(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】混合超音波トランスデューサアレイ
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20230614BHJP
H04R 17/00 20060101ALI20230614BHJP
H04R 19/00 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
A61B8/00
H04R17/00 332A
H04R19/00 330
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568427
(86)(22)【出願日】2021-05-21
(85)【翻訳文提出日】2022-11-08
(86)【国際出願番号】 US2021033715
(87)【国際公開番号】W WO2021237125
(87)【国際公開日】2021-11-25
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520196081
【氏名又は名称】ディープサイト テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DeepSight Technology, Inc.
【住所又は居所原語表記】944 Lundy Lane,Los Altos,California United States 94024
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ, ダンフア
(72)【発明者】
【氏名】ジュー, ジアンガン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ラン
【テーマコード(参考)】
4C601
5D019
【Fターム(参考)】
4C601EE04
4C601GB02
4C601GB05
4C601GB09
4C601GB21
4C601GD03
5D019AA09
5D019BB02
5D019BB03
5D019BB04
5D019BB18
5D019BB19
5D019FF04
(57)【要約】
本開示は、概して、超音波の分野に関し、特に、光学センサ及び他のトランスデューサのアレイを含む混合アレイを使用して超音波変換を可能にする方法及びデバイスに関する。超音波デバイスは、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素と、第1のタイプとは異なる第2のタイプの1つ以上のアレイ要素と、を含む超音波トランスデューサアレイを含み得る。第1のタイプは、音響波を送信するように構成されているトランスデューサを含み得る。第2のタイプは、光学センサを含み得る。第1及び第2のタイプのアレイ要素は、送信された音響波に対応する音響エコーを検出するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットを撮像するための装置であって、
超音波トランスデューサアレイであって、
第1のタイプの1つ以上のアレイ要素であって、前記第1のタイプが、音響波を送信するように構成されているトランスデューサである、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素と、
前記第1のタイプとは異なる第2のタイプの1つ以上のアレイ要素であって、前記第2のタイプが、光学センサである、第2のタイプの1つ以上のアレイ要素と、を備える、超音波トランスデューサアレイを備え、
前記第1及び第2のタイプの前記アレイ要素が、前記送信された音響波に対応する音響エコーを検出するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記超音波トランスデューサアレイが、上昇寸法において1行以上の行を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記超音波トランスデューサアレイが、奇数行の行を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記超音波トランスデューサアレイが、偶数行の行を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のタイプの前記1つ以上のアレイ要素及び前記第2のタイプの前記1つ以上のアレイ要素が、交互の行を成している、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のタイプの前記アレイ要素の少なくとも一部が、中央の行を成している、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第2のタイプの前記アレイ要素の少なくとも一部が、中央の行を成している、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記超音波トランスデューサアレイが、前記トランスデューサの中心周波数の波長の半分よりも大きいピッチを有する少なくとも1行の行を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記超音波トランスデューサアレイが、前記トランスデューサの中心周波数の波長の半分以下であるピッチを有する少なくとも1行の行を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記行が、横方向寸法において等しいピッチを有する、請求項2に記載の装置。
【請求項11】
前記超音波トランスデューサアレイが、横方向寸法において第1のピッチを有する少なくとも1行の行と、横方向寸法において前記第1のピッチとは異なる第2のピッチを有する少なくとも1行の行と、を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項12】
前記超音波トランスデューサアレイが、前記第1のピッチを有する内側の行と、前記第2のピッチを有する前記内側の行に隣接する行と、を含み、前記第2のピッチが、前記第1のピッチよりも大きい、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記内側の行が、前記第1のタイプの1つ以上のアレイ要素を含み、前記内側の行に隣接する前記行が、前記第2のタイプの1つ以上のアレイ要素を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記超音波アレイが、横方向寸法において可変ピッチを有する少なくとも1行の行を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項15】
可変ピッチを有する前記少なくとも1行の行が、第1のピッチを有する中央領域と、前記中央領域に隣接する、前記第1のピッチより大きい第2のピッチを有する横方向領域と、を含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記超音波トランスデューサアレイが、横方向寸法において第1の可変ピッチパターンを有する第1の行と、横方向寸法において第2の可変ピッチパターンを有する第2の行と、を含み、前記第2の可変ピッチパターンが、前記第1の可変ピッチパターンとは異なる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記超音波トランスデューサアレイが、前記第1のタイプの1つ以上のアレイ要素を含む内側の行と、前記第2のタイプの1つ以上のアレイ要素を含む前記内側の行に隣接する行と、を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記超音波トランスデューサアレイが、前記第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、前記第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、を含む少なくとも1行の行を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項19】
前記第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、前記第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、を含む前記少なくとも1行の行が、中央の行である、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記中央の行が、前記第2のタイプの単一のアレイ要素を有する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第2のタイプの前記単一のアレイ要素が、前記送信された音響波の波長とほぼ等しいか、又はそれより小さい光学センサである、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記中央の行が、前記第1のタイプの複数のアレイ要素と、前記第2のタイプの複数のアレイ要素と、を含む、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記第2のタイプの前記アレイ要素が、前記送信された音響波の波長にほぼ等しいか、又はそれよりも小さい、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記超音波トランスデューサアレイが、2行以上の行を含み、前記2行以上の行のそれぞれが、前記第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、前記第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項25】
前記第2のタイプの前記アレイ要素が、規則的なパターンで空間的に分布している、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記第2のタイプの前記アレイ要素が、不規則なパターンで空間的に分布している、請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記超音波トランスデューサアレイが、少なくとも31行の行を含み、前記31行の行のうちの少なくともいくつかが、前記第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、前記第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、を含む、請求項24に記載の装置。
【請求項28】
前記超音波トランスデューサアレイが、単一の行を含み、前記単一の行が、前記第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、前記第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項29】
前記超音波トランスデューサアレイが、複数のサブアパーチャを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項30】
前記複数のサブアパーチャが、第1のサブアパーチャ及び第2のサブアパーチャを含み、前記第1のサブアパーチャが、前記第2のサブアパーチャよりも多数の行を含む、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記第1のサブアパーチャが、中央サブアパーチャであり、前記第2のサブアパーチャが、前記中央サブアパーチャに隣接している、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
各サブアパーチャが、前記第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素を含む、請求項29に記載の装置。
【請求項33】
各サブアパーチャが、前記第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素を更に含む、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記超音波トランスデューサアレイが、前記第1のタイプの第1の複数のアレイ要素と、前記第2のタイプの第2の複数の要素と、を含み、前記第1の複数のアレイ要素及び前記第2の複数のアレイ要素がそれぞれ、まばらなアレイ構成にある、請求項1に記載の装置。
【請求項35】
前記第1の複数のアレイ要素の空間分布が、前記第2の複数のアレイ要素の空間分布とは異なっている、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記超音波トランスデューサアレイが、平面上にある、請求項1に記載の装置。
【請求項37】
前記超音波トランスデューサアレイが、曲面上にある、請求項1に記載の装置。
【請求項38】
前記曲面が、二次曲線を含む、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記二次曲線が、放物線、双曲線、又は楕円曲線である、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記曲面が、円形曲線を含む、請求項37に記載の装置。
【請求項41】
前記超音波トランスデューサアレイが、少なくとも1つの環状アレイ要素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項42】
前記超音波アレイが、前記少なくとも1つの環状アレイ要素と同心の前記第2のタイプの円形アレイ要素を含む、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記少なくとも1つの環状アレイ要素が、前記第1のタイプのものである、請求項41に記載の装置。
【請求項44】
前記第1のタイプの前記アレイ要素の少なくとも一部が、少なくとも1つの圧電トランスデューサ、単結晶材料トランスデューサ、圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(PMUT)、又は容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項45】
前記超音波トランスデューサアレイが、1寸法(1D)アレイである、請求項1に記載の装置。
【請求項46】
前記超音波トランスデューサアレイが、1.25寸法(1.25D)アレイである、請求項1に記載の装置。
【請求項47】
前記超音波トランスデューサアレイが、1.5寸法(1.5D)アレイである、請求項1に記載の装置。
【請求項48】
前記超音波トランスデューサアレイが、1.75寸法(1.75D)アレイである、請求項1に記載の装置。
【請求項49】
前記超音波トランスデューサアレイが、2寸法(2D)アレイである、請求項1に記載の装置。
【請求項50】
前記1つ以上のアレイ要素が、ポリマー構造に埋め込まれた光学センサである、請求項1に記載の装置。
【請求項51】
前記光学センサが、一組の光信号を光検出器に送信するために光ファイバに光学的に結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項52】
前記光学センサが、前記音響エコーに応答して前記一組の光信号を送信するように構成されている、請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記光学センサが、干渉ベースの光学センサである、請求項1に記載の装置。
【請求項54】
前記光学センサが、光共振器又は光干渉計を含む、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記光学センサが、ウィスパリングギャラリーモード(WGM)光共振器、マイクロバブル光共振器、微小球共振器、マイクロトロイド共振器、マイクロリング共振器、又はマイクロディスク光共振器である、光共振器を含む、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
超音波変換の方法であって、
超音波プローブを使用して音響波を送信することであって、前記超音波プローブが、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素と、前記第1のタイプとは異なる第2のタイプの1つ以上のアレイ要素と、を有する超音波トランスデューサアレイを備える、送信することと、
前記第1のタイプの前記1つ以上のアレイ要素及び前記第2のタイプの前記1つ以上のアレイ要素を使用して、前記音響波に応答して音響エコーを受信することと、を含み、
前記第2のタイプの前記1つ以上のアレイ要素が、光学センサである、方法。
【請求項57】
前記超音波トランスデューサアレイが、上昇寸法において1行以上の行を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記超音波トランスデューサアレイが、奇数行の行を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記超音波トランスデューサアレイが、偶数行の行を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記第1のタイプの前記1つ以上のアレイ要素及び前記第2のタイプの前記1つ以上のアレイ要素が、交互の行を成している、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
前記第1のタイプの前記アレイ要素の少なくとも一部が、中央の行を成している、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記第2のタイプの前記アレイ要素の少なくとも一部が、中央の行を成している、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記超音波トランスデューサアレイが、前記トランスデューサの中心周波数の波長の半分よりも小さいピッチを有する少なくとも1行の行を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項64】
前記超音波トランスデューサアレイが、前記トランスデューサの中心周波数の波長の半分以下のピッチを有する少なくとも1行の行を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項65】
前記行が、横方向寸法において等しいピッチを有する、請求項57に記載の方法。
【請求項66】
前記超音波トランスデューサアレイが、横方向寸法において第1のピッチを有する少なくとも1行の行と、横方向寸法において前記第1のピッチとは異なる第2のピッチを有する少なくとも1行の行と、を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項67】
前記超音波トランスデューサアレイが、前記第1のピッチを有する内側の行と、前記第2のピッチを有する前記内側の行に隣接する行と、を含み、前記第2のピッチが、前記第1のピッチよりも大きい、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記内側の行が、前記第1のタイプの1つ以上のアレイ要素を含み、前記内側の行に隣接する前記行が、前記第2のタイプの1つ以上のアレイ要素を含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記超音波アレイが、横方向寸法において可変ピッチを有する少なくとも1行の行を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項70】
可変ピッチを有する前記少なくとも1行の行が、第1のピッチを有する中央領域と、前記中央領域に隣接する、前記第1のピッチより大きい第2のピッチを有する横方向領域と、を含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記超音波トランスデューサアレイが、横方向寸法において第1の可変ピッチパターンを有する第1の行と、横方向寸法において第2の可変ピッチパターンを有する第2の行と、を含み、前記第2の可変ピッチパターンが、前記第1の可変ピッチパターンとは異なっている、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記超音波トランスデューサアレイが、前記第1のタイプの1つ以上のアレイ要素を含む内側の行と、前記第2のタイプの1つ以上のアレイ要素を含む前記内側の行に隣接する行と、を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記超音波トランスデューサアレイが、前記第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、前記第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、を含む少なくとも1行の行を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項74】
前記第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、前記第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、を含む前記少なくとも1行の行が、中央の行である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記中央の行が、前記第2のタイプの単一のアレイ要素を有する、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記第2のタイプの前記単一のアレイ要素が、前記送信された音響波の波長とほぼ等しいか、又はそれより小さい光学センサである、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
前記中央の行が、前記第1のタイプの複数のアレイ要素と、前記第2のタイプの複数のアレイ要素と、を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項78】
前記第2のタイプの前記アレイ要素が、前記送信された音響波の波長にほぼ等しいか、又はそれよりも小さい、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記超音波トランスデューサアレイが、2行以上の行を含み、前記2行以上の行のそれぞれが、前記第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、前記第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項80】
前記第2のタイプの前記アレイ要素が、規則的なパターンで空間的に分布している、請求項71に記載の方法。
【請求項81】
前記第2のタイプの前記アレイ要素が、不規則なパターンで空間的に分布している、請求項71に記載の方法。
【請求項82】
前記超音波トランスデューサアレイが、少なくとも31行の行を含み、前記31行の行のうちの少なくともいくつかが、前記第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、前記第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項83】
前記超音波トランスデューサアレイが、単一の行を含み、前記単一の行が、前記第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、前記第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項84】
前記超音波トランスデューサアレイが、複数のサブアパーチャを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項85】
前記複数のサブアパーチャが、第1のサブアパーチャ及び第2のサブアパーチャを含み、前記第1のサブアパーチャが、前記第2のサブアパーチャよりも多数の行を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記第1のサブアパーチャが、中央サブアパーチャであり、前記第2のサブアパーチャが、前記中央サブアパーチャに隣接している、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
各サブアパーチャが、前記第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項88】
各サブアパーチャが、前記第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素を更に含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記超音波トランスデューサアレイが、前記第1のタイプの第1の複数のアレイ要素と、前記第2のタイプの第2の複数の要素と、を含み、前記第1の複数のアレイ要素及び前記第2の複数のアレイ要素がそれぞれ、まばらなアレイ構成にある、請求項56に記載の方法。
【請求項90】
前記第1の複数のアレイ要素の空間分布が、前記第2の複数のアレイ要素の空間分布とは異なる、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記超音波トランスデューサアレイが、平面上にある、請求項56に記載の方法。
【請求項92】
前記超音波トランスデューサアレイが、曲面上にある、請求項56に記載の方法。
【請求項93】
前記曲面が、二次曲線を含む、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記二次曲線が、放物線、双曲線、又は楕円曲線である、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記曲面が、円形曲線を含む、請求項92に記載の方法。
【請求項96】
前記超音波トランスデューサアレイが、少なくとも1つの環状アレイ要素を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項97】
前記超音波アレイが、前記少なくとも1つの環状アレイ要素と同心の第2のタイプの円形アレイ要素を含む、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記少なくとも1つの環状アレイ要素が、前記第1のタイプのものである、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記第1のタイプの前記アレイ要素の少なくとも一部が、少なくとも1つの圧電トランスデューサ、単結晶材料トランスデューサ、圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(PMUT)、又は容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項100】
前記超音波トランスデューサアレイが、1寸法(1D)アレイである、請求項56に記載の方法。
【請求項101】
前記超音波トランスデューサアレイが、1.25寸法(1.25D)アレイである、請求項56に記載の方法。
【請求項102】
前記超音波トランスデューサアレイが、1.5寸法(1.5D)アレイである、請求項56に記載の方法。
【請求項103】
前記超音波トランスデューサアレイが、1.75寸法(1.75D)アレイである、請求項56に記載の方法。
【請求項104】
前記超音波トランスデューサアレイが、2寸法(2D)アレイである、請求項56に記載の方法。
【請求項105】
前記第2のタイプの前記1つ以上のアレイ要素が、ポリマー構造に埋め込まれた光学センサである、請求項56に記載の方法。
【請求項106】
前記光学センサが、一組の光信号を光検出器に送信するために光ファイバに光学的に結合されている、請求項56に記載の方法。
【請求項107】
前記光学センサが、前記音響エコーに応答して前記一組の光信号を送信するように構成されている、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記光学センサが、干渉ベースの光学センサである、請求項56に記載の方法。
【請求項109】
前記光学センサが、光共振器及び光干渉計のうちの少なくとも1つを含む、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記光学センサが、ウィスパリングギャラリーモード(WGM)光共振器、マイクロバブル光共振器、微小球共振器、マイクロトロイド共振器、マイクロリング共振器、又はマイクロディスク光共振器である、光共振器を含む、請求項109に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年5月22日に出願された米国特許出願第63/029,044号の優先権を主張し、その全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、超音波の分野に関し、特に、光学センサ及び他のトランスデューサのアレイを含む混合アレイを使用して超音波変換を可能にする方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
超音波トランスデューサは、多くの利点により、医療イメージング及び医療診断を含む様々な業界で使用されている。例えば、超音波変換は、顕著な透過深度を有する超音波信号を利用する。更に、超音波イメージングは、非電離放射線に基づいているため、有利な非侵襲的形態のイメージングであることが知られている。
【0004】
超音波イメージングに使用される様々な既知の超音波トランスデューサには多くの欠点がある。例えば、一部の超音波トランスデューサは、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電材料からなる。ただし、PZT材料の6dB帯域幅は、一般に約70%に制限される。特定の複合PZT材料は、帯域幅がわずかに増加しているが、それでも最大約80%の帯域幅しか達成できていない。別の例として、単結晶材料は、超音波プローブの性能を向上させるためにますます使用されているが、キュリー温度が低く、もろい。別のタイプのトランスデューサ材料は、シリコンであり、これを処理して、帯域幅を拡大することができる容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)プローブを構築することができる。ただし、CMUTプローブの感度又は信頼性は高くない。また、CMUTプローブには、いくつかの動作上の制限がある。例えば、CMUTプローブは、非線形トランスデューサであるため、一般にハーモニックイメージングには適していない。更に、CMUTプローブを適切に動作させるには、追加のバイアス電圧が必要である。したがって、超音波変換のための新規の改良されたデバイス及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概して、いくつかの実施形態では、ターゲットを撮像するための装置は、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素と、第1のタイプとは異なる第2のタイプの1つ以上のアレイ要素と、を含む超音波トランスデューサアレイを含み得る。第1のタイプは、音響波を送信するように構成されているトランスデューサ(例えば、圧電トランスデューサ又は容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT))であり得、第2のタイプは、光学センサ(例えば、光共振器、光干渉計などの干渉ベースの光学センサ)であり得る。第1及び第2のタイプのアレイ要素は、送信された音響波に対応する音響エコーを検出するように構成されている。
【0006】
いくつかの変形では、超音波トランスデューサアレイは、上昇寸法(elevation dimension)において1行以上の行を含み得る。超音波トランスデューサアレイは、例えば、奇数行の行又は偶数行の行を含み得る。
【0007】
いくつかの変形では、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素及び第2のタイプの1つ以上のアレイ要素は、交互の行を成している。いくつかの構成では、第1のタイプのアレイ要素の少なくとも一部は、中央の行を成し得る。いくつかの構成では、第2のタイプのアレイ要素の少なくとも一部は、中央の行を成し得る。
【0008】
アレイ要素は、互いに様々な適切な間隔をあけてアレイ状に配置され得る。例えば、いくつかの変形では、少なくとも1行の行は、トランスデューサの中心周波数の波長の半分よりも大きいピッチ(例えば、行において)を有する。いくつかの変形では、少なくとも1行の行は、トランスデューサの中心周波数の波長の半分以下のピッチ(例えば、行において)を有し得る。いくつかの変形では、アレイは、横方向寸法において等しいピッチを有する行を含み得る。あるいは、いくつかの変形では、超音波トランスデューサアレイは、横方向寸法において第1のピッチを有する少なくとも1行の行と、横方向寸法において第1のピッチとは異なる第2のピッチを有する少なくとも1行の行と、を含み得る。例えば、いくつかの変形では、超音波トランスデューサアレイは、第1のピッチを有する内側の行と、第2のピッチを有する内側の行に隣接する行と、を含み得、第2のピッチは、第1のピッチより大きくし得る。いくつかの変形では、第1のピッチを有する内側の行は、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素を含み得、第2のピッチを有する内側の行に隣接する行は、第2のタイプの1つ以上のアレイ要素を含み得る。
【0009】
更に、いくつかの変形では、超音波トランスデューサアレイが横方向寸法において可変ピッチを有する少なくとも1行の行を含み得るため、ピッチは行内で変化し得る。例えば、可変ピッチを有する少なくとも1行の行は、第1のピッチを有する中央領域と、中央領域に隣接する、第1のピッチより大きい第2のピッチを有する横方向領域と、を含み得る。いくつかの変形では、超音波トランスデューサアレイは、横方向寸法において第1の可変ピッチパターンを有する第1の行と、横方向寸法において第2の可変ピッチパターンを有する第2の行と、を含み得、第2の可変ピッチパターンは、第1の可変ピッチパターンとは異なり得る。例えば、いくつかの変形では、超音波トランスデューサアレイは、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素を含む第1の可変ピッチパターンを有する内側の行と、第2のタイプの1つ以上のアレイ要素を含む第2の可変ピッチパターンを有する内側の行に隣接する行と、を含み得る。
【0010】
第1及び第2のタイプのアレイ要素は、超音波トランスデューサアレイの異なる行に配置され得る。例えば、いくつかの変形では、超音波トランスデューサアレイは、第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、を含む少なくとも1行の行を含み得る。第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、を含む少なくとも1行の行は、中央の行であり得る。いくつかの変形では、中央の行は、第2のタイプの単一のアレイ要素を有する。第2のタイプの単一のアレイ要素は、送信された音響波の波長とほぼ等しいか、又はそれよりも小さい光学センサを含み得る。
【0011】
いくつかの変形では、第1及び第2のタイプのアレイ要素は、超音波トランスデューサアレイの同じ行に配置され得る。例えば、いくつかの変形では、超音波トランスデューサアレイは、第1のタイプの一組のアレイ要素と、第2のタイプの一組のアレイ要素と、を含む中央の行を含み得る。第2のタイプのアレイ要素は、例えば、送信された音響波の波長とほぼ等しいか、又はそれよりも小さいサイズにされ得る。いくつかの変形では、超音波トランスデューサアレイは、2行以上の行を含み得、2行以上の行のそれぞれは、第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、を含む。第2のタイプのアレイ要素は、規則的なパターンで空間的に分布し得る。第2のタイプのアレイ要素は、不規則なパターンで空間的に分布し得る。いくつかの変形では、超音波トランスデューサアレイは、少なくとも31行の行を含み得、31行の行のうちの少なくともいくつかは、第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、を含み得る。いくつかの変形では、超音波トランスデューサアレイは、単一の行を含み得、単一の行は、第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、を含む。
【0012】
いくつかの変形では、超音波トランスデューサアレイは、一組のサブアパーチャを含み得る。一組のサブアパーチャは、第1のサブアパーチャ及び第2のサブアパーチャを含み得、第1のサブアパーチャは、第2のサブアパーチャよりも多数の行を含む。いくつかの変形では、第1のサブアパーチャは、中央サブアパーチャであり得、第2のサブアパーチャは、中央サブアパーチャに隣接し得る。いくつかの変形では、少なくとも1つのサブアパーチャは、第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素及び/又は第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素を含み得る。
【0013】
いくつかの変形では、超音波トランスデューサアレイは、第1のタイプのアレイ要素の第1の組と、第2のタイプの要素の第2の組と、を含み得、アレイ要素の第1の組及びアレイ要素の第2の組はそれぞれ、まばらなアレイ構成にある。アレイ要素の第1の組の空間分布は、アレイ要素の第2の組の空間分布とは異なり得る。
【0014】
超音波トランスデューサアレイは、基板又は他の適切な表面上にあり得る。いくつかの変形では、超音波トランスデューサアレイは、平面上にあり得る。いくつかの変形では、超音波トランスデューサアレイは、曲面上にあり得る。曲面は、放物線、双曲線、又は楕円曲線であり得る。
【0015】
いくつかの変形では、超音波トランスデューサアレイは、少なくとも1つの環状アレイ要素を含み得る。超音波アレイは、少なくとも1つの環状アレイ要素と同心の第2のタイプの円形アレイ要素を含み得る。いくつかの変形では、少なくとも1つの環状アレイ要素は、第1のタイプであり得る。
【0016】
超音波トランスデューサアレイは、1寸法(1D)アレイ、1.25寸法(1.25D)アレイ、1.5寸法(1.5D)アレイ、1.75寸法(1.75D)アレイ、又は2寸法(2D)アレイであり得る。
【0017】
いくつかの変形では、1つ以上のアレイ要素は、ポリマー構造に埋め込まれた光学センサである。光学センサは、一組の光信号を光検出器に送信するために光ファイバに光学的に結合され得る。光学センサは、音響エコーに応答して一組の光信号を送信するように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】混合超音波トランスデューサアレイを有する例示的な超音波イメージングシステムのブロック図である。
【
図2】例示的な混合超音波トランスデューサアレイの概略図である。
【
図3】例示的な混合超音波トランスデューサアレイの概略図である。
【
図4】例示的な混合超音波トランスデューサアレイの概略図である。
【
図5】例示的な混合超音波トランスデューサアレイの概略図である。
【
図6】例示的な混合超音波トランスデューサアレイの概略図である。
【
図7】例示的な混合超音波トランスデューサアレイの概略図である。
【
図8】例示的な混合超音波トランスデューサアレイの概略図である。
【
図9】例示的な混合超音波トランスデューサアレイの概略図である。
【
図10】例示的な混合超音波トランスデューサアレイの概略図である。
【
図11】例示的な1D混合超音波トランスデューサアレイの概略図である。
【
図12】例示的な2D混合超音波トランスデューサアレイの概略図である。
【
図13】例示的な2D混合超音波トランスデューサアレイの概略図である。
【
図14】例示的な環状混合超音波トランスデューサアレイの概略図である。
【
図15】例示的な混合超音波トランスデューサアレイの概略図である。
【
図16】例示的な1D混合超音波トランスデューサアレイの上昇ビームパターンを示す。
【
図17】例示的な1D及び1.5D混合超音波トランスデューサアレイの上昇ビームパターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の種々の態様及び変形例の非限定的な例が本明細書に記載され、添付の図面に示される。
【0020】
本明細書では、複数の異なるタイプのアレイ要素を含む混合超音波トランスデューサアレイを有する超音波プローブを説明する。本明細書で説明される混合アレイは、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素と、第1のタイプとは異なる第2のタイプ(例えば、光学センサ、干渉ベースの光学センサ、光共振器、光干渉計など)の1つ以上のアレイ要素と、を含む。例えば、WGM光共振器などの光学センサは、他のタイプの超音波センサと比較して、超音波信号の受信において高感度かつ広帯域幅を有し得る。第1のタイプの1つ以上のアレイ要素(例えば、トランスデューサ)を使用して、第1の画像を形成し得る。並行して、第2のタイプの1つ以上のアレイ要素(例えば、光学センサ)を使用して、第2の画像を形成するために使用することができる音響エコーを検出する。高感度かつ広帯域の光学センサによって生成される第2の画像は、独立して使用され得、第1の画像と組み合わせて更に改善された画像を形成することもできる。光学センサの高感度かつ広帯域幅により、光学センサによって生成される画像は、空間分解能が向上し、透過深度が向上し、信号対雑音比(SNR)が向上し、組織高調波イメージングが向上し、及び/又はドップラー感度が向上し得る。
【0021】
本明細書で説明される光学センサは、光共振器、光干渉計などの干渉ベースの光学センサを含み得る。光共振器は、例えば、ウィスパリングギャレーモード(WGM)光共振器、マイクロバブル光共振器、微小球共振器、マイクロトロイド共振器、マイクロリング共振器、マイクロディスク光共振器、及び/又はそのようなものを含み得る。
【0022】
光共振器は、透明媒体の閉ループを含み得、この透明媒体は、一部の許容周波数の光が閉ループ内を連続的に伝播することを可能にし、かつ閉ループ内に許容周波数の光の光エネルギーを蓄積することを可能にし得る。例えば、光共振器は、光共振器の凹面を移動し、かつ許容周波数に対応する、ウィスパリングギャラリーモード(WGM)の伝播が、共振器の周囲を循環することを可能にし得る。WGMからの各モードは、許容周波数の光からの周波数の光の伝播に対応する。本明細書で説明される光の許容周波数及び光共振器のQ値は、光共振器の幾何学的パラメータ、透明媒体の屈折率、及び光共振器を取り囲む環境の屈折率に少なくとも部分的に基づき得る。
【0023】
光干渉計は、マッハツェンダー干渉計、マイケルソン干渉計、ファブリペロー干渉計、サニャック干渉計、及び/又はそのようなものを含み得る。例えば、マッハツェンダー干渉計は、2つのほぼ同一の光路(例えば、ファイバ、オンチップシリコン導波路など)を含み得る。その2つの光路は、(例えば、音響波によって引き起こされる物理的な動き、音響波によって引き起こされる屈折率の調整などによって)微調整された音響波であり、マッハツェンダー干渉計の出力における光パワーの分布をもたらし、したがって、音響波の存在又は大きさを検出し得る。
【0024】
本明細書で更に説明されるように、光学センサは、外界に結合して、光を受信し、光を送信し、実際に役立ち得る(例えば、音響光学システムにおける超音波イメージング又は他の変換用途のために)。光学センサをベースにした音響光学システムは、超音波(例えば、超音波エコー)に応答した共振器の光弾性効果及び/又は物理的変形を介して超音波を直接測定し得る。例えば、超音波(又は任意の圧力)の存在下で、光共振器を移動するWGMは、光共振器の屈折率及び形状の変化によって引き起こされるスペクトルシフトを受け得る。スペクトルの変化は、スペクトル領域並びに光共振器への光透過強度及び光共振器からの光透過強度で簡単に監視及び分析することができる。更に、複数の光共振器間でシフトするWGMを監視及び分析することにより、追加の空間情報及び他の情報を導き出すことができる。本明細書では、例示的な混合超音波アレイについて説明する。
【0025】
混合アレイの寸法
本明細書に記載されるような混合超音波トランスデューサアレイは、様々な寸法を有し得る。例えば、混合アレイは、1寸法(1D)構成、1.25寸法(1.25D)アレイ構成、1.5寸法(1.5D)アレイ構成、1.75寸法(1.75D)アレイ構成、又は、以下で更に詳細に説明するように、2寸法(2D)アレイ構成における動作のために構成することができる。一般に、超音波トランスデューサアレイの寸法は、超音波トランスデューサアレイでイメージングするときに達成可能な上昇(elevation)ビーム幅(又は上昇ビームスライスの太さ)の範囲、及びトランスデューサアレイの上昇ビームアパーチャサイズ、焦点、及び/又はイメージング視野全体にわたる(例えば、撮像深度全体にわたる)ステアリングに対してシステムをどの程度制御するかに関係する。1Dアレイは、上昇寸法において1行の行のみの要素と、固定された上昇(elevation)アパーチャサイズと、を有する。1.25Dアレイは、上昇寸法において複数の行の要素と、可変の上昇アパーチャサイズと、を有するが、音響レンズを介して固定された上昇焦点を有する。1.5Dアレイは、上昇寸法において複数の行の要素と、可変の上昇アパーチャサイズと、電子遅延制御による可変の上昇焦点と、を有する。1.75Dアレイは、追加の上昇ビームステアリング機能を備えた1.5Dアレイである。2Dアレイは、大きなビームステアリング角度に対する最小ピッチ要件を満たすために、横方向及び上昇方向の両方の寸法において多数の要素を有する。
【0026】
図18は、超音波プローブからの例示的なビームパターンの概略図を示している。適切なビーム幅を持つことは、医療イメージングにおいて重要となり得る。例えば、がん組織のような病変が上昇ビーム幅よりも大きい場合に、それは検出され得る(「目に見える病変」)。そうではなく、病変が上昇ビーム幅よりも小さい場合には、病変が検出されないことがある(「見えない領域」)。これは、一般に、病変は周囲の組織に比べて低エコー性を持っており、画像内のより暗い領域として表示されるからである。上昇ビームが病変よりも広い場合、ビーム幅内の病変の周囲の組織から生成されたエコー信号は、暗い病変を埋めて、見えなくなったり見えにくくなったりすることがある。したがって、上昇ビームの1つ以上のパラメータ(例えば、上昇アパーチャサイズ、上昇焦点など)を制御する能力は、超音波イメージングのより優れた制御を提供し、及び/又は特定の状況でより良い画質をもたらすことができる。
【0027】
1Dアレイは、上昇寸法において1行の行のみの要素と、固定された上昇アパーチャサイズと、を有する。言い換えると、1Dアレイは、1寸法(すなわち、横方向寸法)に延びる1行の行のみに配置された複数のアレイ要素を有する。例えば、
図11に示されるように、1Dアレイのアレイ要素は、横方向寸法のみに沿って線形であるが上昇寸法においては延びない単一の行に配置され得る。線形アレイのいくつかの変形では、隣接する2つの要素間の間隔は、送信された音響波の約1つの波長に等しくし得る。フェーズドアレイのいくつかの変形では、隣接する2つの要素間の間隔は、送信された音響波の波長の約半分であり得る。トランスデューサアレイ内のアレイ要素の単一の行は、上昇寸法において範囲がないことを意味する。したがって、1Dアレイは、固定された上昇アパーチャサイズ及び固定された上昇焦点の両方を有し、上昇寸法における薄いスライスの太さは、イメージング深度全体にわたって維持することができない。このスライスの太さの制限に加えて、1Dアレイは、近視野性能と遠視野性能と間の妥協点である上昇アパーチャを有する。
【0028】
図16は、3mmの上昇アパーチャを有する線形1Dアレイと6mmの上昇アパーチャを有する線形1D線形アレイとの間の比較を提供する。具体的には、
図16は、画像深度を変化させた2つの1Dアレイのビームパターン(上段)及び正規化ビームパターン(中段)を示している。
図16はまた、約10mm~約80mmの範囲の画像深度に対する6dB及び20dBの上昇ビーム幅を表すプロット(下段)を示している。
図16に示されるように、3mmアパーチャアレイの上昇ビーム幅は、6dB及び20dB上昇ビームの両方について、一般に、画像深度とともに直線的に増加する。ただし、6mmアパーチャアレイの上昇ビーム幅は、10mm~約22mmに減少し、31mmまでフラットのままであり、その後、深度とともに直線的に増加し始める。したがって、1D構成は、イメージングにおいていくつかの制限を有し得るが、それにもかかわらず、特定の用途(例えば、特定のイメージング深度)において有用であり得る。
【0029】
1.25Dアレイは、上昇寸法において複数の行の要素と、可変の上昇アパーチャサイズと、を有するが、音響レンズを介して固定された上昇焦点を有する。可変の上昇アパーチャサイズは、例えば、電子的に制御することができる。上昇アパーチャサイズを変更すると、上昇ビーム幅の狭小化をある程度制御でき、つまり、超音波システムは、より適切な全体的な上昇ビームスライスの太さを実現することができる。上昇寸法においてアレイに行を追加することにより、上昇ビーム幅を更に狭くすることができる。ただし、1.25Dアレイは、可変の上昇アパーチャサイズを有する一方で、固定された上昇焦点を有するので、イメージング視野(例えば、イメージング深度)全体でビームの太さを制御することはできない。
【0030】
1.5Dアレイは、上昇寸法において複数の行の要素と、可変の上昇アパーチャサイズと、電子遅延制御による可変の上昇焦点と、を有する。可変の上昇アパーチャサイズ及び1つ以上の可変の上昇焦点は、例えば、電子的に制御することができる。例えば、
図15は、上昇寸法において少なくとも2つの要素(例えば、2行の行)を有する例示的な1.5D混合アレイを示している。いくつかの変形では、混合アレイは、混合アレイ内の単一の中央の行にわたって対称性を可能にするために、奇数行の行を含み得る。いくつかの変形では、混合アレイは、偶数行の行を含み得る。混合アレイは、上述のように、第1のタイプ(例えば、PZTトランスデューサ)の1つ以上のアレイ要素と、第2のタイプ(例えば、光共振器、光干渉計など)の1つ以上のアレイ要素と、を有する。
図15に示される1.5Dアレイは、例示のために3行の行を含むが、アレイは、任意の適切な数の行を含み得ることが理解されるべきである。これらの3行の行は、上昇寸法で互いに隣接して配置される。つまり、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素を有する1つの内側(中央)の行、及び第2のタイプの1つ以上のアレイ要素を有する2行の外側の行である。上昇寸法におけるこれらの要素間の間隔は、送信された音響波の1つの波長より大きくし得る。いくつかの変形では、1.5Dアレイは、線形アレイを含み、内側の行及び2行の外側の行のそれぞれは、送信された音響波の1つの波長の最小ピッチ要件を満たすのに十分な要素を有することができる。あるいは、いくつかの変形では、1.5Dアレイは、フェーズドアレイであり得、内側の行及び2行の外側の行のそれぞれは、送信された音響波の波長の半分のピッチを有し得る。内側の行及び外側の2行の行は、同じピッチ又は異なるピッチを有することができる。例えば、内側の行は、128のトランスデューサ要素を含み得、2行の外側の行は、32のトランスデューサ要素を含み得る。
【0031】
上述のように、1.5Dアレイの上昇アパーチャサイズ及び上昇焦点の両方を制御することができる。いくつかの変形では、アレイ要素の数は、イメージングシステムのチャネル数よりも多くし得るので、これらの変形では、システムは、1.5Dアレイの所望のサブアパーチャを選択するために、1つ以上のアナログスイッチ(例えば、高電圧スイッチ)を含み得る。上昇アパーチャサイズ及び上昇焦点の両方を選択的に調整することができるため、1.5Dアレイを制御して、イメージング視野全体でより狭い上昇ビーム幅を選択的に実現し、超音波プローブが様々なイメージング深度でより大きな病変に加えてより小さい病変をイメージングできるようにし得る。
【0032】
図17は、例示的な1D及び1.5D混合アレイの上昇ビームパターンの比較を示している。
図17の上の2つの画像は、
図16に関して上述した、3mmの上昇アパーチャを有する線形1Dアレイ及び6mmの上昇アパーチャを有する線形1D線形アレイのビームパターンを示している。
図17の上の2つの画像は、0~80mmの画像深度のより完全なビームパターンプロファイルを示すために、
図17が超近視野ビームパターン(0~10mm)も示すことを除いて、
図16に示されるものと同様である。3mmの上昇アパーチャを有する線形1Dアレイ(上段)では、上昇ビーム幅は、0mm~約20mmの近視野で狭くなっているが、約20mm以降の遠視野で、上昇ビーム幅は太くなっている。6mmの上昇アパーチャを有する線形1Dアレイ(中段)では、約20mm~約40mmで、上昇ビーム幅は狭くなっているが、約20mmを超えると、上昇ビーム幅は太くなっている。しかしながら、可変の上昇アパーチャサイズ及び上昇焦点を有する1.5Dアレイ(下段)では、個々の1Dアレイよりも広い画像深度範囲にわたって、すなわち、例えば、少なくとも約0mm~約40mmの非常に近い視野にわたって、上昇ビーム幅は狭くなっている。言い換えると、1.5Dアレイは、イメージング視野全体でより優れた全体的な上昇ビーム幅を実現することができる。上昇寸法においてアレイに要素を追加することにより、上昇ビーム幅を更に狭くすることができる。
【0033】
したがって、1.5Dアレイは、1Dアレイと比較して多くの利点を有することができる。第一に、1.5Dアレイは、例えば、小さな血管及び小さな嚢胞などの小さな構造を解決するのに役立ち得る、より薄い上昇ビームスライスの太さを有することができる。第二に、1.5Dアレイは、近視野画像から遠視野画像にまたがる画像に対して、より優れた均一な画質を有することができる。最後に、1.5Dアレイは、透過及び感度を犠牲にすることなく、1Dアレイよりも優れた細かい解像度を有することができる。
【0034】
1.75Dアレイは、1.5Dアレイであるが、追加の上昇ビームステアリング機能を備える。言い換えると、1.75Dアレイは、1.75Dアレイが上昇寸法おける複数の行、可変の上昇アパーチャサイズ、及び可変の上昇焦点を含むという点で、1.5Dアレイと同様である。しかしながら、1.75Dアレイは、電子的に制御可能であり、ビームステアリングにおいてある程度の自由度(例えば、少なくとも一方向に最大約5度、少なくとも一方向に最大約10度、少なくとも一方向に最大約15度、又は少なくとも一方向に最大約20度)を可能にし得る。1.5Dアレイと同様に、1.75Dアレイを組み込んだシステムは、アレイの所望のサブアパーチャを選択するために1つ以上のアナログスイッチを含み得る。
【0035】
最後に、2Dアレイは、大きなビームステアリング角度に対する最小ピッチ要件を満たすために、横方向及び上昇方向の両方の寸法において多数の要素を有する。例えば、2Dアレイは、横方向及び上昇方向の両方の寸法において配置された複数のアレイ要素を含み、可変の上昇アパーチャ、可変の上昇焦点、及び完全なビームステアリング制御の一式を有効にするために電子的に制御可能である。1.5Dアレイと同様に、2Dアレイを組み込んだシステムは、アレイの所望のサブアパーチャを選択するために1つ以上のアナログスイッチを含み得る。
【0036】
混合超音波トランスデューサアレイを備えた超音波イメージングシステム
図1は、混合アレイ(本明細書では「混合超音波トランスデューサアレイ」とも称する)を備えた例示的な超音波イメージングシステム100のブロック図である。超音波イメージングシステムは、プローブ125、イメージングシステム150、及びディスプレイ160を含む。プローブ125は、イメージングシステム150に(コンポーネントを介在させることなく)接続するか、又は(コンポーネントを介在させて、又は介在させずに)結合することができる。プローブ125は、イメージングシステム150から/へ一組の信号(例えば、電気信号、音響信号、光信号など)を受信及び/又は送信することができる。イメージングシステム150は、ディスプレイ160に(コンポーネントを介在させることなく)接続するか、又は(コンポーネントを介在させて、又は介在させずに)結合することができる。イメージングシステム150は、ディスプレイ160から/へ一組の信号(例えば、電気信号、電磁信号など)を受信及び/又は送信することができる。
【0037】
プローブ125は、混合アレイ110、マルチプレクサ120、及び光ケーブル130を含む。混合アレイ110は、音響波を送信することができる第1のタイプの1つ以上のアレイ要素(例えば、圧電トランスデューサ)と、広帯域応答で高感度である第2のタイプの1つ以上のアレイ要素(例えば、WGM光共振器)と、を含む。混合アレイ110は、トランスデューサ要素のアレイを含み、以下で更に説明するように、1寸法(1D)構成、1.25寸法(1.25D)アレイ構成、1.5寸法(1.5D)アレイ構成、1.75寸法(1.75D)アレイ構成、又は2寸法(2D)アレイ構成で動作するように構成され得る。混合アレイ110内の第1のタイプの1つ以上のアレイ要素は、マルチプレクサ120に動作可能に結合することができる。混合アレイ110内の第2のタイプの1つ以上のアレイ要素は、光ケーブル130に動作可能に結合することができる。
【0038】
いくつかの変形では、プローブ125は、混合アレイ110のフェーズドアレイを使用することによって、視野にわたって反復的に走査するように構成することができる。そうすることで、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素及び/又は第2のタイプの1つ以上のアレイ要素を使用して、ライン単位の画像が生成される。次いで、既知の合成アパーチャ(SA)アルゴリズムを使用して、高解像度画像を生成することができる。追加的又は代替的に、いくつかの変形では、プローブ125は、例えば、トランスデューサ要素の第1のグループを使用して、音響波を送信する一方で、トランスデューサ要素の第2のグループ又は全てのトランスデューサを使用して、音響波に対応する超音波エコーを受信するなど、音響励起の異なるパターンを使用するように構成することができる。
【0039】
混合アレイ110は、多数(例えば、10、100、200、1000、2000、10,000、及び/又はそのような数)の要素を含み得る。いくつかの変形では、アレイは、長方形の構成に配置され得、N×M個の要素を含み得る。ここで、Nは、行の数であり、Mは、列の数である。混合アレイは、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素及び第2のタイプの1つ以上のアレイ要素を含み得、第1のタイプは、超音波を送信するように構成されたトランスデューサであり、第2のタイプは、光学センサ(例えば、光共振器、光干渉計など)であり得る。第1のタイプの1つ以上のアレイ要素及び第2のタイプの1つ以上のアレイ要素は、長方形配置、湾曲配置、円形配置、又はまばらなアレイ配置で集合的に配置され得る。混合アレイ110内のアレイ要素の様々な構成例について、以下で更に詳細に説明する。
【0040】
混合アレイ110内のトランスデューサは、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)トランスデューサ、ポリマー厚膜(PTF)トランスデューサ、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)トランスデューサ、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)、圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(PMUT)、光音響センサ、単結晶材料(例えば、LiNbO3(LN))、Pb(Mg1/3Nb2/3)-PbTiO3(PMN-PT)、及びPb(In1/2Nb1/2)-Pb(Mg1/3Nb2/3)-PbTiO3(PIN-PMN-PT))に基づくトランスデューサ、及び/又は音響変換に適した任意のトランスデューサを含み得る。
【0041】
光学センサは、例えば、マイクロバブル共振器、ファイバベースの共振器、集積フォトニック共振器、マイクロディスク共振器、ファブリペロー干渉計、及び/又はそのようなものであり得る。例えば、いくつかの実装態様では、光学センサは、光マイクロバブル共振器を含み得る。光マイクロバブル共振器は、例えば、ガラス、透明ポリマー、窒化ケイ素、二酸化チタン、又は光マイクロバブル共振器の動作波長において適切に光学的に透明である任意の他の材料などの、光学的に透明な材料で作ることができる。光マイクロバブル共振器は、半径(R)を有する外側マイクロバブル表面と、半径(r)を有する内側マイクロバブル表面とを含み、それにより、(R-r)に等しい共振器壁厚を画定する。光マイクロバブル共振器の一連の共振周波数(一連のWGMの伝播による)は、高感度の変換プローブに適した高いQ値を有することができる。一般に、光共振器の感度は、光共振器のQ値を高めることによって向上させることができる。特に、そのような実装態様では、感度は、光マイクロバブル共振器の壁厚(R-r)によって制御することができる。超音波検出器として使用される場合、光マイクロバブル共振器は、本明細書で更に詳細に説明するように、低雑音等価圧力及び広帯域動作帯域幅を有することができる。いくつかの実装態様では、光学センサは、光導波路内を伝播する光が光ファイバ内で結合し、光ファイバの周囲を伝播するときに、光ファイバ及び光導波路の断面に形成される感知ノードを含み得る。いくつかの変形では、光学センサは、集積フォトニック光共振器を含み得る。例えば、いくつかの変形では、光学センサは、米国特許出願第62/945,538号及び第63/001,738号に記載されている光共振器のいずれかに類似してもよく、これらの各々はその全体が本明細書に組み込まれる。
【0042】
光学センサの内側及び/又は周囲の空間は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、パリレン、ポリスチレン、及び/又はそのようなものなどの超音波増強材料で満たされ得る。超音波増強材料は、光学センサの感度を増加させることができる。例えば、超音波増強材料は、比較的高い弾性光学係数を有することができ、その結果、一連の超音波エコーを受信する光学センサに応答して、超音波増強材料の屈折率は、(例えば、一連の超音波エコーによって誘発される機械的応力又は歪みを受けると)光学センサの材料の材料の屈折率よりも大きく変化する。カメラ
【0043】
光ケーブル130は、光学センサとの間で光信号を送信及び/又は受信するための専用光路を含み得る。光ケーブル130は、光ファイバケーブル又は同軸ケーブルを含み得る。光ケーブル130の選択は、光信号のタイプに依存し得る。混合アレイ110の光学センサのアレイは、基板上に直線的に配置することができる。光学センサのアレイは、互いに等距離であり得る。追加的又は代替的に、アレイ内の少なくとも一部の光学センサは、異なる距離によって分離することができる。いくつかの構成では、光学センサのアレイは全て、単一の光導波路に光学的に結合することができる。したがって、複数の光学センサからの信号を単一の光導波路に結合し、単一の光導波路によって伝達することができる。いくつかの構成では、光学センサのアレイは、光導波路のアレイに光学的に結合することができる。したがって、光学センサのアレイからの光信号は、光ケーブル130内の複数の光導波路に結合され、それによってイメージングシステム150に伝達することができる。
【0044】
マルチプレクサ120は、アナログスイッチを含み得る。アナログスイッチは、多数の高電圧アナログスイッチを含み得る。各アナログスイッチは、個々のシステムチャネルに接続することができる。その結果、マルチプレクサ120は、イメージングシステム150の一組のシステムチャネルからの個々のシステムチャネルを混合アレイ110のトランスデューサに選択的に接続し得る。したがって、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素からの電気信号は、光ケーブル130内の複数の光導波路に結合され、それによってイメージングシステム150に伝達することができる。
【0045】
イメージングシステム150は、フロントエンドシステム151及びバックエンドシステム153を含み得る。一般に、フロントエンドシステム151は、送信ビームフォーマ及び受信ビームフォーマを含む少なくとも2つのコンポーネントを含み得る。送信ビームフォーマ及び受信ビームフォーマは、複数の送信チャネル及び受信チャネルを含み得、それらは、(例えば、一組の電線を介して、一組の光導波路を介して、及び/又はそのようなものを介して)第1のタイプの1つ以上のアレイ要素及び/又は第2のタイプの1つ以上のアレイ要素に接続される。例えば、送信ビームフォーマは、マルチプレクサ120に接続された128個の送信チャネルを含み得、受信ビームフォーマは、光ケーブル130及び/又はマルチプレクサ120に接続された256個の受信チャネルを含み得る。フロントエンドシステムは、光信号を電気信号に変換するための一組の光検出器を更に含み得る。バックエンドシステム153は、混合アレイ110から受信した信号を処理して画像を生成するプロセッサと、プロセッサに動作可能に結合されて画像を格納するメモリと、画像をユーザに(例えば、グラフィカルユーザインターフェースを介して)提示する通信インターフェースと、を含み得る。
【0046】
ディスプレイ160は、イメージングシステム150のバックエンドシステム153に動作可能に結合されて、イメージングシステム150によって生成された一組の画像を表示し得る。いくつかの変形例では、ディスプレイ160は、インタラクティブなユーザインターフェース(例えば、タッチスクリーン)を含み得、一組のコマンド(例えば、一時停止、再開、及び/又はそのようなもの)をイメージングシステム150に送信するように構成され得る。いくつかの変形では、超音波イメージングシステム100は、超音波イメージングシステム100に情報を入力するために、又は超音波イメージングシステム100から情報を出力するために使用される一組の補助デバイス(図示せず)を更に含み得る。一組の補助デバイスは、例えば、キーボード、マウス、モニタ、ウェブカメラ、マイクロフォン、タッチスクリーン、プリンタ、スキャナ、仮想現実(VR)ヘッドマウントディスプレイ、ジョイスティック、バイオメトリックリーダ、及び/又はそのようなもの(図示せず)を含み得る。
【0047】
混合アレイの例示的な構成
混合超音波トランスデューサアレイにおけるアレイ要素の様々な例示的な構成について以下に説明する。上述のように、混合超音波トランスデューサアレイは、一般に、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素と、第2のタイプの1つ以上のアレイ要素と、を含み得、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素は、一組のトランスデューサ(例えば、圧電トランスデューサ、単結晶材料トランスデューサ、圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(PMUT)、又は容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)など)を含み得、第2のタイプの1つ以上のアレイ要素は、一組の光学センサを含み得る。
【0048】
いくつかの変形では、超音波トランスデューサアレイは、上昇寸法において1行以上の行を含み得る。例えば、アレイ要素は、多数の行及び多数の列を含む長方形アレイに集合的に配置され得る。いくつかの変形例では、
図2に示すように、混合アレイは、上昇寸法に3行の行の要素を含み得る。3行の行は、内側の行及び2行の外側の行を含む。2行の外側の行は、第2のタイプ114(例えば、光学センサ)で作成され得る。第2のタイプ114は、例えば、一組のマイクロバブル共振器、一組のファイバベースの共振器、一組の集積フォトニック共振器、一組のマイクロディスク共振器、一組の光干渉計、及び/又はそのようなものを含み得る。内側の行は、第1のタイプ112(本明細書では「トランスデューサ」とも称する)で作成され得る。第1のタイプ112は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)トランスデューサ、ポリマー厚膜(PTF)トランスデューサ、容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)、及び/又は音響変換に適した任意のトランスデューサを含み得る。
【0049】
2行の外側の行は、対応する列に平行に位置決めされた同数の要素を含み得る。2行の外側の行において同じ列に位置決めされた要素114の各対は、任意選択的に接続されて(例えば、電気的に接続されて、又は電磁的に結合されて)、1.25寸法(1.25D)アレイ構成又は1.5寸法(1.5D)アレイ構成のための単一の結合外側要素を形成する。
【0050】
図2は、3行の行を有するトランスデューサアレイを示しているが、いくつかの変形では、行の数は、3、5、…、2n+1などの任意の奇数であり得る(nは整数)。いくつかの変形では、第1のタイプのアレイ要素112は、一組の奇数行の行の中央の行に配置され得る。例えば、1.5Dアレイ構成は、中央の行にPZTトランスデューサの行と、中央の行に隣接する2行の光学センサの行と、光学センサの行に隣接する最も外側の行に2つのPZTトランスデューサの行と、を有する5行の行を含み得る。いくつかの変形では、中央の行にトランスデューサを含めることは有利になり得る。例えば、中央の行は、超音波の送信及び受信の両方を実行することができる第1のタイプのトランスデューサ要素112を含むため、上昇ビームプロファイルは、トランスデューサの送信モード及び受信モードの両方について、中央に「ディップ(dip)」を持たない。上昇ビームプロファイルで発生するこのディップは、画質を低下させ、画像アーティファクトを導入する可能性がある。したがって、第1のタイプのトランスデューサ要素112を中央の行に配置すること(例えば、
図2に示されるように)は、画質及び画像アーティファクトのそのような劣化を有利に回避するのに役立ち得る。しかしながら、
図6に示されるようないくつかの変形では、混合トランスデューサアレイは、中央の行に光学センサを含み得る。
【0051】
いくつかの変形では、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素112(例えば、トランスデューサ)及び第2のタイプの1つ以上のアレイ要素114(例えば、光学センサ)は、交互の行を成し得る。例えば、
図2は、第1のタイプのアレイ要素112が第2のタイプのアレイ要素114と交互に配置され、第1のタイプ112が中央の行を成している、例示的な変形を示している。別の例として、
図6は、第1のタイプのアレイ要素112が第2のタイプのトランスデューサ、すなわち、中央の行の第2のタイプのアレイ要素114と交互になっている、例示的な変形を示している。
【0052】
いくつかの変形では、隣接するアレイ要素間の間隔(ピッチ)は、特定の性能パラメータのために選択され得る。ピッチは、トランスデューサ要素の中心と隣接するトランスデューサ要素の中心との間の距離として定義され得る。いくつかの変形では、ピッチは、アレイがフェーズアレイ動作にある場合など、音響波(例えば、圧電トランスデューサによって送信される)の動作周波数の波長の半分よりも大きく測定し得る。いくつかの変形では、ピッチは、アレイが線形アレイ動作にある場合など、音響波の動作周波数の全波長よりも大きく測定し得る。いくつかの変形では、ピッチは、音響波の動作周波数の半波長よりも小さく、又は音響波の動作周波数の全波長よりも小さく測定し得る。
【0053】
いくつかの変形では、混合アレイ内の全ての行は、横方向寸法において同じピッチを有し得る(例えば、
図2に示されるように)。しかしながら、いくつかの変形では、混合アレイ内の行の少なくともいくつかは、横方向寸法において異なるピッチを有し得る。言い換えれば、ある行は第1のピッチを有し、別の行は第2のピッチを有し、第2のピッチは第1のピッチよりも小さいか又は大きい。
【0054】
例えば、
図3に示すように、混合アレイ110は、第1の均一ピッチを有する内側(中央)の行と、第1の均一ピッチとは異なる第2の均一ピッチを有する2行の外側の行と、を含み得る。いくつかの変形では、第2の均一ピッチは、第1の均一ピッチよりも大きくし得る(すなわち、互いに更に離間している)。2行の外側の行は、光学センサ114を含み得る。内側の行は、例えば、PZTトランスデューサ、CMUTトランスデューサ、及び/又はそのようなものなどのトランスデューサである第1のタイプ112を含み得る。いくつかの変形では、2行の外側の行のうちの一方は、第2の均一ピッチを有し得、2行の外側の行のうちの他方は、第1及び第2のピッチの両方とは異なる第3の均一ピッチを有し得る。いくつかの変形では、混合アレイは、3、5、…、2n+1行の行などの任意の奇数行の行を含む一組の行を含み得る(nは整数)。そのような変形では、一組の行からの各行は、任意の他の行のピッチとは異なる固有のピッチを有し得る。いくつかの実装態様では、一組の行は、一組の行のうちの最小のピッチを有する中央の行から始まり、一組の行のうちの最大のピッチを有する外側の行に向かって徐々に増加する上昇ピッチを有し得る。
【0055】
超音波イメージングでは、トランスデューサのピッチは、一般に動作周波数に基づいて選択される。より具体的には、トランスデューサのピッチは、グレーティングローブ(grating lobe)を回避するために、動作周波数に反比例し得る(例えば、動作周波数に対応する動作波長に比例し得る)。表層組織をイメージングする場合、小さな上昇アパーチャ及び高い周波数がよく使用される。一方、深部組織のイメージングには、大きな上昇アパーチャ及び低い周波数が有利になり得る。
【0056】
行の間でピッチが異なるため、
図3に関して示され、かつ説明される混合アレイは、表層組織のイメージング及び深部組織のイメージングの両方を有利に実行し得る。この変形では、より小さなピッチの中央の行を使用して、高い動作周波数を使用した表層組織の高解像度を生成し得る。深部組織をイメージングするために、全ての行(より大きなピッチの行を含む)を使用して、低い動作周波数を使用した高透過画像を生成し得る。
【0057】
より大きなピッチを使用する別の利点は、イメージングシステム150内のトランスデューサ要素の総数を減らすオプションである。ピッチが大きいほど、プローブ125の混合アレイ110をイメージングシステム150のフロントエンド151に接続するプローブ125のケーブル(例えば、光ケーブル130、同軸ケーブルなど)の面積当たりのトランスデューサ要素が少なくなり、かつ面密度が小さくなる。したがって、この実施形態で示され、かつ開示されるトランスデューサ要素の数の低減は、ケーブルの数の低減(すなわち、より薄いケーブル束)、プローブ125の軽量化、及び製造及び動作のコストの低減、を含んだ、いくつかの利点を含む。
【0058】
追加的に又は代替的に、いくつかの変形では、特定の行のトランスデューサアレイ要素間の距離(ピッチ)は、同じにし得るし、又は行の長さに沿って変化し得る。このような可変ピッチを使用することは、一般に、
図3に関して上述したものと同様に、表面組織及び深部組織の両方をイメージングできるため、有益であり得る。
図4は、横方向寸法において可変ピッチを有する少なくとも1行の行を有する例示的な混合アレイの概略説明である。例えば、いくつかの変形では、可変ピッチを有する行は、第1のピッチを有する中央領域と、第1のピッチとは異なる(例えば、小さい又は大きい)第2のピッチを有する中央領域に隣接する1つ以上の横方向領域と、を含み得る。各行のピッチの3つのグループ(左、中央、及び右)のみが
図4に示されているが、いくつかの変形では、ピッチの2つ又は4つ以上のグループも同様に使用することができる。いくつかの変形では、
図4に示すように、中央の行及び2行の外側の行はそれぞれ、(
図2又は
図3に関して開示された均一なピッチの代わりに)可変ピッチを有し得る。例えば、超音波トランスデューサアレイは、横方向寸法において第1の可変ピッチパターンを有する第1の行と、横方向寸法において第2の可変ピッチパターンを有する第2の行と、を含み得る。第2の可変ピッチパターンは、第1の可変ピッチパターンとは異なり得る。追加的に又は代替的に、混合アレイ内の2行以上の行はそれぞれ、横方向寸法においてそれらの長さに沿って同じ又は同様の可変ピッチパターンを含み得る。
【0059】
いくつかの変形では、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素及び第2のタイプの1つ以上のアレイ要素は、混合アレイ110の一組のサブグループ又はサブアパーチャに集合的に配置され得る。例えば、いくつかの変形では、混合アレイ110は、それぞれが一組の1行以上の行を有する一組のサブアパーチャに分割され得る。各サブアパーチャは、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素及び/又は第2のタイプの1つ以上のアレイ要素からの一組のトランスデューサ要素を含み得る。いくつかの変形では、混合アレイは、3行の行(例えば、
図7に示されるように要素の3行の行)を含む1.5寸法(1.5D)アレイで構成され得る。いくつかの変形では、混合アレイの中心に位置決めされたサブアパーチャ内の一組のトランスデューサ要素の中心のトランスデューサ要素のみが光学センサ114である。このような変形では、トランスデューサ要素の残りは、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)トランスデューサ、ポリマー厚膜(PTF)トランスデューサ、CMUTトランスデューサ、及び/又は音響変換に適した任意のトランスデューサを含み得る、異なるタイプのトランスデューサ112で作られる。いくつかの実装態様では、光学センサのサイズは、小さい(例えば、音響波及び/又は音響エコーの動作波長と同等又はそれより小さい)。
【0060】
各サブアパーチャは、一組の行内の1つ以上の他の行とは異なる数の行を含み得る。各行は、均一ピッチ又は可変ピッチを含み得る。例えば、混合アレイ110は、5つのサブアパーチャの最も左のアパーチャから最も右のアパーチャまで連続して、1行の行、3つ行、5行の行、3行の行、及び1行の行を有する5つのサブアパーチャを含み得る。
【0061】
例えば、
図5は、サブアパーチャを有する例示的な混合アレイ110の概略説明である。
図5に示す混合アレイ110は、左サブアパーチャ、中央サブアパーチャ、及び右サブアパーチャを含む3つのサブアパーチャに分割され得る。左サブアパーチャ及び右サブアパーチャ110の両方が、均一なピッチを有するものとして示されている1行の行のみを有してもよいが、いくつかの変形では、これらのサブアパーチャは、可変ピッチである行を含み得ることを理解されたい。ただし、中央サブアパーチャは、内側の行118及び2行の外側の行116など、複数の行を有し得る。内側の行118は、特定のピッチを有し得、2行の外側の行116は、内側の行とは異なるピッチを有し得る。中央サブアパーチャのこれらのピッチのいずれも、均一又は可変にし得る。2行の外側の行116は、光学センサを含み得る。中央サブアパーチャ、左サブアパーチャ、及び右サブアパーチャの内側の行を含む他の全ての行は、例えば、PZTトランスデューサ、CMUTトランスデューサなどの他のトランスデューサを含み得る。
【0062】
図6は、第1タイプのアレイ要素112及び第2タイプのアレイ要素114の相対位置のみが入れ替わることを除いて、
図2の混合アレイと同様の例示的な混合アレイの概略説明である。同様に、
図3の混合アレイ、
図4の混合アレイ、及び
図5の混合アレイ、及び/又は本明細書に示され、かつ説明される他の任意の混合アレイにおいて、第1のタイプのアレイ要素112及び第2のタイプのアレイ要素114の相対位置は入れ替えられ得る。
【0063】
図7は、例示的な混合アレイの概略説明である。混合アレイは、一組のトランスデューサを含む第1のタイプの1つ以上のアレイ要素と、一組の光学センサを含む第2のタイプの1つ以上のアレイ要素と、を含み得る。混合アレイは、第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、を有する少なくとも1行の行を含み得る。例えば、
図7に示されるように、混合アレイは、例えば、第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、を含む中央の行を含み得る。例えば、中央の行は、第2のタイプの単一のアレイ要素を有し得る一方で、他の行は、第1のタイプのアレイ要素のみを有し得る。第2のタイプの単一のアレイ要素は、送信された音響波の波長とほぼ等しいか、又はそれより小さい光学センサであり得る。いくつかの変形では、光学センサの使用は、画質改善のために光学センサの超高感度(例えば、WGM光共振器の超高感度)を利用しながら、プローブ製造の複雑さを最小限に抑えることができる。
【0064】
図8は、例示的な混合アレイ110の概略説明である。混合アレイは、中央の行を含む2行以上の行を含み得る。中央の行は、第1のタイプの複数の要素112と、第2のタイプの複数のアレイ要素114と、を含み得る。第2のタイプのアレイ要素は、送信された音響波の波長とほぼ等しいか、又はそれより小さくし得る。内側の行の少なくとも1つのトランスデューサ要素は、光学センサ114であり、残りの要素は、例えばPZTトランスデューサ及び/又はCMUTトランスデューサを含み得る、第1のタイプ112のアレイ要素である。
図7の混合アレイ110と同様に、いくつかの実装態様では、
図8の混合アレイ110の光学センサのサイズは、音響波及び/又は音響エコーの動作波長に匹敵するか、又はそれより小さくすることができる。いくつかの実装態様では、光学センサのサイズは、音響波及び/又は音響エコーの動作波長より大きくし得る。
【0065】
図9は、例示的な混合アレイの概略説明である。超音波トランスデューサアレイは、2行以上の行を含み得る。2行以上の行のそれぞれは、第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素と、を有し得る。第2のタイプのアレイ要素は、規則的なパターンで空間的に分布し得、又は不規則なパターン(例えば、ランダムなパターン)で空間的に分布し得る。内側の行及び2行の外側の行の一組の要素は、光学センサ114を含み得、残りの要素は、例えば、PZTトランスデューサ及び/又はCMUTトランスデューサを含む第1のタイプ112を含む。いくつかの構成では、光学センサ114の位置の空間分布は、ランダムにすることができる。いくつかの構成では、光学センサ114の位置の空間分布は、配置パターンに従うことができる(例えば、同じ、センサ要素のうちの1セルだけ右にシフト、センサ要素のうちの2セルだけ下にシフト)。光学センサのサイズは、第1のタイプ112のサイズよりも小さいか、又は同じであり得る。
【0066】
図7~9に記載の混合アレイの変形は、複数の利点を伴い得る。例えば、両方のタイプの両方のアレイ要素を有するこれらの混合アレイの各行は、ある程度、音響波(例えば、超音波)の送信と音響エコー(例えば、超音波エコー)の検出との両方を行うことができ、それによって、より分散されたイメージング機能を可能にする。更に、分散型光学センサは、音響エコーに対する混合アレイの全体的な分散感度を高めることができる。更に、これらの変形の混合アレイは、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素及び第2のタイプの1つ以上のアレイ要素によって生成される2つの独立した画像を生成し得、イメージングシステム(
図1に関して示され、かつ説明されるようなイメージングシステム150など)は、次いで、2つの独立した画像を結合して、2つの独立した画像のそれぞれと比較して改善された単一の結合された画像を形成することができる。
【0067】
図2~9に示す混合アレイは一般に平面基板又は表面上に示されているが、混合アレイは任意の他の適切な表面(例えば、曲面)上に配置され得ることを理解されたい。例えば、
図10は、湾曲基板上の例示的な混合アレイ110の概略説明である。混合アレイ110は、一組のトランスデューサを含む第1のタイプの1つ以上のアレイ要素と、曲面パネルなどの曲面上の一組の光学センサを含む第2のタイプの1つ以上のアレイ要素と、を含み得る。曲面は、円曲線、二次曲線(例えば、放物曲線、双曲線、楕円曲線など)及び/又は超音波イメージングに適した任意の曲線のプロファイルを含み得る。パネルの湾曲は、混合アレイ110の視野の方向とすることができる。いくつかの構成では、湾曲は、凹湾曲である。いくつかの構成では、湾曲は、凸湾曲である。混合アレイは、
図10に示すように、上昇寸法において3行の行の要素を含み得る。3行の行は、内側の行及び2行の外側の行を含み得る。いくつかの変形では、2行の外側の行は、第2のタイプのアレイ要素114(例えば、光学センサ)を含み得、内側の行は、第1のタイプのアレイ要素112(例えば、PZTトランスデューサ、CMUTトランスデューサ及び/又はそのようなもの)を含み得る。いくつかの変形では、混合アレイは、3、5、…、2n+1行などの任意の奇数行の行を含み得る(nは整数)。そのような変形では、混合アレイの内側の行は、第1のタイプのアレイ要素112を含むことができ、その後の残りの行は、第2のタイプのアレイ要素114と第1のタイプのアレイ要素112との間で交互になり得る。
【0068】
図10の混合アレイにおけるトランスデューサ要素の位置決めは、
図10の混合アレイが曲面パネルに取り付けられることを除いて、
図2の混合アレイにおけるトランスデューサ要素の位置決めと同様である。
図10の混合アレイの位置決めは、
図10の混合アレイの湾曲に対応する変換行列を
図2の混合アレイの位置の行列に乗算することによって達成することができる。
図2~13のいずれかの混合アレイにおけるトランスデューサ要素の相対位置は、曲面パネルに取り付けられるように変換することができる。
【0069】
図11は、複数のアレイ要素又はトランスデューサ要素を含む単一の行を含む例示的な1D混合アレイ110の概略説明である。複数のアレイ要素は、第1のタイプの少なくとも1つのアレイ要素112(例えば、PZTトランスデューサ、CMUTトランスデューサ、及び/又はそのようなもの)と、第2のタイプの少なくとも1つのアレイ要素114(すなわち、光学センサ)と、を含み得る。いくつかの構成では、第1のタイプのもの112及び第2のタイプのもの114の空間分布はランダムであり得る。いくつかの構成では、第1のタイプのアレイ要素112及び第2のタイプのアレイ要素114の空間分布は、配置パターンに従い得る。1種類のトランスデューサのみを含む従来の1Dアレイと比較して、混合アレイ(
図11に示すように、一組の光学センサを含む)は、例えば、光共振器(例えば、WGM光共振器、マイクロバブル光共振器、微小球共振器、マイクロトロイド共振器、マイクロリング共振器、又はマイクロディスク光共振器、及び/又はそのようなもの)などの光学センサの追加により、帯域幅及び/又は感度の検知において改善された性能を有し得る。
【0070】
図2~11は、1、3、5、…、2n+1(nは整数)などの奇数行の行を有するトランスデューサアレイを示しているが、いくつかの変形では、トランスデューサアレイは、2、4、6、…、2nの行数などの偶数行の行を有し得る。例えば、いくつかの変形では、混合アレイ110は、第1のタイプのアレイ要素112(CMUTトランスデューサ、PMUTトランスデューサ、及び/又はそのようなもの)の2行の行と、第2のタイプの要素114(例えば、光共振器、光干渉計、及び/又はそのようなもの)の2行の行と、を有し得る。
【0071】
図12は、長方形の構成に配置され、N×M個のトランスデューサ要素を含み得る例示的な2D混合アレイ110の概略説明であり、Nは行の数であり、Mは列の数であり、両方とも整数である。いくつかの実装態様では、行の数及び/又は列の数は、31の行及び/又は31の列より大きくし得る。例えば、2D混合アレイは、64×96=6,144個のトランスデューサ要素を含み得る。混合アレイは、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素と、第2のタイプの1つ以上のアレイ要素と、を含み得る。第1のタイプの1つ以上のアレイ要素は、一組のトランスデューサを含み得、第2のタイプの1つ以上のアレイ要素は、一組の光学センサを含み得る。第1のタイプの1つ以上のアレイ要素及び第2のタイプの1つ以上のアレイ要素は、集合的に長方形の配置で位置決めされ得る。いくつかの構成では、第1のタイプ112及び第2のタイプ114の空間分布は、ランダムであり得る。いくつかの構成では、第1のタイプ112及び第2のタイプ114の空間分布は、配置パターンに従い得る。1種類のトランスデューサのみを含む従来の2Dアレイと比較して、混合アレイ(
図12に示されるように、一組の光学センサを含む)は、光学センサの追加により、帯域幅及び/又は感度の検出において改善された性能を実証し得る。
【0072】
図13は、まばらなアレイ構成における例示的な2D混合アレイ110の概略説明である。完全にサンプリングされた配置(
図12に関して示され、かつ説明された配置など)の代わりに、混合アレイ110をまばらなアレイ構成で配置することにより、混合アレイを製造するために使用されるトランスデューサ要素の総数を減らし得る。例えば、完全にサンプリングされた2Dと同じサイズのまばらな2Dアレイ(
図12に関して示され、かつ説明されているように)は、
図12の完全にサンプリングされた混合アレイの64×96=6,144個のトランスデューサ要素と比較して、わずか1000個のトランスデューサ要素を含み得る。混合アレイは、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素と、第2のタイプの1つ以上のアレイ要素と、を含み得る。第1のタイプの1つ以上のアレイ要素は、一組のトランスデューサを含み得、第2のタイプの1つ以上のアレイ要素は、一組の光学センサを含み得る。第1のタイプの1つ以上のアレイ要素及び第2のタイプの1つ以上のアレイ要素は、集合的にまばらなアレイ構成で位置決めされ得る。いくつかの構成では、第1のタイプのアレイ要素112及び第2のタイプのアレイ要素114の空間分布は、ランダムにし得る。いくつかの構成では、第1のタイプ112及び第2のタイプ114のアレイ要素の空間分布は、統計分布(例えば、正規分布、ガウス分布、及び/又はそのようなもの)に従い得る。第1のタイプ112及び第2のタイプ114のアレイ要素のまばらな空間分布を使用することによって、混合アレイによって生成される画像におけるグレーティングローブの生成を低減/防止し得る。第1のタイプのアレイ要素112の空間分布は、第2のタイプのアレイ要素114の空間分布と同じ、類似、又は異なり得る。例えば、混合アレイ110内の一組の光学センサの第1の組の位置は、ランダムな空間分布を有し得、混合アレイ110内の一組のPZTトランスデューサの第2の組の位置は、正規分布を有し得る。
【0073】
図2~13に関して上述した混合アレイは、主に、1行以上の行を有する長方形配置に関して説明されているが、他のアレイ形状を同様に複数のタイプのアレイ要素112及び114と混合できることを理解されたい。例えば、
図14は、例示的な環状混合アレイ110の概略説明である。環状アレイは、一般に、その対称形状のために、三次元空間において改善された音響(例えば、超音波)ビームパターンを生成することができる。画質は、音響ビームパターンと高度に相関するため、音響(例えば、超音波)ビームパターンが改善されると、音響イメージングシステム(例えば、医療用超音波イメージングシステム)の画質が向上することになり得る。
【0074】
上述のアレイと同様に、環状混合アレイは、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素112と、第2のタイプの1つ以上のアレイ要素114と、を含み得る。第1のタイプの1つ以上のアレイ要素は、一組のトランスデューサを含み得、第2のタイプの1つ以上のアレイ要素は、一組の光学センサを含み得る。混合アレイは、少なくとも1つの円形アレイ要素と、円形アレイ要素の周りに同心円状に配置された少なくとも1つの環状アレイ要素と、を含み得る。例えば、
図14に示すように、混合アレイは、混合アレイの中心に少なくとも1つの円形光学センサ114(例えば、リング共振器)と、直径が大きくなる順に円形光学センサの周りにかつ同心円状に配置された一組の環状トランスデューサ112(例えば、PZTトランスデューサ及び/又はCMUTトランスデューサなど)と、を含み得る。
図14に示される変形は、円形アレイ要素の周りに3つの環状アレイ要素を含むが、混合アレイは、2つ、3つ、4つ、5つ、又は5つより多い環状又はリング状の要素など、任意の適切な数の環状アレイ要素を含み得ることを理解されたい。更に、いくつかの変形では、第1のタイプの1つ以上のアレイ要素及び第2のタイプの1つ以上のアレイ要素は両方とも、同心構成で集合的に配置された環状要素であり得る。
【0075】
前述の記載は、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために特定の命名法が使用された。しかしながら、本発明を実施するために特定の詳細が必要とされないことは当業者には明らかであろう。したがって、本発明の特定の実施形態の前述の記載は、例示及び記載の目的で提示されている。それらは、網羅的であること、又は本発明を開示された正確な形態に限定することが企図されるものではなく、明らかに、上記の教示を考慮すると、多くの修正及び変形例が可能である。実施形態は、本発明の原理及びその実際の用途を説明するために選択及び記載され、それにより、当業者が、企図される特定の使用に適した様々な修正を加えて本発明及び様々な実施形態を利用することを可能にする。以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物が本発明の範囲を定義することが意図される。
【国際調査報告】