31~33の全て、(d)配列番号34~36の全て、(e)配列番号の全てのアミノ酸配列。64~66、(f)配列番号67~69の全て、(g)配列番号1~6の全て、(h)配列番号31~36の全て、又は(i)配列番号64~69の全てである。特に好ましい実施形態では、TCRは、以下のアミノ酸配列を含む。(i)配列番号1~6の全て、(ii)配列番号31~36の全て、又は(iii)配列番号64~69の全てのアミノ酸配列を含む。
【0039】
配列番号3、6、33、36、66、及び69のいずれか1以上のCDR3、すなわちα鎖もしくはβ鎖又はその両方のCDRは、CDRの最初のアミノ酸のすぐN末端側のシステイン又は最終アミノ酸のすぐC末端側のフェニルアラニン又はその両方を更に含んでもよい。
【0040】
本発明の実施形態において、TCRは、上記で規定されたCDRを含むTCRの可変領域のアミノ酸配列を含む。TCRは、ヒト可変領域、例えば、ヒトα鎖可変領域及びヒトβ鎖可変領域を含むことができる。この点に関して、TCRは、例えば、以下のアミノ酸配列を含むことができる。配列番号7(野生型N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのα鎖の可変領域);配列番号90(変異型N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのα鎖の可変領域);配列番号8(変異型N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号91(野生型N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号98(N 末端の信号ペプチドの可変領域):配列番号37(野生型N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのα鎖の可変領域);配列番号92(変異型N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのα鎖の可変領域);配列番号38(変異型N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号93(野生型N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号70(野生型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのα鎖の可変領域);配列番号132(変異型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのα鎖の可変領域);配列番号71(変異型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号133(野生型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号47(IMGTで予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4391 TCRのα鎖の可変領域);配列番号94(SignalPで予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4391 TCRのα鎖の可変領域);配列番号48(IMGTで予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4391 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号95(SignalPで予測されたN末端シグナル配列を有しない4391 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号49(IMGTで予測されたN末端シグナルペプチドを有しない4385 TCRのα鎖の可変領域);配列番号96(SignalPで予測されたN末端シグナルペプチドを有しない4385 TCRのα鎖の可変領域);配列番号49(N末端シグナルペプタイドの可変領域);配列番号50(IMGTで予測されるN末端シグナルペプチドを有さない4385 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号97(SignalPで予測されるN末端シグナルペプチドを有さない4385 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号72(IMGTで予測されたN末端シグナルペプチドを有しない4394 TCRのα鎖の可変領域);配列番号88(SignalPで予測されたN末端シグナルペプチドを有しない4394 TCRのα鎖の可変領域);配列番号73(IMGTで予測されたN末端シグナルペプチドを有さない4394 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号89(SignalPで予測されたN末端シグナル配列を有さない4394 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号7及び8の両方;配列番号7及び91の両方;配列番号90及び8の両方;配列番号90及び91の両方;配列番号37 及び38;配列番号37及び93の両方;配列番号92及び38の両方;配列番号92及び93の両方;配列番号70及び71の両方;配列番号70及び133の両方;配列番号132及び71の両方;配列番号132及び133の両方;配列番号47及び48の両方;配列番号94及び95の両方;配列番号49及び50の両方;配列番号96及び97の両方;配列番号72及び73の両方;又は配列番号88及び89の両方である。好ましくは、TCRは、(i)配列番号7及び8の両方;(ii)配列番号90及び91の両方;(iii)配列番号37及び38の両方;(iv)配列番号92及び93の両方;(v)配列番号70及び71の両方;(vi)配列番号132及び133の両方;(vii)配列番号47及び48の両方;(viii)配列番号94及び95の両方;(ix)配列番号49及び50の両方;(x)配列番号96及び97の両方;(xi)配列番号72及び73の両方;あるいは(xii)配列番号88及び89の両方を含む。
【0041】
本発明のTCRは、α鎖定常領域及びβ鎖定常領域を更に含み得る。定常領域は、例えば、ヒト又はマウス等の任意の好適な種に由来し得る。本発明の一実施形態においては、TCRは、マウスα鎖及びβ鎖定常領域又はヒトα鎖及びβ鎖定常領域を更に含む。本明細書で用いられる場合、用語「マウス」又は「ヒト」は、本明細書に記載のTCR又はTCRの任意の構成要素(例えば、CDR、可変領域、定常領域、α鎖、及び/又はβ鎖)に言及する場合は、それぞれマウス又はヒトに由来するTCR(又はその構成要素)、即ち、それぞれマウスT細胞又はヒトT細胞起源であるか、又はかつてそれに発現したTCR(又はその構成要素)を意味する。
【0042】
本発明の実施形態は、ヒト可変領域とマウス定常領域とを含むキメラTCRを提供し、ここで、TCRは、HLAクラスI分子によって提示される変異ヒトRASアミノ酸配列に対して抗原特異性を有する。マウス定常領域は、任意の1つ又は複数の利点を提供し得る。例えば、マウス定常領域は、本発明TCRが導入された宿主細胞の内在性TCRとのミスペアを減少させることができる。代替的又は追加的に、マウス定常領域は、ヒト定常領域を有する同じTCRと比較して、本発明TCRの発現を増加させることができる。キメラTCRは、配列番号19(野生型(WT)マウスα鎖定常領域)、配列番号20(WTマウスβ鎖定常領域)、又は配列番号19及び20の両方のアミノ酸配列から構成されてもよい。好ましくは、本発明TCRは、配列番号19及び20の両方のアミノ酸配列を含む。キメラTCRは、本発明の他の側面に関して本明細書に記載されるようなCDR領域のいずれかと組み合わせて、本明細書に記載されるマウス定常領域のいずれかを含んでいてもよい。この点に関して、TCRは、例えば、以下のアミノ酸配列から構成されてもよい。(a)配列番号1~3及び19の全て;(b)配列番号4~6及び20の全て;(c)配列番号31~33及び19の全て;(d)配列番号34~36及び20の全て;(e)配列番号1~3の全て;。64~66及び19;(f)配列番号67~69及び20の全て;(g)配列番号1~6の全て及び19~20;(h)配列番号31~36及び19~20の全て;又は配列番号64~69の全てのものである。本発明の別の実施形態では、キメラTCRは、例えば、本発明の他の態様に関して本明細書に記載された可変領域のいずれかと組み合わせて、本明細書に記載されたマウス定常領域のいずれかを含んでいてもよい。この点に関して、TCRは、以下のアミノ酸配列から構成されてもよい。(i)配列番号7及び19の両方;(ii)配列番号90及び19の両方;(iii)配列番号8及び20の両方;(iv)配列番号91及び20の両方;(v)配列番号7及び19の両方;(iv)配列番号37及び19の両方;(vi)配列番号92及び19の両方;(vii)配列番号38及び20の両方;(viii)配列番号93及び20の両方;(ix)配列番号70及び19の両方;(x)配列番号132及び19の両方;(xi)配列番号71及び20の両方;(xii)配列番号133及び20の両方;(xiii)配列番号7~8及び19~20の全て;(xiv)配列番号90~91及び19~20の全て;(xv)配列番号37~38及び19~20の全て;(xvi)配列番号92~93及び19~20の全て;又は(xvii)配列番号70~71及び19~20の全て;(xviii)配列番号132~133及び19~20の全て;を含み得る。
【0043】
本発明の別の実施形態では、TCRは、以下のアミノ酸配列を含む。配列番号23(WTマウス定常領域及びWT N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのα鎖)、配列番号102(WTマウス定常領域及び変異体N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのα鎖)、配列番号24(WT マウス定常領域及び変異体N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのβ鎖)、配列番号24(WTマウス定常領域及び変異体N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのβ鎖)、配列番号103(WTマウス定常領域及びWT N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのβ鎖)、配列番号42(WTマウス定常領域及び変異体N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのβ鎖)、配列番号39(WTマウス定常領域及びWT N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのα鎖)、配列番号108(WTマウス定常領域及び変異体N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのα鎖)、配列番号42(WTマウス定常領域及びWT N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのβ鎖)、配列番号40(WTマウス定常領域及び変異体N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのβ鎖)、配列番号109(WTマウス定常領域及びWT N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのβ鎖)、配列番号70(WTマウス定常領域及び変異体N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのα鎖)、配列番号78(WTマウス定常領域及びWT N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのα鎖)、配列番号138(WTマウス定常領域及び変異体N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのα鎖)、配列番号79(WTマウス定常領域及びWT N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのβ鎖)、配列番号79(WTマウス定常領域及び変異体N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのβ鎖)、配列番号139(WTマウス定常領域及びWT N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのβ鎖)、配列番号51(WTマウス定常領域及び変異体N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのα鎖)、配列番号51(WTマウス定常領域を有し、IMGTによって予測されるN末端シグナルペプチドを有さない4391 TCRのα鎖)、配列番号114(WTマウス定常領域を有し、SignalPによって予測されるN末端シグナルペプチドのない4391 TCRのα鎖)、配列番号52(WTマウス定常領域を有し、IMGTによって予測されるN末端シグナルペプチドのない4391 TCRのβ鎖)、配列番号115(WTマウス定常領域を有し、SignalPによって予測されるN末端シグナルペプチドを有さない4391 TCRのβ鎖)、配列番号53(WTマウス定常領域を有し、IMGTによって予測されるN末端シグナルペプチドを有さない4385 TCRのα鎖)、配列番号120(WTマウス定常領域を有し、IMGTによって予測されるN末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのβ鎖)、配列番号20(WTマウス定常領域を有し、SignalPによって予測されるN末端シグナルペプチドを有さない4385 TCRのα鎖)、配列番号54(WTマウス定常領域を有し、IMGTによって予測されるN末端シグナルペプチドを有さない4385 TCRのβ鎖)、配列番号121(WTマウス定常領域を有し、SignalPによって予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4385 TCRのβ鎖)、配列番号80(WTマウス定常領域を有し、IMGTによって予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4391 TCRのα鎖)、配列番号146(WTマウス定常領域を有し、SignalPによって予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4391 TCRのα鎖)、配列番号81(WTマウス定常領域を有し、IMGTによって予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4391 TCRのβ鎖)、配列番号147(WTマウス定常領域を有し、SignalPによって予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4391 TCRのβ鎖)、配列番号23及び24の両方、配列番号23及び103の両方、配列番号102及び24の両方、配列番号102及び103の両方、配列番号23及び24の両方の配列番号39及び40の両方、配列番号39及び109の両方、配列番号108及び40の両方、配列番号108及び109の両方、配列番号78及び79の両方、配列番号78及び139の両方、配列番号138及び79の両方、配列番号139の両方、配列番号138及び139の両方、配列番号51及び52の両方、配列番号114及び115の両方、配列番号53~54の両方、配列番号120及び121の両方、配列番号80及び81の両方、又は配列番号146及び147の両方を含む。
【0044】
本発明の実施形態では、TCRは、可変領域及び定常領域を含むα鎖と、可変領域及び定常領域を含むβ鎖を含む。この点に関して、TCRは例えば、(a)配列番号21(野生型N末端シグナルペプチドを有する4391TCRのα鎖)のアミノ酸配列を含むα鎖を含み、ここで、(i)配列番号21の180位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号21の244位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号21の246位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;(iv)配列番号21の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(b)配列番号100(変異体N末端シグナルペプチドを有する4391TCRのα鎖)のアミノ酸配列を含むα鎖を含み、ここで(i)配列番号100の180位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号100の244位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号100の246位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;(iv)配列番号100の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(c)配列番号22(変異体N末端シグナルペプチドを有する4391TCRのβ鎖)のアミノ酸配列を含むβ鎖、ここで配列番号22の190位のXはSer又はCysである;(d)配列番号101(野生型N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのβ鎖)であり、ここで配列番号101の190位のXはSer又はCysである;(e)配列番号41のアミノ酸配列(野生型N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのα鎖)を含むα鎖であり、ここで(i)配列番号41の181位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号41の245位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号41の247位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;(iv)配列番号41の248位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(f)配列番号106のアミノ酸配列を含むα鎖(変異体N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのα鎖)であり、ここで(i)配列番号106の181位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号106の245位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号106の247位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び(iv)配列番号106の248位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(g)配列番号42のアミノ酸配列を含むβ鎖(変異型N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのβ鎖)、ここで配列番号42の195位のXはSer又はCys;(h)配列番号107のアミノ酸配列を含むβ鎖、(変異型N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのβ鎖)、ここで、配列番号42の195位のXはSer又はCys;(h)配列番号107(野生型N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのβ鎖)、ここで配列番号107の195位のXはSer又はCysである;(I)配列番号74のアミノ酸配列を含むα鎖(野生型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのα鎖)、ここで(i)配列番号74の180位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号74の244位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号74の246位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;(iv)配列番号74の247位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpである;(j)配列番号136のアミノ酸配列を含むα鎖(変異型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのα鎖)であり、ここで(i)配列番号136の180位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号136の244位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号136の246位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;(iv)配列番号136の247位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(k)配列番号75のアミノ酸配列を含むβ鎖(変異型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのβ鎖)、ここで配列番号75の187位におけるXは、Ser又はCysである;(iv)配列番号75の188位におけるYは、Gly、Ala、Alu、Phe又はPropであり、(g)は配列番号75はSer又はCysである;(l)配列番号137の187位のXは、野生型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのβ鎖である。137はSer又はCysである;(m)(a)及び(c)の両方;(n)(b)及び(d)の両方;(o)(e)及び(g)の両方;(p)(f)及び(h)の両方;(q)(i)及び(k)の両方;(r)(j)及び(l)の両方;(s)配列番号55のアミノ酸配列を含むα鎖(IMGTにより予測されたN末端シグナルペプチドなしの4391TCRのα鎖);ここで、(i)配列番号55の160位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号55の224位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号55の226位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;(iv)配列番号55の227位はGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(t)配列番号112のアミノ酸配列を含むα鎖(SignalPにより予測されるN末端シグナルペプチドを含まない4391 TCRのα鎖)であり、ここで(i)配列番号112の159位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号112の223位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(iii)配列番号112の225位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び(iv)配列番号112の226位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(u)配列番号56(IMGTにより予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4391 TCRのβ鎖)のアミノ酸配列を含み、ここで配列番号56の168位のXはSer又はCys;(v)配列番号113(SignalPによって予測されるN末端シグナルペプチドを有さない4391 TCRのβ鎖)のアミノ酸配列を含むβ鎖であり、ここで配列番号113の173位のXはSer又はCysである;(w)配列番号57(IMGTによって予測されるN末端シグナルペプチドのない4385 TCRのα鎖)のアミノ酸配列を含むα鎖であり、ここで(i)配列番号57の160位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号57の224位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号57の226位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;及び(iv)配列番号57の227位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpである;(x)配列番号118のアミノ酸配列を含むα鎖(SignalPにより予測されるN末端シグナルペプチドを含まない4385 TCRのα鎖)であって、ここで(i)配列番号118の161位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号118の225位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(iii)配列番号118の227位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び(iv)配列番号118の228位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(y)配列番号58のアミノ酸配列を含むβ鎖(IMGTにより予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4385 TCRのβ鎖)であって、ここで配列番号58の173位のXはSer又はCys;(z)配列番号119のアミノ酸配列を含むβ鎖(IMGTにより予測されるN末端シグナルペプチドのない4385 TCRのβ鎖)、ここで、配列番号119の178位のXはSer又はCysである;(aa)配列番号76(IMGTによって予測されるN末端シグナルペプチドを有さない4394 TCRのα鎖)のアミノ酸配列を含むα鎖であり、ここで。(i)配列番号76の159位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号76の223位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号76の225位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;及び(iv)配列番号76の226位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(bb)配列番号144のアミノ酸配列(SignalPにより予測されるN末端シグナルペプチドを含まない4394 TCRのα鎖)を含むα鎖であり、ここで、(i)配列番号144の160位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号144の224位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(iii)配列番号144の226位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び(iv)配列番号144の227位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(cc)配列番号77(IMGTにより予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4394 TCRのβ鎖)のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号77の168位におけるXがSer又はCysであるもの;(dd)配列番号145(SignalPによって予測されるN末端シグナルペプチドを含まない4394 TCRのβ鎖)のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、ここで配列番号145の166位のXはSer又はCysである;(ee)(s)及び(u)両方;(ff)(t)及び(v)両方;(gg)(w)及び(y)両方;(hh)(x))及び(z)両方;(hh)(aa)及び(cc)両方;又は(ii)(bb)及び(dd)両方を含む。本発明の実施形態では、配列番号21を含むTCRは、配列番号23(4391TCRの非置換α鎖)を含んでいない。本発明の実施形態において、配列番号100を含むTCRは、配列番号102(4391TCRの非置換α鎖)を含まない。本発明の実施形態において、配列番号22を構成するTCRは、配列番号24(4391TCRの非置換β鎖)を含まない。本発明の実施形態において、配列番号101を含むTCRは、配列番号103(4391TCRの非置換β鎖)を含まない。本発明の実施形態において、配列番号41を含むTCRは、配列番号39(4385TCRの非置換α鎖)を含まない。本発明の実施形態において、配列番号106を構成するTCRは、配列番号108(4385TCRの非置換α鎖)を含まない。本発明の実施形態において、配列番号42を含むTCRは、配列番号40(4385TCRの非置換β鎖)を含まない。本発明の実施形態において、配列番号107を含むTCRは、配列番号109(4385TCRの非置換β鎖)を
含まない。本発明の実施形態において、配列番号74を含むTCRは、配列番号78(4394TCRの非置換α鎖)を含まない。本発明の実施形態では、配列番号136を含むTCRは、配列番号138(4394TCRの非置換α鎖)を含まない。本発明の実施形態では、配列番号75を含むTCRは、配列番号79(4394TCRの非置換β鎖)を含まない。本発明の実施形態では、配列番号137を含むTCRは、配列番号139(4394TCRの非置換β鎖)を含まない。
【0045】
本発明の一実施形態においては、TCRは置換定常領域を含む。これに関して、TCRは例えば、α鎖及びβ鎖の一方又は両方の定常領域に1、2、3、又は4アミノ酸の置換を含む、本明細書に記載のTCRのいずれかのアミノ酸配列を含み得る。好ましくは、TCRは、α鎖及びβ鎖の一方又は両方のマウス定常領域において1、2、3、又は4アミノ酸の置換を含むマウス定常領域を含む。特に好ましい実施形態においては、TCRは、α鎖のマウス定常領域に1、2、3、又は4アミノ酸の置換及びβ鎖のマウス定常領域に1のアミノ酸置換を含むマウス定常領域を含む。いくつかの実施形態においては、置換定常領域を含むTCRは、非置換(野生型)定常領域を含む親TCRと比較して、好都合に、突然変異RAS標的の認識の増大、宿主細胞による発現の増大、内因性TCRとの誤対合の減少、及び抗腫瘍活性の増大のうちの1以上を提供する。一般に、TCRα鎖及びβ鎖のマウス定常領域の置換アミノ酸配列、それぞれ配列番号17及び18は、非置換マウス定常領域アミノ酸配列の全て又は一部に対応し、配列番号17は、配列番号19と比較した場合に、1、2、3、又は4アミノ酸の置換を有し、配列番号18は、配列番号20と比較した場合に、1のアミノ酸置換を有する。これに関して、本発明の一実施形態は、(a)配列番号17(α鎖の定常領域)であって;(i)48位のXが、Thr又はCysであり;(ii)112位のXが、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(iii)114位のXが、Met、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び(iv)115位のXが、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpである、配列番号17;(b)配列番号18(β鎖の定常領域)であって、57位のXが、Ser又はCysである、配列番号18;又は(c)配列番号17及び18の両方、のアミノ酸配列を含む、TCRを提供する。本発明の一実施形態においては、配列番号17を含むTCRは、配列番号19(α鎖の非置換マウス定常領域)を含まない。本発明の一実施形態においては、配列番号18を含むTCRは、配列番号20(β鎖の非置換マウス定常領域)を含まない。
【0046】
本明細書に記載されるマウスα定常領域のいずれかの第1アミノ酸は、配列番号17、19及び98に提供されるようなNとは異なっていてもよい。例えば、本明細書に記載の任意のTCR構築物、ポリペプチド、タンパク質等において、この第1アミノ酸は、マウスα定常領域のいずれかがその位置に異なるアミノ酸を有することができるように、分割コドン(可変領域と定常領域の両方からのヌクレオチドを有する)によってコードされ得る。例えば、配列番号21、23、39、41、51、53、55、57、74、78、100、102、104、106、108、110、126、134、136、138又は140はそれぞれ、定常領域の最初のアミノ酸に対応する位置にHを有していてもよい。同様に、本明細書に記載のマウスβ定常領域のいずれかの第1アミノ酸は、配列番号18、20及び99に提供されるEと異なっていてもよく、例えば、この第1アミノ酸は分割コドンによりコードされ得る。
【0047】
本発明の一実施形態においては、置換定常領域は、α鎖及びβ鎖の一方又は両方の定常領域におけるシステイン置換を含み、システイン置換TCRを提供する。α鎖とβ鎖の対向するシステインは、非置換マウス定常領域を含むTCRには存在しない、置換TCRのα鎖及びβ鎖の定常領域を相互に連結するジスルフィド結合を提供する。これに関して、TCRは例えば、配列番号19の48位のネイティブのThr(Thr48)及び配列番号20の57位のネイティブのSer(Ser57)の一方又は両方がCysで置換されてもよいシステイン置換TCRであってもよい。好ましくは、配列番号19のネイティブのThr48及び配列番号20のネイティブのSer57の両方がCysで置換される。システイン置換TCR定常領域配列の例を表2に示す。本発明の一実施形態においては、システイン置換TCRは、(i)配列番号17、(ii)配列番号18、又は(iii)配列番号17及び18の両方を含み、配列番号17及び18の両方は、表2に定義されるとおりである。本発明のシステイン置換TCRは、本明細書に記載のCDRのいずれか又は可変領域に加えて置換定常領域を含み得る。
【0048】
本発明の一実施形態においては、システイン置換キメラTCRは、全長α鎖及び全長β鎖を含む。システイン置換キメラTCRのアルファ鎖及びベータ鎖の配列の例を表2に示す。本発明の一実施形態においては、TCRは、(i)配列番号21、(ii)配列番号22、(iii)配列番号100;(iv)配列番号101;(v)配列番号41;(vi)配列番号42;(vii)配列番号106;(i)配列番号74、(ii)配列番号75、(iii)配列番号136、(iv)配列番号137;(viii)配列番号107、(ix)配列番号21及び22の両方、(x)配列番号100101の両方、(xi)配列番号41及び42の両方;(xii)配列番号106及び107の両方;(xi)配列番号74及び75の両方;(xi)配列番号136及び137の両方;(xiii)配列番号55;(xiv)配列番号56;(xv)配列番号.112;(xvi)配列番号113;(xvii)配列番号57;(xviii)配列番号58;(xix)配列番号118;(xx)配列番号119;(xiii)配列番号76;(xiv)配列番号77;(xv)配列番号144;(xvi)配列番号145;(xxi)配列番号55及び56の両方;(xxii)配列番号112及び113の両方;(xxiii)配列番号の両方。57及び58の両方;(xxiv)配列番号118及び119の両方;(xxi)配列番号76及び77の両方;(xxii)配列番号144及び145の両方;ここで配列番号21、22、41、42、55~58、74~77、100、101、106、107、112、113、118、119、136、137、144及び145は全て表2において定義されるとおりである。
【0049】
【表2-1】
【0050】
【表2-2】
【0051】
【表2-3】
【0052】
【表2-4】
【0053】
本発明の一実施形態においては、置換されたアミノ酸配列は、α鎖及びβ鎖の一方又は両方の定常領域の膜貫通(TM)ドメインにおける1、2、又は3アミノ酸の、疎水性アミノ酸による置換を含み、疎水性アミノ酸置換TCRを提供する(本明細書中、「LVL改変TCR」とも呼ばれる)。TCRのTMドメインにおける疎水性アミノ酸置換は、TMドメイン中に疎水性アミノ酸置換を欠くTCRと比較して、TCRのTMドメインの疎水性を増大させ得る。これに関して、TCRはLVL改変TCRであり、配列番号19のネイティブのSer112、Met114、及びGly115のうちの1つ、2つ、又は3つが独立して、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpで;好ましくは、Leu、Ile、又はValで置換され得る。好ましくは、配列番号19のネイティブのSer112、Met114、及びGly115の3つ全てが、独立して、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpで;好ましくはLeu、Ile、又はValで置換され得、及び配列番号20のネイティブのSer57がCysで置換される。本発明の一実施形態においては、LVL改変TCRは、(i)配列番号17、(ii)配列番号18、又は(iii)配列番号17及び18の両方を含み、配列番号17及び18の両方は、表3に定義されるとおりである。本発明のLVL改変TCRは、本明細書に記載のCDR又は可変領域のいずれかに加えて、置換定常領域を含み得る。
【0054】
本発明の実施形態では、LVL修飾TCRは、全長アルファ鎖及び全長ベータ鎖を含んでいる。LVL修飾TCRアルファ鎖及びベータ鎖の配列の例は、表3に記載されている。本発明の実施形態では、TCRは、(i)配列番号21、(ii)配列番号22、(iii)配列番号100、(iv)配列番号101、(v)配列番号.41、(vi)配列番号42、(vii)配列番号106、(viii)配列番号107、(i)配列番号74、(ii)配列番号75、(iii)配列番号136、(iv)配列番号.137;(ix)配列番号21及び22の両方;(x)配列番号100及び101の両方;(xi)配列番号41及び42の両方;(xii)配列番号106及び107の両方;(xi)配列番号74及び75の両方;(xi)配列番号136及び137の両方;(xiii)配列番号55;(xiv)配列番号56;(xv)配列番号.112;(xvi)配列番号113;(xvii)配列番号57;(xviii)配列番号58;(xix)配列番号118;(xx)配列番号119;(xiii)配列番号76;(xiv)配列番号77;(xv)配列番号144;(xvi)配列番号145;(xxi)配列番号55及び56の両方;(xxii)配列番号112及び113の両方;(xxiii)配列番号の両方。57及び58の両方;(xxiv)配列番号118及び119の両方;(xxi)配列番号76及び77の両方;(xxii)配列番号144及び145の両方;ここで配列番号21、22、41、42、55~58、74~77、100、101、106、107、112、113、118、119、136、137、144及び145は全て表3において定義されるとおりである。
【0055】
【表3-1】
【0056】
【表3-2】
【0057】
【表3-3】
【0058】
【表3-4】
【0059】
【表3-5】
【0060】
【表3-6】
【0061】
【表3-7】
【0062】
本発明の実施形態では、置換アミノ酸配列は、α鎖及びβ鎖の一方又は両方の定常領域におけるシステイン置換と、α鎖及びβ鎖の一方又は両方の定常領域の膜貫通(TM)ドメインにおける1、2又は3のアミノ酸の疎水性アミノ酸による置換(複数可)とを含む(以下、「システイン置換LVL-modified TCR」としても称される)。この点に関して、TCRは、配列番号19のネイティブなThr48がCysで置換され;配列番号19のネイティブなSer112、Met114、及びGly115の1、2、又は3が、独立して、Cysで置換された、システイン置換、LVL-改変、キメラTCRである。19は、独立して、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpで置換され;好ましくはLeu、Ile、又はValで置換され;及び配列番号20のネイティブSer57はCysで置換される。好ましくは、配列番号19のネイティブSer112、Met114、及びGly115の3つ全てが、独立して、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpで置換されていてもよく;好ましくは、Leu、Ile、又はValで置換されていてもよい。本発明の実施形態では、システイン置換されたLVL修飾TCRは、(i)配列番号17、(ii)配列番号18、又は(iii)配列番号17及び18の両方を含み、ここで配列番号17及び18の両方は表4で定義されるとおりである。本発明のシステイン置換されたLVL修飾TCRは、本明細書に記載のCDR又は可変領域のいずれかに加えて、置換された定常領域を含んでもよい。
【0063】
実施形態では、システイン置換されたLVL修飾TCRは、全長α鎖及び全長β鎖を含む。本発明の実施形態では、システイン置換されたLVL修飾TCRは、(i)配列番号21、(ii)配列番号22、(iii)配列番号100、(iv)配列番号101;(v)配列番号41,(vi)配列番号42;(vii)配列番号106;(viii)配列番号107;(i)配列番号74,(ii)配列番号75,(iii)配列番号136;(iv)配列番号137;(ix)配列番号21及び22の両方;(x)配列番号100及び101の両方;(xi)配列番号41及び42の両方;(xii)配列番号106及び107の両方;(xi)配列番号74及び75の両方;(xi)配列番号136及び137の両方;((xiii)配列番号55;(xiv)配列番号56;(xv)配列番号112;(xvi)配列番号113;(xvii)配列番号57;(xviii)配列番号58;(xix)配列番号118;(xx)配列番号119;(xiii)配列番号.76;(xiv)配列番号77;(xv)配列番号144;(xvi)配列番号145;(xxi)配列番号55及び56の両方;(xxii)配列番号の両方:112及び113の両方;(xxiii)配列番号57及び58の両方;(xxiv)配列番号118及び119の両方、(xxi)配列番号76及び77の両方;(xxii)配列番号144及び145の両方;ここで配列番号21、22、41、42、55~58、74~77、100、101、106、107、112、113、118、119、136、137、144及び145は全て表4に定義したとおりである。
【0064】
【表4-1】
【0065】
【表4-2】
【0066】
【表4-3】
【0067】
【表4-4】
【0068】
【表4-5】
【0069】
【表4-6】
【0070】
【表4-7】
【0071】
本発明の実施形態において、システイン置換、LVL修飾TCRは、(a)配列番号98(システイン置換、LVL修飾TCRのα鎖定常領域);(b)配列番号99(システイン置換、LVL修飾TCRのβ鎖定常領域);(c)配列番号124(野生型N末端シグナル配列を有するシステイン置換、LVL修飾4391TCRのα鎖);(d)配列番号125(変異型N末端シグナル配列を有するシステイン置換、LVL修飾4391TCRのβ鎖);(e)配列番号128(IMGTによって予測されたN末端シグナル配列を有しないシステイン置換、LVL修飾4391TCRのα鎖);(f)配列番号129(IMGTにより予測されるN末端シグナル配列のないシステイン置換されたLVL修飾4391 TCRのβ鎖);(g)配列番号116(SignalPにより予測されるN末端シグナル配列のないシステイン置換されたLVL修飾4391 TCRのα鎖);(h)配列番号116(配列番号.117(システイン置換された、LVL修飾4391 TCRのβ鎖、SignalPにより予測されるN末端シグナル配列なし);(i)配列番号104(システイン置換されたLVL修飾4391TCRのα鎖、N末端シグナル配列の変異体);(j)配列番号105(野生型N末端シグナル配列を有するシステイン置換LVL修飾4391TCRのβ鎖);(k)(a)及び(b)の両方;(l)(c)及び(d)の両方;(m)(e)及び(f)の両方;(n)(g)及び(h)の両方;又は、(o)(i)及び(j)の両方。
【0072】
本発明の実施形態において、システイン置換、LVL修飾TCRは、(a)配列番号98(システイン置換、LVL修飾TCRのα鎖定常領域);(b)配列番号99(システイン置換、LVL修飾TCRのβ鎖定常領域);(c)配列番号126(野生型N末端シグナル配列を有するシステイン置換、LVL修飾4385 TCRのα鎖);(d)配列番号127(変異型N末端シグナル配列を有するシステイン置換、LVL修飾4385 TCRのβ鎖);(e)配列番号130(IMGTによって予測されたN末端シグナル配列を有しないシステイン置換、LVL修飾4385 TCRのα鎖);(f)配列番号131(IMGTにより予測されるN末端シグナル配列のないシステイン置換されたLVL修飾4385 TCRのβ鎖);(g)配列番号122(SignalPにより予測されるN末端シグナル配列のないシステイン置換されたLVL修飾4385 TCRのα鎖);(h)配列番号122(IMGTにより予測されるN末端信号のないLVL修飾4385 TCRのβ鎖)。123(システイン置換された、LVL修飾4385 TCRのβ鎖、SignalPにより予測されるN末端シグナル配列なし);(i)配列番号110(システイン置換されたLVL修飾4385TCRのα鎖、N末端シグナル配列の変異体);(j)配列番号111(野生型N末端シグナル配列を有するシステイン置換LVL修飾4385TCRのβ鎖);(k)(a)及び(b)の両方;(l)(c)及び(d)の両方;(m)(e)及び(f)の両方;(n)(g)及び(h)の両方;又は、(o)(i)及び(j)の両方。
【0073】
本発明の実施形態において、システイン置換、LVL修飾TCRは、(a)配列番号98(システイン置換、LVL修飾TCRのα鎖定常領域);(b)配列番号99(システイン置換、LVL修飾TCRのβ鎖定常領域);(c)配列番号134(野生型N末端シグナル配列を有するシステイン置換、LVL修飾4394 TCRのα鎖);(d)配列番号135(変異型N末端シグナル配列を有するシステイン置換、LVL修飾4394 TCRのβ鎖);(e)配列番号142(IMGTによって予測されたN末端シグナル配列を有しないシステイン置換、LVL修飾4394 TCRのα鎖);(f)配列番号143(システイン置換され、LVL修飾された4394 TCRのα鎖。143(IMGTにより予測されるN末端シグナル配列のないシステイン置換されたLVL修飾4394 TCRのβ鎖);(g)配列番号148(SignalPにより予測されるN末端シグナル配列のないシステイン置換されたLVL修飾4394 TCRのα鎖);(h)配列番号149(システイン置換された、LVL修飾4394 TCRのβ鎖、SignalPによって予測されるN末端シグナル配列なし);(i)配列番号140(変異体N末端シグナル配列を有するシステイン置換LVL修飾4394 TCRのα鎖);(j)配列番号141(野生型N末端シグナル配列を有するシステイン置換LVL修飾4394TCRのβ鎖);(k)(a)及び(b)の両方;(l)(c)及び(d)の両方;(m)(e)及び(f)の両方;(n)(g)及び(h)の両方;又は(o)(i)及び(j)の両方。
【0074】
本発明の実施態様によって、本明細書に記載のTCRのいずれかの機能的部分を含むポリペプチドも提供される。本明細書で用いられる場合、用語「ポリペプチド」は、オリゴペプチドを含み、1以上のペプチド結合によって連結した一本のアミノ酸鎖を指す。
【0075】
本発明のポリペプチドに関して、機能的部分が突然変異RASに特異的に結合するという条件で、機能的部分はTCRの一部である連続するアミノ酸を含む任意の部分であってもよい。TCRに関連して用いられる場合、用語「機能的部分」は、本発明のTCRの任意の部分又はフラグメントを指し、そしてその部分又はフラグメントは、それが一部であるところのTCR(親TCR)の生物学的活性を保持する。機能的部分は、例えば、突然変異RASに特異的に結合する能力(例えば、HLA-C01:02分子の関連内で)、又は親TCRと類似する程度、同じ程度、又はより高い程度にがんを検出、治療若しくは予防する能力、を保持するTCRの部分を包含する。親TCRに関連して、機能的部分は、例えば、親TCRの約10%、約25%、約30%、約50%、約68%、約80%、約90%、約95%以上を含み得る。
【0076】
機能的部分は、該部分のアミノ末端若しくはカルボキシ末端、又は両方の末端に、追加的なアミノ酸を含み得る。該追加的なアミノ酸は、親TCRのアミノ酸配列中には見られない。望ましくは、追加のアミノ酸は、機能的部分の生物学的機能、例えば、突然変異RASに特異的に結合すること;及び/又はがんを検出し、がんを治療し若しくは予防する能力を有すること等と干渉しない。より望ましくは、追加のアミノ酸は、親TCRの生物学的活性と比較して、その生物学的活性を増強する。
【0077】
ポリペプチドは、本発明のTCRのα鎖及び/又はβ鎖の可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3の1以上を含む機能的部分等の、本発明のTCRのα鎖及びβ鎖のいずれか又は両方の機能的部分を含み得る。本発明の一実施形態においては、ポリペプチドは配列番号1(α鎖のCDR1)、配列番号2(α鎖のCDR2)、配列番号3(α鎖のCDR3)、配列番号4(β鎖のCDR1)、配列番号5(β鎖のCDR2)、配列番号6(β鎖のCDR3)又はそれらの組合せのアミノ酸配列を含み得る。本発明の別の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号31(α鎖のCDR1)、配列番号32(α鎖のCDR2)、配列番号33(α鎖のCDR3)、配列番号34(β鎖のCDR1)、配列番号35(β鎖のCDR2)、配列番号36(β鎖のCDR3)のアミノ酸配列、又はその組み合わせを含むことができる。本発明の別の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号64(α鎖のCDR1)、配列番号65(α鎖のCDR2)、配列番号66(α鎖のCDR3)、配列番号67(β鎖のCDR1)、配列番号68(β鎖のCDR2)、配列番号69(β鎖のCDR3)、又はそれらの組み合わせのアミノ酸配列を含むことができる。
【0078】
これに関して、本発明のポリペプチドは、配列番号1~6及び31~36から選択される任意の1つ以上のアミノ酸配列を含み得る。本発明の一実施形態では、TCRは、以下のアミノ酸配列を含む。(a)配列番号1~3の全て、(b)配列番号4~6の全て、(c)配列番号31~33の全て、(d)配列番号34~36の全て、(e)配列番号の全て、。64~66、(f)配列番号67~69の全て、(g)配列番号1~6の全て、(h)配列番号31~36の全て、又は(i)配列番号64~69の全てである。特に好ましい実施形態では、TCRは、以下のアミノ酸配列を含む。(i)配列番号1~6の全て、(ii)配列番号31~36の全て、又は(iii)配列番号64~69の全てのアミノ酸配列を含む。配列番号3、6、33、36、66、及び69のいずれか1つ以上のCDR3、すなわちα鎖もしくはβ鎖又はその両方のCDRは、CDRの最初のアミノ酸のすぐN末端のシステイン又は最終アミノ酸のすぐC末端のフェニルアラニン又はその両方をさらに含んでもよい。
【0079】
本発明の一実施形態においては、本発明のポリペプチドは、例えば、上記のCDR領域の組合せを含む本発明のTCRの可変領域を含み得る。この点に関して、ポリペプチドは、配列番号7(野生型N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのα鎖の可変領域);配列番号90(変異型N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのα鎖の可変領域);配列番号8(変異型N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号91(野生型N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号37(野生型N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのα鎖の可変領域);配列番号92(変異型N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのα鎖の可変領域);配列番号38(変異型N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号93(野生型N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号70(野生型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのα鎖の可変領域);配列番号132(変異型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのα鎖の可変領域);配列番号71(変異型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号133(野生型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号47(IMGTで予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4391 TCRのα鎖の可変領域);配列番号94(SignalPで予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4391 TCRのα鎖の可変領域);配列番号48(IMGTで予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4391 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号95(SignalPで予測されたN末端シグナル配列を有さない4391 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号49(IMGTで予測されたN末端シグナルペプチドを有さない4385 TCRのα鎖の可変領域);配列番号96(SignalPで予測されたN末端シグナルペプチドを有しない4385 TCRのα鎖の可変領域);配列番号50(IMGTで予測されたN末端シグナルペプチドを有しない4385 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号97(SignalPで予測されたN末端シグナルペプチドを有さない4385 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号72(IMGTで予測されたN末端シグナルペプチドを有さない4394 TCRのα鎖の可変領域);配列番号88(SignalPで予測されたN末端シグナルペプチドを有さない4394 TCRのα鎖の可変領域);配列番号76(N末端シグナルペプタイドの可変領域);配列番号73(IMGTで予測されたN末端シグナルペプチドを有さない4394 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号89(SignalPで予測されたN末端シグナル配列を有さない4394 TCRのβ鎖の可変領域);配列番号7及び8の両方;配列番号7及び91の両方;配列番号90及び8の両方;配列番号90及び91の両方;配列番号37 及び38; 配列番号0:37及び93;配列番号92及び38の両方;配列番号92及び93の両方;配列番号70及び71の両方;配列番号70及び133の両方;配列番号132及び71の両方;配列番号の両方。132及び133の両方;配列番号47及び48の両方;配列番号94及び95の両方;配列番号49及び50の両方;配列番号96及び97の両方;配列番号72及び73の両方;又は配列番号88及び89の両方を含む場合がある。
【0080】
本発明の一実施形態においては、本発明のポリペプチドは、上記の本発明のTCRの定常領域を更に含み得る。この点に関して、ポリペプチドは、配列番号19(α鎖のWTマウス定常領域)、配列番号20(β鎖のWTマウス定常領域)、配列番号17、(α鎖の置換マウス定常領域)、配列番号18(β鎖の置換マウス定常領域)、配列番号19及び20の両方、又は配列番号17及び18の両方のアミノ酸配列を含むことができる。好ましくは、ポリペプチドは、配列番号19及び20の両方、又は配列番号17及び18の両方のアミノ酸配列を、本発明の他の側面に関して本明細書に記載したCDR領域又は可変領域のいずれかと組み合わせてさらに含む。
【0081】
本発明の実施形態において、ポリペプチドは、(a)配列番号17のアミノ酸配列、ここで、(i)配列番号17の48位のXはThr又はCysである;(ii)配列番号17の112位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpである;(iii)配列番号17の114位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Met、又はCysである;(iv)配列番号17の115位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(b)配列番号18の57位のXはSer又はCysであり;又は(c)(a)及び(b)両方のアミノ酸配列を含む。本発明の実施形態では、ポリペプチドの配列番号17及び18の一方又は両方は、表2~4のいずれか1つに定義されているとおりである。本明細書で提供されるα鎖定常領域は、N末端アスパラギンで示される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるα鎖定常領域のN末端アミノ酸は、アスパラギン酸である。
【0082】
本発明の実施形態では、本発明ポリペプチドは、本明細書に記載のTCRのα鎖又はβ鎖の全長を含むことができる。この点に関して、本発明ポリペプチドは、配列番号21、配列番号100、配列番号22、配列番号101、配列番号23、配列番号102、配列番号24、配列番号103、配列番号24、配列番号103、配列番号124、配列番号104、配列番号125、配列番号105、配列番号21及び22の両方、配列番号100及び101の両方、配列番号23及び24の両方、配列番号102及び103、配列番号の両方。124及び125の両方、配列番号104及び105の両方、配列番号55、配列番号112、配列番号56、配列番号113、配列番号51、配列番号114、配列番号52、配列番号115、配列番号128、配列番号116、配列番号116.129、配列番号117、配列番号55及び56の両方、配列番号112及び113の両方、配列番号51及び52の両方、配列番号114及び115の両方、配列番号128及び129の両方、又は配列番号116及び117の両方を含む。この点に関して、本発明ポリペプチドはまた、配列番号41、配列番号106、配列番号42、配列番号107、配列番号39、配列番号108、配列番号40、配列番号.のアミノ酸配列を含むことが可能である。109、配列番号126、配列番号110、配列番号127、配列番号111、配列番号41及び42の両方、配列番号106及び107の両方、配列番号39及び40の両方、配列番号108及び109、配列番号の両方。126及び127の両方、配列番号110及び111の両方、配列番号57、配列番号118、配列番号58、配列番号119、配列番号53、配列番号120、配列番号54、配列番号121、配列番号130、配列番号122、配列番号127.配列番号57及び58の両方、配列番号118及び119の両方、配列番号53及び54の両方、配列番号120及び121の両方、配列番号130及び131の両方、又は配列番号122及び123の両方、であることが好ましい。この点に関して、本発明ポリペプチドはまた、配列番号74、配列番号136、配列番号75、配列番号137、配列番号78、配列番号138、配列番号79、配列番号139のアミノ酸配列を含むことができる。139、配列番号134、配列番号140、配列番号135、配列番号141、配列番号74及び75の両方、配列番号136及び137の両方、配列番号78及び79、配列番号138及び139、配列番号の両方。134及び135の両方、配列番号140及び141の両方、配列番号76、配列番号144、配列番号77、配列番号145、配列番号80、配列番号146、配列番号81、配列番号147、配列番号142、配列番号148、配列番号145:143、配列番号149、配列番号76及び77の両方、配列番号144及び145の両方、配列番号80及び81の両方、配列番号146及び147の両方、配列番号142及び143の両方、又は配列番号148及び149の両方である。あるいは、本発明のポリペプチドは、本明細書に記載されるTCRの両鎖を含むことができる。
【0083】
本発明の実施形態において、ポリペプチドは、以下を含む:(a)配列番号17のアミノ酸配列、ここで、配列番号17。(i)配列番号17の48位のXはThr又はCysである;(ii)配列番号17の112位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpである;(iii)配列番号17の114位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Met、又はCysである;(iv)配列番号.17はMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び(iv)配列番号17の115位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(b)配列番号18の57位のXはSer又はCysであり;又は(c)(a)及び(b)両方のアミノ酸配列である。本発明の実施形態では、ポリペプチドの配列番号17及び18の一方又は両方は、表2~4のいずれか1つに定義されているとおりである。本明細書で提供されるα鎖定常領域は、N末端アスパラギンで示される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるα鎖定常領域定常領域のN末端アミノ酸は、アスパラギン酸である。
【0084】
本発明の実施形態では、本発明ポリペプチドは、本明細書に記載のTCRのα鎖又はβ鎖の全長を含むことができる。この点に関して、本発明ポリペプチドは、配列番号21、配列番号100、配列番号22、配列番号101、配列番号23、配列番号102、配列番号24、配列番号103、配列番号24、配列番号103、配列番号124、配列番号104、配列番号125、配列番号105、配列番号21及び22の両方、配列番号100及び101の両方、配列番号23及び24の両方、配列番号102及び103、配列番号の両方。124及び125の両方、配列番号104及び105の両方、配列番号55、配列番号112、配列番号56、配列番号113、配列番号51、配列番号114、配列番号52、配列番号115、配列番号128、配列番号116、配列番号116.129、配列番号117、配列番号55及び56の両方、配列番号112及び113の両方、配列番号51及び52の両方、配列番号114及び115の両方、配列番号128及び129の両方、又は配列番号116及び117の両方を含む。この点に関して、本発明ポリペプチドはまた、配列番号41、配列番号106、配列番号42、配列番号107、配列番号39、配列番号108、配列番号40、配列番号.のアミノ酸配列を含むことが可能である。109、配列番号126、配列番号110、配列番号127、配列番号111、配列番号41及び42の両方、配列番号106及び107の両方、配列番号39及び40の両方、配列番号108及び109、配列番号の両方。126及び127の両方、配列番号110及び111の両方、配列番号57、配列番号118、配列番号58、配列番号119、配列番号53、配列番号120、配列番号54、配列番号121、配列番号130、配列番号122、配列番号127.配列番号57及び58の両方、配列番号118及び119の両方、配列番号53及び54の両方、配列番号120及び121の両方、配列番号130及び131の両方、又は配列番号122及び123の両方、であることが好ましい。この点に関して、本発明ポリペプチドはまた、配列番号74、配列番号136、配列番号75、配列番号137、配列番号78、配列番号138、配列番号79、配列番号139のアミノ酸配列を含むことができる。139、配列番号134、配列番号140、配列番号135、配列番号141、配列番号74及び75の両方、配列番号136及び137の両方、配列番号78及び79、配列番号138及び139、配列番号の両方。134及び135の両方、配列番号140及び141の両方、配列番号76、配列番号144、配列番号77、配列番号145、配列番号80、配列番号146、配列番号81、配列番号147、配列番号142、配列番号148、配列番号145:143、配列番号149、配列番号76及び77の両方、配列番号144及び145の両方、配列番号80及び81の両方、配列番号146及び147の両方、配列番号142及び143の両方、又は配列番号148及び149の両方である。あるいは、本発明のポリペプチドは、本明細書に記載されるTCRの両鎖を含むことができる。
【0085】
本発明の実施形態において、ポリペプチドは:(a)配列番号21(野生型N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのα鎖)のアミノ酸配列を含むα鎖を含み、ここで、以下のとおりである。(i)配列番号21の180位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号21の244位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号21の246位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;(iv)配列番号21の247位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpである;(b)配列番号100のアミノ酸配列を含むα鎖(変異体N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのα鎖)であり、ここで(i)配列番号100の180位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号100の244位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号100の246位のXはMet、Ala、Val、Met、又はTrpである。100はMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び(iv)配列番号100の247位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(c)配列番号22(変異体N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのβ鎖)、ここで配列番号22の190位におけるXはSer又はCys;(d)配列番号101(野生型N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのβ鎖)であり、ここで配列番号101の190位のXはSer又はCysである;(e)配列番号41のアミノ酸配列(野生型N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのα鎖)を含むα鎖であり、ここで(i)配列番号41の181位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号41の245位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号41の247位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;(iv)配列番号41の248位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(f)配列番号106のアミノ酸配列を含むα鎖(変異体N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのα鎖)を含む。(i)配列番号106の181位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号106の245位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号106の247位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び(iv)配列番号106の248位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(g)配列番号42(変異型N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのβ鎖)、ここで配列番号42の195位のXはSer又はCys;(h)配列番号107(野生型N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのβ鎖)、ここで配列番号107の195位のXはSer又はCysである;(i)配列番号74のアミノ酸配列を含むα鎖(野生型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのα鎖)、ここで。(i)配列番号74の180位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号74の244位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号74の246位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;(iv)配列番号74の247位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpである;(j)配列番号136のアミノ酸配列を含むα鎖(変異型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのα鎖)、ここで(i)配列番号136の180位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号136の244位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号136の246位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;(iv)配列番号136の247位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(k)配列番号75のアミノ酸配列を含むβ鎖(変異型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのβ鎖)、ここで配列番号75の187位におけるXは、Ser又はCysである;(l)配列番号137のアミノ酸配列を含むβ鎖(野生型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのβ鎖)であって、配列番号137の187位のXはSer又はCysである;(m)(a)及び(c)の両方;(n)(b)及び(d)の両方;(o)(e)及び(g)の両方;(p)(f)及び(h)の両方;(q)(i)及び(k)の両方;(r)(j)及び(l)の両方;(s)配列番号55のアミノ酸配列を含むα鎖(IMGTにより予測されたN末端シグナルペプチドなしの4391TCRのα鎖);ここで、(i)配列番号55の160位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号55の224位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号55の226位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;(iv)配列番号55の227位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(t)配列番号112のアミノ酸配列を含むα鎖(SignalPにより予測されるN末端シグナルペプチドを含まない4391 TCRのα鎖)であり、ここで(i)配列番号112の159位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号112の223位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(iii)配列番号112の225位のXはMet、Ala、Val、Meth、又はTrpであり;及び(iv)配列番号112の226位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(u)配列番号56のアミノ酸配列を含むβ鎖(IMGTにより予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4391 TCRのβ鎖)のアミノ酸配列を含み、ここで配列番号56の168位のXはSer又はCys;(v)配列番号113のアミノ酸配列を含むβ鎖(SignalPによって予測されるN末端シグナルペプチドを有さない4391 TCRのβ鎖)であり、ここで配列番号113の173位のXはSer又はCysである;(w)配列番号57(IMGTによって予測されるN末端シグナルペプチドのない4385 TCRのα鎖)のアミノ酸配列を含むα鎖であり、ここで(i)配列番号57の160位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号57の224位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号57の226位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;及び(iv)配列番号57の227位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(x)配列番号118のアミノ酸配列を含むα鎖(SignalPにより予測されるN末端シグナルペプチドを含まない4385 TCRのα鎖)、であり、ここで(i)配列番号118の161位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号118の225位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(iii)配列番号118の227位のXはMet、Ala、Val、Ile、Met、又はTrpであり;及び(iv)配列番号118の228位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(y)配列番号58(IMGTにより予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4385 TCRのβ鎖)、ここで配列番号58の173位のXはSer又はCys;(z)配列番号119(IMGTにより予測されるN末端シグナルペプチドのない4385 TCRのβ鎖)、ここで、配列番号119の178位のXは、Ser又はCys;(aa)配列番号76(IMGTによって予測されるN末端シグナルペプチドを有さない4394 TCRのα鎖)であって(i)配列番号76の159位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号76の223位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号76の225位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;及び(iv)配列番号の226位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(bb)配列番号144のアミノ酸配列(SignalPにより予測されるN末端シグナルペプチドを含まない4394 TCRのα鎖)を含むα鎖であり、ここで(i)配列番号144の160位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号144の224位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(iii)配列番号.の226位のXはMet、Ala、Val、Ile、Met、又はTrpである。144はMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び(iv)配列番号144の227位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(cc)配列番号77のアミノ酸配列を含むβ鎖(IMGTにより予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4394 TCRのβ鎖)のアミノ酸配列を含み、ここで配列番号77の168位におけるXはSer又はCys;(dd)配列番号145のアミノ酸配列を含むβ鎖(IMGTにより予測されるN末端シグナルペプチドのない4394 TCRのβ鎖)(SignalPによって予測されるN末端シグナルペプチドを含まない4394 TCRのβ鎖)、ここで配列番号145の166位のXはSer又はCysである;(ee)(s)及び(u)の両方;(ff)(t)及び(v)の両方;(gg)(w)及び(y)の両方;(hh)(x))及び(z)の両方;(hh)(aa)の両方及び(cc);又は(ii)(bb)の両方及び(dd)を含む。本発明の実施形態では、ポリペプチドの配列番号21、22、41、42、55~58、74~77、100、101、106、107、112、113、118、119、136、137、144及び145のいずれか1以上が、表2~4のいずれか1つに定義されるとおりである。
【0086】
本発明は、本明細書に記載の少なくとも1のポリペプチドを含むタンパク質を更に提供する。「タンパク質」は、1以上のポリペプチド鎖を含む分子を意味する。
【0087】
実施形態において、本発明のタンパク質は、(a)配列番号1~3のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号4~6のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;又は(b)配列番号のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖を含み得る。31~33のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;又は(c)配列番号64~66のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号67~69のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖を挙げることができる。配列番号3、6、33、36、66、及び69のCDR3、すなわちα鎖もしくはβ鎖又はその両方のCDRは、CDRの最初のアミノ酸のすぐN末端のシステイン又は最終アミノ酸のすぐC末端のフェニルアラニン又はその両方をさらに含んでいてもよい。
【0088】
本発明の別の実施形態では、タンパク質は、(i)配列番号7のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号8のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;(ii)配列番号90のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号9のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;(iii)配列番号7のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号91のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;(iv)配列番号90のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号8のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;(v)配列番号37のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;(vi)配列番号92のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号93のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;(vii)配列番号37のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号.のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;(viii)配列番号92のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号38のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;(i)配列番号70のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号71のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;(ii)配列番号132のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号133のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;(iii)配列番号70のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号133のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;(iv)配列番号132のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号71のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;(ix)配列番号47のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号48のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;(x)配列番号94のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号95のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;(xi)配列番号49のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号50のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;(xii)配列番号96のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号97のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;(ix)配列番号72のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号73のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖;又は(x)配列番号88のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖及び配列番号89のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖を含む。
【0089】
本発明のタンパク質は、本発明の他の態様に関して本明細書に記載される定常領域のいずれかを更に含み得る。これに関して、本発明の一実施形態においては、第1のポリペプチド鎖は、配列番号17のアミノ酸配列を更に含み得、第2のポリペプチド鎖は、配列番号18のアミノ酸配列を更に含み得る;本発明の実施態様では、第1のポリペプチド鎖は、配列番号19のアミノ酸配列を更に含み得、第2のポリペプチド鎖は、配列番号20のアミノ酸配列を更に含み得る。
【0090】
本発明の実施形態において、タンパク質は:(a)配列番号17のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチド鎖、ここで(i)配列番号17の48位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号17の112位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号17の114位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;及び(iv)配列番号17の115位のXは17はGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpである;(b)配列番号18のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチド鎖であって、配列番号18の57位のXはSer又はCysである;又は(c)(a)及び(b)両方である。本発明の実施形態では、タンパク質の配列番号17及び18の一方又は両方は、表2~4のいずれか1つに定義されているとおりである。
【0091】
代替的に又は追加的に、本発明の実施形態のタンパク質は、(a)配列番号21(野生型N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのα鎖)のアミノ酸配列を含むα鎖を含み得、ここで、以下のとおりである。(i)配列番号21の180位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号21の244位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号21の246位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;(iv)配列番号21の247位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpである;(b)配列番号100のアミノ酸配列を含むα鎖(変異体N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのα鎖)であり、(i)配列番号100の180位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号100の244位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号100の246位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び(iv)配列番号100の247位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(c)配列番号22(変異型N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのβ鎖)、ここで配列番号22の190位におけるXはSer又はCys;(d)配列番号101(野生型N末端シグナルペプチドを有する4391 TCRのβ鎖)、ここで配列番号101の190位のXはSer又はCys;(e)配列番号41のアミノ酸配列(野生型N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのα鎖)を含むα鎖であり、ここで。(i)配列番号41の181位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号41の245位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号41の247位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;(iv)配列番号41の248位のXは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(f)配列番号106のアミノ酸配列を含むα鎖(変異体N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのα鎖)、であり、(i)配列番号106の181位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号106の245位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号106の247位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び(iv)配列番号106の248位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(g)配列番号42(変異型N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのβ鎖)、ここで配列番号42の195位のXはSer又はCys;(h)配列番号107(野生型N末端シグナルペプチドを有する4385 TCRのβ鎖)、ここで配列番号107の195位のXはSer又はCysである;(i)配列番号74のアミノ酸配列を含むα鎖(野生型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのα鎖)、ここで(i)配列番号74の180位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号74の244位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号74の246位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;(iv)配列番号の247位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpである;(j)配列番号136のアミノ酸配列を含むα鎖(変異型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのα鎖)、であり(i)配列番号136の180位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号136の244位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号136の246位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;(iv)配列番号136の247位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(k)配列番号75のアミノ酸配列を含むβ鎖(変異型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのβ鎖)、ここで配列番号75の187位におけるXは、Ser又はCysである;(iv)配列番号75の188位におけるYは、Gly、Ala、Alu、Phe又はPropであり、(l)配列番号137のアミノ酸配列を含むβ鎖(野生型N末端シグナルペプチドを有する4394 TCRのβ鎖)であって、配列番号137の187位のXはSer又はCysである;(m)(a)及び(c)の両方;(n)(b)及び(d)の両方;(o)(e)及び(g)の両方;(p)(f)及び(h)の両方;(q)(i)及び(k)の両方;(r)(j)及び(l)の両方;(s)配列番号55のアミノ酸配列を含むα鎖(IMGTにより予測されたN末端シグナルペプチドなしの4391TCRのα鎖);ここで、(i)配列番号55の160位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号55の224位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号55の226位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;(iv)配列番号55の227位はGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(t)配列番号112のアミノ酸配列を含むα鎖(SignalPにより予測されるN末端シグナルペプチドを含まない4391 TCRのα鎖)であって、ここで(i)配列番号112の159位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号112の223位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(iii)配列番号.の225位のXはMet、Ala、Val、Meth、又はTrpである。112はMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び(iv)配列番号112の226位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(u)配列番号56(IMGTにより予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4391 TCRのβ鎖)のアミノ酸配列を含み、ここで配列番号56の168位のXはSer又はCys;(v)配列番号113(SignalPによって予測されるN末端シグナルペプチドを有さない4391 TCRのβ鎖)であり、ここで、配列番号113の173位のXはSer又はCysである;(w)配列番号57(IMGTによって予測されるN末端シグナルペプチドを有さない4385 TCRのα鎖)のアミノ酸配列を含むα鎖であり、ここで。(i)配列番号57の160位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号57の224位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号57の226位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;及び(iv)配列番号57の211位は、Thr、Ile、Pro、Cys又はTrpのいずれかとなる。57は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(x)配列番号118のアミノ酸配列を含むα鎖(SignalPにより予測されるN末端シグナルペプチドを含まない4385 TCRのα鎖)、であり、ここで(i)配列番号118の161位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号118の225位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(iii)配列番号118の227位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び(iv)配列番号118の228位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(y)配列番号58(IMGTにより予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4385 TCRのβ鎖)、ここで配列番号58の173位のXはSer又はCys;(z)配列番号119(SignalPによって予測されるN末端シグナルペプチドを有さない4385 TCRのβ鎖)であり、ここで配列番号119の178位のXはSer又はCysである;(aa)配列番号76(IMGTによって予測されるN末端シグナルペプチドを有さない4394 TCRのα鎖)のアミノ酸配列を含むα鎖であり、ここで(i)配列番号76の159位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号76の223位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met又はTrpであり;(iii)配列番号76の225位のXはMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe又はTrpであり;及び(iv)配列番号76の226位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(bb)配列番号144のアミノ酸配列(SignalPにより予測されるN末端シグナルペプチドを含まない4394 TCRのα鎖)を含むα鎖であり、ここで、以下のとおりである。(i)配列番号144の160位のXはThr又はCysであり;(ii)配列番号144の224位のXはSer、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(iii)配列番号.の226位のXはMet、Ala、Val、Ile、Met、又はTrpである。144はMet、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、又はTrpであり;及び(iv)配列番号144の227位のXはGly、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、又はTrpであり;(cc)配列番号77(IMGTにより予測されるN末端シグナルペプチドを有しない4394 TCRのβ鎖)のアミノ酸配列を含むβ鎖であって、配列番号77の168位におけるXがSer又はCysであるもの;(dd)配列番号145(SignalPによって予測されるN末端シグナルペプチドを含まない4394 TCRのβ鎖)、ここで配列番号145の166位のXはSer又はCysである;(ee)(s)及び(u)の両方;(ff)(t)及び(v)の両方;(gg)(w)及び(y)の両方;(hh)(x))及び(z)の両方;(hh)(aa)の両方及び(cc);又は(ii)(bb)の両方及び(dd)である。本発明の実施形態では、配列番号21、22、41、42、55~58、100、101、106、107、112、113、118、及び119の1つ以上は、表2~4のいずれか1つに定義されるとおりである。
【0092】
本発明のタンパク質は、TCRであってもよい。あるいは、例えば、タンパク質が、配列番号21及び22の両方、配列番号23及び24の両方、配列番号124及び125の両方、配列番号100及び101の両方、配列番号102及び103の両方、配列番号104及び105の両方、配列番号41及び42の両方、配列番号39及び40の両方、配列番号のアミノ酸配列を含む単一のポリペプチド鎖を含むものである場合、そのタンパク質は、以下のとおりである。126及び127の両方、配列番号106及び107の両方、配列番号108及び109の両方、配列番号110及び85の両方、配列番号74及び75の両方、配列番号78及び79の両方、配列番号134及び135の両方、配列番号126及び127の両方、配列番号107及び109の両方、配列番号108及び109、配列番号110及び85、配列番号126及び127、136及び137の両方、配列番号138及び139の両方、配列番号140及び141の両方、又はタンパク質の第1及び/又は第2のポリペプチド鎖がさらに他のアミノ酸配列を含む場合、e.g.,免疫グロブリン又はその一部をコードするアミノ酸配列である場合、本発明タンパク質は融合タンパク質であってもよい。この点に関して、本発明の実施形態は、本明細書に記載の本発明ポリペプチドの少なくとも1つを、少なくとも1つの他のポリペプチドとともに含む融合タンパク質も提供する。他のポリペプチドは、融合タンパク質の別個のポリペプチドとして存在することができ、又は本明細書に記載の本発明ポリペプチドの1つとフレーム内で(タンデムに)発現される、ポリペプチドとして存在することができる。他のポリペプチドは、免疫グロブリン、CD3、CD4、CD8、MHC分子、CD1分子、例えばCD1a、CD1b、CD1c、CD1dなどを含むがこれらに限定されない、任意のペプチド性もしくはタンパク質性分子、又はその一部をコードすることができる。
【0093】
融合タンパク質は、本発明のポリペプチドの1以上のコピー及び/又は他のポリペプチドの1以上のコピーを含み得る。例えば、融合タンパク質は、本発明のポリペプチド及び/又は他のポリペプチドの1、2、3、4、5以上のコピーを含み得る。融合タンパク質を作製する好適な方法は、当該技術分野において公知であり、例えば、組換え法が挙げられる。
【0094】
本発明の幾つかの実施形態においては、本発明のTCR、ポリペプチド及びタンパク質は、α鎖及びβ鎖を連結するリンカーペプチドを含む単一のタンパク質として発現され得る。これに関して、本発明のTCR、ポリペプチド及びタンパク質はリンカーペプチドを更に含み得る。リンカーペプチドは、宿主細胞内で、組換えTCR、ポリペプチド及び/又はタンパク質の発現を好都合に容易にし得る。リンカーペプチドは、任意の好適なアミノ酸配列を含み得る。例えば、リンカーペプチドは、配列番号25のアミノ酸配列を含むフューリン-SGSG-P2Aリンカーであってもよい。宿主細胞によるリンカーペプチドを含むコンストラクトの発現に際して、リンカーペプチドは切断され得、結果として分離したα鎖及びβ鎖となる。本発明の一実施形態においては、TCR、ポリペプチド又はタンパク質は、全長α鎖、全長β鎖、並びにα鎖とβ鎖との間に位置するリンカーペプチドを含むアミノ酸配列、例えば、α鎖-リンカー-β鎖又はβ鎖-リンカー-α鎖を含み得る。
【0095】
本発明の実施形態において、TCR、ポリペプチド、又はタンパク質は、N末端からC末端まで、β鎖、リンカー(配列番号25)、及びα鎖を含む配列番号161に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。変異体は、配列番号8に記載のβ鎖可変領域(変異体シグナルペプチドを有する)及び配列番号99に記載の改変β定常ドメインを含む。変異体の全長β鎖は、配列番号125に記載される。変異体はまた、配列番号7に記載のα鎖可変領域(野生型シグナルペプチドを有する)及び配列番号98に記載の改変型α定常ドメインを含む。変異体の全長α鎖は、配列番号124に記載される。
【0096】
本発明の別の実施形態では、TCR、ポリペプチド、又はタンパク質は、N末端からC末端まで、α鎖、リンカー(配列番号25)、及びβ鎖を含む配列番号162に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。変異体は、配列番号190に記載のα鎖可変領域(変異体シグナルペプチドを有する)及び配列番号98に記載の改変α定常ドメインを含む。変異体の全長α鎖は、配列番号104に記載される。変異体はまた、配列番号91に規定されるβ鎖可変領域(野生型シグナルペプチドを有する)及び配列番号99に規定される改変型β定常ドメインを含む。変異体の全長β鎖は、配列番号105に記載される。
【0097】
本発明の実施形態において、TCR、ポリペプチド、又はタンパク質は、N末端からC末端まで、β鎖、リンカー(配列番号25)、及びα鎖を含む配列番号163に記載のアミノ酸配列から構成されてもよい。変異体は、配列番号38に規定されるβ鎖可変領域(変異体シグナルペプチドを有する)及び配列番号99に規定される修飾β定数ドメインを含む。変異体の完全長β鎖は、配列番号127に規定される。変異体はまた、配列番号37に規定されるようなα鎖可変領域(野生型シグナルペプチドを有する)及び配列番号98に規定されるような修飾α定数ドメインを含む。変異体の全長α鎖は、配列番号126に記載されている。
【0098】
本発明の別の実施形態では、TCR、ポリペプチド、又はタンパク質は、N末端からC末端まで、α鎖、リンカー(配列番号25)、及びβ鎖を含む配列番号164に記載のアミノ酸配列から構成されてもよい。変異体は、配列番号92に記載のα鎖可変領域(変異体シグナルペプチドを有する)及び配列番号98に記載の改変α定数ドメインから構成される。変異体の全長α鎖は、配列番号110に記載されている。変異体はまた、配列番号93に記載のβ鎖可変領域(野生型シグナルペプチドを有する)及び配列番号99に記載の修飾β定数ドメインを含む。変異体の全長β鎖は、配列番号111に記載されている。
【0099】
本発明の実施形態において、TCR、ポリペプチド、又はタンパク質は、N末端からC末端まで、β鎖、リンカー(配列番号25)、及びα鎖を含む配列番号165に記載のアミノ酸配列から構成されてもよい。変異体は、配列番号71に記載のβ鎖可変領域(変異体シグナルペプチドを有する)及び配列番号99に記載の改変β定数ドメインを含む。変異体の完全長β鎖は、配列番号135に記載されている。変異体はまた、配列番号70に規定されるようなα鎖可変領域(野生型シグナルペプチドを有する)及び配列番号98に規定されるような修飾α定数ドメインを含む。変異体の全長α鎖は、配列番号134に記載されている。
【0100】
本発明の別の実施形態では、TCR、ポリペプチド、又はタンパク質は、N末端からC末端まで、α鎖、リンカー(配列番号25)、及びβ鎖を含む配列番号166に記載のアミノ酸配列から構成されてもよい。変異体は、配列番号132に記載のα鎖可変領域(変異体シグナルペプチドを有する)及び配列番号98に記載の改変α定数ドメインから構成される。変異体の全長α鎖は、配列番号140に記載されている。変異体はまた、配列番号133に記載のβ鎖可変領域(野生型シグナルペプチドを有する)及び配列番号99に記載の修飾β定数ドメインを含む。変異体の全長β鎖は、配列番号141に記載されている。
【0101】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるTCR、ポリペプチド又はタンパク質は、本明細書に開示されるように、シグナルペプチドを含むα鎖及び/又はβ鎖を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるα鎖及び/又はβ鎖のいずれかのシグナルペプチドの配列は、2位で野生型残基に置換されたアラニン又はヒスチジン残基を含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるTCR、ポリペプチド又はタンパク質は、本明細書に開示されるように、シグナルペプチドを欠くα鎖及び/又はβ鎖の成熟型を含む。シグナルペプチド又はα鎖及び/もしくはβ鎖の成熟型の配列は、IMGT及びSignalPを含む当技術分野で既知の任意の方法に従って実施することができる。
【0103】
本発明のタンパク質は、本明細書に記載の本発明のポリペプチドの少なくとも1を含む組換え抗体又はその抗原結合部分であってもよい。本明細書で用いられる場合、「組換え抗体」は、本発明のポリペプチド、抗体のポリペプチド鎖又はその抗原結合部分の少なくとも1を含む組換え(例えば、遺伝学的に操作された)タンパク質を指す。抗体のポリペプチド又はその抗原結合部分は、抗体の重鎖、軽鎖、重鎖若しくは軽鎖の可変領域若しくは定常領域、一本鎖可変フラグメント(scFv)、又はFc、Fab若しくはF(ab)’フラグメント等であってもよい。抗体のポリペプチド鎖又はその抗原結合部分は、組換え抗体の別のポリペプチドとして存在し得る。代替的には、抗体のポリペプチド鎖又はその抗原結合部分は、本発明のポリペプチドとインフレームで(タンデムで)で発現されるポリペプチドとして存在し得る。抗体のポリペプチド又はその抗原結合部分は、本明細書に記載の抗体及び抗体フラグメントのいずれかを含む、任意の抗体又は任意の抗体フラグメントのポリペプチドであってもよい。
【0104】
本発明の範囲内には、本明細書に記載の本発明のTCR、ポリペプチド又はタンパク質の機能的変異体が含まれる。本明細書で用いられる場合、用語「機能的変異体」は、機能的変異体が、それが変異体であるところのTCR、ポリペプチド又はタンパク質の生物学的活性を保持している、親TCR、ポリペプチド又はタンパク質に対する実質的又は有意な配列同一性又は類似性を有するTCR、ポリペプチド又はタンパク質を指す。機能的変異体は、例えば、親TCRが抗原特異性を有するか、又は親ポリペプチド若しくはタンパク質が、特異的に結合する突然変異RASに、親TCR、ポリペプチド又はタンパク質と類似する程度、同じ程度若しくはより高い程度に特異的に結合する能力を保持する、本明細書に記載のTCR、ポリペプチド又はタンパク質(親TCR、ポリペプチド又はタンパク質)の変異体を包含する。親TCR、ポリペプチド又はタンパク質に関連して、例えば、機能的変異体は、親TCR、ポリペプチド又はタンパク質のそれぞれに対して、アミノ酸配列で、少なくとも、約30%、約50%、約75%、約80%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%以上同一であってもよい。
【0105】
例えば、機能的変異体は、少なくとも1の保存的アミノ酸置換を含む親TCR、ポリペプチド又はタンパク質のアミノ酸配列を含み得る。保存的アミノ酸置換は当該技術分野において公知であり、特定の物理的及び/又は化学的特性を有する1のアミノ酸が、同じ化学的又は物理的特性を有する別のアミノ酸に置き換えられるアミノ酸置換が挙げられる。例えば、保存的アミノ酸置換は、酸性アミノ酸の別の酸性アミノ酸(例えば、Asp又はGlu)への置換、非極性側鎖を含むアミノ酸の非極性側鎖を含む別のアミノ酸(例えば、Ala、Gly、Val、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Val等)への置換、塩基性アミノ酸の別の塩基性アミノ酸(Lys、Arg等)への置換、極性側鎖を含むアミノ酸の極性側鎖を含む別のアミノ酸(Asn、Cys、Gln、Ser、Thr、Tyr等)への置換等であってもよい。
【0106】
代替的に又は追加的に、機能的変異体は、少なくとも1の非保存的アミノ酸置換を含む親TCR、ポリペプチド又はタンパク質のアミノ酸配列を含み得る。この場合においては、非保存的アミノ酸置換が、機能的変異体の生物学的活性と干渉しないか又は阻害しないことが好ましい。好ましくは、非保存的アミノ酸置換は、機能的変異体の生物学的活性が、親TCR、ポリペプチド又はタンパク質と比較して増大するよう、機能的変異体の生物学的活性を増強する。
【0107】
本明細書に記載のTCR、ポリペプチド、タンパク質、機能的変異体、及び機能的部分の各シグナルペプチドは、存在する場合、TCR、ポリペプチド、タンパク質、又は機能的変異体が発現し、HLAクラスI分子が提示する12位のグリシンをバリンで置換した変異ヒトRASアミノ酸配列に対して抗原特異性を有する限り、任意の適切なTCRシグナルペプチドでありえる。
【0108】
TCR、ポリペプチド又はタンパク質の他の構成要素、例えば、他のアミノ酸が、TCR、ポリペプチド又はタンパク質の生物学的活性を実質的に変化させないよう、TCR、ポリペプチド又はタンパク質は、本明細書に記載の特定のアミノ酸配列の一つ又は複数(sequence or sequences)から実質的になり得る。この点に関して、本発明TCR、ポリペプチド、又はタンパク質は、例えば、本質的に配列番号21、配列番号100、配列番号22、配列番号101、配列番号23、配列番号102、配列番号24、配列番号103、配列番号124、配列番号104、配列番号105、配列番号125、配列番号105、配列番号21及び22の両方、配列番号100及び101の両方、配列番号23及び24の両方、配列番号102及び103の両方、配列番号124及び125、配列番号104及び105の両方、配列番号55、配列番号112、配列番号56、配列番号113、配列番号51、配列番号115.114、配列番号52、配列番号115、配列番号128、配列番号116、配列番号129、配列番号117、配列番号55及び56の両方、配列番号112及び113の両方、配列番号51及び52の両方、配列番号114及び115の両方、配列番号128及び129の両方又は配列番号116及び117の両方、配列番号41、配列番号106、配列番号42、配列番号107、配列番号39、配列番号108、配列番号40、配列番号109、配列番号126、配列番号110、配列番号127、配列番号111、配列番号41及び42の両方、配列番号106及び107の両方、配列番号39及び40の両方、配列番号111:108及び109の両方、配列番号126及び127の両方、配列番号110及び111の両方、配列番号57、配列番号118、配列番号58、配列番号119、配列番号53、配列番号120、配列番号54、配列番号121、配列番号130、配列番号122、配列番号131、配列番号123、配列番号57及び58の両方の、配列番号126 及び123の両方の。118及び119の両方、配列番号53及び54の両方、配列番号120及び121の両方、配列番号130及び131の両方、又は配列番号122及び123の両方、配列番号74、配列番号136、配列番号75、配列番号137、配列番号78、配列番号138、配列番号79、配列番号139、配列番号134、配列番号140、配列番号135、配列番号141、配列番号74及び75の両方、配列番号136及び137の両方、配列番号78及び79の両方、配列番号138及び139、配列番号134及び135、配列番号140及び141の両方、配列番号76、配列番号144、配列番号77、配列番号145、配列番号80、配列番号146、配列番号81、配列番号147、配列番号142、配列番号148、配列番号143、配列番号149、配列番号76及び77の両方、配列番号144及び145の両方、配列番号80及び81の両方、配列番号146及び147の両方、配列番号142及び143の両方、又は配列番号148及び149の両方から本質的になる。また、例えば、本発明のTCR、ポリペプチド、又はタンパク質は、本質的に、(i)配列番号7、(ii)配列番号90、(iii)配列番号8、(iv)配列番号91、(v)配列番号37、(vi)配列番号92、(vii)配列番号38、(viii)配列番号105N3、(ix)配列番号70、(x)配列番号132、(xi)配列番号71、(xii)配列番号133、(xiii)配列番号の両方、(if)の配列番号7 及び8 の単数又は複数。7及び8、(xiv)配列番号7及び91の両方、(xv)配列番号90及び8の両方、(xvi)配列番号90及び91の両方、(xvii)配列番号37及び38の両方、(xviii)配列番号92及び38の両方、(xix)配列番号37及び93の両方、。37及び93の両方、(xx)配列番号92及び93の両方、(xxi)配列番号70及び71の両方、(xxii)配列番号70及び133の両方、(xxiii)配列番号132及び71の両方、又は(xxiv)配列番号132及び133の両方である。さらに、本発明のTCR、ポリペプチド、又はタンパク質は、本質的に、(a)配列番号1~6、31~36及び64~69のいずれか1つ以上;(b)配列番号1~3の全て;(c)配列番号4~6の全て;(d)配列番号31~33の全て;(e)配列番号34~36の全て;(f)配列番号64~66の全て、(g)配列番号67~69の全て、(h)配列番号1~6の全て、(i)配列番号31~36の全て、又は(j)配列番号64~69の全ての配列から本質的に成り得る。
【0109】
本発明のTCR、ポリペプチド及びタンパク質は、TCR、ポリペプチド又はタンパク質が、それらの生物学的活性、例えば、G12VRASに特異的に結合し;哺乳動物におけるがんを検出し;又は哺乳動物におけるがんを治療若しくは予防する能力等を保持するという条件で、任意の長さであり得、即ち、任意の数のアミノ酸を含み得る。例えば、ポリペプチドは、約50、約70、約75、約100、約125、約150、約175、約200、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900、約1000以上のアミノ酸長等の約50~約5000アミノ酸長の範囲であってもよい。これに関して、本発明のポリペプチドはオリゴペプチドも含む。
【0110】
本発明のTCR、ポリペプチド及びタンパク質は、天然で生じた1以上のアミノ酸の代わりに合成アミノ酸を含み得る。かかる合成アミノ酸は、当該技術分野において公知であり、例えば、アミノシクロヘキサンカルボン酸(aminocyclohexane carboxylic acid)、ノルロイシン(norleucine)、α-アミノ-n-デカン酸(α-amino n-decanoic acid)、ホモセリン(homoserine)、S-アセチルアミノメチル-システイン(S-acetylaminomethyl-cysteine)、トランス-3-及びトランス-4-ヒドロキシプロリン(trans-3- and trans-4-hydroxyproline)、4-アミノフェニルアラニン(4-aminophenylalanine)、4-ニトロフェニルアラニン(4-nitrophenylalanine)、4-クロロフェニルアラニン(4-chlorophenylalanine)、4-カルボキシフェニルアラニン(4-carboxyphenylalanine)、β-フェニルセリン(β-phenylserine))β-ヒドロキシフェニルアラニン(β-hydroxyphenylalanine)、フェニルグリシン(phenylglycine)、α-ナフチルアラニン(α-naphthylalanine)、シクロヘキシルアラニン(cyclohexylalanine)、シクロヘキシルグリシン(cyclohexylglycine)、インドリン-2-カルボン酸(indoline-2-carboxylic acid)、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸(1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline-3-carboxylic acid)、アミノマロン酸(aminomalonic acid)、アミノマロン酸モノアミド(aminomalonic acid monoamide)、N’-ベンジル-N’-メチル-リジン(N’-benzyl-N’-methyl-lysine)、N’,-ジベンジルリジン(N’,N’-dibenzyl-lysine)、6-ヒドロキシリジン(6-hydroxylysine)、オルニチン(ornithine)、α-アミノシクロペンタンカルボン酸(α-aminocyclopentane carboxylic acid)、α-アミノシクロヘキサンカルボン酸(α-aminocyclohexane carboxylic acid)、α-アミノシクロヘプタンカルボン酸(α-aminocycloheptane
carboxylic acid)、α-(2-アミノ-2-ノルボルナン)-カルボン酸(α-(2-amino-2-norbornane)-carboxylic acid)、α,γ-ジアミノ酪酸(α,γ-diaminobutyric acid)、α,β-ジアミノプロピオン酸(α,β-diaminopropionic acid)、ホモフェニルアラニン(homophenylalanine)及びα-tert-ブチルグリシン(α-tert-butylglycine)が挙げられる。
【0111】
本発明のTCR、ポリペプチド及びタンパク質は例えば、グリコシル化、アミド化、カルボキシル化、リン酸化、エステル化、N-アシル化、(例えば、ジスルフィド架橋を介した)環化、若しくは酸付加塩への変換、及び/或いは必要に応じて二量体化若しくは重合化、又はコンジュゲート化され得る。
【0112】
本発明のTCR、ポリペプチド及び/又はタンパク質は、例えば、例えば、デノボ合成等の当該技術分野で公知の方法によって得られ得る。また、ポリペプチド及びタンパク質は、標準的な組換え法を用い、本明細書に記載の核酸を用いて、組換えにより作製され得る。例えば、Green and Sambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第4版)Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY(2012)を参照。代替的には、本明細書に記載のTCR、ポリペプチド及び/又はタンパク質は、さまざまな営利団体のいずれかによって商業的に合成され得る。これに関して、本発明のTCR、ポリペプチド及びタンパク質は、合成、組換え、単離及び/又は精製され得る。本発明の実施形態は、本発明の他の側面に関して本明細書に記載される核酸又はベクターのいずれかによってコードされる単離又は精製されたTCR、ポリペプチド、又はタンパク質を提供する。本発明の別の実施形態は、本発明の他の側面に関して本明細書に記載された核酸又はベクターのいずれかの細胞における発現から生じる、単離又は精製されたTCR、ポリペプチド、又はタンパク質を提供する。本発明の更に別の実施形態は、本明細書に記載のTCR、ポリペプチド、又はタンパク質のいずれかを生産する方法を提供し、この方法は、TCR、ポリペプチド、又はタンパク質が生産されるように本明細書に記載の宿主細胞又は宿主細胞の集団のいずれかを培養することを含む。
【0113】
本発明の範囲には、本発明のTCR、ポリペプチド又はタンパク質(それらの機能的部分又は変異体のいずれかを含む)、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、宿主細胞集団、又は抗体若しくはその抗原結合部分のいずれかを含む、コンジュゲート、例えば、バイオコンジュゲートが含まれる。コンジュゲート及びコンジュゲートを合成する方法は、一般的に、当該技術分野において公知である。
【0114】
本発明の一実施形態は、本明細書に記載のTCR、ポリペプチド又はタンパク質のいずれかをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。本明細書で用いられる場合、「核酸」は「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」及び「核酸分子」を含み、一般にDNA又はRNAの重合体を意味し、一本鎖又は二本鎖であり得、天然、非天然又は改変されたヌクレオチドを含有し得、天然、非天然又は改変されたヌクレオチド間結合、例えば、未修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオチド間にみられるホスホジエステルの代わりに、ホスホロアミデート結合又はホスホロチオエート結合等を含有し得る。一実施形態においては、核酸は相補的DNA(cDNA)を含む。一般的には、核酸が、挿入、欠失、逆位及び/又は置換を何ら含まないことが好ましい。しかし、本明細書で検討されるとおり、幾つかの例においては核酸が1以上の挿入、欠失、逆位、及び/又は置換を含むことが、好適であってもよい。
【0115】
好ましくは、本発明の核酸は組換え体である。本明細書で用いられる場合、用語「組換え体」は、(i)天然又は合成の核酸セグメントを、生細胞内で複製できる核酸分子に接合することによって、生細胞外で構築される分子、又は(ii)上記(i)に記載されたものの複製から生じる分子を指す。本明細書における目的のためには、複製はin vitro複製、又はin vivo複製であってもよい。
【0116】
核酸は、当該技術分野で公知の手順を用いて、化学合成及び/又は酵素的ライゲーション反応に基づいて構築され得る。例えば、上記のGreen and Sambrook et al.を参照。例えば、核酸は、天然で生じたヌクレオチド、又は分子の生物学的安定性を増大させるよう、若しくはハイブリダイゼーション時に形成される二本鎖の物理的安定性を増大させるよう設計された、様々に修飾されたヌクレオチド(例えば、ホスホロチオエート誘導体及びアクリジン置換ヌクレオチド)を用いて化学的に合成され得る。核酸を生成するために用いられ得る修飾ヌクレオチドの例としては、5-フルオロウラシル(5-fluorouracil)、5-ブロモウラシル(5-bromouracil)、5-クロロウラシル(5-chlorouracil)、5-ヨードウラシウル(5-iodouracil)、ヒポキサンチン(hypoxanthine)、キサンチン(xanthine)、4-アセチルシトシン(4-acetylcytosine)、5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル(5-(carboxyhydroxymethyl)uracil)、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン(5-carboxymethylaminomethyl-2-thiouridine)、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル(5-carboxymethylaminomethyluracil)、ジヒドロウラシル(dihydrouracil)、ベータ-D-ガラクトシルキューオシン(beta-D-galactosylqueosine)、イノシン(inosine)、N-イソペンテニルアデニン(N-isopentenyladenine)、1-メチルグアニン(1-methylguanine)、1-メチルイノシン(1-methylinosine)、2,2-ジメチルグアニン(2,2-dimethylguanine)、2-メチルアデニン(2-methyladenine)、2-メチルグアニン(2-methylguanine)、3-メチルシトシン(3-methylcytosine)、5-メチルシトシン(5-methylcytosine)、N-置換アデニン(N-substituted adenine)、7-メチルグアニン(7-methylguanine)、5-メチルアミノメチルウラシル(5-methylaminomethyluracil)、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル(5-methoxyaminomethyl-2-thiouracil)、ベータ-D-マンノシルキューオシン(beta-D-mannosylqueosine)、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル(5’-methoxycarboxymethyluracil)、5-メトキシウラシル(5-methoxyuracil)、2-メチルチオ-N-イソペンテニルアデニン(2-methylthio-N-isopentenyladenine)、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)(uracil-5-oxyacetic acid(v))、ワイブトキソシン(wybutoxosine)、シュードウラシル(pseudouracil)、キューオシン(queosine)、2-チオシトシン(2-thiocytosine)、5-メチル-2-チオウラシル(5-methyl-2-thiouracil)、2-チオウラシル(2-thiouracil)、4-チオウラシル(4-thiouracil)、5-メチルウラシル(5-methyluracil)、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル(uracil-5-oxyacetic acid methylester)、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル(3-(3-amino-3-N-2-carboxypropyl)uracil)及び2,6-ジアミノプリン(2,6-diaminopurine)が挙げられるが、これらに限定されない。代替的には、本発明の核酸の1以上は、さまざまな営利団体のいずれかから購入され得る。
【0117】
核酸は、本明細書に記載のTCR、ポリペプチド又はタンパク質のいずれかをコードする、任意のヌクレオチド配列を含み得る。本発明の実施形態では、核酸は、配列番号43~46(表5)のいずれか1つのヌクレオチド配列を含み得る。本発明の実施形態では、核酸は、配列番号43~44の両方、又は配列番号45~46の両方のヌクレオチド配列を含む。
【0118】
【表5】
【0119】
本発明の実施形態においては、核酸は、本明細書に記載のTCR、ポリペプチド又はタンパク質のいずれかをコードする、コドンを最適化したヌクレオチド配列を含む。如何なる特定の理論又はメカニズムにも縛られないが、ヌクレオチド配列のコドンの最適化は、mRNA転写産物の翻訳効率を増大させると考えられる。ヌクレオチド配列のコドンの最適化は、ネイティブのコドンを、同じアミノ酸をコードするが、細胞内でより容易に利用できるtRNAによって翻訳され得る、別のコドンに置換することを含み得、従って、翻訳効率が上昇する。ヌクレオチド配列の最適化は、翻訳に干渉するmRNAの二次構造も減少させ得、従って、翻訳効率が上昇する。
【0120】
本発明は、本明細書に記載の核酸のいずれかのヌクレオチド配列に対して相補的なヌクレオチド配列、又は本明細書に記載の核酸のいずれかのヌクレオチド配列に対し、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、核酸も提供する。
【0121】
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列は、好ましくは、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする。「高ストリンジェンシー条件」とは、ヌクレオチド配列が、非特異的ハイブリダイゼーションよりも検出可能に強い量で標的配列(本明細書に記載の核酸のいずれかのヌクレオチド配列)に特異的にハイブリダイズすることを意味する。高ストリンジェンシー条件としては、正確に相補的な配列を有するポリヌクレオチド、又は散らばったミスマッチを少しだけ含有するポリヌクレオチドを、ヌクレオチド配列にマッチしたいくつかの小領域(例えば、3~10塩基)を偶然有するランダム配列から識別する条件が挙げられる。かかる相補的な小領域は、14~17又はそれ以上の塩基の全長相補体よりも容易に融解され、高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーションにより、それらが容易に識別可能となる。比較的高ストリンジェンシーの条件としては、例えば、低塩及び/又は高温条件(約0.02~0.1MのNaCl又は当量によって、約50~70℃の温度で提供される等)が挙げられる。かかる高ストリンジェンシー条件は、許容したとしても、ヌクレオチド配列とテンプレート鎖若しくは標的鎖との間のミスマッチをほとんど許容せず、本発明のTCRのいずれかの発現を検出するのに特に好適である。条件は、漸増量のホルムアミドの添加によって、よりストリンジェントになり得ることが、一般的に理解される。
【0122】
本発明は、本明細書に記載の核酸のいずれかと、少なくとも約70%以上、例えば、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%又は約99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸も提供する。これに関して、核酸は、本明細書に記載のヌクレオチド配列のいずれかから実質的になり得る。
【0123】
本発明の実施形態は、5’から3’まで、第1の核酸配列及び第2の核酸配列を含む単離又は精製核酸を提供し、ここで、第1及び第2の核酸配列は、それぞれ、配列番号7及び8;7及び91;90及び8;90及び91;8及び7;91及び7;8及び90;91及び90;37及び38;37及び93;92及び38;92及び93;38及び37;93及び37;38及び92;93及び92;70及び71;70及び133;132及び71;132及び133;71及び70;133及び70のアミノ配列をそれぞれコードする。71及び132;133及び132;23及び24;23及び103;102及び24;102及び103;24及び23;103及び23;24及び102;103及び102;39及び40;39及び109;108及び40;108及び109;40及び39;109及び39;40及び108;109及び108;78及び79;78及び139。138及び79;138及び139;79及び78;139及び78;79及び138;139及び138;21及び22;21及び101;100及び22;100及び101;22及び21;101及び21;22及び100;41及び42;41及び107;106及び42;106及び107;42及び41;107及び41。42及び106;107及び106;74及び75;74及び101;100及び75;100及び101;75及び74;101及び74;75及び100;101及び100;124及び125;124及び105;104及び125;104及び105;125及び124;105及び124;125及び104;105及び104;126及び127;126及び111;110及び127;110及び111;127及び126;111及び126;127及び110;111及び110;134及び135;140及び135;134及び141;140及び141;135及び134;135及び140;141及び134;141及び140;47及び48;48及び47;49及び50;50及び49;72及び73;73及び72;94及び95;95及び94;94及び85;85及び94;96及び97;97及び96;96及び87;87及び96;88及び89;89及び88;51及び52;52及び51;53及び54;54及び53;80及び81;81及び80;55及び56;56及び55;57及び58;58及び57;76及び77;77及び76;128及び129;129及び128;130及び131;131及び130;142及び143;143及び142;112及び113;113及び112;118及び119;119及び118;144及び145;145及び144;114及び115;115及び114;120及び121;121及び120;146及び147;147及び146。116及び117;117及び116;122及び123;123及び122;148及び149;149及び148;150及び151;151及び150;154及び155;155及び154;152及び153;153及び152;156及び157;157及び156;160及び161;161及び160;158及び159;又は159及び158のアミノ配列をコードする。。
【0124】
本発明の実施形態では、単離又は精製核酸は、第1及び第2のヌクレオチド配列の間に介在する第3のヌクレオチド配列を更に含み、第3のヌクレオチド配列は、切断可能なリンカーペプチドをコードしている。本発明の実施形態では、切断可能なリンカーペプチドは、配列番号25のアミノ酸配列を含む。
【0125】
本発明の核酸は、組換え発現ベクターに組込まれ得る。これに関して、本発明は、本発明の核酸のいずれかを含む組換え発現ベクターを提供する。本発明の一実施形態においては、組換え発現ベクターは、α鎖、β鎖及びリンカーペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。
【0126】
本明細書における目的のためには、用語「組換え発現ベクター」とは、宿主細胞によるmRNA、タンパク質、ポリペプチド、又はペプチドの発現を可能にする、遺伝学的に改変されたオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドコンストラクトを意味し、この場合、コンストラクトは、mRNA、タンパク質、ポリペプチド、又はペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、ベクターは、細胞内でmRNA、タンパク質、ポリペプチド、又はペプチドを発現させるのに十分な条件下で細胞と接触させられる。本発明のベクターは、全体としては天然には存在しない。しかし、該ベクターの一部は天然に存在し得る。本発明の組換え発現ベクターは、DNA及びRNA(一本鎖又は二本鎖であり得、合成され得るか、又は一部が天然のソースから得られ得、天然、非天然又は改変されたヌクレオチドを含有し得る)を含む(がこれらに限定されない)、任意のタイプのヌクレオチドを含み得る。組換え発現ベクターは、天然に存在するヌクレオチド間結合、天然に存在しないヌクレオチド間結合、又は両方のタイプの結合を含み得る。好ましくは、天然に存在しない又は改変されたヌクレオチド又はヌクレオチド間結合は、ベクターの転写や複製を妨害しない。
【0127】
本発明の組換え発現ベクターは、任意の好適な組換え発現ベクターであり得、任意の好適な宿主細胞を形質転換又はトランスフェクションするために用いられ得る。好適なベクターとしては、プラスミド及びウイルス等の増殖及び増幅のため、若しくは発現のため、又は両方のために設計されたベクターが挙げられる。ベクターは、pUCシリーズ(Fermentas Life Sciences)、pBluescriptシリーズ(Stratagene,LaJolla,CA)、pETシリーズ(Novagen,Madison,WI)、pGEXシリーズ(Pharmacia Biotech,Uppsala,Sweden)、及びpEXシリーズ(Clontech,Palo Alto,CA)から選択され得る。λGT10、λGT11、λZapII(Stratagene)、λEMBL4及びλNM1149等のバクテリオファージベクターも用いられ得る。植物発現ベクターの例としては、pBI01、pBI101.2、pBI101.3、pBI121及びpBIN19(Clontech)が挙げられる。動物発現ベクターの例としては、pEUK-Cl、pMAM及びpMAMneo(Clontech)が挙げられる。好ましくは、組換え発現ベクターは、ウイルスベクター、例えば、レトロウイルスベクターである。特に好ましい実施形態においては、組換え発現ベクターはMSGV1ベクターである。本発明の実施形態では、組換え発現ベクターは、トランスポゾン又はレンチウイルスベクターである。
【0128】
本発明の組換え発現ベクターは、例えば、Green and Sambrook et al.(上記)に記載の標準的な組換えDNA技術を用いて調製され得る。環状又は線状の発現ベクターのコンストラクトは、原核又は真核の宿主細胞において機能する複製系を含有するように調製され得る。複製系は、例えば、ColEl、2μプラスミド、λ、SV40、ウシ乳頭腫ウイルス等に由来し得る。
【0129】
望ましくは、組換え発現ベクターは、適宜、ベクターがDNAベースであるかRNAベースであるかを考慮して、ベクターが導入される宿主細胞の種類(例えば、細菌、真菌、植物、又は動物)に特異的な、転写、並びに翻訳の開始及び終止コドン等の調節配列を含む。
【0130】
組換え発現ベクターは、形質転換又はトランスフェクションされた宿主細胞の選択を可能にする、1以上のマーカー遺伝子を含み得る。マーカー遺伝子は、殺生物剤耐性、例えば、抗生物質、重金属などに対する耐性、原栄養性を提供するための栄養要求性宿主細胞における補完等を含む。本発明の発現ベクターに好適なマーカー遺伝子としては、例えば、ネオマイシン/G418耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ヒスチジノール耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子及びアンピシリン耐性遺伝子が挙げられる。
【0131】
組換え発現ベクターは、TCR、ポリペプチド、若しくはタンパク質をコードするヌクレオチド配列に、又は、TCR、ポリペプチド、若しくはタンパク質をコードするヌクレオチド配列に相補的であるか、又はハイブリダイズするヌクレオチド配列に作動可能に結合したネイティブの、又は非ネイティブのプロモーターを含み得る。プロモーター、例えば、強力なプロモーター、弱いプロモーター、誘導性プロモーター、組織特異的プロモーター及び発生特異的(developmental-specific)プロモーターの選択は、当業者の通常の技術の範囲内である。同様に、ヌクレオチド配列をプロモーターと組合せることも、当業者の技術の範囲内である。プロモーターは、非ウイルスプロモーター、又はウイルスプロモーター、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、SV40プロモーター、RSVプロモーター、及びマウス幹細胞ウイルス長鎖末端反復配列(long-terminal repeat)において見受けられるプロモーターであってもよい。
【0132】
本発明の組換え発現ベクターは、一過性の発現のため、安定した発現のためのいずれか、又はその両方のために設計され得る。また、組換え発現ベクターは、構成的発現のため、又は誘導性発現のために作製され得る。
【0133】
更に、組換え発現ベクターは、自殺遺伝子を含むように作製され得る。用語「自殺遺伝子」は、本明細書で用いられる場合、自殺遺伝子を発現する細胞を死に至らしめる遺伝子を指す。自殺遺伝子は、その遺伝子を発現する細胞に対し物質、例えば、薬物に対する感受性を付与し、細胞が該物質と接触するとき又は該物質に曝露されるときに細胞を死に至らしめる遺伝子であってもよい。自殺遺伝子は、当該技術分野において公知であり、例えば、単純ヘルペスウイルス(HSV)チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、シトシンデアミナーゼ、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ、ニトロレダクターゼ及び誘導性カスパーゼ9遺伝子の系が挙げられる。
【0134】
本発明の別の実施形態は、本明細書に記載の組換え発現ベクターのいずれかを含む宿主細胞を更に提供する。用語「宿主細胞」は、本明細書で用いられる場合、本発明の組換え発現ベクターを含有し得る任意の種類の細胞を指す。宿主細胞は、真核細胞、例えば、植物、動物、真菌又は藻類であり得、又は、原核細胞、例えば、細菌若しくは原生動物であってもよい。宿主細胞は、培養細胞、又は、初代細胞であり得、即ち、生物、例えば、ヒト又はマウスから直接単離され得る。宿主細胞は、接着細胞、又は、浮遊細胞、即ち、懸濁物中で増殖する細胞であってもよい。好適な宿主細胞は、当該技術分野において公知であり、例えば、DH5α E.coli細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞、サルVERO細胞、COS細胞、HEK293細胞等が挙げられる。組換え発現ベクターを増幅又は複製する目的のためには、宿主細胞は、好ましくは、原核細胞、例えば、DH5α細胞である。組換えTCR、ポリペプチド又はタンパク質を産生する目的のためには、宿主細胞は、好ましくは、哺乳動物細胞である。最も好ましくは、宿主細胞はヒト細胞である。宿主細胞は任意の種類の細胞であり得、任意の種類の組織由来であり得、任意の発生段階のものであってもよいが、宿主細胞は、好ましくは、末梢血リンパ球(PBL)又は末梢血単核球(PBMC)である。より好ましくは、宿主細胞は、T細胞である。本発明の一実施形態では、宿主細胞は、ヒトリンパ球である。本発明の別の実施形態では、宿主細胞は、T細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、イン変異体ナチュラルキラーT(iNKT)細胞、及びナチュラルキラー(NK)細胞から選択される。本発明の更に別の実施形態は、配列番号29又は30のペプチドに対して抗原特異性を有するTCRを発現する宿主細胞を製造する方法を提供し、該方法は、細胞にベクターを導入することができる条件下で、細胞を、本明細書に記載のベクターのうちのいずれかと接触させることを含む。
【0135】
本明細書における目的のためには、T細胞は、任意のT細胞(培養T細胞(例えば、初代T細胞)、若しくは培養T細胞株(例えば、Jurkat、SupT1など)由来のT細胞、又は哺乳動物から得られたT細胞等)であってもよい。哺乳動物から得られる場合、T細胞は、多数のソース(血液、骨髄、リンパ節、胸腺又は他の組織若しくは体液が含まれるが、これらに限定されない)から得られ得る。T細胞は、濃縮又は精製もされ得る。好ましくは、T細胞はヒトT細胞である。T細胞は、任意の種類のT細胞であり得、任意の発生段階のものであってもよい(CD4/CD8二重陽性T細胞、CD4ヘルパーT細胞、例えば、Th及びTh細胞、CD4T細胞、CD8T細胞(例えば、細胞傷害性T細胞)、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、メモリーT細胞(例えば、セントラルメモリーT細胞及びエフェクターメモリーT細胞)、ナイーブT細胞等が挙げられるが、これらに限定されない)。
【0136】
本明細書に記載の、少なくとも1の宿主細胞を含む細胞集団も本発明により提供される。細胞集団は、記載された組換え発現ベクターのいずれかを含む宿主細胞を、いずれの組換え発現ベクターも含まない、少なくとも1の他の細胞、例えば、宿主細胞(例えば、T細胞)、又はT細胞以外の細胞、例えば、B細胞、マクロファージ、好中球、赤血球、肝細胞、内皮細胞、上皮細胞、筋肉細胞、脳細胞等に加えて含む不均一集団であってもよい。代替的には、細胞集団は、実質的に均一な集団であって、組換え発現ベクターを含む宿主細胞を主に含む(例えば、実質的にそれを含む)集団であってもよい。集団はまた、集団の全ての細胞が組換え発現ベクターを含むように、集団の全ての細胞が、組換え発現ベクターを含む単一の宿主細胞のクローンである、細胞のクローン集団でもあってもよい。本発明の一実施形態においては、細胞集団は、本明細書に記載のとおりの組換え発現ベクターを含む宿主細胞を含むクローン集団である。
【0137】
本発明の一実施形態においては、集団中の細胞数が急速に増幅され得る。T細胞数の増幅は、例えば、米国特許第8,034,334号;米国特許第8,383,099号;米国特許出願公開番号第2012/0244133号;Dudley et al.,J.Immunother.,26:332-42(2003);及びRiddell et al.,J.Immunol.Methods,128:189-201(1990)に記載のとおりの、当該技術分野で公知の多くの方法のいずれかによって達成され得る。一実施形態においては、T細胞数の増幅は、T細胞をOKT3抗体、IL-2、及びフィーダーPBMC(例えば、放射線照射された同種異系PBMC)と共に培養することによって行われる。
【0138】
本発明のTCR、ポリペプチド、タンパク質、核酸、組換え発現ベクター、及び宿主細胞(その集団を含む)は、単離及び/又は精製され得る。用語「単離された」は、本明細書で用いられる場合、その自然環境から取り出されたことを意味する。用語「精製された」は、本明細書で用いられる場合、純度が増したことを意味するが、「純度」は、相対的な用語であって、必ずしも絶対的純度として解釈されるべきでない。例えば、純度は、少なくとも約50%であり得、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%を超え得、又は約100%であってもよい。
【0139】
本発明のTCR、ポリペプチド、タンパク質、核酸、組換え発現ベクター、及び宿主細胞(その集団を含む)は、これら全てが、以降、「本発明のTCR材料」と総称されるものであるが、医薬組成物等の、組成物へと製剤化され得る。これに関して、本発明は、本明細書に記載のTCR、ポリペプチド、タンパク質、核酸、発現ベクター、及び宿主細胞(その集団を含む)のいずれか、並びに医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を提供する。本発明のTCR材料のいずれかを含有する本発明の医薬組成物は、1超の本発明のTCR材料、例えば、ポリペプチド及び核酸、又は2以上の異なるTCRを含み得る。代替的には、医薬組成物は、化学療法剤等、別の医薬的に活性な物質又は薬物、例えば、アスパラギナーゼ(asparaginase)、ブスルファン(busulfan)、カルボプラチン(carboplatin)、シスプラチン(cisplatin)、ダウノルビシン(daunorubicin)、ドキソルビシン(doxorubicin)、フルオロウラシル(fluorouracil)、ゲムシタビン(gemcitabine)、ヒドロキシウレア(hydroxyurea)、メトトレキサート(methotrexate)、パクリタキセル(paclitaxel)、リツキシマブ(rituximab)、ビンブラスチン(vinblastine)、ビンクリスチン(vincristine)など)と組合せて、本発明のTCR材料を含み得る。
【0140】
好ましくは、担体は医薬的に許容可能な担体である。医薬組成物に関して、担体は、考慮中の特定の本発明のTCR材料のために従来用いられているもののいずれかであってもよい。投与できる組成物を調製するための方法は、当業者に公知又は明らかであり、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,第22版,Pharmaceutical Press(2012)においてより詳細に記載されている。医薬的に許容可能な担体は、使用条件下で有害な副作用又は毒性を有さないものであることが好ましい。
【0141】
担体の選択は、特定の本発明のTCR材料によって、及び本発明のTCR材料を投与するために用いられる特定の方法によってある程度決定される。従って、多様な、本発明の医薬組成物の好適な製剤がある。好適な製剤としては、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、腫瘍内及び腹腔内投与のための、いずれかの製剤を含み得る。本発明のTCR材料を投与するために、1超の経路が用いられ得、特定の例においては、特定の経路が、別の経路よりも迅速且つ効果的な反応をもたらし得る。
【0142】
好ましくは、本発明のTCR材料は、注射により、例えば、静脈内に投与される。本発明のTCR材料が、本発明のTCRを発現する宿主細胞(その集団を含む)である場合には、注射用の細胞のための医薬的に許容可能な担体としては、任意の等張性の担体、例えば、通常の生理食塩水(水中約0.90% w/vのNaCl、水中約300mOsm/LのNaCl、又は水1リットル当たり約9.0gのNaCl)、NORMOSOL R電解質溶液(Abbott,Chicago,IL)、PLASMA-LYTE A(Baxter,Deerfield,IL)、水中約5%のデキストロース、又は乳酸リンゲル液等を含み得る。一実施形態においては、医薬的に許容可能な担体には、ヒト血清アルブミンが補充される。
【0143】
本発明の目的のためには、投与される本発明のTCR材料の量又は用量(例えば、本発明のTCR材料が1以上の細胞の場合、細胞数)は、被験者又は動物において、適切な期間にわたって、例えば、治療的又は予防的応答をもたらすのに十分でなければならない。例えば、本発明のTCR材料の用量は、がん抗原(例えば、突然変異RAS)と結合するのに、又は、投与時から約2時間以上、例えば、12~24時間以上という期間でがんを検出、治療若しくは予防するのに十分でなければならない。特定の実施形態においては、期間は、もっと長くなり得る。用量は、特定の本発明のTCR材料の有効性、及び動物(例えば、ヒト)の状態と、治療する動物(例えば、ヒト)の体重とによって決定される。
【0144】
投与される用量を決定するための多くのアッセイが当該技術分野において公知である。本発明の目的のためには、それぞれが異なる用量のT細胞を与えられる1組の哺乳動物のうち、1匹の哺乳動物への、ある特定の用量のかかるT細胞の投与の際の、本発明のTCR、ポリペプチド、又はタンパク質を発現するT細胞によって標的細胞が溶解される程度、又は、IFN-γが分泌される程度を比較することを含むアッセイが、哺乳動物に投与する開始用量を決定するために用いられ得る。一定用量の投与の際の、標的細胞が溶解する程度、又はIFN-γが分泌される程度は、当該技術分野において公知の方法によってアッセイされ得る。
【0145】
本発明のTCR材料の用量は、特定の本発明のTCR材料の投与に伴い得る任意の有害な副作用の存在、性質及び程度によっても決定される。典型的には、主治医が、年齢、体重、全般的健康、食習慣、性別、投与する本発明のTCR材料、投与経路、及び治療されるがんの重篤度等、様々な要因を考慮に入れて、各個々の患者を治療するための本発明のTCR材料の用量を決定する。本発明のTCR材料が細胞集団である実施形態においては、注入あたりで投与される細胞の数は、例えば、約1×10から約1×1012細胞又はより多くまで変動し得る。特定の実施形態においては、1×10未満の細胞が投与され得る。
【0146】
当業者は、本発明のTCR材料の治療効力又は予防効力が修飾によって増大するよう、本発明のTCR材料(inventive TCR materials of the invention)が、いくつもの形に修飾され得ることを、容易に理解する。例えば、本発明のTCR材料は、直接的又は化学療法剤への架橋物(bridge)を介する間接的のいずれかでコンジュゲート化され得る。化合物を化学療法剤にコンジュゲート化する実務は、当該技術分野において公知である。当業者は、本発明のTCR材料の機能には必要でない、本発明のTCR材料における部位が、架橋物及び/又は化学療法剤を結合させるのに好適な部位であると認識する(但し、架橋物及び/又は化学療法剤は、本発明のTCR材料に結合して、本発明のTCR材料の機能(即ち、突然変異RASに結合する能力、又はがんを検出、治療若しくは予防する能力)を妨害しないものとする)。
【0147】
本発明の医薬組成物、TCR、ポリペプチド、タンパク質、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞及び細胞集団が、がんを治療又は予防する方法において用いられ得ることが企図される。特定の理論には縛られないが、本発明のTCRは、突然変異RASに特異的に結合すると考えられ、その結果、TCR(又は関連する本発明のポリペプチド又はタンパク質)が、細胞に発現すると、突然変異RASを発現する標的細胞に対する免疫反応を調節することができる。これに関して、本発明の実施態様は、哺乳動物におけるがんを治療又は予防する方法であって、本明細書に記載の医薬組成物、TCR、ポリペプチド、若しくはタンパク質のいずれか、本明細書に記載のTCR、ポリペプチド、タンパク質のいずれかをコードするヌクレオチド配列を含む、任意の核酸又は組換え発現ベクター、又は本明細書に記載のTCR、ポリペプチド若しくはタンパク質のいずれかをコードする組換えベクターを含む、任意の宿主細胞又は細胞集団を、哺乳動物におけるがんを治療又は予防するのに有効な量で、哺乳動物に投与することを含む、方法を提供する。
【0148】
本発明の実施形態は、哺乳動物において癌に対する免疫応答を誘導する方法であって、本明細書に記載の医薬組成物、TCR、ポリペプチド、又はタンパク質のいずれか、本明細書に記載のTCR、ポリペプチド、又はタンパク質のいずれかをコードするヌクレオチド配列を含む核酸又は組み換え発現ベクターのいずれか、を哺乳動物において癌に対する免疫応答を誘導するのに有効な量で哺乳動物に投与することを含む、方法を提供する。
【0149】
本発明の一実施形態は、哺乳動物におけるがんの治療又は予防において用いるための、本明細書に記載の医薬組成物、TCR、ポリペプチド、若しくはタンパク質のいずれか、本明細書に記載のTCR、ポリペプチド、タンパク質のいずれかをコードするヌクレオチド配列を含む、任意の核酸若しくは組換え発現ベクター、又は本明細書に記載のTCR、ポリペプチド、若しくはタンパク質のいずれかをコードする組換えベクターを含む、任意の宿主細胞又は細胞集団を提供する。
【0150】
本発明の実施形態は、哺乳動物における癌に対する免疫応答の誘導における使用のために、本明細書に記載の医薬組成物、TCR、ポリペプチド、又はタンパク質のいずれか、本明細書に記載のTCR、ポリペプチド、又はタンパク質のいずれかをコードするヌクレオチド配列を含む核酸又は組換え発現ベクターのいずれか、又は本明細書に記載のTCR、ポリペプチド、又はタンパク質のいずれかをコードする組換えベクターを含む宿主細胞又は細胞の集団のいずれかを提供する。
【0151】
用語「治療する」及び「予防する」並びにそれらの派生語は、本明細書で用いられる場合、100%の、又は完全な治療若しくは予防を必ずしも意味しない。むしろ、当業者が潜在的な利益又は治療効果を有すると認識する、様々な程度の治療又は予防が存在する。これに関して、本発明の方法は、任意のレベルの任意の量の、哺乳動物におけるがんの治療又は予防を提供し得る。更に、本発明の方法により提供される治療又は予防は、治療又は予防される1以上の、がんの状態又は症状の治療又は予防を含み得る。例えば、治療又は予防は、腫瘍の退行を促進することを含み得る。また、本明細書における目的のためには、「予防」は、がん、又はその症状若しくは状態の発症を遅延させることを包含し得る。代替的に又は追加的に、「予防」は、がん、又はその症状若しくは状態の再発を予防又は遅延させることを包含し得る。
【0152】
哺乳動物におけるがんの存在を検出する方法も提供される。該方法は、(i)哺乳動物由来の1以上の細胞を含む試料と、本明細書に記載の、本発明のTCR、ポリペプチド、タンパク質、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞集団、又は医薬組成物のいずれかとを接触させ、それにより複合体を形成すること、及び(ii)該複合体を検出することを含み、該複合体の検出が哺乳動物におけるがんの存在を示す。
【0153】
本発明の、哺乳動物におけるがんを検出する方法に関して、細胞の試料は、全細胞、その溶解物、又は全細胞溶解物の画分、例えば、核若しくは細胞質画分、全タンパク質画分、又は核酸画分を含む試料であってもよい。
【0154】
本発明のがんを検出する方法の目的のためには、接触は、哺乳動物に関してインビトロ又はインビボで行い得る。好ましくは、接触はインビトロである。
【0155】
また、複合体の検出は、当該技術分野で公知の、任意の数の方法によって行われ得る。例えば、本明細書に記載の本発明のTCR、ポリペプチド、タンパク質、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、又は細胞集団は、例えば、放射性同位体、蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フィコエリトリン(PE))、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、セイヨウワサビペルオキシダーゼ)、及び元素粒子(例えば、金粒子)等の検出可能な標識で標識され得る。
【0156】
宿主細胞又は細胞集団が投与される、本発明の方法の目的のためには、細胞は、哺乳動物に対して同種異系又は自己の細胞であってもよい。好ましくは、細胞は哺乳動物に対して自己である。
【0157】
本発明の方法に関して、がんは例えば、急性リンパ球性がん、急性骨髄性白血病、肺胞横紋筋肉腫、骨がん、脳がん、乳がん、肛門、肛門管又は肛門直腸のがん、眼のがん、肝内胆管のがん、関節のがん、頸部、胆嚢又は胸膜のがん、鼻、鼻腔、又は中耳のがん、口腔のがん、膣のがん、外陰のがん、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性がん、結腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜がん、食道がん、子宮頸がん、胃腸カルチノイド腫瘍、神経膠腫、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、腎臓がん、喉頭がん、肝臓がん、肺がん、悪性中皮腫、黒色腫、多発性骨髄腫、鼻咽頭がん、非ホジキンリンパ腫、中咽頭のがん、卵巣がん、陰茎のがん、膵臓がん、腹膜がん、大網がん及び腸間膜がん、咽頭がん、前立腺がん、直腸がん、腎臓がん、皮膚がん、小腸がん、軟部組織がん、胃がん、精巣がん、甲状腺がん、子宮のがん、尿管がん及び膀胱がんのいずれかを含む、任意のがんであってもよい。好ましいがんは、膵臓がん、結腸直腸がん、肺がん、子宮内膜がん、卵巣がん、又は前立腺がんである。好ましくは、肺がんは肺腺がんであり、卵巣がんは上皮性卵巣がんであり、膵臓がんは膵臓腺がんである。本発明の一実施形態においては、がんは、突然変異ヒトRASアミノ酸配列であって、突然変異ヒトKRAS、突然変異ヒトHRAS、又は突然変異ヒトNRASのアミノ酸配列である、突然変異ヒトRASアミノ酸配列を発現する。がんによって発現される突然変異ヒトKRAS、突然変異ヒトHRAS、及び突然変異ヒトNRASは、本発明の他の態様に関して本明細書に記載されるとおりであってもよい。
【0158】
本発明の方法において言及される哺乳動物は、任意の哺乳動物であってもよい。用語「哺乳動物」は、本明細書で用いられる場合、マウス及びハムスター等、ネズミ目の哺乳動物、及びウサギ等、ウサギ目の哺乳動物を含むが、これらに限定されない、任意の哺乳動物を指す。哺乳動物が、ネコ科の動物(ネコ)及びイヌ科の動物(イヌ)を含むネコ目由来であることが好ましい。哺乳動物が、ウシ科の動物(ウシ)及びイノシシ科の動物(ブタ)を含むウシ目、又はウマ科の動物(ウマ)を含むウマ目(Perssodactyla)由来であることが、より好ましい。哺乳動物が、霊長目、セボイド(Ceboids)目若しくはシモイド(Simoids)目(サル)又は、類人(Anthropoids)目(ヒト及び類人猿)であることが、最も好ましい。特に好ましい哺乳動物は、ヒトである。
【0159】
以上は、単に実施形態の例示であることに留意されたい。他の例示的な実施形態は、本明細書の説明の全体から明らかである。また、これらの実施形態の各々は、本明細書で提供される他の実施形態と様々に組み合わせて使用することができることも、当業者は理解するであろう。
【0160】
以下の実施例は、本発明を更に説明するが、もちろん、決してその範囲を限定するものとして解釈すべきではない。
【実施例
【0161】
実施例1 本実施例は、大腸癌患者4391の腫瘍片からRAS G12Vに反応するTILの同定を実証するものである。この実施例はまた、患者4391の腫瘍断片F1からのTILによって認識される最小エピトープの同定を実証している。
【0162】
TILを、5μg/mlのロングペプチド(LP)(配列番号30であるWT、又は配列番号27であるG12V)を負荷した、又はRAS WT又はRAS G12Vをコードするタンデムミニ遺伝子(TMG)をトランスフェクトした樹状細胞(DC)に対する41BB+/OX40+フローサイトメトリーアッセイによってテストし、反応性についてのスクリーニングを行った。
【0163】
患者4391の腫瘍片F1、F13、及び腫瘍片F2、F3、F5の組み合わせからTILsを分離した。反応性は、FACSによってOX40及び4-1BBのアップレギュレーションを検出することによって測定された。TILは、live/CD3+/CD8+のゲーティングを行った。
【0164】
その結果を図1A-1Dに示す。フラグメント1(F1;G12V TMGで検査すると70%の細胞が反応した)に反応性があり、また他のいくつかのフラグメントにも(頻度は低いが)反応性があった。
【0165】
腫瘍片F1からのTILは、ネガティブコントロールとして5μg/mlのRAS最小エピトープ(ME)又はRAS WT LP、ポジティブコントロールとしてRAS G12V LPを負荷した自己DC、COS7細胞(HLA-A02:01安定発現)又はCOS7細胞(HLA-A03:01安定発現)と共培養させた。ジメチルスルホキシド(DMSO)で培養したTILもネガティブコントロールとした。ミニマムエピトープを表6に示す。
【0166】
【表6】
【0167】
結果は図2A及び図2Bにある。反応性は、41BB/OX40フローサイトメトリーアッセイで試験した。MEに対する反応性が最も高かったのはME 8であった。
【0168】
実施例2
本実施例は、患者4391の腫瘍片F1から分離したTILが、RAS G12Vを特異的に認識することを示している。
【0169】
患者4391の腫瘍片F1からのTILを、異なる濃度のRAS G12V ME 8又はRAS LP(G12V又はWT)を負荷した自家DCと共培養した。単独で培養したTILをネガティブコントロールとした。抗CD3/抗CD28抗体との共培養により非特異的に刺激されたTILをポジティブコントロールとした。反応性は、IFNγ ELISPOTによって試験した。その結果を図3に示す。
【0170】
実施例3
本実施例は、患者4391の腫瘍断片F1から分離したTILが、HLA-C*01:02が提示するRAS G12Vを特異的に認識することを示している。
【0171】
MHC-I拘束要素を見つけるために、患者4391の腫瘍断片F1から単離したTILを、患者4391が発現する4種類のHLA対立遺伝子(HLA-A*03:01、HLA-A*11:01、HLA-B*55:01又はHLA-C*01:02)の一つをコードするプラスミドでトランスフェクトしたCOS7セルラインと共培養させた。細胞には、異なる濃度のRAS G12V ME 8(図4A)、RAS G12V LP(図4B)、又はRAS WT LP(図4C)が負荷された。反応性は、IFNγ ELISPOTで試験した。HLA-C*01:02をトランスフェクトしたCOS7に対するF1の結果を含む(図4D)。
【0172】
実施例4
本実施例は、患者4391のTILから、HLA-C*01:02によって提示されるG12V変異を有するヒトRASに対して抗原特異性を有するTCRの単離を実証するものである。
【0173】
患者4391の腫瘍片F1からのTILは、実施例1-3において、RAS G12Vを認識し、WT RASを認識しないことを決定した。
【0174】
反応性TCRの配列を決定するために、反応性TILはT細胞活性化マーカーである4-1BB/OX40のアップレギュレーションに基づいて蛍光活性化セルソーティング(FACS)により選別された。その後、細胞を溶解し、TCR転写物をサンガー配列決定した。
【0175】
実施例5
本実施例は、実施例4のヒト抗G12V TCRをコードするヌクレオチド配列と、改変されたマウス定常領域とを含むレトロウイルスベクターを調製する方法を実証する。
【0176】
実施例4のヒトG12V RAS反応性4391 TCRをコードし、システイン置換されたLVL修飾マウス定常領域を含む核酸配列を、レトロウイルス発現ベクターにクローニングした。このα鎖マウス定常領域は、48位のXがCys、112位のXがLeu、114位のXがIle、115位のXがValである配列番号17のアミノ酸配列で構成されていた。得られた全長α鎖は、配列番号23のアミノ酸配列で構成されていた。β鎖定常領域は、配列番号18のアミノ酸配列を含み、57位のXはCysである。得られた全長β鎖は、配列番号24のアミノ酸配列を含む。RAKRSGSGATNFSLKQAGDVEENPGP(配列番号25)のアミノ酸配列を含むリンカーが、α鎖定常領域とβ鎖可変領域との間に配置された。提供されたような配列は、コドン最適化されている。
【0177】
クローニングを可能にするために、N-末端シグナルペプチド内の2番目のアミノ酸はアラニンに変更された(A)。この例は、5’TCRβからTCRαの3’方向へのバイシストロンベクターの合成を説明しているが、TCRβからTCRαの順序は逆にすることができる。
【0178】
TCRα鎖及びβ鎖可変領域のアミノ酸配列を表7に示す。CDRには下線を引いてある。
【0179】
【表7-1】
【0180】
【表7-2】
【0181】
実施例6
本実施例は、実施例5のレトロウイルスベクターを導入したPBLがRAS G12Vを特異的に認識することを実証している。
【0182】
健康なドナーのPBLに4391 TCRを導入した。形質導入されたPBLを、異なる濃度のRAS G12V ME8又はME WT 4(ME 8のWT配列;AGGVGKSAL(配列番号26))を負荷した自己DCと共培養した。
【0183】
反応性はIFNγ ELISPOT(図5A)と41BB/OX40フローサイトメトリーでCD8+へのゲーティング(図5B)とCD4へのゲーティング(図5C)で検証された。
【0184】
実施例7
本実施例は、大腸がん患者4385の腫瘍片からRAS G12Vに反応するTILを同定したことを示すものである。
【0185】
患者4385の腫瘍断片F11から単離されたTILは、ペプチドプール(PP)を負荷したDC、又はタンデムミニ遺伝子(TMG)mRNAをトランスフェクトしたDCに対するIFNγ ELISPOTアッセイを用いて反応性をスクリーニングされた。
【0186】
RAS G12V抗原を含むTMG2及びPP3に対して、腫瘍片F11で反応性TILが確認された。その結果は図6にある。
【0187】
特異的なペプチドをテストした結果、RAS G12Vに対する反応性があることが判明した。
【0188】
実施例8
本実施例は、患者4385のTILから、HLA-C*01:02によって提示されるヒトRAS G12V変異に対する抗原特異性を有するTCRの単離を実証するものである。
【0189】
患者4385の腫瘍片F11からのTILは、RAS G12Vを認識し、RAS WTを認識しないことが確認された。
【0190】
反応性TCRの配列を決定するために、反応性TILはT細胞活性化マーカーである4-1BB/OX40のアップレギュレーションに基づいて蛍光活性化セルソーティング(FACS)により選別された。その後、細胞を溶解し、TCR転写物をサンガー配列決定した。
【0191】
実施例9
本実施例は、実施例8のヒト抗G12V TCRをコードするヌクレオチド配列と、改変されたマウス定常領域とを含むレトロウイルスベクターを調製する方法を示すものである。
【0192】
ヒトRAS G12V -反応性4385 TCRをコードし、システイン置換されたLVL修飾マウス定常領域を含む核酸配列が、レトロウイルス発現ベクターにクローニングされた。このα鎖マウス定常領域は、配列番号17のアミノ酸配列を含み、48位のXはCys、112位のXはLeu、114位のXはIle、そして115位のXはValであることがわかった。得られた全長α鎖は、配列番号39のアミノ酸配列で構成されていた。β鎖定常領域は、配列番号18のアミノ酸配列を含み、57位のXはCysである。得られた全長β鎖は、配列番号40のアミノ酸配列を含む。RAKRSGSGATNFSLKQAGDVEENPGP(配列番号25)のアミノ酸配列を含むリンカーが、α鎖定常領域とβ鎖可変領域との間に配置された。提供されたような配列は、コドン最適化されている。
【0193】
クローニングを可能にするために、N-末端シグナルペプチド内の2番目のアミノ酸はアラニンに変更された(A)。この例は、5’TCRβからTCRαの3’方向へのバイシストロンベクターの合成を説明しているが、TCRβからTCRαの順序は逆にすることができる。
【0194】
TCRα鎖及びβ鎖可変領域のアミノ酸配列を表8に示す。CDRには下線を引いてある。
【0195】
【表8-1】
【0196】
【表8-2】
【0197】
実施例10
本実施例は、腫瘍片F11のTILのRAS G12Vに対する反応性を、F11からもともと分離されたTCR4と比較して示している。
【0198】
4385(TCR4)を4385 PBLにウイルス導入した。形質転換細胞及びTIL F11を、LP/MEとして示されたペプチドを負荷したDCと、又はTMG/全長(FL)として示された遺伝子をトランスフェクトしたmRNAと共培養した。反応性は、CD8+(図7A)及びCD4(図7B)及びIFNγ ELISPOT(図7C)にゲートした41BB/OX40フローサイトメトリ・アッセイを用いて試験した。
【0199】
TCR4及びTIL F11を導入したPBLは、ras G12V FL及びTMG2(RAS G12V抗原を含む)遺伝子、及びras G12V LPに対して反応性を示した。表6に示したMEペプチドの中で、ME8に対して最も大きな反応性が検出された。
【0200】
実施例11
本実施例は、患者4385の腫瘍片F11から分離したTILが、HLA-C*01:02が提示するRAS G12Vを特異的に認識することを実証している。
【0201】
TIL F11-及びTCR4-導入細胞をMHC-IトランスフェクトしたCOS7細胞(100ngのHLAパルス+TMGをトランスフェクトしたCos7を3万個、T細胞2万個と共培養した)と共培養した。C*01:02に対する反応性が認められた。
【0202】
図8Aは、4385個のPBLへのTCR導入効果と、この実験に使用した細胞のCD8/CD4集団分布を示すドットプロットである。
【0203】
結果は、IFNγ ELISPOT(図8B)アッセイ及び41BB/OX40フローサイトメトリー(表9)からのものである。表9は、TCR4又はTILフラグメント11(F11)で形質転換した4385PBLを、変異(Mut)RASミニゲン(G12Vを含む)をコードするTMGで形質転換したCOS7細胞株DNAと、患者4385が発現する6種類のHLA対立遺伝子(HLA-A*01.01)の1つと、CD8+ゲート細胞における4-1BB+/OX40+細胞の割合、への反応として、提示する。01、HLA-A*02:07、HLA-B*18:02、HLA-B*46:01、HLA-C*01:02又はHLA-C*07:04)。
【0204】
【表9】
【0205】
実施例12
本実施例では、FACS及びELISPOTを用いた滴定アッセイを紹介する(4385 TIL F11)。
【0206】
4385 TIL F11を、異なる濃度のRAS G12V ME8又はRAS LP(G12V/WT)を負荷した自家DCと共培養した。
【0207】
反応性は、IFNγ ELISPOT(図9A)、CD8へのゲーティング(図9B)及びCD4へのゲーティング(図9C)による41BB/OX40フローサイトメトリーによって試験した。
【0208】
実施例13
本実施例では、FACS及びELISPOTを用いた滴定アッセイを紹介する(4385形質転換(Td)TCR4)。
【0209】
4385 TCR4導入PBLを、異なる濃度のRAS G12V ME8又はRAS LP(G12V/WT)を負荷した自家DCと共培養した。
【0210】
反応性は、IFNγ ELISPOT(図10A)、CD8へのゲーティング(図10B)及びCD4へのゲーティング(図10C)による41BB/OX40フローサイトメトリーによって試験した。
【0211】
実施例14
本実施例では、FACS及びELISPOTを用いた滴定アッセイ(4385 TCR4で形質転換(Td)された健康なドナーPBL)を紹介する。
【0212】
4385 TCR4導入PBLを、異なる濃度のRAS G12V ME8又はRAS ME WT4(ME8 のWT配列)を負荷した4385 DCと共培養した。
【0213】
反応性は、IFNγ ELISPOT(図11A)、CD8へのゲーティング(図11B)及びCD4へのゲーティング(図11C)による41BB/OX40フローサイトメトリーによって試験した。
【0214】
実施例15
本実施例は、大腸がん患者4394の腫瘍片からRAS G12Vに反応するTILを同定したことを示す。
【0215】
患者4394の腫瘍片からのTILを、RAS G12V ME8又はRAS LP(G12V又はWT)を負荷した自家DCと共培養するか、RAS FL(G12V又はWT)遺伝子をトランスフェクトしたものを使用した。DMSOで処理したDCと共培養したTILは、ネガティブコントロールとした。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料で非特異的に刺激したTILをポジティブコントロールとした。反応性は、IFNγ ELISPOT(図12A)、及びCD8へのゲーティング(図12B)及びCD4へのゲーティング(図12C)を有する41BB/OX40フローサイトメトリによって試験した。
【0216】
実施例16
本実施例は、患者4394の腫瘍断片F12から分離されたTILがRAS G12Vを特異的に認識することを実証する。
【0217】
患者4394の腫瘍断片F12からのTILを、TILの濃縮後に、異なる濃度のRAS G12V ME8又はME WT4(ME8のWT配列)を負荷した自己DCと共培養した。反応性は、ソート濃縮後、CD8にゲーティングされた41BB/OX40フローサイトメトリ・アッセイを用いて試験した(図13)。反応性は、CD8にゲーティングした41BB/OX40フローサイトメトリー(図13A)、及び抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料との共培養によって非特異的に刺激したTILがポジティブコントロールとして機能するソート濃縮後のIFNγ ELISPOT(図13B)により試験した。
【0218】
フラグメントF12の2つのTCR(TCRA及びTCRBと称する)をさらに研究した。
【0219】
【表10】
【0220】
TCRA及びTCRBはC*01:02で拘束されていることがわかった。
【0221】
実施例17
本実施例は、患者4394のTILから、HLA-C*01:02によって提示されるヒトRAS G12V変異に対する抗原特異性を有するTCRの単離を実証している。
【0222】
患者4394の腫瘍片F12からのTILは、実施例15及び16において、RAS G12Vを認識し、WT RASを認識しないことが決定された。
【0223】
TCR配列を同定するために、反応性TILはT細胞活性化マーカーである4-1BB/OX40のアップレギュレーションに基づいて蛍光活性化セルソーティング(FACS)で選別された。その後、細胞を溶解し、TCR転写産物をサンガー配列決定した。
【0224】
実施例18
本実施例は、実施例17のヒト抗RAS G12V TCRをコードするヌクレオチド配列と、改変されたマウス定常領域とを含むレトロウイルスベクターを調製する方法を示すものである。
【0225】
実施例17のヒトRAS G12V反応性4394 TCRAをコードし、システイン置換され、LVL修飾されたマウス定常領域を含む核酸配列をレトロウイルス発現ベクターにクローニングした。α鎖マウス定常領域は、48位のXがCys、112位のXがLeu、114位のXがIle、115位のXがValである配列番号17のアミノ酸配列から構成されるものであった。得られた全長α鎖は、配列番号74のアミノ酸配列で構成されていた。β鎖定常領域は、配列番号18のアミノ酸配列を含み、57位のXはCysである。得られた全長β鎖は、配列番号75のアミノ酸配列を含む。RAKRSGSGATNFSLKQAGDVEENPGP(配列番号25)のアミノ酸配列を含むリンカーが、α鎖定常領域とβ鎖可変領域との間に配置された。提供されたような配列は、コドン最適化されている。
【0226】
クローニングを可能にするために、N-末端シグナルペプチド内の2番目のアミノ酸はアラニンに変更された(A)。この例は、5’TCRβからTCRαの3’方向へのバイシストロンベクターの合成を説明しているが、TCRβからTCRαの順序は逆にすることができる。
【0227】
TCRα鎖及びβ鎖可変領域のアミノ酸配列を表11に示す。CDRには下線を引いてある。
【0228】
【表11-1】
【0229】
【表11-2】
【0230】
実施例19
本実施例は、FACS及びELISPOT(実施例18の4394形質転換(Td)TCRA及びTCRB)を用いたアッセイを提示する。
【0231】
4394 TCRA-及び 4394 TCRB- トランスダクション PBL を、RAS G12V ME8、RAS ME WT4(ME8のWT配列)、RAS LP(G12V又はWT)、又はRAS WT FL又はRAS G12V FL mRNAを導入した自己のDCと共培養させた。DMSOで処理したDCと共培養した細胞は、ネガティブコントロールとした。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料との共培養により非特異的に刺激されたPBLをポジティブコントロールとした。
【0232】
反応性は、IFNγ ELISPOT(図14A)及びCD4へのゲーティング(図14B)及びCD8へのゲーティング(図14C)による41BB/OX40フローサイトメトリーによって試験された。
【0233】
実施例20
本実施例は、FACS及びELISPOT(実施例18の4394 TCRAで形質転換(Td)した健康なドナーPBL)を用いた滴定アッセイを提示するものである。
【0234】
4394 TCRA 導入 PBL を、異なる濃度の RAS G12V ME8 又は RAS ME WT4(ME8 の WT 配列)を負荷した 4394 DC と共培養した。DMSOで単独培養したPBLをネガティブコントロールとした。抗CD3/抗CD28 Dynabeads材料との共培養により非特異的に刺激されたPBLをポジティブコントロールとした。
反応性は、IFNγ ELISPOT(図15A)、及びCD4へのゲーティング(図15B)及びCD8へのゲーティング(図15C)による41BB/OX40フローサイトメトリーによって試験された。
【0235】
刊行物、特許出願及び特許を含む、本明細書に引用した全ての参考文献は、それぞれの参考文献が参照によって組込まれることが個々に且つ具体的に示されているのと同程度及びその全体が本明細書に記載されているのと同程度まで、参照によって本明細書に組込まれる。
【0236】
本発明の説明に関して(特に、以下の特許請求の範囲に関して)、用語「a」及び「an」及び「the」及び「少なくとも1」並びに同様の指示対象の使用は、本明細書に特記しないか文脈と明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方をカバーすると解釈すべきである。1以上の事項の列挙の後での用語「少なくとも1」の使用(例えば、「A及びBのうち少なくとも1」)は、本明細書に特記しないか又は文脈と明らかに矛盾しない限り、列挙した事項から選択された1の事項(A若しくはB)又は列挙した事項のうち2以上の任意の組合せ(A及びB)を意味すると解釈すべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含有する(containing)」は、特記しない限り、オープンエンドの用語(即ち、「~を含むがそれらに限定されない」を意味する)と解釈すべきである。本明細書の値の範囲の記述は、本明細書に特記しない限り、その範囲内に入る各個別の値に個々に言及する省略方法として働くことのみを意図しており、各個別の値は、それが本明細書に個々に記述されているかのように本明細書に組込まれる。本明細書に記載の全ての方法は、本明細書に特記しないか又は文脈と特に明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施できる。本明細書に提供される任意の及び全ての例又は例示的語句(例えば、「等(such as)」)の使用は、本発明をよりよく説明することのみを意図しており、特段特許請求されない限り、本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書の全ての語句は、特許請求されていない任意の要素を本発明の実施に必須のものとして示していると解釈すべきではない。
【0237】
発明を実施するための、発明者が知る最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載される。これらの好ましい実施形態のバリエーションは、上述の説明を読めば当業者に明らかとなり得る。本発明者らは、当業者がかかるバリエーションを適宜使用することを予期しており、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されたのとは異なる方法で本発明が実施されることを意図している。従って、本発明は、適用法によって許容されるとおり、本明細書に添付した特許請求の範囲に記載の主題の全ての改変及び均等物を含む。更に、その全ての可能なバリエーションでの上記要素の任意の組合せが、本明細書に特記しないか又は文脈と特に明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
【配列表】
2023526149000001.app
【国際調査報告】