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特表2023-526210直交性に連結された多量体オリゴヌクレオチド
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  • 特表-直交性に連結された多量体オリゴヌクレオチド 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】直交性に連結された多量体オリゴヌクレオチド
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/11 20060101AFI20230614BHJP
   C12N 15/115 20100101ALI20230614BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20230614BHJP
   A61K 47/61 20170101ALI20230614BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
C12N15/11 Z
C12N15/115 Z
C12N15/113 Z
A61K47/61
A61K31/7088
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568511
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(85)【翻訳文提出日】2023-01-06
(86)【国際出願番号】 US2021033028
(87)【国際公開番号】W WO2021236689
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】63/026,929
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/093,097
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517437807
【氏名又は名称】エムペグ エルエイ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【弁理士】
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン ジョナサン マイルズ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076CC41
4C086AA03
4C086EA16
4C086NA20
(57)【要約】
直交性に連結されたマルチコンジュゲート(多量体オリゴヌクレオチドなど)が、生物学的部分であるサブユニットを一緒に連結する直交連結戦略を用いてそれらを合成する方法と共に、開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサブユニット********および保護された硫黄含有末端基を含む、多量体オリゴヌクレオチドであって、
サブユニット********の各々が独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドであり、かつ共有結合性リンカー●によって別のサブユニットに連結され;
共有結合性リンカー●の少なくとも1つが、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり、任意で、硫黄含有共有結合性リンカーが、硫黄含有切断可能基を含み;
硫黄含有末端基が、脱保護条件下で脱保護可能であり;かつ
各硫黄含有共有結合性リンカー◇が、脱保護条件下で安定である、
前記多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項2】
少なくとも1つの硫黄含有共有結合性リンカー◇が、脱保護条件ではない切断条件下で切断可能である、切断可能基、任意で硫黄含有切断可能基を含む、請求項1記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項3】
保護された硫黄含有末端基が、保護されたチオール基を含む、請求項1~2のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項4】
以下の構造1:
L-R-[********●]n********-R-S-PG (構造1)
を含み、
構造中、
Lが、存在しても存在しなくてもよい生物活性部分であり;
各Rが個々に、存在しても存在しなくてもよいスペーサー基であり;
各********が独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドサブユニットであり;
各●が、隣接するオリゴヌクレオチドサブユニットを連結する共有結合性リンカーであり;
nが、1~9の範囲の整数であり;
S-PGが、脱保護条件下で脱保護可能である、保護された硫黄含有末端基、任意で保護されたチオール基であり;かつ
少なくとも1つの●が、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり、任意で、硫黄含有共有結合性リンカーが、脱保護条件下で安定である、硫黄含有切断可能基を含む、
請求項1~3のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項5】
前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含み;任意で、前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む、請求項4記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項6】
前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含み;任意で、前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む、請求項5記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項7】
前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含み;任意で、前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含む、請求項6記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項8】
前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含み;任意で、前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含む、請求項7記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項9】
前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、C6アルキルを含み;任意で、前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C6アルキルを含む、請求項8記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項10】
前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、1,4-フェニレンを含み;任意で、前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、1,4-フェニレンを含む、請求項7記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項11】
硫黄含有共有結合性リンカー◇が、-R1-R2-R1-によって表される連結を含み、式中、
各R1が個々に、存在していないかまたはスペーサー基であり;かつ
R2が、チオプロピオナートまたはジスルフィド基である、
請求項1~10のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項12】
保護された硫黄含有末端基が、チオプロピオナート基またはジスルフィド基を含まない、請求項11記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項13】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む、請求項11または12記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項14】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む、請求項13記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項15】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含む、請求項14記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項16】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含む、請求項15記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項17】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、C6アルキルを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、C6アルキルを含む、請求項16記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項18】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、1,4-フェニレンを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、1,4-フェニレンを含む、請求項15記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項19】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、ホスファート連結基、ホスホロチオアート連結基、ホスホナート連結基、またはジチオホスファート連結基を含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、ホスファート連結基、ホスホロチオアート連結基、ホスホナート連結基、またはジチオホスファート連結基を含む、請求項11~18のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項20】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、
によって表される連結基を含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、
によって表される連結基を含み;式中、各Xが独立して、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む、請求項19記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項21】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、ピロリジン-2,5-ジオンを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、ピロリジン-2,5-ジオンを含む、請求項11~20のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項22】
-R1-R2-R1-によって表される前記連結がまた、
によっても表され、
式中、
各R1aが独立して、存在していないか、
であり;
各R1bが独立して、存在していないか、
であり;
各R1cがXであり;かつ
R2が、チオプロピオナートまたはジスルフィド基であり;
式中、各Xが独立して、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む、
請求項11記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項23】
各Xが独立して、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む、請求項22記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項24】
各Xが独立して、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含む、請求項23記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項25】
各Xが独立して、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含む、請求項24記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項26】
各XがC6アルキルを含む、請求項22記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項27】
各Xが1,4-フェニレンを含む、請求項22記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項28】
-R1-R2-R1-によって表される前記連結が、
またはその開環誘導体を含む、請求項22記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項29】
-R1-R2-R1-によって表される前記連結が、
またはその開環誘導体であり、式中、mおよびm1が、各々、個々に、1~10の範囲の整数である、請求項22記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項30】
保護された硫黄含有末端基が、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシアルキル、置換されていてもよいトリアルキルシリル、置換されていてもよいアリールアルキルシリル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいアシル、および置換されていてもよいベンゾイルから選択される保護基を含む、請求項1~29のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項31】
保護された硫黄含有末端基が、トリチル、メトキシトリチル、ジメトキシトリチル、メチルメトキシ、トリイソプロピルシリル、ジニトロフェニル、ニトロフェニル、アセチル、およびベンゾイルから選択される保護基PGを含む、請求項1~29のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項32】
nが、2~9の範囲の整数であり;任意で、nが、2~7の範囲の整数であり;任意で、nが、2、3、4、または5である、請求項4~31のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項33】
少なくとも2つのサブユニット********が、実質的に異なる、請求項1~32のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項34】
3つ、4つ、5つ、または6つのサブユニット********を含む、請求項1~33のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項35】
サブユニット********内の各核酸鎖が、5~30、15~30、17~27、19~26、または20~25ヌクレオチド長である、請求項1~34のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項36】
1つまたは複数のサブユニット********が、二本鎖RNAである、請求項1~35のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項37】
1つまたは複数のサブユニット********が、一本鎖RNAである、請求項1~36のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項38】
サブユニット********が、一本鎖オリゴヌクレオチドと二本鎖オリゴヌクレオチドとの組み合わせを含む、請求項1~37のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項39】
各サブユニット********が、RNA、DNA、またはその人工もしくは非天然の核酸類似体である、請求項1~38のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項40】
各サブユニット********が、siRNA、saRNA、またはmiRNAである、請求項1~39のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項41】
各サブユニット********が、二本鎖siRNAである、請求項1~36のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項42】
共有結合性リンカー●の少なくとも1つが、硫黄含有共有結合性リンカー◇とは異なる、切断可能な共有結合性リンカーCLである、請求項1~41のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項43】
切断可能な共有結合性リンカーCLが、酸で切断可能な結合、還元剤で切断可能な結合、生物切断性(bio-cleavable)結合、または酵素で切断可能な結合を含む、請求項42記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項44】
切断可能な共有結合性リンカーCLが、細胞内条件下で切断可能である、請求項42または43記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項45】
Lがターゲティングリガンドを含む、請求項4~44のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項46】
ターゲティングリガンドが、アプタマー、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、葉酸、脂質、コレステロール、またはトランスフェリンを含む、請求項45記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項47】
Lがエンドソーム脱出部分を含む、請求項4~44のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項48】
エンドソーム脱出部分が、膜を破壊する、変化させる、または不安定化するペプチド、脂質、ポリマー、または小分子である、請求項47記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項49】
Lが検出可能な標識を含む、請求項4~44のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項50】
構造1dの多量体オリゴヌクレオチドを調製するための方法であって、
以下:
の通り、
構造1aの化合物を脱保護して、構造1bの化合物を形成する工程;および
構造1bの化合物を構造1cの化合物と、構造1dの化合物を形成するように選択された条件下で反応させる工程
を含み、
構造中、
Lが、存在しても存在しなくてもよい生物活性部分であり;
各Rが個々に、存在しても存在しなくてもよいスペーサー基であり;
各********が独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドであり;
各●が、隣接するオリゴヌクレオチドサブユニットを連結する共有結合性リンカーであり;
S-PGが、脱保護条件下で脱保護可能である、保護された硫黄含有末端基、任意で保護されたチオール基であり;
Yが、構造1bの-R-SH基と反応して構造1dの共有結合性リンカー●の1つを形成するように選択された反応基であり;
γが、1~9の範囲の整数であり;
αおよびβが、各々、個々に、α+β+1=γであるように選択された、0~8の範囲の整数であり;かつ
少なくとも1つの●が、脱保護条件下で安定である、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり;任意で、硫黄含有共有結合性リンカーが、硫黄含有切断可能基を含む、
前記方法。
【請求項51】
構造1fの多量体オリゴヌクレオチドを調製するための方法であって、
以下:
の通り、
構造1aの化合物を脱保護して、構造1bの化合物を形成する工程;および
構造1bの化合物を構造1eの化合物と、構造1fの化合物を形成するように選択された条件下で反応させる工程
を含み、
構造中、
Lが、存在しても存在しなくてもよくかつ生物学的活性または親和性を有する部分であり;
各Rが個々に、存在しても存在しなくてもよいスペーサー基であり;
各********が独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドであり;
各●が、隣接するオリゴヌクレオチドサブユニットを連結する共有結合性リンカーであり;
S-PGが、脱保護条件下で脱保護可能である、保護された硫黄含有末端基、任意で保護されたチオール基であり;
Yが、構造1bの-R-SH基と反応して構造1fの共有結合性リンカー●の1つを形成するように選択された反応基であり;
γが、1~9の範囲の整数であり;
αおよびβが、各々、個々に、α+β+1=γであるように選択された、0~8の範囲の整数であり;
少なくとも1つの●が、脱保護条件下で安定である、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり;任意で、硫黄含有共有結合性リンカーが、硫黄含有切断可能基を含む、
前記方法。
【請求項52】
硫黄含有共有結合性リンカー◇が、脱保護条件ではない切断条件下で切断可能である、切断可能基を含む、請求項50または51記載の方法。
【請求項53】
多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含み;任意で、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む、請求項50~52のいずれか一項記載の方法。
【請求項54】
多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含み;任意で、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む、請求項53記載の方法。
【請求項55】
多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含み;任意で、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含む、請求項54記載の方法。
【請求項56】
多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含み;任意で、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含む、請求項55記載の方法。
【請求項57】
多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、C6アルキルを含み;任意で、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C6アルキルを含む、請求項56記載の方法。
【請求項58】
多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、1,4-フェニレンを含み;任意で、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、1,4-フェニレンを含む、請求項55記載の方法。
【請求項59】
硫黄含有共有結合性リンカー◇が、-R1-R2-R1-によって表される連結を含み、式中、
各R1が個々に、存在していないかまたはスペーサー基であり;かつ
R2が、チオプロピオナートまたはジスルフィド基である、
請求項50~58のいずれか一項記載の方法。
【請求項60】
保護された硫黄含有末端基S-PGが、チオプロピオナート基またはジスルフィド基を含まない、請求項59記載の方法。
【請求項61】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む、請求項59または60記載の方法。
【請求項62】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む、請求項61記載の方法。
【請求項63】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含む、請求項62記載の方法。
【請求項64】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含む、請求項63記載の方法。
【請求項65】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、C6アルキルを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、C6アルキルを含む、請求項64記載の方法。
【請求項66】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、1,4-フェニレンを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、1,4-フェニレンを含む、請求項63記載の方法。
【請求項67】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、ホスファート連結基、ホスホロチオアート連結基、ホスホナート連結基、またはジチオホスファート連結基を含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、ホスファート連結基、ホスホロチオアート連結基、ホスホナート連結基、またはジチオホスファート連結基を含む、請求項50~66のいずれか一項記載の方法。
【請求項68】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、
によって表される連結基を含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、
によって表される連結基を含み;式中、各Xが独立して、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む、請求項67記載の方法。
【請求項69】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、ピロリジン-2,5-ジオンを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、ピロリジン-2,5-ジオンを含む、請求項50~68のいずれか一項記載の方法。
【請求項70】
-R1-R2-R1-によって表される前記連結がまた、
によっても表され、
式中、
各R1aが独立して、存在していないか、
であり;
各R1bが独立して、存在していないか、
であり;
各R1cがXであり;かつ
R2が、チオプロピオナートまたはジスルフィド基であり;
式中、各Xが独立して、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む、
請求項59記載の方法。
【請求項71】
各Xが独立して、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む、請求項70記載の方法。
【請求項72】
各Xが独立して、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含む、請求項71記載の方法。
【請求項73】
各Xが独立して、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含む、請求項71記載の方法。
【請求項74】
各XがC6アルキルを含む、請求項73記載の方法。
【請求項75】
各Xが1,4-フェニレンを含む、請求項72記載の方法。
【請求項76】
-R1-R2-R1-によって表される前記連結が、
またはその開環誘導体を含む、請求項70記載の方法。
【請求項77】
-R1-R2-R1-によって表される前記連結が、
またはその開環誘導体であり、式中、mおよびm1が、各々、個々に、1~10の範囲の整数である、請求項70記載の方法。
【請求項78】
保護された硫黄含有末端基が、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシアルキル、置換されていてもよいトリアルキルシリル、置換されていてもよいアリールアルキルシリル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいアシル、および置換されていてもよいベンゾイルから選択される保護基を含む、請求項50~77のいずれか一項記載の方法。
【請求項79】
保護された硫黄含有末端基が、トリチル、メトキシトリチル、ジメトキシトリチル、メチルメトキシ、トリイソプロピルシリル、ジニトロフェニル、ニトロフェニル、アセチル、およびベンゾイルから選択される保護基PGを含む、請求項50~77のいずれか一項記載の方法。
【請求項80】
γが、2~6の範囲の整数である、請求項50~79のいずれか一項記載の方法。
【請求項81】
少なくとも2つのサブユニット********が、実質的に異なる、請求項50~80のいずれか一項記載の方法。
【請求項82】
多量体オリゴヌクレオチドが、3~10サブユニットのサブユニット********を含み;任意で、多量体オリゴヌクレオチドが、3つ、4つ、5つ、または6つのサブユニット********を含む、請求項50~81のいずれか一項記載の方法。
【請求項83】
サブユニット********内の各核酸鎖が、5~30、15~30、17~27、19~26、または20~25ヌクレオチド長である、請求項50~82のいずれか一項記載の方法。
【請求項84】
1つまたは複数のサブユニット********が、二本鎖RNAである、請求項50~83のいずれか一項記載の方法。
【請求項85】
1つまたは複数のサブユニット********が、一本鎖RNAである、請求項50~84のいずれか一項記載の方法。
【請求項86】
サブユニット********が、一本鎖オリゴヌクレオチドと二本鎖オリゴヌクレオチドとの組み合わせを含む、請求項50~85のいずれか一項記載の方法。
【請求項87】
各サブユニット********が、RNA、DNA、またはその人工もしくは非天然の核酸類似体である、請求項50~86のいずれか一項記載の方法。
【請求項88】
各サブユニット********が、siRNA、saRNA、またはmiRNAである、請求項50~87のいずれか一項記載の方法。
【請求項89】
各サブユニット********が、二本鎖siRNAである、請求項88記載の方法。
【請求項90】
共有結合性リンカー●の少なくとも1つが、硫黄含有共有結合性リンカー◇とは異なる、切断可能な共有結合性リンカーCLである、請求項50~89のいずれか一項記載の方法。
【請求項91】
切断可能な共有結合性リンカーCLが、酸で切断可能な結合、還元剤で切断可能な結合、生物切断性結合、または酵素で切断可能な結合を含む、請求項90記載の方法。
【請求項92】
切断可能な共有結合性リンカーCLが、細胞内条件下で切断可能である、請求項90または91記載の方法。
【請求項93】
Lがターゲティングリガンドを含む、請求項50~92のいずれか一項記載の方法。
【請求項94】
ターゲティングリガンドが、アプタマー、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、葉酸、脂質、コレステロール、またはトランスフェリンを含む、請求項93記載の方法。
【請求項95】
Lがエンドソーム脱出部分を含む、請求項50~92のいずれか一項記載の方法。
【請求項96】
エンドソーム脱出部分が、膜を破壊する、変化させる、または不安定化するペプチド、脂質、ポリマー、または小分子である、請求項95記載の方法。
【請求項97】
Lが検出可能な標識を含む、請求項50~96のいずれか一項記載の方法。
【請求項98】
Yが、
によって表される反応基またはその開環誘導体であり、式中、各R1cが独立して、C1~10アルキレンまたはC1~10アルキレンオキシであり;R2が、チオプロピオナートまたはジスルフィド基であり;mが、1~10の範囲の整数であり;かつm1が、1~10の範囲の整数である、請求項50~97のいずれか一項記載の方法。
【請求項99】
Yが、
によって表される反応基またはその開環誘導体である、請求項98記載の方法。
【請求項100】
1つまたは複数の共有結合性リンカー●によって互いに連結された複数のサブユニット********を含む、マルチコンジュゲートであって、
該マルチコンジュゲートが、構造3:
を含み、
構造中、
サブユニット********の各々が独立して、生物活性部分であり;
少なくとも1つの共有結合性リンカー●が、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり、任意で、硫黄含有共有結合性リンカー◇が、硫黄含有切断可能基を含み;
1、▲2、▲3、および▲4の各々が、独立して、存在していないか、またはサブユニットに連結された機能的部分を含む基、および任意で、機能的部分をサブユニットに連結するスペーサー基であり;
Qが、硫黄含有末端基を含む基、および任意で、Qをサブユニットに連結するスペーサー基であり;かつ
nが、0以上の整数であり;任意で、nが、0~10の範囲の整数であり;任意で、nが、0~10の範囲の整数であり;任意で、nが、1~4の範囲の整数であり;任意で、nが、1、2、3、または4である、
前記マルチコンジュゲート。
【請求項101】
構造3中に存在するサブユニット********の少なくとも1つが、オリゴヌクレオチドではない、請求項100記載のマルチコンジュゲート。
【請求項102】
構造3中に存在するサブユニット********の少なくとも1つが、オリゴペプチドまたはタンパク質を含む、請求項100または101記載のマルチコンジュゲート。
【請求項103】
少なくとも1つの機能的部分が存在する、請求項100~102のいずれか一項記載のマルチコンジュゲート。
【請求項104】
存在する少なくとも1つの機能的部分が、ターゲティングリガンドである、請求項103記載のマルチコンジュゲート。
【請求項105】
存在する少なくとも1つの機能的部分が、検出可能な標識であり;任意で、検出可能な標識が色素である、請求項103または104記載のマルチコンジュゲート。
【請求項106】
硫黄含有末端基Qが、脱保護条件下で脱保護可能である、保護された硫黄含有末端基を含み;かつ
硫黄含有共有結合性リンカー◇が、脱保護条件下で安定である、
請求項100~105のいずれか一項記載のマルチコンジュゲート。
【請求項107】
硫黄含有共有結合性リンカー◇が、脱保護条件ではない切断条件下で切断可能である、切断可能基を含む、請求項100~106のいずれか一項記載のマルチコンジュゲート。
【請求項108】
硫黄含有末端基Qが、保護されたチオール基を含む、請求項100~107のいずれか一項記載のマルチコンジュゲート。
【請求項109】
2、▲3、および▲4が存在していない、請求項108記載のマルチコンジュゲート。
【請求項110】
少なくとも1つの共有結合性リンカー●が、構造4:
- R1 - R2 - A - R3 - A - R2 - R1 - (構造5)
を含み、
構造中、
各R1が独立して、ホスホジエステル、チオホスホジエステル、スルファート、アミド、トリアゾール、ヘテロアリール、エステル、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、チオプロピオナート、アセタール、グリコールを含む基であるか、または存在しておらず;
各R2が独立して、スペーサー基であるか、または存在しておらず;
各Aが独立して、求核試薬と求電子試薬との反応産物であり;かつ
R3が、C2~C10アルキル、C2~C10アルコキシ、C1~C10アリール、アミド、C2~C10アルキルジチオ、エーテル、チオエーテル、エステル、オリゴヌクレオチド、オリゴペプチド、チオプロピオナート、またはジスルフィドを含む基である、
請求項100~109のいずれか一項記載のマルチコンジュゲート。
【請求項111】
各Aが同じである、請求項110記載のマルチコンジュゲート。
【請求項112】
R3が、硫黄含有基を含み;任意で、R3が、C2~C10アルキルジチオ、チオエーテル、チオプロピオナート、またはジスルフィドを含む硫黄含有切断可能基を含む、請求項111記載のマルチコンジュゲート。
【請求項113】
構造6dのマルチコンジュゲートを調製するための方法であって、
以下:
の通り、
構造6aの化合物を脱保護して、構造6bの化合物を形成する工程;および
構造6bの化合物を構造6cの化合物と、構造6dの化合物を形成するように選択された条件下で反応させる工程
を含み、
構造中、
サブユニット********の各々が独立して、生物活性部分であり;
各●が、共有結合性リンカーであり;
少なくとも1つの共有結合性リンカー●が、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり、任意で、硫黄含有共有結合性リンカー◇が、硫黄含有切断可能基を含み;
各▲が、独立して、存在していないか、またはサブユニットに連結された機能的部分を含む基、および任意で、機能的部分をサブユニットに連結するスペーサー基であり;
Qが、硫黄含有末端基を含む基、および任意で、Qをサブユニットに連結するスペーサー基であり;
Yが、構造6bの-R-SH基と反応して構造6dの共有結合性リンカー●の1つを形成するように選択された反応基であり;
γが、1~9の範囲の整数であり;
αおよびβが、各々、個々に、α+β+1=γであるように選択された、0~8の範囲の整数である、
前記方法。
【請求項114】
構造6fのマルチコンジュゲートを調製するための方法であって、
以下:
の通り、
構造6aの化合物を脱保護して、構造6bの化合物を形成する工程;および
構造6bの化合物を構造6eの化合物と、構造6fの化合物を形成するように選択された条件下で反応させる工程
を含み、
構造中、
サブユニット********の各々が独立して、生物活性部分であり;
各●が、共有結合性リンカーであり;
少なくとも1つの共有結合性リンカー●が、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり、任意で、硫黄含有共有結合性リンカー◇が、硫黄含有切断可能基を含み;
各▲が、独立して、存在していないか、または機能的部分を含む基、および任意で、機能的部分をサブユニットに連結するスペーサー基であり;
Qが、硫黄含有末端基を含む基、および任意で、Qをサブユニットに連結するスペーサー基であり;
Yが、構造4bの-R-SH基と反応して構造6fの共有結合性リンカー●の1つを形成するように選択された反応基であり;
γが、1~9の範囲の整数であり;
αおよびβが、各々、個々に、α+β+1=γであるように選択された、0~7の範囲の整数である、
前記方法。
【請求項115】
請求項51記載の方法によって調製された多量体オリゴヌクレオチドを含む薬学的組成物の有効量を対象に投与する工程を含む、対象において疾患または状態を処置する方法。
【請求項116】
請求項114記載の方法によって調製されたマルチコンジュゲートを含む薬学的組成物の有効量を対象に投与する工程を含む、対象において疾患または状態を処置する方法。
【請求項117】
請求項51記載の方法によって調製された多量体オリゴヌクレオチドと、薬学的に許容される賦形剤とを含む、組成物。
【請求項118】
請求項114記載の方法によって調製されたマルチコンジュゲートと、薬学的に許容される賦形剤とを含む、組成物。
【請求項119】
医薬の製造における使用のための、請求項51記載の方法によって調製された多量体オリゴヌクレオチドを含む、組成物。
【請求項120】
医薬の製造における使用のための、請求項114記載の方法によって調製されたマルチコンジュゲートを含む、組成物。
【請求項121】
細胞を、請求項51記載の方法によって調製された多量体オリゴヌクレオチドと接触させる工程、および
多量体オリゴヌクレオチドが細胞に進入しかつ標的遺伝子の活性が調節される条件下で、細胞を維持する工程
を含む、細胞において標的遺伝子の活性を調節する方法。
【請求項122】
細胞を、請求項114記載の方法によって調製されたマルチコンジュゲートと接触させる工程、および
コンジュゲートが細胞に進入しかつ生物活性部分の活性が観察される条件下で、細胞を維持する工程
を含む、細胞において生物活性部分の活性を観察する方法。
【請求項123】
硫黄含有末端基Qが、脱保護条件下で脱保護可能である、保護された硫黄含有末端基を含み;かつ
硫黄含有共有結合性リンカー◇が、脱保護条件下で安定である、
請求項113または114記載の方法。
【請求項124】
硫黄含有共有結合性リンカー◇が、脱保護条件ではない切断条件下で切断可能である、切断可能基を含む、請求項123記載の方法。
【請求項125】
硫黄含有末端基Qが、保護されたチオール基を含む、請求項113、114、123、または124のいずれか一項記載の方法。
【請求項126】
マルチコンジュゲートが、3~10個のサブユニット********を含み;任意で、マルチコンジュゲートが、3つ、4つ、5つ、または6つのサブユニット********を含む、請求項125記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
任意の優先出願に対する参照による組み入れ
本出願と共に提出されたPCT Requestにおいて外国または国内優先権主張が特定されている、いずれかのおよびすべての出願は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
開示の分野
本開示は、多量体オリゴヌクレオチドに関する。より具体的には、本開示は、直交性に連結された多量体オリゴヌクレオチド、直交連結戦略を用いて多量体オリゴヌクレオチドを合成する方法、および結果として生じるオリゴヌクレオチドを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
オリゴヌクレオチドは現在、複数の応用および進行中の臨床試験を伴う、十分に確立された治療薬のクラスである。しかし、多くの要因、例えば、所望の治療効果を達成するのに十分な量での、標的細胞に対するオリゴヌクレオチドの送達およびその後の標的細胞中へのオリゴヌクレオチドの内部移行が、オリゴヌクレオチド治療薬の開発および使用を依然として制限している。
【0004】
この課題に対応するために、特定の細胞表面受容体を標的とするリガンドにコンジュゲートされたオリゴヌクレオチドが、研究されている。1つのそのようなリガンドであるN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)の使用は、肝細胞の表面上に数多く発現しているアシアロ糖タンパク質受容体に対するその高度に特異的かつ効率的な結合のために、肝細胞へのオリゴヌクレオチド送達のための選択される方法となっている。
【0005】
しかし、GalNAcコンジュゲートオリゴヌクレオチドを使用したとしても、高い割合の化合物が、腎臓による排出を介して失われる。これに対抗するために、個々のオリゴヌクレオチドサブユニットが、共有結合された中間体または「リンカー」を介して一緒に連結されている、オリゴヌクレオチドの多量体が調製されている。これらのリンカーは、合成機で、またはオリゴヌクレオチドの合成、脱保護、および精製後に水溶液中で導入されている。
【0006】
様々なリンカーが利用されており、これらには、インビボ条件下で安定であるリンカー、および標的細胞の内部で切断され、それによって個々のオリゴヌクレオチドサブユニットを遊離させる他のリンカーが含まれる。用いられる切断可能なリンカーの最も一般的なタイプは、細胞内ヌクレアーゼによって切断される一本鎖の保護されていないヌクレオチドの短い配列、例えば、dTdTdTdTおよびdCdA、ならびに細胞の内部で還元環境によって切断されるジスルフィドベースのリンカーである。
【0007】
多量体オリゴヌクレオチドの合成において成功裏に利用されている別の技術は、リンカーを介して別のオリゴヌクレオチドに結合した一本鎖オリゴヌクレオチドを、任意でまた、リンカーを介して別のオリゴヌクレオチドに結合した相補的な一本鎖オリゴヌクレオチドにアニーリングさせることによる、非対称性アニーリング(asymmetric annealing)であり、これらの工程は、所望の長さの多量体が得られるまで繰り返される。
【0008】
ホモ多量体およびヘテロ多量体は両方とも、これらの方法を介して調製されており、4-merから8-merの範囲の多量体は、特に増強された血清半減期および生物活性を示す。
【0009】
しかし、これらの方法は限界を有する。ヌクレアーゼで切断可能なリンカーは、合成機を介してのみ導入することができる。ジスルフィド連結は、合成機でおよび前駆体の精製後の水溶液中での両方で導入することができる。しかし、その後の連結反応のために同時に末端ジスルフィドをチオールに還元しながら、多量体において内部ジスルフィド基を維持することはできない。最後に、非対称性アニーリング法は、ランダム重合が生じる可能性があることから、ホモ多量体に適用することは難しい。
【0010】
したがって、多量体オリゴヌクレオチドの構築および合成においてリンカーとして作用する、さらなる方法および材料に対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0011】
開示の概要
本開示は、生物学的部分の直交性に連結されたマルチコンジュゲート、および直交連結戦略を用いてそれらを合成する方法に関する。本開示は、タンパク質、オリゴペプチド、ならびに、例えば、siRNA、saRNA、miRNA、アプタマー、およびアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む二本鎖および一本鎖のオリゴヌクレオチドを含むがこれらに限定されない、すべてのタイプの生物学的部分に適用可能である。オリゴヌクレオチドのマルチコンジュゲート(多量体オリゴヌクレオチド)に適用可能であるとして本明細書に記載される戦略は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、他の生物学的部分のマルチコンジュゲートに一般に適用可能であると理解され、その逆もまた同じである。
【0012】
本開示は、共有結合性リンカーを介して一緒に連結された2つ以上のオリゴヌクレオチド(「サブユニット」;各々、個々に「サブユニット」)から構成される多量体オリゴヌクレオチド(「多量体」)などの、マルチコンジュゲートの合成のための方法を提供し、該サブユニットは、同じサブユニットの複数のコピーまたは異なるサブユニットであり得る。
【0013】
本開示はまた、新たな合成中間体、および該合成中間体を用いて多量体オリゴヌクレオチドを合成する方法にも関する。
【0014】
本開示はまた、例えば、遺伝子発現の調節において、生物学的研究において、医学的状態の処置もしくは予防において、および/または新たなもしくは改変された表現型を生じるために、多量体オリゴヌクレオチドを使用する方法にも関する。
【0015】
ある態様において、本開示は、サブユニット********を含む多量体オリゴヌクレオチドであって、サブユニット********の各々が独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドであり、かつサブユニット********の1つまたは複数が、共有結合性リンカー●によって別のサブユニットに連結され、かつ2つ以上のサブユニットが、5'端または3'端のいずれかに異なるチオール基を含む、前記多量体オリゴヌクレオチドを提供する。
【0016】
ある態様において、少なくとも1つのサブユニット********は、相補鎖にアニーリングした少なくとも1つの部分一本鎖オリゴヌクレオチドを含む。例えば、ある態様において、少なくとも1つのサブユニット********は、相補鎖にアニーリングした2つの部分一本鎖オリゴヌクレオチドを含む。
【0017】
ある態様において、本開示は、第1のサブユニット********が、3'または5'反応性チオール基を含み、かつ第2のサブユニット********が、3'または5'保護チオール基を含む、多量体オリゴヌクレオチドを提供する。
【0018】
ある態様において、本開示は、以下の工程:3'または5'反応性チオール基、および任意で5'または3'リガンドを含む、第1のサブユニット反応物を提供する工程;3'または5'保護チオール基、および第1のサブユニット反応物上の反応性チオール基と反応する5'または3'基を含む、第2のサブユニット反応物を提供する工程;ならびに、第1のサブユニット反応物の3'または5'反応性チオール基を第2のサブユニット反応物の5'または3'基と反応させて、それによって第1のサブユニットを第2のユニットに連結する共有結合を形成するように選択された反応条件下で、第1のサブユニット反応物を第2のサブユニット反応物と混ぜ合わせる工程を含む、多量体オリゴヌクレオチドを調製するためのプロセスを提供する。ある態様において、第2のサブユニット反応物の5'または3'基は、マレイミド基などの求電子基である。ある態様において、任意の5'または3'リガンドは、構造1に関して本明細書の他の場所に記載されるような化学的または生物学的部分Lである。
【0019】
ある態様において、本開示は、チオール保護基の除去のための条件が共有結合性リンカー●の安定性に影響を及ぼさない、多量体オリゴヌクレオチドを提供する。
【0020】
ある態様において、本開示は、チオールがアルキル、アルコキシ、ベンジル、またはアリールチオエーテルとして保護されている、多量体オリゴヌクレオチドを提供する。
【0021】
ある態様において、本開示は、チオールがアルキルシリルチオエーテルとして保護されている、多量体オリゴヌクレオチドを提供する。
【0022】
ある態様において、本開示は、チオールがアルキルまたはアリールチオエステルとして保護されている、多量体オリゴヌクレオチドを提供する。
【0023】
ある態様において、少なくとも2つのサブユニット********は、実質的に異なる。ある態様において、サブユニットのすべては、実質的に異なる。
【0024】
ある態様において、少なくとも2つのサブユニット********は、実質的に同じであるかまたは同一である。ある態様において、サブユニット********のすべては、実質的に同じであるかまたは同一である。
【0025】
ある態様において、サブユニット内の各核酸鎖は、独立して、5~30、10~30、17~27、19~26、または20~25ヌクレオチド長である。
【0026】
ある態様において、1つまたは複数のサブユニットは、二本鎖である。ある態様において、1つまたは複数のサブユニットは、一本鎖である。
【0027】
ある態様において、サブユニットは、一本鎖オリゴヌクレオチドと二本鎖オリゴヌクレオチドとの組み合わせを含む。
【0028】
ある態様において、オリゴヌクレオチド内の1つまたは複数のヌクレオチドは、RNA、DNA、または人工もしくは非天然の核酸類似体である。
【0029】
ある態様において、サブユニットの少なくとも1つは、RNAを含む。
【0030】
ある態様において、サブユニットの少なくとも1つは、siRNA、saRNA、またはmiRNAを含む。
【0031】
ある態様において、サブユニットの少なくとも1つは、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。
【0032】
ある態様において、サブユニットの少なくとも1つは、二本鎖siRNAを含む。
【0033】
ある態様において、2つ以上のsiRNAサブユニットは、siRNAのセンス鎖に結合した共有結合性リンカーによって連結される。
【0034】
ある態様において、共有結合性リンカー●の1つまたは複数は、切断可能な共有結合性リンカーを含む。
【0035】
ある態様において、切断可能な共有結合性リンカーは、酸で切断可能な結合、還元剤で切断可能な結合、生物切断性(bio-cleavable)結合、または酵素で切断可能な結合を含有する。
【0036】
ある態様において、本開示は、1つまたは複数の共有結合性リンカー●によって互いに連結された複数のサブユニット********を含むマルチコンジュゲートを提供し、該マルチコンジュゲートは、構造4:
を含み、
構造中、
サブユニット********の各々は独立して、生物学的部分であり;
少なくとも1つの共有結合性リンカー●は、硫黄含有共有結合性リンカーであり;
1、▲2、▲3、および▲4の各々は、独立して、存在していないか、またはサブユニットに連結された機能的部分を含む基、および任意で、機能的部分をサブユニットに連結するスペーサー基であり;
Qは、硫黄含有末端基、例えば、保護されたチオール基を含む基であり;かつ
nは、整数、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、または8である。
【0037】
ある態様において、構造4中に存在するサブユニット********の少なくとも1つは、核酸ではない。ある態様において、構造4中に存在するサブユニット********の少なくとも1つは、オリゴペプチドまたはタンパク質を含む。
【0038】
ある態様において、機能的部分▲1、▲2、▲3、および▲4の少なくとも1つは、構造4中に存在する。例えば、ある態様において、存在する少なくとも1つの機能的部分は、ターゲティングリガンドである。別の態様において、存在する少なくとも1つの機能的部分は、検出可能な標識(例えば、色素)である。
【0039】
ある態様において、本開示は、複数のサブユニット********および硫黄含有末端基を含む多量体オリゴヌクレオチドであって、サブユニット********の各々が独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドであり;かつサブユニット********の2つ以上が、硫黄含有共有結合性リンカー◇によって互いに連結される、前記多量体オリゴヌクレオチドを提供する。
【0040】
本明細書において用いられる「硫黄含有末端基」という用語は、(1)別の硫黄に結合していない硫黄を含有する、および(2)マルチコンジュゲートの末端、例えば、多量体オリゴヌクレオチドの3'または5'端に結合している、化学的部分を指す。したがって、硫黄含有末端基は、ジスルフィドではない。例えば、種々の態様において、硫黄含有末端基は、チオール基または保護されたチオール基である。
【0041】
ある態様において、硫黄含有末端基(例えば、構造4中の末端基Q)は、脱保護条件下で脱保護可能である、保護されたチオール基を含み;かつ硫黄含有共有結合性リンカー◇は、脱保護条件下で安定である。
【0042】
ある態様において、硫黄含有共有結合性リンカー◇は、C2~C10アルキルジチオ、チオエーテル、チオプロピオナート、またはジスルフィドを含むがこれらに限定されない、硫黄含有切断可能基を含む。ある態様において、硫黄含有共有結合性リンカー◇は、脱保護条件ではない切断条件下で切断可能である。ある態様において、硫黄含有共有結合性リンカー◇は、脱保護条件ではない切断条件下で切断可能である、硫黄含有切断可能基を含む。
【0043】
ある態様において、硫黄含有末端基は、保護されたチオール基である。
【0044】
ある態様において、基▲1は、式L-R1の部分を含み、式中、Lは機能的部分であり、かつR1は、R1をサブユニット********に連結するスペーサー基である。
【0045】
ある態様において、本明細書に記載されるような多量体オリゴヌクレオチドは、
以下の構造1:
L-R1-[********●]n********R1-S-PG (構造1)
によって表され、
構造中、サブユニット********の各々は独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドであり;各●は、共有結合性リンカーであり、そのうち少なくとも1つは、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり;nは、1~9の範囲の整数であり;Lは、存在しても存在しなくてもよくかつ生物学的活性または親和性を有する部分であり;各R1は個々に、存在しても存在しなくてもよいスペーサー基であり;かつS-PGは、保護されたチオール基である。
【0046】
ある態様において、構造1中のnは、2~6の範囲の整数である。
【0047】
ある態様において、構造1中のL、ならびに構造4中の▲1、▲2、▲3、および▲4のいずれかは、ターゲティングリガンドを含む。ターゲティングリガンドであることができるリガンドの例には、抗体、抗体断片、二本鎖抗体断片、一本鎖抗体断片;他のタンパク質、例えば、糖タンパク質(例えば、トランスフェリン)もしくは成長因子;ペプチド(例えば、RGDリガンドもしくはガストリン放出ペプチド);核酸(例えば、アプタマー)、ペプチドもしくはペプチド誘導体(例えば、DUPA);天然もしくは合成の炭水化物、例えば、単糖(例えば, ガラクトース、マンノース、N-アセチルガラクトサミン[「GalNAc」])、多糖、もしくはクラスター、例えばレクチン結合オリゴ糖、二分岐型(diantennary)GalNAc、もしくは三分岐型(triantennary)GalNAc;脂質、例えば、ステロール(例えば、コレステロール)、リン脂質(例えば、リン脂質エーテル、ホスファチジルコリン、レシチン);ビタミン化合物(例えば、トコフェロールもしくは葉酸);免疫刺激剤(例えば、CpGオリゴヌクレオチド);アミノ酸;元素(例えば、金);または合成小分子(例えば、アニスアミドもしくはポリエチレングリコール)が含まれる。例えば、種々の態様において、Lは、アプタマー、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、葉酸、脂質、コレステロール、またはトランスフェリンを含む。
【0048】
ある態様において、構造1中のL、ならびに構造4中の▲1、▲2、▲3、および▲4のいずれかは、エンドソーム脱出部分を含む。例えば、種々の態様において、エンドソーム脱出部分は、膜を破壊する、変化させる、または不安定化するペプチド、脂質、ポリマー、または小分子を含む。
【0049】
ある態様において、構造1中のL、ならびに構造4中の▲1、▲2、▲3、および▲4のいずれかは、例えば、生物学的活性または親和性を有する生物学的活性部分を含む、化学的または生物学的部分を含む。生物学的活性部分は、生物学的効果、好ましくは、測定可能な生物学的効果を有する任意の分子または作用物質である。化学的または生物学的部分は、例えば、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、核酸、ターゲティングリガンド、炭水化物、多糖、脂質、有機化合物、および無機化学化合物を含む。
【0050】
本明細書に記載されるようなマルチコンジュゲートまたは多量体オリゴヌクレオチドのある態様において、少なくとも1つのサブユニット********は、構造2:
(構造2)を含み、構造中、

は、部分一本鎖オリゴヌクレオチドであり;
●は、部分一本鎖オリゴヌクレオチドに連結された共有結合性リンカーであり;かつ
は、部分一本鎖オリゴヌクレオチドにアニーリングした相補鎖である。
【0051】
例えば、本明細書に記載されるようなマルチコンジュゲートまたは多量体オリゴヌクレオチドのある態様は、構造3:
(構造3)を含み、構造中、

は、一本鎖オリゴヌクレオチドであり;

は、部分一本鎖オリゴヌクレオチドであり;
各●は、部分一本鎖オリゴヌクレオチドに連結された共有結合性リンカーであり;かつ
は、部分一本鎖オリゴヌクレオチドにアニーリングした相補鎖である。
【0052】
ある態様において、本明細書に記載されるようなマルチコンジュゲート(例えば、多量体オリゴヌクレオチド)の少なくとも1つの共有結合性リンカー●は、構造5:
- R1 - R2 - A - R3 - A - R2 - R1 - (構造5)
を含み、
構造中、
各R1は独立して、ホスホジエステル、チオホスホジエステル、スルファート、アミド、トリアゾール、ヘテロアリール、エステル、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、チオプロピオナート、アセタール、グリコールを含む基であるか、または存在しておらず;
各R2は独立して、スペーサー基であるか、または存在しておらず;
各Aは、同じであり、かつ求核試薬と求電子試薬との反応産物を含む基であり;かつ
R3は、C2~C10アルキル、C2~C10アルコキシ、C1~C10アリール、アミド、C2~C10アルキルジチオ、エーテル、チオエーテル、エステル、オリゴヌクレオチド、オリゴペプチド、チオプロピオナート、またはジスルフィドを含む基である。
【0053】
ある態様において、構造5は、硫黄含有共有結合性リンカー◇を含み、構造中、R3は、C2~C10アルキルジチオ、チオエーテル、チオプロピオナート、またはジスルフィドを含む基である。
【0054】
ある態様において、本明細書に記載されるようなマルチコンジュゲート(例えば、多量体オリゴヌクレオチド)の少なくとも1つの共有結合性リンカー●は、硫黄含有共有結合性リンカー◇を含まない。
【0055】
構造5のある態様において、各R1は独立して、ホスホジエステルまたはチオホスホジエステルを含む基である。別の態様において、各R1は独立して、ヘテロアリールを含む基である。ある態様において、ヘテロアリールは、1、2、3、または4個の環窒素原子および1、2、3、4、5、6、7、8、または9個の環炭素原子を含有する。
【0056】
構造5の別の態様において、各R2は独立して、C2~C10アルキル、C2~C10アルコキシ、もしくはC1~C10アリールを含むか、または存在していない。ある態様において、C1~C10アリールは、フェニルまたはピリジニルなどのC5~6アリールである。ある態様において、C1~C10アリールは、1、2、3、または4個の環窒素原子および1、2、3、4、5、6、7、8、または9個の環炭素原子を含有する、ヘテロアリールである。
【0057】
構造5の別の態様において、Aの求核試薬および求電子試薬は、(i)チオールおよびマレイミド(任意で、チオールとマレイミドとの反応産物は、スクシンアミド酸(succinamic acid)の誘導体である);(ii)チオールおよびビニルスルホン;(iii)チオールおよびピリジルジスルフィド;(iv)チオールおよびヨードアセトアミド;(v)チオールおよびアクリラート;(vi)アジドおよびアルキン;または(vii)アミンおよびカルボキシルを含む。
【0058】
構造5の別の態様において、Aは、チオールとマレイミドとの反応産物を含む基であり、任意で、チオールとマレイミドとの反応産物は、スクシンアミド酸の誘導体である。
【0059】
構造5の別の態様において、R3は、チオプロピオナートまたはジスルフィドを含む基である。構造5の別の態様において、各R2は独立して、C2~C10アルキル、C2~C10アルコキシ、もしくはC1~C10アリールを含むか、または存在していない。ある態様において、C1~C10アリールは、フェニルまたはピリジニルなどのC5~6アリールである。ある態様において、C1~C10アリールは、1、2、3、または4個の環窒素原子および1、2、3、4、5、6、7、8、または9個の環炭素原子を含有する、ヘテロアリールである。
【0060】
ある態様において、硫黄含有共有結合性リンカー◇は、-R1-R2-R1-によって表される連結を含み、式中、各R1は個々に、存在していないか、またはスペーサー基であり;かつR2は、チオプロピオナートまたはジスルフィド基である。
【0061】
ある態様において、硫黄含有末端基または保護されたチオール基は、チオプロピオナート基またはジスルフィド基を含まない。
【0062】
ある態様において、-R1-R2-R1-連結内の少なくとも1つのR1は、C1~10アルキル、C1~10アルコキシ、5~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、-(C1~10アルキル)-(5~10員アリール)-、-(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)-、および-(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)-から選択される基を含むスペーサー基である。
【0063】
ある態様において、-R1-R2-R1-連結内の少なくとも1つのR1は、リン含有結合を含むスペーサー基である。リン含有結合の例には、ホスホロチオアート、鏡像異性的に濃縮されたホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、3'アルキレンホスホナートおよび鏡像異性的に濃縮されたホスホナートを含むメチルおよび他のアルキルホスホナート、ホスフィナート、3'-アミノホスホルアミダートおよびアミノアルキルホスホルアミダートを含むホスホルアミダート、チオノホスホルアミダート、チオノアルキルホスホナート、チオノアルキルホスホトリエステル、および通常の3'-5'結合を有するボラノホスファート、これらの2'-5'結合した類似体、ならびに、ヌクレオシド単位の隣接する対が3'-5'から5'-3'へまたは2'-5'から5'-2'へ結合している極性反転を有するものが含まれるが、これらに限定されない。
【0064】
ある態様において、-R1-R2-R1-連結内の少なくとも1つのR1は、ホスファート連結基、チオホスファート連結基、ホスホナート連結基、またはジチオホスファート連結基を含むスペーサー基である。
【0065】
ある態様において、-R1-R2-R1-連結内の少なくとも1つのR1は、C1~6アルキルを含むスペーサー基である。
【0066】
ある態様において、-R1-R2-R1-連結内の少なくとも1つのR1は、
によって表される連結基を含むスペーサー基であり、式中、各Xは独立して、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む。
【0067】
ある態様において、-R1-R2-R1-連結内の少なくとも1つのR1は、ピロリジニル-2,5-ジオンをさらに含むスペーサー基である。
【0068】
ある態様において、-R1-R2-R1-によって表される連結はまた、
によっても表され、
式中、
各R1aは独立して、存在していないか、または存在し、かつ
であり、式中、mは、1~10の範囲の整数であり;かつ各Xは独立して、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含み;
各R1bは独立して、存在していないか、または存在し、かつ
であり;
各R1cは独立して、C1~10アルキルまたはC1~10アルコキシであり;かつ
R2は、チオプロピオナートまたはジスルフィド基である。
【0069】
ある態様において、-R1-R2-R1-によって表される連結は、
またはその開環誘導体を含む。
【0070】
ある態様において、-R1-R2-R1-によって表される連結は、
またはその開環誘導体であり、式中、各mおよびm1は個々に、1~10の範囲の整数、例えば1、2、または3である。
【0071】
ある態様において、硫黄含有末端基(例えば、構造4中の末端基Q)は、式S-PGの保護されたチオール基であり、式中、PGは、チオール基を形成する脱保護条件下で脱保護可能である、保護基である。本開示によって伝えられるように、種々の保護基が、当業者に公知である。
【0072】
ある態様において、硫黄含有末端基(例えば、構造4中の末端基Q)は、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルキルアルコキシ、置換されていてもよいトリアルキルシリル、置換されていてもよいアリールアルキルシリル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいアシル、および置換されていてもよいベンゾイルから選択される保護基PGを含む、式S-PGの保護されたチオール基である。例えば、種々の態様において、硫黄含有末端基は、トリチル、メトキシトリチル、ジメトキシトリチル、メチルメトキシ、トリイソプロピルシリル、ジニトロフェニル、ニトロフェニル、アセチル、およびベナオイル(benaoyl)から選択される保護基PGを含む、式S-PGの保護されたチオール基である。
【0073】
ある態様において、少なくとも2つのサブユニット********は、実質的に互いに異なる。例えば、いくつかの態様において、2つの実質的に異なるサブユニットは、90%以下の配列相同性を有する。いくつかの態様において、2つの実質的に異なるサブユニットは、同一ではない。いくつかの態様において、2つの実質的に異なるサブユニットは、異なる生物学的活性を有する。いくつかの態様において、2つの実質的に異なるサブユニットは、異なるパターンの化学修飾を有する。いくつかの態様において、2つの実質的に異なるサブユニットは、前述の方法の2つ以上で互いに異なる。
【0074】
ある態様において、マルチコンジュゲート(例えば、多量体オリゴヌクレオチド)は、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのサブユニット********を含む。
【0075】
ある態様において、1つまたは複数のサブユニット********は、オリゴヌクレオチドである。
【0076】
ある態様において、1つまたは複数のサブユニット********は、オリゴペプチドまたはタンパク質である。
【0077】
ある態様において、サブユニット内の各核酸鎖は、5~30、15~30、17~27、19~26、または20~25ヌクレオチド長である。
【0078】
ある態様において、1つまたは複数のサブユニット********は、二本鎖RNAである。
【0079】
ある態様において、1つまたは複数のサブユニット********は、一本鎖RNAである。
【0080】
ある態様において、サブユニット********は、一本鎖オリゴヌクレオチドと二本鎖オリゴヌクレオチドとの組み合わせを含む。
【0081】
ある態様において、各サブユニット********は、RNA、DNA、またはその人工もしくは非天然の核酸類似体である。
【0082】
ある態様において、各サブユニット********は、siRNA、saRNA、またはmiRNAである。
【0083】
ある態様において、各サブユニット********は、二本鎖siRNAである。
【0084】
ある態様において、本明細書に記載されるようなマルチコンジュゲート(例えば、多量体オリゴヌクレオチド)は、共有結合性リンカー●とは異なる、サブユニット********の2つ以上を連結する切断可能な共有結合性リンカーCLを含む。
【0085】
ある態様において、切断可能な共有結合性リンカーCLは、酸で切断可能な結合、還元剤で切断可能な結合、生物切断性結合、または酵素で切断可能な結合を含む。
【0086】
ある態様において、切断可能な共有結合性リンカーCLは、細胞内条件下で切断可能である。
【0087】
ある態様において、本開示は、構造1dの多量体オリゴヌクレオチドを調製するためのプロセスであって、
以下:
の通り、
構造1aの化合物を脱保護して、構造1bの化合物を形成する工程;および
構造1bの化合物を構造1cの化合物と、構造1dの化合物を形成するように選択された条件下で反応させる工程
を含む、前記プロセスを提供し、
構造中、Lは、存在しても存在しなくてもよい生物活性部分であり;各Rは個々に、存在しても存在しなくてもよいスペーサー基であり;各********は独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドであり;各●は、隣接するオリゴヌクレオチドサブユニットを連結する共有結合性リンカーであり;S-PGは、脱保護条件下で脱保護可能である、保護された硫黄含有末端基、任意で保護されたチオール基であり;Yは、構造1bの-R-SH基と反応して構造1dの共有結合性リンカー●の1つを形成するように選択された反応基であり;γは、1~9の範囲の整数であり;αおよびβは、各々、個々に、α+β+1=γであるように選択された、0~8の範囲の整数であり;かつ少なくとも1つの●は、脱保護条件下で安定である、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり;任意で、硫黄含有共有結合性リンカーは、硫黄含有切断可能基を含む。
【0088】
ある態様において、本開示は、構造1fの多量体オリゴヌクレオチドを調製するためのプロセスであって、
以下:
の通り、
構造1aの化合物を脱保護して、構造1bの化合物を形成する工程;および
構造1bの化合物を構造1eの化合物と、構造1fの化合物を形成するように選択された条件下で反応させる工程
を含む、前記プロセスを提供し、
構造中、Lは、存在しても存在しなくてもよくかつ生物学的活性または親和性を有する部分であり;各Rは個々に、存在しても存在しなくてもよいスペーサー基であり;各********は独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドであり;各●は、隣接するオリゴヌクレオチドサブユニットを連結する共有結合性リンカーであり;S-PGは、脱保護条件下で脱保護可能である、保護された硫黄含有末端基、任意で保護されたチオール基であり;Yは、構造1bの-R-SH基と反応して構造1fの共有結合性リンカー●の1つを形成するように選択された反応基であり;γは、1~9の範囲の整数であり;αおよびβは、各々、個々に、α+β+1=γであるように選択された、0~8の範囲の整数であり;少なくとも1つの●は、脱保護条件下で安定である、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり;任意で、硫黄含有共有結合性リンカーは、硫黄含有切断可能基を含む。
【0089】
ある態様において、本開示は、構造6dのマルチコンジュゲートを調製するためのプロセスであって、
以下:
の通り、
構造6aの化合物を脱保護して、構造6bの化合物を形成する工程;および
構造6bの化合物を構造6cの化合物と、構造6dの化合物を形成するように選択された条件下で反応させる工程
を含む、前記プロセスを提供し、
構造中、サブユニット********の各々は独立して、生物活性部分であり;各●は、共有結合性リンカーであり;少なくとも1つの共有結合性リンカー●は、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり、任意で、硫黄含有共有結合性リンカー◇は、硫黄含有切断可能基を含み;各▲は独立して、存在していないか、またはサブユニットに連結された機能的部分を含む基、および任意で、機能的部分をサブユニットに連結するスペーサー基であり;Qは、硫黄含有末端基を含む基、および任意で、Qをサブユニットに連結するスペーサー基であり;Yは、構造6bの-R-SH基と反応して構造6dの共有結合性リンカー●の1つを形成するように選択された反応基であり;γは、1~9の範囲の整数であり;αおよびβは、各々、個々に、α+β+1=γであるように選択された、0~8の範囲の整数である。
【0090】
ある態様において、本開示は、構造6fのマルチコンジュゲートを調製するためのプロセスであって、
以下:
の通り、
構造6aの化合物を脱保護して、構造6bの化合物を形成する工程;および
構造6bの化合物を構造6eの化合物と、構造6fの化合物を形成するように選択された条件下で反応させる工程
を含む、前記プロセスを提供し、
構造中、サブユニット********の各々は独立して、生物活性部分であり;各●は、共有結合性リンカーであり;少なくとも1つの共有結合性リンカー●は、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり、任意で、硫黄含有共有結合性リンカー◇は、硫黄含有切断可能基を含み;各▲は独立して、存在していないか、または機能的部分を含む基、および任意で、機能的部分をサブユニットに連結するスペーサー基であり;Qは、硫黄含有末端基を含む基、および任意で、Qをサブユニットに連結するスペーサー基であり;Yは、構造4bの-R-SH基と反応して構造6fの共有結合性リンカー●の1つを形成するように選択された反応基であり;γは、1~9の範囲の整数であり;αおよびβは、各々、個々に、α+β+1=γであるように選択された、0~7の範囲の整数である。
【0091】
これらのおよび他の態様を、以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0092】
図1】多量体オリゴヌクレオチドを作製するための反応スキーム1を示す。「Lig」は、例えば、構造1中のLに関して本明細書の他の場所に記載されるようなリガンド、例えば、以下の実施例に記載されるような三分岐型GalNAcを示す。「-S-CL-S-」は、以下の実施例に記載されるような内部DTME連結などの、共有結合性リンカーを表す。「Tr」は、トリチル基を示し、「DTME」は、チオール基と反応して-S-CL-S-リンカーを形成する、末端ジチオビスマレイミドエタン基を示す。実線は、一本鎖オリゴヌクレオチドを表し、点線は、以下の実施例に記載されるような多量体オリゴヌクレオチドにアニーリングするオリゴヌクレオチドを表す。
【発明を実施するための形態】
【0093】
詳細な説明
本明細書において参照される任意の特許、特許出願、および刊行物の開示は、本明細書において説明され、特許請求される開示の日付の時点で当業者に公知の最先端技術をより完全に説明するために、これによって、その全体が参照により本出願に組み入れられる。
【0094】
定義
本明細書において用いられる場合、用語「生物学的部分」または「機能的部分」は、互換的であり、当業者によって理解されるような通常の意味を有する。用語は、細胞または生物中に送達された時に生物学的に活性を有するかまたは不活性である、化学的実体を指す。
【0095】
送達される細胞または生物内で生物学的効果、親和性、または活性を生じることができる生物学的部分が、「生物活性部分」と称される。いくつかの態様において、生物学的効果、親和性、または活性は、検出可能または測定可能である。他の例において、生物活性部分は、共に送達される別の生物学的部分の生物学的効果、親和性、または活性を強化または増強するように選択され得る。さらに他の例において、生物活性部分は、(以下に記載されるような)合成中間体またはマルチコンジュゲートを合成するための方法における使用のために選択され得る。
【0096】
生物活性部分の例には、核酸、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、脂質、炭水化物、カルボン酸、ビタミン、ステロイド、リグニン、小分子、有機金属化合物、または前述のいずれかの誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
【0097】
本開示のいくつかの局面において、「非核酸生物学的部分」とは、核酸以外の任意の生物学的部分を指す。非核酸生物学的部分には、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、脂質、炭水化物、カルボン酸、ビタミン、ステロイド、リグニン、小分子(例えば、小分子治療薬または薬物分子)、有機金属化合物、または前述のいずれかの誘導体が含まれるが、これらに限定されない。送達される細胞または生物内で生物学的効果または活性を生じることができる非核酸生物学的部分は、「非核酸生物活性部分」と称される。
【0098】
「アルキル」とは、直鎖状または分枝状の、飽和脂肪族ラジカルを指す。アルキル基中に存在する炭素原子の数は、数字によって指定され得る(例えば、C3アルキルは、3個の炭素原子を含有する)。アルキル基のサイズ範囲は、炭素原子の数の範囲を示すことによって指定することができる(例えば、1~3個の炭素原子を含有するアルキル基はC1~C3アルキル)。例えば、C1~C6アルキルには、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルなどが含まれるが、これらに限定されない。アルキル基の非限定的な例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、1-メチルブチル(すなわち、2-ペンチル)、1-エチルプロピル(すなわち、3-ペンチル)、3-メチルペンチルなどが含まれる。アルキルは、任意の数の炭素、例えば1~2、1~3、1~4、1~5、1~6、1~7、1~8、1~9、1~10、2~3、2~4、2~5、2~6、3~4、3~5、3~6、4~5、4~6、および5~6個の炭素を含むことができる。アルキル基は、典型的には一価であるが、例えばアルキル基が2つの部分を一緒に連結する場合、二価であることができ、「アルキル」は、2つの官能性が付加される場合、アルキレンを含むことが理解される。
【0099】
「アルキルエーテル」とは、鎖中に1~12個の炭素原子および1~12個の酸素原子を含有する、直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素を指す。アルキルエーテルの例には、-((アルキル)-O-)-または-((CH2)n-O-)m-によって表されるものが含まれ、式中、nは、1~6の範囲の整数であり、かつmは、1~12の範囲の整数である。ポリエチレングリコール(PEG)基またはリンカーは、-((CH2)2-O-)m-によって表され得るアルキルエーテルの例である。「アルコキシ」は、アルキル基の末端に結合した単一の酸素原子を含有するアルキルエーテルの例であり、例えば、-O-(アルキル)である。アルコキシ基の例には、非限定的に、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、t-ブトキシ、またはペントキシ基が含まれる。
【0100】
「アリール」とは、6~16個の環炭素原子を含有する、単環式または縮合二環式、三環式、もしくはそれ以上の芳香環アセンブリを指す。アリール基の例には、フェニル、ナフチル、フェナントレニル、ナフタセニル、フルオレニル、ピレニルなどが含まれるが、これらに限定されない。「アリーレン」とは、アリール基から誘導される二価ラジカルを意味する。アリール基は、アルキル、アルコキシ、アリール、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、アミノ-アルキル、トリフルオロメチル、アルキレンジオキシ、およびオキシ-C2-C3-アルキレンから選択される1つ、2つ、または3つのラジカルによって一置換、二置換、または三置換されることができ;これらのすべては、例えば、本明細書において上記に定義されるように、さらに置換されていてもよく;または、1-もしくは2-ナフチル;または、1-もしくは2-フェナントレニルである。
【0101】
「ヘテロアリール」とは、5~16個の環原子を含有する、単環式または縮合二環式もしくは三環式の芳香環アセンブリを指し、ここで、環原子の1~4個は各々、N、O、およびSから独立して選択されるヘテロ原子である。ヘテロアリールの非限定的な例には、ピリジル、インドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、フラニル、ピロリル、チアゾリル, ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、または任意の他の置換された、特に、例えば、アルキル、ニトロ、もしくはハロゲンによって一置換もしくは二置換されたラジカルが含まれる。ピリジルは、2-、3-、または4-ピリジル、有利には、2-または3-ピリジルを表す。チエニルは、2-または3-チエニルを表す。キノリニルは、好ましくは、2-、3-、または4-キノリニルを表す。イソキノリニルは、好ましくは、1-、3-、または4-イソキノリニルを表す。ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニルは、好ましくは、それぞれ、3-ベンゾピラニルまたは3-ベンゾチオピラニルを表す。チアゾリルは、好ましくは、2-または4-チアゾリル、および最も好ましくは、4-チアゾリルを表す。トリアゾリルは、好ましくは、1-、2-、または5-(1,2,4-トリアゾリル)である。テトラゾリルは、好ましくは、5-テトラゾリルである。
【0102】
「ヘテロシクリル」とは、3環員~約20環員、ならびにN、O、およびSから独立して選択される1~約5個のヘテロ原子を有する環系を指す。例えば、ヘテロシクリルには、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、モルホリノ、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、インドリニル、キヌクリジニル、および1,4-ジオキサ-8-アザ-スピロ[4.5]デカ-8-イルが含まれるが、これらに限定されない。
【0103】
本明細書において用いられる「検出可能な標識」という用語は、当業者によって理解されるようなその通常の意味を有する。それは、マルチコンジュゲートに付着可能であり、かつ蛍光分光法などの画像化技術によって検出可能である、化学基を指す。例えば、検出可能な標識は、エネルギーの吸収後に規定された波長で放射線を放出する、フルオロフォアを含む色素であってもよい。多くの適している蛍光標識または色素が、公知である。例えば、Welch et al. (Chem. Eur. J. 5(3):951-960, 1999)は、ダンシルで官能化された蛍光部分を開示し、Zhu et al. (Cytometry 28:206-211, 1997)は、蛍光標識Cy3およびCy5の使用を記載している。他の標識が、Prober et al. (Science 238:336-341, 1987);Connell et al. (BioTechniques 5(4):342-384, 1987)、Ansorge et al. (Nucl. Acids Res. 15(11):4593-4602, 1987)、およびSmith et al. (Nature 321:674, 1986)に記載されている。市販の蛍光標識の例には、フルオレセイン、ローダミン(例えばTMR、texas red、またはRox)、alexa、bodipy、アクリジン、クマリン、ピレン、ベンズアントラセン、およびシアニン(例えばCy2またはCy4)が含まれるが、これらに限定されない。検出可能な標識の他の形態には、量子ドット(Empodocles, et al., Nature 399:126-130, 1999)、金ナノ粒子(Reichert et al., Anal. Chem. 72:6025-6029, 2000)、マイクロビーズ(Lacoste et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA 97(17):9461-9466, 2000)、および質量分析によって検出可能なタグを含む、マイクロ粒子が含まれる。検出可能な標識は、ビオチン-ストレプトアビジンシステムなどの、検出のために別の化合物との相互作用に依存する、マルチコンポーネント標識であってもよい。
【0104】
保護された硫黄含有末端基を有する多量体オリゴヌクレオチド
本開示は、複数のサブユニット********および保護された硫黄含有末端基を含む多量体オリゴヌクレオチドを提供する。サブユニット********の各々は独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドであり、かつ共有結合性リンカー●によって別のサブユニットに連結され、かつ、共有結合性リンカー●の少なくとも1つは、硫黄含有共有結合性リンカー◇である。ある態様において、硫黄含有末端基は、保護されたチオール基を含む。いくつかの態様において、保護された硫黄含有末端基は、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシアルキル、置換されていてもよいトリアルキルシリル、置換されていてもよいアリールアルキルシリル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいアシル、および置換されていてもよいベンゾイルから選択される保護基PGを含む。いくつかの態様において、保護された硫黄含有末端基は、トリチル、メトキシトリチル、ジメトキシトリチル、メチルメトキシ、トリイソプロピルシリル、ジニトロフェニル、ニトロフェニル、アセチル、およびベンゾイルから選択される保護基PGを含む。いくつかの態様において、保護されたチオールは、トリチルチオールである。いくつかの態様において、保護された硫黄含有末端基は、チオプロピオナート基またはジスルフィド基を含まない。保護された硫黄含有末端基は、当業者に公知の脱保護条件下で脱保護可能である。各硫黄含有共有結合性リンカー◇は、脱保護条件下で安定である。
【0105】
いくつかの態様において、少なくとも1つの硫黄含有共有結合性リンカー◇は、細胞内切断条件下で切断可能である、切断可能基を含む。切断可能基の例には、ジスルフィドおよびチオプロピオナートが含まれるが、これらに限定されない。切断条件は、当業者に公知であり、脱保護条件と同じではない。
【0106】
いくつかの態様において、本明細書に開示される多量体オリゴヌクレオチドは、以下の構造:
L-R-[********●]n********-R-S-PG (構造1)
を含み、
構造中、Lは、存在しても存在しなくてもよい生物活性部分であり、かつ生物学的活性または親和性を有し;各Rは個々に、存在しても存在しなくてもよいスペーサー基であり;各********は独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドサブユニットであり;各●は、隣接するオリゴヌクレオチドサブユニットを連結する共有結合性リンカーであり;nは、1~9の範囲の整数であり;S-PGは、脱保護条件下で脱保護可能である、保護された硫黄含有末端基であり、任意で、S-PGは、保護されたチオール基であり;かつ少なくとも1つの●は、脱保護条件下で安定である、硫黄含有共有結合性リンカー◇である。いくつかの態様において、保護された硫黄含有末端基は、チオプロピオナート基またはジスルフィド基を含まない。
【0107】
いくつかの態様において、nは、2~6の範囲の整数である。
【0108】
いくつかの態様において、少なくとも2つのサブユニット********は、実質的に異なる。いくつかの態様において、多量体オリゴヌクレオチドは、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのサブユニット********を含む。いくつかの態様において、サブユニット********内の各核酸鎖は、5~30、15~30、17~27、19~26、または20~25ヌクレオチド長である。
【0109】
いくつかの態様において、1つまたは複数のサブユニット********は、二本鎖RNAである。いくつかの態様において、1つまたは複数のサブユニット********は、二本鎖RNAである。いくつかの態様において、1つまたは複数のサブユニット********は、一本鎖RNAである。いくつかの態様において、サブユニット********は、一本鎖オリゴヌクレオチドと二本鎖オリゴヌクレオチドとの組み合わせを含む。
【0110】
いくつかの態様において、各サブユニット********は、RNA、DNA、またはその人工もしくは非天然の核酸類似体である。いくつかの態様において、各サブユニット********は、siRNA、saRNA、またはmiRNAである。いくつかの態様において、各サブユニット********は、二本鎖siRNAである。
【0111】
いくつかの態様において、共有結合性リンカー●の少なくとも1つは、硫黄含有共有結合性リンカー◇とは異なる、切断可能な共有結合性リンカーCLである。いくつかの態様において、切断可能な共有結合性リンカーCLは、酸で切断可能な結合、還元剤で切断可能な結合、生物切断性結合、または酵素で切断可能な結合を含む。いくつかの態様において、切断可能な共有結合性リンカーCLは、細胞内条件下で切断可能である。
【0112】
いくつかの態様において、構造1の多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つは、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む。いくつかの態様において、構造1の多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む。いくつかの態様において、構造1の多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つは、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む。いくつかの態様において、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む。
【0113】
いくつかの態様において、構造1の多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つは、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含む。いくつかの態様において、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含む。
【0114】
いくつかの態様において、構造1の多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つは、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含む。いくつかの態様において、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含む。
【0115】
いくつかの態様において、構造1の多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つは、C6アルキルを含む。いくつかの態様において、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C6アルキルを含む。
【0116】
いくつかの態様において、構造1の多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つは、1,4-フェニレンを含む。いくつかの態様において、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、1,4-フェニレンを含む。
【0117】
いくつかの態様において、硫黄含有共有結合性リンカー◇は、-R1-R2-R1-によって表される連結を含み、式中、各R1は個々に、存在していないかまたはスペーサー基であり、かつR2は、チオプロピオナートまたはジスルフィド基である。いくつかの態様において、保護されたチオール基は、チオプロピオナート基またはジスルフィド基を含まない。
【0118】
いくつかの態様において、連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つは、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む。いくつかの態様において、連結内に存在するどのスペーサー基R1も、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む。
【0119】
いくつかの態様において、連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つは、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む。いくつかの態様において、連結内に存在するどのスペーサー基R1も、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む。
【0120】
いくつかの態様において、連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つは、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含み;任意で、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含む。
【0121】
いくつかの態様において、連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つは、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含む。いくつかの態様において、連結内に存在するどのスペーサー基R1も、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含む。
【0122】
いくつかの態様において、連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つは、C6アルキルを含む。いくつかの態様において、連結内に存在するどのスペーサー基R1も、C6アルキルを含む。
【0123】
いくつかの態様において、連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つは、1,4-フェニレンを含む。いくつかの態様において、連結内に存在するどのスペーサー基R1も、1,4-フェニレンを含む。
【0124】
いくつかの態様において、連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つは、ホスファート連結基、ホスホロチオアート連結基、ホスホナート連結基、またはジチオホスファート連結基を含む。いくつかの態様において、連結内に存在するどのスペーサー基R1も、ホスファート連結基、ホスホロチオアート連結基、ホスホナート連結基、またはジチオホスファート連結基を含む。
【0125】
いくつかの態様において、連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つは、
によって表される連結基を含み、式中、各Xは独立して、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む。いくつかの態様において、連結内に存在するどのスペーサー基R1も、
によって表される連結基を含み、式中、各Xは独立して、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む。
【0126】
いくつかの態様において、連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つは、ピロリジン-2,5-ジオンを含む。いくつかの態様において、連結内に存在するどのスペーサー基R1も、ピロリジン-2,5-ジオンを含む。
【0127】
いくつかの態様において、-R1-R2-R1-によって表される連結はまた、
によって表すこともでき;
式中、各R1aは独立して、存在していないか、
であり;各R1bは独立して、存在していないか、
であり;各R1cはXであり;かつR2は、チオプロピオナートまたはジスルフィド基である。各Xは独立して、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む。
【0128】
連結基
はまた、
も含み、かつ
はまた、
も含む。連結基中のXは、R1bに接続される部分となる。
【0129】
いくつかの態様において、各Xは独立して、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む。いくつかの態様において、各Xは独立して、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含む。いくつかの態様において、各Xは独立して、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含む。いくつかの態様において、各XはC6アルキルを含む。いくつかの態様において、各Xは1,4-フェニレンを含む。
【0130】
いくつかの態様において、-R1-R2-R1-によって表される連結は、
またはその開環誘導体、例えば
を含む。
【0131】
いくつかの態様において、-R1-R2-R1-によって表される連結は、
またはその開環誘導体であり;式中、各Xは独立して、上記で定義された通りであり、m1は、各々、個々に、1~10の範囲の整数である。
【0132】
いくつかの態様において、-R1-R2-R1-によって表される連結は、
またはその開環誘導体であり;式中、mおよびm1は、各々、個々に、1~10の範囲の整数である。
【0133】
いくつかの態様において、Lはターゲティングリガンドを含む。いくつかの態様において、ターゲティングリガンドは、アプタマー、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、葉酸、脂質、コレステロール、またはトランスフェリンを含む。いくつかの態様において、Lはエンドソーム脱出部分を含む。いくつかの態様において、エンドソーム脱出部分は、膜を破壊する、変化させる、または不安定化するペプチド、脂質、ポリマー、または小分子である。
【0134】
いくつかの態様において、Lは検出可能な標識を含む。いくつかの態様において、検出可能な標識は、フルオレセイン、ローダミン(例えばTMR、texas red、またはRox)、alexa、bodipy、アクリジン、クマリン、ピレン、ベンズアントラセン、およびシアニン(例えばCy2またはCy4)から選択される。例えば、ある態様において、検出可能な標識は、光薬物中へのCy2およびCy4、ローダミン(例えばTMR、texas red、またはRox)、alexa、bodipy、アクリジン、クマリン、ピレン、ベンズアントラセン、およびシアニン(例えばCy2またはCy4)である。例えば、ある態様において、検出可能な標識は、Cy2およびCy4である。
【0135】
多量体オリゴヌクレオチドを作製する方法
本明細書に記載される多量体オリゴヌクレオチドは、種々の方法で作製され得る。本開示は、本明細書に記載されるような多量体オリゴヌクレオチドを調製するためのプロセスを提供する。プロセスは、以下:
の通り、
構造1aの化合物を脱保護して、構造1bの化合物を形成する工程;および
構造1bの化合物を構造1cの化合物と、構造1dの化合物を形成するように選択された条件下で反応させる工程
を含み、
構造中、Lは、存在しても存在しなくてもよい生物活性部分であり;各Rは個々に、存在しても存在しなくてもよいスペーサー基であり;各********は独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドであり;各●は、隣接するオリゴヌクレオチドサブユニットを連結する共有結合性リンカーであり;S-PGは、脱保護条件下で脱保護可能である、保護された硫黄含有末端基、任意で保護されたチオール基であり;Yは、構造1bの-R-SH基と反応して構造1dの共有結合性リンカー●の1つを形成するように選択された反応基であり;γは、1~9の範囲の整数であり;αおよびβは、各々、個々に、α+β+1=γであるように選択された、0~8の範囲の整数であり;かつ少なくとも1つの●は、脱保護条件下で安定である、硫黄含有共有結合性リンカー◇である。
【0136】
本開示は、本明細書に記載されるような別の多量体オリゴヌクレオチドを調製するためのプロセスを提供する。プロセスは、以下:
の通り、
構造1aの化合物を脱保護して、構造1bの化合物を形成する工程;および
構造1bの化合物を構造1eの化合物と、構造1fの化合物を形成するように選択された条件下で反応させる工程
を含み、
構造中、Lは、存在しても存在しなくてもよくかつ生物学的活性または親和性を有する部分であり;各Rは個々に、存在しても存在しなくてもよいスペーサー基であり;各********は独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドである。各●は、隣接するオリゴヌクレオチドサブユニットを連結する共有結合性リンカーであり;S-PGは、脱保護条件下で脱保護可能である、保護された硫黄含有末端基、任意で保護されたチオール基であり;Yは、構造2bの-R-SH基と反応して構造1fの共有結合性リンカー●の1つを形成するように選択された反応基であり;γは、1~9の範囲の整数であり;αおよびβは、各々、個々に、α+β+1=γであるように選択された、0~8の範囲の整数であり;少なくとも1つの●は、脱保護条件下で安定である、硫黄含有共有結合性リンカー◇である。
【0137】
いくつかの態様において、構造1の多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rは、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む。いくつかの態様において、構造1の多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む。いくつかの態様において、構造1の多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つは、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む。いくつかの態様において、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む。
【0138】
いくつかの態様において、構造1の多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つは、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含む。いくつかの態様において、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含む。
【0139】
いくつかの態様において、構造1の多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つは、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含む。いくつかの態様において、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含む。
【0140】
いくつかの態様において、構造1の多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つは、C6アルキルを含む。いくつかの態様において、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C6アルキルを含む。
【0141】
いくつかの態様において、構造1の多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つは、1,4-フェニレンを含む。いくつかの態様において、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、1,4-フェニレンを含む。
【0142】
いくつかの態様において、硫黄含有共有結合性リンカー◇は、-R1-R2-R1-によって表される連結を含み、式中、各R1は個々に、存在していないかまたはスペーサー基であり、かつR2は、チオプロピオナートまたはジスルフィド基である。いくつかの態様において、保護されたチオール基は、チオプロピオナート基またはジスルフィド基を含まない。
【0143】
いくつかの態様において、連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つは、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む。いくつかの態様において、連結内に存在するどのスペーサー基R1も、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む。
【0144】
いくつかの態様において、連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つは、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む。いくつかの態様において、連結内に存在するどのスペーサー基R1も、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む。
【0145】
いくつかの態様において、連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つは、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含み;任意で、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含む。
【0146】
いくつかの態様において、連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つは、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含む。いくつかの態様において、連結内に存在するどのスペーサー基R1も、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含む。
【0147】
いくつかの態様において、連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つは、C6アルキルを含む。いくつかの態様において、連結内に存在するどのスペーサー基R1も、C6アルキルを含む。
【0148】
いくつかの態様において、連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つは、1,4-フェニレンを含む。いくつかの態様において、連結内に存在するどのスペーサー基R1も、1,4-フェニレンを含む。
【0149】
いくつかの態様において、連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つは、ホスファート連結基、ホスホロチオアート連結基、ホスホナート連結基、またはジチオホスファート連結基を含む。いくつかの態様において、連結内に存在するどのスペーサー基R1も、ホスファート連結基、ホスホロチオアート連結基、ホスホナート連結基、またはジチオホスファート連結基を含む。
【0150】
いくつかの態様において、連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つは、
によって表される連結基を含み、式中、各Xは独立して、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む。いくつかの態様において、連結内に存在するどのスペーサー基R1も、
によって表される連結基を含み、式中、各Xは独立して、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む。いくつかの態様において、R1は、
によって表される連結基を含み得る。
【0151】
いくつかの態様において、連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つは、ピロリジン-2,5-ジオンを含む。いくつかの態様において、連結内に存在するどのスペーサー基R1も、ピロリジン-2,5-ジオンを含む。
【0152】
いくつかの態様において、-R1-R2-R1-によって表される連結はまた、
によって表すこともでき;
式中、各R1aは独立して、存在していないか、
であり;各R1bは独立して、存在していないか、
であり;各R1cはXであり;かつR2は、チオプロピオナートまたはジスルフィド基である。各Xは独立して、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む。
【0153】
いくつかの態様において、各R1aは独立して、存在していないか、または存在し、かつ
であり、式中、mは、1~10の範囲の整数である。
【0154】
いくつかの態様において、各Xは独立して、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む。いくつかの態様において、各Xは独立して、C2~C10アルキル、C2~C10アルキルエーテル、C2~C10アルキルエステル、またはC6~C10アリールを含む。いくつかの態様において、各Xは独立して、C2、C3、C4、C5、またはC6アルキルを含む。いくつかの態様において、各XはC6アルキルを含む。いくつかの態様において、各Xは1,4-フェニレンを含む。
【0155】
いくつかの態様において、-R1-R2-R1-によって表される連結は、
またはその開環誘導体、例えば
を含む。
【0156】
いくつかの態様において、-R1-R2-R1-によって表される連結は、
またはその開環誘導体であり;式中、各Xは独立して、上記で定義された通りであり、m1は、各々、個々に、1~10の範囲の整数である。
【0157】
いくつかの態様において、-R1-R2-R1-によって表される連結は、
またはその開環誘導体であり;式中、mおよびm1は、各々、個々に、1~10の範囲の整数である。
【0158】
いくつかの態様において、Lはターゲティングリガンドを含む。いくつかの態様において、ターゲティングリガンドは、アプタマー、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、葉酸、脂質、コレステロール、またはトランスフェリンを含む。いくつかの態様において、Lはエンドソーム脱出部分を含む。いくつかの態様において、エンドソーム脱出部分は、膜を破壊する、変化させる、または不安定化するペプチド、脂質、ポリマー、または小分子である。
【0159】
いくつかの態様において、Lは検出可能な標識を含む。いくつかの態様において、検出可能な標識は、フルオレセイン、ローダミン(例えばTMR、texas red、またはRox)、alexa、bodipy、アクリジン、クマリン、ピレン、ベンズアントラセン、およびシアニン(例えばCy2またはCy4)から選択される。例えば、ある態様において、検出可能な標識は、光薬物中へのCy2およびCy4、ローダミン(例えばTMR、texas red、またはRox)、alexa、bodipy、アクリジン、クマリン、ピレン、ベンズアントラセン、およびシアニン(例えばCy2またはCy4)である。例えば、ある態様において、検出可能な標識は、Cy2およびCy4である。
【0160】
いくつかの態様において、Yは、
によって表される反応基またはその開環誘導体であり、式中、各R1cは独立して、C1~10アルキレンまたはC1~10アルキレンオキシであり;R2は、チオプロピオナートまたはジスルフィド基であり;mは、1~10の範囲の整数であり;かつm1は、1~10の範囲の整数である。
【0161】
いくつかの態様において、Yは、
によって表される反応基またはその開環誘導体である。
【0162】
マルチコンジュゲート
本開示はまた、1つまたは複数の共有結合性リンカー●によって互いに連結された複数のサブユニット********を含むマルチコンジュゲートも提供し、該マルチコンジュゲートは、構造4:
を含み、
構造中、サブユニット********の各々は独立して、生物活性部分であり;少なくとも1つの共有結合性リンカー●は、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり;少なくとも1つの共有結合性リンカー●は、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり;▲1、▲2、▲3、および▲4の各々は、独立して、存在していないか、またはサブユニットに連結された機能的部分を含む基、および任意で、機能的部分をサブユニットに連結するスペーサー基であり;Qは、硫黄含有末端基を含む基、および任意で、Qをサブユニットに連結するスペーサー基であり;かつnは、0以上の整数である。いくつかの態様において、nは、0~10の範囲の整数である。いくつかの態様において、nは、1~4の範囲の整数である。いくつかの態様において、nは、1、2、3、または4である。
【0163】
いくつかの態様において、▲2、▲3、および▲4は、存在していない。
【0164】
いくつかの態様において、構造4中に存在するサブユニット********の少なくとも1つは、オリゴヌクレオチドではない。いくつかの態様において、構造4中に存在するサブユニット********の少なくとも1つは、オリゴペプチドまたはタンパク質を含む。
【0165】
いくつかの態様において、少なくとも1つの機能的部分が存在する。いくつかの態様において、存在する少なくとも1つの機能的部分は、ターゲティングリガンドである。いくつかの態様において、存在する少なくとも1つの機能的部分は、検出可能な標識であり;任意で、検出可能な標識は色素である。
【0166】
いくつかの態様において、硫黄含有末端基Qは、脱保護条件下で脱保護可能である、保護された硫黄含有末端基を含み;かつ硫黄含有共有結合性リンカー◇は、脱保護条件下で安定である。いくつかの態様において、硫黄含有共有結合性リンカー◇は、C2~C10アルキルジチオ、チオエーテル、チオプロピオナート、またはジスルフィドを含むがこれらに限定されない、硫黄含有切断可能基を含む。ある態様において、硫黄含有共有結合性リンカー◇は、脱保護条件ではない切断条件下で切断可能である、硫黄含有切断可能基を含む。
【0167】
いくつかの態様において、硫黄含有末端基Qは、保護されたチオール基を含む。
【0168】
いくつかの態様において、少なくとも1つの共有結合性リンカー●は、構造5:
- R1 - R2 - A - R3 - A - R2 - R1 - (構造5)
を含み、
構造中、各R1は独立して、ホスホジエステル、チオホスホジエステル、スルファート、アミド、トリアゾール、ヘテロアリール、エステル、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、チオプロピオナート、アセタール、グリコールを含む基であるか、または存在しておらず;各R2は独立して、スペーサー基であるか、または存在しておらず;各Aは独立して、求核試薬と求電子試薬との反応産物であり;かつR3は、C2~C10アルキル、C2~C10アルコキシ、C1~C10アリール、アミド、C2~C10アルキルジチオ、エーテル、チオエーテル、エステル、オリゴヌクレオチド、オリゴペプチド、チオプロピオナート、またはジスルフィドを含む基である。いくつかの態様において、各Aは同じである。いくつかの態様において、構造5のR3は、硫黄含有基である。いくつかの態様において、R3は、C2~C10アルキルジチオ、チオエーテル、チオプロピオナート、またはジスルフィドを含む、硫黄含有切断可能基を含む。
【0169】
種々の態様において、本明細書に記載されるようなマルチコンジュゲートは、1つまたは複数のターゲティングリガンドを含む。ターゲティングリガンドは、適しているリンカーによってサブユニットの1つまたは複数に結合していてもよい。ターゲティングリガンドであることができるリガンドの例には、抗体、抗体断片、二本鎖Ab断片、一本鎖Ab断片;他のタンパク質、例えば、糖タンパク質(例えば、トランスフェリン)もしくは成長因子;ペプチド(例えば、RGDリガンドもしくはガストリン放出ペプチド);核酸(例えば、アプタマー)、エンドソーム脱出部分(例えば、ペプチドもしくは核酸)、ペプチド誘導体(例えば、DUPA);天然もしくは合成の炭水化物、例えば、単糖(例えば, ガラクトース、マンノース、N-アセチルガラクトサミン[「GalNAc」])、多糖、もしくはクラスター、例えばレクチン結合オリゴ糖、二分岐型GalNAc、もしくは三分岐型GalNAc;脂質、例えば、ステロール(例えば、コレステロール)、リン脂質(例えば、リン脂質エーテル、ホスファチジルコリン、レシチン);ビタミン化合物(例えば、トコフェロールもしくは葉酸);免疫刺激剤(例えば、CpGオリゴヌクレオチド);アミノ酸;元素(例えば、金);または合成小分子(例えば、アニスアミドもしくはポリエチレングリコール)が含まれる。例えば、種々の態様において、ターゲティングリガンドは、アプタマー、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、葉酸、脂質、コレステロール、またはトランスフェリンである。
【0170】
マルチコンジュゲートを作製する方法
本開示は、マルチコンジュゲートを作製するための方法を提供する。方法は、以下:
の通り、
構造6aの化合物を脱保護して、構造6bの化合物を形成する工程;および
構造6bの化合物を構造6cの化合物と、構造6dの化合物を形成するように選択された条件下で反応させる工程
を含み、
構造中、サブユニット********の各々は独立して、生物活性部分であり;各●は、共有結合性リンカーであり;少なくとも1つの共有結合性リンカー●は、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり;各▲は独立して、存在していないか、またはサブユニットに連結された機能的部分を含む基、および任意で、機能的部分をサブユニットに連結するスペーサー基であり;Qは、脱保護条件下で脱保護可能である、保護された硫黄含有末端基(任意で、保護されたチオール)を含む基、および任意で、Qをサブユニットに連結するスペーサー基であり;Yは、構造6bの-R-SH基と反応して構造6dの共有結合性リンカー●の1つを形成するように選択された反応基であり;γは、1~9の範囲の整数であり;αおよびβは、各々、個々に、α+β+1=γであるように選択された、0~8の範囲の整数であり;かつ少なくとも1つの●は、脱保護条件下で安定である、硫黄含有共有結合性リンカー◇である。
【0171】
処置の方法
種々の局面において、本開示は、例えば、医学的処置、研究のため、または、動物および植物において新たなもしくは改変された表現型を生じるために、本明細書に開示されるプロセスによって作製された多量体オリゴヌクレオチドを使用するための方法を提供する。いくつかの局面において、本開示はまた、例えば、医学的処置、研究のため、または、動物および植物において新たなもしくは改変された表現型を生じるために、本明細書に開示されるプロセスによって作製されたマルチコンジュゲートを使用するための方法も提供する。
【0172】
1つの局面において、本発明は、本開示による多量体オリゴヌクレオチドまたはマルチコンジュゲートの有効量を、その必要がある対象に投与する工程を含む、対象を処置するための方法を提供する。
【0173】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるプロセスによって作製された多量体オリゴヌクレオチドまたはマルチコンジュゲートは、薬学的組成物の形態で投与することができる。
【実施例
【0174】
実施例1. 直交性に保護されたチオールを用いたジスルフィド連結多量体オリゴヌクレオチドの合成
TTR siRNA(siTTR)のビス-(三分岐型GalNAc)ホモ六量体を、スキーム1(図1)に概略を示すように調製する。siTTRセンス鎖の2つの単量体を、合成機で調製し、1つは末端アミノ基を有し、もう1つは末端トリチル化チオールを有する。両方とも、もう一方の末端にジスルフィド基を有する。三分岐型GalNAc基を、第1の単量体の末端アミノ官能基に付加し、次いで、両方の単量体のジスルフィド基を、DTTにより切断して、対応するチオールにする。
【0175】
トリチル化単量体を、以前に報告された方法(PCT公開番号WO 2016/205410参照)によってモノDTME誘導体に変換し、この物質の一部を、GalNAc-siTTR-チオールと反応させて、内部DTME連結(-S-CL-S-)およびトリチル基によって保護された末端チオールを有するGalNAc-siTTR一本鎖ホモ二量体を得る。
【0176】
硝酸銀水溶液での処理によって、トリチル基をホモ二量体から除去し、精製後に、1モル当量のトリチル化モノDTME誘導体で処理して、2つの内部DTME連結(-S-CL-S-)およびトリチル基によって保護された末端チオールを有するGalNAc-siTTR一本鎖ホモ三量体を得る。
【0177】
硝酸銀水溶液での処理によって、トリチル基をホモ三量体から除去し、精製後に、半モル当量のDTMEで処理して、一本鎖ホモ六量体を得る。6当量のTTRアンチセンスsiRNAのアニーリングにより、所望の、5つのジスルフィド連結を含有するsiTTRのビス-(三分岐型GalNAc)ホモ六量体が得られる。
図1
【手続補正書】
【提出日】2023-01-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサブユニット********および保護された硫黄含有末端基を含む、多量体オリゴヌクレオチドであって、
サブユニット********の各々が独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドであり、かつ共有結合性リンカー●によって別のサブユニットに連結され;
共有結合性リンカー●の少なくとも1つが、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり、任意で、硫黄含有共有結合性リンカーが、硫黄含有切断可能基を含み;
硫黄含有末端基が、脱保護条件下で脱保護可能であり;かつ
各硫黄含有共有結合性リンカー◇が、脱保護条件下で安定である、
前記多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項2】
少なくとも1つの硫黄含有共有結合性リンカー◇が、脱保護条件ではない切断条件下で切断可能である、切断可能基、任意で硫黄含有切断可能基を含む、請求項1記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項3】
保護された硫黄含有末端基が、保護されたチオール基を含む、請求項1~2のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項4】
以下の構造1:
L-R-[********●]n********-R-S-PG (構造1)
を含み、
構造中、
Lが、存在しても存在しなくてもよい生物活性部分であり;
各Rが個々に、存在しても存在しなくてもよいスペーサー基であり;
各********が独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドサブユニットであり;
各●が、隣接するオリゴヌクレオチドサブユニットを連結する共有結合性リンカーであり;
nが、1~9の範囲の整数であり;
S-PGが、脱保護条件下で脱保護可能である、保護された硫黄含有末端基、任意で保護されたチオール基であり;かつ
少なくとも1つの●が、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり、任意で、硫黄含有共有結合性リンカーが、脱保護条件下で安定である、硫黄含有切断可能基を含む、
請求項1~3のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項5】
前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含み;任意で、前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む、請求項4記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項6】
前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含み;任意で、前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む、請求項5記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項7】
硫黄含有共有結合性リンカー◇が、-R1-R2-R1-によって表される連結を含み、式中、
各R1が個々に、存在していないかまたはスペーサー基であり;かつ
R2が、チオプロピオナートまたはジスルフィド基である、
請求項1~6のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項8】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む、請求項7記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項9】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、C1~10アルキル、C1~10アルキルエーテル、C1~10アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C1~10アルキル)-(6~10員アリール)、(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C1~10アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む、請求項8記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項10】
前記連結内に存在するスペーサー基R1の少なくとも1つが、ホスファート連結基、ホスホロチオアート連結基、ホスホナート連結基、またはジチオホスファート連結基を含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R1も、ホスファート連結基、ホスホロチオアート連結基、ホスホナート連結基、またはジチオホスファート連結基を含む、請求項7~9のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項11】
保護された硫黄含有末端基が、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシアルキル、置換されていてもよいトリアルキルシリル、置換されていてもよいアリールアルキルシリル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいアシル、および置換されていてもよいベンゾイルから選択される保護基を含む、請求項1~10のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項12】
保護された硫黄含有末端基が、トリチル、メトキシトリチル、ジメトキシトリチル、メチルメトキシ、トリイソプロピルシリル、ジニトロフェニル、ニトロフェニル、アセチル、およびベンゾイルから選択される保護基PGを含む、請求項1~10のいずれか一項記載の多量体オリゴヌクレオチド。
【請求項13】
請求項4記載の多量体オリゴヌクレオチドと、薬学的に許容される賦形剤とを含む、組成物。
【請求項14】
医薬の製造ための、請求項4記載の多量体オリゴヌクレオチドの使用
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
[本発明1001]
複数のサブユニット********および保護された硫黄含有末端基を含む、多量体オリゴヌクレオチドであって、
サブユニット********の各々が独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドであり、かつ共有結合性リンカー●によって別のサブユニットに連結され;
共有結合性リンカー●の少なくとも1つが、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり、任意で、硫黄含有共有結合性リンカーが、硫黄含有切断可能基を含み;
硫黄含有末端基が、脱保護条件下で脱保護可能であり;かつ
各硫黄含有共有結合性リンカー◇が、脱保護条件下で安定である、
前記多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1002]
少なくとも1つの硫黄含有共有結合性リンカー◇が、脱保護条件ではない切断条件下で切断可能である、切断可能基、任意で硫黄含有切断可能基を含む、本発明1001の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1003]
保護された硫黄含有末端基が、保護されたチオール基を含む、本発明1001~1002のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1004]
以下の構造1:
L-R-[********●] n ********-R-S-PG (構造1)
を含み、
構造中、
Lが、存在しても存在しなくてもよい生物活性部分であり;
各Rが個々に、存在しても存在しなくてもよいスペーサー基であり;
各********が独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドサブユニットであり;
各●が、隣接するオリゴヌクレオチドサブユニットを連結する共有結合性リンカーであり;
nが、1~9の範囲の整数であり;
S-PGが、脱保護条件下で脱保護可能である、保護された硫黄含有末端基、任意で保護されたチオール基であり;かつ
少なくとも1つの●が、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり、任意で、硫黄含有共有結合性リンカーが、脱保護条件下で安定である、硫黄含有切断可能基を含む、
本発明1001~1003のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1005]
前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含み;任意で、前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む、本発明1004の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1006]
前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、C 1~10 アルキル、C 1~10 アルキルエーテル、C 1~10 アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C 1~10 アルキル)-(6~10員アリール)、(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含み;任意で、前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C 1~10 アルキル、C 1~10 アルキルエーテル、C 1~10 アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C 1~10 アルキル)-(6~10員アリール)、(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む、本発明1005の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1007]
前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、C 2 ~C 10 アルキル、C 2 ~C 10 アルキルエーテル、C 2 ~C 10 アルキルエステル、またはC 6 ~C 10 アリールを含み;任意で、前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C 2 ~C 10 アルキル、C 2 ~C 10 アルキルエーテル、C 2 ~C 10 アルキルエステル、またはC 6 ~C 10 アリールを含む、本発明1006の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1008]
前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、C 2 、C 3 、C 4 、C 5 、またはC 6 アルキルを含み;任意で、前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C 2 、C 3 、C 4 、C 5 、またはC 6 アルキルを含む、本発明1007の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1009]
前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、C 6 アルキルを含み;任意で、前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C 6 アルキルを含む、本発明1008の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1010]
前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、1,4-フェニレンを含み;任意で、前記多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、1,4-フェニレンを含む、本発明1007の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1011]
硫黄含有共有結合性リンカー◇が、-R 1 -R 2 -R 1 -によって表される連結を含み、式中、
各R 1 が個々に、存在していないかまたはスペーサー基であり;かつ
R 2 が、チオプロピオナートまたはジスルフィド基である、
本発明1001~1010のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1012]
保護された硫黄含有末端基が、チオプロピオナート基またはジスルフィド基を含まない、本発明1011の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1013]
前記連結内に存在するスペーサー基R 1 の少なくとも1つが、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R 1 も、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む、本発明1011または1012の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1014]
前記連結内に存在するスペーサー基R 1 の少なくとも1つが、C 1~10 アルキル、C 1~10 アルキルエーテル、C 1~10 アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C 1~10 アルキル)-(6~10員アリール)、(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R 1 も、C 1~10 アルキル、C 1~10 アルキルエーテル、C 1~10 アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C 1~10 アルキル)-(6~10員アリール)、(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む、本発明1013の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1015]
前記連結内に存在するスペーサー基R 1 の少なくとも1つが、C 2 ~C 10 アルキル、C 2 ~C 10 アルキルエーテル、C 2 ~C 10 アルキルエステル、またはC 6 ~C 10 アリールを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R 1 も、C 2 ~C 10 アルキル、C 2 ~C 10 アルキルエーテル、C 2 ~C 10 アルキルエステル、またはC 6 ~C 10 アリールを含む、本発明1014の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1016]
前記連結内に存在するスペーサー基R 1 の少なくとも1つが、C 2 、C 3 、C 4 、C 5 、またはC 6 アルキルを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R 1 も、C 2 、C 3 、C 4 、C 5 、またはC 6 アルキルを含む、本発明1015の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1017]
前記連結内に存在するスペーサー基R 1 の少なくとも1つが、C 6 アルキルを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R 1 も、C 6 アルキルを含む、本発明1016の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1018]
前記連結内に存在するスペーサー基R 1 の少なくとも1つが、1,4-フェニレンを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R 1 も、1,4-フェニレンを含む、本発明1015の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1019]
前記連結内に存在するスペーサー基R 1 の少なくとも1つが、ホスファート連結基、ホスホロチオアート連結基、ホスホナート連結基、またはジチオホスファート連結基を含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R 1 も、ホスファート連結基、ホスホロチオアート連結基、ホスホナート連結基、またはジチオホスファート連結基を含む、本発明1011~1018のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1020]
前記連結内に存在するスペーサー基R 1 の少なくとも1つが、
によって表される連結基を含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R 1 も、
によって表される連結基を含み;式中、各Xが独立して、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む、本発明1019の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1021]
前記連結内に存在するスペーサー基R 1 の少なくとも1つが、ピロリジン-2,5-ジオンを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R 1 も、ピロリジン-2,5-ジオンを含む、本発明1011~1020のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1022]
-R 1 -R 2 -R 1 -によって表される前記連結がまた、
によっても表され、
式中、
各R 1a が独立して、存在していないか、
であり;
各R 1b が独立して、存在していないか、
であり;
各R 1c がXであり;かつ
R 2 が、チオプロピオナートまたはジスルフィド基であり;
式中、各Xが独立して、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む、
本発明1011の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1023]
各Xが独立して、C 1~10 アルキル、C 1~10 アルキルエーテル、C 1~10 アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C 1~10 アルキル)-(6~10員アリール)、(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む、本発明1022の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1024]
各Xが独立して、C 2 ~C 10 アルキル、C 2 ~C 10 アルキルエーテル、C 2 ~C 10 アルキルエステル、またはC 6 ~C 10 アリールを含む、本発明1023の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1025]
各Xが独立して、C 2 、C 3 、C 4 、C 5 、またはC 6 アルキルを含む、本発明1024の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1026]
各XがC 6 アルキルを含む、本発明1022の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1027]
各Xが1,4-フェニレンを含む、本発明1022の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1028]
-R 1 -R 2 -R 1 -によって表される前記連結が、
またはその開環誘導体を含む、本発明1022の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1029]
-R 1 -R 2 -R 1 -によって表される前記連結が、
またはその開環誘導体であり、式中、mおよびm1が、各々、個々に、1~10の範囲の整数である、本発明1022の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1030]
保護された硫黄含有末端基が、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシアルキル、置換されていてもよいトリアルキルシリル、置換されていてもよいアリールアルキルシリル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいアシル、および置換されていてもよいベンゾイルから選択される保護基を含む、本発明1001~1029のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1031]
保護された硫黄含有末端基が、トリチル、メトキシトリチル、ジメトキシトリチル、メチルメトキシ、トリイソプロピルシリル、ジニトロフェニル、ニトロフェニル、アセチル、およびベンゾイルから選択される保護基PGを含む、本発明1001~1029のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1032]
nが、2~9の範囲の整数であり;任意で、nが、2~7の範囲の整数であり;任意で、nが、2、3、4、または5である、本発明1004~1031のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1033]
少なくとも2つのサブユニット********が、実質的に異なる、本発明1001~1032のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1034]
3つ、4つ、5つ、または6つのサブユニット********を含む、本発明1001~1033のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1035]
サブユニット********内の各核酸鎖が、5~30、15~30、17~27、19~26、または20~25ヌクレオチド長である、本発明1001~1034のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1036]
1つまたは複数のサブユニット********が、二本鎖RNAである、本発明1001~1035のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1037]
1つまたは複数のサブユニット********が、一本鎖RNAである、本発明1001~1036のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1038]
サブユニット********が、一本鎖オリゴヌクレオチドと二本鎖オリゴヌクレオチドとの組み合わせを含む、本発明1001~1037のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1039]
各サブユニット********が、RNA、DNA、またはその人工もしくは非天然の核酸類似体である、本発明1001~1038のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1040]
各サブユニット********が、siRNA、saRNA、またはmiRNAである、本発明1001~1039のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1041]
各サブユニット********が、二本鎖siRNAである、本発明1001~1036のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1042]
共有結合性リンカー●の少なくとも1つが、硫黄含有共有結合性リンカー◇とは異なる、切断可能な共有結合性リンカーCLである、本発明1001~1041のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1043]
切断可能な共有結合性リンカーCLが、酸で切断可能な結合、還元剤で切断可能な結合、生物切断性(bio-cleavable)結合、または酵素で切断可能な結合を含む、本発明1042の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1044]
切断可能な共有結合性リンカーCLが、細胞内条件下で切断可能である、本発明1042または1043の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1045]
Lがターゲティングリガンドを含む、本発明1004~1044のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1046]
ターゲティングリガンドが、アプタマー、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、葉酸、脂質、コレステロール、またはトランスフェリンを含む、本発明1045の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1047]
Lがエンドソーム脱出部分を含む、本発明1004~1044のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1048]
エンドソーム脱出部分が、膜を破壊する、変化させる、または不安定化するペプチド、脂質、ポリマー、または小分子である、本発明1047の多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1049]
Lが検出可能な標識を含む、本発明1004~1044のいずれかの多量体オリゴヌクレオチド。
[本発明1050]
構造1dの多量体オリゴヌクレオチドを調製するための方法であって、
以下:
の通り、
構造1aの化合物を脱保護して、構造1bの化合物を形成する工程;および
構造1bの化合物を構造1cの化合物と、構造1dの化合物を形成するように選択された条件下で反応させる工程
を含み、
構造中、
Lが、存在しても存在しなくてもよい生物活性部分であり;
各Rが個々に、存在しても存在しなくてもよいスペーサー基であり;
各********が独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドであり;
各●が、隣接するオリゴヌクレオチドサブユニットを連結する共有結合性リンカーであり;
S-PGが、脱保護条件下で脱保護可能である、保護された硫黄含有末端基、任意で保護されたチオール基であり;
Yが、構造1bの-R-SH基と反応して構造1dの共有結合性リンカー●の1つを形成するように選択された反応基であり;
γが、1~9の範囲の整数であり;
αおよびβが、各々、個々に、α+β+1=γであるように選択された、0~8の範囲の整数であり;かつ
少なくとも1つの●が、脱保護条件下で安定である、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり;任意で、硫黄含有共有結合性リンカーが、硫黄含有切断可能基を含む、
前記方法。
[本発明1051]
構造1fの多量体オリゴヌクレオチドを調製するための方法であって、
以下:
の通り、
構造1aの化合物を脱保護して、構造1bの化合物を形成する工程;および
構造1bの化合物を構造1eの化合物と、構造1fの化合物を形成するように選択された条件下で反応させる工程
を含み、
構造中、
Lが、存在しても存在しなくてもよくかつ生物学的活性または親和性を有する部分であり;
各Rが個々に、存在しても存在しなくてもよいスペーサー基であり;
各********が独立して、一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドであり;
各●が、隣接するオリゴヌクレオチドサブユニットを連結する共有結合性リンカーであり;
S-PGが、脱保護条件下で脱保護可能である、保護された硫黄含有末端基、任意で保護されたチオール基であり;
Yが、構造1bの-R-SH基と反応して構造1fの共有結合性リンカー●の1つを形成するように選択された反応基であり;
γが、1~9の範囲の整数であり;
αおよびβが、各々、個々に、α+β+1=γであるように選択された、0~8の範囲の整数であり;
少なくとも1つの●が、脱保護条件下で安定である、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり;任意で、硫黄含有共有結合性リンカーが、硫黄含有切断可能基を含む、
前記方法。
[本発明1052]
硫黄含有共有結合性リンカー◇が、脱保護条件ではない切断条件下で切断可能である、切断可能基を含む、本発明1050または1051の方法。
[本発明1053]
多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含み;任意で、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む、本発明1050~1052のいずれかの方法。
[本発明1054]
多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、C 1~10 アルキル、C 1~10 アルキルエーテル、C 1~10 アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C 1~10 アルキル)-(6~10員アリール)、(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含み;任意で、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C 1~10 アルキル、C 1~10 アルキルエーテル、C 1~10 アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C 1~10 アルキル)-(6~10員アリール)、(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む、本発明1053の方法。
[本発明1055]
多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、C 2 ~C 10 アルキル、C 2 ~C 10 アルキルエーテル、C 2 ~C 10 アルキルエステル、またはC 6 ~C 10 アリールを含み;任意で、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C 2 ~C 10 アルキル、C 2 ~C 10 アルキルエーテル、C 2 ~C 10 アルキルエステル、またはC 6 ~C 10 アリールを含む、本発明1054の方法。
[本発明1056]
多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、C 2 、C 3 、C 4 、C 5 、またはC 6 アルキルを含み;任意で、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C 2 、C 3 、C 4 、C 5 、またはC 6 アルキルを含む、本発明1055の方法。
[本発明1057]
多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、C 6 アルキルを含み;任意で、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、C 6 アルキルを含む、本発明1056の方法。
[本発明1058]
多量体オリゴヌクレオチド中に存在するスペーサー基Rの少なくとも1つが、1,4-フェニレンを含み;任意で、多量体オリゴヌクレオチド中に存在するどのスペーサー基Rも、1,4-フェニレンを含む、本発明1055の方法。
[本発明1059]
硫黄含有共有結合性リンカー◇が、-R 1 -R 2 -R 1 -によって表される連結を含み、式中、
各R 1 が個々に、存在していないかまたはスペーサー基であり;かつ
R 2 が、チオプロピオナートまたはジスルフィド基である、
本発明1050~1058のいずれかの方法。
[本発明1060]
保護された硫黄含有末端基S-PGが、チオプロピオナート基またはジスルフィド基を含まない、本発明1059の方法。
[本発明1061]
前記連結内に存在するスペーサー基R 1 の少なくとも1つが、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R 1 も、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む、本発明1059または1060の方法。
[本発明1062]
前記連結内に存在するスペーサー基R 1 の少なくとも1つが、C 1~10 アルキル、C 1~10 アルキルエーテル、C 1~10 アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C 1~10 アルキル)-(6~10員アリール)、(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R 1 も、C 1~10 アルキル、C 1~10 アルキルエーテル、C 1~10 アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C 1~10 アルキル)-(6~10員アリール)、(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む、本発明1061の方法。
[本発明1063]
前記連結内に存在するスペーサー基R 1 の少なくとも1つが、C 2 ~C 10 アルキル、C 2 ~C 10 アルキルエーテル、C 2 ~C 10 アルキルエステル、またはC 6 ~C 10 アリールを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R 1 も、C 2 ~C 10 アルキル、C 2 ~C 10 アルキルエーテル、C 2 ~C 10 アルキルエステル、またはC 6 ~C 10 アリールを含む、本発明1062の方法。
[本発明1064]
前記連結内に存在するスペーサー基R 1 の少なくとも1つが、C 2 、C 3 、C 4 、C 5 、またはC 6 アルキルを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R 1 も、C 2 、C 3 、C 4 、C 5 、またはC 6 アルキルを含む、本発明1063の方法。
[本発明1065]
前記連結内に存在するスペーサー基R 1 の少なくとも1つが、C 6 アルキルを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R 1 も、C 6 アルキルを含む、本発明1064の方法。
[本発明1066]
前記連結内に存在するスペーサー基R 1 の少なくとも1つが、1,4-フェニレンを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R 1 も、1,4-フェニレンを含む、本発明1063の方法。
[本発明1067]
前記連結内に存在するスペーサー基R 1 の少なくとも1つが、ホスファート連結基、ホスホロチオアート連結基、ホスホナート連結基、またはジチオホスファート連結基を含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R 1 も、ホスファート連結基、ホスホロチオアート連結基、ホスホナート連結基、またはジチオホスファート連結基を含む、本発明1050~1066のいずれかの方法。
[本発明1068]
前記連結内に存在するスペーサー基R 1 の少なくとも1つが、
によって表される連結基を含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R 1 も、
によって表される連結基を含み;式中、各Xが独立して、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む、本発明1067の方法。
[本発明1069]
前記連結内に存在するスペーサー基R 1 の少なくとも1つが、ピロリジン-2,5-ジオンを含み;任意で、前記連結内に存在するどのスペーサー基R 1 も、ピロリジン-2,5-ジオンを含む、本発明1050~1068のいずれかの方法。
[本発明1070]
-R 1 -R 2 -R 1 -によって表される前記連結がまた、
によっても表され、
式中、
各R 1a が独立して、存在していないか、
であり;
各R 1b が独立して、存在していないか、
であり;
各R 1c がXであり;かつ
R 2 が、チオプロピオナートまたはジスルフィド基であり;
式中、各Xが独立して、アルキル、アルキルエーテル、エステル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキル-アリール、アルキル-ヘテロアリール、またはアルキル-ヘテロシクリルを含む、
本発明1059の方法。
[本発明1071]
各Xが独立して、C 1~10 アルキル、C 1~10 アルキルエーテル、C 1~10 アルキルエステル、6~10員アリール、5~10員ヘテロアリール、5~10員ヘテロシクリル、(C 1~10 アルキル)-(6~10員アリール)、(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロアリール)、または(C 1~10 アルキル)-(5~10員ヘテロシクリル)を含む、本発明1070の方法。
[本発明1072]
各Xが独立して、C 2 ~C 10 アルキル、C 2 ~C 10 アルキルエーテル、C 2 ~C 10 アルキルエステル、またはC 6 ~C 10 アリールを含む、本発明1071の方法。
[本発明1073]
各Xが独立して、C 2 、C 3 、C 4 、C 5 、またはC 6 アルキルを含む、本発明1071の方法。
[本発明1074]
各XがC 6 アルキルを含む、本発明1073の方法。
[本発明1075]
各Xが1,4-フェニレンを含む、本発明1072の方法。
[本発明1076]
-R 1 -R 2 -R 1 -によって表される前記連結が、
またはその開環誘導体を含む、本発明1070の方法。
[本発明1077]
-R 1 -R 2 -R 1 -によって表される前記連結が、
またはその開環誘導体であり、式中、mおよびm1が、各々、個々に、1~10の範囲の整数である、本発明1070の方法。
[本発明1078]
保護された硫黄含有末端基が、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシアルキル、置換されていてもよいトリアルキルシリル、置換されていてもよいアリールアルキルシリル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいアシル、および置換されていてもよいベンゾイルから選択される保護基を含む、本発明1050~1077のいずれかの方法。
[本発明1079]
保護された硫黄含有末端基が、トリチル、メトキシトリチル、ジメトキシトリチル、メチルメトキシ、トリイソプロピルシリル、ジニトロフェニル、ニトロフェニル、アセチル、およびベンゾイルから選択される保護基PGを含む、本発明1050~1077のいずれかの方法。
[本発明1080]
γが、2~6の範囲の整数である、本発明1050~1079のいずれかの方法。
[本発明1081]
少なくとも2つのサブユニット********が、実質的に異なる、本発明1050~1080のいずれかの方法。
[本発明1082]
多量体オリゴヌクレオチドが、3~10サブユニットのサブユニット********を含み;任意で、多量体オリゴヌクレオチドが、3つ、4つ、5つ、または6つのサブユニット********を含む、本発明1050~1081のいずれかの方法。
[本発明1083]
サブユニット********内の各核酸鎖が、5~30、15~30、17~27、19~26、または20~25ヌクレオチド長である、本発明1050~1082のいずれかの方法。
[本発明1084]
1つまたは複数のサブユニット********が、二本鎖RNAである、本発明1050~1083のいずれかの方法。
[本発明1085]
1つまたは複数のサブユニット********が、一本鎖RNAである、本発明1050~1084のいずれかの方法。
[本発明1086]
サブユニット********が、一本鎖オリゴヌクレオチドと二本鎖オリゴヌクレオチドとの組み合わせを含む、本発明1050~1085のいずれかの方法。
[本発明1087]
各サブユニット********が、RNA、DNA、またはその人工もしくは非天然の核酸類似体である、本発明1050~1086のいずれかの方法。
[本発明1088]
各サブユニット********が、siRNA、saRNA、またはmiRNAである、本発明1050~1087のいずれかの方法。
[本発明1089]
各サブユニット********が、二本鎖siRNAである、本発明1088の方法。
[本発明1090]
共有結合性リンカー●の少なくとも1つが、硫黄含有共有結合性リンカー◇とは異なる、切断可能な共有結合性リンカーCLである、本発明1050~1089のいずれかの方法。
[本発明1091]
切断可能な共有結合性リンカーCLが、酸で切断可能な結合、還元剤で切断可能な結合、生物切断性結合、または酵素で切断可能な結合を含む、本発明1090の方法。
[本発明1092]
切断可能な共有結合性リンカーCLが、細胞内条件下で切断可能である、本発明1090または1091の方法。
[本発明1093]
Lがターゲティングリガンドを含む、本発明1050~1092のいずれかの方法。
[本発明1094]
ターゲティングリガンドが、アプタマー、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、葉酸、脂質、コレステロール、またはトランスフェリンを含む、本発明1093の方法。
[本発明1095]
Lがエンドソーム脱出部分を含む、本発明1050~1092のいずれかの方法。
[本発明1096]
エンドソーム脱出部分が、膜を破壊する、変化させる、または不安定化するペプチド、脂質、ポリマー、または小分子である、本発明1095の方法。
[本発明1097]
Lが検出可能な標識を含む、本発明1050~1096のいずれかの方法。
[本発明1098]
Yが、
によって表される反応基またはその開環誘導体であり、式中、各R 1c が独立して、C 1~10 アルキレンまたはC 1~10 アルキレンオキシであり;R 2 が、チオプロピオナートまたはジスルフィド基であり;mが、1~10の範囲の整数であり;かつm1が、1~10の範囲の整数である、本発明1050~1097のいずれかの方法。
[本発明1099]
Yが、
によって表される反応基またはその開環誘導体である、本発明1098の方法。
[本発明1100]
1つまたは複数の共有結合性リンカー●によって互いに連結された複数のサブユニット********を含む、マルチコンジュゲートであって、
該マルチコンジュゲートが、構造3:
を含み、
構造中、
サブユニット********の各々が独立して、生物活性部分であり;
少なくとも1つの共有結合性リンカー●が、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり、任意で、硫黄含有共有結合性リンカー◇が、硫黄含有切断可能基を含み;
1 、▲ 2 、▲ 3 、および▲ 4 の各々が、独立して、存在していないか、またはサブユニットに連結された機能的部分を含む基、および任意で、機能的部分をサブユニットに連結するスペーサー基であり;
Qが、硫黄含有末端基を含む基、および任意で、Qをサブユニットに連結するスペーサー基であり;かつ
nが、0以上の整数であり;任意で、nが、0~10の範囲の整数であり;任意で、nが、0~10の範囲の整数であり;任意で、nが、1~4の範囲の整数であり;任意で、nが、1、2、3、または4である、
前記マルチコンジュゲート。
[本発明1101]
構造3中に存在するサブユニット********の少なくとも1つが、オリゴヌクレオチドではない、本発明1100のマルチコンジュゲート。
[本発明1102]
構造3中に存在するサブユニット********の少なくとも1つが、オリゴペプチドまたはタンパク質を含む、本発明1100または1101のマルチコンジュゲート。
[本発明1103]
少なくとも1つの機能的部分が存在する、本発明1100~1102のいずれかのマルチコンジュゲート。
[本発明1104]
存在する少なくとも1つの機能的部分が、ターゲティングリガンドである、本発明1103のマルチコンジュゲート。
[本発明1105]
存在する少なくとも1つの機能的部分が、検出可能な標識であり;任意で、検出可能な標識が色素である、本発明1103または1104のマルチコンジュゲート。
[本発明1106]
硫黄含有末端基Qが、脱保護条件下で脱保護可能である、保護された硫黄含有末端基を含み;かつ
硫黄含有共有結合性リンカー◇が、脱保護条件下で安定である、
本発明1100~1105のいずれかのマルチコンジュゲート。
[本発明1107]
硫黄含有共有結合性リンカー◇が、脱保護条件ではない切断条件下で切断可能である、切断可能基を含む、本発明1100~1106のいずれかのマルチコンジュゲート。
[本発明1108]
硫黄含有末端基Qが、保護されたチオール基を含む、本発明1100~1107のいずれかのマルチコンジュゲート。
[本発明1109]
2 、▲ 3 、および▲ 4 が存在していない、本発明1108のマルチコンジュゲート。
[本発明1110]
少なくとも1つの共有結合性リンカー●が、構造4:
- R1 - R2 - A - R3 - A - R2 - R1 - (構造5)
を含み、
構造中、
各R1が独立して、ホスホジエステル、チオホスホジエステル、スルファート、アミド、トリアゾール、ヘテロアリール、エステル、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、チオプロピオナート、アセタール、グリコールを含む基であるか、または存在しておらず;
各R2が独立して、スペーサー基であるか、または存在しておらず;
各Aが独立して、求核試薬と求電子試薬との反応産物であり;かつ
R3が、C2~C10アルキル、C2~C10アルコキシ、C1~C10アリール、アミド、C2~C10アルキルジチオ、エーテル、チオエーテル、エステル、オリゴヌクレオチド、オリゴペプチド、チオプロピオナート、またはジスルフィドを含む基である、
本発明1100~1109のいずれかのマルチコンジュゲート。
[本発明1111]
各Aが同じである、本発明1110のマルチコンジュゲート。
[本発明1112]
R3が、硫黄含有基を含み;任意で、R3が、C 2 ~C 10 アルキルジチオ、チオエーテル、チオプロピオナート、またはジスルフィドを含む硫黄含有切断可能基を含む、本発明1111のマルチコンジュゲート。
[本発明1113]
構造6dのマルチコンジュゲートを調製するための方法であって、
以下:
の通り、
構造6aの化合物を脱保護して、構造6bの化合物を形成する工程;および
構造6bの化合物を構造6cの化合物と、構造6dの化合物を形成するように選択された条件下で反応させる工程
を含み、
構造中、
サブユニット********の各々が独立して、生物活性部分であり;
各●が、共有結合性リンカーであり;
少なくとも1つの共有結合性リンカー●が、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり、任意で、硫黄含有共有結合性リンカー◇が、硫黄含有切断可能基を含み;
各▲が、独立して、存在していないか、またはサブユニットに連結された機能的部分を含む基、および任意で、機能的部分をサブユニットに連結するスペーサー基であり;
Qが、硫黄含有末端基を含む基、および任意で、Qをサブユニットに連結するスペーサー基であり;
Yが、構造6bの-R-SH基と反応して構造6dの共有結合性リンカー●の1つを形成するように選択された反応基であり;
γが、1~9の範囲の整数であり;
αおよびβが、各々、個々に、α+β+1=γであるように選択された、0~8の範囲の整数である、
前記方法。
[本発明1114]
構造6fのマルチコンジュゲートを調製するための方法であって、
以下:
の通り、
構造6aの化合物を脱保護して、構造6bの化合物を形成する工程;および
構造6bの化合物を構造6eの化合物と、構造6fの化合物を形成するように選択された条件下で反応させる工程
を含み、
構造中、
サブユニット********の各々が独立して、生物活性部分であり;
各●が、共有結合性リンカーであり;
少なくとも1つの共有結合性リンカー●が、硫黄含有共有結合性リンカー◇であり、任意で、硫黄含有共有結合性リンカー◇が、硫黄含有切断可能基を含み;
各▲が、独立して、存在していないか、または機能的部分を含む基、および任意で、機能的部分をサブユニットに連結するスペーサー基であり;
Qが、硫黄含有末端基を含む基、および任意で、Qをサブユニットに連結するスペーサー基であり;
Yが、構造4bの-R-SH基と反応して構造6fの共有結合性リンカー●の1つを形成するように選択された反応基であり;
γが、1~9の範囲の整数であり;
αおよびβが、各々、個々に、α+β+1=γであるように選択された、0~7の範囲の整数である、
前記方法。
[本発明1115]
本発明1051の方法によって調製された多量体オリゴヌクレオチドを含む薬学的組成物の有効量を対象に投与する工程を含む、対象において疾患または状態を処置する方法。
[本発明1116]
本発明1114の方法によって調製されたマルチコンジュゲートを含む薬学的組成物の有効量を対象に投与する工程を含む、対象において疾患または状態を処置する方法。
[本発明1117]
本発明1051の方法によって調製された多量体オリゴヌクレオチドと、薬学的に許容される賦形剤とを含む、組成物。
[本発明1118]
本発明1114の方法によって調製されたマルチコンジュゲートと、薬学的に許容される賦形剤とを含む、組成物。
[本発明1119]
医薬の製造における使用のための、本発明1051の方法によって調製された多量体オリゴヌクレオチドを含む、組成物。
[本発明1120]
医薬の製造における使用のための、本発明1114の方法によって調製されたマルチコンジュゲートを含む、組成物。
[本発明1121]
細胞を、本発明1051の方法によって調製された多量体オリゴヌクレオチドと接触させる工程、および
多量体オリゴヌクレオチドが細胞に進入しかつ標的遺伝子の活性が調節される条件下で、細胞を維持する工程
を含む、細胞において標的遺伝子の活性を調節する方法。
[本発明1122]
細胞を、本発明1114の方法によって調製されたマルチコンジュゲートと接触させる工程、および
コンジュゲートが細胞に進入しかつ生物活性部分の活性が観察される条件下で、細胞を維持する工程
を含む、細胞において生物活性部分の活性を観察する方法。
[本発明1123]
硫黄含有末端基Qが、脱保護条件下で脱保護可能である、保護された硫黄含有末端基を含み;かつ
硫黄含有共有結合性リンカー◇が、脱保護条件下で安定である、
本発明1113または1114の方法。
[本発明1124]
硫黄含有共有結合性リンカー◇が、脱保護条件ではない切断条件下で切断可能である、切断可能基を含む、本発明1123の方法。
[本発明1125]
硫黄含有末端基Qが、保護されたチオール基を含む、本発明1113、1114、1123、または1124のいずれかの方法。
[本発明1126]
マルチコンジュゲートが、3~10個のサブユニット********を含み;任意で、マルチコンジュゲートが、3つ、4つ、5つ、または6つのサブユニット********を含む、本発明1125の方法。
これらのおよび他の態様を、以下でより詳細に説明する。
【国際調査報告】