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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】二重ロッドインプラントカッター
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/16 20060101AFI20230614BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20230614BHJP
   A61B 17/17 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
A61B17/16
A61B17/56
A61B17/17
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022561192
(86)(22)【出願日】2021-05-19
(85)【翻訳文提出日】2022-11-17
(86)【国際出願番号】 US2021033135
(87)【国際公開番号】W WO2021236754
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】63/026,972
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519070932
【氏名又は名称】シュクラ・メディカル
【氏名又は名称原語表記】SHUKLA MEDICAL
【住所又は居所原語表記】8300 SHEEN DRIVE, ST. PETERSBURG, FL 33709, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スウェイツァー、ザカリー、ロバート
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL01
4C160LL09
4C160LL12
4C160LL24
(57)【要約】
インプラントを切断するためのカッターが提供される。前記カッターは、ギアボックスと、前記ギアボックスに動作可能に連結された1次フライスビット、2次フライスビットおよびリードスクリューと、前記1次フライスビットに強固に連結された入力カップリングと、前記リードスクリューに強固に連結されたインプラントカプラとを有し、前記ギアボックスは、前記リードスクリューに関して並進するように、また前記入力カップリングに加えられた駆動力に応答して前記2次フライスビットを駆動するように動作可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギアボックスと、
前記ギアボックスに動作可能に連結された1次フライスビット、2次フライスビットおよびリードスクリューと、
前記1次フライスビットに連結された入力カップリングと、
前記リードスクリューに連結されたインプラントカプラと
を備えるインプラントを切断するためのカッターであって、
前記ギアボックスは、前記リードスクリューに対して並進するように、かつ、前記入力カップリングに加えられた駆動力に応答して前記2次フライスビットを駆動するように動作可能である、カッター。
【請求項2】
前記ギアボックスは、
前記入力カップリングに加えられた前記駆動力に応答して前記リードスクリューに対して前記ギアボックスを並進させるように動作可能な並進駆動アセンブリと、
前記入力カップリングに加えられた前記駆動力に応答して前記2次フライスビットを駆動するように動作可能なフライス駆動アセンブリと
を有する、請求項1に記載のカッター。
【請求項3】
前記並進駆動アセンブリは、
前記1次フライスビットに外接し、かつ連結されている第1ウォームスクリューと、
前記第1ウォームスクリューに動作可能に連結された第1ウォームギアと、
前記第1ウォームギアに強固に連結された第2ウォームスクリューと、
前記第2ウォームスクリューに動作可能に連結された第2ウォームギアであって、第2ウォームスクリューは前記リードスクリューに外接し、かつソケットを有する、第2ウォームギアと
を有する、請求項2に記載のカッター。
【請求項4】
前記並進駆動アセンブリは、前記第2ウォームギアの前記ソケット中にナットをさらに有し、前記並進駆動アセンブリは、前記リードスクリューにねじ込み式に係合する、請求項3に記載のカッター。
【請求項5】
前記フライス駆動アセンブリは、
前記1次フライスビットに外接し、かつ強固に連結された第1スパーギアと、
前記第1スパーギアに動作可能に連結された第2スパーギアと、
前記第2スパーギアに動作可能に連結され、かつ、前記2次フライスビットに外接し、前記2次フライスビットに強固に連結された第3スパーギアと
を有する、請求項2に記載のカッター。
【請求項6】
前記第1スパーギア、前記第2スパーギアおよび前記第3スパーギアは、同様のサイズを有し、前記第1スパーギア、前記第2スパーギアおよび前記第3スパーギアはそれぞれ同じ数の歯を有する、請求項5に記載のカッター。
【請求項7】
前記ギアボックスに連結され、かつそれぞれ前記1次フライスビットおよび前記2次フライスビットに外接している第1チップコレクターおよび第2チップコレクターをさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のカッター。
【請求項8】
前記第1チップコレクターおよび前記第2チップコレクターはそれぞれ、前記インプラントを受け入れるためのカットアウトと、前記インプラントからフライスされたチップおよび断片を保持するためのチップ収集キャビティとを有する、請求項7に記載のカッター。
【請求項9】
前記第1チップコレクターおよび前記第2チップコレクターはそれぞれ、前記インプラントカプラ上のそれぞれの溝と摺動自在に係合するための長手方向ガイドレールを有する、請求項8に記載のカッター。
【請求項10】
前記インプラントカプラは、前記リードスクリューの遠位端に連結されるレセプタクルと、前記インプラントに解放可能に連結するように構造化されたヘリコプタソケットとを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のカッター。
【請求項11】
前記インプラントカプラは、スクリューのテューリップを受け入れるための凹部を有する、請求項10に記載のカッター。
【請求項12】
前記1次フライスビットおよび前記2次フライスビットはそれぞれ、前記インプラントを切断するためのスパイラル溝を有する遠位切断端と、前記ギアボックスに動作可能に連結された近位駆動端とを有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のカッター。
【請求項13】
前記遠位切断端はそれぞれ、丸みを帯びた縁を有する、請求項12に記載のカッター。
【請求項14】
前記1次フライスビットおよび前記2次フライスビットはそれぞれ、炭化タングステンを備える、請求項1から13のいずれか一項に記載のカッター。
【請求項15】
前記1次フライスビット、前記2次フライスビットおよび前記リードスクリューは、実質的に線形の経路に沿って離間されている、請求項1から14のいずれか一項に記載のカッター。
【請求項16】
前記インプラントカプラは、脊椎ロッドに連結するように構造化されている、請求項1から15のいずれか一項に記載のカッター。
【請求項17】
前記入力カップリングは、回転駆動力を受け入れるように動作可能である、請求項1から16のいずれか一項に記載のカッター。
【請求項18】
前記インプラントの切断中に前記インプラント
にクランプ力を加えるためのクランプ機構をさらに備える、請求項1から17のいずれか一項に記載のカッター。
【請求項19】
前記クランプ機構は、前記インプラントカプラに係合する軸方向に延在するシャフトを有し、前記シャフトは、近位端と、前記インプラントに締め付けて係合するように動作可能な前記シャフトの遠位端にあるインプラント係合可能先端とを有する、請求項18に記載のカッター。
【請求項20】
前記クランプ機構は、前記インプラントカプラを通って延在するセットスクリューを有する、請求項18に記載のカッター。
【請求項21】
前記クランプ機構は、前記インプラントカプラにねじ込み式に係合するように動作可能な内部ねじ山と、前記インプラントに締め付けて係合するための遠位縁とを有する、請求項18に記載のカッター。
【請求項22】
脊椎に固着された脊椎ロッドを切断するためのカッターであって、
遠位端と、並進駆動アセンブリと、フライス駆動アセンブリとを有するギアボックスと、
前記並進駆動アセンブリおよび前記フライス駆動アセンブリに動作可能に連結された近位駆動端と、遠位切断端とを有する1次フライスビットと、
前記フライス駆動アセンブリに動作可能に連結された近位駆動端と、前記脊椎ロッドを切断するための遠位切断端とを有する2次フライスビットと、
前記並進駆動アセンブリに動作可能に連結され、かつ近位端と、遠位端とを有するリードスクリューと、
前記1次フライスビットの前記近位駆動端に強固に連結された入力カップリングと、
前記ギアボックスの前記遠位端に連結され、かつそれぞれ前記1次フライスビットおよび前記2次フライスビットに外接している第1チップコレクターおよび第2チップコレクターであって、前記第1チップコレクターおよび前記第2チップコレクターがそれぞれ、前記脊椎ロッドを受け入れるためのカットアウトと、前記脊椎ロッドから切断されたチップおよび断片を保持するためのチップ収集キャビティと、長手方向に配置されたガイドレールを有する外側面とを有する、第1チップコレクターおよび第2チップコレクターと、
前記リードスクリューの前記遠位端に強固に連結された近位レセプタクルと、前記第1チップコレクターおよび前記第2チップコレクターの前記ガイドレールとそれぞれ摺動自在に係合するようサイズ設定された第1溝および第2溝と、前記脊椎ロッドに解放可能に連結するように構造化されたソケットを有する遠位端とを有するインプラントカプラと
を備える、カッター。
【請求項23】
前記ソケットは、少なくとも1つの受け入れチャネルと、少なくとも1つの係止チャネルとを有する、請求項22に記載のカッター。
【請求項24】
前記1次フライスビットの長手方向軸および前記2次フライスビットの長手方向軸は、前記リードスクリューの長手方向軸に対し実質的に平行である、請求項22または23に記載のカッター。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
様々なタイプの手術には、患者内での脊椎ロッドなどのインプラントの配置が含まれる。脊椎ロッドの正確な長さの正しい決定はしばしば、手術前に予測することが困難であり得るか、または不可能であり得るため、しばしば、それが移植された後に、脊椎ロッドの長さを調節する必要があるか、または調節することが望まれる。特定の外科的処置に関する標準プロトコルはまた、個々の患者にとって理想的なカスタマイズされた長さを最良に提供するように移植後に脊椎ロッドを切断する必要がある場合がある。長さを調節するために、脊椎ロッドは患者から取り外されて、現場から離れて所望の長さに切断されて、後の時点で患者内に再移植され得る。しかしながら、この手順は、時間がかかり、コストがかかり、患者は複数回の手術を受ける必要がある可能性がある。典型的な脊椎ロッドカッターはまた、位置調整および使用するのが困難であり、しばしば確実にカッターが切断動作中に位置調整され、かつ脊椎ロッドと係合された状態のままであるようユーザにかなりの注意を促す必要がある。そうして、原位置で使用され得る効率的かつ効果的なインプラントカッターが必要である。
【0002】
加えて、脊椎ロッドが取り外される再置換術中に、より容易な取り外しを容易にするためにロッドを切断することは、外科医にとっての利点であり得る。また、外科医は脊椎ロッドを椎弓根スクリューにはめ込む係止キャップをねじ止め解除するための正しいドライバーを有さない場合がある。このシナリオでは、椎弓根スクリューの両側でロッドを切断する装置を有することもまた有利である。その後、スクリュー間のロッドのセクションは、容易に持ち上げて取り出すことができる。続いて、椎弓根スクリューに依然として取り付けられているロッドの残存する小セクションは、「運び(helicoptered)」出すことができる。
【発明の概要】
【0003】
本開示の例示的な実施形態によれば、インプラントを切断するためのカッターが提供される。カッターは、ギアボックスと、ギアボックスに動作可能に連結された1次フライスビット、2次フライスビットおよびリードスクリューと、1次フライスビットに連結された入力カップリングと、リードスクリューに連結されたインプラントカプラとを有し、ここで、ギアボックスは、リードスクリューに関して並進するように、且つ、入力カップリングに加えられた駆動力に応答して2次フライスビットを駆動するように動作可能である。
【0004】
本開示の別の態様によれば、ギアボックスは、入力カップリングに加えられた駆動力に応答してリードスクリューに関してギアボックスを並進させるように動作可能な並進駆動アセンブリと、入力カップリングに加えられた駆動力に応答して2次フライスビットを駆動するように動作可能なフライス駆動アセンブリとを有する。
【0005】
本開示のさらに別の態様によれば、並進駆動アセンブリは、1次フライスビットに外接し、かつ連結された第1ウォームスクリューと、第1ウォームスクリューに動作可能に連結された第1ウォームギアと、第1ウォームギアに強固に連結された第2ウォームスクリューと、第2ウォームスクリューに動作可能に連結された第2ウォームギアとを有し、第2ウォームギアは、リードスクリューに外接し、かつソケットと、第2ウォームギアのソケット中のナットとを有し、リードスクリューにねじ込み式に係合する。
【0006】
本開示のまた別の態様によれば、フライス駆動アセンブリは、1次フライスビットに外接し、かつ強固に連結された第1スパーギアと、第1スパーギアに動作可能に連結された第2スパーギアと、第2スパーギアに動作可能に連結され、かつ2次フライスビットに連結された第3スパーギアとを有する。
【0007】
本開示の他の態様によれば、第1スパーギア、第2スパーギアおよび第3スパーギアはそれぞれ、同じ数の歯を有する。入力カップリングは、ハドソンコネクタを含む。カッターは、ギアボックスに連結され、かつそれぞれ1次フライスビットおよび2次フライスビットに外接している第1チップコレクターおよび第2チップコレクターをさらに有する。第1チップコレクターおよび第2チップコレクターはそれぞれ、インプラントを受け入れるためのカットアウトと、インプラントからフライスされたチップおよび断片を維持するためのチップ収集キャビティとを有する。第1チップコレクターおよび第2チップコレクターはそれぞれ、インプラントカプラ上のそれぞれの溝と摺動自在に係合するための長手方向ガイドレールを有する。
【0008】
本開示の他の態様によれば、インプラントカプラは、リードスクリューの遠位端に連結されたねじ込み式レセプタクルと、インプラントに解放可能に連結されたヘリコプタソケットとを有する。インプラントカプラは、スクリューのテューリップを受け入れるための凹部を有する。1次フライスビットおよび2次フライスビットはそれぞれ、インプラントを切断するためのスパイラル溝を有する遠位切断端と、ギアボックスに動作可能に連結された近位駆動端とを有する。遠位切断端はそれぞれ、丸みを帯びた縁を有する。1次フライスビットおよび2次フライスビットはそれぞれ、炭化タングステンを備える。1次フライスビット、2次フライスビットおよびリードスクリューは、実質的に線形の経路に沿って間隔を空け、1次フライスビットの長手方向軸および2次フライスビットの長手方向軸は、リードスクリューの長手方向軸に実質的に平行である。インプラントカプラは、脊椎ロッドに連結するように構造化されている。入力カップリングは、回転駆動力を受け入れるように動作可能である。
【0009】
本開示の他の態様によれば、インプラントカッターは、インプラントの切断中にインプラントにクランプ力を加えるためのクランプ機構をさらに備える。一態様によれば、クランプ機構は、インプラントカプラに係合する軸方向に延在するシャフトを有し、シャフトは、近位端と、インプラントに締め付けて係合するように動作可能なその遠位端にあるインプラント係合可能先端とを有する。別の態様によれば、クランプ機構は、インプラントカプラを通って延在するセットスクリューを有する。別の態様によれば、クランプ機構は、インプラントカプラにねじ込み式に係合するように動作可能な内部ねじ山と、インプラントに締め付けて係合するための遠位縁とを有する。
【0010】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、脊椎に固着された脊椎ロッドを切断するためのカッターが提供される。カッターは、遠位端と、並進駆動アセンブリと、フライス駆動アセンブリとを有するギアボックスと、並進およびフライス駆動アセンブリに動作可能に連結された近位駆動端と、遠位切断端とを有する1次フライスビットと、フライス駆動アセンブリに動作可能に連結された近位駆動端と、脊椎ロッドを切断するための遠位切断端とを有する2次フライスビットと、並進駆動アセンブリに動作可能に連結され、かつ近位端と、遠位端とを有するリードスクリューと、1次フライスビットの近位駆動端に連結された入力カップリングと、リードスクリューの近位端に連結されたノブと、ギアボックスの遠位端に連結され、かつそれぞれ1次フライスビットおよび2次フライスビットに外接している第1チップコレクターおよび第2チップコレクターであって、チップコレクターはそれぞれ、脊椎ロッドを受け入れるためのカットアウトと、脊椎ロッドから切断されたチップおよび断片を維持するためのチップ収集キャビティと、長手方向に配置されたガイドレールが設けられた外側面とを有する、第1チップコレクターおよび第2チップコレクターと、リードスクリューの遠位端に連結された近位レセプタクルと、第1チップコレクターおよび第2チップコレクターのガイドレールとそれぞれ摺動自在に係合するようにサイズを有する第1溝および第2溝と、脊椎ロッドに解放可能に連結するように構造化されたソケットを有する遠位端とを有するインプラントカプラとを備える。
【0011】
本開示の別の態様によれば、ソケットは、少なくとも1つの受け入れチャネルと、少なくとも1つの係止チャネルとを有する。本開示のさらに別の態様によれば、入力カップリングは、ドリルに解放可能に連結するように構造化されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付図面と併せて読み取った場合により良好に理解される。本開示を示す目的で、図面において例示的な実施形態が示される。しかしながら、本願は、示される厳密な構成および手段に限定されないことが理解されるべきである。
【0013】
図1】ドリルに連結されて、かつ脊椎ロッドを切断するように位置付けられた本開示の例示的な実施形態によるインプラントを切断するためのカッターの斜視図である。
【0014】
図2図1のカッターの斜視図である。
【0015】
図3図1のカッターの1次フライスビットおよび2次フライスビットの斜視図である。
図4図1のカッターの1次フライスビットおよび2次フライスビットの斜視図である。
【0016】
図5】説明の目的で破線で示されるハウジングを有する図1のカッターの部分斜視図である。
【0017】
図6図1のカッターの部分分解斜視図である。
【0018】
図7図1のカッターの並進駆動アセンブリの分解斜視図である。
【0019】
図8A図1のカッターのチップコレクターの側面図である。
【0020】
図8B】フライスビットに外接している図8Aのチップコレクターの縦断面図である。
【0021】
図8C図8Aのチップコレクターの斜視図である。
【0022】
図9A図1のカッターのインプラントカプラの斜視図である。
【0023】
図9B図9Aのインプラントカプラの別の斜視図である。
【0024】
図10A】脊椎ロッド上で位置調整された図1のカッターの斜視図である。
【0025】
図10B】脊椎ロッドと係合された図1のカッターの斜視図である。
【0026】
図10C】脊椎ロッドと係合され、かつ解放可能に連結された図1のカッターの斜視図である。
【0027】
図10D】脊椎ロッドを切断する図1のカッターの斜視図である。
【0028】
図11】本開示によるインプラントを切断するためのカッターの別の例示的な実施形態の正面断面図である。
【0029】
図12】本開示によるインプラントを切断するためのカッターの別の例示的な実施形態の下部の斜視図である。
【0030】
図13A】本開示によるインプラントを切断するためのカッターの別の例示的な実施形態の正面図である。
【0031】
図13B】インプラントを切断するための図13Aのカッターの正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
ここでは、添付図面に示される本開示の例示的な実施形態について詳細に言及する。可能であれば、同じか、または類似の参照番号は、図面全体にわたって使用され、同じか、または類似の特徴を指す。図面は、簡略化形態であること、また正確な尺度で図示されていないことに留意されたい。本明細書中の本開示を参照して、便宜および明確のみの目的で、上方、下方、最上部、底部、上、下および対角線などの方向に関する用語が、添付図面に関して使用される。図面の後述の説明と併せて使用されるかかる方向に関する用語は、明示されていないいかなる方法でも本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではない。加えて、本明細書において使用される用語「単数形」は、「少なくとも1つの」を意味する。用語は、上記で具体的に言及されるワード、その派生語、および同様の意味のワードを有する。
【0033】
本明細書において使用される「約」は、量、時間などの測定可能な値について言及する場合に、そのような変形が適切な場合、規定値から±20%、±10%、±5%、±1%、または±0.1%の変形を包含すると意図される。
【0034】
本明細書において使用される「実質的に」は、程度が相当であり、指定されるもの、または当該技術分野内で受け入れられるようなそこからの適切な変形の大部分であるが、完全ではないことを意味する。本明細書において使用される「例示的な」は、一例として供することを意味する。
【0035】
本願全体にわたって、その様々な態様が、範囲形式で提示され得る。範囲形式における説明は、単なる便宜および簡潔のためのものであり、本開示の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないと理解されるべきである。それに応じて、範囲の説明は、具体的に開示される考え得る部分的な範囲全てならびにその範囲内の個々の数値を有するとみなされるべきである。例えば、1から6などの範囲の説明は、1から3、1から4、1から5、2から4、2から6、3から6などの具体的に開示される部分的な範囲、ならびにその範囲内の個々の数字、例えば1、2、2.7、3、4、5、5.3、および6を有するとみなされるべきである。このことは、範囲の広がりにかかわらず適用される。
【0036】
さらに、本開示の例示的な実施形態の説明される特徴、利点および特性は、1つまたは複数の例示的な実施形態で任意の好適なやり方で併合され得る。本明細書中の説明に鑑みて、本開示は、特定の例示的な実施形態の特定の特徴もしくは利点のうちの1または複数なしで実施することができることは、関連技術の当業者に認識されよう。他の事例において、追加の特徴および利点は、本開示の例示的な実施形態全てにおいて存在し得ない特定の例示的な実施形態において認識され得る。
【0037】
ここでは、図面を参照すると、本開示の例示的な実施形態によるカッター100が示される。カッター100は、例えば近位方向に取り付けられたテューリップ815を有する脊椎ロッドスクリュー810を使用して患者の脊椎805に固着された脊椎ロッド800を含む脊椎ロッドを切断/フライスするのに使用され得る(図1および図10Aから図10Dを参照)。カッター100は、例えば、様々な長さおよび直径(例えば2、4、6、8、10mmなど)の移植された脊椎ロッド、ならびにスクリュー810以外の構造を使用して脊椎に固着されたものおよび例えばステンレス鋼、チタニウム、またはコバルト・クロムなどの様々な物質から構築されたものを切断するのに使用され得る。カッター100は、脊椎ロッド(脊椎ロッド800など)を切断するように動作可能であるとして、本明細書で説明され、また図面で示されるが、カッター100および本開示によって予期される他の実施形態は、他のタイプのインプラントを切断/フライスするのに使用されてもよいこと、また本開示の様々な実施形態は、インプラントのいかなる特定のサイズ、タイプまたはカテゴリを用いた使用にも限定されることは意図されていないことが理解されるべきである。
【0038】
図2から図5および図10Aから図10Dに最もよく示されているように、カッター100は、ギアボックス105と、1次フライスビットおよび2次フライスビット110、110'と、シャフト、例えばギアボックス105に動作可能に連結され、かつギアボックス105を通って延在するねじ込み式リードスクリュー120と、1次フライスビット110の近位端に強固に連結された入力カップリング125(これは、例えば、駆動源に連結するためのハドソンコネクタまたは同様のコネクタを含み得る)と、リードスクリュー120の近位端に連結されたノブ130と、ギアボックス105の遠位端に連結され、かつそれぞれ1次フライスビットおよび2次フライスビット110、110'に外接しているチップコレクター135、135'と、リードスクリュー120の遠位端に連結され、かつチップコレクター135、135'によって、例えばガイドレール625、625'を介して長手方向の並進のために誘導されるインプラントカプラ140とを有する。示された例示的な実施形態では、1次フライスビット、2次フライスビットおよびリードスクリューは、実質的に線形の経路に沿って間隔を空け、1次フライスビットの長手方向軸および2次フライスビットの長手方向軸は、リードスクリューの長手方向軸に実質的に平行である。
【0039】
図3および図4に最もよく示されているように、1次フライスビットおよび2次フライスビット110、110'はそれぞれ、インプラント、例えば脊椎ロッド800を切断するための遠位切断端305、305'と、ギアボックス105に動作可能に連結するためのそれぞれの駆動溝315、315'を有する近位駆動端310、310'とを有する。切断端305、305'は、チッピングを低減するためのノッチ付きまたは丸みを帯びた縁325、325'と、ビット110、110'の中央領域330、330'に向かって近位方向に脊椎ロッド800から切断/フライスされたチップおよび他の断片を輸送するためのスパイラル溝320、320'とを有する。1つの例示的な実施形態では、少なくとも1次フライスビットおよび2次フライスビット110、110'の切断端305、305'は、炭化タングステンから作製されるが、フライスビット110、110'の他の部分もまた、炭化タングステンで作製されてもよく、あるいはそれらの任意または全ての一部が代替物質を使用して構築され得ることが理解されるべきである。また、切断端305、305'は、中央もしくは縁切断であってもよく、および/または丸みを帯びた縁325、325'を有してもよいこと、ならびに本開示の様々な例示的な実施形態は、任意の特定のタイプの切断端または脊椎ロッドに800もしくは他のインプラントを切断する様式に限定されると意図されていないことが理解されるべきである。
【0040】
図2および図5から図7を参照すると、ギアボックス105は、リードスクリュー120に関して遠位方向に、またはリードスクリューの長手方向の範囲に沿ってギアボックス105をそれぞれ並進させるように、また入力カップリング125に加えられた回転駆動力に応答して2次フライスビット110'を駆動するように動作可能な並進およびフライス駆動アセンブリ210、215、ならびに駆動アセンブリ210、215の様々なコンポーネントを摩耗から保護するための、およびハウジング205内のコンポーネントを適切に位置付けて、位置調整して、間隔を空けるための様々なワッシャー270ならびにブッシング275a、275b、275c、275d、275eおよび275fを封入する、遠位プレート207を有するハウジング205を有する。図面に描写される例示的な実施形態では、駆動力は、例えば可撓性駆動シャフト505を有するドリル500によって供給されるが、回転駆動力は、例えば剛性の駆動シャフトを介するなどの他の方式で入力カップリング125に加えられ得ること、および本開示の様々な例示的な実施形態は、駆動力を入力カップリング125に加える任意の特定の態様に限定されると意図されていないことが理解されるべきである。
【0041】
図5から図7に最もよく示されているように、並進駆動アセンブリ210は、1次フライスビット110の近位駆動端310を受け入れる長手方向の穴225と、1次フライスビット110の駆動溝315に係合する長手方向に延在する駆動リブ230とを有する第1ウォームスクリュー220と、第1ウォームスクリュー220に動作可能に連結された第1ウォームギア235と、第1ウォームギア235を通って長手方向に延在し、かつ一端ではハウジング205内の端キャップ280およびサークリップ(図示せず)によって、また他端ではハウジング205の内部の位置調整レセプタクル285(図10D)によって拘束されたシャフト245と、シャフト245上で回転自在に配置され、かつシャフト245に外接し、かつ第1ウォームギア235に強固に連結された第2ウォームスクリュー250と、第2ウォームスクリュー250に動作可能に連結にされ、かつリードスクリュー120に外接している六角ソケット260および長手方向の貫通穴265を有する第2ウォームギア255と、六角ソケット260内に位置付けられ、かつリードスクリュー120とねじ込み式に係合された六角リードナット272とを有する。
【0042】
図5および図6に最もよく示されているように、フライス駆動アセンブリ215は、第1ウォームスクリュー220の遠位方向に1次フライスビット110に外接して、かつ1次フライスビット110の駆動溝315に係合する長手方向に延在する駆動リブ410を有する第1スパーギア405と、第1スパーギア405に動作可能に係合し、かつ第2ウォームギア255の遠位方向にリードスクリュー120に回転自在に外接している自由回転式の第2スパーギア415と、第2スパーギア415に動作可能に係合し、2次フライスビット110'に外接し、かつ2次フライスビット110'の駆動溝315'に係合する長手方向に延在する駆動リブ425を有する第3スパーギア420とを有する。
【0043】
本明細書で説明され、また図面に示される並進およびフライス駆動アセンブリ210、215のコンポーネントは、リードスクリュー120に関して遠位方向にギアボックス105を並進させるように、また2次フライスビット110'を駆動するように一緒に動作するが、並進およびフライス駆動アセンブリ210、215は、これらの機能を実施するために同じか、または異なるコンポーネントの他の構成を有し得ること、ならびに本開示の様々な実施形態は、ギアボックス105を並進するか、または2次フライスビット110'を駆動するための任意の特定のコンポーネントまたはコンポーネントの配列に限定されると意図されていないことは理解されるべきである。また、並進およびフライス駆動アセンブリ210、215は、液圧などの非ギアコンポーネントおよび/または電気コンポーネントを有し得ること、ならびに本開示の様々な実施形態は、コンポーネントの任意のタイプまたはクラスに限定されると意図されていないことが理解されるべきである。
【0044】
図2図8Aから図8C、および図10Aから図10Dに最もよく示されているようにチップコレクター135、135'は、1次フライスビットおよび2次フライスビット110、110'に外接し、それぞれハウジング205の遠位プレート207に連結された近位漏斗状端605、605'、フライスビット110、110'と連通する内部チップ収集キャビティ620と、長手方向に延在するガイドレール625、625'が設けられた外側面と、チップ収集キャビティ620の遠位底部から本体部610、610'の遠位端まで延在する長手方向の穴630と、脊椎ロッド800を受け入れるよう成形され、かつ本体部610、610'の遠位端にある長手方向の穴630に横方向にかつ交差して向かい合うカットアウト635とを有する略円筒状の本体部610を有する。チップコレクターの遠位端にある穴630の内径は、チップ収集キャビティ620を効果的に保持または密閉して、脊椎ロッド800から除去されたチップおよび他の断片がキャビティ620から放出するのを防止するために1次フライスビットおよび2次フライスビット110、110'の外径と等しいか、またはそれらより僅かに大きい。図面に描写される例示的な実施形態では、カットアウト635は、脊椎ロッド800を受け入れるようにU字型であるが、カットアウト635は、他のタイプのインプラントを受け入れるように異なって成形されてもよいことが理解されるべきである。
【0045】
図2および図9Aから図10Dに最もよく示されているように、インプラントカプラ140は、リードスクリュー120の遠位端に連結された近位ねじ込み式レセプタクル705と、チップコレクター135、135'のガイドレール625、625'とそれぞれ摺動自在に係合する長手方向に延在する溝720、720'が設けられた外側面を有する略円筒状のカップリング本体710と、例えば切断/フライス動作中にカッター100を適切に方向付けて、位置調整するために脊椎ロッドスクリュー810のテューリップ815を受け入れるように成形されたソケット730、例えばヘリコプタソケットおよび中空レセプタクル732が設けられた遠位端725とを有する。代替の例示的な実施形態では、インプラントカプラは、中空レセプタクルを有してもよく、または有さなくてもよく、例えば、インプラントカプラは、より小さな直径を有し得るか、またはソケット730と同様の、ロッドに係合するためのソケットを有する円筒であり得る。この代替的実施形態では、カプラは、テューリップ815を受け入れず、脊椎ロッド800とのみ係合する。
【0046】
ソケット730は、脊椎ロッド800を解放可能に受け入れるように成形され、各々半径方向に位置調整されたか、または直径方向に向かい合った受け入れチャネル740、740'と、係止チャネル745、745'とを有するヘリコプタカットアウトを有する。係止チャネル745、745'はまた、チップコレクター135、135'のカットアウト635と同一平面上に位置調整するように構成され、その結果、1次フライスビットおよび2次フライスビット110、110'は、カッター100の動作中に脊椎ロッド800と適切に位置調整することができる。受け入れチャネル740、740'および係止チャネル745、745'は、異なって成形されたロッドおよび他のインプラントを受け入れるように異なって成形されてもよいことが理解されるべきである。また、インプラントカプラ140は、ソケット730に加えて、または代わりに、脊椎ロッド800または他のインプラントを解放可能に受け入れるための構造を有してもよいことが理解されるべきである。
【0047】
カッター100を動作させて、脊椎ロッド800を切断/フライスするために、ユーザは第1に、カッター100(図10Aを参照)を位置調整して、インプラントカプラの中空レセプタクル732を脊椎ロッドスクリュー810のテューリップ815と係合させると同時に、インプラントカプラ140の受け入れチャネル740、740'を、脊椎ロッド800と位置調整する(図10Bを参照)。ひとたび、脊椎ロッド800がインプラントカプラ140の受け入れチャネル740、740'内に完全に受け入れられたら、ユーザは、カッター100を反時計回りに回転して(カッター100の近位側から遠位方向に見た場合)、脊椎ロッド800を係止チャネル内に完全に位置付けて(図10Cを参照)、それによりカッター100に関して適所に脊椎ロッド800を強固に係止して、1次フライスビットおよび2次フライスビット110、110'を、脊椎ロッド800と位置調整する。次に、ユーザは、入力カップリング125に時計回りの駆動力を加える。入力カップリング125の時計回りの回転は、1次フライスビット110を駆動し、これはさらに、1次フライスビット110の駆動溝315に、第1スパーギア405の駆動リブ410に係合させて、ギア405を1次フライスビット110と時計回りに回転させる。第1スパーギア405の回転は、自由回転式の第2スパーギア415をリードスクリュー120に関して反時計回りに回転させ、それがさらに、第3スパーギア420を時計回りに回転させる。第3スパーギア420が回転するにつれ、第3スパーギア420の駆動リブ425は、2次フライスビット110'の駆動溝315'に係合して、ビット110'をまた第3スパーギア420とともに時計回りに回転させる。第1スパーギア、第2スパーギアおよび第3スパーギア405、415、420は同様のサイズを有し、同じ数の歯を有するため、第3スパーギア420は、第1スパーギア405と同じ速度でかつ同じ時計回り方向で回転し、確実に1次フライスビットおよび2次フライスビット110、110'は同じ速度で時計回りに回転する。しかしながら、スパーギア405、415、420は、異なったサイズを有し、および/または異なる数の歯を有してもよいこと、また2次フライスビット110'は、1次フライスビット110と比較して異なる速度でまたは異なる回転方向で回転してもよいことが理解されるべきである。
【0048】
また1次フライスビット110の回転は、1次フライスビット110の駆動溝315に、第1ウォームスクリュー220の駆動リブ230に係合させて、それを1次フライスビット110とともに時計回りに回転させる。第1ウォームスクリュー220の回転は、シャフト245に関する第1ウォームギア235および第2ウォームスクリュー250の回転を引き起こして、それはさらに、リードスクリュー120に関する第2ウォームギア255および六角リードナット272の時計回りの回転を引き起こす。リードナット272は、リードスクリュー120とねじ込み式に係合するため、またインプラントカプラ140と脊椎ロッド800との係合がリードスクリュー120の縦方向変位を防止することから、六角リードナット272の時計回りの回転が、リードスクリュー120にリードナット272上で遠位力を生成させ、それによりギアボックス105(連結されたフライスビット110、110'およびチップコレクター135、135'を用いて)を、チップコレクター135、135'のガイドレール625、625'と、インプラントカプラ140の溝720、720'との係合によって誘導されるリードスクリュー120に沿って遠位方向に並進させる。別の実施形態において、装置は、ウォーム駆動ギアに代わって複合ギアセットを使用してもよい。
【0049】
ギアボックス105は、1次フライスビットおよび2次フライスビット110、110'の遠位切断端305、305'が脊椎ロッド800と接触するまで(その時点で、脊椎ロッド800の切断/フライスが開始する)遠位方向に並進する。チップコレクター135、135'のカットアウト635は、脊椎ロッド800と係合して、それらがそれを通って進むにつれフライスビット110、110'を誘導するのに役立つ。脊椎ロッド800から除去されたチップおよび他の断片は、1次フライスビットおよび2次フライスビット110、110'のスパイラル溝320、320'によって近位方向に、チップコレクター135、135'のチップ収集キャビティ620へと輸送され、そこでそれらは、切断/フライス動作中に堆積および維持される。1次フライスビットおよび2次フライスビット110、110'は、それらが脊椎ロッド800を通って切断するまで引き続き遠位方向に並進して、この時点で、切断/フライス動作が終了し(図10D)、カッター100が患者から取り外される。
【0050】
脊椎ロッド800と係合して、1次フライスビットおよび2次フライスビット110、110'の遠位中心切断端305、305'がとてもはるか遠位方向に患者へと並進するのを防止するカットアウト635の近位上面によって、過剰切断は防止される。換言すると、脊椎ロッドに隣接しているため、チップコレクターのカットアウトの近位上面は、ひとたび脊椎ロッドがそれにより切断されたら、1次フライスビットおよび2次フライスビットの切断端のさらなる遠位貫通を防止する。例えば、脊椎ロッドの最大直径は、現在6mmである。したがって、6mmよりも僅かに大きい距離でのカッターの移動時にハードストップが見られる。カッターに対して同心状の円筒ガイドは、脊椎ロッドを受け入れるカットアウトを有する。カッターの最も遠い移動は、これらの誘導を超えて延在しないと限定される。
【0051】
切断/フライス動作の完了後、チップコレクター135、135'は、カッター100から取り外されて、その結果、脊椎ロッド800から切断/フライスされたチップおよび他の断片、ならびに1次フライスビットおよび2次フライスビット110、110'のスパイラル溝320、320'に残った状態のままの任意のチップおよび断片は、アクセスされて、破棄され得る。少なくとも幾つかの例示的な実施形態では、チップコレクター135、135'の取り外しは、第1にインプラントカプラ140をカッター100から引き離すことによって容易にされ得る。これは、第1にノブ130を反時計回りに回転させて、インプラントカプラ140のねじ込み式レセプタクル705からリードスクリュー120の遠位端を縮めること、次にカプラ140を遠位方向にスライドして、インプラントカプラ140の溝720、720'からチップコレクター135、135'のガイドレール625、625'を解放することによって達成され得る。次に、カッター100は、第1にチップコレクター135、135'およびインプラントカプラ140を再装着すること、次に手動で反時計回りの回転力を入力カップリング125に加えることにより、またはドリル500もしくは他のメカニズムを使用することにより、ギアボックス105を近位方向にその初期位置へと並進させることによって、新たな切断/フライス動作を実行するためにリセットされ得る。
【0052】
図11図12図13Aおよび図13Bは、インプラントの切断中にクランプ力をインプラントに加えるためのクランプ機構を有する、本開示さらに例示的な実施形態を開示する。これらの実施形態の様々なクランプ機構は、インプラントをしっかりとかつ一定に適所に保持し、フライスによって引き起こされるインプラントのチャタリングを防止する、すなわち即ちインプラントの振動に抵抗する。簡潔のために、図1図10Dに示されるその対応物から構造および/または機能が物質的に逸脱するか、または別の方法では本開示の適切な理解に必要である、図11図12図13Aおよび図13Bに示されるインプラントカッターの要素のみ、詳細に説明される。
【0053】
図11を参照すると、インプラントの切断中にクランプ力をインプラント800に加えるためにインプラントカプラ140'に動作可能に結合されたクランプ機構900の例示的な実施形態が示される。クランプ機構900は、軸方向に延在する細長いシャフト902を備え、それらは例えばその近位端902aに関してインプラントカプラにねじ込み式に係合するねじ山を有する。ねじ軸は、その近位端にハンドル904を、またインプラント、例えば脊椎ロッド800に締め付けて係合するように動作可能であるその遠位端にインプラント係合可能先端906を有する。細長いねじ軸902は少なくともインプラントカプラ140にねじ込み式に係合する一方で、ノブ130'およびねじ込み式リードスクリュー120'のうちの一方または両方はそれに応じて、内部にねじ込まれてシャフト902の外部ねじ切りと係合することが理解される。すなわち、リードスクリュー120'および/またはノブ130'は、内部ねじ山を有する長手方向の貫通孔を有し得る。しかしながら、ハンドル904によってねじ軸の回転に対する耐性を最小化するために、ノブ130'およびねじ込み式リードスクリュー120'には、ねじ軸の直径より僅かに大きな直径の平滑な壁付き内部穴が設けられる。
【0054】
図12を参照すると、インプラントの切断中にクランプ力をインプラント800に加えるためのインプラントカプラ140''に動作可能に結合されるクランプ機構1000の例示的な実施形態が示される。クランプ機構1000は、インプラントカプラ140''から半径方向または横方向に突出するセットスクリューレシーバ1002と、セットスクリューレシーバでインプラントカプラにねじ込み式に係合し、かつインプラントに締め付けて係合するように動作可能な横方向に延在するセットスクリュー1004とを備える。セットスクリューは、ソケット1006またはセットスクリューが、それがインプラントにしっかり係合するまでインプラントカプラに進行するのを許可する他のツールを係合可能な構造を有する。次に、フライス中に発生するインプラントの最小限の振動または振動なしで、インプラントのフライスを実行することができる。
【0055】
図13Aおよび図13Bを参照すると、図示されていないインプラントに、その切断中にクランプ力を加えるためのインプラントカプラ140'''に動作可能に結合されたクランプ機構1100の例示的な実施形態が示される。図13Bに示されるように、インプラントカプラの外周面は、1102で外部にねじ込まれている。クランプ機構は、インプラントカプラを囲み、かつインプラントカプラの外部ねじ切りにねじ込み式に係合するように構成されている内部ねじ切り1106を有する実質的に円筒状のスリーブ1104を有する。さらに、内部ねじ込み式スリーブ1104は、インプラントに締め付けて係合するように動作可能な遠位縁1108を有する。図13Aに示されるように、スリーブ1104の外側表面には、インプラントカプラと相対的にスリーブを回転する際にユーザのグリップを高めるための構造1110が設けられ得る。そのような構造は、凹部、隆起部、こぶ等を有し得る。ひとたびインプラントカプラが、インプラントと係合されると(図示せず)、ユーザは、スリーブの遠位縁1108をインプラントとのしっかりとした圧縮係合に進む方向で、スリーブ1104を回転させる。インプラントがしっかり係合されて、フライス中に発生するインプラントの最小限の振動または振動なしで、フライス動作を実行し、それによりインプラントは、インプラントカッター100''によって容易にかつ正確に切断される。
【0056】
変化は、その広い発明概念を逸脱することなく、上述する例示的な実施形態に成され得ることは、当業者に理解される。したがって、本開示は、開示される特定の例示的な実施形態に限定されず、本明細書で画定される特許請求の範囲の主旨および範囲内での変更を網羅すると意図されると理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
図12
図13A
図13B
【国際調査報告】